JP6541678B2 - 炎症状態のモニタリング - Google Patents

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Description

本発明は、炎症事象を予測または特定するマーカーの特定に関する。特に、本発明は、尿中マーカーの測定に基づく増悪事象、より具体的には肺増悪の予測および特定に関する。本発明は、個別化されたホームユーステストを提供することにより個人による炎症状態のモニタリングを可能にする。
呼吸器官の多くの種々の障害があり、これらの障害の多くは炎症の構成要素を有する。例としては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および嚢胞性線維症(CF)が挙げられる。
肺疾患の慢性感染症および炎症は、日々の症状、例えば咳および痰の発生を生じさせる肺機能の進行性低下を生じ得る。より一般的には肺増悪と呼ばれる、症状の急性悪化の間欠性エピソードがある。肺増悪(PEx)は、罹病、死亡および入院の主な原因である。
発生する前にPEx事象を予測するかまたはPExの初期の発症を特定するために対象体を的確にモニターできることは有用だろう。これは、初期の介入がPExによって生じる炎症性損傷を最小化することを可能にするだろう。理想的には、これはホームセルフテスト方法において達成されることができる。尿検体がPExを予測でき、PExを予測するためのホームテストを可能にするマーカーの有用なソースであることを本発明者らは発見した。マーカーは好中球活性化を示し得て、それ故に「好中球活性化マーカー」と名付けられ得る。
したがって、第1の態様において、本発明は、対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つの(好中球活性化)マーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する方法を提供する。
当該方法は、好ましくはホームユースモニタリングのためのシステムまたはキットにおいて実施される。
したがって、本発明はまた、
a. 尿検体中の少なくとも1つの(好中球活性化)マーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス;
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加または減少があるか(またはレベルが同じままであるか)を算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キットを提供する。
本発明はまた、システムまたは試験キットにおける使用のための対応するコンピューターアプリケーションに関する。
本発明者らは、PEx事象をモニターまたは予測するために複数の尿中マーカーを組み合わせることにより特異的で高感度の結果が達成され得ることを断定した。したがって、本発明はまた、対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のマーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する方法を提供する。
同様に、本発明はまた、
a. 尿検体中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のマーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の各マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加または減少があるか(またはレベルが同じままであるか)を算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キットを提供する。
本発明はまた、システムまたは試験キットにおける使用のための対応するコンピューターアプリケーションに関する。
本発明のすべての態様によれば、マーカーは炎症のモニタリングに有用である。したがってPExなどの炎症事象を特定または予測するのみ有用であることが分かると同様に、マーカーはまた、炎症事象からの回復、またはその処置の成功を示すのにも有用であり得る。したがって、いくつかの実施態様において尿検体中の少なくとも1つのマーカーレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する。減少は、増悪前のレベルに下げ得て、そしてそれらがその後維持されることを確認するために継続的方式で測定され得る。したがって、本発明は個々の対象体の処置と共にそれを導くために用いられ得る。本発明は、継続処置をモニターするため、および処置を変更すべきか(例えば用量の調整、介入レベルの変更)、停止すべきかまたは代替方法に置き換えるべきかどうかの決定を支援するために用いられ得る。同様に、対象体の尿中のマーカーの安定なレベルは、状態が管理されており、炎症状態が安定していることを示し得る。
いくつかの実施態様において本発明は、増悪の細菌またはウイルス性の原因を特定するのに適用可能であり得る。
特定の実施態様において、本発明のすべての態様によれば、モニターされる炎症状態は、肺炎症状態である。更なる実施態様において、示されおよび/または予測される炎症の増悪は、肺増悪である。
対象体は、哺乳類の対象であり、典型的にはヒトである。ある特定の実施態様において、対象体は呼吸器障害を患っている。より具体的には、呼吸器障害は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)であり得る。本発明者らは、これら特定の疾患状態におけるこのアプローチの有効性を示すデータを蓄積した。COPDは、慢性気管支炎、気腫および慢性閉塞性気道疾患を含む肺疾患の集合を表し、それ故にこれらの肺疾患のいずれかが本発明に従いモニターされ得る。本発明はまた、喘息および間質性肺疾患(ILD)をモニターするのに適用可能であり得る。本発明はまた、気管支拡張症に適用され得る。
本発明が単離された尿検体に基づくインビトロで実施されることに留意されたい。いくつかの実施態様において尿検体は、中間尿検体であり得る。いくつかの実施態様において本発明の方法は、試験のための尿検体を得る工程を含み得る。同様に、いくつかの実施態様において、システムおよび試験キットは、尿検体を受け入れるための適切な容器を含む。これらの容器は、採尿に特に適し得て、対象体の性別によって異なり得る。市販の例としては、Peezy MSU Urine Collection Device(Williams Medical)が挙げられる。いずれの感光性分析物を保護するために保管容器は色付けされ得る。
「マーカー」は、炎症を示す、典型的には好中球活性化を示す分子を意味する。いくつかの実施態様において、少なくとも1つのマーカーは、シグナル分子またはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される。複数のマーカーレベルが検出される場合、用語「少なくとも1つのマーカー」は、明細書の全体にわたって「マーカーの少なくとも1つ」を含むことに留意されたい。シグナル分子は、炎症性の損傷を引き起こす分子の補充に責任を負い得る。エフェクター分子は、炎症性の損傷を引き起こす。それらは酵素であり得る。エフェクター阻害分子は、エフェクター分子の活性を阻害する。それらは、酵素阻害剤であり得る。
いくつかの実施態様において、エフェクター分子は、プロテアーゼ活性、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、カルプロテクチンまたはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される。エフェクター分子、特にNGAL活性は、遊離型または複合体中のいずれかであり得る。更なる実施態様において、プロテアーゼ活性は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)活性およびカテプシンG活性より選択される。本明細書でさらに詳細に述べられる、有用に検出され得る様々なMMPがある。特定の実施態様において、MMP活性は、MMP9および/またはMMP8活性を含む。
本発明によれば、エフェクター阻害分子のレベルは、付加的または代替的に測定され得る。特定の実施態様において、エフェクター阻害分子は、プロテアーゼ阻害分子を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる(すなわちプロテアーゼ阻害分子である)。いくつかの実施態様において、プロテアーゼ阻害分子は、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンC、分泌型白血球プロテアーゼ阻害剤(SLPI)およびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択される。
本発明によれば、シグナル分子のレベルは、付加的または代替的に測定され得る。特定の実施態様において、シグナル分子は、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲン、補体タンパク質の断片およびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される。
ある特定の実施態様において、少なくとも1つのマーカーは、炎症の結果として産生される分子を含むかまたはそれをさらに含む。特定の実施態様において、炎症の結果として産生される分子は、プロテアーゼ活性の分解産物、例えば細胞外マトリックス分解産物および/または酸化損傷の産物、例えば塩素化ペプチドおよび/または代謝物、例えば乳酸および遊離脂肪酸を含む。細胞外マトリックス分解産物の例としては、コラーゲン分解産物、例えばAc-PGP、エラスチン断片/ペプチド、デスモシンが挙げられる。しかしながら特定の実施態様において、デスモシンのレベルは測定されない。いくつかの実施態様において、ラージエラスチンフラグメント(large elastin fragment)(LEF)のレベルは測定され得る。
方法に役立つ特定のマーカーとしては、TIMP1、組織メタロプロテアーゼ阻害物質、およびシスタチンC、リソソームプロテイナーゼ阻害剤が挙げられる。組み合わせて用いられ得る他の有用なマーカーとしては、MMPレベルまたは活性およびA1ATレベルまたは活性が挙げられる。いくつかの実施態様においてマーカーは、図1に示すものより選択される。ある特定の実施態様において、1または複数のマーカーは、TIMP(特にTIMP2)、NGAL、A1AT、IL-6、FMLP、クレアチニン、シスタチンC、HSA、RBP4およびβ2ミクログロブリンより選択される。IL-8はまた、有用なマーカーであり得る。ELISAにより測定されるとき、デスモシンは有用なマーカーであり得る。これらのマーカーの各々は、炎症の増悪を示すのに個々に有用であることを示されている(本明細書の表1および実施例2参照)。本発明において有用であり得る他の特定のマーカーの組合せとしては、以下が挙げられる:

B2MおよびカルプロテクチンまたはIL-6
B2M、カルプロテクチンおよびHNE(活性または発現レベル)
B2M、カルプロテクチン、HNE(活性または発現レベル)およびA1AT
B2M、IL-6およびMMP(活性または発現レベル)
B2M、IL-6、MMP(活性または発現レベル)およびデスモシン(好ましくはELISAにより測定される)またはHNE(活性または発現レベル)

デスモシン(好ましくはELISAにより測定される)およびIL-8、IL-6またはA1AT
デスモシン(好ましくはELISAにより測定される)、A1ATおよびFMLP
TIMP2およびデスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)、MMP(活性またはレベル)IL-1βまたはIL-6
TIMP2、デスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)およびIL-6
TIMP2、デスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)、IL-6およびMMP(活性または発現レベル)
TIMP2、IL-6およびデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)
TIMP2、IL-6、デスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)およびMMP(活性または発現レベル)
TIMP2、MMP(活性または発現レベル)およびA1ATまたはIL-6
TIMP2、MMP(活性または発現レベル)、A1ATおよびデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)
TIMP2、MMP(活性または発現レベル)、IL-6およびデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)
TIMP2、IL-1βおよびIL-6
TIMP2、IL-1β、IL-6およびデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)またはMMP(活性または発現レベル)
増悪事象(および/または処置の成功を含むそれからの回復)を予測および特定するのに個々に有用であることが本明細書において実験的に示された他のマーカーとしては、RBP4、クレアチニン、シスタチンC、LEF、CRPおよびCC16より選択されるマーカーが挙げられる。C反応性タンパク質(CRP)は、肝臓で合成され血漿中で見られる環状の5量体タンパク質である。血漿中のレベルは、炎症に応じて上昇する。しかしながら、腎バリアを通過でき、それ故に尿検体中で検出されることができることは、今まで観察されなかった。クララ細胞タンパク質(CC16)は、すべて気管気管支樹に沿って、特にクララ細胞が局在化される終末細気管支において分泌される15.8-kDaのタンパク質である。このタンパク質は、今まで炎症または炎症の増悪の尿中バイオマーカーとして応用されていなかった。
増悪事象からの回復(および/または該事象の発生)を予測および特定するのに個々に有用であることが本明細書において実験的に示された他のマーカーとしては、本明細書に記載の方法(ultimate ELTABA)に従って測定されるようなMMP活性、クレアチニン、LEFおよびCRPより選択されるマーカーが挙げられる。
増悪事象(および/または処置の成功を含むそれからの回復)を予測または特定するのに有用であり得るマーカーの組合せは、IL1Bおよび/またはデスモシンと一緒なCRP(例えばラテラルフローにより測定されるとき)を含む。
増悪事象(および/または処置の成功を含むそれからの回復)を予測または特定するのに有用であり得るマーカーの他の組合せは、CRPおよびA1ATの少なくとも1つを含む。それらは、Ac-PGP(例えば競合EIAにより測定されるとき)、fMLP、TIMP1、HSAおよびCC16の少なくとも1つから最大すべてと一緒に用いられ得る。それらは、Ac-PGP(例えば競合EIAにより測定されるとき)、fMLPおよびTIMP1の少なくとも1つから最大すべてと用いられ得る。それらは、fMLP、デスモシン断片、デスモシンおよびTIMP1の少なくとも1つから最大すべてと用いられ得る。それらは、Ac-PGP(例えば競合EIAにより測定されるとき)、fMLPおよびCC16の少なくとも1つから最大すべてと用いられ得る。
本明細書の証拠として更なる有用な組合せとしては、以下が挙げられる:
TIMP2、CRPおよびデスモシン - TIMP2は、ラージエラスチンフラグメントアッセイ(LF)により測定され得る。デスモシンは、酵素免疫アッセイ、例えば本明細書に記載のものにより測定され得る。
TIMP1、CRPおよびCC16 - いくつかの実施態様においてTIMP1およびCC16は、ELISAにより測定され得る。
B2M、CRPおよびAc-PGP - Ac-PGPは、酵素免疫アッセイ、例えば本明細書に記載のものにより測定され得る。
MMP活性、CRPおよびLEF - MMP活性は、本明細書に記載のUltimate ELTABAにより測定され得る。LEFは、本明細書に記載のラージエラスチンフラグメントアッセイにより測定され得る。
MMP活性、CRPおよびHSA - MMP活性は、本明細書に記載のUltimate ELTABAにより測定され得る。LEFは、本明細書に記載のラージエラスチンフラグメントアッセイにより測定され得る。ヒト血清アルブミンは、ELISAにより測定され得る。
クレアチニン、CRPおよびAc-PGP - Ac-PGPは、酵素免疫アッセイ、例えば本明細書に記載のものにより測定され得る。
fMLP、CRPおよびTIMP2 - fMLPは、酵素免疫アッセイ、例えば本明細書に記載のものにより測定され得る。TIMP2は、ELISAにより測定され得る。
Ac-PGP、CRP、代替Ac-PGPアッセイ - Ac-PGPは、酵素免疫アッセイ、例えば本明細書に記載のアッセイの範囲の1つによって測定され得る。
本明細書で述べられるように、マーカーレベルは、クレアチニンなどの基準マーカーに対して標準化され得る。このような実施態様において、以下の特定の一および複数のマーカー組合せは、特に有用であり得る:
TIMP2およびIL-6またはFMLPまたはデスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)またはMMP(活性または発現レベル)
TIMP2、IL-6およびMMP(活性または発現レベル)
TIMP2、IL-6、MMP(活性または発現レベル)およびHNE(活性または発現レベル)またはデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)またはHSA
TIMP2、FMLPおよびIL-6またはデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)
TIMP2、FMLP、IL-6およびデスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)またはHSA
TIMP2、FMLP、デスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)およびMMP(活性または発現レベル)
TIMP2、デスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)およびA1ATまたはMMP(活性または発現レベル)
TIMP2、デスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)、A1ATおよびHNE(活性または発現レベル)
TIMP2、デスモシン(適宜ラテラルフローにより測定されてもよい)、MMP(活性または発現レベル)およびHNE(活性または発現レベル)
TIMP2、MMP(活性または発現レベル)およびIL-6またはMMP(蛍光原基質アッセイにより測定される)
TIMP2、MMP(活性または発現レベル)、IL-6およびHNE(活性またはレベル)またはデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)
TIMP2、MMP(活性または発現レベル)、MMP(蛍光原基質アッセイにより測定される)およびデスモシン(適宜ELISAにより測定されてもよい)
いくつかの実施態様において本発明は、エフェクターとエフェクター阻害分子間の相互関係の特定により得る。例えば、プロテアーゼレベルは、増悪の初期指標として増加し得る。これは、プロテアーゼ活性を弱めるために対応する阻害剤に応じた増加を生じ得る。これは、次にプロテアーゼ活性を正常に戻し得る。検体が偶然試験される時点に応じてエフェクター分子および/または阻害分子の増加が観察され得る。いくつかの実施態様において、エフェクター分子レベルの初期の急上昇の検出は、差し迫った増悪を予測し得る。いくつかの実施態様において、阻害剤レベルの増加の検出は、増悪を特定し得る。エフェクター分子の例は、本明細書で述べられ、プロテアーゼ、例えばMMPを含む。阻害分子の例はまた、本明細書で述べられ、プロテアーゼ阻害剤、例えばTIMP(例えばTIMP2)およびA1ATを含む。代表的な個々の例は、図28に示され、個々で複数のマーカーを測定する重要性を確認する。対象体678および2023において、エフェクター分子(MMP活性)のレベルが増加し、増悪事象を特定する。対象体2097および2505において、エフェクター阻害分子(それぞれA1ATおよびTIMP2)のレベルが増加し、増悪事象を特定する。
マーカーレベルを測定し得る様々な公知の技術がある。したがってマーカーレベルは、マーカーの発現のレベルおよび/または活性および/または量および/または濃度を意味する。マーカーの発現レベルは、尿中において測定され得る。発現レベルは活性と相関し、それ故に活性の代わりとして用いられ得る。発現レベルは、任意の適切な方法に従いタンパク質またはmRNAのレベルで測定され得る。タンパク質修飾、例えばグリコシル化はまた関連し、任意の適切な方法により測定され得る。多くのこのような方法は、当該技術分野において公知であり、質量分析(例えばMALDI-TOF質量分析)の使用を含む。MicroRNAsはまた、遺伝子発現の転写後制御因子として尿中で測定され得る。それらは、尿中で比較的安定である。Exiqonによって提示されたようなプラットフォームは、ハイスループットmicroRNAプロファイリングを提供するために用いられ得る。このようなプラットフォームは、アレイおよび/またはPCRベースであり得る。
マーカー(例えばタンパク質)の発現レベルおよび/または量および/または濃度は、結合試薬、例えば対象のマーカー(例えばタンパク質)に特異的に結合する抗体またはアプタマーにより得る。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル起源であり得る。断片および誘導抗体はまた用いられ得て、特異的結合機能を保持するFab断片、ScFv、シングルドメイン抗体、ナノ抗体、重鎖抗体、アプタマーなどを制限されることなく含み、これらは「抗体」の定義に含まれる。このような抗体は、本発明の方法において有用である。それらは、特定のマーカー(例えばタンパク質)、またはいくつかの例においてタンパク質の1以上の特定のアイソフォームのレベルを測定するために用いられ得る。当業者は、特定のアイソフォームを互いと識別することを可能にするエピトープを十分に特定できる。
特定の抗体を生成するための方法は、当業者に公知である。抗体は、ヒト起源または非ヒト起源(例えばげっ歯動物、例えばラットまたはマウス)であり得て、公知技術(Jones et al., Nature (1986) May 29-Jun. 4;321(6069):522-5;Roguska et al., Protein Engineering, 1996, 9(10):895-904;およびStudnicka et al., Humanizing Mouse Antibody Frameworks While Preserving 3-D Structure. Protein Engineering, 1994, Vol.7, pg 805)に従いヒト化され得る。
ある特定の実施態様において、マーカーの発現レベルおよび/または量および/または濃度は、標識に結合する抗体またはアプタマーを用いて測定される。標識は、直接的または間接的な検出を可能にする構成要素を意味する。例えば、標識は、酵素、適宜ペルオキシダーゼ、または蛍光体であり得る。金標識は、例えばコロイド金の形態で利用され得る。
標識は、検出剤の一例である。検出剤は、抗体マーカー(例えばタンパク質)複合体の検出を助けるために用いられ得る剤を意味する。抗体が酵素に結合される場合、検出剤は、検出できる生成物を生じるために酵素が化学反応に触媒作用を及ぼすような化学組成物を含み得る。適切な酵素により触媒される反応の生成物は、制限されないが蛍光性、発光性または放射性であり得るか、またはそれらは、可視光または紫外光を吸収または反射し得る。このような検出可能な標識を検出するのに適切な検出器の例としては、X線フィルム、放射能カウンター、シンチレーションカウンター、分光光度計、比色計、蛍光光度計、発光光度計、光検出器および電子とメーターが挙げられるが、これらに制限されない。ある特定の実施態様において、検出剤は二次抗体を含み得る。その後、標的タンパク質に結合する未標識の一次抗体、および標識に結合される二次抗体(ここで二次抗体は一次抗体に結合する)を用いて発現レベルを測定する。
マーカーのタンパク質レベルでの発現レベルおよび/またはその量および/またはその濃度を測定するための更なる技術としては、例えばウエスタンブロット、免疫沈降、免疫細胞化学、質量分析、ELISAおよびその他(ImmunoAssay: A Practical Guide, edited by Brian Law, published by Taylor & Francis, Ltd., 2005 edition参照)が挙げられる。免疫反応性に基づくアッセイの特異性および感度を向上させるために、モノクローナル抗体が、特異的エピトープ認識するためしばしば用いられる。モノクローナル抗体と比較して標的に対する親和性を増加させるため、ポリクローナル抗体はまた、様々な免疫アッセイにおいてうまく用いられている。いくつかの実施態様においてタンパク質のレベルは、ラテラルフローアッセイ(本明細書でさらに詳細に述べられる)を用いて検出され得る。
生物学的検体中のmRNAの測定は、尿検体中の対応するタンパク質のレベルの検出の代わりとして用いられる。したがって、本明細書に記載の関連するマーカーのいずれかの発現レベルはまた、適切なRNAを検出することにより検出され得る。
したがって、特定の実施態様において発現レベルは、マイクロアレイ、ノーザンブロットまたは核酸増幅により測定される。核酸増幅は、PCRおよびその変形すべて、例えばリアルタイム法、エンドポイント法およびqPCRを含む。他の核酸増幅技術は、当該技術分野において周知であり、NASBA、3SRおよび転写介在増幅(TMA)などの方法を含む。他の適切な増幅法としては、リガーゼ連鎖反応(LCR)、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号)、コンセンサス配列ポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第4,437,975号)、任意プライムポリメラーゼ連鎖反応(国際公開第90/06995号)、インベーダー法、鎖置換法、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)およびニック置換増幅(国際公開第2004/067726号)が挙げられる。このリストが完全であることを意図せず;適切な核酸産物が特に増幅される限り任意の核酸増幅技術が用いられる。適切なプライマーおよび/またはプローブのデザインは、当業者の能力内である。様々なプライマーデザインツールが、NCBI Primer-BLASTツールのようなこのプロセスを支援するのに自由に利用可能である。プライマーおよび/またはプローブは、少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25(またはそれ以上)のヌクレオチド長さであり得る。mRNA発現レベルは、逆転写定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCRを伴うRT-PCR)により測定され得る。RT-PCRは、mRNAからcDNAを作成するために用いられる。cDNAは、DNA増幅プロセスの進行として蛍光を生じるためqPCRアッセイにおいて用いられ得る。標準曲線と比較して、qPCRは、絶対測定、例えば細胞あたりのmRNAの複製数を与え得る。ノーザンブロット、マイクロアレイ、インベーダーアッセイ、およびキャピラリー電気泳動と組み合わせたRT-PCRは、すべて検体中のmRNAの発現レベルを測定されるために用いられている。Gene Expression Profiling: Methods and Protocols, Richard A. Shimkets, editor, Humana Press, 2004参照。
RNA発現は、プローブセットとのRNAのハイブリダイゼーションにより測定され得る。プローブは、アレイに並べられ得る。マイクロアレイプラットフォームは、Affymetrix、IlluminaおよびAgilentなどの会社によって製造されたものを含む。RNA発現はまた、次世代の配列決定法、例えばRNA-seqを用いて測定され得る。
同様に、エフェクター分子の活性、例えば酵素活性は、尿検体中で測定され得る。酵素活性は、検体において標識され得る基質のプロセシングを検出することにより測定され得る。例えば、アッセイは蛍光原基質アッセイであり得る。酵素活性は、適切なラテラルフローアッセイを用いて検出され得る。適当なアッセイ形式の例としては、国際公開第2009/024805号、国際公開第2009/063208号、国際公開第2007/128980号、国際公開第2007/096642号、国際公開第2007/096637号、国際公開第2013/156794号および国際公開第2013/156795号の国際特許出願(これら各々の内容は出典明示により本明細書の一部とする)に記載のアッセイが挙げられる。
特定の実施態様において、プロテアーゼ活性は、ペプチド基質の切断の測定により決定される。例えば、アッセイは蛍光原基質アッセイであり得る。ある特定の実施態様において、プロテアーゼ活性は、
a. 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
i. 存在する場合に該プロテアーゼにより切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる);
b. 試験検体に新しい結合部位に結合できる結合分子を加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
c. 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて新しい結合部位を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
d. 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の新しい結合部位への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること
を含む方法によって測定される。
このアッセイは、本明細書で「ultimate ELTABA」アッセイとして示され得る。
したがって、本発明は、基質を切断できる酵素の試験検体中における切断活性の存在を検出するための酵素検出デバイスであって、
(i) 試験検体に加えるための指示薬分子であって、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断が、新しい結合部位を生じる、指示薬分子;
(ii) 試験検体を受け取る捕捉ゾーンであって、新しい結合部位を含む指示薬分子を固定するために指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子を含む捕捉ゾーン;ならびに
(iii) 新しい結合部位に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含む、デバイスを組み入れ得る。
同様に、本発明は、基質を切断できる酵素の切断活性の試験検体中における存在を検出するための酵素検出デバイスであって、
(i) 試験検体に加えるための指示薬分子であって、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断が、少なくとも1つの部分が捕捉部位につながったままである切断領域の少なくとも2つの部分を生じる、指示薬分子;
(ii) 試験検体を受け取る捕捉ゾーンであって、指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子を含む捕捉ゾーン;ならびに
(iii) 捕捉部位とつながった切断領域の少なくとも1つの部分を含む指示薬分子の該部分に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含む、デバイスを組み入れ得る。
したがって切断領域の2つの部分は、切断部位において互いから分離される。切断部位における切断事象は、新しい結合部位を生じる。これらのデバイスは、本発明のシステムおよび試験キットにおいて1以上の試験デバイスとして含まれ得る。
本発明はさらに、基質を切断できる酵素の切断活性の試験検体中における有無を検出するための方法であって、
(i) 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる);
(ii) 試験検体に新しい結合部位に結合できる結合分子を加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
(iii) 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて新しい結合部位を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
(iv) 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の新しい結合部位への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること
を含む、方法により得る。
同様に、本発明はまた、基質を切断できる酵素の切断活性の試験検体中における有無を検出するための方法であって、
(i) 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、少なくとも1つの部分が捕捉部位につながったままである切断領域の少なくとも2つの部分を生じる);
(ii) 捕捉部位とつながった切断領域の少なくとも1つの部分を含む指示薬分子の該部分に結合できる結合分子を試験検体に加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
(iii) 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて捕捉部位とつながった切断領域の少なくとも1つの部分を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
(iv) 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の該部分への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること
を含む、方法を組み入れ得る。
これら特定のデバイスおよび方法は、鋭い感度を有することが本発明者らにより示された。したがってそれらは、尿検体中のエフェクター分子の活性を測定することにより炎症状態をモニターすることにおいて特定の適用を有する。それ故に、本発明はさらに、基質を切断できる酵素の切断活性を検出することにより尿検体中における炎症状態をモニターする、特にPEx事象を予測または特定するための方法であって、
(i) 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる);
(ii) 試験検体に新しい結合部位に結合できる結合分子を加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
(iii) 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて新しい結合部位を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
(iv) 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の新しい結合部位への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること(ここで、切断のレベル増加は、炎症のレベル増加を示し、特にPEx事象を予測または特定する)
を含む、方法を提供する。
本発明はまた、基質を切断できる酵素の切断活性を検出することにより尿検体中における炎症状態をモニターする、特にPEx事象を予測または特定するための方法であって、
(i) 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、少なくとも1つの部分が捕捉部位につながったままである切断領域の少なくとも2つの部分を生じる);
(ii) 捕捉部位とつながった切断領域の少なくとも1つの部分を含む指示薬分子の該部分に結合できる結合分子を試験検体に加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
(iii) 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて捕捉部位とつながった切断領域の少なくとも1つの部分を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
(iv) 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の該部分への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること(ここで切断のレベル増加は、炎症のレベル増加を示し、特にPEx事象を予測または特定する)
を含む、方法を提供する。
本明細書で述べられるように、酵素は「エフェクター分子」である。典型的には、酵素は、プロテアーゼ、例えばMMP、HNEまたはカテプシンGである。
本発明で有用な酵素検出デバイスは、即時使用可能な形式で提供されてもよい。あるいは、本質的な構成要素は、酵素検出デバイスの組立てのための適切な試薬および/または指示書を適宜一緒に有する部品のキットとして提供されてもよい。したがって、基質を切断できる酵素の切断活性の尿試験検体中における存在を検出するための酵素検出キットであって、
(i) 試験検体に加えるための指示薬分子であって、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断が、新しい結合部位を生じる、指示薬分子;
(ii) 指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子;
(iii) 試験検体を受け取る捕捉ゾーンを形成するために捕捉分子が結合し得る(すなわち結合することができるかまたは結合している)固体支持体;ならびに
(iv) 新しい結合部位に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含む、キットを提供する。
また、本発明で有用なものは、基質を切断できる酵素の切断活性の尿試験検体中における存在を検出するための酵素検出キットであって、
(i) 試験検体に加えるための指示薬分子であって、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
(b) 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断が、少なくとも1つの部分が捕捉部位につながったままである切断領域の少なくとも2つの部分を生じる、指示薬分子;
(ii) 指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子;
(iii) 試験検体を受け取る捕捉ゾーンを形成するために捕捉分子が結合し得る(すなわち結合することができるかまたは結合している)固体支持体;ならびに
(iii) 捕捉部位とつながった切断領域の少なくとも1つの部分を含む指示薬分子の該部分に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含む、キットである。
