JP6466995B2 - ラジアルピストン式油圧機械及び風力発電装置 - Google Patents
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Description
ラジアルピストン式の油圧機械であって、
前記油圧機械の半径方向に沿って配置された複数のピストンと、
前記複数のピストンをそれぞれ案内する複数のシリンダと、
前記複数のピストンのそれぞれに回転自在に設けられた複数のローラと、
前記複数のローラに当接するように構成され、前記油圧機械の中心軸周りに回転可能に構成されたカムと、
前記カムを含んで該カムとともに前記中心軸周りに回転する前記油圧機械の回転部に取り付けられ、前記カム側から前記ピストン側に前記半径方向に沿って延びる側板と、を備え、
前記ピストンの各々は、該ピストンと前記シリンダとで形成される油圧室の圧力の高圧と低圧との間の周期的な変化に対応して往復動するように構成され、
前記カムは、前記油圧室の前記圧力が前記高圧になるときに前記ローラが接するワーキング面と、前記油圧室の前記圧力が前記低圧になるときに前記ローラが接するブリージング面と、を有し、
前記側板は、少なくとも前記ワーキング面に対応する前記油圧機械の周方向範囲において、前記カムの表面と、該カムの表面から前記ローラの半径だけ離れた曲線とで囲まれる領域内においてのみ、前記ローラの端面と当接するように構成されたことを特徴とする。
側板はカムとともに油圧機械の中心軸周りに回転する一方で、ローラはローラの回転中心周りに回転する。そのため、側板とローラの端面との進行方向は完全には一致しておらず、油圧機械の周方向において側板とローラの端面とが広い範囲で当接していると、側板とローラの端面との間の摺動(摩擦)が起きてしまう。
この点、上述の実施形態では、側板及びローラの端面が互いに点接触又は油圧機械の半径方向に沿って線接触するので、油圧機械の周方向における側板とローラの端面との当接範囲が狭いため、側板とローラの端面との間の摺動(摩擦)は殆ど生じない。
例えば、側板とローラの端面とが点接触するようなローラの端面形状の場合、カムに対してローラが回転したときローラの端面は側板に対してほとんど摺動することなく転動するように接触する。同様に、側板がローラの端面に対して油圧機械の半径方向(カムの半径方向)に線接触するようなローラの端面形状の場合、ローラの進行方向において側板とローラの端面とは一箇所で接触し、ほとんど摺動することなく転動するように接触する。このように、上記実施形態によれば側板とローラの端面との接触エリアの油圧機械周方向における幅が極めて短いため、ローラの端面と側板との摩擦を抑制でき、焼付の発生を防止できる。
また、側板がローラの端面に対して油圧機械の半径方向(カムの半径方向)に線接触するようなローラの端面形状の場合には、ローラの端面と側板との間において当接部近傍にはくさび形状の狭い間隙が形成されることになり、ローラの回転により油が前記くさび形状の間隙に引き込まれることで油膜を形成することができる。これにより、ローラの端面と側板との摩擦をより一層抑制でき、焼付の発生を効果的に防止できる。
このように、側板のうちローラ側の壁面が傾斜していることにより、側板とローラの端面との接触エリアをカム側に形成しやすくなり製作性が向上する。また、側板及とローラ端面とが互いに点接触又は油圧機械の半径方向に沿って線接触することになり、ローラの端面と側板との摩擦を抑制でき、焼付の発生を防止できる。
これにより、側板の強度を維持しながら傾斜を形成することが可能となる。
このように、ローラの端面の縁部に丸みを持たせることにより、エッジ効果に起因するローラの端部とカム面との間の高い面圧の発生を防止することができる。
前記側板は、
前記カムの端面に締結される基端部、および、前記カムから前記ピストン側に前記半径方向に突出する先端部を有する側板本体と、
前記側板本体の前記先端部に設けられた当接部と、
を含み、
前記当接部が、前記ローラの前記端面のうち前記ローラの回転中心よりも前記カム側の前記領域内で前記ローラの前記端面に当接するように構成される。
より具体的には、上記構成の風車翼において、
前記側板は、
前記カムの端面に締結される基端部、および、前記カムから前記ピストン側に前記半径方向に突出する先端部を有する側板本体と、
