JP6507350B1 - 液体浸透速度検査用カラム、液体浸透速度検出装置 - Google Patents

液体浸透速度検査用カラム、液体浸透速度検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の液体浸透速度検査の高精度化を実現する。【解決手段】液体浸透速度測定用カラム100は、試料Fが内部に充填される筒部110と、筒部110の下端に配設されて、試料Fの下面F1を保持すると共に液体Eを通過させるセパレータ120と、筒部110内に配置されて、試料Fの上面F2に当接する当接面130Aを有する試料押さえ部130を備えるようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、粉体材料や繊維状材料等の各種液体の接触角等を算出するために、これら材料の圧縮成形体等に対する液体の浸透速度を検査する技術に関する。
従来、粉体材料や繊維状材料のぬれ性や接触角を検査する手法として浸透速度法が存在する。この浸透速度法では、筒状のカラムに、これら材料となる試料を充填し、このカラムを鉛直に保持した状態でその下端を液体表面に浸漬させる。この結果、カラム内の試料に対して、毛管現象によって液体が上方に浸透していくので、その重量変化を時間追尾して浸透速度を検出する。なお、浸透速度が分かると試料の接触角を理論的に算出できる。具体的には、浸透高さを検出できることを前提とすれば、Washburnの数式1を利用して、試料の接触角を算出できる。
Figure 0006507350
なお、この数式1は、浸透高さlを浸透重量Wに変換することで以下の数式2となる。
Figure 0006507350
従って、浸透重量変化が分かれば接触角が算出できることが分かる。
ところで、液体浸透速度検査用カラムは、通常、円筒状の筒部と、筒部の上端の外周面に嵌め合わせるように固定される上側ホルダ(キャップ)と、筒部の下端に交換自在に配置されるセパレータと、筒部の下端の外周面に嵌め合わせるように固定されて、セパレータを下側から保持する下側ホルダを有する(特許文献1参照)。下側ホルダには、複数個の小孔が複数形成されており、この小孔から、液体が進入して粉体に浸透していく。
液体浸透速度検査用カラムに対する試料の充填は、例えば、上側ホルダを取り外した状態のカラムを鉛直方向に起立させた状態で、筒部内に試料を挿入する。この際、同カラムを繰り返し自然落下(タッピング)させることで、着地時の衝撃によって試料を細密状態にしてもよい。
また、充填後の試料の細密状態のばらつきを抑制する為、筒部内に試料を挿入してから、筒部に押圧棒を挿入して、試料を外部から強制的に押圧し、カラム内の試料の充填高さを設定する試料充填装置を用いてもよい(以下、特許文献2参照)。
実開平2−140450号 特開2011−122960号
しかしながら、本発明者らの未公知の研究によれば、従来の液体浸透速度検出装置では、同じ粉体試料を用いても、浸透重量変化(浸透速度係数)に、どうしてもばらつきが生じることが明らかとなった。勿論、特許文献2の液体浸透速度検出装置を用いれば、試料充填装置によって、試料の充填高さ(充填体積)が強制的に設定されるため、特許文献1と比較して測定精度が向上する。しかし、依然として、測定結果を詳細に分析すると、微細なばらつきが生じ得ることが明らかとなった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、検査精度を向上させる液体浸透速度検査用カラム、及び液体浸透速度検出装置等を提供しようとするものである。
上記目的を達成する本発明は、液体の浸透速度の測定対象となる試料が内部に充填される筒部と、前記筒部の下端に配設されて、前記試料の下面を保持すると共に前記液体を通過させるセパレータと、前記筒部内に配置されて、前記試料の上面に当接する当接面を有する試料押さえ部と、を備えることを特徴とする、液体浸透速度測定用カラムである。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記試料押さえ部は、前記筒部内において軸方向の移動を規制する軸方向移動規制構造を有することを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記試料押さえ部は、前記軸方向移動規制構造として、前記筒部の内周面と当接して軸方向に係合する係合面を有することを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記試料押さえ部の前記当接面は、前記試料と外気を連通させる通気路を有することを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記試料は、外力の印加によって軸方向に圧縮された状態で充填されることを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記筒部内又は前記セパレータ内の空気を、前記筒部の下端付近から前記筒部の外側の大気空間に逃がす通気経路を有することを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記筒部の下端近傍に配設される下側ホルダを備え、前記下側ホルダは、前記セパレータを下側から保持する底部と、前記底部の周縁から上方に立設され、前記セパレータの周縁を取り囲む周壁部と、を有して構成され、前記通気経路が、前記下側ホルダの内部又は表面に形成されることを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に前記通気経路が形成されることを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に環状の隙間が形成され、前記隙間が前記通気経路を構成することを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記通気経路は、前記周壁部を径方向に貫通する貫通孔を含むことを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記筒部の上端近傍に配設される上側ホルダと、前記筒部の下端近傍に配設される下側ホルダと、前記筒部の周囲において軸方向に延在して、前記上側ホルダと前記下側ホルダを連結する連結部と、を備えることを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記上側ホルダと前記下側ホルダによって、前記筒部を軸方向に挟み込む構造となることを特徴とする。
