JP6496007B2 - 医療用アクセスポート、その使用システム、及びその使用方法 - Google Patents

医療用アクセスポート、その使用システム、及びその使用方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[分野]
本開示は、概して、医療用アクセスポートに関し、具体的には、1つ以上の皮膚を貫く針を含み得る皮下血管アクセスポートであって、1つまたは複数の針がアクセスポートから延出または引込してもよく、1つまたは複数の針の位置が、皮膚を貫く位置を変えるために、アクセスポート内で変更してもよい皮下血管アクセスポートに関する。
[背景]
血液患者、腫瘍患者、血液透析患者、及び他の患者は、薬剤、血液、栄養分、造影剤、及び他の組成物を送達する注入治療を頻繁に受けることがある。頻繁に「針刺し」があり、またその注入時間の長さのせいで、このような治療を受けることが不快になってしまう可能性があり、また、傷跡が生じて患者にさらに不快な思いをさせてしまう。血管アクセスポートは、皮膚の下(皮下)に挿入してこのような治療に関連する不快感を減らすことが可能な医療機器である。ポートは、例えば隔壁等の、針を挿入可能なアクセスポイントを含んでもよい。ポートはまた、例えば頸静脈、鎖骨下静脈、または上大静脈等の静脈内へと挿入され得るカテーテルを含み得る。隔壁は、何度も穿刺しても隔壁の保全力の損失が比較的少なくなり得る、自己回復するシリコーン材料で形成されてもよい。しかしながら、臨床医は、アクセスポートに正しく狙いを定める必要があり、また、皮膚内に延出している針が細菌を皮膚からポートに引き込み得るので、感染の危険性も存在し得る。
[概要]
繰り返し行われる治療を、そのような治療を必要とする患者に提供するための、埋込可能な皮下アクセスポートとアクチュエータとを備える医療機器、医療システム、及びその使用方法を説明する。ある特定の実施形態において、患者の組織(皮膚)に傷跡が残る創傷を減らす、好ましくは最小限に抑えるために、アクセスポートは、繰り返し使用する際には、アクセスポートを利用する毎に、アクセス針にアクセスポートの新たな位置/配置を示してもよい。
ある特定の実施形態において、本開示に係る医療機器は、アクセスポート本体と、離脱可能な針先端部と針の内腔を規定する針軸とを有する少なくとも1つの針とを有する皮下アクセスポートと、アクセスポート本体内に収容され、アクセスポート本体に対して延出可能及び引込可能である、少なくとも1つの針と、少なくとも1つの針がアクセスポート本体の複数の位置で、アクセスポート本体から延出可能かつアクセスポート本体に引込可能であるように動作可能である針移動機構とを含んでもよい。
ある特定の実施形態において、針移動機構は、少なくとも1つの針が弓形経路に沿って回転軸を中心にして回転可能であるように動作可能であってもよい。弓形経路は、回転軸からほぼ一定の半径によって規定されてもよく、また、回転軸の周りに少なくとも90度(例えば回転軸の周りに少なくとも180度、回転軸の周りに少なくとも270度、及び回転軸の周りに360度)延在していてもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポート本体の複数の位置は、弓形経路に沿って配列されていてもよく、また、複数の位置は、弓形経路に沿ってほぼ等しく離間していてもよい。
ある特定の実施形態において、少なくとも1つの針は、弓形経路に沿って回転軸を中心にして、一方向にのみ回転可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、針移動機構は、ラチェット機構を備えてもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポート本体は、カバーを備えてもよく、少なくとも1つの針は、カバーを通して延出可能かつ引込可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポート本体は、隔壁を備えてもよく、少なくとも1つの針は、隔壁を通して延出可能かつ引込可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポート本体は、複数の針穴を備えてもよく、少なくとも1つの針は、複数の針穴の各々を通じて延出可能かつ引込可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、複数の針穴は、第1針穴と第2針穴とを備えてもよく、針移動機構は、少なくとも1つの針を、少なくとも1つの針が第1針穴と一致して第1針穴を通じて延出及び引込を行う第1位置から、少なくとも1つの針が第2針穴と一致して第2針穴を通じて延出及び引込を行う第2位置へと移動するように動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、離脱可能な先端部と針の内腔を規定する針軸とを有する少なくとも1つの針は、さらに、離脱可能な第1針先端部と第1針内腔を規定する第1針軸とを有する第1針と、離脱可能な第2針先端部と第2針内腔を規定する第2針軸とを有する第2針とを備えてもよく、針移動機構は、さらに、第1針がアクセスポート本体の複数の第1針の位置でアクセスポート本体から延出可能かつアクセスポート本体に引込可能であり、第2針がアクセスポート本体の複数の第2針の位置でアクセスポート本体から延出可能かつアクセスポート本体に引込可能であるように、動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、針移動機構は、第1針及び第2針が弓形経路に沿って回転軸を中心にして回転可能であるように動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、針移動機構は、第1針が第1弓形経路に沿って回転軸を中心にして回転可能であり、第1針が第2弓形経路に沿って回転軸を中心にして回転可能であるように動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、針移動機構は、アクセスポート上に位置するボタンで動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、医療機器は、さらに、少なくとも1つの針をアクセスポート本体から延出するとともに、少なくとも1つの針をアクセスポート本体に引込ませるように動作可能な針昇降機構を備えてもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポート本体は、少なくとも1つの穴を有するカバーを備えてもよく、針昇降機構は、少なくとも1つの針をカバーにおける少なくとも1つの穴を通ってアクセスポート本体から延出するとともに、少なくとも1つの針をカバーにおける少なくとも1つの穴を通ってアクセスポート本体に引込ませるように動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、針昇降機構は、針昇降機構を回転軸を中心にして回転させることにより、少なくとも1つの針をアクセスポート本体から延出するとともに、少なくとも1つの針をアクセスポート本体に引込むように動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、針昇降機構は、昇降部材と、針支持部材であって、針支持部材上に支持された少なくとも1つの針を有する針支持部材とを備えてもよく、昇降部材は、針支持部材に螺合係合され、少なくとも1つの針をアクセスポート本体から延出するとともに、少なくとも1つの針をアクセスポート本体に引込むように、針支持部材に対して回転可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、昇降部材は、針支持部材の周りを回転可能である円筒状部材を備えてもよい。
ある特定の実施形態において、昇降部材は、針支持部材のネジ穴の中で回転可能なネジ棒を備えてもよい。
ある特定の実施形態において、針昇降機構は、ラチェット機構を備えてもよい。
ある特定の実施形態において、針昇降機構は、少なくとも1つの磁石を備えてもよい。
ある特定の実施形態において、少なくとも1つの磁石は、少なくとも1つの針をアクセスポート本体から延出するとともに、少なくとも1つの針をアクセスポート本体に引込むように、外部アクチュエータと磁気的に係合可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、少なくとも1つの磁石は、少なくとも1つの針をアクセスポート本体から延出するとともに、少なくとも1つの針をアクセスポート本体に引込むようにアクチュエータとともに回転可能である。
ある特定の実施形態において、少なくとも1つの磁石は、少なくとも1つの針をアクセスポート本体から延出するようにアクチュエータに向かって可動であるとともに、少なくとも1つの針をアクセスポート本体に引込むように、アクチュエータから離れる方向に可動であってもよい。
ある特定の実施形態において、針昇降機構は、バルーン構成を備えてもよい。
ある特定の実施形態において、針昇降機構は、バネを備えてもよい。
ある特定の実施形態において、針昇降機構は、アクセスポート上に位置するボタンで動作可能であってもよい。
ある特定の実施形態において、医療機器は、さらに、アクセスポート内に位置し、アクセスポートを通る流体の流れを制御する、少なくとも1つのバルブを備えてもよい。
ある特定の実施形態において、少なくとも1つの針は、少なくとも2つの針を備えてもよく、少なくとも1つのバルブは、複数のバルブを備えてもよい。
ある特定の実施形態において、医療機器は、さらに、少なくとも2つの針をつなぐ第1流路と、第1流路を横切る流体の流れを開閉するように配置された複数のバルブのうちの少なくとも1つとを備えてもよい。
ある特定の実施形態において、医療機器は、さらに、少なくとも2つカテーテルと、少なくとも2つカテーテルをつなぐ第2流路と、第2流路を横切る流体の流れを開閉するように配置された複数のバルブのうちの少なくとも1つとを備えてもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポートは、本体と、複数の穴を有するカバーと、先端部と内腔を規定する軸とを有する少なくとも1つの針と、少なくとも1つの針の位置を、少なくとも1つの針が本体内及びカバーの下の針先端部内に配置されている引込位置と、少なくとも1つの針が穴のうちの少なくとも第1穴を通って突出している延出位置とで少なくとも動作させる針昇降機構と、少なくとも1つの針を、針が穴のうちの第1穴と一致する第1位置から、針が穴のうちの第2穴と一致する第2位置へと動かす針移動機構とを含んでもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポートは、保持部であって、保持部上に配置された少なくとも1つの針とらせん状ネジ山とを有する保持部を含んでもよく、昇降機構は、保持部のネジ山と係合するように配置されたらせん状ネジ山を含んでもよい。いくつかの実施形態では、昇降機構は、内面にネジ山を有するシリンダであって、シリンダ内部に針が配置されているシリンダを含んでもよい。いくつかの実施形態では、昇降機構は、外面上にネジ山を有する棒であって、棒のそばに針が配置されている棒を含んでもよい。他のいくつかの実施形態では、昇降機構は、少なくとも1つの磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの磁石は、永久磁石または電磁石である。
ある特定の実施形態において、針移動機構は、回転可能な面と少なくとも1つの案内棒とを含んでもよく、案内棒は針が延出または引込むときに針の移動を案内するとともに、針を第1位置から第2位置へと配置する。いくつかの実施形態では、針移動機構は、さらに、少なくとも第1位置と第2位置とのうちの1つに針を配置する、スロットとピンとの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、針移動機構は、さらに、少なくとも第1位置と第2位置とのうちの1つに針を配置する、ラチェット機構を含んでもよい。
ある特定の実施形態において、アクセスポートはまた、針移動機構を係合させて、少なくとも第1位置と第2位置とのうちの1つに針を配置する、ボタンを含んでもよい。ある特定の実施形態において、針移動機構は、少なくとも1つの針を、約6か所から約12か所の位置に移動させることができる。いくつかの実施形態では、これらの位置のうちの少なくとも1つは、アクセスポートの交換可能な部品へのアクセスをもたらすメンテナンス位置である。
ある特定の実施形態において、アクセスポートはまた、少なくとも1つの針を通る流体の流れを閉鎖する少なくとも1つのバルブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクセスポートはまた、少なくとも2つの針及び2つのバルブと、2つの針をつなぐ第1流路とを含んでもよく、各バルブは、第1流路と少なくとも2つの針との間の流体の流れを開閉する。いくつかの実施形態では、アクセスポートはまた、少なくとも2つの血管カテーテル入口と、2つのカテーテル入口をつなぐ第2流路とを含んでもよく、各バルブは、第1流路と少なくとも2つの針との間、及び第2流路と少なくとも2つの血管カテーテル入口との間の流体の流れを開閉する。