前記ローラの軸方向において前記ローラと前記側板本体との間に位置し、前記側板本体の前記先端部に締結された樹脂部材と、
を含み、
前記樹脂部材は、
前記ローラの前記端面のうち前記ローラの回転中心よりも前記カム側の前記領域内で前記ローラの前記端面に当接するように構成された当接部と、
前記当接部に対して前記ピストン側に前記半径方向にずれた位置に設けられ、前記ローラの軸方向において前記ローラの前記端面から離れる方向にくぼむように形成された段差部と、
を含み、
前記樹脂部材は、前記段差部において前記側板本体の前記先端部に締結される。
このように、ローラに当接するカムの端面に側板本体の基端部を取り付けることで、ローラ端面からのスラスト力を受ける側板の部位に側板取付け部を近づけることができ、側板に作用する側板取付け部を中心としたモーメントをより一層小さくすることができる。
また、側板が基端部によってカムの端面に締結されていることにより、側板の締結構造を簡素化できる。また、カムと側板とをアセンブリ化することも可能であるため、カム及び側板の組立性の向上が図れる。
これにより、ローラの端面との接触による当接部の摩耗を抑制可能となり、側板の耐久性を向上できる。また、側板本体と当接部とを別の材料で形成してもよく、その場合、材料コストの削減も図れる。
これにより、側板に作用するモーメントを抑制することができ、側板の耐久性を向上できる。
これにより、側板をカムに対して容易に取り付けることが可能となる。また、側板を交換可能な構成とすることもできる。
このように、カム及び側板を分割構造とすることによって、カム及び側板の製造性を向上できる。また、カムは、製造上の取り扱い性の観点から分割するセクション数が決定されることが多いが、側板はセクション数に対する要求は低く、分割構造の設計自由度は高い。そのため、側板のセクション数をカムのセクション数以下とすることで、油圧機械の組み立て時、一つのカム、又は複数のカムを互いに組み付けたカムアセンブリに対して側板を取付ければよく、カム及び側板の組立性の向上が図れる。
これにより、ピストン数が同一である場合、カム並びにこれに対応するピストン及びローラの列が多いほど一列あたりのピストン数が少なくなるので、カムの直径を小さくできる。よって、油圧機械をその半径方向にコンパクト化することができる。また、カムの複数の列において周方向のカムの位相を互いに異ならせれば、駆動時の油圧機械の振動を低減できる。
前記油圧機械の両端部において、前記シリンダブロックを含む前記油圧機械の静止部と前記油圧機械の前記回転部との間に設けられ、前記静止部に前記回転部を回転自在に支持する一対のテーパ軸受と、
前記一対のテーパ軸受の少なくとも一方のテーパ軸受に対して、前記油圧機械の中央に向かう方向にプリロードを付与するための予圧部と、をさらに備える。
上記構成を有する一対のテーパ軸受は、主に、静止部に対して回転部を回転自在に支持する機能を有する。その際、一対のテーパ軸受の少なくとも一方のテーパ軸受に対してプリロードを付与することによって、回転部と静止部との相対位置を適正に維持できる。
これにより、回転部と静止部との間のガタつきを防止できるとともに、ローラのスキューに起因したローラのスラスト力によって、回転部と静止部との相対位置がずれることを防止できる。
前記風車ロータに連結される回転シャフトと、
前記回転シャフトによって駆動されて圧油を生成するように構成された油圧ポンプと、
前記圧油によって駆動されるように構成された油圧モータと、
前記油圧モータによって駆動されるように構成された発電機と、を備え、
前記油圧ポンプ又は前記油圧モータの少なくとも一方は、上記ラジアルピストン式油圧機械である。
図1は、一実施形態に係る風力発電装置を示す図である。
同図に示すように、風力発電装置1は、少なくとも一本のブレード2及びハブ4で構成されるロータ3を備える。なお、ハブ4はハブカバー5によって覆われていてもよい。
一実施形態では、ロータ3には、メインシャフト6を介して油圧ポンプ8が連結される。油圧ポンプ8には、高圧油ライン12及び低圧油ライン14を介して油圧モータ10が接続される。具体的には、油圧ポンプ8の出口が高圧油ライン12を介して油圧モータ10の入口に接続され、油圧ポンプ8の入口が低圧油ライン14を介して油圧モータ10の出口に接続される。油圧ポンプ8は、メインシャフト6によって駆動されて作動油を昇圧し、高圧の作動油(圧油)を生成する。油圧ポンプ8で生成された圧油は高圧油ライン12を介して油圧モータ10に供給され、この圧油によって油圧モータ10が駆動される。油圧モータ10で仕事をした後の低圧の作動油は、油圧モータ10の出口と油圧ポンプ8の入口との間に設けられた低圧油ライン14を経由して、油圧ポンプ8に再び戻される。
