<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿66aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定個数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合又は第2作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ない構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。また、第1作動口33への入球が発生した場合の賞球個数及び第2作動口34への入球が発生した場合の賞球個数の両方が複数である構成に限定されることはなく、第1作動口33への入球が発生した場合の賞球個数が1個である構成としてもよく、第2作動口34への入球が発生した場合の賞球個数が1個である構成としてもよく、両者の賞球個数がいずれも1個である構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけではなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。
可変表示ユニット36における図柄表示装置41の下方の部分である下枠部36aには、第1作動口33の上方において横方向に延在するようにしてステージ部36bが設けられており、可変表示ユニット36における図柄表示装置41の左方の部分である左枠部36cには可変表示ユニット36の左方の領域を流下する遊技球をステージ部36bに誘導することを可能とするワープ通路の入口部36dが形成されている。そして、ステージ部36bの横方向の中央部分は第1作動口33の鉛直上方に存在しており、当該中央部分にはステージ部36bの下方へと遊技球を自重により導出するための導出部36eが形成されている。この場合、ステージ部36bに導出された遊技球であって導出部36e以外の領域からステージ部36bの下方へと導出される遊技球は第1作動口33に入球しづらいが、導出部36eからステージ部36bの下方へと導出される遊技球は第1作動口33に高い確率で入球する。
第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には第1特図表示部37aと第2特図表示部37bとが設けられている。第1特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部37bでは、第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bに隣接した位置には、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留表示部37cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球が第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留表示部37dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞に基づき第1特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、第2作動口34への入賞に基づき第2特図表示部37bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、いずれかの特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。本パチンコ機10では、第1特図表示部37aにおける遊技回の実行期間の少なくとも一部と、第2特図表示部37bにおける遊技回の実行期間の少なくとも一部とが重複し得る構成となっている。つまり、第1特図表示部37aにおいて遊技回が実行されている途中であっても第2特図表示部37bにおける遊技回が開始され得るとともに、第2特図表示部37bにおいて遊技回が実行されている途中であっても第1特図表示部37aにおける遊技回が開始され得る。
本パチンコ機10では、作動口33,34への入賞に基づき当否判定処理が実行され、当否判定処理の判定結果が当選結果となることにより開閉実行モードへ移行する。開閉実行モードでは、特電入賞装置32の開閉制御が実行され、開放状態となっている特電入賞装置32への入賞が発生することで遊技球の払い出しが実行される。具体的には、開閉実行モードでは予め定められた回数のラウンド遊技が実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続期間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。この場合、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される構成において、開放継続期間が29秒に設定されているとともに上限個数が10個に設定されている。したがって、ラウンド遊技の開放継続期間は遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間に設定されていることとなるため、各ラウンド遊技において特電入賞装置32に上限個数以上の遊技球が入賞することを期待することができる。また、ラウンド遊技の上限回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
当否判定処理の当否抽選モードとして、開閉実行モードへの移行が発生する当選結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとが存在している。また、本パチンコ機10では、第2作動口34の普電役物34aが開放状態となる態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合にはサポートモードが低頻度サポートモードとなり、当否抽選モードが高確率モードである場合にはサポートモードが高頻度サポートモードとなる。以下、低確率モードであって低頻度サポートモードである遊技状態を通常遊技状態といい、高確率モードであって高頻度サポートモードである遊技状態を高確率状態という。
第1作動口33及び第2作動口34は共に、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の下方の領域である下側領域PA1に設置されている。また、第1作動口33及び第2作動口34は、第1作動口33が上方及び第2作動口34が下方となるようにして縦方向に並設された状態で作動口装置としてユニット化されている。また、第2作動口34の普電役物34aはスルーゲート35への入賞を契機として開放状態に制御され得るが、当該スルーゲート35は遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の左方の領域である左側領域PA2に配置されている。そして、左側領域PA2を流下する遊技球は下側領域PA1に誘導されるとともに、下側領域PA1に誘導された遊技球は第1作動口33及び第2作動口34が設けられた領域に誘導され得る。したがって、第1作動口33への入賞を狙って発射操作を行った場合、第1作動口33への入賞が発生し得るだけではなく第2作動口34への入賞が発生し得ることとなり、第2作動口34への入賞を狙って発射操作を行った場合、第2作動口34への入賞が発生し得るだけではなく第1作動口33への入賞が発生し得る。
遊技状態が通常遊技状態である場合には上記のとおりサポートモードが低頻度サポートモードとなるため、第2作動口34への入賞が発生しづらくなり、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生し易くなる。したがって、通常遊技状態では基本的には遊技回の実行対象が第1特図表示部37aとなり、偶発的に第2作動口34への入賞が発生した場合には第2特図表示部37bが遊技回の実行対象となる。
一方、遊技状態が高確率状態である場合には上記のとおりサポートモードが高頻度サポートモードとなるため、第2作動口34への入賞が発生し易くなる。この場合、高確率状態では第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生し易くなる。但し、既に説明したとおり第2作動口34への入賞を狙って発射操作を行った場合には第1作動口33への入賞が発生し得るとともに、ステージ部36bの導出部36eに誘導された遊技球は高い確率で第1作動口33に入賞することとなるため、高確率状態であっても通常遊技状態と同様の頻度で第1作動口33への入賞が発生することとなる。したがって、高確率状態では第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方が所定の頻度で遊技回の実行対象となる。よって、高確率状態では第1特図表示部37aにおける遊技回と第2特図表示部37bにおける遊技回とが重複する事象が発生し易くなる。
遊技回の実行対象となっている特図表示部37a,37bのパターンに対応する態様で、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される。遊技回用の演出が実行される場合における図柄表示装置41の表示内容について説明する。
まず図4(a)及び図4(b)を参照しながら通常遊技状態において遊技回用の演出が実行される場合における図柄表示装置41の表示内容について説明する。図4(a)及び図4(b)は通常遊技状態において図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される様子を説明するための説明図である。
通常遊技状態においては図4(a)及び図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面には基本的に通常用保留表示領域42と、装飾領域43とが表示される。通常用保留表示領域42は図柄表示装置41の表示面の上縁部に沿って設定されており、当該表示面において通常用保留表示領域42以外の領域が装飾領域43に設定されている。装飾領域43の方が通常用保留表示領域42よりも表示面積が広くなっている。
通常用保留表示領域42には第1作動口33への入賞に基づき後述する主制御装置71にて取得された保留情報の数を遊技者に報知するための画像が表示される。保留情報とは、主制御装置71における当否判定処理の実行契機となる情報であって遊技回の実行契機となる情報である。第1作動口33への入賞を契機として取得された保留情報(以下、第1保留情報ともいう)は第1特図表示部37aにおける遊技回の実行契機となり、第2作動口34への入賞を契機として取得された保留情報(以下、第2保留情報ともいう)は第2特図表示部37bにおける遊技回の実行契機となる。第1保留情報は最大で4個保留記憶され、第2保留情報も最大で4個保留記憶される。既に説明したとおり通常遊技状態においては第1作動口33への入賞は発生し易いのに対して第2作動口34への入賞は発生しづらい。したがって、装飾領域43には第1保留情報の数を遊技者に報知するための画像が表示される一方、第2保留情報の数を遊技者に報知するための画像は表示されない。
通常用保留表示領域42の表示内容について具体的には、通常用保留表示領域42には第1保留情報の数に対応する数の保留画像G1が表示される。つまり、保留記憶されている第1保留情報の数が0個であれば通常用保留表示領域42には保留画像G1は表示されない。また、保留記憶されている第1保留情報の数が1個であれば保留画像G1が1個表示され、保留記憶されている第1保留情報の数が2個であれば保留画像G1が2個表示され、保留記憶されている第1保留情報の数が3個であれば保留画像G1が3個表示され、保留記憶されている第1保留情報の数が4個であれば保留画像G1が4個表示される。保留画像G1が複数表示される場合、それら複数の保留画像G1は一定の間隔となるように横並びで表示される。また、保留記憶されている第1保留情報の数が増加する場合には保留画像G1が右方に向けて増加するように表示され、第1保留情報が遊技回の開始契機となり保留記憶されている第1保留情報の数が減少する場合には保留画像G1が左方に向けて減少するように表示される。図4(a)及び図4(b)の場合には保留記憶されている第1保留情報の数が2個であるため、通常用保留表示領域42には2個の保留画像G1(黒丸の画像)が横並びで表示されている。
装飾領域43には、複数(具体的には3個)の共通図柄画像G2〜G4が表示されるとともに共通図柄画像G2〜G4の後方に演出用キャラクタG5が表示される。共通図柄画像G2〜G4の表示内容について詳細には、立方体形状のベース図柄画像G6が横方向に3個並べて表示されるとともに、各ベース図柄画像G6の前面に数字による図柄G7が表示される。そして、ベース図柄画像G6の中央を通るようにして水平方向に延びる回転軸を中心としてベース図柄画像G6が縦方向に回転し、その回転に伴い各ベース図柄画像G6の前面に表示される図柄G7が変更される。図柄G7は「1」〜「9」の数字であり、通常遊技状態においては第1保留情報を契機として実行された当否判定処理において当選結果となった場合には全て同一の図柄G7が表示された状態で共通図柄画像G2〜G4の回転表示が停止され、当選結果とならなかった場合には全て同一の図柄G7が表示された状態とはならない。また、当否判定処理において当選結果となった場合であって後述する高確大当たり結果となる場合には全て同一の奇数の図柄G7が表示された状態となり、後述する低確大当たり結果となる場合には全て同一の偶数の図柄G7が表示された状態となる。また、当選結果となる期待度が高いことを示すリーチ演出が実行される場合には、左の共通図柄画像G2及び右の共通図柄画像G4では同一の図柄G7が停止表示されている状況において中央の共通図柄画像G3の回転表示が継続されるリーチ変動が行われる。当否判定処理の結果が当選結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G7が停止表示される状態で中央の共通図柄画像G3の回転表示が停止され、当否判定処理の結果が外れ結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G7とは異なる図柄G7が停止表示される状態で中央の共通図柄画像G3の回転表示が停止される。なお、リーチ演出では共通図柄画像G2〜G4が表示され続けることとなるが、これに限定されることはなく、共通図柄画像G2〜G4が非表示又は縮小表示された状態で演出用キャラクタG5を利用した表示演出が実行される構成としてもよく、共通図柄画像G2〜G4を非表示若しくは縮小表示することに加えて又は代えて、通常用保留表示領域42を非表示とすることで図柄表示装置41の表示面の全体を装飾領域43とする構成としてもよい。
通常遊技状態においては上記のとおり図柄表示装置41にて通常用保留表示領域42及び装飾領域43が表示される状態となるが、第2作動口34への入賞が偶発的に発生して第2保留情報を契機とした遊技回が実行される場合には、装飾領域43の一部の領域に追加装飾領域44が設定され、当該追加装飾領域44において図柄G7の変動表示が実行される。追加装飾領域44は、その表示面積が装飾領域43における追加装飾領域44以外の領域の表示面積よりも狭く設定されているとともに、共通図柄画像G2〜G4及び演出用キャラクタG5と重ならないように表示される。
追加装飾領域44には複数の図柄G8〜G10が表示され、遊技回の開始時においてはそれら複数の図柄G8〜G10が縦方向にスクロール表示される。なお、追加装飾領域44に表示される図柄G8〜G10は共通図柄画像G2〜G4の図柄G7を表示するための画像データを所定のサイズに縮小して利用することにより表示される。通常遊技状態においては第2保留情報を契機として実行された当否判定処理にて当選結果となった場合には全て同一の図柄G8〜G10が表示された状態で図柄G8〜G10のスクロール表示が停止され、当選結果とならなかった場合にはスクロール表示が停止される場合に全て同一の図柄G8〜G10が表示された状態とはならない。また、当否判定処理において当選結果となった場合であって後述する高確大当たり結果となる場合には全て同一の奇数の図柄G8〜G10が表示された状態となり、後述する低確大当たり結果となる場合には全て同一の偶数の図柄G8〜G10が表示された状態となる。また、当選結果となる期待度が高いことを示すリーチ演出が実行される場合には、同一の左の図柄G8と右の図柄G10とが停止表示されている状況において中央の図柄G9のスクロール表示が継続されるリーチ変動が行われる。当否判定処理の結果が当選結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G8〜G10が停止表示される状態で中央の図柄G9のスクロール表示が停止され、当否判定処理の結果が外れ結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G8〜G10とは異なる図柄G8〜G10が停止表示される状態で中央の図柄G9のスクロール表示が停止される。
上記のように第2保留情報を契機とした遊技回が実行されていない状況においては追加装飾領域44を表示させることなく、通常用保留表示領域42及び装飾領域43のみを表示させることにより、これら通常用保留表示領域42及び装飾領域43を広く確保することが可能となる。一方、第2保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況においては追加装飾領域44を表示させることにより、第2保留情報を契機とした遊技回が実行されていることを報知するだけではなく、第2保留情報を契機とした遊技回が開始されたことを強調することが可能となる。
次に、図5(a)及び図5(b)を参照しながら高確率状態において遊技回用の演出が実行される場合における図柄表示装置41の表示内容について説明する。図5(a)及び図5(b)は高確率状態において図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される様子を説明するための説明図である。
高確率状態においては図5(a)及び図5(b)に示すように図柄表示装置41の表示面には、第1個別表示領域45と、第1保留表示領域46と、第2個別表示領域47と、第2保留表示領域48と、装飾領域43とが表示される。第1個別表示領域45、第1保留表示領域46、第2個別表示領域47及び第2保留表示領域48は図柄表示装置41の表示面の上縁部に沿って設定されている。これら表示領域45〜48の表示面積は同一又は略同一となっており、第1個別表示領域45が左の隅角部分に設定されており、その右隣りに第1保留表示領域46が設定されており、その右隣りに第2保留表示領域48が設定されており、第2個別表示領域47が右の隅角部分に設定されている。また、図柄表示装置41の表示面においてこれら表示領域45〜48以外の領域が装飾領域43に設定されている。装飾領域43の方が各表示領域45〜48よりも表示面積が広く設定されており、さらには各表示領域45〜48の合計の表示面積よりも装飾領域43の表示面積の方が広く設定されている。
第1個別表示領域45では、第1保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況においてそれに対応した画像表示が行われ、第2個別表示領域47では、第2保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況においてそれに対応した画像表示が行われる。当該画像表示の内容について詳細には、第1個別表示領域45及び第2個別表示領域47には複数の図柄G11〜G13が表示され、対応する遊技回の開始時においてはそれら複数の図柄G11〜G13が縦方向にスクロール表示される。なお、第1個別表示領域45に表示される図柄G11〜G13と第2個別表示領域47に表示される図柄G11〜G13とは同一種類間において同一の画像データが利用される。また、各個別表示領域45,47に表示される図柄G11〜G13は共通図柄画像G2〜G4の図柄G7を表示するための画像データを所定のサイズに縮小して利用することにより表示される。
対応する保留情報を契機として実行された当否判定処理にて当選結果となった場合には、全て同一の図柄G11〜G13が表示された状態で図柄G11〜G13のスクロール表示が停止され、当選結果とならなかった場合にはスクロール表示が停止される場合に全て同一の図柄G11〜G13が表示された状態とはならない。また、当否判定処理において当選結果となった場合であって後述する高確大当たり結果となる場合には全て同一の奇数の図柄G11〜G13が表示された状態となり、後述する低確大当たり結果となる場合には全て同一の偶数の図柄G11〜G13が表示された状態となる。また、当選結果となる期待度が高いことを示すリーチ演出が実行される場合には、同一の左の図柄G11と右の図柄G13とが停止表示されている状況において中央の図柄G12のスクロール表示が継続されるリーチ変動が行われる。当否判定処理の結果が当選結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G11〜G13が停止表示される状態で中央の図柄G12のスクロール表示が停止され、当否判定処理の結果が外れ結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G11〜G13とは異なる図柄G11〜G13が停止表示される状態で中央の図柄G12のスクロール表示が停止される。
第1保留表示領域46では保留記憶されている第1保留情報の数を遊技者に報知するための画像表示が行われ、第2保留表示領域48では保留記憶されている第2保留情報の数を遊技者に報知するための画像表示が行われる。これら画像表示の内容は通常用保留表示領域42における画像表示の内容と同様であり、具体的には第1保留表示領域46では保留記憶されている第1保留情報の数に対応する数の保留画像G1が表示され、第2保留表示領域48では保留記憶されている第2保留情報の数に対応する数の保留画像G1が表示される。
高確率状態における装飾領域43には、通常遊技状態の場合と同様に演出用キャラクタG5が表示される。高確率状態においては第1個別表示領域45及び第2個別表示領域47のいずれかにてリーチ演出が開始されるまでは図5(a)に示すように共通図柄画像G2〜G4は表示されることはない。一方、高確率状態においては第1個別表示領域45及び第2個別表示領域47のいずれかにてリーチ演出が開始されることで図5(b)に示すように共通図柄画像G2〜G4の表示が開始される。この場合、そのリーチ演出が開始された個別表示領域45,47にて表示されている図柄G11〜G13の表示態様に対応する態様で、共通図柄画像G2〜G4が表示される。つまり、リーチ演出が開始された個別表示領域45,47には所定のリーチ図柄の組合せが表示されることとなるが、共通図柄画像G2〜G4においてもそのリーチ図柄の組合せを構成している図柄G11〜G13と同一の種類の図柄G7によるリーチ図柄の組合せが表示される。そして、そのリーチ図柄の組合せが表示されている状況において中央の共通図柄画像G3における回転表示が実行される。当否判定処理の結果が当選結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G7が停止表示される状態で中央の共通図柄画像G3の回転表示が停止され、当否判定処理の結果が外れ結果である遊技回であればリーチ図柄の組合せを構成している図柄G7とは異なる図柄G7が停止表示される状態で中央の共通図柄画像G3の回転表示が停止される。なお、リーチ演出では共通図柄画像G2〜G4が表示され続けることとなるが、これに限定されることはなく、共通図柄画像G2〜G4が非表示又は縮小表示された状態で演出用キャラクタG5を利用した表示演出が実行される構成としてもよく、共通図柄画像G2〜G4を非表示若しくは縮小表示することに加えて又は代えて、通常用保留表示領域42を非表示とすることで図柄表示装置41の表示面の全体を装飾領域43とする構成としてもよい。
第1個別表示領域45及び第2個別表示領域47のうち一方においてリーチ演出が開始された後に他方においてリーチ演出が開始された場合、装飾領域43では先にリーチ演出が開始された側に対応するリーチ演出が実行される。この場合、上記他方の個別表示領域45,47にてリーチ演出が継続されている状況において装飾領域43にて実行されているリーチ演出が終了してそれに対応した遊技回が終了したとしても、当該装飾領域43では上記他方の個別表示領域45,47にて継続されているリーチ演出に対応するリーチ演出は実行されない。これにより、装飾領域43におけるリーチ演出の実行対象が第1個別表示領域45及び第2個別表示領域47のうちいずれであるのかを遊技者が認識しづらくなってしまわないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、上記他方の個別表示領域45,47にてリーチ演出が継続されている状況において装飾領域43にて実行されているリーチ演出が終了してそれに対応した遊技回が終了した場合には、当該装飾領域43では上記他方の個別表示領域45,47にて継続されているリーチ演出に対応するリーチ演出が開始される構成としてもよい。
遊技盤24の説明に戻り(図3参照)、当否判定処理の判定結果が当選結果となった場合、既に説明したとおり開閉実行モードに移行する。開閉実行モードでは特電入賞装置32の開閉制御が実行される。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。また、開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モードに対応した表示演出が図柄表示装置41にて実行される。
上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル62を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部61の上方には表示発光部64が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部65が設けられている。また、窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部66と下側膨出部67とが上下に並設されている。上側膨出部66内側には上方に開口した上皿66aが設けられており、下側膨出部67内側には同じく上方に開口した下皿67aが設けられている。上皿66aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿67aは、上皿66a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。なお、基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿66a又は下皿67aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
<パチンコ機10の電気的構成>
図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、主制御装置71に設けられた停電監視基板85が接続されているとともに、払出制御装置77が接続されている。停電監視基板85には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置78が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。
MPU82の入力側には、各種入賞検知センサ86a〜86eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ86a〜86eには、一般入賞口31に設けられた検知センサ86a、特電入賞装置32に設けられた検知センサ86b、第1作動口33に設けられた検知センサ86c、第2作動口34に設けられた検知センサ86d及びスルーゲート35に設けられた検知センサ86eが含まれる。これら各種入賞検知センサ86a〜86eの検知結果に基づいて、MPU82において各入賞対応入球部への入賞判定が行われる。また、MPU82では第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU82の出力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び音声発光制御装置91が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
MPU82の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる特電用の駆動部32b、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、特図ユニット37及び普図ユニット38が接続されている。ちなみに、特図ユニット37には、第1特図表示部37a、第2特図表示部37b、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられているが、これらの全てがMPU82の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット38には、普図表示部38a及び普図保留表示部38bが設けられているが、これらの全てがMPU82の出力側に接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、MPU82において特電用の駆動部32bの駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU82において普電用の駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU82において特図ユニット37の表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU82において普図ユニット38の表示制御が実行される。
停電監視基板85は、主制御基板81と電源・発射制御装置78とを中継し、また電源・発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置71のMPU82から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置71や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成し、その生成した動作電力を供給する。
当該動作電力を供給するための構成について具体的には、電源・発射制御装置78には、電入中用電源部78aと電断中用電源部78bとが設けられている。電入中用電源部78aは、例えば、遊技ホール等における商用電源に接続されており、商用電源から外部電力が供給されている状況において、動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する機能を有する。電断中用電源部78bは、コンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入中用電源部78aから供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断中用電源部78bから放電され主制御装置71のRAM84及び払出制御装置77の図示しないRAMに対してバックアップ電力が供給される。よって、当該状況であっても、電断中用電源部78bからバックアップ電力が供給されている間は主制御装置71のRAM84及び払出制御装置77のRAMに記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ここで、主制御装置71のRAM84には現状の遊技状態及び遊技の進行内容の情報が一時的に記憶されるとともに、払出制御装置77のRAMには未払出の賞球個数の情報が一時記憶される。この場合に、これらRAMに上記のように電断中用電源部78bからバックアップ電力が供給されることにより、電入中用電源部78aからの電力供給がない状況であっても、現状の遊技状態、遊技の進行内容及び未払出の賞球情報を所定期間に亘って記憶保持することが可能となる。その一方、音声発光制御装置91及び表示制御装置101には、電断中用電源部78bからバックアップ電力は供給されない。したがって、音声発光制御装置91のRAM95及び表示制御装置101のRAM105に記憶された情報は、バックアップされることはなく、電入中用電源部78aからの電力供給が停止された場合には破壊又は消去される。
電断中用電源部78bの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主制御装置71のRAM84に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。電断中用電源部78bは、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。
なお、電源・発射制御装置78には、上記電断中用電源部78bとは異なる図示しない停電時用電源部が設けられている。電源・発射制御装置78では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御装置71などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
電源・発射制御装置78には、各種電源部78a,78bの他に、発射制御部78cが設けられている。発射制御部78cには、発射操作装置28に内蔵されたタッチセンサ28a、プッシュセンサ28b及び可変抵抗器28cが電気的に接続されている。
タッチセンサ28aにはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部78cに出力する。発射制御部78cでは当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触していると認識する。また、発射制御部78cでは、プッシュセンサ28bから受信した電気信号に応じて発射操作装置28の発射止めスイッチの操作の有無を把握するとともに、可変抵抗器28cを通じて受信した電気信号に応じて操作ハンドルの回動操作量を把握する。
発射制御部78cは、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合に主制御装置71のMPU82に所定の信号形態の条件成立信号を送信する。具体的には、発射制御部78cは、タッチセンサ28aから操作ハンドルが遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、発射止めスイッチが遊技者により手動操作されていないことを示す信号をプッシュセンサ28bから受信していることを条件に、MPU82に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を継続して送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、MPU82に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。また、条件成立に対応した条件成立信号を送信する条件として、上記条件に加えて、球貸装置がパチンコ機10に接続されていることという条件を付加してもよい。
MPU82では、HIレベルの条件成立信号を受信している状況であって、遊技球の発射を許可できる状況であれば、発射制御部78cにHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を継続して送信する。なお、MPU82は、発射制御部78cからHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射制御部78cは、遊技球発射機構27が電気的に接続されており、MPU82からHIレベルの発射許可信号を受信している場合、遊技球発射機構27を定期的に駆動制御する。この場合、遊技球発射機構27に継続して遊技球が供給されている状況であれば、特定発射周期(具体的には0.6秒)に1個の遊技球が遊技領域PAに発射される。また、この発射に際しては可変抵抗器28cから受信した信号に基づき発射強度が調整されるため、操作ハンドルの回動操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
音声発光制御装置91は、MPU93が搭載された音声発光制御基板92を備えている。MPU93には、当該MPU93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM94と、そのROM94内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM95と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU93では、主制御装置71から受信したコマンドに基づき、表示発光部64及びスピーカ部65を駆動制御するとともに、表示制御装置101にコマンドを送信する。
表示制御装置101は、MPU103が搭載された表示制御基板102を備えている。MPU103には、当該MPU103により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM104と、そのROM104内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM105と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU103では、音声発光制御装置91から受信したコマンドに基づき、図柄表示装置41の制御を実施する。
表示制御基板102には、図示は省略するが、MPU103の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、及びビデオRAM等が搭載されている。VDPは、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPは、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。キャラクタROMは、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAMは、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることに基づき図柄表示装置41の表示内容が変更される。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、主制御装置71のMPU82、ROM83及びRAM84を主側MPU82、主側ROM83及び主側RAM84といい、音声発光制御装置91のMPU93、ROM94及びRAM95を音光側MPU93、音光側ROM94及び音光側RAM95といい、表示制御装置101のMPU103、ROM104及びRAM105を表示側MPU103、表示側ROM104及び表示側RAM105という。
<主側MPU82にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU82にて各種抽選を行うための電気的な構成について図7を用いて説明する。
主側MPU82は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり発生抽選、第1特図表示部37aの表示の設定、第2特図表示部37bの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41における変動表示期間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、主側RAM84の抽選用カウンタエリア121に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、主側RAM84に設けられた特図保留エリア122に格納される。特図保留エリア122は、第1特図保留エリア125と、第2特図保留エリア126と、特図用の実行エリア127と、を備えている。
第1特図保留エリア125は第1エリア125a、第2エリア125b、第3エリア125c及び第4エリア125dを備えており、第1作動口33への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が第1保留情報として、いずれかのエリア125a〜125dに格納される。この場合、第1エリア125a〜第4エリア125dには、第1作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア125a→第2エリア125b→第3エリア125c→第4エリア125dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア125a〜125dが設けられていることにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第1特図保留エリア125において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2特図保留エリア126は第1エリア126a、第2エリア126b、第3エリア126c及び第4エリア126dを備えており、第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が第2保留情報として、いずれかのエリア126a〜126dに格納される。この場合、第1エリア126a〜第4エリア126dには、第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア126a→第2エリア126b→第3エリア126c→第4エリア126dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア126a〜126dが設けられていることにより、第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第2特図保留エリア126において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
特図用の実行エリア127は第1特図用の実行エリア127aと第2特図用の実行エリア127bとを備えている。第1特図用の実行エリア127aは第1特図表示部37aにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の第1保留情報が格納されるエリアである。第2特図用の実行エリア127bは第2特図表示部37bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の第2保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部37aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納された第1保留情報が第1特図用の実行エリア127aに移動される。一方、第2特図表示部37bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納された第2保留情報が第2特図用の実行エリア127bに移動される。
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に、普図保留エリア123に格納される。普図保留エリア123は、第1エリア128a、第2エリア128b、第3エリア128c及び第4エリア128dを備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア128a〜128dに格納される。この場合、第1エリア128a〜第4エリア128dには、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア128a→第2エリア128b→第3エリア128c→第4エリア128dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア128a〜128dが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、普図保留エリア123において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
普図保留エリア128には、普図用の実行エリア129が設けられている。普図用の実行エリア129は、普図表示部38aにて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部38aの変動表示を開始する際には、普図保留エリア123の第1エリア128aに格納された保留情報が普図用の実行エリア129に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、「0」〜「250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM84の普図保留エリア123に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では既に説明したとおり、普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選処理における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部38aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている(具体的には高頻度サポートモードでは2秒、低頻度サポートモードでは10秒)。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、当該確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選において普電開放状態当選となった場合、普電開放状態となる。当該普電開放状態は、予め定められた回数の普電役物34aの開閉が行われた場合、又は予め定められた上限個数の遊技球が第2作動口34に入賞にした場合に、終了する。これらの内容について具体的には、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであっても上記上限個数は10個で共通している。一方、普電役物34aの開閉回数は低頻度サポートモードであれば1回であるのに対して、高頻度サポートモードであれば当該低頻度サポートモードの場合よりも多い複数回であり具体的には3回となっている。また、普電役物34aの1回の開放継続時間は、低頻度サポートモードであれば1秒であるのに対して、高頻度サポートモードであれば3秒となっている。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「599」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第1特図保留エリア125に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第2特図保留エリア126に格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM83に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
当否テーブルとして、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが設けられている。低確当否テーブルには大当たり結果となる数値情報が2個設定されており(例えば「5」、「305」)、高確当否テーブルには大当たり結果となる数値情報が20個設定されている(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。当否判定処理に際して低確当否テーブルが参照される当否抽選モードが低確率モードであり、当否判定処理に際して高確当否テーブルが参照される当否抽選モードが高確率モードである。低確率モード(すなわち通常遊技状態)においては、第1作動口33への入賞に基づき取得された第1保留情報に対して当否判定処理が実行される場合、及び第2作動口34への入賞に基づき取得された第2保留情報に対して当否判定処理が実行される場合のいずれであっても低確当否テーブルが参照される。また、高確率モード(すなわち高確率状態)においては、第1保留情報に対して当否判定処理が実行される場合及び第2保留情報に対して当否判定処理が実行される場合のいずれであっても高確当否テーブルが参照される。また、低確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類は全て、高確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類に含まれている。これにより、通常遊技状態において大当たり結果となる保留情報は、高確率状態においても大当たり結果となる保留情報となる。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、「0」〜「29」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第1特図保留エリア125に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第2特図保留エリア126に格納される。そして、この格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して振分判定処理が行われる。大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、主側ROM83に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルには、大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、高確大当たり結果ととが設定されている。
低確大当たり結果は開閉実行モードの開始契機となる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる大当たり結果であって開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら低確率モード及び低頻度サポートモードは高確大当たり結果となるとともにそれを契機とした開閉実行モードが終了するまで継続される。
最有利大当たり結果は開閉実行モードの開始契機となる。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる大当たり結果であって開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
振分テーブルでは、「0」〜「29」の大当たり種別カウンタC2のうち「0」〜「14」が低確大当たり結果に対応しており、「15」〜「29」が高確大当たり結果に対応している。当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであっても、さらに第1保留情報に対して振分判定処理が実行される場合及び第2保留情報に対して振分判定処理が実行される場合のいずれであっても、同一の振分テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば「0」〜「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として既に説明したとおりリーチ演出が設定されている。
リーチ演出は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば「0」〜「198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける変動表示期間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示期間とを主側MPU82において決定する上で用いられる。具体的には、変動種別カウンタCSの値は、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
<主側MPU82にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU82にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側MPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図8のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
メイン処理ではまず、電源投入ウェイト処理を実行する(ステップS101)。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。その後、主側RAM84のアクセスを許可するとともに(ステップS102)、主側MPU82の内部機能レジスタの設定を行う(ステップS103)。
その後、電源・発射制御装置78に設けられたRAM消去ボタンが手動操作されているか否かを判定し(ステップS104)、主側RAM84の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS105)。また、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップS106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否かすなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する(ステップS107)。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去ボタンを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去ボタンが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM84の初期化として当該主側RAM84をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去ボタンが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM84の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態ST1〜ST4を認識させるために現状の遊技状態ST1〜ST4に対応したコマンドを音声発光制御装置91に送信する。また、払出制御装置77のRAMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置77に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、主側MPU82はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う(ステップS110)。また、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに(ステップS111)、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する(ステップS112)。これらの更新処理では、主側RAM84の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う(ステップS113)。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図9のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は4msecの周期で繰り返し起動される。
まず停電情報記憶処理を実行する(ステップS201)。停電情報記憶処理では、停電監視基板85から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
その後、抽選用乱数更新処理を実行する(ステップS202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに(ステップS203)、ステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する(ステップS204)。その後、遊技停止判定処理を実行する(ステップS205)。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。その後、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に(ステップS206:NO)、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を停止させる。
その後、読み込み処理を実行する(ステップS208)。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
その後、入賞検知処理を実行する(ステップS209)。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ86a〜86eから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入球の有無を特定する処理を実行する。
その後、主側RAM84に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(ステップS210)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
その後、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(ステップS211)。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
その後、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(ステップS212)。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期となるように0.6secに1個の遊技球が発射される。
その後、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ86a〜86eの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う(ステップS213)。
その後、第1特図表示部37aにおける遊技回の実行制御、及び第1保留情報を契機とした開閉実行モードの実行制御を行うための第1特図特電制御処理を実行し(ステップS214)、第2特図表示部37bにおける遊技回の実行制御、及び第2保留情報を契機とした開閉実行モードの実行制御を行うための第2特図特電制御処理を実行する(ステップS215)。また、普電役物34aのサポート抽選及び普電役物34aの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する(ステップS216)。普図普電制御処理について詳細には、スルーゲート35への入賞が発生した場合には普図保留エリア123に格納されている普図側の保留情報の個数が4個未満であることを条件として、その時点における普電乱数カウンタC4の値を普図保留エリア123に格納する。また、普図普電制御処理では、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示が実行されておらず、さらに第2作動口34の普電役物34aが所定の態様で開閉制御される普電開放状態となっていない状況において、普図保留エリア123に普図側の保留情報が格納されている場合、普図保留エリア123の第1エリア128aに格納されている普図側の保留情報を普図用の実行エリア129にシフトする。そして、その普図側の保留情報に対して普電開放抽選処理を実行するとともに、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示を開始させる。この場合、その時点におけるサポートモードが低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのうちいずれであるかが特定され、その特定結果に対応するサポートモードに対応する変動表示期間に亘って絵柄の変動表示が実行されるように普図表示部38aの表示制御が実行される。普電開放抽選処理の結果が普電開放状態当選である場合にはそれに対応した絵柄の停止態様とした状態で普図表示部38aにおける絵柄の変動表示を終了させ、普電開放抽選処理の結果が普電開放状態当選ではない場合にはそれに対応した絵柄の停止態様とした状態で普図表示部38aにおける絵柄の変動表示を終了させる。普電開放抽選処理の結果が普電開放状態当選となった場合において普図表示部38aにおける絵柄の変動表示が終了した場合、普電開放状態に移行させる。普電開放状態では、当該普電開放状態が開始される場合におけるサポートモードが低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのうちいずれであるかが特定され、その特定結果に対応するサポートモードの態様で普電役物34aの開閉制御が実行される。なお、開閉実行モードにおいては直前のサポートモードが高頻度サポートモードであったとしても低頻度サポートモードに対応する態様で普図表示部38aの表示制御、普電役物34aの普電開放抽選処理及び普電役物34aの開閉制御が実行される。
その後、直前のステップS214〜ステップS216の処理結果に基づいて、第1保留情報の増減個数を第1特図保留表示部37cに反映させるための出力情報の設定、第2保留情報の増減個数を第2特図保留表示部37dに反映させるための出力情報の設定、及び普図側の保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う(ステップS217)。また、直前のステップS214〜ステップS216の処理結果に基づいて、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う(ステップS217)。
その後、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(ステップS218)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(ステップS219)。また、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS220)。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS220の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<第1特図特電制御処理及び第2特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS214にて実行される第1特図特電制御処理について、図10のフローチャートを参照しながら詳細に説明するとともに、タイマ割込み処理(図9)のステップS215にて実行される第2特図特電制御処理について、図11のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。なお、第1特図特電制御処理と第2特図特電制御処理とは処理構成が類似しているため、対応する処理構成ごとに説明をする。
第1特図特電制御処理では、第1作動口33への入賞が発生している場合に第1保留情報を取得するための処理を実行するとともに、第1保留情報が記憶されている場合にその第1保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
第2特図特電制御処理では、第2作動口34への入賞が発生している場合に第2保留情報を取得するための処理を実行するとともに、第2保留情報が記憶されている場合にその第2保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、第1特図特電制御処理(図10)ではまず第1保留情報の取得処理を実行する(ステップS301)。また、第2特図特電制御処理(図11)ではまず第2保留情報の取得処理を実行する(ステップS401)。
第1保留情報の取得処理では、図12(a)のフローチャートに示すように、第1作動口33への入賞が発生しており(ステップS501:YES)、さらに第1特図保留エリア125に記憶されている第1保留情報の数が上限記憶数未満である場合(ステップS502:YES)、第1保留情報を取得するための処理を実行する。なお、第1作動口33への入賞が発生しているか否かの監視処理はタイマ割込み処理(図9)における入賞検知処理(ステップS209)にて実行されており、入賞が発生している場合にはその入賞が発生している入球装置に対応する入賞データが主側RAM84にセットされる。ステップS501では当該入賞データが主側RAM84にセットされているか否かを判定する。
第1保留情報を取得するための処理では、まず第1特図保留エリア125に記憶されている未処理の第1保留情報の数を主側MPU82にて把握するために主側RAM84に設けられた第1特図保留カウンタの値を1加算する(ステップS503)。ちなみに、当該第1特図保留カウンタの値に応じて、特図ユニット37における第1特図保留表示部37cの表示内容が調整される。これにより、第1特図保留表示部37cの表示内容が第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の数に対応することとなる。
その後、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア125のうち最初の記憶エリア、すなわちステップS503にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS504)。その後、取得時の設定処理を実行する(ステップS505)。取得時の設定処理では詳細は後述するが、既に保留記憶されている他の保留情報が開始契機となる遊技回の継続期間を、今回取得した保留情報の内容に応じて調整するための処理を実行する。
その後、第1保留情報が増加したことを示す第1保留コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS506)。音光側MPU93は受信した第1保留コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の通常用保留表示領域42又は第1保留表示領域46における第1保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。
