以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[開示の概要]
上述した背景技術で記載した霧化ユニットにおいて、非燃焼型香味吸引器をユーザが適切に使用する観点から、リザーバに対するエアロゾル源の再注入を伴う非燃焼型香味吸引器の利用を抑制することが好ましい。
開示の概要に係る霧化ユニットは、エアロゾル源を貯留するリザーバと、前記エアロゾル源を霧化する霧化部と、前記リザーバに前記エアロゾル源を供給するための供給口を塞ぐキャップ体とを備え、前記リザーバから前記キャップ体が分離する動きによって、前記霧化部若しくは電源と前記霧化部とを電気的に接続する電力供給部材の少なくとも一方が破損する。
開示の概要では、リザーバからキャップ体が分離する動きによって、霧化部若しくは電源と霧化部とを電気的に接続する電力供給部材の少なくとも一方が破損する。従って、リザーバに対するエアロゾル源の再注入を伴う非燃焼型香味吸引器の利用を効果的に抑制することができる。
[実施形態]
(非燃焼型香味吸引器)
以下において、実施形態に係る非燃焼型香味吸引器について説明する。図1は、実施形態に係る非燃焼型香味吸引器100を示す図である。非燃焼型香味吸引器100は、燃焼を伴わずに香喫味成分を吸引するための器具であり、非吸口端から吸口端に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有する。図2は、実施形態に係る霧化ユニット111を示す図である。図3(A)は、図2に示す霧化ユニット111のP−P断面を示す図であり、図3(B)は、図2に示す霧化ユニット111のQ−Q断面を示す図である。なお、以下においては、非燃焼型香味吸引器100を単に香味吸引器100と称することに留意すべきである。
図1に示すように、香味吸引器100は、吸引器本体110と、カートリッジ130とを有する。
吸引器本体110は、香味吸引器100の本体を構成しており、カートリッジ130を接続可能な形状を有する。具体的には、吸引器本体110は、吸引器ハウジング110Xを有しており、カートリッジ130は、吸引器ハウジング110Xの下流端に接続される。吸引器本体110は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニット111と、電装ユニット112とを有する。霧化ユニット111及び電装ユニット112は、吸引器ハウジング110Xに収容される。
実施形態では、霧化ユニット111は、吸引器ハウジング110Xの一部を構成する霧化ユニットハウジング111Xを有する。霧化ユニット111は、電装ユニット112が有する電源への接続部分111Cと、接続部分111Cの反対側に設けられた吸口側開口111Oとを有する。接続部分111Cは、例えば、電源と接続されるコネクタである。吸口側開口111Oは、カートリッジ130を受け入れる開口であり、吸口端側に設けられる。霧化ユニット111は、図2に示すように、リザーバ11と、液保持部材12と、発熱体13と、筒状部材14(筒状部材141及び筒状部材142)と、被覆部材15と、キャップ16と、フランジ17(フランジ171及びフランジ172)とを有する。これらの部材は、霧化ユニットハウジング111Xに収容される。霧化ユニットハウジング111Xは、所定方向Aに沿って延びる形状(例えば、円筒形状)を有する。なお、図2では、上述した接続部分111Cが省略されているが、接続部分111Cは、フランジ172の非吸口端側(電装ユニット112側)に設けられる。
リザーバ11は、エアロゾル源を貯留する。リザーバ11は、複数回のパフ動作で用いるエアロゾル源の貯留に適した構成(サイズ、材料、構造など)を有する。例えば、リザーバ11は、樹脂ウェブ等の材料によって構成される孔質体であってもよく、エアロゾル源を貯留するための空洞であってもよい。リザーバ11は、単位体積当たりにより多くのエアロゾル源を貯留できることが好ましい。リザーバ11は、液保持部材12にエアロゾル源を供給可能な位置に配置されていればよく、液保持部材12の一部と少なくとも接触する。実施形態では、リザーバ11の少なくとも一部は、図3(A)及び図3(B)に示すように、所定方向Aに対する直交方向Bにおいて被覆部材15の外側に配置されることが好ましい。
液保持部材12は、リザーバ11から供給されるエアロゾル源を保持する。液保持部材12は、リザーバ11に貯留可能なエアロゾル源の一部(例えば、1回のパフ動作で用いるエアロゾル源)をリザーバ11から発熱体13に接触又は近接する位置に移動させて保持するのに適した構成(サイズ、材料、構造など)を有する。液保持部材12は、リザーバ11から毛細管現象によってエアロゾル源を液保持部材12に移動させる部材であってもよい。なお、液保持部材12は、リザーバ11と接触することによってエアロゾル源を液保持部材12に移動させる。リザーバ11が空洞である場合には、液保持部材12とリザーバ11との接触とは、液保持部材12が空洞(リザーバ11)に露出することを意味する。但し、エアロゾル源がリザーバ11に充填された後において、空洞(リザーバ11)に充填されたエアロゾル源と接触するように液保持部材12が配置されることに留意すべきである。例えば、液保持部材12は、ガラス繊維や多孔質セラミックによって構成される。例えば、液保持部材12は、ガラス繊維や多孔質セラミックによって構成されるウィックである。液保持部材12は、発熱体13の加熱に耐え得る耐熱性を有することが好ましい。液保持部材12は、図3(A)及び図3(B)に示すように、所定方向Aに沿って延びる円筒形状を有する。
ここで、直交方向Bにおいて液保持部材12の内側側面の少なくとも一部は、発熱体13と接触又は近接する。なお、液保持部材12の内側側面の少なくとも一部が発熱体13に近接するとは、液保持部材12がエアロゾル源を保持した際に発熱体13によってエアロゾル源を霧化可能な程度に発熱体13とエアロゾル源との距離が維持されるように、発熱体13と液保持部材12の内側側面との距離が維持されることを意味する。発熱体13と液保持部材12の内側側面との距離は、エアロゾル源や液保持部材12の種類、発熱体13の温度などにもよるが、例えば、3mm以下、好ましくは1mm以下が考えられる。また、液保持部材12の内側側面の少なくとも一部が発熱体13に近接するとは、発熱体13によってエアロゾル源を霧化可能な程度に発熱体13と液保持部材12の内側側面との距離が維持されることを意味するので、発熱体13とエアロゾル源との間に何かが介在することで、発熱体13によってエアロゾル源が霧化不可能な状態又はエアロゾル源の霧化が阻害される状態にあるときは、液保持部材12の内側側面の少なくとも一部が発熱体13に近接するとは言わない。
実施形態では、液保持部材12の内側側面は、図3(A)に示すように、発熱体13の加熱部分13Aと接触又は近接している。一方で、図3(B)に示すように、液保持部材12と第1端部分13B1との間には筒状部材141が介在しており、液保持部材12の内側側面は、発熱体13の第1端部分13B1と接触又は近接していない。同様に、液保持部材12と第2端部分13B2との間には筒状部材142が介在しており、液保持部材12の内側側面は、発熱体13の第2端部分13B2と接触又は近接していない。
また、直交方向Bにおける液保持部材12の外側側面の少なくとも一部は、図3(A)及び図3(B)に示すように、被覆部材15によって被覆される。
発熱体13は、液保持部材12によって保持されるエアロゾル源を霧化する霧化部の一例である。実施形態では、発熱体13は、発熱体13に供給される電源出力によって発熱する抵抗発熱体である。さらに、発熱体13は、螺旋形状を有するワイヤによって形成されており、所定方向Aに沿って延びる形状を有するコイルである。また、発熱体13の内側は、吸口端(図1に示すアウトレット130O)から吸い込まれる空気の流路である空気流路の少なくとも一部を形成する。好ましくは、発熱体13の内側は中空である。
ここで、発熱体13は、加熱部分13Aと、第1端部分13B1と、第2端部分13B 2とを有する。発熱体13には、ワイヤ上において、電源の第1極と電気的に接続される第1接点と電源の第2極側に電気的に接続される第2接点とが間隔を空けて設けられる。実施形態において、第1接点は、第1端部分13B1及び筒状部材141によって構成される。同様に、第2接点は、第2端部分13B2及び筒状部材142によって構成される。
加熱部分13Aは、ワイヤ上において互いに最も近くに配置された第1接点と第2接点との間のワイヤによって構成される。第1端部分13B1は、ワイヤ上において加熱部分13Aの一方の外側のワイヤ(実施形態では、空気流路における下流側のワイヤ)によって構成される。第2端部分13B2は、ワイヤ上において加熱部分13Aの他方の外側のワイヤ(実施形態では、空気流路における上流側のワイヤ)によって構成される。加熱部分13A、第1端部分13B1及び第2端部分13B2を形成するワイヤのピッチは同じである。なお、「ピッチ」とは、所定方向Aにおいて互いに隣接するワイヤの間隔を意味することに留意すべきである。ワイヤのピッチが同じであるとは、ワイヤのピッチが厳密に同じであることを意味しておらず、ワイヤのピッチが実質的に同じであることを意味する。実質的に同じとは、加熱部分13A、第1端部分13B1及び第2端部分13B2を形成するワイヤのピッチの差異が意図的に設定されていないことを意味しており、製造誤差などに起因する程度の差異が許容されることを意味する。
筒状部材14は、筒状形状を有しており、筒状部材141及び筒状部材142を含む。筒状部材141及び筒状部材142は、インレット112Aからアウトレット130O(吸口端)に連通する空気流路の少なくとも一部を形成する筒状の形状を有する。すなわち、筒状部材141は、第1筒状部材を構成しており、筒状部材142は、所定方向Aにおいて筒状部材141と間隔を空けて配置された第2筒状部材を構成する。筒状部材141及び筒状部材142のそれぞれは、筒状部材141及び筒状部材142の外側側面に開口を有することなく、完全に閉じた筒状の形状を有することが好ましい。実施形態において、筒状部材141の内径は、筒状部材142の内径と同じである。
筒状部材14は、発熱体13によって霧化されたエアロゾルを空気流路へ通すエアロゾル取入口を有する。実施形態では、筒状部材14は、筒状部材141及び筒状部材142を含み、エアロゾル取入口は、筒状部材141と筒状部材142との間隔である。上述した加熱部分13Aは、所定方向Aにおけるエアロゾル取入口の全長に亘ってエアロゾル取入口と隣り合うように配置される。上述した液保持部材12は、所定方向Aにおけるエアロゾル取入口の全長に亘ってエアロゾル取入口と隣り合うように配置される。このような構成によれば、発熱体13(コイル)を構成するワイヤの端部以外の品質が良好な部分を加熱部分13Aとして効率的に用いて、液保持部材12によって保持されるエアロゾル源を霧化することができる。なお、「隣り合う」とは、加熱部分13A(又は液保持部材12)がエアロゾル取入口に露出する配置関係であってもよく、加熱部分13A(又は液保持部材12)とエアロゾル取入口との間に隙間が存在する配置関係であってもよく、加熱部分13A(又は液保持部材12)の一部がエアロゾル取入口に入り込む配置関係であってもよい。なお、加熱部分13A(又は液保持部材12)がエアロゾル取入口と隣り合う態様においても、加熱部分13Aと液保持部材12の内側側面との配置関係は、上述した接触又は近接する関係を満たすことに留意すべきである。
筒状部材14の一部若しくは全部は、加熱部分13Aを構成するワイヤよりも電気抵抗率が低い導電性部材によって構成されており、発熱体13と接触することによって第1接点及び第2接点を構成する。筒状部材14は、例えば、アルミニウムやステンレス(SUS)によって構成される。実施形態では、筒状部材141は、第1接点で第1端部分13B1と接触する第1導電部材を構成し、筒状部材142は、第2接点で第2端部分13B 2と接触する第2導電部材を構成する。上述した加熱部分13Aは、筒状部材141と筒状部材142との間において筒状部材14から露出する。
