JP6522552B2 - 皮膚を処理するための方法および組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚の自然老化、UV放射線、環境毒素、環境汚染などの有害な影響を改善する目的でper1遺伝子発現を増加させるために皮膚細胞を処理するための方法、および該方法において使用する組成物の分野に関するものである。
環境攻撃因子、例えば、UV放射線、環境汚染、環境毒素、生理的ストレス、および自然な老化過程が皮膚にとって非常に有害でありうることはよく知られている。顔の皮膚はケラチノサイト、線維芽細胞、メラノサイト、T-細胞などで構成されている。環境攻撃因子は皮膚細胞のDNAに損傷を与え、また細胞の概日リズム全般に影響を及ぼす。身体の自然な概日リズムは、環境攻撃因子への曝露中、通常は日照時間中に、細胞内のある特定の遺伝子が活性化されて該細胞を損傷から保護するタンパク質を産生するよう同期化されている。
自然な身体の概日リズムに関連する遺伝子が同定されており、clock(Circadian Locomotor Output Cycles Kaput)遺伝子およびper1(Period Homolog 1)遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子は共に、概日リズムを調節するタンパク質(CLKおよびPER1)をコードしている。clock遺伝子およびper1遺伝子は皮膚細胞にも存在する。per1遺伝子発現の誘導により、夜間に生じる生物学的過程(例えば修復)に関連した細胞活性のプログラムが開始される。環境攻撃因子に曝露した皮膚細胞は、しばしば減少した、不規則な、または非同期的なclockまたはper1遺伝子発現を呈することが知られている。この発現が今度は曝露した皮膚細胞における正常な概日リズムの乱れを引き起こす。長期間にわたる正常な細胞の概日リズムおよび同期性の乱れは、しわ、小じわ、皮膚の弛緩、不均一な色素沈着、しみ、斑点形成などをもたらす皮膚の自然な老化過程を加速させる可能性がある。
上記の理由から、可能な最大限まで自然な細胞の概日リズムを維持することは非常に有利である。今日までに、皮膚細胞を同期化させるメカニズムでわずかに知られているのは、(1)栄養分およびエネルギー源を除去することにより細胞を長期間飢餓状態にし、その後栄養分を突如再供給すること;または(2)皮膚細胞を、トリペプチド-32というC.T.F.A.名を有するペプチドで処理すること、である。培養されていない皮膚細胞を飢餓状態にすることの実践上の困難性は明白である。さらに、この活性を有することが知られている成分は高価である。
チコリ酸(cichoric acid)が皮膚細胞におけるper1遺伝子発現の有効な刺激因子であることが見出された。皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加させる能力とは、不規則な、または減少した同期性を示す皮膚細胞が同期化される(例えば、全細胞が同時に同レベルのper1遺伝子発現を呈する)ことを意味する。皮膚細胞を同期化させた場合、細胞の損傷を修復する活性成分による皮膚細胞の処理が最も有効である。皮膚処理製品中の活性成分が皮膚細胞にとって最も有益なものとなるように、per1遺伝子発現を増加させるために皮膚細胞を処理すること、またそれによって処理された細胞を同期化させることが最も有益である。本発明の最も好適な実施形態の1つにおいては、皮膚細胞をチコリ酸含有組成物で処理することにより、夜間就寝前にper1遺伝子発現および同期性を増加させる。
本発明は、減少した、不規則な、または非同期的なper1遺伝子発現を有する皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加および/または同期化させるための方法であって、有効量のチコリ酸で該皮膚細胞を処理することを含む上記方法を対象とする。
本発明はまた、UV放射線への曝露に起因する減少した、不規則な、または非同期的なper1遺伝子発現を有する皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加および/または同期化させるための方法であって、処理した細胞のper1遺伝子発現を増加させるのに十分な量のチコリ酸を用いて該皮膚細胞を処理することを含む上記方法を対象とする。
本発明はまた、自然な老化過程に起因する減少した、不規則な、または非同期的なper1遺伝子発現を有する皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加および/または同期化させるための方法であって、処理した細胞のper1遺伝子発現を増加させるのに十分な量のチコリ酸を用いて該皮膚細胞を処理することを含む上記方法を対象とする。
本発明はまた、以下:
(a)日中に、化学的または物理的UVサンスクリーン剤を含有する組成物で皮膚細胞を処理すること;
(b)夜間に、日照時間中のUV曝露に起因する減少した、不規則な、または非同期的なper1遺伝子発現を有しうる皮膚細胞を、処理した該細胞のper1遺伝子発現を増加および/または同期化させるのに十分な量のチコリ酸で処理すること
を含むレジメンで皮膚細胞を処理するための方法を対象とする。
また本発明は、チコリ酸および少なくとも1種のDNA修復酵素を含む組成物も対象とする。
図1は、ムラサキバレンギク(Ecchinacea purpurea)抽出物のper1遺伝子発現を示したものである。 図2は、チコリ酸のper1遺伝子発現を示したものである。
詳細な説明
I.定義
本明細書中で言及した全てのパーセンテージは、他に指定しない限り、重量パーセントである。
「環境汚染」は、典型的には、環境中に見出される汚染物質、例えば、スモッグ、タバコの煙、塵埃、花粉、自動車の排気などを意味する。
「環境毒素」は、消費者が日常生活で使用しうる製品中に見出される成分、例えば、溶剤を含有する清掃用製品、汚染地下水中に見出される化学物質、プラスチック副産物などを意味する。
「DNA修復酵素」という用語は、DNA塩基変異原性損傷を修復する働きをする酵素を意味する。かかる酵素は、それらが修復するDNA損傷のタイプによって分類されることが多く、例えば、塩基除去修復(BER)酵素、ヌクレオチド除去修復(NER)酵素;ミスマッチ修復(MMR)酵素;DNAヘリカーゼ;DNAポリメラーゼなどがある。例えば、8-オキソ-7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシンなどのDNA損傷はOGG1(8-オキソグアニングリコシラーゼ)により修復される場合があり;T-TダイマーはNER(ヌクレオチド除去修復)またはCPDフォトリアーゼにより修復される場合があり;6-4光産物はNERまたは6-4フォトリアーゼにより修復される場合があり;また06-メチルグアニンは06-アルキルグアニンDNAトランスフェラーゼ(AGT)により修復される場合がある。
