以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
<作業機械の管理システムの概要>
図1は、本実施形態に係る作業機械の管理システムの一例を示す図である。図2は、本実施形態に係る作業機械の管理システム及び作業機械の管理システム1が適用される鉱山の一例を示す平面図である。
作業機械の管理システム1(以下、管理システムと記す)は、作業機械の管理を行う。作業機械の管理は、作業機械の運行管理、作業機械の生産性の評価、作業機械のオペレータの操作技術の評価、作業機械の保全、及び作業機械の異常診断の少なくとも一つを含む。
作業機械とは、鉱山における各種作業に用いる機械類の総称である。作業機械は、ボーリング機械、掘削機械、積込機械、運搬機械、破砕機及び作業者が運転する車両の少なくとも一つを含む。掘削機械は、鉱山を掘削可能である。積込機械は、運搬機械に積荷を積み込み可能である。積込機械は、油圧ショベル、電気ショベル、及びホイールローダの少なくとも一つを含む。運搬機械は、鉱山において移動可能な移動体を含み、積荷を運搬可能である。運搬機械は、ダンプトラックを含む。積荷は、採掘により発生した土砂及び鉱石の少なくとも一方を含む。破砕機は、運搬機械から投入された排土を破砕する。
管理システム1により、鉱山を走行する作業機械である運搬機械が管理され、本実施形態においては、作業機械であるダンプトラック2が管理される例について説明する。ダンプトラック2は、図1及び図2に示すように、鉱山における積込場LPAと、排土場DPAと、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方に通じる搬送路HLと、搬送路HL同士が交差する交差点ISと、の少なくとも一部において稼働する。少なくとも一つの排土場DPAは、排土を破砕する破砕機CRが配置されることがある。鉱山は、積込場LPAの外側、排土場DPAの外側及び搬送路HLの外側の少なくとも一つ以上に土が積み上げられて構成された土手BKが設けられる。
ダンプトラック2は、鉱山において移動可能な移動体である。ダンプトラック2は、積込場LPA、排土場DPA、搬送路HL、及び交差点ISの少なくとも一部を走行可能である。即ち、鉱山に設けられるダンプトラック2の走行経路RPは、積込場LPA、排土場DPA、搬送路HL、及び交差点ISの少なくとも一部を含む。鉱山は、ダンプトラック2の稼働領域の表面から上方に所定高さ以上突出した上方突出物VPが設けられる。実施形態1において、上方突出物VPは、走行経路RPの外側に設けられた土手BK、積込場LPAと排土場DPAと搬送路HLとの少なくとも一つに設置される人工物AF、及び、積込場LPAと排土場DPAと搬送路HLとの少なくとも一つに設置される壁により構成されるが、標識や建物などの人工物や岩なども含まれる。所定高さは、ダンプトラック2が、自律走行する際に上方突出物VPを乗り越えることが望ましくない高さである。
ダンプトラック2は、積込場LPAにおいて、積荷を積み込まれる。ダンプトラック2は、排土場DPAにおいて、積荷を下ろす(排出する)。ダンプトラック2は、破砕機CRが設けられた排土場DPAにおいて、破砕機CR内に積荷である排土を投入する。ダンプトラック2は、鉱山の操業時には、通常、管理装置10からの指令信号により走行経路RPを自律走行する、所謂、無人ダンプトラックである。ダンプトラック2が、自律走行するとは、ダンプトラック2が作業者の操作により走行せずに管理装置10からの指令信号により走行することをいう。また、ダンプトラック2は、作業者(運転者)の操作により走行することも可能である。
図1において、管理システム1は、鉱山に設置される管制施設7に配置された管理装置10と、通信システム9と、ダンプトラック2と、他の作業機械3と、を備えている。管理装置10は、鉱山の管制施設7に設置され、移動しない。また、管理装置10が移動可能でもよい。通信システム9は、管理装置10とダンプトラック2と他の作業機械3との間において無線通信により情報を伝達する。通信システム9は、管理装置10とダンプトラック2との間、管理装置10と他の作業機械3との間、及びダンプトラック2と他の作業機械3との間を、双方向に無線通信可能にする。本実施形態において、通信システム9は、信号(電波)を中継する中継器6を複数有する。本実施形態において、ダンプトラック2の位置及び他の作業機械3の位置が、RTK−GNSS(Real Time Kinematic - Global Navigation Satellite System、GNSSは、全地球航法衛星システムをいう)を利用して検出される。全地球航法衛星システムの一例としては、GPS(Global Positioning System)が挙げられるが、これに限定されない。RTK−GNSSは、複数の測位衛星5を有する。RTK−GNSSは、緯度、経度、及び高度を規定する座標系(グローバル座標系)における位置を検出する。RTK−GNSSにより検出される位置は、緯度、経度、及び高度の座標情報を含む。RTK−GNSSにより、鉱山におけるダンプトラック2の位置及び他の作業機械3の位置が検出される。RTK−GNSSにより検出される位置は、グローバル座標系において規定される絶対位置である。以下の説明においては、RTK−GNSSによって検出される位置を適宜、GPS位置、と称する。GPS位置は、絶対位置であり、緯度、経度、及び高度の座標情報(座標値)である。また、RTK−GNSSでは、測位衛星5の配置、電離層、対流圏、又は測位衛星5からの情報を受信するアンテナ周辺の地形の影響により測位の状態が変化する。この測位の状態には、例えば、Fix解(精度±1cmから2cm程度)、Float解(精度±10cmから数m程度)、Single解(精度±数m程度)、非測位(測位計算不能)等がある。
また、管理システム1は、鉱山におけるダンプトラック2及び他の作業機械3の位置を、図2に示す互いに直交するX軸方向とY軸方向とで規定される座標(以下、X−Y座標と記す)により管理する。また、管理システム1は、ダンプトラック2及び他の作業機械3の方位を、北を零度とし、東を90度とし、南を180度とし、西を270度として管理する。ダンプトラック2及び他の作業機械3の方位は、ダンプトラック2及び他の作業機械3が前方に走行する際に、移動する方向である。なお、本実施形態において、Y軸方向が、北を示しているが、これに限定されない。
<管理装置>
次に、管制施設7に配置される管理装置10について説明する。管理装置10は、ダンプトラック2の作業機械の制御システム30に鉱山に設けられる走行経路RPを指定する情報である走行経路情報を送信するものであり、図1に示すように、コンピュータ11と、表示装置16と、入力装置17と、無線通信装置18と、GPS基地局19と、を備えている。
コンピュータ11は、処理装置12と、記憶装置13と、入出力部15とを備えている。表示装置16、入力装置17、無線通信装置18、及びGPS基地局19は、入出力部15を介して、コンピュータ11と接続される。入出力部15は、処理装置12と、表示装置16、入力装置17、無線通信装置18、及びGPS基地局19の少なくとも一つとの情報の入出力(インターフェース)に用いられる。
