JP6500516B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射装置からの戻り燃料が流通するリターン通路を具備したエンジンの制御装置に関する。
従来、燃料タンクからエンジンの燃料噴射装置へと供給された燃料の余剰分をリターン通路に戻すことで、燃料噴射装置内の燃料圧力を制御する燃料リターン方式のエンジンが知られている。リターン通路を流通する燃料は、燃料フィルタや燃料タンクへと戻された後に、再び燃料噴射装置へと供給される。この種のエンジンにおいて、寒冷環境で燃料温度を上昇させるべく、エンジンのアイドル回転数(アイドリング時の目標回転数)を上昇させる技術が提案されている。アイドル回転数を高めることで、リターン通路を流通する燃料温度が上昇し、燃料中に析出しうるワックス(パラフィン結晶)の成長や燃料のゲル化が抑制される(特許文献1,2参照)。
特許4415894号公報 特許4343470号公報
パラフィン結晶の成長速度は、燃料温度に応じて変化する。したがって、燃料温度が所定温度以下であることを条件としてアイドル回転数を上昇させれば、ワックスの析出を効率的に抑制しうる。しかしながら、燃料温度の変化速度は、燃料タンク内に残っている燃料量や燃料配管温度,外気温度,エンジンルーム内温度,燃料フィルタ温度などに応じて変化しうる。そのため、燃料温度のみを制御条件としたのでは、燃料温度が急激に低下しつつあるような場合に、その燃料温度を効率的に昇温させることが難しい。
一方、エンジンのアイドル回転数自体をあらかじめ高めに設定しておけば、温度条件の如何に関わらず、燃料温度の平均値が上昇することになる。しかしこの場合、エンジンのアイドリング中に消費される燃料が定常的に増大し、燃費が悪化する。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、エンジンの燃費悪化を抑制しつつ、燃料温度を効率的に昇温させるエンジン制御装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示するエンジン制御装置は、燃料タンクから燃料フィルタを介して燃料噴射装置へ燃料を供給する供給通路と、前記燃料噴射装置から前記燃料タンクに燃料をリターンするリターン通路と、を有する燃料循環通路を備えたエンジンの制御装置である。本制御装置は、前記エンジンの燃料温度に相関する燃料相関温度を取得する第一取得部と、前記エンジンの吸気温度に相関する吸気相関温度を取得する第二取得部とを備える。また、前記燃料相関温度前記吸気相関温度とを併用して前記エンジンのアイドル回転数を制御する制御部を備える。
前記燃料温度に相関する温度のうち、前記エンジンの運転条件が反映された温度を前記燃料相関温度とすることが好ましい。同様に、前記吸気温度に相関する温度のうち、前記エンジンの外部の環境条件が反映された温度を前記吸気相関温度とすることが好ましい。
(2)前記制御部は、前記燃料相関温度が低いほど前記アイドル回転数を上昇させることが好ましい。例えば、前記燃料相関温度が第一温度未満の場合には、前記燃料相関温度が前記第一温度以上の場合よりも、前記アイドル回転数を上昇させることが好ましい。
(3)前記制御部は、前記吸気相関温度が低いほど前記アイドル回転数を上昇させることが好ましい。例えば、前記吸気相関温度が第二温度未満の場合には、前記吸気相関温度が前記第二温度以上の場合よりも、前記アイドル回転数を上昇させることが好ましい。
前記アイドル回転数の急変を抑制すべく、前記制御部が前記アイドル回転数を変化させる際に除変処理(前記アイドル回転数を徐々に変化させる処理)を行うことが好ましい。
(4)前記燃料相関温度、前記吸気相関温度及び前記アイドル回転数の関係を規定する制御マップを備えることが好ましい。この場合、前記制御部は、前記燃料相関温度又は前記吸気相関温度を検出するセンサが故障した場合に前記エンジンのアイドル回転数を前記制御マップ上に規定されたうちの最大値に制御することが好ましい。
(5)前記制御部は、前記エンジンに連結された変速機の変速レンジが停止レンジである場合に前記アイドル回転数の制御を実施することが好ましい。
前記変速レンジが走行レンジである場合には、前記アイドル回転数の制御を不実施とすることが好ましい。前記停止レンジには、N(ニュートラル)レンジ,P(パーキング)レンジなどが含まれることが好ましい。また、前記走行レンジには、D(ドライブ)レンジ,R(リバース)レンジなどが含まれることが好ましい。