油圧モータ10には発電機16が連結される。一実施形態では、発電機16は、電力系統に連系されるとともに、油圧モータ10によって駆動される同期発電機である。
なお、メインシャフト6の少なくとも一部は、タワー19上に設置されたナセル18によって覆われている。一実施形態では、油圧ポンプ8、油圧モータ10及び発電機16は、ナセル18の内部に設置される。
図2に示す例示的な実施形態において、油圧機械20は、油圧機械20の半径方向Dに沿って配置された複数のピストン21と、複数のピストン21のそれぞれに回転自在に設けられた複数のローラ22と、複数のローラ22に当接するように構成され、油圧機械20の中心軸Oを中心として回転可能に構成されたカム29と、複数のピストン21をそれぞれ摺動自在に保持するための複数のシリンダ24と、複数のシリンダ24が設けられたシリンダブロック26と、を備える。各々のピストン21は、ローラ22の回転中心Cを中心として該ローラ22が回転自在となるように、支持部23によって該ローラ22を支持している。また、各々のピストン21は、シリンダ24によって案内されて、該ピストン21とシリンダ24とで形成される油圧室25の圧力の高圧と低圧との間の周期的な変化に対応して、油圧機械20の半径方向Dに沿って往復運動するように構成されている。すなわち、各々のピストン21がシリンダ24内で往復運動すると、ピストン21とシリンダ24によって形成される油圧室25の体積が周期的に変化する。このような油圧室25の周期的な体積変化を伴うピストン21の往復運動は、カム29の回転運動との間で運動モードが変換されるようになっている。
こうして、カム29の働きにより、油圧機械20の回転シャフト28の回転エネルギー(機械的エネルギー)と作動油の流体エネルギーとの間でエネルギーが変換され、油圧機械20が油圧ポンプ又は油圧モータとしての所期の役割を果たすようになっている。
一実施形態では、複数の内部油路30が油圧機械20の中心軸Oに沿って設けられており、複数の内部油路30にそれぞれ連通する環状集合路35がエンドプレート34の内部に形成されている。エンドプレート34の内部の環状集合路35は、それぞれ、外部配管(不図示)に接続される。こうして、各油圧室25は、内部油路30及び環状集合路35を介して、外部配管に連通される。なお、図2では一本の内部油路30及び一つの環状集合路35のみを例示的に示している。
一実施形態において、油圧機械20の両端部において、油圧機械20の静止部と油圧機械20の回転部との間に配置され、静止部に回転部を回転自在に支持する一対の軸受27A,27Bが設けられている。具体的には、回転シャフト28とエンドプレート33,34との間に一対の軸受27A,27Bが配置されている。この場合、油圧機械20の中心軸O方向において、一対の軸受27A,27Bはカム29の両側に配置されており、一方の軸受27Aはロータ3から遠い側に位置し、他方の軸受27Bはロータ3に近い側に位置している。また、一対の軸受27A,27Bの少なくとも一方が、スラスト方向(回転シャフト28の中心軸O方向)の荷重を受けるように構成されたテーパ軸受であってもよい。これにより、エンドプレート33,34は、回転シャフト28の回転運動の影響を受けずに静止状態を維持可能になっている。
典型的には、ワーキング面29a1とブリージング面29a2との間の移行点P3及びP4は、ピストン21の上死点及び下死点に対応するカム面29a上の位置(頂点P1及び底点P2)又はその近傍に設定される。一実施形態では、油圧機械20が油圧ポンプの場合において、図3に示すように、ピストン21の下死点に対応するカム面29a上の位置(底点P2)からカム回転方向の上流側に僅かにずれた位置にワーキング面29a1の移行点(開始点)P4が設定され、ピストン21の上死点に対応するカム面29a上の位置(頂点P1)からカム回転方向の上流側に僅かにずれた位置にワーキング面29a1の移行点(終了点)P3が設定される。
