JP6478188B2 - Nmr用キラルシフト剤、および、それを用いた光学純度を決定する方法 - Google Patents

Nmr用キラルシフト剤、および、それを用いた光学純度を決定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロトン核磁気共鳴分光法(以降では単にプロトンNMRと称する)においてキラルな物質を認識するためのNMR用キラルシフト剤、および、それを用いてキラルな物質の光学純度を決定する方法に関する。
キラルな物質は、香料、調味料、食品添加物、医薬品、農薬等で利用されている。キラルな物質は、その光学異性体によって生体に対する活性が著しく異なる場合がある。例えば、サリマイドのR体は優れた薬効を示すが、サリマイドのS対は重篤な薬害を引き起こすことが知られている。このように、キラルな物質を認識すること、すなわち、光学純度および絶対配置を求めることが重要である。
最近、キラルな物質を認識するためのNMR用キラルシフト剤として、アキラルな分子であるオキソポルフィリノーゲンおよびポルフィリン誘導体が開発されている(例えば、特許文献1〜2および非特許文献1〜5を参照。)。特許文献1〜2および非特許文献1〜5によれば、オキソポルフィリノーゲンまたはポルフィリンは、ピロールのNH基において、キラルな物質と錯体化する。このオキソポルフィリノーゲンまたはポルフィリンとキラルな物質との錯体にプロトンNMRを行えば、キラルな物質の光学純度に応じて、NMRスペクトルのピークが分裂する。温度、溶媒、オキソポルフィリノーゲンまたはポルフィリンとキラルな物質との濃度および混合比を固定すると、ピーク分裂の幅とキラルな物質の光学純度には直線的相間が認められるので、光学純度を求めることができる。
しかしながら、特許文献1〜2および非特許文献1〜5に記載されるように、アキラルなNMR用キラルシフト剤としては、オキソポルフィリノーゲンやポルフィリンなどの環状化合物しか報告されていない。一般的に、環状化合物は合成収率が悪く、入手が困難あるいは高価である。したがって、入手が容易であり、安価な非環状化合物型のNMR用キラルシフト剤の開発が望まれる。
特開2012−073044号公報 特開2015−10974号公報
J.Labutaら,ACC.Chem.Res.,2015,48,521−529 J.Labutaら,Symmetry 2014,6,345−367 J.Labutaら,Nat.Commun.4,2013,Article Number 2188 J.Labutaら,Chem.Eur.J.,2011,17,3558−3561 A.Shundoら,J.Am.Chem.Soc.,2009,131,9494−9495
以上より、本発明の課題は、プロトン核磁気共鳴分光法においてキラルな物質を認識する、非環状化合物のアキラルな化合物を用いた、NMR用キラルシフト剤、および、それを用いてキラルな物質の光学純度を決定する方法を提供することである。
本発明によるNMR用キラルシフト剤は、アキラルなベンジルアミンまたはその誘導体からなり、これにより上記課題を解決する。
前記ベンジルアミンまたはその誘導体は、式(1)で表され、

ここで、X1〜X5は、互いに同一または別異の置換基であり、アキラルな原子団およびアキラルな官能基からなる群から選択され、Y1およびY2は、同一の置換基であり、アキラルな原子団およびアキラルな官能基からなる群から選択されてもよい。
前記アキラルな原子団は、水素原子およびハロゲン原子であってもよい。
前記X1〜X5のアキラルな官能基は、直鎖状または分岐状のアルキル基、直鎖状または分岐状のハロゲン化アルキル基、エチレングリコール鎖、エチレングリコールのオリゴマー、ポリマー鎖、芳香族基、複素芳香族基、複素環基、エステル基、エーテル基、環状エーテル基、アミド基、アルケン、アルキン、ケトン基、アミン基、環状アミン基、アルコキシ基、ビニル基、チオエーテル基、スルホン基、シアノ基、ニトロ基およびそれらの誘導体であってもよい。
前記Y1およびY2のアキラルな官能基は、アルキル基、芳香族基、および、それらの誘導体であってもよい。
前記X1〜X5は、水素原子であり、前記Y1〜Y2は、水素原子であってもよい。
