以下、図面を参照して本願に係る毛梳かし具(櫛、ブラシ)の実施形態の例を説明する。なお、下記のいくつかの実施形態の説明では、同一の構成要素については、説明を省略することがある。また、下記では、理解用意のため、櫛、ブラシという表現を用いているが、毛を梳かすための用具の意味であり、名称によって発明の範囲が限定されることはない。
<実施形態1>
図1及び図2は実施形態1に係る櫛1を説明するための図で、図1は櫛1の全体を示す図、図2は各部分を示す図である。
櫛1は、本体櫛部2と、調整櫛部3と、を含む。
本体櫛部2は、複数の外櫛歯21と、基部22と、を含む。外櫛歯21は、基部22から延出する形状に形成され、梳き方向に直交する方向に沿って一列に形成される。外櫛歯21は本体櫛部2と一体に形成されていてもよい。
一例として、図示のように、外櫛歯21は、延出方向に関して円弧状に形成される第1外櫛歯211と、直線状の第2外櫛歯212と、直線状の第3外櫛歯213と、を含む。第1外櫛歯211の櫛歯間隔は、第2外櫛歯212の櫛歯間隔と同等で、第3外櫛歯213の櫛歯間隔より大きい。また、第1外櫛歯211の太さは、第2外櫛歯212と同等で、第3外櫛歯213より太い。
また、一例として、図示のように、外櫛歯21は、長さが順に短くなるように形成される。従って、第1外櫛歯211が全体として第2外櫛歯212より長く、第2外櫛歯212が全体として第3外櫛歯213より長い。また、外櫛歯21は、その一部が、ここでは例えば図示のように第2外櫛歯212の一部から第3外櫛歯213にかけて、歯先を連結する線が円弧状になるように形成される。
基部22は、櫛1の長手方向に延び、外櫛歯21の根元が連結する保持部221と、保持部221に略垂直に連結する第1側部222及び第2側部223の二つの側部(「大外枠」とも言う)とを含んで、略コの字形状に形成される。すなわち、第1側部222及び第2側部223は、櫛歯の並び方向の両端に位置する。一例として、保持部221から第1側部222及び保持部221から第2側部223に移行する角部は丸みのある形状に形成される。また、図示のように、第1側部222が第2側部223より長く形成される。好ましくは、第1側部222は第1外櫛歯の形状にあわせて円弧状に形成され、第2側部223は第3外櫛歯の形状にあわせて直線状に形成される。
なお、外櫛歯21の梳かし方向の厚さは、大外枠(第1側部222及び第2側部223)の梳かし方向の厚さより薄い。
保持部221には、長手方向に沿って切欠き224が形成される。また、後述の内櫛歯31を挿通させるための複数の櫛歯孔225が、切欠き224の底を貫通して形成される。
また、保持部221は、その一部が、ここでは例えば図示のように第2側部223に近接する部分が長手方向において反り返る形状に形成される。また、保持部221は、その一部が、ここでは例えば図示のように第2側部223に近接する部分が他の部分より幅が狭く形成される。
調整櫛部3は、複数の内櫛歯31と、連結部32と、を含む。内櫛歯31は、連結部32から延出する形状に形成され、梳かし方向に直交する方向に沿って一列に形成される。内櫛歯31は連結部32と一体に形成されていてもよい。
一例として、図示のように、内櫛歯31は、延出方向に関して円弧状に形成される第1内櫛歯311と、直線状の第2内櫛歯312と、直線状の第3内櫛歯313と、を含む。
第1内櫛歯311の櫛歯間隔は、第2内櫛歯312の櫛歯間隔と同等で、第3内櫛歯313の櫛歯間隔より大きい。また、第1内櫛歯311の太さは、第2内櫛歯312と同等で、第3内櫛歯313より太い。
内櫛歯31は、本体櫛部2と調整櫛部3とが組み合わされた場合に、外櫛歯21より短くなるように形成されている。すなわち、内櫛歯31は、隣り合う外櫛歯21の先端より内側(櫛歯の根元側)にその先端が位置するような長さで形成されている。言い換えれば、外櫛歯21の先端を結ぶ線より内側(櫛歯の根本側)に、内櫛歯31の先端が位置している。
具体的には、第1内櫛歯311、第2内櫛歯312、および第3内櫛歯313の長さは、それぞれ、第1外櫛歯211、第2外櫛歯212、および第3外櫛歯213の長さより短い。
内櫛歯31の先端の丸み半径は、梳かし方向、または、梳かし方向と直交する方向において、外櫛歯21の先端の丸み半径より小さい。先端を細くすることで、毛髪をかき分ける効果が増大する。一方で、先端を鋭利にしても、外櫛歯21の内側にあるので、皮膚に接触しないので、皮膚を引っ掻く恐れはない。
具体的には、第1内櫛歯311、第2内櫛歯312、および第3内櫛歯313の先端の丸み半径は、それぞれ、第1外櫛歯211、第2外櫛歯212、および第3外櫛歯213の先端の丸み半径より小さい。すなわち、内櫛歯31は、外櫛歯21に比べて、尖っている。