第2保留情報の取得処理では、図12(b)のフローチャートに示すように、第2作動口34への入賞が発生しており(ステップS601:YES)、さらに第2特図保留エリア126に記憶されている第2保留情報の数が上限記憶数未満である場合(ステップS602:YES)、第2保留情報を取得するための処理を実行する。なお、第2作動口34への入賞が発生しているか否かの監視処理はタイマ割込み処理(図9)における入賞検知処理(ステップS209)にて実行されており、入賞が発生している場合にはその入賞が発生している入球装置に対応する入賞データが主側RAM84にセットされる。ステップS601では当該入賞データが主側RAM84にセットされているか否かを判定する。
第2保留情報を取得するための処理では、まず第2特図保留エリア126に記憶されている未処理の第2保留情報の数を主側MPU82にて把握するために主側RAM84に設けられた第2特図保留カウンタの値を1加算する(ステップS603)。ちなみに、当該第2特図保留カウンタの値に応じて、特図ユニット37における第2特図保留表示部37dの表示内容が調整される。これにより、第2特図保留表示部37dの表示内容が第2特図保留エリア126に格納されている第2保留情報の数に対応することとなる。
その後、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2特図保留エリア126のうち最初の記憶エリア、すなわちステップS603にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS604)。その後、取得時の設定処理を実行する(ステップS605)。取得時の設定処理では詳細は後述するが、既に保留記憶されている他の保留情報が開始契機となる遊技回の変動表示期間を、今回取得した保留情報の内容に応じて調整するための処理を実行する。
その後、第2保留情報が増加したことを示す第2保留コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS606)。音光側MPU93は受信した第2保留コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の第2保留表示領域48における第2保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。
第1特図特電制御処理(図10)及び第2特図特電制御処理(図11)の説明に戻り、保留情報の取得処理(ステップS301又はステップS401)を実行した後は、主側ROM83に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す(ステップS302、ステップS402)。特図特電アドレステーブルには、主側RAM84に設けられた第1特図特電カウンタ及び主側RAM84に設けられた第2特図特電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
第1特図特電カウンタは、第1特図特電制御処理(図10)にて実行すべき処理内容を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。第1特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理とが含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS305)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS306)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS307)とが設定されている。また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS308)と、特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS309)と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS310)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS311)とが設定されている。第1特図特電カウンタの値が「0」である場合には特図変動開始処理(ステップS305)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「1」である場合には特図変動中処理(ステップS306)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「2」である場合には特図確定中処理(ステップS307)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「3」である場合には特電開始処理(ステップS308)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「4」である場合には特電開放中処理(ステップS309)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「5」である場合には特電閉鎖中処理(ステップS310)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「6」である場合には特電終了処理(ステップS311)が実行対象となる。
第2特図特電カウンタは、第2特図特電制御処理(図11)にて実行すべき処理内容を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。第2特図特電制御処理には、第1特図特電制御処理と同様に、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理とが含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS405)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS406)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS407)とが設定されている。また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS408)と、特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS409)と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS410)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS411)とが設定されている。第2特図特電カウンタの値が「0」である場合には特図変動開始処理(ステップS405)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「1」である場合には特図変動中処理(ステップS406)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「2」である場合には特図確定中処理(ステップS407)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「3」である場合には特電開始処理(ステップS408)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「4」である場合には特電開放中処理(ステップS409)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「5」である場合には特電閉鎖中処理(ステップS410)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「6」である場合には特電終了処理(ステップS411)が実行対象となる。
特図特電アドレステーブルについて具体的には、各特図特電カウンタの「0」〜「6」は開始アドレスSA0〜SA6にそれぞれ対応しており、開始アドレスSA0は特図変動開始処理(ステップS305、ステップS405)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は特図変動中処理(ステップS306、ステップS406)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は特図確定中処理(ステップS307、ステップS407)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は特電開始処理(ステップS308、ステップS408)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は特電開放中処理(ステップS309、ステップS409)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は特電閉鎖中処理(ステップS310、ステップS410)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は特電終了処理(ステップS311、ステップS411)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
第1特図特電制御処理(図10)及び第2特図特電制御処理(図11)では、特図特電アドレステーブルを読み出した後は(ステップS302、ステップS402)、対応する特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを特図特電アドレステーブルから取得し(ステップS303、ステップS403)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS304、ステップS404)。以下、特図変動開始処理(ステップS305、ステップS405)、特図変動中処理(ステップS306、ステップS406)、特図確定中処理(ステップS307、ステップS407)、特電開始処理(ステップS308、ステップS408)、特電開放中処理(ステップS309、ステップS409)、特電閉鎖中処理(ステップS310、ステップS410)及び特電終了処理(ステップS311、ステップS411)について個別に説明する。
<特図変動開始処理>
まずステップS305及びステップS405の特図変動開始処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
特図変動開始処理では、まず今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側において大当たり状態用の処理が実行されているか否かを判定する(ステップS701)。既に説明したとおり本パチンコ機10では第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方において遊技回が実行されている状況であっても他方において遊技回が実行され得る。この場合に、ステップS701が実行され、今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側において大当たり状態用の処理が実行されている場合にはステップS702以降の処理が実行されずに新たな遊技回の開始が規制される。これにより、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方における遊技回を契機として開閉実行モードが実行されている状況においては、他方における遊技回が新たに開始されないように規制される。よって、開閉実行モードへの遊技者の注目度を高めることが可能となる。なお、今回が第1特図特電制御処理(図10)における特図変動開始処理であれば第2特図特電カウンタの値が3以上であるか否かをステップS701にて判定し、3以上である場合にはステップS702以降の処理を実行しない構成であり、今回が第2特図特電制御処理(図11)における特図変動開始処理であれば第1特図特電カウンタの値が3以上であるか否かをステップS701にて判定し、3以上である場合にはステップS702以降の処理を実行しない構成である。
ステップS701にて否定判定をした場合には、対応する保留個数が1個以上であるか否かを判定する(ステップS702)。今回が第1特図特電制御処理(図10)における特図変動開始処理であれば第1特図保留エリア125に第1保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定し、今回が第2特図特電制御処理(図11)における特図変動開始処理であれば第2特図保留エリア126に第2保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定する。
ステップS702にて肯定判定をした場合には、データ設定処理を実行する(ステップS703)。データ設定処理では、今回が第1特図特電制御処理(図10)であれば、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納されたデータを第1特図用の実行エリア127aに移動する。その後、第1特図保留エリア125の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア125a〜125dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア125aのデータをクリアするとともに、第2エリア125b→第1エリア125a、第3エリア125c→第2エリア125b、第4エリア125d→第3エリア125cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。その後、主側RAM84の第1特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、特図ユニット37における第1特図保留表示部37cの表示内容が、第1保留情報が1個減少した内容に変更される。また、当該データ設定処理では、第1特図保留エリア125における第1保留情報が1個減少したことを示す第1減少時コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は受信した第1減少時コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の通常用保留表示領域42又は第1保留表示領域46における第1保留情報の数の表示を保留情報の数の減少に対応させて変更する。
データ設定処理では、今回が第2特図特電制御処理(図11)であれば、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納されたデータを第2特図用の実行エリア127bに移動する。その後、第2特図保留エリア126の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア126a〜126dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア126aのデータをクリアするとともに、第2エリア126b→第1エリア126a、第3エリア126c→第2エリア126b、第4エリア126d→第3エリア126cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。その後、主側RAM84の第2特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、特図ユニット37における第2特図保留表示部37dの表示内容が、第2保留情報が1個減少した内容に変更される。また、当該データ設定処理では、第2特図保留エリア126における第2保留情報が1個減少したことを示す第2減少時コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は受信した第2減少時コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の第2保留表示領域48における第2保留情報の数の表示を保留情報の数の減少に対応させて変更する。
データ設定処理を実行した後は、今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側において遊技回が実行されており且つその遊技回の開始契機となった保留情報が大当たり結果に対応しているか否かを判定する(ステップS704)。主側RAM84には、第1保留情報に対応する第1低確大当たりフラグと第1高確大当たりフラグとが設定されているとともに、第2保留情報に対応する第2低確大当たりフラグと第2高確大当たりフラグとが設定されている。第1低確大当たりフラグは、第1保留情報に対して当否判定処理及び振分判定処理が実行された結果、低確大当たり結果に対応していることが特定された場合に「1」がセットされ、当該第1保留情報を契機とした開閉実行モードが終了する場合に「0」クリアされるフラグである。第1高確大当たりフラグは、第1保留情報に対して当否判定処理及び振分判定処理が実行された結果、高確大当たり結果に対応していることが特定された場合に「1」がセットされ、当該第1保留情報を契機とした開閉実行モードが終了する場合に「0」クリアされるフラグである。第2低確大当たりフラグは、第2保留情報に対して当否判定処理及び振分判定処理が実行された結果、低確大当たり結果に対応していることが特定された場合に「1」がセットされ、当該第2保留情報を契機とした開閉実行モードが終了する場合に「0」クリアされるフラグである。第2高確大当たりフラグは、第2保留情報に対して当否判定処理及び振分判定処理が実行された結果、高確大当たり結果に対応していることが特定された場合に「1」がセットされ、当該第2保留情報を契機とした開閉実行モードが終了する場合に「0」クリアされるフラグである。ステップS704では、今回が第1特図特電制御処理(図10)の特図変動開始処理であれば主側RAM84の第2低確大当たりフラグ又は第2高確大当たりフラグに「1」がセットされているか否かを判定し、今回が第2特図特電制御処理(図11)の特図変動開始処理であれば主側RAM84の第1低確大当たりフラグ又は第1高確大当たりフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
ステップS704にて否定判定をした場合には当否判定処理を実行する(ステップS705)。当否判定処理では、当否抽選モードが低確率モードであれば遊技回の開始対象が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのいずれであっても低確当否テーブルを主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであれば遊技回の開始対象が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのいずれであっても高確当否テーブルを主側ROM83から読み出す。当否テーブルを読み出した後は、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象である側に格納された保留情報から、当否判定用の情報すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が上記当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
当否判定処理の結果が大当たり結果である場合(ステップS706:YES)、振分判定処理を実行する(ステップS707)。振分判定処理では、現状の遊技状態及び遊技回の開始対象となっている特図表示部37a,37bの種類に関係なく共通の振分テーブルを主側ROM83から読み出す。そして、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象である側に格納された保留情報から、振分判定用の情報すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、上記振分テーブルを参照することにより、その読み出した数値情報がいずれの種類の大当たり結果に対応しているのかを特定する。
振分判定処理を実行した後は、当該振分判定処理にて特定した大当たり結果の種類に対応する主側RAM84のフラグに「1」をセットする(ステップS708)。具体的には、遊技回の開始対象が第1保留情報であって当該第1保留情報が低確大当たり結果に対応している場合には第1低確大当たりフラグに「1」をセットし、遊技回の開始対象が第1保留情報であって当該第1保留情報が高確大当たり結果に対応している場合には第1高確大当たりフラグに「1」をセットし、遊技回の開始対象が第2保留情報であって当該第2保留情報が低確大当たり結果に対応している場合には第2低確大当たりフラグに「1」をセットし、遊技回の開始対象が第2保留情報であって当該第2保留情報が高確大当たり結果に対応している場合には第2高確大当たりフラグに「1」をセットする。なお、以下の説明においては、各種大当たり結果であるか否かの判定処理は、主側RAM84の対応するフラグに「1」がセットされているか否かを判定することにより行われる。また、ステップS708にて「1」がセットされた状態は、開閉実行モードが終了する場合において後述する特電終了処理が終了する場合に「0」クリアされる。
大当たり結果用のフラグセット処理を実行した後は、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS709)。具体的には、今回の遊技回の開始対象である特図表示部37a,37bに最終的に停止表示させる絵柄の停止態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに停止表示される絵柄の停止態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS709では、ステップS708にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の停止態様の情報を主側RAM84に記憶する。なお、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の停止態様が設定されていてもよく、少なくとも一部の大当たり結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。複数種類の絵柄の停止態様が設定されている大当たり結果について停止結果を選択する方法は任意であるが、例えば大当たり種別カウンタC2の値に応じて停止結果が選択される構成としてもよい。
当否判定処理の結果が大当たり結果ではない場合(ステップS706:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS710)。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっており、さらに第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにおいて共通の1種類となっている。
一方、ステップS704にて肯定判定をした場合、すなわち今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側において遊技回が実行されており且つその遊技回の開始契機となった保留情報が大当たり結果に対応している場合、当否判定処理を実行することなく、既に説明した外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS710)。つまり、本パチンコ機10は第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている状況であっても他方にて遊技回が開始され得る構成ではあるものの、既に実行されている遊技回の開始契機となった保留情報がいずれかの大当たり結果に対応している場合には、新たに実行される遊技回はその開始契機となった保留情報が大当たり結果に対応しているか否かに関係なく外れ結果に対応する遊技回となる。これにより、大当たり結果に対応する遊技回が重複して実行されてしまわないようにすることが可能となる。また、大当たり結果に対応する遊技回が既に実行されている場合には新たな遊技回の開始が阻止される構成の場合、遊技回の開始対象となっている保留情報が取得されているにも関わらず新たな遊技回が開始されない時点で現状実行されている遊技回が大当たり結果に対応する遊技回であることが明確となってしまうおそれがあるが、大当たり結果に対応する遊技回が既に実行されている場合であっても新たな遊技回が開始され得る構成とすることでこのような事象が発生しないようにすることが可能となる。
ステップS709又はステップS710の処理を実行した場合、変動表示期間の特定処理を実行する(ステップS711)。図14は変動表示期間の特定処理を示すフローチャートである。変動表示期間の特定処理では、まず第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象となっている保留情報が格納されている側に設けられた設定済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS801)。設定済みフラグとは詳細は後述するが、今回の遊技回の開始対象となっている保留情報に対応する遊技回の変動表示期間が調整用期間に決定されている場合に、それに対応したデータを設定するためのエリアである。設定済みフラグに「1」がセットされている場合(ステップS801:YES)、それに対応する処理(ステップS806)を実行することとなるが、当該処理の内容については後に説明する。
設定済みフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS801:NO)、変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出す(ステップS802)。具体的には、まず今回の開始対象となっている遊技回はリーチ演出の発生に対応しているか否かを判定する。この場合、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応している場合、すなわち第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の開始対象となっている側の低確大当たりフラグ及び高確大当たりフラグのいずれかに「1」がセットされている場合、リーチ演出が発生すると判定する。また、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応していない場合であっても、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象となっている側に格納されているリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ演出が発生すると判定する。リーチ演出が発生すると判定した場合には主側ROM83に記憶されているリーチ発生用変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出し、リーチ演出が発生しないと判定した場合には主側ROM83に記憶されているリーチ非発生用変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出す。
その後、変動種別カウンタCSの現状の数値情報を取得し(ステップS803)、ステップS802にて読み出した変動表示期間テーブルに対して照合することで変動表示期間を決定する(ステップS804)。そして、その決定した変動表示期間の情報を、主側RAM84に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS805)。特図特電タイマカウンタは、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのそれぞれに対応させて設けられている。ステップS805では、制御対象の特図表示部37a,37bに対応する特図特電タイマカウンタに、変動表示期間の情報をセットする。特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新はタイマ割込み処理(図9)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態が最終停止期間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS804にて読み出される変動表示期間の情報は遊技回の継続期間に対して最終停止期間を差し引いた期間となっている。換言すれば、遊技回の継続期間は、変動表示期間と最終停止期間との和の期間となる。なお、これはステップS806にて読み出される変動表示期間についても同様である。
特図変動開始処理(図13)の説明に戻り、変動表示期間の特定処理を実行した後は、今回の開始対象となっている遊技回に対応する変動用コマンド及び種別コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS712)。変動用コマンドには、ステップS711にて特定された変動表示期間の情報が含まれるとともに開始対象となっている遊技回が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうちいずれに対応しているのかを示す情報が含まれる。さらに、変動用コマンドには、リーチ演出を実行するか否かの情報が含まれる。なお、リーチ演出が行われない状況とリーチ演出が行われる状況とで変動表示期間が完全に相違する構成であれば、当該リーチ演出を実行するか否かを直接的に示す情報が変動用コマンドに設定されていなてくもよい。種別コマンドには、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応しているか否かの情報が含まれるとともに、大当たり結果に対応している場合にはいずれの種類の大当たり結果であるかを示す情報が含まれる。
その後、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の開始対象となっている表示部において、絵柄の変動表示を開始させる(ステップS713)。また、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS714)。特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特図変動中処理(ステップS306、ステップS406)に対応する「1」となる。
<音光側MPU93の処理内容>
上記のように読み出された変動表示期間の情報は既に説明したとおり、変動用コマンドにセットされて音光側MPU93に送信される。以下に、音光側MPU93にて遊技回用の演出の実行制御を行うための処理構成について説明する。図15は音光側MPU93にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
まず主側MPU82から受信したコマンドに対応した処理を行うためのテーブル設定処理を実行する(ステップS901)。図16は、テーブル設定処理を示すフローチャートである。主側MPU82から変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合(ステップS1001:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU82にて決定された当否判定及び振分判定の結果を特定し、その特定した情報を音光側RAM95に書き込む。
その後、変動用コマンドに含まれている変動表示期間の情報が調整用期間に対応している情報であるか否かを判定する(ステップS1003)。調整用期間とは詳細は後述するが、新たに取得された保留情報の内容が調整発生対象の内容である場合にその時点で取得されている保留情報に対応する遊技回の継続期間として設定される期間である。調整用期間に対応している場合には(ステップS1003:YES)、それに対応する演出の設定処理(ステップS1007)を実行することとなるが、当該処理の内容については後に説明する。
調整用期間に対応していない場合には(ステップS1003:NO)、非調整時における演出の内容を決定するための処理を実行する。当該決定するための処理として、まず演出抽選処理を実行する(ステップS1004)。演出抽選処理では今回の遊技回が、通常遊技状態において第1特図表示部37aが実行対象となる遊技回である場合、高確率状態において第1特図表示部37aが実行対象となる遊技回である場合、又は高確率状態において第2特図表示部37bが実行対象となる遊技回である場合、図柄表示装置41の装飾領域43における演出の実行内容を抽選により決定する。例えば演出用キャラクタG5の動作パターンを抽選により決定したり、演出用キャラクタG5以外の画像表示パターンを抽選により決定する。この場合、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果であれば高期待度演出の選択確率が低期待度演出の選択確率よりも高くなり、今回の開始対象となっている遊技回が外れ結果であれば低期待度演出の選択確率が高期待度演出の選択確率よりも高くなる。また、演出抽選処理では今回の遊技回が、通常遊技状態において第1特図表示部37aが実行対象となる遊技回である場合、高確率状態において第1特図表示部37aが実行対象となる遊技回である場合、又は高確率状態において第2特図表示部37bが実行対象となる遊技回である場合であって、リーチ演出が発生する遊技回であれば、リーチ演出の種類を抽選により決定する。この場合、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果であれば高期待度リーチ演出の選択確率が低期待度リーチ演出の選択確率よりも高くなり、今回の開始対象となっている遊技回が外れ結果であれば低期待度リーチ演出の選択確率が高期待度リーチ演出の選択確率よりも高くなる。
一方、今回の遊技回が通常遊技状態において第2特図表示部37bが変動表示対象となる遊技回である場合には演出抽選処理を実行することなく固定の演出パターンに決定する。通常遊技状態において第2特図表示部37bが変動表示対象となる場合、既に説明したとおり図柄表示装置41におけるそれに対応する遊技回用の演出は装飾領域43の一部である追加装飾領域44にて行われる。そして、追加装飾領域44における遊技回用の演出では背景画像の手前側にて図柄G8〜G10の変動表示は行われるもののこれら以外の表示演出は実行されない。したがって、上記のとおり通常遊技状態において第2特図表示部37bが変動表示対象となる遊技回である場合には固定の演出パターンに決定される。
演出抽選処理を実行した後は停止図柄決定処理を実行する(ステップS1005)。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が低確大当たり結果であれば、同一の偶数の図柄による組合せが成立する停止結果に対応した情報を今回の停止結果の情報として決定し、今回の遊技回の遊技結果が高確大当たり結果であれば、同一の奇数の図柄による組合せが成立する停止結果に対応した情報を今回の停止結果の情報として決定する。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ演出の有無を特定する。そして、リーチ演出が発生する場合には、同一図柄の組合せが成立しない停止結果であってリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ演出が発生しない場合には、同一図柄の組合せ及びリーチ図柄の組合せの両方が成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
その後、今回の遊技回における演出の実行内容に対応する制御テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS1006)。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から変動表示期間の情報を特定するとともに、当該変動表示期間の情報、上記ステップS1002にて特定した遊技結果の情報、上記ステップS1004における演出抽選処理の結果の情報、及び上記ステップS1005にて決定した停止結果の情報の組合せに対応した制御テーブルを音光側ROM94から読み出して音光側RAM95に書き込む。当該制御テーブルには、今回の遊技回用の演出に対応する表示発光部64の発光制御の内容、及び今回の遊技回用の演出に対応するスピーカ部65の音出力制御の内容が設定されており、当該制御テーブルに従って表示発光部64の発光制御及びスピーカ部65の音出力制御が行われる。
その後、変動パターンコマンドを表示側MPU103に送信する(ステップS1008)。変動パターンコマンドには、開始対象となっている遊技回の変動表示期間の情報と、開始対象となっている遊技回が大当たり結果及び外れ結果のいずれに対応しているのかを示す情報と、開始対象となっている遊技回が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうちいずれに対応しているのかを示す情報と、上記ステップS1004における演出抽選処理の結果の情報と、上記ステップS1005にて決定した停止結果の情報と、が含まれる。表示側MPU103は変動パターンコマンドを受信することにより、図柄表示装置41において遊技回用の演出を実行するための表示制御を開始する。当該表示制御の内容については後に説明する。
テーブル設定処理では、上記各処理以外にも、その他の処理を実行する(ステップS1009)。その他の処理では、上記状況以外において演出の実行制御を行うための処理を実行する。例えば、開閉実行モードである状況において、表示発光部64、スピーカ部65及び図柄表示装置41にて開閉実行モード用の演出を実行制御するためのテーブルの読み出しを行う。また、第1保留情報が新たに取得されたことを示す第1保留コマンドを主側MPU82から受信した場合には第1保留コマンドを表示側MPU103に送信し、第2保留情報が新たに取得されたことを示す第2保留コマンドを主側MPU82から受信した場合には第2保留コマンドを表示側MPU103に送信する。また、第1保留情報が減少したことを示す第1減少時コマンドを主側MPU82から受信した場合には第1減少時コマンドを表示側MPU103に送信し、第2保留情報が減少したことを示す第2減少時コマンドを主側MPU82から受信した場合には第2減少時コマンドを表示側MPU103に送信する。
タイマ割込み処理(図15)の説明に戻り、テーブル設定処理を実行した後は、発光制御処理を実行するとともに(ステップS902)、音出力制御処理を実行する(ステップS903)。発光制御処理では、上記ステップS901のテーブル設定処理にて音光側RAM95に読み出されたテーブルに従って表示発光部64の発光制御を行う。また、音出力制御処理では、上記ステップS901のテーブル設定処理にて音光側RAM95に読み出されたテーブルに従ってスピーカ部65の音出力制御を行う。その後、ポインタ更新処理を実行する(ステップS904)。ポインタ更新処理では、上記ステップS901のテーブル設定処理にて読み出されたテーブルにおいて参照すべきデータを次回の制御処理回に対応するデータに更新するための情報設定を行う。
<表示側MPU103の処理内容>
次に、表示側MPU103にて遊技回用の演出の実行制御を行うための処理構成について説明する。図17は表示側MPU103にて予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動されるV割込み処理を示すフローチャートである。
V割込み処理では、音光側MPU93からコマンドを受信している場合(ステップS1101:YES)、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、音光側MPU93から受信したコマンドに対応する表示演出を図柄表示装置41にて実行するための表示パターンテーブルを表示側ROM104から読み出して表示側RAM105に書き込む。例えば変動パターンコマンドを受信している場合には、その変動パターンコマンドに対応する遊技回用の表示演出を図柄表示装置41にて実行するための表示パターンテーブルを読み出す。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方において遊技回が実行されている状況であっても他方において遊技回が実行され得る構成であり、それに対応するように図柄表示装置41では第1特図表示部37aにおける遊技回及び第2特図表示部37bにおける遊技回のそれぞれに対応する演出が実行される。第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行される場合には、第1特図表示部37aにおける遊技回に対応する遊技回用の演出及び第2特図表示部37bにおける遊技回に対応する遊技回用の演出のそれぞれに対応する表示パターンテーブルが読み出され、それら2個の表示パターンテーブルに対応する態様で図柄表示装置41の表示制御が実行される。この場合、通常遊技状態であれば図4(b)に示すように第2特図表示部37bに対応する遊技回用の演出は追加装飾領域44にて実行されるとともに第1特図表示部37aに対応する遊技回用の演出は装飾領域43において追加装飾領域44以外の領域にて実行される。また、高確率状態であれば図5(a)に示すように第1特図表示部37aに対応する遊技回用の演出は第1個別表示領域45にて実行されるとともに第2特図表示部37bに対応する遊技回用の演出は第2個別表示領域47にて実行され、さらに先にリーチ演出が開始された側の遊技回用の演出は対応する個別表示領域45,47だけではなく装飾領域43においても実行される。
ステップS1101にて否定判定をした場合、又はステップS1102の処理を実行した場合、ポインタ更新処理を実行する(ステップS1103)。ポインタ更新処理では、上記ステップS1102のコマンド対応処理にて読み出した表示パターンテーブルにおいて参照すべきデータを今回の制御処理回に対応するデータに更新するための情報設定を行う。
その後、タスク処理を実行する(ステップS1104)。タスク処理では、現状読み出されている表示パターンテーブルにおいて今回の制御処理回に対応するエリアに設定されているデータを参照することで、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させるために必要なパラメータの演算を行う。その後、描画リスト出力処理を実行する(ステップS1105)。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストを表示制御基板102に設けられた図示しないVDPに送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータの情報が合わせて設定される。VDPは、この描画リストに従って図示しないVRAMのフレーム領域に描画データを作成することにより、図柄表示装置41にて1フレーム分の画像を表示させる。
<特図変動中処理>
次に、第1特図特電制御処理(図10)のステップS306及び第2特図特電制御処理(図11)のステップS406にて実行される特図変動中処理について説明する。
制御対象の特図表示部37a,37bにおける今回の遊技回の変動表示期間が経過していない場合であって、当該特図表示部37a,37bの表示内容の更新タイミングである場合、当該特図表示部37a,37bの表示内容を更新するためのデータ設定を行う。これにより、制御対象の特図表示部37a,37bにおける絵柄の表示内容が次の順番の表示内容に更新される。
特図表示部37a,37bにおける絵柄の変動表示の開始時の態様、及び絵柄の変動表示の更新態様は、当否判定結果及び振分判定結果に関係なく一定の態様で行われるとともに、図柄表示装置41における遊技回用の演出の内容に関係なく一定の態様で行われる。例えば、所定の複数回の更新タイミングが発生することで絵柄の表示内容が1周するとともに表示順序が一定の順序である表示パターンが繰り返し行われ、変動表示期間が経過した場合には当該表示パターンのいずれの順序の表示が行われている状況であっても、その遊技回の開始時に決定された停止結果が表示される。これにより、特図表示部37a,37bを表示制御するための処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
一方、変動表示期間が経過している場合、最終停止コマンドを音光側MPU93に送信する。最終停止コマンドには、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち変動表示期間が経過した側に対応する情報が含まれる。その後、今回終了対象となっている遊技回の開始時に主側RAM84に記憶された特図表示部37a,37bの絵柄の停止態様の情報を読み出す。これにより、制御対象の特図表示部37a,37bにおいて今回の遊技回の遊技結果に対応する絵柄が表示された状態で絵柄の変動表示が停止される。
その後、制御対象の特図表示部37a,37bに対応する特図特電タイマカウンタに、最終停止期間(具体的には0.5sec)の情報をセットする。これにより、最終停止期間の計測が開始される。その後、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1加算する。特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「1」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特図確定中処理(ステップS307、ステップS407)に対応する「2」となる。
<特図確定中処理>
次に、第1特図特電制御処理(図10)のステップS307及び第2特図特電制御処理(図11)のステップS407にて実行される特図確定中処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
最終停止期間が経過している場合であって(ステップS1201:YES)、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果である場合(ステップS1202:YES)、今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側の特図特電カウンタの値が「0」であるか否かを判定することで、今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側の特図表示部37a,37bにて遊技回が実行されている状況であるか否かを判定する(ステップS1203)。今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側の特図特電カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS1203:NO)、そのまま本特図確定中処理を終了することで開閉実行モードを開始させるための処理を実行しない。これにより、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行されている状況であって大当たり結果に対応する遊技回が実行されている側の特図表示部37a,37bにおける遊技回が先に終了した場合、まだ遊技回が終了していない側の特図表示部37a,37bにおける遊技回が終了した後に開閉実行モードが開始されることとなる。よって、大当たり結果に対応する遊技回の終了を契機として、実行中の遊技回が強制的に終了されてしまわないようにすることが可能となるとともに、遊技回が実行中であるにも関わらず開閉実行モードが開始されてしまわないようにすることが可能となる。
ちなみに、既に説明したとおり第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方における遊技回を契機として開閉実行モードが実行されている状況においては他方における遊技回が新たに開始されない構成である。当該構成と上記ステップS1203の構成とを備えていることにより、開閉実行モードが実行されている状況では遊技回が実行されないこととなる。よって、遊技回が実行されている状況では遊技回の結果に遊技者を注目させることが可能となるとともに、開閉実行モードが実行されている状況では開閉実行モードに遊技者を注目させることが可能となる。
今回の特図特電制御処理(図10、図11)に対応しない側の特図特電カウンタの値が「0」である場合(ステップS1203:YES)、主側RAM84に設けられたラウンドカウンタRCに「15」をセットする(ステップS1204)。ラウンドカウンタRCは、ラウンド遊技の残りの実行回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。
その後、大当たり結果に対応したオープニング期間に対応する情報(具体的には10秒)を、今回の開閉実行モードの契機となった特図表示部37a,37bに対応する特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS1205)。その後、オープニングコマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS1206)。これにより、オープニング期間に対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部64及びスピーカ部65において行われる。また、継続期間エリアのクリア処理を実行する(ステップS1207)。当該クリア処理では詳細は後述するが今回の遊技回の開始契機となった保留情報とは別の保留情報に対して遊技回の継続期間として調整用期間が既に設定されている場合にそれを消去するための処理を実行する。
その後、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS1208)。特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特電開始処理(ステップS308、ステップS408)に対応する「3」となる。
特図確定中処理においては、最終停止期間が経過した場合であって(ステップS1201:YES)、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果ではない場合(ステップS1202:NO)、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を「0」クリアし、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1209)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS305、ステップS405)に対応する「0」となる。
<特電開始処理>
次に、第1特図特電制御処理(図10)のステップS308及び第2特図特電制御処理(図11)のステップS408にて実行される特電開始処理について説明する。
特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理(図10、図11)が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、制御対象の特図特電タイマカウンタにラウンド遊技の開放継続期間の情報(具体的には29秒)をセットするとともに、主側RAM84に設けられた入賞カウンタに1回のラウンド遊技における特電入賞装置32への上限入賞個数に対応する情報(具体的には「10」)をセットする。そして、特電用の開放設定処理を実行する。当該開放設定処理では、特電入賞装置32が開放状態になるようにするためのデータ設定を行う。その後、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1加算する。特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特電開放中処理(ステップS309、ステップS409)に対応する「4」となる。
<特電開放中処理>
次に、第1特図特電制御処理(図10)のステップS309及び第2特図特電制御処理(図11)のステップS409にて実行される特電開放中処理について説明する。
特電開放中処理では、特電入賞装置32の開放継続期間が経過している場合又は特電入賞装置32に上限入賞個数の遊技球の入賞が発生している場合、閉鎖設定処理を実行する。当該閉鎖設定処理では、特電入賞装置32が閉鎖状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が閉鎖状態となる。その後、主側RAM84のラウンドカウンタRCの値を1減算し、その1減算後におけるラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」ではない場合、閉鎖継続期間に対応する情報(具体的には2秒)を今回の開閉実行モードの契機となった特図表示部37a,37bに対応する特図特電タイマカウンタにセットする。その後、制御対象の処理を特電閉鎖中処理(ステップS310、ステップS410)に切り換えるべく、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1加算する。特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特電閉鎖中処理(ステップS310、ステップS410)に対応する「5」となる。
一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合、エンディング期間に対応する情報(具体的には10秒)を今回の開閉実行モードの契機となった特図表示部37a,37bに対応する特図特電タイマカウンタにセットする。また、エンディングコマンドを音光側MPU93に送信する。これにより、エンディング期間に対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部64及びスピーカ部65において行われる。その後、制御対象の処理を特電終了処理(ステップS311、ステップS411)に切り換えるべく、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を2加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を2加算する。特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、2加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特電終了処理(ステップS311、ステップS411)に対応する「6」となる。
<特電閉鎖中処理>
次に、第1特図特電制御処理(図10)のステップS310及び第2特図特電制御処理(図11)のステップS410にて実行される特電閉鎖中処理について説明する。
閉鎖継続期間が経過している場合、制御対象の特図特電タイマカウンタにラウンド遊技の開放継続期間の情報(具体的には29秒)をセットするとともに、主側RAM84の入賞カウンタに1回のラウンド遊技における特電入賞装置32への上限入賞個数に対応する情報(具体的には「10」)をセットする。そして、特電用の開放設定処理を実行する。当該開放設定処理では、特電入賞装置32が開放状態になるようにするためのデータ設定を行う。その後、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1減算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1減算する。特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1減算されることでその減算対象となった特図特電カウンタの値は特電開放中処理(ステップS309、ステップS409)に対応する「4」となる。
<特電終了処理>
次に、第1特図特電制御処理(図10)のステップS311及び第2特図特電制御処理(図11)のステップS411にて実行される特電終了処理について説明する。
エンディング期間が経過している場合、遊技状態の設定処理を実行する。遊技状態の設定処理では、主側RAM84の第1高確大当たりフラグ又は第2高確大当たりフラグに「1」がセットされている場合には、今回の開閉実行モードの開始契機となった大当たり結果が高確大当たり結果であることを意味するため、主側RAM84に設けられた高確率フラグ及びサポートフラグに「1」をセットする。高確率フラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを主側MPU82にて特定するためのフラグであり、サポートフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを主側MPU82にて特定するためのフラグである。高確率フラグ及びサポートフラグに「1」がセットされることにより遊技状態が高確率状態となる。また、遊技状態の設定処理では、主側RAM84の第1低確大当たりフラグ又は第2低確大当たりフラグに「1」がセットされている場合には、今回の開閉実行モードの開始契機となった大当たり結果が低確大当たり結果であることを意味するため、主側RAM84の高確率フラグ及びサポートフラグの両方を「0」クリアする。高確率フラグ及びサポートフラグの値が「0」となることにより遊技状態が通常遊技状態となる。
その後、今回の処理が第1特図特電制御処理(図10)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を「0」クリアし、今回の処理が第2特図特電制御処理(図11)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS305、ステップS405)に対応する「0」となる。
<保留情報の先読みを利用した遊技回の継続期間の調整について>
次に、保留情報の先読みを利用して遊技回の継続期間を調整するための構成について説明する。
既に説明したとおり、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている状況であっても他方にて遊技回が開始され得る構成であるとともに、大当たり結果に対応した遊技回が既に実行されている状況で新たに遊技回が開始される場合にはその新たに開始される遊技回の開始契機となった保留情報は外れ結果に対応する保留情報として扱われる。この場合、大当たり結果に対応した遊技回が既に実行されている状況で、大当たり結果に対応する保留情報が新たな遊技回の開始契機となった場合、大当たり結果に対応しているはずの保留情報が外れ結果に対応しているものとして扱われることとなり、実質的にその新たに開始される遊技回の大当たり結果の発生が無効化されることとなる。
当該構成において本パチンコ機10では、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方における遊技回の実行が発生し易い高確率状態において保留情報を新たに取得した場合、その取得したタイミングにおいて当該保留情報が大当たり結果に対応しているか否かを先読みし、大当たり結果に対応していることを特定した場合には当該保留情報よりも先に取得されている保留情報が開始契機となった場合における遊技回の継続期間、及び当該大当たり結果に対応する保留情報が開始契機となった場合における遊技回の継続期間を、予め定められた調整用期間に設定する。これにより、大当たり結果に対応した遊技回が実行されている状況において、本来なら大当たり結果に対応しているはずの保留情報を開始契機とした遊技回が開始されるようにすることで、当該保留情報に対応する大当たり結果を無効化させることが可能となる。また、大当たり結果に対応した遊技回が実行されている状況においては大当たり結果に対応している保留情報を開始契機とした遊技回が開始されないようにすることで、当該保留情報に対応する大当たり結果が無効化されないようにすることが可能となる。
上記先読みに基づく遊技回の継続期間の調整は、新たに取得された保留情報が第1保留情報であれば第1保留情報に対してのみ実行され、第2保留情報に対しては実行されない。また、上記先読みに基づく遊技回の継続期間の調整は、新たに取得された保留情報が第2保留情報であれば第2保留情報に対してのみ実行され、第1保留情報に対しては実行されない。これにより、第1保留情報の取得を契機とした遊技回の継続期間の調整を第1保留情報に対応する遊技回に留めるとともに第2保留情報の取得を契機とした遊技回の継続期間の調整を第2保留情報に対応する遊技回に留めることが可能となり、遊技回の継続期間を調整するための処理負荷が極端に増加してしまわないようにすることが可能となる。
また、遊技回の継続期間の調整の仕方は、新たに取得された保留情報が第1保留情報及び第2保留情報のいずれであるのかということと、新たに取得された保留情報に対応する大当たり結果の種類と、保留情報が新たに取得されたタイミングにおけるその保留情報と同一系統(第1保留情報又は第2保留情報のいずれか)の保留情報の記憶個数との組合せに、一義的に対応させて設定されている。つまり、保留情報が新たに取得されたタイミングにおける遊技回の実行状況や、保留情報が新たに取得されたタイミングにおけるその保留情報とは異なる系統の保留情報の記憶個数は考慮されることなく、遊技回の継続期間の調整の仕方が決定される。これにより、遊技回の継続期間を調整するための処理負荷が極端に増加してしまわないようにすることが可能となる。
以下、遊技回の継続期間の調整の仕方について具体的に説明する。まず低確大当たり結果に対応する第1保留情報及び高確大当たり結果に対応する第2保留情報のうち一方が取得されている状況で他方が取得される場合における遊技回の継続期間の調整の仕方について説明する。図19(a)〜図19(g)は低確大当たり結果に対応する第1保留情報及び高確大当たり結果に対応する第2保留情報のうち一方が取得されている状況で他方が取得される場合における遊技回の継続期間の調整の仕方を説明するための説明図である。なお、遊技回の継続期間の調整は高確率状態において実行され通常遊技状態においては実行されないため、遊技状態が高確率状態であることを前提として以下の説明を行う。
図19(a)〜図19(c)に示すように第1保留情報が1個以上取得されている状況で低確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている第1保留情報に対応する遊技回の継続期間の合計が第1調整合計期間である120秒となるように調整される。つまり、図19(a)に示すように第1保留情報が3個取得されている状況において低確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている3個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第1調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「3」で除算した40秒に設定される。また、図19(b)に示すように第1保留情報が2個取得されている状況において低確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている2個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第1調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「2」で除算した60秒に設定される。また、図19(c)に示すように第1保留情報が1個取得されている状況において低確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている1個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間は、第1調整合計期間を取得済みの保留情報の個数である「1」で除算した120秒に設定される。また、図19(a)〜図19(d)に示すように低確大当たり結果に対応する第1保留情報の遊技回の継続期間は第1契機調整期間である1秒に設定される。
一方、図19(a)〜図19(f)に示すように第2保留情報が1個以上取得されている状況で高確大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている第2保留情報に対応する遊技回の継続期間はいずれも最短調整期間である1秒に設定される。また、図19(a)〜図19(g)に示すように高確大当たり結果に対応する第2保留情報の遊技回の継続期間は第2契機調整期間である250秒に設定される。
上記のように遊技回の継続期間が調整されることにより、第1保留情報として大当たり結果に対応しない保留情報が取得されている状況で低確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されるとともに高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された状況となった場合、高確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況で低確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始され易くなる。具体的には、遊技回の継続期間の調整が行われない場合、選択され得る遊技回の継続期間は1秒〜100秒となる。そうすると、第1特図表示部37aにおいて低確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間の最小時間は120秒であり最大時間は220秒となる。これに対して、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間の最小時間は0秒であり最大時間は103秒となるとともに、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回の継続期間は250秒となる。
この場合、第1特図表示部37aにおいて低確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最小時間である120秒であり、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最大時間である103秒であったとしても、それら最小時間と最大時間との差が第2契機調整期間である250秒よりも短い17秒であるため、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で第1特図表示部37aにおける低確大当たり結果に対応する第1保留情報の遊技回が開始されることとなり、その低確大当たり結果は無効化されることとなる。また、第1特図表示部37aにおいて低確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最大時間である220秒であり、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最小時間である0秒であったとしても、それら最大時間と最小時間との差が第2契機調整期間である250秒よりも短い220秒であるため、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で第1特図表示部37aにおける低確大当たり結果に対応する第1保留情報の遊技回が開始されることとなり、その低確大当たり結果は無効化されることとなる。
