JP6492374B1 - 胞子を用いたクサソテツの低コスト大量苗生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】胞子を用いたクサソテツ胞子体苗の安価で簡易な大量生産方法を提供することを課題とする。
【解決手段】クサソテツの胞子を用いたクサソテツ胞子体苗の生産方法であって、(1)クサソテツの胞子から前葉体を得るステップ、(2)前記前葉体から胞子体を得るステップ、及び(3)前記胞子体から定植可能な胞子体苗を得るステップを含む、但しステップ(2)において、ステップ(1)で得られた前葉体を移植することを特徴とする方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、クサソテツ(コゴミ)の胞子を用いた胞子体苗の安価で簡易な大量生産方法に関する。
クサソテツ(Matteuccia struthiopteris)は、日本国内において北海道から九州まで広く分布し、イワデンタ科クサソテツ属のシダ植物であり、一般的には俗称のコゴミとして、ゼンマイやワラビと同様に春の山菜として広く知られている。クサソテツは、山菜特有の食味や風味を有しながら、ゼンマイやワラビに比べアクが少なく一般的な野菜と同様に調理できるため、消費の拡大が期待されている。現在は、東北地方を中心に栽培が行われており、2014年は全国で68.6トンが出荷されている。
クサソテツの増殖は胞子及びランナー(走出枝)によって行われる。しかし、胞子による増殖は、自然環境下では子株(塊茎の直径がおおむね2cm以下)となるまで約7〜8年、さらに子株から収穫可能な成株(塊茎の直径がおおむね4cm以上)となるまで7年と長い年月を要する。またランナーによる増殖は(1)成株から伸びたランナーの伏せ込み、あるいは(2)ランナーの先に形成される子株の株分けが知られているが、特に西日本では成株を自生地から採取することは困難であり、また成株は安価に入手できないため、(1)及び(2)のいずれの方法も有利な増殖方法とはなり得ない。
これまでに、幼苗を大量に生育させる方法として、組織培養法及び胞子を用いた増殖法が報告されている。徳島県では、1997年に、井内らが、根茎から摘出した茎頂及び若いランナーの先端から植物体を再生する組織培養による大量苗作成方法を確立している(非特許文献1、非特許文献2)。また富山県では、1998年に梅林が胞子を用いて20℃、3,000luxの条件で幼苗を得ることに成功している(非特許文献3)。しかし、いずれの方法も特別な機器(恒温器等)や精密な温度・湿度等の管理が必要なため、苗の生産経費が高価となり、試験場以外の一般的な生産者では取り組めないという問題点があった。山梨県では、2002年に雨宮ら(非特許文献4)が胞子を用いて特別な機器を使用せずに胞子体を得ることに成功しているが、圃場に定植可能な苗となるまでに1年10ケ月と長い期間を要し、作出された株数も胞子0.5gから20株程度と苗数が少ないという課題があった。
そこで本発明者らは、特別な機器を用いることなく、クサソテツの胞子から簡単かつ大量にクサソテツの胞子苗を生産する方法を開発した。
井内 美砂、「クサソテツの組織培養による大量増殖(第1報)多芽球体の増殖条件」、徳島県立農業試験場試験研究報告 第33号:pp.13−17(1997年10月) 井内 美砂、後藤 昭文、川村 泰史、「クサソテツの組織培養による大量増殖(第2報)多芽球体の誘導及び植物体再生」、徳島県立農業試験場試験研究報告 第35号:pp.14−19(1999年9月) 梅林 智美、「クサソテツ(コゴミ)の胞子による苗大量生産技術」、平成10年度園芸学会北陸支部発表要旨、富山県農業技術センター 山村特産指導所(1998年) 雨宮圭一及び望月太、「クサソテツ(コゴミ)の胞子による増殖法」、山梨県総合農業試験場研究報告(Bulletin of the Yamanashi Agricultural Research Center)、ISSN 09108335、No. 11、p.45−50(2002年3月)
本発明の目的は、胞子を用いたクサソテツ胞子体苗の安価で簡易な大量生産方法を提供することである。
本発明は、以下の特徴を包含する。
[1]胞子を用いたクサソテツ胞子体苗の生産方法であって、(1)クサソテツの胞子から前葉体を得るステップ、(2)前記前葉体から胞子体を得るステップ、及び(3)前記胞子体から定植可能な胞子体苗を得るステップを含む、但しステップ(2)において、ステップ(1)で得られた前葉体を移植することを特徴とする、前記方法。
[2]前記ステップ(1)において、前記胞子を播種床1cmあたり約40μg〜約100μgの量で播種することを含む、[1]に記載の方法。
