JP6517282B2 - 多重反射飛行時間型質量分析計、及び質量スペクトル分析の方法 - Google Patents

多重反射飛行時間型質量分析計、及び質量スペクトル分析の方法 Download PDF

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Description

[0001]本発明は、概括的には質量分光分析の分野に関しており、より厳密には多重反射飛行時間型質量分析計の感度及び分解度を改善することに関係している。
[0002]飛行時間型質量分析計(TOF MS)は、様々な混合物の同定及び定量分析のための分析化学では広く使用されている。その様な分析の感度及び分解度は、実際の使用にとって重大な関心事である。TOF MSの分解度を上げるため、ここに参考文献として援用する米国特許US4,072,862はイオンエネルギーに対する飛行時間集束を改善するためのイオンミラーを開示している。継続的なイオンビーム向けにTOF MSを採用するため、ここに参考文献として援用する国際特許WO9103071は、直交パルス式加速(OA)のスキームを開示している。TOF MSの分解度は飛行経路と一体でスケールするため、多重反射(MR−TOF型)及びマルチターン(MT−TOF型)質量分析計を含むマルチパス飛行時間型質量分析計(M−TOF MS)が提案されている。ここに参考文献として援用する旧ソ連特許SU1725289は、2次元無格子平面状イオンミラーを使用した折り返し経路MR−TOF MSを紹介している。ここに参考文献として援用するイギリス特許GΒ2403063及び米国特許US5017780は、2次元MR−TOF内のイオンパケットの空間的閉じ込めのための周期的レンズのセットを開示している。ここに参考文献として援用する国際特許WO2007044696は、OA効率を改善するための二重直交射入に係るスキームを提唱している。とはいえ、OA−MR−TOFのデューティサイクルは1%未満に留まっている。
[0003]ここに参考文献として援用する、同時係属出願であるPTC出願番号PCT/IΒ2010/51617には、円筒状多重反射静電分析器、主として、最適化された開放静電トラップが開示されており、そこでは接線方向へのイオンビーム閉じ込めは重要とされていない。
米国特許US4,072,862 国際特許WO9103071 旧ソ連特許SU1725289 イギリス特許GΒ2403063 米国特許US5017780 国際特許WO2007044696 PTC出願番号PCT/IΒ2010/51617 PTC出願番号PCT/IΒ2011/055395
[0004]以上を要約すると、先行技術の多重反射TOFシステムは分解度を向上させるがパルス式変換器のデューティサイクルを制限する。従って、MR−TOFの感度及び分解度を改善する必要性がある。
[0005]発明者は、平行なイオンミラーで築かれたMR−TOFのデューティサイクル及び分解度の組合せは、幾つかの改善措置、即ち、
(i)平面上の分析器を円筒形へ巻くことによって形成されていて、実質的に、ここでは接線方向とも表記される所謂ドリフト(Z)方向の有効長さを延びている分析器の円筒形トポロジーを使用する措置、
(ii)円筒形曲率半径対イオンミラーキャップ間距離の十分に大きい比(少なくとも1/6)を使用することによって分析器曲率の影響を低減する措置、
(iii)X方向(反射の方向)に対するイオン平均軌道の十分に小さい傾斜角度(100,000より上の分解度については4度)を維持する措置、
(iv)半径方向偏向のための少なくとも1つのリング電極を使用し、その様な偏向をイオンパケットがイオンミラー軸上で減速されるように調節することによって、分析器曲率の影響を実質的に低減する措置、
(v)半径(Y)方向へのイオンパケット幅を制限し、イオンパケットを接線(Z)方向に延ばし、Y関連収差の低減を図りながらパルス式の源のデューティサイクルを改善し且つ分析器の空間電荷受容を改善する措置、
(vi)接線(Z)方向へのイオンビーム発散を低減しながらなおイオンパケットの10−20mmのZ長さを維持するための多様な対策及び手段を提供する措置、
(vii)分析器内でのZ方向へのイオンパケット発散を、周期的スロットのセットか又は好適にはキャップからキャップまでの距離を少なくとも2倍上回る焦点距離を有する弱い周期的レンズのどちらかによって制限する措置であって、その様なレンズは、イオンミラー電場の弱Z変調か又はドリフト空間内の周期的レンズのセットのどちらかによって形成することができる、イオンパケット発散を制限する措置、
を組み合わせることによって実質的に(約10倍)改善され得ることに気付いた。
