本願出願人は、本願と同日に出願され、それぞれの全内容が参照によって本明細書に組み込まれる、以下の特許出願も所有している。
米国特許出願、名称「Rotary Powered Surgical Instruments With Multiple Degrees of Freedom」、代理人整理番号END7195USNP/120287、
米国特許出願、名称「Articulatable Surgical Instruments With Conductive Pathways For Signal Communication」、代理人整理番号END7187USNP/120279、
米国特許出願、名称「Thumbwheel Switch Arrangements For Surgical Instruments」、代理人整理番号END7189USNP/120281、
米国特許出願、名称「Joystick Switch Assemblies For Surgical Instruments」、代理人整理番号END7192USNP/120284、
米国特許出願、名称「Electromechanical Soft Stops For Surgical Instruments」、代理人整理番号END7196USNP/120288、
米国特許出願、名称「Electromechanical Surgical Device With Signal Relay Arrangement」、代理人整理番号END7190USNP/120282、
米国特許出願、名称「Sensor Straightened End Effector During removal Through Trocar」、代理人整理番号END7193USNP/120285、
米国特許出願、名称「Multiple Processor Motor Control For Modular Surgical Device」、代理人整理番号END7091USNP/120283、並びに、
米国特許出願、名称「Control Methods for Surgical Instruments with Removable Implement Portions」、代理人整理番号END7194USNP/120286。
本明細書に開示するデバイス及び方法の構造、機能、製造、並びに使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について以下に記載する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の例が添付図面に示される。本明細書に具体的に記載され、添付図面に示されるデバイス及び方法は、非限定的な例示的実施形態であること、並びに本発明の様々な実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されるものであることが、当業者には理解されるであろう。ある例示的実施形態との関連において例示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。
用語「備える(comprise)」(並びにcomprises及びcomprisingなど、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(並びにhas及びhavingなど、haveの任意の語形)、「含む(include)」(並びにincludes及びincludingなど、includeの任意の語形)、「含有する(contain)」(並びにcontains及びcontainingなど、containの任意の語形)は、開放型の連結動詞である。結果として、1つ又は2つ以上の要素を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それら1つ又は2つ以上の要素を有しているが、それら1つ又は2つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ又は2つ以上の構造部を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ又は2つ以上の構造部を有しているが、それら1つ又は2つ以上の構造部のみを有することに限定されない。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は臨床医から離れて位置する部分を指す。便宜上、及び明瞭にするため、「垂直」、「水平」、「上」、「下」などの空間的用語は、本明細書において、図面に対して使用されることがあることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図するものではない。
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書で開示する様々な方法及びデバイスは、例えば、開放的な外科的処置と関連することを含めて、多数の外科的処置及び用途で使用できることが、当業者には容易に理解されるであろう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進むにつれて、当業者であれば、本明細書に開示する様々な器具を、天然の開口を通って、組織に形成された切開又は穿刺孔を通ってなど、任意のやり方で体内に挿入できることを更に理解するであろう。器具の作業部分若しくはエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入することができ、又は外科用器具のエンドエフェクタ及び細長い軸を中で前進させることができる作業チャネルを有するアクセスデバイスを通って挿入することができる。
図面に移ると、図面中、複数の図面を通して同様の数字は同様の構成要素を指し、図1〜図3は、動作可能に結合された用具部分100に対して回転作動運動を加えることができる、外科用器具10を示している。更に詳細に後述するように、器具10は、器具10に交換可能に結合されてもよい様々な異なる用具と共に有効に用いられてもよい。図1及び図2の構成は、例えば、組織を切断しステープル留めするように構成されたエンドエフェクタ102に結合されて示される。しかしながら、他の用具構成も器具10によって操作されてもよい。
エンドエフェクタ
図1〜図6に示されるエンドエフェクタ102は、ステープルカートリッジ130を動作可能及び取外し可能に支持するように構成されてもよい、細長いチャネル部材110を含む。ステープルカートリッジ130は、細長いスロット136の両側に互い違いの形で列状に配置された複数のステープルポケット134を含む、上面又はカートリッジデッキ132を含んでもよい。図3を参照されたい。複数の外科用ステープル140は、ステープルポケット134内で動作可能に支持される、対応するステープルドライバ138上で支持される。図3でも分かるように、1つの形態では、エンドエフェクタ102は、ステープルカートリッジ130の近位端に結合されると共に、細長いチャネル110の近位端に収まるように構成されたエンドベース150を含む。例えば、エンドベース150は、カートリッジデッキ132の対応するラッチスロット142に受け入れられるように構成された、遠位側に延在するラッチタブ152を有して形成されてもよい。加えて、エンドベース150は、エンドベース150を細長いチャネル110に取り付けるための、横方向に延在する取付け用突起154を備えてもよい。例えば、取付け用突起154は、細長いチャネル110の対応する取付け孔112に受け入れられるように構成されてもよい。
1つの形態では、エンドベース150は、組織切断部材160及びスレッド170を支持するように構成された、中央に配設されたスロット156を含む。組織切断部材160は、組織切断部分164がその上にあるか又は別の形でそれに取り付けられる本体部分162を含んでもよい。本体部分162は、細長いチャネル110内に回転可能に装着される、エンドエフェクタ打込みねじ180上でネジ止めにより軸支されてもよい。スレッド170は、エンドエフェクタ打込みねじ180に対して軸線方向移動するように支持され、組織切断部材160の本体部分162とインターフェース接続するように構成されてもよい。組織切断部材160が遠位側に駆動されるにつれて、スレッド170は組織切断部材160によって遠位側に駆動される。スレッド170が遠位側に駆動されるにつれて、その上に形成されたくさび172は、ドライバ138をステープルカートリッジ130内で上方へと前進させる役割を果たす。
エンドエフェクタ102は、ステープルカートリッジ130に対して選択的に移動するように支持されるアンビルアセンブリ190を更に含んでもよい。少なくとも1つの形態では、アンビルアセンブリ190は、後部アンビル部分194及び頂部アンビル部分196に結合された第1のアンビル部分192を備えてもよい。後部アンビル部分194は、細長いチャネル110及びその中で支持されるステープルカートリッジ130に対するアンビルアセンブリ190の可動の又は枢軸移動を容易にするため、細長いチャネル110の対応するトラニオン孔又はキャビティ114に受け入れられるように構成された、一対の横方向に突出するトラニオン198を有してもよい。
組織切断部材160は、アンビルアセンブリ190のスロット199内に摺動可能に受け入れられるように構成された、一対の横方向に突出するアクチュエータタブ166を備えてもよい。加えて、組織切断部材160は、細長いチャネル110の底部部分を係合するようにサイズ決めされた脚部168を更に有してもよく、それによって、組織切断部材160が遠位側に駆動されるにつれて、タブ166及び脚部168がアンビルアセンブリ190を閉位置へと移動させる。タブ166及び脚部168は、組織が切断されステープル留めされる際に、所望の間隔でステープルカートリッジ130に対してアンビルアセンブリ190を離間する役割を果たしてもよい。第1のアンビル部分192は、ステープル形成用下面193を有して、外科用ステープル140が駆動されてそこに接触するとステープルを整形してもよい。図4は、アンビルアセンブリ190が開位置にあるときのアンビルアセンブリ190及び切断部材160の位置を示す。図5は、アンビルアセンブリ190が閉じられた後であるが、組織切断部材160が遠位側へと前進させられるか又は「発射」される前の、アンビルアセンブリ190及び切断部材160の位置を示す。図6は、ステープルカートリッジ130内でその最遠位位置まで前進させられた後の組織切断部材160の位置を示す。
エンドエフェクタ打込みねじ180は、細長いチャネル110内で回転可能に支持されてもよい。1つの形態では、例えば、エンドエフェクタ打込みねじ180は、結合具アセンブリ200とインターフェース接続するように構成された駆動軸取付け部材184に結合される、近位端182を有してもよい。駆動軸取付け部材184は、エンドエフェクタ打込みねじ180の近位端182に取り付けられるように構成されてもよい。例えば、駆動軸取付け部材184は、500として全体が指定される発射システムの一部分を備える、対応する六角形のソケットに回転不能に受け入れられるように適合された、取付け部材184から延在する六角形の突出部186を有してもよい。エンドエフェクタ打込みねじ180の第1の方向への回転は、組織切断部材160が遠位方向に移動することをもたらす。様々な形態では、ステープルカートリッジ130は、スレッド170が細長いチャネル110内でその最遠位位置に達する際に緩衝する役割を果たす、一対のバンパー174と嵌合されてもよい。バンパー174はそれぞれ、バンパーに所望の緩衝量を提供するようにばね176を有してもよい。
エンドエフェクタ結合具アセンブリ
用具100の様々な形態は、結合具アセンブリ200を用いて外科用器具10に動作可能に結合されてもよい。結合具アセンブリ200の1つの形態を図7〜図14に示す。結合具アセンブリ200は、220として集合的に指定される駆動歯車アセンブリを動作可能に支持するように構成された、結合具ハウジングセグメント202を含んでもよい。少なくとも1つの形態では、駆動歯車アセンブリ220は、入力歯車222、伝達歯車228、及び出力歯車232を含む。図8を参照されたい。入力歯車222は、第1及び第2の隔壁部材204、206によって回転可能に支持される、入力軸224に装着されるか又はその上に形成される。入力軸224は、更に詳細に後述する独自の新規な発射システム500の一部分を備える、遠位側発射軸セグメント510と噛み合うように構成された近位端226を有する。例えば、近位端226は、遠位側発射軸セグメント510の遠位端に形成された六角形のソケット512に回転不能に挿入するため、六角形の断面形状で構成されてもよい。伝達歯車228は、バッフル部材204、206によって回転可能に支持される、伝達軸230に装着されるか又はその上に形成されてもよい。出力歯車232は、バッフル部材204、206によって回転可能に支持される、出力駆動軸234に装着されるか又はその上に形成されてもよい。組み立てる目的のため、出力駆動軸234の遠位端236は、遠位側エンドキャップ210を通って遠位側に突出する、出力ソケット238に回転不能に取り付けられるように構成されてもよい。1つの構成では、遠位側エンドキャップ210は、締結具208又は他の任意の好適な締結具構成によって、結合具ハウジング202に取り付けられてもよい。出力ソケット238は、出力駆動軸234の遠位端236にピン止めされてもよい。出力ソケット238は、駆動軸取付け部材184と回転不能に噛み合うように構成されてもよい。例えば、出力ソケット238は、駆動軸取付け部材184の六角形の突出部186と噛み合うことができるように、六角形の形状で構成されてもよい。加えて、用具100を結合具アセンブリ200に動作可能に取り付けられるのを容易にするため、取付け用突起がエンドキャップ210に形成されるか又は取り付けられてもよい。
結合具アセンブリ200の1つの構成は、240として全体が指定された係止アセンブリを更に含んでもよい。少なくとも1つの形態では、係止アセンブリ240は、結合具ハウジングセグメント202に形成された係止スロット214内で移動可能に支持される、ばね付勢の係止部材又はピン242を含む。係止ピン242は、その係止端部244がエンドキャップ210の孔211を通って突出するように、係止スロット214内で軸線方向に移動するように構成されてもよい。図8を参照されたい。係止ばね246は、係止ピン242を係止スロット214内で遠位方向「DD」で付勢するように、係止ピン242上で軸支される。アクチュエータアーム248は、ユーザが係止ピン242に対して近位方向「PD」でロック解除運動を加えることが可能になるように、係止ピン242上に形成されるか又はそれに取り付けられてもよい。
図3、図9、及び図10で分かるように、エンドエフェクタ102の細長いチャネル110は、取付け用突起212を受け入れるための結合開口部118がその中に形成された、近位端壁116を有してもよい。1つの構成では、例えば、取付け用突起212は、きのこ型の取付けヘッド215が上に形成されたネック部分213を含んでもよい。結合開口部118は、取付けヘッド215をその中に挿入することが可能になるようにサイズ決めされた、第1の円形部分120を有してもよい。結合開口部118は、ネック213をその中に受け入れることが可能になるようにサイズ決めされた、その中に形成された狭いスロット122を更に有してもよい。近位端壁116は、その中に係止ピン242の遠位端244を受け入れるための係止孔124を更に有してもよい。
エンドエフェクタ102を外科用器具10の結合アセンブリ200に取り付ける1つの方法は、図12〜図14を参照することによって理解することができる。例えば、エンドエフェクタ102を結合アセンブリ200に取り付けるため、ユーザは、駆動軸取付け部材184上の六角形の突出部186を六角形の出力ソケット238と位置合わせしてもよい。同様に、きのこ型のヘッド215は、図9及び図12に示されるように、結合開口部118の円形開口部分120と位置合わせされてもよい。次に、ユーザは、図13に示されるように、突出部186をソケット238に、取付けヘッド215を結合開口部118に軸線方向に挿入してもよい。その後、ユーザは、エンドエフェクタ102を回転させて(図14で矢印「R」によって表される)、ネック213をスロット122に入れると共に、係止ピン242の遠位端244が係止孔124にスナップ嵌めされて、エンドエフェクタ102と結合アセンブリ200との間の更なる相対回転を防ぐことを可能にしてもよい。かかる構成は、エンドエフェクタ102を外科用器具10に動作可能に結合する役割を果たす。
エンドエフェクタ102を結合アセンブリ200から分離するには、ユーザは、ロック解除運動をアクチュエータアーム246に加えて、係止ピンを近位方向「PD」で付勢してもよい。係止ピン242のかかる移動によって、係止ピン242の遠位端244が細長いチャネル110の端壁116にある係止孔124から出る。次に、ユーザは、エンドエフェクタ102を結合アセンブリに対して反対方向に回転させて、取付けボタン212のネック部分213をスロット122から出して、取付けヘッド215をエンドエフェクタ102内の結合開口部118から軸線方向に引っ張り出すことを可能にし、それによってエンドエフェクタ102を結合アセンブリ200から分離することができる。上述のことから理解できるように、結合アセンブリ200は、回転駆動運動(1つ以上)を外科用器具10に加えることによって動作可能な外科用用具100を動作可能に結合するための、独自の新規な構成を提供する。特に、結合アセンブリ200により、様々な異なる外科用用具100又はエンドエフェクタ102を、外科用器具10の細長い軸アセンブリ30に動作可能に結合することが可能になる。
関節運動システム
図1及び図2で分かるように、細長い軸アセンブリ30は軸中心線A−Aを画定してもよい。少なくとも1つの形態では、細長い軸アセンブリ30は、軸中心線A−Aを実質的に横断する関節運動軸線B−Bを中心にしてエンドエフェクタ102を選択的に関節運動させる、関節運動システム300を含んでもよい。関節運動システム300の1つの形態を図15及び図16に示す。それらの図で分かるように、関節運動システム300は電動の関節継手310を含んでもよい。少なくとも1つの構成では、関節継手310は、遠位側ハウジング軸受314によって結合具ハウジングセグメント202の近位側に延在するハブ部分203上で回転可能に支持される、遠位側継手部分又は遠位側クレビス312を含む。図20を参照されたい。遠位側クレビス312は、関節運動軸線B−Bを画定する関節ピン332によって、近位側継手部分又は近位側クレビス330に枢動可能に取り付けられてもよい。図18を参照されたい。遠位側クレビス312は、結合具ハウジングセグメント202の近位端内に受け入れられるようにサイズ決めされた、遠位側に突出する取付けハブ316を含んでもよい。取付けハブ316は、取付けピン320をその中に受け入れるように構成された環状溝318をその中に有してもよい。図8を参照されたい。取付けピン320は、結合具ハウジングセグメント202が軸中心線A−Aを中心にして遠位側クレビス312に対して回転してもよいように、結合具ハウジングセグメント202を遠位側クレビス312に取り付ける役割を果たす。図20で分かるように、遠位側発射軸セグメント510は、結合具ハウジングセグメント202のハブ部分203を通って延在すると共に、ハブ部分203内に装着された遠位側発射軸受322によってセグメントに対して回転可能に支持される。
回転駆動又は発射運動をエンドエフェクタ102に加えるのを容易にするため、並びに関節運動軸線B−Bを中心にしてエンドエフェクタ102が細長い軸アセンブリ30に対して関節運動することができる状態を維持しながら、軸中心線A−Aを中心にしてエンドエフェクタ102を細長い軸30に対して回転させるのを容易にするため、関節継手310は、350として全体が指定されると共に、遠位側クレビス312と近位側クレビス330との間の歯車区域351内に位置する、独自の新規な「入れ子状」の歯車アセンブリを含んでもよい。図18〜図20を参照されたい。少なくとも1つの形態では、例えば、入れ子状の歯車アセンブリ350は、外側のエンドエフェクタ歯車列、即ち「第2の歯車列」380と「入れ子状」になった、内側の駆動軸歯車列、即ち「第1の歯車列」360を含んでもよい。本明細書で使用するとき、「入れ子状」という用語は、第1の歯車列360のいずれの部分も、第2の歯車列380のあらゆる部分を越えて径方向外側に延在しないことを意味してもよい。かかる独自の新規な歯車構成はコンパクトであり、回転制御運動をエンドエフェクタに伝達するのを容易にすると共に、遠位側クレビス部分が近位側クレビス部分に対して枢動することも可能にする。更に詳細に後述するように、内側の駆動軸歯車列360は、回転駆動又は発射運動を、関節継手310を通って近位側発射軸セグメント520から遠位側発射軸セグメント510に加えるのを容易にする。同様に、外側のエンドエフェクタ歯車列380は、更に詳細に後述するように、回転制御運動をエンドエフェクタ回転システム550から結合具アセンブリ200に加えるのを容易にする。
少なくとも1つの形態では、例えば、内側の駆動軸歯車列360は、ねじ364によって遠位側発射軸セグメント510の近位端に取り付けられてもよい、遠位側駆動軸傘歯車362を含んでもよい。図17を参照されたい。内側の駆動軸歯車列360はまた、ねじ368によって近位側発射軸セグメント520に取り付けられる近位側駆動軸傘歯車366を含んでもよい。図20を参照されたい。加えて、内側の駆動軸歯車列360は、横断する歯車軸372に装着される伝達歯車軸受374上に装着される、駆動軸伝達歯車370を更に含んでもよい。図17を参照されたい。かかる内側の駆動軸歯車列360は、回転駆動運動を、近位側発射軸セグメント520から関節継手310を通って遠位側の発射軸セグメント510に伝達するのを容易にしてもよい。
上述したように、入れ子状の歯車アセンブリ350はまた、回転制御運動を、関節継手310を通ってエンドエフェクタ回転システム550から結合具アセンブリ200に加えることを容易にする、外側のエンドエフェクタ歯車列380を含む。少なくとも1つの形態では、外側のエンドエフェクタ歯車列380は、例えば、結合具ハウジングセグメント202の近位側に延在するハブ部分203上に回転不能に(例えば、キー止めされる)、出力傘歯車382を含んでもよい。外側のエンドエフェクタ歯車列380は、エンドエフェクタ回転システム550の近位側回転軸セグメント552に回転不能に取り付けられる(例えば、その上にキー止めされる)、入力傘歯車384を更に含んでもよい。加えて、外側のエンドエフェクタ歯車列380は、横断方向に延在する関節ピン332上で支持される外側の伝達歯車軸受386上に装着される、回転軸伝達歯車388を更に含んでもよい。図17を参照されたい。関節ピン332は、中空の横断する歯車軸372を通って延在し、横断する関節運動軸線B−Bを中心にした関節運動のため、遠位側クレビス312を近位側クレビス330に対してピン止めする役割を果たす。関節運動軸332は、ばねクリップ334によって適所で保定されてもよい。独自の新規な関節継手310及び入れ子状の歯車アセンブリ350は、様々な制御運動を、ハンドルアセンブリ20から細長い軸アセンブリ30を通ってエンドエフェクタ102に伝達するのを容易にする一方で、エンドエフェクタ102が、長い軸中心線A−Aを中心にして回転すると共に関節運動軸線B−Bを中心にして関節運動することを可能にする。
関節運動軸線B−Bを中心にした、細長い軸アセンブリ30に対するエンドエフェクタ102の関節運動は、関節運動制御システム400によって遂行されてもよい。様々な形態では、関節運動制御システム400は、ハンドルアセンブリ20内で動作可能に支持される関節運動制御モータ402を含んでもよい。図15を参照されたい。関節運動制御モータ402は、更に詳細に後述するように、ハンドルアセンブリ20内で取外し可能に支持される分離可能な駆動マウント700上で動作可能に支持される、関節運動駆動アセンブリ410に結合されてもよい。少なくとも1つの形態では、関節運動駆動アセンブリ410は、分離可能な駆動マウント700の軸ハウジングアセンブリ710内で回転可能に支持される、近位側関節運動駆動軸セグメント412を含んでもよい。図27及び図28を参照されたい。例えば、近位側関節運動駆動軸セグメント412は、関節運動軸受414によって遠位側軸ハウジング部分712内で回転可能に支持されてもよい。加えて、近位側関節運動駆動軸セグメント412は、軸受415によって近位側軸ハウジング部分714内で回転可能に支持されてもよい。図28を参照されたい。関節運動制御システム400は、関節運動制御モータ402によって軸中心線A−Aを中心にして回転可能に駆動される、近位側関節運動軸セグメント420を更に備えてもよい。図15でも分かるように、関節運動駆動アセンブリ410はまた、関節運動駆動ベルト418を駆動する役割を果たす、一対の関節運動駆動プーリ416、417を含んでもよい。したがって、関節運動制御モータ402の作動は、軸中心線A−Aを中心とした近位側関節運動軸セグメント420の回転をもたらしてもよい。図15を参照されたい。
図15及び図16で分かるように、近位側関節運動軸セグメント420は、関節運動駆動リンク424とネジ止めにより噛み合うように適合された、ねじ付き部分422を有する。遠位側関節運動駆動軸セグメント420を第1の方向に回転させることによって、関節運動駆動リンク424が遠位方向「DD」で軸線方向に駆動されてもよく、遠位側関節運動駆動軸セグメント420を反対の第2の方向に回転させることによって、関節運動駆動リンク424が近位方向「PD」で軸線方向に移動してもよい。関節運動駆動リンク424は、ピン428によって関節運動バー426にピン止めされてもよい。関節運動バー426は、次いで、ピン429によって遠位側クレビス312にピン止めされてもよい。図17を参照されたい。したがって、臨床医が、関節運動軸線B−Bを中心にして、細長い軸アセンブリ30に対してエンドエフェクタ102又は用具100を関節運動させたいとき、臨床医は、関節運動制御モータ402を作動させて、関節運動制御モータ402によって近位側関節運動軸セグメント420を回転させ、それによって関節運動バー426を所望の方向に作動させて、遠位側クレビス312(及びそれに取り付けられたエンドエフェクタ102)を所望の方向に枢動させる。図21及び図22を参照されたい。
発射システム
上述したように、エンドエフェクタ102は、遠位側発射軸セグメント510及び近位側発射軸セグメント520を含む発射システム500によって、エンドエフェクタ打込みねじ180に加えられる回転制御運動によって動作されてもよい。図23を参照されたい。近位側発射軸セグメント520は、細長い軸アセンブリ30の一部分を含み、遠位側軸受スリーブ522によって中空の近位側回転軸セグメント552内で回転可能に支持されてもよい。図20を参照されたい。図23を再び参照すると、少なくとも1つの形態では、発射システム500は、ハンドルアセンブリ20内で動作可能に支持される発射モータ530を含む。近位側発射軸セグメント520の近位端は、分離可能な駆動マウント700内で回転可能に支持されてもよく、より詳細に後述するような形で発射モータ530に結合されるように構成されてもよい。図30で分かるように、近位側発射軸セグメント520の近位端は、駆動マウント隔壁アセンブリ720の遠位側隔壁プレート722に装着されるスラスト軸受524内で回転可能に支持されてもよい。発射モータ530の作動は、最終的にエンドエフェクタ打込みねじ180の回転をもたらし、回転制御運動がエンドエフェクタ102に加えられることになる。
エンドエフェクタ回転システム
様々な形態では、外科用器具10はまた、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸アセンブリ30に対してエンドエフェクタ102を選択的に回転させるための、エンドエフェクタ回転システム又は「遠位側ロールシステム」550を含んでもよい。エンドエフェクタ回転システム550は、細長い軸アセンブリ30の一部分もまた含む、近位側回転軸セグメント552を含んでもよい。図20で分かるように、近位側回転軸セグメント552は、遠位側軸受554及び近位側軸受556によって、近位側クレビス330内で回転可能に支持されてもよい。加えて、近位側回転軸セグメント552は、遠位側軸受スリーブ558及び近位側軸受559によって、近位側関節運動軸セグメント420内で回転可能に支持されてもよい。図20及び30を参照されたい。近位側回転軸セグメント552の近位端もまた、図30で分かるように、近位側軸受555によって駆動マウント隔壁アセンブリ720内で回転可能に支持されてもよい。
少なくとも1つの形態では、エンドエフェクタ回転システム550は、ハンドルアセンブリ20内で動作可能に支持される、エンドエフェクタ回転又は「遠位側ロール」モータ560を含んでもよい。図24を参照されたい。エンドエフェクタ回転モータ560は、分離可能な駆動マウント700上で動作可能に支持される、回転駆動アセンブリ570に結合されてもよい。少なくとも1つの形態では、回転駆動アセンブリ570は、分離可能な駆動マウント700の軸ハウジングアセンブリ710内で回転可能に支持される、近位側回転駆動軸セグメント572を含む。図27を参照されたい。例えば、近位側回転駆動軸セグメント572は、軸受576によって遠位側軸ハウジング部分712内で回転可能に支持されてもよい。加えて、近位側回転駆動軸セグメント572は、軸受577によって近位側ハウジング部分714内で回転可能に支持される。図28を参照されたい。図24及び図28で分かるように、回転駆動アセンブリ570はまた、回転駆動ベルト578を駆動する役割を果たす、一対の回転駆動プーリ574、575を含んでもよい。したがって、エンドエフェクタ回転モータ560の作動によって、軸中心線A−Aを中心にした近位側回転軸セグメント552の回転がもたらされることになる。近位側回転軸セグメント552の回転は、結合具アセンブリ200の、最終的にはそれに結合されたエンドエフェクタ102の回転をもたらす。
軸回転システム
外科用器具10の様々な形態はまた、600として全体が指定される軸回転システムを含んでもよい。軸回転システムは、本明細書では、「近位側ロールシステム」とも呼ばれることがある。少なくとも1つの形態では、軸回転システム600は、細長い軸アセンブリ30の一部分も備える近位側外軸セグメント602を含む。近位側外軸セグメント602は、近位側クレビス330に回転不能に結合される遠位端604を有する。図19及び図26で分かるように、遠位端604は、それに対する関節運動バー426の作動を許容するクリアランスノッチ606をその中に有する。軸回転システム600は、ハンドルアセンブリ20内で動作可能に支持される、軸回転又は「近位側ロール」モータ610を含んでもよい。軸回転モータ610は、分離可能な駆動マウント700上で動作可能に支持される、軸駆動アセンブリ620に結合されてもよい。少なくとも1つの形態では、軸駆動アセンブリ620は、軸受624によって分離可能な駆動マウント700の遠位側軸ハウジング部分712内で回転可能に支持される、近位側駆動軸セグメント622を含む。図28を参照されたい。加えて、近位側駆動軸セグメント622は、軸受626によって近位側駆動軸ハウジング部分714内で回転可能に支持される。図26及び図28で分かるように、軸駆動アセンブリ620はまた、軸駆動ベルト634を駆動する役割を果たす、一対の回転駆動プーリ630、632を含んでもよい。駆動プーリ632は、駆動プーリ632の回転によって、軸中心線A−Aを中心にした近位側駆動軸セグメント602及びそれに取り付けられたエンドエフェクタ102の回転がもたらされるように、近位側駆動軸セグメント602に回転不能に取り付けられる。図28及び図30で更に分かるように、近位側駆動軸セグメント602は、一対のスリーブ軸受607及び608によって、遠位側軸ハウジング部分712内で回転可能に支持される。
本発明の独自の新規な関節運動システム構成は、複数の自由度をエンドエフェクタに与えると共に、それに対して回転制御運動を加えることを容易にする。例えば、いくつかの外科手術と関連して、標的組織と面一である位置へとエンドエフェクタを位置決めすることが必要なことがある。本発明の様々な構成は、例えば外科的処置を腹腔鏡下で行うときに遭遇する場合が多いサイズ制限を満たしながら、エンドエフェクタに対して少なくとも3つの自由度を提供する。
本発明の外科用器具の様々な形態によって、エンドエフェクタを標的組織に対して位置決めする際の、ユーザの器用さ、精度、及び効率を改善するのが容易になる。例えば、送電に一般に使用される従来の軸関節継手は、蝶番式の脊椎状で曲げ順応性のある結合具(hinged vertebral and flexurally compliant couplings)である、自在継手(1つ以上)を高頻度で用いる。それらの方法は全て、曲げ半径及び過度の長さ特性における制限を含む、性能上の制限を受ける傾向にあることがある。本明細書に開示する独自の新規な細長い軸アセンブリ及び駆動システムの様々な形態は、例えば、他の従来の関節運動構成と比較したときに、関節運動軸線とエンドエフェクタとの間の距離を最小限に抑えることができる。本明細書に開示する細長い軸アセンブリ及び関節継手構成は、少なくとも1つの回転制御運動をエンドエフェクタに伝達するのを容易にする一方で、エンドエフェクタに対して複数の自由度も与えて、エンドエフェクタを標的組織に対して精密に位置決めすることが可能になる。
エンドエフェクタ102又は用具100を使用した後、外科用器具10の結合具アセンブリ200から分離し、廃棄するか、又は適切な滅菌方法を利用して別個に再処理し滅菌してもよい。外科用器具10は、新しいエンドエフェクタ/用具と関連して複数回使用されてもよい。特定の用途に応じて、外科用器具10を再滅菌するのが望ましいことがある。例えば、器具10は、別の外科的処置を完了するのに使用される前に再滅菌されてもよい。
外科用器具は使用前には無菌でなければならない。医療用デバイスを滅菌する1つの一般的な方法は、所望の期間にわたって所望の温度でデバイスを湿り蒸気に暴露することを伴う。かかる滅菌処置は、有効であるものの、一般に、蒸気滅菌方法を使用したときに生成する高温により、電気部品を用いる外科用器具を滅菌するのには不向きである。かかるデバイスは、一般に、例えばエチレンオキシドなどのガスに暴露することによって滅菌される。
外科用器具10の様々な形態は、従来の滅菌方法を利用して滅菌されてもよい。少なくとも1つの形態では、例えば、細長い軸アセンブリ30は、比較的高い滅菌温度を用いる方法を利用して有効に滅菌されてもよい構成要素及び材料から製作されてもよい。しかしながら、例えば、電気部品を損傷する可能性を回避するため、ハンドルアセンブリを滅菌するときの動作温度がより低い滅菌方法を使用することが望ましい場合がある。したがって、細長い軸アセンブリ30とは別に、様々な電気部品を収容するハンドルアセンブリ20を滅菌することが望ましい場合がある。かかる別個の滅菌処置の使用を容易にするため、細長い軸アセンブリ30は、少なくとも1つの形態では、ハンドルアセンブリ20から分離可能である。
分離可能な駆動マウントアセンブリ
より具体的には、また図28を参照すると、分離可能な駆動マウントアセンブリ700は、ハンドルアセンブリ20の一部分内で動作可能に支持される。1つの形態では、例えば、分離可能な駆動マウントアセンブリ700は、スナップ構造部、ねじ、又は他の締結具構成を用いて相互接続されてもよい、遠位側ハンドルハウジングセグメント21及び22内に装着されてもよい。共に結合されたときの遠位側ハンドルハウジングセグメント21及び22は、本明細書では、「遠位側ハンドルハウジング部分」又は「ハウジング」25と呼ばれることがある。分離可能な駆動マウントアセンブリ700は、例えば、遠位側軸ハウジング712及び近位側軸ハウジング714を備える軸ハウジングアセンブリ710を含んでもよい。分離可能な駆動マウントアセンブリ700は、遠位側隔壁プレート722及び近位側結合具隔壁プレート724を含む、駆動マウント隔壁アセンブリ720を更に備えてもよい。上述したように、少なくとも1つの形態では、分離可能な駆動マウントアセンブリ700は、関節運動駆動アセンブリ410、近位側発射軸セグメント520の近位端、回転駆動アセンブリ570、及び軸駆動アセンブリ620を動作可能に支持してもよい。発射軸セグメント520、関節運動駆動アセンブリ410、回転駆動アセンブリ570、及び軸駆動アセンブリ620をそれぞれ、発射モータ530、関節運動制御モータ402、エンドエフェクタ回転モータ560、及び軸回転モータ610に迅速に結合するのを容易にするため、独自の新規な結合具構成が用いられてもよい。
モータ装着アセンブリ
少なくとも1つの形態では、例えば、分離可能な駆動マウントアセンブリ700は、750として全体が指定されるモータ装着アセンブリに取外し可能に結合されるように構成されてもよい。モータ装着アセンブリ750は、スナップ構造部、ねじなどによって共に結合可能であって、ハンドルアセンブリ20のピストルグリップ部分26を形成する役割を果たす、ハンドルハウジングセグメント23及び24内で支持されてもよい。図1を参照されたい。ハンドルハウジングセグメント23及び24は、共に結合されたとき、本明細書では、「近位側ハンドルハウジング部分」又は「ハウジング」28と呼ばれることがある。図29〜図32を参照すると、モータ装着アセンブリ750は、ハンドルハウジングセグメント23及び24内で取外し可能に支持される、モータマウント752を備えてもよい。少なくとも1つの形態では、例えば、モータマウント752は、底部プレート754と、垂直に延在するモータ隔壁アセンブリ756とを有してもよい。底部プレート754上には、分離可能な駆動マウント700の底部プレート部分730を保定するようにそれと噛み合って受け入れるように構成された、締結具タブ758が形成されてもよい。加えて、右側ロケータピン772及び左側ロケータピン774は、モータ隔壁アセンブリ756に装着され、そこを通って近位側軸ハウジング部分714に形成された対応する右側及び左側ソケットチューブ716、718内へと遠位側に突出する。図32を参照されたい。
