図1は、本実施の形態における資金調達システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。資金調達システム10では、資金を調達する資金調達者によって操作される資金調達者端末100と、資金調達システム10を管理するための処理を実行する資金調達管理装置200と、資金調達者からの資金提供の募集に対して資金提供を行う資金提供者によって操作される資金提供者端末300とが通信回線を介して接続されている。
資金調達者端末100は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パソコンなどが用いられる。図2は、本実施の形態における資金調達者端末100として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
資金調達者端末100は、タッチパネル101と、通信モジュール102と、カメラ103と、制御装置104とを備えている。
タッチパネル101は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、資金調達者端末100の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、資金調達者端末100を操作することができる。タッチパネル101は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置104へ出力する。
通信モジュール102は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介して資金調達者端末100をインターネットに接続させるためのモジュールを含む。資金調達者端末100は、通信モジュール102を介してインターネットに接続することにより、資金調達管理装置200と通信を行うことが可能となる。また、通信モジュール102は、
外部の機器を接続して通信を行うためのモジュールを含む。外部の機器に接続するためのインターフェースとしては、例えば、USB接続用モジュールや近距離無線通信モジュールなどが用いられ、本実施の形態では、通信モジュール102を介して、後述するプリンタへデータを出力することができる。
カメラ103は、レンズ、撮像素子、その他周辺回路によって構成される公知の撮像装置である。
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、資金調達者端末100の全体を制御する。なお、制御装置104を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、資金調達者端末100を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
資金調達管理装置200は、インターネットに接続された装置であって、例えば、パソコンやサーバなどが用いられる。図3は、本実施の形態における資金調達管理装置200として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。資金調達管理装置200は、接続インターフェース201と、制御装置202と、記憶媒体203とを備えている。
接続インターフェース201は、資金調達管理装置200をインターネット等の通信回線や外部の機器に接続するためのインターフェースである。インターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースとしては、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。また、外部の機器に接続するためのインターフェースとしては、例えば、USB接続用モジュールや近距離無線通信モジュールなどが用いられる。本実施の形態では、資金調達管理装置200は、この接続インターフェース201を介して資金調達者端末100や資金提供者端末300と通信する。
制御装置202は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、資金調達管理装置200の全体を制御する。なお、制御装置202を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース201を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
記憶媒体203は、資金調達管理装置200が蓄える種々のデータや、制御装置202が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体203に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体203にインストールすることによって、制御装置202がプログラムを実行できるようになる。
資金提供者端末300は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パソコンなどが用いられる。図4は、本実施の形態における資金提供者端末300として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
資金提供者端末300は、タッチパネル301と、通信モジュール302と、カメラ303と、制御装置304とを備えている。
タッチパネル301は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、資金提供者端末300の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、資金提供者端末300を操作することができる。タッチパネル301は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置304へ出力する。
通信モジュール302は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介して資金提供者端末300をインターネットに接続させるためのモジュールを含む。資金提供者端末300は、通信モジュール302を介してインターネットに接続することにより、資金調達管理装置200と通信を行うことが可能となる。
カメラ303は、レンズ、撮像素子、その他周辺回路によって構成される公知の撮像装置である。
