JP6489175B2 - 固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機 - Google Patents

固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機 Download PDF

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Description

本発明は、固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機に関する。
空気調和機の室外機に設けられた圧縮機用モータでは、電磁鋼板からなる固定子コアとコイルとの間を絶縁する絶縁部材が固定子コアとコイルとの間に配置されている。絶縁部材は、固定子コアのスロット部に挿入され、固定子コアのティース部の側面を覆う絶縁シートを有する。このような絶縁シートでは、ティース部とコイルとの絶縁距離を長くするために、複数枚の絶縁シートを重ね合わせた状態でスロット部に挿入される場合がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2014−50290号公報 特開2010−115040号公報
ところで、スロット部に絶縁シートを挿入する場合、挿入容易性の確保のため、スロット部の形状と同じ形状に絶縁シートを予め折り曲げておく必要がある。しかし、絶縁シートの形状が複雑になると、絶縁シートの折り曲げ回数が増加し、それに伴い絶縁シートを製造する生産設備が複雑化してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、生産設備を簡略化し易い固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機を提供することを目的とする。
この課題を解決する固定子は、環状のバックヨークと、前記バックヨークから径方向に延びる複数のティース部とを有する固定子コアと、前記複数のティース部に導線が巻回されて形成されたコイルと、前記複数のティース部と前記コイルとの間に配置され、前記固定子コアと前記コイルとを電気的に絶縁する絶縁部材とを有する固定子であって、前記絶縁部材は、複数枚の絶縁シートを含み、周方向に隣り合う前記ティース部及びこれら前記ティース部を繋ぐ前記バックヨークによって形成されるスロット部を構成する前記固定子コアの部分の側面には、前記複数枚の絶縁シートによって覆われ、前記複数枚の絶縁シートは、折り曲げられた状態かつ互いに重ね合わせられた状態で前記スロット部に挿入され、前記複数枚の絶縁シートは、第1の折り曲げ数の第1絶縁シートと、前記第1の折り曲げ数よりも少ない折り曲げ数の第2絶縁シートとを含み、前記第2絶縁シートは、前記固定子の平面視において前記スロット部における前記ティース部の先端よりも前記バックヨーク側の部分の形状に沿った形状に折り曲げられている。
この構成によれば、第1絶縁シートによってティース部全体とコイルとの間でコイルとティース部とが直接接触することを抑制できる。そして第2絶縁シートの折り曲げ数が第1絶縁シートの折り曲げ数よりも少なく、かつ第2絶縁シートがティース部の先端よりもバックヨーク側の部分の形状に沿った形状に折り曲げられるため、第1絶縁シート及び第2絶縁シートを製造する生産設備において第2絶縁シートを製造する部分の構成を簡略化できる。
上記固定子において、前記ティース部は、その先端において周方向に拡大する幅広部を有し、前記第1絶縁シートは、前記幅広部を覆うとともに、周方向に隣り合うティース部に向けて延びていることが好ましい。
上記構成によれば、第1絶縁シートが幅広部を覆うとともに周方向に隣り合うティース部に向けて延びるため、コイルとティース部との間の絶縁距離を長くすることができる。したがって、絶縁耐力を向上することができる。
上記固定子において、前記絶縁部材は、前記ティース部の軸方向の両端面を覆うカバー部材を有し、前記カバー部材は、前記ティース部の先端及び幅広部の少なくとも一部を覆う先端カバー部を含み、前記先端カバー部は、前記幅広部から前記バックヨークに向けて突出しており、前記コイルは、前記径方向において前記先端カバー部に接触していることが好ましい。
この構成によれば、ティース部の先端におけるコイルとティース部の幅広部との間の最短距離が、ティース部の他の部分におけるコイルとティース部との間の最短距離よりも長くなる。したがって、コイルと固定子コアとの間の漏れ電流を低減できる。
上記固定子において、前記第1絶縁シートは、前記コイル側に配置され、前記第2絶縁シートは、前記ティース部側に配置され、前記第2絶縁シートの厚さは、前記第1絶縁シートの厚さよりも薄いことが好ましい。
この構成によれば、厚さが厚いコイル側の第1絶縁シートによって厚さが薄いティース部側の第2絶縁シートをティース部の側面に押すことができるため、第1絶縁シート及び第2絶縁シートをティース部の側面に沿って配置することができる。したがって、巻線機によって導線をティース部に巻回するときに、巻線機のノズルが第1絶縁シートに接触することを抑制できる。
上記固定子において、前記絶縁部材は、前記ティース部の軸方向の両端面を覆うカバー部材を有し、前記複数枚の絶縁シートのうちの最も前記ティース部側に配置された絶縁シートの軸方向の長さは、他の絶縁シートの軸方向の長さよりも短いことが好ましい。
複数枚の絶縁シートがスロット部に挿入された後、カバー部材がティース部の軸方向の両端面に取り付けられる場合、複数枚の絶縁シートのうちの最もティース部側の絶縁シートがカバー部材と接触する可能性が高い。最もティース部側の絶縁シートがカバー部材と接触することにより、絶縁シートが折り曲げられ、カバー部材とティース部の軸方向の端面との間に挟み込まれてしまう場合がある。
