JP6498816B2 - 印刷配線の製造方法 - Google Patents

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この発明は印刷によって配線パターンが形成されてなる印刷配線に関する。
タッチパネルやタッチセンサ、メンブレンスイッチ、有機ELなどの各種電子デバイスの電極パターン、配線パターンの形成に、近年、生産性に優れ、製造コストの面で有利な印刷法が用いられるようになってきている。なかでもグラビアオフセット印刷は高精細なパターンの形成に適しているものとして注目されている。
特許文献1にはこのようにグラビアオフセット印刷によってタッチセンサを形成することが記載されており、図12及び図13は特許文献1に記載されているタッチセンサを備えたタッチキーの構成及びタッチセンサの製造に用いるグラビアオフセット印刷機を示したものである。
図12に示したように、タッチキーはタッチセンサ10とタッチセンサ駆動回路15とを備えている。タッチセンサ10は基板11と、基板11に形成された複数の網目状電極12と、網目状電極12の外縁に設けられた外縁配線13と、外縁配線13とタッチセンサ駆動回路15とを接続する接続配線14とを備えている。網目状電極12はメッシュ状を有しており、外縁配線13は図12において網目状電極12の上辺に沿って延在するように形成されている。
網目状電極12、外縁配線13及び接続配線14はグラビアオフセット印刷機を用いて基板11上に同時に印刷され、その後硬化することにより形成される。
グラビアオフセット印刷機20は図13に示したように、版テーブル21と、基材テーブル22と、ドクターブレード23と、転写ローラ24と、装置フレーム25と、ディスペンサ(図示せず)とを備えている。版テーブル21にはタッチセンサ10の網目状電極12、外縁配線13、接続配線14にそれぞれ対応した網目状凹部26a、外縁凹部26b、接続凹部26cを有する凹パターン26が形成された凹版(グラビア版)27が載置、固定され、基材テーブル22には被印刷体である基板11が載置、固定されている。ドクターブレード23及び転写ローラ24はX軸及びZ軸に沿って移動可能となっており、ディスペンサもX軸及びZ軸に沿って移動可能となっている。
ディスペンサによって凹版27上に導電性ペースト28を供給しながら、ドクターブレード23をX軸に沿って凹版27上を摺動させることで、導電性ペースト28は凹版27の凹パターン26内に充填される。凹パターン26内に充填された導電性ペースト28は転写ローラ24に受理され、転写ローラ24に保持された印刷パターンが基板11に転写される。基板11に転写された印刷パターンを加熱して硬化させることで、タッチセンサ10の網目状電極12、外縁配線13及び接続配線14が完成する。
特開2015−45890号公報
上述したように、特許文献1にはタッチセンサの配線パターンをグラビアオフセット印
刷によって形成することが記載されているが、図12に示したような配線パターンでは細線メッシュで構成されている網目状電極12と接続配線14の接続を媒介する配線要素がライン状の外縁配線13となっており、図13に示したように外縁配線13と対応する凹版27の外縁凹部26bがドクターブレード23と平行になることから、スキージングの過程でドクターブレード23が外縁凹部26bに落ち込んで導電性ペースト(導電インキ)を掻き出してしまうといった不具合が生じ得る。
そこで、このような不具合を回避するためには、網目状電極12と接続配線14の接続を媒介する配線要素を、ライン状の外縁配線13ではなく、網目状電極12の辺縁(上辺)の線方向に斜交する線分、即ちドクターブレード23の延伸方向に斜交する線分で構成された細線メッシュよりなるパッドとし、さらに接続配線14の、ドクターブレード23の延伸方向と平行に延伸している部分を波線とする構成が考えられる。
