JP6508619B2 - 熱輸送性能解析方法及び熱輸送性能解析装置 - Google Patents
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Description
本発明は、熱輸送性能解析方法及び熱輸送性能解析装置に係わり、特に、管に封入された作動流体の相変化を介して吸熱部から放熱部へ熱を輸送するヒートパイプの熱輸送性能を、コンピュータを用いて解析する熱輸送性能解析方法、及び、熱輸送性能解析装置に関する。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車の普及により、車両に駆動用や発電用の電気モータが搭載されることが多くなってきている。この種の電気モータにおいては、ステータのコイルが通電時に発熱するので、所望の性能と信頼性を実現するために、ステータを冷却する必要がある。そこで、空冷や液冷の各種冷却方法が採用されているが、特にコイルの電気絶縁を維持しつつ大量の熱を迅速に排熱可能な熱輸送デバイスとして、作動流体の相変化を利用したヒートパイプの適用が検討されている。
車両に搭載される電気モータの負荷は、車両の運転状態に応じて瞬時に大きく変化するため、電気モータの発熱量も負荷に応じて急激に変化することがある。したがって、電気モータの発熱を適切に排熱可能なヒートパイプを設計するためには、ヒートパイプの熱輸送性能を高精度で評価する必要がある。しかしながら、ヒートパイプ内部には、作動流体の相変化や気液界面の移動、高速の蒸気流による帰還液流の吹き戻し等、数値解析の対象としては極めて複雑な現象が発生しているので、数値解析によりヒートパイプの熱輸送性能を高精度に評価するのは困難である。
そこで、ヒートパイプの熱輸送性能の簡易的な評価手法として、例えばヒートパイプの加熱端から冷却端までの熱伝達を1次元熱伝導としてモデル化して領域毎の放熱量を求め、加熱端から冷却端までの熱伝導状態を解析することが行われている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1のようにヒートパイプの熱輸送を1次元熱伝導としてモデル化することは、定常状態におけるヒートパイプの熱輸送性能を簡易的に把握するには有用であるものの、車両用の電気モータのように負荷に応じて発熱量が急激に変化する熱源を冷却するためのヒートパイプにおける非定常状態での熱輸送性能を高精度で評価するには不十分である。
また、有限体積法等の数値解析手法を適用してヒートパイプ内部の熱流体現象を直接解析することも考えられるが、時間及び空間を極めて微細に離散化しなければならず、計算コストの増大や解析の不安定化を招く。したがって、ヒートパイプ設計のための熱輸送性能の評価手法として適当とは言えない。
また、有限体積法等の数値解析手法を適用してヒートパイプ内部の熱流体現象を直接解析することも考えられるが、時間及び空間を極めて微細に離散化しなければならず、計算コストの増大や解析の不安定化を招く。したがって、ヒートパイプ設計のための熱輸送性能の評価手法として適当とは言えない。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ヒートパイプの熱輸送性能を低計算コストで高精度に評価することができる、熱輸送性能解析方法及び熱輸送性能解析装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1発明による熱輸送性能解析方法は、管に封入された作動流体の相変化を介して吸熱部から放熱部へ熱を輸送するヒートパイプの熱輸送性能を、コンピュータを用いて解析する熱輸送性能解析方法であって、入力データ読込部が、ヒートパイプの寸法情報及び物性値情報を含む初期パラメータを読み込むステップと、モデル作成部が、初期パラメータに基づき、ヒートパイプを複数の領域に分割した解析モデルを作成するステップと、演算部が、初期パラメータに基づき、解析モデルにおける領域間の境界の熱通過量を算出するステップとを有し、解析モデルを作成するステップは、ヒートパイプを、管の管壁、管壁の内面に沿って流れる作動流体の流体膜領域、及び、流体膜領域よりも管の径方向内側の中央容積領域の3領域に分割するステップを含むことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、ヒートパイプを、物質、作動流体の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様が共通している、管の管壁、流体膜領域、及び、中央容積領域の3領域に分割して、解析モデルを作成する。