JP6525959B2 - 生物学的実体のカプセル化のためのナノスケールコーティング - Google Patents

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Description

この特許文献はナノスケールの材料およびナノテクノロジーに関する。
ナノテクノロジーは、分子または原子スケールの特徴を有する構造、デバイスおよびシステム、例えば、いくつかの応用における1〜数百ナノメートルの範囲の構造を製造するための技術または工程を提供する。例えば、ナノスケールのデバイスは、何らかの大分子、例えば、酵素などの生体分子と類似したサイズに形作ることができる。ナノ構造体、ナノデバイス、またはナノシステムを作るために使用されるナノサイズの材料は、より大きい寸法の同じ材料には存在しないさまざまな特有の性質(例えば光学特性を含む)を示す可能性があり、このような特有の性質は広い範囲の応用に活用することが可能である。
生物学的実体を、その生物活性を保存しながらカプセル化するための技術、システム、デバイス、および材料を記載する。
一態様において、生物活性ペイロード送達デバイスを製造する方法は、ポリマー材料と生体物質とを静電力に基づいて結合することにより中間構造を形成し(形成された中間構造は正味表面電荷を有する複数の領域を含む)、次いで、形成された中間構造上に生体適合性材料からなる被覆構造を直接形成して生体物質を封入し(その際に前記被覆構造はその中に封入された生体物質の生物活性を保存する)、それにより生物活性ペイロード送達デバイスを製造することを含む。
別の態様において、生物活性ペイロード送達デバイスは、静電的相互作用により互いに結合するポリマー材料および生体物質を含む内部材料構造(内部材料構造は正味表面電荷を与える複数の領域を含む)、ならびに内部材構造をカプセル化する生体適合性材料から形成された外部ナノ構造を含み、それにより、カプセル化された生体物質の生物活性を保存する。
別の態様において、生体物質をカプセル化する方法は、生物学的構造体の上に生体適合性材料を形成して生物学的構造体を封入する被覆構造を形成することを含み、前記被覆構造はナノメートルの範囲のサイズを有し、その際、生物学的構造体は被覆構造内で生物活性を保存する。いくつかの方法の実施において、生物学的構造体はウイルスを含み、生体適合性材料はシリカを含む。
この特許文献に記載される発明は、以下の特徴の1つ以上を提供する特定の方法で実施することができる。開示された方法を実施して、生物学的実体または他の物質を合成マトリックス(例えば、ナノ粒子の形態のシリカ)内にカプセル化することができ、そこではカプセル化された生物学的実体はそれらの活性を全くまたは最小限にしか失わない。合成されたナノ構造マトリックス(例えば、シリカナノ粒子封入体)は、例えば、外部誘発メカニズムおよび/または合成されたナノ構造マトリックスに標的化部分を組み込むことにより、生体物質の放出を標的化する能力を提供する。いくつかの実施において、方法は、ポリ-L-リシンのようなカチオン性ポリマーとの交差反応により生物学的実体の表面電荷を効果的に変化させることを含み得る。方法は、生物学的実体の表面上への直接の電荷媒介シリカゾル-ゲル縮合、例えば、生体物質の周囲を包むシリカマトリックスコーティングを形成してナノ粒子を生成することを含み得る。いくつかの実施において、例えば、フルオロカーボンエマルションなどの増感剤を超音波が誘発するキャビテーションの中心(ultrasound triggered cavitation center)として使用して、生物学的実体と共カプセル化すること、例えば、典型的なシリカゾルゲル縮合反応の前に生物学的実体に結合させてナノ粒子の中に外部誘発放出メカニズムを構築させることができる。例えば、ナノ粒子が形成された後、免疫反応回避のためのポリエチレングリコール(PEG)、特定の送達または放出のための標的化部分、標的化放出のための環境感知部分(例えば、酸化還元、低酸素、酸性等)を含むがこれらに限定されない種々の機能的特徴をナノ粒子に加えるために、シラン化学を含む種々の化学を用いてナノ粒子に付加的な表面修飾をおこなうことができる。典型的な合成ナノ構造マトリックスは放出される前にカプセル化された生物学的実体が血清および組織条件に直接曝されることを防止するので、カプセル化された生物学的実体は血清中に存在する分解条件から保護されて、例えばin vivoにおける活性の半減期が増大する。また、例えば、生体物質の放出を選択的に誘発する能力は全身毒性の低下をもたらし、より耐性の高い治療レジメンを生み出す。
例えば、開示された生体適合性コーティングナノ構造は容易に官能基化して、ウイルス(例えば、アデノウイルス)などの生物学的実体をカプセル化するために利用することができる。典型的なコーティングナノ構造の特徴を明らかにするための走査電子顕微鏡(SEM)分析を用いる典型的な実施は、ナノスケールの特徴を有する分離した単分散粒子を示す。典型的な実施はまた、典型的なナノ構造により被覆されたウイルスが形質導入能力を保存し、プロテイナーゼkおよび中和抗体から保護されたことを示した。さらに、例えば、開示された技術の実施は、典型的なコーティングをポリエチレングリコール(PEG)により官能基化することにより、典型的な被覆されたウイルスの取り込みを切断する能力を示した。例えば、典型的なコーティングに後からcRGDをコンジュゲートすることにより、ウイルスの形質導入能力が守られた。典型的なコーティングは強固であり、被覆されたウイルスは活性を失うことなく-80℃で保存することができる。開示された技術の応用としては、バイオテクノロジーおよび生物医学、例えば、癌、糖尿病等を含む多くの病気の治療および監視におけるものなどが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、開示された技術は、より多くの癌治療への腫瘍溶解性ウイルスの使用を切り開き、腫瘍溶解性ウイルスの臨床応答率を改善することを目標とする、臨床への橋渡しのための治療的アプローチとして使用することができる。さらに、開示されたナノコーティングプラットフォームは、癌の代謝および他の遺伝子に基づく疾病を標的とするアプローチに基づいて、さらなる遺伝子治療を可能にするであろう。
前記および他の特徴を図面、詳細な説明および特許請求の範囲においてより詳細に記載する。
生物活性を保存する、ナノスケールの鋳型により駆動される生物学的実体のカプセル化工程のための典型的な方法を示す説明図である。 典型的なウイルスのシリカナノ構造コーティングの走査電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。 ウイルスをカプセル化する典型的なシリカナノ構造コーティングを用いた典型的な実施により得られたデータプロットおよび画像を示す図である。 ウイルスをカプセル化する典型的なシリカナノ構造コーティングを用いた典型的な実施により得られたデータプロットおよび画像を示す図である。 ナノ構造封入体の中への生物学的実体と標的化部分との共カプセル化のための典型的な方法を示す工程図である。 抗体の存在下での典型的な中和アッセイのデータプロットを示す図である。 典型的なシリカ被覆された生物学的実体を再標的化するための典型的な実施のデータプロットを示す図である。 典型的なナノ構造コーティングからのアデノウイルスの超音波誘発放出を描くデータプロットを示す図である。
腫瘍溶解性ウイルス療法は、ウイルスを用いて腫瘍細胞中で選択的に複製して、腫瘍細胞を殺す癌治療である。最近20年間に渡って、癌治療のプラットフォームとしてのウイルスに基づく治療は前臨床および臨床開発において著しく進歩した。ウイルスの生活環および生物学の理解において大きな進歩があったが、それらの送達および排出特性は有効な治療に対する大きな障害として残っている。例えば、ある患者はウイルス療法に対して免疫応答を開始し、例えば、それは患者の治療における副作用を発生および増大させる可能性があり、全体的に見てこの治療アプローチの臨床効果を限定する。免疫応答などのウイルス療法技術の課題に対処するための現在の方法は、ウイルスの直接の修飾またはカプセル化に集中している。また、処理中の苛酷な化学反応条件もウイルス療法の実行可能性に影響を与える。例えば、ウイルス療法の有効性は、ウイルスベクターの標的細胞に対する天然の親和性(例えば、宿主細胞向性)にも依存する。治療用ウイルスを全身に有効に送達する能力はこれらの課題に対処する技術を必要とするものであり、それにより腫瘍溶解性ウイルスプラットフォームの効果を、播種性疾患を有する患者にまで広げると考えられる。
ナノスケールの材料設計および特異的官能基化を用いて生物学的実体をカプセル化するための技術、システム、デバイス、および材料を記載する。開示された技術の実施は、特定の標的化、改善された循環、およびセラノスティクスの能力を有し、ウイルス療法による治療中にウイルスペイロードの生物活性を保存し、ウイルスペイロードを免疫認識および中和から保護する生体適合性ナノコーティングを含む。