内櫛歯31の梳かし方向の厚さは、外櫛歯21の梳かし方向の厚さより薄い。上記のとおり、先端を薄く細くすることで、毛髪をかき分ける効果が増大する。一方で、先端を鋭利にしても、外櫛歯21の内側にあるので、皮膚に接触しないので、皮膚を引っ掻く恐れはない。
具体的には、第1内櫛歯311、第2内櫛歯312、および第3内櫛歯313の梳かし方向の厚さは、それぞれ、第1外櫛歯211、第2外櫛歯212、および第3外櫛歯213の先端の梳かし方向の厚さより薄い。
また、一例として、図示のように、内櫛歯31は、長さが順に短くなるように形成される。従って、第1内櫛歯311が全体として第2内櫛歯312より長く、第2内櫛歯312が全体として第3内櫛歯313より長い。また、内櫛歯31は、その一部が、ここでは例えば図示のように、第2内櫛歯312の一部から第3内櫛歯313にかけて、歯先を連結する線が円弧状になるように形成される。
連結部32は、一例として、その一部が、ここでは例えば図示のように長手方向において反り返る形状に形成され、また、他の部分より幅が狭く形成される。
調整櫛部3は、図示のように、内櫛歯31を櫛歯孔225に挿通させ、連結部32を切欠き224に嵌め込むことによって、本体櫛部2に取り付けられる。
櫛1は、調整櫛部3を含むことによって、外櫛歯21と内櫛歯31とが梳かし方向に直交する方向において交互に配列されるようになる。すなわち、調整櫛部3で、本体櫛部2の櫛歯間隔を狭く調整することができる。このことにより、細い隙間が多く形成された櫛となる。したがって、梳かそうとする毛郡をより細かい束に分けて隙間を通させることができ、毛を磨くように梳かす効果を増大することができる。
また、従来の櫛では、狭い隙間を多く作ろうとすると、それぞれの櫛歯が細くなり、先端が細く尖った櫛歯が多い櫛になってしまい、皮膚を必要以上に引っ掻く原因となる。上記実施形態の櫛1では、内櫛歯31の先端は、外櫛歯21より内側にあるので、皮膚に直接当たることはない。したがって、多くの細い櫛歯を有しながら、皮膚を必要以上に引っ掻くことを防止することができる。
また、従来、細い櫛歯の櫛を成形するのは容易ではないとされている。本実施形態の櫛1は、外櫛歯21と内櫛歯31を組み合わせで作製するものであるため、成形工程においては櫛歯間隔を所要間隔の例えば2倍に成形すればよいので、型の寿命が短い、樹脂が流れにくい等の問題を解決することができる。
また、第1外櫛歯211、第2外櫛歯212、第1内櫛歯311、第2内櫛歯312の櫛歯間隔を大きくし、第3外櫛歯213及び第3内櫛歯313の櫛歯間隔を小さくすることによって、一本の櫛でありながら、異なる櫛歯間隔を備える櫛とすることができる。
また、延出方向に関して円弧状に形成される第1外櫛歯211及び第1内櫛歯311は、直線状の櫛歯に比べて毛髪に当接する接点が多くなるため、同間隔の直線状の櫛歯よりも梳き作業の効果が向上する。
また、外櫛歯21及び内櫛歯31の長さを順に短くなるように形成することによって、対象の毛髪に差し込む深さを異ならせ、対象の毛髪の深さに応じて適切な長さの櫛歯を用いて梳き作業を行うことができる。
また、外櫛歯21及び内櫛歯31の一部を、歯先を連結する線が円弧状になるように形成することで、丸みを帯びた骨格に沿う形になっているため、毛髪を根元から均一に梳かすことができる。
また、保持部221及び連結部32の一部を長手方向において反り返る形状に形成することによって、櫛を寝かせて梳かす場合も、骨格に沿う形になり、毛髪を根元から均一に梳かすことができる。
なお、櫛1は、調整櫛部3が本体櫛部2に取り付けられた状態で使用者に提供されてもよいし、使用者自らが自由に取り付けられるようにして使用者に提供されてもよい。
また、以上では、櫛1が調整櫛部を1つ含むものとして説明したが、櫛1は例えば調整櫛部2つ含み、一方を第1側部に近接する部分に、他方を第2側部に近接する部分に取り付けるようにしてもよい。また、櫛歯の長さ、太さや櫛歯間隔が異なる調整櫛部を複数含み、対象に応じて適切な調整櫛部を用いて櫛歯間隔を調整するようにしてもよい。
また、櫛1はさらに調整櫛部3の櫛歯間隔を調整する第2調整櫛部を含んでもよい。例えば、調整櫛部3の連結部に切欠きを設け、その切欠きの底を貫通する櫛歯孔を設けて、第2調整櫛部を取り付けるようにしてもよい。
また、櫛1は、調整櫛部3を、本体に挿通される櫛歯長さが調整可能に形成されてもよい。また、櫛歯長さが異なる複数の調整櫛部3を含んで、対象に応じて適切な長さのものを選択して取り付けるようにしてもよい。
また、櫛1は、本体及び調整櫛部のうちの少なくとも一部が梳き方向に関して円弧状に形成されてもよい。これによって、直線状の櫛歯に比べて毛髪に当接する接点が多くなるため、同間隔の直線状の櫛歯よりも梳き作業の効果が向上する(図6(b)、(c)参照)。
