JP6468569B2 - 水バイナリーサイクル発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、水を作動媒体とするバイナリーサイクル発電システムに関する。
バイナリーサイクル発電システムとしては、作動媒体(作動流体)として、フロン系冷媒、炭化水素系冷媒、アンモニア等を用いるものがある。これらの媒体には、それぞれ課題がある。
例えば、フロン系冷媒は、地球温暖化係数が大きいという問題がある。炭化水素系冷媒も、地球温暖化係数が大きく、爆発性を有するという問題がある。アンモニアは、自然冷媒であり、地球温暖化係数は小さいが、爆発性と毒性、強い臭気を有しており、漏洩した場合の環境に与える影響が大きいという問題がある。
また、バイナリーサイクル発電システムの回転軸系の潤滑には、通常、潤滑油が使用されており、潤滑油が作動媒体に混入して、熱交換器の伝熱面に付着し、伝熱効率を下げるという問題がある。また、汚染の原因となるという問題もある。
非特許文献1では、世界中で開発されているバイナリーサイクル発電システムに関する調査結果が示されており、バイナリーサイクル発電システムに使われている各種の作動媒体の作動温度範囲が示されている。ここで、水の温度範囲は、100℃以上とされているが(図9)、これは、バイナリーサイクル発電システムは、大気圧以上で作動するものとの固定概念があるためであると考えられる。
この水は、非特許文献2に示されるように、潜熱比の大きさが他の作動媒体と大きく異なっており、温度200℃以下では、水の潜熱比は、70−80%と他の作動媒体に比べて卓越して大きいことが示されている(図10)。
一方、特許文献1のバイナリーサイクル発電システムでは、凝縮器出口の温度と圧力を計測して凝縮器の水位制御を行って、作動媒体の凝縮を制御しているが、作動媒体の飽和温度と飽和圧力の関係は、図11に示すように、リニアな関係であるが、飽和線を外れると、温度と圧力の関係は、リニアな関係ではないので、水位の制御のみでは凝縮現象を制御することはできない。
特許第5639515号
P. Colonna, ORC mini-turbogenerator: Research on a solution for distributed solar cogeneration with zero emissions 福田 憲弘、香月 紀人、緒方 寛、齊藤 象二郎、星 信行、岩井 弘二、地熱バイナリー発電システム、三菱重工技報 Vol.51 No.1 (2014) 新製品・新技術特集
本発明の課題は、水を作動媒体として用いた、環境負荷や環境汚染のない水バイナリーサイクル発電システムを提供することにある。
小型のバイナリーサイクル発電システムが実用化された場合、温泉、工場排熱、太陽熱を熱源として使用するために、人の居住域に近い場所に設置されることが想定される。したがって、このようなシステムには、人や環境への影響がないことが要求される。
現状のバイナリーサイクル発電システムは、地球温暖化に対する配慮がなされ、自然冷媒や温暖化係数の小さな媒体が使用されている。しかし、人の居住家屋、温泉、温室、養殖池等の熱源に、発電システムで使用した温泉水や温水が使われることが多いことから、温水が何らかの物質で汚染されていないことが必須の条件となる。例えば、温泉の場合、発電システムに使用された温泉水は、浴用に使われるので、匂い、味、肌への影響などがないことが求められる。また、まぐろ等の魚類や甲殻類の養殖、果物や野菜栽培用温室栽培等に利用される場合も、一切の汚染がないことが要求され、万一、汚染が発生すると、高価な生産品の販売ができず、多大な損害を被ることになり、発電で得られた収益では、到底保証できない。このような汚染の原因となるものは、毒性や爆発性を有するアンモニア等の作動媒体、各種機器の潤滑油などが挙げられる。
現状、作動媒体の選定基準が、温暖化係数の小さなことに置かれているため、自然冷媒のアンモニア、炭化水素系のペンタン、プロパン、ブタン、温暖化係数の小さなR245fa等が採用されている。これらの媒体を使用する場合、発電機の回転軸の潤滑に潤滑油が使われており、汚染の原因となると共に、熱交換器の伝熱面に付着して、熱交換を阻害する原因となっている。
例えば、特許第5639534号公報の段落[0024]には、スクリュー式膨張機においてスクリューロータ間のシールを向上させるべく油が用いられており、作動媒体に混入した油を、スクリュー式膨張機と凝縮器との間に設けられた油分離器により分離して回収している。
