JP6466092B2 - 枕による寝姿勢の調整方法および調整枕 - Google Patents

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本発明は、放射線被爆の心配がなく、枕の使用者の顔面側部画像を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全で安価かつ合理的に解析し、その解析結果を基に寝姿勢における枕の最適な高さと顔面角度を調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸を得られ快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止できる、枕による寝姿勢の調整方法および調整枕に関する。
睡眠は疲労回復に重要であり、快適な睡眠と質の高い睡眠を得るためには、睡眠に使用する枕は使用者の体格や体形に応じた最適なものを使用する必要があり、このような要請に応ずる枕が種々提案されている。
例えば、枕本体の上部に高さ調節用のウレタン製のシート体を必要枚数重ね、その都度筋力テストを行なって最適高さを確認し、この上部をウレタンフィルターを用いた被覆体で被い、その上に頭部や首を載置して、枕の高さを小刻みに調節するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この高さ調節法は、シート体を重ねる度に筋力テストを要して煩わしく、またそのような高さ調節は使用者の恣意によることが多くて合理性を欠き、しかもシート体の安定性が悪く位置ずれを生じて、所期の目的を達成できないという問題があった。
このような問題を解決するものとして、球状綿を充填した頭部パックと、頭部パックの1/3幅で、ポリエチレン製の短小パイプを布袋に充填した頚椎パックと、頚椎パックの両側に配置され、頭部パックと同程度の球状綿を充填し、頚椎パックよりも若干肉厚に形成した横寝用パックと、発泡ポリエステル製軟質シートからなる0.5mm厚の調整用シートと、頭部パックと頚椎パックとの間に配置するシート上の固定部材とを備え、布袋内の一端の底部に利用者の後頭部の形状に合わせて複数の調整用シートを積み重ね、該調整用シート上に頚椎パックと横寝用パックを載置し、布袋内の他端に頭部パックを配置して、頚椎部分の高さを調節するようにした枕がある(例えば、特許文献2参照)。
しかし、前記枕の頭部パックと頚椎パックと横寝用パックは硬さや厚みが一定に構成されて、それらの選択の余地がなく、また調整用シートの配置も利用者が恣意的に行なっているため合理性を欠き、利用者に応じて頚椎部分の高さを的確に調節できないという問題があった。
前記問題を解決するものとして、球状綿を充填した頭部パックと、頭部パックの1/3幅で、ポリエチレン製の短小パイプを布袋に充填した頚椎パックと、頚椎パックの両側に配置され、頭部パックと同程度の球状綿を充填し、頚椎パックよりも若干肉厚に形成した横寝用パックと、5mm程度の厚さのシートで3枚用意され、これらを適宜積み重ねて頚椎パックの高さを調整用するピロー調節シートと、約10mm厚の発泡ウレタン製のシート2枚を準備し、これらを適宜積み重ね、その上にピロー調節シートを載置するセンターシートと、センターシートと同大でセンターシートの直下に配置される約20mm厚のベースシートと、ベースシートの一端のテーパ部に載置する三角柱状の肩シートとを備え、これらを適宜取捨選択し組み合わせてシステム化し、枕の高さを70〜85mmと、50〜65mmと、30〜45mmの三段階の高さに調整し、利用者の体形に合わせて頚椎パックの高さを的確に調整するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
しかし、前記枕の頭部パックと頚椎パックと横寝用パックは硬さや厚みが一定に構成されて、それらに選択の余地がなく、またピロー調節シートやセンターシートおよびベースシートの配置が利用者の恣意的に行なわれるため、それらの配置に合理性を欠き、利用者に応じて頚椎パックの高さを的確に調節できないという問題があった。
そこで、利用者に最適な枕を提供するために、睡眠の良否や質に関係する睡眠時の寝呼吸や寝姿勢等に影響する頚椎高さや顎の状態、骨格等の身体的な特徴を客観的に計測し、この計測デ−タを基に最適な枕を合理的に選定ないし設計することが望まれている。
このような試みは、歯科検診ないし矯正診断において、顎顔面部の骨格形態を調べる方法として、頭部X線規格写真を駆使したセファログラムが利用されている。
しかし、セファログラムは放射線被爆による人体への影響の問題があるため、近年その利用が制限され、また解析に時間が掛かり高価になるため、セファログラムに代わる身体の計測とその利用法が望まれている。
このような要請に応ずるものとして、逆L字形の支持部に二つのスライダーを摺動可能に装着し、このスライダーに圧接端子を進退可能に設けるとともに、支持部の一の圧接板に圧接端子を進退可能に設け、これらの圧接端子を顔面のsN点またはsN‘点、sA点、sB点に圧接し、前記各点の幾何学的一関係によって顎顔面形態を計測し、これらの圧接端子により計測される角度と、セファログラム分析により計測されるANB角との相関関係を予め求め、この相関関係を基に前記圧接端子により計測される角度からセファログラム分析により計測されるANB角を推定するようにした顎顔面形態計測装置がある(例えば、特許文献4参照)。
しかし、前記計測装置の製作は精密性を要する上に、各圧接端子を顔面の所定位置に押し当てる作業が難しく、また時間が掛かり、しかも計測の正確性を得られないという問題があって、この計測データを基に最適な枕を合理的に選定ないし設計することが難しいという問題があった。
また、放射線被爆のない他の計測装置として、縦部材の下端部に横部材を垂直に取付けるとともに、縦部材の中間部に装着孔を形成し、該装着孔に測定部材を挿入し、計測時に横部材を両肩の肩甲骨部に水平に当接させて、測定部材の先端部を頚椎部に押し当て、その際の測定部材の突出長さを目盛で計測して、頚椎高さを測定する頚椎高さ測定器がある(例えば、特許文献5参照)。
しかし、前記測定器による測定法は粗雑で精密性を欠き、計測データの精度や信頼性に欠けるとともに、このデータの利用の信頼性を得難い上に、頚椎高さしか得られないため、この計測データを基に最適な枕を合理的に選定ないし設計することは難しいという問題があった。
ところで、発明者は放射線被爆のない計測装置としてデジタルカメラに着目し、セファログラムの側面頭部骨格写真の代わりにデジタルカメラの写真画像を使用し、その写真画像にセファログラムの測定点に対応する測定点を指示して、上顎突出度や下顎突出度および頭蓋底の長さを計測し、デジタルカメラの計測値とセファログラムの各計測値との相関関係を解析したところ、それらに一定の相関関係があることを確認している(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、その相関関係を基にデジタルカメラの写真画像を使用して顔面表皮による仮想顔面骨格を計測し、その計測結果を基に使用者に適切な枕を提供して、快適な睡眠と質の高い睡眠を得られ、しかも無呼吸睡眠を防止できる枕の開発を考えた。
特開2001−169887号公報 特開2006−122584号公報 特開2007−493号公報 特開2006−115990公報 実用新案登録第3108462号公報
直里達也 側面頭部X線規格写真(セファログラム)とデジタルカメラによる側面頭部写真との関係について 2013.8.23 第21回睡眠環境学会(第31回睡眠環境シンポジウム)
