本発明は様々な変更形態や代替形態に適用できる一方で、その詳細は一例として図面中で示されており、詳細に記載される。しかしながら、その意図するところは、本発明を特定の実施形態に制限することでないことに留意されたい。逆に、その意図は本発明の精神と範囲内にある変更、等価物、および代替物をすべて含むことである。
以下の記載と図面は例証的なものであり、限定的なものとして解釈されるものではない。完全な理解を促すべく多くの明確な詳細が記載されている。しかしながら、特定の例では、記載を不明瞭にしないようにするために周知または従来の詳細が記載されていない。本開示における1つまたはある実施形態への言及は必ずしも同じ実施形態への言及ではなく、こうした参照は少なくとも1つの実施形態を意味する。
「1つの実施形態」または「ある実施形態」への本明細書における言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造体、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な面における「1つの実施形態において」というフレーズの出現は、必ずしも同じ実施形態をすべて言及しているわけではなく、それ以外の実施形態を相互に排除した別のまたは代替的な実施形態であるわけでもない。さらに、実施形態によっては示されることもあれば示されないものものある様々な特徴が記載されている。同様に、実施形態によっては要件であることもあれば要件でないものも様々な実施形態が記載されている。
数ある中でも、光音響撮像データを処理する方法と装置のブロック図、操作説明図、およびアルゴリズムに関連して、システムと方法が以下に記載されている。ブロック図、操作説明図、およびアルゴリズムの各々のブロック、ならびにブロック図、操作説明図、およびアルゴリズムにおけるブロックの組み合わせは、アナログハードウェアまたはデジタルハードウェアとコンピュータプログラム命令によって実施可能である。
こうしたコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ASIC、または他のプログラム可能なデータ処理ユニットのプロセッサに提供可能であり、したがって、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理ユニットのプロセッサを介して実行されるコンピュータプログラム命令は、ブロック図、操作上のブロック、およびアルゴリズムにおいて指定される機能/行為を実行するようになる。
いくつかの代替的な実行において、ブロック中に書き留められる機能/行為は、操作説明図に書き留められた順序で生じる場合がある。例えば、連続して示された2つのブロックは実際に、実質的に同時に実行可能であるか、あるいは、ブロックは含まれる機能性/行為に依存して、逆の順序でしばしば実行可能なこともある。
ここで本発明の様々な実施形態にして詳細に言及される。その例は添付の図面中で例証される。記載された計算と処理の工程は、本発明の開示と範囲の精神から逸脱することなく、様々な他の方法で実行されてもよい。
図1a)乃至c)は、本発明の実施形態に係る一体型の光および音響ポート(1324)使用することができる様々な形状を例証する。この実施形態では、光は、その全表面積にわたって均質に一定の光エネルギーを伴って一体型の光および音響ポート(1324)を出る。
図2a)は、光学的に透過性である音響学的に非透過性の領域(1329)に隣接する音響学的に透過性の領域(1339)を例証する。音波は音響学的に非透過性の領域(1329)で減衰され、光エネルギーは領域(1329)を通って送信される。一実施形態では、音響学的に透過性の領域(1339)は音響学的に透過性の光分布要素(1360)である。一実施形態では、音響学的に非透過性の領域(1329)は音響吸収(acoustically absorbing)剤(1338)を含む。一実施形態では、音響吸収剤は微小気泡である。一実施形態では、音響吸収領域はアイソレーター(1321)である。
図2b)は、光学的に非透過性の音響学的に非透過性の領域(1329)に隣接する音響学的に透過性の領域(1339)を例証する。音波は音響学的に非透過性の領域(1329)で減衰され、光エネルギーは領域(1329)の境界で吸収され、これにより、音響学的に透過性の領域(1339)へ伝搬する音響波面がもたらされることもある。一実施形態では、音響学的に非透過性の領域(1329)は光吸収剤(1328)を含む。
図2c)は、光学的に透過性である音響学的に非透過性の領域(1329)に隣接する音響学的に透過性の光分布要素(1360)を例証しており、2つの領域間の境界は、音波を低減するためにでこぼこなまたは滑らかではない模様(1327)である。
図2d)は、音響学的に非透過性の領域(1329)に隣接する音響学的に透過性の光分布要素(1360)を例証しており、薄い光反射材料(1326)は該要素(1360)と音響学的に非透過性の領域(1329)の間にある。
図3は、プローブの縦方向の断面図を示す、音響学的に透過性の光分布要素(1260)を備えた光音響プローブの例証的な実施形態である。
図4a)乃至l)は、音響学的に透過性の光分布要素(1360)を備えた光音響プローブ(1300)の多くの実施形態を例証する。プローブは一体型の光および音響ポート(1324)を含む。一実施形態では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)の近位表面(1314)は、音響トランスデューサ(1316)の表面に連結される。一実施形態では、光エネルギーは、光分布要素(1360)の表面上の光エネルギー入力(1325)に対して提供される。
図5は、従来の超音波トランスデューサの人間工学的形態を有する音響学的に透過性の光分布要素(1360)を備える光音響プローブ(1201)の実施形態を示す。図は、光棒がないため他の設計よりも幅の狭いプローブを示している。
本明細書に記載される方法と装置は、音響学的に透過性の光分布要素(1360)を有する光音響撮像のためのプローブを含む本発明の例証的な例を提供する。本発明のプローブは、ボリューム(1370)に連結され、その遠位端から光を出力し、および、連結されたボリューム(1370)から音響信号を受け取るのに適した音響受信器(1310)を有するのに適していてもよい。一実施形態では、プローブは、光分布要素(1360)を介してボリューム(1370)へと光を送信する。一実施形態では、光分布要素(1360)は光散乱材料で作られる。一実施形態では、光分布要素(1360)は、その近位端に反射性の反射部分(1354)を含む。光分布要素(1360)の反射部分(1354)は、音響受信器から光を遠ざけて反射するように配向されてもよい。光分布要素(1360)は、近位端と側面の任意の非反射部分を含む光分布要素(1360)の任意の非反射部分から光を受け取るとともに、光がその遠位端から出ることを可能にするのに適していてもよい。一実施形態では、音響受信器(1310)は音響トランスデューサであってもよい。一実施形態では、音響受信器(1310)は単一の音響トランスデューサであってもよい。
一実施形態では、光分布要素からの光は、(覆われた)トランスデューサ(1210)、(1310)を越えて材料の特定の要素(つまりウインドウ)を介してボリュームに溢れることで、光音響のウインドウ(伝搬要素としても知られる)として役立つ。特定の要素は、音響学的に透過性の光分布要素(1260)、(1360)として働き、ならびに/あるいは、要素(1360)内の光を拡散および分布させ、音波が同様に要素(1360)を通って移動することを可能にする。一実施形態では、適切な材料は、調整された光学と音響の特徴を有し得るプラスチゾル(PVCP)であることもあれば、該プラスチゾル(PVCP)に類似することもある。一実施形態では、ウレタンは適切な材料であってもよい。本明細書に記載される革新的なプローブは、EKGタイプOAパッドまたはパルスオキシメータタイプのユニットに適用可能なような、多チャンネルの光音響(OA)システムまたは単チャンネルOAユニットでの使用に適したものであってもよい。さらに、本明細書に記載される革新的なプローブは、多波長多チャンネル光音響システムでの使用にとりわけ適したものであってもよい。一実施形態では、光分布要素がかなり均質で広い領域にわたってボリュームに連結されている場合、光は光分布要素を出る。一実施形態では、光は比較的小さな領域から光分布要素に入るが、かなり均質で比較的大きな広い領域にわたって一般に光分布要素からボリュームに向かう。一実施形態では、光分布要素がボリュームに連結されている場合、光分布要素/ボリューム界面上の2つの類似する領域間の光分布要素に入る光の所定のパルスによって引き起こされるフルエンスは、実質的に同じである。一実施形態では、プローブ(1300)は、連結媒体(1372)を用いてボリューム(1370)に連結され、光と音は連結媒体を通過する。
一実施形態では、光出力を伝達するための表面を備えたプローブ(1300)は:音響トランスデューサ(1310);組織とトランスデューサ(つまりウインドウ)の間の一体型の光散乱および音響伝搬要素である、光分布要素(1360)を備え;光分布要素(1360)は組織に光を分布させるために光出力表面を有し、光出力表面は組織の近くに置かれるように構成され、ここで、光分布要素(1360)の光出力表面はプローブの主要な光出力伝達ポートとして役立ち(したがって、一体型要素の主要な光出力は、トランスデューサ(1310)に隣接する光棒を有するようにプローブに要求する代わりに、トランスデューサ(1310)の真下の光を伝達するために使用可能であり)、該要素は、光を散乱するが実質的に拡散体(すりガラス拡散体など)に類似するやり方では実質的に光を吸収しない(それにより、組織を照らすために十分な光にそこを通過させる)ような光学的性質を有し;該要素は、光路(1330)から光入力を与えられる少なくとも1つの光エネルギー入力(1325)表面を有し;該要素の1つの表面はトランスデューサ(1316)の表面に連結され;該要素は波がトランスデューサから組織に送信されることを可能にするようなものであり(トランスデューサは音響送信するように構成されると仮定する)、送信波は歪を最小限に抑えるために該要素を通過し;および、該要素により、波は組織から該要素を通ってトランスデューサにより受け取られることが可能であり、受信波は歪を最小限に抑えるために該要素を通過し、歪は反射を含む。一実施形態では、光出力表面は遠位表面(1312)である。一実施形態では、光出力表面は一体型の光および音響ポート(1324)である。
一実施形態では、プローブの音響学的に透過性の光分布要素(1360)は、とりわけ、ポリマーの密度と音速が界面反射を最小限に抑えるために組織の音響インピーダンス特性と厳密に一致するときに、プラスチゾル、PVC、ウレタンのようなポリマー組成物を含むこともある。一実施形態では、該要素はゼラチンで作られ、これは生体組織に光音響的に類似して作られ得る。一実施形態では、該要素はゼラチンに似た材料で作られる。一実施形態では、該要素は生体組織に似た材料で作られる。一実施形態では、該要素は光音響のファントムに適した材料で作られる。
一実施形態では、光音響プローブ(1300)は、音響受信器(1310)、光エネルギー経路(1330)、および一体型の光および音響ポートを備えた外表面を含む。一実施形態では、プローブ(1300)は、遠位表面(1312)を含む音響学的に透過性の光分布要素(1360)を含み、遠位表面(1312)は、光エネルギーを生体組織のボリューム(1370)に伝達するとともに該ボリュームと音響エネルギーを交換するために、該ボリューム(1370)に連結されるのに適している。一実施形態では、連結媒体(1372)は、遠位表面(1312)とボリュームの表面との間を音響的および/または光学的に連結するために使用される。一実施形態では、プローブ(1300)は、音響エネルギーが音響学的に透過性の光分布要素(1360)を通過した後に、音響受信器(1310)によって検知される伝達された光エネルギーにより、音響エネルギーをボリューム内で生じさせるために、音響受信器(1310)の近くに近位表面(1314)を含む。一実施形態では、プローブ(1300)の光エネルギー経路(1330)は、光分布要素(1360)の1つ以上の光エネルギー入力(1325)へ光エネルギーを渡すのに適しており、光分布要素(1360)は、1つ以上の光エネルギー入力(1325)からの光エネルギーを遠位表面(1312)上の一体型の音響および光ポート(1324)に分布させ、分布した光エネルギーは光分布要素(1360)の遠位表面(1312)を出る。一実施形態では、光分布要素(1360)は光エネルギーを拡散する。
一実施形態では、一体型の音響および光ポート(1324)を出る光エネルギーは、光分布要素(1360)によって均質に分布する。一実施形態では、一体型のポート(1324)を出る光エネルギーの均質の分布は、一体型のポート(1324)の領域一帯に空間的に分布するような一定の光エネルギーを有する。一実施形態では、一体型のポート(1324)を出る空間的に局在する最小および最大の光エネルギーは、わずか10dBしか異ならない。一実施形態では、最小と最大の光エネルギーはわずか3dBしか異ならない。一実施形態では、一体型のポート(1324)を出る光エネルギーの変化は、光出口ポートに配された任意の2つの位置の間でわずか6dBである。一実施形態では、一体型のポート(1324)を出る許容される最大の光エネルギーは20mJ/cm2である。一実施形態では、一体型のポート(1324)を出る光エネルギーは0.001〜20mJ/cm2の間である。一実施形態では、光エネルギー出力は20mJ/cm2以上である。一実施形態では、一体型のポート(1324)の表面積は0.001cm2と1cm2の間である。一実施形態では、一体型のポート(1324)の表面積は1cm2と2cm2の間である。一実施形態では、一体型のポート(1324)の表面積は1cm2と10cm2の間である。一実施形態では、一体型のポート(1324)の表面積は10cm2よりも大きい。
一実施形態では、光分布要素(1360)は、光を散乱させるおよび/または光を分布させるおよび/または光を拡散させる目的で、光散乱剤(例えば二酸化チタン)を含む。一実施形態では、光分布要素(1360)によって分布する光エネルギーは、散乱剤によって光エネルギーを散乱させることにより分布する。一実施形態では、散乱剤の濃度は一体型のポート(1324)を出る光の均質な分布を達成するために制御されることもある。
図1a)乃至c)に示されるように、一体型の光および音響ポート(1324)は様々な形状を持つように構成されてもよい。一実施形態では、一体型のポート(1324)はハウジング(1303)に囲まれる。一実施形態では、ハウジング(1303)は外表面を有する。一実施形態では、ハウジングはシェル(1202)と(1204)を含む。一実施形態では、一体型のポート(1324)は長方形である(図1aと1c)。一実施形態では、一体型のポート(1324)は円形である(図1b)。
一実施形態では、プラスチゾルは、二酸化チタンのような散乱剤、または、要素(1360)の光分散特性に影響を与えるとともに要素(1360)に対する光エネルギー入力(1325)の領域よりも広い領域へと要素(1360)により光を分布させるための別の材料と混ぜられてもよい。
一実施形態では、他の材料に対する散乱剤(例えば二酸化チタン)の比率は、ボリュームに伝達される光の分布の均一さでさえも改善するような方法で、要素内の光入力(1325)からの距離(つまり、空間的に変動する)に応じて変化し得る。例えば、(より低い)第1の濃度の散乱剤は要素(1360)の1つの部分で生じることもあれば、(より高い)第2の濃度の散乱剤は要素の別の部分で生じることもある。そして、これは、一体型の光ポート(1324)での所望の光出力をもたらす(例えば、最適化技術を用いてシミュレーションモデル中の空間分布を変えることによって)散乱剤の濃度の空間的な分布を達成するために、光学シミュレーション(例えば、モンテカルロ)によってモデル化可能である。一実施形態では、これはポートからの均質な光エネルギー出力をもたらす。
一実施形態では、光分布要素(1360)は、一体型の光および音響ポート(1324)を含み、光分布要素(1360)の遠位表面(1312)はプローブ(1300)の外表面と同一平面上である。一実施形態では、一体型の光および音響ポート(1324)は保護層(1352)を含む。
好ましい実施形態では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)は固体様材料である。一実施形態では、遠位表面(1312)と近位表面(1314)は互いに平行である。一実施形態では、表面は位置合わせされるか、または重複し、このことは、(平行な)表面に垂直な想像線は両方の表面と数学的に交差するということを意味している。一実施形態では、固体様材料は、せん断波が移動させない。特定の状況では、せん断波により引き起こされたモード変換は望ましくない信号を作成することがあり、したがって、実質的にせん断波を許容しない固体様材料が望ましい。一実施形態では、固体様材料はプラスチゾル、ゼラチン、または他のこうした材料である。実施形態では、固体様材料は一体もの材料である。実施形態では、固体様材料は可撓性材料である。
一実施形態では、プローブ(1300)は、一体型の光および音響ポート(1324)の他には、光音響光学エネルギーを伝達するための任意の光出口ポート(または光棒)を含まない。プローブ(1330)が(一体型のポート(1324)の他に)光音響光学エネルギーを伝達するための他の光出口ポートを有していない場合、これにより、プローブの幅は、プローブが光棒(または他の光出口)を有する場合よりも狭くてもよいことになり、したがって、プローブは従来の超音波プローブ(つまり光音響プローブではない超音波プローブ)の人間工学的形態を有してもよい。例えば、プローブがトランスデューサ要素に隣接する光棒を有している場合、光棒の幅はプローブの全幅に含まれなければならず、したがって、プローブ幅は一般により広いものとなる。しかしながら、光棒がないとき、一体型の光および音響ポート(1324)が代わりに使用され、プローブ(1300)の全幅はより薄くなることもあれば、および/または、より人間工学的になることもある。
特定の状況において、ボリュームを照らすためにボリュームに光エネルギーを伝達する際、トランスデューサ要素に隣接する光棒を使用する場合のように、トランスデューサ要素に隣接するボリュームを照らすよりもむしろ、トランスデューサ要素の真下でボリュームを直接照らす方が有益である。一実施形態では、ボリュームがトランスデューサ要素の真下に直接照らされる場合、光エネルギーは、撮像面(形成された画像に対応するボリュームの表面に垂直なトランスデューサ要素と交差する面)に最大限伝達される。光が撮像面に隣接して伝達されるとき、面外のオブジェクトが照らされ、トランスデューサ要素によって検知される望ましくない光音響の帰還信号を生成することもある。したがって、一体型の光および音響ポート(1324)は、面外のオブジェクトが光音響帰還信号中で生じるのを抑えるために使用されてもよい。これはとりわけ近接音場で画質を改善することができる。
図4lで示される実施形態では、光分布要素は音響レンズ(1375)を含み、光分布音響レンズ(1375)の近位表面(1376)は、音響学的に透過性の光反射コーティングで、少なくとも部分的にコーティングされる。
図4fで示される実施形態では、光エネルギー経路(1330)は1つ以上の側面から光分布要素(1360)に光エネルギーを伝達する。側面は遠位表面(1312)に垂直であり、散乱した光エネルギーは、光分布要素(1360)内に光学的に散乱した後に光分布要素(1360)の遠位表面(1314)から出る。
図4hで示される実施形態では、プローブは、光分布要素(1360)の表面上に多くの光音響受信器要素(1311)および/または多くの光エネルギー入力(1325)を含む。
一実施形態では、光分布要素(1360)は、第1の値から第2の値まで徐々に(継続的または漸増的に)減少する音響インピーダンスを有し、最初のインピーダンス値は近位端であり、第2のインピーダンス値は遠位端である。これにより、ボリュームからの音響信号送信を改善可能であり、反射を減らすことができる。
一実施形態では、光分布要素(1360)の側面(例えば、一般に矩形要素の4つの側面)は、音響吸収材料(例えば、アイソレーター)に連結可能であり、アイソレーター(1321)は音波を減衰させるために高い吸音を誇る。
一実施形態では、アイソレーター(1321)に触れる光分布要素(1360)の側面は、音響の減衰を改善するためにパターン化(1327)されることもある。一実施形態では、光反射コーティング(1326)は、要素(1360)の任意の側面(例えば、要素(1360)の4つの側面)と吸収材料であるアイソレーター(1321)との間に配置される。一実施形態では、光反射コーティング(1326)は、要素(1360)または吸収材料(1321)またはその両方に配置されることもある。一実施形態では、光反射材料(1326)は要素の横に配置された薄層である。
一実施形態では、光分布要素(1360)はコーティングを含む。一実施形態では、遠位表面(1312)はコーティング(1352)を含み、それは要素を保護するための硬質材料である。一実施形態では、硬質材料で作られたコーティング(1352)は薄い。一実施形態では、光分布要素のコーティング(1352)はガラスであり、ガラスの薄層であってもよい。一実施形態では、コーティング(1352)は一般に光透過性である。一実施形態では、表面コーティング(1352)はその遠位表面が一般に変形しないように用いられる。一実施形態では、コーティング(1352)はその遠位表面が一般に平面のままであるように用いられる。
一実施形態では、光分布要素は、光の1つ以上の波長またはスペクトルに晒されるときに音響信号を生成する光吸収層または特徴でコーティングされる。
一実施形態では、該要素は複数の層から形成され、層の1つ以上は、例えば、少量のカーボンブラックを加えることによって、他の層よりも実質的に光吸収性であるように設計される。一実施形態では、該要素は複数の層から形成され、交互の層はそれぞれ、例えば少量のカーボンブラックを加えることによって、他の層よりも実質的に光吸収性であるように設計される。一実施形態では、該要素は複数の層から形成され、少なくとも1つの層はその光吸収特性において他の層と異なり、ゆえに、光の1つ以上の波長またはスペクトルに晒されるときに層が生成する音響信号の量またはタイプにおいて異なる。一実施形態では、該要素は複数の層から形成され、複数の層はその光吸収特性において他の層と異なり、ゆえに、光の1つ以上の波長またはスペクトルに晒されるときに層が生成する音響信号の量またはタイプにおいて異なる。
一実施形態では、光分布要素(1360)のコーティング(1352)は、保護用のパリレンなどの材料を含むこともある。
一実施形態では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)はそれ自体で音響受信器(1310)用の音響レンズを形成する。一実施形態では、音響レンズ(1205)は光分布要素(1360)と音響受信器(1310)の間で使用されてもよい。一実施形態では、光分布要素(1360)は音響レンズ(1205)に嵌合し、音響レンズ(1205)は少なくとも一部で、音響受信器(1310)に到達する信号を改善する方法で該要素を形作る。一実施形態では、光分布要素(1260)は該要素と音響受信器(例えば、切取り部分またはレンズの負である成型部分を有する)の間の音響レンズにぴったりと合うように形作られる。一実施形態では、該要素(1360)は音響レンズを含み、該要素の音響レンズ部分は該要素の少なくとも他のいくつかの部分とは異なる音響インピーダンスを有する材料から作られる。
一実施形態では、音響レンズは光透過性材料を含み、光エネルギーは光路(1330)から音響レンズの光入力ポートへ伝えられる。一実施形態では、音響レンズは音響学的に透過性の光分布要素(1360)として作用し、その光入力ポートから光を分布させて音響レンズの遠位表面から出す。したがって、光は音響レンズを通って光入力ポートから、光分布音響レンズ(1375)としての機能を果たす光出口ポートへ伝えられる。一実施形態では、音響レンズの近位表面(1376)は、音響受信器(1310)の望ましくない信号を防ぐべく、光エネルギーが音響レンズの近位表面(1376)に連結された音響受信器(1310)に到達するのを防ぐために光反射コーティングでコーティングされる。一実施形態では、光分布音響レンズ(1375)は、音響レンズ内で光を散乱および/または分布させるために光散乱剤を含む。一実施形態では、音響レンズは光エネルギーの一部を吸収し、これにより、ボリュームからの光音響帰還信号に干渉する光音響波面が作られる。一実施形態では、音響受信器によって受け取られる信号は、処理ユニットによって緩和される。
一実施形態では、光分布要素は使い捨てであり、容易に取り外したり(例えば、ポンとはじいて)、容易に交換したりすることができる。一実施形態では、プラスチゾルの光音響伝搬層は使い捨てであり、容易に取り外したり(例えば、ポンとはじいて)、容易に交換したりすることができる。一実施形態では、使い捨て要素はゼラチンを含む。
一実施形態では、使い捨て要素および/またはプラスチゾルの光音響伝搬層が存在するかどうか、および/または、プローブ上に適切に取り付けられているかどうかを検知するために、センサーが使用されてもよい。
