以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[課題]
2.4GHz帯では、現在、様々な用途で様々な無線機器が通信を行っている。そして、各無線機器が通信を同時に行うと信号が衝突し通信が行えないため、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式が一般的に採用されている。
そして、無線機器の台数増加に伴って信号の衝突が発生する確率が増加し、衝突を回避するための送信までの待機時間が増大する。これにより、ISM帯の周波数利用効率が低下してしまい、また、無線機器のユーザの使用感が低下してしまう。
そこで、本発明の実施の形態に係る無線通信システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
具体的には、たとえば、ISM帯を利用する無線機器のうち、広く普及している無線LAN機器を集中管理する機構を設ける。管理機構として管理装置を設置し、無線LAN端末に管理制御用アプリケーションを実装する。そして、管理装置が、無線LAN端末のMAC層/PHY層、電池およびセンサ等の情報を収集し、ユーザの使用感等を基準に判断して通信パラメータ等の制御を行う。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、無線通信システム401は、たとえばIEEE802.11で規格化された無線LANシステムを含む。無線通信システム401は、管理装置101と、複数のアクセスポイント(無線基地局装置:図1に示す「無線LAN AP」)102と、複数の無線端末装置202とを備える。
なお、図1では、3つのアクセスポイント102と、各アクセスポイント102の配下の2つの無線端末装置202とを代表的に示しているが、無線通信システム401は、少数またはさらに多数のアクセスポイント102または無線端末装置202を備える構成であってもよい。また、管理装置101は、無線通信システム401におけるいずれかのアクセスポイント102と一体化されてもよい。
管理装置101は、アクセスポイント102および無線端末装置202と通信を行い、アクセスポイント102および無線端末装置202を管理する。
管理装置101およびアクセスポイント102は、有線接続または無線接続され、たとえば、イーサネット(登録商標)規格に従って互いに通信を行う。
アクセスポイント102および無線端末装置202は、たとえば無線LAN方式に従って互いに通信を行う。無線端末装置202は、アクセスポイント102を介して管理装置101と通信可能である。また、無線端末装置202は、複数のアクセスポイント102のうちのいずれかを選択して通信可能である。
より詳細には、アクセスポイント102は、たとえばISMバンド(Industry Science Medical band)である2.4GHz帯の無線信号を送受信することにより、1または複数の無線端末装置202と無線通信を行う。
無線端末装置202は、たとえばCSMA/CA方式を採用し、他の無線端末装置202が無線信号を送信しているか否かを互いに判断し、他の無線端末装置202が無線信号を送信していないと判断した場合に、送信すべき情報を含む無線信号をアクセスポイント102へ送信する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置のソフトウェア構成および管理制御の一例を示す図である。
[管理装置]
図2を参照して、管理装置101は、通信部10と、アプリケーション11と、データベース16とを備える。通信部10は、TCP処理部12と、IP処理部13と、Ether MAC処理部14と、Ether PHY処理部15とを含む。
管理装置101は、階層化された複数のレイヤを有するプロトコルに従って動作する。管理装置101において、アプリケーション11は、アプリケーションレイヤの処理を行なうことにより、無線端末装置202の管理および制御を行う。
管理装置101において、TCP処理部12は、アプリケーションレイヤよりも下位のTCPレイヤの処理を行なう。IP処理部13は、TCPレイヤよりも下位のIPレイヤの処理を行う。Ether MAC処理部14は、IPレイヤよりも下位のMACレイヤの処理を行う。Ether PHY処理部15は、MACレイヤよりも下位のPHYレイヤの処理を行う。
通信部10は、アクセスポイント102経由で無線端末装置202から通信信号を受信し、受信した通信信号をIPフレームに変換してアプリケーション11へ出力する。
アプリケーション11は、通信部10から受けたIPフレームから通信情報を取得してたとえばデータベース16に登録する。この通信情報には、たとえば、無線端末装置202の状態を示す情報、および無線端末装置202の動作目標を示す情報の少なくともいずれか一方が含まれる。
そして、アプリケーション11は、取得した通信情報を用いて再構築要求を作成し、通信部10経由で無線端末装置202へ送信する。
アプリケーション11は、無線端末装置202へ再構築要求を送信することにより、当該無線端末装置202の通信動作を変更する。たとえば、アプリケーション11は、アクセスポイント102および無線端末装置202を含むネットワークのトポロジー、すなわち各無線端末装置202および各アクセスポイント102間の接続関係を変更する。
たとえば、アプリケーション11は、無線端末装置202において測定された通信品質およびアプリケーション31の要求品質を変数とする関数の値に基づいて、無線端末装置202の通信動作の変更を行うか否かの判断および通信動作の変更内容の決定を行う。
この再構築要求には、無線端末装置202がアクセスポイント102と無線通信を行う際に用いる通信パラメータの変更要求等が含まれる。
[アクセスポイント]
アクセスポイント102は、通信部20を備える。通信部20は、TCP処理部21と、IP処理部22と、Ether MAC処理部23と、Ether PHY処理部24と、無線LAN MAC処理部25と、無線LAN PHY処理部26とを含む。
アクセスポイント102は、階層化された複数のレイヤを有するプロトコルに従って動作する。
TCP処理部21は、TCPレイヤの処理を行なう。IP処理部22は、TCPレイヤよりも下位のIPレイヤの処理を行う。Ether MAC処理部23は、管理装置101との通信用であり、IPレイヤよりも下位のイーサネットMACレイヤの処理を行う。Ether PHY処理部24は、管理装置101との通信用であり、MACレイヤよりも下位のイーサネットPHYレイヤの処理を行う。
無線LAN MAC処理部25は、無線端末装置202との通信用であり、IPレイヤよりも下位の無線LAN MACレイヤの処理を行う。無線LAN PHY処理部24は、無線端末装置202との通信用であり、MACレイヤよりも下位の無線LAN PHYレイヤの処理を行う。
[無線端末装置]
無線端末装置202は、通信部(第2処理部)30と、アプリケーション(第1処理部)31と、センサ36と、電池37とを備える。通信部30は、TCP処理部32と、IP処理部33と、無線LAN MAC処理部34と、無線LAN PHY処理部35とを含む。
無線端末装置202は、階層化された複数のレイヤを有するプロトコルに従って動作する。
アプリケーション31は、アプリケーションレイヤの処理を行なう。アプリケーション31は、たとえば、無線LAN MAC処理部34、無線LAN PHY処理部35、センサ36または電池37から無線端末装置202の状態を示す情報を取得し、これらの情報を含む通信情報を作成する。
TCP処理部32は、アプリケーションレイヤよりも下位のTCPレイヤの処理を行なう。IP処理部33は、TCPレイヤよりも下位のIPレイヤの処理を行う。無線LAN MAC処理部34は、IPレイヤよりも下位のMACレイヤの処理を行う。無線LAN PHY処理部35は、MACレイヤよりも下位のPHYレイヤの処理を行う。
