以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、本発明の全ての実施形態に共通する、遊技機10の斜視図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板、メイン基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2Aを参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2Aは、本発明の全ての実施形態に共通する、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2Aに示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40cへの流入口40aと、ワープ通路40cを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するスライド形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置37の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置39が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置39が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図2Bは、遊技領域32の右下側に設けられるランプ表示装置80の構成を示す図である。ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数(保留数)報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期で点滅する。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(飾り特図1保留LED1、飾り特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(飾り特図2保留LED1、飾り特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。
ランプ表示部1、2(後述の第四特別図柄)の点滅周期と、ランプ表示部3−6(飾り特図保留)の点滅周期は、いずれも同じ200msec(100msecオン、100msecオフ)でよいが、飾り特図保留と第四特別図柄を区別し易いように点滅周期を異ならせてもよい。また、ランプ表示部1−6のオン/オフ(表示/非表示)の時間を異ならせてもよい。
(第1実施形態[遊技機の構成・配線ガイド・変動入賞装置ほか])
〔遊技制御装置〕
図3は、第1実施形態の遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置260で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置260は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部270と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部280と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部290などを備える。
本実施形態では、電源装置260は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部280及び制御信号生成部290は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置260若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部280及び制御信号生成部290を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部280は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部290は、例えば通常電源部270で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機10に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置260から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号は、第2入力ポート123を介して入力部120に入力される。
また、入力部120には、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。また、第1入力ポート122には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号が入力される。
また、入力部120には、電源装置260からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置260からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば、遊技機10が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置260から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、第1実施形態の遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置260の通常電源部270は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部270に設けるようにしてもよい。
電源装置260の制御信号生成部290により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技機の構造]
図5は、第1実施形態の遊技盤30及び制御ベースユニット400等の分解斜視図である。遊技盤(遊技盤ユニット)30は、制御ベースユニット400の前面に固定される。制御ベースユニット400の背面には、制御ベースユニット400の開口と位置を合わせて表示装置41が固定される。制御ベースユニット400には、各種の役物が配設されるが、このうちは、初期位置にある場合、遊技盤ユニット30に隠れるため、正面視で視認できないか視認し難い。また、遊技盤ユニット30の開口は、表示装置41を視認可能なように形成される。
遊技盤30は、遊技盤30のベース部材となるベニア板30aの前面に、センターケース(遊技演出構成体)40、特別変動入賞装置ユニット700、始動入賞口ユニット800、一般入賞口ユニット840、球誘導部850が嵌合されて構成される。これらのユニット及び部材は、遊技盤30に嵌合されるとともに、遊技制御装置100等と電気的に接続され、各ユニットが備えるスイッチ類の検出信号や各ユニットが備えるソレノイドへの駆動電力の伝達路となる。
特別変動入賞装置ユニット700は、特別遊技状態において大入賞口が開口する装置であり、大入賞口のほかに右側面に一般入賞口35を1個備える。
始動入賞口ユニット800は、特図1と特図2の始動入賞口を備えるユニットであり、一般入賞口ユニット840は、複数の一般入賞口35を備えるユニットである。
球誘導部850は、遊技領域32の右側を流下した遊技球を横方向へ転動させて、特別変動入賞装置39等へ誘導する部材である。
また、センターケース40の左下部に設けられる3段流路40e、左球誘導部40dは、それぞれ遊技球を遊技領域32の中ほどへ誘導するために設けられる。
[制御ベースユニット]
図6は、第1実施形態の制御ベースユニット400の分解斜視図である。役物を収容する躯体である制御ベース401に、第3可動役物ユニット600、第2可動役物ユニット500、第1可動役物ユニット410の順に取り付けられる。第1可動役物ユニット410の下部には、さらに球排出路402、403が前面から取り付けられて固定される。
制御ベース401は、各可動役物ユニットを収容するために所定の深さを備え、背面板401eを底にして上板401a、左板401b、下板401c、右板401dが一体に形成される。背面板401eには、表示画面を視認可能とするための開口401fが形成され、開口401fの背面に表示装置41が取り付けられる。
第1可動役物ユニット410は、矩形の構成体の上部であって表示装置41の上方に位置する場所に、往復動作可能な前面装飾可動部材411(図7参照)、及び回転動作可能な回転装飾部材430(図7参照)を有する第1可動役物410aを備える。
後述するように、第1可動役物ユニット410のうち、第2ベース部材449は、上辺部449a、左辺部449b、下辺部449c、右辺部449dからなる。
第2可動役物ユニット500は、表示装置41の下方を初期位置として、動作状態では表示装置41の前面中央に移動する第2可動役物500aを備える。第2可動役物500aは、初期位置から動作位置へ移動すると、一対のアーム505を上方へ回動し、プロペラ501を回転させる。
第3可動役物ユニット600は、表示装置41の外縁部を初期位置として、動作状態では表示装置41の前面左右に移動する一対の可動役物(第3可動役物600a)を備える。第3可動役物600aは、他の可動役物と連動して動作することが可能である。
図7は、第1実施形態の第1可動役物ユニット410の分解斜視図である。
第1可動役物ユニット410は、矩形の第2ベース部材449に門型の第1ベース部材440が取り付けられ、第1ベース部材440の上部中央付近に、回転装飾部材(第1可動部材)430、装飾ベース部材(装飾板)420、前面装飾可動部材(第2可動部材)411の順に前方から取り付けられる。
第1ベース部材440は、上辺部440a、左辺部440b、右辺部440cからなる。
第1ベース部材440の上辺部440aには、回転装飾部材430を回動させるための駆動源としてモータ441が配設され、同上辺の中央付近には、回転装飾部材430を軸支する軸部443が形成される。
また、左辺部440bには、装飾が施されるとともに、モータ449(図15参照)等の駆動機構を遊技者の視線から隠蔽可能な部材であるカバー板440eが設けられる。
また、右辺部440dには、上下方向に可動する右側可動部材(第3可動部材)444が設けられる。
第2ベース部材449は、上辺部449a、左辺部449b、下辺部449c、右辺部449dからなる。上辺部449aには、装飾ベース部材420と一体的な装飾が全体的に施され、上辺部449aの中央左側には下方へ伸びる装飾部449f、中央右側には装飾部449gが設けられる。
[第1可動役物]
図8は、第1実施形態の第1可動役物410aが初期状態にある前面装飾可動部材411の正面図であり、図9は、第1実施形態の第1可動役物410aが動作状態にある前面装飾可動部材411の正面図である。
第1可動役物410aは、前面装飾可動部材411、装飾ベース部材420、回転装飾部材430を含み、前面装飾可動部材411、装飾ベース部材420は、内部に照明源(図示省略)を備える。また、前面装飾可動部材411の一部及び装飾ベース部材420は、内部の照明源及び周辺外部から供給される照明光を四方へ反射、散乱するための多面状の装飾部を備え、その外形は透光性の部材によって形成される。
装飾ベース部材420の前面に配置される前面装飾可動部材411は、前面左装飾可動部材411a及び前面右装飾可動部材411bから成り、図9に示すように、前面左装飾可動部材411a及び前面右装飾可動部材411bは、左右方向へと離間することが可能である。
また、装飾ベース部材420の背面に配設される回転装飾部材430は、装飾が施された一対のフィン431を備える。初期位置にあるフィン431は、装飾ベース部材420の背面に隠れるため、正面から視認できないが、図9に示すように、回転装飾部材430の回転動作によって、フィン431が動作位置へ回動すると、横長の略矩形状に形成される装飾ベース部材420の上下にフィン431が視認可能となる。
フィン431の内部は、フィン431の取付方向から入射される光を前方へと反射可能な反射部を備え、フィン431自体が導光板として形成される。そして、フィン431全体は透光性部材によって形成される。
なお、後述するように、回転装飾部材430(カム板433)が1回転するごとに、前面装飾可動部材411は、連動して斜め左右方向へ4回往復動作する。
このように、第1可動役物410aが初期位置にある場合には、フィン431は、正面視で視認できず、また、前面左装飾可動部材411a及び前面右装飾可動部材411bは接している。第1可動役物410aが動作位置にある場合には、フィン431は、正面視で視認可能であり、また、前面左装飾可動部材411a及び前面右装飾可動部材411bは離間している。そして、前面装飾可動部材411と回転装飾部材430は、連動して繰り返し初期位置と動作位置とを往復ないし回転する。
図10は、第1実施形態の前面装飾可動部材411の背面図であり、図11は、同背面から見た斜視図である。また、図12は、第1実施形態の装飾ベース部材420の正面図である。
前面左装飾可動部材411a及び前面右装飾可動部材411bには、回転装飾部材430と係合する連結部材432(図13及び図14参照)を備える。連結部材432は、前面装飾可動部材411の背面に設けられる連結口(ネジ穴)413に固定される。
また、前面装飾可動部材411の背面には、スライドピン424を取り付けるための一対の支持体414が複数形成される。各支持体414には、スライドピン424の端部を貫通させて保持するためのスライド穴414aが設けられ、また、各支持体414は、装飾ベース部材420が備えるスライドピン424へ到達可能なように、所定の高さ方向の長さをもつ。
前面左装飾可動部材411aの背面上方と背面下方には、それぞれ一対の支持体414が形成され、各一対の支持体414が対応するスライドピン424をそれぞれ両脇から挟持することで、前面左装飾可動部材411aは装飾ベース部材420に支持される。スライドピン424は、両端部に支持体414のスライド穴414aと係合する係合部424aが形成される。係合部424aには、スライド穴414aが左右に移動しないように規制するフランジが形成され、係合部424aによって支持体414に挟持される。
また、前面右装飾可動部材411bの背面上方と背面下方にも同様に、それぞれ一対の支持体414が形成され、各一対の支持体414が対応するスライドピン424をそれぞれ両脇から挟持することで、前面右装飾可動部材411bは装飾ベース部材420に支持される。
また、前面左装飾可動部材411a、及び前面右装飾可動部材411bは、光を拡散させる拡散シート(図示省略)が設けられた底部材418(418a、418b)を備える。底部材418は、拡散シートに代えて、あるいは拡散シートとともに、LED基板を備えるものであってもよい。
図12に示されるように、装飾ベース部材420には、前面装飾可動部材411に設けられる各支持体414に対応する位置に、支持体414を通過させる矩形開口部材422が複数設けられる。各矩形開口部材422には、開口に臨むようにスライドピン係合部材422aが設けられ、スライドピン424に係合される。各スライドピン係合部材422aは、ネジ穴419において螺合されて装飾ベース部材420に固定される。各スライドピン係合部材422は、支持体414とともにスライドピン424に対する装飾ベース部材420の支持部材である。
各矩形開口部材422は、支持体414の動作範囲(スライド範囲)を規制するため、前面左装飾可動部材411a及び前面右装飾可動部材411bの動作範囲を規制するとともに、前面装飾可動部材411の動作方向を規制する。
また、装飾ベース部材420には、連結部材432(図13参照)が通過可能であり、連結部材の移動方向を規制する規制開口421a、421bが設けられる。規制開口421a、421bは、カム板433(図13、図14参照)の中心に対して対称な位置に一対形成される。また、規制開口421a、421bは、矩形開口部材422と長さ方向を平行にして形成される。
規制開口421は、連結部材432がカム板433の回転に同期して回転動作することを規制し、斜め方向に対する往復直線動作のみを許容する。つまり、規制開口421は、連結部材432を介して前面装飾可動部材411の動作を一定方向にのみ規制する。
なお、矩形開口部材422、規制開口421は、曲線状に形成されてもよく、これによって、前面装飾可動部材411を曲線上において往復動作させることができる。この場合、スライドピン424は、曲線動作に追随可能な形状又は樹脂等の湾曲可能な素材にすることで上記のスライドピン424と同等な作用(一定方向のみに動作をさせる)を発揮できる。
また、前面装飾可動部材411が、直線方向のみならず複数の平面方向に移動可能なように、矩形開口部材422、規制開口421には、カム板433の回転方向に対してさらに幅を持たせて形成してもよい。これによって、前面装飾可動部材411の動作態様に幅を持たせることができ、遊技の興趣を高められる。
図13は、第1実施形態の連結部材432が無限ガイド溝434の凹部に位置する場合の回転装飾部材430の正面図であり、図14は、同連結部材432が無限ガイド溝434の凸部に位置する場合の回転装飾部材430の正面図である。
回転装飾部材430は、軸部443(図7参照)に対して固定される固定部材435を備える。固定部材435の外周部には、連結部材432のガイド部材432aをガイドする無限ガイド溝434が形成され、無限ガイド溝434の外側の対称となる位置に一対のフィン431が形成される。無限ガイド溝434は、固定部材435と一体となって、カム板433を成す。つまり、カム板433、無限ガイド溝434、固定部材435、フィン431は、可動役物として機能する。
また、回転装飾部材430は、連結部材432の一端に設けられるガイド部材432aによって、無限ガイド溝434と係合される。
無限ガイド溝434は、90度間隔で凹部と凸部が配設される4回対称形状の環状の溝であり、凹部においてカム板433の中心部からの距離が短くなり、凸部においてカム板433の中心部からの距離が長くなる。
つまり、ガイド部材432aが無限ガイド溝434の凹部にある場合は、連結部材432は、中心部からの距離が短い場所に位置し、ガイド部材432aが無限ガイド溝434の凸部にあるときは、連結部材432は、中心部からの距離が長い場所に位置する。
ガイド部材432aは、無限ガイド溝434をスライド可能であるが、規制開口421によって連結部材432が斜め方向への往復直線動作のみに移動を制限されるため、ガイド部材432aはカム板433の回転動作に同期して回転せずに、カム板433の中心部からみて常時同一方向に位置する。そのため、カム板433が回転すると、ガイド部材432aは、回転方向への移動を規制されながら、無限ガイド溝434にガイドされて凹部と凸部を連続的にスライドすることで、正面視で斜め方向への往復動作をする。そして、ガイド部材432aを介して(連結部材432を介して)前面装飾可動部材411は斜め左右に連続的に往復動作する。無限ガイド溝434には、4箇所の凹部と4箇所の凸部が設けられるため、カム板433が1回転すると、前面装飾可動部材411は、4回往復動作する。
そして、カム板433は、無限ガイド溝434の外周に固定されたフィン431も回転させるため、モータ441の駆動力によって、フィン431及び前面装飾可動部材411を動作させることができる。
図15は、第1実施形態の第1ベース部材440の正面図である。ここに示す構造は、第1ベース部材440のみであり、第2ベース部材449、回転装飾部材430、装飾ベース部材420、前面装飾可動部材411は含まれない。
第1ベース部材440は、回転装飾部材430、装飾ベース部材420、前面装飾可動部材411を取り付ける門型のベース部材である。第1ベース部材440の各辺は、上辺部440a、左辺部440b、右辺部440dである。
上辺部440aの中央部には、回転装飾部材430を軸支する軸部443が形成され、軸部443の左隣にギア442が設けられる。また、ギア442の左隣にモータ441が設けられ、モータ441に軸着されるギア441aは、ギア442と噛み合わされる。ギア442は、軸部443の基底部に設けられるギア(図示省略)とも噛み合わされる。そのため、ギア442を介してモータ441の駆動力が軸部443に供給され、軸部443が回転すると、軸部443に固定されたカム板433が回転する。そして、カム板433が回転すると、上記のとおり、第1可動役物410aである前面装飾可動部材411及びフィン431が一体となって可動演出並びに発光演出を実行する。
軸部443の底に嵌め込まれるリング状の部材には、センサ445の検出光を遮るリブ443aが形成され、軸部443が初期位置にあるか否かを検出する。
さらに、上辺部440aには、付勢部材446が設けられ、初期位置から下方の動作位置へと移動(落下)した第1可動役物ユニット410の初期位置への復帰を補助する。
左辺部440bには、モータ449が配設され、モータ449は、動作位置へ移動した(落下した)上辺部440aに初期位置へ戻る(復帰する)駆動力を供給する。
右辺部440dの下部には、上下方向に移動可能な右側可動部材444が設けられる。右側可動部材444は、前面装飾可動部材411及び回転装飾部材430の動作と連動して、下方に移動する落下演出を実行することが可能である。
このように、第1可動役物410aを構成する複数の可動部材(前面装飾可動部材411及びフィン431)を動作させるための駆動力は、第1ベース部材440に配設されるモータ441によって供給される。つまり、前面装飾可動部材411及びフィン431を含む複数の可動部材から成る第1可動役物410aは、1個の駆動源によって駆動力を供給されるため、可動部材ごとに駆動源が配設される場合と比較して、駆動源が削減される。
なお、前面装飾可動部材411は、支持体414によらずに、連結部材432のみによって支持されてもよい。この場合、前面装飾可動部材411は、装飾ベース部材420ではなく、無限ガイド溝434に支持される。
〔第1実施形態(カム及び前面装飾可動部材)の一形態〕
ここまで説明した第1可動役物410aに関する構成を有する遊技機として、以下の遊技機を挙げることができる。
従来、パチンコ遊技機においては、遊技領域が形成された遊技盤に液晶表示器等からなる画像表示部を設け、表示装置において所定のゲームを行い、該ゲームの結果が特定の結果態様となると、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させる遊技機がある。
このような遊技機として、駆動モータからの駆動力を複数のギアやアームを介して伝達させることで、可動役物ユニットを回動して表示装置の前面に移動させ、演出実行状態と非演出実行状態とに変換可能な遊技機が提供されている(例えば、特許文献X)。
しかしながら、上に挙げた従来の遊技機では、可動役物ユニットを表示装置の前面に移動する際に、可動部材ごとに駆動源(モータ)を配置しており、駆動源や動力伝達機構(ギア)の配置スペースが大きなものとなっていた。また、上に挙げた従来の遊技機では、製造コストの高止まり及び駆動源からの発熱によって遊技機を構成する各部品に影響を与えるおそれがある。
そこで、本発明は、可動役物を動作させるにあたって、複数の可動部材を少ない駆動源で駆動させ、遊技の興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
(1)所定の演出に対応して動作可能な可動役物と、前記可動役物に駆動力を供給する駆動源を備えた遊技機において、前記可動役物の外縁に形成された溝部と、前記溝部と係合可能な連結部材と、前記可動役物より前側に配設される可動部材と、備え、前記可動部材は、前記連結部材と係合可能であり、該連結部材を介して前記駆動源からの駆動力を伝達することで動作可能となることを特徴とする遊技機。
(2)前記連結部材の移動方向を所定の直線方向のみに規制する規制開口を有する装飾板をさらに備え、前記装飾板は、前記可動役物と前記可動部材の間に配置され、前記連結部材は、前記規制開口に挿通され、直線的に往復移動することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記可動部材は、複数の可動部材からなり、前記複数の可動部材同士は、前記可動役物の回転によって離間と当接を繰り返すことを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(1)の発明によれば、1個の駆動源によって可動役物(カム板433)と可動部材(前面装飾可動部材411)の動作が賄われるため、可動部材ごとに駆動源が配置される場合と比較して駆動源が削減される。
(2)の発明によれば、装飾板(装飾ベース部材420)に設けられる規制開口421aによって、可動部材の動作方向が直線的な往復動作に限定されるため、可動部材周辺に他の構造物を配置し易くなる。
(3)の発明によれば、可動部材は複数の可動部材(前面左装飾可動部材411a及び前面右装飾可動部材411b)からなり、各可動部材が離間と当接を繰り返すことで、遊技者の目を楽しませる演出を提供することができる。
[第2可動役物]
図16は、第1実施形態の第2可動役物ユニット500の分解斜視図である。第2可動役物ユニット500に設けられる第2可動役物500aは、主として、昇降ユニット510(図17参照)の上下の移動演出、左右のアーム505の回動演出、プロペラ501の回転演出並びにこれら構成部材の発光演出からなる。第2可動役物500aは、表示装置41の下方を初期位置とし、表示装置41の前方中央を動作位置として上下に移動が可能である。
第2可動役物ユニット500は、背面ベース部材530、中面ベース部材520、前面固定部材504、下部固定部材(前面カバー)547によって構成される基礎ユニット540と、昇降ベース部材515、一対のアーム505、前面装飾部材502、プロペラ501等によって構成される昇降ユニット510と、を備える。基礎ユニット540及び初期位置にある昇降ユニット510は、遊技盤30によって正面視で視認できないが、動作位置にある昇降ユニット510は、遊技盤30と重ならない表示装置41の前方へ移動することで、遊技者の視線正面へと躍り出る。
背面ベース部材530には、昇降ユニット510を昇降させるための駆動部材として、複数のギア531、532、533及びラックガイド534が設けられる。背面ベース部材530は、第2可動役物ユニット500の土台となる部材であり、第3可動役物ユニット600のベース部材601(図6、図30参照)の下部中央に取り付けられる。
中面ベース部材520は、昇降ユニット510へ駆動力を供給するモータ522、昇降ユニット510の移動をガイドする昇降ガイド溝521が設けられ、背面ベース部材530に取り付けられる。
前面固定部材504は、中面ベース部材520との間に昇降ベース部材515を挟み込んで中面ベース部材520、及び背面ベース部材530に取り付けられる。具体的には、背面ベース部材530に形成されるネジ穴537、538と中面ベース部材520に形成されるネジ穴527、528に前面固定部材504の各ネジ穴が対応してネジ留めされる。
下部固定部材(前面カバー)547は、第2可動役物ユニット500が前方へ傾かないように支持し、中面ベース部材520へ取り付けられる。
昇降ベース部材515は、昇降ユニット510を支持する部材であり、昇降ベース部材515に設けられるラック517の昇降に伴って上下に移動可能である。ラック517は、ラックガイド534に収容される。また、ラック517は、背面ベース部材530に設けられる上従動ギア533(図18参照)と咬合することで、昇降ベース部材515を上下方向に支持する。ただし、このままでは、昇降ベース部材515は、ラック517のみの一本脚に支持される不安定な状態であるため、ガイドピン518(図18参照)が昇降ガイド溝521にガイドされ、背面ベース部材530に対して昇降ベース部材515の横方向への移動が規制される。
昇降ベース部材515に設けられる一対の回動ガイド部材516(ガイド溝)には、アーム505の突起状の回動ガイド部材508(図18参照)が対応して挿入され、アーム505の回動をガイドするとともに、その回動幅を規制する。回動ガイド部材516の上部には、弾性部材509(ねじりばね)を係止するための一対の上係止部515a及び下係止部515bが設けられる。
また、昇降ベース部材515には、プロペラ501を駆動するモータ512が取り付けられる。モータ512の出力軸には、ウォーム513が軸着され、ウォーム513は、ウォームホイール514と噛合される。ウォームホイール514の軸線の先は、前面装飾部材502を貫通して、プロペラ501と接続される。
一対のアーム505は、昇降ベース部材515の支持部515cが被支持部506に挿し込まれて昇降ベース部材515にそれぞれ取り付けられる。アーム505は、被支持部506を軸部として、弾性部材509の付勢によって端部を上方へ回動する。アーム505は、被支持部506を軸として所定の範囲が前面装飾部材502と重なるため、当該重なる部分には装飾が施されておらず(非装飾部分)、当該重なる部分以外には、装飾が施されている。
前面装飾部材502は、昇降ベース部材515との間にアーム505の非装飾部分を挟み込んで昇降ベース部材515に取り付けられる。前面装飾部材502の下部には、後述するように、昇降ユニット用配線545(図25参照)の撓みや伸びに対応するための可動配線固定部材503が設けられる。
次に、図17から図20を参照して、第2可動役物500aが初期位置にある場合の第2可動役物ユニット500について説明する。図17は、第1実施形態の第2可動役物500aが初期位置にある状態の第2可動役物ユニット500の正面図である。図18は、背面ベース部材530及び中面ベース部材を除いた同背面図である。
図17に示すように、第2可動役物500aが初期位置にある場合は、昇降ユニット510が下限まで下降しており、一対のアーム505が略真横に腕を伸ばすように水平方向に位置している。
初期位置にある第2可動役物ユニット500を背面から見ると、図18に示すように、突起状の回動ガイド部材508は、回動ガイド部材516の円弧状ガイド溝の内側端部に当接してアーム505の水平状態を保持している。また、ラック517が下限まで下降しており、ラック517に設けられる遮蔽リブ536が、センサ535の検出光を遮ることで、昇降ユニット510が初期位置にあることが検出される。
モータ522の出力軸に軸着された駆動ギア531は、下従動ギア532と咬合され、下従動ギア532は、さらに、上従動ギア533と咬合されて、モータ522の駆動力を上従動ギア533へ伝達する。上従動ギア533は、さらに、ラック517と咬合されて、モータ522の駆動力をラック517へ伝達する。
つまり、モータ522、駆動ギア531、下従動ギア532、上従動ギア533、ラック517は、昇降ユニット510の駆動機構を構成する。なお、駆動ギア531、下従動ギア532、上従動ギア533は、いずれも背面ベース部材530に軸支される。
続いて、アーム505の支持について説明する。図19は、第1実施形態の第2可動役物500aが初期位置にある状態の前面装飾部材502を除いた第2可動役物ユニット500の正面図である。また、図20は、背面ベース部材530を除いた同背面図である。
図19に示すように、アーム505は、被支持部506によって昇降ベース部材515に支持される。
弾性部材509は、下被係止部509bを支点としてアーム505を外側へと回動するように付勢する部材であり、例えば、金属製の線材によって形成されるねじりばねである。ただし、昇降ユニット510が初期位置にある場合には、第2ガイド部材507bが前面固定部材504の規制部504aに当接して、アーム505の横方向への回動が抑止される。弾性部材509は、線材を円形に成形された上被係止部509aにおいて上係止部515aと係止される。また、弾性部材509は、下被係止部509bにおいて下係止部515bと係止される。さらに、弾性部材509は、線材を楕円に成形された作用部509cにおいてアーム505に設けられる第1ガイド部材507aと係合される。作用部509cは、第1ガイド部材507aがスライド移動可能な長さ方向の幅をもって成形される。
図20は、図18との対比において、中面ベース部材520を含めて第2可動役物500aが初期位置にある状態を説明する。
中面ベース部材520に形成される昇降ガイト溝521には、昇降ベース部材515に設けられるガイドピン518が係合される。昇降ガイド溝521は、上下方向に長さ方向をもって形成され、昇降ベース部材515の上下方向の移動範囲を規制するとともに、横方向への移動を規制し、昇降ベース部材515の昇降をガイドする。第2可動役物500aが初期位置にある場合、ガイドピン518は、昇降ガイド溝521の下限に位置し、昇降ガイド溝521の最下部と当接する。
次に、図21から図24を参照して、第2可動役物500aが動作位置にある場合の第2可動役物ユニット500について説明する。図21は、第1実施形態の第2可動役物500aが動作位置にある状態の第2可動役物ユニット500の正面図である。図22は、背面ベース部材530及び中面ベース部材520を除いた同背面図である。
図21に示すように、モータ522(図16参照)の駆動力が伝達されてラック517が上方へ押し上げられると、昇降ユニット510が上昇する。
第2可動役物500aが動作位置にある場合は、昇降ユニット510が上限まで上昇しており、一対のアーム505は、弾性部材509の付勢により斜め上に腕を伸ばすようにそれぞれ端部を上方へと回動させている。昇降ユニット510が上昇することにより、昇降ユニット510は、正面視で視認可能となる。
動作位置にある第2可動役物ユニット500を背面から見ると、図22に示すように、回動ガイド部材508は、回動ガイド部材516の円弧状ガイド溝の外側端部に当接してアーム505の動作状態(回動状態)を保持している。
また、ラック517の上昇にともなって遮蔽リブ536も移動し、センサ535の検出光が遮蔽されなくなるため、昇降ユニット510が動作位置にあることが検出される。
続いて、アーム505の支持及び回動動作について説明する。図23は、第1実施形態の第2可動役物500aが動作位置にある状態の前面装飾部材502を除いた第2可動役物ユニット500の正面図である。また、図24は、背面ベース部材530を除いた同背面図である。
前面固定部材504は、左右に羽を有する形状の部材であり、アーム505の回動を規制ならびに解放する部材である。羽部分の外周部のうち、内側の垂直状の部分は、アーム505の回動を抑止する規制部504aである。そして、羽部分の外周部のうち、規制部504aから前面固定部材504の最高位置へと斜め上方に伸びる部分は、アーム505の回動を解放又は収束させる解放部504bである。
昇降ベース部材515が上昇すると、第2ガイド部材507bが規制部504aに沿って上昇するが、第2ガイド部材507bが規制部504aと当接する間は、第2ガイド部材507bが横方向へ広がることを規制されるため、アーム505は、水平状態を維持する。そして、第2ガイド部材507bが解放部504bへ上昇すると、第2ガイド部材507bは、解放部504b同士の幅に応じて外側へ広がり、第2ガイド部材507bの広がりに応じてアーム505が被支持部506を軸として上方へ回動する。
反対に、昇降ベース部材515が下降すると、第2ガイド部材507bが解放部504bの斜辺部に沿って下方へ移動するため、解放部504b同士の幅に応じて内側へ狭まり、第2ガイド部材507bの狭まりに応じてアーム505が水平状態へと回動する。
なお、上述のとおり、アーム505を外側へ回動させる回動力を供給するのは、弾性部材509であり、作用部509cにおいてアーム505に設けられる第1ガイド部材507aが常時外側へ広がる様に付勢される。
図24は、図22との対比において、中面ベース部材520を含めて第2可動役物500aが動作位置にある状態を説明する。
アーム505が回動すると、回動ガイド部材508は、回動ガイド部材516の円弧状ガイド溝の外側端部に当接して、アーム505の動作状態を保持する。
また、第2可動役物500aが動作位置にある場合、ガイドピン518(図20参照)は、昇降ガイド溝521の上限に位置し、昇降ガイド溝521の最上部と当接する。ガイドピン518が昇降ガイド溝521の最上部に当接することで、昇降ベース部材515の上昇が留められる。
次に、図25から図28を参照して、昇降ユニット用配線545について説明する。図25は、第1実施形態の第2可動役物500aが初期位置にある第2可動役物ユニット500の斜視図であり、図26は、同側面図である。
昇降ユニット用配線545は、昇降ユニット510に電力を供給する配線であり、一端は、制御ベースユニット400の下部を走る主要な電力供給線と接続され、他端は昇降ユニット510に設けられる照明源やモータ等へ電力を供給するため、可動配線固定部材503を通過して昇降ユニット510の内部へ引き込まれる。
可動配線固定部材503は、長方形の部材であり、回動自在に一端部(取付端部)を前面装飾部材502の下部に取り付けられ、他端部(回動端部)には、昇降ユニット用配線545を通過させる通過穴503aが形成される。
昇降ユニット510が初期位置(下限位置)にある場合には、昇降ユニット用配線545の撓みにより、可動配線固定部材503は、上方へと回動する。また、昇降ユニット510が初期位置にある場合には、昇降ユニット用配線545は、前方へと撓むが、下部固定部材547の規制部材547aによって区画される第2可動役物ユニット500の下部空間に収容され、下部固定部材547の規制部材547aよりも前方へ突出することが規制される。
なお、昇降ユニット用配線545は、単なる電線であってもよいが、図38において説明するように、柔軟性の高いプラスチック素材(配線ガイド部材641)に這うようにガイドされた電線(配線)でもよい。なお、電線は被覆がされたものでよい。
図27は、第1実施形態の第2可動役物500aが動作位置にある第2可動役物ユニット500の斜視図であり、図28は、同側面図である。
昇降ユニット510が動作位置(上限位置)へと上昇するについて、昇降ユニット用配線545の重みにより、可動配線固定部材503は、下方へと回動する。可動配線固定部材503が下方へ回動することで、昇降ユニット510の上昇分よりも昇降ユニット用配線545の他端の上昇分が小さく抑えられる。
可動配線固定部材503は、昇降ユニット510の位置に応じて、昇降ユニット用配線545の撓みや重みによって上下に回動するため、昇降ユニット用配線545の他端が上下に昇降しても、昇降ユニット510の昇降幅よりも小さい幅で昇降させ、昇降ユニット用配線545に与える負荷を軽減することができる。
また、昇降ユニット510の急激な上昇、停止、下降に伴う加速度や衝撃が、可動配線固定部材503の回動によって吸収されるため、昇降ユニット用配線545の他端の接続部への負荷が軽減して、昇降ユニット用配線545の抜けや断線を抑制する。
このように、昇降ユニット用配線545が直接昇降ユニット510に固定される場合と比較して、可動配線固定部材503によって、昇降ユニット用配線545の昇降幅を減少させ、また、昇降ユニット用配線545に対する加速度、衝撃が軽減される。そのため、昇降ユニット用配線545にかかる負荷が軽減し、昇降ユニット用配線545の接続部の抜けや昇降ユニット用配線545の断線を抑制することができる。
さらに、可動配線固定部材503によって、昇降ユニット用配線545の動きを所定の範囲に収めるため、昇降ユニット用配線545が他の部材と干渉することを防ぐことができる。
〔第1実施形態(可動配線固定部材)の一形態〕
ここまで説明した可動配線固定部材503に関する構成を有する遊技機として、以下の遊技機を挙げることができる。
従来、パチンコ遊技機においては、遊技領域が形成された遊技盤に液晶表示器等からなる画像表示部を設け、表示装置において所定のゲームを行い、該ゲームの結果が特定の結果態様となると、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させる遊技機がある。
このような遊技機として、駆動モータからの駆動力を複数のギアやアームを介して伝達させることで、可動役物ユニットを回動して表示装置の前面に移動させ、演出実行状態と非演出実行状態とに変換可能な遊技機が提供されている(例えば、特許文献Y)。
しかしながら、上に挙げた従来の遊技機では、可動役物ユニットを表示装置の前面に移動する際に、可動役物ユニット等を制御する基板や、駆動源に接続される配線が可動役物の動作の影響を受けることで損傷するおそれがあった。また、上に挙げた従来の遊技機では、可動部材ごとに駆動源を配置するため、製造コストの高止まり及び駆動源からの発熱によって遊技機を構成する各部品に影響を与えるおそれがある。
中でも可動部材内へ引き込まれる配線は、可動部材の動作にともなって引張、屈曲を繰り返す中で破断(被覆部内での破断を含む)や抜けのおそれがあった。
そこで、本発明は、可動役物を動作させるにあたって、配線が損傷しない遊技機を提供することを目的とする。
(4)所定の演出に対応して動作可能な可動役物を備えた遊技機において、前記可動役物を動作させる駆動機構と、前記可動役物の外部から前記可動役物に接続可能な配線と、前記可動役物に回動自在に取り付けられる可動配線固定部材と、を備え、前記可動配線固定部材は、前記可動役物の動作に追随する前記配線の動作態様に応じて回動可能であることを特徴とする遊技機。
(5)前記可動配線固定部材は、前記配線の撓みによって可動役物の動作方向へ回動することを特徴とする(4)に記載の遊技機。
(6)前記配線の前面には、前記配線が所定位置よりも前面に突出することを規制する前面カバーが設けられることを特徴とする(4)または(5)に記載の遊技機。