制御装置304は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、資金提供者端末300の全体を制御する。なお、制御装置304を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、資金提供者端末300を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
本実施の形態における資金調達システム10は、資金調達を希望する資金調達者が資金募集条件を提示し、これに応じた資金提供希望者が資金提供者となって資金を提供することができる仕組みを提供する。本実施の形態では、例えば、資金調達者は、金銭消費貸借契約に基づいて資金調達を行う事業者や個人事業主を想定し、資金提供希望者は、事業者に対して資金提供を希望する個人や企業を想定して、以下の処理について説明する。また、本実施の形態では、企業による社債を意味する私募債だけでなく、個人事業主も利用できる少人数を対象とした疑似的な私募債(以下「疑似私募債」と呼ぶ)も想定する。以下では、資金調達者が疑似私募債を募集する場合について、処理の説明を行う。なお、以下の説明では、資金提供を希望する人物を資金提供希望者と呼び、資金提供を行った人物を資金提供者と呼んで区別するが、資金提供を行う人物は、資金提供前は資金提供希望者であり、資金提供後は資金提供者であるため、同一人物が資金提供希望者と資金提供者になり得る。また、同一人物が資金調達を行う場合と資金提供を行う場合もあるため、同一人物が資金調達者にも資金提供者にもなり得る可能性がある。
資金調達者は、あらかじめ資金調達者端末100を操作して、タッチパネル101に表示される画面上で、資金調達者に関する情報を入力して、ユーザ登録を行う。資金調達者に関する情報としては、資金調達システム10へログインするためのログイン用メールアドレスとパスワード、資金調達システム10で使用されるニックネーム、資金調達者の名称、連絡先電話番号、金融機関の振込先口座の情報などを含む。また、資金調達システム10のシステム利用料を決済するためのクレジットカード情報を資金調達者に関する情報に含めてもよい。なお、資金調達者の名称は、例えば、資金調達者の屋号や社名が入力される。制御装置104は、資金調達者によって入力された資金調達者に関する情報をユーザ登録情報として、資金調達管理装置200へ送信する。
資金提供希望者は、あらかじめ資金提供者端末300を操作して、タッチパネル301に表示される画面上で、資金提供希望者に関する情報を入力して、ユーザ登録を行う。資金提供希望者に関する情報としては、資金調達システム10へログインするためのログイン用メールアドレスとパスワード、資金調達システム10で使用されるニックネームなどを含む。制御装置304は、資金提供希望者によって入力された資金提供希望者に関する情報をユーザ登録情報として、資金調達管理装置200へ送信する。
資金調達管理装置200では、制御装置202は、資金調達者端末100や資金提供者端末300からユーザ登録情報を受信すると、資金調達システム10におけるユーザを識別するためのユーザ識別情報としてユーザIDを発行し、発行したユーザIDと受信したユーザ登録情報とを関連付けて記憶媒体203に記録する。これによって、資金調達者や資金提供希望者によるユーザ登録が完了する。
資金調達者は、タッチパネル101に表示される画面上で、ユーザ登録の際に登録したログイン用メールアドレスとパスワードを用いて資金調達システム10へログインした後に、資金調達者端末100を操作して、資金提供希望者に向けた資金募集条件を入力する。資金募集条件としては、例えば、疑似私募債を募集する際のタイトル、写真やイメージ図、疑似私募債の募集の詳細や動機、資金提供希望者に向けたアピール、疑似私募債の成立条件、希望調達額、一口あたりの額(資金提供単位)、最大募集人数、疑似私募債の募集期限などの情報が入力される。制御装置104は、資金調達者によって入力された資金募集条件に関する情報を疑似私募債の案件情報として資金調達管理装置200へ送信する。
資金調達管理装置200では、制御装置202は、資金調達者端末100から案件情報を受信すると、資金調達システム10における資金募集案件を一意に特定するための案件特定情報として案件IDを発行し、発行した案件IDと受信した案件情報とを関連付けて記憶媒体203に記録する。このとき、制御装置202は、案件情報に基づき、あらかじめ用意されている雛形に案件情報と事業者の情報を挿入した金銭消費貸借契約を作成し、これを契約情報として案件IDに紐づく形で記憶媒体203へ記録する。
また、制御装置202は、資金募集案件を案内するための資金募集条件情報が掲載された資金募集用ウェブページを生成し、記憶媒体203に記録する。資金募集用ウェブページは、URLを指定してアクセスすることにより、インターネットを介してアクセス可能となっている。これによって、後述する処理によって、該資金募集用ウェブページへアクセスした資金提供希望者に対して、疑似私募債の募集条件等を案内することが可能となる。なお、各疑似募債の資金募集用ウェブページへアクセスするためのURLは、案件IDに基づいて特定できるように、疑似私募債の案件IDとウェブページのURLが関連付けられて記憶媒体203に記録されている。
制御装置202は、資金募集条件に基づいて資金募集案件に対する最大募集人数を特定し、最大募集人数分の発行番号を発行する。制御装置202は、案件IDと発行番号とを関連付けた確認用情報を記憶媒体203に記録する。例えば、疑似私募債の募集対象は実務上50名未満に限られるという点を考慮し、案件IDが1の募集案件に対して、最大募集人数が49人に設定された場合を想定する。この場合、発行番号として、例えば1〜49の番号が連番で発行され、案件ID=1に対して、発行番号1〜49がそれぞれ関連付けられた確認用情報が記憶媒体203に記録される。
記憶媒体203に案件情報と確認用情報が記録されると、資金調達者は、資金調達者端末100を操作して、この案件に対する招待状を発行することが可能となる。本実施の形態では、資金提供希望者に対して、上述した資金募集用ウェブページへのアクセスを促すための招待状が印刷可能となっており、資金調達者は、タッチパネル101上に表示された「招待状を印刷」ボタンを押下することによって、招待状の発行を指示することができる。
