JP6466198B2 - 着氷を予測及び制御するためのシステム及び方法 - Google Patents

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Description

本開示は、着氷を予測及び制御するためのシステム及び方法に関する。
航空機の表面に氷が蓄積することは、安全上、重大な問題となる可能性がある。翼、エンジン入口、及びエアデータプローブ、ならびに他の表面に氷が蓄積することによって、航空機の動作特性が変化し、航空機が安全な離陸や飛行中の動作継続を行えなくなる状態にまでなる可能性がある。また、氷が翼の前縁に形成されると、失速状態となる可能性が増し、抗力が増大する。従って、ある種の条件下では、航空機の特定の表面における着氷、または、着氷する可能性があることは、安全上、深刻な問題である。
従来の氷の検出、除去、及び防止技術は、水で希釈した加熱グリコールを用いて氷を除去し、非加熱且つ非希釈のグリコールを用いて除去後の氷の蓄積を抑制するなど、化学物質の使用を伴うことがある。また、従来の技術は、翼またはその他の前縁面の内部に内蔵された加熱エレメントを用いる場合もある。例えば、この加熱エレメントは、翼構造内に分散配置されたダクトを通る熱風である。この熱風が表面を温めることによって、蓄積された氷を溶かしたり、事前に着氷を防止したりする。
他の加熱エレメント技術として、翼構造内に内蔵されたワイヤ又はワイヤメッシュ構造を用いるものがある。ワイヤ又はワイヤメッシュに通電することによって、熱を蓄積させる。この熱が十分であれば、蓄積された氷を溶かしたり、氷の蓄積を防いだりすることができる。他の技術として、物理的な衝撃を利用して氷を除去するものがある。例えば、翼の表面で防氷ブーツを膨張させる。この膨張によって、氷に亀裂を生じさせ、これによって翼から氷を除去することができる。他の例として、電気変換器を作動させることによって瞬間的な物理的衝撃を生じさせ、防氷ブーツの場合と同様に氷に亀裂を生じさせることもできる。
従来の氷検出及び除氷技術には、限界がある。例えば、熱風を用いる方法では、航空機構造に対する改造や部品の追加がしばしば必要となる。また、これらの方法は、効率が低いという問題もある。他の例として、ワイヤやワイヤメッシュを用いた加熱方式は、航空機の通常動作中の振動及び動きの影響を受けやすいため、信頼性が低い場合がある。ワイヤやメッシュを航空機構造に組み込むには、しばしば追加の製造工程が必要となるため、これらのタイプの加熱方式は、製造コストを大幅に増加させる。また、化学物質を使用する方法にも、限界がある。航空機の除氷に用いられる化学物質は、多くの場合、環境に優しいものではないため、これらを使用する際には、環境汚染の可能性をなくす又は低減するための化学物質封じ込めシステムの使用が必要となる。
本開示は、これら及びその他の問題点を考慮して、提示されるものである。
なお、この概要は、いくつかの概念を簡単に紹介するために記載したものであり、これら概念については、以下の詳細な説明において、より詳しく述べる。この概要は、特許請求の範囲に記載した請求対象の範囲を限定するために用いられることを、意図していない。
本開示の一実施形態によれば、氷検出及び除氷システムが提供される。当該氷検出及び除氷システムは、渦電流に応答して温度を上昇させるように動作する加熱サセプタと、磁気特性が変化するキュリー温度が、所望の温度となるように構成された検出サセプタと、検出サセプタの温度がキュリー温度より高い温度からキュリー温度より低い温度に変化する際の、検出サセプタの磁気特性の変化に応答して、加熱サセプタに渦電流を誘起するように動作するコイル、とを含む。
本開示の別の実施形態によれば、氷検出及び除氷システムの動作方法が提供される。当該方法は、航空機外部飛行面に1つ又は複数のサセプタを有する航空機を操作することと、1つ又は複数のサセプタの温度が、1つ又は複数のサセプタのキュリー温度未満に低下したことに起因する、1つ又は複数のサセプタの磁気特性の変化を検知することと、磁気特性の変化に基づいて温度変化を計算することと、航空機外部飛行面における着氷の可能性を判定することと、1つ又は複数のサセプタに渦電流を誘起することによって、1つ又は複数のサセプタ内に熱を生成することと、所定点に到達するまで、渦電流の誘起を維持することと、所定点に到達すると、誘起されていた渦電流を取り除くこと、とを含む。
本開示の別の実施形態によれば、航空機翼前縁部が提供される。当該航空機翼前縁部は、腐食を抑制するように動作するエロージョンシールドと、渦電流の形成に応答して温度が上昇するように動作する加熱サセプタと、自身の温度変化を示すために用いられるキュリー温度を有する検出サセプタと、氷検出及び除氷システムの1つまたは複数のコンポーネントを支持するよう動作する複合材構造と、検出サセプタと複合材構造との間に設けられた絶縁層と、加熱サセプタに渦電流を誘起するように動作するコイルと、コイルに通電することにより、加熱サセプタに渦電流を誘起するための磁束を形成することによって、加熱サセプタの温度を上昇させるように動作する交流電源と、コイルによって形成された磁束に対して相互作用及び修正を行うことによって、磁束を加熱サセプタに集束させるように動作する集磁機、とを含む。
上述した特徴、機能、利点は、本願の開示の様々な実施形態によって個別に達成することができ、あるいは、さらに他の実施形態と組み合わせてもよく、そのさらなる詳細は、以下の記載及び図面を参照することによってより明らかになるものである。
本明細書に示す実施形態は、詳細な説明及び以下の添付図面からより理解されるであろう。
本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による氷検出及び除氷(「IDD」)システムの断面図である。 本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態によるIDDシステムの温度プロファイルの一例を示す。 本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、代替のIDDシステムの側面図である。 本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、IDDシステムの分解斜視図である。 本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、航空機の翼に設置されたIDDシステムの部分断面図である。 本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、IDDシステムを操作する手順の1つの構成を示す。
