以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図6はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の液体注出キャップ10はポリプロピレンやポリエチレンなどで形成され、指等で押したり手で握ったりしても容易に変形しない程度の強度を有した合成樹脂製で、筒状のキャップ本体12と、キャップ本体12にヒンジ14を介して連結されヒンジ14を回転軸として開閉可能な蓋部16とからなるヒンジキャップである。
キャップ本体12には、後述する容器本体70の注出口72を閉鎖する円板形の上面部18が設けられ、上面部18の周縁には、注出口72の外周面に嵌合する筒部20が一体に形成されている。上面部18の、容器本体70と反対側に位置する上面18aには、周縁部に、後述する蓋部16の側面部56が嵌合する段部22が一周して設けられている。上面部18の、容器本体70側に位置する下面18bには、後述する閉鎖部材36が嵌合される凹部24が形成されている。凹部24は、円板形の上面部18より少し小さい同心円形である。筒部20の内周面には、容器本体70の注出口72の雄ネジ74に螺合される雌ねじ25が形成されている。
キャップ本体12の上面部18には、上面部18を貫通する挿通孔26が設けられている。挿通孔26の形状は、上面部18の中心を通過する仮想の直径に対して略直角に位置する直線部と、この直線部の両端部から連続し上面部18と同心円の半円形の曲線部で形成されている。挿通孔26は、上面部18の下面18bに形成された凹部24の範囲内に位置している。挿通孔26の内周面には、上面18aとの角部に、角部が切り欠かれた段部27が一周して形成されている。
上面部18の、挿通孔26の近傍には、上面部18の中心を通過する前記仮想の直径上に、上面部18を貫通する滴下ノズル28が設けられている。滴下ノズル28は、上面部18の上面18aから略直角に突出する円筒状の筒部30を有している。筒部30の先端部は、挿通孔26の反対側に位置する部分が高くなるように傾斜し、先端部には外側に広がるフランジ部32が一周して形成されている。フランジ部32は、挿通孔26とは反対側に位置する部分が一番長く突出し、一番長く突出したフランジ部32の先端部分は上面18aに向かうように丸く反らされている。滴下ノズル28は、上面部18の下面18bに形成された凹部24の範囲内に位置し、滴下ノズル28の内周面には、凹部24との角部に、角部が切除された形状の嵌合凹部である大径部34が形成されている。大径部34は、下面18bから所定の長さに形成され、筒部30の内周面の内径が大きくなり、後述する閉鎖部材36の嵌合凸部である嵌合筒54が嵌合される大きさである。
キャップ本体12の筒部20には、キャップ本体12の上面部18の、挿通孔26と滴下ノズル28が位置する前記仮想の直径に対して略直角に交差する第2の直径方向の側縁部に、周囲よりもわずかにくぼむ凹部35が設けられている。凹部35は、筒部20の途中の高さから段部22に連続している。段部22の、上面部18の上面18aに連続する部分には、筒部20の周面側に膨らんだ突条である雌フック37が、ヒンジ14部分を除いて設けられている。
キャップ本体12の上面部18には、閉鎖部材36が取り付けられている。閉鎖部材36は、キャップ本体12と比較して柔軟性を有する材料で別体に作られ、例えばエラストマーや軟質ポリオレフィン等で作られ、ここでは低密度ポリエチレン(LDPE)である。閉鎖部材36には、上面部18の下面18bに形成された凹部24に嵌合される板部38が設けられ、板部38は円板形である。
板部38の、キャップ本体12上面部18の挿通孔26に対向する位置には、押圧部40が設けられている。押圧部40は、板部38から略直角に突出する半円筒状の側壁面42が設けられ、側壁面42は、板部38から離れるにつれて径が小さくなる。側壁面42は、板部38に連続する基端部から順番に、挿通孔26の内壁面に嵌合される第1側壁面42aと、第1側壁面42aの上端部に連続し側壁面42の径を小さくするリング形状の第1上面44と、第1上面44の内側端部に連続する第2側壁面42bと、第2側壁面42bの上端部に連続し側壁面42の径を小さくするリング状の第2上面46と、第2上面46の内側端部に連続する第3側壁面42cが設けられている。第3側壁面42cの上端部は、天面部48が形成されて閉鎖されている。天面部48は、滴下ノズル28に近づくにつれて低くなる傾斜面が形成されている。天面部48の、滴下ノズル28側の側縁部には上方に突出する突部50が設けられている。
