パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、例えば下記特許文献1に開示されているように、演出用の可動手段としての揺動装飾装置10を配置し、これにより装飾効果を高めるようにしたものがある。(特開2008−161434号公報)
上記特許文献1に記載の揺動装飾装置10は、駆動装置14により駆動される最下端揺動板13a、該最下端揺動板13aに連動する可撓板12および複数の揺動板13を備え、駆動装置14により最下端揺動板13aを揺動させることにより、上記各部材が一斉に連動して揺動する構成となっている。
上記特許文献1に記載の遊技機における演出効果をさらに高めるようにするには、例えば揺動板に複雑な動作をさせたり、複数の揺動板を別々に動作させる構成とすることも考えられるが、このような動作を実現しようとすると、駆動機構を複雑化することが必要となり、結果的に揺動装飾装置の部品点数の増大や大型化を招いたりするといった種々の問題が生じる虞がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、構成が簡略でコンパクトに構成することが可能な動作手段を備える遊技機を提供することを目的とする。
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース25(図5参照)と、この樹脂ベース25の後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けられている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口を備える一般入賞装置、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)と一対の開閉羽根60とを備える始動入賞装置33、通過口を備える作動入賞装置34(スルーゲートで構成)、主表示ユニット371、装飾図柄表示装置42を備える可変表示装置ユニット35等が設けられている。これらの一般入賞装置、可変入賞装置32、始動入賞装置33、作動入賞装置34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる(入らない)閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、上始動口33aの下方には、大入賞口(収容部の入口)61が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置、可変入賞装置32および始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
主表示ユニット371は、後述する主制御装置261が直接的に制御する表示装置ユニットであり、右側辺が上下に直線状に延び、該右側辺の下端から左側辺が遊技領域の右上部に沿って弧状に内側へ湾曲しながら左上へ延びて、全体としてやや上下に長い概略三角形の正面形状を有し、前後に遊技球の直径よりやや大きい程度の厚みを有する立体状の外形を有する部品となっている。主表示ユニット371は、遊技盤30の前面における右上部にネジ固定されている。主表示ユニット371における左上の上面部は左下方へやや下傾するように形成され、その中央部は、遊技球の最大飛翔部分に対応する外レール52の先端部に近接し、この部位の上に、ゴム板よりなる返しゴム371Rが取り付けられている。この返しゴム371Rにより、所定以上の勢いで発射された遊技球が当たって跳ね返されるようになっている。主表示ユニット371の前面部には、左上端近傍から下端部の近傍まで左側辺に沿って弧状に延びる正面形状を有して内奥側へ段状に凹入する表示部371Mが形成されている。
上記表示部371Mには、第1特別図柄表示装置、第2特別図柄表示装置、第1特別図柄保留表示装置、第2特別図柄保留表示装置、普通図柄表示装置、普通図柄保留表示装置および状態報知用表示装置が配置されている。第1特別図柄表示装置は、上始動口33aへの遊技球の入賞を契機に変動表示される第1特別図柄を表示するものであり、第2特別図柄表示装置は、下始動口33bへの遊技球の入賞を契機に変動表示される第2特別図柄を表示するものである。なお、各特別図柄は、上記第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置において同時に変動表示されることがなく入賞順に従って順次行われるため、装飾図柄表示装置42においては共通の装飾図柄によって特別図柄に対応する表示が行われるようになっている。第1特別図柄保留表示装置は、第1特別図柄の保留数を表示するものであり、第2特別図柄保留表示装置は、第2特別図柄の保留数を表示するものである。これら第1特別図柄保留表示装置および第2特別図柄保留表示装置はそれぞれ、複数個のLEDで構成され、このうちの一部あるいは全部を点灯又は点滅させることにより最大で4個までの保留数を表示するようになっている。なお、センターフレーム43の下部には、2色の発光が可能な合計4個のランプよりなる保留ランプ800aが装飾図柄表示装置42の下辺に沿って配列されており、この保留ランプ800aによって表示される装飾図柄の保留数は、遊技状態(後述するサポート状態か否か)に応じて、上記第1特別図柄保留表示装置および第2特別図柄保留表示装置のうち何れかが表示する保留数と対応するようになっている。普通図柄表示装置は、作動入賞装置34における通過口への遊技球の入賞を契機に変動表示される普通図柄を表示するものであり、2個のLEDで構成され、一方のLEDのみを点灯させることで外れを表示し、両方を点灯させることで当りを表示するようになっている。普通図柄保留表示装置は、普通図柄の保留数を表示するものであり、複数個のLEDで構成され、このうちの一部あるいは全部を点灯又は点滅させることにより最大で4個までの保留数を表示するようになっている。状態報知用表示装置は、遊技状態の種別を表示するものであり、複数個のLEDで構成されている。これらのLEDがそれぞれ消灯、点灯、点滅の何れかに変化し、全消灯を除く多数通りの組み合わせによって、1.通常遊技状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が低確率であり、サポート状態ではない)、2.時短状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が低確率であり、サポート状態)、3.潜伏高確率状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が高確率であり、サポート状態ではない)、4.高確率状態(大当たり乱数カウンタC1の抽選が高確率であり、サポート状態)、及び5.大当たり状態の何れかを表示するようになっており、大当たり状態を表示するのに際してはその大当たりの最大ラウンド数によって異なる表示が行われる。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄(装飾図柄)が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチ或いは12インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。遊技球が始動入賞装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっているが、この保留ランプ800aが表示する保留回数は、装飾図柄表示装置42の一部(具体的には右下部)にも表示される。この保留表示は、保留数に対応する数のキャラクタ画像が並列的に表示されるものである。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図柄表示装置が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。
また、図4に示すように、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるようにして遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)と主表示ユニット371の斜辺とにより略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
さらに、遊技盤30の右側縁部には、側端レール50Sが配設されている。側端レール50Sは、内レール51および外レール52とは別体として構成され、また内レール51および外レール52からは間隔を置いて独立に配置されているが、外レール52とおおよそ同一の円周上に位置して遊技領域の右端部を区画しており、即ちレールユニット50の一部(右端部)を構成している。この側端レール50Sの構成および取付構造については後述する。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図5はパチンコ機10の背面の構成を示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の裏カバー(保護カバー)等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板および該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを後述する外包部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される払出制御装置311と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容する基板ボックス(電源・発射制御基板ケース203A)から構成される電源・発射制御装置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および裏カバー(保護カバー)も上記第3制御基板ユニット203に一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201は、後述するように、取り外す場合には工具で封止状態を解除する必要があるが取付はネジ等の締結具も工具も何ら要することなく行い得るよう構成されており、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。更に、これに加え、各ユニット201〜203は、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて後述する外包部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられている。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす裏カバー部(保護カバー部)354とを有する。裏カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物表示制御装置45を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。裏カバー部354の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、裏カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ359とが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ359が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、主表示ユニット371(第1特別図柄保留表示装置、第1特別図柄表示装置、第2特別図柄保留表示装置、第2特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、普通図柄保留表示装置、状態報知用表示装置)や、その他図示しない入賞検知スイッチ群や不正検知スイッチ群などが接続されている。なお、装飾図柄保留表示装置800(保留ランプ800a)は、サブ制御装置262に従属する表示制御装置45に接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として2個の特別図柄表示装置で表示される特別図柄と、単一の装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置で行われる特別図柄の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、8個のLEDセグメントの点灯パターンの変化によりそれぞれ表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動入賞装置33への入賞を契機としてその入賞順に基づいて第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置の何れかで開始され、所定時間後に停止する。具体的には、対応する側の特別図柄表示装置の点灯状態を中止する全消灯処理を行った後、所定の順番で各LEDセグメントを順次点灯させる切替処理を実行することで変動を開始させ、後述する停止パターン選択カウンタC3の値によって決定された変動表示時間が経過すると上述の切替処理を中断して全消灯処理を行い、後述する大当たり乱数カウンタC1及び大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて決定された態様によって各LEDセグメントを点灯させるようになっており、大当たり抽選における外れ結果を表示する場合にはドット状の1個のLEDセグメントのみを点灯表示させる一方、大当たり結果を表示する場合には、大当たり後に高確率遊技状態を発生させる当選であるか否かによって異なる数字を「8」の字状に並ぶ7個のLEDセグメントを用いて点灯表示する。なお、一方の特別図柄表示装置が変動表示状態である期間において他方の特別図柄表示装置は変動表示を行わず、最後に変動表示された際に停止表示した図柄の点灯表示を継続した状態とされる。遊技球が始動入賞装置33の上始動口33a及び下始動口33bに入賞した回数はそれぞれ最大4回まで保留され、それらの保留回数は、上始動口33aへの入賞に対応する保留数については第1特別図柄保留表示装置及び装飾図柄表示装置42の所定領域にてそれぞれ表示され、下始動口33bへの入賞に対応する保留数については第2特別図柄保留表示装置及び装飾図柄表示装置42の所定領域にて表示されるようになっており、加えて、装飾図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて、遊技状態に応じて、上始動口33aへの入賞に対応する保留回数又は下始動口33bへの入賞に対応する保留回数が点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。なお、遊技状態がサポート状態(一対の開閉羽根60が通常より開放し易く且つ開放時間が通常よりも長い状態)を含まない状態である場合においては装飾図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて上始動口33aへの入賞に対応する保留回数が赤色の発光で点灯表示される一方、遊技状態がサポート状態を含む状態である場合においては装飾図柄表示装置800の保留ランプ800aにて下始動口33bへの入賞に対応する保留回数が点灯表示されるようになっている。
次いで、普通図柄表示装置において行われる普通図柄の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、上述した2個のLEDを交互に点灯させることにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が作動入賞装置34の通過口を通過することを条件として開始され、所定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、両方のLEDを点灯状態で停止させた場合に始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(一対の開閉羽根60が開放される)よう構成されている。遊技球が作動入賞装置34の通過口を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置にて点灯表示されるようになっている。
(電源投入時)
パチンコ機10の電源立ち上げ時には、動作確認および電源投入報知として、スピーカ、装飾図柄表示装置42の液晶画面、枠に配置された各種LED、遊技盤30に配置された各種LED等の各部が所定時間(本実施形態では30秒間)に亘って予め定められた動作をするように設定されている。このため、これら各部が正常に機能するか否かを目視確認できる。このとき、パチンコ機10に不正な改変が加えられたりしていないか否かも併せて確認できる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア0が設けられており、これらの各エリアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア0に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア0に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更
新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エ
リア0に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア1が設けられており、これらの各エリアには、作動入賞装置34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が作動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア1に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置261において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行するのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(33a及び33b:図4参照)が設けられ、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
(特徴構成)
本実施形態のパチンコ機10においては、図4に示すように、可変表示装置ユニット35に花弁動作装置40Fが設けられている。可変表示装置ユニット35は、同図に示すように、遊技領域の中央部に配置され、電動役物ユニットあるいはセンター役物とも称されるものであり、装飾図柄表示装置42を中央に備え、該装飾図柄表示装置42の上辺部、下辺部、左辺部および右辺部をセンターフレーム43で包囲するようにして構成され、遊技領域内の大きな面積を占める大型の役物となっている。センターフレーム43は、装飾を施した上枠部43T、下枠部43B、左枠部43Lおよび右枠部43Rよりなる。センターフレーム43の外周にはネジ孔を有するフランジ43Fが設けられており、木ネジ等により遊技盤30上に固定されるようになっている。
センターフレーム43の上枠部43Tは、両端から中央へかけて次第に上方へ幅広となるように、全体としてやや緩やかに山状に隆起する正面形状を有し、上端縁には、遊技盤30の盤面から前方へ遊技球1球の直径よりやや大きい幅だけ延出する上端面が形成されている。
上枠部43Tの右端および左端からはそれぞれ、右枠部43Rおよび左枠部43Lが下方へ延びている。右枠部43Rおよび左枠部43Lは上枠部43Tと一体的に連続するように成形され、また、上枠部43T、右枠部43Rおよび左枠部43Lには全体的に一体的に連続する装飾が施されている。
右枠部43Rの内部には、作動入賞装置34のすぐ下の高さ位置から下端近傍まで延び
るワープルート(球誘導路)が形成されており、該ワープルートにおける上端部は、右方へ向けて開放された入球口431Rに連通し、該ワープルートにおける下端部は、左方へ向けて開放された袖開口(図示せず)に連通している。左枠部43Lには、上記右枠部43Rとほぼ対称となるように、入球口431Lを含む同様の構成を有するワープルートが形成されている。
右枠部43Rおよび左枠部43Lの下端からは、下枠部43Bが中央へ向けて緩やかに下傾しながら延びて、全体として谷状の正面形状をなすように形成されている。下枠部43Bの上面には、全体的に下方に凹むように正面視概略谷状に屈曲するステージ432が形成されている。該ステージ432の中央部すなわち下端部は上方に若干隆起し、その隆起部の内奥側には、上面から下方へ陥入する陥入口(図示せず)が形成されている。また、上記ステージ432における中央の下部には、前方へ向けて開口する排出口436が設けられ、上記陥入口と排出口436とは下枠部43Bの内部で連通している。
