JP6501105B2 - 茎が肥大化した植物の生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、植物の形成層における細胞分裂を活性化できる転写制御因子を導入することにより、茎が肥大化した形質転換植物を生産する方法に関する。
昨今、過剰な二酸化炭素の放出による地球温暖化の進行と化石燃料の枯渇に対する危機感、およびそれに伴う化石燃料の価格上昇、などの要因により、再生可能エネルギー、再生可能マテリアルの利用が注目を集めている。とくに植物由来バイオ燃料(バイオエタノールやバイオディーゼル油)やバイオマテリアル(バイオプラスチックなど)は燃焼や廃棄によって生じる二酸化炭素を新たな放出と捉える必要がない(カーボンニュートラル)ことから、非常に期待されている。しかし、従来のバイオ燃料やバイオマテリアルはトウモロコシのデンプンやナタネ油など食糧になり得るものを原料として生産されており、世界人口の増加により食糧の需給が逼迫しつつある現況から考えて持続可能なものとは言いがたい。そこで、非可食である木質(リグノセルロース)を原料とした第二世代バイオエタノールあるいはバイオマテリアルの実用化が求められている。木質中のセルロースは木質を構成する主要な成分の一つであり、グルコースが繰り返しβ-1,4結合したポリマーである。菌類などを由来とするセルラーゼによって処理することによってグルコースが得られるので、それを酵母で発酵させることによりエタノールを得られる。あるいはグルコースを出発点とした化学物質合成の原料として用いることができる。また、ナノセルロースファイバーとして、プラスチック、樹脂などに混ぜ込むことにより強度を高めることができる。木質中の他の主要成分であるヘミセルロースも、分解することによりキシロースなどの五炭糖の供給源となる。キシロースもそれを出発点とした化学物質合成の原料として用いることができる。また、別の主要木質成分であるリグニンは、芳香環を持つユニットが複雑に重合したポリマーであり、シングルユニットを効率よく取り出せれば、それを出発点とした化学物質合成の原料として用いることができる。このように、木質は様々な用途開発が見込まれる有用資源であり、その生産性を向上させることが期待されている。木質の生産性を高めるには、木質そのものの生合成を活性化させるか、木質が形成される細胞(繊維細胞)の数を増やす必要がある。繊維細胞は、茎の形成層と呼ばれる分裂組織から細胞分裂によって形成される。つまり、形成層における細胞分裂を活性化させることは重要な開発目標となりえる。形成層が活性化すれば、繊維細胞だけでなく、師部細胞も増加し、結果的に茎が太くなる。パラゴムノキの場合、師部細胞からラテックスを生産する乳管細胞が分化することが知られており、形成層を活性することができれば、ラテックスの生産量を増加させることもできる。また、茎が太くなれば、木材としての価値も上げることができる。
植物の形成層の活性を制御する遺伝子はWOX4が知られている(非特許文献1、2)。WOX4はモデル植物であるシロイヌナズナだけではなく、トマトなどの他植物においても形成層における細胞の分化及び形成層の活性維持のための細胞数の維持などに関わることが知られている。そのため、WOX4の発現が抑えられた植物では分化した導管と師管の細胞数の減少が起こり、茎だけでなく、根や葉の正常な発達へも負の影響が起こることが知られている(非特許文献1、2)。
特開2005−13214号公報
Ji.J et al., Plant Physiol 2010, 152: 1346-1356. Hirakawa.Y et al., Plant Cell 2010, 22: 2618-2629. Mitsuda.N et al., Plant Cell 2007, 19: 270-280. Sakamoto.S and Mitsuda.N, Plant Cell Physiol 2014, doi: 10.1093/pcp/pcu208
本発明においては、植物の形成層における細胞分裂を活性化して、繊維細胞や師部細胞を増やし、茎を太くする技術を提供することを目的とする。繊維細胞に形成される木質はセルロース、ヘミセルロース、リグニンを大量に含んでいるので繊維細胞を増加させれば一般にバイオエタノール生産量やバイオマテリアル生産量も増加させることができ、低炭素化社会の実現に向けて貢献できる。また、パラゴムノキでは師部細胞を増加させられれば、師部細胞から分化する乳管細胞も増加すると考えられ、乳管細胞で作られるラテックスの生産量を増加させることができる。
形成層における細胞分裂を活性化させるためには、形成層の形成もしくは維持にかかわる遺伝子を強化するなどして形成層細胞で発現させる必要があると考えられる。本発明者らは植物特異的な転写因子であるNACファミリー転写因子群をシロイヌナズナにおいて網羅的に機能解析する過程で、木質形成を根本的に制御する転写因子遺伝子として、NST転写因子群(NST1、NST2、NST3)を発見した(非特許文献3)。
