JP6461736B2 - Csma/ca通信品質管理システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、(Carrier Sense Multiple Access /Collision Avoidance )方式による無線通信を行う無線LAN(Local Area Network)システムにおいて、スループット特性の管理を行うCSMA/CA通信品質管理システムおよび方法に関する。
標準化規格IEEE802.11で規定される無線LANシステムのスループットが年々向上しており、主要な無線アクセスの一つとして普及している(非特許文献1)。無線LANシステムは、免許不要の周波数帯であるアンライセンスバンドで用いることができるため、多種多様な無線端末が普及している。特にスマートフォンの普及は、無線LANシステムの利用の機会を著しく増大させている。
2.4GHz帯、5GHz帯の無線LANシステムは、CSMA/CA方式に基づくアクセス制御が行われるため、周辺の通信リンクによる干渉によりスループットが大きく低下するなど、物理リンクの信号対雑音比(SNR:Signal to noise ratio )などの条件ではスループットが決定できないことが生じうる。CSMA/CA方式によるアクセス制御を行うノード数が増えるほどこの問題が大きくなる。
このように予測の難しいスループット特性を評価するため、非特許文献2では、理想的なCSMA/CAネットワークを仮定し、CSMA/CAネットワークにおけるリンクが互いに検出可能か否かで表せるコンテンショングラフにおける最大独立集合(MIS:Maximum independent set)の組み合わせから、ある時間の中でどれだけデータフレームを送信できるかの比率を表す無線リソース占有時間を算出するBoE(Back-of-the-envelope)法が示されている。
IEEE Std 802.11ac(TM)-2013, IEEE Standard for Information technology -Telecommunications and information exchange between systems Local and metropolitan area networks - Specific requirements, Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications, December 2013 S. C. Liew et al.,"Back-of-the-envelope computation of throughput distributions in CSMA wireless networks, " IEEE Trans. on Mobile Computing, vol.9, no.9, Sep. 2010.
しかしながら、BoE法では、常に全てのリンクのトラヒックが飽和状態であることを仮定しており、あるリンクAが接続しているコンテンショングラフのうちいずれかのリンクのトラヒックが無くなると、当該リンクAのスループットが変化してしまう可能性があるため、予想できない問題がある。
本発明は、ネットワークに接続され、CSMA/CA方式に基づいた無線通信が行われる複数の無線局の品質を判定し、無線通信の利用効率を向上させることができるCSMA/CA通信品質管理システムおよび方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、ネットワークに接続され、CSMA/CA方式に基づいた無線通信が行われる複数の無線局の品質を判定するCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、無線局のうち、周辺の検出可能な無線局の識別情報を収集し、その識別情報を直接接続またはネットワークを介して情報収集部へ出力する管理無線局を備え、情報収集部は、管理無線局から収集した識別情報に基づいて、無線局の互いの検出関係を示すグラフ情報を構築し、そのグラフ情報をリンク評価部へ出力する手段を備え、リンク評価部は、グラフ情報から、条件1:隣接する無線局が実在し、その隣接する全ての無線局同士が互いに検出可能である、条件2:隣接する無線局が実在しない、とする条件1または条件2を満たす無線局を高信頼リンクとし、隣接する無線局が実在するが、該条件1を満たさない無線局を低信頼リンクとし、該高信頼リンクおよび該低信頼リンクのいずれかまたは両方を判定する手段を備える。
第1の発明のCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、リンク評価部は、グラフ情報から、条件1を満たす高信頼リンクを判定した際に、最小標準化無線リソース占有率を、条件1を満たす無線局と隣接する全ての無線局からなる集合における無線局の数N C 逆数として判定し、ネットワークの最低スループットの確認に用いる手段を含む。
