以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(「保留表示」ともいう)が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(リーチ演出、ボタン予告など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」、「9」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって不利な第2状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「大当りA」となり、「9」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「大当りB」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「大当りC」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「大当りC」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。また、大当り種別が「大当りA」または「大当りB」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、通常開放ラウンドと短期開放ラウンドとが実行される。通常開放ラウンドのみが実行される大当り遊技状態(大当り種別が「大当りC」である大当り遊技状態)は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドのみが実行される大当り遊技状態(大当り種別が「突確」である大当り遊技状態)は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態における短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放大当り状態における通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態の場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放大当り状態におけるラウンド遊技の実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放大当り状態は、通常開放大当り状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口に遊技球が進入しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られないこともある。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、例えば50回といった所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、例えば、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されるてもよい。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されればよい。この実施の形態では、一例として、時短終了条件と確変終了条件とが同じであり、最大50回の可変表示が実行されたことによって、時短終了条件と確変終了条件とが成立するように制御される。即ち、確変状態であるときには時短状態でもあり、確変状態となって50回の可変表示が実行されると、確変状態が終了するとともに時短状態も終了するように制御される。確変状態および時短状態である状態は、特別状態やスペシャルタイム状態、ST状態、あるいは、単にスペシャルタイム、STともいう。なお、時短状態に制御されない場合、確変状態のことを、特別状態やスペシャルタイム状態などという。
一例として、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに確変状態および時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態および時短状態が終了して通常状態になることがある。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、時短状態とはならずに高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が少なくとも時短状態となっており高開放制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御が行われるようにしてもよい。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
この実施の形態では、予告演出として歌唱演出が実行可能に設定されている。歌唱演出は、例えば、画像表示装置5にキャラクターが表示されるとともに曲が流れ、キャラクターが曲に合わせて歌をうたう演出である。この実施の形態では、歌唱演出が実行された場合には、歌唱演出が実行されない場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、この実施の形態では、一例として、大当り遊技中に、画像表示装置5に表示された複数の選択曲のうちの1曲を遊技者が選択することができる曲選択演出が実行されることがある。曲選択演出では、遊技者によりスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが操作されることで、複数の選択曲のうちの1曲が選択される。曲選択演出の実行によって曲が選択された後に歌唱演出が実行されるとき、歌唱演出において選択曲が実行曲として流れた場合には、選択曲が実行曲として流れなかった場合と比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことが示唆されてもよい。また、曲選択演出が実行されずに曲が選択されていない状態で歌唱演出が実行されるときには、歌唱演出において、予め定められた曲(デフォルト曲)が実行曲として流れるようにしてもよい。予め定められた曲は、選択演出において選択可能な複数の曲のうちの1曲であってもよく、選択演出において選択不可能な曲であってもよい。この実施の形態では、予め定められた曲は、選択演出において選択可能な複数の曲のうちの1曲に設定されている。
また、この実施の形態では、可変表示中に選択曲での歌唱演出が実行され、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御される場合には、当該大当り遊技状態において、可変表示中に実行された歌唱演出に対応したサビ演出が実行される。具体的には、可変表示中に実行される歌唱演出は、実行曲のメロ部分が流れる演出となっており、大当り遊技状態中に実行されるサビ演出は、実行曲のサビ部分が流れる演出となっている。従って、可変表示中に選択曲での歌唱演出が実行され、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御される場合には、可変表示中に歌唱演出として実行曲のメロ部分が流れた後、大当り遊技状態中にサビ演出として実行曲のサビ部分が流れることとなる。
なお、可変表示中に選択曲以外の曲での歌唱演出が実行された場合には、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されたとしても、当該大当り遊技状態において、サビ演出が実行されることはない。「大当りC」の大当り遊技状態においてサビ演出が実行されない場合には、通常の大当り演出が実行される。また、可変表示中に選択曲での歌唱演出が実行されたとしても、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当り遊技状態に制御される場合には、これらの大当り遊技状態において、サビ演出が実行されることはない。
この実施の形態では、歌唱演出の実行中にボタン演出が実行される。ボタン演出は、画像表示装置5にボタン画像を表示し、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作を促し、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作に応じて、所定の処理を行う演出である。例えば、可変表示中に選択曲での歌唱演出が実行され、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御される場合、即ち実行曲のメロ部分が流れた後にサビ部分が流れる場合には、遊技者によってプッシュボタン31Bが操作された後、確定飾り図柄が導出されるまで歌唱演出をそのまま継続させる。一方、可変表示中に選択曲以外の曲での歌唱演出が実行された場合、即ち実行曲のメロ部分が流れた後にサビ部分が流れない場合には、遊技者によってプッシュボタン31Bが操作された後、歌唱演出を中止させる。また、可変表示中に選択曲での歌唱演出が実行されたとしても、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当り遊技状態に制御される場合や、可変表示結果がハズレや小当りの場合にも、遊技者によってプッシュボタン31Bが操作された後、歌唱演出を中止させる。
また、ボタン演出では、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当り遊技状態に制御される場合や、可変表示結果が「小当り」となって小当り遊技状態に制御される場合には、歌唱演出を中止させた後、確定飾り図柄を導出するときに、特殊図柄として、「ランクアップ」や「突確」、「小当り」といった文字が描かれた図柄が表示される。なお、大当り種別が「大当りA」または「大当りB」の大当り遊技状態に制御される場合のみ特殊図柄が表示されるようにして、大当り種別が「突確」の大当り遊技状態に制御される場合や、可変表示結果が「小当り」となって小当り遊技状態に制御される場合には、特殊図柄が表示されないようにしてもよい。特殊図柄は、画像表示装置5において停止表示させる飾り図柄のうちの一部又は全部を構成するものであってもよく、画像表示装置5において停止表示させる飾り図柄とは異なる図柄であってもよい。画像表示装置5において停止表示させる飾り図柄とは異なる図柄である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5R以外の表示エリアに特殊図柄を表示させればよい。
また、この実施の形態では、大当り種別が「大当りA」または「大当りB」の大当り遊技状態における大当り演出として、ラウンド遊技がどこまで継続するかを煽るランクアップ演出が実行される。このように大当り種別が「大当りA」または「大当りB」の大当り遊技状態では、ランクアップ演出が実行されるので、サビ演出の実行が不可能となっている。また、大当り種別が「突確」の大当り遊技状態に制御される場合や、可変表示結果が「小当り」となって小当り遊技状態に制御される場合、これらの遊技状態に制御される期間が短いため、サビ演出の実行が不可能となっている。なお、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態における大当り演出としてサビ演出が実行されない場合にも、ランクアップ演出が実行されてもよい。この場合には、ボタン演出において、歌唱演出を中止させた後、確定飾り図柄を導出するときに、「ランクアップ」といった特殊図柄が表示されてもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「大当りC」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「大当りC」となる場合には、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。なお、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、図柄番号が奇数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものを含んでもよい。
なお、大当り種別として、大当り遊技の終了後に確変状態に制御しない「非確変大当り」などを設け、大当り種別が「非確変大当り」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とが含まれていればよい(図4参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が進入しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データ(保留情報)として記憶させる。一例として、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出され、抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置とは、互いに対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置とは、互いに対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図6は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図7(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかに応じて割り当てられていればよい。乱数値MR1と特図表示結果決定テーブルの決定値との比較は、逐一比較、または最小値や最大値との比較によって行えばよい(他の乱数値とテーブルの決定値との比較についても同じ。)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた後述の確変フラグがオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態の場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(通常状態の場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図7(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて(例えば、乱数値を第1特図保留記憶部から読み出したか、第2特図保留記憶部から読み出したかに応じて)、大当り種別を複数種類(第1特図の場合は、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、「突確」、第2特図の場合は、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図7(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかと、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかを判定し(例えば、ステップS232、S236のいずれの処理を行ったかで判定できる。)、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものである場合(ステップS232の処理を行っている場合)には、「突確」を大当り種別として決定(選択)し、今回の特図ゲームが第2特図を用いたものである場合(ステップS236の処理を行っている場合)には、「大当りC」を大当り種別として決定(選択)する。
