実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、予告演出(可動物予告演出)やスーパーリーチ演出が実行されるときに動作する。なお、可動物予告演出やスーパーリーチ演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出において可動部材78が動作するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、可動物予告演出やスーパーリーチ演出が実行される場合には、後述するように、可動部材78の可動に加えて、導光板の発光制御が行われる。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出(演出羽根役物予告演出)が実行されるときに動作する。なお、演出羽根役物予告演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出やスーパーリーチ演出において演出羽根役物79a,79bが動作するようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当り、確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当り(2ラウンドの大当り)と、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての通常大当りおよび確変大当り(15ラウンドの大当り)とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態(高ベース状態)に移行させる大当りである(後述するステップS167,168参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を100回終了すると時短状態が終了する(後述するステップS168,S137〜140参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、100回の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図10(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図10に示す例では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Cを用いる場合を示しているが、確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図10(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図10(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、擬似連や滑り演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、擬似連や滑り演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図16および図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16および図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態や時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図9、図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して、後述する保留予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図16および図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「保留予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行されるいわゆる先読み予告演出の一種であり、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおける保留表示を通常とは異なる表示態様で表示することにより行われる予告演出である。この実施の形態では、保留予告演出は、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したことにもとづいて後述する出現演出や保留表示が表示されたタイミングで実行される。なお、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したことにもとづいて後述する出現演出や保留表示が表示されたタイミングでは通常の表示態様で保留表示の表示を一旦開始し、その後の所定タイミング(例えば、保留のシフトのタイミング)で通常とは異なる表示態様に保留表示を変化させることにより保留予告演出を実行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、時短状態(高ベース状態)であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(ステップS1215A,S1216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図15に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図16および図17に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18および図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図30参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図20は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図20(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図20(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図20(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1215A)。セットされていれば、そのままステップS1220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、ステップS1215AまたはステップS1216AでYと判定したことによりステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS1217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS1217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305参照)から大当り終了処理(ステップS307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図21(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
なお、ステップS1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1215Aと同様の処理を行い、時短状態であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態(低ベース状態)である場合にのみステップS1217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。
図22は、ステップS1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグや時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図16および図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態や時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9、図10参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16および図17に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図22に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態(高確率状態)における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、この実施の形態では、通常大当りにもとづく大当り遊技終了時に時短状態に移行されるときに時短フラグがセットされるとともに、確変大当りにもとづく大当り遊技終了時にも確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行されることから時短フラグがセットされる。従って、ステップS95でYと判定された場合には、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後に時短状態にのみ制御されているときに加えて、確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に確変状態とともに時短状態に制御されているときがある。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して保留予告演出を行うように構成することが好ましい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当り遊技が通常大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば(ステップS166のY)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合でなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
なお、この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、確変状態に制御される場合には時短状態にも制御されることから、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、および確変状態(高確率/高ベース状態)の3つの状態があることになる。
図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図32は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図33〜図35は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A002(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。この場合、例えば、大当り開始1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A302(H))であれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。この場合、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))であれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている図柄指定コマンド格納領域に一時格納する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS656)。また、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第1始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS657)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS659)。また、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第2始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS660)。