これらのうちシロイヌナズナのnst1 nst3二重変異体では、花茎や胚軸の木質繊維細胞で木質がまったく形成されなくなり、花茎の強度が大幅に低下するほか、直立することができなかった。しかし、同様に木質が形成される導管においては木質の欠損が起こることはなく、植物の生存には影響がなかった(非特許文献3)。また、これらのうち、NST3遺伝子のプロモータは繊維細胞のごく形成初期から遺伝子発現を誘導できることがわかり、形成層の細胞でも遺伝子発現を誘導できると推測された(非特許文献3)。
本発明者らは、NST3遺伝子のプロモータが形成層細胞でも遺伝子発現を誘導しうることに着目し、発現させる遺伝子としては広く植物転写因子全般について検討するなかで、シロイヌナズナのAP2/ERFファミリーのひとつであるSGF1転写因子を、NST3プロモータによって、植物の形成層にて発現させたときに顕著に茎を肥大化させる効果があることを見出した(図1)。
以上の知見を得たことから、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
〔1〕形成層細胞で遺伝子発現を誘導するプロモータの下流に、以下の(a)〜(e)のいずれかに記載の形成層細胞の細胞分裂活性を制御する転写制御因子をコードする核酸が作動可能に連結された発現カセットを含むベクターを用いて植物を形質転換する工程を含む、肥大した茎を有する植物の生産方法に関する;
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(d)配列番号2に示される塩基配列からなる核酸、
(e)配列番号2に示される塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸。
ここで、〔2〕本発明の肥大した茎を有する植物の生産方法の一実施の形態においては、前記プロモータが、NST1又はNST3遺伝子のプロモータであることを特徴とする。
また、〔3〕本発明の肥大した茎を有する植物の生産方法の一実施の形態においては、発現カセットが、転写活性化ドメインをコードする塩基配列からなる核酸をさらに含むことを特徴とする。
なお、本発明の肥大した茎を有する植物の生産方法において、上記の特徴の1つまたは複数を組み合わせて有するものも、当該植物の生産方法に含まれる。
また、本発明の別の態様によれば、
〔4〕形成層細胞で遺伝子発現を誘導するプロモータと、以下の(a)〜(e)のいずれかに記載の核酸とを含む発現カセットであって、
前記核酸が前記プロモータに作動可能に連結されている発現カセットに関する;
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(d)配列番号2に示される塩基配列からなる核酸、
(e)配列番号2に示される塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸。
ここで、〔5〕本発明の発現カセットの一実施の形態においては、前記プロモータが、NST1又はNST3遺伝子のプロモータであることを特徴とする。
また、〔6〕本発明の発現カセットの一実施の形態においては、転写活性化ドメインをコードする塩基配列からなる核酸をさらに含むことを特徴とする。
なお、本発明の発現カセットにおいて、上記の特徴の1つまたは複数を組み合わせて有するものも、当該発現カセットに含まれる。
また、〔7〕本発明の別の態様によれば、上記〔4〕、〔5〕、又は〔6〕に記載の発現カセットを含むベクターに関する。
また、〔8〕本発明の別の態様によれば、上記〔7〕に記載のベクターを含むキットに関する。
また、〔9〕本発明の別の態様によれば、上記〔7〕のベクターにより形質転換された、形質転換植物若しくはその子孫、又はそれらの一部に関する。
本発明の「SGF1遺伝子」またはそのホモログを導入して作出した、茎が肥大した植物によれば、1個体あたりから生産できる木質やラテックスの量を増加させることができる。木質を増加できればバイオエタノールやバイオマテリアルの生産量を増やすことができるだけでなく、木材としての価値を高めることもできる。
図1は、下記実施例1にて得られた形質転換植物(ProNST3:SGF1-VP16 nst1 nst3シロイヌナズナT1植物)と、そのネガティブコントロールであるシロイヌナズナnst1 nst3二重変異体との播種後約40日における花茎の横断切片を比較した画像を示す。図1上段は明視野における画像を示し、図1下段は紫外線(UV)照射下における画像を示す。 図2は、下記実施例1にて得られた形質転換植物(ProNST3:SGF1-VP16 nst1 nst3シロイヌナズナT1植物)と、そのネガティブコントロールであるシロイヌナズナnst1 nst3二重変異体の播種後約40日における花茎の断面積を比較したグラフを示す。なお、図2においてアスタリスク(*)は、ネガティブコントロールに対して、当該形質転換植物の断面積が有意に増加していたことを示す(P<0.01、Welch’s t-test)。 図3は、下記実施例1にて得られた形質転換植物(ProNST3:SGF1-VP16 nst1 nst3シロイヌナズナT1植物)と、そのネガティブコントロールであるシロイヌナズナnst1 nst3二重変異体の播種後約40日における花茎あたりの導管細胞数を比較したグラフを示す。なお、図3においてアスタリスク(*)は、ネガティブコントロールに対して、当該形質転換植物の花茎あたりの導管細胞数が有意に増加していたことを示す(P<0.01、Welch’s t-test)。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
