JP6532829B2 - 撹乱データ再構築誤差推定装置、撹乱データ再構築誤差推定方法、プログラム - Google Patents

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本発明は、データベースにおける個別データを確率的手法により秘匿化したデータから個別データの統計値を推定する技術に関し、特に個別データと撹乱後再構築した個別データの誤差を推定するものに関する。
データベース中の元データを確率的手法により秘匿化することを撹乱という。また、秘匿化したデータ(以下、撹乱データという)から元データの統計値(以下、再構築データという)を推定することを再構築という。つまり、撹乱とは撹乱データからなる秘匿データベースを作成することであり、再構築とはこの秘匿データベースに対し統計分析を行い、再構築データを得ることである。
このような撹乱・再構築の技術として、維持置換撹乱(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献4)、有界ラプラスノイズ加算(非特許文献3)がある。これらの技術における再構築処理では、撹乱データから再構築データを推定する際、様々な統計分析を可能にするために、元データの生成分布を表す確率密度関数の推定を行っている。確率密度関数を知ることはデータの生成規則を知ることと等価であり、あらゆる統計分析が可能となるからである。
非特許文献4の技術では、確率密度関数をヒストグラムとして表現し、元データの生成分布の推定を行っている。以後、「確率密度関数の推定」と「ヒストグラムの推定」は等価なものとして取り扱う。
非特許文献2、非特許文献3に従い、従来提案されている攪乱方法について説明する。そのために、まず、属性、カテゴリ属性、数値属性について例をまじえながら説明する。
撹乱対象となるデータ、つまり元データの属性の数をMとする。また、属性はカテゴリ属性と数値属性が混在して含まれているものとする。カテゴリ属性の例としては、性別があり、その属性値の集合は{男性、女性}となる。数値属性の例としては、身長があり、その属性値の集合は{t|tは0cm〜200cm}となる。
j番目の属性(つまり、属性値の集合)をAと表し(1≦j≦M)、すべての属性の集合をA=A×…×Aとする。また、Aがカテゴリ属性の場合は集合Aの濃度、Aが数値属性の場合は数値属性の値の取り得る範囲(数値属性の値域)を分割する数(量子化する数)Kのことをそれぞれ|A|で表す。さらに、|A|=|A|×…×|A|とする。先ほどの身長の例では、その値域は{t|tは0cm〜200cm}であり、部分区間[0,20]、[20,40]、…[180,200]に分割(量子化)する場合、K=10となる。このとき、{[0,20]、[20,40]、…[180,200]}を値域とする数値属性のことを量子化数値属性という。
図1に、A、Aがそれぞれ性別、職業を表すカテゴリ属性である場合のA=A×Aのサンプルデータの例を示す。このとき、サンプルデータ数N=10、M=2、A={男性、女性}、A={研究員、開発者、医者}、A={(男性,研究員)、(男性,開発者)、(男性,医者)、(女性,研究員)、(女性,開発者)、(女性,医者)}、|A|=2、|A|=3、|A|=6となる。
の要素は、{1、2、…、|A|}でナンバリングされているものとする。Aの要素である研究員、開発者、医者に対して、1、2、3を割り当てることとすると、これがAの要素をナンバリングした例となる。Aの要素についても、同様に{1、2、…、|A|}でナンバリングされているものとする。例えば、x=(男性,研究員)、x=(男性,開発者)、x=(男性,医者)、x=(女性,研究員)、x=(女性,開発者)、x=(女性,医者)がAの要素をナンバリングした例となる。また、xをi番目の属性値の組み合わせと呼ぶ。
次に、いくつかの記号について説明する。P(x)(ただし、xはAの要素)は元データの確率密度関数、P(y)(ただし、yはAの要素)は撹乱データの確率密度関数を表すものとする。P(x)、P(y)はいずれも定義域をA=A×…×A、値域を[0,1]とする関数である。なお、変数x、yはM次元列ベクトルとして扱うこととする。また、条件付き確率PY|X(y|x)は元データxがランダムに攪乱されて撹乱データyになる確率を表すものとする。
元データのサンプルデータは、確率密度P(x)を持つ確率分布からN個サンプリングしたものとする。また、i番目の属性値の組み合わせx(1≦i≦|A|)に対し、P(x)はi番目の属性値の組み合わせxの度数をサンプルデータ数で割ったもの、H(x)はi番目の属性値の組み合わせxの度数を表す。したがって、P(x)=H(x)/Nとなる。図1の例を考えると、x=(男性,医者)に対し、P(x)=2/10、H(x)=2となる。
撹乱データについても同様の記号を用いることにする。すなわち、i番目の属性値の組み合わせy(1≦i≦|A|)に対し、P(y)はi番目の属性値の組み合わせyの度数をサンプルデータ数で割ったもの、H(y)はi番目の属性値の組み合わせyの度数を表す。
最後に、攪乱方法について説明する。撹乱データの生成に際し、カテゴリ属性に対しては非特許文献2の維持置換撹乱、数値属性に対しては非特許文献3の有界ラプラスノイズ加算を用いる。
(カテゴリ属性の撹乱方法)
