JP6540811B2 - 廃液処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃液処理装置に関する。
本願は、2015年8月12日に、日本に出願された特願2015−159416号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
周知のように、パームオイルはオイルパーム(oil palm、和名:アブラヤシ)の果実を加工することによって生産される植物油(成果物)である。このようなパームオイルは、東南アジアが主産地であり、大規模農園であるプランテーションで製造されている。このようなパームオイルの生産に伴い発生する植物由来の廃棄物を、バイオマスとして再資源化することが考えられている。例えば下記特許文献1及び特許文献2には、このオイルパームの幹(トランク)から採取した樹液を原料としてアルコール発酵(エタノール発酵)させることによりバイオエタノール(液体燃料)を製造することが記載されている。
日本国特許第4665257号公報 日本国特許第4418871号公報
ところで、パームオイルは、オイルパームの果実を圧搾して得られた汁液を精製することで生産されている。このため、パームオイル生産工程においては、上記汁液からパームオイルが分離された残液がパームオイル廃液(POME:Palm Oil Mill Effluent)として多量に排出されている。このようなパームオイル廃液は、有機物を含んだバイオマスであり、メタン発酵処理(嫌気性処理)を用いることによりエネルギー回収しつつ廃液処理することが考えられている。
しかしながら、パームオイル廃液中には油脂分としてのパームオイルが含まれると共に主に前記圧搾時に生成する微小な固形物(懸濁固形物)が混入している。このため、グラニュール型のメタン菌を用いてパームオイル廃液をメタン発酵処理する場合には、所望の発酵効率を維持するために、前記油脂分及び懸濁固形物の濃度をある程度まで低下させる必要がある。すなわち、グラニュール型のメタン発酵槽では、油脂分や懸濁固形物がグラニュール(メタン菌)に付着してメタン菌による有機物の分解効率を低減させる現象を抑制する必要がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、メタン発酵処理に供給される廃液中の固形物の濃度をメタン発酵処理で許容される濃度まで低減することを目的とする。
本発明の廃液処理装置に係る第1の態様は、所定の植物を圧搾処理して発生した廃液を処理する廃液処理装置であって、前記廃液から懸濁固形物を分離して分離液を生成する分離手段と、前記分離液をメタン発酵処理するメタン発酵手段とを備え、前記分離手段は、遠心分離装置と加圧浮上分離装置とを組み合わせたものである。
本発明の廃液処理装置に係る第2の態様は、前記分離手段は、前記遠心分離装置を用いることによって前記廃液から懸濁固形物を分離して第1の分離液を生成し、前記加圧浮上分離装置を用いることによって前記第1の分離液から懸濁固形物を分離して第2の分離液を生成する。
本発明の廃液処理装置に係る第3の態様は、前記加圧浮上分離装置において得られる浮上泡から油脂を分離する第2の遠心分離装置をさらに備える。
本発明の廃液処理装置に係る第4の態様は、前記分離手段は、前記加圧浮上分離装置を用いることによって前記廃液から懸濁固形物を分離して第1の分離液を生成し、前記遠心分離装置を用いることによって前記加圧浮上分離装置において得られる浮上泡から懸濁固形物及び油脂を個別に分離して第2の分離液を生成する。
本発明の廃液処理装置に係る第5の態様は、前記第1〜第4のいずれかの態様において、前記加圧浮上分離装置は、浮上用気泡の粒径が前記廃液あるいは前記第1の分離液に含まれる懸濁固形物の粒径に対して最適設定されている。
本発明の廃液処理装置に係る第6の態様は、前記第1〜第5のいずれかの態様において、前記廃液は、パーム果実の汁液からパームオイルが回収された残液に、前記汁液の沈殿物の脱水液及び/あるいは前記パーム果実の搾汁滓から分離された第2の汁液を加えたものである。
本発明の廃液処理装置に係る第7の態様は、前記第1〜第6のいずれかの態様において、前記メタン発酵手段で得られた消化液を好気性処理する好気性処理設備と、該好気性処理設備の処理液を培養液として所定の浮き草を栽培する浮き草栽培設備と、該浮き草栽培設備で栽培された前記浮き草から肥料成分を回収する肥料成分回収設備とをさらに具備する。
本発明の廃液処理装置に係る第8の態様は、前記第3の態様において、前記第2の遠心分離装置を60〜80℃に加温する。
本発明によれば、遠心分離機と加圧浮上分離装置とを組み合わせた分離手段によって廃液から懸濁固形物を分離して分離液を生成するので、メタン発酵処理に供給される廃液つまり前記分離液中の懸濁固形物の濃度をメタン発酵処理で許容される濃度まで低減させることが可能となる。したがって、本発明によれば、グラニュール型のメタン菌を用いて廃液をメタン発酵処理する場合に、所望の発酵効率(処理効率)を維持することができる。
