JP6531207B1 - アンテナおよび無線通信システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、LCXを外部アンテナとして動作させる従来技術では、60dB程度の結合損失が限界であり、さらに低い結合損失を得ることが困難であった(例えば、特許文献4参照)。
以上のように、従来技術では、結合損失が低く伝送損失の低いアンテナを実現することが出来なかった。
前記金属部の間隔Pmは、使用する周波数の自由空間波長λOと前記漏洩伝送線路の周囲の等価比誘電率εreから導かれる前記漏洩伝送線路の周囲の等価的波長λe=λO/(√(εre))を用いて、Pm=λe/2であるようにしてもよい。
前記金属部の間隔Pmは、使用する周波数の自由空間波長λOと前記漏洩伝送線路の周囲の等価比誘電率εreから導かれる前記漏洩伝送線路の周囲の等価的波長λe=λO/(√(εre))を用いて、Pm=λe/4であるようにしてもよい。
実施形態では、図1に示すように、外部導体である金属線編組(以下、編組という)の密度を低くして、ケーブル内部の電磁波が編組の空隙部を通過してケーブル外部に漏れ出す構造の低密度編組同軸ケーブルを用いた。
図1は、実施形態で用いる低密度編組同軸ケーブル10の構造例を示す投影図である。図1(A)は低密度編組同軸ケーブル10の正面図であり、図1(B)は低密度編組同軸ケーブル10の側面図である。図1において、低密度編組同軸ケーブル10の長さ方向をx軸方向、短手方向をy軸方向、太さ方向をz軸方向とする。
低密度編組同軸ケーブル10は、中心に中心導体102があり、中心導体102の周囲に絶縁体103があり、絶縁体103の周囲に低密度編組の外部導体104があり、外部導体104の外側がシース105で覆われている。
外部導体104は、銅線が全部で24本であり、3本を1組として8組で編み込んでいる。以下、このような構成を、3持ち8打ち編組と呼ぶ。
なお、以下に説明する各実施形態では、金属部の例として形状が長方形の金属テープである金属片を例に説明するが、金属部はこれに限らない。金属部は、例えば棒状、板状、およびパイプ状等であってもよい。また、材質も銅に限られない。
ここで、結合損失Lcは、低密度編組同軸ケーブル10への入力電圧Pin(W)と半波長標準ダイポールアンテナ811が出力する出力電圧Pout(W)を用いて、次式(3)により算出することができる。
また、図6に示すように、入力信号の周波数が750MHzの結合損失が最小の位置同士の間隔は190mmであった。間隔rは1.5m、金属片20の長手方向の長さLmが260mmである。結合損失が最小の位置は、例えば1800mm等である。
また、周波数が750MHzのとき、周期T750は190mmであり、信号周波数750MHzの波長λOは400mm(=3×108/750×103)である。また、式(4)より周波数が750MHzのときのシース105周辺の等価比誘電率εre750は約1.11(=λO/2/190)2)である。
また、図7に示した実験結果より、金属片の長さに対する結合損失の変化は少ないことがわかり、各波長とも金属片20の長さがλO/8〜6λO/8の範囲であれば、金属片20の端末を低密度編組同軸ケーブル10のシース105に接触させたアンテナは、効率の良いアンテナとして動作する。
なお、図8において、シース105周辺の等価比誘電率は、小数点1桁までに四捨五入して示している。シース周辺波長λe(mm)は2Tである。また、送受信可能な金属片20の長さ(mm)は、アンテナとして使用可能な範囲であり、上述した実験結果からλO/8〜6λO/8の範囲とした。
1つの金属片20の端部を低密度編組同軸ケーブル10(漏洩伝送線路)のシース105(図1)に接触させ金属片20の位置をx軸方向に変化させた場合、金属片20の長さを変化させた場合の実験結果を説明した。この実験結果に基づいて、本実施形態のアンテナは、複数の金属片20の端部を低密度編組同軸ケーブル10のシース105に接触させた構造とする。なお、金属片20は、シース105に接触してなくてもよく、外部導体104に電磁結合していればよい。このため、金属片20は、外部導体104に電磁結合可能な低密度編組同軸ケーブル10の近傍に配列してもよい。このため、実施形態では、金属片20と低密度編組同軸ケーブル10のシース105とが接触または近接して配列されていればよい。