前記したようにレールユニット50を通じて遊技領域の上部に案内された遊技球のうち、ごく一部はセンターフレーム43の上方を通過して直接的にセンターフレーム43の右側へと流下していくが、大部分は、センターフレーム43における上枠部43Tの上端面に当ってこの上を転動し、その右端または左端から、センターフレーム43の右側または左側へと流下していく。上述のようにセンターフレーム43に案内されてまたは案内されずにセンターフレーム43の右側または左側を流下する遊技球のうち、一部はその途上で入球口431R、431Lに入球し、それ以外の遊技球はセンターフレーム43の右下方または左下方へ離脱して遊技領域をさらに流下していく。
上記上枠部43Tの入球口431R、431Lに入球した遊技球は、ワープルートを流下し、上記袖開口からステージ432へ案内される。こうしてステージ432の両側(両袖)から出てきた遊技球は、ステージ432上を転動して左右に往復し、多くはその途上で前面側へ転落し、一部は中央部でうまく陥入口に入って排出口436から前面側へ排出され、直下に位置する第1の始動口33に高確率で入球することとなる。
上記センターフレーム43の上枠部43Tには、図9ないし図11に示す演出動作ユニット40が配設されている。演出動作ユニット40は、同図に示すように、花弁動作装置40F、側方基板40S、基板カバー40C、シャッタ40E、背面板40R等を有して構成されている。
花弁動作装置40Fは、図10ないし図13に示すように、支持基材401に、花弁402、萼片403等の部材が支持されて構成されている。支持基材401は、図26にも示すように、花弁402、萼片403等の後側に配置され、全体形状は他の部材に隠れて図に表れていないが、上下にやや長く延びる平板状であって上端縁(図示せず)が水平に延びる直線状の中央本体部を有し、該中央本体部の上端縁における中央の小幅部を除く右側の大部分および左側の大部分が、それぞれ上方へ矩形状に延出してから右方および左方へ矩形状に延出して、これにより中央部から鉤形状をなして左右両側へ拡がる両側延出部401Eを形成し、これら中央本体部および延出部401Eが全体として、正面視概略T字形状をなして立板状に拡がる外形となるように成形された樹脂製の部材となっている。支持基材401全体の外周縁から前方へは周壁が延出している。支持基材401の中央本体部における上端部中央の位置には中央モータ404が後側から固定され、該中央モータ404の駆動軸が、支持基材401における上記両側延出部401Eの間に形成される小幅の間隙部を通して前側に突出し、その先端に後述の第1ギア404G(図26では図示せず)が固定されている。支持基材401の中央本体部における中央モータ404のやや下方の位置には円状開口401Pが穿設され、該円状開口401Pの左右両側にそれぞれ内接するように、後方へ円筒状に延出し、内部に挿入穴を有し、先端部に螺子挿通孔を有する螺子挿通部401Sが一体的に形成されている。円状開口401Pの下端部には、正面視略U字状に下方へ延びる位置決め切欠(図示せず)が形成されている。
支持基材401の中央本体部における下端部中央には、オイルダンパ405が前側から固定されている。支持基材401の両延出部401Eにおける左右両延出端面にはそれぞれ、支持軸406、406が右方および左方へ延出するように固定されている。支持基材401の前側には、中央部の縦長の概略長円状の領域を開放しつつその周縁領域を前方から覆うように、装飾部材407が配置固定されている。該装飾部材407は、上端部領域を構成する横長の上側部と、該上側部以下の領域を構成する概略U字形状の下側部とから分割構成されている。
上述の通り、支持基材401は全体として上下にやや長く延びる形状となっているが、花弁動作装置40Fが後述するように上下に移動可能に配設されるものであるため、支持基材401が左右に長い形状に成形されるよりも上下に長い形状に成形されるほうが、動作スペースを少なくできる。このとき、中央モータ404およびオイルダンパ405はそれぞれ、後述するように円状開口401Pの位置に重ねるように同心に配置される第2ギア427Gおよび第3ギア430Gに連動連結(リンク)されるため、それぞれ第2ギア427Gおよび第3ギア430Gの外周であって互いに干渉しない位置であれば任意の位置に配置することができるが、上述のように第2ギア427Gおよび第3ギア430Gを介して上下に、即ち上下に対向する位置に配置されていることにより、支持基材401が上下に長い形状となっている。
花弁402は、図14および図15に示すように、全体として開花状態のハイビスカスの花を構成する、互いに分離した5枚の花弁のうちの1枚の形状をそれぞれ模して成形された樹脂製の部材となっている。花弁402のそれぞれは、配置状態で中心から外周側へ概略三角形状に拡がる正面形状を有し、中心から外周へかけて、前方へ緩やかに膨出するように湾曲する形状となっている。花弁402の表面には多数の皺を含む不規則な凹凸が形成され(図示省略)、周縁も正面視不定形に凹凸する形状となっている。各花弁402の後側面における外周近傍には、周方向に距離をおいて隣接する2箇所にそれぞれ、後方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部408が一体的に形成されている。5枚の花弁402は互いに厳密には同一形状とはなっておらず、凹凸等に僅かな相違があるが、おおよそ同様の形状に成形されている。花弁402の大部分は、特定色(赤色)を有するがほぼ透明に近く、外周縁部は、内側領域との間に特に境界を形成することなく、上記特定色(赤色)が濃くなるように着色がなされている。各花弁402の一方側端縁部は一方に隣接する花弁402の側端縁部の前側に重ねられ、他方側端縁部は他方に隣接する花弁402の側端縁部の後側に重ねられ、こうして5枚の花弁402が先端を同一中心にむけて集結するように配置されている。
萼片403は、図16および図17に示すように、上記5枚の花弁402にそれぞれ対応する、互いに分離した5個の萼片のうちの1個の形状をそれぞれ模して成形された樹脂製の部材となっている。萼片403のそれぞれは、配置状態で中心から外周側へ概略扇形状に拡がる正面形状を有し、さらにその外周縁部が前方へ延出する形状となっている。さらに、図55に示すように、萼片403の外周側部は周方向に両側へやや幅広に拡がり、そのぶん外周側部よりも内側(中心側)は幅狭となるように形成されており、これにより、図47に示すように、5個の萼片403が最も中心側へ集結した状態(即ち後述する集結位置にある状態)でも、隣り合う萼片403の間に間隙403Sが形成されるようになっている。5個の萼片403は、配置状態で全体として、中心部に円状の開口部409を有する円板形状(ドーナツ形状)の後側面を有し、前側面は、図16および図17に示すように、中心部から、前方へ延出する外周縁部へと、凹面状に湾曲する内面を形成しながら次第に前方へ厚みが増大していく概略王冠状の形状となるように成形されている。このため、萼片403は外周側ほど前後方向の厚みが大となっているが、内部は中空状とされて後側面が開放され、この内部空間を仕切る複数のリブが一体的に形成されている。なお、図47に示すように、各萼片403における中心側から外周側への延出方向D11は、厳密には開口部409の中心から延びる径方向D12には一致しておらず、正面視反時計回りにある程度(角度θ1)傾斜する方向となっている。この傾斜は、後述するスリット部材415における中央スリット421の傾斜に一致するものである。
また、配置状態にある萼片403の後側面における開口部409の近傍には、後方へ円筒状にやや延出するピン挿入部410が一体的に形成され、該ピン挿入部410の両側にはそれぞれ、後方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部411が一体的に形成されている。螺入部411は、各萼片403の両側壁にそれぞれほぼ内接するように形成され、さらに、この内接部分に、ピン挿入部410の両側に位置する2個の螺入部411を結ぶ直線に対し垂直であって萼片403の後側面よりも後方へ矩形状に延出するスライドリブ412が、螺入部411の周面に外接する面方向に沿って両側へ延出するように、螺入部411の周壁と一体的に形成されている。図16に示すように、各萼片403の前側面には、上記花弁402の螺入部408に対応する2箇所にそれぞれ、前方へ円筒状に延出し、内部に螺子挿通孔を有し、先端部に花弁402の螺入部408を前方から入れ子状に受容する挿入穴を有する螺子挿通部413が一体的に形成されている。萼片403の外周側面には、やや稠密な紋様による装飾が施されている。萼片403の表面には全体的にメッキ(本パチンコ機10では赤色)が施され、これにより前側面(内側面)が鏡面状となっている。
各萼片403の螺子挿通部413にはそれぞれ、対応する花弁402の螺入部408が前方から挿入されて図14および図15に示すように後側からネジ414が螺入され、これにより各萼片403が対応する花弁402にそれぞれ固定される。
萼片403の後側には、図14および図15に示すように、スリット部材415が配置される。スリット部材415は、図18にも示すように、同様の5つの形状部分が円環状に連続する正面形状を有する樹脂製の板状部材となっており、中央部には円状開口416が穿設され、図19に示すように該円状開口416の周縁から後方に概略円筒状の周壁部417が延出している。周壁部417には、周方向に等間隔をおいた5箇所にそれぞれ、前後に円筒状に延び内部に螺子穴を有する螺入部418が一体的に形成されており、該螺入部418により周壁部417がこれら5箇所で局部的に内外に膨出するようになっている。また、周壁部417の先端縁におけるほぼ径方向に対向する2箇所から、位置決めボス419が延出している。図14に示すように、スリット部材415の前側面における外周近傍には、周方向に沿って等間隔をおいた5箇所にそれぞれ、前方へ円筒状に延出し、内部に螺子挿通孔を有し、先端部に挿入穴を有する螺子挿通部420が一体的に形成されている。
スリット部材415の5つの螺子挿通部420の間にはそれぞれ、図18に示すように、中央スリット421および両側スリット422が形成されている。中央スリット421はそれぞれ、円状開口416よりやや外側の位置からさらに外側へ直線状に延びるように形成されている。ただし、円状開口416の中心から外側へ向かう方向すなわち円状開口416の径方向D1に対し、中央スリット421は正面視反時計回り方向に角度θ1(本パチンコ機10では約23°)だけ傾斜した方向D2に沿って延びている。両側スリット422は、中央スリット421の両側に若干の間隔をおいて平行に延びるように形成されている。このように中央スリット421およびその両側の両側スリット422の3本のスリットよりなる組が、同様にして他の螺子挿通部420の間の4箇所にもそれぞれ形成されている。なお、中央スリット421および両側スリット422の各端部は基本的に正面視丸状(半円状)に形成されているが、これら3本のスリットよりなる組において最外側に位置する両側スリット422の外側縁の両端、即ち3本のスリットにおける4隅部は、該両側スリット422の延長方向に概ね矩形状をなしてやや延出する形状となっている。この矩形状の延出部は、前記萼片403におけるスライドリブ412を嵌入させるためのものである。
スリット部材415は、螺子挿通部420、中央スリット421および両側スリット422の最も外周側の形状より若干外側を、当該形状に追従しながら延びるような外形に成形されている。換言すれば、螺子挿通部420、中央スリット421および両側スリット422の構造部分を確実に(十分な強度を確保しながら)内包する範囲内で、極力外側へ拡がることがなく、不要な領域が可及的に削減された外形となっている。
また、上述の通り、図18に示すように中央スリット421および両側スリット422よりなる組がそれぞれ円状開口416の径方向D1に対して傾斜した方向D2に沿って延びているので、そのぶん、5組の中央スリット421および両側スリット422が内側へ寄り合うようにして、より密に配置形成されており、これによってもスリット部材415の外形がコンパクト化されている。換言すれば、仮に5組の中央スリット421および両側スリット422が円状開口416の径方向D1に対して傾斜せずにこの径方向D1に沿って放射状に延びるように配置形成されたとした場合よりも、上述の通り傾斜した方向D2に沿って延びるように配置形成された場合のほうが、5組の中央スリット421および両側スリット422をより密にレイアウトすることができてそのぶんスリット部材415の外周形状をより小さくすることができる。
中央スリット421および両側スリット422には、図14および図15に示すように、スリット部材415の後側から、スライド部材423が配置される。スライド部材423は、図20に示すように、中央で僅かに屈曲し、中央から概略へ字状をなして両側へ直線状に延びる正面形状と、中央部における矩形の断面形状とを有する樹脂製の部材となっている。スライド部材423の両端部には、後側から陥入するように厚みが小となった延出部が形成されている。この延出部の肉厚は、スライド部材423の中央部における肉厚の半分より若干小さい程度となっている。換言すれば、スライド部材423は、両端の延出部よりも、その間の中央部が、後方へ厚さが2倍余り大きくなるように段状に膨出した形状となっている。両端の延出部は、先端部が正面視半円形状に成形され、内側には螺子挿通孔424が穿設されている。スライド部材423の中央には、前方および後方へ突出するように、スライドピン425が前後に貫通させるようにして固定されている。
スライド部材423は、図14および図15に示すように、屈曲により鈍角的に突出する山側を中心のほうに向けるようにして、スリット部材415における中央スリット421および両側スリット422の3本のスリットに渡るように配置される。一方、スリット部材415における中央スリット421および両側スリット422には、萼片403のピン挿入部410および螺入部411が前側から嵌入される。十分に嵌入した状態では、萼片403のピン挿入部410および螺入部411はスリット部材415の後側面よりもごく僅かに後方へ突出する。この状態で、スライド部材423の両側の螺子挿通孔424にそれぞれ前側から座金付ネジ(ワッシャヘッドネジ)426が挿通され、萼片403の螺入部411に螺入されて固定される。これにより、スライド部材423が、間にスリット部材415を介在させて萼片403の後側に固定される。このとき、スライド部材423のスライドピン425が萼片403のピン挿入部410に挿入され、また、萼片403のスライドリブ412が、スリット部材415における両側スリット422の対応する外側縁に沿って殆ど隙間なく挿入される。これにより、萼片403がスリット部材415における中央スリット421および両側スリット422にスライド自在に保持され、このとき、萼片403が、ピン挿入部410を中心に回ることなく一定の外側方向を向いた体勢でスライド移動するように、スライドリブ412により規制される。
このように、スライド部材423が、スリット部材415における中央スリット421および両側スリット422に対して横断するように配置固定され、中央スリット421および両側スリット422の長さ方向すなわちスライド方向に対して回動することなく直交する体勢を維持しながらスライド自在に保持される構成となっているので、そのぶんスライド部材423がスライド方向に占有するスペースも小さくなっている。例えば仮に、中央スリット421に対してその長さ方向に沿ってある程度の幅を有するスライド片を挿入してスライド自在に保持する構成とすることによっても、回ることなく一定の外側方向を向いた体勢でスライド移動させることが可能となり、両側スリットおよびその取付構造も不要となる。しかしながら、これによれば、スライド片の幅のぶんだけ、スライド方向に占有するスペースが大となる。
また、5個の萼片403がこのようにスリット部材415に取り付けられた後、最も中心側へ集結した状態(即ち後述する集結位置にある状態)において、萼片403の間の間隙403Sを通してスリット部材415の螺子挿通部420がそれぞれ前方へ突出するようになっている。換言すれば、5個の萼片403は間隙403Sによってスリット部材415の螺子挿通部420を避けるようにして配置され、各萼片403が中央スリット421および両側スリット422に沿ってスライド移動する途上でも、それぞれスリット部材415の螺子挿通部420に抵触しないようになっている。
上述のように萼片403がスライド自在に取り付けられたスリット部材415には、さらに後側から回転板427が配置される。回転板427は、図21ないし図23に示すように、中央に円状の枢支開口428を有する樹脂製の円板となっている。回転板427の前側面においては、図21に示すように、枢支開口428の周縁から周壁が前方へ延出し、さらに、該周壁の周りにガイドレール429が形成されている。ガイドレール429は、回転板427の前側面から周壁が前方へ延出し、この周壁が、回転板427の面方向に沿って、正面視細長のループ状に閉じるように延びる形状となるように、回転板427に一体的に形成されている。ガイドレール429の周壁の延出高さは枢支開口428の周縁における周壁の延出高さと同一となっている。ガイドレール429の内側の幅は、遊び程度の僅かな隙間をもって前記スライドピン425を挿入し得る程度となっている。ガイドレール429の周壁の延出端における稜角部は角落ちするように形成されている。
ガイドレール429は、図58に示すように、枢支開口428の周縁における周壁の外側に接する位置から、枢支開口428の接線の方向に沿って正面視反時計回り方向側へ延び出し、この後、この接線方向よりも、さらに正面視反時計回り方向側へ向けて弧状に湾曲しながら、回転板427の外周近傍の位置まで延びている。ガイドレール429における枢支開口428側端部すなわち中心側端部において枢支開口428の周縁部に外接する部分の周壁は、枢支開口428の周縁における周壁と一体的に連続するように形成されている。枢支開口428の周縁における周壁の周りには、上述と同様にしてあと4本のガイドレール429が形成され、全体として5本のガイドレール429が、等間隔をおいて、枢支開口428の周りから外側へ渦巻き状に拡がるように延びている。
回転板427の後側面においては、図22に示すように、枢支開口428の周縁から周壁状に後方へ延出し、その外周に歯を有する第2ギア427Gが一体的に形成されている。第2ギア427Gは、前記第1ギア404Gに噛み合うように配置され、中央モータ404により回転駆動される。回転板427は、図13にも示すように枢支開口428をスリット部材415の周壁部417に外嵌するようにして取り付けられ、このとき、前記スライド部材423から後方へ突出している5本のスライドピン425の後端部を、図58に示すようにそれぞれ5本のガイドレール429に挿入するようにする。スリット部材415における周壁部417の外周面は前述の通り5箇所で螺入部418により局部的に膨出しているので、回転板427の枢支開口428の内周面に対して面的にではなく線的に接触し、これにより回転板427の枢支開口428がスリット部材415の周壁部417に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌されて回転板427がスムーズに回転自在に枢支される。
第2ギア427Gの後側にはさらに、図22に示すように、第2ギア427Gよりやや小径で枢支開口428より大径の第3ギア430Gが同心となるように配置固定され、前記オイルダンパ405のギア405Gに噛み合うように配置される。第3ギア430Gの中央には、円状の枢支開口440が穿設され、該枢支開口440の周囲には、前記スリット部材415の周壁部417における5箇所の螺入部418のうちの3箇所に対応する位置に螺子挿通孔441が、前記2箇所の位置決めボス419に対応する位置に位置決め孔442が、それぞれが穿設されている。第3ギア430Gは、前記スリット部材415の周壁部417に外嵌された第2ギア427Gの後側に重ねるようにして配置され、スリット部材415の周壁部417に対し、位置決めボス419を位置決め孔442に挿入することにより位置決めし、螺子挿通孔441を通して螺子443(図15参照)を螺入部418に螺入することにより固定される。これにより、スリット部材415が第3ギア430Gを介してオイルダンパ405のギア405Gに連動連結(リンク)されて該オイルダンパ405により制動されるとともに、第3ギア430Gが抜け止めとなって回転板427がスリット部材415の周壁部417に離脱しないように保持される。