第1の発明のCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、リンク評価部は、グラフ情報から低信頼リンクとなる無線局を判定した際に、低信頼リンクが隣接する条件1を満たす無線局の数、または隣接する条件1を満たす無線局が互いに検出可能か否かを判定し、互いに検出不能の独立の無線局のグループの数が多いほど周辺の無線局との通信状況によってスループットが大きく低下する低品質リンクとなるとき、当該無線局との間でCSMA/CAによる通信を行わせる手段を含む。
第1の発明のCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、さらに、無線局へ流れるトラヒック量の情報を収集し、そのトラヒック情報を必要な形式に圧縮してリンク評価部へ出力する無線局トラヒック情報収集部を備え、リンク評価部は、情報収集部から入力されたグラフ情報と、トラヒック情報収集部から入力されたトラヒック情報から、当該無線局を用いる時間条件によって、アクティブでないと考えられる無線局を排除したグラフ情報を用いて、高信頼リンクまたは低信頼リンクまたはその両方を判定する手段を含む。
第2の発明は、ネットワークに接続され、CSMA/CA方式に基づいた無線通信が行われる複数の無線局の品質を判定するCSMA/CA通信品質管理方法において、無線局の互いの検出関係を示すグラフ情報を構築するグラフ情報生成ステップと、グラフ情報から、条件1:隣接する無線局が実在し、その隣接する全ての無線局同士が互いに検出可能である、条件2:隣接する無線局が実在しない、とする条件1または条件2を満たす無線局を高信頼リンクとし、隣接する無線局が実在するが、該条件1を満たさない無線局を低信頼リンクとし、該高信頼リンクおよび該低信頼リンクのいずれかまたは両方を判定する通信品質判定ステップとを有する。
本発明は、ある無線通信環境において、あるリンクが接続しているコンテンショングラフのうちいずれのリンクが通信していなかったとしても、最小スループットが0にならないリンクを高品質リンクとして検出するとともに、当該高品質リンクに対し最低保証できる無線リソース占有時間を算出することができる。さらに、隣接している高品質リンクグループの数により、低品質リンクを検出することができる。
これら高品質リンクと低品質リンク、および高品質リンクの最小無線リソース占有率の情報を用いることで、周辺の無線通信による干渉により、予期せぬスループット低下を受けないようにCSMA/CAによる無線リンクを活用することができる。その結果、ユーザエクスペリエンスの低下を防ぐことができる。
本発明が適用される無線通信システムの構成例を示す図である。 コンテンショングラフの例を示す図である。 高品質リンクおよび低品質リンクの条件を説明する図である。 本発明の効果を検証するために用いたシミュレーションモデルを示す図である。 シミュレーションモデルにおけるスループットの累積確率分布を示す図である。 シミュレーションモデルにおけるΓMin,i とΓB,i の累積確率分布を示す図である。
図1は、本発明が適用される無線通信システムの構成例を示す。
図1において、無線局は、情報収集部4と接続している管理無線局1−1〜1−Nと、情報収集部4とは接続していない管理外無線局2−1〜2−Mとに分類される。ここで、N台の管理無線局1−1〜1−Nと、その周辺のM台の管理外無線局2−1〜2−Mは、1つ以上の周波数チャネルにおいてCSMA/CAに基づく無線通信を行っている。無線局は、固定で設置された無線基地局、無線基地局と通信を行うユーザ端末、ユーザ端末が基地局として動作するユーザ端末基地局、ユーザ端末基地局に接続されるユーザ子端末のうちいずれであってもよい。
本発明では、管理無線局1−1〜1−Nが周辺の無線局を検出し、検出した識別情報および利用周波数チャネルの情報を情報収取部4へ出力する。ここで、検出する情報は、自無線局で用いる周波数チャネルと同じもののみであってもよいし、情報収集部4から指定された周波数チャネルの情報であってもよいし、利用可能なすべての周波数チャネルであってもよい。
情報収集部4は、収集した無線局で検出した識別情報をもとに、周波数チャネルごとに互いに検出できるか否かを表すコンテンショングラフ情報を構築する。コンテンショングラフの例を図2に示す。