ある特定の実施形態において、本開示に係るアクセスポート及び本明細書に開示されている1つまたは複数の発明は、少なくとも第1位置と第2位置とを規定するための少なくとも2つの凹部を規定する本体と、複数の穴を有するカバーと、先端部と内腔を規定する軸とを含む少なくとも1つの針と、内面にネジ山を有し、内部に針が配置されたシリンダと、保持部であって、保持部上に配置された少なくとも1つの針とシリンダのネジ山を係合させるために配置されたネジ山とを有する保持部と、シリンダと係合されて、少なくとも1つの針の位置を、少なくとも1つの針が本体内とカバーの下の針先端部内に配置される引込位置と、少なくとも1つの針が穴のうちの少なくとも第1穴を通って突出する延出位置とに少なくとも動作させる、少なくとも1つの磁石と、本体内に配置され、本体の少なくとも2つの凹部のうちの少なくとも1つと係合させる、少なくとも1つの可撓性及び弾性のある爪部を有する基部プレートであって、少なくとも1つの針を係合させて、少なくとも1つの針を、針が穴のうちの第1穴と一致する第1位置から、針が穴のうちの第2穴と一致する第2位置へと移動させる、基部プレートとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基部プレートは、さらに、少なくとも1つの針を第1位置から第2位置に係合させるための、少なくとも1つの案内棒を含んでもよい。
別の実施形態において、本開示に係るアクセスポート及び本明細書に開示されている1つまたは複数の発明は、少なくとも第1位置と第2位置とを規定する少なくとも2つの凹部を規定する本体と、複数の穴を備えるカバーと、先端部と内腔を規定する軸とを有する少なくとも1つの針と、アクセスポートの回転軸に沿って配置され、外面にネジ山を有する棒と、保持部であって、保持部上に配置された少なくとも1つの針と棒のネジ山を係合させるために配置されているネジ山とを有する保持部と、棒と係合して、少なくとも1つの針の位置を、少なくとも1つの針が本体内とカバーの下の針先端部内に配置される引込位置と、少なくとも1つの針が穴のうちの少なくとも第1穴を通って突出する延出位置とに少なくとも動作させる、少なくとも1つの磁石と、本体内に配置され、本体の少なくとも2つの凹部のうちの少なくとも1つと係合させる、少なくとも1つの可撓性及び弾性を有する爪部を有する基部プレートであって、少なくとも1つの針を係合させて、少なくとも1つの針を、針が穴のうちの第1穴と一致する第1位置から、針が穴のうちの第2穴と一致する第2位置へと動かす、基部プレートとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基部プレートは、さらに、少なくとも1つの針を第1位置から第2位置に係合させる、少なくとも1つの案内棒を含んでもよい。
他のいくつかの実施形態において、アクセスポートは、本体と、複数の穴を含むカバーと、先端部と内腔を規定する軸とを有する少なくとも1つの針と、少なくとも1つの針をポート内部に担持するための保持部と、アクセスポートの軸に沿って配置され、少なくとも2つの歯と突起とを有する底部を有し、かつ少なくとも2つの歯と突起とを規定する頂部を有し、底部の歯と突起とが頂部の歯と突起とに係合して少なくとも第1位置と第2位置とを規定することが可能である、ラチェット部と、保持部を係合させて、少なくとも1つの針の位置を、少なくとも1つの針が本体内とカバーの下の針先端部内に配置される引込位置と、少なくとも1つの針が穴のうちの少なくとも第1穴を通って突出する延出位置とに少なくとも動作させる第1ボタンと、ラチェット部を係合させて、少なくとも1つの針を、針が穴のうちの第1穴と一致する第1位置から、針が穴のうちの第2穴と一致する第2位置へと動かす第2ボタンとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、頂部ラチェット部は、さらに、少なくとも1つのピンを係合させるための少なくとも2つのスロットを含んでもよく、ピンがスロットのうちの1つに沿って摺動すると、少なくとも1つの針が上昇または下降し、ピンがスロットのうちの1つから移動させられると、少なくとも1つの針が第1位置から第2位置へと移動する。
さらに他の実施形態において、アクセスポートは、本体と、複数の穴を備えるカバーと、各々が先端部と内腔を規定する軸とを備える少なくとも2つの針と、針をポート内部に担持するための保持部と、アクセスポートの軸に沿って配置され、少なくとも2つの歯と突起とを有する底部を有し、かつ少なくとも2つの歯と突起とを規定する頂部を有し、底部の歯と突起とが頂部の歯と突起とに係合して少なくとも第1位置と第2位置とを規定することが可能である、ラチェット部と、保持部を係合させて、針を、少なくとも、針が本体内とカバーの下の針先端部内に配置される引込位置から、針が穴のうちの少なくとも初めの2つを通って係合される延出位置とに配置する磁石と、保持部を動作させて、針を、少なくとも、針が少なくとも2つの穴を通って係合される延出位置から、針が本体内とカバーの下の針先端部内とに配置される引込位置に配置するコイルバネと、少なくとも2つのバルブと、2つの針をつなぐ第1流路であって、各バルブが第1流路と少なくとも2つの針との間の流体の流れを開閉する、第1流路と、少なくとも2つの血管カテーテル入口と、2つのカテーテル入口をつなぐ第2流路であって、各バルブが第1流路と少なくとも2つの針との間、及び第2流路と少なくとも2つの血管カテーテル入口との間の流体の流れを開閉する、第2流路と、保持部を係合させて、少なくとも1つの針を、針が穴のうちの第1穴と一致する第1位置から、針が穴のうちの第2穴と一致する第2位置へと動かすボタンとを含んでもよい。
さらに他のいくつかの実施形態において、患者の血管系にアクセスするために提供されたシステムが存在する。本システムは、以下に説明するようなアクセスポートとアクチュエータとを含んでもよい。アクセスポートは、少なくとも第1位置と第2位置とを規定するための少なくとも2つの凹部を規定する本体と、複数の穴を備えるカバーと、先端部と内腔を規定する軸とを備える少なくとも1つの針と、内面にネジ山を有するシリンダであって、シリンダ内部に針が配置されているシリンダと、保持部であって、保持部上に配置された少なくとも1つの針とシリンダのネジ山を係合させるように配置されているネジ山とを有する保持部と、シリンダと係合されて、少なくとも1つの針の位置を、少なくとも1つの針が本体内とカバーの下の針先端部内に配置される引込位置と、少なくとも1つの針が穴のうちの少なくとも第1穴を通って突出する延出位置とで少なくとも動作させる、少なくとも1つの磁石と、本体内に配置され、本体の少なくとも2つの凹部の少なくとも1つと係合させる、少なくとも1つの可撓性及び弾性のある爪部を有する基部プレートであって、少なくとも1つの針を係合させて、少なくとも1つの針を、針が穴のうちの第1穴と一致する第1位置から、針が穴のうちの第2穴と一致する第2位置へと動かす、基部プレートとを含んでもよい。アクチュエータは、患者の皮膚の上で、埋め込まれたアクセスポートの上方に配置させるための磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータの磁石は、電磁石である。
さらに他の実施形態において、患者の血管系にアクセスするために提供されたシステムが存在する。本システムは、以下に説明するようなアクセスポートとアクチュエータとを含んでもよい。アクセスポートは、少なくとも第1位置と第2位置とを規定するための少なくとも2つの凹部を規定する本体と、複数の穴を備えるカバーと、先端部と内腔を規定する軸とを備える少なくとも1つの針と、アクセスポートの回転軸に沿って配置され、外面にネジ山を有する棒と、保持部であって、保持部上に配置された少なくとも1つの針と棒のネジ山を係合させるために配置されているネジ山とを有する保持部と、棒と係合されて、少なくとも1つの針の位置を、少なくとも1つの針が本体内とカバーの下の針先端部内に配置される引込位置と、少なくとも1つの針が穴のうちの少なくとも第1穴を通って突出する延出位置とで少なくとも動作させる、少なくとも1つの磁石と、本体内に配置され、本体の少なくとも2つの凹部のうちの少なくとも1つと係合させる、少なくとも1つの可撓性及び弾性のある爪部を有する基部プレートであって、少なくとも1つの針を係合させて、少なくとも1つの針を、針が穴のうちの第1穴と一致する第1位置から、針が穴のうちの第2穴と一致する第2位置へと動かす、基部プレートとを含んでもよい。アクチュエータは、患者の皮膚の上で、埋め込まれたアクセスポートの上方に配置させるための磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータの磁石は、電磁石である。
本開示の上述の特徴や他の特徴、及びそれらを実現する方法は、以下に続く、本明細書に記載されている実施形態の詳細な説明を、添付図面とともに参照することにより、より明らかになり、よりよく理解され得る。
本明細書で検討されている血管アクセスポートの例において、針が部分的に延出している位置にある状態の断面図を図示している。 アクチュエータと組み合わされた図1aの血管アクセスポートにおいて、針が引込められた位置にある状態の断面図を図示している。 図1aの血管アクセスポートの、カバー及び磁石のない内部部品の断面図を図示している。 ラチェット機構の詳細を示している、図1aの血管アクセスポートの基部プレートの高さでの水平断面図を図示している。 本明細書で検討されている、アクチュエータと組み合わされた血管アクセスポートの例において、ラチェット機構の例を示す断面図を図示している。 図2aのラチェット機構の断面図を様々な構造において図示している。 図2aのラチェット機構の断面図を様々な構造において図示している。 図2aのラチェット機構の断面図を様々な構造において図示している。 本明細書で検討されている血管アクセスポートの代替例において、針が引込められた位置にある状態の斜視図を図示している。 図3aに示されているようなラチェット機構の例の側面図を図示している。 図3aに示されているような血管アクセスポートに係る様々な構造におけるラチェット機構の断面図を図示している。 図3aに示されているような血管アクセスポートの針アームにおいて、針が引込められた位置にある状態の部分断面図を図示している。 図3aに示されているような血管アクセスポートの針アームにおいて、針が延出している位置にある状態の部分断面図を図示している。 図3aに示されているような血管アクセスポートの斜視図を図示している。 図5aに示されているような血管アクセスポートの針における、血液流入モードでの動作の側面図を図示している。 図5aに示されているような血管アクセスポートの斜視図を図示している。 図5aに示されているような血管アクセスポートの針における、針洗浄モードでの動作の側面図を図示している。 本明細書で検討されている、アクチュエータと組み合わされた血管アクセスポートの例において、針が引込められた位置にある状態の断面図を図示している。 本明細書で検討されている血管アクセスポートの例において、針が引込められた位置にある状態の斜視図を図示している。 本明細書で検討されている、アクチュエータと組み合わされた血管アクセスポートの例において、針が延出している位置にある状態の斜視図を図示している。 図7aに示されている血管アクセスポートの例において、針が引込められた位置にある状態の断面図を図示している。 図7bに示されている血管アクセスポートの例において、針が延出している位置にある状態の断面図を図示している。 図7c−dに示されている血管アクセスポートに係るラチェット機構の例の側面図を図示している。 図8aに示されているようなラチェット機構の様々な構造の側面図を図示している。 図7a−7dに示されているような、血液流入モードにおける血管アクセスポートの断面図を図示している。 図9aに示されているような、血液流入モードにおける血管アクセスポートの針の動作の側面図を図示している。 図7a−7bに示されているような、針洗浄モードにおける血管アクセスポートの斜視図を図示している。 図9cに示されているような、針洗浄モードにおける血管アクセスポートの針の動作の側面図を図示している。 本明細書で検討されている血管アクセスポートの例において、針が引込められた位置にある状態の断面図を図示している。 図10aの血管アクセスポートにおいて、針が延出している位置にある状態の断面図を図示している。 本明細書で検討されている血管アクセスポートの例において、針が延出している位置にある状態の斜視図を図示している。 図11に示されているようなラチェット機構において、針が引込められた位置にある状態の斜視図を図示している。 図12に示されているようなラチェット機構の一部分において、針が引込められた位置にある状態の斜視図を図示している。 図12に示されているようなラチェット機構に用いられているねじりバネの構成の平面図を図示している。 図12に示されているようなラチェット機構において、針が引込められた位置にある状態の斜視図を図示している。 図12に示されているようなラチェット機構において、針が引込められた位置にある状態の斜視図を図示している。 図12に示されているようなラチェット機構に用いられているねじりバネの様々な構成の平面図を図示している。 図12に示されているようなラチェット機構の様々な構成の側面図を図示している。 本明細書で検討されている血管アクセスポートの例において、針が延出している位置にあり、流路が開いている状態の断面図を図示している。 図19の血管アクセスポートにおいて、針が延出している位置にあり、流路が閉じている状態の断面図を図示している。