制御装置104は、資金調達者によって招待状の発行が指示されると、招待状の発行が指示された疑似私募債の案件IDを資金調達管理装置200へ送信する。資金調達管理装置200では、制御装置202は、資金調達者端末100から案件IDを受信すると、記憶媒体203に記録されている確認用情報に基づいて、資金調達者端末100から受信した案件IDに対して発行されている発行番号を特定する。また、制御装置202は、招待状の発行が指示された疑似私募債の案件IDに関連付けられている資金募集用ウェブページのURLを特定する。
制御装置202は、案件IDに基づいて特定した資金募集用ウェブページのURLに、パラメータとして案件IDと発行番号を付加した招待者アクセス用情報を生成する。招待者アクセス用情報は、1つの発行番号に対して1つずつ、発行番号の数だけ生成される。制御装置202は、生成した招待者アクセス用情報を二次元バーコードに変換し、変換して得た二次元バーコードを資金調達者端末100へ送信する。
資金調達者端末100では、制御装置104は、資金調達管理装置200から受信した二次元バーコードを印字した招待状を通信モジュール102を介して接続されたプリンタから出力する。これによって、それぞれ異なった発行番号が付加された招待者アクセス用情報を二次元バーコード化して印字した招待状が印刷される。なお、上述したように、発行番号は疑似私募債の最大募集人数に応じて発行されているため、最大募集人数分の招待状が印刷されることになる。
資金調達者は、印刷した招待状を、自身が資金提供をお願いしたいと考える第三者に渡す。招待状を渡す方法は特に限定されないが、例えば、手渡しをしたり、電子化してメールに添付したりすればよい。資金調達者から招待状を受け取った人物は、資金提供者端末300を操作して、招待状に印字された二次元バーコードの読み取りを指示する。制御装置304は、二次元バーコードの読み取りが指示されると、カメラ303を起動して、二次元バーコードの撮影を行う。制御装置304は、カメラ303から二次元バーコードの画像データが入力されると、二次元バーコードが示す招待者アクセス用情報を特定し、招待者アクセス用情報に含まれるウェブページのURLにアクセスする。
資金調達管理装置200の制御装置202は、招待者アクセス用情報を用いたウェブページへのアクセスがあった場合には、記憶媒体203に記録されている確認用情報の中に、パラメータとして付加されている案件IDと発行番号の組み合わせが存在するかを判定する。その結果、組み合わせが存在する場合には、資金提供者希望者にシステムへのログインを促すために、ログイン用メールアドレスの入力欄とパスワードの入力欄が表示されたウェブページを資金提供者端末300のタッチパネル301に表示させる。
資金提供者端末300では、制御装置304は、資金提供希望者によってログイン用メールアドレスとパスワードが入力されると、入力された情報を資金調達管理装置200へ送信する。なお、資金提供希望者がまだログイン用メールアドレスとパスワードとからなるログイン情報を有していない場合には、制御装置304は、この段階で資金提供希望者に対してログイン情報の登録を促すようにし、上述した資金提供希望者のユーザ登録処理を行うようにしてもよい。
資金調達管理装置200では、制御装置202は、記憶媒体203に記録されているユーザ登録情報を参照し、資金提供者端末300から受信したログイン用メールアドレスとパスワードに合致するユーザ登録情報が存在する場合にはログインを許可する。また、制御装置202は、ログイン用メールアドレスとパスワードに関連付けられているユーザIDを特定する。そして、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている確認用情報の案件IDと発行番号が、招待者アクセス用情報に含まれる案件IDと発行番号の組に一致するデータに対して、ログインを許可したユーザのユーザIDを紐づけて確認用情報を更新する。
また、制御装置202は、ユーザのログインを許可した場合には、招待者アクセス用情報に含まれる案件IDに関連付けられている案件情報を記憶媒体203から読み出して、該案件情報が掲載された疑似私募債の資金募集用ウェブページを資金提供者端末300へ出力することにより、案件情報が掲載された疑似私募債の招待状画面をタッチパネル301に表示させる。
なお、確認用情報内で案件IDと発行番号にユーザIDが紐づけられた後は、制御装置202は、同じ案件IDと発行番号を含んだ招待者アクセス用情報を用いたアクセスがあった場合は、案件ID、発行番号、ユーザIDがすべて確認用情報に記録されている情報と一致する場合のみ、案件情報が掲載された疑似私募債の招待状画面を資金提供者端末300へ出力して、タッチパネル301に表示させる。これによって、特定の案件IDと発行番号を用いて一度アクセスされた招待状画面は、別のユーザが同じ招待者アクセス用情報を用いてアクセスしても、ユーザIDが異なるため、招待状画面の閲覧を禁止することができる。この場合、すでにこの招待者アクセス用情報は閲覧済みであるとのエラーを表示すればよい。
招待状画面を閲覧した資金提供希望者は、招待状画面に記載された資金募集条件を読み、疑似私募債を引き受けて資金提供するかどうかを判断する。その結果、資金提供すると判断した場合には、画面上に表示されている「資金提供する」ボタンを押下することにより、自身が資金提供者となって資金提供を行うことを申し出ることができる。
制御装置304は、「資金提供する」ボタンが押下された場合には、資金提供のための支払情報を入力するための支払情報入力画面をタッチパネル301に表示し、該支払情報入力画面上で資金提供する金額の情報を含んだ支払情報の入力を受け付ける。制御装置304は、資金提供希望者によって支払情報の入力が行われると、入力された支払情報を資金調達管理装置200へ送信する。
資金調達管理装置200では、制御装置202は、資金提供者端末300から支払情報を受信すると、資金提供の申し出を受け付けた資金提供希望者を資金提供者とし、資金提供者のユーザIDと、案件IDと、発行番号と、資金提供者からの資金提供額とを関連付けた決済情報を記憶媒体203に記録する。
制御装置202は、資金提供者によって入力された支払情報に基づいて決済処理を行い、決済された金額は、疑似私募債の成立条件を満たして疑似私募債が成立するまで、一旦、資金調達システム10の専用口座にプールされる。なお、資金提供を行った資金提供者は、資金提供の判断を保留した場合でも、後から再度ログインして、疑似私募債の募集期限までに資金募集用ウェブページにアクセスすれば資金提供を行うことができる。
ここで、疑似私募債の成立条件について説明する。本実施の形態では、疑似私募債の成立条件として、All or Nothing型とGo Anyway型(All in型とも呼ぶ)を想定する。資金調達者は、資金募集条件を入力する際に、どちらの成立条件を選択するかを指定することができる。
