JP6464441B1 - 液体滴下装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体を溜められる、側部に1つ以上の穴のある液体滴下管を用意し、前記液体滴下管と発熱体または滴下液体押し出し袋を接合し側部の穴を塞ぐ。滴下液体押し出し袋内には袋膨張用液体が密閉の上封入されており、発熱体からの加熱により袋膨張用液体が加熱されて気体へと状態変化することで体積が増し、膨らんだ滴下液体押し出し袋が滴下液体を押し出すことによりインクやインクの溶媒等の液体が滴下されることを特徴とする。
【選択図】図9
Description
図1に示すように、通電すると発熱する発熱体(3)の一方に導線(2)を接続し、反対側には常温よりも沸点の高い袋膨張用液体(6)を封入したうえで密閉された滴下液体押し出し袋(5)を接合したものを側部に1つ以上の穴の開いた液体滴下管(1)の穴に通し、滴下液体押し出し袋(5)が液体通路(4)に面するように配置し、発熱体(3)を液体滴下管(1)と接合して隙間がないように側部の穴を全て塞ぐ。
インク等の液体が液体滴下管(1)に溜まっている状態で発熱体(3)に通電すると袋膨張用液体(6)の温度が上昇し気体に状態変化することで滴下液体押し出し袋(5)の体積が膨張し、液体通路(4)内の滴下液体が液体滴下管出口(8)から押し出されて滴下する。通電する発熱体(3)の数を変化させれば膨張する滴下液体押し出し袋(5)の数も変わるため滴下する液体の体積を変化させることができる。予め滴下液体を液体滴下管(1)に封入している場合は滴下液体との濡れの良さは良くても悪くてもよいが、滴下液体タンク(11)と接続して滴下液体を液体滴下管(1)に導く場合、液体滴下管(1)は液体に対し濡れの良い素材で、かつ毛細管現象により液体滴下管出口(8)まで滴下液体が吸い上げられる程度の細さであるものが望ましい。
発熱体(3)は袋膨張用液体と直接接していないため、効率よく加熱するには滴下液体押し出し袋(5)の材質は熱伝導率の良い素材が望ましい。ナイロンが適当だと考える。
第1の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図2に示すように、滴下液体押し出し袋(5a)は内部に発熱体(3a)と袋膨張用液体(6a)を含んで密閉されているが、発熱体(3a)と接続されている導線(2a)は滴下液体押し出し袋(5a)から外に出るように密閉する。導線(2a)が滴下液体押し出し袋(5a)から外に出ている部分は袋膨張用液体(6a)が状態変化で気体に変わったときに気体が漏れやすい所であるからしっかり塞ぐ必要がある。また、滴下液体押し出し袋(5a)が移動しないように、液体滴下管(1a)と接続するときは発熱体(3a)が入っている場所で接合した方がしっかり固定されて良い。発熱体は滴下液体押し出し袋の中に入っているため効率よく袋膨張用液体に熱を伝えられるが、滴下液体押し出し袋と液体滴下管出口との接合面は膨張と収縮の繰り返しの際に劣化しやすい部分であるため耐久性の高い素材が望ましい。ポリ塩化ビニリデンが適当だと考える。
第2の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図3に示すように、前記第1の発明または第2の発明のいずれかの液体滴下装置において、液体滴下管(1)または(1a)と発熱体(3)または滴下液体押し出し袋(5a)のいずれかの間に断熱材(21)を挟んで接合する。断熱材(21)によってさらに効率的に袋膨張用液体の温度を上げることができ、また、難燃性の断熱材(21)を用いれば安全性も増す。
第3の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図4に示すように、前記第1の発明から第3の発明のいずれかの液体滴下装置において、液体滴下装置の側面を被覆材(22)で覆う。この被覆材(22)は断熱性のある絶縁体が望ましい。なぜならば、複数の液体滴下装置を平面上に配置した場合において、周囲の液体滴下装置に電流や熱が伝わりにくくなり、予期せぬ滴下液体押し出し袋(5)または(5a)の膨張といった誤作動を防ぎ、安全性も増すからである。
第4の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図5に示すように、前記第1の発明から第4の発明のいずれかの液体滴下装置の液体滴下管(1)または(1a)の下流側に、液体滴下管(1)または(1a)よりも滴下液体との濡れの悪い液体停止管(7)を接合する。なぜならば少々の衝撃で液体が飛び落ちないようにするためである。