関連する態様において、本発明はまた、尿試験検体中における炎症状態をモニターする、特に炎症の増悪を示すかまたは予測するための本明細書に記載および定義される酵素検出デバイスの使用を提供する。同様に、本発明はまた、尿試験検体中における炎症の増悪を示すかまたは予測するための本明細書に記載および定義される方法の使用を提供する。本発明はさらに、尿試験検体中における炎症の増悪を示すかまたは予測するための本明細書に記載および定義される酵素検出キットの使用を提供する。これらの使用の各々において、呼吸器病態は、慢性閉塞性肺疾患、または嚢胞性線維症が原因の気道の炎症であり得る。
本発明のこれらの態様の中心は指示薬分子である。指示薬分子は、少なくとも1つの切断部位を含む切断領域を含む。切断部位は、関連する酵素切断活性を有する尿試験検体中のエフェクター分子、典型的には1または複数の酵素により切断される。酵素が検体中に存在する場合、切断が効率的であることを確かにするために、切断領域は切断部位に対して適切な状況を提供する。特定の実施態様において、切断領域はペプチドである。プロテアーゼ切断部位であるペプチド結合に加えて、ペプチド中の更なるアミノ酸が切断の特異性および感度を確かにし得る。ある特定の実施態様において、特に指示薬分子が構造上拘束される場合、例えばそれがまた足場分子を含む場合、切断領域は多数の切断部位を含み得る。
指示薬分子はまた、捕捉部位(少なくとも1つの捕捉部位を包含することを意図する)を含む。捕捉部位は、捕捉ゾーンにおいて切断か未切断かにかかわらず指示薬分子の固定化を可能にする指示薬分子の孤立領域である。捕捉部位を本明細書の以下においてより詳細に説明する。
指示薬分子はまた、以下でより詳細に説明する足場分子を含んでもよい。
指示薬分子の切断は、指示薬分子を分裂して、少なくとも1つの新しい結合部位を現わすかまたは形成する。したがって切断領域の2つの部分は、切断部位において相互に分離される。典型的に、新しい結合部位は、切断の結果として生じる配座エピトープを含む。新しく現れた1または複数の結合部位に特異的に結合し、切断前の指示薬分子に結合しない結合分子の使用は、酵素の切断活性の特異的で感応的な検出を可能にする。したがって、いくつかの実施態様において、少なくとも1つの切断部位の切断は、指示薬分子の少なくとも1つの部分が捕捉部位を含み(または捕捉部位とつながったままである)、切断の結果として結合分子のための結合部位を含み、ここで当該結合分子は切断が生じない限りかつ切断が生じるまで結合部位に結合できない、指示薬分子(または指示薬分子の切断領域)の少なくとも2つの部分を生じる。言い換えれば、結合部位は、切断部位で切断が生じるまで隠されているかまたは形成されない。
いくつかの実施態様において、少なくとも1つの切断部位の切断は、指示薬分子の(切断領域の)少なくとも2つの別々の部分を生じる。したがって、切断は、少なくとも2つの部分または断片:捕捉部位を含むかまたはそれとつながった1つの部分または断片、および捕捉部位を含まないかまたはそれとつながっていない別の部分または断片を生じ得る。結合分子は、捕捉部位を含有するかまたは包含する指示薬分子の1または複数の部分上の新しい結合部位に結合する。これは、捕捉分子に結合することにより指示薬分子の捕捉部位における切断の特異的な検出を可能にする(すなわち結合分子の結合が捕捉ゾーンにおいて検出される)。
しかしながら、切断が結合分子のための新しい結合部位を生じ、結合分子が切断が生じない限りかつ切断が生じるまで結合部位に結合できない場合、(切断部位における)切断が少なくとも2つの完全に分離した分子を生じることは不可欠ではない。したがって切断は、切断部位において分離される切断領域の2つの部分を生じる。したがって、いくつかの実施態様において、少なくとも1つの切断部位の切断は、少なくとも2つの部分が(各部分に対して)直接的または間接的いずれかで捕捉部位につながったままである切断領域の少なくとも2つの部分を生じる。これを図16Aに概略的に示す。特定の実施態様において、指示薬分子は、少なくとも1つの切断部位の切断が互いにつながったままである指示薬分子の切断領域の少なくとも2つの部分を生じるように、切断部位から離れたまたは切断領域の外側の更なる結合またはつながりを含む。これは、切断が、少なくとも1つの部分が更なる結合またはつながりによってつながったままではない少なくとも3つの断片を生じる可能性を除外しない。これは、特に切断領域が2以上の切断部位を含み得る場合である。これを図16Bに概略的に示す。いくつかの実施態様において、更なる結合またはつながりはジスルフィド結合を含み得る。指示薬分子に結合する足場分子の使用は指示薬分子内に更なる結合またはつながりを提供することを見出した。該足場分子は、切断が生じた後でのみ指示薬分子に結合する結合分子を生じさせるのに有用な構造的拘束として作用し得る。理論によって拘束されるものではないが、構造的拘束は、切断部位における切断が生じない限りかつ切断が生じるまで存在しない特異的で再生可能な結合部位を生じるのを助けると考えられる。足場分子は、本明細書でより詳細に説明するとおり指示薬分子の切断前後の空間配座の差異を高め得る。足場はまた、切断後の特定の空間配座において切断された指示薬分子を含み得る。これは、結合分子が狙うことができるかまたは引き起こすことができる切断後に明確に定義された異なる分子を提供することにより切断および未切断の指示薬分子を識別する結合分子に関して、検出の特異性を向上させるのを助け得る。したがって、いくつかの実施態様において、結合分子は切断領域に結合する。したがって、特定の実施態様において、結合部位は切断後の切断部位の両側(すなわち切断領域の少なくとも2つの部分)を包含し得る。結合分子は、切断後の指示薬分子の該部分両方に結合し得る。
したがって、本発明はまた、エフェクター分子、例えば基質を切断できる酵素の切断活性の尿試験検体中における存在を検出するのにおける指示薬分子の使用であって、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;
(b) 捕捉部位;および
(c) 切断部位の外側で、例えば切断領域の外側で指示薬分子の少なくとも2つの部分をつなぐために作用する足場分子
を含む指示薬分子であり、該足場が、さらに、少なくとも1つの切断部位の切断が結合分子と結合するが、結合分子が切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない(新しい)結合部位を生じるように構造上指示薬分子を拘束するために作用する、指示薬分子の使用により得る。
本発明はまた、エフェクター分子、特に基質を切断できる酵素の切断活性の試験検体中における存在を検出するのに用いるための指示薬分子であって、
(a) 該酵素切断活性が存在する場合に該酵素により切断されて切断領域の少なくとも2つの部分を生じ得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;
(b) 捕捉部位;および
(c) 少なくとも1つの切断部位の切断が互いにつながったままである指示薬分子の切断領域の少なくとも2つの部分を生じるように、指示薬分子の少なくとも2つの部分をつなぐために作用する足場分子
を含む指示薬分子であり、該足場が、さらに、少なくとも1つの切断部位の切断が結合分子と結合するが、結合分子が、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない(新しい)結合部位を生じるように構造上指示薬分子を拘束するために作用する、指示薬分子を組み入れ得る。
足場分子は、典型的に、酵素の切断活性が足場により抑制されないように、切断部位から離れた指示薬分子に結合する。したがって切断領域は、1以上のリンカーまたはスペーサー領域により足場分子から分離され得る。いくつかの実施態様において、これらのリンカーまたはスペーサー領域は捕捉部位を組み込み得る。用いられる足場分子および指示薬分子の性質に応じて更なる結合、例えば3、4、5または6個などの結合が用いられることが可能であるが、足場分子は典型的には2個の結合により指示薬分子に結合する。1つの足場分子が複数の指示薬分子に結合することも可能である。足場分子が、3以上のハロゲン置換基、特にブロモメチル置換基、例えば4または6個のブロモメチル置換基を含む場合の実施態様において、足場分子は、複数の指示薬分子に構造的拘束を与え得る。置換基の各ペアは、結合されて切断領域の少なくとも2つの部分をつなぎ得る。したがって足場は、効率的に多数の別々の切断領域を結合する(および構造上拘束する)。特定の実施態様において、指示薬分子は、拘束された2以上のペプチド(切断領域)を含む。切断領域はまた異なり得て、その結果1つの分子が異なる切断可能な配列を含む。ここで、2以上の別個の結合分子(例えば切断された基質に対して生じる抗体)を用いて個別のペプチド切断領域の切断を検出することが可能であってもよい。したがって、2以上のプロテアーゼが存在するときのみアッセイシグナルが必要とされる場合、別個の切断部位すべてが切断したとき結合分子(抗体)の結合だけが起こることが可能である。この場合、結合分子(抗体)は、2以上のプロテアーゼによる切断の後に指示薬分子の形成を生じなければならない。
足場分子は、指示薬分子(通常ペプチド)の切断末端または部分を拘束することを助け、結合分子(通常新しく現れたまたは生じたエピトープ、特に配座エピトープに結合する抗体)に新しい特異的な結合部位を生じる。したがって結合分子は、特に指示薬分子の切断末端もしくは部分または切断部位の両側のいずれか(すなわち切断領域内の切断部位のいずれかの側)に結合し得る。特定の実施態様において、足場はさらに、少なくとも1つの切断部位の切断が、結合分子が結合するが、結合分子が切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない指示薬分子の切断領域部分の両方を含む結合部位を生じるような方法で指示薬分子を構造上拘束するために作用する。特定の実施態様において、結合部位は切断部位を含む。特定の実施態様において、結合部位は指示薬分子の新しい構造的配座を表す。切断は、少なくとも1つの新しい配座エピトープを生じ得る。結合分子のための新しい結合部位は、酵素切断活性および捕捉が本質的に妨げられなければ指示薬分子のいずれの部分も含み得る。ある特定の実施態様において、結合部位は少なくとも切断領域の一部を含む。特定の実施態様において、結合部位は少なくとも足場分子の一部を含む。
ほとんどの実施態様において、切断部位はプロテアーゼによる切断に対して特異的である。しかしながら、本明細書で述べられるように、本発明の指示薬分子は、炎症の増悪事象においてエフェクター分子として作用する他の酵素により切断され得る。1以上の種々のプロテアーゼは、本発明により検出され得る。ある特定の実施態様において、切断部位はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)による切断に特異的である。MMPは亜鉛依存のエンドペプチダーゼである。それらは、細胞外マトリックスタンパク質を含む様々なタンパク質の切断に関与している。MMPとしては、MMP1、MMP2、MMP3、MMP7、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、MMP15、MMP16、MMP17、MMP19、MMP20、MMP21、MMP23A、MMP23B、MMP24、MMP25、MMP26、MMP27およびMMP28が挙げられる。他の関連するエフェクター分子は、HNEおよびカテプシンGを含む
いくつかの実施態様において、少なくとも1つの切断部位は、特定のプロテアーゼによる切断にバイアスがかけられる(biased)。これは、試験検体における特定のプロテアーゼ活性を検出するために本発明を利用することを可能にする。多くのプロテアーゼが知られており、それらの好ましい切断部位が多く報告されている。ある特定の実施態様において、少なくとも1つの切断部位は、特定のマトリックスメタロプロテアーゼによる切断にバイアスがかけられる。より具体的には、いくつかの実施態様において、少なくとも1つの切断部位は、MMP-9および/またはMMP-8による切断、またはMMP-13および/またはMMP-9にバイアスがかけられる。少なくとも1つの切断部位は、MMP-13、9、2、12および8による切断にバイアスがかけられ得る。バイアスは、等しくMMP群に向けてであり得るか、あるいはこの特定の優先順であり得る。本明細書に示すように、特定の指示薬分子、および特定の優先順でこれら特定のMMPによる切断にバイアスがかけられる指示薬分子内の切断部位を狙うことが可能である。したがって、いくつかの実施態様において、切断部位はアミノ酸配列GPQGIFGQ(配列番号1)内にある。これは指示薬分子の「切断領域」の特定の例と考えられ得る。これらの実施態様において、切断は、アミノ酸配列GPQGを含む指示薬分子の切断領域の一部およびアミノ酸配列IFQGを含む指示薬分子の切断領域の一部を生じる。いずれの部分も捕捉部位につながる部分であり得る。特定の実施態様において、指示薬分子はアミノ酸配列CGPQGIFGQC(配列番号2)を含む。システイン残基の包含は、様々な足場分子ための好都合な結合点であるチオール基を提供する。いくつかの実施態様において、切断領域は、1以上のリンカーまたはスペーサー領域により足場分子のための結合点から分離され得る。したがって指示薬分子は、構造:
を含み得る。
いくつかの実施態様において、捕捉部位は一方または両方のスペーサー内で見られ得る。したがって、本発明の指示薬分子は、NおよびC末端においてまたはそれらの近くに適切なアミノ酸を含み、足場分子への結合を促進し得る。アミノ酸はチオール基を含んでもよい。適切な残基としては、システインおよびセレンが挙げられる。足場分子は、チオエーテル結合によって指示薬分子に結合し得る。
ペプチドに足場分子を結合するための様々な適切な足場分子および方法が、国際公開第2004/077062号および国際公開第2008/013454号に記載されており、これらの関連する開示は、出典明示により本明細書の一部とする。本発明は、切断部位与え、切断後に炎症の増悪の指示または予測として試験検体中における酵素切断活性(特にプロテアーゼ活性)の検出を可能にする新しい結合部位を生じる新しい方法でこれらの足場分子を用いる。
ある特定の実施態様において、足場分子は(ヘテロ)芳香族分子を含む。より特定の実施態様において、(ヘテロ)芳香族分子は少なくとも2つのハロゲン化ベンジル置換基を含む。いくつかの実施態様において、足場分子はハロメチルアレーンであり、例えばハロメチルアレーンは、ビス(ブロモメチル)ベンゼン、トリス(ブロモメチル)ベンゼンおよびテトラ(ブロモメチル)ベンゼンからなる群、またはそれらの誘導体より選択される。特定の実施態様において、当該足場は、オルト-、メタ-およびパラ-ジハロキシレンならびに1,2,4,5-テトラハロデュレンからなる群より選択され、例えばメタ-1,3-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(m-T2)、オルト-1,2-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(o-T2)、パラ-1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(p-T2)、メタ-1,3-ビス(ブロモメチル)ピリジン(m-P2)、2,4,6-トリス(ブロモメチル)メシチレン(T3)、メタ-1,3-ビス(ブロモメチル)-5-アジドベンゼン(m-T3-N3)および/または1,2,4,5-テトラブロモデュレン(T4)が挙げられる。
ハロメチルアレーンの適切な誘導体としては、オルト、メタおよびパラ-ビス(ブロモメチル)ベンゼンが挙げられる。より具体的には1,2-ビス(ブロモメチル)ベンゼン、1,3-ビス(ブロモメチル)ベンゼンおよび1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼンが挙げられる。さらに置換されたハロメチルアレーンとしては、1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンおよび1,2,3,4,5,6-ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼンが挙げられる。多環式ハロメチルアレーンとしては、2,7-ビス(ブロモメチル)-ナフタレン、1,4-ビス(ブロモメチル)-ナフタレン、1,8-ビス(ブロモメチル)-ナフタレン、1,3-ビス(ブロモメチル)-ナフタレン、1,2-ビス(ブロモメチル)-ナフタレン、2,3-ビス(ブロモメチル)-ナフタレン、2,6-ビス(ブロモメチル)-ナフタレン、1,2,3,4-テトラキス(ブロモメチル)-ナフタレン、9,10-ビス(ブロモメチル)-フェナントレン、5,10-ビス(ブロモメチル)-アントラセン、および1-(ブロモメチル)-3-[3-(ブロモメチル)ベンジル]ベンゼンが挙げられる。メチル置換ハロメチルアレーンとしては、1,3-ビス(ブロモメチル)-5-メチルベンゼン、2,5-ビス(ブロモメチル)-1,3-ジメチルベンゼン、2,5-ビス(ブロモメチル)-1,4-ジメチルベンゼン、2,4-ビス(ブロモメチル)-1,3,5-トリメチルベンゼンおよび3,6-ビス(ブロモメチル)デュレンが挙げられる。ニトロ置換ハロメチルアレーンとしては、3,4-ビス(ブロモメチル)-ニトロベンゼンおよび2,3-ビス(ブロモメチル)-ニトロベンゼンが挙げられる。ヒドロキシ置換ハロメチルアレーンとしては、1,3-ビス(ブロモメチル)-5-ヒドロキシベンゼンが挙げられ、シアノ置換ハロメチルアレーンとしては、2,6-ビス(ブロモメチル)-ベンゾニトリルが挙げられる。メトキシ置換ハロメチルアレーンとしては、1,3-ビス(ブロモメチル)-5-メトキシベンゼン、1,3-ビス(ブロモメチル)-2-メトキシ-5-メチルベンゼン、1,3-ビス(ブロモメチル)-5-ヒドロキシベンゼン、2,3-ビス(ブロモメチル)-1,4-ジメトキシベンゼン、および2,5-ビス(ブロモメチル)-1,4-ジメトキシベンゼンが挙げられる。
本発明の指示薬分子において使用するためのいくつかの適切な足場分子を、図14に示す。多くの特定の適切な指示薬分子をまた、命名案と一緒に図15に示す。
合成での使用の相対剛性および容易さのため、ハロメチルアレーン誘導体が、本発明における足場分子として作用する好ましい候補である。それらは、特に拘束されたペプチド基質を生成するのに好都合である。しかしながら、ペプチドなどの指示薬分子を「環化する」他の適切な化学作用を想定することができる。チオールを含むペプチド場合(例えばシステインの形態において)、1つのジスルフィド結合の形成またはジエポキシド誘導体は、構造の共有結合閉鎖に影響を及ぼすために用いられ得る。別の適切な化学作用としては、安定なトリアゾールを形成するアジドとアルキン間の付加環化反応を含む「クリックケミストリー」法が挙げられる。ここで例えば、2個のアジドリシンアミノ酸を有するペプチドは、分子内でジアルキン試薬により架橋し得る。該反応は銅により触媒されることができる。しかしながら、直鎖アルキンが用いられるような場合のいくつかの例において触媒は必要とされない。更なる化学的経路としては、安定なヒドラゾンの形成が挙げられる。2個のフェニルヒドラジン部分を含む指示薬分子(特にペプチド)は、分子内でジアルデヒド試薬によって架橋し得る。更なる化学的経路は、2個のチロシンアミノ酸を含むペプチドベースの指示薬分子によって可能である。これらのペプチドは、分子内でビス(ジアゾ)足場を用いて架橋されて、対応するジアゾ付加物を形成し得る。
足場分子はまた、さらに、切断部位の酵素切断後の新しい結合部位の生成を促進するために官能基または反応基を含み得る。したがって、切断部位における切断後に、もはや切断部位により互いにつながっていない指示薬分子の切断領域の少なくとも2つの部分がある。1以上のこれらの「遊離」部分は、さらに足場分子との相互作用により拘束され得る。これは、分子全体の構造における重要な変化を生じ得る。これは、次に切断前に指示薬分子と交差反応しない特定の結合分子が生成されることを可能にする。したがって、例として足場分子により拘束されるペプチドの場合、切断部位の切断後の特定の配座変化を想定できる。ペプチド鎖中の所与の自由度は、新しい安定な配座における非共有結合相互作用によりそれが自己組織化することを可能にし得て、該分子に特有で結合分子(例えば切断された基質に対して生じる抗体)により認識される新しい配座エピトープを生じる。これらの非共有結合相互作用は、足場分子におけるアミノ酸側鎖と芳香環との間の疎水性相互作用を含み得る。非共有結合相互作用は、さらに、例えば負電荷を持つニトロ置換基が切断領域内に含まれる正電荷を持つアミノ酸、例えばリシン、アルギニンまたはヒスチジンと相互作用できるような広範な置換パターンを有する足場において強められ得る。水素結合相互作用は、メトキシおよび/またはヒドロキシルアリール置換基と、セリン、スレオニンおよびチロシンを含む多くのアミノ酸との間で可能である。加えて、切断領域の2個の切断されたペプチド部分は、切断後に二次構造、例えばヘリックスまたはベータ鎖構造を含む互いと自由に自己組織化できてもよい。更なる実施態様において、上記のペプチド-ペプチド相互作用およびペプチド-足場相互作用の両方の組合せは、結合分子により認識される新しい結合部位を生じ得る。該相互作用は、三次元空間においてその未切断の「閉じた」形態および切断後のその「開いた」形態間の構造を識別することに役立ち、それ故に切断指示薬分子および結合分子(例えば切断ペプチド生成物に対して生じる抗体)間の相互作用の特異性を有意に高める。相互作用の得られる高い特異性は、結合分子が未切断指示薬分子(例えば未切断ペプチドへの結合から切断ペプチドに対して生じる抗体)に結合する危険性なく過剰な指示薬分子の使用を促進するため、検体内の酵素切断活性の検出の感度に有用である。
足場は、1以上の切断部位における切断を防止してはならない。いくつかの実施態様において、足場は指示薬分子(の切断領域)を適応させて、切断部位における切断の効率を最適化または改善し得る。足場は、切断領域を効率的に固定または拘束して、検出される酵素活性に好ましい方法で切断部位を示し得る。任意の所与の基質の切断における足場分子の効果は、単純な経時的実験により容易に試験されることができる。試験は、適切な時間(例えば5〜10分間)内に酵素の存在下で切断が生じるかを測定し得る。この試験は、逆相分析カラム上で別に保持される(異なる分子量を有する)新しく加水分解された分子を生成するので、例えば適宜HPLCと組み合わせたマススペクトル解析により特定されることができる。その後、足場分子を組み込む指示薬分子は、例えば精製された切断形態において免疫原として製造され得る。これは、適切な動物、例えばヒツジにおいて遊離ペプチドまたは担体タンパク質との結合物のいずれかとして抗体を生じるために用いられることができる。その後、固定化抗原に対するELISAにより抗血清を特徴付けることができ、アフィニティー精製して、切断指示薬分子に対して特異的なポリクローナル反応を改良するために抗原カラムを用いることができる。その後、完全な指示薬分子は、本発明の方法により試験されてもよい。
本発明における使用のための様々な適切な結合分子は本明細書に記載されており、説明はこれに準用される。典型的に結合分子は抗体(再度本明細書で定義するとおり)を含む。
誤解を避けるために、これらの指示薬分子は、本発明の他の態様のいずれか(デバイス、キット、方法、使用など)において用いられてもよい。
全体として本発明に関連して、1以上の切断部位は、酵素切断可能な結合が存在する任意の部位であり得る。例えば、この結合は指示薬分子の隣接残基間に存在し得る。該残基は、ヌクレオチド、単糖およびアミノ酸より選択され得る。指示薬分子は典型的にペプチド切断領域を含む。したがって、いくつかの実施態様において、切断領域はアミノ酸の配列を含む。本発明の好ましい実施態様において、切断部位は2個のアミノ酸残基間に位置する特定のペプチド結合である。
本発明の更なる実施態様において、少なくとも1つの切断部位は、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質または核酸の切断領域内に位置する。ある特定の実施態様において、指示薬分子が酵素の天然基質またはその一部を含み、酵素がその天然の切断部位を提示され、適宜切断領域内で天然の状態にあるように、指示薬分子は改良され得る。ある特定の他の実施態様において、指示薬分子が人工的または非天然の切断部位および/または基質領域を含むように、指示薬分子は改良され得る。例えば、酵素により示される切断活性の割合または切断活性の特異性が、酵素の天然基質に対して比較可能な条件下で測定される酵素の切断活性の割合および/または特異性に対して増加(または減少)するように、指示薬分子中の切断部位は改良または変異され得る。
本発明のある特定の実施態様において、切断領域は、任意の1つの部位における切断が、少なくとも1つの部分が捕捉部位につながったままである切断領域の少なくとも2つの部分を生じる多数の切断部位を含み得る。本発明に関連して、用語「多数の」は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4などを意味する。ある特定の実施態様において、指示薬分子の切断領域は、2、3、4、5から10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、50、100、500または1000の間の切断部位を含む。いくつかの実施態様において、指示薬分子は、2から5、6、7、8、9または10の間の切断部位を含む。
一実施態様において、多数の切断部位がすべて同一であってもよい。この配置において、繰り返される切断部位は、上記で定義する1の酵素または酵素サブタイプに対して比較的非特異的であり得るか、あるいは非常に特異的であり得る。さらに、このタイプの指示薬分子の使用は、試験検体内に存在する切断部位の濃度を増加させる方法を提供することにより酵素検出デバイスの感度の増加に役立つ。
他の実施態様において、指示薬分子の切断領域は、同一指示薬分子内に存在する少なくとも2つの異なる切断部位がある多数の切断部位を含み得る。本発明の好ましい実施態様において、指示薬分子は、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、および少なくとも8つまでの異なる切断部位を含み得る。
さらに好ましい実施態様において、本発明のデバイスが多数の異なる酵素の活性を検出するために用いられることができるように、異なる切断部位は、上記で定義する異なる酵素または酵素の異なるカテゴリー、サブカテゴリーもしくはサブタイプにより認識される。これは特に、複数のエフェクター分子が本発明に従い測定される場合である。酵素活性の検出が有用な結果を与えるように、活性は分類され得る。例えば、1以上の酵素基の関連する活性の検出が炎症の増悪を予測または特定するのに有用であるように、MMP群(例えばMMP8および9)は増悪事象に関係し得る。
(同一または異なっている)多数の切断部位の使用は、特に試験検体中においてとても低いレベルの酵素活性を検出する状況に有用であり得る。例えば、上記で定義する多数の切断部位を有する指示薬分子は、低いレベルのプロテアーゼを含む尿検体中において酵素活性を検出するのに用いられ得る。多数の切断部位の使用はまた、指示薬分子が足場分子を組み込む場合、特に適用可能であり得る。
少なくとも1つの切断部位を含む切断領域に加えて、指示薬分子は捕捉部位を含む。捕捉部位は、捕捉ゾーン内に存在する捕捉分子への指示薬分子の結合を介在する。したがって、捕捉部位は、捕捉ゾーン内で指示薬分子を保持または局在化することに関与している指示薬分子の一部である。指示薬分子の切断後、捕捉部位がデバイスの捕捉ゾーン内に存在する捕捉分子により認識されて結合されるように、捕捉部位は完全または本質的に完全なままであり得る。これらの状況下において、完全な指示薬分子および切断後の捕捉部位を含む指示薬分子の一部は、捕捉ゾーン内で捕捉分子に結合されるだろう。捕捉部位は、任意の適切な分子、例えばビオチン分子を含み得る。足場分子が、捕捉ゾーンにおける指示薬分子の固定化を可能にするため捕捉部位の一部または全体を形成することも可能である。例えば、捕捉ゾーンは、足場分子に対して生じる抗体を、好ましくは指示薬分子に結合している形態で含み得る。これらの実施態様において、足場分子は結合分子への結合に本質的に関係しない。指示薬分子の有効性に重要なことは、捕捉ゾーンにおける捕捉部位と捕捉分子との間の相互作用による固定化および切断が生じた後の結合分子による同時結合である。足場分子が切断後に結合分子のための結合部位の一部を定義する場合のこれらの実施態様において、捕捉部位は、いずれかまたは両方の結合事象が妨害されることを防ぐために十分に識別されなければならない。
上記のように、切断部位は、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質または核酸の切断領域内であり得る。本発明の特定の実施態様において、切断領域および捕捉部位は、ペプチドまたはタンパク質内の孤立アミノ酸またはアミノ酸群によって定義される。本明細書で用いる「ペプチド」は、(約)20、30、40または50以下のアミノ酸のアミノ酸長を意味することを意図する。
あるいは捕捉部位は、切断部位が位置する領域とは異なる指示薬分子の領域に存在し得る。したがって、本発明のある特定の実施態様において、捕捉部位は捕捉領域内に存在し得て、切断部位は指示薬分子の別の切断領域内に存在し得る。捕捉部位が指示薬分子の切断部位とは異なる領域にある場合の実施態様において、捕捉部位は、切断部位を含む分子の領域で見られるものと完全に異なる物質または残基を含み得る。例えば、切断領域はアミノ酸残基を含み得るが、捕捉部位はビオチン部分を含み得るかまたはそれからなり得る。さらに、指示薬分子が切断部位および捕捉部位を有する別々の領域を含む場合の実施態様において、該領域は、当業者に公知の任意の方法により結合され得る。好ましい実施態様において、該領域は、直接共有結合により結合され得る。該領域は直接に隣接してもよく、あるいはリンカーまたはスペーサー、例えばポリエチレングリコール部分により分離されてもよい。
尿中で検出されるエフェクター分子は、他で述べられる。これらの本発明により検出される1または複数の酵素は、切断部位において指示薬分子を切断できなければならない。この活性は、指示薬分子が切断部位において切断され、少なくとも1つの部分が捕捉部位につながったままである指示薬分子の切断領域の少なくとも2つの部分を生じるために、必要とされる。
本発明の関連の中で指示薬分子は、比較的高い親和性をもって捕捉分子に(捕捉部位により)結合し得る。いくつかの実施態様において、指示薬分子の解離定数(kd)は、比較的低く、好ましくは1 x 10-17M〜1 x 10-7Mである(アッセイの必要とされる感度に応じる)。本発明のある特定の実施態様において、指示薬分子の解離定数は、1 x 10-15M〜1 x 10-9Mである。
本発明のある特定の実施態様において、該結合相互作用は、捕捉ゾーンに存在する捕捉分子への指示薬分子の捕捉部位の結合を検出する結果として達成され得る。これに関連して、直接結合は、いずれの介在なく指示薬分子の(捕捉部位による)捕捉分子への結合を意味する。
本発明のいくつかの実施態様において、指示薬分子の捕捉部位および捕捉ゾーンに存在する捕捉分子は、結合ペアの2つの部分である。これに関連して、結合ペアは、互いに結合し合える2つの分子または要素からなる。本発明のある特定の実施態様において、結合相互作用は、結合ペアの各構成要素がそれぞれのパートナー、または限られた数の結合パートナーに結合することのみできるように特異的である。さらに上記のように、結合ペアが比較的高い親和性を示すことが好ましい。結合ペアは、相互作用する分子または要素の天然で見られる結合ペアまたは人工的に生成されたペアであり得る。
本発明のいくつかの実施態様において、指示薬分子の捕捉部位と捕捉分子は、結合ペアが以下より選択される結合ペアの2つの部分である:抗原と抗体またはその抗原結合断片;ビオチンとアビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジンまたはカプトアビジン;免疫グロブリン(またはその適切な領域)とタンパク質AまたはG;炭水化物とレクチン;相補的ヌクレオチド配列;リガンドと受容分子;ホルモンとホルモン結合タンパク質;酵素補因子と酵素;酵素阻害剤と酵素;セルロース結合領域とセルロース繊維;固定化アミノフェニルボロン酸とシス-ジオール型の分子;ならびにキシログルカンとセルロース繊維ならびにその類似体、誘導体および断片。
本発明の特定の実施態様において、結合ペアはビオチンおよびストレプトアビジンからなる。本発明の更なる実施態様において、指示薬分子の捕捉部位は、エピトープを含み、捕捉分子は、第1の捕捉部位に存在するエピトープに特異的に結合する抗体を含む。本発明に関連して、用語抗体は、任意の種からの天然の免疫グロブリン、キメラ抗体、ヒト化抗体、F(ab')2断片、Fab断片、Fv断片、sFv断片、および特異的な結合親和性を保持する抗体領域に基づくものなどの非常に関連する分子(例えば単一ドメイン抗体)に及ぶ。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。したがって、特定の実施態様において、捕捉分子は抗体を含む。他の実施態様において、捕捉部位はビオチン分子を含み、捕捉ゾーンはストレプトアビジン分子を含む。
本発明のある特定の実施態様において、デバイスの捕捉分子に指示薬分子の捕捉部位を結合することは、間接的であってもよい。本発明に関連して、「間接結合」は、指示薬分子の捕捉部位および捕捉分子に結合できるいくつかの介在要素、例えば同時に指示薬分子の捕捉部位および捕捉分子に結合できる「アダプター」が介在する結合を意味する。
捕捉分子への指示薬分子の結合が間接的でアダプターが介在する場合、複数の指示薬分子が各捕捉分子に結合することが可能である。これに関連して、複数とは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4などを意味する。これは、ビオチンを含むかまたはビオチンからなる捕捉分子に加えて、多価のアダプター分子、例えば同時に多数のビオチン含有指示薬分子に結合できるストレプトアビジン分子を組み込むことにより達成され得る。
複数の指示薬分子が各捕捉分子に結合する場合のデバイスの実施態様は、本明細書により詳細に記載されるようにアッセイの正確性の向上を達成するために用いられ得る。
本発明の実施への別の重要な分子は結合分子である。本発明は、切断で生じる新しい結合部位、または切断後の捕捉部位を含む指示薬分子の部分に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子による。したがって、特定の実施態様において、結合分子は抗体を含む。誤解を避けるために、用語抗体は、任意の種からの天然の免疫グロブリン、キメラ抗体、ヒト化抗体、F(ab')2断片、Fab断片、Fv断片、sFv断片、および特異的な結合親和性を保持する抗体領域に基づくものなどの非常に関連する分子(例えば単一ドメイン抗体)に及ぶ。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。本発明者らは、切断後のみ切断領域を認識し、それ故に切断部位における切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に(任意の有意な程度)結合できない抗体を製造している。抗体は当業者に公知な技術により生成されてもよい。これは、動物、例えばヒツジ、ウサギまたはヤギの切断生成物による免疫化によってもよい。例えば免疫化は、切断後に捕捉部位につながったままである切断領域の部分(適宜捕捉部位自体を含む)を用いて実施され得る。ポリクローナル抗体は血清から単離され、アフィニティー精製され得る。モノクローナル抗体は、よく知られ特徴付けられたハイブリドーマ技術を用いて生成され得る。いくつかの実施態様において結合分子はまた、アプタマーを含み得る。
したがって、本発明はまた、切断後に本明細書で定義される指示薬分子に結合する結合分子、典型的には抗体を提供する。本発明は、切断の結果として生じる指示薬分子中における新しい結合部位に結合する結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子、典型的には抗体を提供する。いくつかの実施態様において、結合分子は切断領域において結合する。特定の実施態様において、少なくとも1つの切断部位の切断は、少なくとも1つの部分が捕捉部位につながったままであり、切断の結果として、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで結合部位に結合できない結合分子に対する結合部位を含む指示薬分子の切断領域の2つの部分を生じる。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの切断部位の切断は、指示薬分子の2つの別々の部分を生じ、それ故に結合分子は、切断後の分離した部分の1つまたは両方に結合する。これに一致して、本発明は、アミノ酸配列GPQGを含む指示薬分子に結合するがアミノ酸配列GPQGIFGQ(配列番号1)を(切断領域として)含む指示薬分子に結合しない結合分子、適宜抗体を提供する。同様に本発明は、アミノ酸配列IFGQを含む指示薬分子に結合するがアミノ酸配列GPQGIFGQ(配列番号1)を(切断領域として)含む指示薬分子に結合しない結合分子、適宜抗体を提供する。
指示薬分子が構造上拘束され、少なくとも1つの切断部位の切断が互いにつながったままである指示薬分子の切断領域の少なくとも2つの部分を生じる場合の本発明のこれらの実施態様において、結合分子は切断後の切断領域に結合し得る。特定の実施態様において、結合分子は、切断後に指示薬分子の切断領域の両部分に結合する。したがって結合分子は、切断後の切断部位に有効に橋を架ける領域に結合し得る。例えば本明細書で述べられる足場分子を用いる指示薬分子の構造的拘束は、切断後の結合分子のための、十分に定義され安定した結合部位を提供する。特定の実施態様において、結合分子が結合する結合部位は、指示薬分子の新しい構造的配座である。切断は、少なくとも1つの配座エピトープを生じ得る。結合分子に対する結合部位は、指示薬分子のいずれかの部分を含み得る。これは、酵素切断活性および/または指示薬分子の捕捉が本質的に結合分子の結合により妨害されないことを条件とし得る。ある特定の実施態様において、結合部位は、足場分子が結合し、切断領域から足場分子を分離する、切断領域の少なくとも一部および/またはリンカーもしくはスペーサー領域の少なくとも一部を含む。他の実施態様において、結合分子は、足場分子の少なくとも一部を含む新しい結合部位に結合し得る。
結合分子は、直接または間接的に、指示薬分子への結合分子の結合の検出を可能にするためにレポーター分子で標識され得る。レポーター分子は、当業者が利用可能な任意の方法による検出に好適な任意の物質または部分であり得る。したがってレポーター分子は、典型的にシグナルの発生または生成ができる。本発明のある特定の実施態様において、レポーター分子は、金粒子;色原体;発光化合物;蛍光分子;放射性化合物;可視性化合物;シグナル生成物質を含むリポソームもしくは他のビークル;電気活性種;または酵素およびその基質の組合せより選択される。レポーター部分として用いるために適切な酵素-基質の組合せは、酵素のアルカリホスファターゼおよび基質のニトロブルーテトラゾリウム-5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルホスフェートであり得る。本発明の特定の実施態様において、レポーター部分は金粒子である。
レポーター分子での結合分子の直接標識はまた、本発明内と意図される。したがって、レポーター分子は、標識を提供するために結合分子に結合する更なる結合分子に結合され得る。この直接結合は、結合分子およびレポーター分子を同時に結合できるアダプターが介在し得る。結合分子が抗体である場合の例示的な実施態様として、直接標識は、特定の方法で抗体結合分子に結合する更なる抗体が介在し得る。更なる抗体は、直接的にレポーター分子、例えば金粒子;色原体;発光化合物;蛍光分子;放射性化合物;可視性化合物;シグナル生成物質を含むリポソームもしくは他のビークル;電気活性種;または酵素およびその基質の組合せで標識され得る。レポーター部分として用いるために適切な酵素-基質の組合せは、酵素のアルカリホスファターゼおよび基質のニトロブルーテトラゾリウム-5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルホスフェートであり得る。本発明の特定の実施態様において、レポーター部分は金粒子である。