All or Nothing型の場合、募集期限日までに希望調達金額以上に資金提供総額が到達していれば、疑似私募債の契約が発効する。この場合、制御装置202は、募集期限日までに希望調達金額以上に資金提供総額が到達していれば、専用口座にプールしておいた額の全額を、ユーザ登録情報に含まれる資金調達者の振込先口座へ送金する。一方、募集期限日までに希望調達金額以上に資金提供総額が到達していないときには、資金提供者によって支払われた額を、あらかじめ資金提供者が登録した口座へ返金する。
Go Anyway型の場合、期募集期限日までに資金提供総額が希望調達金額に満たない場合であっても、調達された金額のみで疑似私募債の契約が発効する。この場合、制御装置202は、専用口座にプールしておいた額の全額を、ユーザ登録情報に含まれる資金調達者の振込先口座へ送金する。
なお、募集期限や現在までの資金の調達状況は、資金調達者の場合は自らが募集を行った疑似私募債の案件についてのみ、また資金提供者や資金提供希望者の場合は、それぞれ招待を受けた全ての案件を対象として、資金調達システム10にログインすることによって確認することができる。また、制御装置202は、募集期限日の到来時点で、疑似私募債がどのような結果となったかについての情報を、資金調達者と資金提供者のメールアドレスに宛てて送信する。これによって、資金調達者と資金提供者は、資金調達結果を把握することができる。
疑似私募債が発効した後は、資金提供者は、自身が資金提供した疑似私募債の招待状画面のウェブページへアクセスして資金調達システム10にログインすると、募集時に表示されていた「資金提供する」ボタンは「資金提供済み」ボタンに変更されている。資金提供者は、「資金提供済み」ボタンを押下することにより、タッチパネル301に、自身が資金提供者であることを示す情報が掲載された資金提供者用ウェブページへアクセスするための情報を表示させることができる。なお、各疑似私募債の資金提供者用ウェブページへアクセスするためのURLは、案件IDに基づいて特定できるように、疑似私募債の案件IDとウェブページのURLが関連付けられて記憶媒体203に記録されている。
具体的には、制御装置304は、資金提供者によって「資金提供済み」ボタンが押下された場合には、ログイン中ユーザのユーザIDを資金調達管理装置200へ送信する。資金調達管理装置200では、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている決済情報に基づいて、ログイン中ユーザのユーザIDに関連付けられている案件IDと、発行番号を特定する。また、制御装置202は、特定した案件IDに基づいて、資金提供者用ウェブページへアクセスするためのURLを特定する。制御装置202は、特定した資金提供者用ウェブページのURLと、資金提供者が資金提供を行った案件IDと、発行番号と、ユーザIDとを含んだ二次元バーコードを生成して資金提供者端末300へ送信することにより、資金提供者端末300のタッチパネル301に資金提供者アクセス用情報を表示させる。
資金提供者は、タッチパネル301に表示された二次元バーコードを、資金調達者が経営する店舗等において提示する。資金提供者は、資金提供者端100を操作して、資金提供者によって提示された二次元バーコードの読み取りを指示することができる。制御装置104は、二次元バーコードの読み取りが指示されると、カメラ103を起動して、二次元バーコードの撮影を行う。制御装置104は、カメラ103から二次元バーコードの画像データが入力されると、二次元バーコードが示す資金提供者アクセス用情報を特定し、資金提供者アクセス用情報に含まれるウェブページのURLにアクセスする。
資金調達管理装置200の制御装置202は、資金提供者アクセス用情報を用いたウェブページへのアクセスがあった場合には、記憶媒体203に記録されている決済情報の中に、資金提供者アクセス用情報に含まれる案件IDと発行番号とユーザIDの組に一致する情報がある場合に、資金提供者アクセス用情報の提示者は正当な資金提供者であることを示す情報を表示したウェブページを資金調達者端末100のタッチパネル101に表示させる。これによって、資金調達者は、来店客が正当な資金提供者であることを確認することができる。
以下、図5〜図14に示すフローチャートを用いて、資金調達者端末100、資金調達管理装置200、資金提供者端末300で実行される処理の流れについて説明する。なお、図5〜図14においては、上述したユーザ登録情報の登録は完了しており、資金調達管理装置200の記憶媒体203には、ユーザIDとユーザ登録情報とを関連付けたユーザ情報が既に記録されているものとする。また、以下の説明では、資金調達者、資金提供希望者、資金提供者は、すでにシステムへのログインを完了しているものとする。
図5は、本実施の形態における資金調達者端末100で実行される資金募集条件入力受付処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、上述した資金募集条件の入力開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
ステップS10において、制御装置104は、資金調達者による資金募集条件の入力が完了したか否かを判断する。ステップS10で肯定判断した場合には、ステップS20へ進む。
ステップS20では、制御装置104は、入力された資金募集条件に関する情報を疑似私募債の案件情報として資金調達管理装置200へ送信する。その後、処理を終了する。
図6は、本実施の形態における資金調達者端末100で実行される招待状印刷処理の流れを示すフローチャートである。図6に示す処理は、資金調達者によって招待状の発行が指示されると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
ステップS110において、制御装置104は、招待状の発行が指示された疑似私募債の案件IDを資金調達管理装置200へ送信して、招待状の発行を要求する。その後、ステップS120へ進む。
ステップS120では、制御装置104は、資金調達管理装置200から二次元バーコードが印字された招待状のデータを受信したか否かを判断する。ステップS120で肯定判断した場合には、ステップS130へ進む。
ステップS130では、制御装置104は、資金調達管理装置200から受信した招待状データを通信モジュール102を介して接続されたプリンタから出力することにより印刷する。その後、処理を終了する。
