(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る撮像装置の一例であるカメラ1の構成例を示す図である。カメラ1は、カメラボディ2と取り付け可能なアクセサリである交換レンズ3とにより構成される。このように、カメラ1は、カメラボディ2と交換レンズ3とから構成されるので、カメラシステムと称することもある。
カメラボディ2には、交換レンズ3が取り付けられるボディ側マウント部201が設けられる。交換レンズ3には、カメラボディ2に取り付けられるレンズ側マウント部301が設けられる。レンズ側マウント部301及びボディ側マウント部201には、それぞれレンズ側接続部302、ボディ側接続部202が設けられる。レンズ側接続部302及びボディ側接続部202には、それぞれ後述するクロック信号用の端子やデータ信号用の端子、電源供給用の端子等の複数の端子が設けられている。カメラボディ2は、後述する、カメラボディ2及び交換レンズ3がそれぞれ備える各制御部、駆動部等に対して電力を供給するための図示しない電池を備える。交換レンズ3は、レンズ側マウント部301によりカメラボディ2のボディ側マウント部201に着脱可能に装着される。
カメラボディ2に交換レンズ3が装着されると、ボディ側接続部202に設けられた端子とレンズ側接続部302に設けられた端子とが電気的に接続される。これにより、カメラボディ2から交換レンズ3への電力供給や、カメラボディ2及び交換レンズ3間の通信が可能となる。
先ず、交換レンズ3の構成について詳しく説明する。交換レンズ3は、撮影光学系31と、開口絞り32と、レンズ駆動部33と、レンズ位置検出部34と、絞り駆動部35と、レンズメモリ36と、レンズ制御部37とを備える。撮影光学系31は、図を簡略化するために一枚のレンズで図示されているが、フォーカスレンズ(焦点調節レンズ)を含む複数枚のレンズを含み、カメラボディ2に装着されると撮像素子21の撮像面上に被写体像を形成する。例えば、撮影光学系31は、フォーカスレンズ(焦点調節レンズ)以外に焦点距離を可変にするズームレンズや像ブレ(手ブレ)を低減する防振レンズ(ブレ補正レンズ)を備えても構わない。なお、実際には、開口絞り32は、例えば撮影光学系31の複数枚のレンズの間に設けられる。
レンズ駆動部33及び絞り駆動部35の各々は、例えば、ステッピングモータ、超音波モータ、DCモータ等によって構成される。レンズ駆動部33は、撮影光学系31の駆動制御を行う。例えば、レンズ駆動部33は、レンズ制御部37から出力される信号に基づき、フォーカスレンズを光軸Lの方向に進退移動させて撮影光学系31による被写体像の結像位置を変化させる。また、絞り駆動部35は、レンズ制御部37から出力される信号に基づき、開口絞り32を駆動して開口径を変化させる。なお、レンズ駆動部33は、撮影光学系31がズームレンズや防振レンズを含む場合には、それらの駆動源を備えて、それぞれズームレンズや防振レンズを駆動してもよい。この場合、レンズ駆動部33は、レンズ制御部37から出力される信号に基づいて、ズームレンズを光軸L方向に移動させる。また、レンズ駆動部33は、レンズ制御部37から出力される信号に基づき、防振レンズを光軸Lと交差する方向に移動させる。
またレンズ駆動部33及び絞り駆動部35はステッピングモータ、超音波モータ、DCモータ等を駆動する不図示の駆動回路(駆動IC等)を含んでも構わない。
レンズ位置検出部34は、例えば、フォトインタラプタとエンコーダで構成される。フォトインタラプタは撮影光学系31の被検出箇所(例えばフォーカスレンズの支持部など)が光軸L上の基準位置(原点位置)を通過したことを検出し、検出した信号をレンズ制御部37に出力する。レンズ制御部37はフォトインタラプタからの信号により、フォーカスレンズが基準位置(原点位置)を通過したことを検出する。エンコーダはいわゆるリニアエンコーダを用いる。リニアエンコーダはそれぞれ位相が異なる2以上のパルス信号を生成し、2以上のパルス信号に基づいてフォーカスレンズの移動量及び移動方向を検出する。検出された移動量はパルス信号としてレンズ制御部37に出力される。あるいは、エンコーダとして磁気式エンコーダなどを用いて絶対位置に応じてパルス信号を出力するようにしても良い。
なおレンズ駆動部33としてステッピングモータを使用した場合には、エンコーダは使用せず、フォトインタラプタで原点位置を通過したことを検出するだけでも構わない。その場合、撮影光学系31の被検出箇所(例えばフォーカスレンズの支持部など)がレンズ位置検出部34のフォトインタラプタを通過した際に、レンズ制御部37へ撮影光学系31が原点位置を通過したことを示す信号が出力される。撮影光学系31を駆動するために、レンズ制御部37からレンズ駆動部33のステッピングモータの駆動回路へレンズを移動させる量に対応するパルス信号が出力されると共に、レンズ駆動部33の駆動回路からレンズ制御部37へレンズ移動量に対応するパルス信号(レンズ制御部37からレンズ駆動部33の駆動回路に出力されたパルス信号に対応する)が出力される。
なお、レンズ位置検出部34は、撮影光学系31がズームレンズや防振レンズを含む場合には、それらのズームレンズの移動量や防振レンズの移動量を検出して、ズームレンズの移動量又は焦点距離を表す信号や、防振レンズの移動量又は移動位置を表す信号を生成する。
レンズ制御部37は、CPUやFPGAなどのプロセッサ、ROMやRAM等のメモリによって構成され、制御プログラムに基づいて交換レンズ3の各部を制御する。レンズ制御部37は、カメラボディ2のボディ制御部27からボディ側接続部202とレンズ側接続部302とを介して入力される制御信号に基づいて、レンズ駆動部33及び絞り駆動部35を用いて、撮影光学系31及び開口絞り32を駆動制御する。例えば、レンズ制御部37は、ボディ制御部27からフォーカスレンズの移動方向や移動量、移動速度などを示す制御信号が入力されると、制御信号に基づいてレンズ駆動部33を駆動制御する指示を送る。
またレンズ制御部37はフォーカスレンズやズームレンズなどの位置を検出して、カメラボディ2に送信する。レンズ駆動部33としてステッピングモータを使用する場合、レンズ制御部37はフォーカスレンズの駆動量をレンズ駆動部33に送信する。レンズ駆動部33の不図示の駆動回路は、ステッピングモータを駆動する。ステッピングモータが駆動されると、駆動量に応じたパルス信号がレンズ駆動部33の駆動回路からレンズ制御部37へ出力される。
レンズ制御部37はレンズ位置検出部34のフォトインタラプタの出力から、フォーカスレンズやズームレンズが基準位置(原点位置)を通過したことを検知し、さらにエンコーダから入力されるパルス信号やステッピングモータの駆動量に応じたパルス信号をカウントし、積算することによりフォーカスレンズの移動量に対応する情報(パルス位置情報)を生成する。
生成された、フォーカスレンズの移動量に対応する情報(パルス位置情報)は、後述するホットライン通信で、カメラボディ2に送信される。
レンズメモリ36は、例えば、不揮発性の記憶媒体等により構成される。レンズメモリ36には、交換レンズ3に関連する種々の情報が記憶される。例えば、レンズメモリ36には、交換レンズの焦点距離や開放絞り値などや、カメラボディ2との通信を行う際に交換レンズ3が対応可能な通信仕様を示す情報が記憶される。この通信仕様を示す情報は後述する交換レンズの世代と呼ぶ。世代は世代情報と称しても良い。交換レンズ3の世代情報をレンズ側世代情報と称する。レンズメモリ36へのデータの書き込みや、レンズメモリ36からのデータの読み出しは、レンズ制御部37によって制御される。なお、レンズ側世代情報は、レンズ制御部37の内部のメモリに記憶するようにしてもよい。
また、レンズ制御部37は、第1レンズ通信部38と第2レンズ通信部39とを有する。詳細は後述するが、第1レンズ通信部38は、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202を介して、第1ボディ通信部28とコマンドデータ通信を行う。第2レンズ通信部39は、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202を介して、第2ボディ通信部29とホットライン通信を行う。
次に、カメラボディ2の構成について詳しく説明する。カメラボディ2は、撮像素子21と、ボディメモリ22と、表示部23と、操作部24と、給電部26と、ボディ制御部27とを備える。ボディ制御部27は、CPUやFPGAなどのプロセッサ、ROMやRAM等のメモリによって構成され、制御プログラムに基づいてカメラ1の各部を制御する。
ボディ制御部27は、撮像素子21から出力された信号に対して所定の画像処理を行って画像データを生成する。画像処理には、例えば、階調変換処理、色補間処理、輪郭強調処理等の公知の画像処理が含まれる。また、ボディ制御部27は、撮影光学系31の駆動(フォーカスレンズの駆動やズームレンズの駆動や防振レンズの駆動)や開口絞り32の駆動を制御する制御信号を生成する。
また、ボディ制御部27は、撮影光学系31の自動焦点調節(AF)に必要な処理を行う。具体的には、ボディ制御部27は、位相差検出方式の焦点検出処理を行う。撮像素子21は、撮像信号を出力する撮像画素の一部に置換して配置された、画素内の光電変換部の一部を遮光膜で遮光した焦点検出画素を有する。ボディ制御部27は、焦点検出画素から出力される焦点検出信号を用いて、位相差検出方式によりデフォーカス量を算出する。ボディ制御部27は、算出したデフォーカス量に関する信号を、レンズ制御部37に出力する。レンズ制御部37は、デフォーカス量に応じてフォーカスレンズを駆動する。なお、撮像素子21は、一つの画素内に複数の光電変換部を有し、撮像信号と焦点検出信号とを出力する撮像用兼焦点検出用の画素を有する構成であってもよい。
また、ボディ制御部27は、位相差検出方式の焦点検出処理の代わりに、又は、それに加えて、コントラスト検出方式の焦点検出処理を行うこともできる。即ち、ボディ制御部27は、撮影光学系31のフォーカスレンズを光軸Lの方向に移動させながら、撮像素子21からの信号に基づき被写体像のコントラスト評価値を順次算出する。ボディ制御部27は、交換レンズ3から送信されるフォーカスレンズの位置情報(パルス位置情報)を用いて、フォーカスレンズの位置と、コントラスト評価値との対応付けを行う。そして、ボディ制御部27は、フォーカスレンズの合焦位置を算出する。ボディ制御部27は、算出した合焦位置に対応する信号を、レンズ制御部37に出力する。レンズ制御部37は、フォーカスレンズを合焦位置に移動する。
給電部26は、電源を有し、カメラボディ2内および交換レンズ3に対して電力の供給を行う。給電部26は、ボディ側接続部202とボディ制御部27とに接続される。さらに給電部26は、ボディ側接続部202、レンズ側接続部302を介してレンズ制御部37へ電力を供給する。
撮像素子21は、例えば、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサである。撮像素子21は、撮影光学系31を通過した光束を受光して、被写体像を撮像する。撮像素子21には、光電変換部を有する複数の画素が行方向及び列方向に二次元の平面状に配置される。光電変換部は、例えばフォトダイオード(PD)によって構成される。撮像素子21は、受光した光を光電変換して信号を生成し、生成した信号をボディ制御部27に出力する。
ボディメモリ22は、例えば、不揮発性の記憶媒体等により構成される。ボディメモリ22には、カメラボディ2やカメラ1を制御するためのプログラムが記憶される。また、ボディメモリ22には、後述するカメラボディの世代を表す情報、即ち、交換レンズ3との通信を行う際にカメラボディ2が対応可能な通信仕様を示す情報が記憶される。この通信仕様を示す情報は後述するカメラボディの世代と呼ぶ。世代は世代情報と称しても良い。カメラボディ2の世代情報をボディ側世代情報と称する。ボディメモリ22へのデータの書き込みや、ボディメモリ22からのデータの読み出しは、ボディ制御部27によって制御される。なお、画像データはボディメモリ22に記憶されてもよいし、別の記憶媒体に記憶しても良い。またボディ側世代情報は、ボディ制御部27の内部のメモリに記憶するようにしてもよい。
表示部23は、画像データに基づく画像、シャッター速度や開口絞り値等の撮影に関する情報、及びメニュー画面等を表示する。操作部24は、レリーズボタン、電源スイッチなどの各種設定スイッチ等を含み、それぞれの操作に応じた操作信号をボディ制御部27へ出力する。
また、ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28と、第2ボディ通信部29とを有する。後述するが、第1ボディ通信部28は、ボディ側接続部202及びレンズ側接続部302を介して、第1レンズ通信部38とコマンドデータ通信を行う。また、第2ボディ通信部29は、ボディ側接続部202及びレンズ側接続部302を介して、第2レンズ通信部39とホットライン通信を行う。
次に、コマンドデータ通信について、説明する。第1レンズ通信部38と第1ボディ通信部28とは、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202の各々の端子を介して全二重通信を行う。図2を用いて後述するが、第1レンズ通信部38及び第1ボディ通信部28は、例えば、RDY信号、CLK信号、DATAB信号、及びDATAL信号の4種類の信号の授受を行う。
RDY信号は、第1レンズ通信部38の通信可否を示す信号であり、第1レンズ通信部38がハイレベル(Hレベル)とローレベル(Lレベル)とを切り換える。RDY信号は第1ボディ通信部28に対して送信(出力)される信号である。CLK信号は、第1ボディ通信部28から第1レンズ通信部38に対して送信されるカメラボディ側のクロック信号である。DATAB信号は、第1ボディ通信部28から第1レンズ通信部38に対して送信されるデータ信号である。DATAL信号は、第1レンズ通信部38から第1ボディ通信部28に対して送信されるデータ信号である。
次に、コマンドデータ通信で送受信される情報(コマンド、データ)について説明する。交換レンズ3からカメラボディ2には、DATAL信号によって、例えば、撮影光学系31の光学特性(開放F値や収差等)に関するデータや、フォーカスレンズの無限遠位置や至近位置に関するデータ、レンズ側世代情報、後述するカメラボディ2からの初期化コマンドに対する初期化の実行状況などの応答内容(応答データ)が送信される。他方、カメラボディ2から交換レンズ3には、DATAB信号によって、例えば、後述するホットライン通信に使用する通信仕様を示す世代情報や、撮影光学系31のフォーカスレンズや防振レンズやズームレンズの駆動及び開口絞り32の駆動、レンズの初期化などを指示する制御指令(コマンド)及び制御内容(制御データ)等が送信される。
図2は、第1の実施の形態に係る撮像装置におけるコマンドデータ通信を説明するための図である。図2において、レンズ制御部37とボディ制御部27との、第1レンズ通信部38及び第1ボディ通信部28間によるコマンドデータ通信のタイミングチャートの一例を模式的に示している。第1レンズ通信部38は、RDY信号、CLK信号、DATAB信号、DATAL信号によって、第1ボディ通信部28との信号の送受信を行う。
RDY信号の信号レベルは、第1レンズ通信部38が通信可能な状態であるか否かを表している。第1レンズ通信部38が第1ボディ通信部28と通信可能な状態である場合は、レンズ制御部37はRDY信号の信号レベルをローレベル(Lレベル、例えば接地電圧、基準電圧)とする。第1レンズ通信部38が第1ボディ通信部28と通信できない状態である場合には、レンズ制御部37はRDY信号の信号レベルをハイレベル(Hレベル、例えば電源電圧)とする。第1ボディ通信部28は、RDY信号の信号レベルを検出し、ボディ制御部27は第1レンズ通信部38が通信可能な状態であるか否かを判定する。
RDY信号がローレベル(Lレベル)である時刻t1において、第1ボディ通信部28は、クロック信号(CLK信号)を第1レンズ通信部38に出力(伝送)する。即ち、第1ボディ通信部28は、時刻t1までは所定の電圧(例えばハイレベル、電源電圧)であったCLK信号の信号レベルを、時刻t1以降ではハイレベルとローレベル(例えば接地電圧、基準電圧)とに所定周期で交互に切り換える。また、時刻t1から時刻t2までの期間では、第1ボディ通信部28は、CLK信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、DATAB信号によってコマンドパケット41を送信する。
なお、RDY信号がハイレベル(Hレベル)の場合は、第1レンズ通信部38が通信を受け付けない状態であり、この状態では第1ボディ通信部28は、第1レンズ通信部38に対してコマンド及びデータの送信を行わない。この場合、第1ボディ通信部28は、CLK信号及びDATAB信号の信号レベルを所定の電圧(例えばハイレベル)に固定する。
レンズ制御部37は、第1ボディ通信部28から入力されたコマンドパケット41の内容をチェックサム等によって確認し、正常にコマンドパケット41を受信できたか否かを判定する。第1レンズ通信部38がコマンドパケット41を正常に受信できた場合は、レンズ制御部37は時刻t3においてRDY信号をハイレベルにする。また、レンズ制御部37は、コマンドパケット41の内容に応じた第1の処理51を行う。第1の処理51が完了すると、レンズ制御部37は、時刻t4においてRDY信号をローレベルにする。なお、第1レンズ通信部38がコマンドパケット41を正常に受信できなかった場合は、レンズ制御部37はRDY信号をローレベルのままとして、コマンドパケット41を正常に受信できなかったことを第1ボディ通信部28に通知する。
第1ボディ通信部28は、RDY信号がハイレベルからローレベルになったことを検出すると、時刻t5において、CLK信号の出力を再び開始する。また、時刻t5から時刻t6までの期間では、第1ボディ通信部28は、CLK信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、DATAB信号によってデータパケット42を送信する。さらに、同じ時刻t5から時刻t6までの期間で、第1レンズ通信部38は、第1ボディ通信部28から入力されるCLK信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、DATAL信号によってデータパケット43を送信する。