図7(B)では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第2特図には、大当り種別が「突確」とはならない。また、大当り種別が「大当りC」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が時短状態であるとき(この実施の形態では確変状態でもあるとき)には、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が進入したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合と比べて、大当り種別が「突確」に決定されにくいように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図7(B)のように、「大当りA」の場合には「0」、「大当りB」の場合には「1」、「大当りC」の場合には「2」、「突確」の場合には「3」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
大当り種別が「突確」となる場合には、ラウンド遊技の回数が2回(2R)である大当り遊技状態に制御される(図7(B)参照)。このときの各ラウンド遊技では、1回目から2回目(1〜2R)のラウンド遊技においては、0.1秒間などの短期開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図8(A)参照)。つまり、このときの各ラウンド遊技が実行され得る上限期間(各ラウンド遊技が行われ得る最長期間)は、1回目から2回目においては短期開放期間となっている。なお、可変表示結果が「小当り」となる場合には、大当り種別が「突確」となる場合と同様に、大入賞口が2回開放状態になる(図8(A))。
大当り種別が「大当りC」となる場合には、ラウンド遊技の回数が15回(15R(ラウンド))である大当り遊技状態に制御される(図7(B)参照)。このときの各ラウンド遊技では、29秒間などの通常開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図8(B)参照)。つまり、このときの各ラウンド遊技が実行され得る上限期間(各ラウンド遊技が行われ得る最長期間)は、通常開放期間となっている。そのため、大当り遊技状態において遊技者が獲得できる出玉(賞球)も最大となる。
大当り種別が「大当りB」となる場合には、ラウンド遊技の回数が15回(15R)である大当り遊技状態に制御される(図7(B)参照)。このときの各ラウンド遊技では、1回目から10回目(1〜10R)のラウンド遊技においては、29秒間などの通常開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図8(C)参照)。11回目から15回目のラウンド遊技においては、0.1秒間などの短期開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図8(C)参照)。つまり、このときの各ラウンド遊技が実行され得る上限期間(各ラウンド遊技が行われ得る最長期間)は、1回目から10回目においては通常開放期間となり、11回目から15回目においては短期開放期間となっている。
なお、短期開放ラウンドは、長期開放ラウンドよりも短い上限期間のものであればよい。この実施の形態では、短期開放ラウンドは、0.1秒間などの非常に短い期間となっており、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られるが、実質的には出玉(賞球)が得られないようになっている。このため、大当り種別が「大当りB」となる場合におけるラウンド遊技の回数は、形式上は15回であるものの、実質は、上限期間が通常開放期間となる1回目から10回目の10回とも言える。
大当り種別が「大当りA」となる場合には、ラウンド遊技の回数が15回(15R)である大当り遊技状態に制御される(図7(B)参照)。このときの各ラウンド遊技では、1回目から5回目(1〜5R)のラウンド遊技においては、29秒間などの通常開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図8(D)参照)。6回目から15回目のラウンド遊技においては、0.1秒間などの短期開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図8(D)参照)。つまり、このときの各ラウンド遊技が実行され得る上限期間(各ラウンド遊技が行われ得る最長期間)は、1回目から5回目においては通常開放期間となり、6回目から15回目においては短期開放期間となっている。
なお、大当り種別が「大当りA」となる場合におけるラウンド遊技の回数は、形式上は15回であるものの、実質は、上限期間が通常開放期間となる1回目から5回目の5回とも言える。
以下では、大当り種別が「大当りC」である大当り遊技状態を「15R大当り遊技状態」などといい、大当り種別が「大当りC」である「大当り」を「15Rの大当り」などという。大当り種別が「大当りB」である大当り遊技状態を「15R(実質10R)大当り遊技状態」などといい、大当り種別が「大当りB」である「大当り」を「15R(実質10R)の大当り」などという。大当り種別が「大当りA」である大当り遊技状態を「15R(実質5R)大当り遊技状態」などといい、大当り種別が「大当りA」である「大当り」を「15R(実質5R)の大当り」などという。
また、この実施の形態では、可変表示の可変表示結果が「大当り」になった場合、大当り遊技状態の後の上限確変回数(確変状態の可変表示が実行される上限の回数)は、大当り種別に関わらず50回になっている(図7(B)参照)。なお、大当り種別に応じて、大当り遊技状態の後の上限確変回数を異ならせたり、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り遊技状態の後の上限確変回数を異ならせたりしてもよい。また、上限確変回数は、50回に限定されず、50回未満や51回以上の回数であってもよい。
図3のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図9は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかを特定する(ステップS260)。続いて、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図10は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「大当りC」となる場合や大当り種別が「突確」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合や、「大当り」(大当りA〜Cや突確)となる場合、「小当り」となる場合に対応して、歌唱演出が実行される変動パターンが予め用意されている。なお、歌唱演出が実行される変動パターンは、確変状態において選択可能な変動パターンとなっている。
図9に示すステップS262の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態で確変制御が行われる確変中の場合とに対応して、予め用意した大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。例えば、確変中であるかは、確変フラグがオン状態であるか否かなどによって特定されればよい。確変中でない場合(確変フラグがオフ状態のとき)には、図11(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一方、確変中(確変フラグがオン状態のとき)には、図11(B)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、図11(A)、(B)に示す大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「大当りA〜C」、「突確」のいずれであるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り種別が「大当りA〜C」、「突確」のいずれであるかに応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、確変フラグがオフ状態のとき(通常時のとき)で乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、大当り種別が「大当りA〜C」のときには変動パターンPA3−3を選択し、大当り種別が「突確」のときには変動パターンPC2−1を選択する。また、例えば、確変フラグがオン状態のとき(確変時のとき)で乱数値MR3が「170」である場合、CPU103は、大当り種別が「大当りA〜C」のときには変動パターンPB3−1を選択し、大当り種別が「突確」のときには変動パターンPD2−1を選択する。
図9に示すステップS264の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態で確変制御が行われる確変中の場合とに対応して、予め用意した小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。確変中でない場合(確変フラグがオフ状態のとき)には、図12(A)に示す小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。一方、確変中(確変フラグがオン状態のとき)には、図12(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。一例として、図12(A)、(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と共通の変動パターンに対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。ただし、各変動パターンに対する決定値の割り当ては、大当り種別が「突確」となる場合とは異なっている。これにより、変動パターンにおける飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(突確期待度)を異ならせることができる。
なお、大当り種別が「突確」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、大当り種別が「突確」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図9に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態で確変制御が行われる確変中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。確変中でない場合(確変フラグがオフ状態のとき)には、図13(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、確変中(確変フラグがオン状態のとき)には、図13(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。図13(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられている。また、図13(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数がいずれであるかにかかわらず、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられている。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値から特定すればよい。
CPU103は、確変中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と確変中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、確変中でない通常時ときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、確変中のときには「0」〜「8」のいずれであるかにかかわらず、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。CPU103は、例えば、確変フラグがオフ状態のとき(通常時のとき)で乱数値MR3が「210」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」または「1」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「2」〜「4」のいずれかのときには変動パターンPA1−2を選択し、合計保留記憶数カウント値が「5」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPA1−3を選択する。また、例えば、確変フラグがオン状態のとき(確変中のとき)で乱数値MR3が「210」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」〜「8」のいずれであるかにかかわらず、変動パターンPB1−1を選択する。
図13(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。なお、図13(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定される場合、合計保留記憶数がいずれであるかにかかわらず、変動パターンPB1−1のみに決定されるようになっている。これにより、確変時では、通常時において選択され得る変動パターンPA1−2やPA1−3といった、PB1−1よりも短い可変表示時間の変動パターンに決定されないように制限される。このように制限することで、この実施の形態に示すように可変表示が予め定められた回数実行されるまで確変状態が継続可能な場合(所謂回数切りで確変状態に制御される場合)、遊技者にとって有利な確変状態が短時間で終わってしまうことを防止することができるとともに、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
