JP6495878B2 - 半導体装置 - Google Patents

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一哉 花岡
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Description

開示する発明は、半導体素子を利用した半導体装置およびその作製方法に関するもので
ある。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
半導体記憶装置としてシリコン基板を用いたダイナミックRAM(DRAM)は良く知
られた製品であり、今日においても各種電子機器の中で使われている。DRAMの中核部
を構成するメモリセルは書き込みおよび読み出し用のトランジスタとキャパシタによって
構成されている。
DRAMは、揮発性記憶装置の一例であり、揮発性記憶装置の別の例としてはSRAM
(Static Random Access Memory)がある。SRAMは、フ
リップフロップなどの回路を用いて記憶内容を保持するため、リフレッシュ動作が不要で
あり、この点においてはDRAMより有利である。しかし、フリップフロップなどの回路
を用いているため、記憶容量あたりの単価が高くなるという問題がある。また、電力の供
給がなくなると記憶内容が失われるという点については、DRAMと変わるところはない
また、揮発性記憶装置の別の例としては、フラッシュメモリがある。フラッシュメモリ
は、トランジスタのゲート電極とチャネル形成領域との間にフローティングゲートを有し
、当該フローティングゲートに電荷を保持させることで記憶を行うため、データの保持期
間は極めて長く(半永久的)、揮発性記憶装置で必要なリフレッシュ動作が不要であると
いう利点を有している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、書き込みの際に生じるトンネル電流によって記憶素子を構成するゲート絶縁膜
が劣化するため、書き込みを何度も繰り返すことで、記憶素子が機能しなくなるという問
題が生じる。この問題を回避するために、例えば、各記憶素子の書き込み回数を均一化す
る手法が採られるが、これを実現するためには、複雑な周辺回路が必要になってしまう。
そして、このような手法を採用しても、根本的な寿命の問題が解消するわけではない。つ
まり、フラッシュメモリは、情報の書き換え頻度が高い用途には不向きである。
また、フローティングゲートに電荷を注入し、または、その電荷を除去するためには、
高い電圧が必要である。さらに、電荷の注入、または除去のためには比較的長い時間を要
し、書き込み、消去の高速化が容易ではないという問題もある。
特開昭57−105889号公報
上述の問題に鑑み、本発明の一態様では、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持
が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置を提供することを目的の一つと
する。また、該半導体装置の消費電力を低減させることを目的の一つとする。
また、デバイス素子の高密度集積化に伴い、個々の素子の微細化が必要となってきてい
る。このような問題を鑑み、占有面積が小さく、微細化を達成した半導体装置を提供する
ことを目的の一とする。
記憶素子の基本構成は、第1のトランジスタ上に、第2のトランジスタが設けられてい
る。第1のトランジスタのゲートと第2のトランジスタのソースおよびドレインの一方と
の間のノードにデータ(電位)を保持する。しかし、第2のトランジスタのゲートが非導
通であっても流れてしまうオフ電流により、保持されたデータが消失してしまうため、オ
フ電流を極めて低くする必要がある。
オフ電流を極めて低くするためには、第2のトランジスタにシリコンよりもバンドギャ
ップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体材料を、チャネル形成領域に
含むことを特徴とする。このような特性を有する半導体材料をチャネル形成領域に含むこ
とで、オフ電流が極めて低いトランジスタを実現することができる。このような半導体材
料としては、例えば、シリコンの約3倍程度の大きなバンドギャップを有する、酸化物半
導体が挙げられる。上記半導体材料を有するトランジスタは、通常のシリコンやゲルマニ
ウムなどの半導体材料で形成されたトランジスタに比べて、オフ電流を極めて低くするこ
とができる。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、水素、水分等の不純物または、該酸化物
半導体に接する絶縁膜からの不純物が、酸化物半導体膜中に入り込むことによってキャリ
アが形成され、該トランジスタの電気特性が変動するという問題がある。そこで、酸化物
半導体に接し酸化物を形成し、該酸化物半導体と該酸化物とを含む多層膜とする。このよ
うな多層膜の構造とすることで、酸化物と酸化物半導体との界面において、界面散乱が起
こりにくい。よって、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジス
タの電界効果移動度が高くなる。また、酸化物半導体に接して酸化物を形成することによ
って、該酸化物半導体膜中に不純物が入り込むのを抑制することができるため、該酸化物
半導体を用いたトランジスタに安定した電気特性を付与し、該トランジスタを用いる高性
記憶素子(半導体装置)を提供することができる。
また、電子ビームを用いてレジストを露光し、現像したマスクを導電膜のエッチングマ
スクとして用いることでパターン幅が小さく、微細にエッチングすることができ、トラン
ジスタの微細化を達成することができる。また、該トランジスタを用いて、微細で高密度
集積化を可能とする半導体装置を提供することができる。
本発明の一態様は、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5
の配線と、を有し、第1の配線と、第2の配線との間には、複数の記憶素子が並列に接続
され、複数の記憶素子の一は、第1のゲート電極、第1のソース電極、および第1のドレ
イン電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極、第2のソース電極、および
第2のドレイン電極を有する第2のトランジスタと、第3のゲート電極、第3のソース電
極、および第3のドレイン電極を有する第3のトランジスタと、を有し、第1のトランジ
スタは、半導体材料を含む基板に設けられ、第2のトランジスタは酸化物半導体膜を含ん
で構成され、酸化物半導体膜は、インジウムを含み、かつ、酸化物膜と接して設けられ、
酸化物膜は、酸化物半導体膜よりも伝導帯下端のエネルギーが真空準位に近く、かつ、イ
ンジウムを含み、第1のゲート電極と、第2のソース電極または第2のドレイン電極の一
方とは、電気的に接続され、第1の配線と、第1のソース電極とは、電気的に接続され、
第1のドレイン電極と、第3のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配線と、第3
のドレイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線と、第2のソース電極または第2の
ドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線と、第2のゲート電極とは、電
気的に接続され、第5の配線と、第3のゲート電極とは電気的に接続された半導体装置で
ある。
また、本発明の他の一態様は、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配
線と、第5の配線と、を有し、第1の配線と、第2の配線との間には、複数の記憶素子が
並列に接続され、複数の記憶素子の一は、第1のゲート電極、第1のソース電極、および
第1のドレイン電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極、第2のソース電
極、および第2のドレイン電極を有する第2のトランジスタと、容量素子と、を有し、第
1のトランジスタは、半導体材料を含む基板に設けられ、第2のトランジスタは酸化物半
導体膜を含んで構成され、酸化物半導体膜は、インジウムを含み、かつ、酸化物膜と接し
て設けられ、酸化物膜は、酸化物半導体膜よりも伝導帯下端のエネルギーが真空準位に近
く、かつ、インジウムを含み、第1のゲート電極と、第2のソース電極または第2のドレ
イン電極の一方と、容量素子の一方の電極は、電気的に接続され、第1の配線と、第1の
ソース電極とは、電気的に接続され、第2の配線と、第1のドレイン電極とは、電気的に
接続され、第3の配線と、第2のソース電極または第2のドレイン電極の他方とは、電気
的に接続され、第4の配線と、第2のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と
、容量素子の他方の電極とは電気的に接続された半導体装置である。
上記構成において、第2のトランジスタのチャネルは、第2のトランジスタのゲート絶
縁膜と離間していることが好ましい。
また、上記構成において、酸化物膜は、伝導帯下端のエネルギーが前記酸化物半導体膜
よりも0.05eV以上2eV以下真空準位に近いことが好ましい。
また、上記構成において、多層膜は、第1の酸化物膜と、第1の酸化物膜に接して設け
られる酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜に接して設けられる第2の酸化物膜と、を有す
ることが好ましい。
また、上記構成において、第2のソース電極は、酸化物半導体膜上に形成された第1の
導電膜と、第1の導電膜上に形成された第2の導電膜と、を有し、第2のドレイン電極は
、酸化物半導体膜上に形成された第3の導電膜と、第1の導電膜上に形成された第4の導
電膜と、を有し、第2の導電膜と第4の導電膜の間隔は、第1の導電膜と第3の導電膜の
間隔よりも狭い。
また、上記構成において、第2のトランジスタのチャネル長は、第2の導電膜と第4の
導電膜の間隔である。
また、上記構成において、第2の導電膜と第4の導電膜の間隔は、電子ビーム露光によ
って決定され、第1の導電膜と第3の導電膜の間隔は、フォトマスクを用いた露光によっ
て決定される。
また、上記構成において、第2のゲート電極のチャネル長方向の長さは、第2の導電膜
と第4の導電膜の間隔より広く、第1の導電膜と第3の導電膜の間隔より狭い。
本発明の一態様では、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書
き込み回数にも制限が無い半導体装置を提供することができる。また、該半導体装置の消
費電力を低減させることができる。さらに、占有面積が小さく、微細化を達成したトラン
ジスタを有する半導体装置を提供することができる。また、高集積化を実現した半導体装
置を提供することができる。
半導体装置を説明するための回路図。 半導体装置を説明するための断面図。 記憶素子の動作を説明するためのタイミングチャート図。 半導体装置の作製工程を説明するための断面図。 半導体装置の作製工程を説明するための断面図。 半導体装置の作製工程を説明するための断面図。 半導体装置の作製工程を説明するための断面図。 多層膜の構造を説明するための断面図。 半導体装置を説明するための回路図。 記憶素子を説明するための回路図。 半導体装置を説明するための回路図。 記憶素子を説明するための回路図。 nodeAと第5の配線電位の関係を示す図。 半導体装置を説明するための断面図。 半導体装置を説明するための回路図。 記憶素子を説明するための回路図。 半導体装置を説明するための回路図。 記憶素子を説明するための回路図。 記憶素子を説明するための回路図。 トランジスタの断面図。 トランジスタの作製方法を説明するための図。 多層膜のバンド構造を説明するための図。 多層膜のバンド構造を説明するための図。 多層膜のバンド構造を説明するための図。 ターゲットからスパッタリング粒子を剥離させる様子を示した図。 In−Ga−Zn酸化物の結晶構造の一例を示す図。 スパッタリング粒子が被成膜面に到達し、堆積する様子を示した模式図。 電子機器を説明する図。 多層膜を用いたトランジスタのオフ電流測定結果を示す図。 基本の記憶素子の構成と素子特性について説明する図。
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以
下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態およ
び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以
下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、
実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。よって、必ずしも、図面等に
開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の
混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
なお、本明細書等において「上」や「下」という用語は、構成要素の位置関係が「直上
」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁膜上のゲー
ト電極」の表現であれば、ゲート絶縁膜とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを
除外しない。
また、本明細書等において「電極」や「配線」という用語は、これらの構成要素を機能
的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることが
あり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」
や「配線」が一体となって形成されている場合などをも含む。
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合
や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このた
め、本明細書等においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いる
ことができるものとする。
また、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続され
ている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間で
の電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限はない。
また、本明細書等で用いる「チャネル」とは、キャリアが流れる部分のことをいい、「
チャネル形成領域」とは、チャネルが形成されうる領域のことをいう。また、本明細書等
において、チャネル長方向とは、チャネル形成領域において電流が流れる方向のことであ
り、ソース電極からドレイン電極へと向かう方向、またはその反対の方向のことをいう。
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の構成および作製方法につ
いて、図1乃至図8を参照して説明する。
まず、基本の記憶素子の構成と素子特性について図30を用いて説明する。
図30(A)は記憶素子の基本構造であり、トランジスタ160(第1のトランジスタ
)と、トランジスタ162(第2のトランジスタ)とで構成される。
ここで、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極または
ドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、第1の配線SL(ソース線)
トランジスタ160のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配線BL(ビット線)
とトランジスタ160のドレイン電極とは、電気的に接続されている。そして、第3の配
線S1(第1信号線)とトランジスタ162のソース電極またはドレイン電極の他方とは
、電気的に接続され、第4の配線S2(第2信号線)と、トランジスタ162のゲート電
極とは、電気的に接続されている。
酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ160は十分な高速動作が可能なため、
該トランジスタを用いることにより、記憶内容の読み出しなどを高速に行うことが可能で
ある。また、酸化物半導体を用いたトランジスタ162は、オフ電流が極めて小さいとい
う特徴を有している。このため、トランジスタ162をオフ状態とすることで、トランジ
スタ160のゲート電極の電位を極めて長時間にわたって保持することが可能である。
第4の配線の電位を、トランジスタ162がオン状態となる電位として、トランジスタ
162をオン状態とする。これにより、第3の配線の電位が、トランジスタ160のゲー
ト電極に与えられる。その後、第4の配線の電位を、トランジスタ162がオフ状態とな
る電位として、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、トランジスタ160の
ゲート電極の電位がnodeAに保持される。
このとき、nodeAに保持されている電位が2VならHigh、0VならLowとす
ると図30(B)に示すように、Highのときは、ゲート電圧Vgが0Vの場合にドレ
イン電流Idが流れ、Lowのときゲート電圧Vgが0Vの場合にドレイン電流Idが流
れない。本発明の一態様の記憶素子は、このような素子特性を有している。
<半導体装置の回路構成>
半導体装置が有する記憶素子(以下、メモリセルとも記す)の回路図の一例を図1に示
す。図1に示すメモリセル200は、第1の配線SL(ソース線)と、第2の配線BL(
ビット線)と、第3の配線S1(第1信号線)と、第4の配線S2(第2信号線)と、第
5の配線WL(ワード線)と、トランジスタ160(第1のトランジスタ)と、トランジ
スタ162(第2のトランジスタ)と、トランジスタ161(第3のトランジスタ)と、
から構成されている。トランジスタ160およびトランジスタ161は、酸化物半導体以