図14および図15に示すように、スリット部材415の前側からは、中央軸部材444が配置される。中央軸部材444は、図24および図25に示すように、円筒状の軸部445の前側端に、拡径するように円板状のフランジ446が一体的に形成された構成となっている。フランジ446の中央部は軸部445の内部と連通して円状に開口し、これにより軸部445の内部を前後に貫通する内腔部447が形成されている。フランジ446の前側面における内腔部447の周囲には、正面視三角形の頂点をなす3箇所に、円筒状に前方へやや短く延出し内部に螺子穴を有する2つの前側螺入部448と、円柱状に前方へやや短く延出する1つの支持突起449とがそれぞれ一体的に形成されている。2つの前側螺入部448にはそれぞれ、周面から径方向に壁状に延出し、その延出端で円柱状に前後に延びる円柱状部が一体的に形成され、該円柱状部の先端から前側位置決めボス450が突出するように形成されている。前側螺入部448から円柱状部まで延びる延出部分と、支持突起449とは同一の延出高さを有している。内腔部447の内周面には、対向する2箇所に並行するように軸部445の軸方向に沿って円柱状に延び、軸部445の後側端よりさらに後方まで延出し、内部に螺子穴を有する後側螺入部451が一体的に形成されている。軸部445の周壁の後側端において両後側螺入部451から等距離にある位置には、後側位置決めボス452が後方へ突出するように一体的に形成されている。
図14および図15に示すように、中央軸部材444の前側には、LED基板453が配置される。LED基板453は、図24および図25に示すように、中央軸部材444のフランジ446より若干大径の略円板状の基板となっている。LED基板453には、前記中央軸部材444の前側螺入部448および前側位置決めボス450に対応する位置に、螺子挿通孔454および位置決め孔455がそれぞれ形成されている。中央軸部材444の前側位置決めボス450をLED基板453の位置決め孔455に挿入して位置決めし、LED基板453の螺子挿通孔454を通して螺子456を中央軸部材444の螺子挿通孔454に螺入することにより、中央軸部材444のフランジ446の前側を覆うようにLED基板453が固定される。
LED基板453の前側面には、図24に示すように、中央の1箇所と、この1箇所の周囲に多重(2重)に拡がる同心円上に等間隔をおいて並ぶ多数箇所とに、前向LED457がそれぞれ配置固定され、前方へ向けて発光するようになっている。LED基板453の前側面における外周縁近傍には、周方向に等間隔をおいて並ぶ多数箇所に、第1横向きLED458が配置固定され、LED基板453の径方向に沿って外側へ向けて発光するようになっている。
図25に示すように、LED基板453の後側面における外周縁近傍には、周方向に等間隔をおいて並ぶ多数箇所に、第2横向きLED459が配置固定され、LED基板453の径方向に沿って外側へ向けて発光するようになっている。LED基板453の後側面における中央部には、コネクタ接続部460が後方へ向けて配置固定されている。
LED基板453が配置固定された中央軸部材444の軸部445は、スリット部材415の円状開口416に前側から挿入される。中央軸部材444の軸部445が十分に挿入されると、その後端が第3ギア430Gの枢支開口440から僅かに後方へ突出する。軸部445の後端からさらに後方へ突出する後側位置決めボス452を前記支持基材401における位置決め切欠(図示せず)に挿入して位置決めし、同じく軸部445の後端からさらに後方へ突出する後側螺入部451を前記支持基材401における螺子挿通部401Sの挿入穴に挿入してネジ固定することにより、中央軸部材444が支持基材401に固定される。このとき、LED基板453のコネクタ接続部460には配線が接続され、該配線は中央軸部材444の内腔部447および支持基材401の円状開口401Pを通して後方へ導出される(図示せず)。以上の取付構造により、中央軸部材444の軸部445が支持基材401に対し前方へ突出するように固定され、図13にも示すように該軸部445にスリット部材415の周壁部417が外嵌するようにして取り付けられる。このとき、スリット部材415の周壁部417の内周面は前述の通り5箇所で螺入部418により局部的に膨出しているので、中央軸部材444の軸部445の外周面に対して面的にではなく線的に接触し、これによりスリット部材415の周壁部417が中央軸部材444の軸部445に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌されてスリット部材415がスムーズに回転自在に枢支される。
図14および図15では、明確化のため、LED基板453および中央軸部材444が萼片403よりも後方に示されているが、実際には、LED基板453および中央軸部材444は萼片403の前方から取り付けられる。即ち、中央軸部材444の軸部445が、萼片403の開口部409に前方から挿通されるようにして取り付けられる。あるいは、LED基板453および中央軸部材444を前述のようにスリット部材415の円状開口416に挿通した後、中央軸部材444とスリット部材415との間に周囲から萼片403を挿入するようにして配置してもよい。いずれにせよ、組立後には萼片403が中央軸部材444とスリット部材415との間に周囲から出入し得るように配置される。
萼片403の前側には、図14および図15に示すように、花床461が配置される。花床461は、中心から外周へかけて、前方へ緩やかに錘面状に迫り出すように僅かに湾曲しながら拡がる正面視概略円環状の透明樹脂よりなる板状体となっており、正面視における寸法(面積)は集結した状態の5枚の花弁402よりもやや小さいものとなっている。花床461は、外周がやや不規則な波形状をなして延び、表面には多数の皺を含む不規則な凹凸が形成されている。花床461の中心には螺子挿通孔462が穿設されている。花床461の後側面における外周縁部には、前記スリット部材415の螺子挿通部420に対応する5箇所にそれぞれ、後方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部463が一体的に形成されている。花床461の中心には、前後に延び、後端部には内部に螺子穴を有する透明樹脂製の雌しべ464が前側から配置され、螺子挿通孔462の後側から螺子465が螺入されて固定されている。花床461は、LED基板453を前側から覆うようにして、螺入部463をスリット部材415の螺子挿通部420に挿入し螺子を螺入することにより固定される。これにより、花床461は、花弁402とLED基板453との間に配置され、スリット部材415と一体化されている。換言すれば、前側から花床461、LED基板453および中央軸部材444がこの順に配置固定され、これら3部材を前後から挟み込むような体勢で、花弁402および萼片403が一体となって、正面視において雌しべ464にむけて集結または離散するように、スリット部材415におおむね径方向にスライド自在に保持された構成となっている。
以上のようにして、LED基板453が配置固定された中央軸部材444が支持基材401に固定され、中央軸部材444に後側からスリット部材415が回転可能に外嵌され、スリット部材415に後側から回転板427が回転可能に外嵌され、スリット部材415に前側から花弁402および萼片403がスライド自在に保持されている。この構成においては、図45および図46に示すように、後述する集結位置にあるとき、5個の萼片403が中央に寄り合うように集結し、その外周よりも内側(中心側)に他の部材がおおむね納まるように構成されている。即ち、図46に示すように、回転板427、中央軸部材444(図46では図示せず)等の外周は集結位置にある萼片403の外周よりも小さく内側に納まっており、一方、萼片403以外の花弁402、スリット部材415および第1ギア404Gは、集結位置にある萼片403の外周より僅かにはみ出す部分があるものの、おおむね内側に納まっている。特に、スリット部材415は前述の通り、極力外側へ拡がることがなく不要領域が可及的に削減された外形に成形されているので、組立状態においてもこのように集結位置にある萼片403の外周よりも極力外側へはみ出さないようになっている。
図26に示すように、支持基材401の後側には、中継基板466が配置されている。中継基板466は、支持基材401における中央本体部の上端よりやや下方の高さ位置(概ね中央モータ404の中心あたりの高さ位置)から下方であって、両延出部401Eの左右両延出端間の距離にほぼ等しい横幅を有する矩形状の領域全体を後側からほぼ覆うように立て板状に配置された正面視概略矩形状の基板となっている。中継基板466の中央部には、上端から中心部まで正面視概略U字形状をなして凹入する中央切欠467が形成されており、該中央切欠467を通して、中央モータ404と、支持基材401の円状開口401Pと、オイルダンパ405の上端部とが後方へ露出している。中継基板466は、支持基材401の後側面に重ねるようにしてネジ固定されている。中継基板466には、中央モータ404およびLED基板453が接続されている。
支持基材401の上端部には、図26に示すように、懸架部材468が固定されている。懸架部材468は、支持基材401における両延出部401Eの左右の延出方向に沿って、該両延出部401Eの左右両延出端間の距離とほぼ等しい長さで横長に延びる樹脂製の部材となっている。懸架部材468の中央部には、支持基材401における両延出部401Eに跨る概ね直方体状の外形を有して該両延出部401Eに後方から重ね合わせてネジ固定される本体部468Bが形成され、該本体部468Bの両側面からは、軸挿通孔を有する矩形状の軸挿通片468Tが延出している。
懸架部材468の本体部468Bの両端すなわち本体部468Bと螺子挿通片468Tとの境界部の前側にはそれぞれ、スライド部468Sが一体的に形成されている。スライド部468Sは、中空の概略直方体状であって、上壁および下壁には軸挿通孔が穿設された形状となっている。両スライド部468Sはそれぞれ、背面板40Rに上下に架設するように固定されるスライド軸469に外嵌され、これにより懸架部材468がスライド軸469に上下にスライド自在に保持される。
懸架部材468の本体部468Bにおける両スライド部468Sの間には、中央モータ404を間隔をおいて上方から覆うように、正面視円弧状をなして後方へ延出する庇部468Eが一体的に形成されている。
花弁動作装置40Fの両側において、後述する側方基板40Sおよび基板カバー40Cには、開閉機構が装架される。開閉機構は、後述する昇降機構と連動してシャッタ(遮蔽板)40Eを開閉する機構であり、図10および図11に示すスライダ470、開閉駆動アーム471、シャッタ40E等を有して構成されている。
スライダ470は、図26に示すように、支持基材401の両支持軸406の先端に配置されている。スライダ470は、上下に四角柱状に延びる本体部を有し、図39に示すように、該本体部には、前側面と内側面(支持基材401に対向する側面)とで構成される角部を切り欠くようにして上下に長い直方体状に延びる係合切欠470Gが形成され、該係合切欠470Gに側方から支持軸406の先端部が進入して係合するようになっている。図26に示すように、該本体部の後側面における上下2箇所には、後方へ円柱状に突起するスライド突起470Pが一体的に形成されている。該本体部における外側面(支持基材401に対向する側面と反対側の側面)からは立て板状の片状部が側方へ延出し、該片状部の下端部には左右方向に長く延びる長孔470Lが前後に貫通するように穿設されている。
開閉駆動アーム471は、スライダ470の外側(支持基材401に対向する側と反対側)に配置されている。開閉駆動アーム471は、ほぼ直角に近い角度(本パチンコ機10では約95°程度)で屈曲する概略V字形の正面形状を有し、中央の屈曲部には前後に円筒状に延びる軸支部471Gが一体的に形成されている。開閉駆動アーム471における花弁動作装置40F側(支持基材401寄りの側)の端部には、後方へ円柱状に延出する第1嵌合突起471Eが一体的に形成され、スライダ470の長孔470Lに前側から挿入され、該長孔470Lに左右に遊動し得るように嵌合している。開閉駆動アーム471における第1嵌合突起471E形成側と反対側の端部には、前方へ円柱状に延出する第2嵌合突起471Fが一体的に形成されている。開閉駆動アーム471における軸支部471Gと第2嵌合突起471Fとの間の中間部には、後方へ円柱状に延出し、その延出端から上方へ片状部が延出する係止部471Pが一体的に形成されている。さらに、係止部471Pと第2嵌合突起471Fとの間には、下方へ正面視概略U字形状をなして延出するU字突起部が一体的に形成され、該U字突起部の後側面における延出端部に半球状の摺動突起471Cが後方へ突出するよう一体的に形成されている。
支持基材401の両支持軸406にはそれぞれ、上述の構造により、スライダ470および開閉駆動アーム471が左右対称となるように連結されている。
花弁動作装置40Fの両側には、図9ないし図11に示すように、側方基板40Sがそれぞれ配置されている。側方基板40Sは、図27および図28に示すように、やや横長の概略矩形の立て板状に成形された樹脂製の部材となっている。側方基板40Sには、内側縁(花弁動作装置40Fに隣接する側縁)の近傍に、上端近傍から下端近傍まで上下に直線状に延びるガイドレール472が形成されている。側方基板40Sの内側上端の隅部には、前方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部473Tが一体的に形成され、該螺入部473Tよりも外側方(花弁動作装置40Fから離隔する側方)であってやや下方の高さ位置には、同様の構成を有する螺入部473Nが一体的に形成されている。これら上側で左右に配置形成された螺入部473T、473Nは、間にガイドレール472を挟むように位置している。外側方の螺入部473Nの上には、螺子挿通孔489が穿設されている。
側方基板40Sの下端縁における内側部には、前後に水平に拡がるフランジ部474が一体的に形成されている。フランジ部474の内側縁はさらに内側下方へ斜めにやや湾曲しながら延出し、該延出部の後側縁がさらに立壁状に内側方へ延出し、この立壁状部に螺子挿通孔475が穿設されている。該延出部の前側縁は立壁状に外側方へ延び、この前側の立壁状部に、上記上側の螺入部473T、473Nと基本的に同様の構成を有する螺入部473Bが一体的に形成されている。フランジ部474は、図28に示すように、側方基板40Sの後側では平面視概略矩形状に後方へ延出し、内側端より外側方の位置で段状に一段高くなり、さらにその外側方の位置で、段状にさらに一段高くなるとともに後側縁が前方へ引き込むようにして一段小幅となり、さらにその外側方の位置で、後側縁が前方へ引き込むようにしてさらに一段小幅となって外側方へ延びている。フランジ部474の外側端は上方へ直角に折れ曲がって延び、その途上で正面視弧状に湾曲しながらさらに外側方へ延びた後、再び上方へ折れ曲がって延び、上端で直角に折れ曲がって、内側方へ延びる上側壁を形成している。
図27および図28に示すように、側方基板40Sの内側上端の隅部には、平面視概略矩形状をなして内側後方へ延出するとともに内側へむけて緩く上傾し、この延出部の後側縁部からさらに後下方へ直方体状に延出した形状を有する張出部476が一体的に形成されている。張出部476よりも外側方へ螺入部473Tをおいて離隔した位置には、平面視矩形状に後方へ延出する延出片477が一体的に形成されている。
側方基板40Sの立て板状に拡がる壁は、中央部よりやや内側の位置であって、前記フランジ部474の後側において段状に高くなっている2箇所のうちの外側寄りの箇所に一致する左右位置で上下に延びる直線を境界線として、この境界線より外側方が一段後方へ(内奥へ)後退して後退領域47Rが形成され、これにともないこの後退領域47Rより内側が、一段前方に突出する突出領域47Fを形成している。後退領域47Rと突出領域47Fとの間の境界部における下端近傍には、前方へ延出する支軸478が設けられ、突出領域47Fはこの支軸478を回避するように、当該隅部を切欠いた形状に形成されている。支軸478の内側下方には、前方へ円柱状に延出する係止突起490が一体的に形成されている。支軸478の外側方には、後方へ円筒状に延出し、内部に前側から延びる螺子穴を有する螺入部473Mが一体的に形成され、該螺入部473Mの内側には位置決めボス473Pが一体的に形成されている。支軸478の上方には、突出領域47Fから外側方へ、正面視において支軸478を中心とする円弧状をなして延びる突条479が一体的に形成されている。該突条479の前側面は、突出領域47Fと面一となるように形成されている。さらに、該突条479の上方には、突出領域47Fと後退領域47Rとに跨るように、支軸478を中心とする円弧状をなして延びる突壁480が一体的に形成されている。該突壁480は全体として、突出領域47Fの表面よりも前方まで延出している。該突壁480において、突出領域47Fより外側方へ延びる部分は、先端の一部を除き、後退領域47Rよりも後方まで延出し、この延出部分と後退領域47Rの上端縁との間の、矩形の一隅部を弧状に切欠いた正面形状を有する領域が、この延出部分とともに皿状に後方へ凹入して凹入部47Nが形成されている。
凹入部47Nの外側方であって側方基板40Sの外側端上部の隅部近傍には、円形のモータ露出孔481が穿設されている。該モータ露出孔481の周縁部における対向する2箇所には、位置決め突起482がそれぞれ前側へ突設されている。両位置決め突起482の近傍には、螺子挿通孔483がそれぞれ穿設されている。両螺子挿通孔483の間には、露出孔481より大径の円弧状をなして延びる案内突条484が形成されている。案内突条484の外側方と、モータ露出孔481の下方であって側方基板40Sの外側端下部の隅部近傍とには、螺子挿通孔485、486がそれぞれ穿設されている。各螺子挿通孔485、486にはそれぞれ下方および上方に位置決め孔485P、486Pが穿設されている。下側の螺子挿通孔486の内側には、前方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部487が一体的に形成されている。螺入部487の内側には、円状に穿設された孔の周縁から後方へ周壁が延出する構成を有する軸支周壁488が一体的に形成されている。側方基板40Sの下面における外側端よりやや内側には、下方へ2つの平行な垂直片が延出しその延出端が水平片により連続して正面視溝形をなし、当該水平片の中央部に、前後に円筒状に延びて内部に螺子穴を有する螺入部491が一体的に形成されている。該螺入部491よりやや内側には、側方基板40Sの下面から下方へ垂直片が延出しその延出端が内側へ延出して正面視鉤状をなす鉤状片473Eが一体的に形成されている。
図28に示すように、フランジ部474の下方には、下側装飾板492が配置されている。下側装飾板492は、フランジ部474にほぼ平行に拡がる概略板状に成形され、下面には装飾が施されている。下側装飾板492の外側端後部の隅部には、外側方へ矩形の水平片状に延出し、その後側端が垂直に下方へ延出してその中央に螺子挿通孔が穿設されるとともに延出端縁部が中央で逆U字形状に上方へ凹入するように成形された取付部492Fが一体的に形成されている。
図27および図28に示すように、モータ露出孔481には側方モータ493が前側から配置され、位置決め突起482および案内突条484で位置決めして螺子挿通孔483でネジ固定される。側方モータ493の駆動軸はモータ露出孔481を通して後側に突出し、その先端に第4ギア494Gが固定されている。第4ギア494Gには第5ギア495Gが噛み合い、軸支周壁488の後端に回転自在に嵌合される。第5ギア495Gには後方へ延出し先端部が断面D字形状に成形されたクランク駆動軸495Pが固定されている。
側方基板40Sは、図10および図11に示すように、ほぼ左右対称となるように2個構成され、花弁動作装置40Fの両側にそれぞれ配置される。両側方基板40Sは、張出部476が左側の側方基板40Sにのみ形成されていて右側の側方基板40Sには形成されていない点などを除いては、基本的に左右対称の構成となっている。
側方基板40Sの後側には、背面板40Rが配置される。背面板40Rは、図29に示すように、右側の側方基板40Sの外形にほぼ対応する外形を有する右側部46Rと、左側の側方基板40Sの外形にほぼ対応する外形を有する左側部46Lと、右側部46Rと左側部46Lとの間に架設された中央部46Mとから構成され、全体として、配置状態の花弁動作装置40Fおよび両側方基板40Sを後方からほぼ覆う横長の立て板状の樹脂製の部材となっている。
中央部46Mは、上面部と前面部と後面部の左下部とが開放された概略直方体状に形成され、該中央部46Mの右前側端縁および左前側端縁が、右側部46Rの左側端縁および左側部46Lの右側端縁にそれぞれ連なるようにして配設されている。換言すれば、間にやや間隔をおいて両側に配置された右側部46Rと左側部46Lとの間に介在しかつ右側部46Rおよび左側部46Lから後方へ突出するようにして中央部46Mが配設され、これにより右側部46R、中央部46Mおよび左側部46Lがこの順に連続して配設されて全体として背面板40Rが構成されている。
