JP6521479B2 - Ledランプ - Google Patents

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Description

本発明は、LEDランプに関し、特に、LED冷却機能を備えた電球型のLEDランプに関する。
発光ダイオード(以下、LED:Light Emitting Diode)を光源とするLEDランプが広く普及している。近年、LEDランプの用途の拡大に伴って、LEDランプの高出力化及び高電力化が求められている。LEDランプは、放電ランプと比較して高い発光効率を有する利点があるが、LEDが高温化すると、発光効率が低下する欠点がある。そこで、LEDの高温化を防止するために、LEDを冷却するためのLED冷却機構が設けられる。LED冷却機構として、例えば、ヒートシンクと冷却ファンがある。
電球型のLEDランプの口金は、既存の電球ランプの口金と同一であり、既存の電球ランプ用のソケットに装着されることができる。従来、LEDランプとソケットの間に水が浸入することを防止するための防水パッキンが用いられる。例えば、特許文献1には、LEDランプの口金が設けられた筒状部とソケットの外周を覆う防水パッキンの例が開示されている。この防水パッキンは、防水機能ばかりでなく、LEDランプの脱落防止機能を備える。特許文献2には、LED電灯の口金のカラーにリング状の防水パッキンを設けた例が記載されている。この防水パッキンは、LED電灯の本体部のリング状の基端部上に、ソケットの端面によって軸線方向に押圧される。
特開2013-84435号公報 実用新案登録第3156168号
電球型のLEDランプが投光器等の照明器具に用いられる場合には、口金を通るランプ中心軸線は水平又は水平に近い姿勢に配置される。この場合、ランプ本体は口金とソケットの装着部によって片持ち支持される。そのため、口金とソケットの装着部には、ランプ本体の重量と重心の位置に比例した曲げモーメントが作用する。この曲げモーメントは、LEDランプが外力により振動する場合には増加する。
電球型のLEDランプに、水平又は水平に近い姿勢に配置された状態で、長時間の振動が印加されると、ソケットが破損する可能性がある。
本発明の目的は、電球型のLEDランプにおいて、長時間の振動が印加される環境においてソケットが破損することを回避することにある。
本願の発明者は、電球型のLEDランプに錘を付加し、既存のソケットに装着し、水平又は水平に近い姿勢に配置し、長時間の振動を印加する実験を行った。その結果、ソケットの受け金が破損することが判った。そこで、受け金が破損する状態を観察したところ、LEDランプの口金とソケットの受け金の間の僅かな隙間に起因して、LEDランプが振動するとソケットの内部で受け金に負荷が掛かり、受け金とソケットの接続部分が破損することを見出した。LEDランプの振動が生じることを見出した。そこで、本願の発明者は、LEDランプの口金とソケットの受け金の間に環状の弾性部材を挿入することを着想した。本願の発明者は様々な形状及び寸法の防振部材を試作し、それを装着して、振動試験を行った。その結果、所定の形状及び寸法の防振部材を装着することによって、ソケットの受け金の破損を回避することができることを確認した。
本実施形態によると、口金を有するネック部と、LED素子が実装されたLED基板と該LED基板に装着されたヒートシンクとを有するトップ部と、を含む電球型のLEDランプにおいて、
前記ネック部には前記口金の周囲を覆う管状の防振部材が設けられ、前記口金をソケットに装着するとき、前記防振部材は前記ソケットと前記口金の間に挿入される、としてよい。
本実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記ネック部は、前記口金に接続された連結部材を有し、該連結部材は、口金側の円錐部とトップ側の円筒部を含み、前記防振部材は、前記円錐部と前記口金の一部を覆うように装着されている、としてよい。
本実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記防振部材の口金側端部の厚さは、前記ソケットと前記円錐部の間の隙間寸法よりも小さい、としてよい。
本実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記防振部材の厚さは、口金側からトップ側に向かって大きくなっている、としてよい。
本実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記防振部材はシリコン樹脂又はシリコンゴムによって形成されている、としてよい。