第1レンズ通信部38が第1ボディ通信部28からデータパケット42を正常に受信すると、レンズ制御部37は時刻t7においてRDY信号をハイレベルにする。レンズ制御部37は、データパケット42の内容に応じた第2の処理52を行う。第2の処理52が完了すると、レンズ制御部37は、時刻t8においてRDY信号をローレベルにする。
上述した第1ボディ通信部28から出力されるコマンドパケット41及びデータパケット42が示す内容は、例えば、交換レンズ3の初期化の要求や、特定のデータの要求、撮影光学系31の被駆動部材(例えばフォーカスレンズ、開口絞り等)の駆動の指示、第2レンズ通信部39によるホットライン通信の開始の指示等である。レンズ制御部37は、第1の処理51又は第2の処理52として、要求されている特定データを生成する処理や、被駆動部材を駆動する処理等を行う。レンズ制御部37は、データパケット43として、例えば交換レンズ3の初期化完了を示すフラグデータ、光学特性を示すデータ、指示された被駆動部材の駆動が完了したことを示すデータ等を送信する。
次に、ホットライン通信について、詳しく説明する。図1に示す第2レンズ通信部39と第2ボディ通信部29とは、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202の各々の端子を介して交換レンズ3からカメラボディ2への単方向通信を行う。第2レンズ通信部39は第2ボディ通信部29に対し、例えば、HCLK信号及びHDATA信号の2種類の信号を送信する。
HCLK信号は、第2レンズ通信部39から第2ボディ通信部29に対して送信される交換レンズ側のクロック信号である。HDATA信号は、第2レンズ通信部39から第2ボディ通信部29に対して送信されるデータ信号であって、上述したフォーカスレンズやズームレンズや防振レンズのレンズ位置に関する情報や、開口絞り32の開口径に関する情報である。第2レンズ通信部39は、HCLK信号の周期的な立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、HDATA信号を第2ボディ通信部29に送信する。このように、第2レンズ通信部39及び第2ボディ通信部29は、第2レンズ通信部39から第2ボディ通信部29へクロック信号及びデータ信号を送信する単方向通信を行う。
なお、コマンドデータ通信に用いられるCLK信号の周期は、ホットライン通信に用いられるHCLK信号の周期と同程度の周期か、より短い周期となる。カメラボディ2から交換レンズ3に出力されるCLK信号の周波数は例えば8MHzであり、交換レンズ3からカメラボディ2に出力されるHCLK信号の周波数は例えば2.5MHz〜8MHzである。
次に、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202の電気的接続について説明する。図3は、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202の電気的接続を模式的に示す図である。ボディ側接続部202は、LDET(B)端子、VBAT(B)端子、PGND(B)端子、V33(B)端子、GND(B)端子、RDY(B)端子、DATAB(B)端子、CLK(B)端子、DATAL(B)端子、HCLK(B)端子、およびHDATA(B)端子を有する。これら計11個のボディ側端子をボディ側端子群と総称する。
LDET(B)端子は、交換レンズ3の着脱検知に用いられる端子である。LDET(B)端子は、抵抗R2を介してボディ制御部27に接続される。抵抗R2とボディ制御部27との間には、抵抗R1を介して給電部26から供給される電源V33が接続され、LDET(B)端子がプルアップされる。
VBAT(B)端子、PGND(B)端子、V33(B)端子、GND(B)端子は、給電部26に接続されるカメラボディ側の電源系の端子である。図3において、供給される電力の方向を矢印で示す。VBAT(B)端子は、交換レンズ3の駆動系への電力供給(電源電圧を供給)に用いられる端子である。VBAT(B)端子を介して供給された電力により、交換レンズ3のレンズ駆動部33が駆動される。給電部26がVBAT(B)端子に印加する電圧は、最大で10V程度である。PGND(B)端子は、VBAT(B)端子に対応する接地端子であり、VBAT(B)端子で供給する駆動系の電源電圧に対し接地電位(グラウンド)となる。
V33(B)端子は、交換レンズ3の回路系への電力供給(電源電圧の供給)に用いられる端子である。V33(B)端子を介して給電部26より供給された電力により、レンズ制御部37などを動作させる。レンズ制御部37などの各部は、レンズ駆動部33に比べて小さな電圧および小さな電流で動作する。給電部26がV33(B)端子に印加する電圧は、最大で3.3V程度である。GND(B)端子は、V33(B)端子に対応する接地端子であり、V33(B)端子で供給する回路系への電源電圧の接地電位(グラウンド)となる。
RDY(B)端子、DATAB(B)端子、CLK(B)端子、DATAL(B)端子、HCLK(B)端子、HDATA(B)端子は、ボディ制御部27に接続される通信系の端子であり、対応するRDY(L)端子、DATAB(L)端子、CLK(L)端子、DATAL(L)端子、HCLK(L)端子、HDATA(L)端子(後述)との間でRDY信号、CLK信号、DATAB信号、DATAL信号、HCLK信号、HDATA信号の送受信を行う。RDY(B)端子、DATAB(B)端子、CLK(B)端子、DATAL(B)端子は、ボディ制御部27の第1ボディ通信部28に接続され、上述したようにコマンドデータ通信に用いられる。また、HCLK(B)端子、HDATA(B)端子は、第2ボディ通信部29に接続され、上述したようにホットライン通信に用いられる。図3において、信号の流れを矢印で示す。RDY(B)端子の電位により、交換レンズ3がコマンドデータ通信を可能か否かが示される。DATAB(B)端子は、交換レンズ3に向けて信号が出力される端子である。CLK(B)端子は、交換レンズ3に向けてカメラボディ側のクロック信号が出力される端子である。
DATAL(B)端子は、交換レンズ3からのデータ信号が入力される端子である。
HCLK(B)端子は、交換レンズ3からの交換レンズ側のクロック信号が入力される端子である。HDATA(B)端子は、交換レンズ3からのデータ信号が入力される端子である。
レンズ側接続部302は、LDET(L)端子、VBAT(L)端子、PGND(L)端子、V33(L)端子、GND(L)端子、RDY(L)端子、DATAB(L)端子、CLK(L)端子、DATAL(L)端子、HCLK(L)端子、およびHDATA(L)端子を有する。これら計11個のレンズ側端子をレンズ側端子群と総称する。
カメラボディ2に交換レンズ3を装着すると、図3において破線で示したように、ボディ側端子とレンズ側端子とが電気的に接続される。具体的には、LDET(B)端子にはLDET(L)端子が接続され、VBAT(B)端子にはVBAT(L)端子が接続され、PGND(B)端子にはPGND(L)端子が接続され、V33(B)端子にはV33(L)端子が接続され、GND(B)端子にはGND(L)端子が接続され、RDY(B)端子にはRDY(L)端子が接続され、DATAB(B)端子にはDATAB(L)端子が接続され、CLK(B)端子にはCLK(L)端子が接続され、DATAL(B)端子にはDATAL(L)端子が接続され、HCLK(B)端子にはHCLK(L)端子が接続され、HDATA(B)端子にはHDATA(L)端子が接続される。個々のレンズ側端子の役割は、それぞれ接触するボディ側端子の役割に対応している。
LDET(L)端子は、抵抗R3を介して接地されている。LDET(L)端子がLDET(B)端子と接触すると、LDET(B)端子の電位はプルダウンされる。VBAT(L)端子とPGND(L)端子は、レンズ制御部37を介してレンズ駆動部33や絞り駆動部35に接続される。VBAT(L)端子およびPGND(L)端子の間には、いわゆるバイパスコンデンサC1が接続される。V33(L)端子およびGND(L)端子は、レンズ制御部37に接続される。V33(L)端子およびGND(L)端子の間には、バイパスコンデンサC2が接続される。RDY(L)端子、DATAB(L)端子、CLK(L)端子、DATAL(L)端子、HCLK(L)端子、HDATA(L)端子は、それぞれレンズ制御部37に接続される。RDY(L)端子、DATAB(L)端子、CLK(L)端子、DATAL(L)端子は、レンズ制御部37の第1レンズ通信部38に接続され、上述したようにコマンドデータ通信に用いられる。また、HCLK(L)端子、HDATA(L)端子は、第2レンズ通信部39に接続され、上述したようにホットライン通信に用いられる。
ボディ制御部27からの制御指令(コマンド)を交換レンズ3のレンズ制御部37へ送信した後、ボディ制御部27からの制御内容(制御データ)とレンズ制御部37からの応答内容(応答データ)とを並行して送受信する通信をコマンドデータ通信と呼ぶ。コマンドデータ通信は全二重通信である。コマンドデータ通信は、第1ボディ通信部28および第1レンズ通信部38を介してRDY(B)端子、RDY(L)端子、DATAB(B)端子、DATAB(L)端子、CLK(B)端子、CLK(L)端子、DATAL(B)端子、およびDATAL(L)端子を用いたデジタルデータ通信により行う。
ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28および第1レンズ通信部38を介して、コマンドデータ通信により交換レンズ3に種々の制御指令、制御内容を送信し、交換レンズ3から応答内容を受信することにより交換レンズ3との間で種々の情報を送受信する。ここでいう制御指令とは、例えばレンズ情報の送信指令である。交換レンズ3から受信する種々の情報とは、例えば交換レンズ3の機種情報、撮像光学系31の焦点距離等の光学特性を示す情報などである。交換レンズ3に送信される種々の情報とは、例えばレンズの駆動量などの制御内容やカメラボディ2の機種情報などである。なお、制御指令には、不図示のフォーカスレンズの駆動指令なども含まれる。レンズ制御部37は、コマンドデータ通信によって、ボディ制御部27から種々の制御指令を受信したり、ボディ制御部27から種々の情報を受信したり、ボディ制御部27に種々の情報を送信したりする。
図4(a)は、交換レンズ3側から見たカメラボディ2のマウントを模式的に示す図である。ボディ側マウント部201は、一定の幅を有する環状の基準面を有する。さらにボディ側マウント部201は、ボディ側第1爪部129a、ボディ側第2爪部129b、ボディ側第3爪部129c、およびボディ側第4爪部129dを有する。以下の説明において、これら4つの爪部をボディ側爪部129と総称する。
ボディ側爪部129は、ボディ側マウント部201の円形の開口に沿って、互いに間隔を置いて配置される。図4(a)に示すように、ボディ側第1爪部129aは右上の位置に、ボディ側第2爪部129bは左上の位置に、ボディ側第3爪部129cは左下の位置に、ボディ側第4爪部129dは右下の位置に、それぞれ配置される。
ボディ側第1爪部129a〜ボディ側第4爪部129dの円周方向の長さは、それぞれ異なっている。具体的には、ボディ側第1爪部129aが最も長く、ボディ側第3爪部129cが2番目に長く、ボディ側第4爪部129dが3番目に長く、ボディ側第2爪部129bが最も短い。
ボディ側爪部129は、ボディ側マウント部201から開口の中央に向かって突出し、開口の円周上には、ボディ側爪部129が存在する部分とボディ側爪部129が存在しない部分とがある。以下の説明において、ボディ側マウント部201の開口の円周上における、ボディ側第1爪部129aとボディ側第4爪部129dとの間の空間140aをボディ側第1挿抜部140aと称する。同様に、ボディ側第1爪部129aとボディ側第2爪部129bとの間の空間140bをボディ側第2挿抜部140bと、ボディ側第2爪部129bとボディ側第3爪部129cとの間の空間140cをボディ側第3挿抜部140cと、ボディ側第3爪部129cとボディ側第4爪部129dとの間の空間140dをボディ側第4挿抜部140dと、それぞれ称する。これら4つのボディ側挿抜部をボディ側挿抜部140と総称する。
ボディ側マウント部201の開口の内側には、ボディ側接続部202が設けられる。ボディ側接続部202は、環状のボディ側マウント部201の形状に対応する円弧状の形状を有する。ボディ側接続部202は、ボディ側マウント部201の開口に並行して、ボディ側マウント部201の開口の上部に配置され、図4(a)に示すように上部の中央に配置するのが好ましい。ボディ側接続部202は、上述したように複数のボディ側端子を有する。複数のボディ側端子は、ボディ側接続部202に、ボディ側マウント部201の内側に一列に並べて円弧状に配置される。複数のボディ側端子は、図4(a)に示すように右側からHDATA(B)、HCLK(B)、DATAL(B)、CLK(B)、DATAB(B)、RDY(B)、GND(B)、V33(B)、PGND(B)、VBAT(B)、最も左側にLDET(B)の11個の端子が配置される。ボディ側端子群は、それぞれ導電性のピンである。ボディ側端子群は、不図示のバネ等により、―Z方向(図1)に向かって押されている。―Z方向とはすなわち、カメラボディ2に装着される交換レンズ3に向かう方向であり、被写体の方向である。
ボディ側マウント部201は、ロックピン142が貫通する孔を有する。ロックピン142が貫通する孔は、ボディ側第4爪部129dの右上に配置される。つまり、ボディ側マウント部201の環状の基準面において、ロックピン142の孔は、ボディ側マウント部201の開口内にボディ側第4爪部129dが存在する領域とボディ側第1爪部129aが存在する領域との間に配置される。ロックピン142は、不図示のバネ等により、―Z方向(図1)に向かって押されている。
図4(b)は、ボディ側マウント部201を取り外したカメラボディ2のマウントを交換レンズ3側からみた模式図である。ボディ側第1爪部129aと対応した位置(ボディ側第1爪部129aの+Z方向である裏側)には、第1板バネ141aが設けられる。同様に、ボディ側第2爪部129bと対応した位置(ボディ側第2爪部129bの裏側)には、第2板バネ141bが設けられ、ボディ側第3爪部129cと対応した位置(ボディ側第3爪部129cの裏側)には、第3板バネ141cが設けられ、ボディ側第4爪部129dと対応した位置(ボディ側第4爪部129dの裏側)には、第4板バネ141dが設けられる。以下の説明において、これら4つの板バネを板バネ141と総称する。板バネ141は、後述するレンズ側爪部を+Z方向(カメラボディ2側)に押し付ける。
図5は、カメラボディ2側から見た交換レンズ3のマウントを模式的に示す図である。交換レンズ3は、図1で前述したレンズ側マウント部301およびレンズ側接続部302を備える。レンズ側マウント部301は、一定の幅を有する環状の基準面を有する。カメラボディ2に交換レンズ3を装着した際に、レンズ側マウント部301の環状の基準面は前述したボディ側マウント部201の環状の基準面と接触する。さらにレンズ側マウント部301は、その内周に光軸方向に伸びた円筒部を有する。レンズ側マウント部301は、その円筒部の外周に沿って互いに間隔を置いてレンズ側第1爪部139a、レンズ側第2爪部139b、レンズ側第3爪部139c、およびレンズ側第4爪部139dを有する。以下の説明において、これら4つの爪部をレンズ側爪部139と総称する。
レンズ側爪部139は、レンズ側マウント部301の円筒部の外周からマウント外側(光軸Lから放射方向)に向かって突出する方向に設けられる。図5に示すように、レンズ側第1爪部139aは左上の位置に、レンズ側第2爪部139bは右上の位置に、レンズ側第3爪部139cは右下の位置に、レンズ側第4爪部139dは左下の位置に、それぞれ配置される。レンズ側爪部139の後ろ側(レンズ側マウント部301の基準面側)には、カメラボディ2に交換レンズ3を装着した際にそれぞれ対応するボディ側爪部129が入り込むための空間が存在する。
レンズ側マウント部301の開口の内側には、レンズ側接続部302が設けられる。レンズ側接続部302は、環状のレンズ側マウント部301の形状に対応する円弧状の形状を有する。レンズ側接続部302は、レンズ側マウント部301の開口に並行して、レンズ側マウント部301の開口内の上部に配置され、図5に示すように上部の中央に配置するのが好ましい。レンズ側接続部302は、上述したように複数のレンズ側端子を有する。複数のレンズ側端子は、レンズ側接続部302に、レンズ側マウント部301の内側に一列に並べて円弧状に配置される。複数のレンズ側端子は、図5に示すように右側からLDET(L)、VBAT(L)、PGND(L)、V33(L)、GND(L)、RDY(L)、DATAB(L)、CLK(L)、DATAL(L)、HCLK(L)、HDATA(L)の11個の端子が配置される。レンズ側端子群は、それぞれ導電性の接触面が+Z方向(図1)に向かって露出するように配置される。+Z方向とはすなわち、撮影光学系31を通過した被写体光が撮像素子21へ向かう方向である。
レンズ側マウント部301は、ロックピン受部143を有する。ロックピン受部143は、図5に示すようにレンズ側第4爪部139dの左上に配置される。つまり、ロックピン受部143は、レンズ側マウント部301のうちレンズ側第1爪部139aに対応する部分とレンズ側第4爪部139dに対応する部分の間に配置されている。ロックピン受部143は、交換レンズ3をカメラボディ2に装着した際にロックピン142が収まる溝である。この溝は、レンズ側マウント部301の基準面から−Z方向(図1)に向かって設けられている。
カメラボディ2に交換レンズ3が装着されると、複数のボディ側端子がそれぞれ対応する複数のレンズ側端子に物理的に接触する。この接触により、複数のボディ側端子と複数のレンズ側端子とが電気的に接続される。すなわち、複数のボディ側端子と複数のレンズ側端子とが電気的に導通する。
(交換レンズの装着)