本発明による酸性官能基を有するキラルな物質の光学純度を決定する方法は、上述のNMR用キラルシフト剤と前記キラルな物質との混合物を錯体化するステップと、前記錯体化された混合物の核磁気共鳴スペクトルを測定するステップと、前記錯体化された混合物の核磁気共鳴スペクトルにおけるピーク分裂の幅を測定するステップと、前記ピーク分裂の幅に基づいて前記キラルな物質の光学純度を決定するステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記光学純度を決定するステップに先立って、エナンチオピュアな前記キラルな物質を用いて、ピーク分裂の幅と前記キラルな物質の光学純度との間の関係式Δδ=(Δδmax×%ee)/100(ここで、Δδはピーク分裂の幅(ppm)であり、Δδmaxは、前記NMR用キラルシフト剤と前記エナンチオピュアな前記キラルな物質との錯体の核磁気共鳴スペクトルにおけるピーク分裂の幅(ppm)であり、%eeは前記キラルな物質の光学純度(0%〜100%)である)を求めるステップをさらに包含してもよい。
前記錯体化するステップは、20℃以上35℃以下の温度範囲で行ってもよい。
前記錯体化するステップは、前記NMR用キラルシフト剤に対して前記キラルな物質を少なくとも1モル当量混合してもよい。
前記錯体化するステップは、前記NMR用キラルシフト剤に対して前記キラルな物質を3モル当量以上50モル当量以下混合してもよい。
前記決定するステップは、関係式Δδ=(Δδmax×%ee)/100(ここで、Δδは前記ピーク分裂の幅(ppm)であり、Δδmaxは、前記NMR用キラルシフト剤とエナンチオピュアな前記キラルな物質との錯体の核磁気共鳴スペクトルにおけるピーク分裂の幅(ppm)であり、%eeは前記キラルな物質の光学純度(0%〜100%)である)を用いてもよい。
前記酸性官能基は、カルボキシル基、リン酸基、スルホン基および水酸基からなる群から選択されてもよい。
本発明によるNMR用キラルシフト剤は、アキラルな非環状型分子であるベンジルアミンまたはベンジルアミン誘導体からなる。アキラルなベンジルアミンまたはベンジルアミン誘導体は、プロトン化されキラルな酸性物質と結合し、錯体となる。それにより、キラルな物質に関するキラルな情報(光学純度)がNMRキラルシフト剤に転送され得、転送されたキラルな情報は、ベンジルアミン誘導体の核磁気共鳴分光スペクトルによって容易に読み出すことができる。
本発明による酸性官能基を有するキラルな物質の光学純度を決定する方法は、上記NMR用キラルシフト剤とキラルな物質との混合物を錯体化するステップを包含する。これにより、キラルな物質に関するキラルな情報がNMR用キラルシフト剤に転送される。本発明による光学純度を決定する方法は、上記錯体化された混合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定するステップと、ピーク分裂を測定するステップとをさらに包含する。本発明によれば、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定することによって、上記キラルな情報をピーク分裂の幅として容易に読み出すことができる。さらに、本発明による光学純度を決定する方法は、ピーク分裂の幅に基づいてキラルな物質の光学純度を決定するステップを包含する。本発明によれば、温度、溶媒、NMR用キラルシフト剤とキラルな物質の濃度および混合比を固定すると、上記ピーク分裂の幅と上記キラルな情報の光学純度とは直線関係にあるので、上記ピーク分裂の幅に基づいて光学純度を容易に決定できる。
アキラルなベンジルアミン誘導体とキラルな物質との関係を示す図 プロトン化ベンジルアミン誘導体が受ける遮蔽効果によるプロトンNMRのピークへの影響を示す図 キラルな物質の光学純度とプロトン化ベンジルアミン誘導体のNMRスペクトルのプロトンのピークとの例示的な関係を示す図 キラルな物質の光学純度とプロトン化ベンジルアミン誘導体のNMRスペクトルのプロトンのピーク分裂の幅との例示的な関係を示す図 本発明による光学純度を決定するステップを示すフローチャート ベンジルアミン(BA)および2−フェノキシプロピオン酸(PPA)を示す図 実施例1の混合物のNMRスペクトル(a)および実施例2の混合物のNMRスペクトル(b)を示す図 実施例1および実施例2による2−フェノキシプロピオンの光学純度(%ee)とピーク分裂の幅(Δδ/ppm)との関係をプロットした図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、同様の構成要素には同様の参照番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明によるNMR用キラルシフト剤について説明する。