本発明の実施形態におけるパームオイル生産システムのフロー図である。 本発明の第1実施形態における阻害物分離設備の詳細構成図である。 本発明の第2実施形態における阻害物分離設備の詳細構成図である。 本発明の第3実施形態における阻害物分離設備の詳細構成図である。 本発明におけるパームオイル廃液の温度と油分回収率の関係を示す図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る廃液処理装置について説明する。
図1は、本実施形態におけるパームオイル生産システムのフロー図である。このパームオイル生産システムは、植物の一種であるオイルパームから植物油の一種であるパームオイルを生産するシステムであり、このパームオイルの生産過程で大量のパームオイル廃液(POME:Palm Oil Mill Effluent)を排出する。詳細については後述するが、このパームオイル廃液は、有機物を含んだバイオマスの一種である。本実施形態に係る廃液処理装置Aは、このようなパームオイル廃液を処理する一種の水処理設備であり、パームオイル生産システムに付帯的に設けられている。
上記パームオイル生産システムは、図1に示すように、パームプランテーション1、果実分離設備2、搾汁設備3、沈殿処理設備4、汚泥分離設備5、パームオイル回収設備6、搾汁滓処理設備7、阻害物分離設備8(分離手段)、メタン発酵設備9(メタン発酵手段)、好気性処理設備10、発電設備11、浮き草栽培設備12、肥料成分回収設備13及びパームオイル精製設備14を備えている。これら各設備のうち、阻害物分離設備8、メタン発酵設備9、好気性処理設備10、浮き草栽培設備12及び肥料成分回収設備13は、本実施形態における廃液処理装置Aを構成している。
これら各設備のうち、パームプランテーション1は、オイルパーム(和名:アブラヤシ)を栽培する大規模農園である。オイルパームは、ヤシ科の植物であり、パームオイルの原料植物である。パームプランテーション1において栽培されたオイルパームからは、パーム果房X1が収穫される。パーム果房X1は、複数のパーム果実X2が房となったものであり、果実分離設備2へと供給される。
果実分離設備2は、パーム果房X1からパーム果実X2を分離する設備である。果実分離設備2は、高温蒸気発生装置を備えており、パーム果房X1に高温蒸気を当てることにより加熱処理を行う。これにより、パーム果房X1は、柔軟化し、滅菌される。果実分離設備2は、加熱処理されたパーム果房X1をカッターで切断することによりパーム果実X2を分離する。果実分離設備2は、パーム果房X1から分離されたパーム果実X2を搾汁設備3へと供給し、残渣物である空果房(EFB:Empty Fruit Bunch)を不図示の廃棄処理設備へと供給する。
搾汁設備3は、圧搾装置を備え、パーム果実X2を圧搾することにより汁液である搾汁液X3を取り出す設備である。搾汁液X3は、パーム果実X2に本来的に含まれる粗パームオイル、水分及び水溶性多糖類を主成分とする液体であり、圧搾によって主に生成された微小な固形物が混入している。この固形物は、主に不溶性食物繊維(不溶性多糖類)である。搾汁設備3は、搾汁液X3を沈殿処理設備4へと供給する一方、搾汁滓X4を搾汁滓処理設備7へと供給する。なお、搾汁滓X4は、パーム果実X2の繊維質が主成分の固体であるが、粗パームオイル、水分及び水溶性多糖類を含んでいる。
沈殿処理設備4は、沈殿タンクを備え、この沈殿タンクに搾汁液X3を静置・貯留することにより、沈殿物X5と上澄み液X6とに分離する設備である。この沈殿処理設備4では、搾汁液X3から粒径が比較的大きな固形物が沈殿物X5として取り除かれることによって上澄み液X6が生成される。沈殿物X5は、粒径が比較的大きな固形物が主成分であるが、液体成分を含んだ泥状物である。また、上澄み液X6は、粗パームオイル、水分及び水溶性多糖類を主成分とするものの、粒径が比較的小さな固形物が含まれた液体である。沈殿処理設備4は、沈殿物X5を汚泥分離設備5へと供給し、上澄み液X6をパームオイル回収設備6へと供給する。
汚泥分離設備5は、沈殿物X5に含まれる液体成分を分離する設備である。汚泥分離設備5は、例えば遠心分離機を備えており、この遠心分離機によって沈殿物X5を脱水液(パームオイル廃液X7A)と分離汚泥X8とに分離する。パームオイル廃液X7Aは、水分及び多糖類を主成分とした液体であり、油脂(粗パームオイル)が多少含まれると共に、粒径が比較的小さな固形物が懸濁固形物(SS:Suspended Solid)とが混入している懸濁液である。一方、分離汚泥X8は、固形物が主成分であるものの、油脂(粗パームオイル)を多少含んでいる。このため、汚泥分離設備5は、分離汚泥X8を上流の沈殿処理設備4へと戻すことにより油脂(粗パームオイル)の再回収を促す一方、パームオイル廃液X7Aを阻害物分離設備8へと供給する。