右側部46Rおよび左側部46Lの内側端(中央部46M側端)における上下の隅部にはそれぞれ、前方へ直方体状に延出し、その前面から溝状に後方へ凹入する軸受凹部と、該軸受凹部の両側で前後に円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部とから構成される軸支持部496が一体的に形成されている。右側部46Rおよび左側部46Lの内側端よりやや外側(中央部46M側と反対側)であって高さ方向中央よりやや上方の位置にはそれぞれ、正面視円盤状で前方へ段状に突出し、前面中央から後方へ円柱状に延出する軸支突起部497が一体的に形成されている。軸支突起部497より外側方の上端部には、前方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部498が一体的に形成されている。軸支突起部497より内側上方に隣接する位置、螺入部498より外側方に隣接する位置ならびに螺入部498より下方の位置にはそれぞれ、螺子挿通孔601、602、603が穿設されている。軸支突起部497の上方であって右側部46Rおよび左側部46Lにおける内側上方の隅部近傍には、後方へ円筒状に延出し、内部に前側から延びる螺子穴を有する螺入部497Mが一体的に形成され、該螺入部498Mの外側方に隣接する位置には位置決めボス497Pが一体的に形成されている。軸支突起部497の下方であって右側部46Rおよび左側部46Lにおける内側下方の隅部近傍には、後方へ円筒状に延出し、内部に前側から延びる螺子穴を有する螺入部498Mが一体的に形成されている。
右側部46Rおよび左側部46Lの外側端部には、やや厚みを有して前方へ段状に膨出する膨出部604が形成されている。膨出部604の内側縁部における上端近傍部は、先端が正面視半円状となるように内側へやや長く延出し、この延出部の前面には左右に延びる長孔状の軸挿通スリット605が穿設されている。膨出部604の内側縁部における軸挿通スリット605の下方の位置には、軸挿通孔の周縁が膨出部604の前面から前方へやや周壁状に延出した構成を有する軸挿通部606が一体的に形成されている。軸挿通部606の周囲には、軸挿通部606とやや間隔をおいて同心となるように、正面視内側上部が欠損した概略部分円状の溝部607が形成されている。膨出部604における前面壁の内側縁は、溝部607に沿って内側へ円弧状に突出する形状となっているが、この突出部の後側に位置する膨出部604の内側面は開放されている。また、図11に示すように、右側部46Rおよび左側部46Lにおける膨出部604の後側面は開放されており、右側部46Rおよび左側部46Lにおける膨出部604形成位置より内側の壁の外側縁は、溝部607より大径で溝部607と同心の円弧状をなして内側へ凹入する形状となっている。図29に示すように、溝部607の外側上部に隣接する位置には、膨出部604の前面から前方へやや突出し、正面視円環状に延びる軸支突条608が一体的に形成されている。
膨出部604の外側端上部の隅部は内側へ切欠いた形状に成形され、この切欠部の内奥端部には、該内奥端部を壁状に閉塞し前後に貫通する螺子挿通孔を有する上側螺子挿通部609が一体的に形成されている。膨出部604の外側端下部の隅部には、下方へ正面視U字形状に延出し前後に貫通する螺子挿通孔を有する下側螺子挿通部610が一体的に形成されている。膨出部604の外側端部における上側螺子挿通部609形成位置の下方の位置ならびに溝部607の外側方でやや下寄りの位置にはそれぞれ、膨出部604の前面から円筒状に前方へやや長く延出し内部に螺子穴を有する上側螺入部611および下側螺入部612が一体的に形成されている。上側螺入部611および下側螺入部612にはそれぞれ、周面から径方向に沿って下方および上方へ壁状に延出し、その延出端で円柱状に前後に延びる円柱状部が一体的に形成され、各円柱状部の先端から上側位置決めボス611Pおよび下側位置決めボス612Pがそれぞれ突出するように形成されている。
側方基板40Sの前側には、図10および図11に示すように、被覆板40Pが配置される。被覆板40Pは、前記開閉駆動アーム471における花弁動作装置40F側部(概ね軸支部471Gから第1嵌合突起471E形成側端までの部分)と、スライダ470との可動領域を覆うとともに、開閉駆動アーム471における花弁動作装置40F側と反対側部(概ね軸支部471Gから第2嵌合突起471F形成側端までの部分)の可動領域を覆わないように、一箇所から上方および外側方へ延出する概略L字形の正面形状を有する立て板状の樹脂製の部材となっている。
被覆板40Pの内側端部は、正面視上下にやや長く延びる概略短冊状に拡がり、この短冊状部の後側面には、上端部から下端部まで間隔をおいて平行に延びる複数条(3条)の突条613が一体的に形成されている。短冊状部の上端部には、被覆板40Pの前側面から後側面まで厚さ方向に延び、内部に挿入穴および螺子挿通孔を有する螺子挿通部614が一体的に形成されている。短冊状部の内側縁における上端部からは内側へ矩形の片状部が延出し、該片状部の前側面には前方へ円柱状に突出する第1摺動突起615が一体的に形成されている。短冊状部の外側縁における上端部よりやや下方の位置には、側方へ片状に延出し、外周から後側へ周壁が延出するとともに、先端部が正面視半円状で中央に螺子挿通孔を有する螺子挿通片616が一体的に形成されている。短冊状部の下端縁には、後方へ平面視矩形状に延出してその延出端で下方へ折れ曲がるようにして正面視U字形に延出し、その先端部に挿通孔を有する支持片617が一体的に形成されている。短冊状部の下端部からは、外側方へやや細長の下辺部が延出し、これら短冊状部と下辺部とが、被覆板40Pの概略L字形の主要部を構成している。下辺部の外側端よりやや内側の位置には、前方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する第2摺動突起618が一体的に形成されている。下辺部の外側端から第2摺動突起618より若干内側寄りの位置までの部位には、下面および後面が開放された概略直方体状をなして後方へ延出する延出部619が一体的に形成され、該延出部619の後上端縁からは上方へ延出片が延出し、該延出片に、螺子挿通孔619Mおよびその内側に隣接する位置決め孔619Pが一体的に形成されている。短冊状部のほぼ下半部は外側方へ延出し、該延出部の上端縁は弧形状をなして湾曲しながら下方へ延び、その途上で逆向きの弧形状をなして湾曲しながら延びて、下辺部の上端縁に一体的に連続している。これにより、短冊状部と下辺部とにより形成される入隅部内に、正面視概略S字状に蛇行しながら延びる外縁形状を有して該入隅部を閉塞する壁部が一体的に形成されている。短冊状部における内側端縁の上端部から、短冊状部の上端縁および外側端縁を経て、下辺部の下端縁まで延びる外縁部には、前記螺子挿通片616の周壁を含むように、後方へやや延出する周壁が連続して形成されている。
被覆板40Pは、左右対称となるように2個構成され、左右のスライダ470および開閉駆動アーム471の前側にそれぞれ配置される。
被覆板40Pの前側には、図10および図11に示すように、基板カバー40Cが配置される。基板カバー40Cは、側方基板40Sに対応する正面形状を有して該側方基板40Sの前側を覆うように配置される立て板状の樹脂製の部材となっている。基板カバー40Cは、正面視概略矩形で下端縁における外側端部が下方へ台形状に先細に延出する形状を有する本体部620Bを有している。該本体部620Bにおける上端縁部の内側半部は上方にやや延出し、さらに該延出部が内側へやや長く延出しており、これにより本体部620Bにおける上端縁部のほぼ中央部から内側へ横長の短冊状に延びる上側延出部620Tが形成されている。上側延出部620Tは、内部の大部分が本体部620Bよりも後方へ凹入し、これにより外周に周壁部が形成された皿状となるように成形されている。上側延出部620Tには、本体部620Bの内側端にほぼ隣接する位置から内側の延出端部まで横方向にスリット状に延びる上レール621が形成されている。上レール621の中央よりやや外側方寄りの位置における上側延出部620Tの上端部には、上側延出部620Tの厚さ方向に延び、内部に挿入穴および螺子挿通孔を有する螺子挿通部622が一体的に形成されている。本体部620Bの外側端縁における下端よりやや上方には、側方へ横長の矩形状に延出し、該延出部の上端縁が後方へ延出しその延出端で上方へ延出して垂直片が一体的に形成され、該垂直片に、厚さ方向に延び内部に挿入穴および螺子挿通孔を有する螺子挿通部623が一体的に形成されている。本体部620Bの下端縁における内側端よりやや側方には、下方へ矩形状に延出し、該延出部の下端縁が後方へ湾曲しながらやや延出してその延出端がさらに、後方かつ下方かつ内側寄りの方向へ斜めに延出し、該延出部の延出端が下方へ正面視U字形状に延出して、該延出部に、厚さ方向に延び内部に挿入穴および螺子挿通孔を有する螺子挿通部624が一体的に形成されている。本体部620Bの後側面における中央よりやや外側方上寄りの位置には、円筒状に前方へやや短く延出し内部に螺子穴を有する螺入部625が一体的に形成されている。該螺入部625には、周面から径方向に内側へ延出し、その延出端で円柱状に前後に延びる円柱状部が一体的に形成され、該円柱状部の先端から位置決めボス626が突出するように形成されている。本体部620Bの後側面における下端縁部の内側端よりやや外側方には、円柱状部が後方へ突出し、該円柱状部の先端から位置決めボス627が突出するように形成されている。本体部620Bにおける外周縁の大部分には、後方へやや延出する周壁が形成されている。
基板カバー40Cは、ほぼ左右対称となるように2個構成され、上側延出部620Tの先端同士をつき合わせるようにして配置される。左側の基板カバー40Cにおける上側延出部620Tの先端上側の出隅部には、上方および内側へ矩形状に延出し、上部および内側部にそれぞれ螺子挿通孔を有する螺子挿通片628が一体的に形成され、内側部の螺子挿通孔で右側の基板カバー40Cにおける上側延出部620Tの先端部にネジ固定されるようになっている。また、右側の基板カバー40Cにおける上側延出部620Tでは、上レール621の中央よりやや側方寄りの位置に、螺子挿通部622が上端部を上側延出部620Tから上方へ突出させるようにして形成されているが、これに対し、左側の基板カバー40Cにおける上側延出部620Tでは、上レール621のほぼ側方端の位置に、螺子挿通部622が上側延出部620Tから上方へ突出しないように、上側延出部620Tの上端縁に内接するようにして形成されている。
シャッタ40Eは、基板カバー40Cの後側に配置される。シャッタ40Eは、基板カバー40Cを上下左右が反転するように180°回転させたものにおおむね相当する外形を有する立て板状の樹脂製の部材となっている。シャッタ40Eには、下端縁部の中央部よりやや外側方の位置から外側方へ横長の短冊状に延びる下側延出部629Bが形成されている。下側延出部629Bには、内側端部から延出端部よりやや内側の位置まで横方向にスリット状に延びる下レール630が形成されている。シャッタ40Eの上端縁における内側端から外側端よりやや内側の位置までの部位は上方へ横長の短冊状に延出して上側延出部629Tが形成されている。上側延出部629Tの前側面における内側端部には、前方へ円柱状に突出する第3摺動突起631が一体的に形成されている。上側延出部629Tの後側面には、後側レール632が形成されている。後側レール632は、上側延出部629Tの後側面から周壁が後方へ延出し、この周壁が、上側延出部629Tの面方向に沿って、正面視横長に延びるループ状に閉じる形状となるように、上側延出部629Tに一体的に形成されている。シャッタ40Eの外側縁における上端部からは、縦長の延出片が側方へ延出し、該延出片に、縦長の長孔状のカム溝633が穿設されている。該カム溝633の周縁からは周壁が後方へ延出している。
シャッタ40Eは、ほぼ左右対称となるように2個構成されているが、右側のシャッタ40Eの内側端縁における上端部および中央近傍にはそれぞれ嵌合ボス634Bが一体的に形成され、左側のシャッタ40Eの内側端縁における上記嵌合ボス634Bに対応する位置にはそれぞれ嵌合孔634Pが形成されて、後述するように中央に寄り合うように閉じる際に嵌合ボス634Bが嵌合孔634Pにそれぞれ嵌合するようになっている。また、右側および左側のシャッタ40Eの前面にはそれぞれ、上記のように閉じた状態で全体として一連の図案を構成する装飾の右側部および左側部が形成されている。
側方基板40Sおよび背面板40Rには、昇降機構が装架される。昇降機構は、前記側方モータ493を駆動源としてこの側方モータ493の動力を伝動して花弁動作装置40Fを昇降させる機構であり、図10および図11に示す第1クランクアーム635、連接棒636、第2クランクアーム637、レバー(梃子)638等を有して構成されている。
第1クランクアーム635は、図30に示すように、両端が半円形で全体として長円状にやや延び、両面の外周縁からはそれぞれリブ状に周壁がやや突出した外形を有し、初期位置では同図に示すように長手方向を左右に、厚さ方向を前後にそれぞれ向けるように立てて配置される平板状の樹脂製の部材となっている。第1クランクアーム635における外側端(図30では左端)および内側端(図30では右端)の半円形の中心にはそれぞれ、前方へやや長く、後方へやや短く(周壁と同程度に)突出するように円柱状に延びる第1クランクピン635Pおよびクランク軸部635Sが一体的に形成されている。クランク軸部635Sには、断面略D字形状の回転軸挿通孔が軸方向に貫通するように穿設され、前記第5ギア495Gのクランク駆動軸495Pが挿通されて固定されるようになっている。第1クランクアーム635における外周面の外側端上側(図30では左上側)からは、正面視やや先細の四辺形となるように外側上方(図30では左上方)へ延出する遮光片635Bが一体的に形成されている。
第1クランクアーム635の外側上方(図30では左上方)には、回転位置検知センサ639が配置されている。回転位置検知センサ639は、間隔をおいて平行に延出する2本の角柱状体よりなるゲート部639Gを備え、該ゲート部639Gの両角柱状体における一対の対向面のうち一方に発光素子が、他方に受光素子がそれぞれ配置された構成となっている。回転位置検知センサ639の前側部には、両端に螺子挿通孔を有する螺子挿通片639Fが一体的に形成されている。図30に示すように、回転位置検知センサ639は、初期位置における第1クランクアーム635の遮光片635Bの先端部をゲート部639Gで前後から挟む体勢となるようにして前記背面板40Rにおける膨出部604の内部に配置され、該膨出部604の前側壁の後側面(内面)における外側上方の隅部近傍に、螺子挿通片639Fでネジ固定される。図11に示すように、背面板40Rの膨出部604における前側壁の後側面には、螺子挿通片639Fに対応する螺入部604Fが一体的に形成されている。図30に示すように第1クランクアーム635が初期位置にあると、回転位置検知センサ639のゲート部639Gにおいて発光素子からの光が遮光片635Bに遮られ、第1クランクアーム635が初期位置から回転すると、遮光片635Bがゲート部639Gから離れて発光素子からの光が受光素子に受容され、これにより、第1クランクアーム635の回転位置が検知されて昇降機構の動作状況が把握されるようになっている。
連接棒636は、図31に示すように、正面視概略帯状に左右に長く延び、幅方向を上下に向けて立てて配置される平板状の樹脂製の部材となっている。連接棒636の内側端部(図31では左端部)には、前方へ円柱状に突出する支軸636Pが一体的に形成されている。連接棒636の内側端部から外側端部(図31では右端部)よりやや内側寄りの位置までは正面視概略帯状に延びており、その先端部で下方へ直角に屈曲しやや延出して鉤形状をなしており、この鉤形状の延出部までの内側部全体における前後両面の外縁からはそれぞれリブ状に周壁がやや突出している。上記鉤形状の延出部における外側後方端縁(図31では右後側端縁)からは側方へ横長の片状部が延出し、該片状部の外周縁からは、上記鉤形状の延出部における周壁の前端とほぼ同一の前後位置まで周壁が突出している。上記横長の片状部における外側端部には上方へ正面視逆U字形状に延出する延出片が一体的に形成され、該延出片には前方へ円筒状に突出し前後に貫通する孔を有するピン挿通部636Sが一体的に形成されている。
第2クランクアーム637は、図31に示すように、おおむね外側方(図31では右方)へ延出する出力側片637Eと、該出力側片637Eよりやや短くおおむね下方へ延出する入力側片637Rとを有し、全体としてやや直角に近い角度(本パチンコ機10では約80°程度)で屈曲する概略V字形の正面形状を有する平板状の樹脂製の部材となっている。第2クランクアーム637全体の後側面における外周縁からは後方へ周壁が突出している。第2クランクアーム637における中央の屈曲部には、後方へ円筒状に突出し前後に貫通する孔を有するピン挿通部が一体的に形成され(図31では図示せず)、該ピン挿通部には後方へやや長く突出するようにアーム軸637Sが挿通され、第2クランクアーム637の前側で先端部にE型止め輪が嵌着されている。出力側片637Eの先端部には、前方へ円柱状に突出する第2クランクピン637Pが一体的に形成されている。入力側片637Rの先端部には軸挿通孔が穿設され、該軸挿通孔が前記連接棒636の支軸636Pに外嵌されて回動自在に軸支されている。
レバー638は、図31に示すように、ほぼ中央部において緩い角度で正面視概略S字状に蛇行するように段階的に屈曲して左右に長く延び、幅方向を上下に向けて立てて配置される平板状の樹脂製の部材となっている。この屈曲部の中央部には、後方へ円筒状に突出し前後に貫通する孔を有するピン挿通部638Eが一体的に形成されている。屈曲部から外側方(図31では右方)へは正面視若干先細となるようにやや長く延び、正面視半円状の先端部には、後方へ円筒状に突出し後端から内部に延びる螺子穴を有する支軸638Fが一体的に形成されている。屈曲部から内側(図31では左側)へは正面視横長の矩形状にやや短く延びている。上記支軸638F形成側端(側方端)からこの矩形状部までの部分の後側面における外周縁からは後方へ周壁が突出している。ピン挿通部638Eの周囲には同心となるように正面視円形の周壁が後方へ突出するよう形成され、この円形の周壁が、上記外周縁の周壁に同一の突出高さを有して内接するように一体的に形成されている。上記ピン挿通部638Eはこれら周壁よりもさらに後方へ突出し、上記支軸638Fは上記ピン挿通部638Eよりもさらに後方へ突出している。上記矩形状部の内側端部は、厚さ方向に沿って前方へ膨出し、その前側端部からさらに内側へ延びて、これにより厚さ方向に一段前方へ迫り出すようにして内側へ延びる内側先端片638Nが一体的に形成され、該内側先端片638Nは上記矩形状部から平面視概略S字状に直角に屈曲しながら連続して延びている。内側先端片638Nの先端部には、左右にやや長く延びる長孔状の軸挿通部638Lが穿設されている。内側先端片638Nの後側面における外周縁および軸挿通部638Lの外周縁からは、両者が一体的に連続するように後方へ周壁が突出している。
第1クランクアーム635は、前述の通り、回転位置検知センサ639のゲート部639Gに遮光片635Bを挟まれるようにして、立てた初期位置の体勢で、背面板40Rにおける膨出部604の内部に配置される。一方、前記第5ギア495Gが、背面板40Rにおける膨出部604の前側に配置され、膨出部604の軸挿通部606に後側からクランク駆動軸495Pが挿通されて第5ギア495Gに固定される。クランク駆動軸495Pの先端部は、第1クランクアーム635のクランク軸部635Sに挿入され固定される。
連接棒636は、図10および図11に示すように背面板40Rの前側に配置され、外側端部が背面板40Rの膨出部604に内側から差し入れられ、ピン挿通部636Sが第1クランクアーム635の第1クランクピン635Pに前側から外嵌される。連接棒636の支軸636Pには、前述の通り、第2クランクアーム637の入力側片637Rにおける先端部の軸挿通孔が軸支されており、第2クランクアーム637のアーム軸637Sは、背面板40Rの軸支突起部497に前側から挿入されて回動自在に軸支される。第2クランクアーム637の第2クランクピン637Pは、レバー638のピン挿通部638Eに後側から挿入されて回動自在に軸支される。レバー638の支軸638Fは、背面板40Rの軸挿通スリット605に前側から挿通され、該軸挿通スリット605内にスライド自在にかつ回動自在に軸支される。レバー638の軸挿通部638Lは、懸架部材468の軸挿通片468Tにピン軸により回動自在に軸支される。
昇降機構は、左右対称となるように2組構成され、左右の側方基板40Sと、背面板40Rの右側部46Rおよび左側部46Lとにそれぞれ装架される。