これにより、ヒートパイプの吸熱部から放熱部に至る熱輸送を解析するときに、各領域をそれぞれひとつの塊として捉えることができる。したがって、各領域間の境界の熱通過量と、それによる各領域の状態変化とを解析するだけでも高精度の解析結果を得ることができる。即ち、有限体積法によりヒートパイプ全体を詳細に分割して解析を行った場合に近い精度で、ヒートパイプの熱輸送性能を評価することができ、ヒートパイプの熱輸送性能を低計算コストで高精度に評価することができる。
このように構成された本発明によれば、ヒートパイプを、物質、作動流体の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様が共通している、管の管壁、流体膜領域、及び、中央容積領域の3領域に分割して、解析モデルを作成する。これにより、ヒートパイプの吸熱部から放熱部に至る熱輸送を解析するときに、各領域をそれぞれひとつの塊として捉えることができる。したがって、各領域間の境界の熱通過量と、それによる各領域の状態変化とを解析するだけでも高精度の解析結果を得ることができる。即ち、有限体積法によりヒートパイプ全体を詳細に分割して解析を行った場合に近い精度で、ヒートパイプの熱輸送性能を評価することができ、ヒートパイプの熱輸送性能を低計算コストで高精度に評価することができる。
また、本発明において、好ましくは、解析モデルを作成するステップは、中央容積領域を、気相領域と液相領域とに分割するステップを含む。
このように構成された本発明においては、中央容積領域を、気相領域と液相領域とに分割するので、気液界面の位置や気相と液相との熱容量の差等を解析に反映することができ、ヒートパイプの熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
このように構成された本発明においては、中央容積領域を、気相領域と液相領域とに分割するので、気液界面の位置や気相と液相との熱容量の差等を解析に反映することができ、ヒートパイプの熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
また、本発明において、好ましくは、解析モデルを作成するステップは、流体膜領域を、気相領域に隣接する液膜領域と液相領域に隣接する気液膜領域に分割するステップを含む。
このように構成された本発明においては、流体膜領域を、液膜領域と気液膜領域に分割するので、液膜の熱抵抗と気液膜の熱抵抗とをそれぞれ個別に解析に反映することができ、ヒートパイプの熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
このように構成された本発明においては、流体膜領域を、液膜領域と気液膜領域に分割するので、液膜の熱抵抗と気液膜の熱抵抗とをそれぞれ個別に解析に反映することができ、ヒートパイプの熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
また、本発明において、好ましくは、解析モデルを作成するステップは、管壁を、液膜領域に隣接し放熱部を含む放熱領域と、気液膜領域に隣接し吸熱部を含む吸熱領域とに分割するステップを含む。
このように構成された本発明においては、管壁を、放熱領域と吸熱領域とに分割するので、冷却方法、周囲温度、入熱量等に応じた放熱部及び吸熱部の境界条件を、それぞれ個別に解析に反映することができ、ヒートパイプの熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
このように構成された本発明においては、管壁を、放熱領域と吸熱領域とに分割するので、冷却方法、周囲温度、入熱量等に応じた放熱部及び吸熱部の境界条件を、それぞれ個別に解析に反映することができ、ヒートパイプの熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
また、本発明において、好ましくは、吸熱部は放熱部よりも重力方向下方に配置されている。