[3]前記ステップ(1)で得られる前葉体が、2mm以上の葉幅を有する、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記ステップ(1)〜(3)において、前記胞子、前記前葉体及び前記胞子体を光照射の24時間日長下に置く、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記光照射が、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度である、[4]に記載の方法。
[6]前記ステップ(2)において、前記前葉体を1セル(約5cm〜約10cm)あたり数個体ずつ、培養土を含むマルチセルトレイに移植する、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記すべてのステップを保湿下で行う、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記ステップ(3)において、1週間に1回程度の頻度で肥料を施用する、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記ステップ(1)及び(2)のそれぞれにおいて、前記光照射の24時間日長下に置く期間が、約30日〜約45日である、[4]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]前記ステップ(3)において、前記光照射の24時間日長下に置く期間が、約1.8ケ月〜約2.2ケ月である、[4]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]前記ステップ(1)〜(3)が、
(1)播種床1cmあたり40μg〜100μgの量でクサソテツの胞子を、培養土などの培地を充填した光源(例、蛍光灯)付育苗箱に播種し、保湿し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約30日〜約45日間置き、葉幅2mm以上であるクサソテツ前葉体を得るステップ、
(2)前記ステップ(1)で得られた前記前葉体を、培養土などの培地を充填したマルチセルトレイに1セル(約5cm〜約10cm)あたり数個体(例、2〜5個体)ずつ移植し、保湿し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約30日〜約45日間置き、クサソテツ胞子体を得るステップ、及び
(3)前記ステップ(2)で得られた前記胞子体に、(例えば、水分を噴霧して)保湿状態を保ちながら(例えば、1週間に1回程度)肥料(例、液肥)を施用し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約1.8ケ月〜約2.2ケ月間程度置き、定植可能なクサソテツ胞子体苗を得るステップ、
を含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の方法。
本発明は、胞子を用いたクサソテツ胞子体苗の生産方法において、前葉体を移植することを特徴とし、これによって活着・生着率の向上及び作業の効率化が得られるという利点を提供する。
この図は、本発明の方法を実施するための蛍光灯付育種箱の模式図である。 この図は、本発明の方法の、胞子及びその散播から前葉体の作出までの作業(ステップ1、3〜4月)及び状態(A、B、C、D)を示す図である。散播の時期は、九州では3月上中旬頃である。保湿のため、散播後は水稲育苗箱をラップで包む。蛍光灯は40Wの直管蛍光灯を使用する。水稲育苗箱1箱から、2mm以上の前葉体が3,000個程度得られる。 この図は、本発明の方法の、前葉体の移植から胞子体、さらに定植用胞子体苗の作出までの作業(ステップ2〜ステップ3、4〜6月)及び状態(A、B、C、D)を示す図である。前葉体の移植では、仮根を切らないように注意する。セルトレイの端は特に乾きやすいので、霧吹き等を用いて乾かないようにする。水稲育苗箱1箱から、胞子体発生セルが1,000セル程度得られる。液肥は、ハイポネックス(N−P−K=6−10−8)を週1回500倍に希釈して施用する。胞子体発生後、2ヶ月程度で草丈6cm程度となる。
以下において、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、胞子を用いたクサソテツ胞子体苗の生産方法を提供する。