開閉機構のスライダ470は、スライド突起470Pが前側から側方基板40Sのガイドレール472に挿入され、前側から被覆板40Pによりカバーされるようにして配置される。これにより、被覆板40Pの突条613に前側から当接されながら、スライダ470が側方基板40Sのガイドレール472に上下にスライド自在に保持される。開閉駆動アーム471の第1嵌合突起471Eは、前述の通りスライダ470の長孔470Lに前側から挿入されて嵌合しており、開閉駆動アーム471の軸支部471Gは、図10および図11に示すコイルバネ471Sとともに、側方基板40Sの支軸478に前側から外嵌され、支軸478の先端に図10および図11に示すE型止め輪478E(参照)が嵌着されて固定される。コイルバネ471Sの一方端は、リング状に成形されていて側方基板40Sの係止突起490に外嵌されて係止され、コイルバネ471Sの他方端は、鉤形状に成形されていて開閉駆動アーム471の係止部471Pに係止されて該係止部471Pを押し下げる方向に付勢するようになっている。開閉駆動アーム471の第2嵌合突起471Fには、シャッタ40Eのカム溝633が前側から外嵌される。
シャッタ40Eは、後側レール632に被覆板40Pの第1摺動突起615を後側から嵌入し、下レール630に被覆板40Pの第2摺動突起618を後側から挿入して該第2摺動突起618の先端に第1摺動子部材618Sをネジ固定し、第3摺動突起631を基板カバー40Cの上レール621に後側から挿入して該第3摺動突起631の先端に第2摺動子部材631Sをネジ固定することにより、被覆板40Pと基板カバー40Cとの間に挟まれるようにして、左右にスライド自在に保持される。第1摺動子部材618Sおよび第2摺動子部材631Sはそれぞれ、図10および図11に示すように、下レール630および上レール621の幅より大きい外径を有する円板状のフランジの後側に、下レール630および上レール621の幅より小さい外径を有して後方へ概略円柱状に短く突出する摺動突起が一体的に形成された構成を有し、該摺動突起を下レール630および上レール621に遊動自在に嵌入して、第2摺動突起618の先端および第3摺動突起631の先端にそれぞれ固定されるようになっている。
開閉機構は、左右対称となるように2組構成され、左右の側方基板40Sおよび基板カバー40Cにそれぞれ装架される。
背面板40Rにおける軸支持部496の軸受凹部には、前記左右のスライド軸469に外嵌された懸架部材468のスライド部468Sが前側から配置され、軸支持部496の螺入部にネジ固定される。これにより、左右のスライド軸469が背面板40Rに上下に架設され、花弁動作装置40Fが上下にスライド自在に保持される。
被覆板40Pは、螺子挿通部614、螺子挿通片616、支持片617および螺子挿通孔619Mを、側方基板40Sの螺入部473T、473N、473Bおよび473Mにそれぞれネジ固定することにより取り付けられる。これと同様にして、基板カバー40C、側方基板40Sおよび背面板40Rが、対応する螺子挿通部と螺入部との間のネジ固定といった手段により、前後に重なり合うような体勢で互いに取付固定される。
上述のようにして構成された演出動作ユニット40は、基板カバー40Cの螺子挿通片628および下側装飾板492の取付部492Fをセンターフレーム43の上枠部43Tにネジ固定することにより、図4に示すように、花弁動作装置40Fをセンターフレーム43の上枠部43Tにおける中央部から前面に露出させるようにして配置固定される。
演出動作ユニット40においては、上述の構成により、A.花弁動作装置40Fの昇降動作(以下、単に「昇降動作」とも称す)、B.シャッタ40Eの開閉動作(以下、単に「開閉動作」とも称す)ならびにC.花弁動作装置40Fにおける花弁402および萼片403の集散および回転の動作(以下、単に「集散回転動作」とも称す)という各種の動的な動作と、E.花弁動作装置40Fの発光動作(以下、単に「発光動作」とも称す)とを行うようにサブ制御基板により制御されるようになっている。以下、演出動作ユニット40におけるA.〜C.の動的動作およびE.の発光動作について順次記述する。
なお以下、演出動作ユニット40における正面視左側部、すなわち図32、図34および図36における左側部あるいは図33、図35および図37における右側部に着目して説明するが、正面視右側部については正面視左側部と同様(左右対称)の動作となっているため説明を省略する。
A.昇降動作
(A1)初期位置
初期位置においては、図32および図33に示すように、花弁動作装置40Fが左右の側方基板40Sとほぼ同じ高さ位置にあり、水平に内側を向いたレバー638により両側から吊下するようにして支持されている。これにより、花弁動作装置40Fは、図4に示すようにセンターフレーム43の上枠部43Tにおける中央部に、下端が上枠部43Tの下端とほぼ同じ高さ位置となるようにセットされている。
また、初期位置においては、図33に示すように、第1クランクアーム635が、前述の通り遮光片635Bを回転位置検知センサ639のゲート部639Gに挟まれるようにして、第1クランクピン635P形成側端が外側方(図33では右方)、クランク軸部635S形成側端が内側方(図33では左方)へそれぞれ向いた体勢となっている。
(A2)降下開始
ついで、図35に示すように、側方モータ493で第4ギア494Gを正面視時計回り方向(図35では反時計回り方向)に回転させる。これにともない、第5ギア495Gが連動して矢印A1で示すように正面視反時計回り方向(図35では時計回り方向)に回転して、第1クランクアーム635を初期位置から同方向に回転駆動する。図35においては、第1クランクアーム635が初期位置から正面視反時計回り方向(図35では時計回り方向)A1に角度θ2(本パチンコ機10では約60°程度)だけ回転した状況が示されている。
第1クランクアーム635の回転にともない、連接棒636が図35に矢印A2で示すように内側へ押し込まれ、これにともない第2クランクアーム637が矢印A3で示すように正面視反時計回り方向(図35では時計回り方向)に回転する。これにともない、第2クランクアーム637がレバー638を押し下げるようにして矢印A4で示すように正面視時計回り方向(図35では反時計回り方向)に回動させる。これにより、図34および図35に示すように、花弁動作装置40Fが左右の側方基板40Sよりも下方へ降下していく。
また、第1クランクアーム635がこうして初期位置から正面視反時計回り方向A1に回転を開始するのにともない、遮光片635Bが回転位置検知センサ639のゲート部639Gの間から脱出し、これにより第1クランクアーム635の初期位置からの離脱すなわち降下動作の開始が検知され確認されるとともに、以降はこの降下動作の開始時点を起点として側方モータ493の回転量により昇降機構全体の動作状況(体勢)も把握することができる。
(A3)降下終了(最下位置)
この後、図37に示すように、第1クランクアーム635が矢印A5で示すように引き続き正面視反時計回り方向(図37では時計回り方向)に回転していき、図33に示す初期位置から正面視反時計回り方向に角度θ3(本パチンコ機10では約130°程度)の角度位置に到達すると、図36および図37に示すように、花弁動作装置40Fが最下端の動作限界位置(本明細書においては「最下位置」とも称す)に到達して、降下動作が終了する。これにより、花弁動作装置40Fの大部分が、センターフレーム43の上枠部43Tにおける下端から下方へ突出し、装飾図柄表示装置42の液晶画面における上端部中央の前に吊下された体勢となる。
以上のようにして、側方モータ493の回転動力が昇降機構により伝達されて花弁動作装置40Fが初期位置から最下位置まで降下する。このとき、レバー638においては、支軸638Fが支点として、ピン挿通部638Eが力点として、軸挿通部638Lが作用点としてそれぞれ機能し、作用点である軸挿通部638Lが、力点であるピン挿通部638Eよりも、支点である支軸638Fから遠く(2倍程度)離れた位置に配置形成されており、従ってこれに応じ、力点であるピン挿通部638Eの移動距離に対して作用点である軸挿通部638Lの移動距離がかなり大きくなるように動力伝達がなされるようになっている。即ち、図37に示すように、昇降機構が初期位置から最下位置まで動作する範囲において、作用点である軸挿通部638Lが降下する降下距離D3は、力点であるピン挿通部638Eの降下距離D4の約2倍となっている。従って、花弁動作装置40Fを初期位置から最下位置まで効率よく降下させることができる。
(A4)上昇動作(初期位置への復帰)
花弁動作装置40Fが最下位置にあるとき、上述の降下動作の場合とは逆に、側方モータ493で第4ギア494Gを、図37に矢印A6で示すように正面視反時計回り方向(図37では時計回り方向)に回転させると、昇降機構が上述の降下動作の場合とは逆に動作して初期位置に復帰する。第1クランクアーム635が図33に示す初期位置に復帰すると、これにともない遮光片635Bが回転位置検知センサ639のゲート部639Gの間に復帰し、これにより第1クランクアーム635の初期位置への復帰すなわち上昇動作の終了が検知され確認される。
この上昇動作の場合にも、レバー638において、作用点である軸挿通部638Lが上昇する上昇距離D3は、力点であるピン挿通部638Eの上昇距離D4の約2倍となるので、花弁動作装置40Fを最下位置から初期位置まで効率よく上昇させて復帰させることができる。
B.開閉動作
(B1)初期位置(開放位置)
上記A.昇降動作において花弁動作装置40Fが初期位置にあるとき、図39に示すように、スライダ470は、係合切欠470Gの上端で花弁動作装置40Fの支持軸406に係合しているので、側方基板40Sのガイドレール472内における上下の可動範囲のうち最上端の動作限界位置に保持される。換言すれば、花弁動作装置40Fが初期位置に保持されるのにともなってスライダ470も初期位置に保持される。
この初期位置においては、開閉駆動アーム471における第2嵌合突起471F形成側部が、軸支部471Gから外側上方へ斜めに延出し、第2嵌合突起471Fが最も外側寄りに位置する。これにともない、図38に示すように、開閉駆動アーム471の第2嵌合突起471Fにカム溝633で外嵌しているシャッタ40Eが最も外側寄りに引き寄せられ、図32に示すように、内側端縁部を除く大部分が基板カバー40Cの後側に退避し、該基板カバー40Cにより前方から見えないよう隠蔽された状態に保持される。換言すれば、左右のシャッタ40Eが両側へ離隔するように開いた開放位置に保持される。
(B2)閉鎖開始
ついで、上記A.昇降動作により花弁動作装置40Fが初期位置から降下を開始すると、これにともない花弁動作装置40Fの支持軸406がスライダ470における係合切欠470Gの上端から離脱して降下する。このとき、開閉駆動アーム471における第2嵌合突起471F形成側部が前述の通りコイルバネ471Sにより外側下方へ押し下げるように付勢されているので、花弁動作装置40Fが初期位置から降下を開始しても、当初は、花弁動作装置40Fの支持軸406がスライダ470の係合切欠470G内で降下するだけであって、スライダ470はこれに追随して降下することはなく、コイルバネ471Sの付勢力により開閉駆動アーム471とともに引き続き初期位置に保持される。
ついで、図41に示すように、花弁動作装置40Fの支持軸406がスライダ470における係合切欠470Gの下端に到達すると、これ以降は、該支持軸406が係合切欠470Gの下端に係合し、コイルバネ471Sの付勢力に抗してスライダ470を下方へ押し下げる。これにともない、開閉駆動アーム471が、コイルバネ471Sの付勢方向と逆方向すなわち正面視左側の開閉駆動アーム471の場合には矢印A7で示すように正面視時計回り方向に回動を開始する。開閉駆動アーム471は、前記側方基板40Sにおける突壁480の延出端面に摺動突起471Cを当接させ摺動させるようにして、後側から支持されながら該突壁480の延出端面に沿って回動する。即ち、開閉駆動アーム471の第2嵌合突起471Fがシャッタ40Eのカム溝633から後方へ脱離することなく正しく外嵌した体勢を保持するように、開閉駆動アーム471における第2嵌合突起471F形成側部が突壁480により後側から案内されながら回動する。
開閉駆動アーム471が上述のように回動するのにともない、図40に矢印A8で示すように、シャッタ40Eがカム溝633で開閉駆動アーム471の第2嵌合突起471Fにより内側へ引き寄せられるようにスライド移動する。
(B3)閉鎖終了(閉鎖位置)
この後、図43に示すように、花弁動作装置40Fとともにスライダ470が最下位置に到達すると、これにともない開閉駆動アーム471が図39に示す初期位置(開放位置)から角度θ4(本パチンコ機10では約89°程度)の角度位置に到達する。またこれとともに、図42に示すように左右のシャッタ40Eが演出動作ユニット40の中央に寄り合い、嵌合ボス634Bを嵌合孔634Pにそれぞれ嵌合させながら互いにつき合うようにして閉じる。換言すれば、左右のシャッタ40Eが中央に寄り合うように閉じた閉鎖位置に保持される。この閉鎖位置では、図36に示すように、左右のシャッタ40Eの外側端縁部を除く大部分が、左右の基板カバー40Cの間を通して前方へ露出した状態に保持される。換言すれば、図32に示すように、初期位置(開放位置)では左右の基板カバー40Cの間にある中央領域の大部分を花弁動作装置40Fが前側から覆って閉塞するように位置していたのに対し、図36に示すように閉鎖位置においては、花弁動作装置40Fが最下位置まで降下して上記中央領域の大部分を開放するとともに、この花弁動作装置40Fの降下に連動して左右のシャッタ40Eが閉じることにより、今度はかわって左右のシャッタ40Eが上記中央領域を全面的に覆って閉塞するようになっている。また換言すれば、花弁動作装置40Fが降下することでその後方の状況が前側へ露出するところを、花弁動作装置40Fに入れ替わるようにして左右のシャッタ40Eが遮蔽して前方から見えないよう隠蔽する。さらに、左右のシャッタ40Eは、前述の通り閉じた状態で全体として一連の図案を構成する装飾が施されているので、上述の閉鎖動作の終了とともにこの図案が構成されることとなり、これにより、花弁動作装置40Fの大部分が下方へ退いた後の上記中央領域において、シャッタ40Eの閉鎖動作と装飾とをあわせた動的な演出効果が得られるようになっている。
(B4)開放動作(初期位置への復帰)
上記A.昇降動作により昇降機構が最下位置から初期位置への復帰動作を行うと、これに連動して、開閉機構が閉鎖位置から初期位置(開放位置)への復帰動作すなわち開放動作を行う。この開放動作においては、上記閉鎖動作を逆にした動作がなされる。ただし、この開放動作の場合、最下位置から初期位置まで上昇していく花弁動作装置40Fによりスライダ470が引き上げられるのではなく、スライダ470がコイルバネ471Sの付勢力により係合切欠470Gの下端で花弁動作装置40Fの支持軸406に下方から上側へ押圧されて当接する体勢に保持され、該支持軸406の上昇に追随するようにして上昇していく。この後、スライダ470は花弁動作装置40Fよりも先に最上端の動作限界位置(初期位置)に到達して停止し、以降は、スライダ470の係合切欠470G内を花弁動作装置40Fの支持軸406のみが上昇して最上端の動作限界位置(初期位置)に到達することとなる。
C.集散回転動作
花弁動作装置40Fは、上記A.昇降動作により降下して最下位置にあるとき、(C1)図44ないし図47に示す初期位置(集結位置)から、(C2)図48ないし図51に示す拡開中位置を経て、(C3)図52ないし図55に示す全開位置へと拡開動作を行い、さらに全開位置で(C4)回転動作を行って、この後、(C5)集結動作を行い初期位置(集結位置)に復帰し得る構成となっている。
(C1)初期位置(集結位置)
初期位置(集結位置)においては、図57に示すように、スライド部材423のスライドピン425がスリット部材415における中央スリット421の内側端(円状開口416側端)に位置し、これにともない図44ないし図47に示すように、5枚の花弁402および5個の萼片403が、中心部の雌しべ464にむけて最も集結した集結位置にあって、全体として開花状態のハイビスカスの花を構成する集結状態にある。
(C2)拡開動作の開始
花弁402および萼片403が上述のように初期位置(集結位置)にあるとき、中央モータ404で第1ギア404Gを図46に矢印A9で示すように背面視時計回り方向に回転させると、これに第2ギア427Gが連動することにより回転板427が矢印A10で示すように背面視反時計回り方向に回転駆動される。
このとき、回転板427は前述の通り、枢支開口428でスリット部材415の周壁部417に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌しているので、小さいトルクで容易に周壁部417の周りを回転することができる。他方、スリット部材415は、前述の通り円状開口416で中央軸部材444の軸部445に回転可能に外嵌されているが、その一方で、前述の通り第3ギア430Gを介してオイルダンパ405のギア405Gに連動して制動されているので、上述の回転板427を初動させ得る程度の小さいトルクでは回転し得ないように保持されている。従って、中央モータ404で第1ギア404Gを回転させると、当初は、まず回転板427のみが上述のように回転駆動され、スリット部材415は停止した状態に保持される。
回転板427が上述のように回転駆動されると、図61に示すように、その前側面ではガイドレール429が矢印A11で示すように正面視時計回り方向に回転し、これにともない、スライド部材423のスライドピン425に対し、ガイドレール429に案内されるようにして、径方向に沿って外側へ押し出される方向に力が付加される。このとき、スライドピン425の移動は図60に示すようにスリット部材415の中央スリット421により規制されているので、該スライドピン425が中央スリット421に沿って内側端から外側へ直線的に案内されて移動する。またこのとき、回転するガイドレール429によってスライドピン425が案内されることにより、スリット部材415に対しても多少ともトルクがかかるが、このトルクよりもオイルダンパ405の制動力が上回っており、従ってスリット部材415は停止した状態に保持されたまま、回転板427の回転とともにスライドピン425が中央スリット421に沿って外側へ直線的に移動することとなる。これにより、図48ないし図51に示すように、5組の花弁402および萼片403が、集結位置から外側へ放射状に拡開する拡開動作を開始する。
この拡開動作においては、スリット部材415の中央スリット421が前述の通り、図57に示すように円状開口416の径方向D1に対し正面視反時計回り方向に角度θ1だけ傾斜した方向D2に沿って延びているので、外側へ移動するスライドピン425に対して比較的に大きな負荷がかかることとなるが、その一方で、この傾斜があるぶん、スライドピン425の移動速度は比較的に速くなる。即ち、このように中央スリット421を正面視反時計回り方向に傾斜させることにより、スライドピン425に対する負荷は比較的に大きくなる反面、回転板427の比較的に少ない回転量(角度)によってスライドピン425を所定距離だけ移動させることができ、これにより花弁402および萼片403の拡開動作をより効率よく行うことができるようになっている。ここで、例えばもし、この傾斜がなく中央スリット421が径方向D1に沿って放射状に延びていたと仮定すると、上述の場合に比して、スライドピン425に対する負荷は比較的に小となる一方、スライドピン425の移動速度は比較的に遅くなり、さらには、例えばもし、中央スリット421が径方向D1に対し正面視時計回り方向に傾斜していたと仮定すると、スライドピン425に対する負荷の減少ならびに移動速度の低下はいずれもいっそう顕著となる。
またこのとき、ガイドレール429が前述の通り、図61に示すように中心側端部から枢支開口428の接線の方向D5に沿って正面視反時計回り側へ延び出し、この後、この接線方向D5よりも、さらに正面視反時計回り側へ向けて弧状に湾曲しながら外側へ延び、5本のガイドレール429で全体として外側へ渦巻き状に拡がるように延びる形状となっている。ガイドレール429がこのように正面視反時計回り側へ傾斜するほど、スライドピン425に対する負荷が小さくなるとともに移動速度が遅くなる。さらに、ガイドレール429が接線方向D5よりも正面視反時計回り側へ向けて弧状に湾曲するほど、スライドピン425に対する負荷の減少ならびに移動速度の低下がいずれもより顕著となる。
即ち、上述の中央スリット421の場合には、正面視反時計回り方向に傾斜させることにより、スライドピン425に対する負荷が比較的に大きくかつ移動速度が比較的に速くなっていたのに対し、ガイドレール429の場合には、正面視反時計回り側へ傾斜させさらに弧状に湾曲させることにより、スライドピン425に対する負荷が比較的に小さくかつ移動速度が比較的に遅くなっている。
