以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付ける演出操作部550が設けられている。この演出操作部550は、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(図18参照)を内蔵した演出ボタン25であり、さらに、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出操作部550を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40は、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44を備えている。盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、センターケース40は、発光することによって装飾を行う盤装飾装置46を備えている。図2に示すように、本実施形態においては、センターケース40の上部に、子供の顔を模した発光装飾部材46aが設けられている。発光装飾部材46aは、盤装飾装置46の一種であり、光を透過可能な材質からなる装飾部46a1(図6参照)と、装飾部46a1の後方に配設されたLED基板46a2(図6参照)と、からなる。
また、センターケース40の右下部には、特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置42が設けられている。
情報表示装置42は、第1特図変動表示ゲームの実行権利(始動権利)である第1始動記憶の数を表示する第1情報表示部と、第2特図変動表示ゲームの実行権利(始動権利)である第2始動記憶の数を表示する第2情報表示部と、を備える。また、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームを表示する第3情報表示部や、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを表示する第4情報表示部を備える。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ2つの発光部材で構成され、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ1つの発光部材で構成されている。情報表示装置42にはこれらの6つの発光部材が3つずつ左右に二列で並んで配されている。上部左右の発光部材は第1情報表示部を構成し、中部左右の発光部材は第2情報表示部を構成している。また、下部左側の発光部材は第3情報表示部を構成し、下部右側の発光部材は第4情報表示部を構成している。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ2つの発光部材で構成されているが、それぞれの情報表示部の周囲には2つの発光部材が関連していることがわかるような意匠が施されており、一見して2つの発光部材で1つの情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。また、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ1つの発光部材で構成されているが、これらの情報表示部の周囲の意匠はそれぞれ独立していることがわかるような意匠とされており、一見して1つの発光部材で情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図17参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図17参照)により検出される。
また、センターケース40の下方右側にある一般入賞口35の左方には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bと、遊技球の流入を規制する隔壁37dとを備えている。可動部材37bは、常時は起立することで隔壁37dとの間隔を遊技球の直径以下にした状態、すなわち遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図17参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図17参照)により検出される。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図17参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図17参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
また、センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)および第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、始動入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。
入賞装置90は、上部の流入口90aに流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている(図3参照)。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図17参照)によって検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図17参照)によって検出される。
また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
図3(a)〜(c)は、本実施形態の入賞装置90の正面図であって、前カバー部材を取り外した状態を示す図である。
図3(a)に示すように、入賞装置90は、その内部のうち、流入口90aの直下となる位置に振分部材92を備えている。また、振分部材92の左下方には第1始動入賞口36が配され、振分部材92の右下方には第2始動入賞口97が配されている。
さらに、振分部材92や第1始動入賞口36、第2始動入賞口97の前方を覆うように前カバー部材が設けられている。この前カバー部材は、入賞装置90内の遊技球の挙動を視認可能なように透明又は半透明となっている。
振分部材92は、前後方向に沿った軸ピン92aを中心として回動可能であり、軸ピン92aが配される位置から上方へ延出する上腕部92bと左方へ延出する左腕部92cと右方へ延出する右腕部92dとを有している。3つの腕部のうちの上腕部92bの左方には、当該上腕部92bと左腕部92cとによって遊技球を一時的に保持する左保持部92eが形成され、上腕部92bの右方には、当該上腕部92bと右腕部92dとによって遊技球を一時的に保持する右保持部92fが形成されている。
振分部材92は、上腕部92bが常に上を向いた状態で、図3(b)に示すように左保持部92eが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置と、図3(c)に示すように右保持部92fが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置との間で回動可能となっている。
図3(b)に示すように、左保持部92eが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、右保持部92fが第2始動入賞口97へ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、図3(c)に示すように、右保持部92fが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、左保持部92eが第1始動入賞口36へ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、図3(a)に示すように、振分部材92のうち、上腕部92bの後方には、振分部材側磁石96aが取り付けられている。また、振分部材92が前方から装着されるベース部材93のうち、上腕部92bが垂直になった際に振分部材側磁石96aと対向する位置には、ベース部材側磁石96bが取り付けられている。振分部材側磁石96aとベース部材側磁石96bとは対向する側の極が同じ極となるように取り付けられており、磁石96a,96bの反発力によって、振分部材92は上腕部92bが垂直になった状態で留まらずに左右の何れかへ回動するように付勢されている。これにより、振分部材92の回動が停止した状態では、左保持部92eと右保持部92fの何れかが必ず流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な状態となる。
図3(b),(c)に示すように、流入口90aに流入した遊技球は、左保持部92eと右保持部92fのうちの流入口90aに向いて受け入れ可能な状態となっている一方の保持部で保持される。一方の保持部で遊技球が保持されると、遊技球の重さによって振分部材92は当該一方の保持部の方向へ回動し、保持された遊技球は振分部材92が回動した方向にある第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ向けて流下する。
すなわち、図3(b)に示すように左保持部92eで流入した遊技球を受けると振分部材92が遊技球の重さによって左に回動して第1始動入賞口36へ遊技球を案内した後、図3(c)に示すように右保持部92fが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。そして、図3(c)に示すように右保持部92fで流入した遊技球を受けると振分部材92が遊技球の重さによって右に回動して第2始動入賞口97へ遊技球を案内した後、図3(b)に示すように左保持部92eが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。
保持部92e,92fから流下した遊技球は第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ流入する可能性が高いが流入しないこともあり、流入しなかった場合は入賞装置90の外へ流出する。特に、保持部92e,92fへ流入する際の勢いが強いと第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ流入しない可能性が高い。なお、必ず何れかの始動入賞口に入賞するように構成しても良い。
また、振分部材92が回動することによって、遊技球を保持していた保持部ではない他方の保持部が流入口90aに向いて受け入れ可能な状態となる。そして、次回受け入れられた遊技球は当該他方の保持部側にある入賞口へ誘導される。これにより、順次流入口90aへ流入する遊技球は第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分けられることとなる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで入賞装置90への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図4(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51a(D1)及び第2特図変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)51b(D2)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)52(D10,D18)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部53,54,55(D11〜D16)とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)56(D8)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)57(D9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)58(D17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59(D3〜D7)が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51aと特図2表示器51bにおける特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51aにおける特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器52は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。本実施形態の場合、図4(d)に示すように、普図表示器52を構成するランプD10とランプD18のうち、変動用図柄番号が「0」のとき(すなわち、ゲームの結果がはずれのとき)はランプD10のみを点灯状態にし、変動用図柄番号が「1」のとき(すなわち、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「1」のとき)はランプD18のみを点灯状態にし、変動用図柄番号が「2」のとき(すなわち、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「2」のとき)はランプD10及びランプD18の双方を点灯状態にするよう構成されている。
また、普図保留表示器55は、普図表示器52の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(c)に示すように、普図保留表示器55を構成するランプD15とランプD16のうち、保留数が「0」のときはランプD15及びランプD16の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD15のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD15及びランプD16の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD15を点滅状態にしてランプD16を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD15及びランプD16の双方を点滅状態にするよう構成されている。
特図1保留表示器53は、特図1表示器51aにおいて表示される第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶(特図1保留)の数を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(b)に示すように、特図1保留表示器53を構成するランプD11とランプD12のうち、特図1始動記憶数が「0」のときはランプD11及びランプD12の双方を消灯状態にし、特図1始動記憶数が「1」のときはランプD11のみを点灯状態にし、特図1始動記憶数が「2」のときはランプD11及びランプD12の双方を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「3」のときはランプD11を点滅状態にしてランプD12を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「4」のときはランプD11及びランプD12の双方を点滅状態にするよう構成されている。
特図2保留表示器54は、特図2表示器51bにおいて表示される第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶(特図2保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(b)に示すように、特図2保留表示器54を構成するランプD13とランプD14のうち、特図2始動記憶数が「0」のときはランプD13及びランプD14の双方を消灯状態にし、特図2始動記憶数が「1」のときはランプD13のみを点灯状態にし、特図2始動記憶数が「2」のときはランプD13及びランプD14の双方を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「3」のときはランプD13を点滅状態にしてランプD14を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「4」のときはランプD13及びランプD14の双方を点滅状態にするよう構成されている。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)56は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、右打ちよりも左打ちの方が有利な遊技状態(通常打ち状態)の場合にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態(右打ち状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)57は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(時短未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(時短作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)58は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、LEDランプ等で構成され、例えば、大当りに基づく特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。本実施形態の場合、図4(e)に示すように、ラウンド表示部59を構成するランプD3〜D7のうち、選択されたラウンド数が「16」のときはランプD3,D5,D7を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「2」のときはランプD4,D6を点灯状態にするよう構成されている。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
図5には、演出操作部550の詳細を示した。
図5(a)は、演出操作部550の平面図である。本実施形態の演出操作部550は、図5(a)に示すように、演出ボタン(プッシュボタン)25と、演出ボタン(プッシュボタン)25の上面に設けられたタッチパネル29と、を備えて構成されている。すなわち、演出操作部550は、物理的なプッシュボタン機能に加えて、タッチセンサ機能(タッチパネル機能)を有している。
そして、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部550へは、感度設定データやLED輝度データなどが送信され、演出操作部550から演出制御基板(演出制御装置)300へは、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aからのプッシュボタン信号(押圧検出信号)やタッチパネル29が備えるタッチセンサ29aからのタッチON/OFF信号(接触/非接触検出信号)が出力されるよう構成されている。
本実施形態の場合、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aで、演出操作部550の上面に対する押圧操作(演出操作部550の上面を押して演出操作部550を押し下げる操作)を検出する。また、演出操作部550の上面には複数のポイントが設けられており、タッチパネル29が備えるタッチセンサで、演出操作部550の上面に設けられたポイントに対する接触操作を検出する。
具体的には、図5(b)に示すように、複数のポイントとして、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと、「Pa」ポイントと、の9つのポイントが設けられている。より具体的には、演出操作部550上面の中央部に設けられた「TSW4」ポイントと、「TSW4」ポイントの左側に設けられた「TSW1」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも奥側(遊技盤30側)に設けられた「TSW3」ポイントと、「TSW4」ポイントの右側に設けられた「TSW6」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも手前側(遊技者側)に設けられた「TSW8」ポイントと、「TSW1」ポイントと「TSW3」ポイントとの間に設けられた「TSW2」ポイントと、「TSW3」ポイントと「TSW6」ポイントとの間に設けられた「TSW5」ポイントと、「TSW6」ポイントと「TSW8」ポイントとの間に設けられた「TSW7」ポイントと、「TSW8」ポイントと「TSW1」ポイントとの間に設けられた「Pa」ポイントと、が設けられている。なお、ポイントの数は、9つに限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、図5(b)では、便宜上、「TSW1」〜「TSW8」の各ポイントにそれぞれ「TSW1」〜「TSW8」と表記しているが、本実施形態の演出操作部550には、図5(a)に示すように、このような表記はない。
タッチパネル29のタッチセンサによって接触操作が検出可能なポイントは、「TSW1」〜「TSW8」ポイントの8つのポイントであり、「Pa」ポイントでは接触操作を検出しない。もちろん「Pa」ポイントでも接触操作を検出するようにしても良い。また、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと「Pa」ポイントとの9つのポイント各々には、それぞれが独立した系統のLED(本実施形態の場合、フルカラーLED)が配置されている。
「Pa」ポイントは、例えば、「Pa」ポイントのLEDを一発告知用の告知ランプとして使用することや、演出操作部550上面の各ポイントのLEDをルーレットのように順次点灯させ「Pa」ポイントのLEDを“当確(または確変確定)”ポイントに使用すること、「Pa」ポイントのLEDを先読みの当確演出に使用すること等、確定系の演出に用いることができる。
ここで、演出操作部550の上面を光らせるためのLED(具体的には、「TSW1」〜「TSW8」ポイントや「Pa」ポイントなどに配置されたLED)の点灯輝度は、輝度調整(ホール設定、遊技者調整とも)の対象からは除外されている。すなわち、当該LEDの点灯輝度は、輝度調整の影響を受けず、一定となっている。また、タッチセンサは、タッチON状態(接触状態)が所定時間(例えば、約35秒間(基本設定))継続すると、強制的にタッチOFFする機能(タッチON信号の出力を停止して、タッチOFF信号を出力する機能)を有している。すなわち、タッチセンサ(タッチ検知IC)は、所定時間以上の連続した接触操作を検出できないよう構成されている。
このような演出操作部550で検出する遊技者の操作としては、例えば図5(c)に示す操作が挙げられる。「単打」は、演出操作部550の押下を1回行う操作であり、「連打」は演出操作部550の押下を所定時間以内の間隔で複数回行う操作である。「長押し」は演出操作部550を所定時間以上押下したままとする操作であり、「タッチ」はタッチパネル29に触れる操作である。「「Pa」操作(TSW1or8)+長押し」は、「Pa」ポイント又はこれに隣接する「TSW1」ポイントと「TSW8」ポイントとの2つのポイントの一方(或いは、両方)に接触した状態で長押しする操作であり、「フリック」はタッチパネル29に触れた状態のまま弾くようにスライドさせる操作である。もちろん検出する操作はこれらの操作に限られるものではない。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図17参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図17参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器55に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)52で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器52を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
第1始動入賞口36への入賞球、第2始動入賞口97への入賞球、及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ97a、及び始動口2スイッチ37aによって検出される。第1始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図17参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器53、特図2保留表示器54)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51a(変動表示装置)又は特図2表示器51b(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51a若しくは特図2表示器51bの表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51a、特図2表示器51bは、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51a、特図2表示器51bを備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、本発明の実施形態の遊技機10における遊技盤30の詳細について説明する。
図6は、遊技盤30の分解斜視図である。
図6に示すように、遊技盤30は、略矩形板状の遊技盤本体80と、センターケース(包囲枠体)40の前側部分を構成する前方構成部材600と、センターケース(包囲枠体)40の後側部分を構成する後方構成部材をなす演出装置ユニット700および制御ベースユニット800と、を備える。
ここで、前述したように、センターケース40の上部に設けられた発光装飾部材46aは、装飾部(LED基板カバー)46a1とLED基板46a2とからなるが、装飾部46a1は前方構成部材600に取り付けられており、LED基板46a2は演出装置ユニット700に取り付けられている。
図6に示すように、前方構成部材600は、遊技盤本体80に形成された前後に貫通する開口81に対して前面側から嵌め込まれることで、遊技盤本体80に装着される。前方構成部材600は、円環状のベース部材610を有し、このベース部材610に各種の部材が取り付けられている。
ベース部材610は、遊技盤本体80に形成された前後に貫通する開口81に挿入され、遊技領域32よりも後方へ窪んだ凹室状の空間における内周壁の前側部分を形成する周囲壁611と、周囲壁611の前端に当該周囲壁611に対して垂直に形成された鍔状の取付部612と、を備える。
取付部612のうち、周囲壁611で囲まれた空間より外側に形成された部分は、遊技盤本体80に形成された開口81に前方構成部材600を前面側から挿入した際に、開口81の周縁よりも外側に延出し、遊技盤本体80の前面にその後面が当接するようになっている。これによって、遊技盤本体80に対する前方構成部材600の前後位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。また、取付部612には複数のねじ穴が形成されており、ねじによって前方構成部材600を遊技盤本体80に固定できるようになっている。さらに、取付部612の一部は、遊技盤本体80の前面側であって遊技者から視認可能な位置に配されるものであり、その前面には装飾が施されている。
また、ベース部材610には、この他にもねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボスやリブ、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。
図6に示すように、ベース部材610の前面には、ステージ620、ワープ流路形成部材614、および普図始動ゲート34が配される部分を除き、規制壁613が設けられている。規制壁613は、前方構成部材600を遊技盤本体80の所定位置に取り付けた状態において、取付部612よりも遊技領域32の前後幅(遊技盤本体80の前面から遊技盤30の前方を覆うカバーガラス(透明部材)14の後面までの幅)の分だけ前方へ延出するようになっている。これにより、表示装置41の視認性を確保するとともに、遊技領域32を流下する遊技球がセンターケース40内に流入することを規制するようになっている。
また、ベース部材610の左部には、センターケース40の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れてステージ620へと誘導するワープ流路を形成するワープ流路形成部材614が取り付けられている。このワープ流路形成部材614によって形成されるワープ流路は、遊技球が一列で流下可能な内径を有する筒状の流路である。
図7(a)は、前方構成部材600の正面図であり、図7(b)は、図7(a)のb−b線断面図である。また、図8(a)は、前方構成部材600の斜視図であり、図8(b)は、前方構成部材600の下部の斜視図である。
図7や図8に示すように、ワープ流路形成部材614の上流側端部614aは、センターケース40の左方の遊技領域32に向けて開口し、遊技領域32を流下する遊技球を受入可能となっている。すなわち、この上流側端部614aが、ワープ流路の流入口をなす。また、ワープ流路形成部材614の下流側端部614bは、後方に開口し、ステージ620の上側部分を構成するガイド部620bの左端部に遊技球を誘導するようになっている。すなわち、この下流側端部614bが、ワープ流路の流出口をなす。
ステージ620は、ステージ本体部620aと、ワープ流路を通過してきた遊技球をステージ本体部620aに誘導するガイド部620bと、を備える。
ガイド部620bには、ステージ本体部620aの左端部に遊技球を誘導する第1孔部621と、ステージ本体部620aの中央部に遊技球を誘導する第2孔部622と、ステージ本体部620aのうち中央部よりも左側の部分に遊技球を誘導する第3孔部623と、ステージ本体部620aのうち中央部よりも右側の部分に遊技球を誘導する第4孔部624と、第1孔部621〜第4孔部624の何れかにワープ流路を通過してきた遊技球を誘導する第1誘導流路625および第2誘導流路626と、上面が開口した凹陥部627と、が形成されている。
第1孔部621〜第4孔部624の中でワープ流路形成部材614の下流側端部614bに最も近い位置に形成されているのは第1孔部621であるため、ワープ流路を通過してきた遊技球は、まず、第1誘導流路625を通って第1孔部621へと向かう。
ワープ流路を通過してきた遊技球のうち、第1孔部621に流入しなかった遊技球は、第2誘導流路626を通って凹陥部627へと向かう。凹陥部627の底部には、第2孔部622〜第4孔部624それぞれの流入口が形成されているため、凹陥部627へと向かった遊技球は、これら3つの孔部の何れかに流入する。第2誘導流路626には、第2孔部622に向けて傾斜する傾斜面626a、第3孔部623に向けて傾斜する傾斜面626b、第4孔部624に向けて傾斜する傾斜面626cが形成されている。
ステージ本体部620aは、遊技球が前後左右に転動可能であり、左右両端部が中央に向かって下る傾斜面になっているとともに、入賞装置90の流入口90aの直上となる中央部を挟む左右両側の部分が最も低くなるように形成されている。なお、ステージ本体部620aの中央部は、当該ステージ本体部620aの左右両端部よりは低くなっている。ガイド部620bの第1孔部621〜第4孔部624の何れかを通過してきた遊技球は、ステージ本体部620aに流入して、ステージ本体部620a上を転動する。また、ステージ本体部620aには、当該ステージ本体部620aの下方で跳ねた遊技球も流入可能である。
ステージ本体部620aにおいて、中央部の左右両側に位置する最も低くなった部分には、前方に下る傾斜面が形成されている。この傾斜面によって誘導された遊技球は、ステージ本体部620aの前端から下方の遊技領域32へと流下する。
また、ステージ本体部620aにおいて、中央部には、前後方向に沿って延在し、前方へ向けて下る流下路628が形成されている。
流下路628は、略V字状の浅い溝になっているため、多くの遊技球は溝に嵌らずに左右に転動する。ただし、ガイド部620bの第2孔部622は、ステージ本体部620aの中央部、すなわち流下路628へと遊技球を誘導する孔部であるため、第2孔部622を通過してきた遊技球は、流下路628に比較的嵌りやすい。すなわち、第2孔部622を通過してきた遊技球の多くは、流下路628に嵌って前方へと転動するが、第2孔部622以外の孔部(第1孔部621、第3孔部623、第4孔部624)を通過してきた遊技球の多くは、流下路628に嵌らずに左右に転動する。
流下路628に嵌った遊技球は、前方へと誘導されて、ステージ本体部620aの前端から下方の遊技領域32へと流下する。ステージ本体部620aの中央部にある流下路628は、入賞装置90の流入口90aの直上に位置しているため、流下路628に誘導されて遊技領域32へと流下した遊技球は、高い確率で入賞装置90に流入する。
このように、ガイド部620bに設けられた第1孔部621〜第4孔部624の中で遊技者にとって最も有利な孔部は、第2孔部622である。この第2孔部622に遊技球が流入する割合は、第1誘導流路625や第2誘導流路626の形状、第2誘導流路626に形成された傾斜面626a〜626cの傾斜角度、凹陥部627等に形成されたリブの高さなどによって、調整可能となっている。
図6に示すように、制御ベースユニット800は、前方に開口した凹部801を有する略矩形箱状に形成されている。制御ベースユニット800には、ねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボスやリブ、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが設けられており、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。また、制御ベースユニット800の前端には、側壁802に対して垂直に外側に向かって延出する鍔状の固定部803が設けられており、制御ベースユニット800を遊技盤本体80の後面の所定位置に固定できるようになっている。また、制御ベースユニット800の後壁804には、前後に貫通する貫通孔805が設けられている。この貫通孔805は、制御ベースユニット800の後面側に装着される表示装置41の表示画面(表示領域)を視認可能とするものである。
図6に示すように、演出装置ユニット700は、制御ベースユニット800の凹部801の内部に収納されることで、遊技盤本体80の後方に配設されるようになっている。演出装置ユニット700は、矩形枠状のベース部材710を有し、このベース部材710に各種の部材が取り付けられている。ベース部材710には、動作することによって遊技の演出を行う可動演出装置である盤演出装置44をなす、下可動役物ユニット720、左可動役物ユニット730L、および右可動役物ユニット730Rが取り付けられている。
なお、左可動役物ユニット730Lと右可動役物ユニット730Rとは、左右対称のユニットであり、同一の構成を有するため、左可動役物ユニット730Lおよび右可動役物ユニット730Rの各部位については同一の符号を付して説明する。
図9は、演出装置ユニット700の正面図であって、各演出部材が初期位置にある状態を示す図であり、図10は、演出装置ユニット700の正面図であって、各演出部材が動作位置にある状態を示す図である。
図9や図10に示すように、演出装置ユニット700は、ベース部材710の前面側に配設された複数の演出部材、具体的には、下可動役物ユニット720の演出部材(下部演出部材721)と、左可動役物ユニット730Lの演出部材(第1演出部材731、第2演出部材732、第3演出部材733、第4演出部材734)と、右可動役物ユニット730Rの演出部材(第1演出部材731、第2演出部材732、第3演出部材733、第4演出部材734)と、を備えている。これらの演出部材は、ベース部材710の中央開口の縁部(上縁部を除く)に沿って並ぶように配置されている。
ベース部材710の中央開口は、制御ベースユニット800の後面側に装着される表示装置41の表示領域を視認可能とするものであり、下可動役物ユニット720の下部演出部材721、左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731〜第4演出部材734、および右可動役物ユニット730Rの第1演出部材731〜第4演出部材734は、図9に示す状態から表示装置41の表示領域の中央側へ動作可能となっている。
具体的には、下可動役物ユニット720の下部演出部材721、左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731〜第4演出部材734、および右可動役物ユニット730Rの第1演出部材731〜第4演出部材734は、初期位置(図9に示す位置)と、当該初期位置よりも表示装置41の表示領域の中央側の動作位置(図10に示す位置)と、の間を移動可能となっている。したがって、表示装置41の表示領域のうち、演出部材と前後に重なる部分の面積は、当該演出部材が初期位置にある場合よりも動作位置にある場合の方が広くなる。すなわち、表示装置41の表示領域のうち、正面視による視認が可能な領域は、演出部材が初期位置にある場合よりも動作位置にある場合の方が狭くなる。
下可動役物ユニット720の下部演出部材721、左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731〜第4演出部材734、および右可動役物ユニット730Rの第1演出部材731〜第4演出部材734における花を模した部分には、それぞれ複数のLEDが内蔵されており、発光による装飾ができるようになっている。さらに、各演出部材における花を模した部分は、それぞれ独立して発光できるように構成されている。
図9や図10に示すように、下可動役物ユニット720は、下部演出部材721と、ソレノイド722と、下部演出部材721とソレノイド722とを連結する連結部材723と、を備えている。
連結部材723においては、当該連結部材723の一端部(本実施形態の場合、右端部)がソレノイド722の駆動軸と係合し、当該連結部材723の他端部(本実施形態の場合、左端部)が下部演出部材721と係合している。また、連結部材723は、前後方向に沿った回動軸723aを介してベース部材710に装着されており、当該回動軸723aを中心として回動可能となっている。