実施形態において、筒状部材141は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第1端部分13B1との間に配置される。同様に、筒状部材142は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第2端部分13B2との間に配置される。
実施形態において、筒状部材14は、図3(B)に示すように、直交方向Bにおいて発熱体13の外側側面と液保持部材12の内側側面との間に位置する外側側面を有するバリア部材を構成する。筒状部材14の外側側面は、液保持部材12の内側側面の一部と対向する位置に設けられていることが好ましい。さらに、筒状部材14の外側側面は、被覆部材15の内側側面の一部と対向する位置に設けられていることが好ましい。但し、筒状部材14の外側側面は、被覆部材15の内側側面と対向していない位置に設けられていてもよい。筒状部材14は、被覆部材15によって被覆される液保持部材12の内側方向への応力による発熱体13の変形を抑制する機能を有することが好ましい。すなわち、筒状部材14は、直交方向Bにおいて筒状部材14の外側側面を被覆部材15が内側方向に押圧する応力に耐え得る強度を有することが好ましい。従って、筒状部材14は、所定強度を有する導電部材(例えば、ステンレス(SUS))によって構成されることが好ましい。実施形態では、空気流路を構成する筒状部材14が所定強度を有し、かつ筒状部材14の外側側面は、被覆部材15の内側側面の一部と対向する位置に設けられているため、被覆部材15の応力による発熱体13の変形及び空気流路の変形が抑制される。
被覆部材15は、液保持部材12に対するエアロゾル源の供給量を制限する。被覆部材15は、図3(A)及び図3(B)に示すように、所定方向Aに沿って延びる円筒形状を有する。被覆部材15は、液不透過性の部材によって構成される。被覆部材15は、液不透過性のコーティングであってもよい。被覆部材15は、エアロゾル源又は液保持部材12の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する部材によって構成されることが好ましい。このような構成によれば、リザーバ11に貯留されるエアロゾル源に発熱体13の熱が伝わりにくい。被覆部材15は、液保持部材12を内側方向に押圧する部材、例えば、弾性を有する部材によって構成されることが好ましい。被覆部材15を構成する部材としては、例えば、シリコン系樹脂やポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
実施形態では、被覆部材15は、図2に示すように、液保持部材12の内側側面と発熱体13(加熱部分13A)とが接触又は近接する範囲において、所定方向Aに沿った液保持部材12の外側側面の全長に亘って、液保持部材12の外側側面を被覆する。
実施形態では、被覆部材15は、図3(A)に示すように、液保持部材12の内側側面と発熱体13(加熱部分13A)とが接触又は近接する範囲において、所定方向Aを軸とする周方向において液保持部材12の外側側面の全周に亘って、液保持部材12の外側側面を被覆する。
このようなケースにおいて、被覆部材15は、液保持部材12の外側側面を均等に被覆することが好ましい。例えば、被覆部材15は、開口を有することなく、液保持部材12の外側側面を被覆していてもよい。或いは、被覆部材15は、所定方向(液保持部材12の延設方向)又は/及び所定方向を軸とする周方向において各開口が等間隔に配置された10以上の開口を有していてもよい。或いは、被覆部材15は、上記のように等間隔に配置された複数の開口を有しており、被覆部材15によって被覆される液保持部材12の外側側面の面積である被覆面積は、液保持部材12の外側側面の面積の60%以上であってもよい。或いは、被覆部材15は、上記のように等間隔に配置された10以上の開口を有しており、かつ上記被覆面積は、液保持部材12の外側側面の面積の60%以上であってもよい。液保持部材12の外側側面を被覆部材15が均等に被覆する範囲は、液保持部材12の内側側面と発熱体13(加熱部分13A)とが接触又は近接する範囲のみであってもよく、被覆部材15の内側側面及び液保持部材12の外側側面が接触する範囲の全体であってもよい。
なお、被覆部材15は、図2及び図3(B)に示すように、液保持部材12の内側側面と発熱体13(加熱部分13A)とが接触又は近接していない範囲においても、液保持部材12の外側側面を被覆していてもよい。
例えば、発熱体13(加熱部分13A、第1端部分13B1及び第2端部分13B2)の全体の外側に液保持部材12が設けられる場合において、被覆部材15は、被覆部材15の内側側面及び液保持部材12の外側側面が接触する範囲において、所定方向Aに沿った液保持部材12の外側側面の全長に亘って、液保持部材12の外側側面を被覆してもよく、所定方向Aを軸とする周方向において液保持部材12の外側側面の全周に亘って、液保持部材12の外側側面を被覆してもよい。
実施形態において、被覆部材15は、直交方向Bにおいて液保持部材12の外側側面を内側方向に押圧することによって、発熱体13が変形しない程度の応力にて液保持部材12の内側側面を発熱体13に接触又は近接させることが好ましい。また、直交方向Bにおいて、被覆部材15によって被覆されている状態の液保持部材12の厚みは、被覆部材15によって被覆されていない状態の液保持部材12の厚みよりも小さいことが好ましい。
なお、発熱体13が変形しない程度の応力を加える観点から、被覆部材15は、液保持部材12の内側側面と発熱体13(加熱部分13A)とが接触又は近接していない範囲においても、液保持部材12の外側側面を被覆しており、第1端部分13B1が設けられる範囲において、被覆部材15の内側に筒状部材141が設けられ、第2端部分13B2が設けられる範囲において、被覆部材15の内側に筒状部材142が設けられることが好ましい。
キャップ16は、リザーバ11にエアロゾル源を供給するための供給口を塞ぐ部材である。実施形態では、供給口は、空気流路の下流側におけるリザーバ11の端(以下、下流端)に設けられる。言い換えると、供給口は、リザーバ11を基準として、電源への接続部分111Cの反対側(すなわち、吸口側開口111O側)に設けられる。供給口は、発熱体13によって霧化されるエアロゾルが吸口側開口111Oに向かう方向である所定方向(図2では、所定方向Aにおける下流側)に向かって開口しており、キャップ16は、吸口側開口111O側から供給口を塞ぐように配置される。発熱体13によって霧化されるエアロゾルが吸口側開口111Oに向かう方向である所定方向(図2では、所定方向Aにおける下流側)において、接続部分111C、リザーバ11、キャップ16及び吸口側開口111Oは、この順で並んで配置される。接続部分111C、リザーバ11、キャップ16及び吸口側開口111Oは、一直線上に配置される。キャップ16は、吸引器ハウジング110X又は/及び筒状部材141に固定されることが好ましい。リザーバ11からキャップ16が分離する動き(ここでは、下流への動き)によって、発熱体13若しくは電力供給部材の少なくとも一方が破損する。
ここで、電力供給部材は、発熱体13と電源とを電気的に接続する部材であればよい。電力供給部材は、例えば、筒状部材14、フランジ17、筒状部材14又はフランジ17と電源とを接続するリード線(図2では不図示)などである。リード線の配線は特に限定されるものではないが、例えば、リード線は、霧化ユニットハウジング111X内を通って電源に接続されてもよい。
フランジ17は、導電性部材によって構成されており、例えば、上述したリード線が接続される。例えば、フランジ17は、電源の第1極から延びるリード線が接続されるフランジ171と、電源の第2極から延びるリード線が接続されるフランジ172とを有する。フランジ171は、筒状部材141に固定されており、フランジ172は、筒状部材142に固定される。フランジ171は、キャップ16に固定されていてもよい。上述したように、フランジ17及びフランジ17に接続されるリード線は電力供給部材の一例である。電力供給部材は、発熱体13から電源への接続部分111C側に向けて延びる部分を含む第1電力供給部分(例えば、フランジ172及びフランジ172に接続されるリード線)と、発熱体13から接続部分111Cの反対側(すなわち、吸口側開口111O側)に向けて延びる部分を含む第2電力供給部分(例えば、フランジ171及びフランジ17 1に接続されるリード線)とを含む。このようなケースにおいて、リザーバ11からキャップ16が分離する動き(ここでは、下流への動き)によって、例えば、第2電力供給部分(例えば、フランジ171及びフランジ171に接続されるリード線)が破損する。
ここで、「破損」とは、各部材が有する機能が低下する事象を意味する。実施形態において、「破損」は、発熱体13の変形、筒状部材14と発熱体13との接触不良、フランジ171の脱落、フランジ171からのリード線の剥離、リード線の断線などを含む概念であることに留意すべきである。
実施形態において、電力供給部材は、リザーバ11からキャップ16を分離する方向を分離方向とした場合に、キャップ16の少なくとも一部の分離方向側に設けられる。電力供給部材は、キャップ16の内部を通過して配置されてもよい。電力供給部材は、キャップ16に固定されてもよい。
例えば、キャップ16が筒状部材141に固定されるため、キャップ16の分離に伴って、発熱体13の変形、筒状部材14と発熱体13との接触不良などが生じる。或いは、フランジ171は、キャップ16の下流端面に設けられているため、キャップ16の分離に伴って、フランジ17の脱落、フランジ17からのリード線の剥離、リード線の断線などが生じる。或いは、フランジ171が筒状部材141及びキャップ16に固定されている場合には、キャップ16の分離に伴って、発熱体13の変形、筒状部材14と発熱体13との接触不良などが生じる。
実施形態において、発熱体13は、筒状部材14、フランジ17及びリード線などの電力供給部材よりも破損しやすい。リード線は、筒状部材14及びフランジ17よりも破損しやすい。
エアロゾル源は、グリセリン又はプロピレングリコールなどの液体である。エアロゾル源は、例えば、上述したように、樹脂ウェブ等の材料によって構成される孔質体によって保持される。孔質体は、非たばこ材料によって構成されていてもよく、たばこ材料によって構成されていてもよい。なお、エアロゾル源は、香喫味成分(ニコチン成分等)を含んでいてもよい。或いは、エアロゾル源は、香喫味成分を含まなくてもよい。
電装ユニット112は、吸引器ハウジング110Xの一部を構成する電装ユニットハウジング112Xを有する。実施形態において、電装ユニット112は、インレット112Aを有する。インレット112Aから流入する空気は、図2に示すように、霧化ユニット111(発熱体13)に導かれる。電装ユニット112は、香味吸引器100を駆動する電源、香味吸引器100を制御する制御回路を有する。電源や制御回路は、電装ユニットハウジング112Xに収容される。電装ユニットハウジング112Xは、所定方向Aに沿って延びる筒状形状(例えば、円筒形状)を有する。電源は、例えば、リチウムイオン電池である。制御回路は、例えば、CPU及びメモリによって構成される。
カートリッジ130は、香味吸引器100を構成する吸引器本体110に接続可能に構成される。カートリッジ130は、インレット112Aからアウトレット130O(吸口端)に連通する空気流路上において霧化ユニット111よりも下流に設けられる。言い換えると、カートリッジ130は、必ずしも物理空間的に霧化ユニット111よりも吸口端側に設けられている必要はなく、霧化ユニット111から発生するエアロゾルを吸口端側に導く空気流路上において霧化ユニット111よりも下流に設けられていればよい。