[詳細な説明]
本開示は、その出願において、以下の説明に記載された、または図面に図示された構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本明細書における各実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行可能である。
また、本明細書で使用される表現および用語は、説明を目的とし、限定として見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む」、「備える」、「有する」、及びこれらの変形の使用は、その後に記載される項目及びその均等物、並びに追加の項目を包含することが意図されている。特に限定されない限り、「接続された」、「結合された」、及び「搭載された」という語、及びこれらの変形語は、広義で使用され、直接的及び間接的な接続、結合、及び搭載を包含する。また、「接続された」及び「結合された」という語、及びこれらの変形語は、物理的または機械的接続または結合に限定されない。
例えば「上方に」、「下方に」、「上部の」、「下部の」、「横方向の」、「縦方向の」、「右の」、「左の」等の空間的な基準は、説明されている各図に図示されているように、機器及びその部品の方向に関連して理解されるものとし、機器の新たな空間的な方向に対して置き換え可能である。
本明細書における各実施形態は、可動部品の動きを時計回りまたは反時計回りと称してもよい。鏡像の実施形態も同じ動作または機能を、それぞれに応じて動く向きが反対で、反時計回りで、または時計回りで行うように適用可能であるので、このような実施形態は、本発明の限定としてみなされるべきではない。
本開示は、広くは医療用アクセスポートに関し、具体的には、1つ以上の内部(留置)カテーテルを介して患者の血管、体腔、または臓器に接続され得る皮下血管アクセスポートに関する。アクセスポートは、少なくとも1つの延出可能/引込可能な針を含んでもよい。ある特定の医療用途、例えば血液透析等の場合、患者からの血液の出口ときれいになった血液の患者への戻り口とに対して、2つの針が必要となり得る。2つの針を有するポートに注目する、本明細書で説明されるアクセスポートの実施形態は、1つの針を有するポートや、3つ以上の針を有するポートにも等しく適用可能である。針は、患者の皮膚を穿刺して貫通し、ポートにアクセスしてもよい。カテーテルまたは他の機器が、ポートから患者の皮膚を貫通して突出している針に取り付けられて、組成物を患者に供給してもよい。針はまた、小瓶の栓を穿刺して、小瓶内に入っている組成物を供給してもよい。
一般的に、アクセスポートは、針昇降機構によって動作される1つ以上の延出可能/引込可能な針を提供してもよい。さらに、アクセスポートはまた、1つ以上の針に対して複数の延出/引込位置を設けてもよく、これにより、1つ以上の針は、使用する毎に新たな位置で延出/引込を行うことになる。1つ以上の針は、ポート内部の針移動機構によって、最初の位置から次の位置へと、特に回転されることによって移動されてもよい。針昇降機構は、外部アクチュエータによって、またはポート内にある内部アクチュエータによって動作されてもよい。同様に、移動機構は、外部アクチュエータによって、またはポート内にある内部アクチュエータによって動作されてもよい。
適切な外部アクチュエータの例は、永久磁石または電磁石を含んでもよい。適切な内部アクチュエータの例は、ボタン、レバー、スイッチ等を含んでもよい。
図1a及び1bは、少なくとも1つの針126、より具体的には2つの針126を含み得るアクセスポート100の例を図示している。図1aでは、2つの針126は、少なくとも部分的に延出された(露出された)位置で示されており、図1bでは、2つの針は完全に引込められた(隠れた)位置で示されている。このような点に関し、本明細書に記載されているように、針126は、アクセスポート100の中心/回転軸RAに沿って軸方向に(平行に)移動することが理解され得る。
針126は、(図示しない)血管にアクセスする内部カテーテルに流体路を接続するための中空軸128と、流体(例えば薬剤や血液)を流すために針126の内腔127へのアクセスを可能にする、閉じていて尖った離脱可能な先端部130とを含んでもよい。針126は、医療グレードの鋼製や強磁性材料製であってもよく、また、先端部130に強磁性材料を含んでいてもよい。
図1aは、アクセスポート100がさらに、上を覆う円筒状カバー104を支持する、一般的には円板形状の基部102を備え、協働して内部空洞105を形成する、本体101を含んでもよいことを図示している。基部102は、使用されるカテーテルまたは他の機器が取り付けられ得る接続領域となるハブ132を含んでいる。このような接続の詳細は周知されているので、ここでは図示していない。
カバー104は、その上面/壁104a上に、針126がカバー104の上壁104aを通じてアクセスポート100の本体101へと引込んだり、本体101から延出したりすることができる、連続した所定の穴106を含んでもよい。例えば図7aに示されているように、穴106は、円形(弓形)の環状配列で配置されていてもよく、また、ある特定の実施形態では、外環及び内環のような2つの同心(弓形)の環状の形で配置されてもよい。
アクセスポート100の穴106内に、体液が入ってくること、及び/または組織が内に伸びてくることを防ぐために、アクセスポート100は、例えばシリコーン等の「自己回復」材料製であってもよい(細線で示されている)ハウジング103内に収容されていてもよい。延出されたときには、針126は、自己回復材料を突き通してもよい。その後、針126が引込められたときに、自己回復材料に生じた穴106は、アクセスポート100が体液を通さず、体内組織も内に伸びてこない状態を保てるように十分に閉鎖(つまり自閉)してもよい。あるいは、カバー104、より具体的にはカバー104の上壁104aは、自己回復材料製であってもよく、針126は、カバー104の上壁104aを突き通してもよく、上壁104aは、針126が引込められた後、体液の侵入や体内組織の内への伸長を妨げられるように十分に閉鎖(つまり自閉)してもよい。
アクセスポート100の空洞105は、針昇降機構107を収容してもよく、針昇降機構107は、円筒状(昇降)部材109を備えてもよく、円筒状部材109は、円形の床部114上で静止及び回転してもよい。本明細書で説明されているように、針昇降機構107の床部114はまた、針移動機構122の一部として動作してもよい。示されているように、基部102は、床部114を支持し、針昇降機構107及び針移動機構122の構造上の基礎となるとともに、針移動機構122の一部を構成している。
床部114と基部102とを互いに固定するために、床部114は、基部102のハブ132におけるネジ切りされた段付きネジボス133によって構成されているスピンドル131を受容する直径を有する中心円形穴115を含んでもよい。床部114は、スピンドル131上に置くときは、ボス133の段部135上に静止させた状態にし、ボス133のネジ山136に螺接して床部114をネジボス133に垂直に留めるネジ切りされたネジ締結具138(及び座金/シール134)によってボス133に固定されてもよい。下記に詳細に説明されるように、床部114、より具体的には、針昇降機構107及び針移動機構122は、ここではスピンドル131によって提供されるアクセスポート100の回転軸RAを中心にして回転してもよく、この場合に、昇降機構は、針126を回転軸RAに沿って軸方向に動かし、針移動機構122は、針を回転軸RAを中心に円周方向に(半径方向に)動かす。
針昇降機構107の円筒状(昇降)部材109は、雌ネジ110を含み得るシリンダ108と、上部フランジ112aと下部フランジ112bとによって設けられる外周フランジ112とを備える。フランジ112a,112bは、これらの間にある固定位置に少なくとも1つの永久磁石116を保持するために使用されてもよい。
針昇降機構107は、さらに、針支持部材118を備えてもよい。アクセスポートの針126は、一般的に環状プレートの形状の針支持部材118によって、シリンダ108の内側に固定(締結)及び支持されてもよい。アクセスポート100の本体101の内外に針126の上昇及び引込を行う針昇降機構107の動作中には、1つ以上の長形案内支柱部材120によって、アクセスポート100内における予め選定されている各針126の円周(半径)位置がそれぞれ保たれている。針支持部材118は、その周縁に、シリンダ108の雌ネジ110と係合する雄ネジ124を有してもよい。
図1bは、さらに、個別のアクチュエータ140と組み合わされたアクセスポート100を図示している。アクチュエータ140は、ハンドルとして使用され得る本体142内に少なくとも1つの磁石141(例えば永久磁石または電磁石)と、その延出構成で針126を受容する円形室144とを含んでもよい。アクチュエータ140は、本体142と中心回転支持部146との間にある中央内腔148内に配置された軸受150を含んでもよく、軸受150は、本体142が回転支持部146に対して回転し易くする。示されているように、回転支持部146の前(皮膚接触)面147は、オフセットされて(階段状にされて)、本体142の前面143に対して外側に突出していることにより、本体142が患者の皮膚または皮膚への滅菌被覆の表面に過度に接触することや、アクチュエータ140の本体142が回転し易くなることを避けるための隙間/間隔を設けている。
動作に際しては、アクセスポート100は、宿主、特に患者、例えば血管アクセスを繰り返し行うことが特に必要な患者等の皮下に配置されてもよい。その後、医療関係者(例えば内科医や臨床医)は、アクチュエータ140を、埋め込まれたアクセスポート100の上方の(上方を覆う)皮膚の上に配置してもよく、そのときに、本体142内に配置されている磁石141が、アクセスポート100内部の針昇降機構107を動作させてもよい。
アクチュエータ140の磁石141が電磁石であり、アクセスポート100の磁石116が永久磁石である場合、アクチュエータの磁石141は、ポート100内の磁石116と磁気的に係合して、円筒状(昇降)部材109の回転を誘導する。より具体的には、第1の極性の電流が電磁石141に供給されると、電磁石141は、アクセスポート100の永久磁石116を引き付ける第1の極性を用いて配列される電磁場を発してもよい。その後、アクチュエータ140の本体142を回転支持部146を中心にして回転させると、それに応じて、アクセスポート100の円筒状(昇降)部材109が回転軸RAを中心にして回転することになる。
円筒状(昇降)部材109の回転により、針支持部材118の雄ネジ124には、シリンダ108の雌ネジ110に沿った摺動回転が生じ、円筒状(昇降)部材109が回転する方向に応じて、針126が回転軸RAに沿って上方または下方へ移動する。例えば、アクチュエータ140の本体142とアクセスポート100の円筒状(昇降)部材109とを反時計方向に回転させると、針支持部材118と針126とが上昇する一方、アクチュエータ140の本体142とアクセスポート100の円筒状(昇降)部材109とを時計方向に回転させると、針支持部材118と針126とが引込められ得る。
図1aは、各針126が、各針126の先端部130がアクセスポート100のカバー104からわずかに突出している状態である部分延出位置にあるアクセスポート100を図示している。図1bは、アクセスポート100を作動させる前の、各針126が引込められた位置にある状態のアクセスポート100を図示している。いくつかの利点の中でも特に、ネジ山110とネジ山124とによってもたらされる機械的な係合によって、針126を、(軸方向に)完全に延出した位置で、(軸方向に)完全に引き込められた位置で、またはそれら位置の間にある(軸方向の)任意の位置において部分的に延出/引込まれている状態で配置できる。
アクセスポート100はまた、各針126が血管ポート100内に完全に引込められたときに、針126の円周(半径)位置を、円筒状(昇降)部材109のシリンダ108内部で、スピンドル131によって提供される回転軸RAを中心にして移動/回転させる針移動機構122を含んでもよい。この移動/回転は、アクセスポート100を次の使用のために作動させると、針126が新たな異なる位置でポートからカバー104を通して突出するように行われる。このような針移動機構122の一例を以下に説明し、図1c及び図1dに図示する。
図1c及び図1dを参照すると、アクセスポート100は、針移動機構122、より具体的にはラチェット機構162を含んでいてもよく、針移動機構122は、使用終了毎に、アクセスポート100内部で針126の位置を動かしてもよく、アクセスポート100を次に使用するときに、針126が新たな異なる位置で皮膚を突き通し、針126を皮膚から抜くことを何度も同じ位置で行う場合に生じ得る過大な傷跡による患者の不快感を最小限にすることになる。