第5の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図6に示すように、前記第1の発明から第5の発明のいずれかの液体滴下装置の液体滴下管(1)または(1a)の下流側に、弾性体開閉弁(9)を接合する。なぜならば少々の衝撃で液体が飛び落ちないようにするためである。弾性体は変形すると元に戻ろうとする性質があるため、滴下液体押し出し袋(5)または(5a)の膨張により液体が滴下されるとき、くす玉のように一旦開いてもその後速やかに閉じる。
第6の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図7に示すように、前記第1の発明から第6の発明のいずれかの液体滴下装置の液体滴下管(1)または(1a)の下流側に、多孔質弾性体(10)を接合する。なぜならば紙などの物体に押印する場合、物体の面に対し傾いていたり、隙間があったりするなどしてインクが一部物体につかないことを減らすためである。
第7の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図10に示すように、前記第1の発明から第6の発明のいずれかの液体滴下装置を複数配置した液体滴下装置群(14)の下流側に、液体受け(15)を接合する。液体滴下装置群(14)の各液体滴下管(1)または(1a)から滴下される液体の体積を自由に変えられるので混合比に応じて様々な色を作り出すことができる。各液体は短時間で混ざりやすいものが望ましい。液体受け(15)には通気口(23)が必要である。液体受け(15)に通気口(23)がない場合、液体滴下装置群(14)から滴下された液体が液体受け出口(16)を塞いだ後、わずかでも液体が下がると液体受け(15)内の気圧が低下し、液体受け(15)内の空気による下向きの力と液体にはたらく重力の和が下から上に向かう大気による力とつりあってそれ以上液体が落ちないからである。通気口(23)があれば液体受け(15)内の気圧は大気圧に保たれ、常に下向きの力が上向きの力より大きいため液体は下に流れることができる。尚、通気口を持つ代わりにTEMISH等、空気は通すが液体は通さない液体受け(15)でもよい。液体受け(15)の内面は滴下液体に対しロータス効果を持つ材質と表面加工されているものが望ましい。ロータス効果があれば滴下液体は球体となり、垂直抗力の作用点における力のモーメントの和が常に下向きに回転する向きとなるため、効率よく転がり落ちるからである。液体受け(15)表面の勾配は急であるほどよい。ロータス効果がない液体受けでは滴下液体が少量であるほど、重力以上に滴下液体と液体受け(15)の間の分子間力の影響が増し、うまく下に流れていかないためである。ロータス効果があれば分子間力の影響はほとんど滴下液体と液体受け(15)の接触している一点のみとなり、下に転がりやすくなる。液体受け出口(16)に滴下液体が到達すると筆記ができるようになる。筆記する際にはボールペンのペン先などを結合するとなお良い。
第8の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図11に示すように、前記第8の発明の液体滴下装置の液体受け(15)の下流側に、前記第1の発明から第7の発明のいずれかの液体滴下装置を接合する。液体受け(15)の下流側に接合する液体滴下装置の液体滴下管(1)または(1a)は液体に対し濡れの良い素材でかつ毛細管現象により液体滴下管出口(8)または(8a)まで滴下液体が吸い込まれる程度の細さであるものが望ましい。最終的に液体滴下装置から滴下する液体の体積を調節することができるため濃淡を調節することができ、また、加圧されているので逆さにして使用したり、空気が滴下液体の間に入ったりしても筆記ができる。色を変更する際には予め内蔵している溶媒を滴下し、液体滴下装置の最終的な液体滴下管(1)または(1a)内を洗浄してから行う。淡い色を出したいときにも同じ溶媒を滴下して他の液体と混合する。