図7は、本実施の形態における資金調達者端末100で実行される資金提供者確認処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、資金調達者によって資金提供者アクセス用情報の二次元バーコードの読み取りが指示されると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
ステップS210において、制御装置104は、カメラ103を起動して、二次元バーコードの撮影を行い、二次元バーコードが示す資金提供者アクセス用情報を特定する。その後、ステップS220へ進む。
ステップS220では、制御装置104は、資金提供者アクセス用情報に含まれるウェブページのURLにアクセスする。その後、処理を終了する。
図8は、本実施の形態における資金調達管理装置200で実行される案件情報登録処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、資金調達者端末100から上述した案件情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。
ステップS310において、制御装置202は、上述した案件IDを発行し、発行した案件IDと受信した案件情報とを関連付けて記憶媒体203に記録する。その後、ステップS320へ進む。
ステップS320では、制御装置202は、上述したように資金募集案件を案内するための資金募集条件情報が掲載された資金募集用ウェブページを生成し、記憶媒体203に記録する。その後、ステップS330へ進む。
ステップS330では、制御装置202は、資金募集条件に基づいて資金募集案件に対する最大募集人数を特定し、最大募集人数分の発行番号を発行して、案件IDと発行番号とを関連付けた確認用情報を記憶媒体203に記録する。その後、ステップS340へ進む。
ステップS340では、制御装置202は、上述したように、案件情報に基づき、あらかじめ用意されている雛形に案件情報と事業者の情報を挿入した金銭消費貸借契約を作成し、これを契約情報として案件IDに紐づく形で記憶媒体203へ記録する。その後、処理を終了する。
図9は、本実施の形態における資金調達管理装置200で実行される招待状発行処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、資金調達者端末100から上述した案件IDを受信して招待状の発行要求を受け付けたときに起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。
ステップS410において、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている確認用情報に基づいて、資金調達者端末100から受信した案件IDに対して発行されている発行番号を特定し、招待状の発行が指示された疑似私募債の案件IDに関連付けられている資金募集用ウェブページのURLを特定する。そして、制御装置202は、案件IDに基づいて特定した資金募集用ウェブページのURLに、パラメータとして案件IDと発行番号を付加した招待者アクセス用情報を生成する。その後、ステップS420へ進む。
ステップS420では、制御装置202は、生成した招待者アクセス用情報を二次元バーコードに変換し、変換して得た二次元バーコードの情報を資金調達者端末100へ送信する。その後、処理を終了する。
図10は、本実施の形態における資金調達管理装置200で実行される資金募集用ウェブページ出力処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す処理は、資金提供者端末300から上述した招待者アクセス用情報を用いたウェブページへのアクセスがあったときに起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。
ステップS510において、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている確認用情報の中に、招待者アクセス用情報にパラメータとして付加されている案件IDと発行番号の組み合わせが存在するか否かを判断する。ステップS510で否定判断した場合には、ステップS520へ進み、エラーメッセージが表示されたウェブページを資金提供者端末300へ送信してタッチパネル301に表示させて処理を終了する。これに対して、ステップS510で肯定判断した場合には、ステップS530へ進む。
ステップS530では、制御装置202は、資金提供者希望者にシステムへのログインを促すために、ログイン用メールアドレスの入力欄とパスワードの入力欄が表示されたウェブページをログイン画面として資金提供者端末300のタッチパネル301に表示させる。その後、ステップS540へ進む。
ステップS540では、制御装置202は、記憶媒体203に記録されているユーザ登録情報を参照し、ログイン画面上で入力されたログイン用メールアドレスとパスワードに合致するユーザ登録情報が存在するか否かを判定することにより、認証OKか否かを判断する。ステップS540で否定判断した場合には、ステップS520へ進み、エラーメッセージが表示されたウェブページを資金提供者端末300へ送信してタッチパネル301に表示させ、処理を終了する。これに対して、ステップS540で肯定判断した場合には、ログインを許可してステップS550へ進む。
ステップS550では、制御装置202は、ログイン用メールアドレスとパスワードに関連付けられているユーザIDを特定し、記憶媒体203に記録されている確認用情報の案件IDと発行番号が、招待者アクセス用情報に含まれる案件IDと発行番号の組に一致するデータに、ユーザIDが紐づけられているか否かを判断する。
ステップS550で否定判断した場合には、ステップS560へ進む。ステップS560では、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている確認用情報の案件IDと発行番号が、招待者アクセス用情報に含まれる案件IDと発行番号の組に一致するデータに対して、ログインを許可したユーザのユーザIDを紐づけて確認用情報を更新する。その後、後述するステップS580へ進む。