たとえば、無線LAN MAC処理部34または無線LAN PHY処理部35は、自己の無線端末装置202が受信するパケットのロス率、自己の無線端末装置202が送信するパケットの再送回数、および自己の無線端末装置202における無線信号の受信強度等を測定する。そして、無線LAN MAC処理部34または無線LAN PHY処理部35は、測定結果を示す測定情報をアプリケーション31へ出力する。
また、センサ36は、たとえば、自己の無線端末装置202の温度を検知し、検知結果をアプリケーション31へ出力する。また、電池37は、たとえば蓄電残量を示す情報をアプリケーション31へ出力する。
また、アプリケーション31は、たとえば、通信情報の作成および送信処理以外の他の処理を行うことが可能であり、当該他の処理のための無線端末装置202の動作目標を設定することも可能である。
たとえば、アプリケーション31は、ある処理におけるパケット再送までの許容待機時間を、無線端末装置202の動作目標を示す情報とする。アプリケーション31は、例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)サービスを提供している場合、VoIPサービスを提供していない場合と比較して許容待機時間を小さい値に設定することにより、音声通話が途切れることを防ぐことができる。また、たとえば、アプリケーション31は、ある処理において確保すべき通信の最小スループットを、無線端末装置202の動作目標を示す情報とする。
そして、アプリケーション31は、作成した通信情報を通信部30へ出力する。通信部30は、アプリケーション31から受けた通信情報を含む通信信号をアクセスポイント102経由で管理装置101のアプリケーション11へ送信する。
また、通信部30は、管理装置101からアクセスポイント102経由で通信信号を受信して、当該通信信号をIPフレームに変換してアプリケーション31へ出力する。
アプリケーション31は、通信部30から受けたIPフレームから、管理装置101のアプリケーション11からの再構築要求を取得する。そして、通信部30は、アプリケーション31が取得した再構築要求の示す通信動作の変更内容に従って、自己の通信動作を変更する。
たとえば、TCP処理部32は、再構築要求に含まれる通信パラメータの変更要求に従い、パケット再送までの待機時間を変更する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置のソフトウェア構成および管理制御の他の例を示す図である。図3に示す無線端末装置202は、図2に示す無線端末装置202と同様である。
[管理装置]
図3に示す管理装置101は、アプリケーション11の動作が異なる点を除いて、図2に示す管理装置101と同様である。図3に示す管理装置101のアプリケーション11は、アプリケーションレイヤの処理を行なうことにより、アクセスポイント102の管理および制御を行う。
アプリケーション11は、前述のように通信部10経由でアクセスポイント102または無線端末装置202からの通信情報を取得し、たとえばデータベース16に登録する。アクセスポイント102からの通信情報には、たとえば、アクセスポイント102の状態を示す情報、およびアクセスポイント102の動作目標を示す情報の少なくともいずれか一方が含まれる。なお、無線端末装置202からアクセスポイント102経由で管理装置101に到着する通信情報は、図2において説明したものと同様である。
そして、アプリケーション11は、取得した通信情報を用いて再構築要求を作成し、通信部10経由でアクセスポイント102へ送信する。
アプリケーション11は、アクセスポイント102へ再構築要求を送信することにより、当該アクセスポイント102の通信動作を変更する。たとえば、アプリケーション11は、アクセスポイント102および無線端末装置202を含むネットワークのトポロジー、すなわち各無線端末装置202および各アクセスポイント102間の接続関係を変更する。
たとえば、アプリケーション11は、アクセスポイント102において測定された各種通信品質を変数とする関数の値に基づいて、アクセスポイント102の通信動作の変更を行うか否かの判断および変更内容の決定を行う。
この再構築要求には、無線端末装置202がアクセスポイント102と無線通信を行う際の使用チャネルの変更要求等が含まれる。
[アクセスポイント]
図3に示すアクセスポイント102は、アプリケーション27をさらに備える点を除いて、図2に示すアクセスポイント102と同様である。
図3に示すアクセスポイント102のアプリケーション27は、アプリケーションレイヤの処理を行なう。アプリケーション27は、たとえば、無線LAN MAC処理部25または無線LAN PHY処理部26からアクセスポイント102の状態を示す情報を取得する。
たとえば、無線LAN MAC処理部25または無線LAN PHY処理部26は、自己のアクセスポイント102に通信接続している無線端末装置202の数、BSSID(Basic Service Set Identifier)、使用チャネル、および位置情報等をアプリケーション27へ出力する。
また、たとえば、無線LAN MAC処理部25または無線LAN PHY処理部26は、自己のアクセスポイント102が受信するパケットのロス率、自己のアクセスポイント102が送信するパケットの再送回数、および自己のアクセスポイント102における通信トラフィック量等を測定する。そして、無線LAN MAC処理部25または無線LAN PHY処理部26は、測定結果を示す測定情報をアプリケーション27へ出力する。
また、アプリケーション27は、たとえば、通信情報の作成および送信処理以外の他の処理を行うことが可能であり、当該他の処理のためのアクセスポイント102の動作目標を設定することも可能である。
そして、アプリケーション27は、取得した各情報を含む通信情報を作成し、通信部20経由で管理装置101のアプリケーション11へ送信する。
また、アプリケーション27は、通信部20経由で管理装置101のアプリケーション11からの再構築要求を取得する。そして、通信部20は、アプリケーション27によって取得された再構築要求の示す通信動作の変更内容に従って、自己の通信動作を変更する。
たとえば、無線LAN PHY処理部26は、再構築要求に含まれるチャネルの変更要求に従い、無線端末装置202との無線通信における使用チャネルを、管理装置101により指定されたチャネルへ変更する。
図3に示す無線通信システム401では、図2に示す無線通信システム401と比べて、アクセスポイント102にも管理制御用のアプリケーションが実装されている。これにより、管理装置101の収集する情報の種類および量が増加し、より効果的な管理制御が可能となる。
なお、管理装置101は、無線端末装置202およびアクセスポイント102の両方へ再構築要求を送信してもよい。また、管理装置101は、複数の無線端末装置202からの通信情報を取得することが好ましい一方で、1つのアクセスポイント102からのみ通信情報を取得する構成であってもよい。すなわち、管理装置101は、複数の無線端末装置202からの通信情報、および1または複数のアクセスポイント102からの通信情報の少なくともいずれか一方を受信し、無線端末装置202およびアクセスポイント102の少なくともいずれか一方へ再構築要求を送信する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける装置間インタフェースを示す図である。
図4を参照して、無線通信システム401では、ネットワークの状態を管理および制御するための装置間インタフェースが設けられる。
具体的には、管理装置101およびアクセスポイント102は、管理制御用インタフェースIF1経由で管理制御メッセージを互いに送受信する。また、アクセスポイント102および無線端末装置202は、管理制御用インタフェースIF2経由で互いに管理制御メッセージを送受信すればよい。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける装置間インタフェースにおける管理制御メッセージの一例を示す図である。
