JP6521216B2 - 液晶表示装置及び偏光板 - Google Patents
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Description
項1.
バックライト光源と、2つの偏光板の間に配された液晶セルとを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は連続的な発光スペクトルを有する白色光源であり、
前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に1500nm以上3000nm未満のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムが積層されたものであり、かつ、偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸が略平行である、
液晶表示装置。
項2.
前記配向ポリエステルフィルムのNZ係数が2.5以下である、項1に記載の液晶表示装置。
項3.
偏光子の少なくとも一方の面に1500nm以上3000nm未満のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムが積層された偏光板であって、
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸が略平行である、
連続的な発光スペクトルを有する白色光源を有する液晶表示装置用偏光板。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
本発明で使用する配向ポリエステルフィルムは、NZ係数が2.5以下であることが好ましく、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.8以下、よりさらに好ましくは1.6以下である。NZ係数が2.5以下であれば、複屈折の作用は一軸性を増し、観察角度による虹状の色斑の発生が生じ難くなる。そして、完全な一軸性(一軸対称)フィルムではNZ係数は1.0となるため、Nz係数の下限は1.0である。しかし、完全な一軸性(一軸対称)フィルムに近づくにつれ配向方向と直行する方向の機械的強度が著しく低下する傾向があるため留意する必用がある。
遅相軸がTD方向(フィルム幅方向)となるようにフィルムを配向させるには、縦延伸倍率は1.0〜3.5倍が好ましく、特に好ましくは1.0倍〜3.0倍である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、特に好ましくは3.0〜5.5倍である。
遅相軸がMD方向(フィルム流れ方向)となるようにフィルムを配向させるには、縦延伸倍率は2.5倍〜6.0倍が好ましく、特に好ましくは3.0〜5.5倍である、また、横延伸倍率は1.0倍〜3.5倍が好ましく、特に好ましくは1.0倍〜3.0倍である。
薄膜フィルムにおいてリタデーションを上記範囲に制御するためには、縦延伸倍率と横延伸倍率の比率を制御することが好ましい。縦横の延伸倍率の差が小さすぎるとリタデーションを上記範囲にすることが難しくなり好ましくない。また、延伸温度を低く設定することも、薄膜フィルムにおいてリタデーションを上記範囲にする上では好ましい対応である。続く熱処理においては、処理温度は100〜250℃が好ましく、特に好ましくは180〜245℃である。
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|Ny−Nx|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性及び異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)を用いてフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が長辺となるように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Ny:遅相軸方向の屈折率、Nx:面内で遅相軸方向と直交する方向の屈折率(進相軸方向の屈折率))、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)を用いて測定し、前記二軸の屈折率の差の絶対値(|Ny−Nx|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
上記により得られた、Ny、Nx、Nzの値を|Ny−Nz|/|Ny−Nx|に代入してNZ係数を求めた。
実施例で得られた液晶表示装置の偏光板の正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。
○ : 斜め方向から観察した時に、一部極薄い虹斑が観察できる。
△ : 斜め方向から観察した時に、一部で虹ムラが観察できる。
× : 斜め方向から観察した時に、明確に虹斑が観察できる。
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(A)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、接着性改質塗布液を得た。
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)を常法により乾燥して押出機1(外層I層および外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約20μmとすること以外は実施例1と同様にして配向ポリエステルフィルムを得た。
この配向ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板及び液晶表示装置を製造した。
実施例1と同様の方法により作製された未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に1.5倍延伸した後、実施例1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約25μmの配向ポリエステルフィルムを得た。
この配向ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板及び液晶表示装置を製造した。
実施例3と同様の方法で、走行方向に2.0倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約45μmの配向ポリエステルフィルムを得た。
この配向ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板及び液晶表示装置を製造した。
実施例1と同様の方法で、フィルム厚み約15μmの配向ポリエステルフィルムを得た。
この配向ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板及び液晶表示装置を製造した。
実施例3と同様の方法で、走行方向に4.0倍、幅方向に1.0倍延伸して、フィルム厚み約15μmの配向ポリエステルフィルムを得た。
この配向ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板及び液晶表示装置を製造した。
実施例1と同様の方法で、走行方向に1.0倍、幅方向に3.5倍延伸して、フィルム厚み約30μmの配向ポリエステルフィルムを得た。
この配向ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板及び液晶表示装置を製造した。
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸を垂直に積層して偏光板を製造した以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を製造した。
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸を垂直に積層して偏光板を製造した以外は、実施例2と同様にして液晶表示装置を製造した。
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸を垂直に積層して偏光板を製造した以外は、実施例3と同様にして液晶表示装置を製造した。
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸を垂直に積層して偏光板を製造した以外は、実施例4と同様にして液晶表示装置を製造した。
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸を垂直に積層して偏光板を製造した以外は、実施例5と同様にして液晶表示装置を製造した。
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸を垂直に積層して偏光板を製造した以外は、実施例6と同様にして液晶表示装置を製造した。
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸を垂直に積層して偏光板を製造した以外は、実施例7と同様にして液晶表示装置を製造した。
液晶表示装置の光源を冷陰極管として虹斑観察を行った以外は、実施例1と同様にして偏光板及び液晶表示装置を製造した。
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.6倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約38μmの配向ポリエステルフィルムを得た。
この配向ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、偏光板及び液晶表示装置を製造した。
Claims (3)
- バックライト光源と、2つの偏光板の間に配された液晶セルとを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は連続的な発光スペクトルを有する白色光源であり、
前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に1500nm以上3000nm未満のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムが積層されたものであり、かつ、偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸が略平行である、
液晶表示装置。 - 前記配向ポリエステルフィルムのNZ係数が2.5以下である、請求項1に記載の液晶表示装置。
- 偏光子の少なくとも一方の面に1500nm以上3000nm未満のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムが積層された偏光板であって、
偏光子の吸収軸と配向ポリエステルフィルムの遅相軸が略平行である、
連続的な発光スペクトルを有する白色光源を有する液晶表示装置用偏光板。
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