外の材料を用いて形成されており、トランジスタ162は酸化物半導体を用いて形成され
ている。
ここで、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極または
ドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、第1の配線と、トランジスタ
160のソース電極とは、電気的に接続され、トランジスタ160のドレイン電極と、ト
ランジスタ161のソース電極とは、電気的に接続されている。そして、第2の配線と、
トランジスタ161のドレイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線と、トランジス
タ162のソース電極またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線と
、トランジスタ162のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と、トランジス
タ161のゲート電極とは電気的に接続されている。
また、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタ162に安定した電気特性
を付与するためには、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低減し、高純度真性化することが
有効である。高純度真性化とは、酸化物半導体膜を真性または実質的に真性にすることを
いう。なお、実質的に真性という場合、酸化物半導体膜のキャリア密度は、1×1017
cm未満、好ましくは1×1015cm未満、さらに好ましくは1×1013cm
未満である。酸化物半導体膜において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外
の金属元素は不純物となる。酸化物半導体膜中の不純物濃度を低減するためには、近接す
る膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。
例えば、酸化物半導体中でシリコンは、不純物準位を形成する。また、該不純物準位が
トラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。具体的には、酸化物
半導体膜のシリコン濃度を1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×10
atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とす
る。なお、トランジスタのゲート絶縁膜としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒
化シリコン、窒化酸化シリコンなど、シリコンを含む絶縁膜が多く用いられるため、酸化
物半導体膜のチャネルをゲート絶縁膜と離間した層に形成することが好ましい。
また、酸化物半導体膜中で水素および窒素は、ドナー準位を形成し、キャリア密度を増
大させてしまう。
また、ゲート絶縁膜と酸化物半導体膜との界面にチャネルが形成される場合、該界面で
界面散乱が起こり、トランジスタの電界効果移動度が低くなる。このような観点からも、
トランジスタのチャネルは、酸化物半導体膜の、ゲート絶縁膜と離間した層に形成される
ことが好ましい。
トランジスタのチャネルをゲート絶縁膜から離すためには、例えば、以下のような構成
とすればよい。
酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜およびゲート絶縁膜の間に設けられた酸化物膜と、
を有する。酸化物膜は、酸化物半導体膜を構成する元素一種以上から構成され、伝導帯下
端のエネルギーが酸化物半導体膜よりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1e
V以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0
.4eV以下真空準位に近い酸化物膜である。なお、酸化物半導体膜は少なくともインジ
ウムを含むと、キャリア移動度が高くなるため好ましい。このとき、ゲート電極に電界を
印加すると、伝導帯下端のエネルギーが小さい酸化物半導体膜にチャネルが形成される。
即ち、酸化物半導体膜とゲート絶縁膜との間に酸化物膜を有することによって、トランジ
スタのチャネルをゲート絶縁膜と接しない層(ここでは酸化物半導体膜)に形成すること
ができる。また、酸化物半導体膜を構成する元素一種以上から酸化物膜が構成されるため
、酸化物半導体膜と酸化物膜との界面において、界面散乱が起こりにくい。従って、該界
面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジスタの電界効果移動度を高く
することができる。
次に、回路の動作について具体的に説明する。
メモリセル200への書き込みを行う場合は、第1の配線を0V、第5の配線を0V、
第2の配線を0V、第4の配線を2Vとする。データ”1”を書き込む場合には第3の配
線を2V、データ”0”を書き込む場合には第3の配線を0Vとする。このとき、トラン
ジスタ161はオフ状態、トランジスタ162はオン状態となる。なお、書き込み終了に
あたっては、第3の配線の電位が変化する前に、第4の配線を0Vとして、トランジスタ
162をオフ状態にする。
その結果、データ”1”書き込み後にはトランジスタ160のゲート電極に接続される
ノード(以下、nodeA)の電位が約2V、データ”0”書き込み後にはnodeAの
電位が約0Vとなる。nodeAには、第3の配線の電位に応じた電荷が蓄積されるが、
トランジスタ162のオフ電流が極めて小さい、あるいは実質0であることから、トラン
ジスタ160のゲート電極の電位は長時間にわたって保持される。書き込み動作のタイミ
ングチャートの一例を図3に示す。
次に、メモリセルの読み出しを行う場合は、第1の配線を0V、第5の配線を2V、第
4の配線を0V、第3の配線を0Vとし、第2の配線に接続されている読み出し回路を動
作状態とする。このとき、トランジスタ161はオン状態、トランジスタ162はオフ状
態となる。
データ”0”、つまりnodeAが約0Vの状態であればトランジスタ160はオフ状
態であるから、第2の配線と第1の配線間の抵抗は高い状態となる。一方、データ”1”
、つまりnodeAが約2Vの状態であればトランジスタ160がオン状態であるから、
第2の配線と第1の配線間の抵抗は低い状態となる。読み出し回路は、メモリセルの抵抗
状態の違いから、データ”0”,”1”を読み出すことができる。なお、書き込み時の第
2の配線は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位に充電されていても構わ
ない。読み出し時の第3の配線は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位に
充電されていても構わない。
なお、データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆であっても構わない。
また、上述した動作電圧は一例である。動作電圧は、データ”0”の場合にトランジスタ
160がオフ状態となり、データ”1”の場合にトランジスタ160がオン状態となるよ
うに、また、書き込み時にトランジスタ162がオン状態、書き込み時以外ではオフ状態
となるように、また、読み出し時にトランジスタ161がオン状態となるように選べばよ
い。特に2Vの代わりに、周辺の論理回路の電源電位VDDを用いてもよい。
なお、上記説明は、電子を多数キャリアとするnチャネル型トランジスタを用いる場合
についてのものであるが、nチャネル型トランジスタに代えて、正孔を多数キャリアとす
るpチャネル型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。
<半導体装置の断面構成>
図2は、上記半導体装置の構成の一例である。図2には、半導体装置の断面を示す。こ
こで、図2に示される半導体装置は、下部に酸化物半導体以外の材料を用いたトランジス
タ160およびトランジスタ161を有し、上部に酸化物半導体を用いたトランジスタ1
62を有するものである。なお、トランジスタ160、トランジスタ161およびトラン
ジスタ162は、いずれもn型トランジスタとして説明するが、p型トランジスタを採用
しても良い。特に、トランジスタ160およびトランジスタ161は、p型とすることが
容易である。
図2に示すように、トランジスタ160およびトランジスタ161は基板100上に形
成されている。基板100は、例えば、n型またはp型の導電型を有する単結晶シリコン
基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、ZnS
e基板等)等を用いることができる。図2では、n型の導電性を有する単結晶シリコン基
板を用いた場合を例示している。
トランジスタ160およびトランジスタ161は、素子分離絶縁膜101により、電気
的に分離されている。素子分離絶縁膜101の形成には、選択酸化法(LOCOS(Lo
cal Oxidation of Silicon)法)またはトレンチ分離法等を用
いることができる。なお、基板100としてSOI(Silicon On Insul
ator)型の半導体基板を用いてもよい。この場合、素子分離は、半導体層をエッチン
グにより素子ごとに分割すればよい。
トランジスタ162は、上述した、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジス
タであり、当該トランジスタは、安定した電気特性が付与されている。
トランジスタ160は、高濃度不純物領域107および低濃度不純物領域108と、ゲ
ート電極109と、基板100とゲート電極109の間に設けられたゲート絶縁膜106
aと、を有する。ゲート電極109の周囲にはサイドウォール絶縁膜136が形成されて
いる。
トランジスタ161は、高濃度不純物領域103および低濃度不純物領域104と、ゲ
ート電極105と、基板100とゲート電極105の間に設けられたゲート絶縁膜106
bと、を有する。ゲート電極105の周囲にはサイドウォール絶縁膜135が形成されて
いる。
トランジスタ162は、多層膜130と、多層膜130上にソース電極となる導電膜1
32aおよび導電膜133aと、多層膜130上にドレイン電極となる導電膜132bお
よび導電膜133bと、多層膜130、導電膜133aおよび導電膜133b上のゲート
絶縁膜131と、ゲート絶縁膜131上の多層膜130と重畳し、かつ、導電膜133a
および導電膜133bと重畳しない領域に設けられたゲート電極134とを有する。
トランジスタ160およびトランジスタ161上には、絶縁膜116が設けられている
。絶縁膜116には開口部が形成されており、上記開口部に、高濃度不純物領域103に
接して配線110および配線111が形成され、高濃度不純物領域107に接して配線1
12および配線113が形成されている。また、ゲート電極109に接して配線115が
形成されている。
そして、配線110は、絶縁膜116上に形成された配線117に接続されており、配
線111および配線112は、絶縁膜116上に形成された配線118に接続されており
、配線113は、絶縁膜116上に形成された配線120に接続されており、配線115
は、絶縁膜116上に形成された配線119に接続されている。
配線117乃至配線120上には、絶縁膜121が形成されている。絶縁膜121には
開口部が形成されており、絶縁膜121上には、上記開口部において配線119に接続さ
れた配線122と、配線123とが形成されている。また、配線122および配線123
上には、絶縁膜124が形成されている。
絶縁膜124上に、酸化物半導体膜130bを含む多層膜130を有するトランジスタ
162が形成されている。トランジスタ162は、多層膜130上にソース電極として機
能する導電膜132aおよび導電膜133aと、ドレイン電極として機能する導電膜13
2bおよび導電膜133bと、ゲート絶縁膜131と、並びにゲート電極134とを有す
る。導電膜132aは、絶縁膜124に設けられた開口部において、配線122に接続さ
れている。
配線123が、絶縁膜124を間に挟んで多層膜130と重なる位置に設けられている
。配線123は、トランジスタ162のバックゲートとしての機能を有する。配線123
は、必要に応じて設けられる。
トランジスタ162は、絶縁膜144および絶縁膜145に覆われている。絶縁膜14
4としては、絶縁膜145から放出された水素が多層膜130に侵入するのを防ぐ機能を
有する絶縁膜が好ましい。
導電膜146が絶縁膜145上に設けられている。ゲート絶縁膜131、絶縁膜144
および絶縁膜145に設けられた開口部において、導電膜146は導電膜133bに接し
ている。
<半導体装置の作製方法>
次に、上記半導体装置の作製方法の一例について説明する。以下では、はじめに下部の
トランジスタ160およびトランジスタ161の作製方法について図4および図5を参照
して説明し、その後、上部のトランジスタ162の作製方法について図6および図7を参
照して説明する。
<下部のトランジスタの作製方法>
まず、半導体材料を含む基板100を用意する(図4(A)参照)。半導体材料を含む
基板100としては、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基
板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することがで
きる。ここでは、半導体材料を含む基板100として、単結晶シリコン基板を用いる場合
の一例について示すものとする。なお、一般に「SOI基板」は、絶縁表面上にシリコン
半導体層が設けられた構成の基板をいうが、本明細書等においては、絶縁表面上にシリコ
ン以外の材料からなる半導体層が設けられた構成の基板をも含む概念として用いる。つま
り、「SOI基板」が有する半導体層は、シリコン半導体層に限定されない。また、SO
I基板には、ガラス基板などの絶縁基板上に絶縁層を介して半導体層が設けられた構成の
ものが含まれるものとする。
基板100上には、素子分離絶縁膜を形成するためのマスクとなる保護膜170を形成
する(図4(A)参照)。保護膜170としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコン
、窒化酸化シリコンなどを材料とする絶縁膜を用いることができる。なお、この工程の前
後において、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、n型の導電性を付与する不
純物元素やp型の導電性を付与する不純物元素を基板100に添加してもよい。半導体が
シリコンの場合、n型の導電性を付与する不純物としては、例えば、リンや砒素などを用
いることができる。また、p型の導電性を付与する不純物としては、例えば、硼素、アル
ミニウム、ガリウムなどを用いることができる。
次に、上記の保護膜170をマスクとして用いてエッチングを行い、保護膜170に覆
われていない領域(露出している領域)の基板100の一部を除去する。これにより分離
された半導体領域171が形成される(図4(B)参照)。当該エッチングには、ドライ
エッチングを用いるのが好適であるが、ウェットエッチングを用いても良い。エッチング
ガスやエッチング液については被エッチング材料に応じて適宜選択することができる。
次に、半導体領域171を覆うように絶縁層を形成し、半導体領域171に重畳する領
域の絶縁層を選択的に除去することで、素子分離絶縁膜101を形成する(図4(B)参
照)。当該絶縁膜は、酸化シリコンや窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを用いて形成
される。絶縁層の除去方法としては、CMPなどの研磨処理やエッチング処理などがある
が、そのいずれを用いても良い。なお、半導体領域171の形成後、または、素子分離絶
縁膜101の形成後には、上記保護膜170を除去する。
次に、半導体領域171上に絶縁膜を形成し、当該絶縁膜上に導電材料を含む層を形成
する。
絶縁膜は後のゲート絶縁膜となるものであり、CVD法やスパッタリング法等を用いて
得られる酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x
>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、
y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>
0))等を含む膜の単層構造または積層構造とすると良い。他に、高密度プラズマ処理や
熱酸化処理によって、半導体領域171の表面を酸化、窒化することにより、上記絶縁膜
を形成してもよい。高密度プラズマ処理は、例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガ
ス、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを用いて行うことができる
。また、絶縁膜の厚さは特に限定されないが、例えば、1nm以上100nm以下、好ま
しくは10nm以上50nm以下とすることができる。
導電材料を含む層は、アルミニウムや銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材
料を用いて形成することができる。また、導電材料を含む多結晶シリコンなどの半導体材
料を用いて、導電材料を含む層を形成しても良い。形成方法も特に限定されず、蒸着法、
CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる
。なお、本実施の形態では、導電材料を含む層を、金属材料を用いて形成する場合の一例
について示すものとする。
その後、絶縁膜および導電材料を含む層を選択的にエッチングして、ゲート絶縁膜10
6a、ゲート絶縁膜106b、ゲート電極105およびゲート電極109を形成する(図
4(C)参照)。
次に、半導体領域171にリン(P)やヒ素(As)などを添加して、浅い接合深さの
低濃度不純物領域104および低濃度不純物領域108を形成する(図4(C)参照)。
なお、ここではn型トランジスタを形成するためにリンやヒ素を添加しているが、p型ト
