JP6499775B2 - 遅延寛容トラフィックを伴うデバイスの非アクティビティの取扱い - Google Patents

遅延寛容トラフィックを伴うデバイスの非アクティビティの取扱い

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Description

[関連出願]
本出願は、2015年5月19日に提出された米国仮特許出願第62/163,677号の優先権を主張し、その開示は参照によりここに取り入れられる。
[技術分野]
本発明は、概して、モバイル通信ネットワークにおけるワイヤレス通信の分野に関し、具体的には、アップリンク時間アラインメント、及びLTE(Long Term Evolution)のプロトコル群を用いて接続されるデバイスのデータ非アクティビティ管理の取扱いに関する。
ワイヤレス通信ネットワークは、モバイルユーザ機器(UE)とネットワークとの間で信頼性の高い接続を確立し及び維持するように、複雑なプロトコル群を進化させた。概して、UEとネットワークとの間の通信は、2つのタイプを含む:接続性、送信電力及び技術的特徴(例えば、変調及び符号化)を制御するために使用される“オーバヘッド”通信である、(制御プレーン通信としても知られる)シグナリング;及び、通信されるコンテンツ(例えば、デジタル音声、テキスト、画像及び映像など)を含む、(ユーザプレーン通信としても知られる)IPデータである。シグナリング及びIPデータの双方の転送は、限られた帯域幅を有するエアインタフェースをまたいで発生する。
シグナリングの輻輳は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて繰り返し起こる困難である。それは、大規模な活動の場でよく知られているが、人々の大集団が通勤し又は集合するほとんどいかなる場所でも発生する。スケジューラのシグナリングの負担は、典型的には、IPデータ向けよりも格段に大きい。その理由は多くあり、いくつかは理にかなっていて、何らかのボトルネックリソースを過負荷にするリスクを避けるための対処に基づくものであり、いくつかはより因習的で、接続制御及び通信線についてのセキュアで過度に信頼性の高い仕組みを提供するための対処及び義務に基づくものである。
シグナリングの輻輳が発生すると、IPデータ向けのキャパシティは、その初期のサイズに関わらず、劇的に減少する。IPデータのスケジューリング遅延は際限なく増加し、IPデータのシステムスループットは完全には塞がれないとしても非常に急速に深刻化し得る。輻輳したエアインタフェース上で接続性を維持し又は再確立することを目指す多様なタイプの優先度の高いシグナリングの指数関数的な増加から、シグナリングの輻輳自体が急速に増加し、その全てがさらにIPデータを抑圧する。パケットは遅延し、それら事象の途上でレイヤ2レベルで相当に断片化をもする。無線ベースのモバイル通信ネットワークからは悲観的な考察があり、1500バイトのパケットのうちわずか10バイト程度のチャンクが50msから最大150msごとに継続的にスケジューリングされる一方で、同時にパケット自体に300msの遅延バジェットが存在する。しかしながら、無線ベースのスケジューラ及びデータトランスポートレイヤの視点からは、何も異常であるとは見えない。実際、輻輳した無線チャネル上でどのようなサイズ及びフォーマットが維持されるのであれ、到着するIPデータを断片化し及びそれらへ適応させることが、3GPP LTEのレイヤ2の無線リンクプロトコル(RLC)及びメディアアクセスプロトコル(MAC)などのデータトランスポート及び適応レイヤの主な特徴の1つである(RLCは3GPP TS36.322において、MACは3GPP TS36.321において仕様化されている)。
シグナリング輻輳に対処することを企図する多くの現在の方法は、優先度の低いIPベアラと、このようなベアラを有するUEとを阻止(preempt)すること、及び、関連付けられるサービスをこのシステムから最終的に除外(remove)すること、に焦点を合わせている。しかしながら、阻止することは、この問題を永続化するように働くに過ぎない。その理由は、デバイスが再確立を試みるものであり、サービス及びデータ送信リソースを要求し続けるものであるためである。ネットワークインタラクションは、MAC、RLC、RRC、及びTCPなどの標準に基づいて構築されているが、これらは永続的な再送信及び再確立の方法を使用しており、その全てがシグナリングをさらに増加させる。したがって、阻止することは、優先度の低いIPベアラを使用していることが分かっているユーザを、優先度の高いシグナリングを伴うユーザへと、事実上変容させる。
シグナリング輻輳を取り扱うための、より抜本的な方法の中には、優先度の低いIPベアラのユーザの流入を停止(stop)するか、又は、ユーザが遅延寛容なデータのみを有している場合に当該ユーザによるアクセスの試行を禁止(bar)する、という方法が存在する。このような戦略には、多数の不備がある。アイドルモードにおけるレイテンシが大きく、遅延寛容でないユーザデータが現れるたびに新たな制御プレーンをセットアップするのに時間がかかる。また、制御プレーンを連続的に再確立し、このことを達成するためにシグナリングに依拠しなければならない、シグナリング輻輳の根絶を目指す戦略との、固有の不整合も存在する。より良好なアプローチは、接続を維持するはずではあるが、シグナリング用に使用されるリソースへの圧力を緩和させる方法を使用する。
UEは、2つのやり方で、アップリンク(UL)送信をスケジューリングし得る。UL同期されたUEは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上でスケジューリングリクエストを送信し、ネットワークから、専用データ送信用にアップリンク共有チャネル(UL−SCH)を使用するためのグラントを受信し得る。PUCCHリソースは、UL及びDLのスループットを改善し、レイテンシを低減するものの、限られた量でのみ利用可能である。高負荷のシステムについては、セル内におけるRRC接続されたUEのサブセット−理想的には、遅延寛容でないデータ転送又はリクエストを有するもの−のみを、UL同期させることが有益である。
代替的に、遅延寛容なデータ又はリクエストを有するUEは、そのUL同期の失効を許容し、及び、自身の送信を集約し又は併合し得る。UEは、有意な量のデータ転送を実行する準備が整ったときに、ランダムアクセスチャネル(RACH)を使用することにより、UL同期を取り戻し得る。このプロセスは、UEが接続性を再確立するのに時間をより多く要するものの、このUEが遅延寛容トラフィックのみを有している場合、ユーザには有害な影響がなく、ネットワークは、UEの接続セッションと接続セッションとの間のシグナリング輻輳から解放される。
よって、ネットワークが、遅延寛容でないトラフィックを有するUEを、UL同期した状態に保つこと、及び、PDCCHにアクセスして最小限のレイテンシで送信をスケジューリングすることを可能に保つこと、が有利である。また、ネットワークが、遅延寛容トラフィックを有するUEを、より迅速にUL同期から外してシグナリング負荷を軽減すること、及び、当該UEがRACHを介して接続性を低頻度にしか確立しないことを許容すること、も有利である。UEが、どの程度の期間にわたり、エアインタフェースをまたいだ複数回のデータ送信の間にUL同期したままであるかは、典型的には数秒である時間アラインメントタイマ(TAT)値によって制御される。