また、櫛1は、カーボンの粉、金属の粉、金属酸化物の粉、石の粉、ガラス繊維などを含む樹脂で形成されていてもよい。櫛1は、外櫛歯と内櫛歯外とを別個に製造したのちに組み合わせて製造するため、個々の部材の成形時の櫛歯の間を広くすることができる。そのため、樹脂に、カーボンの粉等を混ぜ合わせた流動性の悪い材料でも成形することができる。さらに、インジェクション成形だけでなくコンプレッション成形も可能となる。
また、組み立て前の各部材(本体櫛部2、調整櫛部3)の櫛歯の隙間が広いので、成形後の加工として、バレル研磨(振動バレル)や、ブラスト加工により表面を硬化させたり磨いたりすることが容易である。また、バリ(パーティションラインなど)をとることが容易になる。
また、バフ研磨などを施すことでつやを持たせたりすることができる。これにより毛を滑らかに梳かすことができる。
また、カーボンの粉などを入れることで、椿油などを浸み込ませることが容易となり、髪を傷めず、潤いを与えることができ、昔ながらの手づくりでしかできなかった木製やべっ甲の櫛のような効果が期待できる。
<実施形態2>
図3は、本実施形態2に係る櫛1aを説明するための図で、図3(a)は全体を示す図、図3(b)は各部分を示す図である。
櫛1aは、本体櫛部2aと、調整櫛部3aと、を含む。
本体櫛部2aは、複数の外櫛歯21aと、基部22aと、把持部23aと、を含む。外櫛歯21aは、基部22aから延出する形状に形成され、梳き方向に直交する方向に沿って一列に形成される。
外櫛歯21aは本体櫛部2と一体に形成される。また、外櫛歯21aは、延出方向に関して波形状に形成される。外櫛歯21aは、ピッチが同等の波形状に形成されてもよいし、図示のように櫛歯先から櫛歯元にかけてピッチが順に小さくなるように形成されてもよいし、その逆でもよい。
基部22aは、保持部221aと、第1側部222a及び第2側部223aの二つの側部(「大外枠」とも言う)とを含んで、略コの字形状に形成される。保持部221aは、一方の側面に長手方向に沿って切欠き224aが形成され、切欠き224aにはリブ226a及び固定ラッチ227aが設けられる。
なお、外櫛歯21aの梳かし方向の厚さは、第1側部222a及び第2側部223aの梳かし方向の厚さより薄い。
調整櫛部3aは、複数の内櫛歯31aと、連結部32aと、を含む。連結部32aには、長手方向に沿って凹溝321aが設けられる。また、連結部32aの上端には凹み322aが設けられる。
内櫛歯31aは連結部32aと一体に形成される。内櫛歯31aは、連結部32aから延出する形状に形成され、梳かし方向に直交する方向に沿って一列に形成される。また、図示のように、内櫛歯31aは、延出方向に関して波形状に形成された部分を含む。内櫛歯31aの波形状は、ピッチが同等のものでもよいし、図示のように櫛歯先から櫛歯元にかけてピッチが順に小さくなるように形成されてもよいし、その逆でもよい。
内櫛歯31aは、本体櫛部2aと調整櫛部3aとが組み合わされた場合に、外櫛歯21aより短くなるように形成されている。すなわち、内櫛歯31aは、隣り合う外櫛歯21aの先端より内側(櫛歯の根本側)に先端が位置する長さで形成されている。言い換えれば、外櫛歯21aの先端を結ぶ線より内側(櫛歯の根元側)に、内櫛歯31aの先端が位置している。
内櫛歯31aの先端の丸み半径は、外櫛歯21aの先端の丸み半径より小さい。また、内櫛歯31aの梳き方向の厚さは、外櫛歯21aの梳き方向の厚さより薄い。先端を薄く細くすることで、毛髪をかき分ける効果が増大する。一方で、先端を鋭利にしても、外櫛歯21aの内側にあるので、皮膚に接触しないので、皮膚を引っ掻く恐れはない。
調整櫛部3aは、凹溝321aをリブ226aに合わせながら連結部32aを切欠き221aに差し込むことによって、本体に取り付けられる。また、調整櫛部3aは、固定ラッチ227aを凹み322aに係合させることによって、本体櫛部2aから外れないように固定される。これによって、調整櫛部3aは、本体櫛部2aに着脱可能に取り付けられる。
櫛1aは、調整櫛部3aを含むことによって、外櫛歯と内櫛歯とが梳かし方向に直交する方向に交互に配列されるようになる。すなわち、調整櫛部3aで、本体櫛部2aの櫛歯間隔を狭く調整することができる。このことにより、細い隙間が多く形成された櫛となる。したがって、梳かそうとする毛郡をより細かい束に分けて隙間を通させることができ、毛を磨くように梳かす効果を増大することができる。
また、従来の櫛では、狭い隙間を多く作ろうとすると、それぞれの櫛歯が細くなり、先端が細く尖った櫛歯が多い櫛になってしまい、皮膚を必要以上に引っ掻く原因となる。上記実施形態の櫛1aでは、内櫛歯31aの先端は、外櫛歯21aより内側にあるので、皮膚に直接当たることはない。したがって、多くの細い櫛歯を有しながら、皮膚を必要以上に引っ掻くことを防止することができる。
また、従来、細い櫛歯の櫛を成形するのは容易ではないとされている。本実施形態の櫛1aは、外櫛歯21aと内櫛歯31aを組み合わせで作製するものであるため、成形工程においては櫛歯間隔を所要間隔の例えば2倍に成形すればよいので、型の寿命が短い、樹脂が流れにくい等の問題を解決することができる。