上記のような考えに基づき、センサ領域に配列されたセンサ電極列と、センサ領域を囲む額縁部に設けられた外部接続用の引出し線と、センサ電極列と引出し線の接続を媒介するパッドとを含む配線パターンを有するタッチパネルにおいて、センサ電極列を第1の細線メッシュで構成し、パッドを第1の細線メッシュよりも高密度な第2の細線メッシュで構成し、さらに引出し線のうち、ドクターブレードの延伸方向と平行に延伸している部分を波線として、グラビアオフセット印刷を用いて配線パターンを形成したところ、グラビア版の凹部へのドクターブレードの落ち込みによるインキ掻き出しの不具合は解消されたが、スキージング方向において細線メッシュよりなる配線要素(パッド、電極)の直後の下流領域に位置する波線よりなる引出し線に、インキの掻き残しによる固有の態様の大きな滲みが発生するという新たな問題を発見した。タッチパネルの額縁部には各センサ電極列から引き出された引出し線が近接して存在するため、このような滲みは隣接する引出し線同士が短絡するという重大な不良が発生する原因となる。
この発明の目的はこのような滲みに起因する短絡不良の発生を防止することができるようにした印刷配線の製造方法を提供することにある。
請求項1の発明によれば、基材の面上に形成された硬化した導電インキの膜よりなり、1本の波線と、波線を幅方向において挟む両側のうちの一方の側に位置する細線メッシュよりなる第1の配線要素と、前記両側のうちの他方の側に位置して前記波線に隣接する第2の配線要素とを少なくとも含んで構成される印刷配線を、印刷配線の配線パターンを画定するグラビア版の凹部にグラビア版に対するドクターブレードのスキージングによって導電インキを充填する工程を有するグラビアオフセット印刷を用いて製造する印刷配線の製造方法において、波線はスキージングの方向を横切るものとされ、第1の配線要素はスキージングの方向において波線の上流に位置するものとされ、第2の配線要素はスキージングの方向において波線の下流に位置するものとされ、印刷配線には、波線と第1の配線要素との間に、波線に隣接し、波線と並行して延長され、波線に連結されて波線と同電位とされた、もう1本の波線である余剰波線が第1の配線要素との間に間隔を形成して設けられる。
請求項2の発明によれば、基材の面上に形成された硬化した導電インキの膜よりなり、1本の波線と、波線を幅方向において挟む両側のうちの一方の側に位置する細線メッシュよりなる第1の配線要素と、前記両側のうちの他方の側に位置して波線に隣接する第2の配線要素とを少なくとも含んで構成される印刷配線を、印刷配線の配線パターンを画定するグラビア版の凹部にグラビア版に対するドクターブレードのスキージングによって導電インキを充填する工程を有するグラビアオフセット印刷を用いて製造する印刷配線の製造方法において、波線はスキージングの方向を横切るものとされ、第1の配線要素はスキージングの方向において波線の上流に位置するものとされ、第2の配線要素はスキージングの方向において波線の下流に位置するものとされ、印刷配線には、波線と第1の配線要素との間に、波線に隣接し、波線と並行して延長され、波線と絶縁された、もう1本の波線である余剰波線が第1の配線要素との間に間隔を形成して設けられる。
請求項3の発明では請求項1又は2の発明において、第1の配線要素は電極又は配線とされる。
請求項4の発明では請求項1乃至3のいずれかの発明において、波線及び余剰波線の少なくとも一方は、その延長方向に対する直交方向における2つの向きのうちの少なくとも一方の向きに突出する波線形状の折返し部の頂点に切欠きが設けられているものとされる
請求項5の発明では請求項1乃至4のいずれかの発明において、波線及び余剰波線の少なくとも一方は、その内部に、前記膜の窪みもしくは前記膜のない空間が波線形状の幅方向には1個存在し、長手方向には1個以上存在するように形成されているものとされる。
請求項6の発明では請求項1乃至5のいずれかの発明において、第2の配線要素は前記波線と並行して延長された、さらにもう1本の波線とされる。
請求項7の発明では請求項6の発明において、第2の配線要素である前記さらにもう1本の波線は、その延長方向に対する直交方向における2つの向きのうちの少なくとも一方の向きに突出する波線形状の折返し部の頂点に切欠きが設けられているものとされる。