図5を参照して、管理制御メッセージは、たとえばUDPパケットのペイロードに挿入される。そして、拡張可能なIE(Information Element)が装置間でやり取りされることにより、管理装置101による管理制御が行われる。
より詳細には、管理制御メッセージは、14バイトのMACヘッダと、20バイトのIPヘッダと、8バイトのUDPヘッダと、ペイロードとを含む。また、ペイロードにおけるIF1メッセージまたはIF2メッセージは、6バイトの識別子と、1バイトの種別と、1バイトのメッセージ種別と、IE−1,IE−2,・・・,IE−Nとを有する。
[管理装置の構成]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける管理装置の構成を示す図である。
図6を参照して、管理装置101は、登録部17と、通信情報取得部18と、通信制御部19と、記憶部61とを備える。登録部17、通信情報取得部18および通信制御部19は、アプリケーション11の一部または全部に相当する。
登録部17は、アクセスポイント102および無線端末装置202を登録し、登録情報を通信情報取得部18へ出力する。
通信情報取得部18は、登録部17から受けた登録情報に基づいて、登録部17により登録されたアクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方から通信情報を取得する。そして、通信情報取得部18は、取得した通信情報を記憶部61へ出力する。記憶部61に保存された通信情報は、たとえば、記憶部61の記憶容量が足りなくなると古いものから順に新たな通信情報で上書きされるか、または保存されてから所定時間経過すると消去される。
通信制御部19は、記憶部61に保存された通信情報を取得し、取得した通信情報に基づいて、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方の通信動作を変更する。具体的には、たとえば、通信制御部19は、通信動作の変更内容を示す再構築要求を作成し、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方へ送信する。
たとえば、通信制御部19は、上記通信動作を変更することにより、アクセスポイント102および無線端末装置202を含むネットワークのトポロジーを変更する。具体的には、たとえば、通信制御部19は、後述するアクセスポイント102のチャネル切り替え、または無線端末装置202の接続先変更により、上記ネットワークのトポロジーを変更する。
[無線端末装置の構成]
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線端末装置の構成を示す図である。
図7を参照して、無線端末装置202は、センサ36と、電池37と、送信部38と、通信情報作成部39と、受信部40と、通信制御部41とを備える。通信情報作成部39および通信制御部41は、アプリケーション31の一部または全部に相当する。送信部38および受信部40は、通信部30の一部または全部に相当する。
センサ36は、たとえば自己の無線端末装置202の温度を検知し、検知結果を通信情報作成部39へ出力する。なお、センサ36は、無線端末装置202に外付けされてもよい。
電池37は、無線端末装置202における各回路に電力を供給する。電池37は、たとえば蓄電残量を示す情報を通信情報作成部39へ出力する。
通信情報作成部39は、センサ36および電池37等から受けた情報を含む通信情報を作成して送信部38へ出力する。
送信部38は、通信情報作成部39から受けた通信情報を含む無線信号をアクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する。
受信部40は、管理装置101からアクセスポイント102経由で再構築要求を含む無線信号を受信し、受信した無線信号をIPフレーム等のデジタル信号に変換して通信制御部41へ出力する。
通信制御部41は、受信部40から受けたIPフレーム等から再構築要求を取得し、取得した再構築要求の示す通信動作の変更内容に従って自己の無線端末装置202の通信動作を変更する。
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置の動作について図面を用いて説明する。
管理装置101、アクセスポイント102および無線端末装置202の各々は、以下に示すシーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの状態遷移を示す図である。
図8を参照して、管理装置101は、管理対象となるネットワークの状態を管理する。具体的には、管理装置101のアプリケーション11が起動していない「初期状態」において、アプリケーション11が起動すると(図8に示す「管理装置ON」)、無線通信システム401は、「ネットワーク初期構築」の状態へ遷移する。
「ネットワーク初期構築」の状態において、管理装置101と、アクセスポイント102および無線端末装置202との通信接続処理、具体的には、管理装置101による、無線端末装置202およびアクセスポイント102の探索および登録処理が行われる。そして、これらの通信接続が確立すると、無線通信システム401は、「ネットワークモニタリング」の状態へ遷移する。
「ネットワークモニタリング」の状態において、管理装置101は、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくとも一方から通信情報を取得し、取得した通信情報に基づいて、アクセスポイント102または無線端末装置202の通信動作の変更が必要であるか否かを判断する。
そして、管理装置101により通信動作の変更が必要ではないと判断された場合、無線通信システム401は「ネットワークモニタリング」の状態を継続する。この場合、管理装置101は、通信情報の取得、および取得した通信情報に基づく通信動作の変更の必要性の判断を、たとえば周期的に繰り返す。
一方、管理装置101により通信動作の変更が必要であると判断された場合、無線通信システム401は「ネットワーク再構築」の状態へ遷移する。
「ネットワーク再構築」の状態において、管理装置101は、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方へ再構築要求を送信する。そして、再構築要求を受信したアクセスポイント102または無線端末装置202は、当該再構築要求に従って自己の通信動作を変更する。そして、通信動作の変更が完了すると、無線通信システム401は、再び「ネットワークモニタリング」の状態へ遷移する。
また、「ネットワーク初期構築」、「ネットワークモニタリング」および「ネットワーク再構築」のいずれかの状態において管理装置101のアプリケーション31が停止された場合(図8に示す「管理装置OFF」)、無線通信システム401は、再び「初期状態」へ遷移する。
以下、これら「ネットワーク初期構築」、「ネットワークモニタリング」および「ネットワーク再構築」の各状態における無線通信システム401の動作を詳細に説明する。
[ネットワーク初期構築]
図9は、図8に示すネットワーク初期構築の状態における管理装置および無線端末装置の通信接続処理のシーケンスの一例を示す図である。
管理装置101における登録部17は、無線端末装置202の探索要求をブロードキャストし、探索要求に対する探索応答を受信すると、当該探索応答の送信元である無線端末装置202を登録する。
具体的には、図9を参照して、まず、アクセスポイント102および無線端末装置202間で通信接続処理が行われることにより、アクセスポイント102と無線端末装置202との通信接続が確立する(ステップS11)。
