JP6482660B2 - 機械式の時計ムーブメントのための調整部材 - Google Patents

機械式の時計ムーブメントのための調整部材 Download PDF

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Description

本発明は、ガンギ車と、少なくとも2つの揺動部材又はアーム、例えば音叉(tuning fork:調整フォーク)タイプのブレード及びガンギ車と協働するアンクル部分を含む揺動発振器、換言すれば共鳴器とを含む機械式の時計ムーブメントのための調整部材又は揺動部材に関するものである。本発明は、このような調整部材を含む時計ムーブメントに関するものでもある。この調整部材は、一般的にバネバランス及び関連する脱進機を含む従来の調整部材と置き換えられるものである。
時計ムーブメントにおいては、脱進機の機能は、それ自体メインバネによって駆動されるギア列によって受け止められるエネルギーをバネバランスアセンブリによって構成された調整部材へ伝達することである。この脱進機は、一般的に、プレートにおいて旋回される軸線周りに揺動する独立したアンクルを含んでいる。アンクルの各突起部に対して隣接するピンを支持するプレートによって構成された、アンクルと共鳴器の間の機械的な結合部は、比較的複雑である。加えて、バネバランスアセンブリは、繊細な調整を必要とするものである。最後に、このような共鳴器は、一般的に、最大で10Hzの揺動周波数に制限されている。
特許文献1には揺動部材と統合されたアンクルを含む脱進機が記載されており、アンクルは、このアンクルがガンギ車の平面に対して垂直に揺動するように配置されている。アンクルは、埋め込み又は溶接によって、剛性支持部におけるその端部によって埋め込まれた揺動ブレードの端部において固定されている。音叉又は音叉に基づく共鳴器は、アンクルを支持する分岐部のうちの1つ又は他の分岐部によって第1の分岐部と同期しながら自由に揺動する揺動ブレードの代わりに用いられ得る。
特許文献2には、プライマリ共鳴器として動作する音叉と、セカンダリ共鳴器としての役割を担う揺動ブレードとを含む脱進機が記載されており、揺動ブレードの端部には、ガンギ車の中心に対して相対的に径方向で反対の2つのレバーを備えたアンクルが固定されている。レバーのうち1つに対するガンギ車の歯の衝撃の作用の下で揺動ブレードが揺動し、その揺動の振幅は、アンクルが同様にその固有の周波数で揺動する音叉の分岐部のうち1つの端部に軽く当接することを許容するものである。
特許文献3には、回転可能な態様で取り付けられたアンクルと協働する音叉タイプの発振器を含む機械式の共鳴器が記載されており、アンクルの角度位置により、ガンギ車のロック及びアンロックが可能である。この共鳴器は、音叉の分岐部上に取り付けられた要素と部材、ここではアンクルのフォークとの間でのいわゆる自由動作に必要な隙間により、発振器の各交替における複数のロス段階が生じるという結果となるという欠点を有している。これらの段階は、ロストパス(lost path)の用語の下で時計製造の分野で知られている。他方、部品の数及び部品の調整により、このシステムの実行が非常に繊細となる。
スイス国特許出願公開第1685665号明細書 スイス国特許出願公開第442153号明細書 欧州特許出願公開第2574994号明細書 スイス国特許出願公開第656044号明細書 スイス国特許出願公開第699780号明細書
本発明の課題は、小さな設置空間を有し、部品点数が少ない、機械式の時計ムーブメントのための調整部材及びこの調整部材を含む時計ムーブメントを提供することにある。
本発明は、揺動発振器の周期的な交替を維持するとともに、ガンギ車を揺動の各交替において進めるために、ガンギ車と、少なくとも2つの揺動アーム及び該揺動アームと統合されるとともにガンギ車の歯と交互に協働するよう配置された少なくとも2つの部材を含むアンクル部分とを含んでいる揺動発振器と、から成る機械式の時計ムーブメントのための調整部材に関するものである。
好ましくは、揺動アーム及びアンクル部分は、1つの単一部材で形成されている。1つの実施例によれば、調整部材は、除去的及び/若しくは付加的な微細加工プロセス又はこのようなプロセスの組合せから、及び非磁性材料又は非磁性の材料を組み合わせた材料の単一基板から製造されることが可能である。選択された材料は、金属又は非金属のタイプ又はこれらの組合せであり得る。非磁性の金属材料は、金属合金、少なくとも1つの金属及び少なくとも部分的なアモルファス性の金属合金を含む複合物のような、少なくとも部分的に金属性の材料を含むことができる。
適当な非金属で非磁性の材料は、ガラス(石英、水晶を含む)、セラミック、ガラスセラミック、及びウエハと例えば深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)のような適当な微細加工プロセスとから機械加工され得る例えばシリコンのようなメタロイドを含むことができる。
この解決手段は、特に、従来技術に対して、小さな設置空間を有し、従来の種類又は音叉タイプの調整部材において通常必要となるものよりも少ない部品点数しか必要でないという利点を有している。