その点、上記構成によれば、複数枚の絶縁シートのうちの最もティース部側の絶縁シートの軸方向の長さが他の絶縁シートの軸方向の長さよりも短いため、カバー部材がティース部の軸方向の両端面に取り付けられる場合に最もティース部側の絶縁シートとカバー部材とが接触して絶縁シートが折り曲げられてカバー部材とティース部の軸方向の端面との間に挟み込まれる可能性が低くなる。
上記固定子において、前記第2絶縁シートは、最も前記ティース部側に配置され、前記第1絶縁シートの軸方向の長さは、前記ティース部の軸方向の長さよりも長く、前記第2絶縁シートの軸方向の長さは、前記第1絶縁シートの軸方向の長さよりも短いことが好ましい。
この構成によれば、第1絶縁シートの軸方向の長さと第2絶縁シートの軸方向の長さとが互いに等しい場合に比べ、第2絶縁シートがティース部の軸方向の端面から軸方向に突出する長さが短くなる。したがって、第2絶縁シートがティース部の軸方向の端面とカバー部材との間に挟み込まれ難くなる。
上記固定子において、前記第2絶縁シートの軸方向の長さは、前記ティース部の軸方向の長さと等しいことが好ましい。
この構成によれば、第1絶縁シートの軸方向の長さと第2絶縁シートの軸方向の長さとが互いに等しい場合に比べ、第2絶縁シートがティース部の軸方向の端面から軸方向に突出する長さがより短くなる、又は第2絶縁シートがティース部の軸方向の端面から突出しない。したがって、第2絶縁シートがティース部の軸方向の端面とカバー部材との間に一層挟み込まれ難くなる。
前記固定子において、前記スロット部の周方向において、前記第1絶縁シートの長さは、前記第2絶縁シートの長さよりも長いことが好ましい。
前記固定子において、前記第1絶縁シートは、前記ティース部の先端側に配置されると共に、前記バックヨーク側に折り返された先端部を有することが好ましい。
前記課題を解決するモータは、上記固定子と、前記径方向において前記固定子と対向し、前記固定子が形成する磁界により回転する回転子とを備える。
この構成によれば、上記固定子と同様の効果が得られる。
前記課題を解決する圧縮機は、上記モータと、前記モータにより駆動する圧縮機構とを備える。
この構成によれば、上記モータと同様の効果が得られる。
前記課題を解決する空気調和機は、上記圧縮機を備える。
この構成によれば、上記圧縮機と同様の効果が得られる。
上記固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機によれば、生産設備を簡略化できる。
本実施形態の空気調和機を概念的に示す構成図。 空気調和機の圧縮機の縦断面図。 図2の3−3線の断面図。 圧縮機のモータの固定子における固定子コアと第1絶縁シート及び第2絶縁シートとの分解斜視図。 固定子の平断面図。 第1絶縁シートの平面図。 第2絶縁シートの平面図。 固定子コアに絶縁部材を取り付けた状態におけるティース部及びその周辺の縦断面図。 (a)は固定子の平面図、(b)は(a)の一点鎖線円の拡大図。 第1絶縁シート及び第2絶縁シートを製造する生産設備の模式図。 変形例の固定子の平断面図。 別の変形例の固定子の平断面図。
図1に示すように、空気調和機1は、圧縮機10、四路切換弁2、室外側熱交換器3、膨張弁4、及び室内側熱交換器5を配管6によって環状に接続したものであって、四路切換弁2を切り替えることにより、冷媒を可逆に循環させるようにしたヒートポンプ式空気調和機である。
すなわち、空気調和機1は、四路切換弁2を冷房モード接続状態(図示実線の状態)に切り替えることにより、圧縮機10、四路切換弁2、室外側熱交換器3、膨張弁4、室内側熱交換器5、四路切換弁2、圧縮機10の順に冷媒を循環させる冷房サイクルが形成される。これにより、空気調和機1は、室外側熱交換器3を凝縮器とし、室内側熱交換器5を蒸発器として作用させる冷房運転が行われる。また空気調和機1は、四路切換弁2を暖房モード接続状態(図示破線の状態)に切り替えることにより、圧縮機10、四路切換弁2、室内側熱交換器5、膨張弁4、室外側熱交換器3、四路切換弁2、圧縮機10の順に冷媒を循環させる暖房サイクルが形成される。これにより、空気調和機1は、室内側熱交換器5を凝縮器とし、室外側熱交換器3を蒸発器として作用させる暖房運転が行われる。
図2及び図3に示すように、圧縮機10は、揺動ピストン型の圧縮機であり、圧縮機構20と、モータ30と、モータ30の駆動力を圧縮機構20に伝達するクランク軸11と、圧縮機構20、モータ30、及びクランク軸11を収容するハウジング12と、冷媒を気液分離するためのアキュームレータ13とを備える。アキュームレータ13は、ハウジング12の側方に配置され、吸入管14によってハウジング12と接続されている。クランク軸11が延びる方向(以下、単に「軸方向」)において、モータ30はハウジング12の上部に配置され、圧縮機構20はハウジング12の下部に配置されている。ハウジング12において圧縮機構20よりも下部には、潤滑油が溜まる溜まり部16が形成されている。ハウジング12の上端部には、冷媒を吐出する吐出管15が設けられている。吐出管15は、配管6(図1参照)に接続されている。
圧縮機構20は、ハウジング12に取り付けられたシリンダ21と、シリンダ21のシリンダ室21a内に収容されたローラピストン22と、軸方向においてシリンダ室21aの両側を覆うフロントヘッド23及びリアヘッド24と、冷媒の流通音を低減するためのマフラー25とを備える。マフラー25は、フロントヘッド23に取り付けられている。
図3に示すように、シリンダ21は、平面視において2つの円が並んだ形状を有するブレード収容室21bと、吸入管14とシリンダ室21aとを連通する吸入ポート21cと、シリンダ室21a及びブレード収容室21bの付近に形成された吐出ポート21dとをさらに備える。平面視においてシリンダ室21aは円形を有する。シリンダ室21aとブレード収容室21bとは連通している。ブレード収容室21bにおいてシリンダ室21a側の部分には、揺動ブッシュ26が摺動可能に取り付けられている。吐出ポート21dには、吐出弁27(図2参照)が取り付けられている。吐出弁27の一例は、リード弁である。