次に、管理装置101は、アクセスポイント102経由で、探索要求を各無線端末装置202へブロードキャストする。これにより、アクセスポイント102との通信接続が確立している無線端末装置202は、管理装置101からの探索要求を受信する。この探索要求には、たとえば管理装置101のIPアドレスが含まれる(ステップS12)。
次に、無線端末装置202は、受信した探索要求に対する探索応答を、アクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する。この探索要求には、たとえば管理装置101のMACアドレスが含まれる(ステップS13)。
次に、管理装置101は、送信した探索要求に対する探索応答を受信すると、この探索要求の送信元である無線端末装置202の登録処理を行う(ステップS14)。これにより、管理装置101と無線端末装置202との通信接続が確立する。
図10は、図8に示すネットワーク初期構築の状態における管理装置および無線端末装置の通信接続処理のシーケンスの他の例を示す図である。
管理装置101における登録部17は、たとえば、無線端末装置202から登録要求を受信すると、受信した登録要求の送信元である無線端末装置202へ登録通知をユニキャストすることにより、当該無線端末装置202を登録する。
具体的には、図10を参照して、まず、アクセスポイント102および無線端末装置202間で通信接続処理が行われることにより、アクセスポイント102と無線端末装置202との通信接続が確立する(ステップS21)。
次に、無線端末装置202は、アクセスポイント102経由で、ネットワークへの加入を要求するための登録要求をアクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する(ステップS22)。
次に、管理装置101は、無線端末装置202からの登録要求を受信すると、この登録要求の送信元である無線端末装置202の登録の可否を判断する(ステップS23)。そして、管理装置101は、無線端末装置202の登録を許可する場合(ステップS23で「可」)、登録を許可する旨を示す情報である「登録OK」をアクセスポイント102経由で無線端末装置202へ送信する(ステップS24)。
そして、管理装置101は、無線端末装置202の登録処理を行う(ステップS25)。これにより、管理装置101と無線端末装置202との通信接続が確立する。
一方、管理装置101は、無線端末装置202の登録を許可しない場合(ステップS23で「不可」)、登録を許可しない旨を示す情報である「登録NG」をアクセスポイント102経由で無線端末装置202へ送信する(ステップS26)。
なお、登録部17は、探索要求をブロードキャストするか(図9)、または登録要求に対する登録通知をユニキャストするか(図10)を選択可能である。たとえば、無線通信システム401における無線端末装置202の数に応じてユーザが予め設定することが可能である。具体的には、無線通信システム401における無線端末装置202の数が少ない場合には図9に示す動作が設定され、無線端末装置202の数が多い場合には、図10に示す動作が設定される。
[ネットワークモニタリング]
図11は、図8に示すネットワークモニタリングの状態において管理装置が無線端末装置から通信情報を取得するシーケンスの一例を示す図である。
図11を参照して、まず、管理装置101は、通信情報の送信を要求するための情報報告要求をアクセスポイント102経由で無線端末装置202へ送信する。なお、この情報報告要求には、たとえば、無線端末装置202が通信情報を繰り返し報告する際の報告周期を示す情報が含まれる(ステップS31)。
次に、無線端末装置202は、管理装置101からの情報報告要求を受信すると、アクセスポイント102経由で自己の通信情報を管理装置101へ送信する(ステップS32)。無線端末装置202は、情報報告要求の示す報告周期で、通信情報を周期的に送信する(ステップS33)。
なお、管理装置101は、無線通信システム401に存在する複数の無線端末装置202のうち、全部の無線端末装置202から通信情報を取得して再構築要求を作成する構成であってもよいし、一部の複数の無線端末装置202から通信情報を取得して再構築要求を作成する構成であってもよい。
図12は、図8に示すネットワークモニタリングの状態において管理装置がアクセスポイントから通信情報を受信するシーケンスの他の例を示す図である。
図12を参照して、まず、管理装置101は、通信情報の送信を要求するための情報報告要求をアクセスポイント102へ送信する。なお、この情報報告要求には、たとえば、アクセスポイント102が通信情報を繰り返し報告する際の報告周期を示す情報が含まれる(ステップS41)。
次に、アクセスポイント102は、管理装置101からの情報報告要求を受信すると、自己の通信情報を管理装置101へ送信する(ステップS42)。アクセスポイント102は、情報報告要求の示す報告周期で、通信情報を周期的に送信する(ステップS43)。
なお、管理装置101は、無線通信システム401に存在する複数のアクセスポイント102のうち、全部のアクセスポイント102から通信情報を取得して再構築要求を作成する構成であってもよいし、一部のアクセスポイント102から通信情報を取得して再構築要求を作成する構成であってもよい。
[ネットワーク再構築]
(i)チャネルの変更
図13は、図8に示すネットワーク再構築の状態において管理装置がアクセスポイントのチャネルの変更を要求する動作のシーケンスを示す図である。
管理装置101における通信制御部19は、通信動作の変更として、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方の通信パラメータを変更する。
具体的には、図13を参照して、まず、管理装置101は、ネットワークモニタリングの状態において取得した無線端末装置202およびアクセスポイント102の通信情報のうち、たとえばアクセスポイント102の位置情報またはアクセスポイント102の使用チャネルを示す情報に基づいて、アクセスポイント102の使用チャネルの変更が必要であるか否かを判断する。
たとえば、アクセスポイント102の近辺に、同じチャネルを使用している他のアクセスポイント102が存在している場合、管理装置101は、チャネル切り替え、すなわちアクセスポイント102の使用チャネルの変更が必要であると判断する(ステップS51)。
そして、管理装置101は、アクセスポイント102の使用チャネルの変更が必要であると判断すると、アクセスポイント102が新たに使用すべきチャネルの情報を含む再構築要求をアクセスポイント102および無線端末装置202へ送信する(ステップS52およびS53)。
なお、管理装置101が、アクセスポイント102の使用チャネルの変更が必要ではないと判断した場合、無線通信システム401は、再び「ネットワークモニタリング」の状態に戻り、図11または図12に示す動作を行う。
次に、無線端末装置202は、管理装置101から再構築要求を受信すると、この再構築要求に対する応答である「再構築OK」をアクセスポイント102へ送信する(ステップS54)。
そして、無線端末装置202は、アクセスポイント102との通信接続を切断するための切断要求をアクセスポイント102へ送信する。これにより、アクセスポイント102と無線端末装置202との通信接続が切断される(ステップS55)。
次に、アクセスポイント102は、チャネル切り替えを行う、すなわち、自己の使用チャネルを、管理装置101により指定された新たなチャネルへ変更する(ステップS56)。そして、アクセスポイント102は、自己の使用チャネルを切り替えると、ネットワーク再構築の完了を示す「再構築OK」を管理装置101へ送信する(ステップS57)。
また、無線端末装置202は、アクセスポイント102との通信接続を切断した後、所定時間待機する(ステップS58)。この所定時間は、たとえばアクセスポイント102によるチャネル切替(ステップS56)に要する時間以上の値が設定される。
そして、無線端末装置202は、新たな通信相手となるアクセスポイント102のサーチ処理を行う。