このように構成された本発明においては、放熱部よりも重力方向下方に配置されたサイフォン式ヒートパイプの熱輸送性能を低計算コストで高精度に評価することができる。
このように構成された本発明においては、放熱部よりも重力方向下方に配置されたサイフォン式ヒートパイプの熱輸送性能を低計算コストで高精度に評価することができる。
また、本発明の第2発明による熱輸送性能解析装置は、管に封入された作動流体の相変化を介して吸熱部から放熱部へ熱を輸送するヒートパイプの熱輸送性能を解析する熱輸送性能解析装置であって、ヒートパイプの寸法情報及び物性値情報を含む初期パラメータを読み込む入力データ読込部と、初期パラメータに基づき、ヒートパイプを複数の領域に分割した解析モデルを作成するモデル作成部と、初期パラメータに基づき、解析モデルにおける領域間の境界の熱通過量を算出する演算部とを有し、解析モデル作成部は、ヒートパイプを、管の管壁、管壁の内面に沿って流れる作動流体の流体膜領域、及び、流体膜領域よりも管の径方向内側の中央容積領域の3領域に分割することを特徴とする。
本発明による熱輸送性能解析方法及び熱輸送性能解析装置によれば、ヒートパイプの熱輸送性能を低計算コストで高精度に評価することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による熱輸送性能解析方法及び熱輸送性能解析装置を説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態による熱輸送性能解析方法の解析対象となるヒートパイプの構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析方法の解析対象となるヒートパイプの一例を示す概略図である。
図1において、符号1はヒートパイプを示す。このヒートパイプ1は、作動流体を封入した管2を有し、この管2における吸熱部4が放熱部6よりも重力方向下方に配置されたサーモサイフォン式のヒートパイプである。
管2は、長手方向の両端が封止された円管や角管であり、内部に所定の作動流体8が封入されている。管2は、熱伝導性の良好な材料、例えば銅やアルミニウムにより形成される。また、作動流体8は、ヒートパイプ1に要求される作動温度範囲や熱輸送性能に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロフルオロエーテルが用いられる。
管2は、長手方向の両端が封止された円管や角管であり、内部に所定の作動流体8が封入されている。管2は、熱伝導性の良好な材料、例えば銅やアルミニウムにより形成される。また、作動流体8は、ヒートパイプ1に要求される作動温度範囲や熱輸送性能に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロフルオロエーテルが用いられる。
管2の一端側に設けられた吸熱部4は、所望の熱源から熱を受け取る部分であり、熱源に接触するように配置される。例えば、熱源が車両に搭載された電気モータである場合、ヒートパイプ1の管2における吸熱部4は高熱伝導性フィラーを介して電気モータのハウジングに接触するように配置される(図示省略)。
管2の他端側に設けられた放熱部6は、作動流体8により吸熱部4から輸送された熱を外部に放出する部分であり、吸熱部4よりも重力方向上方に配置される。この放熱部6の外面には、例えば放熱部6における冷却性能を向上させるために複数の放熱フィンが設けられている(図示省略)。
ヒートパイプ1の内部は、作動流体8の液8aと飽和蒸気8bとで満たされている。吸熱部4が電気モータ等の熱源により加熱され、放熱部6が冷却用の空気流等により冷却されると、吸熱部4における管2の内壁まで伝達された熱により作動流体8の液8aが加熱されて蒸発し、作動流体8の蒸気8bが生じる。この蒸気8bは管2内を放熱部6に向かって移動し、放熱部6における管2の内壁において冷却されて凝縮する。凝縮した作動流体8の液8aは、重力により管2の内壁に沿って吸熱部4まで還流する。即ち、作動流体8は、蒸発→蒸気移動→凝縮→液還流のサイクルを形成し、これにより、吸熱部4から放熱部6への熱輸送が行われる。
次に、ヒートパイプ1内部で発生している熱流体現象を説明する。本発明の発明者らは、ヒートパイプ1内部で発生している熱流体現象を解明するため、有限体積法を用いてヒートパイプ1の熱流体解析を行った。解析条件を以下に示す。