この方法は、(1)クサソテツの胞子から前葉体を得るステップ、(2)前記前葉体から胞子体を得るステップ、及び(3)前記胞子体から定植可能な胞子体苗を得るステップを含み、ステップ(2)において、ステップ(1)で得られた前葉体を移植することを特徴とする。
上記の背景技術に記載されるように、クサソテツの胞子による苗の生産法又は増殖法は、非特許文献3及び4において提案されているが、いずれも胞子体を移植している。これに対して、本発明方法では、前葉体を移植することを特徴としていることから、これらの従来法と異なる。
従来法では、胞子体の2葉展開期に移植が行われるが、湿度が保たれている場合は移植された胞子体の9割程度が活着し生育する一方、室内で湿度が保たれていない場合は2割以下しか活着せず、多くが枯死することが知られている。その原因は、移植の際、根が切れるため、移植後に胞子体が十分な水を吸い上げることができないためと考えられる。
一方、本発明の方法では、従来法の上記課題を解決する方法として、前葉体の時点(好ましくは、葉幅が約2mm以上である時点)で移植することによって、前葉体は、短い仮根から必要な水分を確保している状況であり、播種床の表面ごと移植すれば前葉体が枯れることはなく、移植作業による根傷みの発生や活着不良が発生しないため、移植後の生育が順調に進むし、また、従来法のようにセルトレイの培養土深く入っている根を丁寧に掘る必要がないため作業時間の短縮(作業の効率化)にもつながるという利点がある。
以下、胞子体苗生産装置及び胞子体苗生産方法について説明する。
<胞子体苗生産装置>
本発明の方法で使用する胞子体苗生産装置は、育種箱と、この箱の全面を照明する光源とを含む簡易な装置からなる。
「育苗箱」は、クサソテツ胞子の播種床として使用するために培養土、水苔、バーミキュライト、鹿沼土、それらの混合物等の植物育成用培地を充填して用いられるプラスチック製、金属製(例、アルミ、ステンレス等)、木製などの材質の浅い箱であって、箱の底面に排水穴が多数開口しているものを指す。育苗箱には、例えば方形の区画を有する格子又は容器を配置してもよい。育苗箱は、新鮮な培養土を充填した育苗箱と容易に置換できるように台座等に配置されうるし、また、育苗箱は、その中に、マルチセルトレイをセットすることも可能なように成形されてもよい。育苗箱として、例えば、市販の水稲中苗育苗箱を利用することができる。この育苗箱は、水稲用の中苗を作るために汎用されているため、安価にかつ容易に入手可能である。
「マルチセルトレイ」は、多数のセル(例、100以上又は200以上)を含む容器、あるいは任意の形状(例、小さいくさび型もしくはU字型)のポットが連結して並んでいる育苗パネルであり、本発明では、前葉体を、この中に移植するために使用しうる。トレイの材質はプラスチック製、金属製(例、アルミ、ステンレス等)、木製などであるが、製造のし易さと価格の面でプラスチック製が好ましい。
光源は、育苗箱に播種された胞子、前葉体、胞子体などに光照射するために必要である。光源として、LEDや蛍光灯が好ましい。本発明の方法では、上記胞子、前葉体、胞子体などの光照射する照度が、好ましくは、例えば約2,000ルクス(lux)〜約3,000ルクス程度必要であるため、光源と照明対象である育種箱との距離を約20〜30cm程度になるように、光源の位置を決定する。
そのような装置の具体例を図1に示した。
2つのコンテナが所定の間隔を開けて配置され、上記2つのコンテナの間に複数の育種箱(例、水稲中苗育苗箱又はマルチセルトレイ)が配置され、さらに上記2つのコンテナのそれぞれの上面に直管蛍光灯(例、40W)の両端が設置され、ここで上記育苗箱の上面が上記蛍光灯の下、所定の距離(例、約20cm〜約30cm)に位置するように上記蛍光灯が設置される。好ましくは、この装置に設置されている蛍光灯の照度は、約2,000ルクス〜約3,000ルクスに調整されうる。コンテナは、収穫物の運搬用途等に使用されうる。
<胞子体苗生産方法>
1.クサソテツの胞子から前葉体を得る第1ステップ
このステップでは、クサソテツの胞子を、培養土などの培地を充填した光源付育苗箱に播種し、保湿のために透明材料で被覆し、約2,000ルクス〜約3,000ルクスの24時間日長下に約30日〜約45日間置き、葉幅が2mm以上であるクサソテツ前葉体を得ることができる。
本明細書において「クサソテツの胞子」は、市販されているクサソテツの苗を生育させて採取した胞子葉や、自然界に自生する胞子葉から得られた胞子であり得る。上記胞子は、温度4℃〜5℃の冷蔵庫中で保存開始後2年以内の胞子葉から得られた胞子であってもよい。