図36は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。このうち、図36(A)は、第1始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示し、図36(B)は、第2始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示している。図36(A)に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域には、第1保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。また、第2始動入賞時コマンド格納領域には、第2保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。この実施の形態では、図20の第1始動口スイッチ通過処理のステップS1218A〜S1220Aおよび第2始動口スイッチ通過処理のステップS1218B〜S1220Bで示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドがセットで送信される。そのため、図36に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域および第2始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜4には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを受信したときに、それぞれ図柄指定コマンド格納領域および変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する。そして、保留記憶数加算指定コマンドを受信すると、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第1保留記憶が1増加した場合であることが分かり、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第2保留記憶が1増加した場合であることが分かるので、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドとともに第1保留記憶数加算指定コマンドを第1始動入賞時コマンド格納領域に格納し、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドとともに第2保留記憶数加算指定コマンドを第2始動入賞時コマンド格納領域に格納する(なお、図36では、第1始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4の全ての格納領域にコマンドが格納され、第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4のうちの格納領域1のみにコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図36に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述するステップS664,S668で順次削除される。この場合、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先実行するので、まず、図36(B)に示す第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1の記憶内容が削除される。次いで、新たに第2保留記憶が発生しなければ、第1保留記憶のみが記憶されている状態となるので、次に演出図柄の変動表示を開始するタイミングで図36(A)に示す第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図36(A)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされる。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図22参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS662)。次いで、演出制御用CPU101は、後述する出現演出を実行中であれば(ステップS663a)、実行中の出現演出を中断する(ステップS663b)。その後、演出制御用CPU101は、第1保留表示の消滅演出(詳細については後述する)を開始する(ステップS663c)。次いで、演出制御用CPU101は、第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS666)。次いで、演出制御用CPU101は、後述する出現演出を実行中であれば(ステップS667a)、実行中の出現演出を中断する(ステップS667b)。その後、演出制御用CPU101は、第2保留表示の消滅演出(詳細については後述する)を開始する(ステップS667c)。次いで、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、第2始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS668)。
この実施の形態では、保留表示が消去される場合には消滅演出が実行される。この実施の形態では、消滅演出として、図45(B)に示すように、保留表示が、濃度が濃く視認しやすい状態(図45(B)の(4))から徐々に濃度が薄くなり視認しにくい状態(図45(B)の(3)〜(1))に変化するような態様の演出が実行される。なお、この実施の形態では、消滅演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示の濃度が最小となり視認できない状態(図45(B)の(0))になるものとする。
なお、「消滅演出」は、この実施の形態で示したものにかぎらず、保留表示の消去に伴って実行される演出であれば、どのような演出態様の演出であってもよい。例えば、保留表示の濃度が徐々に変化しているものにかぎらず、消滅演出として、保留表示の大きさが大きく視認しやすい状態から徐々に小さくなり視認しにくい状態に変化するような態様の演出を実行してもよい。また、消滅演出において必ずしも保留表示が表示される必要はなく、遊技者が保留表示の消去に伴って実行されていることを認識できるのであれば、消滅演出として、保留表示を消去することなく所定のキャラクタを表示するような態様の演出を実行してもよい。また、この実施の形態では、消滅演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示が視認できない状態となる場合を示しているが、消滅演出の演出期間は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、消滅演出の演出期間が極めて短く(例えば、0.1秒)、殆ど直ぐに保留表示が消去されるように見えるものであってもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態に関わらず、消滅演出が実行されるように構成されているが、遊技状態が時短状態または確変状態であるときにのみ(すなわち後述する出現演出が実行される場合にのみ)、消滅演出が実行されるように構成してもよい。
この実施の形態では、第1保留表示は、第1保留記憶表示部9aの第1保留記憶表示エリアにおいて表示され、第2保留表示は、第2保留記憶表示部9bの第2保留記憶表示エリアにおいて表示される。
なお、第1保留記憶表示エリアでは、例えば右詰めで、第1保留表示が表示される。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1保留記憶数が増加したときは、第1保留記憶表示エリアに他の第1保留表示がなければ、第1保留記憶表示エリアの右側(演出表示装置9の表示領域の中央側)に増加分の第1保留記憶に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1保留記憶表示エリアに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加する。
また、第1保留記憶表示エリアに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1の開始条件の成立によって第1保留記憶数が減少したときは、最も左側に表示されている第1保留表示を消去する消滅演出が実行される。なお、残りの第1保留表示は、第1保留記憶に応じて表示される。
また、第2保留記憶表示エリアでは、例えば左詰めで、第2保留表示が表示される。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2保留記憶数が増加したときは、第2保留記憶表示エリアに他の第2保留表示がなければ、第2保留記憶表示エリアの左側(演出表示装置9の表示領域の中央側)に増加分の第2保留記憶に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2保留記憶表示エリアに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加する。
また、第2保留記憶表示エリアに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2の開始条件の成立によって第2保留記憶数が減少したときは、最も右側に表示されている第2保留表示を消去する消滅演出が実行される。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS670)。従って、この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)である場合には、通常状態に応じた背景画面が表示されることによって通常状態に応じた演出モード(以下、通常演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS671)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS672)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS673)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、時短状態に応じた背景画面が表示されることによって時短状態に応じた演出モード(以下、時短演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS674)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS675)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS676)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、確変状態に応じた背景画面が表示されることによって確変状態に応じた演出モード(以下、確変演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS677)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS678)。そして、ステップS611に移行する。
図37は、図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留表示の表示制御を行う保留表示制御処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図38〜図41は、保留表示制御処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認する(ステップS6000)。なお、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かは、例えば、演出図柄の変動表示中でなく(例えば、演出図柄変動開始処理においてセットされる変動時間タイマの値が0であり)、第1保留記憶および第2保留記憶のいずれもない(例えば、ステップS656,S659,S662,S666で更新される第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0である)ことを確認することにより判定できる。客待ちデモンストレーション表示中であれば、そのまま保留表示制御処理を終了する。すなわち、客待ちデモンストレーション表示中に新たに始動入賞が発生しても、直ちに変動表示が開始され殆ど保留表示を表示する時間がないことから、ステップS6001以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了する。
なお、演出図柄の変動表示中であっても、第1保留記憶および第2保留記憶のいずれもなく、実行中の変動表示の残り時間が極めて少なく変動表示の終了直前である場合(例えば、残り1秒以内である場合)にも、新たに始動入賞が発生しても実質的に保留表示を表示する時間が殆どないことから、ステップS6001以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
また、例えば、演出図柄の変動表示を停止してから直ちに客待ちデモンストレーション表示を開始するのではなく、最後の変動表示を終了してから所定期間(例えば、1分間)経過後に客待ちデモンストレーション表示を開始するように構成している場合であれば、この所定期間中も保留記憶がなく変動表示を実行していない期間なのであるから、ステップS6000でYと判定し、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
なお、客待ちデモンストレーション表示中でステップS6000でYと判定して保留表示制御処理を終了した場合には、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を受信しても保留表示を増加させていないのであるから、その後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を受信しても、コマンド解析処理のステップS663,S667の処理を実行せず保留表示を削除しないように制御する。この場合、例えば、コマンド解析処理のステップS655,S658でYと判定し新たな保留記憶数加算指定コマンドを受信したと判定した場合に、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認し、客待ちデモンストレーション表示中であれば、その旨を示すフラグをセットし、その後、保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに(ステップS661,S665のY参照)、そのフラグがセットされていればステップS663,S667の処理を実行しないようにすればよい。また、この場合、保留表示の増減の処理のみをスキップするのではなく、ステップS656,S659,S662,S666の処理もスキップして、第1保留記憶数や第2保留記憶数の増減の処理自体も行わないようにしてもよい。
客待ちデモンストレーション表示中でなければ、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞が発生して新たに始動入賞時のコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、図36に示す第1始動入賞時コマンド格納領域または第2始動入賞時コマンド格納領域において新たなコマンドが格納されていれば、新たに始動入賞が発生して新たに始動入賞時のコマンドを受信したと判定することができる。