本発明によるNMR用キラルシフト剤は、アキラルな非環状型化合物であるベンジルアミンまたはその誘導体からなる。本明細書では、簡単のため、ベンジルアミンそのものも含めて、ベンジルアミン誘導体と称する。ベンジルアミン誘導体は、具体的には、式(1)で示される。
ここで、X1〜X5は、互いに同一または別異の置換基であり、アキラルな原子団およびアキラルな官能基からなる群から選択される。例示的なX1〜X5のアキラルな原子団は、水素原子およびハロゲン原子である。また、例示的なX1〜X5のアキラルな官能基は、直鎖状または分岐状のアルキル基、直鎖状または分岐状のハロゲン化アルキル基、エチレングリコール鎖、エチレングリコールのオリゴマー、ポリマー鎖、芳香族基、複素芳香族基、複素環基、エステル基、エーテル基、環状エーテル基、アミド基、アルケン、アルキン、ケトン基、アミン基、環状アミン基、アルコキシ基、ビニル基、チオエーテル基、スルホン基、シアノ基、ニトロ基およびそれらの誘導体である。
Y1およびY2は、互いに同一な置換基であり、アキラルな原子団およびアキラルな官能基からなる群から選択される。Y1およびY2がとり得るアキラルな原子団およびアキラルな官能基は、NMRにて測定可能な核種を有し、かつ、シングレットまたはダブレット(ダブルオブダブレット)で表されるシンプルなNMRスペクトルを与えることが好ましい。例示的なY1およびY2のアキラルな原子団は、X1〜X5のアキラルな原子団と同様に、水素原子およびハロゲン原子である。例示的なY1およびY2のアキラルな官能基は、アルキル基、芳香族基およびその誘導体である。Y1およびY2が、これらのアキラルな原子団およびアキラルな官能基から群から選択されれば、NMR用キラルシフト剤として機能し得る。例えば、アルキル基の誘導体としては、ハロゲン化、ニトロ化、スルホン化等の官能基を導入したアルキル基を意図する。芳香族基の誘導体としては、ハロゲン化、ニトロ化、スルホン化、アルキル化等の官能基を導入した芳香族基を意図するがこれらに限定されない。
上記アキラルな原子団およびアキラルな官能基の中でも、X1〜X5、ならびに、Y1およびY2が水素原子であるベンジルアミン(BA)は、製造および入手が容易であり、後述するピークの分裂が明瞭であるため好ましい。ベンジルアミンは、商業的に製造されており、容易に入手可能であり、安価である。
なお、本発明によるNMR用キラルシフト剤として具体的なベンジルアミンを示したが、これらは好適なベンジルアミン誘導体の例示に過ぎず、当業者であれば、X1〜X5およびY1〜Y2を適宜選択し、設計可能であることに留意されたい。ただし、実施の形態1で詳述するように、プロトン核磁気共鳴分光法(プロトンNMR)によるスペクトルを解析する際のスペクトルが複雑にならないように、X1〜X5およびY1〜Y2を選択するのが好ましい。
次に、本発明のベンジルアミン誘導体がNMR用キラルシフト剤として機能し得る原理について説明する。
図1は、アキラルなベンジルアミン誘導体とキラルな物質との関係を示す図である。
式(1)に示すベンジルアミン誘導体は、式(2)に示すようにプロトン化され(図1の100)、酸性官能基を有するキラルな物質110と錯体化する。図1では、キラルな物質110として2−フェノキシプロピオン酸(PPA)を示す。
プロトン化ベンジルアミン誘導体100に結合したキラルな酸性物質110は、それぞれの結合位置において高速交換し得る。例えば、キラルな物質110がR体である場合、R体からS体のキラルな物質へと高速交換し得る。一方、プロトン化ベンジルアミン誘導体100はプロトン化された状態が維持される。結合位置の占有率は、キラルな物質110の濃度に依存し、R体またはS体のキラルな物質が結合する確率は統計に基づく。ここで、結合位置がR体またはS体のキラルな物質によって占有される確率は、光学純度(%ee:0〜100)の関数として式(i)および(ii)で与えられる。
(ee)=[R]t/([R]t+[S]t)=(1+ee)/2 (i)
(ee)=[S]t/([R]t+[S]t)=(1−ee)/2 (ii)
ここで、eeは、%ee/100であり、[R]tおよび[S]tは、それぞれ、R体およびS体のキラルな酸性物質の合計濃度である。