本明細書において「培地」は、例えば、市販のピートモス、バーミキュライト、土(例、鹿沼土、腐葉土)等の混合土、水苔、バーミキュライトなどの植物育成・栽培用の培地を意味する。培地には、必要に応じて有機肥料(家畜糞、魚粉、米糠、油粕、骨粉、ボカシ肥、草木灰等)及び/又は無機肥料(チッソ、リン、カリ等)を必要量配合してもよいが、本発明の方法の第1ステップ及び次の第2ステップでは、好ましくは肥料を配合しない。なお、本明細書では、断らない限り「培地」を「培養土」と互換的にかつ便宜的に使用することがある。
本発明では、胞子の播種量が前葉体発生量に影響するため重要である。好ましくは、胞子を播種床1cmあたり約40μg〜約100μg、さらに好ましくは約50μg〜約80μgの量で播種するのがよい(後述の表2参照)が、条件の違いなどによっては、この範囲以外の播種量を使用することもできる。
胞子を光照射するときには、24時間日長が前葉体発生数との関係で最も好ましい(後述の表1参照)。本明細書において「24時間日長」とは、人工光源を用いて、連続24時間光を照射することを意味する。
またこのとき、光照射の上記照度が、好ましくは、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスであるが、照度は、前葉体が発生する限り、この範囲外の明るさでもよい。
本発明の方法では、すべてのステップを保湿下で行うことが必要である。そのためには、簡単には、透明フィルム、透明ガラスなどの「透明材料」を用いて育苗箱の上面を覆うことができる。この方法では、クサソテツの胞子及び培養土等の保湿状態を保つことが重要である。透明材料として、育苗箱の上面を覆うように密着させることが可能であり、且つ光をほぼ完全に透過させることができるフィルム状の素材が好ましく、例えば市販の農業用ビニール、食品用ラップフィルム等が挙げられる。
上記光照射の24時間日長下に置く期間は、好ましくは約30日〜約45日、さらに好ましくは約35日〜約40日である。
第1ステップで胞子から前葉体が得られるが、前葉体は、好ましくは少なくとも2mmの葉幅を有する。2mm程度の葉幅をもつ前葉体であれば、短い仮根を有しているため水を吸い上げることが可能である。
本明細書における「前葉体」は、クサソテツの胞子が発芽して形成される配偶体であって、腹面に造精器と造卵器の両方を有し、さらに下部に短い仮根を有する、葉幅が少なくとも2mm(もしくは2mm以上)の植物体である。
第1ステップでは、具体的な例示として、クサソテツの胞子を、培養土などの培地を充填した光源(例、蛍光灯)付育苗箱に播種し、保湿のために透明材料で被覆し、約2,000ルクス〜約3,000ルクスの24時間日長下に約30日〜約45日間置き、葉幅が2mm以上であるクサソテツ前葉体を得ることができる。
2.前葉体から胞子体を得る第2ステップ
このステップでは、具体的な例示として、第1ステップで得られた前葉体を、培養土などの培地を充填したマルチセルトレイに1セル(約5cm〜約10cm)あたり数個体ずつ移植して透明材料で被覆し、約2,000ルクス〜約3,000ルクスの24時間日長下に約30日〜約45日間置き、クサソテツ胞子体を得ることができる。
上記前葉体を、第1ステップの場合と同様に光照射の24時間日長下に置くことが重要である。
またこのとき、光照射の上記照度が、好ましくは、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスであるが、照度は、胞子体が発生する限り、この範囲外の明るさでもよい。
さらに、上記前葉体を1セル(約5cm〜約10cm(例、3個程度のとき5cm〜5.5cm))あたり数個体、好ましくは2〜5個、さらに好ましくは3〜4個体、最も好ましくは3個ずつ、培養土などの培地を含むマルチセルトレイに移植することが好ましい(後述の表3参照)。ここで、「数個体」は、2〜10個体を意味する。
また、第1ステップと同様に、このステップでも保湿下で行うことが必要である。上記のように透明材料でトレイを被覆することによって保湿することができる。
上記光照射の24時間日長下に置く期間は、好ましくは約30日〜約45日、さらに好ましくは約35日〜約40日である。
3.胞子体から定植可能な胞子体苗を得る第3ステップ
このステップでは、具体的な例示として、第2ステップで得られた胞子体に、(例えば、水分を噴霧して)保湿状態を保ちながら適宜肥料(例、液肥)を施用し、約2,000ルクス〜約3,000ルクスの24時間日長下に、好ましくは約1.8ケ月〜約2.2ケ月間置き、定植可能なクサソテツ胞子体苗を得ることができる。
上記胞子体を、上記第1ステップ及び第2ステップと同様に、光照射の24時間日長下に置くことが重要である。