[0006]発明者は、これまでの―平面状MR−TOF―とは対照的に、分析器収差が優勢となる有意シフトが出現することにも気付いた。発明者は、イオンミラー特性の多重強化、特にY方向に細いイオンパケットに適している強化、を提案している。
[0007]円筒状TOF分析器内のドリフト長さの実質的な延長は、2つのTOF分光計が円筒状MR−TOFの各部分を使用するという、単一分析器内の包括的タンデム型TOF分光計の構築を可能にする。差動ポンピングシステムを単純化するために、表面誘導解離(SID)が採用されている。本発明の様々な実施形態は、例示のみを目的に与えられており、単に一例として、添付図面を参照しながら、これより説明してゆく。
[0008]平面状多重反射飛行時間型質量分析計を描いている。 [0009]円筒状MR−TOFの或る実施形態を示している。 [0010]イオンパケット操舵段階を次に従える傾けられた直交加速器の或る実 施形態を示しており、描かれている実施形態では加速器は接線方向に整列している。 [0011]高次エネルギー集束のためのイオンミラーの或る実施形態を示してい る。 [0012]円筒状MR−TOFの或る実施形態の機械的概念を提示している。 [0013]単一の円筒状MR−TOF内の2つの例としてのTOF段をベースと するタンデム型質量分析計の実施形態の略図を示している。
[0014]図1を参照すると、無電場空間13及び当該無電場空間内の周期的レンズのセット14によって引き離されている2つの平行な無格子イオンミラー12と、パルス式イオン源15と、検出器16と、を備える平面状多重反射飛行時間型質量分析計11が示されている。各ミラー12は、矩形窓を有する少なくとも4つの平板電極を備えており、そのうちの1つ(ミラーレンズ12Lと呼ばれる)は、エネルギーの広がりに対しては少なくとも3次まで、及びイオンパケットの空間的広がり、角度的広がり、及びエネルギーの広がりにおける小さい偏差に対しては交差項を含めて少なくとも2次までの、飛行時間集束を可能にするような加速電位に設定されている。
[0015]作動時、イオン源15は、イオンパケット17を生成し、それらを角度的イオン広がりΔαを有する傾斜角度α(X軸に対して)で放射する。イオンはミラー12間で多回反射を経験しながらゆっくりとドリフトZ方向にドリフトしてゆき、而して検出器16に向かってジグザグ軌道が形成される。角度的発散及びエネルギー発散にもかかわらず、イオンパケットは周期的レンズのセット14によって平均ジグザグ軌道18に沿って閉じ込められる。小さい傾斜角度を整備するために、イオンパルス発射源は傾けられており、そうしてイオンパケットは源を過ぎて操舵される。パルス式の源のデューティサイクルを改善するため、イオンパケット17はY方向に引き伸ばされる。パケットがZ方向に引き伸ばされるとしたなら、この場合、長いドリフト次元及び100,000の桁の分解度に到達するための平面状分析器の不合理な寸法が必要になるはずである。
[0016]LECO Corp社による市販機器Citiusでは、平面状MR−TOFは、長さ600mmで幅250mmの室である真空室を有している。50,000の分解度が、16mの折り返し飛行経路及び6mmのY方向イオンパケットサイズで実現されている。短いイオンパケット及び長い飛行経路がデューティサイクルを0.5%未満に制限している。
[0017]円筒状HRT分析器
[0018]MR−TOFの分解度及び感度を改善するために、或る実施形態では、分析器は円筒形へ巻かれており、イオンパケットはドリフト方向に沿って向き付けられる。以下に論じられている様に他の分析器改善及び構成も提供されている。
[0019]図2を参照すると、円筒状HRT21の或る実施形態は、無電場空間23、周期的レンズのセット又は周期的スリットのセット24、によって分離されている2つの平行同軸イオンミラー22を備えている。描かれている様に、各ミラー22は、2つの同軸電極セット22A及び22Βを備えている。或る実施形態では、各電極セット22A及び22Βは、エネルギーの広がりに対しては少なくとも3次まで、及びイオンパケットの空間的広がり、角度的広がり、及びエネルギーの広がりにおける小さい偏差に対しては交差項を含めて少なくとも2次までの、飛行時間集束を可能にするような加速レンズ22Lをミラー入口に形成するはっきりと区別できる電位を有している少なくとも3つのリング電極を備えている。また、或る実施形態では、少なくとも一方の電極セット22A又は22Βは半径方向イオン偏向のための追加のリング電極25を備えている。別の実施形態では、半径方向偏向リング電極26がフリー空間内に但しイオンミラーの間近に設置されていてもよい。1つの具体的な実施形態では、周期的レンズ又はスリット24を使用する代わりに、少なくとも1つのイオンミラーが、例えばミラー電極22Pの1つに波状表面26Pを形成することによって又は周期的構造の補助電極25Pを導入することによって、接線方向に空間変調されていてもよい。