キラルな物質110が結合したことによって生じる立体的な環境によって、プロトン化ベンジルアミン誘導体100のベンジル位の原子団または官能基(式(2)中におけるY1およびY2)は、非対称な遮蔽効果を受ける。この非対称な遮蔽効果は、NMRにおいて別の共鳴周波数を生じるため、Y1およびY2のNMRスペクトルは区別される。すなわち、等価であったY1とY2のスペクトルが、非等価となり分裂を示す。
次に、化学的な環境によってプロトン化ベンジルアミン100が受ける遮蔽効果とプロトンNMRにおけるピークとの関係について説明する。
図2は、プロトン化ベンジルアミン誘導体が受ける遮蔽効果によるプロトンNMRのピークへの影響を示す図である。
図2は、それぞれ、光学純度の異なるキラルな物質が結合したプロトン化ベンジルアミン誘導体のY1およびY2の模式的なNMRスペクトルを示す。図中、RおよびSは、それぞれ、R体およびS体のキラルな物質を示す。
図2に示すように、キラルな物質がR体およびS体のエナンチオピュア(R−100%eeまたはS−100%ee)である場合、プロトン化ベンジルアミン誘導体のY1およびY2のプロトンNMRは、シングレットからダブルオブダブレット(または単にダブレットとも呼ぶ)へとスプリットされる。一方、キラルな物質がラセミ体である場合、Y1およびY2のプロトンNMRは、高速交換において磁場異方性が平均化されて、シングレットとなる。
Y1およびY2の化学シフトは、式(iii)および(iv)で表される。
δ=δa,R+δa,S (iii)
δ=δb,R+δb,S (iv)
ここで、δa,Rおよびδa,Sは、それぞれ、R体およびS体のエナンチオマーとの錯体化によって誘起されたプロトンY1の化学シフトである。δb,Rおよびδb,Sは、それぞれ、R体およびS体のエナンチオマーとの錯体化によって誘起されたプロトンY2の化学シフトである。対称性、ならびに、R体のみ(またはS体のみ)との錯体間での化学シフトの等価性により、δa,R=δb,Sおよびδa,S=δb,Rである。したがって、式(iii)および(iv)から化学シフト差Δδは式(v)となる。
Δδ=δa−δb=(δa,R−δb,R)(p−p) (v)
ここで、δa,R−δb,R=Δδ’max(定数)である。式(i)および(ii)よりp−p=eeである。したがって、化学シフト差Δδは、光学純度の線形関数として式(vi)で表される。
Δδ=Δδ’max×ee (vi)
ここで、光学純度の百分率表記%eeを用いれば、Δδ’maxは、Δδ’max=Δδmax×100(%)となり、式(vi)は式(vii)となる。
Δδ=(Δδmax×%ee)/100 (vii)
ここで、Δδmaxは、プロトン化ベンジルアミン誘導体とエナンチオピュアなキラルな物質との錯体における特性値(プロトンの最大化学シフト差)である。このように、キラルな物質の光学純度に応じた遮蔽効果を化学シフト差として定量化できるので、本発明によるアキラルなベンジルアミン誘導体はNMR用キラルシフト剤として機能できる。
なお、上記の原理は、特許文献1〜2および非特許文献1〜5に記載のオキソポルフィリノーゲンおよびポルフィリンにおいても同様であるが、本発明の主眼は非環状分子を用いたNMR用キラルシフト剤の開発であることに留意されたい。
図1および図2を参照して説明したように、酸性官能基を有するキラルな物質は、アキラルなベンジルアミン誘導体と錯体化して、そのアキラルなベンジルアミン誘導体の化学的な環境を変化させる。その変化した化学的な環境は、キラルな物質の光学純度に応じた遮蔽効果をアキラルなベンジルアミン誘導体に生じさせる。このような遮蔽効果は、アキラルなベンジルアミン誘導体中における化学的に等価なY1およびY2プロトンのピークに磁気異方性を引き起こし、分裂を誘起する。したがって、アキラルなベンジルアミン誘導体は、酸性官能基を有するキラルな物質に対してNMR用キラルシフト剤として機能し得る。なお、アキラルなベンジルアミンは、特許文献1〜2および非特許文献1〜5に示されるオキソポルフィリノーゲンやポルフィリンなどの環状化合物とは異なる物質群であり、実験により本発明者らが初めて上述の機能を見出したことに留意されたい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明したNMR用キラルシフト剤を用いて、キラルな物質の光学純度を決定する方法について説明する。