図2において、ID1からID9までの識別情報の無線局がi番目の周波数チャネルで通信しており、互いに検出できる場合(隣接局の関係)には「1」とし、検出できない場合(隣接していない)には「0」とする。ID1からID9は必ずしも管理無線局1ではなく、管理外無線局2であってもよい。管理外無線局2が検出した識別情報は直接収集できないが、管理無線局1と管理外無線局2との間の検出関係は、管理無線局1からの収集情報を用いてコンテンショングラフ情報を構築できる。管理外無線局2同士の検出関係は直接は収集できないが、管理外無線局2の位置情報を推定して補完したり、管理外無線局2の近くの管理無線局1で検出した識別情報を活用して補完することができる。
情報収集部4は、図2で表されるコンテンショングラフ情報をリンク評価部3へ出力する。リンク評価部3は、入力したコンテンショングラフ情報を用いて以下に示す高品質リンクおよび低品質リンクのいずれか、またはその両方を判定する。
(高品質リンクについて)
高品質リンクは、コンテンショングラフ情報から以下の条件1または条件2を満たす無線局が選出される。条件1は、隣接する無線局が実在し、その隣接する全ての無線局同士が互いに検出可能な無線局である。条件2は、隣接する無線局が実在しない無線局である。
図2で表されるコンテンショングラフ情報において、条件1を満たし高品質リンクと判定される無線局は次のように判定される。
ID2の無線局に隣接する無線局はID1,ID3,ID4であり、これらの無線局は互いに検出可能な隣接関係にある。
ID5の無線局に隣接する無線局はID3,ID6,ID9であり、これらの無線局は互いに検出可能な隣接関係にある。
ID6の無線局に隣接する無線局はID3,ID5,ID9であり、これらの無線局は互いに検出可能な隣接関係にある。
その他の無線局に隣接する無線局は、それぞれ互いに検出可能な隣接関係にないものを含んでいる。したがって、条件1を満たす高品質リンクは、ID2,ID5,ID6の無線局となる。
以下、高品質リンクが意味することについて説明する。非特許文献2のBoE法は、送受からなるリンクにおいて、理想的なCSMA/CAネットワークを構築した場合、全てのリンクのトラヒックが飽和している場合の各リンクのスループットを推定する方法である。理想的なCSMA/CAネットワークでは、電波の伝搬時間は0としており、隠れ端末問題も生じないことを仮定しているものの、当該リンクの干渉下で送信を行う能力を評価することができる。具体的にはBoE法は、リンクをグラフ理論における頂点v∈Vとみなし、互いに検出できるリンクをグラフ理論におけるエッジ(v,w)∈Eとして与えたコンテンショングラフG(V,E)を生成した際に、G(V,E)の全ての最大独立集合の組み合わせを算出する。最大独立集合とは、エッジによって隣接する頂点を選択しないように、かつできるだけ多くの頂点を選択した組み合わせのことである。n通りの最大独立集合が得られ、i番目のリンクが最大独立集合に含まれていた通りが数ni のとき、規格化無線リソース占有率Ri を以下のように算出する。
i =ni/n …(1)
i が0になることは、当該リンクがいずれの最大独立集合にも含まれないことを意味する。この場合、当該リンクの飽和トラヒック条件でのスループットは0となりうることを意味する。このBoE法は、すべてのリンクのトラヒックが飽和している場合のスループットを推定できるが、問題はいずれかのリンクが通信していなかったり、トラヒック量に対し物理レイヤのスループットが大きい場合には、対応できない。これは、グラフのサブグラフの最大独立集合は、元のグラフの最大独立集合とは一致しないためである。
実際の無線通信システムでは、全てのリンクが常に通信しているとは限らないため、BoE法の推定結果は必ずしも正確とはならない。よって、どのようなサブグラフとなっても、かならず最大独立集合に所属しているリンクを発見できれば、コンテンショングラフ内の他のリンクのトラヒック状況により、スループットが0になってしまうことを防ぐことができる。すなわち条件1をみたすリンクは、必ず当該グラフの最大独立集合に含まれ、かつグラフのどんなサブグラフにおいても最大独立集合に含まれる。
条件1について、図3を用いて説明する。自頂点と隣接する頂点が全て互いに接続している条件は、これらがクリーク(C)を構成していることを意味する。クリークとは、属する頂点の全てが互いに隣接している条件を満たす頂点の集合である。図3では、自頂点v1 と隣接する全ての頂点{v2 ,v3 ,v4 ,v5 ,v6 ,v7 ,v8 }が隣接しているクリークCと、グラフG(V,E)の残りの頂点(V−C)で構成されるサブグラフの関係を表している。図3から、条件1を満たしている頂点は、サブグラフG(V−C)を構成する全ての頂点(V−C)と接していない。グラフGの最大独立集合のサイズを関数Misを用い、Mis(G)として定義する。グラフGのサブグラフG(V−C)とG(C)に対し、以下の関係が満たされる。
Mis(G)≦Mis(G(V−C))+Mis(G(C))