「自然な老化過程」は、しわ、小じわ、皮膚の弛緩、不均一な色素沈着、皮膚の斑点形成、黄味などの発生を含む、皮膚老化の自然な過程を意味する。
「per1遺伝子発現」は、とりわけ、該遺伝子から転写されるタンパク質の合成により測定しうる、皮膚細胞におけるper1遺伝子の発現を意味する。
「生理的ストレス」は、皮膚細胞が曝露されうるストレス条件、例えば、風焼け、掻痒、擦傷、極度の熱さまたは寒さを意味する。
「皮膚細胞」は、本明細書中で使用する場合、ケラチノサイト、メラノサイト、線維芽細胞、T細胞などを含むがそれらに限定されない、皮膚を構成する細胞を意味する。
「per1遺伝子発現を同期化させる」という用語は、処理した皮膚細胞のper1遺伝子発現を同期化させることを意味する。
「UV放射線」は、UVAおよびUVB波長領域内の紫外放射線を意味する。
II.本発明の方法
本発明の方法においては、チコリ酸を、皮膚細胞、好ましくは顔または身体の皮膚上にある皮膚細胞に、処理した該細胞におけるper1遺伝子発現を増加および/または同期化させるのに十分な量で適用する。最も好ましくは、チコリ酸を化粧品組成物中に組み入れ、該組成物を使用することにより皮膚細胞、好ましくはケラチノサイトを処理する。このような場合、チコリ酸の推奨範囲は約0.000001〜約40%、好ましくは約0.000005〜35%、より好ましくは約0.00001〜25%である。
チコリ酸は合成されたものであっても、または天然由来のものであってもよい。合成チコリ酸は、Sigma Aldrichを含む幾つかの商業的製造業者から購入してもよい。チコリ酸はまた、チコリ酸を含有することが知られている植物供給源、例えば、エキナセア(Echinacea)、キクニガナ(Cichorium)、タンポポ(Taraxacum)、メボウキ(Ocimum)、メリッサ(Melissa)から、または藻類もしくは海藻類から抽出してもよい。より具体的には、ムラサキバレンギク(Echinacea purpurea)、チコリー(Cichorium intybus)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、スイートバジル(Ocimum basilicum)、またはセイヨウヤマハッカ(Melissa officinalis)などの植物抽出物である。また「チコリ酸」という用語は、本明細書中で使用する場合、皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加させる働きをする、チコリ酸のあらゆる異性体も含む。
最も好適なのは、全抽出組成物の約3重量%のチコリ酸を含有するよう抽出工程中に標準化されたムラサキバレンギクの抽出物である、Symfinity(商標)1298という商品名でSymriseから販売されているムラサキバレンギクからの植物抽出物である。異なる供給源からのエキナセア抽出物はチコリ酸含有量が異なり、そのために、per1遺伝子発現の誘導に関して一定しない結果を生じ得る。例えば、本発明者らは、エキナセア抽出物中に一般に見出される別の成分(具体的にはカフタル酸)が、皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加させないことを観察した。さらに、エキナセアの種はそれぞれ、フェノール酸およびチコリ酸の含有量が異なるであろう。ムラサキバレンギクの根のエタノール抽出物は、エキナセア・アングスティフォリア(Echineacea angustifolia)またはエキナセア・パリダ(Echinacea pallida)のエタノール抽出物よりも多くのチコリ酸を提供するであろう。任意の抽出物中の活性成分の含有量は、抽出方法にも大きく左右される。例えば、多くの場合、抽出工程中の酵素的褐変は得られる抽出物のフェノール酸含有量を減少させることが知られている。
本発明の方法において、チコリ酸含有組成物は、スキンクリーム、ローション、ファンデーション、口紅、コンシーラー、頬紅、セラム、アイシャドー、クレンザーまたは化粧水の形態で皮膚に適用することができる。該組成物は、1日1回または複数回、かつ任意のレジメンで皮膚に適用してもよい。チコリ酸は、スキンクリームもしくはローションに、またはクレンザー、化粧水、もしくは皮膚処理製品のうちの1種もしくは複数種に含有されていてもよい。好ましくは、前記のチコリ酸含有組成物は、皮膚の自然な修復過程を最大限に活用するために、夜間就寝前に皮膚に適用する。
チコリ酸を配合した前記組成物は、他の成分(本明細書中に明記した成分を含むがそれらに限定されない)を含有していてもよい。
III.DNA修復酵素
本発明の方法において使用する組成物は、少なくとも1種のDNA修復酵素もまた含有する。推奨範囲は、約0.00001〜約35%、好ましくは約0.00005〜約30%、より好ましくは約0.0001〜約25%の1種以上のDNA修復酵素である。
米国特許第5,077,211号;第5,190,762号;第5,272,079号;および第5,296,231号(これらの文献は全て、それらの全内容が参照により本明細書中に組み込まれるものとする)に開示されているDNA修復酵素は、本発明の組成物および方法での使用に適している。かかるDNA修復酵素の1例は、AGI/DermaticsからRoxisomes(登録商標)という商品名で購入することが可能であり、またシロイヌナズナ(Arabidopsis Thaliana)抽出物というINCI名を有している。該DNA修復酵素は単独で存在していても、またはレシチンおよび水との混合物の形で存在していてもよい。このDNA修復酵素は、8-オキソ-グアニン塩基変異損傷を修復する上で有効であることが知られている。
使用しうる別のタイプのDNA修復酵素は、06-メチルグアニン塩基変異損傷を修復する上で有効であることが知られているものである。該DNA修復酵素はAGI/DermaticsからAdasomes(登録商標)という商品名で販売されており、また乳酸桿菌(Lactobacillus)発酵液というINCI名を有していて、単独で、またはレシチンおよび水との混合物の形で本発明の組成物に添加することができる。