少なくとも1つの構成では、分離可能な駆動マウントアセンブリ700は、解放可能なラッチ構成760によってモータ装着アセンブリ750に取外し可能に結合されてもよい。図31で分かるように、例えば、解放可能なラッチ構成760は、モータ装着アセンブリ750の各側面に位置してもよい。それぞれの解放可能なラッチ構成760は、対応するピン764によってモータ隔壁アセンブリ756に枢動的に取り付けられる、ラッチアーム762を含んでもよい。それぞれのラッチアーム762は、モータ隔壁アセンブリ756の遠位面に形成された、対応する締結具用突起766を通って外に突出してもよい。締結具用突起766は、近位側結合具隔壁プレート724から近位側に突出する、対応する受具部材726内で摺動可能に受け入れられるように構成されてもよい。図30及び32を参照されたい。駆動マウントアセンブリ700がモータ装着アセンブリ750と嵌合係合するようにされると、締結具用突起766は対応する受具部材726に滑り込み、それによってラッチアーム762が、対応する受具部材726のラッチ部分728を保定して係合する。各ラッチアーム762は、それと関連付けられた対応するラッチばね768を有して、ラッチアーム762を付勢して対応するラッチ部分728と保定係合させて、分離可能な駆動マウントアセンブリ700をモータ装着アセンブリ750に結合させて保定する。加えて、少なくとも1つの形態では、それぞれのラッチ構成760は、モータ隔壁756に移動可能に結合されると共にそれと選択的に接触するように配向される、解放ボタン770を更に含む。各解放ボタン770は、ボタン770を付勢してそれに対応するラッチアーム762と接触しないようにする、解放ばね771を含んでもよい。臨床医が分離可能な駆動マウントアセンブリ700をモータ装着アセンブリ750から分離したいとき、臨床医は、単にそれぞれのボタン770を内側に押して、ラッチアーム762を付勢して受具部材726上のラッチ部分728との保定係合を外し、次に分離可能な駆動マウントアセンブリ700を引っ張って、モータ装着アセンブリ750との嵌合係合を外す。他の解放可能なラッチ構成は、モータ装着アセンブリ750に取外し可能に結合されてもよい分離可能な駆動マウントアセンブリ700を、解放可能に結合するのに用いられてもよい。
外科用器具10の少なくとも1つの形態はまた、分離可能な駆動マウント700上に動作可能に支持されて装着されるそれぞれの駆動アセンブリに対して、制御モータを結合するための結合具アセンブリを用いてもよい。より具体的には、また図28〜図32を参照すると、結合具アセンブリ780は、関節運動駆動アセンブリ410を関節運動制御モータ402に取外し可能に結合するために用いられる。結合具アセンブリ780は、関節運動制御モータ402の駆動軸404に動作可能に結合される、近位側結合具部分782を含んでもよい。加えて、結合具アセンブリ780は、近位側関節運動駆動軸412に取り付けられる遠位側結合具部分784を更に含んでもよい。図28及び32を参照されたい。それぞれの遠位側結合具部分784は、近位側結合具部分782に形成された対応する貝状区域788に回転不能に収まるように設計された、複数の(3つが図示される)結合具突出部786を有してもよい。図30を参照されたい。同様に、別の遠位側結合具部分784は、回転駆動アセンブリ570の近位側回転駆動軸572に取り付けられてもよく、対応する近位側結合具部分782は回転モータ駆動軸562に取り付けられる。加えて、別の遠位側結合具部分784は、近位側発射軸セグメント520に取り付けられてもよく、対応する近位側結合具部分782は発射モータ駆動軸532に取り付けられる。更に別の遠位側結合具部分784は、軸駆動アセンブリ620の近位側駆動軸セグメント622に取り付けられてもよく、対応する近位側結合具部分782は軸回転モータ610の駆動軸612に取り付けられる。かかる結合具アセンブリ780により、駆動軸及びモータ軸の位置にかかわらず、制御モータをそれらそれぞれの駆動アセンブリに結合することが容易になる。
上述した独自の新規なハンドルアセンブリ構成の様々な形態により、モータ402、530、560、及び610、並びに800として全体が指定される制御システムを備える様々な電気部品を収容しているハンドルアセンブリ20の残りの部分から、細長い軸アセンブリ30を簡単に分離することが可能になる。そのため、細長い軸アセンブリ30及び分離可能な駆動マウント部分700は、高温を用いる滅菌方法を利用すると損傷する場合がある、モータ及び制御システムを収容したハンドルアセンブリの残りの部分とは別に滅菌されてもよい。かかる独自の新規な分離可能な駆動マウント構成はまた、手持ち式であってもなくてもよいロボットシステムの一部分を、駆動システム(モータ及び制御部品)が備える構成と関連して用いられてもよい。
歯車駆動式の駆動マウント構成
図100〜図103は、駆動運動をモータからそれら各軸に伝動する一群の歯車駆動装置を用いる、代替の駆動マウント5700を示す。図100で分かるように、駆動マウント5700は、複数の歯車列構成を動作可能に支持する遠位側軸ハウジング5712を含む、遠位側軸ハウジングアセンブリ5710を含んでもよい。遠位側軸ハウジング5712は、図100で分かるように、遠位側軸ハウジング5712から突出する、対応する装着用突起5713を受け入れる一対の装着ソケット5725を有する、近位側結合具隔壁プレート5724に取外し可能に装着されるように構成される。上述の構成と同様に、発射又は横切開モータ530の軸は、図103で分かるように、結合具アセンブリ5780によって近位側発射軸セグメント5520に直接結合される。エンドエフェクタ回転システム550の近位側回転軸セグメント5552は、5565として全体が示される歯車列によって回転する。少なくとも1つの形態では、例えば、歯車列5565は、近位側回転軸セグメント5552に取り付けられると共に駆動歯車5567と噛合係合した状態で支持される、被動歯車5566を含む。図103で最も詳しく分かるように、駆動歯車5567は、遠位側軸ハウジング5712内で回転可能に支持される平歯車軸5568に装着される。平歯車軸5568は、結合具アセンブリ5780によって、エンドエフェクタ回転又は遠位側ロールモータ560の軸に結合される。
近位側関節運動軸セグメント5420は、5430として全体が示される歯車列によって回転する。少なくとも1つの形態では、例えば、歯車列5430は、近位側関節運動軸セグメント5420に取り付けられると共に駆動歯車5434と噛合係合した状態で支持される、被動歯車5432を含む。図102で最も詳しく分かるように、駆動歯車5434は、遠位側軸ハウジング5712内で回転可能に支持される平歯車軸5436に装着される。平歯車軸5436は、結合具アセンブリ5780によって、関節運動制御モータ402の軸に結合される。
近位側外軸セグメント5602は、5640で全体が示される歯車列によって回転する。少なくとも1つの形態では、例えば、歯車列5640は、近位側外軸セグメント5602に取り付けられると共に、遠位側軸ハウジング5712内で回転可能に支持される複合傘歯車5644と噛合係合した状態で支持される、被動歯車5642を含む。複合傘歯車5644は、遠位側軸ハウジング5712内でまた回転可能に支持される平歯車軸5648に装着される、駆動傘歯車アセンブリ5646と噛合係合した状態である。平歯車軸5648は、結合具アセンブリ5780によって、軸回転又は近位側ロールモータ610の軸に結合される。図101を参照されたい。代替の駆動マウント5700のモータ及び歯車列は、本明細書に記載する方法で、外科用器具に電力供給しそれを制御するのに使用されてもよい。
電力及び制御システム
様々な形態では、外科用器具10は、器具によって用いられる様々なモータを制御するため、800として全体が指定される制御システムを用いてもよい。モータ402、530、560、及び610、並びにそれらの関連する制御部品は、本明細書では、398として全体が指定される「駆動システム」とも呼ばれることがある。1つの形態では、駆動システム398は、複数の制御運動を「電気的に生成させる」役割を果たす。「電気的に生成させる」という用語は、電気信号を使用して、モータ又は他の電動デバイスを作動させることを指し、電流を使用することなく手動で又は他の方法で機械的に生成する制御運動と区別されてもよい。1つの形態では、駆動システム398は、臨床医の片手又は両手で保持されてもよい、ハンドルアセンブリ内で動作可能に支持されてもよい。他の形態では、しかしながら、駆動システム398は、ロボットシステムの一部を含むか、かつ/又はそれによって動作されるか、かつ/又はそれによって支持されてもよい。
1つの形態では、モータ402、530、560、及び610、並びにそれらの関連する制御部品は、ハンドルアセンブリ20のピストルグリップ部分26内に収容される電池802から電力を受け取ってもよい。他の構成では、電池は、例えばロボットシステムによって支持されてもよい。他の実施形態では、しかしながら、ハンドルアセンブリ20は、そこから突出する、別のソース電力から電力を供給するための電源コード(図示なし)を有してもよい。更に他の構成では、モータ及び電気部品はロボットシステムから電力及び制御信号を受信してもよい。制御システム800は、例えば、分離可能な駆動マウント700上で支持される遠位側回路基板810を含んでもよい、様々な制御システム構成要素を備えてもよい。遠位側回路基板810は、従来の蒸気滅菌技術を利用して、並びに他の低温滅菌方法によって滅菌することができる、電気コネクタ812及び/又は電気部品を含んでもよい。制御システム800は、ハンドルハウジングセグメント23及び24によって形成されるハンドルアセンブリ20の部分で支持される、近位側回路基板820を更に含んでもよい。近位側回路基板820は、分離可能な駆動マウント700がモータ装着アセンブリ750に結合されているときに遠位側回路基板810に電気的に結合されるように構成される。
外科用器具10の様々な形態は、ハンドルアセンブリ20のピストルグリップ部分26に動作可能に収容されるか又はそれによって支持されてもよい、独自の新規な制御スイッチ構成830を用いてもよい。例えば、少なくとも1つの形態では、制御スイッチ構成830は、ユーザが単一のインターフェースを通って外科用器具10の様々な態様の機能的制御を最大限にすることを可能にする、独自の新規なジョイスティック制御装置840を含んでもよい。より具体的には、また図33〜39を参照すると、ジョイスティック制御装置840の1つの形態は、スイッチハウジングアセンブリ844内に移動可能に収容されるジョイスティックスイッチアセンブリ850に動作可能に取り付けられる、ジョイスティック制御ロッド842を含んでもよい。スイッチハウジングアセンブリ844は、ハンドルアセンブリ20のピストルグリップ部分26内に装着されてもよい。少なくとも1つの形態では、例えば、スイッチハウジングアセンブリ844は、ハウジング本体846及び後部ハウジングプレート848を含んでもよい。図35〜図39で最も詳しく分かるように、ジョイスティックプリント回路基板852は、後部装着プレート854によってジョイスティックスイッチアセンブリ850上で動作可能に支持されてもよい。後部装着プレート854は、スイッチハウジング844内で、ジョイスティックスイッチアセンブリ850及びジョイスティックプリント回路基板852と1つの単位体として移動するように構成されてもよい。ジョイスティックばね856は、後部ハウジングプレート848と後部装着プレート854との間で支持されて、ジョイスティックスイッチアセンブリ850及びジョイスティック制御ロッド842を前方又は遠位方向に付勢してもよい。図36及び図38を参照されたい。
ジョイスティック制御装置840は、外科用器具10の様々なモータ402、530、560、及び610に制御電力を供給するため、様々なコネクタケーブル864を通って制御システム800の近位側回路基板820及び電池802に電気的に結合されてもよい。例えば、ジョイスティック制御ロッド842を揺動するか又は別の形で作動させることによって、ユーザは、関節運動制御モータ402及び/又は遠位側ロールモータ560及び/又は近位側ロールモータ610を制御してもよい。
ジョイスティック制御スイッチアセンブリ850は、本明細書では、駆動システムのモータの1つ又は2つ以上を制御する「第1のスイッチ」と呼ばれることがある。ジョイスティック制御装置840は、共に移動可能に移動するようにジョイスティックプリント回路基板852に装着されてもよい、例えば磁石を含んでもよい、第1のセンサ860を更に含んでもよい。加えて、第2の又は固定のセンサ862は、後部ハウジングプレート848内に装着されてもよい。第2のセンサ862は、例えば、「ホール効果」センサ又は類似の感知デバイスを含んでもよい。少なくとも1つの構成では、例えば、センサ862は発射モータ530と通信するように構成されてもよい。第1及び第2のセンサ860、862は、本明細書では、858として全体が指定される「第2のスイッチ」と呼ばれることがある。上述の構成により、ユーザがジョイスティック制御ロッド842を押し下げると、ジョイスティックスイッチアセンブリ850が軸線方向に出入りすることが可能になる。ジョイスティックスイッチアセンブリ850全体の出入りする運動を活用することによって、少なくとも1つの形態では、設計はスイッチ内のスイッチから本質的に成る。非作動位置では、ジョイスティックばね856は、ジョイスティックスイッチアセンブリ850を前方(遠位)方向に付勢する。臨床医がジョイスティック842を内側(近位側)に押すと、第1のセンサ860が移動して第2のセンサ862に近付く。第1のセンサ860を移動させて第2のセンサ862に近付けることで、いわゆる第2のスイッチ858が作動し、それによって横切開又は発射モータ530の作動がもたらされてもよい。
エンドエフェクタ102を使用して処置を行うとき、臨床医は、組織を横切開又は切断することなく標的組織を所望の位置へと操作するため、アンビルアセンブリ190を開閉したい場合がある。1つの形態では、臨床医が最初にジョイスティック制御ロッド842を押し下げると、第2のスイッチ858によって発射モータ530が起動され、それによって組織切断部材160が遠位側に移動し始める。様々な形態では、組織切断部材160は、組織切断部材160が最初に遠位方向に移動することによって、アンビルアセンブリ190が閉じる(即ち、組織を切断するか又は外科用ステープルを発射することなく、ステープルカートリッジ130に向かって枢動する)ように、エンドエフェクタ102内に配置される。臨床医がジョイスティック制御ロッド842を解放すると、ジョイスティックばね856はジョイスティックアセンブリ850を遠位側に付勢し、それによって第1のセンサ860が移動して第2のセンサ862から離れる。センサ860が第2のセンサ862から離れる方向に移動することで、発射モータ530が最終的に止まるか又は作動停止するまで、発射モータ530の回転速度が低減してもよい。少なくとも1つの形態では、この第2のスイッチ構成858は、発射モータ530の回転速度が、ユーザがジョイスティック制御ロッド842を押し下げる速度に直接比例するように構成されてもよい。
一旦臨床医がエンドエフェクタ102内で所望の組織を位置決めし捕捉すると、ジョイスティック制御ロッド842を完全に押し下げることによって、エンドエフェクタ102が作動又は「発射」されてもよい。様々な形態では、ジョイスティックスイッチアセンブリ850はまた、その中に一体的に形成され、やはり制御システム800と通信する、第3の圧縮スイッチ866を有してもよい。ジョイスティック制御ロッド842を完全に押し下げることで、第3のスイッチ866の起動がもたらされてもよい。少なくとも1つの形態では、第3のスイッチ866が起動されると、臨床医がジョイスティック制御ロッド842を解放したとしても、発射モータ530は起動されたままとなる。発射行程が完了した(即ち、組織切断部材160がエンドエフェクタ102内におけるその最遠位位置まで駆動された)後、ユーザは、ジョイスティック制御ロッド842を再び完全に押し下げて第3のスイッチ866を解放し、それによって発射モータ530の制御を第2のスイッチ858に戻してもよい。したがって、臨床医がジョイスティック制御ロッド842を完全に押し下げた後で二度目にそれを解放すると、ジョイスティックばね856はジョイスティックスイッチアセンブリ850を開始位置へと付勢するだろう。制御システム800によって、組織切断部材160がその開始位置へと戻るまで、発射モータ530が反対方向に回転し、それにより、アンビルアセンブリ190が開位置へともう一度移動されて、エンドエフェクタ102が横切開された組織を解放することが可能になる。
様々な形態では、スイッチ構成830はまた、独自の新規なサムホイール制御アセンブリ870を用いてもよい。図42で分かるように、サムホイール制御アセンブリ870は、サムホイール制御アセンブリ870がスイッチ軸線SA−SAを中心にして枢動可能であるように、スイッチハウジングアセンブリ844の遠位側に突出するハブ部分845上に回転可能に装着されてもよい。かかる位置により、便利には、臨床医がハンドルアセンブリ20のピストルグリップ部分26を把持しながら、親指及び/又は人差し指で枢動させることができる位置に、サムホイール制御アセンブリ870のサムホイールアクチュエータ部材872が位置する。サムホイールアクチュエータ部材872は、ハブ部分845上で受け入れられるサムホイールカラー874に取り付けられてもよく、ハンドルセグメント23及び24によって形成される取付けフランジ27によって、適所で回転可能に保定されてもよい。左側センサ(磁石)876及び右側センサ(磁石)878は、図41に示されるように、サムホイールカラー874に装着される。センサ876及び878は反対の極性を有してもよい。固定のセンサ880は、左側センサ876と右側センサ878との間で中央に配設されるように、スイッチハウジングアセンブリ844に装着されてもよい。固定のセンサ880は、例えば「ホール効果」センサを含んでもよく、制御モータの1つを制御するため、制御システム800の近位側回路基板820に結合されてもよい。例えば、サムホイール制御アセンブリ870は、例えば近位側ロール又は軸回転モータ610を制御するのに使用されてもよい。他の構成では、サムホイール制御アセンブリ870は、遠位側ロールモータ560を制御して、細長い軸アセンブリに対して軸中心線を中心にしてエンドエフェクタを回転させるのに使用されてもよい。一対の復心ばね882は、サムホイールカラー874を中央又は中立位置へと付勢するのに用いられてもよい。サムホイールカラー874が、図41に示されるような中立位置にあるとき、軸回転又は近位側ロールモータ610(又は場合により、遠位側ロールモータ560)が作動停止される。
ユーザがサムホイールアクチュエータ872を図43に示される位置へと時計方向に枢動させると、制御システム800は、軸回転モータ610によって、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸アセンブリ30を時計方向に回転させてもよい。同様に、ユーザがサムホイールアクチュエータ872を図44に示される位置へと反時計方向に枢動させると、制御システム800は、軸回転モータ610によって、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸アセンブリ30を反時計方向に回転させてもよい。言い換えると、ユーザがサムホイールアクチュエータ872を時計方向又は反時計方向に枢動させると、固定のセンサ880は、固定のセンサ880との関係における左側及び右側センサ876、878の近接性に基づいて、細長い軸アセンブリ30の回転方向を制御する。固定のセンサ880の応答は、ユーザがサムホイールアクチュエータ872の回転を増加させるにつれて、モータ610が細長い軸アセンブリ30を回転させる相対速度が増加するように構成することができる。図41〜図44で分かるように、停止突起847は、サムホイールカラーのノッチ875と協働して、移動可能なセンサ876、878と固定のセンサ880との間の接触を防ぐように、スイッチハウジングアセンブリ844上に形成されてもよい。当業者であれば、サムホイール制御アセンブリ870は、外科用器具10の他のモータのいずれかを制御するのに使用されてもよいことを理解するであろう。同様に、ジョイスティック制御装置840は、外科用器具10のモータの任意の1つ又は2つ以上を制御するように構成されてもよい。本明細書に開示する独自の新規なサムホイール制御アセンブリ構成によって、ユーザが、人間工学的なサムホイールアクチュエータインターフェースの回転を通じて、機能的制御を行うことが可能になる。代替の形態では、移動可能なセンサ876、878は、モータとそれぞれ通信するホール効果センサを含んでもよい。固定のセンサ880は磁石を含んでもよい。
様々な形態では、外科用器具10のモータのそれぞれは、近位側回路基板820上のマイクロプロセッサチップと通信する、対応するエンコーダを備えてもよい。例えば、関節運動制御モータ402には、近位側回路基板820と通信するエンコーダ404が動作可能に結合されてもよい。発射又は横切開モータ530には、近位側回路基板820と通信するエンコーダ534が動作可能に結合されてもよい。エンドエフェクタ回転又は遠位側ロールモータ560には、近位側回路基板820と通信するエンコーダ564が動作可能に結合されてもよい。軸回転又は近位側ロールモータ610には、近位側回路基板820と通信するエンコーダ614が動作可能に結合されてもよい。エンコーダは、モータのそれぞれについての回転数及び回転方向に関するフィードバックを、対応するマイクロプロセッサチップに提供する役割を果たしてもよい。いくつかの形態では、エンコーダに加えて、回転駆動アセンブリ570は、様々な軸セグメントの回転を追跡するセンサ構成を用いてもよい。例えば、図15、図28、及び図29で分かるように、関節運動駆動プーリ417には、例えば遠位側回路基板810に装着されたホール効果センサを含んでもよい、第2の関節運動センサ421によって検出されるように適合された、第1の関節運動センサ419が装着されてもよい。第1及び第2の関節運動センサ419、421は、近位側関節運動軸420の回転可能な位置を追跡するためのフィードバックの付加的手段を提供する役割を果たす。同様に、回転駆動アセンブリ570の遠位側回転プーリ575には、遠位側回路基板810に装着された第2の遠位側ロールセンサ582によって検出されるように適合された、第1の遠位側ロールセンサ580が装着されてもよい。図24、図28、及び図29を参照されたい。第1及び第2の遠位側ロールセンサ580、582は、近位側回転軸セグメント552の回転可能な位置を追跡するためのフィードバックの付加的手段を提供する役割を果たす。加えて、近位側ロール駆動アセンブリ620のプーリ632は、遠位側回路基板810に装着された第2の近位側ロールセンサ636によって検出されるように適合された、第1の近位側ロールセンサ634を有してもよい。図26、図28、及び図29を参照されたい。第1及び第2の近位側ロールセンサ634、636は、近位側外軸セグメント602の回転可能な位置を追跡するためのフィードバックの付加的手段を提供する役割を果たす。
エンドエフェクタからハンドルアセンブリまでの導電路
本明細書で考察するように、外科用器具10の様々な形態は、エンドエフェクタ/用具の動作/操作に回転運動又は他の運動を要するか若しくは用いる、様々な異なるエンドエフェクタ又は外科用用具と共に有効に用いられてもよい。例えば、エンドエフェクタ102の1つの形態は、アンビルアセンブリ190を開閉し、外科用ステープルを駆動し、組織を横切開するのに回転制御運動を要する。エンドエフェクタ102の1つの形態はまた、外科用ステープルカートリッジ130に対してアンビルアセンブリ190が到達する閉鎖の程度又は量を感知する、遠位側センサ構成を備えてもよい。例えば、アンビルアセンブリ190は、その遠位端に装着される第1のアンビルセンサ890を含んでもよい。図3を参照されたい。アンビルセンサ890は、例えば、外科用ステープルカートリッジ130の遠位端内に装着された第2のステープルカートリッジセンサ(磁石)892を検出するように構成される、ホール効果センサを含んでもよい。少なくとも1つの形態では、第1のアンビルセンサ890は、図示されるようにアンビルアセンブリ190に装着される、少なくとも1つのエンドエフェクタ導体894と通信してもよい。1つの形態では、例えば、エンドエフェクタ導体894は、可撓性フック896が近位端に形成される平坦な金属ストリップを備える。本明細書で通常使用するとき、「導体」又は「導電性」という用語は、電気を通すことができる部材又は構成要素を指す。導体は、例えば、1つ又は2つ以上のワイヤ、可撓性の導電性ストリップ又は金属トレース、多チャネルの導電性リボンケーブルなどを含んでもよい。本明細書で使用するとき、「電気的に接触する」及び「〜と電気的に通信する」という用語は、構成要素同士が互いに電流又はそれらの間の信号を渡すように構成されていることを意味する。
次に図45及び図46を参照すると、可撓性フック896は、係止ピン242の遠位端244と接触するように配向されてもよいことが分かる。係止ピン242は、例えば、導電性材料から構築されてもよく、係止ピン242を結合具ハウジングセグメント202から電気的に絶縁するため、絶縁性コーティング(例えば、ポリマーなど)で被覆されてもよいが、フック896と電気的に接触するように構成された露出先端を有する。加えて、係止ばね246も導電性材料(例えば、金属)から製作されてもよい。係止ばね246は、係止ピン242及び係止ばね246が、結合具アセンブリ200を通って電流を伝導するための導電性結合具経路を形成するように、係止ピン242に取り付けられてもよい(例えば、はんだ付けされるなど)。係止ばね246も、結合具ハウジングセグメント202から電気的に絶縁するため、絶縁性コーティングで被覆されてもよい。係止ピン242及び係止ばね246は、本明細書では「係止ピンアセンブリ」249として集合的に呼ばれてもよい。係止ばね246は、関節継手310の遠位側クレビス312に装着される近位側導体アセンブリ250と電気的に滑り接触するように構成される、近位端247で終端してもよい。
図8で分かるように、近位側導体アセンブリ250の1つの形態は、導体ワイヤ/複数のワイヤ/トレース252、及び例えば導電性ワッシャ254の形態の、環状の導電体を含んでもよい。図46で分かるように、導体252は、関節継手310の上を延在する可撓性継手カバー900によって支持される関節継手導体258と通信するため、遠位側クレビス312を通って外に突出する近位側導体部分256と通信する。少なくとも1つの形態では、継手カバー900は、開口した近位端904及び開口した遠位端906を有する中空本体902と、それらの間を延在する継手受入れ通路908とを含む。中空本体902は、複数のリブ910を含んでもよく、関節継手構成要素の移動に適応するように全方向的に伸長可能である、ポリマー又は類似の非導電性材料から製作されてもよい。しかしながら、継手カバー900は、可撓性のマイクロカット管材など、他の好適な材料及び構成から製作することもできる。関節継手導体258は、例えば、導電性のリボンケーブル、ワイヤ、複数ワイヤ、トレースなどを含んでもよい。図46で更に分かるように、関節継手導体258の近位端は、近位側外軸セグメント602上の軸導体260に電気的に結合される。
次に図47及び図48を参照すると、少なくとも1つの形態では、軸導体260の近位端は、ハンドルアセンブリ20内に装着される環状導体リング262と滑り接触するように配向されてもよい。かかる構成により、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸アセンブリ30をハンドルアセンブリ20に対して回転させると、軸導体260と導体リング262との間を電流が流れることが可能になってもよい。図47及び図48で更に分かるように、導体264は導体リング262に結合され、ハンドルハウジング20を通って近位側に延在する。導体264は、ワイヤ又は他の好適な導電体を含んでもよく、左側ロケータピン774の先端と柔軟に接触するように構成された近位端266を有してもよい。特に、例えば、近位端266は左側ロケータソケット718の壁を通って延在してもよく、それによって、左側ロケータピン774がその中に挿入されると、導体264の近位端部分266が左側ロケータピン744と接触する。少なくとも1つの形態では、左側ロケータピン774は、導体264の近位端266が接触したときに、電流がそれら構成要素の間を流れることができるように、導電性材料(金属)から製作される。加えて、取付け導体776は、左側ロケータピン774を近位側回路基板アセンブリ820に電気的に結合して、それらの間の電流の伝達を容易にする役割を果たす。
上述の構成により、外科用器具10の細長い軸アセンブリ30に取り付けられているエンドエフェクタ又は外科用用具と、外科用器具10のハンドルアセンブリ20内にある制御システム構成要素との間で電流を渡すことが容易になる。この導電路は、エンドエフェクタを細長い軸アセンブリに対して回転させ、エンドエフェクタを細長い軸アセンブリに対して関節運動させ、エンドエフェクタ及び細長い軸アセンブリを1つの単位体として回転させる能力も維持したまま維持される。継手カバー900は、細長い軸とエンドエフェクタとの間に電気通信路を提供してもよい。継手カバー900は、電気通信のために1つを超える信号を導く、電気的フレックスストリップ、ワイヤ、トレースなどを含んでもよい。したがって、複数の異なるセンサ又は電気部品をエンドエフェクタ内で用いて、様々な形態のフィードバックをユーザに提供してもよい。例えば、センサは、ユーザサイクル数を判断する、発射中のエンドエフェクタ内における切断器具の進行を追跡する、制御システムにフィードバックを提供して、ハンドルアセンブリ内の様々なモータを自動的に制御するなどのために用いられてもよい。
図49は、電流又は信号を通すのを許容するように構成された、代替の関節継手310’を示す。この形態では、遠位側電気継手導体270は、遠位側クレビス312’を通って設けられて、図示されるようにその中に埋め込まれた遠位側金属ワッシャ272と接触する。近位側クレビス330’には、遠位側クレビス312’が上述した方法で近位側クレビスに330’’に結合されると、遠位側金属ワッシャ272と回転接触するように、近位側金属ワッシャ274が装着されてもよい。近位側金属ワッシャ274は、ワッシャ272、274の間の滑り接触を維持するように、湾曲又は傾斜されてもよい。例えば、導体ストリップ、ワイヤ、又はトレースの形態の近位側電気継手導体276は、ワッシャ274に取り付けられ、近位側外軸セグメント602上の軸導体260と電気的に接触するように構成される。したがって、かかる構成により、係止ピン242、係止ばね242(即ち、係止ピンアセンブリ249)、導体リング252、遠位側電気継手導体270、ワッシャ272、274、及び近位側電気継手導体276を通って、電流/信号をエンドエフェクタ102から軸導体260へと渡すことが容易になる。
代替の関節継手構成
関節継手1000の別の形態を図50〜図53に示す。かかる関節継手1000は、結合されたエンドエフェクタ又は外科用用具が、関節継手1000が取り付けられる細長い軸の軸中心線A−Aに対して関節運動及び回転するのを容易にすることができる。関節継手はまた、エンドエフェクタ又は外科用用具のかかる移動を容易にする一方で、エンドエフェクタ/用具の作動又は操作のために回転制御運動も提供してもよい。関節継手1000は、上述した細長い軸アセンブリ30に構造が類似している細長い軸アセンブリに結合されてもよく、又は他の好適な軸アセンブリに結合されてもよい。細長い軸アセンブリは、複数のモータを収容するハンドルアセンブリに結合されてもよい。1つのモータは、細長い軸アセンブリを通って延在すると共に関節継手1000に動作可能に結合される、可撓性ケーブル部材1010に制御運動を加えるのに使用されてもよい。例えば、可撓性ケーブル1010は、モータの動作によってケーブル1010が作動するように、対応するモータの軸に動作可能に取り付けられるか又はそれと通信する、シーブ又はプーリアセンブリに取り付けられてもよい。ハンドルアセンブリはまた、更に詳細に後述するように、細長い軸アセンブリを通って延びて関節継手1000とインターフェース接続する、近位側発射軸1030に動作可能に取り付けられる発射モータを含んでもよい。ハンドルアセンブリはまた、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸に対してエンドエフェクタ又は外科用用具を回転させるのに使用されてもよい関節継手1000に回転制御運動を伝動する、エンドエフェクタ又は遠位側ロール軸1040と動作可能にインターフェース接続するモータを含んでもよい。ハンドルアセンブリはまた、上述したような方法で、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸アセンブリを回転させるのに用いられる、近位側ロールモータを含んでもよい。
少なくとも1つの形態では、関節継手1000は、細長い軸アセンブリの端部に取り付けられるか又はその上に形成される、近位側クレビスアセンブリ1020を含んでもよい。図50〜図53に示される構成では、近位側クレビスアセンブリ1020は、細長い軸アセンブリ30’の遠位端上に形成される。それらの図で分かるように、近位側クレビスアセンブリ1020は、遠位端壁1022及び一対の離間したクレビスアーム1024、1026を有する。近位側クレビス1020は、関節運動軸線B−Bを画定する役割を果たす枢動軸1051によって、遠位側クレビス1050に枢動的に結合されるように構成される。関節運動軸線B−Bは、軸中心線A−Aを実質的に横断してもよい。
遠位側クレビス1050は、その上に形成されるソケット1052と、一対の遠位側クレビスアーム1054、1056とを有する。枢動軸1051は、図53に示されるように、クレビスアーム1024、1054、1056、及び1026の中心を通って延在する。クレビスアーム1054の上には、可撓性ケーブル1010が取り付けられるケーブルプーリ1058が形成されてもよい。したがって、ケーブル1010がその対応するモータによって回転することで、関節運動軸線B−Bを中心にした近位側クレビス1020に対する遠位側クレビス1050の回転がもたらされる。
様々な形態では、関節継手1000は、ソケット1052内に回転可能に受け入れられる回転可能な装着ハブ1060を更に含んでもよい。装着ハブ1060には、遠位側ロールピニオン歯車1064と噛合係合するのに適応される、輪歯車1062が取り付けられてもよい。遠位側ロールピニオン歯車1064は、遠位側クレビス1050の端壁1053で回転可能に支持されるピニオン軸1066に取り付けられる。ピニオン軸1066には、遠位側ロール出力歯車1068が取り付けられる。遠位側ロール出力歯車1068は、枢動軸1051上で回転可能に軸支されると共に遠位側ロール入力歯車1072と噛合係合している、遠位側ロール伝達歯車1070と噛合係合した状態で支持される。遠位側ロール入力歯車1072は遠位側ロール軸1040に装着される。遠位側ロール出力歯車1068、遠位側ロール伝達歯車1070、及び遠位側ロール入力歯車1072は、本明細書では、1069として全体が指定される「遠位側ロール歯車列」と呼ばれる。遠位側ロール伝達歯車1070は、遠位側ロール軸1040の回転によって、枢動軸1051を回転させることなく遠位側ロールピニオン歯車1064の回転が最終的にもたらされるように、枢動軸1051上で「自在に転輪する」。遠位側ロールピニオン歯車1064が輪歯車1062内で回転することによって、軸中心線A−Aを中心にした装着ハブ1060の回転がもたらされる。様々な形態では、エンドエフェクタ又は外科用用具は、装着ハブ1060の回転によってエンドエフェクタ/用具の回転がもたらされるように、装着ハブ1060に直接結合されてもよい。例えば、装着ハブ1060には、その中にエンドエフェクタ/用具の一部分を保定して受け入れるようにサイズ決めされた、ハブソケット1061が形成されてもよい。代替の構成では、装着ハブ1060はエンドエフェクタの一体部品を備えてもよく、又はエンドエフェクタは、他の締結具構成によって装着ハブ1060に取り付けられてもよい。例えば、装着ハブ1060は、上述したタイプ及び構造の結合アセンブリに取り付けられてもよく、次にエンドエフェクタ/用具が結合アセンブリに分離可能に取り付けられてもよい。
関節継手1000はまた、それに取り付けられたエンドエフェクタ/用具に対して、継手1000を通って回転制御運動を伝達するのを容易にしてもよい。図52及び図53で分かるように、近位側発射軸1030の遠位端は、近位側クレビスアセンブリ1020の遠位端壁1022によって回転可能に支持されると共に、入力発射歯車1080が取り付けられる。入力発射歯車1080は、枢動軸1051上で軸支される発射伝達歯車1082と噛合係合している。発射伝達歯車1082は、遠位側クレビス1050の端壁1053に装着される発射出力軸1090上に装着される、発射出力歯車1084と噛合係合している。発射出力軸1090は、エンドエフェクタ/用具上において、対応する駆動部材又は軸との係合を推進するように構成されてもよい。例えば、発射出力軸1090の遠位端1092は、エンドエフェクタ/用具の駆動軸に取り付けられるように構成されてもよい、取付けフランジ1094に形成された対応する六角形のソケットに受け入れられてもよいように、六角形の形状で形成されてもよい。発射入力歯車1080、発射伝達歯車1082、及び発射出力歯車1084は、本明細書では、1081として全体が指定される「発射軸歯車列」と呼ばれる。発射伝達歯車1082は、近位側発射軸1030の回転によって、枢動軸1051を回転させることなく発射出力軸1090の回転が最終的にもたらされるように、枢動軸1051上で「自在に転輪する」。遠位側ロール歯車列1069及び発射軸歯車列1081は、互いに本質的に「入れ子状にされ」て、細長い軸アセンブリに対するエンドエフェクタ/用具の関節運動を容易にする一方で、回転制御運動をエンドエフェクタに伝達するのを容易にすると共に、軸中心線A−Aを中心にしてエンドエフェクタを回転させるのを容易にする。