上記目的を達成する本発明は、液体の浸透速度の測定対象となる試料が内部に充填される筒部と、前記筒部の下端に配設されて、前記試料の下面を保持すると共に前記液体を通過させるセパレータと、前記筒部内又は前記セパレータ内の空気を、前記筒部の下端付近から前記筒部の外側の大気空間に逃がす通気経路と、を有することを特徴とする、液体浸透速度測定用カラムである。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記筒部の下端近傍に配設される下側ホルダを備え、前記下側ホルダは、前記セパレータを下側から保持する底部と、前記底部の周縁から上方に立設され、前記セパレータの周縁を取り囲む周壁部と、を有して構成され、前記通気経路が、前記下側ホルダの内部又は表面に形成されることを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に前記通気経路が形成されることを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に環状の隙間が形成され、前記隙間が前記通気経路を構成することを特徴とする。
上記液体浸透速度測定用カラムに関連して、前記通気経路は、前記周壁部を径方向に貫通する貫通孔を含むことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明は、液体を貯留する液体容器と、上記のいずれかに記載の液体浸透速度測定用カラムと、前記液体浸透速度測定用カラムを前記液体容器の上方において垂下させると共に、該液体浸透速度測定用カラムの質量を測定する質量測定装置と、前記液体容器と前記液体浸透速度測定用カラムを鉛直方向に相対移動させて、前記液体浸透速度測定用カラムの前記セパレータを前記液体の液面に接触させる昇降装置と、を備えることを特徴とする液体浸透速度測定装置である。
上記目的を達成する本発明は、上記浸透速度測定装置に関連して、筒部に試料が充填された液体浸透速度測定用カラムを鉛直方向に配設して、前記筒部内の試料の上端面を試料押さえ部によって鉛直下方に押圧した状態のまま、前記筒部の下端に液体を接触させる接液ステップと、前記液体浸透速度測定用カラムの重量変化に基づいて、前記液体が前記試料に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップと、を備えることを特徴とする液体浸透速度測定方法である。
上記液体浸透速度測定方法に関連して、前記接液ステップの前に、 前記筒部に押圧棒を挿入して、試料を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップを有することを特徴とする。
本発明によれば、繰り返し再現性の高い液体浸透速度測定を実現できるという優れた効果を奏し得る。
本発明の実施形態に係る液体浸透速度測定装置の全体構造を示す側面図である。 (A)は同測定装置に適用される液体浸透速度検査用カラムの全体構造を示す側面断面図であり、(B)は同カラムの平面図であり、(C)は(A)のC−C矢視断面図であり、(D)は同カラムの底面図である。 同カラムを拡大した側面断面図である。 同カラムの一部を拡大して示す側面断面図である。 同カラムの変形例を示す側面断面図である。 (A)は同カラムの下端近傍の変形例を示す側面断面図及び平面断面図であり、(B)乃至(E)は同カラムの下端近傍の他の変形例を示す側面断面図である。 同カラムの充填装置を示す斜視図である。 本実施形態の実施例1の測定結果を示すグラフ図である。 本実施形態の実施例2の測定結果を示すグラフ図である。 本実施形態の実施例3に適用されるカラムの構造を示す側面断面図である 本実施形態の実施例3の測定結果を示すグラフ図である。 本実施形態の実施例3の測定結果と実施例1の測定結果を比較するグラフ図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施の形態に係る液体浸透速度測定装置(以下、測定装置)1の全体構成を示す。測定装置1は、液体Eを貯留する液体容器5と、粉体や繊維状材料等の各種測定対象物(以下、試料という)が内部に充填される液体浸透速度測定用カラム(以下、カラム)100と、カラム100を、液体容器5の上方において垂下させてカラム100の質量を測定する質量測定装置10と、液体容器5とカラム100を鉛直方向に相対移動させて、カラム100の下端を液体Eの液面に接触させる昇降装置15を備える。なお、ここでは試料の例として、粉体材料を用いる場合を例示するが、本発明はこれに限定されず、繊維状材料、粒状材料、多孔質材料等を含む様々な材料を試料として採用できる。