概してインターネット通信の成長、及び、現代の“スマートフォン”の普及に伴い、エアインタフェースをまたいだ多くのトラフィックは、モバイルインターネットアクセスであり、そのうちの多くは、アップリンク駆動式であって(例えば、ブラウザがウェブサーバへリクエストを送信する)、且つ、遅延寛容である。実際に、ULトラフィックを駆動する多くのアプリ(apps)は、“バックグラウンド”タスクとして動作する。対照的に、音声通信、及び、映像又は音声のストリーミングなどといった“フォアグラウンド”アプリは、遅延寛容でない。したがって、自身のトラフィックが遅延寛容であるか否かを判定するためにUEが最適な位置にいることが多く、この知識を利用して、それぞれRACHアクセス又はPDCCHアクセスのいずれかに向かい、インテリジェントな態様でネットワークのシグナリング輻輳を和らげることを助け得る。
この文書の背景技術の章は、本発明の実施形態を、技術的な及び動作上の文脈に置いて、それらのスコープ及び有用性の当業者による理解を補助するために設けられている。ここでの言明は、別段そのように明示的に識別されない限り、背景技術の章に単に含まれていることによって従来技術であるとは自認されない。
以下の内容は、当業者に基本的な理解を提供するために、本開示の簡略化された概要を提示する。この概要は、本開示の克明な概要ではなく、本発明の実施形態の鍵となる/重要な要素を識別し又は本発明のスコープを規定することを意図されない。この概要の唯一の目的は、ここに開示されたいくつかの概念を、後に提示する、より詳細な説明の序文として、簡略化した形式で提示することである。
ここに記載されて特許請求されている1つ以上の実施形態によると、遅延寛容なデータを有するUEを、より迅速に非UL同期状態に移行させ、遅延寛容性を示さなかったユーザのためにPUCCHリソースを開放する。1つの実施形態において、(例えば、“バックグラウンド”アプリからの)遅延寛容なデータを有するUEについてリソース節約モードが定義され、それ以外の場合、UEはデフォルトモードを想定する。1つの実施形態において、ネットワークは、UE内の時間アラインメントタイマ(TAT)についての第1の値及び第2の値(又はそれらのインデックス)のペアを当該UEへ送信する。第1の値−典型的には、第2の値よりも小さい−は、ユーザデータプレーンが、遅延寛容であると内部的に結論付けられるか、又は、遅延寛容であると既に確認されている場合に、リソース節約モードにおいてUEにより使用される。第2の値は、それ以外の場合に(即ち、デフォルトモードにおいて)使用される。リソース節約モードにおいては、短い方のTAT値が、より迅速にUEをPUCCHから移行させ、UEは、低頻度スケジューリングリクエストのためにランダムアクセスを使用する。デフォルトモードにおいては、UEは、より長くPUCCHに留まり、よって、スケジューリングリクエストについて低レイテンシを有する。ネットワークは、TAT値のペアを予め構成し得る。この仕組みは、これに加え、TAT値の同期的な開始を達成すること、及び、稼働している任意のTATを停止することも、可能である。
1つの実施形態は、ワイヤレス通信ネットワークにおいてユーザ機器を動作させる方法に関する。ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かが判定される。ネットワークから、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値の標識が受信され、第1の値は、第2の値よりも短い時間長を示す。データが遅延寛容である場合に、時間アラインメントタイマに第1の値が適用される。データが遅延寛容でない場合に、時間アラインメントタイマに第2の値が適用される。
別の実施形態は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作可能なUEに関する。UEは、ネットワークとシグナリング及びデータを交換するように動作可能な送受信機を含む。また、UEは、時間アラインメントタイマ、及び、送受信機へ動作可能に接続され、アプリケーションを実行するように動作可能な、1つ以上の処理回路、をも含む。処理回路は、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定し、ネットワークから、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値の標識を受信し、第1の値は、第2の値よりも短い時間長を示し、データが遅延寛容である場合に、時間アラインメントタイマに第1の値を適用し、データが遅延寛容でない場合に、時間アラインメントタイマに第2の値を適用する、ようにさらに動作可能である。
さらに別の実施形態は、ワイヤレス通信ネットワーク内のノードにより信号輻輳を監督する方法に関する。遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有する1つ以上のUEが特定される。特定された遅延寛容なUEは、リソース節約モードに置かれ、それにより、当該UEは、アップリンクチャネルリソースをリリースし、ランダムアクセスにより、併合されたデータ転送を求める低頻度リクエストを行う。
またさらに別の実施形態は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作可能なノードに関する。ノードは、少なくとも1つのUEとシグナリング及びデータを交換するように動作可能な送受信機を含む。ノードは、送受信機へ動作可能に接続された1つ以上の処理回路も含む。処理回路は、遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有する1つ以上のUEを特定し、特定された遅延寛容なUEをリソース節約モードに置き、それにより、当該UEは、アップリンクチャネルリソースをリリースし、ランダムアクセスにより、併合されたデータ転送を求める低頻度リクエストを行う、ように動作可能である。
またさらに別の実施形態は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作可能であり、処理回路を含む、UEに関する。処理回路は、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定する、ように構成される判定ユニットと、ネットワークから、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値の標識を受信する、ように構成される受信ユニットと、第1の値は第2の値よりも短い時間長を示すことと、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であると判定モジュールが判定する場合に時間アラインメントタイマに第1の値を適用するように構成され、及び、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容でないと判定モジュールが判定する場合に時間アラインメントタイマに第2の値を適用するようにさらに構成される、TAT値適用ユニットと、を含む。