いくつかの態様において、開示された技術は、生物学的実体(例えば、ウイルス)をナノ構造封入体(例えば、ナノ粒子被覆構造)中にカプセル化するためのナノスケール鋳型製造工程を含む。生物学的実体をカプセル化することに加えて、ナノ構造封入体は、外部誘発により、および/またはナノ構造封入体の中に標的化部分を組み込むことにより、生物学的実体の放出を標的化する能力を有する。例えば、開示された技術は、例えばウイルス療法を含む、生物医学およびバイオテクノロジーにおけるさまざまな分野において応用可能である。
いくつかの実施において、外部誘発および/または組み込まれた標的化部分を用いてin vitroまたはin vivoでウイルスペイロードの放出を標的化する制御放出メカニズムを提供するための構造を有するシリカ系ナノ粒子コーティングの中にウイルスベクターをカプセル化することができる。いくつかの例において、ウイルスベクターを含有する典型的なナノ構造コーティングに外部音波信号を適用して、例えば動物内部の腫瘍などの器官内の標的部位でウイルスベクターの放出を引き起こすことができる。
典型的なシリカナノコーティング構造によりカプセル化されたアデノウイルスを用いて、例えばプロテイナーゼKに対する保護を与える、典型的な実施を記載する。例えば、本明細書に示される典型的な実施の結果は、ヒト膵臓細胞系におけるウイルストランスフェクションが超音波を用いて活性化されることを実証した。他の実施において、例えば、開示されたカプセル化のアプローチを、例えば酸化チタンおよびリン酸カルシウムを含むがこれらに限定されないシリカ以外の材料に採用することができる。
いくつかの実施において、例えば、典型的なシリカ系ナノ粒子コーティングは、生物学的実体の表面上に除去可能なシリカマトリックスを直接縮合することにより形成可能であり、生物活性を保存しながらナノ粒子を形成する。開示された製造技術を用いて、例えば、典型的なシリカマトリックスを、生体適合性の反応条件下で生物学的実体の表面に直接形成することができる。これにより、結果として生物学的実体の活性が損失することなく、高いカプセル化効率が可能になる。また、これにより粒径に対する精密な制御が可能になり、明確に定義されたサイズ特性を有するナノ粒子を与える。例えば、シリカは、その生体適合性および生物分解性のために、例えば特に生物学的応用において、ナノ構造コーティングを形成するために使用することができる。さらに、例えば、開示された技術は、合成された構造内に増感剤を含有せしめて、カプセル化された生物学的実体の外部誘発放出を可能にすることができ、ならびに、循環時間および標的化の改善のような、シリカ表面の容易な官能基化の恩恵を受ける典型的な特性を与えるためのナノ粒子の官能基化の典型的な方法を含み得る。
いくつかの態様において、開示される技術は、生物学的実体または物質の活性を全くまたは最小限にしか失わずに、例えばナノ粒子の形態のシリカなどの合成マトリックス内に生物学的実体および生体物質をカプセル化する方法を含む。例えば、生物学的実体または物質をカプセル化した製造された合成マトリックス封入体(例えば、ナノ粒子)は、外部誘発メカニズムにより、および/または合成マトリックス封入体に標的化部分を組み込むことにより、生物学的実体または物質を選択的に放出する能力を有するように設計することができる。例えば、典型的な方法は、シリカを生物学的実体、例えばウイルス上に、生物活性/生命との適合性を保存しながら型取る工程を含む。いくつかの実施において、方法は、生物学的実体の表面電荷を、例えば、ポリカチオン性物質(例えば、ポリ-L-リシン)との交差反応により、シリカ重縮合工程に適合する正に荷電した表面に変化させる工程を含み得る。いくつかの実施において、方法は、電荷媒介シリカゾルゲル縮合反応を生物学的実体または物質の表面上に直接実施して、生物学的実体または物質の周囲を包むシリカマトリックスコーティングを形成してナノ粒子を生成する工程を含み得る。例えば、シリカゾルゲル縮合反応の前に超音波が誘発するキャビテーションの中心としてフルオロカーボンエマルションなどの増感剤を含有せしめて、外部誘発放出メカニズムを粒子の中に構築することができる。いくつかの実施において、方法は、生物学的実体と共に薬物または治療薬をカプセル化する工程を含み得る。いくつかの実施において、方法は、例えば画像化のために、製造されるシリカコーティングの中に酸化鉄または他の材料(ナノ粒子の性質を有する)を含有せしめる工程を含み得る。ナノ粒子を形成した後、例えば、方法は、例えば、シラン化学を含むさまざまな化学を用いてナノ粒子にさらなる表面修飾を実施して、例えば、免疫回避のためのPEG、特異的送達または放出のための標的化部分、標的化放出のための環境感知部分(例えば、酸化還元、低酸素、酸性等)等などの、ナノ粒子に種々の機能的特性を与えることを含み得る。例えば、生体物質は放出される前に血清および組織の条件に直接曝されないので、カプセル化された生体物質は血清中に存在する分解条件から保護されて、in vivoにおける活性の半減期が増大する。例えば、生体物質の放出を選択的に誘発する能力は、全身毒性を低下させ、より耐性の高い治療レジメンを生み出す。いくつかの実施において、方法は、カプセル化された生物学的実体を安定化させて、-80℃〜37℃での改善された熱安定性をもたらすことを含み得る。例えば、カプセル化された物質の生物活性を保存しながら、ナノ粒子の凍結乾燥または臨界点乾燥をおこなうことができる。
図1Aは、カプセル化された生物学的実体の生物活性を保存する、ナノスケール鋳型に駆動される生物学的実体のカプセル化工程のための典型的な方法の説明図を示す。方法は、表面に荷電した材料101を生物学的実体または物質102と結合させることにより中間生物材料構造105を形成する工程を含み、その際に、形成された中間生物材料構造105は、例えば生物学的実体物質102の領域が修飾された、正味表面電荷を有する領域を与える。例えば、図1Aのダイアグラムに示される通り、負に荷電したウイルス(例えば、アデノウイルス)をカチオン性ポリマーであるポリ-L-リシン(PLL)と反応させて、アデノウイルスの表面電荷を変更するが、PLLは例えば静電力によりアデノウイルスの表面に結合している。方法は、中間生物材料構造105を封入するナノ構造コーティング109を形成することにより生物学的実体をカプセル化するナノ構造110を形成する工程を含み、その中でカプセル化された生物学的実体または物質102はその生物活性機能性を維持している。例えば、図1Aに示される通り、典型的な正に荷電したウイルス-材料構造は負に荷電したシリカ前駆体およびシリカ重縮合反応に適した塩基性の環境を作り出すヒドロキシルイオンを引きつけて、ウイルスペイロードをカプセル化するナノ構造コーティング(例えば、シリカ系ナノ粒子)を形成する。図1Bは前記ウイルスの典型的なシリカナノコーティングのSEM画像を示す(例えば、siウイルスプラットフォームと呼ぶ)。
例えば、シラン化学は典型的には生理的条件に適合する。開示された方法は、シラン化学を利用して、後に図2A〜2Cに示す通りに、結果としてウイルスの生物活性の損失を生じることなく、ウイルスのコーティングを達成してシリカナノ粒子を形成することができる。伝統的なゾルゲル合成法はアルカリ性のpH、酸触媒または塩の添加を用いる。その後に下流の処理により液相中でゲル化がバルクで起こり、ゲルをエイジングしてシリカ組成物を形成する。記載された製造法を使用すると、ゾルゲル反応が、中性のpHで起こり、生体適合性の反応条件下でカプセル化される生物学的実体の表面上に直接形成されるナノ材料マトリックス(例えば、典型的なシリカマトリックス)により駆動される鋳型になる。
いくつかの実施において、例えば、荷電した鋳型を反応の初期開始点として使用する。鋳型の初期表面電荷に依存して、鋳型は、ポリ-L-リシンのようなポリカチオン性ポリマーとの静電的相互作用により正味または部分的正電荷を有するように再官能基化され、それにより生物鋳型-材料構造を形成する。次に、ゾルからのシリカのバルクゲル化の核生成がゆっくりと起こる濃度で反応混合物にケイ酸を加える。鋳型表面へのケイ酸の吸収が起こる。鋳型表面におけるケイ酸イオンの局所濃度がシリカゲルの核生成の閾値を越えた時に、鋳型の表面上で自己制限的重縮合が起こり、鋳型をシリカゲルのマトリックス中に包む。例えば、最初の鋳型は共カプセル化のためのさらなる機能部分を伴ってもよい。反応は生理的条件で起こり、結果的に生体物質の活性の損失を生じることなく、高いカプセル化効率を可能にする。これはまた、粒径の精密な制御を可能にして、明確に定義されたサイズ特性を有するナノ粒子を与える。さらに、例えば、シリカコーティングは、広範な材料特性を達成するための第2の官能基化を容易に受容可能である。
典型的な方法は、分離した粒子の統合されたネットワーク(ゲル)またはアモルファスシリカのネットワークの前駆体としてコロイド溶液(ゾル)を使用するシリカゾル-ゲル化学を用いる湿式化学製造工程、例えば、
