JP6517475B2 - ヘテロ接合太陽電池及びヘテロ接合太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘテロ接合太陽電池(特にシリコン系太陽電池)とその製造方法に関する。
太陽電池の分野では、シリコン基板上に金属酸化物層を備えるヘテロ接合太陽電池が既存の技術として知られている。このような太陽電池の製造方法としては、プラズマCVD法、スパッタリング法、蒸着法等の真空系のプロセスが用いられている。例えば、特許文献1には、インジウムを含む金属酸化物を、スパッタリング法を用いて膜にし、該膜を半導体層として備える太陽電池が開示されている。これに対し、非真空系のプロセスの検討も盛んに行われている。非真空系プロセスである塗布法によって、シリコン基板上に金属酸化物粒子からなる層を形成する方法は、作業性に優れていることやコストダウンが容易なことから、活発な開発が行われている。
特開2011−86770号公報
しかしながら、特許文献1に示すような太陽電池では、真空プロセスであるスパッタリング法を用いている点が高コストとなり課題であった。一方で、塗布法のような非真空系プロセスは、比較的低コストな方法ではあるものの、得られる太陽電池の光電変換効率が未だ十分であるとは言えないのが現状である。
そこで本発明は、非真空系プロセスにおいてより優れた光電変換効率を発現することができるヘテロ接合太陽電池、及び当該太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シリコンを含有する層及び酸化チタン粒子を含有する層を備え、アナターゼ型の酸化チタン粒子を含有する層に対するX線回折スペクトルにおいて、回折角2θ=24〜26°に現れる回折ピークの半値幅が、0.2°以上5.0°以下である、ヘテロ接合太陽電池に関する。
本発明において、酸化チタン粒子を含有する層の層密度が0.4g/cm以上3.0g/cm以下であることが好ましい。
本発明において、酸化チタン粒子の平均粒子径が0.5nm以上50nm以下であることが好ましい。
本発明は、また、電極又はシリコン基板上に、pHが0.5〜10.0でありかつ酸化チタン粒子が分散した分散液を塗布する塗布工程と、分散液が塗布された電極又はシリコン基板を、10℃以上300℃以下の温度で処理し、電極又はシリコン基板上に酸化チタン粒子を含有する層を形成する処理工程と、を備え、酸化チタン粒子を含有する層に対するX線回折スペクトルにおいて、回折角2θ=24〜26°に現れる回折ピークの半値幅が、0.2°以上5.0°以下である、ヘテロ接合太陽電池の製造方法に関する。
本発明において、処理工程が、分散液が塗布された電極又はシリコン基板を10℃以上30℃以下の温度で放置することにより実施されてもよい。
本発明の製造方法において、酸化チタン粒子の平均粒子径が0.5nm以上50nm以下であることが好ましい。
本発明によれば、非真空系プロセスにおいてより優れた光電変換効率を発現可能なヘテロ接合太陽電池を提供することができる。本発明はまた、低温プロセスで製造が可能であるため、低コストなヘテロ接合太陽電池の製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池の一実施形態を示す断面図である。 実施例における太陽電池評価用試料の具体的な準備方法を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の太陽電池は、シリコンを含有する層及び酸化チタン粒子を含有する層を備えている。なお、当該太陽電池は、シリコンを含有する層と酸化チタン粒子を含有する層が積層されていれば、その間に他の材料を備えていてもよい。
<シリコンを含有する層>
シリコンを含有する層は、シリコンを含有する半導体で形成される。具体的にはシリコンを含有する層は、例えば、単結晶又は多結晶のシリコンウエハ、アモルファスシリコン、シリコン粒子を含有する層が挙げられる。
シリコンは、p型及びn型に大別される。ここで、p型とは半導体中における電荷の移動の担い手が正孔の場合である。n型とは、半導体中における電荷の移動の担い手が伝導電子の場合である。これら正孔及び伝導電子をまとめてキャリアという。
p型シリコンウエハの場合、例えば、ホウ素、ガリウム等を添加物としてドープしたシリコンウエハが使用される。n型シリコンウエハの場合、リン、窒素、砒素等を添加物としてドープしたシリコンウエハが使用される。シリコンウエハに含まれるこれらの添加物濃度は、1012atom/cm以上が好ましく、1013atom/cm以上がより好ましい。また、同添加物濃度は、1021atom/cm以下が好ましく、1020atom/cm以下がより好ましい。
シリコンウエハの抵抗率は、半導体中における電荷の移動及び空乏層の広がりの観点から、0.0001Ωcm以上が好ましく、0.001Ωcm以上がより好ましい。また、同抵抗率は、1000Ωcm以下が好ましく、100Ωcm以下がより好ましい。
次に、アモルファスシリコンについて説明する。アモルファスシリコンは、グロー放電法、反応性スパッタ法、化学的蒸着法(CVD法)等で作製することができる。グロー放電法とは、グロー放電で発生するプラズマ中でSiHを分解する方法である。反応性スパッタ法とは、低圧のアルゴンガス中に置かれた電極間に電力を加えて放電を起こし、片方の電極上に結晶シリコン基板(ターゲット)をおいてスパッタを行い、反対側の電極側に置かれた基板上に成膜させる方法である。化学蒸着法とは、400℃〜700℃でSiHを熱分解し、続いて水素プラズマ処理を行うことでアモルファスシリコンを作製する方法である。
p型のアモルファスシリコンの場合、ホウ素、ガリウム等を添加剤としてドープしたアモルファスシリコンが使用される。n型のアモルファスシリコンの場合、リン、窒素、砒素等を添加剤としてドープしたアモルファスシリコンが使用される。アモルファスシリコンの場合、それぞれのドーパントを水素ガスに希釈して導入することで、導電型を制御できる。
次に、シリコン粒子を含有する層について説明する。シリコン粒子を含有する層は、シリコン粒子を単独で含む層、もしくはシリコン粒子と、溶媒、バインダー成分、シリコン粒子以外の半導体成分等のその他化合物とを含む層のことである。なお、シリコン粒子を含有する層に含まれるシリコン粒子の含有量は、10質量%〜100質量%であることが好ましく、30質量%〜100質量%であることがより好ましい。同含有量が少なくとも10質量%以上であることにより、半導体層としての機能を十分に発現しやすくなる。