処理装置12は、ダンプトラック2の管理に関する各種の処理及び他の作業機械3の管理に関する各種の処理を実行する。処理装置12は、通信システム9を介して取得した、ダンプトラック2の位置に関する情報及び他の作業機械3の位置に関する情報を処理する。処理装置12は、ダンプトラック2の走行経路情報を生成する。記憶装置13は、処理装置12と接続される。記憶装置13は、ダンプトラック2の管理に関する各種の情報及び他の作業機械3の管理に関する各種の情報を記憶する。記憶装置13は、ダンプトラック2の位置、及び他の作業機械3の位置を記憶する。記憶装置13は、処理装置12に各種の処理を実行させるためのコンピュータプログラムを記憶する。
表示装置16は、例えば、液晶ディスプレイのようなフラットパネルディスプレイを含む。表示装置16は、ダンプトラック2の位置に関する情報及び他の作業機械3の位置に関する情報を表示可能である。入力装置17は、キーボード、タッチパネル、及びマウスの少なくとも一つを含む。入力装置17は、処理装置12に操作信号を入力可能な操作部として機能する。
無線通信装置18は、管制施設7に配置される。無線通信装置18は、通信システム9の一部である。無線通信装置18は、入出力部15を介して、処理装置12と接続される。無線通信装置18は、アンテナ18Aを有する。無線通信装置18は、ダンプトラック2及び他の作業機械3の少なくとも一方から送信された情報を受信可能である。無線通信装置18で受信した情報は、処理装置12に出力され、記憶装置13に記憶(登録)される。無線通信装置18は、ダンプトラック2と他の作業機械3の少なくとも一つに情報を送信可能である。無線通信装置18は、ダンプトラック2及び他の作業機械3等の移動物体についての位置の情報(移動物体位置情報)を送信可能である。この移動物体位置情報は、例えば上記のX座標及びY座標についての座標情報を含む。
GPS基地局19は、管制施設7に配置される。GPS基地局19は、複数の測位衛星5からの情報を受信するアンテナ19Aと、アンテナ19Aに接続された送受信装置19Bと、を少なくとも備える。送受信装置19Bは、アンテナ19Aを介して測位衛星5からの情報を受信する受信機と、アンテナ19Cを介してダンプトラック2に情報を送信する送信機と、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、を少なくとも備える。送受信装置19Bは、アンテナ19Aが受信した情報からGPS基地局19のGPS位置を検出するとともに、ダンプトラック2のGPS位置を補正するための補正観測情報を生成する。GPS基地局19は、送受信装置19Bがアンテナ19Cを通して、ダンプトラック2及び他の作業機械3に補正観測情報を送信する。なお、GPS基地局19は、補正観測情報をアンテナ19Cに代えてアンテナ18Aを介して送信してもよい。
コンピュータ11は、通信用の入出力部15と、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)と、CPUにより情報が登録される不揮発性メモリとを少なくとも備える。処理装置12の機能は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを読み込んでRAMの作業領域で実行することにより実現される。記憶装置13の機能は、ROMが制御プログラムを記憶することと、CPUにより情報が不揮発性メモリに登録されることにより実現される。不揮発性メモリは、フラッシュメモリ及びハードディスクドライブの少なくとも一つを含み、データベースを実現する。また、複数の処理回路が、連携して、処理装置12、及び記憶装置13の機能を実現してもよい。
<他の作業機械>
次に、他の作業機械3について説明する。本実施形態において、他の作業機械3は、ダンプトラック2以外の作業機械であり、作業者の操作により駆動する。他の作業機械3は、CPU(Central Processing Unit)を含みかつ作業内容に関する各種の処理を実行する処理装置と、GPS位置を検出するGPS受信器と、管制施設7の無線通信装置18と情報を送受信する無線通信装置と、を少なくとも備える。他の作業機械3は、所定時間毎にGPS位置を無線通信装置が管制施設7の無線通信装置18に送信する。
<ダンプトラック>
次に、ダンプトラック2について説明する。図3は、本実施形態に係るダンプトラックの制御ブロック図である。図4は、本実施形態に係るダンプトラックのハードウエア構成図である。図5は、障害物センサのレーザーセンサの検出範囲を示す平面図である。
図4に示すように、ダンプトラック2は、車両本体21と、ベッセル22と、車輪23と、障害物センサ24と、作業機械の制御システム30と、を備える。車両本体21は、走行経路RPを含む稼働領域を走行するものである。なお、稼働領域は、搬送路HL、積込場LPA、排土場DPA及び交差点ISを含む領域であり、ダンプトラック2が走行及び作業を行う際に通過する領域である。車両本体21には、ディーゼルエンジンのような内燃機関2Eと、内燃機関2Eにより作動する発電機2Gと、発電機2Gで発生した電力により作動する電動機23Mと、が配置される。電動機23Mにより、車輪23のうち後輪23Rが駆動される。なお、内燃機関2Eの動力が、トルクコンバータを含むトランスミッションを介して後輪23Rに伝達されてもよい。また、車両本体21は、車輪23のうち前輪23Fを操舵する操作装置2Sを備える。ベッセル22は、積込機械により積荷が積み込まれ、排出作業において持ち上げられて積荷を排出する。
障害物センサ24は、車両本体21の前部の下部に配置される。障害物センサ24は、車両本体21の前方の障害物を非接触で検出する。本実施形態において、障害物センサ24は、複数のレーダー24Aと、非接触センサであるレーザーセンサ24Bと、を備える。レーダー24Aは、電波を発射して、その電波を障害物に照射し、障害物により反射された電波を受信する。これにより、レーダー24Aは、レーダー24Aに対する障害物の方向及び距離を検出可能である。本実施形態において、レーダー24Aは、車両本体21の左右方向に間隔をあけて二つ設けられているが、これに限定されない。
レーザーセンサ24Bは、ダンプトラック2の周囲の物体の位置を検出するものであり、レーザー光線を発射して、そのレーザー光線を物体である障害物に照射し、障害物により反射されたレーザー光線を受信する。これにより、レーザーセンサ24Bは、レーザーセンサ24Bに対する障害物の方向及び距離を検出可能である。レーザーセンサ24Bは、レーザー光線を発射し、反射されたレーザー光線を受信するために、レーザーセンサ24Bの分解能は、レーダー24Aの分解能よりも高分解能である。本実施形態において、レーザーセンサ24Bは、車両本体21の左右方向に間隔をあけて二つ設けられているが、これに限定されない。
また、レーダー24A及びレーザーセンサ24Bは、作業機械の制御システム30の第2通信線35Bに接続される。また、レーザーセンサ24Bは、作業機械の制御システム30の位置計測コントローラ33に接続される。
<作業機械の制御システム>
次に、作業機械の制御システムを説明する。図6は、本実施形態に係る作業機械の制御システムの位置計測コントローラの照合航法位置演算部が位置及び方位を検出する方法を説明する図である。図7は、本実施形態に係る作業機械の制御システムのマップ保存用データベースに記憶される地図情報の一部を示す図である。図8は、図7中のXIV部を拡大して示す図である。
作業機械の制御システム30は、ダンプトラック2に設置されて、ダンプトラック2を走行経路RPに従って自律走行させるシステムである。作業機械の制御システム30は、図4に示すように、ジャイロセンサ26と、速度センサ27と、GPS受信器31と、走行経路作成装置32と、位置計測コントローラ33と、走行コントローラ20と、レーザーセンサ24Bと、無線通信装置34と、マップ保存用データベース36を少なくとも備える。この他に、作業機械の制御システム30は、第1通信線35Aと、第2通信線35Bと、安全コントローラ40とを備える。