パームオイル回収設備6は、上澄み液X6から粗パームオイルX9(CPO:Crude Palm Oil)を分離する設備である。このパームオイル回収設備6は、例えば遠心分離機を備えており、この遠心分離機を用いて上澄み液X6を粗パームオイルX9とパームオイル廃液X7Bとに分離し、パームオイル廃液X7Bを阻害物分離設備8へ供給する一方、粗パームオイルX9をパームオイル精製設備14に供給する。粗パームオイルX9は、不純物(油溶性不純物)を含む状態のパームオイルであり、パームオイル精製設備14は、粗パームオイルX9に精製処理を施すことにより製品としてのパームオイルX9Aを生成する。
搾汁滓処理設備7は、搾汁滓X4から液体成分(第2の汁液)を分離するための設備である。この搾汁滓処理設備7は、例えば遠心分離機を備え、この遠心分離機を用いて、パーム果実X2の殻(PKS:Palm Kernel Shell)等の固形物と第2の汁液とを分離する。搾汁滓処理設備7は、前記固形物を不図示の廃棄処理設備へ供給し、第2の汁液をパームオイル廃液X7Cとして阻害物分離設備8へ供給する。
阻害物分離設備8には、上述した3種類のパームオイル廃液X7A〜X7Cの混合液がパームオイル廃液X7Dとして供給される。この阻害物分離設備8は、本実施形態における分離手段であり、遠心分離装置と加圧浮上分離装置とを組み合わせた設備である。また、阻害物分離設備8は、遠心分離装置と加圧浮上分離装置とを用いることにより、パームオイル廃液X7Dから懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)を分離し、この分離によって得られた分離液X10をメタン発酵設備9に供給する。なお、懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)は、後段のメタン発酵設備9におけるメタン発酵の阻害物である。
図2は、阻害物分離設備8の詳細構成図である。この図2に示すように、阻害物分離設備8は、遠心分離装置80、油分分離タンク81、加圧浮上分離装置82及び脱気タンク83を備えている。遠心分離装置80は、三相分離型の遠心分離機であり、パームオイル廃液X7Dを懸濁固形物X7a、比重が比較的重い液体(重液X7b)、比重が比較的軽い液体(軽液X7c)の三相に分離させる。
懸濁固形物X7aは、上述したように搾汁設備3による圧搾によって主に発生するものであり、また粒径が比較的小さな固形物である。重液X7bは、水分及び水溶性多糖類を主成分とする液体である。また、軽液X7cは、パームオイルに不純物(油溶性不純物)が混入した粗パームオイルである。遠心分離装置80は、このような懸濁固形物X7aを廃棄処理設備(不図示)へ供給し、重液X7bを油分分離タンク81へ供給し、軽液X7cを粗パームオイルX9としてパームオイル精製設備14へ供給する。
油分分離タンク81は、重液X7bを緩やかに撹拌することで重液X7bの層分離を促すタンクである。この油分分離タンク81は、前記層分離によって浮上した重液X7b中の油脂X7d(粗パームオイル)をパームオイル精製設備14へ供給する一方、前記層分離によって油脂が分離された重液を第1の分離液X7eとして加圧浮上分離装置82へ供給する。
ここで、パームオイル廃液X7A〜X7Cの性状つまりパームオイル廃液X7Dの性状にも依るが、第1の分離液X7eには一定量の懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)が未だ含まれている。加圧浮上分離装置82は、加圧溶解機82a及び浮上タンク82bを備えており、空気を原水中に加圧溶解させた加圧水Yを第1の分離液X7eに混合させることにより、第1の分離液X7eから懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)をさらに分離する。
加圧溶解機82aは、外部から取り込んだ原水と大気から取り込んだ空気とを所定のポンプを用いて撹拌しながら加圧することにより、原水中に空気を加圧溶解させた加圧水Yを生成する。油分分離タンク81と浮上タンク82bとの間には第1の分離液X7eを油分分離タンク81から浮上タンク82bに供給する配管が設けられており、加圧溶解機82aは、このような配管の途中部位に加圧水Yを供給する。
浮上タンク82bは、前記配管から供給される第1の分離液X7eと加圧水Yとの混合液を貯留する容器である。この浮上タンク82bでは、加圧水Yに含まれる気泡が第1の分離液X7eに含まれる懸濁固形物(SS)に付着することにより、当該懸濁固形物(SS)を第1の分離液X7eから浮上分離する。