請求項8の発明では請求項6又は7の発明において、第2の配線要素である前記さらにもう1本の波線は、その内部に、前記膜の窪みもしくは前記膜のない空間が波線形状の幅方向には1個存在し、長手方向には1個以上存在するように形成されているものとされる。
この発明によれば、余剰波線が設けられているため、印刷配線をグラビアオフセット
印刷によって形成する際、第1の配線要素の直後の下流でスキージングされる波線に固有の態様の滲みが発生するとしても、そのような滲みは余剰波線でのみ発生するものとなり、よって滲みに起因する短絡不良の発生を防止することができ、その点で歩留まりの向上を図ることができる。
タッチパネルの構成概要を説明するための図。 図1に示したタッチパネルの第1のセンサ電極列、パッド、引出し線の詳細を示す部分拡大図。 図1に示したタッチパネルの第2のセンサ電極列の詳細を示す部分拡大図。 図1に示したタッチパネルの引出し線の詳細を示す部分拡大図。 Aは波線よりなる引出し線に発生する大きな滲みを説明するための図、BはAに示した滲みに起因する短絡不良の発生を防止する構成を説明するための図。 この発明による印刷配線の第1の実施例を示す部分拡大図。 この発明による印刷配線の第2の実施例を示す部分拡大図。 この発明による印刷配線の第3の実施例を示す部分拡大図。 Aは波線よりなる配線パターンを示す図、Bはインキのテーリング、滲みを説明するための図。 Aは配線パターンの波線形状の第1の変形例を示す図、Bは配線パターンの波線形状の第2の変形例を示す図、Cは配線パターンの波線形状の第3の変形例を示す図。 Aは波線よりなる配線パターンに対応するグラビア版の一構成例を示す図、Bは波線よりなる配線パターンに対応するグラビア版の他の構成例を示す図。 タッチセンサの従来の構成例を示す図。 図12に示したタッチセンサの製造に用いるグラビアオフセット印刷機を示す図。
まず、初めに、スキージング方向において細線メッシュよりなるパッドやセンサ電極列の直後の下流領域に位置する波線よりなる引出し線に、インキの掻き残しによる固有の態
様の大きな滲みが発生するという新たな問題の発見の契機となった静電容量式のタッチパネルの構成について説明する。
図1は静電容量式のタッチパネルの構成概要を示したものである。図1中、30は透明基板を示す。静電容量式のタッチパネルは透明基板30上に、例えば第1の導体層、絶縁層、第2の導体層及び保護膜が順次、積層形成された構成を有する。
センサ電極列は図1では詳細図示を省略しているが、複数の第1のセンサ電極列と複数の第2のセンサ電極列とよりなり、複数の第1のセンサ電極列は第1の導体層によって形成され、複数の第2のセンサ電極列は絶縁層により第1の導体層と絶縁された第2の導体層によって形成されている。図1中、矩形枠で囲んだ部分はセンサ電極列が位置するセンサ領域40を示す。矩形枠の外側はセンサ領域40を囲む額縁部50をなす。
図2は第1の導体層によって形成されている第1のセンサ電極列61、ダミー電極62、引出し線63及びパッド64の詳細を示したものであり、図3は第2の導体層によって形成されている第2のセンサ電極列71及びダミー電極72の詳細を示したものである。これら図2及び図3は図1におけるセンサ領域40の左上部を額縁部50の一部と共に示している。
センサ領域40には図2に示したように第1のセンサ電極列61と共にダミー電極62が形成され、また図3に示したように第2のセンサ電極列71と共にダミー電極72が形成されている。ダミー電極62,72はそれぞれ第1のセンサ電極列61及び第2のセン
サ電極列71が目立たないようにするために形成されている。