但し、図19(d)に示すように、第1保留情報が取得されていない状況で低確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得された場合、当該低確大当たり結果に対応する第1保留情報が遊技回の開始契機となる前に第1特図表示部37aにおいて第1調整合計期間に亘って遊技回を実行させることができない。この場合、低確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回の方が、高確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回よりも先に開始されてしまう可能性が高い。当該構成において低確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回の継続期間は1秒に設定されているため、低確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が実行されている途中で、高確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が開始されてしまう可能性が低減され、当該高確大当たり結果が無効化されてしまう可能性を低減することが可能となる。
図20(a)〜図20(f)のタイムチャートを参照しながら、低確大当たり結果が無効化される様子について説明する。図20(a)は第1特図表示部37aにおける遊技回の継続期間を示し、図20(b)は低確大当たり結果に対応する第1保留情報の取得タイミングを示し、図20(c)は保留記憶されている第1保留情報の個数を示し、図20(d)は第2特図表示部37bにおける遊技回の継続期間を示し、図20(e)は高確大当たり結果に対応する第2保留情報の取得タイミングを示し、図20(f)は保留記憶されている第2保留情報の個数を示す。
まず大当たり結果に対応しない第1保留情報が1個記憶されている状況で低確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されるとともに、大当たり結果に対応しない第2保留情報が3個記憶されている状況で高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得される場合について説明する。
図20(a)及び図20(d)に示すように第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行されている状況であるt1のタイミングで、図20(b)に示すように低確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得され、図20(c)に示すように第1保留情報の保留個数が1個から2個に増加する。この場合、既に記憶されている第1保留情報に対応する遊技回の継続期間が第1調整合計期間である120秒に設定されるとともに、今回取得された第1保留情報に対応する遊技回の継続期間が第1契機調整期間である1秒に設定される。
その後、第1特図表示部37aにおける遊技回が終了することで、t2のタイミングで図20(a)に示すように第1特図表示部37aにおける遊技回が開始される。この場合、当該遊技回の開始契機となる第1保留情報に対しては既に遊技回の継続期間として第1調整合計期間が設定されている。したがって、t2のタイミングで開始された遊技回は第1調整合計期間に亘って継続することとなる。
その後、t3のタイミングで、図20(e)に示すように高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得され、図20(f)に示すように第2保留情報の保留個数が3個から4個に増加する。この場合、既に記憶されている各第2保留情報に対応する遊技回の継続期間が最短調整期間である1秒に設定されるとともに、今回取得された第2保留情報に対応する遊技回の継続期間が第2契機調整期間である250秒に設定される。
その後、継続期間が第1調整合計期間に設定された第1特図表示部37aにおける遊技回が継続している状況であるt4のタイミング、t5のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれで、図20(d)及び図20(f)に示すように継続期間が最短調整期間である遊技回がそれぞれ開始される。また、継続期間が第1調整合計期間に設定された第1特図表示部37aにおける遊技回が未だ継続している状況であるt7のタイミングで、図20(d)及び図20(f)に示すように高確大当たり結果に対応する第2保留情報が契機となった遊技回が開始される。この遊技回は第2契機調整期間である250秒に亘って継続する。
その後、高確大当たり結果に対応する第2保留情報が契機となった遊技回が継続している状況であるt8のタイミングで、図20(a)及び図20(c)に示すように低確大当たり結果に対応する第1保留情報が契機となった遊技回が開始される。この場合、当該第1保留情報は当否判定処理が実行されることなく外れ結果として扱われるため、低確大当たり結果は無効化されることとなる。
次に、大当たり結果に対応しない第1保留情報が3個記憶されている状況で低確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されるとともに、第2特図表示部37bにおける遊技回が実行されていない状況で高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得される場合について説明する。
図20(a)に示すように第1特図表示部37aにて遊技回が実行されている状況であるt9のタイミングで、図20(e)に示すように高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得される。この場合、第2保留情報は別に記憶されていないとともに第2特図表示部37bにて遊技回が実行されていない状況であるため、当該t9のタイミングで図20(d)に示すようにその取得された高確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が開始される。当該遊技回の継続期間は第2契機調整期間である250秒に設定される。
その後、図20(a)及び図20(d)に示すように第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行されている状況であるt10のタイミングで、図20(b)に示すように低確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得され、図20(c)に示すように第1保留情報の保留個数が3個から4個に増加する。この場合、既に記憶されている各第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれが第1調整合計期間を「3」で除算した結果である40秒に設定されるとともに、今回取得された第1保留情報に対応する遊技回の継続期間が第1契機調整期間である1秒に設定される。
その後、継続期間が第2契機調整期間に設定された第2特図表示部37bにおける遊技回が継続している状況であるt11のタイミング、t12のタイミング及びt13のタイミングのそれぞれで、図20(a)及び図20(c)に示すように継続期間が40秒である遊技回がそれぞれ開始される。また、継続期間が第2契機調整期間に設定された第2特図表示部37bにおける遊技回が未だ継続している状況であるt14のタイミングで、図20(a)及び図20(c)に示すように低確大当たり結果に対応する第1保留情報が契機となった遊技回が開始される。この場合、当該第1保留情報は当否判定処理が実行されることなく外れ結果として扱われるため、低確大当たり結果は無効化されることとなる。また、当該遊技回は第1契機調整期間である1秒に亘って継続する。
その後、図20(a)に示すように第1特図表示部37aにおける第1契機調整期間の遊技回が終了した後のタイミングであるt15のタイミングで、図20(d)に示すように第2特図表示部37bにおける高確大当たり結果に対応する遊技回が終了する。この場合、当該高確大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始されることとなる。
次に、高確大当たり結果に対応する第1保留情報及び低確大当たり結果に対応する第2保留情報のうち一方が取得されている状況で他方が取得される場合における遊技回の継続期間の調整の仕方について説明する。図21(a)〜図21(g)は高確大当たり結果に対応する第1保留情報及び低確大当たり結果に対応する第2保留情報のうち一方が取得されている状況で他方が取得される場合における遊技回の継続期間の調整の仕方を説明するための説明図である。なお、遊技回の継続期間の調整は高確率状態において実行され通常遊技状態においては実行されないため、遊技状態が高確率状態であることを前提として以下の説明を行う。
図21(a)及び図21(e)〜図21(f)に示すように第2保留情報が1個以上取得されている状況で低確大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている第2保留情報に対応する遊技回の継続期間の合計が第2調整合計期間である480秒となるように調整される。つまり、図21(a)に示すように第2保留情報が3個取得されている状況において低確大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている3個の第2保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第2調整合計期間を取得済みの第2保留情報の個数である「3」で除算した160秒に設定される。また、図21(e)に示すように第2保留情報が2個取得されている状況において低確大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている2個の第2保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第2調整合計期間を取得済みの第2保留情報の個数である「2」で除算した240秒に設定される。また、図21(f)に示すように第2保留情報が1個取得されている状況において低確大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている1個の第2保留情報に対応する遊技回の継続期間は、第2調整合計期間を取得済みの第2保留情報の個数である「1」で除算した480秒に設定される。また、図21(a)〜図21(g)に示すように低確大当たり結果に対応する第2保留情報の遊技回の継続期間は第1契機調整期間である1秒に設定される。
一方、図21(a)〜図21(c)に示すように第1保留情報が1個以上取得されている状況で高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている第1保留情報に対応する遊技回の継続期間の合計が第3調整合計期間である360秒となるように調整される。つまり、図21(a)に示すように第1保留情報が3個取得されている状況において高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている3個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第3調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「3」で除算した120秒に設定される。また、図21(b)に示すように第1保留情報が2個取得されている状況において高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている2個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第3調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「2」で除算した180秒に設定される。また、図21(c)に示すように第1保留情報が1個取得されている状況において高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている1個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間は、第3調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「1」で除算した360秒に設定される。また、図21(a)〜図21(g)に示すように高確大当たり結果に対応する第1保留情報の遊技回の継続期間は第3契機調整期間である600秒に設定される。
上記のように遊技回の継続期間が調整されることにより、第2保留情報として大当たり結果に対応しない保留情報が取得されている状況で低確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得されるとともに高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得された状況となった場合、高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況で低確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が開始され易くなる。具体的には、遊技回の継続期間の調整が行われない場合、選択され得る遊技回の継続期間は1秒〜100秒となる。そうすると、第2特図表示部37bにおいて低確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間の最小時間は480秒であり最大時間は580秒となる。これに対して、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間の最小時間は0秒であり最大時間は460秒となるとともに、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回の継続期間は600秒となる。
この場合、第2特図表示部37bにおいて低確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最小時間である480秒であり、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最大時間である460秒であったとしても、それら最小時間と最大時間との差が第3契機調整期間である600秒よりも短い20秒であるため、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で第2特図表示部37bにおける低確大当たり結果に対応する第2保留情報の遊技回が開始されることとなり、その低確大当たり結果は無効化されることとなる。また、第2特図表示部37bにおいて低確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最大時間である580秒であり、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最小時間である0秒であったとしても、それら最大時間と最小時間との差が第3契機調整期間である600秒よりも短い580秒であるため、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で第2特図表示部37bにおける低確大当たり結果に対応する第2保留情報の遊技回が開始されることとなり、その低確大当たり結果は無効化されることとなる。
但し、図21(g)に示すように、第2保留情報が取得されていない状況で低確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された場合、当該低確大当たり結果に対応する第2保留情報が遊技回の開始契機となる前に第2特図表示部37bにおいて第2調整合計期間に亘って遊技回を実行させることができない。この場合、低確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回の方が、高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回よりも先に開始されてしまう可能性が高い。当該構成において低確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回の継続期間は1秒に設定されているため、低確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が実行されている途中で、高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始されてしまう可能性が低減され、当該高確大当たり結果が無効化されてしまう可能性を低減することが可能となる。
図22(a)〜図22(f)のタイムチャートを参照しながら、低確大当たり結果が無効化される様子について説明する。図22(a)は第1特図表示部37aにおける遊技回の継続期間を示し、図22(b)は高確大当たり結果に対応する第1保留情報の取得タイミングを示し、図22(c)は保留記憶されている第1保留情報の個数を示し、図22(d)は第2特図表示部37bにおける遊技回の継続期間を示し、図22(e)は低確大当たり結果に対応する第2保留情報の取得タイミングを示し、図22(f)は保留記憶されている第2保留情報の個数を示す。
まず大当たり結果に対応しない第2保留情報が1個記憶されている状況で低確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得されるとともに、大当たり結果に対応しない第1保留情報が3個記憶されている状況で高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得される場合について説明する。
図22(a)及び図22(d)に示すように第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行されている状況であるt1のタイミングで、図22(e)に示すように低確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得され、図22(f)に示すように第2保留情報の保留個数が1個から2個に増加する。この場合、既に記憶されている第2保留情報に対応する遊技回の継続期間が第2調整合計期間である480秒に設定されるとともに、今回取得された第2保留情報に対応する遊技回の継続期間が第1契機調整期間である1秒に設定される。
その後、第2特図表示部37bにおける遊技回が終了することで、t2のタイミングで図22(d)に示すように第2特図表示部37bにおける遊技回が開始される。この場合、当該遊技回の開始契機となる第2保留情報に対しては既に遊技回の継続期間として第2調整合計期間が設定されている。したがって、t2のタイミングで開始された遊技回は第2調整合計期間に亘って継続することとなる。
その後、t3のタイミングで、図22(b)に示すように高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得され、図22(c)に示すように第1保留情報の保留個数が3個から4個に増加する。この場合、既に記憶されている各第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれが第3調整合計期間を「3」で除算した結果である120秒に設定されるとともに、今回取得された第1保留情報に対応する遊技回の継続期間が第3契機調整期間である600秒に設定される。
その後、継続期間が第2調整合計期間に設定された第2特図表示部37bにおける遊技回が継続している状況であるt4のタイミング、t5のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれで、図22(a)及び図22(c)に示すように継続期間が120秒である遊技回がそれぞれ開始される。また、継続期間が第2調整合計期間に設定された第2特図表示部37bにおける遊技回が未だ継続している状況であるt7のタイミングで、図22(a)及び図22(c)に示すように高確大当たり結果に対応する第1保留情報が契機となった遊技回が開始される。この遊技回は第3契機調整期間である600秒に亘って継続する。
その後、高確大当たり結果に対応する第1保留情報が契機となった遊技回が継続している状況であるt8のタイミングで、図22(c)及び図22(f)に示すように低確大当たり結果に対応する第2保留情報が契機となった遊技回が開始される。この場合、当該第1保留情報は当否判定処理が実行されることなく外れ結果として扱われるため、低確大当たり結果は無効化されることとなる。
次に、大当たり結果に対応しない第2保留情報が3個記憶されている状況で低確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得されるとともに、第1特図表示部37aにおける遊技回が実行されていない状況で高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得される場合について説明する。
図22(d)に示すように第2特図表示部37bにて遊技回が実行されている状況であるt9のタイミングで、図22(b)に示すように高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得される。この場合、第1保留情報は別に記憶されていないとともに第1特図表示部37aにて遊技回が実行されていない状況であるため、当該t9のタイミングで図22(a)に示すようにその取得された高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始される。当該遊技回の継続期間は第3契機調整期間である600秒に設定される。
その後、図22(a)及び図22(d)に示すように第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行されている状況であるt10のタイミングで、図22(e)に示すように低確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得され、図22(f)に示すように第2保留情報の保留個数が3個から4個に増加する。この場合、既に記憶されている各第2保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれが第2調整合計期間を「3」で除算した結果である160秒に設定されるとともに、今回取得された第2保留情報に対応する遊技回の継続期間が第1契機調整期間である1秒に設定される。
その後、継続期間が第3契機調整期間に設定された第1特図表示部37aにおける遊技回が継続している状況であるt11のタイミング、t12のタイミング及びt13のタイミングのそれぞれで、図22(d)及び図22(f)に示すように継続期間が160秒である遊技回がそれぞれ開始される。また、継続期間が第3契機調整期間に設定された第1特図表示部37aにおける遊技回が未だ継続している状況であるt14のタイミングで、図22(d)及び図22(f)に示すように低確大当たり結果に対応する第2保留情報が契機となった遊技回が開始される。この場合、当該第2保留情報は当否判定処理が実行されることなく外れ結果として扱われるため、低確大当たり結果は無効化されることとなる。また、当該遊技回は第1契機調整期間である1秒に亘って継続する。
その後、図22(d)に示すように第2特図表示部37bにおける第1契機調整期間の遊技回が終了した後のタイミングであるt15のタイミングで、図22(a)に示すように第1特図表示部37aにおける高確大当たり結果に対応する遊技回が終了する。この場合、当該高確大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始されることとなる。
次に、高確大当たり結果に対応する第1保留情報及び高確大当たり結果に対応する第2保留情報のうち一方が取得されている状況で他方が取得される場合における遊技回の継続期間の調整の仕方について説明する。図23(a)〜図23(g)は高確大当たり結果に対応する第1保留情報及び高確大当たり結果に対応する第2保留情報のうち一方が取得されている状況で他方が取得される場合における遊技回の継続期間の調整の仕方を説明するための説明図である。なお、遊技回の継続期間の調整は高確率状態において実行され通常遊技状態においては実行されないため、遊技状態が高確率状態であることを前提として以下の説明を行う。
既に説明したとおり第1保留情報が1個以上取得されている状況で高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている第1保留情報に対応する遊技回の継続期間の合計が第3調整合計期間である360秒となるように調整される。つまり、図23(a)に示すように第1保留情報が3個取得されている状況において高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている3個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第3調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「3」で除算した120秒に設定される。また、図23(b)に示すように第1保留情報が2個取得されている状況において高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている2個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれは、第3調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「2」で除算した180秒に設定される。また、図23(c)に示すように第1保留情報が1個取得されている状況において高確大当たり結果に対応する第1保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている1個の第1保留情報に対応する遊技回の継続期間は、第3調整合計期間を取得済みの第1保留情報の個数である「1」で除算した360秒に設定される。また、図23(a)〜図23(g)に示すように高確大当たり結果に対応する第1保留情報の遊技回の継続期間は第3契機調整期間である600秒に設定される。
また、既に説明したとおり第2保留情報が1個以上取得されている状況で高確大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている第2保留情報に対応する遊技回の継続期間はいずれも最短調整期間である1秒に設定される。また、図23(a)〜図23(g)に示すように高確大当たり結果に対応する第2保留情報の遊技回の継続期間は第2契機調整期間である250秒に設定される。
上記のように遊技回の継続期間が調整されることにより、第1保留情報として大当たり結果に対応しない保留情報が取得されている状況で高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されるとともに高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された状況となった場合、高確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が終了した後に高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始され易くなる。具体的には、遊技回の継続期間の調整が行われない場合、選択され得る遊技回の継続期間は1秒〜100秒となる。そうすると、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間の最小時間は360秒であり最大時間は460秒となる。これに対して、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間の最小時間は0秒であり最大時間は103秒となるとともに、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回の継続期間は250秒となる。この場合、第1特図表示部37aにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最小時間である360秒であり、第2特図表示部37bにおいて高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに要する時間が最大時間である103秒であったとしても、それら最小時間と最大時間との差が第1契機調整期間である250秒よりも長い257秒である。したがって、第2特図表示部37bにおける高確大当たり結果に対応する遊技回が終了した後に第1特図表示部37aにおける高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されることとなり、両方の高確大当たり結果が無効化されない。
なお、図23(d)に示すように、第1保留情報が取得されていない状況で高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得された場合、当該高確大当たり結果に対応する第1保留情報が遊技回の開始契機となる前に第1特図表示部37aにおいて第3調整合計期間に亘って遊技回を実行させることができない。この状況において高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された場合、高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回及び高確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回のうち一方が実行されている状況において他方が実行されることとなり、後に開始された側の高確大当たり結果が無効化されてしまうこととなる。
図24(a)〜図24(f)のタイムチャートを参照しながら、高確大当たり結果が無効化されない様子について説明する。図24(a)は第1特図表示部37aにおける遊技回の継続期間を示し、図24(b)は高確大当たり結果に対応する第1保留情報の取得タイミングを示し、図24(c)は保留記憶されている第1保留情報の個数を示し、図24(d)は第2特図表示部37bにおける遊技回の継続期間を示し、図24(e)は低確大当たり結果に対応する第2保留情報の取得タイミングを示し、図24(f)は保留記憶されている第2保留情報の個数を示す。
図24(a)及び図24(d)に示すように第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行されている状況であるt1のタイミングで、図24(b)に示すように高確大当たり結果に対応する第1保留情報が取得され、図24(c)に示すように第1保留情報の保留個数が1個から2個に増加する。この場合、既に記憶されている第1保留情報に対応する遊技回の継続期間が第3調整合計期間である360秒に設定されるとともに、今回取得された第1保留情報に対応する遊技回の継続期間が第3契機調整期間である600秒に設定される。
その後、第1特図表示部37aにおける遊技回が終了することで、t2のタイミングで図24(a)に示すように第1特図表示部37aにおける遊技回が開始される。この場合、当該遊技回の開始契機となる第1保留情報に対しては既に遊技回の継続期間として第3調整合計期間が設定されている。したがって、t2のタイミングで開始された遊技回は第3調整合計期間に亘って継続することとなる。
その後、t3のタイミングで、図24(e)に示すように高確大当たり結果に対応する第2保留情報が取得され、図24(f)に示すように第2保留情報の保留個数が3個から4個に増加する。この場合、既に記憶されている各第2保留情報に対応する遊技回の継続期間のそれぞれが最短調整期間である1秒に設定されるとともに、今回取得された第2保留情報に対応する遊技回の継続期間が第2契機調整期間である250秒に設定される。
その後、継続期間が第3調整合計期間に設定された第1特図表示部37aにおける遊技回が継続している状況であるt4のタイミング、t5のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれで、図24(d)及び図24(f)に示すように継続期間が最短調整期間である遊技回がそれぞれ開始される。また、継続期間が第3調整合計期間に設定された第1特図表示部37aにおける遊技回が未だ継続している状況であるt7のタイミングで、図24(d)及び図24(f)に示すように高確大当たり結果に対応する第2保留情報が契機となった遊技回が開始される。この遊技回は第2契機調整期間である250秒に亘って継続する。
その後、t8のタイミングで、図24(d)に示すように第2特図表示部37bにおける高確大当たり結果に対応する遊技回が終了する。但し、t8のタイミングでは、継続期間が第3調整合計期間に設定された第1特図表示部37aにおける遊技回が未だ継続しているため開閉実行モードは開始されることなく待機され、t9のタイミングで図24(a)に示すように実行中の第1特図表示部37aの遊技回が終了することで、その開始が待機されていた開閉実行モードが開始されることとなる。
その後、t9のタイミングで開始された開閉実行モードが終了した後のタイミングであるt10のタイミングで、図24(a)及び図24(c)に示すように高確大当たり結果に対応する第1保留情報が契機となった遊技回が開始される。
次に、以上のような遊技回の継続期間の調整を可能とする処理構成について説明する。図25は主側MPU82にて実行される取得時の設定処理を示すフローチャートである。なお、取得時の設定処理は、第1保留情報の取得処理(図12(a))におけるステップS505にて実行されるとともに第2保留情報の取得処理(図12(b))におけるステップS605にて実行される。
今回の取得時の設定処理が第1保留情報の取得を契機として実行されている場合(ステップS1301:YES)、その取得した第1保留情報が大当たり結果に対応する保留情報であるか否かを判定する(ステップS1302)。具体的には、今回取得した第1保留情報のうち当たり乱数カウンタから取得した数値情報を読み出し、その数値情報が高確率状態において参照される当否テーブルである高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。つまり、現状の遊技状態が通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても高確当否テーブルを参照する。既に説明したとおり低確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類は全て、高確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類に含まれている。この場合に、ステップS1302にて高確当否テーブルを参照して大当たり結果に対応しているか否かを判定することで、今回取得された保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれかにて大当たり結果に対応しているか否かを判定していることとなる。
取得した第1保留情報が大当たり結果に対応する保留情報である場合(ステップS1302:YES)、第1特図保留エリア125の第1エリア125a〜第4エリア125dのうち今回取得した第1保留情報が格納されるエリアに設けられた第1大当たり保留フラグに「1」をセットする(ステップS1303)。ここで、図26(a)〜図26(d)の説明図を参照しながら、第1特図保留エリア125、第2特図保留エリア126及び特図用の実行エリア127の構成について説明する。図26(a)は第1特図保留エリア125の構成を説明するための説明図であり、図26(b)は第1特図用の実行エリア127aの構成を説明するための説明図であり、図26(c)は第2特図保留エリア126の構成を説明するための説明図であり、図26(d)は第2特図用の実行エリア127bの構成を説明するための説明図である。
図26(a)〜図26(d)に示すように第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125d、第1特図用の実行エリア127a、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126d、第2特図用の実行エリア127bのそれぞれには、当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が格納される当たり乱数エリアと、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が格納される大当たり種別エリアと、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報が格納されるリーチ乱数エリアと、遊技回の継続期間として設定された調整用期間の数値情報が格納される継続期間エリアと、遊技回の継続期間として調整用期間が設定されていることを示す情報が格納される設定済みフラグと、が設定されている。当たり乱数エリア及び継続期間エリアはそれぞれ2バイトのデータ量であり、大当たり種別エリア及びリーチ乱数エリアはそれぞれ1バイトのデータ量であり、設定済みフラグは1ビットのデータ量である。また、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのそれぞれには高確率状態において大当たり結果となる保留情報に対応していることを示す情報が格納される第1大当たり保留フラグが設定されているとともに、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのそれぞれには高確率状態において大当たり結果となる保留情報に対応していることを示す情報が格納される第2大当たり保留フラグが設定されている。これら第1大当たり保留フラグ及び第2大当たり保留フラグは1ビットのデータ量である。
第1保留情報が新たに取得された場合には、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうちその第1保留情報の取得順序に対応するエリアにおける当たり乱数エリア、大当たり種別エリア及びリーチ乱数エリアに対してそれぞれに対応するカウンタC1〜C3の数値情報が格納される。また、その第1保留情報が高確率状態において大当たり結果となる保留情報に対応している場合には、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうちその第1保留情報の取得順序に対応するエリアにおける第1大当たり保留フラグに「1」がセットされ、高確率状態において大当たり結果となる保留情報に対応していない場合には当該第1大当たり保留フラグは「0」に維持される。また、高確率状態においていずれかの大当たり結果に対応する第1保留情報が取得された場合には、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうち、当該第1保留情報の取得順序に対応するエリア125a〜125dの継続期間エリア及び当該第1保留情報よりも先に取得されていた第1保留情報に対応するエリア125a〜125dの継続期間エリアに調整用期間の情報が格納されるとともに、それらエリア125a〜125dの設定済みフラグに「1」がセットされる。そして、第1保留情報が遊技回の開始対象となり第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報のシフトが行われる場合には、第1エリア125aの当たり乱数エリア、大当たり種別エリア、リーチ乱数エリア、継続期間エリア及び設定済みフラグに格納されている各情報が第1特図用の実行エリア127aにおける対応する各エリアにシフトされる。また、第2エリア125b〜第4エリア125dについては第n+1エリアの当たり乱数エリア、大当たり種別エリア、リーチ乱数エリア、継続期間エリア、設定済みフラグ及び第1大当たり保留フラグに格納されている各情報が第nエリアにおける対応する各エリアにシフトされるとともに、それらシフトの完了後に第4エリア125dの全エリアが「0」クリアされる。
第2保留情報が新たに取得された場合には、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうちその第2保留情報の取得順序に対応するエリアにおける当たり乱数エリア、大当たり種別エリア及びリーチ乱数エリアに対してそれぞれに対応するカウンタC1〜C3の数値情報が格納される。また、その第2保留情報が高確率状態において大当たり結果となる保留情報に対応している場合には、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうちその第2保留情報の取得順序に対応するエリアにおける第2大当たり保留フラグに「1」がセットされ、高確率状態において大当たり結果となる保留情報に対応していない場合には当該第2大当たり保留フラグは「0」に維持される。また、高確率状態においていずれかの大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された場合には、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち、当該第2保留情報の取得順序に対応するエリア126a〜126dの継続期間エリア及び当該第2保留情報よりも先に取得されていた第2保留情報に対応するエリア126a〜126dの継続期間エリアに調整用期間の情報が格納されるとともに、それらエリア126a〜126dの設定済みフラグに「1」がセットされる。そして、第2保留情報が遊技回の開始対象となり第2特図保留エリア126に格納されている第2保留情報のシフトが行われる場合には、第1エリア126aの当たり乱数エリア、大当たり種別エリア、リーチ乱数エリア、継続期間エリア及び設定済みフラグに格納されている各情報が第2特図用の実行エリア127bにおける対応する各エリアにシフトされる。また、第2エリア126b〜第4エリア126dについては第n+1エリアの当たり乱数エリア、大当たり種別エリア、リーチ乱数エリア、継続期間エリア、設定済みフラグ及び第2大当たり保留フラグに格納されている各情報が第nエリアにおける対応する各エリアにシフトされるとともに、それらシフトの完了後に第4エリア126dの全エリアが「0」クリアされる。
取得時の設定処理(図25)の説明に戻り、ステップS1303の処理を実行した後は現状の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS1304)。高確率状態ではない場合には(ステップS1304:NO)、そのまま本取得時の設定処理を終了することで、遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための処理を実行しない。つまり、通常遊技状態においては遊技回の継続期間が調整用期間に設定されない。これにより、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行される状況が発生しづらい状況において、無意味に遊技回の継続期間が調整用期間に設定されてしまわないようにすることが可能となる。
現状の遊技状態が高確率状態である場合には(ステップS1304:YES)、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうち、今回取得した第1保留情報よりも先に取得されている第1保留情報に対応するエリア125a〜125dの第1大当たり保留フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1305)。つまり、今回取得した第1保留情報よりも先に取得されている第1保留情報が、高確率状態において大当たり結果に対応する保留情報であるか否かを判定する。ステップS1305にて肯定判定をした場合、遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための処理を実行しない。これにより、高確率状態において大当たり結果となる第1保留情報が既に取得された場合に、当該第1保留情報に対して遊技回の継続期間として調整用期間が設定されてしまわないようにすることが可能となる。
ステップS1305にて否定判定をした場合、第1特図保留エリア125に保留記憶されている第1保留情報の個数が1個であるか否かを判定する(ステップS1306)。第1特図表示部37aにて遊技回が実行されていない状況であって第1特図保留エリア125に第1保留情報が記憶されていない状況において第1保留情報が取得された場合、及び第1特図表示部37aにて遊技回が実行されている状況であって第1特図保留エリア125に第1保留情報が記憶されていない状況において第1保留情報が取得された場合、ステップS1306にて肯定判定をする。ステップS1306にて否定判定をした場合、今回取得した第1保留情報よりも先に取得されていた第1保留情報に対応する遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための前側保留の設定処理を実行する(ステップS1307)。また、ステップS1306にて肯定判定をした場合、又はステップS1307の処理を実行した場合、今回取得した第1保留情報に対応する遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための該当保留の設定処理を実行する(ステップS1308)。
今回の取得時の設定処理が第2保留情報の取得を契機として実行されている場合(ステップS1301:NO)、その取得した第2保留情報が大当たり結果に対応する保留情報であるか否かを判定する(ステップS1309)。具体的には、今回取得した第2保留情報のうち当たり乱数カウンタから取得した数値情報を読み出し、その数値情報が高確率状態において参照される当否テーブルである高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。つまり、現状の遊技状態が通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても高確当否テーブルを参照する。既に説明したとおり低確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類は全て、高確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類に含まれている。この場合に、ステップS1309にて高確当否テーブルを参照して大当たり結果に対応しているか否かを判定することで、今回取得された保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれかにて大当たり結果に対応しているか否かを判定していることとなる。
取得した第2保留情報が大当たり結果に対応する保留情報である場合(ステップS1309:YES)、第2特図保留エリア126の第1エリア126a〜第4エリア126dのうち今回取得した第2保留情報が格納されるエリアに設けられた第2大当たり保留フラグに「1」をセットする(ステップS1310)。ステップS1310の処理を実行した後は現状の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS1311)。高確率状態ではない場合には(ステップS1311:NO)、そのまま本取得時の設定処理を終了することで、遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための処理を実行しない。つまり、通常遊技状態においては遊技回の継続期間が調整用期間に設定されない。これにより、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行される状況が発生しづらい状況において、無意味に遊技回の継続期間が調整用期間に設定されてしまわないようにすることが可能となる。
現状の遊技状態が高確率状態である場合には(ステップS1311:YES)、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されている第2保留情報に対応するエリア126a〜126dの第2大当たり保留フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1312)。つまり、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されている第2保留情報が、高確率状態において大当たり結果に対応する保留情報であるか否かを判定する。ステップS1312にて肯定判定をした場合、遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための処理を実行しない。これにより、高確率状態において大当たり結果となる第2保留情報が既に取得されている場合に、当該第2保留情報に対応する遊技回の継続期間として調整用期間が設定されてしまわないようにすることが可能となる。
ステップS1312にて否定判定をした場合、第2特図保留エリア126に保留記憶されている第2保留情報の個数が1個であるか否かを判定する(ステップS1313)。第2特図表示部37bにて遊技回が実行されていない状況であって第2特図保留エリア126に第2保留情報が記憶されていない状況において第2保留情報が取得された場合、及び第2特図表示部37bにて遊技回が実行されている状況であって第2特図保留エリア126に第2保留情報が記憶されていない状況において第2保留情報が取得された場合、ステップS1313にて肯定判定をする。ステップS1313にて否定判定をした場合、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されていた第2保留情報に対応する遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための前側保留の設定処理を実行する(ステップS1314)。また、ステップS1313にて肯定判定をした場合、又はステップS1314の処理を実行した場合、今回取得した第2保留情報に対応する遊技回の継続期間を調整用期間に設定するための該当保留の設定処理を実行する(ステップS1315)。
次に、取得時の設定処理(図25)におけるステップS1307及びステップS1314にて実行される前側保留の設定処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
まず今回取得した保留情報が第2保留情報であって高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定する(ステップS1401)。具体的には、今回取得した第2保留情報のうち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が振分テーブルにて設定されている高確大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。ステップS1401にて肯定判定をした場合には、最短調整期間のセット処理を実行する(ステップS1402)。具体的には、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されている第2保留情報に対応するエリア126a〜126dの継続期間エリアに最短調整期間の数値情報をセットする。その後、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち継続期間エリアに最短調整期間の数値情報をセットしたエリア126a〜126dの設定済みフラグに「1」をセットする(ステップS1403)。
今回取得した保留情報が第1保留情報である場合又は高確率状態において高確大当たり結果とならない第2保留情報である場合(ステップS1401:NO)、第1保留情報を今回取得した場合にはその第1保留情報よりも先に取得されて第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数を把握し、第2保留情報を今回取得した場合にはその第2保留情報よりも先に取得されて第2特図保留エリア126に格納されている第2保留情報の個数を把握する(ステップS1404)。その後、今回取得した保留情報の内容に対応する調整合計期間を主側ROM83から読み出す。具体的には、ステップS1401の処理と同様に今回取得した保留情報が高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定するとともに、今回取得した保留情報が第1保留情報及び第2保留情報のうちいずれであるかを判定する。そして、高確率状態において低確大当たり結果となる第1保留情報である場合には第1調整合計期間(具体的には120秒)の数値情報を読み出し、高確率状態において高確大当たり結果となる第1保留情報である場合には第3調整合計期間(具体的には360秒)の数値情報を読み出し、高確率状態において低確大当たり結果となる第2保留情報である場合には第2調整合計期間(具体的には480秒)の数値情報を読み出す。
その後、期間算出処理を実行する(ステップS1406)。具体的には、ステップS1405にて読み出した調整合計期間の数値情報を、ステップS1404にて読み出した保留情報の個数で除算する。この場合、その除算の結果が確実に整数となるように各調整合計期間が設定されている。そして、期間算出処理の結果に対応する調整用期間の情報を、第1特図保留エリア125又は第2特図保留エリア126の対応する継続期間エリアにセットする(ステップS1407)。例えば第1保留情報を新たに取得した場合には、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうち今回取得した第1保留情報よりも先に取得された第1保留情報が格納されているエリア125a〜125dの継続期間エリアに、ステップS1406にて算出した数値情報をセットする。また、例えば第2保留情報を新たに取得した場合には、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち今回取得した第2保留情報よりも先に取得された第2保留情報が格納されているエリア126a〜126dの継続期間エリアに、ステップS1406にて算出した数値情報をセットする。その後、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125d又は第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち継続期間エリアに調整用期間の数値情報をセットしたエリア125a〜125d,126a〜126dの設定済みフラグに「1」をセットする(ステップS1408)。
次に、取得時の設定処理(図25)におけるステップS1308及びステップS1315にて実行される該当保留の設定処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
まず今回取得した第1保留情報又は第2保留情報が高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定する(ステップS1501)。具体的には、今回取得した第1保留情報又は第2保留情報のうち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が振分テーブルにて設定されている高確大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
今回取得した保留情報が高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報であって第1保留情報である場合(ステップS1501及びステップS1502:YES)、第1設定処理を実行する(ステップS1503)。第1設定処理では、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうち今回取得した第1保留情報が格納されたエリア125a〜125dの継続期間エリアに第3契機調整期間(具体的には600秒)の数値情報をセットする。
今回取得した保留情報が高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報であって第2保留情報である場合(ステップS1501:YES、ステップS1502:NO)、第2設定処理を実行する(ステップS1504)。第2設定処理では、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち今回取得した第2保留情報が格納されたエリア126a〜126dの継続期間エリアに第2契機調整期間(具体的には250秒)の数値情報をセットする。
今回取得した保留情報が高確率状態において低確大当たり結果となる保留情報である場合(ステップS1504:NO)、第3設定処理を実行する(ステップS1505)。第3設定処理では、今回取得した保留情報が第1保留情報であれば第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうち今回取得した第1保留情報が格納されたエリア125a〜125dの継続期間エリアに第1契機調整期間(具体的には1秒)の数値情報をセットし、今回取得した保留情報が第2保留情報であれば第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち今回取得した第2保留情報が格納されたエリア126a〜126dの継続期間エリアに第1契機調整期間(具体的には1秒)の数値情報をセットする。
ステップS1503〜ステップS1505のいずれかの処理を実行した後は、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125d又は第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち継続期間エリアに調整用期間の数値情報をセットしたエリア125a〜125d,126a〜126dの設定済みフラグに「1」をセットする(ステップS1506)。
以上の処理が実行された場合、遊技回の継続期間が調整用期間に設定されることとなる。調整用期間が設定された保留情報が遊技回の開始対象となった場合、変動表示期間の特定処理(図14)のステップS801にて肯定判定をすることでステップS806の処理を実行する。ステップS806では、今回開始対象となっている遊技回が第1特図表示部37aであれば第1特図用の実行エリア127aの継続期間エリアに格納されている数値情報を読み出し、その読み出した数値情報から最終停止期間に対応する数値情報を減算した結果の数値情報を今回の遊技回の変動表示期間として特定する。そして、その特定した変動表示期間の数値情報を第1特図表示部37aに対応する特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS805)。また、ステップS806では、今回開始対象となっている遊技回が第2特図表示部37bであれば第2特図用の実行エリア127bの継続期間エリアに格納されている数値情報を読み出し、その読み出した数値情報から最終停止期間に対応する数値情報を減算した結果の数値情報を今回の遊技回の変動表示期間として特定する。そして、その特定した変動表示期間の数値情報を第2特図表示部37bに対応する特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS805)。これにより、調整用期間が遊技回の継続期間として設定される。
また、遊技回の継続期間として調整用期間が設定された場合、音光側MPU93はテーブル設定処理(図16)にてその調整用期間に対応する調整変動用テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS1007)。調整変動用テーブルは設定され得る調整用期間のそれぞれに対応させて音光側ROM94に予め記憶されている。外れ結果に対応する調整用期間に対応する調整変動用テーブルに従って遊技回用の演出が実行される場合、リーチ演出が発生しない。一方、大当たり結果に対応する調整用期間に対応する調整変動用テーブルに従って遊技回用の演出が実行される場合、リーチ演出が発生する。但し、これに限定されることはなく、外れ結果に対応する調整用期間に対応する調整変動用テーブルに従って遊技回用の演出が実行される場合であってもリーチ演出が発生する構成としてもよい。また、調整用期間に対応する遊技回用の演出では調整用期間であることを遊技者に認識可能とさせる内容の演出が実行される構成としてもよく、調整用期間に対応する遊技回用の演出では調整用期間であることを遊技者に認識可能とさせる内容の演出が実行されない構成としてもよい。
調整用期間が設定されている保留情報が遊技回の開始対象となった場合にはその設定されている調整用期間が遊技回の継続期間として設定されることとなるが、調整用期間が設定されている保留情報が存在している状況で他の保留情報を契機とした開閉実行モードが開始される場合には、その時点で設定されている調整用期間は全て消去される。当該処理について具体的には、特図確定中処理(図18)では開閉実行モードを開始させるための処理の一部の処理としてステップS1207の処理を実行する。ステップS1207では、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125d及び第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dにおける継続期間エリア及び設定済みフラグを全て「0」クリアする。これにより、例えば調整用期間が設定されている保留情報が存在している状況で他の保留情報を契機とした開閉実行モードが実行されるとともにその開閉実行モードの終了後に遊技状態が高確率状態から通常遊技状態に移行した場合に、その移行後の通常遊技状態において調整用期間が遊技回の継続期間として設定されてしまわないようにすることが可能となる。
なお、ステップS1207に対応するクリア処理は開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回が開始されるまでに実行されればよく、例えば開閉実行モード中にステップS1207に対応するクリア処理が実行される構成としてもよく、開閉実行モードの終了時にステップS1207に対応するクリア処理が実行される構成としてもよい。また、開閉実行モード後の遊技状態が高確率状態となる場合にはステップS1207に対応するクリア処理が実行されない構成としてもよい。
取得時の設定処理(図25)におけるステップS1302及びステップS1309では、現状の遊技状態が通常遊技状態及び高確率状態のいずれであったとしても、新たに取得した保留情報が高確率状態において大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定し、高確率状態において大当たり結果となる保留情報である場合には、その保留情報に対応する大当たり保留フラグに「1」をセットする(ステップS1303、ステップS1310)。これにより、高確率状態において大当たり結果に対応する保留情報に対して第1〜第3調整合計期間に対応する調整用期間が設定されてしまわないようにすることが可能となる。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1保留情報を契機とした遊技回と第2保留情報を契機とした遊技回とが重複して実行され得るため、遊技回の全体的な実行頻度を高めることが可能となる。この場合に、大当たり結果に対応する第1保留情報が取得され、大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された場合、これら各保留情報を契機とした各遊技回の実行タイミングの関係が所定の関係となる。これにより、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回及び大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回のそれぞれが一定の規則で発生することとなり、各遊技回の相対的な実行タイミングを好ましいものとすることが可能となる。
上記のような各遊技回の相対的な実行タイミングの調整が、遊技回の継続期間を調整することにより行われる。これにより、遊技回の継続期間を調整するだけで既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報よりも先に開始される第1保留情報を契機とした遊技回、及び大当たり結果に対応する第2保留情報よりも先に開始される第2保留情報を契機とした遊技回のうちの少なくとも一方の遊技回の継続期間を調整することにより、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回と大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係を所定の関係にさせる。これにより、これら遊技回の実行タイミングの関係を所定の関係となり易くさせることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報が既に取得されている状況で大当たり結果に対応する第1保留情報が取得された場合、又は大当たり結果に対応する第2保留情報が既に取得されている状況で大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された場合、上記のような遊技回の継続期間の調整は実行されない。これにより、大当たり結果に対応する他の保留情報の実行タイミングに影響を与えないようにしながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報及び大当たり結果に対応する第2保留情報のうち少なくとも一方の種類に応じて、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回と大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が変更される。これにより、各遊技回の相対的な実行タイミングをこれら保留情報の種類に応じた好ましいものとすることが可能となる。