一実施形態では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)は、光がトランスデューサ(1310)に当たるのを防ぐために、および/または光をボリュームに対して反射させるために、光学上要素(1360)とトランスデューサ(1310)との間に光反射コーティング(1354)を含む。一実施形態では、光反射コーティング(1354)は金属であり、金属は金、銀、真鍮、アルミニウム、または別の金属であってもよい。
一実施形態では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)は、様々な音響インピーダンス値の多層を含む。様々な音響インピーダンス値の多層を使用することで音響の整合の助けとなることもある。一実施形態では、多層の1つ以上は少なくとも光反射性であってもよい。一実施形態では、少なくとも多層のいくつかは光散乱性である。
特定の状況では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)がせん断および縦速度を含む場合、モード変換が生じることもある。特定の状況では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)の層状化と様々な音響特性の様々な材料によるそのコーティングは、せん断波成分を取り消すか、減らすか、または反射させる役割を果たすこともある。これは異方性材料の使用を含むこともある。一実施形態では、該要素は、せん断波の音響伝搬を減らすことを目的としている。一実施形態では、光分布要素(1360)は、せん断波を実質的に送らない材料の層または領域を含むこともある。
一実施形態では、光路(1330)の少なくとも一部は音響学的に透過性の光分布要素へ伸びることもある。例えば、光路(1330)は光ファイバー(1332)を含むこともある。一実施形態では、光路(1330)中の光ファイバー(1332)は、光ケーブルまたはファイバー束(1318)である。一実施形態では、光路の光ファイバー(1333)の少なくとも一部は、該要素の外側の界面で停止するよりもむしろ、音響学的に透過性の光分布要素(1360)へ伸びることもある。その結果、光ファイバー(1333)の方が要素(1360)へと光をより良く伝えることができることもある。さらに、一実施形態では、要素(1360)内の光ファイバー(1333)は無作為化されることもあれば、および/または要素(1360)の内部でジグザグに動かされることもある。一実施形態では、光路で使用される1つ以上の光ファイバー(1333)の遠位端は、光拡散体に取り付けられる。
一実施形態では、光ファイバー(1333)は、トランスデューサの表面に平行な面の穴から突き出ることもあり、光ファイバー(1333)は要素(1360)の内部に突き出て、光は要素(1360)の内部へ放出される。一実施形態では、光路(1330)を構築する光ファイバーの1つ以上の遠位端は、要素(1314)の近位表面を通って要素(1360)の内部へ伸び、それにより、光が光路から要素の内部へと放出可能である。光拡散ファイバーは繊維である。一実施形態では、光拡散ファイバーは、要素(1360)の内部へ光を放出するために光分布要素(1360)の内部へ伸びることもある。一実施形態では、光拡散ファイバーを出る光は、光が光分布要素(1360)の内部を通って一体型のポート(1324)に向かって伝えられるときにさらに散乱および/または拡散することもある。一実施形態では、光ファイバー(1333)および/または光拡散ファイバーは、音響レンズ(1375)にエネルギーを伝達するために、光分布音響レンズ(1375)に入るか、あるいは光分布音響レンズ(1375)に近い。
図3は、音響学的に透過性の光分布要素(1260)を備えたプローブ(1200)の実施形態の縦断面図を示す。シェル(1202)および(1204)は、プラスチックまたは他の適切な材料から作られてもよい。光に晒されることもあるシェル(1202)および(1204)の表面は、反射型または高反射型であることもあれば、低いまたは非常に低い光および音響吸収特性を有することもある。一実施形態では、フレックス回路(1212)は、超音波トランスデューサ(1210)を形成する多くの圧電性の超音波トランスデューサ要素(図示せず)のアレイにケーブルコネクタ(1214)を接続する複数の電気トレース(図示せず)を含む。一実施形態では、フレックス回路(1212)は折り重ねられ、裏張り(1211)のまわりに巻き具蹴られ、シリコーンのような結合剤を使用してそこに固定される。一実施形態では、ブロック(1213)は、圧電性の超音波トランスデューサ要素のアレイの反対側の裏張り(1211)に固定される。ケーブルコネクタ(1214)は、電気トレース、したがって、超音波トランスデューサ(1210)を電気路に動作可能に接続する。一実施形態では、光路と電気路は張力緩和負荷を経験する。一実施形態では、光路(1330)は光導波路(1222)を含む。一実施形態では、光導波路は、構造的な支持および/または反復可能な照明を提供するために、内部の光ファイバーを支持および/または位置付けるために用いられる。
一実施形態では、音響レンズ(1205)は、超音波トランスデューサ(1210)に近接するか、または接触している。一実施形態では、音響レンズ(1205)は、光分布音響レンズ(1375)(ここには示されていない構成)であり、光導波路(1222)から光エネルギーを受け取る。一実施形態では、音響レンズは音響学的に透過性の光分布要素(1260)に連結される。一実施形態では、光分布要素(1260)の遠位表面(1224)は一体型の音響および光ポート(1324)である。音響レンズ(1205)は、室温の加硫(RTV)シリコンゴムのようなシリコンゴムを含むこともある。一実施形態では、超音波トランスデューサ(1210)はシリコーンのような適切な接着剤を使用して、音響レンズ(1205)の後ろに固定される。したがって、トランスデューサアセンブリ(1215)は、音響レンズ(1205)、超音波トランスデューサ(1210)、フレックス回路(1212)およびそのケーブルコネクタ(1214)、裏張り(1211)、およびブロック(図示せず)を含むことがある。一実施形態では、裏張り(1211)またはブロックは、トランスデューサアセンブリ(1215)を他の成分に取り付けるまたは固定するために使用可能である。
一実施形態では、音響レンズ(1205)を形成するRTVシリコンゴムは、TiO2でドープされることもある。一実施形態では、音響レンズ(1205)を形成するRTVシリコンゴムは、およそ4%のTiO2でドープされることもある。一実施形態では、音響レンズ(1205)を形成するRTVシリコンゴムは、0.001%と4%の間のTiO2でドープされることもある。一実施形態では、音響レンズ(1205)の外部表面(1206)は、さらにまたは代替的に、真鍮、アルミニウム、銅、または金のような金属の薄層でコーティングされることもある。一実施形態では、音響レンズ(1205)の外部表面(1206)は、まずパリレンでコーティングされ、その後、ニッケルでコーティングされ、その後、金でコーティングされ、最後にもう一度パリレンでコーティングされてもよい。一実施形態では、パリレンコーティング縁部を有する音響レンズ(1205)の部分は、湾曲または剥離を防ぐために他の成分から機械的に保護されるのに適している。一実施形態では、音響レンズ(1205)の実質的にすべての外部表面(1206)がパリレンの連続層でコーティングされ、その後ニッケルでコーティングされ、その後、金でコーティングされ、その後もう一度パリレンでコーティングされる。一実施形態では、音響レンズ(1205)の実質的にすべての外部表面(ただし、その下側ではない)は、記載されているような連続層でコーティングされることもある。音響レンズ(1205)の後ろのトランスデューサアセンブリ(1215)の部分は、電磁シールドとしても役立つことのある反射材料により、少なくとも一部分囲まれることがある。
アイソレーター(1220)は、光分布要素(1260)、光導波路(1222)、および、ある実施形態では、拡散体、中でもとりわけホログラフィック拡散体、またはピントグラスあるいはすりガラスのビーム拡大器を含む他のプローブ成分からトランスデューサアセンブリ(1215)を物理的に分離させる。一実施形態では、アイソレーター(1220)は、光分布要素(1260)、拡散体、および/または、音響レンズ(1105)の位置付けおよび/または固定を支援する方法で形成される。一実施形態では、アイソレーター(1220)は、光分布要素(1260)、拡散体、および/または、音響レンズ(1105)の位置付けおよび/または固定を支援するための隆起部または戻り止めを含む。さらなる音響アイソレーター(1221)は、音響学的に透過性の光分布要素(1260)とプローブのシェル(1202)(1204)との間にも位置することもある。
アイソレータ(1220)(1221)は、サンプリング中に最終的にトランスデューサ(1210)に送信される光サブシステムにより生成される光に対する光音響応答を減らす材料から作られる。一実施形態では、アイソレータ(1220)(1221)は、光を吸収(または光を反射)するとともに光がトランスデューサアセンブリ(1215)に到達するのを実質的に防ぐが、周囲の成分の音響エネルギーと同様にそれが吸収した光に対する音響(例えば、機械的)反応の伝達も抑制する材料から製作される。一実施形態では、アイソレーター(1220)は、音響サンプリングプロセスの間にトランスデューサ(1210)に到達することもある−他の成分(例えば、光分布要素(1260)または拡散体)から始まる任意の光音響応答などの−機械エネルギーの経路に実質的にあるように配される。一実施形態では、組み立ての際、アイソレーター(1220)は音響トランスデューサアセンブリ(1215)の少なくともかなりの部分を囲む。一実施形態では、組み立ての際、アイソレーター(1220)は音響トランスデューサアセンブリ(1215)を完全に囲む。トランスデューサアセンブリ(1215)をアイソレーター(1220)で囲み、前述の特性を有する材料からアイソレーター(1220)を製作することによって、サンプリング中にトランスデューサ(1210)に到達する機械的エネルギーまたは音響エネルギーの量は軽減される。
一実施形態では、アイソレーター(1220)は、組み立ての際にフレックス回路(1212)にぴったりと嵌合するように製作される。一実施形態では、のりまたは他の接着剤の薄層は、フレックス回路(1212)に対して、ゆえに、トランスデューサアセンブリ(1215)に対して、アイソレーター(1220)を固定するために使用されてもよい。一実施形態では、嵌合はぴったりと合わず、アイソレーター(1220)とフレックス回路(1212)および/または裏張り(1211)との間の空隙は、のりまたは接着剤により少なくとも部分的に充填される。一実施形態では、アイソレーター(1220)は、そのエネルギーを吸収する材料から製作される。一実施形態では、アイソレータ(1220)(1221)を製作するために用いられる材料は、シリコーンゴムとミクロスフェアから作られた化合物である。
一実施形態では、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は可撓性を有する担体と微小気泡から製作される。本明細書で使用されるように、微小気泡との用語は、ミクロスフェア、低濃度粒子、または気泡を含んでいる。一実施形態では、アイソレーター(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は、以下の大きさの成分から製作されることもある:担体として22gの可撓性材料;および、約10容量%乃至80容量%のミクロスフェア。一実施形態では、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は、少なくとも少量の光吸収剤(つまり着色料)を含むが、その混合能力を超えて厚くなるほど多くの量を含まない。一実施形態では、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は、以下の大きさの成分から製作されることもある:担体として22gの可撓性材料;ただし、その混合能力を超えて厚くなるほど多くの量ではない;および、小気泡で生じる、約10容量%乃至80容量%の大気。一実施形態では、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は、以下の大きさの成分から製作されることもある:担体として22gの可撓性材料と、可撓性を有する担体と比較して、約10%乃至80%の低密度材料粒子。前述の割合のいくつかは22gの可撓性を有する担体を使用して与えられるが、その数は単に例証として与えられるに過ぎない。重要なことは、使用される材料の割合の範囲であり、それが特定の大きさのバッチで作られるということではない。
一実施形態では、ミクロスフェアは、石炭酸、アクリル樹脂、ガラス、または、混合物中で気体の気泡を生じさせる他の材料から作られたシェルを有することもある。一実施形態では、ミクロスフェアは小さな個々の中空の球体である。本明細書で使用されるように、球体(例えば、ミクロスフェア)との用語は、特定の形状、例えば、丸い形状を定義することを意図しておらず、むしろ、空隙または気泡を記載するために用いられ、したがって、石炭酸のミクロスフェアは、立方体、球体、または他の形状であり得る気体の空隙を囲む石炭酸のシェルを定義する。一実施形態では、気泡または低密度粒子は、微小気泡としてミクロスフェアの代わりに、またはミクロスフェアに加えて使用されてもよい。一実施形態では、ミクロスフェア、低密度粒子、または気泡は、約10乃至約250ミクロンの様々な大きさであってもよい。一実施形態では、ミクロスフェア、低密度粒子、または気泡は、約50乃至約100ミクロンの様々な大きさであってもよい。一実施形態では、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は、2つ以上の部分から形成される。一実施形態では、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は、2つの実質的に同一の半分体で形成される。
一実施形態では、シリコンゴム化合物は室温で硬化可能な2つの部分のシリコンゴム化合物であってもよい。可撓性を有する担体は、シリコーンゴム化合物、または高温で硬化した化合物などの他のゴム化合物であってもよい。一実施形態では、可撓性材料は、ミクロスフェア、低密度粒子、および/または気泡および着色成分で合成された後に、所望の形状に成型され得るか、さもなければ形成され得る、あらゆるプラスチック材料であってもよい。一実施形態では、可撓性を有する担体はプラスチゾルまたはゼラチンであってもよい。一実施形態では、音響学的に透過性の光分布要素(1360)、(1260)の部分は、音波をブロックする音響学的に非透過性の部分(1329)を作成するために、ミクロスフェアで充填されることもある。一実施形態では、音響学的に非透過性の部分(1329)は、光分布要素(1360)の音響学的に透過性の部分に接する。微小気泡が光学的に透過性である実施形態では(図2a)、光は、響学的に透過性の光分布要素(1360)から隣接する音響学的に非透過性の部分(1329)へと伝えられることもある。一実施形態(図2b)では、音響学的に非透過性の部分(1329)は光吸収粒子(1328)で充填されることもあり、これにより、光が音響学的に非透過性の部分(つまり、音響学的に非透過性かつ光学的に非透過性の部分)を超えることを防ぐ。一実施形態では、光吸収粒子は微小気泡を光学的に吸収している。一実施形態では、光吸収粒子は光吸収剤または着色料の粒子である。一実施形態では、光吸収粒子が光を吸収する際に音波が生成されることもある。一実施形態では、音響学的に非透過性の部分(1329)は、光吸収粒子(1328)により生成された音波をブロックする。一実施形態では、音響学的に非透過性の部分(1329)の光吸収粒子(1328)が光をブロックする際、光は音響学的に非透過性の領域(1329)の境界でのみ吸収される。したがって、音波は音響学的に非透過性の部分を通過するのを阻止されるが、音波は光吸収表面から隣接する音響学的に透過性の材料まで依然として移動することもある。一実施形態では、音響学的に非透過性の部分はアイソレータ(1320)、(1321)である。光吸収剤(着色料)は、カーボンブラックであることもあれば、または混合化合物に暗い光吸収特性を与える、インクあるいは染料を含む任意の他の適切な着色料であることもある。一実施形態では、光分布要素に隣接する音響学的に非透過性の領域(1329)の境界は、音波を音響学的に散乱させるおよび/または減らすために粗いまたは非平坦な表面を有するようにパターン化(1327)されることもある(図2c)。一実施形態では、光反射材料または光反射コーティング(1326)は、音響学的に非透過性の領域と音響学的に透過性の領域との間に置かれる(図2d)。
一実施形態では、光分布要素(1360)の側部は音響学的に反射性であってもよい。一実施形態では、光分布要素(1360)の側部は、その側面が空隙に隣接していれば音響学的に反射性である。一実施形態では、音響受信器(1310)によって受け取られる光分布要素(1360)を通過するボリュームに端を発する光分布要素(1360)の側面に反射された受信音波は、視界を制限された性能を改善するための再構成時に役立つこともある。一実施形態では、要素(1360)の側面に反射された波は、トランスデューサ要素の指向性によりボリュームの表面に垂直に向けられたトランスデューサ要素に対してさもなければ近づくことができない直接的な音響帰還の情報を含んでいる。一実施形態では、要素(1360)の側面の反射を考慮に入れた再構成(またはシミュレーション)は、ボリュームの視認性を向上させることがある。一実施形態では、要素は導波管として音響学的にモデル化される、および/またはシミュレートされる。
一実施形態では、以下の工程は、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)を製作するために使用可能である。型は、ヘトロラタムなどの薄い放出層を型に当てることにより準備されることもある。均一な一貫性に到達するまで、成分は身長に測定され混合される。過度の混合速度により混合物中に空気が閉じ込められることがあるため、混合の際には注意を要することに留意されたい。その後、混合物は、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)(あるいはその一部)を形成するために適切に形作られた型に入れられる。一実施形態では、型の隅に混合物を落とし込むために機器が使用される。型は閉じられてプレスされ、余分な部分はベント孔を通って出される。その後、混合物を硬化させる。いったん硬化すると、鋳造された部分は型から取り除かれ、一般的なようにカミソリの刃または他の機器を用いて、余った材料を取り除くために掃除されることもある。清浄化された部分は石鹸と水で洗浄され、油脂および/または汚れを取り除くためにアルコールで拭かれることもある。
一実施形態では、製作された部分の一部は、金粉または黄銅粉のような反射または高反射材料でコーティングされる。一実施形態では、反射性の金コーティングが使用されることもある。一実施形態では、一部をコーティングするために、適切な金の塗料が完成するまで、アクリルを少量の金、真鍮、または他の反射材料に液滴で加えることが可能である。一実施形態では、任意の反射塗料(例えば、金の有色塗料)も使用されてもよい。一実施形態では、必要に応じて、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)の一部をコーティングしないために、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)の表面はテフロン(登録商標)テープなどで貼られてもよい。一実施形態で、金の塗料はアイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)の前面および側面に塗られ、側面は光分布要素(1360)、(1260)、ガラス、拡散体、および/または、他の成分に触れる。一実施形態では、アイソレータ(1320)、(1321)、(1220)、または(1221)は要素(1360)を適所に保持するために形作られることもある。図5は、従来の超音波プローブの人間工学的形態を備えた光音響プローブ(1201)の実施形態を示す。プローブ(1201)は音響学的に透過性の光分布要素(1260)を含む。一実施形態では、要素(1260)の側部(1226)は光反射コーティングを有する。光は光導波路(1222)から放射される。一実施形態では、光導波路は光ファイバーを収容するように設計される。光は光学経路出口(1223)から出て、光分布要素(1260)に入力され、そこで、光は拡散して分散し、一体型の音響および光ポート(1224)から出る。一実施形態では、アイソレーター(1221)は、要素(1260)の側部(1226)とシェル(1202)、(1204)との間で配置されてもよい。実施形態では、シェルは音響学的に吸収する。
一実施形態では、図4の光学経路(1330)は、光分布要素(1360)の表面上の光エネルギー入力(1325)へ光エネルギーを伝える光学経路出口ポート(1323)を含む。一実施形態では、光学経路出口ポート(1323)は光および/または音響のコーティングでコーティングされる。一実施形態では、光学経路出口コーティング(1350)は、光分布要素(1360)への光伝送を改善する。一実施形態では、信号経路(1313)は、光および/または電気の信号ならびに/あるいはエネルギーをプローブに運ぶ。一実施形態では、信号経路(1313)は、音響受信器(1310)および/またはトランスデューサアセンブリ(1315)、(1215)からの電気信号を運ぶ。一実施形態では、信号経路(1313)は、一体型の光および電気の信号経路(1317)(例えば、光エネルギー部分と電気信号部分を含むケーブル)である。一実施形態では、光学経路(1330)は光ケーブルを含む。一実施形態では、光学経路(1330)は光学信号経路(1319)を含む。一実施形態では、光エネルギーはプローブ(例えば、LEDまたはレーザーダイオード)内に作られ、したがって、プローブに接続する光ケーブルは必要ではない。
一実施形態では、光分布要素(1360)は、受け取る光エネルギーの一部を吸収し、そして、音波を生成する。一実施形態では、音波は、ボリュームから始まる直接的な音響帰還成分に干渉する二次的な音響帰還を作成する。
成分の分離を含む実施形態
一実施形態では、光音響プローブは、成分の分離アルゴリズムを使用して、直接的な音響帰還成分から二次的な音響帰還を分離するのに適した処理ユニットを含む光音響システムに接続される。
一実施形態では、光分布要素(1360)によって生成される望ましくない信号を直接的な音響帰還と分離するアルゴリズムが使用される。一実施形態では、光分布要素によって生成される望ましくない信号をフィルタ処理するおよび/または緩和するためのアルゴリズムが使用される(例えば、帯域フィルタ(フレーム間の持続的なアーチファクトの除去))。一実施形態では、分離した直接的な音響帰還成分および/または緩和された直接的な音響帰還に基づく画像が生成され、ディスプレイに表示される。本明細書に記載される二次的な音響帰還と直接的な音響帰還を分離する方法は、音響学的に透過性の光分布要素(1360)によって生成され得る望ましくない信号の削除に適用可能である。こうした処理が用いられないとき、音響学的に透過性の光分布要素(1360)を使用するプローブの設計は、特定の実施形態が強力な望ましくない信号成分(例えば、せん断波、二次的な音響帰還、反射、反響、収差)を生成しかねないため、より多くの設計制限を必要とすることもあることは当業者には明白である。しかしながら、本明細書に記載されるようなアルゴリズムでは、未処理の信号に対する望ましくない歪みを生じさせる可能性のある音響学的に透過性の光分布要素(1360)の実施形態を使用することは、望ましくない歪みが画像の出力で生じるのを防ぐための処理を使用することにより、実際的なオプションとなる。したがって、実際に要素(1360)に使用することができる材料の選択は、歪みが低い材料に制限されない。しかしながら、好ましい実施形態では、要素(1360)からの歪みは実際に低い。
光音響システム
当該技術分野で知られているように、光音響システムは多くの形態をとることもある。一般に、光音響(または光音響(photoacoustic))システムは、材料に吸収されている電磁エネルギーの結果として作成される音響信号を獲得する。他のタイプの電磁エネルギーが使用されることもあるが、光音響は一般に光の形態の電磁エネルギーの使用に関連付けられ、光は可視スペクトルであることもあれば、近赤外スペクトルであることもある。したがって、光音響システムは、電磁エネルギーの少なくとも1つのソースと、材料に吸収されている電磁エネルギーの結果として作成される音響信号を獲得する受信機とを有する。