また、延出方向に関して波形状に形成された部分を含む外櫛歯21a及び内櫛歯31aは、直線状の櫛歯に比べて毛髪に当接する接点が多くなるため、同間隔の直線状の櫛歯よりも梳き作業の効果が向上する。
また、以上では櫛1aが1つの調整櫛部3aを含むものとして説明したが、複数の調整櫛部を含んで対象に応じて適切な調整櫛部を選択して櫛歯間隔を調整できるようにしてもよい。
また、櫛1aは、保持部221aの両側面に切欠き224aが形成されて、同時に二つの調整櫛部3aを取り付けられるようにしてもよい。これによって、櫛歯間隔をさらに調整やすくなる。
また、櫛1aは、必ずしもリブ226aや凹溝321aを設けなくてもよい。連結部32aを切欠き224aに嵌め込んで、本体ラッチ227aを凹み322aに係合させるだけでもよい。
また、櫛1aは、保持部221aに、上記のような解放形状の切欠きの代わりに、一方だけ解放された解放口のあるスリットを設けて、調整櫛部3aを解放口から差し込むようにしてもよい。
また、交換式にすることで、先端部などが痛んだ場合に交換でき、洗浄しやすくなる。
<実施形態3>
図4及び図5は、実施形態3に係る櫛1bを説明するための図で、図4は全体を示す図、図5は調整櫛ユニットセット5Sを示す図である。
櫛1bは、把持部63と、ヘッド62と、調整櫛ユニットセット5Sと、を含む。調整櫛ユニットセット5Sは、複数の調整櫛ユニット5を含む。
調整櫛ユニット5は、本体櫛部2bと、調整櫛部3bとが組み合われて形成されている。本体櫛部2bは、複数の外櫛歯21bと、基部22bと、を含む。外櫛歯21bは、基部22bから延出する形状に形成され、梳かす方向に直交する方向に沿って一列に形成される。
外櫛歯21bは、本体櫛部2bと一体に形成される。また、外櫛歯21bは、延出方向に関して波形状に形成される。外櫛歯21bは、ピッチが同等の波形状に形成されてもよいし、図示のように櫛歯先から櫛歯元にかけてピッチが順に小さくなるように形成されてもよいし、その逆でもよい。
基部22bは、保持部221bと、第1側部222b及び第2側部223bの二つの側部(「大外枠」とも言う)とを含んで、略コの字形状に形成される。
なお、外櫛歯21bの梳かし方向の厚さは、第1側部222b及び第2側部223bの梳かし方向の厚さより薄い。
調整櫛部3bは、複数の内櫛歯31bと、連結部(不図示)と、を含む。
内櫛歯31bは連結部と一体に形成される。内櫛歯31bは、連結部から延出する形状に形成され、梳かす方向に直交する方向に沿って一列に形成される。また、図示のように、内櫛歯31bは、根本付近において、延出方向に関して波形状に形成された部分を含む。
内櫛歯31bは、本体櫛部2bと調整櫛部3bとが組み合わされた場合に、外櫛歯21bより短くなるように形成されている。すなわち、内櫛歯31bは、隣り合う外櫛歯21bの先端より内側(櫛歯の根本側)に先端が位置する長さで形成されている。言い換えれば、外櫛歯21bの先端を結ぶ線より内側(櫛歯の根元側)に、内櫛歯31bの先端が位置している。
内櫛歯31bの先端の丸み半径は、外櫛歯21bの先端の丸み半径より小さい。また、内櫛歯31bの梳かし方向の厚さは、外櫛歯21bの梳かし方向の厚さより薄い。先端を薄く細くすることで、毛髪をかき分ける効果が増大する。一方で、先端を鋭利にしても、外櫛歯21の内側にあるので、皮膚に接触しないので、皮膚を引っ掻く恐れはない。
保持部221bには長手方向に沿ってスリット224bが設けられ、保持部221bの上端は、スリット224bを挟んで側壁225b及び側壁226bの二つの側壁に分かれる。また、二つの側壁は、離間する方向にそれぞれ突出して、保持部221bの上端は他の部分よりも厚み方向の幅が大きく形成される。
調整櫛ユニットセット5Sは、複数の調整櫛ユニット5を重ねて結合し、組み立てられる。また、このように組み立てることによって、突出している側壁同士が当接しながらも、櫛歯列同士は互いに干渉しないように所定の間隔に保たれる。
調整櫛ユニットセット5Sは、図4に示すように、例えば、保持部221bをヘッド62の凹部に嵌め込むことによって取り付けられる。
櫛1bは、調整櫛ユニットセット5Sを含むことによって、櫛歯間隔をさらに自由に調整することができる。例えば、各調整櫛ユニット5の櫛歯の位置をずらしたものを組み立てて調整櫛ユニットセット5Sとすれば、成形工程においては櫛歯間隔を所望間隔より大きく成形してもよいので、型の寿命が短い、樹脂が流れにくい等の問題を解決することができる。
また、対象の毛髪の状態によって、調整櫛ユニットセット5Sを構成する調整櫛ユニット5の数を調整することもできる。例えば、より丁寧に梳かす必要がある場合は、櫛歯間隔及び櫛歯位置が同じ調整櫛ユニット5の数を増やすことができる。