前記溶媒としては、水、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−メチルヘキサン、デカリン、テトラリン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、グリセリンアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン、フェノール、アニリン、ジフェニルエーテルなどの芳香族類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルアセテート、テトラヒドロフラン、乳酸ブチル、N−メチルピロリドン等が挙げられる。またこれらを混合して用いることも可能である。
また、前記バインダー成分とは、一般汎用性樹脂や、界面活性剤が挙げられる。一般汎用性樹脂は、具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、環状ポリオレフィン、ポリサルフォンが挙げられる。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。具体的には、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸時エタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテルが挙げられる。
なお、シリコン粒子の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、パルス圧力付加オリフィス噴射法を利用した高結晶性半導体マイクロ粒子製造装置を用いた方法、多結晶又は単結晶のシリコンインゴット若しくはウエハを粉砕する方法等によって製造できる。また、ウエハ作製時の切屑なども、シリコン粒子として使用できる。インゴット又はウエハを粉砕する方法としては、乾式粉砕でも湿式粉砕でもよく、双方の方法を用いてもよい。乾式粉砕には、ハンマークラッシャ等が利用できる。湿式粉砕には、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー等が利用できる。湿式粉砕時の溶媒としては、下記が挙げられる。
具体的には、溶媒としては、水、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−メチルヘキサン、デカリン、テトラリン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、グリセリンアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン、フェノール、アニリン、ジフェニルエーテルなどの芳香族類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルアセテート、テトラヒドロフラン、乳酸ブチル、N−メチルピロリドン等が挙げられる。またこれらを混合して用いることも可能である。前記した溶媒の他に、界面活性剤等を添加しても良い。
p型シリコン粒子としては、例えば、ホウ素、ガリウム等を添加物としてドープしたシリコン粒子が使用される。n型シリコン粒子としては、リン、窒素、砒素等を添加物としてドープしたシリコン粒子が使用される。シリコン粒子に含まれるこれらの添加物濃度は、1012atom/cm以上が好ましく、1013atom/cm以上がより好ましい。また、同添加物濃度は、1021atom/cm以下が好ましく、1020atom/cm以下がより好ましい。
シリコン粒子の抵抗率は、半導体中における電荷の移動及び空乏層の広がりの観点から、0.0001Ωcm以上が好ましく、0.001Ωcm以上がより好ましい。また、同抵抗率は、1000Ωcm以下が好ましく、100Ωcm以下がより好ましい。
シリコン粒子の平均粒子径は、粒子間の接触抵抗の低減の観点から、400μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましく、70μm以下が極めて好ましい。また、粒子と電極との接触抵抗の低減及び拡散長の観点から、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。
本実施形態において、シリコン粒子等の粒子の平均粒子径は、マイクロスコープを使った画像処理方法により測定される。
なお、シリコン粒子から膜状の半導体層を形成する方法としては、蒸着法やスパッタ法、CVD法などの真空系を用いた方法や、スクリーン印刷やグラビア印刷、凸版印刷などの印刷法、ブレードコート、スピンコート法などの湿式の塗布法といった非真空系の方法などが挙げられる。また、シリコンを含有する層として、シリコン粒子を含む複数種類の無機半導体粒子からなる層を採用することもできる。これら複数種類の無機半導体粒子から膜状の半導体層を形成する方法としては、例えば、複数の材料を共蒸着させ、電極付きの基板に堆積する方法、複数の材料を含む一つの塗工液を準備し、その塗工液を用いて種々の印刷法で半導体層を作製する方法などが挙げられる。
シリコンを含有する層としては、キャリア移動とコストの観点から、単結晶又は多結晶のシリコンウエハ、あるいはシリコン粒子からなる層(すなわち、シリコンからなる層)であることが好ましい。
シリコンを含有する層がシリコンウエハの場合、その厚みは50μm以上が好ましい。また、同厚みは、1000μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、300μm以下がさらに好ましい。シリコン粒子を固めた層(シリコン粒子からなる層)の場合、その厚みは0.5μm以上が好ましい。また、同厚みは、500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましい。