(6)前記エンジンの回転数の時間積分値を算出する積算部を備えることが好ましい。この場合、前記制御部は、前記積算部で算出された前記時間積分値が大きいほど前記アイドル回転数の上昇量を小さくすることが好ましい。
(7)前記エンジンの回転数、燃料圧力及び燃料噴射量に基づき前記燃料噴射装置からの燃料リーク量を算出する算出部を備えることが好ましい。この場合、前記第一取得部が、前記算出部で算出された前記燃料リーク量に基づき前記燃料相関温度を推定することが好ましい。
なお、前記燃料相関温度には、燃料温度(前記燃料噴射装置に供給される燃料の温度)や燃料配管温度,前記エンジンの冷却水温,前記エンジンの油温,前記エンジンのシリンダーブロックの温度などが含まれる。
また、前記吸気相関温度には、吸気温度(前記エンジンの吸気通路内の温度),外気温度,前記エンジンが搭載された車両のエンジンルーム内の気温などが含まれる。
開示のエンジン制御装置によれば、燃料相関温度と吸気相関温度とを併用してエンジンのアイドル回転数を制御することで、エンジンの作動条件及び環境条件に合わせてリターン通路の戻り燃料量を適正化することができ、エンジンの燃費低下を抑制しつつ燃料温度を昇温させることができる。
実施形態の制御装置が適用されたエンジンの構成を示す模式図である。 アイドルアップ制御で使用される制御マップ例である。 アイドルアップ制御の手順を例示するフローチャートである。 (A),(B)は本制御装置の作用効果を説明するためのグラフである。
図面を参照して、実施形態としてのエンジン制御装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
本実施形態の制御装置は、図1に示すようなガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジン10(内燃機関)に適用される。本実施形態のエンジン10はディーゼルエンジンであり、図1にはシリンダの一つを示す。各シリンダには、コモンレール14に接続された直噴式のインジェクタ13が取り付けられる。コモンレール14とインジェクタ13とを含めて燃料噴射装置とする。コモンレール14の内部には、燃料タンク15から吸い上げて燃料ポンプ18で加圧された高圧の燃料が蓄えられる。また、エンジン10の吸気通路11にはエアフィルタ12が介装され、その下流側に吸気温度TAを検出する吸気温度センサ22が設けられる。ここで検出された吸気温度TAの情報は、後述するエンジン制御装置1に伝達される。
燃料循環通路20の内部を流れる燃料の流通方向を、図1中に矢印で示す。燃料循環通路20には、燃料フィルタ16,サーモスタット17,燃料ポンプ18が介装される。燃料フィルタ16,燃料ポンプ18は、燃料タンク15からコモンレール14へと燃料が流通する供給通路上に配置される。また、サーモスタット17は、燃料噴射装置(インジェクタ13やコモンレール14)からの戻り燃料が流通するリターン通路19上に配置される。サーモスタット17には、戻り燃料をサーモスタット17から燃料フィルタ16へと還流させる第一通路(リターン通路の一部)と、戻り燃料を燃料タンク15へと還流させる第二通路(リターン通路の一部)とが接続される。第一通路は、燃料タンク15を介することなく戻り燃料を再びエンジン10側へと供給するための通路である。サーモスタット17は、これらの第一通路及び第二通路に戻り燃料を分配する機能を持つ。ここで各々に分配される燃料量は、サーモスタット17へ流入した燃料量とその燃料温度とに応じて決定される。
燃料フィルタ16は、燃料中に含まれる異物を取り除くものであり、フューエルエレメントを内蔵する。燃料フィルタ16には、燃料タンク15側から流入する燃料の流入口と、サーモスタット17側から流入する燃料の流入口とが設けられる。濾過後の燃料は、燃料フィルタ16の流出口から流出し、燃料ポンプ18に導入される。
燃料ポンプ18(サプライポンプ)は、濾過された燃料を加圧してコモンレール14へと供給する圧送装置である。コモンレール14内の燃料圧力を高めることで、インジェクタ13から噴射される燃料噴霧の微粒化が促進される。燃料ポンプ18には、燃料温度TFを検出する燃料温度センサ21が設けられる。ここで検出された燃料温度TFの情報は、エンジン制御装置1に伝達される。