新たに始動入賞時のコマンドを受信してれば(ステップS6001のY)、演出制御用CPU101は、出現演出を実行中であるか否かを確認する(ステップS6001a)。出現演出を実行中であれば、演出制御用CPU101は、実行中の出現演出を中断し(ステップS6001b)、中断した出現演出の対象である保留表示を表示する(ステップS6001c)。そして、ステップS6002に移行する。
出現演出を実行中でなければ、演出制御用CPU101は、消滅演出を実行中であるか否かを確認する(ステップS6001d)。消滅演出を実行中であれば、演出制御用CPU101は、実行中の消滅演出を中断し(ステップS6001e)、ステップS6002に移行する。また、消滅演出を実行中でなければ、そのままステップS6002に移行する。
ステップS6002では、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)であるか否かを確認する(ステップS6002)。なお、遊技状態が確変状態であるか否かは、具体的には、確変状態フラグ(ステップS677参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。
確変状態でなければ、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)であるか否かを確認する(ステップS6003)。なお、遊技状態が時短状態であるか否かは、具体的には、時短状態フラグ(ステップS674参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。
遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)であれば(言い換えれば、時短演出モード中であれば)、演出制御用CPU101は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルを用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS6004)。
図43は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルの具体例を示す説明図である。図43に示すように、各保留予告決定テーブルには、保留予告演出なし、および保留予告演出ありに対して、それぞれ判定値が割り振られている。
また、図43に示すように、保留予告決定テーブルには、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)、および変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)にのみ判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出が実行されうる。この実施の形態では、図43に示すように、非リーチはずれとなる場合には5%の割合で保留予告演出を実行することに決定され、スーパーリーチはずれとなる場合には60%の割合で保留予告演出を実行することに決定され、スーパーリーチ大当りとなる場合には80%の割合で保留予告演出を実行することに決定される。
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、およびスーパーリーチ大当り以外の変動カテゴリとなる場合も保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、変動カテゴリコマンドにもとづいて大当りとなるか否かのみを特定し、その特定結果に従って保留予告演出を実行可能に構成してもよい。また、この実施の形態では、非リーチはずれとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合にも保留予告演出(いわゆるガセの保留予告演出)を実行する場合を示しているが、非リーチはずれとなる場合には保留予告演出を実行しないようにしたり、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出を実行するようにしたりしてもよい。
また、この実施の形態では、確変状態(高確率/高ベース状態)または時短状態(低確率/高ベース状態)である場合にステップS6004または後述するステップS6012の処理が実行されて保留予告演出を実行する場合があるのであるが、既に説明したように、時短状態(高ベース状態)である場合には、第1始動入賞口13への始動入賞に対する入賞時判定の処理は実行されず図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは送信されないので(ステップS1215A参照)、第2保留記憶に対してのみ保留予告演出が実行される場合がある。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS6005のN)、演出制御用CPU101は、通常の演出態様で出現演出の実行を開始する(ステップS6006)。
この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、通常態様の保留表示とは異なる特定保留表示を表示する。「特定保留表示」とは、所定の周期で動作表示する保留表示であり、この実施の形態では、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様の特定保留表示が表示される。なお、「特定保留表示」は、この実施の形態で示したものにかぎらず、所定の周期で動作表示するものであれば、例えば、所定の周期で左右方向や上下方向に揺動するものや、所定の周期で大きさが変化するもの、所定の周期で保留表示内の模様や色が変化するものであってもよい。
また、この実施の形態では、特定保留表示が表示される場合には出現演出が実行される。「出現演出」とは、特定保留表示の表示に伴って実行される演出であり、この実施の形態では、出現演出として、例えば、図45(A)に示すように、保留表示が濃淡が薄く視認できない状態(図45(A)の(0))から徐々に濃度が濃くなり視認しやすい状態(図45(A)の(1)〜(4))に変化するような態様の演出が実行される。なお、この実施の形態では、出現演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示の濃度が最大となり視認しやすい状態(図45(A)の(4))になるものとする。
なお、「出現演出」は、この実施の形態で示したものにかぎらず、特定保留表示の表示に伴って実行される演出であれば、どのような演出態様の演出であってもよい。例えば、保留表示の濃度が徐々に変化しているものにかぎらず、出現演出として、保留表示の大きさが小さく視認しにくい状態から徐々に大きくなり視認しやすい状態に変化するような態様の演出を実行してもよい。また、出現演出において必ずしも保留表示が表示される必要はなく、遊技者が特定保留表示の表示に伴って実行されていることを認識できるのであれば、出現演出として、保留表示を表示することなく所定のキャラクタを表示するような態様の演出を実行してもよい。また、この実施の形態では、出現演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示が視認しやすい状態となる場合を示しているが、出現演出の演出期間は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、出現演出の演出期間が極めて短く(例えば、0.1秒)、殆ど直ぐに保留表示が表示されるように見えるものであってもよい。
また、この実施の形態では、出現演出は、遊技状態が確変状態または時短状態であるときに実行されるように構成されているが、これに限らず、遊技状態が通常状態であるときにも、実行されるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、出現演出の実行中から保留表示の動作表示を開始する。従って、確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、保留表示が動作表示しながら濃度が徐々に濃くなるような演出が実行され、出現演出の実行中から特定保留表示の表示が開始されるような態様の表示が行われる。一方、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、出現演出の実行後に保留表示の動作表示を開始する。従って、時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、保留表示が動作表示しない状態で濃度が徐々に濃くなるような演出が実行され、出現演出を終了した後に保留表示の動作表示が開始され、出現演出の実行後に特定保留表示の表示が開始されるような態様の表示が行われる。
また、この実施の形態では、保留予告演出を実行しないことに決定した場合には、通常の演出態様で特定保留表示や出現演出が実行されるのであるが、保留予告演出を実行することに決定した場合には、先読み予告態様で特定保留表示や出現演出が実行される。この実施の形態では、保留表示を白色の丸形表示の内部に白色の三角表示で表示する態様で通常の演出態様の特定保留表示や出現演出を実行するのに対して、保留表示を白色の丸形表示の内部に赤色の三角表示で表示する態様で先読み予告態様の特定保留表示や出現演出を実行する。以下、この実施の形態では、通常の演出態様の特定保留表示や出現演出をそれぞれ「通常特定保留表示」や「通常出現演出」ともいい、先読み予告態様の特定保留表示や出現演出をそれぞれ「先読み特定保留表示」や「先読み出現演出」ともいう。
なお、「通常特定保留表示」や「通常出現演出」、「先読み特定保留表示」、「先読み出現演出」の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、保留予告演出(先読み予告演出)が実行されているか否かを認識可能なものであればよい。例えば、「通常特定保留表示」や「通常出現演出」では保留表示を回転させるのに対して、「先読み特定保留表示」や「先読み出現演出」では保留表示を左右方向や上下方向に揺動するようにしてもよい。
ステップS6006では、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない通常出現演出の実行を開始する。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部9aの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部9aの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない通常出現演出の実行中であることを示す通常出現演出実行中フラグ(動作なし)をセットする(ステップS6007)。また、演出制御用CPU101は、出現演出の演出期間を計測するための出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6008)。そして、ステップS6027に移行する。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6005のY)、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6009)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない先読み出現演出の実行中であることを示す先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)をセットする(ステップS6010)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6011)。そして、ステップS6027に移行する。
遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)であれば(ステップS6002のY。言い換えれば、確変演出モード中であれば)、演出制御用CPU101は、ステップS6004と同様の処理に従って、保留予告決定テーブルを用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS6012)。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS6013のN)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6014)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6015)。この実施の形態では、前述したように丸形表示の内部に三角表示で表示する態様で特定保留表示を表示するのであるが、その三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態が所定の基準動作位置となっている状態であるものとする。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、通常出現演出を直ちには開始せず、通常出現演出の開始を待機していることを示す通常待機フラグをセットする(ステップS6016)。そして、ステップS6027に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6014のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6015のY)には、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する(ステップS6017)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部9aの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部9aの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6017で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行中であることを示す通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6018)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6019)。そして、ステップS6027に移行する。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6013のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6020)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6021)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、先読み出現演出を直ちには開始せず、先読み出現演出の開始を待機していることを示す先読み待機フラグをセットする(ステップS6022)。そして、ステップS6027に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6020のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6021のY)には、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6023)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6023で保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行中であることを示す先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6024)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6025)。そして、ステップS6027に移行する。