本発明者らは、バイナリーサイクル発電システムについて鋭意調査・研究した結果、水の蒸発、凝縮、完全密閉の方法、密閉した場合の圧力と媒体流量の制御方法等を最適化することにより、環境負荷ゼロの水を作動媒体とした水バイナリーサイクル発電システムを完成させ、さらに、発電機の回転軸の潤滑に水を用いることにより、環境負荷や環境汚染をより低減できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発した作動媒体により駆動する発電機と、発電機を通過した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、作動媒体を循環させる循環ポンプとを具備する、作動媒体が流通する循環回路を備えたバイナリーサイクル発電システムであって、前記蒸発器において作動媒体を蒸発させる加熱媒体が温水であると共に、前記作動媒体が水であり、かつ、前記作動媒体である水が、加熱媒体である温水により蒸発可能な低圧状態で、密閉された循環回路内に封入されていることを特徴とする水バイナリーサイクル発電システム。
[2]発電機の回転軸を支持する軸受が、水を潤滑剤とする水潤滑軸受であることを特徴とする[1]記載の水バイナリーサイクル発電システム。
[3]水潤滑軸受の潤滑剤が作動媒体の水であることを特徴とする[2]記載の水バイナリーサイクル発電システム。
[4]蒸発器及び凝縮器が、プレート型熱交換器であると共に、その下部にそれぞれ液溜を具備し、前記凝縮器の液溜が蒸発器の液溜に比して下方に設けられたことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の水バイナリーサイクル発電システム。
[5]循環ポンプが、駆動モータ回転数を制御できるポンプであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載の水バイナリーサイクル発電システム。
[6]循環回路が、蒸発器へ供給する作動媒体の流量を制御する流量制御弁を具備することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか記載の水バイナリーサイクル発電システム。
[7]凝縮器の下流かつ蒸発器の上流に、循環ポンプ及び流量制御弁が上流側から順次設けられ、蒸発器へ供給される水の圧力と流量を同時に制御できるよう構成したことを特徴とする[6]記載の水バイナリーサイクル発電システム。
[8]循環ポンプと流量制御弁の間に分岐管路が設けられ、該分岐管路と水潤滑軸受の給水口とが接続されたことを特徴とする[7]記載の水バイナリーサイクル発電システム。
[9]循環ポンプの下流に分岐管路が設けられ、該分岐管路と水潤滑軸受の給水口とが接続されたことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか記載の水バイナリーサイクル発電システム。
本発明の水バイナリーサイクル発電システムによれば、水を作動媒体とすることによって、地球温暖化係数0、大気等の自然界の環境汚染物質0とすることができ、環境負荷をゼロとすることができる。さらに、一般の軸受で採用されている潤滑油の代わりに水を使う水潤滑軸受を採用することにより、潤滑油による汚染もなくなり、環境負荷及び環境汚染を完全にゼロとすることができる。
タービン入口及び出口の所定条件での各種媒体の理論速度の比較図である。 水の温度に対する飽和圧力を示す図である。 本発明の水バイナリー発電システムの系統図の一例である。 図3に示す系統図に対応するP−H(圧力−エンタルピー)線図である。 第1実施形態に係る水バイナリーサイクル発電システムの概略図である。 第2実施形態に係る水バイナリーサイクル発電システムの概略図である。 第3実施形態に係る水バイナリーサイクル発電システムの概略図である。 第4実施形態に係る水バイナリーサイクル発電システムの概略図である。 各種媒体を使った原動機の出力に対する温度範囲を示した図である。 4種の媒体(水、ペンタン、R245fa、イソブタン)の潜熱比の比較図である。 4種の媒体(アンモニア、フロンR245fa、ペンタン、水)の温度に対する飽和圧力を示した図である。
本発明の水バイナリーサイクル発電システムとしては、作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発した作動媒体により駆動する発電機と、発電機を通過した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、作動媒体を循環させる循環ポンプとを具備する循環回路を備え、前記作動媒体が水であり、かつ、前記循環回路が密閉され、真空状態で前記作動媒体である水が封入されたものであれば特に制限されるものではなく、システム全体(作動媒体が流通する循環回路)を密閉して低圧に保持し、作動媒体としての水を低温で蒸発させて発電させることを特徴とする。
