以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1及び図2は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは共に、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じであってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示と所定色表示とで変化させること等により、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値のLEDを含んで構成されている。
また、画像表示装置5の上部や下部といった、画像表示装置5の周囲には、往復等の演出動作が可能に構成された演出用可動部材32が設けられている。演出用可動部材32は、図6に示すステッピングモータ33により所定の動作を駆動されることにより、演出のために用いられる。ステッピングモータ33は、演出用可動部材32の正確な位置決めを制御することができるモータである。
演出用可動部材32は、遊技盤2の背面側において、図1に示す所定位置としての退避位置P1と、図2に示す特定位置としての特定位置P2との間を移動可能に配置されている。退避位置P1は、演出用可動部材32の初期位置、即ち、演出用可動部材32が動作していないときの位置である。この実施の形態では、退避位置P1として、画像表示装置5の上方側にて、遊技盤2の正面側に設けられた構造物61等に隠れて遊技者から視認することのできない位置が設定されている。特定位置P2は、演出用可動部材32が動作することで移動可能な位置、即ち、演出用可動部材32が動作する方向側の位置である。特定位置P2は、演出用可動部材32が移動可能な限界の位置であってもなくてもよい。この実施の形態では、演出用可動部材32が下降するものであり、特定位置P2として、演出用可動部材32が下降することで移動可能な、退避位置P1よりも下方にて、画像表示装置5の表示領域の少なくとも一部を覆い隠す位置が設定されている。
この実施の形態では、特定位置としての特定位置P2は、所定位置としての退避位置P1の真下方向に位置している。しかしながら、特定位置P2は、退避位置P1を起点にして下方の位置であればよく、真下方向に位置していなくても構わない。
図6に示す演出制御用CPU120は、演出用可動部材32を駆動して所定の演出動作実行を指示する駆動指令信号を、ステッピングモータ33に対して伝送する。このような駆動指令信号に応じて動作するステッピングモータ33により駆動されて、演出用可動部材32は、退避位置P1側から特定位置P2側へ下降する第1動作としての下降動作と、下降動作のときよりも少ない駆動量で駆動されて特定位置P2側から退避位置P1側へ上昇する第2動作としての上昇動作とを繰り返しながら、退避位置P1から特定位置P2側へ下降する。
このように、演出制御用CPU120は、演出用可動部材32を、退避位置P1側から特定位置P2側へ下降させる下降動作と、特定位置P2側から退避位置P1側へ上昇させる上昇動作とを繰り返しながら、退避位置P1側から特定位置P2側へ移動させることにより、特定演出としての予告演出を実行する。
この実施の形態では、演出用可動部材32が稲妻を模した形状を呈し、構造物61が雲を模した形状を呈している。そして、演出用可動部材32が下降動作と上昇動作とを繰り返しながら、退避位置P1から特定位置P2側へ徐々に下降することにより、落雷のような予告演出が実行される。
このような予告演出の内容に応じて、演出用可動部材32の正面には、所定の装飾が施されていればよい。この実施の形態では、演出用可動部材32があたかも稲妻に見えるような装飾として、例えば、黄色や青色等の塗装による装飾や、複数のLEDを配置してこれらのLEDを黄色や青色等に点灯させる等の装飾が施されていればよい。
図3から図5は、演出用可動部材32の一例を示す図であり、図3は、退避位置P1における正面図、図4は、退避位置P1における背面図、図5は、特定位置P2における正面図をそれぞれ示す。
画像表示装置5の上方には、ガイドロッド51が上下方向に延在して設けられている。そして、演出用可動部材32の背面には、ガイドロッド51の延在方向に沿って摺動可能に設けられたスライダー52が固定されている。
また、ガイドロッド51の側方には、ステッピングモータ33が設けられている。そして、ステッピングモータ33の回転軸には、アーム53の一端が軸支されている。アーム53の他端側には、アーム53の長手方向に沿ってガイド孔53Aが形成されている。そして、アーム53のガイド孔53Aには、スライダー52の上部に設けられたガイドピン52Aがガイド孔53Aに沿って移動可能に係合されている。
ステッピングモータ33の回転軸が正回転すると、ステッピングモータ33の回転軸に軸支されたアーム53も例えば時計回りに回動する。アーム53のガイド孔53Aにはガイドピン52Aが係合されているため、ガイドピン52Aに対して時計回りの方向への力が働く。ここで、ガイドピン52Aが設けられたスライダー52の移動方向はガイドロッド51によって上下方向に規制されているため、スライダー52は、下方向へ摺動することになる。このように、ステッピングモータ33の回転軸が正回転すると、スライダー52が下方向へ摺動することから、スライダー52に固定された演出用可動部材32は、下降動作するように制御されることになる。
ここで、スライダー52の上下方向における動作範囲は、ガイドピン52Aが係合されているガイド孔53Aの長さによって規制される。したがって、退避位置P1から特定位置P2までが演出用可動部材32の移動範囲となるように、ガイド孔53Aの長さを調整しておく必要がある。
一方、ステッピングモータ33の回転軸が逆回転すると、ステッピングモータ33の回転軸に軸支されたアーム53も例えば反時計回りに回動する。アーム53のガイド孔53Aにはガイドピン52Aが係合されているため、ガイドピン52Aに対して反時計回りの方向への力が働く。ここで、ガイドピン52Aが設けられたスライダー52の移動方向はガイドロッド51によって上下方向に規制されているため、スライダー52は、上方向へ摺動することになる。このように、ステッピングモータ33の回転軸が逆回転すると、スライダー52が上方向へ摺動することから、スライダー52に固定された演出用可動部材32は、上昇動作するように制御されることになる。
また、図4に示すように、ガイドロッド51の上端部には、バネ54の一端が固定されている。そして、バネ54の他端は、スライダー52の下端部に固定されている。このように、スライダー52や演出用可動部材32を、バネ54によって退避位置P1側へ付勢させることにより、ステッピングモータ33の回転軸が正回転してスライダー52や演出用可動部材32を上昇動作させるときの、ステッピングモータ33に掛かる負荷を減らすことができる。そして、上述したように、上昇動作では下降動作よりも少ない駆動量で駆動することにより、ステッピングモータ33に掛かる負荷を更に減らすことができる。
この実施の形態では、例えば飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となるまでの数秒間等の短い期間中に、演出用可動部材32が下降動作と上昇動作とを繰り返すように、演出用可動部材32を小刻みに駆動することを想定している。したがって、このような短い期間中に、ステッピングモータ33が正回転と逆回転とを繰り返すことから、何ら対策が成されていない場合には、ステッピングモータ33に熱が生じ易く、ステッピングモータ33に掛かる負荷が増加してしまう。そこで、このような問題に対する対策として、演出用可動部材32の下降動作と上昇動作との間に、駆動を停止させるインターバル期間を設けるといったことが考えられる。しかしながら、このような対策を採用した場合、例えば飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となるまでの数秒間等の短い期間中に、演出用可動部材32が下降動作と上昇動作とを繰り返す回数が制限されてしまい、所望の演出を実行することができない。そこで、この実施の形態では、演出用可動部材32の下降動作と上昇動作との間にインターバル期間等を設けずに、バネ54によって演出用可動部材32が退避位置側に付勢することで、短い期間中に所望の演出を実行することを犠牲にすることなく、ステッピングモータ33にかかる負荷を減らしている。
また、図3、図4に示すように、演出用可動部材32が退避位置P1にあるときにおける、アーム53のガイド孔53Aが形成された端部の位置に対応する位置には、アーム53の端部を光学的に検出する可動部材検出センサ55が設けられている。このようにして、可動部材検出センサ55によってアーム53の端部が検出されるまで、ステッピングモータ33によって駆動することにより、演出用可動部材32を退避位置P1まで戻すことができる。
図1に戻り、画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図6に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図6に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図6に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図6に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過した遊技球は、例えば図6に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプを交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプを所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図6に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御がされることによって、遊技球が第2始動入賞口に入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。呼の制御を、電チュー開放制御ともいう。電動チューリップの可動翼片が拡大開放されている状態では、第1始動入賞口よりも、第2始動入賞口に遊技球が入賞し易い。また、電動チューリップの可動翼片が拡大開放されていない状態では、遊技球は第2始動入賞口に入賞しない。したがって、電動チューリップの可動翼片が非開放状態になっている状態では、第2始動入賞口よりも、第1始動入賞口に遊技球が入賞し易い。なお、電動チューリップの可動翼片が非開放状態の場合に、入賞はし辛いものの、入賞することは可能であるように構成されていてもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図6に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図6に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。なお、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となることを「遊技の結果が特図大当りとなる」ともいう。また、特図ゲームでの可変表示結果が「ハズレ」となることを、「遊技の結果が特図ハズレとなる」ともいう。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定期間、あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出表示されたときには、15R大当り状態に制御される。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が短縮される時間短縮制御が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」と称される。
大当り図柄のうちで「5」又は「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御と共に、継続して確率変動制御が行われる確変状態に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「5」又は「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御が共に開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。
他の一例として、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御が共に開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。また、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御が共に開始され、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御と時短制御を共に継続させる。
確変制御と共に時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。更に、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御と共に時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「5」の数字を示す特別図柄は、第1確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第1確変大当り」と称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第2確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や第1確変大当り図柄「5」及び第2確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号にしてもよい。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になり易くなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数よりも多い第1ラウンド数となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数よりも多い第1回数となること、確変状態における大当り確率が第2確率よりも高い第1確率となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン回数よりも多い第1連チャン回数となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示状態、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、スーパーリーチA、スーパーリーチBといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチAやスーパーリーチBといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
なお、飾り図柄の可変表示中に、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されてもよい。一例として、「滑り」や「擬似連」の可変表示演出が挙げられる。「滑り」の可変表示演出は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させる「滑り」の可変表示演出である。一方、「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動させる演出表示を、所定回行う。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定される。「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されればよい。