本発明はこのような問題を解決し、放射線被爆の心配がなく、枕の使用者の顔面側部画像を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全で安価かつ合理的に解析し、その解析結果を基に寝姿勢における枕の最適な高さと顔面角度を調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸を得られ快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止できる、枕による寝姿勢の調整方法および調整枕を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、使用者の横臥位姿勢の顔面側部の非放射線被爆画像に、セファログラムの測定点に代わり、顔面表皮上における耳珠と鼻根凹部と鼻下部と唇下凹部とを含む複数の計測点を指示して上顎突出度と下顎突出度を計測し、この計測値を演算制御装置へ入力するとともに、該演算制御装置によって、上顎突出度と下顎突出度を基に非放射線被爆画像とセファログラムの相関関係を条件に、睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を演算し、かつこの演算結果に対応する複数種の調整部材とその数量およびその組合せを演算し、この演算結果を基に前記調整部材を使用し睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を調整し、睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全で安価かつ合理的に解析するとともに、前記計測デ−タを基に枕の適正な高さと顔面角度を演算し、この演算結果に対応する調整法を調整部材とその数量および組合せを基に具体的に指示し、この指示を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を合理的かつ簡便に調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸状態を得られ、快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止し得るようにしている。
請求項2の発明は、複数の計測点の他に、下顎点と下顎角点を設け、顔面骨格の位置関係を特定し、上顎突出度と下顎突出度の計測精度を向上するようにしている。
請求項3の発明は、非放射線被爆画像を基本画像として撮影後、計測治具を介し頚椎の高さを調整し、この状態を非放射線被爆撮影手段により解析用画像として撮影し、この解析用画像を演算制御装置へ入力し、顔面骨格の位置関係と顔面角度を正確に撮影可能にするとともに、解析用画像の利用を促すようにしている。
請求項4の発明は、複数種の調整部材の使用の要否と、使用する各調整部材の数量を演算し、各調整部材を組合せ重合配置して睡眠時における枕の高さと顔面角度を調整し、演算制御装置によって複数種の調整部材の使用の要否と、使用する各調整部材の数量を指示し、指示された調整部材によって所期の調整を容易かつ正確に行なえるようにしている。
請求項5の発明は、調整部材は、頚椎部を載置して頚椎の高さを調整する頚椎ベースパッドと、使用時は枕の底部側に配置して枕の高さを調整する高さ調整パッドと、高さ調整パッドと頚椎ベースパッドとの間に配置し、寝姿勢の顔面角度を調整する角度調整パッドと、からなり、各パッドの要否と使用数を調整し、各パッドを重合して配置し、合理的な3種類のパッドを使用し、これらを有機的に配置するとともに、各パッドの組み込み法を演算制御装置の指示に基いて容易に行なえるようにしている。
請求項6の発明は、頚椎ベースパッドは、柔らかな合成樹脂製の二種類のパッドを上下に重合して配置し、各パッドは表面に二つの緩やかな山形の凸部を有し、裏面に二つの緩やかな凹状湾曲面を有し、上側のパッドの凹状湾曲面に下側のパッドの凸部を係合可能に形成し、前記角度調整パッドは、柔らかな合成樹脂製の三種類のパッドの一を選択して配置し、その一のパッドは薄厚の平板状に形成し、その他のパッドは表面に高さを異にする緩やかな山形の凸部を有し、裏面を平坦面に形成し、前記高さ調整パッドは、頚椎ベースパッドよりも硬い薄厚の平板状に形成し、二種類のパッドを重合かつ係合して配置し、また三種類のパッドを選択して使用し、頚椎ベ−スパッドと角度調整パッドを安定して支持するようにしている。
請求項7の発明は、各パッドの調整と選択に備え、枕の使用者に対する問診と、顔面側部の非放射線被爆画像の撮影と、前記画像を基に前記上顎突出度と下顎突出度の計測と、を行ない、簡単な方法によって合理的な解析と使用者の顔面骨格情報を得られるようにしている。
請求項8の発明は、各パッドの調整と選択のために、一または複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドとを重合し、その上部の二位置に頭部重量相当の錘を載置し、錘載置後の高さと顔面相当角度を計測して、各パッドを重合した睡眠時における実際の枕の高さと顔面角度を実測し、その計測データを基に頚椎ベースパッドと高さ調整パッドの使用数量を調整するとともに、角度調整パッドを選択して、実際の枕の使用状態に即して的確に調整し得るようにしている。
請求項9の発明は、一の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドを重合し、それらに前記錘を同位置に載置して錘載置後の高さと顔面相当角度を計測し、頚椎ベースパッドと高さ調整パッドと角度調整パッドとの組み合わせによる枕の高さを実測して、実際の枕の使用状態に即した計測データを収集し、枕の高さと顔面角度調整の正確性を確保するようにしている。
請求項10の発明は、複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドとを重合し、零または一の角度調整パッドを重合し、それらに前記錘を同位置に載置して錘載置後の高さを計測し、頚椎ベースパッドと高さ調整パッドと角度調整パッドとの組み合わせによる枕の高さを実測して、実際の枕の使用状態に即した計測データを収集し、枕の高さと顔面角度調整の正確性を確保するようにしている。
請求項11の発明は、頚椎パッドによる高さ調整は、一の頚椎ベースパッドと零ないし複数の高さ調整パッドとを重合する低タイプ高さ調整と、複数の頚椎ベースパッドと零ないし複数の高さ調整パッドとを重合する高タイプ高さ調整と、を含み、頚椎パッドの高さ調整を低タイプ高さ調整と高タイプ高さ調整に分けて、使用パッドの検索の簡便化に供するようにしている。
請求項12の発明は、一または複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドとを組み合わせて重合し、それらの上部に頭部重量相当の錘を載置し、それらの錘載置後の高さと顔面相当角度を計測し、各組み合わせの高さと顔面相当角度を累積し、各累積値と前記低タイプ高さ調整または高タイプ高さ調整入力を基に、前記睡眠時における枕の高さと顔面角度に対応する各パッドの組み合わせを検索し、種々の実測データを基に最適な枕の高さと顔面角度を形成可能な各パッドの組み合わせを的確かつ簡便に得られるようにしている。
請求項13の発明は、枕の高さと顔面角度の演算結果に対応する各種調整部材の組み合わせと配置を、演算制御装置の表示器に表示し、調整に使用する調整部材の組み合わせと配置を具体的に視認させるようにしている。
請求項14の発明は、枕の両側に使用者の好みの硬さの充填材を配置し、枕の硬さを使用者に応じて調整し得るようにしている。
請求項15の発明は、使用者の横臥位姿勢の顔面側部の非放射線被爆画像に、セファログラムの測定点に代わり、顔面表皮上における耳珠と鼻根凹部と鼻下部と唇下凹部とを含む複数の計測点を指示して上顎突出度と下顎突出度を計測し、この計測値を演算制御装置へ入力可能にするとともに、該演算制御装置によって、前記上顎突出度と下顎突出度を基に非放射線被爆画像とセファログラムの相関関係を条件に、睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を演算可能にし、かつこの演算結果に対応する複数種の調整部材とその数量およびその組合せを演算可能にし、この演算結果を基に前記調整部材を使用して睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を調整可能にし、睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全で安価かつ合理的に解析するとともに、前記計測データを基に枕の適正な高さと顔面角度を演算し、この演算結果に対応する調整方法を調整部材とその数量および組合せを基に具体的に指示し、この指示を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を合理的かつ簡便に調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸状態を得られ、快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止し得る調整枕を提供し得るようにしている。
請求項16の発明は、複数の計測点の他に、下顎点と下顎角点を設け、上顎突出度と下顎突出度の計測精度を向上するようにしている。
請求項17の発明は、調整部材は、頚椎部を載置して頚椎の高さを調整する頚椎ベースパッドと、使用時は枕の底部側に配置して枕の高さを調整する高さ調整パッドと、高さ調整パッドと頚椎ベースパッドとの間に配置し、寝姿勢の顔面角度を調整する角度調整パッドと、からなり、各種パッドの要否と使用数を調整し、各パッドを重合して配置可能にし、枕の高さと寝姿勢の顔面角度をきめ細かに調整し得るようにしている。