1.本発明における茎を肥大させた植物について
(1)本発明における茎を肥大させる遺伝子について
本発明において植物の茎を肥大させる遺伝子は、典型的にはシロイヌナズナ由来の配列番号2で表される「SGF1遺伝子」であり、対応するアミノ酸配列は配列番号1で表される。当該遺伝子は、これまでにその機能がよく知られていない。なお、本明細書において、植物の茎を肥大させる遺伝子として「SGF1遺伝子」というときは、配列番号2で示されるシロイヌナズナ由来の「SGF1遺伝子」に限られず、そのオルソログ、パラログなどのホモログやそれらの塩基配列の一部に変異が導入されたものも含まれる。すなわち、シロイヌナズナ由来の「SGF1遺伝子」若しくはそのホモログ、又はそれらの塩基配列の一部に変異が導入されたものを形成層細胞で発現するように導入することで、茎が肥大した形質転換植物を得ることができる。
本発明者らは、当該「SGF1遺伝子」を形成層細胞にて発現させた場合に、形成層における細胞分裂を活性化し、茎の肥大を引き起こす能力を持っていることをはじめて見出した。「SGF1遺伝子」は、同じような体制を持つ双子葉植物全般に広く保存されており、たとえばリンゴにおける相同遺伝子「XM_008367038」はアミノ酸レベルで約57%のホモロジーを有している。したがって、他の植物ゲノム好ましくは双子葉植物中の相同遺伝子、又は一部に変異が導入された遺伝子のうちでも「SGF1遺伝子」とアミノ酸レベルで少なくとも60%、好ましくは70%、さらに好ましくは80%、90%、95%のホモロジーを有する類似遺伝子であれば同様に用いられることが明らかである。
すなわち、本発明の茎を肥大させる遺伝子(言い換えれば、形成層細胞の細胞分裂活性を制御する転写制御因子をコードする核酸)は、一般的には以下の(a)〜(e)のように表現することができる。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(d)配列番号2に示される塩基配列からなる核酸、
(e)配列番号2に示される塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸。
ここで、「アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加している」とは、当該アミノ酸配列中のアミノ酸が、そのポリペプチドの構造又は機能に有意に影響することなく改変していることを指す。また、「数個」とは、好ましくは2〜14個、より好ましくは2〜10個の変異が存在することを指す。
また、上述のように、本発明における植物の茎を肥大化させる遺伝子(すなわち、形成層細胞の細胞分裂活性を制御する転写制御因子をコードする核酸)としては配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸も含まれる。なお、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対する同一性は、少なくとも60%、好ましくは70%、より好ましくは80%、90%、95%であることが好ましい。
なお、本明細書において、「形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性」とは、「SGF1遺伝子」によりコードされる転写制御因子を外来「SGF1遺伝子」の導入により特定の植物の形成層細胞内で合成させた際に、当該特定の植物体であって、かつ、当該「SGF1遺伝子」の導入していない植物体と比較して、当該形成層細胞の細胞分裂を促進させる活性をいう。また、この活性により、当該ポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸が形成層細胞にて発現可能なように形質転換された植物は、形成層細胞の数が相対的に増え、結果として肥大化した茎を有する。
また、ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、相同性が高い核酸、すなわち配列番号2に示す塩基配列と90%、好ましくは95%の同一性を有する塩基配列からなるDNAの相補鎖がハイブリダイズし、それより相同性が低い核酸の相補鎖がハイブリダイズしない条件が挙げられる。このようなストリンジェントな条件については、T.Maniatisら編、Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed.(1989)Cold Spring Harbor Laboratoryなどに記載の通常のハイブリダイゼーション操作におけるTm値を高めた条件として当業者には自明である
お、以下の本発明の説明にあたっては、「茎の肥大」の形質を付与する遺伝子として典型的な「SGF1遺伝子」の名称を用いて説明する。
(2)本発明における茎を肥大させた植物の作出方法
