以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、および、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(再変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回までなど)行うことができる。この実施の形態における擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数を指すものとする。
「擬似連」の可変表示演出において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示されると、その後に、再度可変表示(再変動)が行われる。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、再変動(擬似連変動)が行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも複数回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、この実施の形態における「擬似連」の可変表示演出では、理解を容易にするため、再変動(擬似連変動)が最大1回行われることとしているが、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の回数は、例えば2回や3回といった、1回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。なお、この実施の形態における「擬似連」の可変表示では、一旦仮停止表示をした後に再変動が行われるか否か(すなわち、擬似連チャンス目が仮停止表示するか否か)を煽る擬似連煽り演出が実行される。具体的に、擬似連煽り演出では、「左」および「右」の飾り図柄を仮停止表示させるとともに、擬似連チャンス図柄を表示し(後述する成功演出および失敗演出の場合に共通した擬似連チャンス図柄を表示し)、当該擬似連チャンス図柄が仮停止表示されるか否かを煽る演出が実行される。擬似連チャンス図柄が停止表示する態様を成功演出、仮停止表示しない態様を失敗演出と呼ぶ。上述したように、この実施の形態における「擬似連」の可変表示演出では、再変動が最大1回行われることとしているため、再変動が行われない擬似連の変動パターンは再変動が行われることを煽るだけのガセの変動パターンであり(擬似連ガセの変動パターンという)、当該変動パターンに基づいて「擬似連」の可変表示演出が行われる場合には、失敗演出が実行されることとなる。なお、擬似連煽り演出において擬似連チャンス図柄といった特殊な飾り図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な飾り図柄の停止表示とともに、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するよう(共通の導入演出として表示するよう)に制御されてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄や「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態における所定のラウンドの実行中、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するか否か(特典としての確変が付与されるか否か)の特典付与演出となる大当り中昇格演出が実行される。詳しくは後述するが、大当り中昇格演出では、例えば、画像表示装置5の表示領域にてキャラクタ同士が戦うバトル演出が行われればよい。そして、メインキャラクタの勝利や敗北などにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる昇格の有無(特典としての確変が付与されるか否か)を遊技者が認識できるように報知すればよい。なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中ではなく、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて行われてもよい。また、なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態となる旨を報知する(特典が付与されることを報知する)大当り中昇格成功演出と、確変状態とならない旨を報知する(特典が付与されないことを報知する)大当り中昇格失敗演出とがある。そして、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御される。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御される。確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。時短状態は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が、通常状態に比べて短縮される遊技状態である。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。このような時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了する。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる(遊技者にとって有利な遊技状態となる)。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態である。また、確変状態は、高確高ベース状態とも称される遊技状態である。すなわち、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されることから、高確高ベース状態に制御されることとなる。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御されることから、低確高ベース状態に制御されることとなる。
確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないものが含まれていてもよい。一例として、特図ゲームにおける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御される。その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。また、通常状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第2確変状態へと移行して、確変制御のみが行われ、時短制御や高開放制御は行われないようにしてもよい。その一方で、確変状態や時短状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態へと移行して、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるようにしてもよい。あるいは、「確変大当り」に基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、再び特図表示結果が「大当り」となるまで第1確変状態に制御される一方、「突確大当り」に基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態に移行して、特図表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときに、第2確変状態へと移行するようにしてもよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御されればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図3は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合と「突確」である場合、さらには、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチBといった態様のリーチ演出がある。なお、図示する例では、可変表示結果が「大当り」となる場合や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンにおいて「擬似連」の可変表示演出を行う例を示しているが、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」の場合や可変表示結果が「小当り」の場合にも「擬似連」の可変表示演出が行われてもよい。また、「擬似連」の可変表示演出が行われる変動パターンは、スーパーリーチ変動パターンである例を示しているが、ノーマルリーチ変動パターンであってもよいし、非リーチ変動パターンであってもよい。また、擬似連ガセの変動パターンについても同様に、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」の場合や可変表示結果が「小当り」の場合、ノーマルリーチや非リーチの場合があってもよい。また、上述しているように、図示する例では擬似連変動が最大1回である例を示しているが、例えば2回3回といった、1回よりも多くの回数まで実行できる変動パターンがあってもよい。また、図示する他の変動パターンにおいても「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が行われてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR3といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、図4のステップS15にて行われる特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図6は、始動入賞判定処理として、図5のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。なお、この実施の形態では、ステップS209の処理にて乱数値MR1および乱数値MR2を抽出しているが、上述してように、乱数値MR2は大当り種別を決定するために用いられる乱数値であるため、乱数値MR1の判定結果が「大当り」である場合にのみ抽出されるようにしてもよい。なお、この場合、後述する図8のステップS241にてYesと判定された後に乱数値MR2が抽出されればよい。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図7(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図7(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
図6に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。また、ステップS113の特別図柄停止処理には、時短状態の終了判定を行い、終了する場合には演出制御基板12の側にその旨を通知するコマンドを送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は上述したコマンド制御処理にて演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。また、ステップS115の大当り開放中処理には、カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに応じてその旨を示す賞球コマンドを演出制御基板12の側へ送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は、上述したコマンド制御処理にて演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変状態や時短状態の開始設定)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図5のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図9(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図9(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図8に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図10に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図8に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、RAM102に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図11は、変動パターン設定処理として、図5のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えばRAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
大当り変動パターン決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4、および変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2および変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2および変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−2に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2および変動パターンPB5−1〜変動パターンPB5−4に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図12(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンよりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンの方が多くの決定値が割り当てられている。