カメラボディ2への交換レンズ3の装着方法について説明する。交換レンズ3をカメラボディ2に取り付ける際、まずボディ側マウント部201とレンズ側マウント部301とを対向させ、レンズ側第1爪部139aをボディ側第1挿抜部140aの位置に合わせ、レンズ側第2爪部139bをボディ側第2挿抜部140bの位置に合わせ、レンズ側第3爪部139cをボディ側第3挿抜部140cの位置に合わせ、レンズ側第4爪部139dをボディ側第4挿抜部140dの位置に合わせる。そして、レンズ側第1爪部139aをボディ側第1挿抜部140aに挿入し、レンズ側第2爪部139bをボディ側第2挿抜部140bに挿入し、レンズ側第3爪部139cをボディ側第3挿抜部140cに挿入し、レンズ側第4爪部139dをボディ側第4挿抜部140dに挿入する。このとき、LDET(L)端子がCLK(B)端子に、VBAT(L)端子がDATAL(B)端子に、PGND(L)端子がHCLK(B)端子に、V33(L)端子がHDATA(B)端子にそれぞれ接触する。
その状態から、交換レンズ3を図4(a)および図5に示す装着方向144に回転させる。すなわち、ボディ側第1爪部129aがレンズ側第1爪部139aの裏側の空間に進入し、ボディ側第2爪部129bがレンズ側第2爪部139bの裏側の空間に進入し、ボディ側第3爪部129cがレンズ側第3爪部139cの裏側の空間に進入し、ボディ側第4爪部129dがレンズ側第4爪部139dの裏側の空間に進入する。このとき、複数のレンズ側端子は、複数のボディ側端子と順に接触していく。なお、交換レンズ3ではなくカメラボディ2を図4(a)および図5に示す装着方向144とは逆方向に回転させてもよい。
レンズ側爪部139をそれぞれ対応するボディ側挿抜部140に挿入し、装着方向144に回転させると、例えばLDET(L)端子は、CLK(B)端子、DATAB(B)端子、RDY(B)端子、GND(B)端子、V33(B)端子、PGND(B)端子、VBAT(B)端子、LDET(B)端子に順に接触する。例えばVBAT(L)端子は、DATAL(B)端子、CLK(B)端子、DATAB(B)端子、RDY(B)端子、GND(B)端子、V33(B)端子、PGND(B)端子、VBAT(B)端子に順に接触する。例えばPGND(L)端子はHCLK(B)端子、DATAL(B)端子、CLK(B)端子、DATAB(B)端子、RDY(B)端子、GND(B)端子、V33(B)端子、PGND(B)端子に順に接触する。例えばV33(L)端子はHDATA(B)端子、HCLK(B)端子、DATAL(B)端子、CLK(B)端子、DATAB(B)端子、RDY(B)端子、GND(B)端子、V33(B)端子に順に接触する。例えばGND(L)端子はHDATA(B)端子、HCLK(B)端子、DATAL(B)端子、CLK(B)端子、DATAB(B)端子、RDY(B)端子、GND(B)端子に順に接触する。
例えばRDY(L)端子はHDATA(B)端子、HCLK(B)端子、DATAL(B)端子、CLK(B)端子、DATAB(B)端子、RDY(B)端子に順に接触する。例えばDATAB(L)端子はHDATA(B)端子、HCLK(B)端子、DATAL(B)端子、CLK(B)端子、DATAB(B)端子に順に接触する。例えばCLK(L)端子はHDATA(B)端子、HCLK(B)端子、DATAL(B)端子、CLK(B)端子に順に接触する。例えばDATAL(L)端子はHDATA(B)端子、HCLK(B)端子、DATAL(B)端子に順に接触する。例えばHCLK(L)端子はHDATA(B)端子、HCLK(B)端子に順に接触する。
交換レンズ3をカメラボディ2に対して所定の角度だけ回転させると装着完了位置に到達する。装着完了位置では対応するボディ側爪部129とレンズ側爪部139が光軸方向に対向し、ロックピン142が図1の−Z方向に押されてロックピン受部143に進入する。ロックピン142がロックピン受部143に進入すると、交換レンズ3はカメラボディ2に対して取り外すための回転はできない。つまり、ボディ側爪部129およびレンズ側爪部139が所定の装着完了位置に到達すると、ボディ側マウント部201とレンズ側マウント部301との相対位置が固定される。レンズ側爪部139は板バネ141によってボディ側(図1の+Z方向)に押される。これにより複数のレンズ側端子の各々は、それぞれ対応する複数のボディ側端子の各々に接触し、電気的に接続される。
以下の説明において、ボディ側爪部129およびレンズ側爪部139が所定の装着完了位置に到達した状態を、装着完了状態と呼ぶ。レンズ側爪部139をボディ側挿抜部140に挿入した位置から装着完了位置の直前まで回転している途中の状態、もしくは装着完了位置の直前から挿入位置まで回転している途中の状態を装着中状態と呼ぶ。
装着中状態のとき、LDET(B)端子の信号レベルはプルアップされており、ハイレベルである。ボディ制御部27は、LDET(B)端子の信号レベルがハイレベルであることが検出されているとき、交換レンズ3が装着されていないと判断する。ボディ制御部27は、交換レンズ3が装着されていないとき、給電部26に対してVBAT(B)端子およびV33(B)端子への電力供給を行わせない。
装着完了状態のとき、上述(図3)した様にLDET(B)端子の信号レベルはローレベルにプルダウンされる。ボディ制御部27は、LDET(B)端子の信号レベルがローレベルになったことが検出されると、交換レンズ3が装着されたと判断する。また、装着完了状態ではロックピン142がロックピン受部143に進入して、ロックピン142に連動する不図示のロックピン検出スイッチがオンされる。ボディ制御部27は、LDET(B)端子の信号レベルがローレベルになったことおよびロックピン検出スイッチがオンされたことを検出すると、給電部26にV33(B)端子への電力供給を開始、すなわち回路系の電源電圧を供給させる。なお、カメラボディ2はロックピン検出スイッチを必ずしも備えなくともよい。ロックピン検出スイッチを備えていない場合は、LDET(B)端子の信号レベルがローレベルになったことを検出した時点で給電部26にV33(B)端子への給電を開始させるようにすればよい。
V33(B)端子への電力供給が開始されると、V33(L)端子をとおして交換レンズ3のレンズ制御部37への電源電圧が供給され、レンズ制御部37が動作を開始する。動作を開始したレンズ制御部37は、ボディ制御部27との間でコマンドデータ通信による初期通信を許可する。レンズ制御部37が初期通信を許可した後に、ボディ制御部27は初期通信を開始する。初期通信にはレンズ制御部37によるVBAT(L)端子への電源供給を要求する信号が含まれる。VBAT(L)端子への電源供給を要求する信号がレンズ制御部37からボディ制御部27に送信されると、ボディ制御部27はVBAT(B)端子への電源電圧を供給し、カメラボディ2と交換レンズ3との間の初期化処理が行われる。初期化処理では、撮影動作や焦点調節動作など、カメラ1の種々の動作に必要な情報をカメラボディ2と交換レンズ3との間で交換したり、交換レンズのレンズ位置を基準位置に移動したりする。
装着完了状態のときに、ユーザがカメラボディ2の不図示のロック解除ボタンを押下すると、ロックピン142がロックピン受部143から退避する。これにより、ボディ側マウント部201とレンズ側マウント部301との相対位置を変化させられるようになる。ボディ制御部27は、ユーザが不図示のロック解除ボタンを押下するとロック解除ボタンに連動したロックピン検出スイッチがオフし、給電部26にVBAT(B)端子およびV33(B)端子への電力供給を停止させる。その状態から、交換レンズ3を図4(a)および図5に示す装着方向144とは逆の方向に回転させると、複数のレンズ側端子は、前述とは逆の順序で複数のボディ側端子と接触していく。
なお、ロック解除ボタンの操作に連動して電力供給を停止しなくてもよい。この場合、ボディ制御部27は、交換レンズ3の装着方向144とは逆方向の回転によりLDET(L)端子とLDET(B)端子が離れ、LDET(B)端子の信号レベルがローレベルからハイレベルに変化したことを検知したときに、給電部26にVBAT(B)端子およびV33(B)端子への電力供給を停止させる。このようにすることで、カメラ1の部品点数を削減することができる。また、ロック解除ボタンが押下され、かつLDET(B)端子の信号レベルがローレベルからハイレベルに変化したことの両方を検知したときに、給電部26にVBAT(B)端子およびV33(B)端子への電力供給を停止させてもよい。あるいは、ロック解除ボタンが押下されるか、LDET(B)端子の信号レベルがローレベルからハイレベルに変化したことのいずれか一方を検知したときに、ボディ制御部27は給電部26にVBAT(B)端子およびV33(B)端子への電力供給を停止させてもよい。
以上で説明したように、交換レンズのカメラボディへの取り付け中および取り外し中(装着中状態)に、レンズ側端子が、取付け完了時に対応すべき端子以外のボディ側端子と接触してしまう。レンズ側端子およびボディ側端子の配列は、この取付け中および取り外し中での接触により生じる不具合が少ないことが望ましい。
本実施の形態では、複数のボディ側端子のうちLDET(B)端子をレンズの装着方向(図4(a)の矢印144)の最先端に配置した。すなわちLDET(B)端子の配置位置は上述したように図4(a)におけるボディ側端子群の最も左側である。複数のレンズ側端子のうちLDET(L)端子も同様にレンズの装着方向(図5の矢印144)の最先端に配置した。すなわちLDET(L)端子の配置位置は上述したように図5におけるレンズ側端子群の最も右側である。従って、装着レンズの装着が完了するまでLDET(B)端子はLDET(L)端子以外のレンズ側端子と接触しない。それ故に、交換レンズの装着過程においてLDET(B)端子の信号レベルが誤ってローレベルになることがなく、レンズ装着を誤って認識することがない。
本実施の形態では、VBAT(B)端子を、LDET(B)端子の隣、すなわち装着方向の最先端から2番目に配置した。VBAT(L)端子を、LDET(L)端子の隣、すなわち装着方向の最先端から2番目に配置した。このようにしたのは、レンズの装着過程においてカメラボディ側のVBAT(B)端子が接触するレンズ側の端子を少なくするためである。VBAT(B)端子に印加される電圧は他の端子よりも高電圧なので、カメラ1の故障などによりVBAT(B)端子に誤って高電圧がかかる状況下でVBAT(B)端子がVBAT(L)端子以外の端子と接触してしまうと、この高電圧が交換レンズ内の電気回路に予期せぬ負荷を掛けるおそれがある。本実施の形態では、VBAT(B)端子がLDET(B)端子の隣に位置しているので、交換レンズ3の装着中状態において、VBAT(B)端子には、複数のレンズ側端子のうち、唯一LDET(L)端子のみが接触する。LDET(L)端子は抵抗(図3の抵抗R3)を介して接地されており、万一VBAT(B)端子から高電圧が印加されてもカメラ1に影響を及ぼさない。
本実施の形態では、VBAT(B)端子の隣、すなわち装着方向の最先端から3番目にPGND(B)端子を配置した。PGND(L)端子を、VBAT(L)端子の隣、すなわち装着方向の最先端から3番目に配置した。VBAT(L)端子に接続されているコンデンサC1には、VBAT(B)端子から供給された高電圧が電荷蓄積される。交換レンズ3を取り外し方向(装着方向144と逆方向)に回転すると、VBAT(L)端子は、最初にPGND(B)端子に接触する。コンデンサC1に蓄積された電荷は、接地端子であるPGND(B)端子から速やかに排出され、カメラ1の他の回路に影響を及ぼすことはない。
本実施の形態では、PGND(B)端子の隣、すなわち装着方向の最先端から4番目にV33(B)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から5番目にGND(B)端子を配置した。PGND(L)端子の隣、すなわち装着方向の最先端から4番目にV33(L)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から5番目にGND(L)端子を配置した。V33(L)端子に接続されているコンデンサC2には、V33(B)端子から供給された電圧が電荷蓄積される。交換レンズ3を取り外し方向(装着方向144と逆方向)に回転すると、V33(L)端子は、最初にGND(B)端子に接触する。コンデンサC2に蓄積された電荷は、接地端子であるGND(B)端子から速やかに排出され、カメラ1の他の回路に影響を及ぼすことはない。
GND(B)端子の隣、すなわち最先端から6番目にRDY(B)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から7番目にDATAB(B)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から8番目にCLK(B)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から9番目にDATAL(B)端子を配置し、さらにその隣、すなわち最先端から10番目にHCLK(B)端子を配置し、その隣である最後端にHDATA(B)端子を配置した。
GND(L)端子の隣、すなわち最先端から6番目にRDY(L)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から7番目にDATAB(L)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から8番目にCLK(L)端子を配置し、その隣、すなわち最先端から9番目にDATAL(L)端子を配置し、さらにその隣、すなわち最先端から10番目にHCLK(L)端子を配置し、その隣である最後端にHDATA(L)端子を配置した。
次に、各ボディ側端子と各レンズ側端子とで構成される通信ラインが及ぼすノイズの影響について記載する。ホットライン通信は、通信開始後はカメラボディ2に対して一方的に情報を送信する通信であり、高頻度に(ごく短い周期で繰り返し)行われる。ホットライン通信時は、HCLK(L)端子からHCLK(B)端子に交換レンズ側のクロック信号(Hクロック信号)が送られる。クロック信号はハイレベルとローレベルとを短い周期で繰り返す信号であるため、他の信号に対して大きなノイズ源となりうる。更に、HCLK(L)端子からHCLK(B)端子に送信される交換レンズ側のクロック信号(Hクロック信号)は交換レンズ3から出力される信号であるため、そのクロック信号に誤ってノイズが乗ってもカメラボディ2側はそのノイズを認識することができない。このように、HCLK端子を流れるクロック信号(Hクロック信号)がノイズ源となる可能性やクロック信号(Hクロック信号)にノイズが乗る可能性があり、カメラ1の誤動作の原因になるおそれがある。誤動作の例としては交換レンズの装着の誤検出やコマンドデータ通信の可否を間違えることなどが挙げられる。
本実施の形態では、HCLK端子は高電圧のかかるVBAT端子から離れた位置に配置した。交換レンズ3のレンズ駆動部33を駆動するVBAT端子の電圧・電流は、レンズ駆動部33の駆動状態によって変動するため、VBAT端子の電圧・電流の変動は他の端子にとってノイズになる可能性がある。そのためVBAT端子をHCLK端子から離すことにより、VBAT端子の電圧・電流の変動によるノイズがクロック信号(Hクロック信号)に影響することを抑えることができる。すなわちクロック信号(Hクロック信号)にノイズが乗ることを抑えることができる。
上述したようにRDY端子はコマンド通信の可否を示すために用いられる端子である。本実施の形態では、ノイズ源となりうるHCLK端子をRDY端子と隣接しないように離して配置した。それゆえ、クロック信号(Hクロック信号)によるノイズがRDY端子の信号に影響することを抑えることができる。
また、HCLK端子の両隣には、HDATA端子およびDATAL端子を配置した。このようにすることで、HCLK端子のノイズがHDATA端子およびDATAL端子以外に及ぼす影響を抑えることができる。HDATA端子およびDATAL端子を流れる信号はクロック信号(Hクロック信号)よりも変動が少ない。そのためクロック信号(Hクロック信号)の変動による影響がHDATA端子やDATAL端子以外の端子に及ぶことを抑えられる。
次に、コマンドデータ通信は、上述したようにカメラボディ2と交換レンズ3間で双方向に情報を送受信する通信である。コマンドデータ通信時は、CLK(B)端子からCLK(L)端子にカメラボディ側のクロック信号(Cクロック信号)が送られる。CLK端子で送信されるクロック信号(Cクロック信号)も前述した理由と同じくノイズ源になりうる。
またクロック信号(Cクロック信号)にノイズが乗るとコマンド通信に異常が発生してしまう。従って、本実施の形態では、CLK端子は高電圧のかかるVBAT端子から離れた位置に配置した。交換レンズ3のレンズ駆動部33を駆動するVBAT端子の電圧・電流は、レンズ駆動部33の駆動状態によって変動するため、VBAT端子の電圧・電流の変動は他の端子にとってノイズになる可能性がある。そのためVBAT端子をCLK端子から離すことにより、VBAT端子のノイズがクロック信号(Cクロック信号)に影響することを抑えることができる。すなわちクロック信号(Cクロック信号)にノイズが乗ることを抑えることができる。
また、CLK端子をコマンド通信の可否を示すために用いられるRDY端子に隣接しないように離して配置した。
また、HCLK端子とCLK端子とを隣接させると、一方のクロック信号が他のクロック信号に影響を及ぼしノイズ源となりうる。本実施の形態では、CLK端子とHCLK端子との間にDATAL端子を配置した。また、CLK端子とRDY端子との間にDATAB端子を配置した。すなわちCLK端子の両側にはDATAL端子およびDATAB端子を配置した。このようにしたので、CLK端子に起因するノイズのカメラ1への影響を抑えることができる。DATAL端子およびDATAB端子を流れる信号はクロック信号(Cクロック信号)よりも変動が少ないため、クロック信号(Cクロック信号)の変動による影響がDATAL端子やDATAB端子以外の端子に及ぶことを抑えられるからである。
CLK端子とHCLK端子との間にDATAL端子を配置すると、DATAL端子を流れる信号はCLK端子のクロック信号(Cクロック信号)やHCLK端子のクロック信号(Hクロック信号)よりも変動が少ないため、CLK端子のクロック信号(Cクロック信号)の変動による影響がHCLK端子のクロック信号(Hクロック信号)に及ぶことやHCLK端子のクロック信号(Hクロック信号)の変動による影響がCLK端子のクロック信号(Cクロック信号)に及ぶことを抑えられるからである。