ローラピストン22は、略円筒形状のローラ部22aと棒状のブレード部22bとが一体不可分に形成された構成である。ローラ部22aには、クランク軸11の偏心部11aが摺動可能に嵌め合わせられている。ブレード部22bは、揺動ブッシュ26に摺動可能に嵌め合わせられている。シリンダ室21aは、ローラピストン22によって、吐出ポート21d側の圧縮室HRと、吸入ポート21c側の吸入室LRとに区画されている。ローラ部22aの中心CAは、偏心部11aの中心CBと同じ位置であり、シリンダ室21aの中心CCとは異なる。シリンダ室21aの中心CCは、クランク軸11の回転中心と同じ位置である。モータ30によってクランク軸11が回転することに伴いブレード部22bが揺動するとともにローラ部22aが公転することにより、吸入ポート21cから冷媒が吸入室LRに吸入されて圧縮室HRで圧縮される。そして圧縮された高圧の冷媒が吐出ポート21dを介してマフラー25内に吐出する。マフラー25内の空間が吐出ポート21dの開口部よりも十分に大きいため、マフラー25内に吐出された冷媒の騒音が低減される。
図2に示すように、モータ30は、インナーロータ型の3相ブラシレスモータであり、回転子40及び固定子50を備える。
回転子40は、磁石埋め込み型の回転子であり、クランク軸11に固定された回転子コア41と、複数の板状の永久磁石42とを有する。回転子コア41は、薄板の電磁鋼板が軸方向に積層されてなる。永久磁石42は、回転子コア41に埋め込まれている。永久磁石42の形状は任意に設定可能である。一例では、永久磁石42は平板状である。
図2及び図4に示すように、固定子50は、薄板の電磁鋼板が軸方向に積層されてなる固定子コア51を有する。固定子コア51は、ハウジング12に対して例えば焼き嵌めによって固定されている。固定子コア51は、環状のバックヨーク52と、バックヨーク52から径方向内側に向けて延びる複数のティース部53とを有する。また、固定子コア51は、周方向に隣り合うティース部53と、これらティース部53を繋ぐバックヨーク52とにより囲まれた部分であるスロット部56を有する。ティース部53の先端には、周方向に延びる幅広部53aが形成されている。幅広部53aは、平面視において周方向の先端に向かうにつれて先細る形状を有する。
固定子50は、各ティース部53に導線54が巻回されてなる所謂集中巻きで形成されたコイル55と、固定子コア51とコイル55との間に配置された絶縁部材60とをさらに備える。
絶縁部材60は、固定子コア51の軸方向の両端面を覆う一対のカバー部材60A(図2参照)と、バックヨーク52の内側面及びティース部53の周方向側面を覆う第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60C(図4参照)とを含む。
図4〜図9を参照して、絶縁部材60の詳細な構成について説明する。図4〜図9では、説明の便宜上、第1絶縁シート60Bが第2絶縁シート60Cから離れ、第2絶縁シート60Cが固定子コア51から離れているが、実際は、第1絶縁シート60Bは第2絶縁シート60Cと当接し、第2絶縁シート60Cは固定子コア51と当接している。
図4及び図5に示すように、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cは、互いに重ね合わせられた状態で固定子コア51の各スロット部56内に挿入されている。第1絶縁シート60Bはコイル55側に配置され、第2絶縁シート60Cは固定子コア51側に配置されている。図5に示すとおり、第2絶縁シート60Cは複数枚の絶縁シートのうちの最もティース部53側に配置されている。第1絶縁シート60Bの厚さは第2絶縁シート60Cよりも厚い。一例では、第1絶縁シート60Bの厚さは第2絶縁シート60Cの厚さの2倍以上である。より詳細には、第1絶縁シート60Bの厚さは第2絶縁シート60Cの厚さの2倍以上かつ3倍以下である。第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂材料により形成されている。
図4及び図5に示すとおり、平面視における第1絶縁シート60Bの形状と第2絶縁シート60Cの形状とは互いに異なる。具体的には、第1絶縁シート60Bは、スロット部56においてバックヨーク52の側面からティース部53の先端である幅広部53aの周方向の側面までを覆っている。第2絶縁シート60Cは、スロット部56においてバックヨーク52の側面からティース部53の先端よりもバックヨーク52側の部分の周方向の側面を覆っている。すなわち第2絶縁シート60Cは、ティース部53の先端である幅広部53aの周方向の側面を覆っていない。
より詳細には、図5及び図6に示すように、第1絶縁シート60Bは、周方向に隣り合うティース部53において周方向に対向する側面を覆う一対のティースカバー部64Aと、周方向に隣り合うティース部53を周方向に繋ぐバックヨーク52の内側面を覆うバックヨークカバー部65Aと、ティース部53の先端の周方向側面を覆う先端カバー部66とを有する。第1絶縁シート60Bは、先端カバー部66から径方向外側に向けて屈曲して周方向に延びる延長部67をさらに有する。第1絶縁シート60Bは、一枚のシート状の母材をプレス金型によって折り曲げることにより、一対のティースカバー部64A、バックヨークカバー部65A、一対の先端カバー部66、及び一対の延長部が一体に形成される。図6に示すとおり、第1絶縁シート60Bは、FA1〜FA6の6箇所の折り目を有する。折り目FA1,FA2は、バックヨークカバー部65Aに対して一対のティースカバー部64Aのそれぞれが折り曲げられることにより形成されている。折り目FA3,FA4は、各ティースカバー部64Aに対して先端カバー部66が折り曲げられることにより形成されている。折り目FA5,FA6は、各先端カバー部66に対して延長部67が折り曲げられることにより形成されている。