請求項18の発明は、頚椎ベースパッドは、柔らかな合成樹脂製の二種類のパッドを上下に重合して配置され、各パッドは表面に二つの緩やかな山形の凸部を有し、裏面に二つの緩やかな凹状湾曲面を有し、上側のパッドの凹状湾曲面に下側のパッドの凸部を係合可能に形成され、前記角度調整パッドは、柔らかな合成樹脂製の三種類のパッドの一を選択して配置され、その一のパッドは薄厚の平板状に形成され、その他のパッドは表面に高さを異にする緩やかな山形の凸部を有し、裏面を平坦面に形成し、前記高さ調整パッドは、頚椎ベースパッドよりも硬い薄厚の平板状に形成し、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを合理的に構成し、各パッドによる多様な調整に応じられるようにしている。
請求項19の発明は、頚椎ベースパッドを後頭部と頸椎を載置可能な断面形状に形成し、その下面に角度調整パッドと係合可能な二つの凹状湾曲面を形成し、頚椎ベースパッドと角度調整パッドの断面形状を具体化し、それらの良好な重合状態を形成して、調整状態の安定化と調整後の位置ずれを防止し得るようにしている。
請求項20の発明は、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを平面視略同形に形成し、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを容易かつコンパクトに収納し得るようにしている。
請求項21の発明は、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを柔軟なパッドケースに重合して収容し、該パッドケースを、枕の内部を上下に区画した上側区画室の中央部に配置し、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを密着させてそれらの移動を抑止し、安定した調整状態を維持し得るようにしている。
請求項22の発明は、高さ調整パッドを前記頚椎ベースパッドおよび角度調整パッドよりも大きく、かつ枕と略同大に形成し、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを安定して支持し得るようにしている。
請求項23の発明は、角度調整パッドを平板、または表面に高さを異にする二つの凸部を有する波形断面に形成し、その裏面を平坦に形成して、角度調整パッドの多様化と多様な枕の高さと顔面角度を得られ、枕の高さと顔面角度をきめ細かに調整し得るとともに、安定した収納状態を得られるようにしている。
請求項24の発明は、平板の角度調整パッドによる調整角度を零度、角度調整パッドによる調整角度と高さを、二つの凸部によってそれぞれ二様に設定し、角度調整パッドの構成の簡潔化を図るとともに、二つの凸部による二様の設定によって部品点数を低減し、製作費を低減し得るとともに、一の角度調整パッドによって簡便に調整し得るようにしている。
請求項25の発明は、枕の上側区画室の両側に使用者の好みの硬さの充填材を充填したサイドパックを配置し、使用者の好みの硬さの枕を得られるようにしている。
請求項26の発明は、頚椎ベースパッドと高さ調整パッドと角度調整パッド、およびサイドパックを枕に出し入れ可能にし、各パッドの調整およびメンテナンスを簡便に行なえるようにしている。
請求項1の発明は、使用者の横臥位姿勢の顔面側部の非放射線被爆画像に、セファログラムの測定点に代わり、顔面表皮上における耳珠と鼻根凹部と鼻下部と唇下凹部とを含む複数の計測点を指示して上顎突出度と下顎突出度を計測し、この計測値を演算制御装置へ入力するとともに、該演算制御装置によって、上顎突出度と下顎突出度を基に非放射線被爆画像とセファログラムの相関関係を条件に、睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を演算し、かつこの演算結果に対応する複数種の調整部材とその数量およびその組合せを演算し、この演算結果を基に前記調整部材を使用し睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を調整するから、睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全で安価かつ合理的に解析するとともに、前記計測データを基に枕の適正な高さと顔面角度を演算し、この演算結果に対応する調整法を調整部材とその数量および組合せを基に具体的に指示し、この指示を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を合理的かつ簡便に調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸状態を得られ、快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止することができる。
請求項2の発明は、複数の計測点の他に、下顎点と下顎角点を設けるから、顔面骨格の位置関係を特定し、上顎突出度と下顎突出度の計測精度を向上することができる。
請求項3の発明は、前記非放射線被爆画像を基本画像として撮影後、計測治具を介し頚椎の高さを調整し、この状態を非放射線被爆撮影手段により解析用画像として撮影し、この解析用画像を演算制御装置へ入力するから、顔面骨格の位置関係と顔面角度を正確に撮影可能にするとともに、解析用画像の利用を促すことができる。
請求項4の発明は、複数種の調整部材の使用の要否と、使用する各調整部材の数量を演算し、各調整部材を組合せ重合配置して睡眠時における枕の高さと顔面角度を調整し、演算制御装置によって複数種の調整部材の使用の要否と、使用する各調整部材の数量を指示するから、指示された調整部材によって所期の調整を容易かつ正確に行なうことができる
請求項5の発明は、調整部材は、頚椎部を載置して頚椎の高さを調整する頚椎ベースパッドと、使用時は枕の底部側に配置して枕の高さを調整する高さ調整パッドと、高さ調整パッドと頚椎ベースパッドとの間に配置し、寝姿勢の顔面角度を調整する角度調整パッドと、からなり、各パッドの要否と使用数を調整し、各パッドを重合して配置するから、合理的な3種類のパッドを使用して、これらを有機的に配置するとともに、各パッドの組み込み法を演算制御装置の指示に基いて容易に行なうことができる。
請求項6の発明は、頚椎ベースパッドは、柔らかな合成樹脂製の二種類のパッドを上下に重合して配置し、各パッドは表面に二つの緩やかな山形の凸部を有し、裏面に二つの緩やかな凹状湾曲面を有し、上側のパッドの凹状湾曲面に下側のパッドの凸部を係合可能に形成し、前記角度調整パッドは、柔らかな合成樹脂製の三種類のパッドの一を選択して配置し、その一のパッドは薄厚の平板状に形成し、その他のパッドは表面に高さを異にする緩やかな山形の凸部を有し、裏面を平坦面に形成し、前記高さ調整パッドは、頚椎ベースパッドよりも硬い薄厚の平板状に形成するから、二種類のパッドを重合かつ係合して配置し、また三種類のパッドを選択して使用し、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを安定して支持することができる。
請求項7の発明は、各パッドの調整と選択に備え、枕の使用者に対する問診と、顔面側部の非放射線被爆画像の撮影と、前記画像を基に前記上顎突出度と下顎突出度の計測と、を行なうから、簡単な方法によって合理的な解析と使用者の顔面骨格情報を得ることができる。
請求項8の発明は、各パッドの調整と選択のために、一または複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドとを重合し、その上部の二位置に頭部重量相当の錘を載置し、錘載置後の高さと顔面相当角度を計測するから、各パッドを重合した睡眠時における実際の枕の高さと顔面角度を実測し、その計測データを基に頚椎ベースパッドと高さ調整パッドの使用数量を調整するとともに、角度調整パッドを選択して、実際の枕の使用状態に即して的確に調整することができる。
請求項9の発明は、一の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドを重合し、それらに前記錘を同位置に載置して錘載置後の高さと顔面相当角度を計測するから、頚椎ベースパッドと高さ調整パッドと角度調整パッドとの組み合わせによる枕の高さを実測して、実際の枕の使用状態に即した計測データを収集し、枕の高さと顔面角度調整の正確性を確保することができる。
