JP6544806B2 - 眼疾患の治療および診断 - Google Patents

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Description

関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2013年6月27日に出願された米国特許仮出願第61/840,045号の優先権を主張する。この出願の内容は、参照により全体に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、眼疾患を治療または診断するための医薬組成物、試薬および方法に関する。
発明の背景
眼炎症性疾患は、多くの疾患および症状を包含する一般的な用語であり、炎症は、眼または周囲の組織に影響を与える。炎症は、白血球の異常な活性化および領域、例えば結膜上皮および涙腺への遊走に起因するものである。いくつかの治療が現在利用可能であるが、多くは、重大な副作用があるまたはすべての症状を緩和するのに非常に効果的ではない。したがって、眼炎症性疾患の治療および診断のための薬剤および試薬が必要とされる。
本発明は、バクテリアのタンパク質であるロイコトキシン(LtxA)を用いる眼炎症性疾患の治療および診断に関する。
本発明の一態様は、少なくとも眼炎症を特徴とする疾患の治療方法に関し、前記方法は、前記炎症を抑制するのに有効な量で前記治療を必要とする患者に医薬組成物を投与することを含み、前記医薬組成物がロイコトキシンおよび薬学的に許容される担体を含み、ならびに前記疾患が眼炎症性疾患である。前記眼炎症性疾患は、乾性角結膜炎、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、シェーグレン症候群、ドライアイ、強膜炎、散弾状脈絡網膜炎(birdshot retinochoriodopathy)、眼瘢痕性類天疱瘡、角膜炎、交感性眼炎、フォークト・小柳・原田病(vogt−koyanagi harada)、フックス虹彩異色性ぶどう膜炎、ぶどう膜炎、毛様体扁平部炎、上強膜炎、視神経炎、眼窩偽腫瘍、網膜血管炎、眼アレルギー、および慢性結膜炎でありうる。
本発明の他の態様は、眼炎症の抑制を必要とする患者における活性化した白血球の増加を特徴とする、眼炎症の抑制を必要とする患者内の眼領域における眼炎症を抑制する方法に関し、前記眼炎症を抑制するのに有効な量の医薬組成物の量を前記患者に投与することを含み、前記医薬組成物がロイコトキシンおよび薬学的に許容される担体を含む。前記眼炎症は、感染症、自己免疫疾患、アレルゲン、眼の外傷、および眼の同種移植片拒絶によって生じうる。前記感染症は、ウイルス、バクテリア、または真菌でありうる。
少なくとも一つの実施形態において、ロイトキシンは、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)から調製された、LtxAである。さらにもう一つの実施形態において、LtxAは、配列番号1に記載のペプチドと少なくとも90%の相同性を有する。
他の実施形態において、ロイコトキシンを含む医薬組成物は、眼領域に局所投与される。他の実施形態において、医薬組成物は、局所投与に適した形態である。他の実施形態において、医薬組成物は、点眼液ディスペンサーを用いるために処方され、および点眼液ディスペンサーを用いることにより投与される。他の実施形態において、薬学的に許容される担体は、アイゲル、アイクリーム、懸濁液型点眼液、洗眼液、軟膏、ゲル、リポソーム分散液コロイド微粒子懸濁液、インプラントまたはコンタクトレンズである。
他の実施形態において、医薬組成物を必要とする患者に投与されるロイコトキシンを含む医薬組成物の量は、眼領域における局所のサイトカインレベルを下げるのに有効である。1以上の下記サイトカイン発現レベルを下げる;IL−4、IL−5、IL−9、IL17FおよびIL−23α。
本発明の他の態様は、眼炎症性疾患の治療のための薬学的に有効な量のロイコトキシンを含むキットに関する。前記キットは、眼炎症性疾患を治療するまたは正常で健常な患者からの白血球と比較して、より多くのLFA−1を発現する眼領域における活性化した白血球の増加を特徴とする眼炎症を抑制するために、有効な量のロイコトキシンを含む複数用量の医薬組成物を含むであろう。
図1は、内皮障壁を越えた白血球(WBC)の遊走を示す図である。 図2は、活性化したT細胞の感受性を示す図である。 図3A−Fは、生理的条件下でのLtxAの活性を示す一連の図である。 図3A−Fは、生理的条件下でのLtxAの活性を示す一連の図である。 図3A−Fは、生理的条件下でのLtxAの活性を示す一連の図である。 図4は、賦形剤(生理食塩水、HDM/Dex賦形剤;またはHDM/LtxA賦形剤);デキサメタゾン(HDM/Dex);またはロイコトキシン(HDM/LtxA)のいずれかを用いたイエダニ(HDM)曝露マウスの治療後の肺組織におけるサイトカインの試験を示す図である。
発明の詳細な説明
この発明は、眼炎症性疾患を治療または診断するための試薬および方法に関し、LFA−1を発現する活性化した炎症性細胞を特徴とする眼炎症を患う患者にLtxAを投与することが活性化した炎症性細胞の減少をもたらすという発見を具体化する。
白血球表面のβ2インテグリンである、LFA−1は、CD11aおよびCD18から構成され、免疫細胞の遊走およびシグナル伝達に関与する。感染していない場合、白血球の循環は、その表面で「静止状態(resting state)」のLFA−1を発現する。炎症性サイトカインは、LFA−1に活性な構造のふりをさせ、このことが、活性化したLFA−1の内皮細胞表面の細胞間接着分子−1(ICAM−1)への結合をもたらす。LFA−1とICAM−1との相互作用は、内皮障壁を越えて、感染組織への白血球の遊走をもたらす。LtxAは、表面で活性化した形態のLFA−1を発現し、眼および周辺組織への移動して、眼炎症および局所の器官障害をもたらす炎症性白血球をターゲットにすることが現在明らかになっている。
眼炎症性疾患は、眼領域に影響を及ぼす炎症の一般用語である。眼領域は、当業者に公知であるように、眼または周囲組織の任意の部分を意味する。眼に関する炎症は、花粉症でなじみのあるアレルギー性結膜炎からブドウ膜炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、角膜炎、眼窩偽腫瘍、網膜血管炎、および慢性結膜炎のような、稀で、潜在的に失明に至る疾患にまで及びうる。
概して、炎症が眼において、または視神経、血管、筋肉もしくは眼を取り囲む他の組織において発症する場合、結果として生じる病気は、眼炎症性疾患と呼ばれる。
炎症の部位は、眼炎症性疾患の診断名を左右するであろう。例えば、ブドウ膜炎は、ブドウ膜における炎症であり;強膜炎は、強膜の炎症であり、毛様体扁平部炎は、毛様体扁平部の炎症である、など。眼炎症性疾患の治療は、炎症を抑制することを狙いとする。眼炎症は、多くの理由により発症し得、例えば、感染症、自己免疫疾患、眼への外傷、またはアレルギーの結果として、である。
LtxA