また、この実施の形態では、リーチ演出、あるいは「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、始動条件は成立したが開始条件が成立していない特別図柄の可変表示について、始動条件の成立時に、この可変表示の表示結果が「大当り」になるか否かを判定する、所謂「先読み」が行われる。そして、先読みの結果に基づいて、この先読み対象の可変表示の表示結果の導出後に、当該ターゲットの可変表示の表示結果が大当りとなる可能性を示す先読み演出を、先読みの判定結果に基づいて実行されるようになっている。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出、あるいは「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9の点灯点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、遊技者に予告するための予告演出が実行されることがある。予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定のタイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。なお、予告演出として、大当りとなる可能性があることを予告する他、飾り図柄がリーチ状態となることや、スーパーリーチ演出といった所定のリーチ演出が実行されること等を予告するものを実行してもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、所定のリーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄と、リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組み合わせの確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後等に、所定の非確変大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このような非確変大当り組み合わせを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後等に、所定の確変大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、「確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「確変」であるともいう。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける演出態様とは異なるものとすること等により、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい。
このように、パチンコ遊技機1では打球発射装置を用いて遊技球を遊技領域に打ち込むことで所定の遊技が実行可能である。例えば、遊技球が第1又は第2始動入賞口を通過すると特図ゲームが実行され、遊技結果として可変表示結果が導出される。また、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて普図ゲームが実行され、遊技結果として確定普通図柄が停止表示される。そして、遊技結果に応じて遊技者に有利な制御を実行するといった遊技価値が付与可能である。例えば、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、その後遊技者に有利な大当り遊技状態に制御される。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となった場合には、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御されるといった、遊技者に有利な制御が実行される。更に、遊技結果に応じて遊技の進行には影響しないが演出を変化させる演出ポイントや、パチンコ遊技機1とは異なる遊技で利用可能なポイントを付与するといった遊技価値を付与可能である。本実施の形態では、一例として、普図ゲームがハズレとなった場合に所定の割合で演出画面を変化させるための演出ポイントを付与する。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として予告演出の有無や種類が決定されて予告演出が実行される。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図6に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9、演出用可動部材32といった演出用の電気部品である演出装置による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯動作等の全部又は一部、演出用の電気部品としての演出装置に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9における点灯/消灯駆動等を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図6に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されると共に演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されると共に他端がグランドに接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けると共に、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタとの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドとして、主基板11から演出制御基板12に対して第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンド、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド等が送信される。可変表示結果通知コマンドとして、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果を示す情報が含まれる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドには、更に画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する図柄確定指定コマンド、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンド等が含まれる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドには、更に大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド、15R大当り状態におけるラウンドの実行回数等を示す情報を含む大入賞口開放中通知コマンド、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンド、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンド、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンド等が含まれる。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されること等に対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けされた乱数回路104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図7は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバを用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値を取る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値を取る。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「250」の範囲の値を取る。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「996」の範囲の値を取る。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行うために用いられる乱数値である。
図8は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンと称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンと称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図9は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図8に示す各変動パターンは、図9に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様等に基づいて分類された単一又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類で分類して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否か等に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間等に応じて、分類してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図9に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つ又は複数の変動パターンが分類される。図9に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図13に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。即ち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図8に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。
図10は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割り当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、通常状態又は時短状態である場合よりも多くの決定値が特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
特図表示結果決定テーブル130では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値と最大値とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル130以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図11は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、「非確変」や「確変」等の大当り種別に割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、大当り種別に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファに設けられた大当り種別バッファの値を、決定された大当り種別に対応する値に設定するためのテーブルデータを含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、例えば大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となること等に基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データを含んでいてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様と、確変状態に制御するか否かのうち、いずれか一方又は両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図12は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図12(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図12(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bとが、予め用意されている。この実施の形態では、遊技状態が通常状態か時短状態かにかかわらず共通の大当り変動パターン種別決定テーブル132A又はハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを参照して変動パターン種別が決定される。これに対して、通常状態と、時短状態のそれぞれに対応して、変動パターン種別に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターン種別CA3−1又は変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。この実施の形態では、大当り種別が「非確変」か「確変」かにかかわらず各変動パターン種別に決定される割合は同じである。これに対して、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせるために、大当り種別が「非確変」か「確変」に対応して、各変動パターン種別に異なる決定値が割り当てられていてもよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図13は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値が、単一又は複数の変動パターンに割り当てられている。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設定されている。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図6に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。加えて、演出制御基板12には、演出用可動部材32を駆動して所定の演出動作実行を指示する駆動指令信号を、演出用可動部材32に対応して設けられたステッピングモータ33に伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、予告実行決定用の乱数値や、各種の予告演出選択用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。本実施の形態では、更に第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数、擬似連変動時仮停止図柄乱数、予告演出決定用乱数、特別図柄表示結果報知決定用乱数及び先読み演出決定用乱数等を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような物理構成により演出制御基板12は、主基板11から中継基板15を介して送信される各種コマンドに基づいて、先読み演出、予告演出、リーチ演出、ルーレット演出等の各種演出を実行する。
先読み演出は、遊技球が第1又は第2始動入賞口を通過して可変表示の始動条件が成立してから開始条件が成立するまでに実行される、可変表示結果が「ハズレ」である非リーチの変動パターンに対応する可変表示中に、先読みの対象となる可変表示の可変表示結果が大当り遊技状態となる可能性を予行kする演出動作である。この実施の形態では、先読み演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示態様を変更する演出が実行される。
予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでに、その可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。例えば予告演出として、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されリーチ状態となる前のタイミングにて、画像表示装置5の所定領域にキャラクタを示す画像を表示するといったように、遊技者に可変表示結果が「大当り」となるか否かを報知する演出を実行すればよい。この実施の形態では、「大当り」となるか否かによって異なる割合で、複数の演出態様を表示する予告演出が実行される。このような構成により、リーチ状態となる前に予告演出にて遊技者の期待を煽ることができる。