光音響システムの特定の実施形態は、「Noise Suppression in an Optoacoustic System」という表題で2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/842,323号で議論されており、文献全体は本参照により組み込まれる。特定された特許出願は、光路によってプローブに光のパルス(異なる優勢的な波長で)を出力することができる光音響システムである複数の光源を含む光音響システムの実施形態を記載している。光は遠位端の1つ以上の光出口ポートを通ってプローブから出て、1つ以上のポートはポートの両端に光窓を有することもある。さらにプローブの遠位端の受信機も音響信号をサンプリングするために使用される。一実施形態では、受信機は、サンプリングレートで光音響の帰還信号をサンプリングするために使用され得る多チャンネルトランスデューサアレイであってもよい。一実施形態では、受信機は約65μsの持続時間のあいだ31.25Mhzでサンプリングをすることもある。サンプルはサイノグラム(sinogram)として保存される。操作時、プローブの遠位端が撮像されるボリュームの近くに持ち込まれた後、上に記載されるような光音響システムはその光源の1つをパルス化し、その後、音響信号をサンプリングすることもある。一般に、従来の特許出願で議論されるように、光源の優勢な波長は、光音響撮像により識別される特徴によって互換性をもつ(つまり、高吸収される)ように選択されることもある。
前述の文献は光音響システムの特定の実施形態について記載しているが、それは例証目的のみに過ぎず、以下の議論はそのように制限されない。以下により詳細に議論されるように、本開示の一部は、より少ないまたはより多い光源、例えば、1つの光源または各々が異なる優勢的な波長を有することもある3つ以上の光源を有している光音響システムに適用可能である。さらに、同様に明白となるように、それは、密接に連続して同じ波長のパルスを生成することができる複数の光源を有する、または、互いに密接に連続してパルスを製造することができる1つ以上の光源(各々が異なる波長で作動する)を有する、光音響システムにも適用可能である。さらに、前述の文献は、以下により詳細に議論されるように、超音波エネルギーを出力することができるトランスデューサを有する光音響システムの実施形態について記載しているが、こうしたトランスデューサは不必要なこともあり、一実施形態では、音響受信器がその代わりとして十分である。
本明細書で使用されるように、サイノグラムとの用語は、1つ以上の光事象の後に緊密に続くか、1つ以上の光事象と一致するか、あるいはその両方であり得る特定の期間に対応するサンプル値(または処理されたサンプル値)を指す。サイノグラムが長いサイノグラムまたは短いサイノグラムと呼ばれる場合、これらは一般に、各々が光の異なる波長に対応する2つの異なる光事象からのサンプリングされた音響信号を指し、短いサイノグラムとの用語は光事象を生成する光の短波長に対応するサイノグラムを指し、長いサイノグラムとの用語は、光事象を生成する光の長波長に対応するサイノグラムを指す。2つよりも少ない、または2つよりも多い波長が使用されないこともあるため、短波長と長波長との用語の使用は、任意の数の波長を含むシステムの拡張された文脈を具体化することを目的としている。
限定によるものではない例証のために、および、さもなければ文脈で明らかな場合を除いて、サイノグラムは、受信機のアレイからサンプリングされた音響信号のサンプルの有限の長さを表す。一例として、一実施形態では、サイノグラムは、31.25Mhzで65μsのあいだ受信機の128のチャネルのサンプルを表すこともある。以下の議論はこの例となるサイノグラムに関するものであるが、特定の長さ、分解能、またはチャネル数は融通のきくものであり、実質的な変化は本開示の精神または範囲を逸脱することなく当業者に明白になる。さらに、以下に一般に議論される例は、音響受信器の直線アレイを反映しているが、受信機の編成もそのチャネルの数も制限により意図されるものではなく、実質的な変化は本開示の精神または範囲から逸脱することなく当業者に明白になる。
サイノグラム成分
上に議論されるように、サイノグラムは本質的に一定の期間に生じる音響活動のサンプリングされた記録を含むこともある。概して言えば、サイノグラムは1つ以上の光事象に応じて生じる音響活動を捕らえるために記録されるが、上記のように、光事象はサンプリング期間の直前、または後、あるいはその両方に生じることもある。サイノグラムで捕らえられた(または捕らえられるように意図された)音響活動は、光音響応答、すなわち、材料により吸収されている電磁エネルギーの結果として作成される音響信号を含んでいる。
例証として、関与する基本原理を議論する目的のために、上記のようなプローブタイプの光音響システムが使用されてもよい。プローブは多くの組織(特に均質なわけではない)のすぐ近くに導かれ、サイノグラムは、サンプリング期間の直前またはその最中に生じる(1つ以上の光源からの)1つ以上の光事に対する光音響応答をサンプリングすることにより作成されることもある。したがって、結果として生じるサイノグラムは、サンプリング期間中の音響活動の記録を含む。しかしながら、サンプリング期間中の音響活動は、サイノグラムを作る目的で作成された1つ以上の光事象には関連しない情報を含むこともある。こうした情報はこの段落の目的のためにノイズと呼ばれる。したがって、こうした目的のために、サイノグラムはノイズと光音響応答を含む。
光音響応答は熱弾性を有する応力の閉じ込めの放出に起因する音響信号を含み、こうした音響信号は光事象に応じてボリューム内の1つ以上の光学標的から始まることもある。サイノグラムにおける光音響応答の一部はボリュームを伝搬して本質的には直接受信機に伝えられ、その一方で、その一部は反射されるか、またはさもなければ、受信機に到達する前にボリューム内で散乱する。ボリューム中を伝搬して本質的には直接受信機に伝えられる−すなわち、実質的な反射することなく、または音響標的から散乱することなく−サイノグラムにおける光音響応答の一部は、本明細書では「直接的な音響帰還」あるいは「DAR」と呼ばれる。ノイズとDARに加えて、受信機に到達してボリュームから始まる他の音響信号は、様々な現象によって引き起こされることがある。ボリュームを通って伝搬したが受信機に到達する前に実質的に反射または散乱したサイノグラムにおける光音響応答の一部−受信機に到達してボリュームで始まるが、DAR信号を引き起こす波面の反射または散乱した部分である信号を含む−は、本明細書では「二次的な音響帰還」または「SAR」と呼ばれる。ボリューム全体があるレベルの光音響応答に晒されるため、システム中の不連続性(この段落の目的のためボリュームとプローブを含む)はすべて境界で生じる反射または第2の散乱を作り出すこともある。本明細書の目的のために、これらの散乱または反射した信号も、受信機に到達する程度までは、SARと考えられる。DAR、SAR、およびノイズに加えて、サイノグラムは、限定されないが、表面波、せん断波、および、ボリューム内部またはボリュームの外部で始まる光事象により引き起こされ得る他の信号を含む、他の信号を含むこともある。
いくつかの状況では、ボリューム中の音響標的は、音波のエネルギーのほとんどがわずかにそれた経路に沿って伝搬し続けるように、光学標的から始まる音波をわずかにそらすこともある。こうした状況では、光学標的から始まる音波は依然として、DAR(とりわけ、経路偏差が小さいか、または信号到着時間偏差の説明がつく場合)と考えられることもある。すなわち、いくつかの状況では、例えば、非均質の媒体では、直接的な音響応答は直線よりもむしろ曲線を辿ることもあれば、音波は、ボリュームまたは連結媒体内部の特定の音響境界で偏向する経路を行くこともある。他の状況では、例えば、ボリュームまたは周囲の音速が一定ではないか、均質ではない場合、光学標的から、各々が該標的から等距離に離れて配された2つの音響受信器まで移動するDAR波面は、異なる回数だけ波面の部分に到達されることがある。以下に提示されるこうした一般的なガイドラインと議論を使用して、DARとSARの間の差は当業者に明白となる。
成分の分離を含む本発明の実施形態において、サイノグラムから望ましくない成分を識別するか、分離するか、または除去し、結果として、それに基づいて光音響画像の明瞭さを改善するべく、新規な方法および装置が光音響データを処理するために使用される。例えば、一般に後方散乱と呼ばれるSAR成分を除去する新規な手段に関連する議論がある。同様に、成分の分離の段落にも、サイノグラムからの表面波の効果を識別し、分離し、かつ除去する新規な方法とシステムが開示されている。成分の分離の段落は、サイノグラム中に存在する(様々な優勢的な波長における)多くの光事象から情報を分離するための新規な方法と装置についても議論している。成分の分離の段落は、とりわけ、サイノグラム中に存在する(単一の優勢的な波長における)多くの光事象からの情報を用いて、信号対雑音比を改善するための新規なプロセスとシステムについても議論している。そして、成分の分離の段落は、分離されたSAR成分を機能的な情報として使用するための、および、潜在的には機能的な画像を作成するための新規な方法と装置について議論している。成分の分離での適用に役立つ特徴を有する光音響プローブの特定の実施形態は、CD−ROMの付録を含む「System and Method for Acquiring Optoacoustic Data and Producing Parametric Maps Thereof」と題された2012年6月13日に出願された米国特許出願第13/507,217号で議論されており、当該文献の全体は本参照により本明細書に組み込まれる。
さらに、ボリュームの外部にある特定の標的を照射するための光事象により放出された光子の自然経路を使用することにより、SAR成分を除去する議論をさらに詳しく述べ、それによって既存のまたは予想されるSAR成分を作成するか、および/または既存のSARを増幅することができる、コード化されたプローブ実施形態も本開示に記載されている。いくつかの実施形態では、既存のまたは予想されるSAR成分を作成するか、および/または既存のSARを増幅するために、プローブ自体の特定の特徴および/または特性が提供される。このようにして注入されたSAR成分は、SAR成分の識別と除去を促すために使用可能であり、さらに機能情報として使用されるSAR成分を分離する能力を向上させることもある。ボリュームの外部にある特定の標的は異なる振幅および/または周波数応答を含む特定の応答を生成するためにコード化可能であり、さらに、多くの光源の実施形態において利用可能な複数の光源の1つに多かれ少なかれ応答するように設計されることもある。
一実施形態では、音響受信器は、特定の標的によって引き起こされる波を検知することもある。一実施形態では、音響受信器は、特定の標的によって引き起こされる表面波またはせん断波を検知することもある。一実施形態では、方法と装置は一体型の光音響プローブの一部であり得る。
DAR対SAR分離
図6は、成分分離システムの実施形態のブロック図を示す。本実施形態中のシステムは、エネルギー源、受信器、処理サブシステム、出力デバイスおよびストレージデバイスを含む。一実施形態では、エネルギー源は、光エネルギーを組織のボリュームに送達するための少なくとも1つの光源を含み、受信器は、結果として生じる音響信号を受信するためのトランスデューサアレイを含む。処理サブシステムは、DAR成分を音響信号のSAR成分から分離するように音響信号を処理し、出力デバイス及び/又はストレージデバイスは、DAR成分、SAR成分、またはその両方に関する情報を表示及び/又は保存する。一実施形態において、電磁エネルギーの他のソースが、光源の代わりに使用されてもよいことは、当業者に明白となる。一実施形態において、単一の受信器または受信器のグループが、トランスデューサアレイの代わりに使用されてもよいことは、当業者に明白となる。これらの要素の各々は、他の考えられ得る成分と共に、より詳細に以下に記載される。
主題の発明の一実施形態では、システムは、音響信号または空間表現から1つ以上の音響波面によって引き起こされた1つ以上のアーチファクトを分離及び/又は除去するために使用される。上に議論されるように、音響波面は、様々なソースによって引き起こされ得る。
一例では、1つ以上の音響波面は、音響信号のSAR成分を引き起こす与えられたボリュームで1つ以上の音響反射標的から反射する(または散乱する)ことができる。図7は、与えられたボリュームから受信された音響信号から再構成された2つの画像を示す。上の画像は、超音波画像であり、下の画像は、超音波画像上に重ねられた光音響画像である。画像の有効深度(effective depth)は、光音響アーチファクトを実証するために適用可能な超音波深度(ultrasound depth)を越えて2倍になった。上の画像における領域(210)は、肋骨組織を表わし、その下は、与えられたボリュームにおける肺組織である。下の画像における電波干渉は、肺または肋骨の組織から離れた(off of)表面で生じる音響波面の反射(220)によって引き起こされると考えられる。ここに示される肺または肋骨の組織およびアーチファクトは、単に例である。音響波面は、類似した又は他のアーチファクトを引き起こすボリュームで、実質組織を含む他の音響反射標的から反射または散乱し得る。一実施形態では、本明細書に記載されるプロセスまたはシステムの1つ以上は、そのボリュームの信号及び/又は空間表現からそのようなアーチファクトを分離及び/又は除去するために使用され得る。
一実施形態では、システムは、電磁エネルギーを組織のボリュームに送達するように構成された少なくとも1つの光(または他のエネルギー)源を含み、その結果、電磁エネルギーが送達されるときに、音響信号は、以下の少なくとも2つの成分で検出可能である:1)DAR成分;および2)SAR成分。DAR成分は、一般に、そのボリュームにおける1つ以上の電磁的に吸収性の標的内の一時的な応力閉じ込めに起因する。SAR成分は、一般に、そのボリュームにおける1つ以上の音響反射(即ち、音響的に散乱する)標的上の少なくとも1つの音響波面の入射に起因する。電磁的に吸収性の標的はまた、幾らかの音響後方散乱の標的であり得る。それに相当するものとして、音響反射標的はまた、幾らかの電磁エネルギー吸収の標的であり得る。したがって、一連の音響反射標的および電磁的に吸収性の標的は、相互排他的である必要はなく、全体または部分的に重なり得る。一実施形態では、DAR及び/又はSARの信号は、超音波信号である。より詳細に本明細書で議論される一実施形態では、電磁エネルギーは光エネルギーであり、DAR信号は光音響帰還信号である。一実施形態では、電磁エネルギーは、RFスペクトルの部分からのエネルギーである、即ち、光エネルギー以外である。RFスペクトルの多数および潜在的にすべての部分が、DAR信号を引き起こし得、それ故、本明細書に開示される発明が、可視光エネルギー部分、またはRFスペクトルの単なる光エネルギー部分にも関する使用に制限されないことは当業者に理解されるだろう。
一実施形態では、システムは、DAR信号成分の少なくとも一部およびSAR信号成分の少なくとも一部を受信するように構成された、少なくとも1つの音響受信器を含む。一実施形態では、音響受信器は、トランスデューサを含み得、これは、光音響プローブの遠位端に位置付けられ得る。一実施形態では、DAR信号およびSAR信号は、両方とも、範囲、1回のサンプリングサイクル、例えば、上に記載されるような31.25Mhzでのサンプリングの65μsの間に音響受信器に達する。SAR信号の少なくとも一部は、より詳細に以下に記載されるように、光事象に応答して表面で生成される入射波面から音響エネルギーを後方散乱させる音響反射標的によって引き起こされ得る。電磁エネルギーが、与えられた標的に関して、音響波面より速くそのボリュームに伝搬するために、通常、DAR信号と比較してSAR信号の受信の遅れが出る。したがって、幾つかの状況下では、特定の標的からのDAR信号およびSAR信号は、異なる時間に受信器に達する。しかしながら、幾つかの状況下では、DAR信号およびSAR信号は、少なくとも部分的に、受信器に同時に達する(例えば、標的が受信器に接触しているとき)。典型的な実施形態では、電磁エネルギーは光エネルギーであり、これは、光速で又は光速に近い速度で(および、いずれにしても、音響波面よりはるかに速い速度で)、そのボリュームに伝搬し、一方で、音響波面は、はるかにより遅い速度でそのボリュームに伝搬し、その速度は、音速(例えば、組織中の音速)により近い。そのような典型的な実施形態では、音響受信器および電磁エネルギー源が、電磁的に吸収性の標的および音響反射標的からおよそ同じ距離にある場合、DAR信号は、与えられた標的からSAR信号より約2倍も速く受信器に達すると仮定することができる。
一実施形態では、音響受信器は、音響受信器のアレイであり得る。一実施形態では、音響受信器のアレイにおける受信器は、トランスデューサであり、圧電トランスデューサであってもよい。一実施形態では、音響受信器は、そのボリュームに伝搬する音響波面を生成することができる、少なくとも1つのトランスデューサを含む。一実施形態では、反射モードの画像化(reflective mode imaging)が使用され、ここで、受信器はエネルギー源の近似にあるが、これは、受信器およびエネルギー源が両方とも手持プローブ上にある場合の典型的な事例である。一実施形態では、電磁エネルギーはプローブを介して送達され、受信器はプローブ上に位置付けられ得、特に、プローブの遠位端(即ち、そのボリュームに最も近い端部)に位置付けられ得る。一実施形態では、例えば、伝送モードが利用される場合、受信器は、そのボリュームの近くの又はそれに隣接する位置に位置付けられ得るが、電磁エネルギーの送達の供給源の近似ではない。伝送モードでは、受信器は、一般に、電磁エネルギー源からのボリュームの反対側に置かれる。入射波面が、そのボリュームの実質的に反対に受信器に生じる場合、そのボリュームにおける音響散乱標的は、受信器に達しない音響反射を主に引き起こし得るが、むしろ散乱は、受信器によって測定される入射波面の音響伝達に影響し得る。音響的に散乱する標的が、音響波面を関連性に従って反射し、伝搬し得るために、音響反射標的も、音響学的に透過性の標的と見なされ得、その逆もしかりである。音響反射標的の反射散乱する強度は、その伝達散乱する強度と必ずしも等しいとは限らない。一実施形態では、音響的に散乱する標的と、音響反射標的または音響学的に透過性の標的は区別されない。一実施形態では、システムは、音響的に散乱する標的または音響学的に透過性の標的に起因する信号よりも、音響標的の反射に起因する信号の強固な分析を提供するように設計されている。例えば、手持プローブの表面から生じる波面が、標的に達するときに、標的から反射された波面は、プローブに戻るように導かれ得るが、波面の伝達された部分は、進行し続け得、プローブ上の音響受信器に達しないかもしれない。したがって、幾つかの状況において、幾つかの伝達された又は反射された散乱反射は、受信器によって受信されない、または次に記載される処理サブシステムによって分析されないかもしれない。
図6をさらに参照すると、一実施形態では、処理サブシステムは、そのボリュームで電磁的に吸収性の標的及び/又は音響反射標的に関する情報を得るために、音響信号を分析するように適合されている。一実施形態では、処理サブシステムは、そのボリュームで標的の空間表現を生成するために、(例えば、サイノグラム中の)音響信号を分析する。一実施形態では、処理サブシステムは、DAR信号とSAR信号の受信間の時間遅延を使用して、より好適にそれらの信号を分析する。一実施形態では、システムは、DAR信号(またはその空間表現)とSAR信号(またはその空間表現)を分離し、時間遅延及び/又は他のパラメータに基づいて、それらを別々に処理する。
一実施形態では、処理サブシステムは、1)あるボリュームにおける標的(上に議論される電磁的に吸収性の標的および音響反射標的など)の推測された空間表現を生成するために、音響信号(上に議論されるDAR信号およびSAR信号など)を分析することができる、再構成モジュール;および2)与えられたボリュームにおける標的の空間表現(再構成モジュールによって生成された、推測された空間表現など)を分析する及び電磁エネルギーを与えられたボリュームに適用することによって生成されるかもしれない音響信号を生成することができる、シミュレーションモジュール、を含む。一実施形態では、再構成モジュールおよびシミュレーションモジュールは、以下の随伴作用(adjoint operations)を実行する:再構成モジュールは、音響信号を得て、空間表現を生成する;およびシミュレーションモジュールは、空間表現(再構成モジュールによって生成されたものなど)を得て、電磁エネルギーが与えられた空間表現を用いてボリュームに適用されるときに生成されるかもしれない音響信号を生成する(例えば、背面投射する(back−projecting))。一実施形態では、シミュレーションモジュールは、前方投射(forward projection)を実行する。一実施形態では、シミュレーションモジュールは、不均質性、伝搬遅延、ノイズ除去、または他の追加処理を説明することを含み得る、追加処理をさらに実行する。一実施形態では、前方投射は、システムの伝送行列を使用し得る。一実施形態では、再構成モジュールは、後方投射を実行する。一実施形態では、後方投射は、前方投射のエルミート随伴であり得る。一実施形態では、再構成モジュールは、不均質性、伝搬遅延、適応フィルタリング、または他の追加処理を説明することを含み得る、追加処理をさらに実行する。空間表現および音響信号は、あらゆる好適なフォーマットで、送信、受信、または保存され得、そのための様々なフォーマットが、本開示を考慮して当業者に明白となる。一実施形態では、空間表現は、画素のアレイ、ビットマップ、または他の画像フォーマットとして、送信、受信、または保存される一実施形態では、三次元以上の表現が、送信、受信、または保存され得る。一実施形態では、音響信号は、サイノグラムとして、送信、受信、または保存され得る。他のフォーマットおよび表現が、当該技術分野で公知であり、本明細書の開示に関連して使用され得、このような他のフォーマットおよび表現は、限定することなく、パフォーマンスを向上させ得る、ウェーブレット変換または相似変換、ディクショナリ、または表現基準(representation basis)などの、変換された領域を含む。したがって、空間表現は、空間領域のウェーブレット表現、または適用可能な場合に、他の空間領域に適用されたそのような変換を含むことができる。一実施形態では、処理の様々な段階中に、表現は、変換がデータのすべてを実質的に保存するように異なる基準で表わされた、変換された表現(例えば、空間表現に適用されたウェーブレット変換)との間で切り替わり得る。そのような切り替わりは、処理のパフォーマンス(例えば、スパース表現上の閾値処理の実行)にとって基本であり得るか、またはそうでないかもしれないが、変換が生じる処理の段階は、実施の間で異なり得る。したがって、一実施形態では、そのような変換は、処理の様々な段階で挿入され得る。そのような変換を適用する正当性および適用可能性は、当業者に明白であるはずである。
一実施形態では、空間表現は、ボリュームの2Dスライスを表わす2Dアレイであり得る。一実施形態では、空間表現は、ボリュームの3D領域を表わす3Dアレイであり得る。一実施形態では、空間表現は、ボリュームの2Dスライスまたは3D領域のウェーブレット表現であり得る。一実施形態では、トランスデューサの1Dアレイが、サイノグラム測定値を記録するために使用され、ボリュームの3D空間表現が使用されるときに、反復最小化技術(下に記載されるものなど)が、面外構造の決定に適用可能であり得る。同様に、トランスデューサの1.5Dまたは2Dのアレイが使用されるときに、反復最小化技術の適用には利点があり得る。3D空間表現(例えば、ウェーブレット)の基準の選択は、処理速度及び/又は画質性能に影響を与え得る。したがって、一実施形態では、1)ボリュームの3D表現を反復的に再構成する工程、およびその後、2)3D表現からの2Dスライスを抽出する工程が、(a)2D再構成において生じ得る面外構造からのストリーキングを減少させるために、および(b)面外構造を決定するために、利用され得る。一実施形態では、撮像面を横断する容器または構造の配向は、同じ技術を使用して決定され得、その後、容器または構造の配向の決定の分析が行われる。
上に議論されるように、一実施形態では、与えられたボリュームにおける標的の空間表現(再構成モジュールによって生成された、推測された空間表現など)を分析する、および電磁エネルギーを与えられたボリュームに適用することによって生成されるかもしれない音響信号を生成することができる、シミュレーションモジュールがある。一実施形態では、シミュレーションモジュールは、与えられたボリュームに対して以下の少なくとも2つの別々の音響信号を生成する:与えられたボリュームにおける電磁的に吸収性の標的(上に議論される電磁的に吸収性の標的など)の一時的な応力閉じ込めによって生成されるかもしれない、シミュレートされたDAR信号;および与えられたボリューム内の音響反射標的上の1つ以上の音響波面(上に議論される音響波面および音響反射標的など)の入射によって生成されるかもしれない、シミュレートされたSAR信号。一実施形態では、DARおよびSARのシミュレーションは、別々に実行され、その結果、シミュレーションモジュールは、各成分を別々にシミュレートし得る。一実施形態では、そのボリュームに向けられた電磁エネルギーは、光エネルギーであり、シミュレーションモジュールによって生成された、シミュレートされたDAR信号は、そのボリュームにわたって受信器に本質的に直接伝搬する光音響応答の部分のシミュレーションである。一実施形態では、シミュレートされたSAR信号は、音響波面の後方散乱によって生成された、シミュレートされた超音波(US)後方散乱信号である。一実施形態では、音響波面は、ボリュームの表面で又はその近似で生じ、超音波後方散乱を引き起こし。超音波後方散乱が、線形システムとしてモデル化され得、単一または二重のパラメータモデルで未知の散乱界を処理するための近似値が使用され得る。一実施形態では、異なるプロセスまたはパラメータが、別々の音響信号をシミュレートするために使用されてもよい。一実施形態では、異なる及び/又は変更するパラメータが、音がボリュームを通って移動する速度に使用されてもよい。一実施形態では、そのボリュームにおける音速に対する値は、前の試験、分析、または計算から高められる。一実施形態では、推定された、既知の、または計算された音速プロファイルまたは伝搬遅延プロファイルは、シミュレーション(及び/又は再構成)モジュールに対する入力として提供される。