さらに、この解決手段の大きな揺動周波数により、摩耗時のより良好な安定性及び揺動部材の動作精度を保証することが可能であり、調整の必要性を低減しつつより大きな品質因子Qが許容される。
例によって与えられる本発明の実施例を、添付の図面によって説明される明細書において示す。
1つの実施例による揺動発振器の上面図である。 1つの実施例による、ガンギ車と協働する揺動発振器の上面図である。 1つの実施例による、第1の基本揺動モードにおける、図1の揺動発振器の揺動を示す図である。 1つの実施例による、第2のモードにおける、図1の揺動発振器の揺動を示す図である。 1つの実施例による、第3のモードにおける、図1の揺動発振器の揺動を示す図である。 1つの実施例による、第4のモードにおける、図1の揺動発振器の揺動を示す図である。 1つの実施例による、慣性ブロックを含む揺動発振器の斜視図である。 他の実施例による、慣性ブロックを含む揺動発振器の側面図である。 1つの実施例による、ストッパを含む揺動発振器を示す図である。 他の実施例による、第2の発振器を含む調整部材の斜視図である。 さらに他の実施例による、揺動発振器の斜視図である。 1つの実施例による、揺動発振器のアンクル部分の部材と協働するガンギ車の歯の詳細図である。 1つの実施例による、揺動発振器のアンクル部分の部材と協働するガンギ車の歯の詳細図である。 1つの実施例による、オン/オフ機構を含む調整部材を示す図である。 第2の発振器を含む調整部材の変形態様を示す図である。 複数の取外し可能な要素を含む揺動発振器の他の変形態様を示す図である。 他の典型的な変形態様による、揺動発振器の上面図である。 揺動部材の他の変形態様の概略図である。 揺動部材の他の変形態様の概略図である。 他の実施例による調整部材を示す図である。 他の実施例による調整部材を示す図である。 様々な実施例による揺動要素を示す図である。
本発明によれば、調整部材は、ガンギ車と、少なくとも2つの揺動アームを含む揺動発振器(又は共振器)とを含んでおり、この揺動発振器は、1つの部分においてアンクル部分に結合されている。特に、揺動発振器の各揺動アームは、ガンギ車の歯と協働するように適合されたレバー、換言すればアンクルのような部材を支持している。そして、有利には、ガンギ車は、揺動アームと揺動発振器のアンクル部分の間に配置されることができる。
図1及び図2には、本発明の好ましい実施例による調整部材1の上面図が示されている。ここで、調整部材1は、ガンギ車5と、それぞれ揺動ブレードのような揺動要素31’を含む2つのアームを含む揺動発振器3と、質量要素32とを含んでいる。この実施例では、各アームの揺動要素31’は音叉を形成する単一揺動要素31の一部であり、調整部材1も、時計ムーブメントのプレート若しくは他の固定部分、又はその代わりに、前記時計ムーブメント上に取り付けられた中間フレーム(不図示)自体に取り付けられるように設定されたベース2を含んでおり、中間フレーム上では、揺動要素31が、音叉動作モード(すなわち脚部も揺動し得る)を許容するために制限された合成を有する脚部9を用いてその節点近傍に固定されている。図1及び図2に図示された例では、各揺動要素31’は先端部36を有している。質量要素32は、ここでは2つの別々の質量要素32’を含んでおり、これら質量要素はそれぞれ要素31’のうち1つの先端部36から延びている。有利には、調整部材1の周波数は、揺動要素31のサイズ及び/又は質量要素32のサイズを変更することでコントロールされることが可能である。ここで、質量要素32は、揺動要素31よりも本質的に大規模で剛直であると理解される。換言すれば、主に揺動発振器3の慣性を構成するのが質量要素32である。
この実施例では、調整部材1のアンクル部分4が2つのアンクル部分4’を含んでおり、各アンクル部分4’は、アーム31’のうち1つの先端部36近傍の質量要素32’から延びている。各アンクル部分4’は、ガンギ車の歯50と協働するように適合された、ここでは突起部40の形態の部材を含んでいる。好ましくは、ベース2、アーム31’、質量要素32’及びアンクル部分4’は、全体的に、中心12に関する円弧状で同じ基準平面P内で延びている。取付手段20を、調整部材1を収容するフレームにベース2をネジ21で締め付けるためにベース2に設けることができる。しかし、ベース2を、他の適当な手段によって締め付けることが可能である。
以下の説明のために、制限しない態様で、調整部材1が延びる基準平面Pを規定する横方向「x」及び縦方向「y」並びに横方向及び縦方向に対して垂直な「z」軸を適用する。図1では、横方向「x」及び縦方向「y」は、紙面内に示されており、z軸は紙面から出るようになっている。
調整部材1は、ガンギ車5(図2に示されている)と協働するように意図されている。好ましくは、ガンギ車5は、そのアーム又は揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’(又はより一般的にはアンクル部分4)によって画成された内部空間11内に収容されている。ガンギ車5は、ガンギ車5の歯50がレバー40と協働するよう中心12周りに旋回するように取り付けられている。この構成では、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’は、ガンギ車5と同じ基準平面P内にあるとともに、全体的にガンギ車5の旋回軸と同心となっている。
