JP2014203429A - 地図生成装置、地図生成方法及び制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にできる地図生成装置、地図生成方法及び地図生成装置の制御プログラムを提供すること。【解決手段】本発明にかかる地図生成装置は、環境データ取得部、データ格納部、判定部及び外部環境地図生成部を備える。環境データ取得部は、物体が存在する外部環境を示す環境データを取得する。データ格納部は、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な第1の物体データを格納する。判定部は、前記データ格納部に格納された前記第1の物体データに基づいて、前記環境データ取得部が取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定する。外部環境地図生成部は、前記環境データに基づいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は地図生成装置、地図生成方法及び地図生成装置の制御プログラムに関する。
近年、ロボットや車両などが自ら目的を達するために考えて、自律移動をする自律移動体が開発されている。この自律移動体が移動するためには、移動する環境の環境地図が必要となる。
図8は、自律移動体がレーザセンサにより生成した2Dのオフィスエリアの地図の一例である。自律移動体は、デスクa、b、c、d及び壁e、f、gを環境中の物体として認識するほか、デスク毎に付属した椅子も環境中の物体として認識する。図10では、デスクaに椅子a1、a2、a3、a4、a5及びa6が付属している。デスクb、c、dについても、それぞれ同様に椅子6脚が付属している。自律移動体は、これらの椅子についても、環境中の物体と認識して環境地図を生成している。
しかし、自律移動体がこのように椅子を含むように環境地図を生成することにより、以下の問題が生じる。時間的に場所が頻繁に変わり得る人や椅子などの家具は、自律移動体にとって定常的な障害物にはならない。つまり、自律移動体が地図生成時には存在していた人や椅子などの家具が、自律移動時には存在しなくなる場合がある。これらの物体が地図生成時に地図上に登録されてしまっていると、自律移動時にこれらの物体が存在しなくても、自律移動体は地図上の情報に基づいて、存在しない物体を障害物として回避する行動をとってしまう。そのため、自律移動体の移動の自由度が狭められてしまう。さらに、自律移動体が自己位置を認識する場合に、地図上にあるはずの物体が現実に存在していないため、現実の位置と地図上での位置との比較が失敗し、自律移動体が自己位置を誤認識してしまう可能性もある。
従って、自律移動体のための環境地図としては、時間的に場所が変わる可能性が少ない物体のみが環境地図上に登録されるのが望ましい。
関連する環境地図の作成技術として、特許文献1では、ロボットが環境地図を作成後、作成された環境地図上のデータに対して、保守者が移動可能物体・固定物体をラベリングする技術が開示されている。ロボットは環境地図を再作成する際に、そのラベリング結果に基づき、環境地図上にある固定物体に基づいて自己位置を算出する。さらにロボットは、探索により検出した物体であって、作成された環境地図に固定物として記載がないものを、新たな移動可能物体として再び環境地図に登録する。このようにして、特許文献1にかかるロボットでは、移動可能物体・固定物体を環境地図上で区分して登録することができる。
特許文献1に記載の環境地図の作成方法では、ロボットが環境地図を作成後に、保守者が環境地図上の物体のデータに対して、移動可能物体又は固定物体のラベリングを人手で行う手順が必要となる。そのため、環境地図の作成に手間がかかってしまっていた。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にできる地図生成装置、地図生成方法及び地図生成装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明にかかる地図生成装置は、環境データ取得部、データ格納部、判定部及び外部環境地図生成部を備える。環境データ取得部は、物体が存在する外部環境を示す環境データを取得する。データ格納部は、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な第1の物体データを格納する。判定部は、前記データ格納部に格納された前記第1の物体データに基づいて、前記環境データ取得部が取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定する。外部環境地図生成部は、前記環境データに基づいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成する。このような構成により、地図生成装置は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にすることができる。
前記データ格納部は、固定物体を認識するために必要な第2の物体データをさらに格納し、前記判定部は、前記データ格納部に格納された前記第1の物体データ及び第2の物体データに基づいて、前記環境データ取得部が取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体が移動可能物体であるか固定物体であるかを判定し、前記外部環境地図生成部は、前記環境データに基づいて、前記判定部が固定物体であると判定した物体を含めた前記外部環境の地図を生成してもよい。このような構成により、地図生成装置は、固定物体を確実に含めた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、生成する外部環境の地図の精度を高めることができる。
前記環境データ取得部は、外部環境に存在する物体を認識するための物体の撮像データを撮像する撮像部と、外部環境に照射された光又は音波の少なくともいずれかの反射を検出することにより外部環境の地図を生成するための物体の存在を示す地図用データを取得するセンサと、を有し、前記地図生成装置は、前記撮像部が撮像した前記撮像データから前記物体の特徴を示す特徴データを抽出する第1の抽出部をさらに備え、前記判定部は、前記特徴データ及び前記第1の物体データに基づいて、前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定し、前記外部環境地図生成部は、前記地図用データにおいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体の前記特徴データに対応し、当該物体の存在を示す地図用物体データを特定するとともに、前記地図用データから当該地図用物体データを除去する除去部と、前記除去部が前記地図用物体データを除去した前記地図用データに基づいて、前記物体を除いた前記外部環境の地図を生成する地図生成部と、を有してもよい。このような構成により、地図生成装置は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を正確に、かつ簡易な構成で自律的に生成することができる。
前記地図生成装置は、前記センサが取得したデータから物体の特徴を示すデータとして前記地図用データを抽出する第2の抽出部をさらに備え、前記除去部は、前記第2の抽出部が抽出した前記地図用データにおいて前記地図用物体データを特定してもよい。このような構成により、地図生成装置は物体の特徴を示す地図用データだけに基づいて環境地図を生成するため、より正確な環境地図を生成することができる。