(4)の発明によれば、可動配線固定部材503が配線の動きに対応して回動することで、可動役物(昇降ユニット510)に追随して移動する配線にかかる加速度や衝撃等の負荷を軽減し、配線の破断や抜けを抑制することができる。
(5)の発明によれば、可動役物(昇降ユニット510)の昇降幅よりも小さい幅で配線を昇降させることができ、配線にかかる負荷を軽減し、配線の破断や抜けを抑制することができる。
(6)の発明によれば、前面カバー(下部固定部材547)によって配線の動きを所定の範囲に収めるため、配線が他の部材と干渉することを防止できる。これによって、配線が他の部材と干渉して配線が破断することを未然に防止できる。
〔第1実施形態(可動配線固定部材)の別の一例〕
図29は、第1実施形態の別の一例を説明する、第2可動役物500aが動作位置にある第2可動役物ユニット500の側面図である。
第2可動役物ユニット500の前方には、遊技盤30及びステージ部40bが位置するため、第2可動役物500aが初期位置にある場合は、昇降ユニット510の上部の一部を除いて、昇降ユニット510は正面視で遊技盤30及びステージ部40bによって隠される。
一方、第2可動役物500aが動作位置にある場合は、昇降ユニット510はその大半が正面視で視認可能となる。ここで、昇降ユニット用配線545や通過穴503aは、遊技者から視認されないほうが望ましい。
図29に示す、視線Aは、第2可動役物ユニット500へ到達する遊技者の視線であり、可動配線固定部材503が下方へ回動していない場合、もしくは、可動配線固定部材503が設けられずに昇降ユニット用配線545が直接昇降ユニット510に引き込まれる場合に、昇降ユニット用配線545の一部が視認可能となることを示す。
これに対し、視線Bは、ステージ部40bによって、遮られる視線であり、視線Bの延長上にある昇降ユニット用配線545及び通過穴503aは、可動配線固定部材503が下方に回動して他端の位置が下がっているため、視認を妨げられる。
このように、可動配線固定部材503の下方への回動によって、昇降ユニット用配線545の引き込み部が下方へ押し下げられるので、昇降ユニット用配線545への負荷の軽減のみならず、遊技者の視認から隠蔽することが可能となる。
なお、ステージ部40bが透光性の部材で構成される場合もあるため、昇降ユニット510が動作位置にある場合、昇降ユニット用配線545及び通過穴503aは、遊技盤30のみによって視認を妨げられるように構成されてもよい。
また、第2可動役物ユニット500が動作位置へ移動する際に可動する部材が第2可動役物ユニット500に設けられ、当該可動する部材によって可動配線固定部材503ないし昇降ユニット用配線545及び通過穴503aが隠蔽されてもよい。
加えて、遊技盤30と第2可動役物ユニット500との間に、追加で表示装置41の前面側に動作可能な可動役物(液晶、セグメント、LED付きでもよい)が設けられてもよく、当該追加で設けられる可動役物によって可動配線固定部材503ないし昇降ユニット用配線545及び通過穴503aが隠蔽されてもよい。この場合、昇降ユニット用配線545は、追加で設けられる可動役物を超えない。
〔第1実施形態(可動配線固定部材)の別の一形態〕
ここまで説明した可動配線固定部材503に関する別の一例の構成を有する遊技機として、以下の遊技機を挙げることができる。
(7)開口部を備える遊技盤と、初期位置から動作位置に動作可能な可動役物と、前記可動役物の前面側に配設された前面部材と、を備えた遊技機において、前記可動役物を動作させる駆動機構と、前記可動役物の外部から前記可動役物に接続可能な配線と、前記可動役物に回動自在に取り付けられる可動配線固定部材と、を備え、前記可動配線固定部材は、前記可動役物の動作に追随する前記配線の動作態様に応じて回動可能であり、前記配線は、正面視した場合に、前記可動配線固定部材の回動動作によって前記前面部材を超えないことを特徴とする遊技機。
(8)前記可動配線固定部材は、前記配線の撓みによって可動部材の動作方向へ回動することを特徴とする(7)に記載の遊技機。
(9)前記配線の前面には、前記配線が所定位置よりも前面に突出することを規制する前面カバーが設けられることを特徴とする(7)または(8)に記載の遊技機。
(7)の発明によれば、可動配線固定部材503が配線の動きにともなって回動することで、配線にかかる負荷を軽減し、配線の破断や抜けを抑制する。その上で、可動役物(昇降ユニット510)が遊技者に十分に視認可能な位置まで移動しても、ステージ部40eによって通過穴503aが隠されるため、通過穴503a及び配線が遊技者に視認されることがなく、配線が遊技者に視認されることによる遊技の興趣の低下を抑制する。
(8)の発明によれば、配線が遊技者に視認されることによる遊技の興趣の低下を抑制し、可動役物(昇降ユニット510)の昇降幅よりも小さい幅で配線を昇降させることができ、配線にかかる負荷を軽減し、配線の破断や抜けを抑制することができる。
(9)の発明によれば、配線が遊技者に視認されることによる遊技の興趣の低下を抑制し、前面カバー(下部固定部材547)によって配線の動きを所定の範囲に収めるため、配線が他の部材と干渉することを防止できる。これによって、配線が他の部材と干渉して配線が破断することを未然に防止できる。
[第3可動役物]
図30は、第1実施形態の第3可動役物ユニット600の分解斜視図である。第3可動役物ユニット600に設けられる第3可動役物600aは、表示装置41の外縁を初期位置とし、表示装置41の前方を動作位置として移動する可動役物である。第3可動役物600aは、右上可動部材610、左下可動部材620によって構成される。
第3可動役物ユニット600は、第3可動役物ベース部材601に、右上可動部材610、左下可動部材620、及びこれらに駆動力を供給する駆動系部材が取り付けられて構成される。
第3可動役物ベース部材601は、略矩形のベース部材であり、下部1/4は、駆動系の部材が取り付けられる部分となり、遊技者から視認される可能性がないため、装飾は施されない。上部3/4は、表示装置41の表示画面を隠さないように、中心部に矩形の開口を備え、開口の周囲は装飾が施されている。開口を形成する4辺のうち、上辺601a、左辺601b、下辺601cには、第3可動役物600aをガイドするガイド溝が設けられる。
第3可動役物ベース部材601の右辺601dの下部には、前方へ突出する棒状の支持体603が形成され、支持体603が被挿通部613に挿通されることで、右上可動部材610を軸支する。
右上可動部材610は、被挿通部613及びガイドピン612によって第3可動役物ベース部材601に支持され、モータ615の駆動力により、被係合部613を軸として表示装置41の外周右上部から表示装置41の前方へ回動する。ガイドピン612は、上辺601aの右部に円弧をもって形成されるガイド溝602に係合される。
左下可動部材620は、ガイドピン622及びガイドピン623(図32参照)によって第3可動役物ベース部材601に支持され、モータ633の駆動力によって表示装置41の外周左下部から表示装置41の前方へ回動する。ガイドピン622は、左辺601bの中程に円弧をもって形成されるガイド溝604に係合され、ガイドピン623は、下辺601cの左部に水平に形成されるガイド溝605に、回動アーム630のガイド溝631を貫通して係合される。
モータ615の出力軸には、駆動アーム616の一端が軸着され、駆動アーム616の他端にガイドピン617が設けられる。ガイドピン617は、右上可動部材610の下部に形成されるガイド溝611に係合され、モータ615の駆動力をリンク機構によって右上可動部材610に伝達することで、右上可動部材610を左右に回動させる。モータ615の前面には、駆動系右前面カバー816が取り付けられる。
モータ633の出力軸には、半円駆動ギア634が軸着され、半円駆動ギア634は、従動ギア635と咬合される。また、従動ギア635は、回動アーム630の一端部に設けられる半円従動ギア636と咬合され、回動アーム630にモータ633の駆動力を伝達する。回動アーム630の他端部に設けられるガイド溝631は、ガイドピン623を介して回動アーム630の回動力を左下可動部材620に伝達する。
モータ633、半円駆動ギア634、従動ギア635、半円従動ギア636、回動アーム630は、駆動機構を構成する。
半円駆動ギア634、従動ギア635、半円従動ギア636の前面には、駆動系左前面カバー637が取り付けられ、上記の3個のギアを前面側から支持する。
図31は、第1実施形態の第3可動役物600aが初期位置にある場合の第3可動役物ユニットの正面図であり、図32は、同背面図である。
図31に示すように、モータ615の駆動力によって、駆動アーム616が左側に回動すると、ガイドピン617が右上可動部材610の軸部(被挿通部613)より下を左側へ回動させ、被挿通部613が軸となって当該軸部より上を右側へ回動させる。そのため、第3可動役物600aの初期位置として、右上可動部材610は、右辺601dの前面に位置する。
右上可動部材610の下部側面には、遮蔽リブ614が形成されており、右上可動部材610が初期位置にある場合には、センサ606の検出光が遮蔽リブ614によって遮られるため、右上可動部材610が初期位置にあることが検出される。
モータ633の駆動力によって、回動アーム630が左側へ回動すると、ガイドピン623が左下可動部材620を開口の左下部に引きつけるため、第3可動役物600aの初期位置として、左下可動部材620は、全体として左辺601bの前面に位置する。
半円従動ギア636の筺体部には、遮蔽リブ632が形成されており、左下可動部材620が初期位置にある場合には、センサ607の検出光が遮蔽リブ632によって遮られるため、左下可動部材620が初期位置にあることが検出される。
図33は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の第3可動役物ユニットの正面図であり、図34は、同背面図である。
図33に示すように、モータ615の駆動力によって、駆動アーム616が右側に回動すると、ガイドピン617が右上可動部材610の軸部(被挿通部613)より下を右側へ回動させ、被挿通部613が軸となって当該軸部より上を左側へ回動させる。そのため、第3可動役物600aの動作位置として、右上可動部材610は、第3可動役物ベース部材601の開口の(つまり、表示装置41の)前面右上に位置する。
また、モータ633の駆動力によって、回動アーム630が右側へ回動すると、ガイドピン623が左下可動部材620を右側へ回動させるため、第3可動役物600aの動作位置として、左下可動部材620は、第3可動役物ベース部材601の開口の(つまり、表示装置41の)前面左下に位置する。
図34に示すように、動作位置では、ガイドピン612は、ガイド溝602の左限近くへスライドする。また、ガイドピン622は、ガイド溝604の下限近くへスライドし、ガイドピン623は、ガイド溝605の右限近くへスライドする。
右上可動部材610、左下可動部材620は、連動して初期位置から動作位置へ回動し、また、両部材は連動して動作位置から初期位置へ回動するが、連動せずにそれぞれ別個に回動してもよい。
続いて、図35から図39を参照して、左下可動部材620に電力を供給する左下可動部材用配線640について説明する。図35は、第1実施形態の第3可動役物600aが初期位置にある場合の、第3可動役物ユニット600の正面図であり、図36は、同動作位置にある場合の正面図である。図35、図36ともに、左下可動部材用配線460を太線で示している。また、図37は、第1実施形態の左下可動部材620及び駆動系左前面カバー637の拡大正面図である。
右上可動部材610、左下可動部材620は、いずれも龍を模した可動部材であり、内部に照明源を備える。このうち、右上可動部材610は、その背面側に電力を供給する配線が配置される。
左下可動部材620へは、図35、図36に太線で示す、左下可動部材用配線640が配置され、制御ベースユニット400側から左下可動部材620へ電力が供給される。左下可動部材用配線640は、一端部を第3可動役物ベース部材601の下部左側面に固定され、左下可動部材620の外周の左側(龍の背中)に沿って引き回され、さらにガイドピン622に掛け回されて、他端部が左下可動部材620内へと接続する。左下可動部材用配線640は、左下可動部材620の動作に追随して動作態様を変化させる(移動する)配線である。
左下可動部材用配線640は、柔軟性の高いプラスチック素材(後述する配線ガイド部材641)に這うように配置される配線である。
左下可動部材620の外周左側(龍の背中)では、固定境界部624の上側において、後述する配線ガイド部材641が左下可動部材620の外周部に固定され、固定境界部624の下側において、当該外周部と着離可能となっている。
図36に示すように、第3可動役物600aが動作位置にある場合、左下可動部材用配線640の一端部(第3可動役物ベース部材601側)から固定境界部624までの左下可動部材用配線640は、左下可動部材620の外周部から離れて略直線的に線路が展開する。そして、固定境界部624からガイドピン622までは、左下可動部材620の外周に沿った線路となる。
このため、左下可動部材620が初期位置と動作位置とを往復するにあたって左下可動部材用配線640が表示装置41の前方に垂れ下がることがなく、表示画面の視認を阻害することがない。そして、左下可動部材620と左辺601b、下辺601cによって区画される略三角形の領域には、下部左側表示領域552として表示画面を視認する領域が確保される。
図37の拡大正面図では、固定境界部624よりも上側において、左下可動部材用配線640を左下可動部材620の外周に固定する部材として、配線第1固定部材626が左下可動部材620から外して表されている。
配線第1固定部材626は、固定境界部624の上部であって、左下可動部材620の窪み部分に設けられる。配線第1固定部材626は、ビス穴626bがボス620bにビス留めされ、ビス穴626cがボス620cにビス留めされることで左下可動部材620に固定される。
窪み部626dには、配線ガイド部材641が挟み込まれて、左下可動部材620の外周に固定される。
配線第1固定部材626には、結束バンド643(図38参照)を通過させるバンド口(通過口)626aが設けられる。なお、配線第1固定部材626は、バンド口626aに結束バンド643を通過させることによっても左下可動部材用配線640を固定可能であるし、その他種々の固定方法で配線第1固定部材626を固定できる。配線第1固定部材626は、左下可動部材620の窪み部分に設けられることで、左下可動部材用配線640に曲線部が形成され、当該曲線部によって左下可動部材620の移動に伴う、加速、衝突にかかる負荷を軽減することができる。
配線第1固定部材626と左下可動部材620との間に若干の空間が設けられるため、当該空間に後述する配線ガイド部材641が配置されて、配線ガイド部材641が固定される。
なお、配線ガイド部材641は、配線第1固定部材626と左下可動部材620との間に固定されるため、配線第2固定部材638までの長さでもよいし、配線640の途中までの長さで配でもよい。即ち、左下可動部材620に配線640追随可能となるならばどのような長さでもよい。
図38は、第1実施形態の左下可動部材用配線640の拡大図であり、(A)は配線ガイド部材641が結束バンド643に左右交互に結束される部分の図、(B)は同左側に結束される部分の図、(C)は同右側に結束される部分の図である。また、図39は、第1実施形態の左下可動部材用配線640の別の一例の拡大図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
左下可動部材用配線640は、配線(導線)642の幅の数倍の幅を有する配線ガイド部材641に、配線642が結束バンド643で結束されるものである。結束バンド643は、配線642の固定部材、止着部材として機能する。バンド口(通過口)626aは、結束バンド643の名称に対応して止着口と称呼してもよい。
配線ガイド部材641は、透光性及び柔軟性のあるプラスチック素材であり、前後左右及び長さ方向への伸張、屈曲に追随することが可能である。配線642は、配線ガイド部材641の上面において結束バンド643が形成するリング状の空間において自在に移動可能であり、配線ガイド部材641が、主として役物の動作にともなう伸長、屈曲、衝撃にともなう負荷を吸収するため、配線642への負荷が軽減される。
配線ガイド部材641には、結束バンド643を通過させるバンド口644が配線ガイド部材641の長さ方向(縦方向)に複数形成される。
図38(A)に示すように、バンド口644を配線ガイド部材641の左側及び右側に交互に設けることで、配線642が左側または右側に移動できる空間が交互に形成され、左下可動部材用配線640が左右のどちらに屈曲しても配線642への負荷を軽減することができる。
また、図38(B)に示すように、バンド口644を配線ガイド部材641の右側に連続的に設けることで、導線が左側に移動できる空間が形成され、左下可動部材用配線640が右側に強く屈曲しても配線642への負荷を軽減することができる。
また、図38(C)に示すように、バンド口644を配線ガイド部材641の左側に連続的に設けることで、導線が右側に移動できる空間が形成され、左下可動部材用配線640が左側に強く屈曲しても配線642への負荷を軽減することができる。
これらバンド口644をどのように設けるかは、左下可動部材用配線640の線路の形状に合わせることで、配線642への負荷を効果的に軽減することができる。
図39(A)及び(B)は、配線ガイド部材641の長さ方向と直行する方向(横方向)へもバンド口644を複数設けた状態を示す。横方向にも複数のバンド口644が設けられるため、例えば、左側のバンド口644に結束バンド643を通過させて、配線ガイド部材641の右側外側を経由して結束バンド643を結束させることや、左側のバンド口644と右側のバンド口644に通過させて結束させることができる。また、バンド口644を斜めに経由させて結束させることも可能であり、任意に結束バンド643の結束幅を調整することができる。
このように、バンド口644が横方向にも複数設けられることで、左下可動部材用配線640の線路に合わせてバンド口644及び結束幅を決めればよいため、左下可動部材用配線640の線路に合わせてバンド口を左側又は右側に形成しなくてもよく、配線ガイド部材641を特注で作成する必要がなくなる。つまり、横方向にも複数のバンド口644を設けた配線ガイド部材641は、汎用的に用いることができる。
なお、配線642は、光ファイバー等の通信線や、他の構造体を押すまたは引くためのワイヤであってもよく、ケーブル類全般が想定される。また、配線ガイド部材641は、端部から入射される光を前方等へ反射することによって発光して見える導光型の部材であってもよい。この場合、配線ガイド部材641は、例えば、下層から順に反射シート、アクリルシート、拡散シートの3層で構成されてもよいし、単にアクリルシートのみで構成され、レーザーによってアクリル内部に反射部を形成されてもよい。また、配線ガイド部材541は、蛍光塗料を含むものであってもよい。
また、配線ガイド部材641が配線642の被覆となってもよい。つまり、配線ガイド部材641に扁平な空洞が設けられ、当該空洞の内部に配線642が配置される。この場合、配線642は、配線ガイド部材641の空洞内を左右に自在に移動できるため、配線642にかかる負荷を軽減することができる。また、配線ガイド部材641が配線642の被覆となる場合には、配線ガイド部材641には、バンド口644が設けられてもよいし、設けられなくてもよい。
〔第1実施形態(配線ガイド部材)の一形態〕
ここまで説明した配線ガイド部材641に関する構成を有する遊技機として、以下の遊技機を挙げることができる。
(10)所定の演出に対応して動作可能な可動役物を備えた遊技機において、前記可動役物を動作させる駆動機構と、前記可動役物の外部から前記可動役物に接続可能な配線と、前記配線がガイドされる配線ガイド部材と、を備え、前記配線ガイド部材は、前記可動役物の外周に沿って配設され、動作する前記可動役物に前記配線を追随可能とさせることを特徴とする遊技機。
(11)前記配線ガイド部材は、透光性の部材であり、前記配線を結束可能な結束手段を通過可能な通過口を備えることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
(12)前記通過口は、前記配線ガイド部材の縦方向及び横方向にそれぞれ複数設けられることを特徴とする(11)に記載の遊技機。
(13)前記配線ガイド部材は、扁平な空洞を備え、前記配線は、該空洞内に配置されることを特徴とする(10)から(12)のいずれかに記載の遊技機。
(10)の発明によれば、配線が配線ガイド部材によって保護されるため、配線が可動役物に追随して移動、引張、屈曲しても配線の損傷が抑えられる。また、配線ガイド部材が可動役物の外周に沿って配設されるため、配線が可動役物の外周に引き回されることで、極端な引張、屈曲が抑えられる。
(11)の発明によれば、バンド口に結束バンドを通過させることで、配線が配線ガイド部材に結束される。また、配線ガイド部材は透光性であるため、画像や装飾光を透過し、遊技者の視認を大きく妨げない。
(12)の発明によれば、配線の移動を見越した場所に対応するバンド口を使って結束できるため、配線の移動に合わせた特注の配線ガイド部材を用意する必要がなく、配線のガイド箇所に拘束されない汎用的な配線ガイド部材が提供される。
(13)の発明によれば、配線は、配線ガイド部材の空洞内を左右に自在に移動できるため、配線にかかる負荷を軽減することができる。また、配線可動部材と配線が一体となるため、すっきりとした印象を与えることができる。
〔第3可動役物が動作時の配線ガイド部材が区画する表示領域〕
次に、図40から図48を参照して、第3可動役物600aと連動した表示装置41の演出について説明する。
図40は、第1実施形態の第3可動役物600aが初期位置にある場合の画面表示の一例を示す図であり、変動表示ゲームがリーチ状態となっている。
表示装置41の画面(表示画面)は、中央表示領域551、下部左側表示領域552、上部左側表示領域553、上部右側表示領域554、下部右側表示領域555、下部中央表示領域556に分けられる。
図40では、中央表示領域551に、リーチ状態の変動態様が表示されている。また、下部中央表示領域556に始動記憶が特図1始動記憶及び特図2始動記憶の区別なく3個表示されている。さらに、下部左側表示領域552に第4図柄が表示されている。ここに表示される第4図柄は、ランプ表示装置80と同一の機能として表示され、表示態様はランプ表示装置80と同一であってもよいし、異なる態様で表示されてもよい。
図41は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の一例を示す図であり、変動表示ゲームがリーチから発展演出へ移行している。
第3可動役物600aが動作位置へ移動すると、左下可動部材620が下部中央表示領域556を覆い隠すため、始動記憶表示は、表示画面の左辺に近い領域へ移動し、例えば、縦に表示される。始動記憶表示は、保留数を数字で表してもよい。また、中央表示領域551のうち、第3可動役物600aによって形作られる破線で囲む中央演出領域551aにリーチの発展画像が表示され、上部左側表示領域553にリーチ態様の識別図柄が表示される。
下部左側表示領域552は、動作状態の左下可動部材620によって覆い隠されないため、下部左側表示領域552には、引き続き第4図柄が表示されている。
なお、配線ガイド部材641が発光して、左下可動部材620によって区画される下部左側表示領域552への注目を集め、第4図柄への遊技者の意識を高めるようにしてもよい。動作位置にある第3可動役物600aと第3可動役物ベース部材601とによって区画される表示領域をアピール領域として活用することで、これまでにない斬新な演出を提供することが可能となる。以下、図48まで当該アピール領域に表示する各種の演出例を順に説明する。なお、アピール領域には、下部左側表示領域552及び上部右側表示領域554が該当する。
図42は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の別の一例を示す図であり、一方のアピール領域に実行中の変動表示ゲームの期待度を表すキャラクタが表示されている。
ここでは、下部左側表示領域552に期待度を示唆するキャラクタが表示され、アピール領域において遊技者に期待度を報知するとともに、上部右側表示領域554に第4図柄が表示され、2ヶ所のアピール領域を活用して遊技者に情報を効果的に伝達している。なお、期待度を示唆するキャラクタと第4図柄とは、交互に表示領域を入れ替わって表示されてもよい。
図43は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の別の一例を示す図であり、一方のアピール領域に発展するリーチ演出に対応したアイコンが表示されている。
ここでは、実行中の変動表示ゲームが発展するリーチ演出として、SP1リーチであることを下部左側表示領域552に表示している。また、下部右側表示領域555に第4図柄が表示されている。第3可動役物600aが動作位置にある場合、表示画面の一部は覆い隠されるが、表示画面の四隅には、キャラクタやアイコンが表示可能な領域が残されており、中央演出領域551aに演出画像が表示される場合には、これら四隅は効果的な情報伝達領域となる。これら四隅の表示領域に表示される情報伝達画像(例えば、キャラクタ、アイコン、数字等)は、その表示領域を順に入れ替わったり、ランダムに入れ替わってもよく、また、ランダムに表示されたり、表示されなかったりしてもよい。
図44は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の別の一例を示す図であり、一方のアピール領域に変動中の保留表示に関するアイコンが表示されている。
ここでは、実行中の変動表示ゲームの始動記憶が下部左側表示領域552に表示され、通常の表示態様(例えば、白丸)から変化して、期待度が高いことを報知している。なお、左下以外の他の隅部に第4図柄等の情報伝達画像が表示されてもよく、また、実行中の始動記憶に関するアイコンは上部右側表示領域554に表示されてもよい。
図45は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の別の一例を示す図であり、一方のアピール領域に保留中の始動記憶数が表示されている。
図46は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の別の一例を示す図であり、変動表示ゲームが実行中の状態である。
ここでは、下部中央表示領域556に始動記憶が特図1始動記憶と特図2始動記憶とに分かれて表示される。白丸で示す始動記憶が特図1始動記憶であり、黒丸で示す始動記憶が特図2始動記憶である。下部左側表示領域552には、変動表示ゲームを実行中の始動記憶が表示されている。
また、上部右側表示領域554には、上側に特図1始動記憶の数が数字で「3」と表示され、その下側に特図2始動記憶の数が「2」と表示されている。
図47は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の別の一例を示す図であり、図46の画面から続く演出画面である。
第3可動役物600aが動作位置に移動すると、左下可動部材620によって下部中央表示領域556が覆い隠されるため、始動記憶表示は、表示画面の左辺近傍へ移動して表示される。
また、中央演出領域551aに演出画像が表示され、識別図柄は上部左側表示領域553へ移動して表示される。
一方、上部右側表示領域554は、覆い隠されないため、アピール領域となって引き続き、始動記憶数(保留数)を表示している。
また、下部左側表示領域552では、左下可動部材620が初期位置から動作位置へ移動する際に、実行中の始動記憶表示が、一旦多い隠された瞬間に期待度の高いことを示す表示態様へと変化して表示される。また、実行中の始動記憶表示が変化するタイミングで「ピョイ」と効果音が報知される。
このように、第3可動役物600aが初期位置から動作位置へ移動する際に、アピール領域に表示される画像が第3可動役物600aによって一旦覆い隠されるタイミングで変化するため、より効果的なアピールが可能となる。
図48は、第1実施形態の第3可動役物600aが動作位置にある場合の画面表示の別の一例を示す図であり、アピール領域には、大当り回数及び打ち方が表示される。
ここでは、破線で示す中央演出領域551aにおいて、実行中の変動表示ゲームの識別図柄が表示され、下部左側表示領域552に「右打ち→」と表示され、上部右側表示領域554に「2回」と大当り回数が表示されている。
「右打ち→」の表示は、右打ちで打つことが遊技者にとって有利であることを報知するものであり、例えば、通常遊技状態から特定遊技状態に変化する前後において、「←左打ち」の表示から「右打ち→」の表示へと変化して報知される。
なお、「右打ち→」の表示は、直感的に遊技者が把握可能なように、表示画面の右側の領域である、下部右側表示領域555や上部右側表示領域554に表示されてもよい。
情報伝達画像として表示される画像として、始動記憶数、実行中の始動記憶表示、先読みされた始動記憶表示、リーチの種類、期待度、または遊技モードを示唆する画像(例えば、キャラクタないしアイコン)、大当り回数、右打ちか左打ちかの表示を一例として挙げたが、これら画像は、いずれの組み合わせでもってアピール領域に表示されてもよい。また、いずれの組み合わせでもって四隅に表示されてもよい。さらに、第3可動役物600aの通過に合わせた画像の表示態様の変化、効果音、表示箇所の入れ替えについてもいずれを組み合わせて演出が実行されてもよい。
このように、本実施形態における左下可動部材用配線640は、固定境界部624を境に着離可能となっているため、左下可動部材620に追随して移動するにもかかわらず、左下可動部材用配線640が表示装置41の前方に垂れさがらず、画面の視認を妨げない。そのため、第3可動役物ベース部材601の開口と、動作位置にある左下可動部材620とによって区画される領域がアピール領域として活用可能となる。
また、本実施形態における左下可動部材用配線640は、左下可動部材620の外周窪み部に設けられる配線第1固定部材626によって左下可動部材620に固定されるため、当該窪み部と同調する形状によって左下可動部材620の移動にともなう引張、屈曲、衝撃の負荷を軽減することができる。
また、本実施形態における左下可動部材用配線640は、配線642が配線ガイド部材641にガイドされるため、配線642への上記の負荷が軽減する。さらに、配線ガイド部材641には、結束バンド643を縦、横、斜めに自在に経由して結束可能なバンド口644が設けられるため、結束バンド643によって形成される移動空間により、配線642への上記の負荷が軽減され、破断や断線のおそれが大きく軽減する。
また、アピール領域は、遊技者の注意が集まり易い領域であり、当該アピール領域に、第3可動役物600aの通過に合わせた画像の表示態様の変化、効果音、表示箇所の入れ替え等と組み合わせて、キャラクタやアイコン等の各種の情報伝達画像を表示することで、遊技の進行に関する情報を遊技者に効果的に伝達することが可能である。また、遊技の興趣を向上させる演出が実行可能である。
〔第1実施形態(配線ガイド部材が区画する表示領域)の一形態〕
ここまで説明した左下可動部材用配線640ないし左下可動部材620が区画する表示領域の構成を有する遊技機として、以下の遊技機を挙げることができる。
従来、パチンコ遊技機においては、遊技領域が形成された遊技盤に液晶表示器等からなる画像表示部を設け、画像表示部において所定のゲームを行い、該ゲームの結果が特定の結果態様となると、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機がある。
このような遊技機においては、始動記憶手段に始動記憶が記憶されて変動表示ゲームを待機している状態において、該始動記憶に対応して記憶されている乱数値を大当りか否か判定(先読み判定)し、遊技盤の外縁であって枠装飾装置として設けられる役物と、表示画面とが一体となってビーム演出を実行することで、先読み演出を実行する機能を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献Z)。
上記の遊技機は、遊技盤の外縁に設けられる役物と遊技盤中央部の開口に設置される表示装置の表示画面とが一体となって、遊技の進行に応じて視覚的な演出を提供するものであるが、遊技機開発における日々の進展により演出面の陳腐化は避けることができない。
そこで、本発明は、遊技の興趣を高めた遊技機を提供することを目的とする。
(14)所定の演出を表示可能な表示装置と、前記所定の演出に対応して動作可能な可動役物とを備えた遊技機において、前記表示装置の前方へと前記可動役物を動作させる駆動機構と、前記可動役物の外部から前記可動役物に接続可能な配線と、前記配線がガイドされる配線ガイド部材と、を備え、前記配線ガイド部材は、前記可動役物の外周に沿って線状に配設され、前記表示装置の前方へ移動する前記可動役物に前記配線を追随可能とさせ、前記可動役物が前記表示装置の前方にある場合には、前記可動役物によって区画される区画領域が前記表示装置の画面領域に形成されることを特徴とする遊技機。
(15)前記区画領域に、遊技状態を報知する情報伝達画像を表示可能であることを特徴とする(14)に記載の遊技機。
(16)前記区画領域に、遊技球の発射勢に関する情報を表示可能であることを特徴とする(14)または(15)に記載の遊技機。
(17)前記配線ガイド部材は、該配線ガイド部材の端部から入射された入射光によって発光することを特徴とする(14)から(16)のいずれかに記載の遊技機。
(18)前記配線ガイド部材は、蛍光塗料を含むことを特徴とする(14)から(17)のいずれかに記載の遊技機。
(14)の発明によれば、配線ガイド部材によって配線にかかる負荷を軽減するとともに、配線ガイド部材によって区画される区画領域が形成されることでこれまでにない演出領域がもたらされて遊技の興趣を向上させることが可能である。
(15)の発明によれば、区画領域にキャラクタやアイコンが表示されるため、遊技者の注目度合いが高まり、効果的に遊技情報を伝達することが可能である。
(16)の発明によれば、区画領域に右打ちと左打ちの別が表示されるため、効果的に打ち方を伝達することで、無駄球にともなう遊技者の不満を低下させることができる。
(17)の発明によれば、配線ガイド部材が端部から入射された光によって発光するため、任意のタイミングで区画領域周辺に幻想的な雰囲気をもたらして遊技の興趣を向上させることができる。
(18)の発明によれば、配線ガイド部材は、蛍光塗料によって発光するため、背景画面や周辺の装飾部材の明暗によるコントラストによって区画領域周辺に幻想的な演出環境を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[特別変動入賞装置]
次に、図49から図78を参照して特別変動入賞装置ユニット700の構造について詳細に説明する。図49は、第1実施形態の特別変動入賞装置ユニット700を説明する図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。また、図50は、第1実施形態の開閉扉39cが閉状態の特別変動入賞装置ユニット700の斜視図であり、図51は、第1実施形態の開閉扉39cが開状態の特別変動入賞装置ユニット700の斜視図である。
特別変動入賞装置39は、特別遊技状態のラウンド遊技期間中の所定期間に、開閉扉39cを閉状態と開状態とに交互に変換する装置であり、特別変動入賞装置ユニット700に設けられる。また、特別変動入賞装置ユニット700には、右側から流下する遊技球が入賞可能な一般入賞口35が1個設けられる(図52参照)。
図49の(A)及び(B)に示すように、特別変動入賞装置ユニット700は、ベース部材701のフランジ状部分701fを境にして、前面側の装飾部720と背面側の本体部760とによって構成される。装飾部720、本体部760は、それぞれ遊技者に視認可能であってもよいし、視認不可能であってもよい。
装飾部720は、前面に装飾が施された前面装飾部材721及び前面装飾部材721の上部に形成される上部側壁722から成る。前面装飾部材721は、大入賞口または一般入賞口35に入賞した入賞球をベース部材701の背面側へ誘導する流路を内部に備え、前面装飾部材721の背面側に当該流路が形成される。
装飾部720は、ベース部材701のフランジ状部分701fとの間に球通路724を形成し、球通路724の中程に大入賞口を備える。球通路724は、正面視右側よりも左側の方が低くなるように形成され、遊技球は右側から左側へ流下するように設計される。球通路724の前面には、透光性素材によって形成される上部側壁722が設けられ、球通路724を流下する遊技球が視認可能となっている。
本体部760は、ベース部材701を背面側から収容するハウジング731(図52参照)及びソレノイドカバー771(図52参照)によって覆われ、ハウジング731の外周部によって遊技盤30に嵌合される。
本体部760からは、舌状部材741(図52参照)が前後方向に進退することで、図50及び図51に示すように、大入賞口が開閉する。舌状部材741の上面は、段差を設けた平面状であり、先端側が一段低く形成され、開閉扉39cをなす。また、舌状部材741の上面先端側には、隆起部(凸部)742が3個設けられ、球通路724を流下する遊技球の流下勢を弱める働きをもつ。開閉扉39cは、球通路724の底部の一部を構成する。
図52は、第1実施形態の特別変動入賞装置ユニット700の分解斜視図である。また、図53は、第1実施形態の装飾部720を説明する図であり、(A)はベース部材701の正面図、(B)は前面装飾部材721の背面図である。また、図54は、第1実施形態の本体部760を説明する図であり、(A)はベース部材701の背面図、(B)はハウジング731及び開閉扉ユニット740の分解斜視図である。
まず、ベース部材701と上部側壁722の間に設けられる球通路724の側面構造について説明する。図52及び図53(A)に示すように、球通路724の背面側にあたる、ベース部材701のフランジ状部分701fの表面には、小さく波打った形状の凹凸面(摩擦面)である波状部701aが設けられる。波状部701aは、球通路724に沿った方向に対して垂直に形成される摩擦力が高い箇所であり、当該波状部701aに当接する遊技球の流下勢を弱める働きをもつ。
そして、波状部701aには、凹凸面の高さよりも高い畝状の背面側突条部(畝部)702が、球通路724に沿った方向に対して垂直方向に形成される。背面側突条部702は、球通路724に沿った方向に所定の間隔(ピッチ)をもって4条形成される。背面側突条部702の各形状は、略三角柱状である。各背面側突条部702の面のうち、球通路724の上流側に面する上流面702aの角度は、球通路724の下流側に面する下流面702bよりも小さな角度でベース部材701より立ち上がり、上流面702aは下流面702bよりも傾斜が緩やかである。そのため、上流面702aの一辺と下流面702bの一辺が合わさって形成される峰部は、正面視で中心線よりも左側に位置する。このように、下流面702bに急な傾斜をもって畝部を形成することで、背面側突条部702の背面部(ベース部材701側)の幅をより小さくすることができ、球通路724により多くの背面側突条部702を設けることができる。なお、上流面702aに下流面702bよりも緩やかな傾斜をもたせることは、後述するように、球通路724を流下する遊技球に適当な蛇行を与えるためである。
かかる形状によって、球通路724を左側へ流下する遊技球が背面側突条部702に当接すると、遊技球は球通路724において前方方向(斜め前方方向)へ転動させられる。そのため、背面側突条部702は、横方向に流下する遊技球を前方へ転動させることで、波状部701aよりも遊技球の流下勢を弱める働きをもつ。また、背面側突条部702は、右側(上流側)より流下する遊技球のみならず、斜め上方向や上方向から球通路724へ流下する遊技球も左右非対称の畝部の形状によって前方へ転動させることが可能であり、遊技球が球通路724から上方へ飛び出すことを抑止する。
また、図53(B)に示すように、上部側壁722の背面側(つまり球通路724の前面側)には、球通路724に沿った方向に対して垂直方向に所定の間隔をもって畝状の前面側突条部(畝部)725が3条形成される。前面側突条部725は、背面側突条部702と対向する正面部に形成されてもよいが、遊技球にジグザグの蛇行を与えるために背面側突条部702のピッチの中間部に位置する場所にそれぞれ形成される。
前面側突条部725の各形状も略三角柱状であるが、背面側(上部側面側)よりも峰部が短く形成される。そして、三角柱状の底面側(大入賞口側)の三角形の形状は、背面側から峰部に向かって上方に傾きをもって形成される。さらに、前面側突条部725は、背面側突条部702よりもやや上方に形成されるので、球通路724を跳ねる遊技球のみ背面側突条部702に当接することになり、特に、球通路724から上方へと飛び出そうとする遊技球を球通路724に留め置く働きをもつ。
そのため、背面側突条部702及び前面側突条部725は、上方や斜め上方から球通路724へ流下する遊技球の上方への飛び出しを抑制し、上方や斜め上方から流下する遊技球も、より大入賞口に入賞し易くする。さらに、舌状部材741の先端部に設けられる隆起部(凸部)742と、隆起部742に対応する位置に、平面視で切り欠きをもつように形成される鋸歯状の舌状部材741の段差743(窪み部)も、遊技球の流下方向を変則的に変更するため、上方や斜め上方から球通路724へ流下する遊技球の上方への飛び出しを抑制し、上方や斜め上方から流下する遊技球をより大入賞口に入賞し易くする。
