JP6510591B2 - マルチ密度相を有するカプセル装置に用いられるシステム及び方法 - Google Patents

マルチ密度相を有するカプセル装置に用いられるシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、人体内部の画像診断に関し、特に、消化管の一部の地域で1よりも大きい比重を有しかつ消化管のその他の領域で1よりも小さい密度を有するように、密度制御を持つカプセル装置に関するものである。
〔関連出願の参照〕
本発明は、2011年7月19日付で特許を受けて名称が「in vivo Autonomous Camera with On-Board Data Storage or Digital Wireless Transmission in Regulatory Approved Band」である米国特許第7,983,458号、2013年5月2日付で出願されて名称が「Optical Wireless Docking System for Capsule Camera」であるPCT特許出願整理番号第PCT/US13/39317号、及び2013年5月23日付で出願されて名称が「Capsule Endoscopic Docking System」であるPCT特許出願整理番号第PCT/US13/42490号に関するものである。ここでは上記米国特許及びPCT特許出願の全体内容は参照として引用されている。
生体の体腔または管を撮像する装置は既存技術において知られているものであり、内視鏡と自律カプセルカメラ(autonomous encapsulated camera)を含む。内視鏡は、体の開口部または手術の切口から体内に挿入されるフレキシブルまたは剛性パイプであり、一般的には口を介して食道に、または直腸を介して結腸に進入する。画像は、レンズで遠位端に形成され、レンズリレーシステム(lens-relay system)またはコヒレント光ファイバー(coherent fiber-optic bundle)によって体外の近位端に伝送される。概念的に類似する器具は、例えばCCDやCMOSアレイにより遠位端において画像を電子的に記録するとともに、ケーブルを介して当該画像データを電気的信号として近位端に転送することが可能である。内視鏡は、その視界を医者が制御することが許容され、広く利用されている診断ツールである。しかしながら、それらには確かにいくつかの制限があり、患者にリスクを負担させ、患者にとっては侵入性かつ不快感を感じるものであり、また、それらのコストによって、定期健康診断ツールとしての応用は制限されている。
曲りくねる通路(convoluted passage)の通過が困難であるため、内視鏡は小腸の大部分に到達することは容易ではなく、結腸全体に到達するには、特殊な技術及び予防処置が必要となるため、コストが高くなる。内視鏡のリスクは、通過した肉体器官の貫通、及び麻酔による併発症を含む。また、治療期間における患者の苦痛、健康リスク、及び麻酔関連のプロセス後の休止時間の間でトレードオフを行うことが必要である。
これら数多くの問題を対処する他の生体内イメージセンサの一つはカプセル内視鏡(capsule endoscope)である。カメラは、主に該デジタルカメラによって記録された画像を含むデータを体外のベースステーション受信機または送受信機及びデータ記録器に伝送する無線(radio)伝送器と共に、嚥下可能なカプセル内に収納される。該カプセルは、ベースステーションから命令またはその他のデータを受信するための無線受信機を含んでもよい。無線周波数の送信の代わりに、周波数の低い電磁信号を使用してもよい。電力は、誘導方式により外部インダクタから該カプセルの内部インダクタに供給されてもよく、またはカプセル内のバッテリーから供給されてもよい。
2011年7月19日付で許可された出願名称が「In Vivo Autonomous Camera with On-Board Data Storage or Digital Wireless Transmission in Regulatory Approved Band」である特許文献1には、内蔵(on-board)データストレージ付の自律型カプセルカメラシステムが開示されている。当該特許には、取得した画像を内蔵ストレージ、たとえば半導体不揮発性アーカイバルメモリにより保存するカプセルシステムが開示されている。カプセルは、人体から離脱した後に回収される。カプセルハウジングが開封され保存された画像は、保存及び分析のために、コンピュータワークステーションに転送される。無線送信を介して受信され、または内蔵ストレージから検索されたいずれかのカプセル画像は、その潜在的異常の判別のために、診断医により表示及び検査が行われる必要がある。
図1は、内蔵ストレージを有するカプセルシステムを例示する図である。カプセルシステム110は、照明システム12と、光学システム14及びイメージセンサ16を有するカメラとを含んでいる。また、イメージを保存する半導体不揮発性アーカイバルメモリ20が設けられ、カプセルが回収された後、体外のドッキングステーション(docking station)で検索される。システム110は、バッテリー電力供給手段24及び出力ポート26を含んでいる。カプセルシステム110は蠕動により推進されて消化管を通過することができる。
照明システム12はLEDによって実施される。図1において、該LEDはカメラの絞りの近くにあるが、これ以外の配置も可能である。例えば、光源は絞りの裏側に配置されることも可能である。また、その他の光源、例えばレーザーダイオードの使用も可能である。あるいは、白色光源、又は二つ以上の狭い波長帯域光源の組み合わせを用いてもよい。白色LEDは、より長い波長の光を放出するLED光により励起された燐光材料と共に青色LEDまたは紫色LEDを利用可能である。光が通過することを可能にするカプセルハウジング10の部分は、生体適合性ガラス(bio-compatible glass)またはポリマーからなってもよい。