本実施形態によると、前記LEDランプにおいて、前記ネック部は、400W型水銀ランプのネック部に対応した寸法及び形状を有する、としてよい。
本発明によれば、電球型のLEDランプにおいて、長時間の振動が印加される環境においてソケットが破損することを回避することができる。
図1Aは、本実施形態に係るLEDランプの構成例を説明する斜視図である。 図1Bは、本実施形態に係るLEDランプの構成例を説明する斜視図である。 図2は、本実施形態に係るLEDランプの分解斜視図である。 図3は、本実施形態に係るLEDランプのLEDユニット及びスペーサの構造を説明する斜視図である。 図4は、本実施形態に係るLEDランプにおける冷却用空気流を説明する説明図である。 図5は、本実施形態に係わるLEDランプの外観と防振部材の例を説明する説明図である。 図6は、本実施形態に係わるLEDランプをソケットに装着した状態を説明する説明図である。 図7Aは、本実施形態に係わるLEDランプの防振部材の斜視図である。 図7Bは、本実施形態に係わるLEDランプの防振部材の断面図である。 図8Aは、本実施形態に係わるLEDランプのネック部の寸法を説明する説明図である。 図8Bは、本実施形態に係わるLEDランプの加わる荷重を説明する説明図である。 図9は、振動試験に用いた比較例のLEDランプを示す図である。 図10Aは、比較例のLEDランプの振動試験の結果を示す説明図である。 図10Bは、防振部材を使用した本実施形態のLEDランプの振動試験の結果を示す説明図である。
以下、本発明に係るLEDランプの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同一の要素に対しては同一の参照符号を付して、重複した説明を省略する。
図1A及び図1Bを参照して本実施形態に係るLEDランプの例を説明する。図1Aに示すように、LEDランプ10は、口金13と、口金13に接続された連結部材19と、連結部材19に装着された筐体20と、筐体20に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41とを有する。カバー41の内部には、LEDユニット30が配置される。本実施形態に係るLEDランプは所謂電球型である。以下に、口金13を通るランプの中心軸線に沿って、口金13に向かう方向又は口金13に近い方を口金側と称し、その反対をトップ側と称する。
筐体20は、口金側の円筒部21とトップ側のファン収納部23とその間の空気取り入れ部24を含む。円筒部21及びファン収納部23は略円筒状外面を有し、ファン収納部23の外径は、円筒部21の外径より大きい。尚、円筒部21及びファン収納部23の円筒状外面は、口金側に向かって外径が僅かに減少するように軸線方向に沿って傾斜してもよい。空気取り入れ部24は冷却用空気を取り入れるための開口を有する。図1Bに示すように、LEDランプ10は、更に、口金13及び連結部材19の一部を覆うリング状の防振部材14を有する。
図2を参照して、本実施形態に係るLEDランプ10の内部構造を詳細に説明する。LEDランプは、カバー41、LEDユニット30、スペーサ18、冷却ファン15、円形の回路基板27、筐体20、連結部材19、口金13及び防振部材14を有する。カバー41のトップ側端部には複数の空気排出孔42が形成される。空気排出孔42は、LEDランプの中心軸線を囲むように同心的に配置される。LEDユニット30、スペーサ18及び冷却ファン15の構造については後に説明する。冷却ファン15は、典型的にはモータと、その周囲に設けられた回転羽根を有する軸流ファンであってよい。モータは、直流ブラシレスモータであってよい。
筐体20は、口金側の円筒部21、トップ側の空気取り入れ部24、及び、中間のファン収納部23を含む。空気取り入れ部24には複数の空気吸入口242が円周方向に沿って設けられている。回路基板27は、筐体20の空気取り入れ部24に配置されている。回路基板27は、LED素子の温度が上昇した場合にLED素子への電流の供給を止めるランプ保護回路と冷却ファン15に直流電流を供給するファン駆動回路を備える。冷却ファン15は、筐体20のファン収納部23内に配置される。スペーサ18は、筐体20のファン収納部23に装着される。スペーサ18は樹脂製である。更に、スペーサ18に係合するようにLEDユニット30が装着される。こうして、回路基板27、冷却ファン15、スペーサ18及びLEDユニット30が装着されると、LEDユニット30を覆うようにカバー41が装着される。
