JP6494942B2 - 画像処理装置、及び、画像処理方法 - Google Patents

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本発明の実施形態は、画像処理装置、及び、画像処理方法に関する。
心筋の虚血部位と冠状動脈との位置関係を観察する方法として、ポーラーマップ(Polar Map)と呼ばれる極座標画像上に冠状動脈を投影する表示方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。極座標は、平面を(r,θ)で表す表現方法である。例えば、心軸周りの角度としてθが割り当てられ、心尖部から心基部に向かっての各スライスまでの距離としてrが割り当てられる。
特開2004−141245号公報
ポーラーマップにより、心機能低下が生じている部分を観察できるが、実際の診断では、心機能低下を起こしている部分と、支配血管との位置関係が重要となる。従って、虚血や梗塞などの心筋の病変部位を診断する上では、心筋と冠状動脈との位置関係を分かり易くしつつ、冠状動脈が従来技術よりもさらに広範囲で投影された画像が望まれる。
このため、心筋と冠状動脈との位置関係を分かり易くしつつ、冠状動脈が従来よりも広範囲で映った心臓の画像データを生成するための新たな画像処理技術が要望されていた。
一実施形態では、画像処理装置は、取得部と、抽出合成部とを備える。
取得部は、被検体の心臓の形態を3次元的に示す画像データである形態ボリュームデータと、同一の被検体の心臓の機能画像データとを取得する。
抽出合成部は、形態ボリュームデータから冠状動脈の領域を3次元的に抽出することで冠状動脈ボリュームデータを生成し、冠状動脈ボリュームデータの少なくとも一部と、機能画像データから得られる断面画像データとが合成された合成画像データを生成する。
別の一実施形態では、画像処理方法は、以下の2つのステップを有する。
1つは、被検体の心臓の形態を3次元的に示す画像データである形態ボリュームデータと、同一の被検体の心臓の機能画像データとを取得するステップである。
1つは、形態ボリュームデータから冠状動脈の領域を3次元的に抽出することで冠状動脈ボリュームデータを生成し、冠状動脈ボリュームデータの少なくとも一部と、機能画像データから得られる断面画像データとが合成された合成画像データを生成するステップである。
ポーラーマップ上に冠状動脈を投影する手法として、本発明者らが考えた第1の例を示す模式図。 ポーラーマップ上に冠状動脈を投影する手法として、本発明者らが考えた第2の例を示す模式図。 ポーラーマップ上に冠状動脈を投影する手法として、本発明者らが考えた第3の例を示す模式図。 ポーラーマップ上に冠状動脈を投影する手法として、本発明者らが考えた第4の例を示す模式図。 図1〜図4にそれぞれ示す第1〜第4の手法の問題点を対比した模式図。 本実施形態における医用の画像保管通信システムの構成の一例を示すブロック図。 融合部による位置合わせ及び融合画像データの生成の手法の一例を示す模式図。 抽出合成部により形態ボリュームデータから抽出及び生成される冠状動脈ボリュームデータの一例を示す模式図。 判定部により特定された冠状動脈内の病変候補領域の一例を示す模式図。 2次元化した冠状動脈の輪郭画像データを図7の融合画像データに投影することで得られる第1合成画像データが示す画像の一例を示す模式図。 図10の第1合成画像データに対して、病変候補領域の位置情報が付与された画像の一例を示す模式図。 冠状動脈ボリュームデータ内に図7の2次元の融合画像データを挿入することで得られる第2合成画像データが示す立体画像の一例を示す模式図 図12の第2合成画像データに対して、病変候補領域の位置情報が付与された立体画像の一例を示す模式図。 本実施形態の画像処理の大まかな流れの一例を示すフローチャート。 図14のフローチャートの細部をさらに具体化した一例を示すフローチャート。
以下、添付図面に基づいて、本発明者らの着眼点を先に説明後、本発明の実施形態を説明する。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1〜図4はそれぞれ、ポーラーマップ上に冠状動脈を投影する手法として本発明者らが考えた第1〜第4の例を示す模式図であり、後述の本発明の実施形態とは異なる手法である。図1〜図4は、どれも、左心室LV及びその両側に投影された冠状動脈CAの同一画像を基準とする。
図1〜図4において、太線で示す長方形の枠L2,L5,L15,L19,L34,L44,L62,L67は、ポーラーマップ作成時に使用されるデータ領域を示し、太線で示す楕円枠C2,C5,C15,C19,C34,C44,C82,C86は、ポーラーマップ上に冠状動脈を投影する際に用いられるデータ領域を示す。
以下、図1に示す第1の手法から順に説明する。
図1において、横方向の7本の破線は左心室LVの短軸断面CS1〜CS7をそれぞれ示し、縦方向の一点鎖線は左心室LVの長軸LAを示す。ここでは一例として、短軸断面CS1が左心室LVの心尖部に接し、短軸断面CS7が左心室LVの心基部側であるものとする。
第1の手法では例えば、短軸断面CS1〜CS7によって分割される各領域のデータは、心尖部から離れるほどポーラーマップの外側に反映される。例えば、短軸断面CS1の周辺領域のデータがポーラーマップの中心の同心円内に反映される。
また、短軸断面CS2に関して、図中の左心室領域L2のデータは、ポーラーマップにおける2番目に直径が短い同心円と、中心円との間の環状領域に反映される。そして、冠状動脈領域C2のデータに基づいて、当該ポーラーマップにおける2番目に直径が短い同心円と、中心円との間の環状領域に冠状動脈が投影される。
以下同様であり、左心室領域L5及び環状動脈領域C5として示す短軸断面CS5の周辺領域のデータは、ポーラーマップにおいて、5番目に直径が短い同心円と、4番目に直径が短い同心円との間の環状領域に反映される。
図2に示す第2の手法では、図中の破線で示すように、左心室LVの心基部の中央を支点PP且つ一端側とする放射状の断面CS11〜CS24が設定される。そして、例えば断面CS18の方向に沿った左心室LVの長軸からの角度θと、支点PPからの距離rとが算出される。断面CS11〜CS24がそれぞれ通る左心室LVの領域及び冠状動脈CAの領域のデータは、ポーラーマップにおいて角度θ及び距離rが合致する領域に反映される。