本願において提示した複数の図面は、本開示の実施形態の様々な変形例及び態様を示す。従って、各図示についての詳細の説明は、対応する図示との違いについて言及するものとする。
以下の詳細な説明は、航空機の表面における着氷を予測及び制御するためのシステム及び方法に関する。いくつかの構成において、本開示は、磁気特性の変化を利用することによって、航空機の表面における、着氷が起こりやすい温度条件または着氷が起こった結果の温度条件を検知する。他の構成において、本開示は、誘導加熱を利用することによって、着氷条件の検知に応じて航空機表面の温度を上昇させる。いくつかの実施態様においては、誘導加熱による温度上昇によって、航空機表面に形成された氷の量を減らし、他の実施態様においては、航空機表面の温度を上昇させることによって、着氷を防止又は着氷の可能性を低減する。以下、図面を参照しつつ、本開示の態様を説明する。
図1は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、氷検出及び除氷(「IDD」)システム100の断面図である。なお、本開示は、氷の検出と除氷との両方を行うシステムに限定されず、本明細書に開示する要旨の様々な構成を、個別に、本明細書に具体的に開示していない他のシステムに対して用いることもできる。例えば、本開示の様々な態様は、防氷機能システムも含めた、他の除氷システムと組み合わせて用いることが可能な氷検出システムを提供しうる。
同様に、本開示の様々な態様は、本明細書に開示されていない着氷条件検出システムと組み合わせて用いることが可能な除氷システムを提供しうる。なお、「氷検出」というとき、本開示は、航空機の表面に氷が形成された際の動作に限定されない。氷検出の態様は、航空機の表面における着氷しやすい条件を検出するための動作にも、用いることができる。
図1を参照すると、いくつかの構成において、IDDシステム100は、航空機の外面における着氷しやすい条件を検出するため、または、当該外面に氷が形成されたことを検出するために設計された多層システムである。また、いくつかの構成において、IDDシステム100は、1つ又は複数の層の温度を上昇させることによって、航空機の表面における着氷の可能性を低減させる、または、形成された氷の少なくとも一部を溶かすための機能を有する。
図1に示した構成では、IDDシステム100は、エロージョンシールド(erosion shield)102を含む。エロージョンシールド102は、周囲環境(すなわち、周囲の空気)に曝される耐食保護層として作用する。例えば、エロージョンシールド102は、物理的損傷に耐えるだけでなく、化学的に不活性となるように設計された、比較的硬質のポリマーまたはプラスチックであってもよい。いくつかの構成において、エロージョンシールド102は、アルミニウム、鋼、チタン、またはその他の耐食フェライト金属または金属合金から形成される。本明細書に開示の要旨は、エロージョンシールド102の特定の構成材料に限定されない。
エロージョンシールド102に隣接して、加熱サセプタ(heating susceptor)104が設けられている。以下により詳しく述べるように、加熱サセプタ104は、その磁気特性が温度変化によって変化するように構成されている。磁気特性の変化は、測定可能なものであり、これを利用することによって、着氷が起こったことを表す条件、または着氷しやすい条件を検出することができる。さらに、いくつかの構成において、加熱サセプタ104の磁気特性は、当該加熱サセプタ104が適切な磁場内に配置された際に、加熱サセプタの温度を上昇させるように構成されている。
加熱サセプタ104に隣接して、検出サセプタ106が設けられている。以下により詳しく述べるように、検出サセプタ106も、温度変化によって、検出サセプタ106の磁気特性が変化するように構成されている。いくつかの構成において、検出サセプタ106の磁気特性も、適切な磁場内に配置された際に、加熱サセプタ104の温度を上昇させるように構成されている。
検出サセプタ106に隣接して、検出サセプタ106と複合材構造110との間の絶縁体として用いられる絶縁層108が設けられている。いくつかの例において、絶縁体108は、エアロゲル(aerogel)、ウレタンフォーム、または他の断熱材料などの適当な絶縁材料である。他の例において、絶縁層108は、グラフェン(graphene)、又はグラフェンによって形成された複合材料であってもよい。複合材構造110は、IDDシステム100の種々のコンポーネントを支持するための支持構造体である。いくつかの例において、複合材構造110は、航空機の他の部分を製造するために用いられる複合材構造と同様のものである。いくつかの構成において、絶縁体108及び複合材構造110は、IDD構造に含まれていなくてもよい。
複合材構造110に隣接して、コイル112が設けられている。以下により詳しく述べるように、コイル112は、1つ又は複数のコイルであり、種々の層の磁気特性の変化を検出するために用いたり、IDDシステム100の1つ又は複数の層に渦電流を誘起することによって1つまたは複数のコンポーネントの温度を上昇させるために用いたりすることができる。
なお、本開示に含まれる層の数は、図1に示したものより多くても少なくてもよい。また、図1に示した各層は、図示のためだけに他の層と別体として示しているものもあり、本開示の要旨の範囲は、そのような図示の構成に限定されない。例えば、加熱サセプタ104と検出サセプタ106とを一体にして単一層とし、同一の構成部材によって実現してもよい。
上述したように、図1のIDDシステム100は、加熱サセプタ104又は検出サセプタ106のいずれか一方または両方の磁気特性の変化を利用することによって、温度の影響を測定し、これによって、航空機の外部の条件が、着氷が起きやすい条件であるかどうか、又は、既に着氷が起こった条件であるかどうかを判定するように構成されている。一構成において、加熱サセプタ104もしくは検出サセプタ106、またはその両方は、所望の温度レベルに設定したキュリー温度を有する金属又は金属合金である。本明細書において、「キュリー温度」とは、その温度を超えると強磁性磁区が消失する温度として定義することができる。「強磁性磁区」とは、その内部において分子の磁気モーメントがすべて同じ方向になっている微視的領域である。また、「キュリー温度」は、材料本来の磁気モーメントが向きを変える温度として定義することもできる。ただし、本明細書に開示した要旨は、キュリー温度の特定の定義に依存しない。キュリー温度の定義は、様々な因子、例えば、限定するものではないが、特定の科学分野又は当該用語が用いられる分野など、によって変わる場合があるからである。