図5及び図7に示すように、第2絶縁シート60Cは、平面視において略U字状を有する。第2絶縁シート60Cは、周方向に隣り合うティース部53において周方向に対向する側面を覆う一対のティースカバー部64Bと、周方向に隣り合うティース部53を周方向に繋ぐバックヨーク52の内側面を覆うバックヨークカバー部65Bとを有する。第2絶縁シート60Cでは、一枚のシート状の母材をプレス金型によって折り曲げることにより、一対のティースカバー部64Bとバックヨークカバー部65Bとが一体に形成される。図5に示すように、一対のティースカバー部64Bはティース部53の先端(幅広部53a)を覆わない、つまり、ティースカバー部64Bはティース部53における幅広部53aよりも径方向外側(バックヨーク52側)の部分を覆っている。図7に示すとおり、第2絶縁シート60Cは、FB1,FB2の2箇所の折り目を有する。つまり、第2絶縁シート60Cの折り曲げ数は、第1絶縁シート60Bの折り曲げ数よりも少ない。折り目FB1,FB2は、バックヨークカバー部65Bに対して一対のティースカバー部64Bのそれぞれが折り曲げられることにより形成されている。
図8に示すように、第1絶縁シート60Bの長さL1は、固定子コア51の長さL3よりも長い(L1>L3)。第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2は、第1絶縁シート60Bの軸方向の長さL1よりも短い(L1>L2)。第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2は、固定子コア51(ティース部53)の軸方向の長さL3と等しい(L2=L3)ことが好ましい。第2絶縁シート60Cの軸方向の両端面が固定子コア51(ティース部53)の軸方向の両端面と面一となることがより好ましい。
図9(a)に示すように、カバー部材60Aは、樹脂材料からなり、バックヨーク52を覆う環状のバックヨークカバー部61と、各ティース部53を覆う直線状のティースカバー部62とを有する。バックヨークカバー部61及びティースカバー部62は一体に形成されている。ティースカバー部62は、バックヨークカバー部61から径方向内側に向けて延びている。ティースカバー部62の周方向の幅寸法は、ティース部53の周方向の幅寸法と等しい。ティースカバー部62において、ティースカバー部62の先端、すなわち各ティース部53の先端を覆う部分には、先端カバー部63が設けられている。先端カバー部63は、ティースカバー部62から軸方向に延びている。すなわち先端カバー部63は、ティース部53の先端及び幅広部53aの少なくとも一部を軸方向から覆っている。本実施形態の先端カバー部63は、ティース部53においてティース部53の先端縁よりも僅かに径方向外側の部分まで覆っている。先端カバー部63の形状は、ティース部53の先端(幅広部53a)の形状と異なる。
図9(b)に示すように、カバー部材60Aの先端カバー部63の裏面側には、第1絶縁シート60Bが挿入される溝63aが形成されている。この溝63aにより第1絶縁シート60Bの軸方向の位置が決められる。また先端カバー部63は、溝63aによる先端カバー部63の強度低下を抑制するため、先端カバー部63の周方向の先端に向かうにつれて径方向の幅が大きくなる。これにより、先端カバー部63は、ティース部53の幅広部53aよりも径方向外側(バックヨーク52側)に延びている。コイル55を構成する導線54は、先端カバー部63の径方向外側の面に接触している。このため、コイル55を構成する導線54は、先端カバー部63よりも幅広部53a側に存在していない。すなわち、導線54と幅広部53aとの間には、第1絶縁シート60Bの先端カバー部66とティース部53の幅広部53aとの間の空間よりも広い空間Sが形成される。
このように、第1絶縁シート60Bの先端カバー部66に導線54が接触したと仮定した場合における導線54とティース部53の幅広部53aとの間の最短距離と比較して、導線54(コイル55)とティース部53の幅広部53aとの間の最短距離が長くなる。これにより、導線54と幅広部53aとの間のコンデンサ容量が低下する。したがって、ティース部53の幅広部53aにおいては漏れ電流が低減するので、第1絶縁シート60Bの1枚のみでも漏れ電流がティース部53の幅広部53aに流れることを抑制できる。
図10を参照して、固定子50の製造方法及び本実施形態の作用について説明する。なお、以下の説明において、第1比較固定子は、第1絶縁シート60Bの形状と同様に、先端カバー部66及び延長部67を有する第2絶縁シートを用いた固定子である。また第2比較固定子は、第1絶縁シート60Bの軸方向の長さL1と等しい軸方向の長さを有し、本実施形態の第2絶縁シート60Cと平面視における形状と同じ形状を有する第2絶縁シートが用いられた固定子である。
本実施形態では、生産設備100によって第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cのそれぞれが形成された後、互いに重ね合わせられた状態で固定子コア51の各スロット部56に挿入される(図4参照)。図10に示すとおり、生産設備100は、第1絶縁シート60Bを形成するための第1形成部110と、第2絶縁シート60Cを形成するための第2形成部120と、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cを重ね合わせるための組み付け部130とを備える。第1形成部110及び第2形成部120の一例は、熱プレス成形によって第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cを形成する。