前記センサはレーザセンサであり、前記地図用データは当該レーザセンサで得られた点群のデータであってもよい。このような構成により、地図生成装置は外部環境の地図を容易に生成することができる。
前記除去部は、前記地図用データにおいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体の前記特徴データが特定する領域に含まれる点群のデータを前記地図用物体データとして特定してもよい。このような構成により、地図生成装置は、除去すべき移動可能物体の地図用データを確実に特定することができるため、より正確な環境地図を生成することができる。
前記第1の抽出部は、前記特徴データとして前記物体の輪郭を示す輪郭データを抽出してもよい。このような構成により、地図生成装置は、物体の特徴を示す輪郭データだけに基づいて物体を認識するため、物体の認識を精度よく行うことができ、より正確な環境地図を生成することができる。
前記輪郭データは、物体のエッジ特徴を示すデータ又はHOGにより抽出された物体の輪郭のデータであってもよい。このような構成により、地図生成装置は容易に輪郭データを取得することができる。
前記地図生成装置は、前記環境データ取得部が取得した環境データから、外部環境に存在する物体を認識するための物体の輪郭の輪郭データを抽出する第3の抽出部と、前記環境データ取得部が取得した環境データから、外部環境の地図を生成するための物体の特徴点を示す特徴点データを抽出する第4の抽出部と、をさらに備え、前記判定部は、前記第3の抽出部が抽出した前記輪郭データ及び前記第1の物体データに基づいて、前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定し、前記外部環境地図生成部は、前記特徴点データにおいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体の前記輪郭データが特定する領域に含まれる特徴点データを当該物体の特徴を示す特徴点物体データとして特定するとともに、前記特徴点データから当該特徴点物体データを除去する除去部と、前記除去部が前記特徴点物体データを除去した前記特徴点データに基づいて、前記物体を除いた前記外部環境の地図を生成する地図生成部と、を有してもよい。このような構成により、地図生成装置は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を正確に、かつ簡易な構成で自律的に生成することができる。
前記特徴点データはSIFTにより抽出された物体の特徴点のデータであってもよい。このような構成により、地図生成装置は、外部環境の地図の生成に必要なデータを容易に抽出することができる。
前記環境データ取得部は前記環境データとして前記外部環境の撮像データを撮像する撮像装置であってもよい。このような構成により、地図生成装置は、環境データを簡易な構成で取得することができる。
前記輪郭データは物体のエッジ特徴を示すデータ又はHOGにより抽出された物体の輪郭のデータであってもよい。このような構成により、地図生成装置は容易に輪郭データを取得することができる。
前記地図生成装置は自律移動体であってもよい。このような構成により、自律移動体は自律的に自身の移動に用いるための環境地図を生成することができる。
本発明にかかる地図生成方法は、地図生成装置が外部環境の地図を生成する地図生成方法である。この地図生成方法は、以下のステップ(a)〜(c)を備える。
(a)物体が存在する外部環境を示す環境データを取得するステップと、
(b)データ格納部に格納された、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体データに基づいて、取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定するステップと、
(c)前記環境データに基づいて、移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成するステップ。
このような構成により、地図生成装置は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にすることができる。
(a)物体が存在する外部環境を示す環境データを取得するステップと、
(b)データ格納部に格納された、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体データに基づいて、取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定するステップと、
(c)前記環境データに基づいて、移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成するステップ。
このような構成により、地図生成装置は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にすることができる。
本発明にかかる制御プログラムは、外部環境の地図を生成する地図生成装置の制御プログラムである。この制御プログラムは、以下のステップ(a)〜(c)を地図生成装置に実行させる。
(a)物体が存在する外部環境を示す環境データを取得するステップと、
(b)データ格納部に格納された、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体データに基づいて、取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定するステップと、
(c)前記環境データに基づいて、移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成するステップ。
このような構成により、地図生成装置は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にすることができる。
(a)物体が存在する外部環境を示す環境データを取得するステップと、
(b)データ格納部に格納された、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体データに基づいて、取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定するステップと、
(c)前記環境データに基づいて、移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成するステップ。
このような構成により、地図生成装置は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にすることができる。
本発明により、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にできる地図生成装置、地図生成方法及び地図生成装置の制御プログラムを提供することができる。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる地図生成装置100の構成の一例を示すブロック構成図である。地図生成装置100は、環境データ取得部1、物体認識用特徴抽出部2、物体情報格納部3、移動可能物体認識部4、地図生成用特徴抽出部5、特徴間対応付け部6、移動可能物体除去部7及び環境地図生成部8を備える。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる地図生成装置100の構成の一例を示すブロック構成図である。地図生成装置100は、環境データ取得部1、物体認識用特徴抽出部2、物体情報格納部3、移動可能物体認識部4、地図生成用特徴抽出部5、特徴間対応付け部6、移動可能物体除去部7及び環境地図生成部8を備える。