複数の屈折、回折、または反射レンズ要素を含む光学系14は、イメージセンサ16に管腔壁の画像が提供される。イメージセンサ16は、受光された光の強度を電気的信号に変換する電荷結合素子(charged-coupled device:CCD)または相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide-semiconductor:CMOS)によって設けられる。イメージセンサ16は、単色応答またはカラーフィルタアレイを含むため、カラー画像(例えば、RGBまたはCYMによって表現される)を捕獲することができる。好ましくは、イメージセンサ16からのアナログ信号は、デジタル形式で処理できるようにデジタル形式に変換される。このような変換は、アナログ−デジタル(analog‐to‐digital:A/D)変換器により実施可能である。該アナログ−デジタル変換器はセンサの内部に設けられていてもよい(現在の場合と同様)、またはカプセルハウジング10内の別の部分に設けられていてもよい。A/Dユニットはイメージセンサ116とシステムの残りの部分との間に設けられる。照明システム12におけるLEDはイメージセンサ16の動作と同期される。処理モジュール22は、画像処理、ビデオ圧縮のようなシステムに必要な処理を提供することができる。該処理モジュールは画像キャプチャ動作中にLEDを制御するために必要なシステム制御を提供することもできる。処理モジュールは、例えば画像キャプチャを管理し、画像検索を調整するなど、その他の機能を担うことができる。
該カプセルカメラが消化管を経由して体から脱出した後、カプセルカメラが検索され、アーカイブメモリに格納された画像が出力ポートを介して読み出される。受信された画像は、通常、診断医に検査してもらうために、基地局に転送され処理される。診断の精度や効率は最も重要である。診断医は、すべての画像を検査し、すべての異常を正しく識別することが期待される。
該カプセル装置は、胃腸(gastrointestinal:GI)道を通って移動するときに、異なる環境に遭遇する。比較的安定した速度で移動する該カプセル装置を管理し、関心のある消化管の一部に沿ってすべての位置で十分なセンサデータ(例えば、画像)を収集し、電力およびデータストレージ収集を無駄にすることなく、いくつかの場所での過剰なデータを収集することが望ましい。いくつかの環境では、より高いカプセルの密度を有することが望ましい。その他の環境では、軽量化カプセルの密度を有することが望ましい。カプセル内視鏡による検査は、一般的には、躯体が大半の時間で直立走行する患者について行われる。該カプセルは重力方向に沿って下へ移動しなければならない際に該カプセルの密度がその周囲の流体よりも大きい場合、及び、該カプセルが重力に逆らって上へ移動しなければならない際にカプセルの密度がその周囲の流体よりも小さい場合、カプセルの通過は速くなる。例えば、該カプセルが液体充満の胃にあるときに、液体よりもカプセルが低い密度を持つと、該カプセルは該液体の上に浮遊する。この場合、該カプセル装置が小腸に到達することは難しくなる。このため、該カプセル装置が胃の中にあるときに、該カプセル装置は液体より高い密度を有することが望ましい。一方、該カプセルが小腸を経て盲腸に入ったときに、上行結腸を通過しなければならない。上行結腸内の液体よりも高い密度を有する場合、該カプセル装置は上行結腸を通過するのに長い時間がかかる。このため、該カプセル装置が上行結腸にある場合、該カプセル装置は液体より低い密度を有することが望ましい。また、該カプセルは下行結腸にある場合、結腸内の液体の密度よりも大きい密度を有することが望ましい。したがって、該カプセル装置が消化管の異なる部分において異なる密度を有し且つ適切な速度で消化管を通過するように、カプセルの密度を制御できることが望ましい。
米国特許第7983458号明細書
本発明は、消化管における特定の領域に至ると、望ましい比重となり、密度制御を持つカプセル装置を提供する。前記カプセル装置は、センサシステム及び密度制御手段を備えている。前記センサシステムは、光源と、該光源によって照明されたシーンの画像フレームをキャプチャするためのイメージセンサと、アーカイブメモリと、ハウジングとを含んでいる。前記ハウジングは飲み込みに適する。前記光源、前記イメージセンサ、および前記アーカイブメモリは、前記ハウジングに封入されている。前記密度制御手段は、消化管の少なくとも二つの特定の領域のそれぞれに対し、前記カプセル装置に少なくとも二つの比重を持たせ、前記少なくとも二つの比重が1より大きい状態と1より小さい状態とからなる第一グループから選択される。一つの実施形態において、当該1より大きい状態は、約1.1またはそれ以上の比重に対応しており、当該1より小さい状態は、約0.94またはそれ以下の比重に対応している。
一つの実施形態において、前記消化管の前記少なくとも二つの特定の領域は、胃、上行結腸および下行結腸を含む第二のグループから選択される。前記消化管の前記少なくとも二つの特定の領域は、胃および上行結腸に対応しており、前記少なくとも二つの比重に対応しているのは、それぞれ前記1より大きい状態および前記1より小さい状態である。他の実施形態において、前記消化管の前記少なくとも二つの特定の領域は、胃、上行結腸及び下行結腸に対応しており、前記少なくとも二つの比重に対応しているのは、それぞれ前記1より大きい状態、前記1より小さい状態および前記1より大きい状態である。
適当な比重で前記カプセル装置を配置するために、前記カプセル装置が位置している消化管の領域を確定する必要がある。本発明の実施形態によれば、前記領域は、前記カプセル装置が飲み込まれた後の推定走行時間、前記カプセル装置によって測定されたpH値または管腔の圧力、前記カプセル装置によって取得された画像に基づいた画像コンテンツの識別、前記カプセル装置によって取得された画像に基づいた動き検出、または、前記カプセル装置が位置している箇所で検出された結腸微生物叢に基づいて決定される。
さらに他の実施形態において、前記密度制御手段は、変形可能な部材を前記センサシステムと連結させ、前記変形可能な部材は気体発生材料を含み、前記気体発生材料は、前記変形可能な部材に胃流体を進入させることにより気体を発生させ、前記密度制御手段は該変形可能な部材を膨張させることにより、前記カプセル装置の比重は1未満となる。前記カプセル装置が胃を出る前に前記胃流体が前記変形可能な部材に進入することを防ぐために、変形可能な部材に生物分解性コーティングで塗布される。前記変形可能な部材は、胃流体よりも気体に対する透過性が小さい第一の材料からなる。前記カプセル装置の比重が1より小さくなった所定の時間後、前記変形可能な部材に前記胃流体が進入し続け、かつ、前記気体が前記変形可能な部材から漏洩し続けることを許容することで、前記密度制御手段は、前記カプセル装置の比重が1より大きくなるようにすることができる。