茎が肥大した植物の作出方法は、SGF1遺伝子を形成層細胞で誘導可能なプロモータの下流に作動可能に連結した発現カセットを含むベクターを構築し、野生株又はNST転写因子若しくはそのオルソログ転写因子の機能が抑制された植物(NST転写因子若しくはそのオルソログ転写因子の機能が抑制された植物としては、例えば、nst1及びnst3のいずれか一方、または両方が変異や欠損したものが挙げられる)に形質転換して作出する。
本発明において用いられる転写制御因子のSGF1遺伝子を発現させるためのプロモータは、「形成層細胞で遺伝子発現を誘導するプロモータ」である。具体的には、NST3プロモータもしくはそのオルソログ遺伝子のプロモータを挙げることができるが、形成層細胞で当該遺伝子の発現を誘導可能なプロモータであればこれらに限定されない。NST3プロモータもしくはそのオルソログ遺伝子のプロモータとしては、特に、シロイヌナズナ由来のNST1及びNST3遺伝子のプロモータを好適に用いることができる。
また、本発明の一実施の形態においては、発現カセットに転写活性化ドメインをコードする核酸をさらに含むことができる。ここで、転写活性化ドメインとは、「SGF1遺伝子」の標的遺伝子の発現を形成層細胞内でさらに促すことのできるポリペプチドの構造をいう。本発明に使用できる転写活性化ドメインとしては、形成層細胞内での「SGF1遺伝子」の標的遺伝子の発現を促進可能なものであれば特に限定されず、例えば、VP16(配列番号3、4)を挙げることができる。
なお、本明細書において、「転写活性化ドメインをコードする核酸」というとき、具体的に特定される塩基配列からなる核酸(例えば、配列番号4で示されるVP16)に限定されない。例えば、VP16を転写活性化ドメインとして使用する際には、形成層細胞内で「SGF1タンパク質」とともに発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする限りにおいて、下記(i)又は(ii)に記載の核酸も含む;
(i)配列番号3に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、又は
(ii)配列番号3に示されるアミノ酸配列と、80%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸
なお、VP16のような転写活性化ドメインを使用する場合には、「SGF1遺伝子」によりコードされる転写制御因子と転写活性化ドメインとが1つのポリペプチドとして発現されることが好ましい。したがって、VP16のような転写活性化ドメインを使用する場合には、発現カセット内において、「SGF1遺伝子」の塩基配列は終止コドンを含まないように設計し、VP16などの転写活性化ドメインをコードする塩基配列に終止コドンを含ませるか、または発現カセットに終止コドンを含ませることができる。
なお、VP16のような転写活性化ドメインを使用しない場合には、「SGF1遺伝子」の塩基配列に終止コドンを含ませてもよいし、発現カセットに終止コドンを適宜配置してもよい。
なお、転写活性化ドメインの付加位置は、SGF1タンパク質のC末側であることが好ましいが、SGF1タンパク質の形成層細胞における細胞分裂を促進させる活性を阻害しない限りにおいて、N末側に付加しても良い。
また、VP16のような転写活性化ドメインを使用する場合には、発現カセットにおいて、「SGF1遺伝子」の塩基配列と転写活性化ドメインをコードする塩基配列とをポリヌクレオチドリンカーによって連結させてもよい。ポリヌクレオチドリンカーにより連結した場合、当該発現カセットより発現される「SGF1タンパク質」には、転写活性化ドメインがポリペプチドリンカーを介して連結される。当該リンカーのアミノ酸配列または塩基配列は、当該「SGF1タンパク質」の活性を維持する限りにおいて特に限定されず、例えば、配列番号5に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドリンカー又は配列番号6に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドリンカーを使用することができる。また、リンカーの配列には、ベクターを使用する際に必要となる配列を含ませることもできる。例えば、リンカーには、植物形質転換用ベクターへの挿入に利用されるattB配列などを含ませることができる。従って、リンカーは上記の配列に限定されず、使用するベクターの種類等により、当業者であれば適宜好ましいリンカーを設計可能である。
また、本明細書において、「発現カセット」とは、そのカセットに内包された核酸(主に、遺伝子又はその断片)を発現することのできる一つの発現系単位をいう。発現カセットは、前記核酸を含む領域の他に、遺伝子発現に必要な発現調節領域を有する。そのような発現調節領域には、例えば、プロモータ及びターミネータが含まれる。また、その他の構成として、エンハンサ、ポリA付加シグナル、5’-UTR(非翻訳領域)、標識若しくは選抜マーカー遺伝子、マルチクローニング部位、複製開始点等を含むことができる。発現カセットには、特定の遺伝子等を発現させる上で必要な一つの発現系単位をゲノム上からそのまま取り出したものや、様々な生物由来の発現調節領域等を組み合わせる等して人工的に構築したものが存在する。本発明においては、いずれの発現カセットも利用することが可能である。また、上述する発現調節領域の構成については、本明細書中に記載のない限り、当該分野において公知の構成を適宜選択することが可能である。