また、背面側突条部702と前面側突条部725は、球通路724を流下する遊技球の流下勢を弱めて、遊技球を大入賞口に入賞し易くする。同様に、隆起部(凸部)742及び段差743も遊技球の流下方向を変則的に変更することで遊技球の流下勢を弱め、遊技球を大入賞口に入賞し易くする。
このように、背面側突条部702、前面側突条部725、隆起部742、段差743は、相まって球通路724を流下する遊技球をできるだけ球通路724に滞留させることができる。つまり、背面側突条部702、前面側突条部725、隆起部742、段差743が存在しない場合と比較して、第1実施形態の遊技機10では遊技球が大入賞口に入賞し易くなる。即ち、背面側突条部702、前面側突条部725、隆起部742、段差743は、球通路724の上方への遊技球の飛び出しを抑制するとともに、遊技球が球通路724を通過するのに要する時間を増加させることで、入賞補助手段として機能する。
そして、球通路724に滞留する遊技球は、開閉扉39cが開状態となった時に大入賞口に一気に落下して入賞するため、遊技者にとって有利な状態をもたらし、遊技の興趣を大きく向上させることができる。特に、0.2秒程度の短開放であっても開閉扉39cの上に複数の遊技球が滞留している場合には、ドサッと入賞するため、入賞補助手段を備えない遊技機と比較して遊技の興趣を大きく向上させる。
次に、特別変動入賞装置39、一般入賞口35に入賞した遊技球が通過する流路について説明する。一般入賞口35の流路について先に説明する。図52に示すように、前面装飾部材721の右方には、右斜め上を向いた開口735が形成され、一般入賞口35の開口部となる。
開口735を通過した遊技球は、図53(B)に示す右側前面流路728を流下し、ベース部材一般入賞開口704を通過して本体部760側へと流下する。さらに、入賞球は、右側背面流路705を流下してハウジング731に形成される右側ハウジング開口732を通過し、他のアウト球と一緒に回収される。右側前面流路728には、入賞口スイッチ35aが設けられ、一般入賞口35に入賞した遊技球を検出する。
大入賞口は、図53(B)に両端矢印「W」で示すように、例えば、遊技球4個分の幅をもって上方に向かって開口部が形成される。当該開口部に落下した遊技球は、大入賞口スイッチ35aを通過して中央前面流路727を流下し、ベース部材大入賞開口706を通過して本体部760側へと流下する。さらに、入賞球は、中央背面流路707を流下してハウジング731に形成される下部ハウジング開口733を通過し、他のアウト球と一緒に回収される。
舌状部材741は、ベース部材701に形成されるベース部材舌状開口703を通過することでベース部材701を貫通し、当該開口703より前方が開閉扉39cとして機能する。開閉扉39cは、開閉扉ユニット740に設けられる大入賞口ソレノイド39bの動力によって舌状部材741が前後することで開閉する。開閉扉ユニット740は、ソレノイドカバー771によって背面側から覆われ、大入賞口ソレノイド39bは、ハウジング771に形成される受部771aによって受容される。
続いて、舌状部材741の構造及び動作機構について説明する。図55は、第1実施形態の舌状部材741の構造を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
舌状部材741は、前方側が開閉扉39cとして機能する可動部材である。舌状部材741の前方側は、段差743によって一段低く形成され、当該一段低い面の先端部に隆起部742が形成される。舌状部材741は、正面視で左方向へ下り傾斜して形成され、開閉扉39cの閉状態において、遊技球を球通路724の左方向へ流下させる。舌状部材741の中央下部は、係合軸749(図56及び図57参照)が係合される被係合部741bが形成され、大入賞口ソレノイド39bの動力が伝達される。
段差743は、平面視で鋸歯状の形状であるが、段差743としての各窪み部は、遊技球の流下勢を弱めるとともに、遊技球が完全に流下停止するいわゆる球噛みを発生させないように、直角だけを組み合わせずに、流下方向(左方向)に対して鈍角をもって形成される。つまり、平面視での形状に直角だけを組み合わせた、コの字状によって段差743を形成すると、当該コの字部において遊技球が完全に停止して球噛みの発生を引き起こすおそれがあるので、流下方向に向けて遊技球が流れるように、前面側へは段差743の幅が広がるように解放部743aが形成される。
解放部743aは、右方向から流下して段差743の開口部に侵入した遊技球を前方(斜め前方)へ転動させる機能も有し、段差743の各開口部と対応する位置に設けられる隆起部742とともに、遊技球に蛇行を与える。
なお、舌状部材741をベース部材舌状開口703に通過させる時を考慮して隆起部742の隆起高を段差743の高さと同一にしているが、隆起部742の隆起高は段差743よりも高くてもよいし、低くてもよい。隆起部742は、球通路724を流下する遊技球が特に当接する箇所であるため、隆起高が高いとより遊技球の流下勢を弱めることができる。また、隆起部742は、舌状部材741に対して上方向へ隆起するものではなく、下方向へ緩やかに陥没する窪み部であってもよい。
図56は、第1実施形態の舌状部材741の前後方向への動作を説明する開閉扉ユニット740の斜視図であり、(A)は舌状部材741が前進した状態の図、(B)は舌状部材741が後進した状態の図である。また、図57は、第1実施形態の係合軸749を説明する図であり、(A)は開閉扉ユニット740の正面図であり、(B)はA−A線における舌状部材741及び係合軸749の断面図である。また、図58は、第1実施形態の開閉扉ユニット740の底面図であり、(A)は舌状部材741が前進した状態の図、(B)は舌状部材741が後進した状態の図である。
図57に示すように、舌状部材741の下部中央に形成される被係合部741bに、係合軸749が係合して、大入賞口ソレノイド39bの動力が舌状部材741に伝達される。
また、図58に示すように、大入賞口ソレノイド39bは、左右方向にプランジャ(可動鉄芯)746が可動するように配置され、プランジャ746の先端部に取り付けられる第1アーム747の他端部が第2アーム748に接続する。第1アーム747はプランジャ746と同様に左右方向へしか移動できないが、第2アーム748は、軸部748aによって係合軸749を前後方向へ回動させるため、舌状部材741も前後方向へ動作する。
これによって、図56(A)に示すように、舌状部材741が前進している場合は、大入賞口が閉状態となり、反対に、図56(B)に示すように、舌状部材741が後進している場合は、大入賞口が開状態となる。
次に、球通路724を流下する遊技球の挙動について説明する。図59は、第1実施形態の開閉扉39cが閉状態の特別変動入賞装置ユニット700の平面図である。また、図60は、遊技球が2個流下している状態の同平面図であり、図61は、同斜視図である。
また、図62は、第1実施形態の開閉扉39cが閉状態の球通路724における遊技球の転動状態を説明する図であり、(A)は特別変動入賞装置ユニット700の正面図、(B)はA−Aでの断面図である。
開閉扉39cが閉状態の球通路724を遊技球が跳びはねずに転動する場合、遊技球は、隆起部742、段差743及び上部側壁722の背面に当接するため、図59に示す矢印のコースを転動することになる。流下勢が強い場合は、段差743を超えて背面側突条部702に当接するが、それでも矢印のコースに近似するコースを辿る。
図60及び図61は、遊技球が実際に球通路724を流下している状態であるが、球通路724の幅は遊技球の直径の約1.25倍であり、遊技球が開閉扉39cの上を左方向に流下しながら前後方向にも転動し、忙しなくジグザグに蛇行して球通路724を通過することが分かる。
これを側方から確認すると、図62(B)に示すように、背面側突条部材702の峰部から上部側壁722の背面までの幅は、ちょうど遊技球が通過できる幅に狭められるため、背面側突条部材702の前方を遊技球が通過する場合に少しでも流下勢が強い場合には、背面側突条部材702に当接して流下勢が減殺される。
図63は、第1実施形態の開閉扉39cが閉状態における遊技盤30の右下部の拡大正面図であり、図64は、第1実施形態の開閉扉39cが開状態における同正面図である。図63、図64では、遊技球が大入賞口に入賞する状態を分かり易くするため前面装飾部材721の後方が見えるように示す。なお、前面装飾部材721は、透光性の素材によって形成されて、前面装飾部材721の背面側が視認可能となっていてもよい。
また、図65は、遊技球が球通路724に滞留している状態を説明するために用意した、第1実施形態の開閉扉39cが閉状態における遊技盤30の右下部の拡大斜視図である。
図63では、開閉扉39cが閉状態であるため、球通路724を流下する遊技球が開閉扉39cの上を通過している。ここで、球通路724の左側に位置する遊技球B1は、球通路724を流下する間にジグザグに転動したことで流下勢が弱まり、球通路724の右側に位置する遊技球B2との間隔が、遊技球B2と遊技球B3との間隔と比べて短くなっている。
図64は、開閉扉39cが開状態となってすぐの状態であり、遊技球B1が中央前面流路727に落下して大入賞口に入賞している。また、遊技球B2も中央前面流路727へ落下する寸前であり、このまま大入賞口へ入賞することになる。また、球誘導部850から左下方へ流下する遊技球B3も球通路724へ流下した場合は、大入賞口へ入賞する見込みとなる。
図65は、図63の遊技球の位置を左斜め前方から表した状態であるが、遊技球B1が開閉扉39cの上面で蛇行して転動しており、球通路724を一気に流下せずに球通路724において滞留していることが分かる。また、遊技球B2も大入賞口へ向かって流下しており、開閉扉39cが閉状態であれば、球通路724においてジグザグに転動して球通路724に滞留することになる。
〔第1実施形態の特別変動入賞装置の効果〕
このように、第1実施形態の特別変動入賞装置39は、球通路724のなだらかな傾斜面及び背面側突条部材702、前面側突条部725、隆起部742、段差743等によって球通路724に遊技球を滞留させるため、開閉扉39cが短い期間のみ開放する場合でもより多くの入賞球を発生させるため、遊技の興趣を大きく向上させることができる。
[第1実施形態の変形例1(球通路724の別例)]
続いて、第1実施形態の特別変動入賞装置ユニット700の変形例について説明する。図66は、第1実施形態の変形例1の特別変動入賞装置ユニット700の平面図である。また、図67は、同斜視図である。
第1実施形態の変形例1では、舌状部材741ではなく球通路724の上流部に、隆起部742に加えて新たな隆起部(山部、凸部)742aが設けられる。
具体的には、図66及び図67に示すように、本変形例では舌状部材741の先端部に3個の隆起部742が設けられ、さらに、大入賞口の上流部にあたる上部側壁722の右側の背面にも、つまり、前面装飾部材721の球通路入口部にも隆起部742aが斜めに向かい合って2個設けられる。
当該箇所にも隆起部742aを設けるのは、矢印の線が示すように、第1実施形態の球通路724よりも遊技球をより長い距離にわたってジグザグと蛇行させるためである。また、隆起部742aが開閉扉39cの上流部に設けられるのは、開閉扉39c上面または大入賞口に流下する前に2個の隆起部742aによって事前に流下勢を弱めるためである。そのため、球通路724入口付近において(つまり、大入賞口の手前直前において)遊技球が留まり易くなる。
また、隆起部742aは、小さな面が数多く(例えば、10面)集まった山形であり、かかる多面形状により、上方及び斜め上方から流下する遊技球を球通路724から飛び出さずに球通路724内に留め置くことができる。
その結果、第1実施形態の球通路724よりも本変形例の球通路724の方がより多くの遊技球が球通路724に滞留し易くなり、開閉扉39cが開状態に変換される際に、より多くの遊技球が大入賞口に一気に入賞し易くなる。
なお、前面装飾部材721の球通路724部に設けられる隆起部742aの形状は、山形の凸部ではなく、凹部でもよい。また、隆起部742aよりも底面積の大きな扇状の窪み部であってもよい。
また、第1実施形態の変形例1では、背面側突条部702及び前面側突条部材725が第1実施形態の背面側突条部702及び前面側突条部材725と同一の場所に同一数設けられているが、これをさらに増加させてもよい。この場合、開閉扉39cの上流側に背面側突条部702及び前面側突条部材725を増加させることが大入賞口への入球数の増加に対して効果的であるが、開閉扉39cの下流側にさらに設けられてもよい。
〔第1実施形態の変形例1(球通路724の別例)の効果〕
このように、第1実施形態の変形例1では、球通路724の入口部にさらに隆起部742aを斜めに向かい合って2個設けることで、第1実施形態の球通路724よりも、遊技球を蛇行させる距離を長くし、より多くの遊技球を球通路724に滞留させることができる。
また、大入賞口の手前直前において流下勢を弱めるため、大入賞口の手前の球通路724に遊技球が留まり易くなり、開閉扉39cが開状態となった時に大入賞口に入賞する遊技球を増加させることができる。
そして、球通路724に流下しつつも大入賞口に入賞できずに球通路724の左側から再び遊技領域32へ流下する遊技球や球通路724の上方へ飛び出す遊技球(いわゆる無駄球)を減らすことができ、遊技の興趣を向上させる。
[第1実施形態の変形例2(球通路724の別例)]
図68は、第1実施形態の変形例2の特別変動入賞装置ユニット700の平面図である。また、図69は、同斜視図である。
第1実施形態の変形例2では、舌状部材741のみならず球通路724の上流部にも、隆起部(山部、凸部)742aに加えて段差744が設けられる。
具体的には、図68及び図69に示すように、本変形例では舌状部材741の先端部に3個の隆起部742が設けられ、さらに、大入賞口の上流部にあたる上部側壁722の右側の背面にも、つまり、前面装飾部材721の球通路入口部にも隆起部742aが1個設けられる。さらに、本変形例では、舌状部材741に3単位(隆起部742及び段差743の組が3回繰り返しで)設けられ、隆起部742aの向かい側に段差744が1単位分設けられる。
当該箇所にも隆起部742a及び段差744を設けるのは、開閉扉39c上面または大入賞口に流下する前に事前に遊技球の流下勢を弱めるためであり、矢印の線が示すように、4単位分の段差743、744と隆起部742、742aによって、第1実施形態の球通路724よりも遊技球をより長い距離にわたってジグザグと蛇行させるためである。そのため、球通路724入口付近において(つまり、大入賞口の手前直前において)遊技球がより留まり易くなり、大入賞口への入球数の増加及び無駄球の減少が実現する。
また、第1実施形態の変形例1と比較した場合、隆起部742aの斜め前方方向への斜部の長さよりも、段差744の解放部744aの長さの方が長いため、より遊技球を斜め前方へと転動させ易い(ガイドし易い)。そのため、本変形例では、第1実施形態の変形例1の球通路724よりもより長い蛇行を遊技球に強いて、球通路724における遊技球の滞留数及び滞留時間をより大きくすることが見込まれる。
なお、第1実施形態の変形例1と同様に、隆起部742aは凹部であってもよいし、背面側突条部702及び前面側突条部材725がさらに設けられてもよい。
〔第1実施形態の変形例2(球通路724の別例)の効果〕
このように、第1実施形態の変形例2の球通路724では、隆起部742a及び段差743aが設けられることで、第1実施形態の球通路724及び第1実施形態の変形例1の球通路724よりも遊技球の滞留時間を長くし、より多くの遊技球を大入賞口へ入賞させることができる。
[第1実施形態の変形例3(球通路724の別例)]
第1実施形態の変形例2では、球通路724の入口部分に、舌状部材741の舌先部(開閉扉39cに相当する部分)と同様に、上部側壁722側(ガラス枠15側)に隆起部742aを設け、ベース部材701側に段差744を設けていた。これに対し、第1実施形態の変形例3では、球通路724の入口部の底面形状が舌状部材741の舌先部と前後を逆にして形成される。
図70は、第1実施形態の変形例3の球通路724上流に設けられる隆起部742a及び段差743aの形状を説明する図であり、(A)は、第1実施形態の変形例2の通路724の拡大正面図、(B)は、隆起部742aと段差743aの位置を入れ替えた本変形例の拡大正面図である。
図70(A)は、第1実施形態の変形例2の球通路724入口部を表すものである。図70(A)では、球通路724の入口部分に1単位分ではなく、3単位分の段差743aと隆起部742aが形成されているが、当該部分には、1単位分の追加でも3単位分の追加でもよいため、ここでは3単位分が表されている。
ここで、図70(A)に示すように、段差743aがベース部材701側であり、隆起部742aがガラス枠15側に設けられる場合には、ベース部材701側に当接するように遊技球を誘導することができるので、波状部701aに遊技球を当接させやすく、遊技球の流下勢を効果的に弱めることができる。その一方で、遊技球の流下勢が十分に弱まっていない状態で上部側壁722また上部側壁722周辺のガラス枠15に衝突することになるため、ガラス枠15のガラス面の損傷を十分に抑制できないおそれがある。
そこで、本変形例では、球通路724の入口部分において、隆起部742aと段差743aの前後方向の位置を入れ替えて、上部側壁722及び上部側壁722周辺のガラス枠15への衝突力をより小さくすることにした。
さらに、段差743aは、球通路724の上流側に斜めに段差を切られた解放部743bが形成され、下流側に直角部が設けられる。そのため、解放部743bによって遊技球を斜め前方へガイドし、さらに直角部によって大きく遊技球の流下勢を減殺することができる。
つまり、段差743aは、隆起部742aよりもガイド力が高く、また、段差743aの底部から上部側壁722側まで所定の距離があるため、第1実施形態の球通路724よりも上部側壁722側への当接及び衝突を抑えることができる。
そして、第1実施形態の変形例2の球通路724における遊技球の蛇行距離と本変形例の球通路724における遊技球の蛇行距離にほとんど変化はないため、本変形例では、ガラス面を保護しつつ、第1実施形態の変形例2と同等の遊技球の滞留機能及び無駄球の抑制機能を発揮することができる。
また、本変形例では、球通路724入口の上部側壁722付近に振動感知センサを配置することで、遊技球が球通路724の入口付近の上部側壁722に衝突した場合に、上部側壁722を発光させることができる。この場合、上部側壁722に遊技球が衝突する度に上部側壁722が発光するので、効果的な発光演出を提供することができる。
〔第1実施形態の変形例3(球通路724の別例)の効果〕
このように、本変形例によれば、球通路724の入口部において、上部側壁722側に、解放部743bと直角部とを舌状部材741の舌先部とは反対の位置関係によって形成するため、遊技球を効果的に滞留させつつ、ガラス面を保護することができる。
また、上部側壁722に遊技球が衝突する度に上部側壁722が短期間発光するので、上部側壁722入口付近に遊技者の注目を集め、遊技球が大入賞口へ入球する際に遊技者に爽快感を与えることができる。
[第1実施形態の変形例4(V入賞機能の付加)]
次に、図71から図77を参照して第1実施形態の変形例4について説明する。
第1実施形態の変形例4では、特別変動入賞装置39に特定領域が設けられ、遊技球が当該特定領域を通過すると、いわゆるV入賞となり、特別遊技状態終了後の遊技状態が高確率状態となる。
図71は、第1実施形態の変形例4の遊技機10の遊技制御系のブロック図である。図3との対比において、新たに付加される構成は、特定領域スイッチ38aと特定領域ソレノイド38bである。
特定領域スイッチ38aは、特定領域への遊技球の通過を検出するために近接I/F121へ接続される。また、特定領域への流下経路を開放するV扉38c(図72参照)を駆動するために特定領域ソレノイド38bが設けられる。特定領域ソレノイド38bは、他のソレノイドと同様に、第1ドライバ138aを介して電源装置260からDC32Vの電源電圧が供給されるように設けられる。
図72は、第1実施形態の変形例4の特別変動入賞装置ユニット700の分解斜視図である。図52との対比において、本変形例では、ハウジング731内に特定領域スイッチ38aが設けられる。また、特定領域スイッチ38aの上方にV扉38cが設けられる。また、図73は、第1実施形態の変形例4のベース部材701の背面図である。
特定領域スイッチ38aが設けられる領域は、大入賞口に入賞した遊技球のみが流下可能な領域である。具体的には、開閉扉39cの開放時に大入賞口に落下した遊技球(入賞球)は、大入賞口スイッチ35aを通過して中央前面流路727(図53参照)を流下し、ベース部材大入賞開口706(図53参照)を前方より通過する。ベース部材大入賞開口706の後方へ流下した入賞球は、ハウジング731の略中央部から下方へ流下し、閉鎖状態のV扉38c上へ落下する。
この時、V扉38cが開放状態であれば、V扉38cは後方へ引き込んでいるため、入賞球は特定領域スイッチ38aの円環を通過可能である。その後、入賞球は下部ハウジング開口733を通過し、他のアウト球と一緒に回収される。
一方、V扉38cが閉鎖状態であれば、入賞球は特定領域を通過できないため、V扉38cの右側へ流下して右部ハウジング開口734を前方より通過する。そして、ハウジング731の後方に設けられる残存球排出スイッチ782を通過して他のアウト球と一緒に回収される。
図74は、第1実施形態の変形例4の本体部760の分解斜視図である。図54(B)との対比において、本変形例では、V入賞ユニット780が追加して設けられる。
また、図75は、第1実施形態の変形例4のV扉38cの開閉動作を説明する図であり、(A)はハウジング731の正面図、(B)はV扉38cが閉鎖状態時のA−A線断面図、(C)はV扉38cが開放状態時のA−A線断面図である。
また、図76及び図77は、第1実施形態の変形例4のV入賞ユニット780が組み付けられたハウジング731の背面斜視図であり、図76はV扉38cが閉鎖状態の図、図77はV扉38cが開放状態の図である。
V入賞ユニット780は、主としてV扉38cの前後動作を提供するモジュールであり、開閉扉ユニット740の動作を阻害しないように、ハウジング731の背面に設けられる。
図74に示すように、V入賞ユニット780は、特定領域スイッチ38a、特定領域ソレノイド38b、V扉38c、残存球排出スイッチ782、及び特定領域ソレノイド38bの動力をV扉38cへ伝達する複数のリンク部材783、784、785(図76参照)がV入賞ベース部材781に組み付けられる。本変形例での開閉扉ユニット740は、図54(B)に示す第1実施形態の開閉扉ユニット740と変わりはない。
V入賞ユニット780がハウジング731に取り付けられるにあたって、特定領域ソレノイド38bは、ハウジング731の背面側に形成される特定領域ソレノイド収容部731bに収容される。V扉38cは、ハウジング731の略中央部に矩形状に形成されるV扉開口731cを後方より貫通して備えられる。特定領域スイッチ38aは、V扉開口731cの直下に形成される下部ハウジング開口733から切り欠いた下部ハウジング背面切欠376を通過して備えられる。残存球排出スイッチ782は、右部ハウジング開口734の直下に形成される残存球排出スイッチ開口735を後方より貫通して備えられる。V扉38cは、図75に示すようにV扉部材785の前部4割がハウジング731の前方へ突出することで構成される。
次に、図76、図77を参照して、特定領域ソレノイド38bの動力をV扉部材785(V扉38c)へ伝達する3個のリンク部材について説明する。
図76は、V扉部材785が前方へ押し出されてV扉38cが特定領域スイッチ38aの上部を閉鎖している状態であり、V入賞ユニット780が動作前の状態である。ここでは、特定領域ソレノイド38bのプランジャ(図示省略)がソレノイドの筺体内から押し出されており、図77では筺体内へ引き込まれている。
プランジャの頭部(ここでは下向きにソレノイドが固定されるため、頭部は下向き)には、第1アーム部材783の一端が取り付けられる。第1アーム部材783は、プランジャの動きに追随して上下に可動する部材である。第1アーム部材783の他端部は、2本の指部783aによって二股に分かれて、当該指部783aに囲まれる股の部分に第2アーム部材784の従動ピン784aが係合される。
第2アーム部材784は、軸部784bを軸として回動可能にV入賞ベース部材781に取り付けられる部材であり、従動ピン784a及び回動ピン784cを備える。第2アーム部材784は、ハウジング731の背面に対して直交する角度で回動するように取り付けられるため、回動ピン784cを前後方向に回動させることができる。このため、第2アーム部材784によって上下方向の動作が前後方向の動作に変換される。そして、回動ピン784cは、V扉部材785の被係合部785aに係合され、V扉部材785を前後に動作させる。
V扉部材785は、ガイド部材786の上をガイドされて前後方向にのみ動作し、V扉38cを閉鎖状態及び開放状態に変換する。
〔第1実施形態の変形例4(V入賞機能の付加)の効果〕
本変形例では、特別入賞装置38内にV扉38cが設けられるため、V入賞が発生した場合のみ、大当り遊技後の遊技状態が確変状態となる。
(第2実施形態[特別遊技状態における遊技演出])
次に、図78から図88を参照して、第2実施形態における遊技演出について説明する。遊技演出とは、例えば、表示装置41に表示される画像による演出である。また、画像演出のみならず、役物による演出(役物の動作、発光、変色)、装飾部材による演出(発光、変色)、変動入賞装置の開閉動作も遊技演出に含まれてよく、これらを組み合わせたものが遊技演出であってもよい。
図78は、第2実施形態の特別遊技状態における特別変動入賞装置39と連動した演出を説明する画面遷移図である。
表示装置41の表示画面の領域は、主として、画面中央部を横断する領域の中央表示領域551、画面左下の領域である下部左側表示領域552、画面左上の領域である上部左側表示領域553、画面右上の表示領域である上部右側表示領域554、画面右下の表示領域である下部右側表示領域555に分けられる。図87、図88においては、中央表示領域551は、さらに細分化される。
(あ)は、特別遊技状態での3ラウンド目と4ラウンド目のインターバルである。「888」の大当り図柄で大当りが決定し、次回が4ラウンド目であることが、上部左側表示領域553に表示されている。また、上部右側表示領域554には、大入賞口を狙うために右打ちで打つように表示されている。ここまでの大入賞口の開放は全て長開放(第2開放期間、(例えば、30秒))であり、現時点までの長開放時の獲得遊技球数(大入賞口への入賞数×15個)が300球として下部左側表示領域552に表示されている(第2入賞数表示手段)。下部左側表示領域552に表示される獲得遊技球数は、長開放時の累積獲得賞球数が表示される。
また、特別変動入賞装置39は動作停止状態であり、開閉扉39cは、閉鎖状態である。このため、閉鎖状態の開閉扉39cの上に遊技球が滞留するタイミングとなる。
(い)は、4ラウンド目の短開放(第1開放期間(例えば、0.2秒))が実行された状態である。入賞補助手段を備える本実施形態の遊技機10では、短開放時でも大入賞口への入賞の可能性が十分にあるため、中央表示領域551に、「アタッカーを狙え!」と表示され、画面下部には、強調演出となるエフェクトが表示されている。そして、当該短開放時に遊技球が1個入賞したため、下部右側表示領域555に「+15」と表示されている。下部右側表示領域555には、短開放時の累積獲得賞球数が表示される(第1入賞数表示手段)。
特別変動入賞装置39では、開閉扉39cが開放され、開閉扉39cの開放に合わせて前面装飾部材721や上部側壁722を発光箇所として特別変動入賞装置39が発光している。なお、前面装飾部材721や上部側壁722は、発光部材(LED)を備えている。
(う)は、4ラウンド目と5ラウンド目のインターバルである。インターバル中であっても、インターバル(例えば、1秒)終了後に遊技球がすぐに入賞できるように、中央表示領域551には「アタッカーを狙え!」と表示される。ここまでの獲得遊技球数は、累積長開放獲得賞球数が300球、累積短開放獲得賞球数が15球である。
(え)は、5ラウンド目の短開放が実行された状態である。画面下部のエフェクト及び特別変動入賞装置39の発光演出を伴い、開閉扉39cが短開放される。当該短開放において1個の入賞が発生したため、下部右側表示領域555の表示が「+30」と表示されている。
(お)は、全ラウンドが終了した状態である。中央表示領域551に長開放時の累積獲得賞球数が表示され、下部右側表示領域555に表示中の短開放時の累積獲得賞球数+150が合算されようとしている。また、下部左側表示領域552には、特別遊技状態後の遊技状態を示唆する示唆キャラクタが表示されており、状態示唆演出が実行されている。示唆キャラクタについては、次の図79及び図80において詳細に説明する。
(か)は、長開放時の獲得賞球数と短開放時の獲得賞球数が合算されて、今回の大当りにおいて獲得した賞球数が表示された状態である。下部左側表示領域552には、示唆キャラクタが引き続き表示される。
このように、入賞補助手段を備える本実施形態の遊技機10は、大入賞口の開放タイミングを外して球通路724を通過する無駄球を減少させることができるため、短開放時及び長開放時により多くの賞球を獲得できる。そして、短開放の開放前のインターバルや短開放が実行されるラウンド中の表示画面には、アタッカーを狙うように表示し、エフェクト(画面における強調演出)や発光演出を実行することで、効果的に遊技者に特別変動入賞装置39を狙わせることができる。そのため、従来の遊技機よりもより多くの賞球獲得が可能であることを明確に遊技者に伝達することができる。
なお、特別変動入賞装置39が動作するタイミングにおいてエフェクトを表示させてもよいし、一定のタイミングでエフェクトを表示させてもよい。また、特別変動入賞装置39が動作するタイミングにおいて特別変動入賞装置39を発光させてもよいし、遊技球が球通路724を通過するタイミングや上部側壁722への当接において特別変動入賞装置39を発光させてもよい。また、エフェクトと特別変動入賞装置39の発光演出とは、同期してもよいし、同期しなくてもよい。
図79は、第2実施形態の示唆キャラクタの選択テーブルであり、(A)は高確率状態が決定し置換処理を実行しない場合のテーブル、(B)は高確率状態が決定しておらず置換処理を実行しない場合のテーブル、(C)は高確率状態が決定し置換処理を実行する場合のテーブル、(D)は高確率状態が決定しておらず置換処理を実行する場合のテーブルである。示唆キャラタク選択テーブルによって状態示唆演出の示唆キャラクタが選択される。
置換処理とは、一度選択された示唆キャラクタを再度別の示唆キャラクタに選択し直す処理であり、再選択によって一度目の選択と同一の示唆キャラクタが設定される場合もあれば、別の示唆キャラクタに置換される場合もある。制御の内容については、後述する演出内容決定処理において説明する。置換処理を実行する場合とは、例えば、特定モード中である場合である。
まず、図79(A)(B)を参照して置換処理を実行しない場合から説明すると、高確率が決定している場合には、笑顔の示唆キャラタクが250/250の割合で選択され、特別遊技状態終了後は高確率状態に移行することを遊技者に報知する。一方、高確率が決定していない場合、または低確率状態が決定している場合には、痛そうな顔(痛顔)の示唆キャラクタが250/250の割合で選択され、特別遊技状態終了後は低確率状態に移行することを遊技者に報知する。
次に、図79(C)(D)を参照して置換処理を実行する場合について説明する。高確率が決定している場合には、笑顔の示唆キャラクタが130/250の割合で選択される。また、痛顔の示唆キャラクタは30/250の割合で選択され(置換され)、サングラスをした強面の示唆キャラクタも30/250の割合で選択される(置換される)。また、子供の顔の示唆キャラクタは60/250の割合で選択される(置換される)。
そのため、高確率が決定している場合であっても、特定モード等では、30/250の割合で痛顔の示唆キャラクタが表示される場合があるが、その後高確率状態へ移行する。
一方、高確率が決定していない場合、または低確率状態が決定している場合には、笑顔の示唆キャラクタが60/250の割合で選択され(置換され)、痛顔の示唆キャラクタが130/250の割合で選択される。また、強面の示唆キャラクタが60/250の割合で選択され(置換され)、子供の顔の示唆キャラクタは0/250の割合で選択される(置換される)。
そのため、低確率が決定している場合であっても、特定モード等では、例えば、60/250の割合で笑顔の示唆キャラクタが表示される場合があるが、その後低確率状態へと移行する。
つまり、置換制御がされない場合には、特別遊技状態後の遊技状態について100%確実な報知がされ、置換制御がされる場合には、ある程度の信頼度を伴いながらも不確実な報知がされる。そのため、置換制御の有無によって、遊技者にとってとても関心の高い確変への移行に関する報知に変化がもたらされ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、示唆キャラタクの表情に応じてセリフが付けらてもよく、また、示唆キャラクタの表示とは別に、遊技状態に応じて肯定的なセリフが選択される割合が高くなるように設定されてもよい。
図80は、第2実施形態の示唆キャラクタの再設定テーブルである。再設定テーブルは、置換制御とは異なる示唆キャラタクの再設定制御に用いられるテーブルであり、特に、後述する第2実施形態の変形例3において演出制御装置300が読み込むテーブルである。
再設定制御は、例えば、特定の遊技状態において実行される。再設定テーブルにおいて選択される示唆キャラクタは、いずれも表情の一部または大部分が隠された状態で表示される。ここでは、示唆キャラクタの顔の所定範囲を矩形の黒い覆いによって隠され、例えば、目の部分を中心に隠される場合、顔の下部のみを隠される場合、縦長の矩形で隠される場合、横長の矩形で隠される場合など、複数の被覆パターンがある。
示唆キャラクタの表示当初、被覆部は黒塗りによって完全に視認し得ないが、操作ボタン25の操作量が所定量以上となると、被覆が外れて示唆キャラクタの表示が完全に視認可能となる。示唆キャラクタの被覆については、操作ボタン25の操作量や操作方法に応じて被覆の濃さが淡くなり、被覆部が徐々に視認し得るものとなってもよい。
高確率が決定している場合には、目の部分を中心に横長に隠された笑顔の示唆キャラクタが130/250の割合で再設定され、目や口の部分を中心に縦長に隠された痛顔の示唆キャラクタが30/250の割合で再設定され、目や口を完全に隠された強面の示唆キャラクタが90/250の割合で再設定される。
一方、高確率が決定していない場合、または低確率状態が決定している場合には、目の部分を中心に横長に隠された笑顔の示唆キャラクタが30/250の割合で再設定され、目や口の部分を中心に縦長に隠された痛顔の示唆キャラクタが130/250の割合で再設定され、目や口を完全に隠された強面の示唆キャラクタが90/250の割合で再設定される。
再設定テーブルにより設定される示唆キャラクタは、遊技状態に応じて選択される示唆キャラクタが異なるが、特定モードが選択されている場合には、遊技状態に対応していない示唆キャラクタに置換される場合もある。
示唆キャラクタは特別遊技状態の終盤のみに表示されてもよいし、V入賞が発生したタイミングで表示されてもよい。また、特別遊技状態中に複数回表示されてもよく、その場合、表示ごとに選択される示唆キャラクタが変更されてもよい。また、図79、図80における選択率、置換率は一例であり、250/250や0/250の設定は必ずしも100%、0%の設定である必要はない。
また、メータ(図88参照)の目盛ごとに対応した示唆キャラクタの選択テーブルが用意されてもよい。
次に、遊技者に働きかける促進画像の演出について説明する。促進画像とは、遊技者に操作ハンドル24の操作量の変化を促すための画像である。促進画像には、遊技者に操作ボタン25の操作を促すための画像を含んでもよい。
図81は、第2実施形態の特別遊技状態における特別変動入賞装置39と連動した演出を説明する画面遷移図である。ここでは、右打ちを促す表示が左から右へ連続的に表示されながら移動する。
図81の(あ)から(う)は、図78の(あ)から(う)に対応しており、上部右側表示領域554に表示される右打ちを促す「右打ち→」の表示が変化する点が図78との相違点となる。
図81の(あ)から(う)に示すように、「右打ち→」の表示は、左から右へと移動して繰り返し表示される。特に(う)に示すように、上部左側表示領域553と上部右側表示領域554とを横断して左から右へと移動表示させる。かかる表示によって遊技者は直感的に右打ちを促されていることを認識することができる。
なお、上部左側表示領域553には、ラウンド数及び大当り図柄が表示されているが、「右打ち→」の表示が画面上部を左から右へと横切っても、大当り図柄とは重ならない位置から「右打ち→」が表示される。そのため、大当り図柄を示す「888」が「右打ち→」によって視認し難くなることがなく、遊技者が大当り図柄を誤認することを防止できる。図面中「三 右打ち→」と表示しているが、右打ち→の左横の「三」の部分は、「右打ち→」の表示が移動していることを表す移動跡である。
図82は、第2実施形態の特別遊技状態における特別変動入賞装置39と連動した演出を説明する画面遷移図である。ここでは、アタッカーへの球寄せを促す表示が上から下へ連続的に表示されながら移動する。
図82の(い)から(え)は、図78の(い)から(え)に対応しており、アタッカーへの球寄せを促す「アタッカーを狙え!」の表示が変化する点が図78との相違点となる。
図82の(い)から(え)に示すように、「アタッカーを狙え!」の表示は、上から下へと移動して繰り返し表示される。特に、画面の上端部から下端部まで移動するので、遊技者は直感的にアタッカーの開放が続くことが直感的に認識され、かつ、インパクトのある演出によって、遊技の興趣を向上させることができる。
また、「アタッカーを狙え!」の表示が上から下へと落ちるように表示されることで、大入賞への入球が落下型であることを直感的に認識できるように伝達している。
なお、「アタッカーを狙え!」の表示は、上部左側表示領域553を通過するが、大当り図柄の表示領域は通過しないため、大当り図柄が視認し難くなることがなく、遊技者が大当り図柄を誤認することを防止することができる。
また、図81及び図82の移動表示は、繰り返しループ形式で表示されてもよいし、大当り中に1度だけ表示されてもよく、また、繰り返し表示される場合は、大当り図柄の表示領域を避けつつ、異なる場所を通過するように移動表示されてもよい。また、移動表示にあたっては、連続的な表示でもよいし、断続的な表示による点滅タイプでもよい。
図83は、第2実施形態の特別遊技状態における特別変動入賞装置39と連動した演出を説明する画面遷移図である。ここでは、右打ちを促す表示として操作ハンドル24の画像が表示装置41に表示される。また、アタッカーを狙うことを促す表示として特別変動入賞装置39の画像が表示装置41に表示される。
図83に示すように、遊技者に対する直接的な働きかけとして表示画面に操作ハンドル画像562や特別変動入賞装置画像563が表示される。
操作ハンドル画像562は、操作ハンドル24の回動量をより大きくして(操作量を変化して)、より強い発射勢によって右打ちを促すものである。「右打ち→」の文字表示では、遊技者は「右打ち→」の文字を読み、この文字を右打ちと表示されていると認識してから右打ちにするために操作ハンドル24の回動量を大きくすることが一般的であるが、操作ハンドル画像562が表示される場合には、操作ハンドル画像562を認識してそのまま操作ハンドル24の回動量を大きくすることができる。つまり、文字の読み込みとその認識から動作へと移るまでの時間をカットすることができるため、遊技者は反射的に動作に移すことができ、文字情報よりも遊技者に対してより直接的な働きかけをすることができる。その結果、遊技者の負担(例えば、認識工程のカットによる脳内負担)を軽減することができ、かつ、遊技者が素早く対応することが可能となる。
また、特別変動入賞装置39の画像は、特別変動入賞装置39部に強調(エフェクト)を伴って表示されるため、上記と同様に、文字を読み込んで、その文字の意味するところを認識してから動作に移るまでの時間をカットすることができるため、遊技者の負担を軽減することができ、かつ、遊技者が素早く対応することが可能となる。
また、操作ハンドル画像562及び特別変動入賞装置画像563は、エンディングまで表示されてもよい。操作ハンドル画像562は、左打ちが有利な状態(大当り前の状態)から右打ちが有利な状態(大当り確定後の状態)に移行するタイミングのみ表示されてもよい。
また、図81に示した促進画像が左から右へ移動する演出態様と操作ハンドル画像562とを組み合わせてもよく、図82に示した促進画像が上から下へ移動する演出態様と特別変動入賞装置画像563とを組み合わせもよい。
ところで、本実施形態における遊技機10は、特別変動入賞装置39が一括表示器50の近くに設けられる。そのため、例えば、赤色で発光する一括表示器50とは異なる発光色によって本実施形態の特別変動入賞装置39は発光し、特別変動入賞装置39周辺とのコントラストをもたらせるようにする。その結果、特別変動入賞装置39による発光演出がより印象的なものとなる。