ランジスタを形成する場合には、硼素(B)やアルミニウム(Al)などの不純物元素を
添加すればよい。なお、低濃度不純物領域104および低濃度不純物領域108の形成に
より、半導体領域171のゲート絶縁膜106aおよびゲート絶縁膜106bの下部には
、チャネル形成領域172およびチャネル形成領域173が形成される(図4(C)参照
)。ここで、添加する不純物の濃度は適宜設定することができるが、半導体素子が高度に
微細化される場合には、その濃度を高くすることが望ましい。
次に、サイドウォール絶縁膜135およびサイドウォール絶縁膜136を形成する(図
4(D)参照)。サイドウォール絶縁膜135およびサイドウォール絶縁膜136は、ゲ
ート絶縁膜106a、ゲート絶縁膜106b、ゲート電極105およびゲート電極109
を覆うように絶縁膜を形成した後に、当該絶縁膜に異方性の高いエッチング処理を適用す
ることで、自己整合的に形成することができる。また、この際に、当該絶縁膜を部分的に
エッチングして、ゲート電極105およびゲート電極109の上面を露出させると良い。
次に、ゲート電極105、ゲート電極109、低濃度不純物領域104、低濃度不純物
領域108、サイドウォール絶縁膜135およびサイドウォール絶縁膜136等を覆うよ
うに、絶縁膜を形成する。そして、低濃度不純物領域104および低濃度不純物領域10
8と接する領域に、リン(P)やヒ素(As)などを添加して、高濃度不純物領域103
および高濃度不純物領域107を形成する(図5(A)参照)。その後、上記絶縁膜を除
去する。
次に、上述の工程により形成された各構成を覆うように、絶縁膜116を形成する(図
5(B)参照)。絶縁膜116は、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸
化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル等の無機絶縁材料を用いて形成すること
ができる。また、ポリイミド、アクリル等の有機絶縁材料を用いて形成することも可能で
ある。なお、ここでは、絶縁膜116の形成後には、その表面を、CMPやエッチング処
理などによって平坦化しておくことが望ましい。
その後、上記絶縁膜116に、高濃度不純物領域103、高濃度不純物領域107およ
びゲート電極109にまで達する開口を形成し、当該開口に、ソース電極またはドレイン
電極となる配線110、配線111、配線112および配線113と、ゲート電極109
と接続する配線115を形成する(図5(C)参照)。配線110、配線111、配線1
12、配線113および配線115は、例えば、開口を含む領域にPVD法やCVD法な
どを用いて導電膜を形成した後、エッチング処理やCMPなどの方法を用いて、上記導電
膜の一部を除去することにより形成することができる。
なお、上記導電膜の一部を除去して配線110、配線111、配線112、配線113
および配線115を形成する際には、その表面が平坦になるように加工することが望まし
い。例えば、開口を含む領域にチタン膜や窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口に埋め
込むようにタングステン膜を形成する場合には、その後のCMPによって、不要なタング
ステン、チタン、窒化チタンなどを除去すると共に、その表面の平坦性を向上させること
ができる。このように、配線110、配線111、配線112、配線113および配線1
15を含む表面を平坦化することにより、後の工程において、良好な電極、配線、絶縁膜
、半導体膜などを形成することが可能となる。
配線110、配線111、配線112、配線113および配線115として用いること
ができる材料について特に限定はなく、各種導電材料を用いることができる。例えば、モ
リブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、ス
カンジウムなどの導電性材料を用いることができる。
次に、配線110と接続する配線117、配線111および配線112と接続する配線
118、配線115と接続する配線119、および配線114と接続する配線120を形
成する。(図5(D)参照)。配線110、配線111、配線112、配線113および
配線115は、ゲート電極105等と同様の方法および材料を用いて形成することができ
る。
次に、上述の工程により形成された各構成を覆うように、絶縁膜121を形成する(図
5(D)参照)。絶縁膜121は、絶縁膜116と同様の方法および材料を用いて形成す
ることができる。また、絶縁膜116上にはトランジスタ162が形成されるため、水素
をブロックする窒化絶縁膜にすることが好ましい。
以上により、半導体材料を含む基板100を用いたトランジスタ160およびトランジ
スタ161が形成される。なお、上記工程の後には、さらに電極や配線、絶縁膜などを形
成しても良い。配線の構造として、絶縁膜および導電膜の積層構造でなる多層配線構造を
採用することにより、高度に集積化した半導体装置を提供することができる。
<上部のトランジスタの作製方法>
次に、図6および図7を用いて、絶縁膜121上にトランジスタ162を作製する工程
について説明する。なお、図6および図7は、絶縁膜121上の各種電極や、トランジス
タ162などの作製工程を示すものであるから、トランジスタ162の下部に存在するト
ランジスタ160およびトランジスタ161については省略している。
まず、絶縁膜121に、配線119にまで達する開口を形成し、当該開口に、配線12
2を形成する。また、後に形成される絶縁膜124を間に挟んで多層膜130と重なる位
置に配線123を配線122と同時に形成する。配線123は、トランジスタ160のバ
ックゲートとしての機能を有する。配線123は、必要に応じて設けられる。(図6(A
)参照)。配線122および配線123は、配線110などと同様の方法および材料を用
いて形成することができる。
次に、絶縁膜121、配線122および配線123を覆う絶縁膜124を形成する(図
6(A)参照)。ここでは、絶縁膜124の形成後には、その表面を、CMPやエッチン
グ処理などによって平坦化しておくことが望ましい。絶縁膜124は、酸化シリコン、酸
化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸
化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウムなどで形成することができる
。なお、絶縁膜124として、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化イッ
トリウム、酸化アルミニウムなどで形成することで、トランジスタ160およびトランジ
スタ161側(下部)から不純物、代表的にはアルカリ金属、水、水素などが、多層膜1
30に拡散することを抑制できる。絶縁膜124は、スパッタリング法またはCVD法を
用いて形成することができる。
次に、絶縁膜124上の配線123と重畳する領域に酸化物半導体膜を含む多層膜13
0を形成する(図6(B)参照)。
多層膜130について、図8を用いて説明する。
図8に示す多層膜130は、酸化物膜130aと、酸化物膜130a上に設けられた酸
化物半導体膜130bと、酸化物半導体膜130b上に設けられた酸化物膜130cと、
を有する。なお、以下では多層膜130が三層である場合について説明するが、多層膜1
30が二層または四層以上であっても構わない。例えば、多層膜130は、酸化物膜13
0aと、酸化物膜130a上に設けられた酸化物半導体膜130bと、を有する構成とし
てもよいし、多層膜130は、酸化物半導体膜130bと、酸化物半導体膜130b上に
設けられた酸化物膜130cと、を有する構成としてもよい。
酸化物膜130aは、酸化物半導体膜130bを構成する元素一種または二種以上から
構成され、酸化物半導体膜130bよりも電子親和力が0.2eV以上小さい酸化物膜で
ある。このとき、ゲート電極に電界を印加すると、多層膜のうち、電子親和力の大きい酸
化物半導体膜130bにチャネルが形成される。即ち、酸化物半導体膜130bとゲート
絶縁膜との間に酸化物膜130aを有することによって、トランジスタのチャネルをゲー
ト絶縁膜と接しない層(ここでは酸化物半導体膜130b)に形成することができる。ま
た、酸化物半導体膜130bを構成する元素一種以上から酸化物膜130aが構成される
ため、酸化物半導体膜130bと酸化物膜130aとの界面において、界面散乱が起こり
にくい。従って、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジスタの
電界効果移動度を高くすることができる。
また、酸化物膜130cは、酸化物半導体膜130bを構成する元素一種または二種以
上から構成され、酸化物半導体膜130bよりも電子親和力が0.2eV以上小さい酸化
物膜である。このとき、ゲート電極に電界を印加すると、多層膜のうち、電子親和力の大
きい酸化物半導体膜130bにチャネルが形成される。即ち、酸化物半導体膜130bと
ゲート絶縁膜との間に酸化物膜130cを有することによって、トランジスタのチャネル
をゲート絶縁膜と接しない層(ここでは酸化物半導体膜130b)に形成することができ
る。また、酸化物半導体膜130bを構成する元素一種以上から酸化物膜130cが構成
されるため、酸化物半導体膜130bと酸化物膜130cとの界面において、界面散乱が
起こりにくい。従って、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジ
スタの電界効果移動度を高くすることができる。
例えば、酸化物膜130aおよび酸化物膜130cは、酸化物半導体膜130bと同じ
元素(インジウム、ガリウム、亜鉛)を主成分とし、ガリウムを酸化物半導体膜130b
よりも高い原子数比で含む酸化物膜とすればよい。具体的には、酸化物膜130aおよび
酸化物膜130cとして、酸化物半導体膜130bよりもガリウムを1.5倍以上、好ま
しくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上高い原子数比で含む酸化物膜を用いる。ガリ
ウムは酸素と強く結合するため、酸素欠損が酸化物膜に生じることを抑制する機能を有す
る。即ち、酸化物膜130aおよび酸化物膜130cは酸化物半導体膜130bよりも酸
素欠損が生じにくい酸化物膜である。
また、酸化物半導体膜130bがIn−Ga−Zn酸化物であり、酸化物膜130aも
In−Ga−Zn酸化物であるとき、酸化物膜130aをIn:Ga:Zn=x:y
:z[原子数比]、酸化物半導体膜130bをIn:Ga:Zn=x:y:z
原子数比]とすると、y/xがy/xよりも大きくなる酸化物膜130aおよび
酸化物半導体膜130bを選択する。好ましくは、y/xがy/xよりも1.5
倍以上大きくなる酸化物膜130aおよび酸化物半導体膜130bを選択する。さらに好
ましくは、y/xがy/xよりも2倍以上大きくなる酸化物膜130aおよび酸
化物半導体膜130bを選択する。より好ましくは、y/xがy/xよりも3倍
以上大きくなる酸化物膜130aおよび酸化物半導体膜130bを選択する。
また、多層膜130は、ゲート絶縁膜および酸化物半導体膜130bと接し、酸化物半
導体膜130bを構成する元素一種以上から構成され、酸化物半導体膜130bよりも電
子親和力が0.2eV以上小さい酸化物膜130cを含んでもよい。このとき、ゲート電
極に電界を印加しても、酸化物膜130cにはチャネルが形成されない。また、酸化物半
導体膜130bを構成する元素一種以上から酸化物膜130cが構成されるため、酸化物
半導体膜130bと酸化物膜130cとの界面に界面準位を形成しにくい。該界面が界面
準位を有すると、該界面をチャネル形成領域としたしきい値電圧の異なる他のトランジス
タが形成され、トランジスタの見かけ上のしきい値電圧が変動することがある。従って、
酸化物膜130cを設けることにより、トランジスタのしきい値電圧などの電気特性のば
らつきを低減することができる。
また、酸化物半導体膜130bがIn−Ga−Zn酸化物であり、酸化物膜130cも
In−Ga−Zn酸化物であるとき、酸化物半導体膜130bをIn:Ga:Zn=x
:y:z[原子数比]、酸化物膜130cをIn:Ga:Zn=x3:3:
原子数比]とすると、y/xがy/xよりも大きくなる酸化物半導体膜130b
および酸化物膜130cを選択する。好ましくは、y/xがy/xよりも1.5
倍以上大きくなる酸化物半導体膜130bおよび酸化物膜130cを選択する。さらに好
ましくは、y/xがy/xよりも2倍以上大きくなる酸化物半導体膜130bお
よび酸化物膜130cを選択する。より好ましくは、y/xがy/xよりも3倍
以上大きくなる酸化物半導体膜130bおよび酸化物膜130cを選択する。
酸化物膜130aの厚さは、1nm以上50nm以下、好ましくは5nm以上50nm
以下、さらに好ましくは10nm以上40nm以下とする。また、酸化物半導体膜130
bの厚さは、1nm以上50nm以下、好ましくは3nm以上40nm以下、さらに好ま
しくは5nm以上30nm以下とする。酸化物膜130cの厚さは、1nm以上50nm
以下、好ましくは3nm以上40nm以下、さらに好ましくは5nm以上30nm以下と
する。
また、酸化物膜130a、酸化物半導体膜130bおよび酸化物膜130cに、結晶性
の異なる酸化物半導体を適用してもよい。すなわち、非晶質酸化物半導体、ならびに単結
晶酸化物半導体、多結晶酸化物半導体およびCAAC−OS(CAAC−OSの詳細につ
いては、実施の形態7を参照。)などの結晶質酸化物半導体を適宜組み合わせた構成とし
てもよい。また、酸化物膜130a、酸化物半導体膜130bおよび酸化物膜130cの
いずれか一に非晶質酸化物半導体を適用すると、酸化物半導体膜の内部応力や外部からの
応力を緩和し、トランジスタの特性ばらつきが低減される。
例えば、酸化物膜130aは、非晶質酸化物半導体または結晶質酸化物半導体であるこ
とが好ましい。また、チャネル形成領域となりうる酸化物半導体膜130bは結晶質酸化
物半導体であることが好ましい。また、酸化物膜130cは、非晶質酸化物半導体である
ことが好ましい。酸化物膜130a、酸化物半導体膜130bおよび酸化物膜130cが
順に積層された多層膜130を有する構造とすることで、トランジスタの経時変化や信頼
性試験によるしきい値電圧の変動量を低減することができる。
酸化物半導体膜を含む多層膜130に適用可能な酸化物半導体として、エネルギーギャ
ップが2.5eV以上、好ましくは2.7eV以上、より好ましくは3eV以上である。
このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタ16
2のオフ電流を低減することができる。オフ電流の低減により、記憶素子が電位を長期間
保持することができる。多層膜130の詳細については、実施の形態8にて詳しく説明す
る。
酸化物半導体膜を含む多層膜130としては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸
化亜鉛、二種類の金属を含む酸化物であるIn−Zn酸化物、Sn−Zn酸化物、Al−
Zn酸化物、Zn−Mg酸化物、Sn−Mg酸化物、In−Mg酸化物、In−Ga酸化
物、三種類の金属を含む酸化物であるIn−Ga−Zn酸化物(IGZOとも表記する)
、In−Al−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、Sn−Ga−Zn酸化物、Al−
Ga−Zn酸化物、Sn−Al−Zn酸化物、In−Zr−Zn酸化物、In−Ti−Z
n酸化物、In−Sc−Zn酸化物、In−Y−Zn酸化物、In−La−Zn酸化物、
In−Ce−Zn酸化物、In−Pr−Zn酸化物、In−Nd−Zn酸化物、In−S
m−Zn酸化物、In−Eu−Zn酸化物、In−Gd−Zn酸化物、In−Tb−Zn
酸化物、In−Dy−Zn酸化物、In−Ho−Zn酸化物、In−Er−Zn酸化物、
In−Tm−Zn酸化物、In−Yb−Zn酸化物、In−Lu−Zn酸化物、In−H
f−Zn酸化物、四種類の金属を含む酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn酸化物、In
−Al−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Al−Zn酸化物を用いることができる。
ここで、In−Ga−Zn酸化物とは、In、GaおよびZnを主成分として含む酸化
物という意味であり、In、Ga、Znの原子数比は問わない。
また、酸化物半導体として、InMO(ZnO)(m>0)で表記される材料を用
いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、MnおよびCoから選ばれた一の金属元素または
複数の金属元素を示す。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=2:2:1、またはIn
:Ga:Zn=3:1:2の原子数比のIn−Ga−Zn酸化物を用いることができる。
または、In:Sn:Zn=1:1:1、In:Sn:Zn=2:1:3またはIn:S
n:Zn=2:1:5の原子数比のIn−Sn−Zn酸化物を用いるとよい。なお、金属
酸化物の原子数比は、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス20%の変動を含む。
また、酸化物半導体膜を含む多層膜130に含まれる欠陥、代表的には酸素欠損はでき
る限り低減されていることが好ましい。例えば、磁場の向きを膜面に対して平行に印加し
た電子スピン共鳴法によるg値=1.93のスピン密度(酸化物半導体膜に含まれる欠陥
密度に相当する)は、測定器の検出下限以下まで低減されていることが好ましい。
また、酸化物半導体膜を含む多層膜130は、水素をできる限り低減されていることが
好ましい。具体的には、酸化物半導体膜を含む多層膜130において、二次イオン質量分
析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)
により得られる水素濃度を、5×1018atoms/cm未満、好ましくは1×10
18atoms/cm以下、より好ましくは5×1017atoms/cm以下、さ
らに好ましくは1×1016atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体膜を含む多層膜130は、二次イオン質量分析法により得られるア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好