遊技状態が確変状態でも時短状態でもなかった場合(ステップS6003のN。すなわち、通常状態(低確率/低ベース状態)であった場合)には、演出制御用CPU101は、特定保留表示ではない通常態様の保留表示を1増加させる(ステップS6026)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部9aにおいて通常態様で第1保留表示(例えば、白色の丸形表示)を1つ増加させる。また、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部9bにおいて通常態様で第2保留表示(例えば、白色の丸形表示)を1つ増加させる。
次いで、演出制御用CPU101は、通常待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6027)。通常待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6028)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、通常待機フラグをリセットする(ステップS6029)。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する(ステップS6030)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部9aの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部9aの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6030で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6031)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6032)。そして、ステップS6039に移行する。なお、この実施の形態では、ステップS6032や後述するステップS6038の処理により、出現演出を1秒間実行するように構成されているが、出現演出は、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態を待ってから(最大1秒間)開始されるため、始動入賞が発生してから保留表示の表示が完了するまでに最大2秒程かかる場合がある。そこで、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態となるまでの期間が所定期間(例えば、0.7秒間)以上であるときには、演出期間が短縮された出現演出(例えば、0.5秒間)を実行する構成や、出現演出を実行しないように制限する構成としてもよい。このように構成することのよって、保留表示の表示が完了するまでの期間が長くなりすぎないようにすることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6033)。先読み待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6034)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、先読み待機フラグをリセットする(ステップS6035)。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6036)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6036で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6037)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6038)。そして、ステップS6039に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理が実行されることによって、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を伴う出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)の実行を開始するように制御する。
なお、この実施の形態において、保留表示の動作表示が「同期する」とは、動作表示を伴う複数の保留表示間で、保留表示が所定の基準動作位置となるタイミングが同じタイミングとなるようにすることである。具体的には、この実施の形態では、特定保留表示が複数表示されている場合や保留表示の動作を伴う出現演出を実行する場合に、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となるタイミングが同じタイミングとなるように表示制御している。
なお、保留表示の動作表示を同期させる態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、複数表示されている保留表示の回転周期が1秒のものと2秒のものとがあるなど、動作周期の異なる保留表示が混在している場合であっても、保留表示が上方向を向いている状態となるタイミングが同じタイミングとなる(この場合、回転周期2秒の保留表示が1回転して再び上方向となるときに、回転周期1秒の保留表示は2回転して再び上方向となることになる)ものであってもよい。また、例えば、回転動作する保留表示と揺動動作する保留表示とがあるなど、動作態様の異なる保留表示が混在している場合であっても、一方の保留表示を上方向を向いている状態から回転動作を開始し、他方の保留表示を最下端の位置から上下方向に揺動動作を開始した場合に、1サイクルの動作周期後に、一方の保留表示が再び上方向を向いている状態となり、他方の保留表示が再び再下端の位置にいる状態となるものであってもよい。そのように、何らかの形態で保留表示が所定の基準動作位置となるタイミングが同じタイミングとなっているものであればよい。
また、この実施の形態では、ステップS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理が実行されることによって、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合に、新たな始動入賞が発生したタイミングで既に表示されている特定保留表示が所定の基準動作位置でなかった場合には、所定の基準動作位置となるまで待ってから保留表示の動作表示を伴う出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)の実行を開始することによって、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を伴う出現演出を実行するようにしている。そのため、始動入賞が発生したタイミングと保留表示の動作表示を伴う出現演出が開始されるタイミングとの間に時間的なズレが生じることになるが、この実施の形態では、保留表示の動作周期は1秒程度であるので、大きく違和感を覚えることはない。
なお、始動入賞が発生したタイミングでは一旦動作表示を伴わない態様で出現演出(例えば、静止画像)を表示しておき、所定の基準動作位置となったタイミングで出現演出の動作表示を開始するようにしてもよい。また、例えば、所定の基準動作位置となるまで待つことなく、始動入賞の発生と同時に既に表示される保留表示と同期させて保留表示の動作表示を伴う出現演出を開始するようにしてもよい。この場合、例えば、常にバックグランドで保留表示の動作を伴う出現演出を実行するようにしておき、始動入賞の発生のタイミングで、そのバックグランドで実行していた出現演出の表示を開始するようにすればよい。
また、この実施の形態で示したように、新たな始動入賞が発生した後に所定の基準動作位置(動作表示の同期がとれる位置)となるまで待ってから保留表示の動作表示を伴う出現演出を実行するように構成した場合、動作表示の同期がとれる位置となるまで待っている間にさらに新たな始動入賞が発生するケースも考えられる。そのような場合には、例えば、待機中の保留に対する出現演出や特定保留表示の態様などの情報を一旦記憶し、最新の始動入賞に対してS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理を実行するようにすればよい。そして、保留が複数ある場合であっても、出現演出や特定保留表示における動作表示の同期タイミングは同じであるので、最新の始動入賞に対して動作表示の同期がとれる位置となったときに、最新の保留に対する出現演出と待機中であった保留に対する出現演出とを同時に開始することによって、保留表示の動作表示を伴う出現演出を同時に開始するようにすればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6039)。出現演出期間計測タイマの値が0となっていなければ、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS6040)。そして、演出制御用CPU101は、減算後の出現演出期間計測タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6041)。
減算後の出現演出期間計測タイマの値が0となっていれば(すなわち、出現演出の演出期間を終了すれば)、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされているか否かを確認する(ステップS6042)。通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作なし)をリセットする(ステップS6043)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6044)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6045)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を直ちには開始せず、通常特定保留表示の表示開始を待機していることを示す通常保留待機フラグをセットする(ステップS6046)。そして、ステップS6059に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6044のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6045のY)には、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6047)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6047で通常特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6047の処理が実行される前に実行されていた通常出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていなければ(ステップS6042のN)、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされているか否かを確認する(ステップS6048)。先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)をリセットする(ステップS6049)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6050)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6051)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を直ちには開始せず、先読み特定保留表示の表示開始を待機していることを示す先読み保留待機フラグをセットする(ステップS6052)。そして、ステップS6059に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6050のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6051のY)には、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6053)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6053で先読み特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6053の処理が実行される前に実行されていた先読み出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていなければ(ステップS6048のN)、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされているか否かを確認する(ステップS6054)。通常出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をリセットする(ステップS6055)。