図11に示すステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Cを選択してセットする(ステップS267)。例えばRAM102に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS268)。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図12(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行う変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図12(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンよりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンの方が少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図11に示すステップS263、S265、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから所定のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図13は、図5のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、飾り図柄停止コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、RAM102に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、高ベース中において実行される特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS304;Yes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS305)。続いて、特図表示結果が「小当り」となったことに対応した当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS306)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS307)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS308)。
ステップS304にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS304;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS309)。ステップS308、S309の処理のいずれかを実行した後には、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行い(ステップS311)、終了させる場合には(ステップS311;Yes)、時短制御や高開放制御などを終了させるとともに、時短状態の終了を示す時短終了コマンドを送信する設定を行ってから(ステップS312)特別図柄停止処理を終了する。一方、終了させない場合には(ステップS311;No)、そのまま特別図柄停止処理を終了する。例えば、ステップS311の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、特別図柄停止処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われる。
また、ステップS311の処理では、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM101などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS311の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図14に示す演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、図14に示す演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、主基板11の側から異常コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS75)。異常コマンドは、例えば、実際には入賞していないのに入賞したように見せかけるなど(より具体的には、実際には開放されていない可変入賞装置への入賞が検出されたなど)の入賞に関する異常(入賞異常)や、上皿や下皿が遊技球でいっぱいになったことによる異常(皿異常)など、複数存在する異常の少なくともいずれかを検知した場合に送信されるコマンドである。異常コマンドは、複数存在する異常それぞれに対応したコマンドが主基板11の側から送信される。異常コマンドを受信したと判定した場合(ステップS75;Yes)、異常が発生したことを遊技者に報知する異常報知処理を実行する(ステップS76)。異常報知処理では、例えば、画像表示装置にいずれの種類の異常が発生したかを示すメッセージを表示したり、ランプを点灯させたり音声を出力する処理が行われればよい。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態では、ステップS76の処理により、異常コマンドを受信することで異常報知をいずれのタイミングにおいても実行可能となっており、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても異常報知が可能となっている。
ステップS76の処理を実行した後、またはステップS75にて異常コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS75;No)、遊技者により演出設定が行われたか否かを判定する(ステップS77)。ステップS77の処理では、例えば、図示しない演出設定用ボタンが遊技者によって操作されたか否かを、遊技者の操作行為を検知するセンサにて検知したか否かを確認することにより判定する。演出設定が行われたと判定した場合(ステップS77;Yes)、演出設定処理を行う(ステップS78)。ステップS78の処理では、演出設定用ボタンが遊技者によって操作されたことにより、例えば実行される演出の音量設定や、出力される楽曲や背景の種類、画像表示装置5の輝度設定や遊技効果ランプ9などの各種ランプの輝度設定など、演出に関する設定が変更されればよい。なお、例えば、メニュー画面からいずれの演出設定を変更するのかを選択可能としてもよいし、遊技者が望む変更項目に対応して異なる操作を行うようにし、当該操作に対応する設定が変更されるようにしてもよい。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態では、ステップS78の処理により、遊技者の操作が行われたことで演出に関する設定をいずれのタイミングにおいても実行可能となっており、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定が可能となっている。具体的に、ステップS78の処理は、デモ表示中、可変表示中、大当り遊技に制御中、といったいずれのタイミングにおいても実行可能である。なお、可変表示の終了時から次の可変表示が開始されるまでの期間(例えば0.1秒間)はステップS78の処理を実行不可能としてもよい。具体的に、図柄確定コマンドを受信してから変動開始コマンドを受信するまでの期間、ステップS78の処理を禁止してもよい。
ステップS78の処理を実行した後、またはステップS77にて演出設定が行われていないと判定した場合(ステップS77;No)、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS79)。ステップS79の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS80)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図15は、図14のステップS79にて行われる演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えばRAM122などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の実行設定や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。また、可変表示開始設定処理では、有利度に応じて、特定表示としてのアイコンなどの特殊画像が段階的に表示される特定表示演出の実行設定や、カットイン予告やステップアップ予告などといった有利状態に制御されることを示唆する演出としての予告演出の実行設定が行われる。なお、遊技者にとっての有利度とは、たとえば、ある事象が生じたときに実際に遊技者にとって有利な状態(特典が付与される、あるいは、付与されている状態、特典付与の割合が高い状態、特典とは異なる有利な状態など)になる割合、あるいは、有利な状態になっている割合などをいう。また、特殊態様により付与の可能性が高いことが示される特典は、遊技者にとっての有利度の対象(有利な状態)と同じであってもよく、遊技者にとっての有利度の対象とは異なるものであってもよい。また、この実施の形態における特定表示演出は、特定表示としてのアイコンなどの特殊画像が有利度に応じて段階的に表示される演出であることを示しているが、例えば、特定表示は可変表示に対応した表示(アクティブ表示)やメータ表示であってもよく、アクティブ表示の表示態様を段階的に変化させるものや、メータ表示を段階的に増加させていくものなど、様々な種類の演出であってよい。すなわち、特定表示の段階的な変化といった概念には、アイコンなどの特殊画像が段階的に表示されることや、アクティブ表示の態様が段階的に変化することや、メータ表示が増加(または減少)することが含まれる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理では、特定表示演出や予告演出を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。また、ステップS173の特図当り待ち処理には、当り開始指定コマンドが「突確」を除く大当り遊技状態の開始を指定する場合に、上述した大当り中昇格演出の実行設定を行う処理などが含まれている。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、大当り中昇格演出や報知演出を実行する制御が行われる。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図16は、可変表示開始設定処理として、図15のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS551)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS551;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS552;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS553)。一例として、ステップS553の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS552にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS552;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS554)。一例として、ステップS554の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS551にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS551;No)、特図表示結果が「小当り」または「突確」であるか否かを判定する(ステップS555)。「小当り」または「突確」であると判定されたときには(ステップS555;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「小当り」や「突確」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS557)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS555;Yes)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS556)。一例として、ステップS556の処理では、まず、RAM122のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに関わらず、ステップS556の処理では、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。
ステップS553、ステップS554、ステップS556、ステップS557のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、有利度に応じてアイコンなどの特殊画像が段階的に表示される特定表示演出の実行設定を行うための特定表示演出実行設定処理を実行する(ステップS559)。
図17は、図16のステップS559にて行われる特定表示演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す特定表示演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、特定表示演出の実行有無を決定する(ステップS601)。具体的に、ステップS601の処理では、図18(A)に示す特定表示演出実行決定テーブルを参照して、特定表示演出の実行有無を決定する。
図18(A)は特定表示演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、特定表示演出を実行するか否かが、可変表示結果に応じて図示する決定割合に設定されている。具体的に、特定表示演出を実行する場合の方が、特定表示演出を実行しない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている。したがって、特定表示演出が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、例えば、可変表示結果が「大当り」である場合、スーパーリーチ大当りであるかノーマルリーチ大当りであるかによって決定割合が異なっているなど(スーパーリーチ大当りの方がノーマルリーチ大当りよりも実行有りと決定する割合が高いなど)、可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合、さらに変動パターンに応じて決定割合を異ならせてもよい。