第1保留情報及び第2保留情報のうち一方の保留情報であって大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況で、第1保留情報及び第2保留情報のうち他方の保留情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該他方の保留情報が大当たり結果に対応する保留情報と扱われない。これにより、大当たり結果を契機とした開閉実行モードが既に実行されているにも関わらず、大当たり結果を契機とした開閉実行モードの開始条件が成立してしまわないようにすることが可能となる。
この場合に、第1保留情報が高確大当たり結果に対応しており第2保留情報が低確大当たり結果に対応している場合、高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況で低確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が開始され得るように、これら遊技回の実行タイミングが調整される。これにより、有利度が相対的に高い高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回によって、有利度が相対的に低い低確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回を無効化させることが可能となる。
また、第1保留情報が高確大当たり結果に対応しており第2保留情報が高確大当たり結果に対応している場合、これら保留情報のうち一方を契機とした遊技回が実行されている状況で他方を契機とした遊技回が開始されないように、これら遊技回の実行タイミングが調整される。これにより、有利度が相対的に高い高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回及び有利度が相対的に高い高確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回のうち一方が他方によって無効化されてしまわないようにすることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたことに基づき第1保留情報を契機とした遊技回の継続期間が調整されるとともに、大当たり結果に対応する第2保留情報が取得されたことに基づき第2保留情報を契機とした遊技回の継続期間が調整される。これにより、第1保留情報を契機とした遊技回及び第2保留情報を契機とした遊技回のうちいずれか一方の継続期間のみを調整する構成に比べて、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回と大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が所定の関係となるようにするための調整を行い易くなる。
大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたことに基づき大当たり結果に対応する第2保留情報の取得の有無に関係なく第1保留情報を契機とした遊技回の継続期間が所定の態様で調整され、大当たり結果に対応する第2保留情報が取得されたことに基づき大当たり結果に対応する第1保留情報の取得の有無に関係なく第2保留情報を契機とした遊技回の継続期間が所定の態様で調整される。これにより、各調整の実行契機を特定するための処理を簡素化させることが可能となる。
<第1の実施形態の別形態>
なお、上述した第1の実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記第1の実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
・第1保留情報及び第2保留情報のうち一方の保留情報として高確大当たり結果に対応する保留情報が取得されるとともに他方の保留情報として低確大当たり結果に対応する保留情報が取得された場合、高確大当たり結果に対応する保留情報が高確率モード及び低確率モードのいずれにおいても高確大当たり結果となる保留情報である場合には、これら保留情報のうち低確大当たり結果に対応する保留情報を実行対象とした遊技回が終了した後に高確大当たり結果に対応する保留情報を実行対象とした遊技回が開始されるように遊技回の継続期間の調整が行われる構成としてもよい。これにより、大当たり結果の発生回数を極力多くしながら高確率モードを継続させることが可能となる。
・大当たり結果に対応する第1保留情報を実行対象とした遊技回と大当たり結果に対応する第2保留情報を実行対象とした遊技回との実行タイミングの関係を所定の関係とするために調整する対象は遊技回の継続期間に限定されることはなく、当該遊技回の継続期間に加えて又は代えて、例えば一の遊技回が終了してから次の遊技回が開始されるまでの期間が調整対象となる構成としてもよい。例えば、第1保留情報が保留記憶されている状況で第1特図表示部37aにおける遊技回が終了した場合であっても当該第1特図表示部37aにおける遊技回を新たに開始するまでの開始待機期間を通常の期間よりも長くする構成としてもよく、当該開始待機期間が複数種類設定されているとともに調整対象となる事象の種類に応じて選択される開始待機期間が異なる構成としてもよい。また、例えば、第2保留情報が保留記憶されている状況で第2特図表示部37bにおける遊技回が終了した場合であっても当該第2特図表示部37bにおける遊技回を新たに開始するまでの開始待機期間を通常の期間よりも長くする構成としてもよく、当該開始待機期間が複数種類設定されているとともに調整対象となる事象の種類に応じて選択される開始待機期間が異なる構成としてもよい。遊技回の継続期間に加えて開始待機期間を調整することにより、調整対象となる要素の種類が多くなるため各遊技回の実行タイミングの関係を所定の関係とするための調整を行い易くなる。また、遊技回の継続期間に代えて開始待機期間を調整することにより、遊技回の継続期間に影響を与えないようにしながら各遊技回の実行タイミングの関係を所定の関係とすることが可能となる。
・低確大当たり結果に対応する第1保留情報、高確大当たり結果に対応する第1保留情報及び低確大当たり結果に対応する第2保留情報のいずれかである調整契機の保留情報が取得された場合、当該調整契機の保留情報を実行対象とした遊技回が開始されるまでに実行される先実行対象の遊技回の合計期間が所定期間となるように各先実行対象の遊技回の継続期間がそれぞれ同一の期間に設定される構成としたが、これに限定されることはなく、先実行対象の遊技回の継続期間がそれぞれ異なるもののこれら先実行対象の遊技回の合計期間が所定期間となるように調整される構成としてもよい。この先実行対象の遊技回の継続期間をそれぞれ異なるものとするための構成は任意であるが、例えば先実行対象の遊技回の合計期間が所定期間となるようにしながらもその範囲において各遊技回の継続期間が抽選により決定される構成としてもよく、先実行対象の遊技回の回数と所定期間との関係で各遊技回の継続期間が予め定められている構成としてもよい。これにより、遊技回の継続期間の調整が行われる場合であっても各遊技回の継続期間の設定態様を多様化させることが可能となる。
・第1特図表示部37aにて遊技回が実行されている状況で大当たり結果に対応する第1保留情報が取得された場合、その時点で実行されている第1特図表示部37aの遊技回の残りの期間を加味して遊技回の継続期間の調整が行われる構成としてもよい。また、第2特図表示部37bにて遊技回が実行されている状況で大当たり結果に対応する第2保留情報が取得された場合、その時点で実行されている第2特図表示部37bの遊技回の残りの期間を加味して遊技回の継続期間の調整が行われる構成としてもよい。例えば、現状実行されている遊技回の残りの期間が相対的に長い場合には大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となる遊技回が開始されるまでに要する期間を相対的に短くする一方、現状実行されている遊技回の残りの期間が相対的に短い場合には大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となる遊技回が開始されるまでに要する期間を相対的に長くする構成としてもよい。これにより、大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となる遊技回が開始されるまでに要する期間が必要以上に長くなってしまうことを阻止することが可能となる。
・大当たり結果に対応する遊技回よりも先に開始される遊技回であって遊技回の継続期間の調整対象となった遊技回においてはリーチ演出が発生しない構成としてもよく、リーチ演出が発生する構成としてもよい。また、リーチ演出が発生する場合には遊技回の継続期間の調整対象となった遊技回であることに対応する演出が実行される構成としてもよい。これにより、リーチ演出の内容を通じて当該リーチ演出の実行対象となっている遊技回よりも後の遊技回において大当たり結果が発生することを遊技者に認識させることが可能となる。
・第1保留情報及び第2保留情報のうち大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回と外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回とが重複して実行されている状況において大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が先に終了した場合、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了するまで開閉実行モードの開始が遅延される構成に限定されることはなく、大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了したタイミングで、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回を強制的に終了させて開閉実行モードを即座に開始させる構成としてもよい。これにより、開閉実行モードが開始されるまでの期間が長期間化してしまうことを阻止することが可能となる。
また、大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了したタイミングで、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回を一旦停止させ、その後に開閉実行モードが終了した後にその一旦停止させた遊技回を再開させる構成としてもよく、当該一旦停止させた遊技回を最初からやり直す構成としてもよい。一旦停止させた遊技回を最初からやり直す構成においては、当該遊技回の開始契機となった保留情報に対する当否判定処理を新たに実行する構成としてもよく、一旦停止させた遊技回における当否判定処理の結果を引き継ぐ構成としてもよい。
・大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が実行されている状況において当該保留情報とは異なる側の保留情報を実行対象とした遊技回が開始される場合、当該異なる側の保留情報はその内容に関係なく外れ結果として扱われる構成に限定されることはなく、当該異なる側の保留情報が当否判定処理の実行対象となるものの当該異なる側の保留情報が実行対象となった遊技回が終了する場合に当否判定処理の実行結果に関係なく外れ結果として扱われる構成としてもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態では、調整用期間の設定態様が上記第1の実施形態と相違している。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。図29は本実施形態における取得時の設定処理を示すフローチャートである。
今回取得した保留情報が高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報である場合(ステップS1601:YES)、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報として高確率状態において低確大当たり結果となる保留情報が存在しているか否かを判定する(ステップS1602)。具体的には、今回取得した保留情報が第1保留情報である場合には第2特図保留エリア126に格納されている第2保留情報の中に高確率状態において低確大当たり結果となる第2保留情報が存在しているか否かを判定し、今回取得した保留情報が第2保留情報である場合には第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の中に高確率状態において低確大当たり結果となる第1保留情報が存在しているか否かを判定する。この判定に際しては、判定対象となる保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。そして、大当たり結果に対応している場合にはその判定対象となる保留情報のうち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が振分テーブルにて設定されている低確大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
ステップS1602にて肯定判定をした場合には、今回取得した保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれにおいても高確大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定する(ステップS1603)。本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、通常遊技状態において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の数値情報群は、高確率状態において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の数値情報群に含まれている。したがって、ステップS1603では、今回取得した保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が低確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
今回取得した保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれでも大当たり結果となる保留情報である場合、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報を契機とした低確大当たり結果の遊技回が終了した後に、今回取得した保留情報を契機とした高確大当たり結果の遊技回が開始されるようにした方が遊技者にとって有利である。一方、今回取得した保留情報が高確率状態であれば大当たり結果となる保留情報である場合、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報を契機とした低確大当たり結果の遊技回を、今回取得した保留情報を契機とした高確大当たり結果の遊技回が実行されている状況で開始させて低確大当たり結果を無効化させる方が遊技者にとって有利である。
そこで、ステップS1603にて否定判定をした場合には、調整可能であることを条件として(ステップS1604:YES)、第1調整処理を実行する(ステップS1605)。第1調整処理では、今回取得した保留情報を契機とした高確大当たり結果の遊技回が実行されている状況で、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報を契機とした低確大当たり結果の遊技回が開始されるように、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に格納されている各保留情報のそれぞれについて遊技回の継続期間として調整用期間を設定する。但し、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側であって低確大当たり結果に対応する保留情報が、その異なる特図表示部37a,37b側において次に遊技回の開始契機となる保留情報である場合であって、その異なる特図表示部37a,37b側において現状遊技回が実行されていない場合や、その異なる特図表示部37a,37b側において現状遊技回が実行されている場合であってもその遊技回の終了タイミングが、今回取得した保留情報に対応する特図表示部37a,37b側において現状実行されている遊技回の終了タイミングよりも先である場合には、上記のような事象となるようにするための調整用期間の設定を行うことができない。このような場合にはステップS1604にて否定判定をすることで第1調整処理を実行しない。
ステップS1602にて否定判定をした場合、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報として高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報が存在しているか否かを判定する(ステップS1606)。具体的には、今回取得した保留情報が第1保留情報である場合には第2特図保留エリア126に格納されている第2保留情報の中に高確率状態において高確大当たり結果となる第2保留情報が存在しているか否かを判定し、今回取得した保留情報が第2保留情報である場合には第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の中に高確率状態において高確大当たり結果となる第1保留情報が存在しているか否かを判定する。この判定に際しては、判定対象となる保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。そして、大当たり結果に対応している場合にはその判定対象となる保留情報のうち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が振分テーブルにて設定されている高確大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
ステップS1603にて肯定判定をした場合、又はステップS1606にて肯定判定をした場合、調整可能であることを条件として(ステップS1607:YES)、第2調整処理を実行する(ステップS1608)。ステップS1603にて肯定判定をした場合の第2調整処理では、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報を契機とした低確大当たり結果の遊技回が終了した後に、今回取得した保留情報を契機とした高確大当たり結果の遊技回が開始されるように、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に格納されている各保留情報のそれぞれについて遊技回の継続期間として調整用期間を設定することが可能な状況であれば、そのような調整用期間の設定を行う。この場合、例えば第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方において遊技回が実行されている状況であって、これら遊技回のうち今回取得した保留情報に対応する特図表示部37a,37b側の終了タイミングの方が、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の終了タイミングよりも後であり、さらに今回取得した保留情報が対応する特図表示部37a,37b側において次に遊技回の開始契機となる保留情報であって、低確大当たり結果に対応する保留情報が今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側において次に遊技回の開始契機となる保留情報である場合、この低確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回の継続期間を、当該遊技回の終了タイミングが、今回取得した保留情報に対応する特図表示部37a,37b側における現状の遊技回の終了タイミングよりも前となるように設定する。
また、ステップS1603にて肯定判定をした場合の第2調整処理において、例えば今回取得した保留情報が対応する特図表示部37a,37b側に当該保留情報よりも先に保留情報が取得されておらず、今回取得した保留情報が対応する遊技回を、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側において低確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回よりも先に開始せざるを得ない場合には、今回取得した保留情報が対応する遊技回が実行されている状況で低確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回が開始されるように、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に格納されている各保留情報のそれぞれについて遊技回の継続期間として調整用期間を設定する。
ステップS1606にて肯定判定をした場合の第2調整処理では、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報を契機とした高確大当たり結果の遊技回、及び今回取得した保留情報を契機とした高確大当たり結果の遊技回のうち一方の遊技回が終了した後に他方の遊技回が開始されるように、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に格納されている各保留情報のそれぞれについて遊技回の継続期間として調整用期間を設定する。
但し、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方で遊技回が実行されていない状況において、大当たり結果に対応する第1保留情報と大当たり結果に対応する第2保留情報とが同時に取得された場合には上記のような事象となるようにするための調整用期間の設定を行うことができない。このような場合にはステップS1607にて否定判定をすることで第2調整処理を実行しない。
今回取得した保留情報が高確率状態において低確大当たり結果となる保留情報である場合(ステップS1601:NO)、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の保留情報として高確率状態において高確大当たり結果となる保留情報が存在しているか否かを判定する(ステップS1610)。具体的には、今回取得した保留情報が第1保留情報である場合には第2特図保留エリア126に格納されている第2保留情報の中に高確率状態において高確大当たり結果となる第2保留情報が存在しているか否かを判定し、今回取得した保留情報が第2保留情報である場合には第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の中に高確率状態において高確大当たり結果となる第1保留情報が存在しているか否かを判定する。この判定に際しては、判定対象となる保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。そして、大当たり結果に対応している場合にはその判定対象となる保留情報のうち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が振分テーブルにて設定されている高確大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
ステップS1610にて肯定判定をした場合には、その高確大当たり結果となる保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれにおいても高確大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定する(ステップS1611)。
高確大当たり結果となる保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれでも大当たり結果となる保留情報である場合、今回取得した保留情報を契機とした低確大当たり結果の遊技回が終了した後に、高確大当たり結果の遊技回が開始されるようにした方が遊技者にとって有利である。一方、高確大当たり結果となる保留情報が高確率状態であれば大当たり結果となる保留情報である場合、今回取得した保留情報を契機とした低確大当たり結果の遊技回を、高確大当たり結果の遊技回が実行されている状況で開始させて低確大当たり結果を無効化させる方が遊技者にとって有利である。
そこで、ステップS1611にて否定判定をした場合には、調整可能であることを条件として(ステップS1612:YES)、第3調整処理を実行する(ステップS1613)。第3調整処理では、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側において高確大当たり結果の遊技回が実行されている状況で、今回取得した保留情報を契機とした低確大当たり結果の遊技回が開始されるように、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に格納されている各保留情報のそれぞれについて遊技回の継続期間として調整用期間を設定する。但し、今回取得した低確大当たり結果に対応する保留情報が、当該保留情報に対応する特図表示部37a,37b側において次に遊技回の開始契機となる保留情報である場合であって、当該保留情報に対応する特図表示部37a,37b側において現状遊技回が実行されていない場合や、当該保留情報に対応する特図表示部37a,37b側において現状遊技回が実行されている場合であってもその遊技回の終了タイミングが、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側において現状実行されている遊技回の終了タイミングよりも先である場合には、上記のような事象となるようにするための調整用期間の設定を行うことができない。このような場合にはステップS1612にて否定判定をすることで第3調整処理を実行しない。
ステップS1611にて肯定判定をした場合、調整可能であることを条件として(ステップS1614:YES)、第4調整処理を実行する(ステップS1615)。第4調整処理では、今回取得した保留情報に対応する低確大当たり結果の遊技回が終了した後に、今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側の高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるように、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に格納されている各保留情報のそれぞれについて遊技回の継続期間として調整用期間を設定することが可能な状況であれば、そのような調整用期間の設定を行う。
また、第4調整処理では、例えば今回取得した保留情報とは異なる特図表示部37a,37b側に高確大当たり結果に対応する保留情報よりも先に遊技回の開始契機となる保留情報が取得されておらず、その高確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回を、今回取得した低確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回よりも先に開始せざるを得ない場合には、その高確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で低確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回が開始されるように、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に格納されている各保留情報のそれぞれについて遊技回の継続期間として調整用期間を設定する。
但し、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方で遊技回が実行されていない状況において、大当たり結果に対応する第1保留情報と大当たり結果に対応する第2保留情報とが同時に取得された場合には上記のような事象となるようにするための調整用期間の設定を行うことができない。このような場合にはステップS1614にて否定判定をすることで第4調整処理を実行しない。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1保留情報及び第2保留情報のうち一方において大当たり結果に対応する保留情報が取得された場合に遊技回の継続期間の調整が実行されるのではなく、大当たり結果に対応する第1保留情報と大当たり結果に対応する第2保留情報との両方が取得されていることを条件として遊技回の継続期間の調整が実行される。これにより、遊技回の継続期間の調整をする必要がない状況において遊技回の継続期間の調整が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報と大当たり結果に対応する第2保留情報とが取得された状況であってもこれら大当たり結果に対応する各遊技回の実行タイミングを所定のタイミングとすることができない状況である場合には、遊技回の継続期間の調整は実行されない。これにより、遊技回の継続期間の調整をする必要がない状況において遊技回の継続期間の調整が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
第1保留情報及び第2保留情報のうち一方として低確大当たり結果に対応する保留情報が取得されるとともに他方として高確大当たり結果に対応する保留情報が取得された場合であっても、高確大当たり結果に対応する保留情報が低確率モード及び高確率モードのいずれであっても大当たり結果となる保留情報である場合には、低確大当たり結果に対応する遊技回が終了した後に高確大当たり結果に対応する遊技回が開始されるように遊技回の継続期間が調整される。これにより、高確率モードが維持されるようにしながら、大当たり結果が発生する回数を多くすることが可能となる。
<第2の実施形態の別形態>
なお、上述した第2の実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記第2の実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
・低確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で当該遊技回の実行対象となった保留情報とは異なる側の保留情報として低確率モードでも大当たり結果となる保留情報が取得された場合には、当該低確率モードでも大当たり結果となる保留情報を契機とした遊技回が、現状実行されている低確大当たり結果に対応する遊技回が終了した後に開始されるように、当該低確率モードでも大当たり結果となる保留情報を契機とした遊技回が開始されるまでに要する期間が調整される構成としてもよい。これにより、大当たり結果が発生する頻度を高めることが可能となる。
・高確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で当該遊技回の実行対象となった保留情報とは異なる側の保留情報として低確大当たり結果に対応する保留情報が取得された場合には、当該低確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回が、現状実行されている高確大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況で開始されるように、当該低確大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回が開始されるまでに要する期間が調整される構成としてもよい。これにより、高確率モードが長く継続し易くすることが可能となる。
・第1保留情報及び第2保留情報のうち大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回と外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回とが重複して実行されている状況において大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が先に終了した場合、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了するまで開閉実行モードの開始が遅延される構成に限定されることはなく、大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了したタイミングで、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回を強制的に終了させて開閉実行モードを即座に開始させる構成としてもよい。これにより、開閉実行モードが開始されるまでの期間が長期間化してしまうことを阻止することが可能となる。
・大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が実行されている状況において当該保留情報とは異なる側の保留情報を実行対象とした遊技回が開始される場合、当該異なる側の保留情報はその内容に関係なく外れ結果として扱われる構成に限定されることはなく、当該異なる側の保留情報が当否判定処理の実行対象となるものの当該異なる側の保留情報が実行対象となった遊技回が終了する場合に当否判定処理の実行結果に関係なく外れ結果として扱われる構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、遊技領域PAの構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
遊技領域PAの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PAに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PA11と、当該上側領域PA11に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PA12と、上側領域PA11に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PA13と、左側領域PA12及び右側領域PA13のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PA14と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA11において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA11→左側領域PA12→下側領域PA14の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA11において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA11→右側領域PA13→下側領域PA14の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PA12及び右側領域PA13のうち左側領域PA12を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PA13を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。ちなみに、最大回動量で発射操作装置28の操作が行われた場合、上側領域PA11→右側領域PA13→下側領域PA14の順で遊技球が流下することとなる。
下側領域PA14には上記第1の実施形態と同様に第1作動口33が設けられている。但し、上記第1の実施形態における第2作動口34及びスルーゲート35は設けられていない。その代わりに、本実施形態では第1特別入球装置131、第2特別入球装置132、第1スルーゲート133及び第2スルーゲート134が設けられている。これら第1特別入球装置131、第2特別入球装置132、第1スルーゲート133及び第2スルーゲート134は遊技領域PAの右側領域PA13に設けられている。また、右側領域PA13には特電入賞装置32も設けられている。この場合、左側領域PA12を流下する遊技球は第1作動口33への入賞が可能であって、第1特別入球装置131、第2特別入球装置132、第1スルーゲート133、第2スルーゲート134及び特電入賞装置32への入賞が不可である。右側領域PA13を流下する遊技球は第1特別入球装置131、第2特別入球装置132、第1スルーゲート133、第2スルーゲート134及び特電入賞装置32への入賞が可能であって、第1作動口33への入賞は不可である。なお、第1特別入球装置131に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数は1個であり、第2特別入球装置132に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数も1個である。但し、これらの払出個数が相違している構成としてもよい。
第1特別入球装置131の構成について図31(a)を参照しながら説明する。なお、第2特別入球装置132の構成は第1特別入球装置131の構成と同一である。図31(a)は非受入状態である場合における第1特別入球装置131の縦断面図である。第1特別入球装置131は、遊技領域PAから流入した遊技球を遊技盤24の後方に排出するための排出通路143が形成されたベースユニット141と、遊技領域PAを流下する遊技球を排出通路143に誘導するための誘導ユニット142と、を備えている。排出通路143の入口部143aは、遊技球1個分以上の開口面積を有しており、パチンコ機10前方に向けて開放されている。排出通路143の出口部143b側には検知センサ131aが設けられており、当該検知センサ131aにより第1特別入球装置131に入賞した遊技球が検知される。
誘導ユニット142は、遊技領域PAにおける入口部143aの前方領域を流下する遊技球を下方から受け、その受けた遊技球を排出通路143内に誘導するためのガイド部材144と、排出通路143内への遊技球の誘導を不可とする初期位置と当該誘導を可能とする誘導位置との間で変位させるためのガイド駆動部145と、ガイド部材144が初期位置に配置されている状況において排出通路143への遊技球の流入を阻止する阻止位置に配置されガイド部材144が誘導位置に配置されている状況において排出通路143への遊技球の流入を阻止しない非阻止位置に配置される阻止部材146と、を備えている。ガイド部材144及び阻止部材146は、ガイド部材144が下方となるようにして縦方向に所定の間隔を置いて対向配置されている。これらガイド部材144及び阻止部材146にガイド駆動部145の駆動力を伝達するように伝達ユニット147が設けられている。
ガイド駆動部145が非駆動状態である場合には図示しないバネなどといった付勢手段の付勢力によってガイド部材144は初期位置に配置され、阻止部材146は阻止位置に配置される。この場合、ガイド部材144及び阻止部材146はその全体が排出通路143内に埋没しており遊技領域PA内に突出していない。これにより、遊技領域PAにおける排出通路143の入口部143aの前方領域を流下する遊技球がガイド部材144及び阻止部材146によって排出通路143内に誘導されることはなく、つまり当該遊技球が第1特別入球装置131に入球することなく遊技領域PAを下方へと流下する。また、阻止部材146が阻止位置に配置されていることにより、排出通路143の入口部143aの実質的な開口面積が遊技球1個分未満となる。これにより、ガイド部材144が初期位置に配置されている状況においては第1特別入球装置131への遊技球の入球を確実に阻止することが可能となる。
ガイド駆動部145が駆動状態となることにより、ガイド部材144及び阻止部材146が上記付勢手段の付勢力に抗して変位し、ガイド部材144が誘導位置に配置されるとともに阻止部材146が非阻止位置に配置される。図31(b)は誘導状態である場合における第1特別入球装置131の縦断面図である。
ガイド部材144が誘導位置に配置されている場合、当該ガイド部材144の先端側が排出通路143の入口部143aから遊技領域PA側に突出する。この突出量は遊技領域PAにおける入口部143aの前方領域を流下する遊技球を下方から受けることが可能な程度となっている。そして、このガイド部材144の先端側は上面が排出通路143の入口部143aに向けて下り傾斜となっていることにより、ガイド部材144の先端側において下方から受けた遊技球はガイド部材144の上面を転がって排出通路143内に誘導されることとなる。また、阻止部材146が非阻止位置に配置されている場合、当該阻止部材146はその先端部が阻止位置よりも上方の位置となるように変位されているため、ガイド部材144の上面を転がる遊技球は阻止部材146に干渉することなく排出通路143内に流入する。これにより、ガイド駆動部145が駆動状態となることにより、遊技領域PAにおける入口部143aの前方領域を流下する遊技球が第1特別入球装置131に入球することとなる。以下、説明の便宜上、ガイド駆動部145が非駆動状態でありガイド部材144が初期位置に配置され阻止部材146が阻止位置に配置されている状態を第1特別入球装置131の閉鎖状態といい、ガイド駆動部145が駆動状態でありガイド部材144が誘導位置に配置され阻止部材146が非阻止位置に配置されている状態を第1特別入球装置131の開放状態という。
第1特別入球装置131は、排出通路143の入口部143aに対してパチンコ機10前方から対向するようにして設けられたカバー部材148を備えている。カバー部材148は、遊技領域PAにおける入口部143aの前方領域において鉛直方向の通路部148aを形成するようにゲート状に形成されており、当該入口部143aの前方領域を同時に通過する遊技球を1個に制限するとともに当該遊技球のパチンコ機10前方への移動及び横方向への移動を規制するように設けられている。これにより、第1特別入球装置131の誘導ユニット142が誘導状態となった場合に複数の遊技球が同時に第1特別入球装置131の排出通路143内に誘導されてしまうことが阻止されているとともに、当該誘導状態において入口部143aの前方領域を通過する遊技球を排出通路143内に確実に誘導することが可能となる。
第1特別入球装置131は第1スルーゲート133への入賞に基づき閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、第2特別入球装置132は第2スルーゲート134への入賞に基づき閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、第1スルーゲート133への入賞が発生することで上限記憶数(具体的には4個)を上限として第1普図側の保留情報が取得される。第1普図側の保留情報が記憶されている場合には内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図ユニット38の第1普図表示部135にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に第1特別入球装置131が所定の態様で開放状態となる。なお、第1普図表示部135に隣接した位置には第1普図保留表示部136が設けられており、第1普図保留表示部136の点灯によって第1普図側の保留情報の個数が表示されるようになっている。また、第2スルーゲート134への入賞が発生することで上限記憶数(具体的には4個)を上限として第2普図側の保留情報が取得される。第2普図側の保留情報が記憶されている場合には内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図ユニット38の第2普図表示部137にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に第2特別入球装置132が所定の態様で開放状態となる。なお、第2普図表示部137に隣接した位置には第2普図保留表示部138が設けられており、第2普図保留表示部138の点灯によって第2普図側の保留情報の個数が表示されるようになっている。
右側領域PA13においては、第1スルーゲート133の下方に第2スルーゲート134が設けられており、第2スルーゲート134の下方に第1特別入球装置131が設けられており、第1特別入球装置131の下方に第2特別入球装置132が設けられており、第2特別入球装置132の下方に特電入賞装置32が設けられている。第1スルーゲート133、第2スルーゲート134、第1特別入球装置131及び第2特別入球装置132は、遊技球の各入口部における横方向の中央が鉛直方向の同一直線上となるように配置されている。これにより、第1スルーゲート133を鉛直方向に通過した遊技球は第2スルーゲート134を確実に通過し、さらに第2スルーゲート134を通過した遊技球は、第1特別入球装置131が開放状態であれば第2特別入球装置132の状態とは関係なく第1特別入球装置131に確実に入賞し、第1特別入球装置131が閉鎖状態であって第2特別入球装置132が開放状態であれば当該第2特別入球装置132に確実に入賞し、第1特別入球装置131及び第2特別入球装置132の両方が閉鎖状態であれば特電入賞装置32に向けて流下する。
第1作動口33又は第1特別入球装置131への入賞が発生した場合には第1保留情報が取得され、第2特別入球装置132への入賞が発生した場合には第2保留情報が取得される。この場合に、遊技状態が通常遊技状態でありサポートモードが低頻度サポートモードである場合には第1特別入球装置131及び第2特別入球装置132の両方が開放状態になりづらく、遊技状態が高確率状態でありサポートモードが高頻度サポートモードである場合には第1特別入球装置131及び第2特別入球装置132の両方が開放状態となり易い。また、高確率状態において第1特別入球装置131及び第2特別入球装置132の両方が開放状態当選となった場合には、第1特別入球装置131が開放状態となる期間と第2特別入球装置132が開放状態となる期間とがずれるように、それら開放状態となる期間が調整される。
上記構成によれば、高確率状態において第1保留情報及び第2保留情報の両方が取得され易い構成とすることが可能となる。
なお、第1特別入球装置131と第2特別入球装置132とが鉛直方向に並設されている構成に限定されることはなく、同一の発射操作の態様によって第1特別入球装置131への入賞及び第2特別入球装置132への入賞を狙うことが可能であるもののこれら第1特別入球装置131と第2特別入球装置132とが横方向にずれた位置関係となるように設けられている構成としてもよい。この場合、高確率状態において第1特別入球装置131が開放状態となる期間と第2特別入球装置132が開放状態となる期間とがずれるようにそれら開放状態となる期間を調整しなくても、高確率状態において第1保留情報及び第2保留情報の両方が取得され易い構成とすることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、遊技性及び先読み結果を利用する構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
まず本実施形態における当否テーブルの内容について図32(a)〜図32(d)の説明図を参照しながら説明する。
図32(a)〜図32(d)に示すように、当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、小当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、上記第1の実施形態と同様に、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの移行契機となり得る当否結果である。小当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となる一方、当否抽選モード及びサポートモードの両方について移行契機とならない当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
上記のとおり大当たり結果となった場合及び小当たり結果となった場合のいずれであっても開閉実行モードに移行することとなるが、大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードと、小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードとで特電入賞装置32の開閉態様が相違している。詳細には、大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードは、上記第1の実施形態と同様に予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは既に説明したとおり、予め定められた開放継続期間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。この場合、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される構成において、開放継続期間が29秒に設定されているとともに上限個数が10個に設定されている。したがって、ラウンド遊技の開放継続期間は遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間に設定されていることとなるため、各ラウンド遊技において特電入賞装置32に上限個数以上の遊技球が入賞することを期待することができる。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特電入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了する開閉数規定モードとなっている。開閉数規定モードにおける特電入賞装置32の開放継続期間は、遊技球の発射周期(具体的には0.6秒)よりも長く、遊技球の発射周期と上限個数(具体的には10個)との積よりも短い開閉数規定用期間に設定されている。本パチンコ機10では開閉数規定モードにおける特電入賞装置32の開閉回数が1回に設定されているため、その1回の開放継続期間が上記開閉数規定用期間に設定されている。但し、これに限定されることはなく、開閉数規定モードにおける特電入賞装置32の開閉回数が複数回に設定されている場合には、その複数回の開放継続期間の合計期間が上記開閉数規定用期間に設定されている構成としてもよい。開閉数規定用期間として具体的には1.8秒に設定されている。小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードでは、大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードよりも少ない数ではあるが、遊技者の持ち球を増やすことが可能となる。
当否テーブルとしては、図32(a)〜図32(d)に示すように、第1特図用の実行エリア127aに格納されている第1保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブルと、第2特図用の実行エリア127bに格納されている第2保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブルと、が設定されている。さらに、第1特図用の当否テーブルには、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在しており、同様に、第2特図用の当否テーブルにも、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在している。つまり、本パチンコ機10は第1保留情報と第2保留情報とで異なる当否テーブルが参照されるとともに、いずれの場合であっても当否判定における当否抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが存在している。
各当否テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の低確当否テーブルは、図32(a)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は2個(例えば「5」、「305」)であり、それ以外は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが低確率モードにて第1保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び外れ結果のいずれかとなり得るものの小当たり結果となることはない。
第1特図用の高確当否テーブルは、図32(b)に示すように、大当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には20個である(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。それ以外の乱数の値は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが高確率モードにて第1保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び外れ結果のいずれかとなるものの小当たり結果となることはない。
第2特図用の低確当否テーブルは、図32(c)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。一方、大当たり結果となる乱数以外の乱数の値は小当たり結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが低確率モードにて第2保留情報について当否判定処理が行われた場合、大当たり結果及び小当たり結果のいずれかとなる。但し、詳細は後述するが、第2保留情報が遊技回の開始契機となるものの当該第2保留情報に対して当否判定処理が実行されない状況が発生し得るが、当該状況においてはその第2保留情報は外れ結果として扱われる。
第2特図用の高確当否テーブルは、図32(d)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の高確当否テーブルの場合と同一である。しがって、当該大当たり結果となる乱数の値の数は、第2特図用の低確当否テーブルの場合よりも多い数となる。一方、大当たり結果となる乱数以外の乱数の値は小当たり結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが高確率モードにて第2保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び小当たり結果のいずれかとなる。但し、詳細は後述するが、第2保留情報が遊技回の開始契機となるものの当該第2保留情報に対して当否判定処理が実行されない状況が発生し得るが、当該状況においてはその第2保留情報は外れ結果として扱われる。
上記のように第2保留情報が当否判定の契機となった場合には小当たり結果が発生し得る構成とすることにより、第2作動口34への入賞が発生することにより小当たり結果に対応した開閉実行モードが発生し易くなる。そして、小当たり結果に対応した開閉実行モードが発生することにより遊技者は持ち球を若干増加させることが可能となる。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
上記のように当否テーブルの内容が第1保留情報と第2保留情報とで相違している構成において、振分テーブルの内容は上記第1の実施形態と同様に第1保留情報と第2保留情報とで同一となっている。また、上記第1の実施形態ではサポートモードとして高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの2種類が存在している構成としたが、本実施形態ではサポートモードは1種類のみとなっている。したがって、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となる確率及び普図表示部38aにて絵柄の変動表示が実行される場合における変動表示期間の決定態様は遊技状態に関係なく一定であるとともに、普電開放状態において普電役物34aが開放状態となる回数、普電役物34aの1回の開放期間及び普電開放状態において普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合における1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間といった普電役物34aの駆動制御の実行態様も遊技状態に関係なく一定である。これにより、サポートモードの種類に応じて普図表示部38aの表示制御の態様及び普電役物34aの駆動制御の態様を変更する必要が生じないため、これらの制御を実行するためのプログラム容量及びデータ容量を抑えることが可能となる。なお、サポートモードが1種類のみであるため、本実施形態における通常遊技状態とは当否抽選モードが低確率モードである遊技状態であり、本実施形態における高確率状態とは当否抽選モードが高確率モードである遊技状態である。
また、上記第1の実施形態では第2特図保留エリア126に第1〜第4エリア126a〜126dが設けられており、第2保留情報を複数個保留記憶する可能な構成としたが、本実施形態では第2特図保留エリア126に記憶可能な第2保留情報の個数は1個となっている。そして、第2特図表示部37bにて遊技回が実行されている状況ではない場合であっていずれかの特図表示部37a,37bにおける遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況ではない場合に第2作動口34への入賞が発生した場合には第2特図保留エリア126に第2保留情報が直接格納され、第2特図表示部37bにおいて遊技回が実行されている状況又はいずれかの特図表示部37a,37bにおける遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況において第2作動口34への入賞が発生したとしても第2保留情報は取得されない。これにより、第2特図表示部37bにおける遊技回を開始させることが可能な状況において当該第2特図表示部37bにおける遊技回の開始を望む遊技者は、その都度、第2作動口34への入賞を狙った発射操作を行う必要が生じる。
サポートモードの種類が1種類のみである構成において遊技回の継続期間の設定態様を第1特図表示部37aと第2特図表示部37bとで相違させることにより、通常遊技状態においては第2特図表示部37bにおける遊技回の実行頻度が第1特図表示部37aにおける遊技回の実行頻度よりも低くなる構成となっている。以下、遊技回の継続期間の設定態様について図33の説明図を参照しながら説明する。
通常遊技状態において第1特図表示部37aにおける遊技回の継続期間の設定態様は通常設定態様となる。通常設定態様においては、図33に示すように、当否判定処理の結果が外れ結果であってリーチ演出が発生しない完全外れ時であれば、第1特図保留エリア125に上限個数(具体的には4個)の第1保留情報が記憶されている状況にて新たな遊技回が開始される場合には遊技回の継続期間として2秒が選択され、第1特図保留エリア125に上限個数の第1保留情報が記憶されていない状況にて新たな遊技回が開始される場合には遊技回の継続期間として10秒、20秒及び30秒のいずれかが選択される。また、通常設定態様において当否判定処理の結果が外れ結果ではあるもののリーチ演出が発生する外れリーチ時の場合及び当否判定処理の結果が大当たり結果である場合のいずれかである場合には、遊技回の継続期間として20秒、30秒、40秒、50秒、1分、1分30秒及び2分のいずれかが選択される。この場合、大当たり時の方が外れリーチ時よりも長い継続期間が選択され易くなっているとともに、選択される平均継続期間も大当たり時の方が外れリーチ時よりも長くなっている。
一方、通常遊技状態において第2特図表示部37bにおける遊技回の継続期間の設定態様は長期間設定態様となる。長期間設定態様においては、選択される遊技回の継続期間は1種類のみとなっており、対象となる遊技回の当否判定結果及び振分判定結果に関係なくその1種類の遊技回の継続期間が選択される。この選択される遊技回の継続期間は10分となっている。当該変動表示期間は、通常選択態様において選択される最長の遊技回の継続期間である2分よりも長い時間となっている。これにより、通常遊技状態においては第2特図表示部37bにおける遊技回の実行頻度が第1特図表示部37aにおける遊技回の実行頻度よりも低くなる。
高確率状態では遊技回の継続期間の設定態様が通常遊技状態と異なっている。具体的には、高確率状態において第1特図表示部37aにおける遊技回の継続期間は、当否判定処理の結果が外れ結果である場合にはリーチ演出が発生するか否かに関係なく1種類のみが選択対象となり、当否判定処理の結果が大当たり結果である場合にも1種類のみが選択対象となる。この場合、大当たり結果となる場合における遊技回の継続期間は外れ結果となる場合における遊技回の継続期間よりも長く設定されており、具体的には外れ結果となる場合における遊技回の継続期間が10秒であるのに対して大当たり結果となる場合における遊技回の継続期間が30秒となっている。
高確率状態において第2特図表示部37bにおける遊技回の継続期間は、当否判定処理の結果が小当たり結果である場合又は大当たり結果に対応している第1保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況で第2保留情報が遊技回の開始契機となることで当該第2保留情報が外れ結果として扱われる場合には1種類のみが選択対象となり、当否判定処理の結果が大当たり結果である場合にも1種類のみが選択対象となる。具体的には、小当たり結果となる場合又は外れ結果として扱われる場合における遊技回の継続期間が1秒であるのに対して大当たり結果となる場合における遊技回の継続期間が1分30秒となっている。
ここで、高確率状態において小当たり結果に対応する第2保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間は、高確率状態において大当たり結果に対応する第2保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間よりも短い期間に設定されている。また、高確率状態において小当たり結果に対応する第2保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間は、高確率状態において第1保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間よりも短い期間に設定されており、さらには通常遊技状態において第1保留情報又は第2保留情報が契機となる遊技回にて選択され得るいずれの遊技回の継続期間よりも短い期間に設定されている。つまり、高確率状態において小当たり結果に対応する第2保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間は、他のいずれの場合の遊技回の継続期間よりも短い期間に設定されている。これにより、高確率状態において小当たり結果に対応する第2保留情報が契機となる遊技回の消化期間を短くすることが可能となり、小当たり結果を契機とした開閉実行モードの単位時間当たりの発生回数を多くすることが可能となる。
一方、高確率状態において大当たり結果に対応する第2保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間は、高確率状態において小当たり結果に対応する第2保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間よりも長いだけではなく、高確率状態において第1保留情報が契機となる遊技回にて選択される遊技回の継続期間よりも長い期間に設定されている。これにより、第2保留情報を契機とした遊技回にて大当たり結果が発生することを遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
次に、通常遊技状態及び高確率状態のそれぞれにおいて遊技が進行していく様子を図34のタイムチャートを参照しながら説明する。図34(a)は高確率状態となっている期間を示し、図34(b)は第1特図表示部37aにおける遊技回の継続期間を示し、図34(c)は第2特図表示部37bにおける遊技回の継続期間を示し、図34(d)は小当たり結果を契機とした開閉実行モードの実行期間を示し、図34(e)は大当たり結果を契機とした開閉実行モードの実行期間を示す。
通常遊技状態においては既に説明したとおり、第2特図表示部37bにおける遊技回の継続期間の設定態様が長期間設定態様となる。したがって、図34(b)に示すようにt1のタイミング、t3のタイミング、t4のタイミング、t5のタイミング及びt7のタイミングのそれぞれを含めて第1特図表示部37aにて遊技回が複数回開始される間に、第2特図表示部37bでは図34(c)に示すようにt2のタイミング〜t6のタイミングに亘って遊技回が1回のみ実行される。このように、通常遊技状態においては第1特図表示部37aにおける遊技回の実行頻度が第2特図表示部37bにおける遊技回の実行頻度よりも高くなる。
図34(b)に示すようにt7のタイミングで開始された第1特図表示部37aにおける遊技回がt8のタイミングで終了する。この場合、当該遊技回の開始契機となった第1保留情報が高確大当たり結果に対応しているため、当該遊技回が終了したt8のタイミングで図34(e)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。そして、当該開閉実行モードがt9のタイミングで終了する。上記のとおり当該開閉実行モードの契機となった大当たり結果は高確大当たり結果であるため、図34(a)に示すようにt9のタイミングで遊技状態が高確率状態に移行する。また、t9のタイミングで第1特図保留エリア125に第1保留情報が保留記憶されているとともに第2特図保留エリア126に第2保留情報が保留記憶されているため、当該t9のタイミングで、図34(b)に示すように第1特図表示部37aにおける遊技回が開始されるとともに図34(c)に示すように第2特図表示部37bにおける遊技回が開始される。
t9のタイミングで開始された第1特図表示部37aにおける遊技回は図34(b)に示すようにt17のタイミングまで継続することとなるが、このt9のタイミング〜t17のタイミングの間に第2特図表示部37bにおける遊技回が複数回実行されるとともに各遊技回の後には小当たり結果を契機とした開閉実行モードが発生する。つまり、図34(c)に示すようにt9のタイミング〜t10のタイミング、t12のタイミング〜t13のタイミング及びt15のタイミング〜t16のタイミングといったように第2特図表示部37bにおける遊技回が実行されるとともに、それら各遊技回が小当たり結果に対応する第2保留情報を契機としているため図34(d)に示すようにt10のタイミング〜t11のタイミング、t13のタイミング〜t14のタイミング及びt16のタイミング〜t18のタイミングといったように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行される。この場合、高確率状態において外れ結果となる第1特図表示部37aの遊技回の継続期間が10秒に設定されているのに対して、高確率状態において小当たり結果となる第2特図表示部37bの遊技回の継続期間が1秒に設定されているとともに小当たり結果を契機とした開閉実行モードの継続期間が1.8秒に設定されている。したがって、高確率状態においては、外れ結果となる第1特図表示部37aの遊技回が1回実行される間に、小当たり結果となる第2特図表示部37bの遊技回及び小当たり結果を契機とした開閉実行モードの組合せが3回〜4回発生し得ることとなる。