図9に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図10に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、演出制御基板12に対して伝送されるコマンドには、大当り種別を指定する大当り種別指定コマンドが含まれていてもよい。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図3のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図14は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合(ステップS351;Yes)、確変フラグをオフ状態にし、確変回数カウンタのカウント値を「0」にすることなどによって、確変フラグ、確変回数カウンタをリセットする(ステップS352)。確変回数カウンタは、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、確変制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントするカウンタである。
その後、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS353)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた開放回数カウンタ(大当り遊技状態で実行される残りの開放数(ラウンド数)をカウントするためのもの、ラウンド数カウンタともいう。)に開放回数(例えば、大当り種別が「大当りA〜C」のときには「15」、大当り種別が「突確」のときには「2」)を設定し(ステップS354)、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)と、確変フラグのオン状態・オフ状態を指定することなどによって現在の遊技状態(ステップS355では、通常状態)を指定する遊技状態指定コマンド(演出制御コマンド)と、の送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新し(ステップS356)、特別図柄停止処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、大当りフラグがオン状態でない(オフ状態である)場合(ステップS351;No)、確変フラグがオンであるかを判定する(ステップS357)。CPU103は、確変フラグがオンである場合には(ステップS357;Yes)、確変回数カウンタのカウント値を「1」減らし(ステップS358)、減らした後のカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS359)。CPU103は、カウント値が「0」である場合(ステップS359;Yes)、確変フラグをオフ状態にし(ステップS360)、確変状態を終了させる。CPU103は、ステップS360の処理を行った後には、現在の遊技状態(確変が終了した遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(ステップS361)。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS361の後や、確変フラグがオンでない場合(ステップS357;No)、確変回数カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS359;No)、CPU103は、小当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS362)。小当りフラグがオン状態である場合(ステップS362;Yes)、小当り開始時演出待ち時間(小当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS363)、開放回数カウンタに開放回数(例えば、「2」)を設定し(ステップS364)、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「8」に更新し(ステップS366)、特別図柄停止処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。小当りフラグがオン状態でない場合(ステップS362;No)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS369)、特別図柄停止処理を終了する。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦確変状態が終了し、ハズレ時や小当り時には、確変中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。確変中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、確変フラグがオフになり確変状態が終了する。つまり、確変状態(確変制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(この実施の形態では50回)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12になされる。
図3のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」、「突確」のいずれであるかや(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、開始されるラウンド数(開放回数カウンタのカウント値によって特定できる。)に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「大当りA」でラウンド数が1〜5のとき、「大当りB」でラウンド数が1〜10のとき、または「大当りC」でラウンド数が1〜15のときに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「大当りA」でラウンド数が6〜15のとき、「大当りB」でラウンド数が11〜15のとき、または「突確」でラウンド数が1〜2のときに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数カウンタの値が「1」減らされ、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否か(開放回数カウンタの値が「0」であるか否か)を判定する処理や、上限回数に達していない場合(開放回数カウンタの値が「0」でない場合)に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したとき(開放回数カウンタの値が「0」になったとき)には、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図15は、図3のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間であり、予め設定された時間)が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図3に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値がRAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、CPU103は、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、確変フラグを切り替える(ステップS323)。この実施の形態では、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」および「突確」のいずれであるかにかかわらず、確変フラグをオン状態にする。このようにして、大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変制御及び時短制御がある高確高ベース状態になる。なお、この実施の形態では、確変フラグのオン・オフ状態により確変制御の有無及び時短制御の有無を設定しているが、確変フラグとは別に時短フラグを設け、時短フラグのオン・オフ状態により時短制御の有無を設定してもよい。
その後、CPU103は、ステップS323で確変フラグをオン状態にしているので、確変回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する(ステップS324)。これにより、可変表示が最大で50回実行されるまで確変状態とすることができる。なお、可変状態に制御する期間は、可変表示が最大で50回実行されるまでに限定されず、例えば最大で75回や100回などとしてもよい。その後、CPU103は、現在の遊技状態(ステップS323の処理内容に応じた遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(ステップS325)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図3のステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったこと、大入賞口を開放状態にするタイミングになったこと(例えば、上記で設定された小当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。また、小当り開放前処理では、例えば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」などに設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われる。大入賞口を開放状態とする処理などが行われると、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。ステップS118が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS118で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻したタイミングからの経過時間を計測する処理、計測した経過時間が予め設定された時間になった場合に再び大入賞口を開放状態とする処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、小当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである小当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS118が繰り返し行われ、ステップS119が繰り返し行われることによって、小当り遊技状態が実現される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理(待ち時間が経過するまで小当り終了処理を終了する)などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。この実施の形態では、初期化処理において、後述する選択曲バッファの値が初期値の「1」に設定される。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図16は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する(図16参照)。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図17は、可変表示開始設定処理として、図16のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。
ステップS526における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1〜PC2−2のいずれかが指定された場合に、例えばステップS524と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1〜PC2−2のいずれかが指定された場合に、ステップS524と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS524とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目に含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1〜PC2−2のいずれかが指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS526の処理では、変動パターンPC2−1〜PC2−2のいずれかが指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。なお、変動パターンPD2−1が指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定してもよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「大当りA」、「大当りB」または「大当りC」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理を実行する(ステップS528)。図18は、ステップS528にて実行される予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示す予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、歌唱演出の実行があるか否かを判定する(ステップS601)。ステップS601では、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、歌唱演出の実行を伴う変動パターンPB2−1、PB3−1又はPD2−1である場合、歌唱演出の実行ありと判定される。ステップS601にて歌唱演出の実行ありと判定された場合(ステップS601;Yes)、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた選択曲フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS602)。なお、選択曲フラグは、後述する曲選択演出において遊技者によって複数の曲の中から1曲が選択曲として選択されたときに、オン状態となる。