図1cにおいて、基部102は、(針昇降機構107及び針移動機構122の回転軸RAに対してほぼ直角に延在する)円形基部部分151と、円形基部部分151に対してほぼ直角に(つまり回転軸RAにほぼ平行に)延在する隆起した環状縁部152とを含んでもよい。示されているように、環状縁部152は、基部102の円形基部部分151の周縁部153付近に隣接するように位置しており、床部114を取り囲んでいる。
環状縁部152は、本明細書で詳細に説明されているように、針126がアクセスポート100内を占め得る様々な円周(半径)位置を予め設定する複数のスロット154を含んでもよい。ある特定の実施形態では、環状縁部152の周囲に規則正しい間隔(つまり等間隔で)で均一に離間され得る、2個から20個のスロット154、より具体的には6個から12個のスロット154が存在していてもよい。スロット154の数は、アクセスポート100の使用を繰り返す意図に応じてもよく、スロット154の数が多いほど繰り返す回数が多いことに対応している。掲示されている実施形態では、環状縁部152は、12個のスロット154を含んでいるが、これは新たな別の位置で患者の皮膚を突き通すための位置を、2本の針126に対して6か所、あるいは1本の針126に対して12か所提供している。
ラチェット機構162は、さらに、例えば線形バネ等の可撓性及び弾性のある(変形可能な)少なくとも1つの係合部材156(凹部158に向けて変形可能)を含んでもよく、係合部材156は、床部114に接続されているか、または一体化していて(つまり1つの一体構造体であり)、スロット154のうちのいずれか1つに係合され得る。示されているように、係合部材156は、床部114が一方の方向には回転可能であるがもう一方の方向には回転できないような係合角でスロット154を係合させるように配置されている。より具体的には、床部114を一方の方向に回転させ、反対方向には回転させないと、各係合部材156の終端(先端)160は、終端が存在しているスロット154の縦方向の側壁に当接(接触)する。
係合部材156の係合する角度と構造とにより、係合部材156は、(スロット154の縦方向の側壁に接触する終端160によって)針126が上昇中であるときに、床部114がある方向(例えば時計方向)に回転するのを妨げる。反対に、係合部材156は、針126が完全に引込められたら、環状縁部152に対して内方に変形してスロット154の外に出ることによって、床部114が反対方向(例えば反時計方向)に回転できるようになり、針支持部材118は摩擦によって床部114に係合する。この時点で、床部114は、始めの円周(半径)位置から、スロット154によって提供される次の利用可能な円周(半径)位置へと、反時計方向に回転する。あるいは、シリンダ108のネジ山110及び針支持部材118のネジ山124のそれぞれの方向、及び図1dに示されたラチェット機構の設計を逆にすることによって、ラチェット機構を反対方向に回転させることも可能である。
上述のように、針支持部材118がアクセスポート100内における床部114に対して最下部の位置に達したら、針移動機構122、より具体的にはラチェット機構162は、針支持部材118の床部114への摩擦によって動作してもよいし、または、針支持部材118と床部114との間に互いに係合するように配置されている(図示しない)ピン/ノッチの組み合わせの係合によって動作してもよい。
上記の針移動機構122、より具体的には例えば図1dに詳述したもののようなラチェット機構162を用いることによって、床部114の回転を、次に行う延出または引込のために設定されている位置のうちの1つに停止することと理解してもよい。ラチェット機構162は、規定された円周(半径)位置のうちの1つに達すると聴覚信号(例えば「カチッという音」)をもたらしてもよい。この設計によって、患者にとってデリケートな位置を避けるために望まれる場合に、医療関係者が針126をさらに別の円周(半径)位置にさらに回転させることが可能になる。
図2a−2dは、別の針移動機構222、より具体的には、ラチェット機構262を有する、アクセスポート200の別の例を図示している。第1実施形態と同様に、図2aは、アクセスポート200が上を覆うカバー204を支持する基部202を含み、協働して内部空洞205を形成していてもよいことを図示している。
また、第1実施形態と同様に、カバー204は、その上面/上壁204aに、針226がカバー204の上壁204aを通過してアクセスポート200の本体201へと引込んだり、本体201から延出したりすることができる、連続した所定の穴206を含み得る。針226は、(図示しない)血管にアクセスする内部カテーテルに流体路を接続するための中空軸228と、流体(例えば薬剤や血液)を流すために針226の内腔227へのアクセスを可能にする閉じられている尖った離脱可能な先端部230とを含んでもよい。針226は、医療グレードの鋼製や強磁性材料製であってもよく、また、先端部230に強磁性材料を含んでいてもよい。
上述の実施形態と同様に、アクセスポート200の穴206内に、体液が入ってくること、及び/または組織が内に伸びてくることを防ぐために、アクセスポート200は、例えばシリコーン等の「自己回復」材料製であってもよいハウジング203(図示せず。ハウジング103に類似)内に収容されてもよい。延出されると、針226は自己回復材料を突き通してもよい。その後、針226が引込まれると、自己回復材料内に生じた穴206は、アクセスポート200が体液を通さず、体内組織も内に伸びてこない状態を保てるように十分に閉鎖(つまり自己閉鎖)してもよい。あるいは、カバー204、より具体的には、カバー204の上壁204aは、自己回復材料製であってもよく、針226は、カバー204の上壁204aを突き通してもよく、上壁204aは、針226が引込まれた後、体液の侵入や体内組織の内への伸長を妨げるように十分に閉鎖(つまり自己閉鎖)してもよい。
アクセスポート200の空洞205は、針昇降機構207を収容してもよく、針昇降機構207は、円筒状(昇降)部材209を備えてもよく、円筒状部材209は、円形の床部214上で静止及び回転する。本明細書で説明されているように、針昇降機構207の床部214はまた、針移動機構222の一部として動作してもよい。示されているように、基部202は、床部214を支持し、針昇降機構207及び針移動機構222の構造上の基礎をもたらすとともに、針移動機構222の一部を構成している。下記に詳細に説明されるように、床部214、より具体的には針昇降機構207及び針移動機構222は、アクセスポート200の回転軸RA中心にして回転してもよい。
針昇降機構207の円筒状(昇降)部材209は、雌ネジ210を含む中空のシリンダ208と、上部フランジ212a及び下部フランジ212bによって提供される外周フランジ212とを備える。フランジ212a,212bは、それらの間にある固定位置に少なくとも1つの永久磁石216を支持及び保持するために使用されてもよい。
針昇降機構207は、さらに、針支持部材218を備える。アクセスポートの針226は、針支持部材218によってシリンダ208の内側に固定(締結)及び支持される。アクセスポート200の本体201の内外に針226の上昇及び引込を行う針昇降機構207の動作中には、1つ以上の長形案内支柱部材220によって、アクセスポート200内における予め選択された各針226の円周(半径)位置がそれぞれ保たれている。針支持部材218は、その周縁に、シリンダ208の雌ネジ210と係合する雄ネジ224を有してもよい。針226は各々が、中心(支柱)ハブ232に接続された可撓性連通管237に接続された軸228を含んでもよい。中心ハブ232は、(図示しない)血管にアクセスするカテーテルに接続する流路を含んでもよい。
動作に際しては、アクセスポート200を、患者(例えば特に血管アクセスを繰り返し行うことが必要な患者等)の皮下に配置し、皮膚の上に置かれたアクチュエータ240を用いて動作させてもよい。アクチュエータ240は、中心ハブ242を備えてもよく、中心ハブ242は、回転軸RA上に位置し、回転軸RAに沿って延在する円筒状本体/ハンドルをもたらしてもよい。アクチュエータ240は、さらに、ハブ242の対向する両側に、回転軸RAに対して横に延び、横方向に延在する2つのアーム245を備える。各アーム245は、アーム245に固定された少なくとも1つの永久磁石241を支持及び保持してもよい。
医療関係者(例えば内科医や臨床医)は、アクチュエータ240を、アクセスポート200の上方の(上方を覆う)皮膚の上に配置してもよく、そのときに、磁石241がアクセスポート200内部の針昇降機構207を動作させてもよい。
第1実施形態で記載したように、アクチュエータの磁石241は、アクセスポート200内の磁石216と磁気的に係合して、円筒状(昇降)部材209の回転を誘導する。円筒状(昇降)部材209の回転により、針支持部材218の雄ネジ224には、シリンダ208の雌ネジ210に沿った摺動回転が生じ、円筒状(昇降)部材209が回転する方向に応じて、針226が回転軸RAに沿って上方または下方へ移動する。
図2a〜2dは、アクセスポート200内部の針移動機構222によって生じる、第1円周(半径)位置(図2a)から第2円周(半径)位置(図2c)へと針を移動(回転)させる一連の動作を図示している。図2aは、針226が、使用後に、アクセスポート200の第1円周(半径)位置で引込められた位置にある状態のアクセスポート200を図示している。図2bは、針226が移動中であり、第2円周(半径)位置へと回転している状態のアクセスポート200を図示している。図2cは、針226が第2円周(半径)位置にある状態のアクセスポート200を図示している。
図2a〜2dに示されているように、針移動機構222は、針226が弓形経路に沿って回転軸RAを中心として回転可能であるように動作可能である。図示されている実施形態において、弓形経路は、回転軸RAからほぼ一定の半径(アクセスポート200は一定の半径に依存するように設計され得るが、半径は針移動機構の運用許容範囲に起因してわずかに変化し得る)によって規定されている。弓形経路は、回転軸RAを中心にして少なくとも90度、具体的には回転軸RAを中心にして少なくとも180度、より具体的には回転軸RAを中心にして少なくとも270度、さらにより具体的には回転軸RAを中心にして360度の範囲に及んでいてもよい。アクセスポート本体201の複数の所定円周(半径)位置は、弓形経路に沿って配置されていて、より具体的には、これらの複数の位置は、弓形経路に沿ってほぼ等しい間隔で離間されている。
さらに、針移動機構222は、針226が第1針穴を通って延出及び引込を行うために第1針穴と一致する第1位置から、針225が第2針穴を通って延出及び引込を行うために第2針穴と一致する第2位置へと、針226を動かすように動作可能である。
図2aにおいて、基部202は、周縁部253に、針226がアクセスポート200内を占めてもよい様々な円周(半径)位置を予め設定する複数のスロット254を含む含んでもよい。ある特定の実施形態では、周縁部252の周囲に規則正しい(つまり同じ)間隔で均一に(等しく)離間され得る、2個から20個のスロット254、より具体的には6個から12個のスロット254が存在し得る。スロット254の数は、アクセスポート200の使用を繰り返す意図に依存しており、スロット254の数が多いほど使用が多いことに対応している。掲示されている実施形態では、周縁部253は、12個のスロット254を含んでおり、新たな別の位置で患者の皮膚を突き通すために、2本の針226に対して6か所の円周(半径)位置、あるいは1本の針226に対して12か所の位置を提供する。
ラチェット機構は、さらに、少なくとも1つの可撓性及び弾性のある(変形可能な)係合部材256を含み、係合部材256は、床部214に一体化している(つまり1つの一体構造体である)湾曲部として示されており、スロット254のうちのいずれか1つに係合可能である。示されているように、係合部材256は、係合部材256の終端(先端)260が、終端が存在しているスロット254の縦方向の側壁に当接(接触)するような係合角で、スロット254に係合するように配置されている。
係合部材256の係合する角度及び構造により、係合部材256は、(スロット254の縦方向の側壁に接触する終端260によって、)針226が上昇中であるときに、床部214がある方向(例えば時計方向)に回転するのを妨げる。反対に、係合部材256は、針226が完全に引込められたら、内方に変形することによって床部214が反対方向(例えば反時計方向)に回転することを可能にし、針支持部材218は床部214に摩擦係合する。この時点で、床部214は、始めの円周(半径)位置から、スロット254によって提供される次の利用可能な円周(半径)位置へと、反時計方向に回転する。あるいは、ラチェット機構の設計を逆にして、反対方向に回転することも可能である。