車両の任意の位置には、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサ23が設けられる。ここでは、エンジン10に接続された変速機の変速レンジが、少なくとも停止レンジであるか、それとも走行レンジであるかが検出される。ここでいう停止レンジには、N(ニュートラル)レンジ,P(パーキング)レンジが含まれる。また、走行レンジには、D(ドライブ)レンジ,R(リバース)レンジ,B(ブレーキ強化)レンジ,1速レンジ,2速レンジなどが含まれる。ここで検出された変速レンジの情報はエンジン制御装置1に伝達される。
[2.エンジン制御装置]
エンジン制御装置1は、エンジン10に関する点火系,燃料系,吸排気系及び動弁系といった広汎なシステムを総合的に制御する電子制御装置であり、エンジン10の各シリンダに供給される吸入空気量や燃料噴射量,燃料噴射時期などを制御するものである。このエンジン制御装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ(マイクロプロセッサ)やROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリ等を集積した電子デバイスである。
プロセッサは、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)等を内蔵する演算処理装置である。また、ROM,RAM及び不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。エンジン制御装置1での制御内容は、例えばアプリケーションプログラムとしてROM,RAM,不揮発メモリ,リムーバブルメディア内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAM内のメモリ空間内に展開され、プロセッサによって実行される。
本実施形態では、エンジン10のアイドリング中に実施されるアイドル制御及びアイドルアップ制御について説明する。
アイドル制御とは、エンジン10のアイドリング中における回転数(アイドル回転数)が予め設定された回転数(アイドル目標回転数)となるように、吸入空気量や燃料噴射量,燃料噴射時期などを調節する制御である。この制御は、例えばアクセルペダルが踏み込まれていない状態で実施される。また、アイドル目標回転数は、エンジン10の運転状態(例えば、エンジン回転数やエンジン負荷の状態)に応じて設定される。
アイドルアップ制御も、アイドリング中のアイドル回転数を調節する制御であるという点は、アイドル制御と共通している。しかし、アイドルアップ制御では、アイドル制御時よりもアイドル目標回転数が高く設定され、アイドリング中のエンジン10がより高回転となるように制御される。アイドルアップ制御の開始条件を以下に例示する。アイドルアップ制御には、アイドル制御よりも寒冷環境で実施されやすい特性が与えられる。
条件1:アイドル制御の開始条件が成立している
条件2:変速機の変速レンジが停止レンジである
条件3:燃料相関温度が第一温度T1未満又は吸気相関温度が第二温度T2未満である
エンジン制御装置1には、上記のアイドル制御及びアイドルアップ制御を実施するための要素として、第一取得部2,第二取得部5,マップ記憶部6,制御部7が設けられる。これらの各要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよい。あるいは、これらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。なお、ソフトウェアは、エンジン制御装置1内のROMや補助記憶装置に記録,保存してもよいし、エンジン制御装置1が読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。
第一取得部2は、エンジン10の燃料温度TFに相関する燃料相関温度を取得するものである。ここでいう燃料相関温度には、燃料温度TF(インジェクタ13に供給される燃料の温度)や燃料配管温度,エンジン10の冷却水温,エンジン10の油温,エンジン10のシリンダーブロックの温度などが含まれる。また、第一取得部2には、燃料温度センサ21が搭載されないモデルやセンサ故障時にも対応できるように、積算部3及び算出部4が設けられる。