押圧部40の側壁面42の、基端部と天面部48の間には、薄肉の屈曲部52が設けられ、折り曲げやすくされている。屈曲部52は、側壁面42の、第1上面44と第2側壁面42b、第2上面46の肉厚が薄くされて形成されている。屈曲部52の肉厚は、滴下ノズル28に近い部分よりも滴下ノズル28から離れた部分の方がより薄く形成されている。また、第1上面44、第2上面46の面積は、滴下ノズル28に近い部分よりも滴下ノズル28から離れた部分の方がより広く形成されている。これにより、屈曲部52は、滴下ノズル28に近い部分よりも滴下ノズル28から離れた部分の方が比較的曲がりやすくなっている。
第1側壁面42aと第1上面44の間の角部には、外側に突出する係合突起53が一周して設けられている。係合突起53は、キャップ本体12に閉鎖部材36を取り付けた時、キャップ本体12の挿通孔26の段部27に差し込まれて係止する位置と大きさに形成され、係合突起53は段部27の内側に僅かにゆとりを有するように設定され、キャップ本体12に閉鎖部材36を取り付ける作業が容易となる。
板部38の、キャップ本体12上面部18の滴下ノズル28に対向する位置には、板部38を貫通する注出孔51が形成されている。注出孔51の周囲には、嵌合筒54が設けられている。嵌合筒54は、板部38から略直角に突出する小さい円筒形状であり、外形状はキャップ本体12の滴下ノズル28の大径部34に嵌合される大きさであり、内径は注出孔51と同じであり、滴下ノズル28の内径と互いに連通する。
板部38の、容器本体70の注出口72に当接する面には、注出口72に向かって突出し密着する突条55が設けられている。突条55は、板部38の周縁部の少し内側を一周して設けられ、長手方向に交差する断面形状は、頂点が角になった三角形等、先端縁に向かって幅が狭くなった形状が好ましい。
キャップ本体12には、蓋部16がヒンジ14を介して取り付けられている。ヒンジ14の位置は、キャップ本体12の上面部18の、挿通孔26と滴下ノズル28が位置する前記仮想の直径に対して略直角に交差する第2の直径方向の側縁部で、凹部35と反対側に設けられている。
蓋部16は、閉蓋状態で筒部20に連続する筒状の側面部56と、側面部56の上端部を閉鎖する円形の天面部58が設けられている。天面部58の周縁部は緩やかな曲面状に面取りされている。ヒンジ14は、キャップ本体12の筒部20と、蓋部16の側面部56にわたって形成されている。ヒンジ14の幅方向の中心には、蓋部16の側面部56から天面部58の一部にかけて一対の切断線が設けられ、一対の切断線の内側は帯状の弾発部材60となっている。弾発部材60の長手方向の端部には薄肉部60aが形成され、薄肉部60aで、側面部56の天面部58またはキャップ本体12の筒部20に屈曲可能に連結されている。ヒンジ14の、弾発部材60の両側縁部分に接する部分は一対のヒンジ部材62であり、キャップ本体12に蓋部16を閉めた時に二つ折りされて筒部20と側面部56から僅かに外側に突出した形状に形成され、二つ折りされる部分に薄肉部62aが設けられて屈曲可能となっている。
蓋部16の側面部56の、ヒンジ14と反対側には、側面部56から外周方向へ突出する鍔64が設けられている。側面部56の内周面の、鍔64に対向する部分の半周にわたって、キャップ本体12の雌フック37に係合する突条である雄フック66が設けられている。雌フック37と雄フック66は、蓋部16の閉蓋状態で係合されるように位置している。さらに、蓋部16の天面部58の裏面には、閉蓋状態で滴下ノズル28に入れて密閉する円柱状の栓68が設けられている。
次に、この実施形態の液体注出キャップ10の使用方法について説明する。液体注出キャップ10は、液体または流動体の内容物である内容液を収容するガラスや握っても変形しない合成樹脂等で作られた硬い素材から成る容器本体70に取り付けて使用するものであり、容器本体70の上端部は、円筒形の注出口72が一体に形成されている。注出口72の外周面には、液体注出キャップ10の筒部20の雌ねじ25が螺合される雄ねじ74が形成されている。収容される内容液は流動性を有するものであり、例えば食用油で作られた液体調味料のラー油等である。