また、シリコン粒子を含む複数の無機半導体粒子から形成される半導体層を、シリコンを含有する層として採用する場合、すなわち、複数の無機半導体粒子から膜状の半導体層を形成する場合、その厚みは、光吸収能力とキャリア輸送の関係から、0.01μm以上が好ましく、また1000μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、300μm以下がより好ましい。
<酸化チタン粒子を含有する層>
酸化チタン粒子を含有する層は、酸化チタン粒子を単独で含む層、もしくは酸化チタン粒子と、バインダー成分や酸化チタン粒子以外の半導体もしくは絶縁体と、を含む層のことである。ここで、バインダー成分とは、一般汎用性樹脂や、界面活性剤等が挙げられる。なお、酸化チタン粒子を含有する層に含まれる酸化チタン粒子の含有量は、10質量%〜100質量%であることが好ましく、30質量%〜100質量%であることがより好ましい。同含有量が少なくとも10質量%以上であることにより、半導体層としての機能を十分に発現しやすくなる。
酸化チタン粒子としては、例えば、二酸化チタン、一酸化チタン、三酸化二チタン等からなる粒子のうちの、1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、この中でも、酸化チタン粒子としては、主として二酸化チタンで構成されるものが好ましい。二酸化チタンは、光に対する感受性が高く、より容易かつ確実に電子が励起される。このため、酸化チタン粒子として、主として二酸化チタン粒子を用いた酸化チタン層は、より確実に電子を発生することができる(以下、「酸化チタン」とは二酸化チタンを示す。)。
本実施形態で用いる酸化チタン粒子の平均粒子径としては、成膜性の観点から0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましく、3nm以上がさらに好ましく、10nm以上がさらに好ましい。また、酸化チタン粒子を含有する層が緻密に充填されることで、リークを抑制し、キャリア輸送が向上するため、前記平均粒子径は50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、20nm以下がさらに好ましく、15nm以下が極めて好ましい。
本実施形態で用いる酸化チタン粒子は、粒子径分布の相対標準偏差σが0.1nm以上5.0nm以下であることが好ましい。なお、低抵抗化の観点から、相対標準偏差σの上限は、3.0nm以下がより好ましく、2.0nm以下が更に好ましい。
使用できる酸化チタン粒子の種類としては、ST−01(石原産業社製)、ST−21(石原産業社製)、ST−31(石原産業社製),ST−41(石原産業社製),ST−30L(石原産業社製)、STS−01(石原産業社製)、STS−02(石原産業社製)、STS−21(石原産業社製)、STS−100(石原産業社製)、ST−K211(石原産業社製)、ST−K101(石原産業社製)、ST−K102a(石原産業社製)、ST−K102b(石原産業社製)、ST−K300(石原産業社製)、ST−K211(石原産業社製)、ST−K102(石原産業社製)、PT−301(石原産業社製)、PT−401M(石原産業社製)、PT−401L(石原産業社製),CR−EL(石原産業社製)、PT−501R(石原産業社製)、PT501A(石原産業社製)、MC−50(石原産業社製)、MC−90(石原産業社製)、MC−150(石原産業社製)、FTL−100(石原産業社製)、FTL−110(石原産業社製)、FTL−200(石原産業社製)、FTL−300(石原産業社製)、R−820(石原産業社製)、R−830(石原産業社製)、R−930(石原産業社製)、R−980(石原産業社製)、CR−Super70(石原産業社製)、CR−80(石原産業社製)、CR−90(石原産業社製)、CR−90−2(石原産業社製)、CR−93(石原産業社製)、CR−95(石原産業社製)、CR−97(石原産業社製)、UT771(石原産業社製)、R−630(石原産業社製)、CR−50(石原産業社製)、CR−50−2(石原産業社製)、CR−57(石原産業社製)、CR−953(石原産業社製)、R−630(石原産業社製)、CR−58(石原産業社製)、R−780(石原産業社製)、CR−58−2(石原産業社製)、R−780−2(石原産業社製)、PF−736(石原産業社製)、CR−63(石原産業社製)、PF−742(石原産業社製)、CR−60−2(石原産業社製)、R−550(石原産業社製)、PF−690(石原産業社製)、PF−691(石原産業社製)、PF−737(石原産業社製)、PF−711(石原産業社製)、R−680(石原産業社製)、PF−739(石原産業社製)、PC−3(石原産業社製)、W−10(石原産業社製)、A−220(石原産業社製)、TTO−51(A)(石原産業社製)、TTO−51(C)(石原産業社製)、TTO−55(A)(石原産業社製)、TTO−55(B)(石原産業社製)、TTO−55(C)(石原産業社製)、TTO−55(D)(石原産業社製)、TTO−S−1(石原産業社製)、TTO−S−2(石原産業社製)、TTO−S−3(石原産業社製)、TTO−S−4(石原産業社製)、MPT−136(石原産業社製)、TTO−V−3(石原産業社製)、TTO−V−4(石原産業社製)、TTO−F−2(石原産業社製)、TTO−F−6(石原産業社製)、TTO−W−5(石原産業社製)、P25(日本アエロジル社製)、PF2(日本アエロジル社製)、P90(日本アエロジル社製)、T805(日本アエロジル社製)、NKT90(日本アエロジル社製)、JR−301(テイカ社製)、JR−403(テイカ社製)、JR−405(テイカ社製)、JR−600A(テイカ社製),JR−605(テイカ社製)、JR−600E(テイカ社製)、JR−603(テイカ社製)、JR−701(テイカ社製)、JRNC(テイカ社製)、JR−800(テイカ社製)、JR−805(テイカ社製)、JR−806(テイカ社製)、JR(テイカ社製)、JA−1(テイカ社製)、JA−3(テイカ社製)、JA−C(テイカ社製)、MT−01(テイカ社製)、MT−10EX(テイカ社製)、MT−05(テイカ社製)、MT−100TV(テイカ社製)、MT−100Z(テイカ社製)、MT−150A(テイカ社製)、MT−150EX(テイカ社製),MT−150W(テイカ社製)、MT−100AQ(テイカ社製)、MT−100WP(テイカ社製)、MT−100SA(テイカ社製)、MT−100HD(テイカ社製)、MT−500B(テイカ社製)、MT−500SA(テイカ社製)、MT−600B(テイカ社製)、MT−700B(テイカ社製)、MTY−02(テイカ社製)、MTY−110M3S(テイカ社製)、MT−500SAS(テイカ社製)、MTY−700BS(テイカ社製)、MT−300HD(テイカ社製)、MT−500HD(テイカ社製)、MT−600SA(テイカ社製)、MT−700HD(テイカ社製)、JMT−150IB(テイカ社製)、JMT−150AO(テイカ社製)、JMT−150FI(テイカ社製)、JMT−150ANO(テイカ社製)、AMT−100(テイカ社製)、AMT−400(テイカ社製)、AMT−600(テイカ社製)、TITANIX