またこのとき、光照射の上記照度が、好ましくは、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスであるが、照度は、胞子体苗が発生する限り、この範囲外の明るさでもよい。
このステップでは肥料(例、液肥)を使用するが、肥料を施用する頻度は、好ましくは、1週間に1回程度である。肥料は、上記の有機肥料又は無機肥料であり、例えば、「ハイポネックス」(例、N−P−K=6−10−8)等の市販の肥料であってよい。
また、光照射の24時間日長下に置く期間は、好ましくは、上記のとおり、約1.8ケ月〜約2.2ケ月であり、さらに好ましくは約2ケ月間であるが、胞子体苗が発生する限り、この期間以外でもよい。
さらに、このステップもまた、保湿下で行う必要がある。植物体のサイズが大きくなるため、「(例えば、水分を噴霧して)保湿状態を保つ」ことが好ましく、具体的には、播種床である育苗箱に充填した培養土などの培地が乾かないように、霧吹き等を利用して培地に水を吹きかけ、その後育苗箱の上面を農業用ビニールや食品用ラップのような透明材料で覆うことがよい。
本明細書における「定植可能なクサソテツ胞子体苗」は、クサソテツ胞子体の発生から約2ヶ月等の上記期間で得られる、草丈が高く(例、5cm以上)、葉幅が広く(例、2cm以上)、葉色が濃い、良好に生育した胞子体苗が好ましい。
本明細書における「クサソテツ胞子体」は、配偶体である前葉体から得られた雌雄の配偶子が融合して複相(二倍体)の接合子となり、これが細胞分裂を繰り返して多細胞体となったものである。
4.好適な方法の具体例
本発明の方法は、上記1〜3のステップを含み、各ステップの具体例を組み合わせた好適な実施形態は、以下の方法を含む。
すなわち、好適な方法の例は、前記ステップ(1)〜(3)が、
(1)播種床1cmあたり40μg〜100μgの量でクサソテツの胞子を、培養土などの培地を充填した光源(例、蛍光灯)付育苗箱に播種し、保湿し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約30日〜約45日間置き、葉幅2mm以上であるクサソテツ前葉体を得るステップ、
(2)前記ステップ(1)で得られた前記前葉体を、培養土などの培地を充填したマルチセルトレイに1セル(約5cm〜約10cm)あたり数個体(例、2〜5個体)ずつ移植して保湿し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約30日〜約45日間置き、クサソテツ胞子体を得るステップ、及び
(3)前記ステップ(2)で得られた前記胞子体に、(例えば、水分を噴霧して)保湿状態を保ちながら(例えば、1週間に1回程度)肥料(例、液肥)を施用し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約1.8ヶ月〜約2.2ケ月間置き、定植可能なクサソテツ胞子体苗を得るステップ、
を含む、上記方法である。
実施例を参照しながら本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、当該実施例に限定されないものとする。
以下の各実施例において、胞子については、タキイ種苗株式会社から購入したクサソテツ苗を2012年4月に研究所内の圃場に定植し、生育させた株から発生した胞子葉を2014年10月に採取し、胞子嚢群に切り分けてジッパー付の食品保存用袋に入れ、温度5℃の冷蔵庫で4ケ月保存したものを使用した(胞子は採取後2年以内であれば発芽する)。播種床については、縦30cm×横60cmの水稲中苗育苗箱に市販の培養土(ピートモス、バーミキュライト、鹿沼土等の混合土で肥料は含まない)を充填したものを用いた。胞子の播種の直後に、この水稲中苗育苗箱を、蛍光灯とコンテナを組み合わせた簡易な装置の下に置いた(図1)。
[実施例1]日長時間が前葉体の発生数に及ぼす影響
2015年3月20日に、100mgの胞子を十分に散水した水稲中苗育苗箱(播種床)へ均一に播き、保湿のためこの水稲中苗育苗箱を食品用ラップで包んだ。その直後、自然光が当たらない段ボール内で、上記装置の40W直管蛍光灯(FLR40S・W/M)の下20cm(2500lux)に育苗箱を置き、日長時間が異なる区(0時間/日、6時間/日、12時間/日、24時間/日)を設け、2015年5月7日に、葉幅(以下「幅」という)2mm以上の前葉体の発生数について、水稲中苗育苗箱内で2か所(縦10cm×横10cm)を調査して平均値を求めた。
胞子播種から約2週間程度で前葉体が発生し始め、40日程度経過すると、移植に適した幅2mm程度の大きさとなった。