例えば、断面CS15に関しては、図中の左心室領域L15のデータがポーラーマップの作成に用いられ、冠状動脈領域C15のデータに基づいて冠状動脈が当該ポーラーマップ上に投影される。他の断面についても同様である。
図3に示す第3の手法は、放射状の断面CS31〜CS53の支点PPが左心室LVの中心に位置する点を除いて、上述の第2の手法と同様である。この場合、例えば断面CS34に関しては、図中の左心室領域L34のデータがポーラーマップの作成に用いられ、冠状動脈領域C34のデータに基づいて冠状動脈が当該ポーラーマップ上に投影される。同様に、断面CS44に関しては、図中の左心室領域L44のデータがポーラーマップの作成に用いられ、冠状動脈領域C44のデータに基づいて冠状動脈が当該ポーラーマップ上に投影される。
図4に示す第4の手法は、第3の手法と同様にしてポーラーマップを作成後、ポーラーマップの生成元となった左心室LVの領域と同一の短軸断面のデータを用いて冠状動脈を当該ポーラーマップ上に投影するものである。具体的には、図中の破線で示すように、左心室LVの中心を支点PP且つ一端側とする放射状の断面CS61〜CS71が設定される。また、図中の横方向の一点鎖線で示すように、左心室LVの短軸方向に沿った断面CS81〜CS88が設定される。
この場合、例えば断面CS62に関しては、図中の左心室領域L62のデータがポーラーマップの作成に用いられる。この左心室領域L62は、左心室LVの短軸断面CS86上に位置する。従って、当該ポーラーマップにおける左心室領域L62のデータ反映領域に対しては、短軸断面CS86上の冠状動脈領域C86のデータに基づいて冠状動脈が投影される。
図5は、上記第1〜第4の手法の問題点を対比した模式図である。図5は、第1〜第4の手法にそれぞれ対応する図1〜図4を簡略化して左から順に並べたものである。
図5において非投影領域NP1として示すように、第1の手法及び第4の手法では、左心室LVの心尖部を通る短軸断面よりもさらに心基部から離れた冠状動脈CAの領域が投影されない問題がある。
第2の手法及び第3の手法では、冠状動脈CAの一部が投影されない問題は解消される。しかし、第2の手法及び第3の手法では、投影方向によってはデータが疎密になり、ポーラーマップ上でデータ分布が間延び又は収縮する。この結果、左心室LVと冠状動脈CAとの空間的な距離に依存して、投影される冠状動脈CAの位置がずれるため、左心室LVと、冠状動脈CAとの位置関係が分かりにくい問題がある。
そこで本実施形態では、上記の二律背反の問題を解決するために、形態画像と心機能画像とが融合された短軸断面の画像上に冠状動脈全体が合成表示される。また、心筋や冠状動脈において病変候補領域が検出された場合、病変候補領域の位置が現在表示中の短軸断面の上流側なのか下流側なのかが分かるようにグラフィック表示される。
なお、上記病変候補領域とは、病変領域、及び、病変領域なのか正常なのかが判定できない領域の双方を指すものとする。病変領域とは例えば、冠状動脈が細くなった狭窄領域や、冠状動脈が詰まった閉塞領域などを指す。
以下、本発明の実施形態の一例について、ネットワーク全体から見た装置構成、画像処理装置の構成、上記問題を解決する具体的な画像処理方法、の順に説明する。
図6は、本実施形態における医用の画像保管通信システム(Picture Archiving and Communication Systems:PACS)100の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、画像保管通信システム100は、複数のモダリティ(210,220,230,240,250,260)と、画像保管サーバ300と、画像処理ワークステーション400と、複数の表示端末500とを有する。また、画像保管通信システム100は、これらの構成要素を互いに接続するネットワークケーブルNCをさらに有する。
ここではモダリティの一例として、MRI装置(Magnetic Resonance Imaging Apparatus:磁気共鳴イメージング装置)210、超音波診断装置220、X線診断装置230、X線CT装置(X-ray Computed Tomography Apparatus)240、PET(Positron Emission Tomography)装置250、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置260が接続されているが、他のモダリティを接続してもよい。
なお、上記画像保管サーバ300の「サーバ」とは、例えば、コンピュータネットワークにおいて、クライアントコンピュータに対して自身の持つ機能やデータを提供するコンピュータの意味である。また、画像処理ワークステーション400の「ワークステーション」とは、例えば、科学技術計算などの業務上の高度に専門的で処理負荷の高い作業を実行するために、一般向けのパーソナルコンピュータよりも高性能に組み上げられたコンピュータの意味である。
以下、各構成要素について説明する。
画像保管サーバ300は、通信部310と、画像記憶部320とを有する。画像保管サーバ300は、通信部310を介して各モダリティから画像データを受信し、受信した画像データを画像記憶部320に保存する。
なお、本明細書では、後記の「形態画像データ」や「機能画像データ」のように、2次元、3次元、立体、平面などの次元を表す表現を伴わずに「画像データ」と称した場合、3次元画像の画像データも2次元画像の画像データも含むものとする。従って、2次元の画像データのみを意味する場合には「2次元画像データ」と区別して表記する。また、「ボリュームデータ」は、3次元的な画像データのみを意味するものとする。
また、画像データは、例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)型式のファイルとして保管され、そのファイルの付帯情報には、被検体である患者を特定する情報や撮影条件などが含まれる。