実施の形態1では、地図生成装置100は自律的に環境中を移動する自律移動体として説明する。しかし、地図生成装置100は、自律移動体が移動するのに用いる地図を生成する装置であってもよい。なお自律移動体は、例えばロボットや自動車である。
環境データ取得部1は、物体が存在する外部環境を示す環境データを取得する。この環境データは、環境地図生成部8が環境地図を生成するためのデータ及び移動可能物体認識部4が移動可能物体を認識するためのデータ(以降、認識用データとも記載)を含む。
環境データ取得部1は、外部環境に存在する物体を検出する外界センサである。環境データ取得部1は、例えば、静止画又は動画を撮像するカメラ(撮像素子)、外部環境に照射された光又は音波の少なくともいずれかの反射を検出するセンサの少なくともいずれかを有する。このセンサには、例えば照射されたレーザの反射を検出するレーザセンサや超音波の反射を検出する超音波センサが含まれる。環境データ取得部1は、これらのデバイスにより取得した環境データのうち、認識用データを物体認識用特徴抽出部2に出力し、環境地図を生成するためのデータを地図生成用特徴抽出部5に出力する。
物体認識用特徴抽出部2は、環境データ取得部1から出力された認識用データから、移動可能物体認識部4が外部環境に存在する物体を認識するために必要な特徴を示す特徴データを抽出し、その特徴データを移動可能物体認識部4に出力する。
物体情報格納部3(データ格納部)には、物体が何の物体であるかを認識するために必要な物体認識用の特徴量及び物体が移動可能物体であるか否かを示す物体属性の情報が予め格納されている。
移動可能物体認識部4(判定部)は、物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴データを、物体情報格納部3に格納された物体認識用の特徴量と比較することにより、物体認識用特徴抽出部2から出力されたデータが何の物体に係るものであるかを認識する。さらに移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納された物体属性の情報に基づいて、認識した物体が移動可能物体であるか否かを判定する。
なお、物体情報格納部3には、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体認識用の特徴量(第1の物体データ)のみが格納されていてもよい。この場合、移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納されたその特徴量に基づいて、環境データ取得部1が取得した認識用データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定する。ここで、第1の物体データは、例えば移動可能物体と設定された物体の物体認識用の特徴量であってもよい。あるいは、第1の物体データは、固定物体と設定された物体の物体認識用の特徴量であってもよい。この場合、移動可能物体認識部4は、物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴データが第1の物体データに該当しない場合に、物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴データが移動可能物体にかかるデータであると判定する。
ただし、上述の例では、物体情報格納部3に、物体が固定物体であることを認識するために必要な物体認識用の特徴量(第2の物体データ)も格納されている。移動可能物体認識部4は、物体認識用の特徴量に基づいて、物体認識用特徴抽出部2から出力されたデータが移動可能物体であるか固定物体に係るものであるかを判定する。上述の例では、第1の物体データは、移動可能物体と設定された物体の物体認識用の特徴量であり、第2の物体データは、固定物体と設定された物体の物体認識用の特徴量である。
認識した物体が移動可能物体である場合に、移動可能物体認識部4は、その物体にかかる物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴のデータを、特徴間対応付け部6に出力する。なお、認識した物体が固定物体である場合には、移動可能物体認識部4は、その物体にかかる物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴のデータを特徴間対応付け部6に出力しない。
地図生成用特徴抽出部5は、環境データ取得部1から出力された環境地図を生成するためのデータから、環境地図生成部8が環境地図生成に必要とする特徴のデータ(以降、地図用データとも記載)を抽出し、特徴間対応付け部6に出力する。この地図用データは、外部環境の地図を生成するための物体の存在を示すデータである。
特徴間対応付け部6は、移動可能物体認識部4から出力された移動可能物体の特徴データと、そのデータに対応する地図生成用特徴抽出部5から出力された特徴のデータ(一部の地図用データ)を対応付ける。特徴間対応付け部6は、その対応付けた一部の地図用データを移動可能物体除去部7に出力する。このように特徴間対応付け部6は、地図生成のための特徴と物体認識のための特徴を対応付ける。
移動可能物体除去部7は、特徴間対応付け部6において移動可能物体のデータとして対応付けられた一部の地図用データを特定し、そのデータを地図用データから除去する。換言すれば、移動可能物体除去部7は、地図用データにおいて、移動可能物体の存在を示すデータ(以降、地図用物体データと記載)を特定し、そのデータを地図用データから除去する。
環境地図生成部8は、移動可能物体除去部7により移動可能物体のデータ(地図用物体データ)が除去された地図用データに基づいて、移動可能物体認識部4が移動可能物体であると判定した物体を除き、固定物体であると判定した物体を含めた環境地図の生成を実行する。特徴間対応付け部6〜環境地図生成部8は、外部環境の地図を生成するための処理を実行する外部環境地図生成部の役割を果たす。
以上の地図生成装置の処理により、外部環境に存在する物体が移動可能物体であるならば、その物体は環境地図に登録されず、外部環境に存在する物体が移動可能物体でない(固定物体)ならば、その物体は環境地図に登録される。
なお、様々な処理を行う機能ブロックとして図1に記載された地図生成装置100の各要素は、ハードウェア的には、メモリやその他のIC(Integrated Circuit)等の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。これは以降に示す地図生成装置200、300についても同様である。
図2は、地図生成装置100の実行する処理の一例を示したフローチャートである。以下、図2を参照して地図生成装置100の処理を説明する。なお、各処理の詳細については上述の通りである。
地図生成装置100は、環境中を移動する(ステップS1)。地図生成装置100は移動を行いながら、以下に示す環境地図の生成処理を実行する。