使用しうる別のタイプのDNA修復酵素は、T-Tダイマーを修復する上で有効であることが知られているものである。該酵素は生物学的物質または植物学的物質の混合物中に存在する。かかる成分の具体例は、AGI/DermaticsからUltrasomes(登録商標)またはPhotosomes(登録商標)という商品名で販売されている。Ultrasomes(登録商標)はミクロコッカス(Micrococcus)溶解物(様々な菌種のミクロコッカスの制御された溶解の最終生成物)、レシチン、および水の混合物を含む。Photosomes(登録商標)はプランクトン抽出物(次の生物:海洋プランクトン(thalassoplankton)、緑色微細藻類、珪藻類、青緑色窒素固定海藻のうちの1種以上を含む海洋バイオマスの抽出物である)、水、およびレシチンの混合物を含む。
別のタイプのDNA修復酵素は、ビフィズス菌(Bifida)溶解物またはビフィズス菌(Bifida)発酵溶解物(後者はビフィズス菌を培養し、不活性化しさらにその後分解した際の代謝産物および細胞質画分を含有するビフィズス菌由来の溶解物である)などの多様な不活性化細菌溶解物の1成分でありうる。この物質は、ビフィズス菌発酵エキス(Bifida Ferment Lysate)というINCI名を有している。
他の適切なDNA修復酵素としては、バクテリオファージT4のdenV遺伝子により産生されうるT4エンドヌレクアーゼVが挙げられる。また、塩基グリコシラーゼ、例えば、ウラシル-およびヒポキサンチン-DNAグリコシラーゼ;脱ピリミジン/脱プリン部位エンドヌクレアーゼ;DNAエキソヌクレアーゼ、損傷塩基グリコシラーゼ(例えば、3-メチルアデニン-DNAグリコシラーゼ);単独の、または複合体(例えば、大腸菌(E. coli)uvrA/uvrB/uvrC エンドヌレクアーゼ複合体)のコレンドヌクレアーゼ(correndonucleases);「APE」と称されることが多い多機能DNA修復酵素であるAPEXヌクレアーゼ;ジヒドロ葉酸レダクターゼ;ターミナルトランスフェラーゼ;トポイソメラーゼも適している。
他のタイプの適切なDNA修復酵素は、促進される修復の種類により分類することが可能であり、例として、BER(塩基除去修復)またはBER因子酵素、例えばウラシル-DNAグリコシラーゼ(UNG);一本鎖選択的単機能ウラシルDNAグリコシラーゼ(SMUG1);3,N(4)-エテノシトシングリコシラーゼ(MBD4);チミンDNA-グリコシラーゼ(TDG);A/G-特異的アデニンDNAグリコシラーゼ(MUTYH);8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(OGG1);エンドヌレクアーゼIII様(NTHL1);3-メチルアデニンDNAグリコシダーゼ(MPG);DNAグリコシラーゼ/APリアーゼ(NEIL1または2);APエンドヌレクアーゼ(APEX 1および2)、DNAリガーゼ(LIG3)、リガーゼアクセサリー因子(XRCC1);DNA 5'-キナーゼ/3'-ホスファターゼ(PNKP);ADP-リボシルトランスフェラーゼ(PARP1または2)が挙げられる。
別のカテゴリーのDNA修復酵素としては、1-meAジオキシゲナーゼ(ALKBH2またはALKBH3)などの、メチルプリン損傷を直接回復させると考えられているものが挙げられる。
DNA/タンパク質架橋を修復する働きをするさらに別のカテゴリーの酵素としては、Tyr-DNAホスホジエステラーゼ(TDP1)が挙げられる。
また、MMR(ミスマッチ除去修復)DNA修復酵素、例えば、MutSタンパク質ホモログ(MSH2);ミスマッチ修復タンパク質(MSH3);mutSホモログ4(MSH4);MutSホモログ5(MSH5);またはG/Tミスマッチ-結合タンパク質(MSH6);DNAミスマッチ修復タンパク質(PMS1、PMS2、MLH1、MLH3);減数分裂後分離増加型2(Postmeiotic segregation increased 2)様タンパク質(PMS2L3);または減数分裂後分離増加型2様4偽遺伝子(PMS2L4)も適している。
また、ヌクレオチド除去修復(NER)酵素として知られているDNA修復酵素も適しており、例として、色素性乾皮症C群-相補タンパク質(XPC);RAD23(S.セレビシエ(S. cerevisiae))ホモログ(RAD23B);カルトラクチンアイソフォーム(CETN2);RFAタンパク質1、2、または3(RPA1、2、または3);3’-5’DNAヘリカーゼ(ERCC3);5’-3’DNAヘリカーゼ(ERCC2);塩基性転写因子(GTF2H1、GTF2H2、GTF2H3、GTF2H4、GTF2H5);CDK活性化キナーゼ(CDK7、CCNH);サイクリンG1-相互作用タンパク質(MNAT1);DNA除去修復タンパク質ERCC-5l;除去修復交差相補群1(ERCC1);DNAリガーゼ1(LIG1);ATP-依存性ヘリカーゼ(ERCC6)などのDNA修復酵素が挙げられる。
また、相同組換えを促進するカテゴリーのDNA修復酵素も適している場合があり、例として、限定するものではないが、DNA修復タンパク質RAD51ホモログ(RAD51、RAD51L1、RAD51Bなど);DNA修復タンパク質XRCC2;DNA修復タンパク質XRCC3;DNA修復タンパク質RAD52;ATPアーゼ(RAD50);3’エキソヌクレアーゼ(MRE11A)などが挙げられる。
DNAポリメラーゼであるDNA修復酵素もまた適しており、例として、DNAポリメラーゼβサブユニット(POLB);DNAポリメラーゼγ(POLG);DNAポリメラーゼサブユニットδ(POLD1);DNAポリメラーゼIIサブユニットA(POLE);DNAポリメラーゼδ補助タンパク質(PCNA);DNAポリメラーゼζ(POLZ);MAD2ホモログ(REV7);DNAポリメラーゼη(POLH):DNAポリメラーゼκ(POLK)などが挙げられる。
「エディティング(editing)およびプロセシングヌクレアーゼ」と称されることが多い様々なタイプのDNA修復酵素としては、3'-ヌクレアーゼ;3'-エキソヌクレアーゼ;5'-エキソヌクレアーゼ;エンドヌクレアーゼなどが挙げられる。
DNA修復酵素の他の具体例としては、例えばATP DNAヘリカーゼなどを含むDNAヘリカーゼが挙げられる。
DNA修復酵素は、植物抽出物、細菌または酵母の溶解物、生物学的物質などの構成成分として存在していてもよい。例えば、植物抽出物がDNA修復酵素を含有していてもよい。
本発明の組成物は、1種以上のDNA修復酵素を含有していてもよい。好ましくは、組成物は、化粧品上または薬学上許容される製品をもたらす他の成分を含有する。