Si(OCH3)4 + 2 H2O → SiO2 + 4 CH3OH
を含み得る。
機能を加えるために考えられる官能基部分の例としては、超音波活性化のためのナノエマルション、ドキソルビシン(doxorubicin)のような化学療法薬、スタチン(statins)のような標準治療薬、小分子阻害剤のような治療化合物、DNAベクター、shRNAおよびRNAiのRNAベクター、マイクロRNA、ならびにガドリニウムおよびX線造影色素のようなMRI造影剤が挙げられるが、これらに限定されない。
第2の官能基化の例としては、PEG、pH感受性PEG、アフィボディ(affibodies)、抗体、IgG、IgM、VEGF-C、cRGDおよび葉酸塩のような標的化リガンド、DNAおよびアプタマー、タンパク質、リポタンパク質、アポリポタンパク質、糖タンパク質、グリカン、炭水化物、糖類およびオリゴ糖類、ポリマーおよびオリゴマー、および脂質が挙げられるがこれらに限定されない。
開示された鋳型駆動ナノカプセル化技術は、他の方法ではin vivoでの生物活性を維持することができないタンパク質、酵素、DNAベクター、ウイルス、細菌および他の感受性生物学的薬剤の生物活性を保存して、カプセル化された薬剤の一定の保護を提供する。いくつかの実施において、本技術は、ナノスケール領域の制御可能なサイズ特性を有する明確に定義された粒子を製造するための鋳型駆動シリカ重縮合工程を含む。例えば、鋳型駆動シリカ重縮合工程は、カプセル化される物質の上にシリカを直接型取ることを含み、それが非常に高い効率でサイズの制約のない広範な物質のカプセル化を可能にする。開示されたナノ材料構造は、(1)免疫系の回避および分解からの保護を可能にする生体適合性コーティングとして;および(2)さらなる官能基部分、例えば、ウイルスの再標的化、接着および取り込みを阻害するための生化学的親和性の低減(例えば、PEG化、電荷、双性イオン)、標的化リガンド(例えば、mAb)との生化学的親和性の増加、または超音波誘発を可能にすること(例えば、パーフルオロカーボンナノ粒子、キャビテーション核生成部位)のためのさらなる官能基部分を組み入れるための足場として、製造および利用することができる。
開示された技術のいくつかの典型的な実施において、ウイルスはシリカナノコーティング構造の中にカプセル化された。
ウイルスは、医薬品への応用に使用することが可能な遺伝子導入および溶解メカニズムを有する高度に進化した系である。しかしながら、そのような応用において対処すべきいくつかの技術的問題点が存在し得る。例えば、免疫系は、これらのウイルスを認識し、中和し、および/またはそれらの排出および分解を促進する能力により、これらのアプローチの障壁となり得る。また、例えば、ウイルスの特異的宿主細胞向性は、それらの特定の細胞集団への適用を制限する。宿主向性または細胞向性に影響を与えるウイルスおよび他の病原体に関するこの文脈において、向性は、異なるウイルス/病原体が特定の宿主の種または種の中の細胞型を優先的に標的とするように進化した方法を指す。
例として腫瘍溶解性ウイルスを用いると、腫瘍溶解性ウイルスは腫瘍細胞中で選択的に複製して腫瘍細胞を殺すことができ、最近20年間で癌治療のプラットフォームとしてウイルスに基づく療法の前臨床および臨床開発において著しい進歩が見られた。例えば、Onyx-015の使用はこのアプローチの安全性を証明し、病巣内注入および局所血管送達により治療された患者の中で有意な応答が記録された。しかしながら、Onyx-015により治療された癌患者の中に、全身送達によるこのアプローチの有効性を制限するものである、高い力価の中和抗体ならびに高レベルの抗ウイルスサイトカインの誘導が実証された。これらの制限にも関わらず、腫瘍内および局所アプローチは大規模な多国間研究において続けられて、黒色腫および原発性肝細胞腫において成功の証拠が増えてきている。ウイルスのライフサイクルおよび生物学の理解は大きく進歩したものの、それらの送達および排出特性は依然として有効な治療の大きい障害となっている。ヒトの体は大部分の病原体を循環から排出する効果が非常に高い。体は治療のためのウイルスの最初の投与量を許容し得るが、追加の投与量は治療上の利益がほとんどないままで迅速に排出される。さらに、宿主細胞向性の問題がウイルスの有用性をそれらが親和性を有する細胞のみに限定する。免疫活性化および宿主細胞向性の問題への対処はウイルス療法の進歩の鍵であろう。開示された技術の実施は、治療用ウイルスを効果的に全身送達し、腫瘍溶解性ウイルスプラットフォームの有効性を、播種性疾患を有する患者にまで広げる能力を提供する。
ウイルス療法の後の免疫活性化の問題を克服するための努力がなされてきた。例えば、動物モデルにおいて、あるウイルスへの事前曝露はマウスにおける治療結果を限定することが示されている。ヒトにおけるウイルス療法の臨床試験は、高い力価の中和抗体および高いサイトカインレベルの誘導を記録したが、これはそれらのin vivoでの使用の可能性を制限するものである。例えば、現在臨床試験がおこなわれているウイルスは、ヒトが常に曝されている一般的なヒト病原体の派生体である。これらのウイルスへの事前曝露は臨床結果の解釈を複雑にして、残った病気を取り除くための反復治療の可能性を打ち消す。免疫活性化から生じる第2の懸念は、治療用ウイルスの血中持続時間およびバイオアベイラビリティの不足である。ウイルスが免疫系から排出されるスピードが治療用ウイルスの一般的全身送達を不可能にする。最も常套的なアプローチ(例えば、臨床試験において)は、局所治療のためのウイルスの腫瘍内、病変内または動脈内送達に集中する。全身送達が達成不可能であることは、播種性および全身性疾患を適切に治療する能力を妨げる。免疫活性化による反復投与の制限および真の全身治療の選択肢の欠除は、ウイルス療法の臨床的取り込みを増大させるために乗り越えなければならない第1のかつ最高のハードルである。
宿主細胞向性の問題は、それが治療の3つの分野、例えば、治療することができる治療上の標的、患者間で変化し得る受容体の発現、および非特異的毒性に関係するので、特に問題である。普通は肺組織に感染するインフルエンザウイルスが前立線または膵臓における牽引力を獲得することが困難であるように、ある集団内の個体は異なるウイルス系に対して異なる感受性を有する。ウイルスが細胞の中に侵入するために使用する受容体は癌細胞において非常に変わりやすい発現レベルを有し、それが、これらの受容体の高い発現レベルを有する組織における非特異的毒性をもたらし得る(脾臓および肝臓毒性がしばしば関係する)。
開示された技術は、免疫活性化の問題に取り組むものであり、病的状態で過剰発現される細胞マーカーにウイルスを再標的化して、ウイルスプラットフォームの有効性を拡大することが可能である。さらに、開示された技術は、ウイルスの使用をさらなる治療応用に広げて、臨床反応率を改善する。さらに、開示されたsiウイルスプラットフォームは、癌の代謝および他の遺伝子に基づく疾患を標的とするアプローチに基づくさらなる遺伝子療法を可能にする。
ウイルスが体に引き起こす相互作用表面の変化は、免疫系応答および細胞の取り込みのような、それが下流の過程から引き出す応答のタイプに影響を与える。開示されたナノコーティング技術のいくつかの実施形態において、シリカの好ましい生体適合性、分解特性、およびシリカコーティングの簡単な修飾を可能にする柔軟性のあるシラン化学のために、シリカがウイルスのコーティング材料に非常に適しているので、シリカを使用する。典型的なシリカナノコーティング構造を用いる典型的な実施は、アデノウイルスをシリカによりコーティングすると、エンドソーム条件下でシリカ層が急速に分解されて、アデノウイルスの形質導入能力が改善されることを示している。シリカ被覆されたウイルスはまた、中和抗体およびプロテイナーゼKから保護される。
開示された技術は、ウイルスが体に引き起こす相互作用表面を変化させて、免疫系応答および細胞の取り込みのような、それが下流の過程から引き出す応答のタイプに影響を与えるために使用することができる。本明細書において実施および記載された典型的な実施において、それぞれ細胞の取り込みを切断し、受容体に媒介される取り込みを達成するPEGおよびペプチド成分を組み込む能力が証明される。例えば、典型的なシリカコーティングは強固であり、被覆されたウイルスは活性を損失することなく-80℃で貯蔵することができる。
図2Aは、典型的なシリカナノ構造により被覆された後の典型的なアデノウイルス-RFP生物剤ペイロードの形質導入効率を表すデータプロットを示す。MOI 500レベルに正規化された設定で、形質導入の2日後にRFPの蛍光強度を測定した。典型的なシリカ被覆アデノウイルスは形質導入活性を維持し、プロテイナーゼKによる消化から保護された。典型的なシリカ粒子上のPEGの二次コーティングは形質導入を切断するのに十分であった。