請求項10の発明は、複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドとを重合し、零または一の角度調整パッドを重合し、それらに前記錘を同位置に載置して錘載置後の高さを計測するから、頚椎ベースパッドと高さ調整パッドと角度調整パッドとの組み合わせによる枕の高さを実測して、実際の枕の使用状態に即した計測データを収集し、枕の高さと顔面角度調整の正確性を確保することができる。
請求項11の発明は、頚椎ベースパッドによる高さ調整は、一の頚椎ベースパッドと零ないし複数の高さ調整パッドとを重合する低タイプ高さ調整と、複数の頚椎ベースパッドと零ないし複数の高さ調整パッドとを重合する高タイプ高さ調整と、を含むから、頚椎ベースパッドの高さ調整を低タイプ高さ調整と高タイプ高さ調整に分けて、使用パッドの検索の簡便化に供することができる。
請求項12の発明は、一または複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドとを組み合わせて重合し、それらの上部に頭部重量相当の錘を載置し、それらの錘載置後の高さと顔面相当角度を計測し、各組み合わせの高さと顔面相当角度を累積し、各累積値と前記低タイプ高さ調整または高タイプ高さ調整入力を基に、前記睡眠時における枕の高さと顔面角度に対応する各パッドの組み合わせを検索するから、種々の実測データを基に最適な枕の高さと顔面角度を形成可能な各パッドの組み合わせを的確かつ簡便に得られる効果がある
請求項13の発明は、枕の高さと顔面角度の演算結果に対応する各種調整部材の組み合わせと配置を、演算制御装置の表示器に表示するから、調整に使用する調整部材の組み合わせと配置を具体的に視認させることができる。
請求項14の発明は、枕の両側に使用者の好みの硬さの充填材を配置するから、枕の硬さを使用者に応じて調整することができる。
請求項15の発明は、使用者の横臥位姿勢の顔面側部の非放射線被爆画像に、セファログラムの測定点に代わり、顔面表皮上における耳珠と鼻根凹部と鼻下部と唇下凹部とを含む複数の計測点を指示して上顎突出度と下顎突出度を計測し、この計測値を演算制御装置へ入力可能にするとともに、該演算制御装置によって、前記上顎突出度と下顎突出度を基に非放射線被爆画像とセファログラムの相関関係を条件に、睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を演算可能にし、かつこの演算結果に対応する複数種の調整部材とその数量およびその組合せを演算可能にし、この演算結果を基に前記調整部材を使用して睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を調整可能にしたから、睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全で安価かつ合理的に解析できるとともに、前記計測データを基に枕の適正な高さと顔面角度を演算し、この演算結果に対応する調整方法を調整部材とその数量および組合せを基に具体的に指示し、この指示を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を合理的かつ簡便に調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸状態を得られ、快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止し得る調整枕を提供することができる。
請求項16の発明は、複数の計測点の他に、下顎点と下顎角点を設けたから、上顎突出度と下顎突出度の計測精度を向上することができる。
請求項17の発明は、調整部材は、頚椎部を載置して頚椎の高さを調整する頚椎ベースパッドと、使用時は枕の底部側に配置して枕の高さを調整する高さ調整パッドと、高さ調整パッドと頚椎ベースパッドとの間に配置し、寝姿勢の顔面角度を調整する角度調整パッドと、からなり、各種パッドの要否と使用数を調整し、各パッドを重合して配置可能にしたから、枕の高さと寝姿勢の顔面角度をきめ細かに調整することができる。
請求項18の発明は、頚椎ベースパッドは、柔らかな合成樹脂製の二種類のパッドを上下に重合して配置され、各パッドは表面に二つの緩やかな山形の凸部を有し、裏面に二つの緩やかな凹状湾曲面を有し、上側のパッドの凹状湾曲面に下側のパッドの凸部を係合可能に形成され、前記角度調整パッドは、柔らかな合成樹脂製の三種類のパッドの一を選択して配置され、その一のパッドは薄厚の平板状に形成され、その他のパッドは表面に高さを異にする緩やかな山形の凸部を有し、裏面を平坦面に形成し、前記高さ調整パッドは、頚椎ベースパッドよりも硬い薄厚の平板状に形成したから、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを合理的に構成し、各パッドによる多様な調整に応じられる効果がある
請求項19の発明は、頚椎ベースパッドを後頭部と頸椎を載置可能な断面形状に形成し、その下面に角度調整パッドと係合可能な二つの凹状湾曲面を形成したから、頚椎ベースパッドと角度調整パッドの断面形状を具体化し、それらの良好な重合状態を形成して、調整状態の安定化と調整後の位置ずれを防止することができる。
請求項20の発明は、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを平面視略同形に形成したから、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを容易かつコンパクトに収納することができる。
請求項21の発明は、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを柔軟なパッドケースに重合して収容し、該パッドケースを、枕の内部を上下に区画した上側区画室の中央部に配置したから、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを密着させてそれらの移動を抑止し、安定した調整状態を維持することができる。
請求項22の発明は、高さ調整パッドを前記頚椎ベースパッドおよび角度調整パッドよりも大きく、かつ枕と略同大に形成したから、頚椎ベースパッドと角度調整パッドを安定して支持することができる。
請求項23の発明は、角度調整パッドを平板、または表面に高さを異にする二つの凸部を有する波形断面に形成し、その裏面を平坦に形成したから、角度調整パッドの多様化と多様な枕の高さと顔面角度を得られ、枕の高さと顔面角度をきめ細かに調整できるとともに、安定した収納状態を得ることができる。
請求項24の発明は、平板の角度調整パッドによる調整角度を零度、角度調整パッドによる調整角度と高さを、二つの凸部によってそれぞれ二様に設定したから、角度調整パッドの構成の簡潔化を図るとともに、二つの凸部による二様の設定によって部品点数を低減し、製作費を低減し得るとともに、一の角度調整パッドによって簡便に調整することができる。
請求項25の発明は、枕の上側区画室の両側に使用者の好みの硬さの充填材を充填したサイドパックを配置したから、使用者の好みの硬さの枕を得ることができる。
請求項26の発明は、頚椎ベースパッドと高さ調整パッドと角度調整パッド、およびサイドパックを枕に出し入れ可能にしたから、各パッドの調整およびメンテナンスを簡便に行なうことができる。
本発明を適用した調整枕の調整手順を示す説明図で、(a)はスタッフと使用者との問診状態を示す斜視図、(b)は使用者の基本撮影状態を示す正面図、(c)は治具の取り付けと解析用撮影状態を示す正面図、(d)は解析用画像による測定点の指示とそれらの距離と角度の測定状態を正面図、(e)は各種パッドを調整後に試し寝している状況を示す正面図、(f)は試し寝後に各種パッドを調整している状況を示す斜視図、(g)は調整後の確認用撮影の状況を示す斜視図、(h)は調整終了後に枕を手渡している状況を示す斜視図である。
本発明を適用した調整枕の要部を分解して示す斜視図である。 本発明に適用した使用者の解析用撮影状態の要部を拡大して示す正面図で、その画像に測定点を指示している。 本発明を適用した調整枕を硬さ毎に示す斜視図である。 本発明に適用した頚椎ベースパッドと高さ調整パッドの低タイプ高さ調整における、3通りの組み合わせ状況(a)〜(c)を示す斜視図で、それぞれの調整高さを付記している。
本発明に適用した頚椎ベースパッドと高さ調整パッドの高タイプ高さ調整における、3通りの組み合わせ状況(a)〜(c)を示す斜視図で、それぞれの調整高さを付記している。 本発明に適用した複数の角度調整パッド(a)〜(c)と、その各配置状況(イ),(ロ)を示す斜視図で、それらの調整角度と調整高さを付記している。 本発明に適用した各調整パッドの高さと顔面相当角度θの計測状況を示す説明図で、実際の顔面角度αと顔面角度線m,m’を示している。 本発明に適用した各調整パッドの高さと顔面角度の計測値を基に作成した調整パッド組み合わせ用検索表である。