カテゴリ属性に対しては、維持確率ρで属性値を維持し、1−ρの確率で属性値をランダムに変更することで、データを秘匿化する処理が行われる。すなわち、あるカテゴリ属性Aの属性値vが属性値vに変わる条件付き確率PY|X Aj(v|v)は、属性Aの維持確率ρを用いて
Figure 0006532829
と表される(jは1≦j≦Mを満たす整数)。先述の通り、|A|は集合Aの濃度を示す。
カテゴリ属性に対する撹乱では、この条件付き確率に従うランダムな処理が施される。また、属性Aの維持確率ρは公開されるものとする。
条件付き確率PY|X Aj(v|v)は、|A|×|A|の行列P(以下、Pを遷移確率行列という)で表すことができる。遷移確率行列Pは属性値vが属性値vに変わる確率を行列で表したものであり、式(2)のように表現される。なお、遷移確率行列Pの定義に際して、Aの要素のナンバリングを用いるとよい。
Figure 0006532829
(数値属性の撹乱方法)
数値属性に対しては、属性値に有界ラプラス分布に従うノイズを付与する(つまり、有界ラプラスノイズ加算する)ことで撹乱を行う。有界ラプラス分布とは、台の上限と下限が定まっているラプラス分布のことであり、この有界ラプラス分布に従うノイズを付与することで、元データを秘匿化する。ある数値属性Aの属性値vが属性値vに変わる条件付き確率密度PY|X Aj(v|v)は、属性Aの有界ラプラス分布のパラメータφを用いて
Figure 0006532829
となる(jは1≦j≦Mを満たす整数)。ここでγ(v)はラプラス分布を有界にしたことによって生じる有界ラプラス分布を調整するための関数、[a,b]は属性Aの値域(ただし、a,bはa≦bを満たす実数)である。
数値属性に対する撹乱では、この条件付き確率密度に従うランダムな処理が施される。また、属性Aの有界ラプラス分布のパラメータφは公開されるものとする。
非特許文献3に示す通り、区間[a,b]を適当な数K個の部分区間I,…,IKjに分割し、部分区間Iに含まれる属性値が部分区間Ik’に含まれる属性値に変わる確率PY|X Aj(Ik’|I)(以下、部分区間Iが部分区間Ik’に変わる条件付き確率という)を用いて量子化することにより、有界ラプラスノイズ加算についても遷移確率行列Pを定義することができる。
Figure 0006532829
ただし、|I|は区間の長さ、Δは部分区間Iに含まれる属性値vを部分区間Ik’に含まれる属性値にランダムに変えるランダム化アルゴリズムを表す。
つまり、遷移確率行列Pは、部分区間Iが部分区間Ik’に変わる条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)をk行k’列の要素とするK×K(=|A|×|A|)の行列となる。
なお、区間[a,b]をK個の部分区間I,…,IKjに等分割する場合、遷移確率行列Pは、φ、a、b、Kを用いて計算できる。一般に、区間[a,b]の分割をI=[t,t]、I=[t,t]、…、IKj=[tKj−1,tKj](t(=a)<t<…<tKj(=b))とすると、遷移確率行列Pは、φ、t(=a)、t、…、tKj(=b)を用いて計算できる。以下、t、t、…、tKjを区間[a,b]の分割の分点という。
したがって、数値属性に対して量子化を行い条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)を定義することで、遷移確率行列を定義することが可能となり、カテゴリ属性、数値属性を共通の枠組みで扱えるようになる。
そこで、以降、数値属性については、適当な部分区間I,…,IKjを用いて量子化がなされ、条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)が定義可能であるものとする。また、このように、区間[a,b]の分割I、I、…、IKjを用いて条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)が定義することにより量子化した有界ラプラスノイズ加算のことを量子化有界ラプラスノイズ加算という。
(複数属性の撹乱方法)
すべての属性A=A×…×Aの条件付き確率PY|X(y|x)は、属性ごとの条件付き確率の積となる(ただし、x、yは、元データのn番目の属性値の組み合わせ、撹乱データのm番目の属性値の組み合わせ(1≦n,m≦|A|)を表す)。
Figure 0006532829
(j)、y (j)はそれぞれM次元ベクトルx、yのj番目の要素(j番目の属性Aの属性値)を表す。属性がカテゴリ属性である場合は式(1)、数値属性である場合は式(3)を用いて式(4)を計算することができる。
この条件付き確率PY|X(y|x)も行列を用いて表現できる。Pをj番目の属性Aに対する遷移確率行列とすると、条件付き確率PY|X(y|x)の行列表現である遷移確率行列Pは式(5)のようにPのクロネッカー積として表現される。
Figure 0006532829