揺動要素31’は、ベース2に固定されたその端部から音叉の形態で揺動することが可能である。これらが揺動すると、揺動要素31’も質量要素32’及びアンクル部分4’を揺動したままとする。特に、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’は、図3a(図3a〜図3dに示された変位はノンスケールである)に図示されているように、第1の基本揺動モードに基づき揺動することが可能である。第1の基本揺動モードでは、2つの揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’が非対称に基準平面P内で揺動する。換言すれば、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’は、基準平面P内で同方向に共に往復運動する。図3aには、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’の運動が矢印で示されており、これらの変位は、その静止した位置に対して輪郭線で比較されている。
調整部材1がガンギ車5と協働し、第1の基本揺動モードで揺動すると、アンクル部分4’が揺動し、ガンギ車5を交互にロック及びアンロックし、揺動発振器3の周期的な揺動を維持するために、ガンギ車5の歯からのパルスをレバー40が交互に受け取る。したがって、調整部材1により、ガンギ車5がアンクル部分4’の往復運動において1つの歯によって、換言すれば交互に前進するように2つの歯50の連続的な脱進が可能となる。
図14a及び図14bには、調整部材1が、先端部でベース2に固定された2つのブレード31によって形成された揺動要素を含む、他の実施例による調整部材1が示されている。2つのブレード31のそれぞれは、その先端部で、アンクル部分4の歯40を含む質量アーム32を支持している。歯40と協働するために、1つのガンギ車5が2つの質量アーム32の間に配置されている。揺動要素31は、基端部から揺動し、2つの質量アーム32’を往復運動において並進運動させる。特に、ガンギ車5を交互にロック及びアンロックし、揺動発振器3の周期的な揺動を維持するために、歯40は、ガンギ車5の歯50からのパルスを交互に受け取る。
図14に図示されているように、ガンギ車5が1つの歯とは異なるスピードで交互に前進するように、各アンクル部分4に1つより多くの部材40を設けることが可能である。例えば、各アンクル部分4に1つの代わりに2つの部材40を設けるとともに、4つのうち1つの部材40(2つのアンクル部材4にわたって分配されている)が各揺動においてガンギ車5の歯50と協働するようにこれら部材を分配することで、このような構成においては、歯の半分の前進が交互になされ、すなわち、2つの交互動作について1つの歯の前進がなされる。
同様に、回転周波数は、アンクル部分4ごとに2つより多くの部材を加えることで更に低減され得る。このような構成では、いくつかの部材がガンギ車5の係合解除にのみ関係する一方、他の部材はアンロック及びパルス、つまり、共振器を維持し、したがっていわゆるシングルビート脱進機を得ることに関係し、その効果が一般的に戻止脱進機よりも大きいように、部材40の機能を変更することが容易である。
このような脱進機の変形態様が必要な改変によって同様にこのような、例えばこれらに限定されないが、アンクル、戻り止め、円筒又は接線のタイプの脱進機又は非接触の脱進機、磁気式の脱進機のような他のタイプの脱進機に良好に適用することができたことも明らかである。
図1及び図2の構成では、揺動要素31’及び質量要素32’で形成された揺動アームは、調整部材の役目を果たし、レバー40を有するアンクルアーム4’及びガンギ車5が、通常の時計ムーブメントにおける脱進機部材の役割を果たす。
1つの実施例では、揺動ブレード31、質量要素32及びアンクル4を含む調整部材1は、1つの単一の部材で製造される。例えば、調整部材1は、同一の材料、好ましくは非磁性材料で構成されることが可能である。この材料は、メタロイド(特にシリコン)、ガラス(特に石英、水晶、ホウケイ酸、石英ガラス、溶解シリカ)、セラミック又はガラスセラミックから成るグループに由来する非金属のタイプの材料であり得る。材料は、少なくとも部分的に金属材料であるか、又は結晶性金属、アモルファス金属若しくは金属合金、又は少なくとも金属要素若しくは精密加工に適した他の材料を含む複合物を含むことができる。調整部材1は、微細加工方法(付加的又は削除的な方法)によって、有利には、例えばシリコン(単結晶、多結晶又はアモルファス)の場合の単一ウエハのような単一の基板から製造されることが可能である。ガンギ車5も、場合によっては同一のウエハ上で、揺動部材と同一の材料で構成されることができる。
調整部材1の第1の揺動モードの周波数及び揺動の継続時間(又は揺動減衰比)は、質量要素32の慣性モーメントを変更することで変更することが可能である。質量要素32’のより大きな慣性モーメントにより、調整部材1のより低い揺動周波数及びより長い揺動時間(揺動のより遅い減衰)が生じる。