次いで、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6056)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、この実施の形態では、ステップS6056の処理が実行される前に動作表示を伴う出現演出が実行されており、ちょうど1サイクルの動作周期の動作表示が行われたタイミングで出現演出の演出期間が終了してステップS6056の処理で通常特定表示に切り替わるので、複数の特定保留表示が表示されている場合であっても、他の特定保留表示の動作表示と同期して通常特定保留表示が表示されることになる。また、見た目上は、保留表示の動作表示を実行しながら保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となるような表示が行われる。
通常出現演出実行中フラグ(動作あり)もセットされていなければ(ステップS6054のN。すなわち、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされていれば)、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をリセットする(ステップS6057)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6058)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、この実施の形態では、ステップS6058の処理が実行される前に動作表示を伴う出現演出が実行されており、ちょうど1サイクルの動作周期の動作表示が行われたタイミングで出現演出の演出期間が終了してステップS6058の処理で先読み特定表示に切り替わるので、複数の特定保留表示が表示されている場合であっても、他の特定保留表示の動作表示と同期して先読み特定保留表示が表示されることになる。また、見た目上は、保留表示の動作表示を実行しながら保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となるような表示が行われる。
次いで、演出制御用CPU101は、通常保留待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6059)。通常保留待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6060)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、通常保留待機フラグをリセットする(ステップS6061)。
次いで、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6062)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6062で通常特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6062の処理が実行される前に実行されていた通常出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
通常保留待機フラグがセットされていなければ(ステップS6059のN)、演出制御用CPU101は、先読み保留待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6063)。先読み保留待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6064)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、先読み保留待機フラグをリセットする(ステップS6065)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6066)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6066で先読み特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6066の処理が実行される前に実行されていた先読み出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
なお、この実施の形態では、ステップS6042〜S6053,S6059〜S6066の処理が実行されることによって、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、保留表示の動作表示を伴わない出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)を実行した後に、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を開始するように制御する。この場合、出現演出の演出期間が終了したタイミングで既に表示されている特定保留表示が所定の基準動作位置でなかった場合には、所定の基準動作位置となるまで待ってから特定保留表示を表示して保留表示の動作表示を開始するようにしている。なお、この実施の形態では、保留表示の動作表示を伴わない出現演出に用いる動画データは、出現演出の演出期間が経過した後も所定期間(例えば、動作周期の1秒間)濃度が最大となった状態の保留表示を表示できるだけのデータ長があるものとし、動作表示の同期がとれるタイミングまで待ってから特定保留表示の表示を開始しても途切れることなく保留表示を表示できるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6009,S6023,S6036,S6053,S6058,S6066が実行されて先読み出現演出や先読み特定保留表示が表示されることによって保留予告演出が実行されるのであるが、変動表示が開始され第2保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の先読み特定保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の先読み特定保留表示が消化されて第2保留記憶表示部9bから消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(ステップS667参照)。
また、この実施の形態では、ステップS6014,S6044,S6050で既に表示中の特定保留表示があるか否かを判定する際に、その特定保留表示が通常特定保留表示であるか先読み特定保留表示であるかを特に区別していない。従って、この実施の形態では、既に通常特定保留表示を表示しているときに新たに先読み特定保留表示を表示したり、既に先読み特定保留表示を表示しているときに新たに通常特定保留表示を表示したりする場合があるものとなっており、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とを同時に表示させることが可能であり、通常特定保留表示の動作表示と先読み特定保留表示の動作表示とを同期させるものとなっている。
図44は、遊技状態(モード)と、保留表示の態様、出現演出の有無、および保留表示の動作表示の同期タイミングとの関係を示した説明図である。この実施の形態では、図38〜図41に示す保留表示制御処理が実行されることによって、図44に示すように、遊技状態が確変状態(確変演出モード)である場合と時短状態(時短演出モード)である場合に、保留表示として特定保留表示が表示され、その特定保留表示の表示に伴って出現演出が実行される。一方、遊技状態が通常状態(通常演出モード)である場合には、通常態様の保留表示が表示され、出現演出も実行されない。なお、通常状態(通常演出モード)である場合に、通常態様の保留表示が表示されるものの出現演出を実行するように構成してもよい。
また、図44に示すように、遊技状態が確変状態(確変演出モード)である場合には、既に特定保留表示が表示されている場合に、出現演出の実行中から、既に表示中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示の動作表示が開始される。また、図44に示すように、遊技状態が時短状態(時短演出モード)である場合には、既に特定保留表示が表示されている場合に、出現演出の実行後に、既に表示中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示の動作表示が開始される。
図45は、出現演出および消滅演出の具体例を説明するための説明図である。既に説明したように、この実施の形態では、出現演出として、例えば、図45(A)に示すように、保留表示が、濃淡が薄く視認できない状態(図45(A)の(0))から徐々に濃度が濃くなり視認しやすい状態(図45(A)の(1)〜(4))に変化するような態様の演出が実行される。なお、この実施の形態では、出現演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示の濃度が最大となり視認しやすい状態(図45(A)の(4))になる。また、消滅演出として、図45(B)に示すように、保留表示が、濃度が濃く視認しやすい状態(図45(B)の(4))から徐々に濃度が薄くなり視認しにくい状態(図45(B)の(3)〜(1))に変化するような態様の演出が実行される。なお、この実施の形態では、消滅演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示の濃度が最小となり視認できない状態(図45(B)の(0))になるものとする。
出現演出は、例えば、図45(A)の(0)〜(4)のコマが順に表示される1秒間の動画像を演出表示装置9において再生することによって、実現される。また、消滅演出は、例えば、図45(B)の(4)〜(0)のコマが順に表示される1秒間の動画像を演出表示装置9において再生することによって、実現される。
なお、例えば、新たな保留表示を表示する際に、出現演出として、図45(A)の(0)〜(4)のコマが順に表示される動画像を再生した後に、図45(A)の(4)に相当する静止画像を表示するようにしてもよいし、図45(A)の(0)〜(3)のコマが順に表示される動画像を再生した後に、図45(A)の(4)に相当する静止画像を表示するようにしてもよい。また、例えば、保留表示を消去する際に、消滅演出として、図45(B)の(4)に相当する静止画像を表示している状態から、図45(B)の(4)〜(0)のコマが順に表示される動画像を再生するようにしてもよいし、図45(B)の(4)に相当する静止画像を表示している状態から、図45(B)の(3)〜(0)のコマが順に表示される動画像を再生するようにしてもよい。
次に、この実施の形態で表示される特定保留表示の具体例について説明する。図46は、特定保留表示の具体例を説明するための説明図である。このうち、図46(A)は、通常特定保留表示の具体例を示している。また、図46(B)は、先読み特定保留表示の具体例を示している。
保留予告演出を実行しないことに決定され、通常特定保留表示が表示される場合には、図46(A)に示すように、保留表示を白色の丸形表示の内部に白色の三角表示で表示する態様で特定保留表示が表示される。そして、図46(A)に示すように、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様で動作表示が行われる。一方、保留予告演出を実行することに決定され、先読み特定保留表示が表示される場合には、図46(B)に示すように、保留表示を白色の丸形表示の内部に赤色の三角表示で表示する態様で特定保留表示が表示される。そして、図46(B)に示すように、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様で動作表示が行われる。
なお、この実施の形態では、通常特定保留表示および先読み特定保留表示の具体例として、図46に示すように、保留表示の形状が同じで表示色が異なるもの(本例では、特定保留表示中の一部の表示色が異なるもの)を示したが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とで保留表示の形状が異なるもの(例えば、丸形表示と矩形表示)であってもよい。また、例えば、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とで動作表示の態様が異なるもの(例えば、回転動作するものと揺動動作するもの)であってもよい。このように、通常態様の保留表示とは異なる特定保留表示であることを認識できるとともに、その特定保留表示の中の異なる種類のものであることを認識できるものであればよい。
次いで、この実施の形態における出現演出および特定保留表示の表示態様について説明する。図47および図48は、出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を説明するための説明図である。このうち、図47は、確変状態(高確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を示している。また、図48は、時短状態(低確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を示している。なお、図47および図48において、(A)(B)(C)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図47を参照して、確変状態(高確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様を説明する。図47(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図47では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、図47(B)に示すように、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。この場合、図47(B)に示すタイミングでは、表示中の2つの特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていない(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態でない)ので(ステップS6015のN参照)、出現演出を直ちには開始せず、出現演出の開始を待機する。