図34(b)に示すように第1特図表示部37aにて遊技回が実行されている状況であるt10のタイミング、t13のタイミング及びt16のタイミングのそれぞれで図34(d)に示すように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。これにより、第1特図表示部37aにおける遊技回が終了するのを待ってから小当たり結果を契機とした開閉実行モードを開始させる構成に比べて、小当たり結果を契機とした開閉実行モードの単位時間当たりにおける実行頻度を高めることが可能となる。
その後、t19のタイミングで図34(b)に示すように第1特図表示部37aにおける遊技回が新たに開始される。そして、当該遊技回が実行されている状況であるt20のタイミングで図34(c)に示すように第2特図表示部37bにおける遊技回が開始されるとともに当該遊技回が終了するt21のタイミングで図34(e)に示すように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。当該開閉実行モードはt22のタイミングで終了する。
その後、t19のタイミングで開始された第1特図表示部37aにおける遊技回が継続している状況であるt23のタイミングで、図34(c)に示すように第2特図表示部37bにおける遊技回が開始される。当該遊技回は大当たり結果に対応する第2保留情報を契機としている。その後、t24のタイミングで、図34(b)に示すように第1特図表示部37aにおける遊技回が終了するとともに、その後のt25のタイミングで、図34(c)に示すように第2特図表示部37bにおける遊技回が終了する。そして、当該t25のタイミングで図34(e)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。
次に、上記のような遊技の進行を可能とする処理構成について説明する。図35は主側MPU82にて実行される本実施形態における第1特図特電制御処理を示すフローチャートであり、図36は主側MPU82にて実行される本実施形態における第2特図特電制御処理を示すフローチャートである。なお、第1特図特電制御処理はタイマ割込み処理(図9)のステップS214にて実行され、第2特図特電制御処理はタイマ割込み処理(図9)のステップS215にて実行される。
第1特図特電制御処理(図35)ではまず第1保留情報の取得処理を実行する(ステップS1701)。また、第2特図特電制御処理(図36)ではまず第2保留情報の取得処理を実行する(ステップS1801)。
第1保留情報の取得処理では、図37(a)のフローチャートに示すように、第1作動口33への入賞が発生しており(ステップS1901:YES)、さらに第1特図保留エリア125に記憶されている第1保留情報の数が上限記憶数未満である場合(ステップS1902:YES)、上記第1の実施形態におけるステップS503及びステップS504と同様に、ステップS1903及びステップS1904にて、第1保留情報を取得するための処理を実行する。その後、保留コマンドの選択処理を実行する(ステップS1905)。保留コマンドの選択処理では詳細は後述するが、今回取得した第1保留情報の内容に対応する第1保留コマンドを選択するための処理を実行する。そして、ステップS1905にて選択した第1保留コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS1906)。音光側MPU93は受信した第1保留コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の通常用保留表示領域42又は第1保留表示領域46における第1保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。
第2保留情報の取得処理では、図37(b)のフローチャートに示すように、第2特図表示部37bにて遊技回が実行されている状況ではない場合であっていずれかの特図表示部37a,37bにおける遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況ではない場合であり(ステップS2001:NO)、さらに第2作動口34への入賞が発生している場合(ステップS2002:YES)、ステップS2003に進む。ステップS2003では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を第2特図保留エリア126に格納する。これにより、第2保留情報が第2特図保留エリア126に格納された状態となる。この取得された第2保留情報は即座に第2特図表示部37bにおける遊技回の開始契機となる。
第1特図特電制御処理(図35)及び第2特図特電制御処理(図36)の説明に戻り、保留情報の取得処理(ステップS1701又はステップS1801)を実行した後は、上記第1の実施形態におけるステップS302〜ステップS304及びステップS402〜ステップS404と同様の処理を、ステップS1702〜ステップS1704及びステップS1802〜ステップS1804のそれぞれで実行することにより、対応する特図特電カウンタの値に対応する処理にジャンプする。この場合に、第1特図特電制御処理では、第1特図特電カウンタの値が「0」である場合には特図変動開始処理(ステップS1705)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「1」である場合には特図変動中処理(ステップS1706)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「2」である場合には特図確定中処理(ステップS1707)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「3」である場合には特電開始処理(ステップS1708)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「4」である場合には特電開放中処理(ステップS1709)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「5」である場合には特電閉鎖中処理(ステップS1710)が実行対象となり、第1特図特電カウンタの値が「6」である場合には特電終了処理(ステップS1711)が実行対象となる。また、第2特図特電制御処理では、第2特図特電カウンタの値が「0」である場合には特図変動開始処理(ステップS1805)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「1」である場合には特図変動中処理(ステップS1806)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「2」である場合には特図確定中処理(ステップS1807)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「3」である場合には特電開始処理(ステップS1808)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「4」である場合には特電開放中処理(ステップS1809)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「5」である場合には特電閉鎖中処理(ステップS1810)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「6」である場合には特電終了処理(ステップS1811)が実行対象となり、第2特図特電カウンタの値が「7」である場合には小当たり用処理(ステップS1812)が実行対象となる。
上記各処理のうち特図変動中処理(ステップS1706、ステップS1806)、特電開放中処理(ステップS1709、ステップS1809)及び特電閉鎖中処理(ステップS1710、ステップS1810)については上記第1の実施形態と同一であるため説明を省略する。これら以外の処理について以下に説明する。
図38は第1特図特電制御処理(図35)におけるステップS1705及び第2特図特電制御処理(図36)におけるステップS1805にて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。
特図変動開始処理では、まず今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側において大当たり状態用の処理が実行されているか否かを判定する(ステップS2101)。既に説明したとおり本パチンコ機10では第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方において遊技回が実行されている状況であっても他方において遊技回が実行され得る。この場合に、ステップS2101が実行され、今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側において大当たり状態用の処理が実行されている場合にはステップS2102以降の処理が実行されずに新たな遊技回の開始が規制される。これにより、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方における大当たり結果の遊技回を契機として開閉実行モードが実行されている状況においては、他方における遊技回が新たに開始されないように規制される。よって、開閉実行モードへの遊技者の注目度を高めることが可能となる。
ここで、今回が第2特図特電制御処理(図36)における特図変動開始処理であれば第1特図特電カウンタの値が「3」〜「6」のいずれかであるか否かをステップS2101にて判定し、「3」〜「6」のいずれかである場合にはステップS2102以降の処理を実行しない構成である。これにより、第1特図表示部37aにおける大当たり結果に対応する遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況では第2特図表示部37bにて新たな遊技回が開始されない。
一方、今回が第1特図特電制御処理(図35)における特図変動開始処理であれば第2特図特電カウンタの値が「3」〜「6」のいずれかであるか否かをステップS2101にて判定し、「3」〜「6」のいずれかである場合にはステップS2102以降の処理を実行しないのに対して、第2特図特電カウンタの値が「7」である場合にはステップS2102以降の処理を実行する。第2特図特電カウンタの値が「7」である場合には既に説明したとおり小当たり用処理(ステップS1812)が実行されることとなるが、当該小当たり用処理では詳細は後述するように小当たり結果を契機とした開閉実行モードを実行制御するための処理を実行する。つまり、第1特図表示部37aにおける遊技回は、第2特図表示部37bにおける大当たり結果に対応する遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況では開始されないが、第2特図表示部37bにおける小当たり結果に対応する遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況においては開始される。これにより、第1特図表示部37aにおける遊技回の実行頻度を高めることが可能となる。
ちなみに、第1特図表示部37aにて実行される遊技回の継続期間の最短期間は、小当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了するまでに要する最長期間よりも長い期間に設定されている。したがって、小当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行されている状況で第1特図表示部37aにて遊技回が開始されたとしても、その遊技回は小当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了した後に終了する。
ステップS2101にて否定判定をした場合には、対応する保留個数が1個以上であるか否かを判定する(ステップS2102)。今回が第1特図特電制御処理(図35)における特図変動開始処理であれば第1特図保留エリア125に第1保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定し、今回が第2特図特電制御処理(図36)における特図変動開始処理であれば第2特図保留エリア126に第2保留情報が1個以上記憶されているか否かを判定する。ステップS2102にて肯定判定をした場合には、データ設定処理を実行する(ステップS2103)。今回が第1特図特電制御処理(図35)における特図変動開始処理であれば、データ設定処理の処理内容は上記第1の実施形態におけるステップS703と同一である。今回が第2特図特電制御処理(図36)における特図変動開始処理であれば、データ設定処理では第2特図保留エリア126に格納された第2特図用の実行エリア127bにシフトした後に、第2特図保留エリア126を「0」クリアする。
データ設定処理を実行した後は、上記第1の実施形態におけるステップS704と同様に今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側において遊技回が実行されており且つその遊技回の開始契機となった保留情報が大当たり結果に対応しているか否かを判定する(ステップS2104)。ステップS2104にて否定判定をした場合には当否判定処理を実行する(ステップS2105)。
当否判定処理では、当否抽選モードが低確率モードであって遊技回の開始対象が第1特図表示部37aであれば第1特図用の低確当否テーブル(図32(a)参照)を主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであって遊技回の開始対象が第1特図表示部37aであれば第1特図用の高確当否テーブル(図32(b)参照)を主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが低確率モードであって遊技回の開始対象が第2特図表示部37bであれば第2特図用の低確当否テーブル(図32(c)参照)を主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであって遊技回の開始対象が第2特図表示部37bであれば第2特図用の高確当否テーブル(図32(d)参照)を主側ROM83から読み出す。当否テーブルを読み出した後は、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象である側に格納された保留情報から、当否判定用の情報すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が上記当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。また、今回の遊技回の開始対象が第2特図表示部37bである場合には大当たり結果として設定されている数値情報と一致していない場合には、上記当否テーブルにおいて小当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
当否判定処理の結果が大当たり結果である場合(ステップS2106:YES)、上記第1の実施形態におけるステップS707〜ステップS709と同様にステップS2107〜ステップS2109の処理を実行する。当否判定処理の結果が大当たり結果ではなく小当たり結果である場合(ステップS2106:NO、ステップS2110:YES)、主側RAM84に設けられた小当たりフラグに「1」をセットする(ステップS2111)。なお、既に説明したとおり、小当たり結果は第1特図表示部37a側においては発生することはなく、第2特図表示部37b側においてのみ発生する。その後、小当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS2112)。具体的には、今回の遊技回において第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている小当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
当否判定処理の結果が大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合(ステップS2110:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS2113)。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっており、さらに第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにおいて共通の1種類となっている。
また、ステップS2104にて肯定判定をした場合、すなわち今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側において遊技回が実行されており且つその遊技回の開始契機となった保留情報が大当たり結果に対応している場合、当否判定処理を実行することなく、既に説明した外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS2113)。つまり、本パチンコ機10は第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている状況であっても他方にて遊技回が開始され得る構成ではあるものの、既に実行されている遊技回の開始契機となった保留情報がいずれかの大当たり結果に対応している場合には、新たに実行される遊技回はその開始契機となった保留情報が大当たり結果に対応しているか否かに関係なく外れ結果に対応する遊技回となる。これにより、大当たり結果に対応する遊技回が重複して実行されてしまわないようにすることが可能となる。また、大当たり結果に対応する遊技回が既に実行されている場合には新たな遊技回の開始が阻止される構成の場合、遊技回の開始対象となっている保留情報が取得されているにも関わらず新たな遊技回が開始されない時点で現状実行されている遊技回が大当たり結果に対応する遊技回であることが明確となってしまうおそれがあるが、大当たり結果に対応する遊技回が既に実行されている場合であっても新たな遊技回が開始され得る構成とすることでこのような事象が発生しないようにすることが可能となる。
既に説明したとおり本パチンコ機10では第1特図表示部37aにて遊技回が実行されている状況であっても、第2特図表示部37bにおける小当たり結果の遊技回を契機とした開閉実行モードが開始され得る。この場合に、第1特図表示部37aにて大当たり結果に対応する遊技回が実行されている状況においては、小当たり結果に対応する第2保留情報が遊技回の開始契機となったとしてもその第2保留情報を契機とした遊技回は外れ結果となる。これにより、第1特図表示部37aにて大当たり結果に対応する遊技回が実行されている途中で小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始されてしまわなようにすることが可能となる。また、かかる構成に加えて、既に説明したとおり第1特図表示部37aにて実行される遊技回の継続期間の最短期間は小当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了するまでに要する最長期間よりも長い期間に設定されているため、小当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行されている状況で第1特図表示部37aにて遊技回が開始されたとしてもその遊技回は小当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了した後に終了する。したがって、第1特図表示部37aにおける大当たり結果を契機とした開閉実行モードを実行すべき状況と特図表示部37bにおける小当たり結果を契機とした開閉実行モードを実行すべき状況とが重複して発生してしまわないようにすることが可能となる。また、ステップS2104の処理が実行されることにより上記第1の実施形態と同様に、第1特図表示部37aにおける大当たり結果を契機とした開閉実行モードを実行すべき状況と特図表示部37bにおける大当たり結果を契機とした開閉実行モードを実行すべき状況とが重複して発生することはない。つまり、第1特図表示部37aにおける遊技回を契機とした開閉実行モードを実行すべき状況と第2特図表示部37bにおける遊技回を契機とした開閉実行モードを実行すべき状況とが重複して発生しない構成となっている。
ステップS2109、ステップS2112又はステップS2113の処理を実行した場合、変動表示期間の特定処理を実行する(ステップS2114)。図39は変動表示期間の特定処理を示すフローチャートである。変動表示期間の特定処理では、まず今回の開始対象となっている保留情報が第1保留情報であって現状の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2201)。ステップS2201にて肯定判定をした場合には変動表示期間の抽選処理を実行する(ステップS2202)。変動表示期間の抽選処理では、上記第1の実施形態におけるステップS802〜ステップS804と同様の処理を実行する。これにより、既に説明したように通常設定態様により遊技回の継続期間を選択し、その遊技回の継続期間から最終停止期間を差し引いた期間を変動表示期間とする。
一方、ステップS2201にて否定判定をした場合には変動表示期間の読み出し処理を実行する(ステップS2203)。当該読み出し処理では、今回の開始対象となっている保留情報が第1保留情報であって現状の遊技状態が高確率状態であれば、当否判定処理の結果が外れ結果である場合には10秒の情報を主側ROM83から読み出し、当否判定処理の結果が大当たり結果である場合には30秒の情報を主側ROM83から読み出す。そして、その読み出した遊技回の継続期間から最終停止期間を差し引いた期間を変動表示期間とする。この場合に外れ結果である場合には図柄表示装置41の装飾領域43及び第1個別表示領域45にてリーチ演出が発生することはなく、大当たり結果である場合には図柄表示装置41の装飾領域43及び第1個別表示領域45にてリーチ演出が発生する。但し、これに限定されることはなく、外れ結果である場合であってもリーチ演出を発生させるか否かの抽選が主側MPU82又は音光側MPU93にて実行され、リーチ演出の発生当選となった場合にはリーチ演出が発生する構成としてもよい。
変動表示期間の読み出し処理では、今回の開始対象となっている保留情報が第2保留情報であって現状の遊技状態が高確率状態であれば、当否判定処理の結果が小当たり結果である場合又は第2保留情報が外れ結果として扱われる場合には1秒の情報を主側ROM83から読み出し、当否判定処理の結果が大当たり結果である場合には1分30秒の情報を主側ROM83から読み出す。そして、その読み出した遊技回の継続期間から最終停止期間を差し引いた期間を変動表示期間とする。この場合に小当たり結果である場合には図柄表示装置41の装飾領域43及び第1個別表示領域45にてリーチ演出が発生することはなく、大当たり結果である場合には図柄表示装置41の装飾領域43及び第1個別表示領域45にてリーチ演出が発生する。また、遊技回の継続期間が1秒とは異なる期間である場合には図柄表示装置41の各領域43〜45,47における図柄の変動表示が左→右→中の順序で順次停止されるのに対して、遊技回の継続期間が1秒である場合には図柄表示装置41の第2個別表示領域47において図柄G11〜G13の変動表示が同時に停止表示されるとともに、その際の図柄G11〜G13の組合せが小当たり結果に対応する組合せ(例えば「3・4・1」)となる。これにより、小当たり結果となる場合における遊技回の継続期間が他の場合よりも短い構成であっても、小当たり結果が発生したことを遊技者に認識させ易くすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、小当たり結果である場合であっても図柄の変動表示が順次停止される構成としてもよい。
変動表示期間の読み出し処理では、今回の開始対象となっている保留情報が第2保留情報であって現状の遊技状態が通常遊技状態であれば、当否判定処理の結果がいずれの結果であっても10分の情報を主側ROM83から読み出す。そして、その読み出した遊技回の継続期間から最終停止期間を差し引いた期間を変動表示期間とする。この場合に当否判定処理の結果が大当たり結果である場合には当該大当たり結果に対応する遊技回の経過期間が、遊技状態が通常遊技状態において第1保留情報が開始契機となった場合の遊技回において選択され得る最大の継続期間よりも長い基準期間である9分を超えた場合に、図柄表示装置41の追加装飾領域44にてリーチ演出が開始される。一方、当否判定処理の結果が小当たり結果である場合には図柄表示装置41の追加装飾領域44にてリーチ演出は発生しない。
ステップS2202又はステップS2203の処理を実行した後は、これらのいずれかの処理にて特定した変動表示期間の情報を、主側RAM84に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS2204)。これにより、今回開始対象となっている遊技回の変動表示期間のセットが完了する。
特図変動開始処理(図38)の説明に戻り、変動表示期間の特定処理を実行した後は、上記第1の実施形態におけるステップS712〜ステップS714と同様にステップS2115〜ステップS2117の処理を実行する。これにより、新たな遊技回が開始されることとなる。
図40は第1特図特電制御処理(図35)におけるステップS1707及び第2特図特電制御処理(図36)におけるステップS1807にて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。
まず最終停止期間が経過しているか否かを判定する(ステップS2301)。最終停止期間が経過している場合(ステップS2301:YES)、高確率状態から通常遊技状態に遊技状態を移行させる契機が発生しているか否かを特定し、当該契機が発生している場合には通常遊技状態に遊技状態を移行させるための処理を実行する(ステップS2302〜ステップS2305)。当該処理については後に説明する。
ステップS2302〜ステップS2305の処理を実行した場合であって、今回の遊技回が大当たり結果に対応する遊技回である場合(ステップS2306:YES)、今回の処理が第1特図特電制御処理(図35)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図36)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS2307)。特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特電開始処理(ステップS1708、ステップS1808)に対応する「3」となる。
ステップS2302〜ステップS2305の処理を実行した場合であって、今回の遊技回が第2特図表示部37bにおける遊技回であるとともに小当たり結果に対応する遊技回である場合(ステップS2308:YES)、第2特図特電カウンタの値を5加算する(ステップS2309)。特図確定中処理が実行される場合における第2特図特電カウンタの値は「2」であるため、5加算されることで第2特図特電カウンタの値は小当たり用処理(ステップS1812)に対応する「7」となる。
ステップS2302〜ステップS2305の処理を実行した場合であって、今回の遊技回が大当たり結果及び小当たり結果のいずれにも対応しない遊技回である場合(ステップS2308:NO)、今回の処理が第1特図特電制御処理(図35)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を「0」クリアし、今回の処理が第2特図特電制御処理(図36)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS2310)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS1705、ステップS1805)に対応する「0」となる。
図41は第1特図特電制御処理(図35)におけるステップS1708及び第2特図特電制御処理(図36)におけるステップS1808にて実行される特電開始処理を示すフローチャートである。
大当たり結果を契機とした開閉実行モードのオープニング期間の開始前である場合(ステップS2401:YES)、今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側の特図特電カウンタの値が「0」であるか否かを判定することで、今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側の特図表示部37a,37bにて遊技回が実行されている状況であるか否かを判定する(ステップS2402)。今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側の特図特電カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2402:NO)、そのまま本特図確定中処理を終了することで開閉実行モードを開始させるための処理を実行しない。これにより、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの両方にて遊技回が実行されている状況であって大当たり結果に対応する遊技回が実行されている側の特図表示部37a,37bにおける遊技回が先に終了した場合、まだ遊技回が終了していない側の特図表示部37a,37bにおける遊技回が終了した後に開閉実行モードが開始されることとなる。よって、大当たり結果に対応する遊技回の終了を契機として、実行中の遊技回が強制的に終了されてしまわないようにすることが可能となるとともに、遊技回が実行中であるにも関わらず開閉実行モードが開始されてしまわないようにすることが可能となる。
ちなみに、既に説明したとおり第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方における大当たり結果に対応する遊技回を契機として開閉実行モードが実行されている状況においては他方における遊技回が新たに開始されない構成である。当該構成と上記ステップS2402の構成とを備えていることにより、開閉実行モードが実行されている状況では遊技回が実行されないこととなる。よって、遊技回が実行されている状況では遊技回の結果に遊技者を注目させることが可能となるとともに、開閉実行モードが実行されている状況では開閉実行モードに遊技者を注目させることが可能となる。
今回の特図特電制御処理(図35、図36)に対応しない側の特図特電カウンタの値が「0」である場合(ステップS2402:YES)、大当たり結果に対応したオープニング期間に対応する情報(具体的には10秒)を、今回の開閉実行モードの契機となった特図表示部37a,37bに対応する特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS2403)。その後、オープニングコマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS2404)。これにより、オープニング期間に対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部64及びスピーカ部65において行われる。
大当たり結果を契機とした開閉実行モードのオープニング期間の開始後である場合(ステップS2401:NO)、オープニング期間が経過していることを条件として(ステップS2405:YES)、大当たり結果を契機とした開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。具体的には、まずラウンド数の設定処理を実行する(ステップS2406)。当該設定処理では、主側RAM84に設けられたラウンドカウンタRCに「15」をセットする。ラウンドカウンタRCは、ラウンド遊技の残りの実行回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。その後、制御対象の特図特電タイマカウンタにラウンド遊技の開放継続期間の情報(具体的には29秒)をセットするとともに(ステップS2407)、主側RAM84に設けられた入賞カウンタに1回のラウンド遊技における特電入賞装置32への上限入賞個数に対応する情報(具体的には「10」)をセットする(ステップS2408)。そして、特電用の開放設定処理を実行する(ステップS2409)。当該開放設定処理では、特電入賞装置32が開放状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が開放状態となる。その後、今回の処理が第1特図特電制御処理(図35)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を1加算し、今回の処理が第2特図特電制御処理(図36)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を1加算する。特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特電開放中処理(ステップS1709、ステップS1809)に対応する「4」となる。
図42は第1特図特電制御処理(図35)におけるステップS1711及び第2特図特電制御処理(図36)におけるステップS1811にて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。
特電開放中処理(ステップS1709、ステップS1809)にてセットされたエンディング期間が経過している場合(ステップS2501:YES)、遊技状態の設定処理を実行する。遊技状態の設定処理では、主側RAM84の第1高確大当たりフラグ又は第2高確大当たりフラグに「1」がセットされている場合には(ステップS2502:YES)、今回の開閉実行モードの開始契機となった大当たり結果が高確大当たり結果であることを意味するため、主側RAM84に設けられた高確率フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2503)、主側RAM84に設けられた遊技回数カウンタに「60」をセットする(ステップS2504)。
高確率フラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを主側MPU82にて特定するためのフラグである。本実施形態のパチンコ機10では高確大当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了した後において、大当たり結果を契機とした開閉実行モードが発生することなく終了基準回数(具体的には60回)の遊技回が実行された場合、遊技状態が高確率状態から通常遊技状態に移行する構成となっている。遊技回数カウンタは、終了基準回数の残りの回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。
ここで、高確率状態から通常遊技状態に遊技状態を移行させる契機を特定するための処理は特図確定中処理(図40)のステップS2302〜ステップS2305にて実行される。具体的には、今回の遊技回の最終停止期間が経過した場合(ステップS2301:YES)、遊技回数カウンタの値が1以上であれば(ステップS2302:YES)、その遊技回数カウンタの値を1減算する(ステップS2303)。そして、その1減算後における遊技回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS2304:YES)、主側RAM84の高確率フラグを「0」クリアする(ステップS2305)。これにより、遊技状態が高確率状態から通常遊技状態に移行する。
特電終了処理(図42)の説明に戻り、今回の開閉実行モードの開始契機となった大当たり結果が低確大当たり結果である場合(ステップS2502:NO)、主側RAM84の高確率フラグを「0」クリアするとともに(ステップS2505)、主側RAM84の遊技回数カウンタを「0」クリアする(ステップS2506)。これにより、今回の開閉実行モード後における遊技状態が通常遊技状態となる。
ステップS2504又はステップS2506の処理を実行した場合、クリア処理を実行する(ステップS2507)。これにより、主側RAM84の第1高確大当たりフラグ、第2高確大当たりフラグ、第1低確大当たりフラグ及び第2低確大当たりフラグのうち「1」がセットされているフラグが「0」クリアされるとともに、今回の開閉実行モードにおいて利用された各種フラグ及び各種カウンタが「0」クリアされる。
その後、今回の処理が第1特図特電制御処理(図35)に対応しているのであれば第1特図特電カウンタの値を「0」クリアし、今回の処理が第2特図特電制御処理(図36)に対応しているのであれば第2特図特電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS1705、ステップS1805)に対応する「0」となる。
図43は第2特図特電制御処理(図43)におけるステップS1812にて実行される小当たり用処理を示すフローチャートである。
今回の処理回が小当たり結果を契機とした開閉実行モードの開始タイミングである場合(ステップS2601:YES)、第2特図特電タイマカウンタに開閉数規定モードの開放継続期間の情報(具体的には1.8秒)をセットするとともに(ステップS2602)、主側RAM84の入賞カウンタに開閉数規定モードにおける特電入賞装置32への上限入賞個数に対応する情報(具体的には「10」)をセットする(ステップS2603)。そして、特電用の開放設定処理を実行する(ステップS2604)。当該開放設定処理では、特電入賞装置32が開放状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が開放状態となる。
今回の処理回が小当たり結果を契機とした開閉実行モードの開始タイミングではない場合(ステップS2601:NO)、特電入賞装置32への入賞が発生していることを条件として(ステップS2605:YES)、主側RAM84の入賞カウンタの値を1減算する(ステップS2606)。そして、その1減算後における入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップS2607:YES)、小当たり結果を契機とした開閉実行モードを終了させるための処理を実行する。また、特電入賞装置32への入賞が発生していない場合(ステップS2605:NO)又は主側RAM84の入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても(ステップS2607:NO)、第2特図特電タイマカウンタの値が「0」となっており開閉数規定モードの開放継続期間が経過している場合にも(ステップS2608:YES)、小当たり結果を契機とした開閉実行モードを終了させるための処理を実行する。
小当たり結果を契機とした開閉実行モードを終了させるための処理では、まず特電用の閉鎖設定処理を実行する(ステップS2609)。当該閉鎖設定処理では、特電入賞装置32が閉鎖状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が閉鎖状態となる。その後、主側RAM84の小当たりフラグを「0」クリアした後に(ステップS2610)、第2特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS2611)。これにより、第2特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS1805)に対応する「0」となる。
次に、保留情報の先読みを利用して各種報知を実行するための構成について説明する。
既に説明したとおり、第2保留情報が当否判定処理の対象となった場合において大当たり結果とならなかった場合には小当たり結果となるとともに、小当たり結果となった場合には開閉数規定モードである開閉実行モードに移行することで特電入賞装置32への入賞が発生し得る。そして、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている状況であっても他方にて遊技回が開始され得る構成であるとともに、遊技状態が高確率状態である場合には小当たり結果に対応する第2保留情報が開始契機となった遊技回の継続期間は最短の期間である1秒となり、さらには開閉数規定モードの開閉実行モードは第1特図表示部37aにおける遊技回が実行されている状況であっても開始される。これにより、高確率状態においては開閉数規定モードの開閉実行モードが短期間で繰り返されることとなり、当該開閉数規定モードの開閉実行モードにおける特電入賞装置32への入賞による遊技球の払い出しにより遊技者が所持する遊技球数が増加することとなる。
この場合に、高確率状態は大当たり結果が発生することなく終了基準回数である60回の遊技回が実行された場合に終了する。そうすると、仮に高確率状態の途中で大当たり結果が発生する場合、当該大当たり結果に対応する遊技回が開始されるまでに第2特図表示部37bにおける遊技回をより多く発生させて、開閉数規定モードの開閉実行モードをより多く発生させる方が遊技者にとって有利である。その一方、高確率状態において当否判定処理の対象となれば大当たり結果となる保留情報であっても低確率状態において当否判定処理の対象となると大当たり結果とならないことが起こり得る。そうすると、そのような第1保留情報が取得されている状況において第2特図表示部37bにおける遊技回を繰り返し発生させて高確率状態における遊技回の実行回数を終了基準回数としてしまうと、その第1保留情報を契機とした大当たり結果の利益を消失させてしまうこととなる。したがって、このような場合にはその第1保留情報を契機とした遊技回が、高確率状態における遊技回の実行回数が終了基準回数となる場合又はその直前で実行されるようにすることで、遊技者の利益を最大化させることが可能となる。
このような事情において本実施形態のパチンコ機10では、高確率状態において第1保留情報を新たに取得した場合、その取得したタイミングにおいて当該第1保留情報が大当たり結果に対応しているか否かを先読みする。そして、大当たり結果に対応していることを特定した場合には、その第1保留情報の内容及び高確率状態における残りの継続回数との関係で、遊技球の発射を停止させるようにするための報知又は遊技球の発射を促すようにするための報知が実行される。以下、このような報知が実行されるようにするための処理構成について具体的に説明する。なお、第2保留情報については上記のような先読みは実行されない。
図44は主側MPU82にて実行される保留コマンドの選択処理を示すフローチャートである。なお、保留コマンドの選択処理は第1保留情報の取得処理(図37)におけるステップS1905にて実行される。
まず今回取得した第1保留情報が大当たり結果に対応する保留情報であるか否かを判定する(ステップS2701)。具体的には、今回取得した第1保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が高確率状態において参照される当否テーブルである第1特図用の高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。つまり、現状の遊技状態が通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても高確当否テーブルを参照する。既に説明したとおり低確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類は全て、高確当否テーブルにおいて大当たり結果となる数値情報の種類に含まれている。この場合に、ステップS2701にて第1特図用の高確当否テーブルを参照して大当たり結果に対応しているか否かを判定することで、今回取得した第1保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれかにて大当たり結果に対応しているか否かを判定していることとなる。
取得した第1保留情報が大当たり結果に対応する保留情報である場合(ステップS2701:YES)、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうち今回取得した第1保留情報が格納されるエリアに設けられた大当たり保留フラグに「1」をセットする(ステップS2702)。なお、本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのそれぞれに、当たり乱数エリア、大当たり種別エリア及びリーチ乱数エリアとは別に大当たり保留フラグが設けられているが、上記第1の実施形態と異なり、第1〜第4エリア125a〜125dには継続期間エリア及び設定済みフラグは設けられていない。
その後、現状の遊技状態が高確率状態であることを条件として(ステップS2703:YES)、大当たり結果に対応する第1特図表示部37aの遊技回の実行中であるか否かを判定する(ステップS2704)。大当たり結果に対応する第1特図表示部37aの遊技回の実行中であれば(ステップS2704:YES)、先読み報知を実行しない。既に説明したとおり大当たり結果に対応した遊技回が実行されている状況で遊技回の開始契機となる保留情報は、当否判定処理が実行されることなく外れ結果に対応しているものとして扱われる。したがって、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が既に実行されている状況においては第2保留情報を契機とした遊技回が新たに開始されたとしてもその遊技回を契機とした利益は確実に発生しない。この場合に、上記のように大当たり結果に対応する第1特図表示部37aの遊技回の実行中においては先読み報知を実行しないようにすることにより、遊技球の発射を停止させるようにするための報知及び遊技球の発射を促すようにするための報知(以下、これら報知を先読み結果に対応する報知ともいう)が無意味に実行されてしまわないようにすることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1特図表示部37aの遊技回が実行中ではない場合には(ステップS2704:NO)、第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dにおいて大当たり保留フラグに「1」がセットされているエリアが2個以上存在しているか否かを判定する(ステップS2705)。大当たり保留フラグに「1」がセットされているエリアが2個以上存在している場合、今回取得した第1保留情報よりも先に遊技回の開始契機となる第1保留情報が大当たり結果に対応していることを意味する。この場合、その先に遊技回の開始契機となる大当たり結果の第1保留情報が取得されたタイミングで既に先読み結果に対応する報知が実行されている可能性がある。このような状況において後に遊技回の開始契機となる第1保留情報を契機として先読み結果に対応する報知が実行されてしまうと、遊技者が混乱してしまう可能性がある。また、先に遊技回の開始契機となる大当たり結果の第1保留情報について先読み結果に対応する報知が実行されていなかったとしても、この先に遊技回の開始契機となる大当たり結果の第1保留情報とは無関係に、後に遊技回の開始契機となる第1保留情報を契機として先読み結果に対応する報知が実行されてしまうと、現状の状況に合わない内容の先読み結果に対応する報知が実行されてしまう可能性がある。これに対して、大当たり保留フラグに「1」がセットされているエリアが2個以上存在している場合には先読み報知を実行しないことにより、このような不都合が発生しないようにすることが可能となる。
第1特図保留エリア125の第1〜第4エリア125a〜125dのうち大当たり保留フラグに「1」がセットされているエリアが1個のみである場合(ステップS2705:NO)、大当たり結果に対応する第1保留情報が今回取得した第1保留情報のみであることを意味する。この場合、ステップS2706以降の先読み報知を実行可能とする処理を実行する。
具体的には、まず第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数を把握する(ステップS2706)。その後、主側RAM84の遊技回数カウンタの値が基準数未満であるか否かを判定する(ステップS2707)。既に説明したとおり高確率状態において外れ結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回の継続期間は10秒で固定されている。また、高確率状態において小当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回の継続期間は1秒で固定されているとともに、小当たり結果となった場合に実行される開閉数規定モードとなる開閉実行モードの継続期間は1.8秒で固定されている。そこで、ステップS2706にて把握した第1保留情報の個数を1減算した値と高確率状態において外れ結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回の継続期間(具体的には「10」)との積を算出するとともに第1特図表示部37aにて遊技回の実行中であれば当該遊技回の残りの継続期間を積の結果に加算することで基準期間を算出する。そして、この基準期間を、高確率状態において小当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回の継続期間(具体的には「1」)と開閉数規定モードとなる開閉実行モードの継続期間(具体的には「1.8」)との和の結果で除算する。この除算の結果として余りが生じなかった場合には、第1特図表示部37aにて遊技回の実行中であれば、「上記除算の結果による商の値」に「第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数」を加算した結果を基準数とし、第1特図表示部37aにて遊技回の実行中でなければ、「上記除算の結果による商の値」に「第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数から1減算した値」を加算した結果を基準数とする。一方、除算の結果として余りが生じた場合には、第1特図表示部37aにて遊技回の実行中であれば、「上記除算の結果による商の値に1加算した値」に「第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数」を加算した結果を基準数とし、第1特図表示部37aにて遊技回の実行中でなければ、「上記除算の結果による商の値に1加算した値」に「第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数から1減算した値」を加算した結果を基準数とする。上記のように算出した基準数が今回取得した大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始されるまでに第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにて開始することが可能な遊技回の最大回数となる。主側RAM84の遊技回数カウンタの値が基準数未満である場合というのは、高確率状態の残りの継続回数が、今回取得した大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始されるまでに第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにて開始することが可能な遊技回の最大回数未満であることを意味する。
ステップS2707にて肯定判定をした場合には、今回取得した大当たり結果に対応する第1保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定する(ステップS2708)。具体的には、今回取得した第1保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が通常遊技状態において参照される当否テーブルである第1特図用の低確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。既に説明したとおり低確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報は高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報に含まれているため、第1特図用の低確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報に対応する保留情報は通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても大当たり結果となる。
今回取得した第1保留情報が通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても大当たり結果となる保留情報であれば、当該第1保留情報が高確率状態にて遊技回の開始契機とならなくても大当たり結果が発生することとなる。したがって、このような場合にはステップS2708にて肯定判定をしてステップS2709及びステップS2710の処理が実行されないようにすることで、高確率状態の残りの継続回数が、今回取得した大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始されるまでに開始することが可能な第2特図表示部37bの遊技回の最大回数以下であったとしても、遊技球の発射を停止させるようにするための報知が実行されないようにする。これにより、遊技球の発射を停止させる必要がない状況において遊技球の発射を停止させるようにするための報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
ステップS2708にて否定判定をした場合、報知回数の算出処理を実行する(ステップS2709)。具体的には、第1特図表示部37aにて遊技回の実行中であれば「主側RAM84の遊技回数カウンタの値」から「第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数」を減算した値を今回の報知回数として算出する。また、第1特図表示部37aにて遊技回の実行中でなければ、「主側RAM84の遊技回数カウンタの値」から「第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の個数から1減算した値」を減算した値を今回の報知回数として算出する。
その後、その算出した報知回数の情報がセットされた回数報知用の保留コマンドを、音光側MPU93への送信対象となる第1保留コマンドとして設定する(ステップS2710)。この第1保留コマンドは第1保留情報の取得処理(図37(a))におけるステップS1906にて音光側MPU93に送信される。音光側MPU93は、詳細は後述するが、第1保留コマンドとして回数報知用の保留コマンドを受信した場合、当該回数報知用の保留コマンドに設定されている報知回数の範囲内で第2特図表示部37bにおける遊技回の実行を留めるように遊技球の発射を停止すべきことを示す報知が実行されるようにする。
一方、ステップS2707にて否定判定をした場合、又はステップS2708にて肯定判定をした場合、今回取得した大当たり結果に対応する第1保留情報が低確大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定する(ステップS2711)。具体的には、今回取得した第1保留情報のうち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、その数値情報が振分テーブルにて設定されている低確大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。ステップS2711にて肯定判定をした場合には、発射促進用の保留コマンドを、音光側MPU93への送信対象となる第1保留コマンドとして設定する(ステップS2712)。この第1保留コマンドは第1保留情報の取得処理(図37(a))におけるステップS1906にて音光側MPU93に送信される。音光側MPU93は、詳細は後述するが、第1保留コマンドとして発射促進用の保留コマンドを受信した場合、第2特図表示部37bにおける遊技回ができる限り多く実行されるように遊技球の発射を促すようにするための報知が実行されるようにする。
ステップS2703にて否定判定をした場合、ステップS2704にて肯定判定をした場合、ステップS2705にて肯定判定をした場合、又はステップS2711にて否定判定をした場合、通常保留コマンドを音光側MPU93への送信対象となる第1保留コマンドとして設定する(ステップS2713)。この第1保留コマンドは第1保留情報の取得処理(図37(a))におけるステップS1906にて音光側MPU93に送信される。音光側MPU93は、詳細は後述するが、第1保留コマンドとして通常保留コマンドを受信した場合、第1保留情報の保留個数が増加したことを示すための報知が実行されるようにする。
図45は表示側MPU103にて実行される保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。なお、保留コマンド対応処理はV割込み処理(図17)におけるステップS1102のコマンド対応処理にて実行される。
主側MPU82から音光側MPU93に第1保留コマンドが送信された場合、音光側MPU93はそれに対応する第1保留コマンドを表示側MPU103に送信する。表示側MPU103は第1保留コマンドを受信した場合(ステップS2801:YES)、保留表示画像の増加処理を実行する(ステップS2802)。これにより、通常遊技状態であれば図柄表示装置41の通常用保留表示領域42に表示される保留画像G1が1個増加し、高確率状態であれば図柄表示装置41の第1保留表示領域46に表示される保留画像G1が1個増加する。
今回受信した第1保留コマンドが回数報知用の保留コマンドに対応している場合(ステップS2803:YES)、回数報知の開始処理を実行する(ステップS2804)。回数報知の開始処理では、回数報知用の保留コマンドにセットされている報知回数の情報を読み出し、その報知回数の情報に対応した回数報知が図柄表示装置41にて実行されるようにする。図46(a)は図柄表示装置41にて実行される回数報知の内容を説明するための説明図である。図46(a)に示すように、図柄表示装置41には回数報知として、「特図2を連続して11回変動させろ!!11回を超える変動はNG!!」という文字画像が表示される。この回数報知を確認した遊技者は現状の高確率状態において第2特図表示部37bにおける遊技回を11回繰り返させ、その後は遊技球の発射を停止させて第1特図表示部37aにおける遊技回の実行を待つべきであることを認識することが可能となる。そして、このように発射操作を行うことで、今回の高確率状態において発生させることが可能な最大回数の小当たり結果を第2特図表示部37bにおける遊技回を契機として発生させた後に、第1特図表示部37aにおける遊技回を契機とした大当たり結果を発生させることが可能となる。
保留コマンド対応処理(図45)の説明に戻り、ステップS2804にて回数報知の開始処理を実行した後は、表示側RAM105に設けられた回数報知フラグに「1」をセットする(ステップS2805)。回数報知フラグは、回数報知を実行している状況であることを表示側MPU103にて特定するためのフラグである。なお、回数報知が実行されている状態は大当たり結果が新たに発生した場合に終了し、その際に回数報知フラグは「0」クリアされる。
今回受信した第1保留コマンドが回数報知用の保留コマンドではなく発射促進用の報知コマンドに対応している場合(ステップS2806:YES)、発射促進報知の開始処理を実行する(ステップS2807)。発射促進報知の開始処理では、発射促進報知が図柄表示装置41にて実行されるようにする。図46(b)は図柄表示装置41にて実行される発射促進報知の内容を説明するための説明図である。図46(b)に示すように、図柄表示装置41には発射促進報知として、「出来る限り回せ!!」という文字画像が表示される。この発射促進報知を確認した遊技者は現状の高確率状態において第2特図表示部37bにおける遊技回が出来る限り実行されるように遊技球の発射を継続させる。そして、このように発射操作を行うことで、第1特図表示部37aにおける遊技回を契機とした大当たり結果が発生するまでに、第2特図表示部37bにおける遊技回を契機とした小当たり結果を出来る限り多く発生させることが可能となる。なお、発射促進報知が実行されている状態は大当たり結果が新たに発生した場合に終了する。
保留コマンド対応処理(図45)の説明に戻り、遊技回を新たに開始させるべきことを示す変動パターンコマンドを受信した場合(ステップS2808:YES)、保留表示画像の減少処理を実行する(ステップS2809)。これにより、通常遊技状態であれば図柄表示装置41の通常用保留表示領域42における保留画像G1の表示が1個減少し、高確率状態であれば図柄表示装置41の第1保留表示領域46における保留画像G1の表示が1個減少する。その後、表示側RAM105の回数報知フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS2810:YES)、回数報知の更新処理を実行する(ステップS2811)。当該更新処理が実行されることにより、図柄表示装置41にて表示されている回数報知における「特図2を連続してN回変動させろ!!N回を超える変動はNG!!」(Nは1以上の整数)という文字画像のNの値が1減算される。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
高確率モードに移行したとしても当該高確率モードにおいて遊技回の実行回数が終了基準回数に達した場合には当該高確率モードが終了する。これにより、高確率モードにおいて当該高確率モードの残りの遊技回の継続回数を意識しながら遊技が行われることとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、第1保留情報の内容に対応する先読み報知が、当該第1保留情報が遊技回の実行対象となるよりも前のタイミングにおいて実行される。これにより、第1保留情報を契機とした遊技回が開始される前から当該第1保留情報の内容を遊技者は予測することが可能となる。この場合に、高確率モードの残りの遊技回の継続回数を少なくとも一の判断基準として先読み報知の実行内容が相違する。これにより、先読み報知の内容を高確率モードの残りの遊技回の継続回数と関連付けることが可能となり、先読み報知への注目度を高めることが可能となる。
第1保留情報と第2保留情報とが個別に取得される構成において、大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたことを契機として先読み報知が開始されるとともに高確率モードの残りの遊技回の継続回数と関連付けた状態で当該先読み報知が実行される。これにより、先読み報知が実行された場合に高確率モードの残りの遊技回の継続回数の範囲内において第1保留情報を契機とした遊技回及び第2保留情報を契機とした遊技回のうちいずれを消化させるべきなのかを遊技者に認識させることが可能となる。
高確率モードにおいては第2保留情報を契機とした遊技回の方が第1保留情報を契機とした遊技回よりも消化され易い構成である。これにより、高確率モードにおいては第2保留情報を契機とした遊技回が多く実行されることとなる。この場合に、大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたことを契機として先読み報知が実行されるとともに、当該第1保留情報が取得されたタイミングにおける高確率モードの残りの遊技回の継続回数との関係で先読み報知の実行内容が相違することとなる。これにより、第2保留情報を契機とした遊技回が優先して消化される状況をそのまま継続させるべきか、第2保留情報を契機とした遊技回が実行されないようにして大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が実行されるようにするべきかを、遊技者に認識させることが可能となる。
高確率モードにて第2保留情報を契機とした遊技回が多く実行される構成において第2保留情報が大当たり結果に対応していなくても小当たり結果に対応していることにより、当否抽選モードを低確率モードに変更させないようにしながら開閉実行モードが発生する。この場合、高確率モードにおいて第2保留情報を契機とした遊技回が多く実行されるようにした方が遊技者にとって有利となる。その一方で高確率モードにおいて大当たり結果に対応する第1保留情報が取得された場合には、その第1保留情報を契機とした遊技回が高確率モードにおいて実行された方が遊技者にとって有利となる。当該構成において、大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたことを契機として先読み報知が実行されるとともに、当該第1保留情報が取得されたタイミングにおける高確率モードの残りの遊技回の継続回数との関係で先読み報知の実行内容が相違することにより、先読み報知の実行内容を通じて、高確率モードの残りの遊技回の継続回数の範囲内においていずれの保留情報を契機とした遊技回が実行されるようにするべきであるのかを遊技者に認識させることが可能となる。