上述のように、針支持部材224がアクセスポート200内における床部214に対して最下部の位置に達したら、針移動機構222、より具体的にはラチェット機構262は、針支持部材218の床部214への摩擦によって動作してもよく、または、針支持部材218と床部214との間に互いに係合するように配置されている(図示しない)ピン/ノッチの組み合わせの係合によって動作してもよい。
上記の針移動機構222、より具体的には図2aに詳述したようなラチェット機構262を用いることによって、床部214の回転を、次に行う延出及び引込のために設定されている位置のうちの1つに停止することと理解してもよい。ラチェット機構262は、規定された円周(半径)位置のうちの1つに達すると聴覚信号(例えば「カチッ」という音)を提供してもよい。この設計によって、例えば患者にとってデリケートな位置を避けること等が望まれる場合に、医療関係者(例えば内科医や臨床医)が針226をさらに別の円周(半径)位置にさらに回転させることが可能になる。
図3a及び図3bは、アクセスポート300の別の例を図示している。上述の実施形態と同様に、針昇降機構307及び針移動機構322は両方とも、回転軸RAを中心にして回転して、針326の軸方向への延出/引込を行うとともに、針326の円周(半径)位置を変えてもよい。この実施形態において、針昇降機構307と針移動機構322とを露出するために、カバー304は除去されている。より具体的には、針昇降機構307及び針移動機構322は両方とも、アクセスポート300の中心に配置されている円形ラチェット機構362を介して動作してもよく、円形ラチェット機構362は、下部(底部)環状円筒状ラチェット部362bの上方に配置された上部(頂部)環状円筒状ラチェット部362aを備えていてもよく、下部(底部)環状円筒状ラチェット部362b及び上部(頂部)環状円筒状ラチェット部362aは、互いに係合及び離脱することによって針326の延出/引込を行い、針326の円周(半径)位置を変える。
図3bに最も良く示されているように、アクセスポート300内部において、針326は、ラチェット機構362の下部ラチェット部362bに接続(固定)された針(アーム)支持部材318によって支持されてもよい。より具体的には、針支持部材318は、下部ラチェット部362bのラチェット歯363bの周囲に平行して配置されている。上部ラチェット部362aは、回転軸RAに対して斜めになっている(カムスリットまたはスロットとも称され得る)長形穴364によって隔てられているラチェット歯363aを含んでいる。
アクセスポート300は、さらに、上述の実施形態で用いられた別体のアクチュエータとは対照的に、内部アクチュエータ366を含んでいる。内部アクチュエータ366は、円形ラチェット機構362の内領域に位置する中央スピンドル(軸)369上の周囲に沿って動く(往復運動する)ハブ368上に配置された、円筒状押しボタン367を備える。
ボタン367は、(ボタン367上を覆う)カバー304上で押し下げることによって押し下げされてもよく、このとき、(ボタン367の下にある)ハブ368は、スピンドル369に沿って下方に動くようにして、下方に動いてもよい。さらに、カバー304は、内側円筒状部材309aの環状フランジ371に圧縮力を加えて、内側円筒状部材309aを下方に動かして外側円筒状部材309b内に動かす。この押し下げは、内側円筒状部材309aと外側円筒状部材309bとの間の円筒状フランジ371の下に配置されたコイルバネ372によって付勢され、これにより、押下力の除去後にカバー304/押しボタン367を押し下げる前の位置に戻す。本開示をさらに読み進めることによってさらに明らかになるように、コイルバネ372は、ボタン367を押し下げるまで、上部(頂部)ラチェット部362aと下部(底部)環状ラチェット部362bとを離す役割を果たす。
上部ラチェット部362aはさらに、針軸328をを保持する横方向に突出したアーム374を含む。アーム374は、針326とともに回転運動させるために、上部ラチェット部362aの上縁にあるスロット内に嵌合している。アーム374は、その一端で各針軸328の内腔327に接続されて流体を連通し、他端で(血管)カテーテル(図示せず)に接続されている、流体流路(図示せず)を収容している。より具体的には、流体流路は、アクセスポート300の底部で、各針326の流れを各針326に供給するカテーテルに導く。
示されているように、ハブ368は、回転軸RAに対して(直角に)外向きに突出していて、長形カムスロットの開口部364内に位置していてもよい、少なくとも1つのカムピン375を含んでもよい。特に医療関係者によってボタン367が押し下げられると、この動作によって、特にラチェット機構362を介して針昇降機構307と針移動機構322とを動作させてもよい。より具体的には、ボタン367によって下向きに進み始めると、ハブ368とカムピン375とが同時に、具体的には回転することなく下向きに進んでもよい。カムスロット364が回転軸RAに対して斜めに配置されているために、カムピン375が下向きに進むので、カムピン375がカムスロット364内で下向きに進むと、上部ラチェット部362aを反時計方向に強制回転させる。上部ラチェット部362が反時計方向に回転するため、隣接する横方向突出アーム374もまた反時計方向に回転するが、このとき、針326の針軸328は、針支持部材318内に形成された針延出及び引込貫通穴319内に延在している。示されているように、針延出及び引込貫通穴319も回転軸RAに対して斜めである。したがって、可撓性のある半硬質管を備え得る針326の針軸328を、上部ラチェット部362を反時計方向に回転させることによって貫通穴319内に貫通させると、針が貫通穴319内で延出及び上昇し、針昇降機構307を動作させる。
ボタン367が下向きに進行し続けると、上部(頂部)環状円筒状ラチェット部362aと下部(底部)環状円筒状ラチェット部362bが、接触している上部ラチェット歯363aと下部ラチェット歯363bとに係合し、針移動機構322を動作させる。より具体的には、ボタン367を押し下げる毎に、上部ラチェット部362aの上部ラチェット歯363aのノッチ378aが下部ラチェット部362bの下部ラチェット歯363bのノッチ378bに係合し、下部ラチェット部362bが1つのノッチを時計方向に強制回転させて、それとともに針支持部材318を時計方向に回転させることによって、針326を新たな円周(半径)位置に配置して針移動機構322を動作させる。
図3c〜3eは、図3aに示されたアクセスポート300のラチェット機構362の動作の様々な段階を図示している。図3cに示された最初の段階において、ラチェット機構362の上部ラチェット部362a及び下部ラチェット部362bは、コイルバネ372と同様のコイルバネ372’の内部に配置される。簡単化のため、ボタン367が、上部ラチェット部362a内のカムスロット364内で係合されたカムピン375に直接接続されていることが示されている。ボタン367を最初に押し下げたとき、カムピン375は下向きに進んで、底部にある下部ラチェット部362bのノッチ378bの底部に達するまでカムスロット364を位置375aから位置375bに移動させ、位置375cで下向きの進行が止まる。このときの間は、上述したように、上部ラチェット部362aが反時計方向に回転して針昇降機構307を動作させ、歯363a,363bが係合すると、下部ラチェット部362bが時計方向に回転して、針移動機構322を動作させる。
したがって、ボタン367を離すと、カムピン375が直ちに上部ラチェット部362aのノッチ378aに移動(移転)し、位置375dで、ボタン367を図3dに示されているような押し下げられた構成で、針326を延出した(上昇した)位置で留まらせて保持する。図3eを参照すると、2度目にボタンを押し下げると、カムピン375が位置375eに移動(移転)して、上部ラチェット部362aのノッチ378aの時計方向に配置された下部ラチェット部362bのノッチ378b’に係合する。再度ボタン367を離すと、カムピン375が移動(移転)して、カムスロット364に対して時計方向に配置された上部ラチェット部362aの位置375fで隣接するカムスロット364’内に入り、ここに留まって、位置375gにあるカムスロット364’の頂部へと進んでいく。この動作の間、上部ラチェット部は時計方向に回転し、針326は引込められた(下がった)位置へと戻る。カムピン375が位置375aから位置375gへと進むので、ラチェット機構362は、針をアクセスポート300内の新たな位置へと時計方向に回転させる。
図4a及び図4bは、針426が針支持部材418に対して引込められた位置と延出された位置を、針426の内腔427を見せるために針軸428の一部が断面になっている状態で図示している。針アーム474が反時計方向に回転すると、針軸428の近位部分が針支持部材418内に形成された貫通穴419内で上向きに押されて、針426の先端部430を持ち上げる。
図5aは、図3aに示されたポートと同様のアクセスポート500の内部の斜視図を図示している。前述の実施形態に記載されたように、円筒状部材509は、内側円筒状部材509aと外側円筒状部材509bとを備えてもよく、これらの間に配置されたコイルバネ572を有してもよい。
図5aに示されているように、コイルバネ572は、圧縮されていない状態であり、内側円筒状部材509aの環状フランジ571は、より小さな環状(円筒状)枠580の上部縁端と同じ高さである。内側円筒状部材509aは、コイルバネ572によって上向きの方向に支えられている。この構成において、図5bに示されているように、針526a,526bは、針526aのバルブ581aが開いていて、上側ブリッジ582及び下側ブリッジ583へのアクセスを防ぐ縦向きの状態である、血液流入モードで動作する。同じことは針526bに対しても見られ、ここでは針526bのバルブ581bが開いていて、上側ブリッジ582及び下側ブリッジ583へのアクセスを防ぐ縦向きの状態である。これにより、アクセスポート500を腎機能障害のある患者の血液透析に用いる場合に、血流が針526aに流入し、針526bから流出することができる。
図5cは、コイルバネ572が圧縮され、内側円筒状部材509aの環状フランジ571が押し下げられて、外側円筒状部材509bの縁端と同じ高さになっている構成を図示している。この構成において、針526a,526bは、図5dに示されているように洗浄モードで動作し、この場合に、針526aのバルブ581aと針526bのバルブ581bとが閉じており、針526a,526b内の血流が、下側ブリッジ583内でカテーテル584bからカテーテル584aへと流れる血流に対して低い位置でのループを形成することを防ぐとともに、洗浄液の針526b,526aから上側ブリッジ582へのアクセスを可能にする。このことを、針526a,526b内に血液凝固が形成されることを防ぐために使用してもよい。
図6は、針移動機構622、より具体的にはラチェット機構662を有するアクセスポート600の別の例を図示している。上述の実施形態と同様に、アクセスポート600は、上を覆うカバー604を支持する基部602を含んでもよく、協働して内部空洞605を形成していてもよい。
上述の実施形態と同様に、カバー604は、その上面/上壁604aに、針626がカバー604の上壁604aを貫通してアクセスポート600の本体601へと引込んだり、本体601から延出したりすることができる、連続した所定の穴606を含んでもよい。針626は、(図示しない)血管にアクセスする内部カテーテルに流体路を接続するための中空軸628と、流体(例えば薬剤や血液)を流すために針626の内腔へのアクセスを可能にする閉じられた尖った離脱可能な先端部630とを含んでもよい。針626は、医療グレードの鋼製や強磁性材料製であってもよく、また、先端部630に強磁性材料を含んでいてもよい。
上述の実施形態と同様に、アクセスポート600の穴606内に、体液が入ってくること、及び/または組織が内に伸びてくることを防ぐために、アクセスポート600は、例えばシリコーン等の「自己回復」材料製であってもよいハウジング603(図示せず。ハウジング103に類似)内に収容されていてもよい。延出されたときには、針626は、自己回復材料を突き通してもよい。その後、針626が引込まれたとき、自己回復材料内に生じた穴606は、アクセスポート600が体液を通さず、体内組織も内に伸びてこない状態を保てるように十分に閉鎖(つまり自己閉鎖)してもよい。あるいは、カバー604、より具体的にはカバー604の上壁604aは、自己回復材料製であってもよく、針626は、カバー604の上壁604aを突き通してもよい。
アクセスポート600の空洞605は、針昇降機構607を収容し、針昇降機構607は円形の床部614上で静止及び回転する。本明細書で説明されているように、針昇降機構607の床部614はまた、針移動機構622の一部として動作してもよい。示されているように、基部602は、床部614を支持し、針昇降機構607及び針移動機構622のための構造上の基礎となるとともに、針移動機構622の一部を構成している。下記に詳細に説明されるように、床部614、より具体的には針昇降機構607及び針移動機構622は、アクセスポート600の回転軸RAを中心にして回転してもよい。