なお、予告演出の演出動作の具体的内容は、上記のものに限定されず、各演出態様に応じて異なる効果音を発する、異なる態様で遊技効果ランプを発光させる等、遊技者が大当り信頼度等を認識することができる任意の演出動作であればよい。
図6に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
一例として、ROM101には、演出制御用CPU120が各種の演出装置による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示操作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予告パターンの決定結果に応じて実行される単一又は複数の予告演出のそれぞれについて、演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、特別図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでの期間に実行される予告演出について、演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。本実施の形態では、予告演出として、後述するように演出期間や演出内容が異なる複数の予告演出が含まれる。予告演出制御パターンは、複数の予告演出のそれぞれに対応する演出内容を示すデータを含む。このため、予告演出制御パターンを用いて、遊技状態に応じて相応しい予告演出を実行することができる。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
図14(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図14(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コード等を含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値であって、各演出動作の実行期間に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。即ち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されるプロセスデータもあってよい。更に、例えば演出用可動部材32における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図14(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させると共に、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うと共に、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータが設定されてもよい。図14(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターンをセットする。また、演出制御用CPU120は、予告パターンの決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示を開始するとき等に、対応する演出制御パターンをセットする。また、特別図柄の変動開始時に予告演出の演出パターンを決定し、決定結果に対応して予告演出の演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新される毎に、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nの内容に従って、演出装置の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜演出制御プロセスタイマ判定値#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14、ステッピングモータ33等に対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13等では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
図6に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図15に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図15に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図6に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU210からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP、CGROM、VRAM、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU、GCL、あるいはより一般的にDSPと称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11等から伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令、ランプ制御基板14へと伝送される指令、ステッピングモータ33へと伝送される指令等が出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリューム等が搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータ等から構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバ等が搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9等に供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図16のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図16に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図17は、特別図柄プロセス処理として、図16に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図18は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。ステップS211の処理に続いて、後述する入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。そして、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。即ち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S213の処理を実行した後、ステップS214にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S213の処理を実行した後、ステップS214にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS216の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19は、入賞時乱数値判定処理として、図18のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理により、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定等が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定等を行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120等により、先読み演出や予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図19に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域等に設けられた確変フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。
その後、図18のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り範囲内であるか否かを判定する(ステップS402)。大当り判定範囲には、特図表示結果決定テーブル130において「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値と最大値とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
ステップS402にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS402;NO)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS403)。そして、可変表示結果が「ハズレ」となるとの判定結果に応じて、ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを、後述する変動カテゴリ判定のために用いるテーブルとして決定する(ステップS404)。
ステップS402にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS402;YES)、大当り種別決定テーブル131を参照することにより、大当り種別が複数種類のいずれに決定されるかを判定する(ステップS405)。こうしたステップS405の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS406)。そして、可変表示結果が「大当り」となるとの判定結果に応じて、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを、後述する変動カテゴリ判定のために用いるテーブルとして決定する(ステップS407)。
ステップS404、S407のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて決定した変動パターン種別決定テーブルと、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS408)。その後、ステップS408の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS409)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図18に示す始動入賞判定処理や図19に示す入賞時乱数値判定処理を実行した後、図16に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドという4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込み内に一括して送信される。なお、1タイマ割込み内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込み毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図17に示す特別図柄プロセス処理のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行される毎に、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定すると共に、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15R大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理等が含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図20は、図17のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102の所定領域に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の所定領域に設けられた変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、RAM102の所定領域にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102の所定領域にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、例えばRAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102の所定領域にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、RAM102の所定領域にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。このとき、CPU103は、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」と「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、いずれの特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲーム等の可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲーム等の可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。他方、特図ゲーム等の可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;YES)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」又は「確変」の大当り種別に割り当てられた決定値と比較して、大当り種別を「非確変」又は「確変」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定すること等により(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;NO)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
こうした特別図柄通常処理において、例えばステップS240にて特図表示結果を「大当り」又は「ハズレ」のいずれかに決定すること等により、大当り遊技状態に制御するか否かを、特図ゲームにおける可変表示結果としての特図表示結果が導出される以前に決定することができる。
図21は、図17のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;YES)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。
ステップS261で大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;NO)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS263)。
ステップS262又はS263の処理を実行した後には、例えば変動用乱数バッファ等に格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ等に基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS264)。ここで、ステップS264の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタ等によって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS263にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを参照して変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定する。このときには、変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」のいずれとするか否かが決定される。即ち、ステップS264の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か、及びリーチ状態とする場合に「ノーマルリーチ演出」又は「スーパーリーチ演出」のいずれを実行するか、を決定する処理が含まれている。