次いで、図47(C)に示すように、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となる(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となる)と(ステップS6028のY参照)、保留表示の動作表示を伴う出現演出の実行を開始し(ステップS6030参照)、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で出現演出を実行する。
そして、出現演出の演出期間を終了し(ステップS6041のY参照)、保留表示が最大の濃度で表示されている状態となると、図47(D)に示すように、出現演出を実行していた位置で特定保留表示の表示を開始する(ステップS6056参照)
図47に示すような態様の表示が行われることによって、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で特定保留表示が表示されていくような演出が実行され、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に同期して新たな特定保留表示の動作表示が開始されるような演出が実行される。
なお、この実施の形態では、丸形表示の内部に三角表示で表示し、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様の特定保留表示を表示するため、三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となるのは、1/3秒間隔である。つまり、表示中の特定保留表示の動作表示に同期して新たな特定保留表示の動作表示が開始するための待機期間は、最大1/3秒となる。ここで、例えば、丸形表示の内部に四角表示で表示し、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様の特定保留表示を表示する構成とすれば、四角表示の四角形の1頂点が上方向を向いている状態となるのは、1/4秒間隔となり、待機期間を短くすることができる。なお、四角表示に限らず、例えば、五角形等の多角形や、星形を用いて表示することによって、1頂点が上方向を向いている状態となる間隔を短縮することができ、同様の効果を得ることができる。
次に、図48を参照して、時短状態(低確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様を説明する。図48(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図48では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、図48(B)に示すように、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。この場合、図48(B)に示すタイミングでは、保留表示の動作表示を伴わない出現演出の実行を開始し(ステップS6006参照)、動作表示を伴わない保留表示が濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で出現演出を実行する。
次いで、出現演出の演出期間を終了し(ステップS6041のY参照)、図48(C)に示すように、保留表示が最大の濃度で表示されている状態となると、図48(C)に示すタイミングでは、表示中の2つの特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていない(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態でない)ので(ステップS6045のN参照)、特定保留表示の表示を直ちには開始せず、特定保留表示の表示開始を待機する。
次いで、図48(D)に示すように、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となる(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となる)と(ステップS6060のY参照)、特定保留表示の表示を開始し(ステップS6062参照)、保留表示の動作表示を開始する。
図48に示すような態様の表示が行われることによって、動作表示を伴わない保留表示の濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化し、最大の濃度まで変化した後に特定保留表示が表示されて動作表示が開始されるような演出が実行され、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に同期して新たな特定保留表示の動作表示が開始されるような演出が実行される。
なお、図47および図48に示す例では、特定保留表示として通常特定保留表示のみを表示する場合が示されているが、先読み特定保留表示が表示される場合も、一部または全ての通常特定保留表示が先読み特定保留表示に置き換わるだけで、同様の表示態様で出現演出や特定保留表示が表示される。
また、この実施の形態では、図47および図48に示すように、出現演出や特定保留表示を表示する場合において、表示中の特定保留表示の動作表示と同期がとれるタイミングとなるまで待ってから動作表示を開始する態様で出現演出や特定保留表示を表示する場合を示したが、例えば、そのタイミングで保留が消化されて、表示中の特定保留表示が消去される場合には、同期がとれるタイミングまで待つことなく、動作表示を伴う態様で出現演出を開始したり特定保留表示の表示を開始したりしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面が真っ暗になるような態様のいわゆるブラックアウト演出が実行され、保留表示が画面上から消えるような場合があるように構成されている場合には、同期がとれるタイミングまで待つことなく、そのブラックアウト演出の終了後に動作表示を伴う態様で出現演出を開始したり特定保留表示の表示を開始したりしてもよい。この場合、例えば、ブラックアウト演出の終了後に、全ての特定保留表示を所定の基準動作位置から動作表示をやり直すことによって、全ての特定保留表示の動作表示を同期させて表示するようにすればよい。
また、この実施の形態では、図47および図48に示すように、同期がとれるタイミング(本例では、所定の基準動作位置となったタイミング)までは動作表示自体を開始せず、同期がとれるタイミングで動作表示を開始することによって、特定保留表示の動作態様を同期させて表示する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、同期がとれるタイミングであるか否かにかかわらず、例えば、始動入賞したタイミングから動作表示を伴った特定保留表示の表示を開始するようにしてもよい。そして、例えば、既に表示されている特定保留表示とは異なる動作速度でその新たな特定保留表示を動作表示させるようにし、既に表示されている特定保留表示の動作表示に追いつくかまたは追いつかれたタイミングから、既に表示されている特定保留表示と同じ動作速度に変化させる(このタイミングは出現演出の実行中でもよいし実行後でもよい)ことにより、特定保留表示の動作態様を同期させて表示するようにしてもよい。また、例えば、既に表示されている特定保留表示とは同期がずれたまま新たな特定保留表示を動作表示させ、特定のタイミング(例えば、保留表示の消去やシフトのタイミング)で、新たな特定保留表示の動作表示を既に表示されている特定保留表示の動作表示に同期させるようにしてもよい。
次いで、この実施の形態において、出現演出中に可変表示が開始された場合の具体例について説明する。図49は、出現演出中に可変表示が開始された場合の具体例を示す説明図である。なお、図49において、(A)(B)(C)(D)(E)の順に演出画面の態様が遷移する。
図49(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図49では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、図49(B)に示すように、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。すると、保留表示の動作表示を伴う出現演出の実行を開始し(ステップS6030参照)、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、図49(B)に示す濃度が薄い状態(図45(A)の(1)に相当)から、図49(C)に示す徐々に濃度が濃い状態(図45(A)の(2)に相当)に変化するような態様で出現演出を実行する。
ここで、第2の開始条件が成立し、第2特別図柄の可変表示が開始したものとする。すると、実行中の出現演出を中断し(ステップS667b参照)、出現演出の対象であった第2保留表示を対象とする消滅演出を開始する(ステップS667c参照)。具体的には、出現演出の対象であった最も右側の第2保留表示が、図49(C)に示す徐々に濃度が濃い状態(図45(B)の(2)に相当)から、図49(D)に示す濃度が薄い状態(図45(B)の(1)に相当)に変化するような態様で消滅演出を実行する。そして、消滅演出が終了すると、図49(E)に示すように、保留表示が消去される。
このように、この実施の形態では、新たな保留表示を表示する出現演出の実行中に、可変表示が開始されると、出現演出を中断して消滅演出を実行するように構成されている。そのため、出現演出を実行するタイミング(すなわち始動入賞時)と消滅演出を実行するタイミング(すなわち変動開始時)とが重なることによって、保留記憶数が分かりにくくなることを防止するとともに、保留表示の増減に関する演出を違和感なく行うことができる。
次いで、この実施の形態において、出現演出中に始動入賞が発生した場合の具体例について説明する。図50は、出現演出中に始動入賞が発生した場合の具体例を示す説明図である。なお、図50において、(A)(B)(C)(D)(E)の順に演出画面の態様が遷移する。
図50(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図49では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。すると、保留表示の動作表示を伴う出現演出の実行を開始し(ステップS6030参照)、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示(左から3番目)を動作表示させながら、濃度が薄い状態(図45(A)の(1)に相当)から、徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で出現演出を実行する。
ここで、出現演出の実行中に、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。すると、実行中の出現演出を中断し(ステップS6001b参照)、実行していた出現演出の対象であった第2保留表示(左から3番目)を最も濃度が濃い状態(図45(A)の(4)に相当)で表示する(ステップS6001c参照)。
そして、新たに発生した第2始動入賞口14への始動入賞にもとづいて、新たな保留表示(左から4番目)の動作表示を伴う出現演出の実行を開始し(ステップS6030参照)、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、図50(B)に示す濃度が薄い状態(図45(A)の(1)に相当)から、図50(C)に示す状態(図45(A)の(2)に相当)、図50(D)に示す状態(図45(A)の(3)に相当)を経て、図50(E)に示す濃度が濃い状態(図45(A)の(4)に相当)に徐々に変化するような態様で出現演出を実行する。
このように、この実施の形態では、新たな保留表示を表示する出現演出の実行中に、新たな始動入賞が発生すると、実行中の出現演出を中断し、新たな始動入賞にもとづく出現演出を実行するように構成されている。そのため、複数の出現演出が同時に実行されることによって、保留記憶数が分かりにくくなることを防止するとともに、保留表示の増減に関する演出を違和感なく行うことができる。
なお、この実施の形態では、出現演出の実行中に新たな始動入賞が発生すると、実行中の出現演出を中断するように構成されているが、これに限らず、実行中の出現演出を継続したまま、新たな始動入賞の発生にもとづく出現演出を開始するようにしてもよい。例えば、ステップS6001b,S6001cの処理を省略することで実現することができる。この場合には、先に実行している出現演出から順に終了することになる。
次いで、この実施の形態において、消滅演出中に始動入賞が発生した場合の具体例について説明する。図51は、消滅演出中に始動入賞が発生した場合の具体例を示す説明図である。なお、図51において、(A)(B)(C)(D)(E)の順に演出画面の態様が遷移する。
図51(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図51では、通常特定保留表示)を3つ表示しているときに、図51(B)に示すように、新たに第2特別図柄の可変表示が開始されたものとする。すると、左から3番目の第2保留表示を対象とする消滅演出の実行を開始し(ステップS667c参照)、図49(B)に示す濃度が濃い状態(図45(B)の(3)に相当)から、図49(C)に示す徐々に濃度が薄い状態(図45(B)の(2)に相当)に変化するような態様で消滅演出を実行する。
ここで、新たな始動入賞が発生すると、実行中の消滅演出を中断し(ステップS6001e参照)、消滅演出の対象であった第2保留表示を対象とする出現演出を開始する(ステップS6030参照)。具体的には、出現演出の対象であった左から3番目の第2保留表示が、図51(C)に示す徐々に濃度が薄い状態(図45(A)の(2)に相当)から、図51(D)に示す濃度が濃い状態(図45(A)の(3)に相当)に変化するような態様で消滅演出を実行する。そして、出現演出が終了すると、図51(E)に示すように、最も濃度が濃い状態(図45(A)の(4)に相当)で保留表示が表示される。