針昇降機構607は、中心回転支持部を提供する中心(昇降)ハブ/部材611を備える。中心(昇降)ハブ/部材611は、ネジ切りされたシリンダ(棒)608を含み、シリンダ608は、雄ネジ610を含み、アクセスポート600の回転軸RAを中心にして回転する。針昇降機構607は、さらに、中心(昇降)ハブ/部材611の対向する両側に、回転軸RAに対して横に延びている、横方向に伸びる2つのアーム613を備えている。各アーム613は、アーム612に固定された少なくとも1つの永久磁石616を支持及び保持してもよい。中心(昇降)ハブ/部材611は、針626の延出(上昇)及び引込(下降)中におけるアクセスポート600内の磁石616の回転を容易にする玉軸受系617を含んでもよい。
針昇降機構607は、さらに、針支持部材618を備えている。アクセスポートの針626は、針支持部材618によって空洞605内部に固定(締結)及び支持されている。アクセスポート600の本体601の内外に針626の上昇及び引込を行う針昇降機構607の動作中には、1つ以上の長形案内部材620によって、アクセスポート600内における予め選択された針626の円周(半径)位置が保たれている。針支持部材618は、その中心に、ネジ切りされた中心棒608の雄ネジ610と係合する雌ネジ624を含んでもよい。針626の各々は、(図示しない)血管にアクセスするカテーテルに、流体路を介して接続される軸628を含んでもよい。
動作に際しては、アクセスポート600を、患者(例えば特に血管アクセスを繰り返し行うことが必要な患者)の皮下に配置し、皮膚の上に置かれたアクチュエータ640を用いて動作させてもよい。アクチュエータ640は、中心ハブ642を備えていてもよく、中心ハブ642は、回転軸RA上に位置し、回転軸RAに沿って延在している円筒状本体/ハンドルを提供してもよい。アクチュエータ640は、さらに、ハブ642の対向する両側に、回転軸RAに対して横に延びている、横方向に伸びる2つのアーム645を備えている。各アーム645は、アーム245に固定された少なくとも1つの永久磁石641を支持及び保持してもよい。
医療関係者(例えば内科医や臨床医)は、アクチュエータ640を、アクセスポート600の上方の皮膚の上に配置してもよく、そのときに、磁石641がアクセスポート600内部の針昇降機構607を動作させてもよい。
アクチュエータの磁石641は、アクセスポート600内の磁石616と磁気的に係合して、中心棒608の回転を誘導する。中心棒608の回転により、針支持部材618の雌ネジ624には、中心棒608の外側凹凸溝610に沿った摺動回転が生じ、長形案内部材620を利用して、中心棒608が回転する方向に応じて、針626が回転軸RAに沿って上方または下方へ移動する。
アクセスポート600はまた、針626がアクセスポート600内に完全に引込められたときに、アクセスポート600内部での針626の円周(半径)位置を、アクセスポート600が次に作動するときに針626が新たな円周(半径)位置で血管アクセスポート600から突出するように移動させる針移動機構622を含んでもよい。
図6にて先に示したように、このような針移動機構622は、具体的には、使用終了毎に、アクセスポート600内部で針626の位置を動かすラチェット機構662を備えていてもよく、これにより、アクセスポート600を次に使用するときに、針626は新たな位置で皮膚を突き通すことになる。基部602は、周縁部653に、針626がアクセスポート600内を占めてもよい様々な円周(半径)位置を予め設定する、規定された複数のスロット654を含んでもよい。ある特定の実施形態では、周縁部652の周囲に規則正しい間隔(つまり同じ)で均一に離間され得る、2個から20個のスロット654、より具体的には6個から12個のスロット654が存在してもよい。スロット654の数は、アクセスポート600の使用を繰り返す意図に応じてもよく、スロット654の数が多いほど使用が多いことに対応している。掲示されている実施形態では、周縁部653は12個のスロット654を含んでいるが、これは新たな別の位置で患者の皮膚を突き通すために、2本の針626に対して6か所の円周(半径)位置、あるいは1本の針626に対して12か所の位置を提供する。
ラチェット機構662は、さらに、少なくとも1つの可撓性及び弾性のある(変形可能な)係合部材656を含み、係合部材656は、床部614に一体化している(つまり1つの一体構造体である)湾曲部として示されており、スロット654のうちのいずれか1つに係合してもよい。示されているように、係合部材656は、係合部材656の終端(先端)660が、終端が存在しているスロット654の縦方向の側壁に当接(接触)するような係合角で、スロット654に係合させるように配置されている。
係合部材656の係合する角度及び構造により、係合部材656は、(スロット654の縦方向の側壁に接触する終端660によって)針626が上昇中であるときに、床部614がある方向(例えば時計方向)に回転するのを妨げる。反対に、係合部材656は、針626が完全に引込められたら、上方向に変形することによって床部614を反対方向(例えば反時計方向)に回転できるようになり、針支持部材618は床部614に摩擦係合する。この時点で、床部614は、始めの円周(半径)位置から、スロット654によって提供される次の利用可能な円周(半径)位置へと、反時計方向に回転する。あるいは、ラチェット機構662の設計を逆にすることによって反対方向に回転することも可能である。
針支持部材624がアクセスポート600内における最下部の位置に達したら、ラチェット機構662は、針支持部材618の床部614への摩擦によって動作してもよく、または、針支持部材618と床部614との間に互いに係合するように配置されている(図示しない))ピン/ノッチの組み合わせの係合によって動作してもよい。図6に詳述したようなラチェット機構662により、床部614の回転は、後の針の引込のために予め設定されている位置のうちの1つに停止する傾向があることになる。
図7a及び図7bは、針昇降機構707と針移動機構722とを有するアクセスポート700の別の例を図示している。アクセスポート700は、上を覆う円筒形カバー704を支持する、カップ状円筒状基部702を備えている本体701を含んでもよい。カバー704は、その上面/上壁704aに、針726a,726bがそれぞれカバー704の上壁704aを通じてアクセスポート700の本体701へと引込んだり、本体701から延出したりすることができる、連続した所定の穴706a,706bを含んでもよい。
アクセスポート700の穴706a,706b内に、体液が入ってくること、及び/または組織が内に伸びてくることを防ぐために、アクセスポート700もまた、例えばシリコーン等の「自己回復」材料製であってもよいハウジング703(図示せず。ハウジング103に類似)内に収容されていてもよい。延出されたときには、針726a,726bは、自己回復材料を突き通してもよい。その後、針726a,726bが引込まれると、自己回復材料内に生じた穴706a,706bは、アクセスポート700が体液を通さず、体内組織も内に伸びてこない状態を保つように十分に閉鎖(つまり自己閉鎖)してもよい。あるいは、カバー704、より具体的にはカバー704の上壁704aは、自己回復材料製であってもよく、針726a,726bは、カバー704の上壁704aを突き通してもよい。
図7b及び図7cを参照すると、アクセスポート700の内部において、針726a,726bは、一般的に環状プレートの形状の針支持部材718によって支持されてもよい。円形ラチェット機構762は、アクセスポート700の中心に配置され、下部(底部)環状円筒状ラチェット部762bの上方に配置された上部(頂部)環状円筒状ラチェット部762aを備え、これらは互いに係合及び離脱することによって針726a,726bの円周(半径)位置を変える。上部ラチェット部762aは、複数の下向き歯763aを有し、具体的にはカバー704の上壁704aに横に延在している、カバー704とは別個の、またはカバー704と一体の、円筒状壁を有してもよい。同様に、下部ラチェット部762bは、複数の上向き歯763bを有し、具体的には基部702の底壁702aに横方向に延在している、基部702とは別個の、または基部702と一体の、円筒状壁を有してもよい。
針支持部材718は、針支持部材718の底面で、針726a,726bの内腔727a,727bにそれぞれ流体を連通するとともに、患者の血管にアクセスするカテーテル784a,784bの内腔にそれぞれ流体を連通している、円形流路729a,729bを収容している。円形流路は、針支持部材718の底壁によって、2つの円形溝を有する円形環729に嵌合している底面内の2つの溝の形で規定されていてもよく、このようにして流路729a,729bは画定されている。
さらに図7b及び図7dを参照すると、例えば永久磁石や電磁石等の磁石741を備えているアクチュエータ740が、医療関係者(例えば内科医や臨床医)によって、アクセスポート700上方の患者の皮膚上に適用されると、アクセスポート700の永久磁石716を引き付けることによって、アクチュエータ740が針昇降機構707を作動させ、外側コイルバネ772の圧縮バイアスに逆らって、針支持部材718をそれぞれの穴706a,706bの中で延在している針726a,726bとともに上昇させる。永久磁石を取り外すと、または電磁石741を反転させると、永久磁石716が解放されることになり、ラチェット機構内部に配置された外側コイルバネ772が復元することによって、針726a,726bがアクセスポート700内に引込まれた状態で、針支持部材718を底部に戻す。
その後、医療関係者がボタン767を押し下げることによって、上部ラチェット部762aの歯763aを下部ラチェット部762bの歯763bに係合させてもよく、これにより、アクセスポート700を使う毎に下部ラチェット部762bが1つのノッチを強制回転させ、それとともに針支持部材718を円周方向に移動させて、この結果、下記の図8a〜8dに関連して説明されるように、針726a,726bを新たな円周(半径)位置に配置する。医療関係者は随意、さらに回転を進めて針726a,726bを他の位置に移すために、ボタン767を繰り返し押し下げることもできる。
ラチェット機構の詳細は図7dに記載されている。アクセスポート700は、カバー704の中心にボタン767を含んでもよい。ボタン767は中央押し棒786に取り付けられ、内部コイルバネ773によって上方の位置に付勢されている。ボタン767を押し下げると、中央押し棒786が下方向に動いて、基部702の穴788内を通って延びるシャッター787を押し、両カテーテル784a,784bを接続しているカテーテルのブリッジ782,783(1つだけを図示)の壁をつぶす。押し棒786は、シャッター787とは分離しているので、ボタン767はシャッター787にとって必要とされる以上に広い範囲の動きが可能になり、医療関係者が使い易くなる。このシステムの目的及び動作は、下記の図9a〜9dに関する詳細で確認する。
図8a〜8dは、アクセスポート700のラチェット機構の動作の様々な段階を図示している。図8aに示されているように、ラチェット機構762の上部ラチェット部762a及び下部ラチェット部762bは、外側コイルバネ772の周囲に配置されている。図8b〜8dにおいて、点790a〜790eは、アクセスポート700を最初に使用した後、針726a,726bが下方向に動くときの上部ラチェット部762aに対する下部ラチェット部762bの回転を図示している。示されているように、動作中、底部の歯763bは、上部ラチェット歯763aの間にある隣接するスロット754内で係合する。ラチェット動作によって、上部ラチェット歯763aを、下部ラチェット歯763bと係合するために次の位置に強制移動させ、コイルバネ772は、上部ラチェット部762aを回転駆動させることになるボタン767で圧縮されているので、ねじり力を生成する。
図9a〜9dは、図7dに示されているようなアクセスポート700のボタン767の動作を図示している。図9a及び図9bに見られるように、アクセスポート700の針726a,726bは、血液流入モードで機能中である。ボタン767は、カバー704の上面と同じ高さである上の方の位置にあり、中心棒786がシャッター787と同一線上にあるが、係合してはいない状態である。針726aのバルブ781aは開いていて、針726aの壁を背にしている。同様に、針726bのバルブ781bは開いていて、針726bの壁を背にしている。この構成において、アクセスポート700を腎機能障害の患者の血液透析に使用するときのように、血液は針726bから出て、針726a内へと戻るように循環する。
図9c及び図9dに見られるように、アクセスポート700の針726a,726bは洗浄モードで機能中である。ボタン767は押し下げられた位置にある。この構成において、血液は、カテーテル784a,784b内を、下側ブリッジのカテーテル783を通って循環する。また、洗浄液を、上側ブリッジのカテーテル782を通って針726a,726b内に循環させてもよい。針726aのバルブ781aは閉じられており、針726aとカテーテル784aとの間の流れを阻止している。同様に、針726bのバルブ781bは閉じられており、針726bとカテーテル784bとの間の流れを阻止している。
