JP6516361B2 - 導電性手袋 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性手袋に関する。
塗装工場内或いは電子部品等の精密部品工場内において、身体又は衣類等に付着した塵埃が静電気によって塗装面或いは精密部品を汚染することを防止したり、身体又は衣類等に帯電した静電気の放電によって精密部品を破損することを防止したりするため、作業者は制電処理を施し且つ素材発塵の少ない作業用衣類を着用して作業を行っている。そして、手には、導電性を付与された導電性手袋を装着して作業を行っている。このような導電性手袋として、例えば、特許文献1に記載の制電手袋、或いは特許文献2に記載の帯電防止手袋が知られている。
特許文献1に記載の制電手袋は、伸縮性繊維基材からなる手形状の甲側部材と、伸縮性繊維基材に合成樹脂層を積層した非通気性材料からなる手形状の平側部材とを重ね合わせ、その周囲部分を接合一体化して形成された手袋であって、甲側部材を構成する伸縮性基材を構成する繊維に導電性が付与されている手袋である。そして、特許文献1には、伸縮性基材を構成する繊維に導電性を付与する方法として、予め導電性を付与した繊維を用いて伸縮性基材を作成して導電性を付与したり、導電性ポリマーを形成するモノマーを含む処理液に伸縮性基材を浸漬して導電性を付与したりする方法が記載されている。
また、特許文献2に記載の帯電防止手袋は、基材にドライメッキ法で金属を密着させた手袋である。このように形成された特許文献2に記載の帯電防止手袋は、金属の粉が落ち難く、帯電を防止することもできる。
特開平7−26405号公報 特開2002−212818号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2には、手袋の素材の特性を活かしながら、制電処理を施した作業用衣類に効率的に静電気を通電させる導電部の配置に関して、具体的に記載されていない。また、特許文献1及び特許文献2には、コストを意識した導電部の配置に関して、具体的に記載されていない。
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る導電性手袋に関する。
本発明は、手の甲側のシート部材の周縁部と掌側のシート部材の周縁部とが固定されてなる手袋本体に配された導電剤を通して導電する導電性手袋であって、前記導電剤は、導電性粉体を含有して形成されており、前記手袋本体における指を収容する指袋の先端部と前記手袋本体の手の挿入口とに亘って前記導電剤が連続して塗工されてなる線状の線状導電塗工部を備えている導電性手袋を提供するものである。
本発明によれば、コストを抑えると共に、手袋の素材の特性を活かしながら、制電処理を施した作業用衣類に効率的に静電気が通電でき、制電性の求められる作業環境下で使用できる。その為、塵埃による汚染が防止でき、帯電した静電気の放電によって精密部品等が破損し難い。
図1は、本発明の導電性手袋の一実施形態である手袋の斜視図である。 図2は、図1に示す導電性手袋を手の甲側から平面視した平面図である。 図3は、図1に示す導電性手袋を掌側から平面視した平面図である。 図4は、図1に示すIV−IV線断面図である。 図5は、図1に示す導電性手袋の製造方法に好ましく用いられる製造装置の概略図である。 図6は、図5に示す手袋の製造装置の備える金型シール部及びカッター刃の斜視図である。 図7は、図6に示すVII−VII線断面図である。 図8は、図1に示す導電性手袋の製造方法の工程(前半部分)を説明する図である。 図9は、図1に示す導電性手袋の製造方法の工程(後半部分)を説明する図である。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には本発明の導電性手袋の一実施形態である導電性手袋1の斜視図が示されており、図2には図1に示す導電性手袋1を手の甲側から平面視した導電性手袋1の平面図が示されており、図3には図1に示す導電性手袋1を掌側から平面視した導電性手袋1の平面図が示されている。また、図4には、図1に示すIV−IV線断面図が示されている。本実施形態の導電性手袋1(以下、単に「手袋1」ともいう。)は、図1及び図4に示すように、手の甲側のシート部材2の周縁部2eと掌側のシート部材3の周縁部3eとが固定されてなる手袋本体10に配された導電剤を通して導電する導電性手袋である。そして、本実施形態においては、手袋1は、手袋本体10が、手の甲側のシート部材2の周縁部2eと掌側のシート部材3の周縁部3eとが熱融着により固定されてなる無縫の手袋である。ここで、無縫の手袋とは、例えばミシンにより糸及び針を用いて縫製する方法を一切採らずに、超音波融着、高周波融着、或いは熱融着により固着する方法により製造された手袋を意味する。好適には、本実施形態の手袋1は、図4に示すように、手の甲側のシート部材2の周縁部2eと掌側のシート部材3の周縁部3eとが融着用フィルム4を介して固着されて形成されている。
本実施形態の手袋1は、図1に示すように、手袋本体10における指を収容する指袋6が、5本の指の形に分枝して、親指部分bf、人差指部分ff、中指部分mf、薬指部分rf及び小指部分lfを有している。このように、手袋1は、5本指である親指、人差指、中指、薬指及び小指をそれぞれ収容する指袋の部分(親指部分bf、人差指部分ff、中指部分mf、薬指部分rf及び小指部分lf)がそれぞれ独立した形態の手袋である。手袋1における手の甲側のシート部材2は、図2に示すように、手の甲側の5本の指の手形に形作られた生地で形成されており、手袋1における掌側のシート部材3は、図3に示すように、掌側の5本の指の手形に形作られた生地で形成されている。手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)と、掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)とは、手袋1においては、互いに同形同大に形成されている。