具体的には、無線端末装置202は、自己の周囲に存在する1または複数のアクセスポイント102の使用チャネルを検知し、検知したチャネルの中から、自己において最も無線信号の受信強度の強いチャネルを特定する。そして、無線端末装置202は、自己の周囲に存在する1または複数のアクセスポイント102のうち、特定したチャネルを使用するアクセスポイント102を新たな通信相手として決定する(ステップS59)。
なお、このようにして無線端末装置202により特定されたアクセスポイント102は、チャネル切替(ステップS56)を行ったアクセスポイント102であってもよいし、他のアクセスポイント102であってもよい。
そして、無線端末装置202は、決定したアクセスポイント102との通信接続処理を行う(ステップS60)。
なお、管理装置101は、2.4GHz帯におけるアクセスポイント102の使用チャネルを変更する構成に限らず、さらに大幅な周波数帯の変更、たとえば2.4GHz帯および5GHz帯間の切り替えを行う構成であってもよい。これにより、隣接アクセスポイント102間の電波干渉をさらに抑制することが可能となる。
(ii)通信相手の変更
図14は、図8に示すネットワーク再構築の状態において管理装置が無線端末装置の通信相手となるアクセスポイントの変更を要求する動作のシーケンスを示す図である。図14は、管理装置101が、無線端末装置202の通信相手をアクセスポイント102Aからアクセスポイント102Bへ変更する場合を示している。
管理装置101における通信制御部19は、通信動作の変更として、無線端末装置202の通信相手となるアクセスポイント102を変更する。
具体的には、図14を参照して、まず、管理装置101は、ネットワークモニタリングの状態において取得した無線端末装置202およびアクセスポイント102の通信情報のうち、たとえばアクセスポイント102と通信接続を確立している無線端末装置202の数に基づいて、無線端末装置202の通信相手であるアクセスポイント102の変更が必要であるか否かを判断する(ステップS61)。
たとえば、無線端末装置202の接続先がアクセスポイント102Aであり、このアクセスポイント102Aと通信接続を確立している他の無線端末装置202の数が閾値以上である場合、管理装置101は、無線端末装置202の接続先の変更が必要であると判断する。
なお、管理装置101は、ネットワークモニタリングの状態において取得した無線端末装置202の通信情報のうち、無線端末装置202において受信するパケットのロス率、無線端末装置202が送信するパケットの再送回数、または無線端末装置202における無線信号の受信強度に基づいて、無線端末装置202の接続先の変更が必要であるか否かを判断してもよい。
たとえば、無線端末装置202の電池37の蓄電残量が少ない場合、パケットのロス率が高い場合、パケットの再送回数が多い場合、または無線信号の受信強度が弱い場合、管理装置101は、無線端末装置202の接続先の変更が必要であると判断する。
ここで、管理装置101は、無線端末装置202の電池37の蓄電残量が少ない場合、当該無線端末装置202との距離がより短いアクセスポイント102Bを当該無線端末装置202の新たな接続先とする。管理装置101は、たとえば、当該無線端末装置202における各アクセスポイント102からの無線信号の受信強度の情報から、当該受信強度が最大となる無線信号の送信元のアクセスポイント102Bを、新たな接続先とする。これにより、無線端末装置202の無線信号の送信電力を小さくできることから、無線端末装置202の消費電力を低減することができる。
そして、管理装置101は、無線端末装置202の接続先の変更が必要であると判断すると、無線端末装置202の新たな接続先であるアクセスポイント102Bの情報、すなわちアクセスポイント102BのBSSID等を含む再構築要求を、アクセスポイント102A経由で無線端末装置202へ送信する(ステップS62)。
なお、管理装置101が、無線端末装置202の接続先の変更が必要ではないと判断した場合には、無線通信システム401は、再び「ネットワークモニタリング」の状態に戻り、図11または図12に示す動作を行う。
次に、無線端末装置202は、管理装置101から再構築要求を受信すると、この再構築要求に対する応答である「再構築OK」をアクセスポイント102A経由で管理装置101へ送信する(ステップS63)。
そして、無線端末装置202は、アクセスポイント102との通信接続を切断するための切断要求をアクセスポイント102Aへ送信する。これにより、アクセスポイント102Aと無線端末装置202との通信接続が切断される(ステップS64)。
次に、無線端末装置202は、受信した再構築要求に含まれるアクセスポイント102Bの情報に基づいて、アクセスポイント102Bとの通信接続処理を行う(ステップS65)。これにより、無線端末装置202の通信相手がアクセスポイント102Aからアクセスポイント102Bへ変更され、無線端末装置202とアクセスポイント102Bとの通信接続が確立する。
(iii)通信パラメータの変更
図15は、図8に示すネットワーク再構築の状態において管理装置が無線端末装置の通信パラメータの変更を要求する動作のシーケンスを示す図である。
管理装置101における通信制御部19は、通信動作の変更として、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方の通信パラメータを変更する。
具体的には、図15を参照して、まず、管理装置101は、ネットワークモニタリングの状態において取得した無線端末装置202およびアクセスポイント102の通信情報のうち、たとえば無線端末装置202の温度、無線端末装置202の蓄電残量、または無線端末装置202のパケット再送までの待機時間に基づいて、無線端末装置202の通信パラメータの変更が必要であるか否かを判断する。
たとえば、無線端末装置202の蓄電残量が閾値未満である場合、または無線端末装置202に現在設定されている待機時間が閾値より大きい場合、管理装置101は、無線端末装置202のパケット再送までの待機時間を短くする必要があると判断する。
また、たとえば、無線端末装置202の温度が閾値以上である場合、管理装置101は、処理負荷を低減するために、上記待機時間を長くする必要があると判断する(ステップS71)。
そして、管理装置101は、無線端末装置202の通信パラメータの変更が必要であると判断すると、新たに設定すべき通信パラメータを示す再構築要求を、アクセスポイント102経由で無線端末装置202へ送信する(ステップS72)。
なお、管理装置101が、無線端末装置202の通信パラメータの変更が必要ではないと判断した場合は、無線通信システム401は、再び「ネットワークモニタリング」の状態に戻り、図11または図12に示す動作を行う。
次に、無線端末装置202は、管理装置101から再構築要求を受信すると、この再構築要求に対する応答である「再構築OK」をアクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する(ステップS73)。
そして、無線端末装置202は、受信した再構築要求の示す通信パラメータへの変更を行う、たとえば、パケットの再送までの待機時間を変更する(ステップS74)。
ところで、M2Mシステムにおいて、無線端末装置の数が増加すると、各無線端末装置からの無線信号の衝突が生じやすくなり、また、衝突を回避するための送信までの待機時間が増大する。このような場合、M2Mシステムにおける周波数の利用効率が低下し、また、無線端末装置のユーザの使用感が低下してしまう。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、通信情報取得部18は、複数の無線端末装置202の状態および複数の無線端末装置202の動作目標の少なくともいずれか一方と、1または複数のアクセスポイント102の状態および1または複数のアクセスポイント102の動作目標の少なくともいずれか一方と、の少なくともいずれか一方を含む通信情報を取得する。そして、通信制御部19は、通信情報取得部18によって取得された通信情報に基づいて、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方の通信動作を変更する。