表1に示したとおり、幅2mm以上の前葉体の発生数は、日長時間が24時間、12時間、6時間、0時間の順に多かった。6時間では幅2mm以下の前葉体の発生は確認できたが、0時間は前葉体の発生自体が確認できなかった。
Figure 0006492374
日長時間12時間より日長時間24時間の方が、幅2mm以上の前葉体の数が多かった。このことから、前葉体の発生及びその生育には、光及び日長時間が影響している。効率よく前葉体を得るためには、日長時間は24時間が最適である。
[実施例2]胞子の播種量が前葉体の発生数に及ぼす影響
2015年3月5日に、10mg、50mg、100mg、500mg、1,000mgに計量した胞子を、水稲中苗育苗箱(播種床)にそれぞれ均一に播き、保湿のためこの水稲中苗育苗箱を食品用ラップで包んだ。その直後、育苗箱に直射日光があたらない室内で、24時間日長の40W直管蛍光灯の下20cm(2,500lux)に置き、2015年4月15日に、幅2mm以上の前葉体の発生数について、水稲中苗育苗箱内で3か所(縦10cm×横10cm)を調査し、平均値を求めた。
前葉体(2mm以上)の発生数は、表2に示したとおり、100mg、50mg、10mg、500mg、1,000mgの順に多かった。1,000mg播種した場合、調査日の2015年4月15日においては前葉体の発生は確認できたが、幅は2mm以下であった。
Figure 0006492374
水稲中苗育苗箱(縦30cm×横60cm)に対し、胞子播種量が10mg、50mgの場合は、均一に播種しても播種床に前葉体が発生していないスペースが見られた。胞子播種量が500mg、1,000mgの場合は、播種床いっぱいに前葉体が重なり合うように発生し、生育は不良であった。
胞子播種量が100mgの場合は、前葉体が発生していないスペースは少なく、前葉体の重なりも少なく、生育は良好であった。このことから、水稲中苗育苗箱(縦30cm×横60cm)に対しては、胞子量100mg及びその前後が最適量である。
[実施例3]前葉体の移植数及び移植したセルトレイの大きさが、胞子体発生セル率及び胞子体の生育に及ぼす影響
2015年4月15日に、試験2の前葉体(胞子量100mgで播種し、24時間日長下で生育させた前葉体)を、2箱の288穴セルトレイの全穴及び2箱の128穴セルトレイの全穴にそれぞれ1個体ずつ、さらに、2箱の288穴セルトレイの全穴及び2箱の128穴セルトレイの全穴にそれぞれ3個体ずつ移植し、5月下旬に、胞子体の発生後、灌水を1日2回行い、500倍希釈の市販の液肥(ハイポネックス6−10−8)を1週間に1回施用し、6月30日に、胞子体苗が発生したセルの割合(胞子体が1個以上発生しているセルの割合)について調査し、平均値を求めた。なお、セルトレイは、1セルあたり5.3cmの面積を有した。
表3に示したとおり、胞子体の発生セル率は、前葉体を3個体ずつ移植した方が、1個体ずつ移植するより高くなった。また、128穴セルトレイ及び288穴セルトレイに前葉体を3個体ずつ移植した場合、表4に示したとおり、胞子体発生セル率及び生育に大きな差はなかった。
Figure 0006492374
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上記のとおり、前葉体の段階で移植を行うことにより、2mm程度の前葉体は短い仮根を有するために必要な水分を確保することが可能であり、播種床の表面ごと移植すれば前葉体は枯死せず、移植作業による根傷みの発生や活着不良が発生しないため、移植後順調に生育し得た。また、セルトレイの奥深くに入っている根を丁寧に掘る必要がないため、作業時間を短縮することもできた。
1つのセル穴に対する移植数が1個体の場合には胞子体発生セル率は42.4%と低かったが、1つのセル穴に対する移植数を3個体に増やすことによって、胞子体発生セル率を高めることができる。定植までの期間が胞子体発生から2ケ月と短いこと、ある程度密植であってもクサソテツの光飽和点が低いことから、288穴セルトレイで育苗することが可能である。
[実施例4]液肥施用が胞子体の生育に及ぼす影響
2015年3月5日に、水稲中苗育苗箱に100mg/箱の胞子を播種し、その後24時間日長処理して発生した前葉体を、4月15日に2箱の288穴セルトレイに3個体ずつ移植し、胞子体の発生後、灌水を1日2回行い、5月23日から1週間に1回の割合で液肥(ハイポネックス6−10−8)を500倍希釈、1,000倍希釈、2,000倍希釈に分けて施用する区(1回に1.5mL/セルを施用)と、無施用区(水のみで管理)とを設け、6月30日に、288穴セルトレイの各処理区10セルの2カ所で胞子体の葉数4枚目の草丈、葉幅(最も広い長さ)について調査し、平均値を求めた。なお、1セルから胞子体が1株以上発生した場合は1株に間引いた。