[0020]先行技術の平面状分析器11に比較すると、円筒状分析器21はコンパクト分析器パッケージ化を利用して円形Z方向を延長している。円筒形の幾何学形状に関係する追加の収差を避けるために、或る配設では、円筒状電場体積の半径Rcはキャップからキャップまでの距離Lの6分の1より大きくなくてはならず、X軸に対するイオン傾斜角度αは100,000より上の分解度の収差制限を提供するには3度より小さくなくてはならない。最大角度と比R/Lの間の関係28が説明図に示されている。また、円筒形の収差を低減するために、偏向角度は精密にイオンミラーの軸付近のイオン反射を提供するように調節されており、そのことは、初期の広がりdY=mm、dZ=mm、a=mrad、da=mrad、dK=eVを有するイオンパケットについてL=600mm及びRc=110を有する特定の円筒状分析器にとっての最大実現可能分解度対偏向角度を示すプロットによって説明されている。
[0021]円筒状HRTのための改善されたイオンミラー
[0022]分析器の少なくとも100,000収差制限を維持するために、イオンミラーの好適な幾何学形状は、次の条件、即ち、
・各ミラーは、少なくとも四(4)対の電極であって各対が電極内ギャップによって分離されている同軸に整列された外側リングと内側リングに対応している、4対の電極を収容している、
・少なくとも1つのミラー(レンズ)電極は、無電場空間に対して、少なくとも電荷当たりイオン平均エネルギーより高い引き寄せ電位にある、
・当該ミラーレンズ電極の長さは、電極内ギャップGに比較して少なくとも2倍長い、
を満たしている。
[0023]電極内ギャップG対キャップからキャップまでの距離Lの比は0.025から0.05の間である。或る実施形態では、G/L比は0.0382である。電極の最適寸法
及び電極の電位はG/L比に依存することが以下に説明されている。
[0024]円筒状ミラーは次の収差特性、即ち、
[0025]空間及び色集束:
(y|β)=(y|δ)=0;(y|ββ)=(y|βδ)=(y|δδ)=0;
(β|y)=(β|δ)=0;(β|yy)=(β|yδ)=(β|δδ)=0;
[0026]1次飛行時間集束
(T|y)=(T|β)=(T|δ)=0;
[0027]交差項を含む2次飛行時間集束
(T|ββ)=(T|βδ)=(T|δδ)=(T|yy)=(T|yβ)=(T|yδ)〜0;及び、
[0028]5次エネルギー当たり時間集束
(T|δ)=(T|δδ)=(T|δδδ)=(T|δδδδ)=(T|δδδδδ)=0、
を保有している。
[0029]平面状ミラーの幾何学パラメータを有する円筒状ミラーは、電位を調整することによって同じ性能に至らせることができよう。
[0030]円筒状HRTのためのイオン源
[0031]ここに開示されている配設は、パルス式抽出を有する、MALDI、DE MALDI、SIMS、LD、又はEIの様な、本質的にパルス式の各種イオン源に適用できる。
[0032]直交パルス式加速器(OA)の様なパルス式変換器又はイオン蓄積とパルス式射出を有する無線周波数トラップ(トラップ変換器)を使用するのであれば、各種の継続的又は準継続的な源を採用することができる。直交加速器(OA)の群は、一対のパルス式電極であってそのうちの一方に格子で覆われた窓を有している一対のパルス式電極、スリットを有する板を使用している無格子OA、パルス式直交抽出を有するパススルー無線周波数(RF)イオンガイド、及びパルス式直交抽出を有する静電イオンガイド、を備え得る。トラップ変換器の群は、軸方向電位井戸並びにパルス式電圧抽出を有するRFイオンガイド、及び半径方向パルス式抽出を有する直線状イオントラップ、を備え得る。或る実施形態では、何れかのパルス式変換器は、更に、上流のガス状RFイオンガイド(RFG)である、例えば、RFイオン漏斗、RFイオン多重極であって好適には軸方向場勾配を有するRFイオン多重極、RFイオンチャネル、及びイオン多重極又はイオンチャネルのRFアレイ、など、を備えている。好適には、当該ガス状RFイオンガイドは、イオン蓄積及びイオン集群のパルス式抽出のための手段を備えており、当該抽出はOAパルスに同期されている。イオン蓄積時間の変化が信号強度の調節を可能にし、而してMR−TOFの動的範囲が改善される。