レポーター分子がアダプター分子によって結合分子に結合する場合の本発明の実施態様において、アダプターが切断指示薬分子への結合分子の結合を妨害しなければ、アダプターは、指示薬分子に試験検体を加える前に結合分子と予め複合化し得る。
アダプターは、レポーター分子と結合分子の間接的な相互作用を介在できる任意の物質または分子であり得る。いくつかの実施態様において、アダプターは、ストレプトアビジンであり、結合分子は、ビオチン分子を含む。アダプターはまた、「アダプター結合ペア」であって、
(i) 結合分子に結合できる第1の構成要素;および
(ii) ペアの第1の構成要素およびレポーター分子に結合できる第2の構成要素
を含む結合ペアであり得る。本発明のある特定の実施態様において、指示薬分子の検出領域は、ビオチンを含み、アダプター結合ペアの第1の構成要素は、アビジンまたはストレプトアビジンであり、アダプター結合ペアの第2の構成要素は、ビオチンであり、そしてレポーター分子は、ビオチンを結合できる部分を含む。
アダプター分子またはアダプター結合ペアの包含物は、各結合分子への多数のレポーター分子の結合を促進し得る。例えば、アダプターとしての多価のストレプトアビジンの使用は、多数のビオチン含有レポーター分子に加えてビオチン含有結合分子の両方の同時結合を可能にするだろう。
ある特定の実施態様において、本発明は、ラテラルフローまたは直立フローデバイスで実施され得る。したがって一般的に、本発明(または1もしくは複数のデバイス)は、固体支持体のいくつかの形態により得る。固体支持体は、検体のための液体流路を定義し得る。特定の実施態様において、固体支持体は、クロマトグラフ媒体またはキャピラリーフローデバイスを含む。いくつかの実施態様において、本発明は試験ストリップ型で提供され得る。代表例を図2に示し、本明細書により詳細に記載する。
本発明の特定の実施態様において、捕捉ゾーンは固体支持体上に形成される。捕捉分子が結合されて捕捉ゾーンを形成し得る任意の支持体は、包含されることが意図される。固体支持体は、例えばビーズ(例えばセファロースまたはアガロースビーズ)またはウェル(例えばマイクロプレート)の形態をとり得る。したがって、ある特定の実施態様において デバイスは、捕捉分子が結合して捕捉ゾーンを形成する固体支持体を含む。本発明のキットの場合、固体支持体は、捕捉分子が結合されずに提供され得る。これらの実施態様において、キットの使用者は、試験検体と共にデバイスを使用する前に固体支持体上に捕捉分子を固定化して捕捉ゾーンを形成し得る。したがってキットはまた、固体支持体上に捕捉分子を固定化するための手段を含み得る。固定化手段は、捕捉ゾーンを形成することを可能にする任意の適切な試薬を含み得る。固体支持体は、適切な固定化する手段で予め形成され得る。例えば、固体支持体は、捕捉分子(の一部)を形成するアビジン(例えばストレプトアビジン)分子と相互作用するように配置されるビオチン分子を含み得る。当然、他の結合ペア相互作用は、本明細書で述べられるようにおよび当業者により容易に理解されるように、固体支持体上に捕捉分子を固定化して捕捉ゾーンを形成するために用いられ得る。
捕捉ゾーンは、指示薬分子の捕捉部位へ結合できる捕捉分子におけるまたはそれ上での固定化により定義され得る。捕捉分子の固定化は、任意の適切な手段により達成され得る。デバイスがクロマトグラフ媒体を含むフローデバイスである場合、捕捉分子は、媒体へ直接結合することにより固定化されるか、または媒体と関連もしくは結合する担体分子、例えばタンパク質への結合を介して間接的に固定化され得る。
更なる実施態様において、固体支持体は、さらに、試験検体が適用される適用ゾーンを含む。検体適用ゾーンは、試験検体が適用されたときに検体中のいずれかの酵素が検体適用ゾーン内の指示薬分子の切断部位上で作用するように、指示薬分子が予め負荷され得る。検体適用ゾーンは、検体を検体適用ゾーンにおいて所定の時間保持するバリアを含み得る。これは、検体が測定できるレベルの切断を達成するのに十分な時間指示薬分子と相互作用することを可能にする。これは、当業者により容易に理解されるように、検出される酵素に応じて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、60分またはそれ以上であり得る。バリアは、この時間後検体により分解されるかまたはそうでなければ取り除かれ得て、それ故に検体がデバイスを流れ続けられる。あるいは、試験検体および指示薬分子は、デバイス、例えば検体適用ゾーンに混合物を加える前に、予め混合またはインキュベートされ得る。しかしながら、試験検体および指示薬分子が予め混合またはインキュベートされ得る場合、検体適用ゾーンを含めないことが可能である。ここで、直接混合物を捕捉ゾーンに加えて捕捉分子との相互作用により指示薬分子の固定化を可能にすることができる。いくつかの実施態様において、試験検体は、例えばキャピラリー作用により捕捉ゾーンを通過するように、捕捉ゾーンから見て上流部位においてクロマトグラフ媒体に適用され得る。クロマトグラフ媒体は、液体が通ることができる任意の物質、例えば流体チャネルまたは多孔膜からできていてもよい。本発明のある特定の実施態様において、クロマトグラフ媒体は、ストリップまたはメンブレン、例えばニトロセルロースのストリップまたはメンブレンを含む。
結合分子は、切断部位において切断された場合、デバイスにおいて指示薬分子と相互作用できる方法で提供されなければならない。したがって結合分子は、デバイスに適用される前に指示薬分子と予め混合され得る。これは、指示薬分子が試験検体と混合される前または後であり得る。結合分子が指示薬分子の切断部位において(試験検体中の)酵素活性を有し得る任意の効果を避けるために後が好ましい。結合分子はまた、指示薬分子が(捕捉ゾーンを定義する指示薬分子の捕捉部位および捕捉分子間の相互作用により)固定化される前に結合分子が試験検体および指示薬分子に遭遇するように、捕捉ゾーンの上流の任意のポイントにおけるデバイス上またはデバイスにおいて提供されることができる。あるいは、試験検体および指示薬分子が捕捉ゾーンに加えられた後、結合分子は捕捉ゾーンに加えられ得る。これは、確実に、任意の指示薬分子が、(切断された指示薬分子の場合)シグナルを生じるために結合分子のための結合部位を提供する捕捉ゾーンにおいて予め固定化されるようにする。
検出される特定の酵素切断活性に応じて、適切な酵素阻害剤をデバイスまたは方法に組み込むことが必要であり得る。酵素がデバイスまたは方法の他の構成要素、例えば結合分子または捕捉分子に作用することを妨げるために、これは重要であり得る。試験検体を指示薬分子と予めインキュベートする場合、インキュベート時間の終わりに酵素活性の阻害剤を加えることは有利であり得る。これは、好ましくは結合分子を試験検体と接触させる前である。あるいは、結合分子がデバイス上またはデバイスにおいて提供される場合、1または複数の酵素活性阻害剤は、結合分子の上流の任意のポイントにおいてデバイスに含まれ得る。これは、捕捉ゾーンの上流である(上記の説明のとおり)。阻害剤は、デバイスを通過する場合に、試験検体が阻害剤を動員するように、単に乾燥され得るかまたはデバイス上に受動的に吸着され得る。阻害剤の使用は、尿中の更なるマーカーを検出することができないことになる場合不可欠ではなく、除外され得ることに留意されたい。例えば、本発明により検出されるいくつかの酵素活性、例えば特定のプロテアーゼ活性は、基質以外のデバイスまたは方法の構成要素のいずれかに対して作用しない程十分に特異的であり得る。特定の酵素の切断部位は、当該技術分野において周知であり、デバイスおよび方法の様々な構成要素を設計するために用いられ得る。例えば、イン・シリコ・スクリーニングは、検出されるべき酵素の切断部位が関連する分子のいずれか、例えば結合分子および捕捉分子に含まれることを確認するために(例えば標準設定に従いBLASTなどの自由に利用可能なツールを用いて)実施され得る。試験されるべき酵素活性を有する関連する分子(例えば結合分子および捕捉分子)をインキュベートし、切断が生じているかを検出することにより交差反応性を確認することも可能である。いくつかの実施態様において、関連する分子は検出されるべき酵素切断活性の性質によっては作用されない。例として、ヌクレアーゼ活性が検知されている場合、これは、抗体結合分子、ストレプトアビジンまたは抗体捕捉分子に関していずれの切断活性も示すべきでない。
固体支持体は、さらに、検体フローからみて捕捉ゾーンの下流に、デバイスを用いるアッセイが正常に完了したことを示すための、結合分子に結合する更なる結合分子を含むコントロールゾーンおよび存在する場合検体適用ゾーンを含み得る。あるいは、更なる結合分子は、検体またはデバイスに加えられ、デバイスを通り検体と流れる更なる分子に結合し得る。更なる分子は、本明細書で定義されるレポーター分子で直接または間接的に標識され得る。好ましくは、レポーター分子は、異なってもよいが、検出を容易にするために、結合分子に結合される分子と同じレポーター分子である。レポーターが、それぞれのゾーンにおいて結合または固定化される場合、コントロールゾーンは、捕捉ゾーンから空間的に分離されて、例えば2つの別々の判定ライン(test line)を生じる。このコントロールゾーンは、結合分子を含む試験検体がデバイス全体を通過したことを確認するために用いられ、デバイスが正常に作動していることを確認する。陽性シグナルは、酵素切断活性が検体中に存在するか存在しないかに関係なくコントロールゾーンにおいて予想される。更なる結合分子は、指示薬分子の切断部位に結合する結合分子の性質、または検体に加えられる更なる分子の性質に基づいて選択される。結合分子と更なる結合分子または更なる分子と更なる結合分子は、本明細書で定義される結合ペアを形成し得る。例えば、結合分子が種特異抗体(例えばヒツジ抗体)である場合、更なる結合分子は、抗種抗体(抗ヒツジ抗体)であり得る。あるいは、更なる分子は、異なる種、例えばニワトリまたはヤギからの抗体である場合、更なる結合分子は、適切な抗種抗体であり得る。これは、特定の相互作用によりコントロールゾーンにおける結合分子または更なる分子の固定化を可能にする。更なる結合分子は、任意の適切な方法、例えば共有または非共有結合相互作用によりコントロールゾーンにおいて固定化され得る。
これらの実施態様は、主として尿検体中のエフェクター分子のレベルを測定することに関して記載されているが、同じ技術もまた、他のマーカーを測定するために適用され得る。特に、エフェクター阻害分子のレベルは同様の技術により測定され得る。阻害分子は、エフェクター分子の活性を低下させると予想され、それ故に尿中のそれらのレベルは、例えば競合アッセイにより検出され得る。例えば、検体に加えられた既知量のエフェクター分子の存在下でエフェクター阻害分子のレベルは測定され得る。
特定のマーカーに有用な適当なアッセイ形式のいくつかの例を次の表および表2.1aに示す。
したがって、ELISAおよびラテラルフロー型が特に本発明に適用可能であることが容易に理解され得る。ザイモグラフィーは、特定のマーカーに有用であり得る。
本発明者らは、本明細書に記載のマーカーのレベルを測定するための様々なアッセイを発明した。
本発明で有用な1つのマーカーは、好中球化学誘引物質であるN-アセチルPro-Gly-Pro(Ac-PGP)であり、細胞外マトリックス(ECM)の破壊に由来し、気道炎症の間中生じる。AcPGPは炎症性疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)において好中球性白血球のタンパク質分解作用によりコラーゲンから開裂される。本発明によれば、Ac-PGPは酵素免疫アッセイ(EIA)により検出され得る。ある特定の実施態様において、EIAは競合アッセイである。本発明は、
(a) PGPが(例えばAHX-PGPまたはAc-PGPの形態で)固定化された免疫アッセイ表面と尿検体を接触させること
(b) 検体中のPGPと特異的に結合する試薬(例えば本明細書で定義される酵素、一の具体的な例は、CF1763である)であって、酵素(例えばアルカリホスファターゼ)に結合する試薬を加えること
(c) 免疫アッセイ表面と結合しない試薬を除去すること
(d) 検体中のAc-PGPのレベルの指示として免疫アッセイ表面において酵素活性レベルを測定すること
を含む、尿検体中のAc-PGPを検出するための競合的酵素免疫アッセイを提供する。Ac-PGPが検体中に存在しない場合、免疫捕捉表面に固定化されたPGPは試薬に結合され、それ故に酵素活性が検出されるだろう。検体中のAc-PGPレベルが増加するにつれて、これらの分子は試薬への結合に競合し、それ故に免疫捕捉表面における酵素活性レベルは低下するだろう。好ましい試薬は、ヒツジ抗Ac-PGP抗体CF1763である。他の選択肢はCF1764である。いくつかの実施態様において、試薬はアルカリホスファターゼに結合し得る。適当なアッセイ形式の略図を図34に示す。このアッセイ用の代表的な検量線を図35に示す。このアッセイは、バージョン3と称し得る。
代替アッセイは、固定化Ac-PGP結合試薬、例えば抗Ac-PGP抗体を利用する(例えば、捕捉抗体としてCF1763-バージョン1またはCF1764-バージョン2)。ここで競合試薬は、検体中のAc-PGPと競合するB-AHX-PGP(ビオチニル化AHX-PGP)であり得る。その後、第3の工程は、検体中に「遊離」Ac-PGPが存在しない場合、ストレプトアビジンAP(ストレプトアビジンアルカリホスファターゼ)を利用して、抗体捕捉ラインに結合するB-AHX-PGPいずれかを標識する。
他の実施態様において、Ac-PGPは、上記アッセイのための形式としてのラテラルフローの使用を含む、ラテラルフロー型において検出され得る。
本発明で有用な別のマーカーは、fMLP(N-ホルミル-L-メチオニル-L-ロイシル-フェニルアラニン)と同様なN-ホルミル化ペプチドである。好中球は、細菌を殺す活性酸素種を産生し放出すること、および感染部位へ他の免疫細胞を引き付けるケモカインを発現することにより細菌感染に応答する。fMLP(N-ホルミル-L-メチオニル-L-ロイシル-フェニルアラニン)と同様なN-ホルミル化ペプチドは、強力な化学誘引物質として主要な役割を果たす。fMLPは、タンパク質プロセシング機構の結果として様々な細菌からおよび/または分解された細菌(PAMP)から生じる。それはまた、真核細胞タンパク質のミトコンドリア(例えば「DAMP」)において生成され得る。N-ホルミルペプチド受容体は共役したG-タンパク質であり、fMLPで刺激されたときヒト好中球および他の細胞における食作用および炎症後反応、例えば活性酸素中間体(例えばスーパーオキシド;O2 -)の産生を開始/伝搬する。本発明によれば、fMLPは酵素免疫アッセイ(EIA)により検出され得る。ある特定の実施態様において、EIAは競合アッセイである。本発明は、
(a) fMLPが(例えば、表面上でのアルブミン分子、例えばオバルブミンとの結合により)固定化された免疫アッセイ表面と尿検体を接触させること
(b) 検体中のfMLPと特異的に結合する試薬(例えば本明細書で定義される酵素、一の具体的な例は、CF1573である)であって、酵素(例えばアルカリホスファターゼ)に結合する試薬を加えること
(c) 免疫アッセイ表面と結合しない試薬を除去すること
(d) 検体中のfMLPのレベルの指示として免疫アッセイ表面において酵素活性レベルを測定すること
を含む、尿検体中のfMLPを検出するための競合的酵素免疫アッセイを提供する。fMLPが検体中に存在しない場合、免疫捕捉表面に固定化されたfMLPは試薬に結合され、それ故に酵素活性が検出されるだろう。検体中のfMLPレベルが増加するにつれて、これらの分子は試薬への結合に競合し、それ故に免疫捕捉表面における酵素活性レベルは低下するだろう。好ましい試薬は、ヒツジ抗Ac-fMLP抗体CF1573である。いくつかの実施態様において、試薬はアルカリホスファターゼに結合し得る。適当なアッセイ形式の略図を図36に示す。このアッセイ用の代表的な検量線を図37に示す。
いくつかの実施態様において、fMLPはラテラルフロー型により検出され得る。炎症中のエラスチン繊維の分解は、エラスターゼと呼ばれる酵素により生じる。2つの重要な炎症性エラスターゼは、好中球エラスターゼ(活性化好中球により放出される)およびMMP12(肺マクロファージにより放出される)である。デスモシンは、エラスチンから切断され、白血球活性が増加したまたは増加していることを示す分解過程の分子署名である。尿中に直接排泄されるデスモシンの量は、順番に組織損傷レベルを示すエラスチン分解の程度と相関する。デスモシンは、腎臓を通過できるほど十分小さい。過剰な好中球性白血球活性は、増悪の重要な原動力である。本発明者らは、デスモシン断片アッセイおよびデスモシンアッセイを開発した。本発明は、デスモシン、およびエラスチン繊維にまだ結合するデスモシンを測定できるアッセイを提供する。この形式は、ヒト好中球エラスターゼによる切断によって生じる異なる大きさであるエラスチン断片にされた複数の抗体の使用による。本発明によれば、デスモシン断片は酵素免疫アッセイ(EIA)により検出され得る。ある特定の実施態様において、EIAは競合アッセイである。本発明は、
(a) デスモシン断片が(例えば、表面上でのアルブミン分子、例えばオバルブミンとの結合により)固定化された免疫アッセイ表面と尿検体を接触させること
(b) 検体中のそれぞれのデスモシン断片と特異的に結合する一連の試薬(例えば本明細書で定義される酵素群、一の具体的な例は、CF1673、CF1674およびCF1675である)であって、試薬の各々が酵素(例えばアルカリホスファターゼ)に結合する試薬を加えること
(c) 免疫アッセイ表面と結合しない試薬を除去すること
(d) 検体中のデスモシン断片のレベルの指示として免疫アッセイ表面において酵素活性レベルを測定すること
を含む、尿検体中のデスモシン断片を検出するための競合的酵素免疫アッセイを提供する。デスモシン断片が検体中に存在しない場合、免疫捕捉表面に固定化されたデスモシン断片は試薬に結合され、それ故に酵素活性が検出されるだろう。検体中のデスモシン断片レベルが増加するにつれて、これらの分子は試薬への結合に競合し、それ故に免疫捕捉表面における酵素活性レベルは低下するだろう。好ましい試薬シリーズは、ヒツジ抗デスモシン断片抗体CF1673、CF1674およびCF1675である。いくつかの実施態様において、各試薬はアルカリホスファターゼに結合し得る。適当なアッセイ形式の略図を図38に示す。いくつかの実施態様において、一連の代表的な試薬は、本明細書でバージョン1、2および3と称する別個のアッセイにおいて利用される。エラスチン分解産物のHPLC分析を図39に示し、ここで分解産物は、特定の抗体を生成するために免疫源としで用いられ得る。エラスチン断片は、スモールエラスチンフラグメントであり得る。スモールエラスチンフラグメントは、典型的に30,000 Da以下、例えば1000〜30,000 Daの分子量を有する。いくつかの実施態様において、デスモシンに結合しないスモールエラスチンフラグメントはまた、別々に測定され得る。
同様に、本発明は、ラージエラスチンフラグメント(LEF)を測定するためのアッセイを提供する。ラージエラスチンフラグメントは、約30,000 Da超の分子量を有するエラスチンの断片を意味する。この形式は、ヒト好中球エラスターゼによる切断によって生じるラージエラスチンフラグメントにされた複数の抗体の使用による(図39も参照)。本発明によれば、ラージエラスチンフラグメントは酵素免疫アッセイ(EIA)により検出され得る。ある特定の実施態様において、EIAは競合アッセイである。本発明は、
(a) ラージエラスチンフラグメントが(例えば、表面上でのアルブミン分子、例えばオバルブミンとの結合により)固定化された免疫アッセイ表面と尿検体を接触させること
(b) 検体中のそれぞれのラージエラスチンフラグメントと特異的に結合する一連の試薬(例えば本明細書で定義される酵素群、例えばCF1669、CF1670およびCF1673(LEFに対して精製されたすべて))であって、試薬の各々が酵素(例えばアルカリホスファターゼ)に結合する試薬を加えること
(c) 免疫アッセイ表面と結合しない試薬を除去すること
(d) 検体中のラージエラスチンフラグメントのレベルの指示として免疫アッセイ表面において酵素活性レベルを測定すること
を含む、尿検体中のラージエラスチンフラグメントを検出するための競合的酵素免疫アッセイを提供する。ラージエラスチンフラグメントが検体中に存在しない場合、免疫捕捉表面に固定化されたラージエラスチンフラグメントは試薬に結合され、それ故に酵素活性が検出されるだろう。検体中のラージエラスチンフラグメントレベルが増加するにつれて、これらの分子は試薬への結合に競合し、それ故に免疫捕捉表面における酵素活性レベルは低下するだろう。いくつかの実施態様において、各試薬はアルカリホスファターゼに結合し得る。
いくつかの実施態様において、一連の代表的な試薬は、本明細書でバージョン1、2および3と称する別個のアッセイにおいて利用される。
本発明の方法は、尿検体中の少なくとも1つのマーカーレベルの変化を特定することによる。したがって、試験検体と早期の時点で同一対象体から採取した少なくとも1つの尿検体におけるレベルを比較する。比較により早期の尿検体または検体と比較したマーカーレベルにおいて、増加するか、減少するかまたは変化がないかを特定できる。本発明の一の重要な態様は、増悪を正確に特定および/または予測するために炎症状態のモニタリングを個別化できることである。したがって、本発明のすべての態様によれば、少なくとも1つのマーカーレベルの増加は、対象体に適した(または個別化された)マーカーの閾値レベルを参照して算出され得る。したがって、本発明は、閾値が算出されたものに対して関連する1または複数のマーカーの個別化されたベースラインレベルによる。算出は、試験と同時にするため継続的方式であり得る。したがって、閾値は、変動するベースラインに由来した変動する閾値であり得る。対象体基準により対象体上で縦に測定できることは、尿検体の採取の容易さにより促進される。検体を採取する容易さを用いるホームモニタリングの提供によりコンプライアンスが著しく向上される子が予想される。したがって、本発明は、時間と共に尿検体を繰り返し試験することによって個々の炎症状態をモニターすることによる。この文中において、1または複数のマーカーレベルが、絶対的期間で測定される必要はなく、絶対的または相対的期間で測定されてもよいことは明白である。マーカーは、単に異なる時点で採取された尿検体中のマーカーレベルを比較できる方法で測定されなければならない。したがって、「レベル」は、他に断らない限り明細書の全体にわたって解釈されるべきである。例えば、レベルは、増悪状態を示す尿検体中で安定な濃度で存在する参照分析物と比較して測定され得る。
いくつかの実施態様において、マーカーの閾値レベルは、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより設定される。その最も単純な形態では、本発明は、試験検体と前に採取した尿検体中(すなわち1つの早期の時点)のマーカーレベル間の単純な比較により得る。しかしながら典型的に、早期の時点は、現在の尿検体中のマーカーレベルの測定の直前の少なくとも2つ、および場合により3、4、5、6、7、8、9、10などの早期の測定を含み得る。これらの早期の測定は、数日間または数週間、例えば1、2、3、4、5もしくは6週間またはそれ以上の間なされ得る。ベースラインは、今後変化が測定されるものに対して最初の閾値を測定するために安定な疾患の間に設定され得る。安定な疾患は、最初に慣例の方法により特定され得る。代替的または付加的に、ベースラインは、今後変化が測定されるものに対して最初の閾値を測定するために増悪の間に設定され得る。増悪は、最初に慣例の方法により特定され得る。
マーカーレベルを複数の時点で測定する場合、それらのレベルを、増悪は予測または特定される試験検体の閾値を提供するために平均化し得る。いくつかの実施態様において、閾値は、マーカーレベルがベースラインを提供するために測定されたもの内でスライディングウィンドウを参照して設定され得る。したがって閾値レベルはシステムにより「学習される」。それは固定閾値でなく、対象体に適応され、それにより増悪事象を予測しないかまたは示さないベースラインからのマーカーレベルにおける軽微な変動を考慮に入れる。したがって閾値は、統計的に有意なレベルの増加(または減少)が示されるものを越えてマーカーレベルの許容範囲を規定するためにベースライン近くに設定され得る。マーカーのベースラインレベルの漂流が存在する場合、パラメーター限界は、マーカーレベルの更なる変化が有意であるとみなされるように狭くなり得る。例えば、ベースラインマーカーレベルが経時的に上昇する場合、測定された増加とベースライン間の差異は、閾値を超えた(すなわち有意である)とみなされるために(ベースラインが比較的安定である状態と比較して)より小さい必要があり得る。これは、「遅発性」増悪の見落しを防ぐことを意図する。例えば、少なくとも5、10、15、20%またはそれ以上のベースラインとの差異を一般的に有意と考え得る。上昇または下降傾向を示す複数の前の測定があり、ここで各場合において閾値差異より小さい量による場合、この差異は減少され得る。したがって(有意とみなされ得るために)差異は、ベースラインにおいて上昇または下降の場合には適切なように少なくとも1、2、3、4、5%またはそれ以上に減少され得る。
いくつかの実施態様において、マーカーの閾値レベルは、対象体が炎症の増悪を患っていなかった早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより設定される。増悪は、非増悪レベルを参照したベースライン設定からの統計的に有意な偏差の順守に基づいて予測または特定され得る。したがって安定な状態レベルは、今後のモニタリングにおいて有意の変化を検出するための基準を提供するために個々に測定され得る。
他の実施態様において、少なくとも1つのマーカーレベルを少なくとも週に2回測定する。いくつかの実施態様において、少なくとも1週間に1、2、3、4、5、6回または毎日マーカーレベルを測定し得る。誤解を避けるためにその都度新しく採取した検体中のマーカーレベルを検出し得る。
閾値は、増悪への緩やかな移動または「漂流」および増悪へのより急激な状態の低下(1以上のマーカーレベルの増加により反映される)の両方の検出を防ぐことを意図する。したがって閾値は、対象体に個別化された変動する閾値であり得る。それは、1以上のマーカーレベルの点でベースラインからの任意の有意な(すなわち統計的に有意な)偏差が検出され、それ故に増悪事象を示すかまたは予測することを可能にする。ベースラインおよび算出される閾値は、同一対象体が患う以前の増悪事象に関して適用または養成され得る。ベースラインおよびそれらから算出される閾値は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10つなどの対象体によって取られた以前の測定に関して設定され得る。当業者によく理解されるように、閾値はより最近の測定にウェイトを与えられ得る。
閾値は、本明細書により詳細に述べられる複数のマーカーに関して設定され得る。したがって、増悪の予測または特定は、測定された複数のマーカーによって累積的なベースラインからの偏差に基づいて特定され得る。しかしながら典型的に、各マーカーは、マーカー特異的ベースラインを参照しておよびマーカー特異的閾値に対して個々に測定されるだろう。複数の個々のマーカーの使用は増悪を予測または特定する性能の向上を提供することを本明細書で示す。これは、種々の個体において増悪が異なるマーカーでより正確に予測または特定されるためのようである。したがって、本発明は、用いられる個々のマーカーに応じて複数の変動するベースライン/閾値(典型的に3以上)により得る。方法およびシステムは、複数のマーカーの寄与にウェイトを与え得る。したがって増悪を予測または特定する点で更なるウェイトは、例えば同一検体にて測定されるとき、2以上(2、3、4、5など)のマーカーの増加に与えられ得る。したがって、例えば2つのマーカーの増加は、増悪を予測または特定し得るが、1つのマーカーの増加は、増悪であるかまたは増悪が生じるかをより密接にモニターするために試験頻度の増加を生じさせ得る。
閾値はまた、サンプリング/試験頻度を導くのに用いられ得る。例えば、いくつかの実施態様において、少なくとも1つのマーカーレベルの増加が検出される場合に対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つのマーカーレベルを測定する頻度は増加される。これは、増悪が予測または特定される感度または正確性を向上させるのに用いられ得る。頻度は、例えば週に1回もしくは2回から1日1回に、または1日1回から1日2回に増加され得る。ある特定の実施態様において、少なくとも1つのマーカーレベルの減少が検出されるまで対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つのマーカーレベルを測定する頻度は(増加したレベルで)維持される。したがって、モニタリング頻度は、増悪が特定または予測されるまで維持され得る。モニタリング頻度はまた、増悪事象の処置の有効性をモニターするために処置期の間中(増加したレベルで)維持され得る。いくつかの実施態様において、モニタリング頻度は、処置期の間中(例えば6、8または12時間毎に試験するように)増加され得る。
本発明は、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の複数、例えば少なくとも2つまたは3つの(4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)マーカーのレベルを測定することにより得る。特定の実施態様において、尿検体中のマーカーの少なくとも1つレベルの増加(閾値を超える、個別化されたベースラインと比較)は、炎症の増悪を示すかまたは予測する。いくつかの実施態様において、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する。
複数のマーカーレベルを測定する場合、データを解釈して、予測または特定を提供するために当該データを適用するために適切なアルゴリズムが用いられ得る。いくつかの実施態様において、マーカーレベルは相互依存であり得て、それ故にアルゴリズムは、この予測される関係(例えばエフェクターとエフェクター阻害分子間)に基づく。ある特定の実施態様において、少なくとも2または3(またはそれ以上)のマーカーの測定されたレベルは、対象体の炎症状態をモニターするために所定の順序で分析される。これは、対象体の今後のサンプリングおよび処置を導く、本明細書でさらに説明し、図に示す決定木を生じさせ得る。例えば図24は、エフェクター阻害剤(TIMP2)、続いてエフェクター(MMP活性)、続いて更なるエフェクター阻害剤マーカー(A1AT)のレベルを測定することに基づく、適切な試験プロトコールを示す。したがって、いくつかの実施態様において、所与の検体について、マーカーが増加したレベルで見つかる(またはすべてのマーカーが試験される)まで、マーカーレベルは順に分析され得る。マーカーが増加したレベルにおいて検出される場合、更なるマーカーがまた、それらのレベルが増加するかを測定するために分析されるか、または分析されなくてもよい。複数のマーカーが検体中で増加する場合、増悪の可能性はより高くなり得て、アルゴリズムは、例えば実測値にウェイトを与えることにより、結果においてこれを説明し得る。したがって、検体は、マーカーのいくつが閾値と比較してレベルにおいて増加するかに基づいてグレード付けられ得る。例えば、グレード1は、検体中マーカーのうちの1つのみが増加することを示し得て、グレード2は、マーカーのうちの2つが増加することなどを示し得て、グレード3またはそれを超えるグレードは、増悪を予測または特定し得る。
いくつかの実施態様において、性別はアルゴリズムに組込まれる。本明細書で実験的に示されるように、性別は、用いられるマーカーおよび所与のアルゴリズムで適用されるレベルに影響を及ぼし得る。
いくつかの実施態様において、対応する阻害分子の対応する増加を伴わないエフェクター分子の増加は、増悪の初期の危険信号であり得る。両方の分子のレベルの増加は、初期の増悪を示し得る。阻害剤レベルの増加およびエフェクターレベルの減少は、増悪の後期を示し得るか、または回復期(の始まり)を予測し得る。複数のマーカーが増加する場合、増悪は、例えば更なるサンプリングの必要なく、予測され得るかまたは特定され得る(例えばグレード3またはそれを超えるグレード)。1つのマーカーレベルの増加は、試験頻度の増加をもたらし得るが、必ずしも即座の照会/処置をもたらし得ない。いくつかの実施態様において、少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルが、ウェイトを与えられる。ウェイト付けは、複数のマーカーに相対的に有意な度合を付ける周知の方法である。アルゴリズムは、本明細書で述べられるように閾値ベースアルゴリズムであり得る。
既に述べられたように、いくつかの実施態様において、基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つのマーカーレベルを決定し、また尿中で測定する。本発明で有用な適切な基準マーカーとしては、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンが挙げられ得る。他のマーカーとしては、尿量、伝導率およびアルブミンレベルが挙げられ得る。比重および色は、他の標準化または基準マーカーであり得る。
例示的な実施態様において、少なくとも3つのマーカーの使用に関係して、少なくとも3つのマーカーの各々のレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する。これらの実施態様は、当業者に容易に理解されるように2、4、5、6、7、8、9、10個などのマーカーが尿中で測定される状況に準用して適用され得る。
特定の実施態様において、増悪が示されるかまたは予測される場合、対象体の増悪は処置される。増悪のための適切な処置は、当該技術分野において公知である。それらは、吸入剤の使用を含み、該吸入剤は、気管支拡張剤吸入剤(短期作用または長期作用)であり得る。短期作用の気管支拡張剤としては、β2アゴニスト吸入剤、例えばサルブタモールおよびテルブタリン、ならびに抗ムスカリン吸入剤、例えばイプラトロピウムが挙げられる。長期作用の気管支拡張剤としては、β2アゴニスト吸入剤、例えばサルメテロールおよびフォルモテロール、ならびに抗スカリン吸入剤、例えばチオトロピウムが挙げられる。ステロイドまたはコルチコステロイド吸入剤はまた、用いられ得る。更なる有用な治療剤としてはテオフィリン、粘液溶解薬、例えばカルボシステイン、抗生物質およびステロイドが挙げられる。ネブライザーが用いられ得る。増悪が吸入剤の使用によって管理されないかまたは向上しない場合、例えばそれらは吸入剤に代わって用いられ得る。該モニタリングは本発明に包含される。酸素療法または非侵襲性換気もまた用いられ得る。運動を含むリハビリテーションプログラムもまた適切なように用いられ得る。再び本発明は、該プログラムをモニタリングし、病態を(増悪に対して)安定化する点でそれらが所望の効果を有しているかを決定することを可能にする。
いくつかの実施態様において、いずれのマーカーレベルの増加も測定されない場合、炎症状態は安定とみなされ、および/または試験頻度が維持される。そのような状況において、試験頻度は(例えば基準レベルで)維持され得る。したがって、モニタリングは、1または複数のマーカーレベルに変化がないことの検出を含む。同様に、一度増悪が特定または予測された場合、1または複数のマーカーレベルに変化がないことは、継続的増悪を示し得る。更なる増加は、増悪の悪化を示し得る。
ある特定の実施態様において、マーカーのうちの1つのレベルの増加が測定されるが、他の2つのマーカーにおいては増加が測定されない場合、試験頻度は増加される。特定の実施態様において、マーカーの1つの増加したレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻らない限り、試験頻度を増加する。当該設定回数は、任意の適切な回数であり得る。例えばそれは、1、2、3、4または5(またはそれ以上)であり得る。頻度の増加は、例えば1日1回または2回であり得る。
更なる実施態様において、マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻る場合、試験頻度を元の頻度に戻す。元の頻度は、例えば1週間に1〜3回であり得る。関連する実施態様において、マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で増加したレベルのままである場合、試験頻度をさらに増加する。当該設定回数は、任意の適切な回数であり得る。例えばそれは、1、2、3、4または5(またはそれ以上)であり得る。試験頻度の更なる増加は、例えば6、8または12時間毎に基づき得る。
ある特定の実施態様において、マーカーの1つ(またはそれ以上)のレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、炎症の増悪は示されるかまたは予測される。当該設定回数は、任意の適切な回数であり得る。例えばそれは、1、2、3、4または5(またはそれ以上)であり得る。そのような状況において、その後、患者の増悪は処置され得る。
関連する実施態様において、マーカーの1つ(またはそれ以上)のレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内に非増加レベルに戻る場合、試験頻度を増加させた(しかしながらさらに増加はさせていない)試験頻度に戻す。当該設定回数は、任意の適切な回数であり得る。例えばそれは、1、2、3、4または5(またはそれ以上)であり得る。したがって、増悪の予測または特定に達せずに1以上のマーカーレベルの復帰がある場合、本発明は、モニタリング頻度の減少を可能にし得る。より一般的に、本発明は、患者の炎症状態を正確に管理する目的で個々の個体について作り出されたデータに従って試験頻度の増加および減少を認める。
特定の実施態様において、マーカーの1つ(またはそれ以上)のレベルが、繰り返し試験の設定回数内で非増加レベルのままである場合、試験頻度を元の頻度に戻す。したがって、元の試験プロトコールへの第2の減少があり得る。
これらの典型的な実施態様のすべてによれば、マーカーのうちの2つのレベルにおいて増加が測定されるが、他のマーカー(3つ以上のマーカーが用いられる場合複数のマーカー)において増加が測定されない場合、試験頻度を増加し得る。特定の実施態様において、マーカーのうち1つのみにおいて増加したレベルが検出される場合より多い頻度に試験頻度を増加する。したがって、アルゴリズムは、1つのマーカーより潜在的に危険なものとして複数のマーカーレベルの増加を分類し、それに応じて試験頻度を調節し得る。これは、試験頻度の倍増であり得る。
いくつかの実施態様において、マーカーの少なくとも1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻る場合、マーカーの1つのレベルにおいて決められた増加を示す試験頻度に試験頻度を戻す。したがって、モニタリングは、1つのマーカーの増加に適するかまたは同じであるレベルに頻度を減少させるために柔軟であり得る。しかしならいくつかの実施態様において、マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数(該回数は1、2、3、4、5、またはそれ以上であり得る)内に増加したレベルのままである場合、試験頻度を再度増加する。これは、1つのマーカーの持続増加がモニターされることを可能にする。特定の実施態様において、マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、炎症の増悪は示されるかまたは予測される。そのような状況において、患者の増悪を処置し得る。