図3を参照してLEDユニット30とスペーサ18と冷却ファン15の構造の例を説明する。LEDユニット30は、筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着されたヒートシンク32を有する。LED基板31は、LEDランプの中心軸線に平行に且つそれを囲むように配置される。LED基板31は、筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する。
ヒートシンク32は、LED基板31の内面に面接触するように密着して装着される。ヒートシンク32は複数の放熱用のフィン322を有する。フィン322はLEDランプの中心軸線に沿って延びている。フィン322の形状は特に限定されない。ヒートシンク32の内側に、空気流が通るための貫通孔33が形成される。ヒートシンク32は1枚の長方形の薄い金属製の板状部材を順に折り曲げて製造する。ヒートシンク32は、熱伝導性が高い金属、例えば、銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼等によって構成される。
図示の例では、LED基板31は、断面が正八角形の筒状体に形成される。しかしながら、本実施形態では、LED基板31は、図示の例に限定されるものではなく、断面が正八角形以外の正多角形の筒状体に形成されてよい。LED基板31は、1枚の板状の長方形のLED基板を7つの折り曲げ部319に沿って順に折り曲げて筒状に成形することにより形成される。従って、筒状のLED基板の両縁の間に、隙間31Aが形成される。LED基板31は、7つの折り曲げ部319に沿って細い長孔315を有する。
LED基板31とヒートシンク32は、トップ側端部(図3では上側端部)にてクリップ35によって固定される。更に、LED基板31とヒートシンク32は、軸線方向の略中央の位置にてリベット37によって固定される。クリップ35及びリベット37は、正八面体の各面毎に、合計8箇所にて設けられている。
スペーサ18は、中心部材181とその周囲の環状部材183とを有する。中心部材181と環状部材183は、放射状の支持部材185によって接続されている。中心部材181と環状部材183の間に環状の貫通孔186が形成されている。中心部材181は、トップ側端面に設けられた円形部材181Aとそれを支持する円筒部材181Bを有する。環状部材183は、環状のトップ側端面183Aと円筒状内面183Bとを有する。トップ側端面183Aに係合部材187が設けられている。
スペーサ18の貫通孔186は、口金側からトップ側に向かって断面積が大きくなっている。環状部材183の円筒状内面183Bと中心部材181の円筒部材181Bの少なくとも一方は、軸線方向に沿って傾斜している。図示の例では、環状部材183の円筒状内面183Bの径は、トップ側に向かって増大している。更に、中心部材181の円筒部材181Bの外径を、トップ側に向かって増大させてもよい。
冷却ファン15は、中心の円筒状のモータ151とその周囲の円筒状部材153とを有し、両者の間に、環状の貫通孔156が形成されている。貫通孔156に回転羽根が配置されている。モータ151と円筒状部材153は、放射状の支持部材155によって接続されている。
冷却ファン15のモータ151とスペーサ18の中心部材181は、対応した形状及び寸法を有し、ランプの中心軸線に沿って整合するように配置される。例えば、冷却ファン15のモータ151とスペーサ18の中心部材181の円形部材181Aは、同一の外径を有するように形成されてよい。更に、冷却ファン15のモータ151とスペーサ18の中心部材181の円筒部材181Bの口金側端面は、同一の外径を有するように形成されてよい。
冷却ファン15の支持部材155とスペーサ18の支持部材185は、対応した形状及び寸法を有し、ランプの中心軸線に沿って整合して配置されている。例えば、冷却ファン15が4本の支持部材155を備える場合には、スペーサ18は4本の支持部材185を備える。
冷却ファン15の貫通孔156とスペーサ18の貫通孔186は、対応した形状及び寸法を有し、ランプの中心軸線に沿って整合して配置される。例えば、冷却ファン15の貫通孔156のトップ側開口部とスペーサ18の貫通孔186の口金側開口部は、同一形状を有するように形成されてよい。冷却ファン15の貫通孔156とスペーサ18の貫通孔186によって連続した管状の空気流路が形成される。この空気流路は、ヒートシンク32の内側の貫通孔33に接続されている。
LEDユニット30は、スペーサ18の環状部材183に装着される。LED基板31の口金側端部(図3では下側端部)は、スペーサ18の環状部材183のトップ側端面183Aに当接し、且つ、係合部材187によって保持される。係合部材187は図示のような爪状であってもよいが他の形状であってもよい。