図2Bは、遊離アデノウイルス-RFPまたはシリカ被覆アデノウイルス-RFPを形質導入された細胞のFACS分析(例えば、フローサイトメトリーを用いる蛍光活性化セルソーティング)を表すデータプロットを示す。細胞をAd-RFPに感染させた後、形質導入の2日後に採取してFACSにより分析した。遊離およびシリカ被覆Ad-RFPの両方が、増大したウイルス力価を有する母集団全体の用量反応を示した。
図2Cは、典型的なシリカ被覆アデノウイルスのin vivo活性を示すデータ画像を示す。左右両側のHT1080腫瘍を有する典型的なC57/Bl6 nu/nuマウスに、右の腫瘍に5×107 pfuの遊離の蛍ルシフェラーゼをコードするアデノウイルス(Ad-Luc)を2回腫瘍内(IT)注射し、左の腫瘍に5×107 pfuのシリカ被覆Ad-Lucを2回IT投与した。注射の4日後に、50μL 0.2 mg/mL d-ルシフェリンIVを与えることによりルシフェラーゼの発現を分析した。
開示された技術は、本発明のウイルスに追加の機能性を付与する種々の部分を共カプセル化することが可能である。例えば、パーフルオロカーボンナノエマルションを含有せしめて、ウイルスの超音波誘発放出を可能にすることができる。典型的な部分を共カプセル化する方法のある典型的な実施において、フルオロカーボンエマルションは負に荷電した界面活性剤により安定化される。エマルションが例えばポリ-L-リシン(PLL)などのカチオン性ポリマーと反応した後、負に荷電したウイルスに吸着される。最後に、表面上でシリカ重縮合反応をおこなって、エマルションをウイルスと共にシリカの中にカプセル化する。
図3は、1つ以上の生物学的実体と標的化部分とをナノ構造封入体の中に共カプセル化するための典型的な方法であって、前記ナノ構造封入体が、標的化放出メカニズムを提供すると同時に、カプセル化された生物学的実体の生物活性を保存する前記方法の工程図を示す。方法は、表面に荷電した材料301を標的化物質または部分302と結合して、表面電荷を有する材料複合体303を形成する工程を含む。例えば、負に荷電したナノエマルション(NE)をカチオン性ポリマー、例えばポリ-L-リシン(PLL)と反応させて、PLLをベースとしてPLLおよびNEを含有する物質上に正に荷電した領域を有する材料物質を形成する。方法は、表面に荷電した材料複合体303を生物学的実体または物質305と反応させることにより生物学的実体-標的化材料構造体307を形成する工程を含む(例えば、生物学的実体または物質を表面電荷上で材料複合体303に結合する)。例えば、図3のダイアグラムに示される通り、負に荷電したウイルス(例えば、アデノウイルス)を、構造体307(例えば、その中でアデノウイルスが静電力によりPLL-NE構造の表面に結合している)の領域であるカチオン性ポリマーPLLと反応させることができる。正に荷電したPLL-NEは負に荷電したアデノウイルスをその表面に引きつける。シリカ重縮合反応を表面上でおこなって、エマルションをウイルスと共にシリカの中にカプセル化する。方法は、構造体307を封入するナノ構造コーティング309を形成することにより、生物学的実体/標的化物質共カプセル化ナノ構造体310を製造する工程を含む。例えば、典型的な正に荷電したウイルス/PLL-NE構造体は負に荷電したシリカ前駆体およびヒドロキシルイオンを引きつけてシリカ重縮合反応に適した塩基性の環境を作り、ウイルスペイロードを標的化物質、例えばナノエマルションと共にカプセル化するシリカナノコーティングを形成する。
開示された技術のいくつかの典型的な実施において、ウイルスおよび標的化部分はシリカナノコーティング構造の中にカプセル化された。
下記の典型的な実施において使用されるすべてのアデノウイルスは、E1/E3領域に欠失を有する場合には非複製的であった。典型的なシリカナノコーティングがアデノウイルスの形質導入効果に有害作用を有するかどうかを決定するために、遊離およびシリカ被覆のRFPをコードするアデノウイルス(Ad-RFP)を細胞培養において比較した。典型的な結果は、シリカ被覆アデノウイルスはコーティング後に活性を維持したことを示したのみでなく、遊離のアデノウイルスと比較して3倍増加した形質導入効果を示し、例えば、これは再標的化メカニズムの初期の兆候であり得る。それに続くFACS分析を用いた実施は、例えば、これが母集団全体の現象であり、重感染した細胞の小さい二次集団の結果ではないことを示した。さらに、典型的な実施は、シリカ層にPEGを添加することを含み、それがシリカ被覆アデノウイルスによる形質導入を切断することを示した。典型的なシリカナノコーティングにカプセル化された典型的なアデノウイルスは、生物活性を失うことなく-80℃で貯蔵することができる。典型的なマウスにおけるin vivoでの実施は、in vivoで適用された場合にも被覆ウイルスから得られる3倍高い活性が維持されることを示した。
シリカ被覆アデノウイルスが中和抗体から保護されることを証明するために典型的な実施をおこなった。ヤギAd5-抗ヘキソンポリクローナル(例えば、Thermo Scientific PA128357より入手したもの)に37℃で1時間曝露した後に、遊離および被覆アデノウイルスの形質導入効果を比較した。遊離アデノウイルスは、5×10-3抗体希釈の阻害濃度50% (IC50)により鋭い中和を示した。典型的なシリカ被覆アデノウイルスは同じ抗体濃度で活性の損失を示さなかった。
図4は、典型的な生物学的実体をカプセル化したナノ構造体が生物活性を保存していることを明らかにするために、抗体の存在下での中和アッセイの典型的な結果を描くデータプロットを示す。例えば、遊離およびシリカ被覆Ad-RFPを種々の希釈の中和抗体と共にインキュベートした。MOI 500レベルに正規化した設定で、形質導入の2日後にRFP蛍光強度を測定した。遊離アデノウイルスによる形質導入は、試験された2種の典型的な抗体力価の中和抗体の存在下で有意に抑制された。典型的なシリカナノ被覆アデノウイルスは、中和抗体とのインキュベーションによりわずかに差異のある影響を示し、高い抗体力価で中程度の抑制を示したのみであった。
典型的なシリカナノ構造コーティングの表面にコンジュゲートした標的化リガンドを用いてアデノウイルスを再標的化する能力を証明するために典型的な実施をおこなった。例えば、典型的なシリカナノ被覆Ad-RFPを使用して、形質導入を切断するためにPEGの二次コーティングをおこなった。例えば、Ad-RFPをシリカおよびPEGにより被覆し、cRGDまたはβ-メルカプタノールのいずれかにより官能基化した。MOI 500レベルに正規化した設定で、形質導入の2日後にRFP蛍光強度を測定した。図5は、シリカナノ被覆Ad-RFPのcRGD再標的化を示すデータプロットを示す。実施の典型的な結果は、cRGDによる官能基化は、PEG/シリカ被覆Ad-RFPのPEG切断を防ぐのに十分であったことを示した。β-メルカプタノールにより官能基化されたPEG/シリカAd-RFPは形質導入効率の回復を示さなかった。
超音波への曝露を用いてウイルス放出を誘発する能力を証明するために典型的な実施をおこなった。例えば、アデノウイルスをカプセル化したシリカナノコーティング構造(siAd-RFP)を、アデノウイルスとナノエマルションとを共カプセル化したシリカナノコーティング構造(siAd-RFP-NE)と比較した。図6は、アデノウイルスの超音波誘発放出を描くデータプロットを示す。典型的なsiAd-RFPおよびsiAd-RFP-NEを超音波に曝露するか、またはそのまま放置するかのいずれかをおこなった。典型的なsiAd-RFP-NEは、超音波に曝露された後にRFP形質導入の20倍の増加を示した。典型的なsiAd-RFPは超音波に曝露された後にRFP形質導入における有意な差異を示さなかった。
以下に本技術の方法およびデバイスのいくつかの典型的な実施形態を記載する。
一実施例において、生物活性ペイロード送達デバイスの製造方法は、ポリマー材料と生体物質とを静電力に基づいて結合することにより中間構造を形成し、形成された中間構造が正味表面電荷を有する複数の領域を含むようにすること;および形成された中間構造上に生体適合性材料の被覆構造を直接形成して生体物質を封入し、その際に前記被覆構造がその中に封入される生体物質の生物活性を保存して、それにより生物活性ペイロード送達デバイスを製造することを含む。