IV.他の成分
本発明の方法において使用する組成物は、エマルション、水溶液もしくは分散液、ゲル、または無水組成物の形態であってもよい。エマルションの形態である場合、該組成物は油中水型または水中油型のエマルションであってもよい。エマルションの形態である場合、該組成物は、約1〜99%、好ましくは約5〜90%、より好ましくは約10〜85%の水と、約1〜99%、好ましくは約5〜90%、より好ましくは約5〜75%の油を含有していてもよい。水性懸濁液または分散液の形態である場合、該組成物は一般に、約1〜99.9%、好ましくは約5〜95%、より好ましくは約10〜90%の水を、活性成分または他の処方成分である残りの成分と共に含有していてもよい。
A.保湿剤
本発明の方法において使用する組成物は、1種以上の保湿剤を含有していてもよい。存在する場合、それら保湿剤は約0.1〜75%、好ましくは約0.5〜70%、より好ましくは約0.5〜40%の範囲をとりうる。適切な保湿剤の具体例としては、グリコール、糖などが挙げられる。適切なグリコールはモノマーまたはポリマーの形態であり、また例として、ポリエチレンおよびポリプロピレングリコール(例えば、4〜10個の繰返しエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコールであるPEG 4-10);ならびにC1〜6アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコールなど)が挙げられる。適切な糖(その一部は多価アルコールでもある)もまた適切な保湿剤である。かかる糖の具体例としては、グルコース、フルクトース、ハチミツ、水添ハチミツ、イノシトール、マルトース、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、スクロース、キシリトール、キシロースなどが挙げられる。同様に、尿素も適している。好ましくは、本発明の組成物に使用する保湿剤は、C1〜6、好ましくはC2〜4アルキレングリコール、最も具体的にはブチレングリコールである。
B.界面活性剤
本発明の方法において使用する組成物にとっては、特にエマルション形態である場合に、1種以上の界面活性剤を含有させることが望ましい場合がある。しかし、かかる界面活性剤は、該組成物が溶液、懸濁液、または無水である場合にも使用してよく、また極性を有する成分、例えば顔料(pigments)を分散させるのに役立つ。かかる界面活性剤はシリコーン系であっても、または有機系であってもよい。該界面活性剤は油中水型または水中油型形態の安定したエマルションの形成にも役立つ。存在する場合、該界面活性剤は全組成物の約0.001〜30重量%、好ましくは約0.005〜25重量%、より好ましくは約0.1〜20重量%でありうる。
1.有機非イオン性界面活性剤
本発明の方法において使用する組成物は、1種以上の非イオン性有機界面活性剤を含んでいてもよい。適切な非イオン性界面活性剤としては、アルコールとアルキレンオキシド(通常はエチレンまたはプロピレンオキシド)との反応により形成されるアルコキシル化アルコールまたはエーテルが挙げられる。適切なアルコールとしては、一価、二価、もしくは多価短鎖(C1〜6)アルコール;芳香族もしくは脂肪族の飽和もしくは不飽和脂肪(C12〜40)アルコール、またはコレステロールなどが挙げられる。
コレステロール、または6〜40個、好ましくは約10〜30個、より好ましくは約12〜22個の炭素原子を有しうる芳香族もしくは脂肪族の飽和もしくは不飽和脂肪アルコールが適している。具体例としては、オレイルアルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられる。かかる成分の具体例としては、オレス2-100;ステアレス2-100;ベヘネス5-30;セテアレス2-100;セテス2-100;コレス2-100(ここで、数値範囲は繰返しエチレンオキシド単位の数を意味しており、例えばセテス2-100は繰返しエチレンオキシド単位の数が2〜100であるセテスを意味している)が挙げられる。アルコキシル化アルコールの誘導体(例えば、アルコキシル化アルコールのリン酸エステル)もまた適している。
幾つかの好適な有機非イオン性界面活性剤としては、オレス-3、オレス-5、オレス-3ホスフェート、コレス-24;セテス-24などが挙げられる。
同様に、一価、二価、または多価短鎖アルコールを用いて形成される、例えば約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシル化アルコールも適している。具体例としては、グルコース、グリセリン、またはそのアルキル化誘導体が挙げられる。具体例としては、グリセレス2-100;グルセス2-100;メチルグルセス2-100などが挙げられる。より好適なのは、メチルグルセス-20;グリセレス-26などである。
一般にPEG 12〜200と称される、様々な数の繰返しEO基を有するエチレンオキシドポリマーを含む他のタイプのアルコキシル化アルコールは、適切な界面活性剤である。より好適なのはPEG-75であり、これはDow ChemicalからCarbowax PEG-3350という商品名で購入することができる。
他の適切な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化ソルビタンおよびアルコキシル化ソルビタン誘導体が挙げられる。例えば、ソルビタンのアルコキシル化、特にエトキシル化は、ポリアルコキシル化ソルビタン誘導体を与える。ポリアルコキシル化ソルビタンのエステル化は、ポリソルベートなどのソルビタンエステルを与える。例えば、ポリアルコキシル化ソルビタンは、C6〜30、好ましくはC12〜22脂肪酸を用いてエステル化することができる。かかる成分の具体例としては、ポリソルベート20-85、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。
2.シリコーンまたはシラン界面活性剤
同様に、様々なタイプのシリコーン系またはシラン系界面活性剤も適している。具体例としては、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基で置換されたオルガノシロキサン、例えば、ポリエチレングリコールで置換されたジメチコンであるPEGジメチコン(例えば、PEG-1ジメチコン;PEG-4ジメチコン;PEG-8ジメチコン;PEG-12ジメチコン;PEG-20ジメチコンなどのINCI名を有するもの)が挙げられる。