また、延出方向に関して波形状に形成された部分を含む内櫛歯は、直線状の櫛歯に比べて毛髪に当接する接点が多くなるため、同間隔の直線状の櫛歯よりも梳き作業の効果が向上する。さらに、このような内櫛歯を重ねることによって、さらに効果を向上させることができる。
なお、以上に記載の外櫛歯の少なくとも一部及び補助櫛歯の少なくとも一部は、梳かし方向に関して波形状に形成された部分を含んでもよい。図6はこのような櫛1cを示すもので、図6(a)は全体図、図6(b)は図6(a)のX−X線における断面図、図6(c)は使用状態を示す図である。図示のように、櫛1cは、本体櫛部2c及び調整櫛部3cの櫛歯が梳かし方向に関して波形状に形成された部分を含む。これによって、直線状の櫛歯に比べて毛髪に当接する接点が多くなるため、同間隔の直線状の櫛歯よりも梳き作業の効果が向上する。
<実施形態4>
図7〜図11は実施形態4に係る櫛ブラシ1dを説明するための図で、図7は全体を説明するための図、図8はハンドル本体を説明するための図、図9は櫛連結部等を説明するための図、図10は調整櫛部を説明するための図である。図7(a)は平面図、図7(b)は正面図、図1(c)は櫛歯側から見た側面図である。
櫛ブラシ1dは、ハンドル本体7と、ハンドル本体7から櫛連結部4介して接続する櫛歯ユニット5dを含む。
ハンドル本体7は、基部71と、接続部72と、弾性部73と、リング状部74と、突出部75と、握り部76と、を含む。
弾性部73は、少なくとも10〜20度屈曲可能な部分である。一例として、図示のように、弾性部73は、上下方向に波状に屈曲して形成される。
リング状部74は、貫通孔である指通し孔741を有してリング状に形成される。図示の指通し孔741は楕円形であるが、真円形であってもよいし、他の形状であってもよい。
突出部75は、リング状部74に延設され、左右両側に突出部分を含む。また、突出部75は、例えば、弾性部73及びリング状部74よりも上下方向における厚みが厚く、突出部分に対応する部分の厚みが最も厚く形成される。
握り部76は、突出部75に延設される。握り部76も、例えば弾性部73及びリング状部74より厚みが厚く形成され、末端付近部分の厚みが最も厚く形成される。
櫛ブラシ1は、ブラッシング面に対して櫛歯の角度を変更自在に構成される。すなわち、櫛ブラシ1は、角度変更機構を含み、これによって、櫛歯がブラッシング面に対して角度を変更自在に構成される。
一例として、基部71は、軸芯を有する略円柱形状に形成され、櫛歯は、基部71の外周面からその軸方向に直交するように延出した形状に形成される。
基部71は、軸方向に沿って切り開かれた開口部711を有する。基部71の軸方向の一端には、押込ボタン712が嵌め込まれ、その内側にスプリングが内設されている。基部71の軸方向の他端の内側には、凹凸形状部分を含むロック部材が内設される。
接続部72は、略円筒形状に形成される。接続部72は、基部71の開口部711に嵌め込まれ、基部71の軸芯に挿通されて、この軸芯を中心に回動できる。また、接続部72は、一端(押込ボタン712に遠い方)の側壁に凹凸形状(例えば歯車状)に形成されたロック受け部721を備え、押込ボタン712に連結したロック部材に係合する。スプリングはロック部材を係合方向に常時付勢し、押込ボタン712が押されることでロック部材はロック受け部721から離脱し、ロックが解除される。接続部72の回動は、これによって規制される。
本実施形態においては、櫛歯ユニット5dは、ハンドル本体7に着脱自在に取り付けられる。
そのため、基部71は、円柱形状部分から延設される部分を含み、この部分に溝714が設けられている。
櫛連結部4は、櫛歯ユニット5dをハンドル本体7に連結するための部分である。一例として、櫛連結部4は、本体櫛部2dの上方においてこれと直交する方向に延びる切欠部41を有する。この切欠部41には下方に貫通する櫛歯孔42が複数設けられている。また、櫛連結部4は、本体櫛部2dと直交する方向にリブ43が設けられ、側壁に凸部44が設けられている。また、切欠部41の側壁を貫通する二つの挿通孔45を有する。
櫛連結部4は、リブ43を基部71の溝部714dに挿通させ、凸部44を基部71の凹部713dに嵌め込むことによって、ハンドル本体7と連結する。
櫛ブラシ1dは、上記のように、ブラッシング面に対して、櫛歯が角度を変更自在である。すなわち、押込ボタン712を押すと、上記のようにロックが解除されて、接続部72が回動可能状態となる。この状態で、所定角度回して押込ボタン712を放すと、再びロック状態になり、回動が規制される。なお、角度変更機構は、櫛歯がブラッシング面に対して角度を変更可能であればよく、これに限定されるものではない。
櫛ブラシ1は、このように、ブラッシング角度を調整することができ、ブラッシング対象、さらにはその対象のブラッシング部位に応じて適切な角度で作業をすることができる。