またさらに別の実施形態は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作可能なUEに関する。UEは、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定する、ように構成される判定モジュールと、ネットワークから、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値の標識を受信する、ように構成される受信モジュールと、第1の値は第2の値よりも短い時間長を示すことと、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であると判定モジュールが判定する場合に時間アラインメントタイマに第1の値を適用するように構成され、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容でないと判定モジュールが判定する場合に時間アラインメントタイマに第2の値を適用するようにさらに構成される、TAT値適用モジュールと、を含む。
次に、本発明の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下により充分に本発明について説明する。しかしながら、本発明は、ここに明記されている実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底した完全なものとなるように、また、当業者に本発明の範囲を充分に伝えるように、提供されている。同じ番号は全体を通して同じ要素を指す。
多様なUEの状態を描いている。 TimeAlignmentTimer(TAT)情報エレメントの仕様である。 長いTATから短いTATへの切り替えを説明するシグナリング図である。 TATアクティブ化の通信及びタイミングを描く状態図である。 TATを終了させるUEリクエストを描くシグナリング図である。 TAT終了の通信及びタイミングを描く状態図である。 TAT値を要求するUEを描くシグナリング図である。 制御メッセージ構造を描いている。 ネットワークノードのブロック図である。 ユーザ機器のブロック図である。 ワイヤレス通信ネットワークにおいてUEを動作させる方法のフロー図である。 ワイヤレス通信ネットワーク内のノードにより信号輻輳を監督する方法のフロー図である。 UE内の例示的な処理回路のブロック図である。 UE内の処理回路により実行される例示的なソフトウェアのブロック図である。
簡略化及び例示の目的のため、本発明は、その例示的一実施形態を主に参照することにより説明される。以下の説明では、本発明の徹底した理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明記される。しかしながら、本発明が、これらの具体的な詳細に限定しなくても実践され得ることが、当業者には容易に明らかであろう。この説明において、よく知られている方法及び構造は、本発明を必要以上に分かりにくくしないように、詳細に説明されていない。
モバイル通信ネットワークの物理的キャパシティは、ある数のリソースに依存しており、極めて重要なリソースは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)用に使用される。PUCCHの1つの主な目的は、専用データ送信用にアップリンク共有チャネル(UL−SCH)を使用するためのグラントをネットワークに要求するユーザ機器(UE)のために、専用チャネルリソースを提供することである。UEは、このようなPUCCHリソース上で、専用SR(D−SR)としてスケジューリングリクエスト(SR)を送信し得るか、又は、ランダムアクセス(RA)手続を使用することにより、ランダムアクセスSR(RA−SR)としてSRを送信し得る。システムが、PUCCHの不経済な使用を助長し又は許容する方法により、自身のPUCCHリソースを使い果たしている場合、UEは、ランダムアクセスを連続的に繰り返してリソースを再同期し及び要求しなければならない。これは、PUCCH上でSRを送信することに比べ、より単調であって且つ時間のかかる手続であるばかりか、ランダムアクセス用のリソースに対し、増加した負荷もかけ、このことは、転じて、ネットワークの物理的キャパシティを制限する。
UEは、ネットワークとUL同期しており又はUL同期していないものと考えられ得る。LTE(Long Term Evolution)において、アップリンク送信は、UEがアップリンクにおいて同期しているときにのみ許容される。UEがアップリンクにおいて同期していない場合、当該UEは、ランダムアクセス手続を使用することによって同期しなければならず、その後、プリアンブル以外の何らかのものを送信することが許容される。図1は、多様なUEの状態、接続性、及び同期を描いている。上段は、UEのRRC状態下における多様な接続/同期モード(例えば、アイドル(IDLE)又は接続済み(CONNECTED))をグループ化している。下段は、UL同期の2つの可能性についてどのRRC状態が存在するかという、逆の観点を提示している。
システムが、自身のUL時間アラインメントの維持を中止すると、UEは、UL同期を失う。このことが起きる場合、UEは、自身が有し得る(SR、CQI用に使用される)いかなる半静的なPUCCHリソースをもリリースする(遷移:UL同期から非UL同期へ)。
時間アラインメントタイマ(TAT)は、ネットワークにより使用されて、非アクティビティを管理し、アクティブであって同期されることを必要とするか、又は非アクティブであって同期されることを必要としないユーザの数を規制する。タイマは、タイミングアドバンスコマンド(TAC)の受信時に再スタートされる。ネットワークは、ULデータ送信の発生が予期される限り、TACを送信する。UEは、タイマが満了すると非UL同期に移行させられるが、その理由は、新たなアップリンクデータ転送又はダウンリンクデータ転送が直ちに予想されないためである。
ネットワークは、無線リソース制御(RRC)を使用して、UE内のTATを構成し、TATは、10s未満の値に、例えば、典型的には数秒に設定される。図2は、3GPP 36.331(E−UTRA RRC)におけるTimeAlignmentTimer情報エレメントのヘッダを描いている。
3GPP TS 36.321の第5.2節は、TimeAlignmentTimerが満了すると発生する以下のアクションを仕様化している。
“UEは、(…)timeAlignmentTimerが満了すると:(…)
全てのサービングセルについての全てのHARQバッファをフラッシュし;
RRCに、全てのサービングセルについてPUCCH/SRSをリリースするように通知し;
構成済みのいかなるダウンリンク割り当て及びアップリンクグラントをもクリアし;
…するものとする”
2015年12月12日に出願され、“Discontinuous Operation for Devices with Background Traffic”と題された、係属中の米国特許出願第14/895,293号(2014年11月13日に出願された仮出願62/79039の優先権を主張)は、その全体が参照によりここに取り入れられる。ここに記載されている実施形態は、その出願に記載された概念に基づいて構築され及び展開されている。例えば、’293号出願は、現代の3GPPネットワークにおける同時発生するトラフィックの多くが、モバイルインターネットトラフィックであり、よって、ULによりトリガされること−例えば、UE上のアプリが3GPPネットワーク上で、インターネットサーバから何らかのコンテンツをダウンロードするリクエストを送信すること−を記載している。特に、そのアプリが“バックグラウンド”で稼動している場合、そうした複数のリクエストの間にはかなりの量のアイドル時間が存在するが、その理由は、これらのアプリが極めて遅延寛容である傾向を有するためである。加えて、今後のネットワークは、大半がやはりULによりトリガされる、非常に数が多く且つ複雑性の低いマシンタイプ通信(MTC)デバイス及び/又は狭帯域IoT(NB−IoT)からのトラフィックによって支配され得る。これらのデバイスは、典型的には、コンタクトされることが稀にしか必要とされないものの、遅延寛容な計量値(例えば、ユーティリティメータの読み取り値)の、MTCサーバ又はNB−IoTサーバへの送信を、より頻繁に必要とするタイプのものである。双方のケースで、仮にUE/MTC/NB−IoTデバイスがより迅速にUL同期を失い且つ低頻度通信のためにRACHに依拠するならば、ネットワークシグナリング輻輳が軽減されるかもしれない。