昇降装置15は、基台20の上に固定される。昇降装置15は、鉛直方向に配設されるボールねじ等の直動機構16と、直動機構16を駆動するモータ等の動力源Mと、液体容器5を保持する移動台17と、移動台17を鉛直方向に直線的に案内するレールガイド18を備える。移動台17は、直動機構16の移動部16Aに連結される。従って、動力源Mの回転を制御して、直動機構16の移動部16Aを移動させると、移動台17が鉛直方向に移動する。結果、液体容器5を昇降させることができる。なお、ここでは液体容器5を昇降させる場合を例示するが、カラム100側を昇降させても良い。
質量測定装置10は、基台20の上に立設されるフレーム25に固定される電子天秤である。質量測定装置10は、カラム100を垂下させるフック12を有する。
測定装置1は、昇降装置15を利用して、液体容器5の液体Eの液面に対して、カラム100の下端を接液させる。液体Eをカラム100内の試料に浸透させていくと、カラム100の質量が増加するので、質力測定装置10によりこの質量変化を計測する。この結果、試料に対する液体の浸透速度を検出することが可能となる。既に述べたWashburn式(数式1、2)を用いれば、試料に対する液体の接触角を算出することができる。
図2に、カラム100の詳細構造を示す。図2(A)に示すように、カラム100は、直線的な円筒形状となる筒部110と、筒部110の下端に交換自在に配設されるセパレータ120と、筒部110内に配設されて試料Fの上面F2に当接する試料押さえ部130と、筒部110の下端近傍に配設される下側ホルダ140と、筒部110の上端近傍に配設される上側ホルダ160と、筒部110の周囲において軸方向に延在して上側ホルダ160と下側ホルダ140を連結する連結部180を有する。
筒部110内には、液体の浸透速度の測定対象となる試料Fが充填される。筒部110の材料には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂が用いられることが好ましい。この材料によれば、筒部12を透明又は半透明に構成することができる。また、撥水性が高い(濡れにくい)ので、内周面に沿って液体を吸い上がる現象を抑制できる。この結果、試料Fのみの浸透速度を高精度に検査することが可能になる。また、内部の試料Fの状態を目視で確認することが出来るので、試料Fを圧縮充填する際や、測定中も、試料を視認出来る。また、試料押さえ部130の停止位置も目視で確認できる。また、この種の樹脂材料を用いると、弾性変形が可能となるので、試料押さえ部130を比較的強固に圧入固定できる。この結果、試料18を圧縮した状態でも、検査作業中に試料押さえ部130が移動してしまうようなトラブルを抑制できる。
なお、ここでは、筒部110の材料として、透明(又は半透明)、撥水性、弾性の3条件を同時に満たすことが出来る材料としてPFAを例示したが、その他にも、撥水性及び弾性を両立させる観点では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)樹脂、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)樹脂、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)樹脂、ECTFE(クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂などのフッ素樹脂が好ましい。弾性を満たす点では、他の樹脂も用いることも出来る。更に、筒部110自体の材料ではなく、筒部110の内周面を、上記素材でコーティングすることで、撥水性等を得るようにしても良い。
セパレータ120は、円盤形状の板材(シート材)となっており、充填される試料Fの下面F1に当接してこれを保持すると共に、液体Eを通過させる役割を担う。このセパレータ120は、ここではガラス繊維状の濾紙となる。ガラス繊維状の濾紙は、液体Eの液面に浸漬させた際の吸液が極めて早く、更に、セパレータ120の下面に発生する気泡を低減出来る。また、後述するように筒部110内の試料を圧縮しても、ガラス繊維のセパレータ120は耐荷重性が高く、変形を低減できるので特に好ましい。なお、ガラス繊維以外にも、ビニロン等の合成繊維や、透水性フィルム等の各種材料のセパレータを採用しても良い。
セパレータ120の外径は、筒部110の内径よりも大きいことが好ましく、望ましくは、筒部110の外径と同じ又はそれ以上とする。このようにすると、セパレータ120は、筒部110の下端面に当接可能となり、更に、筒部110の外周から径方向外側に拡張できる。詳細は後述するが、このセパレータ120は、筒部110の内部の気体を外部に逃がす通気路の一部を形成する。
試料押さえ部130は、シリコン等の弾性材料で構成される柱状の係止部132と、係止部132によりも高剛性の金属材料で構成されて係止部材132を連結される補強部136を有する。
図3に拡大して示すように、係止部132の外径は、筒部110の内径と同一又はそれ以上に設定される。結果、係止部132は、弾性変形によって縮径して筒部110内に圧入される。その結果、係止部132の外周面は、筒部110の内周面と当接して、両者の摩擦力によって軸方向に係合する係合面132Bとなる。なお、係止部132の中央には、軸方向に貫通する貫通孔132Aが形成される。
補強部136は、係止部132の下側面に当接する円盤状のプレート部137と、プレート部137に形成される通気孔137Aから連続して軸方向に立設される筒状の通気筒138を有する。この通気筒138は、係止部132の貫通孔132A内に圧入される。結果、係止部132と補強部136が連結される。
プレート部137の下側面は、試料Fの上面F2と当接する当接面130Aを構成する。また、プレート部137の通気孔137Aと通気筒138によって、当接面130Aには、試料Fと筒部110内の大気空間A1を連通させる通気路139が接続されることになる。