本願の発明者は、スペーサ18の中心部材181の好ましい形状を鋭意検討した。本願の発明者は、管状の中心部材181を備えたスペーサ18と、有底の円筒容器状の中心部材181を備えたスペーサ18を用意し、図2に示したLEDランプに装着し、点灯試験を行った。その結果、管状の中心部材181を備えたスペーサ18を用いる場合より、有底の円筒容器状の中心部材181を備えたスペーサ18を用いる場合のほうが、冷却ファン15のモータ151の冷却に有効であることを見出した。更に、中心部材181において円形部材181Aを円筒部材181Bのトップ側に設けた場合と、口金側に設けた場合を比較した。その結果、円形部材181Aを円筒部材181Bのトップ側に設けたほうが、冷却ファン15のモータ151の冷却に有利であることを見出した。そこで、本実施形態では、中心部材181は、図3に示すように、円形部材181Aと円筒部材181Bを有する有底の円筒容器状に形成した。
図4を参照して、本実施形態に係るLEDランプの空冷システムを説明する。図4は、本実施形態に係わるLEDランプの軸線方向に沿った断面構造を示す。カバー41の口金側端部は、筐体20のファン収納部23のトップ側端面に接続されている。カバー41とファン収納部23によって形成される空間内に、LEDユニット30、スペーサ18及び冷却ファン15が配置されている。LEDユニット30、スペーサ18及び冷却ファン15は、ランプの中心軸線に沿って整合して配置されている。ヒートシンク32のフィン322は、ヒートシンク32の口金側端部からトップ側端部まで軸線方向に沿って延びている。
本実施形態では、冷却ファン15とヒートシンク32の間にスペーサ18が配置されている。即ち、冷却ファン15とヒートシンク32の間に、スペーサ18を配置するための空間が形成されている。本実施形態では、冷却ファン15とヒートシンク32の間に空間を設け、更に、この空間にスペーサ18を配置することによって、ヒートシンク32からの熱が冷却ファン15のモータ151に伝達されることが阻止される。
ヒートシンク32の貫通孔33の内径は、冷却ファン15の貫通孔156の外径より大きい。即ち、ヒートシンク32の貫通孔33の断面と、冷却ファン15の貫通孔156の断面の間に差異がある。スペーサ18は、この差異を緩和する機能を有する。図示のように、スペーサ18の環状部材183の円筒状内面183Bは傾斜しており、その径は、口金側からトップ側に向かって大きくなっている。即ち、スペーサ18の貫通孔186の断面は、口金側からトップ側に向かって大きくなっている。従って、ヒートシンク32の貫通孔33の断面と、冷却ファン15の貫通孔156の断面の間に差異は、スペーサ18の貫通孔186の断面の変化によって緩和されている。本実施形態では、スペーサ18を設けることによって、冷却ファン15によって生成された冷却用空気は、効率的にヒートシンク32の貫通孔33に導くことができる。
筐体20の空気取り入れ部24は、円筒部21とファン収納部23を架橋する複数の支持部材241を有する。これらの支持部材241の間に空気吸入口242が形成されている。支持部材241は略三角形状であり、その斜辺の外面を共通に含む仮想の円錐面が形成される。筐体20のファン収納部23は円筒部23Aと底面部23Bを有する。底面部23Bには、空気吸入孔231が形成されている。
本実施形態に係るLEDランプの冷却用空気流の経路を説明する。矢印は、冷却用空気流の経路を示す。筐体20の空気取り入れ部24の空気吸入口242、筐体20のファン収納部23の底面部23Bの空気吸入孔231、冷却ファン15の貫通孔156、スペーサ18の貫通孔186、ヒートシンク32の貫通孔33、及び、カバー41の空気排出孔42は、ランプの軸線方向に沿って整合して配置されており、1つの連続した空気流通路を形成する。更に、ヒートシンク32の貫通孔33、LED基板31の長孔315及び隙間31A(図3)、カバー41とLED基板31の間の空間43、及び、カバー41の空気排出孔42は、ランプの軸線の周りに1つの連続した空気流通路を形成する。
冷却ファン15を回転させると、先ず、環状の貫通孔156に軸線方向の冷却用空気流が形成される。このとき、筐体20の空気取り入れ部24の空気吸入口242を介して外部空間から比較的温度が低い冷却用空気が取り入れられる。この冷却用空気は、ファン収納部23の底面部23Bの空気吸入孔231を経由して、冷却ファン15の貫通孔156に導かれる。冷却ファン15のモータ151は、外部空間からの比較的温度が低い冷却用空気によって冷却されるから、モータ151の潤滑油の劣化に起因する冷却ファン15の性能低下を回避することができる。