図54〜図60は別の代替の関節継手構成1100を示す。少なくとも1つの形態では、関節継手1100は、近位側クレビス1110、中央クレビス1130、及び遠位側クレビス1150を含んでもよい。関節継手1100は、それに取り付けられたエンドエフェクタ又は外科用用具が、互いに実質的に横断する2つの異なる関節運動軸線B−B及び関節運動軸線C−C、並びに継手が取り付けられる細長い軸アセンブリ30’’の軸中心線A−Aを中心にして、関節運動を容易にできるように構成されてもよい。例えば、関節継手1100は、中央クレビス1130を、第1のクレビス1110に対して第1の関節運動軸線B−Bを中心にして枢動させてもよく、遠位側クレビス1150を、中央クレビス1130に対して第2の関節運動軸線C−Cを中心にして選択的に枢動させてもよいように構成されてもよい。関節継手1100はまた、エンドエフェクタ又は外科用用具のかかる関節運動も容易にする一方で、エンドエフェクタ/用具の作動又は操作のために回転制御運動も提供してもよい。
関節継手1100は、上述した細長い軸アセンブリ30に構造が類似している細長い軸アセンブリに結合されてもよく、又は他の好適な軸アセンブリに結合されてもよい。1つの構成では、近位側クレビス1110は、細長い軸アセンブリ30’’の外側チューブと一体的に形成される。図54〜図60で分かるように、近位側クレビス1110は、上側の近位側クレビスアーム1112及び下側の近位側クレビスアーム1114を有する。中央クレビス1130も、上側の中央クレビスアーム1132及び下側の中央クレビスアーム1134を有する。上側の近位側クレビスアームは、近位側枢動ピン1116によって上側の中央クレビスアーム1132に枢動的に結合される。近位側枢動ピン1116もまた、下側の近位側クレビスアーム1114を下側の中央クレビスアーム1134に枢動的に結合する。近位側枢動ピン1116は、第1の関節運動軸線B−Bを画定する役割を果たす。
また、少なくとも1つの構成では、中央クレビス1130は右側の中央クレビスアーム1136及び左側の中央クレビスアーム1138を有する。遠位側クレビス1150は、右側の遠位側クレビスアーム1152及び左側の遠位側クレビスアーム1154を有する。右側の中央クレビスアーム1136は、遠位側枢動ピン1156によって右側の遠位側クレビスアーム1152に枢動的に結合される。左側の中央クレビスアーム1138は、遠位側枢動ピン1156によって左側の遠位側クレビスアーム1154に枢動的に結合される。遠位側枢動ピン1156は第2の関節運動軸線C−Cを画定する。1つの構成では、遠位側枢動ピン1156は、遠位側枢動ピン1156が遠位側クレビス1150と共に中央クレビス1130に対して回転するように、右側及び左側の遠位側クレビスアーム1152、1154に非枢動的に取り付けられる。
細長い軸アセンブリ30’’は、複数のモータを収容するハンドルアセンブリに結合されてもよい。1つのモータは、細長い軸アセンブリ30’’を通って延在すると共に関節継手1100に動作可能に結合される、第1の可撓性ケーブル部材1170に制御運動を加えるのに使用されてもよい。例えば、第1の可撓性ケーブル1170は、モータの動作によって第1のケーブル1170が作動するように、対応するモータの軸に動作可能に取り付けられるか又はそれと通信する、第1のシーブ又はプーリアセンブリに取り付けられてもよい。
1つの構成では、第1の可撓性ケーブル1170は、第1の関節運動軸線B−Bを中心にして近位側クレビス1110に対して中央クレビス1130を選択的に枢動させるのに用いられてもよい。かかる構成では、例えば、第1のケーブル1170は、中央クレビス1130に取り付けられた第1のプーリ又はシーブ1180の周りを延在する。例えば、第1のプーリ1180は、上側の中央クレビスアーム1132に取り付けられると共に、近位側枢動ピン1116上で枢動的に軸支される。第1のケーブル1170を作動させることによって、中央クレビス1130が、第1の関節運動軸線B−Bを中心にして近位側クレビス1110に対して枢動する。
関節継手1100はまた、モータの動作によって第2のケーブル1190を作動させるように、ハンドルアセンブリ内の対応するモータの軸に動作可能に取り付けられるか又はそれと通信する、シーブ若しくはプーリアセンブリ上で受け入れられる第2の可撓性ケーブル1190を用いてもよい。第2のケーブル1190は、第2の関節運動軸線C−Cを中心にして中央クレビス1130に対して遠位側クレビス1150を選択的に枢動させるのに用いられてもよい。かかる構成では、例えば、第2のケーブル1190は、遠位側枢動ピン1156に回転不能に取り付けられる、第2のプーリ又はシーブ1158の周りを延在する。第2のケーブル1190を作動させることによって、遠位側枢動ピン1156及びそれに取り付けられた遠位側クレビス1150が、第2の関節運動軸線C−Cを中心にして中央クレビス1130に対して回転する。
関節継手1100はまた、それに取り付けられたエンドエフェクタ/用具に対して、継手1100を通って回転制御運動を伝達するのを容易にしてもよい。近位側回転発射軸1200は、細長い軸アセンブリ30’’を通って延在すると共に、回転発射運動を加えるためにハンドルアセンブリ内の発射モータに動作可能に結合されてもよい。1つの構成では、近位側発射軸1200は、第2のケーブル1190が中を通って延在してもよいように、中空であってもよい。近位側発射軸1200は、関節継手1100内で動作可能に支持される、近位側発射歯車列1210と動作可能にインターフェース接続してもよい。例えば、1つの構成では、第1の発射歯車列1210は、近位側発射軸1200に取り付けられる近位側入力発射歯車1212を含んでもよい。近位側入力発射歯車1212は、自由に回転できるように近位側枢動軸1116上で軸支される、近位側発射伝達歯車1214と噛合係合した状態で配向される。近位側発射伝達歯車1212は、中央クレビス1130の中央ウェブ1131を回転可能に貫通する中央発射軸1218に結合される、近位側発射出力歯車1216と噛合係合した状態で配向される。
関節継手1100は、近位側発射歯車列1210と協働して、関節継手1100を通って回転発射又は制御運動を伝達する、遠位側発射歯車列1220を更に含んでもよい。遠位側発射歯車列1220は、中央発射軸1216に装着される遠位側発射入力歯車1222を含んでもよい。遠位側発射入力歯車1222は、自由に回転してもよいように遠位側枢動ピン1156に回転可能に装着される、遠位側発射伝達歯車1224と噛合係合している。遠位側発射伝達歯車1224は、遠位側クレビス1150内で回転可能に支持される、遠位側発射出力歯車1226と噛合係合している。遠位側発射出力歯車1226は、エンドエフェクタ/用具上において、対応する駆動部材又は軸との係合を推進するように構成されてもよい。
関節継手1300の別の形態を図61〜図66に示す。かかる関節継手1300は、結合されたエンドエフェクタ又は外科用用具が、関節継手1300が取り付けられる細長い軸の軸中心線A−Aに対して関節運動及び回転するのを容易にすることができる。関節継手はまた、エンドエフェクタ又は外科用用具のかかる移動を容易にする一方で、エンドエフェクタ/用具の作動又は操作のために回転制御運動も提供してもよい。関節継手1300は、上述した細長い軸アセンブリ30に構造が類似している細長い軸アセンブリに結合されてもよく、又は他の好適な軸アセンブリに結合されてもよい。細長い軸アセンブリは、複数のモータを収容するハンドルアセンブリに結合されてもよい。1つのモータは、細長い軸アセンブリを通って延在すると共に関節継手1300に動作可能に結合される、可撓性ケーブル1310に制御運動を加えるのに使用されてもよい。例えば、可撓性ケーブル1310は、モータの動作によってケーブル1310が作動するように、対応するモータの軸に動作可能に取り付けられるか又はそれと通信する、シーブ又はプーリアセンブリに取り付けられてもよい。ハンドルアセンブリはまた、更に詳細に後述するように、細長い軸アセンブリを通って延びて関節継手1300とインターフェース接続する、近位側発射軸1330に動作可能に取り付けられる発射モータを含んでもよい。ハンドルアセンブリはまた、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸に対してエンドエフェクタ又は外科用用具を回転させるのに使用されてもよい関節継手1300に回転制御運動を伝動する、可撓性遠位側ロール軸1340と動作可能にインターフェース接続するモータを含んでもよい。ハンドルアセンブリはまた、上述したような方法で、軸中心線A−Aを中心にして細長い軸アセンブリを回転させるのに用いられる、近位側ロールモータを含んでもよい。
少なくとも1つの形態では、関節継手1300は、細長い軸アセンブリの端部に取り付けられるか又はその上に形成される、近位側クレビスアセンブリ1320を含んでもよい。図61〜図66に示される構成では、近位側クレビスアセンブリ1320は、細長い軸アセンブリ30’’の一部分を形成する外側チューブの遠位端上に形成される。それらの図で分かるように、近位側クレビスアセンブリ1320は、遠位端壁1322及び一対の離間したクレビスアーム1324、1326を有する。近位側クレビス1320は、関節運動軸線B−Bを画定する役割を果たす上側枢動軸1351及び下側枢動軸1353によって、遠位側クレビス1350に枢動的に結合されるように構成される。関節運動軸線B−Bは、軸中心線A−Aを実質的に横断する。
遠位側クレビス1350は、その上に形成されるソケット1352と、一対の遠位側クレビスアーム1354、1356とを有する。上側枢動軸1351は、クレビスアーム1324及び1354の中心を通って延在する。下側枢動軸1353は、図64に示されるように、クレビスアーム1356及び1026を通って延在する。クレビスアーム1356は、その上に形成されるか又はそれに取り付けられるケーブルプーリ1358を更に有する。可撓性ケーブル1310は、ケーブル1310の作動によって、関節運動軸線B−Bを中心にした近位側クレビス1320に対する遠位側クレビス1350の関節運動がもたらされるように、ケーブルプーリ1358に取り付けられる。
様々な形態では、関節継手1300は、ソケット1052内に回転可能に受け入れられる回転可能な装着ハブ1360を更に含んでもよい。装着ハブ1060には、遠位側ロールピニオン歯車1364と噛合係合するように適合される、被動歯車1362が取り付けられてもよい。遠位側ロールピニオン歯車1364は、遠位側クレビス1350の端壁1355で回転可能に支持されるピニオン軸1366に取り付けられる。少なくとも1つの構成では、遠位側ロールピニオン歯車1364は、細長い軸アセンブリ30’’を通って延在する近位側支持軸1342を通って延在する、可撓性遠位側ロール軸1340によって動作される。様々な形態では、エンドエフェクタ又は外科用用具は、装着ハブ1360の回転によってエンドエフェクタ/用具の回転がもたらされるように、装着ハブ1360に直接結合されてもよい。例えば、装着ハブ1360には、その中にエンドエフェクタ/用具の一部分を保定して受け入れるようにサイズ決めされた、ハブソケット1361が形成されてもよい。代替の構成では、装着ハブ1360はエンドエフェクタの一体部品を備えてもよく、又はエンドエフェクタは、他の締結具構成によって装着ハブ1360に取り付けられてもよい。例えば、装着ハブ1360は、上述したタイプ及び構造の結合アセンブリに取り付けられてもよく、次にエンドエフェクタ/用具が結合アセンブリに分離可能に取り付けられてもよい。
関節継手1300はまた、それに取り付けられたエンドエフェクタ/用具に対して、継手1300を通って回転制御運動を伝達するのを容易にしてもよい。図63及び図64で分かるように、近位側発射軸1330の遠位端は、近位側クレビスアセンブリ1320の遠位端壁1322によって回転可能に支持されると共に、発射入力歯車1380が取り付けられる。入力発射歯車1380は、下側枢動軸1353上で軸支される発射伝達歯車1382と噛合係合している。発射伝達歯車1382は、遠位側クレビス1350の端壁1355及び装着ハブ1360の端壁1370を通って延在する、発射出力軸1390上に装着される発射出力歯車1384と噛合係合している。発射出力軸1390は、エンドエフェクタ/用具上において、対応する駆動部材又は軸との係合を推進するように構成されてもよい。例えば、発射出力軸1390の遠位端1392は、エンドエフェクタ/用具の駆動軸に取り付けられるように構成されてもよい、取付けフランジ1394に形成された対応する六角形のソケットに受け入れられてもよいように、六角形の形状で形成されてもよい。発射入力歯車1380、発射伝達歯車1382、及び発射出力歯車1384は、本明細書では、1381として全体が指定される発射軸歯車列と呼ばれる。発射伝達歯車1382は、近位側発射軸1330の回転によって、下側枢動軸1353を回転させることなく発射出力軸1390の回転が最終的にもたらされるように、下側枢動軸1353上で「自在に転輪する」。遠位側ロール歯車列1369及び発射軸歯車列1381は、細長い軸アセンブリに対するエンドエフェクタ/用具の関節運動を容易にする一方で、回転制御運動をエンドエフェクタに伝達するのを容易にすると共に、軸中心線A−Aを中心にしてエンドエフェクタを回転させるのを容易にする。
代替のモータ装着アセンブリ
図67〜図69は、1750として全体が指定される代替のモータ装着アセンブリを示す。モータ装着アセンブリ1750は、スナップ構造部、ねじなどによって共に結合可能であって、ハンドルアセンブリ20のピストルグリップ部分26を形成する役割を果たす、ハンドルハウジングセグメント23及び24内で支持されてもよい。少なくとも1つの形態では、モータ装着アセンブリ1750は、ハンドルハウジングセグメント23及び24内で取外し可能に支持される、モータハウジング1752を備えてもよい。少なくとも1つの形態では、例えば、モータハウジング1752には、モータ隔壁アセンブリ1756が取り付けられる。モータハウジング1752は、モータ402、530、560、及び610を支持する役割を果たす。各モータには、本明細書に記載する様々な方法でそれぞれのモータの動作を制御する、モータ自体の回路制御板1780が取り付けられる。
いくつかの形態では、用具部分100は、電気エネルギーを利用して組織を治療する、電気外科用エンドエフェクタを含んでもよい。電気外科用エンドエフェクタ及び関連する器具の例が、「Surgical End Effector Jaw and Electrode Configurations」という名称の米国特許出願第13/536,393号、代理人整理番号END7137USNP/120141、及び「Electrode Connections for Rotary Drive Surgical Tools」という名称の米国特許出願第13/536,417号、代理人整理番号END7149USNP/120153に記載されており、それら両方の全体を参照により本明細書に組み込む。図70〜図73は、代替の用具部分100を構築するエンドエフェクタ3156の例を示す。エンドエフェクタ3156は、組織を捕捉し横切開するように、またそれと同時にエネルギー(例えば、無線周波(RF)エネルギー)を制御して加えることにより、捕捉した組織を融着するように適合されてもよい。第1の顎3160A及び第2の顎3160Bを閉鎖し、それによって、軸線方向可動部材3182によって画定される長手方向軸線3194の周りで組織を捕捉又は係合してもよい。第1の顎3160A及び第2の顎3160Bはまた、組織に圧縮を加えてもよい。
図70は、外科用器具10と共に使用される電気外科用エンドエフェクタ3156のある形態の斜視図を示す。図70は、顎3160A、3160Bが開いているエンドエフェクタ3156を示す。図71は、顎3160A、3160Bが閉じている、エンドエフェクタ3156のある形態の斜視図を示す。上述したように、エンドエフェクタ3156は、直線であっても湾曲していてもよい、上側の第1の顎3160A及び下側の第2の顎3160Bを備えてもよい。第1の顎3160A及び第2の顎3160Bはそれぞれ、各々の中間部分に沿って外向きに配設される、細長いスロット又はチャネル3162A及び3162B(図70)を備えてもよい。更に、第1の顎3160A及び第2の顎3160Bはそれぞれ、第1の顎3160A及び第2の顎3160Bの内側部分に配設される、歯3198などの組織把持要素を有してもよい。第1の顎3160Aは、上側の第1の外側に面する表面3202A及び上側の第1のエネルギー送達面3204Aを備えた、上側の第1の顎本体3200Aを備えてもよい。第2の顎3160Bは、下側の第2の外側に面する表面3202B及び下側の第2のエネルギー送達面3204Bを備えた、下側の第2の顎本体3200Bを備えてもよい。第1のエネルギー送達面3204A及び第2のエネルギー送達面3204Bは両方とも、エンドエフェクタ3156の遠位端の周りで「U」字形に延在してもよい。エンドエフェクタ3156は、エンドエフェクタ102に関して本明細書に記載するのに類似した方法で、回転可能及び関節運動可能であってもよいことが理解されるであろう。
図72は、エンドエフェクタ3156の軸線方向可動部材3182の1つの形態を示す。軸線方向可動部材3182はねじ付き駆動軸3151によって駆動される(図70)。ねじ付き駆動軸3151の近位端は、出力ソケット238に回転不能に結合され、それによってモータ530が提供する回転運動を受け取るように構成されてもよい。軸線方向可動部材3182は、ねじ付き駆動軸3151の回転によって軸線方向可動部材3182が軸線3194に沿って遠位側及び近位側に並進するように、ねじ付き駆動軸3151を受け入れるねじ付きナット3153を備えてもよい(図72)。軸線方向可動部材3182は、1つ又は2つ以上の個片を含んでもよいが、いずれの場合も、細長い軸158及び/又は顎3160A、3160Bに対して移動可能若しくは並進可能であってもよい。また、少なくともいくつかの形態では、軸線方向可動部材3182は、17−4析出硬化ステンレス鋼で作られてもよい。軸線方向可動部材3182の遠位端は、顎3160A及び3160Bのチャネル3162A及び3162B内で摺動するように構成された、フランジ付きの「I」型鋼を含んでもよい。軸線方向可動部材3182は、チャネル3162A、3162B内で摺動して、第1の顎3160A及び第2の顎3160Bを開閉してもよい。軸線方向可動部材3182の遠位端はまた、上側フランジ又は「c」字形部分3182Aと、下側フランジ又は「c」字形部分3182Bとを備えてもよい。フランジ3182A及び3182Bはそれぞれ、第1の顎3160A及び第2の顎3160Bの外側に面する表面を係合する、内側カム面3206A及び3206Bを画定する。顎3160A及び3160Bの開閉は、移動可能な「I型鋼」である軸線方向可動部材3182、及び顎3160A、3160Bの外側に面する表面3208A、3208Bを含んでもよいカム機構を使用して、非常に高い圧縮力を組織に加えることができる。
より具体的には、次に図70〜図72を集合的に参照すると、軸線方向可動部材3182の遠位端の内側カム面3206A及び3206Bは、第1の顎3160A及び第2の顎3160Bそれぞれの第1の外側に面する表面3208A及び第2の外側に面する表面3208Bを摺動可能に係合するように適合されてもよい。第1の顎3160A内のチャネル3162A及び第2の顎3160B内のチャネル3162Bは、例えば鋭い遠位側の刃を備える組織切断要素3210を備えてもよい、軸線方向可動部材3182の移動に適応するようにサイズ決めされ構成されてもよい。図71は、例えば、チャネル3162A及び3162B(図70)を少なくとも部分的に通って前進させた、軸線方向可動部材3182の遠位端を示す。軸線方向可動部材3182の前進によって、エンドエフェクタ3156を、図70に示される開いた構成から閉じてもよい。図71によって示される閉位置では、上側の第1の顎3160A及び下側の第2の顎3160Bは、第1の顎3160A及び第2の顎3160Bそれぞれの第1のエネルギー送達面3204Aと第2のエネルギー送達面3204Bとの間に間隙又は寸法Dを画定する。様々な形態では、寸法Dは、例えば、約0.0127mm(約0.0005インチ)〜約1.016mm(約0.040インチ)、例えばいくつかの形態では、約0.0254mm(約0.001インチ)〜約0.254mm(約0.010インチ)に相当し得る。また、第1のエネルギー送達面3204A及び第2のエネルギー送達面3204Bの縁部は、組織が切り裂かれるのを防ぐため、丸み付けられてもよい。
図73は、エンドエフェクタ3156のある形態の断面図である。下側の顎3160Bの係合面、即ち組織接触面3204Bは、少なくとも部分的には、可変抵抗性の正の温度係数(PTC)本体などの導電性抵抗性マトリックスを通って、エネルギーを組織に送達するように適合される。上側及び下側の顎3160A、3160Bの少なくとも一方は、発生器3164からのエネルギーを捕捉された組織に送達するように構成された、少なくとも1つの電極3212を有してもよい。上側の顎3160Aの係合面、即ち組織接触面3204Aは、同様の導電性抵抗性マトリックス(例えば、PCT材料)を有してもよく、又はいくつかの形態では、表面は、例えば導電性電極若しくは絶縁層であってもよい。あるいは、顎の係合面は、「ELECTROSURGICAL JAW STRUCTURE FOR CONTROLLED ENERGY DELIVERY」という名称の2001年10月22日出願の米国特許第6,773,409号に開示されている、エネルギー送達構成要素のいずれかを有することができ、その全開示を参照により本明細書に組み込む。
第1のエネルギー送達面3204A及び第2のエネルギー送達面3204Bはそれぞれ、発生器3164と電気的に通信していてもよい。発生器3164は、導体3172、3174などの好適な送信媒体を介してエンドエフェクタ3156に接続される。いくつかの形態では、発生器3164は、例えば制御装置3168などのコントローラに結合される。様々な形態では、制御装置3168は、発生器3164と一体的に形成されてもよく、又は発生器3164(この選択肢を例証するため仮想線で示される)に電気的に結合される、別個の回路モジュール若しくはデバイスとして提供されてもよい。発生器3164は、器具の外部部品として実現されてもよく、かつ/又は外科用器具10に統合されて実現されてもよい。
第1のエネルギー送達面3204A及び第2のエネルギー送達面3204Bは、組織に接触し、組織を封着又は融着するように適合された電気外科的エネルギーを、捕捉された組織に送達するように構成されてもよい。制御装置3168は、発電器3164によって送達される電気エネルギーを調整し、発電器が次いで、第1のエネルギー送達面3204A及び第2のエネルギー送達面3204Bに電気外科的エネルギーを送達する。制御装置3168は、起動の間に発生器3164によって生成する電力を調整してもよい。
上述したように、発電器3164によって送達され、制御装置3168によって調整されるか若しくは別の形で制御される電気外科的エネルギーは、無線周波(RF)エネルギー、又は他の好適な形態の電気エネルギーを含んでもよい。更に、対向する第1及び第2のエネルギー送達面3204A及び3204Bは、発生器3164及び制御装置3168と電気的に通信している可変抵抗性の正の温度係数(PTC)本体を有してもよい。電気外科用エンドエフェクタ、顎閉鎖機構、及び電気外科的エネルギー送達面に関する更なる詳細は、以下の米国特許及び特許公開公報に記載されている:米国特許第7,087,054号;第7,083,619号;第7,070,597号;第7,041,102号;第7,011,657号;第6,929,644号;第6,926,716号;第6,913,579号;第6,905,497号;第6,802,843号;第6,770,072号;第6,656,177号;第6,533,784号;及び第6,500,176号;並びに米国特許出願公開公報第2010/0036370号及び第2009/0076506号、それら全ての全体を参照により本明細書に組み込むと共に本明細書の一部とする。
好適な発生器3164は、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati, Ohio)のエチコン・エンドサージェリー社(Ethicon Endo-Surgery,Inc.)から、モデル番号GEN11として入手可能である。また、いくつかの形態では、発生器3164は、無線周波数(RF)エネルギーを使用して、双極電気外科手術を行うのに十分な電力を供給することができる、電気外科ユニット(ESU)として実現されてもよい。いくつかの形態では、ESUは、ジョージア州マリエッタ(Marietta,Georgia)のエルベUSA社(ERBE USA,Inc.)が販売するバイポーラERBE ICC 350であり得る。双極電気外科用途用など、いくつかの形態では、活性電極及び対極板を有する外科用器具を利用することができ、その場合、活性電極及び対極板は、治療すべき組織に接して、隣接して、かつ/又は電気的に通信している状態で位置決めすることができ、それにより、活性電極から正の温度係数(PTC)本体を通って対極板まで、組織を介して電流を流すことができる。したがって、様々な形態では、エンドエフェクタ3156を利用する外科用器具10は、供給経路及び戻り経路を作成し、治療されている捕捉された組織が回路を完成、即ち閉じる。いくつかの形態では、発生器3164は単極RF ESUであってもよく、外科用器具10は、1つ又は2つ以上の活性電極が統合される単極エンドエフェクタを利用し備えてもよい。かかるシステムの場合、発生器3164は、手術部位から離れた位置で患者と密接に接触する戻りパッド、及び/又は他の好適な戻り経路を利用してもよい。戻りパッドはケーブルを介して発生器3164に接続されてもよい。
電気外科用器具150の動作中、ユーザは一般に、組織を把持し、捕捉された組織にエネルギーを供給して融着又は封着を形成し、次に、捕捉された組織を通る軸線方向可動部材3182の遠位端で組織切断要素3210を駆動する。様々な形態によれば、軸線方向可動部材3182の軸線方向移動の並進運動は、好適な移動速度で軸線方向可動部材3182を駆動するのを助けるように、整調されるか又は別の形で制御されてもよい。移動速度を制御することによって、捕捉された組織が、切断要素3210によって横切開される前に、適切に機能的に封着される可能性が増加する。
いくつかの形態では、用具部分100は、高調波又は超音波エネルギーを利用して組織を治療する、超音波エンドエフェクタを含んでもよい。図74は、外科用器具10と共に使用される超音波エンドエフェクタ3026の1つの形態を示す。エンドエフェクタアセンブリ3026は、圧締め機構の顎を形成する、クランプアームアセンブリ3064及びブレード3066を備える。ブレード3066は、エンドエフェクタ3026内で位置決めされる超音波変換器3016に音響的に結合される、超音波作動式のブレードであってもよい。小型の変換器、及び変換器を備えるエンドエフェクタの例が、Ultrasonic Surgical Instruments with Distally Positioned Transducersという名称の同時係属中の米国特許出願第13/538,601号、及び米国特許公開公報第2009/0036912号に提供されている。変換器3016は、導波路3078を介してブレード3066に音響的に結合(例えば、直接又は間接的に機械的に結合)されてもよい。
管状作動部材3058は、クランプアームアセンブリ3064を、方向3062Aで、クランプアームアセンブリ3064及びブレード3066が互いに対して離間した関係で配設される開位置へと移動させてもよく、また方向3062Bで、クランプアームアセンブリ3064及びブレード3066が協働してそれらの間に組織を把持する圧締め位置又は閉位置へと移動させてもよい。往復運動する管状作動部材3058の遠位端は、エンドエフェクタアセンブリ3026に機械的に係合される。図示される形態では、往復運動する管状作動部材3058の遠位端は、クランプアームアセンブリ3064を開閉するため、枢動点3070を中心にして枢動可能であるクランプアームアセンブリ3064に機械的に係合される。例えば、図示される形態では、往復運動する管状作動部材3058を近位側に撤回すると、クランプアームアセンブリ3064は、枢動点3070を中心にして方向3062Bで、開位置から閉位置へと移動可能である。往復運動する管状作動部材3058を遠位側に並進させると、クランプアームアセンブリ3064は、枢動点3070を中心にして方向3062Aで、閉位置から開位置へと移動可能である(図75)。
管状作動部材3058は、ねじ付き駆動軸3001の回転によって近位側及び遠位側に並進させてもよい。ねじ付き駆動軸3001の近位端は、出力ソケット238に回転不能に結合され、それによってモータ530が提供する回転運動を受け取るように構成されてもよい。管状作動部材3058は、ねじ付き駆動軸3001の回転によって管状作動部材3058が遠位側及び近位側に並進するように、ねじ付き駆動軸3001を受け入れるねじ付きナット3059を備えてもよい。図76〜図77は、軸線方向可動部材3058及び管状ナット3059の1つの形態の追加の図を示す。いくつかの形態では、管状作動部材3058はキャビティ3003を画定する。図74に示されるように、導波路3078及び/又はブレード3066の一部分は、キャビティ3003を通って延在してもよい。
1つの例の形態では、超音波伝送導波路3078の遠位端は、好ましくは波腹点又はその付近で、雌ねじ付き接続部によってブレード3066の近位端に結合されてもよい。ブレード3066は、溶接継手などの任意の好適な手段によって、超音波伝送導波路3078に取り付けられてもよいことが想到される。ブレード3066は超音波伝送導波路3078から分離可能であってもよいが、単一要素のエンドエフェクタ(例えば、ブレード3066)及び超音波伝送導波路3078が、単一の一個片として形成されてもよいことも想到される。
「ランジュバンスタック」として知られている超音波変換器3016は、一般に、発生器3005(図74)によって提供される電気信号に反応して振動する。例えば、変換器3016は、発生器3005からの電気信号を、主として、超音波変換器3016及びエンドエフェクタアセンブリ3026のブレード3066部分における、超音波周波数での縦方向振動運動の定在音波をもたらす機械エネルギーに変換する、複数の圧電素子又は他の要素を備えてもよい。超音波変換器3016は、システム波長の半分の長さの積分(nλ/2;式中、「n」は任意の正の整数;例えば、n=1、2、3...)に等しい長さを有してもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。変換器3016及びブレード3066に適した振動周波数範囲は、約20Hz〜32kHzであってもよく、十分に適している振動周波数範囲は約30〜10kHzであってもよい。好適な動作振動周波数は、例えば約55.5kHzであってもよい。
発生器3005は、外科用器具10の内部又は外部に位置する任意の好適なタイプの発生器であってもよい。好適な発生器は、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati, Ohio)のエチコン・エンドサージェリー社(Ethicon Endo-Surgery, Inc.)から、モデル番号GEN11として入手可能である。変換器3016が通電されると、導波路3078及びブレード3066を通って振動運動定在波が生成する。エンドエフェクタ3026は、所定の振幅の音響定在波パターンが生成されるような共振で動作するように設計される。変換器3016、導波路3078、及びブレード3066に沿った任意の地点における振動運動の振幅は、振動運動が測定されるそれらの構成要素に沿った位置に応じて決まる。振動運動定在波における最小限の交差又はゼロ交差は、一般に波節点(即ち、運動が最小限であるところ)と呼ばれ、また、定在波の局所的な絶対値最大又はピークは、一般に波腹点(例えば、局所運動が最大であるところ)と呼ばれる。波腹点とそれに最も近い波節点との間の距離は4分の1波長(λ/4)である。
1つの例の形態では、ブレード3066は2分の1システム波長の整数倍(nλ/2)にほぼ等しい長さを有してもよい。ブレード3066の遠位端は、遠位端の最大長手方向偏倚運動を提供するために、波腹点付近に配設されてもよい。変換器アセンブリが通電されると、ブレード3066の遠位端は、例えば、約10〜500ミクロンのピーク・トゥ・ピークの範囲で、また好ましくは、例えば55kHzの所定の振動周波数において約30〜64ミクロンの範囲で、移動するように構成されてもよい。
1つの例の形態では、ブレード3066は超音波伝送導波路3078に結合されてもよい。図示されるようなブレード3066及び超音波伝送導波路3078は、単一の単位体構造として、超音波エネルギーの伝送に適した材料から形成される。かかる材料の例としては、Ti6Al4V(アルミニウム及びバナジウムを含むチタンの合金)、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の好適な材料が挙げられる。あるいは、ブレード3066は超音波伝送導波路3078から分離可能(かつ異なる構成のもの)であってもよく、例えば、スタッド、溶接、接着剤、迅速な接続、又は他の好適な既知の方法によって結合されてもよい。超音波伝送導波路3078の長さは、例えば、半波長の整数(nλ/2)にほぼ等しくてもよい。超音波伝送導波路3078は、好ましくは、例えば上述のチタン合金(即ち、Ti6Al4V)又は任意の好適なアルミニウム合金、又は他の合金など、超音波エネルギーを効率的に伝播するのに適した材料から構築される、中実コア軸から製作されてもよい。
いくつかの形態では、外科用器具10はまた、他のステープラタイプのエンドエフェクタと共に利用されてもよい。例えば、図78は、外科用器具10と共に使用されてもよい、線形ステープルエンドエフェクタ3500の1つの形態を示す。エンドエフェクタ3500は、アンビル部分3502及び並進可能なステープルチャネル3514を備える。並進可能なステープルチャネル3514は、矢印3516によって示されるように、遠位方向及び近位方向に並進可能である。ねじ付き駆動軸3056は、上述したようにモータ530が提供する回転運動を受け取るため、例えば、出力ソケット238に結合されてもよい。ねじ付き駆動軸3506は、ねじ付き駆動軸3506の回転によって、ステープルチャネル3514が矢印3516によって示される方向に並進するように、ステープルチャネル3514に固定的に結合されたねじ付きナット3508に結合されてもよい。ナット3508はドライバ3510にもまた結合されてもよく、それが次いで、ステープルカートリッジ3512に接触してもよい。ドライバ3510は、遠位側に並進するにつれて、ステープルをステープルカートリッジ3512からアンビル3502に押し付けてもよく、その結果、ステープルチャネル3514とアンビル3502との間に位置決めされた任意の組織を通ってステープルが推進される。
また、いくつかの形態では、外科用器具は円形ステープルエンドエフェクタと共に利用されてもよい。図79は、外科用器具10と共に使用されてもよい、円形ステープルエンドエフェクタ3520の1つの形態を示す。エンドエフェクタ3520は、アンビル3522及びステープル部分3524を備える。ねじ付き駆動軸3530は、アンビル3522からステープル部分3524を通って延在する。ねじ付き駆動軸3530は、上述したようにモータ530が提供する回転運動を受け取るため、例えば、出力ソケット238に結合されてもよい。ねじ付きナット3532は、ねじ付き駆動軸3530の回転によって、ステープル部分3524が矢印3534によって示されるように遠位側及び近位側に交互に並進するように、ステープル部分3524に結合されてもよい。ねじ付き軸はまた、ステープル部分3524の遠位方向運動によってドライバ3528が遠位方向にステープルカートリッジ3526に押し込まれて、アンビル3522とステープル部分3524との間に位置決めされた任意の組織内に、カートリッジ3526からステープルを推進するように、ドライバ3528に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ3520はまた、ステープル留めする前に組織を切断する、ナイフ又は切断用具3535を備えてもよい。
異なるエンドエフェクタに加えて、他の用具部分が外科用器具10に関して交換可能であってもよいことが理解されるであろう。例えば、外科用器具10のいくつかの形態は、異なる電源コードを利用する。図Aは、外科用器具と共に使用されるいくつかの例の電源コード3540、3542、3544を示す。電源コード3540、3542、3544はそれぞれ、外科用器具10に結合するためのソケット3546を備える。電源コード3540、3542、3544は、外科用器具10を様々な電源に接続するのに利用されてもよい。例えば、電源コード3540及び3542は、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati, Ohio)のエチコン・エンドサージェリー社(Ethicon Endo-Surgery, Inc.)製のモデル番号GEN11の発生器など、発生器によって受け入れられるソケット3550、3552を備える。かかる発生器は、器具10に電力を提供してもよく、かつ/又は電気外科的及び/若しくは超音波エンドエフェクタを駆動する信号を提供してもよい。電源コード3544は、器具10に(例えば、電池802の代わりに)電力を提供するため、壁ソケットに差し込まれてもよいプラグ3548を備える。
いくつかの形態では、外科用器具はまた、異なる軸を含む交換可能な用具部分を備えてもよい。図81は、外科用器具10と共に使用することができる、いくつかの例の軸3554、3556、3558を示す。軸3554、3556、3558はそれぞれ、本明細書で上述したような器具10によって受け入れられてもよい、分離可能な駆動マウント部分700に類似した、分離可能な駆動マウント部分700’、700’’、700’’’を備える。また、軸3554、3556、3558はそれぞれ、本明細書で上述した結合具アセンブリ200に類似した、エンドエフェクタを受け入れる結合具アセンブリ3557を備える。いくつかの実施形態では、異なる軸は、結合具アセンブリ3557で異なるタイプのエンドエフェクタを受け入れるように構成される。軸3554、3556、3558はそれぞれ、例えば、異なる長さ、関節運動の有無、受動的又は能動的な関節運動、関節運動の異なる程度、異なる直径、異なる曲率などを含む、異なる特性を備えてもよい。例えば、軸3554は、軸の重心軸線から外れた曲線3559を画定する。軸3558は、関節継手310に関して本明細書で上述したのと類似した方法で関節接合されてもよい、関節継手3560を画定する。