以上の構成の通り、試料押さえ部130は、係合面132Bによって、筒部110内において軸方向(筒部110の軸方向)の移動を規制する軸方向移動規制構造131が構成される。例えば、試料Fが吸液によって膨張し、軸方向に体積を拡大しようと試料押さえ部130を押し上げようとしても、この軸方向移動規制構造131が抗力を生じさせる(図3の矢印参照)。つまり、試料押さえ部130は、試料Fを鉛直下側に押圧することができる。また、図4の矢印Rに示すように、試料Fが吸液する際、試料F内に存在していた空気を、通気路139を介して円滑に外気A1側に逃がすことが可能となる。
なお、ここでは、筒部110の内周面と係合する係合面132Bよって、当接面130Aの移動を規制する軸方向移動規制構造131を構成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、試料押さえ部130が、筒部110の軸方向に延在する延長部133を有し、延長部133の上端を上側ホルダ160や筒部110の上端近傍の外周面等と係合させることで、軸方向移動規制構造131を構成しても良い。この際、延長部133は、ねじ構造等によって軸方向の長さを伸縮自在とする伸縮構造133Aを有することが好ましい。試料Fの上面F2の位置は、測定毎に異なるので、それに合わせて延長部133の長さを調整できる。なお、試料押さえ部130の周方向の複数個所に対して、軸方向に貫通する通気路139を形成しておくことも好ましい。特に図示しないが、試料押さえ部130の周囲に隙間や溝を形成して、これを通気路としても良い。
図2に戻って、上側ホルダ160は円形の有底筒形状(いわゆるキャップ形状)となっており、筒部110の上端と嵌合することで、筒部110の上端とその外周近傍を覆う。また、上側ホルダ160は、上面側において、軸方向に立設される被フック部162を有する。この被フック部162には、水平方向に貫通する吊り下げ孔162Aが形成される。この吊り下げ孔162Aに、質量測定装置10のフック12を掛けることで、カラム100全体が吊り下げられる(図1参照)。
上側ホルダ160は、更に、筒部110の内側の空気A1と、筒部110の外側の大気空間A2を連通させる通気孔164が形成される。ここでは、被フック部162の周囲に、周方向に等間隔で合計6個の通気孔164が形成される場合を例示しているが、その形状・位置・個数などは特に限定されない。
更に上側ホルダ160には、外周縁近傍に、連結孔166を有する。この連結孔166は、周方向に等間隔で合計4個形成される。連結孔166には、後述する連結部180が挿入される。上側ホルダ160は、連結孔166の内壁に対して、径方向に進退する固定ねじ168を備えており、固定ねじ168によって、連結部180を連結孔166に固定できる。
下側ホルダ140は、円形の有底筒形状(いわゆるキャップ形状)となっており、具体的には、セパレータ120を下側から保持する底部142と、底部142の周縁から上方に立設されて、セパレータ120の周縁や筒部110の下端付近の外周面を取り囲む周壁部144を有する。
底部142は、円形の板形状となっており、セパレータ120の外径よりも大きい。従って、セパレータ120の下面の全域に当接できる。更に底部142には、液体Eをセパレータ120まで案内する複数の通液孔142Aが形成される。図2(D)に示すように、本実施形態では、六個の通液孔142Aが周方向に均等間隔に配置され、これらの中央に、一つの通液孔142Aが配置される。なお、通液孔142Aの形状・数・配置は特に限定されない。
周壁部144は、円筒形状となっている。周壁部144と内周面と筒部110の外周面の間には、環状の隙間Sが形成される。周壁部144は、全周に亘って、セパレータ120の周縁や筒部110の下端付近の外周面を取り囲んでいることから、図3に示すように、底部142や周壁部144の下端近傍を液体Eに接触させたとしても、この隙間Sに対して、液体Eが直接的に進入することが抑制される。なお、透液性を有するセパレータ120の周縁近傍が、隙間Sに臨んでいるが、セパレータ120を通過する液体Eは、殆どが、試料Fに吸液されるので、測定中(特に測定初期)に、液体Eが隙間S側に浸みだすことは無い。隙間Sの上方は、大気空間A3側に開放されている。
周壁部144の上端には、径方向外側に拡張する拡径フランジ144Aが形成される。この拡径フランジ144Aは、後述する連結部180と軸方向に係合する。結果、下側ホルダ140が筒部110から下方に離脱することを防止できる。
図4に示すように、下側ホルダ140やセパレータ120の構造によって、筒部110の下端付近には、筒部110内又はセパレータ120内の空気を、径方向外側に向かって、筒部110の外側の大気空間A3に逃がす通気経路190が形成される。具体的に通気経路190は、試料Fの下面F1を介してセパレータ120に進入し、セパレータ120内を半径方向外側に進み、更に、セパレータ120の外縁近傍から隙間Sに進入し、隙間Sを介して大気空間A3に到達する経路となる。
試料Fが液体を吸液する際、吸液前に試料Fの粒子間(繊維状材料の場合は単位繊維間)に予め存在する気体を、円滑に外部に逃がす必要がある。従来、液体Eは、試料Fの下面F1を介して吸液される為、試料F内の空気は、試料Fの上面F2のみから逃がせば十分であると考えられていた。しかし、本発明者らの推察によると、図4の拡大領域Kに示すように、液体Eが矢印Pに沿って急峻に吸液されると、試料Fにおける下面F1よりも上方側に、液体Eの密度が高くなる高密度領域Pkが先に形成される。結果、試料Fの下面F1近傍に存在する気体は、高液密度領域Pkに上方が覆われるので、上面F2側に逃げることができず、矢印Qのように、筒部材110の内周壁や、セパレータ120の表面近傍又はセパレータ120の内部等に押し込まれ、液体排他領域Akが形成される。一度、この液体排他領域Akが形成されてしまうと、この気体の逃げ場所が存在しないので、局所的に吸液抵抗が増大する。従来、この液体排他領域Akの形成度合いによって、浸透速度の測定結果に微細なばらつきが生じていたと考えられる。