ある材料がキュリー温度を通過して遷移すると、当該材料が一部を構成している電気回路の共振周波数に影響を与える。従って、いくつかの構成においては、回路内の1つ又は複数の金属がそれぞれのキュリー温度になると、当該回路の出力に変化が起こる。例えば、95%のニッケルと5%のクロムとの合金のキュリー温度は、160F未満である。この合金が160Fから32Fに冷却されると、その透磁率が数桁増加し、その回路の等価インピーダンスに影響を与える。
合金のこのような磁気特性の変化は、検出することができる。適切に構成すれば、キュリー温度は、エロージョンシールドにおける着氷しやすい温度条件または着氷を示す温度条件を表すインジケーターとすることができる。例えば、上述したニッケル/クロム合金に対して、パーセンテージで調整したり、他の金属を加えたりすることによって、キュリー温度を所望に応じて上下させることができる。従って、金属または金属合金のキュリー温度を、着氷しやすい温度に一致させることができる。
いくつかの構成において、IDDシステム100の1つ又は複数の層が、氷検出機能を行う。図1において、一例では、検出サセプタ106は、その温度が検出されることがすなわち着氷が起きやすい条件となっていることを示すキュリー温度、を有するように構成された金属または金属合金からなる。エロージョンシールド102の外側の冷たい空気が、IDDシステム100の温度を低下させることによって、熱交換によって、検出サセプタ106の温度が低下し、検出サセプタ106は、当該検出サセプタ106のキュリー温度を通過する。いくつかの構成において、加熱サセプタ104のキュリー温度は、検出サセプタ106のキュリー温度より高い。ただし、種々の層のキュリー温度は所望の結果が得られるように調整すればよい。
いくつかの構成において、加熱サセプタ104は、検出サセプタ106と組み合わせて、あるいは、検出サセプタに代えて、検出器として用いることができる。加熱サセプタ104又は検出サセプタ106は、様々な強磁性金属または金属合金によって形成することができる。他の構成において、エロージョンシールド102が、強磁性材料、例えば磁場に応答する強磁性材料、から形成されている場合、検出サセプタ106又は加熱サセプタ104を省くことができる。これらサセプタの機能を、検出サセプタ106について上述したのと同様の方法によって、エロージョンシールド102によって行うことができるからである。さらに他の構成において、適当な金属又は金属合金で構成すれば、上述の検出機能及び以下に述べる加熱機能を、単一層によって行うこともできるであろう。
着氷しやすい条件が検出された場合、IDDシステム100が設置されている航空機の特定の表面を加熱することが望ましい。IDDシステム100では、熱を生成するために、誘導加熱を利用する。交流電流が、コイル内に導入される。エロージョンシールド102、加熱サセプタ104、及び/又は検出サセプタ106が適切な金属で形成されている場合、十分なレベルの電流が導入されると、コイル112の磁場が、これらのコンポーネント内に循環渦電流を生成する。
循環渦電流は、エロージョンシールド102、加熱サセプタ104、及び/又は検出サセプタ106の電気抵抗に抗して流れる。渦電流及びヒステリシス効果によって、特定の層に発熱が起こり、特定の層の温度が上昇する。いくつかの構成において、集磁機(concentrator)114を設置することによって、コイル112によって形成された磁場を、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106に反射または集束させる。集磁機114は、さらに、コイル112によって形成される磁場から他のコンポーネント(図示せず)を絶縁するのにも役立つ。
いくつかの構成において、キュリー温度及び/又は誘導加熱の利用によって、従来の防氷システムに勝る利点が得られる。一例として、構成要素のキュリー温度を利用することによって、コンポーネントの一体性を低下させ且つ重量を増加させる要因となり得る温度検出装置を設置する必要性が減る、又は、排除される。同様に、誘導加熱を利用することによって、加熱エレメントを設置する必要性が減る、又は、排除される。
図2は、本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態によるIDDシステム100の温度プロファイルの一例200を示している。温度プロファイル200は、温度に対応する軸T、及び、距離に対応する軸Dを有する。温度プロファイル200は、薄板近似法(thin shell approximation)を用いた温度プロファイルを示しているため、様々な層にわたる温度データが直線として表されている。ただし、温度プロファイル200は、普遍性を失うことなく、構造の寸法に対する温度の二次依存を含むように拡張することができる。なお、温度プロファイル200は単に例示的なものであり、本開示の範囲を、温度プロファイル200に示したデータの傾斜に適合するシステムに限定することを意図したものではない。距離Deは、周囲環境に曝されたエロージョンシールド102の外面に対応している。図示した温度プロファイル200は、外部の空気が複合層の温度より低い環境におけるものである。
プロファイル1は、IDDシステムの各層のいずれのキュリー温度よりも高い温度における、IDDシステム100の初期温度プロファイルである。Te1は、エロージョンシールド102の外面の温度である。TSH1は、エロージョンシールド102と加熱サセプタ104との界面における加熱サセプタ104の温度である。TSD1は、加熱サセプタ104と検出サセプタ106との界面における検出サセプタ106の温度である。Tcom1は、検出サセプタ106と複合材構造110との界面における複合材構造110の温度である。
図2に示すように、プロファイル1における、加熱サセプタ104及び検出サセプタ106の表面温度は、いずれも、それぞれのキュリー温度Tc(SH)及びTc(SD)より高い。このような温度では、加熱サセプタ104及び検出サセプタ106の磁場特性は、比較的高い温度、すなわち、それぞれのキュリー温度よりも高い温度を示す。
プロファイル2は、外部温度が下がった時の温度プロファイルである。外部温度の低下によって、Te1がTe2まで低下する。熱伝達の物理的なプロセスによって、Te1からTe2への温度低下が、IDDシステム100にわたる他の温度の低下を引き起こす。例えば、TSH1は、TSH1からTSH2まで低下し、TSD1はTSD2まで低下し、Tcom1はTcom2まで低下する。なお、プロファイル1及びプロファイル2は単に例示的なものであり、種々の層にわたる正確な又は具体的な熱伝達率又は熱伝達勾配を示すことを意図したものではない。