表5に示したとおり、胞子体の生育は、液肥を施用した方が、無施用の場合と比較して、草丈が高く葉幅が広くなった。また液肥の希釈倍数による生育の差はほとんどなかった。
Figure 0006492374
液肥を施用しない場合は葉色が薄くなりやや黄色くなっていたことから、この場合には肥料切れとなって胞子体の生育が抑制されたと推定される。液肥の施用による生理障害は生じなかったため、肥料が不足することがないように、液肥の希釈倍数は500倍が適当である。
本発明の、クサソテツの胞子を用いた胞子体苗の安価で簡易な大量生産方法は、栄養豊富でアクが少なく調理が容易な食用山菜としての、また薬用原料としてのクサソテツの人工栽培に有用である。

Claims (10)

  1. 胞子を用いたクサソテツ胞子体苗の生産方法であって、(1)クサソテツの胞子から仮根を有する前葉体を得るステップ、(2)前記仮根を有する前葉体から胞子体を得るステップ、及び(3)前記胞子体から定植可能な胞子体苗を得るステップを含む、但しステップ(2)において、ステップ(1)で得られた仮根を有する前葉体を移植すること、並びにステップ(1)〜ステップ(3)において、前記胞子、前記仮根を有する前葉体及び前記胞子体を光照射の24時間日長下に置くことを特徴とする、前記方法。
  2. 前記ステップ(1)において、前記胞子を播種床1cm2あたり約40μg〜約100μgの量で播種することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップ(1)で得られる仮根を有する前葉体が、2mm以上の葉幅を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記光照射が、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ステップ(2)において、前記仮根を有する前葉体を1セル(約5cm2〜約10cm2)あたり数個体ずつ、培養土を含むマルチセルトレイに移植する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記すべてのステップを保湿下で行う、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ステップ(3)において、1週間に1回の頻度で肥料を施用する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ステップ(1)及び(2)のそれぞれにおいて、前記光照射の24時間日長下に置く期間が、約30日〜約45日である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記ステップ(3)において、前記光照射の24時間日長下に置く期間が、約1.8ケ月〜約2.2ケ月である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ステップ(1)〜(3)が、
    (1)播種床1cm2あたり40μg〜100μgの量でクサソテツの胞子を、培養土などの培地を充填した光源付育苗箱に播種し、保湿し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約30日〜約45日間置き、仮根を有し葉幅2mm程度であるクサソテツ前葉体を得るステップ、
    (2)前記ステップ(1)で得られた前記仮根を有し葉幅2mm程度である前葉体を、培養土などの培地を充填したマルチセルトレイに1セル(約5cm2〜約10cm2)あたり数個体ずつ移植して保湿し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約30日〜約45日間置き、クサソテツ胞子体を得るステップ、及び
    (3)前記ステップ(2)で得られた前記胞子体に、保湿状態を保ちながら肥料を施用し、約20cm〜約30cm直下で約2,000ルクス〜約3,000ルクスの照度で24時間日長下に約1.8ヶ月〜約2.2ケ月間置き、定植可能なクサソテツ胞子体苗を得るステップ、
    を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115500265A (zh) * 2022-10-28 2022-12-23 中国长江三峡集团有限公司 一种快速从荷叶铁线蕨孢子播种繁殖得到幼苗的方法

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