その上で、特別変動入賞装置39による発光演出(発光色や発光タイミング、発光パターン、グラデーション等)と特別変動入賞装置画像563とを同期させて表示してもよいし、異なる態様で表示させてもよい。当然、特別変動入賞装置画像563に表示されるエフェクトも特別変動入賞装置39の発光タイミングと同期させてもよいし、異なる態様で表示させてもよい。同期させて表示させる場合には、統一感のある演出となり、ともすれば、特別変動入賞装置39が複数あるような錯覚を遊技者に与えることができる。異なる態様で表示する場合は、例えば、遊技者に眩しさを感じさせないようにすることができ、遊技者への負担軽減となる。
〔第2実施形態の効果〕
第2実施形態では、特別遊技状態終了後の確率状態を示唆する状態示唆表示が特別遊技状態の後半にかけて表示されるため、遊技者の関心の高い情報が報知されて遊技の興趣を向上させる。また、状態示唆表示は、遊技者の選択による遊技モードによって、当初の状態示唆表示から別の状態示唆表示に置換される(置換される場合がある)ため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、長開放中に獲得した遊技球数と短開放中に獲得した遊技球数が別個に表示されて、エンディング画面において合算されるため、遊技者を楽しませる効果的な演出が実行される。特に、第1実施形態に示した入賞補助機能を備える遊技機10では、短開放中でも十分に1個または複数の入賞が可能であるため、入賞補助機能を備える遊技機10との組み合わせによって十二分に上記の効果を引きたてることができる。すなわち、これまで遊技者に十分な興趣を提供できていなかった短開放ラウンドが、わずかな時間の開放であっても、入賞補助手段の機能とともに魅力的なものとなる。
また、右打ちを促す「右打ち→」の文字表示が左から右へ移動する演出の一例及び、アタッカーを狙うことを促す「アタッカーを狙え!」の文字表示が上から下へ移動する演出の一例では、表示の移動方向へ球を打つことを遊技者に直感的に認識され、かつ、インパクトのある演出を提供することができる。また、当該移動表示は、大当り図柄の表示される領域と重複しない領域を通過するため、大当り図柄の視認を妨げず、遊技者が大当り図柄を誤認することを防止することができる。
また、操作ハンドル画像562や特別変動入賞装置画像563の表示は、文字表示よりも直接的に遊技者に情報を伝達するため、遊技者の負担(例えば、文字情報の読み取りとその意味するところの認識に要する工程のカット)を軽減することができる。また、遊技者は反射的に動作へ移行できるため、文字情報による伝達よりも素早く対応することが可能となる。結果として、遊技者の技量の差を抑制する効果を奏し、遊技経験の少ない者でも遊技の楽しさを享受することができる。
さらに、特別変動入賞装置39の発光色は、一括表示器50の発光色とは異なるものとすることで、特別変動入賞装置39による発光演出をより印象的なものとすることができる。また、特別変動入賞装置39による発光演出と特別変動入賞装置画像563とを同期させて表示させることで、統一感のある演出を提供することできる。また、特別変動入賞装置39による発光演出と特別変動入賞装置画像563とを異なる態様で表示させることも可能であり、例えば、遊技者への視覚的な負担を軽減することができる。
[第2実施形態の変形例1(エンディング時の上乗せ演出)]
図84は、第2実施形態の変形例1の特別遊技状態における演出を説明する図である。ここでは、短開放中での累積獲得賞球数が所定期間にわって実際と異なる数で表示され、エンディング画面において上乗せ演出が実行される。
(あ)は、大当り5ラウンド目であり、短開放時に1個の入賞が発生した状態である。この時点での獲得遊技球数は、長開放で300球、短開放で30球である。
(い)は、14ラウンド目であり、短開放時に1個の入賞が発生した状態である。この時点での獲得遊技球数は、長開放で300球、短開放で150球である。
(う)は、15ラウンド目であり、短開放時に1個の入賞が発生した状態である。この時点での獲得遊技球数は、長開放で300球、短開放で165球である。しかし、下部右側表示領域555には、14ラウンド目と同じ数値である「+150」と表示されており、15球分が反映されていない。つまり、意図的に15球分を少なく表示している。
(え)は、全ラウンドが終了して獲得球数を表示している状態である。中央表示領域551に長開放での累積獲得球数300球が表示され、さらに、短開放での累積獲得球数150球が合算されようとしている。下部左側表示領域552には、笑顔の示唆キャラクタが表示されており、このあとの確率状態が高確率状態である可能性が高いことを報知している。
(お)は、長開放での累積獲得球数300球と短開放での累積獲得球数150球(実際は165球)が合算された450球が中央表示領域551に表示された状態である。
(か)は、下部右側表示領域555に「+15上乗せ!」と表示され、さらに15球の獲得があることを報知している状態である。実際には、(う)における入賞分をここで反映しているわけであるが、エンディングでの最後の最後にプラスで上乗せされると、遊技者はお得感を感じ、ボーナスを得た感覚となる。
特に、遊技価値(獲得賞球)をどれだけ獲得できたのかは、遊技者にとって最も注目する部分であるため、獲得賞球の一部を最後に上乗せするように表示することは、一旦表示された獲得賞球数がさらに加算されるため、遊技者に嬉しい感情を与えることができる。
ここでは、入賞とその数値の反映がないことに遊技者が気付きにくい、短開放時の入賞分を上乗せ表示分としたが、長開放時の入賞分を上乗せ分としてもよい。また、1個の入賞分(賞球15球分)のみではなく、複数の入賞分を上乗せ分としてもよいし、1入賞分(15球分)の整数倍を上乗せ分とするだけでなく、1入賞分に満たない数(例えば、11球)や整数倍を超える数(例えば、33球)を上乗せ分としてもよい。
図85は、第2実施形態の変形例1の演出の別の一例を説明する図である。
(A)は、特別変動入賞装置39が長開放パターンの所定のラウンドのときにモード移行選択画面を表示している状態である。下部右側表示領域555に通常モードか虎モードかを選択させる表示が出現している。モードの選択は、操作ボタン25によって行われるが、操作ボタン25の操作入力がなかった場合には、デフォルト(標準)で選択されている通常モードが選択される。
(B)は、エンディング画面において、遊技価値(獲得賞球)とは別に、遊技ポイントが付与された状態である。下部右側表示領域555に遊技ポイントとして、「45ポイントゲット」と表示されている。遊技ポイントは、例えば、特典画像、特典映像の表示や楽曲やアイテムの入手に使用可能なポイントであり、演出制御装置300内のメモリ等に記録可能なものである。
遊技価値だけでなく、遊技価値以外の価値(遊技ポイント)を付与することで、遊技の興趣を高めることができる。
(C)は、特別変動入賞装置39の短開放の開放時間とインターバルの時間を含めた残り時間を表示している状態である。上部左側表示領域553に大当り図柄とともに、「残り時間 1:00」と表示されており、残り1分ちょうどであることを遊技者に報知している。この残り時間は、ラウンド最後の開放時間が終了するまででもよいし、次のランウド終了までの時間でもよい。
残り開放回数よりも残り開放時間に注目しないと特別変動入賞装置39に入賞が難しいため、このように表示することによって、遊技者に対し、短開放のラウンドの残り時間を意識させてより集中させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第2実施形態の変形例1の効果〕
このように、第2実施形態の変形例1では、短開放中の獲得遊技球数の一部が上乗せ演出によって表示されるため、遊技者にお得感を与え、遊技の興趣を向上させる。
また、遊技モードの選択、遊技ポイントの獲得、残り時間の表示は、いずれも遊技性を向上させる要素であり、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
[特別遊技状態における変形例2(アイテム・特典の付与)]
図86は、第2実施形態の変形例2の演出を説明する図であり、図87は、第2実施形態の変形例2の表示アイコンテーブルである。変形例2では、短開放時の獲得球数を数値ではなくアイコンやアイテム、キャラクタを表示し、エンディング時に獲得球数及び表示されたアイコン、アイテム、キャラクタに応じて特典が付与される。
(あ)は、4ラウンド目において特別変動入賞装置39が短開放し、遊技球が1球入賞した状態である。当該入賞の発生に基づいて表示アイコンが抽選で選択され、中央右側表示領域551bに☆の表示アイコンが表示されている。
(い)は、5ラウンド目において特別変動入賞装置39が短開放し、さらに遊技球が1球入賞した状態である。当該入賞の発生に基づいて表示アイコンが抽選で選択され、中央右側表示領域551bに桃の表示アイコンが追加で表示されている。
(う)は、全ラウンドが終了し、長開放の累積獲得数300球に短開放の累積獲得数(9×15+1×15)が追加される演出が実行されている状態である。15ラウンド終了時点で10球の短開放時入賞が発生しているが、全ての抽選のうち、9球分は☆のアイコンが選択され、1球分は桃のアイコンが選択されている。また、笑顔の示唆キャラクタが下部左側表示領域552に表示され、高確率状態に移行することを報知している(状態示唆演出が実行されている)。
(え)は、長開放及び短開放での獲得球数が合算されるとともに、桃のアイコンが割れて中から遊技ポイントが45ポイント付与されたことを報知する画面である。図87に示すように、桃のアイコンは遊技ポイントを付与するアイコンである。
表示アイコンは、図87に示すように、例えば、5種類あり、☆のアイコンは獲得球数が表示される。★のアイコンは、賞球が払い出されるが獲得球数の表示なし(上乗せ演出の対象)、桃のアイコンは遊技ポイントの付与、音符のアイコンは楽曲特典の付与、宝箱のアイコンはカスタマイズアイコンの付与、がされる。いずれのアイコンが選択された場合であっても賞球は払い出される。
表示アイコンの抽選は、短開放中の入賞が発生するたびに実行され、中央右側表示領域551b及び中央左側表示領域551cに最大で5種類の表示アイコンが表示される。長開放獲得数20球及び短開放獲得数が12球でのエンディング時に、例えば、「☆×5 ★×2 桃×2 音符×1 宝箱×2」と表示される場合、+150球、96ポイントゲット、楽曲ナンバー1の付与、レベル2のアイテム付与となり、さらに賞球480球(総入賞数32球×15球)が支払われる。
〔第2実施形態の変形例2の効果〕
このように、短開放時の入賞ごとに抽選が実行されて表示アイコンを決定し、表示アイコンごとの累積数に応じた特典が付与されるため、遊技の興趣を向上させることができる。特に、レアな特典を入手するために遊技に取り組む動機を遊技者に与えることができ、遊技機10の稼働向上に寄与することが見込まれる。
[第2実施形態の変形例3(メータ表示と組み合わせた状態示唆演出)]
図88は、第2実施形態の変形例3の演出を説明する図である。変形例3では、操作ボタン25の操作量を表す表示としてメータが画面に表示され、メータのゲージ量に応じて(操作量に応じて)示唆キャラクタの表示態様が変化する。ここでは、操作ボタン25の操作量に応じて(2)以降の状態示唆演出が3パターンに分岐する。
(1)は、特別遊技状態の終盤であり、残り時間が20秒となったラウンドである。中央右側表示領域551bには、「連打!OR長押し!」及びボタン画像が表示され、操作ボタン25の操作を促す画像(促進画像)が表示されている。また、中央左側表示領域551cには、「アタッカーを狙え!↓」と表示され、大入賞口を狙って打つことを促す画像(促進画像)が表示されて、画面下部には、遊技者の視線を下げる狙いとしてエフェクトが表示されている。
また、中央演出領域551aには、メータが表示され、操作ボタン25の操作可能期間であることを報知している。また、開閉扉39cの開放に合わせて特別変動入賞装置39が発光している。
ここから操作ボタン25の操作量に応じてその後の演出が分岐する。まず、操作が全くされない場合、または操作量が所定値に達しなかった場合(上限値の半分に達しなかった場合)である(2)及び(3)について説明する。
(2)は、その後まったく操作ボタン25が操作されていない状態である。あるいは、操作量が所定値に達しなかった場合である。上部左側表示領域553には、大当り図柄とともに、残り時間が5秒と表示されており、メータのゲージレベルは全く増加していない。ここには、操作ボタン25の操作量が所定値に達しなかった場合も含まれ、その場合、メータのゲージレベルは、若干増加している。
また、促進画像とともに、画面下部にエフェクトが表示され、開閉扉39cの開放に合わせて特別変動入賞装置39が発光している。
(3)は、エンディング画面であり、長開放時の獲得球数に短開放時の獲得球数が合算される状態である。ここでは、図79または図80に示す示唆キャラクタが表示されていない。これは、操作ボタン25が全く操作されなかったかあるいは操作量が少なかったことに起因する。
次に、操作量が所定値に達したものの上限値に達しなかった場合(メータが満タンにならなかった場合)である(2’)及び(3’)について説明する。
(2’)は、操作ボタン25の操作が上限に達しなかった状態である。メータのゲージレベルが4ゲージに達しているが、上限である6ゲージには達していない。
また、促進画像とともに、画面下部にエフェクトが表示され、開閉扉39cの開放に合わせて特別変動入賞装置39が発光している。なお、操作が開始されている(2’)の画面に示唆キャラクタは表示されていないが、操作を受け付けると、表情の一部を被覆された示唆キャラクタが表示されて、その後操作量に応じて被覆が薄くなってもよい。
(3’)は、エンディング画面であり、長開放時の獲得球数に短開放時の獲得球数が合算される状態である。ここでは、操作上限に達しなかったことに基づいて、表情の一部を隠されて被覆された示唆キャラクタが下部左側表示領域552に表示され、この後の確率状態について状態示唆表示がされている。
ここで、示唆キャラクタの被覆は被覆部が完全に視認できない程度の濃さであってもよいし、操作量に応じて被覆の濃さが淡くなってもよい。つまり、上限に達しない場合には、示唆キャラクタの被覆が取れずに、状態示唆表示が完全な状態では表示されない。
次に、操作量が上限値に達した場合(メータが満タンになった場合)である(2”)及び(3”)について説明する。
(2”)は、操作ボタン25の操作が上限に達した状態である。メータのゲージレベルが上限に達している。
また、促進画像とともに、画面下部にエフェクトが表示され、開閉扉39cの開放に合わせて特別変動入賞装置39が発光している。操作が開始されている(2”)の画面に示唆キャラクタは表示されていないが、操作を受け付けると、被覆された示唆キャラクタが表示されてもよい。この場合、操作量に応じて被覆が淡くなっていく。
(3”)は、エンディング画面であり、長開放時の獲得球数に短開放時の獲得球数が合算される状態である。ここでは、操作上限に達したことに基づいて、被覆のない示唆キャラクタが下部左側表示領域552に表示され、この後の確率状態について状態示唆表示がされている。
なお、ゲージの増減は、操作ボタン25の操作量(例えば、操作回数や操作時間)によらずに、操作タイミングであってもよく、また、操作順序や操作パターン(例えば、指先でなぞるラインのパターン)によって増減してもよい。
また、メータの表示(操作の受付可能期間)は、特別遊技状態の終盤のみに限られず、特別遊技状態の序盤や中盤から表示してもよく、断続的に表示してもよい。また、モードや大当り図柄によっては、メータの表示タイミングが変化したり、全く表示されなくてもよい。メータが全く表示されない場合には、状態示唆表示はされない。
〔第2実施形態の変形例3の効果〕
このように、操作量に応じて状態示唆表示の態様が変化するため、遊技者の操作ボタン25の操作意欲を向上させることができる。そして、操作量に応じて段階的に状態示唆表示の態様が変化する場合(徐々に被覆が淡くなる場合)には、例えば、透過量が50%になって示唆キャラクタの表示が認識できたので操作をやめる等、操作可能期間における操作量の調整が可能となるため、遊技者の負担を軽減することができる。
〔第2実施形態の変形例1から変形例3の効果〕
このように、獲得賞球の一部を最後に上乗せするように表示することは、一旦表示された獲得賞球数がさらに加算されるため、遊技者に嬉しい感情を与えることができる。
また、残り開放回数よりも残り開放時間に注目しないと特別変動入賞装置39に入賞が難しいため、このように表示することによって、遊技者に対し、短開放のラウンドの残り時間を意識させてより集中させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、短開放時の入賞ごとに抽選が実行されて表示アイコンを決定し、表示アイコンごとの累積数に応じた特典が付与されるため、遊技の興趣を向上させることができる。特に、レアな特典を入手するために遊技に取り組む動機を遊技者に与えることができ、遊技機10の稼働向上に寄与することが見込まれる。
また、操作量に応じて状態示唆表示の態様が変化するため、遊技者の操作ボタン25の操作意欲を向上させることができる。特に、状態示唆表示しか確率状態を認識する(確率状態の可能性を認識する)手段がない場合には、遊技継続の判断上、大いに操作意欲を向上させることができ、遊技の興趣を向上させる。
そして、操作量に応じて段階的に状態示唆表示の態様が変化する場合には、操作が十分であるかを操作可能期間に判断できるため、操作可能期間における操作量の調整が可能となり、遊技者の負担及び操作ボタン25の負荷を軽減することができる。
〔第2実施形態の一形態〕
本発明の第2の実施の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(19)ゲームの結果に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能であり、前記特別遊技状態中のラウンド遊技中に閉状態から開状態に変換される特別変動入賞装置と、画像を表示可能な表示装置と、を備える遊技機において、前記開状態に変換される期間には、僅かな時間開状態となる第1開放期間と、前記第1開放期間よりも長い期間が設定される第2開放期間と、が設定可能であり、前記ラウンド遊技中の前記第1開放期間において前記特別変動入賞装置に入賞した入賞球数を表示する第1入賞数表示手段と、前記ラウンド遊技中の前記第2開放期間において前記特別変動入賞装置に入賞した入賞球数を表示する第2入賞数表示手段と、を備え、前記第2入賞球数表示手段は、前記ラウンド遊技の終了後に全ラウンド中の第2開放期間における入賞球数を表示し、前記第1入賞球数表示手段は、前記第2入賞球数表示手段と同時に全ラウンド中の第1開放期間における入賞球数の一部を表示し、その後、残りの入賞球数を表示する上乗せ表示手段を備えることを特徴とする遊技機。
(20)前記第1開放期間における前記特別変動入賞装置への入賞が発生するたびに抽選を行う抽選手段、を備え、前記抽選手段によって遊技者に付与可能な複数の特典のいずれかが抽選され、前記複数の特典のうちの一つは、前記上乗せ表示手段による表示であることを特徴とする(19)に記載の遊技機。
(21)遊技者による操作を受け付ける操作手段を備え、前記特別遊技状態における所定期間に前記操作手段が所定量の操作を受け付けた場合には、前記特別遊技状態の終了後の確率状態を報知する示唆キャラクタが表示される状態示唆演出が実行されることを特徴とする(19)または(20)に記載の遊技機。
(22)前記示唆キャラクタには、示唆キャラクタの内容が視認できないように被覆が表示されるが、前記操作手段の操作量に応じて前記被覆が段階的に外れることを特徴とする(21)に記載の遊技機。
(19)の発明によれば、上乗せ演出が実行されることで、遊技者にお得感を与えることができ、遊技の興趣を向上させる。
(20)の発明によれば、短開放中の入賞ごとに特典の抽選がされるため、遊技の興趣を向上させる。
(21)の発明によれば、操作手段が所定量の操作を受け付けた場合に、状態示唆演出を実行するため、遊技者に操作手段の操作を促すことができ、遊技への積極参加にともなう興趣の向上が見込まれる。
(22)の発明によれば、示唆キャラタクにかかる被覆が操作量に応じて段階的に外れていくため、遊技者に操作手段の操作を促すとともに、遊技者によっては任意の操作量での状態示唆演出を楽しむことができるため、遊技への積極参加にともなう興趣の向上が見込まれる。
[遊技制御装置の制御]
以下、遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図89A及び図89Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図90に示すタイマ割込み処理とからなる。遊技制御装置100による制御内容は、全ての実施形態に共通するものであるため、いずれの実施形態において実行される処理であるかは記載しない。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図89A及び図89Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図89Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置260から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたか否かを判定する(A1016)。
遊技制御装置100は、初期化スイッチがオフである場合には(A1016の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、図89BのステップA1021の処理に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、初期化スイッチがオンである場合(A1016の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1020の結果が「N」)、図89BのステップA1026の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1021)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1022)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1022の結果が「N」)、ステップA1023及びステップA1024の処理をスキップして、ステップA1025の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1022の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1023)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1024)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1025)、ステップA1031の処理を実行する。
一方、ステップA1016,A1017,A1018,A1020の実行後にステップA1026の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1026)。さらに、ビジー信号ステータス領域を含むすべてのRAM領域を0クリアし(A1027)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1028)。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1029)。初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板に送信し(A1030)、ステップA1031の処理を実行する。
なお、ステップA1025の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1030の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンドも含まれる。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1031)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1031のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1032)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、小当り図柄を決定する乱数(小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1033)、割込みを許可する(A1034)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1035)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1035の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置260から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1036)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1037)。停電監視信号がオンでない場合には(A1037の結果が「N」)、ステップA1035の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1035)の前に割込みを許可する(A1034)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1035の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1037の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1036の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1038)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1038の結果が「N」)、ステップA1037に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1038の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1039)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1040)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1041)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1042)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1043)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1044)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1045)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置260を備え、当該電源装置260は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図90は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1305)、さらに、乱数更新処理1(A1306)、乱数更新処理2(A1307)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1308)。
さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1309)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1311)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1312)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1313)。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1314)。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔入力処理〕
次に、タイマ割込み処理における入力処理(A1303)の詳細について説明する。図91は、入力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(A1401)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(A1402)。
次に、遊技制御装置100は、読み込まれた入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(A1403)。続いて、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備した後(A1404)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(A1405)。続いて、未使用のビットデータを準備し(A1406)、さらに、反転するビットデータを準備する(A1407)。そして、スイッチ読込み処理を実行する(A1408)。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、遊技制御装置100は、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備し(A1409)、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備する(A1410)。さらに、未使用のビットデータを準備し(A1411)、反転するビットデータを準備する(A1412)。さらに、その後、スイッチ読込み処理を実行し(A1413)、入力処理を終了する。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(A1304)の詳細について説明する。図92は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135にオフデータを出力(リセット)する(A1601)。次に、大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(A1602)。
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新する(A1603)。さらに、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(A1604)。そして、取得したデータと外部情報データを合成し(A1605)、合成したデータをデジット出力・外部情報出力ポート136に出力する(A1606)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(A1607)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート135に出力する(A1608)。
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子71に出力するデータをロードして合成し(A1609)、さらに、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(A1610)、最終的に合成したデータを外部情報・発射許可信号出力ポート137に出力する(A1611)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1に合成したデータを出力する(A1612)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2に合成したデータを出力する(A1613)。
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(A1614)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4に合成したデータを出力する(A1615)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5に合成したデータを出力し(A1616)、出力処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1309)の詳細について説明する。図93は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図99にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。なお、大当り終了処理の詳細については、図127にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「7」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A2615)。なお、小当りファンファーレ中処理の詳細については、図131にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「8」の場合には、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理を実行する(A2616)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「9」の場合には、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理を実行する(A2617)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「10」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理を実行する(A2618)。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2619)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2620)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2621)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2622)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図94は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(A2702、A2710)の詳細について説明する。図95は、ハード乱数取得処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動口入賞がないことを示す始動口入賞なし情報を設定する(A2801)。次に、対象のスイッチに入力があった否かを判定し(A2802)、対象のスイッチに入力がなかった場合(A2802の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。なお、対象のスイッチは、ステップA2702のハード乱数取得処理では、始動口1スイッチ36aであり、ステップA2710のハード乱数取得処理では、始動口2スイッチ37aである。
遊技制御装置100は、対象のスイッチに入力があった場合(A2802の結果が「Y」)、乱数ラッチレジスタステータス(乱数ラッチレジスタの状態)を読み込み、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータあるか否かを判定する(A2803、A2804)。対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータない場合(A2804の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。
遊技制御装置100は、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータある場合(A2804の結果が「Y」)、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し(A2805)、始動口入賞があることを示す始動口入賞あり情報を設定する(A2806)。なお、準備した大当り乱数は、特図始動口スイッチ共通処理で使用される。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図96は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A2912)。始動入賞口36への入賞でない場合(A2912の結果が「N」)には、ステップA2915の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A2912の結果が「Y」)、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2913)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2914)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2915)、特図保留情報判定処理を実行する(A2916)。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2917)、演出コマンド設定処理(A2918)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2916)の詳細について説明する。図97は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み(事前判定)処理である。
遊技制御装置100は、まず、ステップA2907にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A3001)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3001の結果が「N」)、ステップA3004の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A3001の結果が「Y」)には、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A3002)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A3002の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。一方、特図時短中でない場合(A3002の結果が「N」)には、大当り中または小当り中であるか否かを判定する(A3003)。大当り中または小当り中である場合(A3003の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、大当り中または小当り中でない場合(A3003の結果が「N」)、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるかを判定する大当り判定処理を実行する(A3004)。そして、判定結果が大当りである場合(A3005の結果が「Y」)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3006)、ステップA2910にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3007)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、判定結果が大当りでない場合(A3005の結果が「N」)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるか否かを判定する(A3008)。始動入賞口36への入賞でない場合(A3008の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞である場合(A3008の結果が「Y」)、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるかを判定する小当り判定処理を実行する(A3009)。そして、判定結果が小当りでない場合(A3010の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3013)、ステップA3014の処理に移行する。一方、判定結果が小当りである場合(A3010の結果が「Y」)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3011)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3012)、ステップA3014の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを演出コマンドとして準備し(A3014)、演出コマンド設定処理を実行する(A3015)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を行い(A3016)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3017)。