MRI装置210は、RF(Radio Frequency)パルスの送信後に被検体から発せられる核磁気共鳴信号を収集し、フーリエ変換等が含まれる画像再構成処理を核磁気共鳴信号に施すことで被検体の画像データを生成する。MRI装置210は、ボリュームデータも2次元画像データも生成可能である。
超音波診断装置220は、例えばプローブから被検体に発信した超音波の反射波を測定し、反射波が返るまでの時間等に基づいて被検体のボリュームデータ及び2次元画像データを生成可能である。
X線診断装置230は、例えばマトリクス状に配列された複数の検出素子で被検体を透過したX線を検出し、各画素が検出素子毎のX線検出量に応じた輝度となるように、画像データを生成するものである。X線診断装置230も、被検体のボリュームデータ及び2次元画像データを生成可能である。
X線CT装置240は、様々な方位から被検体を透過させたX線の投影データを収集し、画像再構成処理を実行することで被検体のボリュームデータを生成可能である。また、X線CT装置240は、MPR(Multi Planar Reconstruction)等の公知の手法により、所望の断面の2次元画像データも生成可能である。
これらMRI装置210、超音波診断装置220、X線診断装置230、X線CT装置240により生成される被検体の画像データは、被検体の(内部の)形態を示すので、以下、形態画像データと称する。これら形態画像データは、ここでは一例として、ネットワークケーブルNCを介して画像保管サーバ300に送信され、画像記憶部320に保存される。
一方、PET装置250及びSPECT装置260は、被検体内でのトレーサーの濃度分布を示すボリュームデータを生成するものであり、かかる画像データは、例えばブドウ糖代謝などの機能を反映するため、以下、機能画像データと称する。
PET装置250は、消滅ガンマ線を生成する陽電子放出核種を標識した薬剤が投与された被検体からの放射線を様々な角度で検出することで、被検体内でのトレーサーの濃度分布を示すボリュームデータを生成する。
SPECT装置260は、単一光子を放出する核種を標識した薬剤が投与された被検体からのガンマ線を様々な角度で検出することで、被検体内でのトレーサーの濃度分布を示すボリュームデータを生成する。
これらPET装置250及びSPECT装置260により生成された機能画像データは、ネットワークケーブルNCを介して画像保管サーバ300に送信され、画像記憶部320に保存される。
表示端末500は、通信/入力装置510と、モニタ520とを有する。
モニタ520は、2次元画像データに基づく平面表示のみならず、3次元画像データに基づく立体表示も可能な構成を有する(例えば、特開2007−94022号公報参照)。
通信/入力装置510は、特定の画像データを読み込んでモニタ520に画像表示させる機能や、画像処理ワークステーション400に画像処理を実行させる指令を送信する機能などの各種入力機能をユーザに提供する。
画像処理ワークステーション400は、通信部410と、操作部420と、モニタ430と、画像処理装置440とを有する。
モニタ430は、上記モニタ520同様に、2次元画像データに基づく平面表示のみならず、3次元画像データに基づく立体表示が可能な構成を有する。
操作部420は、画像処理装置440の画像処理の条件を設定する機能や、特定の画像データを読み込んでモニタ430に表示させる機能などの各種入力機能をユーザに提供する。
通信部410は、操作部420に入力された指令や、画像処理装置440からの指令を受けて、画像保管通信システム100の各部とデータの交信を実行する。
画像処理装置440は、取得部441と、融合部442と、抽出合成部443と、判定部444と、これらを互いに接続する通信配線としてのシステムバスSBとを有する。
取得部441は、通信部410及びネットワークケーブルNCを介して、画像保管サーバ300の画像記憶部320から、被検体の形態ボリュームデータ及び機能ボリュームデータを取得及び保存する。ここでは一例として、被検体の心臓の形態ボリュームデータと、同一の被検体の心臓の機能ボリュームデータを取得部441が取得及び保存する場合について説明する。
但し、形態ボリュームデータについては各モダリティ(210、220、230、240)から直接取得してもよい。同様に、機能ボリュームデータについては、PET装置250又はSPECT装置260から直接取得してもよい。
融合部442は、取得部に保存された形態ボリュームデータと、機能ボリュームデータとで位置合わせを実行する。融合部442は、位置合わせの結果と、MPR等の公知の画像処理手法とに基づいて、形態ボリュームデータ及び機能ボリュームデータから被検体の同一断面の2次元画像データをそれぞれ抽出(生成)する。融合部442は、被検体の同一断面の形態画像データ及び機能画像データを公知の手法で融合した2次元の融合画像データを生成する。
抽出合成部443は、形態ボリュームデータから冠状動脈の領域を3次元的に抽出することで冠状動脈ボリュームデータを生成する。
判定部444は、抽出合成部443により生成された冠状動脈ボリュームデータに基づいて、冠状動脈の領域内における病変候補領域の有無を判定する。判定部444は、病変候補領域が存在すると判定した場合、病変候補領域を位置的に特定し、その位置情報を抽出合成部443に入力する。
抽出合成部443は、冠状動脈ボリュームデータの少なくとも一部と、機能画像データから得られる2次元画像データとが合成された合成画像データを生成する。このとき、病変候補領域が存在する場合には、抽出合成部は、その位置情報が含まれるように合成画像データを生成する。
なお、本明細書での「合成」とは、複数の画像の情報がそれぞれ含まれるように、1画像を生成することを意味し、以下の「投影(投影された2次元画像の重畳)」と、「挿入」とを包含する上位概念の用語であるものとする。
投影とは例えば、3次元の対象物を2次元画像に描写することを意味する。後述の本実施形態の例では、3次元的に抽出された冠状動脈の輪郭情報を2次元化し、2次元化された冠状動脈の画像データを2次元の融合画像データに重畳する図10が、「投影」を用いた例に該当する。
挿入とは例えば、1画像内において、ある領域の画素値を別の画像の画素値に置換することで、1画像の一部に当該別の画像を重畳することである。後述の本実施形態の例では、後述の図12が「挿入」の例に該当する。