LtxAは、グラム陰性バクテリア、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)により産生された、〜115kDaタンパク質である(Kachlany,S.C.2010.J Dent Res 89:561−570.)。LtxAは、膜において孔を形成し、アポトーシスまたは壊死を引き起こすことにより特異的にヒトおよび旧世界サル(Old World Primates)の白血球を死滅させる(Mangan et al.,1991.Infect Immun 59:3267−72.)。LtxAは、LFA−1に特異的に結合するので、LFA−1を欠く細胞は、その特性に耐性がある(Kachlany,S.C.et al.,2010.Leukemia Research 34:777−85.)。例えば、LtxAは、ヒト赤血球細胞、ヒト上皮細胞、ラット細胞、またはマウス細胞に対して活性を有さない。LtxAはまた、ヒト末梢血の存在下で活性を維持する。
多くのLtxA調製物を利用することができ、好ましくは高純度のLtxAである。例として、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)から精製されたLtxAポリペプチド(上記配列番号1)および配列番号1の配列が有するものと実質的に同じ生物学的活性を有する、その他の変異体が挙げられる。アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)が培養上清中に活性LtxAを分泌したことが明らかにされ(Kachlany,S.C.,et al.2000.Infect Immun 68:6094−100)、その精製のための効果的な方法がKachlany,S.C.,et al.2002.Protein Expr Purif 25:465−71に記載されていた。したがって、この方法は、単離されたまたは精製されたLtxAポリペプチドを調製するために用いることができる。一例において、毒素の精製手順は、
a.シングルコロニーのアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)を植菌し、培養物を増殖させる;
b.増殖した培養物を新鮮な培養液へ添加し、ガラスビーズを添加し、インキュベートする;
c.インキュベートした培養物を遠心分離し、ペレットおよび上清を生成する;
d.膜を通して上清をろ過し、ろ過した上清を得る;
e.(NHSOおよびろ過した上清を共に混合し、混合物を生成する;
f.混合物を遠心分離し、混合物のペレットを生成する;
g.混合物のペレットをバッファーに再懸濁し、タンパク質の再懸濁液を生成する;
h.タンパク質の再懸濁液をカラムに通す;ならびに、
i.カラムから流出したタンパク質を収集する。
PCT/US2006/45258(国際公開第2007/062150号);米国特許出願公開第20090075883号明細書(米国出願番号12/154,843)およびPCT/US10/52453(国際公開第2011/047011号)もまた参照。これらの文献の内容は参照することにより引用される。
「単離されたポリペプチド(isolated polypeptide)は、天然では結合している他のタンパク質、脂質、および核酸から分離しているポリペプチドを意味する。用語「ポリペプチド(polypeptide)」および「タンパク質(protein)」は、Ltxを意味する際、同じ意味で用いることができる。ポリペプチドは、精製された調製物の乾燥重量で少なくとも10%(すなわち、10%から100%の間の任意の割合、例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、および99%)を構成する。純度は、任意の適切な標準的方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析により測定することができる。本発明の単離されたポリペプチドは、天然源から精製する、組み換えDNA技術または化学的方法により製造することができる。LtxAの機能的な等価物は、LtxAポリペプチドのポリペプチド誘導体、例えば1以上の点突然変異、挿入、欠失、切断、融合タンパク質、またはその組み合わせを有するタンパク質を意味する。それは、LtxAポリペプチドの活性、すなわち体内の他の細胞または器官にほとんどまたはまったく影響を及ぼさない一方、表面で活性化した形態のLFA−1を発現する白血球をターゲットとし、死滅させる能力を実質的に維持する。単離されたポリペプチドは、配列番号1または配列番号1の機能的フラグメントを含むことができる。一般的に、機能的な等価物は、配列番号1に対して少なくとも75%(例えば、75%以上100%以下の任意の値、例えば、70%、80%、85%、90%、95%、および99%)の同一性がある。
天然起源のLtxA、遺伝子操作されたLtxA、および化学的に合成されたLtxAのすべては、本明細書に開示した発明を実施するために用いることができる。組み換えDNA技術により得られたLtxAは、天然起源のLtxA(配列番号1)またはその機能的等価物と同じアミノ酸配列を有するであろう。用語「LtxA」はまた、化学的に修飾されたLtxAにまで及ぶ。化学的に修飾されたLtxAの例は、糖鎖が構造的に変化、付加または欠失を受けたLtx、およびポリエチレングリコールのような化合物が結合したLtxを含む。一般的な手法によりまたは下記実施例に記載の方法によって精製および分析された時点で、LtxAは医薬組成物、例えば局所用組成物に加えることができる。
本明細書に記載されたLtxAポリペプチドのアミノ酸組成は、白血球をターゲットとし、死滅させるポリペプチドの能力を破壊することなく変化するであろう。例えば、1以上の保存的アミノ酸置換を含むことができる。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、技術的に定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。したがって、配列番号1における予測された非本質的なアミノ酸残基は、好ましくは同じ側鎖ファミリーからの他のアミノ酸残基で置きかえられる。また、飽和突然変異誘発のように、配列番号1のすべてまたは部分で変異をランダムに導入することができ、結果として得られた変異は、眼の症状を改善するおよび/または下記実施例で記載されるような活性を維持する変異を同定する能力に関するスクリーニングを行うことができる。
本発明に記載のLtxAポリペプチドは、天然起源のポリペプチドまたは組み換えポリペプチドとして得ることができる。組み換えポリペプチドを調製するために、それ(例えば、配列番号2)をコードする核酸は、融合パートナー、例えばグルタチオン−s−トランスフェラーゼ(GST)、6x−Hisエピトープタグ、またはM13 Gene3タンパク質をコードする他の核酸と結合することができる。結果として得られた融合核酸は、適切な宿主細胞において、公知の方法により単離することができる融合タンパク質を発現する。単離された融合タンパク質は、融合パートナーを除去し、本発明の組み換えポリペプチドを得るために、例えば酵素消化により、さらに処理することができる。
医薬組成物