第1のセンサ電極列61、ダミー電極62、第2のセンサ電極列71及びダミー電極72は矩形をなすセンサ領域40の辺に斜交する線分で構成された同一仕様の細線メッシュ(第1の細線メッシュ)よりなり、細線メッシュの所定の箇所が分断されてダミー電極62と絶縁された第1のセンサ電極列61及びダミー電極72と絶縁された第2のセンサ電極列71がそれぞれ形成されている。第1の細線メッシュの単位格子はこの例では1辺の長さが400μmの菱形とされており、メッシュを構成する細線の線幅は7μmとされている。なお、第1のセンサ電極列61とダミー電極62及び第2のセンサ電極71とダミー電極72はそれぞれ20μm程度の間隔で離間、絶縁されている。
第1のセンサ電極列61は矩形をなすセンサ領域40の長辺41と平行なX方向に配列された複数の島状電極61aと、隣接する島状電極61aを連結する連結部61bとよりなる。第1のセンサ電極列61は矩形をなすセンサ領域40の短辺42と平行なY方向に複数、並列配置されて設けられている。第2のセンサ電極列71はY方向に配列された複数の島状電極71aと、隣接する島状電極71aを連結する連結部71bとよりなる。第2のセンサ電極列71はX方向に複数、並列配置されて設けられている。
第1のセンサ電極列61と第2のセンサ電極列71は互いに絶縁された状態で交差される。連結部61bと71bは互いに重なる位置に位置される。
額縁部50には図1に示したように、引出し線63,73、端子81、グランド配線82が形成され、さらに図1では図示を省略しているが、パッドが形成されている。引出し線63は各第1のセンサ電極列61のX方向両端からパッド64(図2参照)を介してそれぞれ引き出されており、引出し線73は各第2のセンサ電極列71のY方向一端からパッドを介してそれぞれ引き出されている。なお、図1では複数配列されて額縁部50に設けられている引出し線63及び73は、配列の両端に位置するもののみ示し、両端に位置する以外のものは図示を省略している。
端子81は矩形状をなす透明基板30の一方の長辺の中央部分に配列されて形成されており、引出し線63,73は端子81まで延びて端子81に接続されている。グランド配線82は引出し線63,73を囲むように額縁部50の周縁部に形成されている。グランド配線82も端子81に接続されている。
引出し線73及び端子81は引出し線63と同様、第1の導体層によって形成されており、グランド配線82は第1及び第2の導体層の双方によって形成されている。
第1のセンサ電極列61と引出し線63の接続を媒介するパッド64及び図示を省略しているが第2のセンサ電極列71と引出し線73の接続を媒介するパッドは共にセンサ領域40の長辺41,短辺42に斜交する線分で構成された細線メッシュ(第2の細線メッシュ)よりなり、第2の細線メッシュは第1及び第2のセンサ電極列61,71を構成する第1の細線メッシュよりも高密度とされる。第2の細線メッシュの単位格子はこの例では1辺の長さが40μm程度の正方形とされ、メッシュを構成する細線の線幅は10μmとされている。
端子81及びグランド配線82は詳細図示を省略しているが、パッド64と同様、第1及び第2のセンサ電極列61,71を構成する第1の細線メッシュよりも高密度の細線メッシュで形成されている。
一方、引出し線63,73はメッシュではなく、ライン状の配線とされているが、この例では引出し線63の、パッド64から引き出されてセンサ領域40の短辺42と平行に、つまりY方向に長く延伸している部分を図2に示したように波線で構成している。図4は図1における額縁部50の左下部において多数配列されている引出し線63がY方向からX方向に延伸方向が移行する部分を示したものである。
上記のような構成を有する第1及び第2の導体層は銀などの導電粒子を含む導電インキを用い、グラビアオフセット印刷によって印刷形成される。導体層の配線パターンを画定するグラビア版に対するドクターブレードのスキージング方向Sは図1中に矢印で示したようにセンサ領域40の長辺41と平行なX方向とされる。
この例では上述したように引出し線63,73以外の配線パターンはドクターブレードのスキージング方向Sに斜交する線分で構成された細線メッシュで形成し、また引出し線63,73のうち、引出し線63のY方向(ドクターブレードの刃先の延伸方向)に長く延伸している部分を波線で形成しているため、これら配線パターンを画定するグラビア版の凹部にドクターブレードが落ち込んで導電インキを掻き出してしまうといった不具合の発生を解消することができるものとなっている。