前記カプセル装置は前記ハウジングに固着された電気的接触手段を有しており、外部装置が前記電気的接触手段を介して前記アーカイブメモリに記憶された画像データをアクセスできるように、前記電気的接触手段は前記アーカイブメモリと連結される。前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索を行うように、前記カプセル装置に電力を提供する電力ピンを有する。あるいは、前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索を行うように、前記カプセル装置に電力を提供する誘導電力供給手段を用いてもよい。さらに他の実施形態において、前記カプセル装置は、更に、透明な窓口を介して光信号を送信する光送信器を有しており、前記アーカイバルメモリからの画像データは外部の光受信機に送信される。
解析および/または検査のために、取得されたイメージをアーカイブメモリにより格納する、消化管内におけるカプセルカメラシステムを模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る密度制御装置を含むカプセル装置の各密度状態例を示す図である。 本発明の実施形態に係る密度制御装置を含むカプセル装置の各密度状態例を示す図である。 本発明の実施形態に係る密度制御装置を含むカプセル装置の各密度状態例を示す図である。 本発明の実施形態に係る密度制御装置を含むカプセル装置の各密度状態例を示す図である。 本発明の実施形態に係る密度制御装置を含むカプセル装置の各密度状態例を示す図である。 本発明の実施形態に係る生物分解性プラグを含むカプセル装置の各密度状態例を示す図である。 本発明の実施形態に係る生物分解性プラグを含むカプセル装置の各密度状態例を示す図である。 本発明の実施形態に係る拡張または収縮可能なフレキシブル部を含むハウジング、密度制御装置を含むカプセル装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る緊密に結合された部分を2つ含むハウジング、密度制御装置を含むカプセル装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る緊密に結合された部分を2つ含むハウジング、密度制御装置を含むカプセル装置を示す図である。 本発明の実施形態に係るセンサシステムに接続されている延伸可能部、密度制御装置を含むカプセル装置を示す図である。
本明細書及び図面に説明または示されるように、本発明の要素が、様々の異なる態様を利用して設置及び設計されることは容易に理解できる。そのため、図に示されるように、下記の本発明のシステム及び方法の実施形態のさらなる詳細の説明は、特許請求の範囲に請求される本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の好ましい実施形態を示すだけのものである。
本明細書に記載の「1つの実施形態」、「実施形態」、または類似する用語は、実施形態に関して説明される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書にわたる各箇所における「一つの実施形態においては」または「実施形態においては」という用語は、必ずしも同一の実施形態であるわけではない。
また、1つまたは多数の実施形態において、記載された特徴、構造または特性はいかなる適切な方法によって組み合わせられてもよい。しかしながら、この分野における当業者は、本発明が1つまたは多数の特定な細部でなく他の方法や部材などにより実施可能であると認識している。他の実施例において、本発明の態様を紛らわしくさせないために、周知構造及び操作は詳細に表示または記載しない。
本発明の図示された実施形態は、全文にわたって似ている部材が似ている符号が割り当てられる図面を参照すればよく理解できる。下記説明は、単に例示であって、装置及び方法のある選択された実施形態を簡単に説明するものであり、特許請求の範囲に記載の発明と一致している。
米国特許第7,192,397号および米国特許第8,444,554号において、比重約1のカプセル装置が開示されている。そのカプセル装置が約1の比重を有している場合、その装置は、胃腸(GI)管(例えば、胃または結腸)内の液体中に浮遊する。米国特許第7,192,397号及び米国特許第8,444,554号に開示されているように、そのカプセル装置が約1の比重を有している場合、そのカプセル装置は、体の内腔を通る液体の流れによって身体管腔を通って運ばれる。しかしながら、体の内腔カプセル装置に対するカプセル装置が患者に飲み込まれた後、該カプセル装置はまず、咽頭と食道を通過して胃に進入し、胃には液体で充満される可能性がある。そのカプセル装置の比重が1未満であり、若しくは該カプセル装置が該液体より低い密度を有する場合、胃内において該液面の表面に浮遊する。したがって、そのカプセル装置が幽門を通過して小腸に入ることには不利である。
イメージセンサを備えたカプセル装置の場合、消化管における異なる領域、例えば、胃、小腸、上行(ascending)と下行(descending)結腸内に安定的かつ一貫性のある走行速度を持つことが肝心であり、これにより、滑らかかつ安定した画像やビデオを得られるようになる。そのカプセルカメラの走行速度は、領域における胃腸の運動、重力、周囲の流体の浮力及び粘性抵抗を含む多くの要因に依存する。該カプセル装置が飲み込まれた後、食道に推進される。食道の蠕動波により、カメラは胃の中に送入される。そのカプセル装置が噴門を通過し、流体とともに胃に入った後、重力、胃液の浮力及び抗力間のバランスがその走行速度や走行時間に影響を与え始める。伝播性筋サイクル(migrating myoelectric cycle:MMC)は、4つの段階に分けられる。段階1は、30〜60分間持続しており、収縮がまれである。段階2は、20〜40分間持続しており、間歇的な収縮を有する。段階3は(またはハウスキーピング段階)は、10〜20分間持続しており、短時間で激しくて規律な収縮を有する。ハウスキーピング波(housekeeping wave)は、未消化材料を全て胃から小腸に清掃する。段階4は0〜5分間持続し、段階3と段階1との2つの連続サイクルの間で発生する。すべての4つの段階(好ましくは、段階1および2)において所望の速度で走行するカプセル装置に対して、周囲の流体からの浮力や抵抗を克服するために、その比重は1(例えば、1.1)よりも大きいことが必要である。画像の動き検出や加速度計を介して段階3まで検出された場合は、カプセル装置が頂上部に浮上しかつより安定な段階においてビデオの再取得ができるように、比重を1よりも小さい(例えば、0.95)値に推進することができる。