図17に戻り、ステップS601の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS601にて特定表示演出を実行すると決定したか否かを判定する(ステップS602)。特定表示演出を実行しないと決定した場合(ステップS602;No)、演出制御用CPU120は、特定表示演出実行設定処理を終了する。一方、特定表示演出を実行すると決定した場合(ステップS602;Yes)、演出制御用CPU120は、特定表示演出の実行態様を決定する(ステップS603)。具体的にステップS603の処理では、図18(B)に示す特定表示演出実行態様決定テーブルを参照して、特定表示演出の実行態様を、複数態様のうちのいずれかの態様に決定する。
図18(B)は特定表示演出実行態様決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、この実施の形態では、図示するように、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」いった種類の特定表示演出の態様が設定されており、可変表示結果に応じて図示する決定割合に設定されている。具体的に、「パターンA」の態様は、星形のアイコンが表示される態様であり、「パターンB」の態様は、星形のアイコンと三角形のアイコンが表示される態様であり、「パターンC」の態様は、星形のアイコンと三角形のアイコンと丸形のアイコンが表示される態様である。この実施形態における特定表示演出実行態様決定テーブルは、図示するように、「パターンA」の態様よりも「パターンB」の態様の方が、「パターンB」の態様よりも「パターンC」の態様の方が、実行された場合に可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている(すなわち、より多くのアイコンが表示された方が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている)。したがって、いずれのアイコンが表示されるかにより演出の発展先が異なっており、いずれのアイコンが表示されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、図示する例では、「パターンA」〜「パターンC」の3種類の態様を示しているが、三角形のアイコンのみ表示される態様や、丸形のアイコンのみ表示される態様があってもよい。また、この実施の形態では、特定表示演出の実行回数が1回である例を示している(図17のステップS601にて実行有無のみを決定している)が、特定表示演出は複数回実行されてもよく(実行回数が多いほど「大当り」となる割合が高くなればよい)、その場合には、実行される度に1種類のアイコンが表示されるようにしてもよい(図17のステップS601にて実行回数も決定し、変動パターンと回数に応じた態様を、ステップS603の処理にて決定してもよい)。さらに、表示されるアイコンの数は同数であっても、表示されるアイコンの組合せに応じて「大当り」となる割合が異なるようにしてもよい(すなわち、可変表示結果に応じて表示するアイコンの組合せを異なる割合で決定してもよい)。
図17に戻り、ステップS603の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、擬似連変動が行われず擬似連煽り演出のみを行う擬似連ガセの変動パターン(図3に示すPB3−1、PB3−2、PB5−1、PB5−2)であるか否かを、主基板11の側から送信された変動パターン指定コマンドを確認することにより判定する(ステップS604)。擬似連ガセの変動パターンでないと判定した場合(ステップS604;No)、すなわち、擬似連変動を行う変動パターンであるか、擬似連の変動パターンでない場合、図19(A)に示す実行タイミング決定テーブル1を参照して特定表示演出の実行タイミングを決定し(ステップS605)、特定表示演出実行設定処理を終了する。一方、擬似連ガセの変動パターンであると判定した場合(ステップS604;Yes)、図19(B)に示す実行タイミング決定テーブル2を参照して特定表示演出の実行タイミングを決定し(ステップS606)、特定表示演出実行設定処理を終了する。なお、上述したように、この実施の形態では、理解を容易にするため、最大1回の擬似連変動が行われることとしている(再変動が1回)が、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の回数は、例えば2回や3回といった、1回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよく、その場合には図17のステップS604にて、擬似連煽り演出において失敗演出が行われるか否かを判定し、失敗演出が実行される場合には、当該失敗演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特定表示演出の実行タイミングとして決定すればよい(重畳するタイミングを選択不可とした実行タイミング決定テーブルを参照して実行タイミングを決定すればよい)。
図19は、特定表示演出の実行タイミングを決定されるために参照される実行タイミング決定テーブルの構成例を示す図である。図19(A)は、擬似連変動が行われる変動パターンであるか、擬似連の変動パターンでない場合に参照される、実行タイミング決定テーブル1の構成例を示しており、図19(B)は、擬似連ガセの変動パターンの場合に参照される、実行タイミング決定テーブル2の構成例を示している。図19(A)に示す実行タイミング決定テーブル1では、決定タイミングとして「タイミング1」〜「タイミング3」といった3種類のタイミングが設定されており、図示する決定割合に設定されている。なお、図19(A)に示す「タイミング1」〜「タイミング3」は、変動パターンに応じて予め設定されている実行タイミングであり、例えば同じ「タイミング2」の実行タイミングであっても、変動パターン毎に異なるタイミングとなっている。「タイミング1」〜「タイミング3」の全ての実行タイミングを変動パターンに応じて異なるタイミングとしてもよいし、例えば、「タイミング1」の実行タイミングについては、変動パターンに関わらず共通の実行タイミングとしてもよい。これに対し、図19(B)に示す実行タイミング決定テーブル2では、決定タイミングとして「タイミング1」と「タイミング3」といった2種類のタイミングが設定されており、図示する決定割合に設定されている。詳しくは後述するが、「タイミング2」の実行タイミングは、擬似連煽り演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングに設定されており、それ以外の「タイミング1」および「タイミング3」の実行タイミングは、擬似連煽り演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳することのない実行タイミングに設定されている(図21参照)。なお、図示する例では、「タイミング1」〜「タイミング3」の3種類のタイミングを設定しているが、それぞれの実行タイミング決定テーブルに、より多くの種類の実行タイミングが設定されていてもよい。
ここで、特定表示演出とその実行タイミングについて、図20および図21を参照して説明する。図20は、特定表示演出の詳細を示すタイミングチャートである。図20に示すように、特定表示演出が開始されると、ミニゲームとしての所定演出が行われる。所定演出は、例えば、特定表示としてのアイコンを表示させるか否かを示唆する演出(図27(b)〜(e)参照)であり、当該所定演出の演出結果が成功を示す場合に、特定表示としてのアイコンが表示されることを報知する特定表示変化報知が所定期間(例えば10秒間)継続して行われ、その後、図17のステップS603にて決定された態様にてアイコンが表示される(特定表示が変化する)。そして特定表示演出が終了する。なお、この実施の形態では、特定表示変化報知が所定期間継続して行われ、その後特定表示が変化する例を示しているが、特定表示変化報知は上述した10秒の所定期間中継続して行われなくてもよく、例えば6秒間継続して行われ、残りの4秒間は特定表示変化報知が行われなくてもよい。すなわち、この実施の形態では、アイコンが表示されることを報知されてから所定期間、失敗演出や予告演出の実行が制限されるが、当該所定期間は、特定表示変化報知が継続して実行されているといったように、演出による期間であってもよいし、10秒間などといったタイマによりカウントされる期間であってもよい。また、図20に示す例では、所定演出の演出結果が成功を示す場合について示している(この実施の形態では、理解を容易にするため、所定演出の演出結果は必ず成功を示すものとして説明している)が、所定演出の演出結果が失敗を示す場合があってもよく、その場合には、特定表示変化報知は行われず(アイコンも表示されず)、そのまま特定表示演出が終了すればよい。図17のステップS601の処理は、このような特定表示演出を実行するか否かを決定している。なお、所定演出の演出結果が失敗を示すものも含める場合には、図17に示すステップS603の処理にて、失敗を示す所定演出を実行する態様を選択可能とすればよい。
図21は、特定表示演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図21(A)は、擬似連ガセの変動パターンの場合における特定表示演出の実行タイミングを示しており、図21(B)は、擬似連ガセ以外の変動パターンの場合であり、擬似連変動が行われる変動パターンのときにおける特定表示演出の実行タイミングを示している。図21(C)は、擬似連ガセ以外の変動パターンの場合であり、具体的には、非リーチハズレの変動パターンのときにおける特定表示演出の実行タイミングを示している。なお、図示する例では、非リーチハズレの変動パターンについて示しており、その他の変動パターンについては図示を省略しているが、その他の変動パターンの場合については、上述したように、変動パターン毎に「タイミング1」〜「タイミング3」が予め設定されている。図21(A)に示すように、擬似連ガセの変動パターンの場合、実行される擬似連煽り演出は失敗演出となる。上述したように、特定表示演出では、所定演出の演出結果として成功を示す結果が表示された後、特定表示としてのアイコンが表示されることを報知する特定表示変化報知が所定期間継続して行われ、遊技者にとって有利となることが示唆される。それにも関わらず、その後擬似連煽り演出として失敗演出が行われると、遊技者が落胆してしまい、遊技興趣が低下してしまう。そのため、図示するように、擬似連ガセの変動パターンの場合には、特定表示演出の実行タイミングとして、擬似連煽り演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳する「タイミング2」の実行タイミングは選択不可となっている。したがって、図17のステップS606の処理では、「タイミング2」の実行タイミングが決定されることのない、図19(B)に示す実行タイミング決定テーブル2を参照して特定表示演出の実行タイミングを決定している。これにより、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間において失敗演出の実行が制限され、遊技興趣の低下が防止される。なお、擬似連ガセの変動パターンで特定表示演出を複数回実行する場合に実行タイミングを決定するときは、図17のステップS606の処理にて「タイミング2」以外の実行タイミングから複数のタイミングを選択すればよい。また、特定表示演出における所定演出の演出結果が失敗を示す場合には、上記のような状況にはならないことから、「タイミング2」の実行タイミングを選択可能としてよい(後述する図21(B)と同様)。その一方で、特定表示演出における所定演出の演出結果が失敗を示す場合にも「タイミング2」の実行タイミングを選択不可能とし、アイコンが表示されないことが報知された以降(ミニゲームとしての所定演出の結果が失敗に終わった以降)の所定期間において失敗演出が行われることを防止してもよい。これによれば、所定演出の結果が失敗に終わり、さらに失敗演出が実行されることで遊技者が落胆してしまうことを防止することができる。また、この実施の形態では、擬似連煽り演出(失敗演出)の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可として、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間に失敗演出の実行を禁止する例を示しているが、擬似連煽り演出(失敗演出)の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択可能としてもよく、その場合には、通常時よりも小さな表示や透過させて表示するなど、遊技者にとって認識し難い態様により失敗演出を実行すればよい。また、擬似連煽り演出(失敗演出)の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可とはせず、例えば1%や2%の決定割合とするなど、決定される割合を、失敗演出が行われない場合に比べて極端に低くすることにより制限してもよい。すなわち、失敗演出の実行の制限には、実行しない場合の他、遊技者にとって認識し難い態様で実行される場合や、極端に低い割合で実行される場合も含まれる。また、擬似連煽り演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳する「タイミング2」の実行タイミングを選択可能とし、当該「タイミング2」に決定された場合に、「タイミング2」と「タイミング3」の間の実行タイミングである「タイミング2.5」といったタイミングに特定表示演出の実行タイミングをずらす処理を行うことで、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降に擬似連煽り演出として失敗演出が行われることを制限してもよい。
また、例えば、図21(A)に示すように特定表示演出の実行タイミングを「タイミング1」として決定した場合、その後擬似連煽り演出として失敗演出が行われるのは一定の期間経過した後となることから、遊技者の落胆はある程度緩和できる。しかし、より遊技者が落胆してしまうことを防止するため、擬似連ガセの変動パターンの場合、「タイミング1」および「タイミング2」を選択不可、すなわち、擬似連煽り演出の実行期間の前に設定されているタイミングを選択不可としてもよい(特定表示としてのアイコンが表示された後の期間も失敗演出が制限されることとなる)。これによれば、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降に失敗演出の実行が制限されるため、遊技興趣が低下してしまうことをより防止することができる。なお、「タイミング2」を選択不可とする一方で、「タイミング1」に決定する決定割合を1%や2%とするなど、極端に低い決定割合としてもよい。