本実施形態の手袋1は、図4に示すように、手の甲側のシート部材2の周縁部2e及び掌側のシート部材3の周縁部3eが、手袋1の内側に向かって折り返されている。具体的に、手袋1においては、手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)の周縁部2e及び掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)の周縁部3eが、手袋1における手の挿入口1Mとなる部分を除いて、手袋本体10の周縁部1eに沿って、手袋1の内側に向かって折り返されている。手の甲側のシート部材2の折り返された周縁部2eの幅と掌側のシート部材3の折り返された周縁部3eの幅とは、同じ幅である。
また、本実施形態の手袋1は、図1及び図4に示すように、融着用フィルム4が、手袋本体10の周縁部1eに沿って帯状に延びている。帯状の融着用フィルム4の幅は、手の甲側のシート部材2の折り返された周縁部2eの幅及び掌側のシート部材3の折り返された周縁部3eの幅と、同じ幅となっている。このように、本実施形態の手袋1においては、手の甲側のシート部材2と掌側のシート部材3とを固着する融着用フィルム4が、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の表面又は裏面の全面に配されておらず、手の甲側のシート部材2の折り返された周縁部2eの幅又は掌側のシート部材3の折り返された周縁部3eの幅にのみ配されている。その為、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3が、生地で形成されている場合には、生地本来の肌触り感、伸縮性能、或いは通気性能を十分に引き出すことができる。
第1の生地2と第2の生地3との間に配される融着用フィルム4の枚数は、融着により形成される融着部である周縁突起部5の強度の向上とコストダウンとの両立の観点から、1枚以上5枚以下であることが好ましく、2枚以上3枚以下であることが更に好ましい。
本実施形態の手袋1は、図1及び図4に示すように、折り返された第1の生地2の周縁部2eと折り返された第2の生地3の周縁部3eとの間に1枚の帯状の融着用フィルム4を介在させて形成された周縁突起部5が、手袋1の内側に向かって延びている。具体的に、本実施形態の手袋1においては、手袋1の内側に向かって延びる周縁突起部5が、手の挿入口1Mとなる部分を除いて、手袋本体10の周縁1eに沿って形成されている。周縁突起部5は、生地2の周縁部2e、融着用フィルム4及び生地3の周縁部3eの順に積層されており、周縁部2e及び周縁部3eの間に融着用フィルム4を介在させて配した部分を融着させて形成される。周縁突起部5の幅は、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下であることが更に好ましい。
本実施形態の手袋1を構成する前記導電剤は、導電性粉体を含有して形成されている。好適には、前記導電剤は、導電性粉体を油又は樹脂で練ってインク状に形成されている。ここで、導電性粉体としては、金属粉末及び金属粉末以外の導電性粉末の少なくとも何れか一方を用いることができ、コストの観点から、金属粉末以外の導電性粉末を好ましく用いることができる。
金属粉末としては、銀粉、金粉、パラジウム粉、白金粉、銅粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、真鍮粉のうちの1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
金属粉末以外の導電性粉末としては、カーボンブラック、グラファイト粉等の炭素系のフィラー、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム等の各種チタン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸のうちの1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができ、コストの観点から、カーボンブラック、グラファイト粉等の炭素系のフィラーを好ましく用いることができる。
本発明の導電性手袋においては、図1〜図3に示すように、手袋本体10における指を収容する指袋6の先端部と手袋本体10の手の挿入口1Mとに亘って前記導電剤が連続して塗工されてなる線状の線状導電塗工部71を備えていることに特徴を有している。線状導電塗工部71は、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の少なくとも一方に配されていることが好ましく、本実施形態の手袋1では、図2及び図3に示すように、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3にそれぞれ配されている。尚、線状導電塗工部71は、身体に帯電した静電気を静電処理を施した作業用衣類に導通し易い観点から、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の少なくとも一方の肌対向面に配されていることが好ましく、直接触れる対象物からの放電を身体に帯電させずに直接静電処理を施した作業用衣類に導通し易い観点から、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の少なくとも一方の非肌対向面に配されていることが好ましい。