第1保留情報を契機とした遊技回と第2保留情報を契機とした遊技回とが重複して実行されるため、単位時間当たりの遊技回の実行回数を多くすることが可能となる。また、高確率モードにおいては大当たり結果に対応しない第2保留情報を契機とした遊技回の方が大当たり結果に対応しない第1保留情報を契機とした遊技回よりも遊技回の継続期間が短くなるため、高確率モードにおいて第2保留情報を契機とした遊技回が消化され易くなる。また、このように高確率モードにおいて第2保留情報を契機とした遊技回が消化され易い構成であったとしても、上記のとおり第1保留情報を契機とした遊技回と第2保留情報を契機とした遊技回とが重複して実行されるため、高確率モードにおいて第1保留情報を契機とした遊技回も実行されることとなる。この場合に、大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたことを契機として先読み報知が実行されるとともに、当該第1保留情報が取得されたタイミングにおける高確率モードの残りの遊技回の継続回数との関係で先読み報知の実行内容が相違することにより、高確率モードの残りの遊技回の継続回数の範囲内においていずれの保留情報を契機とした遊技回が実行されるようにするべきであるのかを遊技者に認識させることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたタイミングにおける高確率モードの残りの遊技回の継続回数が、第2保留情報を契機とした遊技回の実行回数がいずれの回数であったとしても当該第1保留情報を契機とした遊技回を現状の高確率モードにおいて開始可能な回数である場合、先読み報知として、第2保留情報の取得を狙った発射操作を行うべきことが報知される。これにより、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始されるまでに第2保留情報を契機とした遊技回をできる限り多く消化すべきことを遊技者に認識させることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたタイミングにおける高確率モードの残りの遊技回の継続回数が、第2保留情報を契機とした遊技回の実行回数が所定回数以上である場合には当該第1保留情報を契機とした遊技回を現状の高確率モードにおいて開始不可な回数である場合、先読み報知として、第2保留情報を契機とした遊技回の実行回数を所定回数未満とすべきことが報知される。これにより、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が高確率モードにおいて実行されるように第2保留情報を契機とした遊技回の実行回数を調整すべきことを遊技者に認識させることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたタイミングにおける高確率モードの残りの遊技回の継続回数が、第2保留情報を契機とした遊技回の実行回数がいずれの回数であったとしても当該第1保留情報を契機とした遊技回を現状の高確率モードにおいて開始可能な回数である場合、当該第1保留情報が高確大当たり結果に対応している場合には遊技球の発射を促す発射促進用の報知が実行されないようにし、当該第1保留情報が低確大当たり結果に対応している場合には発射促進用の報知が実行されるようにする。第1保留情報が低確大当たり結果に対応している場合には発射促進用の報知が実行されるようにすることで、高確率モードが継続不可となる状況である場合には、それまでにより多くの利益が遊技者に付与されるように第2保留情報を契機とした遊技回をできる限り多く消化することを遊技者に促すことが可能となる。一方、第1保留情報が高確大当たり結果に対応している場合には発射促進用の報知が実行されないようにすることで、第2保留情報を契機とした遊技回が多く消化されたことに起因して高確大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回よりも先に低確大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が実行されてしまうといった事態の発生を、発射促進用の報知の実行によって誘発してしまわないようにすることが可能となる。
大当たり結果に対応する第1保留情報が取得されたタイミングにおける高確率モードの残りの遊技回の継続回数が、第2保留情報を契機とした遊技回の実行回数が所定回数以上である場合には当該第1保留情報を契機とした遊技回を現状の高確率モードにおいて開始不可な回数である場合、当該第1保留情報が高確率モードにおいて大当たり結果に対応している保留情報である場合には第2保留情報を契機とした遊技回の実行回数を所定回数未満とすべきことを示す回数報知用の先読み報知が実行されるようにし、当該第1保留情報が低確率モード及び高確率モードのいずれであっても大当たり結果に対応している保留情報である場合には回数報知用の先読み報知が実行されないようにする。第1保留情報が高確率モードにおいて大当たり結果に対応している保留情報である場合には回数報知用の先読み報知が実行されるようにすることで、当該第1保留情報が高確率モードにおいて遊技回の実行契機とすべきことを遊技者に認識させることが可能となる。一方、第1保留情報が低確率モード及び高確率モードのいずれであっても大当たり結果に対応している保留情報である場合には当該第1保留情報が高確率モードの終了後に遊技回の実行契機となったとしても大当たり結果が発生することとなる。この場合には当該第1保留情報が現状の高確率モードにおいて実行される必要がないため、このような状況では回数報知用の先読み報知が実行されないようにすることで、実行の必要性が低い状況で回数報知用の先読み報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
第2保留情報を契機として小当たり結果となり当該小当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されている状況であっても、第1保留情報を契機とした遊技回が実行され得る。これにより、遊技回の消化率を高めることが可能となる。
大当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されている状況においては遊技回が実行されない。これにより、大当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されている場合には当該開閉実行モードに遊技者を注目させることが可能となる。
第1保留情報及び第2保留情報のうち一方の保留情報であって大当たり結果に対応する保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況で第1保留情報及び第2保留情報のうち他方の保留情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該他方の保留情報が大当たり結果に対応する保留情報として扱われない。これにより、第1保留情報及び第2保留情報のうち一方の保留情報を契機として大当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されている状況で、他方の保留情報を契機として大当たり結果に対応する開閉実行モードが重複して発生してしまわないようにすることが可能となる。その一方、小当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況及び小当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されている状況のうちいずれか一方の状況で、第1保留情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該第1保留情報が大当たり結果に対応する保留情報と扱われ得る。これにより、大当たり結果に対応する第1保留情報が、小当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回が実行されていること及び小当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されていることを理由に大当たり結果に対応する保留情報として扱われないようになってしまうことを阻止することが可能となる。
高確率モードにおいて大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回の継続期間は、高確率モードにおいて小当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回の継続期間と小当たり結果に対応する開閉実行モードの実行期間との合計期間以上の期間に設定されている。これにより、小当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回又は小当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されている状況で、大当たり結果に対応する第1保留情報を契機とした遊技回が開始されたとしても、当該小当たり結果に対応する開閉実行モードが終了した後に第1保留情報を契機とした遊技回が終了することとなる。これにより、小当たり結果に対応する開閉実行モードと大当たり結果に対応する開閉実行モードとが重複して実行されてしまわないようにすることが可能となる。
第2保留情報を契機とした遊技回において外れ結果となる事象は、大当たり結果に対応する第1保留情報を実行対象とした遊技回が実行されている状況においてのみ発生する。この場合、第1保留情報を実行対象とした遊技回が実行されている状況において第2保留情報を実行対象とした遊技回が外れ結果となった場合には、現状実行されている第1保留情報を実行対象とした遊技回にて大当たり結果が発生することを意味する。つまり、第2保留情報を実行対象とした遊技回にて外れ結果となるという事象を利用して、大当たり結果の発生報知を実行することが可能となる。
<第4の実施形態の別形態>
なお、上述した第4の実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記第4の実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
・高確率モードの残りの遊技回の実行回数に応じて、回数報知用の先読み報知及び発射促進用の先読み報知のうち実行対象となる報知の内容が決定される構成に代えて、高確率モードにおいて実行された遊技回数に応じて、これら報知の内容が決定される構成としてもよい。
・回数報知用の先読み報知が実行される場合には、大当たり結果に対応する第1保留情報が実行対象となる遊技回が開始されるまでの期間が報知される構成としてもよい。これにより、遊技者は大当たり結果に対応する第1保留情報が実行対象となる遊技回が開始されるまでの期間を認識することが可能となり、その期間においてできる限り多くの小当たり結果が発生するように第2作動口34に向けた遊技球の発射を継続することとなる。
・大当たり結果の種類として低確大当たり結果が存在しておらず、大当たり結果となった場合には確実に高確大当たり結果となる構成としてもよい。また、当該構成に代えて、第2保留情報が当否判定処理の対象となり大当たり結果となった場合には確実に高確大当たり結果となる又は第2保留情報が当否判定処理の対象となり大当たり結果となった場合にはV入賞口への入賞が可能となり当該V入賞口への入賞が発生することで高確大当たり結果となる構成としてもよい。これらの構成の場合、少なくとも第2保留情報が実行対象となった遊技回において低確大当たり結果となることはない。したがって、大当たり結果に対応する第1保留情報が高確率モードの範囲内で確実に実行されるタイミングで取得された場合には、その大当たり結果の種類に関係なく発射促進用の先読み報知が実行される構成とすることが好ましい。
・遊技状態として通常遊技状態と高確率状態とが設定されている構成に代えて、サポートモードが低頻度サポートモードとなる低頻度サポート状態とサポートモードが高頻度サポートモードとなる高頻度サポート状態とが設定されており、高頻度サポート状態において実行された遊技回の回数が終了基準回数に達した場合に低頻度サポート状態となる構成に対して、上記第4の実施形態のような回数報知用の先読み報知や発射促進用の先読み報知が実行される構成を適用してもよい。
・第1保留情報を実行対象とした遊技回と第2保留情報を実行対象とした遊技回とが重複して実行される構成に限定されることはなく、これら遊技回のうち一方の遊技回が実行されている状況では他方の遊技回の開始が阻止される構成であって第2保留情報を実行対象とした遊技回が第1保留情報を実行対象とした遊技回よりも優先して実行される構成に対して、上記第4の実施形態のような回数報知用の先読み報知や発射促進用の先読み報知が実行される構成を適用してもよい。
・小当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行されている状況では遊技回の開始が阻止される構成としてもよい。この場合、小当たり結果を契機とした開閉実行モードに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、当該構成に対して、上記第4の実施形態のような回数報知用の先読み報知や発射促進用の先読み報知が実行される構成を適用してもよい。
・大当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行されている状況であっても遊技回の開始が許容される構成としてもよい。この場合、遊技回の消化率を高めることが可能となる。但し、当該構成においては大当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行されている状況で大当たり結果に対応する遊技回が終了することが考えられる。この場合には、現状実行されている開閉実行モードが終了した後に、開閉実行モードが新たに開始される構成としてもよく、大当たり結果に対応する遊技回の終了に対応する開閉実行モードが、現状実行されている開閉実行モードに統合される形(例えばラウンド遊技の実行回数が増加する)で実行される構成としてもよい。
・第2保留情報が当否判定処理の対象となった場合、大当たり結果及び小当たり結果のいずれともならない外れ結果となることがある構成としてもよい。
・第1保留情報及び第2保留情報のうち大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回と外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回とが重複して実行されている状況において大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が先に終了した場合、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了するまで開閉実行モードの開始が遅延される構成に限定されることはなく、大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了したタイミングで、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回を強制的に終了させて開閉実行モードを即座に開始させる構成としてもよい。これにより、開閉実行モードが開始されるまでの期間が長期間化してしまうことを阻止することが可能となる。
また、大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が終了したタイミングで、外れ結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回を一旦停止させ、その後に開閉実行モードが終了した後にその一旦停止させた遊技回を再開させる構成としてもよく、当該一旦停止させた遊技回を最初からやり直す構成としてもよい。一旦停止させた遊技回を最初からやり直す構成においては、当該遊技回の開始契機となった保留情報に対する当否判定処理を新たに実行する構成としてもよく、一旦停止させた遊技回における当否判定処理の結果を引き継ぐ構成としてもよい。
・大当たり結果に対応する保留情報が実行対象となった遊技回が実行されている状況において当該保留情報とは異なる側の保留情報を実行対象とした遊技回が開始される場合、当該異なる側の保留情報はその内容に関係なく外れ結果として扱われる構成に限定されることはなく、当該異なる側の保留情報が当否判定処理の実行対象となるものの当該異なる側の保留情報が実行対象となった遊技回が終了する場合に当否判定処理の実行結果に関係なく外れ結果として扱われる構成としてもよい。
<第5の実施形態>
本実施形態では、遊技性及び遊技の興趣向上を図るための構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
上記第1の実施形態では、第1特図表示部37aにて遊技回が実行される期間の少なくとも一部と、第2特図表示部37bにて遊技回が実行される期間の少なくとも一部とが重複し得る構成としたが、本実施形態では第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている場合には他方にて遊技回が開始されない構成であるとともに、いずれかの特図表示部37a,37bにおける遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況においては新たな遊技回が開始されない構成である。なお、このように第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている場合には他方にて遊技回が開始されない構成であることに対応させて、図柄表示装置41では通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても図5(b)に示すように装飾領域43と、第1保留表示領域46と、第2保留表示領域48とが表示される一方、第1個別表示領域45及び第2個別表示領域47は表示されない。そして、第1特図表示部37aにて遊技回が実行される場合及び第2特図表示部37bにて遊技回が実行される場合のいずれであっても装飾領域43にて図柄の変動表示が実行される。
本実施形態では上記第1の実施形態と同様に当否判定処理の結果として小当たり結果は設定されておらず、第1保留情報が当否判定処理の実行対象となる場合と第2保留情報が当否判定処理の実行対象となる場合とで同一の当否テーブル(通常遊技状態であれば低確当否テーブル、高確率状態であれば高確当否テーブル)が参照される。
上記第1の実施形態では第1保留情報が振分判定処理の実行対象となる場合と第2保留情報が振分判定処理の実行対象となる場合とで同一の振分テーブルが参照される構成としたが、本実施形態では参照される振分テーブルが第1保留情報と第2保留情報とで相違している。図47(a)及び図47(b)は本実施形態における振分テーブルを説明するための説明図である。
図47(a)及び図47(b)に示すように、本実施形態では大当たり結果の種類として、4R大当たり結果と、8R大当たり結果と、16R大当たり結果とが設定されている。これら大当たり結果はいずれもラウンド数規定モードとなる開閉実行モードの実行契機となる大当たり結果であるとともに開閉実行モードの終了後の遊技状態を高確率状態(高確率モードであって高頻度サポートモード)とする大当たり結果である。つまり、本実施形態では開閉実行モードの終了後の遊技状態を通常遊技状態(低確率モードであって低頻度サポートモード)とする大当たり結果は存在していない。但し、高確率状態は上記第4の実施形態と同様に開閉実行モードへの移行が発生することなく実行された遊技回の回数が終了基準回数となった場合に終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。この終了基準回数はいずれの大当たり結果であっても同一となっている。
4R大当たり結果と、8R大当たり結果と、16R大当たり結果とは開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が相違している。具体的には、4R大当たり結果を契機とした開閉実行モードではラウンド遊技が4回発生し、8R大当たり結果を契機とした開閉実行モードではラウンド遊技が8回発生し、16R大当たり結果を契機とした開閉実行モードではラウンド遊技が16回発生する。したがって、大当たり結果の中では、4R大当たり結果が最も不利であり、8R大当たり結果が次に有利であり、16R大当たり結果が最も有利となる。
図47(a)に示すように、大当たり結果に対応している第1保留情報が振分判定処理の実行対象となる場合に参照される第1特図用の振分テーブルには、大当たり結果の種類として4R大当たり結果と16R大当たり結果とが設定されている。この場合、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち「0〜89」が4R大当たり結果に対応しており、「90〜99」が16R大当たり結果に対応している。したがって、第1保留情報を契機として大当たり結果となる場合、16R大当たり結果となる確率よりも4R大当たり結果となる確率の方が高い。
図47(b)に示すように、大当たり結果に対応している第2保留情報が振分判定処理の実行対象となる場合に参照される第2特図用の振分テーブルには、大当たり結果の種類として8R大当たり結果と16R大当たり結果とが設定されている。この場合、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち「0〜49」が8R大当たり結果に対応しており、「50〜99」が16R大当たり結果に対応している。したがって、第2保留情報を契機として大当たり結果となる場合、16R大当たり結果となる確率と8R大当たり結果となる確率は同一となる。
第1保留情報と第2保留情報とで比較した場合、第1保留情報を契機として大当たり結果となる場合には4R大当たり結果が選択され得るとともに16R大当たり結果となる確率よりも4R大当たり結果となる確率の方が高いのに対して、第2保留情報を契機として大当たり結果となる場合には4R大当たり結果が選択されない代わりに8R大当たり結果が選択され得るとともに16R大当たり結果となる確率と8R大当たり結果となる確率とは同一となる。したがって、第2保留情報を契機として大当たり結果となった場合の方が、第1保留情報を契機として大当たり結果となった場合よりも遊技者にとって有利となる。さらに言うと、第1保留情報に対して当否判定処理が実行された場合に大当たり結果となる確率と第2保留情報に対して当否判定処理が実行された場合に大当たり結果となる確率とは同一である。そうすると、第1保留情報を契機とした遊技回が実行されるよりも第2保留情報を契機とした遊技回が実行される方が、遊技者にとって有利となる。
図48は主側MPU82にて実行される本実施形態における特電終了処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態では第1特図表示部37aにおける遊技回と第2特図表示部37bにおける遊技回とが重複して実行されることがないため、上記第1の実施形態のように第1特図特電制御処理と第2特図特電制御処理とが個別に設定されているのではなく、第1保留情報及び第2保留情報のいずれについても共通の特図特電制御処理が実行される。当該共通の特図特電制御処理の基本的な処理構成は上記第1の実施形態における第1特図特電制御処理(図10)及び第2特図特電制御処理(図11)と同様である。そして、共通の特図特電制御処理では主側RAM84に設けられた特図特電カウンタの値が「0」である場合に特図変動開始処理が実行され、特図特電カウンタの値が「1」である場合に特図変動中処理が実行され、特図特電カウンタの値が「2」である場合に特図確定中処理が実行され、特図特電カウンタの値が「3」である場合に特電開始処理が実行され、特図特電カウンタの値が「4」である場合に特電開放中処理が実行され、特図特電カウンタの値が「5」である場合に特電閉鎖中処理が実行され、特図特電カウンタの値が「6」である場合に特電終了処理が実行される。
上記第1の実施形態と同様に特電開放中処理にてエンディング期間がセットされることとなるが、当該エンディング期間が経過している場合(ステップS2901:YES)、遊技状態の設定処理を実行する。遊技状態の設定処理では、主側RAM84の高確率フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2902)、主側RAM84の遊技回数カウンタに「80」をセットする(ステップS2903)。
高確率フラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを主側MPU82にて特定するためのフラグである。本実施形態のパチンコ機10では大当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了した後において、大当たり結果が発生することなく終了基準回数(具体的には80回)の遊技回が実行された場合、遊技状態が高確率状態から通常遊技状態に移行する構成となっている。遊技回数カウンタは、終了基準回数の残りの回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。その後、特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS2904)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理に対応する「0」となる。
図49は主側MPU82にて実行される本実施形態における特図確定中処理を示すフローチャートである。
今回の遊技回の最終停止期間が経過した場合(ステップS3001:YES)、遊技回数カウンタの値が1以上であれば(ステップS3002:YES)、その遊技回数カウンタの値を1減算する(ステップS3003)。そして、その1減算後における遊技回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS3004:YES)、主側RAM84の高確率フラグを「0」クリアする(ステップS3005)。これにより、遊技状態が高確率状態から通常遊技状態に移行する。
ステップS3002にて否定判定をした場合、ステップS3004にて否定判定をした場合、又はステップS3005の処理を実行した場合、今回の遊技回が大当たり結果に対応する遊技回であるか否かを判定する(ステップS3006)。今回の遊技回が大当たり結果に対応している場合(ステップS3006:YES)、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS3007)。特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特電開始処理に対応する「3」となる。一方、今回の遊技回が大当たり結果に対応していない場合(ステップS3006:NO)、特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3008)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理に対応する「0」となる。
図50は主側MPU82にて実行される本実施形態における特図変動開始処理を示すフローチャートである。
特図変動開始処理では、第1保留情報及び第2保留情報のいずれかが保留記憶されていることを条件として(ステップS3101:YES)、第2特図保留エリア126に第2保留情報が保留記憶されているか否かを判定する(ステップS3102)。なお、本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、第1特図保留エリア125に最大で4個の第1保留情報が保留記憶され、第2特図保留エリア126に最大で4個の第2保留情報が保留記憶される。
第2保留情報が保留記憶されている場合には(ステップS3102:YES)、第2特図のデータ設定処理を実行する(ステップS3103)。第2特図のデータ設定処理では、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納されたデータを第2特図用の実行エリア127bに移動する。これにより、今回の遊技回の開始対象が第2特図表示部37bとなる。その後、第2特図保留エリア126の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア126a〜126dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア126aのデータをクリアするとともに、第2エリア126b→第1エリア126a、第3エリア126c→第2エリア126b、第4エリア126d→第3エリア126cといった具合に各エリア内のデータをシフトする。その後、主側RAM84の第2特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、特図ユニット37における第2特図保留表示部37dの表示内容が、第2保留情報が1個減少した内容に変更される。また、当該データ設定処理では、第2特図保留エリア126における第2保留情報が1個減少したことを示す第2減少時コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は受信した第2減少時コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の第2保留表示領域48における第2保留情報の数の表示を保留情報の数の減少に対応させて変更する。
第2保留情報が保留記憶されていない場合には(ステップS3102:NO)、第1特図のデータ設定処理を実行する(ステップS3104)。第1特図のデータ設定処理では、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納されたデータを第1特図用の実行エリア127aに移動する。これにより、今回の遊技回の開始対象が第1特図表示部37aとなる。その後、第1特図保留エリア125の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア125a〜125dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア125aのデータをクリアするとともに、第2エリア125b→第1エリア125a、第3エリア125c→第2エリア125b、第4エリア125d→第3エリア125cといった具合に各エリア内のデータがシフトする。その後、主側RAM84の第1特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、特図ユニット37における第1特図保留表示部37cの表示内容が、第1保留情報が1個減少した内容に変更される。また、当該データ設定処理では、第1特図保留エリア125における第1保留情報が1個減少したことを示す第1減少時コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は受信した第1減少時コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の通常用保留表示領域42又は第1保留表示領域46における第1保留情報の数の表示を保留情報の数の減少に対応させて変更する。
ここで、ステップS3102の処理が実行されることにより、第2保留情報が保留記憶されている場合には当該第2保留情報よりも早いタイミングで第1保留情報が取得されていたとしても、第2保留情報が遊技回の開始契機となる。これにより、第2特図表示部37bにおける遊技回の実行を第1特図表示部37aにおける遊技回の実行よりも優先させることが可能となる。既に説明したとおり第1保留情報が遊技回の開始対象となるよりも第2保留情報が遊技回の開始対象となった方が遊技者にとって有利である。この場合に、第2特図表示部37bにおける遊技回が第1特図表示部37aにおける遊技回よりも優先して消化されることにより、遊技者にとって有利な側である第2保留情報から優先して遊技回の開始対象とすることが可能となる。
ステップS3103又はステップS3104の処理を実行した場合、当否判定処理を実行する(ステップS3105)。当否判定処理では、当否抽選モードが低確率モードであれば遊技回の開始対象が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのいずれであっても低確当否テーブルを主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであれば遊技回の開始対象が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのいずれであっても高確当否テーブルを主側ROM83から読み出す。当否テーブルを読み出した後は、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象である側に格納された保留情報から、当否判定用の情報すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が上記当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
当否判定処理の結果が大当たり結果である場合(ステップS3106:YES)、振分判定処理を実行する(ステップS3107)。振分判定処理では、今回の遊技回の開始対象が第1保留情報である場合には第1特図用の振分テーブルを主側ROM83から読み出し、今回の遊技回の開始対象が第2保留情報である場合には第2特図用の振分テーブルを主側ROM83から読み出す。振分テーブルを読み出した後は、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象である側に格納された保留情報から、振分判定用の情報すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が上記振分テーブルにおけるいずれの種類の大当たり結果に対応しているのかを特定する。
振分判定処理を実行した後は、当該振分判定処理にて特定した大当たり結果の種類に対応する主側RAM84のフラグに「1」をセットする(ステップS3108)。具体的には、4R大当たり結果に対応している場合には4R大当たりフラグに「1」をセットし、8R大当たり結果に対応している場合には8R大当たりフラグに「1」をセットし、16R大当たり結果に対応している場合には16R大当たりフラグに「1」をセットする。なお、以下の説明においては、各種大当たり結果であるか否かの判定処理は、主側RAM84の対応するフラグに「1」がセットされているか否かを判定することにより行われる。また、ステップS3108にて「1」がセットされた状態は、開閉実行モードが終了する場合において特電終了処理が終了する場合に「0」クリアされる。
大当たり結果用のフラグセット処理を実行した後は、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3109)。具体的には、今回の遊技回の開始対象である特図表示部37a,37bに最終的に停止表示させる絵柄の停止態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに停止表示される絵柄の停止態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS3109では、ステップS3108にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の停止態様の情報を主側RAM84に記憶する。なお、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の停止態様が設定されていてもよく、少なくとも一部の大当たり結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。複数種類の絵柄の停止態様が設定されている大当たり結果について停止結果を選択する方法は任意であるが、例えば大当たり種別カウンタC2の値に応じて停止結果が選択される構成としてもよい。
当否判定処理の結果が大当たり結果ではない場合(ステップS3106:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3110)。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっており、さらに第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにおいて共通の1種類となっている。
ステップS3109又はステップS3110の処理を実行した場合、変動表示期間の特定処理を実行する(ステップS3112)。変動表示期間の特定処理では、変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出す。具体的には、まず今回の開始対象となっている遊技回はリーチ演出の発生に対応しているか否かを判定する。この場合、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応している場合、リーチ演出が発生すると判定する。また、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応していない場合であっても、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象となっている側に格納されているリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ演出が発生すると判定する。リーチ演出が発生すると判定した場合には主側ROM83に記憶されているリーチ発生用変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出し、リーチ演出が発生しないと判定した場合には主側ROM83に記憶されているリーチ非発生用変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出す。その後、変動種別カウンタCSの現状の数値情報を取得し、既に読み出した変動表示期間テーブルに対して照合することで変動表示期間を決定する。そして、その決定した変動表示期間の情報を、主側RAM84に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。
その後、主側RAM84の遊技回数カウンタにセットされている現状の値を読み出す(ステップS3112)。そして、今回の開始対象となっている遊技回に対応する変動用コマンド及び種別コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS3113)。変動用コマンドには、ステップS3111にて特定された変動表示期間の情報が含まれるとともに開始対象となっている遊技回が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうちいずれに対応しているのかを示す情報が含まれる。さらに、変動用コマンドには、リーチ演出を実行するか否かの情報が含まれる。なお、リーチ演出が行われない状況とリーチ演出が行われる状況とで変動表示期間が完全に相違する構成であれば、当該リーチ演出を実行するか否かを直接的に示す情報が変動用コマンドに設定されていなてくもよい。また、変動用コマンドには、現状の遊技状態が高確率状態であるか否かを示す情報が含まれるとともに、ステップS3112にて把握した遊技回数カウンタの値すなわち現状の遊技状態が高確率状態であれば当該高確率状態の残りの継続回数を示す情報が含まれる。種別コマンドには、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応しているか否かの情報が含まれるとともに、大当たり結果に対応している場合にはいずれの種類の大当たり結果であるかを示す情報が含まれる。
その後、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の開始対象となっている表示部において、絵柄の変動表示を開始させる(ステップS3114)。そして、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS3115)。特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特図変動中処理に対応する「1」となる。
図51は音光側MPU93にて実行される本実施形態におけるテーブル設定処理を示すフローチャートである。なお、テーブル設定処理は、タイマ割込み処理(図15)におけるステップS901にて実行される。
主側MPU82から変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合(ステップS3201:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(ステップS3202)。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU82にて決定された当否判定及び振分判定の結果を特定し、その特定した情報を音光側RAM95に書き込む。その後、停止図柄決定処理を実行する(ステップS3203)。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が16R大当たり結果であれば、同一の奇数の図柄による組合せが成立する停止結果に対応した情報を今回の停止結果の情報として決定し、今回の遊技回の遊技結果が4R大当たり結果又は8R大当たり結果であれば、同一の偶数の図柄による組合せが成立する停止結果に対応した情報を今回の停止結果の情報として決定する。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ演出の有無を特定する。そして、リーチ演出が発生する場合には、同一図柄の組合せが成立しない停止結果であってリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ表示が発生しない場合には、同一図柄の組合せ及びリーチ図柄の組合せの両方が成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
その後、演出抽選テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS3204)。当該読み出し処理では、現状の状況に対応する演出抽選テーブルを音光側ROM94から読み出す。そして、演出抽選処理を実行する(ステップS3205)。演出抽選処理では、音光側RAM95において定期的に更新されるように設けられた演出抽選用カウンタの数値情報を読み出し、その数値情報をステップS3204にて読み出した演出抽選テーブルに対して照合することで、今回の遊技回において発生させる演出の種類を特定する。
その後、今回の遊技回における演出の実行内容に対応する制御テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS3206)。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から変動表示期間の情報を特定するとともに、当該変動表示期間の情報、上記ステップS3202にて特定した遊技結果の情報、上記ステップS3203における停止結果の情報、及び上記ステップS3205における演出抽選処理の結果の情報の組合せに対応した制御テーブルを音光側ROM94から読み出して音光側RAM95に書き込む。当該制御テーブルには、今回の遊技回用の演出に対応する表示発光部64の発光制御の内容、及び今回の遊技回用の演出に対応するスピーカ部65の音出力制御の内容が設定されており、当該制御テーブルに従って表示発光部64の発光制御及びスピーカ部65の音出力制御が行われる。
その後、変動パターンコマンドを表示側MPU103に送信する(ステップS3207)。変動パターンコマンドには、開始対象となっている遊技回の変動表示期間の情報と、開始対象となっている遊技回が大当たり結果及び外れ結果のいずれに対応しているのかを示す情報と、開始対象となっている遊技回が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうちいずれに対応しているのかを示す情報と、上記ステップS3203にて決定した停止結果の情報と、上記ステップS3205における演出抽選処理の結果の情報と、が含まれる。表示側MPU103は変動パターンコマンドを受信することにより、図柄表示装置41において遊技回用の演出を実行するための表示制御を開始する。テーブル設定処理では、上記各処理以外にも、上記第1の実施形態におけるステップS1009と同様に、その他の処理を実行する。
図52(a)はステップS3204における演出抽選テーブルの読み出し処理を示すフローチャートである。
現状の遊技状態が高確率状態ではない場合(ステップS3301:NO)、又は今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果ではない場合(ステップS3302:NO)、他の演出抽選テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS3303)。他の演出抽選テーブルには、遊技回用の演出として複数種類の演出が設定されているとともに、それら複数種類の演出の選択確率が所定の確率となるように各演出のそれぞれに対して演出抽選用カウンタの値が割り振られている。詳細には、他の演出抽選テーブルにはリーチ発生時用の演出抽選テーブルとリーチ非発生時用の演出抽選テーブルとが設定されている。今回の遊技回がリーチ演出の発生に対応しているのであれば他の演出抽選テーブルにおけるリーチ発生時用の演出抽選テーブルを音光側ROM94から読み出し、今回の遊技回がリーチ演出の発生に対応していないのであれば他の演出抽選テーブルにおけるリーチ非発生時用の演出抽選テーブルを音光側ROM94から読み出す。リーチ発生時用の演出抽選テーブルには複数種類のリーチ演出が設定されているとともに当該リーチ演出が発生する前に実行される複数種類の予告演出が設定されている。リーチ非発生時用の演出抽選テーブルには複数種類の予告演出が設定されている。リーチ発生時用の演出抽選テーブルが読み出されることにより演出抽選処理(ステップS3205)にて今回の遊技回の継続期間の範囲内で実行可能なリーチ演出の種類と予告演出の種類とが抽選により決定される。リーチ非発生時用の演出抽選テーブルが読み出されることにより演出抽選処理(ステップS3205)にて今回の遊技回の継続期間の範囲内で実行可能な予告演出の種類が抽選により決定される。
演出抽選テーブルの読み出し処理において、現状の遊技状態が高確率状態であって(ステップS3301:YES)、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果である場合(ステップS3302:YES)、今回受信した変動用コマンドにセットされている遊技回数カウンタの数値情報、すなわち現状の高確率状態の残りの遊技回の継続回数を把握し、その把握した残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数以下であるか否かを判定する(ステップS3304)。分岐基準回数は30回に設定されている。ここで、高確率状態においては当否判定処理にて大当たり結果が選択される確率が1/30となる。分岐基準回数はこの大当たり確率の分母の数となっている。但し、これに限定されることはなく分岐基準回数が30回よりも多い回数としてもよく少ない回数としてもよい。
高確率状態の残りの継続回数が分岐基準回数以下である場合(ステップS3304:YES)、第1演出抽選テーブルを音光側ROM94から読み出す(ステップS3305)。また、高確率状態の残りの継続回数が分岐基準回数よりも多い場合(ステップS3304:NO)、今回受信した種別コマンドにセットされている情報に基づき、今回の遊技回の遊技結果が16R大当たり結果に対応しているか否かを判定する(ステップS3306)。16R大当たり結果に対応している場合(ステップS3306:YES)、第1演出抽選テーブルを音光側ROM94から読み出し(ステップS3307)、16R大当たり結果に対応していない場合(ステップS3306:NO)、第2演出抽選テーブルを音光側ROM94から読み出す(ステップS3308)。
第1演出抽選テーブル及び第2演出抽選テーブルについて図52(b)の説明図を参照しながら説明する。第1演出抽選テーブル及び第2演出抽選テーブルには、遊技回用の演出として複数種類の演出が設定されているとともに、それら複数種類の演出の選択確率が所定の確率となるように各演出のそれぞれに対して演出抽選用カウンタの値が割り振られている。詳細には、第1演出抽選テーブル及び第2演出抽選テーブルは大当たり結果となる遊技回においてのみ選択される演出抽選テーブルであるため、これら第1演出抽選テーブル及び第2演出抽選テーブルには複数種類のリーチ演出が設定されているとともに当該リーチ演出が発生する前に実行される複数種類の予告演出が設定されている。この場合、図52(a)に示すように、第1演出抽選テーブルにはリーチ演出として特別演出が選択される確率が30%に設定されているのに対して、第2演出抽選テーブルには選択対象となり得るリーチ演出に特別演出が含まれていない。また、特別演出は、ステップS3303にて読み出される他の演出抽選テーブルにおいても選択対象となり得るリーチ演出の種類にも含まれていない。したがって、第1演出抽選テーブルが読み出される状況である、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数以下となる状況であっていずれかの大当たり結果となる遊技回、又は高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多い状況であって16R大当たり結果となる遊技回においてのみ特別演出が発生し、これら以外の状況では特別演出が発生しないこととなる。
特別演出が実行されるタイミングについて図53(a)〜図53(d)のタイムチャートを参照しながら説明する。図53(a)は高確率状態の残りの遊技回の継続回数を示し、図53(b)は特別演出の実行タイミングを示し、図53(c)は16R大当たり結果を契機とした開閉実行モードの実行期間を示し、図53(d)は4R大当たり結果又は8R大当たり結果を契機とした開閉実行モードの実行期間を示す。
図53(a)に示すように高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数となる前であるt1のタイミングで図53(b)に示すように特別演出が発生することで、図53(c)に示すように16R大当たり結果が発生することとなる。つまり、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多い場合には16R大当たり結果が発生することを条件として特別演出が発生し得る。これにより、高確率状態において比較的早い段階で特別演出が発生した場合には、最も有利である16R大当たり結果が発生することが確定することとなり、当該特別演出の発生を認識した遊技者はそのことに大きく満足することとなる。
一方、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数以下となった状況においては、t2のタイミングに示すように4R大当たり結果又は8R大当たり結果が発生する場合、及びt3のタイミングに示すように16R大当たり結果が発生する場合のいずれあっても特別演出が発生し得る。本パチンコ機10ではいずれの大当たり結果が発生したとしても開閉実行モードの終了後は終了基準回数が80回である高確率状態が発生することとなる。そうすると、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が少なくなってくると遊技者はいずれの種類であってもいいから大当たり結果となって欲しいと考えるようになる。この場合に、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数以下である場合にはいずれの種類の大当たり結果が発生する場合であっても特別演出が発生し得る。これにより、高確率状態において比較的遅い段階で特別演出が発生した場合には、大当たり結果が発生することが確定することとなり、当該特別演出の発生を認識した遊技者はそのことに大きく満足することとなる。
なお、特別演出として、図柄表示装置41にて遊技回用の図柄の変動表示が実行されている途中であって特図表示部37a,37bにて絵柄の変動表示が実行されている途中のタイミングである特定タイミングで、表示発光部64が特別態様で発光し、スピーカ部65から特別音が出力され、図柄表示装置41にて特別キャラクタが表示される演出が実行されるが、特別演出の実行タイミング及び特別演出の内容は任意である。例えば、遊技回が開始されるタイミングで特別演出が開始される構成としてもよく、遊技回においてリーチ演出が開始される前に特別演出が開始される構成としてもよく、遊技回においてリーチ演出が開始された後に特別演出が開始される構成としてもよい。また、発射操作装置28の前面からパチンコ機10前方に向けて空気を送り出す送風機構を設け、特別演出としてその送風機構による送風を行う構成としてもよい。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多い場合には16R大当たり結果が発生することを条件として特別演出が発生し得る。これにより、高確率状態において比較的早い段階で特別演出が発生した場合には、最も有利である16R大当たり結果が発生することが確定することとなり、当該特別演出の発生を認識した遊技者はそのことに大きく満足することとなる。
一方、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が少なくなってくると遊技者はいずれの種類であってもいいから大当たり結果となって欲しいと考えるようになる。この場合に、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数以下である場合にはいずれの種類の大当たり結果が発生する場合であっても特別演出が発生し得る。これにより、高確率状態において比較的遅い段階で特別演出が発生した場合には、大当たり結果が発生することが確定することとなり、当該特別演出の発生を認識した遊技者はそのことに大きく満足することとなる。
<第5の実施形態の別形態>
なお、上述した第5の実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記第5の実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
・高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多い状況において16R大当たり結果が発生する場合には特別演出が確実に発生する構成としてもよい。これにより、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多い状況において特別演出が実行されることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
・大当たり結果が発生する遊技回においてのみ特別演出が発生する構成に限定されることはなく、大当たり結果に対応する保留情報が取得されている状況において当該保留情報よりも先に遊技回の実行対象となった保留情報を契機とした遊技回が実行されている状況で特別演出が開始される構成としてもよい。この場合、特別演出が実行される期間を長く確保することが可能となる。当該構成においては、大当たり結果に対応する保留情報が取得されたタイミングにおける高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多いか否かにより特別演出の実行対象となり得る大当たり結果の種類が変更される構成としてもよく、大当たり結果に対応する保留情報が実際に実行されるタイミングにおける遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多いか否かにより特別演出の実行対象となり得る大当たり結果の種類が変更される構成としてもよい。
・高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多い状況においては8R大当たり結果及び16R大当たり結果のいずれかに対応する保留情報が特別演出の実行対象となり、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数以下である状況においては16R大当たり結果に対応する保留情報が特別演出の実行対象となる構成としてもよい。
・第2保留情報が当否判定処理の実行対象となった場合に選択され得る大当たり結果の種類が3種類以上設定されている場合には、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数よりも多い状況においては最も有利度が低い種類の大当たり結果を除いた大当たり結果に対応する遊技回において特別演出が実行され得る一方、高確率状態の残りの遊技回の継続回数が分岐基準回数以下である状況においてはいずれの大当たり結果に対応する遊技回であっても特別演出が実行され得る構成としてもよい。
・遊技状態として通常遊技状態と高確率状態とが設定されている構成に代えて、サポートモードが低頻度サポートモードとなる低頻度サポート状態とサポートモードが高頻度サポートモードとなる高頻度サポート状態とが設定されており、高頻度サポート状態において実行された遊技回の回数が終了基準回数に達した場合に低頻度サポート状態となる構成に対して、上記第5の実施形態のような特別演出が実行される構成を適用してもよい。
<第6の実施形態>
本実施形態では、遊技領域PAの構成及び遊技性が上記第1の実施形態と相違している。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
遊技領域PAの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PAに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PA11と、当該上側領域PA11に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PA12と、上側領域PA11に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PA13と、左側領域PA12及び右側領域PA13のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PA14と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA11において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA11→左側領域PA12→下側領域PA14の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA11において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA11→右側領域PA13→下側領域PA14の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PA12及び右側領域PA13のうち左側領域PA12を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PA13を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。ちなみに、最大回動量で発射操作装置28の操作が行われた場合、上側領域PA11→右側領域PA13→下側領域PA14の順で遊技球が流下することとなる。
下側領域PA14には上記第1の実施形態と同様に第1作動口33が設けられている。但し、上記第1の実施形態における第2作動口34及びスルーゲート35は設けられていない。その代わりに、本実施形態では特別入球装置151及びスルーゲート152が設けられている。特別入球装置151の構成は上記第3の実施形態における第1特別入球装置131と同一である。したがって、特別入球装置151は遊技球が入球可能な開放状態と遊技球が入球不可な閉鎖状態との間で切り換え可能となっている。これら特別入球装置151及びスルーゲート152は遊技領域PAの右側領域PA13に設けられている。また、特電入賞装置32も右側領域PA13に設けられている。この場合、左側領域PA12を流下する遊技球は第1作動口33への入賞が可能であって、特別入球装置151、スルーゲート152及び特電入賞装置32への入賞が不可である。右側領域PA13を流下する遊技球は特別入球装置151、スルーゲート152及び特電入賞装置32への入賞が可能であって、第1作動口33への入賞は不可である。なお、特別入球装置151に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数は1個であるが、当該払出個数が2個以上であってもよい。
右側領域PA13において、スルーゲート152の下方に特別入球装置151が設けられている。スルーゲート152及び特別入球装置151は、遊技球の各入口部における横方向の中央が鉛直方向の同一直線上となるように配置されている。これにより、スルーゲート152を鉛直方向に通過した遊技球は、特別入球装置151が開放状態であれば当該特別入球装置151に確実に入賞し、特別入球装置151が閉鎖状態であれば特電入賞装置32に向けて流下する。
特別入球装置151は第1スルーゲート152への入賞に基づき閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート152への入賞が発生することで上限記憶数(具体的には4個)を上限として普図側の保留情報が取得される。普図側の保留情報が記憶されている場合には内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に特別入球装置151が所定の態様で開放状態となる。なお、普図表示部38aに隣接した位置には普図保留表示部38bが設けられており、普図保留表示部38bの点灯によって普図側の保留情報の個数が表示されるようになっている。
第1作動口33への入賞が発生した場合には第1保留情報が第1特図保留エリア125に4個を上限として保留記憶され、特別入球装置151への入賞が発生した場合には第2保留情報が第2特図保留エリア126に4個を上限として保留記憶される。この場合に、第1特図保留エリア125に保留記憶されている第1保留情報の個数は第1特図保留表示部37cにて報知され、第2特図保留エリア126に保留記憶されている第2保留情報の個数は第2特図保留表示部37dにて報知される。
第1特図保留表示部37cは、可変表示ユニット36において図柄表示装置41の上方に位置する上枠部153に設けられている。第1特図保留表示部37cは、第1特図保留エリア125に記憶可能な第1保留情報の上限個数と同数の発光部154を横並びとなるようにして有している。第1特図保留エリア125に1個の第1保留情報が保留記憶されている場合には左端の1個の発光部154が発光状態となるとともに他の発光部154が消灯状態となり、第1特図保留エリア125に2個の第1保留情報が保留記憶されている場合には左から2個の発光部154が発光状態となるとともに他の発光部154が消灯状態となり、第1特図保留エリア125に3個の第1保留情報が保留記憶されている場合には左から3個の発光部154が発光状態となるとともに他の発光部154が消灯状態となり、第1特図保留エリア125に4個の第1保留情報が保留記憶されている場合には全ての発光部154が発光状態となる。
第2特図保留表示部37dは、可変表示ユニット36において図柄表示装置41の上方に位置する上枠部153に設けられている。第2特図保留表示部37dは、第2特図保留エリア126に記憶可能な第2保留情報の上限個数と同数の発光部155を横並びとなるようにして有している。第2特図保留エリア126に1個の第2保留情報が保留記憶されている場合には左端の1個の発光部155が発光状態となるとともに他の発光部155が消灯状態となり、第2特図保留エリア126に2個の第2保留情報が保留記憶されている場合には左から2個の発光部155が発光状態となるとともに他の発光部155が消灯状態となり、第2特図保留エリア126に3個の第2保留情報が保留記憶されている場合には左から3個の発光部155が発光状態となるとともに他の発光部155が消灯状態となり、第2特図保留エリア126に4個の第2保留情報が保留記憶されている場合には全ての発光部155が発光状態となる。
開閉実行モード以外の遊技状態としては上記第1の実施形態と同様に通常遊技状態と高確率状態とが設定されている。通常遊技状態では当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが低頻度サポートモードとなる。高確率状態では当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる。また、低頻度サポートモードである場合には特別入球装置151が開放状態になりづらく、高頻度サポートモードである場合には特別入球装置151が開放状態となり易い。
次に、本実施形態における当否テーブルの内容について図55(a)〜図55(d)の説明図を参照しながら説明する。
図55(a)〜図55(d)に示すように、当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、小当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、上記第1の実施形態と同様に、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの移行契機となり得る当否結果である。小当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となる一方、当否抽選モード及びサポートモードの両方について移行契機とならない当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
上記のとおり大当たり結果となった場合及び小当たり結果となった場合のいずれであっても開閉実行モードに移行することとなるが、大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードと、小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードとで特電入賞装置32の開閉態様が相違している。詳細には、大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードは、上記第1の実施形態と同様に予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは既に説明したとおり、予め定められた開放継続期間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。この場合、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される構成において、開放継続期間が29秒に設定されているとともに上限個数が10個に設定されている。したがって、ラウンド遊技の開放継続期間は遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間に設定されていることとなるため、各ラウンド遊技において特電入賞装置32に上限個数以上の遊技球が入賞することを期待することができる。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は1ラウンドに設定されている。