上述の画像処理装置440による画像処理方法の本実施形態の主な特徴であるので、以下、図7〜図13を用いて、その画像処理方法を詳細に説明する。
図7は、融合部442による位置合わせ及び融合画像データの生成の手法の一例を示す模式図である。図7の上段では、左側に被検体の心臓の形態ボリュームデータVLCの模式図を示し、右側に同一の被検体の心臓の機能ボリュームデータVLFの模式図を示す。
ここでは一例として、形態ボリュームデータVLCは、X線CT装置240で生成されたものとするが、他のモダリティ(210,220,230)により生成された形態ボリュームデータでもよい。また、機能ボリュームデータVLFは、ここでは一例としてSPECT装置260により生成されたものとするが、PET装置250などの他の核医学診断装置により生成された機能ボリュームデータでもよい。
融合部442は、形態ボリュームデータVLCから心臓の領域を抽出することで、形態ボリュームデータVLC内での心臓の長軸と短軸とを決定する。なお、心臓の抽出は、心臓などの各臓器や組織の形状、大きさ等を含む標準的な人体モデルとのテンプレートマッチングを行う、といった公知の画像処理によって可能である。例えば左心室に特化した画像データを生成する場合、左心室の基部(Base)の中心点から心尖部までを長軸として決定後、この長軸に直交すると共に血流において左室流の出路方向の軸を短軸として決定することができる。
同様に、融合部442は、機能ボリュームデータVLFから心臓の領域を抽出することで、機能ボリュームデータVLF内での心臓の長軸と短軸とを決定する。
融合部442は、形態ボリュームデータVLCと、機能ボリュームデータVLFとで心臓の長軸及び短軸の双方が互いに合致するように位置合わせを実行する。
次に、融合部442は、心臓の短軸に沿った断面である短軸断面SLC1,SLC2,SLC3を所定のスライス間隔で形態ボリュームデータVLC内に設定する。次に、融合部442は、上記位置合わせの結果に基づいて、短軸断面SLC1,SLC2,SLC3との間で被検体の同一領域にそれぞれ該当する短軸断面SLF1,SLF2,SLF3を機能ボリュームデータVLC内に設定する。
図7の中段は、このようにして被検体の同一領域として設定された短軸断面SLC1及びSLF1,短軸断面SLC2及びSLF2,短軸断面SLC3及びSLF3の3組を破線枠でそれぞれ示す。
なお、図7では説明の簡単化のため、スライス間隔を大きくして形態ボリュームデータVLC、機能ボリュームデータVLFから3つずつの短軸断面を抽出したが、短軸断面の数はさらに多くしてもよい。
次に、融合部442は、被検体の同一領域に該当する短軸断面を用い、2次元の形態画像データと、2次元の機能画像データとを公知の手法で融合(Fusion)することで2次元の融合画像データを生成する。図7の下段は、短軸断面SLC2の形態画像データと、短軸断面SLF2の機能画像データとの融合により得られる融合画像データFU2が示す2次元画像の一例の模式図である。
なお、図7〜図13では、心臓全体の短軸断面の融合画像データを生成し、それに基づく第1合成画像COM1(図10及び図11)及び第2合成画像COM2(図12及び図13)を生成する場合を説明するが、これは、断面方向及び画像化範囲の一例にすぎない。例えば、心臓全体の長軸に沿った断面を所定のスライス間隔で設定し、心臓全体の長軸断面の融合画像データを生成してもよい。
或いは、融合部442は、心臓全体の短軸断面ではなく、右心室、左心室などの特定領域に絞った各短軸断面を設定することもできる。即ち、融合部442は、左心室などの心臓の特定領域に特化して位置合わせを実行することで当該特定領域の融合画像データを生成し、この融合画像データに基づいて、冠状動脈が全体的に映るように第1合成画像COM1及び第2合成画像COM2を生成してもよい。
図8は、抽出合成部443により形態ボリュームデータから抽出及び生成される冠状動脈ボリュームデータVLcorの一例を示す模式図である。図8において、立方体はボリュームデータの外縁を示し、その中で黒く枝分かれしている線が冠状動脈の輪郭を示す。また、図8において、RCAは右冠状動脈(Right Coronary Artery)、LCは左回旋枝(Left Circumflex)、LADは左前下行枝(left anterior descending artery)をそれぞれ示す。
なお、形態ボリュームデータからの冠状動脈の輪郭の抽出は、例えば、隣接領域との画素値の違いを閾値処理する等で血管領域を抽出し、心臓の冠状動脈の輪郭の標準的な人体モデルとのテンプレートマッチングを行う等の公知の手法で可能である。また、抽出合成部443は、冠状動脈の輪郭を示す冠状動脈ボリュームデータVLcorに基づいて、冠状動脈の芯線を示すボリュームデータを生成する。
図9は、判定部444により特定された冠状動脈内の病変候補領域LESの一例を示す模式図である。病変候補領域LESの有無の判定、及び、その3次元的な位置特定は、公知の手法により可能である。具体的には、判定部444は、形態ボリュームデータVLC、機能ボリュームデータVLFとの間の位置合わせの結果を融合部442から取得し、冠状動脈ボリュームデータVLcorを抽出合成部442から取得する。
例えば、冠状動脈ボリュームデータVLcorに基づく血管の内径(又は断面積)がその上流側及び下流側と対比して狭くなっている領域は、狭窄の疑いがある病変候補領域LESとして判定されうる。また、判定部444は、ある領域が病変候補領域LESか否かを判定する場合に、機能ボリュームデータVLFにおける同一領域の近辺のトレーサーの濃度分布も判断基準として用いることができる。
図10は、2次元化した冠状動脈の輪郭画像データを図7の融合画像データFU2に投影することで得られる第1合成画像データCOM1が示す画像の一例を示す模式図である。