手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71と、掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71とは、身体に帯電した静電気を静電処理を施した作業用衣類に導通し易い観点から、共に、肌対向面に配されていることが好ましく、直接触れる対象物からの放電を身体に帯電させずに直接静電処理を施した作業用衣類に導通し易い観点から、共に、非肌対向面に配されていることが好ましい。また、身体に帯電した静電気、及び直接触れる対象物からの放電を、静電処理を施した作業用衣類に導通し易い観点から、手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71が肌対向面に配され、且つ掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71が非肌対向面に配されていることが好ましく、身体に帯電した静電気、及び直接触れる対象物からの放電を、静電処理を施した作業用衣類に導通し易い観点から、手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71が非肌対向面に配され、且つ掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71が肌対向面に配されていることが好ましい。尚、本実施形態の手袋1では、図4に示すように、手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71と、掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71とが、共に、肌対向面に配されている。
また、本実施形態の手袋1は、図1〜図3に示すように、手袋本体10の周縁部1eに亘って導電剤が連続して塗工された周縁導電塗工部72を備えている。周縁導電塗工部72を構成する導電剤と、線状導電塗工部71を構成する導電剤とは、含有する導電性粉体が、同じものでも異なっているものでもよいが、本実施形態では、同じものを用いている。周縁導電塗工部72は、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の少なくとも一方で、且つ線状導電塗工部71が配されている部材2,3側に配されていることが好ましく、本実施形態の手袋1では、図1〜図3に示すように、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3にそれぞれ配されている。周縁導電塗工部72は、直線状の線状導電塗工部71が途中で途切れていたとしても該周縁導電塗工部72を通して静電気を静電処理した作業用衣類に導通する観点から、線状導電塗工部71が配されている側の、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の少なくとも一方の肌対向面に配されていることが好ましく、線状導電塗工部71が配されている側の、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の少なくとも一方の非肌対向面に配されていることが好ましい。また、手の甲側のシート部材2に配された周縁導電塗工部72と、掌側のシート部材3に配された周縁導電塗工部72とが、共に、肌対向面又は非肌対向面に配されてもよく、手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が肌対向面に配され、且つ掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が非肌対向面に配されてもよく、手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が非肌対向面に配され、且つ掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が肌対向面に配されてもよい。尚、本実施形態の手袋1では、図4に示すように、手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72と、掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72とが、共に、肌対向面に配されている。
また、本実施形態の手袋1は、図1〜図3に示すように、線状導電塗工部71と周縁導電塗工部72とが接している。好適には、線状導電塗工部71は、5本の指の形に分枝する指袋6を有する手袋1では、親指部分bf、人差指部分ff、中指部分mf、薬指部分rf及び小指部分lfの内の少なくとも1つに配されていることが好ましく、本実施形態では、親指部分bf、人差指部分ff、中指部分mf、薬指部分rf及び小指部分lfに、それぞれ、配されている。更に好適には、本実施形態の手袋1では、図2に示すように、線状導電塗工部71は、手の甲側のシート部材2の親指部分bf、人差指部分ff、中指部分mf、薬指部分rf及び小指部分lfの先端部から手袋本体10の手の挿入口1Mに亘って、それぞれ、複数本連続して配されている。具体的には、線状導電塗工部71は、手の甲側のシート部材2の親指部分bfにおいて6本配されており、手の甲側のシート部材2の人差指部分ff、中指部分mf及び薬指部分rfにおいて5本配されており、手の甲側のシート部材2の小指部分lfにおいて4本配されている。また、本実施形態の手袋1では、周縁導電塗工部72は、手の甲側のシート部材2の親指部分bfの周縁部、人差指部分ffの周縁部、中指部分mfの周縁部、薬指部分rfの周縁部及び小指部分lfの周縁部を通って、手袋本体10の周縁部1eの内側で且つ周縁部1eに沿って連続して配されている。そして、手の甲側のシート部材2においては、親指部分bfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接し、人差指部分ff、中指部分mf及び薬指部分rfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接し、小指部分lfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接している。このように、手の甲側のシート部材2に配された複数の線状導電塗工部71は、必ず周縁導電塗工部72と接しており、線状導電塗工部71が単独で存在することが無いように、配されている。