第1形成部110では、次の第1工程〜第5工程を経て第1絶縁シート60Bが形成される。第1工程では、第1の母材DS1が第1金型MAでプレスされることにより折り曲げられて一対の延長部67が形成される。第2工程では、第1工程を経た第1の母材DS1が第2金型(図示略)でプレスされることにより折り曲げられて一方の先端カバー部66が形成される。第3工程では、第2工程を経た第1の母材DS1が第3金型(図示略)でプレスされることにより折り曲げられて他方の先端カバー部66が形成される。第4工程では、第3工程を経た第1の母材DS1が第4金型(図示略)でプレスされることにより折り曲げられて一方のティースカバー部64Aが形成される。最後に第5工程では、第4工程を経た第1の母材DS1が第5金型(図示略)でプレスされることにより折り曲げられて他方のティースカバー部64Aとバックヨークカバー部65Aとが形成される。なお、第1形成部110では、第1工程の後、一方のティースカバー部64Aを形成する第4工程、他方のティースカバー部64A及びバックヨークカバー部65Aを形成する第5工程が順に行われた後、一方の先端カバー部66を形成する第2工程及び他方の先端カバー部66を形成する第3工程が行われてもよい。
第2形成部120では、第2の母材DS2が金型MBでプレスされることにより折り曲げられて一対のティースカバー部64Bと、バックヨークカバー部65Bとが形成される。これにより、第2絶縁シート60Cが形成される。
組み付け部130では、第2絶縁シート60Cの一対のティースカバー部64Bの先端からなる開口部68に第1絶縁シート60Bが挿入されることにより、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cが重ね合わせられる。重ね合わせられた第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cは、固定子コア51の各スロット部56(ともに図4参照)に挿入される。
その後、固定子コア51の軸方向の両端面のそれぞれにカバー部材60Aが取り付けられ、巻線機(図示略)によって各ティース部53に集中巻きとなるように導線54が巻回されてコイル55が形成される(図9(a)参照)。
ところで、第1比較固定子の製造方法では、第2絶縁シートの形状が第1絶縁シート60Bの形状と同様の形状であるため、第1比較固定子を製造するための生産設備(以下、「比較生産設備」)の第2形成部が第1形成部110と同様の構成となる。すなわち、比較生産設備の第2形成部は、5種類の金型を備え、上記の第1工程〜第5工程を経て第2絶縁シートを製造する。一方、本実施形態の第2絶縁シート60Cは、金型MBでプレスして第2の母材DS2を折り曲げる一工程で形成される。このため、生産設備100の第2形成部120は、1種類の金型を備える。このように、本実施形態の生産設備100は、比較生産設備と比較して、第2形成部120の構成が簡略化されている。
また、第2比較固定子の製造方法では、第2比較固定子の第2絶縁シート(以下、「第2比較絶縁シート」)の軸方向の長さが固定子コア51の軸方向の長さL3よりも長いため、固定子コア51にカバー部材60Aを取り付けるときに、第2比較絶縁シートにおいて固定子コア51の軸方向の端面から軸方向に突出した部分(以下、「突出部分」)がカバー部材60Aと固定子コア51の軸方向の端面との間に挟み込まれてしまうおそれがある。つまり、カバー部材60Aが第2比較絶縁シートの突出部分をティース部53側に向けて折り曲げることにより、カバー部材60Aと固定子コア51の軸方向の端面との間に第2比較絶縁シートの突出部分が挟み込まれてしまうおそれがある。特に、第2比較絶縁シートの厚さが第1絶縁シート60Bの厚さよりも薄く、かつ、第2比較絶縁シートの平面視における形状が略U字状に形成されているので、第2比較絶縁シートの突出部分がカバー部材60Aによって折り曲げられ易い状態となっている。これにより、カバー部材60Aと固定子コア51の軸方向の端面との間に第2比較絶縁シートの突出部分が挟み込まれる可能性が高まっている。そして、カバー部材60Aと固定子コア51の軸方向の端面との間に第2比較絶縁シートの突出部分が挟み込まれた場合、第2比較絶縁シートが折り曲げられることに伴い第1絶縁シート60Bがティース部53から離れる方向に向けて押されるため、第1絶縁シート60Bがティース部53から離れる。その結果、巻線機によってコイル55が形成されるときに巻線機のノズル(図示略)が第1絶縁シート60Bの先端カバー部66及び延長部67と干渉してしまうおそれがある。加えて、カバー部材60Aと固定子コア51の軸方向の端面との間に第2比較絶縁シートが挟み込まれた場合、カバー部材60Aが固定子コア51の軸方向の端面から浮いてしまうおそれがある。
その点、本実施形態では、第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2が固定子コア51の軸方向の長さL3と等しい。このため、第2絶縁シート60Cにおいて固定子コア51の軸方向の端面から突出する部分の軸方向の長さは、第2比較絶縁シートの突出部分の軸方向の長さよりも短くなる、または第2絶縁シート60Cは固定子コア51の軸方向の端面から突出しない。したがって、第2絶縁シート60Cが固定子コア51の軸方向の端面とカバー部材60Aとによって挟み込まれる可能性が低くなる。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)コイル55とティース部53との間に配置される絶縁部材60は、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cを有する。これにより、第1絶縁シート60Bによってコイル55と固定子コア51との間の絶縁を確保し、第2絶縁シート60Cによってコイル55と固定子コア51との間のコンデンサ容量を低下させている。このため、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cによって、コイル55と固定子コア51との電気的な絶縁を確保するとともにコイル55と固定子コア51との間の漏れ電流を低減している。