JA−1(テイカ社製)、TKP−101(テイカ社製),TKP−102(テイカ社製)、TKS−201(テイカ社製)、TKS−202(テイカ社製)、TKS−203(テイカ社製)、TKD−701(テイカ社製)、TKD−702(テイカ社製)、TKD−801(テイカ社製)、TKD−802(テイカ社製)、TKC−303(テイカ社製)、TKC−304(テイカ社製)、TKC−305(テイカ社製)、JR−1000(テイカ社製)などが挙げられる。
酸化チタン粒子の代表的な製法としては、塩素法と硫酸法がある。塩素法は原料(イルメナイト鉱石)をコークス・塩素と反応させ、一度ガス状の四塩化チタンにする。ガス状の四塩化チタンを冷却して液状にした後、高温で酸素と反応させ、塩素ガスを分離することによって酸化チタン粒子を得る。例えば、前述の酸化チタンP90(日本アエロジル社製)およびP25(日本アエロジル社製)は塩素法により作製できる。一方、硫酸法は原料(イルメナイト鉱石)を濃硫酸に溶解させ、不純物である鉄分を硫酸鉄(FeSO)として分離し、一度オキシ硫酸チタン(TiOSO)にする。これを加水分解するとオキシ水酸化チタン(TiO(OH))となり沈殿する。この沈殿物を洗浄・乾燥し、焼成することによって酸化チタン粒子を得る。例えば、前述の酸化チタンST−01(石原産業社製)は硫酸法により作製できる。
酸化チタンの結晶型は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型がある。酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型により、格子定数、強度および面指数が異なるため、X線回折測定により同定することできる。
本実施形態の酸化チタン粒子は、アナターゼ型が好適であり、アナターゼ型酸化チタン粒子を含む。酸化チタン粒子を含有する層の酸化チタン粒子のうち、電子を発生し易いアナターゼ型酸化チタン粒子が、30質量%以上含まれることが好ましく、60質量%以上含まれることがより好ましく、80質量%以上含まれることがさらに好ましく、90質量%以上含まれることが極めて好ましく、100質量%含まれることが最も好ましい。
酸化チタン粒子を含有する層に対するX線回折スペクトルにおいて、主要ピークの半値幅は同層の結晶性を表す尺度である。酸化チタン粒子を含有する層に対するX線回折測定を行った場合、アナターゼ型酸化チタン粒子が用いられていれば回折角2θ=24〜26°にアナターゼの主要ピークである(101)面の回折ピークが現れる。主要ピークから半値幅を測定できる。酸化チタンの結晶性を示すX線回折から得られる半値幅は、酸化チタン粒子内のキャリア輸送の観点から5.0°以下が好ましく、2.0°以下がより好ましく、1.5°以下がさらに好ましい。また酸化チタンを含有する膜の結晶性が高すぎることで、光電変換特性が悪くなるため、半値幅は0.2°以上が好ましく、0.3°以上がより好ましく、0.4°以上がさらに好ましく、0.5°以上が極めて好ましく、0.6°以上が特に好ましい。
酸化チタンを含有する層は酸化チタン粒子単体の他に、1種類以上の材料を混合しても良い。具体的には、半導体もしくは絶縁体が挙げられる。
一般汎用性樹脂は、具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、環状ポリオレフィン、ポリサルフォンが挙げられる。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。具体的には、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸時エタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテルが挙げられる。
半導体としてはn型半導体が挙げられ、具体的には例えば、アモルファスシリコン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物(IGZO)等の金属酸化物からなる層、シリコン粒子からなる層、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム、酸化スズ、IGZO等の金属酸化物粒子、n型有機半導体が挙げられる。n型有機半導体としては、フッ素化アセン系化合物、フラーレン、60PCBM([6,6]−PhenylC61butyric acid methyl ester)、70PCBM([6,6]−PhenylC71butyric acid methyl ester)等のフラーレン系化合物、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体等が挙げられる。n型半導体として、透明性、移動度の観点から金属酸化物が好ましい。
絶縁体としては、ケイ酸カルシウム、チタン酸バリウム、ビスマスシリケート、ベークライト、パイレックス(登録商標)、ワセリン、雲母、塩化銅、酸化銅、硫酸銅、酸化鉄、塩素酸カリウム、臭化カリウム、フッ化リチウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、フッ化カルシウム、硫化亜鉛、NaI、NaF、NaClO、NaSO等が挙げられる。
また、上記のほかに、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウムストロンチウム等の複合酸化物、又は、これらの複合酸化物を主成分とし、さらにBaサイトにマグネシウムを、Tiサイトにスズ及び/又はジルコニウムを置換したペロブスカイト型複合酸化物等も使用できる。さらにペロブスカイト型複合酸化物に、微量添加物を1種又は2種以上加えたものも使用できる。