ここで、第1の分離液X7eには油脂(粗パームオイル)も含まれているが、この油脂(粗パームオイル)は、最も主な成分が水である第1の分離液X7e中において固形物である懸濁固形物(SS)に付着しているため、懸濁固形物(SS)と共に第1の分離液X7eから浮上分離する。加圧浮上分離装置82は、このようにして懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)を浮上泡X7fとして第1の分離液X7eから分離した第2の分離液X7gを脱気タンク83に供給する。
加圧浮上分離装置82では懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)が第1の分離液X7eから分離されるが、加圧浮上分離装置82の分離性能(分離効率)は加圧水Yに含まれる気泡の粒径に依存する。すなわち、加圧浮上分離装置82の分離性能(分離効率)を最大化するためには、懸濁固形物(SS)の粒径に対して気泡の粒径を最適化する必要がある。
パームオイル廃液X7A〜X7Cの性状にも依るが、実際にサンプリングしたパームオイル廃液における懸濁固形物(SS)の粒径は、平均32μmであった。このような粒径の懸濁固形物(SS)を浮上させるためには、懸濁固形物(SS)の粒径よりも小さい粒径の気泡を懸濁固形物の表面に複数個付着させることが必要である。最適な気泡の粒径を実験によって確認したところ、粒径の中央値が懸濁固形物(SS)の粒径よりも小さい20μmである加圧水Yが最適であった。
第2の分離液X7gには、加圧水Yに起因する気泡(空気)が含まれている。脱気タンク83は、第2の分離液X7gを所定時間に亘って貯留する静置タンクであり、第2の分離液X7gに含まれる気泡(空気)を脱気する。この脱気タンク83における第2の分離液X7gの脱気処理は、後段のメタン発酵設備9におけるメタン発酵(嫌気性発酵)を促進するためのものである。脱気タンク83は、第2の分離液X7gから空気が分離(脱気)された液を分離液X10としてメタン発酵設備9へ供給する。
表1は、このような本実施形態における阻害物分離設備8による処理を行った時の油脂及び懸濁固形物の残存量の一例を示す表である。なお、この例では、第1の分離液X7eに4倍量の加圧水Yを添加した場合、つまり第1の分離液X7eを加圧水Yで5倍希釈し、浮上処理を行った場合の第2の分離液X7gについて測定した。
Figure 0006540811
メタン発酵設備9において好適な懸濁固形物及び油脂の濃度基準は、懸濁固形物1000mg/L未満、油脂100mg/L未満とされている。表1に示すように、遠心分離処理のみを行った第1の分離液X7eは上記基準を上回っている。これに対して、遠心分離処理に加えて加圧浮上処理を行った第2の分離液X7gは、懸濁固形物が165mg/Lであり、油脂が70mg/Lであることから、上記基準を十分に下回っている。したがって、本実施形態における阻害物分離設備8は極めて有用な設備である。
図1に戻り、メタン発酵設備9は、本実施形態におけるメタン発酵手段であり、メタン菌(嫌気性細菌)を用いることにより分離液X10をメタン発酵処理する設備である。具体的には、メタン発酵設備9は、グラニュール型のメタン菌が収容された密閉型のタンクであり、阻害物分離設備8から順次供給される分離液X10を所定時間に亘って貯留する。
ここで、メタン発酵設備9における好適な発酵温度は37℃程度である。これに対して、阻害物分離設備8からメタン発酵設備9に供給される分離液X10の温度は、上記37℃を越える温度である。このような事情から、メタン発酵設備9には、好適な発酵温度を設定・維持するために、後段の好気性処理設備10及び浮き草栽培設備12から冷却水X19(希釈水)が流入している。
また、メタン菌(嫌気性細菌)は、金属塩であるニッケル化合物X11、コバルト化合物X12及びモリブデン化合物X13を栄養として必要とする。このため、メタン発酵設備9には、例えばニッケル化合物X11、コバルト化合物X12及びモリブデン化合物X13が定期的に添加される。
このようなメタン発酵設備9では、メタン菌に作用によって分離液X10中の有機物(多糖類)が分解処理(メタン発酵処理)されることにより、メタン発酵処理液X14(消化液)とバイオガスX15(消化ガス)が発生する。メタン発酵処理液X14は、メタン発酵処理によって分解し切れない有機物(多糖類)を含んだ有機性廃液であり、バイオガスX15は、メタンガス及び二酸化炭素を主成分とする可燃性ガスである。メタン発酵設備9は、メタン発酵処理液X14を好気性処理設備10へ供給する一方、バイオガスX15(消化ガス)を発電設備11に供給する。