ソレノイド722をONにすると、図10に示すように、当該ソレノイド722の駆動軸が退縮(本実施形態の場合、駆動軸の先端が下へと移動)する。それに伴って、連結部材723は、当該連結部材723の一端(右端)が下へと移動して他端(左端)が上へと移動するように回動する。これにより、下部演出部材721が初期位置から動作位置へと移動する。一方、ソレノイド722をOFFにすると、図9に示すように、当該ソレノイド722の駆動軸が伸長(本実施形態の場合、駆動軸の先端が上へと移動)する。それに伴って、連結部材723は、当該連結部材723の一端(右端)が上へと移動して他端(左端)が下へと移動するように回動する。これにより、下部演出部材721が動作位置から初期位置へと移動する。また、図10に示すように、ベース部材710には、下部演出部材721の初期位置と動作位置との間の移動、すなわち上下方向のスライド移動をガイドする下部ガイド溝715が設けられている。
このように、本実施形態においては、ソレノイド722がON/OFFすると、下部演出部材721が初期位置と動作位置との間の移動を行うよう構成されている。
図11および図12は、左可動役物ユニット730Lの分解斜視図であって、図11は前面側から見た図であり、図12は後面側から見た図である。
なお、左可動役物ユニット730Lと右可動役物ユニット730Rとは、左右対称のユニットであり、同一の構成を有するため、左可動役物ユニット730Lを例にとって詳細な説明を行う。
図11や図12に示すように、左可動役物ユニット730Lは、第1演出部材731〜第4演出部材734と、モータ735と、シャフト736と、第1駆動アーム737〜第3駆動アーム739と、第1スライド部材741〜第4スライド部材744と、位置検出センサ745と、を備えている。
第1演出部材731〜第4演出部材734と、第2駆動アーム738および第3駆動アーム739とは、ベース部材710の前面側に配設されている。また、モータ735と、シャフト736と、第1駆動アーム737と、第1スライド部材741〜第4スライド部材744と、位置検出センサ745とは、ベース部材710の後面側に配設されている。
モータ735は、第1演出部材731〜第4演出部材734を駆動するための駆動源をなす。モータ735は、当該モータ735の駆動軸が上下方向に沿うように、取付部材746を介してベース部材710に装着されている。
シャフト736は、長尺方向が上下方向と略平行になるように、取付部材746等を介してベース部材710に回転自在に装着されている。シャフト736は、当該シャフト736の一端部(本実施形態の場合、下端部)が取付部材746と係合しており、当該一端部には、シャフト側歯車736aが固定されている。モータ735の駆動軸にはモータ側歯車735aが固定されており、シャフト側歯車736aは、このモータ側歯車735aと噛合している。
このように、本実施形態においては、モータ735が回転すると、シャフト736が回転するよう構成されている。
また、シャフト736の一端部(下端部)には第1ピニオンギア736bが固定されており、シャフト736の他端部(本実施形態の場合、上端部)には第2ピニオンギア736cが固定されている。
第1駆動アーム737は、当該第1駆動アーム737の長尺方向の長さがシャフト736の長尺方向の長さと同等またはそれ以上となっており、長尺方向が上下方向と略平行になるように、第1スライド部材741〜第4スライド部材744等を介してベース部材710にスライド移動(本実施形態の場合、左右方向のスライド移動)自在に装着されている。
図12に示すように、第1駆動アーム737の後面のうち、当該第1駆動アーム737の後方に配設されるシャフト736のピニオンギア736b,736cに対応する部分には、ラックギア737a,737bが設けられている。具体的には、第1駆動アーム737の一端部(本実施形態の場合、下端部)には、シャフト736の第1ピニオンギア736bに噛合する第1ラックギア737aが、当該第1駆動アーム737の長尺方向に直交する方向に沿って設けられている。また、第1駆動アーム737の他端部(本実施形態の場合、上端部)には、シャフト736の第2ピニオンギア736cに噛合する第2ラックギア737bが、当該第1駆動アーム737の長尺方向に直交する方向に沿って設けられている。
このように、本実施形態においては、シャフト736が回転すると、第1駆動アーム737が左右方向にスライド移動するよう構成されている。
第1駆動アーム737の前面側には、左右に並ぶ2つのローラ747が回転自在に装着されている。ベース部材710の後面側には、第1駆動アーム737のスライド移動をガイドするガイドリブ710aが左右方向に沿って設けられており、2つのローラ747は、このガイドリブ710aに沿ってベース部材710の後面上を転動するようになっている。
具体的には、図11に示すように、第1駆動アーム737の前面側には、ローラ747を上下方向に沿った回転軸を中心として回転自在に収容する収容部737cが2つ形成されている。この2つの収容部737cは、左右に並設されており、当該2つの収容部737cのうちの一方に、一方のローラ747が収容され、当該2つの収容部737cのうちの他方に、他方のローラ747が収容されている。ローラ747は、収容部737cに収容された状態において当該ローラ747の一部が収容部737cからはみ出しており、当該一部がベース部材710のガイドリブ710aの上面およびベース部材710の後面に当接しながら回転する。これにより、第1駆動アーム737はスムーズなスライド移動を行うことができるようになっている。
また、図11や図12に示すように、第1駆動アーム737には、第1スライド部材741の当該第1駆動アーム737に対するスライド移動をガイドする上ガイド孔737dと、第2スライド部材742の当該第1駆動アーム737に対するスライド移動をガイドする中ガイド孔737eと、第3スライド部材743の当該第1駆動アーム737に対するスライド移動をガイドする下ガイド孔737fと、が設けられている。
第1スライド部材741は、左右方向のスライド移動を行っている最中の第1駆動アーム737に対して略上下方向に移動するため、上ガイド孔737dは、当該略上下方向に沿って形成されている。同様に、第2スライド部材742は、左右方向のスライド移動を行っている最中の第1駆動アーム737に対して略上下方向に移動するため、中ガイド孔737eは、当該略上下方向に沿って形成されており、第3スライド部材743は、左右方向のスライド移動を行っている最中の第1駆動アーム737に対して略上下方向に移動するため、下ガイド孔737fは、当該略上下方向に沿って形成されている。
第1駆動アーム737には、上ガイド孔737d内に嵌合され、当該上ガイド孔737dに沿って摺動可能なブッシュ748aと、中ガイド孔737e内に嵌合され、当該中ガイド孔737eに沿って摺動可能なブッシュ748bと、下ガイド孔737f内に嵌合され、当該下ガイド孔737fに沿って摺動可能なブッシュ748cと、の3つのブッシュが装着されている。
上ガイド孔737d内のブッシュ748aは、第1スライド部材741の後面側に固定され、中ガイド孔737e内のブッシュ748bは、第2スライド部材742の後面側に固定され、下ガイド孔737f内のブッシュ748cは、第3スライド部材743の後面側に固定される。
また、第1スライド部材741には、棒状の被スライド部材749aが遊貫しており、第3スライド部材743には、棒状の被スライド部材749bが遊貫している。
第1演出部材731は、第1スライド部材741の前面側に装着される。ベース部材710には、第1演出部材731および第1スライド部材741の当該ベース部材710に対するスライド移動をガイドする第1ガイド孔711が設けられている。第1演出部材731および第1スライド部材741は、ベース部材710に対して第1演出部材731の初期位置と動作位置とを結ぶ方向に移動するため、第1ガイド孔711は、当該方向に沿って形成されている。
また、第1スライド部材741に挿通されている被スライド部材749aは、ベース部材710の後面側に、第1ガイド孔711に沿って装着されている(図10参照)。すなわち、第1スライド部材741は、被スライド部材749aを介してベース部材710に装着されている。そして、第1演出部材731は、ベース部材710の後面側に配設されている第1スライド部材741にベース部材710の前方から取り付けられることによって、第1スライド部材741を介してベース部材710に装着されている。
このように、本実施形態においては、第1駆動アーム737が左右方向にスライド移動すると、第1演出部材731が初期位置と動作位置との間の移動を行うよう構成されている。
具体的には、第1演出部材731は、初期位置にある状態において、第1駆動アーム737が内側(右側)にスライド移動すると、第1ガイド孔711に沿って動作位置へと移動するとともに、動作位置にある状態において、第1駆動アーム737が外側(左側)にスライド移動すると、第1ガイド孔711に沿って初期位置へと移動する。
第2演出部材732は、第2スライド部材742の前面側に装着される。ベース部材710には、第2演出部材732および第2スライド部材742の当該ベース部材710に対するスライド移動をガイドする第2ガイド孔712が設けられている。第2演出部材732および第2スライド部材742は、ベース部材710に対して第2演出部材732の初期位置と動作位置とを結ぶ方向に移動するため、第2ガイド孔712は、当該方向に沿って形成されている。そして、第2演出部材732は、ベース部材710の後面側に配設されている第2スライド部材742にベース部材710の前方から取り付けられることによって、第2スライド部材742を介してベース部材710に装着されている。
このように、本実施形態においては、第1駆動アーム737が左右方向にスライド移動すると、第2演出部材732が初期位置と動作位置との間の移動を行うよう構成されている。
具体的には、第2演出部材732は、初期位置にある状態において、第1駆動アーム737が内側(右側)にスライド移動すると、第2ガイド孔712に沿って動作位置へと移動するとともに、動作位置にある状態において、第1駆動アーム737が外側(左側)にスライド移動すると、第2ガイド孔712に沿って初期位置へと移動する。
第3演出部材733は、第3スライド部材743の前面側に装着される。ベース部材710には、第3演出部材733および第3スライド部材743の当該ベース部材710に対するスライド移動をガイドする第3ガイド孔713が設けられている。第3演出部材733および第3スライド部材743は、ベース部材710に対して第3演出部材733の初期位置と動作位置とを結ぶ方向に移動するため、第3ガイド孔713は、当該方向に沿って形成されている。
また、第3スライド部材743に挿通されている被スライド部材749bは、ベース部材710の後面側に、第3ガイド孔713に沿って装着されている(図10参照)。すなわち、第3スライド部材743は、被スライド部材749bを介してベース部材710に装着されている。そして、第3演出部材733は、ベース部材710の後面側に配設されている第3スライド部材743にベース部材710の前方から取り付けられることによって、第3スライド部材743を介してベース部材710に装着されている。
このように、本実施形態においては、第1駆動アーム737が左右方向にスライド移動すると、第3演出部材733が初期位置と動作位置との間の移動を行うよう構成されている。
具体的には、第3演出部材733は、初期位置にある状態において、第1駆動アーム737が内側(右側)にスライド移動すると、第3ガイド孔713に沿って動作位置へと移動するとともに、動作位置にある状態において、第1駆動アーム737が外側(左側)にスライド移動すると、第3ガイド孔713に沿って初期位置へと移動する。
第4スライド部材744は、ベース部材710と第1駆動アーム737との間に配設されて、第1駆動アーム737の下端部に固定されている。したがって、第4スライド部材744は、シャフト736が回転すると、第1駆動アーム737とともに、左右方向にスライド移動する。
図11や図12に示すように、ベース部材710には、第4スライド部材744の当該ベース部材710に対するスライド移動をガイドする横長ガイド孔716が設けられている。第4スライド部材744は、第1駆動アーム737とともに移動する、すなわちベース部材710に対して左右方向に移動するため、横長ガイド孔716は、左右方向に沿って形成されている。第4スライド部材744には、前方へ突出するピン744aが設けられており、このピン744aは、ベース部材710の横長ガイド孔716内に、当該横長ガイド孔716に沿ってスライド移動自在に挿入されている。
第2駆動アーム738には、当該第2駆動アーム738に沿う長孔738aが設けられているとともに、当該長孔738a内に嵌合され、当該長孔738aに沿って摺動可能なブッシュ748dが装着されている。このブッシュ748dは、第4スライド部材744のピン744aの先端に、ベース部材710の前方から取り付けられている。
図11に示すように、第2駆動アーム738の一端部(右端部)には、丸孔738bが設けられている。ベース部材710には、前方へ突出する突出部717が設けられており、この突出部717は、第2駆動アーム738の丸孔738b内に挿入されている。すなわち、第2駆動アーム738は、突出部717を中心として回動自在にベース部材710に装着されている。
第4スライド部材744がベース部材710に対して左右方向に移動すると、当該第4スライド部材744のピン744aの先端に取り付けられているブッシュ748dもベース部材710に対して左右方向に移動するため、ベース部材710の突出部717に対するブッシュ748dの左右方向の位置が変化する。本実施形態において、突出部717は横長ガイド孔716の下方に設けられており、ブッシュ748dは当該横長ガイド孔716内に挿入されたピン744aの先端に取り付けられているため、突出部717に対するブッシュ748dの左右方向の位置にかかわらず、突出部717に対するブッシュ748dの上下方向の位置は変化しない。また、ブッシュ748dは、第2駆動アーム738の長孔738a内に摺動自在に嵌合されており、突出部717は、第2駆動アーム738の丸孔738b内に挿入されている。したがって、突出部717に対するブッシュ748dの左右方向の位置が変化することで、第2駆動アーム738が突出部717を中心に回動して、当該第2駆動アーム738の一端部(右端部)に対する他端部(左端部)の上下方向の位置が変化する。
このように、本実施形態においては、第4スライド部材744が左右方向にスライド移動すると、第2駆動アーム738が突出部717を中心に回動して、当該第2駆動アーム738の一端部(右端部)に対する他端部(左端部)の上下方向の位置が変化するよう構成されている。すなわち、第1駆動アーム737が左右方向にスライド移動すると、第2駆動アーム738のベース部材710に対する傾きが変化するよう構成されている。
第3駆動アーム739の一端部(左端部)には、丸孔739bが設けられている。ベース部材710には、前方へ突出する突出部718が設けられており、この突出部718は、第3駆動アーム739の丸孔739b内に挿入されている。すなわち、第3駆動アーム739は、突出部718を中心として回動自在にベース部材710に装着されている。また、第3駆動アーム739の一端(左端)には、外方へ突出する歯部739cが設けられている。第2駆動アーム738の一端(右端)にも、外方へ突出する歯部738cが設けられており、当該歯部738cは、第3駆動アーム739の歯部739cと噛合している(図10参照)。したがって、第2駆動アーム738が突出部717を中心に回動することで、第3駆動アーム739も突出部718を中心に回動する。
このように、本実施形態においては、第2駆動アーム738が突出部717を中心に回動すると、第3駆動アーム739が突出部718を中心に回動して、当該第3駆動アーム739の一端部(左端部)に対する他端部(右端部)の上下方向の位置が変化するよう構成されている。すなわち、第1駆動アーム737が左右方向にスライド移動すると、第3駆動アーム739のベース部材710に対する傾きが変化するよう構成されている。
図11に示すように、第4演出部材734には、前方へ突出する前突出ピン734aが設けられている。第3駆動アーム739の他端部(右端部)には、長孔739aが設けられているとともに、第3駆動アーム739には、当該長孔739a内に嵌合され、当該長孔739aに沿って摺動可能なブッシュ748eが装着されており、このブッシュ748eは、第4演出部材734の前突出ピン734aの先端に取り付けられている。すなわち、第4演出部材734は、第3駆動アーム739の他端部(右端部)に連結されている。
また、図12に示すように、第4演出部材734には、後方へ突出する後突出ピン734bが2つ設けられている。ベース部材710には、第4演出部材734の当該ベース部材710に対するスライド移動をガイドする第4ガイド孔714が設けられている。第4演出部材734は、ベース部材710に対して第4演出部材734の初期位置と動作位置とを結ぶ方向に移動するため、第4ガイド孔714は、当該方向に沿って形成されている。ベース部材710には、当該第4ガイド孔714内に嵌合され、当該第4ガイド孔714に沿って摺動可能な2つのブッシュ748f(図13参照)が装着されており、これらのブッシュ748fは、第4演出部材734の後突出ピン734bの先端に一つずつ取り付けられている。
このように、本実施形態においては、第3駆動アーム739が突出部718を中心に回動(第3駆動アーム739が一端部(左端部)を支点に回動)すると、当該第3駆動アーム739の他端部(右端部)に連結されている第4演出部材734がベース部材710の第4ガイド孔714に沿ってスライド移動するよう構成されている。すなわち、第1駆動アーム737が左右方向にスライド移動すると、第4演出部材734が初期位置と動作位置との間の移動を行うよう構成されている。
具体的には、第4演出部材734が初期位置にある状態において、第1駆動アーム737が内側(右側)にスライド移動すると、第2駆動アーム738が当該第2駆動アーム738の他端部(左端部)が上へと移動するように回動し、それに伴って第3駆動アーム739が当該第3駆動アーム739の他端部(右端部)が上へと移動するように回動するため、第4演出部材734は、第4ガイド孔714に沿って動作位置へと移動する。また、第4演出部材734が動作位置にある状態において、第1駆動アーム737が外側(左側)にスライド移動すると、第2駆動アーム738が当該第2駆動アーム738の他端部(左端部)が下へと移動するように回動し、それに伴って第3駆動アーム739が当該第3駆動アーム739の他端部(右端部)が下へと移動するように回動するため、第4演出部材734は、第4ガイド孔714に沿って初期位置へと移動する。
位置検出センサ745は、光センサであり、所定の間隔をおいて対向する発光部と受光部とを有する検出部を備えている。本実施形態において、位置検出センサ745は、受光部が発光部からの光を検出した際にON信号を出力するよう構成されている。
第1駆動アーム737には前方へ突出する遮光板が設けられている。この遮光板は、第1演出部材731〜第4演出部材734が初期位置にある場合に、位置検出センサ745の発光部と受光部との間に配されるため、演出制御装置300は、位置検出センサ745からON信号の入力がない場合には、第1演出部材731〜第4演出部材734が初期位置にあると判断し、位置検出センサ745からON信号の入力がある場合には、第1演出部材731〜第4演出部材734が初期位置以外の位置にあると判断することができる。
図13は、演出装置ユニット700の背面図であって、各演出部材が初期位置にある状態を示す図であり、図14は、ギアの状態を説明するために、図13に示す図からギアを保護するカバー部材等を消去した図である。また、図15は、演出装置ユニット700の背面図であって、各演出部材が動作位置にある状態を示す図であり、図16は、ギアの状態を説明するために、図15に示す図からギアを保護するカバー部材等を消去した図である。
図14や図16に示すように、左可動役物ユニット730Lおよび右可動役物ユニット730Rにおいては、シャフト736の下端部に固定されている第1ピニオンギア736bと、第1駆動アーム737の下端部に設けられている第1ラックギア737aとが噛み合っているとともに、シャフト736の上端部に固定されている第2ピニオンギア736cと、第1駆動アーム737の上端部に設けられている第2ラックギア737bとが噛み合っている。
したがって、第1演出部材731〜第4演出部材734が初期位置にある状態(図13や図14参照)において、モータ735が第1方向に回転してシャフト736が回転すると、第1駆動アーム737が内側(左可動役物ユニット730Lの場合は右側、右可動役物ユニット730Rの場合は左側)にスライド移動する。それに伴って、第1スライド部材741等によって第1駆動アーム737に連結されている第1演出部材731と、第2スライド部材742等によって第1駆動アーム737に連結されている第2演出部材732と、第3スライド部材743等によって第1駆動アーム737に連結されている第3演出部材733と、第4スライド部材744、第2駆動アーム738、第3駆動アーム739等によって第1駆動アーム737に連結されている第4演出部材734とが、動作位置へと移動する。
一方、第1演出部材731〜第4演出部材734が動作位置にある状態(図15や図16参照)において、モータ735が第1方向とは逆の第2方向に回転してシャフト736が回転すると、第1駆動アーム737が外側(左可動役物ユニット730Lの場合は左側、右可動役物ユニット730Rの場合は右側)にスライド移動する。それに伴って、第1スライド部材741等によって第1駆動アーム737に連結されている第1演出部材731と、第2スライド部材742等によって第1駆動アーム737に連結されている第2演出部材732と、第3スライド部材743等によって第1駆動アーム737に連結されている第3演出部材733と、第4スライド部材744、第2駆動アーム738、第3駆動アーム739等によって第1駆動アーム737に連結されている第4演出部材734とが、初期位置へと移動する。
すなわち、本実施形態において、第1演出部材731〜第4演出部材734のうち、第1演出部材731〜第3演出部材733は、モータ735の駆動力が第1駆動アーム737から直接伝達されることで動作する。一方、第4演出部材734は、モータ735の駆動力が第1駆動アーム737から第2駆動アーム738および第3駆動アーム739を介して伝達されることで動作する。
このように、本実施形態の遊技機10は、演出装置と表示装置とを備える遊技機において、演出装置(左可動役物ユニット730L、右可動役物ユニット730R)は、第1位置(初期位置)と、当該第1位置よりも表示装置41の中央側の第2位置(動作位置)と、の間で動作可能な複数の可動部材(第1演出部材731〜第4演出部材734)と、駆動源(モータ735)によって複数の可動部材を動作させることが可能な駆動機構と、を備えている。そして、駆動機構は、複数の可動部材に連結され、スライド移動することで当該複数の可動部材を動作させるスライド部材(第1駆動アーム737)と、スライド部材の両端部に設けられ、当該スライド部材と一体にスライド移動する第1ギア(第1ラックギア737a、第2ラックギア737b)と、駆動源によって回転駆動される回転駆動部材(シャフト736)と、回転駆動部材の両端部に設けられ、当該回転駆動部材と一体に回転して第1ギア側へ駆動源からの駆動力を伝達可能な第2ギア(第1ピニオンギア736b、第2ピニオンギア736c)と、を備えるよう構成されている。
したがって、複数の可動部材(複数の演出部材)を動作させることができるため、演出装置の省スペース化や低コスト化を実現しつつ、当該演出装置によって効果的な演出を実行することが可能となる。更に、駆動機構が回転駆動部材(シャフト736)を有しているため、駆動機構の耐久性向上や省エネ性能向上が可能となる。
ここで、駆動機構にシャフト736を備えなくても、複数の演出部材を動作させることはできる。具体的には、例えば、モータ735の駆動軸に固定されているモータ側歯車735aと、第1駆動アーム737の一端部(本実施形態の場合、下端部)に設けられている第1ラックギア737aとを噛合させて、シャフト736を介さずに、モータ735と第1駆動アーム737とを直接連結しても、複数の演出部材を動作させることはできる。
しかしながら、モータ735と第1駆動アーム737とを直接連結すると、第1駆動アーム737の両端部のうち、モータ735から遠い他端部(本実施形態の場合、上端部)はモータ735に近い一端部よりも、駆動力の伝達が遅く、かつ、伝達される駆動力が弱いため、一端部と他端部との間に差(駆動力の伝達時間の差や、伝達された駆動力の強弱の差)が生じてしまう。このような差は、一端部から他端部までの距離が長いほど大きくなるため、第1駆動アーム737のような大型のアームを用いた場合には、当該差が特に顕著になる。
このような差が生じると、駆動機構に摺動抵抗やよじれなどの無理な負荷がかかるため、駆動機構が故障・破損しやすくなってしまう。また、駆動機構に摺動抵抗やよじれなどの無理な負荷がかかると、動力の伝達ロスが多くなるため、駆動源の出力を大きくする必要性が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、駆動機構にシャフト736を備え、当該シャフト736を介してモータ735と第1駆動アーム737とを連結するようにした。これにより、第1駆動アーム737の一端部と他端部との間に差(駆動力の伝達時間の差や、伝達された駆動力の強弱の差)が生じなくなり、駆動機構に無理な負荷がかからなくなるため、駆動機構が故障・破損しにくくなる。また、駆動源の出力を大きくする必要性が生じなくなり、無駄な電力消費を抑制することができる。
すなわち、本実施形態のように、複数の演出部材を動作させることが可能な駆動機構に、シャフト736を追加することによって、演出装置の省スペース化や低コスト化と、効果的な演出の実行と、の両立が可能となるだけでなく、さらに、駆動機構の耐久性向上や省エネ性能向上も可能となる。
図17は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態(普電サポート状態))、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aと始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図18を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば、枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば、演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器52に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aや第2始動入賞口97に備えられた始動口3スイッチ97aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51aや特図2表示器51bに、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bに特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bにはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態(低確率状態)に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、普電サポート状態ともいう)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、0/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図当り確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図19及び図20に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば、4m秒)で行われる図23に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図19及び図20に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えば、Dレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば、3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば、2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ入力ポート1(第1入力ポート122)の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば、5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えば、A5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図20のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域の値が正常な停電検査領域チェックデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS20;N)は、図20のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図20のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば、30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば、2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図21には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19,S43)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS51)、繰り返し数を設定し(ステップS52)、算出値として「0」を設定する(ステップS53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS54)、算出アドレスを+1更新して(ステップS55)、繰り返し数を−1更新し(ステップS56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップS57)。算出が終了していない場合(ステップS57;N)は、ステップS54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS57;Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図22には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新する(ステップS61)。そして、当り初期値乱数を+1更新し(ステップS62)、当り図柄初期値乱数を+1更新して(ステップS63)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図23に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図23のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えば、Dレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS103)の詳細について説明する。図24に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS121)。そして、8ビットのポート(入力ポート1)のうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS122)、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップS123)。
ここで、入力ポート1(第1入力ポート122)で監視するスイッチは、以下の通りである。
<1>ガラス枠開放検出スイッチ63(ビット0)
<2>本体枠開放検出スイッチ64(ビット1)
<3>RAM初期化スイッチ112(ビット2)(この処理では未使用扱い)
<4>停電監視信号(ビット3)(この処理では未使用扱い)
<5>払出異常ステータス信号(ビット4)
<6>シュート球切れスイッチ信号(ビット5)
<7>オーバーフロースイッチ信号(ビット6)
<8>タッチスイッチ信号(ビット7)
次に、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備して(ステップS124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップS125)。その後、8ビットのポート(入力ポート2)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS126)、8ビットのポート(入力ポート2)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS127)、スイッチ読み込み処理(ステップS128)を行う。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
ここで、入力ポート2(第2入力ポート123)で監視するスイッチは、以下の通りである。なお、入力ポート2で監視するスイッチには反転するビットは無い。
<1>始動口2スイッチ37a(ビット0)(パターン分岐により、「始動口2入賞信号」、「普通電動役物1入賞信号1」としても出力される。)
<2>始動口1スイッチ36a(ビット1)(「始動口1入賞信号」)
<3>左入賞口スイッチ(ビット2)(「普通入賞口1入賞信号」)
<4>右入賞口スイッチ(ビット3)(「普通入賞口2入賞信号」)
「左入賞口スイッチ」は、入賞装置90の左方に設けられた入賞口スイッチ35aであり、「右入賞口スイッチ」は、入賞装置90の右方に設けられた入賞口スイッチ35aである。
<5>ゲートスイッチ34a(ビット4)(「普通図柄1に係るゲート通過信号1」)
<6>大入賞口スイッチ38a(ビット5)(「特別電動役物1入賞信号1」)
<7>始動口3スイッチ97a(ビット6)(「始動口3入賞信号」)
<8>未使用(ビット7)(ゲートスイッチ予備として図示しない中継基板に回路接続され、常時オフ状態となるように中継基板上でGND接続(Low:0)固定されている。)
次に、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備して(ステップS129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップS130)。その後、8ビットのポート(入力ポート3)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS131)、8ビットのポート(入力ポート3)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS132)、スイッチ読み込み処理(ステップS133)を行い、入力処理を終了する。
ここで、入力ポート3(第3入力ポート124)で監視するスイッチは、以下の通りである。
<1>盤電波センサ62(ビット0)(反転ビット)
<2>スイッチ異常検知信号(ビット1)
<3>磁気センサ61(ビット2)
<4>枠電波エラー信号(ビット3)
<5>払出ビジー信号(ビット4)
<6>未使用(ビット5〜7)
なお、未使用のビットデータや反転するビットデータは、入力ポート毎に準備されている。
したがって、ステップS126で準備する入力ポート2の未使用ビットデータと、ステップS131で準備する入力ポート3の未使用ビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
また、ステップS127で準備する入力ポート2の反転するビットデータと、ステップS132で準備する入力ポート3の反転するビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読み込み処理(ステップS128,S133)の詳細について説明する。図25に示すように、スイッチ読み込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS142)、反転の必要なビットを反転(ステップS143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態にセーブ(格納)する(ステップS144)。その後、2回目の読み込みまでのディレイ時間(例えば、約100μ秒)が経過するのを待つ(ステップS145)。
ディレイ時間が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読み込みを行う(ステップS146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS147)、反転の必要なビットを反転(ステップS148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態(1回目のデータ)をロードし、反転後データ(2回目のデータ)をセーブ(格納)する(ステップS149)。その後、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS150)、確定ビットパターンとポート入力状態(2回目のデータ)との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS151)。
次に、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS152)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてセーブして(ステップS154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブし(ステップS155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読み込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば、2m秒)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読み込みを行って前回の読み込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行えないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読み込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図26に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS161)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS164)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS165)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS166)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS167)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS168)。本実施形態では、デジットカウンタの値が0の場合に、特図1表示器51aのデジット線及びセグメント線が選択され、デジットカウンタの値が1の場合に、特図2表示器51bのデジット線及びセグメント線が選択される。また、デジットカウンタの値が2の場合に、普図表示器52のデジット線及びセグメント線が選択され、デジットカウンタの値が3の場合に、特図1保留表示器53、特図2保留表示器54、普図保留表示器55、右打ち報知部56、時短状態報知部57、確率状態表示部58、及びラウンド表示部59のデジット線及びセグメント線が選択される。これにより、一括表示装置50に設けられた複数の発光表示部がダイナミック制御によって制御されることとなる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS169)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS170)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS174)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力して(ステップS176)、出力処理を終了する。