抽出合成部443は、第1合成画像データCOM1の生成に際して、前述の冠状動脈ボリュームデータVLcorを2次元化した画像データを生成する。抽出合成部443は、この2次元化処理において、例えば、血管の上流側の色が濃くなるように、血管の下流側(動脈の場合は毛細血管側)の色が薄くなるようにすることで、冠状動脈CORの各領域の3次元的な位置情報を2次元化した画像データに含める。上流、下流の区別に際しては、上流に向かうほど所定の有彩色に近づけ、下流に向かうほど別の有彩色に近づける等の別の手法でもよい。
抽出合成部443は、融合部442による位置合わせの結果に従って、上記のように2次元化した冠状動脈の画像データを、図7の融合画像データFU2に重畳する。このとき、抽出合成部443は、重畳される冠状動脈において、融合画像データFU2の短軸断面(SLC2,SLF2)と同じ短軸断面上にある領域が識別表示されるように、第1合成画像データCOM1を生成する。
図10の例では、融合画像データFU2の短軸断面(SLC2,SLF2)と同じ短軸断面上にある冠状動脈CORの領域は、楕円枠SCS1,SCS2,SCS3として識別表示されている。融合画像データFU2の断面と同じ断面上にある冠状動脈CORの領域の識別方法に関しては、点滅表示等の他の手法でもよい。
図11は、図10の第1合成画像データCOM1に対して、病変候補領域LESの位置情報が付与された画像の一例を示す模式図である。判定部444により病変候補領域LESが検出された場合、抽出合成部443は、上述のように生成した第1合成画像データCOM1に、病変候補領域LESの位置情報を識別的態様で付与する。
より詳細には、病変候補領域LESが当該融合画像データの短軸断面以外の場所に存在する場合、判定部444は、病変候補領域LESが冠状動脈の血流方向において当該短軸断面よりも上流側にあるのか下流側にあるのかを判定し、その結果を抽出合成部443に入力する。
例えば、左心室に特化した短軸断面の融合画像データが生成される場合、冠状動脈ボリュームデータVLcorにおいて3次元的に位置特定された病変候補領域LESが当該短軸断面よりも左心室基部側に位置すれば上流側と判定される。反対に、病変候補領域LESが当該短軸断面よりも心尖部側に位置すれば、下流側と判定される。
図11の例では、病変候補領域LESは、冠状動脈の血流方向において表示断面(融合画像データの短軸断面)よりも上流側にある。従って、抽出合成部443は、実線で囲まれた斜線領域として病変候補領域LESが表示されるように、第1合成画像データCOM1を更新する。冠状動脈の血流方向において病変候補領域LESが表示断面(融合画像の短軸断面)よりも下流側にある場合、抽出合成部443は、例えば破線で囲まれた斜線領域として病変候補領域LESが表示されるように第1合成画像データCOM1を更新する。
但し、病変候補領域LESの位置情報の識別表示方法は、表示断面よりも上流側にある場合には画像内で最高輝度の緑色で表示し、表示断面よりも下流側にある場合には画像内で最高輝度の赤色で表示する等の他の手法でもよい。また、病変候補領域LESが当該短軸断面上に存在する場合、上記楕円枠SCS1,SCS2,SCS3の位置に病変候補領域LESを表示すればよい。
抽出合成部443は、他の短軸断面(SLC3等)についても、図10、図11と同様にして第1合成画像データCOM1を生成する。
なお、冠状動脈の輪郭を示す冠状動脈ボリュームデータVLcorを2次元化した画像データの代わりに、冠状動脈の芯線を示すボリュームデータを2次元化した画像データを融合画像データに投影することで第1合成画像データCOM1を生成してもよい。この場合も上記同様に、冠状動脈の上流側、下流側を示す3次元的な位置情報を含めつつ、病変候補領域LESの位置情報を識別的態様で含めることができる。
図12は、冠状動脈ボリュームデータVLcor内に図7の融合画像データFU2を挿入することで得られる第2合成画像データCOM2が示す立体画像の一例を示す模式図である。
ここで、冠状動脈ボリュームデータVLcorは、例えば、形態ボリュームデータVLCから冠状動脈の領域を抽出し、残りの領域の画素値をゼロなどの所定値とすることで形態ボリュームデータVLCと同じ寸法で生成可能である。また、融合画像データFU2は、形態ボリュームデータ内に設定された短軸断面SLC2に基づいて得られる。
従って、抽出合成部443は、冠状動脈ボリュームデータVLcorから、その生成元の形態ボリュームデータVLCの短軸断面SLC2と同一の被検体領域を抽出し、この抽出した領域の各画素値を融合画像データFU2の各画素値に置換する。これにより、第2合成画像データCOM2が生成される。
図13は、図12の第2合成画像データCOM2に対して、病変候補領域LESの位置情報が付与された立体画像の一例を示す模式図である。判定部444により病変候補領域LESが検出された場合、抽出合成部443は、上述のように生成した第2合成画像データCOM2に、病変候補領域LESの3次元的な位置情報を識別的態様で付与する。図13の例では、病変候補領域LESが斜線領域として表示されるように第2合成画像データCOM2が更新される。但し、病変候補領域LESの位置情報の識別表示方法は、画像内で最高輝度の有彩色で表示する等の他の手法でもよい。
抽出合成部443は、他の短軸断面(SLC3等)からそれぞれ生成される2次元融合画像を冠状動脈ボリュームデータVLcor内に挿入することで、図12、図13と同様にして第2合成画像データCOM2をそれぞれ生成する。
なお、冠状動脈の輪郭を示す冠状動脈ボリュームデータVLcorの代わりに、冠状動脈の芯線を示すボリュームデータ内に融合画像データを挿入すること第2合成画像データCOM2を生成してもよい。この場合も上記同様に、病変候補領域LESの位置情報を識別的態様で含めることができる。
図14は、本実施形態の画像処理装置440による画像処理の大まかな流れの一例を示すフローチャートである。以下、前述の各図を参照しながら、図14に示すフローチャートのステップ番号に従って、画像処理の大まかな流れの一例を説明する。
[ステップS1]取得部441は、被検体の心臓の形態ボリュームデータVLCと、同一の被検体の心臓の機能ボリュームデータVLFとを画像保管サーバ300等から取得及び保存する。融合部442は、図7で説明したように、形態ボリュームデータVLC、機能ボリュームデータVLFからそれぞれ心臓を抽出してその長軸及び短軸を決定し、長軸及び短軸が合致するように位置合わせを実行する。