図4に示されるように、走行コントローラ20、走行経路作成装置32、位置計測コントローラ33、マップ保存用データベース36及び安全コントローラ40は、第1通信線35Aに接続される。これらは、第1通信線35Aを介して互いに通信して情報を送受信する。走行コントローラ20及び安全コントローラ40は、第2通信線35Bにも接続される。これらは、第2通信線35Bを介して互いに通信して情報を送受信する。実施形態1において、第1通信線35A及び第2通信線35Bを用いた通信の規格は、ISO11898及びISO11519として標準化されたCAN(Controller Area Network)であるが、これに限定されない。
ジャイロセンサ26は、ダンプトラック2の方位(方位変化量)を検出する。ジャイロセンサ26は、走行コントローラ20と接続される。ジャイロセンサ26は、検出結果である検出信号を走行コントローラ20に出力する。走行コントローラ20は、ジャイロセンサ26の検出信号に基づいて、ダンプトラック2の方位(方位変化量)を求めることができる。
速度センサ27は、ダンプトラック2の走行速度を検出する。本実施形態において、速度センサ27は、車輪23の回転速度を検出して、ダンプトラック2の速度(走行速度)を検出する。速度センサ27は、走行コントローラ20と接続される。速度センサ27は、検出結果である検出信号を走行コントローラ20に出力する。走行コントローラ20は、速度センサ27の検出信号と、走行コントローラ20に内蔵されているタイマーからの時間情報とに基づいて、ダンプトラック2の移動距離を求めることができる。
GPS受信器31は、GPSを用いてダンプトラック2の位置であるGPS位置を検出する位置検出手段である。GPS受信器31は、測位衛星5からの情報を受信するアンテナ31Aと、GPS基地局19からの補正観測情報を受信するアンテナ31Bと、が少なくとも接続される。アンテナ31Aは、測位衛星5から受信した情報に基づく信号をGPS受信器31に出力し、アンテナ31Bは、受信した補正観測情報に基づく信号をGPS受信器31に出力する。GPS受信器31は、測位衛星5からの情報と、GPS基地局19からの補正観測情報と、を用いて、アンテナ31Aの位置(GPS位置)を検出する。具体的には、GPS受信器31は、測位衛星5からの情報と、GPS基地局19からの補正観測情報と、を比較して、任意の測位衛星5までの距離を求め、更に、測位衛星5からの電波の位相を調べて、アンテナ31Aの位置(GPS位置)を検出する。本実施形態において、GPS受信器31は、RTK(Real Time Kinematic)−GNSSを用いるが、これに限定されない。
GPS受信器31は、アンテナ31Aの位置(GPS位置)を検出することによって、ダンプトラック2の位置(GPS位置)を検出する。また、GPS受信器31は、アンテナ31Aの位置を検出する過程において、アンテナ31Aが情報を受信した測位衛星5の数などに基づいて、検出したGPS位置の精度を示すFix解、Float解、又はSingle解を検出する。GPS受信器31は、GPS位置を測位計算不能である場合に、非測位である信号を出力する。本実施形態において、Fix解のGPS位置の精度は、ダンプトラック2が自律走行を行うことができる精度であり、Float解、Single解のGPS位置の精度は、ダンプトラック2が自律走行を行うことができない精度であるが、これらに限定されない。このように、GPS受信器31は、検出したGPS位置の精度を示すFix解、Float解、又はSingle解を検出し、測位計算不能である場合に非測位である信号を走行経路作成装置32を介して走行コントローラ20及び位置計測コントローラ33に出力する。
走行経路作成装置32は、図3に示すように、管理装置10の処理装置12が生成した走行経路情報を記憶する経路位置記憶手段である経路位置記憶部32Aを備える。走行経路作成装置32は、アンテナ34Aが接続された無線通信装置34と接続している。無線通信装置34は、管理装置10及び自車両以外の作業機械4の少なくとも一つから送信された情報(指令信号を含む)を受信可能である。なお、自車両以外の作業機械4は、作業機械の制御システム30が設置されたダンプトラック2以外の作業機械4であり、ボーリング機械、掘削機械、積込機械、運搬機械、及び作業者が運転する車両を含む。即ち、自車両以外の作業機械4は、自車両以外のダンプトラック2を含む。
無線通信装置34は、管制施設7の無線通信装置18が送信した走行経路情報及び自車両以外の作業機械4の位置に関する情報を受信して、走行経路作成装置32及び位置計測コントローラ33に出力する。なお、走行経路情報及び自車両以外の作業機械4の位置に関する情報は、X−Y座標で示されている。走行経路作成装置32は、無線通信装置34から走行経路情報及び自車両以外の作業機械4の位置に関する情報を受信すると、経路位置記憶部32Aに記憶する。走行経路作成装置32は、無線通信装置34から走行経路情報及び自車両以外の作業機械4の位置に関する情報を受信すると、自車両であるダンプトラック2の位置及び方位を無線通信装置34を通して、管制施設7の無線通信装置18に送信する。また、走行経路作成装置32は、第1通信線35Aに接続している。
走行コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)と、不揮発性メモリと、を少なくとも備えるコンピュータである。走行コントローラ20は、GPS受信器31が検出したGPS位置及び位置計測コントローラ33が検出したダンプトラック2の位置を受信する。走行コントローラ20は、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置、又は位置計測コントローラ33の照合航法位置演算部33Bが検出したダンプトラック2の位置に基づいて、走行経路RPに従ってダンプトラック2を自律走行させる走行制御手段である。
走行コントローラ20には、ダンプトラック2の位置以外にジャイロセンサ26の検出結果であるダンプトラック2の方位(方位変化量)を示す検出信号及び速度センサ27の検出結果であるダンプトラック2の走行速度を示す検出信号が入力する。実施形態1において、走行コントローラ20には、ダンプトラック2の方位(方位変化量)を示す検出信号及び速度センサ27の検出結果であるダンプトラック2の走行速度を示す検出信号が、周期T1毎に入力する。また、走行コントローラ20は、無線通信装置34、走行経路作成装置32及び第1通信線35Aを介して、GPS受信器31と接続している。走行コントローラ20には、GPS受信器31の検出結果であるGPS位置を示す検出信号が入力する。実施形態1において、GPS位置を示す検出信号が、走行コントローラ20に周期T1よりも長い周期T2毎に入力する。
走行コントローラ20は、GPS受信器31の検出結果であるGPS位置、速度センサ27の検出結果であるダンプトラック2の走行速度、及びジャイロセンサ26の検出結果であるダンプトラック2の方位(方位変化量)に基づいて、ダンプトラック2の位置及び方位を特定する特定動作を行う。実施形態1において、走行コントローラ20は、GPS受信器31の検出結果であるGPS位置、速度センサ27の検出結果であるダンプトラック2の走行速度、及びジャイロセンサ26の検出結果であるダンプトラック2の方位(方位変化量)をカルマンフィルタKF(Kalman Filter)により統合して、ダンプトラック2の位置及び方位を特定する。具体的には、走行コントローラ20は、GPS受信器31からGPS位置が入力した時点のGPS位置及びジャイロセンサ26の検出結果である方位を基に、タイマーからの時間情報により速度センサ27の検出結果である走行速度を積分して、位置及び方位を特定する。走行コントローラ20は、位置及び方位の検出前、検出中、検出後のいずれかにおいてGPS位置をX−Y座標の位置に変換する。