同様に、本実施形態の手袋1では、図3に示すように、線状導電塗工部71は、掌側のシート部材3の親指部分bf、人差指部分ff、中指部分mf、薬指部分rf及び小指部分lfの先端部から手袋本体10の手の挿入口1Mに亘って、それぞれ、複数本連続して配されている。具体的には、線状導電塗工部71は、掌側のシート部材3の親指部分bfにおいて6本配されており、掌側のシート部材3の人差指部分ff、中指部分mf及び薬指部分rfにおいて5本配されており、掌側のシート部材3の小指部分lfにおいて4本配されている。また、本実施形態の手袋1では、周縁導電塗工部72は、掌側のシート部材3の親指部分bfの周縁部、人差指部分ffの周縁部、中指部分mfの周縁部、薬指部分rfの周縁部及び小指部分lfの周縁部を通って、手袋本体10の周縁部1eの内側で且つ周縁部1eに沿って連続して配されている。そして、掌側のシート部材3においては、親指部分bfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接し、人差指部分ff、中指部分mf及び薬指部分rfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接し、小指部分lfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接している。このように、掌側のシート部材3に配された複数の線状導電塗工部71は、必ず周縁導電塗工部72と接しており、線状導電塗工部71が単独で存在することが無いように、配されている。
線状導電塗工部71又は周縁導電塗工部72を形成する前記導電剤の塗工は、スプレーガン、コーターガン、ビードガン、転写ロール、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又は判子(スタンプ)等を用いて塗工することができる。尚、線状導電塗工部71の塗工パターンは、手袋本体10における指を収容する指袋6の先端部と手袋本体10の手の挿入口1Mとに亘って、連続して塗工されていれば、直線状でも、曲線状でも、スパイラル状でもよく、アート柄、絵柄でもよいが、図1〜図3に示す塗工パターンは、直線状である。
線状導電塗工部71の幅と周縁導電塗工部72の幅とは、デザイン性の観点からは、同じ幅であることが好ましく、効率的に静電気を通電させる観点からは、周縁導電塗工部72の幅の方が線状導電塗工部71の幅よりも広いことが好ましい。具体的に、線状導電塗工部71の幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.5mm以上2mm以下であることが更に好ましい。周縁導電塗工部72の幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.6mm以上2.5mm以下であることが更に好ましい。
線状導電塗工部71の塗工量と周縁導電塗工部72の塗工量とは、コストの観点からは、同じ量であることが好ましく、効率的に静電気を通電させる観点からは、周縁導電塗工部72の塗工量の方が線状導電塗工部71の塗工量よりも多いことが好ましい。具体的に、線状導電塗工部71の塗工量は、導電材の含有量が1wt%以上50wt%以下の範囲で使用することが好ましく、導電材の含有量が3wt%以上20wt%以下の範囲で使用することが更に好ましく、導電材の含有量が4wt%以上10wt%以下の範囲で使用することが特に好ましい。周縁導電塗工部72の塗工量は、導電材の含有量が1wt%以上50wt%以下の範囲で使用することが好ましく、導電材の含有量が3wt%以上20wt%以下の範囲で使用することが更に好ましく、導電材の含有量が4wt%以上10wt%以下の範囲で使用することが特に好ましい。
また、上述した手の甲側のシート部材2に配された周縁導電塗工部72及び掌側のシート部材3に配された周縁導電塗工部72は、幅が同じで、塗工量も同じに形成されているが、使用状況により導電性を調整する観点から、例えば、手の甲側のシート部材2に配された周縁導電塗工部72の幅又は塗工量を掌側のシート部材3に配された周縁導電塗工部72の幅又は塗工量よりも大きくしてもよく、手の甲側のシート部材2に配された周縁導電塗工部72の幅又は塗工量を掌側のシート部材3に配された周縁導電塗工部72の幅又は塗工量よりも小さくしてもよい。また、手の甲側のシート部材2に配された線状導電塗工部71及び掌側のシート部材3に配された線状導電塗工部71は、本数が同じで、幅が同じで、塗工量も同じに形成されているが、同様の観点から、手の甲側のシート部材2に配された周縁導電塗工部72の本数、幅又は塗工量を掌側のシート部材3に配された周縁導電塗工部72の本数、幅又は塗工量よりも大きくしてもよく、同様の観点から、手の甲側のシート部材2に配された周縁導電塗工部72の本数、幅又は塗工量を掌側のシート部材3に配された周縁導電塗工部72の本数、幅又は塗工量よりも小さくしてもよい。
本実施形態の手袋1の形成材料について説明する。
手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)及び掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)としては、織物、不織布、編み物、革等が挙げられ、これらを組み合わせたものを用いることもできる。織物、不織布、編み物の素材としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロプレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維などの合成樹脂繊維;綿、羊毛、絹、麻などの天然繊維;等が挙げられる。革としては、牛革や豚革などの天然皮革;ウレタン樹脂製、塩化ビニル樹脂製などの合成皮革、人工皮革;またはこれらを組合せたもの等が挙げられる。尚、周縁突起部5の強度向上の観点からは、融着性のある素材が好ましく、具体的にはポリウレタン繊維が好ましく用いられ、ポリウレタン繊維の混繊された混紡繊維が特に好ましく用いられる。