ましくは2×1016atoms/cm以下にする。アルカリ金属およびアルカリ土類
金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタ162
のオフ電流を増大させることがある。
このように、不純物(水素、窒素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属など)をでき
る限り低減させ、高純度化させた酸化物半導体膜を含む多層膜130とすることで、トラ
ンジスタ162がデプレッション型となることを抑制でき、トランジスタ162のオフ電
流を極めて低減することができる。従って、良好な電気特性に有する表示装置を作製でき
る。また、信頼性を向上させた表示装置を作製することができる。
なお、高純度化された酸化物半導体膜を用いたトランジスタのオフ電流が低いことは、
いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が
10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1V
から10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、
すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、トランジスタ
のチャネル幅で除した数値に相当するオフ電流は、100zA/μm以下であることが分
かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から
流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当
該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用
い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定し
た。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十
yA/μmという、さらに低いオフ電流が得られることが分かった。従って、高純度化さ
れた酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく小さい。
次に、絶縁膜124に、配線122にまで達する開口を形成し、当該開口、絶縁膜12
4上および多層膜130上に導電膜132を形成する。(図6(C)参照)。導電膜13
2は、PVD法やCVD法などの成膜法を用いて形成ことができ、アルミニウム、チタン
、クロム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニ
ウム、銀、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電膜を、単層で、または積層で
用いることができる。
次に、導電膜132の一部の上にフォトリソグラフィ法を用いてレジストマスク174
を形成する(図6(C)参照)。
次に、レジストマスク174をマスクとして導電膜132を選択的にエッチングし、導
電膜132aおよび導電膜132bを形成する(図6(D)参照)。このとき、導電膜1
32aおよび導電膜132bの間隔は、上記レジストマスク174の形成の際に用いたフ
ォトマスクによって決定される。また、後に形成される導電膜133aおよび導電膜13
3bと同様に電子ビームを用いた露光をによってレジストマスクを形成してもよい。
次に、絶縁膜124、導電膜132aおよび導電膜132bを覆う導電膜133を形成
する(図7(A)参照)。例えば、スパッタリング法などを用いて導電膜133aおよび
導電膜133bに適用可能な材料の膜を成膜することにより導電膜133を形成する。
次に、導電膜133上にレジストを形成し、該レジストに対して電子ビームを用いた露光
を行い、レジストマスク175を形成する(図7(A)参照)。
レジスト材料としては、例えばシロキサン系レジストまたはポリスチレン系レジストな
どを用いることができる。なお、作製するパターンの幅が小さいため、ポジ型レジストよ
りもネガ型レジストを用いることが好ましい。ポジ型レジストは、レジストを除去したい
部分を全て描画しなければならず、処理時間が膨大になる。一方、ネガ型レジストは、マ
スクとしたい部分のみ描画するため、処理時間が少なくて済む。また、レジスト材料の厚
さは、例えば作製するパターンの幅と1:1〜1:2の関係になることが好ましい。例え
ば、パターンの幅が30nmの場合には、レジストの厚さを30nm以上200nm以下
とすることができる。
また、電子ビームを用いた露光では、レジストマスク175はレジストマスク174よ
りも薄い方が好ましい。レジストマスク175を薄くする場合、被形成面の凹凸をできる
だけ平坦にすることが好ましい。本実施の形態の半導体装置の作製方法では、絶縁膜12
4に平坦化処理を行うことにより、絶縁膜124による凹凸が低減されるため、レジスト
マスクを薄くすることができる。これにより、電子ビームを用いた露光を精密に行うこと
ができる。
このとき、電子ビームの照射が可能な電子ビーム描画装置において、例えば加速電圧は
、5kV〜50kVであることが好ましい。また、電流強度は、5×10−12〜1×1
−11Aであることが好ましい。また、最小ビーム径は、2nm以下であることが好ま
しい。また、作製可能なパターンの最小線幅が8nm以下であることが好ましい。
上記条件により、例えば、パターンの幅を30nm以下、好ましくは20nm以下、さ
らに好ましくは8nm以下にすることができる。
次に、レジストマスク175をマスクとして導電膜133を選択的にエッチングし、導
電膜133aおよび導電膜133bを形成する(図7(B)参照)。なお、導電膜132
aおよび導電膜133aはソース電極として機能し、導電膜132bおよび導電膜133
bはドレイン電極として機能する。
また、エッチング条件を、薄いレジストマスク175と導電膜133とのエッチング選
択比が高い条件とすることが好ましい。例えば、ドライエッチングで、エッチングガスと
してClおよびHBrの混合ガスを用い、Clの流量比よりもHBrの流量比を高く
することが好ましい。例えば、Cl:HBr=20:80の流量比であることが好まし
い。また、誘導結合型プラズマによるエッチング(ICPエッチングともいう)の場合、
ICP電力を500Wとしたとき、バイアス電力を30W〜40W以下にすることにより
、レジストマスク175と導電膜133とのエッチング選択比を高くできる。
また、導電膜133aおよび導電膜133bの間隔は、導電膜132aおよび導電膜1
32bの間隔よりも狭い。特に導電膜133aおよび導電膜133bが導電膜132aお
よび導電膜132bよりも抵抗が高い場合、導電膜133aおよび導電膜133bの間隔
を短くすることにより、ソース電極、酸化物半導体膜、およびドレイン電極間の抵抗を小
さくできる。
また、図7(B)に示すように導電膜133aが導電膜132aの上面および側面を覆
い、導電膜133bが導電膜132bの上面および側面を覆う構造にすると好ましい。こ
れにより、例えば導電膜133aおよび導電膜133bにより、導電膜132aおよび導
電膜132bを保護できる。
このとき、トランジスタのチャネル長は、導電膜133aおよび導電膜133bの間隔
である。チャネル長は、例えば50nm未満と短い。例えば、電子ビームを用いた露光に
より形成されたレジストマスクをエッチングマスクとして用いて導電膜133aおよび導
電膜133bの間隔を短くすることにより、チャネル長を短くでき、トランジスタ162
の微細化を達成することができ、半導体装置の高集積化を実現することができる。
次に、絶縁膜124、多層膜130、導電膜133aおよび導電膜133b上にゲート
絶縁膜131を形成する。(図7(C)参照)。ゲート絶縁膜131は、プラズマCVD
法、スパッタリング法等により、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、
酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム
、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム
および酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を、単層で、または積層で用いればよい。
ゲート絶縁膜は、例えば、1層目を酸化シリコン層とし、2層目を窒化シリコン層とし
た多層膜とすればよい。この場合、酸化シリコン層は酸化窒化シリコン層でも構わない。
また、窒化シリコン層は窒化酸化シリコン層でも構わない。酸化シリコン層は、欠陥密度
の小さい酸化シリコン層を用いると好ましい。具体的には、電子スピン共鳴(ESR:E
lectron Spin Resonance)にてg値が2.001の信号に由来す
るスピンのスピン密度が3×1017spins/cm以下、好ましくは5×1016
spins/cm以下である酸化シリコン層を用いる。酸化シリコン層は、過剰酸素を
含む酸化シリコン層を用いると好ましい。窒化シリコン層は水素およびアンモニアの放出
量が少ない窒化シリコン層を用いる。水素、アンモニアの放出量は、TDS(Therm
al Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)分析に
て測定すればよい。
過剰酸素を含む酸化シリコン層とは、加熱処理などによって酸素を放出することができ
る酸化シリコン層をいう。酸化シリコン層を絶縁膜に拡張すると、過剰酸素を有する絶縁
膜は、加熱処理によって酸素を放出する機能を有する絶縁膜である。
ここで、過剰酸素とは、加熱処理により酸化物半導体膜中や絶縁膜(酸化シリコンや酸
化窒化シリコン)中を移動することが可能な酸素または本来の化学量論比にある酸素より
過剰に存在する酸素または酸素の不足による酸素欠損(空孔)を過剰酸素により満たすま
たは充填する機能を有する酸素をいう。
ここで、加熱処理によって酸素を放出するとは、TDS分析にて放出される酸素が酸素
原子に換算して1×1018atoms/cm以上、1×1019atom/cm
上または1×1020atoms/cm以上であることをいう。
ここで、TDS分析を用いた酸素の放出量の測定方法について、以下に説明する。
測定試料をTDS分析したときの気体の全放出量は、放出ガスのイオン強度の積分値に
比例する。そして標準試料との比較により、気体の全放出量を計算することができる。
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコンウェハのTDS分析結果、お
よび測定試料のTDS分析結果から、測定試料の酸素分子の放出量(NO2)は、数式(
1)で求めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量数32で検出されるガス
の全てが酸素分子由来と仮定する。質量数32のものとしてほかにCHOHがあるが、
存在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体である質
量数17の酸素原子および質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界にお
ける存在比率が極微量であるため考慮しない。
H2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準
試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。ここで、標準試料の基準値を、
H2/SH2とする。SO2は、測定試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値
である。αは、TDS分析におけるイオン強度に影響する係数である。数式(1)の詳細
に関しては、特開平6−275697公報を参照する。なお、上記酸素の放出量は、電子
科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として
1×1016atoms/cmの水素原子を含むシリコンウェハを用いて測定した。
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素
原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素
分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量に
ついても見積もることができる。
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分
子の放出量の2倍となる。
または、加熱処理によって酸素を放出するとは、過酸化ラジカルを含むことをいう。具
体的には、過酸化ラジカルに起因するスピン密度が、5×1017spins/cm
上であることをいう。なお、過酸化ラジカルを含むとは、ESRにて、g値が2.01近
傍に非対称の信号を有することをいう。
または、過剰酸素を含む絶縁膜は、酸素が過剰な酸化シリコン(SiO(X>2))
であってもよい。酸素が過剰な酸化シリコン(SiO(X>2))は、シリコン原子数
の2倍より多い酸素原子を単位体積当たりに含むものである。単位体積当たりのシリコン
原子数および酸素原子数は、RBSにより測定した値である。
ゲート絶縁膜131および絶縁膜144の少なくとも一方が過剰酸素を含む絶縁膜を含
む場合、酸化物半導体膜130bの酸素欠損を低減することができる。
以上のようにして構成されたトランジスタは、多層膜130の酸化物半導体膜130b
にチャネルが形成されることにより、安定した電気特性を有し、高い電界効果移動度を有
する。
次に、ゲート絶縁膜131上の配線123および多層膜130と重畳する領域にゲート
電極134を形成する(図7(C)参照)。また、ゲート電極134は、導電膜133a
および導電膜133bとは重畳しない。ゲート電極134は、ゲート電極105等と同様
の方法および材料を用いて形成することができる。
次に、上述の工程により形成された各構成を覆うように、絶縁膜144および絶縁膜1
45を形成する(図7(D)参照)。絶縁膜144および絶縁膜145は、ゲート絶縁膜
131と同様の方法および材料を用いて形成することができ、例えば、絶縁膜144は、
酸化シリコン層とし、絶縁膜145を窒化シリコン層とすればよい。この場合、酸化シリ
コン層は酸化窒化シリコン層でも構わない。また、窒化シリコン層は窒化酸化シリコン層
でも構わない。酸化シリコン層は、欠陥密度の小さい酸化シリコン層を用いると好ましい
。具体的には、ESRにてg値が2.001の信号に由来するスピンのスピン密度が3×
1017spins/cm以下、好ましくは5×1016spins/cm以下であ
る酸化シリコン層を用いる。窒化シリコン層は水素およびアンモニアの放出量が少ない窒
化シリコン層を用いる。水素、アンモニアの放出量は、TDS分析にて測定すればよい。
また、窒化シリコン層は、酸素を透過しない、またはほとんど透過しない窒化シリコン層
を用いる。
次に、ゲート絶縁膜131、絶縁膜144および絶縁膜145に開口部を形成し、開口
部において、導電膜133bに接するように導電膜146を形成する(図7(D)参照)
。導電膜146は、配線122等と同様の方法および材料を用いて形成することができる
以上により、トランジスタ162が形成される。
なお、トランジスタ162は、上記に示したトップゲート構造に限られず、ボトムゲー
ト構造のトランジスタを採用することも可能である。
また、本実施の形態では、ソース電極およびドレイン電極となる導電膜133aおよび
導電膜133bのみ、電子ビームを用いた露光によってレジストマスクを形成した後にエ
ッチング等により形成していたが、これに限られず、多層膜130およびゲート電極13
4を形成する際にも電子ビームを用いた露光によって形成したレジストマスクを用いるこ
とができる。電子ビームを用いた露光を行って形成したレジストマスクを用いることで、
チャネル長方向の長さが1μmの多層膜130を形成することができる。また、当該レジ
ストマスクを用いることで、チャネル長方向の長さが40nmのゲート電極134を形成
することもできる。レジストマスクの形成において電子ビームを使って各部位を構成する
ことで、一辺が1μm以上25μm以下の正方形に収まるトランジスタ162を形成する
ことができる。
多層膜を用いたトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、これを用いることにより
極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が
不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため
、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても、長
期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。さらに、ト
ランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作
も容易に実現しうる。また、フラッシュメモリなどにおいて必要とされる情報を消去する
ための動作が不要であるというメリットもある。
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは十分な高速動作が可能なため、
これを用いることにより、記憶内容の読み出しを高速に行うことが可能である。
また、上記のように構成されたトランジスタは、多層膜130の酸化物半導体膜130
bにチャネルが形成されることにより、安定した電気特性を有し、高い電界効果移動度を
有することが可能である。
さらに、電子ビームを用いた露光により形成されたレジストマスクをエッチングマスク
として用いて導電膜133aおよび導電膜133bの間隔を短くすることにより、チャネ
ル長を短くでき、トランジスタ162の微細化を達成することができ、半導体装置の高集
積化を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、先の実施の形態において説明した半導体装置の応用例の一について