なお、実施形態では、漏洩伝送線路として、図1に示した同軸ケーブルの外部導体104の編組密度を低減させた低密度編組同軸ケーブル10を使用する。
図9(B)に示すように、アンテナ1Abでは、金属片20の端部を、結合損失が小さかった1900mmの位置を基準に、山毎に278mmの等間隔Pmでz軸方向の片側に配列しシース105(図1)に接触させた。
図9(C)に示すように、アンテナ1Acでは、金属片20の端部を、結合損失が小さかった1900mmの位置を基準に、2山毎に556mmの等間隔Pmでz軸方向の片側に配列しシース105(図1)に接触させた。
このように、金属片20の間隔Pmを結合損失の周期T500(=λe/2)に配列した場合に送受信効率が高く、結合損失が安定している。また、実測した結果、V偏波の結合損失の方がH偏波の結合損失より低いため、V偏波を通信に用いた方が送受信効率は高い。なお、実測結果では、H偏波の送受信効率が低く不安定であった。
なお、周波数が300MHzおよび750MHzの場合も、実測した結果、複数の金属片20の端部を低密度編組同軸ケーブル10の片側に等間隔でシース105に接触させて配列させた場合、金属片20の間隔は結合損失の周期T(λe/2)に合わせることで低く安定した結合損失を得ることができた。
この構造により、アンテナ1Aは、送受信効率が高く、結合損失を安定した特性を得ることができる。
第1実施形態では、金属片20を低密度編組同軸ケーブル10(漏洩伝送線路)のシース105のz軸方向の片側に配列する例を説明したが、本実施形態では両側に交互に金属片20を配列する例を説明する。
また、図11(B)に示すように、アンテナ1Bbでは、金属片20の端部を、結合損失が小さかった1900mmの位置を基準に、山毎に278mmの等間隔Pmでz軸方向の両側に交互に配列しシース105(図1)に接触させた。
また、図12(A)に示すように、間隔Pmが周期T500/2であるアンテナ1Bbのときの結合損失の変動がケーブル軸方向1〜3m程度で数dBと安定している。一方、間隔Pmが周期T500であるアンテナ1Bbの結合損失の変動は約6dB程度であり不安定であった。また、金属片20を片側に配列した第1実施形態の図10(B)と、金属片20を両側に交互に配列した本実施形態の図12(A)を比較すると、本実施形態の方が、結合損失の変動が数dBの範囲が広く、また、結合損失も低い。
なお、周波数が300MHzおよび750MHzの場合も、実測した結果、複数の金属片20の端部を低密度編組同軸ケーブル10の両側に交互に等間隔でシース105に接触させて配列させた場合、金属片20の間隔は結合損失の周期T/2(λe/4)に合わせることで低く安定した結合損失を得ることができた。
この構造により、アンテナ1Bは、送受信効率が高く、結合損失を安定した特性を得ることができる。
第1実施形態では、金属片20の端部をシース105(図1)に接触させて低密度編組同軸ケーブル10(漏洩伝送線路)の片側に配列する例を説明した。本実施形態では、金属片20の接触位置を変化させる例を説明する。
アンテナを高い送受信効率で使用したい場合、結合損失は50dB以下が望まれる。図15より、結合損失が50dB以下となるのは、金属片20をシース105に接触させる端部からの位置が0mm(端部)〜約50mmの範囲である。
これにより、本実施形態によれば、結合損失を低くさせることができ、送受信効率を高くすることが出来る。
第1実施形態〜第3実施形態では、外部導体104が編組密度21%の3持ち8打ち編組の例を説明した。本実施形態では、外部導体104の編組密度が他の例を説明する。
また、第2実施形態で説明したように、複数の金属片の端部を低密度編組同軸ケーブルの長さ方向の両側にz軸方向の交互に配列し、金属片同士の間隔Pmを外部導体上の定在波の山と谷、すなわちT/2(λe/4=λO/4√(εre))に構成すればよい。
また、5持ち16打ち編組とは、5本を1組として16組で編み込んだ編組であり、銅線が全部で80本である。5持ち16打ち編組の編組密度は、式(1)を用いて計算すると61%となる。
第2の測定は、図11(A)と同様に金属片20の端部をシースに接触させ低密度編組同軸ケーブルの両側に交互に配列し、金属片の間隔PmをT/2(λe/4=λO/4√(εre))として行った。
図17は、本実施形態における金属片20が片側に配列されたアンテナと金属片20が両側に交互に配列されたアンテナの構成例を示す図である。図17の座標系は図と同様である。図17(A)は金属片20が片側に配列されたアンテナの構成例を示す図である。図17(B)は金属片20が両側に交互に配列されたアンテナの構成例を示す図である。