実施の形態1で説明したように、アキラルなベンジルアミン誘導体からなるNMR用キラルシフト剤に酸性官能基を有するキラルな物質を反応させると、アキラルなベンジルアミン誘導体はプロトン化ベンジルアミン誘導体となり、キラルな物質と錯体化する。その結果、キラルな物質は、アキラルなベンジルアミン誘導体に遮蔽効果を及ぼし、キラルな物質に関するキラルな情報(光学純度)がアキラルなベンジルアミン誘導体に転送される。このような錯体のNMRピークは、錯体化したキラルな物質の光学純度に応じて、シングレットまたはダブレット(ダブルオブダブレット)となり得る。さらにそのダブレットの幅(すなわち、ピーク分裂の幅)もまた、キラルな物質の光学純度に依存している。したがって、このような錯体の核磁気共鳴スペクトル(以降では単にNMRスペクトルと称する)を測定することによって、アキラルなベンジルアミン誘導体に転送されたキラルな物質に関するキラルな情報(光学純度)を読み出すことができる。
図3は、キラルな物質の光学純度とプロトン化ベンジルアミン誘導体のNMRスペクトルのプロトンのピークとの例示的な関係を示す図である。
図4は、キラルな物質の光学純度とプロトン化ベンジルアミン誘導体のNMRスペクトルのプロトンのピーク分裂の幅との例示的な関係を示す図である。
図3に示すように、キラルな物質の光学純度に応じて、プロトン化ベンジルアミン誘導体のプロトンのピークは、シングレットからダブルオブダブレットまで変化し得る。図3では、光学純度をR体0%(すなわちラセミ体)、20%、40%、60%、80%および100%まで変化させたキラルな物質と錯体化したプロトン化ベンジルアミン誘導体のプロトンの例示的なピークが示される。なお、R体20%、40%、60%、80%および100%のプロトンのダブレットは、図2を参照して説明したように、それぞれ、S体20%、40%、60%、80%および100%のプロトンのダブレットと同一となる。
図3に例示的に示すピークから得られるピーク分裂の幅(Δδ/ppm)と、光学純度(%ee)とをプロットすると、図4に示すように、ピーク分裂の幅と光学純度とは直線関係にあり、実施の形態1で説明した式(vii)を満たす。このような関係を検量線として用いることで、ピーク分裂の幅から光学純度を求めることができる。
図5は、本発明による光学純度を決定するステップを示すフローチャートである。
ステップS510:本発明のNMR用キラルシフト剤とキラルな物質(被検物質)との混合物を錯体化する。
ここで、NMR用キラルシフト剤は、実施の形態1で詳述したため説明を省略する。被検物質であるキラルな物質は、酸性官能基を有するキラルな物質である。酸性官能基とは、カルボキシル基、リン酸基、スルホン基および水酸基からなる群から選択される官能基である。
混合により、NMR用キラルシフト剤のプロトン化ベンジルアミン誘導体と被検物質とが錯体化し、被検物質に関するキラルな情報がNMR用キラルシフト剤に転送される。この混合は、アキラルなベンジルアミン誘導体が、プロトン化ベンジルアミンとなり被検物質と錯体化する限り、特に制限はないが、好ましくは、室温(20℃以上35℃以下の温度範囲)で行われる。これにより、アキラルなベンジルアミン誘導体と被検物質との間の錯体化が促進され、被検物質が結合したプロトン化ベンジルアミン誘導体である錯体を確実に生成することができる。
また、好ましくは、被検物質をNMR用キラルシフト剤に対して少なくとも1モル当量混合する。これにより、光学純度の決定に必要な量の錯体が得られるので、光学純度を決定できる。より好ましくは、被検物質をNMR用キラルシフト剤に対して少なくとも3モル当量混合する。これにより、光学純度の決定に十分な量の錯体が確実に得られるので、精度よく光学純度を決定できる。なお、上限は特に設けないが、被検物質が多すぎると、錯体に対して被検物質が多くなりすぎるので、錯体のNMRスペクトルの測定精度が低下し得る。例示的には、上限が100モル当量以下であれば、測定可能な量の錯体が得られる。好ましくは、上限は50モル当量以下であり、より好ましくは、20モル当量以下である。これにより、十分な量の錯体が得られかつ、錯体のNMRスペクトルが測定精度良く得られるので、光学純度の決定が可能である。
ステップS520:ステップS510で得られた錯体化した混合物のプロトン核磁気共鳴スペクトル(NMRスペクトル)を測定する。