次に、融合部442は、上記位置合わせの結果に基づいて、被検体の同一領域に該当する短軸断面同士で、形態ボリュームデータVLCからの2次元画像と機能ボリュームデータVLFからの2次元画像とを融合した融合画像データを所定のスライス間隔で生成する。この後、ステップS2に進む。
[ステップS2]抽出合成部443は、図8で説明したように、冠状動脈の輪郭を示す冠状動脈ボリュームデータVLcorを形態ボリュームデータから抽出し、冠状動脈ボリュームデータVLcorに基づいて冠状動脈の芯線のボリュームデータを生成する。
次に、抽出合成部443は、血管の上流側と下流側とが区別されるように、冠状動脈ボリュームデータVLcorを2次元化した画像データを生成する。抽出合成部443は、融合部442による位置合わせの結果に従って、2次元化した冠状動脈の画像データをステップS1で生成された融合画像データに重畳することで、第1合成画像データCOM1を生成する。この後、ステップS3に進む。
[ステップS3]抽出合成部443は、ステップS1で生成された各短軸断面の融合画像データの1つを冠状動脈ボリュームデータVLcor内に挿入することで、3次元の第2合成画像データCOM2を生成する(図12参照)。この後、ステップS4に進む。
[ステップS4]判定部444は、図9で説明したように、冠状動脈ボリュームデータVLcorに基づく血管の内径(又は断面積)や、機能ボリュームデータVLFにおけるトレーサーの濃度分布等に基づいて、病変候補領域LESの有無を判定する。病変候補領域LESが存在する場合、判定部444は、その位置情報を特定して抽出合成部443に入力する。抽出合成部443は、病変候補領域LESの位置情報を第1合成画像データCOM1及び第2合成画像データCOM2に識別的態様で付与する(図11及び図13参照)。
以上が図14のフローの説明であるが、これは一例にすぎず、処理順序を限定するものではない。例えば、以下の2点において並行処理が可能である。
第1に、形態ボリュームデータVLC及び機能ボリュームデータVLFを取得後、両者間の位置合わせの各処理と、形態ボリュームデータからの冠状動脈の抽出処理とを同時に並行して実行してもよい。
第2に、冠状動脈ボリュームデータVLcorを生成後、第1合成画像COM1の生成、第2合成画像COM2の生成、病変候補領域の抽出、の3つを同時に並行して実行してもよい。
図15は、上述した図14のフローチャートの細部をさらに具体化した一例を示すフローチャートである。図15は、上述の2点の並行処理を反映した一例でもある。以下、前述の各図を参照しながら、図15に示すフローチャートのステップ番号に従って、画像処理の流れの一例を詳細に説明する。
[ステップS11]取得部441は、被検体の心臓の形態ボリュームデータVLCと、同一の被検体の心臓の機能ボリュームデータVLFとを画像保管サーバ300等から取得及び保存する。
この後、ステップS12及びステップS15に進む。即ち、抽出合成部443などの画像処理装置440の各部は複数の演算装置をそれぞれ内蔵し、複数の処理を同時に並行して実行できるものとする。
[ステップS12]融合部442は、図7で説明したように、形態ボリュームデータVLC、機能ボリュームデータVLFからそれぞれ心臓を抽出し、心臓の長軸及び短軸を決定する。この後、ステップS13に進む。
[ステップS13]融合部442は、形態ボリュームデータVLCと機能ボリュームデータVLFとの間で、心臓の長軸及び短軸が合致するように位置合わせを実行する。この後、ステップS14に進む。
[ステップS14]融合部442は、上記位置合わせの結果に基づき互いに被検体の同一領域に該当するように、短軸断面を所定のスライス間隔で形態ボリュームデータVLC及び機能ボリュームデータVLC内にそれぞれ設定する。融合部442は、被検体の同一領域に該当する短軸断面同士で、形態ボリュームデータVLCからの2次元画像と機能ボリュームデータVLFからの2次元画像とを融合した融合画像データを所定のスライス間隔で生成する。この後、ステップS16に進む。
[ステップS15]抽出合成部443は、図8で説明したように、冠状動脈の輪郭を示す冠状動脈ボリュームデータVLcorを形態ボリュームデータから抽出し、冠状動脈ボリュームデータVLcorに基づいて冠状動脈の芯線を示すボリュームデータを生成する。この後、ステップS16、S17、S18の処理が並行して実行される。
[ステップS16]抽出合成部443は、血管の上流側と下流側とが区別されるように、冠状動脈ボリュームデータVLcorを2次元化した画像データを生成する。抽出合成部443は、融合部442による位置合わせの結果に従って、2次元化した冠状動脈の画像データをステップS14で生成された融合画像データに重畳することで、第1合成画像データCOM1を生成する。
このとき、抽出合成部443は、重畳される冠状動脈において、融合画像データの短軸断面と同じ短軸断面上にある領域が識別表示されるように第1合成画像データCOM1を生成する(図10参照)。
なお、第1合成画像データCOM1の生成に際しては、冠状動脈ボリュームデータVLcorを2次元化した画像データの代わりに、冠状動脈の芯線を示すボリュームデータを2次元化した画像データを上記同様に用いてもよい。
この後、ステップS19に進む。
[ステップS17]抽出合成部443は、図12で説明したように、ステップS14で生成された各短軸断面の融合画像データの1つを冠状動脈ボリュームデータVLcor内に挿入することで、3次元の第2合成画像データCOM2を生成する。抽出合成部443は、このようにして融合画像データの数と同数の第2合成画像データCOM2を生成する。この後、ステップS21に進む。
[ステップS18]判定部444は、図9で説明したように、冠状動脈ボリュームデータVLcorに基づく血管の内径や、機能ボリュームデータVLFにおけるトレーサーの濃度分布等に基づいて、病変候補領域LESの有無を判定する。病変候補領域LESが存在する場合、判定部444は、その位置情報を以下の2点から特定して抽出合成部443に入力する。
第1に、3次元的には、冠状動脈ボリュームデータVLcorのどの領域が病変候補領域LESであるかが特定される。