一方、このような構成のタッチパネルにおいて、前述したように、スキージング方向Sにおいて細線メッシュよりなるパッド64の直後の下流領域に位置する波線よりなる引出し線63に、インキの掻き残しによる固有の態様の大きな滲みが発生するという現象が生じた。
図5Aはこの滲みが発生した様子を図2におけるA部を拡大して示したものであり、図5A中、点々を付した部分は滲みaを示す。滲みaは2本の引出し線63のうち、スキージング方向Sの上流側に位置する引出し線63にのみ発生し、下流側に位置する引出し線63には発生していない。滲みaの発生により隣接する2本の引出し線63は図5Aに示したように短絡した状態となっている。
この図5Aに示したような固有の態様の滲みaは、次の2つの性格を有する。
(1)スキージング方向を横切る波線において、スキージングの比較的近接した上流にドクターブレードに対する比較的大きな摩擦抵抗を生じるような配線要素が存在する時にのみ発生する。
(2)比較的大きな摩擦抵抗を生じるような配線要素の下流に複数の並行する波線が設けられている場合でも、最上流のただ1本の波線にのみ発生する。
ここで、「比較的近接した上流」と定義したのは、波線と上流に存在する配線要素との間隔が広いと滲みaが発生しにくくなることが観察されており、平坦なグラビア版面をもつ間隔が十分にあれば、滲みaは発生しなくなると推測されることに基づく。
また、「ドクターブレードに対する比較的大きな摩擦抵抗を生じるような配線要素」と定義したのは、実際にこのような滲みaが発生した際の上流に位置する配線要素は細線メッシュよりなるパッド64及び電極(第1のセンサ電極列61、ダミー電極62)のみであって、発明者の推測に基づき、概念化したものである。
この滲みaが発生するメカニズムは、グラビア版に、ドクターブレードに比較的大きな摩擦抵抗を生じさせる密な凹凸があると、その密な凹凸を通過したドクターブレードの刃先がグラビア版面からわずかに持ち上がった状態となることによると考えられるが、最上流のただ1本の波線にのみ発生するメカニズムについては現時点では解明できていない。
このような滲みaが発生した波線の、スキージング方向における下流側近傍に、波線などの別の配線要素が存在すると、その別の配線要素との短絡が生じ、重大な不良が発生する原因となる。図5Aに示した波線よりなる2本の引出し線63の短絡状態はこの様子を示している。
そこで、このような滲みaに起因する短絡不良の発生を防止するため、この発明では、上記(1),(2)の性格に鑑み、ドクターブレードのわずかな持ち上がり(浮き)をもたらす第1の配線要素と、短絡の対象となる第2の配線要素とに挟まれた波線において、その波線のスキージング方向における上流側、即ち第1の配線要素が位置する側に、波線に隣接し、波線と並行して延長されたもう1本の波線を余剰波線として設けることとした。これにより、滲みaは余剰波線でのみ発生するようにし、波線には第2の配線要素との短絡を生じるような滲みaが発生しないようにした。
図5Bは図5Aに示した構成に対し、余剰波線91を設け、滲みaが余剰波線91に発生している状態を示したものである。余剰波線91は、滲みaにより引出し線63と短絡したとしても電気的な不具合は発生しないものとされる。
図6は前述したタッチパネルに余剰波線91を設けた具体的構成を示したものであり、図5Bはこの図6のA部に対応している。
パッド64は第1のセンサ電極列61の辺縁に沿う直線部64aと、直線部64aから額縁部50の外縁方向に突出されて引出し線63に接続する突出部64bとを備える。余剰波線91はこの例では図6に示したように、隣接するパッド64の突出部64b間に、引出し線63に隣接し、引出し線63と並行して延長されて、スキージング方向Sにおける引出し線63の上流側に設けられている。
この例では各余剰波線91の一端(上端)はパッド64の突出部64bに接続され、他