小腸において、BER(basic electric rhythm:基本電位リズム)は、近位空腸では約12回/分であり、遠位回腸では8サイクル/分に減少する。また、蠕動波(peristaltic wave)、セグメンテーション収縮(segmentation contraction)及びトニック収縮(tonic contraction)という3つのタイプの平滑筋収縮がある。通常、蠕動運動の場合、カプセル装置を大腸に向かって推進する。カプセル装置は、小腸が胃と大腸の間に迂回して曲折するため、コーナーや曲がり角に行き詰ることがある。この場合、動き検出によりこのような状況を検出することができる。それに対して、カプセル装置が次の蠕動運動前に早く苦境から離脱できるように、重力と浮力とのバランスを密度変化のメカニズムにより少し変更することができる。
大腸は、器官の1つであるが、領域的な差異がある。近位(上行)結腸は貯水槽とし、遠位(横行および下行)結腸は主に導管とする。管腔内容物の特徴によっては通過時間に影響を与える。液体は上行結腸を速やかに通過するが、横行結腸内に長い期間滞留される。一方、固体の食物は流動食よりも盲腸と上行結腸に長い期間保持される。上行結腸では、逆行の動きが正常であり、頻繁に発生する。重力及び後方突進を浮力で克服するために、カプセル装置が大腸に入った後、カプセル装置の比重は、本発明の実施形態では1未満(例えば、0.94またはそれ以下)に減少される。あるいは、カプセル装置全体の密度は、周囲の液体よりも低い。下行結腸と直腸では、推進的収縮が主要である。カプセル装置は自然推進により直腸に向かって伝送される。しかしながら、カプセル装置の比重を1よりも大きく(例えば、1.1以上)する場合は、通過時間が短縮され、滑らかかつ安定した動きが可能となる。
カプセル装置の比重または密度を適切に設定するために、カプセル装置が位置する消化管の領域を知る必要がある。文献には様々な従来の領域検出方法がある。それらの領域検出方法には、通過時間の推定(例えば、胃の中では約1時間、小腸では約3〜4時間)、カプセル装置により撮像された画像に基づいた画像コンテンツの識別、カプセル装置により取り込まれた画像に基づいた動き検出、pH検出(pH値が胃(1.5〜3.5)及び小腸(5.5〜6.8)ないし結腸(6.4〜7.0)から次第に増加)、圧力センサ(結腸内での蠕動運動による管腔の圧力が小腸よりも高い)、及び結腸菌叢の検出がある。胃以外の他の領域よりも上行結腸は大きな直径を有する。そのサイズは、2007年11月1日に公開された米国特許出願公開であるシリーズ番号2007/0255098、2008年2月7日に公開された米国特許出願公開であるシリーズ番号2008/0033247、及び2007年10月25日に公開された米国特許出願公開であるシリーズ番号2007/0249900に開示されている方法により検出することができる。
本発明の一実施形態によれば、そのカプセル装置が胃にある時に、そのカプセル装置は、1よりも大きい比重(specific gravity:SG)または胃の液体よりも高い密度を有するように構成されている。例えば、該カプセル装置は、胃にあるときに、その比重が1.1以上またはそれ以上になるように製造される。該カプセルが小腸を通過して盲腸に入った後、上行結腸を通過しなければならない。この場合、比重が1よりも大きくまたは該カプセル装置の密度がその中の液体の密度よりも高い場合、該カプセル装置は上行結腸を通過するのに長い時間がかかる。患者が長時間絶食する必要はないため、手続き時間を不必要に延長すべきではない。また、該カプセル装置の電池寿命は限られている。該カプセル装置が上行結腸に留まる時間が長過ぎると、バッテリーの電力は、該カプセル装置が(例えば結腸の画像の取り込み)意図されたタスクの終了前に消耗してしまう可能性がある。したがって、該カプセル装置は、比重1未満を有し、または盲腸および上行結腸内の液体よりも密度が低いことが好ましい。例えば、該カプセル装置は、0.94以下の密度を有するように構成されている。それとは逆に、胃の中において該カプセル装置は、1よりも大きい比重を有し、または胃の中の液体よりも密度が高いように構成されている。
上述のように、本発明の一実施形態にかかるカプセル装置によれば、消化管の一領域(例えば、胃)において腔内液体よりも高い密度を有し、そして、消化管の他の一領域(例えば、盲腸または上行結腸)において腔内液体よりも低い密度を有する。他の実施形態において、遠位結腸およびS状結腸に向かって動くように、当該カプセル装置が胃の中にある時に、そのカプセル装置は1よりも大きい比重を有し、または消化管の一方の領域内の液体よりも高い密度を有する第一の状態に、カプセル装置が上行結腸に進入する時に、そのカプセル装置は1よりも小さい比重を有し、または上行結腸内の液体よりも低い密度を有する第二の状態に、および、カプセル装置が下行結腸に進入する時に、そのカプセル装置はさらに1よりも大きい比重を有し、または下行結腸内の液体よりも高い密度を有する第三の状態に進展される。最後に、当該カプセル装置は、肛門に到達して排泄される。1より大きい比重が望ましい場合は、1.1またはそれ以上の比重を選択することができる。比重1未満が望ましい場合は、0.94以下またはそれ以下の比重を選択することができる。
上記の例では、該カプセル装置は、高密度(SG≧1.1)から開始し、低密度(SG≦0.94)に移行し、高密度(SG≧1.1)に戻る、という3つの異なる密度状態(または比重状態)を持っている。しかしながら、本発明は、2つ以上またはより多くの異なる状態を有する複数の密度の状態に適用可能である。SG≧1.1の高密度とSG≦0.94の低密度を例としているが、その他の高密度範囲およびその他の低密度の範囲を用いても本発明を実施することができる。