五十嵐大、千田浩司、高橋克巳、"多値属性に適用可能な効率的プライバシー保護クロス集計"、コンピュータセキュリティシンポジウム2008 論文集、2008年10月、第2008巻、pp.497-502 五十嵐大、千田浩司、高橋克巳、"k-匿名性の確率的指標への拡張とその適用例"、コンピュータセキュリティシンポジウム2009 論文集、2009年10月、第2009巻、pp.1-6 五十嵐大、長谷川聡、納竜也、菊池亮、千田浩司、"数値属性に適用可能な, ランダム化によりk-匿名性を保証するプライバシー保護クロス集計"、コンピュータセキュリティシンポジウム2012 論文集、2012年10月、pp.639-646 Rakesh Agrawal, Ramakrishnan Srikant, and Dilys Thomas, "Privacy Preserving OLAP", In Proceedings of the 2005 ACM SIGMOD International Conference on Management of Data, 2005, pp.251-262
元データの生成分布を表す確率密度関数P(x)と元データの生成分布を表す確率密度関数を再構築した結果である再構築元データの生成分布を表す確率密度関数P^(x)の間に生じる誤差がどの程度になるかについては、いったんP^(x)を求める必要があった。例えば、非特許文献4では、以下に示す尤度関数Lを最大化すること(以下、最尤推定法という)によりP^(x)を求めていた。具体的には、期待値最大化(Expectation Maximization)アルゴリズムを用いて、P^(x)をヒストグラムとして求めていた。
Figure 0006532829
以下では、変数x、yを省略して、P^(x)、H(y)、PY|X(y|x)を単にP^、H、PY|Xと表すこともある。
期待値最大化アルゴリズムのような最尤推定法では撹乱処理とP^(と等価なヒストグラム)の推定処理の2つの処理を実行する必要がある。このため、PとP^の誤差(各確率密度関数と等価なヒストグラム間の誤差)の推定にはデータベースごとに数値実験を繰り返し行う必要があり、誤差の評価に非常にコストを費やしていた。
そこで本発明では、再構築元データの生成分布を表す確率密度関数P^と等価なヒストグラムの推定を行うことなく、元データの生成分布を表す確率密度関数P及び再構築元データの生成分布を表す確率密度関数P^と等価なヒストグラム間の誤差を推定する撹乱データ再構築誤差推定装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、Mを撹乱対象となるデータである元データの属性の数、Aをj番目の属性(ただし、jは1≦j≦Mなる整数)とし、属性Aに対する撹乱は、属性Aがカテゴリ属性である場合は維持確率をρとする維持置換撹乱、属性Aが数値属性(その値域を[a,b] (ただし、a,bはa≦bを満たす実数)とする)である場合は有界ラプラス分布のパラメータをφとする有界ラプラスノイズ加算を前記値域[a,b]の分割I=[t,t]、I=[t,t]、…、IKj=[tKj−1,tKj](ただし、t(=a)<t<…<tKj(=b)、以下、t、t、…、tKjを分点という)を用いて量子化した量子化有界ラプラスノイズ加算であるとし、|A|を|A|=|A|×…×|A|(ただし、属性Aが数値属性の場合は|A|=K)なる整数、x(1≦i≦|A|)を元データのi番目の属性値の組み合わせ、Nを元データのサンプルデータ数、H(x)を前記サンプルデータに出現するxの度数とし、前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)から元データと再構築元データの誤差を推定する撹乱データ再構築誤差推定装置であって、属性Aがカテゴリ属性である場合は前記維持確率ρと前記|A|を用いて算出される属性値vが属性値vに変わる条件付き確率PY|X Aj(v|v)、属性Aが数値属性である場合は前記パラメータφと前記値域[a,b]と前記分点t、…、tKj−1を用いて算出される部分区間Iが部分区間Ik’に変わる条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)(1≦k,k’≦|K|)を用いて、遷移確率行列Pを計算する遷移確率行列計算部と、前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)(1≦i≦|A|)、前記遷移確率行列P(1≦j≦M)を用いて、xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)またはxとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)を前記誤差として計算する誤差計算部とを含む。
本発明によれば、Pと最尤推定法で求めたP^と等価なヒストグラム間の誤差を分散として定義することにより、誤差を解析的に求めることが可能となる。その結果、P^と等価なヒストグラムの推定を行うことなく誤差を推定することが可能となる。
サンプルデータの一例を示す図。 実施例1の分散共分散計算アルゴリズムを示す図。 実施例1の撹乱データ再構築誤差推定装置100の構成を示すブロック図。 実施例1の撹乱データ再構築誤差推定装置100の動作を示すフローチャート。 実施例1の誤差計算部120の構成を示すブロック図。 実施例1の誤差計算部120の動作を示すフローチャート。 実施例2の分散共分散計算アルゴリズムを示す図。 実施例2の撹乱データ再構築誤差推定装置200の構成を示すブロック図。 実施例2の誤差計算部220の構成を示すブロック図。 実施例2の誤差計算部220の動作を示すフローチャート。 実施例3(実施例1の変形例)の分散共分散計算アルゴリズムを示す図。 実施例3(実施例2の変形例)の分散共分散計算アルゴリズムを示す図。 実施例3(実施例1の変形例)の誤差計算部320の構成を示すブロック図。 実施例3(実施例2の変形例)の誤差計算部325の構成を示すブロック図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