端は引出し線63にそれぞれ接続されており、余剰波線91は引出し線63と並列接続された状態となっている。
上記のような構成を採用したことにより、波線において発生する固有の態様の滲みaは余剰波線91に発生することになり、滲みaによって余剰波線91が隣接する引出し線63と短絡したとしても、並列接続されて同電位の引出し線63と短絡するのみであるので、電気的不具合は発生しない。
なお、最上段のパッド64から引き出されている引出し線63には短絡の対象となる第2の配線要素がないため、余剰波線91を設ける必要はないと言えるが、タッチパネルの検出回路として、このような余剰波線91を有さないタッチパネル用の検出回路をそのまま用いるとすれば、多数の引出し線63の抵抗値の差を維持する必要がある(理由1)ため、余剰波線91を設けている。
また、この例では引出し線63は前述したように各第1のセンサ電極列61のX方向両端からパッド64を介してそれぞれ引出されており、図6に示した配置とX方向反対側に位置する引出し線63についてはスキージング方向Sにおいてパッド64の上流側に位置する位置関係から滲みaが発生せず、本発明の解決課題は存在しないと言えるが、抵抗、容量その他の電気特性がタッチパネルにおいてすべて対称になっていることが望ましい(理由2)ことから、詳細図示は省略しているが、X方向反対側の引出し線63に対しても全く同様の余剰波線を対称に設けている。
余剰波線91は図6では引出し線63と並列接続されて設置されているが、必ずしもこのような設置状態とする必要はない。図7及び図8は他の設置状態を示したものであり、図7では図6に示した余剰波線91と異なり、余剰波線91’の一端(上端)はパッド64とは接続されておらず、他端のみが引出し線63と接続されている。また、図8では余剰波線91”は一端及び他端の双方がパッド64及び引出し線63に接続されておらず、引出し線63と絶縁された状態となっている。
余剰波線はこれら図7や図8に示したような態様とすることもできる。なお、図7に
示した態様の余剰波線91’及び図8に示した態様の余剰波線91”とする場合には、上記の理由1,2は考慮する必要性はなくなるため、図7及び図8においてそれぞれ最上段のパッド64から引き出されている引出し線63に対して設けている余剰波線91’,91”はなくてもよく、またX方向他端側に位置する引出し線63に対しても余剰波線91’,91”を設けなくてもよい。
以上、タッチパネルの第1の導体層の配線パターンを例に、この発明による印刷配線を説明したが、この発明は基材の面上に形成された硬化した導電インキの膜よりなり、1本の波線と、波線を幅方向において挟む両側のうちの一方の側に位置する第1の配線要素と、両側のうちの他方の側に位置して波線に隣接する第2の配線要素とを少なくとも含んで構成される印刷配線を対象とし、波線と第1の配線要素との間に、波線に隣接し、波線と並行して延長されたもう1本の波線(余剰波線)を設けることを特徴とする。
配線要素とは配線、電極、パッド、それらの一部などの導体よりなる配線の構成要素であり、図6〜8に示したタッチパネルの構成では、高密度の細線メッシュよりなるパッド64が第1の配線要素に対応し、余剰波線91(91’,91”)が隣接して設けられた引出し線63に対し、余剰波線91(91’,91”)と反対側に隣接して位置する引出し線63(もう1本の波線)が第2の配線要素に対応する。なお、「隣接する」とは、他の配線要素が間に介在しないことである。
次に、引出し線63のY方向(ドクターブレードの刃先の延伸方向)に長く延伸している部分、余剰波線91等の波線の配線パターンに適用する波線形状について説明する。
図9Aに示した波線をなす配線パターン100は波線が三角波で構成されたものとなっている。
波線をなす配線パターンの波線を図9Aに示したように三角波とした場合、印刷された配線パターン100には図9Bに示したような形状不具合が生じやすい。即ち、スキージング方向Sに対して下流側に位置する三角波の折返し部(角)からbを付した導電インキのテーリングが生じることがあり、またcを付した導電インキの滲みが三角波の折返し部に生じることがある。