本発明に適用した演算器に表示された各種調整部材の組み合わせと配置状況を示す斜視図である。 本発明の各種パッドによる調整後の調整枕による寝姿勢を示す説明図で、実際の顔面角度αと顔面角度線mを示している。 従来の枕による寝姿勢を示す説明図で、実際の顔面角度β,γと顔面角度線mを示し、(a)は顎の位置が高い場合、(b)は顎の位置が低い場合を示している。
以下、本発明を図示の実施形態について説明すると、図1は本発明に適用した調整枕による寝姿勢の調整手順を示している。同図において(a)は枕や睡眠に関し専門的な知識を有する枕のメ−カまたは販売店のスタッフ1による問診状況を示し、枕の使用者である相談者2に対し、その氏名、性別、伸長、体重、枕の好みの硬さ等の基本情報を質問し、これを例えば電子記録手段であるタブレット3を介して、その問診情報をタブレット3に内蔵した演算制御装置であるパーソナルコンピュータ(図示略)へ入力している。
図中、4は前記タブレット3上を走査するスタイラス・ペンで、文字入力、タッチ操作入力等をパーソナルコンピュータ(図示略)へ入力している。
前記問診後、使用者2が施術用ベッド5にリラックスした状態で図1(b)のように仰臥し、その仰臥位姿勢を前記タブレット3ないしデジタル若しくはアナログまたはビデオカメラによって非放射線被爆画像として撮影し、その静止像を基本画像としてパーソナルコンピュータ(図示略)へ入力している。実施形態では前記タブレット3によって写真撮影し、その画像をパーソナルコンピュータ(図示略)へ入力している。
前記撮影後、その仰臥位姿勢を維持して顎6を上げ、施術用ベッド5と頚椎7との間に計測治具8を挿入し、該治具8に空気を注入して頚椎7の高さを調整し、この状態を前記タブレット3により解析用画像として撮影し、この解析用画像をパーソナルコンピュータ(図示略)へ入力している。この状況は同図(c)のようである。
前記解析用撮影後、タブレット3上の解析用画像を利用するに当たり、セファログラムの主な分析点ないし計測点である測定点S(気道の縁),N(鼻骨前縁縫合の最前点),A(鼻の下と上唇の間の骨の最深点),B(下唇の下の骨の最深点)等は、外観からは特定できないため、それらに代わる測定点を指示する必要がある。
そこで、セファログラムの前記分析点ないし計測点S,N,A,Bに代わって、前記解析用画像の顔面表皮上に分析点ないし計測点P1,P2,P3,P4を設定している。この状況は図1(d)および図3のようである。
これらの図において、P1は骨外耳道の上縁で、耳の穴の骨の天井部分である耳珠、P2は鼻根点或いは鼻骨前頭縫合の最前点で眉間の凹んだ辺りの鼻根凹部、P3は鼻の下と上唇の間の骨の最深点である鼻下部、P4は下唇の下の骨の最深点である唇下凹部である。
また、この他に顔面骨格の位置関係を特定する測定点として、下顎(オトガイ)正中断面像の最下点としてオトガイ点P5、下顎後縁平面と下顎下縁平面との交点である下顎角点P6、を設けている。そして、耳珠P1と鼻根凹部P2を基点に二種類の顎顔面角度、すなわち∠P123による上顎突出度と、∠P124による下顎突出度を計測している。
更に、施術用ベッド5から頚椎7までの頚椎高さを計測するとともに、寝姿勢における適正な顔面相当角度θないしその顔面角度線mとして、鼻根凹部P2を通る水平線ないし垂直線を求めている。
そして、これらの計測データと、前記パーソナルコンピュータに予め記憶された解析情報を基に、使用者2の顔面骨格に対応した適正な枕の高さと顔面角度を演算し、この演算値を基に寝姿勢における調整枕9の適正な高さと顔面角度を調整している。
図中、J,Kは施術用ベッド5の下部に離間して設定した客観的基準点である水平基準点で、それらの間隔、実施形態では200mmを基に、前記計測点P1〜P6の相対的な距離を演算可能にしている。
前記枕9は横長の略蒲鉾形に形成され、その内部の両側に硬さの異なるソフト、レギュラー、ハードの三種類の充填材を充填した一のサイドパックを配置している。
これらは枕9の端部形状に対応した略鱗形の同形同大に形成され、その外側部にスライドファスナー(図示略)を開閉可能に取付け、その内部にポリエステルまたはポリエチレン製の前記した硬軟の充填材を充填して、サイドパック13a,13bの硬さを調整し、寝返り時における異なった感触を得られるようにしている。実施形態ではサイドパック13a,13bの硬さを、前述のようにソフトタイプ、レギュラータイプ、ハードタイプの三種類に構成している。
前記枕9の長さ方向の一側に開口部10が設けられ、該開口部10の開口縁にスライドファスナー11が開閉可能に取付けられている。
前記枕9の内部に一対の仕切片12a,12bが左右に逢着され、該仕切片12a,12bの下縁部に横長の仕切片12cが逢着され、枕9の内部を上下および左右三室に区画している。
前記上室側の両側室に前記サイドパック13a,13bが着脱可能に収容され、仕切片12a,12bで区画された上側室の中央室14に、後述する各種の調整パッドが着脱可能に収容され、仕切片12c直下の下側室に後述する高さ調整パッドが着脱可能に収容されている。
このうち、ソフトタイプのサイドパック13a,13bは、内部にポリエステル製のいわゆる粒綿材を充填し、レギュラータイプのサイドパック13a,13bはポリエチレン製のパイプ材を充填し、ハードタイプのサイドパック13a,13bはレギュラータイプに充填した径および肉厚が相違するポリエチレン製のパイプ材を充填して、それぞれの硬さを調整している。
前記中央室14に頚椎の高さを調整する二種類の頚椎ベースパッド17a,17bと、寝姿勢の顔面角度を調整する三種類の角度調整パッド18a〜18cとを上下に重合し、これらを伸縮自在な化学繊維製のパッドケース15に挿入して、重合状態を維持し移動を抑止して、仕切片12c直下の下側室、つまり枕9の底部側に一または二枚の高さ調整パッド19を挿入している。
このように本発明は、図4のように硬さの異なる三種類のサイドパック13a,13bを取り揃え、これらのサイドパックによる三種類の硬さの枕9を選択する。
また、図5のように一種類の頚椎ベースパッド17aに、0乃至2枚の高さ調整パッド19を組み合わせた3通りの低タイプ高さ調整と、図6のように二種類の頚椎ベースパッド17a,17bに、0乃至2枚の高さ調整パッド19を組み合わせた3通りの高タイプ高さ調整とを、有する。
更に、図7のように6種類の顔面角度調整パッド18a〜18cによる6通りの角度調整に、高さ調整を加えて、合計108通りの調整ないし選択を可能にしている。
前記低タイプ高さ調整は図5(a)〜(c)のように、選択された枕9に対し、一種類の頚椎ベ−スパッド17aと、0乃至2枚の高さ調整パッド19との組み合わせによる三通りの組み合わせによって、2.0〜3.5cmの高さを調整可能にしている。
また、前記高タイプ高さ調整は図6(a)〜(c)のように、硬さを選択された枕9に対し、二種類の頚椎ベースパッド17a,17bと、0ないし二枚の高さ調整パッド19との組み合わせによる、3通りの組み合わせによって4.0〜6.0cmの高さを調整可能にしている。
前記頚椎ベースパッド17a,17bはウレタンフォーム製の矩形板の表面を緩やかに湾曲形成し、その両側に二つの緩やかな山形の凸部を形成し、この一方の凸部に使用者2の頚椎部を載置し、中間部の凹部上に使用者2の後頭部を載置可能にしていて、これらの硬さを略同様に構成している。
前記頚椎ベースパッド17a,17bの裏面の両側に二つの緩やかな凹状湾曲面が形成され、この凹状湾曲面を後述する角度調整パッドの二つの凸部に係合可能に配置し、それらの板厚は一端から他端に掛けて頚椎ベースパッド17aが2.4〜5.0cmに漸増し、頚椎ベースパッド17bが2.0〜2.8cmに漸増している。
前記高さ調整パッド19は枕9より若干小形のポリエチレン製の略矩形板に形成され、その厚さは約0.8cmに形成され、その硬さは頚椎ベースパッド17a,17bよりも硬く構成されていて、これを枕9の底部側に配置し、該高さ調整パッド19上に角度調整パッドA〜Cの一を載置し、該角度調整パッドA〜C上に頚椎ベースパッド17a若しくは17bまたは両方を載置している。
前記角度調整パッドは図7(a)〜(c)のように、三種類の角度調整パッドA〜Cからなり、このうち角度調整パッドAは、ポリウレタンフォーム製の板厚h1(0.5cm)の平板状の角度調整パッド18aで構成され、該調整パッド18aによる角度調整は、該パッド18aを使用しない(無し)場合の(イ)と、一枚使用する場合の(ロ)とが有り、(イ)では調整角度0°、高さ0mm、(ロ)では調整角度1.5°、高さ0.5cmmに調整可能にしている。