同様に、エトキシ基もしくはプロポキシ基またはその両方で置換されたシラン、例えば、様々なタイプのPEGメチルエーテルシラン(例えばビス-PEG-18メチルエーテルジメチルシランなど)も適している。
シリコーン系界面活性剤のさらなる具体例としては、ジメチコンコポリオール;セチルジメチコンコポリオールなどの一般名を有する界面活性剤が挙げられる。
C.植物抽出物
1種以上の追加の植物抽出物(成分としてチコリ酸を含有するものを除く)を前記組成物に組み入れることが望ましい場合がある。存在する場合、その推奨範囲は約0.0001〜20%、好ましくは約0.0005〜15%、より好ましくは約0.001〜10%である。適切な植物抽出物としては、例えば花、果実、野菜などの植物(草本、根、花、果実、種子)からの抽出物、例えば、酵母発酵抽出物、パディナ・パボニカ(Padina pavonica)抽出物、サーマス・サーモフィリス(Thermus thermophilis)発酵抽出物、アマナズナ(Camelina sativa)種子油、ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)抽出物、オリーブ抽出物、フサアカシア(Acacia dealbata)抽出物、ギンヨウカエデ(Acer saccharinum)(サトウカエデ)、アシドフォルス(Acidopholus)、ショウブ属(Acorus)、トチノキ属(Aesculus)、ハラタケ属(Agaricus)、リュウゼツラン属(Agave)、キンミズヒキ属(Agrimonia)、藻類、アロエ、柑橘類、アブラナ属(Brassica)、シナモン、オレンジ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、モモ、西洋ナシ、レモン、ライム、エンドウマメ、海藻、カフェイン、緑茶、カモミール、ヤナギの樹皮(willowbark)、クワの実、ケシ、およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook, 第8版、第2巻の第1646〜1660頁に記載されているものが挙げられる。さらなる具体的な例としては、限定するものではないが、カンゾウ(Glycyrrhiza glabra)、クロヤナギ(Salix nigra)、オオウキモ(Macrocycstis pyrifera)、パイラス・マルス(Pyrus malus)、ユキノシタ(Saxifraga sarmentosa)、ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)、クロミグワ(Morus nigra)、コガネバナ(Scutellaria baicalensis)、ローマカミツレ(Anthemis nobilis)、クラリセージ(Salvia sclarea)、ローズマリー(Rosmarinus officianalis)、レモン(Citrus limonum)、オタネニンジン(Panax ginseng)、ツクシメナモミ(Siegesbeckia orientalis)、ウメ(Fructus mume)、アスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、ツルマメ(Glycine soja)抽出物、サトウダイコン(Beta vulgaris)、フッカツソウ(Haberlea rhodopensis)、イタドリ(Polygonum cuspidatum)、オレンジ(Citrus aurantium dulcis)、ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)、イワヒバ(Selaginella tamariscina)、ホップ(Humulus lupulus)、ポンカン(Citrus reticulata)の皮、ザクロ(Punica granatum)、アスパラゴプシス(Asparagopsis)、ウコン(Curcuma longa)、ミツガシワ(Menyanthes trifoliata)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、オオムギ(Hordeum vulgare)、キュウリ(Cucumis sativus)、ツノマタゴケ(Evernia prunastri)、エベルニア・フルフラセア(Evernia furfuracea)、ヒメコラノキ(Kola acuminata)、およびそれらの混合物が挙げられる。
D.生物学的物質
同様に、様々なタイプの生物学的物質、例えば、細胞、発酵物などに由来する生物学的物質も適している。存在する場合、かかる物質は約0.001〜30%、好ましくは約0.005〜25%、より好ましくは約0.01〜20%でありうる。具体例としては、細胞RNAもしくはDNAの断片、またはプロバイオティック微生物が挙げられる。特に好適なのはRNA断片である。
E.油
本発明の方法において使用する組成物がエマルション形態である場合、該組成物は油相を含みうる。油性成分は皮膚の保湿および保護特性のために望ましい。適切な油としては、本明細書中に明記した油を含むがそれらに限定されない、シリコーン、エステル、植物油、合成油が挙げられる。該油は、揮発性であっても、または不揮発性であってもよく、また好ましくは室温で流動性のある(pourable)液体の形態である。「揮発性」という用語は、その油が測定可能な蒸気圧、または20℃で少なくとも約2 mm水銀の蒸気圧を有することを意味する。「不揮発性」という用語は、その油が20℃で約2 mm水銀未満の蒸気圧を有することを意味する。
1.揮発性油
適切な揮発性油は一般に、25℃で約0.5〜5センチストークスの粘度を有しており、直鎖シリコーン、環状シリコーン、パラフィン系炭化水素、またはそれらの混合物が挙げられる。
(a).揮発性シリコーン
環状シリコーンは、本組成物に使用しうる揮発性シリコーンの一種である。かかるシリコーンは、一般式:
Figure 0006522552
〔式中、n=3〜6、好ましくは4、5、または6〕
を有する。
同様に、直鎖揮発性シリコーン、例えば、一般式:
Figure 0006522552
〔式中、n=0、1、2、3、4、または5、好ましくは0、1、2、3、または4〕
を有するものも適している。