なお、酸化チタンを含有する層は、リーク防止とキャリア輸送の関係から、その厚みは0.01μm以上、10μm以下が好ましく、0.03μm以上、7μm以下がより好ましく、0.05μm以上、5μm以下がさらに好ましい。
半導体層(シリコンを含有する層及び酸化チタン粒子を含有する層)の層厚は断面のTEM観察で測定される。
本実施形態において、酸化チタン粒子を含有する層は、酸化チタン粒子が密に詰まることにより直列抵抗が低減されるという観点から、酸化チタン粒子を含有する層の層密度は0.4g/cm以上が好ましく、0.5g/cm以上がより好ましく、0.6g/cm以上がさらに好ましく、0.7g/cm以上が極めて好ましく、0.8g/cm以上が特に好ましい。また、柔軟性の観点から、層密度の上限は、4.3g/cm以下が好ましく、3.0g/cm以下がより好ましく、2.5g/cm以下がさらに好ましく、2.0g/cm以下が極めて好ましい。ここで、層密度とは、半導体層を形成する酸化チタン粒子の充填の度合を示すパラメータである。
本実施形態では、酸化チタン粒子を含有する層を形成する工程において、熱処理温度が低く、粒子が焼結しない温度であることに特長がある。これにより、層密度が低く、粒子の形態が保持された膜となるため、柔軟性が付与される。プロセス温度は、酸化チタン粒子が焼結せず、さらに低コストにつながる点から、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましく、50℃以下が極めて好ましく、30℃以下が特に好ましい。また、乾燥の効率の観点から10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
本実施形態では、シリコンを含有する層が光吸収を担うため、酸化チタン粒子を含有する層の光透過性は高いことが好ましく、波長550nmの光に対する透過率が70%以上、100%未満が好ましく、75%以上、100%未満が好ましく、80%以上、100%未満がより好ましい。ここで、透過率とは、酸化チタン粒子を含有する層が光の透過を阻害せずにシリコンへ光を届けることができるかどうかの度合を示すパラメータであり、分光光度計を用いて測定することができる。
酸化チタン粒子を含有する層を形成する方法としては、酸化チタン粒子を水又は有機溶媒に分散させたり、金属アルコキシドを加水分解することにより得られるゾルに界面活性剤などを添加して塗布液(分散液)を調製し、それを基体に塗布し加熱乾燥する等の方法がある。
本実施形態に係る酸化チタン粒子を含有する層の製造方法は、所定の基材(電極又はシリコン基板)上に、pHが0.5〜10.0に調整されておりかつ酸化チタン粒子が分散した分散液を塗布する塗布工程と、分散液が塗布された基材を、10℃以上300℃以下の温度で処理し、基材上に酸化チタン粒子を含有する層を形成する処理工程と、を備えるものであり、焼結工程を必要としないことを特徴としている。焼成工程を不要にすることで、酸化チタン粒子を含有する層に柔軟性を付与でき、さらに処理工程が低温になることで、汎用樹脂を使用でき、さらに塗布プロセスを採用することができる。
上記分散液における酸化チタン粒子の使用量は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
(酸化チタン粒子分散液)
本実施形態の酸化チタン粒子分散液は、前記酸化チタン粒子とpH0.5〜10.0に調整した分散媒からなることが好ましい。また分散液には界面活性剤や添加剤を加えることができる。
分散媒としては、水、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−メチルヘキサン、デカリン、テトラリン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、グリセリンアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン、フェノール、アニリン、ジフェニルエーテルなどの芳香族類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルアセテート、テトラヒドロフラン、乳酸ブチル、N−メチルピロリドン等が挙げられる。またこれらを混合して用いることも可能である。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。具体的には、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸時エタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテルが挙げられる。
添加剤としては、塩酸、硫酸、ギ酸のような酸やアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムといったアルカリを添加することができる。
本実施形態で用いる酸化チタン粒子の平均粒子径としては、成膜性の観点から0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましく、3nm以上がさらに好ましい。また、酸化チタン粒子を含有する層が緻密に充填されることで、リークを抑制し、キャリア輸送が向上するため、前記平均粒子径は50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、20nm以下がさらに好ましく、15nm以下が極めて好ましい。
<太陽電池>
本実施形態の太陽電池は、前記シリコンを含有する層と前記酸化チタンを含有する層と、電極と、基板とを備え、光によって発電するものである。太陽電池を構成する前記シリコンを含有する層と前記酸化チタンを含有する層との接合は、p−p接合及びn−n接合であっても良いが、好ましくはp−n接合型である。なお、この2種類の半導体層の間に異種材料を加えても良い。