温度TSD1からTSD2への低下によって、検出サセプタ106の一部が、当該検出サセプタ106のキュリー温度Tc(SD)より低い温度となる。キュリー温度Tc(SD)より低い温度を有することによって、検出サセプタ106の磁気特性に変化が生じる。この変化を種々の方法で検知し、これを用いて、Te2の温度が、着氷しやすい温度または着氷を示す温度以下であるかどうかを判定することができる。この判定は、IDDシステム100にわたる熱伝達係数、ならびに熱収支式を用いて行うことができる。
図2に、例として、薄板近似法よる仮定に基づいて示したように、エロージョンシールドにわたる温度は、式1.1を用いて表すことができ、これは、航空機が高度を上げている時に低下しつつある外部温度を示すものである。
Figure 0006466198
式1.1において、hEは、エロージョンシールドの厚みであり、αEは、シールドを構成している材料固有の熱力学定数である。αEは、熱伝導率および比熱容量の関数である。一般的に、αEはTEとTS1との間の傾きを規定するが、これは、薄板近似法により、直線状になるものと仮定される。
これと同様のことが、他のサセプタ層についても成り立つ。すなわち、
Figure 0006466198
式1.2及び1.3における係数αES1S2は、数値シミュレーションから、または実験から規定することができる。いくつかの例において、薄板近似法よりも正確なモデルが必要な場合、熱の流れは、下記の式2によって表すことができる。
Figure 0006466198

同式において、q*(x,y,z)は、熱容量cS1S2と、材料の密度ρS1S2との積に対する内層熱生成の比を規定する項である。従って、式(1)は、誘導加熱による発熱に関連付けられた項を有することになるであろう。すなわち、
Figure 0006466198

式3(熱源qjの熱密度を指定しない)によって規定されるシステムは、IDDシステム100の各層内の温度分布を説明するものとなるであろう。発熱源の強度が無視できる場合、式1を用いてもよい。ただし、いくつかの構成において、複合材構造110と検出サセプタ106との間に絶縁層108などの良好な断熱材が設けられている限り(もしくは、検出サセプタ106が比較的良好な断熱材である限り)、または、複合材構造110が−∂T/∂n=0(nは外向き法線ベクトル)となるように熱の流れを遮る限り、式1は有効である。この場合、式3が必要となるであろう。
航空機の何らかの操作中に複合材構造110が曝される温度は、実際には複合材構造110の使用温度、または必要や所望に応じて他の温度に限定される。これは、検出サセプタ106の温度、ならびに、その寸法及び材料特性に関連しており、TSDがこの限界に近付くと、すべてのqi(加熱サセプタ104、検出サセプタ106、及び、エロージョンシールド102の内部の熱源)が停止されるようになっている。従って、この構成において、式1は、以下の式4のように変更することができる。
Figure 0006466198
係数αは、定常状態では、厚みh及び比熱容量Cpのみに依存している。ただし、厚みhが変数でない場合、αは熱容量測定実験から求めることができる。
従って、式(4)を用いて、TCOM、TS1、TS2、TE間の比を規定することができる。類推によれば、式(3)のシステムを解くことによって、エロージョンシールド102、加熱サセプタ104、検出サセプタ106、複合材構造110間の境界における所望の位置の温度を、これらの層のうちの1つの温度、ならびに、加熱サセプタ104及び検出サセプタ106の内部での発熱量がわかれば、求めることができる。
発熱の役割は、いくつかの自動制御の用途において有用であろう。上述したように、界面の1つにおける物理的パラメータ及び温度を知ることは、熱伝達係数(q’s)がゼロである場合、他の層の温度を特定するのに役立つ。(式におけるq’sをゼロにすれば、TCOM又はTEが算出できる。)
渦電流によって加熱サセプタ104に生成された熱も、分析することができる。渦電流の周回性質によって、アクティブロス(active loss)及びリアクティブロス(reactive loss)の両方が生成される。磁性材料では、アクティブロスに加えて、ヒステリシス損も温度上昇に寄与する。リアクティブロスは、等価インダクタンスLeq、及び、等価電流Ieqの何らかの平均に、Leqeq 2/2として比例する。誘導損失(inductive losses)は、アクティブロスとは異なり、加熱サセプタ104内で生成される熱に寄与しない。
アクティブロスは、同じ電流Ieq及び等価抵抗Reqに、Reqeq 2として比例する。いずれの損失源も特定することができる。それらは、回路(図1のとおり)、ひいてはコイルに接続された電源、が経験する等価インピーダンスZeqに寄与するものであるからである。磁性材料においては、発熱量qも、ヒステリシス損の関数であり、すなわち、式5に示すように、周波数f及び磁場Bmに比例する。
Figure 0006466198

式5において、Khは、各材料固有のヒステリシス定数であり、Bmは、コイルの任意の固有形状、材料、及び位置に特有の特定の境界及び初期条件を有する、マクスウェル方程式の組の解である。式5を用いて、等価インピーダンスを求めることができ、従って、式6を用いて、IDDシステム100の熱容量を求めることができる。
Figure 0006466198
IDDシステム100は、様々な方法で動作させることができる。例えば、着氷条件を検出及び低減するための一般的な手法は、次のとおりである。この例においては、加熱サセプタ104、検出サセプタ106、コイル112、電源(図示せず)が、共振回路を形成する。共振周波数は、特定のサセプタ層の透磁率の平方根として略増加する。
誘導電源装置は、共振周波数を求め且つ当該共振周波数で動作するための内部回路及び制御アルゴリズムで設計することができる。ある特定のサセプタの温度が低い温度範囲からキュリー温度に到達すると、材料の透磁率が桁違いに低下し、従って、共振周波数が変化する。また、高い温度範囲から温度が低下してキュリー温度に到達すると、材料の透磁率が桁違いに増加し、この場合も、電源出力の共振周波数が変化する。
監視の対象となりうる別の影響としては、温度が変化する際の、弱い磁場内における強磁性体の透磁率の感度がある。温度が上昇又は低下すると、透磁率が変化する。この時、周波数の測定に加え、電源によって感知されるトータルインピーダンスの変化を測定する。いくつかの構成における、IDDシステム100の加熱態様を制御する方法は、共振周波数又はインピーダンスの変化を検知し、以下の例が示すように、2つのサセプタ層に特有の対応するプロセスを異ならせること、に基づいてもよい。