また、櫛ブラシ1は、弾性部を含むことによって、ブラッシング対象に当接する櫛歯の力加減が自動的に調整される。これによって、ブラッシング対象の皮膚状態や毛並、骨格の凹凸等に合わせたブラッシングができる。
また、櫛ブラシ1は、リング状部74及び突出部75、握り部76を含むことによって、ブラッシング対象に合わせて適切に把持して作業をすることができる。例えば、ブラッシング対象が動物の場合、背中部分の被毛をブラッシングする際には、指をリング状部74に通し、他の指を突出部75に掛けて、握り部76を握るように把持することができる。また、ブラッシング対象のお腹部分の被毛をブラッシングする際には、握り部76を握って作業をすることができる。
櫛歯ユニット5dは、本体櫛部2dと、調整櫛部3dを組み合わせて形成されている。
櫛歯ユニット5dの本体櫛部2dは、複数の外櫛歯21dと、基部22dとを含む。基部22dは、保持部221dと、第1側部222d及び第2側部223dの二つの側部(「大外枠」とも言う)とを含んで、略コの字形状に形成される。外櫛歯21dは、保持部221dから延出する形状に形成され、梳かし方向に直交する方向に沿って一列に形成される。
なお、外櫛歯21dの梳かし方向の厚さは、第1側部222d及び第2側部223dの梳かし方向の厚さより薄い。
一例として、外櫛歯21dは、前後方向に幅広で左右方向に幅狭の板状に形成される。外櫛歯21dは、図示のように、前後方向における幅が、歯先に向かって徐々に狭くなるように形成されてもよい。また、好ましくは、少なくとも歯先から1/3を占める部分が、前方に向かって湾曲する形状に形成される。
調整櫛部3dは、複数の内櫛歯31dと、連結部32dと、を含む。内櫛歯31dは、連結部32dから延出する形状に形成され、梳かし方向に直交する方向に沿って一列に形成される。
内櫛歯31dは、本体櫛部2dと調整櫛部3dとが組み合わされた場合に、外櫛歯21dより短くなるように形成されている。すなわち、内櫛歯31dは、隣り合う外櫛歯21dの先端より内側(櫛歯の根本側)に先端が位置する長さで形成されている。言い換えれば、外櫛歯21dの先端を結ぶ線より内側(櫛歯の根元側)に、内櫛歯31dの先端が位置している。
内櫛歯31dの先端の丸み半径は、外櫛歯21dの先端の丸み半径より小さい。また、内櫛歯31dの梳き方向の厚さは、外櫛歯21dの梳き方向の厚さより薄い。先端を薄く細くすることで、毛髪をかき分ける効果が増大する。一方で、先端を鋭利にしても、外櫛歯21dの内側にあるので、皮膚に接触しないので、皮膚を引っ掻く恐れはない。
図11は、櫛歯の形状の関係を拡大して示した図である。図に示すように、長い毛を梳かすものである場合は、外櫛歯21dの長さLaを、20mm〜40mmとし、内櫛歯31dの長さLbを12mm〜35mmとし、その差La-Lbを、2mm以上とすることが好ましい。また、短い毛を梳かすものである場合は、外櫛歯21dの長さLaを、10mm〜20mmとし、内櫛歯31dの長さLbを8mm〜18mmとし、その差La-Lbを、1mm以上とすることが好ましい。
また、外櫛歯21dの間隔w1は、2mm〜6mmであり、好ましくは2.5mm〜5mmである。
また、櫛歯同士の間隔(外櫛歯21dと内櫛歯31dとの間隔)W2は、0.1mm〜0.8mmであり、好ましくは、0.2mm〜0.6mmである。
また、図11(b)に示すように、櫛歯の断面が梳かす方向に対して、徐々に広がる形状をしていてもよい。すなわち、外櫛歯21d及び内櫛歯31dは、両者の間隔が梳かし方向に対して徐々に狭まる形状(前方で広く、後方に向けて間隔が狭まる形状)を有していてもよい。そうすれば、毛束の取り込みを容易にしながら、後方では櫛歯で挟み込むことで、毛を均す効果や毛の付着物を除去するなどの効果が向上する。
調整櫛部3dは、複数の内櫛歯31dを櫛連結部4の櫛歯孔42に挿通させ、連結部32dの両端部の凸部526dを櫛連結部4の挿通孔45に挿通させて、櫛連結部4ないしハンドル本体7に取り付けられる。
櫛ブラシ1dは、櫛歯ユニット5dを、櫛連結部4を通じて、ハンドル本体7に着脱可能に形成することによって、例えば櫛歯部分が破損した場合にこの部分だけ取り替えることができ、取替コストを削減することができる。また、櫛歯が異なるものを複数用意することによって、ブラッシング対象に応じて適切な櫛歯に取り替えることができる。
また、櫛ブラシ1dは、調整櫛部3dを取り外し可能とすることによって、櫛歯間隙を調整することができ、ブラッシング対象やその対象のブラッシング部位に応じた適切なブラッシングができる。また、外櫛歯と内櫛歯を形状が異なるものとすることで、さらに柔軟に調整してブラッシングすることができるようになる。
また、調整櫛部3dに内櫛歯31dの櫛歯を出す長さを調整し固定できるロック機構を設けても良い。