本発明はまた、眼投与に適したLtxAおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。薬学的に許容される担体の例は、制限されないが、アイゲル、アイクリーム、懸濁液型点眼液、洗眼液、軟膏、ゲル、リポソーム分散液、コロイド微粒子懸濁液、インプラントおよびコンタクトレンズなど、ならびに眼投与に適したものであると当技術分野で公知なその他の調製物を含む。したがって、LtxAを含む本発明の医薬組成物は、眼の周囲の領域への形態において医薬組成物のデリバリのために構成された一般的に公知なデバイスを用いて投与することができる。眼球インサート(ocular insert)はまた、生分解性の制御放出ポリマーマトリクスを含むことができる。眼球インサートは、眼の結膜、強膜、扁平部、前眼部、または後眼部にインプラントすることができる。インプラントは、眼表面への医薬組成物の制御放出、典型的には、長期間のわたるLtxの持続放出を提供する。本発明の医薬組成物の薬学的に許容される担体は、製剤の目的に有用であり、物質的にLtxAの新規で有用な性質に影響を与えない様々な不活性成分を含むことができる。
「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」または「眼科的に許容される(ophthalmologically acceptable)」成分は、生物学的であるなしにかかわらず望ましい成分を意味し、すなわち、前記成分は、本発明の医薬組成物と組み合わせることができ、いかなる望ましくない生物学的効果を生じることなく、または有害な方法で相互作用することなく、含有される任意の他の成分の製剤組成物とともに、患者の眼に対して局所的に投与することができる。用語「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」が薬理活性物質以外の成分を言及するのに使用される場合、成分が毒物試験および製造試験の要求基準を満たすことが示唆され、または米国食品医薬品局により作成された非アクティブ成分ガイドに含まれる。
適切な増粘剤は、眼科製剤分野の当業者に公知であろうし、例として、メチルセルロース(MC)ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)などのセルロースポリマー、およびポリビニルアルコール(PVA)のようなその他の膨潤性親水性ポリマー、ヒアルロン酸またはその塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)、ならびに「カルボマー」と一般的に呼ばれる架橋アクリル酸ポリマーを含むであろう。任意の増粘剤の好ましい量は、下記範囲の粘度を有する溶液が一般的に眼における製剤の快適と保持の両方に最適であるため、約15cpsから25cpsの範囲の粘度が提供される。溶液の浸透圧が2〜3%以上涙液の浸透圧から外れず、製剤のpHが約6.5から約8.0の範囲、好ましくは約6.8から約7.8の範囲、必要において約7.4のpHで維持されるのであれば、一般的に眼科製剤において用いられる任意の適切な等張剤および緩衝剤を使用することができる。好ましい緩衝剤は、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウムのような炭酸塩を含む。
本発明の医薬組成物はまた、ヒドロゲル、分散液、またはコロイド懸濁液として調製することができる。ヒドロゲルは、「ヒドロゲル(hydrogel)」として当技術分野で呼ばれる製剤が「濃厚(thickened)」溶液または懸濁液として呼ばれる製剤より高い粘度を有する場合を除いて、適切な増粘剤として上述したポリマー(すなわち、HEC、HPC、HPMC、NaCMC、PVAまたはヒアルロン酸もしくはその塩、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)のような膨潤性、ゲル形成ポリマーを組み込むことによって形成される。このようなあらかじめ形成されたヒドロゲルとは対照的に、医薬組成物は、眼に適用後、そのままでヒドロゲルを形成するように調製することができる。かかるゲルは、室温で液体であるが、体液と接触して配置された場合のように、より高い温度でゲルである(したがって、「熱可逆性(thermoreversible)ヒドロゲルと呼ばれる)。この特性を付与する生体適合性ポリマーは、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、N−イソプロピルアクリルアミド誘導体、ならびにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのABAブロックコポリマーを含む。医薬組成物はまた、分散液またはコロイド懸濁液の形態で調製することができる。好ましい分散液は、リポソーム化であり、この場合、医薬組成物が「リポソーム(liposomes)」に含まれており、水性区画と脂質二重層とを交互にしてなる微視的小胞である。コロイド懸濁液は、一般的に、微小粒子から形成され、すなわちマイクロスフィア、ナノスフィア、マイクロカプセルまたはナノカプセルから形成され、この際、マイクロスフィアおよびナノスフィアは、ポリマーマトリクスのモノリス粒子であり、医薬組成物がトラップされ、吸着され、またはそうでなければ含有されており、一方、マイクロカプセルおよびナノカプセルでは、製剤は、実際にカプセル化されている。
本発明の医薬組成物と用いられる薬学的に許容される眼科の担体は、当業者に知られている幅広い範囲のタイプのものでありうる。例えば、本発明の医薬組成物は、眼科用液剤または懸濁液として提供することができ、この場合、担体は少なくとも部分的に水性である。医薬組成物はまた、軟膏であってもよく、この場合、薬学的に許容される担体は、軟膏基剤を含む。本明細書において、好ましい軟膏基剤は、体温に近い融点または軟化点を有し、眼科の調製において一般的に用いられる任意の軟膏基剤を有利に用いることができる。通常の軟膏基剤は、ワセリンおよびワセリンと鉱油との混合物を含む。
医薬組成物はまた、長期間にわたって、一般的には結膜、強膜、もしくは扁平部、または前眼部、もしくは後眼部へのインサートの移植後、約12時間から60日、あるいは12月以上までの範囲で製剤の制御放出を提供する滅菌眼球インサートに組み込むことができる。眼球インサートの一つのタイプは、拡散および/またはマトリクス分解を介して、眼へ薬剤組成物を徐々に放出するモノリスポリマーマトリクスの形態でのインプラントである。このようなインサートでは、ポリマーが完全に溶解するおよび/または生分解性であり(すなわち、物理的または酵素的に眼に侵食する)、そのためインサートの除去が不要であることが好ましい。これらのタイプのインサートは、当技術分野で公知であり、典型的には、ポリエチレングリコール、コラーゲン、ポリビニルアルコールまたはセルロース系ポリマーのような水膨潤性、ゲル形成ポリマーからなる。本発明の製剤をデリバリすることができる別のタイプのインサートは、拡散インプラントであり、製剤は、インプラントからの医薬組成物を緩やかに拡散することができる透過性ポリマー膜で包まれた中央のリザーバーに含まれる。浸透性インサートもまた、用いることができ、すなわち薬剤組成物が眼への適用された後、インプラント内の浸透圧の増加およびその後の涙の吸収の結果として放出されるインプラントである。
用語「制御放出(controlled release)」は、剤含有製剤またはその画分を意味し、剤の放出は、即時ではなく、すなわち、「制御放出」製剤を用いると、吸水プールへの剤の即時放出とはならない。前記用語は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed.(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995)において定義されている「非即時放出(nonimmediate release)」と同じ意味で用いられる。一般的に、本明細書で用いる用語「制御放出(controlled release)」は、「遅延放出(delayed release)」製剤よりも「持続性放出(sustained release)」を意味する。用語「「持続性放出」(「持続放出(extended release)と同義語)は、その従来の意味で用いられ、長期間にわたり、剤の徐放を提供する製剤を意味する。