ここに記載される実施形態によると、ネットワークが、アップリンク時間アラインメントのメンテナンスに関し、自律的なやり方で、“バックグラウンド”ユーザを“フォアグラウンド”ユーザから分離することが可能である。具体的には、ユーザプレーンがデバイス側及びネットワーク側によって遅延寛容であると確認されているときには、双方の側により、短い方のタイマ値が時間アラインメントタイマ(TAT)として使用され、それ以外の場合には、長い方のタイマ値がTATとして使用される。また、短い方のタイマ(又はその派生)を保護タイマとして使用して、UEにおける遅延寛容性(即ち、“バックグラウンド”使途)を初期的に及び内部的に確認することができる。
1つの実施形態は、最もリソース効率のよいやり方で、接続済みモードにおいて2つの動作モードを使用する。リソース節約モードにおいては、UEは、PUCCHを有しておらず、非アクティブであるか、又は、遅延寛容なアプリケーションについて、データとデータリクエストとを併合するか、のいずれかであり、その後、低頻度スケジューリングリクエストのためにランダムアクセスを使用する。ここで使用されるところによれば、データ又はデータリクエストを“併合する(coalesce)”とは、クリティカルでないデータ転送を避け、複数個のソケットをまたいだデータを単一のアクセス手続へとマージする能力をいう。他方のモードでは、UEは、PDCCHをより頻繁に監視し、PUCCHを有していて、スケジューリングされることを短いレイテンシで連続的に要求することができる。
ユーザプレーンが、非アクティブであるか、又は、遅延寛容であると確認されるか、のいずれかであり、UEにおいて併合する方法によって監督されることが可能である、リソース節約モードにおいては、アクセスの数が少なくなり、それにより、RACHの数が少なく保たれることを期待することができる。モバイルネットワーク接続の最大50%が、“バックグラウンド”で稼動するアプリケーションによって生じ及び使用されることを示す観測結果が存在する。第2のモードにおいては、併合の潜在性がより低いことにより、より頻繁なアクセスを期待することができ、アクセスリソースの予約を正当化することができる。
本発明の実施形態は、少なくとも2つの有利な点を提示する。本発明の実施形態は、レイテンシの減少及びバッテリ寿命の延長などといった体験品質(QoE)の利点を提供し、これらは、デバイス及びアプリケーションのサプライヤにより活用されることが可能である。加えて、本発明の実施形態は、ネットワーク機器のサプライヤ及びオペレータにより活用されることが可能な、高いキャパシティ値を生み出す。負荷がかかったモバイル通信ネットワークの物理的キャパシティの多くは、全くスケジューリングされないか又は強い帯域絞り込み(throttling)及び断片化(fragmentation)と共に扱われるかのいずれかの接続により停滞させられる。本発明の実施形態は、ネットワークが、同期され又は同期されないユーザの数を規制することにより、利用率を増加させることを可能にする。
実施形態は、ネットワークが2つのタイプのトラフィック状況を、自律的なやり方で異なる態様で取り扱うことを可能にする。即ち、“バックグラウンド”ユーザをより迅速にリソース節約モードに移行させることができ、一方、“フォアグラウンド”ユーザはより長くPUCCH消費モードに存在する。1つの実施形態において、リソース節約モードへの移行は、データトランザクションが発生するたびに、転送をリソース節約モードに明示的にシグナリングして戻す必要なしに、タイマ満了により、完全に自律的となる。
以下のアクションにおいて、Dnはデバイスのアクションに対応し、Nnはネットワークのアクションに対応する。このDn、Nnという付番が図3〜図7において利用される。
UEモデムは、以下のDnステップ群を含む方法を使用する(必ずしもこの順序である必要はなく、いかなる所与の手続においても、全てのステップを必ずしも実行する必要はない)。
D1. シグナリング及びデータ無線ベアラのためのMACの構成において、時間アラインメントタイマ(TAT)を伴った制御メッセージを受信する(これは、既知のステップであり、完全を期すためにここに列挙されている)。
D2. 上記TAT値は、他のTAT値が受信されていないときに使用される既定値として取り扱われる。次いで、2つの動作モードが接続済み状態において確立される。第1のモードは、リソース節約モードであり、UEは、PUCCHを有さず、遅延寛容なアプリケーションについてデータとデータリクエストとの併合を実行し、低頻度スケジューリングリクエストのためにランダムアクセスを使用する。第2のモードにおいて、UEは、より頻繁にPDCCHを監視し、PUCCHを有し、スケジューリングされることを短いレイテンシで連続的に要求することができる。UEとネットワークとの間のプロトコルは、連続的な測定と、確認される遅延寛容性の報告とに基づいて、これら2つの動作モードにおける不連続受信(DRX)構成の継続的な調節をサポートする。
D3. UEは、TimeAlignmentTimer(TAT)の第1の予め構成された値及び第2の予め構成された値のペアへのインデックスを伴った制御メッセージを受信する。UEは、ユーザデータプレーンが遅延寛容であると確認され及び示され、且つ、デバイスが遅延寛容なアプリケーションについてデータとデータリクエストとの併合を行い得る状況において使用されるTATとして、第1の値を取り扱う。UEは、それ以外の場合に使用されるTATとして、第2の値を取り扱う。
D4. UEは、上位レイヤ併合の内部的な通知の後、遅延寛容性を確認するために、第1の値(又は第1の値の派生)を内部的な保護タイマとしても取り扱う。
D5. UEは、自身のデータバッファの内容と、過度なフォアグラウンド及びバックグラウンドアプリケーションからの要件とを継続的に監視し、確認済みの遅延寛容性の変化を示すメッセージをネットワークへ送信する。
D6. UEは、ネットワークから、どの動作モードを使用するものとされるかを制御する応答メッセージを継続的に受信する。動作モードとは、即ち、ユーザデータプレーンが遅延寛容であると示され及び確認され、且つ、UEが遅延寛容なアプリケーションについてデータとデータリクエストとを併合すべきである状況についての第1のリソース節約モード、又は、それ以外の場合に使用される第2のモード、である。
D7. UEは、次のタイミングアドバンスコマンド(TAC)が受信された場合に、新たなTAT値にコミットし、TATが再スタートされるものとされる。
D8. UEは、TATを停止する要望を示すリクエストメッセージを送信し、それに応じて、TATが満了したかのように振る舞うようにするインジケータを伴う制御メッセージを受信する。すると、UEは、その制御メッセージトランザクションについての肯定応答(ACK)が受信された後の時点において上記アクションにコミットする。