このように、無線端末装置および無線基地局装置を管理する管理装置を設け、配下の無線装置からの通信情報に基づいて配下の無線装置の通信動作を動的に変更する構成により、無線通信システムにおいて適切な通信形態を構築し、良好な無線通信を実現することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、通信制御部19は、通信動作を変更することにより、アクセスポイント102および無線端末装置202を含むネットワークのトポロジーを変更する。
このような構成により、無線端末装置および無線基地局装置の接続形態を動的に変更し、無線通信システムにおいてより適切な通信形態を構築することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、通信制御部19は、通信動作の変更内容を示す再構築要求をアクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方へ送信する。
このような構成により、管理装置から配下の無線装置へ通信動作の変更内容を通知し、当該無線装置の通信動作を動的に変更することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、通信制御部19は、通信動作の変更として、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方の通信パラメータを変更する。
このような構成により、管理装置の配下の無線装置の各種通信パラメータを動的に変更し、無線通信システムにおいてより適切な通信形態を構築することができる。たとえば、無線基地局装置および無線端末装置間で無線通信に使用する周波数帯を変更することにより、隣接する無線基地局装置間における当該周波数帯の重複を防ぎ、隣接する無線基地局装置間の電波干渉による情報損失を回避することができる。また、たとえば、CSMA/CA等、信号の再送までの待ち時間が設定可能な通信方式を採用する無線通信システムにおいて、VoIP等、信号伝送に短い遅延時間が要求される無線端末装置に対して、上記待ち時間を優先的に短くし、ユーザの使用感を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、通信制御部19は、通信動作の変更として、無線端末装置202の通信相手となるアクセスポイント102を変更する。
このような構成により、通信負荷が集中している無線基地局装置の配下の無線端末装置の接続先を他の無線基地局装置へ変更することができるため、各無線基地局装置における通信トラフィックを平準化することができ、たとえば、無線基地局装置のメモリ溢れによる情報損失を回避することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置では、登録部17は、無線端末装置202を登録する。通信情報取得部18は、登録部17によって登録された無線端末装置202の通信情報を取得する。そして、登録部17は、無線端末装置202へ探索要求をブロードキャストし、探索要求に対する探索応答を受信することにより無線端末装置202を登録するか、または無線端末装置202から登録要求を受信し、受信した登録要求に対して登録通知を当該無線端末装置202へユニキャストすることにより当該無線端末装置202を登録するかを選択可能である。
このような構成により、たとえば無線通信システムにおける無線端末装置の数が多い場合にはユニキャストの方式を選択し、当該数が少ない場合にはブロードキャストの方式を選択する等、無線通信システムにおける無線端末装置の数に応じた適切な登録処理を行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、複数の無線端末装置202、および1または複数のアクセスポイント102の少なくともいずれか一方は、自己の状態および自己の動作目標の少なくともいずれか一方を含む通信情報を管理装置101へ送信する。管理装置101は、受信した通信情報に基づいて、アクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方の通信動作の変更内容を示す再構築要求をアクセスポイント102および無線端末装置202の少なくともいずれか一方へ送信する。そして、1または複数の無線端末装置202、および1または複数のアクセスポイント102の少なくともいずれか一方は、管理装置101から受信した再構築要求の示す変更内容に従って自己の通信動作を変更する。
このように、無線端末装置および無線基地局装置を管理する管理装置を設け、配下の無線装置からの通信情報に基づいて配下の無線装置の通信動作を動的に変更する構成により、無線通信システムにおいて適切な通信形態を構築し、良好な無線通信を実現することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、複数の無線端末装置202、および1または複数のアクセスポイント102の少なくともいずれか一方は、複数レイヤのうちのアプリケーションレイヤの処理を行うことにより通信情報を作成し、複数レイヤのうち、アプリケーションレイヤよりも下位の通信レイヤの処理を行うことにより、通信情報を含む通信信号を管理装置101へ送信する。そして、管理装置101は、複数レイヤのうちの通信レイヤの処理を行うことにより通信信号を受信し、複数レイヤのうち、通信レイヤよりも上位のアプリケーションレイヤの処理を行うことにより、受信した通信信号に含まれる通信情報に基づいて再構築要求を作成する。
このように、上位レイヤの処理によって通信情報の作成、および通信動作の変更内容の決定を行う構成により、無線端末装置に実装されたアプリケーション等、上位レイヤの処理において、無線端末装置の通信方式等、下位レイヤが扱う無線端末装置の構成および動作を意識することなく、配下の無線装置の通信動作を動的に変更することができる。これにより、たとえば、各装置に実装されるアプリケーションの処理を簡易化することができる。また、たとえば、アプリケーションの開発が容易となり、アプリケーションの開発コストを低減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線端末装置では、アプリケーション31は、複数レイヤのうちのアプリケーションレイヤの処理を行なうことにより、自己の無線端末装置202の状態および自己の無線端末装置202の動作目標の少なくともいずれか一方を含む通信情報を作成する。通信部30は、複数レイヤのうち、アプリケーションレイヤよりも下位の通信レイヤの処理を行うことにより、他の装置との間で通信信号を送受信する。通信部30は、通信情報を含む通信信号をアクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する。そして、通信部30は、自己の無線端末装置202の通信動作の変更内容を示す再構築要求をアクセスポイント102経由で管理装置101から受信し、再構築要求の示す変更内容に従って自己の無線端末装置202の通信動作を変更する。
このように、無線端末装置および無線基地局装置を管理する管理装置を設け、配下の無線装置からの通信情報に基づいて配下の無線装置の通信動作を動的に変更する構成により、無線通信システムにおいて適切な通信形態を構築し、良好な無線通信を実現することができる。