なお、数値属性Aについては、適当な部分区間I,…,IKjを用いて量子化がなされ、量子化有界ラプラスノイズ加算、条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)、遷移確率行列Pが定義されているものとする。先述の通り、P等の各確率密度関数は等価なヒストグラムと(同一視)して扱うこととし、Pに従って生成されるサンプルデータ数をNとする。また、x、yは、元データのi番目の属性値の組み合わせ、撹乱データのk番目の属性値の組み合わせ(1≦i,k≦|A|)を表すものとする。
P^を式(6)、(7)の最尤推定法により求めた場合のPとP^と等価なヒストグラム間の誤差(以下、元データと再構築元データの誤差という)をPとP^の分散・共分散として定義する。ここで、PとP^の分散・共分散とは、元データのi番目の属性値の組み合わせxを確率変数とみなして生成した|A|次元列ベクトル(x…x|A|に対して(i,j)要素をxとxの共分散(i=jのときはxの分散)とする|A|×|A|の分散共分散行列として定義されるものである。
このように定義することにより、PとP^と等価なヒストグラム間の誤差を解析的に求めることができる(参考非特許文献5)。
(参考非特許文献5) Xumeng Cao and James C. Spall, “Relative Performance of Expected and Observed Fisher Information in Covariance Estimation for Maximum Likelihood Estimates”, In American Control Conference (ACC), 2012, IEEE, June 2012, pp.1871-1876.
具体的には、i番目の属性値の組み合わせx(1≦i≦|A|)の度数H(x)をサンプルデータ数Nで割ったものP(x)を用いてPを扱うことにより、PとP^の分散・共分散はフィッシャー情報行列を用いて算出できる。PとP^の分散共分散行列をV、フィッシャー情報行列をIとすると、V、Iは|A|×|A|の行列となり、
Figure 0006532829
が成立する。
フィッシャー情報行列Iの逆行列として分散共分散行列Vを求め、分散共分散行列Vの各要素Vij(VijはVのi行j列の要素を表す)にアクセスすることで、分散、共分散を得ることができる。Vijは、xの分散(i=jのとき)またはxとxの共分散(i≠jのとき)を表す。
以下、フィッシャー情報行列Iの算出方法について説明する。フィッシャー情報行列Iは式(6)、式(7)のヘッセ行列Hの期待値(式(9))で定義される。
Figure 0006532829
ヘッセ行列Hの各値Hij(行列Hのi行j列の要素)は、式(10)で算出できる。なお、Lは式(7)の尤度関数である。
Figure 0006532829
ここで、P(y)は撹乱データの確率密度関数であり、
Figure 0006532829
である。P(x)はi番目の属性値の組み合わせxの度数H(x)をサンプルデータ数Nで割ったものを用いる。
したがって、フィッシャー情報行列Iのi行j列の要素Iijは、
Figure 0006532829
である。
以上述べたことをまとめると、図2に示す分散共分散計算アルゴリズムとなる。攪乱を特徴付ける各パラメータ(各属性Aの条件付き確率PY|X Ajのパラメータと元データの確率密度関数Pに従い生成したサンプルデータの各度数H(x)とサンプルデータ数N)が入力となる。つまり、jを1≦j≦Mを満たす整数として、Aがカテゴリ属性の場合はρ、|A|、Aが数値属性の場合はφ、a、b、t、…、tKj−1、iを1≦i≦|A|を満たす整数として、サンプルデータ数N、当該サンプルデータに出現するxの度数H(x)が入力となる。また、m、nは生成したい誤差(分散または共分散)を指定するための1≦m,n≦|A|なる整数である。
S110では、属性Aの遷移確率行列Pを計算する。S121では、式(11)を用いて撹乱データの確率密度関数P(y)を計算する。S122では、式(12)を用いてフィッシャー情報行列Iの各要素Iijを計算する。S123では、分散共分散行列Vをフィッシャー情報行列Iの逆行列として計算する。S124では、求めたい誤差Vmn、つまり、|A|次元列ベクトル(x…x|A|の第m要素xと第n要素xの共分散(分散)を出力する。
以下、図3〜図4を参照して実施例1の撹乱データ再構築誤差推定装置100について説明する。図3は、実施例1の撹乱データ再構築誤差推定装置100の構成を示すブロック図である。図4は、実施例1の撹乱データ再構築誤差推定装置100の動作を示すフローチャートである。図3に示すように撹乱データ再構築誤差推定装置100は、遷移確率行列計算部110と、誤差計算部120を含む。