なお、櫛連結部は、調整櫛ユニットを本体に連結できるものであればよく、上記構成に限定されるものではない。また、以上では、1つの調整櫛部を含むものとして説明したが、複数の調整櫛部を含んで対象に応じて適切なものを選択して用いてもよい。また、調整櫛部にさらに別の調整櫛部を重ねたものを、櫛連結部を通して本体に取り付けてもよい。
以上、実施形態1〜4について説明した。
なお、複数の外櫛歯及び複数の内櫛歯は、その一方又は双方が、延出方向に関して波形状に形成された部分を含む形状であってもよい。または、少なくとも一部が、ブラッシング方向に関して波形状に形成された部分を含む形状であってもよい。または、少なくとも一部が櫛歯間隙に向かって凸出する三角歯を含む形状であってもよい。
上記実施形態では、長い櫛歯と短い櫛歯を別個に作成して組み合わせて形成することとしたが、これに限らず、一体成形してもよい。
<変形例>
図12(a)は、櫛歯の両端の大外枠223fと、外櫛歯21fと、内櫛歯31fとを、一体成形して作成した櫛1fを示す。
図12(b)は、同様に一体成形した例を示すが、外周を形成する櫛歯の先端の間隔をやや狭めている。すなわち、隣り合う外櫛歯21gの先端の間の距離WTは、内櫛歯31gの先端を挟んでいる部分の外櫛歯21gの間の距離Wtより短い。大外枠223gとその隣の外櫛歯21gとの間の距離WTも、内櫛歯31gの先端を挟んでいる部分の大外枠223gとその隣の外櫛歯21gの間の距離Wtより短い。
そのため、外櫛歯21gは、根本から先端に向かって、徐々に幅を狭めつつ、内櫛歯の先端を過ぎたあたりから先端付近において、再び幅が広がり先端に至る、という形状を備える。
仮に、櫛歯先端付近の空隙が大きく、内櫛歯より根本側の空隙が極端に狭いと、進入した毛束の行場がなくなり、滑らかに梳かすことができなくなる。そこで、櫛1gによれば、櫛歯の先端付近で進入した毛束が、そのまま櫛歯の根元まで滑らかに移動できる。
なお、上記実施形態1〜4においても、櫛1gのように、外周を形成する櫛歯の先端の間隔をやや狭めて構成することができることは言うまでもない。
<実施形態5>
図13は、実施形態5にかかる櫛1hを示す。図13では、片方の大外枠223h付近を拡大して示している。
櫛1hは、櫛1hの両端の大外枠223hと、大外枠の間に形成された複数の外櫛歯21hと、外櫛歯21hの間に形成され、外櫛歯21hより短い複数の内櫛歯31hを備える。
内櫛歯31hは、先端が複数(例えば3つ)に別れており、小櫛歯Fが形成されている。
外櫛歯21hの長さLaと、内櫛歯31h(すなわち、根本から小櫛歯Fの先端までの距離)の長さLbとの差(La-Lb)は、0.2mm〜5mmであり、好ましくは0.3mm〜3mmである。
外櫛歯21hと内櫛歯31hとの間隔W2は、0.1mm〜0.8mmであり、好ましくは0.2mm〜0.6mmである。
小櫛歯Fの先端の丸み半径は、外櫛歯21hの先端の丸み半径より小さい。
小櫛歯F同士の間隔W3は、内櫛歯31hと外櫛歯21hとの間隔W2よりも狭い。また、小櫛歯Fの幅は、外櫛歯21hの幅より狭い。
小櫛歯F同士の間隔W3は、0.1mm〜0.5mmである。
このような櫛1fは、ダブルコートの犬などに好適である。すなわち、外櫛歯21hと内櫛歯31hとの隙間を利用して、長い毛を梳かすことができ、小櫛歯Fによって、短い毛(産毛等)を梳かすことができる。また、太さや堅さ長さが異なる毛が混在している場合でも、ちょうど良い梳き具合が実現できる。小櫛歯Fは、先端が鋭利ではあるものの、外櫛歯21hや大外枠223hよりも内側にあるので、直接皮膚を引っ掻くことを防止できる。
<実施形態6>
図14は、実施形態6にかかる櫛1iを示す。図14(a)では、片方の大外枠223i付近を拡大して示している。図14(b)は、大外枠と外櫛歯と小櫛歯の形状を比較するために櫛歯の並び方向から見た図である。図14(c)は、図14(a)のA−A方向の断面図である。
櫛1iは、櫛1iの両端の大外枠223iと、大外枠の間に形成された複数の外櫛歯21iと、外櫛歯21iの間に形成され、外櫛歯21iより、差g1だけ短い複数の内櫛歯31iを備える。
内櫛歯31iは、先端が複数(例えば3つ)に別れており、小櫛歯Fが形成されている。また、内櫛歯31iは、小櫛歯Fの形成部より根本側においてクビレ部321iを有する。クビレ部321iにより、隙間が設けられ、長い毛の通りを良くすることができる。
図14(b)に示すように、小櫛歯Fの先端の丸み半径は、梳かし方向、または、梳かし方向と直交する方向において、外櫛歯21iの先端の丸み半径より小さい。また、外櫛歯21iの先端の丸み半径は、梳かし方向、または、梳かし方向と直交する方向において、大外枠223iの先端の丸み半径より小さい。
図14(c)に示すように、小櫛歯Fの梳かし方向の厚さは、外櫛歯21iの梳かす方向の厚さより薄い。また、外櫛歯21iの梳かし方向の厚さは、大外枠223iの梳かし方向の厚さより薄い。