このように、この実施の形態では、保留表示を消去する消滅演出の実行中に、始動入賞が発生すると、消滅演出を中断して出現演出を実行するように構成されている。そのため、消滅演出を実行するタイミング(すなわち変動開始時)と出現演出を実行するタイミング(すなわち始動入賞時)とが重なることによって、保留記憶数が分かりにくくなることを防止するとともに、保留表示の増減に関する演出を違和感なく行うことができる。
なお、この実施の形態では、消滅演出の実行中に新たな始動入賞が発生すると、実行中の消滅演出を中断し、出現演出を実行するように構成されているが、これに限らず、実行中の消滅演出を中断した後、出現演出を実行せずに、保留表示を表示するようにしてもよい。図51に示す例では、図51(C)から、図51(D)を経ず、図51(E)に移行するようにしてもよい。例えば、ステップS6001eの処理の後に、中断した消滅演出の対象であった保留表示を表示する処理を行うことで実現することができる。
図49〜図51に示したように、この実施の形態では、特定保留表示の動作表示は、保留記憶の増加(すなわち新たな始動入賞の発生)および可変表示の開始によって中断されないように構成されている。すなわち、継ぎ目なく動作が継続するように構成されている。このように構成することによって、保留表示の見栄えをより良くすることができる。
なお、この実施の形態では、第1の開始条件が成立したときは、最も左側に表示されている第1保留表示が消去され、第2の開始条件が成立したときは、最も右側に表示されている第2保留表示が消去される。すなわち、1つ目〜3つ目の保留表示があれば、3つ目の保留表示が消去され、1つ目と2つ目の保留表示が残るように構成されているが、例えば、1つ目の保留表示を1つ消去し、その消去した保留記憶以降の残りの保留表示を1つずつシフトして、2つの保留表示が残るように更新してもよい。具体的には、第1保留記憶表示部9aの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第1保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた第1保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第1保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。この場合には、消滅演出として、表示されている保留表示が隣の表示領域に移動する動画像を再生するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、新たな保留表示の表示に伴う表示演出(例えば、出現演出)を実行可能な演出実行手段を含み、演出実行手段は、表示演出の実行中に可変表示が開始されるときに、実行中の表示演出を中断するように構成されている。そのように構成されることによって、実行される演出によって保留表示の状態が分かりにくくなることを防ぐことができる。すなわち、新たな保留表示を表示するときや、表示されている保留表示を消去するときに演出を実行する構成を単純に加えただけでは、実行される演出によって保留表示の状態が分かりにくくなるおそれがあるが、この実施の形態では、表示演出の実行中に可変表示が開始されるときに、実行中の表示演出を中断することにより、保留表示の見栄えを確保し、実行される演出によって保留表示の状態が分かりにくくなる事態を防止している。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、保留表示の消去に伴う消去演出(例えば、)を実行可能であり、表示演出の実行中に可変表示が開始されるときに、実行中の表示演出を中断し、消去演出を実行するように構成されている。そのように構成されることによって、消去演出を実行するタイミング(すなわち可変表示の開始タイミング)と表示演出を実行するタイミング(すなわち始動入賞が発生したタイミング)とが重なっても、保留表示の状態を分かりやすくすることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、表示演出の実行中に新たな保留記憶が記憶されたときに、新たな保留表示の表示に伴う表示演出を実行するように構成されている(図50参照)。そのように構成されることによって、実行される演出によって保留表示の状態が分かりにくくなることを防ぐことができる。すなわち、複数の出現演出が同時に実行されることによって、保留記憶数が分かりにくくなるおそれがあるが、この実施の形態では、表示演出の実行中に新たな保留記憶が記憶されたときの新たな保留表示の表示に伴う表示演出を実行することにより、保留表示の見栄えを確保し、実行される演出によって保留表示の状態が分かりにくくなる事態を防止している。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、表示演出の実行中に新たな保留記憶が記憶されたときに、実行中の表示演出を中断し、該保留記憶に対応した新たな保留表示の表示に伴う表示演出を実行するように構成されている。そのように構成されることによって、表示演出の実行中に新たな保留記憶が記憶されたとしても保留表示の状態を分かりやすくすることができる。
また、この実施の形態では、保留表示の消去に伴う消去演出を実行可能な演出実行手段を含み、演出実行手段は、消去演出の実行中に新たな保留記憶が記憶されたときに、実行中の消去演出を中断するように構成されている。そのように構成されることによって、消去演出を実行するタイミング(すなわち可変表示の開始タイミング)と表示演出を実行するタイミング(すなわち始動入賞が発生したタイミング)とが重なっても、保留表示の状態を分かりやすくすることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、新たな保留表示の表示に伴う表示演出を実行可能であり、消去演出の実行中に新たな保留記憶が記憶されたときに、実行中の消去演出を中断し、表示演出を実行するように構成されている。そのように構成されることによって、消去演出を実行するタイミング(すなわち可変表示の開始タイミング)と表示演出を実行するタイミング(すなわち始動入賞が発生したタイミング)とが重なっても、実行中の消去演出を中断し、表示演出を実行することにより、保留表示の見栄えを確保し、実行される演出によって保留表示の状態が分かりにくくなる事態を防止している。
また、この実施の形態では、所定の周期で動作表示する特定保留表示(本例では、図46に示す特定保留表示)を表示可能である。そして、特定保留表示の表示中に新たな特定保留表示を表示するときに、表示演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成されている。そのように構成されることによって、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。すなわち、同時に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が不統一であったのでは保留表示の見栄えが悪く、特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうおそれがあるが、この実施の形態では、特定保留表示の動作表示を同期させることにより保留表示の見栄えを確保し、そのような特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうような事態を防止している。
また、この実施の形態では、特定保留表示の表示中に新たな特定保留表示を表示するときに、表示演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成されている。そのように構成されることによって、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
また、この実施の形態では、特定保留表示の動作表示は、保留記憶および可変表示の開始によって中断されないように構成されている。そのように構成されることによって、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
なお、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合や、所定の演出モード(本例では、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))である場合に全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する場合を示したが、必ずしも全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する必要はなく、一部の保留記憶に対してのみ特定保留表示を表示するものであってもよい。例えば、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合に新たな始動入賞が発生すると、乱数を用いた抽選処理により特定保留表示とするか否かを決定し、特定保留表示とすると決定した場合には出現演出を伴って特定保留表示を表示し、特定保留表示としないと決定した場合には通常態様の保留表示を表示するようにしてもよい。そのように特定保留表示と通常態様の保留表示とが混在して表示される場合であっても、少なくとも一部に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が同期して表示されるものであればよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合や、所定の演出モード(本例では、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))である場合にのみ保留予告演出を実行する場合を示したが、通常状態(低確率/低ベース状態)であっても保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、保留予告演出を伴わない通常態様の保留表示を表示する場合には、保留表示として白色の丸形表示を表示するのに対して、通常状態(低確率/低ベース状態)であるときに保留予告演出を実行することに決定した場合には、保留予告演出を伴う通常態様の保留表示として赤色の丸形表示を表示するなどして、保留予告演出を実行していることが認識できるものであればよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合や、所定の演出モード(本例では、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))である場合に特定保留表示を表示したり、保留予告演出として特定保留表示を表示したりする構成を示したが、それら全ての構成を必ずしも備える必要はなく、いずれか1つのみの構成を備えるようにしてもよい。例えば、所定の遊技状態である場合にのみ特定保留表示を表示可能に構成したり、所定の演出モードである場合にのみ特定保留表示を表示可能に構成したり、保留予告演出としてのみ特定保留表示を表示可能に構成したりしてもよい。
また、この実施の形態では、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成と、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成とを示したが、それら両方の構成を必ずしも備える必要はなく、いずれか1つのみの構成を備えるようにしてもよい。例えば、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成のみを備えるように構成してもよく、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成のみを備えるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、確変状態(高確率/高ベース状態:確変演出モード)である場合に、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにし、時短状態(低確率/高ベース状態:時短演出モード)である場合に、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成する場合を示したが、逆に、時短状態(低確率/高ベース状態:時短演出モード)である場合に、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにし、確変状態(高確率/高ベース状態:確変演出モード)である場合に、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合を示したが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、所定の遊技状態として、高確率/低ベース状態である場合に特定保留表示を表示するように構成してもよいし、低確率/低ベース状態である場合に特定保留表示を表示するように構成しても構わない。
また、この実施の形態では、所定の演出モードが確変演出モードや時短演出モードである場合を示したが、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、通常演出モードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。また、確変状態に制御されているか否かを認識不能な演出や制御を行ういわゆる確変潜伏モードに移行可能な遊技機において、確変潜伏モードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。また、例えば、いわゆるミッションモードに移行してミッション演出(例えば、「5分以内にリーチをかけろ!」などの達成条件を提示する演出)を実行可能に構成した遊技機において、ミッションモードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。また、例えば、遊技状態などには関係なく、所定時刻となったことや抽選処理に当選したことなどの条件が成立したことにもとづいて演出モードを変更(例えば、所定時刻となったことや抽選処理に当選したことにもとづいて、山の風景の背景画面や海の風景の背景画面に変更)するように構成された遊技機において、特定の演出モードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。そのように、所定の演出モードは、少なくとも複数の変動表示にわたって何らかのモード変更を認識できるものであればよい。