一方、本実施形態では、既に述べたように、試料Fの下側近傍と大気空間を、試料Fの上面F2を介することなく、直接的に連通させる通気経路190が形成される。従って、液体排他領域Akの空気は、極めて円滑に、通気経路190を介して大気空間A3に開放される。つまり、試料Fやセパレータ120に、液体排他領域Akが形成されることを抑制できる。結果、液体Eが、毛管現象によって試料Fの全体に円滑に浸透することができるので、測定精度を高めることが可能となる。
なお、ここでは、下側ホルダ140の内側の表面に沿う隙間Sを利用して、通気経路190を形成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6(A)に示すように、下側ホルダ140の周壁部144を、筒部110の外周面と嵌合させたり、螺合させたりしても良い。この際、周壁部144の上端や内周面に、切り欠き部144C(又は孔)を形成することで、この切り欠き部144Cを、大気空間A3と連通する為の通気経路190の一部としても良い。つまり、周壁部144の内周側に形成される隙間Sは、環状の空間に限られず、軸方向に延びるスリット状の隙間や、その他の形状であっても良い。
更に、図6(B)に示すように、周壁部144には、径方向に貫通する貫通孔144Dを形成しても良い。この貫通孔144Dが、通気経路190の一部を構成できる。ただし、貫通孔144Dは、液体Eの液面より常に上方に位置するように制御する。また更に、図6(C)に示すように、環状の隙間Sを、通気性を有する材料(ここではセパレータ120)で埋めるようにしても良い。
更にまた、図6(D)に示すように、筒部110の下端付近において、筒部110の周壁に径方向に貫通する貫通孔110Dを形成したり、筒部110の下端面において径方向に延びる切り欠き(凹部)を形成したりして、筒部110自体を通気経路190の一部とすることもできる。この際、貫通孔110Dから試料Fが漏れ出さないように、貫通孔110Dの外側・孔の内部・内側等にセパレータを配置しても良い。貫通孔110D自体のサイズを、試料Fが流出しない程度の微細孔としても良い。
また、図6(E)に示すように、下側ホルダ140の内部に、セパレータ120と外気空間A3を連通させるトンネル状の通気路140Eを形成しても良い。
図2に戻って、連結部180は、筒部110の外側において、軸方向に延在する四本の棒部182と、棒部182の下端に分離不能に結合されるホルダ支持部184を有する。四本の棒部182は、周方向に90度間隔で配置され、上端が、上側ホルダ160の連結孔166に挿入される。連結孔166に挿入される棒部182は、軸方向の相対位置を調整してから、固定ねじ168によって連結孔166に固定される。なお、棒部182は、四本の場合に限られず、二本、三本、五本など、様々に設定できる。
ホルダ支持部184は、リング形状の部材であり、半径方向内側に縮径する縮径フランジ184Aを有する。この縮径フランジ184Aは、下側ホルダ140の拡径フランジ144Aを下側から支持する。結果、下側ホルダ140は、ホルダ支持部184と軸方向に係合する。
この連結部180によれば、連結孔166に対する棒部182の挿入量を調整することで、下側ホルダ140と上側ホルダ160の距離を適宜調整しつつ、上側ホルダ160と下側ホルダ140を連結して、互いの距離を固定することが可能となる。結果、上側ホルダ160と下側ホルダ140によって、筒部110を軸方向に挟み込む構造となる。
例えば、図3に示すように、試料Fが軸方向に膨張することで、下側ホルダ140を押し下げようとする場合(矢印G参照)、下側ホルダ140は、連結部180のホルダ支持部184によって支持される(矢印H参照)。このホルダ支持部180は、上側ホルダ160によって吊り下げられており、この上側ホルダ160は、筒部110の上端面と軸方向に係合している(矢印I参照)。結果、下側ホルダ140は、筒部110に対して軸方向に移動不能となっている。
この構造によれば、下側ホルダ140を、筒部110に圧入等で嵌合させる必要がない。従って、筒部110が径方向に変形することが抑制されるので、測定精度が向上する。
次に、本測定装置1による液体浸透速度の測定方法について説明する。
まず、上側ホルダ160及び連結部180を取り外した状態のカラム100の筒部110に、測定対象となる試料Fを充填する。その後、試料押さえ部130を筒部110内に挿入してから、図7に示すカラム充填装置200を用いて、外力を利用して試料Fを強制的に押圧して、試料Fの充填高さ(軸方向距離)を設定する。なお、カラム100は、カラム充填装置200に対して、水平方向に寝かした状態で固定される。
具体的に、カラム充填装置200の押圧棒220は、筒部110の内周径と略同じ直径となる軸部材であり、一端がカラム100内に挿入されて、試料押さえ部130を介して試料Fを圧縮する。スライド機構230は、保持部材236を介して、押圧棒220を軸方向(水平方向)に移動自在に案内する。押圧棒220には、保持部材236を介して計測装置240となるリニアスケールが設置される。この計測装置240は押圧棒220の位置を高精度で検出する。
このカラム充填装置200は、基本固定部256と微調整機構260を備える。基本固定部256は、スライド機構230に摺動自在に配置されると共に、固定レバー258によって任意の場所で固定できる。微調整機構260は、基本固定部256に配置されるネジ機構であり、調整ネジ262をグリップ264で回転させることで、保持部材236を押圧方向に細かく移動させることができる。