まず、液体注出キャップ10の製造において、成型されたキャップ本体12に閉鎖部材36を取り付けて、液体注出キャップ10を完成させる。取付方法は、キャップ本体12の筒部20の内側に閉鎖部材36を入れ、閉鎖部材36の押圧部40を上面部18の挿通孔26に差し込み、同時に閉鎖部材36の嵌合筒54を上面部18の滴下ノズル28に差し込み、上面部18に押し付ける。押圧部40には係合突起53が外側へ向かって突出して設けられているため、挿通孔26を通過するときは押圧部40を内側に弾性変形させる。押圧部40の基端部が上面部18の凹部24に当接するとき押圧部40の係合突起53が上面部18の段部27に一致し、弾性変形が元に戻り、係合突起53が段部27に係止され、閉鎖部材36は挿通孔26から抜け落ちなくなり、キャップ本体12と閉鎖部材36が組み付けられる。係合突起53は、段部27の内側にゆとりを有する形状であり、組み立てる作業が容易である。閉鎖部材36の嵌合筒54は、滴下ノズル28の大径部34に密着する大きさであり、嵌合筒54を押し込んで大径部34に密着させ嵌合させる。これにより、注出孔51が滴下ノズル28に連通する。また、閉鎖部材36の板部38は、上面部18下面18bの凹部24に嵌合される。
次に、内容液を製造する食品メーカー等で、容器本体70に内容液を注入し、内容を入れた容器本体70の注出口72に、予め図示しない密閉蓋を被せて密閉状態とする。そして、キャップ本体12と閉鎖部材36を組み付けた液体注出キャップ10を取り付けて出荷する。取り付ける際は、液体注出キャップ10のキャップ本体12の筒部20を、容器本体70の注出口72にかぶせて軸周りに回し、筒部20の雌ねじ25と、注出口72の雄ねじ74を螺合させる。
なお、内容液は、ラー油や山椒香味油等の食用油を主体とした食品、ごま油やオリーブオイル、なたね油等の食用油、しょうゆやポン酢、酢等の水溶性の液体調味料、ドレッシング等の食用油と水溶性液体調味料の混合調味料である。内容液はこの他でもよく、具材が入ったものでもよい。具材は、例えばガーリック、オニオン、唐辛子、胡椒、山椒の実等である。
そして、内容液の使用者が、液体注出キャップ10から内容液を取り出す時は、最初に液体注出キャップ10を外して、密閉蓋を取り、再び液体注出キャップ10を、注出口72に被せて軸周りに回し、筒部20の雌ねじ25と、注出口72の雄ねじ74を螺合させる。このとき、閉鎖部材36の板部38が、注出口72の上端面72aと筒部20の凹部24に挟持され、板部38の突条55が注出口72の上端面72aに圧着し、確実に液密となる。
容器本体70の注口72上端面72aは、一般的に完全な平滑面でなく円周状の頂点高さが僅かながらばらついている。しかし、閉鎖部材36の板部38に突条55が設けられているため、注出口72の円周上のすべての頂点に突条55が確実に接触する。突条55は、注出口72上端面72aの頂点高さのばらつきに対応して内外径が設定され、また弾性的に潰れるように弾性力(潰れ度合)が設定されているため、容易に密着し液密となる。
この後、蓋部16の鍔64を上方に押し上げて雄フック66、雌フック37の係合を解除し、ヒンジ14を回転軸として蓋部16を回動させる。そして、ヒンジ14に設けられた弾発部材60が薄肉部60aで折り曲げられてL字形を維持して蓋部16とキャップ本体12から離れ、蓋部16が所定角度以上に開いたときに、蓋部16の開き角度を維持する方向に付勢し、蓋部16が大きく開かれた状態で係止する。
そして、容器本体70を傾倒させ、滴下ノズル28が下に位置するように保持し、押圧部40の天面部48に指をあてて容器本体70の内側に向かって押し込む。押圧部40は、第2側壁面42bの滴下ノズル28に近い薄肉部分を支点として、回転するように押し込まれる。押圧部40の天面部48は前記薄肉部分から離れた部分が高く形成されているため、支点から離れた高いところに力が加えやすく、モーメントが大きく作用して軽く押し込むことができる。また屈曲部52は滴下ノズル28から離れた部分が薄肉に設けられて折り曲げやすいため、押圧部40を押圧すると、図6に示すよう、押圧部40は確実に滴下ノズル28から離れた部分が沈み、天面部48が滴下ノズル28から離れて押し下げられる。天面部48の滴下ノズル28に近い部分に突部50が設けられているため、天面部48を押す時に力を加えて指が滑っても突部50に当接して止まり、滴下ノズル28側に滑ることがない。そして内容液は、キャップ本体12の滴下ノズル28から押し出されて、対象物に滴下する。対象物は、例えば各種の料理や、料理をつけて食するしょうゆ等の調味料等である。