異なる種類の用具部分100(例えば、電源コード、軸、エンドエフェクタなど)は、異なる形で動作するために、外科用器具10の様々なモータ及び他の構成要素を要することが理解されるであろう。例えば、電気外科用エンドエフェクタ3156及び超音波エンドエフェクタ3026などの電動エンドエフェクタは、電極及び/又は超音波ブレードに電力供給するためにエネルギー信号を要する。異なるエンドエフェクタはまた、例えば、異なるモータを作動させること、異なる量のトルクを提供することなどを含めて、作動のために様々なモータ402、560、530、610の異なる運動を要することがある。様々な形態では、用具部分100は外科用器具10に制御パラメータを提供してもよい。
図82は、様々な制御要素を示す外科用器具10のハンドルアセンブリ20のブロック図である。図82に示される制御要素は、様々な用具部分から制御パラメータを受信し、受信した制御パラメータに基づいて、また臨床医から(例えば、ジョイスティック制御装置840若しくは他の好適な作動デバイスを介して)受信する1つ又は2つ以上の入力制御信号に基づいて、外科用器具10を制御するように構成される。制御要素は、外科用器具10を制御するための制御回路3702を備えてもよい。様々な形態では、制御回路3702は、いずれの設置された用具部分も含む外科用器具10を動作させるための制御アルゴリズムを実行してもよい。いくつかの形態では、制御回路3702は、本明細書で上述した近位側回路基板820上に実装される。制御回路3702は、マイクロプロセッサ3706と関連するメモリ及び/又はデータ記憶装置3708とを備える。いくつかの形態では、制御回路3702はまた、超音波及び/又は電気外科用デバイスに電力信号を提供するための発生器回路3704を備えてもよい。発生器回路3704は、独立型構成要素として、又は外部発生器と関連して動作してもよい。
図82はまた、上述のモータ402、560、530、610に相当してもよい、モータ3714を示す。電池3713は、本明細書で上述した電池802に相当してもよい。制御回路3702への入力は、ジョイスティック制御装置840又は他の好適な作動デバイスによって提供されてもよい。本明細書に記載する様々な外科用用具部分100は、それぞれのソケット3710、3712でハンドル20に結合されてもよい。ソケット3712は、軸3554、3556、3558などの軸を受け入れてもよい。例えば、ソケット3712は、本明細書で上述したように、ハンドル20が分離可能な駆動マウント700を受け入れるやり方に類似した方法で、軸を受け入れてもよい。ソケット3710は、本明細書で上述したソケット3546などのコードソケットを受け入れるように構成されてもよい。
制御回路3702は、ソケット3710、3712などの様々な他の制御要素と共に、様々な設置された用具部分から制御パラメータを受信してもよい。制御パラメータは、例えば、用具部分の性質を説明するデータ、用具部分が設置された器具10を動作させるアルゴリズムを説明するデータなどを含んでもよい。ソケット3710、3712は、様々な用具部分に対して機械的かつ通信可能に結合してもよい。例えば、様々な用具部分は制御パラメータを記憶する回路3720を備えてもよい。かかる回路3720は、図80では電源コード3540、3542、3544と併せて、また図81の軸3554、3556、3558と併せて示される。また、図83は、本明細書に記載するような回路3720を備える、様々なエンドエフェクタ用具部分3730、3732、3734、3736、3738の1つの形態を示す。回路3720は、制御回路3702に提供するために制御パラメータを記憶する、1つ又は2つ以上のデータ記憶構成要素を備えてもよい。かかるデータ記憶構成要素としては、任意の好適なタイプのメモリデバイス(例えば、電気消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、デジタルレジスタ、他の任意のタイプのメモリなど)を挙げることができる。メモリデバイスはまた、例えば、無線周波数識別(RFID)問い合わせ信号に反応して、所定の制御パラメータを修正するように構成される、コイル又は他のハードウェア構成要素を含んでもよい。いくつかの形態では、回路3720は、例えば、それぞれのソケット3710、3712を介して、制御回路3702に対する直接有線接続を作る。したがって、制御回路3702は、様々な回路3720と直接通信して制御パラメータを受信してもよい。
いくつかの形態では、回路3720は受動又は能動RFIDデバイスを含む。ハンドル20は、それぞれのソケット3710、3712又はその付近に位置決めされてもよい、1つ又は2つ以上のアンテナ3716、3718を備えてもよい。アンテナ3716、3718を利用して、制御回路3702は、設置された用具部分上の回路3720に問い合わせて、制御パラメータを検索してもよい。いくつかの形態では、制御回路3702は、始動の際、並びに/又は用具部分が設置及び/若しくは除去されていることが指示された際に、様々な用具部分に問い合わせるようにプログラムされる。これに応答して、制御回路3702は、RFIDデバイスから反射信号を受信してもよい。反射信号は関連する制御パラメータを示してもよい。いくつかの形態では、回路3720は、例えば設置の際に、それらの関連する用具部分について説明するデータを送信する、能動RFIDデバイスを含んでもよい。
図81に示されるように、いくつかの軸の形態は遠位部分にアンテナ3719を備えてもよい。アンテナ3719は、それぞれの軸を通って延在する導体(図示なし)を介して制御回路3702と通信して、制御回路3702が、エンドエフェクタ3730、3732、3734、3736、3738などのエンドエフェクタ上のRFIDデバイス回路3720に問い合わせることを可能にしてもよい。いくつかの形態では、ハンドル内に位置決めされたアンテナ3718は、軸内の別個のアンテナ379を要することなく、エンドエフェクタ上のRFIDデバイス回路3720に問い合わせるのに十分な電力を受信及び送信してもよい。いくつかの構成では、回路3720は、制御回路3702に対して有線接続を作るように構成されてもよい。例えば、アンテナ3716、3718、3719は省略されてもよい。
図84は、外科用器具10を制御する制御回路3702によって実現される、制御構成3800の1つの形態を示すブロック図である。構成3800によれば、制御回路3702は制御アルゴリズム3802を用いてプログラムされる。制御アルゴリズム3802は、入力変数3801の形態で、設置された用具部分から制御パラメータを受信する。入力変数3801は、設置された用具部分の性質を説明してもよい。制御アルゴリズム3802はまた、1つ又は2つ以上の入力制御信号3818を(例えば、ジョイスティック制御装置840、ロボットシステム、又は臨床医によって操作される他の好適な作動デバイスから)受信する。入力変数3801に基づいて、制御アルゴリズム3802は、1つ又は2つ以上の入力制御信号3818を、モータ3714を制御するための出力モータ制御信号3814、並びに超音波及び/又は電気外科用エンドエフェクタを制御するための任意の出力エネルギー制御信号3816へと転換することによって、外科用器具10を動作させてもよい。外科用器具10の全ての形態が、列挙した用具部分全てから入力変数を受信する必要があるとは限らないことが理解されるであろう。例えば、外科用器具のいくつかの形態は、単一の軸及び/又は固定のエンドエフェクタを備える。また、外科用器具(又はその構成)のいくつかの形態は電源コードを省略してもよい。
制御アルゴリズム3802は、外科用器具10の異なる態様と関係する複数の機能モジュール3804、3806、3810、3812を実現してもよい。発射モジュール3804は、それぞれのモータ3714を制御して器具10の発射を行うため、1つ又は2つ以上の入力制御信号3818を1つ又は2つ以上の出力モータ制御信号3814に転換してもよい。関節運動モジュール3806は、器具10の軸を関節運動させるため、1つ又は2つ以上の入力制御信号3818を1つ又は2つ以上の出力モータ制御信号3814に転換してもよい。電源モジュール3812は、設置された電源コードの要求に応じて、外科用器具10の様々な構成要素に電力を送ってもよい。エンドエフェクタでエネルギーを利用する器具10の形態(例えば、超音波及び/又は電気外科用器具)の場合、エネルギーモジュール3810は、1つ又は2つ以上の入力制御信号3818を、エンドエフェクタに提供される出力エネルギー信号3816に転換してもよい。エネルギー信号3816は、発生器3704及び/又は外部の発生器(図84には図示なし)によって生成されてもよく、変換器3016及び/又はエンドエフェクタのエネルギー送達面3204A、3204Bに提供されてもよい。
制御アルゴリズム3802の様々なモジュール3804、3806、3810、3812は、1つ又は2つ以上の入力制御信号3818を出力信号3814、3816に転換するため、入力変数3801の形態の制御パラメータを利用してもよい。例えば、異なる用具部分から受信する入力変数3801は、異なる形で制御アルゴリズム3802に影響することがある。3540、3542、3544などの電源コードから受信する入力変数3801としては、例えば、コードのタイプ、コードが発生器若しくは電源ソケットなどの外部の対象に接続されているか否か、コードが接続される外部の対象の識別情報などを挙げることができる。コード3544などの電源コードの1つのタイプは、壁付きコンセントなどの外部電源ソケットから電力を受信するように構成されてもよい。このタイプのコードが(例えば、ソケット3710に)設置されていると制御回路3702が判断すると、電源モジュール3812は、設置されたコード用具を通って提供される電力からモータ3714及び/又はエネルギー要素に電力供給するように、制御回路3702を構成するようにプログラムされてもよい。設置されたコード用具を通って提供される電力は、電池3713によって提供される電力に加えて、又はその代わりに使用されてもよい。
3540及び3542などの別のタイプのコードは、外部発生器と通信するように構成されてもよい。電源モジュール3812及び/又はエネルギーモジュール3810は、設置された電源コードを介して受信されるエネルギー信号に基づいて、エネルギー要素に電力供給するように制御回路3702を構成してもよい。加えて、エネルギーモジュール3810は、設置された電源コードを介して発生器に入力を提供するように制御回路3702を構成してもよい。かかる入力は、例えば、臨床医がエネルギーを要求していることを示す入力制御信号3818を含んでもよい。いくつかの形態では、電源コードから受信する入力変数3801はまた、電源コードが結合されるように構成される(かつ/又は電源コードが結合される)、発生器のタイプを示してもよい。発生器の例は、独立型の電気外科用発生器、独立型の超音波発生器、電気外科用/超音波発生器の組み合わせなどを含んでもよい。いくつかの形態では、コードから受信する入力変数3801もまた、コードが結合するように構成される発生器のタイプを示してもよい。いくつかの形態では、示される発生器のタイプは、制御アルゴリズム3802の動作に影響することがある。例えば、異なる発生器のタイプは、異なる制御インターフェースを有することがあり、外科用器具10とは異なる形態の命令が予期されること、及び/又は異なる形態の出力を提供することがある。
軸3554、3556、3558のうちの1つなどの軸が取外し可能な用具部分であるとき、軸から受信する入力変数3801は、軸の様々な性質を示してもよい。かかる性質は、例えば、軸の長さ、軸の湾曲の位置及び程度(存在する場合)、軸の関節継手を説明するパラメータ(存在する場合)などを含んでもよい。軸の長さ並びに軸の湾曲の位置及び程度は、例えば、トルク要件及び/又は許容差を判断するため、制御アルゴリズム3802の発射モジュール3804及び/又は関節運動モジュール3806によって利用されてもよい。軸の関節継手について説明するパラメータは、異なる方向に軸を関節運動させるのに要する様々なモータ運動を示すか、又は関節運動モジュール3806がそれを導き出すことを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、入力変数3801はまた、許容可能な関節運動の程度を示してもよく、それを関節運動モジュール3806が、最大許容可能なモータ移動に転換してもよい。いくつかの形態では、軸から受信する入力変数3801はまた、設置された軸が軸回転及び/又はエンドエフェクタ回転を支持するか否かを指示してもよい。かかる変数3801は、軸及び/又はエンドエフェクタの回転のためにどのモータ3714を作動させるか、それぞれのモータ3714に関して指示される回転トルク及び回転数などを導き出すため、制御アルゴリズム3802によって利用されてもよい。
エンドエフェクタ用具部分から受信する入力変数3801は、使用されるエンドエフェクタのタイプに基づいて、異なる形態であってもよい。例えば、エンドカッター、及び本明細書で上述したエンドエフェクタ102などの他のステープラーエンドエフェクタは、エンドエフェクタの長さ(例えば、45mm若しくは60mmのステープルライン)、アンビル及び細長いチャネルが直線若しくは曲線のどちらであるか、駆動軸180などの駆動軸が結合されるモータ3714などを示す、変数値を提供してもよい。かかる入力変数3801は、発射モジュール3804によって、器具10の発射を要求する入力制御信号3818を出力モータ制御信号3814に転換するのに利用されてもよい。例えば、エンドエフェクタの長さ、曲率などによって、起動されるモータ3714、提供する必要がある力又はトルクの量、発射に要するモータの回転数などが決定されてもよい。同様に、3500及び3520などの線形又は円形ステープラーエンドエフェクタから受信する入力変数3818は、発射アルゴリズム3804によって、発射のために作動させるモータ3714、発射に関連する入力制御信号3818の異なるレベルに反応して提供することが要求される力又はトルクの量、発射に要するモータの回転数などを決定するのに利用されてもよい。
エンドエフェクタが、電気外科用エンドエフェクタ3156又は超音波エンドエフェクタ3026などのエネルギーエンドエフェクタであるとき、受信する入力変数3801は、エンドエフェクタの閉鎖運動に関連する情報、並びに例えば、発射行程と関連するエネルギー提供のタイミングを含む、エネルギー要素について説明する情報を説明してもよい。閉鎖運動について説明する情報は、例えば、発射モジュール3804によって、発射及び/又は撤回のためにどのモータ3714を作動させるか、それぞれのモータ3714に関して示される回転のトルク及び数などを決定するのに利用されてもよい。エネルギー要素について説明する情報は、例えば、出力エネルギー信号3816を生成させるため、エネルギーモジュール3810によって利用されてもよい。例えば、エネルギーモジュール3810は、どのタイプの出力エネルギー信号3816(例えば、電圧、電流など)が必要か、内部発生器3704によって信号を生成させることができるか否か、信号によって実施される何らかのロックアウトが存在するか否かを決定してもよい。ロックアウトの例は、エネルギーが提供されていない限り、発射運動が行われるのを防いでもよく、並びに/又は発射運動が行われていない限り、エネルギーが提供されるのを防いでもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーモジュール3810はまた、器具の発射行程に関連して、出力エネルギー信号3816のタイミングを導き出してもよい。例えば、電気外科用エンドエフェクタ3156を参照すると、エネルギーモジュール3810は、組織切断要素3210を前進させる前に、エネルギー送達面3204A、3204Bをどのくらい長く起動されるべきかを導き出してもよい。
図85は、制御回路3702を用いて制御アルゴリズム3802を実現するためのプロセスフロー3600の1つの例の形態を示すフローチャートである。3602で、制御回路3702は、用具部分(例えば、電源コード、軸、エンドエフェクタなど)が存在することの指示を受信してもよい。指示は、用具部分を設置する際に自動的に生成されてもよい。例えば、用具部分が能動RFIDを含む形態では、用具部分が存在することの指示は能動RFIDによって提供されてもよい。また、いくつかの実施形態では、用具部分を器具10に接続するのに用いられるソケット3710、3712は、用具部分が存在することを示すスイッチを含んでもよい。3604で、制御回路3702は、入力変数3801に関して用具部分に問い合わせてもよい。用具部分が受動RFIDデバイスを含むとき、問い合わせは、無線周波信号を用いてRFIDデバイスを照明することを含んでもよい。用具部分が制御回路3702と有線通信している場合、問い合わせは、用具部分と関連付けられるメモリデバイスに要求を送ることを含んでもよい。
3606で、制御回路3702は用具部分から入力変数3801を受信してもよい。入力変数3801は任意の好適な方法で受信されてもよい。例えば、用具部分が受動RFIDデバイスを含むとき、入力変数3801は、RFIDデバイスからの帰還信号を復調することによって導き出されてもよい。用具部分と回路3702との間に有線接続があるとき、入力変数3801は、用具部分のメモリデバイスなどから直接受信されてもよい。3608で、制御回路3702は、例えば本明細書で上述したように、入力変数3801を制御アルゴリズム3802に適用してもよい。これは、どの用具部分が設置されていても器具10を動作させるように、先在するアルゴリズム3802を構成する効果を有することがある。
図86は、外科用器具10を制御する制御回路3702によって実現される、制御構成3900の別の形態を示すブロック図である。構成3900では、様々な用具部分から受信する制御パラメータは、それぞれの用具部分を制御するアルゴリズムを含む。制御回路3702は、オペレーティングシステム3904を含むシェル制御アルゴリズム3902を実現する。オペレーティングシステム3904は、設置された用具部分に問い合わせて、制御パラメータを用具アルゴリズム3906の形態で受信するようにプログラムされる。用具アルゴリズム3906はそれぞれ、入力制御信号3908を出力モータ制御信号3910及び出力エネルギー信号3912に転換する方法について説明してもよい。用具アルゴリズム3906を受信すると、オペレーティングシステム3904は、アルゴリズム3906を実行して器具10を動作させてもよい。
いくつかの実施形態では、オペレーティングシステム3904はまた、様々なアルゴリズム3906を両立させてもよい。例えば、エネルギーエンドエフェクタから受信する用具アルゴリズム3906は、器具が外部発生器と通信しているか、又は内部発生器3704を利用しているか否かに基づいて、異なる構成を取ってもよい。したがって、オペレーティングシステム3904は、用具アルゴリズム3906が外部発生器と結合するように構成された対応する電源コードから受信されているか否かに基づいて、エネルギーエンドエフェクタのための用具アルゴリズム3906を構成してもよい。また、いくつかの形態では、エンドエフェクタを発射するのに必要な許容差及び/又は回転数は、軸の構成に応じて決まってもよい。したがって、オペレーティングシステム3904は、軸から受信する対応する用具アルゴリズム3906に基づいて、エンドエフェクタから受信する用具アルゴリズム3906を修正するように構成されてもよい。
図87は、制御回路3702を利用する制御アルゴリズム3902を実現するためのプロセスフロー3400の1つの例の形態を示すフローチャートである。3402で、制御回路3702はオペレーティングシステム3904を実行してもよい。オペレーティングシステム3904は、制御構成3900に関して本明細書に記載する他の様々なアクションを行うように、制御回路3702をプログラムしてもよい。3404で、制御回路3702は、例えば本明細書に記載するような、外科用器具10に設置される1つ又は2つ以上の用具部分に問い合わせてもよい。3406で、制御回路3702は、本明細書に記載するように、用具アルゴリズム3906を受信してもよい。3408で、制御回路3702は、受信したアルゴリズム3906を適用して、外科用器具を動作させてもよい。受信したアルゴリズム3906の適用は、例えば、本明細書で上述したように、アルゴリズム3906を照合することを含んでもよい。
図88及び図89は、エンドエフェクタ4002内に位置する感知モジュール4004を備える外科用器具4010の1つの形態を示す。いくつかの形態では、外科用器具4010は外科用器具10に類似していてもよく、エンドエフェクタ4002は上述のエンドエフェクタ102に類似していてもよい。感知モジュール4004は、エンドエフェクタ4002における1つ又は2つ以上の条件を測定するように構成されてもよい。例えば、1つの構成では、感知モジュール4004は、ステープルカートリッジ130とアンビルアセンブリ190との間でエンドエフェクタ4002に圧締めされた組織の厚さを感知する、組織厚さ感知モジュールを含んでもよい。感知モジュール4004は、エンドエフェクタ4002の1つ又は2つ以上の測定された条件を示す無線信号を生成させるように構成されてもよい。図89に示される1つの構成によれば、感知モジュール4004は、ステープルが発射されるときに感知モジュール4004がステープルカートリッジ130のステープルの邪魔にならないように、エンドエフェクタ4002の遠位端に位置してもよい。様々な形態では、感知モジュール4004は、センサ、無線モジュール、及び電源を備えてもよい。図90を参照されたい。センサは、電動関節継手310、又は用具部分100の他の任意の好適な部分で、(図89に示されるように)エンドエフェクタ4002の遠位端に配設されてもよい。
様々な構成では、センサは、エンドエフェクタ4002における1つ又は2つ以上の条件を検出する任意の好適なセンサを含んでもよい。例えば、非限定的に、エンドエフェクタ4002の遠位端にあるセンサは、ホール効果センサ若しくはリードスイッチセンサ、光センサ、磁気誘導センサ、力センサ、圧力センサ、圧電抵抗性フィルムセンサ、超音波センサ、渦電流センサ、加速度計、パルス酸素測定センサ、温度センサ、組織経路の電気特性(容量若しくは抵抗など)を検出するように構成されたセンサ、又はそれらの任意の組み合わせなどの組織厚さセンサを含んでもよい。別の例として、非限定的に、電動関節継手310に位置するセンサは、ポテンショメータ、容量性センサ(スライドポテンショメータ)、圧電抵抗性フィルムセンサ、圧力センサ、圧力センサ、又は他の任意の好適なセンサタイプを含んでもよい。いくつかの構成では、感知モジュール4004は、エンドエフェクタ4002内の複数の位置にある複数のセンサを含んでもよい。感知モジュール4004は、ビデオフィードなどを通って、ユーザに対してエンドエフェクタ4002における電流条件の視覚的指示を提供する、1つ又は2つ以上の視覚的マーカを更に含んでもよい。
感知モジュール4004は、エンドエフェクタ4002の測定された条件を示す無線信号を生成させて送信するように構成される、無線モジュールを含んでもよい。図90を参照されたい。無線モジュールは、第1の周波数で無線信号を送信するように構成されたアンテナを備えてもよい。感知モジュール4004の送信電力は、感知モジュール4004内に位置付け可能なアンテナ及び電源のサイズによって限定されてもよい。エンドエフェクタ4002のサイズにより、信号を感知モジュール4004から例えばビデオモニタ4014などの遠隔位置に送信するのに十分に強力な、アンテナ又は電源を位置付けるために利用可能な空間が低減されることがある。アンテナの余儀なくされたサイズ、及び電源によって感知モジュール4004に送達される低電力により、感知モジュール4004は、短距離にわたる送信が可能な低出力信号4006を生成してもよい。例えば、いくつかの形態では、感知モジュール4004は、エンドエフェクタ4002から、エンドエフェクタ4002からの近傍に位置する中継局4008に信号を送信してもよい。例えば、中継局4008は、器具4010のハンドル4020に、軸4030(例えば、軸4030の近位部分)内に、かつ/又は患者の体表又は体内に位置決めされる埋込み可能なデバイス内に位置してもよい。
中継局4008は、低出力信号4006を感知モジュール4004から受信するように構成されてもよい。低出力信号4006は、感知モジュール4004の一部としてエンドエフェクタ4002内に位置してもよい、アンテナ及び電源のサイズによって制限される。中継局4008は、低出力信号4006を受信し、受信した信号を高出力信号4012として再送信するように構成されてもよい。高出力信号4012は、エンドエフェクタ4002で測定される条件の図式的表現を表示するように構成される、ビデオモニタ4014などの、遠隔ネットワーク又はデバイスに送信されてもよい。感知モジュール4004及び中継局4008について、全体として外科用器具4010に関連して記載してきたが、当業者であれば、感知モジュール4004及び中継局4008の構成は、例えばロボット外科システムなど、任意の好適な外科システムと共に使用されてもよいことを認識するであろう。例えば、中継局4008は、ロボット外科用器具の軸及び/又は器具部分内に位置決めされてもよい。好適なロボット外科システムが、「Surgical Instruments with Articulating Shafts」という名称の米国特許出願第13/538,700号に記載されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。
いくつかの形態では、ビデオモニタ4014は、エンドエフェクタ4002で測定された条件を表示する独立型ユニット、内視鏡下、腹腔鏡下、若しくは観血手術で使用される標準的な観察モニタ、又は他の任意の好適なモニタを含んでもよい。表示される図式的表現は、ビデオモニタに表示されるビデオフィード又は他の情報の上に表示されてもよい。いくつかの形態では、高出力信号4012は、ビデオモニタ4014表示を中断してもよく、エンドエフェクタ4002で測定される条件の図式的表現のみをビデオモニタに表示させてもよい。ビデオモニタ4014が中継局4008から高出力信号4012を受信することを可能にするため、受信器モジュール4015は、ビデオモニタ4014とインターフェース接続されてもよい。いくつかの構成では、受信器モジュール4015はビデオモニタ4014と一体的に形成されてもよい。高出力信号4012は、無線で、有線接続を通って、又はその両方で送信されてもよい。高出力信号4012は、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は他の任意の好適なネットワーク若しくはデバイスによって受信されてもよい。
いくつかの形態では、ビデオモニタ4014は、受信した高出力信号4012に含まれるデータに基づいて画像を表示してもよい。例えば、臨床医は、外科用器具4010が関与する処置全体を通して、圧締めされた組織の厚さに関する実時間データを見てもよい。ビデオモニタ4014は、陰極線管(CRT)モニタ、プラズマモニタ、液晶ディスプレイ(LCD)モニタ、又は他の任意の好適な視覚表示モニタなどのモニタを含んでもよい。ビデオモニタ4014は、受信した高出力信号4012に含まれるデータに基づいて、エンドエフェクタ4002における条件の図式的表現を表示してもよい。ビデオモニタ4014は、例えば、エンドエフェクタにおける条件の図式的表現を、ビデオモニタ4014に表示されたビデオフィード又は他のデータの上に重ねるなど、任意の好適な方法でエンドエフェクタ4002における条件を表示してもよい。いくつかの形態では、ビデオモニタ4014は、高出力信号4012から受信したデータのみを表示するように構成されてもよい。同様に、高出力信号4012は、コンピュータシステム(図示なし)によって受信されてもよい。コンピュータシステムは、中継局4008と通信するため、無線周波モジュール(例えば、受信器モジュール4015など)を備えてもよい。コンピュータシステムは、メモリユニット(例えば、ROM若しくはハードディスクドライブ)に高出力信号4012からのデータを格納してもよく、プロセッサを用いてそのデータを処理してもよい。
いくつかの形態では、中継局4008は、低出力信号4006の電力を高出力信号4012へと増幅させるが、そうでなければ低出力信号4006を変更しない。中継局4008は、高出力信号4012を遠隔ネットワーク又はデバイスに再送信するように構成されてもよい。いくつかの構成では、中継局4008は、高出力信号4012を再送信する前に、受信した低出力信号4006を変更又は処理してもよい。中継局4008は、受信信号を、感知モジュール4004が送信する第1の周波数から、ビデオモニタ4014などの遠隔ネットワーク又はデバイスによって受信可能な第2の周波数へと変換するように構成されてもよい。例えば、1つの構成では、感知モジュール4004は、人体組織透過性の周波数を含む第1の周波数を使用して、低出力信号4006を送信してもよい。人体組織透過性の周波数は、信号の減衰が最小限である人体組織を貫通するように構成される周波数を含んでもよい。例えば、周波数は、人体組織(高い割合の水を含んでもよい)による信号の減衰を制限するため、吸水帯の外側で選択されてもよい。例えば、感知モジュール4004は、医療用インプラント通信サービス(MICS)周波数帯(402〜405MHz)、適切な産業、科学、医療(ISM)無線帯(433MHzの中心周波数若しくは915MHzの中心周波数など)、近距離場通信帯(13.56MHz)、ブルートゥース通信帯(2.4GHz)、超音波周波数、又は他の任意の好適な人体組織透過性の周波数若しくは周波数帯を使用してもよい。中継局4008は、第1の周波数の低出力信号4006受信してもよい。中継局4008は、低電力信号4006を第1の周波数から、長い範囲にわたって空気を通って送信するのに適した第2の周波数に変換してもよい。中継局4008は、例えばWi−Fi周波数(2.4GHz又は5GHz)など、任意の好適な周波数を使用して、高出力信号4012を送信してもよい。
いくつかの形態では、中継局4008は、受信した低出力信号4006を、高出力信号4012の送信前に第1の通信プロトコルから第2の通信プロトコルに変換してもよい。例えば、感知モジュール4004は、例えば近距離場通信(NFC)プロトコル、ブルートゥース通信プロトコル、企業私有通信プロトコル、又は他の任意の好適な通信プロトコルなど、第1の通信プロトコルを使用して、低出力信号4006を送信してもよい。中継局4008は、第1の通信プロトコルを使用して低出力信号4006を受信してもよい。中継局4008は、受信信号を第1の通信プロトコルから、例えばTCP/IP、UDP、又は他の任意の好適な通信プロトコルなどの第2の通信プロトコルに変換する、プロトコル変換モジュールを含んでもよい。
図90は、本明細書で上述した感知モジュール4004の一例の構成を表す、感知モジュール4104を示すブロック図である。感知モジュール4104は、センサ4116、コントローラ4118、無線モジュール4124、及び電源4126を備えてもよい。コントローラ4118は、プロセッサユニット4120及びメモリユニット4122を備えてもよい。センサ4116は、関節継手310、又は用具部分100の他の任意の好適な部分において、(図89に示されるような)エンドエフェクタ4002の遠位端に配設されてもよい。様々な形態では、センサ4116は、エンドエフェクタにおける1つ又は2つ以上の条件を検出する任意の好適なセンサを含んでもよい。
いくつかの構成では、センサ4116は、例えばホール効果センサなどの組織厚さセンサを含んでもよい。組織厚さセンサは、例えばアンビルアセンブリ190の遠位端にある、磁石4042によって生成された磁界に基づいて、エンドエフェクタ4002に圧締めされた組織の厚さを検出してもよい。図89を参照されたい。臨床医がアンビルアセンブリ190を閉じると、磁石4042が下側に回転して感知モジュール4004に近付き、それによって、アンビルアセンブリ190が閉(又は圧締め)位置へと回転するにつれて、感知モジュール4004によって検出される磁界が変動する。感知モジュール4004によって感知される磁石4042からの磁界の強さは、チャネル130とアンビルアセンブリ190との間の距離を示し、それは、エンドエフェクタ4002が閉(又は圧締め)位置にあるときの、チャネル130とアンビルアセンブリ190との間で圧締めされる組織の厚さを示す。
感知モジュール4104は、エンドエフェクタの測定された条件を示す無線信号を生成するように構成されてもよい。無線信号は無線モジュール4124によって生成してもよい。いくつかの形態では、無線モジュール4124の送信電力は、無線モジュール4124に含まれるアンテナのサイズ、及び感知モジュール4104内にある電源4126のサイズによって制限される。エンドエフェクタ4002のサイズにより、信号をセンサ4116から例えばビデオモニタ4014などの遠隔位置に送信するのに十分に強力な、アンテナ又は電源4126を位置付けるために利用可能な空間が低減されることがある。アンテナ、及び電源4126によって送達される低電力に対する制限により、無線モジュール4124は、軸4030の近位端までの距離などの短距離にわたって送信が可能な低電力信号4006のみを生成してもよい。例えば、1つの形態では、無線モジュール4124は、エンドエフェクタ4002から外科用器具4010のハンドル4020に低出力信号4006を送信してもよい。いくつかの構成では、より高い電力レベルを送達することができる電源4126は、低出力信号4006を生成させて外科用器具4010の動作を延長してもよい。
コントローラ4118のメモリユニット4122は、1つ又は2つ以上の固体読出し専用メモリ(ROM)及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットを含んでもよい。様々な構成では、プロセッサ4120及びメモリユニット(1つ以上)4122は、単一の集積回路(IC)又は複数のICに統合されてもよい。ROMメモリユニット(1つ以上)はフラッシュメモリを含んでもよい。ROMメモリユニット(1つ以上)は、コントローラ4118のプロセッサ4120によって実行されるコード命令を格納してもよい。加えて、ROMメモリユニット(1つ以上)4122は、カートリッジ130のカートリッジタイプを示すデータを格納してもよい。即ち、例えば、ROMメモリユニット(1つ以上)4122は、ステープルカートリッジ130のモデルタイプを示すデータを格納してもよい。いくつかの構成では、外科用器具4010のハンドル4020内のコントローラは、ステープルカートリッジ130の条件情報及びモデルタイプを利用して、外科用器具4010の適切な動作を検出してもよい。例えば、感知モジュール4004は組織厚さを測定するように構成されてもよい。組織厚さ情報及びカートリッジモデルタイプは、特定のステープルカートリッジ130に対して指定される組織厚さ範囲に基づいて、エンドエフェクタ4002に圧締めされた組織が厚すぎるか又は薄すぎるかを判断するのに使用されてもよい。無線モジュール4124は、無線データ通信プロトコルを使用して、外科用器具4010のハンドル4020内の中継局4008と無線で通信する、低電力の双方向無線モジュールであってもよい。無線モジュール4124は、低出力信号4006の送信に適した任意のアンテナを備えてもよい。例えば、無線モジュール4124は、ダイポールアンテナ、半波長ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、近距離場通信アンテナ、又は低出力信号4006のための他の任意の好適なアンテナを含んでもよい。アンテナのサイズ、及びしたがって、利用可能な送信電力及び周波数は、エンドエフェクタ4002のサイズによって制限されてもよい。
様々な形態によれば、無線モジュール4124は、人体組織透過性の周波数を使用して、中継局4008と通信してもよい。例えば、無線モジュール4124と中継局4008との間の通信は、医療用インプラント通信サービス(MICS)周波数帯(402〜405MHz)、適切な産業で、科学、医学(ISM)無線帯(433MHzの中心周波数若しくは915MHzの中心周波数など)、近距離場通信帯(13.56MHz)、ブルートゥース通信帯(2.4GHz)、超音波周波数、又は他の好適な人体組織透過性の周波数若しくは周波数帯を使用してもよい。電源4126は、リチウムイオン電池又は他の何らかの好適な電池セルなど、感知モジュール4004の構成要素に電力供給するのに適した電池セルを含んでもよい。
いくつかの形態では、感知モジュール4104の構成要素は、エンドエフェクタ4002内、軸4030上、又は外科用器具4010の他の任意の好適な位置にあってもよい。例えば、センサ4116は、エンドエフェクタ4002の遠位端に位置してもよい。コントローラ4118、無線モジュール4124、及び電源4126は軸4030上に位置してもよい。1つ又は2つ以上のワイヤは、センサ4116を、コントローラ4118、無線モジュール4124、及び電源4126に接続してもよい。いくつかの形態では、エンドエフェクタ4002及び軸4030の機能により、感知モジュール4104の配置が限定されてもよい。例えば、図示される形態では、エンドエフェクタ4002は電動関節継手310によって関節運動可能及び回転可能である。電動関節継手310の上にワイヤを置くことによって、ワイヤの捻れ又は折れ曲がりがもたらされることがあり、電動関節継手310の動作と干渉することがある。関節継手310又は感知モジュール4004の動作上の問題を防ぐため、感知モジュール4004構成要素の配置は、電動関節継手310の遠位側の位置に制限されてもよい。
いくつかの構成では、感知モジュール4104はアナログ・デジタル変換器(ADC)4123を備えてもよい。センサ4116は、エンドエフェクタ4002における条件を表すアナログ信号を生成させてもよい。エンドエフェクタ4002における条件を表す信号を無線で送信するには、アナログ信号をデジタル信号に変換することを要することがある。センサ4116によって生成されるアナログ信号は、低出力信号4006の生成及び送信前に、ADC 4123によってデジタル信号に変換されてもよい。ADC 4123は、コントローラ4118に含まれてもよく、又は例えばマイクロプロセッサ、プログラマブルゲートアレイ、若しくは他の任意の好適なADC回路など、別個のコントローラを含んでもよい。