ステップS530:ステップS520で得られたNMRスペクトルのピーク分裂の幅を測定する。これらステップS520およびS530により、単にNMRスペクトルを測定するだけで、キラルな情報をピーク分裂の幅として容易に読み出すことができる。
ステップS540:ステップS530で得られたピーク分裂の幅に基づいて被検物質であるキラルな物質の光学純度を決定する。光学純度の決定は、図3または図4に示すような、被検物質と同じキラルな物質の光学純度とピーク分裂の幅との関係を予めメモリ等に有する場合には、その関係を読出し、ステップS530で得られたピーク分裂の幅に基づいて算出すればよい。
ステップS540において、被検物質と同じキラルな物質の光学純度とピーク分裂の幅との関係を有さない場合には、ステップS540に先立って、被検物質と同じキラルな物質のうちエナンチオピュアなキラルな物質を用いて、ピーク分裂の幅と被検物質であるキラルな物質の光学純度との関係式を求めてもよい。
具体的には、NMR用キラルシフト剤と、R体またはS体のエナンチオピュアなキラルな物質との混合物を錯体化する。次いで、錯体化された混合物のNMRスペクトルを測定し、ピーク分裂の幅を測定する。これらのステップは、上述のステップS510〜530と同様である。測定されたピーク分裂の幅がΔδmax/ppmに相当するため、式(vii)が得られる。
Δδ(ppm)=(Δδmax×%ee)/100・・・・・・・・(vii)
ここで、%eeは光学純度であり、0〜100の値であり、Δδ(ppm)は、特定の光学純度(%ee)におけるピーク分裂の幅である。
式(vii)に、ステップS530で得られたピーク分裂の幅(Δδ/ppm)を代入すれば、光学純度(%ee)を容易に決定できる。
以上説明してきたように、実施の形態2による光学純度を決定する方法は、NMR用キラルシフト剤と被検物質であるキラルな物質との混合物を錯体化するステップと、混合物のNMRスペクトルを測定するステップと、ピーク分裂を測定するステップと、ピーク分裂の幅に基づいてキラルな物質の光学純度を決定するステップとを包含する。錯体化により、被検物質に関するキラルな情報がNMR用キラルシフト剤に転送される。転送されたキラルな情報は、プロトンNMRにおけるピーク分裂の幅として容易に読み出され、上記ピーク分裂の幅に基づいて光学純度を容易に決定できる。
上述の原理は、特許文献1〜2および非特許文献1〜5に記載のオキソポルフィリノーゲンおよびポルフィリンにおいても同様であるが、本発明の主眼は非環状分子を用いたNMR用キラルシフト剤の開発であり、本発明のアキラルなベンジルアミン誘導体からなるNMR用キラルシフト剤を用いた場合には、例えば、ステップS510の錯体化の条件(温度、被験物質の量等)が、特許文献1〜2および非特許文献1〜5に記載のオキソポルフィリノーゲンおよびポルフィリンのそれとは異なっており、創意工夫により好適な条件を見出したことに留意されたい。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
実施例1では、NMR用キラルシフト剤としてベンジルアミン(BA)を、酸性官能基を有するキラルな物質(被検物質)として2−フェノキシプロピオン酸(PPA)を用いて、BAのNMR用キラルシフト剤としての有効性、ならびに、それを用いた光学純度を決定する方法の有効性を調べた。
図6は、ベンジルアミン(BA)および2−フェノキシプロピオン酸(PPA)を示す図である。
図6のベンジルアミン(BA)は、式(1)においてX1〜X5、ならびに、Y1〜Y2が水素原子である。図6の2−フェノキシプロピオン酸(PPA)は、酸性官能基としてカルボン酸を有する。
BAおよびPPA(R体およびS体)は、いずれも、東京化成工業株式会社から入手した。また、プロトン核磁気共鳴分光法のための重溶媒として重クロロホルムをCambridge Isotope Laboratory Inc.から入手した。
R体およびS体のPPAを用いて、所定の光学純度を有するキラルな物質を調製した。所定の光学純度は、rac−0%ee(ラセミ体)、R−20%ee、R−40%ee、R−60%ee、R−80%ee、R−100%eeおよびS−100%eeである。
BA(重溶媒CDCl:10mM)と、各光学純度のPPA(3モル当量)とを25℃で混合した。得られた混合物についてNMRスペクトルを測定した。NMRスペクトルは、AL300BX(JEOL)を用いて測定した。測定結果を図7(a)に示す。図7(a)のNMRスペクトルのピーク分裂の幅を測定した。結果を図8に示す。これらの結果を用いて、光学純度を決定する方法の有効性を調べた。