[0033]MR−TOF分析器でのイオン軌道の小さい(1−3度の)傾斜角度αを考慮すると、(a)イオンパケットのタイムフロントを傾けることなしに傾斜角度を配設するため及び(b)イオンミラーによる1回目の反射後のイオンパケットに係るイオン源又は変換器の空間的干渉を回避するためには、特別な対策を講じなくてはならない。1つの方法では、当該イオン源又は変換器は、分析器のX−Z対称軸からずらされており、イオンパケットは少なくとも1つのパルス式偏向器によって当該X−Z対称軸上へ戻される。別の方法では、並列放射源(MALDI、SIMS、半径方向射出を有するイオントラップなど)は、角度α/2に傾けられており、するとイオンパケットは前方へ角度α/2で操舵されて、軸Xに対するイオン傾斜角度αが配設される。更に別の方法は、一方のイオンミラーのパルス化区分を介するイオン射入を備えている。方法は、分析器内のイオン軌道の傾斜角度に等しいイオンパケット初期傾斜を可能にする。
[0034]図3を参照して、1つの具体的な方法は、入来する継続的なイオンビームに対して傾斜角度90−βでイオンを放射するOAパルス式変換器48に適している。角度βは、継続的なイオンビームUにおけるパルス式加速Uでの加速電圧によって定義され、即ち、β=(U/U1/2である。この方法では、OA48は、角度γ(Z軸に対して)で逆傾斜しており、すると分析器内での少なくとも1回のイオン反射の後、イオンパケットは角度γで逆操舵されることになり、ここに角度γ=(β−α)/2である。傾けと操舵は相互に時間フロントの回転を補償する。OAのイオン変位がより大きければOAのための空間はもっと大きくなる。
[0035]イオンパケットの発散
[0036]或る実施形態では、イオンパケットは、周期的スリットのセットか又はイオンミラーの空間変調された(但し時間的には静的な)電場のどちらかによって主軌道に沿って閉じ込められることになろう。それでも、100,000より上のレベルの分解度を得るためには、それら空間的収束手段を、機械的不完全さ及び漂遊電場及び磁場の補償目的のみに引き留め、イオンパケットの強力集束用としないことが望ましい。シミュレーションは、空間変調場又は周期的レンズはどちらも、HRTのキャップからキャップまでの距離より少なくとも2倍長い焦点距離を有するべきであることを示唆している。他方、多様な実際のパルス式の源及び変換器の分析は、イオンパケットが1mrad未満の低い角度発散で形成され得ることを指し示しており、すると、接線Z方向への弱い空間集束を有するMR−TOF分析器を使用することができるようになる。多様なイオン源について、2つの横方向への推定エミッタンスはθ1mm*eVであり、即ち、
・DE MALDI源について、<200m/s半径方向速度でM/z<100kDaにつきθ<1mm*eV、
・RFガイドを過ぎてのOA変換器について、RFQでの熱的イオンエネルギーでθ<0.1mmeV、
・パルス式RFトラップについて、熱的イオンエネルギーでM/z<2kDaにつきθ<0.01mm*eV、
である。
[0037]0.1mm未満という初期形成イオンパケットの小さい横サイズのせいで驚くほど小さいエミッタンスが出現する。半径方向に対称的なイオン源の場合には、1mm*eVの最大エミッタンスは、イオンパケットを10keVエネルギーへ加速することによるD<20mm*mradより小さい角度的−空間的発散へ換算できる。その様な発散は、イオンミラーによって寛容されるZY平面内での2mm*10mrad未満の発散へ、及びXZ平面内での20mm*1mrad未満の発散へ、レンズシステムによって適正に改質され、MR−TOF静電分析器を通ってイオン損失無しに且つZ方向への追加の強力な再集束段階無しに移行できよう。
[0038]円筒HRT質量分析計の具体例
[0039]図4を参照すると、分析器略図に表記されている寸法と電圧を有する円筒状HRTの具体例が提供されている。描かれている様に、分析器は傾けられた直交加速器と連結されている。
[0040]図5を参照すると、円筒状HRT分析器61の1つの実施形態において、レース平板電極62、精密セラミックスペーサ63、軸方向電極整列用接地ロッド64、クランプロッド65、基部フランジ66、低い熱膨張係数を有する離隔部(standoffs)又は飛行管67、及び円筒状ステンレス真空室68、を使用している円筒状HRT分析器61が描かれている。イオンミラー電極の積重は、スペーサ62によって精密に隔てられ、接地ロッド63(例えば真空適合性のためにベスペル(Vespel)製)によって軸方向に整列され、ロッド65によってクランプされて、ミラー組立体62Aを形成している。ミラー組立体62Aは、精密な長さの熱的に安定した離隔部67を介して基部フランジ66上へ設置されており、而して分析器組立体61Aを形成している。真空室68は、分析器組立体の上へ取り付けられている。1つの具体的な実施形態では、直交加速器69が分析器組立体へ(正確な相対配置になるように)取り付けられており、更には、上流のイオン光学器(IOS)は、イオンビーム操舵段階がIOSとOAの間の起こり得る機械的整列不良を補償しながら継続的なイオンビームのOA69への整列導入を確約するための手段を有している。別の具体的な実施形態では、イオントラップパルス式変換器70が、真空室68の外に設置されており、イオンパケットはイオンミラーのパルス化部分62Pを介して導入される。