例えば、カートリッジ130は、カートリッジハウジング131と、香味源132と、網目133Aと、フィルタ133Bとを有する。
カートリッジハウジング131は、所定方向Aに沿って延びる筒状形状(例えば、円筒形状)を有する。カートリッジハウジング131は、香味源132を収容する。ここでは、カートリッジハウジング131は、吸引器ハウジング110Xに所定方向Aに沿って挿入されるように構成される。
香味源132は、空気流路上において霧化ユニット111よりも下流に設けられる。香味源132は、エアロゾル源から発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する。言い換えると、香味源132によってエアロゾルに付与される香味は、吸口端に運ばれる。
実施形態において、香味源132は、霧化ユニット111から発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する原料片によって構成される。原料片のサイズは、0.2mm以上1.2mm以下であることが好ましい。さらには、原料片のサイズは、0.2mm以上0.7mm以下であることが好ましい。香味源132を構成する原料片のサイズが小さいほど、比表面積が増大するため、香味源132を構成する原料片から香喫味成分がリリースされやすい。従って、所望量の香喫味成分をエアロゾルに付与するにあたって、原料片の量を抑制できる。香味源132を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。但し、香味源132は、たばこ原料をシート状に成形した成形体であってもよい。また、香味源132を構成する原料片は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源132には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
ここで、香味源132を構成する原料片は、例えば、JIS Z 8801に準拠したステンレス篩を用いて、JIS Z 8815に準拠する篩分けによって得られる。例えば、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を得る。続いて、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を取り除く。すなわち、香味源132を構成する原料片は、上限を規定するステンレス篩(目開き=0.71mm)を通過し、下限を規定するステンレス篩(目開き=0.212mm)を通過しない原料片である。従って、実施形態では、香味源132を構成する原料片のサイズの下限は、下限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。なお、香味源132を構成する原料片のサイズの上限は、上限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。
実施形態において、香味源132は、アルカリ性のpHを有するたばこ源である。たばこ源のpHは、7よりも大きいことが好ましく、8以上であることがより好ましい。これによって、たばこ源から発生する香喫味成分をエアロゾルによって効率的に取り出すことができる。これにより、所望量の香喫味成分をエアロゾルに付与するにあたって、たばこ源の量を抑制できる。一方、たばこ源のpHは、14以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。これによって、香味吸引器100(例えば、カートリッジ130又は吸引器本体110)に対するダメージ(腐食等)を抑制することができる。
なお、香味源132から発生する香喫味成分はエアロゾルによって搬送されており、香味源132自体を加熱する必要はないことに留意すべきである。
網目133Aは、香味源132の上流においてカートリッジハウジング131の開口を塞ぐように設けられており、フィルタ133Bは、香味源132の下流においてカートリッジハウジング131の開口を塞ぐように設けられている。網目133Aは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。網目133Aの粗さは、例えば、0.077mm以上0.198mm以下の目開きを有する。フィルタ133Bは、通気性を有する物質によって構成される。フィルタ133Bは、例えば、アセテートフィルタであることが好ましい。フィルタ133Bは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。
(非燃焼型香味吸引器の使用態様)
以下において、実施形態に係る非燃焼型香味吸引器の使用態様について説明する。香味吸引器100は、ユーザの吸引動作を検知すると、発熱体13に対する電源出力の供給を開始する。発熱体13に対する電源出力の供給開始に伴って、液保持部材12によって保持されるエアロゾル源の霧化が開始する。一方で、香味吸引器100は、ユーザの吸引動作を検知されなくなると、発熱体13に対する電源出力の供給を停止する。発熱体13に対する電源出力の供給停止に伴って、液保持部材12によって保持されるエアロゾル源の霧化が停止する。
(霧化ユニットの製造方法)
以下において、実施形態に係る霧化ユニットの製造方法について説明する。図4及び図5は、実施形態に係る霧化ユニット111の製造方法を説明するための図である。
図4(A)に示すように、所定方向Aに沿って延びる軸Xを有するベース部材300の側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置する(ステップA)。実施形態において、ベース部材300は、円柱形状を有する部分を含む治具である。
次に、図4(B)に示すように、フランジ172が固定された筒状部材142を所定方向Aに沿ってスライドさせることにより、発熱体13の外側側面に筒状部材142を配置するとともに、筒状部材141を所定方向Aに沿ってスライドさせることにより、発熱体13の外側側面に筒状部材141を配置する(ステップE)。このようなケースにおいて、発熱体13の加熱部分13Aを露出するために、筒状部材141及び筒状部材142を互いに離間した状態で配置する。
次に、図4(C)に示すように、霧化ユニットハウジング111Xの一部を構成するハウジングキャップ体111X1を所定方向Aに沿ってスライドさせることにより、ハウジングキャップ体111X1をフランジ172と接触させる。続いて、液保持部材12を所定方向Aに沿ってスライドさせることにより、発熱体13の少なくとも一部(加熱部分13A)に接触又は近接するように液保持部材12を配置する(ステップC)。ハウジングキャップ体111X1は、筒状部材142及びフランジ172に固定される。
なお、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する工程は、後述する図4(D)に示す被覆部材15の配置によって発熱体13の加熱部分13Aに液保持部材12が接触又は近接するように液保持部材12を配置する工程でもよい。さらに、液保持部材12を配置する工程は、加熱部分13Aの外側側面を液保持部材12が押圧しながら液保持部材12を配置する工程でもよい。液保持部材12を配置する工程は、加熱部分13Aの外側側面の全周に接触するように液保持部材12を配置する工程でもよい。なお、液保持部材12を配置する工程は、ベース部材300(治具)の外側側面に発熱体13が配置される場合に、発熱体13の外側に液保持部材12を配置する工程である。
次に、図4(D)に示すように、被覆部材15を所定方向Aに沿ってスライドさせることにより、液保持部材12の外側側面に被覆部材15を配置する。被覆部材15の配置によって発熱体13の加熱部分13Aが液保持部材12と良好に接触又は近接する。
次に、図5(A)に示すように、霧化ユニットハウジング111Xの一部を構成するハウジング筒体111X2をハウジングキャップ体111X1に固定する。続いて、ハウジングキャップ体111X1、ハウジング筒体111X2及び筒状部材14によって構成される空間にリザーバ11を配置する。リザーバ11の一部は、被覆部材15の外側にも配置されることが好ましい。リザーバ11の配置は、ハウジング筒体111X2をハウジングキャップ体111X1に固定する前に行われてもよい。
ここで、発熱体13の外側側面に筒状部材14を配置した後において、発熱体13を筒状部材14に固定することが好ましい。発熱体13及び筒状部材14の固定工程は、図4(B)に示す工程の後から図5(B)に示す工程の前までに行われればよい。発熱体13及び筒状部材14の固定工程は、図5(A)に示す工程の前に行われることが好ましく、図4(C)の工程の前に行われることがさらに好ましい。これによって、筒状部材14の外側側面に余計な部材が存在しない状態で発熱体13及び筒状部材14を固定することが可能であり、発熱体13及び筒状部材14を固定しやすい。
次に、図5(B)に示すように、リザーバ11にエアロゾル源を充填した後にリザーバ11の下流端をキャップ16によって塞ぐ。キャップ16は、ハウジング筒体111X2に固定される。なお、リザーバ11の上流端は、ハウジングキャップ体111X1によって塞がれていることに留意すべきである。続いて、キャップ16の下流端面にフランジ171を配置する。フランジ171は、筒状部材141と固定される。
次に、図5(C)に示すように、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる(ステップB)。ここで、筒状部材14は、キャップ16やフランジ17などを介して、霧化ユニットハウジング111X(ハウジングキャップ体111X1及びハウジング筒体111X2)に固定されていることに留意すべきである。従って、図5(C)に示す工程は、霧化ユニットハウジング111Xに筒状部材14を固定した後又は/及び発熱体13を筒状部材14に固定した後に行われる。ここで、図5(C)に示す工程によって発熱体13の内側に空気流路として用いる空間が形成されており、図5(C)に示す工程は、発熱体13の離間によって、発熱体13によって霧化されたエアロゾルを発熱体13の内側へ通すエアロゾル取入口(筒状部材141と筒状部材142との間隔)を形成する工程である。なお、ベース部材300から発熱体13を離間することによって初めて、エアロゾル取入口が発熱体13の内側と連通することになるため、図5(C)に示す工程はエアロゾル取入口を形成する工程であることに留意すべきである。
さらに、図5(C)に示す工程は、発熱体13の離間によって、発熱体13の内側に空気流路の少なくとも一部を形成する工程である。具体的には、図5(C)に示す工程は、発熱体13の全てをベース部材300(治具)から離間し、発熱体13の離間によって発熱体13の内側に空気流路の少なくとも一部を形成する工程である。このようなケースにおいて、図5(C)に示す工程の前において、空気流路の少なくとも一部を形成する流路形成部材を配置する工程(ステップG)が行われることが好ましい。流路形成部材は、例えば、上述した筒状部材14と考えてもよい。従って、流路形成部材を配置する工程は、図4(B)に示す工程と考えてもよい。
実施形態において、ベース部材300の溝の深さ又はベース部材300の突起の高さは、筒状部材14と発熱体13との電気的な接続の観点から、発熱体13を形成するワイヤの直径と同程度以下であることが好ましい。一方で、ベース部材300の溝の深さ又はベース部材300の突起の高さは、ベース部材300による発熱体13の保持の観点から、発熱体13を形成するワイヤの直径の半分以上であることが好ましい。
(作用及び効果)