1つの変形態様では、質量要素32’は、揺動要素31’及び質量要素32’によって形成されたアセンブリの重心がアーム31’のほぼ先端部36、すなわちアーム31’と質量要素32’の間の接合点に本質的に位置するように配置されている。
図4には、2つの質量要素32’のうち少なくとも1つが慣性ブロック34を含む実施例による調整部材1の斜視図が示されている。慣性ブロック34により、揺動発振器3の大きさを本質的に大きくすることなく質量要素32’の慣性モーメントを変更することが可能である。有利には、慣性ブロック34は、揺動発振器3(及びしたがって質量要素32’)のその他の部分に用いられるものよりも大きな密度を有する材料で構成されている。例えば、慣性ブロック34は、金又は他の密度の高い金属若しくは合金で構成されることが可能である。慣性ブロック34は、通常の方法で機械加工され得るとともに、のり付け、はんだ付け、接着、螺着又はピン打ちによって組み立てられることが可能である。例えば微細構成部材に適用可能なガルバニック成長、焼結又は他の付加的な方法によって、揺動発振器3の1つ又は複数の面上で材料を成長させることも可能である。図5には、慣性ブロック34が材料の付加、例えば材料の成長によって質量要素32’のうち少なくとも1つの面へ製造される1つの変形態様による調整部材1の側面図が図示されている。図5では、慣性ブロック34は、質量要素32’を覆うコーティングとして現れる。材料の成長は、質量要素32’の全面又は表面の一部にわたって行われることができる。付加された材料は、金、金合金又は質量要素32’の密度を高めることが可能な他の材料を含み得る。材料の付加も、2つの質量要素32’のうち少なくとも1つの厚さにおいて行われることが可能である。これに代えて、材料の付加は、質量要素32’(及び調整部材1の他の部分)を形成するものと同一の材料で形成されることが可能である。
より一般的には、揺動発振器3の揺動周波数は、質量要素32’の慣性及び/又は慣性ブロック34の慣性を変更することで調整されることができる。特に、周波数を、質量要素のうち少なくとも1つにおける材料の除去及び/又は少なくとも1つの慣性ブロックにおける材料の除去によって増大させることが可能である。材料の除去は、レーザ機械加工で、(特許文献4に記載されているように)取外し可能な要素を取り外すことで、又は他の適当な方法で達成されることができる。取外し可能な要素が用いられれば、これら要素は、調整部材の製造作業と同一の作業中に形成されることが可能である。図12には、質量要素32’がその各端部で複数の取外し可能な要素37を支持している変形態様による揺動発振器3が図示されている。各取外し可能な要素37は、取外し可能な要素37の縮小部分37’で取り外されることで質量要素32’から除去されることが可能である。他方、調整部材の周波数は、調整部材の揺動要素31’の長さ及び/又は質量要素32’の長さを長くすることで、特に1つ又は複数の要素37”を除去することで低減され得る。
図12には、全ての要素37が同一のサイズ及び同一の質量を有している。1つの変形態様によれば、より大きな範囲をもってより精緻な調整を得るために、異なる質量を有する取外し可能な要素が用いられる。例として、取外し可能な要素は、それぞれ1s/d、2s/d、4s/d、8s/d及び16s/dの補正に合わせるために5つの異なる質量に設定され得る。このようにして、適当な要素の組み合わせを除去することで、1〜31s/dを補正することが可能である。
調整部材1は、上述の第1の揺動モードとは異なる他の揺動のモード(ハーモニクス)により揺動することも可能である。例えば、図3bには第2の揺動モードで揺動する揺動発振器3が図示されており、この第2の揺動モードでは、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’が(横方向「x」及び縦方向「y」による)基準平面P内で対称に揺動する。第2の揺動モードでは、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’は、連続的に中心12へ向かって共に移動し、中心12から共に離れる。この揺動モードは、調整部材1のアンクルの機能にとって好ましくないと理解される。なぜなら、レバー40が、ガンギ車5の方へ締められているとともに、そこから離れるように連続して移動するためである。この機能は、調整されるべきガンギ車5の旋回を許容するものではない。
第3及び第4の揺動モードはそれぞれ図3c及び図3dに図示されており、これらの揺動モードでは、2つのブレードアーム31’、質量アーム32’及びアンクルアーム4’が(「z」軸によって)基準平面P外で揺動する。第3の揺動モード(図3c)では、レバー40のうち1つが「z」軸に沿って持ち上がり、他のレバー40が「z」軸に沿って下降するように、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’が非対称に揺動する。第4の揺動モードでは、2つのレバー40が「z」軸に沿って共に上昇及び下降するように、揺動要素31’、質量要素32’及びアンクル部分4’が対称に揺動する。