所望の密度や比重を達成するために、該カプセル装置は、収縮状態から拡張状態に変換できる変形可能部材を含んでもよい。一実施形態において、所定の延長時間帯(例えば、数時間)の後、収縮状態から拡張状態に変換できる変形可能部材は、少なくとも一部が収縮された状態に戻ることができる。該変形可能部材は、腸溶コーティングで塗布することができる。当該腸溶コーティングは、胃及び低いpH値である消化管の他の領域において不変のまま保持される。しかしながら、腸溶コーティングを有する該変形可能部材は、回腸末端または盲腸(ここで、pH値はより高いレベルに上昇する)に近接している時に溶解する。一実施形態において、該変形可能部材は、内部空間を有する膨張可能シェルを含んでいる。その膨張可能シェルの少なくとも一部は、水や胃液のような外部の流体に対して透過性を持っている。当該膨張可能シェルには化学物質が含まれており、その化学物質が水と混合された場合、気体が生成される。該生成された気体によって変形可能部材が膨張され、該カプセル装置全体の比重は例えば1よりも低くなる。例えば、比重が0.94以下またはそれより小さく、または該カプセル装置全体の密度が遠位小腸または結腸に対応している環境での液体の密度よりも低い。例えば、発泡性顆粒(effervescent granule)は、水と混合されたときに例えばCOの気体が発生され、該発泡性顆粒は当該変形可能部材の内部に堆積可能であることが知られている。この分野においては、水に対して透過性を持っている材料がある。そのため、所定の延長期間帯の後、より多くの液体は該膨張可能シェルに入り、当該カプセル装置は、1よりも大きい比重を有する状態、あるいは周囲の液体よりも密度が高い状態に戻る。
図2A〜図2Cは、本発明の実施形態に係る異なる状態にある変形可能部材を有するカプセル装置の一例を示す。図2Aは、膨張前の該カプセル装置を示す。そのカプセル装置は、センサシステム210と変形可能部材220を含んでいる。その変形可能部材は、膨張可能シェル222を含み、該拡張可能シェル222は半透膜であり、発泡材料224を含んでいる。また、該膨張可能シェル222は、膨張可能であり、外部流体(例えば水または胃液)に対して透過性を持つ材料からなる。また、該膨張可能シェル222の外部表面に腸溶コーティング(破線で示す)を印加することが可能である。その腸溶コーティングはカプセルシステム全体を覆うこともできる。コーティングシステムとは逆に、該カプセルはカプセルシェル内に設置可能であり、そのシェルは経口医薬品を送達するために使用されるカプセルシェルに類似している。これらのシェルは、嚥下後約30分以内に胃または小腸に溶解するように設計されている。それらは腸溶性(enteric)でない限り、腸溶の場合、それらは胃のような低いpHにおいて溶解せず、小腸または結腸のような高いpH環境において分解する。該シェルは、ポリマー、多糖、可塑剤、メチルセルロース、ゼラチン、糖、または他の材料から製造される。メタクリレートポリマータイプCは、腸溶性ポリマーの一例である。これらの材料は、コーティングとして単独で変形可能部材に適用され、または変形可能部材やセンサシステムに適用されてもよい。
当該カプセル装置が回腸末端または盲腸に接近すると、図2に示すように、該腸溶性コーティングは、高いpHレベルで溶解する。図2Bに示すように、該腸溶性コーティングの溶解に伴い、外部流体は、該変形可能部材に徐々に入る。図2Cに示すように、該流体が発泡性材料と接触すると気体が生成されるため、該変形可能部材は拡張される。少量の流体230が該変形可能部材に入るにもかかわらず、該生成された気体によって該変形可能部材が拡張されるため、該カプセル装置全体は、1よりも小さい比重(例えば0.94)を有するようになる。
膜を通って拡散する水が可能な限り速やかに発泡性材料に到達するように、該発泡性材料は、該変形可能部材の半透膜と接触しなければならない。該発泡性材料は、該膜の内部表面の一部を被覆する粉末または分散体であってもよく、または、該膜の表面上に駐留する顆粒を含んでもよい。
発泡性材料は、一例として、無水炭酸水素ナトリウムとクエン酸との混合物である。これら2つの物質は、水に溶解して反応しなければならない。該反応は、水を消費することなく、実際に、水及び二酸化炭素を生成する。該変形可能部材内部の溶液の浸透圧(osmolality)が外部を超えると、水は、浸透圧が同一になるかまたは内部の圧力が浸透圧と等しくなるまで浸透し拡散し続け、該変形可能部材に入る。半透過性膜材料は、二酸化炭素(CO)または部材内に生成されたいずれの気体にも十分不透過性であるように選択され、該部材が気体で充満され十分な気体が保留されることで、該部材は、所望の浮力の期間において膨張を保持する。過度の圧力が該部材内に生成されないように、該部材における発泡性材料の量を制御することによって生成される気体の総量を制御する。該部材が非弾性材料からなる場合は、該部材の初期体積を固定することができる。弾性材料が使用された場合、最終的な体積は圧力の変化にしたがって変化される。
例えば腫瘍の障害物(obstruction)が存在する場合、該カプセルは、消化管の内部に閉じ込められる可能性がある。好ましくは、該膨張可能部材は通常の手順で割り当てられた時間(例えば10時間)後に収縮する必要がある。COの拡散の質量率が低いが、水の拡散の質量率を超えると、水の浸入の場合と比べて、該部材は、気体の消失が速くなり且つその気体の体積が水によって完全に置換される前に縮小し収縮する。システムが減少した体積の分だけ該障害物を通過する可能性が高くなり、医療介入のような内視鏡検査や手術を必要としない。
該部材の縮小により、システムの比重は1(例えば1.1)よりも大きい値に増加し、この増加した比重によって下行結腸を貫く通過時間を増加させることができる。
該膨張シェル材料は、該材料が水などの流体に対する透過性が一層強くかつCOのような気体に対する透過性がより低くなるように、慎重に選択することができる。そのため、該膨張シェルの内部における液体の体積は、長期間にわたって気体の体積に対する比例が増加する。該シェルが弾性である場合、総体積は減少する可能性がある。それが非弾性である場合、気体は、圧力の増加に従って圧縮される可能性がある。ある気体は、拡散しまたは圧力逃がし弁を介して放出される可能性もある。設計に応じて、上記の組み合わせの発生が可能である。図2Dは、図2Cに示す状態の後の一定期間後における該カプセル装置の状態の一例を示す図である。図2Cの状態と比べると、図2Dの状態は、より多い流体の体積およびより少ない気体体積を有する。図2Eは、さらに図2Dに示す状態の後の該カプセル装置の状態を例示する。図2Eに示す変形可能部材は、該カプセル装置全体が全体として1よりも大きい比重(例えば、1.1)を有するか、若しくはカプセル装置全体の密度が再び流体よりも高いように、主として水を含んでいる。