実施形態では、直交方向Bにおける液保持部材12の外側側面の少なくとも一部は、被覆部材15によって被覆される。このような構成によって、エアロゾル源が液保持部材12に過剰に供給される事態(過剰供給)を抑制することができる。過剰供給の抑制によって、液漏れのリスクが低下する。また、過剰供給の抑制によって、加熱霧化における熱損失が抑制され、霧化効率の低下が抑制される。
ここで、被覆部材15は、液不透過性の部材によって構成される。これによって、エアロゾル源の過剰供給が抑制される。被覆部材15は、エアロゾル源又は液保持部材12の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する部材によって構成されることが好ましい。このような構成によれば、加熱霧化における熱損失が抑制される。被覆部材15は、液保持部材12を内側方向に押圧する部材によって構成されることが好ましい。このような構成によれば、液保持部材12を発熱体13に良好に接触又は近接させることができる。
実施形態では、被覆部材15は、液保持部材12の内側側面と発熱体13(加熱部分13A)とが接触又は近接する範囲において、所定方向Aに沿った液保持部材12の外側側面の全長に亘って、液保持部材12の外側側面を被覆することが好ましい。このような構成によれば、上述した過剰供給をさらに抑制することができる。
実施形態では、被覆部材15は、液保持部材12の内側側面と発熱体13(加熱部分13A)とが接触又は近接する範囲において、所定方向Aを軸とする周方向において液保持部材12の外側側面の全周に亘って、液保持部材12の外側側面を被覆することが好ましい。このような構成によれば、上述した過剰供給をさらに抑制することができる。
実施形態では、被覆部材15は、液保持部材12の外側側面を均等に被覆することが好ましい。このような構成によれば、発熱体13(加熱部分13A)に対してエアロゾル源を均一に供給することができ、霧化効率を向上することができる。例えば、被覆部材15は、開口を有することなく、液保持部材12の外側側面を被覆していてもよい。これによって、上述した過剰供給をより効果的に抑制することができる。或いは、被覆部材15は、等間隔に配置された10以上の開口を有していてもよい。等間隔に配置された10以上の開口の数や大きさを調整することで、上述した過剰供給を抑制するだけでなく、エアロゾル源の供給量を任意の量に調整し、エアロゾル源を均一に供給することが容易にでき、霧化効率を向上することができる。或いは、被覆部材15は、等間隔に配置された複数の開口を有しており、被覆部材15によって被覆される液保持部材12の外側側面の面積である被覆面積は、液保持部材12の外側側面の面積の60%以上であってもよい。このような構成によってエアロゾル源の供給量をより効果的に抑制することができる。
実施形態では、被覆部材15によって被覆されている状態の液保持部材12の厚みは、被覆部材15によって被覆されていない状態の液保持部材12の厚みよりも小さいこと、言い換えると、被覆部材15によって液保持部材12が圧縮される構成が好ましい。このような構成によれば、液保持部材12の圧縮によって、過剰量のエアロゾル源が液保持部材12によって保持される事態が抑制される。
実施形態では、リザーバ11の少なくとも一部は、直交方向Bにおいて被覆部材15の外側に配置されることが好ましい。このような構成によれば、被覆部材15の外側のスペースをリザーバ11に割り当てることによってリザーバ11の容量(すなわち、リザーバ11によって貯留可能なエアロゾル源の量)を増大しながらも、被覆部材15によって上述した過剰供給を抑制することができる。
実施形態では、筒状部材14は、直交方向Bにおいて発熱体13の外側側面と被覆部材15の内側側面との間に位置する外側側面を有するバリア部材を構成する。筒状部材14の外側側面は、液保持部材12の内側側面の一部と対向する位置に設けられていることが好ましい。さらに、筒状部材14の外側側面は、被覆部材15の内側側面の一部と対向する位置に設けられていることが好ましい。このような構成によれば、被覆部材15によって被覆される液保持部材12の内側方向への応力による発熱体13の変形が抑制される。さらに、筒状部材14は、空気流路を構成するとともに、所定強度(例えば、直交方向Bにおいて筒状部材14の外側側面を被覆部材15が内側方向に押圧する応力に耐え得る強度)を有する場合には、被覆部材15の応力による発熱体13の変形及び空気流路の変形が抑制される。すなわち、筒状部材14の内側が空気流路である態様において、被覆部材15の応力による発熱体13の変形及び空気流路の変形を抑制する点で筒状部材14がバリア部材として機能する。
実施形態では、空気流路の少なくとも一部を形成する筒状部材14は、導電性部材によって構成されており、第1接点で第1端部分13B1と接触する筒状部材141と、第2接点で第2端部分13B2と接触する筒状部材142とを有する。従って、空気流路の形成及び電気的な接点の形成に必要な部品点数を削減することができる。
実施形態では、リザーバ11にエアロゾル源を供給するための供給口を塞ぐキャップ16が設けられる。リザーバ11からキャップ16が分離する動き(ここでは、下流への動き)によって、発熱体13若しくは電力供給部材の少なくとも一方が破損する。従って、リザーバ11に対するエアロゾル源の再注入を伴う香味吸引器100の利用を効果的に抑制することができる。なお、リザーバを基準として電源への接続部分111Cの反対側に設けられた供給口をキャップ16が塞ぐため、上述したエアロゾル源の再注入を伴う香味吸引器100の利用が効果的に抑制される。
実施形態では、電力供給部材は、発熱体13から電源への接続部分111C側に向けて延びる部分を含む第1電力供給部分(例えば、フランジ172及びフランジ172に接続されるリード線)と、発熱体13から接続部分111Cの反対側(すなわち、吸口側開口111O側)に向けて延びる部分を含む第2電力供給部分(例えば、フランジ171及びフランジ171に接続されるリード線)とを含む。従って、リザーバ11からキャップ16が分離する動き(ここでは、下流への動き)によって第2電力供給部分が破損する構成を採用しやすい。
実施形態では、発熱体13を構成するコイルは、ワイヤ上において互いに最も近くに配置された第1接点と第2接点との間のワイヤによって構成される加熱部分13Aと、ワイヤ上において加熱部分13Aの一方の外側のワイヤによって構成される第1端部分13B 1と、ワイヤ上において加熱部分13Aの他方の外側のワイヤによって構成される第2端部分13B2とを含む。液保持部材12の内側側面の少なくとも一部は、加熱部分13Aと接触又は近接する。すなわち、品質が悪い可能性が高い端部(実施形態では、第1端部分13B1及び第2端部分13B2)を加熱部分として使用せず、発熱体13(コイル)を構成するワイヤの端部以外の品質が良好な部分(実施形態では、加熱部分13A)を加熱部分として使用するため、発熱体13の製造方法に依存せずにエアロゾル発生量の均一性を向上することができる。
実施形態では、発熱体13(コイル)の中心部分のみを加熱部分13Aとして用いるため、加熱部材13Aとして用いる中心部分の全体に亘って液保持部材12を配置しやすくなり、エネルギーロスの少ない霧化ユニット111を構成しやすい。
実施形態では、筒状部材14は、導電性部材によって構成されており、第1接点で第1端部分13B1と接触する筒状部材141と、第2接点で第2端部分13B2と接触する筒状部材142とを有する。筒状部材141及び筒状部材142は、発熱体13の側面(実施形態では、外側側面)に配置される。なお、発熱体13の側面とは、発熱体13を構成するコイルが筒状の部材であると考えた際に、コイルの外周面及び内周面を意味する。従って、発熱体13の側面とは、実際には、コイルを形成するワイヤの側面によって構成される。上述した構成によって、発熱体13の側面で筒状部材14との接触を行うことにより、面での電気接続が可能となり、安定した電気接続を行うことができる。また、発熱体13の側面で筒状部材14との固定を伴った電気接続を行う場合には、面での固定が可能となり、発熱体13を強固に筒状部材14に固定することができる。また、溶接などの固定が行いやすくなる。
さらに、実施形態では、筒状部材14が面を有する部材であるため、面同士の電気接続が可能となり、安定した電気接続を行うことができ、発熱体13を強固に筒状部材14に固定することができる。また、溶接などの固定が行いやすくなる。
実施形態では、筒状部材141は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第1端部分13B1との間に配置され、筒状部材142は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第2端部分13B2との間に配置される。従って、筒状部材141及び筒状部材142によって発熱体13が支持されるため、発熱体13の内側が中空であっても、発熱体13の変形が抑制される。
実施形態では、霧化ユニット111の製造方法は、所定方向Aに沿って延びる軸Xを有するベース部材300(治具)の側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置するとともに、軸Xを回転軸としてベース部材300を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる。すなわち、霧化ユニット111の製造工程において、ベース部材300によって発熱体13が支持されるため、霧化ユニット111の製造工程における発熱体13の変形を抑制することができ、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができる。
実施形態では、発熱体13の加熱部分13Aに液保持部材12を接触又は近接させた後に、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる。発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する工程(特に、加熱部分13Aを液保持部材12に接触又は近接させる工程)で発熱体13の変形を抑制することができ、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができる。
実施形態では、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる前において、直交方向における発熱体13の外側側面に筒状部材14を配置する。言い換えると、霧化ユニット111の製造工程において、ベース部材300又は筒状部材14によって発熱体13が常に支持される。従って、霧化ユニット111の製造工程における発熱体13の変形を常に抑制することができ、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができる。
なお、液保持部材12を配置する工程は、加熱部分13Aの外側側面を液保持部材12が押圧しながら液保持部材12を配置する工程でもよい。液保持部材12を配置する工程は、加熱部分13Aの外側側面の全周に接触するように液保持部材12を配置する工程でもよい。これらのケースにおいて、発熱体13をベース部材300から離間する前に液保持部材12を配置するため、液保持部材12を配置する工程において発熱体13の変形を抑制することができ、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができる。
また、発熱体13の離間によって、発熱体13の内側に空気流路の少なくとも一部が形成されてもよい。これによって、ベース部材300から発熱体13を離間する前において、空気流路内への異物の侵入が抑制される。