様々な揺動モードの揺動周波数は、揺動発振器3の幾何形状に依存するとともに、上述のように質量要素32の慣性モーメントを変更することで調整され得る。揺動発振器3が基準平面で揺動する第1の揺動モードに対応する周期的な揺動は、約10〜5000Hz、好ましくは10〜400Hz、60〜5000Hz又は60〜200Hzの範囲にわたる周波数を有している。1つの実施例では、質量要素32の慣性モーメントは、第1の揺動モードの揺動周波数が約100Hzと等しくなり、第2の揺動モードの揺動周波数が約128Hzであり、第3及び第4の揺動モードの揺動周波数がそれぞれ約183.5Hz及び205.8Hzとなるように変更される。100Hzの周波数では、調整部材1の静止段階の時間は約1msであり、パルス段階の時間は、1msより少し長い。したがって、調整部材1は、レバー40とガンギ車5の歯50の間の接触中の摩擦又は衝撃によって非常にわずかに乱される。
図10に図示された実施例では、時間設定機構のプルタブ62によって作動されるレバー61を含むとともに、時計ムーブメントの自己起動機能を確保するために、通常の動作モード(又はガンギ車5に関して偏心した位置で)において揺動発振器3の2つの末端位置のうち1つに対応するアンバランス位置での揺動発振器3の揺動要素31’及び質量要素32’を停止させることで、調整部材1を停止させ、停止したままとするように構成されたオン/オフ機構60を調整部材1は含んでいる。好ましくは、調整部材1は、第1の揺動モードにおいて起動される。第2の揺動モード、第3の揺動モード及び第4の揺動モードのいずれかにおける調整部材の揺動は、ストッパによって、又は他の手段によってこれらのモードの揺動をブロックすることで阻止され得る。例えば、図6には、調整部材1が対称に揺動するときに互いに対して当接するように、ストッパ6のそれぞれが平面Pにおける質量要素32’のうちの1つと統合して形成された、1つの実施例によるストッパ6を含む調整部材1が示されている。したがって、ストッパ6は、揺動発振器3が第2の揺動モードで揺動することを回避するものである。同様に、ストッパ(不図示)も、衝撃時に、軸線「z」に沿った、又はその代わりに軸線「x」、「y」及び「z」に沿った揺動発振器3の運動を阻止するように構成されることも可能である。
さらに他の実施例によれば、調整部材1は、基準点を調節するための機構を含んでいる。図1及び図2の例では、調節機構は、ベース2と一体で、プレート(又は運動の他の固定された部分又は調整部材が取り付けられたフレーム)において旋回する調整偏心部80(図2)と遊びなしに協働するように配置された調整フォーク8の形態をとる。調整偏心部80は、調整フォーク8を介して揺動発振器3を図1、図2及び図8において符号22で示された旋回点周りに回転駆動するために、基準平面P内で移動するように構成されている。調整偏心部80の移動方向に依存して、揺動発振器3は、ガンギ車5の歯50に対して相対的にレバー40の侵入を調節するために、時計回りに、又は反時計回りに駆動されることが可能である。例えば、調整の度合いは、ほぼ±120μmのオーダーであり得る。調整フォーク8は、調整フォーク8と調整偏心部80の間のあり得る遊びを吸収するように十分フレキシブルであり得るとともに、したがって両回転方向での揺動発振器3の迅速な駆動を保証する。
他の実施例の変形態様では、ベース2が、基準平面Pにおける横方向の運動を制限することが可能なストッパ(図8の変形態様の要素6’参照)を含んでいる。このようなストッパは、ガンギ車の平面に対して垂直な軸線へ向けられることが可能である。
揺動発振器3の揺動は、ガンギ車5の歯50のパルスによってそのレバー40へ乱されることが可能である。図7に図示された実施例では、調整部材1が、自由に揺動するように、すなわちレバー40により乱されないように配置された第2の発振器7を含んでいる。第2の発振器7は、共鳴によって調整部材1の揺動に関連付けられ得る。したがって、第2の発振器7により、レバー40への歯50の衝撃による動揺を低減することが可能である。
ガンギ車5と協働する揺動発振器3と第2の発振器7の間の揺動の伝達及び連結は、支持材料(機械的共振)、周囲流体を用いて、又は磁気結合によって影響を受け得る。周囲流体を用いた結合の場合には、変位した波の圧力を増大させ、したがって同期の品質を向上させるために、揺動発振器3の表面を(例えばナノ構造によって)変更することが可能である。これに代えて、又は組み合わせて、調整部材1の幾何形状が変更され得る。磁気結合の場合には、第2の自由な発振器7が、調整部材1の品質因子を改善するために、例えば磁気的に透過性のカプセル(不図示)においてコントロールされた雰囲気において取り付けられ得る。一般的に、第2の発振器7は、調整部材1の品質因子を改善することに貢献するものである。
このような二重の発振器の他の変形態様が図11にも図示されている。ここでは、第2の発振器7が、ここでも2つの揺動要素又はアーム71’に分割された第2の揺動要素71と、ここでも調整部材1に対してバランスした本質的にH型の構成を提供するためにそれ自体2つの質量要素72’に分割された質量要素72とを含んでいる。
本発明がまさに上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更及び単純な変形態様が当業者によって着想されることはいうまでもない。