ステップS602にて選択曲フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS602;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技者によって選択されている曲(選択曲)に応じて、複数の曲のうちから実行曲を決定する(ステップS603)。選択曲は、後述するステップS956やステップS958の処理が実行されることなどにより、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)に設けられた選択曲バッファに値を記憶することにより設定される。
図19は、選択曲の設定例を示す図である。図19に示すように、選択曲が曲Aである場合、選択曲バッファの設定値は「1」となっている。選択曲が曲Bである場合、選択曲バッファの設定値は「2」となっている。また、選択曲が曲Cである場合、選択曲バッファの設定値は「3」となっている。なお、上述したように電源投入後の初期化処理において選択曲バッファには初期値として「1」が設定されている。従って、遊技者により曲が選択されていない状態では、曲Aがデフォルト曲として設定されることとなる。なお、デフォルト曲は、曲Aに限定されず、曲Bや曲Cであってもよい。あるいは、抽選処理が行われることにより、デフォルト曲として曲A〜曲Cのうちのいずれかに決定されてもよい。この場合には、曲A〜曲Cの決定割合が同じであってもよく、曲A〜曲Cの決定割合が異なっていてもよい。一例として、曲A、曲B、曲Cの順に決定割合が高くなっていてもよいし、その逆などであってもよい。また、デフォルト曲は、曲A〜曲C以外の曲、即ち遊技者が選択可能な曲ではなく遊技者が選択不可能な曲であってもよい。
ステップS603の処理では、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される実行曲決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された実行曲決定テーブルを参照することなどにより、実行曲を決定すればよい。
図20、図21は、実行曲決定テーブルの内容を示している。この実施の形態では、図20に示すように、大当り種別が「大当りC」で、曲A〜曲Cのいずれが選択されているかに応じて、それぞれ実行曲決定テーブルが用意されている。また、図21に示すように、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」あるいは「突確」、又は、可変表示結果が「小当り」あるいは「ハズレ」で、曲A〜曲Cのいずれが選択されているかに応じて、それぞれ実行曲決定テーブルが用意されている。
図20(A)は、大当り種別が「大当りC」で、曲Aが選択されている場合の実行曲決定テーブルを示す。図20(A)に示す実行曲決定テーブルでは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた非選択カウンタのカウント値(非選択カウンタ値)に応じて、決定される実行曲(曲A〜曲C)の決定割合が異なっている。なお、図20(B)、(C)についても同様である。非選択曲カウンタは、遊技者が曲を選択した後に、大当り種別が「大当りC」となる大当り遊技状態に制御されるとき、歌唱演出が実行されたにもかかわらず、遊技者が選択した曲が実行曲として流れなかった場合にカウントし、遊技者が選択した曲が実行曲として流れた場合にクリアされるカウンタである。非選択カウンタ値が0または1であるときには、実行曲として曲Aに決定される割合が最も高くなっており、実行曲として曲Bや曲Cに決定される割合が同じになるように設定されている。また、非選択カウンタ値が2以上であるときには、実行曲として曲Aに決定される割合が、非選択カウンタ値が0または1であるときよりもさらに高くなっており、実行曲として曲Bや曲Cに決定される割合が同じになるように設定されている。このように、非選択カウンタ値が2以上のとき、即ち、遊技者が選択した曲が実行曲として流れなかった回数が2以上のときに、遊技者が選択した曲を実行曲として決定され易くすることにより、遊技者の満足感を向上させることができる。なお、実行曲として曲Bや曲Cに決定される割合は、実行曲に応じて異なっていてもよい。
図20(B)は、大当り種別が「大当りC」で、曲Bが選択されている場合の実行曲決定テーブルを示す。非選択カウンタ値が0または1であるときには、実行曲として曲Bに決定される割合が最も高くなるように設定されている。また、非選択カウンタ値が2以上であるときには、実行曲として曲Bに決定される割合が、非選択カウンタ値が0または1であるときよりもさらに高くなるように設定されている。図20(C)は、大当り種別が「大当りC」で、曲Cが選択されている場合の実行曲決定テーブルを示す。非選択カウンタ値が0または1であるときには、実行曲として曲Cに決定される割合が最も高くなるように設定されている。また、非選択カウンタ値が2以上であるときには、実行曲として曲Cに決定される割合が、非選択カウンタ値が0または1であるときよりもさらに高くなるように設定されている。
図21(A)は、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」あるいは「突確」または可変表示結果が「小当り」あるいは「ハズレ」で、曲Aが選択されている場合の実行曲決定テーブルを示す。図21(A)に示す実行曲決定テーブルでは、決定される実行曲(曲A〜曲C)の決定割合が異なっている。なお、図21(B)、(C)についても同様である。例えば、実行曲として曲Aに決定される割合が最も低くなっており、実行曲として曲Bや曲Cに決定される割合が同じになるように設定されている。このように、サビ演出が実行されることがない大当り遊技状態などに制御されるときに歌唱演出を実行する場合、当該歌唱演出において遊技者が選択した曲以外の曲を実行曲として決定されやすくすることにより、選択した曲のサビ部分が流れなかったことによる遊技者の興趣の低下を防止することができる。なお、実行曲として曲Bや曲Cに決定される割合は、実行曲に応じて異なっていてもよい。また、実行曲として曲Aや曲B、曲Cに決定される割合は、均等であってもよい。
図21(B)は、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」あるいは「突確」または可変表示結果が「小当り」あるいは「ハズレ」で、曲Bが選択されている場合の実行曲決定テーブルを示す。図21(B)に示す実行曲決定テーブルでは、例えば、実行曲として曲Bに決定される割合が最も低くなるように設定されている。図21(C)は、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」あるいは「突確」または可変表示結果が「小当り」あるいは「ハズレ」で、曲Cが選択されている場合の実行曲決定テーブルを示す。図21(C)に示す実行曲決定テーブルでは、例えば、実行曲として曲Cに決定される割合が最も低くなるように設定されている。
ステップS603の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、大当り種別が「大当りC」であるか否かを判定する(ステップS604)。ステップS604では、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された大当り種別指定コマンドにより指定された大当り種別を特定することにより、大当り種別が「大当りC」であるか否かを判定すればよい。ステップS604にて大当り種別が「大当りC」であると判定された場合(ステップS604;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS603にて決定された実行曲と、遊技者によって選択された選択曲とが同じであるか否かを判定する(ステップS605)。ステップS605にて実行曲と選択曲とが同じであると判定された場合(ステップS605;Yes)、演出制御用CPU120は、非選択カウンタをクリアする(ステップS606)。そして、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた歌唱継続フラグをオン状態にする(ステップS607)。歌唱継続フラグは、大当り遊技状態においてサビ演出を実行することを示すフラグである。
また、ステップS605にて実行曲と選択曲とが同じでないと判定された場合(ステップS605;No)、演出制御用CPU120は、非選択カウンタのカウント値に1加算(インクリメント)する(ステップS608)。ステップS608やステップS607の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理を終了する。
また、ステップS602にて選択曲フラグがオン状態でないと判定された場合(ステップS602;No)、演出制御用CPU120は、実行曲をデフォルト曲に設定する(ステップS609)。これにより、遊技者によって曲が選択されていない状態で歌唱演出が実行されるときには、歌唱演出において、デフォルト曲が実行曲として流れることになる。なお、歌唱演出の実行がある場合にステップS609の処理が実行可能となっているので、ステップS609の処理が実行されるときの遊技状態は確変状態である。確変状態であるにもかかわらず遊技者によって曲が選択されていない状態とは、通常状態中に、大当り種別が「大当りA」や「大当りB」、「突確」の大当り遊技状態といった、曲選択演出が実行されない大当り遊技状態に制御された後の確変状態である。
また、ステップS601にて歌唱演出の実行なしと判定された場合(ステップS601;No)、演出制御用CPU120は、その他の予告演出を決定する(ステップS610)。ステップS610やステップS609、ステップS604にて大当り種別が「大当りC」でないと判定された場合(ステップS604;No)、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理を終了する。
図17に示すステップS528の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ボタン演出設定処理を実行する(ステップS529)。図22は、ステップS529にて実行されるボタン演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示すボタン演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、歌唱演出の実行があるか否かを判定する(ステップS701)。ステップS701にて歌唱演出の実行ありと判定された場合(ステップS701;Yes)、演出制御用CPU120は、ボタン演出を実行するためのボタン演出実行設定を行う(ステップS702)。そして、演出制御用CPU120は、歌唱継続フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS703)。ステップS703にて歌唱継続フラグがオン状態であると判定された場合や(ステップS703;Yes)、ステップS701にて歌唱演出の実行なしと判定された場合、演出制御用CPU120は、ボタン演出設定処理を終了する。
また、ステップS703にて歌唱継続フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS703;No)、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた歌唱演出中止フラグをオン状態とする(ステップS705)。歌唱演出中止フラグは、後述するボタン演出動作制御において、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作を検出したときに、歌唱演出を中止させるために用いられるフラグである。ステップS705の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」である場合に大当り種別が「大当りA」、「大当りB」あるいは「突確」であるか否か、または、可変表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS706)。ステップS706にて「大当りA」、「大当りB」、「突確」または「小当り」であると判定された場合(ステップS706;Yes)、演出制御用CPU120は、大当り種別などに応じて、歌唱演出を中止させた後に表示する特殊図柄の設定を行う(ステップS707)。
図23は、ステップS707にて設定される特殊図柄の設定例を示す図である。図23に示すように、大当り種別が「大当りA」または「大当りB」である場合には、特殊図柄として「ランクアップ」といった図柄が表示されるように設定される。大当り種別が「突確」である場合には、特殊図柄として「突確」といった図柄が表示されるように設定される。また、可変表示結果が「小当り」である場合には、特殊図柄として「小当り」といった図柄が表示されるように設定される。なお、大当り種別が「突確」である場合や、可変表示結果が「小当り」である場合には、歌唱演出を中止させた後に特殊図柄が表示されなくてもよい。また、大当り種別が「突確」である場合と、可変表示結果が「小当り」である場合とで、共通の特殊図柄が表示されるように設定されてもよい。
ステップS707の処理を実行した後や、ステップS706にて「大当りA」、「大当りB」、「突確」および「小当り」でない、即ち、大当り種別が「大当りC」であるか、可変表示結果が「ハズレ」であると判定された場合(ステップS706;No)、演出制御用CPU120は、ボタン演出設定処理を終了する。なお、ステップS706にて大当り種別が「大当りC」であるか否かも判定し、「大当りC」であると判定された場合、即ち、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されるが、歌唱演出が中止される場合にも、特殊図柄として「ランクアップ」といった図柄が表示されるように設定されてもよい。この場合には、当該大当り遊技状態においてランクアップ演出が実行されればよい。
図17に示すステップS529にてボタン演出設定処理を実行した後には、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、ステップS528で決定した内容(歌唱演出を実行する場合の実行曲など)、ステップS529で設定した内容(ボタン演出を中止した後に表示する特殊図柄など)に対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS532の処理の後、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファから読み出した各コマンド及び各設定値を消去し、この始動入賞時コマンドバッファについて、保留表示番号「1」より下位の記憶領域(保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された、始動口入賞指定コマンドと、保留記憶数通知コマンドとを、1エントリずつ上位にシフトする。このような処理によって、今回実行される可変表示に対応するコマンドなどを消化することができる。