また、手袋1に防水性を付与する場合には、手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)及び掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)として、防水処理を施した上述した織物、不織布、編み物、革等を用いることもできる。防水処理は、例えば、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂等の疎水性樹脂で、上述した織物、不織布、編み物、革等をコーテイングしたり、あるいは前記疎水性樹脂からなるシートを上述した織物、不織布、編み物、革等にラミネートしたりして行なう。
融着用フィルム4としては、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、塩酸ゴムフィルム、ポリイミドフィルム等の融着性を有する合成樹脂フィルムが挙げられる。特に、融着用フィルム4としては、融着強度の安定化の観点、及び弾力性の観点から、ポリウレタンフィルムを用いることが好ましく、コストダウンの観点及び引き千切り易さの観点から、ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。融着用フィルム4は、その厚みが、10μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることが更に好ましく、25μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
次に、本実施形態の手袋1の製造方法を、図面を参照しながら説明する。
図5には、手袋1の製造方法に用いる好ましい一実施形態の製造装置100の概略図が示されている。製造装置100は、図6に示すように、手袋1の輪郭形状に倣って形成された金型シール部11及びカッター刃12を備えている。また、金型シール部11及びカッター刃12は、周縁導電塗工部72にも倣って形成されているが、周縁導電塗工部72の輪郭よりも大きく形成されている。そして、カッター刃12は、金型シール部11の幅内に配されている。具体的には、金型シール部11は、手首を含む5本指を有する手の形状に倣って形成された金属製の金型である。カッター刃12も同様に、手首を含む5本指を有する手の形状に倣って形成されている。金型シール部11及びカッター刃12は、図5に示すように、公知の融着機14の有するプレスシリンダー13の下端に取り付けられて、金型シール部11及びカッター刃12と間隔を空けて対向配置されるフラットな金属製のプレート15と共に使用されるものである。金型シール部11及びカッター刃12は、プレスシリンダー13によって、上下方向に昇降可能になっている。融着機14に取り付けられた金型シール部11は、本実施形態の製造装置100においては、加熱可能となっている。また、カッター刃12は、図6に示すように、金型シール部11の幅内の幅方向中央部分に配され、金型シール部11の外周縁に沿って配されている。従って、金型シール部11は、図7に示すように、その幅方向に沿って断面視して、カッター刃12よりも内側の部分111と、カッター刃12よりも外側の部分112とに区分されている。
金型シール部11は、図7に示すように、その幅方向に沿って断面視して、カッター刃12よりも内側の部分111におけるカッター刃12とは反対側(金型シール部11内方側)の先端内側角部11c1が、直角に形成されている。言い換えれば、金型シール部11のシール面11fと、内側の部分111における内側内壁11iとのなす角αが直角に形成されている。ここで「直角」とは、角度が90°の角部のみならず、90°と同視可能な88°〜92°の範囲の角度も含まれる意味である。金型シール部11は、製造装置10においては、その幅方向に沿って断面視して、金型シール部11内方側の内側内壁11iの高さと、内側の部分111におけるカッター刃12側の外側外壁11oの高さとが同じになっている。従って、金型シール部11のシール面11fと外側外壁11oとのなす角βも直角であり、内側の部分111におけるカッター刃12側の先端外側角部11c2も直角に形成されている。
尚、プレスシリンダー13の下端に取り付けられた金型シール部11及びカッター刃12は、昇降前の静止状態において、カッター刃の高さが、金型シール部11の高さよりも低くなっている。
次に、図5に示す手袋1の製造装置100を用いて、手袋1を製造する製造方法について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8に示す(i)〜(iii)及び図9に示す(iv)〜(v)は、手袋1を製造する製造方法の製造工程を説明する図であり、各工程における(a)は各工程での断面図を示し、各工程における(b)は各工程で得られたものの平面図を示している。
図5に示す製造装置100は、手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)の原反20と掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)の原反30との間に融着用フィルム4の原反40を配した複合体70に、金型シール部11を用いて手袋1の輪郭形状の周縁固着部5の前駆体5aを形成した後、カッター刃12を用いて手袋1の前駆体1aを形成する無縫の手袋1の製造装置である。
手袋1を製造する製造装置100を用いた製造方法は、先ず、手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)の原反20及び掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)の原反30に、公知のシルクスクリーン印刷法を用いて前記導電剤を塗工して線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72を形成する。