走行コントローラ20は、ダンプトラック2の位置が走行経路情報に含まれる走行経路RPの位置と重なる、即ち、ダンプトラック2が走行経路RPに従って走行するように、ダンプトラック2のアクセル、制動装置及び操作装置2Sの少なくとも1つを制御する。このような制御により、走行コントローラ20は、ダンプトラック2を走行経路RPに沿って走行させる。走行コントローラ20の機能は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを読み込んでRAMの作業領域で実行することにより実現される。また、複数の処理回路が、連携して、走行コントローラ20の機能を実現してもよい。
位置計測コントローラ33は、図3に示すように、判定部33Aと、照合航法位置演算部33Bと、グリッドマップ作成部33Cと、を備える。位置計測コントローラ33は、ダンプトラック2が走行経路RPに従って走行する際に、GPS受信器31の検出結果であるダンプトラック2のGPS位置及びレーザーセンサ24Bの検出結果から上方突出物VP(実施形態1において、主に土手BK)の位置を検出し、検出した上方突出物VPの有無及び位置を走行経路RPを含む稼働領域の地図情報MIとしてマップ保存用データベース36に記憶する計測出力手段である。位置計測コントローラ33は、第1通信線35Aに接続している。位置計測コントローラ33には、第1通信線35A及び走行コントローラ20を介してジャイロセンサ26の検出結果であるダンプトラック2の方位(方位変化量)を示す検出信号及び速度センサ27の検出結果であるダンプトラック2の走行速度を示す検出信号が入力する。
また、位置計測コントローラ33は、無線通信装置34、走行経路作成装置32及び第1通信線35Aを介して、GPS受信器31と接続している。位置計測コントローラ33には、GPS受信器31の検出結果であるGPS位置を示す検出信号が入力される。
判定部33Aは、GPS受信器31が検出したGPS位置精度が所定精度を超えているか(つまり高精度か)否かを判定する判定手段である。本実施形態において、判定部33Aは、GPS位置の解がFix解であるか否かを判定し、GPS位置の解がFix解であると、検出したダンプトラック2のGPS位置の精度が高精度であると判定する。判定部33Aは、GPS位置の解がFloat解である場合、Single解である場合、又はGPS位置が非測位である場合に、検出したダンプトラック2のGPS位置の精度が低精度であると判定する。なお、所定精度は、ダンプトラック2が、後述する推測航法により走行経路RPに従って自律走行することができるGPS位置精度である。本実施形態において、GPS受信器31がGPS位置及び解の検出を行うが、解の検出を他の機器(例えば、判定部33A)が行ってもよい。
グリッドマップ作成部33Cは、稼働領域の地図情報を生成する。グリッドマップ作成部33Cは、例えばGPS受信器31で検出されたダンプトラック2のGPS位置精度が所定精度を超えている(つまり高精度)と判定部33Aによって判定された場合に、上記地図情報MIを生成する。
グリッドマップ作成部33Cは、まず、レーザーセンサ24Bで検出された検出情報から、上方突出物VPの位置を抽出する抽出動作を行う。抽出動作を行う際、グリッドマップ作成部33Cは、まず判定部33Aで検出されたダンプトラック2の位置及び方位と、レーザーセンサ24Bで検出された検出情報とを統合する。そして、統合した結果から上方突出物VP以外の検出結果を削除し、上方突出物VPの被検出物情報を抽出する。
グリッドマップ作成部33Cは、上記のように抽出した被検出物情報に基づいて、地図情報の生成動作を行う。生成動作を行う際、グリッドマップ作成部33Cは、例えば上記の被検出物情報を、稼働領域の地図情報MIとしてマップ保存用データベース36に記憶する。
図7に示すように、地図情報MIは、平面視における鉱山の稼働領域における土手BK等の上方突出部VPの有無及び位置を示している。また、図8に示すように、地図情報MIは、X方向及びY方向に格子状に配置された矩形のグリッド領域GRによって構成されている。各グリッド領域GRは、平面視における鉱山の矩形領域に対応している。各グリッド領域GRには、X座標及びY座標が設定されている。各グリッド領域GRは、上方突出物VPが存在するか否か、即ち、0か1かの情報を含んでいる。本実施形態では、図7及び図8に示すように、上方突出物VPが存在する場合にはグリッド領域GRを黒色(1)で示し、上方突出部VPが存在しない場合にはグリッド領域GRを白色(0)で示しているが、これに限定されない。
マップ保存用データベース36は、上方突出物VPの位置に関する情報を稼働領域の地図情報MIとして記憶する地図情報記憶手段であり、第1通信線35Aに接続している。マップ保存用データベース36は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、及びハードディスクドライブの少なくとも一つにより構成される。マップ保存用データベース36は、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置精度が所定精度を超えていると判定部33Aが判定すると、レーザーセンサ24Bの検出結果から走行経路RPを含む稼働領域の上方突出物VPに関する検出結果を抜き出して、抜き出した上方突出物VPに関する検出結果を稼働領域の地図情報MIとして記憶するものである。マップ保存用データベース36は、グリッドマップ作成部33Cが検出した検出結果を、グリッドマップ作成部33Cが検出する度に地図情報MIとして記憶する。本実施形態において、マップ保存用データベース36に記憶される地図情報MIは、グリッドマップ作成部33Cが検出する度に上書きされるが、これに限定されない。
照合航法位置演算部33Bは、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置精度が所定精度以下であると判定部33Aが判定すると、ジャイロセンサ26の検出結果、速度センサ27の検出結果、レーザーセンサ24Bの検出結果、及びマップ保存用データベース36に記憶された地図情報MIに基づいて、ダンプトラック2の位置及び方位を検出する。照合航法位置演算部33Bは、図6に示すように、ジャイロセンサ26の検出結果、速度センサ27の検出結果、レーザーセンサ24Bの検出結果、及びマップ保存用データベース36に記憶された地図情報MIをパーティクルフィルタPF(Particle Filter)により統合して、ダンプトラック2の位置及び方位を検出する。本実施形態において、照合航法位置演算部33Bは、位置及び方位を検出し、走行コントローラ20に出力する。本実施形態において、走行コントローラ20は、周期T3毎に照合航法位置演算部33Bが検出した位置及び方位が入力される。
また、位置計測コントローラ33は、GPS受信器31又は照合航法位置演算部33Bが検出した自車両であるダンプトラック2の位置及び方位に関する情報を無線通信装置34を介して、管制施設7の無線通信装置18に送信する。