D9. UEは、TAT値の或るペアを求める要望を示すリクエストメッセージを送信し、どのペアを使用するものとされるかを制御する応答メッセージを受信する。
モバイルネットワークは、以下のNnステップ群を含む方法を使用する。
N1. D1と同じだが、代わりに制御メッセージを送信する。
N2. D2と同じである。
N3. D3と同じだが、代わりにTATのどのペアを使用するものとするかを制御する制御メッセージを送信する。
N4. 特に無し(D4は、デバイスモデムにおいて内部的なものである。モバイルネットワークにおいて、対応するアクションは存在しない)。
N5. ネットワークは、デバイスからメッセージを受信し、オプションとしてネットワーク内のサービスレイヤをも使用し、その時点の遅延寛容性及び最適なUE動作モードを確定させる。
N6. D6と同じだが、ネットワークは、どの動作モードを使用するものとするかを示す制御メッセージを送信する。
N7. D7と同じだが、代わりに次のTACを送信する。
N8. D8と同じだが、逆の動作(リクエストメッセージを受信し、応答制御メッセージを送信する)。
N9. D9と同じだが、逆の動作(リクエストメッセージを受信し、応答制御メッセージを送信する)。
図3は、UEモードが通常モードからリソース節約モードに変化するシナリオであって、UEにより使用されるTAT値が併せて変化する当該シナリオにおいて、これらの状態のうちのいくつかをUE及びネットワークノードが巡回する様子を示している。
まず、N3/D3において、TATの第1の予め構成された値及び第2の予め構成された値のペアのインデックスを伴った制御メッセージを、ネットワークが送信する(及びUEが受信する)。UEは、また、第1のTAT値(又はその派生)を内部的な保護タイマとして使用して、D4により示されるように、そのアップリンク通信の遅延寛容性を確認する。この時点では、UEは、アップリンク通信に対する自身のニーズが遅延寛容であることを示していない。
(円で示されているように)暫くの時間の後に、N7/D7において、タイミングアドバンスコマンド(TAC)を、DL−SCH上でネットワークが送信する(及びUEが受信する)。TACは、その開示が、その全体が参照によりここに取り入れられる3GPP TS 36.321のテーブル6.2.1−1において仕様化されているように、11101という論理チャネルIDによって識別される。TACを受信すると、UEは、TATの長い方の第2の値にコミットして、より長く接続済み状態に留まり、PUCCHを介して迅速なULスケジューリングを維持する。また、TATが再スタートされる。
別の不特定の遅延の後に、Uは、自身のユーザプレーン通信が遅延寛容である−例えば、そのアプリのほとんど又は全てがバックグラウンドモードで稼動している−と結論付ける。D5/N5において、UEがリソース節約モードに移行されてよいことをネットワークに知らせるメッセージを、UEが送信する(及びネットワークが受信する)。N6/D6において、ネットワークは、リソース節約モードに切り替えるようにUEへ指示する制御メッセージで応答する。これに応じて、UEは、自身の遅延寛容なアプリケーションについてデータとデータリクエストとの併合を開始し、PUCCHをリリースし、UL同期を失う。
UEは、スケジューリングリクエストを正当に行うために十分な遅延寛容なULデータを収集すると、当分野でよく知られているように、ランダムアクセス手続を使用してネットワークと再同期する。N7/D7において、短い方の第1のTAT値を使用するようにUEへ指示するTACを伴うランダムアクセス応答を、ネットワークが送信する(及びUEが受信する)。このTACに応じて、UEは、短い方のTAT値に切り替え、TATを再スタートする。既知のシグナリングに続き、UEはその後、UEIDと共にMSG3スケジューリングリクエストを送信し、ネットワークは、競合解決メッセージで応答する。さらなるシグナリングは従来通りである。
図3が例示するところでは、UEは、当初ネットワークにより“通常”モードに置かれ−UL同期状態に留まって、遅延にセンシティブなULスケジューリングのためのより長いTAT値を使用する。UEは、(例えば、短いTATタイマ値を保護タイマとして使用することによって)自身のULトラフィックが遅延寛容であると判定すると、ネットワークへの通知を行い、ネットワークからTACを受信するとリソース節約モードへ移行する。その時点以降、(そのULトラフィックが遅延寛容なままである限り)UEはUL送信をスケジューリングするためにランダムアクセス手続を使用する。
図4は、リソース節約モードへの又はリソース節約モードからのUE遷移のサブフレームタイミングを描く状態図である。N3/D3において、ネットワークは、例えば、2つのタイマ値を提供し、及び/又は当該2つのタイマ値のうちの1つをTAT値として利用するようにUEへ指示する制御メッセージを送信する(及びUEが受信する)。UEは、4サブフレーム(ラウンドトリップタイム又はRTT)後に、制御メッセージに対して肯定応答を送信する(ACK)。但し、UEは、ネットワークからTACを受信するまでは、実際にはモードを変更せず、TAT値を実装しない。UEは、4サブフレーム後にTACに対してACKを送信する。レガシーのタイミングに起因して、ネットワーク及びUEは、D7/N7において、UEの状態の実際の変化(及びTATのリセット)がTACから6サブフレーム後に生じるであろうことを合意する。3GPP TS 36.213のセクション4.2.3を参照されたい(“サブフレームnにおいて受信されるタイミングアドバンスコマンドについて、アップリンク送信タイミングの対応する調節は、サブフレームn+6の開始から適用されるものとされる。”)。
図5は、ステップD8及びN8の動作、即ち、UEがTATの早期終了を要求すること、を描くシグナリング図である。D5/N5において、UE ULトラフィックが遅延寛容であること(例えば、バックグラウンドアプリのみがアクティブである)ことを示すリクエストメッセージを、UEが送信する(及びネットワークが受信する)。N6/D6において、ネットワークは、リソース節約モードに入るようにUEへ指示する制御メッセージで応答する。D8/N8において、TATをショートカットすることを求めるリクエストメッセージを、UEが送信する(及びネットワークが受信する)。これに応答して、ステップN8/D8においても、TATタイマを満了させるようにUEへ指示する制御メッセージをネットワークが送信し(及びUEが受信し)、そのようにして直ちにUL同期が失われる。その後、UEは、UL送信をスケジューリングするためにはランダムアクセス手続を使用しなければならない。
図6は、図5に描かれた最後のトランザクションのタイミングを描く状態図である。ネットワークは、TATタイマの早期満了を指示する制御メッセージをUEへ送信する。4サブフレーム後に、UEは、ネットワークへACKを送信する。それから2サブフレーム後に、UEは、自身のTATタイマの値を終了させる。