該カプセル装置は、遠位小腸や上行結腸に近づくと、1以下(例えば、0.95)の比重または外部流体よりも低い密度の状態に到達するように構成されている。また、該カプセル装置が下行結腸に到達または近づくと、カプセル装置は1(例えば、1.1)よりも大きい比重になるか、若しくは外部流体よりも密度が高い状態に到達するように構成されている。
さらに他の実施形態においては、該カプセル装置の比重を1より小さい比重から1より大きい比重(または外部の流体に比べると低い密度から高い密度まで)に変更するように、異なる密度制御手段を使用している。この場合、該膨張可能シェルは、基本的にCOに対して不浸透性の材料からなる。図3Aと図3Bに示すように、該変形可能部材には生物分解性プラグ(biodegradable plug)が含まれている。図3Aと図3Bに示すように、該生物分解性プラグは、所定の延長期間帯(例えば数時間)後に分解可能である。図3A〜図3Bに示すように、本発明の実施形態に係る該カプセル装置は変形可能部材320を含んでいる。該変形可能部材は、膨張可能シェル322と、生物分解性プラグ310とを含んでいる。膨張可能シェル322は半透膜であり、発泡性材料(図3A〜図3Bには図示されず)を含んでいる。図3Aは、流体がその膨張可能シェルに入ると、気体生成材料からの気体が変形可能部材322を拡張させる状態を示す。該プラグが分解された後、該シェルと分離するか一部分離し、または該シェルとの間に隙間が形成されるため、気体が図3Bに示すように漏洩される。さらに他の実施形態において、該変形可能部材の膨張シェルの少なくとも一部は、COが変形可能部材から拡散することを許容する材料からなる。従って、所定の延長時間帯にわたる期間、該カプセル装置密度は1より高く、または該カプセル装置全体の密度はその環境中の液体よりも高くなる。さらに他の実施形態において、気体が拡散しかつ流体が拡散してくるため、該カプセル装置は1より高く、または該カプセル装置全体の密度はその環境中の液体よりも高くなる。
図4は、カプセル装置400のハウジング450が可撓性部分430を含む別の密度制御手段を示す。例えば、蛇腹状のような構造は当該可撓性部分に使用することができる。該可撓性部分は、該カプセル装置の長手方向440に沿って拡張または圧縮することができる。また、図4に示すカプセル装置は、体の内腔の内部の画像を取り込むためのセンサ410及び光源420を備える。図5A及び図5Bは、本発明の実施の形態に係る密度制御手段を組み込んだカプセル装置500の別の拡張可能ハウジング構造を示す。当該ハウジングは、2つの緊密な結合部530、540を備え、当該2つの部分の意図しない分離を防ぐロッキング手段(図5A及び図5Bには図示されず)が使用される。該2つの部分530、540により拡張可能ハウジングが構成されているが、該拡張可能ハウジングは、密封の状態に維持されるため、拡張可能ハウジングの内の電子部品を保護することができる。該シールは、Oリング又は他の形式のガスケットによって、または油や水に非混和性で重複する部分(例えば530と540の間)との間の隙間に水分を形成する他の物質の層によって実現される。図5Aは、該カプセル装置が1より大きい比重を有し、または該カプセル装置が位置する消化管の一部における液体よりも全体として高い密度を有する状態を示している。図5Bは、該カプセル装置がボリュームスペースを占有するように延在して、1よりも小さい比重、または該カプセル装置が位置する消化管の一部における液体よりも全体として低い密度を有する状態を示している。
図6は、カプセル装置600のメインセンサシステム630が延在可能アタッチメント640を収容するように構成されている密度制御手段の他の例を示す図である。延在可能アタッチメント640は、範囲650内に移動することができる。該延在可能アタッチメント640が完全に延在した場合、該カプセル装置は、1よりも小さい比重を有するか、または該カプセルが位置する消化管の一部における液体よりも全体として低い密度を有する。当該延在可能アタッチメントが完全に後退した場合、該カプセル装置は、1よりも大きい比重を有するか、または該カプセル装置が位置する消化管の一部における液体よりも全体として高い密度を有する。上記の実施形態は、ただ密度制御手段の一例であり、網羅可能な構成をリストするものではない。当業者は類似している配置を用いて本発明を実施することができる。
図4〜図6に示す実施形態は、拡張可能ハウジングを有するカプセルを示す。そのハウジングは、カプセルの内部のモータおよびスクリュードライブのようなアクチュエータを使用して拡張することができる。しかしながら、このようなアクチュエータは、電力を消費し過ぎる可能性がある。別の選択肢では、該カプセルの内部にスプリングを増設することである。カプセルの拡張は、ハウジングまたは該カプセルが飲み込まれた後に溶解するコーティングに規制されている。
他の実施形態において、該カプセル装置は、該カプセルが滑りやすいようにする材料で被覆されており、すなわち、体の内腔または胃液との摩擦力が減少される(コーティングのない場合と比較)。摩擦力の減少によって、該カプセル装置は蠕動運動の力によってより速いスピードで移動することができるため、手続きの時間が短縮される。また、滑りによって、該カプセル装置が腸内の隅や曲がり角に留まる可能性は低くなる。親水性皮膜(hydrophilic coating)は、水性媒体における潤滑性を増大させるためのコーティングの一種である。
無線の応用では、送信機を用いて画像データを身体の外部の受信システムに送信するとともに、当該画像データを外部の記録装置に格納する。米国特許シリーズ第5,604,531において、無線カプセルシステムが開示されており、該カプセル内の電池を介して無線送信機を有する該カプセルシステムに電力を供給している。結腸に対する応用の場合、通過時間は小腸に対する応用よりも実質的に長い。そのため、受信機システムと外部レコーダーは、長い時間(例えば、10時間以上)にわたって持ち運びが負担になる。結腸の手順にかかる時間が、一般的に通常の営業時間の長さよりも長いため、患者は、同じ日に装置を返却することが困難である。したがって、機器を患者に一晩残す必要があり、機器の損傷/磨耗の対象となり、必要な機器の数が倍増してしまう。そこで、医療のコストは増加する。結腸に対する応用の場合、通過時間は小腸に対する応用よりも実質的に長い可能性がある。したがって、受信機システムと外部レコーダーは、長い時間にわたって持ち運びが負担になる。結腸に対する応用として、短い通過時間を達成しうるカプセル装置を開発することが望ましい。