エロージョンシールド102の表面が、着氷条件に対応する温度になると、加熱サセプタ104、検出サセプタ106、または複合材構造110の界面における温度が変化する。この温度変化は、電源出力周波数(またはインピーダンス)と、所定の周波数(インピーダンス)‐これは、サセプタ合金及びコイル112の設計の関数である‐とを比較することによって、検出することができる。検出サセプタ106を形成している金属または金属合金は、エロージョンシールドの表面温度TEが着氷条件、すなわち、精度を問わず32F程度に到達する時、検出サセプタ106のキュリー温度が図2に示した温度プロファイルに一致するように、構成することができる。
検出サセプタ106を利用して誘導加熱システムを自動的にオンにする場合は、いくつかの構成において、検出サセプタ106の透磁率の変化による、電源の共振周波数(及び/又はインピーダンス)の変化を監視することが有用であろう。(幾つかのの除氷又は防氷機能を実行した後の離陸または着陸の際に)温度が低下し、検出サセプタ106のキュリー温度に到達した場合は、いくつかの構成において、検出サセプタ106の透磁率の大幅な上昇による周波数(インピーダンス)の変化を監視することが有益であろう。
共振周波数及びインピーダンスの変化の監視は、電源の連続運転によって、あるいは、着氷しやすい条件が存在していると判定するのに十分な持続時間及びパルス間隔をパルスが有する場合にはパルス方式によって、実施することができる。例えば、回路の過渡プロセスよりも長い持続時間のパルスを、5〜10秒ごとに印加すれば、着氷条件の示唆に十分であろう。
電源によって検知された共振周波数(インピーダンス)が検出サセプタ106の透磁率の変化に起因するものである場合、電源(または別の電源)が、加熱サセプタ104用にあらかじめ設定した共振周波数を有する出力を供給する。システムをOFFに切り替えるための加熱サセプタ104のキュリー温度は、複合材構造110を含め、IDDシステム100の種々の層が耐え得る使用温度の上限を考慮して選択することができる。
例えば、加熱サセプタ104のキュリー温度は、150F〜180Fとなるように選択される。これらの温度では、複合材料の構造的強度を維持することができる。加熱サセプタ104の正確なキュリー温度は、図1及び上述の式を分析することによって規定することができる。これに代えて、加熱サセプタ104のキュリー温度を、層内に熱容量エネルギー蓄積を保持できるほど高く設定することによって、冷却時間を増し、これによって効率を上げつつデューティーサイクルを減らしてもよい。加熱サセプタ104がキュリー温度まで加熱された後は、制御アルゴリズムによって、電源をオフにしてもよいし、オンのまま維持してもよい。
図1のIDDシステム100の別の例の動作方法は、電源を手動で制御し、共振周波数を用いた動作または較正プロセス中の動作を行う場合に採用することができる。当該方法は、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106の温度がそれぞれのキュリー温度に到達する際の、電源によるインピーダンスZeqの変化を監視することに基づいている。加熱サセプタ104及び検出サセプタ106のキュリー温度の選択は、上述したプロセスと同様とすることができる。材料の透磁率が変化すると、インピーダンスZeq及びそのコンポーネントも式6のように変化する。インピーダンスZeqが変化すると、電流と電圧との位相ずれ、及び、それらの大きさが変化する。検出サセプタ106を用いてシステムをオンにする際は、電流及び電圧の位相及びそれらの大きさにおける変化が、透磁率の増加によって起こる。加熱サセプタ104を用いてシステムをオフにする際は、電流及び電圧の位相及びそれらの大きさにおける変化が、透磁率の減少によって起こる。従って、当該方法は、電圧、電流、及び、電圧と電流との位相ずれを監視することに基づいている。
上述のように、2サセプタ設計のいくつかの構成においては、一方のサセプタ層を用いて温度を測定し、他方のサセプタ層を用いて熱を発生させる。これによれば、これらのサセプタの機能を入れ替えない限り、検出サセプタ106のキュリー温度が概して加熱サセプタのキュリー温度より低いということが普遍的な要件として求められ、機能を入れ替えれば、システム全体の効率が低下するであろう。温度に対する十分な反応性を実現するためには、複合層の温度依存性実効透磁率は、好ましくは、32F〜42Fの範囲の温度に対して反応性を有する必要がある。加熱層は、この範囲の温度には比較的反応しにくい、大きな透磁率を有しうる。加熱層は検知層よりも比較的厚みが大きく、このため、検知層の温度依存性に対する検知コイルの応答性が低い。
このような影響を補償するための方法の一例として、「磁気的に柔らかい」、すなわち弱い磁場内において高い透磁率を有する検知層用合金を選択するという方法がある。例えば、約39%のニッケルと約61%の鉄の検知層用合金は、(製造詳細によるが)、(比較的弱い)1Oe(エルステッド)の磁場において、42Fにおける比透磁率が400、32Fにおける比透磁率が200である。また、約30%のニッケルと70%の鉄との合金である加熱層用合金は、(やはり製造詳細によるが)、42〜32Fの範囲において、温度依存性は低いが、磁場強度に強く依存する透磁率、例えば、40Oeでは400であるが1Oeでは50という透磁率を有する。従って、弱い磁場(検知用)では、温度依存性の高い合金(200対50(加熱層)の比透磁率)が支配し、2つの層の複合効果が、温度に反応しやすい実効透磁率である。
別の方法の一例として、検知サセプタ層と加熱サセプタ層について、異なる磁気異方性(透磁率は、層に対する磁場の向きに依存する)を選択するという方法がある。例えば、加熱層の異方性が前縁に平行である一方、検知層が前縁に垂直である場合、当該縁部に垂直に配置された検知コイルは、検知層の特性に対してのみ反応する。この場合、加熱層は、縁部に平行なコイルによって誘起することができる。
異方性は、圧延及び磁場アニーリング(magnetic field annealing)のようないくつかの一般的な製造プロセスによって形成することができる。異方性を形成するための別のアプローチとして、形状によるものがある。例えばワイヤなどの、縦横比が高い(1つの寸法が他の寸法よりも大幅に大きい)磁性材料は、非常に高い異方性を有する。例えば、検知層が、縁部に平行に配置されたワイヤの形態である場合、縁部に平行に配置されたコイルは、この合金の温度依存性に対して反応することになる。
図3は、本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、代替のIDDシステム300の側面図である。この例では、加熱サセプタ304がエロージョンシールドとしての役割も行う。図3のIDDシステムは、加熱サセプタ304及び検出サセプタ306を含む多層システムである。図3のIDDシステムは、複合材構造310、コイル312、集磁機314をさらに含む。