または、マーカーの2つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、炎症の増悪は示されるかまたは予測される。当該設定回数は、任意の適切な回数であり得る。例えばそれは、1、2、3、4もしくは5またはそれ以上であり得る。そのような状況において、患者の増悪を処置し得る。
対象体は、増悪の処置および/またはそれからの回復の有効性を評価するために処置の間中モニタリングを継続し得る。このモニタリングは、1段下のレベル(例えば1日2回または1回)または2段下のレベル(例えば1週間1、2または3回)に戻り得る。与えられた処置への反応が観察されない(すなわちマーカーレベルの減少が尿中で見られない)場合、その後代替処置が探索され得る。したがって、本発明はまた、増悪事象のモニタリング処置に関する。
したがって、本発明はさらに、対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかまたは予測する方法を提供する。
当該方法は、好ましくはホームユースモニタリングのためのシステムまたはキットにおいて実施される。したがって、本発明はまた、
a. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかまたは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キットを提供する。
本発明はまた、システムまたは試験キットにおける使用のための対応するコンピューターアプリケーションに関する。
本発明者らは、PEx事象をモニターまたは予測するために複数の尿中マーカーを組み合わせることにより特異的で高感度の結果が達成され得ることを断定した。したがって、本発明はまた、対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のマーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中の少なくとも1つのマーカーレベルの減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかまたは予測する方法を提供する。
同様に、本発明はまた、
a. 尿検体中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のマーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の各マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中の少なくとも1つのマーカーレベルの減少は、炎症の増悪を示すかまたは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キットを提供する。
本発明はまた、システムまたは試験キットにおける使用のための対応するコンピューターアプリケーションに関する。
減少が増悪の処置の成功またはそれからの回復を示す場合、本明細書に記載のすべての実施態様はまた、本発明の処置モニタリング態様に適用可能である。したがって、これらの実施態様において、個人の閾値が由来するベースラインは、増悪中に採取された少なくとも1つの尿検体中の1または複数のマーカーレベルの測定を含むために増悪で測定されるベースラインであり得る。
更なるモニタリングの点で、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復もしくはその処置の成功を示し得るかまたは予測し得る。アルゴリズムはまた、エフェクターレベル増加への対象体の反応の一部として阻害剤の増加がとして予想されるが、両方のタイプのマーカーにおいてベースラインレベルへの回復により最終的に示される回復と共に、本明細書で述べられるようにエフェクターとエフェクター阻害分子間の関係を説明し得る。
これらの実施態様のすべてにおいて、複数(例えば少なくとも3つ)のマーカーの測定されたレベルは、対象体の炎症状態をモニターするために所定の順序で分析され得る。少なくとも2または3(またはそれ以上)のマーカーの測定されたレベルは、ウェイトを与えられ得る。
本発明の特定の実施態様、例えば上記で概要を示したものにおいて、第1マーカーはTIMP2(レベル/活性)であり得て、第2マーカーはMMP(レベル/活性)であり得て、そして第3マーカーはA1AT(レベル/活性)であり得る。アルゴリズムがマーカーの任意の組合せに適用し得ることは直ちに明白であるが、適切なアルゴリズムは、これら3つのマーカーに関して本明細書にさらに詳細に記載される。
本発明の方法、システムおよび試験キットは、炎症の増悪の他の指標のモニタリングと共に用いられ得る。特定の実施態様において、炎症の増悪の他の指標は、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱の1以上を含むかまたはこれらの1以上より選択される。同様に、処置は、これらの更なる指標との関連でモニターされ得る。モニターされ得る指標は、1秒間努力肺活量(FEV1)であり得る。
前述のものから、本発明の方法の個別化された性質が、ベースラインと比べて継続的または半継続的な方式で関連する閾値を定義し、それらの閾値に対してマーカーレベルを解釈するために有意なコンピューター入力を必要とすることは明白である。したがって、本発明の方法は、典型的には、関連する技術工程を実施するために適切なソフトウェアを組み込む。したがって、本発明の方法は、システムまたは試験キットを用いて実施され得る。特に、本発明は、
a. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キットを提供する。
同様に 本発明は、
a. 尿検体中の少なくとも3つのマーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の各マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キットを提供する。
本発明はまた、システムおよび試験キットにおいて用いられるコンピューターアプリケーションに関する。したがって、ある特定の実施態様において、コンピューター実装の方法、システムおよびコンピュータープログラム製品は、例えば計算機に関連して、例えばプロセッサー上で動作および実行する、コンピューターアプリケーションにおいて具現化され得る。実行されるとき、アプリケーションは、対象体の現在の炎症状態を出力するために関連する分析を行い、ここで尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測する。
本明細書で用いるプロセッサーは、様々なコンピューター、サーバー、組込みシステム、または計算システムのいずれか内に備えられ得る。コンピューターは、様々な内蔵または外付け部品、例えばプロセッサー、システムバス、システムメモリ、記憶媒体、入出力インターフェース、およびネットワークと通信するネットワークインターフェースなどを備え得る。
コンピューターは、従来のコンピューターシステム、組み込みコントローラ、ラップトップ、サーバー、カスタマイズされた機械、実験用コンピュータイーもしくはデバイスなどのその他のハードウェアプラットフォーム、またはこれらの任意の組合せもしくは多重化として実装され得る。計算機は、データネットワークまたはバスシステムを介して相互接続される複数の計算機を用いて機能するよう構成される分散型システムであり得る。
プロセッサーは、本明細書に記載の動作および機能性を行うためにコードまたは命令を実行し、要求フローおよびアドレスマッピングを管理し、計算を行い、コマンドを生成するよう構成され得る。プロセッサーは、計算機内の部品の動作を監視および制御するよう構成され得る。プロセッサーは、汎用プロセッサー、プロセッサーコア、マルチプロセッサー、再構成可能なプロセッサー、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサー(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、コントローラ、状態マシン、ゲート制御論理、ディスクリートハードウェア部品、その他の処理ユニット、またはこれらの任意の組合せもしくは多重化であり得る。プロセッサーは、単一の処理ユニット、複数の処理ユニット、単一の処理コア、複数の処理コア、専用処理コア、コプロセッサー、またはこれらの任意の組合せであり得る。特定の典型的な実施態様によれば、計算機の他の部品と共にプロセッサーは、1以上の他の計算機内部で実行する仮想化計算機であり得る。
記憶媒体は、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリデバイス、ソリッドステートドライブ(SSD)、任意の磁気記憶装置、任意の光学記憶装置、任意の電気記憶装置、任意の半導体記憶装置、任意の物理ベース記憶装置、任意のその他のデータ記憶装置、またはこれらの任意の組合せもしくは多重化より選択され得る。記憶媒体は、1以上のオペレーティングシステム、アプリケーションプログラムおよびモジュールなどのプログラムモジュール、データ、または任意のその他の情報を記憶し得る。記憶媒体は、計算機の一部であるか、またはこの計算機に接続され得る。記憶媒体はまた、計算機、例えばサーバー、データベースサーバー、クラウドストレージ、ネットワークアタッチドストレージなどと通信している1以上のその他の計算機の一部であり得る。
したがって記憶媒体は、プロセッサーによる実行のための命令またはコードが記憶された機械またはコンピューター可読媒体の例を表し得る。機械またはコンピューター可読媒体は、一般的に命令をプロセッサーに提供するのに使用される任意の1または複数の媒体を指し得る。モジュールに関連するこのような機械またはコンピューター可読媒体は、コンピューターソフトウェア製品を備え得る。
入出力(I/O)インターフェースは、1以上の外付けデバイスを結合し、1以上の外付けデバイスからデータを受信し、1以上の外付けデバイスにデータを送信するよう構成され得る。該外付けデバイスはまた、様々な内蔵デバイスと共に、周辺デバイスとして公知であり得る。I/Oインターフェースは、様々な周辺デバイスを計算機またはプロセッサーに動作的に結合するため電気的接続および物理的接続の両方共に備え得る。I/Oインターフェースは、周辺デバイスと、計算機、またはプロセッサーとの間でデータ、アドレス、および制御信号を通信するよう構成され得る。I/Oインターフェースは、標準インターフェース、例えばスモールコンピューターシステムインターフェース(SCSI)、シリアルアタッチドSCSI(SAS)、ファイバチャネル、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、PCIエクスプレス(PCIe)、シリアルバス、パラレルバス、アドバンスドテクノロジーアタッチド(ATA)、シリアルATA(SATA)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、サンダーボルト、ファイヤーワイヤー、様々なビデオバスなどを実装するよう構成され得る。I/Oインターフェースは、1つのインターフェースまたはバス技術のみを実装するよう構成され得る。I/Oインターフェースは、複数のインターフェースまたはバス技術を実装するよう構成され得る。
代替的に、I/Oインターフェースは、複数のインターフェースまたはバス技術を実装するよう構成され得る。I/Oインターフェースは、システムバスの一部として、全部として、または、システムバスと併せて動作するよう構成され得る。I/Oインターフェースは、1以上の外付けデバイス、内蔵デバイス、計算機、またはプロセッサーの間での伝送情報を一時的に蓄える1以上のバッファーを備え得る。
I/Oインターフェースは、計算機を、マウス、タッチスクリーン、スキャナー、電子デジタイザ、センサー、レシーバー、タッチパッド、トラックボール、カメラ、マイクロホン、キーボード、その他のポインティングデバイス、またはこれらの組合せを含む様々な入力デバイスに結合し得る。I/Oインターフェースは、計算機を、ビデオディスプレイ、スピーカー、プリンタ、プロジェクタ、触覚フィードバックデバイス、自動制御器、ロボット部品、アクチュエーター、モーター、ファン、ソレノイド、バルブ、ポンプ、トランスミッター、信号エミッター、照明などを含む様々な出力デバイスに結合し得る。
計算機は、ネットワークにわたる1以上の他のシステムまたは計算機へのネットワークインターフェースを介して論理接続を用いてネットワーク化環境で動作し得る。ネットワークは、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、イントラネット、無線アクセスネットワーク、有線ネットワーク、モバイルネットワーク、電話網、光ネットワーク、またはこれらの組合せを備え得る。ネットワークは、パケット交換式、回路スイッチ式、または任意のトポロジーであり得て、任意の通信プロトコールを用い得る。ネットワーク内部の通信リンクは、様々なデジタルまたはアナログ通信媒体、例えば光ファイバケーブル、自由空間光学系、導波路、導電体、無線リンク、アンテナ、無線周波数通信などを含み得る。
プロセッサーは、システムバスを介して、計算機の他の要素または本明細書で述べられる様々な周辺デバイスに接続され得る。システムバスは、プロセッサーの内部、プロセッサーの外部、または両方にあり得ると理解されるべきである。いくつかの実施態様によれば、プロセッサーのいずれか、計算機の他の要素、または本明細書で述べられる様々な周辺デバイスは、単一のデバイス、例えばシステムオンチップ(SOC)、システムオンパッケージ(SOP)、またはASIC装置などに統合され得る。
実施態様は、本明細書に記載され、例示される機能を具現化するコンピュータープログラムを備え得て、該コンピュータープログラムは、機械可読媒体に記憶された命令と当該命令を実行するプロセッサーとを備えるコンピューターシステムに実装される。しかしながら、実施態様を実装する多くの種々の方法がコンピュータープログラミングにおいて存在し得ると理解されるべきであり、実施態様は、コンピュータープログラム命令のいずれか1つのセットに限定されるものとして解釈されるべきではない。さらに、当業者は、本明細書に記載の開示される実施態様のうちの1以上の実施態様を実装するためにこのようなコンピュータープログラムを記述できるであろう。したがって、プログラムコード命令の特定のセットの開示内容は、どのように実施態様を作り、使用するかについての適切な理解のため必要であるとは考えられない。さらに、当業者は、本明細書に記載の実施態様のうちの1以上の態様が、1以上のコンピューティングシステムにおいて具現化され得るように、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せにより行われ得ると理解するだろう。さらに、コンピューターによって行われている行為への言及は、2以上のコンピューターがこの行為を行い得るので、1台のコンピューターによって行われているものとして解釈されるべきではない。
本明細書に記載の例示的な実施態様は、以前に記載された方法および処理機能を行うコンピューターハードウェアおよびソフトウェアと共に使用され得る。本明細書に記載のシステム、方法および手順は、プログラマブルコンピューター、コンピューター実行可能なソフトウェア、またはデジタル回路において具現化され得る。ソフトウェアは、コンピューター可読媒体に記憶され得る。例えば、コンピューター可読媒体としては、フレキシブルディスク、RAM、ROM、ハードディスク、着脱式媒体、フラッシュメモリ、メモリスティック、光学媒体、磁気光学媒体、CD−ROMなどが挙げられ得る。デジタル回路としては、集積回路、ゲートアレイ、ビルディングブロック論理、フィールドプログラミングゲートアレイ(FPGA)などが挙げられ得る。
方法、システムおよび試験キットは、自動認識およびデータ取得(AIDC)、例えば無線ID(Radio-frequency identification)タグまたはカード(RIF)のための手段を組み込み得る。
誤解を避けるために、上記の本発明の説明は、本発明のシステムおよび試験キットに適用され、その結果すべての実施態様は適用され得る。しかしながら、説明が直接システムおよび試験キットにどのように適用されるかの明確性のためにおよび例証として、さらに特定の実施態様を以下に示す。
システムまたは試験キットは、本明細書に定義されるように、対象体、特にモニタリングを必要とする対象体によるホームユースに適し得る。いくつかの実施態様において、試験システムまたはキットは、携帯用システムの形態を取る。本発明のシステムが基づき得る典型的なシステムは、AlereTM DDS(登録商標)2モバイル試験システムである。このシステムは、試験カートリッジが挿入されるアナライザーを含む。その後、ユーザーはまた、検体採取デバイスをアナライザーに挿入する。アナライザーは、結果を読み取るためにフルカラースクリーンを組み込む。したがって、アナライザーは、アッセイの実行を可能にするプロセッサーおよび記録媒体を備える。試験カートリッジは、尿中マーカーのレベルを測定するための1以上の試験デバイスを表す。本発明のシステムまたは試験キットは個別の検体採取デバイスを組み込み得るか、またはこれは1以上の試験デバイスに統合され得る。
特定の実施態様において、システムまたは試験キットは、さらにプロセッサーから出力するためのディスプレイを含む。これは、尿検体において実施されるアッセイの単純な視覚的および/または音声的読取を与えることを意図する。ディスプレイは、コンピューターアプリケーションを実行するプロセッサーに操作しやすく接続され得る。いくつかの実施態様において、出力および読取は、対象体への指示であり得る。用いられるアルゴリズムに応じて、適切な読取は、「試験頻度の増加/減少」より選択され得て、例えば特定のレベルもしくは頻度、または「実行者の訪問」もしくは同等な言い回しであり得る。出力は、本明細書で述べられるようにモニタリングの様々な可能な結果を反映するコード化されたまたは数字の色であり得る。ディスプレイは、検体中の測定されたマーカーレベルを提供し、およびデータの解釈においてユーザーを支援するために適切な訓練および/または文書化を提供することができる。しかしながら、これは、ヒューマンエラーに対する脆弱性の明白な理由で好ましくない。しかしながら、いくつかの実施態様において、両方のタイプの情報の組合せが示され得る。したがって、いくつかの実施態様において、ディスプレイは定量的および定性的な読取両方を示し得る。いくつかの実施態様において、予測的で特定結果に関する確率値はまた出力を表し得る。
1以上の試験デバイスは、ホームユースに適した任意の形態であり得る。マーカーを検出する様々な方法が本明細書に記載されており、この説明から当業者は適切な対応するホームユースデバイスの形態を十分決定できるだろう。
特定の実施態様において、1以上の試験デバイスは、尿検体が適用される使い捨ての単回使用デバイスを含む。典型的に1以上の試験デバイスは、検体が加えられる検体適用ゾーンを含み得る。一般的に、検体適用ゾーンは、比較的大量の検体、例えば10、20、30、40または50 mlまたはそれ以上を受け取り得る。典型的にデバイスはまた、一度検体適用ゾーンに適用された検体のための液体/キャピラリーフロー経路を定義する固体支持体を組み込む。検体適用ゾーンは、固体支持体の不可欠な部分であり得る。固体支持体は、クロマトグラフィー媒質、例えばいくつかの実施態様において膜材料(例えばニトロセルロース)を含み得る。検体適用ゾーンに適用される尿検体は、典型的には、マーカーを検出するために必要な試薬に水分を補給するだろう。試薬は、活性が測定されるときに特異的にエフェクター分子のためのマーカーまたは基質と相互作用する結合試薬を含み得る。更なる試薬が、フロー経路に沿って固定され得る。この試薬は、マーカーと結合試薬の複合体に結合し得る。結合試薬は、典型的に、マーカーと結合試薬の複合体の固定化部位においてシグナルを(更なる試薬と結合することにより)提供するために標識される。適切な標識としては、当業者に容易に解されるように、蛍光標識、磁性標識、ラテックスまたは金が挙げられる。
結合試薬および更なる試薬は、典型的に抗体(本明細書で定義される)である。したがって、特定の実施態様において、1以上の試験デバイスは、ラテラルフロー試験ストリップを含み得る。いくつかの実施態様において、1つのラテラルフロー試験ストリップは、試験検体中で測定されるすべてのマーカーの検出を可能にするため用いられる。他の実施態様において、別のラテラルフロー試験ストリップは、測定される各マーカーに対して提供される。
デバイスはまた、検体が十分にデバイスを通り抜けたことを確認するためにコントロールゾーンを含む。これがそうでない場合、システムまたは試験キットは、例えばディスプレイにより、ユーザーに根拠の弱い結果を示し得る。デバイスは、本明細書で述べられるように競合またはサンドイッチアッセイとして働く。ELISA(酵素免疫測定法)は、本発明において用いられる試験デバイスに組込まれ得る適切なアッセイ形式の例である。また典型的には、1以上のマーカーレベルをするすべての試薬は、一度それらがデバイスに加えられたときに尿検体と相互作用し得るように、試験デバイス上に予め載せられている。これは介入を最小化し、それ故に対象体により生じるエラーを最小化する。したがって、効果的にデバイスは、検体に適用して同時にアッセイの結果を観察することをユーザーに要求のみし得る。
システムおよび試験キットは、炎症状態が対象体において経時的にモニターされることを可能にするために定量的読取を必要とする。したがって、システムまたは試験キットは、(プロセッサーおよび記録媒体と共に)定量的出力を提供するのに適切なリーダーを組み込み得る。すでに述べたように、この出力は、絶対的または相対的出力であり得る。適切なリーダーは、特定波長または光の波長にデバイスを曝露する照明器、および反射光または放射光に適切な検出器を組み込み得る。デバイスはまた、検出されるシグナルに基づいて対象体の現在の炎症状態を出力するのに適切なロセッサーおよびコンピューターアプリケーションを組み込む。したがって、コンピューターアプリケーションを実行するプロセッサーは、リーダーとの動作可能な接続にあるだろう。「動作可能な接続」は、要素間のシグナルまたは情報の交換を可能にする機能的な接続を意味する。
試験デバイスは、レベルが尿検体中で検出されるマーカーと結合する1以上の特定の結合試薬を含み得る。上記で述べられるように、タンパク質レベルを測定する場合、試薬は抗体を(誘導体、断片およびアプタマーを含むために)含み得る。RNAレベルを測定する場合、適切な試薬は、増幅反応が実行され、結果が試験デバイスから報告されることを可能にする核酸増幅試薬、例えばプライマー、プローブ、dNTPs、ポリメラーゼなどを含み得る。
1以上の試験デバイスは、上により詳細に述べられる酵素検出デバイスを含み得る。これらのデバイスは、特に酵素活性(例えばエフェクター分子、例えばMMP、カテプシンGおよびHNEの酵素活性)を調べるのに有用であり得る。1以上の試験デバイスは、プロテアーゼ活性の指示薬としてペプチド基質を測定するための試験デバイスを含み得る。
特定の実施態様において、試験デバイスは、
a. 尿検体へ加えるための指示薬分子であって、
i. 該プロテアーゼ活性が存在する場合に該プロテアーゼ活性により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる、指示薬分子;
b. 尿検体を受け取るための捕捉ゾーンであって、新しい結合部位を含む指示薬分子を固定するために指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子を含む捕捉ゾーン;ならびに
c. 新しい結合部位に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含む。
複数のマーカーを検体中で測定する場合、システムまたは試験キットは、各マーカーが検出されるのを可能にするために適切な数の試験デバイスを組み込み得る。これは特に、種々のプラットフォームを用いてマーカーを検出する場合である。したがって、いくつかの実施態様において、エフェクター分子のレベルを測定するための1以上の試験デバイスは、1以上のラテラルフロー活性アッセイ、ELISA、蛍光原基質アッセイなどを含む。いくつかの実施態様において、エフェクター阻害分子のレベルを測定するための1以上の試験デバイスは、1以上のラテラルフロー活性アッセイ、ELISAまたは競合アッセイを含む。いくつかの実施態様において、シグナル分子のレベルを測定するための1以上の試験デバイスは、1以上のラテラルフローアッセイおよびELISAを含む。
上記で述べられるように、本発明は、個別化された対象体閾値により、該閾値は、対象体のためのベースライン(例えばマーカー方式によるマーカー上)に対して算出され得る。したがって、いくつかの実施態様において、コンピューターアプリケーションは、対象体に適したマーカーの閾値レベルを参照して少なくとも1つのマーカーのレベルをプロセッサーに算出させる。また上記で述べられるように、マーカーの閾値レベルは、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて設定される。これらの早期の時点は、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含み得る。したがって、閾値は、マーカーレベルがベースラインを提供するために測定されたもの内でスライディングウィンドウを参照して設定され得る。したがって閾値レベルはシステムにより「学習される」。それは固定閾値でなく、対象体に適応され、それにより増悪事象を予測しないかまたは示さないベースラインからのマーカーレベルにおける軽微な変動を考慮に入れる。したがって閾値は、統計的に有意なレベルの増加(または減少)が示されるものを越えてマーカーレベルの許容範囲を規定するためにベースライン近くに設定され得る。マーカーのベースラインレベルの漂流が存在する場合、パラメーター限界は、マーカーレベルの更なる変化が有意であるとみなされるように狭くなり得る。例えば、ベースラインマーカーレベルが経時的に上昇する場合、測定された増加とベースライン間の差異は、閾値を超えた(すなわち有意である)とみなされるためにより小さい必要があり得る。これは、「遅発性」増悪の見落しを防ぐことを意図する。マーカーの閾値レベルは、対象体が炎症の増悪を患っていなかった早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて設定され得る。該分析に適用し得る適切な方法は当該技術分野において公知であり、変動解析、例えばトレンド除去変動解析(DFA)または線あてはめの他の形式を含む。
ある特定の実施態様において、コンピューターアプリケーションは、対象体に対して少なくとも1つのマーカーレベルを測定する要求をプロセッサーに指示させる。他の実施態様において、コンピューターアプリケーションは、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの増加が算出される場合に対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つのマーカーレベルを測定する頻度を増加させる要求をプロセッサーから出力するよう構成される。コンピューターアプリケーションは、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの減少が算出されるまで少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定する頻度を増加させたまま維持する要求をプロセッサーから出力するよう構成され得る。
特定の実施態様において、システムまたは試験キットは、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも2つまたは3つのマーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイスを含む。いくつかの実施態様において、コンピューターアプリケーションは、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの算出された増加が炎症の増悪を示すもしくは予測するというプロセッサーのから出力を提供するよう構成される。コンピューターアプリケーションは、好中球活性化マーカーの少なくとも1つのレベルの減少を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の算出された減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測するというプロセッサーからの出力を提供するよう構成され得る。更なる実施態様において、コンピューターアプリケーションは、対象体の炎症状態をモニターするために少なくとも2つまたは3つのマーカーの算出されたレベルを所定の順序で分析するように構成される。上記で述べられるように、マーカーは、ウェイトを与えられ得る。したがって、コンピューターアプリケーションは、少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルに適切なウェイトとして適用および/または算出するよう構成され得る。
特定の実施態様において、コンピューターアプリケーションは、基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つのマーカーレベルを算出し、また典型的には同一尿検体中で測定するよう構成される。適切な基準マーカーは、本明細書に述べ有れており、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンが挙げられる。更なるマーカーとしては、例えばテストステロングルクロニドにより測定される、尿量が挙げられ得る。比重および色は、他の標準化または基準マーカーであり得る。
ある特定の実施態様において、コンピューターアプリケーションは、さらに、対象体の現在の炎症状態の算出に炎症の増悪の他の指標を組み込むように構成される。これらの炎症の増悪の他の指標は、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱を含み得る。モニターされ得る指標は、1秒間努力肺活量(FEV1)であり得る。
したがって、コンピューターアプリケーションは、特に個別化された「変動する」閾値に関して、対象体モニタリングを可能にする関連するアルゴリズムを実行する。ある特定の実施態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のマーカーの各々のレベルの増加が算出される場合、コンピューターアプリケーションは、炎症の増悪の指示または予測をプロセッサーから出力するよう構成される。特定の実施態様において、出力は、対象体が処置を受けるべきであるという指示である。他の実施態様において、コンピューターアプリケーションは、いずれのマーカーレベルの増加も検出されない場合、炎症状態が安定とみなされ、および/または試験頻度が維持されるという指示をプロセッサーから出力するよう構成される。いくつかの実施態様において、マーカーのうちの1つのレベルの増加が算出されるが、他の2つのマーカーにおいては算出されない場合、コンピューターアプリケーションは、試験頻度を増加するという指示をプロセッサーから出力するよう構成される。コンピューターアプリケーションは、マーカーの1つの増加したレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻らない限り、試験頻度を増加するという指示をプロセッサーから出力するよう構成され得る。コンピューターアプリケーションは、マーカーの1つのレベルが繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻っているかを算出し得る。特定の実施態様において、マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻っている場合、コンピューターアプリケーションは、試験頻度を元の頻度に戻すというプロセッサーからの出力を生じる。更なる実施態様において、マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションは、試験頻度をさらに増加するというプロセッサーからの出力を生じる。また更なる実施態様において、マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションは、炎症の増悪が示されるかもしくは予測され、および/または対象体が処置されるべきであるというプロセッサーからの出力を生じる。
いくつかの実施態様において、マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内に非増加レベルに戻る場合、コンピューターアプリケーションは、試験頻度を増加させた(しかしながらさらに増加はさせていない)試験頻度に戻すというプロセッサーからの出力を生じる。更なる実施態様において、マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で非増加レベルのままである場合、コンピューターアプリケーションは、試験頻度を元の頻度(すなわち試験の基準レベル)に戻すというプロセッサーからの出力を生じる。特定の実施態様において、マーカーのうちの2つのレベルにおいて増加が測定されるが、他のマーカーにおいて増加が測定されない場合、コンピューターアプリケーションは、試験頻度を増加するというプロセッサーからの出力を生じる。このような実施態様において、マーカーのうち1つのみにおいて増加したレベルが検出される場合より多い頻度に試験頻度を増加し得る。ある特定の実施態様において、マーカーの少なくとも1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻る場合、コンピューターアプリケーションは、マーカーの1つのレベルにおいて決められた増加を示す試験頻度に試験頻度を戻すというプロセッサーからの出力を生じる。マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションは、試験頻度を再度増加するというプロセッサーからの出力を生じ得る。マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションは、炎症の増悪が示されるかもしくは予測され、および/または対象体が処置されるべきであるというプロセッサーからの出力を生じ得る。
他の実施態様において、マーカーの2つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションは、炎症の増悪が示されるかもしくは予測され、および/または対象体が処置されるべきであるというプロセッサーからの出力を生じる。
本発明において、コンピューターアプリケーションは、好中球活性化マーカーの少なくとも1つのレベルの減少を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の算出された減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測するというプロセッサーからの出力を提供するよう構成され得る。誤解を避けるために、記載される出力のすべては、適切なディスプレイモジュールにより表示され得て、これはプロセッサー/コンピューターアプリケーションと動作可能な接続にある。
一般的に、コンピューターアプリケーションは、対象体の炎症状態をモニターするために少なくとも3つのマーカーの算出されたレベルを所定の順序で分析するように構成され得る。コンピューターアプリケーションは、少なくとも3つのマーカーの測定されたレベルにウェイト付けるよう構成され得る。特定の実施態様において、第1のマーカーがTIMP2であり、第2のマーカーがMMP活性であり、第3のマーカーがA1ATである。他の好ましいマーカーおよび組合せは上記本明細書に記載される。
本発明は、付属する図面に関して例として記載される。