環境データ取得部1は、外部環境から環境データを取得する(ステップS2)。
地図生成用特徴抽出部5は、環境データ取得部1から出力された環境地図を生成するためのデータから、地図用データ(地図生成用の特徴データ)を抽出する(ステップS3)。
物体認識用特徴抽出部2は、環境データの認識用データから物体認識用の特徴データを抽出する(ステップS4)。物体認識用特徴抽出部2は、そのデータを移動可能物体認識部4に出力する。なおステップS3とステップS4は、どちらが先にあってもよい。
移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納された物体認識用の特徴量に基づいて、外部環境に存在する物体が何の物体であるかを認識する。さらに移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納された物体属性の情報に基づいて、認識した物体が移動可能物体であるか否かを自律的に認識する(ステップS5)。
ここで移動可能物体認識部4は、認識した物体が移動可能物体であるか否かに応じて、実行する処理を変更する(ステップS6)。
認識した物体が移動可能物体である場合に(ステップS6のYes)、移動可能物体認識部4は、その物体にかかる物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴データを、特徴間対応付け部6に出力する。特徴間対応付け部6は、移動可能物体認識部4から出力された移動可能物体の特徴データと、そのデータに対応する地図生成用特徴抽出部5から出力された特徴のデータ(地図用物体データ)を対応付けし、地図用物体データを移動可能物体除去部7に出力する(ステップS7)。
移動可能物体除去部7は、特徴間対応付け部6において移動可能物体のデータとして対応付けられた地図用物体データを特定し、そのデータを地図用データから除去する。環境地図生成部8は、移動可能物体除去部7により移動可能物体のデータが除去された地図用データに基づいて、移動可能物体認識部4が移動可能物体であると判定した物体を除いて環境地図を生成する。つまり、環境地図生成部8は、移動可能物体の環境地図への登録をキャンセルする(ステップS8)。
認識した物体が移動可能物体でない(即ち固定物体である)場合に(ステップS6のNo)、移動可能物体認識部4は、その物体にかかる物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴のデータを特徴間対応付け部6に出力しない。そのため、移動可能物体除去部7は、固定物体に係る地図用物体データを地図用データから削除せず、そのまま残す。環境地図生成部8は地図用データに基づいて環境地図を生成する。これにより、固定物体は環境地図に登録される(ステップS9)。
以上に示した地図生成装置100は、少なくとも以下の構成を有する。地図生成装置100は、環境データ取得部、データ格納部、判定部及び外部環境地図生成部を備える。環境データ取得部は、物体が存在する外部環境を示す環境データを取得する。データ格納部は、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な第1の物体データを格納する。判定部は、データ格納部に格納された第1の物体データに基づいて、環境データ取得部が取得した環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定する。外部環境地図生成部は、環境データに基づいて、判定部が移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成する。
このような構成により、地図生成装置100は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にすることができる。
なおデータ格納部は、固定物体を認識するために必要な第2の物体データをさらに格納してもよい。判定部は、データ格納部に格納された第1の物体データ及び第2の物体データに基づいて、環境データ取得部が取得した環境データが示す外部環境に存在する物体が移動可能物体であるか固定物体であるかを判定する。外部環境地図生成部は、環境データに基づいて、判定部が固定物体であると判定した物体を含めた外部環境の地図を生成する。このような構成により、地図生成装置100は、固定物体を確実に含めた外部環境の地図を自律的に生成することができるため、生成する外部環境の地図の精度を高めることができる。
一般的に、自律移動体がレーザセンサにより2Dのオフィスエリアの地図を生成すると、図8に示したように、移動可能物体(例えば椅子)が環境地図に登録される。このように移動可能で場所が容易に変わりうる物体が環境地図に含まれてしまうことにより、自律移動体の移動の自由度が狭められてしまうほか、自律移動体が自己位置を誤認識してしまう可能性がある。
この問題を解消するために、自律移動体に移動をさせながら自律的に環境地図の生成を行わせる際、ユーザが、環境地図生成後に環境地図内の移動可能物体の有無を人手で判断し、移動可能物体を環境地図から削除する必要があった。あるいは、特許文献1のように、ロボットが環境地図を作成後に、保守者が環境地図上の物体に対し移動可能物体か、固定物体かのラベリングを人手でする処理が必要となった。
これに対し地図生成装置100は、移動可能物体を自律的に認識し、その物体を環境地図上に登録しないことによって、移動可能物体ではない固定物体を環境地図に登録することができる。これにより、環境地図の生成に伴って必要であったラベリング作業や環境地図の編集等の人の介在処理を不要とすることができる。また、地図生成装置100は物体が移動可能か否かの属性を自律的に判断するため、環境データ収集時に動いていなかった物体であっても、属性を正確に判断できる。つまり、環境データ収集時に椅子が動いていない場合でも、地図生成装置100は椅子を移動可能物体と判定して、移動可能物体を含まない環境地図を生成することができる。
実施の形態2
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1に記載された地図生成装置の具体例について説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1に記載された地図生成装置の具体例について説明する。
図3は、実施の形態2にかかる地図生成装置200の構成の一例を示すブロック構成図である。地図生成装置200は、環境データ取得部1、物体認識用特徴抽出部2、物体情報格納部3、移動可能物体認識部4、地図生成用特徴抽出部5、特徴間対応付け部6、移動可能物体除去部7及び環境地図生成部8を備える。実施の形態2では、地図生成装置100は自律的に環境中を移動する自律移動体として説明する。
環境データ取得部1は、物体が存在する外部環境を示す環境データを取得する外界センサである。環境データ取得部1は、カメラ9(撮像部)及びレーザセンサ10を有する。
カメラ9は、外部環境を撮像して、移動可能物体を認識するための撮像データ(認識用データ)を物体認識用特徴抽出部2に出力する。
レーザセンサ10は、外部環境に対しレーザを出力し、外部環境に存在する物体から反射されたレーザを検出する。レーザセンサ10は、検出により取得した環境地図を生成するためのレーザデータを地図生成用特徴抽出部5に出力する。