典型的な方法の実施は、下記の典型的な特徴の1つ以上を含み得る。例えば、方法のいくつかの実施において、被覆構造は、ナノメートル領域、例えば、1 nm〜999 nmのサイズを有するナノ粒子を含み得る。例えば、生体物質は、ウイルス、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ(例えば、何らかの物理的または化学的手段により、より反応性の高い形態に変換し得る薬物前駆体分子)、および/または核酸ベクター、例えば、DNAベクターまたはRNAベクターを含み得る。例えば、被覆構造を形成するために使用される生体適合性材料はシリカを含み得る。方法のいくつかの実施において、例えば、中間構造の形成は、生体物質とポリカチオン性ポリマー材料とを交差反応させて、中間構造の複数の領域に正に荷電した表面を形成することを含み得る。例えば、ポリカチオン性ポリマー材料はポリ-L-リシンを含み得る。方法のいくつかの実施において、例えば、被覆構造の形成は、電荷媒介シリカゾル-ゲル縮合反応を中間構造の表面上に直接おこなうことを含み、形成された被覆構造は生体物質をカプセル化する外被シリカマトリックスを含む。いくつかの実施において、例えば、方法はさらに、被覆構造からの生体物質の制御放出を可能にするために、被覆構造を形成する前に中間構造に標的化部分を結合することを含む。例えば、いくつかの実施において、方法はさらに、製造された生物活性ペイロード送達デバイスを流動性媒体中で標的物質に対して配置すること;および標的物質を含むまたは標的物質に近接する領域に外部誘発信号を適用して、標的化部分による生体物質の被覆構造から標的物質への放出を引き起こすことを含み得る。
典型的な方法の実施は、下記の典型的な特徴の1つ以上を含み得る。いくつかの実施において、例えば、方法は、被覆構造の内部に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作るための増感剤を加えることを含んでよく、その場合に、増感剤の添加は被覆構造を形成する前に実施される。例えば、増感剤はフルオロカーボンナノエマルションを含み得る。例えば、方法はさらに、生体物質を生体中の標的細胞または組織に送達することを含んでよく、その場合に、送達は、製造された生物活性ペイロード送達デバイスを体の血管系を通して注入すること(例えば、そこで、生物活性ペイロード送達デバイスが血管系から標的細胞または組織に血管外遊出する);および標的細胞または組織を含むまたはそれらに近接する生体の領域に音波エネルギー(例えば、超音波パルス)を適用して、増感剤による被覆構造の破裂および生体物質の標的細胞または組織への放出を引き起こすことを含み得る。
典型的な方法の実施は、下記の典型的な特徴の1つ以上を含み得る。いくつかの実施において、例えば、方法は、被覆構造の中に封入される中間構造と共に医薬品または治療薬を加えることを含んでよく、その場合に医薬品または治療薬の添加は被覆構造の形成の前に実施される。いくつかの実施において、例えば、方法は、被覆構造を形成する生体適合性材料と共に酸化鉄成分または他のナノスケールの材料を加えることを含んでよく、加えられた酸化鉄成分または他のナノスケール材料は被覆構造の画像化を増強するための薬剤を提供する。例えば、被覆構造はその中に封入された生体物質を安定化し、それにより-80℃〜37℃を含む温度での熱安定性を与えることができる。いくつかの実施において、例えば、方法は、製造された生物活性ペイロード送達デバイスを凍結乾燥または臨界点乾燥することを含んでよく、そこでは、被覆構造が凍結乾燥または臨界点乾燥された生物活性ペイロード送達デバイス内に封入された生体物質の生物活性を保存する。
典型的な方法の実施は、下記の典型的な特徴の1つ以上を含み得る。いくつかの実施において、例えば、方法は、被覆構造の外部表面を官能基化することを含み得る。例えば、いくつかの実施において、官能基化は、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される生体内の免疫系応答の阻止を可能にする二次コーティングを提供するためにポリエチレングリコール(PEG)を加えることを含み得る。例えば、いくつかの実施において、官能基化は、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される生体の細胞または組織の特定の領域に選択的に結合可能な標的化リガンドを結合することを含み得る。例えば、いくつかの実施において、官能基化は、外部表面に環境感知部分を結合することを含んでよく、前記環境感知部分は、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される局所環境における酸化還元反応、低酸素反応、または酸性のpHのうちの少なくとも1つに基づいて形態を化学的に変化させることが可能である。
一実施例において、生物活性ペイロード送達デバイスは、静電的相互作用により互いに結合するポリマー材料および生体物質を含む内部材料構造であって、正味表面電荷を有する複数の領域を含む前記内部材料構造、および生体適合性材料により形成されて内部材構造をカプセル化することにより、カプセル化された生体物質の生物活性を保存する外部ナノ構造を含む。
典型的なデバイスの実施は、下記の典型的な特徴の1つ以上を含み得る。例えば、デバイスの外部ナノ構造は、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される環境において、例えばpH、温度、圧力、および化学物質を含む外部環境因子による分解から生体物質を保護することができる。例えば、デバイスの外部ナノ構造の外面を、生物活性ペイロード送達デバイスが他の組織と比較して特定の腫瘍領域に選択的に蓄積されるようにする腫瘍標的化リガンドにより官能基化することができる。例えば、デバイスの外部ナノ構造の外面を望まれない体内組織、器官および系からの取り込みを減少させることにより循環時間を増加させる薬剤により官能基化することができ、例えば、前記薬剤としては、ポリエチレングリコール、双性イオン性化合物、および/または細胞膜などの患者特異的コーティングが挙げられる。例えば、生体物質は、ウイルス、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、または核酸ベクター(例えば、DNAベクターまたはRNAベクター)を含み得る。例えば、生体適合性材料は、シリカを含み得る。
典型的なデバイスの実施は、下記の典型的な特徴のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施において、例えば、デバイスはさらに、外部ナノ構造の内側に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作るために内部材料構造と結合する音波増感剤を含み得る。例えば、音波増感剤はフルオロカーボンナノエマルションを含み得る。例えば、デバイスが生体に配置された場合、デバイスの外部ナノ構造は適用された音波パルス(例えば、超音波パルス)に基づいて破裂を引き起こし、生体内に生体物質を放出し得る。
典型的なデバイスの実施は、下記の典型的な特徴のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施において、例えば、デバイスはさらに、外部ナノ構造の外面上にポリエチレングリコール(PEG)により形成された外部コーティングを含んでよく、前記外部コーティングはデバイスが配置された時に生体内で免疫系応答を阻止することが可能である。いくつかの実施において、例えば、デバイスはさらに、外部ナノ構造の外面上に形成された標的化リガンドを含んでよく、前記標的化リガンドは、デバイスが配置された時に生体の細胞または組織の特定の領域に選択的に結合することができる。いくつかの実施において、例えば、デバイスはさらに、外部ナノ構造の外面上に形成された環境感知部分を含んでよく、前記環境感知部分は、デバイスが配置された局所環境における酸化還元反応、低酸素反応、または酸性のpHのうちの少なくとも1つに基づいて化学的に形態を変化させて生体物質を放出することが可能である。
一実施例において、生体物質をカプセル化する方法は、生物学的構造の上に生体適合性材料を形成して生物学的構造を封入する被覆構造を形成することを含み、前記被覆構造はナノメートル領域のサイズを有し、前記生物学的構造は被覆構造内で生物活性を保存する。
典型的な方法の実施は、下記の典型的な特徴のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施において、例えば、方法はさらに、生体物質とポリカチオン性ポリマー材料とを交差反応させて生物学的構造の複数の領域に正に荷電した表面を形成することを含む生物学的構造の形成を含み得る。例えば、生体物質は、ウイルス、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、および/またはDNAもしくはRNAを含む核酸ベクターを含み得る。例えば、生体適合性材料はシリカを含み得る。例えば、ポリカチオン性ポリマー材料はポリ-L-リシンを含み得る。いくつかの実施において、例えば、被覆構造の形成は、生物学的構造の表面上への直接の電荷媒介シリカゾルゲル縮合反応を含んでよく、形成された被覆構造は生物学的構造をカプセル化する外被シリカマトリックスを含む。いくつかの実施において、例えば、方法はさらに、生物学的構造上に生物学的材料を形成する前に生物学的構造に増感剤を結合して、被覆構造内部に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作ることを含み得る。