算出部4は、エンジン10の回転数とコモンレール14内の燃料圧力とインジェクタ13から噴射された燃料噴射量とに基づいて、リターン通路19を流通する燃料リーク量(戻り燃料量)の推定値を算出するものである。燃料リーク量は、エンジン10の回転数が高いほど、あるいは燃料圧力が高いほど増大し、燃料噴射量が多いほど減少する。具体的な燃料リーク量の算出手法には、公知の手法を採用することができる。なお、第一取得部2では、燃料リーク量が多いほど燃料相関温度が高いものと推定される。
積算部3は、エンジン10の回転数の時間積分値を算出するものである。ここでは、エンジン10のアイドリング中だけでなく、アクセルオン中(空吹かしや走行中を含む)におけるエンジン10の回転数が取得され、その時間積分値が算出される。エンジン10の回転数は、クランクシャフトの回転速度を検出する公知のセンサを用いて検出可能である。なお、第一取得部2では、この時間積分値が大きいほどエンジン10自体の温度が上昇しているものと判断され、燃料相関温度が高いものと推定される。
第二取得部5は、エンジン10の吸気温度TAに相関する吸気相関温度を取得するものである。ここでいう吸気相関温度には、吸気温度TA(吸気通路11内の気温)や外気温度,エンジン10が搭載された車両のエンジンルーム内の気温などが含まれる。本実施形態では、吸気温度センサ22で検出された吸気温度TAをそのまま吸気相関温度として使用する。外気温度を検出するセンサを搭載した車両においては、外気温度を吸気相関温度として使用してもよい。
マップ記憶部6は、第一取得部2で取得された燃料相関温度と、第二取得部5で取得された吸気相関温度と、エンジン10のアイドル目標回転数との三者関係を規定する制御マップを記憶するものである。この制御マップには、通常アイドルマップとアイドルアップマップとの二種類が存在する。通常アイドルマップは、通常のアイドル制御で用いられ、アイドルアップマップは、アイドルアップ制御で用いられる。二つのマップ上に設定されているアイドル目標回転数を比較すると、同一の燃料相関温度及び吸気相関温度に対して、アイドルアップ制御時のアイドル目標回転数が通常のアイドル制御時と同じかそれよりも高くなるように設定される。
図2にアイドルアップマップを例示する。アイドル目標回転数は、燃料相関温度が低いほど上昇するように設定される。例えば、燃料相関温度が第一温度T1未満である場合には、燃料相関温度が第一温度T1以上である場合よりも、アイドル目標回転数が高く設定される。また、アイドル目標回転数は、吸気相関温度が低いほど上昇するように設定される。例えば、吸気相関温度が第二温度T2未満である場合には、吸気相関温度が第二温度T2以上である場合よりも、アイドル目標回転数が高く設定される。さらに、燃料相関温度及び吸気相関温度がともに低い場合には、アイドル目標回転数がより高く設定される。
制御部7は、燃料相関温度及び吸気相関温度に基づき、エンジン10のアイドル回転数を制御するものである。ここではまず、アイドル制御の開始条件が成立している場合に、通常のアイドル制御とアイドルアップ制御とのどちらを実施するかが判定される。また、その判定結果に応じて、上記の通常アイドルマップとアイドルアップマップとの何れかが用いられて、エンジン10のアイドル目標回転数が設定される。その後、実際のアイドル回転数がアイドル目標回転数となるように、エンジン10の吸入空気量,燃料噴射量,燃料噴射時期などが制御される。このとき、アイドル目標回転数に除変処理(アイドル目標回転数を徐々に変化させる処理)が施され、実際のアイドル回転数の急変が抑制される。
制御部7は、アイドル目標回転数の設定に際し、燃料温度センサ21,吸気温度センサ22の故障が検出されていない場合には、燃料温度TFをそのまま燃料相関温度として使用するとともに、吸気温度TAをそのまま吸気相関温度として使用してアイドル目標回転数を設定する。一方、燃料温度センサ21,吸気温度センサ22の何れかの故障が検出されている場合には、以下に示す三通りの手法のうち、何れかを選択する。
手法1:燃料リーク量から推定される燃料相関温度を用いる
手法2:エンジン回転数の時間積分値から推定される燃料相関温度を用いる
手法3:マップ上に規定されたうちの最大値をアイドル目標回転数とする
手法1,2は、燃料温度センサ21のみの故障が検出された場合に、そのセンサ値の代わりに推定値を用いるものである。一方、手法3は燃料温度センサ21,吸気温度センサ22のどちらが故障した場合にも適用可能な手法であり、アイドル目標回転数を最大限まで上昇させることで、確実に燃料を昇温させることが意図されたものである。