また上述したように、コマンドデータ通信を行うにはRDY端子のレベルを判別する必要がある。すなわちRDY端子の信号レベルはコマンドデータの通信可否を表すため、ノイズによる撮影動作への影響が大きい。ここで、コマンドデータを通信できない状態であるにも関わらず、ノイズにより通信可能な状態であるとボディ制御部27が誤認識した場合を考える。この場合、レンズ制御部37はコマンドデータを受信できないが、ボディ制御部27はコマンドデータを送信し、そのコマンドデータに則った制御が交換レンズ3で行われるとボディ制御部27は誤認識する。しかし、レンズ制御部37はコマンドデータを受け付けられないため、誤送信されたコマンドデータに則った制御が行われることはない。したがって、カメラ1の動作に支障が生じる。そのため、RDY端子の信号にノイズが乗らないようにする必要がある。RDY端子の信号にノイズが乗らないようにするためにRDY端子の両隣には比較的安定した信号、すなわち単位時間当たりの信号レベルの変化が少ない信号が流れる端子を配置することが望ましい。本実施の形態では、RDY端子の両隣には、GND端子およびDATAB端子を配置した。GND端子は接地電位の端子であるため安定しており、DATAB端子もCLK端子やHCLK端子に比べて安定した信号が流れる端子である。このようにしたので、RDY端子の信号が受けるノイズの影響を抑えることができる。
次に、VBAT(B)端子からVBAT(L)端子へ供給される電力(電源電圧)は、交換レンズ3のレンズ駆動部33のアクチュエータ(例えばステッピングモータ等)の駆動に使用される。従って、VBAT端子に流れる電流は、そのアクチュエータが駆動しているときと駆動していないときとで大きく変動する。このような電流の変動は他の端子に流れる信号に対するノイズ源になる。本実施の形態では、VBAT端子をコマンドデータ通信に用いられるRDY端子、DATAB端子、CLK端子、DATAL端子、およびホットライン通信に用いられるHCLK端子とHDATA端子から離れた位置に配置した。さらに、VBAT端子とこれらの通信に用いられる端子との間に、GND端子、V33端子、およびPGND端子を配置した。これにより、VBAT端子を流れる電流の変動に起因するノイズがデータ通信に及ぼす影響が抑えられる。
以上説明したノイズを考慮した端子配置についてここでまとめる。
RDY端子は、ノイズ源となるVBAT端子とHCLK端子のいずれとも隣接しないように離して配置した。これにより、コマンドデータ通信の可否を示すために用いられるRDY端子へのノイズによる影響を抑えられる。
ノイズ源となるHCLK端子をHDATA端子とDATAL端子とで挟み、CLK端子をDATAL端子とDATAB端子とで挟んだ。すなわち、装着方向の後端から順にHDATA端子、HCLK端子、DATAL端子、CLK端子、DATAB端子と配置した。これにより、RDY端子などへのクロック信号に起因するノイズによる影響を抑えられる。
さらに、ノイズの影響を考慮してRDY端子を挟んで電源供給用の端子群と通信に用いる端子群とを離して配置した。詳述すると、RDY端子を挟んで装着方向の先端側に電源供給用の端子であるVBAT端子、PGND端子、V33端子、GND端子を先端側から順に配置し、装着方向の後端側に通信に用いる端子であるDATAB端子、CLK端子、DATAL端子、HCLK端子、HDATA端子を先端側から順に配置した。これにより、VBAT端子などの電源供給系端子群が、通信に用いる端子に及ぼす影響を抑えることができる。またVBAT端子などの電源供給系端子群およびHCLK端子やCLK端子などの通信に用いる端子群のRDY端子に及ぼすノイズの影響を抑えることができる。
ホットライン通信に用いられる交換レンズ側のクロック信号が送られるHCLK端子とコマンドデータ通信に用いられるカメラボディ側のクロック信号が送られるCLK端子とでは、HCLK端子をCLK端子よりもVBAT端子から離れた位置に配置した。これは、CLK端子で交換レンズ3へ送られるクロック信号は第1ボディ通信部28を介してボディ制御部27が出力するが、交換レンズ3から第2レンズ通信部39経由でHCLK(L)端子を介してカメラボディ2に送られる、交換レンズから送信されるクロック信号にノイズが乗るとボディ制御部27は誤認識する。そのためHCLK端子のクロック信号に乗るノイズの方がカメラ1に及ぼす影響が大きいからである。
HCLK端子とGND端子とでは、HCLK端子をGND端子よりもVBAT端子から離れた位置に配置した。さらに、GND端子とVBAT端子との間にはPGND端子を配置した。これにより、ホットライン通信に用いられるクロック信号が送られるHCLK端子へのVBAT端子に起因するノイズをシールドすることができる。
CLK端子とGND端子とでは、CLK端子をGND端子よりもVBAT端子から離れた位置に配置した。さらに、GND端子とVBAT端子との間にはPGND端子を配置した。これにより、コマンドデータ通信に用いられるクロック信号が送られるCLK端子へのVBAT端子に起因するノイズをシールドすることができる。
このように配置した端子群を用いて、上述したように、交換レンズ3及びカメラボディ2は、第1レンズ通信部38及び第1ボディ通信部28によって、RDY信号、CLK信号、DATAB信号、及びDATAL信号を用いたコマンドデータ通信を行う。また、交換レンズ3及びカメラボディ2は、第2レンズ通信部39及び第2ボディ通信部29によって、HCLK信号及びHDATA信号を用いたホットライン通信を行う。なお、コマンドデータ通信に用いられる通信路はホットライン通信を行なう通信路とは別に設けられており、コマンドデータ通信とホットライン通信とは、並行して行うことが可能である。即ち、第1レンズ通信部38が第1ボディ通信部28とコマンドデータ通信を行っている場合であっても、第2レンズ通信部39は第2ボディ通信部29とホットライン通信を任意に行うことが可能である。また、第2レンズ通信部39が第2ボディ通信部29とホットライン通信を行っている場合であっても、第1レンズ通信部38は第1ボディ通信部28とコマンドデータ通信を任意に行うことが可能である。
(摩耗を考慮した端子配置)
これより、カメラボディ2に交換レンズ3を着脱する際の各端子の接触について記載する。
交換レンズ3をカメラボディ2に取り付ける際、ボディ側端子はレンズ側端子に次々に接触する。カメラボディ2から交換レンズ3を取り外す際も同様である。つまり、ボディ側接続部202から突出したピンであるボディ側端子と、露出した導電性の接触面であるレンズ側端子とが次々と擦り合わされる。一つのカメラボディに対して複数の交換レンズが着脱されるため、レンズ側端子に比べてボディ側端子の方がより摩耗しやすい。特に、交換レンズ3の装着方向の後端側に位置するボディ側端子ほど、より多数のレンズ側端子に擦りつけられ、多く摩擦する。従って、後端側に位置するボディ側端子ほど先端側に位置するボディ側端子よりもピンの先端の摩耗が進み易い。ボディ側端子の摩耗はレンズ側端子との接触性に影響するので、データ通信が不安定になるおそれがある。
本実施の形態では、LDET(B)端子を装着方向の最も先端に配置したので、LDET(B)端子の摩耗は最も少ない。これにより、LDET(B)端子とLDET(L)端子とは良好に接触し、交換レンズ3の着脱を誤検知する可能性は少ない。
前述したように、本実施の形態では、通信へのノイズの影響を抑止するため、CLK(B)端子やHCLK(B)端子をVBAT(B)端子から離れた位置に配置した。つまり、VBAT(B)端子は装着方向の先端側から2番目に配置し、CLK(B)端子やHCLK(B)端子はVBAT(B)端子から離れた後端側に配置した。従って、CLK(B)端子やHCLK(B)端子は、LDET(B)端子やVBAT(B)端子に比べて摩耗が多くなる。本実施の形態では、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子をボディ側第1爪部129aのすぐ傍に配置した。すなわち、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子を、VBAT(B)端子よりもボディ側第1爪部129aの内周側の縁である内周縁に近い位置に配置した。換言すると、CLK(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離はVBAT(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離よりも短く、またHCLK(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離はVBAT(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離よりも短い。上述したようにボディ側第1爪部129aの裏側には第1板バネ141aがあり、第1板バネ141aによりレンズ側第1爪部139aを+Z方向(図1)に押し付ける。
第1板バネ141aの観点で見ても、CLK(B)端子と第1板バネ141aとの距離、および、HCLK(B)端子と第1板バネ141aとの距離は、いずれも、VBAT(B)端子と第1板バネ141aとの距離よりも短い。またLDET(B)端子もVBAT(B)端子と同様であり、CLK(B)端子と第1板バネ141aとの距離、およびHCLK(B)端子と第1板バネ141aとの距離は、いずれもLDET(B)端子と第1板バネ141aとの距離よりも短い。このようにしたので、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子は、VBAT(B)端子およびLDET(B)端子よりもレンズ側端子に強く押しつけられる。
レンズ側においても、CLK(L)端子およびHCLK(L)端子を、VBAT(L)端子よりもレンズ側第1爪部139aの内周縁に近い位置に配置した。換言すると、CLK(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離はVBAT(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離よりも短く、またHCLK(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離はVBAT(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離よりも短い。それゆえ、レンズ側第1爪部139aの傍にあるCLK(L)端子およびHCLK(L)端子は装着完了状態で第1板バネ141aによりそれぞれ対応するボディ側端子に押し付けられる。
またLDET(L)端子もVBAT(L)端子と同様であり、装着完了状態でCLK(L)端子と第1板バネ141aとの距離、およびHCLK(L)端子と第1板バネ141aとの距離は、いずれもLDET(L)端子と第1板バネ141aとの距離よりも短い。このようにしたのでCLK(L)端子およびHCLK(L)端子は、装着完了状態でLDET(L)端子よりもボディ側端子に押しつける力がより強く働く。これによりCLK(B)端子やHCLK(B)端子が摩耗しても良好な接触を維持でき、それぞれのクロック信号が安定し、安定したデータ通信が行える。また例えば、装着完了状態を維持したままカメラボディ2や交換レンズ3に衝撃が加わっても、CLK(B)端子とCLK(L)端子との接触およびHCLK(B)端子とHCLK(L)端子との接触は保たれる。
仮にレンズ側第1爪部139aの一部を切り欠いた場合であっても、ボディ側第1爪部129aに対向する領域に配置される突出部および切り欠いた部分を合わせた全体をレンズ側第1爪部とする。切り欠き方としては、レンズ側爪部を円周方向に2以上に分割するように切り欠いてもよく、レンズ側爪部の一部を欠くように切り欠いてもよく、レンズ側爪部の少なくとも一部を径方向の長さが短くなるように切り欠いてもよい。また、レンズ側爪部の円周方向の長さは、対応するボディ側挿抜部を通過する範囲で変更してもよい。レンズ側第2爪部139b、レンズ側第3爪部139c、レンズ側第4爪部139dも同様である。また、円筒部の径方向の厚さは適宜変更可能であり、本実施形態の円筒部より内側に少なくとも一部が突出する形状であってもよい。
上述したように、CLK(B)端子やHCLK(B)端子は、LDET(B)端子およびVBAT(B)端子に比べて摩耗が多くなる。本実施の形態では、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子をボディ側第1爪部129aのすぐ傍に配置した。すなわち、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子を、LDET(B)端子やVBAT(B)端子よりもボディ側第1爪部129aの内周縁に近い位置に配置した。換言すると、CLK(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離はLDET(B)端子やVBAT(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離よりも短く、またHCLK(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離はLDET(B)端子やVBAT(B)端子とボディ側第1爪部129aの内周縁との距離よりも短い。上述したようにボディ側第1爪部129aの裏側には第1板バネ141aがあり、第1板バネ141aによりレンズ側第1爪部139aを+Z方向(図1)に押し付ける。第1板バネ141aの観点で見ても、CLK(B)端子と第1板バネ141aとの距離、および、HCLK(B)端子と第1板バネ141aとの距離は、いずれも、LDET(B)端子やVBAT(B)端子と第1板バネ141aとの距離よりも短い。
レンズ側においても、CLK(L)端子およびHCLK(L)端子を、LDET(L)端子やVBAT(L)端子よりもレンズ側第1爪部139aの内周縁に近い位置に配置した。換言すると、CLK(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離はLDET(L)端子やVBAT(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離よりも短く、またHCLK(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離はLDET(L)端子やVBAT(L)端子とレンズ側第1爪部139aの内周縁との距離よりも短い。それゆえ、レンズ側第1爪部139aの傍にあるCLK(L)端子およびHCLK(L)端子は第1板バネ141aによりそれぞれ対応するボディ側端子に押し付けられる。このようにしたので、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子は、LDET(B)端子やVBAT(B)端子よりもレンズ側端子に強く押しつけられる。これによりCLK(B)端子やHCLK(B)端子が摩耗しても良好な接触を維持でき、安定した通信を行える。また例えば、装着完了状態を維持したままカメラボディ2や交換レンズ3に衝撃が加わっても、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子とレンズ側端子との接触は保たれる。
本実施の形態では、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子はボディ側第4爪部129dの近くでもある。すなわち、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子を、VBAT(B)端子やLDET(B)端子よりもボディ側第4爪部129dに近い位置に配置した。換言すると、CLK(B)端子とボディ側第4爪部129dとの距離はVBAT(B)端子またはLDET(B)端子とボディ側第4爪部129dとの距離よりも短く、またHCLK(B)端子とボディ側第4爪部129dとの距離はVBAT(B)端子またはLDET(B)端子とボディ側第4爪部129dとの距離よりも短い。上述したようにボディ側第4爪部129dの裏側には第4板バネ141dがあり、第4板バネ141dによりレンズ側第4爪部139dを+Z方向(図1)に押し付ける。それゆえ、レンズ側第4爪部139dの近くにあるCLK(B)端子およびHCLK(B)端子は第1板バネ141aと第4板バネ141dによりVBAT(B)端子やLDET(B)端子よりも安定してレンズ側端子に強く押し付けられる。
前述したCLK(B)端子とボディ側第1爪部129a(ボディ側第4爪部129dも同様であるが、以下では省略する)との距離とは、ボディ側第1爪部129aの一端とCLK(B)端子との直線距離のことであり、ボディ側第1爪部129aの他端とCLK(B)端子との直線距離で規定してもよい。もしくは、前述したCLK(B)端子とボディ側第1爪部129aとの距離とは、ボディ側マウント部201の円周方向におけるボディ側第1爪部129aの中間の位置と、CLK(B)端子との直線距離で規定してもよい。HCLK(B)端子、VBAT(B)端子、LDET(B)端子など、他のボディ側端子とボディ側第1爪部129aとの距離も同様に直線距離である。第1板バネ141a(第4板バネ141d)とボディ側端子との距離も同様に直線距離である。
なお、前述したCLK(B)端子とボディ側第1爪部129a(ボディ側第4爪部129dも同様であるが、以下では省略する)との距離は、ボディ側マウント部201の円周方向におけるボディ側第1爪部129aの一端とCLK(B)端子との円弧状の距離と規定してもよいし、ボディ側第1爪部129aの他端とCLK(B)端子との円弧状の距離と規定してもよい。もしくは、前述したCLK(B)端子とボディ側第1爪部129aとの距離とは、ボディ側マウント部201の円周方向におけるボディ側第1爪部129aの中間の位置と、CLK(B)端子との円弧状の距離と規定してもよい。HCLK(B)端子やVBAT(B)端子やLDET(B)端子など、他のボディ側端子とボディ側第1爪部129aとの距離も同様に円弧状の距離と規定してもよい。第1板バネ141a(第4板バネ141d)とボディ側端子との距離も同様に円弧状の距離と規定してもよい。