ガイドレール429の場合には、前述の通り回転板427の前側面から前方へ延出する周壁により溝状に形成されており、スライドピン425の先端が前側から嵌装されるようになっているので、ガイドレール429とスライドピン425との間に大きな負荷がかかると、スライドピン425が移動の際にガイドレール429から逸脱する惧れがある。このため、スライドピン425の移動速度を犠牲にして低くしつつ、スライドピン425に対する負荷を小さくするように構成されている。一方、中央スリット421の場合には、スライドピン425が貫通するようになっているので、逸脱の惧れも少なく、このため、スライドピン425に対する負荷を大きくしながらスライドピン425の移動速度を上げるように構成されている。このように、ガイドレール429でスライドピン425に対する負荷を小さくすることにより逸脱のような不具合を防止して動力伝達の確実性を確保する一方、中央スリット421でスライドピン425の移動速度を上げるという、役割分担がなされた構成になっている。
(C3)拡開終了(全開位置)
この後、図63に示すように、スライドピン425が中央スリット421における外側の移動限界である外側端まで到達すると、図52ないし図55に示すように、5組の花弁402および萼片403が全開位置まで放射状に拡開して全開状態となり、拡開動作が終了する。
この全開状態においては、図52および図53に示すように、5枚の花弁402が放射状に離散するように移動することにより、中央部が開放され、この開放部を通して、花床461の前側面における外周縁部をのぞく大部分が前方へ露出する。
このようにスライドピン425が中央スリット421における外側の移動限界である外側端まで到達してこれ以上は外側へ移動できなくなると、この後は、こうしてスライドピン425が中央スリット42の外側端に係止しているため、オイルダンパ405の制動力を下回る程度の小トルクによっては、回転板427がこれまでと同方向へこれ以上回転できない。そこで、中央モータ404の稼動を停止すると、拡開動作を終了した後の全開状態を維持することができる。
(C4)回転動作
上記拡開動作の終了後に、中央モータ404からそれまでと同方向の回転動力を回転板427に伝達するようにし、回転板427にかかるトルクがオイルダンパ405の制動力よりも上回ると、スリット部材415が、オイルダンパ405による制動を振り切って回転板427とともに図63に矢印A12で示す正面視時計回り方向の回転を開始する。こうして、拡開動作の後に、花弁402および萼片403が、図53に矢印A13で示すように全開状態で正面視時計回り方向に回転する。
このとき、拡開動作の後に中央モータ404を停止させずに引き続き回転板427に回転動力をかけ続けるようにするようにすれば、拡開動作から回転動作へと間をおかず連続するように直ちに移行させることができる。
(C5)集結動作(初期位置への復帰)
上記回転動作を終了し、中央モータ404で第1ギア404Gを、これまでとは逆に、図46に矢印A14で示すように背面視反時計回り方向に回転させると、スリット部材415がオイルダンパ405により制動されて停止した状態に保持されながら、まず回転板427のみが図46に矢印A15で示すように背面視時計回り方向に回転駆動され、これにより上記拡開動作とは逆方向の集結動作がなされる。即ち、スライドピン425が中央スリット421における外側の移動限界である外側端から内側の移動限界である内側端まで復帰し、これとともに5組の花弁402および萼片403が全開位置から中心部の雌しべ464にむけて集結して、図44ないし図47に示す集結位置(初期位置)に復帰して集結状態に戻り、集結動作が終了する。
この後は、中央モータ404を停止して花弁動作装置40Fの動作を終了するようにしてもよいが、中央モータ404を停止させることなく連続して稼動させるか、あるいは中央モータ404を停止した後に再度稼動して、さらに中央モータ404で第1ギア404Gを図46に矢印A14で示す背面視反時計回り方向に回転させると、花弁402および萼片403が、図45に矢印A16で示すように集結状態で正面視反時計回り方向に回転する。この集結動作から回転動作へも、上述の通り中央モータ404を制御することにより、一旦停止して間をおいてから移行するようにすることも、あるいは間をおかず連続するように直ちに移行するようにすることもできる。
D.動的動作の手順および契機
以上の演出動作ユニット40におけるA.〜C.の動的動作は、本パチンコ機10においては基本的に、以下のような手順1〜5で行われる。
1.A.昇降動作による花弁動作装置40Fの降下ならびにB.開閉動作によるシャッタ40Eの閉鎖(これら2動作は連動するため同時に行われる)
2.C.集散回転動作による花弁動作装置40Fの拡開
3.C.集散回転動作による花弁動作装置40Fの回転
4.C.集散回転動作による花弁動作装置40Fの集結(および任意で引き続き回転)
5.A.昇降動作による花弁動作装置40Fの上昇ならびにB.開閉動作によるシャッタ40Eの開放(これら2動作は連動するため同時に行われる)
一方、本パチンコ機10における遊技状態は、遊技が一定時間されていない場合の「デモンストレーション状態」から、遊技領域における入賞口への遊技球の入球に基づいて、数種に異なる状態に変移する。即ち、図柄の変動表示がされている「図柄変動状態」、この図柄変動状態として、図柄の変動表示開始後であってリーチが発生していない「非リーチ変動状態」およびリーチが発生している「リーチ状態」、図柄の変動表示が停止され遊技者に有利な「大当たり状態」、下始動口33bに遊技球が入賞し易い「サポート状態」、大当たり抽選が高確率となる「確変状態(高確率状態)」、又は「サポート状態と確変状態が複合した状態」等に変移するが、本パチンコ機10は、「デモンストレーション状態」においては集客効果を高めるために表示画面、LEDランプ等による発光動作や音響などにより各種の演出を行い、リーチ状態となる前の段階にある「非リーチ変動状態」においてはリーチ状態に発展する期待度を示唆するために各種の演出を行い、「リーチ状態」においては大当たりが発生する結果となることの期待度を示唆するために各種の演出を行い、「大当たり後において確変状態か否かを明確に報知しない状態」においては確変状態であることの期待度を示唆するために各種の演出を行う。表示画面においては、これらにそれぞれ対応する表示演出が行われる。
さらに、図柄の変動表示開始後にリーチが発生して非リーチ変動状態からリーチ状態へ移行すると、これを契機として演出動作ユニット40が演出の一態様として動的動作を行う。
[リーチ種別による動作パターン]
本パチンコ機10においては、大当たり期待度に合わせて4種類のリーチ種別(リーチ変動パターン)が設定され、これら4種類のリーチ種別によって演出動作ユニット40の動作パターンが制御されるように設定されている。より具体的には、始動入賞装置33(始動口)への入球タイミングに基づいて大当り乱数の抽選が行われ、この抽選の結果に応じて装飾図柄表示装置42に表示する図柄の変動表示等といった演出内容が決定される。図柄の変動表示には、リーチを含むものと含まないものとがあり、リーチを含むものとしては例えば、ノーマルリーチ(大当たりとなる確率が低確率であるリーチ状態)、スーパーリーチ(大当たりとなる確率が中確率であるリーチ状態)、スペシャルリーチ(大当たりとなる確率が高確率であるリーチ状態)、プレミアムリーチ(大当たりとなる確率が100%であるリーチ状態)等のリーチの種別が設定されている。これらのリーチの種別によって、以下のa)〜d)の4通りの動作パターンのいずれかが選択的に行われるように制御されるようになっている。
a)ノーマルリーチの場合、手順1に係る花弁動作装置40Fの降下およびシャッタ40Eの閉鎖を行う
b)スーパーリーチの場合、手順1に加えて手順2に係る花弁動作装置40Fの拡開を行う
c)スペシャルリーチの場合、手順1および2に加えて手順3に係る花弁動作装置40Fの回転を行う
d)プレミアムリーチの場合、手順1〜手順3を行った後、手順4に係る花弁動作装置40Fの集結(および任意で回転)と手順2に係る花弁動作装置40Fの拡開(および任意で手順3の回転)とを交互に繰り返す
このように、内部抽選の結果、大当たりとなる確率が高いリーチ種別となった場合ほど演出動作ユニット40の動的動作が多くの段階に及ぶため、大当たり期待度をこの演出動作ユニット40の動作段階から容易に予測でき、また期待度が高くなるほど演出動作ユニット40の動的動作が多くの段階に及んで緊張感が高揚するものとなっている。一方で例外的な特殊態様(プレミアムリーチの場合)が存在しているが、法則に従った他の動作態様が互いに区別が容易となっていることでこの特殊態様を判別し易くなっている。即ち、期待度の高さに応じて、花弁動作装置40Fの降下およびシャッタ40Eの閉鎖、花弁動作装置40Fの拡開および花弁動作装置40Fの回転という3通りの動作パターンにより大当たりの期待度が低度であること、中程度であることおよび高度であることを示唆するように、内部抽選の結果に基づいてこれらの動作パターンのいずれかが選択されるほか、例外的に特殊な動作パターンが選択される場合は確実に大当たりとなるように制御される。
このとき、装飾図柄表示装置42においても、大当たりとなる確率が高いリーチ種別となった場合ほど盛大な内容の演出パターンとなるような表示演出が行われるようになっているが、このような装飾図柄表示装置42すなわち液晶表示装置による表示演出だけでなく、上述のように実物の演出動作ユニット40の動的動作によってもリーチ種別に応じた動作パターンで演出を行うことにより、期待演出の内容、特に期待度の相違が視覚的に一層わかりやすく、興趣もさらに盛り上がって演出効果もより良好となっている。
本パチンコ機10における遊技状態は、前述の通り、遊技が一定時間されていない場合の「デモンストレーション状態」から、遊技領域における入賞口への遊技球の入球に基づいて、数種に異なる状態に変移する。即ち、図柄の変動表示がされている「図柄変動状態」、この図柄変動状態として、図柄の変動表示開始後であってリーチが発生していない「非リーチ変動状態」およびリーチが発生している「リーチ状態」、図柄の変動表示が停止され遊技者に有利な「大当たり状態」、始動口に遊技球が入賞し易い「サポート状態」等に変移するが、上述の例のようにリーチ状態の開始および終了にともなって演出動作ユニット40が動作するパターンを開始および終了するように制御する以外にも、遊技状態が変化する幾度かのタイミングのうちのいずれかのタイミングを任意に選択し、この選択したタイミングに応じて動作パターンを制御するようにすることができる。例えば、デモンストレーション状態または非リーチ変動状態で演出動作ユニット40の動作を開始して花弁動作装置40Fを降下させるとともにシャッタ40Eを閉鎖しておき、リーチ状態の開始にともなって花弁動作装置40Fを拡開および回転させ、リーチ状態の終了にともなって花弁動作装置40Fを集結(回転)させて初期位置(集結位置)に復帰させるように制御するようにしてもよい。あるいは、リーチ状態の終了にともなって花弁動作装置40Fを集結(回転)させて花弁動作装置40Fを単に初期位置(集結位置)に復帰させる以外にも、例えば、最終の図柄が停止して大当りとなった瞬間や大当たり状態中に花弁動作装置40Fに拡開(回転)と集結(回転)とを繰り返す動作をさせたりするようにし、これにより興趣がさらに盛り上がるようにしてもよい。
E.発光動作
花弁動作装置40Fは、前述の通りLED基板453を備えるものとなっているので、演出の一態様として発光動作も行うことができるようになっている。演出動作ユニット40の動的動作の場合には、例えば、A.昇降動作とB.開閉動作とが連動(リンク)している、C.集散回転動作を行うには花弁動作装置40Fを拡開させ得るスペースを要する、C.集散回転動作においてはオイルダンパ405による制動のため拡開ないし集結してからでないと回転できない、等といった構造的な要因があり、これらの構造的要因に応じて動作の手順や契機が必然的に制約されざるを得ない。これに対し、花弁動作装置40Fにおける発光動作の場合には、動的動作の場合のような構造的な制約はあまり受けないので、任意のタイミングないし契機で、任意の態様で発光動作を行うことができる。
例えば、最もシンプルな動作パターンとして、遊技機が稼動している間ずっと継続的にLED基板453で所定の態様で発光動作を行い、これにより花弁動作装置40Fの装飾効果を向上させるといったパターンも可能である。あるいは例えば、態様の異なる発光動作のパターンを複数通り設定しておき、これら複数の発光動作パターンを所定の順序で周期的に繰り返す、といったパターンも可能である。
一方、演出動作ユニット40におけるA.〜C.の動的動作について上述した通り、本パチンコ機10には遊技状態の変移やリーチ種別があるので、これに応じて発光動作の動作パターンが制御されるように設定すると、遊技を盛り上げる演出効果の観点から有効である。この場合、例えば以下に示すように、演出動作ユニット40の動的動作の進行に合わせて発光動作の動作パターンを制御するようにすると、演出動作ユニット40による演出を特に効果的に行うことができる。
[動的動作に応じた発光動作パターン]
本パチンコ機10においては、前述の通り、a)〜d)の4通りの動作パターンが、大当たりとなる確率が高確率であるリーチ状態となるほど、演出動作ユニット40による動的動作が手順1から1つずつ段階的に多くなっていくように相違する4パターンとなっており、これら4パターンa)〜d)のうちのいずれかが選択的に行われるように制御されるようになっている。そこで、発光動作の動作パターンもこれらa)〜d)の4通りの動作パターンに応じて、以下のように制御されるようになっている。
a)動的動作における手順1(降下・閉鎖)のみの場合、前向LED457(図24参照)のみを点灯させる
b)動的動作における手順1(降下・閉鎖)から手順2(拡開)までの場合、前向LED457および第1横向きLED458(図24参照)を点灯させる
c)動的動作における手順1(降下・閉鎖)から手順3(回転)までの場合、前向LED457、第1横向きLED458および第2横向きLED459(図25参照)を点灯させる
d)動的動作における手順1(降下・閉鎖)から、手順4(集結)と手順2(拡開)との繰り返しまでの場合、前向LED457、第1横向きLED458および第2横向きLED459を点滅させる
上記発光動作パターンa)の場合、図65に示すように、前向LED457からの発光L1が、中心部の透明樹脂よりなる雌しべ464を透過して前方に照射されていくか、あるいは、透明樹脂よりなる花床461と、その前方の薄く赤色を帯びた透明に近い花弁402の中央部とを順次透過して、前方に照射されていく。なお、図65および図66においては、LED457、458、459の各々からの発光を、代表的に軸上に延びる一本の直線状の破線ないし鎖線を用いた矢印L1、L2、L3で模式的に表しているが、実際には、各LED457、458、459は例えば10〜120°(あるいは60〜110°)程度の指向角を有しているため、この指向角によっては、例えば最も外側に配置された前向LED457から、やや中心側へ傾斜した方向へ射出され、花床461、花弁402および雌しべ464をこの順に透過して前方に照射されていく発光もあり得る。また、前向LED457からの発光L1は、雌しべ464、花床461ないし花弁402の曲面形状により多少とも屈折したり、花床461および花弁402の表面の凹凸により拡散したりしながら、これらの部材を透過していく。
これにより、図36に示すように装飾図柄表示装置42の液晶画面の前に吊下された体勢で集結状態にある花弁動作装置40Fが、前向LED457からの発光により内部から照らされて点灯する。このとき、上述の拡散効果により、花弁動作装置40Fが全体的にやや朦朧と光るような様態となる。また、花弁動作装置40Fの周囲では装飾図柄表示装置42の液晶画面で表示演出がなされているので、この液晶画面からの発光を背景とした様態となる。このため、装飾図柄表示装置42による表示演出においては、花弁動作装置40Fを避けるとともに、花弁動作装置40Fを図柄の一部として組み込んだような内容の演出がなされるようになっている。
上記発光動作パターンb)の場合、手順2(拡開)へ移行するまでは、図65に示すように、上述の前向LED457からの発光L1に加えて、第1横向きLED458からの発光L2が、LED基板453の径方向に沿って外側へ向けて照射され、LED基板453の外側で萼片403の前側面(内側面)に突き当たる。萼片403の前側面(内側面)は前述の通り凹面状に湾曲する鏡面状となっているので、これにより発光L2が図65に示すように前方へ反射する。この後、発光L2は、花床461および花弁402のうち少なくとも花弁402を透過して前方に照射されていく。このとき、第1横向きLED458からの発光L2は、上述の前向LED457からの発光L1の場合と同様に、花床461ないし花弁402を透過することにより屈折および拡散するが、これに加え、特に萼片403の赤色の鏡面で反射することと、花弁402における濃い赤色の外周縁部を透過することによって、赤色を帯びた発光となる。
上記発光動作パターンb)において、手順2(拡開)へ移行すると、図66に示すように、前述の通り花弁402が放射状に離散するように外側へ移動して中央部が開放される。この拡開状態の場合、雌しべ464においては上述の集結状態の場合と同様にして前向LED457からの発光L1が透過していくが、雌しべ464の周囲においては花弁402が開放されているため、前向LED457からの発光L1が花床461のみを透過して前方に照射されていく。一方、萼片403が花弁402とともに外側へ移動しているため、第1横向きLED458からの発光L2は、LED基板453の径方向に沿って、上述の集結状態の場合よりも大きく外側へ拡がるように照射されて萼片403の前側面(内側面)で前方へ反射することとなる。このとき、花弁402および萼片403が花床461から外側へ離れているため、萼片403で反射した発光L2は花床461を透過することなく花弁402のみを透過して前方に照射されていく。
このように、花床461および花弁402が互いに重ならない状態でそれぞれ単独で前向LED457からの発光L1および第1横向きLED458からの発光L2を透過させることとなるので、それぞれより明確な点灯の様態となる。また、拡開状態においては、図55に示すように5個の萼片403が互いに間隔をあけて離散するため、反射も部分的になされるとともに、間隔部分を通して装飾図柄表示装置42の液晶画面からの発光が前方に照射されることとなり、従ってこのことも相俟って、全体としてみれば中央部と外周縁部とで点灯の様態がより大きく相違することとなる。さらにまた、放射状に離散するように外側へ移動した萼片403で第1横向きLED458からの発光L2を前方へ反射させるので、前方へ光を照射する領域が、LED基板453の前側面領域よりも径方向に外側へ大きく拡大することとなる。換言すれば、萼片403を拡開状態としてこれに第1横向きLED458からの発光L2を反射させる構成により、LED基板453による前方への光照射領域が効果的に拡大されている。
上記発光動作パターンc)の場合、図65および図66に示すように、上述の前向LED457からの発光L1および第1横向きLED458からの発光L2に加えて、第2横向きLED459から発光L3が照射される。この第2横向きLED459からの発光L3は、基本的に上述の第1横向きLED458からの発光L2の場合と同様にして、LED基板453の径方向に沿って外側へ向けて照射され、萼片403の前側面(内側面)で前方へ反射して照射されていく。ただし、第2横向きLED459からの発光L3の場合、第1横向きLED458からの発光L2の場合に比して、萼片403の前側面(内側面)における内側寄り(中心寄り)の位置で多く反射することとなるため、そのぶん、図65に示す集結位置においては、花床461より外側を通過して花弁402のみを透過するよりも、花床461および花弁402の両者を透過して前方に照射されていく割合が多くなる。
このように、第2横向きLED459から発光L3をさらに照射することにより、特に萼片403による反射がより強調される。このとき、第1横向きLED458と第2横向きLED459との発光色を相違させることにより、外周縁部における点灯を上記発光動作パターンb)の場合とは異なる発光色によって行うことができる。
上記発光動作パターンc)において、手順3(回転)へ移行すると、外周縁部においては発光動作に回転動作が加わることによりさらに効果的に演出がなされる。特に、前向LED457、第1横向きLED458および第2横向きLED459が固定されているのに対し、5個の萼片403が上述の通り互いに間隔をあけて離散した体勢で回転するため、間欠的に反射部分が回転する様態となり、これによりミラーボールのようなきらびやかな反射効果が得られる。
上記発光動作パターンd)の場合、前向LED457、第1横向きLED458および第2横向きLED459を点滅させることにより、演出効果をさらに盛り上げることができる。この場合、特に、手順4(集結)と手順2(拡開)との繰り返しへ移行した後は、集結動作と拡開動作との繰り返しすなわち集散動作が繰り返されている状態にあるので、例えば集結状態で消灯し拡開状態で点灯するといったように集散動作と同期させて点滅動作を行うようにしてもよい。あるいは逆に、集散動作の周期と点滅動作の周期とを敢えてずらすようにしてもよい。
(作用)