実施例2は、BAに添加されるPPAを20モル当量にした以外は、実施例1と同様であった。実施例1と同様に、BAと各光学純度のPPAとの混合物のNMRスペクトル、および、NMRスペクトルからピーク分裂幅を測定した。結果を図7(b)および図8に示す。これらの結果を用いて、光学純度を決定する方法の有効性を調べた。
図7は、実施例1の混合物のNMRスペクトル(a)および実施例2の混合物のNMRスペクトル(b)を示す図である。
図7(a)および図7(b)のNMRスペクトルによれば、本発明のアキラルなベンジルアミン誘導体がキラルな物質と混合すると、キラルな物質の光学純度に応じて、ベンジル位のプロトンのピークは、シングレット(ラセミ体の場合)またはダブルオブダブレット(エナンチオピュアあるいはエナンチオマーの場合)となることが分かった。このことから、BAがPPAと錯体化し、PPAのキラルな情報は、BAのベンジル位のプロトンに転送されたことが確認され、本発明のアキラルなベンジルアミン誘導体がNMRキラルシフト剤として機能することが分かった。
図7(a)のNMRスペクトルから、本発明のNMRキラルシフト剤に対してキラルな物質は3モル当量以上混合することが好ましいことを確認した。さらに、図7(a)のNMRスペクトルと図7(b)のNMRスペクトルとを比較すると、図7(b)のNMRスペクトルのピーク分裂の幅は、図7(a)のそれよりも大きく、PPAの添加量が増大するにつれて、BAの分裂幅は増大することが分かった。このことは、光学純度を正確に測定するには、本発明のNMRキラルシフト剤に対して混合されるキラルな物質の濃度を制御する必要があることを示唆する。
図8は、実施例1および実施例2による光学純度(%ee)とピーク分裂の幅(Δδ/ppm)との関係をプロットした図である。
図8によれば、ピーク分裂の幅と光学純度との間に線形関係があることが分かる。この線形関係は、実施の形態1および2で説明した式(vii)Δδ=(Δδmax×%ee)/100を満たすことが分かった。ここで、Δδmaxは、光学純度100%eeであるPPAが結合した際の分裂幅であり、特性値である。線形のR乗値を求めたところ、いずれの実施例も、R=0.99(詳細には、実施例1ではR=0.996であり、実施例2ではR=0.999であった)であり、限りなく1に近かった。このことは、Δδ=(Δδmax×%ee)/100を検量線として用いて、未知の光学純度(%ee)を求めることができることを示す。なお、光学純度(%ee)を高精度(±3%ee)に求めるためには、NMRスペクトルをフィッティングし、次いで、ピーク分裂の幅(Δδ/ppm)を測定することが望ましい。図8の実線はフィッティングした結果である。
また、図8によれば、実施例2の検量線は、実施例1のそれに比べて、より傾きが大きかった。このことは、図7の結果と同様に、本発明のNMRキラルシフト剤に対して混合されるキラルな物質の濃度が大きい方が、より高精度に光学純度を測定できることを示しており、本発明のNMRキラルシフト剤に対して混合されるキラルな物質の濃度は、好ましくは3モル当量以上であり、50モル当量以下、より具体的には20モル当量以下であれば確実であることが分かった。
次に、例えば、図8に示されるPPAとBAについて検量線が得られており、かつ、光学純度が未知である2−フェノキシプロピオン酸の光学純度を求める場合を想定する。
BA(例えば、重溶媒CDCl:10 mM)と、光学純度が未知である2−フェノキシプロピオン酸PPA(例えば、20モル当量)との混合物を25℃で錯体化する(図5のステップS510)。次いで、錯体化された混合物のプロトン核磁気共鳴NMRスペクトル(NMRスペクトル)を測定する(図5のステップS520)。得られたNMRスペクトルのベンジル位プロトンのピーク分裂の幅Δδ(ppm)を測定する(図5のステップS530)。図8の実施例2の検量線において、得られたΔδを適用し、光学純度(%ee)を決定する(図5のステップS540)。このようにして、PPAの光学純度を決定できる。
以上より、本発明のNMR用キラルシフト剤として有効性、ならびに、これを用いた光学純度を決定する方法の有効性が確認された。