実施形態では、霧化ユニットハウジング111Xに筒状部材14を固定した後又は/及び発熱体13を筒状部材14に固定した後において、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる。従って、ベース部材300の回転に伴う発熱体13の変形を抑制することができ、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができる。
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
変更例1においては、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する工程(図4(C)に示す工程)の変更例について説明する。図6は、図4(C)に示す工程の変更例について説明するための図である。但し、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる工程が図4(C)に示す工程の途中で行われる点で、変更例1は実施形態と異なる点に留意すべきである。
具体的には、図6(A)に示すように、円筒形状を有するスライド用部材400を所定方向Aに沿ってスライドさせることにより、発熱体13及び筒状部材14の外側側面にスライド用部材400を配置する。すなわち、直交方向Bにおける発熱体13及び筒状部材14の外側側面に沿って、スライド用部材400をスライドさせる(ステップC1)。
次に、図6(B)に示すように、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる(ステップB)。ここで、筒状部材14は、フランジ17などを介して、霧化ユニットハウジング111X(ハウジングキャップ体111X1)に固定されていることに留意すべきである。
次に、図6(C)に示すように、直交方向Bにおけるスライド用部材400の外側側面に沿って、液保持部材12をスライドさせる(ステップC2)。ここで、発熱体13は、スライド用部材400によって覆われているため、発熱体13の全てをベース部材300(治具)から離間した状態で、液保持部材12を配置しても、液保持部材12の配置に伴う発熱体13の変形が抑制される。
次に、図6(D)に示すように、スライド用部材400を所定方向Aに沿ってスライドさせることによってスライド用部材400を取り除く。すなわち、液保持部材12と発熱体13の間からスライド用部材400をスライドによって取り除く(ステップC3)。これによって、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12が配置されることに留意すべきである。
このようなケースにおいて、スライド用部材400は、液保持部材12よりも所定方向Aに沿ってスライドしやすい部材によって構成されることが好ましい。例えば、スライド用部材400の内側側面と筒状部材14の外側側面との間に働く摩擦力(動摩擦力又は/及び静摩擦力)が、液保持部材12の内側側面と筒状部材14の外側側面との摩擦力よりも小さくなるようにスライド用部材400は構成される。この構成により、液保持部材12を単体で配置するケースと比べて、スライド用部材400を用いる方が液保持部材12をスライドさせて配置しやすくなる。このようなケースにおいて、スライド用部材400の剛性は、液保持部材12の剛性よりも高いことが好ましい。この構成により、液保持部材12を単体で配置するケースと比べて、スライド用部材400を用いる方がスライド用部材400を筒状部材141と筒状部材142との間をスライドさせる際に管の切れ目に引っかかりにくくなるので、液保持部材12を配置しやすい。
図6に示す例では、筒状部材14の外側側面に沿ってスライド用部材400をスライドした後に、スライド用部材400の外側側面に沿って液保持部材12をスライドさせるが、変更例1はこれに限定されるものではない。具体的には、液保持部材12の内側にスライド用部材400を挿入した後に、液保持部材12の内側にスライド用部材400が挿入された状態で、筒状部材14の外側側面に沿ってスライド用部材400をスライドしてもよい。
図6に示す例では、ベース部材300の溝又は突起から発熱体13を離間させた後において、スライド用部材400をスライドによって取り除くが、変更例1はこれに限定されるものではない。具体的には、スライド用部材400をスライドによって取り除く工程は、ベース部材300の溝又は突起から発熱体13を離間させる工程の前に行われてもよい。
変更例1において、ベース部材300の溝の深さ又はベース部材300の突起の高さは、実施形態と同様に、発熱体13を形成するワイヤの直径と同程度以下、ワイヤの直径の半分以上であることが好ましい。
変更例1において、ベース部材300の溝又は突起から発熱体13を離間させる工程は、実施形態と同様に、霧化ユニットハウジング111Xに筒状部材14を固定した後又は/及び発熱体13を筒状部材14に固定した後に行われることが好ましい。
(作用及び効果)
変更例1では、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する前に、ベース部材300の溝又は突起から発熱体13を離間させる。このように、液保持部材12などの部材の組み立て前になるべく早くベース部材300を離間させることができ、短時間で次の半製品製造にベース部材300を流用することができ、霧化ユニット111の生産性を向上させることができる。
このような効果を得ながらも、スライド用部材400を用いることによって、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する工程(例えば、液保持部材12をスライドさせる工程)において、発熱体13の変形を抑制することができ、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができる。また、発熱体13及び筒状部材14の外側側面に液保持部材12を配置しやすい。
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
実施形態では、ベース部材300は、円柱形状を有する治具である。これに対して、変更例2では、ベース部材300が筒状部材14(筒状部材141及び筒状部材142)であるケースについて例示する。図7は、変更例2に係る霧化ユニット111の製造方法を説明するための図である。なお、図7では、霧化ユニットハウジング111X、キャップ16及びフランジ17等が省略されていることに留意すべきである。
具体的には、図7(A)に示すように、所定方向Aに沿って延びる軸Xを有する筒状部材14の内側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置するとともに、筒状部材14と発熱体13とを電気的に接続する(ステップA及びステップD)。ここでは、筒状部材14は、発熱体13の外側に配置される。
変更例2において、筒状部材141及び筒状部材142は、所定方向Aにおいて連続している。言い換えると、ステップAは、筒状部材141及び筒状部材142の双方に跨がって発熱体13を配置するステップである。
ここで、直交方向Bにおける筒状部材14(筒状部材141及び筒状部材142)の外側側面には液保持部材12が配置されていることに留意すべきである。
次に、図7(B)において、軸Xを回転軸として筒状部材141及び筒状部材142の少なくとも一方を回転させて、発熱体13を溝又は突起から離間させる(ステップB)。すなわち、ステップBは、発熱体13が筒状部材141及び筒状部材142の双方に跨がって配置された状態を維持しながら、筒状部材141及び筒状部材142を互いに離間するステップである。
変更例2において、筒状部材141及び筒状部材142を互いに離間することによって、発熱体13の加熱部分13Aが液保持部材12に露出する。また、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12が配置される(ステップC又はステップC4)。ここで、図7(B)に示す工程によって筒状部材141と筒状部材142との間隔が初めて形成されるため、図7(B)に示す工程は、発熱体13の離間によって、発熱体13によって霧化されたエアロゾルを発熱体13の内側へ通すエアロゾル取入口(筒状部材141と筒状部材142との間隔)を形成する工程である。
ここで、発熱体13を筒状部材14に固定するケースにおいては、このような固定工程は、図7(B)に示す工程の後に行われてもよい。或いは、筒状部材141及び筒状部材142のうち、一方の導電部材と発熱体13を固定した後において、他方の導電部材を一方の導電部材から離間してもよい。筒状部材14と発熱体13とを電気的に接続する工程(ステップD)は、このような固定工程と考えてもよい。
なお、筒状部材141及び筒状部材142を互いに離間する前の状態(すなわち、図7(A)に示す状態)において、筒状部材141及び筒状部材142が螺合によって接続されていてもよい。
(作用及び効果)
変更例2では、筒状部材14の内側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置するとともに、軸Xを回転軸として筒状部材141及び筒状部材14 2の少なくとも一方を回転させて、発熱体13を溝又は突起から離間させる。すなわち、霧化ユニット111の製造工程において、筒状部材141及び筒状部材142によって発熱体13が支持されるため、発熱体13の変形を抑制することができ、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができる。
変更例2では、筒状部材14がベース部材300として用いられるため、実施形態のように発熱体13の形成に用いる別途の治具が不要であり、霧化ユニット111の製造工程を簡略化することができる。
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、変更例2に対する相違点について主として説明する。
変更例2では、筒状部材14の内側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13が配置される。これに対して、変更例3では、筒状部材14の外側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13が配置される。
具体的には、図8(A)に示すように、所定方向Aに沿って延びる軸Xを有する筒状部材14の外側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置するとともに、筒状部材14と発熱体13とを電気的に接続する(ステップA及びステップD)。ここでは、筒状部材14は、発熱体13の内側に配置される。
次に、図8(B)において、軸Xを回転軸として筒状部材141及び筒状部材142の少なくとも一方を回転させて、発熱体13を溝又は突起から離間させる(ステップB)。ここで、図8(B)に示す工程によって筒状部材141と筒状部材142との間隔が初めて形成されるため、図8(B)に示す工程は、発熱体13の離間によって、発熱体13によって霧化されたエアロゾルを発熱体13の内側へ通すエアロゾル取入口(筒状部材14 1と筒状部材142との間隔)を形成する工程である。
(作用及び効果)
変更例3では、変更例2と同様に、高品質な発熱体13を有する霧化ユニット111を製造することができ、霧化ユニット111の製造工程を簡略化することができる。
[変更例4]
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
実施形態では、筒状部材141の内径は、筒状部材142の内径と同じである。これに対して、変更例4では、図9に示すように、筒状部材141の内径及び外径は、筒状部材142の内径及び外径よりも大きい。なお、図9では、霧化ユニットハウジング111X、キャップ16及びフランジ17等が省略されていることに留意すべきである。