説明する。具体的には、先の実施の形態において説明した半導体装置をマトリクス状に配
列した半導体装置の一例について説明する。
図9に、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロック
回路図を示す。
本発明の一態様に係る半導体装置は、m本の第4の配線S2(第2信号線)および第5
の配線WL(ワード線)と、n本の第2の配線BL(ビット線)および第3の配線S1(
第1信号線)と、複数のメモリセル200(1,1)〜メモリセル200(m,n)が縦
m個(行)×横n個(列)(m、nは自然数)のマトリクス状に配置されたメモリセルア
レイ210と、第2の配線および第3の配線と接続する駆動回路211や、第4の配線お
よび第5の配線と接続する駆動回路213や、読み出し回路212といった周辺回路によ
って構成されている。他の周辺回路として、リフレッシュ回路等が設けられてもよい。
駆動回路211は、メモリセル200内のトランジスタ162のゲート電極に供給する
第4の配線の電位を制御しており、データの書き込みを制御している。また、メモリセル
200内のトランジスタ161のゲート電極に供給する第5の配線の電位を制御している
駆動回路213は、メモリセル200内のトランジスタ162のソース電極またはドレ
イン電極の一方に供給する第3の配線の電位を制御しており、保持されるデータの制御を
している。また、メモリセル200内のトランジスタ161のソース電極またはドレイン
電極の一方に供給する第2の配線の電位を制御している。
また、トランジスタ161に接続されている第2の配線および第5の配線の電位により
、第1の配線と第2の配線間の抵抗が異なり、それに応じてデータを読み出している。
読み出し回路212は、読み出し時には、トランジスタと差動アンプを有し、メモリセ
ルは格納されたデータ”0”,”1”に応じて抵抗が異なる。具体的には、選択したメモ
リセルのトランジスタ160がオン状態の場合には低抵抗状態となり、選択したメモリセ
ルのトランジスタ160がオフ状態の場合には高抵抗状態となる。
メモリセルが高抵抗状態の場合、第2の配線の電位が参照電位Vrefより高くなり、
差動アンプの出力からはデータ”1”が出力される。一方、メモリセルが低抵抗状態場合
、第2の配線の電位が参照電位Vrefより低くなり、差動アンプの出力からはデータ”
0”が出力される。このようにして、読み出し回路は、メモリセルからデータを読み出す
ことができる。
各メモリセルの代表として、メモリセル200(i,j)を考える。ここで、メモリセ
ル200(i,j)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、第2の配
線BL(j)、第3の配線S1(j)、第4の配線S2(i)および第5の配線WL(i
)、および第1の配線にそれぞれ接続されている。第1の配線には第1の配線電位Vsが
与えられている。また、第2の配線BL(1)〜BL(n)および第3の配線S1(1)
〜S1(n)は駆動回路211および読み出し回路212に、第5の配線WL(1)〜W
L(m)および第4の配線S2(1)〜S2(m)は駆動回路213にそれぞれ接続され
ている。
図9に示した半導体装置の動作について説明する。本構成では、行ごとの書き込みおよ
び読み出しを行う。
第i行のメモリセル200(i,1)〜メモリセル200(i,n)に書き込みを行う
場合は、第1の配線電位Vsを0V、第5の配線WL(i)を0V、第2の配線BL(1
)〜BL(n)を0V、第4の配線S2(i)を2Vとする。このときトランジスタ16
2は、オン状態となる。第3の配線S1(1)〜S1(n)は、データ”1”を書き込む
列は2V、データ”0”を書き込む列は0Vとする。なお、書き込み終了にあたっては、
第3の配線S1(1)〜S1(n)の電位が変化する前に、第4の配線S2(i)を0V
として、トランジスタ162をオフ状態にする。また、非選択の第5の配線は0V、非選
択の第4の配線は0Vとする。
その結果、データ”1”の書き込みを行ったメモリセルのトランジスタ160のゲート
電極に接続されるノード(以下、nodeA)の電位は約2V、データ”0”の書き込み
を行ったメモリセルのnodeAの電位は約0Vとなる。また、非選択メモリセルのno
deAの電位は変わらない。
第i行のメモリセル200(i,1)〜メモリセル200(i,n)の読み出しを行う
場合は、第1の配線電位Vsを0V、第5の配線WL(i)を2V、第4の配線S2(i
)を0V、第3の配線S1(1)〜S1(n)を0Vとし、第2の配線BL(1)〜BL
(n)に接続されている読み出し回路を動作状態とする。読み出し回路では、例えば、メ
モリセルの抵抗状態の違いから、データ”0”,”1”を読み出すことができる。なお、
非選択の第5の配線は0V、非選択の第4の配線は0Vとする。なお、書き込み時の第2
の配線は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位に充電されていても構わな
い。読み出し時の第3の配線は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位に充
電されていても構わない。
なお、データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆であっても構わない。
また、上述した動作電圧は一例である。動作電圧は、データ”0”の場合にトランジスタ
160がオフ状態となり、データ”1”の場合にトランジスタ160がオン状態となるよ
うに、また、書き込み時にトランジスタ162がオン状態、書き込み時以外ではオフ状態
となるように、また、読み出し時にトランジスタ161がオン状態となるように選べばよ
い。特に2Vの代わりに、周辺の論理回路の電源電位VDDを用いてもよい。
次に、本発明の一態様に係る記憶素子の回路構成および動作の他の一例について説明す
る。
半導体装置が有するメモリセル回路の一例を図10に示す。図10に示すメモリセル2
20は、第1の配線SL、第2の配線BL、第3の配線S1と、第4の配線S2と、第5
の配線WLと、トランジスタ160(第1のトランジスタ)と、トランジスタ162(第
2のトランジスタ)と、トランジスタ161(第3のトランジスタ)と、から構成されて
いる。トランジスタ160およびトランジスタ161は、酸化物半導体以外の材料を用い
て形成されており、トランジスタ162は酸化物半導体を用いて形成されている。
図10に示すメモリセル220の回路は、図1に示したメモリセル200の回路と比較
して、第3の配線と、第4の配線の方向が異なる。つまり、図10のメモリセル220の
回路は、第3の配線を第5の配線方向(行方向)に配置し、第4の配線を第2の配線方向
(列方向)に配置する構成としている。
ここで、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極または
ドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、第1の配線と、トランジスタ
160のソース電極とは、電気的に接続され、トランジスタ160のドレイン電極と、ト
ランジスタ161のソース電極とは、電気的に接続されている。そして、第2の配線と、
トランジスタ161のドレイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線と、トランジス
タ162のソース電極またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線と
、トランジスタ162のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と、トランジス
タ161のゲート電極とは電気的に接続されている。
図10に示すメモリセル220の回路の動作は、図1に示したメモリセル200の回路
の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図11に、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロッ
ク回路図を示す。
本発明の一態様に係る半導体装置は、m本の第3の配線および第5の配線と、n本の第
2の配線および第4の配線と、複数のメモリセル220(1,1)〜メモリセル220(
m,n)が縦m個(行)×横n個(列)(m、nは自然数)のマトリクス状に配置された
メモリセルアレイ230と、第2の配線および第4の配線と接続する駆動回路231や、
第3の配線および第5の配線と接続する駆動回路233や、読み出し回路232といった
周辺回路によって構成されている。他の周辺回路として、リフレッシュ回路等が設けられ
てもよい。
図11に示す半導体装置は、図9に示した半導体装置と比較して、第3の配線と、第4
の配線の方向が異なる。つまり、図11の半導体装置は、第3の配線を第5の配線方向(
行方向)に配置し、第4の配線を第2の配線方向(列方向)に配置する構成としている。
各メモリセルの代表として、メモリセル220(i,j)を考える。ここで、メモリセ
ル220(i,j)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、第2の配
線BL(j)、第4の配線S2(j)、第5の配線WL(i)および第3の配線S1(i
)、および第1の配線にそれぞれ接続されている。第1の配線には第1の配線電位Vsが
与えられている。また、第2の配線BL(1)〜BL(n)および第4の配線S2(1)
〜S2(n)は駆動回路231および読み出し回路232に、第3の配線S1(1)〜S
1(m)および第5の配線WL(1)〜WL(m)は駆動回路233にそれぞれ接続され
ている。
図11に示した半導体装置の動作について説明する。本構成では、書き込みは列ごと、
読み出しは行ごとに行う。
第j列のメモリセル220(1,j)〜メモリセル220(m,j)に書き込みを行う
場合は、第1の配線電位Vsを0V、第5の配線WL(1)〜WL(m)を0V、第2の
配線BL(j)を0V、第4の配線S2(j)を2Vとする。第3の配線S1(1)〜S
1(m)は、データ”1”を書き込む行は2V、データ”0”を書き込む行は0Vとする
。なお、書き込み終了にあたっては、第3の配線S1(1)〜S1(m)の電位が変化す
る前に、第4の配線S2(j)を0Vとして、トランジスタ162をオフ状態にする。ま
た、非選択の第2の配線は0V、非選択の第4の配線は0Vとする。
その結果、データ”1”の書き込みを行ったメモリセルのトランジスタ160のゲート
電極に接続されるノード(以下、nodeA)の電位は約2V、データ”0”の書き込み
を行ったメモリセルのnodeAの電位は約0Vとなる。また、非選択メモリセルのno
deAの電位は変わらない。
第i行のメモリセル220(i,1)〜メモリセル220(i,n)の読み出しを行う
場合は、第1の配線を0V、第5の配線WL(i)を2V、第4の配線S2(1)〜S2
(n)を0V、第3の配線S1(i)を0Vとし、第2の配線BL(1)〜BL(n)に
接続されている読み出し回路を動作状態とする。読み出し回路では、例えば、メモリセル
の抵抗状態の違いから、データ”0”,”1”を読み出すことができる。なお、非選択の
第5の配線は0V、非選択の第3の配線は0Vとする。なお、書き込み時の第2の配線は
0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位に充電されていても構わない。読み
出し時の第3の配線は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位に充電されて
いても構わない。
なお、データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆であっても構わない。
また、上述した動作電圧は一例である。動作電圧は、データ”0”の場合にトランジスタ
160がオフ状態となり、データ”1”の場合にトランジスタ160がオン状態となるよ
うに、また、書き込み時にトランジスタ162がオン状態、書き込み時以外ではオフ状態
となるように、また、読み出し時にトランジスタ161がオン状態となるように選べばよ
い。特に2Vの代わりに、周辺の論理回路の電源電位VDDを用いてもよい。
多層膜を用いたトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、これを用いることにより
極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が
不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため
、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても、長
期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。さらに、ト
ランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作
も容易に実現しうる。また、フラッシュメモリなどにおいて必要とされる情報を消去する
ための動作が不要であるというメリットもある。
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは十分な高速動作が可能なため、
これを用いることにより、記憶内容の読み出しを高速に行うことが可能である。
また、トランジスタ162は、実施の形態1で説明した、多層膜に含まれる酸化物半導
体膜にチャネルが形成されることにより、安定した電気特性を有し、高い電界効果移動度
を有することが可能である。
さらに、トランジスタ162は、実施の形態1で説明した、電子ビームを用いた露光に
より形成されたレジストマスクをエッチングマスクとして用いてソース電極およびドレイ
ン電極の間隔を短くすることにより、チャネル長を短くでき、トランジスタ162の微細
化を達成することができ、半導体装置の高集積化を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2とは異なる記憶素子の回路構成、作製方法および動作
の一例について説明する。
半導体装置が有するメモリセルの回路図の一例を図12に示す。図12に示すメモリセ
ル240は、第1の配線SL、第2の配線BL、第3の配線S1、第4の配線S2と、第
5の配線WLと、トランジスタ160(第1のトランジスタ)と、トランジスタ162(
第2のトランジスタ)と、容量素子164とから構成されている。トランジスタ160は
、酸化物半導体以外の材料を用いて形成されており、トランジスタ162は酸化物半導体
を用いて形成されている。
ここで、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極または
ドレイン電極の一方と、容量素子164の一方の電極とは、電気的に接続されている。ま
た、第1の配線と、トランジスタ160のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配
線と、トランジスタ160のドレイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線と、トラ
ンジスタ162のソース電極またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の
配線と、トランジスタ162のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と、容量
素子164の他方の電極とは、電気的に接続されている。
次に、回路の動作について具体的に説明する。
メモリセル240への書き込みを行う場合は、第1の配線を0V、第5の配線を0V、
第2の配線を0V、第4の配線を2Vとする。データ”1”を書き込む場合には第3の配
線を2V、データ”0”を書き込む場合には第3の配線を0Vとする。このとき、トラン
ジスタ162はオン状態となる。なお、書き込み終了にあたっては、第3の配線の電位が
変化する前に、第4の配線を0Vとして、トランジスタ162をオフ状態にする。
その結果、データ”1”の書き込み後にはトランジスタ160のゲート電極に接続され
るノード(以下、nodeA)の電位が約2V、データ”0”の書き込み後にはnode
Aの電位が約0Vとなる。
メモリセル240の読み出しを行う場合は、第1の配線を0V、第5の配線を2V、第
4の配線を0V、第3の配線を0Vとし、第2の配線に接続されている読み出し回路を動
作状態とする。このとき、トランジスタ162は、オフ状態となる。
第5の配線を2Vとした場合のトランジスタ160の状態について説明する。トランジ
スタ160の状態を決めるnodeAの電位は、第5の配線−nodeA間の容量C1と
、トランジスタ160のゲート−ソースとドレイン間の容量C2に依存する。
図13には、第5の配線電位とnodeAの電位の関係を示す。ここでは、一例として
、トランジスタ160がオフ状態でC1/C2≫1、オン状態でC1/C2=1であると
する。また、トランジスタ160のしきい値は2.5Vとする。図13に示すグラフの第
5の配線電位が2Vの条件では、データ”0”の状態ではnodeAが約2Vとなるが、
トランジスタ160はオフ状態である。一方、データ”1”の状態ではnodeAが約3
.25Vとなり、トランジスタ160はオン状態となる。メモリセルはトランジスタ16
0がオン状態で低抵抗状態、オフ状態で高抵抗状態となる。従って、読み出し回路は、メ
モリセルの抵抗状態の違いから、データ”0”、”1”を読み出すことができる。なお、
読み出しを行わない場合、つまり第5の配線電位が0Vの時には、データ”0”ではno
deAが約0V、データ”1”ではnodeAが約2Vとなり、いずれも、トランジスタ
160はオフ状態となる。
なお、読み出し時の第3の配線は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位
に充電されていても構わない。データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆
であっても構わない。
上述した動作電圧は一例である。書き込み時の第3の配線の電位は、書き込み後にトラ
ンジスタ162がオフ状態となり、また、第5の配線電位が0Vの場合にトランジスタ1
60がオフ状態である範囲で、データ”0”、”1”の電位をそれぞれ選べばよい。読み
出し時の第5の配線電位は、データ”0”の場合にトランジスタ160がオフ状態となり