そしてこのような第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cにおいて、第2絶縁シート60Cを平面視において略U字状に形成することにより、図10に示す生産設備100の第2形成部120に示すように金型MBの一工程で第2絶縁シート60Cを形成できる。したがって、生産設備100を簡略化できる。
(2)第1絶縁シート60Bはティース部53の先端である幅広部53aを覆う一方、第2絶縁シート60Cはティース部53の幅広部53aを覆っていない。この構成によれば、第1絶縁シート60Bによってティース部53の幅広部53aにおけるコイル55と固定子コア51との間の絶縁を確保するとともに漏れ電流が幅広部53aに流れることを抑制できる。
(3)第1絶縁シート60Bは、ティース部53の幅広部53aよりも周方向に隣り合うティース部53に延びる延長部67を有する。このため、コイル55とティース部53との間の絶縁距離を長くすることができる。したがって、コイル55と固定子コア51との間の絶縁耐力を向上することができる。
(4)カバー部材60Aの先端カバー部63は、ティース部53の幅広部53aよりも径方向外側に位置する。そしてコイル55は、先端カバー部63に接触している。この構成によれば、ティース部53の先端におけるコイル55とティース部53の幅広部53aとの間の最短距離が、ティース部53の他の部分におけるコイル55とティース部53との間の最短距離よりも長くなる。したがって、コイル55と固定子コア51との間の漏れ電流をより低減できる。
(5)ティース部53側に配置された第2絶縁シート60Cの厚さは、コイル55側に配置された第1絶縁シート60Bの厚さよりも薄い。この構成によれば、厚さが厚いコイル55側の第1絶縁シート60Bによって厚さが薄いティース部53側の第2絶縁シート60Cをティース部53の側面に押すことができるため、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cをティース部53の側面に沿って配置することができる。したがって、巻線機によって導線54をティース部53に巻回するときに、巻線機のノズルが第1絶縁シート60Bに接触することを抑制できる。
(6)第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2は、ティース部53の軸方向の長さL3よりも長い第1絶縁シート60Bの軸方向の長さL1よりも短い。この構成によれば、第1絶縁シート60Bの軸方向の長さL1と第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2とが互いに等しい場合に比べ、第2絶縁シート60Cがティース部53の軸方向の端面から突出する長さが短くなる。したがって、第2絶縁シート60Cがティース部53の軸方向の端面とカバー部材60Aとの間に挟み込まれ難くなる。これにより、第2絶縁シート60Cがカバー部材60Aによって折り曲げられることが抑制されるため、第2絶縁シート60Cによって第1絶縁シート60Bがティース部53から離れる方向に押されることが抑制される。したがって、巻線機のノズルがティース部53の周囲を公転しているときにノズルが第1絶縁シート60Bに干渉することを抑制できる。
(7)第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2は、ティース部53の軸方向の長さL3と等しい。この構成によれば、第2絶縁シート60Cがティース部53の軸方向の端面から軸方向に突出する長さがより短くなる、又は第2絶縁シート60Cがティース部53の軸方向の端面から突出しない。したがって、第2絶縁シート60Cがティース部53の軸方向の端面とカバー部材60Aとの間により一層挟み込まれ難くなる。
(8)第1絶縁シート60Bは第2絶縁シート60Cの開口部68を介して径方向に挿入されることにより、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cが重ね合わせられる。このため、第1絶縁シート60Bが第2絶縁シート60Cに軸方向に挿入される場合に比べ、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cが重ね合わせ易くなる。
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従う固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機は、上記実施形態以外に例えば以下に示される変形例、及び相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合せられた形態を取り得る。
・上記実施形態において、固定子コア51の軸方向の両端面のうちの一方の端面にカバー部材60Aが取り付けられた後、生産設備100によって第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cが重ね合わせられた状態で各スロット部56に挿入されてもよい。この場合、各スロット部56に第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cが挿入された後、固定子コア51の軸方向の両端面のうちの他方の端面にカバー部材60Aが取り付けられる。