注出し終わったら、押圧部40の天面部48から指を離す。すると押圧部40は弾性により元の形状に戻る。そして容器本体70を元の正立状態に戻し、蓋部16を閉じる。この時、蓋部16の雄フック66がキャップ本体12の雌フック37に係止され、閉じ状態が維持される。蓋部16の栓68は、滴下ノズル28に差し込まれ、内容液を液密に収容し保管する。
この実施形態の液体注出キャップ10によれば、簡単な構造であり、弱い力で押圧部40を大きく変形させて押し込むことができ、内容液を簡単に滴下させることができる。押圧部40は柔軟な材料で作られ、弱い力で簡単に変形し押しやすいものである。押圧部40はキャップ本体12と異なる材料で作られ、押圧部分が使用者にわかり易く、使用しやすいものである。押圧部40と大径部34は柔軟な材料の閉鎖部材36に一体に設けられ、大径部34と嵌合筒54の連結部分から、内容液が漏れることがない。内容液が漏れることがないため、使用時における落下や傾倒の際に汚れることがなく、きれいに使用することができる。また、閉鎖部材36はキャップ本体12により容器本体70の注出口72に押し付けられて取り付けられ、閉鎖部材36の突条55が線接触で注出口72に密着し、高い液密機能を有することができる。従って、使用者が使用する際に、キャップ本体12を容器本体70に強いトルクで取り付けなくても、液漏れなく使用することができる。内容液に香辛料の粒等の固形物が添加されている場合、固形物が閉鎖部材36と容器本体70の注出口72の間に挟まっても、液密機能が維持されて液漏れを防ぐことができる。
さらに、押圧部40の天面部48は滴下ノズル28から離れた部分が高く形成されて力が加えやすく、また屈曲部52は滴下ノズル28から離れた部分が薄肉に設けられているため、押圧部40を押圧すると、押圧部40は確実に滴下ノズル28から離れた部分が沈み、天面部48が滴下ノズル28から離れて押し下げられる。天面部48を押す指が滴下ノズル28から滴下される内容液に接触することがなく、指が汚れることがなく衛生的である。また、天面部48は滴下ノズル28から離れた部分が高く形成されているため、変形させる長さを長くとり、押圧部40を沈ませた感触がわかり易い。天面部48の滴下ノズル28に近い部分に突部50が設けられているため、天面部48を押す時に指が突部50に当接して止まり、滴下ノズル28側に滑って滴下ノズル28から滴下される内容液に接触することがなく、この点からも衛生的である。押圧部40は柔軟な素材で作られているため、一定の力を加えると図6に示すように屈曲部52が伸びた状態で沈むため、定量性がある。
閉鎖部材36は、押圧部40の係合突起53がキャップ本体12の挿通孔26段部27に係止するだけで簡単にキャップ本体12に組み付けられ、特別な治具や接着剤などが不要であり、組立工程が容易でコストが安価となる。係合突起53は、段部27の内側にゆとりを有する形状であり、組み立てる作業が容易である。キャップ本体12と閉鎖部材36は互いに密に組み付けられ、キャップ本体12を容器本体70から外したときに、不用意に押圧部40を押しても、閉鎖部材36が外れることがない。従って、例えばキャップ本体12と容器本体70の間に取り付けられた密閉蓋を外す際や、内容液の詰め替えの際にも作業が容易である。
次にこの発明の第二実施形態について図7、図8に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の液体注出キャップ76は、キャップ本体12には、容器本体70の注出口72を閉鎖する上面部18が設けられ、上面部18の中心には挿通孔26が設けられている。
上面部18の、挿通孔26の近傍には、上面部18の中心を通過する前記仮想の直径上に、上面部18を貫通する滴下ノズル78が設けられている。滴下ノズル78は、上面部18の上面18aから略直角よりやや大きな角度で突出する円筒状の筒部80を有している。筒部80の途中に折り曲げ部82が設けられ、滴下ノズル78の先端部78aに近い部分が、挿通孔26から離れる方へ折り曲げられている。滴下ノズル78の先端部78aは、上面部18から僅かに離れるようにななめ上方に向けられている。滴下ノズル78の内周面には、凹部24との角部に、角部が切り欠かれた大径部34が形成されている。