ヒートパイプ形状:円管、管内径15mm、管長500mm
ヒートパイプ管壁厚さ:1mm
ヒートパイプ管壁材質:銅
吸熱部長さ:50mm
放熱部長さ:50mm
作動流体:水
作動液量:50vol%
吸熱部入熱流束:0.7W/cm2
放熱部温度:55℃
ヒートパイプ1と雰囲気とは断熱
ヒートパイプ形状:円管、管内径15mm、管長500mm
ヒートパイプ管壁厚さ:1mm
ヒートパイプ管壁材質:銅
吸熱部長さ:50mm
放熱部長さ:50mm
作動流体:水
作動液量:50vol%
吸熱部入熱流束:0.7W/cm2
放熱部温度:55℃
ヒートパイプ1と雰囲気とは断熱
上記のような解析条件の下で熱流体解析を行ったところ、図2に示すような結果が得られた。図2は、有限体積法によるヒートパイプ1の熱輸送の解析結果を示す図であり、図2(a)は解析結果の全体図、図2(b)は気相領域の拡大図、図2(c)は液相領域の拡大図である。図2におけるグラデーションは、有限体積法を用いた解析の各コントロールボリュームにおける作動液8aの体積分率を表しており、濃淡が濃いほど体積分率が高い(液8aの占める割合が高い)。即ち、グラデーションの濃い部分は液8a、薄い部分は蒸気8bが存在することを表している。
図2(a)に示すように、ヒートパイプ1の管2内部においては、重力方向下方(図2における下方)に液8aが溜まって液相領域が形成され、重力方向上方(図2における上方)に蒸気8bが集まって気相領域が形成されている。そして、ヒートパイプ1の軸方向中央部近傍に気液界面が形成されている。
図2(b)に示すように、放熱部6で凝縮した液8aが重力により管2の内壁に沿って下方に流れることにより、気液界面より上方では、管2の内壁面上に液膜が形成される。
管2の内壁面上に形成された液膜の内部では、管2の内部から外部に向かって、気相領域や管壁内部と比較して著しく大きい温度降下が生じる。これは、作動流体8が気相領域から液膜表面へ凝縮する際の熱抵抗や、銅製の管壁内部の熱抵抗と比較して、液膜内部の熱抵抗が相対的に非常に大きいことに起因する。
管2の内壁面上に形成された液膜の内部では、管2の内部から外部に向かって、気相領域や管壁内部と比較して著しく大きい温度降下が生じる。これは、作動流体8が気相領域から液膜表面へ凝縮する際の熱抵抗や、銅製の管壁内部の熱抵抗と比較して、液膜内部の熱抵抗が相対的に非常に大きいことに起因する。
図2(c)に示すように、気液界面より下方では、吸熱部4における管2の内壁まで伝達された熱により壁面近傍の液8aが加熱され、沸騰が生じている。この沸騰により発生した気泡は、管2の内壁に沿って気液界面に向かって上方に移動する。即ち、気液界面より下方では、管2の内壁近傍において作動流体8の液8aと気泡とが混在した気液膜が形成される。
吸熱部4の壁面において気泡が発生する核沸騰領域では、気泡の生成及び離脱により気液膜内の乱流が促進される。その結果、管2の中央近傍にある比較的低温の液8aが気液膜内部へ供給され、吸熱部4近傍の過熱液の入れ替えが促進される。これにより、気液膜内部の熱伝達は、作動流体液8aの単相流による熱伝達と比較して非常に大きい値が得られる。それでも、銅製の管壁内部の熱抵抗と比較すると気液膜内部の熱抵抗は大きいので、気液膜の内部では、管2の外部から内部に向かって、液相領域や管壁内部と比較して大きい温度降下が生じる。
吸熱部4の壁面において気泡が発生する核沸騰領域では、気泡の生成及び離脱により気液膜内の乱流が促進される。その結果、管2の中央近傍にある比較的低温の液8aが気液膜内部へ供給され、吸熱部4近傍の過熱液の入れ替えが促進される。これにより、気液膜内部の熱伝達は、作動流体液8aの単相流による熱伝達と比較して非常に大きい値が得られる。それでも、銅製の管壁内部の熱抵抗と比較すると気液膜内部の熱抵抗は大きいので、気液膜の内部では、管2の外部から内部に向かって、液相領域や管壁内部と比較して大きい温度降下が生じる。
以上の解析結果から、発明者らは、材質、作動流体8の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様や温度勾配に基づき、ヒートパイプを、(1)管2の管壁、(2)管壁の内面に沿って流れる作動流体8の流体膜領域、及び、(3)流体膜領域よりも管2の径方向内側の中央容積領域の3領域に分割し得ることを見出した。更に、発明者らは、中央容積領域を、作動流体8の気相領域と液相領域に分割し、流体膜領域を、気相領域に隣接する液膜領域と、液相領域に隣接する気液膜領域とに分割し、管壁を、液膜領域に隣接し放熱部6を含む放熱領域と、気液膜領域に隣接し吸熱部4を含む吸熱領域とに分割することを見出した。