一実施形態では、音響受信器および音響波面の起源が、そのボリュームにおける標的からほぼ同じ距離(r)にあると仮定することができる。そのような仮定は、音響波面の起源が、標的の1つ以上の深度と比較したときに、プローブのかなり近位(例えば、浅い皮膚層(skin layer)など)にある、接近した近似値を表わす。電磁エネルギーが光エネルギーである場合、光エネルギーがそのボリュームにおける標的に達し、一時的な応力閉じ込めを引き起こすのに必要な時間が、無視できるものであると仮定され得る。したがって、標的から移動するだけである、DAR信号中の音エネルギーが、距離(r)を横断した後に受信器に達することが推論される。一方、最初に波面源から標的に、およびその後、標的から受信器に移動しなければならない、SAR信号中の音エネルギーは、距離を2回(r+r)横断した後に受信器に達する。これらの仮定に基づいて、音エネルギーがボリュームを通って移動しなければならない増加した距離を説明するためのSAR信号をシミュレートするために、音速のおよそ半分(r/2r)が使用される。
一実施形態では、音響波面が、そのソースからそのボリュームにおける標的までの深度(y)を移動すると仮定され得るが、音響受信器が、音響波面によって移動された深度ベクトル(y)に対する角度(theta(シータ))に位置付けられ得るという事実を説明するための試みがなされている。それ故、DAR信号中の音エネルギーが、距離(r)を移動し、一方でSAR信号中の音エネルギーが、深度(y)に加えて距離(r)を移動すると仮定される。したがって、移動した総距離(y+r)は、r(1+cos(theta))として計算することができる。一実施形態では、SAR信号中の音エネルギーによって移動された付加的な距離(y)を説明するためのSAR信号をシミュレートするために、より低速の音速が使用される。一実施形態では、SAR信号をシミュレートするために使用される音速は、音速の約1/cos(theta)倍に設定される。一実施形態では、音響信号の1つ以上に対する予想される伝搬時間を計算するために、測定された又は推定された音速プロファイルが使用される。この構成では、SARは、DARに干渉し得る。
幾つかの反射モードまたは伝送モードの構成では、散乱が原因のSARおよびDARが実質的に干渉しないようにエネルギー源および受信器の位置付けることは可能であり得るが、他の状況では、それは可能ではない。一実施形態では、成分の分離前またはその間に音速を計算するために、音響波面が使用されてもよい。一実施形態では、プローブが反射モードで構成されるときに、この波面は、そのボリュームの表面の近位で生成されてもよい。一実施形態では、この波面は、プローブまたはそのボリュームの上、中、または近くでの受動素子への電磁エネルギーの適用の結果として生成されてもよい。一実施形態では、プローブは、超音波トランスデューサを含み(これは、上に議論される受信器としても作用し得る)、波面は、トランスデューサによって生成される。成分の分離自体は、反射モードの受動素子が音響信号の干渉成分を分離することによって使用されるときに、音速の計算を促進し得る。一実施形態では、音響波面は、手持プローブから生じ得る。一実施形態では、受信器のアレイが使用され、再構成のための伝搬時間は、音速プロファイルおよび音のソースから受信器への測定された又は推定された伝搬時間に基づいて別々に調節される。一実施形態では、使用される伝搬時間は、音速プロファイルおよび空間表現における各画素または要素のための測定された又は推定された伝搬時間に基づいて別々に調節される。一実施形態では、使用される伝搬時間は、音速プロファイルおよび空間表現の各々の角光線(angular ray)のための測定された又は推定された角度に基づいて別々に調節される。
以下の処理工程は、ルックアップテーブルの手法を使用して、SAR(及び/又は以下にさらに議論されるようなPAB及び/又はASW)をシミュレートするために適合され得る、DARをシミュレートするためのアルゴリズムの実例となる実施形態である:
a.ルックアップテーブルを保存するために三次元アレイを割り当てる工程であって、テーブル中の各値が、画像中のY軸画素深度座標に対応し、テーブルが、サンプル数、X軸画素座標、およびトランスデューサチャネルによってインデックス付けされる、工程。
b.サンプル数、X軸画素座標、およびトランスデューサチャネルの各組み合わせに対して、テーブル中の対応する値を、画像中の対応するY軸座標に設定する工程。これが以下によって決定され得る:
i.音速のサンプリングレート倍数で割った現在のサンプル数である、移動した予期される距離を決定すること;
ii.現在のX軸画素座標と現在のトランスデューサチャネルとの間のX軸距離を決定すること;
iii.X軸距離未満を移動した距離の二乗の平方根の実部として結果を産出するピタゴラスの定理を使用して、Y軸深度を決定すること;および
iv.Y軸深度をY軸画素座標に変換し,テーブルに結果を保存すること。
c.サンプル数、X軸画素座標、およびトランスデューサチャネルの各組み合わせに対して、重みテーブル(weight table)を割り当て、テーブルのための重みを決定する工程。Y軸深度がゼロを超え、最大未満である場合、重みは、重みをつけた(weighed)遅延和再構成(delay−and−sum reconstruction)によって使用される重みに対応し得(以下に記載される)、そうでなければ、ゼロの値は重みに使用され得る。
d.出力サイノグラムアレイを割り当て、すべての値をゼロに設定する工程。
e.シミュレートされる空間表現に対応するアレイを入力する工程。
f.サンプル数、X軸画素座標、およびトランスデューサチャネルの各組み合わせに対して:
i.ルックアップテーブルから対応するY軸画素座標を決定する工程;
ii.以下によって重みテーブルから対応する重み値を決定する工程:
1.入力空間表現のための現在のX軸画素およびルックアップした(looked−up)Y軸画素に対応する値の検索すること;
2.検索された値に、対応する重み値を乗算すること;および
3.現在のトランスデューサチャネルおよびサンプル数に対応するサイノグラム要素に乗算結果を加えること;および
g.適用可能な場合、シフトイン・バリアントまたはシフト・バリアントのフィルタリングをサイノグラムのチャネルに適用する工程。
上記の実例となる実施形態では、工程aからcは、一度計算される必要があるだけであり得る。一実施形態では、工程cからの重みは、重みをつけた遅延和再構成または後方投射からの重みと同じであり得、後者の場合、シミュレーションは、再構成の随伴作用に近似する。一実施形態では、SARシミュレーションは、音速の半分などの、曲面近似(surface approximation)として異なる音速を使用し得る。一実施形態では、SARシミュレーションは、上記の工程bのiiiを、移動した距離の2倍ですべてが割られたX軸距離未満を移動した距離の二乗としてジオメトリ(geometry)からY軸深度を決定することに置き換えてもよく、これは、波面が表面から音響標的まで移動し、その後、トランスデューサに移動しなければならないことを考慮に入れている。一実施形態では、シフトイン・バリアントまたはシフト・バリアントのフィルタリングは、コード化された波面からの反射をモデル化するために使用され得、フィルタ係数は、プローブの予想されたインパルス応答に関連して決定され得る。一実施形態では、コード化された波面は、測定された皮膚応答(skin response)、または以下に記載されるような他のそのようなプローブからのコード化の特徴に基づき得る。一実施形態では、フィルタリングは、工程fのiiの3で実行され得、フィルタリングした結果の付加は、複数のサイノグラム要素に影響を与え得る。一実施形態では、全出力のサイノグラムは、多くのサンプルによって、エネルギー事象のタイミングに関する遅延を補うようにシフトされてもよい。一実施形態では、ルックアップテーブルおよび重み計算は、オンザフライで計算された高速最適化計算と置き換えられる。一実施形態では、フィルタリングは、SARに適用可能な空間依存するインパルス応答を適用してもよい。
上に議論されるように、一実施形態では、処理サブシステムは、組織のボリュームから受信された音響信号(上に議論されるDAR信号およびSAR信号など)を分析する、およびそのボリュームの空間表現を生成することができる、再構成モジュールを含む。一実施形態では、再構成モジュールは、そのボリュームで空間的に表わされるような標的(上に議論される電磁的に吸収性の標的および音響反射標的など)の位置を推測する。一実施形態では、音響信号は、処理済または未処理の音響データを含む1つ以上のサイノグラムの形態で提供される。一実施形態では、再構成モジュールは、与えられた音響信号またはサイノグラムから少なくとも2つのボリュームの別々の空間表現を生成することができる。一実施形態では、再構成モジュールは、与えられたサイノグラムから、そのボリュームのDAR表現およびSAR表現の両方を生成するように適合され得る。様々な再構成法が、当該技術分野で知られている。典型的な再構成技術は、以下に記載される。
図8Aは、一実施形態に従う再構成モジュールに関連するプロセスフローを例証するブロック図である。本明細書で使用されるような用語「再構成」は、サイノグラム中の処理済または未処理のデータを、ボリュームにおける局所特徴を表わす画像(または他の空間表現)に変換するプロセスまたはモジュールを指すが、そのような再構成が様々なレベルで行われ得ることを理解することが重要である。例えば、再構成は、次に記載される重みをつけた遅延和アプローチの使用などによって、サイノグラムを画像表現に変換する単関数を指すことができる。あるいは、一実施形態では、再構成は、結果として生じる画像表現が、任意の他の信号または画像処理技術とともに、異なるレベルの抽出で再構成関数またはモジュール(本明細書では「補助的再構成」と言及される)を適用することによって改善される、より複雑なプロセスを指すことができる。結果的に、図8Aで示されるように、再構成アルゴリズムは、補助的再構成の処理段階を含み得る。
一例として、反復再構成アルゴリズムは、補助的再構成関数を2回以上適用し得る。一実施形態では、ボリュームの再構成した画像を改善する部分が、サイノグラムの不要な成分を分離すること(例えば、除去すること)を含み得るため、成分の分離は、それ自体がより大きな再構成関数の部分であり得る。成分の分離による再構成の様々な用途が、図9のAからDに示される。これらの図の各々において、点線によって囲まれるプロセスは、入力がサイノグラムであり、出力が画像であるために、それ自体が「再構成」と考えることができる。しかし、図9Aから図9Dで例証される例において、各プロセスは、(以下にさらに記載されるように)2つの別々の画像を生成する。一実施形態では、2つの別々の画像の1つは、無視され得るか、破棄され得るか、または他の目的に使用され得る。図9Aの実施形態では、成分の分離プロセスは、入力としてサイノグラムデータを受信し、DAR画像およびSAR画像を出力する。図9Bの実施形態では、プロセスは、補助的再構成プロセスおよび成分の分離プロセスを含む。補助的再構成プロセスは、入力としてサイノグラムデータを受信し、出力として組み合わせた画像を生成する。その後、成分の分離プロセスは、入力として組み合わせた画像を受信し、DAR画像およびSAR画像を出力する。図9Cの実施形態では、プロセスは、補助的再構成プロセス、初期値プロセス、および成分の分離プロセスを含む。補助的プロセスは、入力としてサイノグラムデータを受け取り、DAR画像を出力する。初期値プロセスは、SAR画像を出力する。成分の分離プロセスは、入力としてDAR画像およびSAR画像を受信し、DAR画像およびSAR画像を出力する。図9Dの実施形態では、プロセスは、成分の分離プロセス、第1補助的再構成プロセス、および第2補助的再構成プロセスを含む。成分の分離プロセスは、入力としてサイノグラムデータを受信し、DARサイノグラムおよびSARサイノグラムを出力する。第1補助的再構成プロセスが、入力としてDARサイノグラムを受信し、DAR画像を出力する一方で、第2補助的再構成プロセスは、入力としてSARサイノグラムを受信し、SAR画像を出力する。
一実施形態では、再構成は、重みをつけた遅延和アプローチに基づき得る。一実施形態では、重みをつけた遅延和アプローチは、後方投射を実施する。変換演算子が、随意に、重みをつけた遅延和アルゴリズムに先行してもよい。一実施形態では、重みをつけた遅延和アルゴリズムは、複素数値データに作用することができる。一実施形態では、各画素に使用される各サンプルからの寄与を表わすために、再構成によって重みが使用されてもよく、組織的に、重みを生成するために使用される方法が、画像再構成の部分と考えられ得る。一実施形態では、重みは、収集したデータの分析に基づいて調整され得る。
一般に、再構成は、処理済または未処理のチャネルデータ、即ち、サイノグラムを、入力として受け取り、この情報を、予め決められた解像度の二次元画像を生成するために使用する。
(長さの単位での)個々の画素の寸法は、画像解像度を決定する。サイノグラムデータ中の最大周波数成分が、選択された解像度には高すぎる場合、再構成の間にエイリアシングが生じ得る。したがって、一実施形態では、解像度およびサンプリングレートは、再構成に使用される最大周波数成分の限界値を計算するために、および故に、選択された解像度にとっては高すぎる周波数成分を回避するために使用され得る。一実施形態では、サイノグラムは、エイリアシングを防ぐ又は軽減するために、低域フィルタにかけて、適切なカットオフ周波数にされ得る。
反対に、サンプリングレートが、画像解像度を支持するには低すぎる場合、一実施形態において、サイノグラムは、より高い質の画像を生成するように、アップサンプリングおよび補間され得る。二次元画像はあらゆる解像度となり得るが、典型的な実施形態において、画像は、512x512画素を含むことができる。一実施形態では、画像は、1280x720画素を含むことができる。また別の典型的な実施形態では、画像は、1920x1200画素を含み得る。一実施形態では、水平解像度は、幅が少なくとも512画素であり、最大で2560画素以上になり得、垂直解像度は、高さが少なくとも512画素であり、最大で1600画素以上になり得る。一実施形態では、画像解像度は、既存の表示装置、あるいは標準の、または既知のストレージフォーマットの解像度、例えば、640x480、800x600、1280x1024、1280x720、1920x1080、1920x1200、2560x1600、3840x2160、4096x2160、4096x1714、3996x2160、3656x2664、及び/又は4096x3112に一致する。一般に、処理時間(および故にパフォーマンス)及び/又はメモリ制約のトレードオフ(memory constraint tradeoff)は、より高い解像度を達成するために必要とされる。
二次元画像は、構造、血液、または組織中の他の不均質性などの、そのボリュームの変動を表わし得る。再構成は、組織中の各位置から各トランスデューサへの最初の伝搬時間および各画素に対する各サンプルの寄与強度(contribution strength)に基づき得る。画像中の各画素に寄与する信号強度は、再構成を生成するために組み合わせられる。
一実施形態では、DAR再構成およびSAR再構成は、別々に実行され、その結果、再構成モジュールは、各成分を別々にシミュレートし得る。以下の処理工程は、(SAR及び/又はASWを再構成するように適合され得る)DARに対する重みをつけた遅延和技術を使用する、再構成アルゴリズムの実例となる実施形態である:
h.出力画像アレイを割り当て、すべての値をゼロに設定する工程;
i.各トランスデューサチャネルに対して:
i.出力画像アレイ中の各画素のために:
1.そのチャネルおよび画素のためのサンプル遅延テーブル(Sample Delay Table)からの(サンプル中の)遅延にアクセスし、その後、チャネルおよび遅延に対応する(サイノグラムからの)サンプルを検索する;
2.チャネルおよび画素に対応する重みテーブル(Weights Table)からの重みにアクセスする;
3.サンプルに対応する重みを乗算する;および
4.移動先画素(destination pixel)に対応する出力画像アレイの位置に(with in)結果を加え、保存する、工程。
重みテーブルは、結果として生じる画像中の各画素に対するサイノグラム中の各サンプルの相対的寄与を表わすテーブルである。典型的な実施形態では、相対的な計算効率のために、同じ重みテーブルが、複雑なサイノグラムの実成分および虚数成分に使用され得る。一実施形態では、別々の重みテーブルが、複雑なサイノグラムの成分の各々に使用され得る。一実施形態では、1つの複雑な重みテーブルが、複雑なサイノグラムの実成分および虚数成分に使用され得る。一実施形態では、別々の複雑な重みテーブルが、複雑なサイノグラムの成分の各々に使用され得る。一実施形態では、複雑な重みテーブルが、システム配置(system geometry)の結果である、画像中の定在波タイプのパターンを説明するために使用され得る。
重みテーブルは、ソフトウェア中のアパーチャに似たものを確立するために使用され得る。したがって、一実施形態では、より広いアパーチャが望まれる場合、中心を外れた(off−center)サンプルに、より重みが加えられる。言い換えると、例えば、与えられたトランスデューサに関して、通常、トランスデューサの直下のサンプルよりも多くの重みを与えられるサンプルはなく、例証のために、トランスデューサの直下の与えられたサンプルに対する重みが1であることを考慮されたい。中心から15、30および45度であるが、トランスデューサから等距離にあるサンプルの相対的寄与をさらに考慮されたい。アパーチャを狭くするために、それらのサンプルは、それぞれ、0.5、0.25および0.12の重みがつけられ得、一方でアパーチャを広げるために、それらのサンプルは、それぞれ、0.9、0.8および0.7の重みがつけられ得る。前者は、中心から45度でソースから受信されたサンプルにわずかな(12%)重みを提供するだけであるが、後者は、サンプルにはるかに高い(70%)重みづけを提供するだろう。一実施形態では、光音響出力を表示するシステム(これは、サイノグラムを獲得するシステムと同じであり得るが、その必要はない)は、光音響画像を見るときに、このパラメータ(即ち、ソフトウェアアパーチャ)を変更する能力を演算子に提供するだろう。
一実施形態では、非常に大きなテーブルは、各画素およびトランスデューサのための相対的な重み及び遅延のマッピングを含む。したがって、標的画像が512x512画素であり、プローブ(102)が128のチャネル(即ち、トランスデューサ)を有する実施形態では、33,554,432の重みエントリーおよび同数の遅延エントリーがある。同様に、標的画像が1280x720画素であり、プローブ(102)が128のチャネル(即ち、トランスデューサー)を有する実施形態では、117,964,800の各タイプのエントリーがある。標的画像が1920x1200画素であり、プローブが256のチャネルを有する実施形態では、およそ6億の各タイプのエントリーがある。したがって、上に言及されるように、処理時間(および故にパフォーマンス)及び/又はメモリ制約のトレードオフが、より高い解像度を有する標的画像を生成するために一般に必要とされる。
<画像再構成−重み及び遅延の計算>
上に議論されるように、遅延和再構成アルゴリズムの実例となる実施形態において、重みテーブルが利用され得る。アルゴリズムは、各トランスデューサに対してサンプル遅延テーブルおよび重みテーブルを計算するために使用され得る。一実施形態では、サンプル遅延テーブルを含むデータは、各画素に対する各トランスデューサの推測された寄与を関連付け、一方で、重みテーブルを含むデータは、その画素に対する他の寄与と比較した、各画素に対する各トランスデューサの寄与の相対的な重みづけの推定値を提供する。一実施形態では、重みテーブルは、トランスデューサのノルム、レーザーのパワー、時間利得制御、組織内の光減衰、皮膚厚さ、接触媒質特性、患者特異的な変数、波長特異的な変数、および他の因子に関して角度アポダイゼーション(angular apodization)を説明するために使用され得る。
一実施形態では、テーブルの各々は、サイズ(画素)が、画像再構成によって出力された二次元画像に対応し、複数のテーブルが生成され、その1つが各チャネルに対するものである。上記の実例となる実施形態では、サンプル遅延テーブルは、各々、標的画像の画素をサイノグラム中のサンプルと関連付け、したがって、(チャネルに特有である)1つのサンプル遅延テーブルは、画像中の各画素に対して、その画素の計算に使用されるそのチャネル中の具体的なサンプル数を特定する。同様に、上記の実例となる実施形態では、重みテーブルは、各々、標的画像の画素を、使用されるサンプルに与えられた重みと関連付け、したがって、(チャネルに特有である)1つの重みテーブルは、画像中の各画素に対して、画素を計算するときにそのチャネルからサンプルに与えられる重みを特定する。
画像画素のX座標およびY座標は、画像のサイズおよび位置に関する入力情報を使用して計算される。一実施形態では、DARに対する時間遅延は、画素とトランスデューサとの間の距離および音速を知ることによって、各トランスデューサおよび各画素に対して計算される。異なる音速を有する音響整合層が使用される場合、別々の時間遅延が、整合層の内部および外部で計算され、一緒に加えられて、結果的に、全体的なトランスデューサ画素の遅延がもたらされる。重みは、各トランスデューサおよび各画素に対して、それらの相対的位置に依存して計算される。トランスデューサ画素のベクトルとトランスデューサのノルムとの間の距離および角度は、個々の画素の深さ位置とともに、考慮に入れられる。一実施形態では、重み及び/又は遅延を計算するシステム(これは、サイノグラムを獲得する又はそこから再構成された画像を表示するシステムと同じであり得るが、その必要はない)は、処理に使用されるパラメータを変更する能力を演算子に提供するだろう。一実施形態では、重みを計算するシステムは、重み計算に対する基準を変更する能力を演算子に提供し、したがって、例えば、中心を外れた音響データに多かれ少なかれ重みを与えるだろう。一実施形態では、重みを計算するシステムは演算子に能力を供給するだろう、に、リニアか力関係がそうかどうかコントロールする、重みの計算の中で使用される。
一実施形態では、SAR成分は、別々の重みテーブル、またはDARからの別々の遅延テーブルを有し得る。一実施形態では、時間遅延が、表面から標的に及びその後トランスデューサに移動する音響波の距離を反映するように、SAR遅延テーブルは計算され得る。したがって、時間遅延は、画素とトランスデューサとの間の距離、音速(またはその推定値)、および画素の深度に基づいて、各トランスデューサおよび各画素に対して計算される。一実施形態では、SARに対する重みテーブルは、画素の深度に伝搬したときの波面の音響減衰を説明し得る。一実施形態では、DARに対する画素からトランスデューサへの重みは、すべてが3乗された画素からトランスデューサまでの距離で割られ、画素深度の指数関数的に減衰する関数を乗算された、画素の深度として計算され得る。一実施形態では、DARに対する画素からトランスデューサへの重みは、すべてが3乗された画素からトランスデューサまでの距離で割られ、画素深度+画素からトランスデューサまでの距離の指数関数的に減衰する関数を乗算された、画素の深度+画素からトランスデューサまでの距離として計算され得る。
一度再構成が完了すると、後処理が、結果として生じる画像上で実行され得る。
一実施形態では、画像再構成は、適応ビーム形成、一般化側波帯キャンセレイション(Generalized Sideband Cancellation)、または当該技術分野で既知の他の方法に基づき得る。一実施形態では、再構成のための技術は、チャネル間の相互相関関数の決定及び/又は画像の対象鮮鋭度(sharpness objective)の最大化に基づき得る。
一実施形態では、ボリュームを再構成する方法は、断面または容積を放射状ウェーブレットに分解する工程から成り、放射状ウェーブレットは、光音響源を表わし(放射状の光音響源の測定された光音響帰還信号は特に、簡便な閉じた形の方程式(simple closed form equation)に従うと推定される)、ウェーブレットベイグレット分解(Wavelet−Vaguelette decomposition)の技術が、画像領域とサイノグラムとの間のウェーブレットとベイグレットを関連付け、それによって画像中の放射状ウェーブレットの強度を判定し、それ故、画像を再構成するために使用され得る。一実施形態では、画像領域からサイノグラム領域への放射状ウェーブレット(即ち、ベイグレット)の投射は、放射状ウェーブレットの強度を判定する前に他の画像形成技術とともに使用され得る。一実施形態では、適応ビーム形成、または閾値処理を含むウェーブレットノイズ除去が、そのような再構成の段階として放射状ウェーブレットの投射に実行され得る。