、データ”1”の場合にトランジスタ160がオン状態となるように選べばよい。また、
トランジスタ160のしきい値電圧も、一例である。上述したトランジスタ160の状態
を変えない範囲であれば、どのようなしきい値でも構わない。
<半導体装置の断面構成>
図14は、上記半導体装置の構成の一例である。図14には、半導体装置の断面を示す
。ここで、図14に示される半導体装置は、下部に酸化物半導体以外の材料を用いたトラ
ンジスタ160を有し、上部に酸化物半導体を用いたトランジスタ162および容量素子
164を有するものである。なお、トランジスタ160およびトランジスタ162は、実
施の形態1と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
<半導体装置の作製方法>
次に、上記半導体装置の作製方法の一例について説明する。以下では、トランジスタ1
60およびトランジスタ162の作製方法については、実施の形態1と同様であるため説
明を省略し、容量素子164の作製方法について図14を参照して説明する。
トランジスタ160上にトランジスタ162を形成後、トランジスタ162を覆うよう
に絶縁膜144および絶縁膜145を形成する。次に、ゲート絶縁膜131、絶縁膜14
4および絶縁膜145に開口部を形成し、当該開口部および絶縁膜145上に導電膜14
6を形成し、当該導電膜を選択的にエッチングして、導電膜146および導電膜147を
形成する。
よって、容量素子164は、導電膜133aと、ゲート絶縁膜131と、導電膜147
とで形成することができる。
次に、上記半導体装置をマトリクス状に配列した半導体装置の一例について説明する。
図15に、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロッ
ク回路図を示す。
図15に示す本発明の一態様に係る半導体装置は、m本の第4の配線および第5の配線
と、n本の第2の配線および第3の配線と、複数のメモリセル240(1,1)〜メモリ
セル240(m,n)が縦m個(行)×横n個(列)(m、nは自然数)のマトリクス状
に配置されたメモリセルアレイ250と、第2の配線および第3の配線と接続する駆動回
路211や、第4の配線および第5の配線と接続する駆動回路213や、読み出し回路2
12といった周辺回路によって構成されている。他の周辺回路として、リフレッシュ回路
等が設けられてもよい。
各メモリセルの代表として、メモリセル240(i,j)を考える。ここで、メモリセ
ル240(i,j)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、第2の配
線BL(j)、第3の配線S1(j)、第4の配線S2(i)および第5の配線WL(i
)、および第1の配線にそれぞれ接続されている。第1の配線には第1の配線電位Vsが
与えられている。また、第2の配線BL(1)〜BL(n)および第3の配線S1(1)
〜S1(n)は駆動回路211および読み出し回路212に、第5の配線WL(1)〜W
L(m)および第4の配線S2(1)〜S2(m)は駆動回路213にそれぞれ接続され
ている。
図15に示した半導体装置の動作について説明する。本構成では、行ごとの書き込みお
よび読み出しを行う。
第i行のメモリセル240(i,1)〜メモリセル240(i,n)に書き込みを行う
場合は、第1の配線電位Vsを0V、第5の配線WL(i)を0V、第2の配線BL(1
)〜BL(n)を0V、第4の配線S2(i)を2Vとする。このときトランジスタ16
2は、オン状態となる。第3の配線S1(1)〜S1(n)は、データ”1”を書き込む
列は2V、データ”0”を書き込む列は0Vとする。なお、書き込み終了にあたっては、
第3の配線S1(1)〜S1(n)の電位が変化する前に、第4の配線S2(i)を0V
として、トランジスタ162をオフ状態とする。また、非選択の第5の配線は0V、非選
択の第4の配線は0Vとする。
その結果、データ”1”の書き込みを行ったメモリセルのトランジスタ160のゲート
電極に接続されるノード(以下、nodeA)の電位が約2V、データ”0”の書き込み
後にはnodeAの電位が約0Vとなる。また、非選択メモリセルのnodeAの電位は
変わらない。
第i行のメモリセル240(i,1)〜メモリセル240(i,n)に読み出しを行う
場合は、第1の配線電位Vsを0V、第5の配線WL(i)を2V、第4の配線S2(i
)を0V、第3の配線S1(1)〜S1(n)を0Vとし、第2の配線BL(1)〜BL
(n)に接続されている読み出し回路を動作状態とする。このときトランジスタ162は
、オフ状態となる。また、非選択の第5の配線は0Vとし、非選択の第4の配線は0Vと
する。
読み出し時のトランジスタ160の状態について説明する。既に説明したように、トラ
ンジスタ160がオフ状態でC1/C2≫1、オン状態でC1/C2=1であるとすると
、第5の配線電位とnodeAの電位の関係は図13のように表される。また、トランジ
スタ160のしきい値電圧は2.5Vとする。非選択のメモリセルは、第5の配線電位が
0Vとなるため、データ”0”を有するメモリセルのnodeAは約0V、データ”1”
を有するメモリセルのnodeAが約2Vとなり、いずれも、トランジスタ160はオフ
状態となる。第i行のメモリセルでは、第5の配線電位が2Vとなるため、データ”0”
を有するメモリセルのnodeAが約2Vとなり、トランジスタ160はオフ状態である
が、データ”1”を有するメモリセルのnodeAが約3.25Vとなり、トランジスタ
160はオン状態となる。メモリセルはトランジスタ160がオン状態で低抵抗状態、オ
フ状態で高抵抗状態となる。その結果、第i行のメモリセルで、データ”0”を有するメ
モリセルだけが低抵抗状態となる。読み出し回路は、第2の配線に接続される負荷抵抗の
違いから、データ”0”、”1”を読み出すことができる。
なお、読み出し時の第3の配線は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位
に充電されていても構わない。データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆
であっても構わない。
上述した動作電圧は一例である。書き込み時の第3の配線の電位は、書き込み後にトラ
ンジスタ162がオフ状態となり、また、第5の配線電位が0Vの場合にトランジスタ1
60がオフ状態である範囲で、データ”0”、”1”の電位をそれぞれ選べばよい。読み
出し時の第5の配線電位は、データ”0”の場合にトランジスタ160がオフ状態となり
、データ”1”の場合にトランジスタ160がオン状態となるように選べばよい。また、
トランジスタ160のしきい値電圧も、一例である。上述したトランジスタ160の状態
を変えない範囲であれば、どのようなしきい値でも構わない。
また、本発明の一態様に係る記憶素子の回路構成および動作の他の一例について説明す
る。
半導体装置が有するメモリセル回路の一例を図16に示す。図16に示すメモリセル2
60は、第1の配線SLと、第2の配線BLと、第3の配線S1と、第4の配線S2と、
第5の配線WLと、トランジスタ160と、トランジスタ162と、容量素子164と、
から構成されている。トランジスタ160は、酸化物半導体以外の材料を用いて構成され
ており、トランジスタ162は酸化物半導体を用いて形成されている。
図16に示すメモリセル260の回路は、図12のメモリセル240の回路と比較して
、第3の配線と第4の配線の方向が異なる。つまり、図16のメモリセル260では第3
の配線を第5の配線方向(行方向)に配置し、第4の配線を第2の配線方向(列方向)に
配置する構成としている。
ここで、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極または
ドレイン電極の一方と、容量素子164の一方の電極とは、電気的に接続されている。ま
た、第1の配線と、トランジスタ160のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配
線と、トランジスタ160のドレイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線と、トラ
ンジスタ162のソース電極またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の
配線と、トランジスタ162のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と、容量
素子164の他方の電極とは、電気的に接続されている。
図16に示すメモリセル260の回路の動作は、図12に示したメモリセル240の回
路の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図17に、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロッ
ク回路図を示す。
本発明の一態様に係る半導体装置は、m本の第3の配線および第5の配線と、n本の第
2の配線および第4の配線と、複数のメモリセル260(1,1)〜メモリセル260(
m,n)が縦m個(行)×横n個(列)(m、nは自然数)のマトリクス状に配置された
メモリセルアレイ270と、第2の配線および第4の配線と接続する駆動回路231や、
第3の配線および第5の配線と接続する駆動回路233や、読み出し回路232といった
周辺回路によって構成されている。他の周辺回路として、リフレッシュ回路等が設けられ
てもよい。
図17に示す半導体装置は、図15に示した半導体装置と比較して、第3の配線と、第
4の配線の方向が異なる。つまり、図17の半導体装置は、第3の配線を第5の配線方向
(行方向)に配置し、第4の配線を第2の配線方向(列方向)に配置する構成としている
各メモリセルの代表として、メモリセル260(i,j)を考える。ここで、メモリセ
ル260(i,j)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、第2の配
線BL(j)、第4の配線S2(j)、第3の配線S1(i)および第5の配線WL(i
)、および第1の配線にそれぞれ接続されている。第1の配線には第1の配線電位Vsが
与えられている。また、第2の配線BL(1)〜BL(n)および第4の配線S2(1)
〜S2(n)は駆動回路231および読み出し回路232に、第3の配線S1(1)〜S
1(m)および第5の配線WL(1)〜WL(m)は駆動回路233にそれぞれ接続され
ている。
図17に示す半導体装置の動作は、図15に示した半導体装置の動作と同様であるため
、詳細な説明は省略する。
多層膜を用いたトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、これを用いることにより
極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が
不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため
、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても、長
期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。さらに、ト
ランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作
も容易に実現しうる。また、フラッシュメモリなどにおいて必要とされる情報を消去する
ための動作が不要であるというメリットもある。
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは十分な高速動作が可能なため、
これを用いることにより、記憶内容の読み出しを高速に行うことが可能である。
また、トランジスタ162は、実施の形態1で説明した、多層膜に含まれる酸化物半導
体膜にチャネルが形成されることにより、安定した電気特性を有し、高い電界効果移動度
を有することが可能である。
さらに、トランジスタ162は、実施の形態1で説明した、電子ビームを用いた露光に
より形成されたレジストマスクをエッチングマスクとして用いてソース電極およびドレイ
ン電極の間隔を短くすることにより、チャネル長を短くでき、トランジスタ162の微細
化を達成することができ、半導体装置の高集積化を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2および実施の形態3とは異なる記憶素子の回路構成お
よび動作の一例について説明する。
半導体装置が有するメモリセルの回路図の一例を図18に示す。図18(A)に示すメ
モリセル280aおよび図18(B)に示すメモリセル280bは、それぞれ図1に示す
メモリセル200および図10に示すメモリセル220と比較して、第1トランジスタと
第3トランジスタの直列接続の関係を入れ替えた構成である。
ここで、図18(A)に示すメモリセル280aは、トランジスタ160のゲート電極
と、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続され
ている。また、第1の配線と、トランジスタ161のソース電極とは、電気的に接続され
、トランジスタ161のドレイン電極と、トランジスタ160のソース電極とは、電気的
に接続されている。そして、第2の配線と、トランジスタ160のドレイン電極とは、電
気的に接続され、第3の配線と、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極の
他方とは、電気的に接続され、第4の配線と、トランジスタ162のゲート電極とは、電
気的に接続され、第5の配線と、トランジスタ161のゲート電極とは、電気的に接続さ
れている。
また、図18(B)に示すメモリセル280bは、図18(A)に示したメモリセル回
路と比較して、第3の配線と、第4の配線の方向が異なる。つまり、図18(B)に示す
メモリセル回路は、第4の配線を第2の配線方向(列方向)に配置し、第3の配線を第5
の配線方向(行方向)に配置する構成としている。
図18(A)に示すメモリセル280aおよび図18(B)に示すメモリセル280b
の回路の動作は、それぞれ図1に示すメモリセル200および図10に示すメモリセル2
20の回路の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態2乃至実施の形態4とは異なる記憶素子の回路構成およ
び動作の一例について説明する。
半導体装置が有するメモリセルの回路図の一例を図19に示す。図19に示すメモリセ
ル290の回路は、図1のメモリセル200の回路と比較して、nodeAと第1の配線
との間に容量素子を有する構成としている。
図19に示すメモリセル290は、第1の配線SL、第2の配線BL、第3の配線S1
と、第4の配線S2と、第5の配線WLと、トランジスタ160と、トランジスタ161
と、トランジスタ162と、容量素子164と、から構成されている。トランジスタ16
0およびトランジスタ161は、酸化物半導体以外の材料を用いて形成されており、トラ
ンジスタ162は酸化物半導体を用いて形成されている。
ここで、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極または
ドレイン電極の一方と、容量素子164の一方の電極とは、電気的に接続されている。ま
た、第1の配線と、トランジスタ160のソース電極と、容量素子164の他方の電極と
は、電気的に接続され、トランジスタ160のドレイン電極と、トランジスタ161のソ
ース電極とは電気的に接続されている。そして、第2の配線と、トランジスタ161のド
レイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線と、トランジスタ162のソース電極ま
たはドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線と、トランジスタ162の
ゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と、トランジスタ161のゲート電極と
は、電気的に接続されている。
図19に示すメモリセル回路の動作は、図1に示したメモリセル回路の動作と同様であ
るため、詳細な説明は省略する。このような容量素子164を有することで、保持特性が
改善する。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、先の実施の形態で用いたトランジスタ162とは異なり、本発明の
一態様に適応可能なトランジスタについて図20および図21を用いて説明する。
図20に示すトランジスタ350は、絶縁表面を有する層300上の酸化物膜130a
と、酸化物膜130a上の酸化物半導体膜130bと、酸化物半導体膜130b上にソー
ス電極となる導電膜132aおよび導電膜133aと、酸化物半導体膜130b上にドレ
イン電極となる導電膜132bおよび導電膜133bと、酸化物半導体膜130b、導電
膜133aおよび導電膜133b上の酸化物膜130cと、酸化物膜130c上の金属窒
化膜302aおよび金属窒化膜302bと、酸化物膜130c、金属窒化膜302aおよ
び金属窒化膜302b上のゲート絶縁膜131と、ゲート絶縁膜131上の多層膜130
(酸化物膜130a、酸化物半導体膜130bおよび酸化物膜130cの積層膜)と重畳
し、かつ、導電膜133aおよび導電膜133bと重畳しない領域に設けられたゲート電
極134とを有する。
トランジスタ350の作製方法について図24を用いて説明する。
絶縁表面を有する層300上に多層膜130の一部である酸化物膜130aおよび酸化
物半導体膜130bを順に形成する(図24(A)参照)。なお、絶縁表面を有する層3
00は、先の実施の形態の基板100や絶縁膜などを用いることができる。また、酸化物
膜130aおよび酸化物半導体膜130bの材料や形成方法は実施の形態1を参酌するこ
とができる。
次に、酸化物半導体膜130b上に導電膜132aおよび導電膜132bを形成する。
その後、導電膜132aおよび導電膜132b上に導電膜133aおよび導電膜133b
を形成する(図24(B)参照)。なお、導電膜132aおよび導電膜133aはソース
電極として機能し、導電膜132bおよび導電膜133bはドレイン電極として機能する
導電膜132aおよび導電膜132bのゲート電極134と重畳する周縁部を階段状に