上述の通り、パチンコ機10は、
所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段として中央モータ404および第1ギア404Gと、
上記中央モータ404の動力により互いに異なる第1動作すなわち集散動作および第2動作すなわち回転動作を行い得る動作手段として、回転板427、スリット部材415、スライド部材423、萼片403および花弁402と、
上記第1動作である集散動作が行われている間は第2動作である回転動作を制動し、集散動作が終了すると回転動作を許可する制動手段としてオイルダンパ405、ギア405Gおよび第3ギア430Gと、を有する構成において、
上記動作手段が、内部に可動体であるスライド部材423のスライドピン425を移動可能に保持した状態で移動することによって、上記中央モータ404の動力を上記スライドピン425に伝達する駆動溝としてガイドレール429と、上記スライドピン425の移動方向を所定の方向である長さ方向D2に規制する規制溝として中央スリット421とを備える構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、互いに異な第1動作すなわち集散動作と第2動作すなわち回転動作とが制動手段であるオイルダンパ405の制動によって順次行われ、これにより、変化のある動作演出がなされるようになっている。このとき、動作手段が駆動溝であるガイドレール429と規制溝である中央スリット421とを備えて構成されているので、機構が複雑化することなく簡略な構成となっているとともに、大型化することなくコンパクトに構成されている。
また、動作手段として駆動溝であるガイドレール429と規制溝である中央スリット421とを備える構成とすることにより、構成が簡潔化されて部品点数も少なくなっているだけでなく、溝のデザインおよびレイアウトによって、動作手段がコンパクトに成形されている。さらに、可動体であるスライドピン425を案内する経路を自由に変更することができ、従って、駆動手段における動力発生の態様によることなく、溝という簡潔な動力伝達の構成により、動作の速度その他の様態を容易に設定ないし変更することができ、また動力伝達にともなって発生する負荷も増減させることが可能である。即ち、例えばモータの速度を変更したり制御したりすることなく、溝のデザインおよびレイアウトによって、集散動作を高速または低速に設定することができる他、例えば後述する変更態様のような各種の動作態様も可能となっている。また、ガイドレール429ないし中央スリット421とスライドピン425との間に発生する負荷も増減させることが可能となっている。
特に、動作手段のうち主要な機構要素であって花弁動作装置40Fの後側部の構成要素である回転板427およびスリット部材415がコンパクトに成形されており、前方からみてなるべく目立たないようになっている。一方、動作手段のうち主要な装飾的要素であって花弁動作装置40Fの前側部の構成要素である花弁402および萼片403が、比較的に大きめに構成されるとともに比較的に大きく拡開し得るように構成されており、前方からみてなるべく目立つようになっている。これにより、より効果的に視覚的演出がなされるとともに、花弁動作装置40Fの後側部において周囲に多くのスペースが確保されることともなっている。
また、上記パチンコ機10は、上記駆動溝であるガイドレール429が、回転体である回転板427に、中心部から外側へ径方向に対し一方側である正面視反時計回り方向側へ傾斜する方向に沿って延出するように配設された有底の溝であり、上記規制溝である中央スリット421が、上記回転板427に軸方向に即ち前方に重なるように配置形成され、上記回転板427の中心部に対応する位置すなわち円状開口416よりやや外側の位置から外側へ延出するように配設されたスリットであって、上記可動体であるスライド部材423のスライドピン425が、上記中央スリット421を貫通させて上記ガイドレール429に嵌入された構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、回転板427を回転させることにより、ガイドレール429からスライドピン425に外側へ押し出す方向にまたは中心側へ押し戻す方向に動力が伝達され、この動力により、スライドピン425が中央スリット421に沿って中心側部から外側へまたは外側から中心側へ移動する。これにより、簡略な構成によって容易にスライドピン425を内外に移動させる動作を行うことができるようになっている。このとき、スライドピン425が、中央スリット421を貫通させてガイドレール429に嵌入される構成となっているため組立も容易となっている。この構成では、ガイドレール429からスライドピン425が逸脱する惧れもあるが、ガイドレール429を径方向に対し正面視反時計回り方向側へ大きく傾斜する方向に延出するものとすることで、スライドピン425に対する負荷を小さくし、これにより逸脱が効果的に防止されるようになっている。一方、中央スリット421においてはスライドピン425が貫通しているので逸脱の惧れは少なく、このためスライドピン425に対する負荷の如何に関わらず中央スリット421の形状や配置が設定されている。
また、上記パチンコ機10は、上記中央スリット421が、上記回転板427の径方向に対し、上記ガイドレール429の場合と同一側すなわち正面視反時計回り方向側へ傾斜する方向D2に沿って延出するように配設された構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、スライドピン425が中央スリット421に沿って移動する速度が上がって、中心側部から外側へまたは外側から中心側部へより速く移動することができるようになっている。このとき、中央スリット421を回転板427の径方向(あるいはスリット部材415における円状開口416の径方向D1)に対してより大きく傾斜させるほど、移動速度が速くなるかわりにスライドピン425に対する負荷が大きくなるが、中央スリット421の場合にはスライドピン425が貫通しているので逸脱の惧れは少なくなっている。一方、ガイドレール429の場合にはスライドピン425に対する負荷が大きくなるとスライドピン425が逸脱する惧れがあるため、移動速度は犠牲にされている。このため、中央スリット421を上記パチンコ機10の構成のように傾斜させる構成とすることによって、移動速度が補われるようになっている。また、このように傾斜させることにより、中央スリット421がよりコンパクトに配置形成されている。
また、上記パチンコ機10は、上記中央スリット421に対し両側に並行するように補助溝として両側スリット422が配設され、スライドピン425が、上記両側スリット422にもスライド可能に保持された構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、スライドピン425を有するスライド部材423が回動することなく一定の体勢を維持した状態で中央スリット421に沿って移動することができる。このとき、例えば仮に、中央スリット421に対してその長さ方向D2に沿ってある程度の幅を有するスライド片を挿入してスライド自在に保持する構成とすることによっても、回ることなく一定の体勢を維持した状態で中央スリット421に沿って移動させることが可能となり、両側スリット422も不要となるが、これによれば、スライド片の幅のぶんだけ、スライド方向に占有するスペースが大となり、可動範囲も小さくなる。そこで、上記パチンコ機10の構成のようにスライド部材423を両側スリット422にもスライド可能に保持されるようにすることで、そのぶんスライド方向に占有するスペースの増大が抑えられている一方、スライド方向の可動範囲も大きく確保されている。
また、上記パチンコ機10は、上記回転板427の中心部に対応する位置に、外側へ向けて光を照射し得る発光手段としてLED基板453の第1横向きLED458および第2横向きLED459が配設され、上記可動体に、上記第1横向きLED458および第2横向きLED459から外側へ照射された光を上記回転板427の軸方向である前方に向かうように反射させる反射面すなわち萼片403における鏡面状の前側面(内側面)が配設された構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、可動体に反射面を配設するという簡略な構成により、効果的な発光演出を行うことができるようになっている。特に、可動体すなわちスライド部材423が外側へ移動した状態においては、これにともなって反射面すなわち萼片403の前側面(内側面)が外側へ移動することにより、発光効果の得られる領域が外側へ拡大することとなる。従って、同一の発光手段であるLED基板453によってより効果的な発光効果を得ることができるようになっている。
また、上記パチンコ機10は、上記可動体に、上記回転板427の中心部から外側へ延びる装飾部として花弁402および萼片403が配設され、該花弁402および萼片403の中心側端部が上記ガイドレール429および上記中央スリット421に移動可能に保持された構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、花弁402および萼片403が最も中心寄りに移動した集結状態では、該花弁402および萼片403をコンパクトな体勢とすることができるとともに、ガイドレール429および中央スリット421も外側へ大きくする必要がないため回転板427が前方からみて目立たないようにコンパクトに成形されている。一方、花弁402および萼片403が最も外側へ移動した状態では、花弁402および萼片403を外側へ大きく拡開させることができるようになっている。
また、上記パチンコ機10は、始動口すなわち始動入賞装置33への入球を契機として内部抽選が行われ、この抽選の結果に応じて複数の異なる演出パターンを含んで構成される演出すなわち4種類のリーチ種別(リーチ変動パターン)によるリーチ演出がなされ、
上記複数の演出パターンのうちのいずれの演出パターンがなされるかに応じて選択的に上記第1動作すなわち集散動作および第2動作すなわち回転動作のうちの少なくとも一部の動作(例えば拡開動作)が行われるように制御される構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、第1動作すなわち集散動作および第2動作すなわち回転動作のうちの少なくとも一部の動作が、抽選の結果に基づく演出パターンの相違に応じて行われるようになっており、したがって演出が視覚的にさらにわかりやすく、演出効果もより良好となっている。
(変更態様)
上記パチンコ機10には、例えば以下に列挙するように様々な変更を加えることが可能である。
(1)前記実施形態においては、図58に示すように回転板427のガイドレール429が全体として外側へ渦巻き状に拡がるように延びる形状となるように、5本のガイドレール429がすべて同寸同形に成形され、これにより、5組の花弁402および萼片403がすべて、放射状に集散する動作を一斉に、即ち同期して同速度で行うようになっていたが、例えば図67に示すように、複数のガイドレール641〜645を、寸法ないし形状に相違を設けるようにして成形し、これにより集散動作にズレを設けるようにしてもよい。図67に示す回転板640は、前記実施形態の場合と同様に、全体として外側へ渦巻き状に拡がるように延びる5本のガイドレール641〜645が一体的に形成されているが、これら5本のガイドレール641〜645がすべて同寸同形ではなく、いずれも寸法形状に少しずつ相違を有している点で前記実施形態の場合とは異なるものとなっている。具体的には、以下のような構成となっている。
5本のガイドレール641〜645のうち、1本のガイドレール645は、前記実施形態における回転板427のガイドレール429と同寸同形(合同)に成形されている。従って、前記実施形態の場合と同様に、中心側端部から枢支開口646の接線の方向D6に沿って正面視反時計回り側へ延び出し、この後、この接線方向D6よりも、さらに正面視反時計回り側へ向けて弧状に湾曲しながら外側へ延びる正面形状となっている。以下、このガイドレール645を第5ガイドレール645とも称す。
第5ガイドレール645に対し正面視時計回り方向に隣接するガイドレール644は、第5ガイドレール645の場合とは異なって、中心側端部から枢支開口646の接線の方向D7に沿って正面視反時計回り側へ向かう方向よりも、やや正面視時計回り方向に傾斜した方向に沿って延び出し、この後、この延出方向よりも正面視反時計回り側へ向けて弧状に湾曲しながら外側へ延びる正面形状となっている。このとき、弧状に湾曲する湾曲度は第5ガイドレール645の場合と同等となっているので、第5ガイドレール645の場合に比して、外側へやや起立するように延びており、従ってやや短距離で回転板640の外周縁部に到達する。これにより、中心側端部から回転板640の外周縁部まで弧状に湾曲しながら外側へ延びる湾曲部644Rが形成されている。この湾曲部644Rの外周側端部からは、回転板640の周方向に沿って弧状に湾曲しながら正面視反時計回り側へやや延び出しており、これにより逃げ溝部644Dが形成されている。逃げ溝部644Dの先端部すなわちこのガイドレール644の外周側端部と中心側端部との位置関係は、第5ガイドレール645の外周側端部と中心側端部との位置関係と同様となっている。即ち、中心側端部(始点)および外周側端部(終点)の位置に限っては第5ガイドレール645と同様とされており、一方、これら両端部の間では第5ガイドレール645の場合とは異なって、湾曲部644Rから逃げ溝部644Dへと屈曲して全体として略「へ」字形状をなすように形成されている。以下、このガイドレール644を第4ガイドレール644とも称す。
第4ガイドレール644に対し正面視時計回り方向に隣接するガイドレール643は、第4ガイドレール644の場合と同様に、中心側端部(始点)および外周側端部(終点)の位置は第5ガイドレール645と同様とされ、一方、これら両端部の間では湾曲部643Rから逃げ溝部643Dへと屈曲して全体として略「へ」字形状をなすように形成されている。ただし、湾曲部643Rは、第4ガイドレール644の湾曲部644Rの場合よりもさらにやや正面視時計回り方向に傾斜した方向に沿って延び出している。即ち、第4ガイドレール644の湾曲部644Rの場合よりもさらにやや起立するように延びており、従ってより短距離で回転板640の外周縁部に到達する形状となっている。一方、そのぶん、逃げ溝部643Dの長さが第4ガイドレール644の逃げ溝部644Dよりも長くなっている。以下、このガイドレール643を第3ガイドレール643とも称す。
第3ガイドレール643に対し正面視時計回り方向に順次隣接するガイドレール642、641は、第4ガイドレール644と第3ガイドレール643との差異が次第に大きくなっていくような形状となっている。即ち、これら残り2本のガイドレール642、641の湾曲部642R、641Rはそれぞれ、第3ガイドレール643の湾曲部643Rの場合よりも、正面視時計回り方向への傾斜が順次しだいに大きく、従って回転板640の外周縁部までの距離が順次しだいに短くなるように延び出している。一方、逃げ溝部642D、641Dの長さはそれぞれ、第3ガイドレール643の逃げ溝部643Dよりも順次しだいに長くなっている。以下、これら残り2本のガイドレール642、641を正面視時計回り方向の順に第2ガイドレール642および第1ガイドレール641とも称す。
本変更態様に係る回転板640は、前記実施形態の場合と同様に、図67に矢印A17で示すように正面視時計回り方向に回転駆動され、これにともない、スライド部材423のスライドピン425に対し、ガイドレール641〜645に案内されるようにして、径方向に沿って外側へ押し出される。ただしこのとき、第1ガイドレール641ないし第5ガイドレール645のいずれにおいても、始点である中心側端部は、前記実施形態の場合と同様に枢支開口646の周縁の外側に接する位置に配置形成されているので、回転板640の回転とともにスライドピン425が一斉に移動を開始するが、上述の傾斜および外周縁部までの距離の相違により、第1ガイドレール641が最も速くスライドピン425を案内するようになっており、これに比して、第2ガイドレール642から第5ガイドレール645までにおいてはスライドピン425の案内速度が順次遅くなっていく。従って、回転板640の回転の途上で、まず最初に第1ガイドレール641内のスライドピン425が回転板640の外周縁部に到達する。回転板640がさらに回転すると、第1ガイドレール641内で回転板640の外周縁部に到達したスライドピン425は、逃げ溝部641Dにより、これ以降は回転板640の回転が伝達されず、回転板640の外周縁部に留まる。ついで、回転板640の回転にともない、第2ガイドレール642内のスライドピン425ないし第4ガイドレール644内のスライドピン425が順次、第1ガイドレール641と同様に、回転板640の外周縁部に到達して逃げ溝部642D〜644Dにより回転板640の外周縁部に留まる。最終的に第5ガイドレール645内のスライドピン425が回転板640の外周縁部に到達すると、5個のスライドピン425がそれぞれ第1ガイドレール641ないし第5ガイドレール645の終点に到達し、これ以降は、前記実施形態の花弁動作装置40FにおけるC.集散回転動作の場合と同様にして、動作を終了するか、あるいは間欠的ないし連続的に回転動作へと移行する。
一方、集結動作においては、回転板640を上記拡開動作の場合とは逆に正面視反時計回り方向に回転駆動すると、回転板640の回転とともに、まず最初に第5ガイドレール645内のスライドピン425が回転板640の外周縁部から中心側端部へ向けて移動を開始し、これ以外の第1ガイドレール641ないし第4ガイドレール644内のスライドピン425は、いずれも逃げ溝部642D〜644Dにより回転板640の外周縁部に留まる。回転板640がさらに回転すると、第4ガイドレール644内のスライドピン425から第1ガイドレール641内のスライドピン425まで、この順に段階的に遅れながら、かつ、この順に段階的に速くなる速度で、それぞれ回転板640の外周縁部から中心側端部へ向けて移動を開始する。この速度差により、回転板640の回転とともに5個のスライドピン425の遅れが次第に縮小していき、最終的には5個のスライドピン425が一斉に始点である中心側端部に到達する。
本変更態様の構成によれば、拡開動作においては、5組の花弁402および萼片403が一斉に拡開を開始し、この後、第1ガイドレール641により案内される花弁402および萼片403の組を先頭とし、これに続いて、第2ガイドレール642により案内される組から第5ガイドレール645により案内される組まで、正面視反時計回り方向に1組ずつ順次、集結位置から拡開位置まで速く到達するようにして拡開動作が行われる。一方、集結動作においては、第5ガイドレール645により案内される花弁402および萼片403の組が先頭として最も低速で集結を開始し、これに続いて、第4ガイドレール644により案内される組から第1ガイドレール641により案内される組まで、正面視時計回り方向に1組ずつ順次、時機的に遅れながらかつ段階的に速くなる速度で集結を開始していき、最終的に全5組の花弁402および萼片403が集結位置に同時に揃って到達するようにして集結動作が行われる。これにより、前記実施形態の場合に比して拡開動作および集結動作に変化が付与されて演出効果がさらに良好となる。
ただし、本変更態様の場合、第5ガイドレール645に限っては前記実施形態のガイドレール429と合同に成形されているが、これ以外の第4ガイドレール644の湾曲部644Rから第1ガイドレール641の湾曲部641Rまでが、この順に段階的に、正面視時計回り方向への傾斜が次第に大きくなっていく形状となっているので、これにともない、スライドピン425との間にかかる負荷が次第に大きくなっており、これにより、スライドピン425が移動時に逸脱する惧れも次第に大きくなっている。このため、例えば、ガイドレールを厚さ方向に貫通するスリット状に形成し、スライドピンを貫通させるように挿通して先端部にE型止め輪等の抜け止め防止手段を設けるようにしてもよい。これによれば、組立の手間が増えるものの、ガイドレールからスライドピンが逸脱する不具合を確実に防止することができる。
(2)前記実施形態においては、図58に示すようにそれぞれ単線の曲線状に延びるガイドレール429が回転板427に形成されていたが、例えば図68に示すように、少なくとも1つのガイドレール648を二又またはそれ以上に分岐する形状とし、これにより複数の案内経路から選択してスライドピンを案内し得る構成としてもよい。図68に示す回転板647は、前記実施形態の場合と同様に、全体として外側へ渦巻き状に拡がるように延びる同寸同形の5本のガイドレール648が一体的に形成されているが、各ガイドレール648が二又状に形成されている点で前記実施形態の場合とは異なるものとなっている。具体的には、以下のような構成となっている。