本明細書において「発現カセット」は、目的とする植物内の形成層細胞において「SGF1遺伝子」によりコードされる転写制御因子を発現させ、その植物の形成層細胞の細胞分裂を促進することにより茎を肥大化させる機能を有する。
本明細書において「ベクター」とは上記発現カセットを含むものであって、上記発現カセットに含まれる塩基配列からなる核酸の増殖に使用される大腸菌等へ導入されるベクターや、植物の形質転換を行うためのベクターを含む。本発明に使用されるベクターとしては、当該分野において公知のベクターを使用でき、導入する植物やベクターの使用する手法・目的に応じて適宜選択すればよい。ベクターとしては、例えば、下記実施例にて使用される植物形質転換用のpDEST_NST3p_VP16_HSP_GWB5ベクターなどを使用することができるが、これに限定されない。
本発明は、一つの態様として、茎が肥大化した植物を生産するためのキットを提供する。当該キットの具体例としては、形成層細胞で遺伝子発現を誘導するプロモータの下流に、下記(a)〜(e)のいずれかに記載の核酸が作動可能に連結された発現カセットを含むベクターを少なくとも含んでいればよい。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞内で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
(d)配列番号2に示される塩基配列からなる核酸、
(e)配列番号2に示される塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸。
当該ベクターに植物細胞に導入するための試薬群を含んでいればより好ましい。当該試薬群としては、形質転換の種類に応じた酵素やバッファー等を挙げることができる。その他、必要に応じてマイクロ遠心チューブ等の実験用素材が添付されていてもよい。
遺伝子又は組換えベクターを植物中に導入する方法としては、アグロバクテリウム法が典型的であるが、PEG-リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、リポソーム法、パーティクルガン法、マイクロインジェクション法等が適用できる。
本発明において用いる「SGF1遺伝子」は、「茎の肥大化」の形質を誘導できる遺伝子であることが本発明において実証された。その対象となる植物は、イモ類、豆類、ナス科類などの双子葉植物一般に適用できるが、特にバイオマス資源の観点からは、ポプラ、ユーカリ、アカシア、パラゴムノキなどの双子葉木本植物が好ましい。ただし、本発明は、これらの植物に限定されるものではなく、ミスカンザス、エリアンサス、ダンチク、ソルガム、ススキなどの単子葉エネルギー植物の育種一般にも適用できる。
本発明によれば、例えば、上記に列挙するような植物について、茎が肥大した形質転換植物を得ることができる。また、本明細書において、「形質転換植物の子孫」というとき、当該形質転換植物の有性生殖または無性生殖により得られる子孫をいい、当該形質転換植物のクローンを含む。例えば、当該植物体やその子孫から繁殖材料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に当該形質転換植物の子孫を作出することが可能である。また、本明細書において、「形質転換植物若しくはその子孫、又はそれらの一部」というときは、特別な場合を除き、当該形質転換植物又はその子孫の植物における、種子(発芽種子、未熟種子を含む)、器官又はその部分(葉、根、茎、花、雄蕊、雌蘂、それらの片を含む)、植物培養細胞、カルス、プロトプラストを含む。
(3)「SGF1遺伝子」による形質転換植物の形質的特徴
(3−1)茎の肥大
下記実施例2が示すように、「SGF1遺伝子」を用いて、非特許文献3に記載のnst1 nst3二重変異体を形質転換することにより得られたシロイヌナズナ株(以下、「SGF1相補ラインシロイヌナズナ植物」という)の花茎の下部10cmをサンプリングして横断切片を観察した結果、元株であるnst1 nst3二重変異体に比べて茎の断面積が約90%(約1.9倍)も増加していた(図1、2)。
このように、本発明により得られる茎が肥大した形質転換植物は、当該形質転換植物の元株であって、かつ、外来の「SGF1遺伝子」を導入していない植物体と花茎における断面積を比較した際に、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上断面積が増加している。
(3−2)導管の増加
さらに、図1からは、形成層細胞から分裂して作られる導管がSGF1相補ラインシロイヌナズナ植物において著しく増加していることがわかる(図1)。茎の横断切片において導管の数を数えたところ、SGF1相補ラインシロイヌナズナでは元株であるnst1 nst3二重変異体よりも約4.5倍も有意に多かった(図3)。このことは、SGF1相補ラインシロイヌナズナでは形成層細胞の細胞分裂がより活性化されていることを示している。