図91は、本明細書で上述した中継局4208の一例の構成を表す、中継局4208を示すブロック図である。中継局4208は、例えば電池4226の近傍など、軸に近接して、また、例えば軸4030によってエンドエフェクタ4002内の感知モジュール4004から離れて位置してもよい。例えば、中継局4208は、外科用器具4010のハンドル4020内に位置してもよい。そのため、中継局4208は感知モジュール4004から無線信号を受信してもよい。中継局4208は、外科用器具4002のハンドル4020と選択的にインターフェース接続されてもよい、解放可能なモジュールを含んでもよい。
図91に示されるように、中継局4208は、無線モジュール4228及び増幅モジュール4230を含んでもよい。いくつかの構成では、無線モジュール4228は低出力信号4006を受信するように構成される。低出力信号4006は、感知モジュール4004から送信されてもよく、エンドエフェクタ4002における条件を示す。中継局4208の無線モジュール4228は、低出力信号4006を受信し、低出力信号4006を増幅モジュール4230に提供する。増幅モジュール4230は、低出力信号4006を、低出力信号4006よりも長い範囲にわたる送信に適した高出力信号4012に増幅してもよい。受信した低出力信号4006を高出力信号4012に増幅した後、増幅モジュール4230は、例えばビデオモニタ4014など、遠隔のネットワーク又はデバイスに送信するため、高出力信号4012を無線モジュール4228に提供してもよい。増幅モジュール4230は、任意の好適な増幅回路、例えばトランジスタ、演算増幅器(オペアンプ)、完全差動増幅器、又は他の任意の好適な信号増幅器を含んでもよい。
図92は、本明細書で上述した中継局4308の別の例の構成を表す、中継局4308を示すブロック図である。図示される形態では、中継局4308は、無線モジュール4328、増幅モジュール4330、及び処理モジュール4336を備える。増幅モジュール4330は、処理モジュール4336による処理の前、処理モジュール4336が受信した低出力信号4006を処理した後、又は処理モジュール4336による処理の前後両方で、受信した低出力信号4006を増幅してもよい。無線モジュール4328は、受信器モジュール4332及び送信器モジュール4334を含んでもよい。いくつかの形態では、受信器モジュール4332及び送信器モジュール4334は、信号送受信器モジュール(図示なし)の形に組み合わされてもよい。受信器モジュール4332は、感知モジュール4004から低出力信号4006を受信するように構成されてもよい。受信器モジュール4332は、受信した低出力信号4006を処理モジュール4336に提供してもよい。
図示される構成では、処理モジュール4336は、周波数変換モジュール4338及びプロトコル変換モジュール4340を備える。周波数変換モジュール4338は、受信した低出力信号4006を第1の周波数から第2の周波数に変換するように構成されてもよい。例えば、感知モジュール4004は、MICS又はISM周波数など、人体組織を通って送信するのに適した第1の周波数を使用して、低出力信号4006を送信してもよい。受信器モジュール4332は、第1の周波数で低出力信号4006を受信してもよい。周波数変換モジュール4338は、低出力信号4006を、第1の周波数から、長い範囲にわたって空気を通って送信するのに適した第2の周波数に変換してもよい。周波数変換モジュール4338は、受信した低出力信号4006を、例えばWi−Fi周波数(2.4GHz若しくは5GHzの周波数)など、高出力信号の送信に適した任意の周波数に変換してもよい。
プロトコル変換モジュール4340は、受信した信号を第1の通信プロトコルから第2の通信プロトコルに変換するように構成されてもよい。例えば、感知モジュール4004は、例えば近距離場通信(NFC)プロトコル、ブルートゥース通信プロトコル、企業私有通信プロトコル、又は他の任意の好適な通信プロトコルなど、第1の通信プロトコルを使用して、低出力信号4006を送信してもよい。中継局4308は、第1の通信プロトコルを使用して低出力信号4006を受信してもよい。中継局4308は、受信した低出力信号4006を第1の通信プロトコルから、例えばTCP/IPプロトコル、ブルートゥースプロトコル、又は他の任意の好適な通信プロトコルなどの第2の通信プロトコルに変換する、プロトコル変換モジュール4340を含んでもよい。周波数変換モジュール4338及びプロトコル変換モジュール4340を含む処理モジュール4336は、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ、プログラマブルゲートアレイ、集積回路、若しくは他の任意の好適なコントローラ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
いくつかの形態では、周波数変換モジュール4338及び/又はプロトコル変換モジュール4340はプログラム可能であってもよい。ネットワーク、ビデオモニタ、又は他の受信機器は、特定の周波数及び特定のプロトコルで信号を受信するように構成されてもよい。例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)は、2.4GHz若しくは5GHzの周波数での送信を要する、802.11無線規格を使用して、またTCP/IP通信プロトコルを使用して、無線信号を受信するように構成されてもよい。ユーザは、中継局4308によって格納された複数の通信規格から、802.11無線通信規格を選択してもよい。メモリモジュールは、複数の通信規格を格納するため、中継局4308に含まれてもよい。ユーザは、メモリモジュールによって格納された複数の通信規格から、高出力信号4012用の通信規格を選択してもよい。例えば、ユーザは、高出力信号4012を送信する通信規格として、802.11通信規格を選択してもよい。通信規格がユーザによって選択されると、周波数変換モジュール4338又はプロトコル変換モジュール4340は、受信した低出力信号4006の周波数又は通信プロトコルを変換することによって、受信した低出力信号4006を選択された通信規格に変換するように、メモリモジュールによってプログラムされてもよい。いくつかの構成では、中継局4308は、低出力信号4006を受信するか又は高出力信号4012を送信するのに適切な周波数及び通信プロトコルを自動的に検出してもよい。例えば、中継局4308は病院無線通信ネットワークを検出してもよい。中継局4308は、受信した低出力信号4006を、病院無線通信ネットワークに対する高出力信号4012の通信に適した周波数及びプロトコルに変換するように、周波数変換モジュール4338及びプロトコル変換モジュール4340を自動的にプログラムしてもよい。
図示される形態では、処理モジュール4336は、処理された信号を送信前に高出力信号4012に増幅するため、処理された信号を増幅モジュール4330に提供してもよい。増幅モジュール4330は、処理された信号を、送信モジュール4334による送信に好適なレベルに増幅してもよい。増幅モジュール4330は、任意の好適な増幅回路、例えばトランジスタ、演算増幅器(オペアンプ)、完全差動増幅器、又は他の任意の好適な電子増幅器を含んでもよい。増幅モジュール4330は、電池(図示なし)を含んでもよく、又は外科用器具4010のハンドル4020内にある電源4326に接続されてもよい。増幅モジュール4330は、特定の通信タイプの選択に反応して、1つ又は2つ以上の増幅レベルを提供するようにプログラム可能であってもよい。
増幅モジュール4330は、送信のために高出力信号を送信モジュール4334に提供してもよい。無線モジュール4328、処理モジュール4336、及び増幅モジュール4330は別個のモジュールとして示されているが、当業者であれば、図示されるモジュールのうち任意のもの又は全てが組み合わされて、単一の集積回路又は複数の集積回路にされてもよいことを認識するであろう。
図93は、エンドエフェクタ4400の条件を示す信号を中継する方法の一実施形態を示す。方法4400は、感知モジュール(例えば、本明細書に記載される感知モジュール4004)によって、エンドエフェクタ4002などのエンドエフェクタの条件を示す信号を生成させること(4402)を含んでもよい。信号は、例えばエンドエフェクタ4002に圧締めされた組織の厚さなど、エンドエフェクタ4002における任意の測定可能な条件を表してもよい。感知モジュールは、例えば、図90に示される感知モジュール4104のセンサ4116などのセンサを使用して、信号を生成させてもよい。方法4400は、無線モジュールによって、生成した信号を低出力信号として送信すること(4404)を更に含んでもよい。例えば、図90に示される無線モジュール4124は低出力信号4006を送信してもよい。実際には、無線モジュールの送信力は、エンドエフェクタ4002内に配設されてもよいアンテナ及び電源のサイズによって制限されることがある。制限された空間を所与として、無線モジュールの送信力は低出力信号4006に制限されることがある。低出力信号4006は、外科用器具4010のハンドル4020内の中継局4008によって低出力信号4006が受信されることを可能にする電力レベルで、無線モジュールを使用して送信されてもよい。
エンドエフェクタ4400における条件を示す信号を中継する方法は、例えば中継局4008などの中継局によって、低出力信号を受信すること(4406)を更に含んでもよい。低出力信号を受信した後、中継局は、低出力信号を、例えば高出力信号4012などの高出力信号に変換してもよい(4408)。低出力信号の高出力信号への変換は、図91に示される増幅モジュール4230などの増幅モジュールによる、低出力信号の増幅を含んでもよい。低出力信号の高出力信号への変換はまた、低出力信号の通信規格を高出力信号の送信に適した通信規格に変換することを含んでもよい。例えば、方法4400は、処理モジュールを使用して、受信した低出力信号を第1の周波数から第2の周波数に変換してもよい(4408)。
低出力信号を高出力信号に変換するステップ4408の後、方法4400は、中継局によって高出力信号を、例えば手術室のビューイングスクリーン又は病院ネットワークなどの遠隔位置に送信すること(4410)を更に含んでもよい。高出力信号は、エンドエフェクタにおける条件の図式的表現をユーザに対して表示してもよい、ビューイングスクリーンによって受信されてもよい(4412)。いくつかの構成では、方法は低出力信号を変換する前に、高出力信号の周波数及び/又は通信プロトコルを、ユーザによって選択することを含んでもよい。周波数及び通信プロトコルは、中継局のメモリモジュールに格納された複数の周波数から選択されてもよい。
電気機械的ソフトストップ
様々な形態では、外科用器具は、駆動行程の端又はその付近で、モータ駆動要素を止めるか又は減速させるように適合された機械的停止部を用いてもよい。様々な形態によれば、機械的停止部は、モータ駆動要素の移動を急激に終了させるように構築されるハードストップ、及び/又は行程の端若しくはその付近でモータ駆動要素を減速させるように構築されるソフトストップを含んでもよい。更に詳細に後述するように、特定の形態では、かかる器具は、機械的停止部を含む電気機械的停止部と、モータ駆動要素を駆動するのに使用されるモータに提供される電流を測定及び/又は監視するように構成される制御システムとを含んでもよい。1つの形態では、制御システムは、所定のパラメータを満たす電流が発生したと判断すると、モータに対する電力を終了するか、又は別の形でモータ駆動要素の駆動運動を係脱するように構成される。
簡潔にすると共に理解を容易にするため、本明細書に記載する機械的及び電気機械的停止部は、外科用器具、並びにそれに関連する切断及び締結デバイスを備える駆動部材に関して一般に記載されることを理解されたい。しかしながら、当業者であれば、本開示はそれに限定されず、本明細書に開示する様々な機械的停止部及び関連する電気機械的構造部が、当該分野において既知の様々な他のデバイスにおける使用法を見出してもよいことを理解するであろう。例えば、付加的な使用法は以下で更に明白になるが、本明細書に開示する様々な機械的停止部は、例えば、電気制御式のモータ及び/又は制御若しくは駆動システムを備える任意のデバイス、並びに腹腔鏡器具などの非内視鏡的外科用器具で用いられてもよい。1つの態様による機械的停止部の形態を備えた電気機械的外科用器具10を示す、図1〜図6を再び参照する。ハンドルアセンブリ20は、細長い軸アセンブリ30に動作可能に結合され、その遠位部分はエンドエフェクタ102に動作可能に取り付けられる。エンドエフェクタ102は近位端103及び遠位端104を備える。上述したように、細長いチャネル部材110は、ステープルカートリッジ130を動作可能及び取外し可能に支持するように構成されてもよく、アンビルアセンブリ190は、開位置(図4を参照)と開位置(図6を参照)との間でステープルカートリッジ130に対して選択的に移動可能であって、それらの間に組織を捕捉してもよい。
特定の形態では、器具10は、モータのアクションによって移動可能である器具10の任意の部分又は構成要素であってもよい、駆動部材を備える。様々な形態では、駆動部材は、細長い軸アセンブリ30と、エンドエフェクタ102、又はスレッド170若しくは組織切断部材160など、その1つ又は2つ以上の部分若しくは構成要素と、細長いチャネル110内で回転可能に装着されるようにエンドエフェクタ打込みねじ180上でネジ止めにより軸支されてもよい本体部分162とを含んでもよい。上述したように、スレッド170は、エンドエフェクタ打込みねじ180に対する軸線方向行程に関して指示されてもよく、組織切断部材160の本体部分162とインターフェース接続するように構成されてもよい。エンドエフェクタ打込みねじ180は、上述したような細長いチャネル110内で回転可能に支持されてもよい。エンドエフェクタ打込みねじ180が第1の方向に回転することによって、組織切断部材160が駆動行程を通って遠位方向に移動する。組織切断部材160が駆動行程を通って遠位側に駆動されるにつれて、スレッド170は組織切断部材160によって遠位側に駆動される。様々な形態では、ステープルカートリッジ130には、ソフトストップを含む機械的停止部が装備されてもよい。1つの態様によれば、ソフトストップは、細長いチャネル110内の最遠位位置付近でその行程の端に達する際に、スレッド170を緩衝する1つ又は2つ以上のバンパー174を備える。バンパー174はそれぞれ、バンパーに所望の緩衝量を提供する、ばねなどの抵抗部材175と関連付けられてもよい。
更に詳細に上述したように、スレッド170及び組織切断部材160は、エンドエフェクタ102の近位端103とエンドエフェクタ102の遠位端104との間を延在する軸中心線A−Aに沿って、駆動行程を通って移動可能であって、組織を切断すると同時に締結する。図示されるエンドエフェクタ102は、組織の圧締め、切断、及びステープル留めのためのエンドカッターとして動作するように構成され、他の態様では、把持器、カッター、ステープラー、クリップアプライヤー、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療デバイス、超音波、RF、若しくはレーザーデバイスなどの、他のタイプの外科用デバイス用のエンドエフェクタなど、異なるタイプのエンドエフェクタが使用されてもよい。
図1〜図6に示されるエンドエフェクタ102の遠位端104を示す図94を参照すると、スレッド170及び切断部材160を備える駆動部材158は、近位側のホーム位置と行程位置の遠位端との間で軸中心線A−Aに沿って画定される駆動行程を通って移動可能である。1つの態様では、行程位置の端は、第1及び第2の位置S1、S2の間で画定される(図97及び図78を参照)。様々な形態では、ホーム位置及び行程の端のうちの少なくとも一方は、それぞれの停止位置を越えて更に長手方向に移動するのを物理的に阻害、例えば妨害又は制限してもよい、ハードストップ又はソフトストップなどの機械的停止部を含む。1つの形態では、ホーム位置及び行程の端の両方が機械的停止部を備える。図示されるように、駆動部材158は、行程の端の前に、又はそれに隣接して遠位側に配設される。
上述したように、外科用器具10は、上述したような1つ又は2つ以上のモータ及び関連する駆動構成要素を制御する制御システムを用いてもよい。図95は、様々な態様による機械的ソフト又はハードストップを含んでもよい電気機械的停止部を用いる外科用器具と共に使用される、制御システム1400、駆動モータ1402、及び電源1404を備えるシステムの1つの形態を示す図である。外科用システムは、制御システム1400を介して駆動モータ1402に動作可能に結合される電源1404を備える。電源1404は、駆動部材158などの駆動部材を駆動する駆動モータ1402に電力を供給するように構成されてもよい。特定の態様では、電源1404は、電池、交流コンセント、発電機など、任意の従来の電源を含んでもよい。制御システム1400は、様々なモジュール又は回路を備えてもよく、様々なシステム構成要素、例えば駆動部材158、電源1404、又はユーザインターフェースを制御するように動作してもよい。制御システム1400は、例えば、器具10の様々な動作、信号、入力、出力、若しくはパラメータを制御、監視、又は測定するように構成されてもよい。
様々な形態では、制御システム1400は上述した制御システム800に類似していてもよい。例えば、様々な態様では、制御システム1400は、複数の制御運動を「電気的に生成させる」ように構成されてもよい。「電気的に生成させる」という用語は、電気信号を使用して、モータ1402、例えばモータ402、530、560、及び610、若しくは他の電動デバイスを作動させるか又は別の形で制御することを指し、電流を使用することなく手動で又は機械的に生成する制御運動と区別されてもよい。例えば、制御システム1400は、ハンドルアセンブリ20と関連付けられる駆動若しくは発射トリガなど、アクチュエータの作動を介して制御システムに与えられる電気信号などのユーザ命令に反応するものであってもよい、電力を駆動モータに送達することを含む、回転制御運動などの制御運動を電気的に生成させてもよい。特定の態様では、制御システム1400は、ユーザ又は付勢機構がアクチュエータ若しくは発射トリガを開位置に戻すことに反応するものであってもよい、駆動モータ1402への電力の送達終了を含む、回転制御運動を電気的に生成させてもよい。少なくとも1つの態様では、制御システム1400は、測定される電気的パラメータが所定値に達したことによる、駆動モータ1402に対する電力送達の終了又は低減を含む、回転制御運動を電気的に生成させてもよい。例えば、測定された電流が所定の閾値に達すると、制御システム1400は、駆動モータ1402への電力供給を終了してもよい。
図1、図94及び図95を全体的に参照すると、様々な形態では、外科用器具10は、ユーザ、例えば臨床医から制御システム1400へと作動信号を送信して、細長い軸アセンブリ30、エンドエフェクタ102、又は駆動部材148に対する制御運動を電気的に生成させるように構成されたユーザインターフェースを装備した、ハンドルアセンブリ20を備える。例えば、特定の態様では、ユーザインターフェースは、入力信号を制御システム1400に提供して、発射モータ530(図23を参照)などの駆動モータ1402に対する電力の供給を制御するように動作可能な、アクチュエータ又はトリガを備えるトリガアセンブリを備える。アセンブリは、アンビルアセンブリ190を閉鎖及び/又は係止する閉鎖トリガ、及びエンドエフェクタ102を作動させる、例えば駆動行程を通って駆動部材148を駆動する、発射トリガを備えてもよい。動作の際、閉鎖トリガを最初に作動させて、それによってアンビルアセンブリ190を閉位置にもたらし、例えば、ステープルカートリッジ130とアンビルアセンブリ190との間で組織を捕捉してもよい。一旦臨床医がエンドエフェクタ102の位置決めに満足すると、臨床医は閉鎖トリガを、その完全に閉鎖された係止位置まで引き戻してもよい。次に、発射トリガを開位置から閉位置まで作動させて、駆動行程を通って駆動部材158を作動させてもよい。様々な態様では、発射トリガは、臨床医が圧力を除去すると開位置に戻ってもよく、又は、駆動部材158若しくは別個の機構の作動に動作可能に接続することによって、開位置へと機械的に再設定可能であってもよい。1つの態様では、発射トリガは複数位置トリガであってもよく、それにより、一旦駆動部材158が行程の端又はその付近の位置に達すると、発射トリガが第2の開位置から第2の閉位置へと作動して、駆動部材158をホーム位置に向かって近位側へと作動させてもよい。いくつかのかかる態様では、第1及び第2の開位置並びに閉位置は実質的に同じであってもよい。所望の構成に応じて、特定の態様では、解放ボタン又はラッチは、閉鎖トリガを係止位置から解放するように構成されてもよい。更に詳細に後述するように、発射トリガが開位置から閉位置へと作動するのに続いて、発射トリガは動作可能に係脱されてもよく、例えば、発射トリガの作動によって、制御システム1400に送られて制御システム1400に対して駆動部材158の作動を開始するように命令してもよい、最初の作動入力信号が提供されてもよい。特定の構成では、ユーザオーバーライド機構がないので、駆動部材158の作動は、発射トリガが閉位置にあるときであっても、制御システムによって開始されるアクションによって行程の端又はその付近で終了し、例えば駆動モータへの電力送達が係脱又は中断される。
1つの形態では、トリガアセンブリは、上述のジョイスティック制御装置840に類似していてもよい、ジョイスティック制御装置を備える。例えば、図33〜図39に示されるように、ジョイスティック制御装置は、有益には、ユーザが単一のインターフェースを通って外科用器具10の様々な態様を最大限に機能的に制御することを可能にしてもよい。1つの態様では、ジョイスティック制御ロッド842は、スイッチハウジングアセンブリ844がハンドルアセンブリ20のピストルグリップ26内に装着されるように、スイッチハウジングアセンブリ844内に移動可能に収容される、ジョイスティックスイッチアセンブリ850に動作可能に取り付けられてもよい。スイッチハウジングアセンブリ844は、例えばユーザによって外部で位置決めされないとき、ジョイスティックスイッチアセンブリ850及びジョイスティック制御ロッド842を所望の位置で付勢する、付勢部材856を含んでもよい。ジョイスティック制御装置840は、制御システム1400に制御命令を提供するため、制御システム1400に電気的に結合されてもよい。例えば、押下げ又は指向性移動など、ジョイスティック制御ロッド842の操作によって、ユーザが、駆動部材158の作動を含んでもよい、外科用器具10に関連した様々な制御移動を制御することが可能になってもよい。
上述したように、外科用器具10の様々な形態は、モータ402、530、560、及び610など、1つ又は2つ以上の電気動作式又は電動のモータを備えてもよい。1つ又は2つ以上のモータは、例えば、器具10のハンドルアセンブリ20又は細長い軸アセンブリ30の一部分内に位置してもよく、ホーム位置と行程の端との間で駆動部材158を駆動するように動作可能であってもよい。1つの形態では、モータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステップモータ、又は他の任意の好適な電気モータを含んでもよい。特定の構成では、モータは、回転又は線形作動モードで動作する、例えば線形アクチュエータであってもよく、駆動モータ1402と駆動部材158との間に伝動カップリングを含んで、駆動モータ1402の回転運動を線形運動に変換するか、又は複数の構成要素間で回転運動を結合してもよい。様々な形態では、1つ又は2つ以上の歯車、又はベルト若しくはプーリなどの連結要素を含む伝動カップリングは、駆動モータ1400からの回転運動を細長い軸アセンブリ30の1つ又は2つ以上のセグメントに伝動して、エンドエフェクタ102を作動させるように動作可能である。例えば、エンドエフェクタ打込みねじ180が第1の方向に回転することで、駆動部材158が軸中心線A−Aに沿って第1の方向に、例えば遠位方向に移動する。様々な態様では、エンドエフェクタ打込みねじ180が第1とは反対の第2の方向に回転することで、駆動部材148が軸中心線A−Aに沿って第2の方向に、例えば近位方向に移動する。1つの態様では、駆動モータ1400は、行程の端に向かって駆動部材158を遠位側に駆動し、ホーム位置に向かって駆動部材158を近位側に駆動するように可逆性である。例えば、駆動モータ1402は、例えば、電圧供給の極性を反転させることによって可逆的であってもよく、それにより、モータの逆の回転又は運動が、またしたがって駆動部材158の逆の移動が生成される。そのため、駆動部材158は、従来の方法によって、又はその全体を参照により本明細書に組み込む、米国特許出願第12/235,782号に開示されているような方法によって、近位及び遠位両方の方向に駆動行程に沿った位置の間で移動させてもよい。特に、本明細書に記載する器具10は全体としてハンドルを備える手持ち式の機器を指すが、様々な形態では、電気機械的停止部の一部として動作してもよい機械的停止部を備える器具10は、ロボットシステムによって使用されるロボット又は類似のデバイスで使用するように適合されてもよい。
特定の態様では、外科用器具10は、可逆モータを備え、近位側機械的停止部及び遠位側機械的停止部を含む。様々な態様では、上述したように、発射トリガを作動させることで、駆動行程を通って駆動部材158を作動させる合図となる。駆動部材158が駆動行程の端に達すると、例えば切断部材160がその切断行程の遠位端に達すると、行程の端又は方向スイッチが、例えば閉位置に切り換えられて、モータ1402に加えられる電圧の極性が反転し、それによってモータ1402の回転方向が反転してもよい。かかるスイッチは、制御システム1400と関連付けられてもよく、駆動モータ1402に対する電力送達の修了に追加されるもの、又はその代わりのものであってもよい。しかしながら、特に、他の態様では、モータ1402を反転させ、駆動部材158をその元の位置又はホーム位置に戻すため、手動のリターンスイッチが提供されてもよい。
機械的停止部は、行程の端又はその付近に配設され、行程の端を通る駆動部材158の移動に対する抵抗を増加させるように構築される。機械的停止部は、抵抗部材175に動作可能にそれぞれ結合される、一対のバンパー174を備えるソフトストップを含む。バンパー174は、行程の端又はその付近で、駆動部材158に接触するように構成される。例えば、図94に示されるバンパー174は、少なくとも1つのくさび172の接触面173に接触するように構築される。様々な態様では、バンパー174は、接触面173の寸法を補完するように寸法決めされてもよい。例えば、少なくとも1つの態様では、バンパー174は、接触面173に実質的に等価な角度付き表面を示すように寸法決めされてもよい。このように、バンパー174とくさび172との間の接触の安定性が増加されてもよく、接触面173に加えられる力は、くさび174のより大きい構造面積に沿って分配されてもよい。同様に、1つの態様では、バンパー174は、弾性又は緩衝面などの可撓性表面を備えて、接触面173を受け入れると共に構成要素の破損を低減する。1つの形態では、抵抗部材175はそれぞれ、行程の端158又はその付近において駆動部材158の抵抗及び減速を提供するため、バンパー174とハードストップ178との間に位置決めされるばね176を備える。
外科用器具10の様々な態様には複数のバンパー174及び抵抗部材175が装備されてもよく、バンパー174及び抵抗部材175は、駆動部材158の他の部分に接触するように構築されてもよいことが認識されるであろう。例えば、器具10は、上述のハードストップ178及び/又はソフトストップ構成に追加されるもの、若しくはその代わりのものであってもよい、追加の停止部を備えてもよい。したがって、1つの形態では、図94を参照すると、打込みねじ180には、駆動行程に沿って、かつ駆動部材158の接触面292に対向して位置決めされる、抵抗部材291と関連付けられるバンパー290を備えるソフトストップを含んでもよい、停止部が装備されてもよい。1つの形態では、抵抗部材291は、駆動部材158の長手方向力を吸収する、バンパー292とハードストップ294との間で圧縮可能であってもよいエラストマー材料を含む。特定の態様では、複数のソフトストップは、異なる所定の位置で駆動部材158に接触するように構成されてもよい。例えば、1つの形態では、駆動部材158は、例えばバンパー174の前にバンパー290に接触して、より識別可能な電流スパイクを提供し、例えば、2つの別個の電流スパイク成分を含む電流スパイクを生成し、その大きさ及び/又は時間的分離は、電流スパイクの発生の確実さを増加させるのに使用されてもよい。
様々な形態では、抵抗部材175は、ハードストップ178と関連付けられても関連付けられなくてもよい、圧縮可能な部分を備える。例えば、1つの態様では、抵抗部材175は、ハードストップ178とバンパー174との間に収容されてもよく、ばね176などの圧縮可能な部分、ポリマー、発泡体、又はゲルなどのエラストマー材料を含んでもよい。動作の際、バンパー174は、駆動部材158と接触すると圧縮可能な部分に向かって加速されてもよく、それにより、圧縮可能な部分が所与の程度で圧縮される。様々な態様では、抵抗部材175は、ブレーキなどの減速部分を備えてもよい。1つの態様では、減速部材は、水圧式圧縮空気セルなどの圧縮可能なセルを備え、それを通って駆動部材158と接触することで、セル内に位置決めされたピストンを圧縮して、駆動部材158を減速又は制動するように構成された圧力の増加を付与してもよい。特定の態様では、ソフトストップは、時間及び/又は距離に関して、滑らかな若しくは漸進的な抵抗及び/又は減速を加えるように構築されてもよい。例えば、同じ又は異なる圧縮率特性を有する1つ又は2つ以上のコイルばねは、例えば漸進的若しくは段階的な形で、減速部材の減速又は制動を精密に制御するように構築されるかあるいは配置されてもよい。1つの形態では、ソフトストップは、駆動部材158の遠位方向運動に対する累進的な抵抗を加えるように構築されてもよい。
様々な形態では、ソフトストップは、接触部材をハードストップから離れる方向に付勢するように構成された付勢部材を含む。いくつかの態様では、付勢部材は、抵抗部材175と同じであるか、又は類似の構成要素を共有しても良いことが理解されるであろう。したがって、いくつかの形態では、付勢部材は、駆動部材158の長手方向作動力によって、バンパー174とハードストップ178との間で圧縮し、その後、力が除去されると圧縮前の状態に戻るように構築されてもよい。特定の態様では、付勢部材は、駆動部材158の作動運動に対抗するように作動可能、移動可能、及び/又は圧縮可能であってもよい。特に、抵抗部材175と関連付けられる付勢を圧縮するか又は別の形でそれに対抗することで、位置エネルギー位置にあるソフトストップによって、少なくとも一時的に蓄積又は保持されてもよい、エネルギー転移がもたらされることがある。1つの態様では、抵抗部材175は、例えば、1つ又は2つ以上の抵抗部材175が圧縮前の状態に戻るのを防いでもよい、ラッチ、フック、又は障害物によって、位置エネルギー位置で維持されてもよい。有益には、蓄積エネルギーは、例えばユーザ及び/又は制御システム1400によって解放されてもよく、それにより、蓄積エネルギーの少なくとも一部分が加えられて、駆動部材158がホーム位置に戻される。
様々な態様では、抵抗部材175は追加の構成を備えてもよい。例えば、1つの態様では、永久磁石などの1つ又は2つ以上の磁石が、駆動部材158と関連付けられる反対側の永久磁石に反発するように位置決めされてもよい。例えば、1つ又は2つ以上の磁石は、長手方向の移動に対向する反発磁界のサイズを調節するように、回転可能又は移動可能であってもよい。他の様々な態様は、駆動部材158の減速が成功する前又はその後に、始動のために制御システムに電気的に結合されるコイル磁石を用いてもよい。例えば、追加の抵抗部材175は、例えば、プーリ及び/又は歯車を実現する構成を含む、往復運動する構造を含んでもよい。
様々な態様では、ソフトストップを含む機械的停止部は、ハードストップ178と関連付けられても関連付けられなくてもよい。例えば、いくつかの形態では、ソフトストップはハードストップ178を含むが、他の形態では、ソフトストップはハードストップを含まず、又はハードストップ178は補助停止部として動作してもよい。いくつかの形態では、ソフトストップは、駆動部材158の駆動行程又は減速に対する漸進的及び/又は累進的な抵抗を提供する、ばね荷重式のハードストップ178を含んでもよい。例えば、ソフトストップは、駆動モータ1402によって駆動部材158に加えられる、又はシステムの慣性に存在する、近位方向又は遠位方向の力に対する抵抗を提供することによって、駆動部材158の速度を徐々に減少させるように構成されてもよい。少なくとも1つの形態では、作動若しくは駆動運動に対抗するか又はそれを減速させる、ソフトストップによって提供される抵抗の大きさは、選択的に調整可能であってもよい。例えば、器具10には、駆動行程に沿った複数の位置へと選択的に摺動又は回転させられてもよい、1つ又は2つ以上のソフトストップが装備されてもよい。そのため、ユーザは、特定の用途用にソフトストップの位置をカスタマイズしてもよい。1つの形態では、ソフトストップを備える電気化学デバイスは、行程の端に沿ってソフトストップによって提供される抵抗を調節する、調節可能なダイヤルを含んでもよい。いくつかのかかる形態では、ダイヤルの調節は、ソフトストップによって包含される長手方向の距離、したがって行程の端、並びに更に詳細に後述するように、電流スパイクの決定と関連付けられる閾値を、同時に調節してもよい。1つの形態では、手動設定が所定の機械的許容差を越えて設定されると、ユーザに対して警告信号が提供されてもよい。
図95を再び参照すると、様々な形態では、制御システム1400は、少なくとも部分的には、制御システム1400によって測定されるか又は他のシステム構成要素から得られる情報から導き出されてもよい、フィードバック情報を組織化する、かつ/又はそれに応答するように構成される。例えば、1つの態様では、制御システム1400は、ユーザによって提供される命令などの入力信号に反応して、システム構成要素に対する電力送達を開始するように構成されてもよい。特定の態様では、制御システム1400は、視覚若しくは聴覚表示などのユーザインターフェースを介して、ユーザに対して警告若しくは器具の状態などの情報を生成させるか又は提供してもよい。制御システム1400によって生成した信号又は入力は、例えば、ユーザ、器具構成要素によって提供される他の信号又は入力に反応してもよく、あるいは器具10と関連付けられる1つ又は2つ以上の測定値の関数であってもよい。特定の態様では、制御システム1400は、様々な測定値を監視又は受信し、その後、情報を解釈、計算、及び/又は復号し、所定のやり方で応答するように構成されてもよい。
1つの態様では、制御システム1400は、半導体、コンピュータチップ、若しくはメモリを含むか、又はそれらと選択的に関連付けられてもよい。上述したように、ユーザによって供給されるか、命令、信号、若しくは測定パラメータに反応して制御システム1400によって生成されるものなど、制御システム1400との間でやり取りされる入力は、アナログ又はデジタルであってもよい。したがって、いくつかの形態では、制御システム1400は、器具構成要素との間で、アナログ若しくはデジタルの入力又は信号を送受信するように構成されてもよい。様々な態様では、制御システム1400は、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを用いてもよいソフトウェアを使用して、器具構成要素を制御し監視するのに入力信号を組織化してもよい。かかる組織化された入力信号は、制御システム1400によって測定及び/又は計算される基準の関数であってもよく、又はいくつかの例では、別の器具構成要素、ユーザ、又は制御システム1400と動作可能に通信する別個のシステムによって、制御システム1400に提供されてもよい。例えば、制御システム1400は、駆動モータ1402を作動させるか若しくは作動停止することによって、駆動モータ1402若しくは追加のシステム構成要素に対する電力を終了、開始することによって、あるいはこれら若しくは他の動作に対する命令又は追加の入力を提供することによって応答してもよい。様々な態様では、制御システム1400は、器具10の動作と関連付けられる電気的パラメータを監視するように構成される、回路構成、例えばトランジスタ又はスイッチを備えてもよい。例えば、制御システムの回路構成は、器具10の動作と関連付けられる電気的パラメータが、回路構成によって決定される閾値、例えば電流スパイクに達すると、駆動モータ1402を作動若しくは作動停止するか、又は駆動モータ1402に対する電力送達経路を開放若しくは閉鎖するように構成されてもよい。
特定の形態では、機械的停止部を用いる外科用器具10及びシステムは、開ループで動作してもよい。例えば、1つの形態では、器具は、器具10が入力に対してどのように応答しているかに関する情報を制御システム1400に提供するように構成された、位置フィードバックデバイスによる支援なしで動作してもよく、それにより、制御システム1400は出力を修正してもよい。様々な態様では、上述したように、制御システム1400は、駆動部材158の行程位置の端を決定するため、駆動モータ1402に対する電力送達を監視してもよい。即ち、例えば、制御システム1400は、電流を、即ち電流スパイクを決定してもよい、様々な電圧監視技術によって、少なくとも部分的に、機械的停止部を使用して確認されてもよい。例えば、制御システム1400は、電圧を監視して、上述したように、駆動モータ1402への、即ち駆動部材148への電力送達に対する電流を決定してもよい。駆動行程に対する抵抗により、駆動モータ1402におけるトルクが増加し、その結果、駆動モータ1402に送達される電力に対する検出可能な電流スパイクがもたらされる。したがって、駆動部材158が機械的停止部に接触すると、大電流スパイクが制御システム1400によって測定されてもよく、その時点で、制御システム1400は、駆動モータ1402に対する電力送達を終了することによって応答してもよい。したがって、機械的停止部は、駆動部材158を減速させ、かつ制御システム1400によって確認されてもよい電流スパイクを生成する物理的力を提供して、駆動モータ1400の係脱を開始してもよい。