燃料温度センサ21の故障の検出手法としては、公知の手法を採用可能である。例えば燃料温度センサ21の検出情報がエンジン制御装置1に届いていない場合や、燃料温度TFが正規の検出範囲を超えている場合(高すぎる場合や低すぎる場合)に、燃料温度センサ21が故障したと判断できる。
[3.フローチャート]
図3は、アイドル制御及びアイドルアップ制御の手順を例示するフローチャートである。このフローは、エンジン10のアイドリング中に所定周期で繰り返し実施される。
まず、第一取得部2では燃料相関温度(燃料温度TF)が取得され、第二取得部5では吸気相関温度(吸気温度TA)が取得される。また、シフトポジションセンサ23で検出された変速レンジの情報がエンジン制御装置1に伝達される(ステップA1)。続いて、アイドル制御の開始条件が成立しているか否かが判定され(ステップA2)、これが成立する場合には変速レンジが停止レンジであるか否かが判定される(ステップA3)。アイドル制御の開始条件が不成立であれば、アイドル制御,アイドルアップ制御の何れも実施されないため、本フローは終了する。また、変速レンジが停止レンジである場合には、ステップA4に進む。
ステップA4では、燃料温度センサ21が故障しているか否かが判定される。ここで、燃料温度センサ21が故障していない(正常に作動している)場合にはステップA5に進み、燃料温度TFが第一温度T1未満であるか(ステップA5)、又は吸気温度TAが第二温度T2未満であるか(ステップA6)が判定される。これらの何れかの条件が成立すると、アイドルアップマップに基づくアイドル目標回転数の設定が実施される(ステップA7)。
一方、燃料温度TFが第一温度T1以上であり、かつ、吸気温度TAが第二温度T2以上である場合には、通常アイドルマップに基づくアイドル目標回転数の設定が実施される(ステップA8)。なお、変速レンジが停止レンジでない(走行レンジである)場合にも、通常アイドルマップに基づいてアイドル目標回転数が設定される。その後、アイドル回転数がアイドル目標回転数となるように、エンジン10の運転状態が制御される(ステップA9)。
また、ステップA4で燃料温度センサ21が故障していると判定された場合は、燃料温度TF,吸気温度TAの大小に関わらず、アイドル目標回転数がアイドルアップマップ上に規定されたうちの最大値に設定される(ステップA10)。これにより、エンジン10のアイドル回転数が大きく上昇し、リターン通路19を流通する戻り燃料の温度が上昇するとともに、燃料温度TFが上昇する。
[4.作用,効果]
寒冷環境では、エンジン10のアイドリング中に燃料温度TFが徐々に低下する現象が見られる。燃料温度TFは、エンジン10の運転状態が活発であれば低下しにくく、アクセルオン中(空吹かしや走行中を含む)には、図4(A),(B)に示すように若干上昇しうる。しかし、エンジン10による燃料の昇温作用よりも外気の冷却作用が強ければ、アイドリング時間が長引くに連れて燃料温度TFが低下する。そのため、燃料中にワックス(パラフィン結晶)が析出しやすくなり、燃料フィルタ16の目詰まりの発生が懸念される。
このような課題に対し、上記のエンジン制御装置1では、燃料相関温度及び吸気相関温度の双方に基づいてアイドル回転数が制御される。例えば、図4(B)中の時刻sに吸気温度TAが第二温度T2未満となるまで低下すると、アイドルアップ制御が開始される。これにより、インジェクタ13やコモンレール14からの戻り燃料が増加し、燃料温度TFが第一温度T1以上の状態から冷却されにくくなる。したがって、図4(B)に示すように、燃料温度TFが徐々に上昇し、燃料のワックス化(蝋化)や燃料フィルタ16の目詰まりが抑制される。
なお、アイドルアップ制御が燃料温度TFのみに基づいて開始される制御であった場合には、図4(B)中に破線で示すように、燃料温度TFが第一温度T1未満になるまではアイドル目標回転数が上昇しないため、燃料の昇温が遅れる。さらに、外気の冷却作用が強いほど燃料温度TFが上昇しにくくなり、効率的な燃料の昇温が期待できない。一方、上記のエンジン制御装置1では、吸気温度TAが低いほど、エンジン10による燃料の昇温作用が強化されるため、燃料が効率よく昇温する。