なお、各デジット線に対応するセグメント線の出力データは、後述する処理においてRAM111C(RWM)内に設けられた各表示器用のセグメント領域に設定されるようになっている。具体的には、図36に示す特図ゲーム処理や図65に示す普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(図63参照)や、図76に示すセグメントLED編集処理において設定される。
一回のタイマ割込み処理においてはこれらの処理の全てが行われるため、RAM111Cにはデジットカウンタの値にかかわらず全てセグメント線に対応する出力データがセグメント領域に設定される。そして、このように設定されたセグメント線の出力データのうち、今回のデジットカウンタの値に応じたセグメント線の出力データが選択されて使用されるようになっている。
また、上述したようにRAM111Cは遊技機への電力の供給が停止されても記憶されたデータを保持することができるようにされている。そして、RAM111Cにおいてセグメント線の出力データを記憶するセグメント領域やデジットカウンタの値を記憶する領域は、遊技機への電力の供給が停止した際に実行されるチェックサム算出処理においてチェックサムの算出対象となる領域に含まれている。よって、遊技機への電力の供給が再開された際に行われる正当性の判定の対象とされる。これにより、停電から正常に遊技機が復旧した場合には停電発生時の状態から一括表示装置50の表示を再開可能となる。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、変動表示ゲームを実行する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段に制御されて遊技に関する表示を行う表示装置(一括表示装置50)と、を備え、表示装置は、複数の発光表示部(特図1表示器51a、特図2表示器51b、普図表示器52、特図1保留表示器53、特図2保留表示器54、普図保留表示器55、右打ち報知部56、時短状態報知部57、確率状態表示部58、及びラウンド表示部59)を備え、遊技制御手段は、遊技機への電力の供給が停止された状態でもデータを保持可能な記憶手段(RAM111C)と、遊技機への電力の供給が開始された際に記憶手段に記憶されている所定のデータの正当性を判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、正当性判定手段により正当性が確認された場合には記憶手段に記憶されていたデータに基づき遊技を再開するように構成され、所定間隔で実行されるタイマ割込みにおいて、複数の発光表示部のコモン線(デジット線)を選択するための情報であるデジットカウンタを更新し、デジットカウンタの値に応じたセグメントデータを表示装置に出力するダイナミック制御により複数の発光表示部の表示制御を行い、タイマ割込み処理では、デジットカウンタの値にかかわらず各コモン線に対応するセグメントデータの全てを生成して記憶手段に記憶し、当該記憶されたセグメントデータのうちからデジットカウンタの値に応じたセグメントデータのみを使用するように構成され、正当性判定手段が正当性の判定対象とする所定のデータには、少なくとも記憶手段に記憶された各コモン線に対応するセグメントデータの全てが含まれていることとなる。
したがって、正当性判定手段が正当性の判定対象とする所定のデータには、少なくとも記憶手段に記憶された各コモン線に対応するセグメントデータの全てが含まれるので、遊技機への電力の供給が開始された際に遊技機への電力の供給が停止された状態から遊技を開始でき、違和感のない変動表示ゲームの表示が可能となる。
また、遊技制御手段は、各々始動条件が異なる複数種類の変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)を実行可能であり、表示装置は、複数種類の変動表示ゲームの各々に対応して、複数の発光部により構成される発光表示部を複数備え、当該複数の発光表示部はそれぞれ異なるコモン線に対応するものであることとなる。
したがって、複数種類の変動表示ゲームの何れであっても遊技機への電力の供給が開始された際に遊技機への電力の供給が停止された状態から遊技を開始でき、違和感のない変動表示ゲームの表示が可能となる。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。図27に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図28には、タイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS211)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS211;N)は、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS211;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS212)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定して(ステップS213)、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS214;N)は、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS214;Y)は、次回初期値として当り初期値乱数をロードし(ステップS215)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定して(ステップS216)、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。
普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS217;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS217;Y)は、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS218)、ロードした普図の当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定して(ステップS219)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図29には、タイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS231)。本実施形態の場合、乱数更新スキャンカウンタの値は0から3の範囲で更新される。そして、乱数更新スキャンカウンタの値が「0」のときは変動パターン乱数1(上位)が更新され、「1」のときは変動パターン乱数1(下位)が更新され、「2」のときは変動パターン乱数2が更新され、「3」のときは変動パターン乱数3が更新される。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS232)。
次いで、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS234)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているCPUには、DRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、「Rレジスタ」と称する)が設けられておらず、その代わりに、Rレジスタと同等の動作をする「M1カウンタ」というカウンタを内蔵しているが、そのM1カウンタの値をロードする(ステップS234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(ステップS235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップS236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS236;Y)は、加算値として、上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS237)、ステップS239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS236;N)は、加算値として、上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS238)、ステップS239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数領域が2バイト乱数かを判定し(ステップS239)、2バイト乱数である場合(ステップS239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS240)、ステップS242に進む。また、更新する乱数領域が2バイト乱数でない場合(ステップS239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では、乱数値にステップS237又はS238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップS243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。
次に、更新した乱数領域が2バイト乱数であるかを判定し(ステップS246)、2バイト乱数でない場合(ステップS246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS247)、乱数更新処理2を終了する。
本実施形態の場合、演出乱数更新テーブル上に、上限判定値や、M1カウンタのマスク値、更新する乱数領域の種別情報(1バイト乱数、2バイト乱数(上位)、2バイト乱数(下位))、更新領域のアドレスなどが、更新する乱数の種類分(4ブロック)定義されている。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、第1始動入賞口36や第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図30には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、常時入賞可能(不正監視処理が不要)な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ97a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a(左入賞口スイッチ、右入賞口スイッチ))の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行って、始動口エラー監視処理(ステップS309)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS310)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS311)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS312)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS313)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS314)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS315)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS315;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS315;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS316)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS317)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS318)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS316からS318の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS316からS318の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図31には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306)を示した。この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の二つの大入賞口スイッチ38aの各々及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップS325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)には、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。
また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば、60000m秒)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば、60000m秒)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS335)、値が0でない場合(ステップS335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図32には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS308,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)のうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。本実施形態の場合、ステップS354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0〜65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。本実施形態の場合、ステップS358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0〜255の範囲)である。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔始動口エラー監視処理〕
図33には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における始動口エラー監視処理(ステップS309)を示した。この始動口エラー監視処理においては、まず、始動口1スイッチ36aに入力があるか判定する(ステップS371)。そして、始動口1スイッチ36aに入力がないと判定した場合(ステップS371;N)には、始動口3スイッチ97aに入力があるか判定し(ステップS375)、始動口1スイッチ36aに入力があると判定した場合(ステップS371;Y)には、前回の入賞も第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞であったか判定する(ステップS372)。
ステップS372で、前回の入賞も第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞であったと判定した場合(ステップS372;Y)、すなわち入賞装置90の内部で遊技球が第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分けられていない場合には、連続入賞数領域の値を+1更新して(ステップS373)、連続入賞数領域の値が上限値(本実施形態の場合、4個)以上であるか判定する(ステップS374)。そして、連続入賞数領域の値が上限値以上であると判定した場合(ステップS374;Y)には、ステップS379の処理に移行し、連続入賞数領域の値が上限値以上でないと判定した場合(ステップS374;N)には、始動口3スイッチ97aに入力があるか判定する(ステップS375)。
一方、ステップS372で、前回の入賞は第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞でなかったと判定した場合(ステップS372;N)には、連続入賞数領域に1をセーブし(ステップS384)、始動口判定データ領域に始動口1入賞情報をセーブして(ステップS385)、始動口3スイッチ97aに入力があるか判定する(ステップS375)。
ステップS375で、始動口3スイッチ97aに入力がないと判定した場合(ステップS375;N)には、始動口エラー報知タイマが0であるか判定する(ステップS388)。
一方、ステップS375で、始動口3スイッチ97aに入力があると判定した場合(ステップS375;Y)には、前回の入賞も第3始動口(第2始動入賞口97)への入賞であったか判定する(ステップS376)。
ステップS376で、前回の入賞も第3始動口(第2始動入賞口97)への入賞であったと判定した場合(ステップS376;Y)、すなわち入賞装置90の内部で遊技球が第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分けられていない場合には、連続入賞数領域の値を+1更新して(ステップS377)、連続入賞数領域の値が上限値(本実施形態の場合、4個)以上であるか判定する(ステップS378)。そして、連続入賞数領域の値が上限値以上でないと判定した場合(ステップS378;N)には、始動口エラー報知タイマが0であるか判定し(ステップS388)、連続入賞数領域の値が上限値以上であると判定した場合(ステップS378;Y)には、ステップS379の処理に移行する。
ステップS379では、連続入賞数領域の値を上限値に留める(ステップ379)。
次いで、始動口エラー報知タイマ領域に初期値(例えば、60秒)をセーブし(ステップS380)、始動口エラーフラグ領域にエラー発生中フラグをセーブし(ステップS381)、始動口エラー発生コマンドを準備し(ステップS382)、演出コマンド設定処理(ステップS383)を行って、始動口エラー監視処理を終了する。
また、ステップS376で、前回の入賞は第3始動口(第2始動入賞口97)への入賞でなかったと判定した場合(ステップS376;N)には、連続入賞数領域に1をセーブし(ステップS386)、始動口判定データ領域に始動口3入賞情報をセーブして(ステップS387)、始動口エラー報知タイマが0であるか判定する(ステップS388)。
ステップS388で、始動口エラー報知タイマが0であると判定した場合(ステップS388;Y)には、始動口エラー監視処理を終了する。
一方、ステップS388で、始動口エラー報知タイマが0でないと判定した場合(ステップS388;N)には、始動口エラー報知タイマを−1更新して(ステップS389)、始動口エラー報知タイマが0であるか判定する(ステップS390)。
ステップS390で、始動口エラー報知タイマが0でないと判定した場合(ステップS390;N)には、始動口エラー監視処理を終了する。
一方、ステップS390で、始動口エラー報知タイマが0であると判定した場合(ステップS390;Y)には、始動口エラーフラグ領域に正常中フラグをセーブし(ステップS391)、始動口エラー解除コマンドを準備し(ステップS392)、演出コマンド設定処理(ステップS393)を行って、始動口エラー監視処理を終了する。
入賞装置90においては、遊技球が第1始動口(第1始動入賞口36)と第3始動口(第2始動入賞口97)とに交互に振り分けられるように構成されているが、同一の始動口に連続して入賞している場合には、入賞装置90の故障や、糸釣り球等による不正入賞の可能性が考えられるので、始動口エラー監視処理では、それをチェックしている。本実施形態では、4回連続して同じ始動口に入賞した場合にエラー扱いとするようになっている。
〔遊技機状態チェック処理〕
図34には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS312,S314,S317)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップS401)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップS402)。
状態監視テーブル(入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備した遊技機状態監視テーブル)には、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップS402;N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備して(ステップS403)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS404)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS405)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS409)。対象の信号がオンでない場合(ステップS402;N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS402;Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備して(ステップS406)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS407)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS408)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS409)。対象の信号がオンである場合(ステップS402;Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS409;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS412)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS413)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS409;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS410)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS411)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS412)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS413)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS413;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップS413;Y)は、状態監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS414)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS415)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS415;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS415;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS416)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS417)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップS404で準備した状態オフコマンド又はS407で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図35には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS318)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップS421)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンである場合(ステップS421;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップS422)、オン確定監視タイマ比較値(例えば、32m秒)を設定し(ステップS423)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS426)。また、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS421;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップS424)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば、32m秒)を設定し(ステップS425)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS426)。これにより、同じ状態が、複数回のタイマ割込み分継続しているかチェックすることができる。
ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致しない場合(ステップS426;N)には、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップS427)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップS428)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS429)。また、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致する場合(ステップS426;Y)には、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS429)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、ステップS423又はステップS425で設定した監視タイマ比較値以上であるかを判定し(ステップS430)、監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS430;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、監視タイマ比較値以上である場合(ステップS430;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS431)、ステップS422又はステップS424で準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブし(ステップS432)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号ステータスを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号ステータスを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号ステータスがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号ステータスは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図36に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
その後、特図1表示器51aの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA15)、特図1表示器51aに係る図柄変動制御処理(ステップA16)を行う。そして、特図2表示器51bの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図2表示器51bに係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA15の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図37に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図1の始動口である第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口2スイッチ37a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
ステップA113では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップA113;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行った後、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。また、ステップA113にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップA113;Y)は、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、第3始動口(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップA116)、ハード乱数取得処理(ステップA117)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口3スイッチ97a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第3始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA118)。
ステップA118にて、第3始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA118;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA118にて、第3始動口への入賞があると判定した場合(ステップA118;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA119)。
ステップA119にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA119;N)には、ステップA122の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA119にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA119;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第3始動口(第2始動入賞口97)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第3始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第3始動口(第2始動入賞口97)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA122)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA123)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102,A110,A117)の詳細について説明する。図38に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA131)、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA132)。
そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA132;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA132;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA133)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA134)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA134;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。
また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA134;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA135)。そして、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA136)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108,A115,A123)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図39に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA141)、ロードした値を+1更新して(ステップA142)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA143)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA143;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA144)、ステップA145の処理に移行する。
一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA143;Y)は、ステップA145の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定して、セーブしないよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA145)。
更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA145;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA145;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA146)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA149)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA150)、ステップA102,A110,A117のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA151)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA152)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA153)。この大当り図柄乱数は、特図保留情報判定処理(ステップA157)で使用する。
次いで、変動パターン乱数(本実施形態の場合、変動パターン乱数1から2)を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA154)。
次いで、特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレス(保留1から8までの何れかの場所)を算出し(ステップA155)、算出した領域に対象(特図1または特図2)の変動順序フラグをセーブし(ステップA156)、特図保留情報判定処理(ステップA157)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1の始動口である第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2の始動口である第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA157)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図40に示すように、まず、低確率判定フラグを準備して(ステップA161)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップA162)を行い、判定結果として大当りが設定されたか判定する(ステップA163)。