ステップS264にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS265)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS265にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS266)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS266の処理が実行されるときに乱数回路104やRAM102の所定領域に設定されたランダムカウンタ等から抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3と共に、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS266の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタ等によって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS266の処理では、ステップS264における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS266にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS267)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS267の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS268)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS268の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS269)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS269での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行される毎に、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順等で送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS270)、変動パターン設定処理を終了する。
図22は、普通図柄プロセス処理として、図16のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、RAM102の所定領域に設定された普図保留記憶部における保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設定された遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図22に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無等に基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部に格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普通図柄判定処理を実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われると共に、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示させるための設定等を行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える電動チューリップ型役物の可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定等が行われる。
図23は、図22のステップS140内にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄判定処理において、CPU103は、まず、普図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを読み出す(ステップS351)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、普図保留記憶数を1減少させるように更新すると共に、普図保留記憶部156にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR5を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS352)。
ステップS352の処理に続いて、時短フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS353)。このとき、時短フラグがオフであれば(ステップS353;NO)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図24(A)に示す低ベース時普図表示結果判定テーブル201Aを設定する(ステップS354)。また、時短フラグがオンであれば(ステップS354;YES)普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図24(B)に示す高ベース時普図表示結果判定テーブル201Bを設定する(ステップS355)。
普図表示結果判定テーブル201A、201Bは、ROM101に記憶される。普図表示結果判定テーブル201A、201Bは、普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等を判定するために参照されるテーブルである。例えば、普図表示結果判定テーブル201A、201Bはそれぞれ、普図表示結果判定用の乱数値MR5を、表示結果、第2始動入賞口の開放時間や普通図柄の変動時間等に対応付ける設定データから構成されている。遊技状態が低ベース状態である場合は、図24(A)に示す低ベース時普図表示結果判定テーブル201Aが参照され、遊技状態が高ベース状態であるときには、図24(B)に示す高ベース時普図表示結果判定テーブル201Bが参照される。
普図表示結果判定テーブル201A、201Bの設定により、高ベース状態である場合は、低ベース状態である場合よりも普図当りとなる割合が高くなっている。また、普図変動時間も、高ベース状態である場合は、低ベース状態である場合よりも短く設定されているので、表示結果が導出表示されるまでの平均的な時間が短くなり、結果として第2始動入賞口の開放される割合が多くなる。
ステップS354、S355のいずれかの処理を実行した後には、各処理で設定した普図表示結果判定テーブルを参照することで、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定を行う(ステップS356)。このとき、普図表示結果を「普図当り」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「7」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。また、普図表示結果を「普図ハズレ」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「−」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。
ステップS356にて普図表示結果の判定を行った後には、普図表示結果を「普図当り」とすると決定されたか否かを判定する(ステップS357)。ステップS357にて「普図当り」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;YES)、遊技制御フラグ設定部に設けられた普図当りフラグをセットする(ステップS358)。
ステップS358にて普図当りフラグをセットした後、又はステップS357にて「普図ハズレ」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;NO)、普図表示結果に対応する普図変動時間の設定を行う(ステップS359)。一例として、ステップS359の処理では、CPU103が、普図変動時間を、普図表示結果判定テーブル201A、201Bを参照すること等により特定し、特定された普図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部に設けられた普図変動タイマにセットする。この場合には、図22に示すステップS141の普通図柄変動処理が実行される毎に、例えば普図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS359の処理では、普図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットすると共に、普図変動時間に対応する普図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図22に示すステップS141の普通図柄変動処理が実行される毎に、例えば普図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が普図変動終了判定値に達したときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS359にて普図変動時間を設定した後には、主基板11から演出制御基板12に対して普図変動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS360)。ここで、普図変動開始コマンドは、ステップS356の処理にて判定された普図表示結果や、ステップS359の処理にて設定された普図変動時間等を示す演出制御コマンドであればよい。例えば、ステップS360の処理において、CPU103は、ROM101に記憶された普図変動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM102の所定領域等に設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS360での設定を行った場合には、普通図柄判定処理が終了してから図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して普図変動開始コマンドが送信されることになる。演出制御基板12の側では、この普図変動開始コマンドに応じて演出の実行有無を決定する。演出を実行する場合には、演出制御基板12の普図変動開始コマンドが示す普図表示結果や普図変動時間に応じて演出の演出結果や演出内容を決定する。このようにして、普通図柄の変動開始を契機とする演出を普図変動結果に応じて実行することができる。
なお、普図変動開始コマンドとは別に、普図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。但し、普図変動開始コマンドにより普図表示結果が示されることで、別個に普図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなることから、主基板11から演出制御基板12に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板11における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS360にて普図変動開始コマンドの送信設定を行った後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS361)、普通図柄判定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば演出制御フラグ設定部191等に設けられ、CTCのレジスタ設定に基づき所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用可動部材32の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図26は、演出制御プロセス処理として、図25のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる処理が含まれている。なお、特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御等を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果等に基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したこと等に基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したこと等に対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図27は、図26のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄等を決定する(ステップS431)。このとき、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組み合わせに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
ステップS431において、演出制御用CPU120は、変動パターンや可変表示結果の組み合わせに応じた変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」であった場合に、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。但し、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」である場合は、停止図柄として、偶数図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。一方、「確変(大当り)」である場合には、停止図柄として、奇数図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」に決定されている場合には、所定の停止図柄決定のための演出用乱数を抽出し、ROM121に記憶された停止図柄決定用テーブルで定義された判定値と比較して左中右の停止図柄を決定する。「非確変(大当り)」にすることに決定されているときには、決定された図柄が奇数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。また、「確変(大当り)」にすることに決定されているときには、決定された図柄が偶数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。
ハズレの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。但し、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、ハズレ図柄にすることに決定されていない場合であって、且つ、リーチすることに決定されていない場合には、停止図柄決定用テーブルで定義された判定値と比較して左中右の停止図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合に、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
こうしたステップS431における最終停止図柄等の決定に続いて、予告演出選択処理を実行する(ステップS432)。予告演出選択処理では、演出制御用CPU120は、例えば図28に示すように、予告演出の実行有無、及び実行する場合の演出態様を決定する。具体的には、ROM121の所定領域に保存された予告演出決定テーブルを参照して決定する。予告演出決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」、「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであるかに応じて、演出用変数の乱数値と比較される数値が、予告演出の実行有無、及び実行される場合の演出態様のいずれかに割り当てられたテーブルであればよい。図28の例では、予告演出として第1態様と、第1態様よりも大当り信頼度が高い高信頼度の第2態様と、の2つが設定されている。ここでは、第2態様の予告演出が実行された場合の大当りとなる割合は、特定割合よりも高い。