環状および直鎖揮発性シリコーンは、様々な商業的供給源、例えばDow Corning CorporationおよびGeneral Electricから入手可能である。Dow Corningの直鎖揮発性シリコーンは、Dow Corning 244、245、344、および200 fluidという商品名で販売されている。これらの流体は、ヘキサメチルジシロキサン(粘度0.65センチストークス(略称cst))、オクタメチルトリシロキサン(1.0 cst)、デカメチルテトラシロキサン(1.5 cst)、ドデカメチルペンタシロキサン(2 cst)およびそれらの混合物を含む(粘度測定値はいずれも25℃でのものである)。
適切な分岐揮発性シリコーンとしては、アルキルトリメチコン、例えば、一般式:
Figure 0006522552
を有する分岐揮発性シリコーンであるメチルトリメチコンが挙げられる。メチルトリメチコンは信越シリコーンからTMF-1.5(25℃で1.5センチストークスの粘度を有する)という商品名で購入することができる。
(b).揮発性パラフィン系炭化水素
揮発性油として同様に適しているのは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の炭素原子、より好ましくは8〜16個の炭素原子を有する様々な直鎖または分岐鎖パラフィン系炭化水素である。適切な炭化水素としては、米国特許第3,439,088号および第3,818,105号(これらの文献はいずれも参照により本明細書中に組み込まれるものとする)に開示されているペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカン、およびC8〜20イソパラフィンが挙げられる。好適な揮発性パラフィン系炭化水素は、70〜225、好ましくは160〜190の分子量、および30〜320℃、好ましくは60〜260℃の沸点範囲、および25℃で約10 cst未満の粘度を有している。かかるパラフィン系炭化水素は、EXXONからISOPARSという商標名で入手可能であり、またPermethyl Corporationからも入手可能である。適切なC12イソパラフィンはPermethyl CorporationによりPermethyl 99Aという商品名で製造されている。イソヘキサデカン(Permethyl Rという商品名を有する)などの市販されている様々なC16イソパラフィンもまた適している。
2.不揮発性油
種々の不揮発性油もまた本発明の組成物への使用に適している。不揮発性油は一般に25℃で約5〜10センチストークス超の粘度を有しており、また25℃で粘度が約1,000,000センチポアズにまで及ぶ場合がある。不揮発性油の具体例としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる。
(a).エステル
適切なエステルはモノ-、ジ-、およびトリエステルである。本組成物はこの群、またはそれらの混合物から選択される1種以上のエステルを含んでいてもよい。
(i)モノエステル
モノエステルは、式R-COOH(式中のRは、2〜45個の炭素原子を有する、直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル、またはフェニルである)を有するモノカルボン酸と、式R-OH(式中のRは、2〜30個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル、またはフェニルである)を有するアルコールの反応により形成されるエステルと定義される。該アルコールと該酸はいずれも、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。該酸または該アルコールの一方または両方が「脂肪」酸または「脂肪」アルコールであってよく、また約6〜30個の炭素原子、より好ましくは12、14、16、18、または22個の炭素原子を直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和の形態で有していてもよい。本発明の組成物に使用しうるモノエステル油の具体例としては、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸セチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ヘプタン酸ステアリル、イソノナン酸イソステアリル、乳酸ステアリル、オクタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソノナン酸イソノニルなどが挙げられる。
(ii).ジエステル
適切なジエステルは、ジカルボン酸と脂肪族もしくは芳香族アルコールとの反応生成物、または少なくとも2つの置換ヒドロキシル基を有する脂肪族もしくは芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物である。ジカルボン酸は2〜30個の炭素原子を含有していてもよく、また直鎖または分岐鎖の、飽和または不飽和形態であってもよい。ジカルボン酸は1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。脂肪族または芳香族アルコールも同様に2〜30個の炭素原子を含有していてもよく、また直鎖もしくは分岐鎖の、飽和、もしくは不飽和形態であってもよい。好ましくは、前記の酸またはアルコールの1種以上が脂肪酸または脂肪アルコールである、すなわち、12〜22個の炭素原子を含有する。またジカルボン酸はαヒドロキシ酸であってもよい。前記のエステルは二量体または三量体の形態であってもよい。本発明の組成物に使用しうるジエステル油の具体例としては、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジオクチルなどが挙げられる。
(iii).トリエステル
適切なトリエステルは、トリカルボン酸と脂肪族または芳香族アルコールとの反応生成物、あるいは3つ以上の置換ヒドロキシル基を有する脂肪族または芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物を含む。上記のモノ-およびジエステルと同様に、該酸および該アルコールは2〜30個の炭素原子を含有しており、また飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分岐鎖であってよく、また1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。好ましくは、該酸または該アルコールの1種以上が、12〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸または脂肪アルコールである。トリエステルの具体例としては、アラキドン酸、クエン酸、またはベヘン酸のエステル、例えばトリアラキジン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリC12-13アルキル、トリカプリリン、クエン酸トリカプリリル、ベヘン酸トリデシル、クエン酸トリオクチルドデシル、ベヘン酸トリデシル;またはヤシ油脂肪酸トリデシル、イソノナン酸トリデシルなどが挙げられる。