一実施形態において、図5に示すように、側板40は、少なくともワーキング面29a1(図3参照)に対応する油圧機械20の周方向範囲において、カム面29aと、該カム面29aからローラ22の半径rだけ離れた曲線28とで囲まれる領域(図5のハッチング領域)内においてのみ、ローラ22の端面22aと当接するように構成される。言い換えれば、側板40は、少なくともワーキング面29a1(図3参照)に対応する油圧機械20の周方向範囲において、該側板40の高さhがローラ22の半径r以下となるように構成される。もちろん、上記した側板40の構成は、ワーキング面29a1のみでなくブリージング面29a2に適用されてもよい。なお、側板40の高さhとは、カム面29aの任意の点Pにおける接線Eに垂直な方向の側板40の長さである。
また、側板40は、カム面29aからの半径方向の距離(側板40の高さh)が、ローラ22の直径の30%以内となる位置でローラ22の端面22aと当接するように構成されてもよい。これにより、側板40に作用するモーメントをより一層抑制することができ、側板40の耐久性の更なる向上が可能となる。
また、上記側板40において、当接部43は、側板本体40aの先端部42のうち基端部41側にずれた位置に設けられてもよい。すなわち、図6A及び図6B、図7に示すように、先端部42のうち最もカム29から離れた領域に段差部44が設けられており、先端部42のうち段差部44よりも基端部41側の領域に当接部43を設けられる。段差部44は、ローラ22の回転中心22方向においてカム面29aから離れる方向にくぼんでおり、ローラ22の端面22aに当接しないように構成される。そして、この段差部44において、ボルト49によって樹脂部材45が側板本体40aに取り付けられてもよい。これにより、ボルト49の頭部がローラ22の端面22aに接触することを防止できるとともに、当接部43の位置をよりカム面29a側に近づけることができ、側板40に作用するモーメントMをより一層小さくすることができる。
例えば、側板40とローラ22の端面22aとが点接触するようなローラ22の端面形状の場合(例えば、後述する図8の構成)、カム29に対してローラ22が回転したときローラ22の端面22aは側板40に対してほとんど摺動することなく転動するように接触する。同様に、側板40がローラ22の端面22aに対して油圧機械20の半径方向Dに線接触するようなローラ22の端面形状の場合(例えば、後述する図10、11の構成)、ローラ22の進行方向において側板40とローラ22の端面22aとは一箇所で接触し、ほとんど摺動することなく転動するように接触する。このように、上記実施形態によれば側板40とローラ22の端面22aとの接触エリアの油圧機械周方向における幅が極めて短いため、ローラ22の端面22aと側板40との摩擦を抑制でき、焼付の発生を防止できる。
また、側板40がローラ22の端面22aに対して油圧機械20の半径方向(カムの半径方向)に線接触するようなローラ22の端面形状の場合には、ローラ22の端面22aと側板40との間において当接部近傍にはくさび形状の狭い間隙が形成されることになり、ローラ22の回転により油がくさび形状の間隙に引き込まれることで油膜を形成することができる。これにより、ローラ22の端面22aと側板40との摩擦をより一層抑制でき、焼付の発生を効果的に防止できる。
図8に示す構成例において、側板60は、ローラ50の端面50aに対向する側の壁面61に第1周縁60a及び第2周縁60bを有している。第2周縁60bは、油圧機械20の半径方向Dにおいて第1周縁60aよりもカム29側に位置する。さらに、側板60の壁面61は、第1周縁60aに対して第2周縁60bがローラ22の回転中心C方向においてローラ22側に位置するように、回転中心Cに直交する面に対して傾斜している。このように、側板60のうちローラ50側の壁面61が傾斜していることにより、側板60とローラ50の端面50aとの接触エリア62(図9参照)をカム29側に形成しやすくなり製作性が向上する。また、側板60及とローラ50の端面50aとが互いに点接触又は油圧機械の半径方向に沿って線接触することになり、ローラの端面と側板40との摩擦を抑制でき、焼付の発生を防止できる。このとき、回転中心Cに直交する面に対する壁面61の傾斜角θは、0.1度以上1.0度以下の範囲内であってもよい。これにより、側板60の強度を維持しながら壁面61の傾斜を形成することが可能となる。