このように、本発明により得られる茎が肥大した形質転換植物は、当該形質転換植物の元株であって、かつ、外来の「SGF1遺伝子」を導入していない植物体と花茎の横断切片における導管の数を比較した際に、2倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上導管の数が増加している。
2.その他
本発明におけるその他の用語や概念は、当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものであり、本発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学的技術はJ.Sambrook, E.F.Fritsch & T.Maniatis, Molecular Cloning:A Laboratory Manual (2nd edition), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989); D.M.Glover et al. ed., DNA Cloning, 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995)などに記載の方法により、またはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる。また、本発明で使用する各種タンパク質やペプチド、あるいはそれらをコードするDNAについては、既存のデータベース(URL:http://www.arabidopsis.org/またはhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=pubmed等)から入手することができる。
なお、本明細書中に引用した技術文献、特許公報及び特許出願明細書中の記載内容は、本発明の記載内容として参照されるものとする。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)ProNST3:SGF1-VP16で形質転換したnst1 nst3二重変異体シロイヌナズナ植物体の作成
(1−1)形質転換ベクターProNST3:SGF1-VP16の構築
以下のように形質転換ベクターを構築した。
終止コドンを除いたシロイヌナズナ由来のSGF1タンパク質コード領域を下記のオリゴヌクレオチドペアをプライマーとしたPCRで増幅し、かつてインビトロジェン社が販売していたゲートウェイドナーベクターpDONR207ベクターに、BPクロナーゼによってクローニングした。
5’-GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTTCATGGATTACAGAGAATCCACCGG-3’ (配列番号7)
5’-GGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTTAACGTGATCGTGGCCGCCCAG-3’ (配列番号8)
つぎに非特許文献4に記載のpDEST_NST3p_VP16_HSP_GWB5ベクターにLRクロナーゼによって上記SGF1のタンパク質コード領域を移し変えることによって、形質転換に使用したベクターを構築した。なお、本ベクター上には、SGF1とVP16とがポリヌクレオチドリンカーを介してインフレームで連結された状態(配列番号9)で含まれている。よって、当該ベクターを用いて形質転換した植物はその形成層細胞内に、配列番号10で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを発現する。
(1−2)フローラルディップ法を用いたProNST3:SGF1-VP16によるシロイヌナズナnst1 nst3二重変異体の形質転換
上記実施例(1−1)で得られたプラスミドを、土壌細菌(Agrobacterium tumefaciens strain GV3101(C58C1Rifr)pMP90(Gmr)(koncz and Schell 1986))株にエレクトロポレーション法で導入した。導入した菌を200mLの抗生物質(カナマイシン(Km)50mg/L、ゲンタマイシン(Gm)25mg/Lおよびリファンピシリン(Rif)50mg/L)を含むLB培地で2日間培養した。
次いで、培養液から菌体を回収し、500mLの浸潤培地(Infiltration medium;特許文献1を参照)に懸濁し、米国シロイヌナズナバイオリソースセンター(ABRC)から取り寄せたT-DNAタグラインSALK_120377、SALK_149909を掛け合わせて作成したシロイヌナズナnst1 nst3二重変異体(非特許文献3を参照)を45日間〜60日間育てて花を咲かせ、主茎を切った後にさらに10日間育てた後に2分間浸して感染させた後、通常通り育成しT1種子を収穫した。そののち、T1種子を50%ブリーチ、0.02%Triton X-100溶液で7分間滅菌した後、滅菌水で3回リンスし、30mg/lのハイグロマイシン(Hg)を含むMS選択培地に播種した。