図17(B)に示すように、金属片20が両側に交互に配列されたアンテナは、図17(A)と同様に低密度編組同軸ケーブル(10または10Aあるいは10B)と、複数の金属片20を備える。
なお、低密度編組同軸ケーブル(10または10Aあるいは10B)の他端には終端器803が接続される。
実測結果に基づいて、低密度編組同軸ケーブル(10、10A、10B)のシース105に複数の金属片20の端部を接触させたアンテナでは、外部導体(104、104A、104B)の編組密度が10〜80%の範囲であればアンテナとして利用可能である。すなわち、実施形態の外部導体(104、104A、104B)は、金属線を編み込んだ編組である金属線編組の編組密度が、アンテナとして使用しない一般的な同軸ケーブルより低く構成されている。なお、一般的な同軸ケーブルの編組密度は、外径4mmの2.5D−2Vでは96%、外径7mmの5D−2Vでは96%、外径11mmの8D−2Vでは97%、外径14mmの10D−2Vでは98%である。従って、実施形態の外部導体(104、104A、104B)は、金属線を編み込んだ編組である金属線編組の編組密度が96%より低く構成されている。
これに対して、第1実施形態〜第3実施形態で説明したように、結合損失が低い配列は、金属片20を片側に配列するより両側に交互に配列する構成である。このため、金属片20を両側に交互に配列し、かつ編組密度が21%の低密度編組同軸ケーブル10と金属片20を備えるアンテナでは、結合損失が38dBと最も低いときの周波数が300MHzにおける伝送損失が実測で0.37dB/mであり最も低かった。また、金属片20を両側に交互に配列し、かつ編組密度が21%の低密度編組同軸ケーブル10と金属片20を備えるアンテナでは、結合損失が43dBと最も低いときの周波数が750MHzにおける伝送損失が実測で0.63dB/mと低く、問題の無い値であることが確認できた。
第1実施形態〜第4実施形態では、金属片20をシース105に接触(含む電磁結合)させる例を説明した。金属片20を外部導体104(図1)に接触させた場合、低密度編組から漏れた電磁波と金属片20との電磁結合がさらに強くなることで、結合損失がさらに低くなり、送受信効率が高まることが予想される。このため、本実施形態では、金属片20を外部導体104に接触(含む電磁結合)させる例を説明する。なお、実施形態では、金属片20と低密度編組同軸ケーブル10の外部導体104とが接触または近接して配列されていればよい。
このように、金属片20Aを外部導体104に接触させた場合、シース105に接触させた場合と比較して結合損失を約5dB改善することができる。
なお、結合損失が低い場合は、放射が強いため伝送損失の増大が懸念される。しかしながら、周波数300MHzにおいて、金属片20Aをシース105に接触させた場合の伝送損失は0.37dB/mであり、金属片20Aを外部導体104に接触させた場合の伝送損失は0.40dB/mであり、通信に問題の無い値であることが確認できた。
これにより、本実施形態によれば、金属片20Aをシース105に接触させて配列した場合と比較して、結合損失をさらに低くすることができた。
本実施形態では、上述したアンテナを用いた無線通信システムの例を説明する。
図22は、本実施形態に係る無線通信システム4の斜視図である。
図22に示すように、無線通信システム4は、アンテナ2、送受信器711、同軸ケーブル712、板701、および可搬送受信器721を含んで構成されている。
アンテナ2は、低密度編組同軸ケーブル10(漏洩伝送線路)、および複数の金属片20を備える。
なお、符号731は、送受信電磁波を示す。
送受信器711は、同軸ケーブル712を介して低密度編組同軸ケーブル10の一端に接続されている。なお、同軸ケーブル712は、コネクタ713を介して低密度編組同軸ケーブル10の一端に接続されている。低密度編組同軸ケーブル10の他端には、終端器803が接続されている。
送受信器711は、所定の周波数の信号を、同軸ケーブル712を介して低密度編組同軸ケーブル10に供給する。送受信器711は、低密度編組同軸ケーブル10が出力する信号を、同軸ケーブル712を介して受信する。
可搬送受信器721は、アンテナ2が送信した電磁波を受信する。また、可搬送受信器721は、電磁波を送信する。可搬送受信器721は、アンテナ2の低密度編組同軸ケーブル10の上部から約0.5mの位置に配列されている。