その後、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備して(A3018)、演出コマンド設定処理を行い(A3019)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA3016における特図情報設定処理、ステップA3017における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(A2602)の詳細について説明する。図98は、大入賞口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3101)。大入賞口開放中処理中である場合(A3101の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(A3101の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3102)。
遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理中である場合(A3102の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(A3105の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるか否かを判定する(A3103)。小当り中処理中である場合(A3104の結果が「Y」)、ステップA3105の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(A3103の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3104)。特図ゲーム処理タイマが0になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中でない場合(A3104の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(A3104の結果が「Y」)は、ステップA3105の処理に移行する。そして、入賞カウンタに0をセットして(A3105)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否かを判定する(A3106)。
遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ1に入力がない場合(A3106の結果が「N」)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3110)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(A3106の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3107)、演出コマンド設定処理(A3108)を実行する。そして、入賞カウンタを+1更新し(A3109)、入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(A3110)。
遊技制御装置100は、入賞カウンタの値が0である場合(A3110の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でない場合(A3110の結果が「N」)、大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3111)。大入賞口残存球処理中である場合(A3111の結果が「Y」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(A3111の結果が「N」)、小当り残存球処理中であるか否かを判定する(A3112)。
遊技制御装置100は、小当り残存球処理中である場合(A3112の結果が「Y」)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(A3112の結果が「N」)、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(A3113)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったか否かを判定する(A3114)。
遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(A3114の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(A3114の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を上限値に留め(A3115)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A3116)、小当り中処理中であるかを判定する(A3117)。
遊技制御装置100は、小当り中処理中でない場合(A3117の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(A3117の結果が「Y」)、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(A3118)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図99は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、特図普段処理移行設定処理1を実行し(A3215)、特図普段処理を終了する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3211の結果が「Y」)、特図普段処理移行設定処理1を実行し(A3215)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(A3215)の詳細について説明する。図100は、特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。なお、特図普段処理移行設定処理1は、後述の特図表示中処理でも実行される。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3301)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3302)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3303)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3304)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明する。図101は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。特図情報設定処理の詳細については後述する。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。変動パターン設定処理の詳細については後述する。
最後に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理の詳細については後述する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図102は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図101に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図103は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(A3601)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3602)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3603)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3604)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3605)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りである場合(A3606の結果が「Y」)、ステップA3602にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3607)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3606の結果が「N」)、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A3608)。
遊技制御装置100は、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りである場合(A3609の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3610)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(A3608)の判定結果が小当りでない場合(A3609の結果が「N」)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図104は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図103に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3605、A3704)の詳細について説明する。図105は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3004などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(A3608)の詳細について説明する。図106は、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3009などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A3901)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A3901の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A3903)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A3901の結果が「N」)、対象(特図1)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A3902)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A3903)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3902の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3904)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図107は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1が大当りか否かを判定し(A4001)、大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、現在の確率状態及び高確率継続回数に対応する特図1大当り図柄テーブルを設定する(A4003)。ここでの確率状態には、高確率状態/低確率状態の他に、普電サポート状態/非普電サポート状態も含めるものとする。
ここで、高確率継続回数は、大当り状態終了後に特図高確率状態(確変状態)となる連続回数であり、特図低確率状態(通常遊技状態又は時短状態)を経ないで繰り返される確変大当りの繰り返し回数に相当する。高確率継続回数は、後述の大当り終了処理で更新される。高確率継続回数が規定回(例えば、2回)に達した後、大当り状態終了後に特図低確率状態となる通常大当りだけが発生するような特図大当り図柄テーブルが設定される。即ち、確変大当りの回数が規定回に制限される。なお、本実施形態において、高確率継続回数が規定回(例えば、2回)に達して次の大当りでは確変大当りが禁止されることを「リミッタ作動」と称し、高確率継続回数が規定回(例えば、2回)に達して次の大当りとなる前は、確変大当りだけが発生するため、「リミッタ未作動」となる。
続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。なお、特図大当り図柄テーブルの詳細については後述する。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4007)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブする(A4008)。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の情報が含まれる。なお、大当り状態終了後の確率状態が高確率である場合には、確率変動判定データは、後述の高確率変動回数の情報も含む。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4009)。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。
なお、演出モード移行情報は、演出モードを移行させるための情報である。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4001の結果が「Y」)に設定され後述の大当り終了処理で使用される。即ち、演出モード移行情報によって、大当りを契機に演出モードを移行させることができる。また、上記のように演出モード移行情報は大当りの停止図柄パターン(確変大当り図柄/通常大当り図柄であるか等)に応じて設定されるため、大当り図柄の種類(大当りの種類)で、大当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化することになる。また、上記のように演出モード移行情報は確率状態に応じて設定されるため、現在特図高確率状態(確変状態)中か否かによっても、演出モードの移行先が影響を受ける。例えば、後述するように、現在特図高確率状態(確変状態)中で通常大当り図柄であれば(即ちリミッタ作動時であれば)、通常大当り終了後に特殊演出モード(専用の演出モード、特定演出モード)に移行することができる。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、小当りフラグが小当りか否かを判定し(A4010)、小当りである場合(A4011の結果が「Y」)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(A4011)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(A4012)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4013)。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(A4014)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(A4015)。ここでの演出モード移行情報は、小当りの場合(A4010の結果が「Y」)に設定され、小当りを契機に演出モードを移行させることができる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(A4010の結果が「N」)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4016)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4017)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4018)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4019)、演出コマンド設定処理を実行する(A4020)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4021)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4022)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A4023)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図108は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2が大当りか否かを判定し(A4101)、大当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、現在の確率状態及び高確率継続回数に対応する特図2大当り図柄テーブルを設定する(A4103)。ここでの確率状態には、高確率状態/低確率状態の他に、普電サポート状態/非普電サポート状態も含めるものとする。高確率継続回数は、後述の大当り終了処理で更新されるものである。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。なお、特図大当り図柄テーブルの詳細については後述する。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4107)。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブする(A4108)。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数の情報が含まれる。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4109)。ここでの演出モード移行情報は、大当りの場合(A4101の結果が「Y」)に設定され後述の大当り終了処理で使用される。そして、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4112)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が大当りでない場合(A4101の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4110)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4111)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4112)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4113)、演出コマンド設定処理を実行する(A4114)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4115)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4116)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図109は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、1セットの大当りにおけるトータルラウンド数(後述)、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードはトータルラウンド数に基づくことから、変動振分情報1もトータルラウンド数に基づくことになる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4210)。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードはトータルラウンド数に基づくことから、変動振分情報2もトータルラウンド数に基づくことになる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図110は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA4307の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図111は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4605)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4606)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
図112は、特図変動中処理移行設定処理(特図1)の手順を示すフローチャートである。特図変動中処理移行設定処理(特図1)は、特図普段処理におけるステップA3210にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として「1」を設定し(A4701)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4702)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A4703)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4704)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A4705)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A4606)。その後、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
図113は、特図変動中処理移行設定処理(特図2)の手順を示すフローチャートである。特図変動中処理移行設定処理(特図2)は、特図普段処理におけるステップA3205にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として「1」を設定し(A4801)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4802)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A4803)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4804)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A4805)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A4806)。その後、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図114は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(A4901)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4902)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msecを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600msecを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として600msecを設定する。
次いで、特図表示中処理移行設定処理を実行し(A4903)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、特図変動中処理における特図表示中処理移行設定処理(A4903)の詳細について説明する。図115は、特図表示中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A5001)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5002)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A5003)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5004)。
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256msec)をセーブする(A5005)。
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A5006)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A5007)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図116は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。図116Aは、特図表示中処理の前半部分を示し、図116Bは、特図表示中処理の後半部分を示す。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(A5101)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする(A5102)。続いて、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(A5103)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(A5104)。
そして、遊技制御装置100は、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定して(A5105)、大当りである場合(A5105の結果が「Y」)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(A5108)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(A5109)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない場合(A5105の結果が「N」)、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定して(A5106)、大当りである場合(A5106の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A5107)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を実行する(A5109)。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、4、8、12)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A5110)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A5111)。
次に、遊技制御装置100は、今回のラウンド数上限値をトータルラウンド数に加算し、トータルラウンド数領域にセーブする(A5112)。ここで、トータルラウンド数は、大当りの1セット(規定回の確変大当りと1回の通常大当り)における合計のラウンド数である。続いて、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、演出コマンドとして準備して(A5113)、演出コマンド設定処理を実行する(A5114)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを演出コマンドとして準備して(A5115)、演出コマンド設定処理を実行する(A5116)。続けて、高確率継続回数及びラウンド数上限値に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備して(A5117)、演出コマンド設定処理を実行する(A5118)。このようにファンファーレコマンドには高確率継続回数に関する情報が含まれることになり、ファンファーレコマンドによって、高確率継続回数が演出制御装置300に伝えられる。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A5119)。本実施形態において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、当り2信号と大当り3信号のオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはオン、出玉のない大当り(所謂、突確当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればオン、それ以外ではオフとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはオン、出玉のない大当りである場合にはオフとなる。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000msec、4700msec、7700msec又は300msec)を設定して(A5120)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5121)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(A5122)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態(普電サポート状態)の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置39)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A5123)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A5124)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(A5125)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A5106の結果が「N」)、ロードした小当りフラグが小当りか否かを判定する(A5126)。小当りフラグが小当りである場合(A5126の結果が「Y」)、特図高確率状態における特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を更新する高確率変動回数更新処理を実行し(A5127)、時短状態(普電サポート状態)における特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数(時短回数)を更新する時間短縮変動回数更新処理を実行する(A5128)。続いて、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行して(A5129)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A5130)。
遊技制御装置100は、特図時短中でない場合(A5130の結果が「N」)、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、演出コマンドとして準備して(A5131)、演出コマンド設定処理を実行する(A5132)。次いで、小当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5133)、演出コマンド設定処理を実行し(A5134)、ステップA5135の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、特図時短中である場合(A5130の結果が「Y」)、ステップA5135の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図時短中(普電サポート状態中)である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(A5135)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(A5136)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、小当りフラグが小当りでない場合(A5126の結果が「N」)、高確率変動回数更新処理(A5137)、時間短縮変動回数更新処理(A5138)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行する(A5139)。そして、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数(切替準備残りゲーム数)を設定して(A5140)、演出残り回転数(演出残りゲーム数)と切替準備残り回転数とが一致するか否かを判定する(A5141)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
遊技制御装置100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しない場合(A5141の結果が「N」)、特図普段処理移行設定処理1を実行し(A5144)、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致する場合(A5141の結果が「Y」)、演出モード切替準備コマンドを演出コマンドとして準備して(A5142)、演出コマンド設定処理(A5143)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(図100)を実行し(A5144)、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前(数ゲーム前)から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(A5127、A5137)の詳細について説明する。図117は、高確率変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図高確率中(確変状態中)であるか否かを判定する(A5201)。特図高確率中でない場合(A5201の結果が「N」)、高確率変動回数更新処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図高確率中である場合(A5201の結果が「Y」)、特図高確率状態における特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数が0であるか否かを判定する(A5202)。高確率変動回数が0である場合(A5202の結果が「Y」)、高確率変動回数更新処理を終了する。なお、後述の大当り終了処理において、次回の大当りまで高確率状態(確変状態)が継続するときには高確率変動回数が0に設定されており、A5202から後の処理(低確率のフラグを設定する処理を含む)は実行されない。また、一度、高確率変動回数が0になった後も、A5202から後の処理は実行されない。
遊技制御装置100は、高確率変動回数が0でない場合(A5202の結果が「N」)、高確率変動回数を−1更新(1だけ減算)して(A5203)、高確率変動回数が0となったか否かを判定する(A5204)。高確率変動回数が0でない場合(A5204の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも高確率状態が継続する場合には、高確率変動回数更新処理を終了する。
遊技制御装置100は、高確率変動回数が0となった場合(A5204の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで高確率状態が終了する場合には、高確率報知フラグ領域をクリアして(A5205)、高確率状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5206)。
次に、遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A5207)。特図時短中でない場合(A5207の結果が「N」)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(A5208)、高確率変動回数更新処理を終了する。これにより、特図高確率状態が終了して、通常遊技状態(低確率状態且つ普電サポートなし)となる。一方、特図時短中である場合(A5207の結果が「Y」)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短ありフラグをセーブし(A5209)、高確率変動回数更新処理を終了する。これにより、特図高確率状態が終了して、時短状態(低確率状態且つ普電サポートあり)となる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(A5128、A5138)の詳細について説明する。図118は、時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A5301)。特図時短中でない場合には(A5301の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図時短中である場合には(A5301の結果が「Y」)、時短状態(普電サポート状態)における特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(A5302)。時間短縮変動回数が0である場合(A5302の結果が「Y」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。なお、後述の大当り終了処理において、次回の大当りまで時短(普電サポート状態)が継続するときには時間短縮変動回数が0に設定されており、A5302から後の処理(時短なしのフラグを設定する処理を含む)は実行されない。また、一度、時間短縮変動回数が0になった後も、A5302から後の処理は実行されない。
また、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数が0でない場合(A5302の結果が「N」)、時間短縮変動回数を−1更新し(A5303)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(A5304)。時間短縮変動回数が0でない場合(A5304の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態(普電サポート状態)が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数が0である場合(A5304の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、時間短縮終了に関する信号(例えば、大当り2信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブする(A5305)。そして、時短の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ、普通図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、普通電動役物1開放延長状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5306)。
次に、遊技制御装置100は、第2遊技状態表示部58を消灯させるために遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A5307)、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブする(A5308)。これにより、普図変動表示ゲームの時短状態(普電サポート状態)が終了する。