本発明のさらに他の実施形態において、密度制御手段は、オンボードストレージを有するカプセルシステムに適用される。このようなシステムは、2011年7月19日付で特許を受けて名称が「in vivo Autonomous Camera with On-Board Data Storage or Digital Wireless Transmission in Regulatory Approved Band」である第7,983,458号米国特許に開示されている。オンボードストレージを有する当該カプセルシステムでは、患者は何かの外部機器を着用する必要がない。したがって、オンボードストレージを有する該カプセルシステムは、延長時間帯を必要とする手順にはより好ましくなる。また、PCT/US13/42490号のPCT特許出願において、オンボードストレージを有するカプセルシステムからアーカイブデータを読み出すためのドッキングステーションが開示されている。そのカプセルシステムは、ハウジング上に配置されたプローブパッドのセットを含んでいる。そのカプセル装置が排出されて回収された後、カプセルのハウジングを開けることなく、これらのプローブパッドをプロービングすることによって画像データを検索することができる。そのカプセル装置を検索するときに、バッテリーの電力の消耗が多いため、一対のプローブパッドは、データ検索操作のための電源およびグランドとして提供することができる。あるいは、PCT特許出願シリーズ番号PCT/US13/39137に開示されている誘導電力供給によって、電力を提供することができる。カプセル装置が回収された後、データをカプセルの透明部分を介して外部受信機に光学的に送信することができる。
本発明は、その精神及び本質特徴を離脱しない範囲で他の特定の形式で具体化することができる。説明された例は説明するためのものであり、制限ではないと考えるべきである。そのため、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示される。特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内の全ての変更は、その範囲に含まれる。
10 カプセルハウジング
12 照明システム
14 光学システム
16 イメージセンサ
20 半導体不揮発性アーカイバルメモリ
22 処理モジュール
24 バッテリー電力供給手段
26 出力ポート
110 カプセルシステム
210 センサシステム
220 変形可能な部材
222 膨張可能なシェル
224 発泡材料
230 流体
310 生物分解性のプラグ
320 変形可能な部材320
322 膨張可能なシェル
400 カプセル装置
410 センサ
420 光源
430 可撓性部分
450 ハウジング
500 カプセル装置
530,540 緊密な結合部
600 カプセル装置
630 メインセンサシステム
640 延伸可能なアタッチメント640
650 範囲

Claims (29)

  1. 光源と、
    前記光源に照明されたシーンの画像フレームをキャプチャするイメージセンサと、
    前記光源、および前記イメージセンサが封入され、飲み込みに適するハウジングと、を含むセンサシステムと、
    カプセル装置に第1の比重範囲及び第2の比重範囲を持たせ、該第1の比重範囲及び前記第2の比重範囲のいずれか一方は1よりも大きい状態に対応し、前記第1の比重範囲及び前記第2の比重範囲の他方は1よりも小さい状態に対応する密度制御部材と、
    前記カプセル装置が胃において1よりも大きい状態に対応する前記第1の比重範囲を有し、遠位小腸または上行結腸において1よりも小さい状態に対応する前記第2の比重範囲を有し、下行結腸において再び1よりも大きい状態に対応する前記第1の比重範囲を有するようにする人体外部からの信号に依らない自動式の順序制御手段と、
    を備えた、カプセル装置。
  2. 前記1よりも大きい状態は、約1.1またはそれ以上の比重に対応しており、前記1よりも小さい状態は、約0.94またはそれ以下の比重に対応している、請求項1に記載のカプセル装置。
  3. 前記カプセル装置が前記胃と、前記遠位小腸または上行結腸と、前記下行結腸とのうち一つに位置しまたは近接しているか否かを確認することは、
    前記カプセル装置が飲み込まれた後の推定走行時間、
    前記カプセル装置が位置している箇所で測定されたpH値、
    前記カプセル装置が位置している箇所で測定された管腔の圧力、
    前記カプセル装置によって取得された画像に基づいた画像コンテンツの識別、
    前記カプセル装置によって取得された画像に基づいた動き検出、
    前記カプセル装置が位置している箇所で検出された結腸微生物叢、または、
    内腔直径の推定に基づいて決定される、請求項1に記載のカプセル装置。
  4. 密度制御手段は、変形可能部材を前記センサシステムと連結させ、前記変形可能部材は気体発生材料を含み、前記変形可能部材に流体を進入させることにより前記気体発生材料に気体を発生させ、前記密度制御手段は前記変形可能部材を膨張させることにより、前記カプセル装置の比重が1未満となる、請求項1に記載のカプセル装置。
  5. 前記カプセル装置が胃を出る前に前記流体が前記変形可能部材に進入することを防ぐために、前記変形可能部材は、前記カプセル装置が飲み込まれる前に、腸溶性コーティングで塗布される、請求項4に記載のカプセル装置。
  6. 前記変形可能部材は、生物分解性プラグを含み、前記生物分解性プラグは前記変形可能部材の残った部分と分離しまたは部分的に分離し、または前記変形可能部材にリークを発生させることで、前記気体が前記変形可能部材から漏洩することを許容する、請求項4に記載のカプセル装置。
  7. 前記変形可能部材は、第一の材料からなり、前記第一の材料は、気体よりも流体に対する透過性が高い、請求項4に記載のカプセル装置。
  8. 前記変形可能部材は、前記気体により膨張した後、前記気体が前記変形可能部材を通って拡散し、かつ前記流体が変形可能部材に拡散することにより収縮される、請求項7に記載のカプセル装置。