以上はカメラボディ2について記載したが、交換レンズ3についても同様である。本実施の形態では、CLK(L)端子およびHCLK(L)端子をレンズ側第1爪部139aのすぐ傍に配置した。すなわちCLK(L)端子およびHCLK(L)端子を、VBAT(L)端子およびLDET(L)端子よりもレンズ側第1爪部139aに近い位置に配置した。換言すると、CLK(L)端子とレンズ側第1爪部139aとの距離はVBAT(L)端子またはLDET(L)端子とレンズ側第1爪部139aとの距離よりも短く、またHCLK(L)端子とレンズ側第1爪部139aとの距離はVBAT(L)端子またはLDET(L)端子とレンズ側第1爪部139aとの距離よりも短い。レンズ側第1爪部139aはボディ側の第1板バネ141aにより+Z方向(図1)に押し付けられる。それゆえ、上述と同様にレンズ側第1爪部139aの近くにあるCLK(L)端子およびHCLK(L)端子は第1板バネ141aによりVBAT(L)端子あるいはLDET(L)端子よりもボディ側端子に強く押し付けられる。
本実施の形態では、図4(a)に示すように、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子を、ボディ側マウント部201の開口の中心位置(すなわち交換レンズ3の光軸Lの位置)と円弧状のボディ側第1爪部129aとで形成される扇形(角度50の範囲)の内部に配置した。もしくは、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子を、ボディ側マウント部201の開口の中心位置(すなわち交換レンズ3の光軸Lの位置)とボディ側第1爪部129aの内周側の両端とで形成される三角形の領域の内部に配置した。そのため、ボディ側マウント部201の開口の中心位置とLDET(B)端子とを結ぶ一点鎖線151の延長線上にはボディ側第1爪部129aが存在しないが、ボディ側マウント部201の開口の中心位置とHCLK(B)端子とを結ぶ一点鎖線152の延長線上にはボディ側第1爪部129aが存在し、ボディ側マウント部201の開口の中心位置とCLK(B)端子とを結ぶ一点鎖線153の延長線上にはボディ側第1爪部129aが存在する。これにより、装着完了状態において、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子は、LDET(B)端子よりも対応するレンズ側端子に強く押し付けられる。
図5に示すように、CLK(L)端子およびHCLK(L)端子を、レンズ側マウント部301の開口の中心位置(すなわち交換レンズ3の光軸Lの位置)と円弧状のレンズ側第1爪部139aとで形成される扇形(角度60の範囲)の内部に配置した。もしくは、CLK(L)端子およびHCLK(L)端子を、レンズ側マウント部301の開口の中心位置(すなわち交換レンズ3の光軸Lの位置)とレンズ側第1爪部139aの外周側の両端とで形成される三角形の領域の内部に配置した。そのため、レンズ側マウント部301の開口の中心位置とLDET(L)端子とを結ぶ一点鎖線161の延長線上にはレンズ側第1爪部139aが存在しないが、レンズ側マウント部301の開口の中心位置とHCLK(L)端子とを結ぶ一点鎖線162の延長線上にはレンズ側第1爪部139aが存在し、レンズ側マウント部301の開口の中心位置とCLK(L)端子とを結ぶ一点鎖線163の延長線上にはレンズ側第1爪部139aが存在する。これにより、装着完了状態において、CLK(L)端子およびHCLK(L)端子は、LDET(L)端子よりも安定して対応するボディ側端子と接触する。換言すると、CLK(L)端子およびHCLK(L)端子は、LDET(L)端子よりもボディ側端子に押しつけるより強い力が働く。従って、CLK(B)端子およびHCLK(B)端子の先端が摩耗した場合であっても、カメラボディ2と交換レンズ3とのクロック信号の通信は安定して行われる。
なお本実施の形態ではCLK(B)端子、CLK(L)端子、HCLK(B)端子、HCLK(L)端子について説明してきたが、その他の通信系の端子であるHDATA(B)端子、HDATA(L)端子、DATAL(B)端子、DATAL(L)端子、DATAB(B)端子、DATAB(L)端子についても同様である。すなわちHDATA(B)端子、DATAL(B)端子、DATAB(B)端子はLDET(B)端子、VBAT(B)端子よりもボディ側第1爪部129aや第1板バネ141aに近い位置に配置されている(距離が短い)。このようにしたので、HDATA(B)端子、DATAL(B)端子、DATAB(B)端子は、VBAT(B)端子およびLDET(B)端子よりもレンズ側端子に強く押しつけられ、レンズ側端子と良好な接触を維持できる。またHDATA(L)端子、DATAL(L)端子、DATAB(L)端子はLDET(L)端子、VBAT(L)端子よりもレンズ側第1爪部139aに近い位置に配置されている(距離が短い)。このようにしたので、HDATA(L)端子、DATAL(L)端子、DATAB(L)端子は、VBAT(L)端子およびLDET(L)端子よりもボディ側端子に強く押しつけられ、レンズ側端子と良好な接触を維持できる。
コマンドデータ通信により、交換レンズ3とカメラボディ2との間でホットライン通信の通信仕様を示す値が送受信される。この値を世代と呼ぶ。この世代の値を世代情報と称することもある。世代は通常0以上の整数であるが、小数でもよい。また世代は等級と呼んでも良い。図6は、世代の例を示す説明図である。世代は、異なる通信仕様を示す。この通信仕様を、通信方式、通信方法、又は通信規格と称しても良い。この通信仕様は、通信に関する項目を少なくとも1つ有する。図6に示す例では、通信仕様は、通信に関する項目として、ホットライン通信の通信速度、ホットライン通信の通信間隔、及びホットライン通信で送信されるデータの数の3つを有する。世代が示す通信仕様は、上述した3つの項目を有することに限られず、3つの項目から選択したいずれか1つ又は2つの項目を有してもよい。
世代を用いることにより、例えば、第1〜第4世代のように異なる世代を示すことができる。世代によって示す通信仕様が異なる。ここで、異なる世代の間で、示される通信仕様の一部の項目の値が同じであっても良い。なお数字が大きい世代を上位の世代(等級)と呼ぶ。例えば第4世代は第3世代よりも上位の世代(等級)である。また世代は、通信仕様に加えて、さらに他の仕様を示してもよい。図6に示す例では、世代は、通信仕様に加えてデータ生成のサンプリング間隔の仕様を示す。また、世代は、上述した例に加えて、例えば手振れ補正の機能・能力に関する仕様を示しても良い。
ここで、通信速度は、ホットライン通信で通信されるデータの通信速度(クロック周波数)、即ち、第2レンズ通信部39から第2ボディ通信部29へデータを転送する速度である。通信間隔は、ホットライン通信でデータを転送する時間間隔である。ホットライン通信によって交換レンズ3からカメラボディ2に送信するデータとしては、フォーカスレンズの駆動に関する情報(フォーカスレンズの位置に関する情報等)や、防振レンズの駆動に関する情報(防振レンズの位置に関する情報等)、ズームレンズに関する情報(ズームレンズの状態に関する情報、焦点距離情報等)、開口絞り32の駆動に関する情報(F値に関する情報等)等が挙げられる。また、サンプリング間隔は、ホットライン通信で送信するためのデータをサンプリングする時間間隔である。例えば、レンズ位置検出部34により生成されるパルス信号を、レンズ制御部37がサンプリングする間隔である。
図6に示す例では、第1世代が示す通信仕様では、通信速度はV1(単位は、例えばMHz)、通信間隔はT1(単位は、例えばmsec)、データの数はN1(整数)である。例えば、世代が進む(等級が上がる)につれて、通信速度は速くなり、通信間隔は短くなり、データの数は増える。即ち、第2世代が示す通信仕様では、通信速度はV1よりも速いV2、通信間隔はT1よりも短いT2、データの数はN1よりも多いN2である。
また、第3世代が示す通信仕様では、通信速度はV2よりも速いV3、通信間隔はT2よりも短いT3、データの数はN2よりも多いN3である。第4世代が示す通信仕様では、通信速度はV3よりも速いV4、通信間隔はT3よりも短いT4、データの数はN3よりも多いN4である。なお、V1〜V4、T1〜T4、N1〜N4の各々は、所定の固定値であっても、所定の範囲の値でもよい。例えば、通信速度V1は、所定の固定値(例えば2.5MHz)であっても、所定の通信速度範囲v1〜v2(例えば2〜8MHz)であってもよい。また通信間隔T1は所定の固有値(例えば1msec)であっても、所定の通信間隔範囲(例えば0.5〜2msec)であってもよい。
上述したように、ホットライン通信によって送信されるデータとしては、フォーカスレンズの駆動や防振レンズの駆動や開口絞りの駆動やズームレンズの状態に関する情報等が挙げられる。例えば、データの数がN1の場合は、ホットライン通信で送信されるデータは、フォーカスレンズの駆動に関する情報である。データの数がN2の場合には、フォーカスレンズの駆動に関する情報に加えて、防振レンズの駆動に関する情報も、ホットライン通信によって送信される。また、データの数がN3の場合には、フォーカスレンズの駆動に関する情報及び防振レンズの駆動に関する情報に加えて、開口絞り32の駆動に関する情報も、ホットライン通信によって送信される。さらに、データの数がN4の場合には、フォーカスレンズの駆動に関する情報と防振レンズの駆動に関する情報と開口絞り32の駆動に関する情報に加えて、ズームレンズの状態に関する情報も、ホットライン通信によって送信される。
図6に示す例では、世代が示すホットライン通信によって送信されるデータの数が、通信仕様に含まれるとして説明した。しかし、このデータの数が通信仕様に含まれず、通信仕様とは別に世代により示されるとしてもよい。また、上述した例では、世代はデータの数を示すとして説明した。しかし、世代が、ホットライン通信によって送信されるデータを示すとしてもよい。例えば、フォーカスレンズの駆動に関する情報(フォーカスレンズの位置に関する情報等)や、防振レンズの駆動に関する情報(防振レンズの位置に関する情報等)、ズームレンズに関する情報(ズームレンズの状態に関する情報、焦点距離情報等)、開口絞り32の駆動に関する情報(F値に関する情報等)等のホットライン通信によって送信されるデータを、世代が示しても良い。
また、図6に示す例では、第1世代が示すサンプリング間隔の仕様ではサンプリング間隔はS1(単位は、例えばmsec)である。第2世代が示すサンプリング間隔の仕様では、サンプリング間隔はS1よりも短いS2であり、第3世代が示すサンプリング間隔の仕様では、サンプリング間隔はS2よりも短いS3であり、第4世代が示すサンプリング間隔の仕様では、サンプリング間隔はS3よりも短いS4である。ここで、S1〜S4も所定の固定値であっても、所定の範囲の値でもよい。
なお、第1〜第4世代と世代(等級)が変わるにつれて、通信仕様及び他の仕様の全ての項目の値が変わる必要はなく、いずれか1つ、またはそれ以上の項目の値を変えるようにしてもよい。例えば、世代が進むにつれて、通信速度が速くなるが、通信間隔、及びデータの数は変化しないようにしてもよい。上述のように、ホットライン通信の各世代が通信仕様に加えて、サンプリング間隔の仕様及び手振れ補正の機能・能力に関する仕様を示しても良い。この場合、世代が変わるにつれて、通信仕様の1つの項目の値のみを変えてもよく、また、通信仕様の2つまたは3つの項目の値を変えてもよく、さらに、世代が変わるにつれて、通信仕様に加えてサンプリング間隔の仕様及び手振れ補正の機能・能力に関する仕様を変えるようにしてもよい。
次に、世代が示す通信仕様と交換レンズ3とカメラボディ2との関係を説明する。第1世代が示す通信仕様でホットライン通信が可能な交換レンズ3及びカメラボディ2を、それぞれ第1世代の交換レンズ3及び第1世代のカメラボディ2と称する。また、第2世代が示す通信仕様でホットライン通信が可能な交換レンズ3及びカメラボディ2を、それぞれ第2世代の交換レンズ3及び第2世代のカメラボディ2と称する。同様に、第3世代が示す通信仕様でホットライン通信が可能な交換レンズ3及びカメラボディ2をそれぞれ第3世代の交換レンズ3及び第3世代のカメラボディ2と称する。第4世代が示す通信仕様でホットライン通信が可能な交換レンズ3及びカメラボディ2を第4世代の交換レンズ3及び第4世代のカメラボディ2と称する。
なお、本実施の形態では、「第1世代が示す通信仕様」という共通の通信仕様で通信可能な機能をそれぞれ有する複数の交換レンズ及び複数のカメラボディをそれぞれ、総して「第1世代の交換レンズ」及び「第1世代のカメラボディ」と称した。第2世代、第3世代、第4世代についても、同様である。「第1世代が示す通信仕様」は「第1の通信仕様」と称してもよい。「第1世代の交換レンズ」及び「第1世代のカメラボディ」を、「第1の交換レンズ」及び「第1のカメラボディ」とそれぞれ称してもよい。
なお、各世代が示す通信仕様に対応する交換レンズ3及びカメラボディ2は、それよりも前の世代(数字の小さい世代・低い等級)が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うことも可能である。即ち、第1世代の交換レンズ3と第1世代のカメラボディ2とは、共に、第1世代が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うが、第2世代の交換レンズ3及びカメラボディ2では、それぞれ第2世代が示す通信仕様だけでなく第1世代が示す通信仕様にも対応可能である。また、第3世代の交換レンズ3及びカメラボディ2では、それぞれ第1〜第3世代が示す通信仕様に、第4世代の交換レンズ3及びカメラボディ2では、それぞれ第1〜第4世代が示す通信仕様に対応可能である。仮に第4世代の交換レンズ3と第3世代のカメラボディ2とを組み合わせた場合は、共通の通信仕様である第3世代が示す通信仕様、第2世代が示す通信仕様、第1世代が示す通信仕様のいずれかに従ってホットライン通信を行うことができる。しかし、カメラボディ2が第4世代が示す通信仕様に対応していないので、第4世代が示す通信仕様に従ったホットライン通信を行うことはできない。もしくはホットライン通信は開始されない。
図7は、第1世代〜第4世代の交換レンズ3と第1世代〜第4世代のカメラボディ2とを組み合わせた場合に、ホットライン通信を行う際に用いられる通信仕様を示す世代を説明する表である。図7は、横軸にカメラボディ2の世代をとり、縦軸に交換レンズ3の世代をとり、それぞれの組み合わせによるホットライン通信の通信仕様を示す世代を説明する。
以下に示すように、交換レンズ3とカメラボディ2とを組み合わせた場合に取りうる最も上位の世代(最も数字の大きい世代・最も高い世代、最も上の等級)が示す通信仕様でホットライン通信を行うことが好ましい。ただし、最も上位の世代でなく、より下位の世代が示す通信仕様でホットライン通信を行っても構わない。
第1世代の交換レンズ3が第1世代〜第4世代のカメラボディ2に装着された場合には、いずれの場合も第1世代が示す通信仕様に従って、ホットライン通信が行われる。
第2世代の交換レンズ3が第1〜第4世代のカメラボディ2に装着された場合には、第1世代のカメラボディ2とは第1世代が示す通信仕様に従ってホットライン通信が行われ、第2〜第4世代のカメラボディ2とは第2世代が示す通信仕様に従ってホットライン通信が行われる。
第3世代の交換レンズ3が第1〜第4世代のカメラボディ2に装着された場合には、以下の通りである。第3世代の交換レンズ3は、第1世代のカメラボディ2とは第1世代が示す通信仕様に従って、第2世代のカメラボディ2とは第2世代が示す通信仕様に従って、第3〜第4世代のカメラボディ2とは第3世代が示す通信仕様に従って、それぞれホットライン通信が行われる。なお、第3世代の交換レンズ3は、第2世代のカメラボディ2とは最も上位の世代(最も数字の大きい世代・最も高い世代、最も上の等級)ではなく下位の世代(数字の小さい世代・前の世代)である第1世代が示す通信仕様に従って通信を行っても良く、第3世代のカメラボディ2および第4世代のカメラボディ2とは第1世代または第2世代が示す通信仕様に従って通信を行っても良い。
第4世代の交換レンズ3が第1〜第4世代のカメラボディ2に装着された場合には、以下の通りである。第4世代の交換レンズ3は、第1世代のカメラボディ2とは第1世代が示す通信仕様に従って、第2世代のカメラボディ2とは第2世代が示す通信仕様に従って、それぞれホットライン通信が行われる。更に、第4世代の交換レンズ3は、第3世代のカメラボディ2とは第3世代が示す通信仕様に従って、第4世代のカメラボディ2とは第4世代が示す通信仕様に従って、それぞれホットライン通信が行われる。
なお、第4世代の交換レンズ3は、第2世代のカメラボディ2とは第1世代が示す通信仕様に従って通信を行っても良く、第3世代のカメラボディ2とは第1世代または第2世代が示す通信仕様に従って通信を行っても良い。また第4世代のカメラボディ2とは第1世代または第2世代または第3世代が示す通信仕様に従って通信を行っても良い。
次に、コマンドデータ通信で、交換レンズ3からカメラボディ2に、逆にカメラボディ2から交換レンズ3にそれぞれ送信される世代情報について説明する。コマンドデータ通信において、交換レンズ3からカメラボディ2に、例えば、レンズ側世代情報「1」、「2」、「3」、又は「4」を示すデータが送信される。レンズ側世代情報「1」、「2」、「3」、又は「4」は、それぞれ、交換レンズ3が第1世代、第2世代、第3世代、又は第4世代であることを示す。
なお、レンズ側世代情報が第1世代であることは、交換レンズ3が第1世代が示す通信仕様に対応することを示している。同様に、レンズ側世代情報が第2世代であることは、交換レンズ3が第1世代が示す通信仕様と第2世代が示す通信仕様の両方に対応することを示している。レンズ側世代情報が第3世代であることは、交換レンズ3が第1世代と第2世代と第3世代の3つの世代が示す通信仕様に対応することを示し、レンズ側世代情報が第4世代であることは、交換レンズ3が第1世代、第2世代、第3世代、第4世代の4つの世代が示す通信仕様に対応することを示している。
また、カメラボディ2から交換レンズ3に送信される世代情報は、後述するが、レンズ側世代情報とボディ側世代情報とに基づいてカメラボディ2で決定され、カメラボディ2とカメラボディ2に装着された交換レンズ3とがホットライン通信を行う際に用いる通信仕様を示す世代を表している。コマンドデータ通信において、カメラボディ2から交換レンズ3に、例えば、世代情報「1」、「2」、「3」、又は「4」が送信される。その世代情報「1」、「2」、「3」、又は「4」は、それぞれ、ホットライン通信を行うときに使用する通信仕様がそれぞれ第1世代、第2世代、第3世代、又は第4世代により示されることを示す。