図8には、ベース2が揺動発振器3の内部空間11内でガンギ車5の下方の下側平面に配置されている、他の実施例による調整部材1が示されている。図8の揺動発振器3の構成はよりコンパクトである。この構成では、ベース2は、基準平面Pにおけるアンクルアーム4’の横方向の運動を阻止するストッパ6’を含むことが可能である。
図9a及び図9bには、1つの実施例によるガンギ車5の歯50の詳細な図が示されている。ガンギ車5の各歯50は、傾斜したパルス面51及び静止面52を含んでいる。各レバー40も、傾斜した静止面41を含んでいるが、パルス面を含んでおらず、レバー40の頂部42はかなりとがった形状を有している。この実施例におけるガンギ車5の歯50及びレバー40の構成により、レバー40が歯50のパルスを受けることができるとともに、ガンギ車5の一方向又は他の方向への前進中に揺動発振器3の揺動を維持することが可能である。換言すれば、調整部材1はガンギ車5の回転方向がどうであっても動作することが可能である。図9aにはパルス段階中に歯50のパルス面51に係合するレバー40が示されている一方、図9bには静止段階中に歯50の静止面52に係合するレバー40が示されている。
ガンギ車5の歯50への衝撃の間にレバー40に起こり得る反発を制限するために、ガンギ車5は、歯50へのレバー40のショックを吸収するように弾性アーム53(図2)を備えている。
調整部材1は、補償コーティング、ゼロ熱弾性係数を有する材料及びバランス、例えばバイメタル構造又はこれに類するものにおいて用いられる他の手段を含む熱補償手段を含むことができる。例えば、揺動発振器3がシリコンで構成されていれば、その表面の少なくとも一部に付着された二酸化ケイ素のコーティングを含むことができる。これに代えて、シリコンからなる揺動発振器の熱補償手段は、出願人の特許文献5に記載された手段のうち1つであり得る。
揺動発振器3及び特にその揺動要素の幾何形状を異なる方法で変化させることができる。例えば、1つの変形態様では、各揺動要素、各質量要素及び/又は各アンクル部分が調整要素の単一要素又は揺動アームとして共に同化され得る(一体になり得る)。図13に図示された他の典型的な変形態様によれば、揺動要素31’は他の方向へ湾曲された中間部分を有する異なる形状を有しており、この中間部分により、ブレードを強固にすることが可能である(アンクル部分のレバーは図では視認できない)。
さらに、ガンギ車の歯と協働するように適合されたアンクル部分(4,4’)の部材は、ガンギ車の歯と同様に異なる形状とすることが可能である。
図15には、質量要素32によってアンクル部分4,40が単一の軸線周りに回転可能である調整部材1の他の実施例が示されている。特に、質量要素32は、全体的に中心12に関する円弧状に同一の平面P内で延在する2つの要素32’を含んでいる。ガンギ車5は、それぞれアンクル部分4の歯40を支持するこれら質量アーム32’によって画成された内部空間11内に配置されている。ガンギ車5は、ガンギ車5の歯(不図示)が歯40と協働することとなるよう、中心12周りに旋回するように設けられている。ガンギ車5は、質量アーム32’によって内接される円と同心のガンギ車5と同一の平面内にある。揺動要素31(ブレード又はこれに類するもの)は、星形状(ここでは約120°の角度で間隔をあけられた3つの揺動要素31)に配置されているとともに、円弧の形状でのベース2の基部に固定されている。揺動要素31の先端部は、基部9を用いて質量要素32に固定されている。動作においては、揺動要素31の揺動は、図において矢印90で示されているように、平面P内での揺動運動を与えるものである。
図16には揺動発振器3が質量要素32を含む調整部材1の他の構成が示されており、揺動発振器3が調整部材1の時間基準を構成している。質量要素32は、第1の共振器3の揺動を維持し、ガンギ車5を揺動の交互で揺動させるためにガンギ車5と直接協働するように構成された部材40も、またアンクル部分4も含んでいる。特に、この例では、揺動発振器3は、平面P内での中心12から径方向へ延びる3つの揺動要素31によって形成されている。揺動要素31は、互いに約120°の角度をもって離間している。各揺動要素31は、その基端部(中心12の近傍)で、時計用ムーブメントのプレート若しくは他の固定部分又はそれ自体上述のムーブメント上に取り付けられた中間フレームに取り付けられるように設定されたベース2に固定されている。各揺動要素31の先端部35は、質量要素32に固定されている。したがって、各揺動要素31は、その先端部と基端部の間で自由に揺動又は回動することが可能である。
1つの実施例によれば、フレーム10にベース2を固定するために取付手段20をベース2に設けることができる。フレーム10は、図12に図示されているように枠組み(骨組み)を含むことができる。フレーム10は、時計用ムーブメント(不図示)上で固定して、又は可動に取り付けられるようになっている。これに代えて、ベース2は、時計用ムーブメント上に、例えばプレート又はブリッジ上に取り付けられている。