送受信器711は、周波数が500MHz、電力が0dBm(1mW)の信号をアンテナ2に入力した。
この結果、可搬送受信器721の受信電力は−38dBm(150nW)であり、問題なく通信を行うことができた。
また、複数の金属片20がシース105と接触している例を説明したが、複数の金属片20はシース105と接触しておらず、近接して電磁結合していてもよい。
これにより、本実施形態によれば、良好に通信可能な無線通信システム4を提供することができる。
本実施形態では、板と立て板を用いて無線通信システムを構築した例を説明する。
図23は、本実施形態に係る無線通信システム4Aの斜視図である。
図23に示すように、無線通信システム4Aは、アンテナ2、アンテナ2A、送受信器711、同軸ケーブル712、同軸ケーブル714、板701、立て板702、および可搬送受信器721を含んで構成されている。低密度編組同軸ケーブル10の構成は、図1と同様である。
アンテナ2は、低密度編組同軸ケーブル10、および複数の金属片20を備える。アンテナ2は、一端がコネクタ713を介して同軸ケーブル714の他端に接続され、他端に終端器803が接続されている。
立て板702は、プラスチック製の板(平面状誘電体板)であり、アンテナ2を配置可能な大きさである。
金属片20は、長さが225mmであり、幅が10mmであり、厚さが0.3mmである。金属片20は、端部がシース105に接触(含む電磁結合)して、間隔Pmが139mmで両側に、交互に配列されている。複数の金属片20は、低密度編組同軸ケーブル10の両側に交互に板701上および立て板702上に貼り付けられている。なお、上述した金属片20は、板701上および立て板702上に印刷によって形成してもよい。
また、それぞれの低密度編組同軸ケーブル10の長さは、2m以内であり、例えば1.9mである。
送受信器711は、周波数が500MHz、電力が0dBm(1mW)の信号をアンテナ2に入力した。
この結果、可搬送受信器721の受信電力は−36dBm(250nW)であり、立て板702の追加により第6実施形態の−38dBmに対して2dB改善でき、問題なく通信を行うことができた。
これにより、本実施形態によれば、良好に通信可能な無線通信システム4Aを提供することができる。
本実施形態では、板と立て板と天井板を用いて無線通信システムを構築した例を説明する。
図24は、本実施形態に係る無線通信システム4Bの斜視図である。
図24に示すように、無線通信システム4Bは、2つのアンテナ2、アンテナ2A、送受信器711、同軸ケーブル712、同軸ケーブル714、同軸ケーブル715、板701、立て板702、天井板703および可搬送受信器721を含んで構成されている。低密度編組同軸ケーブル10の構成は、図1と同様である。なお、板701の大きさは第6実施形態の大きさと同じであり、立て板702の大きさは、x軸方向の長さが2m、z軸方向の幅が2mであり、天井板703の大きさは、x軸方向の長さが2m、y軸方向の幅が2mである。
板701上の第1のアンテナ2Aは、一端がコネクタ713と同軸ケーブル712を介して送受信器711が接続され、他端がコネクタ713を介して同軸ケーブル714の一端に接続されている。
立て板702上の第2のアンテナ2Aは、一端がコネクタ713を介して同軸ケーブル714の他端に接続され、他端がコネクタ713を介して同軸ケーブル715の一端に接続されている。
また、それぞれの低密度編組同軸ケーブル10の長さは、2m以内であり、例えば1.9mである。
天井板703は、プラスチック製の板(平面状誘電体板)であり、アンテナ2を配置可能な大きさである。
金属片20は、長さが225mmであり、幅が10mmであり、厚さが0.3mmである。金属片20は、端部がシース105に接触(含む電磁結合)して、間隔Pmが139mmで両側に、交互に配列されている。複数の金属片20は、低密度編組同軸ケーブル10の両側に交互に板701上と立て板702上および天井板703上に貼り付けられている。なお、上述した金属片20は、板701上と立て板702上および天井板703上に印刷によって形成してもよい。
送受信器711は、周波数が500MHz、電力が0dBm(1mW)の信号をアンテナ2に入力した。
この結果、可搬送受信器721の受信電力は−33dBm(500nW)であり、問題なく通信を行うことができた。