そして、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS433)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドで示された変動パターン等に対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS432の予告演出選択処理により選択された演出態様等に基づいて、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとしてセットする。
図29は、予告演出制御パターンの一例を示す図である。第1態様の演出制御パターンが使用パターンとしてセットされた場合、図29(A)に示すように、演出制御用CPU120は、まず、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、演出用可動部材32が下降動作する。次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が上昇動作する。その後、演出制御用CPU120は、20パルス分の正極性のパルス、10パルス分の負極性のパルス、20パルス分の正極性のパルスを順次出力する。このようなパルスがステッピングモータ33に順次入力されることにより、ステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転、10ステップ分逆回転、20ステップ分正回転して、演出用可動部材32が下降動作、上昇動作、下降動作する。
一方、第2態様(高期待度)の演出制御パターンが使用パターンとしてセットされた場合、図29(B)に示すように、演出制御用CPU120は、まず、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、演出用可動部材32が下降動作する。次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が上昇動作する。その後、演出制御用CPU120は、20パルス分の正極性のパルス、10パルス分の負極性のパルス、20パルス分の正極性のパルス、10パルス分の負極性のパルス、20パルス分の正極性のパルス、10パルス分の負極性のパルス、20パルス分の正極性のパルスを順次出力する。このようなパルスがステッピングモータ33に順次入力されることにより、ステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転、10ステップ分逆回転、20ステップ分正回転、10ステップ分逆回転、20ステップ分正回転、10ステップ分逆回転、20ステップ分正回転して、演出用可動部材32が下降動作、上昇動作、下降動作、上昇動作、下降動作、上昇動作、下降動作する。
図30は、ステッピングモータにより駆動される演出用可動部材の動作の一例を示す図である。図29(A)に示すような第1態様の演出制御パターンが使用パターンとしてセットされた場合、演出用可動部材32は、ステッピングモータ33により駆動されて、20ステップ分の下降動作、10ステップ分の上昇動作、20ステップ分の下降動作、10ステップ分の上昇動作、20ステップ分の下降動作を順に行うように制御される。
一方、図29(B)に示すような第2態様(高期待度)の演出制御パターンが使用パターンとしてセットされた場合、演出用可動部材32は、ステッピングモータ33により駆動されて、20ステップ分の下降動作、10ステップ分の上昇動作、20ステップ分の下降動作、10ステップ分の上昇動作、20ステップ分の下降動作、10ステップ分の上昇動作、20ステップ分の下降動作、10ステップ分の上昇動作、20ステップ分の下降動作を順に行うように制御される。
このように、第1態様の予告演出制御パターンと、第2態様(高信頼度)の予告演出制御パターンとでは、演出用可動部材32が下降動作と上昇動作とを繰り返す回数が異なる。この実施の形態では、第2態様(高信頼度)の予告演出制御パターンは、第1態様の予告演出制御パターンよりも、演出用可動部材32が下降動作と上昇動作とを繰り返す回数が多い。このような構成を採用することにより、本実施の形態では、演出用可動部材32が下降動作と上昇動作とを繰り返す回数を以て、遊技者が大当り信頼度を認識することができる。
また、演出制御用CPU120は、ステップS433の予告演出選択処理により選択された演出態様等に基づいて、演出用可動部材32を退避位置P1まで戻すための制御パターンとして複数用意された退避制御パターンのいずれかを、使用パターンとしてセットする。
図31は、演出用可動部材32の退避制御パターンの一例を示す図である。第1態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後である場合、演出制御用CPU120は、図31(A)に示すように、まず、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間が13msとなる周波数で、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に対して入力されることにより、退避制御の開始時から130msの時間が経過するまでの間にステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が上昇動作する。その後、演出制御用CPU120は、単位駆動時間が10msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が7msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が4msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルスを順次出力する。このようなパルスがステッピングモータ33に順次入力されることにより、ステッピングモータ33の回転軸が10ステップ毎に回転速度を増して回転し、演出用可動部材32は、段階的に上昇速度が増すように上昇動作する。
一方、第2態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後である場合、演出制御用CPU120は、図31(B)に示すように、まず、単位駆動時間が9msとなる周波数で、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に対して入力されることにより、退避制御の開始時から90msの時間が経過するまでの間にステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が上昇動作する。その後、演出制御用CPU120は、単位駆動時間が8msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が7msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が6msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が5msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が4msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルスを順次出力する。このようなパルスがステッピングモータ33に順次入力されることにより、ステッピングモータ33の回転軸が10ステップ毎に回転速度を増して回転し、演出用可動部材32は、段階的に上昇速度が増すように上昇動作する。
このように、この実施の形態では、第1態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後の退避制御の開始時の単位駆動時間t1と、第2態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後の退避制御の開始時の単位駆動時間t2とが異なっている。具体的には、単位駆動時間t1よりも単位駆動時間t2の方が短い時間となっている。
これは、第1態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後の演出用可動部材32の停止位置TP1と、第2態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後の演出用可動部材32の停止位置TP2とが異なっていることに起因する。具体的には、停止位置TP1は退避位置P1よりも40ステップ分下降した位置であるのに対し、停止位置TP2は退避位置P1よりも60ステップ分下降した位置であり、退避位置TP2は退避位置P1よりも20ステップ分下方に位置している。
また、上述したように、演出用可動部材32は、バネ54によって退避位置P1側へ付勢されている。したがって、演出用可動部材32が停止位置P2にあるときには停止位置P1にあるときよりも大きい付勢力が、演出用可動部材32に対して作用する。そのため、この実施の形態では、演出用可動部材32が停止位置P2にあるときには停止位置P1にあるときよりも退避制御の開始時のトルクが小さくなるように、ステッピングモータ33の駆動速度を制御する。ここで、ステッピングモータ33では、パルス周波数が高くなるにつれてトルクが小さくなる。また、ステッピングモータ33では、パルス周波数が高くなるにつれて回転速度が速くなる。即ち、ステッピングモータ33では、回転速度が速くなるにつれて、トルクが小さくなる。
したがって、この実施の形態では、第2態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後に演出用可動部材32が停止位置TP2にあるときには、第1態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後に演出用可動部材32が停止位置TP1にあるときよりも、退避制御の開始時のステッピングモータ33の回転速度を速くしてトルクが小さくなるように、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間を短くしている。
換言すれば、この実施の形態では、第1態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後に演出用可動部材32が停止位置TP1にあるときには、第2態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後に演出用可動部材32が停止位置TP2にあるときよりも、退避制御の開始時のステッピングモータ33の回転速度を遅くしてトルクが大きくなるように、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間を長くしている。
このような退避制御を行うことなく、例えば、演出用可動部材32が停止位置TP1にあるときに、停止位置TP2にあるときと同じ初速でステッピングモータ33を回転させようとすると、停止位置TP2にあるときよりもバネ54による付勢力が弱く高負荷であることから、入力パルス信号とモータ回転との同期が失われてステッピングモータ33が脱調してしまい、演出用可動部材32を正常に動作させることができない可能性がある。
これに対し、この実施の形態では、上述したように、演出用可動部材32の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御しているので、ステッピングモータ33の脱調を防止することができ、予告演出後の演出用可動部材32の位置にかかわらず、演出用可動部材32を正常に動作させることができる。
また、この実施の形態では、上述したように、演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に小さくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御可能であり、演出用可動部材32の制御開始時の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるように演出用可動部材32を制御すると共に、制御終了時には所定の大きさの力が加わるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御しているので、演出用可動部材32の最終的な動作を共通の態様とすることができる。
ステップS433の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS434)。そして、画像表示装置5の画面上における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う(ステップS435)。このときには、例えばステップS433にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること等により、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。また、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を更新するための設定を行う(ステップS436)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去すると共に、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS437)、可変表示開始設定処理を終了する。
図32は、図26のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値等に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS461)。一例として、ステップS461の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたとき等に、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS461にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS461;NO)、次に予告演出を実行するための予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS462)。予告演出実行期間は、例えば変動パターンに対応して使用パターンに決定された特図変動時演出制御パターン等により、予め定められていればよい。ステップS462にて予告演出実行期間であるときには(ステップS462;YES)、ステップS432の予告演出選択処理で選択された予告演出を、該選択結果に応じてステップS433で決定された予告演出制御パターンに基づいて実行するための演出動作制御を行う(ステップS463)。
図33は、図32のステップS463にて実行される予告演出動作制御処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す予告演出動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、予告演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS271)。予告演出実行中フラグは、後述するステップS276の処理にて、予告演出の実行が開始されたことに対応してオン状態にセットされる。即ち、予告演出実行中フラグは、オンである場合に予告演出の実行中であることを示す。
ステップS271にて予告演出実行中フラグがオフであるとき(ステップS271;NO)、即ち、予告演出が実行されていないときには、画像予告演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS272)。画像予告演出実行中フラグは、後述するステップS282の処理にて、演出用可動部材32を模した画像による画像予告演出の実行が開始されたことに対応してオン状態にセットされる。即ち、画像予告演出実行中フラグは、オンである場合に画像予告演出の実行中であることを示す。
ステップS272にて画像予告演出実行中フラグがオフであるとき(ステップS272;NO)、即ち、画像予告演出が実行されていないときには、演出用可動部材32が退避位置P1にあるか否かを判定する(ステップS273)。例えば、ステップS273の処理では、可動部材検出センサ55からの検出信号に基づき、演出用可動部材32が退避位置P1にあるか否かを判定する。