即ち、ヒートパイプは、材質、作動流体8の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様や温度勾配に応じて、気相領域、液相領域、液膜領域、気液膜領域、放熱領域、吸熱領域の6つの領域に分割することができる。これらの各領域内では、材質、作動流体8の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様が共通しているので、ヒートパイプの吸熱部4から放熱部6に至る熱輸送を考えるときに、各領域をそれぞれひとつの塊として捉えることができる。したがって、各領域間の境界の熱通過量と、それによる各領域の状態変化とを解析することにより、有限体積法によりヒートパイプ全体を詳細に分割して解析を行った場合に近い精度で、ヒートパイプの熱輸送性能を評価することができると考えられる。
即ち、ヒートパイプは、材質、作動流体8の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様や温度勾配に応じて、気相領域、液相領域、液膜領域、気液膜領域、放熱領域、吸熱領域の6つの領域に分割することができる。これらの各領域内では、材質、作動流体8の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様が共通しているので、ヒートパイプの吸熱部4から放熱部6に至る熱輸送を考えるときに、各領域をそれぞれひとつの塊として捉えることができる。したがって、各領域間の境界の熱通過量と、それによる各領域の状態変化とを解析することにより、有限体積法によりヒートパイプ全体を詳細に分割して解析を行った場合に近い精度で、ヒートパイプの熱輸送性能を評価することができると考えられる。
次に、図3乃至図5により、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置が実行する熱輸送性能解析の各処理について説明する。
図3は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置の電気的構成を示すブロック図であり、図4は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置が実行する熱輸送性能解析処理のフローチャートであり、図5は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置が作成したヒートパイプ1の解析モデルを概念的に示す断面図であり、図6は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置が熱輸送性能解析処理を行う際の入出力パラメータを示す表である。
図3は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置の電気的構成を示すブロック図であり、図4は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置が実行する熱輸送性能解析処理のフローチャートであり、図5は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置が作成したヒートパイプ1の解析モデルを概念的に示す断面図であり、図6は、本発明の実施形態による熱輸送性能解析装置が熱輸送性能解析処理を行う際の入出力パラメータを示す表である。
図3において、符号10は熱輸送性能解析装置を示す。この熱輸送性能解析装置10は、管2に封入された作動流体8の相変化を介して吸熱部4から放熱部6へ熱を輸送するヒートパイプ1の熱輸送性能を解析するものであり、ヒートパイプ1の解析に使用する初期パラメータを読み込む入力データ読込部12と、入力データ読込部12により読み込まれた初期パラメータに基づきヒートパイプ1を複数の領域に分割した解析モデルを作成するモデル作成部14と、初期パラメータに基づき、解析領域の支配方程式の解を数値的に求めることにより、解析モデルにおける各領域間の境界の熱通過量を算出する方程式ソルバ16(演算部)と、方程式ソルバ16による計算結果から表示データを生成してディスプレイ20に出力する出力部18とを有する。