物体認識用特徴抽出部2(第1の抽出部)は、環境データ取得部1から出力された撮像データに基づいて物体認識用の特徴を算出し、移動可能物体認識部4が外部環境に存在する物体を認識するために必要な特徴のデータとして、撮像データから物体の輪郭データを抽出する。具体的には、物体認識用特徴抽出部2は物体認識のため、カメラ画像からエッジ特徴やHOG(Histogram of Oriented Gradient)特徴などの画像特徴を抽出する。物体認識用特徴抽出部2は、抽出した輪郭データを移動可能物体認識部4に出力する。
なお、エッジ特徴とは、画像から抽出した物体の輪郭線である。エッジ特徴の詳細については、 John Canny.「A computational approach to edge detection」 Pattern Analysis and Machine Intelligence, IEEE Transactions on, PAMI-8(6):679-698, Nov. 1986を参照されたい。また、HOGは、物体の輪郭をとらえる手法の1つである。この詳細については、 N.Dalal and B.Triggs. 「Histograms of Oriented Gradients for Human Detection」 In CVPR, pages 886-893, 2005 を参照されたい。
物体情報格納部3には、物体が何の物体であるかを認識するために必要な物体認識用の特徴量(移動可能物体の物体認識用の特徴量及び固定物体の物体認識用の特徴量)が予め格納されている。換言すれば、物体情報格納部3には、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体認識用の特徴量(第1の物体データ)及び物体が固定物体であることを認識するために必要な物体認識用の特徴量(第2の物体データ)の両方が予め格納されている。ここで第1の物体データは、移動可能物体と設定された物体(例えば椅子、人)の物体認識用の特徴量であり、第2の物体データは、固定物体と設定された物体(例えば机、プリンタ)の物体認識用の特徴量である。さらに物体情報格納部3には、外部環境に存在する物体が移動可能物体であるか否かを示す物体属性の情報が予め格納されている。
図4は、物体情報格納部3に格納されている物体属性の情報の一例を示すテーブルである。図4において、物体が「人」や「イス」の場合には、属性が「移動可能」と予め設定されており、物体が「机」や「プリンタ」の場合には、属性が「移動不可」と予め設定されている。この物体属性の設定は、ユーザによってなされる。ユーザは、移動が頻繁になされる物体の属性を「移動可能」と設定し、移動されることがないか又は少ない物体の属性を「移動不可」と設定するのが望ましい。
移動可能物体認識部4は、物体認識用特徴抽出部2から出力された物体の輪郭データ(上述のエッジ特徴やHOG特徴などのデータ)を、物体情報格納部3に格納された物体認識用の特徴量と比較することにより、物体認識用特徴抽出部2から出力されたデータが何の物体に係るものであるかを認識する。
さらに移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納された物体属性の情報に基づいて、認識した物体が移動可能物体であるか否かを判定する。例えば、物体が椅子という認識結果を移動可能物体認識部4が得た場合には、移動可能物体認識部4は物体情報格納部3に格納されたテーブル(図4)にアクセスし、物体「椅子」の属性を参照する。図4では「椅子は移動可能」という属性が設定されているので、移動可能物体認識部4は、認識した物体が移動可能と判定する。
認識した物体が移動可能物体である場合に、移動可能物体認識部4は、その物体にかかる物体認識用特徴抽出部2から出力された物体の輪郭データを、特徴間対応付け部6に出力する。なお、認識した物体が固定物体である場合には、移動可能物体認識部4は、その物体にかかる物体認識用特徴抽出部2から出力された物体の輪郭データを、特徴間対応付け部6に出力しない。
地図生成用特徴抽出部5(第2の抽出部)は、レーザセンサ10が出力したレーザデータから、環境地図生成部8が環境地図生成に必要とする特徴のデータ(地図用データ)を抽出し、特徴間対応付け部6に出力する。具体的に、地図生成用特徴抽出部5は、レーザセンサ10の検出で得られたレーザデータの点群を特徴として抽出する。
特徴間対応付け部6は、移動可能物体認識部4から出力された移動可能物体の輪郭データと、そのデータに対応する地図生成用特徴抽出部5から出力された点群のデータを対応付ける。特徴間対応付け部6は、対応付けた点群のデータを移動可能物体除去部7に出力する。このように特徴間対応付け部6は、地図生成のための特徴と物体認識のための特徴を対応付ける。
なお、カメラ9とレーザセンサ10とは予めキャリブレーションされており、カメラ9により撮像した画像データの特定の領域が、レーザセンサ10により取得したレーザデータのどの領域に対応するかを特徴間対応付け部6は認識することができる。従って、特徴間対応付け部6は、カメラ画像上の移動可能物体の領域と、その移動可能物体を示すレーザデータの点群領域とを対応付けることができる。
移動可能物体除去部7は、特徴間対応付け部6において移動可能物体のデータとして対応付けられた点群のデータ(地図用物体データ)を特定し、そのデータを地図用データから除去する。
環境地図生成部8は、移動可能物体除去部7により移動可能物体の点群のデータが除去された地図用データに基づいて環境地図の生成を実行する。換言すれば、環境地図生成部8は、移動可能物体除去部7により移動可能物体が除去された特徴量を環境地図として登録する環境地図を生成する。環境地図生成部8は、具体的には、移動可能物体領域に当たる点群が除去されたレーザデータに基づいて環境地図を生成する。
図5は、カメラ9が撮像した撮像データと、レーザセンサ10が取得したレーザデータとの対応付けの一例を示したイメージ図である。図5において、椅子Aを撮影した中央の画像データBはカメラ9が撮像した撮像データであり、点群で示されたレーザデータCはレーザセンサ10が取得したレーザデータの一部である。なお、カメラ9の画角に比較して、レーザセンサ10の画角は広く設定されている。
カメラ9及びレーザセンサ10が図5に示したデータを取得した場合に、物体認識用特徴抽出部2は撮像データから椅子Aの輪郭データを抽出する。移動可能物体認識部4は、椅子Aの輪郭データを物体情報格納部3に格納された物体認識用の特徴量と比較して、撮像された物体が椅子であることを認識する。さらに移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納された物体属性の情報に基づいて、認識した物体が移動可能物体であることを判定し、椅子Aの輪郭データを特徴間対応付け部6に出力する。移動可能物体認識部4は、その他の移動可能物体の輪郭データも特徴間対応付け部6に出力する。
地図生成用特徴抽出部5は、レーザセンサ10が出力したレーザデータから、環境地図生成部8が環境地図生成に必要とするレーザデータC(地図用データ)を抽出し、特徴間対応付け部6に出力する。
特徴間対応付け部6は、移動可能物体認識部4から出力された椅子Aの輪郭データと、そのデータに対応する地図生成用特徴抽出部5から出力されたレーザデータを対応付ける。換言すれば、特徴間対応付け部6は、椅子Aの輪郭データにより特定される領域D(椅子Aを示す領域)が、レーザセンサ10により取得したレーザデータC1の領域に対応することを認識する。特徴間対応付け部6は、その対応付けたレーザデータC1を移動可能物体除去部7に出力する。