例えば、第2世代までしか対応していない交換レンズ3から第2の世代情報(第2世代)が、第2世代までしか対応していないカメラボディ2に送信されると、カメラボディ2も同一の世代(第2世代)まで対応しているので、最も上位の世代である第2世代を交換レンズ3に送信する。この同一の世代情報(第2世代)をカメラボディ2から交換レンズ3へ送信することは、同一の世代(第2世代)が示す通信仕様を使用することを交換レンズ3にカメラボディ2が要求していることを示している。
また、例えば第3世代までしか対応していない交換レンズ3が、より上位世代である第4世代のカメラボディ2に装着された場合には、交換レンズ3から第3世代の世代情報がカメラボディ2に送信され、カメラボディ2は、カメラボディ2と交換レンズ3とで共通する最も上位の世代、この場合は自身の世代(第4世代)よりも低い世代(下位)である第3世代の世代情報を交換レンズ3に送信する。このカメラボディ2から送信された低い世代(第3世代)の世代情報は、交換レンズ3に、交換レンズ3が対応する最も高い世代である第3世代が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うことを要求するものである。
また、例えば第4世代まで対応している交換レンズ3が、より低い世代である第3世代のカメラボディ2に装着された場合には、交換レンズ3からは第4世代の世代情報がカメラボディ2に送信されるが、カメラボディ2は、自身が第4世代が示す通信仕様に対応していないため、自身の最も高い世代である第3世代の世代情報を交換レンズ3に送信する。このカメラボディ2から送信された交換レンズ3にとっては低い世代(第3世代)の世代情報は、交換レンズ3に、カメラボディ2が対応する最も高い世代である第3世代が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うことを要求するものである。
上述したように、世代は、異なる通信仕様を示す。通信仕様は、通信に関する項目を少なくとも1つ有しており、通信に関する項目として、例えば、ホットライン通信の通信速度、ホットライン通信の通信間隔、及びホットライン通信で送信されるデータの数等を有する。そして、世代情報は、交換レンズ及びカメラボディがホットライン通信により通信可能である通信仕様を示す。
交換レンズ3とカメラボディ2との間のホットライン通信において使用される通信仕様を示す世代の決定方法を以下に具体的に説明する。
交換レンズ3がカメラボディ2に装着されると、交換レンズ3とカメラボディ2との間でコマンドデータ通信を使用して初期化通信が開始される。初期化通信の中で、レンズ側世代情報の送信を要求するコマンドがカメラボディ2から交換レンズ3へ送信されると、第1レンズ通信部38は、レンズメモリ36に記憶されたレンズ側世代情報を、コマンドデータ通信によって第1ボディ通信部28に送信する。ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28を介して、装着されている交換レンズ3の世代情報を取得し、交換レンズ3が対応可能な通信仕様を示す世代を把握する。例えば、交換レンズ3の世代情報が第3世代を表す「3」である場合には、ボディ制御部27は、交換レンズ3は第1世代、第2世代、及び第3世代が示す通信仕様によりホットライン通信が可能であると認識する。
そして、ボディ制御部27は、レンズ側世代情報と、ボディ側世代情報とに基づき、ホットライン通信を行う際の通信仕様を示す世代を以下のように決定する。交換レンズ3が対応可能な通信仕様を示す世代とカメラボディ2が対応可能な通信仕様を示す世代とで共通する世代の中で最も上位の世代を、ホットライン通信の通信仕様を示す世代として決定する。例えば、上述のように交換レンズ3から送信されたレンズ側世代情報が「3」、すなわち交換レンズ3は、第1世代、第2世代、第3世代が示す通信仕様でホットライン通信による通信が可能であり、ボディ側世代情報が第4世代を表す「4」である場合には、カメラボディ2は、第1世代、第2世代、第3世代、第4世代が示す通信仕様でホットライン通信による通信が可能であるので、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代の中で最も上位の世代である第3世代を選択する。
このように、ボディ制御部27は、図7に示すように交換レンズ3が対応する通信仕様を示す世代とカメラボディ2が対応する通信仕様を示す世代との間で共通する世代のうち最も上位の世代を選択する。そして、ボディ制御部27は、決定した世代情報を、第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信する。また、ボディ制御部27は、決定した世代が示す通信仕様に応じてカメラボディ2の各部を制御(設定)する。これにより、カメラボディ2は、決定した世代が示す通信仕様に従って、装着されている交換レンズ3との間でホットライン通信が実行可能となる。
コマンドデータ通信により、カメラボディ2からホットライン通信に使用する世代情報を含むコマンド及びデータが交換レンズ3に送信されると、ホットライン通信が開始される。具体的にはカメラボディ2から交換レンズ3にホットラインの通信を設定するコマンドが送信される際に、そのコマンドのデータパケットとして世代情報も一緒に送信される。
ホットライン通信の開始にあたり、レンズ制御部37はカメラボディ2が決定した世代情報、すなわち第1レンズ通信部38を介してカメラボディ2から取得した世代情報が示す通信仕様に従って、ホットライン通信が可能な状態となるように、交換レンズ3の各部を設定・制御する。これにより、交換レンズ3は、カメラボディ2により決定された世代が示す通信仕様に従って、カメラボディ2との間でホットライン通信が実行可能となる。
このように、カメラボディ2から交換レンズ3へホットライン通信を設定するコマンドと第1世代以上の世代情報が送信されると、交換レンズ3からのホットライン通信が開始される。すなわちカメラボディ2からホットラインの通信を設定するコマンドとホットライン通信に使用する通信仕様を示す世代情報(世代情報を示す値)が交換レンズ3に送られることにより、ホットライン通信が開始される。
なお、ボディ制御部27は、交換レンズ3及びカメラボディ2が共に対応する世代のうち、最も高い世代が示す通信仕様とは異なる通信仕様を選択するようにしてもよい。例えば、最も上位の世代が示す通信仕様を採用すると通信周波数と撮像素子などの駆動周波数との干渉が起こる場合に、それよりも下位の世代が示す通信仕様を採用することによって、この干渉を回避することができる。
このように、本実施の形態では、交換レンズ3は、通信速度や通信間隔等の項目を有する通信仕様を示す世代を、レンズ側世代情報として、カメラボディ2に送信する。カメラボディ2は、レンズ側世代情報を受信することで、交換レンズ3が対応可能な通信仕様(通信速度等)を把握することができる。交換レンズ3が対応可能な通信速度、通信間隔等を個別に複数回の通信によってカメラボディ2に通知する場合と比較して、レンズ側世代情報を交換レンズ3からカメラボディ2に送信するのでデータ量が削減され、通信時間及び通信回数を短縮することができる。また交換レンズ3によって対応可能な通信速度、通信間隔等が交換レンズ3からカメラボディ2へ個別に送られた場合、交換レンズ3から送られた通信速度、通信間隔等に矛盾がないどうかカメラボディ2がチェックする必要がある。しかしながら、本実施の形態では、世代(世代情報)が矛盾の無い通信仕様(通信速度、通信間隔等)を示しているので、ボディ制御部27は交換レンズ3から受信した通信速度、通信間隔等の矛盾をチェックする必要はない。
これまでの説明では世代情報として第1世代、第2世代、第3世代、第4世代を例として説明したが、世代情報はこれらに限られることはなく第5世代またはそれ以上の世代情報であっても構わない。
また世代情報の値として「0」を使用することができる。世代情報の値が「0」は、カメラボディ2と交換レンズ3との間でのホットライン通信で用いる通信仕様を示す世代を決定して通信を開始するために使用するのではなく、ホットライン通信を行わないこと、もしくは一度開始したホットライン通信を停止するために使用する。仮にオートフォーカスに対応していないマニュアルフォーカスレンズであっても、フォーカスレンズの位置を検出できるならば、検出したフォーカスレンズ位置をカメラボディ2へホットライン通信で送信しても構わない。しかし例えばフォーカスレンズの位置を検出する機構のないマニュアルフォーカスレンズでは、そもそもフォーカスレンズ位置を交換レンズ3からカメラボディ2へ送信する必要はなく、フォーカスレンズ位置を送信するためのホットライン通信を行う必要がない。フォーカスレンズ位置以外の情報についてもカメラボディ2へ送信する必要がない場合には交換レンズ3とカメラボディ2との間でホットライン通信を行う必要が無い。そのため、このようなホットライン通信を行う必要のないホットライン通信非対応の交換レンズ3をカメラボディ2に装着した場合には、交換レンズ3からカメラボディ2へ世代情報の値として「0」が送信される。それに対してカメラボディ2は交換レンズ3に対して、ホットライン通信を設定するコマンドと世代情報を示すデータパケットとして値「0」を一緒に送信する。交換レンズ3はデータパケット「0」を受信すると、カメラボディ2との間でホットライン通信は開始しない。
また、カメラボディ2は交換レンズ3に対して世代情報の値「0」を送信することによってホットライン通信を終了させることができる。カメラボディ2と交換レンズ3との間で開始されたホットライン通信は、カメラボディ2の電源スイッチが操作されたことによる電源オフや一定時間操作がされないことによる電源オフ(休止状態、スリープ状態とも呼ばれる)、画像再生モード、メニュー表示に際して、ホットライン通信を終了するようにしても良い。ホットライン通信を終了する場合には、カメラボディ2から交換レンズ3にホットラインの通信を設定するコマンドと世代情報を示すデータパケットとして値「0」を送信する。交換レンズ3は、カメラボディ2からコマンドデータ通信によって世代情報の値「1」〜「4」を受信するとホットライン通信を開始し、カメラボディ2からコマンドデータ通信で世代情報の値「0」を受信するとホットライン通信を終了する。なお、通信を開始しない世代情報のパラメータあるいは通信を停止する世代情報のパラメータは、「0」に限ることなく「99」などの特定の値でも良い。
このように世代情報としては「0」以上の値(整数)を使用することができる。交換レンズ3から世代情報として「1」以上の整数がカメラボディ2に送信されると、カメラボディ2はカメラボディ2で通信可能な通信仕様を示す世代を決定し、交換レンズ3はホットライン通信を設定するコマンドとカメラボディ2が決定した「1」以上の世代情報をカメラボディ2から受信することにより、ホットライン通信を開始する。
また、交換レンズ3から世代情報として「0」がカメラボディ2に送信されると、カメラボディ2は交換レンズ3がホットライン通信を行わない交換レンズであると認識し、カメラボディ2は交換レンズ3に世代情報として「0」を送信する。交換レンズ3はホットライン通信を設定するコマンドと「0」である世代情報をカメラボディ2から受信することにより、ホットライン通信を開始しない。なお、交換レンズ3から世代情報として「0」がカメラボディ2に送信された場合、カメラボディ2は交換レンズ3に「0」を送信することなく、ホットライン通信の設定コマンドも送信しなくても良い。
さらに交換レンズ3がカメラボディ2からホットライン通信を設定するコマンドとカメラボディ2が決定した「1」以上の世代情報を受信して、ホットライン通信を開始した後、カメラボディ2からホットライン通信を設定するコマンドと「0」である世代情報を交換レンズ3が受信すると、交換レンズ3はホットライン通信を停止する。
このようにホットライン通信を行わない、もしくは一度開始したホットライン通信を停止する場合には、交換レンズ3はホットライン通信を設定するコマンドと「0」である世代情報をカメラボディ2から受信すれば良いので、ホットライン通信を停止する専用のコマンドは必要ない。そのためコマンドの数を減らすことができる。またホットライン通信の開始、停止で同じコマンドを使うことができるので、制御が簡便になる。
カメラボディ2から交換レンズ3への世代情報の送信は、ホットライン通信に使用する通信仕様を示す世代情報を送るだけではなく、ホットライン通信を設定するコマンドの後に送られることによって、ホットライン通信を開始すること、ホットライン通信を開始しないこと、もしくは一度開始したホットライン通信を停止することを示している。
図8は、第1の実施の形態に係る撮像装置であるカメラ1における世代情報の決定に従って行われるホットライン通信の一例を示す図である。図8では、レンズとしてフォーカスレンズを駆動した場合について説明する。図8(a)はフォーカスレンズの光軸方向における実際の位置(L1)の時間的変化を模式的に示し、図8(b)はフォーカスレンズの移動に応じてレンズ位置検出部34のエンコーダから出力されるパルス信号を示し、図8(c)はレンズ制御部37によるパルス信号のサンプリングを示し、図8(d)はカメラボディ2と交換レンズ3との間のコマンドデータ通信(CD1〜CD3)およびホットライン通信(HL1〜HL6)を示し、図8(e)はホットライン通信で受信したパルス信号の積算値(パルス位置情報)に基づいてカメラボディ2でフォーカスレンズの位置(パルス位置)を復元した際の、そのフォーカスレンズの位置(L2)の時間変化を模式的に示す。図8において、(a)〜(e)の横軸は共通の時間軸である。
図8(a)の曲線L1は、横軸を時間、縦軸をフォーカスレンズの光軸L方向の位置として、フォーカスレンズの位置の時間的変化を模式的に表している。図8(b)は、上述したレンズ位置検出部34のエンコーダから出力されるパルス信号を示している。このパルス信号の数は、フォーカスレンズの移動量に対応しており、フォーカスレンズが駆動され所定量移動するごとに発生するパルス信号であり、フォーカスレンズの位置の変化が大きい場合に多く発生する。すなわち、フォーカスレンズの移動速度が大きくなる程、単位時間あたりのパルス信号の発生頻度が多くなる。レンズ制御部37が上記のパルス信号を積算し生成したフォーカスレンズのパルス位置情報(積算したパルス数で表したフォーカスレンズの位置)を各ホットライン通信によって交換レンズ3からカメラボディ2に送信する。なお図8(b)のパルス信号は、レンズ駆動部33の駆動回路から出力されるパルス信号でも構わない。図8(e)の曲線L2は、横軸を時間、縦軸をフォーカスレンズの光軸L方向の位置として、各ホットライン通信で受信したパルス位置情報に基づいて、カメラボディ2で再現したフォーカスレンズの位置の時間的変化を模式的に表している。
なお、上述のようにコマンドデータ通信とホットライン通信とは、互いに異なる通信路を用いて行われるが、図8(d)においては、コマンドデータ通信(CD1〜CD3)とホットライン通信(HL1〜HL6)とを合わせて図示している。コマンドデータ通信(CD1〜CD3)を破線の両矢印で示し、ホットライン通信(HL1〜HL6)を実線の矢印で示している。コマンドデータ通信は、カメラボディ2と交換レンズ3との間の双方向の通信であり、ホットライン通信は交換レンズ3からカメラボディ2への通信である。
コマンドデータ通信CD1において、交換レンズ3のレンズ制御部37は第1レンズ通信部38により、交換レンズ3のレンズ側世代情報をカメラボディ2の第1ボディ通信部28に送信する。カメラボディ2のボディ制御部27は、第1ボディ通信部28により交換レンズ3のレンズ側世代情報が受信された場合、そのレンズ側世代情報とカメラボディ2自身が有するボディ側世代情報とに基づいて、上述したようにホットライン通信を行う際の通信仕様を示す世代を決定する。
コマンドデータ通信CD2において、第1ボディ通信部28は、ホットラインの通信の設定を要求するコマンドパケット及びデータパケットを、第1レンズ通信部38に送信する。このデータパケットには、ボディ制御部27によって決定された通信仕様を示す世代情報が含まれる。第1レンズ通信部38によりホットライン通信の設定を要求するコマンドパケット及びデータパケットが受信されると、レンズ制御部37は、そのデータパケットに含まれる世代情報が示す通信仕様に従って通信可能となるように、交換レンズ3の各部を設定・制御する処理を行う。
なおコマンドデータ通信CD2において、後述するずれ時間Δtに対応する情報を交換レンズ3からカメラボディ2へ送信する。
図8(c)に示すように、ホットライン通信の設定を要求するコマンドパケット及びデータパケット(コマンドデータ通信CD2)を受信したレンズ制御部37は、時刻t1においてレンズ位置検出部34からのパルス信号のサンプリングを開始する。レンズ制御部37は、パルス信号をサンプリング(カウント)することで、サンプリング時間内にサンプリングしたパルス信号の積算値の情報を生成可能な状態になる。第2レンズ通信部39は、フォトインタラプタで検出した原点位置からのパルス信号の積算値(パルス位置情報)をカメラボディ2に対して送信可能な状態となる。
なおパルス信号のサンプリングを時刻t1以前から行い、CD2を受信した後、時刻t1からパルス位置情報をカメラボディ2に送信するようにしても良い。
第1ボディ通信部28は、フォーカスレンズの駆動を指示する信号(駆動コマンド)を、コマンドデータ通信CD3として第1レンズ通信部38に送信する。レンズ制御部37は、この駆動コマンドに基づいてフォーカスレンズの移動を開始させる。
図8(c)に示すように、レンズ制御部37は、決定された世代が示すサンプリング間隔の仕様に則ったサンプリング間隔で、レンズ位置検出部34から出力されるパルス信号をサンプリング(カウント)する。レンズ制御部37は、まず時刻t1から時刻t2までにレンズ位置検出部34から出力されるパルス信号をサンプリングし、パルス信号を積算したパルス位置情報を生成する。そしてレンズ制御部37は、時刻t2以降も決定された世代が示すサンプリング間隔の仕様に応じたサンプリング間隔で、レンズ位置検出部34から出力されるパルス信号をサンプリングする。上述したように、レンズ制御部37は、ホットライン通信を終了指示する世代情報の値「0」を受信するまでパルス信号のサンプリングを継続する。
ホットライン通信HL1において、第2レンズ通信部39は、時刻t1から時刻t2の間においてサンプリングされたパルス信号の積算値(図8の例では、パルス信号の積算値は1)をパルス位置情報として、第2ボディ通信部29に送信する。