このようなケースにおいて、発熱体13は、図9に示すように、加熱部分13A及び第1端部分13B1を有するが、第2端部分13B2を有していない。第1端部分13B1の外側側面は、筒状部材141の内側側面と接触する。言い換えると、筒状部材141は、発熱体13の外側に配置される。一方で、筒状部材142の外側側面又は端面には、加熱部分13Aから上流に引き出されたリード線が接続される。ここでは、リード線は、発熱体13と同一の部材(例えば、ニクロム線)によって構成される。リード線は、発熱体13を形成するワイヤをそのまま延長した部材であってもよい。筒状部材142の外側側面又は端面及びリード線は、第2接点CP2を構成する。リード線は、溶接や半田付けによって筒状部材141の外側側面に固定される。
なお、図9では、図示の便宜上、リード線を膨らませているが、実際には、液保持部材12と筒状部材14との間にリード線が配置されることに留意すべきである。
(作用及び効果)
変更例4では、下流側に設けられる筒状部材141の外径は、上流側に設けられる筒状部材142の外径よりも大きい。従って、被覆部材15と筒状部材142との間の距離と比べて、被覆部材15と筒状部材141との距離が小さく、下流側において液保持部材12に対するエアロゾル源の過剰供給を抑制することができる。
変更例4では、筒状部材141は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第1端部分13B1との間に配置される。従って、筒状部材141によって発熱体13が支持されるため、発熱体13の内側が中空であっても、発熱体13の変形が抑制される。
[変更例5]
以下において、実施形態の変更例5について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
実施形態では、筒状部材141の内径は、筒状部材142の内径と同じである。これに対して、変更例4では、図10に示すように、筒状部材141の内径及び外径は、筒状部材142の内径及び外径よりも大きい。なお、図10では、霧化ユニットハウジング111X、キャップ16及びフランジ17等が省略されていることに留意すべきである。
このようなケースにおいて、発熱体13は、図10に示すように、加熱部分13A、第1端部分13B1及び第2端部分13B2を有する。但し、第2端部分13B2の外径は、第1端部分13B1の外径よりも小さい。第1端部分13B1の外側側面は、筒状部材141の内側側面と接触する。同様に、第2端部分13B2の外側側面は、筒状部材14 2の内側側面と接触する。言い換えると、筒状部材141及び筒状部材142は、発熱体13の外側に配置される。
(作用及び効果)
変更例5では、下流側に設けられる筒状部材141の外径は、上流側に設けられる筒状部材142の外径よりも大きい。従って、変更例4と同様に、被覆部材15と筒状部材142との間の距離と比べて、被覆部材15と筒状部材141との距離が小さく、下流側において液保持部材12に対するエアロゾル源の過剰供給を抑制することができる。
変更例5では、筒状部材141は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第1端部分13B1との間に配置され、筒状部材142は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第2端部分13B2との間に配置される。従って、筒状部材141によって発熱体13が支持されるため、発熱体13の内側が中空であっても、発熱体13の変形が抑制される。
[変更例6]
以下において、実施形態の変更例6について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
実施形態では、筒状部材141の内径は、筒状部材142の内径と同じである。これに対して、変更例6では、図11に示すように、筒状部材141の内径及び外径は、筒状部材142の内径及び外径よりも大きい。なお、図11では、霧化ユニットハウジング111X、キャップ16及びフランジ17等が省略されていることに留意すべきである。
このようなケースにおいて、発熱体13は、図11に示すように、加熱部分13A及び第2端部分13B2を有するが、第1端部分13B1を有していない。第2端部分13B 2の内側側面は、筒状部材142の外側側面と接触する。言い換えると、筒状部材142は、発熱体13の内側に配置される。一方で、筒状部材141の外側側面又は端面には、加熱部分13Aから下流に引き出されたリード線が接続される。筒状部材141の外側側面又は端面及びリード線は、第1接点CP1を構成する。
なお、図11では、図示の便宜上、リード線を膨らませているが、実際には、液保持部材12と筒状部材14との間にリード線が配置されることに留意すべきである。
(作用及び効果)
変更例6では、下流側に設けられる筒状部材141の外径は、上流側に設けられる筒状部材142の外径よりも大きい。従って、変更例4及び変更例5と同様に、被覆部材15と筒状部材142との間の距離と比べて、被覆部材15と筒状部材141との距離が小さく、下流側において液保持部材12に対するエアロゾル源の過剰供給を抑制することができる。
変更例6では、筒状部材142は、直交方向Bにおいて液保持部材12と第2端部分13B2との間に配置される。従って、筒状部材142によって発熱体13が支持されるため、発熱体13の内側が中空であっても、発熱体13の変形が抑制される。
[変更例7]
以下において、実施形態の変更例7について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
変更例7では、変更例4(図9)に示す霧化ユニット111の製造方法について説明する。但し、霧化ユニットハウジング111X、被覆部材15、キャップ16及びフランジ17の取り付け方法は、実施形態と略同様であるため、これらの取り付け方法について省略する。変更例7では、所定方向に沿って延びる軸Xを有するベース部材300(治具)は、第1外径を有する第1支持部分310と、第1外径よりも小さい第2外径を有する第2支持部分320と、ベース部分330と、段差部分340とを含む。筒状部材141の内径は、第1外径と対応しており、筒状部材142の内径は、第2外径と対応している。ベース部分330は、第1支持部分310を支持する部材であり、筒状部材141を係止する第1係止部分を構成しており、段差部分340は、第1支持部分310及び第2支持部分320の境界部分であり、筒状部材142を係止する第2係止部分を構成する。
変更例7においては、筒状部材141の内径が第1外径と対応するとは、第1支持部分310の外側側面に配置された発熱体13に沿って筒状部材141の内側側面がスライド可能であり、第1支持部分310に配置された発熱体13と筒状部材141の内側側面が接触するような筒状部材141の内径と第1支持部分310の外径との大きさの関係を意味する。一方で、筒状部材142の内径が第2外径と対応するとは、第2支持部分320の外側側面に沿って筒状部材142の内側側面がスライド可能であり、筒状部材142が第2支持部分320の外側側面に配置された状態(例えば、製造工程)において筒状部材142の中心軸が第2支持部分320の中心軸からずれないような筒状部材142の内径と第2支持部分320の外径との大きさの関係を意味する。
図12(A)に示すように、第1支持部分310の外側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置する(ステップA)。
次に、図12(B)に示すように、ベース部分330によって筒状部材141が係止される位置まで軸Xに沿って筒状部材141をスライドさせることにより、第1支持部分310の外側側面に沿って筒状部材141を配置する(ステップE1及びステップE3)。図12(B)に示す工程は、小さい外径を有する第2支持部分320側から大きい外径を有する第1支持部分310側に向けて筒状部材141を配置するステップである。ここで、軸Xに沿った所定方向において、筒状部材141の全長は、第1支持部分310の全長よりも短いことに留意すべきである。
次に、図12(C)に示すように、段差部分340によって筒状部材142が係止される位置まで軸Xに沿って筒状部材142をスライドさせることにより、第2支持部分320の外側側面に沿って筒状部材142を配置する(ステップE2及びステップE4)。図12(C)に示す工程は、小さい外径を有する第2支持部分320側から大きい外径を有する第1支持部分310側に向けて筒状部材142を配置するステップである。段差部分340で筒状部材142が係止されることに留意すべきである。これによって、筒状部材141及び筒状部材142は、互いに離間した状態で配置される。
次に、図12(D)に示すように、加熱部分13Aから上流に引き出されたリード線を筒状部材142の外側側面に接続することによって第2接点CP2を構成する。例えば、リード線は、溶接や半田付けによって筒状部材142の外側側面に固定される。第2接点CP2は、筒状部材142の端面にリード線を接続することによって構成されてもよい。
続いて、軸Xに沿って液保持部材12をスライドさせることにより、発熱体13及び筒状部材14の外側側面に液保持部材12を配置する。すなわち、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する(ステップC)。ここで、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する工程は、小さい外径を有する第2支持部分320側から大きい外径を有する第1支持部分310側に向けて液保持部材12を配置するステップである。
次に、図12(E)において、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる(ステップB)。図12(E)に示す工程によって、エアロゾル取入口及び空気流路が形成される点は実施形態と同様である。
図12では省略しているが、筒状部材14は、実施形態と同様に、キャップ16やフランジ17などを介して、霧化ユニットハウジング111X(ハウジングキャップ体111X1及びハウジング筒体111X2)に固定されていることが好ましい。すなわち、図12(E)に示す工程は、霧化ユニットハウジング111Xに筒状部材14を固定した後に行われることが好ましい。
なお、図12では、図示の便宜上、リード線を膨らませているが、実際には、液保持部材12と筒状部材14との間にリード線が配置されることに留意すべきである。
(作用及び効果)
変更例7では、加熱部分13Aから上流に引き出されたリード線を筒状部材142の外側側面又は端面に接続することによって第2接点CP2を構成する。従って、第2接点CP2を容易に形成することができる。
変更例7では、ベース部分330によって筒状部材141が係止され、段差部分340によって筒状部材142が係止される。従って、筒状部材141及び筒状部材142の位置決めが容易であり、加熱部分13Aに対応した距離だけ筒状部材141及び筒状部材142を互いに離間しやすい。
変更例7では、小さい外径を有する第2支持部分320側から大きい外径を有する第1支持部分310側に向けて筒状部材141、筒状部材142及び液保持部材12をスライドさせる。従って、これらの部材をスライドさせやすい。
[変更例8]
以下において、実施形態の変更例8について説明する。以下においては、変更例7に対する相違点について主として説明する。
変更例8では、変更例5(図10)に示す霧化ユニット111の製造方法について説明する。但し、霧化ユニットハウジング111X、被覆部材15、キャップ16及びフランジ17の取り付け方法は、実施形態と略同様であるため、これらの取り付け方法について省略する。変更例8では、変更例7と同様のベース部材300(治具)が用いられる。