次に、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ減らし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす(ステップS533)。演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファのコマンドを消化した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(左側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、保留記憶の表示によって特定可能な第1特図保留記憶数を1つ減らす。演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファのコマンドを消化した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(右側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、始動入賞記憶表示エリア5Hの第2保留記憶表示を変化させ、保留記憶の表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ減らす。その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
図24は、可変表示中演出処理として、図16のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、歌唱演出を実行するための歌唱演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。歌唱演出実行期間は、例えば図17に示すステップS530の処理により設定された歌唱演出の演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にて歌唱演出実行期間であると判定されたときには(ステップS552;Yes)、演出制御用CPU120は、歌唱演出を実行するための歌唱演出動作制御を行う(ステップS553)。
ステップS552にて歌唱演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ボタン演出を実行するためのボタン演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。ボタン演出実行期間は、例えば図17に示すステップS530の処理により設定されたボタン演出の演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にてボタン演出実行期間であると判定されたときには(ステップS554;Yes)、演出制御用CPU120は、ボタン演出を実行するためのボタン演出動作制御を行う(ステップS555)。図25は、ステップS555にて実行されるボタン演出動作制御の一例を示すフローチャートである。
図25に示すボタン演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、ボタン演出期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS751)。ステップS751では、例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御パターンにおいて設定されたボタン演出開始用のタイマ判定値と合致したときに、ボタン演出期間の開始タイミングであると判定すればよい。ステップS751にてボタン演出期間の開始タイミングであると判定されたときには(ステップS751;Yes)、演出制御用CPU120は、操作有効期間を開始させるための設定を行う(ステップS752)。これにより、ボタン演出が実行される場合に、まずは操作有効期間を開始させて、プッシュボタン31Bといった操作手段に対する所定の操作を有効に検出可能とすればよい。ステップS751にてボタン演出期間の開始タイミングではないと判定された場合には(ステップS751;No)、演出制御用CPU120は、操作有効期間であるか否かを判定する(ステップS753)。
ステップS752の処理を実行した後や、ステップS753にて操作有効期間であると判定されたときには(ステップS753;Yes)、演出制御用CPU120は、操作有効期間中演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS754)。例えば、ステップS754の処理では、操作有効期間中演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS754の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、例えばプッシュボタン31Bに対する押下操作といった、遊技者による所定の指示操作が検出される操作検出ありか否かを判定する(ステップS755)。このとき、操作検出なしと判定された場合には(ステップS755;No)、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマ値や演出制御パターンの設定に基づいて、操作有効期間を終了させるか否かを判定する(ステップS756)。
ステップS755にて操作検出ありと判定された場合や(ステップS755;Yes)、ステップS756にて操作有効期間を終了させると判定された場合には(ステップS756;Yes)、演出制御用CPU120は、歌唱演出中止フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS757)。ステップS757にて歌唱演出中止フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS757;Yes)、演出制御用CPU120は、歌唱演出を中止させるための歌唱演出中止動作制御を実行した後(ステップS758)、歌唱演出中止フラグをオフ状態にする(ステップS759)。そして、演出制御用CPU120は、操作有効期間を終了させるための設定を行う(ステップS760)。ステップS760の処理を実行した後や、ステップS753にて操作有効期間ではないと判定された場合(ステップS753;No)、あるいは、ステップS756にて操作有効期間を終了させないと判定された場合には(ステップS756;No)、演出制御用CPU120は、特殊図柄表示タイミングであるか否かを判定する(ステップS761)。ステップS761では、例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御パターンにおいて設定された特殊図柄表示用のタイマ判定値と合致したときに、特殊図柄表示タイミングであると判定すればよい。ステップS761にて特殊図柄表示タイミングであると判定された場合(ステップS761;Yes)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に特殊図柄を表示する(ステップS762)。ステップS762の処理を実行した後や、ステップS761にて特殊図柄表示タイミングでないと判定された場合(ステップS761;No)、演出制御用CPU120は、ボタン演出動作制御を終了する。
図24に示すステップS554にてボタン演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS560)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS560にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS560;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS561)。
ステップS560にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS560;No)、ステップS561の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS562)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS571)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS571にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS572)。ステップS572の処理の後、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS574)、可変表示中演出処理を終了する。
上記の演出制御プロセス処理が繰り返し行われることによって、歌唱演出やボタン演出などが実行される。
図26は、大当り中演出処理として、図16のステップS176にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された大当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS901)。ステップS901にて大当り終了指定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS901;No)、演出制御用CPU120は、大当り演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS902)。ステップS902にて大当り演出開始タイミングであると判定された場合(ステップS902;Yes)、演出制御用CPU120は、大当り種別が「大当りC」であるか否かを判定する(ステップS903)。ステップS903にて「大当りC」であると判定された場合(ステップS903;Yes)、演出制御用CPU120は、歌唱継続フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS904)。
ステップS904にて歌唱継続フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS904;Yes)、演出制御用CPU120は、サビ演出の実行設定を行う(ステップS905)。ステップS905では、演出制御用CPU120は、歌唱演出における実行曲と同じ曲を実行曲としてサビ演出を行う設定をする。具体的には、歌唱演出において実行曲が曲Aであった場合には、サビ演出の実行曲を曲Aとし、歌唱演出において実行曲が曲Bであった場合には、サビ演出の実行曲を曲Bとし、歌唱演出において実行曲が曲Cであった場合には、サビ演出の実行曲を曲Cとする。このように設定することにより、同じ曲で、可変表示中にメロ部分が流れた後、大当り遊技状態中にサビ部分が流れることとなりる。ステップS905の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、歌唱継続フラグをオフ状態にする(ステップS906)。
また、ステップS903にて「大当りC」でないと判定された場合(ステップS903;No)、演出制御用CPU120は、大当り種別が「大当りA」または「大当りB」であるか否かを判定する(ステップS911)。ステップS911にて「大当りA」または「大当りB」であると判定された場合(ステップS911;Yes)、演出制御用CPU120は、ランクアップ演出の実行設定を行う(ステップS912)。
また、ステップS904にて歌唱継続フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS904;No)、演出制御用CPU120は、高確フラグ(RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたフラグ)がオン状態であるか否かを判定する(ステップS915)。この実施の形態では、高確フラグは、低確状態(通常状態)から大当り遊技状態に制御されるときに、オフ状態からオン状態になり、上限確変回数の可変表示が終了して高確状態(確変状態)から低確状態(通常状態)に制御されるときに、オン状態からオフ状態になるフラグである。例えば、演出制御用CPU120は、高確フラグがオフ状態であるときに、主基板11から当り開始指定コマンドが伝送されたとき(ステップS355の当り開始指定コマンドの送信設定が行われてからコマンド制御処理が行われたとき)、高確フラグをオン状態とすればよい。また、演出制御用CPU120は、高確フラグがオン状態であるときに、上限確変回数の可変表示が終了することに基づいて主基板11から遊技状態指定コマンドが伝送されたとき(ステップS359にて「Yes」で、ステップS361の遊技状態指定コマンドの送信設定が行われてからコマンド制御処理が行われたとき)、高確フラグをオフ状態とすればよい。この場合には、ステップS361にて設定される遊技状態指定コマンドは、上限確変回数の可変表示が終了するときか否か(ステップS359にて「Yes」であるか「No」であるか)に応じて異なっていればよい。
また、例えば、主基板11とは独立して演出制御基板12が確変回数をカウントしてもよい。この場合には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11とは独立してカウントした確変回数が上限確変回数に達したときに、高確フラグをオフ状態とすればよい。なお、主基板11とは独立してカウントした確変回数が上限確変回数に達する前に大当りとなったときには、演出制御基板12における確変回数のカウント値をクリアすればよい。このように高確フラグのオン・オフ状態を切り替えることで、高確フラグは、大当り遊技状態に制御される度にステップS323やステップS352の処理によりオン・オフ状態が切り替わる確変フラグとは異なり、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御されている間中(連チャン中)、オン状態のままとなる。
この実施の形態では、上記したように高確フラグは、低確状態(通常状態)で大当りとなったとき、所謂初当りのときにオン状態となり、大当りの連チャン中においてはオン状態のままとなるフラグであるとして説明した。しかし、高確フラグは、確変状態であるか否かに応じてオン・オフ状態が切り替わる確変フラグ(主基板11側に設けられたフラグ)と同様にオン・オフ状態が切り替わるフラグであってもよい。例えば、高確フラグは、低確状態(通常状態)においてはオフ状態、高確状態(確変状態)においてはオン状態、大当り遊技状態においてはオフ状態となるフラグであってもよい。この場合には、例えばRAM122の所定領域に連チャンフラグなどを設ければよい。連チャンフラグは、低確状態から大当り遊技状態に制御されるときに、オフ状態からオン状態になり、上限確変回数の可変表示が終了して高確状態から低確状態に制御されるときに、オン状態からオフ状態になればよい。また、例えば低確状態を示す低確フラグや高確状態を示す高確フラグ、大当り遊技状態を示す大当り遊技フラグなどの各遊技状態に対応したフラグが設けられている場合などには、連チャンフラグは、例えば低確フラグがオフ状態になる(または、低確フラグがオフ状態になって大当り遊技フラグがオン状態になる)とともにオン状態となり、低確フラグがオン状態になる(または、高確フラグがオフ状態になって低確フラグがオン状態になる)とともにオフ状態となればよい。なお、この場合、高確フラグがオフ状態になって大当り遊技フラグがオン状態になるとき、即ち、連チャン中の大当りが発生したときには、連チャンフラグのオン・オフ状態が切り替わらなければよい。このような連チャンフラグを、この実施の形態における高確フラグに代えて用いてもよい。