遷移確率行列計算部110は、属性Aがカテゴリ属性である場合は維持確率ρ及び濃度|A|、属性Aが数値属性である場合は有界ラプラス分布のパラメータφ、値域[a,b]、分点t、…、tKj−1を用いて、各属性Aの遷移確率行列Pを計算する(S110)。カテゴリ属性の場合は式(1)を用いて計算できる。また、数値属性の場合は、式(3)を用いて(その具体的な方法については非特許文献3に記載の方法にて)計算できる。誤差計算部120は、各属性Aの遷移確率行列P、元データのサンプルデータに対するi番目の属性値の組み合わせxの度数H(x)、サンプルデータ数Nを用いて、誤差Vmnを計算する(S120)。
以下、図5〜図6を参照して実施例1の誤差計算部120について説明する。図5は、実施例1の誤差計算部120の構成を示すブロック図である。図6は、実施例1の誤差計算部120の動作を示すフローチャートである。図5に示すように誤差計算部120は、撹乱データ確率密度関数計算部121と、フィッシャー情報行列計算部122と、分散共分散行列計算部123と、出力結果生成部124とを含む。
撹乱データ確率密度関数計算部121は、遷移確率行列計算部110が計算した遷移確率行列P(1≦j≦M)と撹乱データ再構築誤差推定装置100への入力であるサンプルデータ数Nと度数H(x)(1≦i≦|A|)を用いて式(11)により確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を計算する(S121)。フィッシャー情報行列計算部122は、遷移確率行列計算部110が計算した遷移確率行列P(1≦j≦M)と撹乱データ確率密度関数計算部121が計算した確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)とサンプルデータ数Nを用いて式(12)によりフィッシャー情報行列Iの各要素Iij(1≦i,j≦|A|)を計算する(S122)。分散共分散行列計算部123は、フィッシャー情報行列計算部122が計算したフィッシャー情報行列Iの逆行列を分散共分散行列Vとして計算する(S123)。逆行列はガウス消去法などを用いて求めればよい。出力結果生成部124は、撹乱データ再構築誤差推定装置100への入力であるm、n(1≦m,n≦|A|)に対して分散共分散行列Vのm行n列の要素Vmnを抽出し、出力する(S124)。Vmnはxとxの共分散(分散)である。
実施例1の発明では、Pと最尤推定法で求めたP^と等価なヒストグラム間の誤差を分散・共分散として定義し、分散共分散行列を計算することにより、P^を推定することなく、誤差を推定できるようになる。これにより、従来は困難であった、元データの生成分布を表す確率密度関数Pと再構築元データの生成分布を表す確率密度関数P^の間に生じる誤差を指定した範囲に収めるような、撹乱再構築処理を行うことが可能になる。
実施例1では、フィッシャー情報行列Iを用いて分散・共分散を計算した。この方法では分散または共分散の値を1つ求めるためにも、Iの逆行列を計算する必要があり、空間計算量がO(|A|)、時間計算量がO(|A|)必要となる。属性の数Mが増えるほど指数的に|A|が増えるため、計算がたちまち困難になる。
そこで、実施例2では、空間計算量、時間計算量ともに効率良く計算するために、各属性Aの遷移確率行列Pのクロネッカー積を用いた遷移確率行列Pの表現に基づいて分散・共分散を計算する方法について説明する。
式(12)と式(5)を用いて、式(8)を変形すると、
Figure 0006532829
ここで、1はすべての要素が1である|A|次元列ベクトル、pはP(y)を第k要素としてもつ|A|次元列ベクトル、./は要素ごとの除算(element-wise division)、diag(λ)はλ=(λ,…,λを対角成分とする対角行列を表す。
式(13)は、|A|×|A|のフィッシャー情報行列Iの逆行列を計算する必要がないことを示しており、|A|×|A|の行列Pの逆行列を計算すればよいことを示している。そのため、空間計算量はO(|A|)またはmax1≦j≦MO(|A) となる。
例えば、Vmnを求める場合は、以下のようにすればよい。
Figure 0006532829
ここで、idx(m,j)、idx(n,j)は、m番目の属性値の組み合わせxの属性Aの要素に対応する遷移確率行列Pの列番号、n番目の属性値の組み合わせxの属性Aの要素に対応する遷移確率行列Pの列番号を表し、P −1[:,idx(m,j)]、P −1[:,idx(n,j)]は、行列P −1の第idx(m,j)列のベクトル、行列P −1の第idx(n,j)列のベクトルを表す。*は、ベクトル同士の要素積を表す。なお、Q、Qはいずれも|A|×1の行列(つまり、|A|次元列ベクトル)となっている。
図1の例を考えると、idx(2,2)は、2番目の属性値の組み合わせx=(男性,開発者)の属性Aの要素である“開発者”に対応する遷移確率行列Pの列番号を示す。ここで、Aの要素のナンバリングを研究員、開発者、医者に対して、1、2、3とすると、idx(2,2)=2となる。
この場合、時間計算量はO(|A|)またはmax1≦j≦MO(|A)ですむ。
式(14)に基づく分散共分散計算アルゴリズムを図7に示す。入力は図2の分散共分散計算アルゴリズムと同じである。
S110、S121では、実施例1同様、遷移確率行列P、確率密度関数P(y)を計算する。S222では、遷移確率行列Pの逆行列P −1を計算する。S223では、式(14)を用いて求めたい誤差Vmnを計算する。