ステップS271にて予告演出実行中フラグがオンであるとき(ステップS271;YES)、即ち、予告演出が実行されているとき、又はステップS273にて演出用可動部材32が退避位置P1にあるときには(ステップS273;YES)、図27のステップS432の予告演出選択処理で選択された予告演出を、該選択結果に応じて図27のステップS433で決定された予告演出制御パターンに基づいて実行するための演出動作制御を行う(ステップS274)。一例として、ステップS274の処理では、演出制御プロセスタイマ値に基づいて、予告演出制御パターンに対応した指令を作成して、ステッピングモータ33に対して伝送させればよい。例えば、図29に示すように、ステッピングモータ33に対して伝送させるパルスが、パルスの伝送を開始し始めてからいくつめのパルスであるかに応じて、正極性のパルス、又は負極性のパルスを作成して、ステッピングモータ33に対して伝送させればよい。このようにして、ステッピングモータ33に正極性のパルスが入力された場合、ステッピングモータ33の回転軸が正回転して、演出用可動部材32が下降動作する。一方、ステッピングモータ33に負極性のパルスが入力された場合、ステッピングモータ33の回転軸が逆回転して、演出用可動部材32が上昇動作する。
ステップS274の処理を実行した後には、予告演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS275)。ステップS275にて予告演出実行中フラグがオフであるときには(ステップS275;NO)、予告演出実行中フラグをオン状態にセットする(ステップS276)。
ステップS275にて予告演出実行中フラグがオンであるとき(ステップS275;YES)、又はステップS276の処理を実行した後には、予告演出制御パターンに基づく演出動作制御が終了したか否かを判定する(ステップS277)。一例として、ステップS277の処理では、図29に示すように、第1態様の予告演出制御パターンに基づく演出動作制御を行っている場合には、80パルス伝送していれば演出動作制御が終了したと判定し、第2態様(高信頼度)の予告演出制御パターンに基づく演出動作制御を行っている場合には、140パルス伝送していれば演出動作制御が終了したと判定するようにすればよい。
ステップS277にて予告演出制御パターンに基づく演出動作制御が終了していない場合には(ステップS277;NO)、予告演出動作制御処理を終了する。このようにして、次のタイマ割込みが発生したときには、ステップS271の処理にて予告演出実行中フラグがオンであることから、ステップS274にて、演出制御プロセスタイマ値に基づく予告演出制御パターンに対応した予告演出が引き続き実行される。
ステップS277にて予告演出制御パターンに基づく演出動作制御が終了している場合には(ステップS277;YES)、予告演出実行中フラグをクリアして(ステップS278)、演出用可動部材32を退避位置P1まで戻すように制御して(ステップS279)、予告演出動作制御処理を終了する。一例として、ステップS279の処理では、演出制御プロセスタイマ値に基づいて、退避制御パターンに対応した指令を作成して、ステッピングモータ33に対して伝送させればよい。例えば、図31に示すように、ステッピングモータ33に対して伝送させるパルスが、パルスの伝送を開始し始めてからいくつめのパルスであるかに応じて、異なる周波数で負極性のパルスを作成して、ステッピングモータ33に対して伝送させればよい。このようにして、ステッピングモータ33の回転軸が段階的に回転速度を増して回転し、演出用可動部材32は、段階的に上昇速度が増すように上昇動作する。
ステップS272にて画像予告演出実行中フラグがオンであるとき(ステップS272;YES)、即ち、画像予告演出が実行されているとき、又はステップS273にて演出用可動部材32が退避位置P1にないときには(ステップS273;NO)、演出用可動部材32を駆動することなく、画像表示装置5の画面上にて、演出用可動部材32を模した画像による画像予告演出を実行する(ステップS280)。一例として、ステップS280の処理では、あたかも、図27のステップS432の予告演出選択処理で選択された予告演出を、該選択結果に応じて図27のステップS433で決定された予告演出制御パターンに基づいて実行しているかのように、演出用可動部材32を模した画像を画像表示装置5の画面上に表示させる。例えば、演出用可動部材32を下降動作させるべきタイミングであるときには、画像表示装置5の画面上にて、演出用可動部材32を模した画像を、演出用可動部材32がステッピングモータ33により駆動されて20ステップ分下降するときの移動量と同じ移動量だけ下降させるように表示する。同様に、演出用可動部材32を上昇動作させるべきタイミングであるときには、画像表示装置5の画面上にて、演出用可動部材32を模した画像を、演出用可動部材32がステッピングモータ33により駆動されて10ステップ分上昇するときの移動量と同じ移動量だけ下降させるように表示する。その際、画像表示装置5の画面上において、演出用可動部材32を模した画像が表示される位置は、退避位置P1を開始位置として演出用可動部材32が予告演出制御パターンに従って駆動されるときの位置と同じ位置になるようにすればよい。このようにして、演出用可動部材32が退避位置P1にないことに伴い演出用可動部材32による予告演出を実行しない場合にも、画像表示装置5の画面上に表示される演出用可動部材32を模した画像による画像予告演出を実行することにより、演出用可動部材32による予告演出と同様に、大当りとなる可能性があることを予告することができる。
ステップS280の処理を実行した後には、画像予告演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS281)。ステップS275にて画像予告演出実行中フラグがオフであるときには(ステップS281;NO)、画像予告演出実行中フラグをオン状態にセットする(ステップS282)。
ステップS281にて画像予告演出実行中フラグがオンであるとき(ステップS281;YES)、又はステップS282の処理を実行した後には、画像予告演出が終了したか否かを判定する(ステップS283)。
ステップS283にて画像予告演出が終了していない場合には(ステップS283;NO)、予告演出動作制御処理を終了する。このようにして、次のタイマ割込みが発生したときには、ステップS271の処理にて予告演出実行中フラグがオフであり、ステップS272の処理にて画像予告演出実行中フラグがオンであることから、ステップS280にて、演出用可動部材32を模した画像による画像予告演出が引き続き実行される。
ステップS283にて画像予告演出が終了している場合には(ステップS283;YES)、画像予告演出実行中フラグをクリアして(ステップS284)、演出用可動部材32を退避位置P1まで戻すように制御して(ステップS285)、予告演出動作制御処理を終了する。ステップS285の処理では、ステップS273の処理にて演出用可動部材32が退避位置P1にないと判定されていることから、演出用可動部材32の位置を特定することができない。また、上述したように、演出用可動部材32の位置を考慮せずに、演出用可動部材32の位置に見合わない力を演出用可動部材32に加えてしまうと、ステッピングモータ33が脱調してしまい、演出用可動部材32を正常に動作させることができない可能性がある。そこで、ステップS285の処理では、例えば、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間を可能な限り長くすることにより、演出用可動部材32を動作させるために加える力が最大の力となるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御する。このような制御によれば、演出用可動部材32の位置を特定することができなくても、ステッピングモータ33の脱調を防止して、演出用可動部材32を正常に動作させることができる。
図32に戻り、ステップS462にて予告演出実行期間ではないとき(ステップS462;NO)、あるいはステップS463の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定等に基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS464)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS461にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS461;YES)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS465)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS465;NO)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS465にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS465;YES)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄を導出させるように表示するための制御を行う(ステップS466)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS467)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS468)、可変表示中演出処理を終了する。
図34は、第1態様の予告演出時に駆動される演出用可動部材の動作例を示す。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、図27に示す可変表示開始設定処理におけるステップS432の処理にて、演出態様が第1態様の予告演出を実行することが決定されると、図27に示す可変表示開始設定処理におけるステップS433の処理にて、第1態様の演出態様に対応する予告演出制御パターンとして、図29(A)に示すような予告演出制御パターンが使用パターンとしてセットされる。
第1態様に対応する予告演出制御パターンが使用パターンとしてセットされて、図34(A)に示すように画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動が開始されると、図32に示す可変表示中演出処理におけるステップS463の処理にて、第1態様に対応する予告演出制御パターンに基づいて、演出用可動部材32による予告演出が実行される。
例えば図29(A)に示す第1態様に対応する予告演出制御パターンに基づく予告演出の実行を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図34(B)に示すように、演出用可動部材32が退避位置P1から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、図34(C)に示すように、演出用可動部材32が図34(B)に示す位置から10ステップ分の移動量だけ上昇するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図34(D)に示すように、演出用可動部材32が図34(C)に示す位置から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、図34(E)に示すように、演出用可動部材32が図34(D)に示す位置から10ステップ分の移動量だけ上昇するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図34(F)に示すように、演出用可動部材32が図34(E)に示す位置から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
このように、第1態様に対応する予告演出制御パターンに基づいて、演出用可動部材32による予告演出が実行され、演出用可動部材32が図34(B)〜(F)に示すように駆動されて、稲妻を模した演出用可動部材32が、雲を模した形状の構造物61の陰から現れ、下降動作と上昇動作とを繰り返しながら、退避位置P1から特定位置P2側へ徐々に下降することにより、落雷のような予告演出が実行される。
そして、第1態様に対応する予告演出制御パターンに基づく制御を終えると、演出制御用CPU120は、図33に示す予告演出動作制御処理におけるステップS279の処理にて、演出用可動部材32を退避位置P1まで戻すように制御する。このように演出用可動部材32が退避位置P1まで戻された後、図32に示す可変表示中演出処理におけるステップS466の処理にて、図34(G)に示すように、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄が導出される。
図35及び図36は、第2態様(高信頼度)の予告演出時に駆動される演出用可動部材の動作例を示す。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、図27に示す可変表示開始設定処理におけるステップS432の処理にて、演出態様が第2態様(高信頼度)の予告演出を実行することが決定されると、図27に示す可変表示開始設定処理におけるステップS433の処理にて、第2態様(高信頼度)の演出態様に対応する予告演出制御パターンとして、図29(B)に示すような予告演出制御パターンが使用パターンとしてセットされる。
第2態様(高信頼度)に対応する予告演出制御パターンが使用パターンとしてセットされて、図35(A)に示すように画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動が開始されると、図32に示す可変表示中演出処理におけるステップS463の処理にて、第2態様(高信頼度)に対応する予告演出制御パターンに基づいて、演出用可動部材32による予告演出が実行される。
例えば図29(A)に示す第2態様(高信頼度)に対応する予告演出制御パターンに基づく予告演出の実行を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図35(B)に示すように、演出用可動部材32が退避位置P1から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、図35(C)に示すように、演出用可動部材32が図35(B)に示す位置から10ステップ分の移動量だけ上昇するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図35(D)に示すように、演出用可動部材32が図35(C)に示す位置から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、図35(E)に示すように、演出用可動部材32が図35(D)に示す位置から10ステップ分の移動量だけ上昇するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図35(F)に示すように、演出用可動部材32が図35(E)に示す位置から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、図36(G)に示すように、演出用可動部材32が図35(F)に示す位置から10ステップ分の移動量だけ上昇するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図36(H)に示すように、演出用可動部材32が図36(G)に示す位置から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、図36(I)に示すように、演出用可動部材32が図36(H)に示す位置から10ステップ分の移動量だけ上昇するように駆動される。
次いで、演出制御用CPU120は、ステッピングモータ33に対して正極性のパルスを20パルス出力する。このような正極性のパルスがステッピングモータ33に入力されることにより、例えばステッピングモータ33の回転軸が20ステップ分正回転して、図36(J)に示すように、演出用可動部材32が図36(I)に示す位置から20ステップ分の移動量だけ下降するように駆動される。
このように、第2態様(高信頼度)に対応する予告演出制御パターンに基づいて、演出用可動部材32による予告演出が実行され、演出用可動部材32が図35(B)〜図36(J)に示すように駆動されて、稲妻を模した演出用可動部材32が、雲を模した形状の構造物61の陰から現れ、下降動作と上昇動作とを繰り返しながら、退避位置P1から特定位置P2側へ徐々に下降することにより、落雷のような予告演出が実行される。
そして、第2態様(高信頼度)に対応する予告演出制御パターンに基づく制御を終えると、演出制御用CPU120は、図33に示す予告演出動作制御処理におけるステップS279の処理にて、演出用可動部材32を退避位置P1まで戻すように制御する。このように演出用可動部材32が退避位置P1まで戻された後、図32に示す可変表示中演出処理におけるステップS466の処理にて、図36(K)に示すように、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄が導出される。