移動可能物体除去部7は、このレーザデータC1が、椅子Aの存在を示す地図用物体データであると特定し、地図用データであるレーザデータCからレーザデータC1を除去する。環境地図生成部8は、レーザデータCからレーザデータC1が除去されたこのデータに基づいて、環境地図を生成する。
以上の地図生成装置200の処理により、外部環境に存在する物体が移動可能物体であるならば、その物体は環境地図に登録されず、外部環境に存在する物体が移動可能物体でない(固定物体)であるならば、その物体は環境地図に登録される。これにより、地図生成装置200は、移動可能物体が除かれ、固定物体のみが含まれる外部環境の地図を正確に、かつ簡易な構成で自律的に生成することができる。従って地図生成装置200は、移動可能物体を含まない環境地図の生成を容易にすることができる。また、地図生成装置100は物体が移動可能か否かの属性を自律的に判断するため、環境データ収集時に動いていなかった物体であっても、属性を正確に判断できる。
地図生成装置200は、物体の撮像データを撮像するカメラ9と、地図用データを取得するレーザセンサ10を備えることができる。ここで地図生成装置200は、撮像データから抽出した輪郭データに基づいて外部環境内の移動可能物体を判定し、判定した移動可能物体にかかる地図用物体データを地図用データから削除して外部環境の地図を生成する。これにより、地図生成装置200は、移動可能物体を除いた外部環境の地図を正確かつ簡易な構成で自律的に生成することができる。
地図生成装置200は、レーザセンサ10が取得したレーザデータから地図用データを抽出する地図生成用特徴抽出部5を備えることができる。これにより、環境地図生成部8は、物体の特徴を示す地図用データだけに基づいて環境地図を生成するため、より正確な環境地図を生成することができる。
なお、環境データ取得部1は、レーザセンサでなく、外部環境に反射された超音波の反射を検出する超音波センサを備えてもよい。これに限らず、環境データ取得部1は、外部環境に照射された光又は音波の少なくともいずれかの反射を検出するセンサを備えることができる。
ただし、環境データ取得部1がレーザセンサを備え、環境地図生成部8がレーザセンサで得られた点群を地図用データとして環境地図の生成に用いることにより、地図生成装置200は外部環境の地図を容易に生成することができる。
移動可能物体除去部7は、地図用データにおいて、移動可能物体認識部4が移動可能物体であると判定した物体の輪郭データが特定する領域に含まれる点群のデータを、地図用物体データとして特定することができる。これにより、移動可能物体除去部7は、除去すべき移動可能物体の地図用データを確実に特定することができるため、地図生成装置200がより正確な環境地図を生成することができる。
物体認識用特徴抽出部2は、物体の特徴を示す特徴データとして、カメラ9が撮像したデータから輪郭データを抽出することができる。これにより、移動可能物体認識部4は、物体の特徴を示す輪郭データだけに基づいて物体を認識するため、物体の認識を精度よく行うことができる。これにより、地図生成装置200はより正確な環境地図を生成することができる。
輪郭データは、物体のエッジ特徴を示すデータ又はHOGにより抽出された物体の輪郭のデータであってもよい。これにより、地図生成装置200は容易に輪郭データを取得することができる。
実施の形態3
以下、図面を参照して本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1に記載された地図生成装置の他の具体例について説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1に記載された地図生成装置の他の具体例について説明する。
図6は、実施の形態3にかかる地図生成装置300の構成の一例を示すブロック構成図である。地図生成装置300は、環境データ取得部1、物体認識用特徴抽出部2、物体情報格納部3、移動可能物体認識部4、地図生成用特徴抽出部5、特徴間対応付け部6、移動可能物体除去部7及び環境地図生成部8を備える。実施の形態3では、地図生成装置100は自律的に環境中を移動する自律移動体として説明する。
実施の形態3にかかる地図生成装置300が実施の形態2にかかる地図生成装置200と異なる点は、環境データ取得部1がカメラ9(撮像装置)のみを有し、地図生成装置300はカメラ画像のデータに基づいて環境地図を生成する点である。以下、この点について説明する。
環境データ取得部1は、物体が存在する外部環境を示す環境データを取得する外界センサである。環境データ取得部1は、カメラ9のみを有する。
カメラ9は、外部環境の撮像データを撮像して、撮像データを物体認識用特徴抽出部2とともに地図生成用特徴抽出部5に出力する。
物体認識用特徴抽出部2(第3の抽出部)〜移動可能物体認識部4が実行する処理は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
地図生成用特徴抽出部5(第4の抽出部)は、撮像データから外部環境の地図を生成するための地図生成用の特徴を抽出する。具体的には、地図生成用特徴抽出部5は、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)により輝度変化の強い箇所に特徴点(物体の特徴点)を抽出する。このように、地図生成用特徴抽出部5は、物体認識用特徴抽出部2とカメラ9から得られる同じ撮像デーを元に物体の特徴抽出を行う。
なおSIFTは、輝度変化の強い箇所に特徴点を抽出する手法の1つである。この詳細については、 David G. Lowe:「Distinctive Image Features from Scale-Invariant Keypoints」 International Journal of Computer Vision 60(2):91-110(2004)を参照されたい。
特徴間対応付け部6は、移動可能物体認識部4から出力された移動可能物体の輪郭データと、そのデータに対応する地図生成用特徴抽出部5から出力されたSIFT特徴点のデータを対応付ける。特徴間対応付け部6は、対応付けたデータを移動可能物体除去部7に出力する。このように特徴間対応付け部6は、地図生成のための特徴と物体認識のための特徴を対応付ける。
なお、地図生成用特徴抽出部5は、物体認識用特徴抽出部2とカメラ9から得られる同じ画像データを元に物体の特徴抽出を行っている。そのため、特徴間対応付け部6の対応付けにおいて、実施の形態2のようにキャリブレーションの設定を行う必要がなく、特徴間対応付け部6は、画像上の領域を容易に求めることができる。
移動可能物体除去部7は、特徴間対応付け部6において移動可能物体のデータとして対応付けられたSIFT特徴点のデータ(地図用物体データ)を特定し、そのデータを地図用データから除去する。
環境地図生成部8は、移動可能物体除去部7により移動可能物体のSIFT特徴点のデータが除去された地図用データに基づいて環境地図の生成を実行する。環境地図生成部8は、具体的には、移動可能物体領域に当たる点群が除去されたSIFT特徴点のデータに基づいて環境地図を生成する。
図7は、カメラ9が撮像した画像データの一例を示したイメージ図である。図7(a)は、物体認識用特徴抽出部2が物体認識用に抽出した特徴の例を示し、図7(b)は、地図生成用特徴抽出部5が地図生成用に抽出した特徴の例を示している。図7(b)における点は画像データにおけるSIFT特徴点を示している。