例1として、図1に示す太陽電池100は、基板110の上に、陽極層120、シリコンを含有する層(p型半導体層)130、酸化チタン粒子を含有する層(n型半導体層)140、及び陰極層150を備える。各層をさらに細分化し複数層を設けることも可能である。例えば、層130と層120との間にホール取り出し層(図示せず)を設けることもできる。また、層140と層150の間に電子取出し層(図示せず)を設けることもできる。また、層130と層140との間に、光吸収層(図示せず)を設けることもできる。また、層130と層140は互いに混ざったバルクへテロ構造となってもよい。層120又は層150のどちらか一方が透明であることが好ましい。また、基板110は層150側にあってもよく、層120側及び層150側の両方にあってもよい。層150については透明であることが好ましい。
本実施形態の太陽電池の構成は、上記の図1に示した構造を2つ以上直列に積み上げたタンデム構造であってもよい。
上記の基板としては、ガラス基板、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)等プラスチックの基板、アルミ基板、ステンレス(SUS)基板、紙基板などの通常用いられるあらゆる基板が使用できる。
陰極(層)としては、アルミニウム、SUS、金、銀、インジウムとガリウムの合金、ITO(酸化インジウムスズ)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛等の通常使用される金属又は金属酸化物が使用できる。また、導電性高分子、グラフェン等も使用できる。
陽極(層)としては、アルミニウム、SUS、金、銀、インジウムとガリウムの合金、ITO(酸化インジウムスズ)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛等の通常使用される金属又は金属酸化物が使用できる。また、導電性高分子、グラフェン等も使用できる。
なお、基板、陰極層及び陽極層の厚さは特に制限されないが、それぞれ基板は0.1mm〜100mm、陰極層は0.01μm〜1000μm及び陽極層は0.01μm〜1000μm程度とすることができる。
酸化チタン粒子を含有する層の上にさらに電極(図1の陰極層)を備える太陽電池において、電子の取出しを効率的に行うという観点から、酸化チタン粒子を含有する層と電極との面接触率が20%以上であることが好ましい。ここで、面接触率は、例えば、断面のTEM解析を行うことで、酸化チタン粒子を含有する層と電極が2次元的にどれだけ接しているかがわかる。ここで得られた割合を面接触率とする。上記と同様の観点から、この面接触率は、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。なお、面接触率の上限は100%以下である。
<酸化チタンを含有する層を備えた太陽電池の製造方法>
本実施形態の酸化チタンを含有する層を備えた太陽電池の製造方法の一例を以下に示す。当該製造方法は、電極又はシリコン基板上に、pHが0.5〜10.0でありかつ酸化チタン粒子が分散した分散液を塗布する塗布工程と、分散液が塗布された電極又はシリコン基板を10℃以上300℃以下の温度で処理し、電極又はシリコン基板上に酸化チタン粒子を含有する層を形成する処理工程と、を備える。なお、形成された酸化チタン粒子を含有する層に対するX線回折スペクトルにおいて、回折角2θ=24〜26°に現れる回折ピークの半値幅が0.2°以上5.0°以下である。
なお、上述のとおり、分散液における酸化チタン粒子の使用量は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%であるが、この際、酸化チタン粒子はアナターゼ型酸化チタン粒子であることが好ましく、また、酸化チタン粒子の平均粒子径が0.5nm以上50nm以下であることが好ましい。さらに、分散液のpHは液の保存安定性という観点から、0.5〜5.0であることが好ましく、0.5〜3.0がより好ましい。一方、層形成時の不純物を極力低減するという観点から、分散液のpHは5.0〜10.0であることが好ましく、5.0〜9.0であることがより好ましく、5.5〜8.0であることがさらに好ましい。
その後、前記シリコンを含有する層と上記のとおり得られた酸化チタン粒子を含有する層を積層、または貼り合せることにより、太陽電池を容易に得ることができる。なお、この2種類の半導体層の間に異種材料を加えても良い。
(塗布工程)
本実施形態の塗布工程とは、電極又はシリコン基板上に、pHが0.5〜10.0でありかつ酸化チタン粒子が分散した分散液を塗布する工程、である。
特に本実施形態の酸化チタン粒子を含有する層は、酸化チタン粒子を主として含有する分散液を用いて、例えば、ディッピング、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター等の各種塗布法等の方法により膜状(厚膜状および薄膜状)に形成される。
前記塗布法によれば、その操作は、極めて簡単であり、かつ、大掛かりな装置も必要としないので、酸化チタン膜および太陽電池の製造コストの削減、製造時間の短縮に有利である。また、前記塗布法によれば、例えばマスキング等を用いることにより、所望のパターン形状の酸化チタン膜を容易に得ることができる。
(処理工程)
本発明の処理工程(製膜工程)とは、分散液の塗布後、ホットプレートやオーブンなどの装置を用いて加熱したり(熱処理)、あるいは常温程度の温度にて所定時間放置をしたりすることで、分散液を乾燥し、酸化チタン粒子を含有する層を形成する工程、である。処理温度は、プロセス温度低下によるコスト低減の観点から、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましく、50℃以下が極めて好ましく、30℃以下が特に好ましい。また、乾燥の効率の観点から10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
(素子形成工程)
本実施形態の太陽電池の製造方法は、例えば、電極を備える基板上に、シリコンを含有する層を形成し、シリコンを含有する層(半導体層)付き基板を得る工程と、電極を備える基板上に酸化チタン粒子を含有する層を形成し、酸化チタン粒子を含有する層(半導体層)付き基板を得る工程と、これらの基板を、半導体層同士が対向するようにして貼り合わせる工程と、を備える。前述の貼り合せた半導体層を図2に示すような治具で挟み込み、固定する。また、シリコンウエハ上に直接酸化チタン粒子分散液を塗布し、酸化チタン粒子層を形成後、ITOなどの透明電極を形成する方法が好ましい。この製法では加熱工程が不要で、低コストな製造方法となりうる。