これらの各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
これらの各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
図4に示すように、熱輸送性能解析処理が開始されると、ステップS1において、入力データ読込部12は、ヒートパイプ1の寸法情報及び物性値情報を含む初期パラメータを読み込む。この初期パラメータは、例えば、ヒートパイプ1の各部寸法(ヒートパイプ1の管2が円管である場合は、その円管の管径、管長、管壁厚さ等)、作動流体8の物性値(飽和蒸気圧と温度との対応関係、蒸発潜熱、比熱等)、作動流体液封入量、吸熱部4への入熱量、放熱部温度、ヒートパイプ1を分割した各領域間の境界条件を含む。
次に、ステップS2において、モデル作成部14は、入力データ読込部12により読み込まれた初期パラメータに基づきヒートパイプ1を複数の領域に分割した解析モデルを作成する。
例えば、図1に示したような直管形のヒートパイプ1を解析する場合、モデル作成部14は、図5に示すような解析モデルを作成する。図5に示した解析モデルでは、ヒートパイプ1は、吸熱領域♯1、気液膜領域♯2、液相領域♯3、気相領域♯4、液膜領域♯5、放熱領域♯6の主要6領域に、ヒートパイプ1の管壁において気液界面よりも下方に位置し且つ吸熱部4を除く吸熱部従属領域♯7と、ヒートパイプ1の管壁において気液界面よりも上方に位置し且つ放熱部6を除く放熱部従属領域♯8とを加えた、8つの領域に分割される。
図6に例示するように、8つの領域のそれぞれにおける物性値は、ステップS1において取得した初期パラメータに含まれている。
また、吸熱領域♯1〜気液膜領域♯2間、気液膜領域♯2〜液相領域♯3間、気相領域♯4〜液膜領域♯5間、及び、液膜領域♯5〜放熱領域♯6間の熱伝達率と、吸熱領域♯1〜吸熱部従属領域♯7間、吸熱部従属領域♯7〜放熱部従属領域♯8間、及び、放熱領域♯6〜放熱部従属領域♯8間の熱伝導率は、図6に示すように、ステップS1において取得した初期パラメータに含まれている。
例えば、図1に示したような直管形のヒートパイプ1を解析する場合、モデル作成部14は、図5に示すような解析モデルを作成する。図5に示した解析モデルでは、ヒートパイプ1は、吸熱領域♯1、気液膜領域♯2、液相領域♯3、気相領域♯4、液膜領域♯5、放熱領域♯6の主要6領域に、ヒートパイプ1の管壁において気液界面よりも下方に位置し且つ吸熱部4を除く吸熱部従属領域♯7と、ヒートパイプ1の管壁において気液界面よりも上方に位置し且つ放熱部6を除く放熱部従属領域♯8とを加えた、8つの領域に分割される。
図6に例示するように、8つの領域のそれぞれにおける物性値は、ステップS1において取得した初期パラメータに含まれている。
また、吸熱領域♯1〜気液膜領域♯2間、気液膜領域♯2〜液相領域♯3間、気相領域♯4〜液膜領域♯5間、及び、液膜領域♯5〜放熱領域♯6間の熱伝達率と、吸熱領域♯1〜吸熱部従属領域♯7間、吸熱部従属領域♯7〜放熱部従属領域♯8間、及び、放熱領域♯6〜放熱部従属領域♯8間の熱伝導率は、図6に示すように、ステップS1において取得した初期パラメータに含まれている。
次に、ステップS3において、方程式ソルバ16は、ステップS1において読み込んだ初期パラメータに基づき、ステップS2において作成した解析モデルにおける初期状態の収束演算を行う。
例えば、方程式ソルバ16は、ヒートパイプ1の吸熱部4に対する入熱量=0、放熱部温度=常温を初期状態の境界条件として設定する。また、方程式ソルバ16は、ステップS1において読み込んだヒートパイプ1の寸法データと、分割した領域間の熱伝達率や熱伝導率とに基づき、各領域間の熱抵抗を算出する。そして、これらの境界条件及び各領域の物性値に基づき、解析モデルの各領域の状態量(圧力、温度、体積等)が収束するまで、支配方程式の解を数値的に求める演算を行う。