水は、海抜0mの大気圧101.25kPaでは、100℃で蒸発するが、圧力を下げると、100℃以下の温度で蒸発することは知られている。例えば、80℃では、飽和蒸気圧力は47.4kPaであり、30℃では、4.25kPaである。この蒸発温度(80℃)と凝縮温度(30℃)で作動する蒸気タービンの作動媒体として、各種の作動流体を使った場合の理論速度の比較図を図1に示す。これらの作動媒体の中で、水の理論速度が最も大きく、発電出力は、流量と理論速度の二乗の積に比例するので、同一流量での発電出力を最も大きくしやすいことが理解できる。具体的に、例えば、蒸発温度77℃、凝縮温度28℃で、水を作動媒体とするバイナリーサイクルを構成すると、タービン圧力比は11、理論速度約750m/sとなり、大きな運動エネルギーが得られ、流体力を回転力に効率よく変換できる。
また、図2に示すように、水は、媒体昇圧のためのヘッドが小さく、媒体の密度が小さいため、媒体ポンプ動力が小さく、高い効率が得られる。
本発明のシステムの蒸発器において、加熱媒体である温水等の温度と作動媒体である水との温度差は、温水流量と作動媒体流量の比率を調整することで制御することができる。作動媒体の蒸発は、飽和蒸気線近傍の制御設定点で作動するように制御される。例えば、蒸発器出口における作動媒体(水)の温度と圧力の計測値から、乾き度又は湿り度を算出(乾き域にあるのか湿り域にあるのかを判断)、物性値計算結果を比較し、計測値を確認して、飽和蒸気線近傍の制御設定点で作動するように制御する。
同様に、凝縮器入口の温度と圧力を計測、飽和線上の物性計算結果と比較して、凝縮器入口の圧力が所定の圧力であるかを判断し、冷水流量と媒体流量の調整を行うことが好ましい。
ここで、図3に、本発明の水バイナリー発電システムの系統図の一例を示し、図4に、かかる系統図に対応するP−H(圧力−エンタルピー)線図を示す。系統図内の番号は、P−H線図の番号と対応している。
図3に示すように、ポンプ入口(1)から吸い込まれた水(作動媒体)は、ポンプで昇圧され、ポンプ出口=蒸発器入口(2)に送られ、(2)から(3)間の蒸発器で蒸発して、100%蒸気の状態でタービン(=膨張機)へ入り、(4)まで膨張して動力を発生する。この動力で同軸の発電機を駆動、発電を行う。
図4に示すように、蒸発器入口の温水温度85℃、出口温度75℃で加熱し、作動媒体ポンプ出口(2)から蒸発器出口(3)まで、圧力0.034MPa、72℃に加熱され、(3)の水蒸気が膨張機へと入り、(4)まで膨張して(3)と(4)間のエンタルピー差に相当する動力を発生する。(4)は、飽和蒸気線より左側にあるので湿り蒸気、即ち、わずかに微細な水滴を含む状態である。この(4)で凝縮器に入り、(1)までの間で100%水(液)に凝縮される。
本発明のシステムにおいては、通常、凝縮器の下流かつ蒸発器の上流に、循環ポンプが設けられており、この循環ポンプは、インバータ等でモータ回転数を制御できるポンプ(可変回転数ポンプ)であることが好ましい。また、蒸発器へ供給する作動媒体の流量を制御する流量制御弁が設けられていることが好ましく、具体的に、凝縮器の下流かつ蒸発器の上流に、循環ポンプ及び流量制御弁が上流側から順次設けられていることがより好ましい。これにより、蒸発器へ供給される水の圧力と流量を同時に制御でき、作動媒体の蒸発を飽和蒸気線近傍の制御設定点で作動するように制御することができる。
本発明のシステムにおいては、潤滑油等の汚染物質をできる限り排除したシステムであることが好ましく、例えば、発電機の回転軸を支持する軸受が、水を潤滑剤とする水潤滑軸受であることが好ましい。潤滑剤としての水としては、作動媒体である水を用いることが好ましい。すなわち、発電機の水潤滑軸受に水を供給する水供給手段を別途設けることもできるが、水潤滑軸受に設けられた給水口に対して本システムの循環回路から水が供給される構成であることが好ましい。例えば、循環ポンプの下流に分岐管路を設け、分岐管路と水潤滑軸受の給水口とを接続することができる。また、蒸発器への流量制御弁が設けられている場合には、循環ポンプと流量制御弁の間に分岐管路を設け、分岐管路と水潤滑軸受の給水口とを接続することができる。分岐管路には流量制御弁を設けてもよい。
本発明のシステムにおいては、例えば、タービンと発電機が同一の回転軸上に配置され、作動媒体を潤滑剤とする軸受で支持された回転系を中心に構成され、ケーシングは完全に密閉されている。この密閉されたケーシング内が真空に保持された後、作動媒体が導入される。