好気性処理設備10は、メタン発酵処理液X14(消化液)に対して、活性汚泥(好気性細菌)による好気性処理を行う設備である。好気性処理設備10は、活性汚泥(好気性細菌)が収容されると共に曝気用ポンプが設けられた貯留池である。このような好気性処理設備10では、メタン発酵処理液X14に残存する有機物(多糖類)が好気性細菌によって分解されることにより好気性処理液X16が発生する。この好気性処理液X16は、メタン発酵処理液X14よりも有機物量が減少し、無機系栄養素(リン、窒素、カリウム等)を多く含む液体である。好気性処理設備10は、このような好気性処理液X16を浮き草栽培設備12に培養液として供給する。また、好気性処理設備10は、好気性処理液X16の一部をメタン発酵設備9に冷却水X19Aとして供給している。
発電設備11は、バイオガスX15(消化ガス)に含まれるメタンガスを燃料として発電を行う設備である。この発電設備11には、バイオガスX15(消化ガス)から可燃性ガスであるメタンガスを分離するガス分離装置が備えられており、このガス分離装置で分離したメタンガスをエンジンで燃焼させて得られる動力によって発電機を駆動する。このような発電設備11が発生する電力は、パームオイル生産システムにおいて電力を必要とする設備、例えばパームプランテーション1、果実分離設備2、搾汁設備3及び阻害物分離設備8(分離手段)に供給される。例えば、阻害物分離設備8では加圧溶解機82aの動力源として発電設備11の電力を利用する。
浮き草栽培設備12は、オイルパームに与える有機肥料として用いられる浮き草X17を栽培する設備である。浮き草栽培設備12には、好気性処理液X16が培養液として供給されており、浮き草X17は原水で希釈された好気性処理液X16によって生育される。浮き草X17には、例えば、ミジンコウキクサ、コウキクサあるいはウキクサ等が適している。浮き草栽培設備12は、このようにして生育された浮き草X17を有機肥料へと加工するため、肥料成分回収設備13へと供給する。浮き草栽培設備12に供給された好気性処理液X16は、浮き草に無機栄養分が吸収され、水が主成分となる。このため、浮き草栽培設備12は、上記液体の一部を冷却水X19Bとしてメタン発酵設備9へと供給し、残渣液は放流水X20として外部へと放流する。
肥料成分回収設備13は、浮き草X17を有機肥料化するための設備である。この設備は、例えば微生物による浮き草X17の発酵が行われることで生成される有機肥料X18をパームプランテーション1に供給している。
次に、このように構成されたパームオイル生産システムの動作について説明する。
パームプランテーション1では、所定面積の生育地(畑)に多数のオイルパームを栽培している。オイルパームに実ったパーム果実X2が収穫に適した大きさまで生育すると、パーム果房X1ごと収穫され、果実分離設備2へ送られる。パーム果房X1は、果実分離設備2において高温蒸気による加熱処理が行われる。続いて、加熱されたパーム果房X1は、カッターにより、パーム果実X2と空果房とに分離される。分離されたパーム果実X2は、搾汁設備3へと送られる。
分離されたパーム果実X2は、搾汁設備3において、圧搾装置による圧搾が行われることで、搾汁液X3と搾汁滓X4とに分離される。搾汁液X3は、沈殿処理設備4へ送られ、搾汁滓X4は、搾汁滓処理設備7へ送られる。搾汁液X3は、沈殿処理設備4において沈殿タンクに静置されることにより、沈殿物X5と上澄み液X6とに層分離される。沈殿物X5は、汚泥処理設備5へ送られ、上澄み液X6は、パームオイル回収設備6へ送られる。搾汁滓X4は、搾汁滓処理設備7において、遠心分離機による処理が行われ、固形物とパームオイル廃液X7Cとに分離される。このうち、パームオイル廃液X7Cは、阻害物分離設備8へ送られる。また、固形物は、不図示の処理設備へと送られる。
沈殿物X5は、汚泥処理設備5において、遠心分離機による処理が行われ、パームオイル廃液X7Aと分離汚泥X8とに分離される。パームオイル廃液X7Aは阻害物分離設備8へ送られ、分離汚泥X8は沈殿処理設備4へ送られる。上澄み液X6は、パームオイル回収設備6において、遠心分離機による処理が行われ、粗パームオイルX9とパームオイル廃液X7Bとに分離される。パームオイル廃液X7Bは阻害物分離設備8へと送られ、粗パームオイルX9はパームオイル精製設備14へ送られる。
パームオイル廃液X7A〜X7Cは、混合されたパームオイル廃液X7Dとして阻害物分離設備8に供給される。そして、このパームオイル廃液X7Dは、最初に遠心分離装置80で懸濁固形物X7a、重液X7b、軽液X7cに分離される。重液X7bは、油分分離タンク81で油脂が浮上分離され、残渣液である第1の分離液X7eが浮上タンク82bへ送られるが、この第1の分離液X7eには加圧溶解機82aから供給された加圧水Yが途中で混合されて浮上タンク82bに供給される。浮上タンク82bでは、加圧水Yに含まれる気泡(空気)が第1の分離液X7e内の懸濁固形物(SS)に付着することにより、この懸濁固形物(SS)が予め付着している油脂(粗パームオイル)と共に浮上泡X7fとして第1の分離液X7eから浮上分離する。