いくつかの構成において、加熱サセプタ304は、航空機のIDDシステム300が設置された箇所の気温を検出するための検出器としても構成されてもよい。加熱サセプタ304は、電源318によって電力供給された時に、コイル312によって形成される磁束316の影響を受け且つこれに反応するように構成される。上述したように、磁束316は、加熱サセプタ304内に渦電流を誘起し、熱を生成する。検出サセプタ306の一部が検出サセプタ306のキュリー温度に到達すると、電源318を駆動する。使用の一例として、コイル312から、種々の時間間隔で低電力の「ピング(ping)」すなわち信号を送信することによって、温度を測定することができる。所定の温度に到達すると、キュリー温度より低い温度へのコンポーネントの温度の推移を検出することによって、コイル312が所定のレベルまで電力供給され、キュリー温度より高い温度までコンポーネントの温度を上昇させる。
電源318によって電力供給された際にコイル312によって形成される磁束316は、集磁機314を用いて、修正、集束、または集中させることができる。集磁機314は、磁場と相互作用しこれを修正するように設計された種々の材料によって構成することができる。これによれば、いくつかの構成において、様々な利点がもたらされる。例えば、磁束316を加熱サセプタ304に集束させることによって、集磁機314のないシステムよりも少ない電力を用いて、同等量の熱を加熱サセプタ304内に生成することができ、したがって、システム全体の効率を上げることができる。別の利点として、IDDシステムの周囲領域への磁束316を低減することができる。これによれば、IDDシステム300に関連付けられていないシステム又は物に対して、磁束316が意図しない又は望ましくない影響を与えることを、抑制することができる。
図4は、本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、代替のIDDシステム400の分解斜視図である。図4のIDDシステム400は、加熱及び検出サセプタ404、複合材構造410、コイル412、集磁機414、交流電源418を含む多層システムである。上述したように、IDDシステムの種々の構成において、1つまたは複数のサセプタの検出/加熱機能を組み合わせて、単一のサセプタにしてもよい。
2つ又はそれ以上の層を組み合わせた一例を、加熱及び検出サセプタ404として図4に示しており、当該サセプタは、加熱サセプタと検出サセプタとを組み合わせたものである。加熱及び検出サセプタ404を構成する金属又は金属合金は、その組み合わせた機能に基づいて選択される。なお、加熱及び検出サセプタ404の構造は、加熱及び検出サセプタ404の全体にわたって均一であってもよいし、変化するものであってもよい。例えば、加熱及び検出サセプタ404の一部が、検出機能を行うように設計された1つの合金または金属であり、加熱及び検出サセプタ404の別の部分は、加熱機能を行うように設計されていてもよい。
図5は、本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、航空機の翼501に設置されたIDDシステム500の部分断面図である。1つ又は複数のIDDシステム500を、航空機の様々な位置、例えば、図5に差し込み図503として示した航空機の位置505、に設置することができる。位置505は、例えば、着氷しやすい翼501の前縁である。他の位置の例として、限定するものではないが、種々の制御面、検出および測定機器(例えば対気速度プローブなど)、エンジン吸気口に隣接する面、などがある。
図5のIDDシステム500は、エロージョンシールド502、加熱サセプタ504、検出サセプタ506、複合材構造510、コイル512、集磁機514を含む多層システムである。エロージョンシールド502は、IDDシステム500の1つ又は複数のコンポーネントを、環境による劣化作用から保護するように構成される。加熱サセプタ504は、磁束に対して反応し、加熱サセプタ504の温度を上昇させるように構成される。
検出サセプタ506は、その温度に到達したことがすなわち着氷または着氷しやすい条件を示すことになるキュリー温度、を有するように構成されている。複合材構造510は、IDDシステム500の種々のコンポーネントを支持する働きを行う。コイル512は、通電されると磁束を形成するように構成されている。コイル512の位置は変更可能であり、複合材構造510の内部が取り除かれている場合は検出サセプタ506のより近くに配置したり、あるいは、複合材構造内に埋設したりすることができる。集磁機514は、磁束を修正することによって、IDDシステム500の効率を高めるように構成することができる。
図6は、本明細書に開示の少なくとも1つの実施形態による、IDDシステムの動作手順600の1つの構成を示している。別段の断りのない限り、図に示した工程やここに説明する工程よりも多くの工程または少ない工程を行ってもよい。また、別段の断りのない限り、これらの工程は、ここに説明した順序とは異なる順序で行ってもよい。
手順600は、工程602から開始し、当該工程では、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106が、航空機外部飛行面に連結される。いくつかの例において、エロージョンシールド102を、バリアとして加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106の間に設置してもよい。上述したように、航空機外部飛行面は、航空機翼、制御面、エンジン、検出機器における位置とは異なりうる。また、同じく上述したように、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106は、1つ又は複数の層から形成されており、各層が上述した検出及び/又は加熱機能を行う。例えば、一構成において、1つのサセプタ層、例えば、加熱サセプタ104を、検出機能と加熱機能との両方に用いてもよい。別の例において、1つのサセプタ、例えば、検出サセプタ106を用いて検出機能を行い、別のサセプタ、例えば加熱サセプタ104を用いて加熱機能を行ってもよい。なお、これらの組み合わせ及び他の組み合わせは、本開示の範囲に含まれるものと考える。