上述したように、特定の態様では、制御システム1400は機器10の様々な動作を制御するように構成される。例えば、特定の態様では、制御システム1400は、駆動回路1408に動作可能に結合される制御回路1406を備える。駆動回路1408は、電源1404から駆動モータ1402に電力を送達して駆動部材158を駆動するように構成されてもよい。制御回路1406は、駆動回路1408に対する電力の送達を制御するように構成されてもよい。したがって、制御回路1406は、駆動回路1408への電力送達に対する制御を介して、駆動モータ1402を制御するように構成されてもよい。制御回路1406は、駆動モータ1402に送達される電力を監視する、例えばサンプリング又は測定するように、更に構成されてもよい。例えば、制御回路1406は、駆動モータ1402がそこを通って電力を受け取って駆動部材158を作動させる、駆動回路1408の1つ又は2つ以上の地点において、入出力電圧及び/又は電流をサンプリングしてもよい。様々な態様では、制御回路1406は駆動回路1408を含むか又はそれに結合されてもよく、その回路を通って、例えば駆動回路1408と関連付けられる電流経路に結合される抵抗器の両端間で、入出力電圧を監視してもよい。当業者であれば、上述の説明は、駆動モータ1402に供給される電流を測定及び/又は監視する単に1つの方法であることを理解し、更には、当該分野において既知の代替方法によって電流が同様に測定及び/又は監視されてもよく、したがって、かかる方法は本開示の範囲内にあることを認識するであろう。いくつかの形態では、制御回路1406が駆動モータ1402に供給される電流のスパイクを検出すると、制御システム1400は、駆動回路1408を通って駆動モータ1402に対するエネルギー送達を終了する。様々な態様では、制御システム1400はまた、少なくとも瞬間的に、測定される電流スパイクに反応して、駆動モータ1402と駆動部材158との間の動作可能な結合、例えば伝達を、係脱してもよい。
特定の構成では、電気機械的停止部が駆動行程を急激に終了させるように設計されたハードストップを含むとき、器具10は、例えば、電流スパイクの検出とそれに続く駆動モータ1402によって提供される作動力からの緩和との間の時間遅れによる、機械的故障に弱いことがある。また、システムの慣性により、例えば、駆動部材158はまた、駆動モータ1402に対する電力送達を終了したにもかかわらず、行程の端に達した後で作動又は駆動され続けることがある。いくつかの例では、駆動部材158の作動力を緩和する際の遅れにより、駆動部材158、駆動モータ1402、打込みねじ180、又は他の伝動カップリングが機械的故障へと追いやられることがある。
図96は、ソフトストップを有さずにハードストップ178を含む電気機械的停止部を用いる器具10の時間に伴う電流を示すグラフである。行程の端に近い駆動部材148の位置に対応する時間Aと、行程の端でハードストップ178と接触した際の駆動部材158の位置に対応する時間Bとの間の電流は比較的低いか又は定常である。しかしながら、時間Bで電流がスパイクし、駆動部材158と行程の端に位置決めされたハードストップとの間の接触を表している。時間Bの少し後における電流スパイクの検出と、駆動モータ1402に対する電力送達の終了との間の時間遅れにより、駆動モータ1402は駆動部材158を駆動し続けるが、駆動部材258に対する電力送達が終了すると、時間Cまでにハードストップ178に接して不首尾に終わる。図示されないが、システムの慣性はまた、時間C後のある期間の間、ハードストップ178に対抗して駆動部材158を作動させ続けてもよい。
上述したように、開ループ動作の利便性を提供しながら、図76に示されるように動作する外科用器具は、例えば、電流スパイクの検出とその後に続く作動運動からの緩和との間の時間遅れにより、機械的故障に弱いことがある。様々な形態によれば、図97及び図98を参照すると、本明細書に開示する器具10は、行程の端に達する前に駆動部材148に接触しそれを減速して、識別可能な電流スパイクを誘発するソフトストップ構造を備える、電気機械的停止部を備えてもよく、それにより、制御システム1400が検出し、電流スパイクに反応しなければならない時間量が増加する。外科用器具10は、図1及び図70に示されるものに類似した様々な構造部を含み、したがって、類似の構造部は類似の数的識別子を使用して識別され、簡潔にするため、再度記載しないものとする。器具10は、軸中心線A−Aに沿った、近位側ホーム位置、又は第1のソフトストップ位置S1と第2のソフトストップ位置S2との間を延在する工程の遠位端など、駆動行程又はそのセグメントの端若しくはその付近で、駆動部材158の移動に対向する、ソフトストップを含む電気機械的停止部を含む。電気機械的停止部は、位置Hに配設されるハードストップ178を更に含む。ソフトストップは、例えば、少なくとも部分的に第1のソフトストップ位置S1及び第2のソフトストップ位置S2内で、行程の端又はその付近に配設されるバンパー174及び抵抗部材175を備える。バンパー174及び抵抗部材175は、第1のソフトストップ位置S1と第2のソフトストップ位置S2との間で画定される行程の端の中で、駆動部材158に対する抵抗を提供するように機能する。様々な形態では、バンパー174及び抵抗部材175はまた、第1のソフトストップ位置S1から第2のソフトストップ位置S2まで駆動部材158を減速させるように機能してもよい。特定の形態では、ソフトストップは、駆動部材158に対して抵抗を提供するか、又はそれを減速し始めることが望ましい、任意の好ましい位置に位置決めされてもよい。
図97は、第1のソフトストップ位置S1に近い位置で駆動行程を通って延在するプロセスにおける駆動部材158を示す。図98は、行程の端の第2のソフトストップ位置S2に位置決めされるように、行程の端の第1のソフトストップ位置S1を越えて駆動行程を通って十分に延在した後の、駆動部材158を示す。したがって、ソフトストップは、第1のソフトストップ位置S1で駆動部材158に接触し、その後、位置Hにおけるハードストップとの圧縮相互作用により、第2のソフトストップ位置S2に向かって遠位側に圧縮するように位置決めされる。したがって、第2のソフトストップ位置S2は、駆動部材及び行程の端の最遠位側末端に対するハードストップ位置H*を有効に含んでもよい。様々な態様では、駆動部材158は、第2のソフトストップ位置S2においてハードストップ位置H*に達する前に、完全又は相当に減速してもよい。したがって、かかる態様では、ハードストップが存在する場合、冗長又は安全機能を含んでもよい。
機械的停止部によって提供される作動運動に対する抵抗は、減速又は制動力が伴うことがあり、例えば距離及び/又は時間に関して、漸進的、累進的、又は段階的であってもよい。即ち、いくつかの態様では、ソフトストップは、第1のソフトストップ位置S1と第2のソフトストップ位置S2との間の抵抗が増加した経路を提示する。特に、行程の端は、行程の端全体を通して、例えば第2のソフトストップ位置S2まで、駆動部材の機能的動作が継続することを必ずしも示唆しない。例えば、1つの形態では、行程の端は、最遠位のステープルに、又は僅かにその近くに位置決めされる。別の形態では、例えば第1のソフトストップ位置S1において、ソフトストップと最初に接触する位置は、最遠位のステープルの遠位側である。即ち、駆動部材158は、抵抗及び/又は減速の増加が起こることがある、最遠位のステープルが排出される時点まで、駆動行程を通る長手方向移動に対する著しい抵抗に接触しないか又はそれを経験しないことがある。このように、駆動部材の移動は、制御システム1400のアクションによって早期に制限されなくなる。
図75は、様々な態様によるソフトストップを含む電気機械的停止部を用いる器具10の時間に伴う電流を示すグラフである。行程の端に近い駆動部材158の位置に対応する時間A*と、例えばバンパー174で、ソフトストップと接触した際の駆動部材158の位置に対応する時間B* 0との間の電流は、比較的低いか又は定常である。しかしながら、時間B*0に続いて、電流は徐々にスパイクし始めて、駆動部材の長手方向運動に対する抵抗の増加を表している。様々な態様では、抵抗が徐々に増加することで、有利には、例えば時間B* 0とB* 2との間の電流スパイクが起こる時間が増加して、制御システム1400反応する時間を与えるように応答時間が有効に遅くされ、その結果、図96に関して上述した時間遅れの悪影響が最小限に抑えられる。特定の態様では、制御システム1400は、上述したように、駆動モータ1402に供給される電圧を監視すると共に電流を測定してもよい。制御システム1400は、電流の変化に対して所定のやり方で応答するように構成されてもよい。例えば、時間B* 1で例えば閾値電流に達すると、制御システム1400は、駆動モータ1402への電力供給を終了してもよい。1つの構成では、閾値電流は時間成分を含んでもよい。例えば、閾値電流は、特定の期間にわたる電流差を含んでもよい。特定の構成では、電流スパイクは、ある期間に対する電流作動の比によってそれぞれ画定される、複数の所定の電流閾値の1つを含んでもよい。図99で分かるように、抵抗の漸進的な増加はまた、有利には、時間B* 2でハードストップと接触すると、エンドエフェクタ102に対する衝撃荷重を低減し、並びに、遠位方向の移動を中止した後でハードストップ178に対抗して駆動モータ1402が駆動部材158を作動させ続ける、B* 2からC*までの期間を低減してもよい。
特定の態様では、制御システム1400は、時間に伴う電流の増加又は傾斜によって測定されるような、所定の電流閾値が達成されていることを判断してもよく、またその後、駆動モータ1402に提供される電力入力信号を終了してもよい。例えば、1つの構成では、制御システム1400は、電流を監視し、それにより、電流の大きさが所与の期間にわたって所定量増加したとき、駆動モータ1402に対する電力送達を終了してもよい。様々な態様では、閾値など、これら又は他の値は、手動などでユーザによって、又はコンピュータを通ってなど、管理リンクを介してボード上のプロトコルにアクセスすることによって調節されてもよい。少なくとも1つの構成では、駆動回路1408又は制御回路1406は可変抵抗器を備え、それにより、ユーザは、トリガに対する作動の程度を変動することによって、駆動モータ1402に供給される電流を変動させてもよい。例えば、発射モータ530の回転は、ユーザがアクチュエータ若しくはトリガに加える圧力又は移動に比例してもよい。1つの形態では、制御回路1406は、閾値が上昇又は減感されるように、駆動回路1408と通信してもよい。
特定の構成では、様々な形態のフィードバックをユーザに提供するため、複数のセンサ又は電気部品がエンドエフェクタ102に用いられてもよい。1つの態様では、器具と関連付けられる様々なモータを自動的に制御するため、センサは制御システム1400にフィードバックを提供してもよい。例えば、1つの態様では、外科用器具は、制御運動を電気的に生成させるため、制御システム800及び1400など、1つ又は2つ以上の制御システムによって作動可能である、モータ402、530、560、及び/又は610などの複数のモータを備える。制御システムは、モータを動作可能に制御し、位置情報を監視するように構成された複数のセンサから位置フィードバックを受信するように構成されてもよい。特定の態様では、制御システムは、位置情報を使用して、1つ又は2つ以上のモータに対する電力送達の制御を介して、変更又は変調された制御運動を電気的に生成させてもよく、あるいは例えば、様々な位置情報をユーザに提供してもよい。様々な態様では、制御システムは、混成の開閉ループシステムで動作可能であってもよい。例えば、制御システム1400は、本明細書に記載するような開ループの発射モータ530などの駆動モータ1402を動作させる一方で、例えば、閉ループの軸回転モータ610などの他の様々なモータも動作させるように構成されてもよい。1つの態様では、制御システム1400は、例えば、所望に応じて器具10の様々な動作をカスタマイズするため、閉ループ又は開ループで制御システム1400がどのモータを動作させてもよいかを、ユーザが選択的に選択してもよいように構成されてもよい。
制御システム1400による評価に従っても従わなくてもよい、1つ又は2つ以上の入力がユーザによって提供されてもよいことが理解されるであろう。例えば、制御システム1400は、制御システム1400と通信している1つ又は2つ以上のユーザ又は他の制御システムによって、制御システム1400に提供される1つ又は2つ以上の入力が、器具10に転送及び/又は提供されてもよい、オーバーライドモードを含んでもよい。例えば、駆動部材158がホーム位置にあるとき、制御システム1400は、駆動部材1402に対する電力の送達を結合するか、又は別の形で駆動モータ1402を係合して、駆動部材158の作動運動を電気的に生成させるような命令を、ロックアウト、防止、又は無視してもよい。少なくとも1つの態様では、アンビル190の閉鎖などの1つ又は2つ以上のイベント、又は例えば、駆動部材の経路における、その付近における、若しくはそれに沿った、構成要素のラッチ止め、ユーザ始動のオーバーライド、測定されるパラメータの変化など、適切な機械的若しくは電気的フィードバックの発生まで、ロックアウトが発生するか、あるいはロックアウトはシステムのデフォルトの状態又は条件である。
様々な態様では、本開示によるソフトストップアセンブリを含む1つ又は2つ以上の機械的停止部は、キットの形で提供されてもよい。キットは、1つ又は2つ以上の選択デバイスに対する特定の用途を有してもよく、又は汎用的であるか、若しくは多数のデバイスに対する一般的な用途に対して修正可能であってもよい。例えば、ソフトストップアセンブリキットは、抵抗部材などの代わりの減速部材、及び/又はバンパーなどの接触部材を含んでもよい。1つの形態では、キットは、駆動行程に沿った1つ又は2つ以上の位置においてソフトストップによって提供される抵抗を増加させるために、抵抗部材を支持するように寸法決めされたハウジングとして使用されるか又はその中に挿入可能であってもよい、代わりの又は補修用のブッシングを含む。様々な形態では、停止部とデバイスの本体との間の遊びを調節するシムが提供されてもよい。いくつかの態様では、接触部材は、駆動部材とバンパー、抵抗部材、及び/又はハードストップとの間に配設されるように構築された、恒久的な、又は交換可能、修正可能、若しくは改良可能などの一時的な接触ガードを含んでもよい。接触ガードは、駆動部材の加速された質量が接触するか、又はソフト若しくはハードストップに衝突したときに、少なくとも部分的に圧縮可応である、弾性又は他の材料から形成されてもよい。ガードの1つの態様は、駆動部材158の接触面などの部分上へと、滑るか、摺動するか、スナップ留めするか、又は成形されてもよい、ポリマーであってもよい。別の態様では、ガードは、バンパー174の面上に適合されるか又は適合可能であってもよい。更に他の態様では、バンパー174は、駆動部材158、駆動モータ1402、打込みねじ180、又は関連する構成要素に対する物理的損傷若しくは機械的故障を防ぐか、又はその程度を部分的に制限するため、駆動部材158の加速された質量に接触し、その力を少なくとも部分的に吸収するように構成された接点を備えてもよい。
いくつかの形態では、エンドエフェクタ102が関節接合又は回転位置にあって、エンドエフェクタ102がトロカール又は他の患者の体内へのアクセス地点を通り抜けるのが妨げられることがあるため、図1及び図2に示される外科用器具10などの外科用器具を、患者から除去するのは困難なことがある。臨床医は、例えば、関節運動軸線B−Bに沿って関節接合されているなど、エンドエフェクタ102の現在の関節運動状態に気づかないことがあり、エンドエフェクタ102を最初に真っ直ぐにせずに、外科用器具10を除去しようとすることがある。様々な形態では、外科用器具は、そのエンドエフェクタがセンサからの入力に基づいて真っ直ぐにされるように構成されてもよい(例えば、器具はセンサ矯正エンドエフェクタを有してもよい)。このように、臨床医は、エンドエフェクタ102が、例えばトロカールを通ってなど、患者から除去される前に、エンドエフェクタ102が関節運動軸線B−Bに対して真っ直ぐであることを担保してもよい。様々な形態では、センサは、エンドエフェクタが患者から除去される際に、電動で真っ直ぐにするイベントを始動するように構成されてもよい。
図105は、センサ矯正エンドエフェクタ5802を備える外科用器具5810の1つの形態を示す。センサ5826a、5826bは、外科用器具5810の全体的な近位方向運動を検出してもよい。全体的な近位方向運動は、トロカール又はオーバーチューブを通ってなど、外科用器具5810が患者から除去されていることを示してもよい。治療中に外科用器具5810を僅かに近位側に調節することによってエンドエフェクタ5802が真っ直ぐになるのを防ぐため、最小閾値の近位方向運動が設定されてもよい。様々な形態では、外科用器具5810の全体的な近位方向運動が最小閾値を上回ると、センサ5826a、5826bは、例えば関節運動制御モータ402などのモータに信号を送って、モータによってエンドエフェクタ5802を真っ直ぐにさせてもよい。
いくつかの形態では、センサ5826a、5826bは、外科用器具5810の全体的な近位方向運動を検出するため、軸5831、エンドエフェクタ5802、ハンドル5820、又は他の任意の好適な位置に位置してもよい。様々な形態では、センサ5826a、5826bは、外科用器具5810の移動を検出する任意の好適なセンサを含んでもよい。例えば、センサ5826a、5826bは、加速度計など、加速を測定するように構成されたセンサを含んでもよい。加速度計が所定の閾値を上回る近位方向の加速を検出すると、加速度計は、真っ直ぐにするプロセスを起動するため、関節運動制御モータ402に信号を送ってもよい。別の例として、センサ5826a、5826bは、磁気センサ、ホール効果センサ、リードスイッチセンサ、又は他の任意の好適な近接センサなどの近接センサを含んでもよい。様々な形態では、近接センサは、トロカール5858又はオーバーチューブ5960などの固定地点に対する、センサ5826a、5826bの近接性を測定するように構成されてもよい。外科用器具5810が近位方向に引き抜かれるにつれて、センサ5826a、5826bと固定地点との間の近接性が減少して、センサ5826a、5826bによって関節運動制御モータ502に信号を送って、エンドエフェクタ5802の電動の矯正プロセスを起動してもよい。様々な形態では、矯正プロセスの冗長検査を提供するため、複数のセンサが含まれてもよい。
1つの形態では、第1のセンサ5826a及び第2のセンサ5826bは外科用器具5810上に配設されてもよい。第1のセンサ5826aは軸5831の近位部分に位置してもよく、第2のセンサ5826bは軸5831の遠位部分に位置してもよい。当業者であれば、第1及び第2のセンサ5826a、5826bは、例えばハンドル5820、分離可能な外科用モジュール、軸5831、又はセンサ矯正エンドエフェクタ5802など、外科用器具5810の任意の好適な部分に位置してもよい。いくつかの形態では、第1のセンサ5826aは、外科用器具5810の全体的な近位方向移動を検出するように構成された加速度計を含んでもよい。いくつかの形態では、第2のセンサ5826bは、第2のセンサ5826bと、例えばトロカール5858などの固定地点の間との距離を検出するように構成された、近接センサを含んでもよい。図示される形態では、トロカール5858は複数の磁石5822を備える。複数の磁石5822は一定の磁界を生成させてもよい。第2のセンサ5826bは、第2のセンサ5826bの、及びしたがってセンサ矯正エンドエフェクタ5802の、トロカール5858に向かう移動を示す、磁界の強度の増加を検出するように構成されてもよい。
1つの形態では、第1のセンサ5826a及び第2のセンサ5826bは、センサ矯正エンドエフェクタ5802の電動の矯正プロセスを起動するように構成されてもよい。動作の際、第1のセンサ5826aは、所定の閾値を上回る近位方向の加速を検出することによって、外科用器具5810の全体的な近位方向移動を検出してもよい。電動の矯正プロセスを起動するため、第1のセンサ5826aは、第1の信号を関節運動制御モータ402に送ってもよい。いくつかの形態では、第2のセンサ5826bも、センサ5826bとトロカール5858などの固定地点との間の磁界の強さの変化を検出することによって、エンドエフェクタの全体的な近位方向移動を検出してもよい電動の矯正プロセスを起動するため、第2のセンサ5826bは、第2の信号を関節運動制御モータ402に送ってもよい。
図105に示されるように、センサ矯正エンドエフェクタ5802は、関節運動軸線B−B(図1に示される)で関節接合されている。センサ矯正エンドエフェクタ5802は軸5831に結合されてもよい。操作者は、外科用器具5810を近位方向に移動させて、軸5831及びセンサ矯正エンドエフェクタ5802を近位方向に移動させてもよい。近位方向移動は第1のセンサ5826aによって検出されてもよい。第1のセンサ5826aは加速度計を含んでもよい。第1のセンサ5826aは、例えば関節運動制御モータ402などの関節運動制御モータに信号を送って、電動の矯正プロセスを起動してもよい。近位方向移動はまた、第2のセンサ5826bによっても検出されてもよい。第2のセンサ5826bは、例えば、ホール効果センサ又はリードスイッチセンサなど、磁気近接センサを含んでもよい。第2のセンサ5826bは、関節運動制御モータ402に信号を送って、電動の矯正プロセスを起動してもよい。第2のセンサ5826bは、第1のセンサ5826aとは独立して、関節運動制御モータ402に信号を送ってもよい。
臨床医が外科用器具5810をトロカール5858から除去するにつれて、電動の矯正プロセスはセンサ矯正エンドエフェクタ5802を真っ直ぐにする。電動の矯正プロセスが完了した後、図106に示されるように、センサ矯正エンドエフェクタ5802は直線構成の状態にある。真っ直ぐにされたセンサ矯正エンドエフェクタ5802は、患者又はトロカール5858に損傷を与えることなく、また臨床医がセンサ矯正エンドエフェクタ5802を手動で真っ直ぐにする必要なしに、トロカール5858を通って引き抜かれてもよい。いくつかの形態では、電動の矯正プロセスの起動又は進行を示すため、外科用器具5810はユーザに対してフィードバック信号を提供してもよい。例えば、いくつかの形態では、発光ダイオード(LED)がハンドル5820上に位置してもよい。LEDは、電動の矯正プロセスが発生していることの視覚的指示をユーザに提供するため、電動の矯正プロセス中は照明されてもよい。
いくつかの形態では、第1及び第2のセンサ5826a、5826bは、矯正プロセスの冗長検査として機能してもよい。例えば、いくつかの形態では、第1及び第2のセンサ5826a、5826bは両方とも、関節運動制御モータ402に信号を提供して、矯正プロセスを起動してもよい。第1のセンサ5826a又は第2のセンサ5826bどちらかからの信号によって、関節運動制御モータ402がセンサ矯正エンドエフェクタ5802を真っ直ぐにしてもよい。いくつかの形態では、信号が第1のセンサ5826a及び第2のセンサ5826bの両方から受信されるまで、電動の矯正プロセスは実行されなくてもよい。いくつかの形態では、第1のセンサ5826aあるいは第2のセンサ5826bのどちらかが独立して電動の矯正プロセスを起動してもよいが、所定の時限内に第1及び第2のセンサ5826a、5826bの両方から信号が受信されない場合、プロセスはアボートされてもよい。例えば、電動の矯正プロセスは、第1のセンサ5826aからの信号によって始動されてもよい。所定の時限内に第2のセンサ5826bから信号が受信されない場合、電動の矯正プロセスは外科用器具5810によってアボートされてもよい。
いくつかの形態では、外科用器具5810は停止センサを備えてもよい。停止センサは、矯正プロセス中のセンサ矯正エンドエフェクタ5802と組織区画との間の接触を検出してもよい。停止センサがセンサ矯正エンドエフェクタ5802と組織区画との間の接触を検出した場合、停止センサは、関節運動制御モータ402に信号を送って、矯正プロセスを作動停止して患者に対する損傷を防いでもよい。いくつかの形態では、センサ矯正エンドエフェクタ5802が組織部分と接触しなくなっていると停止センサが判断すると、停止センサは、関節運動制御モータ402に信号を送って、矯正プロセスを継続してもよい。いくつかの形態では、停止センサは、センサ矯正エンドエフェクタ5802が組織区画に接触しており、矯正プロセスが作動停止されていることをユーザに通知するため、例えばフィードバックデバイスを通って、操作者に対して信号を送ってもよい。停止センサは、例えば、センサ矯正エンドエフェクタ5802上に配設される圧力センサを含んでもよい。
図107及び図108は、センサ矯正エンドエフェクタ5902の1つの形態を示す。いくつかの形態では、センサ矯正エンドエフェクタ5902は、オーバーチューブ5960を通って患者に挿入されてもよい。オーバーチューブ5960は、オーバーチューブ5960の遠位端に位置する磁気リング5922を備えてもよい。第1のセンサ5926a及び第2のセンサ5926bは、軸5931がオーバーチューブ5960から引き抜かれたとき、センサ矯正エンドエフェクタ5902の移動を検出するように構成されてもよい。いくつかの形態では、第1のセンサ5926aは加速度計を含んでもよく、第2のセンサ5926bは磁気近接センサを含んでもよい。第2のセンサ5926bは、第2のセンサ5926bを磁気リング5922に向かって近位方向に移動させたときの、磁界強度の変化を検出してもよい。第2のセンサ5926bが磁気リング5922に接近すると、第2のセンサ5926bは、エンドエフェクタ5902の電動の矯正プロセスを開始する信号を生成させてもよい。第2のセンサ5926bは、例えば、リードスイッチセンサ又はホール効果センサなど、磁界の変化を感知する任意の好適なセンサを含んでもよい。上述したように、第1のセンサ5926a及び第2のセンサ5926bは、電動の矯正プロセスの冗長検査を提供してもよい。当業者は、いくつかの形態では、第1のセンサ5926a又は第2のセンサ5926bのみが含まれてもよいことを認識するであろう。いくつかの形態では、外科用器具5910の全体的な近位方向移動を検出する、追加のセンサが含まれてもよい。
図109及び図110は、トロカール6058から除去する間に、関節接合状態から真っ直ぐにされた状態へと移行する、センサ矯正エンドエフェクタ6002の1つの形態を示す。図109では、センサ矯正エンドエフェクタ6002は、軸6031に対して関節接合位置にある。臨床医は、矢印「A」によって示されるような近位方向に、トロカール6058を通ってセンサ矯正エンドエフェクタ6002を引き抜き始めてもよい。近位方向移動は、第1のセンサ6026a、第2のセンサ6026b、又は第1及び第2のセンサ6026a、6026b両方によって検出されてもよい。第1のセンサ6026aは、軸6031の全体的な近位方向移動を検出するように構成された加速度計を含んでもよい。第2のセンサ6026bは、第2のセンサ6026bと、例えばトロカール6058などの固定地点との間の磁界の変化を検出するように構成された磁気センサを含んでもよい。トロカール6058は、磁界を生成させる磁石6022を備えてもよい。軸6031がトロカール6058を通って引き抜かれるにつれて、磁気センサ6026bによって検出される磁界の強さは、磁気センサ6026bと磁石6022との間の距離に比例して変化するであろう。第1のセンサ6026a又は第2のセンサ6026bは、軸6831に対してセンサ矯正エンドエフェクタ6002を真っ直ぐにする電動の矯正プロセスを起動するため、関節運動制御モータ402に対する信号を生成させてもよい。
電動の矯正プロセスが完了した後、センサ矯正エンドエフェクタ6002は、図110に示されるような直線状態にある。直線状態では、センサ矯正エンドエフェクタ6002は、患者、トロカール6058に損傷を与えることなく、また臨床医がエンドエフェクタ6002を手動で真っ直ぐにする必要なしに、トロカール6058を通って引き抜かれてもよい。いくつかの形態では、臨床医は、電動の矯正プロセスを無視し、トロカール6058から除去する間、センサ矯正エンドエフェクタ6002を関節接合状態で維持することができてもよい。
図111は、トロカール5858、6058、又はオーバーチューブ5960に取り付けられてもよい、磁気リング6121の1つの形態を示す。磁気リング6121は、磁界を生成させてもよい複数の磁石6122を含んでもよい。磁界は、例えば第2のセンサ6026bなど、外科用器具上に配設される磁気センサによって検出されてもよい。磁気センサ6026bは、磁気センサが磁気リング6121によって生成した磁界を検出したとき、エンドエフェクタ6002などのセンサ矯正エンドエフェクタを真っ直ぐになった状態で維持するように構成されてもよい。例えば、1つの形態では、磁気センサ6026bは、磁気センサ6026bが所定の閾値を上回る磁界を検出した場合、エンドエフェクタの関節運動を防ぐロックアウト信号を生成するように構成されてもよい。所定の閾値は、トロカール5858又はオーバーチューブ5960の外側に位置する関節運動軸線B−Bに対応する特定の距離で、磁気リング6121によって生成する磁界の強さに基づいて決定されてもよい。いくつかの形態では、磁気センサ6026bは、検出される磁界強度が所定の閾値を上回ったとき、電動の矯正プロセスを起動してもよく、検出された磁界強度が所定の閾値以下に下がるまで、センサ矯正エンドエフェクタ6002の関節運動を防ぐロックアウト信号を生成させてもよい。
図112及び図113は、リードスイッチセンサを含む磁気センサ6226の1つの形態を示す。リードスイッチは、印加磁界によって動作される電気スイッチ6250を含んでもよい。一対の接点は、密閉して封止されたガラスエンベロープ内の鉄金属リード上に配設されてもよい。接点は、通常は開いていて、磁界が存在する解きに閉じるか、又は通常は閉じていて、磁界が印加されると開いてもよい。
図105及び図106を次に参照すると、センサ矯正エンドエフェクタを制御する方法が開示される。センサ矯正エンドエフェクタを制御する方法を、図105及び図106を参照して本明細書に記載するが、当業者であれば、例えば、図107〜図113に示される形態など、本明細書に開示されるセンサ矯正エンドエフェクタの形態のいずれかと共に、方法が使用されてもよいことを認識するであろう。1つの形態では、方法は、第1のセンサ5826aによって、外科用器具5810の全体的な近位方向移動を検出することを含んでもよい。外科用器具5810はセンサ矯正エンドエフェクタ5802を備えてもよい。臨床医は、治療中にセンサ矯正エンドエフェクタ5802を関節運動させてもよい。一旦治療が完了すると、臨床医は、外科用器具5810を近位方向に移動させて、外科用器具5810を患者から引き抜き始めてもよい。外科用器具5810の近位方向移動は第1のセンサ5826aによって検出されてもよい。いくつかの形態では、第1のセンサ5826aは、外科用器具5810の全体的な近位方向移動を検出するように構成された加速度計を含んでもよい。方法は、第1のセンサ5826aによって、全体的な近位方向移動が検出されたことを示す信号を生成させることを更に含んでもよい。信号は、例えば、図82に示される制御回路3702などの制御回路など、関節運動制御モータ402用のコントローラに、第1のセンサ5826aによって送信されてもよい。追加のモータコントローラが提供され、図84、図114〜図116などに関して記載される。方法は、関節運動制御モータ402によって、第1のセンサ5826aからの信号を受信すること、並びに関節運動制御モータ402によって、電動の矯正プロセスを起動して、受信信号に反応してセンサ矯正エンドエフェクタ5802の関節接合の角度を真っ直ぐにすることを更に含んでもよい。電動の矯正プロセスは、センサ矯正エンドエフェクタ5802をゼロ関節運動状態に戻してもよい。
いくつかの形態では、方法は、第2のセンサ5826bによって、外科用器具5810の全体的な近位方向移動を検出することを更に含んでもよい。いくつかの形態では、第2のセンサ5826bは、例えばホール効果センサ又はリードスイッチセンサなど、磁気近接センサを含んでもよい。第2のセンサ5826bは、第2のセンサ5826bと、トロカール5858又はオーバーチューブ5960などの固定地点との間の距離を検出するように構成されてもよい。センサ矯正エンドエフェクタ5802を制御する方法は、第2のセンサ5826bによって、全体的な近位方向移動が検出されたことを示す信号を生成させることを含んでもよい。第2の信号は関節運動制御モータ402に送信されてもよい。方法は、関節運動制御モータ402によって、第2の信号を受信すること、並びに関節運動制御モータ402によって、電動の矯正プロセスを起動して、センサ矯正エンドエフェクタ5802の関節接合の角度を真っ直ぐにすることを更に含んでもよい。いくつかの形態では、第2のセンサ5826bは、第1のセンサ5826aとは独立して第2の信号を生成させてもよい。
いくつかの形態では、第1及び第2のセンサ5826a、5826bは、矯正プロセスの冗長検査として機能してもよい。例えば、いくつかの形態では、第1及び第2のセンサ5826a、5826bは両方とも、関節運動制御モータ402に信号を提供して、矯正プロセスを起動してもよい。第1のセンサ5826a又は第2のセンサ5826bどちらかからの信号によって、関節運動制御モータ402がセンサ矯正エンドエフェクタ5802を真っ直ぐにしてもよい。いくつかの形態では、信号が第1及び第2のセンサ5826a、5826bの両方から受信されるまで、電動の矯正プロセスは実行されなくてもよい。いくつかの形態では、第1のセンサ5826aあるいは第2のセンサ5826bのどちらかが独立して電動の矯正プロセスを起動してもよいが、所定の時限内に第1及び第2のセンサ5826a、5826bの両方から信号が受信されない場合、プロセスはアボートされてもよい。例えば、電動の矯正プロセスは、第1のセンサ5826aからの信号によって始動されてもよい。所定の時限内に第2のセンサ5826bから信号が受信されない場合、電動の矯正プロセスは外科用器具5810によってアボートされてもよい。
1つの形態では、様々な外科用器具はモジュール式のモータ制御プラットフォームを利用してもよい。例えば、モジュール式制御プラットフォームが、制御回路3702によって実装されてもよい。図114は、マスタコントローラ6306、1つ又は2つ以上のモータコントローラ対6309a〜6309cを備える、モジュール式モータ制御プラットフォーム6300の1つの形態を示す。プラットフォーム6300は、1つ又は2つ以上のモータ6318a、6318b、6318cを制御してもよい。モータ6318a、6318b、6318cは、外科用器具で利用される任意のモータであってもよい。例えば、いくつかの形態では、モータ6318a、6318b、6318cの1つ又は2つ以上は、関節運動モータ402、発射モータ530、エンドエフェクタ回転モータ560、及び/又は軸回転モータ610の1つ又は2つ以上に相当してもよい。
様々な形態では、それぞれのコントローラ6306、6309a〜6309cは、1つ又は2つ以上のプロセッサ(例えば、制御回路3702上に実装されるプロセッサ)を利用して実現されてもよい。モジュール式モータ制御プラットフォーム6300は、例えば図1及び図2に示される外科用器具10など、モータ制御の外科用器具を制御するのに好適であってもよい。様々な形態では、マスタコントローラ6306は、遠位側回路基板810又は近位側回路基板820上に装着されてもよい。第1のモータコントローラ6314aは、1つ又は2つ以上の制御信号を第1のモータ6318aに提供するため、第1のモータ6318aに動作可能に結合される。第2のモータコントローラ6314bは第2のモータ6318bに動作可能に結合されてもよく、第3のモータコントローラ6314cは第3のモータ6318cに動作可能に結合されてもよい。モータコントローラ6314a〜6314cは、マスタコントローラ6306と電気的に通信している。マスタコントローラ6306は、エンドエフェクタ6302の1つ又は2つ以上の機能を制御する主制御プロセスに基づいて、モータコントローラ6314a〜6314cに制御信号を提供する。主制御プロセスは、事前定義のプロセス、ユーザ定義のプロセス、又はデバイス生成のプロセスであってもよい。
1つの形態では、主制御プロセスは、軸30及びエンドエフェクタ102の1つ又は2つ以上の機能を含む外科用器具10によって実行可能な、1つ又は2つ以上の外科的処置を定義してもよい。例えば、1つの形態では、主制御プロセスは、外科用器具10の切断及び封着動作を定義してもよい。切断及び封着動作は、例えば、圧締め機能、ステープル留め機能、切断機能、及び圧締め緩和機能など、外科用器具10の複数の機能を含んでもよい。ユーザは、例えばハンドル20のボタン若しくはスイッチを押すなど、任意の好適な方法で切断及び封着動作の開始を指示してもよい。当業者であれば、外科用器具10の1つ又は2つ以上の機能を起動するのに、任意の好適な入力方法が使用されてもよいことを理解するであろう。
1つの形態では、例えばハンドル20のボタンを押すことなどによって、臨床医が切断及び封着動作の開始を示すと、マスタコントローラ6306は、一連の制御信号を生成させ、1つ又は2つ以上のモータコントローラ6314a〜6314cに制御信号を提供してもよい。例えば、時間t0で、切断及び封着動作が開始されてもよい。マスタコントローラ6306は、圧締め機能が行われるべきであることを示す第1の制御信号を生成させてもよい。第1の制御信号は、エンドエフェクタ6302の圧締め運動を制御するように構成された、第1のモータ6318aに結合された第1のモータコントローラ6314aに送信されてもよい。第1のモータコントローラ6314aは、次いで、1つ又は2つ以上の信号を第1のモータ6318aに提供して第1のモータ6318aを起動して、アンビルアセンブリ190とカートリッジ130との間に位置する組織を圧締めするように、エンドエフェクタ102のアンビルアセンブリ190を枢動させてもよい。第1のモータコントローラ6314aが、圧締め動作が完了したことを示すまで、マスタコントローラ6306は、状態信号に関して第1のモータコントローラ6314aをポーリングしてもよい。時間t1で、第1のモータコントローラ6314aは、圧締め機能が完了したことを示す信号をマスタコントローラ6306に提供してもよい。