一方、図21(B)に示すように、擬似連変動を行う変動パターンの場合には、擬似連煽り演出は成功演出となる。したがって、特定表示変化報知が所定期間継続して行われ、遊技者にとって有利となることが示唆された後に失敗演出が実行されることにより遊技者が落胆してしまうという事象が生じない。そのため、図示するように、特定表示演出の実行タイミングとして、擬似連煽り演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳する「タイミング2」の実行タイミングも選択可能となっている。すなわち、図17のステップS605の処理では、「タイミング2」の実行タイミングを含む、図19(A)に示す実行タイミング決定テーブル1を参照して特定表示演出の実行タイミングを決定している。また、図21(C)に示すように、非リーチの変動パターンの場合についても同様に、図17のステップS605の処理では、「タイミング2」の実行タイミングを含む、図19(A)に示す実行タイミング決定テーブル1を参照して特定表示演出の実行タイミングを決定しているが、図21(B)に示す擬似連変動を行う変動パターンの場合と比較して、「タイミング1」の実行タイミングについては共通のタイミング(例えば可変表示を開始してから2秒後のタイミング)となっているものの、「タイミング2」と「タイミング3」の実行タイミングが異なっている。このように、変動パターンに応じて共通の実行タイミングと異なる実行タイミングを設けることにより、演出効果を高めることができる。なお、図21(C)に示すように、擬似連変動を行う変動パターンおよび擬似連ガセの変動パターンであっても特定表示演出が実行可能である。これによれば、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間においてそもそも擬似連煽り演出が実行されないため、遊技興趣の低下が防止される。なお、擬似連変動を行う変動パターンで(擬似連ガセ以外の変動パターンで)特定表示演出を複数回実行する場合に実行タイミングを決定するときは、図17のステップS605の処理にて「タイミング1」〜「タイミング3」の全ての実行タイミングから複数のタイミングを選択すればよい。また、図21(A)および(B)に示す例(擬似連の変動パターンではなくリーチとなる変動パターンの場合も同様)では、特定表示演出の実行タイミングをリーチ前のタイミングとしているが、リーチ中に特定表示演出が実行されてもよい。なお、擬似連変動は1回以上であってもよく、初回の変動を含めた1回の変動につき1回の特定表示演出が行われてもよいし、初回の変動を含む1回の変動において複数回の特定表示演出が行われてもよい。また、複数回の特定表示演出が行われる場合、段階的に表示されるアイコンが増加し(例えば、全部で3回の特定表示演出が行われる場合、1回の特定表示演出において1つのアイコンが表示され、最終的に3つのアイコンが表示されるなど)、有利度が高くなる態様となればよい。
図16に戻り、ステップS559の特定表示演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」となるか否かを予告するカットイン予告やステップアップ予告などの予告演出の実行設定を行うための予告演出実行設定処理を行う(ステップS560)。
図22は、図16のステップS560にて行われる予告演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す予告演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、予告演出の実行有無を決定する(ステップS901)。具体的に、ステップS901の処理では、図23に示す予告演出実行決定テーブルを参照して、予告演出の実行有無を決定する。なお、この実施の形態では、説明を簡略化して理解を容易にするため、予告演出としてカットイン予告が実行されるものとするが、その他の種類の予告演出が実行されてもよく、また、可変表示結果に応じて異なる種類の予告演出が実行されてもよいものとする。
図23は予告演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、予告演出を実行するか否かが、可変表示結果に応じて図示する決定割合に設定されている。具体的に、予告演出を実行する場合の方が、予告演出を実行しない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている。したがって、予告演出が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。
図22に戻り、ステップS901の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS901にて予告演出を実行すると決定したか否かを判定する(ステップS902)。予告演出を実行しないと決定した場合(ステップS902;No)、演出制御用CPU120は、予告演出実行設定処理を終了する。一方、予告演出を実行すると決定した場合(ステップS602;Yes)、演出制御用CPU120は、図16のステップS560における特定表示演出実行設定処理にて特定表示演出の実行設定がなされたか否かを判定する(ステップS904)。特定表示演出の実行設定がなされていないと判定した場合(ステップS904;No)、図24(A)に示す実行タイミング決定テーブルAを参照して、予告演出の実行タイミングを決定し、予告演出実行設定処理を終了する。一方、特定表示演出の実行設定がなされていると判定した場合(ステップS904;Yes)、図24(B)〜(D)に示す実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDのいずれかのテーブルを、特定表示演出の実行タイミングに応じて参照し、予告演出の実行タイミングを決定する。そして予告演出実行設定処理を終了する。
図24は、予告演出の実行タイミングを決定されるために参照される実行タイミング決定テーブルの構成例を示す図である。図24(A)は、特定表示演出が実行されない場合に参照される実行タイミング決定テーブルAの構成例を示している。図24(A)に示す実行タイミング決定テーブルAでは、「タイミングA」〜「タイミングD」といった4種類のタイミングが設定されており、図示する決定割合に設定されている。図24(B)〜図24(D)は、特定表示演出が実行される場合に参照される実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDの構成例を示している。具体的に、実行タイミング決定テーブルBは、特定表示演出が「タイミング1」のタイミングで実行される場合に参照されるテーブルであり、実行タイミング決定テーブルCは、特定表示演出が「タイミング2」のタイミングで実行される場合に参照されるテーブルであり、実行タイミング決定テーブルDは、特定表示演出が「タイミング3」のタイミングで実行される場合に参照されるテーブルである。実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDはそれぞれ、特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミングが選択不可となるよう予告演出の実行タイミングが設定されている(図25参照)。なお、図示する例では、「タイミングA」〜「タイミングD」の4種類のタイミングを設定しているが、それぞれの実行タイミング決定テーブルに、より多くの種類の実行タイミングが設定されていてもよい。また、図示する例では、可変表示結果に関わらず実行タイミングが決定される例を示しているが、例えば、実行タイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるよう、可変表示結果に応じて決定される実行タイミングが異なるようにしてもよい(これとは反対に実行タイミングが早いほど「大当り」となる割合が高くなってもよい)。これによれば、予告演出が実行されるタイミングについても遊技者の注目を集めることができる。
なお、図24に示す例では、特定表示演出の実行タイミングに応じて実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDのそれぞれのテーブルが予め用意されている例を示したが、図24(A)に示す実行タイミング決定テーブルAから特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミング選択不可とした決定テーブルを図22のステップS906の処理にて作成し、実行タイミングを決定するようにしてもよい。これによれば、容量を削減することができる。
続いて、図25を参照して、特定表示演出と予告演出の実行タイミングについて説明する。図25は特定表示演出が実行される場合における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。なお、特定表示演出が実行されない場合については、図示する「タイミングA」〜「タイミングD」といった全ての実行タイミングのうちからいずれかの実行タイミングを決定すればよい(図24(A)参照)。また、図25に示す「X」のタイミングは、当該タイミングでエラーが発生したり、遊技者により演出設定が行われた場合の例を示すものであり、ここでの説明は省略する。なお、「X」のタイミングでエラーが発生した場合や遊技者による演出設定が行われた場合についての説明は後述する。また、上述したように、特定表示演出が実行される場合であっても、ミニゲームとしての所定演出の演出結果が失敗を示す場合には、特定表示変化報知は行われず(アイコンも表示されず)、そのまま特定表示演出が終了するため、予告演出の実行タイミングを、「タイミングA」〜「タイミングD」といった全ての実行タイミングのうちからいずれかを決定すればよい。
具体的に、図25(A)は、図19の「タイミング1」にて特定表示演出を実行する場合(図21参照)における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図示するように、「タイミング1」にて特定表示演出を実行する場合、「タイミングA」以外の「タイミングB」〜「タイミングD」のいずれかのタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する(「タイミングA」は選択不可となっている)。すなわち、演出制御用CPU120は、図22のステップS906の処理にて、図24(B)に示す実行タイミング決定テーブルBを参照して予告演出の実行タイミングを決定する。なお、図示する例では、「タイミングB」の実行タイミングは擬似連煽り演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミングとなっており、予告演出の実行タイミングとして「タイミングB」も選択可能となっているが、この場合「タイミングB」の実行タイミングも選択不可としてもよい。これによれば、それぞれの演出に対する遊技者の注目を集めることができる。なお、図25(A)に示す例では、擬似連煽り演出として失敗演出を実行する例を示しているが、成功演出を実行する場合についても同様である。また、特定表示演出の実行タイミングを決定する場合と同様に、成功演出を実行する場合には予告演出の実行タイミングとして「タイミングB」を選択可能とし、失敗演出を実行する場合には「タイミングB」を選択不可としてもよい(擬似連煽り演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミングを実行タイミングとして決定する場合について、特定表示演出の場合と同様にして決定してもよい)。
図25(B)は、図19の「タイミング2」にて特定表示演出を実行する場合(図21参照)における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図示するように、「タイミング2」にて特定表示演出を実行する場合、「タイミングB」以外の「タイミングA」、「タイミングC」および「タイミングD」のいずれかのタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する(「タイミングB」は選択不可となっている)。すなわち、演出制御用CPU120は、図22のステップS906の処理にて、図24(C)に示す実行タイミング決定テーブルCを参照して予告演出の実行タイミングを決定する。なお、図示する例では、特定表示演出の終了タイミングと擬似連煽り演出の終了タイミングとが同一タイミングとなっているが、これは一例であり、それぞれ異なるタイミングであってもよい。
図25(C)は、図19の「タイミング3」にて特定表示演出を実行する場合(図21参照)における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図示するように、「タイミング3」にて特定表示演出を実行する場合、「タイミングC」以外の「タイミングA」、「タイミングB」および「タイミングD」のいずれかのタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する(「タイミングC」は選択不可となっている)。すなわち、演出制御用CPU120は、図22のステップS906の処理にて、図24(D)に示す実行タイミング決定テーブルDを参照して予告演出の実行タイミングを決定する。なお、図25に示すように「タイミングD」の実行タイミングは、特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しない実行タイミングとして設定されている。すなわち、「タイミングD」の実行タイミングは、特定表示演出の実行タイミングがいずれのタイミングであっても共通して選択可能な実行タイミングとなっている。したがって、特定表示演出の実行タイミングに応じたタイミングで予告演出が実行される場合と、特定表示演出の実行タイミングに関わらず(さらには、特定表示演出が実行されない場合においても)共通のタイミングで予告演出が実行される場合とがあり、演出の幅を広げることができる。