このような導電インキのテーリングbや滲みcは大きくなると、隣接する配線パターンに接触し、短絡不良の原因となるため、配線パターンの配列ピッチの狭小化を妨げる要因となる。
図10A〜Cに示した配線パターン110,120,130の波線は、上述したようなテーリングbや滲みcが隣接する配線パターンに接触する危険度を小さくすべく、スキージング方向Sに対して下流側に位置する三角波の、その延長方向に対する直交方向に突出する折返し部の頂点に切欠きが形成されたものである。
図10Aに示した配線パターン110は折返し部にV字状の切欠き111が形成されたものであり、図10Bに示した配線パターン120は折返し部が直線で切り欠かれて切欠き121が形成されたものである。また、図10Cに示した配線パターン130は折返し部にW字状の切欠き131が形成されたものである。このように切欠きを設ければ、インキのテーリングbや滲みcが生じてもそれらの寸法が小さいものとなることから隣接する配線パターンに接触する危険度を小さくすることができ、よって配線パターンの配列ピッチの狭小化が可能となる。なお、図10A〜Cに示した配線パターン110,120,130はいずれも切欠き111,121,131が形成された折返し部と逆向きに突出する折返し部にも直線で切り欠かれて切欠き112,122,132がそれぞれ形成されたものとなっている。
一方、このようなテーリングbや滲みcを防止するためには、図11Aに示したように波線の配線パターン100に対応するグラビア版200の凹部201に凸部202を形成して導電インキの量を低減することも効果がある。これにより、結果的に波線の配線パターン100にはグラビア版200の凸部202に対応する空隙(膜がない空間)もしくは膜の窪みが形成されることになる。凸部202は波線の折返し部に位置するように形成するのが好ましく、さらには図11Bに示したようにスキージング方向Sにずらして形成するのが好ましい。膜の窪みもしくは膜のない空間は波線形状の幅方向には1個存在し、長手方向には1個以上存在するように形成される。
なお、前述したタッチパネルのライン状の引出し線63,73は、抵抗値を抑えるべく、また断線のリスクを回避すべく、細線メッシュを構成する細線より太い配線で形成されるため、グラビアオフセット印刷においてブランケット上への導電インキ残りに基因する印刷不良が発生しやすい。グラビア版200の凹部201に凸部202を形成することは、このような印刷不良の発生を防止する上でも好ましい。この点で配線パターンの波線部分に限らず、直線状の部分に対応するグラビア版の凹部にも凸部を形成するのが好ましい。
10 タッチセンサ 11 基板
12 網目状電極 13 外縁配線
14 接続配線 15 タッチセンサ駆動回路
20 グラビアオフセット印刷機 21 版テーブル
22 基材テーブル 23 ドクターブレード
24 転写ローラ 25 装置フレーム
26 凹パターン 26a 網目状凹部
26b 外縁凹部 26c 接続凹部
27 凹版 28 導電性ペースト
30 透明基板 40 センサ領域
41 長辺 42 短辺
50 額縁部 61 第1のセンサ電極列
61a 島状電極 61b 連結部
62 ダミー電極 63 引出し線
64 パッド 64a 直線部
64b 突出部 71 第2のセンサ電極列
71a 島状電極 71b 連結部
72 ダミー電極 73 引出し線
81 端子 82 グランド配線
91,91’,91” 余剰波線
100,110,120,130 配線パターン
111,112,121,122,131,132 切欠き
200 グラビア版 201 凹部
202 凸部

Claims (8)

  1. 基材の面上に形成された硬化した導電インキの膜よりなり、1本の波線と、前記波線を幅方向において挟む両側のうちの一方の側に位置する細線メッシュよりなる第1の配線要素と、前記両側のうちの他方の側に位置して前記波線に隣接する第2の配線要素とを少なくとも含んで構成される印刷配線を、前記印刷配線の配線パターンを画定するグラビア版の凹部に前記グラビア版に対するドクターブレードのスキージングによって導電インキを充填する工程を有するグラビアオフセット印刷を用いて製造する印刷配線の製造方法であって、