前記角度調整パッドBは、ポリウレタンフォーム製の平面矩形板の角度調整パッド18bで構成され、その表面の両側に高さを異にする緩やかな山形の二つの凸部20,21が突設され、それらの高さh2,h3を(h1<h2<h3)に形成し、その裏面を平坦面に形成している。実施形態ではh2を1.3cm、h3を1.8cmに形成している。
前記角度調整パッド18bによる顔面の角度調整は、高さの低い凸部20を前側、つまり頚椎側に配置する図7(b)(イ)の場合と、凸部21を前側の頚椎側に配置する図7(b)(ロ)の場合とがある。前者の場合は調整角度を3.0°、高さを1.3cmに調整可能にしており、後者の場合は調整角度を5.0°、高さを1.8cmに調整可能にしている。
そして、前記角度調整パッド18bの前後位置を変えることによって、調整角度と高さを二様に設定可能にし、部品点数の低減と構成の合理化、並びに調整作業の容易化を図っている。
更に、角度調整パッドCは顎の角度調整パッド18cはポリウレタンフォーム製の平面矩形板の角度調整パッド18cで構成され、その表面の両側に高さを異にする緩やかな山形の凸部22,23が突設され、それらの高さh4,h5を(h3<h4<h5)に形成し、その裏面を平坦面に形成している。実施形態ではh4を2.3cm、h5を2.8cmに形成している。
前記角度調整パッド18cによる角度調整は、高さの低い凸部22を前側、つまり頚椎側に配置する図7(c)(イ)の場合と、凸部23を前側、つまり頚椎側に配置する図7(b)(ロ)の場合とがある。
前者の場合は調整角度を7.0°、高さを2.3cmに調整可能にしており、後者の場合は調整角度を9.0°高さを2.8cmに調整可能にしている。
そして、前記角度調整パッド18cの前後位置を変えることによって、調整角度と高さを二様に設定可能にし、部品点数の低減と構成の合理化、並びに調整作業の容易化を図っている。
この場合、高さ調整パッド19や頚椎ベースパッド17a,17bの使用の有無および数量は、これらが頭部重量によって押圧され、発明者の実験では寝姿勢における高さや顔面角度に及ぼす影響が小さいことが確認された。
これに対し、角度調整パッド18の使用の有無は、頚椎と後頭部との相対的な高さによって、それらの位置が相対的に変化し顔面が起伏するから、寝姿勢が変化し顔面角度に及ぼす影響が大きいことが確認された。
このような頚椎ベースパッド17a,17bと高さ調整パッド19との組み合わせ、および角度調整パッド18a〜18cの選択は、前記パーソナルコンピュータの演算によって合理的かつ速やかに演算可能にされている。
すなわち、前記パーソナルコンピュータには後述する計測データと、予め記憶された解析情報を基に、使用者2の頭部ないし顔面骨格に対応した適正な枕の高さと顔面角度を演算し、この演算値を基に寝姿勢における枕9の適正な高さと顔面角度を調整可能にしている。
前記パーソナルコンピュータにはセファログラム画像とデジタルカメラ画像、実施形態ではタブレット画像の下顎突出度(角度)、すなわち図3の∠SNBに対応する∠P124の相関関係を示す第1直線式と、この第1直線式の傾き係数に下顎突出度(角度)∠SNBに対応する∠P124の計測値を乗じて算出する第1基準係数X1の算出式、が記憶されている。
更に、前記パーソナルコンピュータにはセファログラム画像とデジタルカメラ画像の上顎突出度(角度)、すなわち図3の∠SNAに対応する∠P123相関関係を示す第2直線式と、この第2直線式の傾き係数に上顎突出度(角度)∠SNAに対応する∠P123の計測値を乗じて算出する第2基準係数X2の算出式、とが記憶されている。
実施形態では下顎突出度(角度)∠P124と、上顎突出度(角度)∠P123の計測方法は、パーソナルコンピュータによって△P124および△P123の各辺の長さを基に余弦定理または三角関数によって演算している。
図3において、S点はセファログラム画像における気道の縁、N点は鼻鞍部、A点は鼻下部、B点は唇下部である。P1は前記S点に対応するデジタルカメラ画像における耳珠、P2はN点に対応する鼻鞍部の表皮部、P3はA点に対応する鼻下部の表皮部、P4は唇下部に対応する表皮部、P5は下顎(オトガイ)前点、P6は下顎角点Pである。
また、前記パーソナルコンピュータには、枕の高さ係数Z1,Z2の計算式が男女別に記憶され、この計算式は前記∠SNBに対する男女別の制御係数Cbn,Cboから、前記第1基準係数X1を差し引いて求めている。
そして、前記各枕の高さ係数Z1,Z2を基に、枕の適正な高さを算出する計算式が男女別に記憶され、その適正な高さの計算式は、男女別の枕の高さ係数Z1,Z2のそれぞれに係数(例えば1.0)を乗じ、これに補正値(例えば2.0)を加えて成立している。
また、前記パーソナルコンピュータには、枕の適正な顎の角度を算出する計算式が男女別に記憶されている。前記枕の適正な顎の角度の計算式は、男女別の枕の角度係数Z3,Z4のそれぞれに係数(例えば1.0)を乗じ、これに補正値(例えば1.0)を加えて成立している。
前記枕の角度係数Z3,Z4の計算式は、前記∠SNAに対する男女別の制御係数Can,Caoから、前記第2基準係数X2を差し引いて求めている。
更に、前記パーソナルコンピュータには、前記演算した枕の適正な高さと顔面の適正な角度を基に、その適正な高さと角度を実現可能な頚椎ベースパッド17a,17bと高さ調整パッド19との組み合わせ、およびその際の高さ調整パッド19の使用数量、並びに角度調整パッド18a〜18cの組み合わせを演算可能にしている。
このため、前記パーソナルコンピュータには、一または二枚の高さ調整パッド19の上に、角度調整パッド18a〜18cの選択した一を載せ、該角度調整パッド18a〜18cの一の上に一または二枚の頚椎ベ−スパッド17aまたは17bを載せ、該頚椎ベースパッド17aの上に錘25を載せた際の、頚椎部と後頭部の沈み込み後におけるそれらの角度θ、または顔面角度線m’を計測し、それらの計測値を記憶している。
この場合、前記角度θは、睡眠時における頚椎部と後頭部との高さ位置で形成する顎の傾斜角度若しくは頭部ないし顔面の傾斜角度、つまり顔面角度に相当する。
したがって、前記角度θを計測することによって、睡眠時における顔面角度と推定し得ることになる。
前記計測は図8のように、平坦な計測台24上に例えば一枚の高さ調整パッド19を載せ、該高さ調整パッド19の上に角度調整パッド18a〜18cの一つを載せ、該角度調整パッド18b上に例えば頚椎ベースパッド17aと17bを載せ、その上側の頚椎ベースパッド17a上の頚椎載置部である凸部と、後頭部を載置する凹部とに錘25を別々に載せている。
前記錘25は人の頭部に見立てた大きさと重量に形成され、この錘25による高さ調整パッド19と、角度調整パッド18b、頚椎ベースパッド17a、17bの沈み込み後の変化を前記タブレット3で撮影し、その画像を基に頚椎ベースパッド17a、17bの沈み込み後の計測台24上からの高さHと、後頭部の沈み込み後の計測台24上からの高さH’と、前記顔面相当角度θを計測している。
その際、頚椎部と後頭部の二箇所における錘25の載置毎に、前記高さH,H’と顎の角度θを計測し、それらの計測値を累積することによって、最終的な高さHと顔面角度θとしている。
図8において、後頭部の載置部から計測台24に下ろした錘25の垂線と、計測台24との交点をD、頚椎の載置部を通る錘25の垂線と計測台24との交点をE、頚椎の沈み込み後の位置をF、Fの水平線とDの垂線との交点をG、後頭部の沈み込み後の位置をR、頚椎7から後頭部までの距離DEをLとすると、頚椎と後頭部の沈み込み後の角度θは、∠GFRで表される。
そこで、直角三角形△GFRの三辺の長さを計測し、それらを基に余弦定理またはθ=tan-1H−H’/Lから、前記角度θを算出する。実施形態ではLとして標準的な数値である150mmを採用している。
こうして、例えば一枚の高さ調整パッド19と、一枚の角度調整パッド18cと、二枚の頚椎ベースパッド17a、17bを使用する場合における、それぞれの頚椎の高さと顔面の角度を記憶させる。この場合、二枚の頚椎ベースパッド17a、17bを使用する組み合わせは図6の高タイプ高さ調整に属し、これに枕9の硬さを指定すれば、適正な枕を得られる。
次に、高さ調整パッド19と、角度調整パッド18cと、頚椎ベースパッド17aまたは17bを使用する別の組み合わせを設定し、その際の頚椎の高さと顎の角度を計測して記憶させ、その際の頚椎ベースパッド17a、17bの使用形態と数量によって高または低タイプ高さ調整を特定する。