次いで、融着機14に取り付けられた金型シール部11及びカッター刃12と、融着機14のフラットなプレート15との間に、図8(i)(a)及び図8(i)(b)に示すように、手の甲側のシート部材2の原反20と掌側のシート部材3の原反30との間に融着用フィルム4の原反40を配した複合体70を配置する。ここで、上述した手袋1を製造する場合には、手の甲側のシート部材2の原反20における線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が塗工された面が、外面(原反40に対向する面と反対側の面)を向くように配置し、掌側のシート部材3の原反30における線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が塗工された面も、外面(原反40に対向する面と反対側の面)を向くように配置する。
次いで、製造装置100を用いた手袋1の製造方法においては、図8(ii)(a)及び図8(ii)(b)に示すように、線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72を有する複合体70に、手袋1の輪郭形状に倣った形状の周縁固着部5の前駆体5aを形成して固着する(シール工程)。シール工程は、手袋1の輪郭形状及び周縁導電塗工部72に倣って形成された金型シール部11を用いて行う。具体的に製造装置100を用いた製造方法においては、金型シール部11を、融着用フィルム4を構成する合成樹脂の融点以上の温度に加熱して、加熱された金型シール部11をプレスシリンダー13によって下方に降下させ、複合体70を金型シール部11とフラットなプレート15とで加圧し、手首を含む5本指を有する手の形状に倣った形状の周縁固着部5の前駆体5aを形成する。ここで、上述したように、金型シール部11は、図7に示すように、その幅方向に沿って断面視して、内方側の先端内側角部11c1が直角に形成されているので、前駆体5aを、図8(ii)(a)に示すように、その幅方向に沿って断面視して、先端内側角部11c1に対応する位置に、金型シール部11により加圧された部分と非加圧な部分との境界Bが、手袋1の輪郭形状に倣って形成される。
次いで、製造装置100を用いた手袋1の製造方法においては、図8(iii)(a)及び図8(iii)(b)に示すように、形成された周縁固着部5の前駆体5aの幅内で、前駆体5aの外周縁に沿って手袋1の相似形状にカットして手袋1の前駆体1aを形成する(カット工程)。カット工程は、手袋1の輪郭形状に倣って形成されており、金型シール部11の幅内に配されたカッター刃12を用いて行う。具体的に製造装置100を用いた製造方法においては、カッター刃12をプレスシリンダー13によって更に下方に降下させ、周縁固着部5の前駆体5aの形成された複合体70をカッター刃12とフラットなプレート15とで加圧し、周縁固着部5の前駆体5aの幅内の幅方向中央部分にて前駆体5aの外周縁に沿ってカットして、線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72を有する手袋1の前駆体1aを形成する。従って、周縁固着部5の前駆体5aは、カッター刃12により、その幅が略半分に切断される。このように、周縁固着部5の前駆体5aの幅内でカッター刃12によってカットするので、切断面からの生地の発塵を防止することができる。
次いで、手袋1の製造方法においては、金型シール部11及びカッター刃12を、プレスシリンダー13によって、上方に上昇させ、融着機14に取り付けられた金型シール部11及びカッター刃12と、融着機14のフラットなプレート15との間から、形成された手袋1の前駆体1aを取り出す。
次いで、製造装置100を用いた手袋1の製造方法においては、図9(iv)及び図9(v)に示すように、形成された手袋1の前駆体1aを裏返して、裏返された手袋1の前駆体1aの外周縁に沿って、周縁突起部5の前駆体5a以外の融着用フィルム4の部分を引き剥がして周縁突起部5を形成する(引き剥がし工程)。引き剥がし工程においては、図9(iv)(a)及び図9(iv)(b)に示すように、形成された手袋1の前駆体1aを裏返して、周縁突起部5の前駆体5aが裏返された手袋1の前駆体1aの内側(内部)に突出するようにする。上述した図8(iii)(b)に示すように、周縁突起部5の前駆体5aには、加圧された部分と非加圧な部分との境界Bが、手袋1の輪郭形状に倣って、手袋1の前駆体1aの内側に形成されている。このように形成された手袋1の前駆体1aを裏返せば、図9(iv)(a)に示すように、裏返された手袋1の前駆体1aの外周縁側(外側)に、手袋1の輪郭形状に倣った境界Bが配されるようになる。その為、図9(v)(a)及び図9(v)(b)に示すように、周縁突起部5以外の融着用フィルム4を引き剥がす際、製造装置100を用いた手袋1の製造方法によれば、裏返された手袋1の前駆体1aの外周縁に沿って、境界Bを支点に、例えば手の挿入口1Mとなる部分から周縁突起部5以外の融着用フィルム4を引き剥がし易く、図12に示す手袋1を効率的に製造し易い。また、形成された手袋1の前駆体1aを裏返すことによって、線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が、手の甲側のシート部材2の肌対向面側に配され、且つ、掌側のシート部材3の肌対向面側に配された手袋1が製造できる。
尚、引き剥がし工程にて、引き剥がされた余分な融着用フィルムは、収集してフィルムメーカーにて再加工することにより、リサイクルすることができる。
上述した本実施態様の手袋1の製造方法によれば、手袋1を効率的に連続して製造することができる。