従って、圧縮作業では、固定レバー258を開放した状態で、基本固定部256を手で移動させることで、大凡の場所(目標位置の手前)まで押圧棒220を筒部110内に挿入する。その後、固定レバー258を閉じることで、基本固定部256を固定してから、計測装置240の表示を目視しつつ、グリップ264を回転させて、押圧棒220を更に押し込んでいく。この結果、筒部110内において、極めて正確な充填高さまで、試料押さえ部130を押し込むことが可能となり、試料Fが強制的に押圧される。
その後、カラム100をカラム充填装置200から取り出して、上側ホルダ160と連結部180を組み立てることで、上側ホルダ160と下側ホルダ140の間に筒部110が固定されて、試料Fの充填作業が完了する。なお、ここでは、カラム充填装置200が、試料押さえ部130を押し込む手順を例示したが、本発明はこれに限定されず、押圧棒220の先端によって試料Fを直接圧縮し、その後、カラム充填装置200からカラム100を取り外して、別途、試料押さえ部130を手作業で押し込むようにしても良い。
次に、このカラム100を、測定装置1のフック12に吊り下げてから、昇降装置15を利用して、液体容器5を上昇させる。液体Eの液面に対して、カラム100の下端を接液させることで、液体Eをカラム100内の試料に浸透させていくと、カラム100の質量が増加するので、質力測定装置10によりこの質量変化を計測する。液体Eの浸透中も、試料Fの上面F2は、試料押さえ部130によって鉛直下方に押圧された状態のままとなる。従って、試料Fが軸方向の膨張しようとしても、その体積が常に一定に維持されるので、高精度に浸透速度を検出することが可能となる。既に述べたWashburn式(数式1、2)を用いれば、試料の接触角を算出することができる。
試料Fが液体Eを吸液すると、その液体Eが、試料Fの粒子間の距離を押し広げようとする。しかし、測定中に自由に試料Fを膨張させてしまうと、試料Fの内部状態が不安定となるので、浸透速度の測定結果にばらつきが生じやすい。そこで本実施形態の測定装置1によれば、カラム100の筒部110内に、試料押さえ部130が配置されるので、その当接面130Aによって、測定中の試料Fの上面F1を押さえ込むことができる。従って、測定中の試料Fの体積が一定となるので、浸透速度の測定精度を高めることができる。
また、試料押さえ部130は、筒部110内において、自身の軸方向の移動を規制する軸方向移動規制構造131を有するので、試料Fの膨張力に十分に抵抗することが可能となる。この際、試料押さえ部130の当接面130Aには、試料Fと外気を連通させる通気路139が形成されるので、試料F内の気体を逃がすことが可能となり、試料Fの吸液速度に当接面130Aが悪影響を与えないで済む。
なお、この測定装置1では、試料Fが、カラム充填装置200の外力の印加によって、軸方向に圧縮された状態で充填される。これにより、カラム100内の試料Fの空隙率を高精度に設定することが可能となる。一方で、圧縮された試料Fは、吸液すると軸方向に膨張しやすい。そこで、試料押さえ部130を採用することで、カラム充填装置200によって高精度に設定された試料Fの空隙率を、測定中も常に維持することが可能となる。
更に本測定装置1では、カラム100が、筒部110の内部又はセパレータ120内の空気を、筒部110の下端付近から大気空間に逃がす通気経路190を有する。従って、試料Fの下側近傍で逃げ場を失った空気によって、試料Fに液体Eが浸透しにくい状態を抑止できる。結果、測定精度を高めることが可能となる。特に本測定装置1では、セパレータ120を保持する下側ホルダ140の内部又は表面を利用して、通気経路190を形成しているので、カラム100の構造が複雑化することも回避できる。
また更に、本測定装置1のカラム100は、筒部110の周囲において軸方向に延在して、上側ホルダ160と下側ホルダ140を連結する連結部180を有する。このようにすることで、下側ホルダ140を、連結部180を介して上側ホルダ160によって固定できるので、下側ホルダ140と筒部110の相対位置を高精度に規制できる。
例えば、下側ホルダ140を、筒部110の下端付近の外周面に固定させることも可能であるが、仮に、圧入によって下側ホルダ140に強固に固定しようとすると、筒部110が変形してしまう恐れがある。また、図3に示すように、セパレータ120を介して下側ホルダ140に試料Fの軸方向の膨張力が作用すると、相対位置がずれてしまう可能性がある。また例えば、下側ホルダ140を、筒部110の外周面に、ねじ構造等によって移動不能に固定しようとすると、通気経路190を形成する際に構造が複雑化しやすい。そこで、本実施形態のように、連結部180を利用して、下側ホルダ140を、上側ホルダ160から吊り下げる構造とし、その間に筒部110を挟み込むことで、簡素な構成で下側ホルダ140と筒部110の相対位置を高精度に固定できる。
実施例1として、上記実施形態の測定装置1を用いて、以下の手順で浸透速度を測定した。まず、同一構造のカラム100を三個用意し、第一乃至第三カラム100に、同一となる充填条件で、炭酸カルシウム粉末を充填した。この第一乃至第三カラム100のそれぞれについて、測定装置1によって水の浸透速度を計測した(第一回目の測定)。その後、第一回測定後の第一乃至第三カラム100を、そのまま乾燥装置に入れて、給水した水を完全に乾燥させてから、各カラム100について水の浸透速度を測定した(第二回目の測定)。その後、第二回測定後の第一乃至第三カラム100を、そのまま乾燥装置に入れて、給水した水を完全に乾燥させてから、各カラム100について、水の浸透速度を測定した(第三回目の測定)。