ホットライン通信HL2においては、第2レンズ通信部39は、時刻t1から時刻t2までにサンプリングされたパルス信号の積算値(図8の例では、パルス数は1パルス)及び時刻t2から時刻t3の間においてサンプリングされたパルス信号の積算値(図8の例では、パルス数は2パルス)を加算したパルス数(図8の例では、加算パルス数は3パルス)で表されるパルス位置情報を、第2ボディ通信部29に送信する。ホットライン通信HL3、HL4、HL5、HL6・・・では、第2レンズ通信部39は、期間t3〜t4、t4〜t5、t5〜t6、t6〜t7・・・においてサンプリングされたそれぞれのパルス数をそれ以前にサンプリングされた積算パルス数に加算したパルス数を積算したパルス数で表されるパルス位置情報として、第2ボディ通信部29に送信する。
なお、第2レンズ通信部39及び第2ボディ通信部29による各ホットライン通信は、上述したようにボディ制御部27によって決定された世代が示す通信仕様の通信速度、通信間隔で実行される。本実施形態では、通信速度は2.5MHzで、通信間隔は1msecである。すなわち、HL1、HL2、HL3、HL4、HL5、HL6・・・は1msecごとに2.5MHzのクロック周波数に同期させて、レンズ制御部37からボディ制御部27へ送信される。
以上のように、時刻t1から時刻t2までの間隔、時刻t2から時刻t3までの間隔、時刻t3から時刻t4までの間隔、時刻t4から時刻t5までの間隔、時刻t5から時刻t6までの間隔、及び時刻t6から時刻t7までの間隔は、それぞれ決定された世代が示すサンプリング間隔の仕様のサンプリング間隔となる。
また、ホットライン通信HL1〜HL2の間隔、ホットライン通信HL2〜HL3の間隔、ホットライン通信HL3〜HL4の間隔、ホットライン通信HL4〜HL5の間隔、及びホットライン通信HL5〜HL6の間隔は、それぞれ決定された世代が示す通信仕様の通信間隔となる。なお、本実施の形態では、サンプリング間隔と通信間隔とは、同一の時間間隔である。勿論、サンプリング間隔と通信間隔とは互いに異なる間隔であってもよい。例えば、通信間隔を、サンプリング間隔の2倍の間隔としてもよい。
第2ボディ通信部29により通信間隔毎に繰り返し受信される積算したパルス信号数で表されるパルス位置情報は、カメラボディ2のボディメモリ22に順次記憶される。パルス位置情報のボディメモリ22への転送は、例えばDMA(Direct Memory Access)によって行われる。ボディ制御部27は、任意のタイミング(例えば撮像素子の垂直同期信号が出力されるタイミングなど。図8では、時刻t6と時刻t7の間の時刻ta)でボディメモリ22に記憶されたパルス位置情報を参照し、後述する方法によって各パルス位置情報が交換レンズ3において生成された時刻(交換レンズ側の時刻t2〜t6)を算出する。ボディ制御部27は、各パルス位置情報と、それらパルス位置情報の生成時刻との対応付けを行うことによって、図8(e)に曲線L2で示すように、各時刻におけるフォーカスレンズの位置を把握する。なお第2ボディ通信部29により通信間隔毎に繰り返し受信される位置情報は積算されたパルス信号数で表されるパルス位置情報に限られず、交換レンズ3のレンズ制御部37がサンプリング期間内にサンプリングしたパルス信号を第2ボディ通信部29が受信し、ボディ制御部27がパルス信号を積算してレンズのパルス位置情報を生成しても構わない。
生成時刻と対応付けられたパルス位置情報は、例えば上述した位相差AFに用いられる。ボディ制御部27は、上述したように撮像素子21から出力される焦点検出信号を用いてデフォーカス量を算出する。ボディ制御部27は、算出したデフォーカス量に基づいてフォーカスレンズの駆動を指示する信号を生成し、生成した駆動指示信号(駆動コマンド)をコマンドデータ通信によってレンズ制御部37に出力する。レンズ制御部37は、フォーカスレンズを駆動制御すると共に、パルス位置情報をボディ制御部27に送信する。ボディ制御部27は、パルス位置情報に基づいて各時刻におけるフォーカスレンズの位置を把握し、レンズ制御部37に指示したフォーカスレンズの移動量(デフォーカス量)に対してフォーカスレンズがどこまで移動したかを確認する。
また、生成時刻と対応付けられたパルス位置情報は、上述したコントラストAFに用いることができる。ボディ制御部27は、パルス位置情報の生成時刻と、コントラスト評価値の算出に用いた撮像素子21の信号の生成時刻とに基づき、フォーカスレンズのパルス位置情報とコントラスト評価値との対応付けを行う。これにより、ボディ制御部27は、各時刻におけるフォーカスレンズの位置及びコントラスト評価値を把握することができる。ボディ制御部27は、コントラスト評価値がピークとなるフォーカスレンズのパルス位置を合焦位置として算出する。そして、ボディ制御部27は、算出した合焦位置に基づいてフォーカスレンズの駆動を指示する信号を生成し、生成した駆動指示信号(駆動コマンド)をコマンドデータ通信によってレンズ制御部37に出力する。レンズ制御部37は、フォーカスレンズを合焦位置に移動させる駆動制御を行い、焦点調節を行う。
ここで、カメラボディ2が復元生成するレンズ位置に関して、カメラボディ2と交換レンズ3とのそれぞれのクロックタイミングの違いにより生じうるずれについて記載する。カメラボディ2と交換レンズ3とは個別のクロックを使用して動作している。すなわち、カメラボディ2はカメラボディ2内でカメラボディ自身が使用するクロックを生成し、交換レンズ3は交換レンズ3内で交換レンズ自身が使用するクロックを独自に生成している。カメラボディ2内のクロックの周波数と交換レンズ3内のクロックの周波数とは、同じ周波数である場合もあれば、異なる周波数の場合もある。仮に、カメラボディ2と交換レンズ3とで同じ周波数のクロックを生成し、かつクロックタイミング(立ち上がりと立ち下がり)とが完全に同期していれば、カメラボディ2は交換レンズ3が生成した信号の生成時刻を把握できる。しかしカメラボディ2と交換レンズ3のクロックタイミング、すなわちクロック周波数やクロックの立ち上がり立ち下がりタイミングが異なる場合は、カメラボディ2は、交換レンズ3が信号を生成した時刻が正確に把握できずに、実際のレンズの位置とカメラボディ2で復元生成するレンズの位置との間に時間的なずれが生じてしまう。
以下では、カメラボディ2と交換レンズ3のクロックタイミングが異なる場合において、カメラボディ2が、交換レンズ3がパルス位置情報(パルス信号の積算値)を生成した時刻(交換レンズ側の時刻t2〜t6)を算出する方法について説明する。パルス位置情報は、図8(b)〜(d)を用いて上述したように、レンズ制御部37がレンズ位置検出部34またはレンズ駆動部33からのパルス信号を所定の周期でサンプリングして生成される。レンズ制御部37によるパルス信号のサンプリングは、交換レンズ3の内部で用いられるクロック信号(以下、レンズ用クロック信号と称する)に応じて行われる。即ち、図8において、パルス信号がサンプリングされてパルス信号の積算値が生成される時刻t2、t3、t4、t5、t6、t7、・・・は、レンズ用クロック信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期したタイミングとなる。このレンズ用クロック信号は、カメラボディ2から供給されるCLK信号とは異なるクロック信号である。
ボディ制御部27は、例えばホットラインの通信を設定するためのコマンドデータ通信CD2を行った時刻を基準として、パルス信号のサンプリングが開始された時刻を把握する。ボディ制御部27がコマンドデータ通信CD2の時刻を基準としたレンズ制御部37によるパルス信号の積算値の生成時刻を把握するために、レンズ制御部37は、後述する方法によりコマンドデータ通信CD2の時刻からパルス信号のサンプリングが開始された時刻t1までの時間(図8(d)に示すずれ時間Δt)を算出する。レンズ制御部37は算出したズレ時間Δtに対応する情報を、コマンドデータ通信CD2によりカメラボディ2に送信する。
カメラボディ2のボディ制御部27は、交換レンズ3からずれ時間Δtに対応する情報を取得し、ずれ時間Δtを用いてコマンドデータ通信CD2の送信時刻からのパルス信号の積算値であるパルス位置情報の生成時刻を算出する。こうして、ボディ制御部27は、コマンドデータ通信CD2の送信時刻を基準としたパルス位置情報の生成時刻を算出する。
図9は、第1の実施の形態に係る撮像装置におけるずれ時間Δtの算出方法の一例を説明するための図である。なお、図9における時刻t−1、時刻t0、時刻t1、時刻t2は、図8における時刻t−1、時刻t0、時刻t1、時刻t2にそれぞれ対応している。コマンドパケット44及びデータパケット45は、図8に示すコマンドデータ通信CD2により、カメラボディ2から交換レンズ3に対して送信されるコマンドパケット及びデータパケットである。コマンドパケット44は、ホットライン通信の設定を指示する信号であり、データパケット45は、カメラボディ2により決定された世代情報を含む信号である。
図9の時刻t−1、t1、t2に示すパルス信号をラッチするトリガ信号は、交換レンズ3のレンズ制御部37が出力するレンズ用クロック信号に基づいて所定の周期Sで繰り返し生成されるトリガ信号である。所定の周期Sは、図8(c)のサンプリング間隔であり、この間隔は図6で説明したサンプリング間隔であり、世代情報が示すものである。レンズ制御部37は、このトリガ信号を用いて、レンズ位置検出部34またはレンズ駆動部33からのパルス信号をサンプリング間隔Sでサンプリング(ラッチ)する。
ここでずれ時間Δtを算出する方法について説明する。前提として、交換レンズ3がカメラボディ2に装着されカメラボディ2から給電が開始されると、レンズ制御部37は自身が対応可能な仕様に則ったサンプリング間隔Sでパルス信号のラッチを行っている。図9においてはコマンドデータ通信CD2が行われる直前のラッチの時刻t−1以降の時間を示す。レンズ制御部37は、コマンドデータ通信CD2のコマンドパケット44を正常に受信してRDY信号をハイレベルとした後に、時刻t0においてRDY信号をローレベルとする。レンズ制御部37は、時刻t−1から時刻t0までの時間を検出し、時刻t−1から時刻t1までの周期Sから時刻t−1から時刻t0までの時間を減算することで上述したずれ時間Δtを算出する。具体的には、レンズ制御部37は、内部のカウンタ回路等によって、時刻t−1からRDY信号の立ち下がりエッジまでの期間、レンズ用クロック信号をカウント(計数)することで、時刻t−1から時刻t0までの時間を検出する。そして、レンズ制御部37は、コマンドデータ通信CD2によって、ずれ時間Δtを示す情報をボディ制御部27に出力する。
また、レンズ制御部37は、データパケット45を受信すると、RDY信号をローレベルからハイレベルに遷移させる。また、上述したようにデータパケット45には世代情報が含まれており、レンズ制御部37は、カメラボディ2により決定された世代が示す通信仕様に従ってホットライン通信を開始する。また、レンズ制御部37は、決定された世代が示すサンプリング間隔の仕様に応じたサンプリング間隔Sでトリガ信号を生成し、パルス信号のサンプリング処理を行う(図8参照)。レンズ制御部37は、時刻t1から時刻t2までの間隔Sの間に発生するレンズ位置検出部34またはレンズ駆動部33のパルス信号をカウントする。サンプリングされたパルス信号数は、図8のホットライン通信HL1において、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される。
ボディ制御部27は、コマンドデータ通信CD2によって、レンズ制御部37からずれ時間Δtを示す情報を取得する。ボディ制御部27は、ずれ時間Δt及びサンプリング間隔Sに基づいて、パルス位置情報の生成時刻、即ちレンズ位置検出部34のエンコーダまたはレンズ駆動部33から出力されたパルス信号がサンプリングされた時刻を算出する。例えば、ボディ制御部27は、RDY信号の立ち下がり時刻t0にずれ時間Δtとサンプリング間隔Sを加算した時刻t0+Δt+Sを、パルス位置情報の生成時刻t2として算出(決定)する。また、ボディ制御部27は、パルス位置情報の生成時刻t3、t4、t5、t6を、それぞれt2+S、t2+2S、t2+3S、t2+4Sと算出する。
本実施の形態では、カメラボディ2は、パルス信号を積算したパルス位置情報が生成される時間に関するずれ時間Δtを取得し、ずれ時間Δtを用いてフォーカスレンズの位置情報を算出する。このため、カメラボディ2により算出して復元されたフォーカスレンズの位置と、交換レンズ3における実際のフォーカスレンズの位置との時間的な遅れを低減することができる。以下に、復元したフォーカスレンズの位置と実際のフォーカスレンズの位置との時間的な遅れが低減される(遅れの要因であるずれ時間Δtがキャンセルされる)ことを、比較例と対比して説明する。
比較例は、正確なずれ時間Δtを取得せずにフォーカスレンズの位置を算出するものである。ボディ制御部27は、レンズ制御部37から正確なずれ時間Δtがないので、代わりにずれ時間に相当する固定値を用いて、レンズ位置情報の生成時刻の算出を行う。しかし、カメラボディ2からのクロック信号(CLK信号)とは非同期のトリガ信号(交換レンズ3の内部で用いられるレンズ用クロック信号に基づく信号)を用いてレンズ位置情報の生成が行われるため、ずれ時間は、カメラボディ2からホットライン通信の設定を指示するコマンドが送信されるタイミング(図9に示した実施形態ではRDY信号の立下りのタイミング)に応じて変化する。この結果、ずれ時間を固定値としてしまうと、パルス位置情報と生成時刻との対応付けを行う際に誤差が生じ、フォーカスレンズの実際の位置と計算位置との差が生じてしまう。なお、レンズ用クロック信号に基づいてホットライン通信のクロック信号(HCLK信号)が生成され、交換レンズ3からカメラボディ2に出力される。
本実施の形態では、コマンド信号が送信されたタイミングとレンズ制御部37が実際にパルス信号の計測(サンプリング)を行うタイミングとのずれ時間Δtを用いてフォーカスレンズの位置を復元するため、復元したフォーカスレンズの位置と実際のフォーカスレンズの位置との時間的なずれが低減される。この結果、例えば、オートフォーカスで合焦位置とするフォーカスレンズの位置を決定する際に誤差が生じることを抑制することができる。
図10は、第1の実施形態のカメラの、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報と、カメラボディ2から交換レンズ3に送信される世代情報と、交換レンズ3からホットライン通信でデータの送信が行われる際に用いられる通信仕様を示す世代情報についての説明図である。図10に示すCD1、CD2は、図8と同様にコマンドデータ通信を示し、HLは、ホットライン通信を示す。
第1の実施形態のカメラの、第4世代の交換レンズ3及びカメラボディ2では、前の世代(数字の小さい世代・低い等級)が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うことも可能であるため、それぞれ第1〜第4世代が示す通信仕様に対応可能である。
図10に示すように、コマンドデータ通信CD1において、交換レンズ3の第1レンズ通信部38は、レンズ側世代情報として「4」をコマンドデータ通信によって第1ボディ通信部28に送信する。ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28を介して、送信されたレンズ側世代情報「4」を受信する。第4世代のカメラボディ2のボディ制御部27は、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代の中で最も上位の世代である第4世代を、ホットライン通信の通信仕様を示す世代として決定する。そして、ボディ制御部27は、決定した第4世代の世代情報「4」を、第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信する。その後、第4世代が示す通信仕様に従って、交換レンズ3はカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)交換レンズ3からホットライン通信の通信仕様を示す世代情報を、コマンドデータ通信によってカメラボディ2へ送信する。このようにしたので、カメラボディ2は、交換レンズ3からコマンドデータ通信で送信された世代情報を参照することで、交換レンズ3が対応可能な通信仕様(通信速度等)を把握することができる。そのため、カメラボディ2と交換レンズ3との間で適正な通信を行うことができる。また、通信速度や通信間隔のデータ、フォーカスレンズの駆動に関する情報(フォーカスレンズの位置に関する情報等)や、防振レンズの駆動に関する情報(防振レンズの位置に関する情報等)等のホットライン通信によって送信されるデータを個別に交換レンズ3からカメラボディ2に送る場合に比べて交換レンズ3からカメラボディ2に送信するデータ量を削減でき、交換レンズ3とカメラボディ2との間で行う通信仕様を決定するための通信時間及び通信回数を短縮することができる。ここで、世代情報の値の数は、世代情報で示す通信仕様、データの全ての組み合わせの数よりも、少ないものとなる。
また、世代情報で示す通信仕様(通信速度、通信間隔等)、サンプリング間隔の仕様を個々に交換レンズ3からカメラボディ2に送信した場合には、個々の情報に矛盾がないかどうかカメラボディ2で確認する必要がある。本実施の形態では、矛盾がない通信仕様(通信速度、通信間隔等)、サンプリング間隔の仕様を設定し、これらの仕様を示す世代情報として記憶しておくので、世代情報を受け付ければカメラボディ2で矛盾がないかどうか確認する必要はない。
また、カメラボディ2によって決定される世代が示す通信仕様に従って、交換レンズ3は生成部(レンズ制御部37)によって生成された被駆動部材(フォーカスレンズなど)に関する情報(レンズ位置情報)をホットライン通信によってカメラボディ2に送信する。それゆえ、被駆動部材であるフォーカスレンズなどの位置情報を交換レンズ3からカメラボディ2にホットライン通信を使用して高速に送信することができるのでオートフォーカスの動作が高速化される。