また、上位レイヤの処理によって通信情報を作成し、下位レイヤの処理によって通信動作を変更する構成により、無線端末装置に実装されたアプリケーション等、上位レイヤの処理において、無線端末装置の通信方式等、下位レイヤが扱う無線端末装置の構成および動作を意識することなく、配下の無線装置の通信動作を動的に変更することができる。これにより、たとえば、各装置に実装されるアプリケーションの処理を簡易化することができる。また、たとえば、アプリケーションの開発が容易となり、アプリケーションの開発コストを低減することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、管理装置101、アクセスポイント102および無線端末装置202の各々のレイヤ構成が同様であるとしたが、これに限定するものではなく、各装置のレイヤ構成が異なっていてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムは、IEEE802.11で規格化された無線LANシステムを含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信システム401は、無線LANシステムの代わりに、LTEに従う移動体通信システム、ZigBee(登録商標)およびBluetooth(登録商標)等、他の無線通信システムを含む構成であってもよい。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べて通信動作の変更判断の主体を追加した通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
[課題]
ISM帯では様々な機器が無線通信を行う。このため、携帯電話システムの様な制御専用チャネル、すなわち他の無線システムから電波干渉を受けないチャネルを設けることが困難である。
このため、無線通信システム401において、管理装置101が無線端末装置202およびアクセスポイント102から収集した情報の鮮度は保証されず、すなわち古い情報しか残らず、管理装置101の判断が実際の状況に即したものとならない可能性がある。
接続先の変更等、管理装置101からの再構築要求に従って無線端末装置202またはアクセスポイント102の通信動作を変更すると、無線端末装置202およびアクセスポイント102間で通信接続の切断および再接続が発生する。このような通信断の影響は、管理制御以外の他のアプリケーションが実行できなくなる等、管理装置101よりも通信主体である無線端末装置202の方が把握しやすい可能性がある。
すなわち、管理装置101が強制的な管理制御を行うことにより、無線通信システム401における周波数の利用効率が低下し、また、無線端末装置のユーザの使用感が低下してしまう可能性がある。
そこで、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、本発明の第1の実施の形態のように管理装置101の再構築要求に対して無線端末装置202およびアクセスポイント102が必ず従う強制モードと、無線端末装置202およびアクセスポイント102が自己の状況に応じて再構築要求を拒否可能とする推奨モードとを設ける。以下、推奨モードの動作について図面を用いて説明する。
[動作]
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、図8に示すネットワーク再構築の状態で管理装置がアクセスポイントのチャネルの変更を要求する動作のシーケンスを示す図である。
図16において、ステップS81の動作は図13に示すシーケンスにおけるステップS51の動作と同様であり、ステップS89〜S94の動作は図13に示すシーケンスにおけるステップS55〜S61の動作と同様である。
管理装置101は、アクセスポイント102の使用チャネルの変更が必要であると判断すると、アクセスポイント102が新たに使用すべきチャネルの情報を含む再構築要求をアクセスポイント102へ送信する(ステップS82)。
次に、アクセスポイント102は、管理装置101から再構築要求を受信して、当該再構築要求の示す通信動作の変更すなわち使用チャネルの変更の可否を判断する(ステップS83)。
アクセスポイント102は、使用チャネルの変更を許可しない場合(ステップS83で「不可」)、通信動作の変更を行わない旨を示す再構築拒否を管理装置101へ送信する。たとえば、アクセスポイント102は、自己における通信トラフィック量が大きい場合、使用チャネルの変更を許可しない。
一方、アクセスポイント102は、使用チャネルの変更を許可する場合(ステップS83で「可」)、当該再構築要求を無線端末装置202へ送信する(ステップS86)。
次に、無線端末装置202は、アクセスポイント102から再構築要求を受信して、当該再構築要求の示す通信動作の変更すなわち使用チャネルの変更の可否を判断する(ステップS86)。
無線端末装置202は、使用チャネルの変更を許可しない場合(ステップS86で「不可」)、通信動作の変更を行わない旨を示す再構築拒否をアクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する。たとえば、無線端末装置202は、自己における通信トラフィック量が大きい場合、またはVoIPサービスを提供している場合、使用チャネルの変更を許可しない(ステップS87)。
一方、無線端末装置202は、使用チャネルの変更を許可する場合(ステップS86で「可」)、「再構築OK」をアクセスポイント102へ送信する(ステップS88)。そして、アクセスポイント102の使用チャネルの変更のための一連の動作が実行される(ステップS89〜S94)。
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、図8に示すネットワーク再構築の状態で管理装置が無線端末装置の通信相手となるアクセスポイントの変更を要求する動作のシーケンスを示す図である。図17は、管理装置101が、無線端末装置202の通信相手をアクセスポイント102Aからアクセスポイント102Bへ変更する場合を示している。
図17において、ステップS101〜S102の動作は図14に示すシーケンスにおけるステップS61〜S62の動作と同様であり、ステップS106〜S107の動作は図14に示すシーケンスにおけるステップS64〜S65の動作と同様である。
無線端末装置202は、管理装置101から再構築要求を受信して、当該再構築要求の示す通信動作の変更すなわち接続先変更の可否を判断する(ステップS103)。
無線端末装置202は、接続先変更を許可しない場合(ステップS103で「不可」)、通信動作の変更を行わない旨を示す再構築拒否をアクセスポイント102A経由で管理装置101へ送信する。たとえば、無線端末装置202は、自己における通信トラフィック量が大きい場合、VoIPサービスを提供している場合、または接続先のアクセスポイント102からの無線信号の受信強度が小さい場合、接続先変更を許可しない(ステップS104)。
一方、無線端末装置202は、接続先変更を許可する場合(ステップS103で「可」)、「再構築OK」をアクセスポイント102A経由で管理装置101へ送信する(ステップS105)。そして、無線端末装置202の接続先変更のための一連の動作が実行される(ステップS106〜S107)。
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、図8に示すネットワーク再構築の状態で管理装置が無線端末装置の通信パラメータの変更を要求する動作のシーケンスを示す図である。
図18において、ステップS111〜S112の動作は図15に示すシーケンスにおけるステップS71〜S72の動作と同様であり、ステップS116の動作は図15に示すシーケンスにおけるステップS74の動作と同様である。
図18を参照して、無線端末装置202は、管理装置101から再構築要求を受信して、当該再構築要求の示す通信動作の変更すなわち通信パラメータの変更の可否を判断する(ステップS113)。
無線端末装置202は、通信パラメータの変更を許可しない場合(ステップS113で「不可」)、通信動作の変更を行わない旨を示す再構築拒否をアクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する。たとえば、無線端末装置202は、自己における通信トラフィック量が大きい場合、またはVoIPサービスを提供している場合、通信パラメータの変更を許可しない(ステップS114)。