反復再構成は、解に接近するために再構成(及び/又はシミュレーション)オペレーションを1回以上適用することを含む。一実施形態では、再構成は、例えばL1最小化またはL2最小化などの、反復最小化(Iterative Minimization)または反復最大化(Iterative Maximization)に基づき得る。再構成および向上のための反復最小化アルゴリズムは、高い計算負荷を必要とし、それ故、大抵の場合、リアルタイム画像処理に適用可能であるとは考えられない。それにもかかわらず、本明細書に開示される実施形態に従って、幾つかの状況では、ボリュームの断面のリアルタイムの光音響再構成をL1最小化アルゴリズムを使用して実行することは可能である。ボリュームの2D断面上のリアルタイムでのL1最小化再構成を実行するための典型的な実施形態において、高速ウェーブレット反復閾値処理アルゴリズム(Fast Wavelet Iterative Thresholding Algorithm)が使用され、周波数領域におけるヘルムホルツ波動方程式と組み合わされ、これは、対角化可能(またはほぼ対角化可能な)システム行列を生む光音響波の伝搬を表わすために効率的に使用され得る。一実施形態では、画像の画素は、放射状ウェーブレットへと分解され得、その分解は、放射状サブバンドとして周波数領域において表わされ、放射状サブバンドは、反復閾値処理に使用される。例えば、米国特許出願第13/507,217号を参照し、これは引用によって本明細書に組み込まれる。一実施形態では、表現の各サブバンドは、実質的に別々に再構成及び/又はシミュレートされ得る。一実施形態では、あたかも各サブバンドが別々の反復再構成の問題であるかのように、反復は、サブバンド上で別々に実行され得る。一実施形態では、高速ウェーブレット反復閾値処理アルゴリズムまたは高速重みづけ反復ソフト閾値処理アルゴリズム(Fast Weighted Iterative Soft Thresholding Algorithm)は、システム行列が、理想的な方程式の使用によってではなく、経験的に見つけられる場合に使用され得る。
レーザーが、ボリュームの音響特性に完全には一致しない媒質に隣接している表面の少なくとも一部を有する組織のボリュームを照射するときに、伝搬する音響波は、少なくとも部分的に、一致しなかった表面から反射し、入射波面としてボリュームへと伝搬し得る。入射波面は、組織中の音響不連続性からさらに反射し、アーチファクトを生成する光音響帰還信号に干渉し得る。このアーチファクトは、例えば、反復最小化技術を使用して、光音響帰還信号から分離され得る。一実施形態では、このアーチファクトの強度をマッピングする画像が生成され得る。一実施形態では、この人工物の強度をマッピングする画像は、SAR成分の画像である。
一実施形態では、パターン検出の分類子(pattern detection classifier)が、光音響帰還信号に適用され、ここで分類子の出力は、時間(または距離)の関数として特定のインジケーターの強度を反映する。したがって、複数のトランスデューサの位置から測定値を得ると、分類子の出力は、パターンの検出を引き起こすソース(即ち、現象)を局所化するためにビーム形成され得る。ビーム形成された分類子の出力から生成された画像は、ぶれ、再構成アーチファクト、およびストリークアーチファクトを被り得、これは、制限された視野の場合において特に深刻であり得る。少なくとも部分的に、パターン分類した信号が、非パターン分類したサイノグラムの部分である信号強度に関する情報を欠き得ることが原因で、これらのアーチファクトが結果として生じ得、その強度は、パターンの存在に関連するが、必ずしもトランスデューサがパターンのソースから位置付けられる距離と関係があるわけではない。しかしながら、分類された光音響信号の分類子の出力は、分類子の出力が与えられた位置で瞬時のソースタームから生じるものとして特徴付けられる、ヘルムホルツ方程式の伝搬モデルへと「適合(fit)]され得る。したがって、ストリーキング、ぶれ、およびアーチファクトを減少させるために、パターン分類した信号のパラメトリックマップが、単純なビーム形成以外の再構成およびデコンボリューションのための技術に使用して形成され得る。例えば、反復最小化技術の適用は、ストリーキングを減少させ、それ故、パターンのソースをより好適に局所化するために使用され得る。異なるタイプの分類子および再構成技術は、適用する考慮すべき事柄を有し得る。典型的な実施形態では、反復最小化技術の使用によって、分類された量のパラメトリックマップが生成され得、ここでシステム行列は、ソースが光音響信号であったかのように形成される。一実施形態では、例えば、L1最小化によって使用されるスパース基底表現(sparse basis representation)は、パターンのソースを局所化し、したがってアーチファクトを減少させる働きをし得る。したがって、再構成技術は、光音響帰還信号に適用されるのではなく、分類子の出力に適用され得、ここで分類子の出力は、サイノグラムの形態で表わされる。一実施形態では、再構成技術は、分類子の出力があたかも光音響帰還信号であるかのように適用される。一実施形態では、再構成の前に、分類子の出力の複雑なエンベロープをとること、フィルタリング、または分類子の出力のデコンボリューションなどの、さらなる処理が実行され得る。一実施形態では、分類子は、組織中の正常な分岐血管と異常な分岐血管を区別するように設計され得る。一実施形態では、パターン検出の分類子は、以下に記載されるようにコード化されたプローブから結果として生じる信号を検出するために使用されてもよい。
一実施形態では、再構成モジュールは、与えられた音響信号からボリュームの少なくとも2つの別々の空間表現を生成することができる。一実施形態では、再構成モジュールは、与えられた音響信号が、ボリュームにおける電磁的に吸収性の標的(上に議論される電磁的に吸収性の標的など)の一時的な応力閉じ込めによって生成されたという仮定に基づいて第1空間表現を返し、与えられた音響信号が、ボリューム内の音響反射標的から1つ以上の音響波面(上に議論される音響波面および音響反射標的など)の散乱によって生成されたという仮定に基づいて第2空間表現を返す。したがって、与えられた音響信号は、DAR信号またはSAR信号になり得る。与えられた音響信号は、DAR成分およびSAR成分の両方を含み得、それ故、再構成モジュールが、与えられた音響信号に対する再構成されたDAR空間表現および再構成されたSAR空間表現を生成するように適用され得る。例えば、図10および図11のa)およびe)を参照。電磁エネルギーが光エネルギーである場合、DAR信号は、一時的な応力閉じ込めによって生成された光音響信号の部分を含み、一方でSAR信号は、音響波面の後方散乱によって生成された超音波後方散乱信号を含むことができる。言いかえれば、与えられた音響信号が、光音響成分および超音波成分の両方を有する場合、再構成モジュールは、与えられた音響信号に対する再構成された光音響空間表現および再構成された超音波空間表現を生成するように適用され得る。シミュレーションに関して上に議論される技術、計算、推論、および仮定も、再構成に適用され得る。一実施形態では、重みをつけた遅延和技術は、DAR信号及び/又はSAR信号を再構成するように適用され得る。図10は、DARとSARの標的を備えるデジタルファントムに適用されたSAR/DAR成分の分離の例を例証する一連の画像を示す。図11は、乳房病変からのデータに適用されたSAR/DAR成分の分離の例を例証する一連の画像を示す。
<音響帰還およびプローブ音響後方散乱のシミュレーションおよび再構成>
DARとSARとの間のシミュレーションと再構成を比較するときに、実施形態において、波面は、プローブインターフェースから、またはプローブの直下または外部のボリュームの表面から伝搬し、組織を通って下に移動して、作成するプローブ音響後方散乱(PAB)を後方散乱させる音響標的に達し得ることが留意され得る。組織へと下方に向けられた理論上理想的な簡易な入射波面の場合には、入射波面は、音速に基づいて位置の深度に正比例した組織中の位置に達する。この位置を(x、y)と称する(Call)。プローブまたは他のところに位置付けられたトランスデューサ要素は、(x、y)から離れた距離rであり得る。その位置からのPABは、距離y+rを伝搬した後に要素に達する。(x、y)からの音響帰還は、距離rのみを伝搬した後に要素に達する。一実施形態では、SARは、PABから成ると実質的に仮定される。一般に、SARは、PABに加えて信号を含む。
遅延和再構成アルゴリズムでは、一実施形態において、DARに対する遅延は、rに基づく。PABに対する遅延は、一実施形態では、y+rに基づく。一実施形態では、これは、面法線と位置を通るプローブ要素との間の角度シータに換算して計算される。PABは、y+r=r(1+cos(theta))である。一実施形態では、遅延は、PABに対する距離がDARの距離の2倍であると仮定することによって近似することができる。この単純化は、小さなシータ(small theta)に対して成り立ち(holds for)、角度依存が原因で幾らかの更なる適用可能性を有する。一実施形態では、同じ再構成が、PABおよびDARに対して使用され得るが、遅延の差を説明するために異なる音速が用いられる。
一実施形態では、処理サブシステムは、システムのモデルを空間表現に適用することができる点広がり関数(PSF)モジュールを含む。一実施形態では、PSFモジュールは、ボリュームにおける標的の与えられた第1および第2の空間表現を処理するために、上に議論されるシミュレーションおよび再構成のモジュールを適用する。一実施形態では、第1および第2の空間表現は、それぞれ、DARおよびSARの空間表現である。一実施形態では、PSFモジュールは、最初に、シミュレーションモジュールを:第1空間表現によって生成されるかもしれないDAR信号を生成するために第1空間表現に;および第2空間表現によって生成されるかもしれないSAR信号を生成するために第2空間表現に適用する。
次に、PSFモジュールは、DAR信号およびSAR信号を組み合わせて、組み合わさった音響信号を生成する。一実施形態では、DAR信号およびSAR信号が加えられて、組み合わさった信号が生成され得る。一実施形態では、DAR信号およびSAR信号は、組み合わせられる前に処理され得、及び/又は組み合わさった音響信号は、組み合わせ後に処理され得る。重みづけ及び閾値処理を含むそのような処理のための様々な方法が以下で議論される。
続いて、再構成モジュールが、組み合わさった音響信号に適用されて、DAR成分のPSF空間表現およびSAR成分の別のPSF表現が生成され得る。例えば、図10および図11のd)およびh)を参照。一実施形態では、第1および第2の空間表現は、それぞれ、光音響および超音波の空間表現である。DAR信号とSAR信号の組み合わせについて記載するために、混合行列が使用され得る。一実施形態では、複数のサイノグラムが収集され得(例えば複数の波長データに対して)、PSFモジュールは、混合行列を使用して、DAR信号とSAR信号を直線的に組み合わせることができる。PSFモジュールの態様の3つの代替的な実施例のためのブロックレベルプロセスのフローチャートは、図12のAからCに示される。図7のAは、典型的なDAR/SAR PSFの実施形態を示す。図12のBは、代替的なDAR/SAR PSFの実施形態を示す。図12のCは、追加処理用の経路の実施形態を示す。図12のAの実施形態では、DAR画像は、DARシミュレーションモジュールを用いてシミュレートされて、DARサイノグラムを生成し、SAR画像は、SARシミュレーションモジュールを用いてシミュレートされて、SARサイノグラムを生成する。DARサイノグラムは、SARサイノグラムと組み合わせられて、組み合わさったサイノグラムが生成される。その後、組み合わさったサイノグラムは、DAR再構成を使用して再構成されて、PSF出力のDAR部分を再構成し、SAR再構成を使用して、PSF出力のSAR部分を再構成する。図12のBの実施形態では、PSFモジュールの代替的な拡張バージョンが示される。この場合、別々のDAR再構成およびSAR再構成が、SARサイノグラムおよびDARサイノグラムの各々で実行され、再構成されたSAR/DAR、SAR/SAR、DAR/DAR、およびDAR/SARの部分が、適切なPSF出力表現を生成する方法で組み合わせられる。図12のCの実施形態は、PSF処理を実行する別の代替的な実施形態である。この場合、SAR/DAR、SAR/SAR、DAR/DAR、およびDAR/SARの部分は、サイノグラムを生成するようにシミュレートされる。各サイノグラムの処理が生じ得、処理の出力は、処理されたサイノグラムの更なる処理及び/又は組み合わせを含み得る。組み合わせ及び/又は処理からの出力は、DAR再構成経路およびSAR再構成経路を使用して再構成される。その出力は、SAR/DAR、SAR/SAR、DAR/DAR、およびDAR/SAR部分に対応する。SAR/DARがDAR/DARと融合され、DAR/SARがSAR/SARと融合されるとき、図12のCは、図12のAと類似する。図12のCは、各PSF出力が少なくとも1つのPSF入力に依存することを示す。一実施形態では、各PSF出力は、適切なPSF入力に作用するために、最適化された処理ブロックを呼び出すことによって実施される。
一実施形態では、処理サブシステムは、空間表現領域中の2セットのデータ間、音響信号領域中の2セットのデータ間、及び/又は混合された領域にわたる2セットのデータ間の残差誤差を測定することができる誤差計算モジュールを含む。一実施形態では、残差誤差の測定は、変換された領域間に生じる。一実施形態では、処理された空間表現は、2つの表現間の残差誤差を生成するために、参照空間表現から減算される。一実施形態では、誤差計算モジュールへの入力またはその出力は、以下にさらに議論されるように重みづけされ得るか又は閾値処理され得る。一実施形態では、誤差計算は、信号領域中で実行され得る。誤差計算が信号領域中で実行されるとき、参照が、空間表現としてではなく信号領域中で表わされ得る。一実施形態では、誤差計算は、空間表現が信号領域に変換された後に、点広がり関数モジュール内から信号領域中で実行され得る。信号領域では、現在の推定値と測定されたデータとの間の時間遅延オフセットを説明することがより容易であり、したがって、各チャネルの伝搬時間遅延オフセットの説明、または収差補正の実行は、信号領域中でより効率的及び/又は正確であり得る。
一実施形態では、処理サブシステムは、与えられた残差誤差に基づいて、与えられたボリュームの空間表現を調節することができる補正モジュールを含む。一実施形態では、空間表現中の各画素に別々の残差が提供され、残差は、空間表現中の各画素に単に加えられる。代替的な実施形態では、空間表現全体に単一の残差が提供される。他の実施形態では、複数の残差が提供され、空間表現は、ウェーブレット、サブバンド、または他のチャネルによって調節される。一実施形態では、与えられた残差は、与えられた空間表現に加えられる前に重みづけされる。重みづけのための様々な方法が、当該技術分野で知られている。一実施形態では、単一の一定重み(constant weight)が、画像全体にわたって使用される。一実施形態では、重みは、上に議論されるような重みテーブルに基づいて様々である。一実施形態では、重みは、チャネルまたはサブバンドによって様々である。重みはまた、当業者に明白となるように、ウェーブレットによって様々であり得る。一実施形態では、以下にさらに議論されるように、反復への収束(convergence on iteration)を得るのに必要な値を超過する重みが選ばれる。そのような重みは、実験によって決定され得る。
一実施形態では、処理サブシステムはまた、与えられた音響信号の少なくとも2つの成分を分離するように、上に議論されるシミュレーション、再構成、点広がり関数、誤差計算、及び/又は補正モジュールを適用することができる、成分分離モジュールを含む。典型的な実施形態では、与えられた音響信号は、DAR成分およびSAR成分へと分離される。一実施形態では、与えられた音響信号は、OA成分およびUS成分へと分離される。
一実施形態では、再構成モジュールは、与えられた音響信号を生成したボリュームの参照DAR空間表現および参照SAR空間表現を生成するように、与えられた音響信号に適用される。これらの参照空間表現はまた、それぞれ、初期のDAR空間表現および初期のSARの空間表現の初期値として使用され得る。別の実施形態では、DARおよびSARの空間表現はすべて、ゼロ、閾値、上に議論されるような重み値、または他の指定された値に初期化することができる。その後、点広がり関数モジュールは、ボリュームのPSF DARおよびPSF SARの空間表現を生成するように初期化されたDARおよびSARの空間表現に適用され得る。誤差計算モジュールは、参照とPSF DARの空間表現との間の残差誤差を判定するように適用され得る。誤差計算モジュールは、参照とPSF SARの空間表現の間の残差誤差を判定するように同様に適用され得る。その後、補正モジュールは、ボリュームの洗練されたDAR空間表現および洗練されたSAR空間表現を生成するために、残差に基づいて初期のDARおよび初期のSARの空間表現を補正するように適用され得る。
成分分離モジュールは、ボリュームにおける電磁的に吸収性の標的および音響反射標的(上に議論される電磁的に吸収性の標的および音響反射標的など)の別々の画像を生成するように適用され得る。例えば、図10および図11のb)およびf)を参照。閾値処理が適用されるときに、より好適な結果が得られ得る。例えば、図10および図11のc)およびg)を参照。本発明の別の態様では、上記の工程は、提供されたシステムを用いる又は用いないプロセスとして、与えられた音響信号に適用される。
一実施形態では、新しい空間表現は、反復して成分分離モジュールを追加で1回以上反復して適用することによってさらに洗練される。一実施形態では、洗練されたDAR空間表現および洗練されたSAR空間表現は、プロセスの次の反復のための初期のDAR空間表現および初期のSAR空間表現になる。成分の分離は、ある条件が満たされるまで反復して適用され得る。一実施形態では、成分分離モジュールは、予め決められた回数反復して適用される。一実施形態では、成分分離モジュールは、測定された残差が指定限界に達するまで反復して適用される。一実施形態では、成分分離モジュールは、PSF空間表現が参照空間表現と収束するまで反復して適用される。一実施形態では、音響信号の1つ以上の分岐要素の効果は、モジュールが反復して適用されると除去される。収束を認識する及び分岐効果を除去する様々な方法が、主題の発明の態様を実行するために使用され得、本明細書に示される文脈において当業者に明白となる。ハード閾値処理およびソフト閾値処理の例は、Guerquin−Kern, et. al, により、A Fast Wavelet−Based Reconstruction Method for Magnetic Resonance Imaging,IEEE Transactions on Medical Imaging, Vol. 30, No. 9, September 2011,at 1649に見られ得、その全開示は、引用によって本明細書に組み込まれる。一実施形態では、閾値処理(ハード閾値処理またはソフト閾値処理であり得る)は、上に議論される重み値に基づいて及び正則化パラメータに比例して適用される。一実施形態では、指定された閾値より下の画素値はゼロにされ、一方で他の値は、大きさが縮小され得る。一実施形態では、重みは、上に議論されるような、画像全体、サブバンド、ウェーブレット、またはチャネルに適用され得る。一実施形態では、ウェーブレットノイズ除去が、閾値処理と類似している又は同じであり得るために、閾値処理は、ノイズ除去処理である。様々なノイズ除去技術が、限定されないが、米国特許第13/507,217号に記載されるものを含む、主題の発明とともに使用され得、これは引用によって本明細書に組み込まれている。
一実施形態では、システム伝送行列を適用することによって、シミュレーションが実施され得る。単純な逆投射の再構成が、システム伝送行列のエルミート随伴(即ち、共役転置)として表わされ得る。したがって、システム伝送行列のエルミート随伴が、ボリュームを再構成するように検出器(またはこの領域中の信号)からの測定データに適用されるときに、結果は、データ領域を解領域にマッピングする再構成と考えることができる。反復最小化は、一般逆行列または他の再構成法を使用するよりも高い質の結果を生み得る。反復最小化は、参照と、システムの現在の推定値を変更するためにシステムに適用された現在の推定値の関連性との間の残差(例えば、差)を計算することによって実行され得る。この意味で、現在の推定値は、実際の解にますます近づき得る。
多重パラメータモデルの場合には、システム伝送行列は、サブ行列から行列を形成することによってブロック行列アプローチで形成され得る。モデルが、個々にパラメータに依存している場合、別々のシステム伝送行列モデルが、分離され、重ね合わせの下で個々に計算され得る。
上に記載される独立した分離は、多波長光音響システムにおいて発色団の濃度を解くには最適でないかもしれない。多波長光音響システムでは、発色団の存在は、(発色団の波長特異的な吸収が原因で)各チャネルに影響し、それ故、チャネルは独立していない。本例において、システム伝送行列は、再構成プロセスと(同じ程度に)考えられない。多くの場合、再構成プロセスでは、その目的は、測定データからボリュームの空間表現を文字通り再構成するために、検出器からの境界測定値を使用することにある。点広がり関数が適用されるときに、画像中の各画素が、ほぼ同じフッティング上で処理される場合、点広がり関数は、空間的に不変であると考えられ得る(例えば、点広がりは、すべての位置に対して同じである)。これによって、単純化モデルがもたらされ得る。しかしながら、空間的に異なる効果(例えば、再構成プロセスにおける画像化装置またはその測定ジオメトリ(measurement geometry)の結果として生じる得る画像ストリーキング)が重要であり得る。典型的な状況では、DARのSAR(または他のそのような成分)からの分離は、これらの空間的に異なる効果の存在によって促進され、これは、各成分が異なる再構成プロセスを有することができるため、画像中の各成分に対して異なる形で現われ得る。
既知または未知の発色団の濃度を見つけるための技術が、当業者に明白となる。一実施形態では、Bobin, et al. in Morphological Diversity and Sparsity for Multichannel Data Restoration, Journal of Mathematical Imaging and Vision, Vol. 33, Issue 2, pp. 149−168 (February 2009)で議論されるような、マルチスペクトル形態成分分析(Multispectral Morphological Component Analysis)(MMCA)技術が使用され得、その全開示は引用によって本明細書に組み込まれる。例えば、問題は、画像領域中の空間的に不変な画像処理問題として処理され得る。この技術では、1セットのディクショナリは、スペクトルアスペクト(spectral aspect)を表わし(各波長はスペクトル観察に対応する)、別のセットのディクショナリは、画像アスペクト(image aspect)を表わす。この問題において、ハイパースペクトルデータに適用されるような画像混合問題は、成分を分離する助けとなり得る。この技術を使用すると、再構成プロセスをモデル化することなく、発色団成分の分離が達成され得る。画像領域において、互いの空間的にシフトされたコピーであるウェーブレットまたはディクショナリの要素は、有効性のために使用され得る。一実施形態では、ディクショナリシンボルが再構成演算子上への投射である場合、マルチスペクトル形態成分分析(MCA)のディクショナリアプローチも使用され得る。そのようなマルチスペクトルMCAのディクショナリアプローチは、システム伝送行列に適用可能であるため、発色団成分の分離に適用され得る。この場合、一実施形態において、別々のDARおよびSARのシミュレーション、および再構成が、効率的な実施のために使用され得る。
さらに、形態成分分析は、異なるディクショナリ中で表わされた信号が、使用されるディクショナリ間の類似性に基づいて、どれほど好適に分離され得るかのパフォーマンスを定量化するための技術を提供する。これらの技術は、DAR成分およびSAR成分に適用され得、DAR信号が、与えられた成分分離技術におけるそれらのPSF関数の類似性を見ることによって、与えられたSAR信号からどれほど好適に分離され得るかを定量化するために使用され得る。より一般には、その技術は、1セットの成分が、別の成分からどれほど好適に分離され得るかを確かめるために、本明細書に開示される新規の成分分離方法に適用され得る。一実施形態では、成分の分離は、シミュレーション中に標的から結果として生じるDAR信号およびSAR信号を正確にモデル化することのみに依存していない。例えば、一実施形態では、標的からの信号到着時間の差が、信号成分を分離するために使用される。一実施形態では、成分の分離プロセスも、信号到着時間のこれらの差がそれぞれのディクショナリにどれほど影響を及ぼすかを考慮に入れる。
<音響帰還および入射波面の独立性>
システム伝送行列の分離に関する議論に戻る。一実施形態では、生成された入射波面は、音響帰還源から反射する、すべての音響後方散乱(近似値)および他の二次的な音響散乱(別名、他の音響散乱、音響反射)が無視される原因となると推定され、その結果、DARからのシステム伝送行列は、反射された音響後方散乱(SAR)から別々に処理され得る。そのような実施形態では、別々のシミュレーションおよび再構成は、波面からの反射された音響後方散乱上で実行され得る。一実施形態では、DAR信号およびSAR信号の別々のシミュレーションおよび再構成は、より速いアルゴリズムが、これらの各々を別々にシミュレートするために使用され得るために、より速いシミュレーションおよび再構成をもたらす。