カテーテル784a,784bへとそれぞれ接続するためのバルブ781a,781bは、アクセスポート700の本体に内蔵されていて、周知の工学原理に従って図9b及び図9dに記載された流体制御を行える、あらゆる摺動または回転を行う設計であってもよい。
図10a及び図10bは、交互昇降機構1007を有するアクセスポート1000の別の例を図示している。アクセスポート1000は、上を覆う円筒状カバー1004を支持する円筒状基部1002を備える本体1001を含んでもよい。カバー1004は、その上面/上壁1004aに、針1026a,1026bがそれぞれカバー1004の上壁1004aを貫通してアクセスポート1000の本体1001へと引込んだり、本体1001から延出したりすることができる、連続した所定の穴1006a,1006bを含んでもよい。
アクセスポート1000の穴1006a,1006b内に、体液が入ってくること、及び/または組織が内に伸びてくることを防ぐために、アクセスポート1000は、例えばシリコーン等の「自己回復」材料製であってもよいハウジング1003(図示せず。ハウジング103に類似)内に収容されていてもよい。延出されたときには、針1026a,1026bは、自己回復材料を突き通してもよい。その後、針1026a,1026bが引込まれると、自己回復材料内に生じた穴1006a,1006bは、アクセスポート1000が体液を通さず、体内組織も内に伸びてこない状態を保つように十分に閉鎖(つまり自己閉鎖)していてもよい。あるいは、カバー1004、より具体的にはカバー1004の上壁1004aは、自己回復材料製であってもよく、針1026a,1026bは、カバー1004の上壁1004aを突き通す。
アクセスポート1000の内部において、針1026a,1026bは針支持部材1018によって支持されていてもよい。針支持部材1018は、針支持部材1018の底面で、それぞれが針1026a,1026bの内腔1027a,1027bに流体を連通するとともに、患者の血管にアクセスするカテーテル(図示せず)の内腔に流体を連通している、円形流路1029a,1029bを収容している。円形流路1029a,1029bは、針支持部材1018の底壁によって、2つの円形溝を持つ円形環1029に嵌合している底面内の2つの溝の形で規定されていてもよく、このようにして流路1029a,1029bは画定されている。
動作に際しては、医療関係者が血管アクセスポート1000の側部を強く握ることによって、血管アクセスポート1000の昇降機構1007を作動させて、中に収めている空気、気体、または流体を(図10bに示されているような)底部バルーン1093に移動させる膨張可能/収縮可能な(図10aに示されているような)側部バルーン1092の上にある針1026a,1026bを持ち上げてもよい。バルーン1092が膨らむと針支持部材1018が持ち上がり、針1026a,1026bを穴1006a,1006b内に通すことができる。カバー1004の上壁1004aの中心にある穴1094は、アクセスポート1000内部に、針の円周(半径)位置を動かすラチェット機構、及び、既に上述したような針の洗浄を可能にするシステムを作動させるバルブを配置するために使用されてもよい。
図11〜13は、針昇降機構1107と針移動機構1122とを有するアクセスポート1100の別の例を図示している。この例では、針昇降機構1107と針移動機構1122を露出するために、カバーは除去されている。円筒形部材1109は、内側円筒状部材1109aと外側円筒状部材1109bとを備え、これらの間に位置するコイルバネ1172を有していてもよい。示されているように、内側円筒状部材1109aは、コイルバネ1172が内側円筒状部材1109aの下向きの動きを付勢するようにして、コイルバネ1172上に配置されている、フランジ1171を有している。
針移動機構1122は、より具体的には、円形ラチェット機構1162によって設けられていてもよく、円形ラチェット機構1162は、内側円筒状部材1109a内に配置されたボタン1167で作動してもよい。ボタン1167は、内側円筒状部材1170の直径にわたり、円環で円筒状部材に接続されている、横材/ブリッジ1170を含んでもよい。アクセスポート1100の内部において、針1126は、ラチェット機構1162の下部(底部)環状円筒状ラチェット部1162bに接続されている針(アーム)支持部材1128によって支持されてもよい。図12を参照すると、針支持部材1118は、その一端で針軸1128に接続され、他端で(図示しない)カテーテル入口にある(図示しない)血管カテーテルに接続されている、流路を収容してもよい。針1126はまた、アーム1174によって支持されている軸1128を含んでもよい。
図13を参照すると、ラチェット機構1162はまた、下部(底部)環状円筒状ラチェット部1162bの上方に配置された上部(頂部)ラチェット部1162aを含んでもよい。上部(頂部)ラチェット部1162aは、ラチェット機構1162の円形外側ラチェット1179に内側円筒状部材1109aを接続する棒1177を受容するための連続した長形穴1164を有する、円筒状壁を有してもよい。ラチェット機構1162は、上端1176aが外側ラチェット1179内に係合し、下端1176bが底側ラチェット部1162bに係合している状態であるねじりバネ1176を含んでもよい。
図12及び図13を参照すると、医療関係者によってフランジ1171が押し下げられると、それがラチェット機構1162の昇降機構1107を作動させて、針支持部材1118を通じて針1126の位置を上に移動(回転)させる。ラチェット機構1108は、針支持部材1118を時計方向に移動(回転)させることによって、針軸1128を摺動させて、針支持部材1118内に形成されている貫通穴1119に通す。貫通穴1119は斜めであるので、針1126は上昇する。ボタン1167を押し下げると、針移動機構1122が作動して棒1177が長形穴スリット1164のうちの1つの中で摺動し、上部(頂部)ラチェット部1162aを時計方向に回転させる。これは、棒1177が下向きに移動して外側ラチェット1179の歯1179bから外れるような動きである。上部(頂部)ラチェット部1162aのラチェット歯1163aは下部(底部)ラチェット部1162bのラチェット歯1163bに係合し、上部(頂部)ラチェット部1162aと下部(底部)ラチェット部1162bとの両方を一緒に回転させて、針1126を針支持部材1118からずらす。外側ラチェット1179は、針1126を上向きに動かすのに十分なエネルギーがねじりバネ1176内に蓄えられるまで、ねじりバネ1176が解放してしまうのを防ぐ機能を果たす。
図14a及び図14bは、図12に示されているようなラチェット機構に使用されるねじりバネの構造の平面図を図示している。ボタン1167を押し下げると、上部(頂部)ラチェット部1162aと下部(底部)ラチェット部1162bとの両方の時計方向の回転力がともに、ねじりバネ1176の下端1176bに加えられる。ボタン1167を十分な回数押し下げると、ラチェット機構1162がねじりバネ1176を解放して、針1126を上方向に動かす。図14a〜図18cはこのプロセスを図示している。ボタン1167を押し下げると、内部にエネルギーを蓄積させるねじりバネ1176の一端1176bが含まれている下部(底部)ラチェット部1162bが、外側ラチェット1179に対して時計方向に回転する。図15を参照すると、針軸支持アーム1174は、(図示しない)カニューレ接続にアクセスするための最上部の環1195に接続されている。針軸1128は、支持アーム1174と針1126との間で接続が行われていることを模式的に図示している。針軸1128は、針の動きが起こることを可能にする適切な可撓性材料または延出可能材料製であってもよい。
図16は、図12に示されているようなラチェット機構1162において、針1126が引込められた位置にある状態の部分斜視図を図示している。ボタン1167を押し下げてラチェット機構1162を駆動させると、外側ラチェット1179は、上部(頂部)ラチェット部1162aに対して時計方向に回転する。
図17a〜17bは、図12に示されているラチェット機構1162に用いられているねじりバネ1176の構造において、外側ラチェット1179によって、時計方向の回転力がねじりバネ1176の上端1176aに加えられたときのの構造の平面図を図示している。ねじりバネ1176に十分にエネルギーが蓄積されると、ラチェット機構1162は止め棒1177をはずすように回転する。ねじりバネの一端1176aがねじりバネ1176の他端1176bを基準として相対的に動くことにより、針1126が前方向に駆動して、針がポートの本体1101から動かされる。図18a〜18cは、図12に示されているラチェット機構1162の構造の側面図を図示している。
図19及び図20は、アクセスポート1200を通る流体の流れが開いているものと閉じているものに対する、アクセスポート1200の動作を図示している。図19は、流体または血液が、針1226の穴からポートを通って本体のカテーテルに流入することができる、開いた構造におけるアクセスポート1200を図示している。アクセスポート1200は、一般的に円形プレート形状の基部1202を備えている本体1201を含んでもよく、基部1202は上を覆うカバー1204を支持し、協働して内部空洞1205を形成している。カバー1204は、その上面/上壁1204aに、針1226a,1226bがカバー1204の上壁1204aを貫通してアクセスポート1200の本体1201へと引込んだり、本体1201から延出したりすることができる、連続した所定の穴1206a,1206bを有してもよい。
アクセスポート100の穴1206a,1206b内に、体液が入ってくること、及び/または組織が内に伸びてくることを防ぐために、アクセスポート1200は、例えばシリコーン等の「自己回復」材料製であってもよいハウジング1203(図示せず。ハウジング103に類似)内に収容されていてもよい。延出されたときには、針1226a,1226bは自己回復材料を突き通してもよい。その後、針1226a,1226bが引込まれると、自己回復材料内に生じた穴1206a,1206bは、アクセスポート1200が体液を通さず、体内組織も内に伸びてこない状態を保つように十分に閉鎖(つまり自己閉鎖)してもよい。あるいは、カバー1204、より具体的にはカバー1204の上壁1204aは、自己回復材料製であってもよく、針1226a,1226bは、カバー1204の上壁1204aを突き通してもよい。自己回復材料内に生じた穴1206a,1206bは、針1226a,1226bが引込まれたときに、アクセスポート1200が体液を通さず、体内組織も内に伸びてこない状態を保つように閉鎖する。
上述の実施形態と同様に、アクセスポート1200の空洞1205は、針昇降機構1207を収容し、針昇降機構1207は、円筒状(昇降)部材1209を備え、円筒状部材1209は、円形の床部1214上で静止及び回転する。上記の実施形態とともに説明されているように、針昇降機構1207の床部1214はまた、針移動機構1222の一部として動作してもよい。基部1202は、床部1214を支持し、針昇降機構1207及び針移動機構1222のための構造上の基礎となるとともに、針移動機構1222の一部を構成している。
針昇降機構1207の円筒状(昇降)部材1209は、雌ネジ1210を有し得るシリンダ1208と、上部フランジ1212aと下部フランジ1212bとによって提供される外周フランジ1212とを備えている。フランジ1212a,1212bは、これらの間にある固定位置に少なくとも1つの永久磁石1216を保持するために使用されてもよい。
針昇降機構1207は、さらに、針支持部材1218を備えている。アクセスポートの針1226a,1226bは、一般的に円形プレートの形状の針支持部材1218によって、シリンダ1208の内側に固定(締結)及び支持されている。針支持部材1218は、その周縁に、シリンダ1208の雌ネジ1210と係合する雄ネジ1224を有してもよい。各針1226a,1226bは、血管にアクセスする内部カテーテル1284a,1284bに流体路を介して接続するための軸1228と、流体や血液を流すために針1226a,1226bの内腔1227へのアクセスを可能にする離脱可能な先端部1230とを含んでもよい。
図20は、流体または血液がアクセスポート1200内を流れることができない、閉じた構造におけるアクセスポート1200を図示している。血管アクセスポート1200の中心において、医療関係者がバルブ機構を使用して、アクセスポート1200を通る流体の流れを開いたり閉じたりしてもよい。ボタン1267を押し下げることでコイルバネ1272を圧縮し、バルブ1297a,1297bを摺動させて流路1229a,1229bを閉じてもよい。
本明細書で検討された針は、あらゆる中空のシリンダまたは軸を含んでもよい。いくつかの例では、針は、標準的な傾斜面、短い傾斜面、非常に短い傾斜面等を含んでもよい。さらに、針は、外径が0.1mmから4.6mmの範囲であって、その範囲の全ての値や増分を含んでいてもよい。また、針は、内径が0.08mmから4.0mmの範囲であって、その範囲の全ての値や増分を含んでいてもよい。さらに、針は、壁の呼び厚さが0.002mmから0.4mmの範囲であって、その範囲の全ての値や増分を含んでいてもよい。針は、ステンレス鋼、セラミック複合材、または他の材料でできていてもよい。さらに、針または針の先端部は、鋭さがなくなってきた場合は取り替え可能であってもよい。