[0041]タンデム型
[0042]多くの方式の円筒状HRT(CHRT)は、MS1及びMS2としてのCHRT(MS−CMRT)、CHRTと一体のイオン移動度分光計(IMS−CMRT)、並列MS−MS分析のための包括的TOF−TOF(CTT)、MS−CTT、及びIMS CTT、の様な各種型式とタンデム型として組み合わされたタンデム型質量分析計を改善する。タンデム型質量分析計の殆どは、2つのMS段の間のイオン断片化を前提としている。断片化は、衝突誘導解離(CID)、表面誘導解離(SID)、光誘導解離(PID)、電子移動解離(ETD)、電子捕獲解離(ECD)、及び励起されたリュードベリ原子又はオゾンによる断片化、の様な先行技術の断片化方法を採用することができる。それらタンデム型は、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、電気泳動(CE)の様な前段の試料分離との適合性、また同様にLC−CE及びGCxGCの様なタンデム型クロマトグラフィー分離との適合性があるものと期待される。
[0043]ここに参考文献として援用する、同時係属出願であるPTC出願番号PCT/IΒ2011/055395に記載されている様に、タンデム型の作動の1つの態様は、パルス式変換器での高速(100−200kHz)パルス符号化を適用することができるということである。高速符号化パルスの方法は、各パルス間の固有時間間隔を有する反復可能な間隔のストリングの生成を示唆している。こうして得られるインターリーブ型(様々なスタートからの)スペクトルは、その後、間隔の知識に基づいて復号される。当該方法は、通常の(単一スタート)スペクトルがはるかに疎である(ピークがあまり密集していない)タンデム型には特に適している。その場合、復号は、大凡5−8イオンに相当する極めて小さい強度の弱い系列を回復させることができる。分析器内の飛行時間当たりパルスの数が平面状MR−TOFに比較して大凡10倍のデューティサイクル利得に比例して下がるので、円筒状分析器は復号の効率を改善する。また一方で、このことがスタートパルスの周波数を落とすことはなく、というのも、デューティサイクル利得は主としてより高速な飛行時間に因って得られており、それはより低い分析器収差に因って実現可能となるからである。
[0044]円筒状HRTは、新規性のある装置―単一分析器内に築かれた包括的TOF−TOF(CTT)質量分析計―への道を開く。図6を参照すると、CTT71の1つの実施形態は、イオントラップ72、周期的レンズのセット74を有する円筒状多重反射分析器73、反射性端レンズ75、時限式イオン選別ゲート(TSG)76、分析器73内に設置されている表面誘導解離(SID)セル77、及びイオン検出器78、を備えている。随意的に、CTT分光計は、更に、前段の質量分離器79(分析四重極など)、質量分離器79とトラップ72の間の第2の断片化セル80、及び補助検出器78Aを備えている。
[0045]作動時、イオントラップ72はイオンの継続流れを受け入れ、それらをトラップし、それらをトラップでのイオン減衰化にとって十分な1−2msの期待期間で円筒状分析器の中へ射出する。トラップは、軸方向又は半径方向射出イオントラップであってもよい。或る実施形態では、イオンは一方のイオンミラーのパルス化部分を介して射出される。イオンが反対側ミラーから跳ね返ってきたら、パルス化部分の電圧は正規TOFレジームへ復帰される。イオンは、周期的レンズ74の稠密ピッチ(10mm)に整合する小さい傾斜角度(例えば1度)で射入される。220mmの中心直径では、周期的レンズの周長は690mmである。イオン入口から大凡50反射後に端レンズ75が設置されていて、イオンパケットを1度に亘って操舵することによって絶えずイオン運動を逆転させている。イオンパケットは分析器を通って再度同じ50のレンズを通過し、表面誘導解離(SID)セル77が次に控える時限式ゲート76へと至る。時限式ゲート76とセル77は、デバイス間であと1回のイオン反射が可能になるように1ピッチ分空けて引き離されている。周期的インターリーブ型時限式イオン選別に関する以下に記載の規定を用いると、親イオンのパケットは検出器に10eVから100eVの間の適度なイオンエネルギーで当たり、こうして、衝突親イオンからフラグメントイオンが生成される。遅延の後、パルス式電圧信号がセルへ印可されて、二次イオンの短いイオンパケットを抽出させる。二次イオンを同じ多重反射分析器を通して検出器78に向けて方向決めするために、SIDセルが当該1度に傾けられているか又は追加の操舵パルスがセルを過ぎて適用されるかどちらかである。二次イオンは、同じCHRT分析器内でSIDセル77と検出器78の間を飛行している間に時間分離されてゆく。反射数は第2MS段での所望の分解度に依存して選択されよう。