これにより、本実施形態によれば、良好に通信可能な無線通信システム4Bを提供することができる。
本実施形態では、板上でアンテナを蛇行させて無線通信システムを構築した例を説明する。
図25は、本実施形態に係る無線通信システム4Cの斜視図である。
図25に示すように、無線通信システム4Cは、アンテナ2B、送受信器711、同軸ケーブル712、同軸ケーブル714、板701、および可搬送受信器721を含んで構成されている。低密度編組同軸ケーブル10の構成は、図1と同様である。
また、低密度編組同軸ケーブル10の長さは、例えば約7.3mである。低密度編組同軸ケーブル10は、板701C上に蛇行して配置される。
板701C上のアンテナ2は、一端がコネクタ713と同軸ケーブル712を介して送受信器711が接続され、他端がコネクタ713を介して終端器803が接続されている。
金属片20は、長さが225mmであり、幅が10mmであり、厚さが0.3mmである。金属片20は、端部がシース105に接触(含む電磁結合)して、間隔Pmが139mmで両側に、交互に配列されている。複数の金属片20は、低密度編組同軸ケーブル10の両側に交互に板701C上に貼り付けられている。なお、上述した金属片20は、板701C上に印刷によって形成してもよい。
送受信器711は、周波数が500MHz、電力が0dBm(1mW)の信号をアンテナ2に入力した。
この結果、可搬送受信器721の受信電力は−38dBm(150nW)であり、問題なく通信を行うことができた。
これにより、本実施形態によれば、良好に通信可能な無線通信システム4Cを提供することができる。
本実施形態では、板と立て板と曲面板を用いて無線通信システムを構築した例を説明する。
図26は、本実施形態に係る無線通信システム4Dの斜視図である。
図26に示すように、無線通信システム4Dは、アンテナ2、アンテナ2A、送受信器711、同軸ケーブル712、同軸ケーブル714、同軸ケーブル715、板701、曲面板704、および可搬送受信器721を含んで構成されている。低密度編組同軸ケーブル10の構成は、図1と同様である。
板701上のアンテナ2Aは、一端がコネクタ713と同軸ケーブル712を介して送受信器711が接続され、他端がコネクタ713を介して同軸ケーブル714の一端に接続されている。
曲面板704上のアンテナ2は、一端がコネクタ713を介して同軸ケーブル714の他端に接続され、他端がコネクタ713を介して終端器803に接続されている。
また、それぞれの低密度編組同軸ケーブル10の長さは、2m以内であり、例えば1.9mである。
曲面板704は、プラスチック製の板(平面状誘電体板)であり、アンテナ2を配置可能な大きさである。
金属片20は、長さが225mmであり、幅が10mmであり、厚さが0.3mmである。金属片20は、端部がシース105に接触(含む電磁結合)して、間隔Pmが139mmで両側に、交互に配列されている。複数の金属片20は、低密度編組同軸ケーブル10の両側に交互に板701上と立て板702上および曲面板704上に貼り付けられている。なお、上述した金属片20は、板701上と曲面板704上に印刷によって形成してもよい。
送受信器711は、周波数が500MHz、電力が0dBm(1mW)の信号をアンテナ2に入力した。
この結果、可搬送受信器721の受信電力は−37dBm(200nW)であり、問題なく通信を行うことができた。
なお、第7実施形態と比較すると、立て板702の代わりに曲面板704を用いることで、可搬送受信器721の受信電力が1dB低くなった。
これにより、本実施形態によれば、良好に通信可能な無線通信システム4Dを提供することができる。
本実施形態では、低密度編組同軸ケーブルに漏洩同軸ケーブル(LCX)を使用する例を説明する。
前述したように、LCXの構造は、基本的には同軸ケーブルと同じである。ただし、LCXは、外部導体の内部と外部の電磁波を送受信するスロットという周期的な孔部が外部導体に設けられている。LCXは、このスロットを通じて、ケーブルに入力された信号を電磁波としてケーブル外部に放射(送信)、あるいは、外部からの電磁波を受信することができる。すなわち、このLCXは、伝送路とアンテナとの両方の機能を持った細長い送受信アンテナとして利用することができる
従って、上述した各実施形態で使用した低密度編組同軸ケーブル10をLCXに置き換えても、LCXと複数の金属片によるアンテナを実現できる。