上述したように、特定表示演出では、所定演出の演出結果として成功を示す結果が表示された後、特定表示としてのアイコンが表示されることを報知する特定表示変化報知が所定期間継続して行われ、遊技者にとって有利となることが示唆される。それにも関わらずアイコンが表示されることが報知されてからアイコンが表示される(特定表示が変化する)までの所定期間内に予告演出が実行されると、特定表示演出の演出効果が低下してしまう。そのため、図示するように、特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する。これにより、アイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内に予告演出が実行されることを制限し、演出効果の低下を防止している。なお、この実施の形態では、特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可として、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間において予告演出の実行を禁止する例を示しているが、特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間が重畳する実行タイミングを選択可能としてもよく、その場合には、通常時よりも小さな表示や透過させて表示するなど、遊技者にとって認識し難い態様により予告演出を実行すればよい。すなわち、予告演出の実行の制限には、実行しない場合の他、遊技者にとって認識し難い態様で実行される場合も含まれる。また、上述したように、特定表示演出が実行される場合であっても、ミニゲームとしての所定演出の演出結果が失敗を示す場合には、特定表示変化報知は行われず(アイコンも表示されず)、そのまま特定表示演出が終了するため、特定表示演出の演出効果が低下するといった事象が発生しない。そのため、この場合には、特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可としなくてよい(予告演出が実行されることを制限しなくてよい)。
図16に戻り、ステップS560の予告演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば、リーチとなるか否かを煽る演出やリーチ状態において行われるチャンスアップ予告などその他の演出を実行するか否か、また実行する演出の種類を決定するその他の演出設定をし、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS561)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、ステップS559やS560にて決定した特定表示演出や予告演出などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS562)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS563)。このときには、例えばステップS561にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。ステップS563の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS564)、可変表示開始設定処理を終了する。
図26は、可変表示中演出処理として、図15のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す可変表示中演出処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS801)。演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS801にて可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS801;No)、演出制御用CPU120は、特定表示演出を実行する特定表示演出期間であるか否かを判定する(ステップS802)。特定表示演出期間は、図16のステップS559の処理にて特定表示演出の実行有無とタイミングを決定したことに応じてステップS561の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。
特定表示演出期間であると判定した場合(ステップS802;Yes)、演出制御用CPU120は、特定表示演出の演出制御を実行する(ステップS803)。これにより特定表示演出が実行される。具体的に、ステップS803の処理では、上述したように、ミニゲームとしての所定演出を行い、所定演出の演出結果として成功を示した後、特定表示としてのアイコンが表示されることを報知する特定表示変化報知を所定期間継続して行い、その後、図17のステップS603にて決定した態様のアイコンを表示する(特定表示が変化する)。なお、所定演出の演出結果が失敗を示す場合は、当該ステップS803の処理にて、失敗を示す所定演出が行われた後特定表示変化報知が行われなければよい(アイコンが表示されなければよい)。
ステップS803の処理を実行した後、またはステップS802にて特定表示演出期間でないと判定した場合(ステップS802;No)、演出制御用CPU120は、予告演出を実行する予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS802)。予告演出期間は、図16のステップS560の処理にて予告演出の実行有無とタイミングを決定したことに応じてステップS561の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。予告演出期間であると判定した場合(ステップS804;Yes)、演出制御用CPU120は、予告演出の演出制御を実行する(ステップS805)。これにより予告演出が実行される。
ステップS805の処理を実行した後、またはステップS804にて予告演出期間でないと判定した場合(ステップS802;No)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS806)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS806;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ演出用の背景画像を表示するなど、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS807)。
ステップS807の処理の実行後、またはステップS806にてリーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS806;No)、演出制御用CPU120は、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS808)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS801;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS809;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS810)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS811)。次に、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS812)、可変表示中演出処理を終了する。
図27は、特定表示演出と、擬似連煽り演出としての失敗演出とが実行された場合における演出動作例を示す図である。具体的には、図21(A)に示す「タイミング1」の実行タイミングにて特定表示演出が行われ、その後失敗演出の擬似連煽り演出が行われる場合の演出動作例を示している。図27(a)に示すように可変表示が開始されると、図27(b)に示すように、ミニゲームとしての所定演出が実行され、特定表示演出が開始される。なお、図示する例では、所定演出としてキャラクタが登場し、表示されたコインを回転させることで成功を示す態様を所定演出の例として示しているが、所定演出の態様はこれ以外にも複数態様あってよい。また、所定演出の演出結果として、上述したように失敗を示すものがあってもよい。
そして、図27(c)〜図27(d)に示すように所定演出が進行し、図27(e)に示すように所定演出の演出結果として成功が示されると、図27(f)に示すように特定表示変化報知としてアイコンが表示される旨が報知される(特定表示変化報知が実行される)。特定表示変化報知は所定期間継続して行われる。そして、所定期間経過すると、図27(g)に示すように、特定表示としてアイコンが表示される。図示する例では、「パターンA」の態様を示しているため、星形のアイコンが表示される。その後、図27(h)に示すように、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて、飾り図柄が停止表示され、図27(i)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに擬似連チャンス図柄として「再」のマークが仮停止表示されるか否かを煽る擬似連煽り演出が実行される。そして、図27(j)に示すように、擬似連煽り演出として失敗演出が実行され、擬似連チャンス図柄としての「再」のマークが仮停止表示することなくリーチ状態となる。なお、図示する例では擬似連煽り演出(失敗演出)の後にリーチ状態となる例を示しているが、当該失敗演出の後にリーチ状態とならない場合があってもよい。また、図27(j)に示す例では、特定表示としてのアイコン表示の表示位置を移動しているが、表示位置を移動しなくてもよい。その際に、表示の優先順位は、アイコン表示を優先させてもよいし、優先させなくてもよい。
このように、擬似連煽り演出として失敗演出が実行される場合、当該失敗演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特定表示演出の実行タイミングとして決定するため、特定表示演出の実行期間と失敗演出の実行期間とが重畳しない。そのため、特定表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された後失敗演出が行われることによる遊技者の落胆を防止することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。なお、失敗演出の実行期間と実行期間が重畳しないタイミングを特定表示演出の実行タイミングとすることに代えて、特定表示演出の実行期間と実行期間が重畳しないタイミングを失敗演出の実行タイミングとしてもよい。すなわち、特定表示演出の実行タイミングを調整することに代えて、失敗演出の実行タイミングを調整してもよい。具体的に、失敗演出の実行タイミングを、特定演出の実行期間と当該失敗演出の実行期間とが重畳しないよう予め設定された複数タイミングから1つ選択してもよい。
図28は、特定表示演出と、擬似連煽り演出としての成功演出とが実行された場合における演出動作例を示す図である。具体的には、図21(B)に示す「タイミング2」の実行タイミングにて特定表示演出が行われ、成功演出の擬似連煽り演出が行われる場合の演出動作例を示している。なお、図28(a)〜図28(f)については、図27(a)〜図27(f)と同様であるため、説明を省略する。図28に示す例では、擬似連煽り演出として成功演出が行われるため、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降にも擬似連煽り演出が実行される。そのため、図28(g)に示すように「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて、飾り図柄が停止表示され、図28(h)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに擬似連チャンス図柄として「再」のマークが仮停止表示されるか否かを煽る擬似連煽り演出が実行される。そして、図28(i)に示すように、擬似連煽り演出として成功演出が実行され、擬似連チャンス図柄としての「再」のマークが仮停止表示する。そして、再変動が行われるとともに所定期間経過したことにより、図28(j)に示すように、特定表示としてアイコンが表示される。なお、図示する例では、再変動時に所定期間が経過して特定表示としてのアイコンが表示される例を示しているが、所定期間の経過タイミング(すなわち特定表示変化のタイミング)は、より早いタイミングであってもよい。具体的に、図28(h)に示すように擬似連煽り演出の実行中に所定期間が経過し、特定表示としてのアイコン表示が行われてもよい。また、擬似連煽り演出として成功演出が行われ、かつ特定表示演出が行われる場合には、所定期間の経過タイミングを擬似連煽り演出の終了タイミングと同タイミングとするようにしてもよい。また、擬似連煽り演出の終了タイミングと所定期間の経過タイミングとをそれぞれ独立して決定するようにしてもよい。このように、擬似連煽り演出として成功演出が実行される場合、遊技者が落胆してしまうといった状況にはならないため、擬似連煽り演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳するタイミングを特定演出の実行タイミングとして決定可能となっている。
図29は、特定表示演出と予告演出とが実行された場合における演出動作例を示す図である。具体的には、図25(A)に示す「タイミング1」の実行タイミングにて特定表示演出が行われ、その後「タイミングB」の実行タイミングにて予告演出が行われる場合の演出動作例を示している。なお、図25(A)に示す例では、予告演出の実行期間と擬似連煽り演出の実行期間とが重畳する例を示しているが、図29に示す例では、理解を容易にするため、擬似連煽り演出の演出動作例については省略している。
図29(a)に示すように可変表示が開始されると、図29(b)に示すように、ミニゲームとしての所定演出が実行され、特定表示演出が開始される。なお、図示する例では、所定演出としてキャラクタが登場し、表示されたコインを回転させることで成功を示す態様を所定演出の例として示しているが、所定演出の態様はこれ以外にも複数態様あってよい。また、所定演出の演出結果として、上述したように失敗を示すものがあってもよい。そして、図29(c)〜図29(d)に示すように所定演出が進行し、図29(e)に示すように所定演出の演出結果として成功が示されると、図29(f)に示すように特定表示変化報知としてアイコンが表示される旨が報知される(特定表示変化報知が実行される)。特定表示変化報知は所定期間継続して行われる。そして、所定期間経過すると、図29(g)に示すように、特定表示としてアイコンが表示される。図示する例では、「パターンA」の態様を示しているため、星形のアイコンが表示される。その後、図29(h)に示すように、予告演出としてカットイン予告が行われる。なお、図示する例の他にも、「大当り」となる割合に応じて異なる態様のカットイン予告が実行されてもよいし、カットイン予告の他、ステップアップ予告やバトル演出などが行われるようにしてもよい。