キャップ本体12の上面部18には、閉鎖部材36が取り付けられている。閉鎖部材36には、上面部18の下面18bに形成された凹部24に嵌合される板部38が設けられている。板部38の、上面部18の挿通孔26に対向する位置には、押圧部40が設けられている。押圧部40は、半円筒状の側壁面42が設けられ、側壁面42は、板部38から離れるにつれて径が小さくなるものである。側壁面42の上端部には天面部84が形成されて閉鎖されている。天面部84は、板部38に対して略平行な平面で形成されている。押圧部40の側壁面42の、基端部と天面部84の間には、薄肉の屈曲部52が設けられ、折り曲げやすくされている。また、側壁面42には、外側に突出する係合突起53が一周して設けられている。
板部38の、上面部18の滴下ノズル28に対向する位置には、嵌合筒54が設けられている。
キャップ本体12には、蓋部16がヒンジ14を介して取り付けられている。蓋部16の天面部58の裏面には、閉蓋状態で滴下ノズル78の折り曲げ部82付近に当接するガイド部86が設けられている。ガイド部86は、滴下ノズル78の、基端部側で板部38に対して略直角に位置する部分の筒部80の外周を覆う半円筒形状であり、天面部58に対して略直角に突出して形成されている。ガイド部86は、滴下ノズル78の挿通孔26に近い部分のみを覆うものであり、僅かに滴下ノズル78を挿通孔26から離れる方向に付勢する機能を有し、滴下ノズル78の先端部78aが蓋部16の側面部56の裏面に付勢されて当接する位置に設けられている。蓋部16の側面部56裏面には、滴下ノズル78の先端部78aが当接する位置に、滴下ノズル78を密閉する栓88が設けられている。栓88は、滴下ノズル78の先端部78aよりも少し大きい直径で半球状に膨出して形成されている。
この実施形態の液体注出キャップ76の使用方法は、上記実施の形態と同様であり、容器本体70に取り付けて使用されるものである。まず、液体注出キャップ76のキャップ本体12に閉鎖部材36を取り付け、押圧部40は挿通孔26に係止され、嵌合筒54は大径部34に嵌合させる。そして、内容液が入れられた容器本体70の注出口72に、液体注出キャップ76を液密に螺合する。
使用に際しては、容器本体70を傾倒させ、滴下ノズル78の先端部78aが下に位置するように保持し、押圧部40の天面部84に指をあてて容器本体70の内側に向かって押し込む。押圧部40の屈曲部52は滴下ノズル78から離れた部分が薄肉に設けられて折り曲げやすいため、押圧部40を押圧すると、押圧部40は確実に滴下ノズル78から離れた部分が沈み、天面部84が滴下ノズル78から離れて押し下げられる。そして内容液は、キャップ本体12の滴下ノズル78から押し出されて、対象物に滴下する。滴下ノズル78は、折り曲げ部82で折り曲げられて先端部78aが押圧部40から離れているため、先端部78aから滴下する内容液が押圧部40を押している指に付着することがない。
注出し終わったら、押圧部40の天面部84から指を離す。すると押圧部40は弾性変形で元の形状に戻る。容器本体70を元の正立状態に戻し、蓋部16を閉じる。この時、蓋部16の雄フック66がキャップ本体12の雌フック37に係止され、閉じ状態で固定される。キャップ本体12に蓋部16を閉めた時に、ガイド部86は滴下ノズル78に当接し、滴下ノズル78を栓88に向かって付勢し、蓋部16の栓88に滴下ノズル78の先端部78aが密着し、内容液を液密に収容する。
この実施形態の液体注出キャップ76によれば、上記実施の形態と同様の効果を有するものである。滴下ノズル78は、折り曲げ部82で折り曲げられて先端部78aが押圧部40から離れているため、先端部78aから滴下する内容液が押圧部40を押している指に付着することがなく、衛生的である。また、キャップ本体12に蓋部16を閉めた時に、ガイド部86は滴下ノズル78に当接して栓88に向かって滴下ノズル78を付勢し、蓋部16の栓88に滴下ノズル78の先端部78aが密着し、内容液を液密に収容するため、内容液が漏れることがない。また、滴下ノズル78は折り曲げ部82で折り曲げられているため、容器本体70を完全に倒立させなくても、傾けるだけで先端部78aを下に向けることができ、内容液の取り出しが簡単である。