筐体20の空気取り入れ部24の空気吸入口242を介して取り入れられた冷却用空気は、回路基板27が配置される空間に流入する。それによって、空気取り入れ部24に配置された回路基板27は効率的に常に放熱される。そのため回路部品等の高温化に起因した劣化及び誤作動を防止することができる。
冷却ファン15によって生成された冷却用空気流は、スペーサ18の貫通孔186を経由して、ヒートシンク32の貫通孔33に導かれる。冷却用空気がヒートシンク32に接触すると熱交換が行われる。冷却用空気はヒートシンク32より熱を奪い、その温度が高くなる。この冷却後の比較的温度が高い空気は、貫通孔33を通ってカバー41のトップ側端部に設けられた空気排出孔42より排出される。
ヒートシンク32の貫通孔33に導かれた冷却用空気の一部は、LED基板31の長孔315及び隙間31A(図3)を経由して、カバー41とLED基板31の間の空間43に流入し、LED基板31のトップ側端部を超えて空気排出孔42より排出される。従って、カバー41とLED基板31の間の空間43の空気は、常に、新しい冷却用空気によって置換される。空間43に流入した冷却用空気によって、配線基板311及びLED素子312が冷却される。
本実施形態によると、冷却用空気が通る空間は、筐体20の空気取り入れ部24の空気吸入口242とカバー41の空気排出孔42とを除いて密閉空間を形成している。従って、外部空間から導入された冷却用空気は全て効率的に、ヒートシンク32の貫通孔33及び空間43内を通過し、ヒートシンク32及びLED基板31の冷却に使用される。従って、ヒートシンク32及びそれに面接触しているLED基板31を効率的に冷却することができる。こうして、ヒートシンク32及びLED基板31が高温化されることが防止される。
図5を参照して本実施形態のLEDユニット30におけるヒートシンク32の取付け構造の例を詳細に説明する。上述のように、本実施形態では、LED基板31は、1枚の板状の長方形のLED基板を7つの折り曲げ部319に沿って順に折り曲げて筒状に成形することにより形成される。従って、筒状のLED基板の両縁の間に、隙間31Aが形成される。LED基板31は、7つの折り曲げ部319に沿って細い長孔315を有する。LED基板31の8つの面の中央部には、それぞれ孔313が形成されている。
LED基板31とヒートシンク32は、トップ側端部(図3では上側端部)にてクリップ35によって固定される。クリップ35は、LED基板31とヒートシンク32の縁を挟んで固定することができれば、どのような構造又は形状であってもよい。クリップ35はLED基板31とヒートシンク32をばね力によって挟んで固定する。ばね力は板ばね又は線ばねによって生成される。LED基板31とヒートシンク32は、軸線方向の略中央の位置にてリベット37によって固定される。リベット37は、LED基板31の孔313とヒートシンク32の孔323を貫通している。クリップ35及びリベット37は、正八面体の各面毎に、合計8箇所にて設けられている。
図5は、本実施形態に係わるLEDランプの外観と防振部材の例を説明する説明図である。上述のように、LEDランプ10は、口金13と、口金13に接続された連結部材19と、連結部材19に装着された筐体20と、筐体20に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41とを有し、更に、口金13及び連結部材19の一部を覆うリング状の防振部材14を有する。筐体20は、口金側の円筒部21とトップ側のファン収納部23とその間の空気取り入れ部24を含む。ここで、カバー41、ファン収納部23及び空気取り入れ部24からなる部分をLEDランプのトップ部10Aと称し、円筒部21、連結部材19及び口金13からなる部分をLEDランプのネック部10Bと称することとする。
連結部材19は、口金側の円錐部191とトップ側の円筒部192を含む。円錐部191のトップ側端部の外径は口金側の端部の外径より大きい。円筒部192の外径は円錐部191のトップ側端部の外径より大きい。そのため、円錐部191と円筒部192の境界に段差が形成されている。防振部材14は、連結部材19の円錐部191と口金13のトップ側端部を覆うように装着されている。
図6は、既存のソケットに装着された本実施形態のLEDランプの例を示す。ソケット50の凹部の内面には、ネジ型の受け金51が設けられ、凹部の底面には平坦な受け金52が設けられている。LEDランプの口金13の外面のネジ形端子は受け金51に接触し、先端の端子は受け金52に接触している。