<典型的な擬似コード>
処理サブシステムの一実施形態の態様を実装するために使用され得る擬似コードが以下に続く。
vn1=a1=再構成_DAR(トランスデューサから記録されたデータ);
vn2=a2=再構成_SAR(トランスデューサから記録されたデータ);
n=1に対して:NUMBER_OF_ITERATIONS
[vn1_psf,vn2_psf]=PSF(vn1,vn2);
r1=a1−vn1_psf;
r2=a2−vn2_psf;
tmp1=vn1+tau1.*r1;
tmp2=vn2+tau2.*r2;
wn1B=閾値(tmp1,ラムダ,tau1);
wn2B=閾値(tmp2,ラムダ,tau2);
tnB(1+sqrt(1+4*tn^2))=/2;
vn1B=wn1B+(tn−1)./tnB*(wn1B−wn1);
vn2B=wn2B+(tn−1)./tnB*(wn2B−wn2);
wn1=wn1B;
vn1=vn1B;
wn2=wn2B;
vn2=vn2B;
tn=tnB;
終了
関数[x1_psf,x2_psf]=PSF(x1,x2)
sinogram_tmp=シミュレート(x1,x2);
[x1_psf,x2_psf]=再構成(sinogram_tmp);
終了
関数サイノグラム_組み合わさった=シミュレート(x1,x2)
サイノグラム_組み合わさった=シミュレート_DAR(x1)+シミュレート_SAR(x2);
終了
関数[x1_out,x2_out]=再構成(サイノグラム_tmp)
x1_out=再構成_DAR(サイノグラム_tmp);
x2_out=再構成_SAR(サイノグラム_tmp);
終了
本例において、a1およびa2は、記録された音響信号から再構成されたDAR画像およびSAR画像を保持するアレイ(例えば、二次元以上のアレイ)である。上記の実施形態では、a1およびa2は参照画像として使用される。変数vn1およびvn2は、それぞれ、現在の再構成されたDARおよびSARの空間表現を保持するためのアレイである。変数r1およびr2は、残差の画素アレイによって画素を保持する。他の実施形態では、単一の残差は、画像全体のために計算され得るか、または複数の残差は、ウェーブレット、サブバンド、または上に議論されるような他のチャネルによって計算され得る。ここで、変数tau1およびtau2は、残差に適用される画素重みによる画素である。他の実施形態では、重みは、ウェーブレット、サブバンド、または上に議論されるような他のチャネルによって適用され得る。一実施形態では、適用される重みは、上に議論される重みテーブルに基づいている。擬似コードの実施形態では、正則化パラメータ(ラムダ)に比例するtau1およびtau2に基づいて、閾値処理が現在のDAR画像およびSAR画像に適用される。一実施形態では、a1およびa2の参照画像は、反復中にPSF関数によって実行される再構成アルゴリズムより複雑な再構成アルゴリズムを使用して生成される。本実施形態は、続く反復処理のための速度を維持しながら、参照画像がより高品質で始められる(start off)ことを可能にする。例えば、一実施形態では、適応ビーム形成は、a1およびa2の参照画像を再構成するために使用される。図8は、SAR/DAR成分の分離のための実例となる実施形態におけるプロセスフローを示す。
図13の実施形態に従うと、電磁エネルギーは、最初に組織または他の対象の部位に配達される。その後、複数成分の音響信号が、すべての能動型検出器の位置として受信される。その後、基準表現が、信号の各成分のために構築される。その後、現在の表現が、信号の各成分のために初期化される。その後、反復PSFプロセスが、以下のように適用される。PSF関数が、PSF表現を作成するように各々の現在の表現に適用される。残差誤差が、基準表現およびPSF表現から計算される。その後、現在の表現は、計算された残差に基づいて補正される。その後、閾値処理が適用され、反復プロセスは、上記の点広がり関数を適用する工程に戻る。反復PSFプロセスの後、表現は、出力及び/又は保存される。
<反復、重み付け、閾値処理>
様々な反復型閾値処理技術が当該技術分野で既知であり、且つ本発明に適用され得、硬閾値処理、軟閾値処理、FISTA(速い反復型軟閾値処理)、FWISTA(速い重み付けられた反復型閾値処理)、形態学的成分分析(MCA)、マルチスペクトル形態学的成分分析(MMCA)を含むがこれらに限定されない。一実施形態において、閾値より下の値はゼロになり、一方で他の値は同じままか、又はその大きさが減らされる。重み付け工程は随意であり得る。代替的に、各画素が個々に重み付けされない場合、tau1とtau2の最大のダイバージェント値(divergent value)に相当する一定値が使用され得る。本明細書に記載され、且つ当該技術分野で知られるように、変換領域におけるスパース表現又はスパースディクショナリが、パフォーマンスを改善するために使用され得る。従って、成分分離においてスパース表現を使用する幾つかの図示的な実施形態は、図14のA乃至Dに示される。図14のA乃至Dは、成分分離においてディクショナリ変換を適用する実施形態を示す。
図14のAの実施形態に従い、基準表現が、各フレームのための信号の各成分のために最初に構築される。その後、現行の表現が、各フレームのための信号の各成分のために初期化される。その後、反復型PSFプロセスが以下のように適用される。PSF関数は、PSF表現を作成するために各現行の表現に適用される。基準表現とPSF表現から残差が計算される。その後、現行の表現は計算された残差に基づいて補正される。その後、閾値処理が適用され、反復過程は上述の点広がり関数を適用する工程に戻る。
図14のBの実施形態に従い、基準表現が、各フレームのための信号の各成分のために最初に構築される。その後、現行の表現が、各フレームのための信号の各成分のために初期化される。その後、ディクショナリ変換が個々の現行の表現及び/又は基準表現に適用される。その後、反復過程は、PSF表現を作成するために、個々の現行の表現に点広がり関数を適用することにより開始する。一実施形態において、これは、個々の現行の表現に逆のディクショナリ変換を適用すること、点広がり関数を適用すること、及び各現行の表現にディクショナリ変換を適用することを含む。その後、反復過程は、基準表現及びPSF表現からの残差の計算を進める。現行の表現は計算された残差に基づいて補正される。その後、閾値処理が適用され、反復過程は上述の点広がり関数を適用する工程に戻る。
図14のCの実施形態に従い、基準表現が、各フレームのための信号の各成分のために最初に構築される。その後、現行の表現が、各フレームのための信号の各成分のために初期化される。その後、独立したサブバンドディクショナリ変換が、サブバンド表現を作成するために各現行の表現及び/又は各基準表現に適用される。その後、反復過程は、PSFサブバンド表現を作成するために、各現行のサブバンド表現にサブバンドの点広がり関数を適用することにより開始する。その後、残差は、サブバンド基準表現とPSFサブバンド表現から計算される。その後、現行のサブバンド表現が計算された残差に基づいて補正される。閾値処理が適用され、反復過程は上述のサブバンドの点広がり関数を適用する工程に戻る。反復過程の後、逆のサブバンドのディクショナリ変換は独立したサブバンドに適用され、全体的な結果が出力される。
図14のDの実施形態に従い、基準表現が、各フレームのための信号の各成分のために最初に構築される。その後、現行の表現が、各フレームのための信号の各成分のために初期化される。その後、ディクショナリ変換が個々の現行の表現及び/又は基準表現に適用される。その後、反復過程は、PSF表現を作成するために、個々の現行の表現に点広がり関数を適用することにより開始する。その後、反復過程は、基準表現及びPSF表現からの残差の計算を進める。現行の表現は計算された残差に基づいて補正される。ディクショナリ変換は各現行の表現に適用される。閾値処理が適用され、逆のディクショナリ変換が各現行の表現に適用され、反復過程は上述の点広がり関数を適用する工程に戻る。
故に、一実施形態において、システムは次のものを含む:a)組織のボリュームに電磁エネルギーを送達するように構成されたエネルギー源;b)プローブであって、ボリューム、プローブ、又はインターフェースの部分による電磁エネルギーの吸収の直接的又は間接的な結果として、プローブのインターフェース及びボリュームの表面で始まる、ボリュームへと伝搬するように配向された少なくとも1つの音響波面を生成するための特徴で構成される、プローブ;c)トランスデューサアレイであって:i)ボリューム内の電磁吸収標的からのDAR;及びii)音響波面から後方散乱する(即ち反射する)音響反射標的の供給源からのSARから結果として生じる音響信号を記録するための、トランスデューサアレイ;d)処理サブシステムであって:i)ボリュームに電磁エネルギーを送達して生成され得る音響信号をシミュレートするためのモジュールであって:1)ボリューム内の電磁吸収標的からDAR信号をシミュレートするためのサブモジュール;2)ボリュームにおける音響反射標的からSAR信号をシミュレートするためのサブモジュールを含む、モジュール;ii)ボリュームを表示する空間表現を生成するために音響信号を再構成するためのモジュールであって:1)ボリュームにおける電磁吸収標的を再構成するためのサブモジュール;2)ボリュームにおける音響反射標的を再構成するためのサブモジュールを含む、モジュール;iii)成分分離のためのモジュールであって:1)記録されたDAR信号に基づいて、ボリューム内の電磁吸収標的のシミュレートされた推定値と、基準との間の残差を計算するためのサブモジュール;2)記録されたSAR信号に基づいて、ボリュームにおける音響反射標的のシミュレートされた推定値の間の残差を計算するためのサブモジュール;3)残差に基づいて標的の推定値を修正するためのサブモジュール;4)標的の空間表現(又は、標的により生成された音響信号)の最終推定値を出力するためのサブモジュールを含む、モジュールを含む、処理サブシステム。
一実施形態において、成分分離のためのモジュールは、成分分離のプロセスを実行するように構成され、該プロセスは、以下を含む:a)記録された音響帰還信号の再構成によるDARとSARのための基準表現の生成;b)少なくとも1つの反復の計算であって:i)以下の工程:1)DARサイノグラムを生成するために現行のDAR推定値をシミュレートする工程;2)SARサイノグラムを生成するために現行のSAR推定値をシミュレートする工程;3)全体的なサイノグラムを生成するためにSARサイノグラムにDARサイノグラムを加える工程;4)DAR PSF表現を生成するために全体的なサイノグラムからDARを再構成する工程;5)SAR PSF表現を生成するために全体的なサイノグラムからSARを再構成する工程により、DAR及びSARの現行の推定値に点広がり関数を適用する工程;ii)基準表現とpsf表現との間の残差を計算する工程;iii)重みを付けた残差を得るために残差に重量を掛ける工程;iv)DARとSARの現行の推定値に重みを付けた残差を加える工程;及びv)DARとSARの次の推定値を生成するために閾値処理を適用する工程を含む、計算。
<a.上方に向けられた皮膚反応による測定及び処理>
一実施形態において、ボリュームは層を成した皮膚組織を含み、様々な皮膚層は様々な光吸収を持ち、及び/又は異なる強度の波面を生成する。皮膚層と特性は被験体ごとに異なり得る。皮膚のDAR及び結合層は、トランスデューサに到達する第1の信号の中にある。皮膚層の吸収からの波面は組織へと下方に、同様にトランスデューサへと上方に移動する。この現象を視覚化するために、球状のリップルを放出するボリュームで点源を考慮し、リップル波面の一部は検出器の方に移動し、その反対の部分は検出器から離れて移動する。同様に、平面状の供給源は、検出器に達する上方移動成分と、検出器に達しない下方移動成分とを有する。従って、皮膚層からの下方の波面は、皮膚層により生成された上方の波面と相互に関連するボリュームから反映されたSAR反応を生成する場合がある。一実施形態において、上方移動成分は上方に向けられた反応であり、下方移動成分は下方に向けられた反応である。皮膚層により生成された波面強度は深度に依存する関数である。一実施形態において、これは1D関数により提示され得る。一実施形態において、皮膚層のDARは検出され且つ分析され、そして、本明細書に記載される方法により対応するSAR信号を解析、検出、又は分離するために使用されてもよい。例えば、皮膚が3層である場合、3つの平面状の波面がDAR信号としてトランスデューサへと上方に、そして同様に組織へと下方に伝搬し、その後、SAR信号としてトランスデューサに反映する場合がある。一実施形態において、皮膚DARは最初に分析され、そして直接使用され、又はさもなければ、反射を特徴づけると予想されて後にSAR信号を処理又は分離するために使用される補助信号を生成するために使用される場合がある。一実施形態において、1D皮膚関数は、各チャネルから皮膚信号を平均化することにより、及び/又は、その最も顕著な成分を判定することにより判定される。一実施形態において、皮膚関数は、サイノグラムではなく再構成された画像からこの情報を抽出することにより判定されることがある。従って、一実施形態において、下方の伝搬波面に関する情報は、上方の伝搬波面から推測又は測定され得、その後、下方の伝搬波面の後方散乱を分析するために使用され得る。一実施形態において、皮膚DAR又は補助信号は伝達関数を作るために使用され、伝達関数はシミュレーション及び/又は再構成のモジュールにおけるフィルタリングとして適用される。
<b.プローブ関数のシミュレーション>
一実施形態において、SAR信号成分の全て又は一部の原因がモデル化され得、そのモデルはDARからそのような成分を分離するために使用される。一実施形態において、波面は、電磁エネルギーを送達するプローブ上の、又はその中の特徴或いは要素により引き起こされる。パターン又はコードは、独立供給源として各特徴又は要素を処理すること(即ち、複雑な波面形状の供給源波面要素を別々に処理すること)により、シミュレートされ得る。点源からの後方散乱パターンは、理想的な場合に容易にモデル化することができる。任意の供給源が複数の点源から構築され得る。直線供給源、円筒状供給源、又は有限の長さ線或いは円筒状供給源も、モデル化され得る。このような供給源は、更に下に記載される、ボリュームの照らされたバックグラウンド初期圧力源とのプローブの音響的な不整合により、伝搬することができる。また、このような供給源は、電磁石の吸収による初期圧力により直接生じ得る。プローブの特徴を生成する波面は、被験体の変動性により十分に予測不能である波面をより予測可能なものにすることもあり、又は、標的からの音響的な後方散乱をより容易に特定するのを可能にすることもある。一実施形態において、特徴はより強力な音響的な後方散乱を引き起こすことがある。一実施形態において、生成された音響的な後方散乱には、反復型成分の分離方法において初期条件で開始する場合、より優れた収束がある。
一実施形態において、重要な特徴又は要素のみをモデル化する必要がある。他の実施形態において、複雑なシナリオがモデル化される。例えば、ボリュームとプローブの表面は、マトリックスを生成する3D供給源により表示され得る。一実施形態において、各供給源は(必要ならば)点源要素に分割される。一実施形態において、単純さのために、球面波の点源が使用される。一実施形態において、グリーン関数の解として知られる数学的方法が使用され得る。一実施形態において、方向性のアポダイゼーションが適用され得る。一実施形態において、標準を備えたドット積は、方向性のアポダイゼーションとして効果的である。一実施形態において、供給源の強度は、距離の関数として効率的に拡大され得る。一実施形態において、供給源は、標的から離れた距離、及び経過した時間に基づいて、デルタ関数として標的に作用する。一実施形態において、標的から受信した一時的な信号は、コンボリューション・カーネルに適用される大きさを倍にする(times)デルタ関数としてモデル化される。一実施形態において、光吸収標的(単体)のためのコンボリューション・カーネルは、(近似値(approximation)を使用しない限り単体としてではない)ボリュームの照明による不一致の表面反射により生成された標的から使用される、コンボリューション・カーネルとは異なる。一実施形態において、均質な音速が組織においてモデル化される。
一実施形態において、球面波の点源が単純さのために使用され、信号の強度は、グリーン関数の解に基づいて移動した距離の関数として減じられる。また図示的な目的のために、一実施形態において、供給源のスパース64×32×8マトリックスが、プローブから結果として生じる波面をモデル化するために使用される。ボクセルのアスペクト比は実質的に等しくなり得、そのため、ボクセルは立方のボクセルであり、又は各ボクセルは点源を表示する。この例に関するプローブ面の寸法は、40mm×20mm×0.5mmである。この例において、プローブの外側の空気面はこのマトリックスを使用してモデル化されないが、この空気面は、深度の関数であるカーネル、又は単純さのために一定のカーネルで畳みこまれる、全体的な理想平面波を加えることによりモデル化され得る。プローブにおいてz=1であるボクセルの全ては、1.0に設定され得る。光学窓の下にあるボクセルに関して、z=1であるこのようなボクセルは2.0に設定され、z=32の場合は(3Dコード化特徴をシミュレートするために)−10.0に設定され得る。ランダムコード化パターンは、ビーズをランダムに包含すると判定された格子サイトにあるプローブに配された、ランダムな小ビーズに対応するように、プローブの表面に配され得る。故に、構築されたプローブにおいて、どの格子サイトがビーズを包含すべきかがランダムに判定されることがあり、そしてビーズが存在する事象において、ビーズは対応するスポットにあるプローブに配されることになる。図示的な目的のために、ビーズは強力な供給源であり、そのため、ビーズが存在する場合、20.0の値が、z=1である3Dマトリックスに加えられる。この例に関して、一実施形態において、40のビーズが、プローブ面の格子上にはあるが、ガラス窓に対応する位置の上部、及びトランスデューサ付近の領域の上部にはない、ランダムな位置に配される。音響信号を反映しない検出器要素の周囲に、理想的な音響アイソレータがある。この実施形態はまた、z=1でアイソレータの位置に一致するように、値5.0の供給源を含む。供給源のこの3Dマトリックスにより生成された入射波面がシミュレートされれば、組織の各点は異なる時間領域の波面信号を受信する。このマトリックスからの最も強力な特徴は、組織の点により受け取られる。しばらくは、角度依存性は無視される。SAR信号は、特に互いに近くに存在しない点に関して、通常は組織中の各位置が異なる時間領域波面信号に従い、プローブにより組織に送信されるような、波面の音響反射に基づく。すぐ近くにある点は、同様の時間領域波面を受けることがある。一実施形態において、各点に関する時間領域信号は、3Dマトリックス位置から点までの伝達遅延に関連する時間に生じる3Dマトリックスにおける各供給源強度と、伝達遅延に比例し且つ角度の関数としての供給源の重み付けとの加算である。単なるビーズにより組織の点に見られる時間信号を調べ、そして、強度の大きさを無視することにより、後にビーズからの時間信号は、位置及びビーズへの伝達遅延に基づき各ビーズに対応するインパルスから成る。
この受信した信号の減衰が距離の関数の減少であるため、一実施形態において、時間領域における距離の関数の単純な減少に基づくインパルスの大きさは、モデル化され得る。状況があまりにも理想的でない場合、その後一実施形態において、結果は近似であり、時間領域信号において誤差を引き起こし、故に分解能を犠牲にする。一実施形態において、ボリュームの照明による音響的な不一致からの波面は、深度との非定常的な畳み込みとしてモデル化され得、又は、定常的な畳み込みの近似が使用され得る。一実施形態において、縁又は直線の供給源は、適切な波面で畳みこまれる点原としてモデル化され、そして重ね合せの下で追加され得る。一実施形態において、組織の各点は、時間領域におけるコード化インパルス応答に対応する一次元のフィルタを持つ。一実施形態において、このフィルタは、対応するウイナーデコンボリューションフィルタを持つ。一実施形態において、単純化として、組織の各点のためのフィルタは全ての検出器に共通となり得る。一実施形態において、コードパターンが深度などの1つの空間的パラメータの唯一の関数である場合、等しい深度の全ての点に共通するフィルタが存在し得る。一実施形態において、この特徴は、1より多くの空間座標においてほぼ分離可能なコードパターンを生成することができ、そして前記フィルタはこの分離可能性の構成になり得る。
一実施形態において、ボリュームから後方散乱された信号は、プローブ(又は他のシステム成分)に特徴又は要素を埋め込み、それにより独立して予知された時間領域波形で組織の各空間位置を調節することにより、立体的にコード化され、その結果、各要素又は特徴により引き起こされる後方散乱の重ね合せをもたらす。全ての受信器から音響信号を測定し、(遅延の適用により)特定の空間位置にビーム形成すると、時間領域のビーム形成された信号は、(後方散乱からのデルタ関数である代わりに)プローブ状の特徴により引き起こされる音響反射に従って調節されることになる。どのようなコード又は応答が各位置に進んだかが前もって知られているため、結果として生じる時間領域信号は、位置に到着した既知のコード又は応答に関連付けられ得る。逆畳み込みは、コード又は応答から生じる信号を判定するために使用され得る。従って、この効果を引き起こすプローブ上の特徴を利用する逆畳み込みは、有利に補われ得る。言い換えると、DAR信号はプローブ特徴からのパターンには関連付けられないが、PAB信号はプローブ特徴のパターンに関連付けられる。従って、プローブの特徴を生成する波面に基づいて波面の後方散乱を波形と関連付けることは、PAB信号からDAR信号の分離を可能にする。それはまた、予測可能な波面が予測可能なシグネチャで反射標的に印をつけるために使用されるため、被験体の変動から結果として生じる予測不能な波面について反射標的を識別するのを支援する。
一実施形態において、組織に伝搬する特殊な性質の波面が使用され得る。同様のコード波形が組織における全ての位置に到達する場合でさえ、そのような波面は適切な場合がある。計算上、全ての波面の後方散乱供給源が同様のコードで調節される場合に、波面のPAB信号からDAR信号を分離することが、より容易になることもある。一実施形態において、空気−組織−皮膚の境界からのプローブの縁は、DARとSARを識別するために使用され得る特徴として機能し、故に、それらの少なくとも1つを分離するのに有用であり得る。コード波形は、深度の関数として徐々に変化し得る。一実施形態において、プローブの光出口ポートは、DARとSARの信号を識別することを支援するために使用され得る波面を生成し、故にそれらの少なくとも1つを分離するのに有用な場合がある。一実施形態において、プローブ表面の他の特徴は、SAR信号からDARを分離するのに有用であり得る波面を生成することもある。
DAR信号及びSAR信号が大いに関連付けられる場合、それらを識別すること、故に分離することが難しい場合がある。既知の入射波面を引き起こすプローブの特徴の識別により、帰還信号と後方散乱信号の情報の間の差は、より容易に識別され得る。同様に、入射波面を制御するためにプローブの特徴を使用することにより、帰還信号と後方散乱信号情報の間の相関性は低減され、成分の分離及び/又はSNRの改善に繋がる。
一実施形態において、ボリュームの外部の既知の波面供給源は、ボリュームに伝搬する波面を判定するためにシミュレートされることがある。一実施形態において、ボリューム(例えば管)内の標的から生じる波面供給源は、ボリューム内に伝搬する波面を判定するためにシミュレートされることがある。一実施形態において、ボリュームの内部及び/又は外部にある光学吸収供給源からの波面により、ボリュームの異なる位置に到達する一次的なインパルス応答波形を表示するために、マップが作成されてもよい。一実施形態において、DAR空間表現が、ボリュームの外部又は内部に光学吸収供給源を表現するために使用されてもよい。一実施形態において、初期圧力供給源は、多数の時間工程でボリュームにおける波のマップを判定するために使用されてもよい。一実施形態において、一時的なインパルス応答が時間の関数としての1つの場所に到着する圧力波に関連するため、空間に依存する一時的なインパルス応答は、多数の時間工程でボリュームにおける波のマップから抽出されることがある。一実施形態において、SARのシミュレーションは、このような標的のサイノグラムへの寄与を合計する場合、対応する(例えば近似の)音響反射標的に対する一時的なインパルス応答を適用する場合がある。全方向の仮定が、そのような合計において及び/又は波面のシミュレーション中に使用されてもよい。