本変更態様に係るガイドレール648は、前記実施形態における回転板427のガイドレール429と同一寸法で同一形状となるように中心側端部から外周側端部まで延びる本体部648Mを有し、この本体部648Mのほぼ中央部から、正面視時計回り方向側へ分岐するように支流部648Bが延出する形状となっている。支流部648Bは、本体部648Mの外周側端部と同一円周上の位置まで、本体部648Mと同方向にやや弧状に湾曲しながら延びている。従って支流部648Bの長さ即ち分岐点からの延出距離は、当該分岐点から本体部648Mの外周側端部までの距離よりも短くなっている。即ち、本変更態様に係るガイドレール648は、前記実施形態に係るガイドレール429と同寸同形(合同)の本体部648Mの延出途上から、正面視時計回り方向側へ傾斜しながら起立するように延出して回転板647の外周縁部まで比較的に短く延びる支流部648Bが一体的に形成され、これにより全体として概略y字形状をなすガイドレールとなっている。
上記ガイドレール648の分岐点部には、切替片648Eが配設されている。切替片648Eは、本体部648Mの側部において支流部648Bへの分岐にともない形成されている開放部を閉塞し得るように延びる片となっており、一方端部に後方へ延びる回動軸が設けられている。切替片648Eの回動軸は、本体部648Mの側部における上記開放部の下流側端の位置で、回転板647を貫通して後側まで挿通され、先端に後側から小径の第6ギア648Gが固定されている。回転板647の後側には、該回転板647の外径よりやや小径の円環状であって内側縁に歯を有する第7ギア649が、該回転板647に対して回転可能に同心となるように配設されている。第7ギア649には、内側から第6ギア648Gが噛み合うとともに、これとは別の小径の第8ギア650が内側から噛み合うように配設され、該第8ギア650はモータの駆動軸(図示省略)の先端に固定されている。これにより、モータから第8ギア650、第7ギア649および第6ギア648Gへとこの順に回転動力が伝達されるようになっている。
上記モータにより第8ギア650を正面視時計回り方向に回動させると、これに連動して第7ギア649および全ての第6ギア648Gが正面視時計回り方向に回動し、これにより切替片648Eが一斉に正面視時計回り方向に回動して、図68に実線で示すように本体部648M側を閉塞し支流部648B側を開放する位置(以下、「分流位置」とも称す)に移動する。一方、上記モータにより第8ギア650を正面視反時計回り方向に回動させると、上述とは逆に、切替片648Eが一斉に図68に鎖線で示すように本体部648M側を開放し支流部648B側を閉塞する位置(以下、「本流位置」とも称す)に移動する。
本変更態様の構成によれば、上述のように切替片648Eを分流位置と本流位置とに切り替えることにより、スライドピン425を分岐点で支流部648Bの方へ案内するか、それとも引き続き本体部648Mを移動するように案内するかを選択することができる。切替片648Eを本流位置とした場合には、前記実施形態の場合と同様の拡開動作および集結動作となる。一方、切替片648Eを分流位置とした場合には、拡開動作の前半には前記実施形態の場合と同様に拡開動作が進行し、スライドピン425が分岐点を通過すると、本体部648Mに対し正面視時計回り方向側へ傾斜しながら起立するように延出する比較的に短い支流部648Bに案内されることにより、移動速度を上げて回転板647の外周縁部まで速く達する。これにともない、5組の花弁402および萼片403が、前半は前記実施形態の場合と同じ速度で同様に拡開し、後半になると一気に速度を上げて拡開する動作となる。一方、集結動作においては逆に、前半は比較的に高速で集結し、後半になると前記実施形態の場合と同じ速度に鈍化して集結する動作となる。これにより、前記実施形態の場合と同様の拡開動作および集結動作と、前記実施形態の場合に変化が付与された拡開動作および集結動作とを切り換えることができる。
本変更態様の構成によれば、例えば、内部抽選の結果、大当たりとなる確率が比較的に低いリーチ種別(例えばノーマルリーチ)となった場合には、切替片648Eを本流位置として前記実施形態の場合と同様の拡開動作および集結動作を行い、一方、大当たりとなる確率が比較的に高いリーチ種別(例えばスーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等)となった場合には、切替片648Eを分流位置として前記実施形態の場合に変化が付与された拡開動作および集結動作を行うといったように、大当たりとなる確率に応じて拡開動作および集結動作の態様を切り替えるように制御することができる。
なお、本変更態様の場合も、支流部648Bが本体部648Mに対し正面視時計回り方向側へ傾斜しながら起立するように延出する形状となっていることにより、スライドピン425との間にかかる負荷が大きくなるため、ガイドレールをスリット状としスライドピンを貫通させて抜け止め防止手段を設け、これによりスライドピンの逸脱を防止するようにしてもよい。
また、本変更態様においてはガイドレール648が二又に分岐する形状となっているが、回転板のスペースによっては、三又以上に分岐する形状のガイドレールとしてもよい。これによれば、3段階以上の切替が可能となり、従って3通り以上のリーチ種別に応じて動作の態様を切り替えるように制御することもできる。
また、本変更態様においては5本のガイドレール648がすべて同寸同形に成形されているが、複数のガイドレールのうちの一部のガイドレールのみを上述のような分岐形状のガイドレールとし、残りのガイドレールは前記実施形態の場合と同様の分岐しない形状のガイドレールとして、これによりさらに変化を付与するようにしてもよい。
(3)上述の変更態様(1)と変更態様(2)とを組み合わせて、複数のガイドレールをそれぞれ二又またはそれ以上に分岐する形状とし、さらに、複数のガイドレールの寸法ないし形状に相違を設けるようにし、これによりさらに変化を付与するようにしてもよい。例えば、複数のガイドレールにそれぞれ、上述の変更態様(2)の場合と同様の本体部を形成するとともに、上述の変更態様(1)の場合と同様に寸法形状に少しずつ相違を有する支流部を形成するようにしてもよい。これによれば、上述の変更態様(2)の場合と同様に分流位置と本流位置とに切り替えることにより動作態様を切り替えることができるとともに、分流位置とした場合には上述の変更態様(1)の場合と同様に集散動作にズレを設けることができる。
さらには、例えば、同一のガイドレールであっても、その傾斜が次第に(連続的または段階的に)増大ないし減少する形状とすることによって、次第に動作速度を上昇または低下させたり、あるいはガイドレールの中間部に逃げ溝部を設けることによって、途中でいったん動作を停止させたり、といったように各種の動作態様が可能である。
さらにまた、例えば、ガイドレールの態様が異なる複数種類の回転板ないしスリット部材を調製しておき、遊技機の使用段階でこれらを交換可能とするようにしてもよい。また、前記実施形態においては、花弁402、萼片403、花床461および雌しべ464により全体として開花状態のハイビスカスの花が構成されるようになっていたが、これらに対応させて、例えば太陽、月、硬貨、顔面等といった各種の意匠の部材を調製しておき、遊技機の使用段階でこれらを交換可能とするようにしてもよい。さらにまた、例えば、各部材だけでなく、前記実施形態に係る花弁動作装置40Fないし演出動作ユニット40と態様が異なる動作装置ないし演出動作ユニットを作製しておき、遊技機の使用段階でこれらを交換可能とするようにしてもよい。
(4)前記実施形態においては、A.昇降動作とB.開閉動作とが連動(リンク)して行われる構成となっていたが、これらの動作のための駆動機構をそれぞれ配設して、それぞれ独立して動作が行われる構成としてもよい。これによれば、そのぶん、機構は複雑化するものの、動的動作のバリエーションを増加させることができる。例えば、初期位置にある花弁動作装置40Fの後側に、可動または不動の装飾部材や液晶表示装置等による演出部を配設しておき、A.昇降動作により花弁動作装置40Fを最下位置とした状態で、左右両側からシャッタが寄り合うように移動してきて上記演出部を覆う閉鎖動作と、左右両側へ退避して演出部を露出する開放動作とをそれぞれ単独で行ったり、あるいは閉鎖動作と開放動作とを繰り返し行ったりといった動作態様が可能である。
(5)前記実施形態においては、A.昇降動作により花弁動作装置40Fを最下位置とした状態でC.集散回転動作が行われる構成となっていたが、初期位置においても花弁動作装置40Fの周囲に必要な動作スペースが確保されるようなレイアウトであれば、A.昇降動作を経ずに花弁動作装置40Fを初期位置とした状態でもC.集散回転動作を行うようにすることができる。さらに、例えば、C.集散回転動作により拡開動作中、回転動作中、集結動作中ないしこれらの繰り返し動作中の花弁動作装置40Fを、A.昇降動作により降下動作、上昇動作ないしこれらの繰り返し動作を行わせる、といった動作態様も可能である。
(6)前記実施形態においては、発光手段として前向LED457、第1横向きLED458および第2横向きLED459がそれぞれ多数のLEDで構成されていたが、それぞれを単一のLEDにより構成するようにしてもよい。また、LED以外にも、蛍光ランプ等の任意の光源を用いてもよい。
(7)前記実施形態においては、第1動作すなわち集散動作と第2動作すなわち回転動作とが、中央モータ404を共通の駆動手段としてその動力により順次行われ、これにより、同一の駆動手段によって変化のある動作演出がなされる構成となっていたが、これら第1および第2動作を別々の駆動手段により互いに独立して行う構成とし、両動作を相互に関連させて、あるいは無関係に、任意のタイミングで行うように制御する構成としてもよい。
(8)前記実施形態においては、制動手段としてオイルダンパ405が用いられていたが、制動手段としてはこれ以外にも、例えば回転板に制動片(ブレーキ・シュー)を圧接して制動する制動機構等を設けるようにしてもよい。
(9)前記実施形態においては、動的動作および発光動作の制御を同一の基板(サブ制御基板)で行うようになっていたが、動的動作および発光動作の制御は同一基板で同じ制御を行うようにしても、あるいは個別の制御を行うようにしてもよい。あるいはまた、動的動作および発光動作の制御を個別の基板で個別に行うようにしてもよい。
(10)前記実施形態においては、花弁動作装置40Fの集散回転動作が回転板427の回転駆動により行われるように構成されていたが、例えば、直線方向等に動作し得る部材により行われる構成としてもよい。
(11)前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお本明細書は、次に掲げる発明をいずれも開示している。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段A1として、
所定条件に基づいて動力を発生させる駆動手段と、
前記駆動手段の動力により互いに異なる第1動作および第2動作を行い得る動作手段と、
前記第1動作および第2動作のうちの一方の動作が行われている間は他方の動作を制動し、一方の動作が終了すると他方の動作を許可する制動手段と、を有する遊技機であって、
前記動作手段が、内部に可動体を移動可能に保持した状態で移動することによって前記駆動手段の動力を前記可動体に伝達する駆動溝と、前記可動体の移動方向を所定の方向に規制する規制溝とを備えることを特徴とする。
上記手段A1の構成によれば、互いに異なる第1動作と第2動作とが制動手段の制動によって順次行われ、これにより変化のある動作演出がなされる。このとき、動作手段が駆動溝と規制溝とを備えて構成されるものとなっているので、機構を複雑化させることなく簡略な構成とすることができるとともに、大型化させることなくコンパクトに構成することができる。
また、動作手段として駆動溝と規制溝とを備える構成とすることにより、構成が簡潔化されて部品点数も少なくて済むだけでなく、溝のデザインおよびレイアウトによって、動作手段をコンパクトに成形することができる。さらに、可動体を案内する経路を自由に変更することができ、従って、駆動手段における動力発生の態様によることなく、溝という簡潔な動力伝達の構成により、動作の速度その他の様態を容易に設定ないし変更することができ、また動力伝達にともなって発生する負荷も増減させることが可能である。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A2として、手段A1の遊技機において、
前記駆動溝が、回転体に、中心部から外側へ径方向に対し一方側へ傾斜する方向に沿って延出するように配設された有底の溝であり、前記規制溝が、前記回転体に軸方向に重なるように配置形成され、前記回転体の中心部に対応する位置から外側へ延出するように配設されたスリットであって、前記可動体が、前記規制溝を貫通させて前記駆動溝に嵌入されていることを特徴とする。
上記手段A2の構成によれば、回転体を回転させることにより、駆動溝から可動体に外側へ押し出す方向にまたはこの逆方向に動力が伝達され、この動力により、可動体が規制溝に沿って中心側部から外側へまたはこの逆方向に移動する。これにより、簡略な構成によって容易に可動体を内外に移動させる動作を行うことができる。このとき、可動体が、規制溝を貫通させて駆動溝に嵌入される構成となっているため組立も容易である。この構成では、駆動溝から可動体が逸脱する惧れもあるが、駆動溝を径方向に対し大きく傾斜する方向に延出するものとすることで、可動体に対する負荷を小さくし、これにより逸脱を効果的に防止することができる。一方、規制溝においては可動体が貫通しているので逸脱の惧れは少なく、このため可動体に対する負荷の如何に関わらず規制溝の形状や配置を設定することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A3として、手段A2の遊技機において、
前記規制溝が、前記回転体の径方向に対し、前記駆動溝の場合と同一側へ傾斜する方向に沿って延出するように配設されていることを特徴とする。
上記手段A3の構成によれば、可動体が規制溝に沿って移動する速度が上がって、中心側部から外側へまたはこの逆方向により速く移動することができる。このとき、規制溝を回転体の径方向に対してより大きく傾斜させるほど、移動速度が速くなるかわりに可動体に対する負荷が大きくなるが、前述の通り、規制溝の場合には可動体が貫通しているので逸脱の惧れは少ない。一方、前述の通り、駆動溝の場合には可動体に対する負荷が大きくなると可動体が逸脱する惧れがあるため、移動速度は犠牲にせざるを得ない。従って、規制溝を上記手段A3の構成のように傾斜させる構成とすることによって、移動速度を補うことができる。また、このように傾斜させることにより、規制溝をよりコンパクトに配置形成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A4として、手段A1から手段A3のいずれかの遊技機において、
前記規制溝に対し両側に並行するように補助溝が配設され、前記可動体が、前記両側の補助溝にもスライド可能に保持されていることを特徴とする。
上記手段A4の構成によれば、可動体が回動することなく一定の体勢を維持した状態で規制溝に沿って移動することができる。このとき、例えば仮に、規制溝に対してその長さ方向に沿ってある程度の幅を有するスライド片を挿入してスライド自在に保持する構成とすることによっても、回ることなく一定の体勢を維持した状態で規制溝に沿って移動させることが可能となり、補助溝も不要となるが、これによれば、スライド片の幅のぶんだけ、スライド方向に占有するスペースが大となり、可動範囲も小さくなる。そこで、上記手段A4の構成のように可動体を両側の補助溝にもスライド可能に保持されるようにすると、そのぶんスライド方向に占有するスペースの増大を抑えることができる一方、スライド方向の可動範囲も大きく確保することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A5として、手段A2から手段A4のいずれかの遊技機において、
前記回転体の中心部に対応する位置に、外側へ向けて光を照射し得る発光手段が配設され、前記可動体に、前記発光手段から外側へ照射された光を前記回転体の軸方向に向かうように反射させる反射面が配設されていることを特徴とする。
上記手段A5の構成によれば、可動体に反射面を配設するという簡略な構成により、効果的な発光演出を行うことができる。特に、可動体が外側へ移動した状態においては、これにともなって反射面が外側へ移動することにより、発光効果の得られる領域が外側へ拡大することとなる。従って、同一の発光手段によってより効果的な発光効果を得ることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A6として、手段A2から手段A5のいずれかの遊技機において、
前記可動体に、前記回転体の中心部から外側へ延びる装飾部が配設され、該装飾部の中心側端部が前記駆動溝および前記規制溝に移動可能に保持されていることを特徴とする。
上記手段A6の構成によれば、装飾部が最も中心寄りに移動した状態では、該装飾部をコンパクトな体勢とすることができるとともに、駆動溝および規制溝も外側へ大きくする必要がないため回転体を前方からみて目立たないようにコンパクトに成形できる。一方、装飾部が最も外側へ移動した状態では、装飾部を外側へ大きく拡開させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A7として、手段A1から手段A6のいずれかの遊技機において、
前記駆動溝が、寸法ないし形状の異なる複数の駆動溝から構成されていることを特徴とする。
上記手段A7の構成によれば、複数の駆動溝により駆動される可動体のそれぞれの速度等に差異が生じ、これにより動作にズレを設けることができる。従って、動作態様に変化を付与して演出効果をさらに良好とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A8として、手段A1から手段A7のいずれかの遊技機において、
前記駆動溝が、二又またはそれ以上に分岐する形状を有することにより複数の案内経路を構成していることを特徴とする。
上記手段A8の構成によれば、複数の案内経路から選択して可動体を案内することができ、これにより動作態様を切り替えるようにすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A9として、手段A1から手段A8のいずれかの遊技機において、
始動口への入球を契機として内部抽選が行われ、この抽選の結果に応じて複数の異なる演出パターンを含んで構成される演出がなされ、
前記複数の演出パターンのうちのいずれの演出パターンがなされるかに応じて選択的に前記第1動作および第2動作のうちの少なくとも一方が行われるように制御されることを特徴とする。
上記手段A9の構成によれば、第1動作および第2動作のうちの少なくとも一方が、抽選の結果に基づく演出パターンの相違に応じて行われることになり、したがって演出が視覚的にさらにわかりやすくなり、演出効果もより良好となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A10として、手段A8の遊技機において、
始動口への入球を契機として内部抽選が行われ、この抽選の結果に応じて複数の異なる演出パターンを含んで構成される演出がなされ、
前記複数の演出パターンのうちのいずれの演出パターンがなされるかに応じて前記複数の案内経路から選択して可動体が案内されることを特徴とする。
上記手段A10の構成によれば、案内経路の選択による動作態様の切替が、抽選の結果に基づく演出パターンの相違に応じて行われることになり、したがって演出が視覚的にさらにわかりやすくなり、演出効果もより良好となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B1として、手段A1から手段A10のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、動作手段が駆動溝と規制溝とを備えて構成されることにより、動作機構を簡略でコンパクトに構成することが可能なパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B2として、手段A1から手段A10のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、動作手段が駆動溝と規制溝とを備えて構成されることにより、動作機構を簡略でコンパクトに構成することが可能なロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B3として、手段A1から手段A10のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、動作手段が駆動溝と規制溝とを備えて構成されることにより、動作機構を簡略でコンパクトに構成することが可能な、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。