また、本発明のシステムは、プレート型熱交器であると共に、その下部にそれぞれ液溜を具備し、凝縮器の液溜が蒸発器の液溜に比して下方に設けられていることが好ましい。液溜が設けられることにより、プレート間に入る液体の高さを安定させ、伝熱面での蒸発、沸騰を安定させることができる。また、凝縮器の液溜が蒸発器の液溜に比して下方に設けられていることにより、循環ポンプの入口の圧力を安定化できる。蒸発器下部に設けられた蒸発器液溜、及び凝縮器下部に設けられた凝縮器液溜内では、作動媒体が液状で保持されている。
本発明の水バイナリーサイクル発電システムは、作動媒体を水とすると共に、好ましくは水潤滑軸受を採用しており、この場合、システム内には水以外のものはないため、大気や河川などを汚染する可能性がない環境負荷ゼロの発電装置となる。仮に、故障等の問題が起きた場合でも、大気圧より低い状態に設定された機内から漏洩するものはないので、人の近くに設置して使用しても安全性が高い。例えば、最近、話題になっている温泉発電や工場排熱発電も、温泉旅館の庭や工場の空き地などへ、特別な防護設備などを設けなくても設置可能である。
温泉水は、発電に利用されたあとに風呂で使用されるために、温泉水に油の混入や匂い移り等があると、温泉水として使用できないが、本発明の水バイナリーサイクル発電システムにおいては、水以外のものが使用されていないので、安心して使用することができる。温泉の場合、入浴に適する温度は40℃程度であるので、浴槽へ導かれる温泉の温度は50から65℃程度であり、源泉の温度がこの温度以上の場合は、何らかの形で冷却が必要である。本発明の装置の加熱媒体として温泉水を使用することで、使用後には温度が低下しているので、源泉の温度が高くても、浴槽への供給温度は、50から65℃程度の適温で供給が可能である。同時に、電気を得ることができることから、経済的なメリットも大きい。
以下、本発明の水バイナリーサイクル発電システムを図面を用いてより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。ここに、図5は、第1実施形態に係る水バイナリーサイクル発電システムの概略図である。
図5に示すように、本発明の第1実施形態に係る水バイナリーサイクル発電システム1Aは、作動媒体である水を蒸発させる蒸発器2と、蒸発した水を凝縮させる凝縮器3とを備え、凝縮器3の下流かつ蒸発器2の上流に、水を循環させる循環ポンプ4とを備えている。
図5に示す水バイナリーサイクル発電システム1Aでは、作動媒体が流通する循環回路内が真空に保持された状態で作動媒体が導入され、循環回路全体が低圧に保持されて運転が行われる。
蒸発器2は、例えばプレート型の熱交換器であって、加熱媒体(温水)の流路、及び作動媒体(水)の流路がそれぞれ設けられており、加熱媒体の入口21及び出口22、作動媒体の入口23及び出口24を備える。蒸発器2の作動媒体の出口24は、タービン発電機5に接続しており、蒸気がタービンへと入り、高速の蒸気で動翼を駆動して回転、同軸の発電機ロータの回転により発生した磁界で、発電機ロータの外周に配置されたステータの巻線に電流が流れることにより発電が行われる。
発電機ロータ(回転軸)は、内部に永久磁石が収められ、外周を高強度の材料で覆われた構造となっており、回転によって生じる遠心力や外部からの各種の力がかかっても、永久磁石のダメージが生じない構造となっている。また、回転軸の外周には、磁性鋼板が積層されたステータが配置され、永久磁石が回転して生じる磁界の動きで、ステータに巻かれた巻線に電流が流れ、動力が発生する。なお、発電機ロータは、水循環軸受により支持されている。
タービン発電機5を通過した蒸気は、凝縮器3に導かれる。凝縮器3は、例えばプレート型の熱交換器であって、冷却媒体(冷水)の流路、及び作動媒体(水(蒸気))の流路がそれぞれ設けられており、冷却媒体の入口31及び出口32、作動媒体の入口33及び出口34を備える。
凝縮器3の作動媒体の出口34には、循環ポンプ4が設けられており、凝縮器3で凝縮された作動媒体を昇圧して再び蒸発器2(作動媒体入口23)に送り出す。この循環ポンプ4は、インバータ等でモータ回転数を制御できるポンプであり、この循環ポンプ4により、供給作動媒体の圧力を制御する。なお、循環ポンプ4と蒸発器2(作動媒体入口23)とを接続する配管には、発電機冷却用入口につながる分岐管路61が設けられており、発電に伴う発電機の発熱による温度上昇を抑えて発電効率を高める。
また、第2実施形態に係る水バイナリーサイクルシステム1Bについて、第1実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Aと異なる点を説明する。図6は、第2実施例に係る水バイナリーサイクル発電システム1Bの概略図である。