手順600は、工程604へと続き、当該工程では、コイル112がIDDシステム100に組み込まれ、電源に接続される。いくつかの構成において、コイル112は、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106内に渦電流を生成し、影響を受けるサセプタ層の温度を上昇させるために用いられる。別の構成において、コイル112は、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106の磁気特性の変化を検出するための検出器として作用するように構成することができる。例えば、温度低下によってサセプタ層がキュリー温度に到達し、その磁気特性が変化する場合がある。この磁気特性の変化を、コイル112によって形成された磁束を用いて検出することができる。
手順600は、工程606へと続き、当該工程では、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106の磁気特性の変化が検出される。上述したように、この変化は、IDDシステム100近傍の気温が低下したことにより、特定のサセプタの温度がキュリー温度より低い温度まで低下したことに起因する。磁気特性の変化は、様々な技術によって検出することができる。例えば、磁気特性の変化は、IDDシステム100に給電している回路によって検出される共振周波数またはインピーダンスの変化によって検出することができる。
手順600は、工程608へと続き、当該工程では、検出された磁気特性の変化に基づいて温度変化が算出される。金属または金属合金は、特定の温度または温度範囲で、磁気特性に特定の変化が起こるように、選択することができる。
手順600は、工程610へと続き、当該工程では、着氷の可能性についての判定が行われる。上述したように、本開示の種々の構成を用いることによって、IDDシステム100の外面に着氷が起こったかどうか、または、算出された温度が、着氷が起こりやすい温度であるかどうか、またはこれらの両方、についての判定が行われる。
手順600は、工程612へと続き、当該工程では、着氷の可能性が所定の基準を満たしている場合、加熱サセプタ104に渦電流が誘起される。渦電流は、IDDシステム100のコイル112を用いて誘起することができる。手順600は、工程614へと続き、当該工程では、加熱サセプタ104への渦電流の誘起によって、熱が生成される。
手順600は、工程616へと続き、当該工程では、所定点に達するまで、誘導加熱が維持される。所定点とは、例えば、1つ又は複数のサセプタの温度が当該サセプタのキュリー温度より高い温度まで上昇したことを示す状態まで、加熱サセプタ104の磁気特性が戻ったことが検出された時点である。
手順600は、工程618へと続き、当該工程では、渦電流が取り除かれる。手順600は、ここで終了してもよいし、上述したように、工程606に戻って、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106の磁気特性の変化を検出することにより、継続してもよい。手順600のいくつかの構成において、追加の工程として、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106の外部にエロージョンシールド102を連結すること、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106の外部にエロージョンシールド102を重ねること、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106を航空機の複合材構造の外部に連結すること、コイル112を複合材構造110の反対側に配置すること、集磁機114をコイル112の近傍に配置すること、を含んでもよい。いくつかの構成において、集磁機114は、例えば、限定するものではないが、非導電性強磁性体などの、種々の適当な材料によって構成することができる。いくつかの例において、強磁性体は、MnZnまたはNiZnなどのフェライト材を含んでいてもよい。他の構成において、手順600は、加熱サセプタ104及び/又は検出サセプタ106と複合材構造110との間に絶縁体を連結するための操作をさらに含んでもよい。
また、本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
付記1 渦電流に応答して温度を上昇させるように動作する加熱サセプタと、磁気特性が変化するキュリー温度が、所望の温度となるように構成された検出サセプタと、前記検出サセプタの温度が前記キュリー温度より高い温度から前記キュリー温度より低い温度に変化する際の、前記検出サセプタの磁気特性の変化に応答して、前記加熱サセプタに渦電流を誘起するように動作するコイル、とを備える氷検出及び除氷(「IDD」)システム。
付記2 前記検出サセプタと複合材構造との間に設けられた絶縁層をさらに備える、付記1に記載のIDDシステム。
付記3 前記絶縁層は、断熱材を含む、付記2に記載のIDDシステム。
付記4 前記IDDシステムの種々のコンポーネントの腐食を抑制するように動作するエロージョンシールドをさらに備える、付記1に記載のIDDシステム。
付記5 前記エロージョンシールドは、アルミニウム、鋼、チタン、またはその他の耐食フェライト金属または金属合金を含む、付記4に記載のIDDシステム。
付記6 前記コイルに通電することにより、前記加熱サセプタに渦電流を誘起するための磁束を形成するように動作する交流電源、をさらに備える、付記1に記載のIDDシステム。
付記7 前記加熱サセプタ及び前記検出サセプタは、単一の層によって構成されている、付記1に記載のIDDシステム。
付記8 前記キュリー温度は、着氷が起きやすい条件に基づいて選択される、付記1に記載のIDDシステム。
付記9 前記コイルによって形成された磁束に対して相互作用及び修正を行うことによって、前記磁束を前記加熱サセプタに集束させるように動作する集磁機をさらに備える、付記1に記載のIDDシステム。
付記10 前記集磁機は、さらに、IDDシステムに近接する1つまたは複数の箇所を磁束から部分的に絶縁するように動作する、付記1に記載のIDDシステム。
付記11 航空機外部飛行面に1つ又は複数のサセプタを有する航空機を操作することと、前記1つ又は複数のサセプタの温度が、前記1つ又は複数のサセプタのキュリー温度未満に低下したことに起因する、前記1つ又は複数のサセプタの磁気特性の変化を検知することと、前記磁気特性の変化に基づいて温度変化を計算することと、前記航空機外部飛行面における着氷の可能性を判定することと、前記1つ又は複数のサセプタに渦電流を誘起することによって、前記1つ又は複数のサセプタ内に熱を生成することと、所定点に到達するまで、渦電流の誘起を維持することと、前記所定点に到達すると、誘起されていた前記渦電流を取り除くこと、とを含む、氷検出及び除氷システムの動作方法。