=Mis(G(V−C))+1 …(2)
ここで、条件1を満たす頂点は頂点(V−C)とは隣接しないため、Mis(G(V−C))の最大独立集合をSとすると、S+v1 もサイズがMis(G(V−C))+1の独立集合である。よって、式(2) からS+v1 は最大独立集合かつMis(G)=Mis(G(V−C))+1であることがわかる。
さらに、条件1を満たす頂点vは、当該頂点vを含む任意の頂点の集合W⊆Vにおいても、少なくとも1つの最大独立集合に含まれる。これは、クリークCのうち、任意の頂点を選択しても、やはりクリークか、独立した頂点となり、頂点vはV−Cに含まれるいかなる頂点とも隣接しないためである。すなわち、頂点の集合WからなるグラフG(W)においても条件1を満たすか、独立した頂点となるため、いずれにせよ最大独立集合の1つに含まれる。
さらに、条件1を満たす頂点に対し、最小標準化無線リソース占有率Rmin,i を以下のように定義できる。
min,i =1/NC …(3)
ここで、NC は条件1を満たす頂点と隣接する全ての頂点からなる集合における頂点の数である。条件1を満たす頂点はいずれもクリークC以外の頂点V−Cとは独立であるため、当該クリークに属する条件1を満たす頂点の数をNC,1 とする場合、当該頂点が最大独立集合に含まれる可能性は等しい。条件1を満たさないが、クリークCに属する頂点は、クリーク以外の頂点と隣接するため、最大独立集合に含まれないこともありうる。クリークの中で、最大独立集合にふくまれる頂点となる数は必ず1であるため(Mis(C)=1)、クリークCに属する条件1を満たす頂点が最大独立集合の一部である可能性は、最も高くなるのは、クリークCに属する条件1を満たさない頂点が最大独立集合に含まれない場合で、1 /NC,1 、最も低くなる場合が、クリークCに属する条件を満たさない頂点も最大独立集合に等しく含まれる場合で、1 /NC となる。よって、式(3) のようにBoE法における標準化無線リソース占有率の最小値が与えられる。この値より悪くはならないため、CSMA/CAネットワークにおいて、あるスループットを下回るとユーザエクスペリエンスを損なう場合に、このスループットを下回りうるかを判断するための重要な情報として活用できる。図3の例では、条件1を満たす頂点は、v1 〜v5 であり、これら頂点(リンク)に対する最小標準化無線リソース占有率は、1 /8である。
(低品質リンクについて)
低品質リンクは、隣接する無線局が実在するが、高品質リンクの条件1(隣接する全ての無線局同士が互いに検出可能)を満たさない無線局が選出される。
図3の例では、v1 ,v2 ,v3 ,v4 ,v5 が高品質リンクに対応し、v6 、v7 、v8 が低品質リンクに対応する頂点となる。低品質リンクは、確実に一定のスループットを得ることができる高品質リンクと隣接し、かつ高品質リンクから検出できない別のリンクと隣接するため、自リンクが独立に動作するCSMA/CAの送信源によりさらし端末問題によるスループット低下をこうむるリスクがある。よって、このようなリンクを低品質リンクとして予め判断しておくことで、周辺のリンクからの干渉条件により急激なスループット低下が生じたとしても、ユーザエクスペリエンスを低下させないように、当該リンクを活用できる。たとえば、複数の無線システムが併用できる場合に当該CSMA/CAリンクを用いたり、ベストエフォート型のダウンロードなどのアプリケーションに用いたりするように判断できる。
低品質リンクを判定するために、さらにグレードを考慮することも可能である。すなわち、当該低品質リンクが隣接する条件1を満たす頂点を含むクリークの数を低品質さを表す指標として用いることができる。図3を例に説明すると、低品質リンクのうち、v8 は、(V−C)の中で、w8,1 、w8,2 とさらにクリークを形成しており、w8,1 、w8,2 は条件1を満たしている。すなわち、v8 は2つの独立したクリークに所属する条件1を満たす頂点と隣接している。このように、複数の条件1を満たす頂点を含むクリークと隣接すると、さらにスループットが低下するリスクが大きい。
以下、無線LANシステムのIEEE802.11の諸元に従い、MACシミュレーションによる本発明の効果について説明する。
図4は、本発明の効果を検証するために用いたシミュレーションモデルを示す。
図4において、横 100m、縦20m、高さ15mの建物に、送信局と受信局がペアとなってリンクが設置されている。
無線通信方式は、IEEE802.11のCSMA/CAに基づき決定した。シミュレーション諸元は次の通りである。
Time duration of data symbols,Td : 1520 μs
Time duration of data frame preamble: 44 μs