例えば、方程式ソルバ16は、ヒートパイプ1の吸熱部4に対する入熱量=0、放熱部温度=常温を初期状態の境界条件として設定する。また、方程式ソルバ16は、ステップS1において読み込んだヒートパイプ1の寸法データと、分割した領域間の熱伝達率や熱伝導率とに基づき、各領域間の熱抵抗を算出する。そして、これらの境界条件及び各領域の物性値に基づき、解析モデルの各領域の状態量(圧力、温度、体積等)が収束するまで、支配方程式の解を数値的に求める演算を行う。
次に、ステップS4において、方程式ソルバ16は、ステップS3において算出した初期状態から、解析モデルの非定常熱輸送解析を行う。
例えば、方程式ソルバ16は、時刻0における各領域の初期条件として、ステップS3において算出した初期状態を設定し、ステップS1において読み込んだ初期パラメータに含まれているヒートパイプ1の吸熱部4に対する入熱量や放熱部温度を境界条件として、時間ステップ毎に各領域間の境界の熱通過量や各領域の状態量を算出する。図6の表における項目名「出力」の列は、解析結果として得られるデータを示している。
例えば、方程式ソルバ16は、時刻0における各領域の初期条件として、ステップS3において算出した初期状態を設定し、ステップS1において読み込んだ初期パラメータに含まれているヒートパイプ1の吸熱部4に対する入熱量や放熱部温度を境界条件として、時間ステップ毎に各領域間の境界の熱通過量や各領域の状態量を算出する。図6の表における項目名「出力」の列は、解析結果として得られるデータを示している。
次に、ステップS5において、出力部18は、ステップS4における非定常熱輸送解析の結果を、ディスプレイ20に出力させる。その後、熱輸送性能解析装置10は熱輸送性能解析処理を終了する。
なお、上述した熱輸送性能解析処理において、モデル作成部14が解析モデルを作成し、方程式ソルバ16が熱輸送解析を行う際に適用する数値解析手法としては、境界要素法、有限要素法、有限体積法、差分法等を用いることができる。
なお、上述した熱輸送性能解析処理において、モデル作成部14が解析モデルを作成し、方程式ソルバ16が熱輸送解析を行う際に適用する数値解析手法としては、境界要素法、有限要素法、有限体積法、差分法等を用いることができる。
次に、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。
上述した実施形態において、モデル作成部14は、ヒートパイプ1の管壁を、吸熱領域♯1、放熱領域♯6、吸熱部従属領域♯7、放熱部従属領域♯8の4領域に分割したが、吸熱部従属領域♯7と放熱部従属領域♯8とを一つの接続領域として、ヒートパイプ1の管壁を吸熱領域♯1、放熱領域♯6、接続領域の3領域に分割するようにしてもよい。
上述した実施形態において、モデル作成部14は、ヒートパイプ1の管壁を、吸熱領域♯1、放熱領域♯6、吸熱部従属領域♯7、放熱部従属領域♯8の4領域に分割したが、吸熱部従属領域♯7と放熱部従属領域♯8とを一つの接続領域として、ヒートパイプ1の管壁を吸熱領域♯1、放熱領域♯6、接続領域の3領域に分割するようにしてもよい。
次に、上述した本実施形態の熱輸送性能解析装置10及び熱輸送性能解析方法による作用効果を説明する。
まず、モデル作成部14は、ヒートパイプ1を、物質、作動流体8の状態、ヒートパイプ動作時に発生する現象の態様が共通している、管2の管壁、流体膜領域、及び、中央容積領域の3領域に分割して、解析モデルを作成する。これにより、ヒートパイプ1の吸熱部4から放熱部6に至る熱輸送を解析するときに、各領域をそれぞれひとつの塊として捉えることができる。したがって、各領域間の境界の熱通過量と、それによる各領域の状態変化とを解析するだけでも高精度の解析結果を得ることができる。即ち、有限体積法によりヒートパイプ1全体を詳細に分割して解析を行った場合に近い精度で、ヒートパイプ1の熱輸送性能を評価することができ、ヒートパイプ1の熱輸送性能を低計算コストで高精度に評価することができる。
特に、モデル作成部14は、中央容積領域を、気相領域#4と液相領域#3とに分割するので、気液界面の位置や気相と液相との熱容量の差等を解析に反映することができ、ヒートパイプ1の熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
また、モデル作成部14は、流体膜領域を、液膜領域#5と気液膜領域#2に分割するので、液膜の熱抵抗と気液膜の熱抵抗とをそれぞれ個別に解析に反映することができ、ヒートパイプ1の熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