また、この実施の形態において、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる制御を行う場合に、出現演出を終了してから、保留表示の動作表示を開始させるまでの期間は静止画像の保留表示を表示しておき、動作表示の次の周期の開始から動画像の保留表示に切り替えることによって、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるタイミングは、この実施の形態で示したように動作表示を同期させることができるタイミング(本例では、所定の基準動作位置となるタイミング)である場合にかぎらず、様々なタイミングが考えられる。例えば、出現演出を終了した後の次の保留表示を消去(シフト)させるタイミングで、新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。また、例えば、スーパーリーチ演出やいわゆるブラックアウト演出などの所定の演出の実行中に保留表示を消去するように構成する場合であれば、スーパーリーチ演出やブラックアウト演出などの所定の演出の実行後の保留表示を再開するタイミングで、新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。また、これら保留表示の消去(シフト)のタイミングやスーパーリーチ演出やブラックアウト演出実行後の保留表示再開のタイミングで特定保留表示の動作表示を同期させる制御は、図44に示した出現演出の実行中や実行後に同期させる制御に代えて実行するようにしてもよいし、図44に示した出現演出の実行中や実行後に同期させる制御に加えて実行するようにしてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、保留表示を表示し、保留表示の態様を変化可能にする場合を示したが、この実施の形態では、保留表示に加えて、実行中の可変表示に対応してアクティブ表示を表示し、アクティブ表示の態様を変化可能にする場合について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、演出表示装置9の表示領域において、第1保留記憶表示エリアと第2保留記憶表示エリアとの間に、実行中の可変表示に対応して表示されるアクティブ表示が表示されるアクティブ表示エリアが設けられているものとする。なお、アクティブ表示についても、可変表示が開始されると徐々に濃度が濃い状態に変化して表示される演出(保留表示の出現演出に相当)や、可変表示が終了すると徐々に濃度が薄い状態に変化して表示される演出(保留表示の消滅演出に相当)を実行するようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化するときに、一旦濃度が薄い状態に変化させてから、態様の変化とともに濃度が濃い状態に変化させるようにしてもよいし、濃度が変化することなくアクティブ表示の態様が変化するようにしてもよい。
この実施の形態では、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において、アクティブ表示の態様を変化させるアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定し、決定結果にもとづいて演出制御を行うように構成されている。例えば、演出制御用CPU101は、図52(A)に示すアクティブ表示変化演出実行判定テーブルを用いて、変動パターンにもとづいてアクティブ表示変化演出を実行するか否かとともに、実行する場合のアクティブ表示変化演出の演出種別を、演出を実行した結果としてアクティブ表示の態様が変化する成功演出と、アクティブ表示の態様が変化しない失敗演出とのいずれかに決定する。そして、演出制御用CPU101は、図52(B)に示すアクティブ表示変化演出実行タイミング判定テーブルを用いて、実行するタイミングを決定する。なお、この実施の形態では、アクティブ表示変化演出として、失敗演出と成功演出とのいずれが実行される場合にも、最初に共通の演出が実行される。また、この実施の形態では、変動開始後、リーチ成立前を第1タイミングとし、リーチ演出中を第2タイミングとして、いずれかに実行タイミングを決定するが、これに限らず、3以上の任意のタイミングのうちのいずれかでアクティブ表示変化演出を実行可能としてもよいし、複数のタイミングでアクティブ表示変化演出を実行可能としてもよい。複数のタイミングでアクティブ表示変化演出を実行可能とする場合には、アクティブ表示の態様を複数段階変化可能(例えば、白色→青色→赤色など)とし、変化の段階により期待度を異ならせることができるようにすることが望ましい。
図52(A)に示すアクティブ表示変化演出実行判定テーブルによれば、変動パターンが「非リーチはずれ」(ノーマルリーチはずれを含めるようにしてもよい)であるよりも「スーパーリーチはずれ」である方が、「スーパーリーチはずれ」であるよりも「スーパーリーチ大当り」である方が、アクティブ表示変化演出を実行する割合が高くなるように判定値が設定されている。このように構成されることによって、アクティブ表示変化演出が実行されることに対する期待度を高めることができ、興趣を高めることができる。
また、図52(A)に示すアクティブ表示変化演出実行判定テーブルによれば、変動パターンが「非リーチはずれ」であるよりも「スーパーリーチはずれ」である方が、「スーパーリーチはずれ」であるよりも「スーパーリーチ大当り」である方が、アクティブ表示変化演出を実行する場合に、成功演出と決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。このように構成されることによって、アクティブ表示変化演出の成功演出が実行されることに対する期待度を高めることができ、興趣を高めることができる。
また、図52(B)に示すアクティブ表示変化演出実行タイミング判定テーブルによれば、演出種別が「失敗演出」であるよりも「成功演出」である方が、第2タイミングで実行すると決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。すなわち、アクティブ表示変化演出が「第1タイミング」で実行されるよりも、「第2タイミング」で実行される方が成功演出である割合が高くなるように構成されている。このように構成されることによって、アクティブ表示変化演出(つまり共通演出)が開始されるタイミングに関心を持たせることができ、興趣を高めることができる。
次に、アクティブ表示変化演出の具体例について説明する。図53および図54は、アクティブ表示変化演出の具体例を示す説明図である。図53(A)の(a)〜(d)、図54(A)の(e)は、演出表示装置9における各場面を時系列に並べたものである。図53(B)の(a)〜(d)、図54(B)の(e)、についても同様である。なお、図53、図54において演出表示装置9内の矢印「↓」は、演出図柄が変動中であることを表している。また、図53(A)、図54(A)は、アクティブ表示変化演出の成功演出を表し、図53(B)、図54(B)は、アクティブ表示変化演出の失敗演出を表している。
図53(A)の(a)は、アクティブ表示エリアAHAにアクティブ表示AH(当該可変表示を開始させるときに当該可変表示に対応する保留表示を所定のアクティブ表示エリアAHAに移動させたアクティブ表示、または、当該可変表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像)が表示され、第1保留記憶表示エリア5HLに保留表示H1、保留表示H2、及び、保留表示H3が表示されている場面である。
ここで、アクティブ表示エリアAHAは、例えば演出表示装置9の中央下部に設けられる。このアクティブ表示エリアAHAには、少なくともアクティブ表示AHが表示され、当該アクティブ表示AHの他にこのアクティブ表示AHを囲うアクティブ表示枠AHWやアクティブ表示枠AHWを含む所定の範囲が含まれる。アクティブ表示AH自体やアクティブ表示枠AHWの内側または外側などの当該アクティブ表示エリアAHAには、文字や画像を表示することも可能である。
図53(A)の(a)の場面は、アクティブ表示AHのアクティブ情報(アクティブ表示AHがアクティブ表示エリアAHAにアクティブ表示AHとして表示される直前の保留記憶に対応する情報)の可変表示を開始させるときに、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、演出図柄の変動を開始したのち、確定演出図柄(「3」「9」「4」)が停止表示された状態である。
図53(A)の(b)の場面は、第1保留記憶表示エリアに表示された保留表示H1に対応するアクティブ表示AHをアクティブ表示エリアAHAに表示し、保留表示H1に対応するアクティブ表示AHの可変表示を開始したときの一例である。図53(A)の(c)は、図53(A)の(b)の場面において可変表示を開始した直後の一例である。図53(A)の(c)では、演出表示装置9の左上部に「激熱」の文字が描画された矢Y2が表示されている。図53(B)の(a)〜図53(B)の(c)も、図53(A)の(a)〜図53(A)の(c)と同様である。
つまり、図53(A)の(b)から図53(A)の(c)までと図53(B)の(b)から図53(B)の(c)までとが、成功演出と失敗演出とで共通で実行される共通演出である。
そして、図53(A)の(d)の場面は、図53(A)の(c)の場面において表示され矢Y2が演出表示装置9の下部に向けて移動して、アクティブ表示枠AHWに衝突している場面である。
図54(A)の(e)の場面では、図53(A)の(d)の場面においてアクティブ表示枠AHWに矢Y2が衝突した後、アクティブ表示枠AHWの線の太さが「極太」の表示態様として変化している。そして、図54(A)の(e)の場面において、演出図柄がリーチ態様となっている場面である。
一方、図53(B)の(d)の場面では、図53(B)の(c)の場面において表示された矢Y2が演出表示装置9の下部に向けて移動して、アクティブ表示枠AHWに衝突することなく演出表示装置9の下部に移動している場面である。
図54(B)の(e)の場面では、図53(B)の(d)の場面においてアクティブ表示枠AHWに矢Y2が衝突せずに消滅したため、アクティブ表示枠AHWの線の太さが「通常」の表示態様まま変化していない。
そして、図54(B)の(e)の場面において、演出図柄表示エリア5Lの演出図柄および演出図柄表示エリア5Rの演出図柄がリーチ態様となっている場面である。
以上に説明したように、この実施の形態では、実行中の可変表示に対応した可変表示対応表示(本例ではアクティブ表示)を表示可能な可変表示対応表示実行手段を備えるように構成されている。そのように構成されることによって、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、可変表示の実行中に、可変表示対応表示の表示態様を変化させるときと、可変表示対応表示の表示態様を変化させないときとで共通で実行される共通演出と、該共通演出を実行した後に可変表示対応表示の表示態様を変化させる成功演出または可変表示対応表示の表示態様を変化させない失敗演出とを実行可能な可変表示対応表示演出実行手段を備えている。そして、可変表示の実行中における複数タイミングのうち、いずれのタイミングで共通演出を実行するかに応じて、成功演出を実行する割合が異なるように構成されている。そのように構成されることによって、共通演出が実行されるタイミングに着目させることができる。
なお、上記の実施の形態で示した構成は、いわゆる携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムにも適用できる。携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムは、一般に、所定条件の成立にもとづいて所定情報を出力する遊技機と、遊技機によって出力された所定情報にもとづいて、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を行う特典付与装置とを備える。
具体的には、上記のような遊技用システムでは、遊技機は、変動回数や、大当り回数、いわゆる連荘数(確変状態継続中の大当り回数)、ミッション達成回数などの所定条件の成立を遊技履歴として蓄積し、遊技終了時などに所定情報として2次元コードなどを表示する。また、遊技者は、カメラ機能付き携帯電話機などの携帯端末を用いて、遊技機に表示された2次元コードを撮影し、インターネット上のWebサーバ(特典付与装置)に送信する。そして、Webサーバは、受信した情報にもとづいて遊技者の遊技履歴を管理し、その遊技履歴に応じて所定の特典を付与する処理を行う。例えば、Webサーバは、所定の特典として、画像コンテンツや音楽コンテンツなどのデジタルコンテンツを遊技者の携帯端末に対して送信したり、所定のパスワードを遊技者の携帯端末に送信して遊技者が次回遊技を行うときに遊技機の表示画面を遊技者の嗜好にあわせてカスタマイズできるようにする処理を行う。
上記の実施の形態で示した構成を、上記のような遊技用システムに適用する場合、例えば、アクティブ表示変化演出の成功演出が実行されて大当りとなったことを所定条件の成立とし、その回数をWebサーバで遊技履歴として管理するようにすればよい。そして、条件達成演出が実行されて大当りとなった回数に応じて、所定の特典としてデジタルコンテンツを送信したり、遊技機の表示画面をカスタマイズできるようにしたりすればよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。例えば、上記の実施の形態で示した構成をスロット機に適用する場合、スロット機の演出用の液晶表示装置を用いて、遊技の進行に応じて増減する有利状態(AT(アシストタイム)やRT(リプレイタイム))のストック数などを示すアイコンの表示に伴い、出現演出や消滅演出に相当する演出を実行したり、アイコンを動作表示し、各アイコンを同期させるように構成すればよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。