ステップA163で、判定結果として大当りが設定されたと判定した場合(ステップA163;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA164)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA165)、ステップA167の処理に移行する。
一方、ステップA163で、判定結果として大当りが設定されていないと判定した場合(ステップA163;N)、すなわち判定結果としてはずれが設定された場合は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA166)、ステップA167の処理に移行する。
ステップA167では、ステップA165にて取得した停止図柄情報またはステップA166にて設定した停止図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップA167)。
次いで、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理(ステップA169)を行う。
次いで、高確率判定フラグを準備して(ステップA170)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップA171)を行い、判定結果として大当りが設定されたか判定する(ステップA172)。
ステップA172で、判定結果として大当りが設定されたと判定した場合(ステップA172;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA173)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA174)、ステップA176の処理に移行する。
一方、ステップA172で、判定結果として大当りが設定されていないと判定した場合(ステップA172;N)、すなわち判定結果としてはずれが設定された場合には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA175)、ステップA176の処理に移行する。
ステップA176では、特図の高確率中であるか判定する(ステップA176)。
ステップA176で、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA176;N)には、ステップA178の処理に移行する。
一方、ステップA176で、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA176;Y)には、ステップA167にて停止図柄情報をセーブした図柄情報領域に、ステップA174にて取得した停止図柄情報またはステップA175にて設定した停止図柄情報を上書きしてセーブし(ステップA177)、ステップA178の処理に移行する。なお、図柄情報領域にセーブされる停止図柄情報は、変動パターンの先読み等で使用される。
ステップA178では、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を準備して(ステップA178)、演出コマンド設定処理(ステップA179)を行う。このように、本実施形態では、特図保留情報判定処理を実行する度に、大当り低確率判定値で判定した結果と、大当り高確率判定値で判定した結果とが、演出制御装置300が送信される。
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA180)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA181)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における変動パターンを示す変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA182)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA183)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA180における特図情報設定処理、ステップA181における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば、特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔先読み大当り判定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(ステップA162,A171)の詳細について説明する。
図41に示すように、先読み大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA191)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満か判定する(ステップA192)。
ステップA192で、大当り乱数の値が下限判定値未満であると判定した場合(ステップA192;Y)には、判定結果としてはずれを設定して(ステップA197)、先読み大当り判定処理を終了する。
一方、ステップA192で、大当り乱数の値が下限判定値未満でないと判定した場合(ステップA192;N)には、当該先読み大当り判定処理の直前に準備した判定フラグは高確率判定フラグであるか判定する(ステップA193)。
ステップA193で、高確率判定フラグであると判定した場合(ステップA193;Y)、すなわち当該先読み大当り判定処理がステップA171の処理である場合には、高確率中の上限判定値を設定して(ステップA194)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップA196)。
一方、ステップA193で、高確率判定フラグでないと判定した場合(ステップA193;N)、すなわち当該先読み大当り判定処理がステップA162の処理である場合には、低確率中の上限判定値を設定して(ステップA195)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップA196)。
ステップA196で、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいと判定した場合(ステップA196;Y)は、判定結果としてはずれを設定して(ステップA197)、先読み大当り判定処理を終了する。
一方、ステップA196で、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きくないと判定した場合(ステップA196;N)、すなわち大当りである場合には、判定結果として大当りを設定して(ステップA198)、先読み大当り判定処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図42に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、大入賞口スイッチ38aに入力があるか判定する(ステップA203)。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、大入賞口スイッチ38aに入力があるか判定する(ステップA203)。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA202;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
ステップA203で、大入賞口スイッチ38aに入力がないと判定した場合(ステップA203;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA203で、大入賞口スイッチ38aに入力があると判定した場合(ステップA203;Y)には、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA204)、演出コマンド設定処理(ステップA205)を行う。
次いで、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか判定する(ステップA206)。
ステップA206で、大入賞口開放中処理中でないと判定した場合(ステップA206;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA206で、大入賞口開放中処理中であると判定した場合(ステップA206;Y)には、大入賞口カウント数を+1更新して(ステップA207)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば、9個)以上となったかを判定する(ステップA208)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA208;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA208;Y)は、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA209)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図43に示すように、特図普段処理では、先ず、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であるか判定する(ステップA301)。
ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」でないと判定した場合(ステップA301;N)には、変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)からフラグをロードして(ステップA302)、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA303)。
ステップA303で、今回の変動が特図1の変動であると判定した場合(ステップA303;Y)には、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行い、特図1変動開始処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図1保留数は−1更新されていないが、ステップA304では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
一方、ステップA303で、今回の変動が特図1の変動でないと判定した場合(ステップA303;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA307)、演出コマンド設定処理(ステップA308)を行い、特図2変動開始処理(ステップA309)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図2保留数は−1更新されていないが、ステップA307では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
また、ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であると判定した場合(ステップA301;Y)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA310)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA310;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA311)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA312)、演出コマンド設定処理(ステップA313)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップA314)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA315)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA316)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA317)、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図44(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA329)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51aの点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、100m秒)をセーブし(ステップA333)、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA309)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図44(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図44(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA349)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器51bの点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、100m秒)をセーブし(ステップA353)、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図45(a)には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA361)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA362)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA363)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか判定する大当り判定処理(ステップA364)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA364)の判定結果が大当りである場合(ステップA365;Y)は、ステップA361にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA366)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA364)の判定結果が大当りでない場合(ステップA365;N)は、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図45(b)には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA372)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか判定する大当り判定処理(ステップA374)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA376)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
〔大当り判定処理〕
図46には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA364,A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図47には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA391)、大当りである場合(ステップA391;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA392)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA393)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA394)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA395)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA396)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51a)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報(本実施形態の場合、16Rまたは6Rを示す情報)を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA397)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA398)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA401)。ここで、確率変動判定データは、大当り後にどのモードに移行するかを示す情報であり、本実施形態では、ステップA398において、「低確率データ(時短(普電サポートあり))」または「高確率データ(確変(普電サポートあり))」が取得されて確率変動判定データ領域にセーブされる。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA391;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA399)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA400)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA401)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA402)、演出コマンド設定処理(ステップA403)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA404)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA405)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図48には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA411)、大当りである場合(ステップA411;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA412)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA413)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA414)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA415)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA416)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器51b)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報(本実施形態の場合、16Rまたは6Rを示す情報)を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA418)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA421)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA411;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA419)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA420)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA421)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA422)、演出コマンド設定処理(ステップA423)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA424)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA425)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口36での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA180,A324,A344)の詳細について説明する。
図49に示すように特図情報設定処理では、まず、変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA431)、現在の演出モード情報及び停止図柄バターン番号に対応する変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA432)。ここで、本実施形態では、停止図柄パターン番号として、「0:はずれ図柄」、「1:16R確変図柄」、「2:6R確変図柄A」、「3:6R確変図柄B」、「4:6R確変図柄C」、または「5:6R通常図柄」が設定されている。
次いで、停止図柄パターン番号が「0」であるか、すなわち停止図柄パターンがはずれ図柄パターンであるか判定する(ステップA433)。
ステップA433で、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンでないと判定した場合(ステップA433;N)には、ステップA432で取得した変動グループ選択ポインタを、変動グループ選択ポインタ領域にセーブして(ステップA435)、特図情報設定処理を終了する。
一方、ステップA433で、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンであると判定した場合(ステップA433;Y)には、特図1保留数と特図2保留数の合計値に対応する値に変動グループ選択ポインタを更新し(ステップA434)、当該更新した変動グループ選択ポインタを、変動グループ選択ポインタ領域にセーブして(ステップA435)、特図情報設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には、変動パターンの振り分けは保留数に影響しないが、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には、変動パターンの振り分けは保留数に影響する。
具体的には、例えば、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンであって、現在の遊技状態が普電サポートなしの場合には、特図1保留数と特図2保留数の合計値が「1」である際と、「2」,「3」である際と、「4」,「5」である際と、「6」,「7」,「8」である際で変動パターンの振り分けが異なる。
また、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンであって、現在の遊技状態が普電サポートありの場合には、特図1保留数と特図2保留数の合計値が「1」である際と、「2」である際と、「3」である際と、「4」,「5」,「6」,「7」,「8」である際で変動パターンの振り分けが異なる。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA181,A326,A346)の詳細について説明する。
図50に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループアドレステーブルを設定し(ステップA441)、変動グループ選択ポインタに対応する変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA442)、対象(特図1または特図2)の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA443)。
次いで、2バイト振り分け処理(ステップA444)を行って、振り分けられた結果得られた変動パターン選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA445)、対象(特図1または特図2)の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA446)。
次いで、振り分け処理(ステップA447)を行い、振り分けられた結果得られた変動パターン番号を取得し、変動パターン番号領域にセーブして(ステップA448)、変動パターン設定処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA327,A347)の詳細について説明する。図51に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜2の乱数格納領域をクリアする(ステップA451)。次に、変動時間値テーブルを設定し(ステップA452)、変動パターン番号に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA453)。
そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE,ACTION)を準備して(ステップA454)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA455)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA456)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA457)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA458)、シフト後の空き領域をクリアする(ステップA459)。次いで、変動順序フラグ格納領域をシフトし(ステップA460)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA461)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図52に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA501)、演出コマンド設定処理(ステップA502)を行う。
次いで、停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(ステップA503)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA504)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として800m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000m秒を設定する。
次いで、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA505)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA506)。
次いで、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA507)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA508)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA509)。その後、特図1表示器51aにおける特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51aでの変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA510)、特図2表示器51bにおける特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器51bでの変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA511)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図53に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA601)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA602)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA603)、大当りである(ステップA603;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA606)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
一方、ステップA603にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA603;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA604)、大当りである(ステップA604;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA605)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA607)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16Rまたは6R)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA608)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA609)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA610)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA612)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA614)、演出コマンド設定処理(ステップA615)を行う。
その後、大当りファンファーレ時間(例えば、10000m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA616)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA617)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA618)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA619)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA604にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA604;N)は、時間短縮変動回数更新処理(ステップA620)、演出モード情報チェック処理(ステップA621)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA622)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA623)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA624)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA625)、特図表示中処理を終了する。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA620)の詳細について説明する。図54に示すように、時間短縮変動回数更新処理では、まず、特図時短中であるかを判定する(ステップA6201)。そして、特図時短中でない場合(ステップA6201;N)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合(ステップA6201;Y)は、時間短縮変動回数を−1更新して(ステップA6202)、時間短縮変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA6203)。
時間短縮変動回数が「0」でない場合(ステップA6203;N)には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が「0」となった場合(ステップA6203;Y)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を準備して(ステップA6204)、演出コマンド設定処理(ステップA6205)を行う。確率情報コマンド(時短終了)は、確率情報コマンド(低確率)と同様のコマンド(例えば、MODE=A0h、ACTION=01h)を使用する。
次いで、時短終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA6206)。次いで、時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA6207)。
次いで、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップA6208)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA6209)。次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA6210)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA6211)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA621)の詳細について説明する。図55に示すように、演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップA6221)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA6221;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA6221;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップA6222)、演出残り回転数が「0」となったかを判定する(ステップA6223)。演出残り回転数が「0」となっていない場合(ステップA6223;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が「0」となった場合(ステップA6223;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA6224)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA6225)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA6226)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA6227)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA6228)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA6229)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA6230)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA6230;Y)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA6230;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA6231)、演出コマンド設定処理(ステップA6232)を行う。
次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA6233)、演出コマンド設定処理(ステップA6234)を行って、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA619)の詳細について説明する。図56に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる「3」を設定し(ステップA631)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA632)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON、大当り2信号をON、大当り3信号をON、大当り4信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA633)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA634)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA635)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA636)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA637)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA638)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部58)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA639)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA640)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA641)、時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA642)。