時間t2で、ステープル留め及び切断動作を行うべきであることを示す第2の制御信号が、マスタコントローラ6306から送信されてもよい。第2の制御信号は、第2のモータ6318bに結合された第2のモータコントローラ6314bに送られてもよい。第2のモータ6318bは、エンドエフェクタ102内に配設される切断部分164及び/又はスレッド170の近位及び遠位方向移動を制御するように構成されてもよい。ステープル留め及び切断動作制御信号により、第2のモータコントローラ6314bが第2のモータ6318bを起動して、切断部分164及び/又はスレッド170を遠位方向に前進させて、更に詳細に上述したように、ステープルカートリッジ130を発射させると共に、アンビルアセンブリ190によって圧締めされた組織を切断部分164に切断させてもよい。時間t3で、切断部分164は最遠位地点に達し、第2のモータコントローラ6314bは、ステープル留め及び切断動作が完了したことを示す信号をマスタコントローラ6306に提供してもよい。
第2のモータコントローラ6314bは、切断部分164が完全に撤回されるまで、切断部分164の方向を反転させる第2のモータ6318bに対する制御信号を自動的に生成させてもよい。時間t3で第2のモータコントローラ6314bから信号を受信した後、マスタコントローラ6306は、解放機能が行われるべきであることを示す第3の制御信号を、第1のモータコントローラ6314aに提供してもよい。第1のモータコントローラ6314aは、第1のモータ6318aに対する制御信号を生成させて、第1のモータ6318aによって前の圧締め動作を反転させ、アンビルアセンブリ190の圧締めを緩めてもよい。解放機能は、第1のモータコントローラ6314a及び第1のモータ6318aによって、第2のモータ6318bを反転させて切断部分164をその開始位置まで撤回するのと同時に行われてもよい。マスタコントローラ6306及び個々のモータコントローラ6314a、6314bを使用することによって、個々のコントローラ6306、6314a、6314bのいずれにも過度に応力を掛けることなく、外科用器具10が複数の動作を同時に行うことが可能になる。
モータコントローラ6314a〜6314cは、例えばモータの移動など、外科手術を監視し制御するための1つ又は2つ以上の独立したプロセスを含んでもよい。いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは、1つ又は2つ以上の制御フィードバックループ機構を操作するように構成されてもよい。例えば、いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは、単一入力単一出力(SISO)又は多重入力多重出力(MIMO)コントローラなど、閉ループコントローラとして構成されてもよい。いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは、比例積分偏差(PID)コントローラとして動作してもよい。PIDコントローラは、3つの同調項、比例ゲイン項、積分ゲイン項、及び微分ゲイン項を使用して、制御ループを操作してもよい。PIDコントローラは、指定された変数を測定し、指定された変数の測定値を指定された変数の期待値又は設定値と比較するように構成された、制御プロセスを含んでもよい。PIDコントローラは、指定された変数の測定値と期待値との差に基づいて制御変数を調節してもよい。いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cはPID速度コントローラを含んでもよい。例えば、第1のモータコントローラ6314aは、モータ6314aの位置など、指定された変数を測定してもよい。第1のモータコントローラ6314aは、モータ6314aの測定位置とモータ6314aの設定又は期待位置との差に基づいて、モータ6314aの速度などの制御変数を調節してもよい。
いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは故障検出コントローラとして構成されてもよい。故障検出コントローラは故障検出プロセスを動作させてもよい。いくつかの形態では、故障検出コントローラは、信号処理に基づく故障検出と呼ばれることがある、故障を直接示すように構成された1つ又は2つ以上のセンサを監視することを含む、直接パターン認識故障プロセスを動作させてもよい。いくつかの形態では、センサによって提供されるセンサ値は、モデルに基づく故障検出と呼ばれることがある、故障検出コントローラによって制御される外科プロセスのモデルから導き出されるセンサの期待値と比較される。当業者であれば、信号処理とモデルに基づく故障検出との組み合わせがモータコントローラによって用いられてもよいことを認識するであろう。
いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは電流/力制限コントローラとして構成されてもよい。電流/力制限コントローラは、モータに送達される電流又はモータによって及ぼされる力などの測定値を、所定値に制限するように構成されてもよい。例えば、1つの形態では、第1のモータコントローラ6314aは、圧締め動作中に及ぼされる力を所定値に制限するように構成されてもよい。力センサは、外科用器具の圧締め動作を制御するように構成された第1のモータ6318aによって提供される力を監視してもよい。力センサによって測定される力値が所定値と一致するとき、第1のモータコントローラ6314aは第1のモータ6318aの動作を中止してもよい。いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは、モータ6318a〜6318cに送達される電流を監視するように構成されてもよい。モータ6318a〜6318cによって引き出される電流は、外科手術中のモータの速度又はモータによって及ぼされる力など、モータ6318a〜6318cの1つ又は2つ以上の機能を示してもよい。モータ6318a〜6318cによって引き出される電流が所定の閾値を上回る場合、モータコントローラ6314a〜6314cは、患者及び外科用器具に対する損傷を防ぐため、モータの動作を中止してもよい。
いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは、マスタコントローラ6306によって実行される主制御プロセスの独立した検証を提供してもよい。例えば、モータコントローラ6314a〜6314cは、マスタコントローラ6306によって要求されるアクションが、要求されるアクションの実行の前の有効なアクションであることを検証してもよい。いくつかの形態では、モータコントローラ6314a〜6314cは、状態情報を使用して、要求されるアクションが有効であることを検証してもよい。例えば、1つの形態では、第1のモータコントローラ6314aは、切断及びステープル留め動作を行う命令を、マスタコントローラ6306から受信してもよい。第1のモータコントローラ6314aは、例えば、アンビルアセンブリ190が圧締め位置にあるか否かを検査するなど、外科用器具の現在の状態を検査してもよい。状態情報が切断及びステープル留め動作を実行するのに有効な状態と一致する場合、第1のモータコントローラ6314aは切断及びステープル留め動作を行ってもよい。しかしながら、状態情報が切断及びステープル留めに対する有効な状態と一致しない場合、第1のモータコントローラ6314aは、マスタコントローラ6306又は主制御プロセスの故障を示してもよい。当業者であれば、モータコントローラ6314a〜6314cは、1つ又は2つ以上の制御プロセス及び1つ又は2つ以上のタイプの制御プロセスを含んでもよいことを認識するであろう。
図115は、マスタコントローラ6406及び4つのモータコントローラ対6409a〜6409dを備える、モジュール式モータ制御プラットフォーム6400の1つの形態を示す。モジュール式モータ制御プラットフォーム6400も、例えば1つ又は2つ以上のプロセッサを利用して、本明細書で上述した制御回路3702によって実現されてもよい。モジュール式モータ制御プラットフォーム6400は、様々なモータを制御するように構成されてもよい。例えば、遠位側ロールモータ6418aは、エンドエフェクタ回転モータ560に関して本明細書で記載したのと類似の方法で動作してもよい。関節運動モータ6418bは、関節運動モータ402に関して本明細書で記載したのと類似の方法で動作してもよい。近位側ロールモータ6418cは、軸回転モータ610に関して本明細書で記載したのと類似の方法で動作してもよい。トランザクションモータ6418dは、発射モータ530に関して本明細書で記載したのと類似の方法で動作してもよい。
マスタコントローラ6406は、1つ又は2つ以上のモータコントローラ6414a〜6414dに電気的に結合されてもよい。マスタコントローラ6406は、有線又は無線接続を通って、1つ又は2つ以上のモータコントローラ6414a〜6414dに結合されてもよい。いくつかの形態では、モータ6418a〜6418dは、モータ軸の位置を示す信号を提供するように構成された、関連するモータエンコーダ6416a〜6416dを含んでもよい。いくつかの形態では、モータエンコーダ6416a〜6416dは省略されてもよい。1つの形態では、マスタコントローラ6406は、例えば1〜10個のモータコントローラなど、任意の数のモータコントローラ6414a〜6414dと通信するように構成されてもよい。いくつかの形態では、マスタコントローラ6406は、1つ又は2つ以上の追加の周辺機器コントローラ(図示なし)と通信するように構成されてもよく、その際、周辺機器コントローラは、例えば超音波機能、電気外科機能、又は外科用器具の他の任意の好適な機能など、1つ又は2つ以上の非電動の外科機能を制御するように構成されてもよい。
1つの形態では、マスタコントローラ6406は、モータコントローラ6414a〜6414dと同期して通信してもよい。マスタコントローラ6406からの通信は、例えば、モータコントローラ6414a〜6414dの特定のサブルーチン若しくは機能を実行する命令を提供すること、状態更新に関してモータコントローラ6414a〜6414dに問い合わせること、及びモータコントローラ6414a〜6414dからのフィードバック情報を受信することを含んでもよい。同期通信は、通信が時間同期される場合、マスタコントローラ6406とモータコントローラ6414a〜6414dとの間の直通通信であってもよい。例えば、図114に示される形態では、マスタコントローラ6406は、事前定義の時間窓の間、モータコントローラ6414a〜6414dのそれぞれと通信してもよい。別の形態では、モータコントローラ6414a〜6414dの間でトークンが渡されて、所定期間の間、現在トークンを保持しているモータコントローラ6414a〜6414dが、マスタコントローラ6406と通信することが可能にされてもよい。
1つの形態では、マスタコントローラ6406は主制御プロセスを実行してもよい。主制御プロセスは、ユーザ入力を監視するか、外科用器具10の動作を実行するか、フィードバックをユーザに提供するか、又は外科用器具10の他の任意の機能を行ってもよい。例えば、1つの形態では、マスタコントローラ6406は、切断及び封着動作を含む主制御プロセスを実行してもよい。いくつかの形態では、主制御プロセスは、モータコントローラ6414a〜6414dのそれぞれに制御信号を提供してもよい。モータ6418a〜6418dの個々の機能の実行は、モータコントローラ6414a〜6414dによって制御されてもよい。いくつかの形態では、主制御プロセスは、モジュール式の軸30又は用具部分100など、モジュールの外科用構成要素の取付け若しくは取外しに基づいて、モータ6418〜6418dの1つ又は2つ以上を起動するか、又は作動停止してもよい。マスタコントローラ6406は、モータコントローラ6414a〜6414dに制御信号を提供してもよく、モータコントローラ6414a〜6414dから状態信号を受信してもよい。状態信号は、例えば、機能完了信号、故障信号、アイドル信号、又はフィードバック信号を含んでもよい。
いくつかの形態では、機能信号は、モータコントローラ対6409a〜6409dによって実行可能な機能の動作又は完了状態を示してもよい。例えば、機能信号は、圧締め動作が起こっているか又は完了していることを示してもよい。機能信号はまた、例えば、圧締め動作中に圧締めされた組織によって加えられる力の量を示すなど、動作の成功を示してもよい。モータコントローラ6414a〜6414dは、モータコントローラ6414a〜6414dが、関連するモータ6418a〜6418dにおける、又は外科手術の完了におけるエラーを検出した場合に、故障信号を生成させてもよい。故障信号は、マスタコントローラ6406によって、例えば視覚的インジケータ又は可聴インジケータなど、操作者に対する故障信号を生成させてもよい。故障信号はまた、マスタコントローラ6406によって、モータコントローラ6414a〜6414dに制御信号を送って、いずれの現在実行中の機能も停止させてもよい。
アイドル信号は、関連するモータ6418a〜6418dが空転しており、外科用器具10の関連する機能を行うのに利用されてもよいことを示すため、モータコントローラ6414a〜6414dによってマスタコントローラ6406に提供されてもよい。1つの形態では、アイドル信号は、機能がモータ6418a〜6418dによって行われたことを示してもよい。例えば、1つの形態では、第1のモータコントローラ6414aは、圧締め動作を行うため、マスタコントローラ6406から制御信号を受信してもよい。第1のモータコントローラ6414aは、マスタコントローラ6406からの制御信号を、モータ6418aに対する1つ又は2つ以上の制御信号に変換してもよい。一旦モータ6418aが示された機能を行うと、モータコントローラ6414aは、アイドル信号をマスタコントローラ6406に送信して、モータ6418aが要求された機能を完了していることを示してもよい。
様々な形態では、フィードバック信号は、モータコントローラ6414a〜6414dによってマスタコントローラ6406に提供されてもよい。マスタコントローラ6406は、フィードバックを操作者に提供する、1つ又は2つ以上の関連するフィードバックデバイス(図示なし)を有してもよい。モータコントローラ6414a〜6414dから受信したフィードバック信号は、マスタコントローラ6406によって、フィードバックデバイスのための制御信号に変換されてもよい。いくつかの形態では、モータコントローラ6414a〜6414dは、フィードバックデバイスにフィードバック信号を直接提供してもよい。
いくつかの形態では、マスタコントローラ6406とモータコントローラ6414a〜6414dとの間の同期通信は、オーバーライド信号によって中断されることがある。オーバーライド信号は、マスタコントローラ6406によって同期通信を中止させ、モータコントローラ6414aと通信させて、オーバーライド信号を生成させてもよい。様々な形態では、オーバーライド信号は、モータの故障、ユーザからの入力信号の結果として、又は1つ又は2つ以上のフィードバック信号の所定の閾値に基づいて、モータコントローラ6414aによって生成してもよい。オーバーライド信号は、マスタコントローラ6406によって、モータコントローラ6414a〜6414dのそれぞれに信号を遅らせて、オーバーライド信号の生成をもたらした条件が解決されるまで、モータ6418a〜6418dの全ての動作を中止してもよい。1つの形態では、マスタコントローラ6406は、オーバーライド信号を操作者に通知するため、フィードバックデバイスのための信号を生成させてもよい。
図116は、二重コントローラのモジュール式モータ制御プラットフォーム6500の1つの形態を示す。本明細書で記載するように、プラットフォーム6500はまた、制御回路3702によって実装されてもよい。二重コントローラのモジュール式モータ制御プラットフォーム6500は、マスタコントローラ6506、スレーブスレーブコントローラ6507、及び4つのモータコントローラ対6509a〜6509dを備える。モジュール式モータ制御プラットフォーム6400は、モータ6518a、6518b、6518c、6518cを制御するように構成されてもよい。例えば、遠位側ロールモータ6518aは、エンドエフェクタ回転モータ560に関して本明細書で記載したのと類似の方法で動作してもよい。関節運動モータ6518bは、関節運動モータ402に関して本明細書で記載したのと類似の方法で動作してもよい。近位側ロールモータ6518cは、軸回転モータ610に関して本明細書に記載したのと類似の方法で動作してもよい。トランザクションモータ6518dは、発射モータ530に関して本明細書に記載したのと類似の方法で動作してもよい。
モジュール式モータ制御プラットフォーム6400は、関節運動モータ402、発射モータ530、エンドエフェクタ回転又は「遠位側ロール」モータ560、及び軸回転又は「近位側ロール」モータ610を制御するように構成されてもよい。マスタコントローラ6506及びスレーブコントローラ6507はそれぞれ、利用可能なモータコントローラの部分集合と関連付けられてもよい。例えば、図示される形態では、マスタコントローラ6506は第1及び第2のモータコントローラ6526a〜6526bと関連付けられ、スレーブコントローラ6507は第3及び第4のモータコントローラ6526c〜6526dと関連付けられる。マスタコントローラ6506及びスレーブコントローラ6507は電気的に通信していてもよい。いくつかの形態では、スレーブコントローラ6507は、遠位側回路基板810又は近位側回路基板820上に位置してもよい。スレーブコントローラ6507は、マスタコントローラ6506が通信し制御しなければならないモータコントローラ6526a〜6526dの数を低減することによって、マスタコントローラ6506に対する負荷を低減してもよい。マスタコントローラ6506及びスレーブコントローラ6507は、1つ又は2つ以上のコントローラ入力6508を受信してもよい。
1つの形態では、マスタコントローラ6506は、第1のモータコントローラ6526a及び第2のモータコントローラ6526に制御信号を直接提供してもよい。マスタコントローラ6506はまた、スレーブコントローラ6507に制御信号を提供してもよい。スレーブコントローラは、第3のモータコントローラ6526c及び第4のモータコントローラ6526dに制御信号を提供してもよい。マスタコントローラ6506が問い合わせ及び制御をしなければならないモータコントローラ6526a〜6526dの数を低減することによって、二重コントローラのモジュール式モータ制御プラットフォーム6500は、応答時間を増加させてもよく、又はマスタコントローラ6506の追加の処理負荷を他のタスク専用にしてもよい。1つの形態では、マスタコントローラ6506は主制御プロセスを実行してもよく、スレーブコントローラ6507は、マスタコントローラ6506からの入力に基づいてモータコントローラ6526a〜6526dに対する1つ又は2つ以上の信号を生成させる、従制御プロセスを実行してもよい。1つの形態では、スレーブコントローラ6507は、例えば圧締めボタン又は発射スイッチなど、1つ又は2つ以上のユーザ制御からコントローラ入力を受信してもよい。1つの形態では、マスタコントローラ6506は、1つ又は2つ以上のスレーブコントローラ6507と通信してもよく、モータコントローラ6526a〜6526dに任意の制御信号を直接提供しなくてもよい。
1つの形態では、追加のモータコントローラ又は外科用モジュールを制御するため、追加のスレーブコントローラ6507がシステムに追加されてもよい。1つの形態では、モータコントローラの定義済みの閾値を要するときにのみ、スレーブコントローラ6507が利用されてもよい。例えば、図115に示される形態では、4つのモータコントローラ6526a〜6526dが、二重コントローラのモジュール式モータ制御プラットフォーム6500に接続される。マスタコントローラ6506及びスレーブコントローラ6507はそれぞれ、2つのモータコントローラ6526a〜6526dと関連付けられる。例えば、軸30を、関節運動用モータに対してのみ必要な異なる軸と交換することなどによって、1つ又は2つ以上のモータを作動停止させることにより、マスタコントローラ6506に対する処理負荷を低減するのにスレーブコントローラ6507の追加の処理電力が不要なので、スレーブコントローラ6507の作動停止がもたらされてもよい。いくつかの形態では、1つ又は2つ以上のモータコントローラ6526a〜6526dの作動停止によって、残りのモータコントローラが、空転しているスレーブコントローラ6507に割り当てられてもよい。例えば、第3及び第4のモータ6518c、6518dを作動停止させることで、スレーブコントローラ6507が空転してもよい。第2のモータコントローラ6526bは、マスタコントローラ6506の処理負荷を減少させるため、マスタコントローラ6506から分離され、スレーブコントローラ6507に接続されてもよい。マスタコントローラ6506と1つ又は2つ以上のスレーブコントローラ6507との間の制御の最適な分布を担保するため、1つ又は2つ以上の負荷平衡プロセスが、主制御プロセスの一部として実行されてもよい。
次に図114〜図116を再び参照すると、複数のモータコントローラを備えるモジュール式外科用器具10を制御する方法が開示されてもよい。モジュール式外科用器具10を制御する方法を、図114〜図116に関して考察するが、当業者であれば、方法は、外科用器具の任意の実施形態、又は本明細書に記載する様々な制御プラットフォームに関して用いられてもよいことを認識するであろう。方法は、マスタコントローラ6506によって、1つ又は2つ以上の制御信号を含む主制御プロセスを生成させることを含んでもよい。方法は、マスタコントローラ6506から1つ又は2つ以上のモータコントローラ6526a〜6526dに、生成した制御信号を送信することを更に含んでもよい。モータコントローラ6526a〜6526dは送信された制御信号を受信してもよい。いくつかの形態では、第1のモータコントローラ6526aが受信する制御信号の部分集合は、マスタコントローラ6506及び第1のモータコントローラ6526aが同期通信している特定の期間の間、マスタコントローラ6506によって送信される制御信号を含んでもよい。方法は、モータコントローラ6526a〜6526dによって、マスタコントローラ6506から受信した制御信号に基づいて、1つ又は2つ以上の関連するモータ6518a〜6518dを制御することを更に含んでもよい。
いくつかの形態では、方法は、マスタコントローラ6506によって、1つ又は2つ以上の制御信号をスレーブコントローラ6507に送信することを含んでもよい。スレーブコントローラ6507は、1つ又は2つ以上のモータコントローラ6526c〜6526dと電気的に通信していてもよい。スレーブコントローラ6507は、マスタコントローラ6506から受信した入力に基づいて1つ又は2つ以上のモータ制御信号を生成させることを含む、従制御プロセスを実行してもよい。従制御プロセスは、スレーブコントローラ6507によって、モータ制御信号を1つ又は2つ以上の電気的に結合されたモータコントローラ6526c〜6526dに送信することを更に含んでもよい。方法は、モータコントローラ6526c〜6526dによって、受信したモータ制御信号に反応して1つ又は2つ以上の関連するモータを制御することを更に含んでもよい。様々な形態では、生成したモータ制御信号の部分集合は、所定の期間の間、モータコントローラ6526c〜6526dのそれぞれに同期して送信されてもよい。
図117は、例えば、図114〜図116に示されるマスタコントローラ又は他の任意の好適なマスタコントローラなどの、マスタコントローラによって実行されてもよい主制御プロセス6600の1つの形態を示す。1つの形態では、外科用器具10は、例えば関節運動モータ402、発射モータ530、エンドエフェクタ回転又は「遠位側ロール」モータ560、及び軸回転又は「近位側ロール」モータ610、並びにジョイスティック842など、4つのモータを備えてもよい。外科用器具10は、遠位方向回転機能、把持機能、圧締め機能、及び発射機能を行うように構成されてもよい。外科用器具10は、例えばホームボタン、アンロードボタン、把持ボタン、圧締めボタン、又は発射ボタンなど、外科用器具10の様々な動作を制御するための1つ又は2つ以上のボタンを備えてもよい。外科用器具10は、外科用器具10の動作に関してユーザに視覚的フィードバックを提供するため、発光ダイオード(LED)を含んでもよい。
いくつかの形態では、外科用器具10が起動されると、マスタコントローラ6406はデバイスをデフォルトモードにする。図示される主制御プロセス6600では、デフォルトモードは関節運動状態6602である。関節運動状態6602は、4つの利用可能なモータのうち3つを起動させることを含んでもよい。起動したモータは、軸30の回転(例えば、軸回転モータ610)、エンドエフェクタ102の回転(例えば、エンドエフェクタ回転モータ560)、及び/又はエンドエフェクタ102の関節運動(例えば、関節運動モータ410)を制御してもよい。デフォルト関節運動モードでは、ジョイスティック842は活性であってもよい。関節運動状態6602では、ジョイスティック842は、軸30及びエンドエフェクタ102の関節運動又は回転を制御するのに使用されてもよい。遠位方向回転機能は活性(又は利用可能)であってもよいが、把持、圧締め、及び発射機能は利用不能である。ホームボタンもデフォルト状態で起動されてもよい。外科用器具10が、外科用器具10が安全に移動されてもよい状態にあることを示すため、LEDは緑であってもよい。
ユーザがホームボタン6604を押して、外科用器具10がホーム状態6606に、例えばエンドエフェクタ102が軸30に対して真っ直ぐにされ、軸30及びエンドエフェクタ102がゼロ回転状態に戻される開始状態に戻されてもよい。ホーム状態6606は、1つの動作から別の動作に移動するのに有用であってもよく、又はユーザが動作中に外科用器具10を迅速に再配向することを可能にしてもよい。一旦ホーム状態6606に達すると、主制御プロセス6600はデフォルトの関節運動状態6602に戻ってもよい(6605)。
1つの形態では、異なる用具を軸30に取り付けることを可能にするため、図1及び2に示されるエンドエフェクタ102は、軸30に解放可能に接続されてもよい。軸30は、様々な軸を外科用器具10に取り付けることを可能にするため、ハンドル20に解放可能に接続されてもよい。1つの形態では、マスタコントローラ6406は、外科用器具10からのエンドエフェクタ102又は軸30の排出6608を感知してもよく、新しい軸又は用具部分が外科用器具10に取り付けられ、外科用器具10がホーム状態6606に戻されるまで、外科用器具10の動作を不能にしてもよい。主制御プロセス6600が新しいエンドエフェクタ102を検出し、ホーム状態6606に戻った後、主制御プロセス6600はデフォルト状態6602に入ってもよい。
1つの形態では、外科用器具10にはエンドエフェクタ102が取り付けられてもよい。エンドエフェクタ102は、把持機能を行うように構成されてもよい。把持機能は、アンビルアセンブリ190とエンドエフェクタ102のカートリッジ130との間にある組織の区域を把持することを含んでもよい。外科用器具10は、把持機能を起動させる把持ボタンを備えてもよい。ユーザが把持ボタンを押すと(6614)、外科用器具10は把持モード6616に入って、軸30に対する回転又は関節運動など、エンドエフェクタ102の移動をロックアウトしてもよい。把持モード6616は、第4のモータ(例えば、発射モータ530)を起動して、例えばアンビルアセンブリ190を開位置から閉位置に移動するなど、エンドエフェクタ102の一部分によって組織区画を把持してもよい。外科用器具10が把持状態に入ると、圧締めボタンが起動されてもよい。
いくつかの形態では、臨床医は、圧締めボタンを押して(6620)、外科用器具10を圧締めモード6622に入らせてもよい。圧締めモード6622では、外科用器具10は、後に続く動作中の組織区画の解放を防ぐため、第4のモータをロックアウトしてもよい。圧締めモード6622は、ハンドル20上にある発射ボタンを起動してもよい。一旦外科用器具10が圧締めモード6622に入ると、マスタコントローラ6406は、LEDを青に変化させて、組織がアンビルアセンブリ190に圧締めされていること、及び外科用器具10を発射して、ステープル留め及び切断動作を行うことができることを、臨床医に対して指示してもよい。
臨床医は、発射ボタンを押して(6626)、外科用器具10を発射モード6628に入れてもよい。発射モード6628において、外科用器具10は、例えばモータ1〜3など、外科用器具10の移動を制御するように構成されたモータを作動停止してもよい。発射モード6628は、上述したようなステープル留め及び切断動作を制御するように構成可能であってもよい、第4のモータを作動させてもよい。発射ボタンが押し下げられて、マスタコントローラ6406が第4のモータと関連付けられたモータコントローラに対する制御信号を生成させて、ステープル留め及び切断動作を作動させ、切断部分164及び/又はスレッド170を、エンドエフェクタ102内に位置するステープルカートリッジ130内で前進させてもよい。発射シーケンスの間、LEDは、マスタコントローラ6406によって、外科用器具10が発射を行っていることを臨床医に知らせるように赤に設定されてもよい。「発射済みタグ」は、マスタコントローラ6406によって真に設定されて、外科用器具が発射されており、再び発射できないことを示してもよい。切断部分164がエンドエフェクタ102の遠位端に達していると、マスタコントローラ6406、又は第4のモータと関連付けられたモータコントローラは、切断部分164をマスタコントローラ6406撤回してもよい。一旦切断部分164が反転行程を完了し、その開始位置に戻ると、主制御プロセス6600は圧締め状態6622に戻ってもよい(6630)。
臨床医は、圧締めボタンを押し下げることによって、圧締め状態622を作動停止してもよい(6624)。主制御プロセス6600は、圧締め状態6622が作動停止されると、1つ又は2つ以上の制御信号を生成させて把持状態6616に戻る。次に、臨床医は、把持状態6616を解放(6618)し、関節運動状態6602又は他の任意の好適なデフォルト状態へと移行してもよい。当業者であれば、主制御プロセス6600は、外科用器具10又は任意の取り付けられた外科用モジュールによって実行可能である、任意の外科手術又は機能に適応するように修正されてもよいことを認識するであろう。いくつかの形態では、主制御プロセス6600は、取り付けられた軸、エンドエフェクタ、又は電源モジュールに基づいて自動的に構成されてもよい。
1つの一般的な形態によれば、少なくとも2つの離散的な回転制御運動を同時にかつ独立して電気的に生成するように構成される、ハンドルアセンブリを備える外科用器具が提供される。外科用器具は、細長い軸アセンブリに動作可能に結合されるエンドエフェクタに対して少なくとも2つの離散的な回転制御運動を、独立にかつ同時に送受信するため、ハンドルアセンブリと動作可能にインターフェース接続する細長い軸アセンブリを更に含んでもよい。
別の一般的な形態によれば、少なくとも3つの離散的な回転制御運動を同時にかつ独立して生成するように構成される、ハンドルアセンブリを備える外科用器具が提供される。外科用器具は、細長い軸アセンブリに動作可能に結合されるエンドエフェクタに対して少なくとも3つの離散的な回転制御運動を、独立にかつ同時に送受信するため、ハンドルアセンブリと動作可能にインターフェース接続する細長い軸アセンブリを更に含んでもよい。
別の一般的な形態によれば、複数の離散的な回転制御運動を電気的に生成するように構成される、駆動システムを備える外科用器具が提供される。外科用器具は、軸中心線を中心にして細長い軸アセンブリを回転させる、第1の回転制御運動を受信する駆動システムに動作可能に結合される、細長い軸アセンブリを更に含んでもよい。細長い軸アセンブリは、駆動システムから、細長い軸アセンブリに動作可能に結合される外科用エンドエフェクタに対して、第2の回転制御運動を送受信して、軸中心線を中心にして細長い軸アセンブリに対して外科用エンドエフェクタを回転させるように構成されてもよい。細長い軸アセンブリは、駆動システムから、細長い軸アセンブリ及び外科用エンドエフェクタと通信する関節継手に対して、第3の回転制御運動を送受信して、軸中心線を実質的に横断する関節運動軸線を中心にして外科用エンドエフェクタを関節運動させるように更に構成されてもよい。
更に別の一般的な形態によれば、細長い軸アセンブリと、前記細長い軸アセンブリに複数の回転制御運動を生成及び適用するように構成される駆動システムとを含む、外科用器具のための関節継手が提供される。少なくとも1つの形態では、関節継手は、細長い軸アセンブリに結合される近位側継手部分と、近位側継手部分に移動可能に結合されると共に、外科用エンドエフェクタとインターフェース接続するように構成される遠位側継手部分とを備える。第1の歯車列は、細長い軸アセンブリの近位側発射軸部分と動作可能にインターフェース接続してもよい。遠位側発射軸は、外科用エンドエフェクタと動作可能にインターフェース接続して、近位側発射軸からの回転発射運動を外科用エンドエフェクタに伝達すると共に、近位側継手部分に対する遠位側継手部分の関節運動を容易にしてもよい。第2の歯車列は、細長い軸アセンブリの近位側回転軸部分と動作可能にインターフェース接続して、遠位方向回転制御運動を外科用エンドエフェクタに伝達して外科用エンドエフェクタを細長い軸アセンブリに対して回転させると共に、近位側継手部分に対する遠位側継手部分の関節運動を容易にしてもよい。
別の一般的な形態によれば、細長い軸アセンブリと、該細長い軸アセンブリに複数の回転制御運動を生成及び適用するように構成される駆動システムとを有する、外科用器具のための関節継手が提供される。少なくとも1つの形態では、関節継手は、細長い軸アセンブリに結合される近位側クレビスと、細長い軸アセンブリによって画定される軸中心線を実質的に横断する関節運動軸線を中心にして、近位側クレビスに対して選択的に枢動移動するように近位側クレビスに枢動可能にピン止めされる、遠位側クレビスとを含む。第1の歯車列は、第1の歯車列のいずれの部分も、関節継手のいずれかの部分を越えて径方向外側に延在しないように、近位側及び遠位側クレビスの間に画定される歯車区域内で支持されてもよい。第1の歯車列は、細長い軸アセンブリの近位側発射軸部分と動作可能にインターフェース接続してもよい。遠位側発射軸は、外科用エンドエフェクタと動作可能にインターフェース接続して、回転発射運動を近位側発射軸から外科用エンドエフェクタに伝達すると共に、近位側クレビスに対する遠位側クレビスの枢動移動を容易にしてもよい。第2の歯車列は、第1の歯車列のいずれの部分も、関節継手のいずれかの部分を越えて径方向外側に延在しないように、歯車区域内で支持されてもよい。第2の歯車列は、細長い軸アセンブリの近位側回転軸部分と動作可能にインターフェース接続して、遠位方向回転制御運動を外科用エンドエフェクタに伝達して外科用エンドエフェクタを細長い軸アセンブリに対して回転させると共に、近位側クレビスに対する遠位側クレビスの関節運動を容易にしてもよい。
別の一般的な形態によれば、複数の回転制御運動を生成するように構成される駆動システムを含む外科用器具が提供される。細長い軸アセンブリは、駆動システムと動作可能にインターフェース接続すると共に、駆動システムと動作可能にインターフェース接続してそこから遠位方向回転制御運動を受信する外軸セグメントを備えてもよい。関節運動軸は、駆動システムと動作可能にインターフェース接続してそこから回転関節運動を受信してもよい。細長い軸アセンブリは、駆動システムと動作可能にインターフェース接続してそこから回転発射運動を受信する、近位側発射軸セグメントを更に含んでもよい。外科用器具は、細長い軸アセンブリに結合される近位側クレビスと、細長い軸アセンブリによって画定される軸中心線を実質液に横断する関節運動軸線を中心にして、それに対して選択的に枢動移動するために、近位側クレビスに枢動的にピン止めされる遠位側クレビスとを含んでもよい、関節継手を更に含んでもよい。結合アセンブリは、遠位側クレビスと回転可能にインターフェース接続すると共に、外科用エンドエフェクタに取り付けられるように構成されてもよい。遠位側発射軸セグメントは、結合アセンブリに動作可能に支持されると共に、外科用エンドエフェクタの駆動軸部分とインターフェース接続するように構成されてもよい。第1の歯車列は、近位側発射軸セグメント及び遠位側発射軸セグメントと動作可能にインターフェース接続して、回転発射運動を近位側発射軸セグメントから遠位側発射軸セグメントに伝達すると共に、遠位側クレビスを近位側クレビスに対して選択的に枢動させるのを可能にしてもよい。第2の歯車列は、近位側回転軸と動作可能にインターフェース接続して、遠位方向回転制御運動を結合アセンブリに伝達すると共に、遠位側クレビスを近位側クレビスに対して選択的に枢動させるのを可能にしてもよい。関節運動駆動リンクは、関節運動軸及び遠位側クレビスとインターフェース接続すると共に、回転関節運動を関節運動軸に加えるのに反応して、関節継手に対して軸線方向に移動することを余儀なくされてもよい。
更に別の一般的な形態によれば、少なくとも1つのエンドエフェクタ導体をその中に有する外科用エンドエフェクタに動作可能に結合される、外科用器具の細長い軸アセンブリ内で支持される、関節継手のカバーが提供される。少なくとも1つの形態では、カバーは、開口した遠位端及び開口した近位端を有する非導電性の中空本体と、それらの間を延在する、関節継手をその中に受け入れる継手受入れ通路とを備える。中空本体は、関節継手の複数部分を互いに対して選択的に関節運動させることを可能にする一方で、それらの部分を中空本体内に実質的に封入するように構成される。少なくとも1つの導電性経路は、中空本体の遠位端から中空本体の近位端まで延在する。少なくとも1つの導電性経路はそれぞれ、エンドエフェクタが細長い軸アセンブリに結合されているときに対応するエンドエフェクタに電気的に接触するように構成される遠位端部分と、細長い軸アセンブリの対応する軸導体に電気的に接触するように構成される近位端部分とを有する。