浮上タンク82bから排出された第2の分離液X7gは、脱気タンク83において脱気処理が行われ、分離液X10としてメタン発酵設備9へ送られる。メタン発酵設備9では、分離液X10がメタン発酵処理されることにより分離液X10中の有機物(多糖類)が分解され、メタン発酵処理液X14(消化液)とバイオガスX15(消化ガス)とが発生する。
バイオガスX15(消化ガス)は、発電設備11へと供給され、発電燃料となる。また、メタン発酵処理液X14は、好気性処理設備10へ送られて有機物が分解されて無機化され、好気性処理液X16として浮き草栽培設備12へと送られる。また、好気性処理液X16の一部は、分離液X10の冷却水X19としてメタン発酵設備9へ送られる。
好気性処理液X16は、浮き草栽培設備12において、浮き草X17の培養液として供給される。浮き草X17は、好気性処理液X16のリン、カリウム及び窒素等を吸収して成長する。成長した浮き草X17は、収穫され、肥料成分回収設備13へ送られる。浮き草X17は、肥料回収設備13において、有機肥料X18へと加工される。また、好気性処理液X16の残渣液は、一部がメタン発酵設備9の冷却水X19としてメタン発酵設備9に送られ、残りは廃水として外部に排出される。
本実施形態によれば、メタン発酵設備9の前段に遠心分離装置80と加圧浮上分離装置82とを備えた阻害物分離設備8が設けられており、阻害物分離設備8においてパームオイル廃液X7D中の懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)が分離除去される。したがって、本実施形態によれば、メタン発酵設備9に投入する分離液X10中の懸濁固形物(SS)及び油脂(粗パームオイル)の濃度をメタン発酵処理で許容される濃度(条件)まで低減することが可能であり、よってメタン発酵処理の処理効率を所望の処理効率に維持することができる。
また、本実施形態によれば、遠心分離装置80と加圧浮上分離装置82との間に油分分離タンク81を設けたので、油脂(粗パームオイル)の回収効率、つまりパームオイルの生産効率を向上させることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る廃液処理装置について図3を参照して説明する。本実施形態は、上述した第1実施形態の阻害物分離設備8に代えて、阻害物分離設備8Aを備えるものである。以下の説明では、第1実施形態と共通する部分については同一の符号を用い、再度の説明を省略する。図3は、第2実施形態における阻害物分離設備8Aの詳細装置構成図である。
本実施形態の阻害物分離設備8Aは、遠心分離装置80と、油分分離タンク81と、加圧浮上分離装置82と、脱気タンク83と、浮上泡遠心分離装置(第2の遠心分離装置)84を備えている。浮上泡遠心分離装置84は、加圧浮上分離装置82によって浮上した浮上泡X7fを、さらに油脂と、懸濁固形物と、液体とに分離するための3相分離型遠心分離装置である。
浮上タンク82bより回収した浮上泡X7fは、浮上泡遠心分離装置84による処理を行うと、固形物と、液体X7hと、油脂X7iに分離する。この油脂X7iは、油溶性不純物を含んだ粗パームオイルである。このため、パームオイル精製設備14へと供給される。また、液体X7hは第2の分離液X7gと共に脱気タンク83へと供給される。固形物は、絞り滓等と同様に、不図示の廃棄処理設備へと供給される。さらに、脱気タンク83において脱気された油脂X7i及び液体X7hは、分離液X10Aとしてメタン発酵設備9へと供給される。
本実施形態における阻害物分離設備8Aによれば、廃棄物である浮上泡X7fに多く含まれる粗パームオイルX9を回収することができる。したがって、パームオイルの回収効率を向上させることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る廃液処理装置について図4を参照して説明する。本実施形態は、上述した第1実施形態の阻害物分離設備8に代えて、阻害物分離設備8Bを備えるものである。以下の説明では、第1実施形態と共通する部分については同一の符号を用い、再度の説明を省略する。図4は、第3実施形態における阻害物分離設備8Bの概略構成図である。
本実施形態における阻害物分離設備8Bは、油分分離タンク81と、加圧浮上分離装置82と、脱気タンク83と、浮上泡遠心分離装置84とを備えている。パームオイル廃液X7は、このような阻害物分離設備8Bにおいて、まず浮上タンク82bへと供給される。加圧浮上処理が施されることで、パームオイル廃液X7中の懸濁固形物及び油脂が浮上泡X7jとして回収され、残渣液である分離液X7kは脱気タンク83へと供給される。浮上泡X7jは、浮上泡遠心分離装置84へと供給され、さらに遠心分離処理が施される。これにより、浮上泡X7jは、固形物と、重液X7mと、軽液X7n(油脂)とに分離する。