次にこの発明の第三実施形態について図9、図10に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の液体注出キャップ90のキャップ本体12には、容器本体70の注出口72を閉鎖する上面部18が設けられ、上面部18の周縁には注出口72の外周面に嵌合する筒部20が一体に形成されている。上面部18の、容器本体70側に位置する下面18bには、後述する閉鎖部材104の板部106に当接し容器本体70の注出口72上端面72aに板部106を押し付ける押圧突部100が形成されている。押圧突部100は、上面部18の周縁部よりも少し内側に同心円形を描いて一周して形成されている。筒部20の内周面には、容器本体70の注出口72の後述する係止突部124に嵌合される係止突部102が形成されている。
キャップ本体12の上面部18の中心には挿通孔26が設けられている。挿通孔26の形状は、直線部と半円形の曲線部で形成されている。挿通孔26は、上面部18の下面18bに形成された押圧突部100の内側に位置している。挿通孔26の内周面には、上面18aとの角部に、角部が切り欠かれた段部27が一周して形成されている。
上面部18の、挿通孔26の近傍には、上面部18の中心を通過する前記仮想の直径上に、上面部18を貫通する滴下ノズル92が設けられている。滴下ノズル92は、上面部18の上面18aから、上面18aに対して略直角に突出する円筒状の筒部94を有し、筒部94の先端部は、キャップ本体12に後述する閉鎖部材104が取り付けられた時の閉鎖部材104の押圧部108の天面部112よりも高い位置に達し、先端部は上面18aに対して平行に形成されている。筒部94の先端部には外側に広がるフランジ部96が一周して形成されている。フランジ部96は、一定の幅で一周して突出し、フランジ部96の先端部分は上面18aに向かうように丸く反らされている。フランジ部96の上端面96aは筒部94の内周面に向かって低くなる傾斜面で形成されている。筒部94の内周面は、フランジ部96の上端面96aの下端部付近から下方は、内径が大きくなる大径部98であり、後述する閉鎖部材104の嵌合筒116が嵌合される大きさである。嵌合筒116の内側面には蓋部16の栓68外側面が密着して液密性を保持している。閉鎖部材104の注出孔115を栓68が直接液密に閉鎖しているため、この機構の場合、大径部94と嵌合筒116との嵌合は、必ずしも液密とする必要はない。
キャップ本体12の上面部18には、閉鎖部材104が取り付けられている。閉鎖部材104は、キャップ本体12と比較して柔軟性を有する材料で作られ、エラストマー等で作られている。閉鎖部材104には、上面部18の下面18bに重ねられる板部106が設けられ、板部106は円板形である。
板部106の、上面部18の挿通孔26に対向する位置には、押圧部108が設けられている。押圧部108は、板部106から、板部106に対して略直角に突出する半円筒状の側面110が設けられ、側面110は、板部106から離れるにつれて径が小さくなるものである。側面110の上端部には天面部112が形成されて閉鎖されている。天面部112は、滴下ノズル92に近づくにつれて低くなる傾斜面で形成されている。天面部112の側面110の、基端部と天面部112の間には、薄肉の屈曲部114が設けられ、折り曲げやすくされている。また、複数個の段部の各上面の面積は、押圧部108の滴下ノズル92に近い部分よりも滴下ノズル92から離れた部分の方がより広く形成されている。これにより、屈曲部114は、滴下ノズル92に近い部分よりも滴下ノズル92から離れた部分の方が比較的曲がりやすくなっている。
板部106の、上面部18の滴下ノズル92に対向する位置には、板部106を貫通する注出孔115が形成されている。注出孔115の周囲には、嵌合筒116が設けられている。嵌合筒116は、板部106から、板部106に対して略直角に突出する円筒形状であり、外形状はキャップ本体12の滴下ノズル92の大径部98に嵌合される大きさであり、押圧部108の天面部112近傍に達する長さである。