ここで、この実施の形態では、図28に示すように、第2態様(高信頼度)の予告演出は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも「非確変大当り」や「確変大当り」となる場合の方が実行され易くなっており、可変表示結果が「非確変大当り」となる場合よりも「確変大当り」となる場合の方が実行され易くなっている。したがって、第2態様(高信頼度)の予告演出が実行されることにより、可変表示結果が「確変大当り」又は「非確変大当り」となることへの遊技者の期待を煽ることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に小さくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御可能であり、演出用可動部材32の制御開始時の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるように演出用可動部材32を制御すると共に、制御終了時には所定の大きさの力が加わるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御する退避制御を実行した。しかしながら、これに限らず、演出用可動部材32の退避制御は、演出用可動部材32の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御するものであれば、上記実施の形態とは異なる制御を行うようにしてもよい。
図37は、演出用可動部材32の退避制御パターンの変形例を示す図である。この変形例では、第1態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後である場合、演出制御用CPU120は、図37(A)に示すように、まず、単位駆動時間が13msとなる周波数で、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを10パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に対して入力されることにより、退避制御の開始時から130msの時間が経過するまでの間にステッピングモータ33の回転軸が10ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が上昇動作する。その後、演出制御用CPU120は、単位駆動時間が8msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が6msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が4msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルスを順次出力する。このようなパルスがステッピングモータ33に順次入力されることにより、ステッピングモータ33の回転軸が10ステップ毎に回転速度を増して回転し、演出用可動部材32は、段階的に上昇速度が増すように上昇動作する。
一方、第2態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後である場合、演出制御用CPU120は、図37(B)に示すように、まず、単位駆動時間が9msとなる周波数で、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを30パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に対して入力されることにより、退避制御の開始時から270msの時間が経過するまでの間にステッピングモータ33の回転軸が30ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が上昇動作する。その後、演出制御用CPU120は、単位駆動時間が8msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が6msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルス、単位駆動時間が4msとなる周波数で10パルス分の負極性のパルスを順次出力する。このようなパルスがステッピングモータ33に順次入力されることにより、制御開始時から31ステップ目以降は、ステッピングモータ33の回転軸が10ステップ毎に回転速度を増して回転し、演出用可動部材32は、段階的に上昇速度が増すように上昇動作する。
このように、この変形例では、演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に小さくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御可能であり、演出用可動部材32の制御開始時の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が制御開始時にのみ異なるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御しているので、簡易な制御方法を採用しつつ、ステッピングモータ33の脱調を防止して、演出用可動部材32を正常に動作させることができる。
図38は、演出用可動部材32の退避制御パターンの他の変形例を示す図である。この変形例では、第1態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後である場合、演出制御用CPU120は、図38(A)に示すように、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間が13msとなる周波数で、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを40パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に対して入力されることにより、退避制御の開始時から520msの時間が経過するまでの間にステッピングモータ33の回転軸が40ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が退避位置P1まで一定の速度v1で上昇動作する。
一方、第2態様の演出制御パターンにより予告演出が実行された後である場合、演出制御用CPU120は、図38(B)に示すように、まず、単位駆動時間が9msとなる周波数で、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを60パルス出力する。このような負極性のパルスがステッピングモータ33に対して入力されることにより、退避制御の開始時から540msの時間が経過するまでの間にステッピングモータ33の回転軸が60ステップ分逆回転して、演出用可動部材32が退避位置P1まで速度v1よりも速い一定の速度v2で上昇動作する。
このように、この変形例では、演出用可動部材32の退避制御の開始時の位置に応じた力が演出用可動部材32を動作させるために常に加わるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御しているので、簡易な制御方法を採用しつつ、ステッピングモータ33の脱調を防止して、演出用可動部材32を正常に動作させることができる。
図39は、演出用可動部材32の退避制御パターンの更に他の変形例を示す図である。この変形例では、いずれの態様の予告演出が実行されたかにかかわらず、退避制御の開始時から終了時までの演出用可動部材32の各位置に応じて、演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御する。例えば、退避位置P1までの距離が60〜50ステップ分の位置にあれば、単位駆動時間が11msとなる周波数で、ステッピングモータ33に対して負極性のパルスを出力することになる。また、退避位置P1までの距離が短くなるにつれて、単位駆動時間が段階的に長くなるような設定となっている。この変形例のような制御方法を採用することにより、いずれの態様の予告演出が実行されたかにかかわらず、退避制御パターンを決定するためのテーブルを共通のものとすることができ、退避制御を行うために必要なデータ量を削減しつつ、ステッピングモータ33の脱調を防止して、演出用可動部材32を正常に動作させることができる。
上記実施の形態や変形例では、演出用可動部材32の退避制御は、演出用可動部材32の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御するのに、演出用可動部材32の位置に応じて単位駆動時間を異ならせている。しかしながら、これに限らず、演出用可動部材32の位置に応じてステッピングモータ33に流れる電流を変化させることにより、演出用可動部材32の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるようにしてもよい。
上記実施の形態や変形例では、演出用可動部材32がバネ54によって退避位置P1側へ付勢されていることにより、演出用可動部材32の位置に応じて異なる付勢力が演出用可動部材32に対して作用する。しかしながら、これに限らず、演出用可動部材32は、位置に応じて異なる大きさの外力が加わるように設けられていればよく、例えば、位置に応じて異なる傾斜の斜面を有する構造物の斜面上を演出用可動部材が移動するようなもので、重力を分解したときの斜面と水平方向の成分の大きさが、斜面上の位置に応じて異なるようなものであってもよい。
上記実施の形態では、予告演出の動作制御開始時に演出用可動部材32が退避位置P1にないと判定された場合に、例えば、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間を可能な限り長くすることにより、演出用可動部材32を動作させるために加える力が最大の力となるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御する。しかしながら、これに限らず、例えば、電源断からの復帰後に演出用可動部材32の位置を特定することができないような場合にも、同様の制御を行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、予告演出動作制御処理におけるステップS273の処理にて演出用可動部材32が退避位置P1にあるか否かを判定する。しかしながら、これに限定されず、特定の条件を満たした場合に、演出用可動部材32が退避位置P1にあるか否かをチェックするようにしてもよい。特定の条件としては、例えば、所定時間が経過したとき、所定回数の可変表示が実行されとき、所定の演出が終了したとき、通常状態や確変状態といった遊技状態が遷移したとき、演出モードが変化したとき等が挙げられる。そして、演出用可動部材32が退避位置P1になければ、上記実施の形態と同様に、例えば、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間を可能な限り長くすることにより、演出用可動部材32を動作させるために加える力が最大の力となるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御すればよい。これにより、演出用可動部材32が退避位置P1にない場合でも、予告演出の実行を待たずして、演出用可動部材32を退避位置P1に退避させることができる。
上記実施の形態では、演出用可動部材32が上下方向に移動する。しかしながら、これに限らず、演出用可動部材32が左右方向に移動する形態や、斜め方向に移動する形態としてもよい。これにより、演出用可動部材32を用いた演出による遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に小さくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を徐々に上げる。しかしながら、これに限定されず、演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に小さくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を徐々に上げた後、退避位置P1に近づくにつれて演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に大きくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を徐々に下げるようにしてもよい。これにより、演出用可動部材32が退避位置P1にて停止するときにかかる衝撃を抑制することができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返すことによる特定演出として、当該保留消化開始時に大当り遊技状態となる可能性を予告する予告演出を実行した。しかしながら、これに限らず、特定演出は、保留先読み予告演出、擬似連続予告演出、大当り確定時の決めの演出、大当り中の演出、デモ表示中の演出、常に賑やかしで動くような演出等、その他の演出であってもよい。このように、特定演出を様々な演出に適用可能とすることにより、遊技機の演出効果を向上させることができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返すことによる特定演出として、当該保留消化開始時に大当り遊技状態となる可能性を予告する予告演出を実行するための専用のものとした。しかしながら、これに限らず、可動部材を、保留先読み予告演出、擬似連続予告演出、大当り確定時の決めの演出、大当り中の演出、デモ表示中の演出、常に賑やかしで動くような演出等、複数種類の特定演出を実行するために用いてもよい。このように、複数種類の特定演出を実行するために可動部材を用いることにより、遊技機の演出効果を向上させることができる。
上記実施の形態では、可動部材の移動速度については特に言及しなかった。しかしながら、可動部材は、複数段階の移動速度のうち、いずれかの速度で移動するようにしてもよい。このように、可動部材の移動速度を選択可能とすることで、例えば、可変表示時間に応じて可動部材の移動速度を選択するようにして、可変表示時間内に特定演出を実行することができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材が、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返す回数によって、期待度が異なった。しかしながら、これに限定されず、可動部材が第1動作と第2動作とを繰り返す回数がいずれも同じで、可動部材の移動速度等のその他の演出態様によって、期待度が異なるようにしてもよい。このように、可動部材の移動速度等のその他の演出態様によって、期待度が異なるようにしても、可動部材の第1動作と第2動作とが繰り返されることに、より注目させることができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返すことによる特定演出を実行するに際に、可動部材が所定位置にあるか否かを判定し、可動部材が所定位置にない場合、可動部材を所定位置まで戻した。しかしながら、これに限定されず、例えば、画像表示装置におけるデモ画面表示を指示するコマンドを受信した際に、可動部材が所定位置にあるか否かを判定し、可動部材が所定位置にない場合、可動部材を所定位置まで戻す等、その他のタイミングを契機として可動部材が所定位置にあるか否かを判定し、可動部材が所定位置にない場合には可動部材を所定位置まで戻すようにしてもよい。このように、様々なタイミングを契機として可動部材が所定位置にあるか否かを判定し、可動部材が所定位置にない場合には可動部材を所定位置まで戻すようにすることにより、可動部材が所定位置にないことに起因して特定演出が実行されなくなる可能性を低減させることができる。
上記実施の形態では、可動部材検出センサによって可動部材の駆動機構を構成する部品の一部が検出されたときの可動部材の位置を、所定位置とした。しかしながら、これに限定されず、可動部材検出センサによって可動部材の駆動機構を構成する部品の一部が検出された後に、可動部材を特定位置側から所定位置側へ更に移動させて、可動部材検出センサによって可動部材の駆動機構を構成する部品の一部が検出されなくなったときの可動部材の位置を、所定位置としてもよい。このように、所定位置を適宜設定可能とすることによって、可動部材検出センサの位置や、可動部材の駆動機構の構造や配置等の自由度を高めることができる。