[0046]明解さを期し、1,000から3,000の間の分解度を提供することを期待されている、MS2段内の単一ミラー反射の事例を選んでみたい。この配設では、第2段内の飛行経路は、親分離の第1段よりも100倍小さい。而して、変換器イオントラップ72のパルス1つ1つで全ての親イオンについての重なり合いの無いスペクトルを得ることができよう。当該方法は、親イオン選別の時間分解度は低い(R=100)とはいえども、従来のMS−MS技法に見られた親イオン選別のイオン損失を排除している。
[0047]最も一般的な作動方法では、親選別の分解度は、TSG76への周期的に適用されるパルスによって改善され、TSGパルスの格子はTSGのスペクトル捕捉間の僅かな期間によって動かされる。その様なTSGパルスのインターリービングは、感度の比例的損失を代償に親イオン選別の分解度を改善する。とはいえ、順次的親選別方法に比較すると、説明されている並列親分析の方法は感度を100倍改善する―並列分析の感度利得と呼ばれる。平面状MR−TOF内での先行技術のCTT方法に比較すると、円筒状MR−TOFは感度利得を第1TOFでのイオン経路に比例して、即ち同じ分析器サイズで大凡3乃至5倍、改善する。ここに提案されている2つのMS段を1つの分析器内に組み合わせるという方法は、CTTの費用を著しく軽減する。
[0048]再度図6を参照して、同じ装置71を、ハードウェアを再構成すること無しに、MS−MS−MSという別のモードに採用することができる。このモードでは、親イオンは、順を追って、好適には分析四重極である第1MS79で選別され、次いで、好適にはCIDセルか又はETDセルのどちらかである断片化セル80で断面化に曝される。第1世代の断片化イオン(娘イオン)は次いでトラップ72によってパルス状イオンパケットへ変換される。娘イオンは次いで並列MS−MSモードでの上記分析を受け、並列式に孫娘イオンのスペクトルが生成される。三重MS−MS分析の高い選別性が理由で、第1MSは10−20amuの広い伝送ウインドーで作動させることができ、親イオン選別時のイオン損失は最小限に抑えられ、尚且つCTTはTSG76無しの作動か又は低いTSGインターリービングファクターでの作動が可能になると期待される。MS3分析の高い選別性と信頼性に加え、当該方法は検体分子組成に関する追加の情報を提供することができる。
[0049]再度図6を参照して、同じ装置71を、ハードウェアを再構成すること無しに、順二的なMS−MSタンデム型という更に別のモードに採用することができる。このモードでは、親イオンは第1四重極MS79で選別され、セル80で断片化され、次いでC−HRT分析器内で分析される。後端レンズ77はオフに切り換えられ、イオンは分析器を1回だけ通過した後に補助検出器78A上へ至る。当該方法は、親イオン分離でのイオン損失を代償にしてではあるが、100,000の範囲のフラグメント分析の高分解度を手に入れることを可能にする。
[0050]再度図6を参照して、同じ装置71を、両MS段に高分解度を有する順次的MS−MS分析という第4のモードに採用することができる。その様なモードでは、親イオンはCHRTで分離され、TSG76で選別され、SIDセル77に当たり、次いで補助検出器78Aに向かって操舵されてゆき、より高い分解度のためにCHRT分析器全体を通る二次イオンにとっての長いイオン通路を可能にする。当該モードは前段の四重極でのもう1つのMS段によって補完させることができる。
[0051]本発明はマルチモードMS−MS分析のための新たな装置を特許請求している。
[0052]本発明は、好適な実施形態に関連付けて説明されているが、当業者には、付随の特許請求の範囲に示されている本発明の範囲から逸脱すること無しに、形態及び詳細事項における様々な修正がなされ得ることが自明であろう。
11 平面状多重反射飛行時間型質量分析計
12 無格子イオンミラー
12L ミラーレンズ
13 無電場空間
14 周期的レンズのセット
15 パルス式イオン源
16 検出器
17 イオンパケット
21 円筒状HRT