なお、本実施形態においては、シリコンを含有する層の上に酸化チタン粒子を含有する層を形成し、さらにその上に電極を形成して、太陽電池を作製してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、具体的な実施例により、本発明をより詳細に説明する。
[評価方法]
以下、特に断りのない場合は、23℃、湿度45%の条件で評価を行った。後述する各実施例、参考例及び比較例に対する評価結果は、まとめて表1に示す。
(1)平均粒子径
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)HF−2000(株式会社日立製作所社製)を用いて測定した。具体的な測定方法として、酸化チタン分散液TKS201(アナターゼタイプ、テイカ社製、固形分33質量%)を例にとり、説明する。まず、酸化チタン分散液を2000倍まで希釈し、この希薄分散液を超音波分散させ、メッシュに浸み込ませたものを凍結乾燥させ、TEM測定用試料とした。この酸化チタンのTEM測定用試料をTEMで570000倍まで拡大し、観察した。得られた粒子画像のPixel数を算出し、そのPixel数から以下の式により各粒子を真円と換算した直径を算出した。
真円換算半径=(Pixel数/π)
真円換算直径=真円換算半径×0.22×2
上記の方法で合計100点(現状の点数)の粒子の真円換算直径を測定し、その平均値を、平均粒子径とした。
(2)X線半値幅
X線回折による半値幅は、CuKα線をX線源とするX線回折装置(XRD)RINT−2500(株式会社リガク社製)を用いて測定した。測定用の酸化チタン粒子を含有する層は、石英基板に素子作製時と同じ条件で基板に塗工し作製した。半値幅は、酸化チタン粒子を含有する層をX線回折測定することにより得られ、結晶型がアナターゼ型である酸化チタンの(101)面のピーク(すなわち、2θ=24〜26°(25°付近)に現れるピーク)から測定した。
(3)I−V特性の評価
コンピューター(システムハウス・サンライズ社製 太陽電池IV測定ソフト)で制御した直流電圧・電流源(6241A、ADCMT社製)、並びに簡易型ソーラーシミュレーター(三永電機製作所製 XES−40S1)を用いて光起電力特性の測定をし、I−V特性の評価を行った。光量(AM1.5G、100mW/cm)の検定には、BS−500Si系フォトダイオード検出器(結晶Si太陽電池用、分光計器(株)社製、二次基準太陽電池)を用いた。
測定は、太陽電池を固定した状態で行った。測定試料の具体的な準備方法を、図2を用いて説明する。先ず、絶縁処理材をコートした金属製治具5の上に太陽電池4を置く。その上に、厚さ2mmのシリコーンゴムシート3、厚さ3mmの石英板2、絶縁処理材をコートした金属製治具1(中心に光10を透過させるための光透過孔が設けられている)の順で重ね、金属製治具1及び5同士の4隅をネジ9で固定した。
本評価では、I−V特性並びにImax及びVmaxを求めた。なお、Imaxとは、太陽電池の出力が最大となるときの電流であり、Vmaxとは、太陽電池の出力が最大となるときの電圧である。
そして、I−V特性のグラフから短絡電流密度、開放電圧、FF及び光電変換効率を算出した。なお、短絡電流密度(Jsc)は電圧が0の時の電流密度であり、開放電圧(Voc)は電流が0の時の電圧である。
FFは下記式より求めることができる。
FF=(Vmax・Imax)/(Voc・Jsc)
光電変換効率ηは下記式より求めることができる。
η=(太陽電池の出力)/100×100
太陽電池の出力=短絡電流密度×開放電圧×FF=Vmax・Imax
(4)層厚
シリコンを含有する層および酸化チタン粒子を含有する層の層厚は、断面TEMで測定した。測定用のこれらの半導体層は、素子作製時と同じ条件で基板に塗工し作製した。これらの層について任意に5か所の層厚を測定し、その平均を計算し、平均層厚とした。
太陽電池を作製後のシリコンからなる層および酸化チタンからなる層の層厚は、断面TEM観察で測定した。測定は、FIB法により、太陽電池の断面を切断した後に行った。
FIB法では、30〜40kVで加速したGaイオンを0.01〜0.1μmに集束し、太陽電池断面をスキャンさせながらスパッタリングした。前記スパッタリング最表面の保護膜としてはカーボン膜又はタングステン膜を蒸着した。また、断面TEM観察は2か所行い、1か所につき等間隔で5点層厚を測定した。合計10点の層厚の平均値を計算し、平均層厚とした。
(5)層密度
酸化チタン粒子を含有する層の層密度は次のようにして測定した。まず酸化チタン粒子を含有する層の重量を測定した。次に、前記層の面積および膜厚を計測することで体積を算出した。そして、重量÷体積を行うことで層密度を測定した。なお、酸化チタンからなる層の層厚は前記(4)の方法で計測した。酸化チタン粒子を含有する層の成層面積は定規やノギスで計測した。
参考例1]:シリコンウエハを用いたヘテロ接合太陽電池の作製
ITO付きPETフィルム(アルドリッチ社製、シート抵抗60Ω/□)に、平均粒子径6nmの酸化チタン粒子分散液(アナターゼタイプ、テイカ社製、TKS201、固形分33質量%、pH1.0)を用いて、スピンコート法により塗膜を作製した。なお、スピンコート後、120℃、10分間乾燥した後の酸化チタン粒子からなる層の厚みは1150nmであった。また、一方、厚みが500μm、抵抗率3Ωcmのp型シリコン結晶ウエハに対し、後述のフッ酸処理を行った。シリコン結晶ウエハと酸化チタン粒子からなる層をコートしたITO付きPETフィルムを貼りあわせて、積層体を作製した。貼り合わせ時に4mmφの穴をあけた35μm厚のカプトンフィルム(「カプトン」は登録商標)を挟み、穴をあけた部分だけシリコン結晶ウエハと酸化チタン含有薄膜が接するようにした。さらにPET側に2mmφの穴をあけたアルミ蒸着フィルムを貼ることで、マスクとした。この積層体を用いて太陽電池を作製した。前記太陽電池は、図2に記載の治具で固定した。
「フッ酸処理」:前記p型シリコン結晶ウエハをアセトン洗浄してウエハ表面の汚れを除いた後、5%フッ酸溶液に5分間浸漬し超純水で洗浄した。その後、メタノールで洗浄した。洗浄後、ウエハを室温、真空下で1時間乾燥した。
参考例2]:シリコンウエハを用いたヘテロ接合太陽電池の作製