次いで、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA643)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA644)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図57に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA701)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA702)、演出コマンド設定処理(ステップA703)を行う。
次いで、大入賞口開放時間(例えば、29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA704)、処理番号として大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定して(ステップA705)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA706)。
次いで、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA707)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA708)。そして、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA709)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図58に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA801)。
そして、最終ラウンドでない場合(ステップA801;N)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA802)、演出コマンド設定処理(ステップA804)を行い、ステップA805の処理に移行する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA801;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA803)、演出コマンド設定処理(ステップA804)を行い、ステップA805の処理に移行する。
ステップA805では、処理番号として大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定する(ステップA805)。そして、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA806)。
次いで、残存球処理時間(例えば、1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA807)、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA808)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図59に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA901)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA901;N)は、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる「3」を設定し(ステップA902)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA903)。
次いで、インターバル時間(例えば、0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA904)、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA905)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA901;Y)は、処理番号として大当り終了処理にかかる「6」を設定し(ステップA906)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA907)。
次いで、エンディング時間(例えば、5.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA908)、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA909)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA910)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアし(ステップA911)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアして(ステップA912)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図60に示すように、この大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップA1001)。
ステップA1001で、確率変動判定フラグが高確率データでない場合(ステップA1001;N)には、大当り終了設定処理1(ステップA1002)を行って、ステップA1004の処理に移行する。
また、ステップA1001で、確率変動判定フラグが高確率データである場合(ステップA1001;Y)には、大当り終了設定処理2(ステップA1003)を行って、ステップA1004の処理に移行する。
ステップA1004では、演出モード情報アドレステーブルを設定する(ステップA1004)。その後、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1005)。
次いで、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA1006)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1007)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1008)。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1009)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1010)、演出コマンド設定処理(ステップA1011)を行う。
演出モード番号に対応する確率情報コマンドには、「高確率・時短あり」および「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。本実施形態の場合、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、および「高確率・時短なし・演出モードA」がある。その他に、本処理では使用しないが、「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、および「低確率・時短なし・演出モードC」もある。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1012)、演出コマンド設定処理(ステップA1013)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1014)、演出コマンド設定処理(ステップA1015)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1016)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1017)。
次いで、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1018)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1019)。
次いで、確率変動判定データ領域の情報をクリアし(ステップA1020)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアし(ステップA1021)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1022)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図61(a)には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1002)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1031)、低確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1032)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1033)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1034)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1035)。
次いで、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば70回)をセーブし(ステップA1036)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブして(ステップA1037)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
図61(b)には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1003)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1041)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。
次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1042)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1043)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1044)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1045)。
次いで、時間短縮変動回数領域を0クリアし(ステップA1046)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップA1047)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図62に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2001)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2002)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2002;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2001)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2002;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA2003)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2004)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2005)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2005;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2004)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2005;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップA2006)、演出コマンド設定処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
図63に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA16,A18)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップB15)を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(ステップA2101)。本実施形態の場合、ステップA15、ステップA17、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
制御対象の図柄にかかる変動制御フラグが変動中である場合(ステップA2102;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA2103)。本実施形態の場合、ステップA15、ステップA17、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の点滅制御タイマを−1更新して(ステップA2104)、更新後の点滅制御タイマが「0」であるかを判定する(ステップA2105)。
更新後の点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA2105;N)は、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データをRAM111C内に設けられた対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA2105;Y)は、点滅制御タイマ初期値(例えば、100m秒)を対象の点滅タイマ領域にセーブし(ステップA2106)、制御対象の変動図柄番号を+1更新して(ステップA2107)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データをRAM111C内に設けられた対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、制御対象の図柄にかかる変動制御フラグが変動中でない場合(ステップA2102;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA2109)。本実施形態の場合、ステップA15、ステップA17、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA2110)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図64(a)には、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA447)を示した。
この振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA445にて準備した変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2201)。
そして、選択テーブル(変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2202;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(変動パターン選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2202;N)は、選択テーブル(変動パターン選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2203)。
続けて、ステップA446にて準備した乱数値(変動パターン乱数2の値)からステップA2203にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2204)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2205)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2205;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2206)、ステップA2203の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(変動パターン選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2203)、その後、前回のステップA2205にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2204)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2205)。
上記の処理をステップA2205にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2205;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(変動パターン選択テーブル)に規定されている少なくとも一の変動パターン番号の中から何れか一の変動パターン番号が選択される。
そして、ステップA2205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2205;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図64(b)には、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA444)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの変動パターン選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA442にて準備した変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2301)。
そして、選択テーブル(変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2302;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2302;N)は、選択テーブル(変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2303)。
続けて、ステップA443にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2303にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2304)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2305;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2306)、ステップA2303の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2303)、その後、前回のステップA2305にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2304)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2305)。
上記の処理をステップA2305にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2305;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の変動パターン選択テーブルの中から何れか一の変動パターン選択テーブルが選択される。
そして、ステップA2305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2305;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
図64(a)に示す振り分け処理の構成と、図64(b)に示す2バイト振り分け処理の構成とは、基本的に同じであるが、振り分けに使用する乱数のサイズが1バイトであるか、2バイトであるかという点で異なるため、計算するためのプログラム命令が異なっている。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図65に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器52による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器52による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。図66に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)は、右打ちする遊技状態(例えば、大当り中、特図時短中(普電サポート中))であるかを判定する(ステップB102)。
右打ちする遊技状態である場合(ステップB102;Y)は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば、4)未満であるかを判定する(ステップB105)。
また、右打ちする遊技状態でない場合(ステップB102;N)は、左打ち指示コマンドを準備し(ステップB103)、演出コマンド設定処理(ステップB104)を行った後に、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば、4)未満であるかを判定する(ステップB105)。
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB105;Y)は、普図保留数を+1更新し(ステップB106)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB107)。そして、当り乱数を抽出し、RWMの当り乱数格納領域にセーブして(ステップB108)、当り図柄乱数を抽出し、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブして(ステップB109)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB101;N)や、ステップB105にて普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB105;N)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。図67に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図当り中か、すなわち普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるかを判定する(ステップB201)。そして、普図当り中である場合(ステップB201;Y)は、始動口2スイッチ37aに入力があるかを判定し(ステップB202)、始動口2スイッチ37aに入力があると判定した場合(ステップB202;Y)は、普電カウンタのカウント数を+1更新する(ステップB203)。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、6)以上であるかを判定して(ステップB204)、カウント数が上限値以上であると判定した場合(ステップB204;Y)は、普図当り終了ポインタ領域から当り終了ポインタ値(本実施形態の場合、「4」または「7」)をロードし、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB205)。このステップB205の処理は、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があったことに基づいて、普通変動入賞装置37を閉じるための処理である。
次いで、普図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップB206)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップB201にて普図当り中でないと判定した場合(ステップB201;N)、ステップB202にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定した場合(ステップB202;N)、又はステップB204にて普電カウント数が上限値以上でないと判定した場合(ステップB204;N)は、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図68に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB301;Y)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB322)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB323)、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB324)、普図普段処理を終了する。
一方、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、ロードした領域(すなわち、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用))を0クリアして(ステップB302)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB303)。
普図高確率中でない場合(ステップB303;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB304)、普図高確率中である場合(ステップB303;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB305)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB306)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB306;N)、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB307)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB306;Y)や、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB307;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB308)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB309)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB310)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
一方、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB307;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB311)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB312)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB313)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。本実施形態では、普図の当り図柄として2種類の図柄(「当り図柄1」及び「当り図柄2」)が用意されている。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。
したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。
また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB314)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB315)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB316)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB317)、普図保留数を−1更新する(ステップB318)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次いで、変動パターン乱数3を抽出して(ステップB319)、変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB320)。本実施形態の場合、変動パターン乱数3に対応する変動時間として、200/256の確率で「500m秒」が設定され、40/256の確率で「1500m秒」が設定され、16/256の確率で「3000m秒」が設定される。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行って、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図69には、上述の普図普段処理での普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を示した。この普図変動中処理移行設定処理では、まず、処理番号として普図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップB331)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB332)。
その後、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB333)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(ステップB334)。
そして、普図表示器52の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば、100m秒)を普図点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップB335)、普図変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップB336)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図70に示すように、普図変動中処理では、まず、処理番号として普図表示中処理にかかる「2」に設定し(ステップB401)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB402)。その後、普図表示器52における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば、600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB403)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB404)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB405)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図71に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB515)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB516)、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB517)、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」,「5」の何れか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブして(ステップB505)、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタの値(例えば、「4」,「7」の何れか)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、1700m秒または2600m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。
次いで、処理番号として普図当り中処理にかかる「3」を設定し(ステップB508)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB509)。
次いで、普図変動表示ゲームの当り開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB510)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB511)。
次いで、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB512)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB513)。
次いで、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB514)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図72に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB603)、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中制御ポインタを+1更新する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
図73には、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB604)を示した。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB611)。なお、ステップB603の処理(普図当り中制御ポインタを+1更新する処理)を行った場合には、+1更新する前の値に応じた分岐処理を行う。
制御ポインタの値が「0」、「2」、又は「5」であった場合は、ステップB612へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(例えば、300m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB612)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB613)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB614へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間(例えば、1700m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB614)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB615)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「6」であった場合は、ステップB616へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間(例えば、2600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB616)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB617)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」又は「7」であった場合は、ステップB618へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB618)。そして、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB619)、普電残存球処理時間(例えば、600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB620)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB621)、普電作動移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、普図高確率中において普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の普図表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電(普通変動入賞装置37)が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図高確率中において普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「5」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「7」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「2600m秒」が取得される。したがって、600m秒の普図表示時間の経過後、普電開放時間が「2600m秒」であるため普電が2600m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「5」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「6」に更新されるため普電が2600m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「7」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB12)の詳細について説明する。図74に示すように、普電残存球処理では、まず、処理番号として普図当り終了処理にかかる「5」を設定して(ステップB701)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB702)。