本発明によるNMR用キラルシフト剤は、アキラルなベンジルアミンおよびその誘導体からなる。アキラルなベンジルアミンおよびその誘導体は、入手あるいは製造が容易であり、安価である。本発明によるNMR用キラルシフト剤を用いれば、キラルな酸性物質の光学純度をプロトン核磁気共鳴スペクトルのピーク分裂から容易に判定できる。
100 アキラルなベンジルアミンおよびその誘導体
110 キラルな物質

Claims (13)

  1. アキラルなベンジルアミンまたはその誘導体からなる、NMR用キラルシフト剤。
  2. 前記ベンジルアミンまたはその誘導体は、式(1)で表され、

    ここで、X1〜X5は、互いに同一または別異の置換基であり、アキラルな原子団およびアキラルな官能基からなる群から選択され、Y1およびY2は、同一の置換基であり、アキラルな原子団およびアキラルな官能基からなる群から選択される、請求項1に記載のNMR用キラルシフト剤。
  3. 前記アキラルな原子団は、水素原子およびハロゲン原子である、請求項2に記載のNMR用キラルシフト剤。
  4. 前記X1〜X5のアキラルな官能基は、直鎖状または分岐状のアルキル基、直鎖状または分岐状のハロゲン化アルキル基、エチレングリコール鎖、エチレングリコールのオリゴマー、ポリマー鎖、芳香族基、複素芳香族基、複素環基、エステル基、エーテル基、環状エーテル基、アミド基、アルケン、アルキン、ケトン基、アミン基、環状アミン基、アルコキシ基、ビニル基、チオエーテル基、スルホン基、シアノ基、ニトロ基およびそれらの誘導体である、請求項2に記載のNMR用キラルシフト剤。
  5. 前記Y1およびY2のアキラルな官能基は、アルキル基、芳香族基、および、それらの誘導体である、請求項2に記載のNMR用キラルシフト剤。
  6. 前記X1〜X5は、水素原子であり、
    前記Y1〜Y2は、水素原子である、請求項2に記載のキラルシフト剤。
  7. 酸性官能基を有するキラルな物質の光学純度を決定する方法であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載のNMR用キラルシフト剤と前記キラルな物質との混合物を錯体化するステップと、
    前記錯体化された混合物の核磁気共鳴スペクトルを測定するステップと、
    前記錯体化された混合物の核磁気共鳴スペクトルにおけるピーク分裂の幅を測定するステップと、
    前記ピーク分裂の幅に基づいて前記キラルな物質の光学純度を決定するステップと
    を包含する、方法。
  8. 前記光学純度を決定するステップに先立って、エナンチオピュアな前記キラルな物質を用いて、ピーク分裂の幅と前記キラルな物質の光学純度との間の関係式Δδ=(Δδmax×%ee)/100(ここで、Δδはピーク分裂の幅(ppm)であり、Δδmaxは、前記NMR用キラルシフト剤と前記エナンチオピュアな前記キラルな物質との錯体の核磁気共鳴スペクトルにおけるピーク分裂の幅(ppm)であり、%eeは前記キラルな物質の光学純度(0%〜100%)である)を求めるステップをさらに包含する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記錯体化するステップは、20℃以上35℃以下の温度範囲で行う、請求項7に記載の方法。
  10. 前記錯体化するステップは、前記NMR用キラルシフト剤に対して前記キラルな物質を少なくとも1モル当量混合する、請求項7に記載の方法。
  11. 前記錯体化するステップは、前記NMR用キラルシフト剤に対して前記キラルな物質を3モル当量以上50モル当量以下混合する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記決定するステップは、関係式Δδ=(Δδmax×%ee)/100(ここで、Δδは前記ピーク分裂の幅(ppm)であり、Δδmaxは、前記NMR用キラルシフト剤とエナンチオピュアな前記キラルな物質との錯体の核磁気共鳴スペクトルにおけるピーク分裂の幅(ppm)であり、%eeは前記キラルな物質の光学純度(0%〜100%)である)を用いる、請求項7に記載の方法。
  13. 前記酸性官能基は、カルボキシル基、リン酸基、スルホン基および水酸基からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
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