一方、無線端末装置202は、通信パラメータの変更を許可する場合(ステップS113で「可」)、「再構築OK」をアクセスポイント102経由で管理装置101へ送信する(ステップS115)。そして、無線端末装置202の通信パラメータの変更のための動作が実行される(ステップS116)。
なお、強制モードおよび推奨モードは、動的な設定が可能であってもよいし、固定的な設定であってもよい。前者の場合、管理装置101は、強制モードまたは推奨モードを無線端末装置202およびアクセスポイント102に指定する。具体的には、管理装置101は、通信動作の変更の判断を無線端末装置202またはアクセスポイント102に委ねるか否かを示す情報を、再構築要求の通信動作の変更内容に含めて無線端末装置202およびアクセスポイント102の少なくともいずれか一方へ送信する。
そして、無線端末装置202における通信制御部41、またはアクセスポイント102は、管理装置101から受信した再構築要求が上記判断を委ねる旨を示す場合には、通信動作の変更を行うか否かを判断し、通信動作の変更を行うと判断した場合、当該再構築要求の示す変更内容に従って自己の通信動作を変更する。一方、無線端末装置202における通信制御部41、またはアクセスポイント102は、管理装置101から受信した再構築要求が上記判断を委ねない旨を示す場合には、通信動作の変更の判断を行わず、当該再構築要求の示す変更内容に従って自己の通信動作を変更する。
また、後者の場合、無線端末装置202における通信制御部41、またはアクセスポイント102は、強制モードが設定されている場合、通信動作の変更の判断を行わず、推奨モードが設定されている場合、通信動作の変更の判断を行う。
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置が強制モードおよび推奨モードを選択するための演算に用いるテーブルの一例を示す図である。
通信制御部19は、通信情報取得部18によって取得された通信情報の量および質に基づいて、通信動作の変更の判断をアクセスポイント102または無線端末装置202に委ねるか否かを決定する。
具体的には、図19を参照して、管理装置101は、「管理装置101が把握している情報」の質および量と「無線端末装置202およびアクセスポイント102が把握している情報」の質および量とを指標化する。そして、管理装置101は、「質×量」の値を管理装置101と無線端末装置202およびアクセスポイント102とで比較し、比較結果に基づいて強制モードおよび推奨モードの選択を行う。
ここで、情報の質および量は、次のように定義する。すなわち、「情報の質」は、鮮度すなわち情報の新しさである。具体的には、たとえば、通信情報取得部18は、無線端末装置202またはアクセスポイント102から受信した通信情報に現在時刻を示すタイムスタンプを付加し、さらに通信情報の作成元の識別番号を付加して記憶部61に保存する。そして、通信情報取得部18は、モードを選択する際、記憶部61から通信情報を取得し、当該通信情報に付加されたタイムスタンプと現在時刻との差を「情報の質」として求める。
また、「情報の量」は、(1)「登録AP/端末数」:範囲またはカバレッジ、すなわち管理装置101に登録されているアクセスポイント102および無線端末装置202の数、(2)「端末が認識しているAPの数」:管理装置101に登録されている無線端末装置202が認識している周辺のアクセスポイント102の数、または(3)「世代数」:統計情報すなわち何世代前までの情報が記憶部61に残っているか、である。
ここで、「情報の質」は「無線端末装置202またはアクセスポイント102>管理装置101」の関係が成り立ち、「情報の量」は「無線端末装置202またはアクセスポイント102<管理装置101」の関係が成り立つ。
また、管理装置101による集中制御の度合いを調整するパラメータとして、管理装置101の持つ情報の「質×量」を重み付けするための係数を定義し、無線通信システム401の適用分野における集中制御の必要度合いに応じて、たとえばユーザが係数を設定することが可能な構成としてもよい。
具体的には、図19に示すテーブルにおいて、管理装置101の持つ「情報の質」は0〜1の範囲で算出され、「登録AP/端末数」は1〜Xの範囲で算出され、「端末が認識しているAPの数」は1〜Yの範囲で算出され、「世代数」は1〜Zの範囲で算出され、係数は0.1〜1の範囲で設定される。また、管理装置101の持つ情報の内容に関わらず、無線端末装置202の持つ「情報の質」は1に設定され、「登録AP/端末数」は1に設定され、「端末が認識しているAPの数」は1〜Yに設定され、「世代数」は1に設定される。
管理装置101における通信制御部19は、管理装置における「情報の質」と「情報の量」の一部または全部の要素とを乗算し、さらに係数を乗算した結果Mと、無線端末装置202における「情報の質」と「情報の量」の対応要素とを乗算した結果Nとを比較する。そして、通信制御部19は、MがN以上である場合には強制モードを選択し、MがN未満である場合には推奨モードを選択する。
なお、管理装置101は、推奨モードを選択した場合に「情報の質×量」の情報を無線端末装置202またはアクセスポイント102へ送信し、無線端末装置202またはアクセスポイント102側で「情報の質×量」の比較および通信動作の変更判断を行うことも可能である。
また、図19は、管理装置101および無線端末装置202の情報の質および量を比較するためのテーブルであるが、管理装置101およびアクセスポイント102の情報の質および量を比較するためのテーブルを同様に作成して用いることも可能である。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置では、再構築要求の示す通信動作の変更内容は、通信動作の変更の判断をアクセスポイント102または無線端末装置202に委ねるか否かの情報を含む。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線端末装置202およびアクセスポイント102の少なくともいずれか一方は、再構築要求を受信して、通信動作の変更を行うか否かを判断し、通信動作の変更を行うと判断した場合、再構築要求の示す変更内容に従って自己の通信動作を変更する。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線端末装置では、受信部40は、自己の無線端末装置202の通信動作の変更内容を示す再構築要求をアクセスポイント102経由で管理装置101から受信する。そして、通信制御部41は、通信動作の変更を行うか否かを判断し、通信動作の変更を行うと判断した場合、再構築要求の示す変更内容に従って自己の無線端末装置202の通信動作を変更する。
このような構成により、無線通信システムの全体的な情報が得られる管理装置側で通信動作の変更判断を行う動作に加えて、通信環境について最新の情報が得られる管理装置配下の無線装置側で通信動作の変更判断を行う動作も可能となる。たとえば、通信環境の悪化により新しい情報を管理装置が得ることができなくなった場合に有効である。
また、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置では、通信制御部19は、通信情報取得部18によって取得された通信情報の量および質に基づいて、通信動作の変更の判断をアクセスポイント102または無線端末装置202に委ねるか否かを決定する。
このような構成により、管理装置の有する通信情報と配下の各無線装置の有する通信情報との優劣に応じた適切な装置において通信動作の変更判断を行うことができるため、無線通信システムにおいてより適切な通信形態を構築することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。