一方、ステップS550で肯定判断した場合には、ステップS570へ進む。ステップS570では、制御装置202は、確認用情報で案件IDと発行番号に紐づけられているユーザIDが、ログインしたユーザのユーザIDに一致しているか否かを判断する。ステップS570で否定判断した場合には、ステップS520へ進み、エラーメッセージが表示されたウェブページを資金提供者端末300へ送信してタッチパネル301に表示させ、処理を終了する。これに対して、ステップS570で肯定判断した場合には、ステップS580へ進む。
ステップS580では、制御装置202は、案件情報が掲載された疑似私募債の招待状画面を資金提供者端末300に出力してタッチパネル301表示させる。その後、処理を終了する。
図11は、本実施の形態における資金調達管理装置200で実行される資金提供受付処理の流れを示すフローチャートである。図11に示す処理は、資金提供者端末300から上述した支払情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。
ステップS610において、制御装置202は、資金提供の申し出を受け付けた資金提供希望者を資金提供者とし、資金提供者のユーザIDと、案件IDと、発行番号と、資金提供者からの資金提供額とを関連付けた決済情報を記憶媒体203に記録する。その後、ステップS620へ進む。
ステップS620では、制御装置202は、疑似私募債の成立条件を満たしたか否かを判断する。ステップS620で肯定判断した場合には、ステップS630へ進み、制御装置202は、専用口座にプールしておいた額の全額を、ユーザ登録情報に含まれる資金調達者の振込先口座へ送金するための送金処理を実行する。その後、処理を終了する。
これに対して、ステップS620で否定判断した場合には、ステップS640へ進み、制御装置202は、専用口座にプールしておいた資金提供者によって支払われた額を、あらかじめ資金提供者が登録した口座へ返金するための返金処理を実行する。その後、処理を終了する。
図12は、本実施の形態における資金調達管理装置200で実行される資金提供者用ウェブページ出力処理の流れを示すフローチャートである。図12に示す処理は、招待状画面のウェブページ上で、資金提供者によって「資金提供済み」ボタンが押下されて資金提供者端末300からログイン中ユーザのユーザIDを受信すると起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。
ステップS710において、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている決済情報に基づいて、ログイン中ユーザのユーザIDに関連付けられている案件IDと、発行番号を特定する。また、制御装置202は、特定した案件IDに基づいて、資金提供者用ウェブページへアクセスするためのURLを特定する。そして、制御装置202は、特定した資金提供者用ウェブページのURLと、資金提供者が資金提供を行った案件IDと、発行番号と、ユーザIDとを含んだ二次元バーコードを生成して資金提供者端末300へ送信することにより、資金提供者端末300のタッチパネル301に資金提供者アクセス用情報を表示させる。その後、ステップS720へ進む。
ステップS720では、制御装置202は、資金提供者アクセス用情報を用いたウェブページへのアクセスがあったか否かを判断する。ステップS720で肯定判断した場合には、ステップS730へ進む。
ステップS730では、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている決済情報の中に、資金提供者アクセス用情報に含まれる案件IDと発行番号とユーザIDの組に一致する情報がある場合に、資金提供者アクセス用情報の提示者は正当な資金提供者であることを示す情報を表示したウェブページを資金調達者端末100へ出力して、タッチパネル101に表示させる。その後、処理を終了する。
図13は、本実施の形態における資金提供者端末300で実行される資金提供申込処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理は、招待状に印字された二次元バーコードの読み取りが指示されると起動するプログラムとして、制御装置304によって実行される。
ステップS810において、制御装置304は、上述したように、カメラ303を起動して二次元バーコードの撮影を行い、二次元バーコードの画像データから二次元バーコードが示す招待者アクセス用情報を特定し、招待者アクセス用情報に含まれるウェブページのURLにアクセスする。その後、ステップS820へ進む。
ステップS820では、制御装置304は、資金調達管理装置200のからの出力に基づいて、タッチパネル301にログイン用メールアドレスの入力欄とパスワードの入力欄が表示されたウェブページを表示する。その後、ステップ830へ進む。
ステップS830では、ステップS820で表示したウェブページ上でログイン情報、すなわちログイン用メールアドレスとパスワードが入力されたか否かを判断する。ステップS830で肯定判断した場合には、ステップS840へ進む。
ステップS840では、ウェブページ上で入力されたログイン情報を資金調達管理装置200へ送信する。その後、ステップS850へ進む。
ステップS850では、制御装置304は、資金調達管理装置200のからの出力に基づいて、タッチパネル301に案件情報が掲載された疑似私募債の資金募集用ウェブページを表示する。その後、ステップS860へ進む。
ステップS860では、制御装置304は、資金募集用ウェブページ上で「資金提供する」ボタンが押下されることにより、資金提供の申し出を受け付けたか否かを判断する。ステップS860で否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、ステップS860で肯定判断した場合には、ステップS870へ進む。
ステップS870では、制御装置304は、資金提供のための支払情報を入力するための支払情報入力画面をタッチパネル301に表示する。その後、ステップ880へ進む。
ステップS880では、制御装置304は、支払情報入力画面上で資金提供する金額の情報を含んだ支払情報の入力を受け付けたか否かを判断する。ステップS880で肯定判断した場合には、ステップS890へ進む。
ステップS890では、制御装置304は、資金提供希望者によって入力された支払情報を資金調達管理装置200へ送信する。その後、処理を終了する。
図14は、本実施の形態における資金提供者端末300で実行される資金提供者アクセス用情報表示処理の流れを示すフローチャートである。図14に示す処理は、上述した招待状画面のウェブページ上で「資金提供済み」ボタンが押下されたときに起動するプログラムとして、制御装置304によって実行される。