図1は、本発明で有用なアッセイの4つの異なる型の概略図である。各型は、固体支持体(1)、捕捉分子(2)、捕捉部位(3)および切断部位(4)を含む指示薬分子、ならびに切断(6)が生じた後のみ指示薬分子に結合する結合分子(5)の同じ基本構成要素による。 図2は、本発明で有用な酵素検出デバイスの概略図であり、酵素切断活性が非存在下(図2A)または存在下(図2B)でのデバイスの操作を示す。 図3は、試験検体中におけるMMP活性のレベルとしてのアッセイ(図2に示す)の視覚的読取が増加することを示す。 図4は、本発明で有用な酵素検出デバイスの概略図である。図は、各カード構成要素の正確な長手寸法および位置を示す。 図5は、構造上拘束される指示薬分子の合成例を示す。 最初に図5Aにおいて、線状ペプチド(1)を例えば固相Fmoc chemistryを用いて合成する。該ペプチドを例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製し得る。その後、ペプチドをペプチド上のチオール基(2)と足場分子(3)間での反応により拘束または環化する。この反応により構造上拘束され「クリップされた」ペプチド(4)が生じる。 図5Bにおいて、指示薬分子は、例えば予め負荷したビオチン-PEG残基上における線状ペプチドの合成により、捕捉部位(1)を含めるように合成される。 図6は、概略的に、本発明において用いられる結合分子が排他的に切断指示薬分子に結合できることを示す。酵素切断活性が存在しない場合、構造上拘束される指示薬分子(1)は抗体結合分子(2)により結合されない。この抗体は抗原として切断指示薬分子(3)を用いて生成され、それ故にこの分子の「開いた」形態にのみ結合する。 図7(図7Aおよび7B)は、スパイクされたMMP-9緩衝液検体で実施した場合の本発明で有用なアッセイの感度を示す。MMP-9の検出限界は、検体量75μlに対し約4ng/mlであった。図7Aは、MMP-9の濃度範囲全体にわたる読取値を示し、一方図7Bは、0〜15 ng/mlのMMP-9濃度における拡大図である。 図8は、本発明で有用なアッセイの特定の型が、MMP13、MMP12、MMP9、MMP8およびMMP2にバイアスがかけられた切断可能な配列を用いることを示す。本発明のアッセイの他の型は、必要とされる適用に応じた異なる標的を有する配列が用いられ得る。 図9は、活性なプロテアーゼ(特にMMP-9を含むMMP)の測定可能な量が尿検体中で見られ、より高いレベルが呼吸器疾患の患者から得られた検体中に存在することを示す。有意な差異が、健常なコントロールから採取された検体と比較したときCOPDの検体で見られ(P=0.03)、そしてCFの検体でも健常コントロールに対して見られた(P=0.01)。 図10は、EDTAの有無におけるMMP活性を検出するアッセイの性能を比較するグラフである。該グラフは、創傷検体へのEDTAの添加が検体中におけるMMPの存在を確認し、アッセイが活性なMMPを特異的に測定することも確認する読み出しを抑制することを示す。 図11は、市販の活性なMMP-9アッセイキットとMMP9を検出する本発明のアッセイの性能を比較するグラフ(図11Aおよび11B)を含む。図11Aは、MMP-9の濃度範囲全体にわたる読取値を示し、一方図11Bは、0〜50 ng/mlのMMP-9濃度における拡大図である。両方の図は、本発明の方法が急勾配の曲線を生じることを実証する。両方のアッセイによれば、吸光度の値により示される発色は、最も低い標準試験物の4ng/ml MMP9で見られた。 図12は、本発明の実施態様のELISAおよびラテラルフローを用いるMMP9標準曲線を示す。 図13は、本明細書に記載の指示薬分子において有用な多くの足場分子を示す。 図14は、命名案と一緒に、本明細書に記載の指示薬分子において有用な多くの足場分子を示す。 図15は、指示薬分子への足場分子のいくつかの結合選択肢を示す。図15Aは1つの切断部位における切断の生成物を示し、図15Bは2つの別々の切断部位における切断の生成物を示す。 図16は、MOL386ペプチドのHPLC分析を示す。 図17は、MOL386ペプチドのマススペクトルである。 図18は、PEG-ビオチン修飾MOL386ペプチドのマススペクトルである。 図19は、環化MOL386ペプチドのマススペクトル解析である。 図20は、PEG-ビオチン修飾環化MOL386ペプチドのマススペクトル解析である。 図21は、図1に示すすべての組合せについてのMMP9標準曲線を示す。 図22は、図21に示す結果から導き出した最も良い組合せの成績を示す。 図23は、組合せを含む本発明で有用な炎症バイオマーカーの指示を示す。マーカーは、炎症経路に従い分類され、肺増悪を特徴付ける好中球活性化プロセスを反映する。 図24は、マーカーのMMP/TIMP/A1ATクラスターに基づくCOPD患者管理についての可能なアルゴリズムを示す。 図25は、COPD増悪のオンセットの特定でのMMP/TIMP/A1ATクラスターの成績を示す。 図26は、COPD増悪からの回復の特定でのMMP/TIMP/A1ATクラスターの成績を示す。 図27は、COPD増悪のオンセットの特定でのMMP/TIMP/A1ATクラスターの成績を示す。 図28は、いくつかのパーソナルプロファイルの例を示す。最初のベースライン(BL)検体からの差異パーセンテージとして各検体をグラフ化した(スケール無し)。 図29は、肺増悪を特定するための様々なマーカー組合せの成績を示す。更なるマーカーは、パーセンテージ値によって示すように検出感度を増加させる。 図30は、肺増悪を特定するための様々なマーカー組合せの成績を示す。更なるマーカーは、パーセンテージ値によって示すように検出感度を増加させる。 図31は、肺増悪を特定するための様々なマーカー組合せの成績を示す。更なるマーカーは、パーセンテージ値によって示すように検出感度を増加させる。 図32は、比率を与えるためにクレアチニンレベルに対して標準化されるときの肺増悪を特定するための様々なマーカー組合せの成績を示す。更なるマーカーは、パーセンテージ値によって示すように検出感度を増加させる。 図33は、特定の尿中マーカーの嚢胞性線維症における有意性を示す。増悪は、MMPとTIMP2レベル間の不均衡により特徴付けられる。 図34は、Ac-PGP競合EIAアッセイのうちの1つの概略図を示す。 図35は、1000 ng/mlから15.625 ng/mlに至るまでの範囲の標準を有するAc-PGP競合EIAアッセイ結合形式を用いて得られた検量線を示す。 図36は、fMLP競合EIAアッセイ形式の概略図を示す。 図37は、50 ng/mlから0.78 ng/mlに至るまでの範囲の標準を有するfMLP競合的結合形式を用いて得られた検量線を示す。 図38は、デスモシン断片競合EIAアッセイの概略図である。 図39は、酵素(HNE)の濃度増加により破壊される全エラスチン(右側のピーク)についてのプロファイルを示すHPLC分析を示す。 図40は、増悪検体に対する安定した尿中CRPレベルを示す。 図41Aは、PEx予測におけるCRP、デスモシンおよびIL1βの組合せの成績を示す。図41Bは、PEx回復におけるCRP、デスモシンおよびフィブリノゲンの成績を示す。 図42は、モデル1aについてのロジスティック回帰プロットおよびROCを示す。 図43は、モデル1bについてのロジスティック回帰およびROCプロットを示す。 図44は、モデル2aについてのロジスティック回帰プロットを示す。 図45は、モデル2bについてのロジスティック回帰プロットを示す。 図46は、モデル2cについてのロジスティック回帰プロットを示す。 図47は、モデル2a、2bおよび2cについてのROCプロットを示す。 図48は、組合せ1についての決定木を示す。 図49は、組合せ2についての決定木を示す。 図50は、組合せ3についての決定木を示す。 図51は、組合せ4についての決定木を示す。 図52は、組合せ5についての決定木を示す。 図53は、組合せ6についての決定木を示す。 図54は、組合せ7についての決定木を示す。 図55は、組合せ8についての決定木を示す。
(詳細な説明および実施例)
図1は、本発明の実施、特にエフェクター分子(特にプロテアーゼ、例えばMMP)の検出に有用なアッセイの4つの異なる型の概略図である。各型は、固体支持体(1)、捕捉分子(2)、捕捉部位(3)および切断部位(4)を含む指示薬分子、ならびに切断(6)が生じた後のみ指示薬分子に結合する結合分子(5)の同じ基本構成要素による。
型1および4において、捕捉分子(2)はストレプトアビジンである。ここで、捕捉分子(2)は指示薬分子内のビオチン捕捉部位(3)に結合する。型2および3において、捕捉分子(2)は抗体である。ここで、捕捉分子(2)は指示薬分子内のエピトープ捕捉部位(3)に結合する。エピトープは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)に由来する代替長鎖ペプチド(ALP)で見られる。
指示薬分子を試験検体に加えると、特異的に切断部位(4)の存在を認識する任意の酵素は、指示薬分子を切断し得る(6)。この切断事象(6)は、特定の抗体結合分子(5)のための結合部位を生じる。結合分子(5)は、切断(6)が生じるまで指示薬分子に結合できない。したがって、型1および3において、抗体結合分子(5)は、GPQGIFGQ配列の切断の結果として生じるアミノ酸配列GPQGに結合する。一方、型2および4において、抗体結合分子(5)は、GPQGIFGQ配列の切断の結果としてまた生じるアミノ酸配列QGFIに結合する。各型において、抗体結合分子(5)は切断前のGPQGIFGQ配列(示していない)には結合しない。
図2は、本発明で用いられる酵素検出デバイスの概略図であり、尿検体中の酵素切断活性が非存在下(図2A)または存在下(図2B)でのデバイスの操作を示す。試験ストリップは、デバイスの他の構成要素がその上に組み立てられる粘着性ライナー(1)を含む。右から左へ、検体適用ゾーン(2)は吸収パッドの形態をしている。これは、標識結合分子(7)を含浸させるコンジュゲートパッド(3)と部分的に重ねて置かれる。代替的実施態様において、標識結合分子は検体適用ゾーンに含浸され得て、これは別のコンジュゲートパッドの必要性を取り除く。コンジュゲートパッド(3)は、ニトロセルロースメンブレン(4)と流動接続されている。ニトロセルロースメンブレン(4)は、捕捉ゾーンを定義する固定化ストレプトアビジン分子(5)を含む。該メンブレン(4)は、さらに、検体を備えるデバイスを通過して別のコントロールゾーンを形成する更なる標識分子(11)に結合する捕捉ゾーンの下流に固定化された更なる結合分子(6)を含む。あるいは、固定化された更なる結合分子は、標識結合分子(7)に結合し得る。当該デバイスは、適宜さらに、デバイスの末端に達する任意の試験検体および試薬を吸収するための吸収パッド(8)を含む。
使用において、デバイスの検体適用ゾーン(8)と試験検体を接触させる前に、指示薬分子(9)を試験検体に加える。図2Aに示すとおり、試験検体中に酵素切断活性が存在しない場合、指示薬分子(9)は切断部位において切断されないままである。コンジュゲートパッド(3)への検体フロー後、切断部位の切断が生じないため、結合分子(7)は指示薬分子(9)に結合できない。該指示薬分子は、ストレプトアビジン(5)と指示薬分子(9)のビオチン捕捉部位(10)との相互作用により捕捉ゾーンにおいて結合されることになる。標識結合分子(7)は、指示薬分子(9)に結合できないため捕捉ゾーンにおいて固定化されない。したがって標識結合分子は、コントロールゾーンを通り抜けそれを越えて流出する。更なる標識分子(11)はまた、デバイスを通って、固定化された更なる結合分子(6)に結合することにより固定化されたコントロールゾーンへ通り抜ける。したがって、酵素切断活性が存在しないことは、コントロールゾーンにおいてのみシグナルとして示され、捕捉ゾーンにおいては示されない。可能性として標識結合分子(7)を含む過剰な検体は、吸収パッド(8)に流入する。
図2Bに示すとおり、試験検体中に酵素切断活性が存在する場合、指示薬分子(9)は切断部位において切断される。コンジュゲートパッド(3)への検体フロー後、切断部位の切断が生じるため、結合分子(7)は指示薬分子(9)に結合できる。該指示薬分子は、ストレプトアビジン(5)と指示薬分子(9)のビオチン捕捉部位(10)との相互作用により捕捉ゾーンにおいて結合されることになる。標識結合分子(7)は、切断部位において指示薬分子(9)に結合するため捕捉ゾーンにおいて固定化される。捕捉ゾーンにおける結合部位に対して標識結合分子(7)が相対的に過剰であるため、いくらかの標識結合分子(7)は、コントロールゾーンを通り抜けそれを越えて流出する。更なる標識分子(11)はまた、デバイスを通って、固定化された更なる結合分子(6)に結合することにより固定化されたコントロールゾーンへ通り抜ける。したがって、酵素切断活性レベルは、捕捉ゾーンにおいてシグナルにより測定され得る(そしてシグナルはまた、コントロールゾーンにおいて示されるだろう)。ビオチン捕捉部位(10)を含まない指示薬分子の切断生成物を可能性として含む過剰な検体は、吸収パッド(8)に流入する。
コントロールゾーンは任意であることに留意されたい。尿検体中の酵素切断活性レベルは、捕捉ゾーンにおける対応するシグナルの測定に基づいてモニターできる。
図3は、試験検体中におけるMMP活性のレベルとしてのアッセイ(図2に示す)の視覚的読取が増加することを示す。容易に理解できるように、コントロールゾーン(1)におけるシグナルは、MMP量の増加に一定である。対照的に、MMP量の増加につれて捕捉ゾーン(2)におけるシグナルも増加する。これは、MMP活性による切断部位における指示薬分子の切断による。これは、結合部位が、捕捉ゾーンを定義する捕捉分子と指示薬分子の捕捉部位との相互作用により捕捉ゾーン(2)において検出される結合分子の結合を可能にすることを明らかにする。尿検体中のエフェクター分子レベルを提供するために捕捉ゾーンにおけるシグナル強度を測定し得る。これはまた適切なリーダーを用い得る。
図4は、本発明で有用な一特定の酵素検出デバイスの概略図である。下記の表は、図の凡例を提供し、この特定の実施態様における各カード構成要素の長手寸法および位置を明示する。当然、当該寸法および位置は、容易に当業者に解されるように変化し得る。
図5は、構造上拘束される指示薬分子の合成例を示す。更なるスペーサーまたはリンカー領域が切断領域と足場分子の結合部位との間に含まれ得ることに留意されたい。
最初に図5Aにおいて、線状ペプチド(1)を例えば固相Fmoc chemistryを用いて合成する。該ペプチドを例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製し得る。その後、ペプチドをペプチド上のチオール基(2)と足場分子(3)間での反応により拘束または環化する。この反応により構造上拘束され「クリップされた(clipped)」ペプチド(4)が生じる。
図5Bにおいて、指示薬分子は、例えば予め負荷したビオチン-PEG残基上における線状ペプチドの合成により、捕捉部位(1)を含めるように合成される。
図6は、概略的に、本発明のいくつかの実施態様において用いられる結合分子が排他的に切断指示薬分子に結合できることを示す。酵素切断活性が存在しない場合、構造上拘束される指示薬分子(1)は抗体結合分子(2)により結合されない。この抗体は抗原として切断指示薬分子(3)を用いて生成され、それ故にこの分子の「開いた」形態にのみ結合する。
図13および14は、本発明において用いられるための様々な適切な足場分子を示す。
図15は、概略図で、指示薬分子への足場分子のいくつかの結合選択肢を示す。図15Aは1つの切断部位における切断の生成物を示し、図15Bは2つの別々の切断部位における切断の生成物を示す。
図24は、本発明で有用なアルゴリズムを示す。この特定のアルゴリズムは、安定した疾患中および増悪中に採取された尿検体中のTIMP-2濃度、MMP活性およびA1AT濃度の実測に基づいてデザインされた。アルゴリズムはまた、増悪の前、間および後に観察される変化のバイオマーカープロファイルおよびパターンに基づく。この特定のアルゴリズムは、好中球由来プロテアーゼとプロテアーゼ阻害剤シールド間のバランスにおける重要な変化を理解するようデザインされる。しかしながら、このアルゴリズムに適用され開発された原理は、明白に本明細書に記載の他の尿中マーカーおよび組合せに適用可能である。アルゴリズムは、増悪時に個々に上昇する代替的なバイオマーカー値についての単純な順次検索の初期データ分析プロセスを越える。特定の試験事象で増加しているそれらの1つまたはその他により大部分の場合において明確に増悪を特定するためにそれらが組み合され得るため、該単純な手順は、どのバイオマーカーをアルゴリズムに含めることが適切かを特定する有用な方法である。
増悪の予測因子としての使用において、アルゴリズムは、様々な他の重要な要素、例えば:
- サンプリング頻度
- 2以上のバイオマーカーが増加するとき実測に追加のウェイトを与えること
- 個々のマーカー増加に誘発されるサンプリング頻度を増加すること
- 個人のバイオマーカー閾値を変動すること
- 特定の定義される状態が優勢であるとき切り替える適切なサブルーチン
を考える。
図24に示すアルゴリズムは、治療的介入のためのトリガーへバイオマーカー変化を解釈する合理的な手段を提供するためにこれら要素のすべてを考慮に入れる。アルゴリズムは、バイオマーカープロファイルの有意義な変化の検出のためのロバストな基準を提供するために安定な疾患状態において繰り返し試験することにより個人の閾値確立を組み込む。
本発明は、さらに以下の番号づけられた条項群で定義され得る。
1. 対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する方法。
2. 少なくとも1つの好中球活性化マーカーが、シグナル分子またはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される、条項1に記載の方法。
3. エフェクター分子が、プロテアーゼ活性、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)、カルプロテクチンまたはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される、条項2に記載の方法。
4. プロテアーゼ活性が、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、HNE活性およびカテプシンG活性より選択される、条項3に記載の方法。
5. MMP活性が、MMP9および/またはMMP8活性を含む、条項4に記載の方法。
6. プロテアーゼ活性が、ペプチド基質の切断の測定により決定される、条項3〜5のいずれかに記載の方法。
7. プロテアーゼ活性が、
a. 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
i. 存在する場合に該プロテアーゼにより切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる);
b. 試験検体に新しい結合部位に結合できる結合分子を加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
c. 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて新しい結合部位を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
d. 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の新しい結合部位への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること
を含む方法によって測定される、条項3〜6のいずれかに記載の方法。
8. エフェクター阻害分子が、プロテアーゼ阻害分子である、条項2〜4のいずれかに記載の方法。
9. プロテアーゼ阻害分子が、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンCおよびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択される、条項5に記載の方法。
10. シグナル分子が、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲンおよびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される、条項2に記載の方法。
11. 少なくとも1つの好中球活性化マーカーが、炎症の結果として産生される分子を含むかまたはそれをさらに含む、前記条項のいずれかに記載の方法。
12. 炎症の結果として産生される分子が、プロテアーゼ活性の分解産物、例えば細胞外マトリックス分解産物(例えばAc-PGP、エラスチン断片/ペプチド、デスモシン)および/または酸化損傷の産物、例えば塩素化ペプチドおよび/または代謝物、例えば乳酸および遊離脂肪酸を含む、条項5に記載の方法。
13. 炎症状態が、肺炎症状態である、前記条項のいずれかに記載の方法。
14. 炎症の増悪が、肺増悪である、前記条項のいずれかに記載の方法。
15. 対象体が、呼吸器障害を患っている、前記条項のいずれかに記載の方法。
16. 呼吸器障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)である、条項15に記載の方法。
17. 少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加または減少が、対象体に適したマーカーの閾値レベルを参照して算出される、前記条項のいずれかに記載の方法。
18. マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより設定される、条項19に記載の方法。
19. 早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含む、条項19に記載の方法。
20. 対象体が炎症の増悪を患っておらず、閾値を超える増加が増悪を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより、マーカーの閾値レベルが設定される、条項19または20に記載の方法。
21. 対象体が炎症の増悪を患っており、閾値を下回る減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより、マーカーの閾値レベルが設定される、条項19または20に記載の方法。
22. 少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを少なくとも週に2回測定する、前記条項のいずれかに記載の方法。
23. 少なくとも1つのマーカーレベルの増加が検出される場合に対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定する頻度が増加される、前記条項のいずれかに記載の方法。
24. 少なくとも1つのマーカーレベルの減少が検出されるまで対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定する頻度が維持される、条項23に記載の方法。
25. 複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも2つまたは3つの好中球活性化マーカーのレベルを測定することを含む、前記条項のいずれかに記載の方法。
26. 尿検体中の好中球活性化マーカーの少なくとも1つのレベルの増加が、炎症の増悪を示すかまたは予測する、条項25に記載の方法。
27. 尿検体中の好中球活性化マーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少が、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する、条項25または26に記載の方法。
28. 少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルが、対象体の炎症状態をモニターするために所定の順序で分析される、条項25〜27のいずれかに記載の方法。
29. 少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルが、ウェイトを与えられる、条項25〜27のいずれかに記載の方法。
30. 基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを決定する、前記条項のいずれかに記載の方法。
31. 基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含む、条項31に記載の方法。
32. 炎症の増悪の他の指示薬をさらに含む、前記条項のいずれかに記載の方法。
33. 炎症の増悪の他の指標が、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱を含む、条項32に記載の方法。
34. a. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キット。
35. プロセッサーから出力するためのディスプレイをさらに含む、条項34に記載のシステムまたは試験キット。
36. 1以上の試験デバイスが、使い捨ての単回使用デバイスを含む、条項34または35に記載のシステムまたは試験キット。
37. 1以上の試験デバイスが、ラテラルフロー試験ストリップを含む、条項34〜36のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
38. 測定される各マーカーのためのラテラルフロー試験ストリップを含む、条項37に記載のシステムまたは試験キット。
39. 少なくとも1つの好中球活性化マーカーが、シグナル分子またはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される、条項34〜38のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
40. エフェクター分子が、プロテアーゼ活性、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)、カルプロテクチンまたはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される、条項39に記載のシステムまたは試験キット。
41. プロテアーゼ活性が、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、HNE活性およびカテプシンG活性より選択される、条項40に記載のシステムまたは試験キット。
42. MMP活性が、MMP9および/またはMMP8活性を含む、条項41に記載のシステムまたは試験キット。
43. 1以上の試験デバイスが、プロテアーゼ活性の指示薬としてペプチド基質を測定するための試験デバイスを含む、条項40〜42のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
44. 試験デバイスが、
a. 尿検体へ加えるための指示薬分子であって、
i. 該プロテアーゼ活性が存在する場合に該プロテアーゼ活性により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる、指示薬分子;
b. 尿検体を受け取るための捕捉ゾーンであって、新しい結合部位を含む指示薬分子を固定するために指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子を含む捕捉ゾーン;ならびに
c. 新しい結合部位に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含む、条項43に記載のシステムまたは試験キット。
45. エフェクター阻害分子が、プロテアーゼ阻害分子である、条項39〜44のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
46. プロテアーゼ阻害分子が、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンCおよびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択される、条項45に記載のシステムまたは試験キット。
47. シグナル分子が、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲンおよびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される、条項39に記載のシステムまたは試験キット。
48. 少なくとも1つの好中球活性化マーカーが、炎症の結果として産生される分子を含むかまたはそれをさらに含む、条項34〜47のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
49. 炎症の結果として産生される分子が、プロテアーゼ活性の分解産物、例えば細胞外マトリックス分解産物(例えばAc-PGP、エラスチン断片/ペプチド、デスモシン)および/または酸化損傷の産物、例えば塩素化ペプチドおよび/または代謝物、例えば乳酸および遊離脂肪酸を含む、条項48に記載のシステムまたは試験キット。
50. 炎症状態が、肺炎症状態である、条項34〜49のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
51. 炎症の増悪が、肺増悪である、条項34〜50のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
52. 対象体が、呼吸器障害を患っている、条項34〜51のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
53. 呼吸器障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)である、条項34〜52のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
54. コンピューターアプリケーションが、対象体に適したマーカーの閾値レベルを参照して少なくとも1つの好中球活性化マーカーのレベルをプロセッサーに算出させる、条項34〜52のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
55. マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて設定される、条項54に記載のシステムまたは試験キット。
56. 早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含む、条項55に記載のシステムまたは試験キット。
57. 対象体が炎症の増悪を患っておらず、閾値を超える増加が増悪を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて、マーカーの閾値レベルが設定される、条項55または56に記載のシステムまたは試験キット。
58. 対象体が炎症の増悪を患っており、閾値を下回る減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて、マーカーの閾値レベルが設定される、条項55または56に記載のシステムまたは試験キット。
59. コンピューターアプリケーションが、対象体に対して少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定する要求をプロセッサーに指示させる、条項34〜58のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
60. コンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの増加が算出される場合に対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定する頻度を増加させる要求をプロセッサーから出力するよう構成される、条項34〜59のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
61. コンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの減少が算出されるまで少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定する頻度を増加させたまま維持する要求をプロセッサーから出力するよう構成される、条項60に記載のシステムまたは試験キット。
62. 複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも2つまたは3つの好中球活性化マーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイスを含む、条項34〜61のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
63. コンピューターアプリケーションは、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの算出された増加が炎症の増悪を示すもしくは予測するというプロセッサーのから出力を提供するよう構成される、条項62に記載のシステムまたは試験キット。
64. コンピューターアプリケーションは、好中球活性化マーカーの少なくとも1つのレベルの減少を算出し、し、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の算出された減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測するというプロセッサーからの出力を提供するよう構成される、条項62または63に記載のシステムまたは試験キット。
65. コンピューターアプリケーションが、対象体の炎症状態をモニターするために少なくとも2つまたは3つのマーカーの算出されたレベルを所定の順序で分析するように構成される、条項62〜64のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
66. コンピューターアプリケーションが、少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルにウェイト付けるよう構成される、条項62〜65のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
67. コンピューターアプリケーションが、基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを算出するよう構成される、条項34〜66のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
68. 基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含む、条項67に記載のシステムまたは試験キット。
69. コンピューターアプリケーションが、さらに、対象体の現在の炎症状態の算出に炎症の増悪の他の指標を組み込むように構成される、条項34〜67のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
70. 炎症の増悪の他の指標が、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱を含む、条項69に記載のシステムまたは試験キット。
71. 条項34〜70いずれか1つに記載のコンピューターアプリケーション。
72. 対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも3つのマーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する方法。
73. マーカーの少なくとも1つが、シグナル分子またはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される、条項71または72に記載の方法。
74. エフェクター分子が、プロテアーゼ活性、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)、カルプロテクチンまたはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される、条項73に記載の方法。
75. プロテアーゼ活性が、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、HNE活性およびカテプシンG活性より選択される、条項74に記載の方法。
76. MMP活性が、MMP9および/またはMMP8活性を含む、条項75に記載の方法。
77. プロテアーゼ活性が、ペプチド基質の切断の測定により決定される、条項74〜76のいずれかに記載の方法。
78. プロテアーゼ活性が、
a. 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
i. 存在する場合に該プロテアーゼにより切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる);
b. 試験検体に新しい結合部位に結合できる結合分子を加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
c. 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて新しい結合部位を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
d. 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の新しい結合部位への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること
を含む方法によって測定される、条項74〜77のいずれかに記載の方法。
79. エフェクター阻害分子が、プロテアーゼ阻害分子である、条項73〜78のいずれかに記載の方法。
80. プロテアーゼ阻害分子が、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンCおよびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択される、条項79に記載の方法。
81. シグナル分子が、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲンおよびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される、条項73に記載の方法。
82. マーカーの少なくとも1つが、炎症の結果として産生される分子を含むかまたはそれをさらに含む、条項の72〜81いずれかに記載の方法。
83. 炎症の結果として産生される分子が、プロテアーゼ活性の分解産物、例えば細胞外マトリックス分解産物(例えばAc-PGP、エラスチン断片/ペプチド、デスモシン)および/または酸化損傷の産物、例えば塩素化ペプチドおよび/または代謝物、例えば乳酸および遊離脂肪酸を含む、条項82に記載の方法。
84. 炎症状態が、肺炎症状態である、条項72〜83のいずれかに記載の方法。
85. 炎症の増悪が、肺増悪である、条項72〜84のいずれかに記載の方法。
86. 対象体が、呼吸器障害を患っている、条項72〜85のいずれかに記載の方法。
87. 呼吸器障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)である、条項86に記載の方法。
88. マーカーレベルの増加または減少が、対象体に適した各マーカーの閾値レベルを参照して算出される、条項72〜87のいずれかに記載の方法。
89. 各マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中の各マーカーレベルを測定することにより設定される、条項89に記載の方法。
90. 早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含む、条項90に記載の方法。
91. 対象体が炎症の増悪を患っておらず、閾値を超える増加が増悪を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより、各マーカーの閾値レベルが設定される、条項90または91に記載の方法。
92. 対象体が炎症の増悪を患っており、閾値を下回る減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより、マーカーの閾値レベルが設定される、条項90または91に記載の方法。
93. マーカーレベルを少なくとも週に2回測定する、条項72〜92のいずれかに記載の方法。
94. 少なくとも1つのマーカーレベルの増加が検出される場合にマーカーレベルを測定する頻度が増加される、条項72〜93のいずれかに記載の方法。
95. マーカーの少なくとも1つのレベルの減少が検出されるまでマーカーレベルを測定する頻度が維持される、条項94に記載の方法。
96. 少なくとも3つのマーカーの各々のレベルの増加が検出される場合、対象体が、炎症の増悪を示すかまたは予測する、条項72〜93のいずれかに記載の方法。
97. 対象体の増悪が処置される、条項96に記載の方法。
98. いずれのマーカーレベルの増加も測定されない場合、炎症状態が安定とみなされ、および/または試験頻度が維持される、条項72〜97のいずれかに記載の方法。
99. マーカーのうちの1つのレベルの増加が測定されるが、他の2つのマーカーにおいて増加が測定されない場合、試験頻度を増加する、条項72〜98のいずれかに記載の方法。
100. マーカーの1つの増加したレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻らない限り、試験頻度を増加する、条項99に記載の方法。
101. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻る場合、試験頻度を元の頻度に戻す、条項100に記載の方法。
102. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で増加したレベルのままである場合、試験頻度をさらに増加する、条項100に記載の方法。
103. マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、炎症の増悪が示されるかまたは予測される、条項102に記載の方法。
104. 患者の増悪を処置する、条項103に記載の方法。
105. マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内に非増加レベルに戻る場合、試験頻度を増加させた(しかしながらさらに増加はさせていない)試験頻度に戻す、条項102に記載の方法。
106. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で非増加レベルのままである場合、試験頻度を元の頻度に戻す、条項105に記載の方法。
107. マーカーのうちの2つのレベルにおいて増加が測定されるが、他のマーカーにおいて増加が測定されない場合、試験頻度を増加する、条項72〜106のいずれかに記載の方法。
108. マーカーのうち1つのみにおいて増加したレベルが検出される場合より多い頻度に試験頻度を増加する、条項107に記載の方法。