また、モデル作成部14は、管壁を、放熱領域#6と吸熱領域♯1とに分割するので、冷却方法、周囲温度、入熱量等に応じた放熱部6及び吸熱部4の境界条件を、それぞれ個別に解析に反映することができ、ヒートパイプ1の熱輸送性能をより高精度に評価することができる。
また、ヒートパイプ1において吸熱部4は放熱部6よりも重力方向下方に配置されているので、吸熱部4が放熱部6よりも重力方向下方に配置されたサーモサイフォン式ヒートパイプの熱輸送性能を、低計算コストでより高精度に評価することができる。
1 ヒートパイプ
2 管
4 吸熱部
6 放熱部
8 作動流体
8a 液
8b 飽和蒸気
10 熱輸送性能解析装置
12 入力データ読込部
14 モデル作成部
16 方程式ソルバ
18 出力部
20 ディスプレイ
♯1 吸熱領域
♯2 気液膜領域
♯3 液相領域
♯4 気相領域
♯5 液膜領域
♯6 放熱領域
♯7 吸熱部従属領域
♯8 放熱部従属領域
2 管
4 吸熱部
6 放熱部
8 作動流体
8a 液
8b 飽和蒸気
10 熱輸送性能解析装置
12 入力データ読込部
14 モデル作成部
16 方程式ソルバ
18 出力部
20 ディスプレイ
♯1 吸熱領域
♯2 気液膜領域
♯3 液相領域
♯4 気相領域
♯5 液膜領域
♯6 放熱領域
♯7 吸熱部従属領域
♯8 放熱部従属領域
Claims (6)
- 管に封入された作動流体の相変化を介して吸熱部から放熱部へ熱を輸送するヒートパイプの熱輸送性能を、コンピュータを用いて解析する熱輸送性能解析方法であって、
入力データ読込部が、前記ヒートパイプの寸法情報及び物性値情報を含む初期パラメータを読み込むステップと、
モデル作成部が、前記初期パラメータに基づき、前記ヒートパイプを複数の領域に分割した解析モデルを作成するステップと、
演算部が、前記初期パラメータに基づき、前記解析モデルにおける前記領域間の境界の熱通過量を算出するステップとを有し、
前記解析モデルを作成するステップは、前記ヒートパイプを、前記管の管壁、前記管壁の内面に沿って流れる前記作動流体の流体膜領域、及び、前記流体膜領域よりも前記管の径方向内側の中央容積領域の3領域に分割するステップを含む、
ことを特徴とする熱輸送性能解析方法。 - 前記解析モデルを作成するステップは、前記中央容積領域を、気相領域と液相領域とに分割するステップを含む、請求項1に記載の熱輸送性能解析方法。
- 前記解析モデルを作成するステップは、前記流体膜領域を、前記気相領域に隣接する液膜領域と前記液相領域に隣接する気液膜領域に分割するステップを含む、請求項2に記載の熱輸送性能解析方法。
- 前記解析モデルを作成するステップは、前記管壁を、前記液膜領域に隣接し前記放熱部を含む放熱領域と、前記気液膜領域に隣接し前記吸熱部を含む吸熱領域とに分割するステップを含む、請求項3に記載の熱輸送性能解析方法。
- 前記吸熱部は前記放熱部よりも重力方向下方に配置されている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱輸送性能解析方法。
- 管に封入された作動流体の相変化を介して吸熱部から放熱部へ熱を輸送するヒートパイプの熱輸送性能を解析する熱輸送性能解析装置であって、
前記ヒートパイプの寸法情報及び物性値情報を含む初期パラメータを読み込む入力データ読込部と、
前記初期パラメータに基づき、前記ヒートパイプを複数の領域に分割した解析モデルを作成するモデル作成部と、
前記初期パラメータに基づき、前記解析モデルにおける前記領域間の境界の熱通過量を算出する演算部とを有し、
前記解析モデル作成部は、前記ヒートパイプを、前記管の管壁、前記管壁の内面に沿って流れる前記作動流体の流体膜領域、及び、前記流体膜領域よりも前記管の径方向内側の中央容積領域の3領域に分割する、
ことを特徴とする熱輸送性能解析装置。
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JP2017067448A JP6508619B2 (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 熱輸送性能解析方法及び熱輸送性能解析装置 |
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