第2に、病変候補領域LESの位置は、冠状動脈の血流方向において、ステップS14で設定された各短軸断面よりも上流側なのか下流側なのかが特定される。
この後、ステップS19、ステップS21の処理が並行して実行される。
[ステップS19]ステップS18において病変候補領域LESが存在すると判定された場合、ステップS20に進み、それ以外の場合、ステップS23に進む。
[ステップS20]図11で説明したように、ステップS16で生成された第1合成画像データCOM1に対して病変候補領域LESの位置情報が識別的に付与される。即ち、病変候補領域LESが冠状動脈の血流方向において当該融合画像の断面よりも上流側にある場合と、下流側にある場合とが区別されるように、第1合成画像データCOM1が更新される。この後、ステップS23に進む。
[ステップS21]ステップS18において病変候補領域LESが存在すると判定された場合、ステップS20に進み、それ以外の場合、ステップS23に進む。
[ステップS22]図13で説明したように、抽出合成部443は、ステップS17で生成された第2合成画像データCOM2に、病変候補領域LESの3次元的な位置情報を識別的に含ませる。この後、ステップS23に進む。
[ステップS23]第1合成画像COM1、第2合成画像COM2が表示される。第1合成画像COM1、第2合成画像COM2は、例えば、ネットワークケーブルNCを介して表示端末500に送信されてモニタ520に表示される場合もあり、画像処理ワークステーション400のモニタ430に表示される場合もある。
以上が本実施形態の画像保管通信システム100の動作説明である。
このように本実施形態では、形態画像の短軸断面と、機能画像の短軸断面との融合画像上に2次元化された冠状動脈全体を重畳表示することで、第1合成画像COM1を生成する。従って、冠状動脈の一部が映らないという問題は解消される。また、投影方向に依存して画像が間延び又は収縮する(疎密になる)ことはない。従って、左心室などの心臓の特定領域のみを画像化する場合も含めて、第1合成画像COM1では、心臓又はその特定領域と、冠状動脈との位置関係が直感的に分かり易くなる。
また、冠状動脈を投影する際に、濃淡差などにより上流側と下流側とを区別して表示し、冠状動脈において、融合画像と同一の断面に存在する部分を識別表示する。これにより、左心室などの心臓の特定領域のみを画像化する場合も含めて、第1合成画像COM1では、心臓又はその特定領域と、冠状動脈との位置関係がさらに分かり易くなる。
さらに、病変候補領域LESが存在する場合、病変候補領域LESが冠状動脈の血流方向において当該融合画像の断面よりも上流側にある場合と、下流側にある場合とが区別されるように、その位置情報が第1合成画像データCOM1に付与される。この結果、病変候補領域LESを発見し易く、その位置も把握し易い。
第2合成画像COM2では、冠状動脈の3次元画像内に2次元融合画像が挿入され、病変候補領域LESの位置情報が付与される。従って、左心室などの心臓の特定領域のみを画像化する場合も含めて、第2合成画像COM2も第1合成画像COM1と同様に、心臓又はその特定領域と、冠状動脈との位置関係が分かり易く、病変候補領域LESの位置も把握し易い。
以上説明した実施形態によれば、新たな画像処理技術により、心筋と冠状動脈との位置関係を分かり易くしつつ、冠状動脈が従来よりも広範囲で映った心臓の画像データを生成することができる。
以下、上記実施形態について、6点を補足する。
第1に、第1合成画像COM1として、2次元化された冠状動脈の芯線または輪郭情報を2次元の融合画像に重畳する例を述べたが、これは一例にすぎない。例えば、第1合成画像COM1として、機能ボリュームデータから抽出した短軸断面の画像に対して、2次元化された冠状動脈の芯線又は輪郭情報を重畳してもよい。
第2に、第1合成画像COM1の生成において、2次元の融合画像データに重畳される2次元画像データとして、冠状動脈ボリュームデータVLcorの全体を2次元化する必要はない。効果的に言及すれば、心臓又はその特定領域と、冠状動脈との位置関係が分かり易くなる効果が得られる程度に、冠状動脈ボリュームデータVLcorにおける冠状動脈の必要範囲を2次元化すればよい。
同様に、第2合成画像COM2の生成において冠状動脈ボリュームデータVLcor全体を用いる必要はない。即ち、挿入される融合画像データを十分包含しつつ、心臓又はその特定領域と、冠状動脈との位置関係が分かり易くなる効果が得られる程度に、冠状動脈ボリュームデータVLcorの一部を用いて第2合成画像COM2を生成してもよい。
第3に、第2合成画像COM2として、冠状動脈の3次元画像内に2次元の融合画像を挿入する例を述べたが、これは一例にすぎない。例えば、第2合成画像COM2として、機能ボリュームデータVLFから抽出された(2次元の)短軸断面画像を冠状動脈の3次元画像内に挿入してもよい。
第4に、上記実施形態では、機能ボリュームデータVLCと形態ボリュームデータVLFとの間で、心軸の抽出に基づく位置合わせが実行される例を述べたが、位置合わせは省略可能である。例えば、画像保管通信システム100内に、PET装置250とX線CT装置240とが一体化されたPET/CT装置をさらに設けることで、互いに位置合わせ済みの機能ボリュームデータ及び形態ボリュームデータが生成される場合、上述の位置合わせは不要である。
第5に、図6の例では、画像処理ワークステーション400内に本実施形態の画像処理装置440が設けられる例を述べた。これは解釈の一例に過ぎず、画像処理ワークステーション400は、画像処理サーバとして捉えてもよい。また、本実施形態の画像処理装置440は、各モダリティ(210,220,230,240,250,260)の中にそれぞれ搭載されてもよい。
第6に、図15のステップS11〜S23の処理(或いは図14のステップS1〜S4の処理)をプログラムコード化することで画像処理プログラムを作成してもよい。上記画像処理装置440は、かかる画像処理プログラムがインストールされたものとして解釈してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100:画像保管通信システム,
440:画像処理装置,
441:取得部,442:融合部,443:抽出合成部,444:判定部