(1)上記のエンジン制御装置1では、燃料相関温度と吸気相関温度とを併用してエンジン10のアイドル回転数を制御することで、リターン通路19から燃料タンク15や燃料フィルタ16への戻り燃料量を適正化することができる。例えば、燃料相関温度が低い場合であっても、吸気相関温度が高い場合には、アイドル回転数を小さく上昇させることで、所望の戻り燃料量を得ることができる。一方、燃料相関温度が低く、吸気相関温度も低い場合には、アイドル回転数を大きく上昇させることで、所望の戻り燃料量を確実に得ることができる。したがって、燃料噴射装置の作動状態や環境条件に左右されることなく、燃料温度TFの低下を抑制することができる。また、戻り燃料の流通先に燃料フィルタ16が配置されるため、少なくとも燃料タンク15の温度を上昇させることができ、それに伴い燃料タンクから燃料フィルタ16へ供給される燃料の温度を上昇させることができる。これにより、燃料フィルタ16の目詰まりを抑制することができる。なお、リターン通路19から燃料タンク15へと還流した燃料も、燃料フィルタ16へと供給されることになる。したがって、リターン通路19を通過した全ての戻り燃料は、燃料フィルタ16の昇温に寄与するものとなる。
このように、上記のエンジン制御装置1によれば、エンジン10の燃費悪化を抑制しつつ、燃料温度TFを効率的に昇温させることができる。
(2)上記のアイドルアップマップでは、燃料相関温度が低いほどアイドル目標回転数が高い値に設定される。これにより、燃料がワックス化しやすい状態であるほど戻り燃料量を増加させることができ、燃料温度TFを上昇させることができる。したがって、燃料フィルタ16の目詰まりを抑制することができる。
(3)また、上記のアイドルアップマップでは、吸気相関温度が低いほどアイドル目標回転数が高い値に設定される。これにより、燃料温度TFが低下しやすい状態であるほど戻り燃料量を増加させることができ、燃料温度TFを上昇させることができる。
また、上記のアイドルアップマップでは、図2に示すように、燃料相関温度及び吸気相関温度がともに低い場合には、アイドル目標回転数がさらに高い値に設定される。これにより、外気の冷却作用に応じてエンジン10による燃料の昇温作用を高めることができ、燃料温度TFを効率的に昇温させることができる。なお、燃料相関温度,吸気相関温度の何れかのみが低いような場合には、燃料相関温度及び吸気相関温度がともに低い場合と比較して、エンジン10による燃料の昇温作用がやや弱められるため、過剰に燃料温度TFを昇温させることがなく、エンジン10の燃費を改善することができる。
(4)上記のエンジン制御装置1では、変速レンジが停止レンジの場合にアイドルアップ制御が実施され、変速レンジが走行レンジの場合には通常のアイドル制御が実施される。このように、走行レンジでのアイドルアップ制御を禁止することで、意図しない車両の発進を回避することができる。例えば、Dレンジの状態でパーキングブレーキのみを用いて車両を停止させていたような場合に、車両が動き出すことを防止することができる。
(5)燃料温度センサ21の故障時に制御部7で選択される三つの手法のうち、手法3が選択された場合には、アイドル目標回転数が、アイドルアップマップ上に規定されたうちの最大値に設定される。これにより、燃料温度TFがわからない場合であってもその燃料温度TFを昇温させることができる。
なお、燃料温度センサ21の故障は、寒冷環境が原因となって発生する場合がある。例えば、外気温度が燃料温度センサ21の動作温度範囲を下回る状態では、燃料温度センサ21の検出情報がエンジン制御装置1に届かない可能性がある。このような場合であっても、燃料温度TFを昇温させて燃料フィルタ16の目詰まりを抑制することで、エンジン10をリンプホームモードで作動させ続けることができ、車両を支障なく緊急退避走行させることができる。
(6)制御部7で手法2が選択された場合には、積算部3でエンジン回転数の時間積分値が算出され、時間積分値に基づいて燃料相関温度が推定される。このような推定演算により、燃料温度センサ21が故障した場合であっても、ある程度の精度で燃料温度TFの状態を把握することができ、燃料温度TFを上昇させつつ、燃料消費量を削減することができる。また、燃料相関温度の推定に際し、時間積分値が大きいほど燃料相関温度が高いものと推定され、時間積分値が小さいほど燃料相関温度が低いものと推定される。これにより、燃料相関温度の推定精度を高めることができる。