別の一般的な形態によれば、少なくとも1つの電気軸導体及び関節継手をその中に有する細長い軸アセンブリを含む外科用器具が提供される。少なくとも1つの形態では、関節継手は、細長い軸アセンブリに結合される近位側継手部分を含む。遠位側継手部分は、近位側継手部分に対して選択的に関節運動するようにそれに移動可能に結合される。結合具アセンブリは、遠位側継手部分に対して選択的に回転するようにそれに回転可能に結合される。結合具アセンブリは、外科用エンドエフェクタに分離可能に結合され、エンドエフェクタ内のエンドエフェクタ導体から関節継手までの導電性結合具経路を形成するように構成されてもよい。外科用器具は、導電性結合具経路に接触すると共に、関節継手を横断して、対応する軸導体に接触してそれらの間に導電性経路を形成する、関節継手導体を更に含んでもよい。
別の一般的な形態によれば、少なくとも1つの電気制御構成要素を含む、制御システムを含む外科用器具が提供される。外科用器具は、電気制御構成要素のうちの少なくとも1つと動作可能に通信する電気軸導体を有する、細長い軸アセンブリを更に含む。外科用器具は、細長い軸アセンブリに結合される近位側クレビスを含む関節継手を更に含む。遠位側クレビスは、近位側クレビスに対して選択的に枢動移動するようにそれに枢動的に結合される。外科用器具は、遠位側クレビスに結合される結合具アセンブリと、結合具アセンブリに解放可能に結合される外科用エンドエフェクタとを更に含んでもよい。外科用エンドエフェクタは、外科用エンドエフェクタが結合具アセンブリに結合されているときに結合具アセンブリ内に形成される導電性結合具経路と電気的に接触するように構成される、エンドエフェクタ導体を含んでもよい。関節継手導体は、関節継手を横断すると共に、結合具アセンブリ及び軸導体を通る導電性経路と電気的に接触していてもよい。
更に別の一般的な形態によれば、細長い軸アセンブリが動作可能に結合され、外科用エンドエフェクタに動作可能に取り付けられるように構成される、ハンドルアセンブリを含む外科用器具が提供される。モータは、ハンドルアセンブリによって支持されると共に、細長い軸又はそれに結合される外科用エンドエフェクタのうち1つに対して回転運動を加える。サムホイール制御アセンブリは、ハンドルアセンブリ上で動作可能に支持されると共にモータと通信し、それによって、サムホイール制御アセンブリのアクチュエータ部分が第1の方向に枢動されると、モータが細長い軸アセンブリ及びエンドエフェクタのうち1つに第1の方向に回転運動を加え、アクチュエータ部分が第2の方向に枢動されると、モータが細長い軸アセンブリ及びエンドエフェクタのうち1つに第2の方向に回転運動を加える。
別の一般的な形態によれば、細長い軸アセンブリが回転可能に結合され、外科用エンドエフェクタに動作可能に取り付けられるように構成される、ハンドルアセンブリを含む外科用器具が提供される。モータは、ハンドルアセンブリによって支持されると共に、軸中心線を中心にして選択的に回転するように細長い軸アセンブリに回転運動を加えるように構成される。外科用器具は、ハンドルアセンブリに対して枢動的に支持される、サムホイールアクチュエータ部材を含むサムホイール制御アセンブリを更に含む。第1の磁石はサムホイールアクチュエータ部材上で支持され、第2の磁石はサムホイールアクチュエータ部材上で支持される。サムホイールアクチュエータ部材が非作動位置にあるとき、固定のセンサは第1及び第2の磁石の間で中央に配設される。固定のセンサは、サムホイールアクチュエータが第1の方向に枢動すると、モータが細長い軸アセンブリに対して第1の方向に回転運動を加え、サムホイールアクチュエータが第2の方向に枢動すると、モータが細長い軸アセンブリに対して第2の方向に回転運動を加えるようにモータと通信する。
別の一般的な形態によれば、細長い軸アセンブリが回転可能に結合されると共に、軸中心線を中心にして細長い軸アセンブリに対してエンドエフェクタが選択的に回転してもよいように、外科用エンドエフェクタに動作可能に取り付けられるように構成される、ハンドルアセンブリを含む外科用器具が提供される。モータは、ハンドルアセンブリによって支持されると共に、軸中心線を中心にして選択的に回転させるため、エンドエフェクタか又はエンドエフェクタが結合される細長い軸アセンブリの結合具部分に、回転運動を加えるように構成される。外科用器具は、ハンドルアセンブリに対して枢動的に指示される、サムホイールアクチュエータ部材を含むサムホイール制御アセンブリを更に含む。第1及び第2の磁石はサムホイールアクチュエータ部材上で支持される。固定のセンサは、サムホイールアクチュエータ部材が非作動位置にあるとき、第1及び第2の磁石の間で中央に配設される。固定のセンサは、サムホイールアクチュエータを第1の方向に枢動させると、モータがエンドエフェクタ又は結合具部分に第1の方向に回転運動を加え、サムホイールアクチュエータを第2の方向に枢動させると、モータがエンドエフェクタ又は結合具部分に第2の方向に回転運動を加えるようにモータと通信する。
更に別の一般的な形態によれば、複数のモータを支持するハウジングを含む外科用器具が提供される。外科用器具は、ハウジングによって移動可能に支持される第1のスイッチアセンブリを含むと共に、第1のスイッチアセンブリに対するジョイスティックの枢動移動によって、それと通信しているモータのうちの少なくとも1つに対して少なくとも1つの対応する制御信号が送られるように、ジョイスティックが移動可能に装着される、ジョイスティック制御アセンブリを更に含む。ジョイスティックアセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサを備えると共に、第2のセンサが第1のセンサに対して移動することによって、それと通信しているモータの別の1つに対して少なくとも1つの他の制御信号が送られるように、第1のスイッチアセンブリと共に移動可能である、第2のスイッチアセンブリを更に含む。
別の一般的な形態によれば、細長い軸アセンブリがそれに対して回転可能に支持されるハンドルアセンブリを含む、外科用器具が提供される。近位側ロールモータは、ハンドルアセンブリによって支持され、細長い軸アセンブリに対して近位方向回転運動を加えて、軸中心線を中心にしてハンドルアセンブリに対して細長い軸アセンブリを回転させるように構成される。外科用エンドエフェクタは、細長い軸アセンブリに動作可能に結合され、少なくとも1つの発射運動の適用時に外科的処置を行うように構成される。発射モータは、ハンドルアセンブリによって支持され、外科用エンドエフェクタに転送される発射運動を細長い軸アセンブリの一部分に加えるように構成される。外科用器具は、ハンドルアセンブリによって移動可能に支持される第1のスイッチアセンブリを備えると共に、第1のスイッチアセンブリに対するジョイスティックの枢動移動によって、少なくとも1つの対応する制御信号が近位側ロールモータに送られるように、ジョイスティックが移動可能に装着される、ジョイスティック制御アセンブリを更に含む。ジョイスティック制御アセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサを備えると共に、第2のセンサが第1のセンサに対して移動することによって、少なくとも1つの他の制御信号が発射モータに送られるように、第1のスイッチアセンブリと共に移動可能である、第2のスイッチアセンブリを更に含む。
別の一般的な形態によれば、細長い軸アセンブリがそれに対して回転可能に支持される、ハンドルアセンブリを含む外科用器具が提供される。外科用器具は、細長い軸アセンブリに結合される近位側継手部分と、近位側継手部分に移動可能に結合される遠位側継手部分とを備える関節継手を更に含む。関節運動モータは、ハンドルアセンブリによって支持され、関節運動を関節継手に加えて、遠位側継手部分を近位側継手部分に対して移動させるように構成される。外科用エンドエフェクタは、細長い軸アセンブリに動作可能に結合され、少なくとも1つの発射運動の適用時に外科的処置を行うように構成される。発射モータは、ハンドルアセンブリによって支持され、外科用エンドエフェクタに転送される発射運動を細長い軸アセンブリの一部分に加えるように構成される。外科用器具は、ハンドルアセンブリによって移動可能に支持される第1のスイッチアセンブリを備えると共に、第1のスイッチアセンブリに対するジョイスティックの枢動移動によって、少なくとも1つの対応する制御信号が関節運動モータに送られるように、ジョイスティックが移動可能に装着される、ジョイスティック制御アセンブリを更に含む。ジョイスティック制御アセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサを備えると共に、第2のセンサが第1のセンサに対して移動することによって、少なくとも1つの他の制御信号が発射モータに送られるように、第1のスイッチアセンブリと共に移動可能である、第2のスイッチアセンブリを更に含む。
別の一般的な形態によれば、組織に作用する外科用器具が提供される。器具は、少なくとも1つのプロセッサ及び動作可能に関連するメモリと、プロセッサと通信している少なくとも1つのモータと、少なくとも1つの作動デバイスとを備える。プロセッサは、取外し可能な用具部分から、取外し可能な用具について説明する第1の変数を受信するようにプログラムされる。プロセッサはまた、第1の変数を器具制御アルゴリズムに加えるようにプログラムされる。更に、プロセッサは、入力制御信号を駆動デバイスから受信し、入力制御信号を考慮する器具制御アルゴリズムにしたがって、取外し可能な用具と併せて外科用器具を動作させる少なくとも1つのモータを制御するようにプログラムされる。
追加の一般的な形態によれば、プロセッサは、取外し可能な用具から、取外し可能な用具と関連する外科用器具の動作について説明する用具制御アルゴリズムを受信するようにプログラムされてもよい。プロセッサはまた、入力制御信号を作動デバイスから受信し、入力制御信号を考慮して用具制御アルゴリズムにしたがって、取外し可能な用具と併せて外科用器具を動作させる少なくとも1つのモータを制御するようにプログラムされてもよい。
別の一般的な形態によれば、低出力信号をエンドエフェクタから遠隔デバイスに中継するように構成される外科用器具が開示されてもよい。外科用器具は、ハンドルと、ハンドルから遠位側に延在する軸と、軸の遠位端に取り付けられるエンドエフェクタとを備えてもよい。センサはエンドエフェクタ内に配設されてもよい。センサはエンドエフェクタにおける条件を示す信号を生成させてもよい。送信器はエンドエフェクタ内に位置してもよい。送信器は、第1の電力レベルでセンサからの信号を送信してもよい。信号は、外科用器具のハンドル内にある中継局によって受信されてもよい。中継局は、信号を増幅し、第1の電力レベルよりも高い第2の電力レベルで、再送信するように構成される。
追加の一般的な形態によれば、外科用器具のエンドエフェクタから遠隔デバイスに信号を中継する中継局が開示されてもよい。中継局は、エンドエフェクタに配設されるセンサから信号を受信するように構成される受信器を備える。信号は第1の電力レベルで送信される。中継局は、信号を第2の電力レベルに増幅するように構成される増幅器を更に備える。送信器は信号を第2の電力レベルで送信するように構成される。第2の電力レベルは第1の電力レベルよりも高い。
一般的な形態によれば、エンドエフェクタ内の感知モジュールから受信される信号を中継する方法が開示されてもよい。方法は、センサによって、外科用エンドエフェクタにおける条件を示す第1の信号を生成させることを含む。センサはエンドエフェクタ内に位置する。方法は、送信器を使用して、第1の電力レベルの第1の信号を送信すること、及び受信器を使用して、送信された信号を中継局で受信することを更に含む。第1の信号は、増幅器を使用して中継局によって、第2の電力レベルを含む高出力信号に増幅される。第2の電力レベルは第1の電力レベルよりも高い。高出力信号は、中継局を使用して第2の電力レベルで送信される。高出力信号は、ビデオモニタなどの遠隔デバイスによって受信される。ビデオモニタは、外科用エンドエフェクタにおける条件の図式的表現を表示する。
上記のもののいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作の方法及び記号的表現に関して提示される。これらの説明及び表現は、当業者が自身の仕事の実体を他の当業者に最も効果的に伝達するための手段である。方法は、本明細書では、また一般に、所望の結果に結び付く首尾一貫した一連のアクション(命令)と考えられる。そのアクションは物理量の物理的操作を要するものである。通常、必須ではないものの、これらの量は、格納、転送、結合、比較、又は別の形で操作することができる、電気、磁気、又は光信号の形態をとる。場合によっては、主に一般的用途の理由から、これらの信号を、ビット、値、要素、文字、項、数字などと呼ぶのが便利である。更に、場合によっては、物理量の物理的操作を要するアクションの特定の構成を、普遍性を損なうことなく、モジュール又はコードデバイスと呼ぶことも便利である。
本発明の特定の態様は、方法の形態で本明細書に記載するプロセスステップ及び命令を含む。本発明のプロセスステップ及び命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアの形で具体化することができ、ソフトウェアの形で具体化した場合、ダウンロードして、様々なオペレーティングシステムによって使用される異なるプラットフォームに常駐させ、そこから動作させることができることに留意されたい。
本発明はまた、本明細書の動作を行う装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築されてもよく、あるいはコンピュータに格納されるコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成される、汎用コンピュータを含んでもよい。かかるコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光学ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM,磁気若しくは光カード、特定用途用集積回路(ASIC)、又は電子的命令を格納するのに適した任意のタイプの媒体を含み、それぞれコンピュータシステムバスに結合される、任意のタイプのディスクなどであるがそれらに限定されない、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。更に、本明細書において言及するコンピュータ及びコンピュータシステムは、シングルプロセッサを含んでもよく、あるいは計算能力の増大に対応して複数のプロセッサ設計を用いるアーキテクチャであってもよい。
本明細書に提示する方法及び表示は、本質的に、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも関連しない。様々な汎用システムも、本明細書の教示にしたがってプログラムと共に使用されてもよく、あるいは、必要な方法作用を行うため、より専門的な装置を構築するのが便利であると証明することができる。様々なこれらのシステムに必要な構造が上述の説明から明白となるであろう。加えて、本発明はいずれの特定のプログラミング言語に関しても説明されていない。本明細書に記載するような本発明の教示を実現するのに、様々なプログラミング言語が使用されてもよく、特定の言語に対する上述の任意の言及は、本発明の使用可能性及び最良の形態を開示するために使用されることが理解されるであろう。
様々な形態では、低出力信号をエンドエフェクタから遠隔デバイスに中継するように構成される外科用器具が開示される。外科用器具は、ハンドルと、ハンドルから遠位側に延在する軸と、軸の遠位端に取り付けられるエンドエフェクタとを備えてもよい。センサはエンドエフェクタ内に配設されてもよい。センサはエンドエフェクタにおける条件を示す信号を生成させてもよい。送信器はエンドエフェクタ内に位置してもよい。送信器は、第1の電力レベルでセンサからの信号を送信してもよい。信号は、外科用器具のハンドル内にある中継局によって受信されてもよい。中継局は、信号を増幅し、第1の電力レベルよりも高い第2の電力レベルで、再送信するように構成される。
様々な形態では、外科用器具のエンドエフェクタから遠隔デバイスに信号を中継する中継局が開示される。中継局は、エンドエフェクタに配設されるセンサから信号を受信するように構成される受信器を備える。信号は第1の電力レベルで送信される。中継局は、信号を第2の電力レベルに増幅するように構成される増幅器を更に備える。送信器は信号を第2の電力レベルで送信するように構成される。第2の電力レベルは第1の電力レベルよりも高い。
様々な形態では、エンドエフェクタ内の感知モジュールから受信される信号を中継する方法が開示される。方法は、センサによって、外科用エンドエフェクタにおける条件を示す第1の信号を生成させることを含む。センサはエンドエフェクタ内に位置する。方法は、送信器を使用して、第1の電力レベルの第1の信号を送信すること、及び受信器を使用して、送信された信号を中継局で受信することを更に含む。第1の信号は、増幅器を使用して中継局によって、第2の電力レベルを含む高出力信号に増幅される。第2の電力レベルは第1の電力レベルよりも高い。高出力信号は、中継局を使用して第2の電力レベルで送信される。高出力信号は、ビデオモニタなどの遠隔デバイスによって受信される。ビデオモニタは、外科用エンドエフェクタにおける条件の図式的表現を表示する。
様々な形態では、センサ矯正エンドエフェクタが開示される。センサ矯正エンドエフェクタは、関節運動点で軸に結合されるエンドエフェクタを含んでもよい。エンドエフェクタは、軸に対してある角度で関節運動可能であってもよい。センサは、軸上又はエンドエフェクタ上など、センサ矯正エンドエフェクタ上に配設されてもよい。センサは、外科用器具の全体的な近位方向移動を検出するように構成される。全体的な近位方向移動を検出すると、センサはモータを制御する信号を生成させて、軸に対してエンドエフェクタを真っ直ぐにする。
様々な形態では、センサ矯正エンドエフェクタを備える外科用器具が開示される。外科用器具はハンドルを備えてもよい。軸は、ハンドルから遠位側に延在してもよい。モータは、外科用器具の関節運動を制御するため、ハンドル内に配設されてもよい。関節運動するエンドエフェクタは軸の遠位端に配設される。センサは、ハンドル、軸、又はエンドエフェクタ内に配設されてもよい。センサは、外科用器具の全体的な近位方向移動を検出するように構成されてもよい。センサが全体的な近位方向移動を検出すると、センサは電動の矯正プロセスを起動して、関節接合されたエンドエフェクタをモータによって真っ直ぐにしてもよい。いくつかの形態では、複数のセンサは矯正プロセスに対する冗長検査を提供してもよい。
様々な形態では、センサ矯正エンドエフェクタを備える外科用器具を動作させる方法が開示される。方法は、第1のセンサによって、外科用器具の近位方向移動を検出することを含んでもよい。第1のセンサは、ハンドル、軸、又はエンドエフェクタなど、外科用器具の任意の適切な区画に位置してもよい。第1のセンサは、加速度計、磁気センサ、又は他の任意の好適なセンサタイプであってもよい。センサは、全体的な近位方向移動が検出されていることを示す信号を生成させてもよい。方法は、モータによって、第1のセンサから生成した信号を受信することを更に含んでもよい。モータは、受信信号に反応して、モータ制御関節接合エンドエフェクタの関節運動の角度を真っ直ぐにしてもよい。第2のセンサは、冗長検査を提供する第2の信号を生成させてもよい。
様々な形態では、本開示は、モジュール式モータ制御プラットフォームを備えるモータ駆動の外科用器具を対象とする。マスタコントローラは、外科用器具の1つ又は2つ以上の動作を制御する主制御プロセスを実行してもよい。第1のモータコントローラ及び第2のモータコントローラは、マスタコントローラに動作可能に結合されてもよい。第1のモータコントローラは関連する第1のモータを有してもよく、第2のモータコントローラは関連する第2のモータを有してもよい。主制御プロセスは、第1及び第2のモータコントローラに対する制御信号を生成させてもよい。第1及び第2のモータコントローラは、制御信号に反応して第1及び第2のモータを動作させてもよい。いくつかの形態では、モジュール式モータ制御システムは、スレーブコントローラによってマスタコントローラから受信する1つ又は2つ以上の制御信号に基づいて、モータコントローラの1つ又は2つ以上を制御するように構成されるスレーブコントローラを備えてもよい。
様々な形態では、モジュール式モータ制御システムは、関連するモータをそれぞれ有する1つ又は2つ以上のモータコントローラを備えてもよい。1つ又は2つ以上のモータコントローラはマスタコントローラと通信していてもよい。マスタコントローラは、主制御プロセスの一部として、制御信号をモータコントローラに提供するように構成されてもよい。モータコントローラは受信した制御信号に反応して関連するモータを制御してもよい。いくつかの形態では、1つ又は2つ以上のモータコントローラ及び関連するモータは、モジュール式の軸、モジュール式エンドエフェクタ、及びモジュール式電源を受け入れるように適応されたハンドル内に位置してもよい。ハンドルは、モータ及びモジュール式の軸及びエンドエフェクタの間のインターフェースを提供してもよい。
様々な形態では、外科用器具はモジュール式モータ制御システムを含んでもよい。外科用器具はマスタコントローラを備えてもよい。外科用器具はモジュール式の軸及び用具部分などのモジュール式外科用構成要素を受け入れるように構成されてもよい。外科用器具は、1つ又は2つ以上のモータとその中に装着された関連するモータコントローラとを有してもよい。モータコントローラはモータに動作可能に結合されてもよい。モータは、取り付けられた軸又は用具部分の1つ又は2つ以上の動作を制御するように構成されてもよい。マスタコントローラ及びモータコントローラは電気的に通信していてもよい。マスタコントローラは、主制御プロセスの一部として、1つ又は2つ以上の制御信号をモータコントローラに提供するように構成されてもよい。モータコントローラは受信した制御信号に反応してモータを制御してもよい。
様々な形態では、モータ駆動の外科用器具を制御する方法が開示される。方法は、マスタコントローラによって1つ又は2つ以上の制御信号を発生させることを含んでもよい。第1の制御信号は、第1のモータを制御するように構成された第1のモータコントローラに送信されてもよい。第1のモータコントローラは、マスタコントローラから受信する第1の制御信号に反応して、第1のモータを動作させてもよい。第2の制御信号は、第2のモータを制御するように構成された第2のモータコントローラに送信されてもよい。第2のモータコントローラは、マスタコントローラから受信する第2の制御信号に反応して、第2のモータを動作させてもよい。いくつかの形態では、第2の制御信号はスレーブコントローラによって生成させてもよい。
1つの一般的な形態によれば、駆動モータと、ホーム位置と行程位置の端との間の駆動行程を通って駆動モータによって移動可能である駆動部材とを備える、外科用器具が提供される。行程位置の端は、第1の位置と第2の位置との間を延在する。機械的停止部は、行程位置の端又はその付近に配設されてもよく、第1の位置から第2の位置まで駆動行程を通した駆動部材の移動に対する抵抗を増加させるように構築されてもよい。機械的停止部はバンパー及び抵抗部材を備えてもよい。バンパーは、第1の位置から第2の位置へと移動可能であってもよく、第1の位置で駆動部材に接触するように構成されてもよい。抵抗部材は、バンパーに動作可能に結合されると共に、第1の位置から第2の位置への駆動部材の移動に対する抵抗を増加させるように構成されてもよい。抵抗部材は、駆動部材を第2の位置へと作動させる前に、駆動部材を減速するように構成されてもよい。1つの形態では、抵抗部材は、第1の位置と第2の位置との間での駆動部材の移動に対する抵抗を漸進的に増加させるため、圧縮可能であるように構築される。抵抗部材は、1つの形態では、ばねを含んでもよい。バンパーは、第1の位置で接触する駆動部材表面の寸法を補完するように寸法決めされる、接触面を備えてもよい。
1つの形態では、制御システムは、駆動部材の移動に対する抵抗の増加と関連付けられる電流スパイクを検出するように構成される。制御システムは、駆動モータに対する電力の送達と関連付けられる電圧を監視して、電流スパイクを検出してもよい。電流スパイクは所定の閾値電流を含んでもよい。所定の閾値電流は、少なくとも1つの規定の期間にわたる少なくとも1つの所定の閾値電流差を含んでもよい。制御システムが電流スパイクを検出すると、駆動モータに対する電力の送達が中断されてもよい。1つの形態では、機械的停止部は、駆動部材が第2の位置を越えて移動するのを防いでもよい、ハードストップを更に含んでもよい。
1つの一般的な形態によれば、電気機械的停止部と関連付けられる検出可能な電流スパイクを生成する、外科用器具で使用される機械的停止部が提供される。例えば、機械的停止部は、駆動部材の駆動行程と関連付けられる、行程の端又はその付近に配設されてもよい。行程の端は、第1の位置と第2の位置との間を延在してもよい。機械的停止部は、1つ又は2つ以上のバンパー及び1つ又は2つ以上の抵抗部材を備えてもよい。バンパーは、第1の位置から第2の位置へと移動可能であってもよく、第1の位置で駆動部材に接触するように構成されてもよい。抵抗部材は、バンパーに動作可能に結合されると共に、第1の位置から第2の位置への駆動部材の移動に対する抵抗を増加させて、電流スパイクを生成するように構成されてもよい。抵抗部材は、駆動部材を第2の位置へと作動させる前に、駆動部材を減速するように構成されてもよい。抵抗部材の1つ又は2つ以上は、第1の位置と第2の位置との間での駆動部材の移動に対する抵抗を漸進的に増加させるため、圧縮可能であるように構築されてもよい。1つ又は2つ以上の抵抗部材はまた、圧縮可能であるように構築されてもよく、少なくとも1つのばねを含んでもよい。バンパーは、第1の位置で接触する駆動部材表面の寸法を補完するように寸法決めされる、接触面を備えてもよい。抵抗の増加と関連付けられる電流スパイクは、電気機械的外科用器具と関連付けられる制御システムによって検出可能であってもよい。制御システムは、駆動モータに対する電力の送達と関連付けられる電圧を監視し、電流スパイクが少なくとも1つの所定の閾値電流を含むとき、駆動モータに対する電力の送達を中断するように構成されてもよい。少なくとも1つの閾値電流は、少なくとも1つの規定の期間にわたる電流差を含んでもよい。1つの形態では、機械的停止部は、駆動部材が第2の位置を越えて移動するのを防ぐ、ハードストップを更に含む。
本明細書に開示するデバイスは、一回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも一回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整は、デバイスを分解するステップ、その後に特定の部品を洗浄又は交換するステップ、及びそれに続く再組立てするステップの任意の組み合わせを含むことができる。特に、デバイスは分解することができ、デバイスの任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換する際、デバイスは、再調整設備で、又は外科的処置の直前に外科チームによって、後で使用するために再組立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組立ての様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術、及び結果として得られる再調整されたデバイスの使用は、全て本発明の範囲内にある。
好ましくは、本明細書に記載する発明は手術の前に処理されるであろう。最初に、新しい又は使用済みの器具が得られ、必要に応じて洗浄される。次に、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され封止された容器に入れられる。次に、容器及び器具は、ガンマ線、X線、及び高エネルギー電子など、容器を透過することができる放射線照射野に入れられる。放射線は、器具上又は容器内のバクテリアを死滅させる。次に、滅菌された器具を滅菌容器に格納することができる。封止された容器は、医療設備で開かれるまで器具を滅菌状態で保つ。
本明細書に参照により組み込まれると説明されている任意の特許、刊行物、又は他の開示材料は、全体的又は部分的に、組み込まれる材料が本開示で説明される既存の定義、主張、又は他の開示材料と矛盾しない程度においてのみ、本明細書に組み込まれる。そのため、また必要な範囲において、本明細書で明示的に説明される開示は、参照により本明細書に組み込まれるいずれの矛盾する材料にも優先する。本明細書に参照により組み込まれると説明されている、ただし本明細書で説明される既存の定義、主張、又は他の開示材料と矛盾する、任意の材料又はその部分は、組み込まれる材料と既存の開示材料との間で矛盾が生じない程度においてのみ、組み込まれるものとする。
例示の設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用法、又は適応を包含するものとする。更に、本出願は、かかる逸脱を、本発明が関連する分野において知られてきているか又は慣例になってきているものとして包含するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 細長い軸アセンブリと、複数の回転制御運動を生成してそれを前記細長い軸アセンブリに適用するように構成される駆動システムとを含む、外科用器具用の関節継手であって、前記関節継手が、
前記細長い軸アセンブリに結合される近位側継手部分と、
前記近位側継手部分に移動可能に結合され、外科用エンドエフェクタとインターフェース接続するように構成される、遠位側継手部分と、
前記細長い軸アセンブリの近位側発射軸部分、及び前記外科用エンドエフェクタと動作可能にインターフェース接続する遠位側発射軸と、動作可能にインターフェース接続して、回転発射運動を前記近位側発射軸から前記外科用エンドエフェクタに伝達すると共に、前記近位側継手部分に対する前記遠位側継手部分の関節運動を容易にする、第1の歯車列と、
前記細長い軸アセンブリの近位側回転軸部分と動作可能にインターフェース接続して、遠位方向回転制御運動を前記外科用エンドエフェクタに伝達して前記外科用エンドエフェクタを前記細長い軸アセンブリに対して回転させると共に、前記近位側継手部分に対する前記遠位側継手部分の関節運動を容易にする、第2の歯車列と、を備える、関節継手。
(2) 前記第1の歯車列が前記第2の歯車列内で入れ子状にされる、実施態様1に記載の関節継手。
(3) 前記遠位側継手部分が前記細長い軸アセンブリの関節運動軸部分とインターフェース接続して、前記関節運動軸部分から関節運動を受け取るように構成される、実施態様1に記載の関節継手。
(4) 前記遠位側継手部分が、前記細長い軸アセンブリの前記関節運動軸部分への回転関節運動の適用時に、前記近位側継手部分に対して枢動するように構成される、実施態様3に記載の関節継手。
(5) 前記関節継手が、前記遠位側継手部分に動作可能に結合される関節運動駆動リンクを更に備え、前記関節運動駆動リンクが、前記関節運動軸とインターフェース接続すると共に、前記回転関節運動の前記関節運動軸への適用に反応して前記関節継手に対して軸線方向に移動することを余儀なくされる、実施態様4に記載の関節継手。
(6) 前記関節運動駆動リンクが前記関節運動軸をネジ係合する、実施態様5に記載の関節継手。
(7) 前記遠位側継手部分が、前記外科用エンドエフェクタに取外し可能に結合されるように構成される結合具アセンブリと回転可能にインターフェース接続する、実施態様1に記載の関節継手。
(8) 前記第2の歯車列の一部分が前記結合具アセンブリとインターフェース接続して、前記遠位方向回転制御運動の、前記細長い軸アセンブリの前記近位側回転軸部分への適用時に、前記結合具アセンブリを前記遠位側継手部分に対して回転させる、実施態様7に記載の関節継手。
(9) 前記外科用エンドエフェクタを前記結合具アセンブリに解放可能に係止する係止アセンブリを、前記結合具アセンブリ上に更に備える、実施態様7に記載の関節継手。
(10) 前記遠位側発射軸セグメントが、前記外科用エンドエフェクタ内で動作可能に支持されると共に前記関節継手に対する前記外科用エンドエフェクタの回転を容易にするエンドエフェクタ打込みねじに、前記回転発射運動を伝達するように構成される、実施態様1に記載の関節継手。
(11) 細長い軸アセンブリと、複数の回転制御運動を生成してそれを前記細長い軸アセンブリに適用するように構成される駆動システムとを含む、外科用器具用の関節継手であって、前記関節継手が、
前記細長い軸アセンブリに結合される近位側クレビスと、
前記細長い軸アセンブリによって画定される軸中心線を実質的に横断する関節運動軸線を中心にして、前記近位側クレビスに対して選択的に枢動移動するように前記近位側クレビスに枢動的にピン止めされる、遠位側クレビスと、
前記近位側クレビスと前記遠位側クレビスとの間に画定される歯車区域内で支持される第1の歯車列であって、前記第1の歯車列のいずれの部分も前記関節継手のいずれかの部分を越えて径方向外側に延在しないようにしており、前記第1の歯車列が、前記細長い軸アセンブリの近位側発射軸部分、及び外科用エンドエフェクタと動作可能にインターフェース接続する遠位側発射軸と、動作可能にインターフェース接続して、回転発射運動を前記近位側発射軸から前記外科用エンドエフェクタに伝達すると共に、前記近位側クレビスに対する前記遠位側クレビスの枢動移動を容易にする、第1の歯車列と、
前記歯車区域内で支持される第2の歯車列であって、前記第1の歯車列のいずれの部分も前記関節継手のいずれかの部分を越えて径方向外側に延在しないようにしており、前記第2の歯車列が、前記細長い軸アセンブリの近位側回転軸部分と動作可能にインターフェース接続して、遠位方向回転制御運動を前記外科用エンドエフェクタに伝達して前記外科用エンドエフェクタを前記細長い軸アセンブリに対して回転させると共に、前記近位側クレビスに対する前記遠位側クレビスの関節運動を容易にする、第2の歯車列と、を備える、関節継手。
(12) 前記第1の歯車列のいずれの部分も前記第2の歯車列の一部分を越えて径方向に延在しないようにして、前記第1の歯車列が前記第2の歯車列内で入れ子状にされる、実施態様11に記載の関節継手。
(13) 前記第1の歯車列が、
前記近位側発射軸部分に取り付けられる近位側駆動軸傘歯車と、
前記近位側駆動軸傘歯車と噛合係合している駆動軸伝達歯車と、
前記駆動軸伝達歯車と噛合係合しており、前記遠位側発射軸に結合される、遠位側駆動軸傘歯車と、を備え、前記第2の歯車列が、
前記近位側回転軸部分に結合される入力傘歯車と、
前記入力傘歯車と噛合係合している回転軸伝達歯車と、
前記回転軸伝達歯車と噛合係合している出力傘歯車であって、前記遠位側クレビス部分と回転可能にインターフェース接続していて前記外科用エンドエフェクタに結合可能である結合具アセンブリに結合される、出力傘歯車と、を備える、実施態様11に記載の関節継手。
(14) 前記遠位側クレビスが前記細長い軸アセンブリの関節運動軸部分とインターフェース接続して、前記関節運動軸部分から関節運動を受け取るように構成される、実施態様11に記載の関節継手。
(15) 前記関節運動軸とインターフェース接続すると共に、前記関節運動軸への回転関節運動の適用に反応して前記関節継手に対して軸線方向に移動することを余儀なくされる、関節運動駆動リンクと、
前記遠位側クレビス及び前記関節運動駆動リンクに結合され、それらの間を延在する関節運動バーと、を更に備える、実施態様14に記載の関節継手。
(16) 前記遠位側駆動軸が、前記遠位側クレビスと回転可能にインターフェース接続する結合アセンブリ内で動作可能に支持され、前記外科用エンドエフェクタが前記結合アセンブリに結合されると、前記遠位側駆動軸が前記外科用エンドエフェクタ内のエンドエフェクタ打込みねじを解放可能に係合するように構成される、実施態様11に記載の関節継手。
(17) 外科用器具であって、
複数の回転制御運動を発生させるように構成される駆動システムと、
前記駆動システムと動作可能にインターフェース接続する細長い軸アセンブリであって、前記細長い軸アセンブリが、
前記駆動システムと動作可能にインターフェース接続して前記駆動システムから遠位方向回転制御運動を受け取る、外側軸セグメントと、
前記駆動システムと動作可能にインターフェース接続して前記駆動システムから回転関節運動を受け取る、関節運動軸と、
前記駆動システムと動作可能にインターフェース接続して前記駆動システムから回転発射運動を受け取る、近位側発射軸セグメントとを備える、細長い軸アセンブリと、を備え、前記外科用器具が、
関節継手であって、
前記細長い軸アセンブリに結合される近位側クレビスと、
前記細長い軸アセンブリによって画定される軸中心線を実質的に横断する関節運動軸線を中心にして前記近位側クレビスに対して選択的に枢動移動するように、前記近位側クレビスに枢動的にピン止めされる、遠位側クレビスと、
前記遠位側クレビスと回転可能にインターフェース接続し、外科用エンドエフェクタに取り付けるように構成される、結合アセンブリと、
前記結合アセンブリによって動作可能に支持され、前記外科用エンドエフェクタの駆動軸部分とインターフェース接続するように構成される、遠位側発射軸セグメントと、
前記近位側発射軸セグメント及び前記遠位側発射軸セグメントと動作可能にインターフェース接続して、前記回転発射運動を前記近位側発射軸セグメントから前記遠位側発射軸セグメントに伝達すると共に、前記遠位側クレビスを前記近位側クレビスに対して選択的に枢動させることを可能にする、第1の歯車列と、
近位側回転軸と動作可能にインターフェース接続して、前記遠位方向回転制御運動を前記結合アセンブリに伝達すると共に、前記遠位側クレビスを前記近位側クレビスに対して選択的に枢動させることを可能にする、第2の歯車列と、
前記関節運動軸及び前記遠位側クレビスとインターフェース接続すると共に、前記回転関節運動の前記関節運動軸への適用に反応して前記関節継手に対して軸線方向に移動することを余儀なくされる、関節運動駆動リンクと、を更に備える、関節継手を更に備える、外科用器具。
(18) 前記第1の歯車列が前記第2の歯車列内で入れ子状にされる、実施態様17に記載の外科用器具。
(19) 前記細長い軸アセンブリに動作可能に結合されるハンドルアセンブリ内で、前記駆動システムが動作可能に支持される、実施態様17に記載の外科用器具。
(20) 前記駆動システムがロボットシステムの一部分を備える、実施態様17に記載の外科用器具。