以上のように製造された本発明の実施形態の手袋1は、図1〜図3に示すように、手袋本体10における指を収容する指袋6の先端部と手袋本体10の手の挿入口1Mとに亘って前記導電剤が連続して塗工されてなる線状の線状導電塗工部71を備えている。その為、作業者が手袋1を装着して作業をすれば、指袋6の先端部と手の挿入口1Mとに亘る線状導電塗工部71を介して、制電処理を施した作業用衣類に効率的に静電気が通電でき、身体又は衣類等に付着した塵埃が静電気によって塗装面或いは精密部品を汚染することが防でき、身体又は衣類等に帯電した静電気の放電によって精密部品を破損することが防止できる。従って、手袋1は、塗装工場内或いは電子部品等の精密部品工場内等の制電性の求められる作業環境下で使用できる。また、線状導電塗工部71は、線状に塗工されたものであるため、コストを抑えることができ、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の特性を活かすことができる。即ち、本実施形態の手袋1は、図4に示すように、手の甲側のシート部材2と掌側のシート部材3とを固着する融着用フィルム4が、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3の表面又は裏面の全面に配されておらず、手の甲側のシート部材2の折り返された周縁部2eの幅又は掌側のシート部材3の折り返された周縁部3eの幅にのみ配されている。その為、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3が、生地で形成されている場合には、線状に塗工された線状導電塗工部71によって、生地本来の肌触り感、伸縮性能、或いは通気性能を阻害せず、生地の特性を十分に引き出すことができる。
また、本実施形態の手袋1は、図1〜図3に示すように、線状導電塗工部71が複数形成されているので、該線状導電塗工部71の部分が凸状になり、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3に凹凸構造が形成されるので、対象物を手袋1を介して把持する際の滑り止めとなり易く、作業効率が向上する。特に、線状導電塗工部71が掌側のシート部材3に複数形成されていれば、このような効果が更に奏される。
また、本実施形態の手袋1は、図1〜図3に示すように、線状導電塗工部71に接する周縁導電塗工部72が、手袋本体10の周縁部1eに亘って配されている。その為、作業者が手袋1を装着して作業をすれば、指袋6の先端部と手の挿入口1Mとに亘る線状導電塗工部71に接する周縁導電塗工部72を介して、制電処理を施した作業用衣類に更に効率的に静電気が通電できる。
また、本実施形態の手袋1においては、線状導電塗工部71が、図1〜図3に示すように、親指部分bf、人差指部分ff、中指部分mf、薬指部分rf及び小指部分lfに、それぞれ、配されているので、制電処理を施した作業用衣類に更に効率的に静電気が通電できる。特に、本実施形態の手袋1では、親指部分bfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接し、人差指部分ff、中指部分mf及び薬指部分rfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接し、小指部分lfに配された各線状導電塗工部71の先端が周縁導電塗工部72に接している。このように、掌側のシート部材3に配された複数の線状導電塗工部71は、必ず周縁導電塗工部72と接しており、線状導電塗工部71が単独で存在することが無いように、配されているので、制電処理を施した作業用衣類に更に効率的に静電気が通電できる。また仮に1本の線状導電塗工部71が作業中に剥げ、該線状導電塗工部71の途中で分断されるようになったとしても、分断された線状導電塗工部71の先端部に接する周縁導電塗工部72を介して、制電処理を施した作業用衣類に効率的に静電気が通電できる。
また、本実施形態の手袋1においては、線状導電塗工部71が、図2〜図4に示すように、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3にそれぞれ配されているので、制電処理を施した作業用衣類に更に効率的に静電気が通電できる。
また、本実施形態の手袋1は、図4に示すように、手の甲側のシート部材2の周縁部2eと掌側のシート部材3の周縁部3eとが熱融着により固定されてなる無縫の手袋であるので、繊維屑が非常に出難く、繊維屑が静電気によって塗装面或いは精密部品を汚染することを更に防止できる。
以上、本発明の手袋をその好ましい実施形態の手袋1に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば上述した本実施形態の手袋1は、無縫の手袋であるが、無縫の手袋でなくてもよい。他の形態の手袋としては、手の甲側のシート部材2の周縁部2eと掌側のシート部材3の周縁部3eとを縫製して形成された縫製手袋であってもよい。また、手袋1は、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3が生地で形成された無縫の手袋であるが、手の甲側のシート部材2及び掌側のシート部材3が、例えばポリオレフィン系の熱可塑性樹脂を生地の一面全体にラミネートした部材であり、該ラミネートした面どうしを熱融着した無縫の手袋であってもよく、ポリエチレン或いはウレタン等の熱可塑性樹脂製のフィルムで形成された部材であり、該部材どうしを熱融着した無縫の手袋であってもよい。即ち、このような無縫の手袋の場合には、融着用フィルム4が不要である。また、このような無縫の手袋の場合には、手の甲側のシート部材2の周縁部2e及び掌側のシート部材3の周縁部3eが、手袋の内側に向かって折り返されていても、折り返されていなくてもよい。
また、上述した実施形態の手袋1においては、手袋本体10における指を収容する指袋6は、5本指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態であるが、親指を収容する指袋と残りの4本の指を収容する指袋とに分けられたミトン形状の形態であってもよい。