ステップS915にて高確フラグがオン状態でない(オフ状態である)と判定された場合(ステップS915;No)、演出制御用CPU120は、選択曲フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS916)。ステップS916にて選択曲フラグがオン状態でないと判定された場合(ステップS916;No)、演出制御用CPU120は、曲選択演出を実行するための設定を行う(ステップS917)。この設定が行われることにより、後述するステップS919の処理内において曲選択演出動作制御が実行されることとなる。
ステップS906の処理を実行した後や、ステップS911にて「大当りA」と「大当りB」とのいずれでもないと判定された場合(ステップS911;No)、ステップS912の処理を実行した後、ステップS915にて高確フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS915;Yes)、ステップS916にて選択曲フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS916;Yes)、ステップS917の処理を実行した後、演出制御用CPUは、その他の演出を実行するための設定を行う(ステップS918)。ステップS918では、例えば、「大当りC」の大当り遊技状態においてサビ演出が実行されない場合に、通常の大当り演出を実行するための設定などが行われる。ステップS918の処理を実行した後や、ステップS902にて大当り演出開始タイミングでないと判定された場合(ステップS902;No)、演出制御用CPU120は、演出動作制御を実行し(ステップS919)、大当り中演出処理を終了する。
図27は、図26のステップS919内にて実行される曲選択演出動作制御の一例を示すフローチャートである。図27に示す曲選択演出動作制御において、演出制御用CPU120は、まず、5回目のラウンド遊技である第5ラウンドの開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS951)。ステップS951にて第5ラウンドの開始タイミングであると判定された場合(ステップS951;Yes)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に曲選択画面を表示する(ステップS952)。
ステップS952の処理を実行した後や、ステップS951にて第5ラウンドの開始タイミングでないと判定された場合(ステップS951;No)、演出制御用CPU120は、曲を選択するための選択期間中であるか否かを判定する(ステップS953)。ステップS953にて選択期間中であると判定された場合(ステップS953;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技者が曲Aを選択したか否かを判定する(ステップS954)。ステップS954では、遊技者によるスティックコントローラ31Aの傾倒操作やプッシュボタン31Bに対する押下操作などによる所定の指示操作に基づいて、遊技者が曲Aを選択したか否かを判定すればよい。なお、以下に説明する遊技者による曲Bの選択や曲Cの選択についても同様である。この実施の形態では、選択曲バッファには初期値として「1」が設定されているため、ステップS954にて遊技者が曲Aを選択したと判定された場合に、選択曲バッファを設定する処理を実行していない。選択曲バッファを設定する処理を実行しなくても、選択曲バッファの設定値は「1」のままであるため、選択曲として曲Aが設定される。なお、この場合でも、選択曲バッファを設定する処理を実行してもよい。
ステップS954にて遊技者が曲Aを選択していないと判定された場合(ステップS954;No)、演出制御用CPU120は、遊技者が曲Bを選択したか否かを判定する(ステップS955)。ステップS955にて遊技者が曲Bを選択したと判定された場合(ステップS955;Yes)、演出制御用CPU120は、選択曲バッファに「2」を設定する(ステップS956)。これにより選択曲として曲Bが設定される。
また、ステップS955にて遊技者が曲Bを選択していないと判定された場合(ステップS955;No)、演出制御用CPU120は、遊技者が曲Cを選択したか否かを判定する(ステップS957)。ステップS957にて遊技者が曲Cを選択したと判定された場合(ステップS957;Yes)、演出制御用CPU120は、選択曲バッファに「3」を設定する(ステップS958)。これにより選択曲として曲Cが設定される。
また、ステップS957にて遊技者が曲Cを選択していないと判定された場合(ステップS957;No)、演出制御用CPU120は、選択期間が終了したか否かを判定する(ステップS959)。なお、ステップS959にて選択期間が終了したと判定された場合(ステップS959;Yes)、選択曲バッファを設定する処理を実行しないので、選択曲バッファの設定値は「1」のままとなる。
ステップS954にて遊技者が曲Aを選択したと判定された場合や(ステップS954;Yes)、ステップS956の処理を実行した後、ステップS958の処理を実行した後、ステップS959にて選択期間が終了したと判定された場合(ステップS959;Yes)、演出制御用CPU120は、選択曲フラグをオン状態にする(ステップS960)。
また、ステップS953にて選択期間中でないと判定された場合や(ステップS953;No)、ステップS959にて選択期間が終了していないと判定された場合(ステップS959;No)、ステップS960の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、曲選択演出動作制御を終了する。なお、この実施の形態では、電源投入後において選択曲フラグが一旦オン状態となった場合、選択曲フラグがオフ状態とならないように構成した。即ち、遊技者が曲を一度でも選択した場合には、電源が遮断されない限り再度曲を選択できないように構成した。しかし、電源遮断以外の所定の条件が成立した場合、例えば確変状態が終了したことに基づいて、選択曲フラグをオフ状態とし、遊技者が曲を再度選択できるように構成してもよい。
次に、曲選択演出や歌唱演出などの実行タイミングについて図28を参照して説明する。例えば、図28(A)に示すように遊技状態が通常状態のときの可変表示(確変状態でない可変表示)において特図表示結果が「大当り」となり、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されたとする。この大当り遊技状態では、15回のラウンド遊技が実行される。なお、この大当り遊技状態における15回のラウンド遊技は全て通常開放ラウンドであり、各ラウンドにおける大入賞口が継続して開放状態になる期間は最大で29秒となっている。そして、大当り遊技状態において5回目のラウンド遊技である第5ラウンドが開始されるタイミングで、遊技者が曲A〜曲Cのうちの1曲を選択することができる曲選択演出が実行される。曲選択演出は、例えば第5ラウンドが継続している期間中継続して実行され、第5ラウンドが終了するときまで曲選択演出が継続しているときは、第5ラウンドの終了とともに終了すればよい。なお、曲選択演出は、第5ラウンドが終了する前に遊技者により曲が選択された場合には、遊技者により曲が選択されたときに終了すればよい。大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態の可変表示は、最大で50回行われる。確変状態中に大当り遊技状態に制御される場合や大当り遊技状態に制御されない場合、大当り遊技状態に制御されるときの大当り種別などに応じて、可変表示中に歌唱演出やボタン演出などが実行されたり、大当り遊技中にサビ演出やランクアップ演出などが実行されたりする。
例えば、図28(B)に示すように確変状態中に大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されるものとする。また、大当り遊技状態に制御される前の可変表示において歌唱演出が実行され、歌唱演出における実行曲と選択曲(遊技者が選択して設定された曲)とが同じものとする。この場合、可変表示中に実行された歌唱演出では、実行曲(選択曲)のメロ部分が再生される。歌唱演出が実行されてから所定期間が経過すると、ボタン演出が開始され、画像表示装置5にボタン画像が表示される。遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、画像表示装置5からボタン画像が消去される。なお、ボタン演出は終了したが、歌唱演出は確定飾り図柄が停止表示されるまで継続する。そして、確定飾り図柄が停止表示されて、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、サビ演出が実行される。サビ演出では、実行曲(選択曲)のサビ部分が再生される。このように、歌唱演出が実行されてから大当り遊技状態まで、実行曲のメロ部分とサビ部分とが再生される。
図28(C)に示すように確変状態中に大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されるものとする。また、大当り遊技状態に制御される前の可変表示において歌唱演出が実行され、歌唱演出における実行曲と選択曲(遊技者が選択して設定された曲)とが異なるものとする。この場合、可変表示中に実行された歌唱演出では、実行曲(選択曲以外の曲)のメロ部分が再生される。歌唱演出が実行されてから所定期間が経過すると、ボタン演出が開始され、画像表示装置5にボタン画像が表示される。遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、画像表示装置5からボタン画像が消去されるとともに、歌唱演出が中止される。そして、確定飾り図柄が停止表示されて、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、サビ演出が実行されずに、通常の大当り演出が実行される。なお、歌唱演出における実行曲と選択曲とが異なる場合であっても、ボタン演出の終了後、確定飾り図柄が停止表示されるまで歌唱演出が継続してもよい。さらに、大当り遊技状態において、実行曲のサビ部分が再生されるサビ演出が実行されてもよい。
図28(D)に示すように確変状態中に大当り種別が「大当りA」または「大当りB」の大当り遊技状態に制御されるものとする。また、大当り遊技状態に制御される前の可変表示において歌唱演出が実行されたものとする。なお、歌唱演出における実行曲と選択曲(遊技者が選択して設定された曲)とが同じものであるか異なるものであるかにかかわらないものとする。この場合、可変表示中に実行された歌唱演出では、実行曲のメロ部分が再生される。歌唱演出が実行されてから所定期間が経過すると、ボタン演出が開始され、画像表示装置5にボタン画像が表示される。遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、画像表示装置5からボタン画像が消去されるとともに、歌唱演出が中止される。そして、確定飾り図柄が停止表示されるタイミングで、「ランクアップ」といった文字が描かれた特殊図柄が表示された後、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、サビ演出が実行されずに、ランクアップ演出が実行される。
次に、曲選択演出や歌唱演出などを実行した場合の演出画面について図29、図30を参照して説明する。大当り遊技状態に制御されるときには、例えば図29(A)に示すように「大当り」といった文字画像が画像表示装置5に表示されて、大当り遊技状態に制御されることが報知される。なお、ここでの大当りは、大当り種別が「大当りC」の大当りであるものとする。大当り遊技状態における遊技が進行し、図29(B)に示すように第5ラウンドが開始されると、曲選択演出が実行されて、画像表示装置5に、「お気に入りの曲を選んでね!」といった文字画像とともに「A」、「B」、「C」といった曲を示す曲選択画像SGが表示される。遊技者によりスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが操作されて、曲Aが選択されると、「A」を示す画像が点滅表示するとともに、「Aに決定!」といった文字画像が表示された後、曲選択演出が終了する。さらに大当り遊技状態における遊技が進行し、大当り遊技状態が終了すると、図29(D)に示すように画像表示装置5に「ST突入!」といった文字画像が表示され、最大で50回の可変表示が実行されるまで確変状態に制御されることが報知される。
図29(E)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示が開始された後、図29(F)に示すように「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて「7」を示す飾り図柄がそれぞれ停止表示されてリーチ状態となる。そして、図29(G)に示すように歌唱演出が開始されて、画像表示装置5に「夢夢ちゃんロック」といった曲Aのタイトルとキャラクター画像とが表示されるとともに、曲Aのメロ部分が再生されてスピーカ8L、8Rから流れる。所定時間が経過すると、図29(H)に示すように画像表示装置5にボタン画像BGが表示される。
続いて、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、画像表示装置5からボタン画像が消去された後、図30(I)に示すように「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて「7」を示す飾り図柄が停止表示される。なお、歌唱演出は、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて確定飾り図柄が停止表示されるまで継続する。そして、図30(J)に示すようにキャラクター画像が継続して表示された状態のまま、「大当り」といった文字画像が画像表示装置5に表示されて、大当り遊技状態に制御されることが報知される。なお、ここでの大当りは、大当り種別が「大当りC」の大当りであるものとする。続いて、図30(K)に示すように大当り遊技状態が開始されると、サビ演出が開始され、画像表示装置5にキャラクター画像が表示された状態で、曲Aのサビ部分が再生されてスピーカ8L、8Rから流れる。