さらに、位置計測コントローラ33は、図3に示すように、観測点座標変換部38と、観測点利用可能判断部39とを備える。観測点座標変換部38は、レーザーセンサ24Bからの方向及び距離で規定された座標で示されたレーザーセンサ24Bの検出結果の位置を、X−Y座標に変換する。観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果の位置は、X軸方向とY軸方向とにくわえ、これらの直交する高さ方向(Z軸方向)により規定されている。観測点利用可能判断部39は、経路位置記憶部32Aから自車両以外の作業機械4の位置に関する情報が入力される。観測点利用可能判断部39は、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果から各種のノイズ、地表から所定高さ以下の検出結果、及び自車両以外の作業機械4を検出したと予想される検出結果を除去する。観測点利用可能判断部39は、ノイズを除去したレーザーセンサ24Bの検出結果を、グリッド領域GRの検出結果に合成する。観測点利用可能判断部39は、合成した検出結果をグリッドマップ作成部33Cと、照合航法位置演算部33Bとの双方に出力する。
図9及び図10は、レーザーセンサ24Bによる検出を行う場合の一例を説明する図である。図9に示すように、自車両であるダンプトラック2は、照射範囲IAHにレーザー光を照射しつつ、搬送路HLを走行している。レーザー光の照射範囲IAHに含まれる土手BKの一部は、上方突出物VPの一部Sとして検出される。
一方、ダンプトラック2とは異なる他の作業機械4が、ダンプトラック2の対向車両として走行している。この作業機械4は、ダンプトラック2とすれ違う際、図9に示すように、レーザー光の照射範囲IAHに進入する。この場合、作業機械4の一部についても上方突出物VPの一部Sとして検出される。そして、図10に示すように、レーザー光の照射範囲IAHの外に出るまで、作業機械4の一部が上方突出物VPの一部Sとして検出され続ける。
図11は、上記検出結果から生成される地図情報の一例を示す図である。図11に示すように、地図情報MIには、上方突出物VPの一部Sに基づいて生成される被検出物情報GR1と、作業機械4の一部に基づいて生成される被検出物情報GR2とが地図情報MIとして含まれる。したがって、ダンプトラック2とすれ違った作業機械4の検出結果が上方突出物VPの一部として地図情報MIに含まれることになる。このような地図情報MIに基づいて照合航法位置演算部33Bがダンプトラック2の位置を演算する場合、地図情報MIの被検出物情報GR2に対応する上方突出物VPが実際には検出されないため、演算結果の精度が低くなってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、演算結果の精度の低下を抑制するため、位置計測コントローラ33では、作業機械4のような自車両の近傍の稼働領域を移動する移動物体の位置情報(以下、移動物体情報と表記する。)を判別し、地図作成及び位置演算の際に移動物体情報を用いないようにする、つまり、被検出物情報から移動物体情報を除外した情報を用いるようにする。
図12は、観測点利用可能判断部39の一例を示すブロック図である。図12に示すように、観測点利用可能判断部39は、移動物体判別部50を有する。移動物体判別部50は、レーザーセンサ24Bの検出結果又は地図情報の中から移動物体情報を判別する。移動物体情報とは、稼働領域を移動する移動物体の位置情報である。移動物体情報は、稼働領域を移動する移動物体がレーザーセンサ24Bによって検出されることで検出情報に含まれる。このような移動物体としては、例えば、上記のような自車両であるダンプトラック2と対向する他の作業機械4や、稼働領域に進入した乗用車等が挙げられる。以下、移動物体が他の作業機械4である場合を例に挙げて説明する。
移動物体判別部50は、走行位置推定部51と、マスク領域設定部52と、情報設定部53とを有する。ダンプトラック2は、無線通信装置34を介して、他の作業機械4の位置に関する他車両位置情報(移動物体位置情報)を受信可能である。走行位置推定部51は、無線通信装置34で受信した他車両位置情報に基づいて、他の作業機械4の位置を推定する。ダンプトラック2は、管理装置10から他車両位置情報を受信してもよいし、当該他車両との車々間通信により他車両位置情報を受信してもよい。
マスク領域設定部52は、走行位置推定部51によって推定される位置に、他の作業機械4を含む寸法のマスク領域を設定する。図13は、マスク領域の一例を示す図である。図13に示すように、マスク領域MAは、例えば他の作業機械4の推定位置を中心とした半径R1の円形の領域として設定される。なお、マスク領域MAの形状は円形に限定するものではなく、楕円形や多角形等、他の形状のマスク領域MAが設定されてもよい。
マスク領域設定部52は、他の作業機械4の推定位置が変化する場合、当該他の作業機械4がマスク領域MAからはみ出さないように、推定位置の変化に伴ってマスク領域MAを移動させる。例えば他の作業機械4が走行している場合には、時間の経過に伴って推定位置が変化する。マスク領域設定部52は、推定位置が図13に示すように位置P1から位置P2に移動した場合、当該移動に伴ってマスク領域MAを移動させる。
また、無線通信装置34から受信していた他車両位置情報の受信が途絶えた場合、走行位置推定部51による推定位置は、他車両位置情報の受信が途絶えてからの経過時間が長くなるほど、誤差が大きくなる。このため、他の作業機械4がマスク領域MAからはみ出さないようにするには、推定位置の誤差増大に応じてマスク領域MAの径を大きくする必要がある。そこで、マスク領域設定部52は、円形のマスク領域MAを設定する場合、マスク領域MAの半径Rを、例えば以下の式で示すように設定する。
R=RE+(v+a・dts)・dt
但し、REは他の作業機械4の最大半径であり、vは他の作業機械4の速度であり、aは他の作業機械4の最大加速度であり、dtsは他車両位置情報の遅れ時間であり、dtは時間の刻み幅である。したがって、例えば図13に示すように、他車両位置情報を受信してからの時間の経過と共に推定位置が位置P1から位置P2に移動する場合、推定位置の誤差が増大するものの、マスク領域MAの径は、位置P1における半径R1よりも大きい半径R2に設定される。このため、他の作業機械4がマスク領域MAからはみ出すことを抑制できる。
情報設定部53は、被検出物情報がマスク領域MA内に存在するか否かを判別する。情報設定部53は、マスク領域MA内に被検出物情報が存在すると判別した場合、マスク領域MA内に存在する被検出物情報を移動物体情報として設定する。以下、情報設定部53の機能について具体例を挙げて説明する。
図14は、マスク領域MAが設定された状態でレーザーセンサ24Bによる検出を行う場合の一例を説明する図である。図14に示すように、自車両であるダンプトラック2は、照射範囲IAHにレーザー光を照射しつつ、搬送路HLを走行している。レーザー光の照射範囲IAHに含まれる土手BKの一部は、上方突出物VPの一部Sとして検出される。
一方、ダンプトラック2とは異なる他の作業機械4が、ダンプトラック2の対向車両として走行している。この作業機械4は、ダンプトラック2とすれ違う際、図14に示すように、レーザー光の照射範囲IAHに進入する。この場合、作業機械4の一部についても上方突出物VPの一部Sとして検出される。なお、作業機械4には、マスク領域MAが設定されている。