第9の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図13と図14に示すように、前記第8の発明または第9の発明のいずれかの液体滴下装置を1ユニットとし、平面上に複数ユニットを配置する。第8の発明の滴下装置を複数ユニット配置した場合は、液体受け出口に滴下液体が到達すると押印ができるようになるが、押印する際には多孔質弾性体を接合するとなお良い。この場合、最終的な滴下液体の体積を調節して濃度を変えることはできないし、逆さまにして押印をすることもできない。第9の発明の滴下装置を複数ユニット配置した場合は、最終的な滴下液体の体積を調節して濃度を変えることができ、また、加圧されているので逆さまにしたり、空気が滴下液体の間に入ったりしても押印することができる。
第10の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
図15に示すように、前記第1の発明から第7の発明のいずれかの液体滴下装置を平面上に複数配置する。単色専用となるが、液体滴下装置の液体滴下管同士の距離が短くなるので精細な押印ができる。逆さにして押印することができ、また、空気が滴下液体の間に入っても加圧されているので押印できる。
第11の発明は以上のような構造を持つ液体滴下装置である。
2 導線
3 発熱体
4 液体通路
5 滴下液体押し出し袋
6 袋膨張用液体
7 液体停止管
8 液体滴下管出口
1a 液体滴下管
2a 導線
3a 発熱体
4a 液体通路
5a 滴下液体押し出し袋
6a 袋膨張用液体
8a 液体滴下管出口
6b 袋膨張用液体が気体になったもの
9 弾性体開閉弁
10 多孔質弾性体
11 滴下液体タンク
12 蓋
13 液体
14 液体滴下装置群
15 液体受け
16 液体受け出口
17 逆流防止ポケット
18 液体逆流防止体
19 滴下液体接続通路
20 液体滴下装置持ち手
21 断熱材
22 被覆材
23 通気口
Claims (11)
- 滴下する液体の体積を一定に保つかもしくは任意に変えることのできる液体滴下装置であって、
前記液体を溜められる、側部に1つ以上穴のある液体滴下管と、
前記液体滴下管に接合し側部の穴を塞いだ、通電により発熱する発熱体と、
前記発熱体に接合し、滴下する液体通路に面し、かつ密閉された滴下液体押し出し袋と、
前記滴下液体押し出し袋の中に封入された袋膨張用液体を有することを特徴とする液体滴下装置。 - 滴下する液体の体積を一定に保つかもしくは任意に変えることのできる液体滴下装置であって、
前記液体を溜められる、側部に1つ以上穴のある液体滴下管と、
通電により発熱する発熱体と袋膨張用液体を内部に含んで密閉し、前記液体滴下管に接合して側部の穴を塞いだ滴下液体押し出し袋を有することを特徴とする液体滴下装置。 - 請求項1または請求項2のいずれかの液体滴下装置における液体滴下管の穴を塞いだ接合面に断熱材を介して接合したことを特徴とする液体滴下装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかの液体滴下装置の側面を被覆材で被覆したことを特徴とする液体滴下装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかの液体滴下装置の液体滴下管の下流側に液体滴下管よりも滴下する液体との濡れの悪い液体停止管を接合したことを特徴とする液体滴下装置。
- 請求項1から請求項5のいずれかの液体滴下装置の液体滴下管の下流側に弾性体開閉弁を接合したことを特徴とする液体滴下装置。
- 請求項1から請求項6のいずれかの液体滴下装置の液体滴下管の下流側に多孔質弾性体を接合したことを特徴とする液体滴下装置。
- 複数の液体滴下装置から滴下した液体を混合した混合液を滴下する液体滴下装置であって、
請求項1から請求項6のいずれかの液体滴下装置を複数配置した液体滴下装置群と、前記液体滴下装置群の下流側に接合した液体受けからなることを特徴とする液体滴下装置。 - 複数の液体滴下装置から滴下した液体を混合した混合液を滴下する液体滴下装置であって、
請求項8に記載の液体受けの下流側に請求項1から請求項7のいずれかの液体滴下装置を接合したことを特徴とする液体滴下装置。 - 請求項8または請求項9のいずれかの液体滴下装置を1ユニットとし、平面上に複数ユニットを配置したことを特徴とする液体滴下装置。
- 請求項1から請求項7のいずれかの液体滴下装置を平面上に複数配置したことを特徴とする液体滴下装置。
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