変更例8においては、筒状部材141の内径が第1外径と対応するとは、第1支持部分310の外側側面に配置された発熱体13に沿って筒状部材141の内側側面がスライド可能であり、第1支持部分310に配置された発熱体13と筒状部材141の内側側面が接触するような筒状部材141の内径と第1支持部分310の外径との大きさの関係を意味する。同様に、筒状部材142の内径が第2外径と対応するとは、第2支持部分320の外側側面に配置された発熱体13に沿って筒状部材142がスライド可能であり、第2支持部分320に配置された発熱体13と筒状部材142の内側側面が接触するような筒状部材142の内径と第2支持部分320の外径との大きさの関係を意味する。
図13(A)に示すように、第1支持部分310の外側側面及び第2支持部分320の外側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置する(ステップA)。
次に、図13(B)に示すように、ベース部分330によって筒状部材141が係止される位置まで軸Xに沿って筒状部材141をスライドさせることにより、第1支持部分310の外側側面に沿って筒状部材141を配置する(ステップE1及びステップE3)。
次に、図13(C)に示すように、段差部分340によって筒状部材142が係止される位置まで軸Xに沿って筒状部材142をスライドさせることにより、第2支持部分320の外側側面に沿って筒状部材142を配置する(ステップE2及びステップE4)。続いて、軸Xに沿って液保持部材12をスライドさせることにより、発熱体13及び筒状部材14の外側側面に液保持部材12を配置する。
次に、図13(D)において、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる(ステップB)。図13(D)に示す工程によって、エアロゾル取入口及び空気流路が形成される点は実施形態と同様である。
(作用及び効果)
変更例8では、ベース部分330によって筒状部材141が係止され、段差部分340によって筒状部材142が係止される。従って、筒状部材141及び筒状部材142の位置決めが容易であり、加熱部分13Aに対応した距離だけ筒状部材141及び筒状部材142を互いに離間しやすい。
変更例8では、小さい外径を有する第2支持部分320側から大きい外径を有する第1支持部分310側に向けて筒状部材141、筒状部材142及び液保持部材12をスライドさせる。従って、これらの部材をスライドさせやすい。
[変更例9]
以下において、実施形態の変更例9について説明する。以下においては、変更例7に対する相違点について主として説明する。
変更例9では、変更例6(図11)に示す霧化ユニット111の製造方法について説明する。但し、霧化ユニットハウジング111X、被覆部材15、キャップ16及びフランジ17の取り付け方法は、実施形態と略同様であるため、これらの取り付け方法について省略する。変更例9では、変更例7と同様のベース部材300(治具)が用いられる。
変更例9においては、筒状部材141の内径が第1外径と対応するとは、第1支持部分310の外側側面に沿って筒状部材141の内側側面がスライド可能であり、筒状部材141が第1支持部分310の外側側面に配置された状態(例えば、製造工程)において筒状部材141の中心軸が第1支持部分310の中心軸からずれないような筒状部材141の内径と第1支持部分310の外径との大きさの関係を意味する。同様に、筒状部材14 2の内径が第2外径と対応するとは、第2支持部分320の外側側面に沿って筒状部材142の内側側面がスライド可能であり、筒状部材142が第2支持部分320の外側側面に配置された状態(例えば、製造工程)において筒状部材142の中心軸が第2支持部分320の中心軸からずれないような筒状部材142の内径と第2支持部分320の外径との大きさの関係を意味する。
図14(A)に示すように、ベース部分330によって筒状部材141が係止される位置まで軸Xに沿って筒状部材141をスライドさせることにより、第1支持部分310の外側側面に沿って筒状部材141を配置する(ステップE1及びステップE3)。
次に、図14(B)に示すように、段差部分340によって筒状部材142が係止される位置まで軸Xに沿って筒状部材142をスライドさせることにより、第2支持部分320の外側側面に沿って筒状部材142を配置する(ステップE2及びステップE4)。
ここで、第2支持部分320の外側側面に沿って筒状部材142をスライドした後において、筒状部材142の外側側面は、第1支持部分310の外側側面と段差を有していないことが好ましい。言い換えると、筒状部材142の外径は、第1支持部分310の外径と等しいことが好ましい。
次に、図14(C)に示すように、第1支持部分310の外側側面及び筒状部材142の外側側面に発熱体13を配置する(ステップA)。ここで、第1支持部分310の外側側面には、螺旋形状の溝又は突起が設けられる。さらに、筒状部材142の外側側面にも、螺旋形状の溝又は突起が設けられることが好ましい。筒状部材142の外側側面に形成された螺旋状の溝又は突起は、第1支持部分310の外側側面に形成された螺旋状の溝又は突起と連続することが好ましい。ステップAは、第1支持部分310の外側側面及び筒状部材142の外側側面に形成された螺旋状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置するステップである。
次に、図14(D)に示すように、加熱部分13Aから下流に引き出されたリード線を筒状部材141の外側側面に接続することによって第1接点CP1を構成する。例えば、リード線は、溶接や半田付けによって筒状部材141の外側側面に固定される。第1接点CP1は、筒状部材141の端面にリード線を接続することによって構成されてもよい。
続いて、軸Xに沿って液保持部材12をスライドさせることにより、発熱体13及び筒状部材14の外側側面に液保持部材12を配置する。すなわち、発熱体13の加熱部分13Aに接触又は近接するように液保持部材12を配置する(ステップC)。
次に、図14(E)において、軸Xを回転軸としてベース部材300(治具)を回転させて、発熱体13の全てをベース部材300の溝又は突起から離間させる(ステップB)。図14(E)に示す工程によって、エアロゾル取入口及び空気流路が形成される点は実施形態と同様である。
なお、図14では、図示の便宜上、リード線を膨らませているが、実際には、液保持部材12と筒状部材14との間にリード線が配置されることに留意すべきである。
(作用及び効果)
変更例9では、加熱部分13Aから下流に引き出されたリード線を筒状部材141の外側側面又は端面に接続することによって第1接点CP1を構成する。従って、第1接点CP1を容易に形成することができる。
変更例9では、ベース部分330によって筒状部材141が係止され、段差部分340によって筒状部材142が係止される。従って、筒状部材141及び筒状部材142の位置決めが容易であり、加熱部分13Aに対応した距離だけ筒状部材141及び筒状部材142を互いに離間しやすい。
変更例9では、小さい外径を有する第2支持部分320側から大きい外径を有する第1支持部分310側に向けて筒状部材141、筒状部材142及び液保持部材12をスライドさせる。従って、これらの部材をスライドさせやすい。
変更例9では、第1支持部分310の外側側面及び筒状部材142の外側側面に形成された螺旋状の溝又は突起に沿うように発熱体13を配置するのが好ましい。このような構成によって、筒状部材142の外側側面と第1支持部分310の外側側面との間に段差ができにくく、発熱体13を配置しやすい。また、発熱体13(第2端部分13B2)が筒状部材142の外側側面に配置されるため、筒状部材142と発熱体13(第2端部分13B2)とを固定しやすい。
[変更例10]
以下において、実施形態の変更例10について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
実施形態では、フランジ171は、キャップ16の下流端面に配置される。これに対して、変更例10では、図15に示すように、フランジ171が特に設けられておらず、電源の第1極から延びるリード線18が筒状部材141の内側側面に接続される。リード線18は、霧化ユニットハウジング111X内を通って筒状部材141に導かれてもよい。
変更例10において、リード線18は、リザーバ11からキャップ16を分離する方向である分離方向において、キャップ16の下流に設けられる。言い換えると、リザーバ11からキャップ16を分離しようとすると、リード線18がキャップ16に引っかかる。従って、リード線18がキャップ16によって引っ張られるため、筒状部材141からのリード線18の剥離、リード線18の断線、又は、リード線18によって筒状部材141が引っ張られることに起因する発熱体13の変形が生じる。
また、キャップ16が筒状部材141に固定又は嵌合されている。従って、リザーバ11からキャップ16を分離しようとすると、筒状部材141が引っ張られることに起因する発熱体13の変形が生じる。
(作用及び効果)
変更例10では、リード線18は、リザーバ11からキャップ16を分離する方向である分離方向においてキャップ16よりも下流に設けられる。従って、リザーバ11からキャップ16を分離しようとすると、発熱体13や電力供給部材が破損するため、リザーバ11に対するエアロゾル源の再注入を伴う香味吸引器100の利用を効果的に抑制することができる。
[変更例11]
以下において、実施形態の変更例11について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
実施形態では、フランジ171は、キャップ16の下流端面に配置される。これに対して、変更例11では、フランジ171は、図16に示すように、キャップ16の上流端面に配置される。ここで、フランジ171には、電源の第1極から延びるリード線18が接続される。リード線18は、キャップ16の内部を通過してフランジ171に導かれてもよい。
(作用及び効果)
変更例11では、変更例10と同様に、リード線18は、キャップ16の内部を通過して配置される。従って、リザーバ11からキャップ16を分離しようとすると、発熱体13や電力供給部材が破損するため、リザーバ11に対するエアロゾル源の再注入を伴う香味吸引器100の利用を効果的に抑制することができる。
[変更例12]
以下において、実施形態の変更例12について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。変更例12において、霧化ユニット111を除いて、香味吸引器100の構成は実施形態と同様であることに留意すべきである。
実施形態では、インレット112Aが電装ユニットハウジング112Xに設けられており、筒状部材14の外側側面に液保持部材12が配置されており、筒状部材14が空気流路を形成する。これに対して、変更例12では、インレット112Aが霧化ユニットハウジング111Xに設けられており、筒状部材14の内側に液保持部材12が配置されており、筒状部材14の外側に空気流路が形成される。
具体的には、図17に示すように、霧化ユニット111は、リザーバ11と、液保持部材12と、発熱体13と、筒状部材14とを有する。リザーバ11、液保持部材12、発熱体13及び筒状部材14は、インレット112Aを有する霧化ユニットハウジング111Xに収容される。液保持部材12は、筒状部材14内に挿入された挿入部分と、筒状部材14から露出する露出部分とを有する。挿入部分は、リザーバ11に貯留されるエアロゾル源と接触する。露出部分は、挿入部分よりも直交方向Bに膨らんでいる。
発熱体13は、筒状部材14の外側側面及び液保持部材12の露出部分の外側側面に跨がって配置される。発熱体13は、液保持部材12の露出部分に接触又は近接するように配置される。