  9. 前記密度制御手段は、前記カプセル装置の比重が1よりも大きくなるように、前記カプセル装置の比重が1より小さくなった第1の時間期間の後、前記変形可能部材に前記流体が進入し続けることを許容することで、前記変形可能部材内の前記気体と前記流体との体積比が低くなる、請求項4に記載のカプセル装置。
  10. 前記カプセル装置と体内腔または流体との摩擦力が低減されるように、前記カプセル装置は、第二の材料で塗布されまたはそれからなる、請求項1に記載のカプセル装置。
  11. アーカイブメモリをさらに備え、
    前記ハウジングに電気的接触手段が固着されており、かつ外部装置が前記電気的接触手段を介して前記アーカイブメモリに記憶された画像データをアクセスできるように、前記電気的接触手段は、前記アーカイブメモリと連結される、請求項1に記載のカプセル装置。
  12. 前記電気的接触手段は、前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索が行われるように、前記カプセル装置に電力を提供する電力ピンを有する、請求項11に記載のカプセル装置。
  13. 前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索が行われるように、前記カプセル装置に電力を提供する誘導電力供給手段が用いられている、請求項11に記載のカプセル装置。
  14. アーカイブメモリをさらに備え、
    透明な窓口を介して光信号を送信する光送信器を更に有し、前記アーカイブメモリからの画像データは、外部の光受信機に送信される、請求項1に記載のカプセル装置。
  15. 前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索が行われるように、前記カプセル装置に電力を提供する誘導電力供給手段が用いられている、請求項14に記載のカプセル装置。
  16. 光源と、
    前記光源に照明されたシーンの画像フレームをキャプチャするイメージセンサと、
    前記光源、および前記イメージセンサが封入され、飲み込みに適するハウジングと、を含むセンサシステムと、
    カプセル装置に第1の比重範囲及び第2の比重範囲を持たせ、該第1の比重範囲及び前記第2の比重範囲のいずれか一方は1よりも大きい状態に対応し、前記第1の比重範囲及び前記第2の比重範囲の他方は1よりも小さい状態に対応する密度制御部材と、
    前記カプセル装置が、前記カプセル装置が飲み込まれた後の少なくとも1時間より短い時間帯において1よりも大きい状態に対応する前記第1の比重範囲を有し、前記カプセル装置が飲み込まれた後の4〜5時間の間において1よりも小さい状態に対応する前記第2の比重範囲を有し、前記カプセル装置が飲み込まれた後の7時間以上において再び1よりも大きい状態に対応する前記第1の比重範囲を有するようにする順序制御手段と、
    を備えた、カプセル装置。
  17. 前記1よりも大きい状態は、約1.1またはそれ以上の比重に対応しており、前記1よりも小さい状態は、約0.94またはそれ以下の比重に対応している、請求項16に記載のカプセル装置。
  18. 密度制御手段は、変形可能部材を前記センサシステムと連結させ、前記変形可能部材は気体発生材料を含み、前記変形可能部材に流体を進入させることにより前記気体発生材料に気体を発生させ、前記密度制御手段は前記変形可能部材を膨張させることにより、前記カプセル装置の比重が1未満となる、請求項16に記載のカプセル装置。
  19. 前記カプセル装置が胃を出る前に前記流体が前記変形可能部材に進入することを防ぐために、前記変形可能部材は、前記カプセル装置が飲み込まれる前に、腸溶性コーティングで塗布される、請求項18に記載のカプセル装置。
  20. 前記変形可能部材は、生物分解性プラグを含み、前記生物分解性プラグは前記変形可能部材の残った部分と分離しまたは部分的に分離し、または前記変形可能部材にリークを発生させることで、前記気体が前記変形可能部材から漏洩することを許容する、請求項18に記載のカプセル装置。
  21. 前記変形可能部材は、第一の材料からなり、前記第一の材料は、気体よりも流体に対する透過性が高い、請求項18に記載のカプセル装置。
  22. 前記変形可能部材は、前記気体により膨張した後、前記気体が前記変形可能部材を通って拡散し、かつ前記流体が変形可能部材に拡散することにより収縮される、請求項21に記載のカプセル装置。
  23. 前記密度制御手段は、前記カプセル装置の比重が1よりも大きくなるように、前記カプセル装置の比重が1より小さくなった第1の時間期間の後、前記変形可能部材に前記流体が進入し続けることを許容することで、前記変形可能部材内の前記気体と前記流体との体積比が低くなる、請求項18に記載のカプセル装置。
  24. 前記カプセル装置と体内腔または流体との摩擦力が低減されるように、前記カプセル装置は、第二の材料で塗布されまたはそれからなる、請求項16に記載のカプセル装置。
  25. アーカイブメモリをさらに備え、
    前記ハウジングに電気的接触手段が固着されており、かつ外部装置が前記電気的接触手段を介して前記アーカイブメモリに記憶された画像データをアクセスできるように、前記電気的接触手段は、前記アーカイブメモリと連結される、請求項16に記載のカプセル装置。
  26. 前記電気的接触手段は、前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索が行われるように、前記カプセル装置に電力を提供する電力ピンを有する、請求項25に記載のカプセル装置。
  27. 前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索が行われるように、前記カプセル装置に電力を提供する誘導電力供給手段が用いられている、請求項25に記載のカプセル装置。
  28. アーカイブメモリをさらに備え、
    透明な窓口を介して光信号を送信する光送信器を更に有し、前記アーカイブメモリからの画像データは、外部の光受信機に送信される、請求項16に記載のカプセル装置。
  29. 前記アーカイブメモリに格納された画像データのデータ検索が行われるように、前記カプセル装置に電力を提供する誘導電力供給手段が用いられている、請求項28に記載のカプセル装置。
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