したがって、組成物を対象に注入する方法は、本明細書で説明されているアクセスポートを用いて提供されてもよい。全身治療または局所治療を繰り返し行う必要がある患者に対して、少なくとも1つの針を有するポートを患者に埋め込み、少なくとも1つの内部カテーテルを血管静脈または体内の流路内に挿入したら、以下のステップにしたがって、アクセスポートをアクセスし、治療を提供してもよい。医療関係者がアクチュエータをアクセスポート上に当て、少なくとも1つの針を上昇させてアクセスポートのカバーを突き抜けることになる方向に昇降機構を作動させて、最初の位置で皮膚を突き通す。アクチュエータは外しておく。次に、少なくとも1つの針を、適切な管類またはカテーテルを介して、組成物が入っているシリンジまたは袋に接続する。組成物は、ボーラスや点滴として注入、または所定の速度で輸液される。ひとたび治療が提供されると、アクチュエータを再度アクセスポート上に置いて、少なくとも1つの針を皮膚下に降下させてカバーの下のアクセスポート内に入れる反対の方向に作動させる。アクチュエータが針移動機構と係合して、少なくとも1つの針を、今使用していた位置から、次の治療機会にアクセスポートに再度アクセスしたときに針が新たな位置で突出するように、アクセスポート内の新たな位置へ移動させるまで、アクチュエータは保持されている。
組成物は、薬剤、栄養剤、造影剤、血液、または例えば血漿、血小板、白血球、赤血球などの血液成分等を含んでもよい。さらに、患者は、あらゆる脊椎動物または無脊椎動物を含んでいてもよく、その中には人間、他の哺乳動物、サル、家畜、牛等も含まれている。血管アクセスポートは患者内に埋め込まれていてもよく、カテーテルは静脈内に挿入されてもよい。針は、作動時にポートから延出してもよく、そして皮膚を穿刺してもよい。組成物は、組成物を針内に注入するか、または針を例えばバイアルの栓を貫くこと等で容器に導入するかのいずれかによって、対象に導入されてもよい。組成物の投与が完了したら、針は引込められても、皮膚を通ってポート内の下の位置に戻されてもよい。
あるいは、本明細書で説明されているような血管アクセスポートは、腎機能障害や末期腎不全の患者を含む、血液透析を必要とする患者の血液透析への使用に適している。血液透析を繰り返す必要のある患者に対して、少なくとも2つの針を有する血管アクセスポートを患者内に埋め込み、少なくとも2つの内部カテーテルを患者の血管静脈内に挿入したら、以下のステップにしたがって、ポートにアクセスし、治療を行ってもよい。医療関係者がアクチュエータを血管アクセスポート上に当て、少なくとも2つの針を上昇させて血管アクセスポートのカバーを突き抜けることになる方向に昇降機構を作動させて、最初の位置で皮膚を突き通す。アクチュエータは外しておく。次に、少なくとも2つの針を、適切な管類またはカテーテルを介して血液透析装置に接続するが、一方の針は浄化またはろ過された血液を受け取るためものであり、もう一方の針はきれいになった血液を患者に戻すためのものである。ひとたび治療が提供されると、アクチュエータを再度血管アクセスポート上に置いて、少なくとも2つの針を皮膚下に降下させてカバーの下の血管アクセスポート内に入れる反対の方向に作動させる。アクチュエータが針移動機構と係合して、少なくとも2つの針を、今使用していた位置から、次の治療機会に血管アクセスポートに再度アクセスしたときに針が新たな位置で突出するように、血管アクセスポート内の新たな位置へ移動させるまで、アクチュエータは保持されている。
本明細書で説明されている血管アクセスポートは、実施可能な針の円周(半径)位置のうちの1つを規定して、血管アクセスポートの日常メンテナンスを行うように変更されてもよい。例えば、針は導電材料でできていてもよく、メンテナンス位置を占めているときに、血管アクセスポート内のバッテリーまたはマイクロプロセッサに給電する配線に接続されてもよい。その後、針は、電源に接続されて血管アクセスポートのバッテリーを再充電したり、コンピュータに接続されて血管アクセスポート内のマイクロプロセッサからのデータ転送を行ったり、制御入力に接続されてマイクロプロセッサによって血管アクセスポートを動作させたりすることもできる。
バッテリーは、針を抜取る/引込む動作と、モータによる回転動作とを行う血管アクセスポートに役立ち得る。また、バッテリーは、投薬ポンプまたは組成物を患者に放出する他の機構に電力を供給してもよい。診断情報を臨床医に提供する情報を送信または受信する埋込センサや機器、またはさらに別の埋め込み機器に電力を供給するために、バッテリーがさらに用いられてもよい。提供されたこのような情報は、例えばポート内での針の位置、ポートに施された使用回数、使用間の時間等といった、血管ポートに関する動作情報等を含んでもよい。血管ポートは、このような情報の保存及び処理を行い、ポートを通る流れや他のこのような動作のプログラマブル制御を行い、セキュリティパスワードの識別を必要とすることによりポートの不注意による動作を防ぐ手段を設け、また、ポート、外部機器、または臨床医との有用な相互作用が間接的にできる他の手段を提供するために、マイクロプロセッサを含んでもよい。
あるいは、針は、針本体内部での電気的接続を可能にする、離脱可能で交換可能な先端部を含んでもよい。このような先端部は、適切な洗浄後に再使用してもよいが、好ましくは滅菌された交換用部品と交換されてもよい。電気的接続は、先端部に直接行っても、先端部の取り外し後に露出する機構を介して行ってもよい。
1つ以上のメンテナンス位置はまた、化学物質を供給して、血管アクセスポート内の、薬剤を患者に徐放する貯蔵部、または、例えば燃料電池等の化学電池に供給する貯蔵部を補給するために使用されてもよい。その後、針を、貯蔵部またはバッテリーへと導く別個の流路に接続することができる。いくつかの実施形態では、化学物質は、例えば薬剤を患者に徐放するポンプを動作させる等の圧力を確立する際に使用される気体であってもよい。
あるいは、メンテナンス位置は、例えばバッテリー、血管アクセスポート部品、RFIDチップ、マイクロプロセッサ、カプセル剤等の交換等、血管アクセスポートに機器を供給するために使用されてもよい。
メンテナンス作業を行うために、医療関係者がアクチュエータを血管アクセスポート上に当て、針移動機構を係合させて、少なくとも1つの針をメンテナンス位置に配置することになる方向にポートを作動させる。次に、アクチュエータを、昇降機構を係合させて少なくとも1つの針を上昇させて血管アクセスポートのカバーを突き抜けるように設定して、メンテナンス位置で皮膚を突き通す。アクチュエータは外しておく。次に、少なくとも1つの針を用いて、上述のような要求されたメンテナンスを行う。メンテナンス作業を実行したら、アクチュエータを再度アクセスポート上に置いて、少なくとも1つの針を皮膚下に降下させてカバーの下のアクセスポート内に入れる反対の方向に作動させる。アクチュエータを動作させて針移動機構を係合させ、少なくとも1つの針を、今使用していた位置から、治療機会に血管アクセスポートに再度アクセスしたときに針が必要な治療を行うために指定された位置で突出することになるように、ポート内の新たな位置へ移動させるために、アクチュエータは保持される。
いくつかの方法及び実施形態の上記の記載は、説明のために提示されてきた。余すところなく説明するためのものでも、開示された正確なステップ及び/または形態に請求項を限定するためのものでもなく、上述の教示に鑑みて、明らかに多数の修正や変更が可能である。例えば、他の昇降機構が米国特許第8,377,034号に既に記載されており、その全体が、参照により、本明細書に援用される。このような昇降機構は、本明細書で説明されている血管アクセスポートにおいて互換的に使用されてもよい。本発明の範囲は本明細書に添付された請求項によって定義されるものとする。

Claims (17)

  1. 医療機器であって、
    アクセスポート本体と、離脱可能な針先端部と針の内腔を規定する針軸とを有する少なくとも1つの針と、を有している、埋込可能なアクセスポートと、
    前記アクセスポート本体内に収容され、前記アクセスポート本体に対して延出可能及び引込可能である、前記少なくとも1つの針と、
    前記少なくとも1つの針が延出可能かつ引込可能な前記アクセスポート本体の複数の異なる位置に前記少なくとも1つの針を移動させるように前記アクセスポート本体内で可動である、針移動機構と
    を備え
    前記離脱可能な針先端部は、前記針軸が前記アクセスポートに結合されたまま、前記針軸に取り替え可能に接続できるように構成され、
    前記針の内腔は、前記離脱可能な針先端部が前記針軸に接続されているときに、前記離脱可能な針先端部により閉じられる、医療機器。
  2. 請求項1に記載の医療機器であって、
    前記針移動機構は、前記少なくとも1つの針が弓形経路に沿って回転軸を中心にして回転可能であるように可動である、医療機器。
  3. 請求項2に記載の医療機器であって、
    前記弓形経路は、前記回転軸からほぼ一定の半径によって規定されている、医療機器。
  4. 請求項2に記載の医療機器であって、
    前記アクセスポート本体の前記複数の異なる位置は、前記弓形経路に沿って配列されている、医療機器。
  5. 請求項に記載の医療機器であって、
    前記複数の異なる位置は、前記弓形経路に沿ってほぼ等しく離間されている、医療機器。
  6. 請求項2に記載の医療機器であって、
    前記少なくとも1つの針は、前記弓形経路に沿って回転軸を中心にして、一方向にのみ回転可能である、医療機器。
  7. 請求項1に記載の医療機器であって、
    前記針移動機構は、ラチェット機構を備える、医療機器。
  8. 請求項1に記載の医療機器であって、
    前記アクセスポート本体は、カバーを備え、
    前記少なくとも1つの針は、前記カバーを通じて延出可能かつ引込可能である、医療機器。
  9. 請求項1に記載の医療機器であって、
    前記アクセスポート本体は、隔壁を備え、
    前記少なくとも1つの針は、前記隔壁を通じて延出可能かつ引込可能である、医療機器。
  10. 請求項1に記載の医療機器であって、
    前記アクセスポート本体は、複数の針穴を備え、
    前記少なくとも1つの針は、前記複数の針穴の各々を通じて延出可能かつ引込可能である、医療機器。
  11. 請求項10に記載の医療機器であって、
    前記複数の針穴は、第1針穴と第2針穴とを備え、
    前記針移動機構は、前記少なくとも1つの針を、前記少なくとも1つの針が前記第1針穴と一致して前記第1針穴を通じて延出及び引込を行う第1位置から、前記少なくとも1つの針が前記第2針穴と一致して前記第2針穴を通じて延出及び引込を行う第2位置へと移動させるように前記アクセスポート本体内で可動である、医療機器。
  12. 請求項1に記載の医療機器であって、
    離脱可能な先端部と針の内腔を規定する針軸とを有する前記少なくとも1つの針は、さらに、離脱可能な第1針先端部と第1針内腔を規定する第1針軸とを有する第1針と、離脱可能な第2針先端部と第2針内腔を規定する第2針軸とを有する第2針と、を備え、
    前記針移動機構は、前記第1針が延出可能かつ引込可能な前記アクセスポート本体の複数の異なる第1針の位置に前記第1針を移動させるように、かつ、前記第2針が延出可能かつ引込可能な前記アクセスポート本体の複数の第2針の位置に前記第2針を移動させるように、前記アクセスポート本体内で可動である、医療機器。
  13. 請求項12に記載の医療機器であって、
    前記針移動機構は、前記第1針及び前記第2針が弓形経路に沿って回転軸を中心にして回転可能であるように動作可能である、医療機器。
  14. 請求項1に記載の医療機器であって、さらに、
    前記少なくとも1つの針を前記アクセスポート本体から延出するとともに、前記少なくとも1つの針を前記アクセスポート本体内に引込ませるように前記アクセスポート本体内で可動な針昇降機構を備えている、医療機器。
  15. 請求項14に記載の医療機器であって、
    前記アクセスポート本体は、少なくとも1つの穴を有するカバーを備え、
    前記針昇降機構は、前記少なくとも1つの針を前記アクセスポート本体から前記カバーにおける前記少なくとも1つの穴を通って延出するとともに、前記少なくとも1つの針を前記カバーにおける前記少なくとも1つの穴を通って前記アクセスポート本体に引込ませるように前記アクセスポート本体内で可動である、医療機器。
  16. 請求項14に記載の医療機器であって、
    前記針昇降機構は、前記針昇降機構を回転軸を中心にして回転させることにより、前記少なくとも1つの針を前記アクセスポート本体から延出するとともに、前記少なくとも1つの針を前記アクセスポート本体に引込ませるように可動である、医療機器。
  17. 請求項1に記載の医療機器であって、
    前記針移動機構は、軸を中心にして回転可能であり、
    前記少なくとも1つの針は、前記軸に沿って軸方向に延出可能かつ引込可能である、医療機器。
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