109. マーカーの少なくとも1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻る場合、マーカーの1つのレベルにおいて決められた増加を示す試験頻度に試験頻度を戻す、条項108に記載の方法。
110. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で増加したレベルのままである場合、試験頻度を再度増加する、条項109に記載の方法。
111. マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、炎症の増悪が示されるかまたは予測される、条項110に記載の方法。
112. 患者の増悪を処置する、条項111に記載の方法。
113. マーカーの2つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、炎症の増悪が示されるかまたは予測される、条項107または108に記載の方法。
114. 患者の増悪を処置する、条項113に記載の方法。
115. 尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少が、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかまたは予測する、条項72〜114のいずれかに記載の方法。
116. 少なくとも3つのマーカーの測定されたレベルが、対象体の炎症状態をモニターするために所定の順序で分析される、条項72〜115のいずれかに記載の方法。
117. 少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルが、ウェイトを与えられる、条項72〜116のいずれかに記載の方法。
118. 第1のマーカーがTIMP2であり、第2のマーカーがMMP活性であり、第3のマーカーがA1ATである、条項72〜117のいずれかに記載の方法。
119. 基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つのマーカーレベルを決定する、前記条項のいずれかに記載の方法。
120. 基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含む、条項119に記載の方法。
121. 炎症の増悪の他の指示薬をさらに含む、条項72〜120のいずれかに記載の方法。
122. 炎症の増悪の他の指標が、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱を含む、条項121に記載の方法。
123. a. 尿検体中の少なくとも3つのマーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の各マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キット。
124. プロセッサーから出力するためのディスプレイをさらに含む、条項123に記載のシステムまたは試験キット。
125. 1以上の試験デバイスが、使い捨ての単回使用デバイスを含む、条項123または124に記載のシステムまたは試験キット。
126. 1以上の試験デバイスが、ラテラルフロー試験ストリップを含む、条項123〜125のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
127. 測定される各マーカーのためのラテラルフロー試験ストリップを含む、条項126に記載のシステムまたは試験キット。
128. マーカーの少なくとも1つが、シグナル分子またはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される、条項123〜127のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
129. エフェクター分子が、プロテアーゼ活性、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)、カルプロテクチンまたはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される、条項128に記載のシステムまたは試験キット。
130. プロテアーゼ活性が、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、HNE活性およびカテプシンG活性より選択される、条項129に記載のシステムまたは試験キット。
131. MMP活性が、MMP9および/またはMMP8活性を含む、条項130に記載のシステムまたは試験キット。
132. 1以上の試験デバイスが、プロテアーゼ活性の指示薬としてペプチド基質を測定するための試験デバイスを含む、条項129〜131のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
133. 試験デバイスが、
a. 尿検体へ加えるための指示薬分子であって、
i. 該プロテアーゼ活性が存在する場合に該プロテアーゼ活性により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる、指示薬分子;
b. 尿検体を受け取るための捕捉ゾーンであって、新しい結合部位を含む指示薬分子を固定するために指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子を含む捕捉ゾーン;ならびに
c. 新しい結合部位に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含む、条項132に記載のシステムまたは試験キット。
134. エフェクター阻害分子が、プロテアーゼ阻害分子である、条項128〜133のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
135. プロテアーゼ阻害分子が、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンCおよびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択される、条項134に記載のシステムまたは試験キット。
136. シグナル分子が、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲンおよびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される、条項128に記載のシステムまたは試験キット。
137. マーカーが、炎症の結果として産生される分子を含むかまたはさらに含む、条項123〜136のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
138. 炎症の結果として産生される分子が、プロテアーゼ活性の分解産物、例えば細胞外マトリックス分解産物(例えばAc-PGP、エラスチン断片/ペプチド、デスモシン)および/または酸化損傷の産物、例えば塩素化ペプチドおよび/または代謝物、例えば乳酸および遊離脂肪酸を含む、条項137に記載のシステムまたは試験キット。
139. 炎症状態が、肺炎症状態である、条項123〜138のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
140. 炎症の増悪が、肺増悪である、条項123〜139のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
141. 対象体が、呼吸器障害を患っている、条項123〜140のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
142. 呼吸器障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)である、条項123〜141のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
143. コンピューターアプリケーションが、対象体に適した各マーカーの閾値レベルを参照してマーカーレベルをプロセッサーに算出させる、条項123〜142のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
144. 各マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することに基づいて設定される、条項143に記載のシステムまたは試験キット。
145. 早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含む、条項144に記載のシステムまたは試験キット。
146. 対象体が炎症の増悪を患っていない早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて、各マーカーの閾値レベルが設定される、条項144または145に記載のシステムまたは試験キット。
147. コンピューターアプリケーションが、対象体に対してマーカーレベルを測定する要求をプロセッサーに指示させ、閾値を超える増加が、増悪を予測または特定する、条項123〜146のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
148. 対象体が炎症の増悪を患っており、閾値を下回る減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて、マーカーの閾値レベルが設定される、条項123〜146に記載のシステムまたは試験キット。
149. コンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの増加が算出される場合にマーカーレベルを測定する頻度を増加させる要求をプロセッサーから出力するよう構成される、条項123〜148のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
150. コンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの減少が算出されるまでマーカーレベルを測定する頻度を増加させたまま維持する要求をプロセッサーから出力するよう構成される、条項149に記載のシステムまたは試験キット。
151. 少なくとも3つのマーカーの各々のレベルの増加が算出される場合、コンピューターアプリケーションが、炎症の増悪の指示または予測をプロセッサーから出力するよう構成される、条項123〜150のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
152. 出力が、対象体が処置を受けるべきであるという指示である、条項151に記載のシステムまたは試験キット。
153. コンピューターアプリケーションが、いずれのマーカーレベルの増加も検出されない場合、炎症状態が安定とみなされ、および/または試験頻度が維持されるという指示をプロセッサーから出力するよう構成される、条項123〜150のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
154. マーカーのうちの1つのレベルの増加が算出されるが、他の2つのマーカーにおいては算出されない場合、コンピューターアプリケーションが、試験頻度を増加するという指示をプロセッサーから出力するよう構成される、条項123〜153のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
155. マーカーの1つの増加したレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻らない限り、コンピューターアプリケーションが、試験頻度を増加するという指示をプロセッサーから出力するよう構成される、条項154に記載のシステムまたは試験キット。
156. マーカーの1つのレベルが繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻っているかをコンピューターアプリケーションが算出する、条項154に記載のシステムまたは試験キット。
157. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻っている場合、コンピューターアプリケーションが、試験頻度を元の頻度に戻すというプロセッサーからの出力を生じる、条項156に記載のシステムまたは試験キット。
158. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションが、試験頻度をさらに増加するというプロセッサーからの出力を生じる、条項154〜157のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
159. マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションが、炎症の増悪が示されるかもしくは予測され、および/または対象体が処置されるべきであるというプロセッサーからの出力を生じる、条項158に記載のシステムまたは試験キット。
160. マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内に非増加レベルに戻る場合、コンピューターアプリケーションが、試験頻度を増加させた(しかしながらさらに増加はさせていない)試験頻度に戻すというプロセッサーからの出力を生じる、条項158または159に記載のシステムまたは試験キット。
161. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で非増加レベルのままである場合、コンピューターアプリケーションが、試験頻度を元の頻度に戻すというプロセッサーからの出力を生じる、条項160に記載のシステムまたは試験キット。
162. マーカーのうちの2つのレベルにおいて増加が測定されるが、他のマーカーにおいて増加が測定されない場合、コンピューターアプリケーションが、試験頻度を増加するというプロセッサーからの出力を生じる、条項123〜161のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
163. マーカーのうち1つのみにおいて増加したレベルが検出される場合より多い頻度に試験頻度を増加する、条項162に記載のシステムまたは試験キット。
164. マーカーの少なくとも1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内に非増加レベルに戻る場合、コンピューターアプリケーションが、マーカーの1つのレベルにおいて決められた増加を示す試験頻度に試験頻度を戻すというプロセッサーからの出力を生じる、条項163に記載のシステムまたは試験キット。
165. マーカーの1つのレベルが、繰り返し試験の設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションが、というプロセッサーからの出力を生じる 試験頻度を再度増加する、条項164に記載のシステムまたは試験キット。
166. マーカーの1つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションが、炎症の増悪が示されるかもしくは予測され、および/または対象体が処置されるべきであるというプロセッサーからの出力を生じる、条項165に記載のシステムまたは試験キット。
167. マーカーの2つのレベルが、増加させた頻度において繰り返し試験の更なる設定回数内で増加したレベルのままである場合、コンピューターアプリケーションが、炎症の増悪が示されるかもしくは予測され、および/または対象体が処置されるべきであるというプロセッサーからの出力を生じる、条項162または163に記載のシステムまたは試験キット。
168. コンピューターアプリケーションは、好中球活性化マーカーの少なくとも1つのレベルの減少を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の算出された減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測するというプロセッサーからの出力を提供するよう構成される、条項123〜167のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
169. コンピューターアプリケーションが、対象体の炎症状態をモニターするために少なくとも3つのマーカーの算出されたレベルを所定の順序で分析するように構成される、条項123〜168のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
170. コンピューターアプリケーションが、少なくとも3つのマーカーの測定されたレベルにウェイト付けるよう構成される、条項123〜169のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
171. 第1のマーカーがTIMP2であり、第2のマーカーがMMP活性であり、第3のマーカーがA1ATである、条項123〜170のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
172. コンピューターアプリケーションが、基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つのマーカーレベルを算出するよう構成される、条項123〜171のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
173. 基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含む、条項172に記載のシステムまたは試験キット。
174. コンピューターアプリケーションが、さらに、対象体の現在の炎症状態の算出に炎症の増悪の他の指標を組み込むように構成される、条項123〜173のいずれかに記載のシステムまたは試験キット。
175. 炎症の増悪の他の指標が、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱を含む、条項174に記載のシステムまたは試験キット。
176. 条項123〜175いずれか1つに記載のコンピューターアプリケーション。
これら条項で述べられた本発明はまた、更なるマーカーに適用され得る。例としては、本明細書に記載の任意の他の特定のマーカーと組み合わせて適用され得るCRP、LEFおよびCC16が挙げられる。
本発明は、さらに以下の番号づけられた条項群でも定義され得る。
[1]
対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加は、炎症の増悪を示すかまたは予測し、および/または尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する方法。
[2]
対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも3つのマーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する方法。
[3]
マーカーの少なくとも1つが、CRP、CC16およびラージエラスチンフラグメント(LEF)より選択される、条項[1]または[2]に記載の方法。
[4]
対象体の炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中のC反応性タンパク質(CRP)のレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中のCRPのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のCRPのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する方法。
[5]
尿検体中の少なくとも1つの更なるマーカーレベルを測定することをさらに含む、条項[3]に記載の方法。
[6]
少なくとも1つの好中球活性化マーカーが、シグナル分子もしくはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される条項[1]に記載の方法、マーカーの少なくとも1つが、シグナル分子もしくはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される条項[2]に記載の方法、または少なくとも1つの更なるマーカーが、シグナル分子もしくはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択される条項[5]に記載の方法。
[7]
エフェクター分子が、プロテアーゼ活性、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)、カルプロテクチンまたはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される、条項[6]に記載の方法。
[8]
プロテアーゼ活性が、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、HNE活性およびカテプシンG活性より選択され、該MMP活性がMMP9および/またはMMP8活性を含んでもよい、条項[7]に記載の方法。
[9]
プロテアーゼ活性が、ペプチド基質の切断の測定により決定される、条項[7]または[8]に記載の方法。
[10]
プロテアーゼ活性が、
a. 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
i. 存在する場合に該プロテアーゼにより切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる);
b. 試験検体に新しい結合部位に結合できる結合分子を加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
c. 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて新しい結合部位を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
d. 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の新しい結合部位への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること
を含む方法によって測定される、条項[7]〜[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11]
エフェクター阻害分子が、プロテアーゼ阻害分子であり、該プロテアーゼ阻害分子が、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンCおよびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択されてもよい、条項[6]〜[8]のいずれか一項に記載の方法。
[12]
シグナル分子が、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲンおよびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される、条項[6]に記載の方法。
[13]
少なくとも1つの好中球活性化マーカー、マーカーの少なくとも1つまたは少なくとも1つの更なるマーカーが、炎症の結果として産生される分子を含むかまたはそれをさらに含み、該炎症の結果として産生される分子が、プロテアーゼ活性の分解産物、例えば細胞外マトリックス分解産物(例えばAc-PGP、エラスチン断片/ペプチド、デスモシン)および/または酸化損傷の産物、例えば塩素化ペプチドおよび/または代謝物、例えば乳酸および遊離脂肪酸を含んでもよい、条項[1]〜[12]のいずれか一項に記載の方法。
[14]
炎症状態が、肺炎症状態である、条項[1]〜[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15]
炎症の増悪が、肺増悪である、条項[1]〜[14]のいずれか一項に記載の方法。
[16]
対象体が、呼吸器障害を患っており、該呼吸器障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)であってもよい、条項[1]〜[15]のいずれか一項に記載の方法。
[17]
少なくとも1つの好中球活性化マーカー、マーカーの少なくとも1つもしくは少なくとも1つの更なるマーカーのレベルの増加または減少が、対象体に適したマーカーの閾値レベルを参照して算出される、条項[1]〜[16]のいずれか一項に記載の方法。
[18]
マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより設定され、該早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含んでもよい、条項[17]に記載の方法。
[19]
対象体が炎症の増悪を患っておらず、閾値を超える増加が増悪を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより、マーカーの閾値レベルが設定されるか、または対象体が炎症の増悪を患っており、閾値を下回る減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより、マーカーの閾値レベルが設定される、条項[17]または[18]に記載の方法。
[20]
マーカーレベルを少なくとも週に2回測定する、条項[1]〜[19]のいずれか一項に記載の方法。
[21]
マーカーレベルの増加が検出される場合に対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定する頻度が増加され、マーカーレベルの減少が検出されるまで対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定する頻度が維持されてもよい、条項[1]〜[20]のいずれか一項に記載の方法。
[22]
複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも2つまたは3つの好中球活性化マーカーのレベルを測定することを含む、条項[1]〜[21]のいずれか一項に記載の方法。
[23]
(複数のレベルが測定され、)尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加が、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少が、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測し、および/または少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルが、対象体の炎症状態をモニターするために所定の順序で分析され、および/または少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルが、ウェイトを与えられる、条項[1]〜[22]のいずれか一項に記載の方法。
[24]
基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つのマーカーレベルを決定し、該基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含んでもよい、条項[1]〜[23]のいずれか一項に記載の方法。
[25]
a. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中の少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キット。
[26]
a. 尿検体中の少なくとも3つのマーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の各マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キット。
[27]
マーカーの少なくとも1つが、CRP、CC16およびラージエラスチンフラグメント(LEF)より選択される、条項[25]または[26]に記載のシステムまたは試験キット。
[28]
a. 尿検体中のC反応性タンパク質(CRP)のレベルを測定するための1以上の試験デバイス
b. プロセッサー;ならびに
c. プロセッサーによって実行されたとき:
i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中のCRPの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
ii. 尿検体中のCRPのレベルの増加または減少があるか否かを算出し;そして
iii. プロセッサーから対象体の現在の炎症状態を出力し、ここで、CRPのレベルの増加は、炎症の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のCRPのレベルの増加後の減少は、炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する
ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
を含む、対象体において炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キット。
[29]
尿検体中の少なくとも1つの更なるマーカーレベルをさらに測定する、条項[28]に記載のシステムまたは試験キット。
[30]
プロセッサーから出力するためのディスプレイをさらに含み、および/または1以上の試験デバイスが、使い捨ての単回使用デバイスを含み、および/または1以上の試験デバイスが、ラテラルフロー試験ストリップを含み、測定される各マーカーのためのラテラルフロー試験ストリップを含んでもよい、条項[25]〜[29]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[31]
少なくとも1つのマーカーが、シグナル分子またはエフェクター/エフェクター阻害分子より選択され、該エフェクター分子が、プロテアーゼ活性、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)、カルプロテクチンまたはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択されてもよく、該プロテアーゼ活性が、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、HNE活性およびカテプシンG活性より選択されてもよく、該MMP活性が、MMP9および/またはMMP8活性を含んでもよく、該1以上の試験デバイスが、プロテアーゼ活性の指示薬としてペプチド基質を測定するための試験デバイスを含んでもよく、該試験デバイスが、
a. 尿検体へ加えるための指示薬分子であって、
i. 該プロテアーゼ活性が存在する場合に該プロテアーゼ活性により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
ii. 捕捉部位;
を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる、指示薬分子;
b. 尿検体を受け取るための捕捉ゾーンであって、新しい結合部位を含む指示薬分子を固定するために指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子を含む捕捉ゾーン;ならびに
c. 新しい結合部位に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
を含んでもよい、条項[25]〜[30]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[32]
エフェクター阻害分子が、プロテアーゼ阻害分子であり、該プロテアーゼ阻害分子が、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンCおよびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択されてもよいか、またはシグナル分子が、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲンおよびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される、条項[31]に記載のシステムまたは試験キット。
[33]
1または複数のマーカーが、炎症の結果として産生される分子を含むかまたはそれをさらに含み、該炎症の結果として産生される分子が、プロテアーゼ活性の分解産物、例えば細胞外マトリックス分解産物(例えばAc-PGP、エラスチン断片/ペプチド、デスモシン)および/または酸化損傷の産物、例えば塩素化ペプチドおよび/または代謝物、例えば乳酸および遊離脂肪酸を含んでもよい、条項[25]〜[32]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[34]
炎症状態が、肺炎症状態であり、および/または炎症の増悪が、肺増悪であり、および/または対象体が、呼吸器障害を患っており、該呼吸器障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)であってもよい、条項[25]〜[33]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[35]
コンピューターアプリケーションが、対象体に適したマーカーの閾値レベルを参照して1または複数のマーカーのレベルをプロセッサーに算出させ、該マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて設定されてもよく、該早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含んでもよい、条項[25]〜[34]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[36]
対象体が炎症の増悪を患っておらず、閾値を超える増加が増悪を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて、マーカーの閾値レベルが設定され、および/または対象体が炎症の増悪を患っており、閾値を下回る減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定する早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて、マーカーの閾値レベルが設定される、条項[35]に記載のシステムまたは試験キット。
[37]
コンピューターアプリケーションが、対象体に対して1または複数のマーカーレベルを測定する要求をプロセッサーに指示させ、および/またはコンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの増加が算出される場合に対象体から採取した尿検体中の1または複数のマーカーレベルを測定する頻度を増加させる要求をプロセッサーから出力するよう構成され、該コンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの減少が算出されるまで少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを測定する頻度を増加させたまま維持する要求をプロセッサーから出力するよう構成されてもよい、条項[25]〜[36]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[38]
複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも2つまたは3つの好中球活性化マーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイスを含む、条項[25]〜[37]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[39]
コンピューターアプリケーションは、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの算出された増加が炎症の増悪を示すもしくは予測するというプロセッサーのから出力を提供するよう構成され、および/またはコンピューターアプリケーションは、好中球活性化マーカーの少なくとも1つのレベルの減少を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の算出された減少が炎症の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測するというプロセッサーからの出力を提供するよう構成され、および/またはコンピューターアプリケーションが、対象体の炎症状態をモニターするために少なくとも2つまたは3つのマーカーの算出されたレベルを所定の順序で分析するように構成され、および/またはコンピューターアプリケーションが、少なくとも2つまたは3つのマーカーの測定されたレベルにウェイト付けるよう構成される、条項[25]〜[38]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[40]
コンピューターアプリケーションが、基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つの好中球活性化マーカーレベルを算出するよう構成され、該基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含んでもよく、および/またはコンピューターアプリケーションが、さらに、対象体の現在の炎症状態の算出に炎症の増悪の他の指標を組み込むように構成され、該炎症の増悪の他の指標が、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱を含んでもよい、条項[25]〜[39]のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
[41]
条項[25]〜[40]のいずれか一項に記載のコンピューターアプリケーション。


本発明は、以下の実験的実施例に関連してさらに理解されるだろう。
実施例1:マトリックスメタロプロテアーゼ-9(MMP-9)の検出のための本発明で用いられるラテラルフロープラットフォーム。
キットは次の構成要素を含む:
1) 尿検体採取のためのデバイス
2) プラスチックケースに載せられたラテラルフロー試験ストリップ。試験ストリップは、試験ストリップの流路を横切る第1の判定ラインとしてポリストレプトアビジンを含む捕捉ゾーンを有する。判定ラインの下流に試験ストリップの流路を横切るコントロールラインとして吸着された抗ニワトリ抗体を含む第2の捕捉ゾーンは、コントロールラインとして含まれ得る。プラスチックケースには、判定およびコントロールラインを見るための観察窓がある。第1の判定ラインの上流に統合検体受入パッドもある。さらに、試験ストリップは、検体の添加により再構成されることができる検体受入パッドの下流に、試験ストリップに乾燥させたヒツジ抗体(CF1522)を支持する金粒子を有する。
3) 検体採取デバイスが指示薬分子と一緒に配置され得るチューブ。
4) 捕捉ライン、ポリストレプトアビジンとの複合体を形成できるポリエチレングリコールスペーサー/リンカーによりつながる末端ビオチン基を担持する切断可能な配列、この実施例では(GPQGIFGQ)、を含む指示薬分子。
試験ストリップ
検体中のプロテアーゼ活性の検出のための試験ストリップを、以下に記載するように構築した。アッセイは、様々なMMPの存在下での指示薬分子の切断に基づいており、可視性のエピトープを金粒子に結合したヒツジ抗体(CF1522)に曝露させた。