上記実施の形態では、第1態様の予告演出制御パターンとして、第1動作、第2動作、第1動作、第2動作、第1動作と繰り返される制御パターンを設定し、第2態様の予告演出制御パターンとして、第1動作、第2動作、第1動作、第2動作、第1動作、第2動作、第1動作、第2動作、第1動作と繰り返される制御パターンを設定した。しかしながら、これに限定されず、1回分の第1動作と1回分の第2動作とから成る予告演出制御パターンを設定し、各演出態様にて、このような予告演出制御パターンを繰り返す回数を設定するようにしてもよい。このように、1回分の第1動作と1回分の第2動作とから成る予告演出制御パターンを設定し、各演出態様にて、このような予告演出制御パターンを繰り返す回数を設定することにより、予告演出制御パターンとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材が、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返す回数によって、大当り遊技状態となる期待度が異なった。しかしながら、これに限定されず、可動部材が第1動作と第2動作とを繰り返す回数によって、擬似連続予告演出等の他の演出が実行される期待度や、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となる期待度等、その他の期待度が異なるようにしてもよい。このように、可動部材が第1動作と第2動作とを繰り返す回数によって様々な期待度が異なるようにすることによっても、可動部材の第1動作と第2動作とが繰り返されることに、より注目させることができる。
上記実施の形態では、第2態様(高信頼度)の特定演出は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも「非確変大当り」や「確変大当り」となる場合の方が実行され易くなっており、可変表示結果が「非確変大当り」となる場合よりも「確変大当り」となる場合の方が実行され易くなっていた。しかしながら、これに限定されず、例えば、第2態様(高信頼度)の特定演出は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される場合よりも、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となる場合の方が実行され易い等、各態様の特定演出が実行される割合が他の様々な要因に応じて設定可能である。このように、各態様の特定演出が実行される割合が他の様々な要因に応じて設定可能とすることにより、特定演出が実行されるか否かに、より注目させることができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作における駆動量は常に一定で、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作における駆動量も常に一定であった。しかしながら、これに限定されず、第1動作における駆動量、第2動作における駆動量は、それぞれ変化してもよい。その場合にも、第1動作の後の第2動作では、第1動作よりも少ない駆動量により可動部材を駆動させるようにする。このように、第1動作における駆動量、第2動作における駆動量が、それぞれ変化することにより、可動部材の動作パターンが単調にならないようにすることができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返すことにより特定演出が実行されるときの他の演出用の電気部品による演出動作については特に言及しなかった。しかしながら、例えば、稲妻を模した可動部材が、雲を模した形状の構造物の陰から現れ、下降動作と上昇動作とを繰り返しながら、所定位置から特定位置側へ徐々に下降することにより、落雷のような特定演出が実行されるときに、画像表示装置5の画面上に雨が降っているような演出画像を表示し、スピーカ8L、8Rから雷雨が起こっているときのような音を出力し、可動部材の正面に設けられたLEDを点灯させる等、特定演出と連動した演出を、他の演出用の電気部品により実行してもよい。このように、特定演出と連動した演出を、他の演出用の電気部品により実行することにより、特定演出の演出効果を向上させることができる。
上記実施の形態では、画像表示装置の画面上における演出画像の表示動作と、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返すことにより実行される特定演出との関係については特に言及しなかった。しかしながら、例えば、画像表示装置の画面上におけるリーチ演出、予告演出、大当り演出等の演出画像の表示動作に連動させて特定演出を実行するようにしてもよい。このように、画像表示装置の画面上における演出画像の表示動作に連動させて特定演出を実行することにより、画像表示装置の画面上における演出画像の表示動作の演出効果を向上させることができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返すことによる特定演出を実行しようとしたときに、所定位置に可動部材がない場合には、可動部材を駆動せずに、画像表示装置の画面上にて可動部材を模した画像による演出を実行した。しかしながら、例えば、特定演出を実行しようとしたときに、所定位置に可動部材があり実際に可動部材を駆動する場合にも、画像表示装置の画面上にて可動部材を模した画像による演出を実行するようにしてもよい。このように、実際に可動部材を駆動する場合にも、画像表示装置の画面上にて可動部材を模した画像による演出を実行することにより、例えば可動部材を駆動している最中に、トラブルが生じて可動部材を駆動することができなくなったとしても、特定演出と同様の演出効果を継続させることができる。
上記実施の形態では、可動部材が、所定位置と、所定位置の真下方向にある特定位置との間を移動可能であった。しかしながら、可動部材は、所定位置と、所定位置の真上方向や左右方向、斜め方向にある特定位置との間を移動可能としてもよい。このように、可動部材が、所定値と、所定位置を起点として様々な方向に移動可能とすることにより、可動部材の動きが単調にならないようにすることができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、付勢手段としてのバネにより所定位置側に付勢した。しかしながら、可動部材を付勢する付勢手段は、ゴム等の弾性体であってもよい。このように、付勢手段として、様々な弾性体を採用可能とすることにより、可動部材の重量等に応じて、可動部材を付勢する力を、適宜調整することができる。
上記実施の形態では、駆動手段によって駆動されることにより、所定位置と特定位置との間を移動可能な可動部材を、所定位置側から特定位置側へ移動させる第1動作と、特定位置側から所定位置側へ移動させる第2動作とを繰り返すことによる特定演出が、「左」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5Rにて確定飾り図柄が停止表示される期間に実行された。しかしながら、特定演出は、いずれの飾り図柄表示エリアにおいても確定飾り図柄が停止表示されていない期間に実行されるようにしてもよい。このように、いずれの飾り図柄表示エリアにおいても確定飾り図柄が停止表示されていない期間に特定演出を実行することにより、飾り図柄の変動に対しても、より注目させることができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理等を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間、及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、スロットマシン等の他の遊技機にも適用することができる。
上記の実施の形態において、「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%や100%にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%や100%となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか一の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、一の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果となる割合が0%となることが含まれてもよい。一の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、一の決定結果とする割合が100%以外でも0%でもない所定割合であれば、一の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別に「確変」が含まれており、大当り種別の決定結果が「確変」であることに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口に入賞した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞球装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光した状態を維持すること、あるいは、消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部又は全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示と非表示とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号等を含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。
また、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、主基板11に乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、始動入賞時に主基板11において抽出された乱数値に基づき、主基板11が乱数値の判定用テーブルを参照し、乱数値の判定処理を実行し、演出制御基板12は、主基板11において判定された判定結果を受信して、受信した判定結果に基づき先読予告演出を実行する例を示したが、先読予告演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板12に上記乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、演出制御基板12は、主基板11において抽出された乱数値そのものを主基板11から受信し、受信した乱数値に基づき乱数値の判定用テーブルを参照して乱数値の判定処理を実行し、判定処理の判定結果に基づき先読予告演出を実行するようにしてもよい。即ち、乱数値の判定処理を演出制御基板12において行ってもよい。また、乱数値の判定処理を主基板11と演出制御基板12の両方で行ってもよい。例えば、演出制御基板12は、一部の乱数値を受信して乱数値の判定処理を実行するとともに、主基板11において判定された判定結果を受信してもよい。具体的には、例えば、演出制御基板12は、乱数値を受信して大当りとなるか否かの判定及び大当りである場合は大当りの種別の判定を実行すると共に、乱数値に基づき主基板11で判定された変動パターン種別の判定結果を受信するようにしてもよい。即ち、演出制御基板12は、自ら判定した判定結果と主基板11で判定された判定結果に基づき先読予告演出を実行することができる。
また、上記実施の形態では、演出制御基板12の側で、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばシリアル通信の先頭ビットによる割込み要求を以て、演出制御コマンドを受信するための割込みが発生するものとしてもよい。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機1等)であって、駆動手段(例えばステッピングモータ33等)により駆動される可動部材(例えば演出用可動部材32等)と、前記駆動手段の駆動速度を制御する制御手段(例えば演出制御用CPU120等)とを備え、前記可動部材は、当該可動部材の位置に応じて異なる大きさの外力が加わるように設けられており(例えば演出用可動部材32が停止位置P2にあるときには停止位置P1にあるときよりも大きい付勢力が、演出用可動部材32に対して作用すること等)、前記制御手段は、前記可動部材の位置に応じて前記可動部材を動作させるために加える力が異なるように前記駆動手段の駆動速度を制御する(例えば図31に示す実施の形態や、図37〜図39に示す変形例のように、演出用可動部材32の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるようにステッピングモータ33を制御すること等)ことを特徴とする。
このような構成によれば、可動部材の位置にかかわらず、可動部材を正常に動作させることができる。
前記制御手段は、前記可動部材を動作させるために加える力が徐々に小さくなるように前記駆動手段の駆動速度を制御可能であり、前記可動部材の制御開始時の位置に応じて前記可動部材を動作させるために加える力が制御開始時にのみ異なるように前記駆動手段の駆動速度を制御する(例えば図37に示す変形例のように、演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に小さくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御可能であり、演出用可動部材32の制御開始時の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が制御開始時にのみ異なるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御すること等)、としてもよい。
このような構成によれば、簡易な制御により可動部材を正常に動作させることができる。
前記制御手段は、前記可動部材を動作させるために加える力が徐々に小さくなるように前記駆動手段の駆動速度を制御可能であり、前記可動部材の位置に応じて前記可動部材を動作させるために加える力が異なるように前記駆動手段の駆動速度を制御すると共に、制御終了時には所定の大きさの力が加わるように前記駆動手段の駆動速度を制御する(例えば図31に示す実施の形態ように、演出用可動部材32を動作させるために加える力が徐々に小さくなるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御可能であり、演出用可動部材32の制御開始時の位置に応じて演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるように演出用可動部材32を制御すると共に、制御終了時には所定の大きさの力が加わるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御すること等)、としてもよい。
このような構成によれば、可動部材の最終的な動作を共通の態様とすることができる。
前記制御手段は、前記可動部材の制御開始時の位置に応じた力が前記可動部材を動作させるために常に加わるように前記駆動手段の駆動速度を制御する(例えば図38に示す変形例のように、演出用可動部材32の退避制御の開始時の位置に応じた力が演出用可動部材32を動作させるために常に加わるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御すること等)、としてもよい。
このような構成によれば、簡易な制御により可動部材を正常に動作させることができる。
前記制御手段は、制御開始時から制御終了時までの前記可動部材の各位置に応じて前記可動部材を動作させるために加える力が異なるように前記駆動手段の駆動速度を制御する(例えば図39に示す変形例のように、いずれの態様の予告演出が実行されたかにかかわらず、退避制御の開始時から終了時までの演出用可動部材32の各位置に応じて、演出用可動部材32を動作させるために加える力が異なるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御すること等)、としてもよい。
このような構成によれば、可動部材を正常に動作させることができる。
前記制御手段は、前記可動部材の位置を特定できない場合、前記可動部材を動作させるために加える力が最大の力となるように前記駆動手段の駆動速度を制御する(例えば図33に示す予告演出動作制御処理におけるステップS285の処理のように、ステッピングモータ33の回転軸が1ステップ分回転するのにかかる単位駆動時間を可能な限り長くすることにより、演出用可動部材32を動作させるために加える力が最大の力となるようにステッピングモータ33の駆動速度を制御すること等)、としてもよい。
このような構成によれば、可動部材の位置を特定することができなくても可動部材を正常に動作させることができる。