また、ローラ50の端面50aの縁部が曲率を有するように形成されていてもよい。その場合、端面50aの縁部の曲率半径はローラ50の半径よりも大きい。このように、ローラ50の端面50aの縁部に丸みを持たせることにより、エッジ効果に起因するローラ50の端部とカム面29aとの間の高い面圧の発生を防止することができる。このとき、側板40の縁部の曲率半径は、ローラ50の半径に対して10倍以上500倍以下であってもよい。
さらに、ローラ50の両側に側板60が配置される場合、両側の側板60におけるローラ50との当接点62の間の距離Lが、ローラ50の両側の端面50aにおける側板60との当接点52の間の距離L’よりも大きくなるように、側板60を設置してもよい。これにより、側板60とローラ50との間に隙間が形成され、カム29に対してローラ50が円滑に回転する。
この場合、バネ38によるプリロードは、ローラ22から側板40に加わるローラの軸方向のスラスト力以上の大きさであってもよい。これにより、回転部と静止部との間のガタつきを防止できるとともに、ローラ22のスキューに起因したローラ22のスラスト力によって、回転部と静止部との相対位置がずれることを防止できる。
2 ブレード
3 ロータ
4 ハブ
5 ハブカバー
6 メインシャフト
8 油圧ポンプ
10 油圧モータ
12 高圧油ライン
14 低圧油ライン
16 発電機
18 ナセル
19 タワー
20 油圧機械
21 ピストン
22,50,53,55 ローラ
23 支持部
24 シリンダ
25 油圧室
26 シリンダブロック
28 曲線
40,60,63,65,67 側板
40a 側板本体
41 基端部
42 先端部
43 当接部
44 段差部
45 樹脂部材
46 固定部
47,48,49,81 ボルト
60a 第1周縁
60b 第2周縁
61,64,66 側板の壁面
62,68,69 接触エリア
80 組立治具
82 工具
C ローラの回転中心
D 油圧機械の半径方向
O 油圧機械の回転軸
Claims (15)
- ラジアルピストン式の油圧機械であって、
前記油圧機械の半径方向に沿って配置された複数のピストンと、
前記複数のピストンをそれぞれ案内する複数のシリンダと、
前記複数のピストンのそれぞれに回転自在に設けられた複数のローラと、
前記複数のローラに当接するように構成され、前記油圧機械の中心軸周りに回転可能に構成されたカムと、
前記カムを含んで該カムとともに前記中心軸周りに回転する前記油圧機械の回転部に取り付けられ、前記カム側から前記ピストン側に前記半径方向に沿って延びる側板と、を備え、
前記ピストンの各々は、該ピストンと前記シリンダとで形成される油圧室の圧力の高圧と低圧との間の周期的な変化に対応して往復動するように構成され、
前記カムは、前記油圧室の前記圧力が前記高圧になるときに前記ローラが接するワーキング面と、前記油圧室の前記圧力が前記低圧になるときに前記ローラが接するブリージング面と、を有し、
前記側板は、少なくとも前記ワーキング面に対応する前記油圧機械の周方向範囲において、前記カムの表面と、該カムの表面から前記ローラの半径だけ離れた曲線とで囲まれる領域内においてのみ、前記ローラの端面と当接するように構成され、
前記側板は、
前記カムの端面に締結される基端部、および、前記カムから前記ピストン側に前記半径方向に突出する先端部を有する側板本体と、
前記ローラの軸方向において前記ローラと前記側板本体との間に位置し、前記側板本体の前記先端部に締結された樹脂部材と、
を含み、
前記樹脂部材は、
前記ローラの前記端面のうち前記ローラの回転中心よりも前記カム側の前記領域内で前記ローラの前記端面に当接するように構成された当接部と、
前記当接部に対して前記ピストン側に前記半径方向にずれた位置に設けられ、前記ローラの軸方向において前記ローラの前記端面から離れる方向にくぼむように形成された段差部と、
を含み、
前記樹脂部材のうち前記段差部を前記側板本体の前記先端部に締結するための締結部材をさらに備える