軽液X7nは、粗パームオイルとして、パームオイル精製設備14へと送られ、固形物は不図示の廃棄処理設備へと送られる。また、重液X7mは、油分分離タンク81へと供給され、重液X7m中に含まれる油脂X7pが分離される。油脂X7pは、軽液X7nと共に、粗パームオイルとして、パームオイル精製設備14へと送られる。軽液油脂が分離された重液X7mは、分離液X7kとして、脱気タンク83へと供給される。さらに、脱気された分離液X7kは、分離液X10Bとして、図1に示すメタン発酵設備9へと供給される。
本実施形態における阻害物分離設備8Bによれば、浮上泡X7jより粗パームオイルX9を回収することができる。さらに、第2実施形態と比較して装置構成を簡素化することが可能である。したがって、パームオイル製造施設全体の効率を向上させることができる。
図5は、本発明におけるパームオイル廃液の温度と油分回収率の関係を示す図である。パームオイル廃液の温度が低下すると、油分回収率が低下する。
これは、パームオイル廃液の温度が低下すると油分の流動性が低下し、懸濁固形物に付着する油分の分離が悪くなるためと考えられる。
したがって、本発明ではパームオイル廃液の温度が60〜80℃であることが好ましく、78℃であることがより好ましい。
したがって、パームオイル廃液の温度を60〜80℃に維持するために、浮上泡遠心分離装置84を加温することが好ましい。浮上泡遠心分離装置84を加温する方法は、60〜80℃の蒸気を外部から注入してもよく、廃液処理装置の排熱を再利用してもよい。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態に係る廃液処理装置では、パームオイル廃液X7Dを、汚泥分離設備5から供給されるパームオイル廃液X7Aと、パームオイル回収設備6から供給されるパームオイル廃液X7Bと、搾汁滓処理設備7から供給されるパームオイル廃液X7Cの混合液としたが、本発明はこれに限定されない。パームオイル回収設備6より供給されるパームオイル廃液X7Bが、パームオイル廃液X7Dの大半を占める。このため、パームオイル廃液X7Dをパームオイル回収設備6のみから供給されるものとしてもよい。
(2)上記実施形態に係る廃液処理装置では、阻害物分離設備8、阻害物分離設備8A及び阻害物分離設備8Bは、油分分離タンク81を備える構成としたが、本発明はこれに限定されない。阻害物分離設備8、阻害物分離設備8A及び阻害物分離設備8Bは、油分分離タンク81を備えない構成としてもよい。油分分離タンク81を備えない構成とすると、工程を単純化することができる。
また、上記実施形態に係る廃液処理装置では、阻害物分離設備を備える構成としたが、パームオイル廃液X7Dの性状により、阻害物分離設備を省略し、工程を単純化することができる。
(3)上記実施形態の加圧浮上分離装置82は、第1の分離液X7eに4倍量の加圧水Yを添加することで5倍希釈して浮上タンク82bに貯留したが、本発明はこれに限定されない。第1の分離液X7eに例えば1.5倍量の希釈水を注入し、さらに第1の分離液X7eの例えば2.5倍量の加圧水Yを注入することにより第1の分離液X7eを5倍希釈してもよい。このような構成によれば、加圧水Yの注入量を削減することができるため、加圧水Yを作製するに当たって必要となるエネルギー量を削減することができ、よって廃液処理装置のランニングコストを削減することができる。
(4)上記(3)において、上記希釈水として第2の分離液X7gまたは分離液X7kを用いることが可能である。第2の分離液X7gまたは分離液X7kを希釈水として用いることにより、希釈水を外部から取得する必要がなくなるため、廃液処理装置のランニングコストを削減することができる。
(5)上記実施形態では、懸濁固形物及び油脂の濃度基準を懸濁固形物1000mg/L未満、油脂100mg/L未満としたが、懸濁固形物及び油脂の濃度基準はこれに限定されない。上述したように加圧浮上分離装置82を用いることによって比較的大きな粒径(例えば50μm以上)の懸濁固形物(SS)が除去されるので、第2の分離液X7gまたは分離液X7kは比較的小さな粒径(例えば50μmより小さい)の懸濁固形物(SS)を含む。
このような比較的小さな粒径の懸濁固形物(SS)は、グラニュール(メタン菌)に付着し難いので、メタン発酵設備9におけるメタン発酵処理の阻害要因になり難い。また、このような比較的小さな粒径の懸濁固形物(SS)に付着した油脂は、懸濁固形物(SS)の粒径が比較的小さいが故にグラニュール(メタン菌)に付着し難いので、メタン発酵設備9におけるメタン発酵処理の阻害要因になり難い。したがって、懸濁固形物及び油脂の濃度基準を例えば懸濁固形物1000mg/L未満、油脂300mg/L未満に設定してもよい。