用いられる方法は、当該技術分野において周知の標準的な手順にすべて従った。
A. CF1522:40nm金コンジュゲートの製造
アフィニティー精製したヒツジ抗体CF1522(Ig Innovations、CF1522)を、520nmにおけるODが5となる濃度において40nm 金粒子(BBI International、GC40)に結合した。抗体を、20 mM BES緩衝液 pH 7.8中15μg/mlの濃度で負荷した。0.2%BSA(Sigma、A7906)を、非特異的結合を最小限にするためにブロッキング溶液として用いた。
B. 金-含浸コンジュゲートパッドの製造
ガラスファイバーコンジュゲートパッド(Millipore、G041、17 mm x 300 mm)に、0.8μl/mmの金乾燥緩衝液(1M Tris、150 mM 塩化ナトリウム、20 mM アジ化ナトリウム、3%BSA、5%スクロース、1%ツイーン20、pH 9.4)で希釈したOD4のCF1522:40nm 金コンジュゲート(Mologic)をIsoflowディスペンサーによりスプレーした(スプレー高さ15 mm)。処理されたコンジュゲートバンドを、60℃において5 mm/secの速度のトンネル乾燥機中で乾燥した。乾燥した金コンジュゲート-含浸コンジュゲートパッドを、室温において乾燥剤を入れた密封したホイルパウチ中で保管した。
C. 抗体-含浸ニトロセルロースメンブレンの製造
すべての試薬を、0.1μl/mmの分注率でUnistart CN140メンブレン(Sartorius、CN140、25 mm x 300 mm)上にストリップした。判定ラインの1 mg/mlの濃度のポリストレプトアビジン(BBI、Polystrep N 01041048K)を、メンブレンの基準から7 mmの位置に置いた。加工したメンブレンを、60℃において10 mm/secの速度のトンネル乾燥機中で乾燥した。乾燥した抗体-含浸ニトロセルロースメンブレンを、室温において乾燥剤を入れた密封したホイルパウチ中で保管した。
D. カードの組立て
試験カードを、以下の手順に従い、そして各カード構成要素の正確な長手寸法および位置を規定する図4に従って組み立てた。
1. 背面ラミネートとしての役割を果たし、図4中1で示され、剥離ライナーで保護された粘着剤を有する、60 x 300 mm片の透明なプラスチックフィルム(G&L Precision Die Cutting、GL-48077)を、ワークテーブルの上に配置した。剥離ライナーを剥がして、粘着剤を露出した。
2. 反応メンブレン(セクションCにおいて製造した)を、背面カバーの粘着剤側の上で下方末端から20 mmに結合した。
3. 含浸コンジュゲートパッド(セクションBにおいて製造した)を、背面カバーの上で反応メンブレンの上に2 mm重ねて結合した。
4. サンプルパッド(MDI、FR-1、10 x 300 mm)を、背面カバーの上でコンジュゲートパッドの上に5 mm重ねて配置した。
5. 吸収パッド(ゲルブロッティングペーパー、Ahlstrom、グレード222、22 x 300 mm)を、背面カバーの表側の上で反応メンブレンの上に2 mm重ねて配置した。
カードを、自動化ダイカッター(Kinematic、2360)を用いて5 mm幅のストリップに切り取り、プラスチックハウジング(Forsite)へ組み立てた。デバイスを、このデバイス用にMologicで特別に製造された空気圧式デバイスクランプを用いて閉じた。
表にストリップ構成要素およびバッキングカード上のそれぞれの位置を示す。
標準緩衝液を、1000ng/ml〜1ng/mlの範囲の様々な濃度の活性MMP-9(Alere San Diego)を含むように作成した。
工程1:各標準を、規定量のペプチド(25 ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を、周囲環境温度で規定時間(例えば10分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の液体を、検体受入パッドに滴下し、続いてコンジュゲートパッドと接触させ、金粒子に結合している乾燥CF1522抗体を再度水和させた。そのままの指示薬分子は、金コンジュゲートにより認識されず、複合体でない状態では指示薬分子に結合したビオチンにより固定化されたポリストレプトアビジン判定ラインへ移動しなかった。検体中に存在するMMP-9いずれかが切断部位において指示薬分子を切断し、認識可能なエピトープを露出して、金コンジュゲートが切断されたスタブ(stub)と複合体を形成した。
形成されたラインを相対強度により評価した。判定ラインの存在は、試験検体中に存在するプロテアーゼがあることを示した。陰性な判定ラインは、0または検出限界未満である低いレベルのプロテアーゼを示した。これらの末端間の段階は、試験検体中の様々なレベルのプロテアーゼを示した。発現した有色のラインの強度を、視覚的に測定し、そしてForsite製ラテラルフローデバイスリーダーを用いて測定した。0〜10点による半定量的な採点法(1が最も低い検出可能な色強度であり、10が最も高い観察可能な色の強度色強度である)を視覚的読取に用いた。
図7(図7Aおよび7B)は、スパイクされたMMP-9緩衝液検体で実施した場合のアッセイの感度を示す。MMP-9の検出限界は、検体量75μlに対し約4ng/mlであった。図7Aは、MMP-9の濃度範囲全体にわたる読取値を示し、一方、図7Bは、0〜15 ng/mlのMMP-9濃度における拡大図である。
読取ユニットは次の表に示し、ここで400を超える値が陽性結果といえる。
実施例2:本発明で用いられるアッセイのラテラルフロー型のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)特異性
キットおよび試験ストリップの合成を実施例1と同様に実施した。
様々なMMP(Enzo)を、緩衝液(50 mM Tris、150 mM 塩化ナトリウム、20 mM アジ化ナトリウム、1%vol/vol ツイーン20の水溶液、pH 8.0)中で0.5μg/mlで調製した。
工程1:各MMP溶液を、規定量のペプチド(25 ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を、周囲環境温度で規定時間(例えば10分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の液体を、検体受入パッドに滴下し、続いてコンジュゲートパッドと接触させ、金粒子に結合している乾燥CF1522抗体を再度水和させた。そのままの指示薬分子は、金コンジュゲートにより認識されず、複合体でない状態では指示薬分子に結合したビオチンにより固定化されたポリストレプトアビジン判定ラインへ移動しなかった。検体中に存在するMMP-9いずれかが切断部位において指示薬分子を切断し、認識可能なエピトープを露出して、金コンジュゲートが切断されたスタブと複合体を形成した。
形成されたラインを相対強度により評価した。判定ラインの存在は、試験検体中に存在するプロテアーゼがあることを示した。陰性な判定ラインは、0または検出限界未満である低いレベルのプロテアーゼを示した。これらの末端間の段階は、試験検体中の様々なレベルのプロテアーゼを示した。発現した有色のラインの強度を、視覚的に測定し、そしてForsite製ラテラルフローデバイスリーダーを用いて測定した。0〜10点による半定量的な採点法(1が最も低い検出可能な色強度であり、10が最も高い観察可能な色の強度色強度である)を視覚的読取に用いた。
図8は、本発明のこの型が、MMP13、MMP12、MMP9、MMP8およびMMP2にバイアスがかけられた切断可能な配列を用いることを示す。本発明の他の型は、必要とされる適用に応じて異なる標的を有する配列が用いられ得る。
次の表は、試験した各MMPの読取値を示す。
実施例3:尿中における酵素活性の検出
キットおよび試験ストリップの合成を実施例1と同様に実施した。
検体を、健常なボランティア(9)および呼吸器疾患を患う患者から採取した。検体は、嚢胞性線維症(CF)の9人の患者および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の7人の患者から提供され、使用するまで-80℃で保管した。
工程1:各検体を、規定量のペプチド(25 ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を、周囲環境温度で規定時間(例えば10分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の液体を、検体受入パッドに滴下し、続いてコンジュゲートパッドと接触させ、金粒子に結合している乾燥CF1522抗体を再度水和させた。そのままの指示薬分子は、金コンジュゲートにより認識されず、複合体でない状態では指示薬分子に結合したビオチンにより固定化されたポリストレプトアビジン判定ラインへ移動しなかった。検体中に存在するMMP-9いずれかが切断部位において指示薬分子を切断し、認識可能なエピトープを露出して、金コンジュゲートが切断されたスタブと複合体を形成した。
形成されたラインを相対強度により評価した。判定ラインの存在は、試験検体中に存在するプロテアーゼがあることを示した。陰性な判定ラインは、0または検出限界未満である低いレベルのプロテアーゼを示した。これらの末端間の段階は、試験検体中の様々なレベルのプロテアーゼを示した。発現した有色のラインの強度を、視覚的に測定し、そしてForsite製ラテラルフローデバイスリーダーを用いて測定した。0〜10点による半定量的な採点法(1が最も低い検出可能な色強度であり、10が最も高い観察可能な色の強度色強度である)を視覚的読取に用いた。
図9は、活性なプロテアーゼ(特にMMP-9を含むMMP)の測定可能な量が尿検体中で見られ、より高いレベルが呼吸器疾患の患者から得られた検体中において存在することを示す。有意な差異が、健常なコントロールから採取された検体と比較したときCOPDの検体で見られ(P=0.03)、そしてCFの検体でも健常コントロールに対して見られた(P=0.02)。
実施例4:創傷液中における酵素活性の検出
キットおよび試験ストリップの合成を実施例1と同様に実施した。
18人の患者からの創傷検体を、この生物マトリックスにおいて活性MMPを測定するために、ultimate ELTABAデバイスで試験した。検体を、MMP緩衝液(50 mM Tris、100 mM 塩化ナトリウム、10 mM 塩化カルシウム、50μM 20 mM 塩化亜鉛、0.025%Brij 35、0.05%アジ化ナトリウムの水溶液、pH 8.0)中でswab(Copan、552C.US)から抽出し、その後、使用するまで-20℃で保管した。キレート剤(5 mM EDTA)を加え、カルシウム依存性酵素、例えばMMPに対するデバイスの特異性を測定した。
工程1:各創傷検体を、MMP緩衝液で1対20に希釈し、75μlを、規定量のペプチド(25 ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を、周囲環境温度で規定時間(例えば10分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の液体を、続いてコンジュゲートパッドを接触させ、金粒子に結合している乾燥ビオチンを再度水和した検体受入パッドに滴下した。そのままの指示薬分子は、金コンジュゲートにより認識されず、複合体でない状態では指示薬分子に結合したビオチンにより固定化されたポリストレプトアビジン判定ラインへ移動しなかった。検体中に存在するMMP-9いずれかが切断部位において指示薬分子を切断し、認識可能なエピトープを露出して、金コンジュゲートが切断されたスタブと複合体を形成した。
形成されたラインを相対強度により評価した。判定ラインの存在は、試験検体中に存在するプロテアーゼがあることを示した。陰性な判定ラインは、0または検出限界未満である低いレベルのプロテアーゼを示した。これらの末端間の段階は、試験検体中の様々なレベルのプロテアーゼを示した。発現した有色のラインの強度を、視覚的に測定し、そしてForsite製ラテラルフローデバイスリーダーを用いて測定した。0〜10点による半定量的な採点法(1が最も低い検出可能な色強度であり、10が最も高い観察可能な色の強度色強度である)を視覚的読取に用いた。
図10は、創傷検体へのEDTAの添加が、検体中におけるMMPの存在を確認し、アッセイが活性なMMPを特に測定することも確認する読み出しを抑制することを示す。
実施例5:商業MMP-9活性アッセイキットとの本発明の感度の比較
商業キットは、生物検体、例えば培地、血清、血漿、滑液、および組織ホモジネートにおけるMMP-9を特異的に検出するために設計されている。モノクローナル抗-ヒトMMPは、最初に混合物からプロおよび活性な形態両方のMMPを選択するために用いられ、その後、MMP-9の活性を、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ペプチドを用いて定量する。内製で活性化されたMMP-9標準のAMPAを、250 ng/ml〜4 ng/mlの範囲において該キットおよびラテラルフロー型の両方で実施した。MMP-9を、商業アッセイについてキットで与えられたMMP緩衝液で、およびラテラルフローデバイスについてはTris緩衝生理食塩水中1%ツイーン20で希釈した。
ラテラルフローキットおよび試験ストリップの合成を実施例1と同様に実施した。
標準緩衝液を、Tris緩衝生理食塩水中1%ツイーン(50 mM Tris、150 mM 塩化ナトリウム、20 mM アジ化ナトリウム、1%vol/vol ツイーン20の水溶液、pH 8.0)に250ng/ml〜4ng/mlの範囲の様々な濃度の活性MMP-9(Alere San Diego)を含むように作成した。
工程1:各標準を、規定量のペプチド(25 ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を、周囲環境温度で規定時間(例えば10分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の液体を、検体受入パッドに滴下し、続いてコンジュゲートパッドと接触させ、金粒子に結合している乾燥CF1522抗体を再度水和させた。そのままの指示薬分子は、金コンジュゲートにより認識されず、複合体でない状態では指示薬分子に結合したビオチンにより固定化されたポリストレプトアビジン判定ラインへ移動しなかった。検体中に存在するMMP-9いずれかが切断部位において指示薬分子を切断し、認識可能なエピトープを露出して、金コンジュゲートが切断されたスタブと複合体を形成した。
形成されたラインを相対強度により評価した。判定ラインの存在は、試験検体中に存在するプロテアーゼがあることを示した。陰性な判定ラインは、0または検出限界未満である低いレベルのプロテアーゼを示した。これらの末端間の段階は、試験検体中の様々なレベルのプロテアーゼを示した。発現した有色のラインの強度を、視覚的に測定し、そしてForsite製ラテラルフローデバイスリーダーを用いて測定した。0〜10点による半定量的な採点法(1が最も低い検出可能な色強度であり、10が最も高い観察可能な色の強度色強度である)を視覚的読取に用いた。
図11(図11Aおよび11B)は、市販の活性なMMP-9アッセイキットとMMP9を検出する本発明のアッセイの性能を比較するグラフである。図11Aは、MMP-9の濃度範囲全体にわたる読取値を示し、一方、図11Bは、0〜50 ng/mlのMMP-9濃度における拡大図である。両方の図は、本明細書に記載のラテラルフローアッセイが本発明に従って尿を試験するのに特に有用であり、急勾配の曲線を生じたことを実証している。両方のアッセイによれば、吸光度の値により示される発色は、最も低い標準試験物の4ng/ml MMP9で見られた。
各アッセイの数的読み出しを次の表に示す。
実施例6:ELISAおよびLF型両方における基質の試験
ELISA型
1) 検体採取(例えば尿)のためのデバイス
2) ポリストレプトアビジンで被覆した96ウェルプレート
3) 検体採取デバイスが指示薬分子と一緒に配置され得るチューブ。
4) この実施例において、捕捉ライン、ポリストレプトアビジンとの複合体を形成できるポリエチレングリコールスペーサー/リンカーによりつながる末端ビオチン基を運ぶ断可能な配列(GPQGIFGQ)を含む指示薬分子。
5) アルカリホスファターゼ(AP)に結合したヒツジ抗体CF1522
6) 405nmにおいて読み取られ得る可溶性の黄色の反応生成物の形成を可能にする、アルカリホスファターゼの基質p-ニトロフェニルホスフェート(pNPP)。
検体を、健常なボランティア(9)および呼吸器疾患を患う患者から採取した。検体は、嚢胞性線維症(CF)の9人の患者および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の7人の患者から提供され、使用するまで-80℃で保管した。
工程1:各検体を、規定量のペプチド(25 ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を、周囲環境温度で規定時間(例えば10分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の検体をストレプトアビジンプレート(Nunc、442404)に加え、さらに1時間周囲環境においてインキュベートしてビオチン標識指示薬分子が、プレートに結合したストレプトアビジンにより固定化された。
工程3:プレートを、100μlの洗浄緩衝液、Tris緩衝生理食塩水中0.1%ツイーン(50 mM Tris、150 mM 塩化ナトリウム、20 mM アジ化ナトリウム、0.1%vol/vol ツイーン20の水溶液、pH 8.0)で3回洗浄した。
工程4:CF1522-AP(Mologic)を、PBST中1%BSAで1/500に希釈し、周囲環境において1時間プレート上にてインキュベートした。抗体は、検体中に存在するMMPのいずれかに露出される切断されたスタブと複合体を形成し、切断されたスタブが存在しないとき、抗体の結合は無いだろう。
工程5:プレートを、100μlの洗浄緩衝液、Tris緩衝生理食塩水中0.1%ツイーン(50 mM Tris、150 mM 塩化ナトリウム、20 mM アジ化ナトリウム、0.1%vol/vol ツイーン20の水溶液、pH 8.0)で3回洗浄した。
工程6:プレートを、pNPP基質とインキュベートし、その後、37℃で30分間インキュベート後405nmにおいて読み取った。MMP9標準曲線を、参照として図14bに示した。ウェルの色は、図14bにOD 405nmによって表される試験検体中における様々なレベルのプロテアーゼを示す。
ラテラルフロー型
キットおよび試験ストリップの合成を実施例1と同様に実施した。
標準緩衝液を、ELISAおよびラテラルフローデバイスそれぞれ用に50ng/ml〜0.39ng/mlおよび62.5ng/ml〜0.97ng/mlの範囲の様々な濃度の活性MMP-9(Alere San Diego)を含むように作成した。
工程1:各検体を、規定量のペプチド(25 ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を、周囲環境温度で規定時間(例えば10分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の液体を、検体受入パッドに滴下し、続いてコンジュゲートパッドと接触させ、金粒子に結合している乾燥CF1522抗体を再度水和させた。そのままの指示薬分子は、金コンジュゲートにより認識されず、複合体でない状態では指示薬分子に結合したビオチンにより固定化されたポリストレプトアビジン判定ラインへ移動しなかった。検体中に存在するMMP-9いずれかが切断部位において指示薬分子を切断し、認識可能なエピトープを露出して、金コンジュゲートが切断されたスタブと複合体を形成した。
形成されたラインを相対強度により評価した。判定ラインの存在は、試験検体中に存在するプロテアーゼがあることを示した。陰性な判定ラインは、0または検出限界未満である低いレベルのプロテアーゼを示した。これらの末端間の段階は、試験検体中の様々なレベルのプロテアーゼを示した。発現した有色のラインの強度を、視覚的に測定し、そしてNES製ラテラルフローデバイスリーダーを用いて測定した。
MMP9標準曲線の結果は図12にみられる。図12は、ELISAおよびラテラルフローにより作成した2つのMMP9標準曲線は、4ng/ml感度まで類似していることを示す。
2つのアッセイの数的読み出しをまた、次の表に示す。
実施例7 - 典型的な指示薬分子の合成
MOL386と呼ばれるペプチド(アミノ酸配列:CGPQGIFGQC)を、Fmoc-chemistryを用いて 固相上に合成した。要するに、合成をマイクロ波アシスト自動合成(CEM Liberty)で実施した。カップリング工程を、5倍過剰なアミノ酸構成要素、HBTUアクティベーターおよび10倍過剰なDIPEA塩基を含むDMF溶媒中で、Fmoc-Cys(Trt)を予め組み込んだPEG-ポリスチレン残基に実施した。脱保護工程を5%ピペラジン/DMF中で実施した。完成したペプチド樹脂を乾燥し、その後、2時間95%TFA、2.5%TIPSおよび2.5%水を用いて切断した。TFA水溶液を真空乾燥し、エーテル中沈殿させて、無色のペプチド固体を得た。回収されたペプチドを、50%アセトニトリルから凍結乾燥し、C18逆相カラムおよび5%アセトニトリル/水(0.1%TFA)から100%アセトニトリル(0.1%TFA)のグラジェントを用いてHPLC(図16)により精製した。単離したフラクションを合わせ、凍結乾燥し、エレクトロスプレイ質量分析(図17)によって分析して、目的ペプチドを同定した(予測MH+ 1010.17、実測値 1010.3)。ビオチニル化形態(CGPQGIFGQC-PEG-ビオチン)を、ビオチン-PEG-NovaTag Resin(Merck)から合成した(予測MH+ 1438.76、実測値 1439.7、図18)。ビオチンは、指示薬分子の固定化のための捕捉部位を提供する。
足場分子の結合(環化ペプチドの合成)
ペプチド(1 mg)を、1,3-ジブロモメチルベンゼン1 mgと一緒にPBS 250μlに溶解し、穏やかに一晩撹拌した。その後、反応物を水1 mlで希釈し、精製のためにC18逆相カラムおよび5%アセトニトリル/水(0.1%TFA)から100%アセトニトリル(0.1%TFA)のグラジェントを用いてHPLCに直接注入した。生成物ピークを単離し、凍結乾燥して、無色の固体を得た(予測MH+ 1112.30、実測値 1112.8、図19)。同じ手順をビオチニル化ペプチドに用いた(予測MH+ 1540.89、実測値 1539.8、図20)。
実施例8 - 試験型の生成
抗体を、切断されたペプチド配列を認識するために生成した。この実施例では、MMP消化の標的(GPQGIFGQ)は、免疫アッセイにおいて用いられ、臨床検体中における酵素活性を測定する。抗体は、当業者に公知の方法を用いてペプチドKLHコンジュゲートを生じる。ヒツジ抗体CF1522およびCF1523を、切断されたスタブ「IFGQ」を認識するために生成し、一方ヒツジ抗体CF1524およびCF1525を、切断されたスタブ「GPQG」を認識するために生成した。抗体を、生成された特定のペプチドを用いてアフィニティー精製し、その後、最も適切なアッセイ型を決定するためにELISAによって分析して、最も良い感度を得た。
切断可能な配列(GPQGIFGQ)を含むペプチドを、C-末端(それぞれMOL038およびPCL008-A2)またはN-末端(それぞれMOL310およびMOL378)のいずれかに結合にしたビオチンまたはPEG化ビオチンで合成した。
該ペプチドは、ビオチンによるストレプトアビジン捕捉物またはALP配列によるヒツジ抗体CF1060捕捉物いずれかに固定されることができる。図1に概略的に示した提案する型を評価した。
ELISA型
1) 尿検体採取のためのデバイス
2) ポリストレプトアビジンで被覆した96ウェルプレート(Nunc、442404)またはCF1060、周囲環境において一晩(Nunc、Maxisorb)
3) 検体採取デバイスが指示薬分子と一緒に配置され得るチューブ。
4) この実施例において、NまたはC-末端にポリエチレングリコールスペーサー/リンカーによりつながり得る末端ビオチン基を運ぶ切断可能な配列(GPQGIFGQ)を含む指示薬分子。
5) アルカリホスファターゼ(AP)に結合したヒツジ抗体CF1522、CF1523、CF1524およびCF1525
6) 405nmにおいて読み取られ得る可溶性の黄色の反応生成物の形成を可能にする、アルカリホスファターゼの基質p-ニトロフェニルホスフェート(pNPP)。
活性MMP9(Alere San Diego)を、 in MMP緩衝液(50 mM Tris、100 mM 塩化ナトリウム、10 mM 塩化カルシウム、50μM 20 mM 塩化亜鉛、0.025%Brij 35、0.05%アジ化ナトリウムの水溶液、pH 8.0)で2、0.25、0.062、0.0156および0.039μg/mlに希釈した。
工程1:各MMP9標準を、規定量の各ペプチド(20ng/試験)を有する採取デバイスに入れる。採取デバイスを、検体を基質溶液と十分に混合するために激しく回転させた。この反応混合物を周囲環境温度で規定時間(例えば30分間)インキュベートした。
工程2:インキュベート時間の終わりに、規定量の検体をストレプトアビジンプレートおよびCF1060感光プレートに加え、さらに1時間周囲環境においてインキュベートし、ペプチドが、プレートに結合したストレプトアビジンまたはCF1060により固定化された。
工程3:プレートを、100μlの洗浄緩衝液、Tris緩衝生理食塩水中0.1%ツイーン(50 mM Tris、150 mM 塩化ナトリウム、20 mM アジ化ナトリウム、0.1%vol/vol ツイーン20の水溶液、pH 8.0)で3回洗浄した。
工程4:アルカリホスファターゼに結合したヒツジ抗体(Mologic)を、PBST中1%BSAで1/500に希釈し、周囲環境において1時間プレート上にてインキュベートした。抗体は、検体中に存在するMMP9のいずれかに露出される切断されたスタブと複合体を形成し、切断されたスタブが存在しないとき、抗体の結合は無いだろう。
工程5:プレートを、100μlの洗浄緩衝液、Tris緩衝生理食塩水中0.1%ツイーン(50 mM Tris、150 mM 塩化ナトリウム、20 mM アジ化ナトリウム、0.1%vol/vol ツイーン20の水溶液、pH 8.0)で3回洗浄した。
工程6:プレートを、pNPP基質とインキュベートし、その後、37℃で30分間インキュベート後405nmにおいて読み取った。MMP9標準曲線を、すべての組合せに対して図21に示した。ウェルの色差は、OD 405nmによって表される試験検体中における様々なレベルのプロテアーゼを示す。
図21は、各型を試験した結果を示す。ストレプトアビジン捕捉ラインについて、選択されたペプチドは、予測されるように、ヒツジ抗体CF1522を含むMOL378、およびヒツジ抗体CF1525を含むPCL008-A2である。両ペプチドは、いくらか立体障害を縮小することが必要とされるPEG-Asp-AEEAc-AEEAcを含んだ。CF1060捕捉ラインについて、選択されたペプチドは、予測されるように、ヒツジ抗体CF1522を含むMOL038またはPCL008-A2、およびヒツジ抗体CF1525を含むMOL378である。最も良い組合せの実施を、図22に示す。ここで、ペプチドMOL378を含むヒツジ抗体CF1522を用いる型4は、最も有望性を示す。
実施例9
論理的根拠
慢性閉塞性肺疾患の急性増悪(AECOPD)は、タンパク質分解性肺胞破壊および全身性炎症の両方を含む。炎症性タンパク質、プロテイナーゼ、およびそれらの分解産物は、AECOPDの全身マーカーとして広範囲に調べられており、いくつかは尿中で検出可能な状態で排泄され、AECOPDの最小限の侵襲性バイオマーカー試験を開発する機会を提供する。
他のグループは、エラスターゼ分解産物の尿中排泄レベルが安定なCOPDを持つ患者と比較してAECOPD患者においてより高いことを発見したが、小さなコホートの少数の研究のみが、AECOPDおよび安定期のCOPD両方を連続して経験する患者において腎臓バイオマーカー排泄を調べている。
我々は、AECOPDの尿中バイオマーカーを特定することを目標とした。目的は、AECOPDで入院する患者の縦断的研究において1)生物学的に妥当な尿中バイオマーカーを特定すること、および2)増悪および安定な状態においてバイオマーカー排泄を比較することである。
方法
AECOPDで入院する73人のCOPD患者に研究への参加を依頼し、参加するために書面のインフォームドコンセントを得た。患者が臨床的に健康だったとき、増悪(0日目)および56日目の時点で病歴、検査および尿サンプリングを行った。
最近の刊行物ならびに炎症生化学および細胞学の論理的分析に基づいてAECOPDの候補尿中バイオマーカーパネルを選択した。候補としては、プロテイナーゼ、プロテイナーゼ阻害剤およびインターロイキンが挙げられた。様々なELISAまたは自家アッセイデザインを用いて0日目および56日目におけるバイオマーカーレベルを定量した。
分析の時に0日目および56日目のデータが34人患者について利用可能であった。対応のあるt検定およびウィルコクソン検定をそれぞれ正常および非正常なデータに用いて増悪および安定な状態におけるバイオマーカーレベルを比較した。多重仮説検定補正をすべての有意カットオフ値に適用した。
結果
TIMP1、組織メタロプロテアーゼ阻害物質、およびシスタチンC、リソソームプロテイナーゼ阻害剤が、安定な状態と比較して増悪の間有意により高いレベルで尿中に排泄された(n=34、TIMP1およびシスタチンCそれぞれについてウィルコクソン符号順位検定p=0.005およびp=0.013)。
結論
AECOPDの間の尿中TIMP1およびシスタチンCの、それに続く安定なCOPDの間に観察されるレベルを超えるレベルの有意な増加は、肺プロテイナーゼ活性の増加に対する反応を反映し得る。これらの結果は、AECOPDのバイオマーカーとしてこれらのタンパク質の更なる調査を必要とする。
実施例10 - 慢性閉塞性肺疾患の増悪における尿中バイオマーカー
序論
臨床試験の間に医療的ケアを求めて、治療介入を誘導し、これらの事象を検証するよう患者に警告し得るCOPD増悪の信頼できるバイオマーカーの満たされない要求が存在する。任意のバイオマーカーの最小限の要求は、増悪における変化である。この研究の目的は、増悪で反応する一連の候補尿中バイオマーカーを測定することであった。
方法
50人の患者(35人の男性)をロンドンCOPDコホートから募集した。彼らは73.2歳(SD 7.1)であり、予測%として49.0%(SD 17.6)のFEV1およびFEV1/FVC比 = 47.7(13.7)を有する。65個の尿検体を増悪の症候性オンセットの3日(IQR 2-5)以内に採取した。各増悪は、オンセットより91日(IQR=39-132)前の中央値をとった別のベースライン検体を有する。来診ごとに肺機能および血液検体を採取した。
尿中バイオマーカーを自家アッセイ(Mologic Ltd, Thurleigh, UK)および市販アッセイキットを組み合せて測定した。尿中の各バイオマーカーの生物学的レベルを検出するのに必要とされる感度および特異性をまた届ける間に高い精度および正確性を保証するためアッセイシステム、ELISA、ラテラルフロー、基質アッセイおよびザイモグラフィーをすべて最適化した。
結果
65の増悪うち:45は、抗生物質および経口コルチコステロイドで;9は、抗生物質のみで;6は、経口コルチコステロイドのみで;4は、増加させたコルチコステロイドおよび/またはβ2アゴニスト吸入剤の使用で処置された。
ベースラインとオンセットの間で、FEV1は、1.27から1.22 lへ落ち(t検定p=0.027;n=57)、血漿中のC反応性タンパク質は、3 mg/dl(1-7)から5(3-28)へ上がった(p<0.001;n=60)。ヘマトクリット(0.42対0.41;p=0.337)に変化はなく、血漿量は変化しなかったことを示唆した。
表1は、23個の尿中バイオマーカーを示し、これらのうちの12個は、増悪おいて有意に変化した(ウィルコクソン符号順位検定;p<0.05)。
結論
尿は、COPD増悪を検出でき、場合によりそれらの重症度をまた評価し得るバイオマーカーの潜在的なソースである。この方法は、COPD増悪のホームモニタリングおよび管理への直接適用であり得る。
表1. ベースラインおよび増悪における尿中バイオマーカー
図25は、バイオマーカー試験の最初の分析(または暫定的なアルゴリズム)が28人のCOPD患者(ロンドンCOPDコホートから)により提供された尿検体により生じることを例示する。この表に含まれる結果は、好中球由来プロテアーゼとプロテアーゼ阻害剤シールド間のバランスに関係のある3つのバイオマーカー、TIMP2、MMP基質(活性)およびA1ATについてである。結果は、図24に示すアルゴリズムの方式として用いられるためのバイオマーカーの選択工程の一部であった。各患者は、肺増悪の臨床的に確認されたエピソードを感じたとき、安定した疾患期間中の第1の検体および後日の第2の検体を提供した。表中の第1カラムは、増悪エピソードの開始前に経過した日数の点で「安定した」検体の時点を示す。3つのバイオマーカー各々にての3つのカラムがある。「BL」(Base Line(ベースライン))の見出しのある1番目のカラムは、安定な疾患の間に提供された検体中のそのバイオマーカーについての値を示す。「オンセット」の見出しのある2番目のカラムは、増悪の間に提供された検体中のそのバイオマーカーについての値を示す。3番目のカラムは、BL値のパーセンテージとして表されるオンセット値を示す。
この暫定的なアルゴリズムの目的は、「28人の患者のうちどれだけにおいて3つのバイオマーカーの少なくとも1つの値における増加を伴った増悪であるか?」の問題に答えることであった。
続くプロセスは、増悪の時に個々に増加する代替バイオマーカー値のための順次検索である。これは、対象体モニタリングのためのアルゴリズムにどのバイオマーカーを含めることが適切かを特定する。表および左側の三重構成フローチャートにおける3つの連続する問題を参照することにより、各患者のためのプロセスに従うことができる。例えば患者356をとると、リーダーは、1番目の問題の答えを求めて9つの数値にわたってスキャンし始め得る。この暫定的なアルゴリズムのために検索は患者356にとって完全であるその時点で3番目のカラムにおいて問題に「イエス」と答える(MMP基質およびA1ATの両方がまた増加されても)。より複雑なアルゴリズムにおいて、更なるマーカーレベルの増加はまた、(例えば図24に関して記載された方法で)試験の結果の点から考慮に入れられるだろう。
患者29についてプロセスを繰り返して、TIMP2についての答えは「ノー」であるが、MMP基質については「イエス」の答えになる。患者91について、TIMP2およびMMP基質両方が「ノー」の答えを返すが、A1ATは「イエス」を返す。3人の患者のみ(番号24、92および192)が、3つのバイオマーカーすべてについて「ノー」の答えを返し、3つのバイオマーカーのうちのの少なくとも1つが増悪において増加する検体の89%の全結果を与える。これは、完全なアルゴリズムの適切な基礎であるとみなされ、ここで該アルゴリズムにはある特定の更なる要素(図24に関して記載される)が含まれる。
図26は、図25に示されるものと非常に似ている暫定的なアルゴリズムを例示する。この場合、2つの検体は、増悪からの回復および安定な疾患状態への回帰という反対の臨床的事象に及んだ。したがって、図25に適用される論証およびプロセスはまた、問題が増加よりむしろバイオマーカー値の減少に関係すること以外はここであてはまる。基礎的な問題は、「28人の患者のうちの何人が3つのバイオマーカーうちのの少なくとも1つの値の減少を伴った増悪からの回復であるか?」である。これは、バイオマーカーの選択の信頼性に大きなベアリングを有するため、答えるべき重要な問題であると考えられた。大多数の患者検体が増悪からの回復において3つのバイオマーカーのうちの1以上で減少を示さない場合、それらの本質的な増悪との関連がバリデートされないだろう。
図26に示す結果は、患者のうち2人のみが3つのバイオマーカーすべてについて「ノー」の答えを返すことで3つのバイオマーカーの妥当性を確認する。これは全体の93%感度として定義され得る。
図27は、図25と同じ基礎的な論理的根拠に基づくが、パーセンテージが由来した2つの絶対値を含むよりむしろ単にバイオマーカー値のパーセンテージ変化を示すことによってデータを単純化する。図25のように、差異は、一方で安定した疾患の間に採取された検体と他方で増悪において採取された検体との間にある。この図の目的は、増悪と相関する診断指標として働く際における組み合わされた三重の(プロテアーゼ関連)バイオマーカーセットのロバスト性をさらに例示することである。増悪事象を図25で追跡した28人の患者のうち16人はまた第2の「安定した」および「増悪」検体ペアを提供した。図25で特徴付けられた増悪エピソードの前または後いずれかで、これらの第2の検体は提供される。表において、前に調べたエピソードとこのエピソード間の時間間隔が、「回復までの日」の見出しのあるカラムに示される。負の値は、図25のエピソードの前に検体が採取されたことを示し、その後採取された検体は負の値を有しない。
各増悪エピソードのデータは、検体ペアの識別番号で始まる列に含まれる。次の3つのカラムは、図25で示されるデータセットにおいて前に観察されたパーセンテージ差値を示す。例えば、「ID 1」の列において、最初の3つのパーセンテージ値は、図25の最初の列におけるもの(-51、116および22)と同じであり、これらの値が同じ患者からであったことを示す。次のカラムにおいて、140の値は、次の増悪が回復140日後に患者において生じたことを示す。当該列の最後の3つのカラムは、第2の増悪エピソードにおける安定した値と増悪の値間のパーセンテージ差異を示す。ID 25のデータについて、(最後の3つのカラムにおいて)分析された第2の検体ペアは、マイナス記号によって示されるように図25で示される検体ペアの320日前に提供されたことが分かる。
同一患者のうち16人において独立した繰り返し増悪事象のこの群において感度が94%であると算出されるため、これらの結果は、組み合わされた三重の(プロテアーゼ関連)バイオマーカーセットのロバスト性を確認する。
図28は、繰り返し増悪によりバイオマーカー濃度のプロファイルを例示する異なる方法で示される図27で示される値の後のデータ傾向のいくつかを示す。この図の目的は、個別化された閾値および患者特異的ベースライン値を強調することである。4つの例が示され、それら1つずつが3つのバイオマーカーの各々について5つのデータポイントを示す。明確性および単純性のために、重要なポイントが特定の絶対値無しで最大にできるように縦軸は無い。グラフは変動および傾向を表示する。各曲線における値は、最初の値に対して(ベースライン1(BL)において)標準化される。
次の略語:
- BL(ベースライン1(BaseLine 1))
- OS(オンセット1(OnSet 1))
- R(回復(Recovery))
- BL(ベースライン2(BaseLine 2))
- ON(オンセット2(Onset 2))
が横軸に示され、(この順番で)尿検体が採取されたポイントを定義する。
各サンプリング事象は、それらの間隔の大きさにかかわらず次のものから同じ間隔で生じるので、横軸が経過時間においてキャリブレートされないことに留意されたい。しかしながら、間隔は、横軸の下の一連の数字により定義される。各数字は、その位置とそれに先行する位置の間の日数を定義する。
したがって、678の見出しの下のグラフセットを見ると、先行する事象がないため第1のBLがそれの下に数字0を有することが分かる。その下の数字により示されるように、第1のBLサンプリング事象の29日後にOS(第1のオンセット)サンプリング事象が行われた。R(回復)検体は7日後に採取された、など。
2023のグラフセットの軸は、第2のBLの下の日数がマイナスの数字(-499)である