付記12 電源に接続されたコイルを組み込むこと、をさらに含み、前記コイル及び電源は、磁束を形成することによって、前記1つ又は複数のサセプタの磁気特性の変化を検出するように、且つ、前記1つ又は複数のサセプタに渦電流を誘起することによって、前記1つ又は複数のサセプタの温度を上昇させるように動作する、付記11に記載の方法。
付記13 前記1つ又は複数のサセプタの外部にエロージョンシールドを連結すること、をさらに含む、付記12に記載の方法。
付記14 航空機の複合材構造の外側に前記サセプタを連結することと、前記複合材構造の反対側にコイルを配置することと、前記コイルの近傍に集磁機を配置すること、とをさらに含む、付記11に記載の方法。
付記15 前記集磁機は、フェライト材を含む、付記14に記載の方法。
付記16 前記1つ又は複数のサセプタと複合材構造との間に断熱層を連結することをさらに含む、付記14に記載の方法。
付記17 腐食を抑制するように動作するエロージョンシールドと、渦電流の形成に応答して温度が上昇するように動作する加熱サセプタと、温度変化を示すために用いられるキュリー温度を有する検出サセプタと、氷検出及び除氷システムの1つまたは複数のコンポーネントを支持するよう動作する複合材構造と、前記検出サセプタと前記複合材構造との間に設けられた絶縁層と、前記加熱サセプタに渦電流を誘起するように動作するコイルと、前記コイルに通電することにより、前記加熱サセプタに渦電流を誘起するための磁束を形成することによって、前記加熱サセプタの温度を上昇させるように動作する交流電源と、前記コイルによって形成された磁束に対して相互作用及び修正を行うことによって、前記磁束を前記加熱サセプタに集束させるように動作する集磁機、とを備える、航空機翼前縁部。
付記18 前記エロージョンシールドは、アルミニウム、鋼、チタン、またはその他の耐食フェライト金属または金属合金を含む、付記17に記載の航空機翼前縁部。
付記19 前記加熱サセプタ及び前記検出サセプタは、単一の層によって構成されている、付記17に記載の航空機翼前縁部。
付記20 前記集磁機は、さらに、前記コイルに近接する1つまたは複数の箇所を磁束から部分的に絶縁するように動作する、付記17に記載の航空機翼前縁部。
上述した要旨は、単に例示的なものであり、開示を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書で説明した要旨に対し、例示した実施形態ならびに図示及び説明した実用例に従うことなく、且つ、以下の特許請求の範囲に記載される本開示の真の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の修正及び変更を行ってもよい。

Claims (10)

  1. 渦電流に応答して温度を上昇させるように動作する加熱サセプタと、
    自身の磁気特性が変化するキュリー温度が、所望の温度となるように構成された検出サセプタと、
    前記検出サセプタの温度が前記キュリー温度より高い温度から前記キュリー温度より低い温度に変化する際の、前記検出サセプタの磁気特性の変化に応答して、前記加熱サセプタに渦電流を誘起するように動作するコイル
    前記コイルによって形成された磁束に対して相互作用及び修正を行うことによって、前記磁束を前記加熱サセプタに集束させるように動作する集磁機と
    備える氷検出及び除氷(「IDD」)システム。
  2. 前記検出サセプタと複合材構造との間に設けられた絶縁層をさらに備える、請求項1に記載のIDDシステム。
  3. 前記IDDシステムの種々のコンポーネントの腐食を抑制するように動作するエロージョンシールドをさらに備える、請求項1〜2のいずれかに記載のIDDシステム。
  4. 前記エロージョンシールドは、アルミニウム、鋼、チタン、またはその他の耐食フェライト金属または金属合金を含む、請求項3に記載のIDDシステム。
  5. 前記コイルに通電することにより、前記加熱サセプタに渦電流を誘起するための磁束を形成するように動作する交流電源、をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のIDDシステム。
  6. 前記キュリー温度は、着氷が起きやすい条件に基づいて選択される、請求項1〜3または5のいずれかに記載のIDDシステム。
  7. 航空機外部飛行面に1つ又は複数のサセプタを有する航空機を操作することと、
    前記1つ又は複数のサセプタの温度が、前記1つ又は複数のサセプタのキュリー温度未満に低下したことに起因する、前記1つ又は複数のサセプタの磁気特性の変化を検知することと、
    前記磁気特性の変化に基づいて温度変化を計算することと、
    前記航空機外部飛行面における着氷の可能性を判定することと、
    前記1つ又は複数のサセプタに渦電流を誘起することによって、前記1つ又は複数のサセプタ内に熱を生成することと、
    所定点に到達するまで、渦電流の誘起を維持することと、
    前記所定点に到達すると、誘起されていた前記渦電流を取り除くこと、とを含む、氷検出及び除氷システムの動作方法。
  8. 電源に接続されたコイルを組み込むこと、をさらに含み、前記コイル及び電源は、磁束を形成することによって、前記1つ又は複数のサセプタの磁気特性の変化を検出するように、且つ、前記1つ又は複数のサセプタに渦電流を誘起することによって、前記1つ又は複数のサセプタの温度を上昇させるように動作する、請求項7に記載の方法。
  9. 航空機の複合材構造の外側に前記サセプタを連結することと、
    前記複合材構造の反対側にコイルを配置することと、
    前記コイルの近傍に集磁機を配置すること、とをさらに含む、請求項7〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 腐食を抑制するように動作するエロージョンシールドと、
    渦電流の形成に応答して温度が上昇するように動作する加熱サセプタと、
    温度変化を示すために用いられるキュリー温度を有する検出サセプタと、
    氷検出及び除氷システムの1つまたは複数のコンポーネントを支持するよう動作する複合材構造と、
    前記検出サセプタと前記複合材構造との間に設けられた絶縁層と、
    前記加熱サセプタに渦電流を誘起するように動作するコイルと、
    前記コイルに通電することにより、前記加熱サセプタに渦電流を誘起するための磁束を形成することによって、前記加熱サセプタの温度を上昇させるように動作する交流電源と、
    前記コイルによって形成された磁束に対して相互作用及び修正を行うことによって、前記磁束を前記加熱サセプタに集束させるように動作する集磁機、とを備える、航空機翼前縁部。
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