さらなる実施例
下記の実施例は本技術のいくつかの実施形態の実例である。本技術の他の典型的な実施形態は、以下に挙げる実施例の前に、または以下に挙げる実施例の後に提供され得る。
本技術の一実施例(実施例1)において、生物学的実体をカプセル化する方法は、生物学的構造の上に生体適合性材料を型取って、生物学的構造を封入する被覆構造を形成することを含み、前記被覆構造はナノメートル領域のサイズを有し、被覆された生物学的構造は被覆構造内でその生物活性を保存する。
本技術の別の実施例(実施例2)において、生物学的実体をカプセル化する方法は、生体適合性材料を用いて、被覆構造としてナノメートル領域の大きさの生物学的構造の外側を形成して、生物学的構造を封入し、かつ生物学的構造の生物活性を保存することを含む。
実施例3は、生物学的構造がウイルスを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例4は、生体適合性材料がシリカを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例5は、さらに、被覆構造から生物学的構造を放出するために外部誘発メカニズムを使用することを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例6は、さらに、被覆構造から生物学的構造を放出するために被覆構造に組み込まれた標的化部分を使用することを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例7は、さらに、生物学的構造上の表面電荷を変更することを含み、前記変更が、生物学的構造とポリカチオン性基質とを交差反応させて、型取り工程に適合した正に荷電した表面を形成することを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例8は、ポリカチオン性基質がポリ-L-リシンを含む、実施例7の方法を含む。
実施例9は、さらに、電荷媒介シリカゾルゲル縮合反応を生物学的構造の表面上に直接実施して、生物学的構造の周囲に被覆構造を形成する外被シリカマトリックスを形成することを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例10は、さらに、ナノエマルションを含む増感剤を加えて被覆構造の中に超音波が誘発するキャビテーションの中心を形成することを含み、前記増感剤の添加が型取りの前に実施される、実施例1または2の方法を含む。
実施例11は、増感剤がフルオロカーボンエマルションを含む、実施例10の方法を含む。
実施例12は、型取りが、被覆構造の中に封入される生物学的構造と共に1種以上の薬物または治療薬を含有せしめることを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例13は、型取りが、被覆構造を形成するための生体適合性材料と共に酸化鉄成分または他のナノスケール材料を加えることを含み、酸化鉄成分または他のナノスケール材料が被覆構造の画像化を増強する薬剤を提供する、実施例1または2の方法を含む。
実施例14は、さらに、被覆構造の表面を官能基化することを含む、実施例1または2の方法を含む。
実施例15は、官能基化がシラン化学を用いてポリエチレングリコール(PEG)を加えることを含む、実施例14の方法を含む。
この特許文献は多くの詳述を含むが、これらはいずれかの発明または特許請求され得るものの範囲を限定するものであると解釈されるべきではなく、特定の発明の特定の実施形態に特異的であり得る特徴を説明するものであると解釈されるべきである。この特許文献において別々の実施形態の文脈で記載されたある複数の特徴を単一の実施形態において組み合わせて実施することも可能である。反対に、単一の実施形態の文脈で記載されるさまざまな特徴を複数の実施形態において別々に、または任意の好適な部分的組合せで実施することも可能である。さらに、上記で特徴がある組合せで作用するものとして記載し、最初にそのように特許請求さえするが、特許請求された組合せに含まれる1つ以上の特徴は、ある場合には組合せから削除することができ、特許請求された組合せは部分的組合せまたは部分的組合せの変化形に向けられ得る。
同様に、図面において操作を特定の順序で記載するが、これは、望まれる結果を達成するために、その操作を示された特定の順序もしくは連続的順序でおこなうこと、または図示されたすべての操作をおこなうことを要求していると理解すべきではない。さらに、この特許文献に記載される実施形態における種々のシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてその分離が要求されているものと理解するべきではない。
わずか数例の実施および実施例を記載したが、他の実施、改良および改変を、この特許文献に記載および図示されたものに基づいておこなうことが可能である。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(実施形態1)
生物活性ペイロード送達デバイスを製造する方法であって、
ポリマー材料と生体物質とを静電力に基づいて結合することにより中間構造を形成すること(ここで、形成された中間構造は正味表面電荷を有する複数の領域を含む);および
形成された中間構造上に生体適合性材料の被覆構造を直接形成して、生体物質を封入することを含み、
前記被覆構造がその中に封入された生体物質の生物活性を保存し、それにより生物活性ペイロード送達デバイスを製造する、前記方法。
(実施形態2)
被覆構造がナノメートル領域のサイズを有するナノ粒子を含む、実施形態1に記載の方法。
(実施形態3)
生体物質が、ウイルス、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、またはDNAもしくはRNAを含む核酸ベクターの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の方法。
(実施形態4)
生体適合性材料がシリカを含む、実施形態1に記載の方法。
(実施形態5)
中間構造の形成が、生体物質とポリカチオン性ポリマー材料とを交差反応させて、中間構造の複数の領域に正に荷電した表面を形成することを含む、実施形態1に記載の方法。
(実施形態6)
ポリカチオン性ポリマー材料がポリ-L-リシンを含む、実施形態5に記載の方法。
(実施形態7)
被覆構造の形成が、中間構造の表面上への直接の電荷媒介シリカゾル-ゲル縮合反応を含み、形成された被覆構造が生体物質をカプセル化する外被シリカマトリックスを含む、実施形態6に記載の方法。
(実施形態8)
さらに、被覆構造の内側に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作るための増感剤を加えることを含み、
前記増感剤の添加が被覆構造を形成する前に実施される、実施形態1に記載の方法。
(実施形態9)
増感剤がフルオロカーボンナノエマルションを含む、実施形態8に記載の方法。
(実施形態10)
さらに、生体物質を生体中の標的細胞または組織に送達することを含み、前記送達が、
製造された生物活性ペイロード送達デバイスを体の血管系を通して注入し、その際に、生物活性ペイロード送達デバイスが血管系から標的細胞または組織に血管外遊出すること、
標的細胞または組織を含むまたはそれらに近接する生体の領域に音波エネルギーを適用して、増感剤による被覆構造の破裂および生体物質の標的細胞または組織への放出を引き起こすことを含む、実施形態8に記載の方法。
(実施形態11)
さらに、被覆構造に封入される中間構造と共に医薬品または治療薬を加えることを含み、
前記医薬品または治療薬の添加が被覆構造を形成する前に実施される、実施形態1に記載の方法。
(実施形態12)
さらに、生体適合性材料と共に酸化鉄成分または他のナノスケール材料を加えて被覆構造を形成することを含み、
加えられた酸化鉄成分または他のナノスケール材料が被覆構造の画像化を増強する薬剤を提供する、実施形態1に記載の方法。
(実施形態13)
被覆構造がその中に封入された生体物質を安定化し、それにより80℃〜-37℃を含む温度における熱安定性を提供する、実施形態1に記載の方法。
(実施形態14)
さらに、製造された生物活性ペイロード送達デバイスを凍結乾燥または臨界点乾燥することを含み、
その際に、被覆構造が、凍結乾燥または臨界点乾燥された生物活性ペイロード送達デバイス内に封入された生体物質の生物活性を保存する、実施形態1に記載の方法。
(実施形態15)
さらに、被覆構造の外面を官能基化することを含む、実施形態1に記載の方法。
(実施形態16)