・上記実施形態において、第1絶縁シート60Bの軸方向の長さL1及び第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2は任意に変更可能である。例えば、第1絶縁シート60Bの長さL1及び第2絶縁シート60Cの長さL2は互いに等しくてもよい。また例えば、第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2は、固定子コア51の軸方向の長さL3よりも短くてもよい。
・上記実施形態において、第1絶縁シート60Bの厚さ及び第2絶縁シート60Cの厚さのそれぞれは任意に変更可能である。例えば、第1絶縁シート60Bの厚さと第2絶縁シート60Cの厚さとが互いに等しくてもよい。
・上記実施形態において、第1絶縁シート60Bがティース部53側に配置され、第2絶縁シート60Cがコイル55側に配置されてもよい。
・上記実施形態において、図11に示す固定子50Aのように、コイル55とティース部53との絶縁が保たれていれば、所定のティース部53Xの周方向の一側面を覆う第1絶縁シート60D及び第2絶縁シート60Eと、ティース部53Xと隣り合うティース部53Yのうちのティース部53Xと周方向に対向する一側面を覆う第1絶縁シート60F及び第2絶縁シート60Gとをそれぞれ別体に形成してもよい。
・上記実施形態において、絶縁部材60は、3枚以上の絶縁シートを有してもよい。一例として図12に示す固定子50Bのように、絶縁部材60は、第1絶縁シート60B、第2絶縁シート60C、及び第3絶縁シート60Hを有する。固定子50Bでは、第3絶縁シート60Hは、第1絶縁シート60B及び第2絶縁シート60Cの間に配置される。図12に示す固定子50Bにおいては、第3絶縁シート60Hの形状は、第1絶縁シート60Bの形状と等しい。また第3絶縁シート60Hの厚さは、第1絶縁シート60Bの厚さと等しい。また第3絶縁シート60Hの軸方向の長さは、第1絶縁シート60Bの軸方向の長さL1と等しい。
・図12に示す固定子50Bにおいて、第3絶縁シート60Hの形状は、第2絶縁シート60Cの形状と同じ略U字状であってもよい。これにより、生産設備を簡略化できる。
・図12に示す固定子50Bにおいて、第3絶縁シート60Hの厚さは任意に変更可能である。一例では、第3絶縁シート60Hの厚さは、第2絶縁シート60Cの厚さと等しくてもよい。
・図12に示す固定子50Bにおいて、第3絶縁シート60Hの軸方向の長さは任意に変更可能である。一例では、第3絶縁シート60Hの軸方向の長さは、第2絶縁シート60Cの軸方向の長さL2と等しい。
・上記実施形態において、ティース部53から幅広部53aを省略してもよい。この場合、第1絶縁シート60Bから先端カバー部66を省略してもよい。先端カバー部66が省略された第1絶縁シート60Bは、ティースカバー部64Aと延長部67とが連続するように形成される。
・上記実施形態において、モータ30は、固定子コアの径方向外側に回転子コアが配置される、所謂アウターロータ型のモータであってもよい。
・上記実施形態の空気調和機1は冷房運転及び暖房運転の両方の運転を可能としたが、これに限られず、空気調和機1は冷房運転及び暖房運転のいずれかの運転のみを可能としてもよい。
・上記実施形態において、複数枚の絶縁シートのうちの最もティース部53側の絶縁シートの軸方向の長さが他の絶縁シートのうちの少なくとも1枚の絶縁シートの軸方向の長さよりも短い場合、最もティース部53側の絶縁シートの形状は、図8の第1絶縁シート60Bのようにティース部53の幅広部53aを覆うような形状であってもよい。
(付記)
次に、上記実施形態及び上記各変形例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記1)
環状のバックヨーク(52)と、前記バックヨーク(52)から径方向に延びる複数のティース部(53)とを有する固定子コア(51)と、前記複数のティース部(53)に導線(54)が巻回されて形成されたコイル(55)と、前記複数のティース部(53)と前記コイル(55)との間に配置され、前記固定子コア(51)と前記コイル(55)とを電気的に絶縁する絶縁部材(60)とを有する固定子(50)であって、前記絶縁部材(60)は、前記ティース部(53)の軸方向の両端面を覆うカバー部材(60A)と、前記固定子コア(51)においてスロット部(56)を構成する部分の側面を覆う前記複数枚の絶縁シート(60B,60C)と、を有し、前記複数枚の絶縁シート(60B,60C)のうちの最も前記ティース部(53)側に配置された絶縁シートの軸方向の長さは、他の絶縁シートのうちの少なくとも1枚の絶縁シートの軸方向の長さよりも短い、固定子。
複数枚の絶縁シートがスロット部に挿入された後、カバー部材がティース部の軸方向の端面に取り付けられる場合、複数枚の絶縁シートのうちの最もティース部側の絶縁シートがカバー部材と接触する可能性が高い。最もティース部側の絶縁シートがカバー部材と接触することにより、絶縁シートが折り曲げられ、カバー部材とティース部の軸方向の端面との間に挟み込まれてしまう場合がある。これにより、最もティース部側の絶縁シートが他の絶縁シートをティース部から離れる方向に押してしまう。その結果、巻線機によってコイルが形成されるときに巻線機のノズルが絶縁シートにおいてティース部の先端を覆う部分と干渉してしまうおそれがある。加えて、カバー部材と固定子コアの軸方向の端面との間に最もティース部側の絶縁シートが挟み込まれた場合、カバー部材が固定子コアの軸方向の端面から浮いてしまうおそれがある。