実施形態において、LtxAは、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも3日、少なくとも7日、少なくとも14日、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、少なくとも100日、少なくとも120日、少なくとも150日、少なくとも180日、またはさらに長い間にわたって、放出される。
LtxAまたは薬剤組成物は、本明細書に記載されているように、標準的な多くの方法のいずれかにより、投与することができ、制限されないが、注入、鼻腔用スプレー、持続放出型インプラント、経皮パッチ、目薬、ゲル、軟膏、経口、眼内注射、結膜下注射、球周囲/球後注射、局所鼻腔内投与または吸入による投与などを含む、点眼液ディスペンサーなどによる眼領域への経皮的なもの、または局所的なもの、スプレー、エマルジョン、懸濁液、スポンジのような任意の薬物担体を介するもの、コンタクトレンズ、ポリマー、マイクロスフィア、およびインプラントを含む。局所投与は、眼科的または鼻腔内でありうる。
局所の眼科用製品は、複数投与形態で包装することができる。したがって、防腐剤は、使用中の微生物による汚染を防止するために必要とされる。適切な防腐剤は、ビグアナイド、過酸化水素、過酸化水素プロデューサー、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、ベンゾドデシニウムブロミド、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、ポリクオタニウム−1、または当業者に公知なその他の剤を含む。このような防腐剤は、典型的には、0.001から1%(w/w)のレベルで用いられる。本発明の単位用量製剤は、無菌であるが、典型的には保存できないであろう。したがって、このような製剤は、一般的に防腐剤を含まない。
医薬組成物は、さらに抗生物質を含むことができる。抗生物質の例は、制限されず、セファゾリン、セフラジン、セファクロル、セファピリン、セフチゾキシム、セフォペラゾン、セフォテタン、セフロキシム、セフォタキシム、セファドロキシル、セフタジジム、セファレキシン、セファロチン、セファマンドール、セフォキシチン、セフォシニド、セフォラニド、セフトリアキソン、セファドロキシル、セフラジン、セフロキシム、アンピシリン、アモキシシリン、シクラシリン、アンピシリン、ペニシリンG、ペニシリンVカリウム、ピペラシリン、オキサシリン、バカンピシリン、クロキサシリン、チカルシリン、アズロシリン、カルベニシリン、メチシリン、ナフシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、塩酸シプロフロキサシン、クリンダマイシン、メトロニダゾール、ゲンタマイシン、リンコマイシン、トブラマイシン、バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスティメタート、コリスチン、アジスロマイシン、オーグメンチン、スルファメトキサゾール、トリメトプリム、その誘導体など、およびその混合物を含む。
医薬組成物は、さらにコルチコステロイドを含むことができる。コルチコステロイドの例は、コルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、フルオロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノール、フルアザコート、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロンおよびフルオシノニド、その誘導体、ならびにその混合物を含む。
医薬組成物は、さらに免疫抑制剤を含むことができる。免疫抑制剤の例は、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、TNFα−阻害剤、インフリキシマブ、(Remicade)、アダリムマブ(Humira)、セルトリズマブペゴル(Cimzia)、およびゴリムマブ(Simponi)、およびエタネルセプト(Enbrel)ならびにその誘導体を含む。
医薬組成物は、さらに抗ウイルス剤を含むことができる。抗ウイルス剤の例は、インターフェロンガンマ、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、アシクロビル、バラシクロビル、ジデオキシシチジン、およびその誘導体を含むが、制限されない。
医薬組成物は、さらに抗ヒスタミン薬を含むことができる。抗ヒスタミン薬の例は、ロラタジン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ブロムフェニラミン、シプロヘプタジン、テルフェナジン、クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、デクスクロルフェニラミン、デキスブロムフェニルアミン、メトジラジン、およびトリメプラジンドキシラミン、フェニラミン、ピリラミン、クロルシクリジン、トンジラミン、ならびにその誘導体を含むが、制限されない。
治療方法
本発明は、疾患を特徴づける眼炎症を抑制するのに有効な量でLtxAおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を患者へ投与することによって、活性化した白血球の増加を特徴とする患者における眼炎症を特徴とする疾患の治療方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、眼炎症を抑制するのに有効な量でロイコトキシンおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を患者へ投与することによって、活性化した白血球の増加を特徴とする患者における眼炎症を抑制する方法を提供する。
眼炎症疾患は、多くの疾患および症状により特徴づけられ、炎症は、眼または周囲の組織に影響を与える。眼炎症疾患の例は、乾性角結膜炎、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、シェーグレン症候群、ドライアイ、強膜炎、散弾状脈絡網膜炎(birdshot retinochoriodopathy)、眼瘢痕性類天疱瘡、角膜炎、交感性眼炎、フォークト・小柳・原田病(vogt−koyanagi harada)、フックス虹彩異色性ぶどう膜炎、ブドウ膜炎、毛様体扁平部炎、上強膜炎、視神経炎、眼窩偽腫瘍、網膜血管炎、眼アレルギー、および慢性結膜炎を含む。多くの上記疾患および炎症性疾患は、活性化した形態のLFA−1を発現する白血球の増加を引き起こし、眼領域に遊走および集合するため、本発明の方法によって治療するのに適している。