前記組成物における使用に適したエステルについては、C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 第11版、2006中の「エステル」の分類においてさらに詳しく記載されており、その本文はその全内容が参照により本明細書中に組み込まれるものとする。
(b).炭化水素油
1種以上の不揮発性炭化水素油を、本発明の方法において使用する組成物に組み入れることが望ましい場合がある。適切な不揮発性炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素およびオレフィン、好ましくは約20個超の炭素原子を有するものが挙げられる。かかる炭化水素油の具体例としては、C24-28オレフィン、C30-45オレフィン、C20-40イソパラフィン、水添ポリイソブテン、ポリイソブテン、ポリデセン、水添ポリデセン、鉱油、ペンタヒドロスクアレン、スクアレン、スクアラン、およびそれらの混合物が挙げられる。ある好適な実施形態においては、かかる炭化水素は約300〜1000ダルトンの分子量を有する。
(c).脂肪酸のグリセリルエステル
脂肪酸の合成または天然に存在するグリセリルエステル、またはトリグリセリドもまた前記組成物における使用に適している。植物源と動物源の両方を使用することができる。かかる油の具体例としては、ヒマシ油、ラノリン油、C10〜18トリグリセリド、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、甘扁桃油、杏仁油、ゴマ油、アマナズナ(camelina sativa)油、タマヌ種子油、ヤシ油、コーン油、綿実油、アマニ油、インクオイル、オリーブ油、パーム油、イリッペ脂、ナタネ油、ダイズ油、ブドウ種子油、ヒマワリ種子油、クルミ油などが挙げられる。
同様に、合成または半合成グリセリルエステル、例えば、改質された天然の脂肪または油である脂肪酸モノ-、ジ-、およびトリグリセリド、例えば、グリセリンなどのポリオールのモノ-、ジ-またはトリエステルも適している。1具体例としては、脂肪(C12〜22)カルボン酸を1つまたは複数の繰返しグリセリル基と反応させる。ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、リシノール酸ポリグリセリル-6、ジオレイン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジステアリン酸ジグリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、PEGヒマシ油、オレイン酸PEGグリセリル、ステアリン酸PEGグリセリル、牛脂脂肪酸PEGグリセリルなどがある。
(d).不揮発性シリコーン
水溶性と水不溶性の両方の不揮発性シリコーン油もまた前記組成物における使用に適している。かかるシリコーンは好ましくは、25℃で約5超〜800,000 cst、好ましくは20〜200,000 cstの粘度を有している。適切な水不溶性シリコーンとしては、アモジメチコンなどのアミン官能性シリコーンが挙げられる。
例えば、かかる不揮発性シリコーンは、次の一般式:
Figure 0006522552
〔式中、RおよびR'は各々独立してC1〜30直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和のアルキル、フェニルまたはアリール、トリアルキルシロキシであり、かつxおよびyは各々独立して1〜1,000,000である;ただしxまたはyの少なくとも一方が存在し、かつAはアルキルシロキシエンドキャップ単位である〕
を有する場合がある。Aがメチルシロキシエンドキャップ単位、特にトリメチルシロキシであり、RおよびR'が各々独立してC1〜30直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、フェニル、またはトリメチルシロキシ、より好ましくはC1〜22アルキル、フェニル、またはトリメチルシロキシ、最も好ましくはメチル、フェニル、またはトリメチルシロキシであり、結果として生成するシリコーンがジメチコン、フェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、またはトリメチルシロキシフェニルジメチコンである場合が好ましい。他の具体例としては、アルキルジメチコン、例えばセチルジメチコンなどが挙げられ、その際、少なくとも1つのRが脂肪アルキル(C12、C14、C16、C18、C20、またはC22)であり、他のRがメチルであり、かつAがトリメチルシロキシエンドキャップ単位であるが、かかるアルキルジメチコンが室温で流動性のある液体であることを条件とする。フェニルトリメチコンはDow Corning Corporationから556 Fluidという商品名で購入することができる。トリメチルシロキシフェニルジメチコンはWacker-ChemieからPDM-1000という商品名で購入することができる。液体シリコーンワックスとも称されるセチルジメチコンは、Dow CorningからFluid 2502として、またはDeGussa Care & Surface SpecialtiesからAbil Wax 9801、もしくは9814という商品名で購入しうる。
F.ビタミンおよび抗酸化剤
1種以上のビタミンまたは抗酸化剤を、本発明の方法において使用する組成物に組み入れることが望ましい場合がある。存在する場合、推奨範囲は約0.001〜20%、好ましくは約0.005〜15%、より好ましくは約0.010〜10%である。好ましくは、かかるビタミン、ビタミン誘導体および/または抗酸化剤は、一重項酸素の形態のフリーラジカルを捕捉する働きをする。かかるビタミンとしては、トコフェロールもしくはその誘導体、例えば、酢酸トコフェロール、フェルラ酸トコフェロール;アスコルビン酸もしくはその誘導体、例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム;ビタミンAもしくはその誘導体、例えばパルミチン酸レチニル;またはビタミンD、K、B、もしくはその誘導体を挙げることができる。