一実施形態において、ボリュームにおける標的に到達するプローブの表面上の吸収1D空間パターン(即ち、線)からの音響波形は、位置の関数として変化する。関数f(r)により画定された1D吸収パターンは、(r* cos(theta),r*sin(theta),0)により画定された線に沿ってプローブの表面に配されると考慮する。音速cを持つ均質な媒質を仮定すると、その後時間tにて、ボリュームにおける位置(px、py、pz)に到着する音波の一部は、f(px*cos(theta)+py*sin(theta)+sqrt(px^2 −py^2)* cos(theta)^2+2* cos(theta)*px*py*sin(theta)− pz^2−px^2+t^2*c^2))に相当する。つまり、音響波形がその位置に到着する原因となる1Dパターンの一部は、ボリュームにおける位置及び線の配向に関して変化するf(C1+sqrt(t^2*c^2−C3))としての一定のC1、C2、及びC2により一時的に歪められる。従って、一実施形態において、1Dパターンは、既知の定数に従いボリュームを空間的にコード化するために使用され得る。一実施形態において、線の上のパターンは点源に分割され得、ボリュームにおける位置に到達する音響波形に関する解は、グリーン関数の方法を使用して判定され得る。一実施形態において、複数の1D線のパターンは、重ね合せ(例えば「X」の形状)で使用され得る。一実施形態において、プローブの表面上の吸収2Dパターンが初期圧力分布を生成する場合、周波数領域の方法は、ボリュームにおける位置に到達する音響波形の解決のために効率的に使用され得る。一実施形態において、2D表面パターンからボリュームにおける波形を計算するために、3Dボリュームから2Dの平面検出器に到達する信号を計算するための既存の方法は、照明に対応する時間領域入力に適用されたDiracインパルスによる一時的な逆転の使用により、採用され得る。一実施形態において、この採用の単純化により、撮像面における信号に関する迅速な解決をもたらす。
一実施形態において、上述のような、ボリュームにおける位置にある既知の生成された波形がボリュームにおける異なる位置で十分に固有である場合、トランスデューサにより記録される異なる位置の各々からの後方散乱は、ボリュームにおける異なる位置をコード化するのに十分に固有なシグネチャを包含すると言える。一実施形態において、生成された波面の前面は、ボリュームにおける標的位置に到達する。一実施形態において、標的位置で標的により確認される前面は、既知の(即ち、実質的に決定論的な)生成された時間領域波形である。故に、一実施形態において、ボリュームにおける位置から受け取られる後方散乱は、いわば、空間的に変化するコードで調節されることになる。例えば、2つの位置がトランスデューサ要素から等距離にある状況において、異なる空間的に変化するコードは、各位置に相当する。第1の位置からトランスデューサ要素により受け取られた後方散乱信号は、第2の位置からトランスデューサ要素により受け取られる信号に干渉する。しかし、一実施形態において、第1のコードに対応する信号成分の強度、及び、第2のコードに対応する信号成分の強度は共に、各位置における後方散乱の強度を定量化し、それにより信号の2つの干渉成分を区別するための方法として計算され得る。一実施形態において、密なボリュームでは、各位置に対応する信号成分の強度が計算され得る。一実施形態において、複数のトランスデューサ要素が使用される。一実施形態において、反復法(例えば、反復型分離方法)は、ボリュームにおける複数の干渉位置から後方散乱強度を判定するために使用される。一実施形態において、ボリュームをコード化する、空間的に変化する波面は、1つのトランスデューサ要素に等距離である供給源から受け取られた信号成分を区別するために使用される。一実施形態において、ボリュームをコード化する、空間的に変化する波面は、供給源が1Dトランスデューサアレイの軸に等距離である場合に、異なる高度角で供給源から受け取られる信号成分を区別するために使用される。一実施形態において、ボリュームは線形システムとして考慮され、ボリュームに浸透する入射音響波形の周波数コンテンツは、入射波面としてほぼ同じ周波数成分を持つ音響後方散乱成分を生成する。一実施形態において、周波数コンテンツが制御された入射音響波面は、ボリュームに配向され、音響の後方散乱成分を識別するために使用され得る。
<光音響アイソレータ>
一実施形態において、プローブは、1以上の音響受信器により受け取られたエネルギー量を少なくするアイソレータを組み込む。例示的な実施形態において、アイソレータは光音響アイソレータであり、これは、プローブの光路からトランスデューサアセンブリへ送られるエネルギー量を少なくするものであり、プローブ上又はその付近にも位置付けられる。そのようなアイソレータは、基準により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/746,905号に記載される。一実施形態において、アイソレータは、プローブにより受け取られた音響信号から再構成された画像における、1以上のアーチファクトを実質的に少なくする。一実施形態において、アイソレータは音波を吸収する。アイソレータは、例えば、広範囲の周波数にわたる高い音響の減衰係数持つ材料から作り上げられてもよい。一実施形態において、アイソレータは、ボリュームから生じて再度ボリュームへ戻るように音波を反射しない。一実施形態において、アイソレータは、SAR信号としてボリュームにおける音響反射標的から反射する波面を生成する。アイソレータは、プローブ表面又は他のシステム成分上の適切な位置で波面を生成するために位置付けられ得る。一実施形態において、プローブの表面上のアイソレータは、光反射コーティングにより部分的又は完全に覆われていてもよい。一実施形態において、アイソレータが光反射材料で覆われる場合、光吸収からの波面は生成されず、又は実質的に低減される。一実施形態において、アイソレータは、プローブに浸透する光エネルギーを低減する光学吸収染色により色を付けられてもよい。一実施形態において、アイソレータは、プローブに浸透する光エネルギーを低減する光反射染色により色を付けられてもよい。一実施形態において、アイソレータが光反射染色で色を付けられる場合、波面は光吸収から生成されず、又は実質的に低減される。一実施形態において、プローブ表面のアイソレータ及び周囲の部分は、パターンで覆われてもよい。一実施形態において、水平又は垂直な特徴は、プローブの遠位表面上で、バー、線、又は長方形などのアイソレータを覆う。一実施形態において、そのような特徴が多くの音響受信器と平行にある場合、ストライプ状のフィルタリングが、そのような特徴により引き起こされた任意の干渉を低減するためにサイノグラムに適用される場合がある。一実施形態において、光反射コーティングは、金又は金色塗装、金属又はメタリック塗料、或いは他の適切なコーティングである。一実施形態において、波面の生成特徴はコーティングの無いアイソレータである。一実施形態において、パリレンコーティングがアイソレータに使用される。一実施形態において、アイソレータの代わりにスペーサが使用される。一実施形態において、アイソレータは、受信された音響信号から再構成された画像におけるSAR及び/又はPABのアーチファクトを低減することができる。アイソレータ又は他の成分(例えば、スペーサ、プローブ、及び光学窓)は、例えば、波面の強度を増加、波面の強度を減少、又はパターン形成された波面を作成するなどのために、光吸収及び/又は音響反射により生成された波面を制御するように、本開示に従って修正され得る。一実施形態において、アイソレータの光吸収は、近距離場のアーチファクトも低減し得る、撮像面におけるフルエンス分布を変更する。アイソレータの表面に生じる光吸収は、トランスデューサアセンブリの直下にある近距離場に送られた光を低減することができ、それは、一次共鳴(first order ringing)を少なくし、そして、ボリュームとトランスデューサアセンブリとの間の不一致並びに高い皮膚吸収により生じる、トランスデューサアセンブリの下の撮像面に衝撃を与える、下向きの波面を低減することができる。従って、アイソレータに高い光吸収を備えることで、高い近距離場照明に関連した下向きの波面及びアーチファクトのエネルギーが、撮像面から、近距離及び中距離場における可視性を改善する、撮像面に隣接して(離れて)起点となる波面にまで移動されると考えられる。一実施形態において、外的に露出したアイソレータ表面は、境界が4つの棒状の特徴区分にグループ化され得るように、トランスデューサアレイのために内部の長方形形状を持つ長方形形状を形成する。一実施形態において、アイソレータのコーティングの増強はアーチファクトを更に低減する。一実施形態において、本明細書に記載される他の方法は、この効果の結果として生じる信号成分の分離により、アーチファクトを更に低減することもある。
<成分領域のまばら(Sparseness)>
一実施形態において、DARとSARのための再構成は、適切に再構成された領域においてよりスパースな傾向がある。例えば、音響反射標的からのSAR信号は、DARで再構成された画像領域におけるよりも、SARで再構成された画像領域における方がよりスパースに表示される傾向性を持つ。相応して、電磁吸収標的からのDAR信号は、SARで再構成された画像領域におけるよりも、DARで再構成された画像領域における方がよりスパースに表示される傾向がある。DARで再構成された画像において、音響反射標的は不鮮明にされる(smeared)。例えば、図10のaと図11のaにおける、DARで再構成された画像を参照。SARで再構成された画像において、電磁吸収標的は不鮮明にされる。例えば、図10のeと図11のeにおける、SARで再構成された画像を参照。このまばらさ(sparsity)は、処理システムが信号を効果的に分離することを可能にする。サイノグラム領域において、点標的は1つの点に配置されず、故に、サイノグラムに配置された状態で表示されず;むしろ、点標的はサイノグラムにおいて曲線として表示される。故に、好ましい実施形態において、再構成された画像領域のまばらさは最小化の制約として使用される。標的は隣接する傾向があるため、他の領域においてもスパースである。故に、一実施形態において、最大のまばらは、付加的なスパースな基礎へと更に変形した成分のために、適切に再構成された画像領域において得られ得る。
<組織の領域を示すためのSARの使用>
一実施形態において、弱い散乱組織は入射波面の移動を可能にし、その一方で、例えば肺組織などの強い反射組織は入射波面のほぼ全体を反射する。一実施形態において、本明細書に開示される教示を使用して、肺又は同様の組織から反射波面の検出、及びDARからのこのSAR信号の分離が実行される。一実施形態において、肺又は他のそのような組織からのSAR信号が検出され得、そして、画像におけるこの組織の位置に印をつける又はその位置を描写するために使用され得る。そのような場合、肺組織の下の深度からの信号は減少され、又はOA画像から取り除かれ得る。例えば、肺組織は強力な反射を引き起こす(図7に示されるように)。成分の分離が完全でない場合でさえ、強力な分離信号の、又は強力な特性を用いた検出は、SAR信号が完全に分離されなくとも、(例えば描写されたSAR標的の下の)DAR画像の一部が完全に弱められ又は削除されねばならないことを示すことができる。例えば、図7において、SAR成分(図示せず)の再構成は、超音波映像において強く反射する境界と整合する、高強度の輪郭をもたらす場合がある。一実施形態において、SAR信号は、緩和され、表示されず、又は別々に表示されねばならない、DAR信号又はDAR画像の領域を検出或いは分割するために使用される。一実施形態において、ユーザーは、肺、骨、筋肉、又は他の干渉組織を含む、非画像化領域又は深度を(線を描く、方向指示を動かす、又は他の入力により)示すことができる。一実施形態において、この指示は不要信号を軽減するために使用される。一実施形態において、この指示は、不要信号を緩和するために成分分離と組み合わせて使用される。一実施形態において、分離されたSAR信号からの強力な反射の存在は、画像の不要な領域を自動的に分割し、特徴付け、又は描写するために使用される。例えば、胸部の撮像において、肺組織は強力な反射を有し、それは他の場合には存在せず、及び他の胸部組織におけるよりも十分に強力であり、従って、SAR信号又はSAR画像は、(成分の分離が完全に有効でない場合、及びSAR画像のための第1のパスの再構成のみが計算された場合でさえも)この領域の境界を示すために使用され得る。一実施形態において、存在する場合に組織の領域がどこに位置づけられるかを判定するために、SAR画像上で区分化が実行され;この後、検出された場合に画像の不要な領域(例えば肺組織)は、画像又はサイノグラムから取り除かれてもよい。一実施形態において、軽減を行なうアルゴリズムが提供され、該アルゴリズムは以下を含む:i)SAR画像における全体的なSAR成分が指示された基準に一致する場合;ii)水平軸に沿った各画素座標に関して;iii)与えられたレベルを越える強度を持つSAR画像において最も浅い垂直な深度の画素を見出し;iv)次に、そのような画素が見出された場合、その後、実質的に見出された垂直深度及びより深い深度から現行の水平座標にあるDAR画像における全ての画素をゼロにし;v)次の水平座標のために工程iii)を繰り返す。一実施形態において、指示された基準は、肺又は肋骨組織から存在する場合がある、隆起(ridge)などのSAR画像における強力なSAR隆起セグメントの存在を含むことがある。一実施形態において、この基準は、SAR画像の標準化された全体的な強度が所定レベルよりも大きい場所を含む場合がある。
<平面外構造>
一実施形態において、面外構造は、コード化された波形により検出及び識別され得る。一実施形態において、プローブは、面外の物体から撮像面を通る物体から後方散乱を区別するように設計される入射波面を生成することがある。一実施形態において、反復型最小化は、上述のような平面構造から判定され得る、1Dトランスデューサアレイによるサイノグラム測定を使用してボリュームの3D空間表現を再構成するために使用される。
<管検出>
一実施形態において、最も強力であり及び/又は再構成された画像における特定の形状特性に順応する、光学吸収標的は、管として仮定されることがある。一実施形態において、仮定された管は自動的に検出される。一実施形態において、管検出は、例えば形状特性フィルタに関連付けることにより、形状特性を含む画像の領域を見出すことを含む。一実施形態において、形状特性フィルタは、隆起、双曲線、弧、曲線、斑点(blob)、線、又は他のそのような形状を検出することがある。管及び/又は円筒状物体の形状特性は、プローブに関連するその位置、及び撮像面と交差する場合のその配向(例えば極角及び方位角)に依存することがある。画像に表示される標的の深度は、プローブからのその距離に関連する。共通して、撮像面と交差する管は、プローブにまで最も近い距離にあり、そこではプローブが撮像面と交差する。管に触れる図示的なマーカーが撮像面から離れて移動する場合、プローブまでのマーカーの距離が長くなることもある。結果として、直線の管の一部は、管の一部が撮像面から離れて伸長するため、画像においてより深く湾曲するように思われる。従って、特徴的な筋が画像において管から観察されることがある。ベンディング又はストリーキングは管の位置及び配向に依存するので、一実施形態において、配向及び/又は位置は、血管又は他のそのような物体を捕捉する画像又はデータから抽出(即ち、推定)されることがある。一実施形態において、撮像面を介する物体の交差は、異なる位置及び配向のためのテンプレート曲線(template curve)により表示される。一実施形態において、標的物体のデータ及び/又は画像表現は、配向及び/又は位置を判定するためにテンプレート曲線に一致する。一実施形態において、テンプレート曲線は、シミュレーションから抽出されるか、又はその他に、配向された物体がどのようにして現われることが予測されるのかを記載する用に配向される、方程式に従うことがある。一実施形態において、座標基準(又は、他のそのような角度の表現)に対する物体の極角、及び方位角、及び/又は位置が、出力される。一実施形態において、位置は入力として使用され、配向は出力である。一実施形態において、管又は物体の経路は、画像又はサイノグラムにおいて追跡され、追跡された経路は、最良に適合した解が求められた配向及び/又は位置をもたらすように、(例えば、配向及び/又は位置を記述する助変数方程式を表わす)曲線上に最良に適合する。
一実施形態において、ボリュームは、操作自在なウェーブレットのディクショナリ、基底、又はフレームにおける係数により、空間的に表示される。操作自在なウェーブレットは、例えば、隆起要素又は操作された隆起検出フィルタが少数の独立した係数により表示され、それにより、操作配向を係数から効率的に抽出することができることを、可能にする。一実施形態において、ボリュームが操作自在な係数により表示される場合、反復型の再構成又は同様の方法が、係数のディクショナリにおいてボリュームを表示するためのスパース解を見出すために使用され得る。一実施形態において、操作自在な係数によるボリュームの任意のそのようなスパース表現では、最大及び/又は0ではない規模の指標が、対象の構造(例えば管)を表示することができ、そして配向が抽出され得る。一実施形態において、2D撮像面は、3D操作自在な構造の係数により表示される。一実施形態において、3D空間表現は、再構成中の3D操作自在なウェーブレット表現とシミュレーション演算との間で変換される。一実施形態において、3D操作自在な係数は、方向導関数及び逆二乗根本のラプラシアン演算又はその近似値の適用により、ボリュームの3Dウェーブレット表現から見出される。一実施形態において、ボリュームの3D表現は、撮像面と交差する管のストリーキングアーチファクトを除去するために使用され得る。一実施形態にて、管はこの方法を使用して自動的に検出される。一実施形態において、検出された管の画像が形成され、別の画像の上部に重なって表示される。一実施形態において、複数の波長が、本明細書に記載される検出などに使用され得る。一実施形態において、そのような検出された管の酸化及び/又はヘモグロビンレベルのみが表示される。一実施形態において、検出された管は、血管樹、血管網、又は血管セグメントを表わすために使用されるデータ構造に変換される。一実施形態において、データ構造を表わす血管樹は、獲得したフレーム間に動作が存在する場合に、動作追跡を改善するために使用される。このように、管が2つの隣接したフレームに生じるにつれて管の位置を判定することが、可能であり、なぜならば、わずかな位置又は配向のオフセットが追跡され且つ説明され、故に検出された物体が同じ管に対応するのを確実にするためである。表示された管は、自動追跡する(lock onto)ための動作追跡アルゴリズムに有用な構造をもたらすことがある。一実施形態において、表示された管(例えば管セグメント)は、プローブにより小さく動かされると、管までのこの近似直線経路に従って僅かに動かされるように、一次的なものとして(to a first order)、直線経路をたどると仮定される。例えば、管が線の経路に従い、そして撮像面が隣接フレームにおいて平行なままである場合、1つのフレームにおける管の位置がその隣接フレームと比較して、2つの平行面と交差する線として視覚化され得、そして各平面における管の配向が線の傾斜に対応する。一実施形態において、動作と平行でない与えられた配向の管の位置の移動は、獲得されたフレーム間の持続時間が考慮される場合に、動作のスピードを推定するために使用され得る。一実施形態において、管又は管セグメントは、線又は線セグメントとして表示される。一実施形態において、管は、位置及び/又は配向などのパラメータを持つ管構成を有する。一実施形態において、獲得されたフレームは基準面として表示され、隣接して獲得されたフレームは、管を表示する線(又は線セグメント)と交差する未知の構成(例えば、位置及び配向)を持つ平面として表示される。一実施形態において、未知の構成は、(基準面から未知の平面の構成への変換を介してマッピングされた場合)隣接して獲得されたフレームにおける検出された管それぞれのマッピングされた位置から、管を表示する線と未知の平面との交差までの間の誤差(例えば距離)の合計を最小化する構成を見出すことにより、解決される。一実施形態において、これは、リニアプログラムを最小化することにより解決され得る。
一実施形態において、そのように自動追跡された構造間のアフィン変換(例えば、プローブにより被られる)が、判定され得る。一実施形態において、隣接フレーム間のほぼ全ての検出された管(又は他のそのような標的)の配向が同じ(概ね)アフィン変換に供される場合、これにより、プローブにより被られる動作を実質的に明らかにし、そして、剛体運動の制約に従う、判定された全体的なアフィン変換から動作を解くことにより動作が抽出されることがある。一実施形態において、管の配向が一定のままである場合、プローブの動作は平行である。一実施形態において、解かれた変換は、プローブにより被られた動作の最良に適合する解である。一実施形態において、解かれた変換は、(例えば、座標変換を使用して)プローブにより被られた動作を生成するのに適していなければならない。一実施形態において、アフィン変換は、線形変換又は座標変換である。一実施形態において、管を表示する線と交差する未知の平面の場所は、プローブの動作を見出すために解かれる。一実施形態において、非剛性の組織変形も生じ、これは、各管(又は)標的のために見出されるアフィン変換と全体的なアフィン変換との間の差を算出することにより、そして、ボリューム表現の残りのために変形マップを判定するために補間法を使用することにより、解くことができる。一実施形態において、管構造が存在しない場合、隣接フレームの組織領域間の相関解析が、フリーハンドの動作追跡に使用され得る。
<c.出力/記憶装置>
図8Bは、全体的な成分分離工程を示すブロック図である。一実施形態において、出力モジュールは、1以上の空間又は音響信号を、それらがユーザー又は他の分析モジュールにより視認、保管、パス、又は分析され得る様式で出力することが可能となるように設けられる。一実施形態において、記録された音響信号から再構成された精錬されていない空間表現が、表示又は出力される。一実施形態において、空間表現は、付加的な画像処理の適用後に表示されるか、又はさもなければ出力される。一実施形態において、中間の空間表現が出力又は表示される。一実施形態において、精錬された空間表現が出力又は表示される。一実施形態において、基準DAR及びSARの空間表現が表示され、又はさもなければ出力される。例えば、図10のa、10のe、図11のa、及び11のeを参照。一実施形態において、PSF空間表現が出力又は表示される。例えば、図10のd、10のh、図11のd、及び11のhを参照。一実施形態において、成分が分離された空間表現が、閾値処理(thresholding)の有無にかかわらず出力又は表示される。例えば、図10のb、c、f、g、図11のb、c、f、gを参照。一実施形態において、DAR表現だけでなく、SAR表現も出力又は表示され、その場合、SAR表現は切り捨てられることもある。一実施形態において、信号領域DAR又はSARが出力又は表示され、これらは、空間表現にシミュレーションモジュールを適用することにより算出されることがある。一実施形態において、DAR又はSARの処理された表現が、図8Bに示されるように出力又は表示される。
<B.表面波分離>
音響信号、及び結果として生じるサイノグラムはまた、表面超音波(ASW)信号を包含することがある。一実施形態において、上述の成分分離の方法は、音響信号からの表面波成分の分離又は除去を含むように採用され得る。一実施形態において、これは、SAR成分の分離の有無にかかわらず行われ得る。故に、一実施形態において、DAR成分はASW成分から分離される。他の実施形態において、ASW成分は、DAR成分の分離の有無にかかわらず、SAR成分から分離される。一実施形態において、有意な波面は生成されず;故に、SAR成分は除去されない。
一実施形態において、表面波は、プローブの(又は他のシステム成分の)表面と平行な平面を起点とし、或いは組織の表面に続く点源としてモデル化される。一実施形態において、プローブ(又は他のシステム成分)の特徴は、表面超音波を生成することがある。プローブ(又は他のシステム成分)がボリュームに接触していない場合でさえ、プローブの表面に沿って移動する表面波は検出可能なままである。そのような表面波は、プローブがボリュームと接触状態となる場合に変化することもある。一実施形態において、この変化は、いつプローブがボリュームと接触状態になるかを検出するために使用されることもある。一実施形態において、このような表面波はモデル化され又は分離されることもある。一実施形態において、表面波は、表面上で又はボリュームにおいて特徴から反射する場合に、後方散乱を引き起こす場合がある。SAR信号の除去のための上述の同じ方法はASW信号の除去に適用され得、ここで、シミュレーション及び再構成は、DAR又はSARの信号ではなく表面波をシミュレート及び再構成するために修正される。
一実施形態において、プローブ特徴からの一次表面波が音響受信器に到達する。プローブとボリュームとの間で使用されるボリューム、ゲル、又は他の接触媒質とは異なる音速をプローブが持つ場合、その後、プローブに沿って伝搬する波面は、ボリュームの表面に沿って、又は接触媒質を通って移動する波面とは異なっている時間フレームで受信器に到達する。一実施形態において、ASWは、プローブの表面に沿って、ボリュームの表面に沿って、及び/又は接触媒質を通って移動する機械波を含むことがある。信号の到着時間の差の測定は、結合に関する有益な情報を提供し得る。到着時間は、プローブの表面に沿って、ボリュームの表面に沿って、及び接触媒質を通って移動する波とは異なる場合があるので、これは、各材料の音速(例えば、剪断又は長手)が異なることを示唆する。故に、一実施形態において、これは測定され得る。一実施形態において、到着時間(又は遅延)の差は、上記に議論されるような信号成分を分離するために使用される。