その後、普図エンディング時間(例えば、100m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB703)、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB704)、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアする(ステップB705)。そして、普図当り中制御ポインタ領域をクリアし(ステップB706)、普図当り終了ポインタ領域をクリアして(ステップB707)、普電残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB13)の詳細について説明する。図75に示すように、普図当り終了処理では、まず、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップB801)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB802)。
その後、普図変動表示ゲームの当り終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB803)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB804)、普図当り終了処理を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS111)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器53、特図2保留表示器54、普図保留表示器55、第1遊技状態表示部56、第2遊技状態表示部57、第3遊技状態表示部58、ラウンド表示部59を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図76に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、点滅制御タイマを+1更新して(ステップS501)、点滅制御タイマの特定ビットが1か否かによって、出力オンタイミングであるかを判定する(ステップS502)。本実施形態では、点滅制御タイマのビット5が1である場合に出力オンタイミングであると判定することで、128m秒の点滅周期を作っている。
出力オンタイミングである場合(ステップS502;Y)は、普図保留表示器55での表示態様が規定された普図保留数表示テーブル1,2のうちの、普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップS503)、出力オンタイミングでない場合(ステップS502;N)は、普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップS504)。
そして、設定した普図保留数表示テーブルから普図保留数に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた普図保留表示器55用のセグメント領域にセーブする(ステップS505)。本実施形態では、普図保留数が「0」〜「2」の何れかであれば、どちらの普図保留数表示テーブルが設定された場合であっても、表示データは同じになる。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS506)、出力オンタイミングである場合(ステップS506;Y)は、特図1保留表示器53での表示態様が規定された特図1保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップS507)、出力オンタイミングでない場合(ステップS506;N)は、特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップS508)。
そして、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1保留数に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた特図1保留表示器53用のセグメント領域にセーブする(ステップS509)。
その後、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS510)、出力オンタイミングである場合(ステップS510;Y)は、特図2保留表示器54での表示態様が規定された特図2保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップS511)、出力オンタイミングでない場合(ステップS510;N)は、特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップS512)。
そして、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2保留数に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた特図2保留表示器54用のセグメント領域にセーブする(ステップS513)。
さらに、ラウンド表示部59での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定して(ステップS514)、設定したラウンド表示テーブルからラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられたラウンド表示部59用のセグメント領域にセーブする(ステップS515)。
次に、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部57での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定して(ステップS516)、設定した遊技状態表示テーブル1から遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた第2遊技状態表示部57用のセグメント領域にセーブする(ステップS517)。本実施形態では、1個のLEDからなる第2遊技状態表示部57を、通常中には消灯させ、特図時短中(普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
その後、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部56での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定して(ステップS518)、設定した遊技状態表示テーブル2から遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた第1遊技状態表示部56用のセグメント領域にセーブする(ステップS519)。本実施形態では、1個のLEDからなる第1遊技状態表示部57を、通常打ち(左打ち)時には消灯させ、右打ち時(本実施形態の場合、大当り中、普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
次いで、高確率報知フラグ領域にオン情報がセーブされているかを判定する(ステップS520)。
ステップS520で、高確率報知フラグ領域にオン情報がセーブされていると判定した場合(ステップS520;Y)には、セグメントLED編集処理を終了する。
一方、ステップS520で、高確率報知フラグ領域にオン情報がセーブされていないと判定した場合(ステップS520;N)には、高確率報知LED(第3遊技状態表示部58)をオフさせるため、高確率報知LEDのオフデータを第3遊技状態表示部58用のセグメント領域にセーブして(ステップS521)、セグメントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS112)の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図77に示すように、磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ61がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップS601)。磁気センサ61がオンである場合(ステップS601;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(ステップS602)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップS603)。本実施形態の場合、磁石不正監視タイマが32m秒以上である場合にタイムアップしたと判定する。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップS603;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS604)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば、60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップS606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップS607)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば、8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁気センサ61がオンでない場合(ステップS601;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS608)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS610)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップS603;N)も、ステップS609の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS610;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS610;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップS611)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップS612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS613;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS613;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップS614)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS615)、磁石不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS601;N」→「ステップS608」→「ステップS609」→「ステップS610;Y」→「ステップS611」→「ステップS612」→「ステップS613;Y」が正常ルートである。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップS113)の詳細について説明する。盤電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図78に示すように、盤電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップS701)。電波センサがオンである場合(ステップS701;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(例えば、60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS702)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップS703)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップS704)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。すなわち、本実施形態では、磁気不正の場合は、磁気センサ61のオンが所定回数検出された時点で異常が発生していると判定する一方、盤電波不正の場合は、盤電波センサ62のオンが1回検出された時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサ62がオンでない場合(ステップS701;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS706)。
電波不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS706;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS706;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップS707)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップS708)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS709;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS709;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップS710)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS711)、盤電波不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS701;N」→「ステップS705」→「ステップS706;Y」→「ステップS707」→「ステップS708」→「ステップS709;Y」が正常ルートである。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図79及び図80に示すように、外部情報編集処理では、まず、スイッチ異常の発生中であるかを判定する(ステップS801)。
ステップS801で、スイッチ異常の発生中でないと判定した場合(ステップS801;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS802)、ステップS804の処理に移行する。
一方、ステップS801で、スイッチ異常の発生中であると判定した場合(ステップS801;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS803)、ステップS804の処理に移行する。
次いで、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS804;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS805;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS806)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS807)、ステップS810の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS804;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS805;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS808)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば、256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS810)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS811)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS811;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS812)、ステップS813の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS811;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS812の処理を行わずに、ステップS813の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS814;Y)、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS815;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS816;Y)、あるいは、始動口エラーの発生中である場合(ステップS817;Y)は、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS819)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS820)、ステップS821の処理に移行する。また、枠電波不正の発生中である場合(ステップS818;Y)は、ステップS819の処理を行わずに、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS820)、ステップS821の処理に移行する。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS814;N)、大入賞口不正の発生中でもなく(ステップS815;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS816;N)、始動口エラーの発生中でもなく(ステップS817;N)、枠電波不正の発生中でもない場合(ステップS818;N)は、ステップS819及びステップS820の処理を行わずに、ステップS821の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS821)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS822)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS823)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS824)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS824;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS825)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS824;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS826)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップS821)の詳細について説明する。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(本実施形態の場合、10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
図81に示すように、メイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS831)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS832)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS832;Y)は、メイン賞球信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS833)。
そして、メイン賞球信号出力回数が「0」でない場合(ステップS833;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップS834)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS835)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば、128m秒)となっている。その後、外部装置用のメイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS837)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
また、メイン賞球信号出力回数が「0」である場合(ステップS833;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS832;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS836)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS836;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS837)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS836;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップS822)の詳細について説明する。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図82に示すように、始動口信号編集処理では、まず、始動口信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS841)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS842)。始動口信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS842;Y)は、始動口信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS843)。
そして、始動口信号出力回数が「0」でない場合(ステップS843;N)は、始動口信号出力回数を−1更新し(ステップS844)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS845)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば、128m秒)となっている。その後、外部装置用の始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS847)、始動口信号編集処理を終了する。
また、始動口信号出力回数が「0」である場合(ステップS843;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS842;N)は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS846)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS846;Y)は、外部装置用の始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS847)、始動口信号編集処理を終了する。また、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS846;N)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
[ルーレット演出]
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする“ルーレット演出”について説明する。
図83および図84は、ルーレット演出の一例を説明する図である。
本実施形態において、演出制御装置300は、センターケース40の上部に設けた発光装飾部材46aと、下側の演出部材(下可動役物ユニット720の下部演出部材721)と、左側の演出部材(左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731〜第4演出部材734)と、右側の演出部材(右可動役物ユニット730Rの第1演出部材731〜第4演出部材734)と、を用いてルーレット演出を行う。
具体的には、演出制御装置300は、ルーレット演出の開始タイミングになると、図83に示すように、左側の演出部材および右側の演出部材を動作位置へと移動させる。さらに、表示装置41に、発光装飾部材46aと、下側の演出部材と、左側の演出部材と、右側の演出部材と、のそれぞれに対応付けて複数の領域を表示するとともに、各領域内で当該変動(実行中の特図変動表示ゲーム)の結果等を示唆可能な示唆表示を行う。その際、表示装置41の表示領域の略中央部に表示されていた第1〜第3図柄、すなわち飾り特図変動表示ゲーム用の識別情報群(以下「飾り図柄群」という。)Z1を、表示領域の隅部に移動させる。
なお、図83および図84に示す例の場合、表示領域の隅部に移動した飾り図柄群Z1は、一の領域(この例では、発光装飾部材46aに対応付けられた領域)内に収まるように表示されているが、これに限定されるものではなく、複数の領域に跨って表示されてもよい。
また、本実施形態の遊技機10が、表示装置41の表示領域の中央部と、表示領域の隅部と、の両方に同時に第1〜第3図柄を表示可能な機種である場合も、ルーレット演出時には、図83および図84に示すように、表示領域の隅部に表示される第1〜第3図柄(小図柄群)は視認可能である一方で、表示領域の中央部に表示される第1〜第3図柄(大図柄群)は視認不可能になる。なお、この場合、内部的には大図柄群もルーレット演出時に表示されるよう構成することも可能である。すなわち、ルーレット演出のための画面において大図柄群は遊技者に視認不可能であるが、例えば、当該画面を描画する(画像を形成する)際には、小図柄群や演出画像(ルーレット画像等)だけでなく大図柄群も処理して、大図柄群を演出画像の後ろに表示する(遊技者からは、大図柄群は演出画像等に隠れて見えない)よう構成することも可能である。
次いで、発光装飾部材46aと、下側の演出部材と、左側の演出部材と、右側の演出部材と、をルーレットのように時計回り(あるいは、反時計回りであってもよい。)に順次点灯させるとともに、点灯させる部材に対応付けられた領域内の示唆表示を通常の表示態様とは異なる表示態様で表示する。
図83に示す例では、左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731が点灯しているとともに、その第1演出部材731に対応付けられた領域内の示唆表示(「ハズレ」)が通常の表示態様とは異なる表示態様で表示されている。各部材を時計回りに順次点灯させる場合、左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731の次は、発光装飾部材46aが点灯する(左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731は消灯)。また、各部材を反時計回りに順次点灯させる場合、左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731の次は、左可動役物ユニット730Lの第2演出部材732が点灯する(左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731は消灯)。
また、図84に示す例では、下可動役物ユニット720の下部演出部材721が点灯しているとともに、その下部演出部材721に対応付けられた領域内の示唆表示(「当」)が通常の表示態様とは異なる表示態様で表示されている。
ここで、下部演出部材721は、第1演出部材731〜第4演出部材734とは違って単独で動作可能である。さらに、下部演出部材721の駆動源はソレノイド722であるため、下部演出部材721が動作位置にある状態(すなわち、ソレノイド722をON状態)で維持すると、ソレノイド722が故障する虞がある。よって、本実施形態では、下部演出部材721を、当該下部演出部材721の点灯期間中のみ動作させ、それ以外の期間中は初期位置で待機させるようにしている。
また、本実施形態の遊技機10は、複数の可動部材を備える第1演出装置(左可動役物ユニット730L、右可動役物ユニット730R)と、1つの可動部材を備える第2演出装置(下可動役物ユニット720)と、を備えている。
したがって、第1演出装置および第2演出装置の何れか一方を用いた演出、第1演出装置および第2演出装置の両方を用いた演出、といったように様々な演出態様の演出を実行することができる。
さらに、本実施形態の遊技機10は、第1演出装置が備える可動部材(演出部材)と、第2演出装置が備える可動部材(演出部材)とが、同一の物体(本実施形態の場合、花)を模した発光装飾部を有している。
したがって、全ての可動部材(第1演出装置および第2演出装置の両方が備える可動部材)が動作する演出しか行えないような印象を与えた上で、一部の可動部材(第1演出装置および第2演出装置の何れか一方が備える可動部材)のみが動作する演出を実行することができるため、遊技の興趣を高めることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第2実施形態の遊技機10は、複数の一般入賞口35のうちの何れか一つに替えて、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口を備えるとともに、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口36および第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口97を有する入賞装置90に替えて、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口36のみを有する始動入賞装置を備える点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
まず、図85を用いて、本実施形態の遊技盤30の一例について説明する。
図85に示すように、本実施形態においては、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口36および第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口97を有する入賞装置90に替えて、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口36のみを有する始動入賞装置91を備えている。この始動入賞装置91が有する第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図17参照)によって検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側に配置されている三つの一般入賞口35のうち、最も右側の一般入賞口35に替えて、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口として機能する入賞口98を備えている。この入賞口98に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図17参照)によって検出される。すなわち、第1実施形態では入賞装置90内に配置されていた第2始動入賞口97が、本実施形態の場合には、一般入賞口35と並んで配置されている。したがって、本実施形態においては、第2始動入賞口である入賞口98が、一般入賞口35のように見えるよう構成されている。
さらに、図85に示すように、遊技領域32には、入賞口98を始点として上下方向に沿ってセンターケース40に向けて延在する装飾部材99が設けられている。遊技盤本体80のうち、少なくとも装飾部材99に対応する部分(以下「対応部分」という。)は、光透過性を有している。そして、装飾部材99は、遊技盤本体80の対応部分に貼付され、少なくとも一部が光透過性を有するシールと、遊技盤本体80の対応部分の後方に配設された複数のLEDとを備え、当該シールが光って見えるような装飾、すなわち発光による装飾ができるよう構成されている。
なお、装飾部材99は、LEDを備えず、シールのみからなるものであってもよいし、シールを備えず、LEDのみからなるものであってもよい。
本実施形態において、演出制御装置300は、表示装置41の表示領域の略中央部に、第1特図変動表示ゲームに対応する第1〜第3図柄、すなわち飾り特図1変動表示ゲーム用の識別情報群(以下「第1飾り図柄群」という。)Z21を表示するとともに、表示装置41の表示領域の上部に、第2特図変動表示ゲームに対応する第1〜第3図柄、すなわち飾り特図2変動表示ゲーム用の識別情報群(以下「第2飾り図柄群」という。)Z22を表示する。第2飾り図柄群Z22は、表示領域の隅部に、第1飾り図柄群Z21よりも小さいサイズで表示されている。
また、本実施形態において、表示装置41の表示領域の下部には、消化中保留表示領域R1と、メインの未消化保留表示領域R2と、が設けられている。ここで、メインの未消化保留表示領域R2は、飾り特図始動記憶表示(すなわち、当該変動よりも後に実行される特図変動表示ゲームの実行契機となる特図始動記憶に対応した表示)が行われる領域である。また、消化中保留表示領域R1は、当該変動の実行契機となった特図始動記憶に対応した表示が行われる領域である。
また、本実施形態において、表示装置41の表示領域の上部には、サブの未消化保留表示領域R3が設けられている。本実施形態では、サブの未消化保留表示領域R3に左右2つの数字を表示する。この2つの数字のうち、左側の数字が特図1始動記憶数を示し、右側の数字が特図2始動記憶数を示す。
なお、本実施形態では、第1飾り図柄群Z21をアラビア数字で、第2飾り図柄群Z22を漢数字で表示するが、第1飾り図柄群Z21および第2飾り図柄群Z22の表示態様は、これに限定されるものではなく、適宜変更可能であり、例えば、第1飾り図柄群Z21を漢数字で、第2飾り図柄群Z22をアラビア数字で表示してもよい。第1飾り図柄群Z21の表示態様と第2飾り図柄群Z22の表示態様とは同一であってもよいし異なっていてもよいが、区別のし易さ等の観点から、本実施形態のように異なっている方が好ましい。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様、入賞順に第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとが実行される。
[特図2演出]
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする“特図2演出”について説明する。この特図2演出は、第2始動入賞口である入賞口98が一般入賞口35のように見えることを利用した演出である。
ここで、演出中(特図2演出中や、その他の演出中)も、情報表示装置42は通常どおり点灯(特図変動表示ゲームに関する情報を表示)している。そのため、遊技者は、演出中も遊技状態を確認可能である。すなわち、遊技者は、演出中も、情報表示装置42によって、特図1始動記憶数や特図2始動記憶数を確認可能であるとともに、実行中の特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームであるのか第2特図変動表示ゲームであるのかを確認可能である。
特図2演出の演出態様には、入賞口98への遊技球の入賞に応じて発生した第2始動記憶が、期待度の低い始動記憶であった場合に設定される第1演出態様と、期待度の高い始動記憶であった場合に設定される第2演出態様とがある。
ここで「期待度の低い始動記憶」とは、大当り期待度の低い演出態様で演出が実行される特図変動表示ゲームの始動記憶のことであり、「期待度の高い始動記憶」とは、大当り期待度の高い演出態様で演出が実行される特図変動表示ゲームの始動記憶のことである。本実施形態では、リーチなし演出およびノーマルリーチ演出が実行される特図変動表示ゲームの始動記憶を、期待度の低い始動記憶とし、スペシャルリーチ演出が実行される特図変動表示ゲームの始動記憶を、期待度の高い始動記憶とする。