酸化チタン粒子分散液を平均粒子径14nmの酸化チタン粒子分散液(アナターゼタイプ、日本アエロジル社製、VP TiO P90、固形分20質量%、pH1.4)に変更した以外は、参考例1と同様に太陽電池を作製した。
参考例3]:シリコンウエハを用いたヘテロ接合太陽電池の作製
酸化チタン粒子分散液を平均粒子径7nmの酸化チタン粒子分散液(アナターゼタイプ、石原産業社製、ST01、固形分20質量%、pH1.1)に変更した以外は、参考例1と同様に太陽電池を作製した。
[実施例4]:シリコンウエハを用いたヘテロ接合太陽電池の作製
平均粒子径15nmの酸化チタン粒子(AMT400、アナターゼタイプ、テイカ社製)を2メトキシエタノールに分散させ、33質量%の分散液を作製した。その分散液を1.0g分取し、そこに2メトキシエタノール1.58gを追加し、撹拌後分散液Aとした(pH5.6)。分散液Aを1日放置した後、スピンコート直前に10秒間撹拌した。一方、500μm厚み、抵抗率3Ωcmのp型シリコン結晶ウエハをアセトンで5分間超音波洗浄した。さらに5%フッ酸溶液に5分間浸漬後、超純水で洗浄した。洗浄後すぐに分散液Aをシリコンウエハに滴下しスピンコート法(2000rpm、30秒)により酸化チタン薄膜を作製した。作製温度は20℃であった。酸化チタン薄膜の厚みは1900nmであった。
次に、ITO付きPETフィルム(シート抵抗30Ω/□、ジオマテック社製)をメタノールで洗浄後、酸化チタン含有薄膜側にITO面が接するように貼り合せた。貼り合わせ時に4mmφの穴をあけた35μm厚のカプトンフィルムを挟み、穴をあけた部分だけITOと酸化チタン含有薄膜が接するようにした。さらにPET側に2mmφの穴をあけたアルミ蒸着フィルムを貼ることで、マスクとした。これにより太陽電池を作製した。
参考例5]:シリコンウエハを用いたヘテロ接合太陽電池の作製
平均粒子径30nmの酸化チタン粒子(AMT600、アナターゼタイプ、テイカ社製)を2メトキシエタノールに分散させ、33質量%の分散液Bを作製した。その分散液を1.0g分取し、そこに2メトキシエタノール1.58gを追加し、撹拌後分散液Bとした(pH7.6)。分散液Bを1日放置した後、スピンコート直前に10秒間撹拌した。一方、500μm厚み、抵抗率3Ωcmのp型シリコン結晶ウエハをアセトンで5分間超音波洗浄した。さらに20%フッ化アンモニウム水溶液に20分間浸漬後、超純水で洗浄した。洗浄後すぐに撹拌した分散液Bをシリコンウエハに滴下しスピンコート法(2000rpm、30秒)により酸化チタン薄膜を作製した。作製温度は20℃であった。酸化チタンの厚みは2000nmであった。
次に、ITO付きPETフィルム(シート抵抗30Ω/□、ジオマテック社製)をメタノールで洗浄後、酸化チタン含有薄膜側にITO面が接するように貼り合せた。貼り合わせ時に4mmφの穴をあけた35μm厚のカプトンフィルムを挟み、穴をあけた部分だけITOと酸化チタン含有薄膜が接するようにした。さらにPET側に2mmφの穴をあけたアルミ蒸着フィルムを貼ることで、マスクとした。これにより太陽電池を作製した。
[比較例1]:シリコンウエハを用いたヘテロ接合太陽電池の作製
酸化チタン粒子分散液を平均粒子径15nmの酸化チタン粒子分散液(ルチルタイプ、テイカ社製、MT−150A、固形分20質量%、pH1.3)に変更した以外は、参考例1と同様に太陽電池4を作製した。
[比較例2]:シリコンウエハを用いたヘテロ接合太陽電池の作製
厚みが500μm、抵抗率3Ωcmの前記フッ酸処理を施したp型シリコン結晶ウエハに酸化チタンからなる層をスパッタ成膜(基板温度100℃)により作製した。酸化チタンからなる層の厚みは100nmであった。スパッタ成膜した酸化チタン層の上にITOをスパッタ成膜することで積層体を作製した。貼り合わせ時に4mmφの穴をあけた35μm厚のカプトンフィルムを挟み、貼り合せた。4mmφの穴をあけた部分だけITOと酸化チタン含有薄膜が接するようにした。さらにPET側にマスクとして2mmφの穴をあけたアルミ蒸着フィルムをはることで、マスクとした。この積層体を用いて太陽電池4を作製した。
[太陽電池特性評価]
実施例4と、参考例1〜3及び5と比較例1〜2の太陽電池の評価結果を表1に示す。実施例4と、参考例1〜3及び5と比較例1〜2のセル構造は概ね図1に相当する構造である。上記太陽電池のI−V特性は、太陽電池に対し1sunの光量があたるように調整し測定した。また、実施例、参考例、比較例ともにシリコン結晶ウエハ側にはインジウム及びガリウム合金ペーストを用いて、導電テープ(銀テープまたは銅テープ)とシリコン結晶ウエハを接合させた。また、ITO電極側にはITO電極に銀ペーストを用いて、導電テープを接合させた。I−V測定時の端子は導電テープからとった。
Figure 0006517475

表1に示すように酸化チタン粒子の結晶性が本発明にて規定する範囲である系は、短絡電流密度が向上し、光電変換効率が高くなることが分かった。
本発明により、低コストで製造可能な光電変換効率に優れた太陽電池を提供することができる。
1,5…金属製治具;2…石英板;3…シリコーンゴムシート;9…ネジ;10…光;4,100…太陽電池;110…基板;120…陽極層;130…シリコンを含有する層(p型半導体層);140…酸化チタン粒子を含有する層(n型半導体層);150…陰極層。

Claims (2)

  1. 電極又はシリコン基板上に、pHが5.0〜8.0であり、かつ平均粒子径が10nm以上20nm以下であるアナターゼ型の酸化チタン粒子が分散した分散液を塗布する塗布工程と、
    前記分散液が塗布された前記電極又は前記シリコン基板を、10℃以上300℃以下の温度で処理し、前記電極又は前記シリコン基板上に前記酸化チタン粒子を含有する層を形成する処理工程と、を備え、
    前記酸化チタン粒子を含有する層に対するX線回折スペクトルにおいて、回折角2θ=24〜26°に現れる回折ピークの半値幅が、0.2°以上5.0°以下である、ヘテロ接合太陽電池の製造方法。
  2. 前記処理工程が、前記分散液が塗布された前記電極又は前記シリコン基板を10℃以上30℃以下の温度で放置することにより実施される、請求項に記載の製造方法。
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