「網膜の炎症(retinal inflammation)」が糖尿病性網膜症の病因に寄与していることは、明らかである。血清およびガラス体の両方で上方制御される炎症性サイトカインおよび糖尿病性網膜症の患者における、水性試料の共通的なセットがあり、これらのサイトカインは、疾患の病因に影響を与える複数の相互作用を有することができる。血液網膜関門(BRB)に関与する需要な炎症性事象の変化は:(1)ICAM1、VCAM1、PECAM−1、およびP−セレクチンのような内皮接着分子の発現増加、(2)内皮への白血球の接着、(3)炎症性ケモカイン、サイトカイン、および血管透過性因子の放出、(4)内皮細胞間での接着および密着結合タンパク質の変化、ならびに(5)血液網膜関門の変化をもたらす、神経網膜への白血球の浸潤(漏出)、であるように思われる。
シェーグレン症候群は、身体の多くの異なる部分に影響を与えることができ、ほとんどの場合、涙や唾液腺に影響を与える炎症性疾患である。この症状の患者は、眼において、刺激、ザラザラ感、または激しい痛みに気付くであろう。膜結合ICAM−1は、シェーグレン症候群(SS)の患者の唾液腺において過剰発現される。
ドライアイは、眼が適切に涙を出さない場合に、または涙が正しい濃度ではなく、あまりにも急速に蒸発する場合に起こる。ドライアイは、眼の表面、涙腺、または結膜の炎症に関与するであろう。
結膜炎は、結膜の炎症である。結膜は、薄く、眼の外部表面を覆う透明な膜ライニングである。結膜は、肉眼ではほとんど見えない小さな血管により栄養分を与えられる。結膜はまた、眼を湿らせ、滑らかにする粘液を分泌する。4週間以上持続する結膜炎は、慢性であると考えられる。結膜炎は、感染症またはアレルゲンによって引き起こされるであろう。
その他の症状、同種移植片拒絶は、ヒト角膜移植における移植失敗の主な原因である。ICAM−1と共にLFA−1は、角膜移植拒絶反応の動物モデルにおいて重要であることが示されているため、同種移植片拒絶は、本発明の方法による治療に適しているであろうその他の症状である。
「患者(subject)」は、ヒトおよびヒト以外の動物を意味する。ヒト以外の動物は、すべての脊椎動物を含み、例えば、ヒト以外の霊長類(特に高等霊長類)、イヌ、げっ歯類(例えばマウスまたはラット)、モルモット、ネコのような哺乳類、および鳥類、両生類、爬虫類のような、哺乳類以外の動物などである。好ましい実施形態において、患者はヒトである。その他の実施形態において、患者は、実験動物または疾患モデルとして適した動物である。
眼炎症性疾患の治療を受ける患者は、標準的な診断技術によって見分けることができる。必要に応じて、患者は、下記方法によって患者から得られた試験サンプルにおいてLtxAに結合する白血球のレベルまたは割合を調べることができる。結合レベルまたは割合が閾値(通常の患者から得ることができる)またはそれ以上である場合、患者は、LtxAの有効な量で治療するための候補である。
「治療または処理(treatingまたはtreatment)」は、疾患、疾患の兆候、疾患に続発する疾患状態、または疾患になりやすい体質を治癒、軽減、緩和、治療、発症の遅延、もしくは改善するために、眼炎症性疾患を有する、患者への化合物または医薬組成物の投与を意味する。
「治療的に有効な量(therapeutically effective amount)」は、有益なまたは所望の結果を達成するのに十分な剤または医薬組成物の量を意味する。治療的に有効な量は、1以上の投与、適用または用量で投与することができ、特定の製剤または投与経路に限定することを意図するものではない。
LtxA医薬組成物は、in vivoまたはex vivoで、単独で投与することができ、または他の薬剤または治療と組み合わせて同時投与することができる。本明細書において、用語「同時投与(co−administration)または同時投与された(co−administrated)」は、患者への少なくとも2つの剤の投与または治療を意味する。いくつかの実施形態において、2以上の剤/治療の同時投与は、同時である。その他の実施形態において、第1の剤/治療は、第2の剤/治療に先立って投与される。当業者は、用いられる様々な剤/治療の投与の製剤および/または経路が異なる場合があることを理解する。
LtxA医薬組成物は、アプリケーターまたは点眼器のような当技術分野で公知である眼へのデリバリシステムを用いて軟膏、ゲルまたはドロップ可能な液体の形態でLtxA医薬組成物を眼へ局所的に適用することによって、局所的に投与することができる。また、LtxAは、眼の結膜下に設置されたまたは眼への直接注入によるポリマーインプラントを介して眼内に投与することができる。
その他の実施形態において、LtxAを含む医薬組成物は、全身投与することができる。一般的に、LtxAは、薬学的に許容される担体(例えば生理食塩水)に懸濁され、経口もしくは静脈内注入によって投与され、または皮下、筋肉内、髄腔内、腹腔内、鼻腔内、胃内、気管内、もしくは肺内に注入される。
必要な用量は、投与経路の選択;製剤の性質;患者の病気の性質;患者のサイズ、体重、表面積、年齢および性別;投与される他の薬物;ならびに主治医の判断による。適切な用量は、0.01〜100mg/kgの範囲である。必要な用量のバリエーションは、利用可能な種々の化合物および種々の投与経路の異なる効率を考慮して予測される。これらの用量のレベルは、当技術分野で理解されるように、過度の実験なしに当業者によって使用されるであろう最適化のための標準の経験的なルーチンを用いて調整することができる。適切なデリバリ賦形剤(例えばポリマーマイクロ粒子または埋め込み可能なデバイス)における化合物のカプセル化は、デリバリの効率を増加することができる。
診断および予後診断方法
眼炎症は、眼炎症を発症していない健康な患者の白血球と比較して、より高いレベルの活性化した形態のLFA−1を発現する活性化した白血球の増加を特徴とすることができる。眼炎症性疾患患者の白血球に存在する、LFA−1は、薬学的剤の治療ターゲットを提供しつつ、これらの苦痛の治療を検出し、モニターするためのマーカーとして作用することができる。LtxAは、活性化した形態のLFA−1を発現する白血球を特異的にターゲットとし、よってそのような白血球によってもたらされる疾患を診断することに用いることができる。
別の実施形態において、本発明は、眼領域における活性化したLFA−1白血球の増加を特徴とする眼炎症を診断するための方法を提供する。活性化した形態のLFA−1を発現する白血球は、患者からの試験サンプルにおけるLtxAの結合の存在に基づき患者において検出することができる。言い換えれば、LtxAの結合は、眼炎症性疾患に関与する白血球の存在または非存在を示すためのマーカーとして用いることができる。本発明の診断および予後診断分析は、眼および周囲の組織における白血球とLtxAとの結合レベルを評価するための方法を含む。