中心導体102は、外径が2.0mmの銅線である。絶縁体103は、外径が5.3mmの発泡ポリエチレンである。シース105は、厚みが1mmの難燃ポリエチレンで覆われ外径が7.5mmである。
絶縁体103の周囲および金属テープ104Ebの周囲に、アンテナの結合損失をコントロールするための編組104Eaがある。
編組104Eaは、外径が0.12mmの銅線でピッチを48mmで編んだ低密度編組構造である。編組104Eaは、銅線が全部で36本であり、3本を1組として12組で編み込んでいる。なお、編組104Eaの編組密度は96%より低い。
図29(B)に示すように、アンテナ1Ebは、図27に示した漏洩同軸ケーブル10Eのシース105の一部を除去した漏洩同軸ケーブル10Ebと金属片20を備える。金属片20は、端部が外部導体104Eに接触してz軸方向の片側に配列される。金属片20Aの間隔Pmは278mmである。金属片20Aは、z軸方向の長さが225mmであり、幅が10mm、厚さが0.3mmである。漏洩同軸ケーブル10Ebの他端には終端器803が接続される。
これにより、本実施形態においても低密度編組同軸ケーブルに複数の金属片の端部をシースまたは外部導体に接触(含む電磁結合)させ、複数の金属片を波長に基づく間隔Pmで配列したアンテナと同様の効果をえることができる。
ここで、金属片を片側に配列したときにアンテナとして動作しているときの放射状態を検討する。
図33は、金属片を片側に配列したときにアンテナとして動作しているときの放射状態を説明するための図である。
図33において、符号g301は、電磁波の放射によって発生する電流である。符号g302は、放射部分である。
ここで、金属片20の長さをLm(mm)、金属片20の間隔をPm(mm)、金属片20周辺の等価的波長をλe(mm)とすると、アンテナとして動作する条件は、長さLmの隣接する2枚の金属片20とこれら2枚の金属片20の間隔Pmに流れる電流の対称性から次式(5)のように表される。
この放射状態が、上述した第1実施形態のアンテナ1Aに相当する。
図34において、符号g311は、発生する磁界を表している。符号g312は電界を表している。符号+と符号−とは半波長分の電流の流れを模している。
次に、金属片を両側に交互に配列したときにアンテナとして動作しているときの放射状態を検討する。
図35は、金属片を両側に交互に配列したときにアンテナとして動作しているときの放射状態を説明するための図である。
図35において、符号g321は、電磁波の放射によって発生する電流である。符号g322は、放射部分である。
ここで、金属片20の長さをLm(mm)、金属片20の間隔をPm(mm)、金属片20周辺の等価的波長をλe(mm)とすると、アンテナとして動作する条件は、長さLmの隣接する2枚の金属片20とこれら2枚の金属片20の間隔Pmに流れる電流の対称性から次式(8)のように表される。
また、実施形態では、アンテナを、ケーブルの外部導体を金属線編組とした同軸ケーブルにおいて、編組密度を低くした同軸ケーブルを用いて構成した。
また、実施形態では、編組密度を、10〜80%にした。
また、実施形態では、アンテナにおいて、金属片を前記ケーブルのシースに近接(含む電磁結合)させた構成とした。
また、実施形態では、アンテナにおいて、金属片を前記ケーブルのシースに接触させた構造とした。
また、実施形態では、アンテナにおいて、金属片を前記ケーブルの外部導体に接触させた構造とした。
また、実施形態では、アンテナにおいて、金属片の長さを、使用する周波数の自由空間波長λOの1/8〜6/8として構成した。
また、実施形態では、アンテナにおいて、金属片の長さを、使用する周波数の自由空間波長λOの3/8として構成した。
また、実施形態では、アンテナにおいて、金属片を前記ケーブルに対して同じ方向に取り付けて構成した。
また、実施形態では、金属片の間隔Pmを、使用する周波数の自由空間波長λOとケーブル周囲の等価比誘電率εreを用いて、Pm=λO/(2√(εre)に構成した。
また、実施形態では、金属片の長さをLm、隣り合う金属片の間隔をPmとした時に、2Lm+Pm=nλO/√(εre)(ただしnは1以上の整数)に構成した。
また、実施形態では、アンテナにおいて、前記金属片の間隔Pmを、使用する周波数の自由空間波長λOとケーブル周囲の等価比誘電率εreを用いて、Pm=λO/(4√(εre)に構成した。