図8(A)に、上記第一回目の浸透速度の測定結果となるグラフを示し、図8(B)に、第三回目の浸透速度の測定結果となるグラフを示す。図8(A)(B)の対比から分かるように、第一回目の浸透速度の測定結果と、第三回目の浸透速度の測定結果が、極めて近似している。つまり、試料Fに何回も水を吸液させたとしても、カラム100の試料押さえ130によって、試料Fの空隙率(又は試料Fの体積)が常に一定に維持されており、浸透速度が変動しにくい。また、カラム100の通気経路190によって、水を浸透させる最中に、試料内の気体が、常に、安定的にカラム外に排気できていると考えられる。
また、図8(A)及び(B)共に、浸透速度(W/t)のグラフの直線性が全体に亘って高いことが認められる。これは、測定環境が、Washburnの数式1、2を正しく満たしていることを意味する。
更に、図8(A)から分かるように、第一乃至第三カラム100の間においても、浸透速度が極めて近似している。試料押さえ130や通気経路190によって、測定中において、第一乃至第三カラム100間において、試料内の浸透状態を互いに近似させることができることを意味する。同様に、図8(B)から分かるように、第一乃至第三カラム100の間においても、浸透速度が近似している。これは、試料Fに何回も水を吸液させたとしても、第一乃至第三カラム100間において、測定結果が、ばらつき難いことを意味する。
更にまた、図8(A)及び(B)から分かるように、浸透終了時(130秒以降)に、浸透量が一定値に収束していることが認められる。これは、水が試料Fの全体に均一に浸透していることを意味すると考えられる。
次に、第一乃至第三カラム100について、試料押さえ130を設置することなく、実施例1と全く同じ手順で測定を行った。つまり、実施例1と実施例2を対比することで、試料押さえ130の効果を検証すること目的とした。図9(A)に第一回目の浸透速度の測定結果となるグラフを示し、図9(B)に、第三回目の浸透速度の測定結果となるグラフを示す。
図8(A)と図9(A)の対比から分かるように、実施例2では、浸透速度(W/t)の初期の立ち上がりが遅いため、やや下方側に凸となる曲線になる。これは、透水時の試料Fの体積膨張により、毛管状態が変化して、浸透速度が不安定になっていると推測され、Washburnの数式1、2に対して誤差が生じていることを意味する。
また、図9(A)と図9(B)の対比から分かるように、第三回目の浸透速度の測定になると、第一回及び第二回の測定を経て、試料Fが吸水時の膨張と乾燥時の収縮を繰り返すことで、第一乃至第三カラム100間で、試料Fの状態がばらついてしまい、浸透速度に大きな誤差が生じることを意味している。
また、図9(A)及び(B)共に、例えば140秒を経過しても、浸透量が一定値に収束し難いことが認められる。これは、試料Fが経時的に膨張することで、浸透量にも変動が生じていることを意味する。
次に、第一乃至第三カラム100について、図10に示すように、下側ホルダ140の隙間Sに、リング状のパッキンZをはめ込むことで、通気経路190を閉鎖したカラム100を用いて、実施例1と全く同じ手順で測定を行った。つまり、実施例1と実施例3を対比することで、通気経路190の効果を検証すること目的とした。図11(A)に第一回目の浸透速度の測定結果となるグラフを示し、図11(B)に、第三回目の浸透速度の測定結果となるグラフを示す。
図11(A)及び(B)を一見すると、浸透速度(W/t)のグラフの直線性が全体に亘って高い。しかし、実施例1の図8(A)と実施例3の図11(A)を対比させた図12(A)、及び実施例1の図8(B)と実施例3の図11(B)を対比させた図12(B)を参照すると、実施例3では、総じて、グラフの傾き(浸透速度)が小さくなっている。これは、実施例3においては、試料Fの内部において、通気経路190が閉鎖されたことによって、逃げ場を失った気泡が滞留し、この気泡が水の浸透を阻害することで、浸透速度が低下したと推測される。
また、図12(A)及び(B)から分かるように、実施例3は、実施例1と対比して、水の最終的な浸透量が総じて少ない。実施例3では、試料Fの全体に対して、水が均等に浸透しておらず、局所的に浸透できない領域が形成されていることが原因と推察される。
1 液体浸透速度測定装置
100 カラム
110 筒部
120 セパレータ
130 試料押さえ部
140 下側ホルダ
160 上側ホルダ
180 連結部
190 通気経路

Claims (20)

  1. 液体の浸透速度の測定対象となる試料が内部に充填される筒部と、
    前記筒部の下端に配設されて、前記試料の下面を保持すると共に前記液体を通過させるセパレータと、
    前記筒部内に配置されて、前記試料の上面に当接する当接面を有する試料押さえ部と、
    を備えることを特徴とする、液体浸透速度測定用カラム。
  2. 前記試料押さえ部は、
    前記筒部内において軸方向の移動を規制する軸方向移動規制構造を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  3. 前記試料押さえ部は、前記軸方向移動規制構造として、
    前記筒部の内周面と当接して軸方向に係合する係合面を有することを特徴とする、
    請求項2に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  4. 前記試料押さえ部の前記当接面は、前記試料と外気を連通させる通気路を有することを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  5. 前記試料は、外力の印加によって軸方向に圧縮された状態で充填されることを特徴とする、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の液体浸透速度測定用カラム。