ことを特徴とするラジアルピストン式油圧機械。 - 前記側板及び前記ローラの前記端面は、該側板と該端面が互いに点接触又は前記半径方向に沿って線接触するような形状を有することを特徴とする請求項1に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記側板のうち前記ローラ側の壁面は、第1周縁に対して、前記半径方向において前記第1周縁よりも前記カムに近い第2周縁が前記ローラの軸方向にみて前記ローラ側に位置するように、前記中心軸に直交する面に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記中心軸に直交する面に対する前記壁面の傾斜角は、0.1度以上1.0度以下の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記ローラの前記端面の縁部が曲率を有するように形成されており、前記縁部の曲率半径は前記ローラの半径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記縁部の曲率半径は、前記ローラの半径に対して10倍以上500倍以下であることを特徴とする請求項5に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記樹脂部材は、前記側板本体の前記先端部に取り付けられた耐摩耗性の樹脂部材であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記側板は、前記ローラが転動する前記カムのカム面からの前記半径方向の距離が、前記ローラの直径の30%以内となる位置で前記ローラの前記端面と当接するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記側板は、前記カムの端面に対してボルト結合されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記カム及び前記側板は、それぞれ、前記中心軸の周方向において複数のセクションに分割されており、前記側板のセクション数は、前記カムのセクション数以下であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記カムは、前記中心軸の方向に少なくとも2列設けられており、
前記ピストン及び前記ローラが、前記カムの列に対応して配列されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。 - 前記複数のピストンをそれぞれ案内するための複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、
前記油圧機械の両端部において、前記シリンダブロックを含む前記油圧機械の静止部と前記油圧機械の前記回転部との間に設けられ、前記静止部に前記回転部を回転自在に支持する一対のテーパ軸受と、
前記一対のテーパ軸受の少なくとも一方のテーパ軸受に対して、前記油圧機械の中央に向かう方向にプリロードを付与するための予圧部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。 - 前記プリロードは、前記ローラから前記側板に加わる前記ローラの軸方向のスラスト力以上の大きさであることを特徴とする請求項12に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記側板本体の前記先端部は、前記カムの前記端面に対向する前記基端部の表面よりも前記軸方向にて前記カムの前記端面から離れる方向にへこんだ凹部を有し、
前記樹脂部材は、前記側板本体の前記先端部の前記凹部に嵌った状態で、前記先端部に締結された
請求項1乃至13の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。 - 少なくとも一本のブレードを含む風車ロータと、
前記風車ロータに連結される回転シャフトと、
前記回転シャフトによって駆動されて圧油を生成するように構成された油圧ポンプと、
前記圧油によって駆動されるように構成された油圧モータと、
前記油圧モータによって駆動されるように構成された発電機と、を備え、
前記油圧ポンプ又は前記油圧モータの少なくとも一方は、請求項1乃至14の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械であることを特徴とする風力発電装置。
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