また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、図29(H)に示すように画像表示装置5にボタン画像BGが表示された後に、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、画像表示装置5からボタン画像が消去されるとともに、キャラクター画像が消去され、曲Aが停止する。このように歌唱演出が中止された後、図30(I)に示すように「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて、例えば「6」を示す飾り図柄といった大当り組合せを構成しない飾り図柄が停止表示される。
また、図示しないが、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当りや、可変表示結果が「小当り」となる場合には、図29(H)に示すように画像表示装置5にボタン画像BGが表示された後に、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、上記した可変表示結果が「ハズレ」となる場合と同様に歌唱演出が中止される。そして、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて確定飾り図柄が停止表示されるタイミングで、例えば「ランクアップ」や「突確」、「小当り」といった特殊図柄が表示される。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図11〜図13に示す確変中の変動パターン決定テーブルにおいて、歌唱演出が実行される変動パターンに決定される割合の関係、及び、図20に示す決定割合の関係により、大当り遊技状態に制御されるときは、大当り遊技状態に制御されないときと比べて高い割合で、遊技者により選択された曲の歌唱演出が実行されるようになっている。また、図28(A)に示すように遊技状態が通常状態のときの可変表示において特図表示結果が「大当り」となり、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されると、第5ラウンドが開始されるタイミングで、遊技者が曲A〜曲Cのうちの1曲を選択することができる曲選択演出が実行される。大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態に制御される。図28(B)に示すように確変状態中に大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されるとき、大当り遊技状態に制御される前の可変表示において歌唱演出が実行される。歌唱演出における実行曲と選択曲(遊技者が選択して設定された曲)とが同じものである場合、可変表示中に実行された歌唱演出では、実行曲(選択曲)のメロ部分が再生され、歌唱演出は確定飾り図柄が停止表示されるまで継続する。そして、大当り遊技状態では、サビ演出が実行されて実行曲(選択曲)のサビ部分が再生される。このように、大当り遊技状態に制御される場合に遊技者により選択された曲の歌唱演出を実行するときは、大当り遊技状態中に歌唱演出に対応したサビ演出を実行するので、即ち、歌唱演出が実行されてから大当り遊技状態まで、実行曲のメロ部分とサビ部分とを再生するので、当該歌唱演出と大当り遊技状態とに関連性を持たせることができ、しかも遊技者が選択した曲を長い期間再生することができるので、遊技者の満足感を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えばステップS117の大当り終了処理におけるステップS323にて確変フラグをオン状態とし、ステップS324にて確変回数カウンタにカウント初期値となる50を設定することにより、可変表示が最大で50回実行されるまで確変状態とする。図11〜図13に示す確変中の変動パターン決定テーブルにおいて、歌唱演出が実行される変動パターンに決定される割合の関係、及び、図20に示す決定割合の関係により、確変中に大当り遊技状態に制御されるときは、大当り遊技状態に制御されないときと比べて高い割合で、遊技者により選択された曲の歌唱演出が実行されるようになっている。また、図28(A)に示すように遊技状態が通常状態のときの可変表示において特図表示結果が「大当り」となり、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されると、第5ラウンドが開始されるタイミングで、遊技者が曲A〜曲Cのうちの1曲を選択することができる曲選択演出が実行される。大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態に制御される。図28(B)に示すように確変状態中に大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されるとき、大当り遊技状態に制御される前の可変表示において歌唱演出が実行される。歌唱演出における実行曲と選択曲(遊技者が選択して設定された曲)とが同じものである場合、可変表示中に実行された歌唱演出では、実行曲(選択曲)のメロ部分が再生され、歌唱演出は確定飾り図柄が停止表示されるまで継続する。そして、大当り遊技状態では、サビ演出が実行されて実行曲(選択曲)のサビ部分が再生される。このように、大当り遊技状態に制御される場合に遊技者により選択された曲の歌唱演出を実行するときは、大当り遊技状態中に歌唱演出に対応したサビ演出を実行するので、即ち、歌唱演出が実行されてから大当り遊技状態まで、実行曲のメロ部分とサビ部分とを再生するので、当該歌唱演出と大当り遊技状態とに関連性を持たせることができ、しかも遊技者が選択した曲を長い期間再生することができるので、遊技者の満足感を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部を備えており、通常時では、第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部に記憶されている保留記憶が2以上のときに、保留記憶が0や1のときに決定され得る変動パターンPA1−1の可変表示時間よりも短い可変表示時間に設定されている変動パターンPA1−2やPA1−3に決定され得るが、確変中では、合計保留記憶数がいずれであるかにかかわらず、変動パターンを決定する。また、例えばステップS117の大当り終了処理におけるステップS323にて確変フラグをオン状態とすることにより、確変状態とする。図11〜図13に示す確変中の変動パターン決定テーブルにおいて、歌唱演出が実行される変動パターンに決定される割合の関係、及び、図20に示す決定割合の関係により、確変中に大当り遊技状態に制御されるときは、大当り遊技状態に制御されないときと比べて高い割合で、遊技者により選択された曲の歌唱演出が実行されるようになっている。また、図28(A)に示すように遊技状態が通常状態のときの可変表示において特図表示結果が「大当り」となり、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されると、第5ラウンドが開始されるタイミングで、遊技者が曲A〜曲Cのうちの1曲を選択することができる曲選択演出が実行される。大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態に制御される。図28(B)に示すように確変状態中に大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態に制御されるとき、大当り遊技状態に制御される前の可変表示において歌唱演出が実行される。歌唱演出における実行曲と選択曲(遊技者が選択して設定された曲)とが同じものである場合、可変表示中に実行された歌唱演出では、実行曲(選択曲)のメロ部分が再生され、歌唱演出は確定飾り図柄が停止表示されるまで継続する。そして、大当り遊技状態では、サビ演出が実行されて実行曲(選択曲)のサビ部分が再生される。このように、大当り遊技状態に制御される場合に遊技者により選択された曲の歌唱演出を実行するときは、大当り遊技状態中に歌唱演出に対応したサビ演出を実行するので、即ち、歌唱演出が実行されてから大当り遊技状態まで、実行曲のメロ部分とサビ部分とを再生するので、当該歌唱演出と大当り遊技状態とに関連性を持たせることができ、しかも遊技者が選択した曲を長い期間再生することができるので、遊技者の満足感を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば大入賞口が開放状態となる第1状態と大入賞口が閉鎖状態となる第2状態とのいずれかに変化可能な特別可変入賞球装置7を備えており、CPU103は、特別可変入賞球装置7の大入賞口を開放状態とする処理を含むステップS114の大当り開放前処理を実行する。特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、多くの賞球が払い出される。従って、大当り遊技状態への期待感を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えばステップS323の処理を実行して確変フラグをオン状態にすることにより、大当り遊技状態の終了後の遊技状態を確変状態にする。例えば図28(A)に示すように、電源投入後の通常状態のときなどのように確変状態でないときに大当り遊技状態に制御される場合には、当該大当り遊技中に、曲選択演出を実行する。曲選択演出が実行されることにより、遊技者が曲A〜曲Cのうちの1曲を選択することができる。このように確変状態でないときに発生する大当り遊技状態において曲選択演出が実行されるので、確変状態でないときに発生する大当り遊技状態の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図28(A)に示すように、電源投入後の通常状態のときなどのように確変状態でないときに大当り遊技状態に制御される場合には、当該大当り遊技中に、曲選択演出を実行する。曲選択演出が実行されることにより、遊技者が曲A〜曲Cのうちの1曲を選択することができる。このように確変状態でないときに発生する大当り遊技状態において曲選択演出が実行されるので、確変状態でないときに発生する大当り遊技状態の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば大当り遊技状態には、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態と、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当り遊技状態と、があり、大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態では、サビ演出が実行可能となっており、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当り遊技状態では、サビ演出が実行不可能となっている。そして、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当り遊技状態に制御されるときには、歌唱演出を中止させた後に、「ランクアップ」や「突確」といった特殊図柄を表示するボタン演出を実行する。例えば、「大当りA」や「大当りB」の大当り遊技状態においては、ランクアップ演出を実行する。このように、例えばランクアップ演出を実行する大当り遊技状態に制御されるときに、歌唱演出を中止させてサビ演出が実行される大当り遊技状態に制御されないことを報知した後に、「ランクアップ」といった特殊図柄を表示してランクアップ演出が実行される大当り遊技状態に制御されることを報知するボタン演出を実行するので、サビ演出を実行不可能な大当り遊技状態に制御されるときに実行する演出の整合性をとることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えばステップS602にて選択曲フラグがオン状態でないと判定された場合(ステップS602;No)、即ち、遊技者によって曲が選択されていない場合、ステップS609の処理を実行することによって歌唱演出における実行曲をデフォルト曲に設定する。これにより遊技者により曲が選択されていないときの不都合を防止することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態においては、図10に示すように変動パターンPB2−1や、PB3−1、PD2−1といったように、歌唱演出が実行される専用の変動パターンを予め用意し、ステップS111の変動パターン設定処理において、これらの変動パターンに決定された場合に、歌唱演出を実行した。しかし、歌唱演出を実行するか否かは、変動パターンによって決定されなくてもよい。例えば、ステップS528の予告演出決定処理において、所定の割合で歌唱演出の有無を決定してもよい。
上記実施の形態においては、図20に示すように、非選択カウンタ値が2以上であるときには、非選択カウンタ値が0または1であるときの実行曲の決定割合と異なる決定割合となるように設定した。しかし、実行曲の決定割合が変わる条件は、非選択カウンタ値が2以上であるときに限定されない。例えば、実行曲の決定割合が変わる条件は、非選択カウンタ値が1や、3、4といったように、2とは異なる所定値以上であってもよい。なお、非選択カウンタ値に応じて実行曲の決定割合が変化しなくてもよい。
上記実施の形態においては、遊技者が選択できる曲数を3(曲A〜曲C)としたが、遊技者が選択できる曲数は、2又は4以上であってもよい。
また、遊技者が複数の曲のうちから1曲を選択できるようにするとともに、選択された曲の歌唱演出を実行可能とした。しかし、遊技者が選択することができる演出態様は、曲に限定されない。例えば、遊技者が複数のキャラクターや背景画像、アイテム、リーチ演出、演出モードなどのうちから1つを選択できるようにするとともに、選択されたキャラクターや背景画像、アイテムなどが表示されたり、選択されたリーチ演出や演出モードなどが実行されたりする示唆演出を実行可能としてもよい。選択されたキャラクターや背景画像、アイテムなどが表示されたり、選択されたリーチ演出や演出モードなどが実行されたりする示唆演出が実行された後に大当り遊技状態に制御される場合には、当該大当り遊技状態においても、示唆演出で表示されたキャラクターや背景画像、アイテムなどが継続して表示されたり、示唆演出で実行されたリーチ演出や演出モードに関連する演出が実行されたりすればよい。また、示唆演出は、上記実施の形態に示す曲を再生する演出(歌唱演出)に限定されず、例えば、画像表示装置5に表示されたキャラクターがダンスをする演出や、キャラクターどうしが戦う演出、背景画像がスクロールする演出などであってもよい。遊技者が選択することができる演出態様は、上記実施の形態のおける「曲」といったように演出全体を構成するものであってもよく、例えば曲のプロモーションビデオの種類や登場するキャラクター、曲のサビなどといったように演出の一部を構成するものであってもよい。