官能基化が、ポリエチレングリコール(PEG)を加えて、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される生体内での免疫系応答の阻止が可能な二次コーティングを提供することを含む、実施形態15に記載の方法。
(実施形態17)
官能基化が、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される生体の細胞または組織の特定の領域に選択的に結合可能な標的化リガンドを結合することを含む、実施形態15に記載の方法。
(実施形態18)
官能基化が、前記外面に環境感知部分を結合することを含み、前記環境感知部分が、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される局所環境における酸化還元反応、低酸素反応、または酸性のpHのうちの少なくとも1つに基づいて化学的に形態を変化させることができる、実施形態15に記載の方法。
(実施形態19)
さらに、被覆構造を形成する前に、中間構造に標的化部分を結合して、被覆構造からの生体物質の制御放出を可能にすることを含む、実施形態1に記載の方法。
(実施形態20)
さらに、製造された生物活性ペイロード送達デバイスを流動性媒体中で標的物質に対して配置すること;および
標的物質を含むまたは標的物質に近接する領域に外部誘発信号を適用して、標的化部分による生体物質の被覆構造から標的物質への放出を引き起こすことを含む、実施形態19に記載の方法。
(実施形態21)
静電的相互作用により互いに結合するポリマー材料および生体物質を含む内部材料構造であって、正味表面電荷を有する複数の領域を含む前記内部材料構造;ならびに
内部材料構造をカプセル化し、それによりカプセル化された生体物質の生物活性を保存する、生体適合性材料により形成された外部ナノ構造を含む、生物活性ペイロード送達デバイス。
(実施形態22)
外部ナノ構造が、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される環境において、pH、温度、圧力、および化学物質を含む外部環境因子による分解から生体物質を保護する、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態23)
外部ナノ構造の外面が、生物活性ペイロード送達デバイスが他の組織と比較して腫瘍領域に選択的に蓄積されるようにする腫瘍標的化リガンドにより官能基化されている、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態24)
外部ナノ構造の外面が、望まれない体内組織、器官および系による取り込みを減少させることにより循環時間を増加させる薬剤により官能基化されており、前記薬剤がポリエチレングリコール、双性イオン化合物、または細胞膜などの患者特異的コーティングのうちの少なくとも1つを含む、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態25)
生体物質が、ウイルス、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、またはDNAもしくはRNAを含む核酸ベクターを含む、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態26)
生体適合性材料がシリカを含む、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態27)
さらに、外部ナノ構造の内側に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作るために内部材料構造と結合した音波増感剤を含む、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態28)
音波増感剤がフルオロカーボンナノエマルションを含む、実施形態27に記載のデバイス。
(実施形態29)
生体中に配置された時に、デバイスの外部ナノ構造が適用された音波パルスに基づいて破裂して、生体内に生体物質を放出する、実施形態27に記載のデバイス。
(実施形態30)
さらに、外部ナノ構造の外面上にポリエチレングリコール(PEG)により形成された外部コーティングを含み、前記外部コーティングが、デバイスが配置された時に生体内の免疫系応答を阻止することができる、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態31)
さらに、外部ナノ構造の外面上に形成された標的化リガンドを含み、前記標的化リガンドが、デバイスが配置された時に生体の細胞または組織の特定の領域に選択的に結合することができる、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態32)
さらに、外部ナノ構造の外面上に形成された環境感知部分を含み、前記環境感知部分が、デバイスが配置された局所環境における酸化還元反応、低酸素反応、または酸性のpHのうちの少なくとも1つに基づいて化学的に形態を変化させて生体物質を放出することができる、実施形態21に記載のデバイス。
(実施形態33)
生体物質をカプセル化する方法であって、
生物学的構造の上に生体適合性材料を形成して生物学的構造を封入する被覆構造を形成することを含み、前記被覆構造はナノメートル領域のサイズを有し、
前記生物学的構造が前記被覆構造内で生物活性を保存する、前記方法。
(実施形態34)
生体適合性材料がシリカを含む、実施形態33に記載の方法。
(実施形態35)
さらに、生体物質とポリカチオン性ポリマー材料とを交差反応させることにより生物学的構造の複数の領域に正に荷電した表面を形成することを含む生物学的構造の形成を含む、実施形態33に記載の方法。
(実施形態36)
生体物質が、ウイルス、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、またはDNAもしくはRNAを含む核酸ベクターのうちの少なくとも1つを含む、実施形態35に記載の方法。
(実施形態37)
ポリカチオン性ポリマー材料がポリ-L-リシンを含む、実施形態35に記載の方法。
(実施形態38)
被覆構造の形成が、生物学的構造の表面上への直接の電荷媒介シリカゾル-ゲル縮合反応を含み、形成された被覆構造が生物学的構造をカプセル化する外被シリカマトリックスを含む、実施形態35に記載の方法。
(実施形態39)
さらに、生物学的材料を生物学的構造の上に形成する前に生物学的構造に増感剤を結合して、被覆構造の内側に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作ることを含む、実施形態33に記載の方法。
(実施形態40)
増感剤がフルオロカーボンナノエマルションを含む、実施形態39に記載の方法。

Claims (35)

  1. 生物活性ペイロード送達デバイスを製造する方法であって、
    第一の電荷を示すポリカチオン性ポリマー材料を、第一の電荷と異なる第二の電荷を示すウイルス又はウイルスベクターと静電力に基づいて結合することにより中間構造を形成すること(ここで、形成された中間構造は正味表面電荷を有する複数の領域を含む);および
    形成された中間構造上にシリカゲルマトリックスの被覆構造を直接形成して、ウイルス又はウイルスベクターをカプセル化することを含み、
    前記被覆構造がその中にカプセル化されたウイルス又はウイルスベクターの生物活性を保存し、それにより生物活性ペイロード送達デバイスを製造する、前記方法。
  2. 被覆構造がナノメートル領域のサイズを有するナノ粒子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 中間構造を形成することが、ポリカチオン性ポリマー材料を、ウイルス又はウイルスベクター、及び細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、またはDNAもしくはRNAを含む核酸ベクターの少なくとも1つを含む追加の生体物質と結合することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 中間構造の形成が、ウイルス又はウイルスベクターとポリカチオン性ポリマー材料とを反応させて、中間構造の複数の領域に正に荷電した表面を形成することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ポリカチオン性ポリマー材料がポリ-L-リシンを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 被覆構造の形成が、中間構造の表面上への直接の電荷媒介シリカゾル-ゲル縮合反応を実施することを含み、形成された被覆構造がウイルス又はウイルスベクターをカプセル化する外被シリカゲルマトリックスを含む、請求項4に記載の方法。