この後、高さ調整パッド19の枚数を変え、角度調整パッド18a〜18cの一を選択し、頚椎ベースパッド17aまたは17bを選択して、それらの組み合わせを種々変更し、その際の頚椎の高さと後頭部の沈み込み後の高さH,H’,θを計測することによって、各種パッドの組み合わせを特定可能にする。
図9は前記計測値を基に、各種パッド17a、17b、18a〜18cによる枕の高さと顔面角度の計測値を分布し、これに低タイプ調整と高タイプ調整の調整モードを加え、これらの相関関係から各種パッド17a、17b、18a〜18c、19の組み合わせを検索可能にしている。
例えば図9において「高さ2.0、角度0.0」の組み合わせは、低タイプ高さ調整と指示されているから、先ず図5(a)の「高さ2.0」の組み合わせと考えられ、また「角度0.0」から角度調整パッド18aを使用しない、組み合わせと考えられる。
したがって、前記組み合わせは硬軟何れかのサイドパックを配置した枕9に対し、頚椎ベースパッド17aと高さ調整パッド19を使用せず、かつ角度調整パッド18aを使用しない、組み合わせが適当である。
また、図9において「高さ4.0、角度3.0」の組み合わせは、低タイプ高さ調整と指示されているから、先ず図5(a)または(b)の「高さ2.0または3.0」の組み合わせと考えられ、次に「角度3.0」から図7(b)(イ)の角度調整パッド18bと考えられる。
ただ、この場合は高さが1.3cm増加するから、前記図5(a)または(b)のうち、図5(a)の場合は高さが3.3になり、図5(b)の場合は高さが4.3になるため、図5(b)の組み合わせが適当と考えられる。
したがって、前記組み合わせは硬軟何れかのサイドパックを配置した枕9に対し、頚椎ベースパッド17aと一枚の高さ調整パッド19を使用し、かつ角度調整パッド18bは図7(b)(イ)のように配置する、組み合わせが適当である。
更に、図9において「高さ5.5、角度5.0」の組み合わせは、高タイプ高さ調整と指示されているから、先ず図6(a)または(b)の「高さ4.0または5.0」の組み合わせと考えられる。
次に、「角度5.0」から、図7(b)(ロ)の角度調整パッド18bと考えられ、この場合は高さが1.8cm増加するから、前記図6(a)または(b)のうち、図6(a)の場合は高さが5.8になり、図6(b)の場合は高さが6.8になるから、図6(a)の組み合わせが適当と考えられる。
したがって、前記組み合わせは硬軟何れかのサイドパックを配置した枕9に対し、頚椎ベ−スパッド17a,17bと、高さ調整パッド19を使用せず、かつ角度調整パッド18bは図7(b)(ロ)のように配置する、組み合わせが適当である。
また、図9において「高さ7.5、角度9.0」の組み合わせは、高タイプ高さ調整と指示しているから、先ず図6(b)または(c)の「高さ5.0または6.0」の組み合わせと考えられる。
次に、「角度9.0」から図7(c)(ロ)の角度調整パッド18cと考えられ、この場合は高さが2.8cm増加するから、前記図6(b)または(c)のうち、図6(b)の場合は高さが7.8になり、図6(c)の場合は高さが8.8になるから、図6(b)の組み合わせが適当と考えられる。
したがって、前記組み合わせは硬軟何れかの枕9に対し、頚椎ベースパッド17a,17bと、高さ調整パッド19を1枚使用し、かつ角度調整パッド18cは図7(c)(ロ)のように配置する、組み合わせが適当である。
こうして演算された調整パッドの組み合わせは、パーソナルコンピュータによってタブレット3の画面に、例えば図10のように表示される。
すなわち、同図には「高さ4.0、角度3.0」の前記組み合わせに使用する頚椎ベースパッド17aと、一枚の高さ調整パッド19と、角度調整パッド18bと、それらの配置状況が表示され、また使用者2の好みの硬さのサイドパック13a,13bが表示される
そこで、スタッフ1は前記表示画面を基に指示された頚椎ベースパッド17aと、一枚の高さ調整パッド19と、角度調整パッド18bと、好みの硬さのサイドパック13a,13bを用意する。
そして、前記サイドパック13a,13bを開口部10から枕9の両側に挿入し、また頚椎ベースパッド17aと角度調整パッド18bをパッドケース15に重合して収容し、これをサイドパック13a,13bの間の中央部14に挿入する。
次に、開口部10から仕切片12cの直下に一枚の高さ調整パッド19を挿入し、スライドファスナー11を操作して開口部10を閉鎖する。この状況は図10のようである。
こうして所定の各種パッド17a,18b,19を組み合わせ、またサイドパック13a,13bを挿入後、この調整枕9を施術用ベッド5に載せ、該ベッド5に使用者2が仰臥位姿勢で横たわり、後頭部を前記枕9の角度調整パッド18bと頚椎ベースパッド17a上に載せて試し寝し、その寝姿勢を確認する。この状況は図1(e)のようである。
そして、試し寝による前記寝姿勢における後頭部の位置や頚椎7の位置と高さ、頭部または顔面角度、若しくは顎の傾斜角度、気道26の閉塞の有無、サイドパック13a,13bの感触の適否を確認し、前記組み合わせの当否を確認する。
そして、試し寝における不具合な部位に対応する頚椎ベースパッド17a、角度調整パッド18b、高さ調整パッド19、サイドパック13a,13bを交換して、前記不具合を解消する。この状況は図1(f)のようである。
こうして前記不具合を解消後、使用者2は調整後の枕9に後頭部を載せて仰臥位姿勢をとり、この寝姿勢をタブレット3によって確認用に撮影し、その画像を基に枕9の高さと顔面角度の適否を確認する。この状況は図1(g)のようである。
そして、枕9の調整の適正状態を確認し、調整状態が良好の場合は調整後の枕9を使用者2に提供して、一連の調整が終了する。この状況は図1(h)のようである。
こうして調整した枕9の使用状況は図11のようである。前記枕9は前記「高さ4.0、角度3.0」に調整されている。
この場合の使用者2の寝姿勢は、図示のように後頭部の位置が頸椎よりも沈み、顎の位置がベッド5と略水平に位置し、その顔面角度αは前記顔面相当角度θと略等しく(α≒θ)、その顔面角度線mは水平線より僅かに下向きに傾斜し、気道26が十分広く確保され自然な寝呼吸が得られているから、睡眠時無呼吸ないしその症状の発生を防止し得る。
これに対し、例えば図12(a)のように枕Qの後頭部の高さが使用者2の好みに合致していても、頸椎部の高さが高いと顎が上がり過ぎる寝姿勢になり、その顔面角度βは前記角度θより大きく(θ<β)、顔面角度線mが斜め上向きになって、気道26は十分広く確保され呼吸し易いが、口が開いてしまう問題がある。
一方、図12(b)では枕Qの後頭部の高さが使用者2の好みに合致していても、頸椎部の高さが低いために顎を引いた寝姿勢になり、その場合の顔面角度γは前記計測角度θより大きく(θ<γ)、その顔面角度線mは斜め下向きになって気道26が狭くなり、呼吸がし辛く睡眠時無呼吸ないしその症状発生の懸念がある。
このように本発明は、放射線被爆の心配がなく、枕の使用者の顔面側部画像を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全かつ合理的に解析し、その解析結果を基に各種の調整部材を選択して、寝姿勢における枕の最適な高さと顔面角度を調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸を得られ快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止できるようにしたものである。
本発明の枕による寝姿勢の調整方法および調整枕は、放射線被爆の心配がなく、枕の使用者の顔面側部画像を基に睡眠時における枕の最適な高さと顔面角度を安全で安価かつ合理的に解析し、その解析結果を基に寝姿勢における枕の最適な高さと顔面角度を調整し、理想的な寝姿勢と寝呼吸を得られ快適で質の高い睡眠を得られるとともに、無呼吸睡眠を防止できる。
2 使用者
3 タブレット
9 枕(調整枕)
13a,13b サイドパック
14 中央部
15 パッドケース
17a,17b 調整部材(頚椎ベースパッド)
18a〜18c 調整部材(角度調整パッド)
19 調整部材(高さ調整パッド)
21〜23 凸部
25 錘
1〜P6 計測点
1 耳珠
2 鼻根凹部
3 鼻下部
4 唇下凹部
∠P123 上顎突出度
∠P124 下顎突出度
m,m’ 顔面角度線
α,β,γ 顔面角度
θ 顔面相当角度

Claims (26)