小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特電入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了される開閉数規定モードとなっている。開閉数規定モードにおける特電入賞装置32の開放継続期間は、遊技球の発射周期(具体的には0.6秒)よりも長く、遊技球の発射周期と上限個数(具体的には10個)との積よりも短い開閉数規定用期間に設定されている。本パチンコ機10では開閉数規定モードにおける特電入賞装置32の開閉回数が1回に設定されているため、その1回の開放継続期間が上記開閉数規定用期間に設定されている。但し、これに限定されることはなく、開閉数規定モードにおける特電入賞装置32の開閉回数が複数回に設定されている場合には、その複数回の開放継続期間の合計期間が上記開閉数規定用期間に設定されている構成としてもよい。開閉数規定用期間として具体的には1.8秒に設定されている。小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードでは、大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードよりも少ない数ではあるが、遊技者の持ち球を増やすことが可能となる。
当否テーブルとしては、図55(a)〜図55(d)に示すように、第1特図用の実行エリア127aに格納されている第1保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブルと、第2特図用の実行エリア127bに格納されている第2保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブルと、が設定されている。さらに、第1特図用の当否テーブルには、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在しており、同様に、第2特図用の当否テーブルにも、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在している。つまり、本パチンコ機10は第1保留情報と第2保留情報とで異なる当否テーブルが参照されるとともに、いずれの場合であっても当否判定における当否抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが存在している。
各当否テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の低確当否テーブルは、図55(a)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は2個(例えば「5」、「305」)であり、それ以外は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが低確率モードにて第1保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び外れ結果のいずれかとなり得るものの小当たり結果となることはない。
第1特図用の高確当否テーブルは、図55(b)に示すように、大当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には20個である(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。それ以外の乱数の値は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが高確率モードにて第1保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び外れ結果のいずれかとなるものの小当たり結果となることはない。
第2特図用の低確当否テーブルは、図55(c)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。一方、小当たり結果となる乱数の値の数は40個である(例えば「3」、「8」、「31」、「37」、「55」、「68」、「127」、「133」、「160」、「166」、「189」、「195」、「217」、「223」、「242」、「248」、「273」、「279」、「302」、「308」、「331」、「337」、「355」、「368」、「389」、「395」、「417」、「423」、「467」、「473」、「492」、「498」、「517」、「523」、「555」、「561」、「572」、「578」、「596」「598」)。それ以外の乱数の値は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが低確率モードにて第2保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果、小当たり結果及び外れ結果のいずれかとなる。
第2特図用の高確当否テーブルは、図55(d)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の高確当否テーブルの場合と同一である。しがって、当該大当たり結果となる乱数の値の数は、第2特図用の低確当否テーブルの場合よりも多い数となる。一方、小当たり結果となる乱数の値は第2特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。それ以外の乱数の値は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが高確率モードにて第2保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果、小当たり結果及び外れ結果のいずれかとなる。
上記のように第2保留情報が当否判定の契機となった場合には小当たり結果が発生し得る構成とすることにより、特別入球装置151への入賞が発生することにより小当たり結果に対応した開閉実行モードが発生し易くなる。そして、小当たり結果に対応した開閉実行モードが発生することにより遊技者は持ち球を若干増加させることが可能となる。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
本実施形態では通常遊技状態において大当たり結果が発生するとラウンド数規定モードによる開閉実行モードに移行するとともに当該開閉実行モードの終了後は遊技状態が高確率状態となる。この高確率状態は大当たり結果がその後に9回発生するまで確実に継続する。そして、通常遊技状態において発生した大当たり結果を1回目とした場合に大当たり結果が10回発生した場合にはその10回目の大当たり結果を契機とした開閉実行モードの終了後においても高確率状態となるが、この高確率状態は第2保留情報の保留記憶の上限個数である4個と同一の数である4回の遊技回が実行された場合に終了する。この4回を上限として継続する高確率状態において大当たり結果となった場合には、通常遊技状態において大当たり結果が発生した場合と同様に、当該大当たり結果を契機とした開閉実行モードの終了後は遊技状態が高確率状態となり、この高確率状態は大当たり結果がその後に9回発生するまで確実に継続する。高確率状態においては上記第1の実施形態と同様に当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなり、通常遊技状態においては上記第1の実施形態と同様に当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが低確率モードとなる。
上記第1の実施形態では、第1特図表示部37aにて遊技回が実行される期間の少なくとも一部と、第2特図表示部37bにて遊技回が実行される期間の少なくとも一部とが重複し得る構成としたが、本実施形態では第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている場合には他方にて遊技回が開始されない構成である。また、いずれかの特図表示部37a,37bにおける遊技回を契機とした開閉実行モードが実行されている状況においては新たな遊技回が開始されない構成である。なお、このように第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち一方にて遊技回が実行されている場合には他方にて遊技回が開始されない構成であることに対応させて、図柄表示装置41では通常遊技状態及び高確率状態のいずれであっても図5(b)に示すように装飾領域43と、第1保留表示領域46と、第2保留表示領域48とが表示される一方、第1個別表示領域45及び第2個別表示領域47は表示されない。そして、第1特図表示部37aにて遊技回が実行される場合及び第2特図表示部37bにて遊技回が実行される場合のいずれであっても装飾領域43にて図柄の変動表示が実行される。
次に、上記のような遊技の進行を可能とする処理構成について説明する。図56は主側MPU82にて実行される本実施形態における特図特電制御処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態では第1特図表示部37aにおける遊技回と第2特図表示部37bにおける遊技回とが重複して実行されることがないため、上記第1の実施形態のように第1特図特電制御処理と第2特図特電制御処理とが個別に設定されているのではなく、第1保留情報及び第2保留情報のいずれについても共通の特図特電制御処理が実行される。
特図特電制御処理ではまず保留情報の取得処理を実行する(ステップS3401)。図57は保留情報の取得処理を示すフローチャートである。第1作動口33への入賞が発生しており(ステップS3501:YES)、さらに第1特図保留エリア125に記憶されている第1保留情報の数が上限記憶数未満である場合(ステップS3502:YES)、第1保留情報を取得するための処理を実行する。
第1保留情報を取得するための処理では、まず第1特図保留エリア125に記憶されている未処理の第1保留情報の数を主側MPU82にて把握するために主側RAM84に設けられた第1特図保留カウンタの値を1加算する(ステップS3503)。ちなみに、当該第1特図保留カウンタの値に応じて、特図ユニット37における第1特図保留表示部37cの表示内容が調整される。これにより、第1特図保留表示部37cの表示内容が第1特図保留エリア125に格納されている第1保留情報の数に対応することとなる。
その後、当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア125のうち最初の記憶エリア、すなわちステップS3503にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS3504)。なお、本実施形態では大当たり結果となった場合における遊技状態の内容によって大当たり結果の種類が決定される構成であり、大当たり結果の種類が抽選により決定される構成ではないため大当たり種別カウンタC2が設けられていない。その後、第1保留情報が増加したことを示す第1保留コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS3505)。音光側MPU93は受信した第1保留コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の第1保留表示領域46における第1保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。
ステップS3501にて否定判定をした場合、ステップS3502にて否定判定をした場合又はステップS3505の処理を実行した場合、特別入球装置151への入賞が発生しており(ステップS3506:YES)、さらに第2特図保留エリア126に記憶されている第2保留情報の数が上限記憶数未満である場合(ステップS3507:YES)、第2保留情報を取得するための処理を実行する。
第2保留情報を取得するための処理では、まず第2特図保留エリア126に記憶されている未処理の第2保留情報の数を主側MPU82にて把握するために主側RAM84に設けられた第2特図保留カウンタの値を1加算する(ステップS3508)。ちなみに、当該第2特図保留カウンタの値に応じて、特図ユニット37における第2特図保留表示部37dの表示内容が調整される。これにより、第2特図保留表示部37dの表示内容が第2特図保留エリア126に格納されている第2保留情報の数に対応することとなる。
その後、当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2特図保留エリア126のうち最初の記憶エリア、すなわちステップS3508にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS3509)。その後、保留報知の制御処理を実行する(ステップS3510)。保留報知の制御処理では詳細は後述するが、第2特図保留表示部37dの4個の発光部155のうち今回取得した第2保留情報に対応する発光部155の発光態様を当該第2保留情報の内容に対応する発光態様とするための処理を実行する。
その後、第2保留情報が増加したことを示す第2保留コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS3511)。音光側MPU93は受信した第2保留コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の第2保留表示領域48における第2保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。
特図特電制御処理(図56)の説明に戻り、保留情報の取得処理(ステップS3401)を実行した後は、主側ROM83に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す(ステップS3402)。特図特電アドレステーブルには、主側RAM84に設けられた特図特電カウンタの数値情報に対応する処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルを読み出した後は、特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを特図特電アドレステーブルから取得し(ステップS3403)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS3404)。具体的には、特図特電カウンタの値が「0」である場合には特図変動開始処理を実行し(ステップS3405)、特図特電カウンタの値が「1」である場合には特図変動中処理を実行し(ステップS3406)、特図特電カウンタの値が「2」である場合には特図確定中処理を実行し(ステップS3407)、特図特電カウンタの値が「3」である場合には特電開始処理を実行し(ステップS3408)、特図特電カウンタの値が「4」である場合には特電開放中処理を実行し(ステップS3409)、特図特電カウンタの値が「5」である場合には特電終了処理を実行する(ステップS3410)。これら処理のうちステップS3406の特図変動中処理及びステップS3409の特電開放中処理の処理内容は上記第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図58はステップS3405の特図変動開始処理を示すフローチャートである。
特図変動開始処理では、第1保留情報及び第2保留情報のいずれかが保留記憶されていることを条件として(ステップS3601:YES)、第2特図保留エリア126に第2保留情報が保留記憶されているか否かを判定する(ステップS3602)。第2保留情報が保留記憶されている場合には(ステップS3602:YES)、第2特図のデータ設定処理を実行する(ステップS3603)。
第2特図のデータ設定処理では、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納されたデータを第2特図用の実行エリア127bに移動する。これにより、今回の遊技回の開始対象が第2特図表示部37bとなる。その後、第2特図保留エリア126の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア126a〜126dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア126aのデータをクリアするとともに、第2エリア126b→第1エリア126a、第3エリア126c→第2エリア126b、第4エリア126d→第3エリア126cといった具合に各エリア内のデータをシフトする。その後、主側RAM84の第2特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、第2特図保留表示部37dの表示内容が、第2保留情報が1個減少した内容に変更される。つまり、第2特図保留表示部37dにおける各発光部155の状態が1個ずつ左側にシフトすることとなる。したがって、第2特図保留エリア126に保留記憶されている第2保留情報の数が4個から3個に減少した場合には発光状態となっている発光部155の数が4個から3個に減少し、第2特図保留エリア126に保留記憶されている第2保留情報の数が3個から2個に減少した場合には発光状態となっている発光部155の数が3個から2個に減少し、第2特図保留エリア126に保留記憶されている第2保留情報の数が2個から1個に減少した場合には発光状態となっている発光部155の数が2個から1個に減少し、第2特図保留エリア126に1個の第2保留情報が保留記憶されている状態から第2特図保留エリア126に第2保留情報が保留記憶されていない状態となった場合には1個の発光部155が発光状態となっている状態から全ての発光部155が消灯状態となっている状態となる。また、当該データ設定処理では、第2特図保留エリア126における第2保留情報が1個減少したことを示す第2減少時コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は受信した第2減少時コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の第2保留表示領域48における第2保留情報の数の表示を保留情報の数の減少に対応させて変更する。
第2保留情報が保留記憶されていない場合には(ステップS3602:NO)、第1特図のデータ設定処理を実行する(ステップS3604)。第1特図のデータ設定処理では、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納されたデータを第1特図用の実行エリア127aに移動する。これにより、今回の遊技回の開始対象が第1特図表示部37aとなる。その後、第1特図保留エリア125の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア125a〜125dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア125aのデータをクリアするとともに、第2エリア125b→第1エリア125a、第3エリア125c→第2エリア125b、第4エリア125d→第3エリア125cといった具合に各エリア内のデータがシフトする。その後、主側RAM84の第1特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、第1特図保留表示部37cの表示内容が、第1保留情報が1個減少した内容に変更される。つまり、第1特図保留表示部37cにおける各発光部154の状態が1個ずつ左側にシフトすることとなる。したがって、第1特図保留エリア125に保留記憶されている第1保留情報の数が4個から3個に減少した場合には発光状態となっている発光部154の数が4個から3個に減少し、第1特図保留エリア125に保留記憶されている第1保留情報の数が3個から2個に減少した場合には発光状態となっている発光部154の数が3個から2個に減少し、第1特図保留エリア125に保留記憶されている第1保留情報の数が2個から1個に減少した場合には発光状態となっている発光部154の数が2個から1個に減少し、第1特図保留エリア125に1個の第1保留情報が保留記憶されている状態から第1特図保留エリア125に第1保留情報が保留記憶されていない状態となった場合には1個の発光部154が発光状態となっている状態から全ての発光部154が消灯状態となっている状態となる。また、当該データ設定処理では、第1特図保留エリア125における第1保留情報が1個減少したことを示す第1減少時コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は受信した第1減少時コマンドに対応したコマンドを表示側MPU103に送信することで、図柄表示装置41の通常用保留表示領域42又は第1保留表示領域46における第1保留情報の数の表示を保留情報の数の減少に対応させて変更する。
ここで、ステップS3602の処理が実行されることにより、第2保留情報が保留記憶されている場合には当該第2保留情報よりも早いタイミングで第1保留情報が取得されていたとしても、第2保留情報が遊技回の開始対象となる。これにより、第2特図表示部37bにおける遊技回の実行を第1特図表示部37aにおける遊技回の実行よりも優先させることが可能となる。既に説明したとおり第2保留情報が遊技回の開始対象となった場合には小当たり結果が発生し得るのに対して第1保留情報が遊技回の開始対象となった場合には小当たり結果が発生しない。そうすると、第1保留情報が遊技回の開始対象となるよりも第2保留情報が遊技回の開始対象となった方が遊技者にとって有利である。この場合に、第2特図表示部37bにおける遊技回が第1特図表示部37aにおける遊技回よりも優先して消化されることにより、遊技者にとって有利な側である第2保留情報から優先して遊技回の開始対象とすることが可能となる。
ステップS3603又はステップS3604の処理を実行した場合、当否判定処理を実行する(ステップS3605)。当否判定処理では、当否抽選モードが低確率モードであって遊技回の開始対象が第1特図表示部37aであれば第1特図用の低確当否テーブル(図55(a)参照)を主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであって遊技回の開始対象が第1特図表示部37aであれば第1特図用の高確当否テーブル(図55(b)参照)を主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが低確率モードであって遊技回の開始対象が第2特図表示部37bであれば第2特図用の低確当否テーブル(図55(c)参照)を主側ROM83から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであって遊技回の開始対象が第2特図表示部37bであれば第2特図用の高確当否テーブル(図55(d)参照)を主側ROM83から読み出す。当否テーブルを読み出した後は、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象である側に格納された保留情報から、当否判定用の情報すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が上記当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。また、今回の遊技回の開始対象が第2特図表示部37bである場合には大当たり結果として設定されている数値情報と一致していない場合には、上記当否テーブルにおいて小当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
当否判定処理の結果が大当たり結果である場合(ステップS3606:YES)、主側RAM84に設けられた大当たりフラグに「1」をセットする(ステップS3607)。その後、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3608)。当該停止結果設定処理では、今回の遊技回の開始対象である特図表示部37a,37bに最終的に停止表示させる絵柄の停止態様の情報を主側ROM83から読み出し、その読み出した情報を主側RAM84に記憶する。
当否判定処理の結果が大当たり結果ではなく小当たり結果である場合(ステップS3609:YES)、主側RAM84に設けられた小当たりフラグに「1」をセットする(ステップS3610)。なお、既に説明したとおり小当たり結果は第1特図表示部37a側においては発生することはなく、第2特図表示部37b側においてのみ発生する。その後、小当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3611)。具体的には、今回の遊技回において第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83から読み出し、その読み出した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
当否判定処理の結果が大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合(ステップS3609:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS3612)。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83から読み出し、その読み出した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっており、さらに第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにおいて共通の1種類となっている。
ステップS3608、ステップS3611又はステップS3612の処理を実行した場合、変動表示期間の特定処理を実行する(ステップS3613)。変動表示期間の特定処理では、変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出す。具体的には、まず今回の開始対象となっている遊技回はリーチ演出の発生に対応しているか否かを判定する。この場合、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応している場合、リーチ演出が発生すると判定する。また、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応していない場合であっても、第1特図用の実行エリア127a及び第2特図用の実行エリア127bのうち今回の遊技回の開始対象となっている側に格納されているリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ演出が発生すると判定する。リーチ演出が発生すると判定した場合には主側ROM83に記憶されているリーチ発生用変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出し、リーチ演出が発生しないと判定した場合には主側ROM83に記憶されているリーチ非発生用変動表示期間テーブルを主側ROM83から読み出す。その後、変動種別カウンタCSの現状の数値情報を取得し、既に読み出した変動表示期間テーブルに対して照合することで変動表示期間を決定する。そして、その決定した変動表示期間の情報を、主側RAM84に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。
その後、今回の開始対象となっている遊技回に対応する変動用コマンド及び種別コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS3614)。変動用コマンドには、ステップS3613にて特定された変動表示期間の情報が含まれるとともに開始対象となっている遊技回が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうちいずれに対応しているのかを示す情報が含まれる。さらに、変動用コマンドには、リーチ演出を実行するか否かの情報が含まれる。なお、リーチ演出が行われない状況とリーチ演出が行われる状況とで変動表示期間が完全に相違する構成であれば、当該リーチ演出を実行するか否かを直接的に示す情報が変動用コマンドに設定されていなてくもよい。また、変動用コマンドには、現状の遊技状態が高確率状態であるか否かを示す情報が含まれる。種別コマンドには、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応しているか否かの情報が含まれる。
その後、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の開始対象となっている表示部において、絵柄の変動表示を開始させる(ステップS3615)。そして、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS3616)。特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることでその加算対象となった特図特電カウンタの値は特図変動中処理に対応する「1」となる。
図59は特図特電制御処理(図56)におけるステップS3407の特図確定中処理を示すフローチャートである。
特図確定中処理では、特図特電制御処理(図56)におけるステップS3406の特図変動中処理にてセットされた最終停止期間が経過していることを条件として(ステップS3701:YES)、抽選モードの監視処理を実行する(ステップS3702)。抽選モードの監視処理では、主側RAM84に設けられた遊技回数カウンタの値が1以上であることを条件として当該遊技回数カウンタの値を1減算し、その1減算後における遊技回数カウンタの値が「0」である場合に主側RAM84に設けられた高確率フラグの値を「0」クリアする。既に説明したとおり、本実施形態では10回の大当たり結果を1セットとして当該1セットが完了するまでは高確率状態が継続されるとともに、1セットの最後の大当たり結果による開閉実行モードが終了した場合には4回の遊技回を上限として継続する高確率状態となる。この場合に、遊技回数カウンタは当該高確率状態の残りの遊技回の継続回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。そして、当該遊技回数カウンタの値は遊技回が終了する度に1減算され、その1減算後の遊技回数カウンタの値が「0」となった場合には高確率フラグの値が「0」クリアされることで、遊技状態が高確率状態から通常遊技状態に移行する。
抽選モードの監視処理を実行した後は、主側RAM84の大当たりフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する(ステップS3703)。大当たり結果に対応している場合には(ステップS3703:YES)、主側RAM84に設けられた継続中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3704)。継続中フラグは、10回の大当たり結果を1セットとするセット状態の継続中であるか否かを主側MPU82にて特定するためのフラグである。継続中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3704:NO)、今回の大当たり結果が通常遊技状態又は4回の遊技回を上限として継続する高確率状態において発生したことを意味する。この場合、主側RAM84の継続中フラグに「1」をセットし(ステップS3705)、主側RAM84に設けられた継続カウンタに「10」をセットする(ステップS3706)。継続カウンタは、セット状態において発生する残りの大当たり結果の回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。
その後、セット状態の開始契機となる大当たり結果に対応する第1オープニング期間の情報(具体的には20秒)を特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS3707)。そして、第1オープニングコマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS3708)。これにより、開閉実行モードが開始されること及びセット状態が開始されることに対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部64及びスピーカ部65において行われる。
継続中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3704:YES)、今回の大当たり結果がセット状態において発生したことを意味する。この場合、セット状態中における大当たり結果又は小当たり結果に対応する第2オープニング期間の情報(具体的には10秒)を特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS3709)。そして、第2オープニングコマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS3710)。これにより、セット状態中における大当たり結果を契機とした開閉実行モード又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始されることに対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部64及びスピーカ部65において行われる。
主側RAM84の大当たりフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3703:NO)、主側RAM84の小当たりフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が小当たり結果に対応しているか否かを判定する(ステップS3711)。小当たり結果に対応している場合には(ステップS3711:YES)、セット状態中における大当たり結果又は小当たり結果に対応する第2オープニング期間の情報(具体的には10秒)を特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS3712)。そして、第2オープニングコマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS3713)。これにより、セット状態中における大当たり結果を契機とした開閉実行モード又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始されることに対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部64及びスピーカ部65において行われる。
ステップS3708、ステップS3710又はステップS3713の処理を実行した場合、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS3714)。特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特電開始処理(ステップS3408)に対応する「3」となる。一方、ステップS3711にて否定判定をした場合には特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3715)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS3405)に対応する「0」となる。
図60は特図特電制御処理(図56)におけるステップS3408の特電開始処理を示すフローチャートである。
特図確定中処理(図59)にてセットされたオープニング期間が経過している場合(ステップS3801:YES)、主側RAM84に設けられた開閉回数カウンタSOCの値に「1」をセットする(ステップS3802)。開閉回数カウンタSOCは今回の開閉実行モードにおいて特電入賞装置32を開放させる回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。本実施形態では大当たり結果を契機とした開閉実行モード及び小当たり結果を契機とした開閉実行モードのいずれであっても特電入賞装置32が開放される回数は1回に設定されている。
その後、上限入賞個数の設定処理を実行する(ステップS3803)。当該設定処理では、大当たり結果を契機とした開閉実行モード及び小当たり結果を契機とした開閉実行モードのいずれであっても主側RAM84に設けられた入賞カウンタに上限入賞個数に対応する情報(具体的には「10」)をセットする。そして、開放継続期間の設定処理を実行する(ステップS3804)。当該設定処理では、大当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば大当たり用の開放継続期間の情報(具体的には29秒)をセットし、小当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば小当たり用の開放継続期間の情報(具体的には1.8秒)をセットする。大当たり用の開放継続期間は遊技球の発射周期(具体的には0.6秒)と上限入賞個数との積よりも長い期間に設定されており、小当たり用の開放継続期間は遊技球の発射周期(具体的には0.6秒)と上限入賞個数との積よりも短い期間に設定されている。
その後、特電用の開放設定処理を実行する(ステップS3805)。当該開放設定処理では、特電入賞装置32が開放状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が開放状態となる。その後、特図特電カウンタの値を1加算する。特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特電開放中処理(ステップS3409)に対応する「4」となる。
特電開放中処理(ステップS3409)では、今回設定された開放継続期間が経過した場合、又は特電入賞装置32への入賞個数が上限入賞個数以上となった場合に、特電入賞装置32を閉鎖させるための処理を実行する。そして、特電入賞装置32を閉鎖させた場合には、エンディング期間を特図特電タイマカウンタにセットするとともに、エンディングコマンドを音光側MPU93に送信する。
図61は特図特電制御処理(図56)におけるステップS3410の特電終了処理を示すフローチャートである。
特電開放中処理(ステップS3409)にてセットされたエンディング期間が経過している場合(ステップS3901:YES)、今回の開閉実行モードが大当たり結果を契機としていることを条件として(ステップS3902:YES)、主側RAM84の高確率フラグに「1」をセットする(ステップS3903)。その後、主側RAM84の継続カウンタの値を1減算し(ステップS3904)、その1減算後における継続カウンタの値が「0」である場合(ステップS3905:YES)、主側RAM84の継続中フラグを「0」クリアするとともに(ステップS3906)、主側RAM84の遊技回数カウンタに「4」をセットする(ステップS3907)。これにより、今回の開閉実行モードの終了後には4回の遊技回を上限として継続する高確率状態となる。その後、特別保留報知の終了処理を実行する(ステップS3908)。当該終了処理では、主側RAM84の後述する特別保留報知フラグを「0」クリアするとともに第2特図保留エリア126の後述する特別報知対象エリアを「0」クリアし、さらに第2特図保留表示部37dにおいて後述する特別発光状態となっている発光部155を通常の発光状態とする。
ステップS3902にて否定判定をした場合、ステップS3905にて否定判定をした場合、又はステップS3908の処理を実行した場合、特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3909)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS3405)に対応する「0」となる。
次に、保留情報の取得処理(図57)におけるステップS3510にて実行される保留報知の制御処理について、図62のフローチャートを参照しながら説明する。なお、保留報知の制御処理は第2保留情報が新たに取得された場合に実行され、第1保留情報が新たに取得されたとしても実行されない。
保留報知の制御処理では、今回取得した第2保留情報が高確率状態において大当たり結果となる保留情報であるか否かを判定する(ステップS4001)。具体的には、今回取得した第2保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報を高確率状態において参照される当否テーブルである第2特図用の高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
取得した第2保留情報が高確率状態において大当たり結果となる保留情報である場合(ステップS4001:YES)、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち今回取得した第2保留情報が格納されるエリアに設けられた大当たり保留フラグに「1」をセットする(ステップS4002)。なお、本実施形態では上記第1の実施形態と同様に、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのそれぞれに、当たり乱数エリア及びリーチ乱数エリアとは別に大当たり保留フラグが設けられているが、上記第1の実施形態と異なり、第1〜第4エリア126a〜126dには大当たり種別エリア、継続期間エリア及び設定済みフラグは設けられていない。また、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのそれぞれには後述する特別保留報知の実行対象となっていることを主側MPU82にて特定するためのエリアとして特別報知対象エリアが設けられている。第2保留情報が遊技回の開始対象となり第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dに格納されている第2保留情報のシフトが実行される場合には、当たり乱数エリア、リーチ乱数エリア及び大当たり保留フラグの設定状態が第nエリアから第n−1エリアにシフトされるだけではなく、特別報知対象エリアの設定状態も第nエリアから第n−1エリアにシフトされる。
ステップS4001にて否定判定をした場合又はステップS4002の処理を実行した場合、主側RAM84の特別保留報知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4003)。特別保留報知フラグとは、第2特図保留表示部37dのいずれか1個の発光部155の発光状態が特別発光状態となっていることを主側MPU82にて特定するためのフラグである。
本実施形態では10回の大当たり結果を1セットするセット状態において大当たり結果又は小当たり結果に対応する第2保留情報が取得された場合、第2特図保留表示部37dの発光部155のうちその第2保留情報に対応する発光部155の発光状態が特別発光状態となり得る。具体的には、第2特図保留エリア126に第2保留情報が記憶されていない状況で取得された第2保留情報が大当たり結果又は小当たり結果に対応しており特別保留報知の実行条件が成立した場合には第2特図保留表示部37dの発光部155のうち1個目の第2保留情報に対応する最も左の発光部155が特別発光状態として点滅状態となる。また、第2特図保留エリア126に1個の第2保留情報が記憶されている状況で取得された第2保留情報が大当たり結果又は小当たり結果に対応しており特別保留報知の実行条件が成立した場合には第2特図保留表示部37dの発光部155のうち2個目の第2保留情報に対応する左から2個目の発光部155が特別発光状態として点滅状態となる。また、第2特図保留エリア126に2個の第2保留情報が記憶されている状況で取得された第2保留情報が大当たり結果又は小当たり結果に対応しており特別保留報知の実行条件が成立した場合には第2特図保留表示部37dの発光部155のうち3個目の第2保留情報に対応する左から3個目の発光部155が特別発光状態として点滅状態となる。また、第2特図保留エリア126に3個の第2保留情報が記憶されている状況で取得された第2保留情報が大当たり結果又は小当たり結果に対応しており特別保留報知の実行条件が成立した場合には第2特図保留表示部37dの発光部155のうち4個目の第2保留情報に対応する左から4個目の発光部155が特別発光状態として点滅状態となる。また、第2特図保留表示部37dのいずれかの発光部155が特別発光状態となっている状況において新たに第2特図表示部37bの遊技回が開始された場合には、特別発光状態となっている発光部155が最も左の発光部155であれば特別発光状態が解除され、特別発光状態となっている発光部155が左から2個目〜4個目の発光部155であれば特別発光状態となっている発光部155が左に1個ずれることとなる。第2特図保留表示部37dのいずれかの発光部155が特別発光状態となっていることを確認することで、その特別発光状態となっている発光部155の順番に対応する第2保留情報にて大当たり結果又は小当たり結果が発生することを遊技者は認識することが可能となる。なお、特別発光状態は発光部155が点滅状態となる構成に限定されることはなく、例えば特別発光状態ではない通常の発光状態の場合とは異なる色で発光部155が点灯する構成としてもよい。
特別保留報知フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4003:YES)、ステップS4004以降の特別保留報知を新たに開始するための処理を実行しない。これにより、第2特図保留表示部37dの複数の発光部155において特別保留報知が同時に実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特別保留報知フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4003:NO)、主側RAM84の継続カウンタの値が2以上であるか否かを判定することで、セット状態における大当たり結果の残りの発生回数が2回以上であるか否かを判定する(ステップS4004)。ステップS4004にて肯定判定をした場合には、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されている第2保留情報に対応する大当たり保留フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されている第2保留情報に大当たり結果に対応する保留情報が存在しているか否かを判定する(ステップS4005)。大当たり結果に対応する第2保留情報が既に存在している場合には(ステップS4005:YES)、ステップS4006以降の特別保留報知を新たに開始するための処理を実行しない。これにより、セット状態において大当たり結果の残りの発生回数が2回以上である状況では、特別保留報知が実行されている発光部155に対応する第2保留情報よりも先に遊技回の開始対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果が発生してしまわないようにすることが可能となる。
ステップS4005にて否定判定をした場合、今回取得した第2保留情報が高確率状態において大当たり結果又は小当たり結果となるか否かを判定する(ステップS4006)。具体的には、今回取得した第2保留情報のうち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その数値情報を高確率状態において参照される当否テーブルである第2特図用の高確当否テーブルにて設定されている大当たり結果の数値情報のいずれか又は小当たり結果のいずれかと一致しているか否かを判定する。
今回取得した第2保留情報が大当たり結果又は小当たり結果に対応している場合(ステップS4006:YES)、特別保留報知の実行抽選処理を実行する(ステップS4007)。当該実行抽選処理では、主側ROM83に予め記憶されている特別保留報知テーブルを読み出すとともに、主側RAM84において定期的に更新される抽選用カウンタの数値情報を読み出す。そして、抽選用カウンタの数値情報が特別保留報知テーブルに設定されている数値情報と一致しているか否かを判定する。特別保留報知の実行当選である場合(ステップS4008:YES)、特別保留報知の設定処理を実行する(ステップS4009)。当該設定処理では、第2特図保留エリア126の第1〜第4エリア126a〜126dのうち今回取得した第2保留情報が格納されたエリア126a〜126dにおける特別報知対象エリアに「1」をセットするとともに、第2特図保留表示部37dの4個の発光部155のうち今回取得した第2保留情報に対応する発光部155を特別発光状態とする。その後、主側RAM84の特別保留報知フラグに「1」をセットするとともに(ステップS4010)、特別保留報知コマンドを音光側MPU93に送信する(ステップS4011)。音光側MPU93は特別保留報知コマンドを受信することにより、特別保留報知が開始されたことに対応する演出を図柄表示装置41、表示発光部64及びスピーカ部65にて実行されるようにする。
特別発光状態となっている状態は、当該特別発光状態となっている発光部155に対応する第2保留情報が遊技回の開始対象となるまで、又はセット状態の残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況において大当たり結果に対応する開閉実行モードが開始される場合に解除される。この場合、セット状態においては特別発光状態となっている発光部155に対応する第2保留情報よりも先に遊技回の開始対象となった第2保留情報を契機として小当たり結果が発生し得るが、この小当たり結果に対応する開閉実行モードでは上記発光部155における特別発光状態は継続される。これにより、セット状態が継続する状況においては特別発光状態を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。また、セット状態の残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況において大当たり結果に対応する開閉実行モードが開始されて特別発光状態が解除される場合には、特別発光状態となっている発光部155が通常の発光状態に切り換わる。これにより、保留報知の実行期間をセット状態の範囲内に制限することが可能となる。
一方、ステップS4004にて主側RAM84の継続カウンタの値が2以上ではないと判定した場合、ステップS4012にて主側RAM84の継続カウンタの値が「1」であるか否かを判定する。つまり、セット状態において残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況であるか否かを判定する。ステップS4012にて否定判定をした場合にはそのまま保留報知の制御処理を終了する。これにより、セット状態ではない状況において特別発光状態が開始されてしまわないようにすることが可能となる。
ステップS4012にて肯定判定をした場合、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されている第2保留情報に対応する大当たり保留フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回取得した第2保留情報よりも先に取得されている第2保留情報に大当たり結果に対応する保留情報が存在しているか否かを判定する(ステップS4013)。ステップS4013にて否定判定をした場合には、既に説明したステップS4006以降の処理を実行する。ステップS4013にて肯定判定をした場合には、今回取得した第2保留情報が大当たり結果に対応していることを条件として(ステップS4014)、既に説明したステップS4009〜ステップS4011の処理を実行する。これにより、今回取得した第2保留情報に対応する第2特図保留表示部37dの発光部155が特別発光状態となる。
つまり、セット状態にて残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況であって大当たり結果に対応する第2保留情報が既に取得されている状況において大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている大当たり結果に対応する第2保留情報について特別発光状態の設定が行われていない場合には新たに取得された大当たり結果に対応する第2保留情報について特別発光状態が開始される。これにより、特別発光状態となっている発光部155に対応する第2保留情報よりも先に遊技回の開始対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果が発生してセット状態が終了した場合には、その特別発光状態となっている発光部155に対応する第2保留情報が契機となった遊技回にて大当たり結果が確実に発生することとなる。よって、セット状態にて残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況において特別発光状態が開始されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。なお、セット状態においては残りの大当たり結果の発生回数が図柄表示装置41にて報知されるが、当該報知が実行されない構成としてもよい。
次に、保留報知が実行される様子を図63(a)〜図63(h)のタイムチャートを参照しながら説明する。図63(a)は遊技回の実行期間を示し、図63(b)はセット状態が継続している期間を示し、図63(c)は大当たり結果を契機とした開閉実行モードの実行期間を示し、図63(d)は小当たり結果を契機とした開閉実行モードの実行期間を示し、図63(e)は主側RAM84の継続カウンタの値が「1」となっている期間を示し、図63(f)は第2特図保留表示部37dのいずれかの発光部155が特別発光状態となっている期間を示し、図63(g)は大当たり結果に対応する第2保留情報が第2特図保留エリア126に保留記憶されている期間を示し、図63(h)は大当たり結果に対応する第2保留情報が取得されたタイミングを示す。
図63(a)に示すようにt1のタイミングで大当たり結果の発生に対応する遊技回が終了することで、図63(b)に示すようにセット状態が開始されるとともに、図63(c)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。その後、当該開閉実行モードが実行されている状況であるt2のタイミングで図63(h)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が取得される。これにより、図63(g)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が保留記憶された期間となる。また、図63(f)に示すように第2特図保留表示部37dの発光部155のうち今回取得した第2保留情報に対応する発光部155が特別発光状態となる。
その後、t3のタイミングで図63(c)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了し、図63(a)に示すように新たな遊技回が開始される。この場合、この遊技回はt2のタイミングで取得された第2保留情報を契機としているため、図63(f)に示すように特別発光状態が解除されるとともに、図63(g)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が保留記憶されていない状態となる。
その後、t4のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が終了することで、図63(c)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。そして、t5のタイミングで図63(c)に示すように当該開閉実行モードが終了し、図63(a)に示すように遊技回が新たに開始される。
当該遊技回が実行されている状況であるt6のタイミングで小当たり結果に対応する第2保留情報が取得されることで、図63(f)に示すように第2特図保留表示部37dの発光部155のうち今回取得した第2保留情報に対応する発光部155が特別発光状態となる。その後、図63(a)に示すようにt7のタイミングで遊技回が開始されるとともに、その後のt8のタイミングで遊技回が開始される。このt8のタイミングで開始された遊技回はt6のタイミングで取得された第2保留情報を契機としているため、当該遊技回が終了するt9のタイミングで、図63(d)に示すように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。
その後、当該開閉実行モードが実行されている状況であるt10のタイミングで図63(h)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が取得される。これにより、図63(g)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が保留記憶された期間となる。また、図63(f)に示すように第2特図保留表示部37dの発光部155のうち今回取得した第2保留情報に対応する発光部155が特別発光状態となる。
その後、t11のタイミングで図63(d)に示すように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了することで、図63(a)に示すように遊技回が開始される。また、t12のタイミングでも遊技回が開始される。当該遊技回が実行されている状況であるt13のタイミングで図63(h)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得される。但し、この時点ではt10のタイミングで取得された大当たり結果に対応する第2保留情報が未だ保留記憶されているとともに当該第2保留情報について特別発光状態の設定が行われているため、今回取得した第2保留情報については特別発光状態の設定は行われない。
その後、t14のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が終了する。当該遊技回は小当たり結果に対応する第2保留情報を契機としているため、図63(d)に示すように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。そして、当該開閉実行モードはt15のタイミングで終了する。当該t15のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が開始される。当該遊技回はt10のタイミングで取得された大当たり結果に対応する第2保留情報を契機とした遊技回である。したがって、当該t15のタイミングで図63(f)に示すように第2特図保留表示部37dにおいて特別発光状態となっている発光部155が存在しない状態となる。但し、未だt13のタイミングで取得された大当たり結果に対応する第2保留情報が存在しているため、大当たり結果に対応する第2保留情報が保留記憶された期間は継続される。
その後、t16のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が終了することで、図63(c)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。当該開閉実行モードが実行されている状況であるt17のタイミングで、図63(h)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得される。但し、この時点ではt13のタイミングで取得された大当たり結果に対応する第2保留情報が未だ保留記憶されているため、今回取得した第2保留情報については特別発光状態の設定は行われない。その後、t18のタイミング及びt20のタイミングのそれぞれで図63(a)に示すように大当たり結果に対応する遊技回が開始されるとともに、t19のタイミング及びt21のタイミングのそれぞれで図63(c)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。
その後、図63(e)に示すように主側RAM84の継続カウンタの値が「1」となっている状況、すなわちセット状態における残りの大当たり結果の発生回数が1回となっている状況であるt22のタイミングで、図63(a)に示すように遊技回が開始される。当該遊技回が実行されている状況であるt23のタイミングで図63(h)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が取得される。これにより、図63(g)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が保留記憶された状態となる。但し、特別保留報知の実行抽選処理にて特別保留報知の実行当選とならなかったことにより、当該第2保留情報について特別発光状態は設定されない。
その後、t24のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が終了することで、図63(d)に示すように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。当該開閉実行モードが実行されている状況であるt25のタイミングで図63(h)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得される。この場合、図63(g)に示すように大当たり結果に対応する第2保留情報が既に保留記憶されている状況ではあるものの、図63(e)に示すようにセット状態における残りの大当たり結果の発生回数が1回となっている状況である。したがって、図63(f)に示すように、t25のタイミングで取得された大当たり結果に対応する第2保留情報の発光部155が特別発光状態となる。
その後、t26のタイミングで図63(d)に示すように小当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了することで図63(a)に示すように遊技回が開始される。また、t27のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が開始される。当該遊技回はt28のタイミングで終了し、当該t28のタイミングで図63(c)に示すように大当たり結果を契機とした開閉実行モードが開始される。そして、当該開閉実行モードはt29のタイミングで終了する。これにより、セット状態における最後の大当たり結果に対応する開閉実行モードが終了することとなる。よって、図63(b)に示すように今回のセット状態が終了する。また、当該t29のタイミングで図63(f)に示すように第2保留情報についての特別発光状態が終了する。
また、t29のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が開始される。当該遊技回は、t25のタイミングで取得された第2保留情報を契機とした遊技回である。その後、t30のタイミングで図63(a)に示すように遊技回が終了し、図63(c)に示すようにt30のタイミング〜t31のタイミングに亘って大当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行される。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特別発光状態の実行対象となっている第2保留情報よりも先に遊技回の実行対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果が発生しなかった場合には、特別発光状態の実行対象となっている第2保留情報を契機として大当たり結果又は小当たり結果が付与されるのに対して、特別発光状態の実行対象となっている第2保留情報よりも先に遊技回の実行対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果が発生した場合には、特別発光状態の実行対象となっている第2保留情報を契機として大当たり結果が付与されることとなる。これにより、遊技者は特別発光状態が発生した場合には、当該特別発光状態の実行対象となっている第2保留情報よりも先に遊技回の実行対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果が付与されることを期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、特別発光状態の実行対象となっている第2保留情報よりも先に遊技回の実行対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果が発生しなかったとしても、大当たり結果又は小当たり結果が付与されるため、この場合であっても特別発光状態の実行対象となっている第2保留情報に対する遊技者の注目度が低下してしまわないようにすることが可能となる。
セット状態にて残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況であって大当たり結果に対応する第2保留情報が既に取得されている状況において大当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得された場合、既に取得されている大当たり結果に対応する第2保留情報について特別発光状態の設定が行われていない場合には新たに取得された大当たり結果に対応する第2保留情報について特別発光状態が開始される。これにより、特別発光状態となっている発光部155に対応する第2保留情報よりも先に遊技回の開始対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果が発生してセット状態が終了した場合には、その特別発光状態となっている発光部155に対応する第2保留情報が契機となった遊技回にて大当たり結果が確実に発生することとなる。よって、セット状態にて残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況において特別発光状態が開始されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
セット状態にて残りの大当たり結果の発生回数が2回以上である状況では、既に大当たり結果に対応する第2保留情報が取得されている状況で大当たり結果又は小当たり結果に対応する第2保留情報が新たに取得されたとしても当該新たに取得された第2保留情報について特別発光状態の設定は行われない。これにより、特別発光状態となっている第2保留情報よりも先に遊技回の実行対象となった第2保留情報を契機として大当たり結果となる事象が発生する状況を、セット状態にて残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況に制限することが可能となる。よって、セット状態において残りの大当たり結果の発生回数が1回である状況に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
<第6の実施形態の別形態>