試験サンプルにおける結合レベルは、被験者から試験サンプルを得ること、およびLtxAと試験サンプルとを接触させることにより評価することができる。「試験サンプル(test sample)」は、患者から単離した組織、細胞および生物的流体と、患者に存在する、および眼領域からの組織、細胞および流体とを含む。白血球へのLtxAの結合のレベルは、下記実施例に記載のものを含む、多くの方法で測定することができる。好ましい実施形態において、LtxAとLFA−1との間の結合をもたらすLtxAまたはそのフラグメント(すなわち、プローブ)は、検出可能な剤でラベル化される。用語「ラベル化(labeled)」は、物理的に検出可能な物質をプローブに結合させることによるプローブの直接的な標識、同時に検出可能な物質と反応させることによるプローブの間接的な標識を包含することを意図している。例えば、LtxA(またはそのフラグメント)は、LtxAに対する二次抗体を用いて間接的にラベル化することができ、二次抗体は、検出可能な物質に結合されている。検出可能な物質または標識の例は、放射性同位元素(例えば、125I、131I、35S、3H、または32P)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、ルシファーゼ、またはβ−ガラクトシダーゼ)、蛍光部位またはタンパク質(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、GFP、またはBFP)、または発光部位(例えば、Qdot(登録商標)ナノ粒子、Quantum Dot Corporation、Palo Alto、CA)を含む。
LtxAは、白血球に結合するだけではなく、死滅させる。診断または予後診断方法において、細胞死に起因するいかなる潜在的なエラーを最小化するために、LtxAと白血球との結合は、低温(例えば、0〜4℃)、5〜20または30分のような短期間で行うことができる。
本明細書に記載の予後診断分析は、患者が眼炎症性疾患を治療するための剤(例えば、薬剤)を投与されるのに適しているかどうかを決定するために用いることができる。例えば、そのような分析は、患者が眼炎症性疾患を治療するための細胞毒性薬または免疫抑制剤を投与されるのに適しているかどうかを決定するために用いることができる。
別の実施形態において、患者からの生体サンプルはまた、患者が眼炎症を治療する必要があるかどうかを決定するために、特定のサイトカイン(バイオマーカー)の発現の増加についてスクリーニングすることができる。これらのサイトカイン/バイオマーカーは、IL−4、IL−5、IL−9、IL−17FおよびIL−23αを含む。標準的な分析は、当技術分野で知られており、制限されないが、眼領域から単離された生体サンプルを含む、生体サンプルにおけるサイトカインを検出する。
したがって、患者における眼炎症性疾患のための治療をモニタリングする方法もまた、本発明において、特徴づけられる。この目的のため、LtxAと白血球との間の結合レベルは、治療を受ける前、治療を受ける間、または治療を受けた後、患者からの試験サンプルのために決定することができる。治療後の結合レベルの減少は、患者が同じ治療によりさらに治療することができることを示している。例えば、角膜移植を受けた患者はしばしば、組織拒絶反応の問題に直面する。つまり、身体が角膜移植に対する免疫応答を有する。この問題に対処するために、角膜移植はしばしば、T細胞媒介拒絶反応を防ぐために非特異的免疫抑制療法を伴う。そのためにも、LtxAの結合レベルは、免疫抑制の適切なレベルまたは程度、および/または眼炎症を発症していない患者の通常のサイトカインレベルと比較して決定されうるバイオマーカー発現レベルのためのマーカーとして役立つことができる。当業者は、治療の過程における結合のレベルに基づき投与されるLtxAの量および治療期間を調整することができる。
上記分析の実施から得られた情報は、予後判定、疾患の進行、および臨床管理ならびに個人の健康状態に影響を与える他の有害な症状を決定することにおいて有益である。情報は、より具体的には、眼炎症性疾患のための療法またはその他の治療計画をデザインすることにおいて臨床医を援助する。
キット
別の態様において、本発明は、キットを提供する。一実施形態において、薬学的に許容される単位用量の薬学的に有効な量のロイトキシンを含むキット、および記載されているように、眼炎症性疾患を治療する方法を含む説明書のセットである。キットはさらに、眼領域へ薬学的に許容される単位用量の薬学的に有効な量のロイトキシンを投与するためのアプリケーターを含むことができる。眼のアプリケーターは、当技術分野で公知である。
実施例
ロイコトキシン(LtxA)は、細胞を死滅させない用量でさえ、白血球を死滅させ、内皮障壁を越える白血球の遊走を防止する。
炎症につながる最初のステップをモデル化するために、LtxAが活性化したPBMCのヒト脳内皮細胞(HBEC)への結合をブロックできるかどうかを判断するための試験を行った。炎症につながる最初のステップは、活性化したPBMCの内皮細胞への結合および内皮障壁を越える遊走を含む。炎症反応を治療するためのストラテジーは、病因に関与しているそれらの白血球の枯渇ならびに影響を受けた組織へのそれらの結合および遊走の阻害を含む(Weksler,B.B.,E.A.Subileau,N.Perriere,P.Charneau,K.Holloway,M.Leveque,H.Tricoire−Leignel,A.Nicotra,S.Bourdoulous,P.Turowski,D.K.Male,F.Roux,J.Greenwood,I.A.Romero,and P.O.Couraud.2005.Blood−brain barrier−specific properties of a human adult brain endothelial cell line.Faseb J 19:1872−4.)または(Wassmer,S.C.,V.Combes,F.J.Candal,I.Juhan−Vague,and G.E.Grau.2006.Platelets potentiate brain endothelial alterations induced by Plasmodium falciparum.Infect Immun 74:645−53.)。
HBECは、コラーゲンまたはゼラチン上、モノレイヤーで増殖させ、次にTNFで刺激された。その後、PMAで活性化されたカルセイン標識PBMCをモノレイヤーに添加し、2時間インキュベートした。非結合細胞を洗浄し、PBMC結合の割合は、蛍光を測定することにより算出された。LtxAは、用量依存的に、活性化したPBMCの内皮細胞への結合を阻害することが可能であった。50%超のブロックがLtxAのより高い用量で観察された。これらのPBMCは、健康な個体からのものであったため、完全なブロックは、確認されず、それは、細胞のほとんどが通常であり、LtxAにより影響を受けなかったためであった。細胞毒性アッセイは、ほんの約10〜20%の細胞が2時間後ヨウ化プロピジウムで染色され、それにより、LtxAによりブロックされた多くの細胞が死滅しなかったことを示していることを明らかにした。LtxAは、ヒト脳内皮細胞レイヤー(HBEC)を越える単球の遊走をブロックすることができる。LtxAは、内皮細胞へのおよび内皮細胞にわたる結合から活性化したPBMCを選択的に枯渇させ、ブロックする能力を有する。
次に、活性化した白血球と非活性化の(静止している)白血球とに対するLtxAの影響を調べることによりLtxAの特異性が示された。主要なCD4 T細胞は、それらのT細胞レセプターと、生理学的な活性化を引き起こすものとして知られている、抗CD3/CD28 mAbとを架橋することにより刺激された。我々は次に、活性化したCD4 T細胞へのLtxAの影響をテストした。活性化したCD4 T細胞は、残りのT細胞よりもLtxAへの感受性が100倍を超えていた(図2)。健康なPBMCは、LtxAによる影響が最小限であり、一方、12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(TPA)によりex vivoで活性化された同じPBMCは、LtxA媒介の死滅に対しより高い感受性があった。活性化した細胞におけるLFA−1の分析は、静止している状態ではなく、活性化した状態においてLFA−1に特異的に結合する、mAb24への結合により明らかにされるように、LtxAが最高レベルのLFA−1活性化により細胞を枯渇させることを明らかにした。