このように、特定表示演出が実行される場合、当該特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定するため、特定表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しない。そのため、特定表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された後の所定期間に予告演出が行われてしまうことで演出効果を低下させてしまう、といったことを防止することができる。
図30は、図25に示す「X」のタイミングで異常が発生した場合における演出動作例を示している。具体的には、主基板11の側から、実際には開放されていない可変入賞装置への入賞が検出されたこと(入賞異常)を示す異常コマンドを、図25に示す「X」のタイミング(特定表示演出における特定表示変化報知が行われた後のタイミング)で受信した場合の例を示している。図30(a)に示すように、特定表示変化報知が行われた後、
図25に示す「X」のタイミングで異常コマンドを受信すると、図14に示すステップS75にて異常コマンドを受信したと判定し、ステップS76の処理にて異常報知処理が行われる。そして、当該処理により、図30(b)に示すように受信した異常コマンドの種類に応じた態様の異常報知が行われる(図示する例では「入賞異常発生!」のメッセージを表示する例を示しているが、その他にも警告音やランプを点灯させてもよいし、予め設定された異常の重要度に応じて異なる態様の報知を行ってもよい)。その後、特定表示変化報知が所定期間継続して行われた後、図30(c)に示すように特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)。なお、図示する例では、図30(c)のタイミングでは異常報知が消去されている例を示しているが、異常報知解除の操作が行われるまでの期間、異常報知を継続して行うようにしてもよい。このように、この実施の形態では、特定表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても異常を報知することが可能である。したがって、遊技者が遊技状況を把握できなくなることを防止し、遊技興趣の低下を防止することができる。
図31は、図25に示す「X」のタイミングで遊技者により演出設定が行われた場合における演出動作例を示している。具体的には、図25に示す「X」のタイミング(特定表示演出における特定表示変化報知が行われた後のタイミング)で遊技者により演出の音量をアップさせる操作が行われた場合の例を示している。図31(a)に示すように、特定表示変化報知が行われた後、図25に示す「X」のタイミングで演出設定が行われると(遊技者による操作を検知すると)、図14に示すステップS77にて演出設定が行われたと判定し、ステップS78の処理にて演出設定処理が行われる。そして、当該処理により、図31(b)に示すように音量設定が変更されたこと(図示する例では音量が「6」から「7」に変更されたこと)が報知される(設定変更報知)とともに、演出により出力される音量を大きくする処理が行われる。その後、特定表示変化報知が所定期間継続して行われた後、図30(c)に示すように特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)。なお、図示するように、音量設定が変更されたことの報知は、特定表示変化報知や特定表示が遊技者にとって認識不可能とならない態様で表示されることが望ましい。このように、この実施の形態では、特定表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定を行うことが可能である。したがって、演出効果の低下を防止することができる。なお、異常報知と設定変更報知が同期間に行われる場合には、異常報知を優先して(異常報知のレイヤーを設定変更のレイヤーよりも遊技者側にするなど)実行するようにしてもよい。さらに、異常の種類によって、設定変更報知より優先されるものとされないものとがあってもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、失敗演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特定表示演出の実行タイミングとして決定する。したがって、特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間において失敗演出の実行が制限され、遊技興趣の低下が防止される。また、擬似連煽り演出の実行期間の前に設定されているタイミングを特定表示演出の実行タイミングとして選択不可としてもよく、これによれば、特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)ことが報知された以降に失敗演出の実行が制限されるため、遊技興趣が低下してしまうことをより防止することができる。また、特定表示演出が開始されると、ミニゲームとしての所定演出が行われ、当該所定演出の演出結果が成功を示す場合に、特定表示としてのアイコンが表示されることを報知する特定表示変化報知が所定期間継続して行われ、その後、図17のステップS603にて決定された態様にてアイコンが表示される(特定表示が変化する)。演出制御用CPU120は、失敗演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特定表示演出の実行タイミングとして決定する。そのため、当該所定演出の演出結果として成功が示されてからアイコンが表示される(特定表示が変化する)までの期間、失敗演出の実行が制限される。したがって、遊技興趣の低下を防止することができる。また、演出制御用CPU120は、特定表示演出を実行する場合、表示すべきアイコン(アイコンの組合せ)を可変表示結果に応じて異なる割合で決定する。したがって、いずれのアイコンが表示されているかに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、演出制御用CPU120は、予告演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する。したがって、特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間において予告演出の実行が制限され、演出効果の低下を防止することができる。また、演出制御用CPU120は、特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても異常を報知することが可能である。したがって、遊技者が遊技状況を把握できなくなることを防止し、遊技興趣の低下を防止することができる。さらに、演出制御用CPU120は、特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定が可能である。したがって、演出効果の低下を防止することができる。また、演出制御用CPU120は、演出に関する設定が行われた場合、演出に関する設定が変更されたことを報知する(設定変更報知)。したがって、演出効果を向上させることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、理解を容易にするため、ミニゲームとしての所定演出が必ず成功を示すものとして説明したが、所定演出の演出結果が失敗を示す場合があってもよい。また、上記実施の形態では、図27等に示す態様の所定演出が行われる例を示したが、所定演出の態様は複数あってもよく、例えば、図32に示すように、二人のランナーが競争する(レース演出を行う)態様であってもよい。図32は、所定演出としてレース演出を行う場合の演出動作例を示している。具体的に、各ランナーは、その色で区別されている。各ランナーは、所定演出が成功するか否かの期待度を有する。各ランナーの色として、青、緑、赤、虹があり、虹>赤>緑>青の順で成功期待度が高く、レース演出は、成功期待度の異なる2人のランナーのキャラクター(ここでは、色により区別される)がレース(競走)を行い、いずれか一方が勝つことにより、所定演出の成功や失敗が報知される演出であればよい(勝ったランナーが有する成功期待度が今回の大当り期待度として報知される)。なお、レース演出は複数回行われてもよい。所定演出の演出結果としての成功期待度が比較的低い緑及び青のランナーは第1グループに属し、所定演出の演出結果としての成功期待度が比較的高い虹及び赤のランナーは第2グループに属するものとする。なお、レース演出は、いずれか一方のランナーを勝たせる演出であり、当該一方のランナーを選択する選択演出の一種でもある。また、レース演出では、登場する両ランナーがレースを中止することがある(いずれもが選択されない態様)。
この例では、所定演出の成功期待度が比較的低い第1グループに属する青のランナーと緑のランナーとの少なくともいずれかが登場するレース演出において両ランナーが競走を中止する割合(第1中止割合)よりも、図32に示すような所定演出の成功期待度が比較的高い第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出(つまり、第1グループに属する青や緑のランナーが登場しないレース演出)において両ランナーがレースを中止する割合(第2中止割合)の方が高く設定されている。これにより、所定演出の成功期待度が低いときにも赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。特に、通常は可変表示結果が「大当り」となる割合よりも「ハズレ」となる割合の方が高く、所定演出としての演出結果が失敗に終わることが多々ある(特定表示演出が実行されたとしても所定演出の演出結果が失敗に終わることが多々ある)ことから、上記構成により赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出の出現率を高くすることができ、遊技者は、赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出が実行される度に所定演出の成功期待度が高いことを期待するため、演出効果を高めることができる。レース演出のような選択演出(上述のように、レース演出は選択演出の一種である。)が実行される場合、従来は、提示された選択肢(ランナーの色)のうちから選択肢を選択しない場合には、普段選択されない高い成功期待度(高期待度)の演出が実行されていた。しかしながら、上記のように通常は可変表示結果が「大当り」となることは少ないため、所定演出としての演出結果が失敗に終わることが多々あることから、遊技者が当該高期待度の演出に接することは希であり、演出効果が高められていない。そのため上記レース演出(両ランナーが中止する態様を含む演出)や上記第1中止割合と第2中止割合との関係により、高期待度が示唆される演出(赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出)が実行されやすいので、演出効果が高められている。
なお、この例ではミニゲームとしての所定演出の一例として上記レース演出が実行され所定演出の成功期待度を報知する演出を例に示したが、レース演出は、特定表示演出における所定演出としてではなく、実行中の可変表示の大当り期待度を報知する演出(勝ったランナーが有する大当り期待度が今回の大当り期待度として報知される演出)として実行されてもよい。これによれば、大当り期待度が低い可変表示においても、大当り期待度が比較的高い第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、特定表示演出として特殊画像としてのアイコンが表示される例を示したが、特定表示演出としてアイコンが表示される他にも、上述したように、特定表示演出としてメータ表示を変化させる(段階的に増加させる)演出を実行してもよい。また、可変表示に対応したアクティブ表示の態様を当該特定表示演出に合わせて変化させる演出(アクティブ表示変化演出)が行われてもよい。さらに、スーパーリーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出)時には、アクティブ表示の態様および特定表示の態様を特殊態様に変化させるようにしてもよい。以下、図33〜図36を用いて説明する。具体的に、この例におけるアクティブ表示変化演出では、アクティブ表示の表示態様を、通常態様(本例では白色)から「第1態様(青)」、「第2態様(緑)」および「第3態様(赤)」に変化させて表示可能であればよい。そして、特定表示としてのメータ表示の最終表示態様が「第1段階」または「第2段階」になった場合には、アクティブ表示の最終表示態様は「第1態様(青)」となり、メータ表示の最終表示態様が「第3段階」または「第4段階」になった場合には、アクティブ表示の最終表示態様は「第2態様(緑)」となり、メータ表示の最終表示態様が「第10段階」になった場合には、アクティブ表示の最終表示態様は「第3態様(赤)」となる。
図33は、特定表示演出が行われてメータ表示が通常態様から第1段階の表示態様に変化し、メータ表示の変化に応じて、アクティブ表示が第1態様に変化するアクティブ表示変化演出が実行される場合の演出動作例を示している。図33(A)に示すように、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示が開始されると、アクティブ表示領域9Fにアクティブ表示が表示される。図33(A)の例では、通常態様(白)によりアクティブ表示が表示されている。次いで、図33(B)に示すように、特定表示演出が実行されると、所定演出としてメータ表示90を点滅表示する演出が実行される。そして、キャラクタA200が登場し(図33(C))、メータ表示の表示態様が、10のうちの1目盛の色が変化した第1段階の表示態様に変化する(図33(D))。その後、メータ表示の変化に応じて、アクティブ表示の表示態様が、第1態様(図33(E)の例では、文字で色が示されている)に変化して表示される(図33(E))。
次に、図34〜図36を参照して、スーパーリーチ演出、特定表示演出およびアクティブ表示変化演出の具体例について説明する。このうち、図34は、スーパーリーチ演出が単独で実行される(特定表示演出およびアクティブ表示変化演出は実行されない)場合の演出動作例を示している。また、図35および図36は、スーパーリーチ演出が実行される場合に特定表示演出およびアクティブ表示変化演出が実行される場合の演出動作例を示している。