(7)制御部7で手法1が選択された場合には、算出部4で燃料リーク量が推定され、燃料リーク量に基づいて燃料相関温度が推定される。このような推定演算により、燃料温度センサ21が故障した場合であっても、ある程度の精度で燃料温度TFの状態を把握することができ、燃料温度TFを上昇させつつ、燃料消費量を削減することができる。また、推定される燃料リーク量は、エンジン10の回転数が高いほど、あるいは燃料圧力が高いほど増大し、燃料噴射量が多いほど減少する。これにより、燃料相関温度の推定精度をさらに高めることができる。さらに、燃料相関温度の推定精度が向上することから、アイドルアップ制御の要否を適切に判断することができ、燃料フィルタ16の目詰まりをより確実に抑制することができる。
[5.変形例]
上述の実施形態では、図2に示すようなマップを用いてアイドルアップ制御でのアイドル目標回転数を設定する制御を例示したが、アイドル目標回転数の設定手法はこれに限定されない。例えば、燃料相関温度と吸気相関温度とアイドル目標回転数との三者関係を関数で定義してもよい。通常のアイドル制御で用いられるアイドルマップについても同様である。上述の実施形態と同様の効果を奏するものとするには、少なくとも、燃料相関温度及び吸気相関温度に基づいてエンジン10のアイドル回転数(アイドル目標回転数)を制御すればよい。
1 エンジン制御装置
2 第一取得部
3 積算部
4 算出部
5 第二取得部
6 マップ記憶部
7 制御部
10 エンジン
13 インジェクタ
14 コモンレール
15 燃料タンク
16 燃料フィルタ
17 燃料サーモスタット
18 燃料ポンプ
19 リターン通路
21 燃料温度センサ
22 吸気温度センサ
23 シフトポジションセンサ

Claims (7)

  1. 燃料タンクから燃料フィルタを介して燃料噴射装置へ燃料を供給する供給通路と、前記燃料噴射装置から前記燃料タンクに燃料をリターンするリターン通路と、を有する燃料循環通路を備えたエンジンの制御装置において、
    前記エンジンの燃料温度に相関する燃料相関温度を取得する第一取得部と、
    前記エンジンの吸気温度に相関する吸気相関温度を取得する第二取得部と、
    前記燃料相関温度前記吸気相関温度とを併用して前記エンジンのアイドル回転数を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする、エンジン制御装置。
  2. 前記制御部は、前記燃料相関温度が低いほど前記アイドル回転数を上昇させる
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジン制御装置。
  3. 前記制御部は、前記吸気相関温度が低いほど前記アイドル回転数を上昇させる
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジン制御装置。
  4. 前記燃料相関温度、前記吸気相関温度及び前記アイドル回転数の関係を規定する制御マップを備え、
    前記制御部は、前記燃料相関温度又は前記吸気相関温度を検出するセンサが故障した場合に前記エンジンのアイドル回転数を前記制御マップ上に規定されたうちの最大値に制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン制御装置。
  5. 前記制御部は、前記エンジンに連結された変速機の変速レンジが停止レンジである場合に前記アイドル回転数の制御を実施する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジン制御装置。
  6. 前記エンジンの回転数の時間積分値を算出する積算部を備え、
    前記制御部は、前記積算部で算出された前記時間積分値が大きいほど前記アイドル回転数の上昇量を小さくする
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジン制御装置。
  7. 前記エンジンの回転数、燃料圧力及び燃料噴射量に基づき前記燃料噴射装置からの燃料リーク量を算出する算出部を備え、
    前記第一取得部が、前記算出部で算出された前記燃料リーク量に基づき前記燃料相関温度を推定する
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のエンジン制御装置。
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