22 平行同軸イオンミラー
22A、22Β 電極セット
22L 加速レンズ
22P ミラー電極の波状表面
23 無電場空間
24 周期的スリットのセット
25 追加のリング電極
25P 補助電極
26 半径方向偏向リング電極
28 最大角度と比R/Lの間の関係
61 円筒状HRT分析器
61A 分析器組立体
62 レース平板電極
62A ミラー組立体
62P イオンミラー
63 スペーサ
64 接地ロッド
65 クランプロッド
66 基部フランジ
67 離隔部(standoffs)又は飛行管
68 真空室
69 直交加速器
70 イオントラップパルス式変換器
71 包括的TOF−TOF(CTT)
72 イオントラップ
73 円筒状多重反射分析器
74 周期的レンズのセット
75 反射性端レンズ
76 時限式イオン選別ゲート(TSG)
77 表面誘導解離(SID)セル
78 イオン検出器
78A 補助検出器
79 質量分離器
80 第2の断片化セル
α、β、γ 傾斜角度
G 電極内ギャップ
L キャップからキャップまでの距離、キャップ間距離
Rc 円筒状電場体積の半径

Claims (15)

  1. 多重反射飛行時間型質量分析計において、
    パルス式イオン源またはパルス式変換器のうちの一つと、
    少なくとも2つの平行な静電イオンミラーを有する円筒状分析器であって、前記イオンミラーの各々は無電場空間を間に有し、前記イオンミラーの各々は引き寄せ電位を有する少なくとも1つの電極を有しており、前記イオンミラーの各々は、イオンミラーキャップ、内側のリング電極、及び外側のリング電極で製作されて前記外側のリング電極と前記内側のリング電極の間に円筒状の電場の体積を形成しており、更に、前記円筒状の電場の体積の半径Rcは前記イオンミラーキャップ間の距離の6分の1より大きく、また更には、前記イオンミラーのうちの一つ又は前記無電場空間は、半径方向イオン偏向のための少なくとも1つのリング電極を備えている、少なくとも2つの平行な静電イオンミラー、を有する円筒状分析器と、
    備えており、
    前記イオンミラーの少なくとも1つは、空間変調された表面であって、接線方向へのイオンの発散を制限するために接線方向に延びる複数のアーチ状のセグメントを画定する表面を含み、前記複数のアーチ状のセグメントは第1の凹状セグメントと、第2の凹状セグメントと、凸状セグメントと、を含み、前記凸状セグメントは前記第1の凹状セグメントから前記第2の凹状セグメントに向かって接線方向に延びていて、
    前記パルス式イオン源またはパルス式変換器のうちの一つは、1度の傾斜角度を有するイオンパケットを生成して、前記接線方向へのイオンの発散を制限するための手段の稠密ピッチと整合し、
    前記反射飛行時間型質量分析計は、タンデム質量スペクトルを得ることを目的に、表面誘導解離のセルを更に備え、
    前記表面誘導解離のセルは、前記円筒状分析器内に設置されており、
    前記イオンパケットの前記傾斜角度は、X軸に対する角度であり、
    前記X軸の方向は、前記イオンパケットが反射される方向である、多重反射飛行時間型質量分析計。
  2. 前記接線方向へのイオンの発散を制限するための手段は、(i)湾曲軸に沿って巻かれている周期的レンズのセット、(ii)湾曲軸に沿って巻かれている周期的スリットのセット、及び(iii)接線方向へ変調されている静電ミラー、から成る群より選択されている、請求項1に記載の多重反射飛行時間型質量分析計。
  3. 引き寄せ電位を有する前記ミラー電極の高さは、前記外側のリング電極と前記内側のリング電極の間のギャップより少なくとも2倍大きい、請求項1に記載の多重反射飛行時間型質量分析計。
  4. 前記パルス式イオン源とパルス式変換器のうちの一つは、(i)直交パルス式加速器、(ii)無格子直交パルス式加速器、(iii)パルス式直交抽出を有する無線周波数イオンガイド、(iv)パルス式直交抽出を有する静電イオンガイド、及び(v)上流の蓄積用無線周波数イオンガイドに先行されている上記加速器のうちの何れか、から成る群より選択されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の多重反射飛行時間型質量分析計。
  5. 前記パルス式イオン源と前記パルス式変換器のうちの一つは、Z軸に対して傾けられており、追加の偏向器がイオンパケットを前記イオンミラー内での少なくとも1回のイオン反射後に当該の同じ角度で操舵しており、
    前記Z軸の方向は、前記イオンパケットのドリフト方向である、請求項1乃至4の何れか1項に記載の多重反射飛行時間型質量分析計。