図15及び図16は、上記検出によって得られるX−Y座標で表された被検出物情報DIの一例を示す図である。図15に示すように、被検出物情報DIには、土手BKの上方突出物VPの一部Sに対応する被検出物情報S1と、作業機械4の上方突出物VPの一部Sに対応する被検出物情報S2とが含まれている。この状態で、情報設定部53は、例えば内外判定処理などにより、被検出物情報S1及び被検出物情報S2がマスク領域MA内に存在するか否かを判別する。図15に示す例においては、マスク領域MA内に被検出物情報S2が含まれている。この場合、情報設定部53は、マスク領域MA内に被検出物情報S2が存在することを判別し、当該被検出物情報S2を移動物体情報として設定する。
移動物体情報が設定された場合、位置計測コントローラ33は、上方突出物VPをレーザーセンサ24Bの検出結果からノイズを除去して被検出物情報DIとして検出し、検出された上方突出物VPの被検出物情報DIから地図情報MIを生成する動作(生成動作)、及び被検出物情報DIと地図情報MIとを用いてダンプトラック2の位置を特定する動作(特定動作)の各動作を行う際に、当該移動物体情報を用いないようにする、つまり、移動物体情報を除外した情報を用いるようにする。具体的には、位置計測コントローラ33は、移動物体情報が存在する場合には、図16に示すように、当該移動物体情報S2を削除し、その後、生成動作及び特定動作の各動作を行う。
図17は、移動物体情報S2を削除した状態の被検出物情報DIから生成される地図情報MIの一例を示す図である。被検出物情報DIには移動物体情報S2が含まれない。このため、被検出物情報DIから抽出される抽出情報にも移動物体情報S2は含まれない。したがって、図17に示すように、上方突出物VPの一部Sに基づいて生成される被検出物情報GR1は含まれるが、作業機械4の上方突出物VPの一部Sに基づいて生成されるグリッド領域は含まれない地図情報MIが生成される。このように、被検出物情報DI、抽出情報及び地図情報MIに移動物体情報が含まれることを抑制できる。
安全コントローラ40は、レーダー24A及びレーザーセンサ24Bの検出信号に基づいて、ダンプトラック2と障害物との相対位置を求め、走行コントローラ20に出力する。走行コントローラ20は、障害物との相対位置を用いて、アクセル、制動装置及び操作装置2Sの少なくとも1つを制御するための指令を生成し、指令に基づいてダンプトラック2を制御して、ダンプトラック2が障害物に衝突することを回避する。
また、走行コントローラ20は、判定部33AがGPS位置の解がFloat解である場合、Single解である場合、又はGPS位置が非測位であることが所定時間経過し、照合航法位置演算部33Bがマップ保存用データベース36に記憶された地図情報MIとの最終推定値が所定値よりも低いレーザーセンサ24Bの検出結果しか得られない場合に、制動装置に車両本体21を停車させる指令を出力する。
<作業機械の制御方法>
次に、本実施形態に係る作業機械の制御方法、即ち作業機械の制御システム30の動作の一例について説明する。図18は、本実施形態に係る作業機械の制御システムのフローチャートの一例である。図19は、図18のステップST3のフローチャートの一例である。
作業機械の制御方法は、稼働領域を走行経路RPに従って走行するダンプトラック2の作業機械の制御方法である。作業機械の制御方法において、処理装置12は、無線通信装置18を介して、ダンプトラック2の走行経路作成装置32及び位置計測コントローラ33に指令信号を送信する。指令信号は、ダンプトラック2の走行条件に関する情報及び自車両以外の作業機械4の位置に関する情報を含む。走行条件に関する情報は、処理装置12で生成された走行経路情報、及びダンプトラック2の走行速度に関する情報を含む。走行経路作成装置32は、通信システム9を介して送信された処理装置12からの指令信号のうち走行経路情報及び自車両以外の作業機械4の位置に関する情報を経路位置記憶部32Aに記憶する。位置計測コントローラ33は、走行経路作成装置32が走行経路情報を含む処理装置12からの指令信号を受信すると、無線通信装置34を介して、自車両であるダンプトラック2の位置及び方位に関する情報を処理装置12に送信する。走行コントローラ20は、処理装置12からの指令信号に基づいて、ダンプトラック2のアクセル、制動装置及び操作装置2Sを制御して、ダンプトラック2の走行を制御する。
作業機械の制御システム30の走行コントローラ20は、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置に基づいて、走行経路RPに従ってダンプトラック2を推測航法により走行させるステップST1を実行する。本実施形態において、走行コントローラ20は、管理装置10の処理装置12により生成された走行経路情報、及び処理装置12で設定された走行速度(目標走行速度)を含む走行条件に従って、ダンプトラック2を積込場LPA、排土場DPA、搬送路HL、及び交差点ISの少なくとも一部で走行させる。推測航法とは、既知の位置からの方位(方位変化量)と移動距離とに基づいて、対象物(ダンプトラック2)の現在位置を推測する航法をいう。ダンプトラック2の方位(方位変化量)は、ダンプトラック2に配置されたジャイロセンサ26を用いて検出される。ダンプトラック2の移動距離は、ダンプトラック2に配置された速度センサ27を用いて検出される。ジャイロセンサ26の検出信号及び速度センサ27の検出信号は、ダンプトラック2の走行コントローラ20に出力される。
走行コントローラ20は、ジャイロセンサ26からの検出信号に基づいて、既知の起点からのダンプトラック2の方位(方位変化量)を求めることができる。走行コントローラ20は、速度センサ27からの検出信号に基づいて、既知の起点からのダンプトラック2の移動距離を求めることができる。走行コントローラ20は、ジャイロセンサ26からの検出信号及び速度センサ27からの検出信号に基づいて、ダンプトラック2が生成された走行経路RPに従って走行するように、ダンプトラック2の走行に関する制御量を生成する。制御量は、アクセル信号、制動信号、及び操舵信号を含む。走行コントローラ20は、操舵信号、アクセル信号及び制動信号に基づいて、ダンプトラック2の走行(操作)を制御する。
次に、推測航法により求められた推測位置がRTK−GNSS又は照合航法位置演算部33Bを使って補正されつつダンプトラック2が走行する例について説明する。ダンプトラック2の走行距離が長くなると、ジャイロセンサ26及び速度センサ27の一方又は両方の検出誤差の蓄積により、推測された位置(推測位置)と実際の位置との間に誤差が生じる可能性がある。その結果、ダンプトラック2は、処理装置12によって生成された走行経路RPから外れて走行してしまう可能性がある。本実施形態において、走行コントローラ20は、推測航法により導出(推測)されたダンプトラック2の位置(推測位置)を、GPS受信器31により検出されたGPS位置又は照合航法位置演算部33Bが検出した位置を使って補正しつつ、ダンプトラック2を走行させる。走行コントローラ20は、ジャイロセンサ26からの検出信号と、速度センサ27からの検出信号と、GPS受信器31からのGPS位置又は照合航法位置演算部33Bが検出した位置とに基づいて、ダンプトラック2が走行経路RPに従って走行するように、ダンプトラック2の位置を補正する補正量を含む、ダンプトラック2の走行に関する制御量を算出する。走行コントローラ20は、ダンプトラック2が走行経路RPに従って走行するように、算出した補正量及び制御量に基づいて、ダンプトラック2の走行(操作)を制御する。