SIFS/AIFS :16/34 μs
CWmin / CWmax :15/1023
Time duration of RTS,CTS,ACK,Polling: 28 μs
Short retry limit : 7
Long retry limit : 4
MACシミュレータでは、i番目のリンクに対する受信成功したデータフレームが占める時間率Si が以下のように算出される。
i =mid/T …(4)
ここで、mi は正常に受信されたフレームの数、Td はデータフレームのうちデータシンボルに対応する時間長、Tはシミュレーション時間である。本シミュレーションでは、Td は1520μs、Tは30秒で設定した。BoE法による方式と比較しながら効果を説明するため、標準化無線リソース占有率Ri 、ランダムアクセスを取得するまでに有する平均時間およびトレーニング信号や制御信号などのオーバヘッドに使われる時間長Ttrとしたときに、以下のパラメータも定義する。
B,i =Tdi/Ttr …(5)
本シミュレーション条件では、Td /Ttrは0.845 となる。同様に、本発明により得られる最小標準化無線リソース占有率も以下のように補正できる。
Min,i =Td/(Ttri) …(6)
ここで、Mi は前記i番目のリンクが所属するクリークに含まれるリンクの総数である。これら、補正された標準化無線リソース占有率と、MACシミュレータで実際にi番目のリンクに対して評価した値を比をとって以下のように定義した。
ΓB,i =SB,i/Si …(7)
ΓMin,i =SMin,i/Si …(8)
図5は、図4の建物内に15個のリンクをランダムに配置した場合のスループットの累積確率分布を示す。15個のリンクは同じ部屋の中に2つ以上存在しないものとした。
図5において、標準化スループットSi は0から0.84まで分布していることが確認できる。物理リンクの性能は理想状態であるため、スループット低下はパケット衝突および独立に動作するリンクによりさらし端末問題となることでアクセス権が取得しづらい条件になることにより生じる。この中で、高信頼リンクを選択した結果が破線で記載している。最低スループットは、頂点数5のクリークに属していた0.16のリンクであるが、全て選択された高信頼リンクにおいて、この値以上の標準化スループットを得ていることが確認できる。逆に低信頼リンクについては、低いスループットとなっていることが確認できる。特にグレード2の低信頼リンクは、スループットが非常に低く、飽和トラヒック状態では、著しくスループットが低下することが確認できる。
図6は、図4の建物内に15個のリンクをランダムに配置した場合のΓMin,i とΓB,i の累積確率分布を示す。
図6(a) は建物内に与えた全てのリンクが飽和トラヒック状態である時の結果を示す。BoE法による推定結果はΓB,i =1付近に分布しており、非常に高い推定精度を有することが確認できる。一方、本発明による最小標準化無線リソース利用率は、最低スループットをよく推定している。MACシミュレータにより計算されたスループットが最小標準化無線リソース利用率を下回ることがほぼないことが確認でき、1より下となってしまう結果にのみ注目すれば、BoEより高い性能を有する。
図6(b),(c) では、15個のリンクの内、1つおよび2つをそれぞれトラヒック0の状態とした場合のMACシミュレータの結果を示す。BoE法は飽和トラヒック状態のみに対応して無線リソース占有率を算出しているため、トラヒックがないリンクが生じると、ΓB,i が0に近くなるような想定外のスループット低下が生じうることが確認できる。一方、本発明によるスループット予測は、いかなるサブグラフに対しても満たされるため、推定性能が低下しない。
なお、図1に示す無線局トラヒック情報収集部5は、無線局へ流れるトラヒック量の情報を収集し、そのトラヒック情報を必要な形式に圧縮してリンク評価部3へ出力する。その場合は、リンク評価部3は、情報収集部4から入力されたグラフ情報と、トラヒック情報収集部から入力されたトラヒック情報から、当該無線局を用いる時間条件によって、アクティブでないと考えられる無線局を排除したグラフ情報を用いて、高信頼リンクまたは低信頼リンクまたはその両方を判定する構成である。
また、図1に示すユーザトラヒック管理部6は、ユーザ端末との通信に活用できる無線局を送受信に活用するか否かを決定する際に、無線局に対してリンク評価部3が判定した結果、およびユーザ端末と当該無線局との間で得られる品質情報から、ユーザ端末との間の通信に要求される品質が無線局を送受信に活用する条件を満たしている場合に、無線局をユーザ端末との間の通信に用いると判定する構成である。