また、本実施形態では、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口(始動入賞領域)として、普通変動入賞装置37と入賞口98とを設けているが、普通変動入賞装置37は、遊技領域32の右側遊技領域に配置されているとともに、入賞口98は、遊技領域32の左側遊技領域に配置されている。よって、以下、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に応じて発生した第2始動記憶(特図2保留)を「右特図2保留」と称し、入賞口98への遊技球の入賞に応じて発生した第2始動記憶(特図2保留)を「左特図2保留」と称する。
まず、左特図2保留が期待度の低い始動記憶であった場合について説明する。
図85〜図89は、左特図2保留が期待度の低い始動記憶であった場合に実行される第1演出態様の特図2演出の一例を説明する図である。具体的には、図85〜図89には、特図1始動記憶数も特図2始動記憶数も0である状態で第1特図変動表示ゲームの実行中に、期待度の低い左特図2保留が発生した場合を示す。
特図1始動記憶数も特図2始動記憶数も0である状態であり、かつ、第1特図変動表示ゲームが実行されている状態では、図85に示すように、第1飾り図柄群Z21は変動中であるとともに第2飾り図柄群Z22は変動停止中であり、メインの未消化保留表示領域R2には1つも飾り特図始動記憶表示(以下「保留表示」という。)が表示されておらず、サブの未消化保留表示領域R3には「00」と表示されている。
期待度の低い左特図2保留が発生した場合、演出制御装置300は、サブの未消化保留表示領域R3では当該左特図2保留の発生を反映するが、メインの未消化保留表示領域R2では当該左特図2保留の発生を反映しない。具体的には、図86に示すように、サブの未消化保留表示領域R3における表示は「00」から「01」に変更するが、メインの未消化保留表示領域R2における表示は変更せずに1つも保留表示が表示されていない状態を維持する。
次いで、演出制御装置300は、図87に示すように、第1飾り図柄群Z21の変動を停止して第1特図変動表示ゲームの結果を表示した後、第2飾り図柄群Z22の変動を開始して当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを実行する。そして、所定時間経過後、図88に示すように、第2飾り図柄群Z22の変動を停止して第2特図変動表示ゲームの結果を表示する。
ここで、図94に、変動時間選択テーブルの一例を示す。
図94(a)に示すように、期待度の低い第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(パターン1、パターン2)では、変動時間として、期待度の高低や保留数(特図1保留数)に応じて「4.0秒」、「8.0秒」、「13.6秒」、「17.6秒」、「20.4秒」、および「30.6秒」の何れかが設定される。一方、図94(b)に示すように、期待度の低い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲーム(パターン1、パターン2)では、変動時間として、期待度の高低や保留数(特図2保留数)にかかわらず「0.5秒」が設定される。すなわち、期待度の低い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームは、期待度の低い第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームよりも変動時間が短い短縮変動で実行されるため、遊技者に当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームが実行されていることを認識させる間を与えることなく、図88に示すように、第2飾り図柄群Z22の変動が停止する。
このように、期待度の低い左特図2保留が発生した場合には、サブの未消化保留表示領域R3の更新を行う一方で、サブの未消化保留表示領域R3よりも目立つメインの未消化保留表示領域R2の更新を行わないことで、遊技者が「入賞口98は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することを困難にしている。
さらに、期待度の低い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームを短縮変動で実行して、当該特図変動表示ゲームの実行を認識し難くすることで、遊技者が「入賞口98は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することをより困難にしている。
また、期待度の低い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、消化中保留表示領域R1にもメインの未消化保留表示領域R2にも保留表示がなく、さらにはゲームの実行も認識困難な状態で、大当りが発生するため、いきなり大当りが発生したかのような印象を与えることができ、遊技者に驚きを与えることができる。
ここで、期待度の低い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、短縮変動の後、図89に示すように、第2飾り図柄群Z22を表示する領域だけでなく、第1飾り図柄群Z21を表示する領域にも、当該特図変動表示ゲームの結果を表示することが好ましい。短縮変動の後に、表示装置41の表示領域の隅部に大当り結果(特別結果)を表示するだけでは、大当りしたことに気付かれない虞がある。よって、表示領域の中央部に第1飾り図柄群Z21に替えて第2飾り図柄群Z22を表示、すなわち、表示領域の隅部に表示されている第2飾り図柄群Z22に加えて、表示領域の中央部に、表示領域隅部の第2飾り図柄群Z22よりも大きいサイズで第2飾り図柄群Z22を表示することで、大当りの発生が認識され易くなるため、効果的に遊技者に驚きを与えることが可能となる。
なお、表示領域の中央部に第1飾り図柄群Z21に替えて第2飾り図柄群Z22を表示する際には、表示領域の隅部の第2飾り図柄群Z22と、サブの未消化保留表示領域R3における表示と、の少なくとも一方を非表示にしてもよい。また、表示領域の中央部に第1飾り図柄群Z21に替えて第2飾り図柄群Z22を表示する際には、表示領域の隅部に第2飾り図柄群Z22に替えて第1飾り図柄群Z21を表示するようにしてもよい。
次に、左特図2保留が期待度の高い始動記憶であった場合について説明する。
図90〜図93は、左特図2保留が期待度の高い始動記憶であった場合に実行される第2演出態様の特図2演出の一例を説明する図である。具体的には、図90〜図93には、特図1始動記憶数も特図2始動記憶数も0である状態で第1特図変動表示ゲームの実行中に、期待度の高い左特図2保留が発生した場合を示す。
期待度の高い左特図2保留が発生した場合、演出制御装置300は、サブの未消化保留表示領域R3だけでなく、メインの未消化保留表示領域R2でも当該左特図2保留の発生を反映する。具体的には、図90に示すように、サブの未消化保留表示領域R3における表示を「00」から「01」に変更するとともに、メインの未消化保留表示領域R2に当該左特図2保留に対応する保留表示を特図2保留用の表示態様で表示する。
なお、第2始動記憶に対応する保留表示の表示態様(特図2保留用の表示態様)と、第1始動記憶に対応する保留表示の表示態様(特図1保留用の表示態様)と、は同一であってもよいし異なっていてもよいが、区別のし易さ等の観点から、少なくとも通常の表示態様は異なっていた方が好ましい。始動記憶に対応する保留表示の表示態様には、先読み結果(結果関連情報)等を報知する表示態様と先読み結果等を報知しない表示態様とがあるが、「通常の表示態様」とは先読み結果等を報知しない表示態様のことである。
さらに、演出制御装置300は、図90に示すように、入賞口98に遊技球が入賞したことを報知する演出を行う。具体的には、入賞口98と装飾部材99とを発光させるとともに、入賞口98に遊技球が入賞したことを報知する報知画像を表示装置41に表示する。この例では、報知画像として、入賞口98から装飾部材99を経て打ち上がったように見える花火の画像を表示している。その際、装飾部材99は、全体が同時に発光してもよいし、入賞口98から表示装置41の表示領域に向かって下から順次発光してもよい。
次いで、演出制御装置300は、図91に示すように、第1飾り図柄群Z21の変動を停止して第1特図変動表示ゲームの結果を表示した後、図92に示すように、第2飾り図柄群Z22の変動を開始して当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを実行する。その際、当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを、表示領域隅部の第2飾り図柄群Z22を表示する領域だけでなく、表示領域中央部の第1飾り図柄群Z21を表示する領域でも実行する。すなわち、表示領域の隅部に表示されている第2飾り図柄群Z22に加えて、表示領域の中央部に、表示領域隅部の第2飾り図柄群Z22よりも大きいサイズで第2飾り図柄群Z22を表示する。
ここで、図94(a)に示すように、期待度の高い第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(パターン3、…)では、変動時間として、保留数が0〜2の何れかである場合には「180.0秒」が設定され、保留数が3または4である場合には「160.4秒」が設定される。また、図94(b)に示すように、期待度の高い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲーム(パターン3、…)でも、変動時間として、保留数が0〜2の何れかである場合には「180.0秒」が設定され、保留数が3または4である場合には「160.4秒」が設定される。すなわち、期待度の高い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームの変動時間は、期待度の高い第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間と同一であるため、遊技者に当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームが実行されていることを認識させる間を十分に与えてから、図93に示すように、第2飾り図柄群Z22の変動が停止する。
図94に示す変動時間選択テーブルでは、「SPリーチ」の変動時間として「SPリーチ1(SP1リーチ)」の変動時間のみが記載されており、その他のSPリーチ(SP2リーチ等)の変動時間の記載が省略されているが、その他のSPリーチの場合も、SPリーチ1の場合と同様、保留数が0〜2の何れかである場合には「180.0秒」が設定され、保留数が3または4である場合には「160.4秒」が設定される。
また、図94に示す変動時間選択テーブルは、右打ちよりも左打ちの方が有利な遊技状態(通常打ち状態)の場合に用いるテーブルである。左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態(右打ち状態)の場合、例えば時短状態の場合等に用いる変動時間選択テーブルは、通常打ち状態の場合に用いる変動時間選択テーブルと同一であってもよいし異なっていてもよい。入賞口98は左側遊技領域に配置されているため、左特図2保留は、主に通常打ち状態の場合に発生する第2始動記憶であり、普通変動入賞装置37は右側遊技領域に配置されているため、右特図2保留は、主に右打ち状態の場合に発生する第2始動記憶である。
このように、期待度の高い左特図2保留が発生した場合には、サブの未消化保留表示領域R3の更新だけでなく、サブの未消化保留表示領域R3よりも目立つメインの未消化保留表示領域R2の更新も行うことで、遊技者が「入賞口98は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することを容易にしている。
さらに、期待度の高い左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中は、表示領域の中央部にも第2飾り図柄群Z22を表示して、当該特図変動表示ゲームの実行を認識し易くすることで、遊技者が「入賞口98は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することをより容易にしている。
なお、図92や図93に示すように、表示領域の中央部に第1飾り図柄群Z21に替えて第2飾り図柄群Z22を表示する際には、表示領域の隅部の第2飾り図柄群Z22と、サブの未消化保留表示領域R3における表示と、の少なくとも一方を非表示にしてもよい。また、表示領域の中央部に第1飾り図柄群Z21に替えて第2飾り図柄群Z22を表示する際には、表示領域の隅部に第2飾り図柄群Z22に替えて第1飾り図柄群Z21を表示するようにしてもよい。
本実施形態では、特図2演出を実行することで、「一般入賞口のように見える入賞口98は、実は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」ことに対する驚きや高揚感を遊技者に与えることができる。すなわち、遊技者が「入賞口98は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することを困難にさせる特図2演出、すなわち第1演出態様の特図2演出を実行して、遊技者に「入賞口98は一般入賞口である」と誤認識させた上で、第2演出態様の特図2演出を実行して、遊技者に「入賞口98は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識させることができるため、遊技者が「入賞口98は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識した際の驚きや高揚感を高めることができる。
さらに、本実施形態においては、大当り終了後や所定回数毎に突入する特定のモード中(特定のモードへの突入時および滞在時)である場合には、入賞口98を目立たせるために、入賞口98を発光させ、当該特定のモード中に左特図2保留が発生した場合には、当該左特図2保留の期待度にかかわらず、第2演出態様の特図2演出(図90〜図93参照)を行うよう構成されている。
図95に、特定のモード中に用いる変動時間選択テーブルの一例を示す。
図95(a),(b)に示すように、特定のモード中は、第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間と、第2始動記憶(左特図2保留、右特図2保留)に基づく特図変動表示ゲームの変動時間と、は同一の変動時間選択テーブルを用いて設定される。また、第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間は、特定のモード中である場合と、特定のモード中でない場合(図94参照)と、で同一の変動時間選択テーブルを用いて設定される。
このように、特定のモード中である場合は、期待度の高い左特図2保留が発生した際だけでなく、期待度の低い左特図2保留が発生した際にも、サブの未消化保留表示領域R3の更新に加えて、メインの未消化保留表示領域R2の更新が行われるとともに、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間として、第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間と同一の時間が設定されるよう構成されている。
特定のモード中でない場合には、期待度の低い左特図2保留が発生した際にメインの未消化保留表示領域R2の更新が行われないため、遊技者は、特図始動記憶数の上限数が、特図1始動記憶数の上限数と同数(本実施形態の場合、4個)であると遊技者に思わせることができる。一方、特定のモード中である場合には、期待度の低い左特図2保留が発生した際にもメインの未消化保留表示領域R2の更新が行われるため、遊技者は、特図始動記憶数の上限数が、特図1始動記憶数の上限数と特図2始動記憶数の上限数との和と同数(本実施形態の場合、8個)であると思わせることができる。したがって、特定のモード中でない場合には、特図始動記憶数の上限数が4個であると思わせることができるとともに、特定のモード中である場合には、特図始動記憶数の上限数が8個であると思わせることができるため、特定のモードに突入すると、特図始動記憶数の上限数が4個から8個に変更されたかのように見せることができる。よって、少なくとも特定のモード中である場合には、遊技者は特図始動記憶数が4個になっても止め打ちしないため、遊技機10の稼働率を向上させることが可能となる。
以上のような演出を使用可能とする処理を含めて演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図96に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図96に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出操作部550(演出ボタン25やタッチパネル29)の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出操作部550からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出操作部550からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更、演出を使用可能とする設定などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。
次いで、演出ポイント制御処理(ステップC11)を行って、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC12)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC13)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC14)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC15)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC16)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC16で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC16;N)には、ステップC16の処理を繰り返して行う。一方、ステップC16で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC16;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC18)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC19)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC20)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC13)の詳細について説明する。
図97に示すように、受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC301)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC302)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC302;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、コマンド受信数が0でないと判定した場合(ステップC302;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC303)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC304)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC305)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC306)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC306で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC306;N)には、ステップC304の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC306;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC307)、受信コマンド解析処理(ステップC308)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC309)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC310)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC310;N)には、ステップC307の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC310;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC308)の詳細について説明する。
図98に示すように、受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC321)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC322、ステップC323)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC322;Y、ステップC323;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC324)。
また、ステップC322、ステップC323で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC322;N、ステップC323;N)、あるいは、ステップC324で、MODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC324;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC324で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC324;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC325)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC325;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC326)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC325で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC325;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC327)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC327;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC328)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC327で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC327;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC329)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC329;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC330)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC329で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC329;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC331)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC331;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC332)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC331で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC331;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC333)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC333;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC334)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC333で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC333;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC335)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC335;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC336)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC335で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC335;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、単発系コマンド処理(ステップC332)には、特図1保留(第1始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特図1保留に関する処理を行う特図1保留情報設定処理や、特図2保留(第2始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特図2保留に関する処理を行う特図2保留情報設定処理が含まれる。これらの特図1保留情報設定処理及び特図2保留情報設定処理では、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶報知手段をなす。
また、先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(ステップC330)の詳細について説明する。
図99に示すように、図柄系コマンド処理では、まず、MODEに対応する特図種別(特図1か特図2の何れか)を設定し(ステップC701)、MODEとACTの組み合わせに対応する図柄種別を設定してセーブし(ステップC702)、図柄系コマンド処理を終了する。
図柄種別とは、はずれ図柄、16R確変大当り図柄、6R確変大当り図柄、6R通常大当り図柄等の図柄のカテゴリであり、ACTのデータと対応付けられている。特図1と特図2で図柄の割合が変わるので(確変割合は同じ)、MODE毎にこの図柄種別設定テーブルを分けて設けており、複数ある図柄種別設定テーブルからMODEのデータに対応するものを選択し、さらに当該テーブルを参照してACTに対応する図柄種別を設定する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC326)の詳細について説明する。
図100に示すように、変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC801)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC701で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC801;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC801;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC802)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC803)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC803;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC803;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC804)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変大当り図柄、6R確変大当り図柄、6R通常大当り図柄等がある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC804)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC805)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC806)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC807)、変動系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC336)の詳細について説明する。
図101に示すように、先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC901)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC901;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC901;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC902)。
その後、ステップC903〜C906の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC903)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC904)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC905)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC906)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC907)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC907;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC907;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC908)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC909)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC909)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC910;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC910;Y)は、先読み対象の保留情報をロードし(ステップC911)、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC912)を行って、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC913)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC913;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC913;Y)は、先読み対象は特図1保留(第1始動記憶)であるかを判定する(ステップC914)。
先読み対象が特図1保留である場合(ステップC914;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC912)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC915)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される保留表示(飾り始動記憶表示)の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC915;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC915;Y)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC916)、選出された先読み予告演出に対応する役物制御情報を設定して(ステップC917)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、先読み対象が特図1保留でない場合(ステップC914;N)、すなわち先読み対象が特図2保留(第2始動記憶)である場合は、当該特図2保留に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンはSPリーチの発生を規定する変動パターンであるかを判定する(ステップC918)。
SPリーチの発生を規定する変動パターンである場合(ステップC918;Y)、すなわち当該特図2保留が、期待度の高い第2始動記憶である場合は、ステップC915の処理に移行する。これにより、第2演出態様の特図2演出(図90〜図93参照)が実行される。一方、SPリーチの発生を規定する変動パターンでない場合(ステップC918;N)、すなわち当該特図2保留が、期待度の低い第2始動記憶である場合は、特定のモード中であるかを判定する(ステップC919)。
特定のモード中である場合(ステップC919;Y)は、ステップC915の処理に移行する。これにより、第2演出態様の特図2演出(図90〜図93参照)が実行される。一方、特定のモード中でない場合(ステップC919;N)は、特図時短中(普電サポート中)であるかを判定する(ステップC920)。
本実施形態において、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態(右打ち状態)である。また、普通変動入賞装置37は右側遊技領域に配置されており、入賞口98は左側遊技領域に配置されている。したがって、特図時短中であるか否かを判定することによって、当該特図2保留が、右特図2保留(普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に応じて発生した第2始動記憶)と、左特図2保留(入賞口98への遊技球の入賞に応じて発生した第2始動記憶)と、の何れであるかを判定することができる。
特図時短中である場合(ステップC920;Y)、すなわち当該特図2保留が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に応じて発生した第2始動記憶である場合は、ステップC915の処理に移行する。これにより、第2演出態様の特図2演出(図90〜図93参照)が実行される。一方、特図時短中でない場合(ステップC920;N)、すなわち当該特図2保留が、入賞口98への遊技球の入賞に応じて発生した第2始動記憶である場合は、ステップC921に移行する。これにより、第1演出態様の特図2演出(図85〜図89参照)が実行される。
ステップC921では、先読み演出の実行を禁止する(ステップC921)。そして、先読み対象の保留表示(メインの未消化保留表示領域R2に表示される飾り特図始動記憶表示)を非表示に設定して(ステップC922)、先読み変動系コマンド処理を終了する。ここで、ステップC921で禁止される先読み演出は、例えば、入賞口98に遊技球が入賞したことを報知する演出、本実施形態の場合、入賞口98と装飾部材99とを発光させるとともに、入賞口98に遊技球が入賞したことを報知する報知画像(入賞口98から装飾部材99を経て打ち上がったように見える花火の画像)を表示装置41に表示する演出である(図90参照)。
このように、本実施形態の遊技機10は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に応じて、ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、ゲームの開始から終了までの時間であるゲーム時間(変動時間)を設定可能なゲーム時間設定手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に対応する保留表示画像(保留表示)を表示装置41の保留表示領域(メインの未消化保留表示領域R2)に表示可能な保留表示制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。そして、ゲーム時間設定手段は、所定条件を満たさない場合(本実施形態では、対象保留が期待度の低い左特図2保留である場合であり、かつ、特定のモード中でない場合)には、ゲーム時間として、特定時間(本実施形態では、0.5秒)を設定し(図94参照)、保留表示制御手段は、所定条件を満たさない場合(対象保留が期待度の低い左特図2保留である場合であり、かつ、特定のモード中でない場合)には、始動記憶が記憶されても、保留表示領域の更新を行わないよう構成されている(図85〜図89参照)。
したがって、所定条件を満たさない場合には、遊技者が「始動入賞口は特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することを困難にする演出を実行することができる。すなわち、遊技者が「始動入賞口は特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識した際の驚きや高揚感を高めることが可能な効果的な演出を実行することができる。