防振部材14の口金側端部は、ソケット50の凹部に進入している。即ち、防振部材14の口金側端部は、LEDランプの口金13とソケット50の凹部の間に配置されている。そのため、本実施形態では、LEDランプの口金13とソケット50の間の空間は、防振部材14によって充填されている。そのため、LEDランプの自由な運動を阻止することができる。即ち、防振部材14によって、LEDランプがランプの中心軸線に垂直な振動をすることを阻止することができる。
図7A及び図7Bを参照して、本実施形態による防振部材14の例を説明する。図7Aは、本実施形態による防振部材14の斜視図であり、図7Bは、本実施形態による防振部材14の断面図である。防振部材14は、円筒状の外面141と円筒状の内面142を有する管状部材によって形成されている。図7Bに示すように、防振部材14の厚さは、トップ側端部143から口金側端部144に向かって小さくなっている。すなわち、防振部材14は、外面141と内面142のうちの少なくとも一方は軸線方向に沿って傾斜してよい。図示の例では、防振部材14の外面141が軸線方向に沿って傾斜している。防振部材14の口金側端部144の厚さは、ソケット50と連結部材19の円錐部191の間の隙間寸法より小さく形成されており、本実施形態では2.5mmである。防振部材14は、耐候性を有する任意の弾性材料によって形成されるが、例えば、シリコン樹脂又はシリコンゴムによって形成されてよい。
以下に本願の発明者が行った振動試験について説明する。先ず、振動試験に使用したLEDランプを説明する。図8Aは、防振部材14を装着していないLEDランプを示す図であり、既に図1Aに示した。本実施形態によるLEDランプは、400W水銀ランプを備えた投光器に装着されてよい。従って、LEDランプのネック部10Bは、400W水銀ランプのネック部と略同一形状且つ略同一寸法に形成される。トップ部10Aは、投光器の反射鏡10C内に配置され、LEDランプのネック部10Bは、投光器の筐体(図示無し)に配置される。LEDランプの口金13(図8B)は、投光器の筐体のソケット(図6)に装着される。ここでLEDランプのネック部10Bの軸線方向の寸法をLnとし、ネック部10Bの外径をDnとする。ネック部10Bの断面は、軸線方向に沿って一定ではなく、口金に向かって小さくなっている。そこで、ネック部10Bの外径Dnは、筐体20の円筒部21(図6)の外径で近似してよい。振動試験に使用したLEDランプの全長は280mm、Ln=114mm、Dn=50mmである。
図8Bを参照して説明する。本願の発明者が用いた振動試験装置では、LEDランプの中心軸線が水平となるように、LEDランプの口金13をソケット(図6)に装着した。トップ部10Aに錘55を装着した。錘55はリング状の鋼鉄製であり、ネジで、トップ部10Aの周囲に固定した。振動試験毎に、異なる個数の錘55を装着し、更に、トップ部10Aの中心軸線方向に沿って異なる位置に装着した。
LEDランプは、トップ部10Aの先端を自由端とし、口金とソケットの装着部を固定端とする片持ち支持構造により支持される。図示のように錘が取り付けられたLEDランプの重心の位置をG、固定端の位置をPとする。重心位置Gは、ランプの重心と錘55の重心の間にあるが、ここでは、錘55の水平方向の中心位置によって近似する。更に、固定端の位置Pは、口金23の端部によって近似する。実験に使用したランプの重量は300グラム、1個の錘55の重量は400グラムである。
固定端Pから重心位置Gまでの距離をLとする。L=120〜200mmである。重心Gに作用する重力をWとする。W=300+400×nである。ここにnは、錘55の個数である。固定端Pに加わる曲げモーメントMは、M=W×Lである。振動試験は、LEDランプを水平にソケットに装着した状態でz軸(垂直)方向に振動させる方法で行った。振動試験後に、LEDランプを外し、ソケット50の受け金52を観察した。
図9は振動試験に用いた比較例のLEDランプを示す。比較例のLEDランプは、防振部材の代わりに防水パッキン53を用いた。防水パッキンは、LEDランプのネック部10Bとソケット50の外側を覆うように装着される。即ち、連結部材19の円筒部192とソケット50の円筒外面を覆うように装着される。
図10A及び図10Bを参照して振動試験の結果を説明する。横軸はランプ重心位置、縦軸はランプ重量である。ランプ重心位置は、上述のように、固定端Pから錘5の位置までの距離Lによって近似した。ランプ重量WはLEDランプの重量と錘の重量の和である。丸印はソケット50の受け金52が破損していなかったサンプルを示し、×印はソケット50の受け金52が破損したサンプルを示す。