以下、図8を参照して実施例2の撹乱データ再構築誤差推定装置200について説明する。図8は、実施例2の撹乱データ再構築誤差推定装置200の構成を示すブロック図である。図8に示すように撹乱データ再構築誤差推定装置200は、遷移確率行列計算部110と、誤差計算部220を含む。
遷移確率行列計算部110は、実施例1のものと同じである。誤差計算部220は、各属性Aの遷移確率行列P、元データのサンプルデータに対するi番目の属性値の組み合わせxの度数H(x)、サンプルデータ数Nを用いて、誤差Vmnを計算する。誤差Vmnの計算手順が実施例1の誤差計算部110と相違する。
以下、図9〜図10を参照して実施例2の誤差計算部220について説明する。図9は、実施例2の誤差計算部220の構成を示すブロック図である。図10は、実施例2の誤差計算部220の動作を示すフローチャートである。図9に示すように誤差計算部220は、撹乱データ確率密度関数計算部121と、遷移確率行列逆行列計算部222と、分散共分散計算部223とを含む。
撹乱データ確率密度関数計算部121は、実施例1同様、式(11)により確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を計算する(S121)。遷移確率行列逆行列計算部222は、遷移確率行列計算部110が計算した遷移確率行列P(1≦j≦M)について逆行列P −1を計算する(S223)。逆行列はガウス消去法などを用いて求めればよい。分散共分散計算部223は、遷移確率行列逆行列計算部222が計算した遷移確率行列の逆行列P −1(1≦j≦M)と撹乱データ確率密度関数計算部121が計算した確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を用いて式(14)により誤差Vmnを計算する(S223)。Vmnはxとxの共分散(分散)である。
実施例2の発明では、|A|×|A|のフィッシャー情報行列Iの逆行列を計算する代わりに、|A|×|A|の遷移確率行列P(1≦j≦M)の逆行列を計算することにより、分散・共分散を計算する。つまり、分散・共分散の計算に必要な逆行列の計算をより小さいサイズの行列に還元して扱っている。これにより、実施例1に比して空間計算量、時間計算量とも抑えることが可能になる。具体的には、空間計算量をO(|A|)またはmax1≦j≦MO(|A)に、時間計算量をO(|A|)またはmax1≦j≦MO(|A)に抑えることができる。
実施例1、2では、撹乱データの確率密度関数P(y)の算出に式(11)を用いた。式(11)の計算ではH(x)を必要とする。
実施例3では、元データのサンプルデータに対するi番目の属性値の組み合わせxの度数H(x)を必要としない方法について説明する。
実際に撹乱されたデータを用いて、P(y)を求める。つまり、N個のサンプルデータを撹乱後観測された撹乱データyの度数H(y)をNで割る。すなわち、
Figure 0006532829
とすることでP(y)を近似的に求めることができる。
式(15)を用いてP(y)を計算する実施例1、実施例2の分散共分散計算アルゴリズムの変形例を図11、図12に示す。また、実施例1の誤差計算部120、実施例2の誤差計算部220の変形例である実施例3の誤差計算部320、誤差計算部325をそれぞれ図13、図14に示す。誤差計算部120と誤差計算部320の相違点、誤差計算部220と誤差計算部325の相違点は、撹乱データ確率密度関数計算部121の代わりに撹乱データ確率密度関数計算部321を用いている点である。撹乱データ確率密度関数計算部321はH(y)及びNを入力として式(15)に基づいて確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を計算する。
実施例3の発明では、H(x)の代わりにH(y)を用いてP(y)を近似的に計算する。これにより、式(11)を用いることなく、簡便に分散・共分散を計算することが可能となる。
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD−ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. Mを撹乱対象となるデータである元データの属性の数、Aをj番目の属性(ただし、jは1≦j≦Mなる整数)とし、
    属性Aに対する撹乱は、属性Aがカテゴリ属性である場合は維持確率をρとする維持置換撹乱、属性Aが数値属性(その値域を[a,b] (ただし、a,bはa≦bを満たす実数)とする)である場合は有界ラプラス分布のパラメータをφとする有界ラプラスノイズ加算を前記値域[a,b]の分割I=[t,t]、I=[t,t]、…、IKj=[tKj−1,tKj](ただし、t(=a)<t<…<tKj(=b)、以下、t、t、…、tKjを分点という)を用いて量子化した量子化有界ラプラスノイズ加算であるとし、
    |A|を|A|=|A|×…×|A|(ただし、属性Aが数値属性の場合は|A|=K)なる整数、x(1≦i≦|A|)を元データのi番目の属性値の組み合わせ、Nを元データのサンプルデータ数、H(x)を前記サンプルデータに出現するxの度数とし、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)から元データと再構築元データの誤差を推定する撹乱データ再構築誤差推定装置であって、