カメラ9が図7に示す画像データを撮像した場合に、物体認識用特徴抽出部2は、カメラ9が撮像した画像データから、図7(a)に示す椅子の輪郭を示す輪郭データを抽出する。移動可能物体認識部4は、この椅子の輪郭データを物体情報格納部3に格納された物体認識用の特徴量と比較して、撮像された物体が椅子であることを認識する。さらに移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納された物体属性の情報に基づいて、認識した物体が移動可能物体であることを判定し、椅子の輪郭データを特徴間対応付け部6に出力する。移動可能物体認識部4は、その他の移動可能物体の輪郭データも特徴間対応付け部6に出力する。
地図生成用特徴抽出部5は、カメラ9が撮像した撮像データから、環境地図生成部8が環境地図生成に必要とするSIFT特徴点のデータ(地図用データ)を抽出し、特徴間対応付け部6に出力する。
特徴間対応付け部6は、移動可能物体認識部4から出力された椅子の輪郭データと、そのデータに対応する地図生成用特徴抽出部5から出力されたSIFT特徴点のデータを対応付ける。換言すれば、特徴間対応付け部6は、椅子の輪郭データにより特定される領域(図7(a)及び(b)の矢印で示す領域、即ち椅子のカメラ画像上の位置)に含まれるSIFT特徴点データを、椅子の輪郭データと対応付ける。特徴間対応付け部6は、その対応付けたSIFT特徴点データを移動可能物体除去部7に出力する。
なお、特徴間対応付け部6は、移動可能物体である椅子のカメラ画像上の位置(領域)を輪郭データの特徴から算出し、その領域内にあるSIFT特徴点のデータを抽出している。
移動可能物体除去部7は、特徴間対応付け部6が出力したSIFT特徴点データが、椅子の存在を示す地図用物体データであると特定し、地図用データであるSIFT特徴点データから、図7(b)の矢印で示された範囲内に存在するSIFT特徴点データを除去する。環境地図生成部8は、このデータに基づいて、環境地図を生成する。
以上の地図生成装置300は、実施の形態2にかかる地図生成装置200と同様の効果を奏する。
さらに、地図生成装置300は、環境データ取得部1が取得した環境データから、外部環境に存在する物体を認識するための物体の輪郭の輪郭データを抽出する物体認識用特徴抽出部2と、環境データ取得部1が取得した環境データから、外部環境の地図を生成するための物体の特徴点を示す特徴点データを抽出する移動可能物体抽出部4を備えることができる。地図生成装置300は、この輪郭データに基づいて外部環境内の移動可能物体を判定し、判定した移動可能物体にかかる地図用物体データを地図用データから削除して外部環境の地図を生成する。これにより、地図生成装置300は、取得する環境データが1種類で済むため、環境データ取得部1の構成の簡素化ができる。また、実施の形態2で必要であったキャリブレーションも不要となるため、環境地図を生成するための地図生成装置300の設定を容易にすることができる。
実施の形態3において、地図生成用特徴抽出部5は、SIFTにより物体の特徴点データを抽出することができる。このため、地図生成装置300は、外部環境の地図の生成に必要なデータを容易に抽出することができる。
環境データ取得部1は、外部環境の撮像データを撮像するカメラ9により環境データを取得することができる。これにより、地図生成装置300は、環境データを簡易な構成で取得することができる。
輪郭データは、物体のエッジ特徴を示すデータ又はHOGにより抽出された物体の輪郭のデータであってもよい。これにより、地図生成装置200は容易に輪郭データを取得することができる。
本発明にかかる地図生成装置は、例えば、自律移動型ロボットや自動運転機能を有する自動車といった自律移動体に適用することができる。この自律移動体は自律的に自身の移動に用いるための環境地図を生成することができる。自律移動体は、生成した外部環境の地図に従って、自律的に移動する。
ここで自律移動体は、外部環境の地図に登録されていない物体の存在を検出した場合に、その物体が登録されていない物体、即ち移動可能物体であると判定することができる。自律移動体がロボットであり、その物体が自身の進行方向にある場合には、ロボットはその物体を進行方向から除去する動作を行うことにより、自身の通行を支障なく行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態2、3に示した地図生成用のデータ及び物体認識用のデータの具体的な方式については、適宜変更が可能である。実施の形態2、3において、物体情報格納部3には、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体認識用の特徴量(第1の物体データ)のみが格納されていてもよい。例えば、物体情報格納部3には、移動可能物体と設定された物体の物体認識用の特徴量か、固定物体と設定された物体の物体認識用の特徴量のいずれかだけが格納されていてもよい。
実施の形態2、3において、物体認識用特徴抽出部2はカメラ9で撮像した画像データにおける輪郭データの代わりに、画像データにおけるSIFT特徴点やレーザセンサで取得したレーザデータ等から、物体認識用の特徴を抽出してもよい。この場合でも、物体情報格納部3には、物体が何の物体であるかを認識するために必要な物体認識用の特徴量が予め格納されている。
移動可能物体認識部4は、物体認識用特徴抽出部2から出力された物体認識用の特徴データを、物体情報格納部3に格納された物体認識用の特徴量と比較することにより、物体認識用特徴抽出部2から出力されたデータが何の物体に係るものであるかを認識する。さらに移動可能物体認識部4は、物体情報格納部3に格納された物体属性の情報に基づいて、認識した物体が移動可能物体であるか否かを判定する。このようにしても、移動可能物体認識部4は、認識した物体が移動可能物体であるか否かを判定することができる。
ただし、物体を認識するのに輪郭データを用いる場合には、カメラ(撮像装置)により撮像データを取得するのが、輪郭をより正確に検出するのに望ましい。
実施の形態1に記載した処理は、以下の通り変更することができる。移動可能物体認識部4は、認識した物体が移動可能物体である場合だけでなく、認識した物体が固定物体である場合にも、その物体にかかる物体認識用特徴抽出部2から出力された特徴データを特徴間対応付け部6に出力してもよい。
特徴間対応付け部6は、移動可能物体認識部4から出力された物体の特徴データと、そのデータに対応する地図生成用特徴抽出部5から出力された特徴のデータを対応付ける。特徴間対応付け部6は、対応付けられた地図用データの一部(地図生成用特徴抽出部5から出力されたデータ)を移動可能物体除去部7に出力する。ここで、特徴間対応付け部6は、対応付けられたデータにおける物体が移動可能物体か固定物体かを示す情報も移動可能物体除去部7に出力する。
移動可能物体除去部7は、特徴間対応付け部6において移動可能物体のデータとして対応付けられた地図用データの一部を特定し、そのデータを地図用データから除去する。このようにしても、地図生成装置は、固定物体を確実に含めた外部環境の地図を自律的に生成することができる。実施の形態2、3についても、同様の変更をすることができる。
実施の形態1に示した処理は、制御方法の1つとして、地図生成装置(例えばロボット、自動車などの自律移動体)に実行させることができる。例えば、処理を制御プログラムとして地図生成装置に実行させてもよい。実施の形態2、3に示した処理についても、同様に地図生成装置に実行させることができる。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、地図生成装置に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムを地図生成装置に供給できる。