板部106の周縁部には、容器本体70の注出口72の上端面72aを覆って注出口72の外周面の一部に嵌合する外筒部118が一体に形成されている。外筒部118は、押圧部108とは反対側に突出し、外筒部118の下端部の内周面には、後述する注出口72の係合凹部126に差し込まれて係合する係合突部120が一周して形成されている。外筒部118の先端部は、注出口72に取り付け易いように傾斜面で形成されている。板部106の、外筒部118の内側には、注出口72の内周面に嵌合する内筒部122が設けられている。内筒部122は、閉鎖部材104をキャップ本体12に取り付けた時にキャップ本体12の上面部18の押圧突部100よりも少し内側に位置し、押圧突部100よりも少し径が小さい円筒形である。
次に、この実施形態の液体注出キャップ90の使用方法について説明する。液体注出キャップ90は、図9に示す容器本体70に取り付けて使用するものである。この実施形態では、容器本体70の上端部は、円筒形の注出口72が一体に形成され、注出口72の外周面には、液体注出キャップ10の筒部20の係止突部102が当接する係止突部124が形成され、係止突部124は、キャップ本体12を取り付ける時にキャップ本体12の係止突部102が係止突部124の一番突出する部分を通過して係止突部124の下方の斜面に当接する位置にくるように設けられている。注出口72の外周面の、上端面72aよりも少し下方には、キャップ本体12を取り付けた時に閉鎖部材104の係合突部120が差し込まれる係合凹部126が一周して形成されている。
まず、液体注出キャップ90のキャップ本体12に閉鎖部材104を取り付ける。取付方法は、キャップ本体12の筒部20の内側に閉鎖部材104を入れ、閉鎖部材104の押圧部108を上面部18の挿通孔26に差し込み、同時に閉鎖部材104の嵌合筒116を上面部18の滴下ノズル92に差し込み、上面部18に押し付ける。押圧部108の側面110に設けられた係合突起53が、キャップ本体12の挿通孔26に形成されている段部27に係止され、閉鎖部材104は挿通孔26から抜け落ちなくなり、キャップ本体12と閉鎖部材104が組み付けられる。閉鎖部材104の嵌合筒116は、滴下ノズル92の大径部98に嵌合する大きさであり、嵌合筒116を押し込んで大径部98に嵌合させる。これにより、注出孔115が滴下ノズル92に連通する。
次に、内容液を製造する食品メーカー等で、容器本体70に内容液を注入し、内容液を入れた容器本体70の注出口72に、閉鎖部材104を組み付けた液体注出キャップ90を取り付ける。取り付ける際は、液体注出キャップ90のキャップ本体12筒部20を、容器本体70の注出口72にかぶせて押し下げ、筒部20の係止突部102と注出口72の係止突部124が当接し、さらに強い力で押し下げると筒部20が弾性変形して広がり、係止突部102が係止突部124の一番突出している部分を乗り越える。乗り越えた後、弾性変形が元に戻り、係止突部102が係止突部124の下方の斜面に当接し、抜け落ちることがなく、係止される。また、キャップ本体12に組み付けられた閉鎖部材104は、外筒部118が注出口72の上端面72aの外周面に当接し、押し下げる時に外側に広がるように弾性変形し、外筒部118の係合突部120が注出口72の係合凹部126の位置に来た時に弾性変形が元に戻り、係合凹部126に係合突部120が差し込まれ、係止される。また、閉鎖部材104の板部106が注出口72の上端面72aと、キャップ本体12の上面部18の押圧突部100に挟持され、圧着されて液密に取り付けられる。閉鎖部材104の内筒部122は、注出口72に差し込まれ、注出口72の内周面に液密に密着する。
そして、容器本体70を傾倒させ、滴下ノズル92が下に位置するように保持し、押圧部108の天面部112に指をあてて容器本体70の内側に向かって押し込む。押圧部108の天面部112は滴下ノズル92から離れた部分が高く形成されて力が加えやすく、また屈曲部114は滴下ノズル92から離れた部分が薄肉に設けられて折り曲げやすいため、押圧部108を押圧すると、押圧部108は確実に滴下ノズル92から離れた部分が沈み、天面部112が滴下ノズル92から離れて押し下げられる。そして内容液は、キャップ本体12の滴下ノズル92から押し出されて、対象物に滴下する。