また、上述した手袋1を製造する製造装置100において、図5に示すように、カッター刃12が金型シール部11の幅内に配されたものを使用しているが、金型シール部11を取り付けるプレスシリンダーを有する装置とカッター刃12を取り付けるプレスシリンダーを有する装置を別々に用意して、金型シール部11で形成された周縁固着部5の前駆体5aの幅内をカッター刃12でカットするようにしてもよい。
また、上述した製造装置100を用いて手袋1を製造する実施態様においては図8(i)に示すように、予め、手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)の原反20及び掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)の原反30に、線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が形成されているが、予め、線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が形成されていなくてもよい。即ち、線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72が形成されていない手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)の原反20及び掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)の原反30を用いて、図8(iii)に示すように、手袋1の相似形状にカットして手袋1の前駆体を形成してから、該前駆体の両外面に、それぞれ、公知のシルクスクリーン印刷法を用いて前記導電剤を塗工して線状導電塗工部71及び周縁導電塗工部72を形成してもよい。その後は、上述した製造装置100を用いて手袋1を製造する実施態様と同様に、手袋1の前駆体を裏返し、引き剥がし工程を経ることによって手袋1が製造できる。
また、手袋1を製造する際に用いる金型シール部11及び手袋1を製造する際に用いる金型シール部91は、加熱可能となっているが、加熱以外に、高周波、或いは超音波を施すようにしてもよい。
1 手袋
10 手袋本体
1M 手の挿入口
1e 周縁部
1a 手袋の前駆体
2 手の甲側のシート部材(手の甲側の手形の生地)
2e 周縁部
3 掌側のシート部材(手の平側の手形の生地)
3e 周縁部
4 融着用フィルム
5 周縁突起部
5a 周縁突起部の前駆体
6 指袋
71 線状導電塗工部
72 周縁導電塗工部
100 製造装置
11 金型シール部
111 カッター刃よりも内側の部分
11o 外側外壁
11i 内側内壁
11f シール面
11c1 先端内側角部
11c2 先端外側角部
112 カッター刃よりも外側の部分
12 カッター刃
13 プレスシリンダー
14 融着機
15 プレート
20 手の甲側のシート部材2(手の甲側の手形の生地)の原反
30 掌側のシート部材3(手の平側の手形の生地)の原反
40 融着用フィルム4の原反
70 複合体

Claims (7)

  1. 手の甲側のシート部材の周縁部と掌側のシート部材の周縁部とが固定されてなる手袋本体に配された導電剤を通して導電する導電性手袋であって、
    前記導電剤は、導電性粉体を含有して形成されており、
    前記手袋本体における指を収容する指袋の先端部と前記手袋本体の手の挿入口とに亘って前記導電剤が連続して塗工されてなる線状の線状導電塗工部を備え
    前記手袋本体の周縁部に亘って前記導電剤が連続して塗工された周縁導電塗工部を備え、
    前記周縁導電塗工部と前記線状導電塗工部とが接している導電性手袋。
  2. 前記指袋は、5本の指の形に分枝して、親指部分、人差指部分、中指部分、薬指部分及び小指部分を有しており、
    前記線状導電塗工部は、前記親指部分、前記人差指部分、前記中指部分、前記薬指部分及び前記小指部分の内の少なくとも1つの先端部から前記手の挿入口に亘って配されている請求項1に記載の導電性手袋。
  3. 手の甲側のシート部材の周縁部と掌側のシート部材の周縁部とが固定されてなる手袋本体に配された導電剤を通して導電する導電性手袋であって、
    前記導電剤は、導電性粉体を含有して形成されており、
    前記手袋本体における指を収容する指袋の先端部と前記手袋本体の手の挿入口とに亘って前記導電剤が連続して塗工されてなる線状の線状導電塗工部を備え、
    前記手袋本体の周縁部に亘って前記導電剤が連続して塗工された周縁導電塗工部を備え、
    前記指袋は、5本の指の形に分枝して、親指部分、人差指部分、中指部分、薬指部分及び小指部分を有しており、
    前記線状導電塗工部は、前記親指部分、前記人差指部分、前記中指部分、前記薬指部分及び前記小指部分の先端部から前記手の挿入口に亘って、それぞれ、複数本配されており、
    前記周縁導電塗工部と複数本の前記線状導電塗工部とが接している導電性手袋。
  4. 前記線状導電塗工部は、前記手の甲側のシート部材及び前記掌側のシート部材の少なくとも一方に配されている請求項1〜の何れか1項に記載の導電性手袋。
  5. 前記線状導電塗工部は、前記手の甲側のシート部材及び前記掌側のシート部材の少なくとも一方の肌対向面に配されている請求項に記載の導電性手袋。
  6. 前記線状導電塗工部は、前記手の甲側のシート部材及び前記掌側のシート部材の少なくとも一方の非肌対向面に配されている請求項に記載の導電性手袋。
  7. 前記手袋本体は、前記手の甲側のシート部材の周縁部と前記掌側のシート部材の周縁部とが熱融着により固定されてなる無縫の手袋である請求項1〜の何れか1項に記載の導電性手袋。
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