形成してもよい。階段状の周縁部は、レジストマスクの後退(縮小)と後退したレジスト
マスクを用いたエッチングを複数回行うことで形成することができる。導電膜132aお
よび導電膜132bの周縁部が階段状となることで、酸化物膜130cの段差被覆性を向
上させることができる。また、導電膜132aおよび導電膜132bの材料、導電膜13
3aおよび導電膜133bの材料や形成方法は、実施の形態1を参酌することができる。
次に、酸化物半導体膜130b、導電膜133aおよび導電膜133b上に酸化物膜1
30cを形成する。その後、酸化物膜130c上に金属窒化膜を形成し、酸化物膜130
cのゲート電極134と重畳する領域が露出するように選択的にバリア膜と酸化物膜13
0cをエッチングし、金属窒化膜302aおよび金属窒化膜302bを形成する(図24
(C)参照)。
酸化物膜130cの材料や形成方法は、実施の形態1を参酌することができる。
金属窒化膜302aおよび金属窒化膜302bとしては、窒化チタン、窒化インジウム
、窒化錫、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化アルミニウム、窒化モリブデン等を用
いることができる。
次に、酸化物膜130c、金属窒化膜302aおよび金属窒化膜302b上にゲート絶
縁膜131を形成し、ゲート絶縁膜131上の多層膜130(酸化物膜130a、酸化物
半導体膜130bおよび酸化物膜130cの積層膜)と重畳し、かつ、導電膜133aお
よび導電膜133bと重畳しない領域にゲート電極134を形成する(図24(D)参照
)。
ゲート絶縁膜131およびゲート電極134の材料や形成方法は、実施の形態1を参酌
することができる。
次に、上述の工程により形成された各構成を覆うように、絶縁膜144および絶縁膜1
45を形成する、さらに酸化物膜130c、金属窒化膜302a、金属窒化膜302b、
ゲート絶縁膜131、絶縁膜144および絶縁膜145に開口部を形成し、開口部におい
て、導電膜133aおよび導電膜133bに接するように導電膜304aおよび導電膜3
04bを形成する(図21(E)参照)。
絶縁膜144および絶縁膜145の材料や形成方法は、実施の形態1を参酌することが
できる。また、導電膜133aおよび導電膜133bの材料や形成方法は、実施の形態1
の導電膜146を参酌することができる。
以上のようにして、トランジスタ350を作製することができる。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示装置に含まれているトランジスタに
おいて、酸化物半導体膜を含む多層膜に適用可能な一態様について説明する。
上記酸化物半導体膜を含む多層膜の少なくとも一層は、非晶質酸化物半導体、単結晶酸
化物半導体、および多結晶酸化物半導体の他に、結晶部分を含む酸化物半導体(C Ax
is Aligned Crystalline Oxide Semiconduct
or:CAAC−OS)で構成されていることが好ましい。
CAAC−OSは、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OSは
、非晶質相に結晶部および非晶質部を含む結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体である。
なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い
。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron M
icroscope)による観察像では、CAAC−OSに含まれる非晶質部と結晶部と
の境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OSには粒界(グレインバウン
ダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OSは、粒界に起因する電子
移動度の低下が抑制される。
CAAC−OSに含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OSの被形成面の法線ベクトル
または表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形
状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金
属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およ
びb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85
°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°
以上5°以下の範囲も含まれることとする。なお、酸化物半導体を構成する酸素の一部は
窒素で置換されてもよい。
なお、CAAC−OSにおいて、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAA
C−OSの形成過程において、酸化物半導体の表面側から結晶成長させる場合、被形成面
の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC
−OSへ不純物を添加することにより、該不純物添加領域において結晶部が非晶質化する
こともある。
CAAC−OSに含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OSの被形成面の法線ベクトル
または表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OSの形状(被形成面の
断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、
結晶部のc軸の方向は、CAAC−OSが形成されたときの被形成面の法線ベクトルまた
は表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜
後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OSの形成方法としては、三つ挙げられる。
第1の方法は、成膜温度を100℃以上450℃以下として酸化物半導体膜を成膜する
ことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面
の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。
第2の方法は、酸化物半導体膜を薄い厚さで成膜した後、200℃以上700℃以下の
熱処理を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクト
ルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。
第3の方法は、一層目の酸化物半導体膜を薄い厚さで成膜した後、200℃以上700
℃以下の熱処理を行い、さらに二層目の酸化物半導体膜の成膜を行うことで、酸化物半導
体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平
行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。
酸化物半導体膜にCAAC−OSを適用したトランジスタは、可視光や紫外光の照射に
よる電気特性の変動が小さい。よって、酸化物半導体膜にCAAC−OSを適用したトラ
ンジスタは、良好な信頼性を有する。
また、CAAC−OSは、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを用
い、スパッタリング法によって成膜することが好ましい。当該スパッタリング用ターゲッ
トにイオンが衝突すると、スパッタリング用ターゲットに含まれる結晶領域がa−b面か
ら劈開し、a−b面に平行な面を有する平板状またはペレット状のスパッタリング粒子と
して剥離することがある。この場合、当該平板状またはペレット状のスパッタリング粒子
が、結晶状態を維持したまま被成膜面に到達することで、CAAC−OSを成膜すること
ができる。
また、CAAC−OSを成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制で
きる。例えば、成膜室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素および窒素など)
を低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点
が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
また、成膜時の被成膜面の加熱温度(例えば基板加熱温度)を高めることで、被成膜面
に到達後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、被成膜面の温
度を100℃以上740℃以下、好ましくは150℃以上500℃以下として成膜する。
成膜時の被成膜面の温度を高めることで、平板状またはペレット状のスパッタリング粒子
が被成膜面に到達した場合、当該被成膜面上でマイグレーションが起こり、スパッタリン
グ粒子の平らな面が被成膜面に付着する。
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメー
ジを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100
体積%とする。
スパッタリング用ターゲットの一例として、In−Ga−Zn酸化物ターゲットについ
て以下に示す。
InO粉末、GaO粉末およびZnO粉末を所定のmol数で混合し、加圧処理
後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn−G
a−Zn酸化物ターゲットとする。なお、当該加圧処理は、冷却(または放冷)しながら
行ってもよいし、加熱しながら行ってもよい。なお、X、YおよびZは任意の正数である
。ここで、所定のmol数比は、例えば、InO粉末、GaO粉末およびZnO
末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3または3:1:2
である。なお、粉末の種類、およびその混合するmol比は、作製するスパッタリング用
ターゲットによって適宜変更すればよい。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、先の実施の形態で説明したトランジスタ162に用いることのでき
る多層膜130の詳細について図面を用いて説明する。
多層膜130のバンド構造について、図22および図23を用いて説明する。
なお、酸化物膜130aとしてエネルギーギャップが3.15eVであるIn−Ga−
Zn酸化物を用い、酸化物半導体膜130bとしてエネルギーギャップが2.8eVであ
るIn−Ga−Zn酸化物を用い、酸化物膜130cとして酸化物膜130aと同様の物
性を有する酸化物膜を用いた。また、酸化物膜130aと酸化物半導体膜130bとの界
面近傍のエネルギーギャップを3eVとし、酸化物膜130cと酸化物半導体膜130b
との界面近傍のエネルギーギャップを3eVとした。エネルギーギャップは、分光エリプ
ソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定した。
また、酸化物膜130aの厚さを10nm、酸化物半導体膜130bの厚さを10nm、
酸化物膜130cの厚さを10nmとした。
図22(A)は、多層膜130を酸化物膜130cからエッチングしつつ、各層の真空
準位と価電子帯上端のエネルギー差を測定し、その値をプロットした図である。真空準位
と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviol
et Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 Ve
rsaProbe)を用いて測定した。
図22(B)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差から、各層のエネルギーギャ
ップを引くことで、真空準位と伝導帯下端のエネルギー差を算出し、プロットした図であ
る。
図22(B)を模式的に示したバンド構造の一部が、図23(A)である。図23(A
)では、酸化物膜130aおよび酸化物膜130cと接して酸化シリコン膜を設けた場合
について説明する。ここで、EcI1は酸化シリコン膜の伝導帯下端のエネルギーを示し
、EcS1は酸化物膜130aの伝導帯下端のエネルギーを示し、EcS2は酸化物半導
体膜130bの伝導帯下端のエネルギーを示し、EcS3は酸化物膜130cの伝導帯下
端のエネルギーを示し、EcI2は酸化シリコン膜の伝導帯下端のエネルギーを示す。
図23(A)に示すように、酸化物膜130a、酸化物半導体膜130bおよび酸化物
膜130cにおいて、伝導帯下端のエネルギーが連続的に変化する。これは、酸化物膜1
30a、酸化物半導体膜130bおよび酸化物膜130c間で、酸素が相互に拡散するた
めである。
なお、酸化物膜130aおよび酸化物膜130cが異なる物性を有する酸化物膜である
場合、例えば、EcS1よりもEcS3が高いエネルギーを有する場合、バンド構造の一
部は、図23(A)のように示される。このとき、酸化物膜130aをIn:Ga:Zn
=1:3:2[原子数比]、酸化物半導体膜130bをIn:Ga:Zn=1:1:1[
原子数比]、酸化物膜130cをIn:Ga:Zn=1:6:4[原子数比]とすればよ
い。または、酸化物膜130aをIn:Ga:Zn=1:3:2[原子数比]、酸化物半
導体膜130bをIn:Ga:Zn=3:1:2[原子数比]、酸化物膜130cをIn
:Ga:Zn=1:9:6[原子数比]とすればよい。
このように、主成分を共通として積層された酸化物半導体層は、各層を単に積層するの
ではなく連続接合(ここでは特に伝導帯下端のエネルギーが各層の間で連続的に変化する
U字型の井戸構造)が形成されるように作製する。すなわち、各層の界面に酸化物半導体
にとってトラップ中心や再結合中心のような欠陥準位、あるいはキャリアの流れを阻害す
るバリアを形成するような不純物が存在しないように積層構造を形成する。仮に、積層さ
れた酸化物半導体層の層間に不純物が混在していると、エネルギーバンドの連続性が失わ
れ、界面でキャリアがトラップあるいは再結合により消滅してしまう。
連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装
置(スパッタリング装置)を用いて各層を大気に触れさせることなく連続して積層するこ
とが必要となる。スパッタリング装置における各チャンバーは、酸化物半導体にとって不
純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプ
を用いて高真空排気(1×10−4Pa〜5×10−7Pa程度まで)することが好まし
い。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャンバー
内に気体(とくに、炭素成分または水化合物を含む気体)が逆流しないようにしておくこ
とが好ましい。
高純度真性酸化物半導体を得るためには、チャンバー内を高真空排気するのみならずス
パッタガスの高純度化も必要である。スパッタガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガス
は、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下にま
で高純度化したガスを用いることで酸化物半導体膜に水分等が取り込まれることを可能な
限り防ぐことができる。
ここで、図23(A)に示すバンド構造において、例えば、EcI2をゲート絶縁膜、
EcI2より左側にゲート電極がある構造を仮定すると、図23(A)に示すようにEc
S1>EcS3となる伝導帯下端のエネルギーを有する構造が好ましい。なぜなら、ゲー
ト電極側であるEcs3近傍のEcS2を電流が主に流れるためである。
また、酸化シリコン膜を挟んで酸化物膜130cとゲート電極を配置する場合、酸化シ
リコン膜はゲート絶縁膜として機能し、酸化物半導体膜130bに含まれるインジウムが
ゲート絶縁膜に拡散することを酸化物膜130cによって防ぐことができる。酸化物膜1
30cによってインジウムの拡散を防ぐためには、酸化物膜130cは、酸化物半導体膜
130bに含まれるインジウムの量よりも少なくすることが好ましい。
また、図23(B)に示すように、酸化物膜130aおよび酸化物膜130cが同様の
物性を有する酸化物膜であっても構わない。また、図21に示さないが、EcS1よりも
EcS3が高いエネルギーを有しても構わない。
図22および図23より、多層膜130の酸化物半導体膜130bがウェル(井戸)と
なり、多層膜130を用いたトランジスタにおいて、チャネルが酸化物半導体膜130b
に形成されることがわかる。なお、多層膜130は伝導帯下端のエネルギーが連続的に変
化しているため、U字型井戸(U Shape Well)とも呼べる。
なお、図24に示すように、酸化物膜130aおよび酸化物膜130cと、酸化シリコ
ン膜などの絶縁膜との界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位が形成され得
る。
また、酸化物膜130aおよび酸化物膜130cがあることにより、酸化物半導体膜1
30bと当該トラップ準位とを遠ざけることができる。ただし、EcS1またはEcS3
と、EcS2とのエネルギー差が小さい場合、酸化物半導体膜130bの電子が酸化物膜
130aまたは酸化物膜130cを超えてトラップ準位に達することがある。トラップ準
位に電子が捕獲されることで、マイナスの固定電荷となり、トランジスタのしきい値電圧
はプラス方向にシフトしてしまう。
従って、EcS1およびEcS3と、EcS1とのエネルギー差を、それぞれ0.1e
V以上、好ましくは0.15eV以上とすると、トランジスタのしきい値電圧の変動が低
減され、安定した電気特性となるため、好ましい。
次に、高い結晶性を有する酸化物半導体膜130bの結晶成長のモデルについて、図2
5乃至図27を用いて説明する。
図25(A)は、高い配向性を有する多結晶酸化物半導体を含むターゲット1000に