無論、所定条件を満たさない場合は、対象保留が期待度の低い左特図2保留である場合であり、かつ、特定のモード中でない場合に限ることはなく、適宜変更可能であり、例えば、対象保留が期待度の低い左特図2保留である場合であってもよいし、特定のモード中でない場合であってもよい。
また、特定時間は、0.5秒に限ることはなく、適宜変更可能である。
また、本実施形態の遊技機10は、始動入賞口として、閉状態から開状態への状態変換を行うことで遊技球を入賞可能な第1タイプの始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、状態変換を行うことなく遊技球を入賞可能な第2タイプの始動入賞口(入賞口98)と、を備え、ゲーム時間設定手段(遊技制御装置100)は、通常状態と、当該通常状態よりも第1タイプの始動入賞口の状態変換の頻度を高める電サポ状態と、に対応するゲーム時間(変動時間)を設定可能であり、通常状態であって、所定条件を満たさない場合(本実施形態では、期待度の低い左特図2保留が発生した場合であり、かつ、特定のモード中でない場合)には、ゲーム時間として、特定時間(本実施形態では、0.5秒)を設定し(図94参照)、保留表示制御手段(演出制御装置300)は、通常状態であって、所定条件を満たさない場合(期待度の低い左特図2保留が発生した場合であり、かつ、特定のモード中でない場合)には、始動記憶が記憶されても、保留表示領域(メインの未消化保留表示領域R2)の更新を行わないよう構成することも可能である(図85〜図89参照)。
このように構成することによって、所定条件を満たさない場合には、遊技者が「第2タイプの始動入賞口は特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することを困難にする演出を実行することができる。すなわち、遊技者が「第2タイプの始動入賞口は特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識した際の驚きや高揚感を高めることが可能な効果的な演出を実行することができる。
また、本実施形態の遊技機10は、始動入賞口は、第1始動入賞口36と第2始動入賞口(普通変動入賞装置37、入賞口98)とを含み、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき実行される第1ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の進行に対応して飾り図柄を変動表示する変動演出(飾り特図1変動表示ゲーム)を表示装置41の第1変動表示領域(本実施形態では、表示領域中央部の第1飾り図柄群Z21を表示する領域)に表示するとともに、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき実行される第2ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の進行に対応して飾り図柄を変動表示する変動演出(飾り特図2変動表示ゲーム)を表示装置41の第2変動表示領域(本実施形態では、表示領域隅部の第2飾り図柄群Z22を表示する領域)に表示する変動演出制御手段(演出制御装置300)を備え、変動演出制御手段は、所定条件を満たす場合(本実施形態では、対象保留が期待度の高い左特図2保留である場合、または、特定のモード中である場合)には、実行中のゲーム(特図変動表示ゲーム)が第1ゲームであるか第2ゲームであるかにかかわらず、当該実行中のゲームに対応した変動演出を第1変動表示領域に表示するよう構成することも可能である(図90〜図93参照)。
このように構成することによって、所定条件を満たす場合に、遊技者が「第2始動入賞口は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識することをより容易にすることができるため、遊技者が「第2始動入賞口は第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口である」と認識した際の驚きや高揚感を、効果的に高めることができる。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態の遊技機10において、演出制御装置300は、下部演出、左右演出、キャラクタ演出、有意文字演出、およびオールマイティ図柄演出の少なくとも一つを実行するよう構成することも可能である。なお、これらの演出は、第1実施形態の遊技機10においても実行可能である。
[下部演出]
下部演出は、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37、入賞口98)への遊技球の入賞を契機に、下可動役物ユニット720の下部演出部材721を動作させる演出である。
図102は、下部演出の一例を説明する図であり、図103は、下部演出の一例を説明するタイミングチャートである。
第2始動入賞口への遊技球の入賞を契機に下部演出を実行することで、当該入賞に応じて発生した特図2保留に対応する保留表示をメインの未消化保留表示領域R2に表示する場合に、下部演出部材721の動作によって、メインの未消化保留表示領域R2が更新された(メインの未消化保留表示領域R2に新たな保留表示が表示された)かのような印象を与えることができるため、遊技者に驚きを与えることができる。
なお、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞した場合と、入賞口98に遊技球が入賞した場合と、の何れか一方で下部演出を実行して何れか他方で下部演出を実行しないよう構成することも可能であるし、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞した場合と、入賞口98に遊技球が入賞した場合と、の両方で下部演出を実行するよう構成することも可能である。また、入賞口98に遊技球が入賞した場合に下部演出を実行する場合には、期待度の低い左特図2保留が発生した場合と、期待度の高い左特図2保留が発生した場合と、の何れか一方で下部演出を実行して何れか他方で下部演出を実行しないよう構成することも可能であるし、期待度の低い左特図2保留が発生した場合と、期待度の高い左特図2保留が発生した場合と、の両方で下部演出を実行するよう構成することも可能である。
図102に示すように、メインの未消化保留表示領域R2の少なくとも一部は、動作位置にある下部演出部材721によって隠れてしまう。すなわち、動作位置にある下部演出部材721によって、メインの未消化保留表示領域R2の少なくとも一部の前方からの視認が遮蔽されてしまう。したがって、図103に示すように、下部演出部材721の状態に応じて特図2保留に対応する保留表示の表示タイミングを異ならせることで、特図2保留に対応する保留表示を無駄に表示する期間を削減することが可能となる。
具体的には、図103(a)に示すように、下部演出部材721がOFF状態(初期位置にある状態)である際に、特図2保留が発生した場合には、演出制御装置300は、下部演出を実行して、下部演出部材721をOFF状態からON状態(動作位置にある状態)へと変換して所定時間経過後にOFF状態に復帰させる。また、下部演出部材721がOFF状態に復帰した時点t1で、当該特図2保留に対応する保留表示をメインの未消化保留表示領域R2に表示する。これにより、特図2保留に対応する保留表示を、視認性が確保できない状態(下部演出部材721が動作位置にある状態)では表示せず、視認性が確保できる状態(下部演出部材721が初期位置にある状態)になってから表示することができる。
なお、特図2保留に対応する保留表示をメインの未消化保留表示領域R2に表示するタイミングは、下部演出部材721がOFF状態に復帰した時点t1ではなく、下部演出部材721が中間状態(ON状態とOFF状態との間の状態)である期間、すなわち下部演出部材721が動作位置と初期位置との間を移動している期間中であってもよい。
一方、図103(b)に示すように、下部演出部材721がON状態である際に、特図2保留が発生した場合には、演出制御装置300は、下部演出を実行しない。この場合、下部演出部材721がOFF状態に復帰した時点t2で、当該特図2保留に対応する保留表示がメインの未消化保留表示領域R2に表示される。
また、図103(c)に示すように、下部演出部材721がOFF状態に復帰した時点t3で、特図2保留が発生した場合にも、演出制御装置300は、下部演出を実行しない。この場合、直ちに当該特図2保留に対応する保留表示がメインの未消化保留表示領域R2に表示、すなわち、下部演出部材721がOFF状態に復帰した時点t3で、当該特図2保留に対応する保留表示がメインの未消化保留表示領域R2に表示される。
なお、特図2保留が発生した時点(第2始動入賞口に遊技球が入賞した時点)で下部演出部材721がOFF状態以外の状態(ON状態、中間状態)であった場合(図103(b)参照)や、特図2保留が発生した時点(第2始動入賞口に遊技球が入賞した時点)と下部演出部材721がOFF状態に復帰した時点とがほぼ一致した場合(図103(c)参照)にも、下部演出を実行してもよい。しかしながら、これらの場合、下部演出部材721がOFF状態に復帰した直後に下部演出を実行することになり、下部演出部材721を駆動するための駆動源をなすソレノイド722を連続的にON/OFFさせることになるため、ソレノイド722に熱が発生する虞がある。よって、第2始動入賞口に遊技球が入賞した時点で、下部演出部材721がOFF状態以外の状態であった場合や、第2始動入賞口に遊技球が入賞した時点と下部演出部材721がOFF状態に復帰した時点とがほぼ一致した場合には、図103(b),(c)のように下部演出を実行しない方が好ましい。
また、第2始動入賞口への遊技球の入賞等を契機に下部演出を実行するか否か決定するための抽選を行い、当該抽選で下部演出の実行が決定された場合に下部演出を実行するよう構成することも可能である。さらに、当該抽選の当選確率(下部演出の実行が決定される確率)を、右特図2保留が発生した場合と、左特図2保留が発生した場合と、で異ならせたり、右特図2保留が発生した場合と、期待度の高い左特図2保留が発生した場合と、期待度の低い左特図2保留が発生した場合と、で異ならせたりしてもよい。
[左右演出]
左右演出は、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37、入賞口98)への遊技球の入賞を契機に、左可動役物ユニット730Lの第1演出部材731〜第4演出部材734および右可動役物ユニット730Rの第1演出部材731〜第4演出部材734を動作させる演出である。
図104は、左右演出の一例を説明する図であり、図105は、左右演出の一例を説明するタイミングチャートである。
図104に示すように、左右演出は、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734を用いたダイナミックな演出であるため、第2始動入賞口への遊技球の入賞を契機に左右演出を実行することで、遊技の興趣を高めることができる。
なお、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞した場合と、入賞口98に遊技球が入賞した場合と、の何れか一方で左右演出を実行して何れか他方で左右演出を実行しないよう構成することも可能であるし、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞した場合と、入賞口98に遊技球が入賞した場合と、の両方で左右演出を実行するよう構成することも可能である。また、入賞口98に遊技球が入賞した場合に左右演出を実行する場合には、期待度の低い左特図2保留が発生した場合と、期待度の高い左特図2保留が発生した場合と、の何れか一方で左右演出を実行して何れか他方で左右演出を実行しないよう構成することも可能であるし、期待度の低い左特図2保留が発生した場合と、期待度の高い左特図2保留が発生した場合と、の両方で左右演出を実行するよう構成することも可能である。
ここで、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734が動作位置にあっても、メインの未消化保留表示領域R2の前方からの視認は遮蔽されない。したがって、左右演出の場合、特図2保留に対応する保留表示は、特図2保留が発生すると直ちにメインの未消化保留表示領域R2に表示される。
具体的には、図105(a)に示すように、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734がOFF状態(停止状態)である際に、特図2保留が発生した場合には、演出制御装置300は、左右演出を実行して、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734をOFF状態からON状態(揺動状態)へと変換して所定時間経過後にOFF状態に復帰させる。また、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734がON状態を開始した時点t4で、当該特図2保留に対応する保留表示をメインの未消化保留表示領域R2に表示する。ここで、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734の「停止状態」とは、初期位置で微動だにしない状態のことであり、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734の「揺動状態」とは、初期位置と動作位置との間の所定区間を往復移動する状態のことである。
一方、図105(b)に示すように、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734がON状態である際に、特図2保留が発生した場合には、演出制御装置300は、左右演出を実行しない。この場合、特図2保留が発生した時点t5で、当該特図2保留に対応する保留表示がメインの未消化保留表示領域R2に表示される。
なお、左右の第1演出部材731〜第4演出部材734がON状態である際に、特図2保留が発生した場合にも、左右演出を実行するよう構成することも可能である。この場合、特図2保留が発生した時点(第2始動入賞口に遊技球が入賞した時点)で実行していた左右演出に継続して、当該特図2保留の発生に基づく左右演出を実行する。この場合、図105(c)に示すように、特図2保留が発生した時点t6で、当該特図2保留に対応する保留表示がメインの未消化保留表示領域R2に表示される。あるいは、特図2保留の発生に基づく左右演出を開始した時点t7で、当該特図2保留に対応する保留表示を表示してもよい。
このように、遊技機10は、始動入賞領域に遊技球が入賞したことに伴い発生する始動権利を所定の上限数まで始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、表示装置41に、始動記憶手段に記憶されている始動記憶に対応する保留表示画像(保留表示)を表示可能であり、複数の可動部材(例えば、第1演出部材731〜第4演出部材734)は、表示装置41における保留表示画像の表示と略同時に、第1位置(初期位置)と第2位置(動作位置)との間の所定区間を往復移動可能であるよう構成することも可能である。
このように構成することによって、表示装置41における保留表示画像の表示と略同時に、複数の可動部材を用いたダイナミックな演出を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。
[キャラクタ演出]
キャラクタ演出は、表示装置41に表示したキャラクタZ3によって先読み結果を示唆する演出である。
図106および図107は、キャラクタ演出の一例を説明する図である。ここで、図107(a)においては、演出部材を破線で図示し、図107(b)〜(d)においては、演出部材の図示を省略している。
図106や図107(a)に示すように、キャラクタZ3は、初期位置にある演出部材(本実施形態の場合、右可動役物ユニット730Rの第4演出部材734)によって、前方からの視認が遮蔽される部分(以下「遮蔽部分」という。)と、前方からの視認が遮蔽されない部分(以下「非遮蔽部分」という。)とからなる。本実施形態では、キャラクタZ3は、芽が出た種の画像であり、種と茎の部分が演出部材で隠れる部分となっており、葉の部分が演出部材で隠れない部分となっているが、無論、キャラクタZ3は適宜変更可能である。
キャラクタ演出の開始タイミングになると、演出制御装置300は、まず、図107(a)に示すように、キャラクタZ3を表示する。
次いで、図107(b)に示すように、キャラクタZ3の非遮蔽部分の表示態様を変化させる第1演出を開始する。なお、本実施形態では、第1演出として、キャラクタZ3の非遮蔽部分を揺らす演出を行っているが、第1演出は適宜変更可能である。
次いで、図107(c),(d)に示すように、第1演出を終了して、キャラクタZ3の遮蔽部分の表示態様を変化させることによって、先読み結果(大当り期待度等)を示唆する第2演出を開始する。この第2演出の際には、キャラクタZ3の遮蔽部分の表示態様を変化させるだけでなく、図107(c)に示すように、先読み対象の始動記憶に対応する保留表示Z4の表示態様を変化させてもよいし、図107(d)に示すように、キャラクタZ3の非遮蔽部分の表示態様を変化させるサブ演出を行ってもよい。なお、本実施形態では、第2演出として、キャラクタZ3の遮蔽部分に先読み結果を示唆する文字を表示する演出を行っているが、第2演出は適宜変更可能であり、例えば、キャラクタZ3の遮蔽部分の色を、先読み結果を示唆可能な色に変化させる演出であってもよい。また、図107(d)では、第2演出の際に行うサブ演出として、キャラクタZ3の非遮蔽部分を葉から花へと変化させる演出を行っているが、サブ演出は適宜変更可能であり、例えば、キャラクタZ3の非遮蔽部分を変色させる演出であってもよい。
表示装置41と演出部材とは離間しているため、遊技者は、演出部材の横や上などから当該演出部材の後方を覗き込むことで、キャラクタZ3の遮蔽部分を視認することができる。このように、キャラクタ演出によれば、覗き込まなければ視認できない位置に先読み結果の示唆が表示されるため、先読み結果の示唆表示を視認した際の高揚感を向上させることが可能となる。
キャラクタ演出における第2演出では、キャラクタZ3の遮蔽部分の表示態様によって先読み結果を示唆するため、キャラクタZ3の遮蔽部分が視認されなければ、第2演出の演出効果を発揮することができない。したがって、本実施形態では、第2演出(先読み結果の示唆)の際に、演出部材の後方を覗き込むよう(キャラクタZ3の遮蔽部分を視認するよう)遊技者を促すために、キャラクタZ3の非遮蔽部分を設けたり、第1演出を実行したりしている。
なお、キャラクタ演出には、キャラクタZ3を表示して第1演出および第2演出を実行するパターンだけでなく、第1演出および第2演出を実行せずに、キャラクタZ3を表示するだけのパターンや、第2演出を実行せずに、キャラクタZ3を表示して第1演出だけを実行するパターンや、第1演出を実行せずに、キャラクタZ3を表示して第2演出だけを実行するパターンなどがあってもよい。また、この場合、何れのパターンのキャラクタ演出を実行するかを、抽選等で決定してもよい。
また、キャラクタ演出の対象となり得る始動記憶は、第1始動記憶および第2始動記憶の両方であってもよいし、第1始動記憶および第2始動記憶の何れか一方であってもよい。ちなみに、図106および図107に示す例では、第1始動記憶が、キャラクタ演出の対象となっている。
このように、遊技機10は、表示装置41に、正面視による視認が可能な第1部分(非遮蔽部分)と、複数の可動部材(例えば、第1演出部材731〜第4演出部材734)のうちの何れか一つの可動部材(例えば、第4演出部材734)により妨げられて正面視による視認が不可能な第2部分(遮蔽部分)と、を有する画像(キャラクタZ3)を表示可能であり、第2部分は、正面視から視点をずらすことによって、当該一つの可動部材と表示装置との隙間から視認可能であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、覗き込まなければ視認できない位置に画像の第2部分が表示されるため、画像の第2部分を視認した際の高揚感を向上させることができる。
[有意文字演出]
有意文字演出は、スピーカ19a,19bからの所定の音声を出力するとともに、当該所定の音声に対応する有意文字Z5を表示装置41に表示する演出である。
図108は、有意文字演出の一例を説明する図である。図108に示す例では、リーチ演出中に有意文字演出を実行しているが、有意文字演出は、リーチ演出中以外のタイミングでも実行可能である。
図108(a)に示すように、特図変動表示ゲームが開始し、図108(b)に示すように、リーチ演出が開始して、有意文字演出の開始タイミングになると、演出制御装置300は、まず、図108(c)に示すように、表示装置41の表示領域の略中央部に表示していた第1飾り図柄群Z21を、表示装置41の表示領域の隅部(本実施形態の場合、左上隅部)に移動させる。
次いで、図108(d),(e)に示すように、スピーカ19a,19b(上スピーカ19aだけであってもよいし、下スピーカ19aだけであってもよい。)から「ト」という音声と「ラ」という音声とを順次出力するとともに、表示装置41に「ト」を示す有意文字Z5と「ラ」を示す有意文字Z5とを順次表示する。本実施形態では、有意文字Z5をリーチ飾り図柄に対応した数字(図108に示す例では「6」)によって構成しているが、有意文字Z5は、リーチ飾り図柄に対応した数字を並べて構成されたものに限定されず、適宜変更可能であり、例えば、「ト」を示す有意文字Z5は、「ト」や「と」という文字を並べて構成されたものであってもよい。
そして、図108(f)に示すように、有意文字演出が終了すると、演出制御装置300は、図108(g)に示すように、リーチ演出の結果を表示して、図108(h)に示すように、当該変動の結果を表示する。
このように、有意文字演出によれば、スピーカ19a,19bから所定の音声が出力されるだけでなく、当該所定の音声に対応する文字画像(有意文字Z5)が表示装置41に表示されるため、従来にない斬新な演出を行うことができる。
なお、図108に示す例では、当該変動の結果が大当りである際に、有意文字演出を実行しているが、これに限ることはなく、有意文字演出は、当該変動の結果がはずれであっても実行可能である。
また、有意文字演出の対象となり得る変動表示ゲームは、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームおよび第2始動記憶に基づく変動表示ゲームの両方であってもよいし、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームおよび第2始動記憶に基づく変動表示ゲームの何れか一方であってもよい。ちなみに、図108に示す例では、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームが、有意文字演出の対象となっている。
[オールマイティ図柄演出]
オールマイティ図柄演出は、通常用いられる図柄(数字等で構成される飾り特別図柄)の他に、すべての図柄の意味を兼ね備える(すなわち、全図柄の役割を兼ねた)オールマイティ飾り図柄を用いて行う飾り特図変動表示ゲームである。本実施形態において、通常用いられる飾り特別図柄は数字およびキャラクタを含み、この飾り特別図柄が揃った場合だけでなく、オールマイティ飾り図柄が揃った場合にも大当りとなる。
図109および図110は、オールマイティ図柄演出の一例を説明する図である。
オールマイティ図柄演出の開始タイミングになると、演出制御装置300は、まず、図109(a)に示すように、表示装置41の表示領域の略中央部に表示していた第1飾り図柄群Z21を、表示装置41の表示領域の隅部(本実施形態の場合、左上隅部)に移動させて、表示装置41の表示領域の略中央部に、左上変動表示領域と、左下変動表示領域と、中変動表示領域と、右上変動表示領域と、右下変動表示領域との5つの変動表示領域を設け、各変動表示領域のそれぞれにおいて飾り特別図柄を高速変動する。
次いで、図109(b)に示すように、左上変動表示領域および右下変動表示領域(あるいは、左下変動表示領域および右上変動表示領域)において変動している飾り特別図柄を仮停止させる。
次いで、図109(c)に示すように、仮停止表示されている飾り特別図柄をオールマイティ飾り図柄に変換させる。具体的には、飾り特別図柄に含まれる数字およびキャラクタのうち、キャラクタを変化させず、数字をオールマイティ図柄(この例では、「虎」という文字)に変化させることによって、飾り特別図柄をオールマイティ飾り図柄に変換させる。これにより、遊技者の大当りへの期待感が増加する。
次いで、図109(d)に示すように、左下変動表示領域および右上変動表示領域(あるいは、左上変動表示領域および右下変動表示領域)において変動している飾り特別図柄を仮停止させる。
次いで、図109(e),(f)に示すように、中変動表示領域において数字図柄に替えてオールマイティ飾り図柄が停止表示されることを期待させる演出を行う。図109に示す例では、中変動表示領域における変動表示態様を、縦スクロール表示から縦軸回転表示に変化させて、オールマイティ図柄(この例では、「虎」という文字)が中変動表示領域において変動表示(縦軸回転表示)されている飾り特別図柄に徐々に近づく演出を行っている。
次いで、図110(a)に示すように、中変動表示領域においてオールマイティ飾り図柄を仮停止させ、図110(b)に示すように、当該変動の結果を表示する。なお、図110(b)では、表示装置41の表示領域の隅部の第1飾り図柄群Z21を「113」で停止表示しているが、オールマイティ飾り図柄が揃って大当りとなる際の停止図柄は「113」に限ることはなく、飾り特別図柄が揃って大当りとなる際の停止図柄以外の図柄であれば適宜変更可能であり、「123」や「虎虎虎」などであってもよい。
このように、オールマイティ図柄演出によれば、オールマイティ飾り図柄がいきなり仮停止表示されるのではなく、仮停止表示されている飾り特別図柄がオールマイティ飾り図柄に変換されるため、大当りへの期待感に変化させることが可能な演出を行うことができる。
なお、図109および図110に示す例では、当該変動の結果が大当りである際に、オールマイティ図柄演出を実行しているが、これに限ることはなく、オールマイティ図柄演出は、当該変動の結果がはずれであっても実行可能である。当該変動の結果がはずれである場合、最初に停止表示(仮停止表示)される飾り特別図柄がオールマイティ飾り図柄に変換されなかったり、最後に停止表示(仮停止表示)される図柄が飾り特別図柄で表示されたりする。
また、最初に仮停止表示される飾り特別図柄(図109に示す例では、左上変動表示領域および右下変動表示領域の図柄)をオールマイティ飾り図柄に変換するのではなく、2番目に仮停止表示される飾り特別図柄(図109に示す例では、左下変動表示領域および右上変動表示領域の図柄)をオールマイティ飾り図柄に変換してもよい。
また、オールマイティ図柄演出の対象となり得る変動表示ゲームは、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームおよび第2始動記憶に基づく変動表示ゲームの両方であってもよいし、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームおよび第2始動記憶に基づく変動表示ゲームの何れか一方であってもよい。ちなみに、図109および図110に示す例では、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームが、オールマイティ図柄演出の対象となっている。
〔変動演出設定処理〕
演出制御装置300は、有意文字演出およびオールマイティ図柄演出を実行可能である場合、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC805)として、図111に示す処理を行う。
図111に示すように、変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC1001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC1001;Y)は、機種コード、特図種別、及び演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC1002)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。また、演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC1003)。これにより、リーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC1006)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC1001;N)は、機種コード、特図種別、演出モード、及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC1004)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC1005)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC1006)。
次に、ステップC1007からステップC1009により後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード、及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC1007)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC1008)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC1009)。
次いで、ステップC1009で行った予告抽選の結果に対応する演出の内容を決定し(ステップC1010)、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定して(ステップC1011)、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を構成する停止図柄を設定する停止図柄設定処理を行う(ステップC1012)。
次いで、ステップC1011で決定した変動演出の内容に基づいて、変動演出の表示設定を行い(ステップC823)、ステップC1010で決定した演出の内容に基づいて、予告演出の表示設定を行う(ステップC1014)。
次いで、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC1015)。これにより、今回実行する飾り特図変動表示ゲームに対応する飾り特図始動記憶表示が減少するアニメ(動画)が設定される。
次いで、スピーカ19a,19bから出力するBGMの種類を示す音声番号や、装飾ランプ等による演出の種類を示す装飾番号を設定する(ステップC1016)。
次いで、特図種別に対応する飾り特図変動表示ゲームの表示設定を行って(ステップC1017)、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行う(ステップC1018)。
次いで、演出内容決定処理を行って(ステップC1019)、変動演出設定処理を終了する。
〔演出内容決定処理〕
次に、上述の変動演出設定処理における演出内容決定処理(ステップC1019)の詳細について説明する。
図73に示すように、演出内容決定処理では、ステップC1011で決定した変動演出の内容が、オールマイティ図柄を使用する変動演出の内容であるかを判定する(ステップC1021)。オールマイティ図柄を使用する変動演出の内容でない場合(ステップC1021;N)は、ステップC1026の処理に移行する。
一方、オールマイティ図柄を使用する変動演出の内容である場合(ステップC1021;Y)、すなわちオールマイティ図柄演出を実行する場合は、変動する飾り特別図柄に対応したキャラクタ情報をロードして(ステップC1022)、オールマイティ図柄に対応した図柄情報をロードする(ステップC1023)。
次いで、ステップC1022でロードしたキャラクタ情報と、ステップC1023でロードした図柄情報とに基づいて、オールマイティ飾り図柄を作成する(ステップC1024)。
次いで、リーチ発生時及び飾り特別図柄停止時に、飾り特別図柄を、ステップC1024で作成したオールマイティ飾り図柄と差し替えるように設定して(ステップC1025)、ステップC1026の処理に移行する。このように、演出制御装置300は、ステップC1022〜C1025の処理を行うことによって、オールマイティ図柄演出(図109および図110参照)を実行する。
ステップC1026では、ステップC1011で決定した変動演出の内容が、有意文字Z5を使用する変動演出の内容であるかを判定する(ステップC1026)。有意文字Z5を使用する変動演出の内容でない場合(ステップC1026;N)は、演出内容決定処理を終了する。
一方、有意文字Z5を使用する変動演出の内容である場合(ステップC1026;Y)、すなわち有意文字演出を実行する場合は、リーチ飾り図柄に対応した数字情報をロードし(ステップC1027)、当該ロードした数字情報に基づいて有意文字Z5を作成する(ステップC1028)。
次いで、ステップC1028で作成した有意文字Z5の表示と、当該有意文字Z5に対応する音データ(音データに基づく音声)の出力を、所定のタイミングに行うよう設定して(ステップC1029)、演出内容決定処理を終了する。このように、演出制御装置300は、ステップC1027〜C1029の処理を行うことによって、有意文字演出(図108参照)を実行する。
[特図2演出の変形例]
図113は、特図2演出の変形例の一例を説明する図である。
期待度の高い左特図2保留が発生した場合、メインの未消化保留表示領域R2に当該左特図2保留に対応する保留表示を表示する(メインの未消化保留表示領域R2を更新する)のではなく、キャラクタKを表示するよう構成することも可能である。すなわち、期待度の高い左特図2保留が発生した場合も、期待度の低い左特図2保留が発生した場合も、メインの未消化保留表示領域R2の更新を行わず、かつ、期待度の高い左特図2保留が発生した場合は、キャラクタKの表示を行う一方で、期待度の低い左特図2保留が発生した場合は、キャラクタKの表示を行わないよう構成することも可能である。
具体的には、図113(a)に示すように、特図1始動記憶数(特図1保留数)が「1」であり、特図2始動記憶数(特図2保留数)が「0」である状態で、特図変動表示ゲームの実行中に、入賞口98に遊技球が入賞して、左特図2保留が発生したとする。左特図2保留が発生した場合、演出制御装置300は、図113(b)に示すように、サブの未消化保留表示領域R3の更新は行うが、メインの未消化保留表示領域R2の更新は行わない。また、当該左特図2保留が期待度の高い第2始動記憶であった場合、演出制御装置300は、図113(b)に示すように、キャラクタK(この例では、虎のキャラクタ)を表示する。
キャラクタKは、当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームまで表示され続ける。ここで、図113(b)〜(e)に示すように、当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームよりも前に実行される特図変動表示ゲームの実行中には、キャラクタKの挙動やセリフなどによって、当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームの結果を予告(先読み結果を報知)する予告演出を行うことも可能である。
そして、当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームの開始タイミングになると、演出制御装置300は、図113(f)に示すように、第2飾り図柄群Z22の変動を開始する。ここで、図113(f)〜(h)に示すように、当該左特図2保留に基づく特図変動表示ゲームの実行中には、キャラクタKが第1飾り図柄群Z21に作用して、第1飾り図柄群Z21の変動停止を解除する解除演出を行うことも可能である。図113(f)〜(h)に示す例では、解除演出として、キャラクタKが第1飾り図柄群Z21の各図柄にボールを投げたりキックしたりすることによって、各図柄を変動させる演出を実行している。解除演出によって、表示領域の隅部に表示されている第2飾り図柄群Z22に加えて、表示領域の中央部に、表示領域隅部の第2飾り図柄群Z22よりも大きいサイズで第2飾り図柄群Z22が表示される。
その後、演出制御装置300は、リーチ演出等を実行した後(無論、リーチ演出等を実行しない場合もある。)、第2飾り図柄群Z22の変動を停止して第2特図変動表示ゲームの結果を表示する。
このように、本変形例の特図2演出によれば、所定条件を満たす場合(本変形例では、対象保留が期待度の高い左特図2保留である場合)には、実行中のゲーム(特図変動表示ゲーム)が第1ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)であるか第2ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)であるかにかかわらず、当該実行中のゲームに対応した変動演出を第1変動表示領域(本変形例では、表示領域中央部の第1飾り図柄群Z21を表示する領域)に表示することができる。
なお、所定条件を満たす場合は、対象保留が期待度の高い左特図2保留である場合に限ることはなく適宜変更可能であり、例えば、特定のモード中である場合であってもよい。すなわち、特定のモード中に左特図2保留が発生した場合には、当該左特図2保留の期待度にかかわらず、本変形例の特図2演出を行うよう構成することも可能である。
また、一般入賞口35への遊技球の入賞を契機に、本変形例の特図2演出を実行するよう構成することも可能である。この場合、入賞口98は、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口として機能するものではなく、一般入賞口35として機能するものであってもよい。
一般入賞口35への遊技球の入賞を契機に本変形例の特図2演出を実行する場合、キャラクタKに替えて(あるいは、加えて)、一般入賞口35への入賞に対応した演出用保留(メインの未消化保留表示領域R2に表示される保留表示と同じような表示)を表示する。メインの未消化保留表示領域R2に表示される保留表示と差別化する等の観点から、表示装置41等の表示領域に、メインの未消化保留表示領域R2とは別の演出領域を設けて、その演出領域に当該演出用保留を表示することが好ましい。
また、当該演出用保留は、メインの未消化保留表示領域R2に表示される保留表示と同様、表示態様(色や形状など)が変化可能であってもよい。さらに、当該演出用保留の表示態様によって、所定の報知(例えば、先読み結果の報知)を行うことも可能である。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。特にスクリーンショット機能や客待ちデモ演出の設定機能を適用可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各実施形態および各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。