(6)上記実施形態は、パーム油の製造過程で排出されるパームオイル廃液(POME)の処理に関するものであるが、本発明はこれに限定されない。本発明は、原料となる植物を圧搾処理して発生した微小な固形物が不可避的に含まれる廃液(有機性廃液)であれば、パームオイル廃液(POME)以外の物にも適用可能である。例えば、パームの葉や幹、バナナ、サトウキビ、トウモロコシ、キャッサバ、サゴ椰子、ヤムイモ、ソルガムあるいは馬鈴薯に搾汁等の所定の処理を施して発生する廃液(有機性廃液)にも適用可能である。
(7)上記実施形態では、パームオイル廃液(POME)を処理対象としたので、懸濁固形物(SS)に加えて油脂をも除去したが、本発明はこれに限定されない。また、パームオイル廃液(POME)では油脂が懸濁固形物(SS)に付着しているので、懸濁固形物(SS)を除去することにより油脂をも除去することが可能であった。しかしながら、上述した有機性廃液には、微小な固形物が不可避的に含まれるものの、油脂は含まれないものがある。したがって、本発明は、グラニュール型のメタン発酵の阻害要因として、少なくとも懸濁固形物(SS)を除去するものである。
本発明によれば、グラニュール型のメタン発酵処理で許容される濃度まで、廃液中の油脂分及び固形物の濃度を低減することができる。
A 廃液処理装置
1 パームプランテーション
2 果実分離設備
3 搾汁設備
4 沈殿処置設備
5 汚泥分離設備
6 パームオイル回収設備
7 搾汁滓処理設備
8 阻害物分離設備(分離手段)
80 遠心分離装置
81 油分分離タンク
82 加圧浮上分離装置
82a 加圧溶解機
82b 浮上タンク
83 脱気タンク
84 浮上泡遠心分離装置(第2の遠心分離装置)
9 メタン発酵設備(メタン発酵手段)
10 好気性処理設備
11 発電設備
12 浮き草栽培設備
13 肥料成分回収設備
14 パームオイル精製設備
X1 パーム果房
X2 パーム果実
X3 搾汁液
X4 搾汁滓
X5 沈殿物
X6 上澄み液
X7A〜D パームオイル廃液
X7a 懸濁固形物
X7b 重液
X7c 軽液
X7d 油脂
X7e 第1の分離液
X7f 浮上泡
X7g 第2の分離液
X7h 液体
X7i 油脂
X7j 浮上泡
X7k 分離液
X7m 重液
X7n 軽液
X7p 油脂
X8 分離汚泥
X9 粗パームオイル
X10 分離液
X10A 分離液
X10B 分離液
X11 ニッケル化合物
X12 コバルト化合物
X13 モリブデン化合物
X14 メタン発酵処理液
X15 バイオガス
X16 好気性処理液
X17 浮き草
X18 有機肥料
X19 冷却水
X20 放流水
Y 加圧水

Claims (6)

  1. 所定の植物を圧搾処理して発生した廃液を処理する廃液処理装置であって、
    前記廃液から懸濁固形物を分離して分離液を生成する分離手段と、
    前記分離液をメタン発酵処理するメタン発酵手段とを備え、
    前記分離手段は、遠心分離装置と加圧浮上分離装置とを組み合わせたものであり、
    前記分離手段は、前記遠心分離装置を用いることによって前記廃液から懸濁固形物を分離して第1の分離液を生成し、前記加圧浮上分離装置を用いることによって前記第1の分離液から懸濁固形物を分離して第2の分離液を生成し、
    前記加圧浮上分離装置において得られる浮上泡から油脂を分離する第2の遠心分離装置をさらに備える廃液処理装置。
  2. 所定の植物を圧搾処理して発生した廃液を処理する廃液処理装置であって、
    前記廃液から懸濁固形物を分離して分離液を生成する分離手段と、
    前記分離液をメタン発酵処理するメタン発酵手段とを備え、
    前記分離手段は、遠心分離装置と加圧浮上分離装置とを組み合わせたものであり、
    前記分離手段は、前記加圧浮上分離装置を用いることによって前記廃液から懸濁固形物を分離して第1の分離液を生成し、前記遠心分離装置を用いることによって前記加圧浮上分離装置において得られる浮上泡から懸濁固形物及び油脂を個別に分離して第2の分離液を生成する廃液処理装置。
  3. 前記加圧浮上分離装置は、浮上用気泡の粒径が前記廃液あるいは前記第1の分離液に含まれる懸濁固形物の粒径よりも小さく設定されている請求項1または2に記載の廃液処理装置。
  4. 前記廃液は、パーム果実の汁液からパームオイルが回収された残液に、前記汁液の沈殿物の脱水液及び/あるいは前記パーム果実の搾汁滓から分離された第2の汁液を加えたものである請求項1〜のいずれか一項に記載の廃液処理装置。
  5. 前記メタン発酵手段で得られた消化液を好気性処理する好気性処理設備と、
    該好気性処理設備の処理液を培養液として所定の浮き草を栽培する浮き草栽培設備と、
    該浮き草栽培設備で栽培された前記浮き草から肥料成分を回収する肥料成分回収設備と
    をさらに具備する請求項1〜のいずれか一項に記載の廃液処理装置。
  6. 前記第2の遠心分離装置を60〜80℃に加温する請求項に記載の廃液処理装置。
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