一実施形態において、この特徴が検出器要素に対し水平又は垂直である場合、表面波は、同時に平行して全ての要素に到達するか、又はサイノグラムに対角線を作成するように連続して伝搬する。一実施形態において、ストライプフィルタリング(stripe filtering)が、サイノグラムのDAR成分から前述の波を除去するために使用され得る。一実施形態において、プローブとボリュームが共に結合される場合、それらはまた大気により包囲され、これは、(以下により詳細に記載されるように)プローブ表面の境界にて不連続性を結果としてもたらす波面を生成する場合のある構成である。一実施形態において、そのような波面は、アレイにおける検出器要素に連続して伝搬する(例えば、サイノグラムに対角線を作成する)。一実施形態において、そのような波面は、前述のように、結合インターフェースに関する情報(例えば、材料の速度又は音速、結合の状態、接触媒質の厚み)を推測するために使用され得る。一実施形態において、プローブがボリュームに部分的に結合され、且つ部分的に大気に晒される場合、この状況は検出され得、結合が無くなる場所の位置が判定され得る。一実施形態において、サイノグラムにおいて生成された対角線の傾斜は、表面波の音速に比例し、故にそれを測定するために使用され得る。一実施形態において、波が様々な速度で移動する場合、観察された対角線は分散する。一実施形態において、このことが生じる場合、線は扇型に広がる(例えば先細形の三角形)。一実施形態において、サイノグラムにおける対角線の、ゼロ時間インターセプト(time zero intercept)との交差は、波面が生じたプローブ面上の位置を示す。一実施形態において、生成信号の強度は、結合インターフェースに関する情報(例えば音響インピーダンス)をもたらす。一実施形態において、連続的な検出器要素にて異なる、測定された表面波の強度の変化は、情報(例えば音響の減衰特性)をもたらす。一実施形態において、サイノグラムにおいて観察された表面波の測定から算出された少なくとも1つのパラメータを使用して、光音響画像が形成される。
一実施形態において、音響アイソレータは、剪断波、弾性波、又は、プローブ内部に伝搬するような波、特に音響受信器に到達する光路からのエネルギーにより生じ得るような波を軽減するために使用され得る。故に、一実施形態において、アイソレータが使用される場合、特徴からのASW成分は、プローブ面に近接して移動したと仮定される。一実施形態において、アイソレータはASW表面波成分を低減することがある。
パラメータのマップは、参照により本明細書に組み込まれる、2012年6月13日出願の米国特許出願第13/507,217号に記載される方法を使用して算出され得る。
一実施形態において、単一の光源が使用され、この単一の光源は、単一波長で、又は非常に狭帯域の波長内で組織のボリュームに光(又は他の電磁エネルギー)を送達する。一実施形態において、多数の光(又はエネルギー)源が使用され、その各々は、狭帯域又は単一の波長でボリュームに電磁エネルギーを送達することができる。一実施形態において、光は、ボリュームに近接して位置付けられ得るプローブの遠位端部を通って送達される。一実施形態において、光は、光源からプローブの遠位端部までの光路を介して送達される。光路は光ファイバケーブル又は他の伝送手段を含むこともある。光路は1以上の光出口ポートを含み、そして、1以上のレンズ、1以上のディフューザ、及び/又は他の光学素子も含む場合がある。
一実施形態において、光源は、異なる時間に異なる主波長でボリュームに光を送達することができる波長可変レーザーを含む。一実施形態において、光源は、光の多数の波長(即ち、単一の光パルスにおいて多数の狭帯域の光を持つ)を同時に送達する。一実施形態において、多数の光源が使用され、各々がそれ字体の光路を持つ。一実施形態において、光路は全体的又は部分的に重複する。一実施形態において、2つのレーザーが使用され、異なる主波長で光のパルスを送達することが可能となる。一実施形態において、約1064nmの波長を放出可能なNdYAGレーザー、及び約757nmの波長を放出可能なアレキサンドライトレーザーが使用される。一実施形態において、主波長又はその付近で光を発するための光源は、レーザーダイオード、LED、レーザダイオードアレイ、及びパルス状のダイレクトダイオードアレイから成る群から選択される。
一実施形態において、前記システムは、トランスデューサアレイ又は上述の他の受信器などの、結果として生じる音響信号を受け取るための1以上の受信器を含む。
このセクションにおける開示に従った成分分離のシステム及び方法は、ボリュームにおける電磁吸収標的に関する情報を得るために音響信号を分析するのに適した、処理サブシステムを更に含む。一実施形態において、処理サブシステムは、ボリュームにおける標的の空間表現を生成するために音響信号を分析する。
<C.波面のタイプ>
音響波面は様々な供給源から結果として生じ得る。例えば、音響波面は、ボリュームにおける又はそれに近接した供給源が電磁エネルギーを吸収し且つ音響圧力を生成する場合に結果として生じ得る。通常、この音響圧力は一時的な応力閉じ込めの解放の結果である。一実施形態において、電磁エネルギーはプローブを介してボリュームに送達される。一実施形態において、電磁エネルギーは、プローブ内の光源、又は(例えば光路を介して)プローブに供給される光源により、作成される場合がある。音響波面の供給源はまた、ボリュームにあるか、又はその上にあり得る。ボリュームが組織である実施形態において、音響波面の供給源は、例えば表皮の管(例えば血管)又は特徴を含み得る。ボリュームの中又は上にあることに加えて、音響波面はまた、吸収された音響エネルギーにより、又は、ボリュームの外部にある要素、特徴、標的、材料、又は他の供給源から反射することにより、生成され得る。例えば、音響エネルギーは、電磁エネルギー、音響受信器、及び/又はそれらを収容するために使用される材料(例えば、プローブ)のための送達機構の中又は上にある反射要素或いは反射特徴から反射することもある。反射する音響エネルギーは、ボリュームの電磁加熱から結果として生じるバックグラウンド初期圧力により引き起こされる場合がある。音響波面はまた、ボリュームの中又はそれに近接した材料間のインピーダンス不整合から反射する音響エネルギーから結果として生じ得る。例えば、ボリュームの表面の一部がボリュームの音響学的特性に完全に一致しない媒体に隣接している場合、音響波面が生成され得る。一実施形態において、電磁エネルギーは、ボリュームに隣接するプローブを介してボリュームに送達され、音響波面は、プローブとボリュームの表面との間のインターフェースに生じる。一実施形態において、ボリュームがヒト又は動物の組織である場合、入射波面が皮膚の表面に生じることもある。入射波面は、インピーダンス不整合、皮膚プローブのインターフェース、及び/又は、一実施形態において、皮膚−プローブのインターフェースに隣接する皮膚−大気のインターフェースによるものである。一実施形態において、ボリュームがヒト又は動物の組織である場合、入射波面が、皮膚の上皮の層から、及び/又は、プローブ上又は皮膚上に配された接触媒質の表面の、中又はその表面にて、その間に、及び/又はそれに近接して生じる場合がある。一実施形態において、プローブは、ボリュームとは音響的に不整合となることもある。一実施形態において、音響送信器又は1以上のトランスデューサが、音響波面を生成するために使用される場合がある。入射波面により包含されるよりも実質的に少ないエネルギーが反射波に転用されるように、入射音響波面が、弱い音響散乱を持つ標的から部分的に反射される場合があることが理解されるであろう。更に、音響標的は波面の供給源でもあり、又はその逆の場合もあることが理解されるであろう。
本明細書での用語「波面」の使用は、それがSAR又は他の信号成分を作成する場合がある波の前部にすぎないことを示唆するようには意図されていない。従って、本明細書で使用されるような用語「波面」は、前部、同様に波の他の部分(例えば、中間部及び後部)を持つ波を含む。波の任意の部分がSARの他の信号成分を作成する場合があることを、理解されたい。幾つかの状況において、波は1より多くの「波面」を持つ場合がある。
<ボリュームの照明により誘導される波面>
光音響の供給源が半平面(半分の空間)を均質的に照らす場合、水平な波面が伝搬する。それは、1つの空間パラメータ(例えば深度)の関数として表示され得る。この方程式は次のように導かれ得る:
式中、Hは1D初期圧力分布プロファイルであり、αは反射の強度であり、xは深度であり、p(x,t)は深度xと時間tでの圧力であり、cは音速であり、そしてx>0である。
光音響プローブからの結果である、非理想的な生成された波面に関する状況において、波面は、照射された表面から結果として生じる理想的な水平な波面、又は、均質に照射された半平面から結果として生じる理想的な反射とは一致しないことがある。結果として、一実施形態において、(後方散乱された波を特異的な検出器のレイアウトからより良く推測すること可能な場合、恐らく音響検出器のレイアウトを含む)プローブのレイアウトが、説明されねばならない。故に、一実施形態において、プローブの設計において、プローブが生成する入射波面に対して考慮が行われなければならない。一実施形態において、プローブは、そのようなプローブにより引き起こされる入射波面を低減するという目的で設計される場合がある。一実施形態において、プローブは、そのようなプローブにより引き起こされる入射波面を最大限にする目的で設計される場合がある。一実施形態において、プローブは、成分分離が確実になるように、臨床的状況において生じる変動にわたる一貫性を保証する目的で設計される場合がある。波面の生成に対してプローブの特徴が持つ効果を定量化し、そしてDARからSAR(又は他の信号成分)を分離するためにその情報を使用することは、本開示の範囲内にある。波面を生成するための特徴又はパターンを持つプローブを故意に構成すること、そしてDARからSAR(又は他の信号成分)を分離するための特徴又はパターンを生成する既知の波面を使用することも、本開示の範囲内にある。
<不連続性からの波面>
組織ボリュームの内部の境界において、1つの組織が隣の組織に隣接する場合、2つの異なるタイプの組織が異なる光学的、音響的、及び機械的な特性を持つこともあるため、ボリュームの光学的、音響的、及び機械的な特性が変化することもある。例えば血管を例にとると、血管は周囲媒体と比較して低い音響コントラストを持つが、光学コントラストは高いため、そのような特性における差は光音響画像の再構成には影響しない場合がある。一実施形態において、そのような特性は実質的に相互に関連付けられると考慮される。一実施形態において、この特性は独立して扱われる。この特性が独立して扱われる場合、DARのシミュレーション及び再構成は、SARのシミュレーション及び再構成とは別々に行なわれる場合がある。
音波に関して、供給源として作用する標的が空間的な境界(不連続性)を持つ場合、波面は境界から放射される場合がある。プローブが皮膚に配される場合、プローブの縁部は境界として作用し得る。組織−大気のインターフェースは、境界としても作用し得る。プローブ−大気のインターフェースも、境界として作用し得る。音響の不連続性も境界として作用し得る。光音響学において、DARの供給源は、エネルギー吸収から結果として生じる初期圧力の供給源である。光音響学において、供給源である標的が境界(不連続性)を持つ場合、エネルギー吸収により初期圧力の結果として生じる供給源は、その標的の形状である。故に、その標的の境界は、波面を判定する助けとなり得る。例えば、有限長シリンダ(無限長シリンダとは対照的に)は、(その円筒状表面と同様に)シリンダの端部に境界を持つ。理想的な無限長の場合において、円筒状表面のみが説明される。しかし、シリンダの端部は、後方散乱を引き起こす場合がある波面を生成する。同じことが、接触媒質を介した皮膚のプローブとの非無限の接触に該当する。長方形として示された単純化したプローブ面に関して、大きな表面の代わりに、長方形の縁部、同様にプローブ面が波面を生成し、そして周囲の大気−組織のインターフェースも波面を形成する場合がある。一実施形態において、プローブの縁部を次第に細くすることにより、そこから結果として生じる波面の配向が支援される場合がある。一実施形態において、波面は、トランスデューサアセンブリ、コーティング、光学窓(光出口ポート)、材料の不連続性、プローブハウジングの遠心面、及び周囲大気(即ち、非接触領域)を含むプローブの表面により、生成される場合がある。一実施形態において、生成された入射波面は、プローブの表面のパターンから、ボリュームにおける音響反射標的へと、音響インパルス応答を運ぶ。
<II.コード化されたプローブ>
開示された方法及び装置の別の態様において、結果として生じる音響信号又は空間表現における1以上の認識可能な「アーチファクト」を生成するための、要素又は特徴(プローブの上又は中にあり、或いはその他に据え付けられるもの)が追加又は修正される。一実施形態において、認識可能なアーチファクトは、DAR画像を歪めず、又は、人間にはほぼ感知できないものであるが、コンピュータ処理(例えば、デジタル「透かし」のような)により認識され得る。一実施形態において、組織の生理学的特徴が存在する場合に限り(例えば、包嚢を識別するため、血管新生を識別するためなど)、認識可能なアーチファクトは画像において感知可能である。一実施形態において、追加又は修正された要素或いは特徴は、1以上の予測可能な音響波面又は結果として生じる波形パターンを生成する。一実施形態において、プローブ又はシステムの他の成分が、予測可能な波面又は波形を生成するために「パターン化される」、又は「コード化される」と言える。予測可能な波面又は結果として生じる波形パターンは、分析的に、シミュレーションにより、又は実験と測定とにより説明され得る。その後、上述のプロセスとシステムは、予測された波面又は波形により引き起こされたSAR信号をより良く単離させるために修正され得る。例えば、伝達関数が、予測された波面又は波形に一致するように設計される。一実施形態において、SAR信号は、取り除くことができるように単離される。一実施形態において、SAR信号は単離され、生成された信号又は画像を識別する或いは透かしを入れるために使用される。代替的な実施形態において、SAR信号は、使用可能なように単離される。例えば、光音響画像を充実させるための要素又は特徴が使用されてもよい。一実施形態において、要素、機能、又は波面は、DAR画像により別々に表示され又は共記載され得る、超音波映像を生成するために使用される。一実施形態において、プローブ(又はシステムの他の成分)の既存の要素又は特徴により生成された音響波面或いは波形について説明するための、シミュレーション、解析計算、又は実験及び測定が、実行される。その後、上述のプロセスとシステムは、既存のシステムの「パターニング」又は「コーディング」を説明するために修正され得る。
少なくとも結果として生じる散乱のうち幾つかは音響受信器に到達する場合があり、上記に議論されるように受け取られ且つ後に処理され得る。一実施形態において、干渉コードは、相互に直交のコード配列を分離すること、及びそれらの相対強度と音響伝搬を判定することによりデコードされる。一実施形態において、干渉コードは、フレーム間の持続的なアーチファクトの除去の技術を使用して、画像とデータから取り除かれ得る。フレーム(又はフレーム間)の持続的なアーチファクトの除去の一例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/507,217号に記載される。一実施形態において、コードは検出され得、そして、コードの配列にわたるその強度の関数が、プローブの表面に到達する照明に関連する供給源強度に関する情報を提供するために分析され得る。一実施形態において、フレーム間の持続的なアーチファクトの除去は、コードの強度を判定し、そして次に静的なアーチファクト除去フレームを適応的に計算した後に、適用されることがある。一実施形態において、パターンは、チャープ、線幅が調節されたチャープ(異なる幅の線のパターンにより表示される)、グレーティング、トーン、線幅が調節されたトーン(異なる幅の線のパターンにより表示される)、或いは、sinc関数又はウェーブレットを含む他のそのような線幅が調節されたパターンを表わすことがある。緩やかな(gradualized)波面強度を許容するために、ディザリングがパターン上に使用されてもよい。一実施形態において、パターンは、グリッド又は格子上に配置されるドット又はパターンの要素(例えば、形状)であり得る。一実施形態において、受信器アレイの片側のパターンは、アレイに到達するASW又は他の信号が分化され得るように、異なっている、或いは、受信器アレイの反対側のパターンからオフセットされることがある。一実施形態において、特徴は三角形格子上に配置されてもよく、そこでは、アレイの片側の格子点は、ある特徴のために到達ASW信号の側が分化され得るように、アレイの反対側のミラーリング格子点からオフセットされる。一実施形態において、上皮の層又は皮膚の特性(厚み、粗さ、光学的或いは機械的性質)、又は接触媒質の特性を調べるためにコードが使用されてもよい。
<A.特徴を作成する原理>
一実施形態において、プローブ又はシステムの他の成分は、その形状を修正することによりコード化される。例えば、要素又は特徴の形状、縁、平面度、凸性、表面、テクスチャ、幅、高さ、長さ、深度、又は配向が、変更され得る。別の実施形態において、プローブ又はシステムの他の成分は、要素又は特徴の電磁エネルギーの色、反射率、透過性、又は吸収性を修正することによりコード化される。例えば、光エネルギーの場合、より多くの光エネルギーを吸収する、より暗い色が選択され得、又は、その色は、光源により生成される1以上の波長に一致し得る。プローブ又はシステム成分上の光吸収性の要素又は特徴の材料の音速、熱膨張、及び/又は比熱ボリュームも、パターンを生成するために操作され得る。このような機械的性質は光音響効率パラメータに起因し、それはGruneisenパラメータとしても知られている。そのような機械的性質は、生成された波面の強度に影響を及ぼし得る。一実施形態において、形状は、要素又は特徴の光学的性質及び/又は機械的性質と共に使用され得る。例えば、色付きのバンドがプローブの面に加えられ、それは、波長依存の方式で生成されたSAR信号をシフトすることができる。別の実施形態において、光学的性質は機械的性質と合わせて適用され得る。他のコーディング又はプローブに対する変化は当業者に明白であり、本明細書に開示される発明の主題の範囲から逸脱することなく、新規のコード化されたプローブ、及びそれに関連した成分分離の方法と合わせて使用され得る。
<プローブを出る光を遮断する特徴>
一実施形態において、上述の特徴などの特徴は、光出口ポートに、又は光路のどこかに位置付けられる。そのような特徴は、光出口ポート又は光路の他の部分を通過するため、光を遮断、或いはその他に影響を及びし得る。出口ポートを出る光の経路で光を直接吸収する特徴は、光の直接的な経路で直接的ではなく、同じように光を直接吸収する特徴とは異なった効果を得ることができる。一実施形態において、光路における特徴は、光を吸収するか、又は光をほぼ吸収することなく光を再配向或いは変化させる。一実施形態において、そのような特徴は音響波面を生成する。PASWの場合、コード化された特徴は、プローブ音速(probe speed of sound)で音響受信器に到達することができるが、接触媒質、又はボリューム表面を介して異なる時間で到達する場合があり、それらは、ボリューム(例えば患者の皮膚)の機械的性質に基づく可変音速を備えており、又は操作者が加えた圧力は経路の長さを変更する場合がある。光路に直接ある特徴は、光がボリュームに到達すると光バーから干渉アーチファクトを取り除くのを支援することができる。別の実施形態において、表面波は、ボリュームの特定の領域に送られた光を低減する、出口ポートに位置付けられた部位で生成され得る。光が侵入する時間よりも前に光を遮断、又はその他に影響を及ぼす他の特徴は、当業者に明白であり、本明細書に開示される発明の範囲から逸脱することなく、新規のコード化されたプローブ及び成分分離方法と合わせて使用されてもよい。
本件の装置及び方法は、ブロック図及び操作上の図面を参照するとともに上述される。ブロック図の各ブロック又は操作上の図面、及びブロック図のブロック又は操作上の図面の組み合わせは、アナログ又はデジタルのハードウェア及びコンピュータプログラムの命令により実施されてもよいことが、理解される。このようなコンピュータプログラムの命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ASIC、FPGA、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、ブロック図又は操作上のブロックにおいて具体化される機能/行為(acts)を実施する。幾つかの代替的な実装において、ブロックにおいて明記される機能/行為が、操作上の図面において明記される順序で生じる場合もある。例えば、連続して示される2つのブロックは実際、ほぼ同時に実行され得、又はブロックは時に、含まれる機能性/行為に依存して、逆の順序で実行されることもある。
本明細書で使用されるように、「a」又は「an」は、他に明記されない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味する。加えて、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が他に明確に指定していない限り、複数の指示対象を含む。故に、例えば、「化合物」を含む組成物への言及は、2以上の化合物の混合物を含む。
本明細書で使用されるように、用語「又は」は通常、内容が他に明確に指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で利用される。
エンドポイントによる数値域の本明細書における列挙は、その範囲内に含まれる全ての数を含む(例えば、1乃至5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
他に示されない限り、本明細書及び請求項で使用される、成分の量や特性の測定値などに存在する全ての数は、内容が他に明確に指示していない限り、用語「約」により全ての例において修正されるものと理解されたい。従って、反対に示されていない限り、前述の明細書及び添付の請求項に説明される数的パラメータは、本発明の教示を利用する当業者による取得がもとめられる所望の特性に依存して変動し得る近似値である。少なくとも、各数的パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、及び通常の四捨五入の技術の適用により、少なくとも解釈されねばならない。しかし、任意の数値は、それぞれの試験測定値において見出される標準偏差から必ず結果として生じる特定の誤差を本質的に包含する。
当業者は、本開示の方法及びデバイスが、多くの様式で実装され、そのようなものが前述の例示的な実施形態及び例によっては制限されないこともあることを認識することになる。言いかえれば、単一又は複数の成分により実行される関数要素は、ハードウェア及びソフトウェア又はファームウェア、並びに個々の関数の様々な組み合わせにおいて、クライアントレベルで、サーバーレベルで、又はその両方でソフトウェアアプリケーション中に分配される場合がある。この点で、本明細書に記載される異なる実施形態の特徴の任意の数は、単一又は複数の実施形態に組み合わされてもよく、及び、本明細書に記載される特徴の全てよりも少ない、或いはそれより多くのものを持つ代替的な実施形態が、可能である。機能性はまた、現在知られている又は知られつつある様式で、複数の成分の中に全体的又は部分的に分配されてもよい。故に、無数のソフトウェア/ハードウェア/ファームウェアの組み合わせが、本明細書に記載される関数、特徴、インターフェース、及び嗜好性の達成において可能である。更に、本開示の範囲は、記載される特徴、関数、及びインターフェースを実行するための従来から知られる様式、同様に、当業者により及び将来的に理解されるであろう、本明細書に記載されるハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアの成分になされ得る変形及び修正も、包含する。
更に、本開示におけるフローチャートに提示及び記載されるような方法の実施形態は、技術のより完全な理解をもたらすために、一例として提供される。開示された方法は、本明細書に提示される操作及び論理的なフローには制限されない。様々な操作の順序が変更され、且つより大きな操作の一部であると記載されるサブ操作が独立して実行される、代替的な実施形態が考慮される。
本発明に対する様々な修正と変更は、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、当業者に明白になるであろう。本発明は、本明細書で説明される特異的な実施形態と例により不当に制限されるようには意図されておらず、そのような実施形態と例は、本明細書に付随する請求項によってのみ制限されることが意図される本発明の範囲と共に、単に本発明を説明するために提示されることを、理解されたい。故に、本発明は、その好ましい実施形態を言及すると共に明確に示され且つ記載される一方で、形式及び詳細の様々な変更が、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その中で行なわれ得ることが、当業者によって理解される。