そして、遊技制御装置100は、特図高確率中(確変状態中)であるか否かを判定する(A5309)。特図高確率中でない場合(A5309の結果が「N」)、特図ゲームモードフラグ領域に低確率&時短なしフラグをセーブし(A5310)、ステップA5312の処理に移行する。これにより、特図変動表示ゲームの時短状態は終了して、通常遊技状態(低確率状態、且つ、時短・普電サポートなし)となる。特図高確率中である場合(A5309の結果が「Y」)、特図ゲームモードフラグ領域に高確率&時短なしフラグをセーブし(A5311)、ステップA5312の処理に移行する。これにより、特図変動表示ゲームの時短状態(普電サポート状態)は終了して、潜伏確変状態(特図高確率状態、且つ、時短・普電サポートなし)となる。
次に、遊技制御装置100は、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5312)、第1遊技状態表示部57を消灯させるために遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A5313)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(A5129、A5139)の詳細について説明する。図119は、演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。なお、演出モード情報チェック処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当り以外(小当り又ははずれ)の場合に実行される。
遊技制御装置100は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(A5401)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(A5401の結果が「Y」)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、遊技制御装置100は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(A5401の結果が「N」)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(A5402)、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(A5403)。演出残り回転数が0となっていない場合(A5403の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が0となった場合(A5403の結果が「Y」)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A5404)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(A5405)。
そして、遊技制御装置100は、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(A5406)、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(A5407)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(A5408)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(A5409)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するか否かを判定する(A5410)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(A5410の結果が「Y」)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(A5410の結果が「N」)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(A5411)、演出コマンド設定処理を実行する(A5412)。次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5413)、演出コマンド設定処理を実行する(A5414)。
次に、遊技制御装置100は、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5415)、演出コマンド設定処理(A5416)を実行する。次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるか否かを判定し(A5417)、左打ちするモードでない場合(A5417の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(A5417の結果が「Y」)には、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A5418)、演出コマンド設定処理を実行して(A5419)、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(A5125)の詳細について説明する。図120は、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A5501)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5502)。
次に、遊技制御装置100は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をオン(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(A5503)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5504)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(A5505)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(A5506)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(A5507)。
そして、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A5508)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)59を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(A5509)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5510)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(A5511)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(A5512)。これにより高確率状態及び時短状態(普電サポート状態)が終了する。
その後、遊技制御装置100は、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(A5513)、演出残り回転数領域をクリアして(A5514)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(A5515)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5516)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A5517)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態(大当り状態)の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(A5136)の詳細について説明する。図121は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(A5601)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5602)。
次に、遊技制御装置100は、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5603)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(A5604)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5605)。
次いで、遊技制御装置100は、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(A5606)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A5607)。次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5608)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A5609)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(A2611)の詳細について説明する。図122は、ファンファーレ/インターバル中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(A5701)、特別遊技状態(大当り状態)のラウンド数に対応するラウンドコマンドを演出コマンドとして準備して(A5702)、演出コマンド設定処理(A5703)を行う。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放時間(例えば、長開放では29秒、短開放では0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5704)、大入賞口開放中処理移行設定処理を実行して(A5705)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図123は、大入賞口開放中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理移行設定処理は、図122に示したファンファーレ/インターバル中処理におけるステップA5705にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(A5801)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5802)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(A5803)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(A5804)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(A5805)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(A2612)の詳細について説明する。図124は、大入賞口開放中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A5901)。そして、最終ラウンドでない場合(A5901の結果が「N」)、残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5902)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを演出コマンドとして準備して(A5903)、演出コマンド設定処理を実行する(A5906)。
遊技制御装置100は、最終ラウンドである場合(A5901の結果が「Y」)、残存球処理時間(最終用)(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5904)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを演出コマンドとして準備して(A5905)、演出コマンド設定処理を実行する(A5906)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理移行設定処理を実行し(A5907)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図125は、大入賞口残存球処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。大入賞口残存球処理移行設定処理は、図124に示した大入賞口開放中処理におけるステップA5907にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、処理番号を大入賞口残存球処理に係る「5」に設定し(A6001)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6002)。その後
大入賞口ソレノイド39bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブし(A6003)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(A2613)の詳細について説明する。図126は、大入賞口残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A6101)。
そして、遊技制御装置100は、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(A6101の結果が「N」)、インターバル時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6102)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を実行し(A6103)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(A6101の結果が「Y」)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(A6104)、ロードしたフラグと停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(A6105)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6106)。その後、大当り終了処理移行設定処理(A6107)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図127は、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2は、図126に示した大入賞口残存球処理におけるステップA6103にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A6201)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A6202)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6203)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図128は、大当り終了処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理移行設定処理は、図126に示した大入賞口残存球処理におけるステップA6107にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(A6301)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6302)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6303)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A6304)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(A6305)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(A6306)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(A6307)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(A6308)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、特図ゲーム処理における大当り終了処理(A2614)の詳細について説明する。図129は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。図129Aは、大当り終了処理の前半部分を示し、図129Bは、大当り終了処理の後半部分を示す。
遊技制御装置100は、まず、ステップA4008で設定した確率変動判定データに対応する特図ゲームモードフラグを設定し、特図ゲームモードフラグ領域にセーブする(A6401)。ここで、特図ゲームモードフラグは、大当り状態終了後における確率状態と時短(普電サポート)の有無を示す。続いて、確率変動判定データに対応する高確率変動回数(初期値)をRWMの高確率変動回数領域にセーブする(A6402)。大当り状態終了後に次回の大当りまで高確率状態(確変状態)が継続するときには、高確率変動回数(初期値)が0に設定される。一方、ST(スペシャルタイム)機等において、大当り状態終了後に所定ゲーム数(例えば100)だけ高確率状態(確変状態)が継続する場合には、高確率変動回数(初期値)を所定ゲーム数(例えば100)に設定する。
次に、遊技制御装置100は、確率変動判定データに対応する時間短縮変動回数(初期値)を時間短縮変動回数領域にセーブする(A6403)。大当り状態終了後に次回の大当りまで時短(普電サポート状態)が継続するときには時間短縮変動回数(初期値)が0に設定される。一方、大当り状態終了後に所定ゲーム数(本実施形態では100又は50)だけ時短状態(普電サポート状態)が継続する場合には、時間短縮変動回数(初期値)が所定ゲーム数(100又は50)に設定される。
次に、遊技制御装置100は、確率変動判定データに対応する普図ゲームモードフラグを設定し、普図ゲームモードフラグ領域にセーブする(A6404)。ここで設定された普図ゲームモードフラグは、大当り状態終了後の普図ゲームの確率状態(高確率/低確率)を示す。続いて、大当り終了後は高確率状態となるか否かを判定する(A6405)。
遊技制御装置100は、大当り終了後に高確率状態とならない場合(A6405の結果が「N」)、低確率に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6406)、高確率継続回数領域を0クリアし(A6407)、ステップA6410の処理に移行する。一方、大当り終了後に高確率状態となる場合(A6405の結果が「Y」)、高確率の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオン、特別図柄2高確率状態信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6408)、大当り状態終了後に高確率状態となる連続回数を示す高確率継続回数を+1更新し(1だけ加算し)(A6409)、ステップA6410の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、大当り終了後は時短あり(普電サポートあり)か否かを判定する(A6410)。大当り終了後に時短(普電サポート)がない場合(A6410の結果が「N」)、時短なしに関する信号(例えば、大当り2信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6411)、時短なしに関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6412)。そして、第2遊技状態表示部58を消灯させるために遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A6413)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6414)、第1遊技状態表示部57を消灯させるために遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A6415)、ステップA6419の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、大当り終了後に時短(普電サポート)がある場合(A6410の結果が「Y」)、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をオン)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6416)、時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオン、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオン、普通図柄1高確率状態信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6417)、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(A6418)、ステップA6419の処理に移行する。なお、ここで、大当り中から右打ちしているので右打ちに関する設定は行われない。
次に、遊技制御装置100は、ステップA5112で算出したトータルラウンド数に対応する演出モード情報アドレステーブルを設定し(A6419)、変動開始時の停止図柄設定処理(特にA4009、A4109)で設定した演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得し(A6420)、特別遊技状態(大当り状態)の終了後に設定される演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)を取得してセーブする(A6421)。これにより、大当りの1セット(規定回の確変大当りと1回の通常大当り)におけるトータルラウンド数(全ラウンド数、合計ラウンド数)に基づいて、大当り終了後に移行する演出モードが選択できる。
前述のように、演出モード移行情報(A4009、A4109)によってリミッタ作動時の通常大当り終了後に特殊演出モードに移行することができる。例えば、リミッタ作動時の通常大当り終了後に、トータルラウンド数に基づいて、複数の特殊演出モード(例えば、後述のプレミア出現率UPモード、RUSHモード、擬似連出現率UPモード)のうちの一つを選択して、これに移行することができる。そして、前述のように、演出モードに基づいて、前半変動を振り分けるための変動振分情報1(A4206)と後半変動を振り分けるための変動振分情報2(A4212)を設定して、変動パターン設定処理において変動パターンテーブルが選択できるため、トータルラウンド数に基づいて変動パターンテーブルひいては変動パターンを選択できることになる。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得してセーブし(A6422)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得してセーブする(A6423)。
続いて、遊技制御装置100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(A6424)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域に演出コマンドとしてセーブし(A6425)、演出コマンド設定処理を実行する(A6426)。ここで、確率情報コマンドには、特別遊技状態(大当り状態)の終了後における確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。例えば、リミッタ作動時の通常大当り終了の際であれば、確率情報コマンドとして、トータルラウンド数に基づいて、「低確率・時短あり・プレミア出現率UPモード」、「低確率・時短あり・RUSHモード」、「低確率・時短あり・擬似連出現率UPモード」がある。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6427)、演出コマンド設定処を実行する(A6428)。そして、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6429)、演出コマンド設定処理を実行する(A6430)。
次に、遊技制御装置100は、大当り終了後に時短(普電サポート)があるか否かを判定する(A6431)。時短(普電サポート)がある場合(A6431の結果が「Y」)、ステップA6434の処理に移行する。時短(普電サポート)がない場合(A6431の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A6432)、演出コマンド設定処理を実行し(A6433)、ステップA6434の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、大当り終了後は高確率状態か否かを判定する(A6434)。大当り終了後に高確率状態である場合(A6434の結果が「Y」)、特図普段処理移行設定処理2を実行する(A6436)。大当り終了後に高確率状態でない場合(A6434の結果が「N」)、トータルラウンド数領域を0クリアして(A6435)、特図普段処理移行設定処理2を実行する(A6436)。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図130は、特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理2は、図129に示した大当り終了処理におけるステップA6436にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(A6501)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6502)。
その後、遊技制御装置100は、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をオフ、大当り3信号をオフ、大当り4信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A6503)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をオフ、役物連続作動装置作動中信号をオフ、特別図柄1当り信号をオフ、特別図柄2当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6504)。そして、確率変動判定フラグ領域をクリアする(A6505)。
続いて、遊技制御装置100は、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(A6506)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(A6507)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(A6508)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(A6509)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A6510)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(A2615)の詳細について説明する。図131は、小当りファンファーレ中処理の手順を示すフローチャートである。図131に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(A6601)を行う。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(A6601)の詳細について説明する。図132は、小当り中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(A6701)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6702)。
次いで、遊技制御装置100は、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(A6703)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6704)。次いで、特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放するために、大入賞口ソレノイド39bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(A6705)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A6706)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(A6707)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当り中処理(A2616)の詳細について説明する。図133は、小当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(A6801)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるか否かを判定する(A6802)。ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(A6802の結果が「N」)、小当り中制御ポインタを+1更新し(A6803)、小当り動作移行設定処理を実行して(A6804)、小当り中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(A6802の結果が「Y」)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(A6805)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるか否かを判定する(A6806)。これにより、特図高確率中での小当りか否かを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
遊技制御装置100は、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(A6806の結果が「Y」)、小当り残存球処理移行設定処理を実行し(A6809)、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場(A6806の結果が「N」)、小当り終了画面のコマンドを演出コマンドとして準備し(A6807)、演出コマンド設定処理を実行して(A6808)、小当り残存球処理移行設定処理を実行し(A6809)、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、小当り中処理における小当り動作移行設定処理(A6804)の詳細について説明する。図134は、小当り動作移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理を実行する(A6901)。制御ポインタが0、2、4の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500msec)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6902)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(A6903)、小当り動作移行設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、制御ポインタが1、3、5の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200msec)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6904)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(A6905)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300msecの小当りファンファーレ時間の後に、200msecの開放と1500msecの閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。具体的には、1回目の200msec開放の終了時(すなわち、1回目の200msec開放から1回目の1500msec閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが0に更新され、1回目の1500msec閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500msec閉鎖から2回目の200msec開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが1に更新され、2回目の200msec開放の終了時に小当り中制御ポインタが2に更新され、2回目の1500msec閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが3に更新され、3回目の200msec開放の終了時に小当り中制御ポインタが4に更新され、3回目の1500msec閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが5に更新される。そして、4回目の200msec開放の終了時に小当り中制御ポインタが6に更新され、1900msecの小当り残存球時間と、その後の100msecの小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200msec開放の後に、2000msec間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000msecとなる。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(A6809)の詳細について説明する。図135は、小当り残存球処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(A7001)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7002)。次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A7003)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(A7004)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当り残存球処理(A2617)の詳細について説明する。図136に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(A7101)を行う。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(A7101)の詳細について説明する。図137は、小当り終了処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(A7201)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7202)。
次に、遊技制御装置100は、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(A7203)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A7204)。次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(A7205)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(A7206)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、特図ゲーム処理における小当り終了処理(A2618)の詳細について説明する。図138は、小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図時短中(時短状態中)であるか否かを判定する(A7301)。特図時短中である場合(A7301の結果が「Y」)、特図普段処理移行設定処理3を実行して(A7304)、小当り終了処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図時短中でない場合(A7301の結果が「N」)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7302)、第1遊技状態表示部57(右打ち中の表示LED)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(A7303)、特図普段処理移行設定処理3を行い(A7304)、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(A7304)の詳細について説明する。図139は、特図普段処理移行設定処理3の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(A7401)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7402)。小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A7403)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A7404)。
次に、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(A7405)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(A7406)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(A7407)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A7408)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
図140は、演出制御装置300に送信する演出コマンドを設定するための演出コマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における演出コマンド設定処理に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む(A2301)。さらに、送信バッファが満杯か否かを判定する(A2302)。
また、遊技制御装置100は、送信バッファが満杯でない場合には(A2302の結果が「N」)、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファに書き込む(A2303)。
遊技制御装置100は、送信バッファが満杯である場合には(A2302の結果が「Y」)、ステップA2301の処理に戻る。