このような櫛1iによれば、大外枠を頑丈に形成しつつ、櫛歯を丁度良い太さと間隔にすることができる。
なお、変形例として、図14(d)に示すように、小櫛歯Fは、小櫛歯同士の間隔が梳かし方向に対して徐々に狭まる形状を有していてもよい。具体的には、小櫛歯Fの断面が、梳かし方向において、徐々に広がる形状を有している。こうすれば、広い入り口W3sで毛束を容易に進入させ、狭い隙間W3eを通して出すことで、滑らかに梳かす効果を向上させることができる。
<実施形態7>
図15は、実施形態7にかかる櫛1jを示す。櫛1jは、実施形態6の櫛1iにおける、大外枠と一体成形された外櫛歯21jと、別個に形成された内櫛歯31jを組み合わせて形成されている。
外櫛歯21jと内櫛歯31jとを別個に形成すれば良いので、櫛歯間隔が2倍のものを加工すれば良く、製造が容易となる。
<実施形態8>
図16及び図17は、実施形態8の櫛1kを示す。
本実施形態の櫛1kは、実施形態1の櫛1において、内櫛歯31の一部を2本の小櫛歯Fを有するものとし、二股部311kを設けたものである。
内櫛歯31の先端を二つに分岐させた小櫛歯Fを形成させる以外は、実施形態1と同様である。
櫛1kによれば、短い毛と長い毛を持つダブルコートの犬などの毛を梳かすのに便利である。
<実施形態9>
図18(a)は、実施形態9の櫛1mを示す。
本実施形態の櫛1mは、実施形態2の櫛1aにおいて、内櫛歯31aを2本の小櫛歯Fを有するものとした。図18(b)に示すように、小櫛歯Fを有する内櫛歯31aを有する調整櫛部3aを、櫛本体櫛部2aに組み合わせて形成することができる。
<実施形態10>
図19(a)は、実施形態10の櫛ブラシ1nを示す。
本実施形態の櫛ブラシ1nは、実施形態3の櫛ブラシ1bにおいて、調整櫛ユニットセット5Sの内櫛歯31bを2本の小櫛歯Fを有するものとした。
櫛ブラシ1nによれば、短い毛と長い毛を持つダブルコートの犬などの毛をブラッシングするのに便利である。小櫛歯Fは、鋭利であり、間隔が狭いので、短い毛を梳かすのに有効である一方、皮膚に直接当たらないので、皮膚を引っ掻くことがない。
<実施形態11>
図20(a)は、実施形態10の櫛ブラシ1pを示す。
本実施形態の櫛1pは、実施形態4の櫛1cにおいて、内櫛歯31cを2本の小櫛歯Fを有するものとした。
また、図20(b)に示すX−X方向断面図のように、櫛歯の根本付近の一部が、梳かし方向に関して波形状に形成された部分を含む。一方、図29(b)に示すY−Y方向断面図のように、先端付近では、波形状ではなく、直線形状である。
櫛1pによれば、短い毛と長い毛を持つダブルコートの犬などの毛をブラッシングするのに便利である。小櫛歯Fは、鋭利であり、間隔が狭いので、短い毛を梳かすのに有効である一方、皮膚に直接当たらないので、皮膚を引っ掻くことがない。
また、図20(c)に示すように、隙間が波形状となることで、毛を均して梳かす効果が向上する。
なお、上記各実施形態における櫛歯(外櫛歯、内櫛歯、小櫛歯)の形状は、これらに限定されず、さまざまな変形が可能である。例えば、櫛歯の延出方向(櫛歯の長手方向)に関して波形状を有する形態において、櫛歯の先端から櫛歯元にかけて、徐々に波の数が増える(または波の数が減る)ようにしてもよい。また、櫛歯の先端から櫛歯元にかけて、その波の大きさが徐々に小さくなるようにしても良い。また、その逆に、徐々に大きくなるようにしてもよい。
また、外櫛歯と内櫛歯は、必ずしも、交互に配されていなくてもよい。例えば、所定数(例えば2つ)の内櫛歯ごとに外櫛歯が配されていてもよいし、所定数(例えば2つ)の外櫛歯ごとに内櫛歯が配されていてもよい。
また、上述したが、外櫛歯に対する内櫛歯の取付け位置を変更し、外櫛歯の先端の位置と内櫛歯の先端との間の距離を調節する調節機構を備えていてもよい。例えば、実施形態1において、調整櫛部3の内櫛歯31を、本体櫛部2の櫛歯孔225に完全には差し込まない状態(すなわち、連結部32を切欠き224に嵌め込まない状態)で固定できるように、固定材を、連結部32と切欠き224の間に挟む。そうすれば内櫛歯31の外櫛歯21側に突出する部分が、固定材の長さだけ、さらに短くなる。
また、上記の小櫛歯を備える実施形態の変形例として、用途に応じて、外櫛歯の先端の長さと内櫛歯の長さを同じとすることができる。すなわち、小櫛歯の先端位置と外櫛歯の先端位置が同じになるように形成した櫛やブラシであってもよい。
以上、本発明に係る櫛の実施形態について説明したが、これらは本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明には、以上の各実施形態を組み合わせた形態や、様々な変形例が含まれる。
なお、本発明に係る梳かし具は、人間用の櫛やブラシとして実施されてもよいし、動物用として実施されてもよく、また、用途に応じて変形を加えてもよい。