イオン1001が衝突し、結晶性を有するスパッタリング粒子1002が剥離する様子を
示した模式図である。結晶粒は、ターゲット1000の表面と平行な劈開面を有する。ま
た、結晶粒は、原子間の結合の弱い部分を有する。結晶粒にイオン1001が衝突した際
に、原子間の結合の弱い部分の原子間結合が切れる。従って、スパッタリング粒子100
2は、劈開面および原子間の結合の弱い部分によって切断され、平板状(またはペレット
状)で剥離する。なお、スパッタリング粒子1002の有する平面の円相当径は、結晶粒
の平均粒径の1/3000以上1/20以下、好ましくは1/1000以上1/30以下
である。なお、面の円相当径とは、面の面積と等しい正円の直径をいう。
または、結晶粒の一部が劈開面から粒子として剥離し、プラズマに曝されることで原子
間の結合の弱い部分から結合が切れ、複数のスパッタリング粒子1002が生成される。
イオン1001として酸素の陽イオンを用いることで、成膜時のプラズマダメージを軽
減することができる。従って、イオン1001がターゲット1000の表面に衝突した際
に、ターゲット1000の結晶性が低下すること、または非晶質化することを抑制できる
ここで、高い配向性を有する多結晶酸化物半導体を含むターゲット1000の一例とし
て、図26(A)に、結晶のa−b面と平行に見たときのIn−Ga−Zn酸化物の結晶
構造を示す。また、図26(A)において、破線で囲った部分を拡大し図26(B)に示
す。
例えば、In−Ga−Zn酸化物に含まれる結晶粒において、図26(B)に示すガリ
ウム原子または/および亜鉛原子ならびに酸素原子を有する第1の層と、ガリウム原子ま
たは/および亜鉛原子ならびに酸素原子を有する第2の層と、の間の面が劈開面である。
これは、第1の層および第2の層の有するマイナスの電荷を有する酸素原子同士が近距離
にあるためである(図26(B)の囲み部参照)。このように、劈開面はa−b面に平行
な面である。また、図26に示したIn−Ga−Zn酸化物の結晶は六方晶であるため、
前述の平板状の結晶粒は内角が120°である正六角形の面を有する六角柱状となりやす
い。
スパッタリング粒子1002は、プラスに帯電させることが好ましい。スパッタリング
粒子1002が、プラスに帯電するタイミングは特に問わないが、具体的にはイオン10
01の衝突時に電荷を受け取ることでプラスに帯電させればよい。または、プラズマが生
じている場合、スパッタリング粒子1002をプラズマに曝すことでプラスに帯電させれ
ばよい。または、酸素の陽イオンであるイオン1001をスパッタリング粒子1002の
側面、上面または下面に結合させることでプラスに帯電させればよい。
以下に、スパッタリング粒子の被成膜面に堆積する様子を図27を用いて説明する。な
お、図27では、既に堆積済みのスパッタリング粒子を点線で示す。
図27(A)では、被成膜面1003は酸化物半導体膜が数層堆積した表面を有する。
なお、被成膜面1003の下側には、非晶質膜1004が形成されている。図27(A)
より、スパッタリング粒子1002がプラスに帯電していることで、スパッタリング粒子
1002は被成膜面1003において、他のスパッタリング粒子1002の堆積していな
い領域に堆積していく。これは、スパッタリング粒子1002がプラスに帯電しているこ
とにより、スパッタリング粒子1002同士が互いに反発し合うためである。
図27(B)は、図27(A)の一点鎖線X−Yに対応する断面図である。このように
して堆積したスパッタリング粒子1002は、被成膜面1003に垂直な方向に結晶のc
軸が揃っており、酸化物半導体膜130bは、CAAC−OS(C Axis Alig
ned Crystalline Oxide Semiconductor)となる。
このように、酸化物半導体膜130bは、非晶質膜1004上にc軸が揃った結晶を作製
することができる。
このように、堆積して得られる酸化物半導体膜は厚さが均一となり、結晶の配向の揃っ
た酸化物半導体膜となる。スパッタリング粒子が、無秩序に堆積するのではなく、プラス
に帯電したスパッタリング粒子同士が作用し合って被成膜面に垂直な方向にc軸が揃うよ
うに整然と堆積していくメカニズムは、物理的なエピタキシャル成長またはエピタキシャ
ルデポジションと表現することができる。
以上のような方法で高い配向性を有する多結晶酸化物半導体を含むターゲットを使用す
ることで、厚さが均一であり、結晶の配向の揃った酸化物半導体膜130bを成膜するこ
とができる。
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて
用いることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子機器に適用する場合
について、図28を用いて説明する。本実施の形態では、コンピュータ、携帯電話機(携
帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯情報端末(携帯型ゲーム機、音響再生装置なども
含む)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラ、電子ペーパー、テレビジ
ョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)などの電子機器に、上述の半導
体装置を適用する場合について説明する。
図28(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、筐体701、筐体702
、表示部703、キーボード704などによって構成されている。筐体701と筐体70
2の少なくとも一つには、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため
、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が
十分に低減されたノート型のパーソナルコンピュータが実現される。
図28(B)は、携帯情報端末(PDA)であり、本体711には、表示部713と、
外部インターフェイス715と、操作ボタン714等が設けられている。また、携帯情報
端末を操作するスタイラス712などを備えている。本体711内には、先の実施の形態
に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で
、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯情報端末が実現され
る。
図28(C)は、電子ペーパーを実装した電子書籍である。電子書籍720は、筐体7
21と筐体723の2つの筐体で構成されている。筐体721および筐体723には、そ
れぞれ表示部725および表示部727が設けられている。筐体721と筐体723は、
軸部737により接続されており、該軸部737を軸として開閉動作を行うことができる
。また、筐体721は、電源731、操作キー733、スピーカー735などを備えてい
る。筐体721、筐体723の少なくとも一つには、先の実施の形態に示す半導体装置が
設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持
が可能で、且つ消費電力が十分に低減された電子書籍が実現される。
図28(D)は、携帯電話機であり、筐体740と筐体741の2つの筐体で構成され
ている。さらに、筐体740と筐体741は、スライドし、図28(D)のように展開し
ている状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。
また、筐体741は、表示パネル742、スピーカー743、マイクロフォン744、操
作キー745、ポインティングデバイス746、カメラ747、外部接続端子748など
を備えている。また、筐体740は、携帯電話機の充電を行う太陽電池749、外部メモ
リスロット750などを備えている。また、アンテナは、筐体741に内蔵されている。
筐体740と筐体741の少なくとも一つには、先の実施の形態に示す半導体装置が設け
られている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可
能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯電話機が実現される。
図28(E)は、デジタルカメラであり、本体761、表示部767、接眼部763、
操作スイッチ764、表示部765、バッテリー766などによって構成されている。本
体761内には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の
書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低
減されたデジタルカメラが実現される。
図28(F)は、テレビジョン装置であり、筐体771、表示部773、スタンド77
5などで構成されている。テレビジョン装置770の操作は、筐体771が備えるスイッ
チや、リモートコントローラ780により行うことができる。筐体771およびリモート
コントローラ780には、先の実施の形態に示す半導体装置が搭載されている。そのため
、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が
十分に低減されたテレビジョン装置が実現される。
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が
搭載されている。このため、消費電力を低減した電子機器が実現される。
<参考例>
多層膜中の酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタが有する「低いオフ電
流」を説明するため、以下に、多層膜を用いたトランジスタのオフ電流を求めた結果につ
いて説明する。
<多層膜を用いたトランジスタのオフ電流測定>
まず、測定試料について説明する。
まず、シリコン基板上に下地絶縁膜を形成した。下地絶縁膜として、CVD法にて厚さ
300nmの酸化窒化シリコンを形成した。
次に、下地絶縁膜上に第1の酸化物膜を形成した。第1の酸化物膜は、In−Ga−Z
n酸化物(In:Ga:Zn=1:3:2[原子数比])であるターゲットを用いて、ス
パッタリング法にて5nm成膜した。なお、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sccm
、酸素ガスを15sccm用い、圧力を0.4Paとし、基板の温度を200℃とし、D
C電力を0.5kW印加することで成膜した。
次に、第1の酸化物膜上に酸化物半導体膜を形成した。酸化物半導体膜は、In−Ga
−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比])であるターゲットを用いて
、スパッタリング法にて15nm成膜した。なお、成膜ガスとしてアルゴンガスを30s
ccm、酸素ガスを15sccm用い、圧力を0.4Paとし、基板の温度を300℃と
し、DC電力を0.5kW印加することで成膜した。
次に、酸化物半導体膜上に第2の酸化物膜を形成した。第2の酸化物膜は、In−Ga
−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:3:2[原子数比])であるターゲットを用いて
、スパッタリング法にて5nm成膜した。なお、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sc
cm、酸素ガスを15sccm用い、圧力を0.4Paとし、基板の温度を200℃とし
、DC電力を0.5kW印加することで成膜した。
次に、加熱処理を行い、酸化物半導体膜に含まれる水、水素等を脱離させた。ここでは
、窒素雰囲気で、450℃、1時間の加熱処理を行った後、酸素雰囲気で、450℃、1
時間の加熱処理を行った。
次に、下地絶縁膜および第2の酸化物膜上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ工程
により該導電膜上にマスクを形成し、該マスクを用いて該導電膜の一部をエッチングし、
ソース電極およびドレイン電極を形成した。なお、該ソース電極およびドレイン電極とな
る導電膜は、厚さ100nmのタングステン膜を形成した。
次に、第2の酸化物膜、ソース電極およびドレイン電極上にゲート絶縁膜を形成した。
ゲート絶縁膜として、CVD法にて酸化窒化シリコン膜を30nm形成した。
次に、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成した。スパッタリング法で厚さ30nmの窒
化タンタル膜を形成し、該窒化タンタル上にスパッタリング法で厚さ135nmのタング
ステン膜を形成した。フォトリソグラフィ工程により該タングステン膜上にマスクを形成
し、該マスクを用いて該窒化タンタルおよび該タングステン膜の一部をエッチングし、ゲ
ート電極を形成した。
次に各構成を覆うように層間絶縁膜を形成した。層間絶縁膜として、スパッタリング法
で厚さ70nmの酸化アルミニウム膜を形成し、さらに該酸化アルミニウム膜上にCVD
法にて厚さ300nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。
トランジスタのチャネル長L=0.73μm,チャネル幅W=1cm、ゲート電極とソ
ース電極(またはドレイン電極)の間の長さLoffは、0.67μmである。
以上の工程により、試料のトランジスタを作製した。
続いて、作製したトランジスタのリーク電流結果について説明する。
測定条件は、Dry雰囲気、暗状態でVgs=−4V、Vds=1Vで85℃および1
25℃の2条件で行った。
図29に示すように85℃、125℃において、時間が経過してもそれぞれ1×10
21A/μm以下、1×10−19A/μm以下と低いオフ電流を示している。
以上より、多層膜を用いたトランジスタのオフ電流は極めて低いことが確認された。
100 基板
101 素子分離絶縁膜
103 高濃度不純物領域
104 低濃度不純物領域
105 ゲート電極
106a ゲート絶縁膜
106b ゲート絶縁膜
107 高濃度不純物領域
108 低濃度不純物領域
109 ゲート電極
110 配線
111 配線
112 配線
113 配線
114 配線
115 配線
116 絶縁膜
117 配線
118 配線
119 配線
120 配線
121 絶縁膜
122 配線
123 配線
124 絶縁膜
130 多層膜
130a 酸化物膜
130b 酸化物半導体膜
130c 酸化物膜
131 ゲート絶縁膜
132 導電膜
132a 導電膜
132b 導電膜
133 導電膜
133a 導電膜
133b 導電膜
134 ゲート電極
135 サイドウォール絶縁膜
136 サイドウォール絶縁膜
144 絶縁膜
145 絶縁膜
146 導電膜
147 導電膜
160 トランジスタ
161 トランジスタ
162 トランジスタ
170 保護膜
171 半導体領域
172 チャネル形成領域
173 チャネル形成領域
174 レジストマスク
175 レジストマスク
200 メモリセル
210 メモリセルアレイ
211 駆動回路
212 読み出し回路
213 駆動回路
220 メモリセル
230 メモリセルアレイ
231 駆動回路
232 読み出し回路
233 駆動回路
240 メモリセル
250 メモリセルアレイ
260 メモリセル
270 メモリセルアレイ
280a メモリセル
280b メモリセル
290 メモリセル
300 絶縁表面を有する層
302a 金属窒化膜
302b 金属窒化膜
304a 導電膜
304b 導電膜
350 トランジスタ
701 筐体
702 筐体
703 表示部
704 キーボード
711 本体
712 スタイラス
713 表示部
714 操作ボタン
715 外部インターフェイス
720 電子書籍
721 筐体
723 筐体
725 表示部
727 表示部
731 電源
733 操作キー
735 スピーカー
737 軸部
740 筐体
741 筐体
742 表示パネル
743 スピーカー
744 マイクロフォン
745 操作キー
746 ポインティングデバイス
747 カメラ
748 外部接続端子
749 太陽電池
750 外部メモリスロット
761 本体
763 接眼部
764 操作スイッチ
765 表示部
766 バッテリー
767 表示部
770 テレビジョン装置
771 筐体
773 表示部
775 スタンド
780 リモートコントローラ
1000 ターゲット
1001 イオン
1002 スパッタリング粒子
1003 被成膜面
1004 非晶質膜

Claims (1)

  1. マトリクス状に配置された複数の記憶素子を有し、
    前記複数の記憶素子の一は、
    第1のゲート電極、第1のソース電極、および第1のドレイン電極を有する第1のトランジスタと、
    第2のゲート電極、第2のソース電極、および第2のドレイン電極を有する第2のトランジスタと、
    容量素子と、を有し、
    前記第1のトランジスタは、半導体材料を含む基板に設けられ、
    前記第2のトランジスタは、窒化アルミニウムを含む膜と、第1の酸化物膜と、前記第1の酸化物膜上の酸化物半導体膜と、前記酸化物半導体膜上の第2の酸化物膜と、前記第2の酸化物膜上のゲート絶縁膜と、を有し、
    前記第1の酸化物膜は、インジウムとガリウムとを有し、
    前記酸化物半導体膜は、インジウムとガリウムとを有し、
    前記第2の酸化物膜は、インジウムとガリウムとを有し、
    前記第1の酸化物膜のガリウムの原子数比は前記酸化物半導体膜のガリウムの原子数比よりも高く、
    前記第2の酸化物膜のガリウムの原子数比は前記酸化物半導体膜のガリウムの原子数比よりも高く、
    前記第2のソース電極及び前記第2のドレイン電極は、前記酸化物半導体膜上に設けられ、
    前記窒化アルミニウムを含む膜は、前記第2のソース電極上であって、前記ゲート絶縁膜の下方に設けられ、
    前記第2の酸化物膜は、前記第2のソース電極及び前記第2のドレイン電極上に設けられ、且つ前記酸化物半導体膜と接する領域を有し、
    前記第1のゲート電極と、前記第2のソース電極または前記第2のドレイン電極の一方と、前記容量素子の一方の電極は、電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
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