まず、図34を参照して、スーパーリーチ演出が単独で実行される場合について説明する。図34(A)に示すように、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示が開始されると、アクティブ表示領域9Fにアクティブ表示が表示される。図34(A)の例では、通常態様(白)によりアクティブ表示が表示されている。次いで、図34(B)に示すように「左」の飾り図柄が停止表示された後、図34(C)に示すように「右」の飾り図柄が停止表示され、左と右の飾り図柄が同じ図柄(本例では、図柄「7」)で停止表示された状態となってリーチ状態が発生する。次いで、スーパーリーチへの発展タイミングとなると、図34(D)に示すように「スーパーリーチ!」などの文字表示が表示され、図34(E)に示すようにレーシングカーのレースが開始されるような演出表示が開始され、スーパーリーチ演出が開始される。なお、図34(D)〜(G)に示すように、この実施の例では、スーパーリーチ演出の実行中は、画像表示装置5の表示画面の右下端部において演出図柄の変動表示を縮小表示するものとする。
次いで、スーパーリーチ演出の実行中に所定のカットイン演出の実行タイミングとなると、図34(F)に示すように、スーパーリーチ演出の実行中に所定のカットイン演出が実行される。本例では、図34(F)に示すように、画像表示装置5において、それまでのレーシングカーのレースの演出表示とは異なる所定のキャラクタ画像201がカットインし、「チャンス!」などのセリフ表示が表示される態様により所定のカットイン演出が実行される。なお、この例では、所定のカットイン演出は、スーパーリーチ演出の一部でとしている。なお、例えば、上記実施の形態のように、所定のカットイン演出をスーパーリーチ演出とは異なる演出として構成してもよい。また、例えば、スーパーリーチ演出を中断して所定のカットイン演出を実行するように構成してもよい。
なお、この例では、図34(A)に示すように、スーパーリーチ演出が単独で実行される場合であっても飾り図柄の可変表示を開始するときにメータ表示90の表示も開始されるのであるが、所定のカットイン演出が開始されると、図34(F)に示すようにメータ表示90が消去される。そのように、この例では、少なくとも所定のカットイン演出が開始されるまではメータ表示90が表示されるので、所定のカットイン演出の実行タイミングや、特定表示の態様を特殊態様に変化させるメータ表示の特別変化(詳しくは後述する)の実行タイミングとなるまでは、所定のカットイン演出とメータ表示の特別変化とのいずれが実行されるかを認識できないようにすることができ、メータ表示の特別変化が行われてメータ表示が変化することに対して期待感をもたせることができる。なお、この例で示した態様にかぎらず、例えば、所定のカットイン演出が開始された後もメータ表示90を継続して表示するようにしてもよい(ただし、メータのレベルは変化しない)。また、例えば、スーパーリーチ演出が単独で実行されメータ表示の特別変化やアクティブ表示変化演出が実行されない場合には、メータ表示90を表示しないように構成してもよい。
次いで、所定のカットイン演出の実行期間を経過すると、再びレーシングカーのレースの演出表示に戻り、図34(G)に示すように、味方のレーシングカーが1位でゴールしたかのような演出表示を行う。そして、可変表示時間が経過すると、図34(H)に示すように、「中」の飾り図柄として左右の飾り図柄と同じ図柄(本例では、図柄「7」)が停止表示し、大当り図柄が導出表示される。
次に、図35および図36を参照して、スーパーリーチ演出が実行される場合に特定表示演出としてメータ表示の特別変化およびアクティブ表示変化演出が実行される場合について説明する。図35および図36の例では、特定表示演出としてメータ表示の特別変化が実行されてメータ表示が通常態様から第10段階の表示態様に変化し、メータ表示の変化に応じてアクティブ表示が第3態様に変化し、さらにメータ表示およびアクティブ表示が第3特別表示態様の特別表示に変化する。特定表示演出において、通常時は図33(D)に示すようにメータ表示の表示態様が、10のうちの1目盛の色が変化した第1段階の表示態様に変化するが、特定表示演出としてメータ表示の特別変化が実行されると、通常態様から第10段階の表示態様に変化する。このように、特定表示演出におけるメータ表示の特別変化を特殊変化演出という。
図35(A)に示すように、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示が開始されると、アクティブ表示領域9Fにアクティブ表示が表示される。図35(A)の例では、通常態様(白)によりアクティブ表示が表示されている。次いで、図35(B)に示すように「左」の飾り図柄が停止表示された後、図35(C)に示すように「右」の飾り図柄が停止表示され、「左」と「右」の飾り図柄が同じ図柄(本例では、図柄「7」)で停止表示された状態となってリーチ状態が発生する。次いで、スーパーリーチへの発展タイミングとなると、図35(D)に示すように「スーパーリーチ!」などの文字表示が表示され、図35(E)に示すようにレーシングカーのレースが開始されるような演出表示が開始され、スーパーリーチ演出が開始される。なお、図35(D)〜(I)および図36(J)に示すように、この例では、スーパーリーチ演出の実行中および特殊変化演出の実行中は、画像表示装置5の表示画面の右下端部において飾り図柄の変動表示を縮小表示するものとする。次いで、図35(F)に示すように、特定表示演出が開始される直前になると、メータ表示90を点滅表示する報知演出が実行される。
次いで、スーパーリーチ演出の開始後、特定表示演出としての特殊変化演出の実行タイミングとなると、図35(G)に示すように、スーパーリーチ演出を中断し、特殊変化演出が実行される。本例では、図35(G)に示すように、画像表示装置5において、嵐が到来し雷が鳴り響いているかのような演出表示を行う態様により特殊変化演出が実行される。なお、この例では、特殊変化演出がスーパーリーチ演出とは異なる演出であり、スーパーリーチ演出を中断して特殊変化演出が実行される。そして、図35(H)に示すように、画像表示装置5において、メータ表示90に対して落雷が命中したかのような演出表示を行い、特定表示としてのメータ表示の表示態様が、10のうちの全目盛の色が変化した第10段階の表示態様に変化する。なお、図35(H)に示す例では、全目盛の色が変化した第10段階の表示態様に変化する例を示したが、一気に第10段階の表示態様に変化しなくてもよい。例えば、スーパーリーチ演出を中断するか、または優先度の低いレイヤーで実行しつつ、表示態様を変化させるための専用のミニゲーム演出を行い、当該ミニゲーム演出の結果に応じていずれの段階まで変化させるかを異ならせてもよい。また、ミニゲーム演出を連続で行うことにより段階的に表示態様を変化させてもよい。
次いで、スーパーリーチ演出を再開し、図35(I)に示すように、再びレーシングカーのレースの演出表示に戻り、メータ表示の変化に応じて、アクティブ表示の表示態様が、第3態様(図35(I)の例では、文字で色が示されている)に変化して表示される。次いで、図36(J)に示すように、味方のレーシングカーが1位でゴールしたかのような演出表示を行い、メータ表示およびアクティブ表示が、第3特別表示態様の特別表示(「V」の文字を示す特別表示202)に変化して表示される。そして、可変表示時間が経過すると、図36(K)に示すように、「中」の飾り図柄として左右の演出図柄と同じ図柄(本例では、図柄「7」)が停止表示し、大当り図柄が導出表示される。
なお、この例では、スーパーリーチ演出としてレーシングカーのレースの演出表示を行い、所定のカットイン演出として所定のキャラクタ画像201がカットインする演出表示を行い、特殊変化演出として嵐が到来し雷が鳴り響いているかのような演出表示を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、スーパーリーチ演出として敵と味方のキャラクタがバトルを行うようなバトル演出を実行したり、所定のストーリーの動画表示を行ったりしてもよく、様々な演出態様が考えられる。また、例えば、所定のカットイン演出としてボタン操作を伴うボタン演出などを実行してもよく、何らかの形式でスーパーリーチ演出中のそれまでの演出表示とは異なる表示がカットインするものであればよい。また、例えば、特殊変化演出としてメータ表示変化演出とは異なるキャラクタが登場する演出表示を行ったり、ボタン操作を伴うボタン演出など実行したりしてもよく、様々な演出態様が考えられる。
これによれば、特定表示として複数段階に態様を変化させることによって期待度を示唆する表示(本例では、メータ表示)を表示可能である。また、特定演出(本例では、スーパーリーチ演出)が実行される場合に、特定表示の態様を変化させるための特殊変化演出(本例では、特定表示演出におけるメータ表示の特別変化)を実行可能である。また、この場合、特定演出よりも優先した態様により特殊変化演出を実行可能である(本例では、スーパーリーチ演出を中断して特殊変化演出を実行する)。そのため、特定演出よりも優先した態様により特定表示の態様を変化させることができるので、特定演出が実行される場合においても特定表示の態様の変化に注目させることができる。すなわち、特定演出と特定表示の態様の変化とを両方実行すると、遊技者が特定演出に注目してしまい特定表示の態様の変化に十分注目させることができないおそれがあるが、特定演出よりも優先した態様により特定表示の態様を変化させることができるので、特定演出が実行される場合においても特定表示の態様の変化に注目させることができる。また、この例では、特定表示演出としてメータ表示を変化させる(段階的に増加させる)演出を実行するとともに、特定表示演出に合わせてアクティブ表示変化演出を行う例を示したが、アクティブ表示変化演出に代えて、上記実施の形態で示したアイコンを表示させてもよい。例えば、段階的にアイコンを表示していく場合において、特定表示演出としてメータ表示の特別変化が実行され、通常態様から第10段階の表示態様に変化した場合に、アクティブ表示の表示態様が第3態様(図35(I)の例では、文字で色が示されている)に変化して表示されることに代えて、最高段階の態様(大当り期待度が最も高い態様)でアイコンを表示してもよい。
なお、この例ではメータ表示の変化に応じて、アクティブ表示の表示態様が変化するように構成されているが、例えば、メータ表示の変化に応じて、いずれかの保留表示の表示態様が変化するように構成されていてもよい。この場合には、始動入賞時のコマンドにもとづいて、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出と特定表示演出(特殊変化演出も含む)とを関連付けて実行することにより実現されればよい。具体的には、始動入賞時のコマンドにもとづいて、メータ表示の最終表示態様と保留表示の最終表示態様とを決定し、決定結果にもとづいて演出を実行する。また、いずれかの保留表示の表示態様がメータ表示に対応して変化する構成の場合には、当該保留表示が表示された時点から対応する変動表示が開始するまでの期間において、特定表示演出(特殊変化演出も含む)を実行可能としてもよい。
また、例えば、先読み演出により保留表示の表示態様が変化可能な構成とし、開始する可変表示に対応する保留表示が通常態様とは異なる表示態様により表示されている場合には、その表示態様によりアクティブ表示を表示するようにしてもよい。具体的には、開始する可変表示に対応する保留表示が第1態様(青色の丸形表示)により表示されている場合には、第1態様(青色の丸形表示)によりアクティブ表示を表示する。また、この場合には、メータ表示の変化に応じて、保留表示の表示態様が変化し、保留表示の表示態様を引き継いだアクティブ表示が、さらなるメータ表示の変化に応じて変化するようにしてもよい。この場合、メータ表示の最終表示態様とアクティブ表示の最終表示態様とは、始動入賞時に始動入賞時のコマンドにもとづいて決定するようにしてもよいし、可変表示開始設定処理において決定するようにしてもよい。また、この場合には、保留表示が表示された時点から対応する可変表示が終了するまでの期間において、特定表示演出(特殊変化演出も含む)を実行可能としてもよい。
また、上記実施の形態では、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定が可能であり、当該演出に関する設定の例として演出の音量が変更される場合について説明したが、演出に関する設定は、これに限られない。演出に関する設定は、遊技者による操作に基づいて行われるものであればよく、例えば、出力される楽曲の選択や背景の種類が変更されるものであってもよい。また、演出に関する設定には、オートボタンの機能を有効または無効に設定するが含まれていてもよい。
なお、「オートボタン」とは、実際には遊技者によってプッシュボタン31Bが操作されていないのであるが、恰もプッシュボタン31Bが操作されているものとして処理を実行する機能である。この例では、飾り図柄の可変表示中にボタン予告演出が実行され、ボタン予告演出においてプッシュボタン31Bの単発操作または連打操作を検出したことにもとづいて予告表示を表示するのであるが、オートボタンの機能が有効に設定されている場合には、プッシュボタン31Bが操作されなくても、ボタン予告演出においてプッシュボタン31Bが単発操作または連打操作されているものとして処理を実行し、予告表示を表示する。なお、この例において、単発操作とは、プッシュボタン31Bが一回操作されることであり、連打操作とは、プッシュボタン31Bが連続して複数回操作されることである。
また、この実施の形態において、「オート連打」とは、実際には遊技者によってプッシュボタン31Bが継続して押下されている(長押しされている)のであるが、恰もプッシュボタン31Bが複数回連続して押下されている(連打されている(プッシュボタン31Bが押されている状態と押されていない状態とが複数回繰り返されている状態))ものとして検出する機能である。この例では、オートボタンの機能が無効であるときには、ボタン予告演出においてプッシュボタン31Bの連打操作を検出したことにもとづいて予告表示を表示することがあるが、プッシュボタン31Bが長押しされている場合にも、連打操作を検出したものとして、予告表示を表示する。
この例では、図14のステップS78の演出設定処理が実行されることによって、任意のタイミング(例えば、客待ちデモンストレーション表示中である期間や飾り図柄の可変表示が行われている期間、大当り遊技中である期間)に、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作にもとづいて、オートボタンの機能を有効とするか無効とするかの設定が可能となる。例えば、図31に示す例では、図25に示す「X」のタイミングで遊技者により音量設定が変更された例を示しているが、音量設定に代えて、演出設定としてオートボタンの機能を有効とするか無効とするかの設定も可能である。すなわち、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においてもオートボタンの機能を有効とするか無効とするかの設定が可能である。なお、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においてもオートボタンが有効か無効かの表示も可能となっている。なお、この例では、オート連打の機能は常に有効であるが、オートボタンの機能と同様に、有効とするか無効とするかの設定を可能に構成してもよい。