  1. 使用者の横臥位姿勢の顔面側部の非放射線被爆画像に、セファログラムの測定点に代わり、顔面表皮上における耳珠と鼻根凹部と鼻下部と唇下凹部とを含む複数の計測点を指示して上顎突出度と下顎突出度を計測し、この計測値を演算制御装置へ入力するとともに、該演算制御装置によって、上顎突出度と下顎突出度を基に非放射線被爆画像とセファログラムの相関関係を条件に、睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を演算し、かつこの演算結果に対応する複数種の調整部材とその数量およびその組合せを演算し、この演算結果を基に前記調整部材を使用し睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を調整することを特徴とする枕による寝姿勢の調整方法。
  2. 前記複数の計測点の他に、下顎点と下顎角点を設ける請求項1記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  3. 前記非放射線被爆画像を基本画像として撮影後、計測治具を介し頚椎の高さを調整し、この状態を非放射線被爆撮影手段により解析用画像として撮影し、この解析用画像を演算制御装置へ入力する請求項1記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  4. 前記複数種の調整部材の使用の要否と、使用する各調整部材の数量を演算し、各調整部材を組合せ重合配置して睡眠時における枕の高さと顔面角度を調整する請求項1記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  5. 前記調整部材は、頚椎部を載置して頚椎の高さを調整する頚椎ベースパッドと、使用時は枕の底部側に配置して枕の高さを調整する高さ調整パッドと、高さ調整パッドと頚椎ベースパッドとの間に配置し、寝姿勢の顔面角度を調整する角度調整パッドと、からなり、各パッドの要否と使用数を調整し、各パッドを重合して配置する請求項1記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  6. 前記頚椎ベースパッドは、柔らかな合成樹脂製の二種類のパッドを上下に重合して配置し、各パッドは表面に二つの緩やかな山形の凸部を有し、裏面に二つの緩やかな凹状湾曲面を有し、上側のパッドの凹状湾曲面に下側のパッドの凸部を係合可能に形成し、前記角度調整パッドは、柔らかな合成樹脂製の三種類のパッドの一を選択して配置し、その一のパッドは薄厚の平板状に形成し、その他のパッドは表面に高さを異にする緩やかな山形の凸部を有し、裏面を平坦面に形成し、前記高さ調整パッドは、頚椎ベースパッドよりも硬い薄厚の平板状に形成する請求項記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  7. 各パッドの調整と選択に備え、枕の使用者に対する問診と、顔面側部の非放射線被爆画像の撮影と、前記画像を基に前記上顎突出度と下顎突出度の計測と、を行う請求項1記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  8. 前記各パッドの調整と選択のために、一または複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドとを重合し、その上部の二位置に頭部重量相当の錘を載置し、錘載置後の高さと顔面相当角度を計測する請求項記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  9. 前記一の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドを重合し、それらに前記錘を同位置に載置して錘載置後の高さと顔面相当角度を計測する請求項記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  10. 前記複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドとを重合し、零または一の角度調整パッドを重合し、それらに前記錘を同位置に載置して錘載置後の高さを計測する請求項記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  11. 前記頚椎ベースパッドによる高さ調整は、一の頚椎ベースパッドと零ないし複数の高さ調整パッドとを重合する低タイプ高さ調整と、複数の頚椎ベースパッドと零ないし複数の高さ調整パッドとを重合する高タイプ高さ調整と、を含む請求項または10記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  12. 前記一または複数の頚椎ベースパッドと、零ないし複数の高さ調整パッドと、零または一の角度調整パッドとを組み合わせて重合し、それらの上部に頭部重量相当の錘を載置し、それらの錘載置後の高さと顔面相当角度を計測し、各組み合わせの高さと顔面相当角度を累積し、各累積値と前記低タイプ高さ調整または高タイプ高さ調整入力を基に、前記睡眠時における枕の高さと顔面角度に対応する各パッドの組み合わせを検索する請求項8乃至11の何れか一項記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  13. 枕の高さと顔面角度の演算結果に対応する各種調整部材の組み合わせと配置を、演算制御装置の表示器に表示する請求項1記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  14. 前記枕の両側に使用者の好みの硬さの充填材を配置する請求項1記載の枕による寝姿勢の調整方法。
  15. 使用者の横臥位姿勢の顔面側部の非放射線被爆画像に、セファログラムの測定点に代わり、顔面表皮上における耳珠と鼻根凹部と鼻下部と唇下凹部とを含む複数の計測点を指示して上顎突出度と下顎突出度を計測し、この計測値を演算制御装置へ入力可能にするとともに、該演算制御装置によって、前記上顎突出度と下顎突出度を基に非放射線被爆画像とセファログラムの相関関係を条件に、睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を演算可能にし、かつこの演算結果に対応する複数種の調整部材とその数量およびその組合せを演算可能にし、この演算結果を基に前記調整部材を使使し睡眠時における枕の適正な高さと顔面角度を調整可能にしたことを特徴とする調整枕。
  16. 前記複数の計測点の他に、下顎点と下顎角点を設けた請求項15記載の調整枕。
  17. 前記調整部材は、頚椎部を載置して頚椎の高さを調整する頚椎ベースパッドと、使用時は枕の底部側に配置して枕の高さを調整する高さ調整パッドと、高さ調整パッドと頚椎ベースパッドとの間に配置し、寝姿勢の顔面角度を調整する角度調整パッドと、からなり、各種パッドの要否と使用数を調整し、各パッドを重合して配置可能にした請求項15記載の調整枕。
  18. 前記頚椎ベースパッドは、柔らかな合成樹脂製の二種類のパッドを上下に重合して配置され、各パッドは表面に二つの緩やかな山形の凸部を有し、裏面に二つの緩やかな凹状湾曲面を有し、上側のパッドの凹状湾曲面に下側のパッドの凸部を係合可能に形成され、前記角度調整パッドは、柔らかな合成樹脂製の三種類のパッドの一を選択して配置され、その一のパッドは薄厚の平板状に形成され、その他のパッドは表面に高さを異にする緩やかな山形の凸部を有し、裏面を平坦面に形成し、前記高さ調整パッドは、頚椎ベースパッドよりも硬い薄厚の平板状に形成した請求項17記載の調整枕。
  19. 前記頚椎ベースパッドを後頭部と頸椎を載置可能な断面形状に形成し、その下面に角度調整パッドと係合可能な二つの凹状湾曲面を形成した請求項17記載の調整枕。
  20. 前記頚椎ベースパッドと角度調整パッドを平面視略同形に形成した請求項17記載の調整枕。
  21. 前記頚椎ベースパッドと角度調整パッドを柔軟なパッドケースに重合して収容し、該パッドケースを、枕の内部を上下に区画した上側区画室の中央部に配置した請求項17記載の調整枕。
  22. 前記高さ調整パッドを前記頚椎ベースパッドおよび角度調整パッドよりも大きく、かつ枕と略同大に形成した請求項17記載の調整枕。
  23. 前記角度調整パッドを平板、または表面に高さを異にする二つの凸部を有する波形断面に形成し、その裏面を平坦に形成した請求項17記載の調整枕。
  24. 前記平板の角度調整パッドによる調整角度を零度、角度調整パッドによる調整角度と高さを、二つの凸部によってそれぞれ二様に設定した請求項17記載の調整枕。
  25. 前記枕の上側区画室の両側に使用者の好みの硬さの充填材を充填したサイドパックを配置した請求項21記載の調整枕。
  26. 前記頚椎ベースパッドと高さ調整パッドと角度調整パッド、およびサイドパックを枕に出し入れ可能にした請求項25記載の調整枕。
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