また、実施形態では、金属片の長さをLm、隣り合う金属片の間隔をPmとした時に、2Lm+Pm=(2n+1)λO/(2√(εre)(ただしnは1以上の整数)に構成した。
また、実施形態では、アンテナにおいて、金属片を平面状誘電体板に張り付けて、ケーブルを平面状誘電体板に張り付けた金属片に近接あるいは接触させて構成した。
また、実施形態では、金属片を曲面状誘電体板に張り付けて、前記ケーブルを前記曲面状誘電体版に張り付けた前記金属片に近接あるいは接触させて構成した。
また、実施形態では、上述したアンテナを使用して無線通信システムを構成した。
また、上述したように。各実施形態において、金属片と低密度編組同軸ケーブルのシースとが接触または近接して配列されていればよい。また、上述したように。各実施形態において、金属片と低密度編組同軸ケーブルの外部導体104とが接触または近接して配列されていればよい。
Claims (11)
- 中心導体と、この中心導体を被覆した絶縁体と、この絶縁体の周囲に金属線を編み込んだ編組を外部導体とする漏洩伝送線路と、
前記漏洩伝送線路の外部導体に電磁結合し、使用する周波数の自由空間波長λOに基づく間隔で配列される複数の金属部と、
を備え、
前記金属部は、前記漏洩伝送線路の信号の流れる方向に対して片方向に配列し、
前記金属部の間隔Pmは、使用する周波数の自由空間波長λ O と前記漏洩伝送線路の周囲の等価比誘電率ε re から導かれる前記漏洩伝送線路の周囲の等価的波長λ e =λ O /(√(ε re ))を用いて、Pm=λ e /2である、
アンテナ。 - 中心導体と、この中心導体を被覆した絶縁体と、この絶縁体の周囲に金属線を編み込んだ編組を外部導体とする漏洩伝送線路と、
前記漏洩伝送線路の外部導体に電磁結合し、使用する周波数の自由空間波長λ O に基づく間隔で配列される複数の金属部と、
を備え、
前記金属部は、前記漏洩伝送線路の信号の流れる方向に対して両方向に配列し、
前記金属部の間隔Pmは、使用する周波数の自由空間波長λ O と前記漏洩伝送線路の周囲の等価比誘電率ε re から導かれる前記漏洩伝送線路の周囲の等価的波長λ e =λ O /(√(ε re ))を用いて、Pm=λ e /4である、
アンテナ。 - 前記金属部の長さをLm、隣り合う前記金属部の間隔をPmとした場合に、2Lm+Pm=nλe(ただしnは1以上の整数)の関係に構成した、請求項1に記載のアンテナ。
- 前記金属部の長さをLm、隣り合う前記金属部の間隔をPmとした場合に、2Lm+{[1/q]+2(q−1)}(λe/4)=nλe(ただしq、nは1以上の整数、[ ]はガウス記号)の関係に構成した、請求項1に記載のアンテナ。
- 前記金属部の長さをLm、隣り合う前記金属部の間隔をPmとした場合に、2Lm+Pm=(2n+1)λe/2(ただしnは1以上の整数)の関係に構成した、請求項2に記載のアンテナ。
- 前記金属部の長さをLm、隣り合う前記金属部の間隔をPmとした場合に、2Lm+{[1/q]+2(q−1)}(λe/4)=(2n+1)(λe/2)(ただしq、nは1以上の整数、[ ]はガウス記号)の関係に構成した、請求項2に記載のアンテナ。
- 前記漏洩伝送線路の前記外部導体は、金属線を編み込んだ編組である金属線編組の編組密度が96%より低い請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のアンテナ。
- 前記金属部は、前記外部導体を被覆したシースに接触または近接する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のアンテナ。
- 前記金属部は、前記外部導体に接触または近接する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のアンテナ。
- 前記金属部の長さは、使用する周波数の自由空間波長λOの1/8〜6/8である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のアンテナ。
- 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のアンテナと、
前記アンテナの一端に接続される送受信器と、
前記アンテナの他端に接続される終端器と、
前記アンテナが備える複数の金属部が配置される平面状誘電体板と、
を備える無線通信システム。
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