次に、位置計測コントローラ33の判定部33Aは、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置精度が所定精度を超えているか否かを判定するステップST2を実行する。即ち、ステップST2において、位置計測コントローラ33の判定部33Aは、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置の精度が高精度であるか否かを判定する。具体的には、位置計測コントローラ33の判定部33Aは、GPS受信器31が検出したGPS位置の解がFix解であるか否かを判定する。
位置計測コントローラ33の判定部33Aが、GPS受信器31が検出したGPS位置の解がFix解であると判定する、即ち、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置精度が高精度であると判定する(ステップST2:Yes)と、グリッドマップ作成部33Cが、地図情報MIを作成する(ステップST3)。即ち、位置計測コントローラ33は、GPS受信器31が検出したGPS位置精度が高精度であると判定すると、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置に基づいて経路位置記憶部32Aが記憶した走行経路RPに従ってダンプトラック2を自律走行させるとともに、レーザーセンサ24Bの検出結果から上方突出物VPに関する検出結果を抜き出して、抜き出した上方突出物VPに関する検出結果を稼働領域の地図情報MIとしてマップ保存用データベース36に記憶するステップST3を実行する。
具体的には、まず、観測点座標変換部38は、レーザーセンサ24Bから方向及び距離で規定された座標で示されたレーザーセンサ24Bの検出結果の位置を、X−Y座標で示された座標の位置に変換して検出情報を生成する(ステップST31)。
なお、ステップST31において、観測点利用可能判断部39は、まず、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果の各種のノイズを除去する。具体的には、観測点利用可能判断部39は、ノイズとして、反射強度の低い検出結果、レーザー光線が透明物体を通過したと思われる検出結果、レーザー光線が埃を検出したと思われる検出結果、地面によりレーザー光線が反射されたと思われる検出結果、及びレーザー光線が地面上の土の塊を検出したと思われる検出結果を、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果から除去する。
観測点利用可能判断部39は、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果から、ダンプトラック2からの距離が最大距離以上の検出結果、及び距離が最少距離以下の検出結果を除去する。本実施形態において、所定の最大距離は、太陽光によるノイズを除去するために必要な距離であり、所定の最少距離は、レーザーセンサ24Bから近距離で起こる濃い埃のノイズを除去するための距離である。
観測点利用可能判断部39は、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果から地表から所定高さ以下の検出結果を除去する。本実施形態において、観測点利用可能判断部39は、所定高さ以下の検出結果を除去するが、これに限定されない。このように、観測点利用可能判断部39は、検出結果から各種のノイズなどを除去する。
観測点利用可能判断部39は、各種のノイズなどが除去された検出結果を、X−Y座標で位置が示されたグリッド領域GRで構成される検出結果に合成する。観測点利用可能判断部39は、合成した検出結果をグリッドマップ作成部33Cと、照合航法位置演算部33Bとの双方に出力する。
次に、移動物体判別部50は、検出情報に移動物体情報が含まれるか否かを判断する(ステップST32)。ステップST32において、走行位置推定部51は、無線通信装置34で受信した他車両位置情報に基づいて、移動物体である他の作業機械4の位置を推定する。マスク領域設定部52は、推定位置に作業機械4を含むマスク領域MAを設定する。情報設定部53は、検出情報において、マスク領域MA内に被検出物情報が存在するか否かを判別する。マスク領域MA内に被検出物情報が存在しないと判別された場合、移動物体情報が含まれないと判断して(ステップST32のNo)、検出情報から上方突出物VPの被検出物情報を抽出する抽出動作を行う(ステップST33)。
また、情報設定部53は、被検出物情報が存在する場合には当該被検出物情報を移動物体情報として設定する。移動物体情報が設定された場合、移動物体判別部50は、検出情報に移動物体情報が含まれると判断する(ステップST32のYes)。この場合、位置計測コントローラ33は、検出情報から移動物体情報を削除した後(ステップST34)、抽出動作を行う(ステップST33)。
また、例えば上記のステップST1において、観測点利用可能判断部39は、まず、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果の各種のノイズを除去する。具体的には、観測点利用可能判断部39は、ノイズとして、反射強度の低い検出結果、レーザー光線が透明物体を通過したと思われる検出結果、レーザー光線が埃を検出したと思われる検出結果、地面によりレーザー光線が反射されたと思われる検出結果、及びレーザー光線が地面上の土の塊を検出したと思われる検出結果を、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果から除去する。
観測点利用可能判断部39は、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果から距離が最大距離以上の検出結果、及び距離が最少距離以下の検出結果を除去する。本実施形態において、所定の最大距離は、太陽光によるノイズを除去するために必要な距離であり、所定の最少距離は、レーザーセンサ24Bから近距離で起こる濃い埃のノイズを除去するための距離である。
観測点利用可能判断部39は、観測点座標変換部38により座標が変換された検出結果から地表から所定高さ以下の検出結果を除去する。本実施形態において、観測点利用可能判断部39は、所定高さ以下の検出結果を除去するが、これに限定されない。このように、観測点利用可能判断部39は、検出結果から各種のノイズなどを除去することで、検出結果から上方突出物VPに関する検出結果を抜き出すこととなる。
観測点利用可能判断部39は、各種のノイズなどが除去された検出結果を、X−Y座標で位置が示されたグリッド領域GRで構成される検出結果に合成する。観測点利用可能判断部39は、合成した検出結果をグリッドマップ作成部33Cと、照合航法位置演算部33Bとの双方に出力する。
その後、位置計測コントローラ33のグリッドマップ作成部33Cは、観測点利用可能判断部39が合成した検出結果である上方突出物VPの位置を稼働領域の地図情報MIとしてマップ保存用データベース36に記憶する(ステップST35)。これにより、地図情報の作成が行われる。
また、図18に示すように、位置計測コントローラ33の判定部33Aは、GPS受信器31が検出したGPS位置の解がFix解ではないと判定する、即ち、GPS受信器31が検出したダンプトラック2のGPS位置精度が所定精度以下であると判定する(ステップST2:No)と、照合航法位置演算部33Bが、レーザーセンサ24Bの検出結果及びマップ保存用データベース36に記憶された地図情報MIに基づいて、ダンプトラック2の位置及び方位を検出して、走行経路RPに従ってダンプトラック2を走行させる(ステップST4)。即ち、位置計測コントローラ33は、GPS受信器31が検出したGPS位置精度が所定精度以下であると判定すると、レーザーセンサ24Bの検出結果とマップ保存用データベース36が記憶した地図情報MIとを照合することにより、ダンプトラック2の位置及び方位を算出する。