図7は、ステップD9及びN9の動作、即ち、UEがTAT値の具体的なペアを要求すること、を描くシグナリング図である。D3/N3において、UEにより使用されるためのTAT値のペアへのインデックスを伴う制御メッセージを、ネットワークが送信する(及びUEが受信する)。D9/N9において、UEは、当該UEが使用を所望するTAT値のペアへのインデックスを付与したリクエストメッセージで応答する。N9/D9において、ネットワークは、要求されたTAT値のペアへのインデックスを付与した制御メッセージで応答する。N7/D7において、ネットワークは、TACをUEへ送信して、通常モードかリソース節約モードかのいずれかをUEに命じ、並びに、上記ペアのうちの対応するTAT値を採用すること、及びTATをリセットすることを命じる。上記のように、UEは、6サブフレーム後に、これらのアクションを実行する。
図8は、ペアリングされたTAT値へのインデックスの、あり得る符号化を伴う制御メッセージを描いている。これは、D3/N3(及びD9/N9)におけるインデックスのあり得る符号化を示しており、各TATインデックスは2ビットである。テーブル1は、TAT値のペアへのインデックスとして、TATDEFのあり得る表現を列挙している。
Figure 0006499775
1) TATの、第1(短いTAT)及び第2(長いTAT)の予め構成された値。単位はサブフレーム(LTEにおいて1ms)。
2) PC=0の場合に長いTATが使用され、それ以外の場合に短いTATが使用される。
3) PC=X:遅延寛容性が未知である間の既定値。
4) PC=1:遅延寛容性が確認済みであるものとしてシグナリングされる。それ以外の場合はPC=o。
5) 非PFTレガシー(RRC)によって構成される値が使用されるものとされる。
図9は、本発明の実施形態において動作可能なネットワークノード10を描いている。いくつかの実施形態において、ネットワークノード10は、基地局であり得る。当業者が認識しているように、基地局10は、地理的領域(セル又はセクタとして知られている)内の1つ以上のUEにワイヤレス通信サービスを提供するネットワークノードである。LTE内の基地局10は、e−NodeB又はeNBと呼ばれるが、本発明は、LTE又はeNBに限定されない。他の実施形態において、ネットワークノード10は、基地局とは異なるノードであってよい。ネットワークノード10は、他のネットワークノードとデータを交換するように動作可能な通信回路12と、1つ以上の処理回路14と、メモリ16と、送受信機18及び1つ以上のアンテナ20などといった無線回路と、を含み、エアインタフェースをまたいで1つ以上のUEにワイヤレス通信を行う。
本発明の実施形態によると、メモリ16は、ソフトウェア22を記憶するように動作可能であり、処理回路14は、ソフトウェア22を実行するように動作可能であり、ソフトウェア22は、実行されると、ここに説明するように、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値のペアを1つ以上のUEへ送信すること、並びに、それぞれリソース節約モード又はデフォルトモードのいずれかに入るように1つ以上のUEへ指示すること、をネットワークノード10に行わせるように動作可能である。
図10は、本発明の実施形態において動作可能なUE30を描いている。当業者が認識しているように、UE30はデバイスであり、このデバイスは、バッテリ給電式、よってモバイル式であってよく、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作可能であり得る。UE30は、ユーザインタフェース32(ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード又はキーパッド、マイクロフォン、及びスピーカなど)と、1つ以上の処理回路34と、メモリ36と、送受信機38及び1つ以上のアンテナ40などといった無線回路と、を含み、エアインタフェースをまたいで1つ以上のネットワークノード10にワイヤレス通信を行う。点線によって示されるように、アンテナ40は、UE筐体の外部にあってもよく、又は、(例えば、多くのスマートフォンにおけるように)内蔵されていてもよい。UE30は、加えて、カメラ、取り外し可能なメモリインタフェース、近距離通信インタフェース(Wi−Fi及びBluetoothなど)、有線インタフェース(USB)、並びに、バッテリ再充電ポートなど(図10には図示せず)といった機能を含んでもよい。
本発明の実施形態によると、メモリ36は、ソフトウェア42を記憶するように動作可能であり、処理回路34は、ソフトウェア42を実行するように動作可能であり、ソフトウェア42は、実行されると、ここに説明するように、データ及びデータリクエストの遅延寛容性を監視すること、並びに、時間アラインメントタイマについての第1の値又は第2の値を適用して、それぞれリソース節約モード又はデフォルトモードに入ること、をUE30に行わせるように動作可能である。
処理回路14及び34は、(例えば、離散論理回路、FPGA、ASICなどにおける)1つ以上のハードウェア実装ステートマシンなどの、メモリ内のマシン読取可能なコンピュータプログラムとして記憶されるマシン命令を実行するように動作可能な任意のシーケンシャルなステートマシン、適切なファームウェアを伴うプログラム可能論理回路、適切なソフトウェアを伴う、マイクロプロセッサ若しくはデジタル信号プロセッサ(DSP)などの、プログラム記憶方式の1つ以上の汎用プロセッサ、又は、上記の任意の組み合わせを含んでよい。
メモリ16及び36は、限定ではないものの、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブなど)、光媒体(例えば、CD−ROM、DVD−ROMなど)、又は、ソリッドステート媒体(例えば、SRAM、DRAM、DDRAM、ROM、PROM、EPROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートディスクなど)などを含む、当分野において知られており又は開発される可能性のある任意の非一時的マシン読取可能な媒体を含んでよい。
無線回路は、1つ以上の送受信機18及び38を含んでよい。送受信機18及び38は、IEEE802.xx、CDMA、WCDMA、GSM、LTE、UTRAN、又はWiMaxなどといった、当分野において知られており又は開発される可能性のある、1つ以上の通信プロトコル群に従った無線アクセスネットワークを介して、1つ以上の他の送受信機38及び18と通信するために使用される。送受信機18及び38は、無線アクセスネットワークリンクに適した送信機及び受信機の機能性(例えば、周波数割り当てなど)を実装する。送信機及び受信機の機能は、回路コンポーネント及び/若しくはソフトウェアを共有してよく、又は代替的に、別個に実装されてもよい。
通信回路12は、イーサネット、TCP/IP、SONET、又はATMなどといった、当分野において知られており又は開発される可能性のある、1つ以上の通信プロトコル群に従った通信ネットワーク上で、1つ以上の他のノードと通信するために使用される受信機及び送信機インタフェースを含み得る。通信回路12は、通信ネットワークリンクに適した受信機及び送信機の(例えば、光学的な、及び電気的な、などの)機能性を実装する。送信機及び受信機の機能は、回路コンポーネント及び/若しくはソフトウェアを共有してよく、又は代替的に、別個に実装されてもよい。