次に、LtxAは、生理的条件下、アカゲザル(Macaca mulatta)においてテストされた(図3A〜F)。1のサルは、300μgのLtxA(22μg/kg)の単回静脈内注入を受け、一方、第2のサルは、コントロールとされた。3週間の研究を通じて、赤血球(RBC)、血小板(PLT)、ヘモグロビン(HGB)の値は、LtxAで処理されたサルにおいて、変化なく維持され、賦形剤で処理されたコントロールの動物と同様であった。一方、処理された動物において、トータルの白血球(WBC)、リンパ球(LYM)および好中球(NEU)のカウントは、注入後最初の数時間の間、著しく低下し、その後増加した。24時間までに、カウントは回復し、長期間の骨髄抑制は観察されなかった。
LtxAで処理されたサルの血液化学値は、実験の経過中に、肝毒性(AST、ビリルビン、アルカリホスファターゼ)または腎機能(BUN、クレアチニン)のいずれかのマーカーの変化がないことを明らかにし、獣医スタッフによる一日2回評価では、動物は健康な状態であった(データは示さず)。まとめると、これらの結果は、LtxAが非毒性用量でヒト以外の霊長類において活性であり、特異的であることを示す。霊長類での実験は、University of Wisconsin National Primate Research Center(WNPRC)で行われ、University of Wisconsin−Madison Animal Care and Use Committeeにより承認された。
溶液中のLtxAは、非常に安定している。水溶性のLtxAは、室温で数日間、インキュベートされ、その後、感受性の白血病細胞株(THP−1)に対する生物活性のためにテストされた。LtxAは、溶液中、室温で7日後でさえ、完全な活性を保持している。同様の結果は、LtxAの多くの異なる調製液について得られた。我々はまた、異なる温度でのLtxAの安定性をテストした。LtxAは、10分間、40、50、60、70、80および90℃でインキュベートされ、その後THP−1細胞に対してテストされた。LtxAは、60℃まで安定であり、その後活性を失い始めた。我々は、時間をかけて40℃および50℃でLtxAの安定性をテストし、40℃および50℃で4時間のインキュベーションの後でさえ、Ltxが完全な活性を維持していることを明らかにした。LtxAはまた、10回の凍結融解サイクル後でも完全に安定している。
白血球の免疫表現型解析は、アカゲザルにおいて行われた。LtxA(22μg/kg)を、20分間にわたってi.v.で2匹のサルに注入し、その後血液を、異なる時点でサルから採取した。白血球は、フローサイトメトリーにより分析された。T細胞(CD3+)、T細胞(CD20+)、およびナチュラルキラー(NK)細胞は、LtxAにより枯渇された。炎症性眼疾患の病因において重要な役割を有することが示されている、NK細胞は、LtxAへの最大の感受性を示した。最も高いレベルのLFA−1を有する細胞だけが、LtxAによりターゲットとされた。エフェクターメモリーT細胞は、LtxAの影響を非常に受けやすく、一方、セントラルメモリーT細胞は、影響が最小限であり、ナイーブT細胞は、影響を受けなかった。炎症性眼疾患、例えばドライアイでは、エフェクターT細胞は、組織において抗原の非存在下でさえ、明らかな炎症反応を誘導するそれらの機能を通じて、損傷効果を発揮する。調節性T細胞(Tregs)は、LtxAにより枯渇されなかった。Tregsは、過剰な免疫反応を抑制し、自己免疫疾患を排除することができる免疫システムの重要な要素である。したがって、LtxAは、疾患に関与しない健康で免疫を抑制する細胞を温存しながら、高い特異性で関連細胞型に作用する。
肺炎症マウスモデルにおけるLtxAの評価
材料および方法
LtxA精製:LtxAは、A.アクチノミセテムコミタンス(actinomycetemcomitans)株4500(Diaz et al.,(2006)Microb Pathog 40,48−55.)の培養上清から精製された。
動物実験。メスのBALB/cマウス(6〜8週、15〜20g、Jackson Laboratories,Bar Harbor,ME)を特定の病原体を含まない条件下、食料および水へのアクセスと12時間の明暗サイクルで飼育した。イソフルラン麻酔下、HDM抽出物(D. pteronyssinus;Greer Laboratories,Lenoir,NC)を鼻腔内に曝露した(鼻腔あたり生理食塩水10μl中25μg)。コントロール(非喘息性の)マウスは、同量の生理食塩水のみを投与された(生理食塩水/無処理、図4)。HDM/生理食塩水への曝露の周期は、5日/週で、合計5週間であった。パイロット研究からの出力計算は、グループあたり4匹のマウスがコントロール群と実験群との間で有意な差を検出するのに十分であったことを示した。
2週間後、HDM曝露マウスは、4マウス/群の4つの群に分けられ、(1)デキサメタゾン賦形剤、生理食塩水(HDM/Dex賦形剤、図4A〜B)、皮下(s.c.)へ1日1回、週に5日、(2)デキサメタゾン、シグマ;1.25mg/kg(HDM/Dex、図4)、皮下へ1日1回、週に5日、(3)LtxA賦形剤、バッファー(HDM/LtxA賦形剤、図4)、腹腔内(i.p.)、週に3日、および(4)LtxA、0.5mg/kg(HDM/LtxA、図4)腹腔内、週に3日、で処理された。HDM曝露は、3週間の治療期間を通じて継続された。
各マウスからのBAL液は、室温で10分間、RBC溶解を行い、その後、400×gで5分間、2回洗浄され、PBSで細胞ペレットを再懸濁した。合計のBAL液細胞数は、血球計を用いてカウントされた。BAL液細胞の免疫表現型解析は、抗体染色およびフローサイトメトリーにより行われた。各抗体染色のために、106細胞がまず10分間室温で、Fcブロッカー(ラット抗マウスCD16/CD32,BD Biosciences,San Jose,CA)を用いてブロックされ、その後30分間4℃で、モノクローナル抗体とインキュベートされ、LSR IIフローサイトメーター(BD Biosciences)で分析された。以下のマーカーに対する抗体(BD Biosciences)は、様々な細胞のサブタイプ同定するために用いられた:CD3e (T細胞)、CD45R/B220(B細胞)、Ly6G、CCR3(好中球)、CCR3、Ly6G(好酸球)、MHC II(マクロファージ)。関連するアイソタイプコントロールは、各実験に含まれた。
マウスからの血液は、BAL液の分離のすぐ後で、回腸の静脈穿刺により収集された。血液は、抗凝固剤チューブに回収され、10分間400×gで遠心分離された。
肺組織の組織構造:BAL液および血液の収集後、肺は切開により除去され、顕微鏡分析まで室温で10%中性緩衝ホルマリンに保存された。固定化した肺組織を埋め込んだパラフィンの薄片は、合計の肺炎症を分析するためにH&Eで染色された。薄片はまた、粘液細胞および杯細胞過形成ならびに好酸球へのシリウスレッドを識別するために過ヨウ素酸シッフ試薬で染色された。組織調製および試験は、New Jersey Medical School Histology Core Facilityで行われた。サンプルは、認定病理医により検査された。