以上説明したように、無線局間の検出状態を表すグラフ情報から、無線局の通信品質を判定することにより、CSMA/CAにおける周辺のトラヒックの変動に対して影響を受けずに一定の通信品質を保持できる高信頼リンクとなる無線局、または周辺の無線局の通信状況によってはスループットが大きく低下しうる低品質リンクとなる無線局、またはその両方を判定することができる。これにより、CSMA/CAのリンクの不安定性を予め予期し、適切なユーザまたはアプリケーションに当該無線局との間でCSMA/CAによる通信を行わせることで、ユーザエクスペリエンスの低下を防ぐことができる。
1 管理無線局
2 管理外無線局
3 リンク評価部
4 情報収集部
5 無線局トラヒック情報収集部
6 ユーザトラヒック管理部

Claims (5)

  1. ネットワークに接続され、CSMA/CA方式に基づいた無線通信が行われる複数の無線局の品質を判定するCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、
    前記無線局のうち、周辺の検出可能な無線局の識別情報を収集し、その識別情報を直接接続または前記ネットワークを介して情報収集部へ出力する管理無線局を備え、
    前記情報収集部は、前記管理無線局から収集した前記識別情報に基づいて、前記無線局の互いの検出関係を示すグラフ情報を構築し、そのグラフ情報をリンク評価部へ出力する手段を備え、
    前記リンク評価部は、前記グラフ情報から、条件1:隣接する無線局が実在し、その隣接する全ての無線局同士が互いに検出可能である、条件2:隣接する無線局が実在しない、とする条件1または条件2を満たす無線局を高信頼リンクとし、隣接する無線局が実在するが、該条件1を満たさない無線局を低信頼リンクとし、該高信頼リンクおよび該低信頼リンクのいずれかまたは両方を判定する手段を備えた
    ことを特徴とするCSMA/CA通信品質管理システム。
  2. 請求項1に記載のCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、
    前記リンク評価部は、前記グラフ情報から、前記条件1を満たす高信頼リンクを判定した際に、最小標準化無線リソース占有率を、前記条件1を満たす無線局と隣接する全ての無線局からなる集合における無線局の数NC の逆数として判定し、前記ネットワークの最低スループットの確認に用いる手段を含む
    ことを特徴とするCSMA/CA通信品質管理システム。
  3. 請求項1に記載のCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、
    前記リンク評価部は、前記グラフ情報から前記低信頼リンクとなる無線局を判定した際に、前記低信頼リンクが隣接する条件1を満たす無線局の数、または隣接する条件1を満たす無線局が互いに検出可能か否かを判定し、互いに検出不能の独立の無線局のグループの数が多いほど周辺の無線局との通信状況によってスループットが大きく低下する低品質リンクとなるとき、当該無線局との間でCSMA/CAによる通信を行わせる手段を含む ことを特徴とするCSMA/CA通信品質管理システム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のCSMA/CA通信品質管理システムにおいて、
    さらに、前記無線局へ流れるトラヒック量の情報を収集し、そのトラヒック情報を必要な形式に圧縮して前記リンク評価部へ出力する無線局トラヒック情報収集部を備え、
    前記リンク評価部は、前記情報収集部から入力された前記グラフ情報と、前記トラヒック情報収集部から入力された前記トラヒック情報から、当該無線局を用いる時間条件によって、アクティブでないと考えられる無線局を排除したグラフ情報を用いて、前記高信頼リンクまたは低信頼リンクまたはその両方を判定する手段を含む
    ことを特徴とするCSMA/CA通信品質管理システム。
  5. ネットワークに接続され、CSMA/CA方式に基づいた無線通信が行われる複数の無線局の品質を判定するCSMA/CA通信品質管理方法において、
    前記無線局の互いの検出関係を示すグラフ情報を構築するグラフ情報生成ステップと、 前記グラフ情報から、条件1:隣接する無線局が実在し、その隣接する全ての無線局同士が互いに検出可能である、条件2:隣接する無線局が実在しない、とする条件1または条件2を満たす無線局を高信頼リンクとし、隣接する無線局が実在するが、該条件1を満たさない無線局を低信頼リンクとし、該高信頼リンクおよび該低信頼リンクのいずれかまたは両方を判定する通信品質判定ステップと
    を有することを特徴とするCSMA/CA通信品質管理方法。
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