変更例12においては、インレット112Aから導入された空気は、筒状部材14及び液保持部材12の露出部分の外側側面を通って下流に導かれており、発熱体13で霧化されたエアロゾルを下流側に送達する。変更例12において、筒状部材14は、導電性部材によって構成されておらず、発熱体13は、リード線などの電力供給部材によって電源と接続される。
[変更例13]
以下において、実施形態の変更例13について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
変更例13では、変更例12で説明した霧化ユニット111の製造方法について説明する。図18は、変更例13に係る霧化ユニット111の製造方法を説明するための図である。なお、図18では、霧化ユニットハウジング111X、キャップ16及びフランジ17等が省略されていることに留意すべきである。
具体的には、図18(A)に示すように、所定方向Aに沿って延びる軸Xを有する筒状部材14の外側側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように発熱体13が配置される(ステップA)。また、筒状部材14と発熱体13とが電気的に接続される(ステップD)。ここで、直交方向Bにおける筒状部材14の内側に液保持部材12が配置されていることに留意すべきである。
次に、図18(B)において、軸Xを回転軸として筒状部材14を回転させて、発熱体13の一部を筒状部材14の溝又は突起から離間させる(ステップB)。
変更例13において、発熱体13の一部を筒状部材14の溝又は突起から離間させることによって、液保持部材12の外側方向への膨張抑制が解除されるため、発熱体13に接触又は近接するように液保持部材12が配置される(ステップC)。
すなわち、図18(B)に示す工程は、筒状部材14の回転によって、発熱体13の一部を筒状部材14から離間させるとともに、筒状部材14の内側に配置された液保持部材12の一部を筒状部材14から離間させ、当該液保持部材12の一部の膨張によって、発熱体13の一部に当該液保持部材12の一部を接触又は近接させる工程(ステップB及びステップC)である。保持部材12の一部を発熱体13の一部に接触させるケースにおいて、図18(B)に示す工程は、発熱体13の一部(加熱部分13A)の内側側面を液保持部材12が押圧しながら液保持部材12を配置する工程である。さらに、図18(B)に示す工程は、発熱体13の一部(加熱部分13A)の内側側面の全周に接触するように液保持部材12を配置する工程である。
ここで、筒状部材14の溝又は突起から発熱体13の一部を離間させる場合には、筒状部材14の回転に伴って液保持部材12が所定方向Aに沿って移動しないように、少なくとも液保持部材12を固定することが好ましいことに留意すべきである。液保持部材12を固定する相手は、筒状部材14の回転に伴って移動しないものであればよい。
なお、発熱体13を筒状部材14に固定するケースにおいては、このような固定工程は、筒状部材14の溝又は突起から発熱体13の一部を離間させた後に行われる。
変更例13では、筒状部材14の内側に液保持部材12が配置された状態で、筒状部材14の溝又は突起から発熱体13の一部を離間させているが、筒状部材14の溝又は突起から発熱体13の一部を離間させた後に、発熱体13に接触又は近接するように液保持部材12が配置されてもよい。例えば、筒状部材14の溝又は突起から発熱体13の一部を離間させた状態において、発熱体13が設けられていない側から発熱体13が設けられている側に向けて液保持部材12を筒状部材14に押し込むことによって、液保持部材12の露出部分を発熱体13と接触又は近接させてもよい。
[変更例14]
以下において、実施形態の変更例14について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
実施形態では、円柱形状を有する治具であるベース部材300は、霧化ユニット111の構成として霧化ユニット111に含まれていない。しかしながら、変更例14では、ベース部材300は、霧化ユニット111の構成として霧化ユニット111に含まれる。
すなわち、変更例14において、霧化ユニット111は、図19に示すように、所定方向Aに沿って延びる軸を有するベース部材300と、ベース部材300の側面に形成された螺旋形状の溝又は突起に沿うように配置された発熱体13と、発熱体13の少なくとも一部に接触又は近接するように配置されており、エアロゾル源を保持する液保持部材12と、発熱体13及び液保持部材12を収容する霧化ユニットハウジング111Xとを少なくとも備える。ベース部材300の少なくとも一部は霧化ユニットハウジング111Xから露出することが好ましい。但し、霧化ユニット111は、実施形態と同様に、他の構成(例えば、リザーバ11、筒状部材14、被覆部材15、キャップ16及びフランジ17など)を含んでいてもよい。
変更例14に係る霧化ユニット111の製造方法では、軸Xを回転軸としてベース部材300を回転させて、発熱体13を溝又は突起から離間させる工程(ステップB)に代えて、ベース部材300の一部が霧化ユニットハウジング111Xから露出した状態で、発熱体13及び液保持部材12を霧化ユニットハウジング111X内に収容する工程(ステップF)を有する。発熱体13を溝又は突起から離間させる工程は、例えば、霧化ユニット111を取得したユーザが霧化ユニット111を使用する際に行われる。
なお、図19では、実施形態(例えば、図4及び図5)などと同様に、ベース部材300が治具であるケースを例示した。しかしながら、変更例14は、図19に示す例に限定されるものではない。ベース部材300は、変更例2の図7(A)又は変更例3の図8(A)に示すように、筒状部材14(筒状部材141及び筒状部材142)であってもよい。このようなケースにおいて、液保持部材12は、軸Xを回転軸として筒状部材14を回転させて、発熱体13を溝又は突起から離間させることによって発熱体13の少なくとも一部に接触又は近接するように配置されている。このような構成を有する霧化ユニット111において、筒状部材14の一部は霧化ユニットハウジング111Xから露出していることが好ましい。
(作用及び効果)
変更例14では、ユーザが使用する際にベース部材300を発熱体13から離間させるため、ユーザが霧化ユニット111を使用するまで、発熱体13がベース部材300によって保持された状態が維持される。従って、ユーザが霧化ユニット111を使用するまで、発熱体13の変形が抑制される。また、ベース部材300が蓋の機能を果たすため、ユーザが霧化ユニット111を使用するまで、エアロゾル源の漏れが抑制される。さらに、霧化ユニット111の使用前後を明確に把握することができる。
変更例14では、ベース部材300の少なくとも一部が霧化ユニットハウジング111Xから露出しているのが好ましい。このような構成によって、霧化ユニット111の使用前にベース部材300の回転によって発熱体13を溝又は突起から離間させやすくなる。
変更例14では、発熱体13及び液保持部材12を霧化ユニットハウジング111X内に収容する工程は、ベース部材300の一部が霧化ユニットハウジング111Xから露出した状態で行われるのが好ましい。このような方法によって、霧化ユニット111の使用前にベース部材300の回転によって発熱体13を溝又は突起から離間させやすくなる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
実施形態では、リザーバ11は、直交方向Bにおいて液保持部材12の外側に配置される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。リザーバ11は、液保持部材12と接触していればよく、直交方向Bにおいて液保持部材12の外側に配置されていなくてもよい。なお、リザーバ11が直交方向Bにおいて液保持部材12の外側に配置されていない状態において、被覆部材15は香味吸引器100が使用される前や香味吸引器100が使用される間において予期せずリザーバ11から漏れたエアロゾル源が液保持部材12の外周面から液保持部材12に供給されることを抑制することができる。
実施形態では、液保持部材12は、円筒形状を有する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。液保持部材12は、紐状形状を有していてもよい。
実施形態では、液保持部材12や被覆部材15などの部材は、筒状の形状を有しており、所定方向Aに沿ったスライドによって発熱体13の外側に配置される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。液保持部材12や被覆部材15などの部材は、シート状の形状を有しており、発熱体13に巻き付けられてもよい。
実施形態では、リザーバ11にエアロゾル源を供給するための供給口は、リザーバ11の下流端に設けられており、キャップ16は、リザーバ11の下流端を塞ぐ。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。供給口は、リザーバ11の上流端(空気流路の上流側におけるリザーバ11の端)に設けられており、キャップ16は、リザーバ11の上流端を塞いてもよい。
実施形態では、発熱体13は、螺旋形状を有するワイヤによって形成しており、所定方向Aに沿って延びる形状を有するコイルであり、発熱体13の内側は、中空である。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。発熱体13の内側は、中実であってもよい。例えば、変更例12及び変更例13で説明したように、発熱体13の内側に液保持部材12が設けられていてもよい。
実施形態では、発熱体13は、螺旋形状を有するワイヤによって形成される。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。発熱体13は、他の形状を有する導電部材によって構成されていてもよい。
実施形態では、空気流路の少なくとも一部を形成する筒状部材14が導電性部材によって構成されるケースを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。筒状部材14は、導電部材以外の部材によって構成されていてもよい。
実施形態では、電源と筒状部材14とを接続するための部材として、リード線18が設けられる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、電源と筒状部材14とを接続するための部材は、電気的な経路を構成すればよく、香味吸引器100を構成するハウジングの一部などであってもよい。
変更例4〜6、7〜9においては、筒状部材141の外径は、筒状部材142の外径よりも大きい。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、変更例4、5、7、8においては、筒状部材141の外径は、筒状部材142の外径と等しくてもよい。例えば、筒状部材141の内径が筒状部材142の内径よりも大きく、筒状部材141の外径が筒状部材142の外径と等しい場合には、筒状部材142の厚みが筒状部材141の厚みよりも大きいことに留意すべきである。
実施形態では特に触れていないが、各部材の固定方法は、接着であってもよく、溶着であってもよい。
実施形態では特に触れていないが、液保持部材12は例えばスポンジ状の弾性部材で構成され、液保持部材12を圧縮していたスライド用部材400や筒状部材14が取り除かれることによって膨張し、発熱体13に接触又は近接する構成でもよい。
実施形態では、エアロゾル源を霧化する霧化部として発熱体13が例示されている。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。霧化部は、霧化部に供給される電源出力によってエアロゾル源を霧化する構成を有していればよく、例えば、超音波振動によってエアロゾル源を霧化するものであってもよい。