フレーム10は、発振器1のアフターサービスの意味における、組立て、分解、調整及び専用動作の利点を有している。フレーム10は、(図1におけるような)枠組み又はカプセルの形状をとることが可能である。フレーム10は、ムーブメントを調整する輪列と協働するために、ムーブメントの一部上に、例えばプレート上に取り付けられ、調整されることが可能である。なお、図16に示された実施例によれば、ガンギ車は、それ自体ベース2に固定されたブリッジ21に取り付けられているシャフト54周りに旋回するように取り付けられたガンギ車5である。ブリッジは、上側ブリッジ21及び下側ブリッジ21’を含むことができる。
図17には、様々な揺動要素31が概略的に図示されている。揺動要素31は、特にその端部(基端部及び先端部)において応力を制限するように、構成されることが可能である。この目的のために、分配された負荷を有するはり(図17b)を用いることができ、マルチブレード揺動要素(図17a及び図17d)が用いることができ、又は局所的な開口部(図17e)、例えば孔を作ることによりはりの局所的な部分を変更することで用いられることが可能である。「蛇行した」タイプの構造(図17c)を製造することで揺動要素の長さを長くすることなくブレードの有効長を延長させることが可能であり、これにより、負荷を大幅に低減することが可能である。最後に、一般的に破断箇所又は疲労開始部である鋭角を緩和することで、はめ込み部における破断のリスクを低減することが可能である。
他方で、揺動現象から、揺動構造に沿った節点の存在が分かるとともに、その間隔が共振の周波数の直接的な関数である。このようにして、ある周波数が好ましいように、及び/又はハーモニクス(調和)を遠ざけるように、したがって共振器のエネルギー及び品質因子を最大化するように、ブレードに沿った部分が変化し得る(図17b)。上述の手段のいくつかの組合せが、これらの利点を兼ね備えるように、想定され得ることが明らかである。
これに限定されるものではないが、実例として、剛性k(mN.m/radで表される)の単一のはりで形成されるとともに、高さh、厚さe、0.1〜1.0の比率k/M及び3〜20の比率h/eで特徴付けられた複数の揺動要素31を含む質量共振器M(gで表される)の場合、特に満足な結果が得られる。
上述の様々な構造の特徴は、質量要素32が揺動要素31を介してベース2によってのみ支持されていることである。このようにして、らせんバランスタイプの調整部材の場合に見いだされる摩擦が大幅に低減される。
本発明の調整部材も、新たな意匠性を有しているとともに、有利には時計の装着者が視認できる態様で時計の時計ムーブメントに組み込まれることが可能である。例として、調整部材は、ムーブメントの駆動部材の上方又は下方で取り付けられることが可能である。秒の表示のためにも、ガンギ車5は、1rpmのスピードでの回転に適合され得る。
1 調整部材
11 内部空間
12 中心
2 ベース
21 ネジ
22 旋回点
3 揺動発振器
31 揺動要素
31’ アーム(揺動要素)
32 質量要素
32’ 質量要素
34 慣性ブロック
35 慣性ブロック
36 ブレードアームの先端部
37 取外し可能な要素
37’ 取外し可能な要素の縮小部分
4 アンクル部分
4’ アンクル部分
40 部材、レバー、歯
41 レバーの静止面
42 歯の頂部
5 ガンギ車
50 ガンギ車の歯
51 歯のパルス面
52 歯の静止面
53 ガンギ車のアーム
6 ストッパ
6’ ストッパ
60 オン/オフ機構
61 レバー
62 プルタブ
7 第2の発振器
71 第2の揺動要素
71’ 第2の揺動要素
72 第2の質量要素
72’ 第2の質量要素
8 調整フォーク
80 調整偏心部
9 基部
P 基準平面

Claims (26)

  1. 揺動発振器の周期的な交替を維持するとともに、ガンギ車を揺動の各交替において進めるために、前記ガンギ車と、少なくとも2つの揺動アームを含む揺動発振器と、質量要素と、時計ムーブメントの固定された部分又は稼働の部分に取り付けられるように設定されたベースと、該揺動アームと統合されるとともに前記ガンギ車の歯と直接協働するよう配置された部材を含むアンクル部分とを含んでおり前記質量要素及び前記少なくとも2つの揺動アームが前記ベースにおいてのみ支持されている、機械式の時計ムーブメントのための調整部材。
  2. 前記揺動発振器の前記少なくとも2つの揺動アームと、前記アンクル部分が、全体的に、前記ガンギ車の旋回軸線に一致する前記揺動発振器の中心に対して同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  3. 前記揺動アーム及び前記アンクル部分が、全体的に、前記ガンギ車と同一の基準平面内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  4. 前記アンクル部分の前記部材が前記ガンギ車の前記歯と連続的に係合するように、前記周期的な揺動が、前記揺動発振器が前記基準平面内で揺動する第1の揺動モードに対応していることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  5. 前記第1の揺動モードの周期的な揺動が、約60〜200Hzの範囲にわたる周波数を有していることを特徴とする請求項に記載の調整部材。