なお、上述した第6の実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記第6の実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
・大当たり結果を契機とした開閉実行モードではラウンド遊技が1回のみ実行される構成に限定されることはなく、ラウンド遊技が2回以上実行される構成としてもよい。この場合、小当たり結果を契機とした開閉実行モードに対する大当たり結果を契機とした開閉実行モードの有利度をより高めることが可能となる。
・複数の発光部155において同時に特別発光状態となることが発生しない構成としたが、これに代えて、複数の発光部155において同時に特別発光状態となることが発生し得る構成としてもよい。この場合、特別発光状態となっている発光部155に対応する第2保留情報のうち先に遊技回の実行対象となる第2保留情報が大当たり結果に対応している場合には後に遊技回の実行対象となる第2保留情報も大当たり結果に対応している構成とすることで、複数の発光部155において同時に特別発光状態となることに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
・特別保留報知が第2特図保留表示部37dにて実行される構成に加えて又は代えて、図柄表示装置41において実行される構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41にて保留情報の数に対応する個数の保留画像が表示される構成においてはその保留表示画像の内容により特別保留報知を実行する構成としてもよい。
・大当たり結果に対応する保留情報が既に取得されている状況で大当たり結果に対応する保留情報が新たに取得された場合には、それ専用の特別保留報知が実行される構成としてもよい。これにより、当該特別保留報知が実行された場合には複数の大当たり結果が発生することが確定することとなるため、当該特別保留報知が実行されるか否かに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組合せて適用してもよく(例えば第1の実施形態及び第5の実施形態の組合せや、第2の実施形態、第4の実施形態及び第6の実施形態の組合せ)、上記各実施形態の構成を相互に組合せるとともにそれに対して以下の別形態の構成を個別に又は組合せて適用してもよい。
・主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置91により表示制御装置101が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置101が音声発光制御装置91を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置91と表示制御装置101とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。また、主制御装置71から音声発光制御装置91に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置91から表示制御装置101に出力されるコマンドの構成も任意である。
・遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置41に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
・上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主側MPU82におけるステップS504及びステップS604の処理を実行する機能)と、
前記特別情報が付与対応情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側MPU82におけるステップS705〜ステップS709の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU82におけるステップS1204〜ステップS1208の処理を実行する機能)と、
遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応する状態として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主側MPU82における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(第1作動口33)と第2始動入球部(第2作動口34)とが設けられており、
前記付与判定手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得される第1特別情報に対して前記付与判定を行い、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得される第2特別情報に対して前記付与判定を行う構成であり、
前記遊技回制御手段は、前記第1特別情報を契機とした遊技回が実行されている期間の少なくとも一部と、前記第2特別情報を契機とした遊技回が実行されている期間の少なくとも一部とを重複させ得る構成であり、
当該遊技機は、前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報である第1対応情報が取得され、前記付与対応情報に対応する前記第2特別情報である第2対応情報が取得された場合において、前記第1対応情報を契機とした遊技回と前記第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が所定の関係となるようにする調整手段(主側MPU82における取得時の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1特別情報を契機とした遊技回と第2特別情報を契機とした遊技回とが重複して実行され得るため、遊技回の全体的な実行頻度を高めることが可能となる。この場合に、付与対応情報に対応する第1特別情報である第1対応情報が取得され、付与対応情報に対応する第2特別情報である第2対応情報が取得された場合、第1対応情報を契機とした遊技回と第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が所定の関係となる。これにより、第1対応情報を契機とした遊技回及び第2対応情報を契機とした遊技回のそれぞれが一定の規則で発生することとなり、各遊技回の相対的な実行タイミングを好ましいものとすることが可能となる。
特徴A2.前記調整手段は、遊技回の継続期間を調整することにより、前記第1対応情報を契機とした遊技回と前記第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が所定の関係となるようにすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技回の継続期間を調整するだけで上記特徴A1にて説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A3.前記調整手段は、前記第1特別情報を契機とした遊技回であって前記第1対応情報を契機とした遊技回よりも先に開始される遊技回、及び前記第2特別情報を契機とした遊技回であって前記第2対応情報を契機とした遊技回よりも先に開始される遊技回のうちの少なくとも一方の遊技回の継続期間を調整することにより、前記第1対応情報を契機とした遊技回と前記第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が所定の関係となるようにすることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第1対応情報を契機とした遊技回よりも先に開始される遊技回又は第2対応情報を契機とした遊技回よりも先に開始される遊技回の継続期間が調整される構成であるため、第1対応情報を契機とした遊技回と第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係を所定の関係となり易くさせることが可能となる。
特徴A4.前記調整手段は、前記第1対応情報よりも先に遊技回の実行契機となる第1特別情報が前記付与対応情報に対応している場合及び前記第2対応情報よりも先に遊技回の実行契機となる第2特別情報が前記付与対応情報に対応している場合のうち少なくとも一方において、前記第1対応情報を契機とした遊技回と前記第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が所定の関係となるようにするための所定処理を実行しないことを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、付与対応情報に対応する第1特別情報が既に取得されている状況で第1対応情報が取得された場合、又は付与対応情報に対応する第2特別情報が既に取得されている状況で第2対応情報が取得された場合には、調整手段による調整が実行されない。これにより、付与対応情報に対応する他の特別情報の実行タイミングに影響を与えないようにしながら、上記特徴A1にて説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A5.前記付与対応情報は複数種類設定されており、
前記調整手段は、前記第1対応情報に対応する前記付与対応情報の種類及び前記第2対応情報に対応する前記付与対応情報の種類の少なくとも一方に応じて、前記所定の関係を異ならせることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1対応情報及び第2対応情報のうち少なくとも一方の種類に応じて、第1対応情報を契機とした遊技回と第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が変更される。これにより、各遊技回の相対的な実行タイミングを対応情報の種類に応じた好ましいものとすることが可能となる。
特徴A6.前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち一方の特別情報であって前記付与対応情報に対応する特別情報を契機とした遊技回が実行されている状況で前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち他方の特別情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該他方の特別情報が前記付与対応情報と扱われないようにする手段(主側MPU82におけるステップS704の処理を実行する機能)を備え、
前記付与対応情報として、遊技者の有利度が相対的に高い特典の付与に対応する第1付与対応情報と、遊技者の有利度が相対的に低い特典の付与に対応する第2付与対応情報と、が設定されており、
前記調整手段は、前記第1対応情報が前記第1付与対応情報に対応しており前記第2対応情報が前記第2付与対応情報に対応している場合、前記第1対応情報を契機とした遊技回が実行されている状況で前記第2対応情報を契機とした遊技回が開始され得るように、これら遊技回の実行タイミングの関係が所定の関係となるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、有利度が相対的に高い第1付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回によって有利度が相対的に低い第2付与対応情報に対応する第2特別情報を契機とした遊技回を無効化させることが可能となる。
特徴A7.前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち一方の特別情報であって前記付与対応情報に対応する特別情報を契機とした遊技回が実行されている状況で前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち他方の特別情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該他方の特別情報が前記付与対応情報と扱われないようにする手段(主側MPU82におけるステップS704の処理を実行する機能)を備え、
前記付与対応情報として、遊技者の有利度が相対的に高い特典の付与に対応する第1付与対応情報と、遊技者の有利度が相対的に低い特典の付与に対応する第2付与対応情報と、が設定されており、
前記調整手段は、前記第1対応情報が前記第1付与対応情報に対応しており前記第2対応情報が前記第1付与対応情報に対応している場合、これら対応情報のうち一方を契機とした遊技回が実行されている状況で他方を契機とした遊技回が開始されないように、これら遊技回の実行タイミングの関係が所定の関係となるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、有利度が相対的に高い第1付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回及び有利度が相対的に高い第1付与対応情報に対応する第2特別情報を契機とした遊技回のうち一方が他方によって無効化されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴A8.前記調整手段は、
前記第1特別情報を契機とした遊技回であって前記第1対応情報を契機とした遊技回よりも先に開始される遊技回の継続期間を、前記第1対応情報が取得されたことに基づき調整するための第1調整処理を実行する第1調整手段(主側MPU82におけるステップS1302〜ステップS1308の処理を実行する機能)と、
前記第2特別情報を契機とした遊技回であって前記第2対応情報を契機とした遊技回よりも先に開始される遊技回の継続期間を、前記第2対応情報が取得されたことに基づき調整するための第2調整処理を実行する第2調整手段(主側MPU82におけるステップS1309〜ステップS1315の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第1対応情報が取得されたことに基づき第1特別情報を契機とした遊技回の継続期間が調整されるとともに、第2対応情報が取得されたことに基づき第2特別情報を契機とした遊技回の継続期間が調整される。これにより、第1特別情報を契機とした遊技回及び第2特別情報を契機とした遊技回のうちいずれか一方の継続期間のみを調整する構成に比べて、第1対応情報を契機とした遊技回と第2対応情報を契機とした遊技回との実行タイミングの関係が所定の関係となるようにするための調整を行い易くなる。
特徴A9.前記第1調整手段は、前記第2対応情報が取得されているか否かに関係なく、前記第1対応情報が取得されたことに基づき前記第1調整処理を実行し、
前記第2調整手段は、前記第1対応情報が取得されているか否かに関係なく、前記第2対応情報が取得されたことに基づき前記第2調整処理を実行することを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第1対応情報が取得されたことに基づき第2対応情報の取得の有無に関係なく第1調整処理が実行され、第2対応情報が取得されたことに基づき第1対応情報の取得の有無に関係なく第2調整処理が実行されるため、各調整処理の実行契機を特定するための処理を簡素化させることが可能となる。
なお、特徴A1〜A9の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B14、特徴C1〜C6、特徴D1〜D10、特徴E1〜E4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主側MPU82におけるステップS1904及びステップS2003の処理を実行する機能)と、
前記特別情報が付与対応情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側MPU82におけるステップS2105〜ステップS2109の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に第1特典を付与する第1特典付与手段(主側MPU82におけるステップS2307の処理を実行する機能)と、
遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応する状態として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主側MPU82における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理を実行する機能)と、
遊技者に有利な有利遊技状態に移行させる移行手段(主側MPU82におけるステップS2503及びステップS2504の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態において前記遊技回の実行回数が終了基準回数に達した後に、当該有利遊技状態を終了させる終了手段(主側MPU82におけるステップS2302〜ステップS2305の処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された所定の特別情報の内容に対応する特別報知が、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるようにする特別報知制御手段(主側MPU82における保留コマンドの選択処理を実行する機能、表示側MPU103における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
当該特別報知制御手段は、前記有利遊技状態において実行された遊技回の回数及び当該有利遊技状態にて前記終了基準回数に達するまでに必要な残りの遊技回の回数のうち一方である契機回数を少なくとも一の判断基準として前記特別報知の実行内容を相違させる内容調整手段(主側MPU82におけるステップS2707の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、有利遊技状態に移行したとしても当該有利遊技状態において遊技回の実行回数が終了基準回数に達した場合には当該有利遊技状態が終了する。これにより、有利遊技状態において当該有利遊技状態の残りの継続回数を意識しながら遊技が行われることとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
この場合に、特別情報の内容に対応する特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行される。これにより、当該特別情報を契機とした遊技回が開始される前から当該特別情報の内容を遊技者は予測することが可能となる。さらにまた、有利遊技状態の残りの継続回数を少なくとも一の判断基準として特別報知の実行内容が相違する。これにより、特別報知の内容を有利遊技状態の残りの継続回数と関連付けることが可能となり、特別報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴B2.前記付与判定手段は、判定モードとして、前記特別情報が前記付与対応情報に対応しているとする付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記有利遊技状態は前記判定モードが前記高確率モードとなる遊技状態であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、高確率モードに移行したとしても当該高確率モードにおいて遊技回の実行回数が終了基準回数に達した場合には当該高確率モードが終了する。これにより、高確率モードにおいて当該高確率モードの残りの継続回数を意識しながら遊技が行われることとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。この場合に、特別情報の内容に対応する特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行される。これにより、当該特別情報を契機とした遊技回が開始される前から当該特別情報の内容を遊技者は予測することが可能となる。さらにまた、高確率モードの残りの継続回数を少なくとも一の判断基準として特別報知の実行内容が相違する。これにより、特別報知の内容を高確率モードの残りの継続回数と関連付けることが可能となり、特別報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴B3.前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(第1作動口33)と第2始動入球部(第2作動口34)とが設けられており、
前記付与判定手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得される第1特別情報に対して前記付与判定を行い、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得される第2特別情報に対して前記付与判定を行う構成であり、
前記特別報知制御手段は、前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報及び前記付与対応情報に対応する前記第2特別情報のうち少なくとも一方である契機情報が取得されたことに基づいて、前記特別報知が実行されるようにするものであり、
前記内容調整手段は、前記契機情報が取得されたタイミングにおける前記契機回数に応じて前記特別報知の実行内容を相違させることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1特別情報と第2特別情報とが個別に取得される構成において、付与対応情報に対応する第1特別情報又は第2特別情報が取得されたことを契機として特別報知が開始されるとともに有利遊技状態の残りの継続回数と関連付けた状態で当該特別報知が実行されるため、特別報知が実行された場合に高確率モードの残りの継続回数の範囲内において第1特別情報を契機とした遊技回及び第2特別情報を契機とした遊技回のうちいずれを消化させるべきなのかを遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B4.前記有利遊技状態において前記第2特別情報を契機とした遊技回の方が前記第1特別情報を契機とした遊技回よりも消化され易くする優先手段(主側MPU82における変動表示期間の特定処理を実行する機能)と、
前記内容調整手段は、前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報が取得されたタイミングにおける前記契機回数に応じて前記特別報知の実行内容を相違させることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、有利遊技状態においては第2特別情報を契機とした遊技回の方が第1特別情報を契機とした遊技回よりも消化され易いため、有利遊技状態においては第2特別情報を契機とした遊技回が多く実行されることとなる。この場合に、付与対応情報に対応する第1特別情報が取得されたことを契機として特別報知が実行されるとともに、当該第1特別情報が取得されたタイミングにおける有利遊技状態の残りの継続回数との関係で特別報知の実行内容が相違することとなる。これにより、第2特別情報を契機とした遊技回が優先して消化される状況をそのまま継続させるべきか、第2特別情報を契機とした遊技回が実行されないようにして付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回が実行されるようにするべきかを、遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B5.少なくとも前記有利遊技状態において前記第2特別情報が所定対応情報に対応している場合、遊技者に第2特典を付与する第2特典付与手段(主側MPU82におけるステップS2309の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、有利遊技状態にて第2特別情報を契機とした遊技回が多く実行される構成において第2特別情報が付与対応情報に対応していなくても所定対応情報に対応していることにより、遊技者に第2特典が付与される。この場合、有利遊技状態において第2特別情報を契機とした遊技回が多く実行されるようにした方が遊技者にとって有利となる。その一方で有利遊技状態において付与対応情報に対応する第1特別情報が取得された場合には、その第1特別情報を契機とした遊技回が有利遊技状態において実行された方が遊技者にとって有利となる。この場合に、付与対応情報に対応する第1特別情報が取得されたことを契機として特別報知が実行されるとともに、当該第1特別情報が取得されたタイミングにおける有利遊技状態の残りの継続回数との関係で特別報知の実行内容が相違することにより、特別報知の実行内容を通じて、有利遊技状態の残りの継続回数の範囲内においていずれの特別情報を契機とした遊技回が実行されるようにするべきであるのかを遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B6.前記遊技回制御手段は、前記第1特別情報を契機とした遊技回が実行されている期間の少なくとも一部と、前記第2特別情報を契機とした遊技回が実行されている期間の少なくとも一部とを重複させ得る構成であり、
前記優先手段は、前記有利遊技状態において前記付与対応情報に対応しない前記第2特別情報を契機とした遊技回の方が前記付与対応情報に対応しない前記第1特別情報を契機とした遊技回よりも遊技回の継続期間が短くなるようにするものであることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1特別情報を契機とした遊技回と第2特別情報を契機とした遊技回とが重複して実行されるため、単位時間当たりの遊技回の実行回数を多くすることが可能となる。また、有利遊技状態においては付与対応情報に対応しない第2特別情報を契機とした遊技回の方が付与対応情報に対応しない第1特別情報を契機とした遊技回よりも遊技回の継続期間が短くなるため、有利遊技状態において第2特別情報を契機とした遊技回が消化され易くなる。また、このように有利遊技状態において第2特別情報を契機とした遊技回が消化され易い構成であったとしても、上記のとおり第1特別情報を契機とした遊技回と第2特別情報を契機とした遊技回とが重複して実行されるため、有利遊技状態において第1特別情報を契機とした遊技回も実行されることとなる。この場合に、付与対応情報に対応する第1特別情報が取得されたことを契機として特別報知が実行されるとともに、当該第1特別情報が取得されたタイミングにおける有利遊技状態の残りの継続回数との関係で特別報知の実行内容が相違することにより、有利遊技状態の残りの継続回数の範囲内においていずれの特別情報を契機とした遊技回が実行されるようにするべきであるのかを遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B7.前記内容調整手段は、
前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報が取得されたタイミングにおける前記契機回数が、前記第2特別情報を契機とした遊技回の実行回数がいずれの回数であったとしても当該第1特別情報を契機とした遊技回を現状の前記有利遊技状態において開始可能な回数である場合、前記特別報知として第1特別報知が実行されるようにする第1内容調整手段(主側MPU82におけるステップS2712の処理を実行する機能、表示側MPU103におけるステップS2807の処理を実行する機能)と、
前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報が取得されたタイミングにおける前記契機回数が、前記第2特別情報を契機とした遊技回の実行回数が所定回数以上である場合には当該第1特別情報を契機とした遊技回を現状の前記有利遊技状態において開始不可な回数である場合、前記特別報知として第2特別報知が実行されるようにする第2内容調整手段(主側MPU82におけるステップS2710の処理を実行する機能、表示側MPU103におけるステップS2804の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第1特別報知が実行された場合には付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回が開始されるまでに第2特別情報を契機とした遊技回をできる限り多く消化すべきことを遊技者が認識することが可能となる。一方、第2特別報知が実行された場合には付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回が有利遊技状態において実行されるように第2特別情報を契機とした遊技回の実行回数を調整すべきことを遊技者が認識することが可能となる。これにより、特別報知の内容に応じて遊技球の発射操作の態様を相違させることが可能となる。
特徴B8.前記第1内容調整手段は、前記第1特別報知として、前記第2特別情報の取得を狙った発射操作を継続すべきことを遊技者に認識可能とさせる報知が実行されるようにし、
前記第2内容調整手段は、前記第2特別報知として、前記高確率状態において前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報を契機とした遊技回を開始させるための前記第2特別情報を契機とした遊技回の上限実行回数を遊技者に認識可能とさせる報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、第1特別報知を確認した遊技者は第2特別情報の取得を狙った発射操作を継続することとなり、第2特別情報を確認した遊技者は付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回が有利遊技状態において実行されるように第2特別情報を契機とした遊技回の実行回数を調整することとなる。これにより、特別報知の重要度を高めることが可能となり、特別報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴B9.前記付与対応情報には、前記第1特典の付与後における遊技状態を前記有利遊技状態とする第1付与対応情報と、前記第1特典の付与後における遊技状態を前記有利遊技状態としない第2付与対応情報と、が設定されており、
前記第1内容調整手段は、前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報が取得されたタイミングにおける前記契機回数が、前記第2特別情報を契機とした遊技回の実行回数がいずれの回数であったとしても当該第1特別情報を契機とした遊技回を現状の前記有利遊技状態において開始可能な回数である場合、当該第1特別情報が前記第1付与対応情報に対応している場合には前記第1特別報知が実行されないようにし、当該第1特別情報が前記第2付与対応情報に対応している場合には前記第1特別報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴B7又はB8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1特別情報が第2付与対応情報に対応している場合には第1特別報知が実行される。これにより、有利遊技状態が継続不可となる状況である場合には、それまでにより多くの利益が遊技者に付与されるように第2特別情報を契機とした遊技回をできる限り多く消化することを遊技者に促すことが可能となる。一方、第1特別情報が第1付与対応情報に対応している場合には第1特別報知が実行されない。これにより、第2特別情報を契機とした遊技回が多く消化されたことに起因して第1付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回が実行されなくなってしまうといった事態の発生を、第1特別報知の実行によって誘発してしまわないようにすることが可能となる。
特徴B10.前記第2内容調整手段は、前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報が取得されたタイミングにおける前記契機回数が、前記第2特別情報を契機とした遊技回の実行回数が所定回数以上である場合には当該第1特別情報を契機とした遊技回を現状の前記有利遊技状態において開始不可な回数である場合、当該第1特別情報が前記有利遊技状態において前記付与対応情報に対応している場合には前記第2特別報知が実行されるようにし、当該第1特別情報が前記有利遊技状態ではない遊技状態であっても前記付与対応情報に対応している場合には前記第2特別報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴B7乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1特別情報が有利遊技状態において付与対応情報に対応している場合には第2特別報知が実行される。これにより、当該第1特別情報を有利遊技状態において遊技回の実行契機とすべきことを遊技者に認識させることが可能となる。一方、第1特別情報が有利遊技状態ではない遊技状態であっても付与対応情報に対応している場合には当該第1特別情報が有利遊技状態の終了後に遊技回の実行契機となったとしても第1特典が付与されることとなる。この場合には当該第1特別情報が現状の有利遊技状態において実行される必要がないため、このような状況では第2特別報知が実行されないようにすることで、実行の必要性が低い状況で第2特別報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴B11.開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に構成された可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える開閉制御を実行する開閉制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び小当たり用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特典付与手段は、前記第1特典の付与として、前記開閉制御手段による前記開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させ、当該特定遊技状態の終了後における遊技状態を当該特定遊技状態の開始前の遊技状態とは異なる遊技状態とし得るものであり、
当該遊技機は、少なくとも前記有利遊技状態において前記第2特別情報が所定対応情報に対応している場合、前記開閉制御手段による前記開閉制御が実行される所定遊技状態に遊技状態を移行させ、当該所定遊技状態の終了後における遊技状態は当該開閉制御が実行される前の遊技状態に維持させる手段(主側MPU82におけるステップS2309及びステップS2601〜ステップS2611の処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記特定遊技状態においては遊技回が実行されないようにする一方、前記所定遊技状態においては遊技回の実行を可能とすることを特徴とする特徴B4乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、特定遊技状態において遊技回が実行されないようにすることで特定遊技状態が実行されている場合には当該特定遊技状態に遊技者を注目させることが可能となる。その一方、所定遊技状態においては遊技回を実行可能とすることで、遊技回の消化率を高めることが可能となる。
特徴B12.前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報を契機とした遊技回が実行されている状況で前記第2特別情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該第2特別情報が前記付与対応情報と扱われないようにする手段(主側MPU82におけるステップS2104の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、第1特別情報を契機として特定遊技状態が実行されている状況で第2特別情報を契機として特定遊技状態が重複して発生してしまわないようにすることが可能となる。
特徴B13.前記所定対応情報に対応する前記第2特別情報を契機とした遊技回が実行されている状況及び前記所定遊技状態が実行されている状況で前記第1特別情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該第1特別情報が前記付与対応情報と扱われ得る構成であることを特徴とする特徴B11又はB12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、付与対応情報に対応する第1特別情報が、所定対応情報に対応する第2特別情報を契機とした遊技回が実行されていること又は所定遊技状態であることを理由に付与対応情報として扱われないようになってしまうことを阻止することが可能となる。
特徴B14.少なくとも前記有利遊技状態における前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報を契機とした遊技回の継続期間は、少なくとも前記有利遊技状態における前記所定対応情報に対応する前記第2特別情報を契機とした遊技回の継続期間と前記所定遊技状態の実行期間との合計期間以上の期間に設定されていることを特徴とする特徴B11乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B14によれば、所定対応情報に対応する第2特別情報を契機とした遊技回又は所定遊技状態が実行されている状況で、付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回が開始されたとしても、当該所定遊技状態が終了した後に第1特別情報を契機とした遊技回が終了することとなる。これにより、所定遊技状態と特定遊技状態とが重複して実行されてしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴B1〜B14の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B14、特徴C1〜C6、特徴D1〜D10、特徴E1〜E4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に構成された可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える開閉制御を実行する開閉制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び小当たり用処理を実行する機能)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主側MPU82におけるステップS1904及びステップS2003の処理を実行する機能)と、
前記特別情報が付与対応情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側MPU82におけるステップS2105〜ステップS2109の処理を実行する機能)と、
遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応する状態として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主側MPU82における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、前記遊技回用動作が終了した後に、前記開閉制御手段による前記開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させる特定移行手段(主側MPU82におけるステップS2307の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が前記付与対応結果となったことに基づいて、前記特定遊技状態の終了後における遊技状態を当該特定遊技状態の開始前の遊技状態とは異なる遊技状態とすることが可能な変更手段(主側MPU82におけるステップS2502〜ステップS2506の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が前記付与対応結果とならなかった場合であっても特定条件が成立したことに基づいて、前記開閉制御手段による前記開閉制御が実行される所定遊技状態に移行させ、当該所定遊技状態の終了後における遊技状態は当該所定遊技状態が実行される前の遊技状態に維持させる特定設定手段(主側MPU82におけるステップS2309及びステップS2601〜ステップS2611の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(第1作動口33)と第2始動入球部(第2作動口34)とが設けられており、
前記付与判定手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得される第1特別情報に対して前記付与判定を行い、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得される第2特別情報に対して前記付与判定を行う構成であり、
前記遊技回制御手段は、前記第1特別情報を契機とした遊技回が実行されている期間と、前記第2特別情報を契機とした遊技回が実行されている期間とを重複させ得る構成であり、
前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち一方の特別情報を契機として発生した前記所定遊技状態において、前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち他方の特別情報を契機とした遊技回が実行され得る構成であることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1特別情報及び第2特別情報のうち一方を契機として発生した所定遊技状態においては第1特別情報及び第2特別情報のうち他方を契機とした遊技回が実行され得る。これにより、遊技回の消化率を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴C2.前記付与判定手段は、判定モードとして、前記特別情報が前記付与対応情報に対応しているとする付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記変更手段は、前記特定遊技状態の終了後における前記判定モードを当該特定遊技状態の開始前とは異なるモードとすることが可能であり、
前記特定設定手段は、前記所定遊技状態の終了後における前記判定モードを当該所定遊技状態が実行される前のモードに維持させることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、特定遊技状態が実行された場合には判定モードが変更され得るとともに所定遊技状態が実行された場合には判定モードが変更されない構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴C3.前記遊技回制御手段は、前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち一方を契機とした前記特定遊技状態において、前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち他方の特別情報を契機とした遊技回が実行されないようにすることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特定遊技状態において遊技回が実行されないようにすることで特定遊技状態が実行されている場合には当該特定遊技状態に遊技者を注目させることが可能となる。
特徴C4.前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち一方の特別情報であって前記付与対応情報に対応する特別情報を契機とした遊技回が実行されている状況で前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち他方の特別情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該他方の特別情報が前記付与対応情報と扱われないようにする手段(主側MPU82におけるステップS2104の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1特別情報及び第2特別情報のうち一方の特別情報を契機として特定遊技状態が実行されている状況で、第1特別情報及び第2特別情報のうち他方の特別情報を契機として特定遊技状態が重複して発生してしまわないようにすることが可能となる。
特徴C5.前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち一方の特別情報を契機として前記特定条件の成立に対応する遊技回が実行されている状況及び前記所定遊技状態が実行されている状況のうちいずれか一方の状況で、前記第1特別情報及び前記第2特別情報のうち他方の特別情報を契機とした遊技回が開始される場合、当該他方の特別情報が前記付与対応情報と扱われ得る構成であることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、付与対応情報に対応する特別情報が、所定対応情報に対応する特別情報を契機とした遊技回が実行されていること又は所定遊技状態であることを理由に付与対応情報として扱われないようになってしまうことを阻止することが可能となる。
特徴C6.前記付与対応情報に対応する前記第1特別情報を契機とした遊技回の継続期間は、前記特定条件の成立に対応する前記第2特別情報を契機とした遊技回の継続期間と前記所定遊技状態の実行期間との合計期間以上の期間に設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、所定対応情報に対応する第2特別情報を契機とした遊技回又は所定遊技状態が実行されている状況で、付与対応情報に対応する第1特別情報を契機とした遊技回が開始されたとしても、当該所定遊技状態が終了した後に第1特別情報を契機とした遊技回が終了することとなる。これにより、所定遊技状態と特定遊技状態とが重複して実行されてしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴C1〜C6の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B14、特徴C1〜C6、特徴D1〜D10、特徴E1〜E4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.第1状況において第1利益が付与される場合に所定演出が実行され得るようにし、前記第1状況において前記第1利益が付与されない場合には前記所定演出が実行されないようにする第1演出実行手段(第5の実施形態では音光側MPU93におけるステップS3304及びステップS3306〜ステップS3308の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU82におけるステップS4009〜ステップS4014の処理を実行する機能)と、
第2状況において、前記第1利益が付与される場合及び第2利益が付与される場合のいずれにおいても、前記所定演出が実行され得るようにする第2演出実行手段(第5の実施形態では音光側MPU93におけるステップS3304及びステップS3305の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU82におけるステップS4004〜ステップS4011の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、第1状況において所定演出が発生した場合には第1利益の付与が確定し、第2状況において所定演出が発生した場合には第1利益又は第2利益が付与される。これにより、同一の所定演出であっても第1状況と第2状況とで当該所定演出により示唆される利益の内容が相違することとなり、所定演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、第1利益の付与を期待する遊技者は、第1状況において所定演出が発生することで当該所定演出の発生に大いに満足することとなり、第2状況において所定演出が発生した場合には第1利益の付与に対応していることを期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D2.前記第1利益の方が前記第2利益よりも遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、第1利益が付与されることを遊技者は期待することとなる。この場合に上記特徴D1の構成を備えていることにより、第1状況において所定演出が発生することで当該所定演出の発生に大いに満足することとなり、第2状況において所定演出が発生した場合には第1利益の付与に対応していることを期待することとなる。
特徴D3.特定期間の一部の状況が前記第1状況に対応しており、前記特定期間の一部の状況が前記第2状況に対応していることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特定期間の範囲内においても所定演出の発生により示唆される利益の内容が相違することとなる。これにより、特定期間における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D4.取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主側MPU82における保留情報の取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報が付与対応情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側MPU82におけるステップS3105〜ステップS3109の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報のうち第1情報に対応しているとする第1対応結果となったことに基づいて遊技者に前記第1利益を付与し、前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報のうち第2情報に対応しているとする第2対応結果となったことに基づいて遊技者に前記第2利益を付与する特典付与手段(主側MPU82におけるステップS3006〜ステップS3008の処理を実行する機能)と、
遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応する状態として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主側MPU82における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理を実行する機能)と、
遊技者に有利な有利遊技状態に移行させる移行手段(主側MPU82におけるステップS2902及びステップS2903の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態において前記遊技回の実行回数が終了基準回数に達した後に、当該有利遊技状態を終了させる終了手段(主側MPU82におけるステップS3002〜ステップS3005の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1状況は、前記有利遊技状態にて前記終了基準回数に達するまでに必要な残りの遊技回数が所定回数範囲である状況であり、
前記第2状況は、前記有利遊技状態にて前記終了基準回数に達するまでに必要な残りの遊技回数が特定回数範囲である状況であることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、有利遊技状態の残りの継続回数との関係で所定演出の発生により示唆される利益の内容が相違することとなる。これにより、有利遊技状態の残りの継続回数との関係で所定演出に注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D5.前記第1利益の方が前記第2利益よりも遊技者にとって有利であり、
前記第1状況は、前記有利遊技状態にて前記終了基準回数に達するまでに必要な残りの遊技回数が所定基準回数以上である状況であり、
前記第2状況は、前記有利遊技状態にて前記終了基準回数に達するまでに必要な残りの遊技回数が所定基準回数未満である状況であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、有利遊技状態の残りの継続回数が所定基準回数以上である状況で所定演出が発生した場合には第1利益の付与が確定することとなり、有利遊技状態の残りの継続回数が所定基準回数未満である状況で所定演出が発生した場合には第1利益又は第2利益が付与されることとなる。この場合、有利遊技状態の残りの継続回数が所定基準回数となるまでに所定演出が発生した場合にはより有利度が高い第1利益の付与が確定することとなり、当該所定演出の発生に対して遊技者は大いに満足することとなる。また、有利遊技状態の残りの継続回数が所定基準回数未満となった状況で所定演出が発生した場合には第1利益又は第2利益の付与が確定することとなり、遊技者は有利遊技状態が終了するまでに何らかの利益が付与されたことに満足することとなる。
特徴D6.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に構成された可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える開閉制御を実行する開閉制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1利益は、前記開閉制御が行われる第1特定遊技状態に移行し、当該第1特定遊技状態の終了後の遊技状態が前記有利遊技状態となる利益であり、
前記第2利益は、前記開閉制御が行われる第2特定遊技状態に移行し、当該第2特定遊技状態の終了後の遊技状態が前記有利遊技状態となる利益であり、
前記第1特定遊技状態の方が前記第2特定遊技状態よりも前記可変入球手段に入球可能な遊技球の個数が多いことを特徴とする特徴D4又はD5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、有利遊技状態において第1利益及び第2利益のいずれが付与されたとしても有利遊技状態が継続することとなるためいずれの利益が付与されたとしても遊技者は満足することとなるが、第1特定遊技状態の方が第2特定遊技状態よりも可変入球手段に入球可能な遊技球の個数が多いため第1利益が付与された方が遊技者はより満足することとなる。この場合に、有利遊技状態の残りの継続回数が所定基準回数となるまでに所定演出が発生した場合には第1利益の付与が確定することとなるため、当該所定演出の発生に対して遊技者は大いに満足することとなる。また、有利遊技状態の残りの継続回数が所定基準回数未満となった状況で所定演出が発生した場合には有利遊技状態の継続が確定することとなるため、当該所定演出の発生に対して満足することとなる。
特徴D7.取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主側MPU82におけるステップS3504及びステップS3509の処理を実行する機能)と、
前記特別情報が付与対応情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側MPU82におけるステップS3605の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報のうち第1情報に対応しているとする第1対応結果となったことに基づいて遊技者に前記第1利益を付与し、前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報のうち第2情報に対応しているとする第2対応結果となったことに基づいて遊技者に前記第2利益を付与する特典付与手段(主側MPU82におけるステップS3703〜ステップS3714の処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された前記特別情報の内容を、当該特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段(主側MPU82におけるステップS4006及びステップS4014の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1状況は、前記所定演出の実行対象となる前記特別情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記特別情報に前記第1情報に対応している特別情報が含まれている状況であり、
前記第2状況は、前記所定演出の実行対象となる前記特別情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記特別情報に前記第1情報に対応している特別情報が含まれていない状況であることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、所定演出の実行対象となっている特別情報よりも先に付与判定の対象となった特別情報を契機として第1利益が付与される事象が発生しなかった場合には、所定演出の実行対象となっている特別情報を契機として第1利益又は第2利益が付与されるのに対して、所定演出の実行対象となっている特別情報よりも先に付与判定の対象となった特別情報を契機として第1利益が付与される事象が発生した場合には、所定演出の実行対象となっている特別情報を契機として第1利益が付与されることとなる。これにより、遊技者は所定演出が発生した場合には、当該所定演出の実行対象となっている特別情報よりも先に付与判定の対象となった特別情報を契機として第1利益が付与されることを期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、所定演出の実行対象となっている特別情報よりも先に付与判定の対象となった特別情報を契機として第1利益が付与される事象が発生しなかったとしても、第1利益又は第2利益が付与されるため、この場合であっても所定演出の実行対象となっている特別情報に対する遊技者の注目度が低下してしまわないようにすることが可能となる。
特徴D8.前記特別情報取得手段により取得され前記付与判定の対象となっていない前記特別情報の数に対応する保留表示が実行されるようにする保留表示制御手段(主側MPU82におけるステップS3504、ステップS3508、ステップS3510、ステップS3603及びステップS3604の処理を実行する機能)と、
前記所定演出は、当該所定演出の実行対象となる前記特別情報に対応する前記保留表示の態様を特別態様とすることで行われることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、所定演出が保留表示を利用して実行されるため、所定演出の実行対象となっている特別情報を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴D9.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に構成された可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える開閉制御を実行する開閉制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1利益は、前記開閉制御が行われる第1特定遊技状態への移行が発生する利益であり、
前記第2利益は、前記開閉制御が行われる第2特定遊技状態への移行が発生する利益であり、
前記第1特定遊技状態の方が前記第2特定遊技状態よりも前記可変入球手段に入球可能な遊技球の個数が多いことを特徴とする特徴D7又はD8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、第1利益の方が第2利益よりも遊技者にとって有利となる。これにより、所定演出の実行対象となっている特別情報よりも先に付与判定の対象となった特別情報を契機として第1利益が付与されることに対して遊技者を期待させることが可能となる。
特徴D10.前記付与判定手段は、判定モードとして、前記付与判定の結果が前記第1対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記判定モードが前記低確率モードから前記高確率モードに移行した場合、前記第1特定遊技状態の発生回数が特定回数となるまでは、少なくとも前記付与判定の結果が前記第1対応結果となるまでは前記高確率モードが継続する継続遊技状態となり、
前記第1状況は、前記継続遊技状態における前記第1特定遊技状態の残りの発生回数が1回となった状態において発生することを特徴とする特徴D7乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D10によれば、継続遊技状態における第1特定遊技状態の残りの発生回数が1回となった状態において所定演出が発生することに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、特徴D1〜D10の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B14、特徴C1〜C6、特徴D1〜D10、特徴E1〜E4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主側MPU82におけるステップS3504及びステップS3509の処理を実行する機能)と、
前記特別情報が付与対応情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側MPU82におけるステップS3605の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が、前記特別情報が前記付与対応情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU82におけるステップS3703〜ステップS3714の処理を実行する機能)と、
前記付与対応情報に対応する前記特別情報が既に取得されている状況で前記付与対応情報に対応する前記特別情報が取得された場合、所定報知が実行されるようにする所定報知制御手段(主側MPU82における保留報知の制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、付与対応情報に対応する特別情報が既に取得されている状況で付与対応情報に対応する特別情報が取得された場合には所定報知が実行されるため、所定報知が実行された場合には特典が2回以上付与される状況が生じ得ることとなる。これにより、所定報知が実行されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴E2.前記所定報知制御手段は、前記付与対応情報に対応する前記特別情報が取得されていない状況で前記付与対応情報に対応する前記特別情報が取得されたことに基づいて、前記所定報知が実行されるようにする手段(主側MPU82におけるステップS4006〜ステップS4011の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、所定報知が実行されたとしても、当該所定報知の実行契機となった特別情報よりも前に付与判定の対象となった特別情報を契機として特典が付与されないことが起こり得る。これにより、遊技者は所定報知が実行された場合にはそれが2回の特典の付与に対応することを期待することとなり、所定報知が実行された状況に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴E3.前記付与対応情報に対応する前記特別情報が取得されていない状況で前記特別情報が新たに取得されたことに基づき前記所定報知が実行される場合、当該所定報知の実行契機となった特別情報が前記付与対応情報に対応していないことがあり得る一方、前記付与対応情報に対応する前記特別情報が既に取得されている状況で前記特別情報が新たに取得されたことに基づき前記所定報知が実行される場合、当該所定報知の実行契機となった特別情報は前記付与対応情報に対応していることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、所定報知が単に実行されただけでは当該所定報知の実行契機となった特別情報を契機として特典が付与されることが確定しないものの、所定報知が実行されている状況において当該所定報知の実行契機となった特別情報よりも前に付与判定の対象となった特別情報を契機として特典が付与された場合には所定報知の実行契機となっている特別情報についても特典の付与が発生することとなる。これにより、所定報知が開始された場合には、当該所定報知の実行契機となった特別情報よりも先に付与判定の対象となる特別情報を契機として特典が付与されることを遊技者は期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴E4.前記特別情報取得手段により取得され前記付与判定の対象となっていない前記特別情報の数に対応する保留表示が実行されるようにする保留表示制御手段(主側MPU82におけるステップS3504、ステップS3508、ステップS3510、ステップS3603及びステップS3604の処理を実行する機能)と、
前記所定報知は、当該所定報知の実行対象となる前記特別情報に対応する前記保留表示の態様を特別態様とすることで行われることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、所定報知が保留表示を利用して実行されるため、所定報知の実行対象となっている特別情報を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
なお、特徴E1〜E4の構成に対して、特徴A1〜A9、特徴B1〜B14、特徴C1〜C6、特徴D1〜D10、特徴E1〜E4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群、上記特徴B群、上記特徴C群、上記特徴D群及び上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づく内部抽選にて当選結果となることで特別遊技状態に移行する構成や、所定の入球部に遊技球が入球したことに基づき特別遊技状態に移行する構成が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。