示唆演出は、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることが示唆できればよいので、大当り遊技状態に制御されることを示唆するものに限定されず、例えば、確変状態に制御されることを示唆するものであってもよい。なお、有利状態は、大当り遊技状態や確変状態以外にも、時短状態や小当り遊技状態などが含まれる。また、示唆演出は、可変表示中に実行されるものに限定されず、例えば、可変表示の停止中や大当り中、あるいは、可変表示中であるか可変表示の停止中であるかにかかわらずに実行されるものであってもよい。上記実施の形態では、図29に示すように可変表示中に、大当り遊技状態に制御されることを示唆する歌唱演出(示唆演出)を実行して曲を再生し、歌唱演出の実行曲(演出態様)が遊技者の選択した選択曲(演出態様)と同じであって、大当り遊技状態に制御されるときに、当該大当り遊技状態中も曲を継続して再生した。しかし、例えば、大当り中に、確変状態に制御されることを示唆する歌唱演出(示唆演出)を実行して曲を再生し、歌唱演出の実行曲(演出態様)が遊技者の選択した選択曲(演出態様)と同じであって、確変状態に制御されるときに、当該確変状態中も曲を継続して再生してもよい。
上記実施の形態においては、大当り遊技状態中にも歌唱演出に対応したサビ演出を実行し、実行曲のメロ部分とサビ部分とを継続して再生するといったように、有利状態中にも示唆演出に対応した演出を継続して実行した。なお、示唆演出に対応した演出は、上記実施の形態で示すような歌唱演出とサビ演出との関係のような、示唆演出に続く演出に限定されない。示唆演出に対応した演出は、例えば示唆演出として実行曲のメロ部分とサビ部分とが再生され、示唆演出に対応した演出として実行曲のメロ部分とサビ部分とがもう一度再生されるといったように、示唆演出と同じ態様(繰り返す態様)の演出としてもよい。また、示唆演出に対応した演出は、示唆演出に登場したキャラクターが継続して表示される演出や、示唆演出に登場したキャラクターの動きが続く演出、示唆演出で表示された背景画像が継続して表示される演出などであってもよい。このように示唆演出に対応した演出は、示唆演出の演出態様と対応した演出態様で、示唆演出と内容が関連している演出であればよい。
また、遊技者が選択した演出態様(曲やキャラクター、背景画像など)を、遊技者が認識可能に報知してもよい。例えば、遊技者が選択した曲のタイトルや、遊技者が選択したキャラクター画像、遊技者が選択した背景画像の一部などを、画像表示装置5に常に表示させておいてもよいし、遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると画像表示装置5に表示させるようにしてもよい。また、遊技者が選択した演出態様以外の演出態様の演出を、大当り遊技状態に制御されることを示唆する示唆演出としてではなく、実行してもよい。例えば、遊技者が選択した曲以外の曲をBGM(Background Music)として再生したり、遊技者が選択した背景画像以外の背景画像に順次切り替えていったりしてもよい。
上記実施の形態においては、歌唱演出を実行することにより、大当り遊技状態に制御されることを示唆した。しかし、歌唱演出を実行することにより、示唆する事象の発生は、大当り遊技状態に制御されることに限られない。例えば、歌唱演出を実行することにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となることや、可変表示結果が「小当り」となることなどを示唆してもよい。
上記実施の形態においては、大当り遊技状態における第5ラウンドが開始されるときに曲選択演出が実行されるように設定したが、曲選択演出が実行されるタイミングは、例えば、第5ラウンド以外のラウンド遊技が開始されるときであってもよし、エンディング演出が開始されるときであってもよい。
上記実施の形態においては、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」または「突確」の大当りや、可変表示結果が「小当り」となる場合には、特殊図柄として、例えば「ランクアップ」や「突確」、「小当り」といった図柄を表示したが、特殊図柄はこれらのものに限定されない。例えば、特殊図柄として、キャラクター画像が表示されてもよい。この場合、キャラクターの種類によって大当り種別や可変表示結果が認識できるものであってもよく、認識できないものであってもよい。
上記実施の形態においては、歌唱演出が実行された後にボタン演出が実行されるようにしたが、例えば、先にボタン演出が実行されて遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、歌唱演出が実行されるようにしてもよい。この場合には、歌唱演出中に再度ボタン演出が実行されて、歌唱演出が中止されたり中止されなかったりしてもよい。また、ボタン演出が実行されて遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、大当り遊技状態に制御されることが報知されるとともに、歌唱演出が実行されるようにしてもよい。
なお、歌唱演出だけが実行されて、ボタン演出が1回も実行されなくてもよい。
上記実施の形態においては、ボタン演出において特殊図柄を表示するタイミングを、確定飾り図柄を導出するときとしたが、特殊図柄を表示するタイミングは、確定飾り図柄を導出するときに限定されない。例えば、特殊図柄は、遊技者がプッシュボタン31Bを押下して歌唱演出が中止されるとともに表示されてもよい。この場合、例えば「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにてすでに停止表示されている飾り図柄に代えて、特殊図柄が表示されてもよい。
上記実施の形態においては、ステップS609にて実行曲をデフォルト曲に設定した場合であっても、その後に、通常状態中における大当り種別が「大当りC」の大当り遊技状態の発生といった条件が成立することにより、遊技者が曲を選択することができる。しかし、実行曲がデフォルト曲に一旦設定された場合には、その後に遊技者が曲を選択することができないようにしてもよい。
上記実施の形態においては、確変状態のときに、歌唱演出が実行されることとしたが、通常状態のときにも、歌唱演出が実行されるようにしてもよい。この場合にも、通常状態中において大当り遊技状態に制御されるときに、遊技者により選択された曲の歌唱演出が実行されやすくしてもよい。
上記実施の形態においては、大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」および「突確」のいずれであるかにかかわらず、大当り遊技の終了後に確変状態に制御した。しかし、大当り種別として、大当り遊技の終了後に確変状態に制御しない「非確変大当り」を含んでもよい。「非確変大当り」の大当り遊技状態に制御される場合には、歌唱演出が実行されないようにしてもよく、歌唱演出が実行されたとしても、遊技者が選択した曲が再生され難いようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が選択した曲の歌唱演出が実行されたにもかかわらず、確変状態とならなかったことによる遊技の興趣の低下を抑制することができる。
上記実施の形態における歌唱演出が実行される変動パターンに決定する場合、あるいは、実行曲を決定する場合といった、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。例えば、特別図柄の可変表示として、例えば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示してもよい。また、特別図柄以外の識別情報(飾り図柄、普通図柄)の可変表示についても、上記と同様な種々の可変表示が含まれる。例えば、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。また、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。普通図柄を点滅表示することも普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される普通図柄以外の普通図柄が確定普通図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、所定期間経過前では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。
スロットマシンでは、遊技媒体としてのメダルなどを用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。なお、遊技媒体としてのメダルを用いるものに限定されず、メダルの枚数に対応する点数(クレジットなど)を使用して、所定の遊技が実行可能となるものであってもよい。例えば、スロットマシンの筐体前面における所定位置に設けられた所定の投入口からメダルが投入された枚数や、データとして蓄積されているクレジットなどに応じて、賭け数(例えば「1」または「3」)が設定される。その後、所定のスタートスイッチが、遊技者によるスタートレバーに対する所定操作(例えば押下操作)を検出したことに基づいて、図柄表示装置に含まれる「左」、「中」、「右」の各リールが回転を開始し、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始される。
スタートレバーの操作が検出されて可変表示が開始されるときには、乱数回路などによって更新されている遊技用乱数の一部または全部が抽出される。このとき抽出される遊技用乱数には、所定の入賞役が発生することを許容するか否かを決定するために用いられる内部抽選用の乱数値などが含まれていればよい。こうして抽出された内部抽選用の乱数値や現在の遊技状態などに基づいて、所定の当選判定用テーブルを参照することで、内部抽選が行われる。内部抽選に当選した場合は、当選した役に対応した当選フラグが遊技制御用マイクロコンピュータにおけるRAMの所定領域に設定される。
役の種類には、大別して、メダルや得点の付与を伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、たとえ各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。ただし、例えばレギュラーボーナスといった所定の遊技状態中におけるゲーム(ボーナスゲーム)では、特別役の当選が次のゲームへと持ち越されることがないようにしてもよい。
各リールの回転動作による図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」のストップスイッチが、遊技者による所定操作(例えば押入操作)を検出したことに基づいて、対応するリールの回転を停止させ、入賞ライン上に図柄が停止表示される。スロットマシンの図柄表示装置では、例えば5本(上中下段の3本および対角線の2本)あるいは4本(上中段の2本および対角線の2本)といった、複数の入賞ラインが予め定められ、賭け数の設定などに応じて所定数の入賞ラインが有効化される。そして、すべてのリールが回転を停止することで、1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せなどにより、入賞が発生し得る。
スロットマシンにおける遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば最大360枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。なお、スロットマシンは、景品遊技媒体となるメダルを直接に付与するものであってもよいし、景品遊技媒体となるメダルの枚数に対応した得点を付与するものであってもよい。
スロットマシンでは、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知されるアシストタイム(AT)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
こうしたスロットマシンにおいて遊技媒体として用いられるメダルや、その枚数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらのメダルや得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、スロットマシンで再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、スロットマシンにおいて付与可能となる遊技価値は、景品遊技媒体となるメダルの付与や得点の付与に限定されず、例えばレギュラーボーナスやビッグボーナスや他の特別遊技状態に制御すること、特別遊技状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「25」)よりも多い第1回数(例えば「50」)となることといった、遊技者にとって有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
例えばスロットマシンの前面扉には、各種の演出画像を表示可能な画像表示装置が設けられている。また、スロットマシンの上部左右には、効果音を出力する2つのスピーカが設けられている。その他、スロットマシンの前面扉における所定位置には、遊技効果ランプが設けられている。こうしたスロットマシンが備える画像表示装置やスピーカ、遊技効果ランプなどによる演出動作には、例えば遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行することといった、所定の遊技価値が付与される可能性を予告する予告演出が含まれていればよい。スロットマシンが備える演出制御用マイクロコンピュータのCPUは、例えば図柄の可変表示が開始されるときなどに、内部抽選の結果に基づいて、予告演出を実行するか否かと、実行する場合における予告演出の態様を決定する。このときには、予め用意された予告決定用データと、演出制御用マイクロコンピュータの乱数回路などから抽出した予告決定用の乱数値を示す数値データとを用いて、抽出した乱数値と予告演出の有無や演出態様に割り当てられた予告決定値とを比較し、乱数値と合致する決定値や乱数値が含まれる決定値範囲に対応して、予告なし、あるいは予告演出の態様を決定すればよい。
こうしたスロットマシンにおいて実行可能な予告演出として、上記実施の形態における歌唱演出やボタン演出、サビ演出などが含まれていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、歌唱演出やボタン演出などの所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。