Claims (12)

  1. 被検体の心臓の形態を3次元的に示す画像データである形態ボリュームデータと、同一の前記被検体の心臓の機能指標を3次元的に示す機能画像データとを取得する取得部と、
    前記機能画像データから断面画像データを生成する融合部と、
    前記形態ボリュームデータから冠状動脈の領域を3次元的に抽出することで冠状動脈ボリュームデータを生成し、前記冠状動脈ボリュームデータから得られた、2次元化された冠状動脈の芯線または輪郭情報を、前記断面画像データに合成した2次元の合成画像データを生成する抽出合成部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記形態ボリュームデータから抽出した前記冠状動脈の領域を前記断面画像データに合成して表示する際に、前記冠状動脈の上流側と、下流側とで表示の色を変化させる、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記形態ボリュームデータから抽出した前記冠状動脈の領域を前記断面画像データに合成して表示する際に、前記冠状動脈のうち、前記断面位置を基準として上流側にある部分と、下流側にある部分とで表示のを変化させる、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記形態ボリュームデータから抽出した前記冠状動脈の領域を前記断面画像データに合成して表示する際に、前記冠状動脈の心基部側と、心尖部側とで表示の色を変化させる、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記形態ボリュームデータから抽出した前記冠状動脈の領域を前記断面画像データに合成して表示する際に、前記冠状動脈のうち、前記断面位置を基準として心基部側にある部分と、心尖部側にある部分とで表示のを変化させる、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記断面位置は、前記被検体の前記心臓の短軸断面に対応する位置である、
    請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記抽出合成部は、前記冠状動脈ボリュームデータを2次元化した冠状動脈画像データを生成し、前記冠状動脈画像データを前記断面画像データに合成することで、2次元の前記合成画像データを生成する、
    請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記抽出合成部は、前記冠状動脈ボリュームデータ内に前記断面画像データを挿入することで、3次元の前記合成画像データを生成する、
    請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記冠状動脈ボリュームデータに基づいて前記冠状動脈における病変候補領域の有無を判定し、前記病変候補領域が存在する場合には前記病変候補領域の位置を特定する判定部をさらに備え、
    前記抽出合成部は、前記病変候補領域の位置情報が含まれるように前記合成画像データを生成する、
    請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 被検体の心臓の形態を3次元的に示す画像データである形態ボリュームデータと、同一の前記被検体の心臓の機能画像データとを取得する取得部と、
    前記形態ボリュームデータから冠状動脈の領域を3次元的に抽出することで冠状動脈ボリュームデータを生成し、前記冠状動脈ボリュームデータの少なくとも一部と、前記機能画像データから得られる断面画像データとが合成された合成画像データを生成する抽出合成部と、
    融合により前記断面画像データを生成する融合部と、備え、
    前記取得部は、前記機能画像データとして、前記被検体の心機能を3次元的に示す機能ボリュームデータを取得し、
    前記融合部は、前記機能ボリュームデータと、前記形態ボリュームデータとから前記心臓の同一断面に該当する画像データをそれぞれ抽出して融合することで、2次元の融合画像データを前記断面画像データとして生成し、
    前記抽出合成部は、前記合成画像データの生成において、前記融合画像データを前記断面画像データとして用いる、
    画像処理装置。
  11. 被検体の心臓の形態を3次元的に示す画像データである形態ボリュームデータと、同一の前記被検体の心臓の機能指標を3次元的に示す機能画像データとを取得するステップと、
    前記機能画像データから断面画像データを生成するステップと、
    前記形態ボリュームデータから冠状動脈の領域を3次元的に抽出することで冠状動脈ボリュームデータを生成し、前記冠状動脈ボリュームデータから得られた、2次元化された冠状動脈の芯線または輪郭情報を、前記断面画像データに合成した2次元の合成画像データを生成するステップと
    を有する画像処理方法。
  12. 被検体の心臓の形態を3次元的に示す画像データである形態ボリュームデータと、同一の前記被検体の心臓の機能画像データとを取得する取得ステップと、
    前記形態ボリュームデータから冠状動脈の領域を3次元的に抽出することで冠状動脈ボリュームデータを生成し、前記冠状動脈ボリュームデータの少なくとも一部と、前記機能画像データから得られる断面画像データとが合成された合成画像データを生成する合成ステップと、
    融合により前記断面画像データを生成する融合ステップと、備え、
    前記取得ステップは、前記機能画像データとして、前記被検体の心機能を3次元的に示す機能ボリュームデータを取得し、
    前記融合ステップは、前記機能ボリュームデータと、前記形態ボリュームデータとから前記心臓の同一断面に該当する画像データをそれぞれ抽出して融合することで、2次元の融合画像データを前記断面画像データとして生成し、
    前記合成ステップは、前記合成画像データの生成において、前記融合画像データを前記断面画像データとして用いる、
    画像処理方法。
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