  6. 前記パルス式イオン源とパルス式変換器のうちの一つを過ぎてのイオンパケットの角度的な発散を3mrad未満に抑えるために、当該パルス式イオン源とパルス式変換器のうちの一つを過ぎてのイオンパケット再集束のための手段を更に備えている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の多重反射飛行時間型質量分析計。
  7. タンデム質量スペクトルを得ることを目的に、(i)時限式イオン選別器ゲート、(ii)反射性端レンズ、(iii)補助検出器、の群のうちの少なくとも1つを更に備えている、請求項1乃至6の何れか1項に記載の多重反射飛行時間型質量分析計。
  8. 上流の第1の質量又はイオン移動度分離器と、断片化セルと、を更に備えている、請求項7に記載の多重反射飛行時間型質量分析計。
  9. 質量スペクトル分析の方法において、
    円筒状分析器の2つの平行な静電イオンミラーの静電場間でのイオンパケットの多回反射を配設する段階であって、前記2つのイオンミラーは無電場領域によって離間されていて、前記イオンミラーのそれぞれがイオンミラーキャップを有する、円筒状分析器の2つの平行な静電イオンミラーの静電場間でのイオンパケットの多回反射を配設する段階と、
    前記イオンミラーの前記静電場を、引き寄せ電位を有する電場区分を提供することによって配設する段階と、
    円筒状の電極内空洞部内に前記静電場を配設する段階であって、前記静電場は円筒対称の構造を含んでおり、前記静電場の半径Rcは前記イオンミラーキャップ間の距離の6分の1より大きい、前記静電場を配設する段階と、
    半径方向イオン偏向を配設する段階と、
    接線方向へのイオンの発散を制限する段階であって、接線方向に延びる複数のアーチ状のセグメントを画定するため前記イオンミラーの少なくとも1つの表面を変調することのどちらかによって制限する段階であって、前記複数のアーチ状のセグメントは第1の凹状セグメントと、第2の凹状セグメントと、凸状セグメントと、を含み、前記凸状セグメントは前記第1の凹状セグメントから前記第2の凹状セグメントに向かって接線方向に延びている、制限する段階と、
    接線方向へのイオンの発散を制限するための手段の稠密ピッチと整合するために、1度の傾斜角度を有するイオンパケットを生成する段階と、
    タンデム質量スペクトルを並列して得る段階であって、イオンを10乃至100eVのエネルギー範囲で検出器に衝突させてフラグメントイオンを形成させ、当該フラグメントイオンを飛行時間分析のために円筒状イオンミラーの前記同じ静電場の中へパルス抽出する段階と、を備え、
    前記フラグメントイオンは、前記円筒状分析器内に設置された表面誘導解離のセルへパルス式電圧信号を印加することで抽出される、方法。
  10. 前記接線方向へのイオン発散を制限する前記段階は、(i)イオンミラー内又は湾曲軸に沿って巻かれた周期的レンズのセット内に静的で周期的に空間変調される静電場を形成する段階と(ii)周期的スリットのセットによって発散を制限する段階のうちの1つを備えている、請求項9に記載の方法。
  11. 飛行時間収差を低減する段階であって、引き寄せ電位領域の長さを前記イオンミラー電場の半径方向幅より少なくとも2倍大きくする、飛行時間収差を低減する段階と、を更に備えている、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 低い交差収差での5次エネルギー集束を提供する段階を更に備えている、請求項9乃至11の何れか1項に記載の方法。
  13. 10kVより上の電位を横断して前記イオンパケットを加速する段階と、
    パルス式イオン源を過ぎての前記イオンパケットの角度的な発散を3mrad未満に抑えるために、当該パルス式イオン源を過ぎての当該イオンパケットを再集束させる段階と、を更に備えている、請求項9乃至12の何れか1項に記載の方法。
  14. イオン断片化段階を次に従える上流の質量又はイオン移動度分離の段階を更に備えている、請求項9乃至13の何れか1項に記載の方法。
  15. 前記諸段階は、少なくとも次の型式のタンデム型質量分光分析、即ち、(i)上流の質量分離と円筒状の電場での高分解度フラグメント分析を有する順次的MS−MS分析、(ii)順次的な上流の親選別と円筒状の電場での後続の並列MS−MS分析を有する、MS−MS−MS分析、(iii)順次的な高分解度MS−MS分析―どちらも円筒状の電場内にその円筒状の電場を通るイオン通路が設けられている―、を実施するように組み合わされる、請求項9又は14に記載の方法。
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