G.好適な組成物
本発明の方法において使用する好適な組成物は水溶液またはエマルションの形態であり、かつチコリ酸および少なくとも1種のDNA修復酵素を含有する。
本発明の方法において使用する組成物が、アルコキシル化アルコールである少なくとも1種の非イオン性有機界面活性剤を含んでおり、かつ少なくとも1種の前記油が有機エステルまたは炭化水素である場合がより好ましい。
本発明を、例示のみを目的として記載する下記実施例と関連付けてさらに詳しく説明する。
皮膚処理組成物を以下の通りに調製した。
Figure 0006522552
前記組成物は、上記成分を組み合わせ、さらに十分に混合して液体を作製することにより調製した。前記組成物をガラス瓶に保存した。
チコリ酸およびムラサキバレンギク(Ecchinacea purpurea)抽出物(Symfinity 1298, Symrise)を、per1遺伝子発現を判定するために試験した。
正常ヒト表皮ケラチノサイト(NHEK)を、サプリメントS001-5(Gibco, Cascade Biologics, Invitrogen)を添加したEpiLife Media MEP1500CAで希釈することにより3×104個の濃度としてから、黒壁96ウェルマイクロタイタープレートに、各ウェルに100μL添加することにより播種した。該プレートを5%CO2で37℃にて3時間インキュベートした。培地を除去してから、残存する接着細胞をEpiLife Media MEP1500CA(サプリメント無添加)ですすいだ。プラスミド溶液は、プラスミドpGL4.11(DNA 2.0, Carlsbad, CA)を含むトリス-EDTA pH 8.0緩衝液を希釈して調製し、1 mg/mLの溶液を作製した。このプラスミドは、per1遺伝子配列およびルシフェラーゼレポーター遺伝子配列を含有していた。トランスフェクション混合液は、EpiLife Media MEP1500CA(サプリメント無添加)を希釈して調製し、0.31μg/mLのプラスミド(上記で調製した適当量のプラスミド溶液を添加することにより取得)、1.28%Plus(商標)Reagent (カタログ番号11514-015, Invitrogen, Carlsbad, CA)、および3.22% Lipofectamine(商標)Transfection Reagent (カタログ番号18324-012, Invitrogen, Carlsbad, CA)を含む溶液を作製した。トランスフェクション混合液40μLを各ウェルに添加し、プレートを5%CO2で37℃にて4時間インキュベートした。次いでサプリメントS001-5を含む80μLのEpiLife Media MEP1500CAを、対照(培地単独)、トランスフェクション混合液対照(活性成分を一切含まないトランスフェクション混合液)を含有するウェルに添加した。試験ウェルおよびトランスフェクション対照ウェル。試験ウェルには80μLの試験物質溶液(サプリメントS001-5を含むEpiLife Media MEP1500CAで希釈した試験物質)を添加した。ウェルを5%CO2で37℃にて16時間インキュベートした。読み取りの直前に、Bright-Glo(商標)(Pro-Mega, Madison WI)を各ウェルプレートに、その時点でウェルに入っていた量と同じ量で添加した(例えば1:1希釈)。発光をLMax(商標) Microplate Luminometer (Molecular Devices, Sunnyvale, CA)で測定した。結果を図1および2に記載する。これらの結果は、ムラサキバレンギク抽出物とチコリ酸の両方がケラチノサイトにおけるper1遺伝子発現を刺激することを示している。
本発明を好適な実施形態と関連付けて説明してきたが、記載した特定の形態に本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、それどころか、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨および範囲内に含まれるようにかかる代替、修正、および等価物を包含することを意図したものである。

Claims (9)

  1. ムラサキバレンギク(Echinacea purpurea)抽出物を含有する、減少した、不規則な、または非同期的なper1遺伝子発現を有する皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加および/または同期化させるための皮膚処理組成物であって、全抽出物の3重量%のチコリ酸を含有するムラサキバレンギク抽出物から得られるチコリ酸を全組成物の0.000001〜0.2重量%含有し、更にビフィズス菌由来の不活化細菌溶解物を含有する、上記組成物。
  2. 更に乳酸桿菌(Lactobacillus)由来の少なくとも1種のDNA修復酵素を含有する、請求項1記載の組成物。
  3. スキンクリーム、ローション、ファンデーション、口紅、コンシーラー、頬紅、セラム、アイシャドー、クレンザーまたは化粧水の形態である、請求項1記載の組成物。
  4. 前記乳酸桿菌が発酵したものである、請求項2記載の組成物。
  5. 発酵した乳酸桿菌がレシチン及び水と混合されている、請求項4記載の組成物。
  6. ビフィズス菌由来の不活化細菌溶解物がビフィズス菌溶解物、ビフィズス菌発酵溶解物、又はこれらの混合物である、請求項1記載の組成物。
  7. 以下:
    (a) 日中に使用するための、化学的または物理的UVサンスクリーン剤を含有する組成物;
    (b) 夜間に使用するための、日中のUV曝露に起因する減少した、不規則な、または非同期的なper1遺伝子発現を有しうる皮膚細胞を処理するための、全抽出物の重量に対して3重量%のチコリ酸を含有するムラサキバレンギク抽出物、およびビフィズス菌由来の不活化細菌溶解物を含有する組成物
    を含む、皮膚トリートメントキット。
  8. 減少した、不規則な、または非同期的なper1遺伝子発現を有する皮膚細胞におけるper1遺伝子発現を増加および/または同期化させるための皮膚処理組成物の製造方法であって、全抽出物の重量に対して3重量%のチコリ酸を含有するように抽出工程中に標準化されたムラサキバレンギク抽出物を配合する工程を含み、該皮膚処理組成物が更にビフィズス菌由来の不活化細菌溶解物を含有する、上記方法
  9. ビフィズス菌由来の不活化細菌溶解物がビフィズス菌発酵溶解物である、請求項8記載の方法
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