注出し終わったら、押圧部108の天面部112から指を離す。すると押圧部108は弾性変形で元の形状に戻る。容器本体70を元の正立状態に戻し、蓋部16を閉じる。この時、蓋部16の雄フック66がキャップ本体12の雌フック37に係止され、閉じ状態で固定される。蓋部16の栓68は、滴下ノズル92の奥にある嵌合筒116の内側面に差し込まれ、内容液を液密に収容する。滴下ノズル92のフランジ部96の上面付近に、閉鎖部材104の嵌合筒116が達しているため、栓68の先端部分が嵌合筒116の内側面に直接嵌合される。
この実施形態の液体注出キャップ90によれば、上記実施の形態と同様の効果を有するものである。滴下ノズル92は、押圧部108よりも高く形成されているため、滴下ノズル92から滴下する内容液が押圧部108を押している指に付着することがなく、衛生的である。また、閉鎖部材104は、内筒部122が容器本体70の注出口72の内周面に密着し、外筒部118が注出口72の外周面に密着し、板部106がキャップ本体12の押圧突部100に押圧されて注出口72の上端面72aに密着するため、内面、天面、外面の3箇所で液密を保持することが可能であり、確実に内容液の液漏れを防ぐことができる。また、滴下ノズル92に嵌合される嵌合筒116が長く形成されるため、蓋部16を閉めた時、蓋部16の栓68の先端部分が、滴下ノズル92の内側の嵌合筒116に嵌合されるので、閉鎖部材104から連通する注出孔115を直接塞ぐことで、より確実に液密となる。
この発明の液体注出キャップは、前記実施の形態に限定されるものではなく、各部材の形状等変更可能であり、閉鎖部材とキャップ本体の形状は、互いに確実に係合し一定の力で容器本体に取り付けると液密となるものであればよい。閉鎖部材の材料は、上記以外でもよく、適度な柔軟性を有し、押圧部の弾性変形と復元が容易で、容器本体とキャップ本体に密着するものであれば良い。嵌合凹部である大径部と、嵌合凸部である嵌合筒は、凹凸が逆でも良く、互いに内容物が流通可能に嵌合されるものであれば良い。また、ヒンジと蓋部の形状も上記以外でもよく、適宜変更可能である。閉鎖部材の、容器本体の注出口に当接する面に形成された突条の形状は自由に変更可能であり、先端が小さな円弧形状や細い平面形状であってもよい。
使用する内容液は、ラー油以外の液体調味料や、水、エタノール、界面活性剤を含む溶液など、いろいろなものに使用することができる。閉鎖部材は、容器本体の注出口のどこに接触して液密としてもよく、注出口の外周面や内周面のみの液密でもよい。また、キャップ本体と容器本体の間に別体のパッキンを設けて、より高い液密機能を有するものとしてもよい。
次に、本発明の上記第一実施形態に基づく一実施例と、従来技術との操作性の比較を行った結果について説明する。
この実施例では、上記第一実施形態の図1から図4記載の形態とし、実施例1では容器本体はガラス製、キャップ本体はポリプロピレン製、押圧部を有する閉鎖部材の材質は低密度ポリエチレン製とした液体注出キャップを用いた。
実施例2では、押圧部の薄肉の屈曲部の厚みが実施例1の1.5倍にした閉鎖部材とし、これ以外は実施例1と同じ液体注出キャップを用いた。
実施例に対する従来例としては、押圧部がキャップ本体と同じポリプロピレン製で、閉鎖部材を用いない構造以外は、実施例1と同じ形状の従来技術による液体注出キャップとした。各例の押圧部の操作に必要な押圧力と、押しやすさについて試験を行った結果を表1に示す。
押圧力の測定は、滴下ノズルからもっとも遠い部分の押圧部を金属の先端がφ5mmの半球上の棒の頂点で、200ミリメートル/秒で押圧した。押圧部のみが変形し、金属棒の頂点が押圧部に接して3mm低くなるまでの最大圧力を測定した。上記各例の場合は、3mmのストロークで押圧部を押しきるため、3mmにしている。なお、上記各例以外の場合で同様の測定をする場合は、押圧部のみで変形することができる適切な長さでの測定が必要になる。
押しやすさの判定は、20人が押圧部を押した時の感覚を、「容易に押せた」「比較的容易に押せた」「強い力が必要」「押せない」の4つから選択した結果を示した。
試験の結果、表1に示すように、実施例1は、押圧が0.7kgfであり、20人中20人が容易に押せたと回答した。実施例2は、押圧が1.5kgfであり、20人中14人が容易に押せ、6人が比較的容易に押せたと回答した。これに対して、従来例では、押圧が2.5kgfであり、20人中1人が容易に押せ、10人が比較的容易に押せ、9人が押すのに強い力が必要と回答した。
以上の結果から、本願発明による液体注出キャップは、押圧操作性が良好なことが確かめられた。