    属性Aがカテゴリ属性である場合は前記維持確率ρと前記|A|を用いて算出される属性値vが属性値vに変わる条件付き確率PY|X Aj(v|v)、属性Aが数値属性である場合は前記パラメータφと前記値域[a,b]と前記分点t、…、tKj−1を用いて算出される部分区間Iが部分区間Ik’に変わる条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)(1≦k,k’≦|K|)を用いて、遷移確率行列Pを計算する遷移確率行列計算部と、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)(1≦i≦|A|)、前記遷移確率行列P(1≦j≦M)を用いて、xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)またはxとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)を前記誤差として計算する誤差計算部と
    を含む撹乱データ再構築誤差推定装置。
  2. 請求項1に記載の撹乱データ再構築誤差推定装置であって、
    (1≦k≦|A|)を撹乱データのk番目の属性値の組み合わせとし、
    前記誤差計算部は、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)(1≦i≦|A|)、前記遷移確率行列P(1≦j≦M)を用いて、撹乱データの確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を計算する撹乱データ確率密度関数計算部と、
    前記遷移確率行列P(1≦j≦M)、前記確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)、前記サンプルデータ数Nを用いてフィッシャー情報行列Iを計算するフィッシャー情報行列計算部と、
    前記フィッシャー情報行列Iの逆行列を分散共分散行列Vとして計算する分散共分散行列計算部と、
    前記分散共分散行列Vのm行n列の要素Vmn(1≦m,n≦|A|)を前記xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)または前記xとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)として出力する出力結果生成部と
    を含む撹乱データ再構築誤差推定装置。
  3. 請求項1に記載の撹乱データ再構築誤差推定装置であって、
    (1≦k≦|A|)を撹乱データのk番目の属性値の組み合わせとし、
    前記誤差計算部は、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)(1≦i≦|A|)、前記遷移確率行列P(1≦j≦M)を用いて、撹乱データの確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を計算する撹乱データ確率密度関数計算部と、
    前記遷移確率行列P(1≦j≦M)の逆行列P −1を計算する遷移確率行列逆行列計算部と、
    前記確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)と前記逆行列P −1(1≦j≦M)を用いて、前記xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)または前記xとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)を計算する分散共分散計算部と
    を含む撹乱データ再構築誤差推定装置。
  4. Mを撹乱対象となるデータである元データの属性の数、Aをj番目の属性(ただし、jは1≦j≦Mなる整数)とし、
    属性Aに対する撹乱は、属性Aがカテゴリ属性である場合は維持確率をρとする維持置換撹乱、属性Aが数値属性(その値域を[a,b] (ただし、a,bはa≦bを満たす実数)とする)である場合は有界ラプラス分布のパラメータをφとする有界ラプラスノイズ加算を前記値域[a,b]の分割I=[t,t]、I=[t,t]、…、IKj=[tKj−1,tKj](ただし、t(=a)<t<…<tKj(=b)、以下、t、t、…、tKjを分点という)を用いて量子化した量子化有界ラプラスノイズ加算であるとし、
    |A|を|A|=|A|×…×|A|(ただし、属性Aが数値属性の場合は|A|=K)なる整数、y(1≦k≦|A|)を撹乱データのk番目の属性値の組み合わせ、Nを元データのサンプルデータ数、H(y)を前記サンプルデータを撹乱した撹乱データに出現するyの度数とし、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(y)から元データと再構築元データの誤差を推定する撹乱データ再構築誤差推定装置であって、