点でわずかに異なる。このことは、いわゆる「第2増悪」のBL検体が、第1のBLの499日後に実際に採取されたことを示す。増悪検体「ON」は、-499日のBL検体の24日後に採取された。これは不要に混乱させるように見え得るが、これがデータが生じた順序であり、それ故に発見された順番であるため、この方法で示す
各グラフセットにおける曲線を見ると、患者678について、両方の増悪においてレベルの明らかな増加があるため、最も緊密に増悪歴を追跡したバイオマーカーがMMP活性(MMP基質)であることが分かる。患者2023について同じことが言える。患者2097について、全身性のプロテアーゼ阻害剤、A1ATが増悪の追跡において著しく効果的である。患者2505について、TIMP2が増悪を追跡するための最も効果的なバイオマーカーである。
まとめるとこれらの結果は:
- 3つのバイオマーカーの各々は単独で特定の患者において増悪追跡バイオマーカーとして機能し得ること
- 3つのバイオマーカーが統合アルゴリズムへの包含に適した選択であること
を示す。
すべての対象体のための方法の感度を最大化するために、対象体特異的ベースライン(BL)値を測定するためより多い頻度サンプリングを適用し、増悪におけるベースラインから離れて有意な傾向を測定するための変動するベースライン値および閾値を算出するためこれらの値を利用することは有利である。これらの方法は、さらに詳細に本明細書に記載される。それにもかかわらず、観察される傾向は、取られる方法および選択される特定のマーカーに正当性を提供する。
図29は、最良の感度を達成するために形成され得る様々なバイオマーカークラスター例示する。50人の患者からの65個のマッチしたベースラインおよび増悪オンセット検体を分析し、どのマーカーが増悪において90%超の患者を特定するために組み合され得るかを特定するために次の方法を用いた(増悪においてバイオマーカー値が増加したと考える)。論理的根拠は、本質的に図25でのと同じである。
B2Mをスタートする中心にし、これは45のエピソードにおける濃度の増加(ベースラインから増悪オンセットへのレベルの増加)においてであって、69%の感度を与えた。「外された」20のエピソードについて、ダイアグラムに示されるように、2ルートがとられ得た。
1. B2M陰性エピソードのうちの10は、増加したカルプロテクチンレベルを有し、感度を85%に上昇させた。残りの10のエピソードから、4のエピソードは増加した活性HNEレベルを有し、感度を91%にした。最後に、更なる3人の患者が増加したA1ATレベルで特定された。
2. B2M陰性エピソードのうちの10は、増加したIL-6レベルを有し、感度を85%に上昇させた。残りの10のエピソードから、5のエピソードは増加した活性MMPレベル(Ultimate ELTABAにより測定される)を有し、感度を92%にした。最後に、更なる3人の患者が増加したデスモシンまたは増加した活性HNEレベルで特定された。
B2M、カルプロテクチン、活性HNEおよびA1ATの組合せは、95%の全体感度を与えた。別法として、ルート2において特定されるバイオマーカーの組合せは、97%の感度を与えた。
図30は、fMLPをスタートする中心にして最良の感度を達成するために形成された様々なバイオマーカークラスターを特定する。この合理性は、図29でのと同じである。
1. fMLPだけが、ベースラインから増悪オンセットへのfMLP濃度の増加を有する42のエピソードを特定して、65%の感度を与える。A1AT、デスモシンおよびIL-6を逐次付加して、感度を97%に上昇させ得る。
2. fMLPだけが、ベースラインから増悪オンセットへのfMLP濃度の増加を有する42のエピソードを特定して、65%の感度を与える。A1AT、デスモシンおよびIL-8を逐次付加して、感度を97%に上昇させ得る。
図31は、TIMP2をスタートする中心にして最良の感度を達成するために形成された様々なバイオマーカークラスターを特定する。この合理性は、図29でのと同じである。TIMP2だけが、ベースラインから増悪オンセットへのTIMP2濃度の増加を有する47のエピソードを特定して、72%の感度を与える。ダイアグラムに示されるように、次のルートがとられ得た。
1. IL-6、デスモシン(ELISAにより測定される)および活性MMP(Ultimate ELTABAにより測定される)を逐次付加して、感度を98%に上昇させ得る。
2. デスモシン(ラテラルフローにより測定される)、IL-6および活性MMP(Ultimate ELTABAにより測定される)を逐次付加して、感度を93%に上昇させ得る。
3. IL-1β、IL-6およびデスモシン(ELISAにより測定される)を逐次付加して、感度を97%に上昇させ得る。
4. IL-1β、IL-6および活性MMP(Ultimate ELTABAにより測定される)を逐次付加して、感度を97%に上昇させ得る。
5. 活性MMP(基質アッセイにより測定される)、IL-6およびデスモシンを逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
6. 活性MMP(基質アッセイにより測定される)、A1ATおよびデスモシン(ELISAにより測定される)を逐次付加して、感度を94%に上昇させ得る。
図32は、TIMP2をスタートする中心にして最良の感度を達成するために形成された様々なバイオマーカークラスターを特定する。ここでの違いは、マーカーがクレアチニン比率に基づくことである。この論理的根拠は、図29でのと同じである。TIMP2だけが、ベースラインから増悪オンセットへのTIMP2濃度の増加を有する42のエピソードを特定して、65%の感度を与える。ダイアグラムに示されるように、次のルートがとられ得た。
1. fMLP、デスモシン(ELISAにより測定される)および活性MMP(Ultimate ELTABAにより測定される)を逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
2. fMLP、IL-6およびデスモシン(ラテラルフローにより測定される)を逐次付加して、感度を94%に上昇させ得る。
3. fMLP、IL-6およびHSAを逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
4. IL-6、活性MMP(Ultimate ELTABAにより測定される)および活性HNEなどを逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
5. 活性MMP(Ultimate ELTABAおよび基質アッセイにより測定される)およびデスモシン(ELISAにより測定される)を逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
6. 活性MMP(Ultimate ELTABAにより測定される)、IL-6および活性HNEなどを逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
7. デスモシン(ラテラルフローにより測定される)、活性MMP(基質アッセイにより測定される)および活性HNEを逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
8. デスモシン(ラテラルフローにより測定される)、A1ATおよび活性HNEを逐次付加して、感度を95%に上昇させ得る。
これらのデータは、様々なマーカーが、高レベルの感度で増悪を特定するアルゴリズムを提供するのに有用に適用され得ることを示す。他の開始点および組合せは、本明細書に含まれる情報に基づいて当業者によって容易に得ることができる。また本明細書で述べられるように、同時に増加した(または実際に減少した)ときのマーカーの組合せはまた、今後の試験を指示し、増悪およびそれからの回復またはその処置を予測または特定することにおいて更なるウェイトが与えられ得る。
実施例9および10においてマーカーレベルを分析するための方法
総MMP9、MMP8、NGAL、TIMP1、TIMP2、HSA、シスタチンC、RBP4、IL-6、IL-8、IL-1βおよびTNFαは、すべて市販ELISAキット(R&D systems)を用いて測定された。生体液中の分析物を測定するためのサンドイッチ免疫アッセイを開発するのに必要とされる基本的な構成要素を含む、これらのDuoSet ELISA development Systemsを試験前に尿でバリデードした。プレートを一晩増感し、製造業者の説明書に従い行った。
サンドイッチ法に基づくすぐに使える固相ELISA(Hycult HK325)を用いてカルプロテクチンを測定した。分析物を固定化抗体およびビオチニル化トレーサー抗体によりサンドイッチし、これをストレプトアビジンペルオキシダーゼコンジュゲートにより認識した。すべての未結合物質を洗い流し、ペルオキシダーゼ酵素基質を加え、その後の色を450nmにおいて測定した。
定量的サンドイッチ免疫アッセイ技術を用いるすぐに使える固相ELISAを用いてフィブリノゲン(B2M ab108841)およびβ2ミクログロブリン(Abcam ab108885)を測定した。分析物を固定化ポリクローナル抗体およびビオチニル化ポリクローナル抗体によりサンドイッチし、これをストレプトアビジンペルオキシダーゼコンジュゲートにより認識した。すべての未結合物質を洗い流し、ペルオキシダーゼ酵素基質を加え、その後の色を450nmにおいて測定した。
Creatinine Parameter Assay(R&D systems KGE005)を用いてクレアチニン測定を達成した。希釈検体をマイクロプレートに加え、続いてアルカリ性ピクリン酸を加え、Jaffe反応を開始した。30分間のインキュベーションの後、プレートを490nmにおいて読み取った。
3つの異なる方法がプロテアーゼ測定のために用いられ、ザイモグラフィー(MMP)、蛍光発生 基質アッセイ(MMPおよびHNE)およびUltimate ELTABA(MMPs)を含んだ:
- Invitrogen製のプレキャストゼラチンゲルを用いてザイモグラフィーを実施し、検体を変性条件にかけ、復元し、生じさせ、染色する手順の後に、暗いバックグランドに対してはっきりしたバンドとして可視化した。image Jソフトウェアを用いてイメージ分析を実施した。公知の濃度における活性MMP9をすべてのゲルでかけ、検体データを標準化した。
-基質アッセイについて、10μmのMMP蛍光発生基質(R&D systems ES010)または20μmのHNE蛍光発生基質(Enzo P-224)を検体5μlに加え、蛍光をBMGプレートリーダーで読み取った。読み取るための条件は、製造業者の説明書のとおり1分間隔で30分間であった。
- Ultimate ELTABA(Mologic自家ラテラルフローアッセイ)について、MMP基質(Mologic MOL378)12.5μlを検体75μlに加え、カセットに加える前に10分間インキュベートした。15分後、Forsite diagnostics製のイムノリーダーを用いてデバイスを読み取った。
サンドイッチ法に基づく社内開発したELISAを用いてA1ATおよびHNEを測定した。固定化マウスFab、およびアルカリホスファターゼ(AP)で直接標識したマウスFabにより分析物をサンドイッチした。洗浄後、アルカリ性ホスフェートの酵素基質を加え、その後の色を405nmにおいて測定した。
検体中の遊離デスモシンが、アルカリホスファターゼと結合したヒツジポリクローナル抗体に対して固相上の結合デスモシンと競合した場合、競合に基づく社内開発したELISAラテラルフローアッセイを用いてデスモシンを測定した。洗浄後、アルカリ性ホスフェートの酵素基質を加え、その後の色を405nmにおいて測定した。
検体中の遊離fMLPが、アルカリホスファターゼと結合したヒツジポリクローナル抗体に対して固相上の結合fMLPと競合した場合、競合に基づく社内開発したELISAを用いてfMLPを測定した。洗浄後、アルカリ性ホスフェートの酵素基質を加え、その後の色を405nmにおいて測定した。
実施例11 - 嚢胞性線維症患者における増悪
図33は、採取時間に関して嚢胞性線維症患者から提供された尿検体からのアルゴリズムの重要な態様を例示する。安定した疾患期間の間および肺増悪(PEx)を感じていたときの2つの検体が患者から提供された。
検体を採取したときの順番は、各患者によって異なり、何人かは、入院前に先の「安定した」検体を採取し、何人かは最初に入院し、すぐ後に「安定した」検体を採取した。TIMP2レベルが高いとき、MMP活性(ラテラルフローにより測定される)は低くあるべきであることが予測される。患者4を例外として、すべての患者においてこのことが実証された。患者のうち5人(3、5、6、7、8)について見られるようにMMP活性は増悪において高まるべきであることもまた予測される。しかしながら、患者のうち2人(2、9)について、活性MMPが安定な状態よりPExにおいて低く、プロテアーゼシールドが切断した、活性MMP9の存在がTIMP2応答を誘発した後に検体が提供されたことを示した。
これは、重大な予測に役立つ意味を有し、規則的なサンプリングに基づいて増悪エピソードを追跡するためのこれらの指標の使用の重要性を強調する。
実施例12 - COPD患者における増悪
1. 序論
増悪の発生頻度はCOPDの重要な特徴である。尿の検体セットをCOPD対象体のサブグループから採取した。尿検体は、35人の患者について研究の最初の12ヵ月の間各々計画された毎月の来院から提供される。さらに、COPD増悪のために各々計画されていない来院の時に採取された尿検体が提供された。
2. バイオマーカーおよびアッセイ
2.1 バイオマーカーの選択
従来の肺炎症研究(COPDおよびCF)において本発明者らが行った作業に基づいて、表2.1a中のバイオマーカーが、研究のための試験メニューとして選択された。バイオマーカーを測定するために自家アッセイおよび市販アッセイキットの組合せを用いた。他のプロジェクトからのCOPD検体によってこのプロジェクトにおける試験の開始前にアッセイを評価、選択およびバリデートした。
表2.1a:バイオマーカーおよび試験手順
2 研究のための自家アッセイの開発
2.2.1 Ac-PGPアッセイ
好中球化学誘引物質であるN-アセチルPro-Gly-Pro(Ac-PGP)は、細胞外マトリックス(ECM)の破壊に由来し、気道炎症の間中生じる。AcPGPは炎症性疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)において好中球性白血球のタンパク質分解作用によりコラーゲンから開裂されるため、AcPGPをバイオマーカーとして選択した。
3つのAc-PGP競合EIAアッセイを開発した。Ac-PGP競合EIAアッセイうちの1つの概略図を図34に示す。
図35は、1000 ng/mlから15.625 ng/mlに至るまでの範囲の標準を有するこの競合結合形式を用いて得られた検量線を示す。
2.2.2 fMLPアッセイ
好中球は、細菌を殺す活性酸素種を産生し放出すること、および感染部位へ他の免疫細胞を引き付けるケモカインを発現することにより細菌感染に応答する。fMLP(N-ホルミル-L-メチオニル-L-ロイシル-フェニルアラニン)と同様なN-ホルミル化ペプチドは、強力な化学誘引物質として主要な役割を果たす。fMLPは、タンパク質プロセシング機構の結果として様々な細菌からおよび/または分解された細菌(PAMP)から生じる。それはまた、真核細胞タンパク質のミトコンドリア(例えば「DAMP」)において生成され得る。N-ホルミルペプチド受容体は共役したG-タンパク質であり、fMLPで刺激されたときヒト好中球および他の細胞における食作用および炎症後反応、例えば活性酸素中間体(例えばスーパーオキシド;O2 -)の産生を開始/伝搬する。
1つの競合EIAアッセイを開発した。fMLP競合EIAアッセイの概略図を図36に示す。
図37は、50 ng/mlから0.78 ng/mlに至るまでの範囲の標準を有するこの競合結合形式を用いて得られた検量線を示す。
2.2.3 デスモシン断片アッセイ
炎症中のエラスチン繊維の分解は、エラスターゼと呼ばれる酵素により生じる。2つの重要な炎症性エラスターゼは、好中球エラスターゼ(活性化好中球により放出される)およびMMP12(肺マクロファージにより放出される)である。デスモシンは、エラスチンから切断され、白血球活性が増加したまたは増加していることを示す分解過程の分子署名である。尿中に直接排泄されるデスモシンの量は、順番に組織損傷レベルを示すエラスチン分解の程度と相関する。デスモシンは、腎臓を通過できるほど十分小さい。過剰な好中球性白血球活性は、増悪の重要な原動力である。デスモシン断片アッセイは、本願発明者らがすでに開発し、バリデートしたデスモシンアッセイへの追加である。当該アッセイは、特に、ヒト好中球エラスターゼによる切断によって生じる異なる大きさであるエラスチン断片にされた複数の抗体の生成によって、デスモシン、およびエラスチン繊維にまだ結合するデスモシンを測定できるようにデザインされた。
図39は、酵素(HNE)の濃度増加により破壊される全エラスチン(右側のピーク)についてのプロファイルを示すHPLC分析を示す。生じた異なる断片は、特定の抗体産生に対してヒツジに免疫を与えるのに用いられた。
図38は、デスモシン断片競合EIAアッセイの概略図である。
2.2.4 MMP活性アッセイ(Ultimate ELTABA)
この独自のアッセイ(本明細書にさらに詳細に記載)は、MMPにより切断されることができ、その後特異的な標識ヒツジ抗体CF1522により認識される、特別にデザインされた基質を加えることにより、特定のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の活性を測定できる。
3 検体分析
71の増悪事象が選択され、各事象は、安定前および安定後の検体を有した。
・増悪前の検体を増悪の3〜66日間前に採取した
・増悪後の検体を増悪事象の6〜73日前に採取した
対応のあるt検定分析を用いて、増悪と増悪前および増悪後間で有意に異なるマーカーを算出した。マーカーをまたクレアチニンで正規化した。p値は、有意な値<0.05を強調して以下の表に示される。
CRPは正規化により影響されなかった。増悪前および増悪後の増加および減少がある。他のマーカーは正規化で異なっており、特に6つの更なるマーカー(コラーゲンおよびエラスチン分解マーカーAc-PGPならびにデスモシン様マーカー)は、安定から増悪へ有意に変化し、このうちの4つは回復に戻るまで減少した。シグナル分子IL-1β、IL-6およびfMLPは、増悪へ増悪前増加しないが、回復において減少し、正確な時点で検体を捕らえる重要性を示した。非正規化検体でMMP活性(ultimate ELTABA バージョン1およびバージョン2、カルプロテクチンならびにCC16)における減少が有意であることが示された。
ベースライン値が患者ごとに変わるように、個々の閾値は重要である。これを考慮に入れると、3つのマーカーの組合せは、安定からの94%および回復群における93%の増悪事象、すなわちPExにおける増加および回復における減少を増悪群にまとめてグループ化できる。尿中CRPおよびデスモシンは一般的なマーカーである。
「増悪事象を予測すること」に焦点を置くと、CRPだけでは71の事象のうち48(68%と等しい)についてベースラインから増悪へ増加し、デスモシンと組み合わせると、これは82%に増加し、IL1βを加えると、96%に増加した。これは図41Aに示される。
「回復事象を予測すること」に焦点を置くと、CRPだけでは71の事象のうち46(65%と等しい)について増悪から回復へ増加し、デスモシンと組み合わせると、これは89%に増加し、フィブリノゲンを加えると、93%に増加した。これは図41Bに示される。
実施例13:増悪における尿中バイオマーカーの変化
上記と同じコホートから、血中CRP測定に基づいて検体のサブセットを選択した。
血中CRP測定に基づく安定/Pex
検体の状態を確認する群を階層化するために血中バイオマーカーを用いた。血中CRP測定は何人かの患者に利用可能であった。安定群から血中CRP<10で検体を選択し、PExからCRP>10で検体を選択して、88の安定検体および59のPEx検体生じさせた。
モデル1aおよび1b
2群を区別できるときに有望な組合せとしてCRP,Ac-PGPv3、fMLP、TIMP1、HSAおよびCC16を特定した濃度値上で実施したロジスティック回帰分析(モデル1a):
これは、0.38に調節される場合0.5のカットオフ値を用い、感度は、安定群において91%の許容される特異性を有して増加し得る。
ロジスティック回帰およびROCプロットを図42に示す。
2群を区別できるときに有望な組合せとしてCRP、Ac-PGPv3、fMLP、TIMP1およびA1ATを特定した濃度値上で実施したロジスティック回帰分析(モデル1b)
これは、0.3146に調節される場合0.5のカットオフ値を用い、感度は、安定群において86%の許容される特異性および十分な感度を有して増加し得る。
ロジスティック回帰およびROCプロットを図43に示す。
その年2以上の増悪を有する患者のみを含む更なる群が定義された。PEx群は、59の検体および47安定検体からなる。次の3つのモデルが以下のとおり作成された:
モデル2a、2bおよび2c
2群を区別できるときに有望な組合せとしてCRP、fMLP、Ac-PGPバージョン3、A1ATおよびTIMP1を特定した濃度値上で実施したロジスティック回帰分析(モデル2a)
ロジスティック回帰プロットを図44に示す。
2群を区別できるときに有望な組合せとしてCRP、fMLP、デスモシン断片V4、デスモシンラテラルフローアッセイV2、A1ATを特定した濃度値上で実施したロジスティック回帰分析。2群を区別できるときに有望な組合せとしてTIMP1およびGENDER(モデル2b)
ロジスティック回帰プロットを図45に示す。
2群を区別できるときに有望な組合せとしてCRP、fMLP、Ac-PGPバージョン3、A1ATおよびCC16を特定した濃度値上で実施したロジスティック回帰分析(モデル2c)
ロジスティック回帰プロットを図46に示す。
モデル2a、2bおよび2c各々についてのROC曲線を図47(それぞれA、BおよびC)に示す。
3つのモデルすべてについての共通のマーカーは、CRPおよびA1ATである。すべてのモデルがほとんどの増悪を検出できた。
実施例14:増悪における尿中バイオマーカーの変化
決定木分析
アルゴリズム21〜2cが由来する限られた検体セットを用い、データを決定木を用いて分析した。決定木は、独立(予測因子)変数値に基づく独立(標的)変数値を予測する予測モデルとして用いられ得る。この方法は、代替としてロジスティック回帰などの方法に適用される。
感度または特異性を優先する多くのマーカー組合せがあり、両方について少なくとも75%を達成することに基づいて組合せのうちの8つを選択した。
組合せ1
TIMP2、CRPおよびデスモシン(6:TIMP2 LF 45:CRP 21:デスモシンEIA V2)
決定木を図48に示す。
組合せ2
TIMP1、CRPおよびCC16(7:TIMP1 ELISA 45:CRP 46:CC16 ELISA)
決定木を図49に示す。
組合せ3
B2M、CRP、Ac-PGP(17:B2M(Mologic)45:CRP 38:Ac-PGP EIA V3)
決定木を図50に示す。
組合せ4
MMP活性、CRPおよびLEF(25:Ultimate ELTABA V1 45:CRP 43:ラージエラスチンフラグメントアッセイ(LEF)V2)
決定木を図51に示す。
組合せ5
MMP活性、CRPおよびHSA(26:Ultimate ELTABA V2 45:CRP 15:ヒト血清アルブミン ELISA)
決定木を図52に示す。
組合せ6
クレアチニン、CRP、Ac-PGP(29:クレアチニン 45:CRP 38:Ac-PGP V3)
決定木を図53に示す。
組合せ7
fMLP、CRPおよびTIMP2(34:fMLP EIA 45:CRP 8:TIMP2 ELISA)
決定木を図54に示す。
組合せ8
Ac-PGP、CRP、代替Ac-PGPアッセイ(36:Ac-PGP EIA V1 45:CRP 38:Ac-PGP EIA V3)。
決定木を図55に示す。
実施例15:増悪における尿中バイオマーカーの変化
49人の患者が安定および増悪検体を提供した。尿中CRPは、中央値60.7 pg/mlから317.3 pg/mlへ増加した(p=0.0015)。四分位範囲(interquartile range)は、安定状態については0〜143.9であり、増悪状態では23.6〜2584であった。結果を図40に示す。
このコホートにおいて有意に異なる他のバイオマーカーは、MMP基質(p=0.0466)、TIMP2(p=0.0095)、A1AT(p=0.0035)、HSA(p=0.0424)およびRBP4(p=0.0478)であった。
本発明は、本明細書に記載の特定に実施態様による範囲に限定されない。実際には、本明細書に記載のものに加えて本発明の様々な改良が、先の記載および付属の図面から当業者に明らかであろう。そのような改良を特許請求の範囲の範囲内とするように意図する。さらに、本明細書に記載のすべての態様および実施態様は、広く任意およびすべての他の矛盾しない実施態様(必要に応じて(分離して含む)本発明の他の態様から得られたものを含む)と適用可能で併合可能であると考えられる。多様な刊行物が本明細書に引用され、これらの開示は出典明示によりその全体として本明細書の一部とする。

Claims (15)

  1. 呼吸器障害を患う対象体の肺炎症状態をモニターするための方法であって、該方法が、複数の時点で対象体から採取した尿検体中の少なくとも3つのマーカーレベルを測定することを含み、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、肺状態の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、肺状態の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測し、少なくとも3つのマーカーが、C反応性タンパク質(CRP)、クララ細胞タンパク質(CC16)、ラージエラスチンフラグメント(LEF)、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンC、α1アンチトリプシン(A1AT)、細胞間接着分子-1(ICAM-1)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-1β(IL-1β)、インターロイキン-8(IL-8)、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲン、サイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)レチノール結合タンパク質4(RBP4)、カルプロテクチン、プロテアーゼ活性(ここで、プロテアーゼ活性は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)活性およびカテプシンG活性より選択される)、N-アセチルPro-Gly-Pro(Ac-PGP)、デスモシンおよびヒト血清アルブミン(HSA)より選択される、方法。
  2. 尿検体中の少なくとも1つの更なるマーカーレベルを測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの更なるマーカーが、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)またはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. (1)MMP活性がMMP9および/またはMMP8活性を含;および/または
    (2)プロテアーゼ活性が、ペプチド基質の切断の測定により決定され;および/または
    (3)プロテアーゼ活性が、
    a. 指示薬分子を試験検体と接触させること(ここで、該指示薬分子は、
    i. 該プロテアーゼが存在する場合に該プロテアーゼにより切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
    ii. 捕捉部位;
    を含む指示薬分子であり、ここで少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる);
    b. 試験検体に新しい結合部位に結合できる結合分子を加えること(ここで該結合分子は、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない);
    c. 捕捉部位への捕捉ゾーン中の捕捉分子の結合によって捕捉ゾーンにおいて新しい結合部位を含む指示薬分子の該部分を捕捉すること;ならびに
    d. 捕捉ゾーンにおいて捕捉された指示薬分子の新しい結合部位への結合分子の結合を測定することにより少なくとも1つの切断部位の切断を検出すること
    を含む方法によって測定される、
    請求項に3記載の方法。
  5. 少なくとも3つのマーカーの少なくとも1つが、CRP、CC16およびラージエラスチンフラグメント(LEF)より選択され、少なくとも3つのマーカーの別の少なくとも1つが、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP)、シスタチンCおよびα1アンチトリプシン(A1AT)より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 少なくとも3つのマーカーの少なくとも1つが、CRP、CC16およびラージエラスチンフラグメント(LEF)より選択され、少なくとも3つのマーカーの別の少なくとも1つが、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLP)、IL-6誘導フィブリノゲンおよびサイトカイン誘導β2ミクログロブリン(B2M)より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. プロテアーゼ活性の分解産物である少なくとも1つの更なるマーカーのレベルを測定することをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. (1)呼吸器障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)であり;および/または
    (2)少なくとも3つのマーカーの少なくとも1つ、または少なくとも1つの更なるマーカーのレベルの増加または減少が、対象体に適したマーカーの閾値レベルを参照して算出され、ここで、マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより設定されてもよく、該早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含んでもよい、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. マーカーの閾値レベルが、対象体が肺状態の増悪を患っていない早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより設定され、閾値を超える増加が肺状態の増悪を予測または特定するか、またはマーカーの閾値レベルが、対象体が肺状態の増悪を患っている早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定することにより設定され、閾値を下回る減少が肺状態の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定する、請求項8に記載の方法。
  10. (1)マーカーレベルを少なくとも週に2回測定し;および/または
    (2)マーカーレベルの増加が検出される場合に対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定する頻度が増加され、マーカーレベルの減少が検出されるまで対象体から採取した尿検体中のマーカーレベルを測定する頻度が維持されてもよく;および/または
    (3)少なくとも3つのマーカーの測定されたレベルが、対象体の肺炎症状態をモニターするために所定の順序で分析され、および/または少なくとも3つのマーカーの測定されたレベルが、ウェイトを与えられ;および/または
    (4)基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つのマーカーレベルを決定し、該基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含んでもよい、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. a. 尿検体中の少なくとも3つのマーカーレベルを測定するための1以上の試験デバイス
    b. プロセッサー;ならびに
    c. プロセッサーによって実行されたとき:
    i. 1以上の試験デバイス上の尿検体中の各マーカーの測定されたレベルにアクセスしおよび/またはそれを算出し;
    ii. 尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルに、早期の時点で同じ対象体から採取された尿検体中の該マーカーの測定されたレベルと比較して、増加または減少があるか否かを算出し;そして
    iii. プロセッサーから対象体の現在の肺炎症状態を出力し、ここで、尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加は、肺状態の増悪を示すかもしくは予測し、および/または尿検体中のマーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の減少は、肺状態の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測する
    ように構成されたコンピューターアプリケーションを含む記録媒体
    を含み、少なくとも3つのマーカーが、CRP、CC16、ラージエラスチンフラグメント(LEF)、TIMP、シスタチンC、A1AT、ICAM-1、IL-6、IL-1β、IL-8、fMLP、IL-6誘導フィブリノゲン、B2MRBP4、カルプロテクチン、プロテアーゼ活性(ここで、プロテアーゼ活性は、MMP活性、HNE活性およびカテプシンG活性より選択される)、Ac-PGP、デスモシンおよびHSAより選択される、呼吸器障害を患う対象体において肺炎症状態をモニターするためのシステムまたは試験キット。
  12. プロセッサーから出力するためのディスプレイをさらに含み、および/または1以上の試験デバイスが、使い捨ての単回使用デバイスを含み、および/または1以上の試験デバイスが、ラテラルフロー試験ストリップを含み、測定される各マーカーのためのラテラルフロー試験ストリップを含んでもよい、請求項11に記載のシステムまたは試験キット。
  13. マーカーに、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)(遊離型もしくは複合体中のいずれか)またはミエロペルオキシダーゼ(MPO)より選択される少なくとも1つの更なるマーカーが追加され、および/またはMMP活性が、MMP9および/またはMMP8活性を含、該1以上の試験デバイスが、プロテアーゼ活性の指標としてペプチド基質の分解を測定するための試験デバイスを含んでもよく、該試験デバイスが、
    a. 尿検体へ加えるための指示薬分子であって、
    i. 該プロテアーゼ活性が存在する場合に該プロテアーゼ活性により切断され得る少なくとも1つの切断部位を含む切断領域;および
    ii. 捕捉部位;
    を含む指示薬分子であり、少なくとも1つの切断部位の切断は、新しい結合部位を生じる、指示薬分子;
    b. 尿検体を受け取るための捕捉ゾーンであって、新しい結合部位を含む指示薬分子を固定するために指示薬分子の捕捉部位に結合できる捕捉分子を含む捕捉ゾーン;ならびに
    c. 新しい結合部位に結合できる結合分子であって、切断が生じない限りかつ切断が生じるまで指示薬分子に結合できない結合分子
    を含んでもよい、請求項11または12に記載のシステムまたは試験キット。
  14. (1)マーカーに、エラスチン断片/ペプチド、塩素化ペプチド、乳酸および/または遊離脂肪酸から選択される少なくとも1つの更なるマーカーが追加され;および/または
    (2)対象体が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または嚢胞性線維症(CF)を患っており;および/または
    (3)コンピューターアプリケーションが、対象体に適したマーカーの閾値レベルを参照して1または複数のマーカーのレベルをプロセッサーに算出させ、該マーカーの閾値レベルが、早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて設定されてもよく、該早期の時点が、現在の尿検体中のマーカーレベルを決定する直前の少なくとも2回の早期の測定を含んでもよく、該マーカーの閾値レベルが、対象体が肺状態の増悪を患っていない早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて設定され、閾値を超える増加が肺状態の増悪を予測または特定し、および/または対象体が肺状態の増悪を患っている早期の時点で対象体から採取した尿検体中のマーカーの測定されたレベルに基づいて設定され、閾値を下回る減少が肺状態の増悪からの回復、またはその処置の成功を予測または特定してもよく;および/または
    (4)コンピューターアプリケーションが、対象体に対して1または複数のマーカーレベルを測定する要求をプロセッサーに指示させ、および/またはコンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの増加が算出される場合に対象体から採取した尿検体中の1または複数のマーカーレベルを測定する頻度を増加させる要求をプロセッサーから出力するよう構成され、該コンピューターアプリケーションが、さらに、少なくとも1つのマーカーレベルの減少が算出されるまで少なくとも1つのマーカーレベルを測定する頻度を増加させたまま維持する要求をプロセッサーから出力するよう構成されてもよく;および/または
    (5)コンピューターアプリケーションが、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの算出された増加が肺状態の増悪を示すもしくは予測するというプロセッサーのから出力を提供するよう構成され、および/またはコンピューターアプリケーションが、マーカーの少なくとも1つのレベルの減少を算出し、マーカーの少なくとも1つのレベルの増加後の算出された減少が肺状態の増悪からの回復、またはその処置の成功を示すかもしくは予測するというプロセッサーからの出力を提供するよう構成され、および/またはコンピューターアプリケーションが、対象体の肺炎症状態をモニターするために少なくとも3つのマーカーの算出されたレベルを所定の順序で分析するように構成され、および/またはコンピューターアプリケーションが、少なくとも3つのマーカーの測定されたレベルにウェイト付けるよう構成され;および/または
    )コンピューターアプリケーションが、基準マーカーのレベルに対して標準化することにより少なくとも1つのマーカーレベルを算出するよう構成され、該基準マーカーが、尿中クレアチニンまたはフィブリノゲンを含んでもよく、および/またはコンピューターアプリケーションが、さらに、対象体の現在の肺炎症状態の算出に肺状態の増悪の他の指標の情報を組み込むように構成され、該肺状態の増悪の他の指標が、息切れ、喘鳴の増加、脈拍数の増加、呼吸困難、膿性痰の増加、喀痰の色の濃化、咽頭痛、咳の増加、悪寒および発熱を含んでもよい、
    請求項11〜13のいずれか一項に記載のシステムまたは試験キット。
  15. 請求項11〜14のいずれか一項に記載のコンピューターアプリケーション。
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