  6. 前記筒部内又は前記セパレータ内の空気を、前記筒部の下端付近から前記筒部の外側の大気空間に逃がす通気経路を有することを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の液体浸透速度測定用カラム。
  7. 前記筒部の下端近傍に配設される下側ホルダを備え、
    前記下側ホルダは、
    前記セパレータを下側から保持する底部と、
    前記底部の周縁から上方に立設され、前記セパレータの周縁を取り囲む周壁部と、を有して構成され、
    前記通気経路が、前記下側ホルダの内部又は表面に形成されることを特徴とする、
    請求項6に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  8. 前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に前記通気経路が形成されることを特徴とする、
    請求項7に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  9. 前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に環状の隙間が形成され、
    前記隙間が前記通気経路を構成することを特徴とする、
    請求項8に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  10. 前記通気経路は、前記周壁部を径方向に貫通する貫通孔を含むことを特徴とする、
    請求項7乃至9のいずれかに記載の液体浸透速度測定用カラム。
  11. 前記筒部の上端近傍に配設される上側ホルダと、
    前記筒部の下端近傍に配設される下側ホルダと、
    前記筒部の周囲において軸方向に延在して、前記上側ホルダと前記下側ホルダを連結する連結部と、
    を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の液体浸透速度測定用カラム。
  12. 前記上側ホルダと前記下側ホルダによって、前記筒部を軸方向に挟み込む構造となることを特徴とする、
    請求項11に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  13. 液体の浸透速度の測定対象となる試料が内部に充填される筒部と、
    前記筒部の下端に配設されて、前記試料の下面を保持すると共に前記液体を通過させるセパレータと、
    前記筒部内又は前記セパレータ内の空気を、前記筒部の下端付近から前記筒部の外側の大気空間に逃がす通気経路と、を有することを特徴とする、
    液体浸透速度測定用カラム。
  14. 前記筒部の下端近傍に配設される下側ホルダを備え、
    前記下側ホルダは、
    前記セパレータを下側から保持する底部と、
    前記底部の周縁から上方に立設され、前記セパレータの周縁を取り囲む周壁部と、を有して構成され、
    前記通気経路が、前記下側ホルダの内部又は表面に形成されることを特徴とする、
    請求項13に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  15. 前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に前記通気経路が形成されることを特徴とする、
    請求項14に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  16. 前記周壁部の内周面と前記筒部の外周面の間に環状の隙間が形成され、
    前記隙間が前記通気経路を構成することを特徴とする、
    請求項15に記載の液体浸透速度測定用カラム。
  17. 前記通気経路は、前記周壁部を径方向に貫通する貫通孔を含むことを特徴とする、
    請求項13乃至16のいずれかに記載の液体浸透速度測定用カラム。
  18. 液体を貯留する液体容器と、
    請求項1乃至17のいずれかに記載の液体浸透速度測定用カラムと、
    前記液体浸透速度測定用カラムを前記液体容器の上方において垂下させると共に、該液体浸透速度測定用カラムの質量を測定する質量測定装置と、
    前記液体容器と前記液体浸透速度測定用カラムを鉛直方向に相対移動させて、前記液体浸透速度測定用カラムの前記セパレータを前記液体の液面に接触させる昇降装置と、
    を備えることを特徴とする液体浸透速度測定装置。
  19. 筒部に試料が充填された液体浸透速度測定用カラムを鉛直方向に配設して、前記筒部内の試料の上端面を試料押さえ部によって鉛直下方に押圧した状態のまま、前記筒部の下端に液体を接触させる接液ステップと、
    前記液体浸透速度測定用カラムの重量変化に基づいて、前記液体が前記試料に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップと、
    を備えることを特徴とする液体浸透速度測定方法。
  20. 前記接液ステップの前に、前記筒部に押圧棒を挿入して、試料を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップを有することを特徴とする、
    請求項19に記載の液体浸透速度測定方法。
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