さらに、遊技制御装置100は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(A2304)、送信バッファが満杯か否かを判定する(A2305)。送信バッファが満杯である場合には(A2305の結果が「Y」)、ステップA2304の処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、送信バッファが満杯でない場合には(A2305の結果が「N」)、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに書き込んだ後(A2306)、演出コマンド設定処理を終了する。
以上のように、演出制御装置300に対してはシリアル通信で演出コマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、演出コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。
〔図柄変動制御処理〕
図141に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(A2620、A2622)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と、特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(A7501)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(A7502の結果が「Y」)、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(A7503)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次に、遊技制御装置100は、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(A7504)、更新後の点滅制御タイマが0であるかを判定して(A7505)、更新後の点滅制御タイマが0でない場合(A7505の結果が「N」)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが0である場合(A7505の結果が「Y」)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(A7506)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(A7507)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(A7508)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(A7502の結果が「N」)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(A7509)。本実施形態の場合、ステップA2619、ステップA2621、ステップA7614にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。次に、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(A7510)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(A7511)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA7506でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、点滅制御タイマ初期値として100msecに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA7507における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA7507において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA7508、A7511ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細について説明する。図142は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A4315)の詳細について説明する。図143は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図144は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。演出制御装置300における処理では、ラウンド演出設定処理、エンディング演出設定処理、演出内容決定処理を除いて、全ての実施形態及び変形例において共通する処理であるため、いずれの実施形態において実行される処理であるかは記載しない。
なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。また、変形例として一部の処理が追加もしくは変更される箇所については「C****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0009)。演出ボタン入力処理では、後述する演出ボタン操作演出処理が実行される。続いて、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0010)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0011)。演出ポイント制御処理の詳細は、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報をQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0012)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0013)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図44にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0014)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0015)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0015)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0016の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0016の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0016の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0017)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0018)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0019)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0020)。可動体制御処理では、例えば、ソレノイドを駆動して役物動作演出を実行する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0020の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0020までの処理を繰り返す。
〔演出ポイント制御処理〕
図145は、前述のメイン処理において実行される演出ポイント制御処理(B0011)の手順を示すフローチャートである。演出ポイント制御処理は、遊技ポイントの付与や交換(アイテム等の付与)を制御する処理である。
演出制御装置300は、まず、遊技ポイントをゼロにクリアするポイント初期化処理を実行する(B0101)。遊技者が遊技を止めて客待ち状態となると当該遊技において発生した遊技ポイントをリセットする。
次に、演出制御装置300は、遊技ポイントの累積値を更新するポイント更新処理を実行する(B0102)。
次に、演出制御装置300は、遊技ポイントと引き替えに特典を付与するポイント交換処理を実行し、本処理を終了する。
〔ポイント初期化処理〕
図146は、前述の演出ポイント制御処理において実行されるポイント初期化処理(B0101)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中、客待ち中等の遊技機10の状態に関する情報を取得し(B0201)、客待ち状態であるか否かを判定する(B0202)。客待ち状態であるか否かは、客待ちフラグが設定されているかによって判定され、例えば、操作ハンドル24が操作されずに所定期間が経過し、かつ、始動記憶表示がゼロ個の状態が一定期間経過したことで、省電力モードに移行した等によって客待ちフラグが設定される。
客待ち状態ではない場合(B0202の結果が「N」)、つまり遊技中である場合には、ポイントクリアを実行せずに、本処理を終了する。
客待ち状態である場合には(B0202の結果が「Y」)、次に遊技する遊技者に直前の遊技者の遊技ポイントや特典が利用可能とならないように、ポイント累積値及び付与特典をリセットし(B0203、B0204)、本処理を終了する。
〔ポイント更新処理〕
図147は、上述の演出ポイント制御処理において実行されるポイント更新処理(B0102)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技機10の状態に関する情報を取得し(B0301)、新たに発生した遊技ポイントを累積ポイント値に加算処理する(B0302)。その後、本処理を終了する。
〔ポイント交換処理〕
図148は、上述の演出ポイント制御処理において実行されるポイント交換処理(B0103)の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技機10の状態に関する情報を取得し(B0401)、累積遊技ポイントによって、アイテム等との交換が可能であるか否かを判定する(B0402)。交換が可能であるかの判定にあたっては、アイテムや特典ごとに必要なポイント数が定義されたテーブル(図示省略)を参照する。
ポイント交換が可能である場合には(B0402の結果が「Y」)、演出制御装置300は、付与特典選択操作フラグが設定されているか否かを判定する(B0403)。付与特典選択操作フラグは、後述するB0406において設定されるフラグであり、交換するアイテム等の番号が設定される。
付与特典選択操作中フラグが設定されていない場合には(B0403の結果が「N」)、演出制御装置300は、ポイント累積値を取得し(B0404)、ポイント交換条件が成立したか否かを判定する(B0405)。ポイント交換条件は、アイテムや特典ごとの交換可能ポイント数に達しており、かつ、交換可能なアイテム等との交換操作を受け付けたか否かによって判定する。
ポイント交換条件が成立した場合には(B0405の結果が「Y」)、演出制御装置300は、付与特典選択操作フラグをセットし(B0406)、本処理を終了する。
付与特典選択操作フラグが設定されている場合には(B0403の結果が「Y」)、演出制御装置300は、付与特典が決定したか否かを判定する(B0407)。付与特典が決定した場合には(B0407の結果が「Y」)、演出制御装置300は、付与特典をセットし(B0408)、付与特典選択操作フラグをクリアする(B0409)。次に、消化した遊技ポイント分を更新処理し(B0410)、本処理を終了する。
一方、ポイント交換が可能ではない場合(B0402の結果が「N」)、ポイント交換条件が成立していない場合(B0405の結果が「N」)、付与特典が決定していない場合には(B0407の結果が「N」)、それぞれその後、本処理を終了する。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図149を参照して、上述したメイン処理における受信コマンドチェック処理(B0013)の詳細について説明する。図149は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図150にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図150参照して、前述した受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図150は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンドがある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレコマンド(A5117)、ラウンドコマンド(A5702)、インターバルコマンド(A5903)、エンディングコマンド(A5905)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、前述の先読み停止図柄コマンドがある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、前述の先読み変動パターンコマンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図151を参照して、前述した受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図151は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図152を参照して、前述した変動系コマンド処理における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図152は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、ポイント数、機種コード、特図種別、演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、ポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、ポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減るアニメーションが設定される(B2015)。続いて、スピーカによる演出態様を定める音声番号、装飾装置の演出動作を定める装飾番号を設定する(B2016)。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置(LED)80で表示される。
次に、演出制御装置300は、次に実行される変動表示ゲームの予告までを全て決定した上で、リーチ内容を変更したり、置換するかの切り替えを決定する演出内容決定処理を実行する(B2019)。演出内容決定処理は、演出例の説明の後に詳細に説明する。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、図153を参照して、前述した受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図153は、演出制御装置300によって実行される大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがファンファーレコマンドである場合、演出制御装置300は、ファンファーレ演出設定処理を実行し(B2102)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、本処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがラウンドコマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し(B2105)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2106)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し(B2108)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2109)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、エンディング演出設定処理を実行し(B2111)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2112)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部が大入賞口カウントであるか否かを判定する(B2113)。MODE部が大入賞口カウントを表す場合には(B2113の結果が「Y」)、演出制御装置300は、現在が短開放中であるか否かを判定する(B2114)。短開放中ではない場合には(B2114の結果が「N」)、演出制御装置300は、獲得遊技球数カウンタを更新し(B2115)、本処理を終了する。
短開放中である場合には(B2114の結果が「Y」)、演出制御装置300は、獲得球数を表示するかの抽選を行い(B2116)、獲得遊技球数を非表示とするか否かを判定する(B2117)。獲得遊技球数を非表示とする場合には(B2117の結果が「Y」)、演出制御装置300は、非表示カウンタを更新し(B2118)、本処理を終了する。獲得遊技球数を非表示としない場合には(B2117の結果が「N」)、演出制御装置300は、短開放パターン用カウンタを更新し(B2119)、本処理を終了する。
なお、受信した大当り系コマンドのMODE部が大入賞カウントを表さない場合には(B2113の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、大当り系コマンド処理を終了する。
〔ファンファーレ演出設定処理〕
次に、図154を参照して、前述した大当り系コマンド処理におけるファンファーレ演出設定処理(B2105)の詳細について説明する。図154は、演出制御装置300によって実行されるファンファーレ演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御装置300は、受信した大当り系コマンドのACT部が大当りファンファーレを表すか否かを判定する(B2201)。大当り系コマンドのACT部が大当りファンファーレを表す場合(B2201の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドが大当りファンファーレコマンドである場合、演出制御装置300は、大当り回数を+1更新し(B2202)、確率状態、大当り回数に基づいて大当りファンファーレ演出の表示内容を決定する(B2203)。
続いて、演出制御装置300は、決定した表示内容に対応するファンファーレ演出の表示を設定し(B2204)、今回の大当りは短開放を含む大当りであるか否かを判定する(B2205)。短開放を含む大当りである場合には(B2205の結果が「Y」)、演出制御装置300は、短開放大当り情報をセットし(B2206)、演出制御装置300は、ファンファーレコマンドに基づいて確変大当り又は通常大当り等の大当り情報に関する大当り種類情報を設定し(B2217)、本処理を終了する。短開放を含む大当りではない場合には(B2205の結果が「N」)、演出制御装置300は、B2217の処理を実行し、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのACT部が大当りファンファーレを表すものではない場合には(B2201の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのACT部が突確ファンファーレを表すか否かを判定する(B2207)。大当り系コマンドのACT部が突確ファンファーレを表す場合には(B2207の結果が「Y」)、つまり、突確ファンファーレコマンドである場合には、演出制御装置300は、今回の突確当りが連続演出からの当りであるか否かを判定する(B2208)。突確当りは、出玉のない大当り(例えば2R確変大当り)のことであり、他の大当りの大当りファンファーレコマンドとは区別して、突確ファンファーレコマンドが設けられてよい。
今回の突確当りが連続演出からの突確当りではない場合には(B2208の結果が「N」)、演出制御装置300は、確率状態に対応する突確専用演出の表示を設定し(B2209)、B2217の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、連絡演出からの突確当りである場合には(B2208の結果が「Y」)、演出制御装置300は、今回の変動中演出に関連する突確演出パターンの中から実行する突確演出を抽選し(B2210)、決定した突確演出の表示を設定して(B2211)、B2217の処理を実行し、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのACT部が突確ファンファーレを表すものではない場合には(B2207の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのACT部が小当りファンファーレを表すものであるか否かを判定する(B2212)。大当り系コマンドのACT部が小当りファンファーレを表す場合には(B2212の結果が「Y」)、演出制御装置300は、今回の小当りが連続演出からの当りであるか否かを判定する(B2213)。今回の小当りが連続演出からの小当りではない場合には(B2213の結果が「N」)、演出制御装置300は、確率状態に対応する小当り専用演出の表示を設定し(B2214)、B2217の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、連続演出からの小当りである場合には(B2213の結果が「Y」)、演出制御装置300は、今回の変動中演出に関連する小当り演出パターンの中から実行する小当り演出を抽選し(B2215)、決定した小当り演出の表示を設定して(B2216)、さらにB2217の処理を実行して本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのACT部が小当りファンファーレを表すではない場合には(B2212の結果が「N」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。
〔ラウンド演出設定処理〕
次に、図155を参照して、上述した大当り系コマンド処理におけるラウンド演出設定処理(B2108)の詳細について説明する。図155は、演出制御装置300によって実行されるラウンド第2実施形態の演出設定処理の手順を示すフローチャートである。ここで説明するラウンド演出設定処理は、第2実施形態において実行される。
大当り遊技中は右打ちが遊技者にとって有利な打ち方であるため、まず、演出制御装置300は、右打ち指示の表示を設定し(B2301)、今回の大当りが小当りまたは突確当りであるかを判定する(B2302)。入賞補助手段を備えることにより、小当りであっても大入賞口に入賞する機会が十分にあるため、右打ちの表示がされる。
今回の当りが小当りまたは突確当りである場合には(B2302の結果が「Y」)、演出制御装置300は、小当り・突確ラウンド演出の表示を設定し(B2317)、強調演出の表示を設定する(B2315)。続いて、演出制御装置300は、強調演出に基づいた音番号・装飾番号を設定し(B2316)、本処理を終了する。
一方、今回の当りが小当りまたは突確当りではない場合には(B2302の結果が「N」)、演出制御装置300は、ラウンドコマンドからラウンド数を導出し(B2303)、ラウンドコマンド中に短開放大当り情報があるか否かを判定する(B2304)。
短開放大当り情報がない場合には(B2304の結果が「N」)、獲得遊技球数カウンタに基づいた獲得遊技球数の表示を設定し(B2305)、ラウンド数の表示を設定する(B2306)。
次に、演出制御装置300は、長開放パターンのラウンド演出の表示を設定し(B2307)、長開放パターンに基づいて音番号・装飾番号を設定する(B2308)。次に、演出モードを通常モードから別モードへ移行するかのフラグを設定する演出モード移行処理を実行し(B2309)、本処理を終了する。
短開放大当り情報がある場合には(B2304の結果が「Y」)、演出制御装置300は、ラウンド数が短開放に該当する所定のラウンド数(所定ラウンド目)であるか否かを判定する(B2310)。所定のラウンド数ではない場合には(B2310の結果が「N」)、当該ラウンドは長開放のラウンドであるため、演出制御装置300は、B2305以降の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、ラウンド数が所定のラウンド数である場合には(B2310の結果が「Y」)、当該ラウンドは短開放のラウンドであるため、演出制御装置300は、短開放パターンのラウンド演出の表示を設定し(B2311)、ラウンド数の上限値情報とラウンド数から残り開放回数を算出する(B2312)。
次に、演出制御装置300は、残り開放回数の表示を設定し(B2313)、短開放パターン用カウンタに基づいて短開放中の獲得遊技球数の表示を設定する(B2314)。続いて、演出制御装置300は、強調演出及び音番号・装飾番号を設定し(B2315、B2316)、本処理を終了する。
〔演出モード移行処理〕
次に、図156を参照して、前述したラウンド演出設定処理における演出モード移行処理(B2309)の詳細について説明する。図156は、演出制御装置300によって実行される演出モード移行処理の手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御装置300は、モードを通常モードか別モード(例えば、虎モード)かを遊技者に選択させるモード移行選択画面の表示を設定し(B2401)、別モード(虎モード)が選択されたか否かを判定する(B2402)。虎モードが選択された場合には(B2402の結果が「Y」)、演出制御装置300は、特図ゲームモードフラグ領域にモード移行フラグをセットし(B2403)、本処理を終了する。
虎モードが選択されなかった場合には(B2402の結果が「N」)、演出制御装置300は、特図ゲームモードフラグ領域をクリアし(B2404)、本処理を終了する。遊技者によってモート選択の操作がされなかった場合も同様である。
〔インターバル演出設定処理〕
次に、図157を参照して、上述した大当り系コマンド処理におけるインターバル演出設定処理(B2111)の詳細について説明する。図157は、演出制御装置300によって実行されるインターバル演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御装置300は、長開放インターバルの音番号・装飾番号を設定し(B2501)、今回の大当りに短開放大当り情報があるか否かを判定する(B2502)。
短開放大当り情報がない場合には(B2502の結果が「N」)、本処理を終了する。短開放大当り情報がある場合には(B2502の結果が「Y」)、演出制御装置300は、ラウンド数が所定数であるか否かを判定する(B2503)。ラウンド数が所定数ではない場合には(B2503の結果が「N」)、本処理を終了する。
ラウンド数が所定数である場合には(B2503の結果が「Y」)、演出制御装置300は、短開放用インターバルの表示を設定し(B2504)、短開放用インターバルの音番号・装飾番号を設定する(B2505)。その後、本処理を終了する。
〔エンディング演出設定処理〕
次に、図158を参照して、上述した大当り系コマンド処理におけるエンディング演出設定処理(B2117)の詳細について説明する。図158は、演出制御装置300によって実行されるエンディング演出設定処理の手順を示すフローチャートである。ここで説明するエンディング演出設定処理は、第2実施形態において実行される。
まず、演出制御装置300は、ファンファーレ演出設定処理で設定された大当り種類情報をロードし(B2601)、図79(A)(B)に示すテーブルを参照してロードした大当り種類情報と選択率から状態示唆表示を設定する(B2602)。大当り種類情報は、B2217において設定される大当りの種類(確変大当りか通常大当りか)に関する情報である。また、B2602の処理により、示唆キャラクタの種類(どの顔の示唆キャラクタか)が設定される。
次に、演出制御装置300は、ロードしたフラグにモード移行フラグがあるか否かを判定する(B2603)。モード移行フラグがある場合には(B2603の結果が「Y」)、演出制御装置300は、図79(C)(D)に示すテーブルを参照して置換率に基づく状態示唆表示を設定する(B2604)。モード移行フラグがない場合には(B2603の結果が「N」)、状態示唆表示を置換しないため、B2604の処理は実行されない。
次に、演出制御装置300は、獲得遊技球数カウンタと短開放パターン用カウンタから合計の獲得遊技球数を算出し(B2605)、合計の獲得遊技球数に基づいた加算演出の表示を設定する(B2606)。
次に、演出制御装置300は、獲得遊技球数カウンタと短開放パターン用カウンタ及び短開放大当り情報をリセットし(B2607、B2608)、本処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図159を参照して、上述した受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図159は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、例えば、図柄種別は、はずれ図柄や突確当り図柄、4R確変大当り図柄(4R−A1等)、4R通常大当り図柄(4R−A2等)、8R確変大当り図柄(8R−A1等)、8R通常大当り図柄(8R−A2等)、12R確変大当り図柄(12R−A1等)、12R通常大当り図柄(12R−A2等)などに対応する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図160を参照して、上述した受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図160は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(A3208)を表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(A3203)を表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド(A2108)、不正解除コマンド(A2116)、状態オフコマンド(A2404)、状態オンコマンド(A2407)がある。そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(例えば、A5142の演出モード切替準備コマンド)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1319)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1320)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1320の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1321)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。B1324の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1319の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1320の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図161を参照して、前述した受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図161は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図162を参照して、前述した受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図162は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。
次に、演出制御装置300は、最新保留の先読み予告演出が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み予告演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、既保留に対応する保留情報をロードし(B1714)、先読み態様の保留に基づく変動演出内容と既保留に基づく変動演出内容とを比較する(B1715)。
次に、演出制御装置300は、B1715の比較処理において同一の変動内容があるか否かを判定する(B1716)。同一の変動内容がない場合には(B1716の結果が「N」)、演出制御装置300は、先読み演出内容を設定し(B1717)、本処理を終了する。
同一の変動内容がある場合には(B1716の結果が「Y」)、演出制御装置300は、先読み実行フラグを所定の一時領域にセーブし(B1718)、現時点で貯留されている既保留数をセーブする(B1719)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1720)。直ちに開始する演出には、例えば、保留変化予告がある。発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出である場合(B1720の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定し(B1721)、選出された先読み演出に対応する役物制御情報を設定する(B1722)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み予告演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、又は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出でない場合(B1720の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔第2実施形態の変形例1の制御〕
次に、図163、図164を参照して、第2実施形態の変形例1(上乗せ演出)において実行される制御処理を説明する。具体的には、ラウンド演出設定処理とエンディング演出設定処理の一部に、第2実施形態の変形例1に対応するステップが追加される。当該相違するステップについては、「C****」と記載する。
図163は、第2実施形態の変形例1において実行されるラウンド演出設定処理の手順を示すフローチャートである。図155に示すラウンド演出設定処理と相違するステップを中心に説明する。
第2実施形態の変形例1では、短開放中の獲得球数の一部がタイムリーに反映されずに非表示とし、エンディング画面に終盤において上乗せ(+○○球)として加算される(上乗せ表示手段)。かかる制御にあたり、演出制御装置300は、B2313の処理に続いて、今回の短開放中の獲得球数を画面表示させるか否かを判定する(C1001)。
画面表示させる場合には(C1001の結果が「Y」)、B2314以降の処理を実行し、今回の獲得球数を含めた累積獲得球数をすぐに画面表示する。一方、画面表示させない場合には(C1001の結果が「N」)、B2315以降の処理を実行する。
ここで画面表示させない分の獲得球数については、次に説明するエンディング演出設定処理における上乗せ演出により、加算される。このような処理によって、上乗せ表示手段が実現される。
図164は、第2実施形態の変形例1において実行されるエンディング演出設定処理の手順を示すフローチャートである。図158に示すエンディング演出設定処理と相違するステップを中心に説明する。
非表示となる短開放中の獲得球数は、ラウンド演出設定処理において、非表示カウンタに加算され、エンディング演出設定処理において上乗せ加算される。
B2606の処理に続いて、演出制御装置300は、非表示カウンタに基づいた非表示の獲得球数の表示を設定し(C2001)、非表示カウンタを合計の獲得遊技球数に加算する(C2002)。次に、演出制御装置300は、上乗せ演出を設定し(C2003)、非表示カウンタをリセットする(C2004)。続いて、B2607以降の処理を実行する。
上乗せ演出は、図84(か)に示すトータル獲得球数にその後もう一度加算される演出であるが、C1002の処理が複数回実行され、非表示カウンタが複数回加算された場合は、上乗せ演出は複数回行われてもよい。
〔第2実施形態の変形例2の制御〕
次に、図165、図166を参照して、第2実施形態の変形例2(アイテム・特典付与)において実行される制御処理を説明する。
図165は、第2実施形態の変形例2において実行されるラウンド演出設定処理の手順を示すフローチャートである。図155及び図163に示すラウンド演出設定処理と相違するステップを中心に説明する。
第2実施形態の変形例2では、短開放中の大入賞口に入賞が発生するたびに表示アイコンテーブル(図87参照)を参照してアイコンが選択され(抽選手段)、エンディング演出において獲得したアイコンに基づく演出が実行される(獲得演出手段)。かかる制御にあたり、演出制御装置300は、B2313の処理に続いて表示アイコンテーブルの選択率に基づいたアイテム・キャラクタを抽選で選択し(C1003)、選択したアイテム・キャラクタが特定のキャラクタであるか否かを判定する(C1004)。特定のアイテム・キャラクタとは、例えば、★アイコン、桃アイコン、音符アイコン、宝箱アイコンであり、☆アイコンは除かれる。
特定のアイテム・キャラクタである場合には(C1004の結果が「Y」)、演出制御装置300は、アイテム・キャラクタに対応した特典を設定する(C1005)。
特定のアイテム・キャラクタではない場合には(C1004の結果が「N」)、演出制御装置300は、C1005の処理を実行せずにB2315以降の処理を実行する。
図166は、第2実施形態の変形例2において実行されるエンディング演出設定処理の手順を示すフローチャートである。図158及び図164に示すエンディング演出設定処理と相違するステップを中心に説明する。
B2606の処理に続いて、演出制御装置300は、今回の大当りを通じて特定のアイテム・キャラクタを獲得したか否かを判定する(C2005)。
特定のアイテム・キャラクタを獲得した場合には(C2005の結果が「Y」)、演出制御装置300は、合計の獲得遊技球数に基づいてポイント数を決定し(C2006)、ポイント数と特定キャラクタの表示を設定する(C2007)。特定キャラクタの表示の設定とは、例えば、桃が割れた表示である。その後、演出制御装置300は、B2607以降の処理を実行する。
特定のアイテム・キャラクタを獲得していない場合には(C2005の結果が「N」)、演出制御装置300は、特典画像を設定し(C2008)、C2004以降の処理を実行する。
〔第2実施形態の変形例3の制御〕
次に、図167A、図167B、図168を参照して、第2実施形態の変形例3(メータレベルに応じた状態示唆表示)において実行される制御処理を説明する。
図167Aは、第2実施形態の変形例3において実行されるラウンド演出設定処理の手順を示すフローチャートである。図155、図163及び図165に示すラウンド演出設定処理と相違するステップを中心に説明する。
第2実施形態の変形例3では、操作ボタン25の操作量に応じてメータレベルが上昇し、メータレベルに応じて状態示唆表示が変化する。かかる制御にあたり、演出制御装置300は、B2312の処理に続いて、残り開放回数とインターバル時間から残り大当り時間を算出し(C1007)、残り大当り時間の表示を設定する(C1008)。
その後、演出制御装置300は、B2314以降の処理を実行する。
〔演出ボタン操作演出処理〕
図167Bは、第2実施形態の変形例3において実行される演出ボタン操作演出処理の手順を示すフローチャートである。演出ボタン操作演出処理は、メイン処理(演出制御装置)における演出ボタン入力処理(B0009)で実行される。演出ボタン操作演出処理は、操作態様に基づいて操作入力カウンタを更新し、当該操作入力カウンタに基づいてメータ演出を設定する処理である。
まず、演出制御装置300は、演出ボタン操作演出を実行中であるか否かを判定する(B2701)。演出ボタン操作演出を実行中である場合には(B2701の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、操作ボタン25の操作入力があるか否かを判定する(B2702)。
操作ボタン25の操作入力がある場合には(B2702の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、操作ボタン25の操作態様に対応した操作入力カウンタを更新する(B2703)。操作ボタン25の操作態様とは、例えば、操作ボタン25の操作量、操作時間、操作順等であり、上述のとおり、操作ボタン25は、操作領域を細かく検出可能であるため、掌で押す、連打する、長押しする等の操作以外にも指先が接触した部分の位置を特定することで、操作順や操作方法(複数の接触部による幅を広げる、狭める等)にも対応して操作入力カウンタが更新される。