上記ハイグロマイシンプレートで生育する形質転換植物体(ProNST3:SGF1-VP16 nst1 nst3シロイヌナズナT1植物)を選抜し、土壌に植え換えて生育し、種子を採取して播種し、次世代(T2)のシロイヌナズナ植物を得た。
(実施例2)ProNST3:SGF1-VP16 nst1 nst3シロイヌナズナ植物の花茎の切片観察
上記実施例(1−2)で得られたProNST3:SGF1-VP16 nst1 nst3シロイヌナズナT1植物において播種後約40日で花茎を採取し、地上高約5cmのところで50mm厚の横断切片をバイブレーションミクロトームを用いて作成し、明視野および紫外線照射下で観察した(図1)。その結果、ProNST3:SGF1-VP16 nst1 nst3シロイヌナズナでは断面積が元株であるnst1 nst3二重変異体よりも約90%拡大している(約1.9倍になっている)ことがわかったほか(図2)、形成層細胞における細胞分裂が活発になった結果、導管の数が元株であるnst1 nst3二重変異体の約4.5倍にもなっていることがわかった(図3)。
なお、上記の実施例においては、「SGF1遺伝子」を導入する対象の植物としてnst1 nst3二重変異体を用いた。これは、当該変異体では、導管のみが二次細胞壁を形成して、繊維細胞との区別が容易であり、形成層の活性化によって増大する導管の数が計測しやすいためである。なお、当業者であれば、「SGF1遺伝子」によりコードされる転写制御因子は、野生型の植物内においても形成層細胞の細胞分裂を促進させることが可能であると理解することができる。

Claims (9)

  1. 形成層細胞で遺伝子発現を誘導するプロモータの下流に、以下の(a)〜(e)のいずれかに記載の形成層細胞の細胞分裂活性を促進する転写制御因子をコードする核酸が作動可能に連結された発現カセットを含むベクターを用いて植物を形質転換する工程を含む、肥大した茎を有する植物の生産方法;
    (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、
    (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞での発現により形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
    (c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
    (d)配列番号2に示される塩基配列からなる核酸、
    (e)配列番号2に示される塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸。
  2. 請求項1に記載の肥大した茎を有する植物の生産方法であって、
    前記プロモータが、NST1又はNST3遺伝子のプロモータである、植物の生産方法。
  3. 請求項1または2に記載の肥大した茎を有する植物の生産方法であって、
    前記発現カセットが、転写活性化ドメインをコードする塩基配列からなる核酸をさらに含む、植物の生産方法。
  4. 形成層細胞で遺伝子発現を誘導するプロモータと、以下の(a)〜(e)のいずれかに記載の核酸とを含む発現カセットであって、
    前記核酸が前記プロモータに作動可能に連結された発現カセット;
    (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、
    (b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞での発現により形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
    (c)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸、
    (d)配列番号2に示される塩基配列からなる核酸、
    (e)配列番号2に示される塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、形成層細胞で発現した際に形成層細胞の細胞分裂を促進する活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる核酸。
  5. 請求項4に記載の発現カセットであって、
    前記プロモータが、NST1又はNST3遺伝子のプロモータである発現カセット。
  6. 請求項4または5に記載の発現カセットであって、転写活性化ドメインをコードする塩基配列からなる核酸をさらに含む発現カセット。
  7. 請求項6に記載の発現カセットを含むベクター。
  8. 請求項7に記載のベクターを含むキット。
  9. 請求項7に記載のベクターにより形質転換された、形質転換植物若しくはその子孫、又はそれらの一部。
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