  6. 前記揺動発振器が、第2の揺動モードで揺動するのを阻止するように適合された1つ又は複数のストッパを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  7. 前記揺動発振器の前記少なくとも2つの揺動アームのそれぞれが揺動要素及び質量要素を含んでいること、並びに前記アンクル部分が各揺動アーム上にアンクル部分を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  8. 各揺動要素が先端部を有していること、及び各質量要素が対応する揺動要素の前記先端部に結合されており、前記アンクル部分のそれぞれが対応する前記揺動要素の前記先端部近傍において前記質量要素のそれぞれから延びていることを特徴とする請求項に記載の調整部材。
  9. 前記揺動要素が、前記ベースへのその節点近傍に固定された単一の揺動要素の一部であることを特徴とする請求項に記載の調整部材。
  10. 各アームの前記質量要素が単一の質量要素であることを特徴とする請求項に記載の調整部材。
  11. 非磁性材料で構成されていること、並びに揺動発振器及び/又は前記ガンギ車が金属合金を含む金属材料、少なくとも1つの金属を含む複合材料及び/又は少なくとも部分的なアモルファス金属で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  12. 前記揺動発振器及び/又は前記ガンギ車が、メタロイド、ガラス、シリコン、セラミック及びガラスセラミックを含む非金属材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  13. 前記揺動発振器及び/又は前記ガンギ車が、金属材料及び非金属材料の組合せで製造されていることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  14. 前記調整部材の慣性モーメントを変更するため、及び/又はその大きさを削減するために、前記揺動発振器が、各揺動アームと統合する少なくとも1つの慣性ブロックを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  15. 前記慣性ブロックが、前記共振器上における材料の成長によって得られることを特徴とする請求項14に記載の調整部材。
  16. 前記揺動発振器を停止させ、アンバランスな位置で揺動発振器の停止を維持し、前記調整部材の自己始動機能を提供するように構成されたオン/オフ機構を更に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  17. 前記ガンギ車の前記歯に関して前記部材の食い込みを調整するための基準点調整機構を更に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  18. 前記基準点調整機構が、前記揺動発振器を旋回点周りに回転駆動させるために遊びなく調整偏心部と協働するよう配置された調整フォークを含んでいることを特徴とする請求項17に記載の調整部材。
  19. 共鳴によって前記揺動発振器の揺動に関連付けられ、前記揺動発振器と同一の周波数で揺動するか、又は異なる周波数で揺動する第2の発振器を更に含んでいること、及び揺動への関連付けが機械的な共鳴、音響的な共鳴又は磁気結合によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  20. 前記ガンギ車の歯及び前記アンクル部分の前記部材が、前記ガンギ車を一方向へ又は他の方向へ進ませるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  21. 前記部材が前記アンクル部分のレバーを含んでおり、前記ガンギ車の前記歯がパルス面及び静止面を含んでおり、前記アンクル部分の前記レバーが、トルクを受ける場合に自己始動を保証するように静止面及び頂部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の調整部材(1)。
  22. 前記揺動発振器が、シリコンで構成されているとともに、熱補償手段を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  23. 前記ガンギ車が1rpmのスピードで回転することを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  24. 前記ガンギ車が前記アンクル部分の1つの往復動作において1つの歯だけ前進するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の調整部材。
  25. 請求項1に記載の調整部材を含む時計ムーブメント。
  26. 請求項1に記載の調整部材の揺動発振器の揺動周波数を調整するための方法であって、複数の質量要素のうち少なくとも1つにおける材料を除去することによって、又は揺動アームの剛性を変更することによって、前記質量要素のうち少なくとも1つの慣性を低減することを含むことを特徴とする方法。
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