演出制御装置300は、次に、操作入力カウンタに基づいてメータ演出を設定し(B2704)、本処理を終了する。
演出ボタン操作演出を実行中ではない場合(B2701の結果が「N」)、操作ボタン25の操作入力がない場合(B2702の結果が「N」)、演出制御装置300は、本処理を終了する。
図168は、第2実施形態の変形例3において実行されるエンディング演出設定処理の手順を示すフローチャートである。図158、図164及び図166に示すエンディング演出設定処理と相違するステップを中心に説明する。
B2606の処理に続いて、演出制御装置300は、操作入力カウンタが上限値であるか否かを判定する(C2009)。操作入力カウンタが上限値は、メータレベルの上限値に設定されてもよいし、メータレベルの上限値よりも高い値が設定されてもよい。
操作入力カウンタが上限値である場合には(C2009の結果が「Y」)、操作入力カンウタをリセットし(C2013)、B2607以降の処理を実行する。なお、操作入力カウンタが上限値である場合には、B2602またはB2604で設定された示唆キャラクタが表示される(状態示唆演出が実行される)。
操作入力カウンタが上限値ではない場合には(C2009)、演出制御装置300は、操作入力カウンタが所定値以上であるか否かを判定する(C2010)。ここでは、所定値は上限値の半分の値が設定される。
操作入力カウンタが所定値以上である場合には(C2010の結果が「Y」)、演出制御装置300は、図80に示す再設定テーブルの選択率に基づいて状態示唆表示(示唆キャクラタ)を設定し(C2011)、C2013以降の処理を実行する。そのため、B2602またはB2604で設定された状態示唆表示が上書きされることになる。
操作入力カウンタが所定値以上ではない場合には(C2010の結果が「N」)、演出制御装置300は、状態示唆表示を非表示に設定し(C2012)、C2013以降の処理を実行する。
(第3実施形態[画面遷移])
以下、図169から図196の画面遷移図、タイムチャート、フローチャートを参照して、第3実施形態の遊技演出の詳細を説明する。図169から図196では、表示装置41における画面演出の一例を示す画面遷移図、タイムチャート、フローチャートであり、期待度の高いリーチにおける前回の演出態様が次回の期待度の高いリーチまで一時表示される演出例を説明する。
[履歴表示]
図169、図170は、第3実施形態の期待度の高いリーチの一つであるVSリーチが順に演出される一例を説明する図であり、図171は、同演出におけるタイムチャートである。VSリーチは、通常のリーチよりも期待度の高いSP(SPCIAL)リーチの一種であり、例えば、通常リーチ<VSリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチの順に期待度が高く設定されている。VSリーチはSPリーチに含まれるため、VSリーチを単にSPリーチと記載する場合がある。
また、通常リーチからSP3リーチまでの各リーチの種類(リーチの系統)には、それぞれA演出及びB演出という異なる演出が用意され、A演出及びB演出は同一時間の演出時間が設定される。つまり、VSリーチのA演出とVSリーチのB演出とは同一時間である。一方、リーチの種類が異なる場合の演出時間は、異なる演出時間が設定される。つまり、VSリーチのA演出とSP1リーチのA演出とは異なる演出時間が設定される。
図169の(あ)に示す、四画で囲われた白い丸は、消化保留表示領域88における現在変動表示ゲームを実行中の始動記憶である。黒い丸は、大当りとなる始動記憶であり、分かり易いように色を変えて表示しているが、他の始動記憶と同じ表示態様(白丸)でもよい。
消化保留表示領域88は、実行中の始動記憶を表示する領域であり、画面左下の領域(下部左側表示領域552)は、保留中の始動記憶等が表示される領域である。中央表示領域551には、識別図柄や、変動表示ゲームに基づく画像演出(変動演出)等が表示される。
(い)に示すリーチ状態となり、(う)に示すVSリーチ演出画面へと発展的に遷移すると、VSリーチ演出画面では、例えば、中央表示領域551の左側に味方キャラクタ(味方キャラ)が表示され、右側に敵キャラクタ(敵キャラ)が表示される。さらに、識別図柄は中央表示領域551から画面左上の上部左側表示領域553に移動して小さく表示される。
(え)は、敵キャラの先制攻撃パンチとなり、VSリーチの演出(例えば、VSリーチのA演出)が実行された状態である。(え)では、期待度のあがるVSリーチ演出となっているが、期待度の下がる演出、例えば、敵キャラが複数表示されてもよい。
(お)では、味方キャラが負ける演出が表示され、(か)に示す第3可動役物620aが動作状態となるとともに、中央表示領域551のうち、第3可動役物600a(右上可動部材610、左下可動部材620)によって形作られる破線で囲む中央演出領域551aにVSリーチの敵キャラ攻撃シーンが履歴として小さく表示される。
その後、上部左側表示領域553において変動中の識別図柄の変動速度が低下してくると、(き)に示すように、中央演出領域551aには、リーチ状態であった識別図柄が上部左側表示領域553から移動して表示され、中央演出領域551aに小さく表示されていたVSリーチの履歴表示が画面右下の下部右側表示領域555に移動して表示される。
識別図柄は、中央演出領域551aへ移動すると、上部左側表示領域553に表示されていた時よりも大きく表示され、中図柄が仮停止する。
履歴表示は、中央演出領域551aから下部右側表示領域555へ移動すると、遊技者に視認可能な態様で表示される。例えば、履歴表示が目立たないように背景色に近い態様で表示されてもよいし、目立つように明るい表示色や点灯して表示されてもよい。
画面(か)から(き)に遷移する契機としては、特定のキャラクタが表示されるタイミングでもよいし、特定の演出が実行されるタイミングでもよく、また、演出ボタン25が操作されたタイミングでもよい。
また、画面(か)から(き)に遷移するにあたり、表示画面の移動順序は、識別図柄が中央表示領域551へ移動するのが先でもよいし、履歴表示が下部右側表示領域555へ移動するのが先でもよく、また、第3可動役物620aは初期位置にあってよく、動作位置にあってもよい。つまり、履歴画像は第3可動役物620aが区画する内側から外側へと移動するにあたり、識別図柄の移動が先でも後でもよく、また、第3可動役物620aの回動が先でも後でもよく、識別図柄、履歴表示、第3可動役物620aの移動及び動作の順序はいずれの組み合わせであってもよい。
第3可動役物620aが区画する内側から外側へと履歴表示が移動することで、履歴表示が単なる印象付けの画像ではなく、遊技において継続性、連続性のある履歴として表示されていることを遊技者に認識させることができる。また、本演出に初めて接する遊技者は、履歴画像が引き続き表示されることの意味を次回のVSリーチ演出実行時に理解できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、(く)に示すように、はずれ態様の識別図柄が大きく表示される。なお、第3可動役物620aは、(き)から(く)へ遷移する途中で初期位置へ復帰している。
続いて、図170の(け)は、次の始動記憶の変動表示ゲームが開始されて、リーチ状態となった画面である。
続く、(こ)では、第3可動役物620aが動作位置に移動し、リーチが発展することを報知するとともに、下部右側表示領域555に表示されていた、前回のVSリーチの履歴が中央演出領域551aに表示され、今回のリーチもVSリーチが演出されることを暗示的もしくは明示的に報知する。
(さ)では、第2可動役物500aが動作位置へ移動して前回の履歴表示を覆い隠す。このタイミングで第3可動役物600aも動作位置へ移動してもよい。
続く、(し)では、第2可動役物500a及び第3可動役物620aが初期位置へ復帰するとともに、今回の変動表示ゲームのVSリーチの演出が表示され、(す)で大当りを予感させる演出画面が表示され、その後、(せ)で大当りの確定画面となる。
図171は、図169、図170で示した画面遷移と各役物の動作タイミングを示すタイムチャートである。
1回目の変動表示ゲームにおいて、VSリーチの演出が終了するタイミングで(図169の(お)から(か)にかけて)第3可動役物620aが動作位置へ回動し、識別図柄の仮停止が終了すると(図169の(き)から(く)にかけて)、第3可動役物620aは、初期位置へ回動する。
2回目の変動表示ゲームにおいて、再び第3可動役物620aが動作位置へ回動し(図170の(こ))、その後第2可動役物500aが動作位置へ回動した後(図170の(さ))、両役物が初期位置へ復帰すると、再びVSリーチが開始される。
このように、SPリーチのシーンの一部を履歴として画面隅に表示しておき、もう一度同じSPリーチが実行される場合は、役物動作を伴ってSPリーチのシーンの一部を画面隅から遊技者の注意をひく場所に移動させて表示し、履歴と同じ種類のSPリーチを同じ態様の演出によって実行する。
[演出の置換例及び切替例]
次に、図172から図174を参照して、リーチ演出の変更(演出の置換、演出の切り替え)について説明する。図172は、第3実施形態の履歴と同じVSリーチを異なる態様で実行する例(置換例)を説明する画面遷移図である。また、図173は、第3実施形態の履歴のSPリーチとは異なる種類(系統)のSPリーチを実行する例(切替例)を説明する画面遷移図である。図174は、第3実施形態の図173の演出(切替演出)におけるタイムチャートである。
本願発明では、サブ基板(演出制御装置)によって、同一種類(同一系統)のリーチ内において異なる演出に置き換えられる場合と、異なる種類(別系統)のリーチの演出へと切り替えられる場合とがある。まずは、図172を参照して演出の置き換え(置換)の一例を説明する。
図172の(く)から(さ)は、図170の(く)から(さ)と同一の画面であり、ここまでの画面遷移は図169〜図170と同一である。
図172の(し)は、敵キャラが2体表れて先制攻撃パンチをかけるVSリーチの演出(例えば、VSリーチのB演出)が実行された状態である。ここでは、VSリーチのA演出からVSリーチのB演出へとサブ基板によって、演出内容が置換されている。
(す)は、味方キャラが負けた状態であり、(せ)は、2回目のVSリーチもはずれが確定した状態である。
演出の置換は、後述するように、はずれ/あたり変動パターンテーブル(図194参照)に定義された置換率によって、リーチ演出毎に置換するか否かが判定され、決定される。履歴として表示されたリーチと同一のリーチが実行される場合でも、履歴のリーチ演出と異なる演出(A演出からB演出へ、または、B演出からA演出へ)へ置換されることで、遊技者に意外性を与え、演出の幅を広くすることができる。
次に、図173を参照して演出の切り替えの一例を説明する。
図173は、図172とは異なる種類のリーチ(別系統のリーチ)の演出に切り替えられる演出の一例を説明する図である。図173の(け)までは図170の(け)までと同一の画面であり、ここまでの画面遷移は図169と同一である。図173の(こ)も図170の(こ)と同一の画面であるが、その後に第2可動役物500aが動作位置へと回動しない点で図170の遷移図と異なる。
図173の(さ)〜(す)は、VSリーチとは異なるSP1リーチ(例えば、SP1リーチのA演出)に演出内容を切り替えられた状態である。これまでの攻撃、防御の演出パターンによるVSリーチ演出ではなく、短距離走による演出によるSP1リーチに演出が変更されて、識別図柄が確定する状態を示している。
図174は、図173で示した画面遷移と各役物の動作タイミングを示すタイムチャートである。
1回目の変動表示ゲームにおいて、VSリーチの演出が終了するタイミングで第3可動役物620aが動作位置へ回動し、識別図柄の仮停止が終了すると、第3可動役物620aは、初期位置へ回動する。
2回目の変動表示ゲームにおいて、再び第3可動役物620aが動作位置へ回動した後(図173の(こ))、第3可動役物620aが初期位置へ復帰すると、履歴として表示された前回のVSリーチとは異なるSP1リーチ演出が開始される。
このように、SPリーチのシーンの一部を履歴として画面隅に表示しておくが、履歴と表示された前回のSPリーチとは異なるSPリーチに切り替えられる場合がある。演出の切り替えは、サブ基板によって、リーチ演出毎に置換するか否かが決定される。履歴のリーチ演出と異なる種類のリーチ演出へ(例えば、VSリーチ演出からSP1リーチ演出へ)切り替えられることで、演出の置換と同様に、遊技者に意外性を与え、演出の幅を広くすることができる。
[補正演出]
図175は、第3実施形態の履歴として表示された前回のSPリーチとは異なるSPリーチ演出に変更される(切り替えられる)場合の変動時間を調整するために実行される補正演出の一例を説明する図である。
変動時間は、主基板からサブ基板に送信されるものであり、サブ基板において変動時間を短縮することや長くすることはできない。そのため、主基板から送信された変動時間を含む変動コマンドよりも短い演出にサブ基板側が変更して(切り替えて)演出する場合には、変動時間の帳尻を合わせるための補正演出が実行される。
補正演出は、図175の(A)に示すように、SPリーチの演出の後に実行される場合や、(B)に示すように、SPリーチの演出の前に実行される場合があり、補正演出として共通する特定の画像または補正演出として用意される複数の画像から選択されて実行される。
〔履歴表示、演出の置換、補正演出の効果〕
このように、一度演出されたSPリーチの履歴情報が、次回のSPリーチの演出開始時まで表示装置41の特定の領域に表示され、履歴のSPリーチと今回実行されるSPリーチが同一である場合には、大当りとなる期待度がとても高いか、もしくは必ず大当りとなるため、これまでにない斬新な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、サブ基板において、演出の置換が実行されるため、主基板で決定された変動パターンによらずに、特定の演出の演出頻度をサブ側で変更できるため、より多彩な演出環境を提供することができる。
また、主基板で決定された変動時間に対して、サブ側で異なる変動時間の演出を実行しても補正演出によって、次回の変動開始までの帳尻合わせが可能であり、また、魅力ある補正演出を提供することで、遊技の興趣を向上させることができる。
[連続演出(連続予告)]
図176から図180は、連続演出(連続予告)に関する画面遷移図である。まず、図176から図179までを参照して連続演出の一例を説明する。
図176、図177、図178は、第3実施形態の連続演出の一例を説明する画面遷移図である。また、図179は、第3実施形態の図176〜図178で示す変動表示ゲームと役物の動作タイミングを説明するタイムチャートである。
図176の(あ)〜(く)では、リーチがVSリーチへと発展したものの、敵キャラの先制攻撃パンチによって味方キャラが負け、はずれ態様で変動表示ゲームが確定した状態である。(き)(く)に示すように、味方キャラが負けた演出の表示後、つまりVSリーチの終了後に第3可動役物620aが動作位置へと回動し、中央演出領域551aに今回のVSリーチの内容を履歴として残す画像が表示される。
図177の(け)〜(せ)では、第3可動役物620aが動作位置に回動したまま、次々と始動記憶が消化されて、連続演出が実行されている状態である。中央演出領域551aには、VSリーチの履歴画像が表示されたまま、識別図柄は上部左側表示領域553に小さく変動表示される。連続演出の開始に先だって、あるいは、連続演出の途中において、連続演出が実行されること(実行中であること)を明確に遊技者に認識できるような演出態様であってもよい。
(せ)でリーチ状態となり、第2可動役物500aが動作位置へと回動し、履歴画像を一旦覆い隠すと、(た)において、第2可動役物500a及び第3可動役物620aが初期位置へと復帰して、現在のリーチがVSリーチへと発展し、かつ、味方キャラの攻撃から開始される期待度の高い内容が表示される。
その後、(ち)に示すように、味方キャラの勝ちが表示され、(つ)において大当り確定を表す識別図柄の停止画面となる。
なお、先読みによる態様変化によって、どのSPリーチか確定している始動記憶がある場合には、SPリーチ確定保留の演出に移行する。また、第3可動役物620aが動作している最中に大当りとなる始動記憶が発生している場合には、第2可動役物500aが途中から動作位置へと回動して、大当り演出を実行するようにしてもよい。
図179に示すタイムチャートでは、1度目のVSリーチの終了タイミングにおいて第3可動役物620aが一体となって動作位置へと回動し、その後、2回はずれとなった後のVSリーチにおいて、第2可動役物500aも動作位置へと回動し、2回目のVSリーチの終了時に両役物が初期位置へと回動する。
[先読み連動演出]
図180は、第3実施形態のSPリーチの履歴ではなく、先読み演出(保留表示変化)と同じ表示が第3可動役物620a内に表示される場合の画面遷移図である。ここでは、先読みされた始動記憶の保留表示態様がリーチ演出の実行時に中央演出領域551aに表示されることで、先読みされた始動記憶のリーチの種類と今回実行されるリーチの種類とが連動する。
(あ)は、3個目の始動記憶に対して先読み演出が実行されて、白丸から×印のついた白丸へと態様が変化した状態である。
(い)は、現在実行中(1個目の始動記憶)の変動表示ゲームがリーチとなった状態であり、(う)は、VSリーチへと発展した状態である。先読み演出が契機となってVSリーチへと発展してもよく、また、リーチが発展するタイミングで先読み演出が実行されてもよい。
(え)〜(お)は、敵キャラの先制攻撃パンチにより、味方キャラが負けた状態であり、VSリーチ演出の終了したタイミングである。(か)では、第3可動役物620aが動作位置へ回動し、中央演出領域551aに「VS」と表示され、VSリーチが実行されたことを履歴として表示している。この時点では、味方キャラが負けた演出が行われたので、期待度が低い状態となっている。なお、この状態でも識別図柄が上部左側表示領域553に表示されており、リーチが続いている。
(き)は、先読み演出が実行された始動記憶表示の態様が中央演出領域551aに表示された状態であり、一端下がった期待度のまま演出が終了せずに、引き続き演出が続くことを示唆している。また、先読みされた始動記憶のリーチと今回のリーチ演出とが連動していることを示唆している。
(く)は、先読み演出態様の始動記憶表示が中央表示領域551から上部右側表示領域554へ移動するとともに、上部左側表示領域553の変動中の識別図柄が第3可動役物620a内で仮停止している状態である。上部右側表示領域554に移動した先読み演出態様は、例えば、次回の同一リーチの実行時まで履歴として表示される。
〔連続演出、先読み連動演出の効果〕
このように、連続演出によって段階的な演出が実行されるため、遊技者の期待感を段階的に高めることができる。
また、先読み演出の実行を契機として、リーチの発展が発生し、先読みされた始動記憶ではなく、当該変動に期待度の高い演出が実行される(つまり、前倒しで期待度の高い演出が実行される)ため、これまでになく斬新な演出となり、遊技の興趣を向上させる。
または、リーチの発展を契機として先読み演出が実行される場合には、遊技者にお得感を与えるため、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第3実施形態の変形例1〕
次に、図181から図191を参照して第3実施形態の変形例1を説明する。第3実施形態では、前回のSPリーチの履歴が、例えば、敵キャラのパンチ画像として小さく表示された。これに対して、第3実施形態の変形例1では、SPリーチの履歴がリーチの種類のアイコンとして表示され、リーチになると、履歴表示されたアイコンを消化しながら、前回のSPリーチと同一のSPリーチであるかを判定する判定演出(特定演出)を実行する。
[判定演出(特定演出)]
図181から図184は、第3実施形態の変形例1において実行される判定演出の一例を説明する画面遷移図である。
図181の(あ)から(か)は、リーチがVSリーチへと発展して、味方キャラの負け演出となった状態であり、(か)では、VSリーチの演出が終了したタイミングで第3可動役物620aが動作位置へ回動し、中央演出領域551aにVSリーチが実行されたことを「VS」と表示して報知される。
(き)は、中央演出領域551aに表示された「VS」の表示が、第3可動役物620aが区画する内側においてアイコン化(VSアイコン、履歴アイコン)した状態である。
(く)は、識別図柄の変動速度の低下等を契機として、識別図柄が中央演出領域551aに移動し、それに合わせて押し出されるようにVSアイコンが上部右側表示領域554に移動して表示された状態である。
識別図柄は中央演出領域551aへ移動すると、第3可動役物620aが区画する内側の領域において、上部左側表示領域553に表示されていた時よりも大きく表示され、中図柄が仮停止する。
履歴アイコンは下部右側表示領域555へ移動すると、第3可動役物620aが区画する外側の領域において、遊技者に視認可能な態様で表示される。例えば、履歴アイコンが目立たないように背景色に近い態様で表示されてもよいし、目立つように明るい表示色や点灯して表示されてもよい。
画面(き)から(く)に遷移する契機としては、特定のキャラクタが表示されるタイミングでもよいし、特定の演出が実行されるタイミングでもよく、また、演出ボタン25が操作されたタイミングでもよい。
また、画面(き)から(く)に遷移するにあたり、表示画面の移動順序は、識別図柄が中央演出領域551aへ移動するのが先でもよいし、履歴アイコンが下部右側表示領域555へ移動するのが先でもよく、また、第3可動役物620aは初期位置にあってよく、動作位置にあってもよい。つまり、履歴アイコンは第3可動役物620aが区画する内側から外側へと移動するにあたり、識別図柄の移動が先でも後でもよく、また、第3可動役物620aの回動が先でも後でもよく、識別図柄、履歴アイコン、第3可動役物620aの移動及び動作の順序はいずれの組み合わせであってもよい。
第3可動役物620aが区画する内側から外側へと履歴アイコンが移動することで、履歴アイコンが単なる印象付けの画像ではなく、遊技において継続性、連続性のある履歴として表示されていることを遊技者に認識させることができる。また、本演出に初めて接する遊技者は、履歴アイコンが引き続き表示されることの意味を次回のVSリーチ演出実行時や後述する判定演出の実行時に理解できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(き)は、中央演出領域551aの「VS」の表示がアイコン化され、(く)は、アイコン化したVSアイコンが上部右側表示領域554へ移動して履歴として表示され、図182の(け)は、当該変動がはずれ態様で確定した状態である。
(こ)は、新たな変動表示ゲームが開始されてリーチ態様となり、(さ)(し)は、リーチがSP1リーチへと発展した状態である。
(す)は、当該変動の演出がSP1であったことを中央演出領域551aに報知し、(せ)は、SP1の表示がアイコン化された状態である。
(そ)は、SP1アイコンが上部右側表示領域554へ移動し、VSアイコンの下に履歴として表示され、(た)は、当該変動がはずれ態様で確定した状態である。
図183の(ち)は、新たな変動表示ゲームが開始されてリーチ態様となり、(つ)は、上部右側表示領域554に表示されていたSP1アイコンが中央演出領域551aへ移動して表示された状態である。
(て)は、今回のリーチが、前回のSPリーチであるSP1リーチと同一か否かを判定している演出が中央演出領域551aに表示された状態である。(て)において、中央演出領域551aでは、変動中の識別図柄を表示されて、判定演出は、中央演出領域551a以外の他の領域において実行されてもよい。
(と)は、(て)における判定結果が同一ではなかったことから、履歴として表示されているVSアイコンが中央演出領域551aへ移動して表示された状態である。この後、今回のリーチがVSリーチと同一であるか否かの判定演出が実行される。
(な)は、第2可動役物500aが動作位置へ移動して、2回目の判定演出を覆い隠した状態である。第2可動役物500aは同一判定となる場合に動作位置へ回動する。
(に)は、判定の結果、今回のリーチが履歴として表示されていたVSリーチと同一であったため、VSリーチの演出が開始された状態である。その後、(ぬ)〜(の)へとVSリーチ演出及び大当り確定と遷移する。ただし、判定演出において、今回のリーチが履歴として表示されていたアイコンと同一であると判定されたとしても必ずしも大当りとなるわけではない。
なお、本変形例では、SPリーチの演出実行時や第3可動役物620aの動作時に識別図柄を上部左側表示領域553に小さく表示しているが、識別図柄は、第3可動役物600aによって区画される中央演出領域551aに表示させてもよく、その場合、識別図柄が目立たない様にSPリーチに関する画像よりも小さく表示するか薄く表示する。
また、SPリーチの履歴情報として表示されるアイコンは、SPリーチの種類を文字で表示する態様以外に、SPリーチの種類ごとに関連付けられたキャラクタや画像によってアイコン表示されてもよく、静止態様のみならず動く態様によって表示されてもよい。
[操作連動]
図185から図186は、第3実施形態の変形例1において実行される判定演出の別の一例を説明する画面遷移図であり、図187は同タイムチャートである。ここでは、判定演出の開始に先だって演出ボタン25の操作を促すボタン画面(演出操作部促進画像)が表示され、演出ボタン25が操作されると判定演出に移行する。
図185の(つ)は、図183の(つ)と同一の画面であり、ここまでの画面遷移は図181〜図183と同様である。
図185の(て)は、中央演出領域551aにボタン画面が表示されて、演出ボタン25の操作を遊技者に促している状態であり、(て)のタイミングにおいて、演出ボタン25が操作されている。
(と)は、演出ボタン25の操作を受け付けたことを受けて、SP1アイコンに基づく判定演出が実行されている状態である。判定結果は、同一ではないため、ボタン画面のボタンから煙が立ち上るような演出となり、ミステリアスな雰囲気が表現される。
(な)は、SP1アイコンに基づく判定が同一ではなかったため、次にVSアイコンが中央演出領域551aに移動した状態であり、(に)は、ボタン画面が表示された状態である。(に)のタイミングにおいて、演出ボタン25が操作されている。
(ぬ)は、演出ボタンの操作を受け付けたことを受けて、VSアイコンに基づく判定演出が実行されて、第2可動役物500aが動作位置へ回動した状態であり、その後(ね)〜(ひ)に示すように、VSリーチの演出後に大当り確定の画面となる。
判定演出における判定結果により、同一と判定された場合には、第2可動役物500aが動作位置に移動し、同一ではないと判定された場合には、煙が立ち上る演出となる。
図187のタイムチャートでは、演出ボタン25の操作のあった場合の両役物の動作状態を示す。ボタン画面の表示期間に演出ボタン25が操作されたことを受けて、1回目の判定演出が実行され、2回目の判定演出では、同一と判定されたことで、第2可動役物500aも回動している。
なお、ボタン操作を受け付けなかった場合には、判定演出が実行されずに、発展後のリーチ演出とその後の識別図柄の確定画面となってもよい。また、ボタン操作を受け付けなかった場合でも判定演出が自動で実行されてもよい。
[擬似連演出]
次に、図188から図192を参照して、第3実施形態の変形例1における擬似連演出が実行される場合の画面の遷移等を説明する。
図188から図189は、第3実施形態の変形例1における擬似連演出が実行される場合の画面遷移図である。
図188の(あ)は、白丸の始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行された状態であり、(い)はリーチ態様となった状態である。
(う)〜(お)は、リーチがVSリーチへと発展してVSリーチ演出となるも、味方キャラの負け演出となり、(か)は、右上可動部材610が回動するとともに、当該変動がはずれ態様で確定した状態である。
(き)は、黒丸の始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されて、「5↓5」のリーチ態様となった状態である。(く)は、「5」で仮停止していた右側の識別図柄が上方へと滑るように移動して、「6」が表示され、1回目の擬似連演出が開始された状態である。擬似連1回目となる(く)のタイミングで左下可動部材620が回動している。
(け)は、変動中である真ん中の識別図柄が擬似連を表す特殊図柄として表示された状態であり、ここでは、「C」として表している。
(こ)は、第2可動役物500aが一時的に動作位置へ移動した状態であり、(さ)は2回目の擬似連が実行された状態である。
(し)は、2回目の擬似連演出がリーチ状態となり、(す)は、第1可動役物410aが動作状態となったことを表している。なお、第1可動役物410aは、表示装置41の上方から表示装置41の前方へと下降してもよい。第1可動役物410aの動作によって、期待度がとても高いことを報知している。
(せ)から(た)は、VSリーチ演出とその後の大当り確定の画面である。
図190は、第3実施形態の変形例1の擬似連演出の別の一例を表す画面遷移図である。仮停止した擬似変動中の識別図柄が上方ではなく下方へ滑るように移動する場合を表す。
図190の(あ)は、「5↓5」で仮停止した左図柄を押し下げるように、右上可動部材610が動作位置へ回動して、左図柄が押し出されるようにして下方へ滑るように移動した状態である。
(い)は、左図柄に上方から「6」が降下してきた状態であり、(う)は、変動中の中図柄に擬似連専用の特殊図柄が表示された状態である。
ここでは、右上可動部材610によって左の識別図柄が押し下げられる演出を説明したが、左下可動部材620が回動して左の識別図柄が押し上げられてもよいし、右の識別図柄が押し上げられてもよい。このように、右上可動部材610、左下可動部材620の個別の回動動作と識別図柄の変動とを合わせることにより、遊技の興趣が向上する。
図191は、第3実施形態の変形例1の擬似連変動の別の一例を表す画面遷移図である。図191の(た)までの遷移は、図188、図189の(た)と同様である。
図189の(た)は、第3可動役物620aが形成する内側の領域に変動中の識別図柄とともに「虎だあ」と表示され、同外側の領域に、「虎だあ」に続く「あああ!」が表示された状態である。中央演出領域551aの背景表示と中央演出領域551a以外の背景表示は連続性のある画像が表示される。
(ち)は、第3可動役物620aが遥動し、中央演出領域551aの画像も上下左右に遥動している状態である。また、擬似連の実行回数が上部右側表示領域554に表示されている。
このように、第3可動役物620aが形成する中央演出領域551aの内側と外側のそれぞれの領域において、連続性のある、あるいは一体性のある背景画像を表示させつつ、第3可動役物620aの遥動に合わせて内側の画像も遥動表示することで、遊技の興趣が向上する。
図192は、第3実施形態の変形例1のタイムチャートである。ここでは、図188から図189で説明した一連の演出に対応している。
VSリーチ演出の確定時に右上可動部材610が動作位置へ回動し(図188の(か))、その後、1回目の擬似連開始とともに左下可動部材620も動作位置へ回動する(図188の(く))。
その後、2回目の擬似連演出の開始時に第2可動役物500aが一時的に動作位置へ移動し(図189の(こ))、2回目の擬似連演出のリーチ後に第1可動役物410aが一時的に動作状態となる(図189の(す))。
〔第3実施形態の変形例1の効果〕
第3実施形態の変形例1では、これまで実行された複数のSPリーチの履歴情報がアイコン化されて表示されるため、遊技者に親しみをもって受け止められ、また表示されるアイコン数を増やしたいという欲求を生じさせて遊技の継続時間を増やすことが見込まれる。
また、履歴として表示された複数のアイコンが順にまたはランダムに今回のリーチの種類と同一であるか否かを演出をともなって判定され、判定の結果によって、その後の演出態様や大当りとなる期待度が異なるため、同一であると判定された場合の遊技者の期待感をより高めることができる。
また、複数のアイコン情報の判定演出と連続演出や擬似連演出とを組み合わせることで、アイコンの保留を一気に消化する爽快感とともに、いよいよ大当りとなることを遊技者に予感させるため、遊技の興趣を大いに高めることができる。
[演出内容の制御]
次に、図193から図195を参照して、第3実施形態の演出内容の制御を説明する。
[演出内容決定処理]
図193は、第3実施形態の演出内容決定処理の手順を示すフローチャートである。演出内容決定処理(B2019)は、変動演出設定処理(図152参照)において、次に実行される変動表示ゲームの予告までを全て決定した上で、リーチ内容を変更したり、置換するかの切り替えを決定する処理として実行される。
図194は、第3実施形態の演出内容決定処理において参照される変動パターンテーブルであり、(A)ははずれ変動パターンテーブル、(B)はあたり変動パターンテーブルである。両テーブルには、ACTIONに応じて設定される各SPリーチ(VSリーチからSP3リーチ)のA演出又はB演出の振分率(選択率)と、一度選択されたA演出またはB演出を互いに置換する置換率とが定義される。
また、図195は、第3実施形態の各SPリーチ同士の変動時間値の差分を表す図である。各リーチのA演出及びB演出は、同一の変動時間値に設定される。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンド処理のB1718において設定される先読み実行フラグが設定されているか否かを判定する(B3001)。先読み実行フラグが設定されている場合には(B3001の結果が「Y」)、演出制御装置300は、既保留数を−1更新し(B3002)、既保留数が「0」であるか否かを判定する(B3003)。既保留数が「0」である場合(B3003の結果が「Y」)のみ、演出制御装置300は先読み実行フラグをクリアし(B3004)、本処理を終了する。
一方、先読み実行フラグが設定されていない場合には(B3001の結果が「N」)、演出制御装置300は、演出種別情報(VSリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、のリーチの種別の情報)が設定されているか否かを判定する(B3005)。演出種別情報が設定されている場合には(B3005の結果が「Y」)、演出制御装置300は、演出種別情報に基づく変動演出内容と当該変動に対応する変動演出内容をロードし(B3006)、演出種別情報に基づく変動演出内容と一時領域からロードした当該変動に対応する変動演出内容とが同一であるか否かを判定する(B3007)。
判定の結果が同一である場合には(B3007の結果が「Y」)、演出制御装置300は、当該変動に対応する変動演出内容を置換しないか否かを判定する(B3008、B3009)。かかる判定には、図131に示すはずれ/あたり変動パターンテーブルを参照して決定され、置換率に基づいて演出をA演出からB演出、もしくはB演出からA演出へ置換するか否かが決定される。
変動演出内容を置換しない場合には(B3009の結果が「Y」)、演出制御装置300は、当該変動に対応する変動演出内容(SPリーチの種別など)を切り替えるか否かを、例えば、抽選によって判定する(B3010、B3011)。当該変動に対応する変動演出内容を切り替える場合には(B3011の結果が「Y」)、演出制御装置300は、切り替える変動演出内容を、例えば、抽選によって設定し(B3012)、当該変動に対応する変動演出内容の変動時間値と切り替えた変動演出内容の変動時間値(演出時間)を比較し、一致するか否かを判定する(B3013、B3014)。
変動演出内容を切り替えることで、当初設定されていた変動時間値と切り替え後の変動時間値とが一致しない場合(B3014の結果が「Y」)のみ、演出制御装置300は、図195に示す変動時間値の差分テーブルに基づく差分時間に相当する補正演出を設定する。これにより、切り替え演出によって生じた差分時間だけ補正演出が実行できる。
続いて、演出制御装置300は、演出種別情報をクリアして(B3016)、設定された各変動演出内容に基づく役物制御情報を設定し(B3017)、本処理を終了する。
一方、演出種別情報が設定されていない場合(B3005の結果が「N」)、もしくは、演出種別情報に基づく変動演出内容と一時領域からロードした当該変動に対応する変動演出内容とが同一ではない場合(B3007の結果が「N」)には、演出制御装置300は、当該変動に対応する変動演出内容を設定し(B3018)、演出種別情報(VSリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、の種別情報)をセーブする(B3019)。続いて、演出制御装置300は、演出種別情報に基づく表示内容を設定し(B3020)、例えば、図169の(き)に示す下部右側表示領域555に表示されるSPリーチの履歴画像や履歴のアイコンが設定される。続いて、演出制御装置300は、B3017の処理を実行し、本処理を終了する。
変動演出内容を置換する場合には(B3009の結果が「N」)、演出制御装置300は、図194に示す変動パターンテーブルに定義される変動演出内容を設定し(b3021)、B3016以降の処理を実行し、本処理を終了する。
このように、本処理において、SPリーチの演出内容の置換設定やSPリーチの履歴表示が設定される。
[第3実施形態の変形例1に対応する演出内容決定処理]
図196は、第3実施形態の変形例1の演出制御を実行する演出内容決定処理である。図196の演出内容決定処理(変形例1)は、図193における演出内容決定処理と比較して、SPアイコン、メータの上限数(例えば、「10」)が設定され、SPリーチの履歴と当該変動との判定順序を決定する。ここでは、図193に示す演出内容決定処理との相違点を中心に説明する。なお、図193と同じ内容のステップには、同じステップ番号を付している。
変動演出内容を置換する場合(B3009の結果が「N」)、変動演出内容を切り替えない場合(B3011の結果が「N」)、変動演出内容を切り替える場合での補正演出の設定がされる場合(B3015)、変形例1に対応する制御では、続いて演出制御装置300は、演出種別情報の抽出順序を設定し(B3301)、抽出順序に基づく予告演出内容(判定演出等)を設定する(B3302)。
B3301では、履歴アイコンの発生した古い順もしくは新しい順、ランダム順など、履歴情報の抽出順序が設定される。
次に、演出制御装置300は、演出種別情報を全てクリアし(B3016)、演出種別情報カウンタをリセットする(B3303)。次に、演出制御装置300は、設定された各演出内容に基づく役物制御情報を設定して(B3017)、本処理を終了する。
一方、演出種別情報の設定がない場合には(B3005の結果が「N」)、演出制御装置300は、当該変動に対応する変動演出内容を設定し(B3018)、演出種別情報カウンタを+1更新する(B3304)。演出種別情報カウンタは、SPリーチの履歴情報として保持される履歴数のカウンタである。
次に、演出制御装置300は、演出種別情報カウンタが上限数(例えば、「4」)よりも大きいか否かを判定する(B3305)。上限数よりも大きい場合には(B3305の結果が「Y」)、履歴数が上限に達しているため、最古の演出種別情報をクリアし(B3306)、演出種別情報をセーブする(B3019)。上限数よりも大きくない場合には(B3305の結果が「N」)、演出制御装置300は、最古の演出種別情報をクリアせずに演出種別情報をセーブする(B3019)。
〔第3実施形態の一形態〕
ここまで説明した第3実施形態の発明に関する観点として次のものがあげられる。
(23)画像を表示可能な表示装置と、前記表示装置に表示されるゲームの実行を制御する制御手段と、を備え、前記ゲームの結果に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記表示装置の前面で動作可能な可動役物と、前記ゲームの演出の制御をする演出制御手段と、前記ゲームの実行履歴を報知可能な報知手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特別遊技状態の発生を導く複数種類の演出が可能であり、前記報知手段は、前記複数種類の演出のうち特定の演出が実行されると、該特定の演出が実行されたことを実行履歴として次回の特定の演出が実行されるまで報知することを特徴とする遊技機。
(24)前記可動役物は、前記特定の演出が実行されるタイミングで前記表示装置の前面に一時的に移動し、前記報知手段は、当該可動役物が区画する内側の領域において前記特定の演出の実行履歴を表示することを特徴とする(23)に記載の遊技機。
(25)前記演出制御手段は、前記複数種類の演出のうちのいずれかの種類の前記特定の演出を実行するにあたり、今回実行する特定の演出の種類が前記実行履歴として報知されている特定の演出の種類と同一であるかを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて所定の演出を実行する判定時演出手段と、を備え、前記判定時演出手段は、前記判定手段が同一であると判定する場合と同一ではないと判定する場合とで異なる演出を実行可能であることを特徴とする(23)または(24)に記載の遊技機。
(23)の発明によれば、同一のリーチ演出が発生するまで前回のリーチ演出の種類が履歴として表示され、これまでにない斬新な演出によって遊技の興趣を向上させる。
(24)の発明によれば、特定の演出が実行されるタイミングで可動役物が動作し、可動役物が区画する領域に履歴が表示されるため、効果的な演出が提供できる。
(25)の発明によれば、今回のリーチの種類と前回のリーチの種類とが同じであるかの判定結果によって異なる演出が実行されるため、より効果的な演出が提供できる。