具体的には、地図作成の場合と同様に、観測点座標変換部38は、レーザーセンサ24Bから方向及び距離で規定された座標で示されたレーザーセンサ24Bの検出結果の位置を、X−Y座標の位置に変換する検出情報を生成する(ステップST41)。次に、移動物体判別部50は、検出情報に移動物体情報が含まれるか否かを判断し(ステップST42)、移動物体情報が含まれないと判断した場合(ステップST42のNo)、検出情報から上方突出物VPの被検出物情報を抽出する抽出動作を行う(ステップS43)。また、検出情報に移動物体情報が含まれると判断した場合(ステップST42のYes)、位置計測コントローラ33は、検出情報から移動物体情報を削除した後(ステップST44)、抽出動作を行う(ステップST43)。なお、ステップST41からステップST44までの処理は、上記のステップST31からステップST34までの処理と同じであるため、詳細な説明を省略する。
その後、照合航法位置演算部33Bは、ダンプトラック2の位置及び方位を算出する(ステップST45)。ステップST45において、照合航法位置演算部33Bは、観測点利用可能判断部39によりノイズが除去された検出結果をアイソレーションフィルタ(Isolation Filter)に通して、検出結果を間引きする。具体的には、照合航法位置演算部33Bは、観測点利用可能判断部39によりノイズが除去された検出結果のうち互いに所定距離以上離れた検出結果のみ残し、他の検出結果を除去する。
照合航法位置演算部33Bは、ジャイロセンサ26の検出結果、速度センサ27の検出結果、レーザーセンサ24Bの検出結果、及びマップ保存用データベース36に記憶された地図情報MIをパーティクルフィルタPFにより統合して、ダンプトラック2の位置及び方位を検出する。具体的には、照合航法位置演算部33Bは、ジャイロセンサ26の検出結果である方位及び速度センサ27の検出結果である走行速度を基に、ある時点でダンプトラック2が存在すると予想される範囲内の複数の位置及び方位を算出する。
照合航法位置演算部33Bは、マップ保存用データベース36に保存された地図情報MIに基づいて、ダンプトラック2が存在すると予想される各位置及び方位にダンプトラック2が位置する場合にレーザーセンサ24Bが検出すると予想される検出結果を推定する。照合航法位置演算部33Bは、レーザーセンサ24Bが検出すると予想される検出結果と、レーザーセンサ24Bが現実に検出した検出結果とを照合して、各位置及び方位においてレーザーセンサ24Bが検出すると予想される検出結果のレーザーセンサ24Bが現実に検出した検出結果に対する尤度を算出する。照合航法位置演算部33Bは、各位置及び方位の尤度を正規化する。
照合航法位置演算部33Bは、各位置及び方位においてレーザーセンサ24Bが検出すると予想される検出結果の尤度と各位置とから最終推定値を算出し、レーザーセンサ24Bが検出すると予想される検出結果がレーザーセンサ24Bが現実に検出した検出結果に最も似る位置及び方位を算出する。照合航法位置演算部33Bは、最も似る位置及び方位をダンプトラック2の位置及び方位として検出する。照合航法位置演算部33Bは、最も似る位置及び方位を算出した際に、最も似る位置及び方位の推定精度、信頼度も算出する。
なお、図18において、上記ステップST3又はステップST4を行う前に、ダンプトラック2の状態が地図情報MIの精度を低下させる状態であるか否か、即ち、グリットマップ作成部33Cが検出した上方突出物VPの位置に関する情報がマップ保存用データベース36に記憶された地図情報MIの精度を低下させるか否かを判定してもよい。ダンプトラック2の状態が地図情報MIの精度を低下させる状態であると判定された場合、ステップST3又はステップST4を行わずにステップST1に戻るようにすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、抽出動作、生成動作及び特定動作を行う際、被検出物情報DI、抽出情報及び地図情報MIのうち稼働領域を移動する他の作業機械4の被検出物情報である移動物体情報を用いないようにするため、ダンプトラック2の位置を演算する際に、演算結果の精度の低下を抑制することができる。これにより、鉱山における生産性の低下を抑制できる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、被検出物情報DIに移動物体情報が存在するか否かを判別し、移動物体情報が存在する場合には当該移動物体情報を削除した後に、抽出動作を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、移動物体情報が存在する場合、当該移動物体情報を削除せずに抽出動作を行ってもよい。この場合、ダンプトラック2の位置を演算する際に、例えば図20において上記ステップST41を行う前に、地図情報MIに移動物体情報が含まれるか否かの判断を行ってもよい。地図情報MIに移動物体情報が含まれないと判断された場合、そのままステップST41を行うようにする。また、地図情報MIに移動物体情報が含まれると判断された場合、地図情報MIから移動物体情報を削除した後、ステップST41を行うようにする。これにより、誤った演算結果が出ることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、管制施設7から送信される移動物体の他車両位置情報に基づいて移動物体の走行位置を推定する場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、カメラセンサなど、対向車両である移動物体の被検出物情報を検出可能な構成がレーザーセンサ24Bとは別個にダンプトラック2に設けられてもよい。また、他車両位置情報を他車両との車々間通信により他車位置情報を受信してもよい。
また、上記実施形態では、同一のダンプトラック2が地図情報を生成する生成動作と、ダンプトラック2の位置を特定する特定動作とを行う構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、例えばダンプトラック2が生成動作及び特定動作のうちいずれか一方のみを行う構成であってもよい。つまり、生成動作と、特定動作とをそれぞれ別個の車両が行う構成であってもよい。例えば、作業者等が運転する乗用車で地図情報の生成動作を行ってもよい。この場合、乗用車は、GPS受信機31と、位置計測コントローラ33と、無線通信装置34と、マップ保存用データベース36と、レーザーセンサ24Bとを備える構成とすることができる。この乗用車は、鉱山の稼働領域を走行しながらレーザーセンサ24Bで土手BK等の上方突出物VPを検出し、検出情報に基づいて地図情報を生成することができる。その際、上記実施形態と同様に、対向車等の移動物体位置情報に基づいてマスク領域を設定し、マスク領域内の移動物体位置情報を除外して地図情報を生成する。
また、上記実施形態では、ダンプトラック2がマスク領域を設定する場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、管理装置10側で移動物体を含むマスク領域を設定し、通信システム9を介してダンプトラック2に送信するように構成してもよい。