サイトカイン分析:定量RT−PCRは、マウスの肺において、炎症性サイトカイン(IL−4、IL−5、IL−9、IL−17FおよびIL−23α)の発現レベルを決定するために用いられた。肺組織からの総RNAは、Trizol試薬(Life Technologies,Grand Island,NY)で抽出された。相対的なmRNAレベルは、qRT−PCTにより決定された。総RNAの1マイクログラムは、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Life Technologies,Grand Island,NY)を用いて逆転写された。増幅は、TaqMan Fast Universal PCR Master Mix(Life Technologies,Grand Island,NY)を用いて行われた。データは、GAPDHに対して正規化された。遺伝子発現は、ナイーブサンプルに対して、ΔΔCT法を用いて算出された。
アレルギー喘息のマウスモデルにおけるLtxAの評価。LFA−1がアレルギー性喘息の病因において果たしている潜在的な役割およびアレルギー性喘息の患者に特有であるex vivoでのLFA−1hi白血球を特異的にターゲットとするLtxAの能力を考えると、アレルギー喘息のマウスモデルにおける最初のLtxAの原理証明評価が行われた。マウスは、5週間、週に5日、イエダニ(HDM)抽出物または生理食塩水を鼻腔内(i.n.)に投与された。投与の2週間後、HDM曝露マウスは、1群あたり4匹の4つの群に再分割され、さらに3週間、下記の処理を受けた:デキサメタゾン賦形剤、皮下(s.c.)5日/週;デキサメタゾン(1.25mg/kg)、皮下5日/週;LtxA賦形剤、腹腔内(i.p.)3日/週;LtxA(0.5mg/kg)、腹腔内3日/週。
本研究の終了時点で、気管支肺胞洗浄(BAL)液、肺組織、および血液は、さらなる評価のためにすべてのマウスから収集された。BAL液における白血球の検査は、デキサメタゾン賦形剤またはLtxA賦形剤で処理されたHDM曝露マウスが生理食塩水のみを投与されたマウスよりも、有意に高いレベルのすべての白血球サブセットを有したことを明らかにした。デキサメタゾンまたはLtxAでのHDM曝露マウスの治療は、BAL液における多くの白血球の数の大幅な減少を引き起こした。
LFA−1がこの動物モデルにおける白血球の肺組織への遊走に関与するかどうかを決定するために、LtxA賦形剤で処理された2つのHDM曝露マウスにおけるPBMCおよびBAL液白血球でのLFA−1のレベルを検査した。BAL液において存在する遊走した白血球は、同じ動物の末梢血における白血球でよりも、有意に高いレベルのLFA−1を有していた。
肺組織は、薄片にされ、H&E、PASまたはシリウスレッドで染色された。H&E染色は、デキサメタゾン賦形剤またはLtxA賦形剤で処理されたHDM曝露マウスの肺組織において、白血球の大規模な浸潤を明らかにした。浸潤は、生理食塩水曝露マウスでは明らかではなかった。HDM曝露マウスにおける白血球の浸潤は、血管および気管支の周辺で最も明白であった。他のサンプルにおいてではなく、賦形剤処理コントロールにおいて多くの気管支周囲での著しい杯細胞過形成が観察された。LtxA賦形剤処理マウスからの肺組織におけるPASでの多糖類の染色は、ムチン産生杯細胞およびコラーゲンの上皮下蓄積の存在を裏付けた。薄片のシリウスレッド染色は、LtxA処理マウスではなく、賦形剤処理マウスにおけるピンク染色の好酸球を明らかにした。デキサメタゾンで処理されたマウスは、LtxA処理マウスよりも依然として多いが、賦形剤のコントロールと比較して好酸球数の減少があった。
炎症性サイトカインは、アレルギー性喘息および他の炎症症状の病因に重要な役割を果たしている。アレルギー性喘息において、IL−4、IL−5、IL−9、IL−17F、およびIL−23αは、疾患に関与する主なシグナル分子である。すべてのマウスからの肺組織におけるIL−4、IL−5、IL−9、IL−17F、およびIL−23αのmRNAのレベルを評価した(図9)。賦形剤処理マウスは、生理食塩水曝露マウスと比較して、炎症性サイトカインの有意に高い発現が認められた。加えて、デキサメタゾンは、IL−9、IL−17F、およびIL−23αの減少を生じさせ、一方、LtxA処理は、検査されたすべてのサイトカインの著しい減少を生じさせた。
明細書(刊行物)において引用したすべての刊行物は、本発明が属する技術分野における合理的な当業者のレベルを示すものである。これらすべての刊行物は、個々の刊行物が具体的および個別に参照により組み込まれるものとして示されているのと同じ程度に、本明細書にすべて参照により組み込まれる。

Claims (7)

  1. 眼炎症を特徴とする疾患を治療するために使用される医薬組成物であって、
    前記眼炎症は、前記治療を必要とする患者における活性化した白血球の増加を特徴とし、
    前記眼炎症を抑制するのに有効な量で前記治療を必要とする患者に前記医薬組成物を投与することを含み、
    前記医薬組成物がロイコトキシンおよび薬学的に許容される担体を含み
    記疾患が眼炎症性疾患であ前記眼炎症性疾患が乾性角結膜炎、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、眼の表面または結膜の炎症に関与するドライアイ、強膜炎、散弾状脈絡網膜炎(birdshot retinochoriodopathy)、眼瘢痕性類天疱瘡、角膜炎、交感性眼炎、フォークト・小柳・原田病(vogt−koyanagi harada)、フックス虹彩異色性ぶどう膜炎、ぶどう膜炎、毛様体扁平部炎、上強膜炎、視神経炎、眼窩偽腫瘍、網膜血管炎、眼アレルギー、および慢性結膜炎からなる群から選択され、
    前記医薬組成物が眼領域に局所投与される、医薬組成物。
  2. 前記ロイコトキシンがアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)から調製される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記ロイコトキシンが配列番号1に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記患者に投与される量が眼領域における局所のサイトカインレベルを下げるのに有効である、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 1以上の前記サイトカインがIL−4、IL−5、IL−9、IL17FおよびIL−23αからなる群から選択される、請求項に記載の医薬組成物。
  6. 前記医薬組成物が点眼液ディスペンサーを用いるために処方され、および点眼液ディスペンサーを用いることにより投与される、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記活性化した白血球が正常で健常な患者からの白血球と比較して、より多くのLFA−1を発現する、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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