図11は、ワイヤレス通信ネットワークにおいてUE30を動作させる方法(100)のフロー図である。UE30は、ネットワークへの目下のデータの転送又はリクエストの遅延寛容性を確認し(ブロック102)、この情報をネットワークへ送信し得る。UEは、ネットワークから、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値の標識を受信し、第1の値は、第2の値よりも短い時間長を示す(ブロック104)。その標識は、TAT値のテーブルへのインデックスであってもよく、テーブルは、UEに設定されるか、又は送信される。ULトラフィックが遅延寛容である場合に(ブロック106)、UEは、TATに第1の値を適用し(ブロック108)、リソース節約モードに入り、UEは、遅延寛容なアプリケーションについてデータとデータリクエストとを併合する。UEはその後、低頻度スケジューリングリクエストのためにランダムアクセス手続を使用する。その一方で、ULトラフィックが遅延寛容でない場合に(ブロック106)、UEは、TATに第2の値を適用し(ブロック108)、通常モードに入り、そのモードにおいて、UEはPUCCH UL同期を維持し、低レイテンシでUL送信をスケジューリングすることができる。
図12は、ワイヤレス通信ネットワーク内のノード10により信号輻輳を監督する方法(200)のフロー図である。ノード10は、遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有する1つ以上のUE30を特定する。ノード10は、特定された遅延寛容なUE30をリソース節約モードに置き、それにより、UE30は、アップリンクチャネルリソースをリリースし、ランダムアクセスにより、併合されたデータ転送を求める低頻度なリクエストを行う。
図13は、図10のUE30内の処理回路などの例示的な処理回路34を示している。処理回路34は、複数の物理ユニットを含む。具体的には、処理回路34は、判定ユニット50と、受信ユニット52と、TAT値適用ユニット54と、時間アラインメントタイマ56とを含む。判定ユニット50は、ネットワークへの目下のデータの転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定する、ように構成される。例えば、判定ユニット50は、バックグラウンドタスク又はアプリに関連するトラフィックが遅延寛容であり、フォアグラウンドタスク又はアプリに関連するトラフィックが遅延寛容でないと判定し得る。受信ユニット52は、ネットワークから、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値の標識を受信する、ように構成され、第1の値は第2の値よりも短い時間長を示す。TAT値適用ユニット54は、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であると判定ユニット50が判定する場合に、時間アラインメントタイマに第1の値を適用するように構成され、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容でないと判定ユニット50が判定する場合に、時間アラインメントタイマに第2の値を適用するようにさらに構成される。時間アラインメントタイマ56は、プログラム可能なタイマ又は構成可能なタイマであり、その値は、TAT値適用ユニット54により設定される。当分野においてよく知られているように、TAT56が満了すると、UEはUL同期を失い、RACH上でランダムアクセス手続を介してネットワークへの及びネットワークからの送信をスケジューリングしなければならない。
図14は、図10のUE30のメモリ36内に描かれているソフトウェアなどの、例示的なソフトウェア42を示している。ソフトウェア42は、複数のソフトウェアモジュールを含む。具体的には、ソフトウェア42は、判定モジュール60と、受信モジュール62と、TAT値適用モジュール64とを含む。いくつかの実施形態において(点線によって示されるように)、時間アラインメントタイマ66がソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。他の実施形態において、TATは、ハードウェアタイマであってもよい。判定モジュール60は、ネットワークへの目下のデータの転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定する、ように構成される。例えば、判定モジュール60は、バックグラウンドタスク又はアプリに関連するトラフィックが遅延寛容であり、フォアグラウンドタスク又はアプリに関連するトラフィックが遅延寛容でないと判定し得る。受信モジュール62は、ネットワークから、時間アラインメントタイマについての第1の値及び第2の値の標識を受信する、ように構成され、第1の値は第2の値よりも短い時間長を示す。TAT値適用モジュール64は、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容であると判定モジュール60が判定する場合に、時間アラインメントタイマに第1の値を適用するように構成され、ネットワークへの目下のデータ転送又はリクエストが遅延寛容でないと判定モジュール60が判定する場合に、時間アラインメントタイマに第2の値を適用するようにさらに構成される。時間アラインメントタイマ66は、プログラム可能なタイマ又は構成可能なタイマの機能であり、その値は、TAT値適用モジュール64により設定される。当分野においてよく知られているように、TAT66が満了すると、UEはUL同期を失い、RACH上でランダムアクセス手続を介してネットワークへの及びネットワークからの送信をスケジューリングしなければならない。
本発明の実施形態は、先行技術に対して有利な多数の点を提示する。遅延寛容なデータを有するUEを、より迅速に非UL同期状態に移行させることにより、遅延寛容性を示さなかったユーザのためにPUCCHリソースが開放される。リソース節約モードにあるUEは、ULデータとULデータリクエストとを併合し、ランダムアクセスを介して、低頻度ULスケジューリングリクエストを行う。2つのTATタイマ値を提供することにより、ネットワークは、UEを通常モードとリソース節約モードとの間で移行させる、より大きな柔軟性を有する。いくつかの実施形態において、上記は自律的になされることができる。それに加え、UEは、TATタイマの即時の満了をリクエストすることができ、よって、より一層迅速且つ効率的にネットワークリソースが自由になる。
本発明は、当然ながら、本発明の本質的な特徴から逸脱することなく、ここに具体的に明記されたやり方以外のやり方で実施されてもよい。提示した実施形態は、全ての点において例示的であって限定的ではないとみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内に入る全ての変更はそこに包含されることを意図される。

Claims (15)

  1. ワイヤレス通信ネットワークにおいてユーザ機器(34)を動作させる方法(100)であって、
    前記ワイヤレス通信ネットワークへの目下のデータの転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定すること(102)と、
    前記ワイヤレス通信ネットワークから、時間アラインメントタイマ(56,66)についての第1の値及び第2の値の標識を受信すること(104)と、前記第1の値は、前記第2の値よりも短い時間長を示すことと、
    前記データが遅延寛容である場合に、時間アラインメントタイマ(56,66)に前記第1の値を適用すること(108)と、
    前記データが遅延寛容でない場合に、前記時間アラインメントタイマ(56,66)に前記第2の値を適用すること(110)と、