    属性Aがカテゴリ属性である場合は前記維持確率ρと前記|A|を用いて算出される属性値vが属性値vに変わる条件付き確率PY|X Aj(v|v)、属性Aが数値属性である場合は前記パラメータφと前記値域[a,b]と前記分点t、…、tKj−1を用いて算出される部分区間Iが部分区間Ik’に変わる条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)(1≦k,k’≦|K|)を用いて、遷移確率行列Pを計算する遷移確率行列計算部と、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(y)(1≦k≦|A|)、前記遷移確率行列P(1≦j≦M)を用いて、xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)またはxとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)を前記誤差として計算する誤差計算部と
    を含む撹乱データ再構築誤差推定装置。
  5. 請求項4に記載の撹乱データ再構築誤差推定装置であって、
    前記誤差計算部は、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(y)(1≦k≦|A|)を用いて、撹乱データの確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を計算する撹乱データ確率密度関数計算部と、
    前記遷移確率行列P(1≦j≦M)、前記確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)、前記サンプルデータ数Nを用いてフィッシャー情報行列Iを計算するフィッシャー情報行列計算部と、
    前記フィッシャー情報行列Iの逆行列を分散共分散行列Vとして計算する分散共分散行列計算部と、
    前記分散共分散行列Vのm行n列の要素Vmn(1≦m,n≦|A|)を前記xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)または前記xとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)として出力する出力結果生成部と
    を含む撹乱データ再構築誤差推定装置。
  6. 請求項4に記載の撹乱データ再構築誤差推定装置であって、
    前記誤差計算部は、
    前記サンプルデータ数N、前記度数H(y)(1≦k≦|A|)を用いて、撹乱データの確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)を計算する撹乱データ確率密度関数計算部と、
    前記遷移確率行列P(1≦j≦M)の逆行列P −1を計算する遷移確率行列逆行列計算部と、
    前記確率密度関数P(y)(1≦k≦|A|)と前記逆行列P −1(1≦j≦M)を用いて、前記xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)または前記xとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)を計算する分散共分散計算部と
    を含む撹乱データ再構築誤差推定装置。
  7. Mを撹乱対象となるデータである元データの属性の数、Aをj番目の属性(ただし、jは1≦j≦Mなる整数)とし、
    属性Aに対する撹乱は、属性Aがカテゴリ属性である場合は維持確率をρとする維持置換撹乱、属性Aが数値属性(その値域を[a,b] (ただし、a,bはa≦bを満たす実数)とする)である場合は有界ラプラス分布のパラメータをφとする有界ラプラスノイズ加算を前記値域[a,b]の分割I=[t,t]、I=[t,t]、…、IKj=[tKj−1,tKj](ただし、t(=a)<t<…<tKj(=b)、以下、t、t、…、tKjを分点という)を用いて量子化した量子化有界ラプラスノイズ加算であるとし、
    |A|を|A|=|A|×…×|A|(ただし、属性Aが数値属性の場合は|A|=K)なる整数、x(1≦i≦|A|)を元データのi番目の属性値の組み合わせ、Nを元データのサンプルデータ数、H(x)を前記サンプルデータに出現するxの度数とし、
    撹乱データ再構築誤差推定装置が、前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)から元データと再構築元データの誤差を推定する撹乱データ再構築誤差推定方法であって、
    前記撹乱データ再構築誤差推定装置が、属性Aがカテゴリ属性である場合は前記維持確率ρと前記|A|を用いて算出される属性値vが属性値vに変わる条件付き確率PY|X Aj(v|v)、属性Aが数値属性である場合は前記パラメータφと前記値域[a,b]と前記分点t、…、tKj−1を用いて算出される部分区間Iが部分区間Ik’に変わる条件付き確率PY|X Aj(Ik’|I)(1≦k,k’≦|K|)を用いて、遷移確率行列Pを計算する遷移確率行列計算ステップと、
    前記撹乱データ再構築誤差推定装置が、前記サンプルデータ数N、前記度数H(x)(1≦i≦|A|)、前記遷移確率行列P(1≦j≦M)を用いて、xの分散(1≦m,n≦|A|、m=n)またはxとxの共分散(1≦m,n≦|A|、m≠n)を前記誤差として計算する誤差計算ステップと
    を実行する撹乱データ再構築誤差推定方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撹乱データ再構築誤差推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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