1 環境データ取得部
2 物体認識用特徴抽出部
3 物体情報格納部
4 移動可能物体認識部
5 地図生成用特徴抽出部
6 特徴間対応付け部
7 移動可能物体除去部
8 環境地図生成部
9 レーザセンサ
10 カメラ
100、200、300 地図生成装置
2 物体認識用特徴抽出部
3 物体情報格納部
4 移動可能物体認識部
5 地図生成用特徴抽出部
6 特徴間対応付け部
7 移動可能物体除去部
8 環境地図生成部
9 レーザセンサ
10 カメラ
100、200、300 地図生成装置
Claims (15)
- 物体が存在する外部環境を示す環境データを取得する環境データ取得部と、
物体が移動可能物体であることを認識するために必要な第1の物体データを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納された前記第1の物体データに基づいて、前記環境データ取得部が取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定する判定部と、
前記環境データに基づいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成する外部環境地図生成部と、を備える
地図生成装置。 - 前記データ格納部は、固定物体を認識するために必要な第2の物体データをさらに格納し、
前記判定部は、前記データ格納部に格納された前記第1の物体データ及び第2の物体データに基づいて、前記環境データ取得部が取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体が移動可能物体であるか固定物体であるかを判定し、
前記外部環境地図生成部は、前記環境データに基づいて、前記判定部が固定物体であると判定した物体を含めた前記外部環境の地図を生成する、
請求項1に記載の地図生成装置。 - 前記環境データ取得部は、外部環境に存在する物体を認識するための物体の撮像データを撮像する撮像部と、外部環境に照射された光又は音波の少なくともいずれかの反射を検出することにより外部環境の地図を生成するための物体の存在を示す地図用データを取得するセンサと、を有し、
前記地図生成装置は、前記撮像部が撮像した前記撮像データから前記物体の特徴を示す特徴データを抽出する第1の抽出部をさらに備え、
前記判定部は、前記特徴データ及び前記第1の物体データに基づいて、前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定し、
前記外部環境地図生成部は、
前記地図用データにおいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体の前記特徴データに対応し、当該物体の存在を示す地図用物体データを特定するとともに、前記地図用データから当該地図用物体データを除去する除去部と、
前記除去部が前記地図用物体データを除去した前記地図用データに基づいて、前記物体を除いた前記外部環境の地図を生成する地図生成部と、を有する
請求項1又は2に記載の地図生成装置。 - 前記地図生成装置は、前記センサが取得したデータから物体の特徴を示すデータとして前記地図用データを抽出する第2の抽出部をさらに備え、
前記除去部は、前記第2の抽出部が抽出した前記地図用データにおいて前記地図用物体データを特定する、
請求項3に記載の地図生成装置。 - 前記センサはレーザセンサであり、前記地図用データは当該レーザセンサで得られた点群のデータである、
請求項3又は4に記載の地図生成装置。 - 前記除去部は、前記地図用データにおいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体の前記特徴データが特定する領域に含まれる点群のデータを前記地図用物体データとして特定する、
請求項5に記載の地図生成装置。 - 前記第1の抽出部は、前記特徴データとして前記物体の輪郭を示す輪郭データを抽出する、
請求項3ないし6のいずれか一項に記載の地図生成装置。 - 前記輪郭データは前記物体のエッジ特徴を示すデータ又はHOGにより抽出された前記物体の輪郭のデータである、
請求項7に記載の地図生成装置。 - 前記地図生成装置は、
前記環境データ取得部が取得した環境データから、外部環境に存在する物体を認識するための物体の輪郭の輪郭データを抽出する第3の抽出部と、
前記環境データ取得部が取得した環境データから、外部環境の地図を生成するための物体の特徴点を示す特徴点データを抽出する第4の抽出部と、をさらに備え、
前記判定部は、前記第3の抽出部が抽出した前記輪郭データ及び前記第1の物体データに基づいて、前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定し、
前記外部環境地図生成部は、
前記特徴点データにおいて、前記判定部が移動可能物体であると判定した物体の前記輪郭データが特定する領域に含まれる特徴点データを当該物体の特徴を示す特徴点物体データとして特定するとともに、前記特徴点データから当該特徴点物体データを除去する除去部と、
前記除去部が前記特徴点物体データを除去した前記特徴点データに基づいて、前記物体を除いた前記外部環境の地図を生成する地図生成部と、を有する
請求項1又は2に記載の地図生成装置。 - 前記特徴点データはSIFTにより抽出された物体の特徴点のデータである、
請求項9に記載の地図生成装置。 - 前記環境データ取得部は、前記環境データとして前記外部環境の撮像データを撮像する撮像装置である、
請求項9又は10に記載の地図生成装置。 - 前記輪郭データは物体のエッジ特徴を示すデータ又はHOGにより抽出された物体の輪郭のデータである、
請求項9ないし11のいずれか一項に記載の地図生成装置。 - 前記地図生成装置は自律移動体である、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の地図生成装置。 - 地図生成装置が外部環境の地図を生成する地図生成方法であって、
物体が存在する外部環境を示す環境データを取得するステップと、
データ格納部に格納された、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体データに基づいて、取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定するステップと、
前記環境データに基づいて、移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成するステップと、を備える
地図生成方法。 - 外部環境の地図を生成する地図生成装置の制御プログラムであって、
物体が存在する外部環境を示す環境データを取得するステップと、
データ格納部に格納された、物体が移動可能物体であることを認識するために必要な物体データに基づいて、取得した前記環境データが示す外部環境に存在する物体のうちの移動可能物体を判定するステップと、
前記環境データに基づいて、移動可能物体であると判定した物体を除いた外部環境の地図を生成するステップと、を地図生成装置に実行させる
制御プログラム。
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