    を特徴とする方法(100)。
  2. 前記ワイヤレス通信ネットワークへの目下のデータの転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定すること(102)は、前記データの転送又はリクエストを生じさせるアプリケーションがそれぞれバックグラウンドタスクとして稼動しているか又はフォアグラウンドタスクとして稼動しているかを判定すること、を含む、請求項1の方法(100)。
  3. 時間アラインメントタイマ(56,66)に前記第1の値又は前記第2の値を適用すること(108,110)は、
    前記ワイヤレス通信ネットワークから、タイミングアドバンスコマンドを受信することと、
    前記時間アラインメントタイマ(56,66)に前記第1の値又は前記第2の値を適用することと、
    前記タイミングアドバンスコマンドに応じて、前記時間アラインメントタイマ(56,66)を再スタートすることと、
    を含む、請求項1の方法(100)。
  4. 前記データが遅延寛容である場合に、
    遅延寛容なアプリケーションについてデータとデータリクエストとを併合することと、
    ランダムアクセスを介して、前記ワイヤレス通信ネットワークからの低頻度データ転送スケジューリングを要求することと、
    をさらに特徴とする、請求項1の方法(100)。
  5. 前記データが遅延寛容である場合に、
    前記第1の値及び前記第1の値の派生のうちの1つを内部的な保護タイマとして取り扱って、データ及びデータリクエストの遅延寛容性を確認すること、
    をさらに特徴とする、請求項1の方法(100)。
  6. 前記ワイヤレス通信ネットワークへの目下のデータの転送又はリクエストの遅延寛容性を監視することと、データ又はデータリクエストの遅延寛容性の変化について前記ワイヤレス通信ネットワークへ通知することと、をさらに特徴とする、請求項1の方法(100)。
  7. 前記時間アラインメントタイマ(56,66)を停止する要望を示すメッセージを前記ワイヤレス通信ネットワークへ送信することと、
    前記ワイヤレス通信ネットワークから、前記時間アラインメントタイマ(56,66)が満了したかのように前記ユーザ機器が振る舞うべきであることを示すメッセージを受信することと、
    前記ワイヤレス通信ネットワークからの前記メッセージの肯定応答を送信した後に、前記時間アラインメントタイマ(56,66)が満了したかのように振る舞うことと、
    をさらに特徴とする、請求項1の方法(100)。
  8. 前記時間アラインメントタイマ(56,66)について或る第1の値及び或る第2の値を求める要望を示すリクエストメッセージを前記ワイヤレス通信ネットワークへ送信することと、
    前記ワイヤレス通信ネットワークから、前記時間アラインメントタイマ(56,66)について使用すべき前記第1の値及び前記第2の値を示すメッセージを受信することと、
    をさらに特徴とする、請求項1の方法(100)。
  9. ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作可能なユーザ機器(UE)(30)であって、
    前記ワイヤレス通信ネットワークとシグナリング及びデータを交換するように動作可能な送受信機(38)と、
    時間アラインメントタイマ(56,66)と、
    前記送受信機(38)へ動作可能に接続され、アプリケーションを実行するように動作可能な、1つ以上の処理回路(34)と、
    を含み、
    前記処理回路(34)が、
    前記ワイヤレス通信ネットワークへの目下のデータの転送又はリクエストが遅延寛容であるか否かを判定し(102)、
    前記ワイヤレス通信ネットワークから、前記時間アラインメントタイマ(56,66)についての第1の値及び第2の値の標識を受信し(104)、前記第1の値は、前記第2の値よりも短い時間長を示し、
    前記データが遅延寛容である場合に、前記時間アラインメントタイマ(56,66)に前記第1の値を適用し(108)、
    前記データが遅延寛容でない場合に、前記時間アラインメントタイマ(56,66)に前記第2の値を適用する(110)、
    ようにさらに動作可能であることを特徴とする、UE(30)。
  10. ワイヤレス通信ネットワーク内のノード(10)により信号輻輳を監督する方法(200)であって、
    遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有する1つ以上のユーザ機器(UE)(30)を特定すること(202)と、
    特定された前記遅延寛容なUE(30)をリソース節約モードに置くこと(204)と、それにより、前記UE(30)は、アップリンクチャネルリソースをリリースし、ランダムアクセスにより、併合されたデータの転送を求める低頻度リクエストを行うことと、
    を特徴とする方法(200)。
  11. 特定された前記遅延寛容なUE(30)をリソース節約モードに置くこと(204)は、時間アラインメントタイマ(56,66)についての第1の値及び第2の値を、特定された前記遅延寛容なUE(30)へ送信すること、を含み、前記第1の値は、前記第2の値よりも短い時間長を示す、請求項10の方法(200)。
  12. 遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有する1つ以上のUE(30)を特定すること(202)は、前記UE(30)から、遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有するという標識を受信すること、を含む、請求項10の方法(200)。
  13. 遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有する1つ以上のUE(30)を特定すること(202)は、遅延寛容性を確認するための内部的な保護タイマとして使用するために時間アラインメントタイマ値を前記UE(30)へ送信すること、をさらに含む、請求項12の方法(200)。
  14. ワイヤレス通信ネットワークにおいて動作可能なノード(10)であって、
    少なくとも1つのユーザ機器(UE)(30)とシグナリング及びデータを交換するように動作可能な送受信機(18)と、
    前記送受信機(18)へ動作可能に接続された1つ以上の処理回路(14)と、
    を含み、
    前記処理回路(14)が、
    遅延寛容なデータ及びデータリクエストを有する1つ以上のUE(30)を特定し(202)、
    特定された前記遅延寛容なUE(30)をリソース節約モードに置き(204)、それにより、前記UE(30)は、アップリンクチャネルリソースをリリースし、ランダムアクセスにより、併合されたデータの転送を求める低頻度リクエストを行う、
    ように動作可能であることを特徴とする、ノード(10)。
  15. 前記処理回路(14)は、時間アラインメントタイマ(56,66)についての第1の値及び第2の値を特定された前記遅延寛容なUE(30)へ送信することにより、特定された前記遅延寛容なUE(30)をリソース節約モードに置く(204)ように動作可能であり、前記第1の値は、前記第2の値よりも短い時間長を示す、請求項14のノード(10)。
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