    前記波線は、前記スキージングの方向を横切るものとされ、
    前記第1の配線要素は、前記スキージングの方向において前記波線の上流に位置するものとされ、
    前記第2の配線要素は、前記スキージングの方向において前記波線の下流に位置するものとされ、
    前記印刷配線には、前記波線と前記第1の配線要素との間に、前記波線に隣接し、前記波線と並行して延長され、前記波線に連結されて前記波線と同電位とされた、もう1本の波線である余剰波線が、前記第1の配線要素との間に間隔を形成して設けられていることを特徴とする印刷配線の製造方法。
  2. 基材の面上に形成された硬化した導電インキの膜よりなり、1本の波線と、前記波線を幅方向において挟む両側のうちの一方の側に位置する細線メッシュよりなる第1の配線要素と、前記両側のうちの他方の側に位置して前記波線に隣接する第2の配線要素とを少なくとも含んで構成される印刷配線を、前記印刷配線の配線パターンを画定するグラビア版の凹部に前記グラビア版に対するドクターブレードのスキージングによって導電インキを充填する工程を有するグラビアオフセット印刷を用いて製造する印刷配線の製造方法であって、
    前記波線は、前記スキージングの方向を横切るものとされ、
    前記第1の配線要素は、前記スキージングの方向において前記波線の上流に位置するものとされ、
    前記第2の配線要素は、前記スキージングの方向において前記波線の下流に位置するものとされ、
    前記印刷配線には、前記波線と前記第1の配線要素との間に、前記波線に隣接し、前記波線と並行して延長され、前記波線と絶縁された、もう1本の波線である余剰波線が、前記第1の配線要素との間に間隔を形成して設けられていることを特徴とする印刷配線の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の印刷配線の製造方法において、
    前記第1の配線要素は電極又は配線であることを特徴とする印刷配線の製造方法。
  4. 請求項1乃至3記載のいずれかの印刷配線の製造方法において、
    前記波線及び前記余剰波線の少なくとも一方は、その延長方向に対する直交方向における2つの向きのうちの少なくとも一方の向きに突出する波線形状の折返し部の頂点に切欠きが設けられていることを特徴とする印刷配線の製造方法。
  5. 請求項1乃至4記載のいずれかの印刷配線の製造方法において、
    前記波線及び前記余剰波線の少なくとも一方は、その内部に、前記膜の窪みもしくは前記膜のない空間が波線形状の幅方向には1個存在し、長手方向には1個以上存在するように形成されていることを特徴とする印刷配線の製造方法。
  6. 請求項1乃至5記載のいずれかの印刷配線の製造方法において、
    前記第2の配線要素は前記波線と並行して延長された、さらにもう1本の波線であることを特徴とする印刷配線の製造方法。
  7. 請求項6記載の印刷配線の製造方法において、
    前記第2の配線要素である前記さらにもう1本の波線は、その延長方向に対する直交方向における2つの向きのうちの少なくとも一方の向きに突出する波線形状の折返し部の頂点に切欠きが設けられていることを特徴とする印刷配線の製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の印刷配線の製造方法において、
    前記第2の配線要素である前記さらにもう1本の波線は、その内部に、前記膜の窪みもしくは前記膜のない空間が波線形状の幅方向には1個存在し、長手方向には1個以上存在するように形成されていることを特徴とする印刷配線の製造方法。
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