図37は、オートボタンの機能を有効または無効に設定する場合の表示態様の具体例を示す説明図である。図37において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。なお、図37(1)のときには、オートボタンの機能が無効に設定されているものとする。図37(1)に示すように、飾り図柄の可変表示が実行されているときに、遊技者によってプッシュボタン31Bの長押し操作が行われると、図37(2)に示すように、オートボタンの機能が有効に設定されるとともに、画像表示装置5において「オートボタン有効」などの文字列が表示され、オートボタンの機能が有効に設定された旨の表示が行われる。またこのとき、オートボタン有効効果音をスピーカ8L、8Rから出力する制御とともに、プッシュボタン31Bを特別発光態様により発光させる制御が行われればよい。
また、オートボタンの機能が有効に設定されているときに、遊技者によってプッシュボタン31Bの押圧操作(単発操作)が行われると、図37(3)に示すように、オートボタンの機能が無効に設定されるとともに、画像表示装置5において「オートボタン無効」などの文字列が表示され、オートボタンの機能が無効に設定された旨の表示が行われる。またこのとき、オートボタン無効効果音をスピーカ8L、8Rから出力する制御とともに、プッシュボタン31Bを通常発光態様により発光させる制御が行われればよい。
なお、図37の例では、飾り図柄の可変表示中にオートボタン機能の設定を変更しているが、上述したように、同様の操作を行うことにより、飾り図柄の可変表示中に限らず、客待ちデモンストレーション期間や大当り遊技期間等においても、オートボタン機能の設定を変更することができる。なお、例えばメニュー画面からオートボタンの機能が設定変更されたときにも、図37に示す例と同様に、画像表示装置5においてオートボタンの機能が無効または有効に設定された旨の表示が行われるようにしたり、オートボタン無効効果音またはオートボタン有効効果音をスピーカ8L、8Rから出力する制御を行ったり、プッシュボタン31Bを通常発光態様または特別発光態様により発光させる制御を行ったりするようにしてもよい。
次に、長押し操作によるオート連打が行われる場合と、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合との差異について説明する。図38は、長押し操作によるオート連打と、オートボタン機能によるオート連打との比較例を示す説明図である。なお、図38に示す例では、ボタン予告演出としてボタン予告演出Aの実行が決定されているものとする。
なお、「ボタン予告演出A」および「ボタン予告演出B」では、操作有効期間が開始されると、プッシュボタン31Bの操作回数に応じたゲージ表示が表示され、プッシュボタン31Bの操作が検出される度に、ゲージ表示の目盛が1つ減少したような態様に表示を更新する。そして、操作を検出した回数が所定回数に達すると(すなわち、ゲージ表示の目盛が0になると)、操作条件が成立したものと判定して予告表示(例えば、「激熱!」や「チャンス!」などの文字列)が表示される。
オートボタンの機能が無効であり、ボタン予告演出Aの実行が決定された場合には、ボタン予告演出の実行中にプッシュボタン31Bの長押し操作が開始されると、長押し操作を開始してから4秒が経過するとオート連打による検出が開始され、オート連打による検出中は1.0秒が経過するごとにプッシュボタン31Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。また、ボタン予告演出Bの実行が決定された場合には、ボタン予告演出の実行中にプッシュボタン31Bの長押し操作が開始されると、長押し操作を開始してから2秒が経過するとオート連打による検出が開始され、オート連打による検出中は0.5秒が経過するごとにプッシュボタン31Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。なお、ボタン予告演出Aおよびボタン予告演出Bのいずれが実行される場合であっても、プッシュボタン31Bの通常の連打操作が行われた場合には、プッシュボタン31Bの押圧操作を検出するごとに操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。
また、オートボタンの機能が有効であれば、ボタン予告演出Aが実行される場合には、プッシュボタン31Bの長押し操作が行われなくても、操作有効期間の開始から1.0秒が経過するごとにプッシュボタン31Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。また、ボタン予告演出Bが実行される場合には、プッシュボタン31Bの長押し操作が行われなくても、操作有効期間の開始から0.5秒が経過するごとにプッシュボタン31Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。また、詳細については後述するが、ボタン予告演出Cが実行される場合には、プッシュボタン31Bの操作が行われなくても、操作有効期間の中盤の所定タイミング(例えば、操作有効期間が6秒であるときには操作有効期間の開始から3秒経過したタイミング)に達すると、プッシュボタン31Bによる操作回数が1回行われたものとして扱われる。
なお、例えば、可変表示結果が「大当り」か否かに応じて、異なる割合でオート連打開始時間やオート連打検出期間が複数の選択肢から選択されるようにしてもよい。例えば、オート連打開始時間は、可変表示結果が「大当り」の場合には、50%の割合で0秒に決定され、50%の割合で2秒に決定され、可変表示結果がはずれの場合には、70%の割合で0秒に決定され、30%の割合で2秒に決定されるようにしてもよい。また、オート連打検出間隔は、可変表示結果が「大当り」の場合には、70%の割合で0.5秒に決定され、30%の割合で1秒に決定され、可変表示結果がはずれの場合には、50%の割合で0.5秒に決定され、50%の割合で1秒に決定されるようにしてもよい。また、可変表示結果が「大当り」か否かに応じて、異なる割合でオート連打開始時間やオート連打検出期間を複数の選択肢から選択する構成については、オートボタン機能によるオート連打と、長押し操作によるオート連打とのいずれかのみに適用してもよいし、両方に適用してもよい。
すなわち、図38(A)に示されるように、長押し操作によるオート連打が行われる場合には、操作有効期間の開始後、プッシュボタン31の長押し操作が開始されてから所定の開始待機期間(本例では4秒)を経過した後に、連打判定がオンになる(すなわち、恰も連打操作が行われているものとして処理が実行され、ゲージ表示の目盛が減少していく)。
これに対して、図38(B)に示されるように、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合には、操作有効期間の開始後、直ちに連打判定がオンになる(すなわち、操作有効期間の開始直後から、恰も連打操作が行われているものとして処理が実行され、ゲージ表示の目盛が減少していく)。このような構成により、オートボタン機能が有効であり長押し操作が行われないときと、オートボタン機能が無効であり長押し操作が行われるときとで、演出(例えば、ゲージ表示の目盛の減少)が実行されるタイミングが異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
また、この例では、ボタン予告演出Bの実行が決定されている場合には、長押し操作によるオート連打が行われた場合には、操作有効期間の開始後、プッシュボタン31Bの長押し操作が開始されてから所定の開始待機期間(本例では2秒)を経過した後に、連打判定がオンになり、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合には、操作有効期間の開始後、直ちに連打判定がオンになる。そのため、ボタン予告演出A、Bのいずれの場合にも、オートボタン機能が有効であり長押し操作が行われないときと、オートボタン機能が無効であり長押し操作が行われるときとで、演出(例えば、ゲージ表示の目盛の減少)が実行されるタイミングが異なるように構成されている。
上記実施の形態では、理解を容易にするため、ミニゲームとしての所定演出が必ず成功を示すものとして説明したが、所定演出の演出結果が失敗を示す場合があってもよく、所定演出の実行タイミングに応じて所定演出の演出結果が成功を示す割合が異なるようにしてもよい。具体的に、特定表示演出の実行タイミングに応じて所定演出の実行タイミングも異なるため、特定表示演出の実行タイミングに応じて所定演出の演出結果が成功を示す割合が異なっていればよい。その他にも、例えば、図21に示す「タイミング1」の実行タイミングで特定表示演出を実行する場合であっても、所定演出の実行タイミングが複数タイミングあるようにしてもよく、所定演出の実行タイミングに応じて演出結果が成功を示す割合を異ならせてもよい。これによれば、所定演出の開始タイミングに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、上記実施の形態では、特定表示として表示されるアイコンの組合せに応じて可変表示結果が「大当り」となる割合が異なる例を示したが、これは一例である。例えば、可変表示に対応したアクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出や保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行可能な遊技機において、当該アクティブ表示や保留表示の表示態様と、特定表示の表示態様(アイコンの数や組合せ)との組合せにより可変表示結果が「大当り」となる割合が異なっていてもよい。これによれば、演出効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、予告演出の実行期間と特定表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定することにより、特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間において予告演出の実行が制限される例を示したが、例えば、予告演出については制限するものの、一発告知という大当り期待度は極めて高い(ここでは、「大当り」確定)特殊演出を実行可能とし、当該特殊演出については、特定表示としてのアイコンが表示される(特定表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間においても制限しなくてもよい。この場合、特殊演出の実行タイミングについては、例えば、図24(A)に示すような、特定表示演出の実行期間と重畳するタイミングが選択不可となっていないテーブルを参照して、特殊演出の実行タイミングを複数タイミングのうちから決定すればよい。なお、特殊演出は、一発告知の他にも、遊技者の操作により保留表示が変化するような演出であってもよい。これによれば、制限される演出とそうでない演出とのメリハリがつき、演出効果を向上させることができる。また、予告演出の実行の制限には、実行しない(禁止する)場合の他、遊技者にとって認識し難い態様で実行される場合も含まれる例を示したが、予告演出の実行を制限する場合において、予告演出の実行を禁止せず実行するときには、特定表示としてのアイコン表示を予告演出よりも優先して(アイコン表示のレイヤーを予告演出のレイヤーよりも遊技者側にするなど)実行すればよい。これによれば遊技者が特定表示を視認困難となることを防止でき演出効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても異常報知が可能となっている例を示したが、これは一例である。異常報知の他、打ち方報知や出玉報知、第4図柄など、遊技に関する情報を特別報知として適宜報知可能であればよい。なお、出玉報知は、遊技者が獲得した出球の数(獲得出玉数)を認識可能に表示するものであり、獲得出玉数が増加する度に特別報知が更新されればよい。通常、獲得出玉数は、高ベース中に表示され、大当りとなった後に更新されるものであるため、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内には更新されないが、高ベース中に遊技球が入賞口に入賞したことによる払い出しについて、獲得出玉数を更新してもよく、そのような場合には適用可能である。また、高ベース中に可変表示結果を頻繁に「小当り」とすることにより遊技者の獲得出玉数を増加させるような遊技機においても適用可能である。これによれば、特定表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても獲得出玉数を更新可能となり、獲得出玉数を遊技者に好適に報知することができる。なお、打ち方報知は、右打ち報知や左打ち報知など、遊技者に遊技球を発射する領域を認識可能に表示するものであればよい。また、第4図柄は、例えば、ランプを点滅表示することにより可変表示中か否かを遊技者に認識可能に表示するものであればよい。
上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記の実施の形態では、例えば、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば、「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示またはスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
なお、上記の実施の形態では、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、有利状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
また、パチンコ遊技機1は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うものに限られず、例えば、遊技領域に設けられたアタッカ内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、または、特定の通過ゲートを通過した場合に大当り遊技状態に制御する遊技機にも適用することができる。さらには遊技用価値(メダルなど)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。