ステップS910において、制御装置304は、ログイン中ユーザのユーザIDを資金調達管理装置200へ送信する。その後、ステップS920へ進む。
ステップS920では、制御装置304は、資金調達管理装置200のからの出力に基づいて、タッチパネル301に資金提供者アクセス用情報を表示する。その後、処理を終了する。
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)資金調達システム10では、資金調達者から資金提供希望者に向けた資金募集条件の入力を受け付け、入力を受け付けた資金募集条件を示す資金募集条件情報と資金募集案件を特定するための案件特定情報とを関連付けて記憶媒体203に記録し、資金募集条件に基づいて資金募集案件に対する募集人数を特定し、募集人数分の発行番号を発行して、案件特定情報と発行番号とを関連付けた確認用情報を記憶媒体203に記録する。そして、資金募集案件を案内するための資金募集条件情報が掲載されたウェブページへ資金提供希望者を招待するために、資金募集条件情報が掲載されたウェブページへアクセスするための情報と案件特定情報と発行番号とを含んだ招待者アクセス用情報を、1つの発行番号に対して1つずつ、発行番号の数だけ発行し、招待者アクセス用情報に基づいて、資金提供希望者から資金募集条件情報が掲載されたウェブページへのアクセスがあったときに、アクセスしたユーザを識別するためのユーザ識別情報を特定し、ウェブページ上で資金提供希望者から資金募集案件に対する資金提供の申し出を受け付け、資金提供希望者からの資金募集案件に対する資金提供の申し出を受け付けたときに、資金提供を申し出た資金提供希望者を資金提供者とし、資金提供者のユーザ識別情報と、案件特定情報と、発行番号と、資金提供者からの資金提供額とを関連付けた決済情報を記憶媒体203に記録するようにした。これによって、資金調達者は、資金調達システム10を利用して、資金提供者を募集し、資金提供を受けることができる。また、招待用情報の発行数を発行番号の数に制限することができるため、少人数私募債のように勧誘対象先の人数に制限がある場合であっても、その制限人数以上の勧誘を防ぐことができる。また、従来の私募債や疑似私募債の発行においては、個別案件ごとに煩雑な法律実務上の工程を必要としたが、本システムを利用することによって、最小限の情報を端末から入力することによって迅速に私募債または擬似私募債の発行が可能となる。
(2)資金調達システム10では、招待者アクセス用情報に基づいて、資金提供希望者から資金募集条件情報が掲載されたウェブページへのアクセスがあったときに、記憶媒体203に記録されている確認用情報の中に、招待者アクセス用情報に含まれる案件特定情報と発行番号との組に一致する情報がある場合に、ウェブページ上で資金提供希望者から資金募集案件に対する資金提供の申し出を受け付けるようにした。これによって、資金調達者が渡した招待状に印字されている二次元バーコードを利用してアクセスしたユーザのみから、資金提供の申し出を受けることができるようにすることができる。
(3)資金調達システム10では、記憶媒体203に記録されている確認用情報の中に、招待者アクセス用情報に含まれる案件特定情報と発行番号との組に一致する情報がある場合に、一致した案件特定情報と発行番号との組に、ウェブページへのアクセス者である資金提供希望者のユーザ識別情報を関連付けて、確認用情報を更新するようにした。そして、確認用情報にユーザ識別情報が含まれている場合には、記憶媒体203に記録されている確認用情報の中に、招待者アクセス用情報に含まれる案件特定情報と発行番号、およびユーザ識別情報特定手段によって特定されたユーザ識別情報の組に一致する情報がある場合に、ウェブページ上での資金募集条件情報の閲覧を許可するようにした。これによって、特定の案件特定情報と発行番号を用いて一度アクセスされた招待状画面のウェブページは、別のユーザが同じ招待者アクセス用情報を用いてアクセスしても、ユーザIDが異なるため、招待状画面の閲覧を禁止することができる。
(4)資金調達システム10では、資金提供を行った資金提供者に対して、資金提供者であることを示す情報が掲載されたウェブページへアクセスするための情報、および該資金提供者が資金提供を行った資金募集案件に対する決済情報に含まれる案件特定情報、発行番号、ユーザ識別情報を含んだ資金提供者アクセス用情報を発行するようにした。そして、資金提供者アクセス用情報を提示された資金調達者から、資金提供者アクセス用情報に基づいて資金提供者であることを示す情報が掲載されたウェブページへのアクセスがあったときに、記憶媒体203に記録されている決済情報の中に、資金提供者アクセス用情報に含まれる案件特定情報と発行番号とユーザ識別情報の組に一致する情報がある場合に、資金提供者アクセス用情報の提示者は正当な資金提供者であることを示す情報を表示したウェブページを表示するようにした。これによって、資金調達者は、資金提供者アクセス用情報を提示した人物が正当な資金提供者であることを確認することができる。
(5)資金調達システム10では、ユーザ識別情報であるユーザIDは、システムへログインするためのログイン情報と関連付けて記憶媒体203に記録されており、資金提供希望者からウェブページへのアクセスがあったときに、資金提供希望者にシステムへのログインを促し、入力されたログイン情報に基づいてユーザ識別情報を特定するようにした。また、資金提供希望者がログイン情報を有していない場合には、資金提供希望者に対してログイン情報の登録を促し、ログイン情報の登録が指示されたときに、ユーザ識別情報を発行して、ログイン情報とユーザ識別情報とを関連付けて記憶媒体203に記録するようにした。これによって、ログインされたユーザのユーザIDを特定して処理で利用することができる。
(6)資金調達システム10では、資金募集条件に、あらかじめ設定された期日までに資金提供者からの資金提供額があらかじめ設定された希望調達額に到達した場合に契約が発効する条件が含まれている場合には、期日までに提供された資金の総額が、希望調達額に達しているときには、期日までに提供された資金の総額を、あらかじめ資金調達者が登録した口座へ送金し、期日までに提供された資金の総額が、希望調達額に達していないときには、資金提供者によって支払われた額を、あらかじめ資金提供者が登録した口座へ返金するようにした。これによって、疑似私募債の成立条件としてAll or Nothing型が選択された場合に、成立条件に応じた処理を行うことができる。