第2実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Bにおいては、蒸発器2の最下部に媒体溜25が設けられ、凝縮器3の最下部に媒体溜35が設けられており、媒体溜35は、媒体溜25より低い位置に配置されている。これにより、循環ポンプ4の入口の圧力を安定化できる。
また、本実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Bは、第1実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Aのように蒸発器2の作動媒体入口は設けられておらず、媒体溜25から蒸発器本体(熱交換部)に作動媒体が導入される。他方、凝縮器3においては、作動媒体出口は設けられておらず、媒体溜35から凝縮器外部に作動媒体が流出される。
さらに、循環ポンプ4の下流に分岐管路62が設けられており、分岐管路62は、タービン発電機5の水潤滑軸受の給水口と接続している。これにより、本システムの循環回路の作動媒体である水を利用して、水潤滑軸受に適切な量の水を供給することができる。
続いて、第3実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Cについて、第2実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Bと異なる点を説明する。図7は、第3実施例に係る水バイナリーサイクル発電システム1Cの概略図である。
第3実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Cにおいては、循環ポンプ4の下流に流量制御弁7が設けられている。これにより、蒸発器2へ供給される水の圧力と流量を同時に制御でき、作動媒体の蒸発を飽和蒸気線近傍の制御設定点で作動するようにより正確に制御することができる。
さらに、第4実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Dについて、第3実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Cと異なる点を説明する。図8は、第4実施例に係る水バイナリーサイクル発電システム1Dの概略図である。
第4実施形態の水バイナリーサイクルシステム1Dにおいては、分岐管路62が設けられていない。このような態様も本発明に含まれる。
本発明の水バイナリーサイクル発電システムは、環境負荷や環境汚染がなく、温泉水や工場排水等を有効に利用して発電することができることから、産業上の利用価値は高い。
1A 水バイナリーサイクルシステム(第1実施形態)
1B 水バイナリーサイクルシステム(第2実施形態)
1C 水バイナリーサイクルシステム(第3実施形態)
1D 水バイナリーサイクルシステム(第4実施形態)
2 蒸発器
21 加熱媒体入口
22 加熱媒体出口
23 作動媒体入口
24 作動媒体出口
25 媒体溜
3 凝縮器
31 冷却媒体入口
32 冷却媒体出口
33 作動媒体入口
34 作動媒体出口
35 媒体溜
4 循環ポンプ
5 タービン発電機
61 分岐管路
62 分岐管路
7 流量制御弁

Claims (1)

  1. 作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発した作動媒体により駆動する発電機と、発電機を通過した作動媒体を凝縮させる凝縮器とを具備する、作動媒体が流通する循環回路を備えたバイナリーサイクル発電システムであって、
    前記蒸発器において作動媒体を蒸発させる加熱媒体が温水であると共に、前記作動媒体が水であり、かつ、前記作動媒体である水が、加熱媒体である温水により蒸発可能な低圧状態で、密閉された循環回路内に封入されており、
    前記蒸発器及び凝縮器が、その下部に液溜を具備するプレート型熱交換器であり、前記凝縮器の液溜が、蒸発器の液溜に比して下方に設けられると共に作動媒体出口を有しており、
    前記凝縮器の下流かつ蒸発器の上流に、駆動モータ回転数を制御できる作動媒体を循環させる循環ポンプ、及び蒸発器へ供給する作動媒体の流量を制御する流量制御弁が上流側から順次設けられて、蒸発器へ供給される作動媒体の圧力と流量を同時に制御できるよう構成されており、
    前記循環ポンプと流量制御弁の間に分岐管路が設けられ、該分岐管路と前記発電機の回転軸を支持する水潤滑軸受の給水口とが接続されて、作動媒体の水を水潤滑軸受の潤滑剤とする
    ことを特徴とする水バイナリーサイクル発電システム。
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