(2)交換レンズ3は、被駆動部材(フォーカスレンズなど)に関する情報(レンズのパルス位置情報)の生成を繰り返し、その情報をカメラボディ2に送信し、カメラボディ2から通信の開始を指示する信号を受信した時点から、レンズ制御部37により被駆動部材に関する情報が生成されるまでのずれ時間Δtを算出し、ずれ時間Δtをカメラボディ2に送信するレンズ制御部37を備える。このようにしたので、カメラボディ2は、レンズのパルス位置情報及びずれ時間Δtを用いることで、各時刻におけるフォーカスレンズの位置を把握することができる。また、本実施の形態では、カメラボディ2はずれ時間Δtを用いてフォーカスレンズの位置を復元生成する。このため、カメラボディ2により復元されたフォーカスレンズの位置と、交換レンズ3における実際のフォーカスレンズの位置との誤差を低減することができる。
(3)CLK端子とGND端子とでは、CLK端子をGND端子よりもVBAT端子から離れた位置に配置した。さらに、GND端子とVBAT端子との間にはPGND端子を配置した。これにより、コマンドデータ通信に用いられるクロック信号が送られるCLK端子へのVBAT端子に起因するノイズをシールドすることができるので、コマンドデータ通信を安定に行うことができる。そのためカメラボディ2と交換レンズ3との間で確実に世代情報を送受信することができる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施形態のカメラについて説明する。上述した第1の実施形態と共通の構成については、その説明を省略する。第2の実施形態のカメラでは、特定の状況において、カメラボディ2が対応可能な最も上位の世代より下位の世代情報を交換レンズ3に送信する構成である。図11は、第2の実施形態のカメラの、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報と、カメラボディ2から交換レンズ3に送信される世代情報と、交換レンズ3からホットライン通信でデータの送信が行われる際に用いられる通信仕様を示す世代情報についての説明図である。図11に示すCD1、CD2は、図8と同様にコマンドデータ通信を示し、HLは、ホットライン通信を示す。
第2の実施形態のカメラでは、例えば、図11に示す第4世代の交換レンズ3及びカメラボディ2は、前の世代(数字の小さい世代・低い等級)が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うことも可能であるため、それぞれ第1〜第4世代が示す通信仕様に対応可能である。図11に示すように、コマンドデータ通信CD1において、交換レンズ3の第1レンズ通信部38は、レンズ側世代情報として「4」をコマンドデータ通信によって第1ボディ通信部28に送信する。ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28を介して、送信されたレンズ側世代情報「4」を受信する。
第2の実施形態のカメラにおいては、例えば、カメラボディ2が備える電池の充電残量が少ない場合等の状況において、より消費電力の少ない下位の世代で動作するため、第4世代のカメラボディ2のボディ制御部27は、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代の中で最も上位の世代である第4世代より低い、例えば第3世代の世代情報「3」を、第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信する。交換レンズ3のレンズ制御部37は、第1レンズ通信部38を介して世代情報「3」を受信し、その後、第3世代が示す通信仕様に従って、交換レンズ3はカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う。第2の実施形態のカメラの他の動作については、図8及び図9を用いて説明したものと同様である。なお、カメラボディ2のボディ制御部27は、カメラボディ2が対応可能な通信仕様の中から任意の通信仕様を選択し、選択した通信仕様を示す世代情報を第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信するようにしてもよい。その際、カメラボディ2のボディ制御部27は、送信される世代情報が、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代であるかを認識することなく、または、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代であるか否かにかかわらず、カメラが対応可能な通信仕様の中から任意の通信仕様を選択するようにしてもよい。
第2の実施形態のカメラは、例えばカメラボディ2が備える電池の充電残量が少ない場合等の特定の状況において、より消費電力の少ない下位の世代で動作するため、カメラボディ2が対応可能な最も上位の世代より下位の世代情報を交換レンズ3に送信し、交換レンズ3はカメラボディ2から受信した世代情報が示す通信仕様に従って、カメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う。これにより、第2の実施形態のカメラは、特定の状況においてより消費電力の少ない世代での動作が可能となる。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態のカメラについて説明する。上述した第1の実施形態と共通の構成については、その説明を省略する。第3の実施形態のカメラでは、特定の状況において、カメラボディ2は、カメラボディ2が対応可能な最も上位の世代より下位の世代情報を交換レンズ3に対して送信し、交換レンズ3は、カメラボディ2から受信した世代情報と交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報が異なる場合、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報が示す通信仕様に従ってカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う構成である。
図12は、第3の実施形態のカメラの、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報と、カメラボディ2から交換レンズ3に送信される世代情報と、交換レンズ3からホットライン通信でデータの送信が行われる際に用いられる通信仕様を示す世代情報とについての説明図である。図12に示すCD1、CD2は、図8と同様にコマンドデータ通信を示し、HLは、ホットライン通信を示す。
第3の実施形態のカメラでは、例えば、図12に示す第4世代の交換レンズ3及びカメラボディ2は、前の世代(数字の小さい世代・低い等級)が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うことも可能であるため、それぞれ第1〜第4世代が示す通信仕様に対応可能である。図12に示すように、コマンドデータ通信CD1において、交換レンズ3の第1レンズ通信部38は、レンズ側世代情報として「4」をコマンドデータ通信によって第1ボディ通信部28に送信する。ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28を介して、送信されたレンズ側世代情報「4」を受信する。
第3の実施形態のカメラにおいては、第2実施形態のカメラと同様に、例えば、カメラボディ2が備える電池の充電残量が少ない場合等の状況において、より消費電力の少ない下位の世代で示す通信仕様でホットライン通信を行うため、第4世代のカメラボディ2のボディ制御部27は、カメラボディ2が対応可能な世代の中で最も上位の世代である第4世代より低い、例えば第3世代の世代情報「3」を、第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信する。交換レンズ3のレンズ制御部37は、第1レンズ通信部38を介して世代情報「3」を受信する。なお、カメラボディ2のボディ制御部27は、カメラボディ2が対応可能な通信仕様の中から任意の通信仕様を選択し、選択した通信仕様を示す世代情報を第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信するようにしてもよい。その際、カメラボディ2のボディ制御部27は、送信される世代情報が、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代であるかを認識することなく、または、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代であるか否かにかかわらず、カメラが対応可能な通信仕様の中から任意の通信仕様を選択するようにしてもよい。
ここで、交換レンズ3がカメラボディ2から受信した世代情報「3」と、交換レンズ3が交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報「4」とは異なる。このような場合、第3の実施形態のカメラの交換レンズ3は、交換レンズ3が対応可能な最も上位の世代である第4世代が示す通信仕様に従ってカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う。第3の実施形態のカメラの他の動作については、図8及び図9を用いて説明したものと同様である。
このように、第3の実施形態のカメラにおいては、カメラボディ2から受信した世代情報と、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報とが異なる場合、交換レンズ3は、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される第4世代が示す通信仕様に従ってカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う。これにより、例えばより高速の焦点調節等の動作を行う等、交換レンズ3の有する性能を活かすことが可能となる。
(第4の実施形態)
次に第4の実施形態のカメラについて説明する。上述した第1の実施形態と共通の構成については、その説明を省略する。第4の実施形態のカメラでは、第3の実施形態のカメラと同様に、特定の状況において、カメラボディ2は、カメラボディ2が対応可能な最も上位の世代より下位の世代情報を交換レンズ3に対して送信し、交換レンズ3は、カメラボディ2から受信した世代情報と交換レンズ3が対応可能な最も上位の世代情報が異なる場合、交換レンズ3が対応可能な世代が示す通信仕様に従ってカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う構成である。
図13は、第4の実施形態のカメラの、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される世代情報と、カメラボディ2から交換レンズ3に送信される世代情報と、交換レンズ3からホットライン通信でデータの送信が行われる際に用いられる通信仕様を示す世代情報とについての説明図である。図13に示すCD1、CD2は、図8と同様にコマンドデータ通信を示し、HLは、ホットライン通信を示す。
第4の実施形態のカメラでは、カメラボディ2は、前の世代(数字の小さい世代・低い等級)が示す通信仕様に従ってホットライン通信を行うことも可能であるため、例えば図13に示す例では、第4世代のカメラボディ2は第1〜第4世代が示す通信仕様によるホットライン通信に対応可能である。これに対して交換レンズ3は、一つの世代が示す通信仕様のみに従ってホットライン通信可能であり、前の世代(数字の小さい世代・低い等級)が示す通信仕様によるホットライン通信には対応していない。図13に示す例では、交換レンズ3は、第4世代が示す通信仕様に従ったホットライン通信にのみ対応可能であり、第1〜第3世代が示す通信仕様に従ったホットライン通信には対応していない。
第4の実施形態のカメラでは、図13に示すように、コマンドデータ通信CD1において、交換レンズ3の第1レンズ通信部38は、レンズ側世代情報として「4」をコマンドデータ通信によって第1ボディ通信部28に送信する。ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28を介して、送信されたレンズ側世代情報「4」を受信する。
第4の実施形態のカメラにおいては、例えば、カメラボディ2が備える電池の充電残量が少ない場合等の状況において、より消費電力の少ない下位の世代で示す通信仕様でホットライン通信を行うため、第4世代のカメラボディ2のボディ制御部27は、カメラボディ2で対応可能な最も上位の世代である第4世代より低い、例えば第3世代の世代情報「3」を、第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信する。交換レンズ3のレンズ制御部37は、第1レンズ通信部38を介して世代情報「3」を受信する。なお、カメラボディ2のボディ制御部27は、カメラボディ2が対応可能な通信仕様の中から任意の通信仕様を選択し、選択した通信仕様を示す世代情報を第1ボディ通信部28を介して第1レンズ通信部38に送信するようにしてもよい。その際、カメラボディ2のボディ制御部27は、送信される世代情報が、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代であるかを認識することなく、または、交換レンズ3とカメラボディ2とで共通する世代であるか否かにかかわらず、カメラが対応可能な通信仕様の中から任意の通信仕様を選択するようにしてもよい。
ここで、交換レンズ3がカメラボディ2から受信した世代情報「3」と、交換レンズ3が対応可能な世代情報「4」とは異なる。このような場合、第4の実施形態のカメラの交換レンズ3は、交換レンズ3が対応可能な第4世代が示す通信仕様に従ってカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う。第4の実施形態のカメラの他の動作については、図8及び図9を用いて説明したものと同様である。
このように、第4の実施形態のカメラでは、カメラボディ2から受信した世代情報と、交換レンズ3が対応可能な世代情報とが異なる場合、交換レンズ3は、交換レンズ3が対応可能な世代情報が示す通信仕様に従ってカメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行う。これにより、例えばより高速の焦点調節等の動作を行う等、交換レンズ3の有する性能を活かすことが可能となる。また、一つの世代にしか対応していない交換レンズ3であっても、カメラボディ2に対してホットライン通信でデータの送信を行うことが可能となる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、第1レンズ通信部38と第1ボディ通信部28とのコマンドデータ通信として、全二重通信を行う例について説明した。しかし、第1レンズ通信部38及び第1ボディ通信部28は、コマンドデータ通信として、半二重通信を行うようにしてもよい。
(変形例2)
上述した実施の形態では、レンズ制御部37は、図9の時刻t0から時刻t1までの時間をずれ時間Δtとして算出し、ボディ制御部27は、レンズ制御部37により算出されたずれ時間Δtを用いてレンズ位置情報の生成時刻を算出する例について説明した。しかし、レンズ制御部37は、図9の時刻t0から時刻t2までの時間(ずれ時間Δt2)を算出し、ずれ時間Δt2をカメラボディ2に出力するようにしてもよい。この場合、ボディ制御部27は、ずれ時間Δt2を用いてレンズ位置情報の生成時刻を算出する。
例えば、ボディ制御部27は、RDY信号の立ち下がり時刻t0にずれ時間Δt2を加算した時刻t0+Δt2を、レンズ位置情報の生成時刻t2として算出(決定)する。また、ボディ制御部27は、レンズ位置情報の生成時刻t3、t4、t5、t6を、それぞれt2+S、t2+2S、t2+3S、t2+4Sと算出する。
(変形例3)
上述した実施の形態では、レンズ制御部37は、第1レンズ通信部38と第2レンズ通信部39とを有したが、これらを個別に備えることなく、一つのレンズ通信部で行ってもよい。また、ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28と第2ボディ通信部29とを有したが、これらを個別に備えることなく、一つのボディ通信部で行ってもよい。
(変形例4)
上記の実施の形態では、アクセサリとしてカメラの交換レンズを例に挙げて説明したが、アクセサリは交換レンズに限らない。例えばカメラボディと交換レンズとの間に装着され、交換レンズの焦点距離を変更するテレコンバータやワイドコンバータ、接写リングなどでもよい。あるいは、上述したカメラボディのマウント規格に他のマウント規格の交換レンズを含むアクセサリを装着可能にするマウントアダプタなどにも適用できる。すなわち、カメラボディのマウントに装着して使用するアクセサリであればいずれにも同様に適用できる。その場合、レンズ側端子群、レンズ側爪部139、第1及び第2レンズ通信部38、39などは、それぞれのアクセサリのアクセサリ側端子群、アクセサリ側突出部、アクセサリ側通信部などに相当する。
上記の実施の形態では、カメラボディに取り付け可能なアクセサリとしたが、上記のカメラボディは、上述したマウント規格とは異なるカメラボディに上述したマウント規格の交換レンズを装着可能にするマウントアダプタであってもよく、そのマウントアダプタに上述したアクセサリを装着可能とする構成としてもよい。
(変形例5)
上述した実施の形態では、交換レンズ3は決定された世代が示す通信仕様の通信間隔でカメラボディ2に情報を送信する。しかしながら、交換レンズ3は決定された世代が示す通信仕様の通信間隔ごとに必ずデータを送信しなくても良い。決定された世代が示す通信仕様の通信間隔の整数倍、例えば交換レンズ3が送る通信間隔は決定された世代が示す通信仕様の通信間隔の2倍の通信間隔であっても良い。その場合、カメラボディ2は決定された世代が示す通信仕様の通信間隔の2倍の間隔で、交換レンズ3から送られるデータをすべて受け取ることができる。もちろん、2倍の通信間隔ごとでもなく、生成したデータを決定された世代が示す通信仕様の通信間隔に同期させれば、周期的でなく不定期に送信しても良い。ほかにも、交換レンズ3がデータを送る通信間隔は、決定された世代が示す通信仕様の通信間隔の3倍の通信間隔であっても良い。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。上述の実施の形態および変形例を組み合わせても良い。さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。