  7. さらに、被覆構造の内側に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作るための増感剤を加えることを含み、
    前記増感剤の添加が被覆構造を形成する前に実施される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 増感剤がフルオロカーボンナノエマルションを含む、請求項7に記載の方法。
  9. さらに、被覆構造にカプセル化される中間構造と共に医薬品または治療薬を加えることを含み、
    前記医薬品または治療薬の添加が被覆構造を形成する前に実施される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. さらに、シリカゲルマトリックスと共に酸化鉄成分または他のナノスケール材料を加えて被覆構造を形成することを含み、
    加えられた酸化鉄成分または他のナノスケール材料が被覆構造の画像化を増強する薬剤を提供する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 被覆構造がその中にカプセル化されたウイルス又はウイルスベクターを安定化し、それにより-80℃〜37℃を含む温度における熱安定性を提供する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. さらに、製造された生物活性ペイロード送達デバイスを凍結乾燥または臨界点乾燥することを含み、
    その際に、被覆構造が、凍結乾燥または臨界点乾燥された生物活性ペイロード送達デバイス内にカプセル化されたウイルス又はウイルスベクターの生物活性を保存する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. さらに、被覆構造の外面を官能基化することを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 官能基化が、ポリエチレングリコール(PEG)を加えて、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される生体内での免疫系応答の阻止が可能な二次コーティングを提供することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 官能基化が、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される生体の細胞または組織の特定の領域に選択的に結合可能な標的化リガンドを結合することを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 官能基化が、前記外面に環境感知部分を結合することを含み、前記環境感知部分が、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される局所環境における酸化還元反応、低酸素反応、または酸性のpHのうちの少なくとも1つに基づいて化学的に形態を変化させることができる、請求項13に記載の方法。
  17. さらに、被覆構造を形成する前に、中間構造に標的化部分を結合して、被覆構造からのウイルス又はウイルスベクターの制御放出を可能にすることを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. さらに、製造された生物活性ペイロード送達デバイスを流動性媒体中で標的物質に対して配置すること;および
    標的物質を含むまたは標的物質に近接する領域に外部誘発信号を適用して、標的化部分によるウイルス又はウイルスベクターの被覆構造から標的物質への放出を引き起こすことを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 静電的相互作用により互いに結合する第一の電荷を示すポリカチオン性ポリマー材料および第一の電荷と異なる第二の電荷を示すウイルス又はウイルスベクターを含む内部材料構造であって、正味表面電荷を有する複数の領域を含む前記内部材料構造;ならびに
    内部材料構造をカプセル化し、それによりカプセル化されたウイルス又はウイルスベクターの生物活性を保存する、シリカゲルマトリックスにより形成された外部ナノ構造を含む、生物活性ペイロード送達デバイス。
  20. 外部ナノ構造が、生物活性ペイロード送達デバイスが配置される環境において、pH、温度、圧力、および化学物質を含む外部環境因子による分解からウイルス又はウイルスベクターを保護する、請求項19に記載のデバイス。
  21. 外部ナノ構造の外面が、生物活性ペイロード送達デバイスが他の組織と比較して腫瘍領域に選択的に蓄積されるようにする腫瘍標的化リガンドにより官能基化されている、請求項19又は20に記載のデバイス。
  22. 外部ナノ構造の外面が、望まれない体内組織、器官および系による取り込みを減少させることにより循環時間を増加させる薬剤により官能基化されており、前記薬剤がポリエチレングリコール、双性イオン化合物、または細胞膜などの患者特異的コーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項19又は20に記載のデバイス。
  23. 内部材料構造が、ポリカチオン性ポリマー材料に結合した追加の生体物質をさらに含み、追加の生体物質が、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、またはDNAもしくはRNAを含む核酸ベクターの少なくとも1つを含む、請求項1922のいずれか1項に記載のデバイス。
  24. さらに、外部ナノ構造の内側に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作るために内部材料構造と結合した音波増感剤を含む、請求項1923のいずれか1項に記載のデバイス。
  25. 音波増感剤がフルオロカーボンナノエマルションを含む、請求項24に記載のデバイス。
  26. 生体中に配置された時に、デバイスの外部ナノ構造が適用された音波パルスに基づいて破裂して、生体内にウイルス又はウイルスベクターを放出する、請求項24又は25に記載のデバイス。
  27. さらに、外部ナノ構造の外面上にポリエチレングリコール(PEG)により形成された外部コーティングを含み、前記外部コーティングが、デバイスが配置された時に生体内の免疫系応答を阻止することができる、請求項1926のいずれか1項に記載のデバイス。
  28. さらに、外部ナノ構造の外面上に形成された標的化リガンドを含み、前記標的化リガンドが、デバイスが配置された時に生体の細胞または組織の特定の領域に選択的に結合することができる、請求項1926のいずれか1項に記載のデバイス。
  29. さらに、外部ナノ構造の外面上に形成された環境感知部分を含み、前記環境感知部分が、デバイスが配置された局所環境における酸化還元反応、低酸素反応、または酸性のpHのうちの少なくとも1つに基づいて化学的に形態を変化させてウイルス又はウイルスベクターを放出することができる、請求項1926のいずれか1項に記載のデバイス。
  30. 生体物質をカプセル化する方法であって、
    ポリカチオン性ポリマーに結合したウイルス又はウイルスベクターを含む生物学的構造の上にシリカゲルマトリックスを形成して生物学的構造をカプセル化する被覆構造を形成することを含み、前記被覆構造はナノメートル領域のサイズを有し、且つ
    生物学的構造の上にシリカゲルマトリックスを形成する前に生物学的構造に増感剤を結合して、被覆構造の内側に超音波が誘発するキャビテーションの中心を作ることを含み、
    前記生物学的構造が前記被覆構造内で生物活性を保存する、前記方法。
  31. さらに、ウイルス又はウイルスベクターとポリカチオン性ポリマー材料とを反応させることにより生物学的構造の複数の領域に正に荷電した表面を形成することを含む生物学的構造の形成を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 生物学的構造が、細菌、タンパク質、酵素、プロドラッグ、またはDNAもしくはRNAを含む核酸ベクターのうちの少なくとも1つを含む追加の生体物質をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. ポリカチオン性ポリマー材料がポリ-L-リシンを含む、請求項31又は32に記載の方法。
  34. 被覆構造の形成が、生物学的構造の表面上への直接の電荷媒介シリカゾル-ゲル縮合反応を実施することを含み、形成された被覆構造が生物学的構造をカプセル化する外被シリカゲルマトリックスを含む、請求項3133のいずれか1項に記載の方法。
  35. 増感剤がフルオロカーボンナノエマルションを含む、請求項3034のいずれか1項に記載の方法。
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