図10Aは、防水パッキン53を使用した比較例のLEDランプ(図9)の振動試験の結果を示し、図10Bは、防振部材14を使用した本実施形態のLEDランプ(図6)の振動試験の結果を示す。図10Aに示すように、比較例では、ランプ重量が1000グラムを超えると、ソケット50の受け金52が破損する。ランプ重量が700グラムでは、ランプ重心位置が150mmより小さいとソケット50の受け金52が破損しないが、ランプ重心位置が150mmを超えるとソケット50の受け金52が破損する。曲線57は、比較例にて、ソケット50の受け金52が破損する場合と破損しない場合を分ける境界線である。
図10Bに示すように、本実施形態では、ランプ重量が1000グラム以下の場合、少なくともランプ重心位置が200mmより小さい場合には、ソケット50の受け金52が破損しない。ランプ重量が1100グラムでは、ランプ重心位置が170mmより小さいとソケット50の受け金52が破損しないが、ランプ重心位置が170mmを超えるとソケット50の受け金52が破損する。曲線58は、本実施例にて、ソケット50の受け金52が破損する場合と破損しない場合を分ける境界線である。本実施形態の境界線58と比較例の境界線57(図10A)を比較すると、本実施形態では、境界線58が、ランプ重心位置が大きくなる方向に、又は、ランプ重量が大きくなる方向に移動していることが判る。従って、本実施形態のLEDランプは、比較例のLEDランプと比較して、ソケット50の受け金52が破損し難いと言える。
以上、本実施形態に係るLEDランプについて説明したが、これらは例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者が、本実施形態に対して容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の記載によって定められる。
10…LEDランプ、10A…トップ部、10B…ネック部、10C…反射鏡、13…口金、14…防振部材、15…冷却ファン、18…スペーサ、19…連結部材、20…筐体、21…円筒部、23…ファン収納部、23A…円筒部、23B…底面部、24…空気取り入れ部、27…回路基板、30…LEDユニット、31…LED基板、31A…隙間、32…ヒートシンク、33…貫通孔、35…クリップ、37…リベット、41…カバー、42…空気排出孔、50…ソケット、51…受け金、52…受け金、53…防水パッキン、55…錘、151…モータ、153…円筒状部材、155…支持部材、156…貫通孔、181…中心部材、181A…円形部材、181B…円筒部材、183…環状部材、183A…トップ側端面、183B…円筒状内面、185…支持部材、186…貫通孔、187…係合部材、191…円錐部、192…円筒部、231…空気吸入孔、241…支持部材、242…空気吸入口、311…配線基板、312…LED素子、313…孔、315…長孔、317…スリット、319…折り曲げ部、319A…V溝、321…装着部、322…フィン、323…孔、324…凹部、351…背中部、352、353…爪部

Claims (5)

  1. 口金及び該口金に接続された連結部材を有するネック部と、LED素子が実装されたLED基板及び該LED基板に装着されたヒートシンクを有するトップ部とを備えた電球型のLEDランプにおいて、
    前記口金及び前記連結部材の一部を覆うように装着された管状の防振部材が設けられ、
    前記口金をソケットに装着したとき、前記ソケットの凹部と前記口金の間の空間は、前記防振部材によって少なくとも部分的に充填され、ランプ中心軸線に垂直なLEDランプの振動が阻止されることを特徴とするLEDランプ。
  2. 請求項1に記載のLEDランプにおいて、
    前記連結部材は、口金側の円錐部とトップ側の円筒部を含み、
    前記防振部材の口金側端部の厚さは、前記ソケットと前記円錐部の間の隙間寸法よりも小さいことを特徴とするLEDランプ。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項に記載のLEDランプにおいて、
    前記防振部材の厚さは、口金側からトップ側に向かって大きくなっていることを特徴とするLEDランプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のLEDランプにおいて、
    前記防振部材は、シリコン樹脂又はシリコンゴムによって形成されていることを特徴とするLEDランプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のLEDランプにおいて、
    前記ネック部は、400W型水銀ランプのネック部に対応した寸法及び形状を有することを特徴とするLEDランプ。
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