その点、上記構成によれば、複数枚の絶縁シートのうちの最もティース部側の絶縁シートの軸方向の長さが他の絶縁シートの軸方向の長さよりも短いため、カバー部材がティース部の軸方向の両端面に取り付けられる場合に最もティース部側の絶縁シートとカバー部材とが接触して絶縁シートが折り曲げられてカバー部材とティース部の軸方向の端面との間に挟み込まれる可能性が低くなる。
1 空気調和機
10 圧縮機
20 圧縮機構
30 モータ
40 回転子
50 固定子
51 固定子コア
52 バックヨーク
53 ティース部
53a 幅広部
54 導線
55 コイル
56 スロット部
60 絶縁部材
60A カバー部材
60B 第1絶縁シート
60C 第2絶縁シート
63 先端カバー部
L1 第1絶縁シートの軸方向の長さ
L2 第2絶縁シートの軸方向の長さ
L3 ティース部の軸方向の長さ

Claims (12)

  1. 環状のバックヨーク(52)と、前記バックヨーク(52)から径方向に延びる複数のティース部(53)とを有する固定子コア(51)と、前記複数のティース部(53)に導線(54)が巻回されて形成されたコイル(55)と、前記複数のティース部(53)と前記コイル(55)との間に配置され、前記固定子コア(51)と前記コイル(55)とを電気的に絶縁する絶縁部材(60)とを有する固定子(50)であって、
    前記絶縁部材(60)は、複数枚の絶縁シート(60B,60C)を含み、
    前記固定子コア(51)においてスロット部(56)を構成する部分の側面は、前記複数枚の絶縁シート(60B,60C)によって覆われ、
    前記複数枚の絶縁シート(60B,60C)は、第1の折り曲げ数の第1絶縁シート(60B)と、前記第1の折り曲げ数よりも少ない折り曲げ数の第2絶縁シート(60C)とを少なくとも含み、
    前記第1絶縁シート(60B)は、前記固定子(50)の平面視において前記スロット部(56)における前記バックヨークから前記ティース部(53)の先端までの部分の形状に沿った形状に折り曲げられ、
    前記第2絶縁シート(60C)は、前記固定子(50)の平面視において前記スロット部(56)における前記ティース部(53)の先端よりも前記バックヨーク(52)側の部分の形状に沿った形状に折り曲げられている
    固定子。
  2. 前記ティース部(53)は、その先端において周方向に拡大する幅広部(53a)を有し、
    前記第1絶縁シート(60B)は、前記幅広部(53a)を覆うとともに、周方向に隣り合うティース部(53)に向けて延びている
    請求項1に記載の固定子。
  3. 前記絶縁部材(60)は、前記ティース部(53)の軸方向の両端面を覆うカバー部材(60A)を有し、
    前記カバー部材(60A)は、前記ティース部(53)の先端及び幅広部(53a)の少なくとも一部を覆う先端カバー部(63)を含み、
    前記先端カバー部(63)は、前記幅広部(53a)から前記バックヨーク(52)に向けて突出しており、
    前記コイル(55)は、前記径方向において前記先端カバー部(63)に接触している
    請求項2に記載の固定子。
  4. 前記第1絶縁シート(60B)は、前記コイル(55)側に配置され、
    前記第2絶縁シート(60C)は、前記ティース部(53)側に配置され、
    前記第2絶縁シート(60C)の厚さは、前記第1絶縁シート(60B)の厚さよりも薄い
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定子。
  5. 前記絶縁部材(60)は、前記ティース部(53)の軸方向の両端面を覆うカバー部材(60A)を有し、
    前記複数枚の絶縁シート(60B,60C)のうちの最も前記ティース部(53)側に配置された絶縁シートの軸方向の長さは、他の絶縁シートの軸方向の長さよりも短い
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定子。
  6. 前記第2絶縁シート(60C)は、最も前記ティース部(53)側に配置され、
    前記第1絶縁シート(60B)の軸方向の長さ(L1)は、前記ティース部(53)の軸方向の長さ(L3)よりも長く、
    前記第2絶縁シート(60C)の軸方向の長さ(L2)は、前記第1絶縁シート(60B)の軸方向の長さ(L1)よりも短い
    請求項5に記載の固定子。
  7. 前記第2絶縁シート(60C)の軸方向の長さ(L2)は、前記ティース部(53)の軸方向の長さ(L3)と等しい
    請求項6に記載の固定子。
  8. 前記スロット部(56)の周方向において、前記第1絶縁シート(60B)の長さは、前記第2絶縁シート(60C)の長さよりも長い
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の固定子。
  9. 前記第1絶縁シート(60B)は、前記ティース部(53)の先端側に配置されると共に、前記バックヨーク(52)側に折り返された先端部を有する
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の固定子。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の固定子(50)と、
    前記径方向において前記固定子(50)と対向し、前記固定子(50)が形成する磁界により回転する回転子(40)と
    を備えるモータ。
  11. 請求項10に記載のモータ(30)と、
    前記モータ(30)により駆動する圧縮機構(20)と
    を備える圧縮機。
  12. 請求項11に記載の圧縮機(10)を備える空気調和機。
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