(7)資金調達システム10では、資金募集条件に、あらかじめ設定された期日までに資金提供者からの資金提供額があらかじめ設定された希望調達額に到達していない場合でも契約が発効する条件が含まれている場合には、期日までに提供された資金の総額を、あらかじめ資金調達者が登録した口座へ送金するようにした。これによって、疑似私募債の成立条件としてGo Anyway型が選択された場合に、成立条件に応じた処理を行うことができる。
―変形例―
なお、上述した実施の形態の資金調達システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、資金調達管理装置200の制御装置202は、案件IDに基づいて特定した資金募集用ウェブページのURLに、パラメータとして案件IDと発行番号を付加した招待者アクセス用情報を生成する例について説明した。このとき、制御装置202は、パラメータを所定の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化してから資金募集用ウェブページのURLに付加して招待者アクセス用情報を生成するようにしてもよい。これによって、案件IDと発行番号が不正に読み取られるのを防止することができる。
(2)上述した実施の形態では、資金調達管理装置200の制御装置202は、資金提供者アクセス用情報を用いたウェブページへのアクセスがあった場合には、記憶媒体203に記録されている決済情報の中に、資金提供者アクセス用情報に含まれる案件IDと発行番号とユーザIDの組に一致する情報がある場合に、資金提供者アクセス用情報の提示者は正当な資金提供者であることを示す情報を表示したウェブページを資金調達者端末100のタッチパネル101に表示させるようにした。このとき、資金提供者に対して、資金調達者から資金提供に対する返済として、資金提供額に応じた額の電子商品券が発行されている場合には、ウェブページ上に資金提供額と電子商品券の保有額を表示するようにしてもよい。例えば、資金提供者が保有する電子商品券の保有額が案件ID、発効番号、ユーザIDに関連付けて記憶媒体203に記録されており、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている情報に基づいて、資金調達者が電子商品券を保有している場合には、ウェブページ上に資金提供額と電子商品券の保有額を表示すればよい。これによって、資金調達者は、資金提供者が自店舗で使用できる電子商品券を有している旨、およびその保有額を確認することができる。
資金提供者は、資金調達者の店舗で電子商品券を決済に使用することができるようにしてもよい。この場合、資金調達者が電子商品券の保有額が表示されている画面上で決済額を入力すると、制御装置104は、決済額を資金調達管理装置200へ送信する。資金調達管理装置200の制御装置202は、資金調達者端末100から決済額を受信すると、記憶媒体203に記録されている資金提供者が保有する電子商品券の保有額から、決済に使用された額を減算して、電子商品券の保有額を更新する。さらに、資金提供者端末300のタッチパネル301に表示された資金提供者アクセス用情報に「残高確認」ボタンを表示しておき、資金提供者は、「残高確認」ボタンを押下することで、資金調達管理装置200の記憶媒体203に記録されている自身が保有している電子商品券の保有額を確認できるようにしてもよい。
(3)上述した実施の形態における資金調達システム10では、資金調達者からの特定の資金提供者に宛てたメッセージの入力を受け付け、入力を受け付けたメッセージを記憶媒体203に記録しておき、資金提供者からの資金調達者に宛てたメッセージの入力を受け付け、入力を受け付けたメッセージを記憶媒体203に記録しておき、資金提供者と資金調達者は、それぞれ自身宛のメッセージを閲覧することができるようにしてもよい。これによって、資金提供者と資金調達者は、互いにコミュニケーションを図ることができる。また、資金提供者と資金調達者が互いにメッセージをやり取りすることができるようにすれば、資金提供者と資金調達者の相互理解が高まる上、資金調達者は、資金提供者からのメッセージによって事業についての改善点を把握したり、資金提供者へ資金提供者限定のセール情報等を送るなどして、マーケティング活動にも利用することができる。
(4)上述した実施の形態における資金調達システム10では、資金調達者は、資金調達者端末100を操作して資金提供希望者に向けた資金募集条件を入力するようにし、制御装置104は、資金調達者によって入力された資金募集条件に関する情報を疑似私募債の案件情報として資金調達管理装置200へ送信するようにした。そして、資金調達管理装置200では、制御装置202は、資金調達者端末100から案件情報を受信すると、案件IDを発行し、発行した案件IDと受信した案件情報とを関連付けて記憶媒体203に記録する例について説明した。このとき、資金調達システム10の管理者は、資金調達者によって入力された資金募集条件が法令、公序良俗、信義則に反する内容でないかを確認することができるようにし、制御装置202は、資金調達システム10の管理者によって資金募集条件が承認された場合に、案件IDを発行して、案件IDと案件情報とを関連付けて記憶媒体203に記録するようにしてもよい。
(5)上述した実施の形態における資金調達システム10では、制御装置202は、資金募集条件に基づいて資金募集案件に対する最大募集人数を特定し、最大募集人数分の発行番号を発行し、招待状を発行番号の数だけ発行することによって、招待状の発行枚数を制限する例について説明した。この場合、資金調達者が何度も資金調達を繰り返すことによって、招待状の発行枚数制限を回避することができてしまう可能性がある。これを防止するために、制御装置202は、一人の資金調達者が資金調達を行うことができる回数を、例えば半年に1回などのように制限できるようにしてもよい。
(6)上述した実施の形態では、制御装置202は、資金調達者端末100から案件情報を受信すると、案件IDを発行し、発行した案件IDと受信した案件情報とを関連付けて記憶媒体203に記録するとともに、資金募集案件を案内するための資金募集条件情報が掲載された資金募集用ウェブページを生成する例について説明した。しかしながら、制御装置202は、招待者アクセス用情報を用いたウェブページへのアクセスがあったときに、資金募集用ウェブページを生成するようにしてもよい。
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。